(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】電池セルおよびフィードスルー組立体
(51)【国際特許分類】
H01M 50/176 20210101AFI20230823BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20230823BHJP
H01M 50/553 20210101ALI20230823BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20230823BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20230823BHJP
H01M 50/593 20210101ALI20230823BHJP
H01M 50/567 20210101ALI20230823BHJP
【FI】
H01M50/176
H01M50/184 A
H01M50/553
H01M50/103
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/567
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023508053
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-02-06
(86)【国際出願番号】 CN2020119704
(87)【国際公開番号】W WO2022067787
(87)【国際公開日】2022-04-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】員 嘉曄
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA01
5H011AA09
5H011EE04
5H011FF02
5H043AA01
5H043BA19
5H043CA04
5H043CA13
5H043DA09
5H043GA23
5H043GA26
5H043HA08D
5H043JA03
(57)【要約】
電池技術の分野に関する。開示される電池セルは、ケース組立体と、電極組立体と、導電性シートと、フィードスルー組立体とを含む。フィードスルー組立体は、第1ガスケットとリベットとを含む。第1ガスケットは、第1シム部と、第2シム部と、接続部とを含み、ケース組立体に収容される。第2シム部はケース組立体の外面に設けられており、接続部は第1シム部と第2シム部とを接続し、ケースに接続部が挿通するための貫通孔が設けられている。リベットは第1シム部、接続部および第2シム部を挿通し、押し付けることにより、貫通孔で密閉される。リベットによるリベット締め変形後、第1、第2シム部に対する挟持力とケース組立体の反作用力によって、第1ガスケットおよびリベット自体をケース組立体に取り付けることで、ケース組立体におけるフィードスルー組立体に対応する箇所の熱効果による局所応力が顕著に変化するという弊害を効果的に回避できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース組立体と、電極組立体と、前記電極組立体に電気的に接続される導電性シートと、フィードスルー組立体とを含み、前記電極組立体と前記導電性シートとは前記ケース組立体に収容され、
前記フィードスルー組立体は、
第1シム部と、第2シム部と、接続部とを含み、前記第1シム部が前記ケース組立体に収容され、前記第2シム部が前記ケース組立体の外面に設けられ、前記接続部が前記第1シム部と前記第2シム部とを接続し、前記ケース組立体に前記接続部が挿通するための貫通孔が設けられている第1ガスケットと、
軸部と、端部と、ストッパ部とを含み、前記軸部は前記第1シム部、前記接続部および第2シム部を順次挿通し、前記端部は、前記軸部の前記ケース組立体に収容される一端に設けられ、前記ストッパ部は、前記軸部の前記ケース組立体から突き出す他端に設けられ、前記端部と前記ストッパ部とは、前記貫通孔を密封するように、前記第1シム部と前記第2シム部とを押し付けるリベットと、
を含み、
前記導電性シートは、前記リベットに電気的に接続される、
ことを特徴とする、電池セル。
【請求項2】
前記第1シム部と、前記第2シム部と、前記接続部とは一体成形され、前記第1シム部と前記第2シム部とは板状構造である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記ストッパ部は、前記リベットのリベット締めプロセスで圧縮変形により形成されたものであり、前記端部は、板状構造である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電池セル。
【請求項4】
絶縁部材をさらに含み、前記絶縁部材は、前記第2シム部と前記ストッパ部との間に設けられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電池セル。
【請求項5】
前記絶縁部材は環状のガスケットであり、前記環状のガスケットは前記軸部に嵌められる、
ことを特徴とする、請求項4に記載の電池セル。
【請求項6】
第2ガスケットをさらに含み、前記第2ガスケットは前記端部と前記第1シム部との間に嵌め込まれている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電池セル。
【請求項7】
前記第2ガスケットに、前記端部を収容するための収容溝が設けられており、
前記端部が前記第2ガスケットに対して回転することを阻止するように、前記端部の側壁と前記収容溝の溝壁との間の少なくとも一部が密着している、
ことを特徴とする、請求項6に記載の電池セル。
【請求項8】
前記端部の側壁は対向配置された2つの第1側壁ユニットを含み、前記収容溝の溝壁は、対向配置された2つの第2側壁ユニットを含み、1つの前記第1側壁ユニットは1つの前記第2側壁ユニットに対応して密着している、
ことを特徴とする、請求項7に記載の電池セル。
【請求項9】
前記第2ガスケットが前記ケース組立体に対して前記リベット回りに回転することを阻止するように、前記第2ガスケットの側壁の少なくとも一部は前記ケース組立体の内面に密着している、
ことを特徴とする、請求項6に記載の電池セル。
【請求項10】
前記第2ガスケットは前記ケース組立体に固定される、
ことを特徴とする、請求項6に記載の電池セル。
【請求項11】
絶縁スペーサーをさらに含み、前記絶縁スペーサーは前記端部と前記電極組立体との間に設けられ、
前記絶縁スペーサーに貫通溝が設けられており、前記導電性シートは、前記貫通溝を通って、前記リベットに電気的に接続される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電池セル。
【請求項12】
第1シム部と接続部とを含み、前記第1シム部は前記接続部の第1端から外部に伸びて形成される第1ガスケットと、
軸部と端部とを含み、前記軸部は前記第1シム部および前記接続部を順次挿通するためのものであり、前記端部は前記軸部の第1端に設けられ、前記軸部の第2端はリベット締めプロセスで圧縮によりストッパ部を形成することで、前記端部と前記ストッパ部とが前記第1シム部と前記接続部の前記第1シム部から離れる一端とを押し付けて、前記接続部の前記第1シム部から離れる一端が前記第1シム部に対向配置された第2シム部にフランジングされるためものであるリベットと、を含む、
ことを特徴とする、フィードスルー組立体。
【請求項13】
絶縁部材をさらに含み、前記絶縁部材は前記軸部に嵌められる、
ことを特徴とする、請求項12に記載のフィードスルー組立体。
【請求項14】
前記端部は前記軸部の前記第1シム部に近い一端に固定される、
ことを特徴とする、請求項12に記載のフィードスルー組立体。
【請求項15】
第2ガスケットをさらに含み、前記第2ガスケットは前記端部と前記第1シム部との間に嵌め込まれている、
ことを特徴とする、請求項14に記載のフィードスルー組立体。
【請求項16】
前記第2ガスケットに前記端部を収容するための収容溝が設けられており、
前記端部が前記第2ガスケットに対して回転することを阻止するように、前記端部の側壁と前記収容溝の溝壁との間の少なくとも一部が密着している、
ことを特徴とする、請求項15に記載のフィードスルー組立体。
【請求項17】
前記端部の側壁は対向配置された2つの第1側壁ユニットを含み、前記収容溝の溝壁は、対向配置された2つの第2側壁ユニットを含み、1つの前記第1側壁ユニットは1つの前記第2側壁ユニットに対応して密着している、
ことを特徴とする、請求項16に記載のフィードスルー組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池技術の分野に関し、特に、電池セルおよびフィードスルー組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
電池セルは、外部からのエネルギーを電気エネルギーに変換し、その内部に貯蔵することで、必要な時に、外部機器(例えば、携帯型電子機器)に電力を供給する装置である。一般に、電池セルは、ケース組立体と、ケース組立体内に設けられた電極組立体とを含み、当該電極組立体は、通常、交互に繰り返して設けられた正極シートおよび負極シートと、両者の間に設けられ両者を離隔するセパレータとを含む。通常、ケース組立体は、導体であり、前記正極シートおよび負極シートの一方は、導電性素子を介してケース組立体に電気的に接続され、他方は、導電性シートを介して、ケース組立体を挿通したフィードスルー組立体に間接的に電気的に接続されるとともに、電池セルの短絡を避けるように、ケース組立体から絶縁されることを維持する必要がある。
【0003】
従来の技術では、前記フィードスルー組立体がケース組立体に溶接固定されているが、溶接プロセスの熱効果により、ケース組立体におけるフィードスルー組立体に対応する箇所の局所応力が大きく変化し、さらに、当該電池セルのシール性能が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来の電池セルでは、フィードスルー組立体をケース組立体に溶接することで、ケース組立体におけるフィードスルー組立体に対応する箇所の局所応力が熱効果により大きく変化する技術的課題を解決するように、電池セルおよびフィードスルー組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、上記した技術的課題を解決するために、以下の形態を採用する。
【0006】
電池セルは、ケース組立体と、電極組立体と、電極組立体に電気的に接続される導電性シートと、フィードスルー組立体とを含む。ここで、電極組立体と導電性シートとは、ケース組立体に収容される。フィードスルー組立体は、第1ガスケットと、第2ガスケットと、リベットとを含む。
【0007】
第1ガスケットは、第1シム部と、第2シム部と、接続部とを含み、第1ガスケットはケース組立体に収容され、第2シム部はケース組立体の外面に設けられ、接続部は第1シム部と第2シム部とを接続し、ケース組立体に接続部が挿通するための貫通孔が設けられている。
【0008】
リベットは、軸部と、端部と、ストッパ部とを含み、軸部は、第1シム部、接続部および第2シム部を順次挿通し、端部は、軸部のケース組立体に収容される一端に設けられ、ストッパ部は、軸部のケース組立体から突き出す他端に設けられ、端部とストッパ部とは、貫通孔を密封するように、第1シム部と第2シム部とを押し付ける。前記導電性シートは、当該リベットに電気的に接続される。
【0009】
前記技術案をさらに改良する形態として、第1シム部と、第2シム部と、接続部とは一体成形され、第1シム部と第2シム部とは板状構造である。
【0010】
前記技術案をさらに改良する形態として、第2シム部は、ストッパ部によって押出されて、接続部に平行に伸びて、第1シム部に対向配置するようにフランジングされる。
【0011】
前記技術案をさらに改良する形態として、ストッパ部は、リベットのリベット締めプロセスで圧縮変形により形成されたものであり、その端部は板状構造である。
【0012】
前記技術案をさらに改良する形態として、当該電池セルは、さらに、絶縁部材を含み、絶縁部材は第2シム部とストッパ部との間に設けられる。
【0013】
前記技術案をさらに改良する形態として、絶縁部材は環状のガスケットであり、環状のガスケットは軸部に嵌められる。
【0014】
前記技術案をさらに改良する形態として、当該電池セルは、さらに、第2ガスケットを含み、第2ガスケットは端部と第1シム部との間に埋め込まれる。
【0015】
前記技術案をさらに改良する形態として、第2ガスケットに、リベットの端部を収容するための収容溝が設けられている。リベットの端部が第2ガスケットに対して回転することを阻止するように、リベットの端部の側壁と収容溝の溝壁との間の少なくとも一部が密着している。
【0016】
前記技術案をさらに改良する形態として、リベットの端部の側壁は、対向配置された2つの第1側壁ユニットを含み、収容溝の溝壁は、対向配置された2つの第2側壁ユニットを含み、1つの第1側壁ユニットは1つの第2側壁ユニットに対応して密着している。
【0017】
前記技術案をさらに改良する形態として、第2ガスケットがケース組立体に対してリベット回りに回転することを阻止するように、第2ガスケットの側壁の少なくとも一部はケース組立体の内面に密着している。
【0018】
前記技術案をさらに改良する形態として、第2ガスケットは、ケース組立体に固定される。
【0019】
前記技術案をさらに改良する形態として、当該電池セルは、さらに、絶縁スペーサーを含み、絶縁スペーサーは端部と電極組立体との間に設けられる。絶縁スペーサーに貫通溝が設けられており、導電性シートは、貫通溝を挿通して、リベットに電気的に接続される。
【0020】
本願は、上記した技術的課題を解決するために、以下の技術案をさらに採用する。
【0021】
フィードスルー組立体は、第1ガスケットとリベットとを含む。ここで、第1ガスケットは、第1シム部と接続部とを含み、第1シム部は接続部の一端から外部に伸びて形成される。リベットは、軸部と端部とを含み、軸部は第1シム部と接続部とを順次挿通し、端部は軸部の第1端に設けられ、軸部の第2端はリベット締めプロセスで圧縮によりストッパ部を形成することで、端部とストッパ部とはそれぞれ第1シム部と接続部の第1シム部から離れる一端とを押し付けて、さらに、接続部の第1シム部から離れる一端が第1シム部に対向配置された第2シム部にフランジングされるためのものである。
【0022】
前記技術案をさらに改良する形態として、当該フィードスルー組立体は、さらに、絶縁部材を含み、絶縁部材は軸部に嵌められる。
【0023】
前記技術案をさらに改良する形態として、リベットの端部は軸部の第1シム部に近い一端に固定される。
【0024】
前記技術案をさらに改良する形態として、当該フィードスルー組立体は、さらに、第2ガスケットを含み、第2ガスケットは端部と第1シム部との間に埋め込まれる。
【0025】
前記技術案をさらに改良する形態として、第2ガスケットに端部を収容するための収容溝が設けられている。リベットの端部が第2ガスケットに対して回転することを阻止するように、リベットの端部の側壁と収容溝の溝壁との間の少なくとも一部が密着している。
【0026】
前記技術案をさらに改良する形態として、リベットの端部の側壁は、対向配置された2つの第1側壁ユニットを含み、収容溝の溝壁は、対向配置された2つの第2側壁ユニットを含み、1つの第1側壁ユニットは1つの第2側壁ユニットに対応して密着している。
【発明の効果】
【0027】
本願の有益な効果は以下の通りである。
【0028】
本願実施例に係る電池セルは、ケース組立体と、電極組立体と、導電性シートと、フィードスルー組立体とを含む。ここで、フィードスルー組立体は、第1ガスケットとリベットとを含む。第1ガスケットは、第1シム部と、第2シム部と、接続部とを含む。第1ガスケットはケース組立体に収容され、第2シム部はケース組立体の外面に設けられ、接続部は当該第1シム部と第2シム部とを接続する。これに対応して、ケース組立体に接続部が挿通するための貫通孔が設けられている。リベットは第1シム部、接続部および第2シム部を順次挿通し、その端部とストッパ部とは第1シム部と第2シム部とを押し付けることにより、前記貫通孔で密閉される。電極組立体における正極シートまたは負極シートが導電性シートを介してリベットに電気的に接続されることにより、リベットは電池セルの外部端子として形成される。
【0029】
本願実施例に係る電池セルは、溶接などの熱加工プロセスによりフィードスルー組立体をケース組立体に固定することではなく、リベットによるリベット締め変形後、第1シム部および第2シム部に対する挟持力、およびケース組立体による相互作用力によって、第1ガスケットおよびリベット自体をケース組立体に取り付けることで、ケース組立体における前記フィードスルー組立体に対応する箇所の熱効果による局所応力が顕著に変化するという弊害を効果的に回避でき、即ち、当該電池セルは電池セルのシール性を一定程度向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本願実施例に係る技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本願の実施例の一部に過ぎず、当業者にとって、進歩性を有する努力をせずに、これらの図面に示す構成に基づいて他の図面を得ることができる。
【0031】
【
図1】
図1は本願の一実施例に係る電池セルの分解模式図である。
【0032】
【
図2】
図2は
図1における電池セルの回転後の断面模式図の部分図である。
【0033】
【
図3】
図3は
図1における第1ガスケットの立体模式図である。
【0034】
【
図4】
図4は
図1における第1ガスケットの一方向の断面模式図である。
【0035】
【0036】
【
図6】
図6は
図1における第2ガスケットの立体模式図である。
【0037】
【
図7】
図7は本願の一実施例に係るフィードスルー組立体の分解模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本願の理解を容易にするために、以下、図面および具体的な実施例を組み合わせて、本願を詳しく説明する。なお、素子が他の素子に「固定」/「剛接合」されていると記載される場合、この素子が他の素子に直接位置してもよく、または、それらの間に1つまたは複数の中間素子があってもよい。一つの素子が他の素子に「接続」されると記載される場合、この素子が他の素子に直接接続されてもよく、または、それらの間に1つまたは複数の中間素子があってもよい。本明細書に用いられる用語「垂直」、「水平」、「左」、「右」、「内」、「外」および類似の表現は、説明のみを目的としている。
【0039】
特に定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本願の明細書に用いられる用語は、具体的な実施例を説明することのみを目的としており、本願を限定するためのものではない。本明細書に用いられる用語「および/または」は、1つまたは複数の関連する項目の任意の組み合わせおよびすべての組み合わせを含む。
【0040】
また、以下に説明する本願の異なる実施例に係る技術的特徴は、互いに矛盾しない限り、互いに結合することができる。
【0041】
本明細書において、前記「取り付ける」は、溶接、螺着、係合、粘着などの方法によって、ある素子または装置を特定の位置や場所に固定または制限することを含み、前記素子または装置は、特定の位置や場所に動かないままにしてもよく、限定された範囲内に動いてもよい。前記素子または装置は、特定の位置や場所に固定または制限された後に、取り外し可能であってもよく、取り外し不可であってもよい。本願実施例では、限定されない。
【0042】
図1と
図2を参照すると、
図1に、本願の一実施例に係る電池セル1の分解模式図を示し、
図2に、当該電池セル1の回転断面模式図の部分図を示す。当該電池セル1は、ケース組立体100と、電極組立体200と、導電性シート300と、フィードスルー組立体400とを含む。ここで、ケース組立体100の内部に、収容チャンバ101が設置されている。電極組立体200と導電性シート300とは、共にケース組立体100の収容チャンバ101に収容される。フィードスルー組立体400は、第1ガスケット410と、リベット420とを含む。
図4も参照すると、第1ガスケット410は、第1シム部411と、第2シム部412と、接続部413とを含む。第1シム部411は、ケース組立体100の収容チャンバ101に収容される。第2シム部412は、ケース組立体100の外面に設けられる。接続部413は、この第1シム部411と第2シム部412とを接続する。これに対応して、ケース組立体100に、この接続部413が挿通するための貫通孔102が設けられている。さらに
図5を組み合わせて参照すると、リベット420は、軸部421と、端部422と、ストッパ部423とを含む。軸部421は、第1シム部411、接続部413および第2シム部412を順次挿通する。端部422は、軸部421のケース組立体100に収容される一端に設けられる。ストッパ部423は、軸部421のケース組立体100から突き出す他端に設けられる。端部422とストッパ部423とは、前記貫通孔102を密封するように、共同で前記第1シム部411と第2シム部412とを押し付ける。前記導電性シート300は、電極組立体200と、リベット420にそれぞれ電気的に接続される。
【0043】
前記ケース組立体100について、具体的に、
図1を参照する。当該ケース組立体100は、全体として扁平な直方体状を呈しており、ケース110と蓋120とを含む。ここで、ケース110は、全体として一端が開放された箱状構造を呈している。蓋120は、ケース110の開放された一端を覆って固定されている。当該ケース110は、蓋120と共に、収容チャンバ101を囲んでなる。
【0044】
前記電極組立体200については、引き続き
図1を参照する。当該電極組立体200は、ケース組立体100の収容チャンバ101に収容される。当該電極組立体200は、交互に設けられた正極シートおよび負極シートと、両者の間に設けられ両者を離隔するセパレータとを含む。当該電極組立体200は、前記収容チャンバ101に収容されやすいように、略直方体状に折り畳まれる。当該電極組立体200は、電池セル1に対して充放電を行うコア部材である。正極シートおよび負極シートの一方が、図示しない導電性素子を介してケース組立体100に電気的に接続され、他方が導電性シート300を介してフィードスルー組立体400に電気的に接続されることで、フィードスルー組立体400は当該電池セル1の外部端子として形成される。ケース組立体100内に、さらに電解液が充填されている。当該電極組立体200は、電解液に浸入する。電解液は、リチウムイオンが伝送される環境を提供して、リチウムイオンを正極シートまたは負極シートに適時に埋め込むことで、電池セル1の充放電プロセスを実現するためのものである。
【0045】
前記フィードスルー組立体400について、引き続き
図1を参照して、第1ガスケット410とリベット420とを含む。理解を容易にするために、次に、当該第1ガスケット410およびリベット420を順に詳しく説明する。
【0046】
前記第1ガスケット410について、
図3および
図4を参照して、
図3に第1ガスケット410の立体模式図を示し、
図4に一方向の断面模式図を示す。同時に他の図面と組み合わせると、当該第1ガスケット410は、絶縁部材であり、良好な弾性を有する。当該第1ガスケット410は、全体として「エ」字形を呈しており、順次接続された第1シム部411と、接続部413と、第2シム部412とを含む。ここで、第1シム部411は、扁平な板状構造を呈しており、接続部413の一端から外部に伸びて形成される。当該第1シム部411は、ケース組立体100に収容され、ケース組立体100の内面に密着して設置される。第2シム部412も、扁平な板状構造を呈しており、接続部413の他端から外部に伸びて形成される。当該第2シム部412は、ケース組立体100の外面に設置され、前記第1シム部411に対向配置される。接続部413の両端は、1対1対応するように、それぞれ当該第1シム部411と第2シム部412に接続される。これに対応して、ケース組立体100に、この接続部413が挿通するための貫通孔102が設けられている。本実施例において、前記第1シム部411、接続部413および第2シム部412が一体成形されることで、第1ガスケット410が一度に着脱を完了し、第1ガスケット410の着脱効率を向上させることができる。なお、本願の他の実施例において、前記第1シム部411、接続部413および第2シム部412は、それぞれ独立して成形されてもよいことが理解される。
【0047】
前記リベット420について、具体的に、
図5を参照し、
図5にリベット420の立体模式図を示す。当該リベット420は、全体として「エ」字形を呈しており、軸部421と、軸部421の両端にそれぞれ設けられた端部422およびストッパ部423とを含む。ここで、軸部421は、全体として柱状構造を呈しており、前記第1シム部411、接続部413および第2シム部412を順次挿通する。これに対応して、当該第1シム部411、接続部413および第2シム部412は、それぞれ軸部421が挿通するための孔構造が設置されている。本実施例において、各孔構造は、径方向のサイズが同じであり、柱形の貫通孔構造を構成するが、本願の他の実施例において、前記各孔構造のサイズがやや異なってもよい。端部422は、軸部421のケース組立体100の収容チャンバ101に収容される一端に設けられ、第1シム部411の第2シム部412から離反する側に位置する。端部422は、軸部421のケース組立体100に収容される一端から外部に伸びて形成され、全体として扁平な板状構造を呈しており、端部422の断面輪郭が軸部421の断面輪郭より大きい。前記導電性シート300は、当該端部422に電気的に接続される。ストッパ部423は、軸部421のケース組立体100から突き出す他端に設けられ、第2シム部412の第1シム部411から離反する側に位置する。即ち、当該第1ガスケット410は、端部422とストッパ部423との間に位置する。ストッパ部423は、軸部421のケース組立体100から突き出す他端から外部に伸びて形成され、その断面輪郭が軸部421の断面輪郭より少し大きい。前記端部422とストッパ部423とは、前記貫通孔102を密封するように、共同で第1シム部411と第2シム部412とを押し付ける。なお、本実施例において、ストッパ部423は、リベット420のリベット締めプロセスで圧縮変形されて形成されるが、リベット締めプロセスの実行前に、ストッパ部423の形状が軸部421の形状と一致し、両者は共に柱状構造である。
【0048】
選択的に、本実施例における第2シム部412は、リベット420のリベット締めプロセスの実行前に、接続部413に平行に延びる中空柱状構造である。当該第2シム部412は、リベット420のリベット締めプロセスにおいて、ストッパ部423により圧縮変形され、第1シム部411と対向配置される状態までフランジングされ、ケース組立体100の外面に密着する。
【0049】
さらに、リベット420のリベット締めプロセスにおいて、ストッパ部423が第2シム部412を突き破って、ストッパ部423がケース組立体100と接触して、さらに当該電池セル1が短絡することを避けるために、当該フィードスルー組立体400は、絶縁部材430をさらに含む。具体的に、
図1と
図2を組み合わせて、絶縁部材430は、第2シム部412とストッパ部423との間に設置される。絶縁部材430の設置は、ストッパ部423と第2シム部412との間に、直接的な圧着力なしに、隙間を持たせることができ、または、ストッパ部423と第2シム部412との間には接触があり、即ち、両者の間には直接的な圧着力があるが、ストッパ部423の一部の圧力が絶縁部材430によって負担されるため、当該直接的な圧着力はある程度減少する。これにより、第2シム部412がストッパ部423によって突き破られる可能性を回避または低減し、電池セル1の安全性を向上させることができる。選択的に、絶縁部材430が環状のガスケットであり、当該環状のガスケットは軸部421に嵌められ、第2シム部412とストッパ部423との間に埋め込まれる。
【0050】
いくつかの実施例において、当該フィードスルー組立体400は、さらに、第2ガスケット440を含む。当該第2ガスケット440は、絶縁部材であり、リベット420の端部422と第1シム部411との間に埋め込まれる。具体的に、
図6を参照して、
図6に第2ガスケット440の立体模式図を示す。同時に他の図面と組み合わせて、第2ガスケット440は、板状構造を呈しており、その中央部に軸部421が挿通するための貫通孔441が設けられており、当該貫通孔441により軸部421上に嵌められる。第2ガスケット440の第1シム部411から離反する側に収容溝442が設置されており、当該収容溝442は、リベットの端部422を収容するためのものである。収容溝442の設置は、端部422が第2ガスケット440から露出して多すぎるスペースを占有することを回避できる一方、リベットがケース組立体100に対して不意に回転する際に、リベット420の側面がケース組立体100に接触することを回避し、さらに、端部422とケース組立体100との電気的接触の危険性を防止することができる。
【0051】
さらに、リベット420の端部422がケース組立体100内に回転することによって、端部422がケース組立体100内の電極組立体200、導電性素子および導電性シートなどの他の部材に干渉することを避けるために、前記第2ガスケット440がケース組立体100の貫通孔の周方向に対して固定されるとともに、第2ガスケット440に対する端部422の回転を阻止するように前記端部422の側壁が前記収容溝442の側壁の少なくとも一部に密着している。具体的には、同時に
図5と
図6を組み合わせて、端部422の側壁は、対向配置された2つの第1側壁ユニット4221を含む。収容溝442は、第2ガスケット440の長手方向に延びて、その両端がそれぞれ第2ガスケット440を貫通する。収容溝442の溝壁は、対向配置された2つの第2側壁ユニット4421を含み、1つの前記第1側壁ユニット4221が1つの第2側壁ユニット4421に対応して密着している。第2ガスケット440は、リベット420の周方向に対して固定されており、第2ガスケット440がケース組立体100に対して回転できないことを組み合わせると、リベット420もケース組立体100に対して回転できないことが分かる。なお、本願の他の実施例において、リベットの端部422の形状と収容溝442の形状は他の形状であってもよく、端部422が収容溝442に収容された後、端部422の側壁が収容溝442の溝壁の少なくとも一部に密着しており、且つ端部422が第2ガスケット440に対して回転しないことを保証すればよい。例えば、いくつかの実施例において、収容溝442の溝壁の断面輪郭が閉じた多角形であり、端部422の形状は収容溝442に適合し、端部422の側壁は収容溝の溝壁に完全に密着している。
【0052】
なお、第2ガスケット440をケース組立体100の貫通孔102の周方向に対して固定する方法が多様である。例えば、いくつかの実施例において、第2ガスケット440がケース組立体100に対してリベット420回りに回転することを阻止するように、第2ガスケット440の側壁の少なくとも一部がケース組立体100の内面に密着している。具体的に、第2ガスケット440の側壁は、対向配置された2つの第3側壁ユニット443を含み、一方の第3側壁ユニット443が前記蓋120の内面に接触され、他方の第3側壁ユニット443がケース110の内面に接触されると、第2ガスケット440が前記貫通孔102の周方向に対して固定され、回転できない。同時に、第2ガスケット440がケース組立体100に対してリベット420の軸方向に沿って固定されることを組み合わせると、このようにして第2ガスケット440がケース組立体100に対して固定される。また、例えば、別の実施例において、第2ガスケット440は、ケース組立体100に直接固定される。
【0053】
さらに、電極組立体200におけるケース組立体100に電気的に接続される1つの極片がリベット420と物理的接触をすることによる電池セル1の短絡を避けるために、当該電池セル1は、さらに絶縁スペーサー500を含む。具体的に、
図1と
図2を参照して、絶縁スペーサー500は、ケース組立体100内に固定され、リベット420の端部422と電極組立体200との間に設置されることで、リベット420と電極組立体200とを離隔する。絶縁スペーサー500に貫通溝501が設けられており、当該貫通溝501は、電極組立体200がリベット420に向く方向に沿って絶縁スペーサー500を貫通する。前記導電性シート300は、一端が電極組立体200における1つの極片に電気的に接続され、他端が当該貫通溝501を挿通して、リベット420に電気的に接続される。
【0054】
本願実施例に係る電池セル1は、ケース組立体100と、電極組立体200と、導電性シート300と、フィードスルー組立体400とを含む。ここで、フィードスルー組立体400は、第1ガスケット410とリベット420とを含む。第1ガスケット410は、ケース組立体100に収容された第1シム部411と、ケース組立体100の外面に設けられた第2シム部412と、第1シム部411と第2シム部412とを接続する接続部413とを含み、ケース組立体100に、接続部413が挿通するための貫通孔102が設けられている。リベット420は、第1シム部411、接続部413および第2シム部412を順次挿通し、その端部422とストッパ部423により第1シム部411と第2シム部412とを押し付けることにより、前記貫通孔102で密閉される。電極組立体200における正極シートまたは負極シートのうちの一方が導電性シート300を介してリベット420に電気的に接続され、さらにリベット420は電池セル1の外部端子として形成される。
【0055】
現在市販されている電池セルと比べて、本願実施例に係る電池セル1は、溶接などの熱加工プロセスによりフィードスルー組立体400をケース組立体100に固定することではなく、リベット420によるリベット締め変形後、第1シム部411および第2シム部412に対する挟持力、およびケース組立体100による相互作用力によって、第1ガスケット410およびリベット420自体をケース組立体100に取り付け、ケース組立体100における前記フィードスルー組立体400に対応する箇所の熱効果による局所応力が顕著に変化するという弊害を効果的に回避できる。即ち、当該電池セル1は電池セルのシール性を一定程度向上させることができる。
【0056】
同一の発想に基づいて、本願は、さらに、フィードスルー組立体400’を提供する。具体的に、
図7を参照して、
図7に当該フィードスルー組立体400’の分解模式図を示す。当該フィードスルー組立体400’は、その構造が基本的に前記実施例におけるフィードスルー組立体400と同じである。説明の便宜上、以下、前記実施例におけるフィードスルー組立体400を第1フィードスルー組立体400と称し、本実施例におけるフィードスルー組立体400’を第2フィードスルー組立体400’と称する。
【0057】
具体的に、第2フィードスルー組立体400’は、第1ガスケット410’と、リベット420’と、絶縁部材430’と、第2ガスケット440’とを含む。ここで、絶縁部材430’および第2ガスケット440’の形状構造、位置関係は、それぞれ第1フィードスルー組立体400における絶縁部材430および第2ガスケット440と同様であり、具体的に、前記実施例を参照することができるため、本実施例では、当該絶縁部材430’および第2ガスケット440’に対する説明を省略する。第2フィードスルー組立体400’と第1フィードスルー組立体400との主な違いは、第1ガスケット410’とリベット420’であり、具体的に以下の通りである。
【0058】
第1フィードスルー組立体400における第1ガスケット410は、第1シム部411と、第2シム部412と、接続部413とを含む。リベット420は、軸部421と、端部422と、ストッパ部423とを含む。
【0059】
第2フィードスルー組立体400’における第1ガスケット410’は、第1シム部411’と、接続部412’とを含み、当該第1シム部411’は、接続部412’の一端から外部に伸びて形成される。第2フィードスルー組立体400’におけるリベット420’は、軸部421’と、端部422’とを含み、当該軸部421’は、第1シム部411’および接続部412’を順次挿通する。端部422’は、軸部421’の第1端に設けられており、軸部421’の第1端から外部に伸びて形成される。軸部421’の第2端は、リベット締めプロセスにおいて圧縮によりストッパ部(第1フィードスルー組立体におけるストッパ部423を参照してもよい)を形成することにより、端部422’と当該ストッパ部とは、それぞれ第1シム部411’と接続部412’の第1シム部411’から離れる一端とを押し付け、さらに、接続部412’の第1シム部411’から離れる一端は、第1シム部411’に対向配置される第2シム部(第1フィードスルー組立体における第2シム部412を参照してもよい)にフランジングされるためのものである。本実施例において、端部422’は、軸部421’の第1シム部411’に近い一端に固定されている。無論、本願の他の実施例において、端部422’は、軸部421’の第1シム部411’から離れる一端に固定されてもよい。
【0060】
当該第2フィードスルー組立体400’は、電池セルに適用され、その固定方法が基本的に第1フィードスルー組立体400の固定方法と同じである。当該第2フィードスルー組立体400’は、リベット420’のリベット締めプロセスによりケース組立体に固定されるため、溶接などの熱加工プロセスによりケース組立体に固定される必要がない。そのため、当該第2フィードスルー組立体400’により、ケース組立体におけるフィードスルー組立体に対応する箇所の熱効果による局所応力が顕著に変化するという弊害を効果的に回避できる。
【0061】
なお、上記の実施例は、単に本願の技術案を説明するためのものであり、本願を限定するためのものではない。本願の概念によれば、上記した実施例または異なる実施例における技術的特徴は、組み合わせてもよく、そのステップは任意の順序で実現でき、上記したような本願の異なる態様における多くの他の変化が存在し、簡潔明瞭のために、それらの詳細を提供しない。前記実施例を参照しながら、本願を詳しく説明したが、当業者は、上記した各実施形態に記載の技術案を変更したり、技術的特徴の一部を同等に置き換えたりすることができ、これらの変更または置換は、対応する技術案の本質を本願の各実施例に係る技術案の範囲から逸脱させるものではないことが理解される。
【国際調査報告】