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特表2023-537042シュードモナス属Pslを特異的に認識する抗体およびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】シュードモナス属Pslを特異的に認識する抗体およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20230823BHJP
   C07K 16/12 20060101ALI20230823BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230823BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230823BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230823BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230823BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230823BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20230823BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230823BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 31/702 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 31/407 20060101ALI20230823BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/12 ZNA
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
C07K16/46
A61K39/395 R
A61P31/04
A61K45/00
A61K31/496
A61K31/702
A61K31/407
A61K31/427
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023508100
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(85)【翻訳文提出日】2023-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2021110429
(87)【国際公開番号】W WO2022028444
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/107666
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510306993
【氏名又は名称】北京三▲諾▼佳邑生物技▲術▼有限▲責▼任公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 忠
(72)【発明者】
【氏名】于 茂栄
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA02
4B064CA05
4B064CA06
4B064CA08
4B064CA10
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA01X
4B065AA01Y
4B065AA57X
4B065AA57Y
4B065AA72X
4B065AA72Y
4B065AA83X
4B065AA83Y
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
4C084AA17
4C084NA05
4C084ZB351
4C084ZB352
4C084ZC751
4C085AA14
4C085AA16
4C085BA19
4C085BB11
4C085BB36
4C085BB41
4C085BB43
4C085EE01
4C085GG02
4C085GG03
4C085GG04
4C085GG06
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC50
4C086BC82
4C086CC08
4C086GA07
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086ZB35
4C086ZC75
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、抗原結合性フラグメントを含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体を提供する。本発明は、前記抗体の調製方法および使用をさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
およびVを含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントであって、
前記Vは、SEQ ID NOs:2-3、および5-12のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR1と、SEQ ID NOs:14-15、および17-23のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR2と、SEQ ID NOs:25-26、および28-34のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR3とを含み、
前記Vは、SEQ ID NOs:38-39、および41-49のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR1と、SEQ ID NOs:52-53、および55-61のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR2と、SEQ ID NOs:63-64、66-68、および70-75のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR3とを含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項2】
(i)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:63を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、
(ii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:53を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:64を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、
(iii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:17を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、
(iv)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:18を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:55を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、
(v)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:56を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、
(vi)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:19を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:57を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、
(vii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:58を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、
(viii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:20を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、
(ix)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:21を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:59を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、
(x)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:22を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:60を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、または、
(xi)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:23を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:61を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む、請求項1に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項3】
およびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項4】
およびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、SEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項5】
(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:80を含むVおよびアミノ酸配列SEQ ID NO:92を含むV
(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVおよびアミノ酸配列SEQ ID NO:93を含むV
(iii)アミノ酸配列SEQ ID NO:83を含むVおよびアミノ酸配列SEQ ID NO:95を含むV
(iv)アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVおよびアミノ酸配列SEQ ID NO:96を含むV
(v)アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVおよびアミノ酸配列SEQ ID NO:97を含むV
(vi)アミノ酸配列SEQ ID NO:86を含むVおよびアミノ酸配列SEQ ID NO:99を含むV
(vii)アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVおよびアミノ酸配列SEQ ID NO:100を含むV
(viii)アミノ酸配列SEQ ID NO:87を含むVおよびアミノ酸配列SEQ ID NO:101を含むV
(ix)アミノ酸配列SEQ ID NO:88を含むVおよびアミノ酸配列SEQ ID NO:102を含むV
(x)アミノ酸配列SEQ ID NO:89を含むVおよびアミノ酸配列SEQ ID NO:103を含むV
(xi)アミノ酸配列SEQ ID NO:90を含むVおよびアミノ酸配列SEQ ID NO:104を含むV、または、
(xii)アミノ酸配列SEQ ID NO:159を含むVおよびアミノ酸配列SEQ ID NO:95を含むV
を含む、請求項4に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項6】
重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含み、
前記Vは、IHSVH(SEQ ID NO:4)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つの重鎖相補性決定領域(HC-CDR)1と、TIISSGTTTTYAQSFQD(SEQ ID NO:16)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR2と、X(SEQ ID NO:189)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはD、YまたはNであり、XはGまたはAであり、XはDまたはTであり、XはS、AまたはTである1つのHC-CDR3とを含み、
前記Vは、RASQGISSWLA(SEQ ID NO:40)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つの軽鎖相補性決定領域(LC-CDR)1と、HASTLES(SEQ ID NO:54)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR2と、LQAXSLPHT(SEQ ID NO:158)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはN、D、Y、F、P、G、K、H、A、C、E、Q、R、S、T、V、WまたはLである1つのLC-CDR3とを含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項7】
重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含み、
前記Vは、IHSVH(SEQ ID NO:4)を含む1つの重鎖相補性決定領域(HC-CDR)1と、TIISSGTTTTYAQSFQD(SEQ ID NO:16)を含む1つのHC-CDR2と、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:35、およびSEQ ID NOs:165-169からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR3とを含み、
前記Vは、RASQGISSWLA(SEQ ID NO:40)を含む1つの軽鎖相補性決定領域(LC-CDR)1と、HASTLES(SEQ ID NO:54)を含む1つのLC-CDR2と、SEQ ID NO:65、SEQ ID NOs:76-78、およびSEQ ID NOs:199-212からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR3とを含む、請求項6に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項8】
(i)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、
(ii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、
(iii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、または、
(iv)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む、
請求項6または7に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項9】
(i)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:94と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、
(ii)VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:105-110のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:105-110のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:94と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、
(iii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、SEQ ID NOs:111-127のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:111-127のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、
(iv)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:107と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:113、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:113と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、
(v)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:107と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:123、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:123と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、または、
(vi)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:107と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:116、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:116と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含む、
請求項6または7に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項10】
重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含み、
前記Vは、SSGDYWG(SEQ ID NO:1)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つの重鎖相補性決定領域(HC-CDR)1と、SIHNXGSTYYNPSLKG(SEQ ID NO:213)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはS、KまたはQである1つのHC-CDR2と、QFGSETYYXGIXP(SEQ ID NO:190)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはN、S、V、TまたはPであり、XはD、Y、C、H、S、R、A、E、G、K、W、VまたはQである1つのHC-CDR3とを含み、
前記Vは、RSSQSLLHSXGYNYLD(SEQ ID NO:184)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはN、A、V、F、R、G、H、Q、WまたはPである1つの軽鎖相補性決定領域(LC-CDR)1と、LGSNRAS(SEQ ID NO:51)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR2と、MQALQTPXT(SEQ ID NO:214)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはRまたはYである1つのLC-CDR3とを含む、
シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項11】
重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含み、
前記Vは、SSGDYWG(SEQ ID NO:1)を含む1つの重鎖相補性決定領域(HC-CDR)1と、SEQ ID NO:13、およびSEQ ID NOs:163-164からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR2と、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:36、SEQ ID NOs:170-183、およびSEQ ID NOs:185-188からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR3とを含み、
前記Vは、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:50、およびSEQ ID NOs:191-198からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つの軽鎖相補性決定領域(LC-CDR)1と、LGSNRAS(SEQ ID NO:51)を含む1つのLC-CDR2と、SEQ ID NO:62、およびSEQ ID NO:69からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR3とを含む、
請求項10に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項12】
(i)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:24を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、
(ii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、
(iii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、または、
(iv)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:183を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む、
請求項10または11に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項13】
(i)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:79、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:79と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、
(ii)VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:128-139、SEQ ID NOs:149-151、およびSEQ ID NOs:154-155のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:128-139、SEQ ID NOs:149-151、およびSEQ ID NOs:154-155のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、
(iii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、SEQ ID NOs:140-148のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:140-148のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、
(iv)VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:132、SEQ ID NO:149、SEQ ID NOs:152-153、およびSEQ ID NOs:156-157のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:132、SEQ ID NO:149、SEQ ID NOs:152-153、およびSEQ ID NOs:156-157のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:143と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、または、
(v)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:98、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:98と少なくとも90%の配列同一性を有する変異体配列を含む、
請求項10または11に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の単離された抗体または抗原結合性フラグメントと競合し、または請求項1~13のいずれか一項に記載の単離された抗体または抗原結合性フラグメントと同じエピトープに特異的に結合する、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項15】
前記抗体または抗原結合性フラグメントは、Fcフラグメントを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項16】
前記抗体または抗原結合性フラグメントは、全長のIgG抗体である、請求項15に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項17】
前記抗体または抗原結合性フラグメントは、全長のIgG1またはIgG4抗体である、請求項16に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項18】
前記抗体または抗原結合性フラグメントは、キメラ抗体、ヒト抗体またはヒト化抗体である、請求項1~17のいずれか一項に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項19】
前記抗体または抗原結合性フラグメントは、Fab、Fab’、F(ab)’2、Fab’-SH、一本鎖抗体(scFv)、Fvフラグメント、dAb、Fd、およびダイアボディからなる群から選択される、請求項1~14のいずれか一項に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントをコードする、単離された核酸分子。
【請求項21】
請求項20に記載の核酸分子を含む、ベクター。
【請求項22】
請求項1~19のいずれか一項に記載の抗体または抗原結合性フラグメント、請求項20に記載の核酸分子、または請求項21に記載のベクターを含む、単離された宿主細胞。
【請求項23】
a)抗Psl抗体または抗原結合性フラグメントを有効に発現する条件で請求項22に記載の宿主細胞を培養すること、および
b)宿主細胞から、発現された抗Psl抗体または抗原結合性フラグメントを得ることを含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントの調製方法。
【請求項24】
請求項1~19のいずれか一項に記載のシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント、請求項20に記載の核酸分子、請求項21に記載のベクター、または請求項22に記載の単離された宿主細胞と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項25】
有効量の請求項24に記載の医薬組成物を個体へ投与することを含む、必要とする個体における疾患または病症を治療する方法。
【請求項26】
前記疾患または病症は、病原菌感染である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記感染は、グラム陰性菌感染である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記グラム陰性菌は、緑膿菌である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記疾患または病症は、緑膿菌感染による症状の一種または複数種を含む、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記症状は、熱、悪寒、疲労、筋肉および関節の痛み、関節の腫れ、頭痛、下痢、皮膚発疹、創傷の膿、細菌血症、急性肺炎、腹腔内感染、呼吸器感染、敗血症性ショック、化膿性関節炎、腸炎、皮膚および軟組織感染、尿路感染、腸感染、潰瘍性角膜炎、慢性化膿性中耳炎、乳様突起炎、副鼻腔炎、および心内膜炎のうちの一種または複数種を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
治療薬の一種または複数種を投与することをさらに含む、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記治療薬の少なくとも一種は、抗生物質である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記抗生物質は、イミペネム、トブラマイシン、シプロフロキサシン、メロペネム、およびアズトレオナムのうちの一種または複数種である、請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa,PA)Pslを特異的に認識する抗体、その調製方法および使用に関するものであり、当該使用には、それを用いてシュードモナス感染を治療および予防する方法が含まれる。
【背景技術】
【0002】
緑膿菌は、自然界に広く存在する、絶対好気性グラム陰性桿菌である。緑膿菌は、通常、病原性が低いが、日和見感染を引き起こす病原菌であるので、緑膿菌の感染は、癌、糖尿病、免疫不全症などの様々な既存の疾患を有する患者や免疫抑制作用を示す医薬品を投与する患者によく発生する。皮膚粘膜が破れた患者は、緑膿菌に感染しやすく、そして、慢性構造性肺疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患や嚢胞性線維症)の患者にもかなりのリスクがある。緑膿菌は、肺炎、尿路感染症、敗血症などを引き起こすことが多く、深刻な結果をもたらすことがよくある。10%に至るまでの病院における感染は、緑膿菌に起因し、緑膿菌菌血症の患者の死亡率は、40%に近づいている。臨床分野において、緑膿菌感染は、治療が最も難しい感染症の1つと見なされている。緑膿菌自体は、既存の抗生物質に対する感受性が低いだけでなく、様々な抗生物質に対する耐性が高い傾向があるためである。従って、抗生物質を開発する戦略は、緑膿菌感染に対する対応においてメリットが限られている。
【0003】
緑膿菌は、病院における獲得感染、特に機械的に換気された患者における主な原因の1つであり、嚢胞性線維症患者の主な死因である。緑膿菌のバイオフィルムマトリックスの1つの重要なコンポーネントは、多糖類合成遺伝子座にコードされるタンパク質によって生成されるPsl多糖である。Pslは、細胞外で遊離してもよく、細胞表面に結合してもよい。細胞外で遊離しているPslの構造は、D-マンノース、L-ラムノース、およびD-グルコース含有五糖類反復から構成されている。Pslは、バイオフィルム形成中に、構造的機能と保護的機能の両方を備えており、バイオフィルムを抗生物質(化学結合による)および免疫系(未知のメカニズムによる)から保護できることも知られているため、新しい治療オプションの理想的な標的となる可能性がある(Ray VA. et al. Anti-Psl Targeting of Pseudomonas aeruginosa Biofilms for Neutrophil-Mediated Disruption. Sci Rep.2017)。(DiGiandomenico, A. et al. Identification of broadly protective human antibodies to Pseudomonas aeruginosa exopolysaccharide Psl by phenotypic screening. J Exp Med 209, 1273-1287; Valerie A. Ray, et al, Anti-Psl targeting of Pseudomonas aeruginosa biofilms for neutrophil mediated disruption, Scientific Reports7, Article number:16065(2017))では、Pslを標的とするヒトモノクローナル抗体(mAb)、例えば、Wapr-001、Wapr-016、Cam-003またはその誘導体psl0096が記載されている。
【0004】
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、特許出願および公開された特許出願に記載された内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Ray VA. et al. Anti-Psl Targeting of Pseudomonas aeruginosa Biofilms for Neutrophil-Mediated Disruption. Sci Rep.2017
【非特許文献2】DiGiandomenico, A. et al. Identification of broadly protective human antibodies to Pseudomonas aeruginosa exopolysaccharide Psl by phenotypic screening. J Exp Med 209, 1273-1287
【非特許文献3】Valerie A. Ray, et al, Anti-Psl targeting of Pseudomonas aeruginosa biofilms for neutrophil mediated disruption, Scientific Reports7, Article number:16065(2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメント、およびそれをシュードモナス感染の予防および治療に用いられる方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様では、Vを含むシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントであって、前記Vは、SEQ ID NOs:2-3、および5-12のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR1と、SEQ ID NOs:14-15、および17-23のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR2と、SEQ ID NOs:25-26、および28-34のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR3とを含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0008】
本発明の一態様では、Vを含むシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントであって、前記Vは、SEQ ID NOs:38-39、および41-49のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR1と、SEQ ID NOs:52-53、および55-61のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR2と、SEQ ID NOs:63-64、66-68、および70-75のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR3とを含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0009】
本発明の一態様では、VおよびVを含むシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントであって、前記Vは、SEQ ID NOs:2-3、および5-12のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR1と、SEQ ID NOs:14-15、および17-23のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR2と、SEQ ID NOs:25-26、および28-34のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:38-39、および41-49のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR1と、SEQ ID NOs:52-53、および55-61のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR2と、SEQ ID NOs:63-64、66-68、および70-75のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR3とを含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0010】
本発明の一態様では、(i)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:17を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iv)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:18を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(v)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(vi)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:19を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(vii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(viii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:20を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ix)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:21を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(x)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:22を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、または、(xi)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:23を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0011】
本発明の一態様では、(i)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:63を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:53を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:64を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iv)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:55を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(v)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:56を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(vi)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:57を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(vii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:58を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(viii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ix)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:59を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(x)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:60を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、または、(xi)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:61を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0012】
本発明の一態様では、(i)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:63を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:53を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:64を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:17を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iv)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:18を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:55を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(v)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:56を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(vi)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:19を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:57を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(vii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:58を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(viii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:20を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ix)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:21を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:59を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(x)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:22を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:60を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、または、(xi)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:23を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:61を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0013】
本発明の一態様では、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0014】
本発明の一態様では、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、SEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0015】
本発明の一態様では、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、前記Vは、SEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0016】
本発明の一態様では、(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:80を含むVおよびアミノ酸配列 SEQ ID NO:92を含むV;(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVおよびアミノ酸配列 SEQ ID NO:93を含むV;(iii)アミノ酸配列SEQ ID NO:83を含むVおよびアミノ酸配列 SEQ ID NO:95を含むV;(iv)アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVおよびアミノ酸配列 SEQ ID NO:96を含むV;(v)アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVおよびアミノ酸配列 SEQ ID NO:97を含むV;(vi)アミノ酸配列SEQ ID NO:86を含むVおよびアミノ酸配列 SEQ ID NO:99を含むV;(vii)アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVおよびアミノ酸配列 SEQ ID NO:100を含むV;(viii)アミノ酸配列SEQ ID NO:87を含むVおよびアミノ酸配列 SEQ ID NO:101を含むV;(ix)アミノ酸配列SEQ ID NO:88を含むVおよびアミノ酸配列 SEQ ID NO:102を含むV;(x)アミノ酸配列SEQ ID NO:89を含むVおよびアミノ酸配列 SEQ ID NO:103を含むV;(xi)アミノ酸配列SEQ ID NO:90を含むVおよびアミノ酸配列 SEQ ID NO:104を含むV;または(xii)アミノ酸配列SEQ ID NO:159を含むVおよびアミノ酸配列 SEQ ID NO:95を含むV、を含むシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0017】
本発明の一態様では、重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含み、前記Vは、IHSVH(SEQ ID NO:4)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つの重鎖相補性決定領域(HC-CDR)1と、TIISSGTTTTYAQSFQD(SEQ ID NO:16)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR2と、X(SEQ ID NO:189)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはD、YまたはNであり、XはGまたはAであり、XはDまたはTであり、XはS、AまたはTである1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、RASQGISSWLA(SEQ ID NO:40)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つの軽鎖相補性決定領域(LC-CDR)1と、HASTLES(SEQ ID NO:54)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR2と、LQAXSLPHT(SEQ ID NO:158)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはN、D、Y、F、P、G、K、H、A、C、E、Q、R、S、T、V、WまたはLである1つのLC-CDR3とを含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0018】
本発明の一態様では、重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含み、前記Vは、IHSVH(SEQ ID NO:4)を含む1つの重鎖相補性決定領域(HC-CDR)1と、TIISSGTTTTYAQSFQD(SEQ ID NO:16)を含む1つのHC-CDR2と、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:35、SEQ ID NOs:165-169からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、RASQGISSWLA(SEQ ID NO:40)を含む1つの軽鎖相補性決定領域(LC-CDR)1と、HASTLES(SEQ ID NO:54)を含む1つのLC-CDR2と、SEQ ID NO:65、SEQ ID NOs:76-78、およびSEQ ID NOs:199-212からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR3とを含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0019】
本発明の一態様では、(i)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、または、(iv)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0020】
本発明の一態様では、(i)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:94と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、(ii)VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:105-110のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:105-110のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:94と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、(iii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、SEQ ID NOs:111-127のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:111-127のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、(iv)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:107と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:113、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:113と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、(v)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:107と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:123、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:123と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、または(vi)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:107と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:116、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:116と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0021】
本発明の一態様では、重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含み、前記Vは、SSGDYWG(SEQ ID NO:1)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つの重鎖相補性決定領域(HC-CDR)1と、SIHNXGSTYYNPSLKG(SEQ ID NO:213)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはS、KまたはQである1つのHC-CDR2と、QFGSETYYXGIXP(SEQ ID NO:190)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはN、S、V、TまたはPであり、XはD、Y、C、H、S、R、A、E、G、K、W、VまたはQである1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、RSSQSLLHSXGYNYLD(SEQ ID NO:184)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはN、A、V、F、R、G、H、Q、WまたはPである1つの軽鎖相補性決定領域(LC-CDR)1と、LGSNRAS(SEQ ID NO:51)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR2と、MQALQTPXT(SEQ ID NO:214)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはRまたはYである1つのLC-CDR3とを含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0022】
本発明の一態様では、重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含み、前記Vは、SSGDYWG(SEQ ID NO:1)を含む1つの重鎖相補性決定領域(HC-CDR)1と、SEQ ID NO:13、およびSEQ ID NOs:163-164からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR2と、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:36、SEQ ID NOs:170-183、およびSEQ ID NOs:185-188からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:50、およびSEQ ID NOs:191-198からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つの軽鎖相補性決定領域(LC-CDR)1と、LGSNRAS(SEQ ID NO:51)を含む1つのLC-CDR2と、SEQ ID NO:62、およびSEQ ID NO:69からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR3とを含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0023】
本発明の一態様では、(i)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:24を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、または、(iv)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:183を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0024】
本発明の一態様では、(i)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:79、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:79と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、(ii)VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:128-139、SEQ ID NOs:149-151、およびSEQ ID NOs:154-155のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:128-139、SEQ ID NOs:149-151、およびSEQ ID NOs:154-155のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、(iii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、SEQ ID NOs:140-148のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:140-148のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、(iv)VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:132、SEQ ID NO:149、SEQ ID NOs:152-153、およびSEQ ID NOs:156-157のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:132、SEQ ID NO:149、SEQ ID NOs:152-153、およびSEQ ID NOs:156-157のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:143と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、または(v)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:98、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:98と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0025】
いくつかの実施例において、前記したシュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメントのいずれか1つと競合する、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。いくつかの実施例において、前記したシュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメントのいずれか1つと同じエピトープに特異的に結合する、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。
【0026】
いくつかの実施例において、前記したシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントのいずれか1つは、Fcフラグメントを含む。いくつかの実施例において、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントは、全長のIgG抗体である。いくつかの実施例において、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントは、全長のIgG1またはIgG4抗体である。いくつかの実施例において、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントは、キメラ抗体、ヒト抗体またはヒト化抗体である。いくつかの実施例において、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントは、Fab、Fab’、F(ab)’2、Fab’-SH、一本鎖抗体(scFv)、Fvフラグメント、dAb、Fd、およびダイアボディ(diabody)からなる群から選択される抗原結合性フラグメントである。
【0027】
いくつかの実施例において、前記したシュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメントのいずれか1つをコードする、単離された核酸分子を提供する。いくつかの実施例において、前記した核酸分子のいずれか1つを含む、ベクターを提供する。いくつかの実施例において、前記したシュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントのいずれか1つ、核酸分子のいずれか1つ、またはベクターのいずれか1つを含む、宿主細胞を提供する。いくつかの実施例において、a)シュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメントを有効に発現する条件で前記した宿主細胞のいずれか1つを培養すること、およびb)宿主細胞から、発現されたシュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメントを得ることを含む、シュードモナス属Pslと特異的に結合する単離された抗体または抗原結合性フラグメントの調製方法を提供する。
【0028】
いくつかの実施例において、有効量の前記したシュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメント、または前記したシュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメントを含む医薬組成物を個体へ投与することを含む、必要とする個体における疾患または病症を治療する方法を提供する。いくつかの実施例において、疾患または病症を治療する医薬の製造における、前記したシュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメントのいずれか1つ、または前記したシュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメントのいずれか1つを含む医薬組成物の使用を提供する。いくつかの実施例において、疾患または病症は、病原菌感染である。いくつかの実施例において、感染は、グラム陰性菌感染である。いくつかの実施例において、病原菌は、緑膿菌である。いくつかの実施例において、疾患または病症は、緑膿菌感染による症状の一種または複数種を含む。いくつかの実施例において、前記症状は、熱、悪寒、疲労、筋肉および関節の痛み、関節の腫れ、頭痛、下痢、皮膚発疹、創傷の膿、細菌血症、急性肺炎、および腹腔内感染のうちの一種または複数種を含む。
【0029】
いくつかの実施例において、治療薬の一種または複数種を投与することをさらに含む、前記のいずれか1つの治療方法を提供する。いくつかの実施例において、治療薬の少なくとも一種は、抗生物質である。いくつかの実施例において、抗生物質は、イミペネム、トブラマイシン、シプロフロキサシン、メロペネム、およびアズトレオナムのうちの一種または複数種である。
【0030】
いくつかの実施例において、前記したシュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメント、核酸、ベクター、単離された宿主細胞のいずれか1つを含む医薬組成物、キットおよび製品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A図1A~1Bは、参照抗体であるWapr-001またはCam-003と比較して、抗Psl抗体が緑膿菌のA549細胞への付着を阻害する能力を示す。
図1B図1A~1Bは、参照抗体であるWapr-001またはCam-003と比較して、抗Psl抗体が緑膿菌のA549細胞への付着を阻害する能力を示す。
図1C図1C~1Dは、参照抗体であるWapr-001またはCam-003と比較して、抗Psl抗体が緑膿菌のOPKを促進する能力を示す。
図1D図1C~1Dは、参照抗体であるWapr-001またはCam-003と比較して、抗Psl抗体が緑膿菌のOPKを促進する能力を示す。
図2A図2Aは、抗Psl抗体P59、7H9、3F12、2A2および6G7が緑膿菌菌株O1-52/66のA549細胞への付着をブロックする能力を示す。
図2B図2Bは、抗Psl抗体P59、7H9、3F12、2A2および6G7が緑膿菌菌株O6-57/66のA549細胞への付着をブロックする能力を示す。
図2C図2Cは、抗Psl抗体P59、7H9、3F12、2A2および6G7が緑膿菌菌株O16-177/81のA549細胞への付着をブロックする能力を示す。
図2D図2Dは、抗Psl抗体P59、7H9、3F12、2A2および6G7が緑膿菌菌株O2-53/66のA549細胞への付着をブロックする能力を示す。
図3A図3Aは、参照抗体であるpsl0096と比較して、抗Psl抗体P59、7H9および3F12が様々な菌株O6-57/66のOPKを促進する能力を示す。
図3B図3Bは、参照抗体であるpsl0096と比較して、抗Psl抗体P59、7H9および3F12が様々な菌株O16-177/81のOPKを促進する能力を示す。
図3C図3Cは、参照抗体であるpsl0096と比較して、抗Psl抗体P59、7H9および3F12が様々な菌株O1-52/66のOPKを促進する能力を示す。
図3D図3Dは、参照抗体であるpsl0096と比較して、抗Psl抗体P59、7H9および3F12が様々な菌株O2-53/66のOPKを促進する能力を示す。
図4A図4Aは、抗Psl抗体変異体P59-m21または7H9-m23が緑膿菌菌株O1-52/66のA549細胞への付着をブロックする能力を示す。
図4B図4Bは、抗Psl抗体変異体P59-m21または7H9-m23が緑膿菌菌株O2-53/66のA549細胞への付着をブロックする能力を示す。
図4C図4Cは、抗Psl抗体変異体P59-m21または7H9-m23が緑膿菌菌株O6-57/66のA549細胞への付着をブロックする能力を示す。
図4D図4Dは、抗Psl抗体変異体P59-m21または7H9-m23が緑膿菌菌株O16-177/81のA549細胞への付着をブロックする能力を示す。
図5A図5Aは、参照抗体であるpsl0096と比較して、抗Psl抗体変異体P59-m21または7H9-m23が様々な菌株O1-52/66のOPKを促進する能力を示す。
図5B図5Bは、参照抗体であるpsl0096と比較して、抗Psl抗体変異体P59-m21または7H9-m23が様々な菌株O16-177/81のOPKを促進する能力を示す。
図5C図5Cは、参照抗体であるpsl0096と比較して、抗Psl抗体変異体P59-m21または7H9-m23が様々な菌株O6-57/66のOPKを促進する能力を示す。
図5D図5Dは、参照抗体であるpsl0096と比較して、抗Psl抗体変異体P59-m21または7H9-m23が様々な菌株またはO2-53/66のOPKを促進する能力を示す。
図6A図6Aは、ELISAによって測定された、WFPA800株に対する抗Psl抗体3F12、7H9-m23およびP59-m21の結合特異性を示す。
図6B図6Bは、ELISAによって測定された、WFPA801株に対する抗Psl抗体3F12、7H9-m23およびP59-m21の結合特異性を示す。
図7図7は、参照抗体であるpsl0096と比較して、BV粒子に対する抗Psl抗体3F12、7H9-m23およびP59-m21の交差反応性を示す。
図8図8は、参照抗体であるpsl0096と比較して、異なる用量の抗Psl抗体3F12、7H9-m23またはP59-m21が緑膿菌のバイオフィルム形成を阻害する能力を示す。
図9A図9Aは、参照抗体であるCam-003と比較して、緑膿菌(57/66)を致死量の2倍(2×LD90)で接種したマウス菌血症モデルにおいて、15mg/kgマウス体重の用量で抗Psl抗体P59が生存率を高める能力を示す。
図9B図9Bは、参照抗体であるCam-003と比較して、緑膿菌(57/66)を致死量の3倍(3×LD90)で接種したマウス菌血症モデルにおいて、10mg/kgマウス体重の用量で抗Psl抗体P59、1D10、7H9、2A2または6G7が生存率を高める能力を示す。
図9C図9Cは、参照抗体であるpsl0096と比較して、緑膿菌(57/66)を致死量の4倍(4×LD90)で接種したマウス菌血症モデルにおいて、10mg/kgマウス体重の用量で抗Psl抗体3F12または7H9が生存率を高める能力を示す。
図9D図9Dは、緑膿菌(57/66)を致死量の4倍(4×LD90)で接種したマウス菌血症モデルにおいて、10mg/kgマウス体重の用量で抗Psl抗体変異体7H9-m23、7H9-m24、7H9-m25、3F12-m01またはP59-m21が生存率を高める能力を示す。
図10図10は、抗Psl抗体変異体3F12-m01、7H9-m24またはP59-m21が肺、脾臓、腎臓において器官の細菌負荷を減少させる能力を示す。
図11図11は、緑膿菌(57/66)を致死量の3倍(3×LD90)で接種した腹腔内感染モデルにおいて、抗Psl抗体3F12が単独投与して、または抗生物質メロペネム(MEM)、トブラマイシン(TOB)、またはシプロフロキサシン(CIP)と併用投与して生存率を高める能力を示す。
図12図12は、3mg/kg用量で静脈内投与されたときの、抗Psl抗体3F12、7H9-m23、P59-m21および参照抗体であるpsl0096のラットにおける薬物動態プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の一態様では、シュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメントを提供する。scFvファージライブラリーのスクリーニングと親和性成熟と適切に設計された生化学的および生物学的アッセイとの組み合わせを使用することにより、Pslと特異的に結合する非常に有効な抗体分子を同定した。前記抗体は、A549細胞への緑膿菌の付着を阻害するとともに、緑膿菌のOPKを促進し、そして、in vivoで緑膿菌に対する治療的保護と予防的保護の両方を提供することができる。
【0033】
本発明によって提供されるシュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメントは、例えば、全長の抗Psl抗体、抗Psl一本鎖抗体(scFvs)、抗Psl Fc融合タンパク質、多重特異性(例えば二重特異性)抗Psl抗体、抗Psl免疫複合体などを含む。
【0034】
いくつかの実施例において、シュードモナス属Pslと特異的に結合し、特定の配列を有する抗体または抗原結合性フラグメント、およびこれらの抗体または抗原結合性フラグメントと競合するか、またはこれらの抗体または抗原結合性フラグメントと同じエピトープに結合する抗体を提供する。
【0035】
本発明は、また、シュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメントをコードする核酸、抗Psl抗体を含む組成物、並びに抗Psl抗体を調製および使用する方法を提供する。
【0036】
定義
本明細書に記載されるように、「治療(treatment)」または「治療している(treating)」は、有利的または所望的な臨床結果を含む結果を得る方法である。本発明の目的に鑑み、前記有利的または所望的な臨床結果は、疾患による一種または複数種の症状を緩和すること、疾患の程度を軽減すること、疾患を安定すること(例えば、疾患の悪化を予防または遅延)、疾患の拡散を予防または遅延すること(例えば、病原菌の全身拡散)、疾患の再発を予防または遅延すること、疾患の進みを遅延または遅らせること、疾患の状態を改善すること、疾患(一部または全部)を緩和すること、疾患の治療に必要する一種または複数種の他の薬物の量を減少すること、疾患の進みを遅延すること、生存質量を改善または向上すること、体重を増加すること、および/または生存期間を延長すること、からなる群から選択される一種または複数種を含むが、これらに限定されない。同時に、「治療」は、また、感染症の病理学的結果の減少(例えば、宿主細胞の溶解または壊死)を含む。本発明の方法は、これらの治療のいずれか1つまたは複数を考慮する。
【0037】
「予防する(prevent)」という用語および「予防した(prevented)」、「予防している(preventing)」、「予防(prevention)」などのような類似の単語は、疾患または病症(例えば、病原体の感染)の発生または再発の可能性を予防、阻害または減少する方法を示す。それは、さらに、ある疾患または病症の発生または再発を遅延すること、或いは、ある疾患または病症の症状の発生または再発を遅延することを指す。ここで用いられるように、「予防(prevention)」および類似の単語は、疾患または病症の発生または再発の前にその強度、影響、症状および/または負担を軽減することをさらに含む。ここで用いられるように、「予防(prevention)」および類似の単語は、疾患または病症、例えば病原体の感染の発生または再発のリスクおよび感受性を減少することをさらに含む。
【0038】
「抗体」という用語は、全長の抗体およびその抗原結合性フラグメントを含む。全長の抗体は、重鎖二本および軽鎖二本を含む。重鎖可変領域および軽鎖可変領域は、抗原との結合を担当する。二本の鎖における可変領域は、一般的に3つの高度可変ループを含む。そのループは、相補性決定領域(CDRs)と称する(軽鎖(LC)CDRsは、LC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3とを含み、重鎖(HC)CDRsは、HC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含む。)。本発明に記載の抗体または抗原結合性フラグメントのCDR境界は、Kabat、ChothiaまたはAl-Lazikaniの慣例により定義または認識される(Al-Lazikani 1997; Chothia 1985; Chothia 1987;Chothia 1989; Kabat 1987; Kabat 1991)。重鎖または軽鎖の3つのCDR領域は、フレームワーク領域(FRs)と称されるフランキング領域の間に挿入され、前記フレームワーク領域(FRs)はCDR領域よりさらに高度な保存性を持ち、高度可変ループを支持する支柱を形成する。重鎖の定常領域および軽鎖の定常領域は、抗原結合に参加しないが、多種の効果機能を示す。抗体は、それらの重鎖の定常領域のアミノ酸配列に基づいて分類される。抗体の5つの主なクラスまたはアイソタイプは、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMであり、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMは、それぞれα、δ、ε、γおよびμ型重鎖を有することを特徴とする。いくつの主なクラスは、サブクラス、例えば、IgG1(γ1重鎖)、IgG2(γ2重鎖)、IgG3(γ3重鎖)、IgG4(γ4重鎖)、IgA1(α1重鎖n)またはIgA2(α2重鎖)に分類される。
【0039】
本明細書に記載されるように、「抗原結合性フラグメント」という用語は、例えば、ダイアボディ(diabody)、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvフラグメント、ジスルフィド安定化Fvフラグメント(dsFv)、(dsFv)2、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、一本鎖抗体(scFv)、scFvダイマー(二価ダイアボディ)、1つ以上のCDRsを含む抗体フラグメントからなる多重特異性抗体、単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、二価ドメイン抗体、または、抗原に結合できるが、完全な抗体構造を含まない任意の他の抗体フラグメントを含む抗体フラグメントを指す。抗原結合性フラグメントは、前記抗体フラグメントを含む融合タンパク質をさらに含有する。抗原結合性フラグメントは、親抗体または親抗体フラグメント(例えば、親scFv)と同じ抗原に結合できる。いくつかの実施例において、抗原結合性フラグメントは、1つ以上の異なるヒト抗体からのフレームワーク領域に移植された特定のヒト抗体からの1つ以上のCDRsを含み得る。
【0040】
本明細書に記載されるように、「エピトープ」という用語は、抗体または抗体部分に結合する抗原上の特定の原子またはアミノ酸のグループを指す。二種類の抗体または抗体部分が抗原に対する競合的結合を示す場合、それらは、抗原内の同じエピトープに結合し得る。
【0041】
本明細書に記載されるように、第一抗体は、等モル濃度の第一抗体の存在下で、第二抗体の標的Psl結合を少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%または99%)を阻害する場合、Psl標的への結合について、第二抗体と「競合する」、またはその逆である。PCT刊行物であるWO 03/48731には、抗体交差競合に基づくハイスループット抗体の「エピトープ分類」の方法が記載されている。
【0042】
本明細書に記載されるように、「特異的に結合」、「特異的に認識」または「・・・にとって特異的である」という用語は、測定可能および再現可能な相互作用、例えば、生体分子を含む異種分子集団の存在下で標的の存在を決定する標的と抗体との間の結合を指す。例えば、抗体がある標的(エピトープであっても良い)を特異的に認識できるとは、当該抗体と他の標的との結合と比べて、当該抗体と当該標的との結合には、より高い親和性があり、より高い結合力があり、より容易でより長い持続時間があると指す。いくつかの実施例において、抗原を特異的に認識する抗体は、他の標的に対するその結合親和性の少なくとも10倍の結合親和性で、抗原の1つまたは複数の抗原決定基と反応する。
【0043】
本明細書に記載されるように、「単離された」抗Psl抗体は、(1)天然に存在するタンパク質とは無関係であり、(2)同じ供給源由来の他のタンパク質を含まなく、(3)異種由来の細胞によって発現され、または(4)自然界に存在しない抗Psl抗体を指す。
【0044】
本明細書に記載されるように、「単離された核酸」という用語は、ゲノム、cDNAまたは合成由来の核酸、或いはそれらの組合を指す。その起源によれば、前記「単離された核酸」は、(1)天然に見出された「単離された核酸」におけるポリヌクレオチドの全部または一部とは無関係であり、(2)天然状態でそれと連結していないポリヌクレオチドと作動可能に連結しており、または(3)より大きい配列の一部として天然に存在しないものを指す。
【0045】
本明細書に記載されるように、「CDR」または「相補性決定領域」という用語は、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドの可変領域に見出される非連続抗原結合部位を指す。Kabat et al.,J. Biol.Chem. 252:6609-6616(1977); Kabat et al.,U.S. Dept. of Health and Human Services,“Sequences of proteins of immunological interest” (1991); Chothia et al.,J. Mol.Biol. 196:901-917 (1987); Al-Lazikani B. et al., J.Mol. Biol., 273: 927-948 (1997); MacCallum et al., J. Mol. Biol. 262:732-745 (1996); Abhinandan and Martin, Mol. Immunol., 45: 3832-3839 (2008); Lefranc M.P. et al., Dev. Comp. Immunol., 27: 55-77 (2003);およびHonegger and Pluckthun, J. Mol. Biol., 309:657-670 (2001)には、既にこれらの特定の領域が説明しており、お互いに比較する場合、これらの定義は、アミノ酸残基の重複またはサブセットを含む。しかしながら、抗体または移植抗体またはその変異体のCDRに対するあらゆる定義方式は、本明細書に定義および使用される用語の範囲にあることが意図される。上記参照文献の各々に定義されるCDRを含むアミノ酸残基は、比較として、表1に挙げられる。CDR予測アルゴリズムおよびインターフェースは、本分野では既知であり、例えば、Abhinandan and Martin,Mol.Immunol.,45:3832-3839(2008);Ehrenmann F.et al.,Nucleic Acids Res.,38:D301-D307(2010);およびAdolf-Bryfogle J.et al.,Nucleic Acids Res.,43:D432-D438(2015)を含む文献には、説明がある。本段落に引用された参考文献の内容は、本出願で使用するように、および本発明の1つまたは複数の特許請求の範囲に含めることができるように、全体として本明細書に組み込まれる。
【0046】
【表1】
【0047】
「キメラ抗体」という用語は、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来する抗体、または特定の抗体クラス或いはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一または相同であり、こ(れら)の鎖の残りは、他の種に由来する、または他の抗体クラス或いはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一または相同である抗体を指す。そして、このような抗体フラグメントは、本発明の生物学的活性を有すればよく(U.S.Patent No.4,816,567;and Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984)を参照)。
【0048】
「Fv」は、インタクトな抗原認識および結合部位を含む最小の抗体フラグメントである。当該フラグメントは、1つの重鎖可変ドメインおよび1つの軽鎖可変ドメインが緊密な非共有結合で連結されたダイマーである。この2つのドメインの折り畳みから、6つの高度可変ループ(軽鎖および重鎖にはそれぞれ3つのループ)が生じられ、前記高度可変ループは、抗原結合のためのアミノ酸残基を提供し、抗体に抗原結合特異性を付与する。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原特異的な3つのCDRsのみを含む半分Fvフラグメント)であっても、その親和性がインタクトな結合部位より低いにも関わらず、抗原を認識および結合する能力を有する。
【0049】
「sFv」または「scFv」とも称する「一本鎖Fv」は、単一のポリペプチド鎖に連結されたV抗体ドメインおよびV抗体ドメインを含む抗体フラグメントを指す。いくつかの実施例において、scFvポリペプチドは、scFvが抗原結合の理想的な構造を形成させるための、VとVとの間の連結ポリペプチドをさらに含む。scFvの概要について、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer-Verlag,New York,pp.269-315(1994)を参照する。
【0050】
「ダイアボディ(diabodies)」という用語は、短いリンカー(例えば、5~10残基)を用いてVとVとの間にscFvフラグメント(前記段落の内容を参照)を構築することによって調製される小さな抗体フラグメントを指す。これによって、可変ドメインが鎖内対合ではなく、鎖間対合が達成され、2価のフラグメント、即ち、2つの抗原結合部位を有するフラグメントが生成される。二重特異性のダイアボディは、2つの「クロスオーバー」scFvフラグメントのヘテロダイマーであり、中では、2つの抗体のVドメインおよびVドメインは、異なるポリペプチド鎖に位置する。EP 404,097;WO93/11161;Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444-6448(1993)において、既にダイアボディに対して全面的に説明した。
【0051】
非ヒト(例えば、げっ歯類)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト抗体に由来する最少の配列を含むキメラ抗体である。ヒト化抗体の大部分は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり、レシピエント抗体の超可変領域(HVR)に由来する残基は、所望の抗体特異性、親和性および性能を有する、マウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類動物の非ヒト種(ドナー抗体)に由来する超可変領域で置換される。ある特定の場合において、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)における残基は、対応する非ヒト残基で置換される。なお、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にもドナー抗体にも存在しない残基を含んでも良い。これらの修飾は、抗体の性能をさらに改善させることができる。通常、ヒト化抗体は、実質的に少なくとも1つ、一般的には2つの可変ドメインを含み、中では全てまたは実質的に全ての高度可変ループは、全て非ヒト免疫グロブリンの高度可変ループに対応し、全てまたは実質的に全てのフレームワーク領域はヒト免疫グロブリン配列である。ヒト抗体は、任意選択で、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域も含む。詳細は、Jones et al.,Nature 321:522-525(1986);Riechmann et al.,Nature 332:323-329(1988);およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593-596(1992)を参照すれば良い。
【0052】
本明細書に同定されるポリペプチドおよび抗体配列の「アミノ酸配列同一性百分率(%)」または「相同性」は、保存的置換を配列同一性の一部として考慮して配列を比較して、候補配列および比較しようとするポリペプチド配列における同じアミノ酸残基の占める百分率として定義される。アミノ酸配列同一性の百分率は、本分野の技術的範囲内の様々な比較方法、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、Megalign(DNASTAR)、またはMUSCLEソフトウェアなどの利用可能なコンピューターソフトウェアによって決定することができる。当業者は、比較された配列の全長にわたって最大の比較を達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、測定や比較のための適切なパラメータを決定することができる。しかしながら、本発明の目的のために、アミノ酸配列同一性百分率の値は、配列比較コンピュータプログラムMUSCLE(Edgar, R.C., Nucleic Acids Research 32(5):1792-1797, 2004; Edgar, R.C., BMC Bioinformatics 5(1):113, 2004)を使用して生成されたものである。
【0053】
「Fc受容体」または「FcR」という用語は、抗体のFc領域に結合する受容体を説明するために用いられる。いくつかの実施例において、本発明に記載されるFcRは、IgG抗体(γ受容体の一種)に結合するFcRであり、FcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIサブクラスの受容体を含み、これらの受容体の対立遺伝子変異体および選択的スプライシング形態も含む。FcγRII受容体は、FcγRIIA(活性化受容体)およびFcγRIIB(阻害受容体)を含む。FcγRIIA(活性化受容体)およびFcγRIIB(阻害受容体)は、類似のアミノ酸配列を有し、主には、細胞質ドメインで、異なるとこるがある。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)を含む。阻害受容体FcγRIIBは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン阻害モチーフ(ITIM)(M.in Daeron,Annu.Rev.Immunol.15:203-234(1997)を参照)を含む。前記用語は、同種異型、例えばFcγRIIIA同種異型:FcγRIIIA-Phe158、FcγRIIIA-Val158、FcγRIIA-R131および/またはFcγRIIA-H131をさらに含む。Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol 9:457-92(1991)およびCapel et al.,Immunomethods 4:25-34(1994);およびde Haas et al.,J.Lab.Clin.Med.126:330-41(1995)において、FcRsに対して説明した。本発明におけるFcRとの用語は、将来特定されるFcRsを含む他のタイプのFcRsを含有する。FcRとの用語は、母体IgGsの新生児への移行を担当する新生児受容体FcRnも含む(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)and Kim et al.,J.Immunol.24:249(1994))。
【0054】
「FcRn」という用語は、新生児Fc受容体(FcRn)を指す。FcRnは、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)と構造で類似し、α鎖がβ2ミクログロブリンに非共有結合して構成される。新生児Fc受容体FcRnの複数の機能は、Ghetie and Ward(2000)Annu.Rev.Immunol.18,739-766.において説明されている。FcRnは、母親から新生児への免疫グロブリンIgGsの受動輸送および血清IgGレベルの調節において重要な役割を果たす。FcRnは、レスキュー受容体として、細胞内および細胞間で完全な形でエンドサイトーシスされたIgGを結合および輸送し、デフォルトの分解経路からそれらをレスキューする。
【0055】
ヒトIgG Fc領域の「CH1ドメイン」は、通常、118位のアミノ酸から215位のアミノ酸まで延長する(EU番号付けシステム)。
【0056】
「ヒンジ領域」は、通常、ヒトIgG1の216位であるGluから230位であるPro(Burton,Molec.Immunol.22:161-206(1985))まで延長する範囲と定義される。重鎖間のジスルフィド結合を形成する最初と最後のシステイン残基をIgG1と同じ位置に配置することにより、他のIgGのアイソタイプのヒンジ領域をIgG1配列と比較させることができる。
【0057】
ヒトIgG Fc領域の「CH2ドメイン」は、通常、231位のアミノ酸から340位のアミノ酸まで延長する。CH2ドメインは、別のドメインと密接に対合しないという点で独特である。その代わりに、2つのN末端で連結された分岐糖鎖は、完全な形態の天然IgG分子の2つのCH2ドメインの間に挿入する。糖は、ドメインとドメインとの対合の置換物とすることができ、CH2ドメインの安定性に寄与すると推測される。Burton, Molec Immunol. 22:161-206(1985)。
【0058】
「CH3」ドメインは、Fc領域内でC末端残基からCH2ドメイン(341位のアミノ酸から抗体配列のC末端まで、通常はIgGの446または447位目のアミノ酸残基)まで延長する部分を含む。
【0059】
「機能性Fcフラグメント」は、天然のFc領域の配列が有する「エフェクター機能」を備える。例示的な「エフェクター機能」は、C1q結合、補体依存性細胞傷害(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞障害作用(ADCC)、食作用、細胞表面受容体のダウンレギュレーション(例えば、B細胞受容体;BCR)等を含む。このようなエフェクター機能について、通常、Fc領域と結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)との組み合わせを必要とし、本分野で公知の様々な実験方法を利用して評価することができる。
【0060】
「変化した」FcR結合親和性またはADCC活性を有するIgG Fc変異体の抗体は、親ポリペプチド、または天然のFc配列を含むポリペプチドと比較して、そのFcR結合活性および/またはADCC活性が増加または低減されている。FcRへの「結合が増強」を示すFc変異体は、親ポリペプチド、または天然のIgG Fc配列を含むポリペプチドより、少なくとも一種のFcRに対してより高い親和性(例えば、より低い見かけのKdまたはIC50値)を有する。いくつかの実施例において、結合能力は、親ポリペプチドより、約3倍を増加し、例えば、5、10、25、50、60、100、150、200倍、500倍まで高い、または結合能力が25%~1000%のいずれを向上させる。FcRへの「結合が低減」を示すFc変異体は、親ポリペプチドより、少なくとも一種のFcRに対してより低い親和性(例えば、より高い見かけのKdまたはIC50値)を有する。親ポリペプチドより、その結合能力が40%またはその以上を低下させる。
【0061】
「抗体依存性細胞障害作用」または「ADCC」は、細胞毒性の一形態であり、分泌されたIgが、ある細胞毒性細胞(例えば、ナチュラルキラー細胞(NK)、好中球およびマクロファージ)に存在するFc受容体(FcRs)に結合し、これらの細胞毒性エフェクター細胞を、抗原を運ぶ標的細胞に特異的に結合させてから、細胞毒素を利用して標的細胞を殺すことを指す。抗体は細胞毒性細胞を「武装」させるのは、その毒性に必要である。ADCCを介在する主な細胞型において、NK細胞はFcγRIIIのみを発現し、単核細胞はFcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIを発現する。Ravetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol 9:457-92(1991)ページ464目のTable 3において、造血細胞でのFcR発現をまとめる。目的の分子のADCC活性を評価するために、イン・ビトロのADCC実験を行うことができ、これは米国特許No.5,500,362または5,821,337において説明されている。このような実験に適したエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー細胞(NK)が含まれる。選択的に、目的の分子のADCC活性は、イン・ビボで評価してもよく、例えば、Clynes et al.PNAS(USA)95:652-656(1998)に開示された動物モデルにおいて説明されている。
【0062】
野生型IgG Fcを含むポリペプチドまたは親ポリペプチドより、変異Fc領域を含むポリペプチドは、ヒトエフェクター細胞の存在下で、「増強されたADCC活性」を示すか、ADCC効果をより効果的に介在でき、変異Fc領域を含む前記ポリペプチドは、実験時、野生型IgG Fcを含むポリペプチド(または親ポリペプチド)との量が実質的に同じである場合、イン・ビトロまたはイン・ビトロのいずれの状況でもADCCをより効果的に介在できる。通常、このような変異体は、本分野で既知のいずれのイン・ビトロのADCC実験方法で同定し、例えば、ADCCの活性を同定する、例えば動物モデル等を使用する実験と方法に用いられる。いくつかの実施例において、このような変異体は、野生型Fc(または親ポリペプチド)と比較すると、ADCCを介在する効果は、5~100倍、例えば25~50倍が向上する。
【0063】
「補体依存性細胞傷害」または「CDC」とは、補体の存在下で標的細胞を溶解することを指す。代表的な補体経路の活性化は、補体システムの第一成分(C1q)と、相同抗原に結合する抗体(適切な構造を持つサブクラス)との結合によって開始される。補体の活性化を評価するために、例えば、Gazzano-Santoro et al., J. Immunol. Methods 202:163(1996)に説明されるCDC実験を行っても良い。米国特許No.6,194,551B1およびWO99/51642において、変化したFc領域アミノ酸配列、並びに、増加または低減されたC1q結合能を有するポリペプチド変異体が説明されている。これらの特許刊行物の内容は、引用により、明確に本明細書に組み込まれる。また、Idusogie et al. J. Immunol. 164: 4178-4184(2000)を参照する。
【0064】
別に断らない限り、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」は、互いに縮重し、且つ同じアミノ酸配列をコードするすべてのヌクレオチド配列を含む。タンパク質またはRNAをコードするヌクレオチド配列は、イントロンをさらに含んでもよく、例えば、タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、いくつかの形態においてイントロンを含む。
【0065】
「作動可能に連結」という用語は、調節配列と異種ヌクレオチド配列との間の機能的連結を指し、これにより、後者を発現させる。例えば、第1のヌクレオチド配列と第2のヌクレオチド配列が機能的な関係である場合、第1のヌクレオチド配列と第2のヌクレオチド配列は作動可能に連結される。例えば、プロモーターがコード配列の転写または発現に影響を与える場合、当該プロモーターとコード配列は作動可能に連結される。通常、作動可能に連結されるDNA配列は連続的であり、必要に応じて、2つのタンパク質コード領域を同じオープンリーディングフレームにおいて連結できる。
【0066】
「相同性(Homologous)」とは、2つのポリペプチド間または2つの核酸分子間の配列類似性または配列同一性である。2つの比較される配列の同じ位置が同じ塩基またはアミノ酸モノマーサブユニットである場合、例えば、2つのDNA分子の同じ位置がいずれもアデニンである場合、2つのDNA分子はその位置で相同である。2つの配列間の相同性百分率とは、2つの配列において、位置の総数に対する、共有される一致または相同位置の数の比に100を掛ける関数である。例えば、2つの配列において、10つの位置のうち6つが一致または相同である場合、2つの配列の相同性は60%である。例えば、DNA配列ATTGCCとTATTGCの相同性は50%である。通常、2つの配列を比較する時、最大の相同性を得るために比較を行う。
【0067】
本明細書に記載の抗Psl抗体または組成物の「有効量」とは、特定の目的を達成するのに十分な量を指す。「有効量」は、経験、および前記目的に関連する既知の方法によって決定することができる。
【0068】
「治療有効量」という用語とは、本明細書に記載の抗Psl抗体または組成物が個体の疾患または障害を効果的に「治療」できる使用量を指す。緑膿菌感染の場合、本明細書に記載の抗Psl抗体または組成物の治療有効量は、感染の細胞の数を減らし、感染の拡大を阻害(即ち、ある程度で緩和または好ましくは停止)し、および/または感染に関連する1つ以上の症状を緩和することができる量である。感染された場合、本明細書に記載の抗Psl抗体または組成物は、緑膿菌の生長を阻害することおよび/または緑膿菌を殺すことができ、抗Psl抗体は、細胞増殖抑制性または細胞毒性を有するものであり得る。いくつかの実施例において、治療有効量とは、患者において感染を阻害する量を指す。いくつかの実施例において、治療有効量とは、患者において感染を完全に根絶する量を指す。
【0069】
本明細書で使用されるように、「薬学的に許容される」または「薬理学的に適合性のある」とは、生物学的活性がなく、または他の望ましくない特性を有しない材料であり、例えば、当該材料は、不良な生物効果を引き起こさないように、または有害な方式で組成物に含まれる他の任意の成分と相互作用しないように、患者に投与される医薬組成物に添加することができる。薬学的に許容される担体または賦形剤は、好ましくは、毒物学または製造試験に必要な基準を満たし、および/または米国食品医薬品局によって編集された不活性成分ガイドに含まれている。
【0070】
本明細書に記載の本出願の実施例は、「・・・からなる」および/または「実質的に・・・からなる」の実施例を含むと理解されるべきである。
【0071】
本明細書に言及される「約」は、数値またはパラメータであり、当該数値またはパラメータ自体の変体も含む(および説明する)。例えば、「約X」に関する説明は、「X」に対する説明を含む。
【0072】
本明細書に使用されるように、ある数値またはパラメータでは「ない(not)」に関する説明は、通常、当該数値またはパラメータ「以外(other than)」を意味して説明する。例えば、当該方法はX型感染の治療には使用できないとは、当該方法が通常、X型感染以外の種類の治療に使用されると意味する。
【0073】
別段で明確に説明しない限り、本明細書および請求の範囲に使用される単数形「1」、「1つ」および「当該」は、複数の対象を含む。
【0074】
抗Psl抗体
本発明の一態様では、Pslと特異的に結合する抗Psl抗体を提供する。前記抗Psl抗体は、ヒト化抗体、キメラ抗体、マウス抗体、ヒト抗体、および本明細書に記載の重鎖CDRsおよび/または軽鎖CDRsを含む抗体分子を含むが、これらに限定されない。本発明の一態様では、Pslと結合する単離された抗体を提供する。予想の抗Psl抗体は、例えば、全長の抗Psl抗体(例えば、全長のIgG1、IgG2またはIgG4)、抗Psl一本鎖抗体、多重特異性(例えば、二重特異性)抗Psl抗体、抗Psl免疫複合体などを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体は、Fab、Fab’、F(ab)’2、Fab’-SH、一本鎖抗体(scFv)、Fvフラグメント、dAb、Fd、ナノボディ、ダイアボディ(diabody)または線状抗体である。いくつかの実施例において、Pslと特異的に結合する抗体とは、Pslへの抗体の結合親和性が、非標的への抗体の結合親和性より少なくとも10倍以上(例えば、10、10、10、10、10、10、または10倍)であることを指す。いくつかの実施例において、非標的とは、Pslではない抗原を指す。結合親和性は、例えば、ELISA、蛍光活性化セルソーティング(FACS)分析、または放射性免疫沈降分析(RIA)などの本分野で既知の方法によって測定することができる。Kd値は、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)技術またはバイオレイヤー干渉(BLI)技術などの本分野で既知の方法によって測定することができる。
【0075】
いくつかの実施例において、前記シュードモナス属Pslと特異的に結合する抗体または抗原結合性フラグメントは、(a)緑膿菌のオプソニン食菌殺傷(OPK)を促進、介在または増強し、および/または(b)上皮細胞への緑膿菌の付着を阻害する。
【0076】
本明細書では、ヒト配列を含む抗Psl抗体(例えば、ヒトCDR配列を含むヒト重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメイン)について詳しく説明しているが、同時に非ヒト抗Psl抗体も考慮されている。いくつかの実施例において、非ヒト抗Psl抗体は、本明細書に記載の抗Psl抗体のヒトCDR配列および非ヒトフレームワーク領域配列を含む。いくつかの実施例において、非ヒトフレームワーク領域配列は、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ブタ、牛類(例えば、ウシ、オウシ、スイギュウ)、シカ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、ネコ、イヌ、フェレット、霊長類(例えば、コザル、マカク)などの哺乳類動物を含む、本明細書に記載の一種以上のヒトCDR配列を利用して重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメインを形成するために使用され得る任意の配列を含む。いくつかの実施例において、非ヒト抗Psl抗体は、本明細書に記載の一種以上のヒトCDR配列を非ヒトフレームワーク領域(例えば、マウスまたはニワトリのフレームワーク領域配列)に移植することによって産生される抗Psl抗体を含む。
【0077】
いくつかの実施例において、本明細書に記載の抗Psl抗体は、シュードモナス属Pslの1つのエピトープを特異的に認識する。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、シュードモナス属Pslに特異的であり、他の種類のタンパク質とは交差反応しない。
【0078】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、抗体重鎖定常領域および抗体軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、IgG1型重鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、IgG2型重鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、IgG3型重鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、IgG4型重鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記IgGとは、ヒトIgGを指す。いくつかの実施例において、前記重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:160を含むか、または、アミノ酸配列SEQ ID NO:160からなる。いくつかの実施例において、前記重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:161を含むか、または、アミノ酸配列SEQ ID NO:161からなる。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、λ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、κ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:162を含むか、または、アミノ酸配列SEQ ID NO:162からなる。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、抗体重鎖可変ドメインおよび抗体軽鎖可変ドメインを含む。
【0079】
本発明の一態様では、重鎖可変ドメイン(V)を含み、前記Vは、SEQ ID NOs:2-3、および5-12のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個(例えば1、2または3個)のアミノ酸置換を含むものである1つの重鎖相補性決定領域(HC-CDR)1と、SEQ ID NOs:14-15、および17-23のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個(例えば1、2または3個)のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR2と、SEQ ID NOs:25-26、および28-34のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個(例えば1、2または3個)のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR3とを含む、単離された抗Psl抗体を提供する。
【0080】
本発明の一態様では、前記抗Psl抗体は、軽鎖可変ドメイン(V)を含み、前記Vは、SEQ ID NOs:38-39、および41-49のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個(例えば1、2または3個)のアミノ酸置換を含むものである1つの軽鎖相補性決定領域(LC-CDR)1と、SEQ ID NOs:52-53、および55-61のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個(例えば1、2または3個)のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR2と、SEQ ID NOs:63-64、66-68、および70-75のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個(例えば1、2または3個)のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR3とを含む。
【0081】
本発明の一態様では、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:2-3、および5-12のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個(例えば1、2または3個)のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR1と、SEQ ID NOs:14-15、および17-23のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個(例えば1、2または3個)のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR2と、SEQ ID NOs:25-26、および28-34のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個(例えば1、2または3個)のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:38-39、および41-49のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個(例えば1、2または3個)のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR1と、SEQ ID NOs:52-53、および55-61のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個(例えば1、2または3個)のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR2と、SEQ ID NOs:63-64、66-68、および70-75のいずれか1つのアミノ酸配列またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個(例えば1、2または3個)のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR3とを含む。
【0082】
いくつかの実施例において、前記アミノ酸置換は、本発明の表8に示される「例示的な置換」に限定される。いくつかの実施例において、アミノ酸置換は、本発明の表8に示される「好ましい置換」に限定される。
【0083】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:2-3、および5-12のいずれか1つのアミノ酸配列を含むHC-CDR1と、SEQ ID NOs:14-15、および17-23のいずれか1つのアミノ酸配列を含むHC-CDR2と、SEQ ID NOs:25-26、および28-34のいずれか1つのアミノ酸配列を含むHC-CDR3とを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:38-39、および41-49のいずれか1つのアミノ酸配列を含むLC-CDR1と、SEQ ID NOs:52-53、および55-61のいずれか1つのアミノ酸配列を含むLC-CDR2と、SEQ ID NOs:63-64、66-68、および70-75のいずれか1つのアミノ酸配列を含むLC-CDR3とを含む。
【0084】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0085】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、(i)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:17を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iv)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:18を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(v)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(vi)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:19を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(vii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(viii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:20を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ix)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:21を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(x)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:22を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、または、(xi)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:23を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0086】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、(i)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:63を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:53を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:64を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iv)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:55を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(v)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:56を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(vi)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:57を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(vii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:58を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(viii)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ix)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:59を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(x)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:60を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、または(xi)Vを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:61を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0087】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、(i)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:63を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:53を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:64を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:17を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(iv)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:18を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:55を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(v)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:56を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(vi)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:19を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:57を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(vii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:58を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(viii)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:20を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(ix)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:21を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:59を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、(x)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:22を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:60を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、または、(xi)VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:23を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:61を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0088】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、SEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列、またはSEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、SEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVと、SEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVとを含む。
【0089】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、全長の抗体である。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、IgG1定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1は、ヒトIgG1を指す。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、IgG4定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4は、ヒトIgG4を指す。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体の重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:160を含むか、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:160からなる。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体の重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:161を含むか、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:161からなる。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体の軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:162を含むか、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:162からなる。
【0090】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:80を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:92を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:81を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:93を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:83を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:95を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:84を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:96を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:85を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:97を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:86を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:99を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:81を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:100を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:87を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:101を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:88を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:102を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:89を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:103を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:90を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:104を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:159を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:95を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0091】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:24を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0092】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:63を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0093】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:63を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:63を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:63を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0094】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:80、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:80と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:92、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:92と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:80を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:92を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:80を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:92を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0095】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:53を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:64を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0096】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:53を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:64を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:53を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:64を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:53を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:64を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0097】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:81、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:81と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:93、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:93と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:93を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:81を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:93を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0098】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:17を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0099】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:17を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:17を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:17を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0100】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:83、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:83と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:95、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:95と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:83を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:83を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0101】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:159、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:159と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:95、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:95と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:159を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:159を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0102】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:18を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:55を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0103】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:18を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:55を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:18を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:55を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:18を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:55を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0104】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:84、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:96、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:96と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:96を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:96を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0105】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:56を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0106】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:56を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:56を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:56を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0107】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:85、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:85と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:97、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:97と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:97を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:97を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0108】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:19を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:57を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0109】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:19を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:57を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:19を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:57を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:19を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:57を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0110】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:86、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:86と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:99、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:99と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:86を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:99を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:86を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:99を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0111】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:58を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0112】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:58を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:58を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:58を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0113】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:81、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:81と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:100、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:100と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:100を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:81を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:100を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0114】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:20を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0115】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:20を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:20を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:20を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0116】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:87、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:87と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:101、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:101と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:87を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:101を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:87を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:101を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0117】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:21を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:59を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0118】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:21を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:59を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:21を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:59を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:21を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:59を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0119】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:88、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:88と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:102、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:102と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:88を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:102を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:88を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:102を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0120】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:22を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:60を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0121】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:22を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:60を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:22を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:60を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:22を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:60を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0122】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:89、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:89と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:103、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:103と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:89を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:103を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:89を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:103を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0123】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:23を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:61を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0124】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:23を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:61を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:23を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:61を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:23を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:61を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0125】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:90、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:90と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:104、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:104と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:90を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:104を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:90を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:104を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0126】
本発明の一態様では、VおよびVを含み、前記Vは、IHSVH(SEQ ID NO:4)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR1と、TIISSGTTTTYAQSFQD(SEQ ID NO:16)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR2と、X(SEQ ID NO:189)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはD、YまたはNであり、XはGまたはAであり、XはDまたはTであり、XはS、AまたはTである1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、RASQGISSWLA(SEQ ID NO:40)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR1と、HASTLES(SEQ ID NO:54)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR2と、LQAXSLPHT(SEQ ID NO:158)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはN、D、Y、F、P、G、K、H、A、C、E、Q、R、S、T、V、WまたはLである1つのLC-CDR3とを含む、単離された抗Psl抗体を提供する。
【0127】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:105を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:106を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:107を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:108を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:109を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:110を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:111を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:112を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:113を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:114を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:115を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:116を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:117を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:118を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:119を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:120を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:121を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:122を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:123を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:124を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:125を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:126を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:127を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:107を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:113を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:107を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:123を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NO:107を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、SEQ ID NO:116を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0128】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0129】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0130】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:94と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0131】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:165を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0132】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:165を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:165を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:165を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0133】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:105、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:105と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:94と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:105を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:105を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0134】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:166を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0135】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:166を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:166を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:166を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0136】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:106、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:106と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:94と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:106を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:106を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0137】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0138】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0139】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:107と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:94と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0140】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:167を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0141】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:167を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:167を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:167を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0142】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:108、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:108と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:94と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:108を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:108を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0143】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:168を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0144】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:168を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:168を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:168を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0145】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:109、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:109と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:94と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:109を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:109を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0146】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:199を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0147】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:199を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:199を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:199を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0148】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:111、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:111と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:111を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:111を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0149】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:200を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0150】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:200を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:200を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:200を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0151】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:112、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:112と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:112を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:112を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0152】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0153】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0154】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:113、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:113と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:113を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:113を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0155】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:201を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0156】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:201を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:201を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:201を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0157】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:114、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:114と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:114を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:114を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0158】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:202を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0159】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:202を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:202を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:202を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0160】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:115、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:115と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:115を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:115を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0161】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0162】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0163】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:116、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:116と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:116を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:116を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0164】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:203を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0165】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:203を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:203を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:203を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0166】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:117、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:117と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:117を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:117を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0167】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:204を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0168】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:204を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:204を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:204を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0169】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:118、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:118と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:118を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:118を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0170】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:205を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0171】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:205を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:205を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:205を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0172】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:119、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:119と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:119を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:119を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0173】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:206を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0174】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:206を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:206を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:206を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0175】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:120、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:120と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:120を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:120を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0176】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:207を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0177】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:207を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:207を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:207を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0178】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:121、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:121と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:121を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:121を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0179】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:208を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0180】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:208を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:208を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:208を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0181】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:122、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:122と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:122を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:122を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0182】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0183】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0184】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:123、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:123と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:123を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:123を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0185】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:209を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0186】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:209を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:209を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:209を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0187】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:124、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:124と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0188】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:210を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0189】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:210を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:210を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:210を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0190】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:125、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:125と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0191】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0192】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0193】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:126、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:126と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0194】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:212を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0195】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:212を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:212を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:212を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0196】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:127、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:127と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0197】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0198】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0199】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:107と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:113、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:113と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:113を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:113を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0200】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0201】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0202】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:107と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:123、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:123と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:123を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:123を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0203】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0204】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0205】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:107と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:116、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:116と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:116を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:116を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0206】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:169を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0207】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:169を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:169を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:16を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:169を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:54を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0208】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:110、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:110と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:94と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:110を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:110を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0209】
本発明の一態様では、VおよびVを含み、前記Vは、SSGDYWG(SEQ ID NO:1)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR1と、SIHNXGSTYYNPSLKG(SEQ ID NO:213)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはS、KまたはQである1つのHC-CDR2と、QFGSETYYXGIXP(SEQ ID NO:190)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはN、S、V、TまたはPであり、XはD、Y、C、H、S、R、A、E、G、K、W、VまたはQである1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、RSSQSLLHSXGYNYLD(SEQ ID NO:184)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはN、A、V、F、R、G、H、Q、WまたはPである1つのLC-CDR1と、LGSNRAS(SEQ ID NO:51)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR2と、MQALQTPXT(SEQ ID NO:214)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはRまたはYである1つのLC-CDR3とを含む単離された抗Psl抗体を提供する。
【0210】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:24を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0211】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:24を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:24を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:24を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0212】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:79、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:79と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:79を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:79を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0213】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:170を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0214】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:170を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:170を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:170を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0215】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:128、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:128と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:128を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:128を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0216】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:171を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0217】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:171を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:171を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:171を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0218】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:129、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:129と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:129を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:129を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0219】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:172を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0220】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:172を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:172を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:172を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0221】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:130、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:130と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:130を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:130を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0222】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:173を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0223】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:173を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:173を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:173を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0224】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:131、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:131と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:131を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:131を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0225】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0226】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0227】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:132、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:132と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:132を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:132を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0228】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:174を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0229】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:174を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:174を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:174を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0230】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:133、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:133と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:133を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:133を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0231】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:175を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0232】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:175を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:175を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:175を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0233】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:134、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:134と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:134を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:134を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0234】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:176を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0235】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:176を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:176を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:176を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0236】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:135、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:135と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:135を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:135を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0237】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:177を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0238】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:177を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:177を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:177を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0239】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:136、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:136と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:136を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:136を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0240】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:178を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0241】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:178を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:178を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:178を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0242】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:137、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:137と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:137を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:137を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0243】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:179を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0244】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:179を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:179を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:179を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0245】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:138、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:138と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:138を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:138を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0246】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:180を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0247】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:180を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:180を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:180を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0248】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:139、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:139と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:139を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:139を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0249】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:191を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0250】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:191を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:191を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:191を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0251】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:140、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:140と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:140を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:140を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0252】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:192を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0253】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:192を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:192を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:192を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0254】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:141、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:141と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:141を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:141を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0255】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:193を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0256】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:193を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:193を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:193を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0257】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:142、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:142と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:142を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:142を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0258】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0259】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0260】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:143と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0261】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:194を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0262】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:194を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:194を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:194を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0263】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:144、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:144と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:144を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:144を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0264】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:195を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0265】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:195を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:195を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:195を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0266】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:145、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:145と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:145を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:145を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0267】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:196を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0268】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:196を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:196を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:196を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0269】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:146、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:146と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:146を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:146を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0270】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:197を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0271】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:197を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:197を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:197を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0272】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:147、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:147と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:147を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:147を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0273】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0274】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0275】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:132、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:132と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:143と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:132を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:132を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0276】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:198を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0277】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:198を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:198を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:198を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0278】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:148、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:148と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:148を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:148を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0279】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:181を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0280】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:181を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:181を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:181を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0281】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:149、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:149と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:149を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:149を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0282】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:164を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:24を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0283】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:164を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:24を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:164を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:24を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:164を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:24を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0284】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:150、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:150と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:150を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:150を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0285】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0286】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0287】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0288】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:183を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0289】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:183を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:183を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:183を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0290】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:152、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:152と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:143と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:152を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:152を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0291】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:164を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:183を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0292】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:164を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:183を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:164を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:183を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:164を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:183を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0293】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:153、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:153と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:143と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:153を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:153を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0294】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:181を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0295】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:181を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:181を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:181を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0296】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:149、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:149と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:143と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:149を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:149を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0297】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:185を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0298】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:185を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:185を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:185を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0299】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:154、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:154と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:154を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:154を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0300】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:186を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0301】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:186を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:186を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:186を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0302】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:155、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:155と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:155を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:155を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0303】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:187を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0304】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:187を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:187を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:187を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0305】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:156、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:156と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:143と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:156を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:156を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0306】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:188を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0307】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:188を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:188を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:188を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:50を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:62を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0308】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:157、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:157と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:143と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:157を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:157を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0309】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、またはHC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含む1つのLC-CDR3とを含み、またはLC-CDRsに多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。
【0310】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と特異的に競合する抗Psl抗体を提供する。いくつかの実施例において、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:163を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:182を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:51を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含む1つのLC-CDR3とを含む抗体と同じエピトープに結合する抗Psl抗体を提供する。
【0311】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:151と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:98、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:98と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:98を含むVとを含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を有するVにおけるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:98を有するVにおけるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含む。
【0312】
いくつかの実施例において、競合実験により、本明細書に記載の抗Psl抗体と競合的にPslに結合するモノクローナル抗体を同定することができる。競合実験は、同じエピトープまたは空間上で重なるエピトープを認識すること、または1つの抗体が競合的に別の抗体の抗原への結合を阻害することにより、2つの抗体が同じエピトープに結合するかどうかを判断できる。いくつかの実施例において、このような競合的な抗体は、本明細書に記載の抗体と同じエピトープに結合する。いくつかの例示的な競合実験は、例えば、Harlow and Lane(1988)Antibodies: A Laboratory Manual ch.14 (Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor, N.Y.)に記載された一般的な実験を含むが、これに限定されない。抗体が結合するエピトープを解析するための詳細な例示的な方法は、例えば、Morris (1996)”Epitope Mapping Protocols,” in Methods in Molecular Biology vol. 66 (Humana Press, Totowa, N.J.)に記載された通りである。いくつかの実施例において、各抗体は、別の抗体の結合の50%以上をブロックする場合、同じエピトープに結合すると称される。いくつかの実施例において、本明細書に記載の抗Psl抗体と競合する抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体である。
【0313】
例示的な抗Psl抗体配列は、表2および表3に示し、CDRの番号は、KabatのEUインデックスに従うものである。当業者は、CDRの位置を予測し、且つ抗体の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を定義するための、多くの既知のアルゴリズムが存在することが知っている。本明細書に記載の抗Psl抗体のCDRs、V配列および/またはV配列を含むが、予測アルゴリズムに基づいて以下の表に例示されていない抗体も本発明の範囲内にある。
【0314】
【表2】
【0315】
【表3】
【0316】
【表4】
【0317】
【表5】
【0318】
【表6】
【0319】
【表7】
【0320】
【表8】
【0321】
【表9】
【0322】
【表10】
【0323】
【表11】
【0324】
【表12】
【0325】
結合親和性
結合親和性は、Kd、Koff、Kon、またはKaで表すことができる。本明細書で使用される場合、「Koff」との用語は、抗体/抗原複合体からの抗体の解離速度定数を指すことが意図される。「Koff」は、キネティックセレクション装置によって測定される。「Kon」との用語は、抗体が抗原に結合して抗体/抗原複合体を形成する場合の結合速度定数である。本明細書に用いられる解離定数「Kd」とは、特定の抗体-抗原相互作用の解離定数を指し、抗体分子溶液において、抗原がすべての抗体結合部位の半分を占め、かつ平衡状態に達するときに必要な抗原濃度を指し、Koff/Konに等しい。Kdの測定は、全ての結合分子が溶液にあることを前提として行う。抗体が細胞壁と連結する場合、例えば酵母発現系では、対応する解離速度定数は、EC50で表し、Kdの適切な近似値である。親和定数Kaは、解離定数Kdの逆数である。
【0326】
平衡解離定数(Kd)は、抗体部分と抗原との親和性を示す指標として使用される。例えば、各種標識試薬で標識した抗体を使用したScatchard法や、Biacore(Amersham Biosciences社製)を用いた表面プラズモン共鳴による生体分子相互作用分析を、取扱説明書や付属のキットに従って行うことにより、容易に分析することができる。これらの方法で得られたKd値は、Mを単位として表される。標的と特異的に結合する抗体のKd値は、例えば、≦10-7M、≦10-8M、≦10-9M、≦10-10M、≦10-11M、≦10-12Mまたは≦10-13Mでありうる。
【0327】
抗体の結合特異性は、本分野での既知の方法によって測定することができる。これらの方法は、Western blots、ELISA-、RIA-、ECL-、IRMA-、EIA-、BIAcoreテストおよびペプチドスキャン等を含むが、これらに限定されない。
【0328】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、Psl標的と特異的に結合し、そのKd値は、10-7M~10-13M(例えば10-7M~10-13M、10-8M~10-13M、10-9M~10-13Mまたは10-10M~10-12M)である。そのため、いくつかの実施例において、抗Psl抗体とPslとの間の結合のKd値は、10-7M~10-13M、1×10-7M~5×10-13M、10-7M~10-12M、10-7M~10-11M、10-7M~10-10M、10-7M~10-9M、10-8M~10-13M、1×10-8M~5×10-13M、10-8M~10-12M、10-8M~10-11M、10-8M~10-10M、10-8M~10-9M、5×10-9M~1×10-13M、5×10-9M~1×10-12M、5×10-9M~1×10-11M、5×10-9M~1×10-10M、10-9M~10-13M、10-9M~10-12M、10-9M~10-11M、10-9M~10-10M、5×10-10M~1×10-13M、5×10-10M~1×10-12M、5×10-10M~1×10-11M、10-10M~10-13M、1×10-10M~5×10-13M、1×10-10M~1×10-12M、1×10-10M~5×10-12M、1×10-10M~1×10-11M、10-11M~10-13M、1×10-11M~5×10-13M、10-11M~10-12M、10-12M~10-13Mである。いくつかの実施例において、抗Psl抗体とPslとの間の結合のKd値は、10-7M~10-13Mである。
【0329】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体と非標的との間の結合のKd値は、抗Psl抗体と標的との間のKd値より高く、かつ本明細書に引用のいくつかの実施例において、抗Psl抗体と標的(例えば、Psl)との間の結合親和性は、抗Psl抗体と非標的との間の結合親和性より高い。いくつかの実施例において、非標的とは、非Psl抗原を指す。いくつかの実施例において、抗Psl抗体(Pslに対して)と非Psl標的との間の結合のKd値は、抗Psl抗体と標的Pslとの間の結合のKd値の少なくとも10倍、例えば、10~100倍、100~1000倍、10~10倍、10~10倍、10~10倍、10~10倍、10~10倍、10~10倍、10~1010倍、1010~1011倍、1011~1012倍である。
【0330】
核酸
抗Psl抗体をコードする核酸分子も含まれる。いくつかの実施例において、本明細書に記載のいずれか1つの全長の抗Psl抗体を含む、全長の抗Psl抗体をコードする核酸(または核酸のセット)が提供される。いくつかの実施例において、本明細書に記載の抗Psl抗体の核酸(または核酸のセット)は、ペプチドタグ(例えばタンパク質精製タグ、Hisタグ、HAタグ)をコードする核酸配列をさらに含み得る。
【0331】
本明細書では、抗Psl抗体を含む単離された宿主細胞、抗Psl抗体のポリペプチド成分をコードする単離された核酸、または本明細書に記載の抗Psl抗体のポリペプチド成分をコードする核酸を含むベクターも含まれる。
【0332】
本発明は、これらの核酸配列の変異体をさらに含む。例えば、変異体は、少なくとも中程度のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、本発明の抗Psl抗体をコードする核酸配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む。
【0333】
本発明は、本発明の核酸が挿入されたベクターも提供する。
【0334】
簡単に言えば、例えば、プロモーター(例えば、リンパ球特異的プロモーター)および3’非翻訳領域(UTR)を含む5’および3’末端調節エレメントに作動可能に連結されるように、抗Psl抗体をコードする天然または合成核酸を適切な発現ベクターに挿入することによって、抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)の発現が達せされ得る。前記ベクターは、真核宿主細胞における複製と組み込みに好適であり得る。典型的なクローニングおよび発現ベクターは、目的の核酸配列の発現を調節するために有用な転写および翻訳ターミネーター、開始配列、およびプロモーターを含む。
【0335】
本発明に記載の核酸は、標準的な遺伝子送達プロトコルを使用することにより、核酸免疫化および遺伝子治療に使用することもできる。遺伝子送達の方法は、本分野で公知である。例えば、U.S.Pat.Nos.5,399,346、5,580,859、5,589,466を参照し、その全体の内容を引用することにより本明細書に組み込まれる。いくつかの実施例において、本発明は、遺伝子治療ベクターをさらに提供する。
【0336】
核酸は、様々な種類のベクターにクローニングし得る。例えば、核酸は、プラスミド、ファージミド、ファージ誘導体、動物ウイルスおよびコスミドを含むベクターにクローニングしうるが、これらに限定されない。特に対象となるベクターは、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクターおよび配列決定ベクターを含む。
【0337】
また、発現ベクターは、ウイルスベクターの形態で細胞に供することができる。ウイルスベクター技術は、本分野で周知であり、例えば、Green and Sambrook (2013, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York)、および他のウイルス学または分子生物学のハンドブックに記載されている。ベクターとして用いられるウイルスは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルスおよびレンチウイルスを含むが、これらに限定されない。通常、適切なベクターは、少なくとも一種の生物で機能する複製起点、プロモーター配列、便利な制限エンドヌクレアーゼ部位、および1つ以上の選択マーカーを含む(例えば、WO 01/96584;WO 01/29058;およびU.S.Pat.No.6,326,193参照)。
【0338】
哺乳類動物細胞への遺伝子導入のための多くのウイルスに基づくシステムが既に開発されてきた。例えば、レトロウイルスは、遺伝子送達システムに便利なプラットフォームを提供する。選択された遺伝子は、本分野で既知の技術を利用してベクターに挿入され、レトロウイルス粒子に包装される。次いで、組換えウイルスを単離し、イン・ビトロまたはイン・ビボで受験者の細胞へ送達する。多くのレトロウイルスシステムが本分野において既知である。いくつかの実施例において、アデノウイルスベクターを使用する。多くのアデノウイルスベクターが本分野において既知である。いくつかの実施例において、レンチウイルスベクターを使用する。レンチウイルスなどのレトロウイルスから誘導されたベクターは、導入された遺伝子が長期で安定的に整合およびサブセルにおける繁殖を可能にするため、長期的な遺伝子導入を達成するための適切な手段である。レンチウイルスベクターは、非分裂細胞例えば肝細胞を形質導入することができるため、マウス白血病ウイルスなどの腫瘍から誘導されたレトロウイルスよりもさらなる利点を有する。それとともに、レンチウイルスベクターは、低免疫原性とのさらなる利点もある。
【0339】
エンハンサーなどの他のプロモーターエレメントは、転写初期頻度を調節する。通常、プロモーターは、開始部位の30-110bp上流の領域に位置するが、最近、多くのプロモーターは、開始部位が下流に位置する機能要素も含むことが見出されている。プロモーター要素間の間隔は、通常、フレキシブルであるため、要素同士の位置交換または移動する時に、プロモーターの機能が維持される。チミジンキナーゼ(tk)プロモーターでは、プロモーターエレメント要素間の間隔は、活性の低下が始まる前に、50bpまで増加させることができる。
【0340】
適切なプロモーターの一例は、前初期サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター配列である。このプロモーター配列は、それに作動可能に連結された任意のポリヌクレオチド配列の高レベルの発現を駆動することができる、強力な構成的プロモーター配列である。適切なプロモーターの他の例は、伸長成長因子1α(EF-1α)プロモーターである。しかしながら、他の構成的プロモーターも使用しても良く、それは、シミアンウイルス40(SV40)初期プロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)ロングターミナルリピート(LTR)プロモーター、MoMuLVプロモーター、家禽白血病ウイルスプロモーター、Epstein-Barrウイルス前初期プロモーター、ルース肉腫ウイルスプロモーター、およびヒト遺伝子プロモーターを含むが、これらに限定されなく、当該ヒト遺伝子プロモーターは、アクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、ヘモグロビンプロモーターおよびクレアチンキナーゼプロモーターを含むが、これらに限定されない。また、本発明を、構成的プロモーターの使用に限定されるべきではない。誘導性プロモーターも本発明の一部として考えられる。誘導性プロモーターを使用することにより、発現が望まれる場合、作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現をオンにし、発現が望まれない場合、発現をオフにすることができる分子スイッチが提供される。誘導性プロモーターは、メタロチオネインプロモーター、糖質コルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーターおよびテトラサイクリンプロモーターを含むが、これらに限定されない。
【0341】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体の発現は、誘導可能である。いくつかの実施例において、抗Psl抗体をコードする核酸配列は、本明細書に記載の任意の誘導性プロモーターを含む誘導性プロモーターに作動可能に連結される。
【0342】
誘導性プロモーター
誘導性プロモーターを使用することにより、発現が望まれる場合、作動可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現をオンにし、発現が望まれない場合、発現をオフにすることができる分子スイッチが提供される。真核細胞に適用する例示的な誘導性プロモーターは、ホルモン調節エレメント(例えば、Mader,S.and White,J.H.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5603-5607を参照)、合成リガンド調節エレメント(Spencer,D.M.et al(1993)Science 262:1019-1024を参照)および電離放射線調節エレメント(Manome,Y.et al.(1993)Biochemistry 32:10607-10613;Datta,R.et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1014-10153を参照)を含むが、これらに限定されない。イン・ビボまたはイン・ビトロ哺乳類動物システムに適用する他の例示的な誘導性プロモーターは、Gingrich et al.(1998)Annual Rev.Neurosci 21:377-405を参照する。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を発現するための誘導性プロモーターシステムは、Tetシステムである。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を発現するための誘導性プロモーターシステムは、大腸菌由来のlacリプレッサーシステムである。
【0343】
本発明に使用の例示的な誘導性プロモーターシステムは、Tetシステムである。当該システムは、Gossenなど(1993)によって説明されたものである。例示的な一例において、目的のポリヌクレオチドは、1つ以上のTetオペレーター(TetO)部位を含むプロモーターによって制御される。非活性化状態では、Tetリプレッサー(TetR)がTetO部位に結合し、プロモーターの転写を阻害する。活性化状態では、例えば、テトラサイクリン(Tc)、無水テトラサイクリン、ドキシサイクリン(Dox)またはその活性類似体などの誘導剤の存在下で、誘導剤は、TetOからのTetRの放出を引き起こし、それによって、転写を可能にする。ドキシサイクリンはテトラサイクリン抗生物質ファミリーのメンバーの1つであり、その化学名は1-ジメチルアミノ-2,4a,5,7,12-ペンタヒドロキシ-11-メチル-4,6-ジオキシ-1,4a,11,11a,12,12a-ヘキサヒドロテトラエン-3-カルボキサミドである。
【0344】
1つの実施例において、TetRは、例えば、マウスまたはヒト細胞などの哺乳類動物細胞での発現に適用するためにコドン最適化されている。ほとんどのアミノ酸は、遺伝暗号の縮重のために複数のコドンによってコードされており、これによって、所与の核酸の配列が多くの変異体を有するが、核酸によってコードされるアミノ酸配列は何ら変更されていない。しかしながら、多くの生物体では、コドンを使用する点で異なりがあり、これは「コドンバイアス」(即ち、特定のアミノ酸に対する特定のコドンの使用に対するバイアス)とも呼ばれる。コドンバイアスは、通常、特定のコドンのtRNAの優勢な種の存在と相関することが多く、これによりmRNA翻訳の効率が向上する。従いまして、特定の生物(例えば、原核生物)に由来するコード配列は、コドン最適化を通じて、異なる生物(例えば、真核生物)における改善された発現のために調整され得る。
【0345】
Tetシステムの他の具体的なバリエーションには、以下の「Tet-Off」および「Tet-On」システムが含まれる。Tet-Offシステムにおいて、転写はTcまたはDoxの存在下で、非活性化である。そのシステムでは、単純ヘルペスウイルス由来のVP16の強力なトランス活性化ドメインに融合したTetRで構成されるテトラサイクリン制御トランス活性化タンパク質(tTA)は、テトラサイクリン応答性プロモーターエレメント(TRE)の転写制御下に標的核酸の発現を調節する。TREは、プロモーター(通常、ヒトサイトメガロウイルスの前初期プロモーターに由来する最小のプロモーター配列)に融合したTetO配列コンカテマーで構成される。TcまたはDoxが存在しない場合、tTAはTREに結合し、標的遺伝子の転写を活性化する。TcまたはDoxが存在する場合、tTAはTREに結合できず、標的遺伝子が発現できない。
【0346】
逆に、Tet-Onシステムにおいて、転写は、TcまたはDoxの存在下で活性化される状態になる。Tet-Onシステムは、逆テトラサイクリン調節トランス活性化因子rtTAに基づいている。tTAと同様に、rtTAは、TetRリプレッサーとVP16トランス活性化ドメインで構成された融合タンパク質である。しかしながら、TetRのDNA結合領域における4個のアミノ酸の変化により、rtTAの結合特性を変えて、そのrtTAは、Doxが存在する場合、ターゲット導入遺伝子TRE内のtetO配列のみを認識できる。従いまして、Tet-Onシステムでは、TREによって調節される標的遺伝子の転写は、Doxの存在のみでrtTAによって活性化することができる。
【0347】
別の誘導性プロモーターシステムは、大腸菌由来のlacリプレッサーシステムである(Brown et al.,Cell 49:603-612(1987)を参照)。Lacリプレッサーシステムは、lacオペレーター(lacO)を含むプロモーターに作動可能に連結された目的のポリヌクレオチドの転写を調節することによって機能する。Lacリプレッサー(lacR)はLacOに結合し、それによって目的のポリヌクレオチドの転写を防ぐ。目的のポリヌクレオチドの発現は、適切な誘導剤、例えば、イソプロピル-β-Dチオガラクトピラノシド(IPTG)によって誘導される。
【0348】
ポリペプチドまたはその一部の発現を評価するために、細胞に導入しようとする発現ベクターは、ウイルスベクターによってトランスフェクトまたは感染した細胞集団からの発現細胞の同定および選択を容易にするために、選択マーカー遺伝子またはレポーター遺伝子、或いはその両方をさらに含み得る。他の一方では、選択マーカーは、単独のDNAフラグメント上に運ばれ、そしてコトランスフェクション実験において使用され得る。選択マーカー遺伝子またはレポーター遺伝子のいずれも、宿主細胞で発現できるように、適切な調節配列に隣接することができる。有用な選択マーカーは、例えば、neoおよび類似の遺伝子のような抗生物質耐性遺伝子を含む。
【0349】
レポーター遺伝子は、潜在的にトランスフェクトされた細胞の同定、および調節配列の機能評価に用いられる。通常、レポーター遺伝子は、受容体の生物体または組織に存在しないか、または受容体の生物体または組織が発現しない遺伝子であり、そして、レポーター遺伝子は、例えば、酵素活性のような検出しやすい特性を発現するポリペプチドをコードする。レポーター遺伝子の発現は、DNAが受容体細胞に導入された後の適切な時期に検出される。適切なレポーター遺伝子は、ルシフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、分泌型アルカリホスファターゼ、または緑色蛍光タンパク質をコードする遺伝子を含みうる(例えば、Ui-Tel et al., 2000 FEBS Letters 479: 79-82)。適切な発現システムは公知であり、既知の技術によって調製するか、または商業的に入手することができる。通常、レポーター遺伝子の最高の発現レベルを示す最小の5’フランキング領域を持つ構築体は、プロモーターとして同定される。このようなプロモーター領域は、レポーター遺伝子に連結され、プロモーター駆動性転写を調節するいくつの物質の能力を評価するために使用できる。
【0350】
いくつかの実施例において、本明細書に記載のいずれか1つの全長の抗Psl抗体をコードする核酸を提供する。いくつかの実施例において、前記核酸は、全長の抗Psl抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの実施例において、前記1つ以上の核酸配列の各核酸配列は単独のベクターに含まれる。いくつかの実施例において、少なくともいくつかの核酸配列は同じベクターに含まれる。いくつかの実施例において、全ての核酸配列は同じベクターに含まれる。ベクターは、例えば、哺乳類動物発現ベクターおよびウイルスベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルスおよびレンチウイルスに由来するベクター)から選択されることができる。
【0351】
遺伝子を細胞に導入し、それらを発現させる方法は、本分野では、既知である。発現ベクターの文脈において、ベクターは、本分野の任意の方法によって、哺乳類動物細胞、細菌、酵母、または昆虫細胞などの宿主細胞に容易に導入することができる。例えば、発現ベクターは、物理的、化学的または生物学的方法によって宿主細胞に導入することができる。
【0352】
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する物理的方法には、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション、遺伝子衝撃、マイクロインジェクション、エレクトロポレーションなどが含まれる。ベクターおよび/または外因性核酸を含む細胞を調製する方法は、本分野で周知である。例えば、Green and Sambrook(2013,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New York)を参照する。いくつかの実施例において、宿主細胞へのポリヌクレオチドの導入は、リン酸カルシウムトランスフェクションによって行われる。
【0353】
目的のポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する生物学的方法として、DNAやRNAベクターを用いる方法が挙げられる。ウイルスベクター、特にレトロウイルスベクターは、ヒト細胞などの哺乳類動物細胞に遺伝子を挿入するために最も広く使用されている方法になる。他のウイルスベクターは、レンチウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルス1型、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルスに由来しうる。例えば、U.S.Pat.Nos.5,350,674および5,585,362を参照する。
【0354】
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための化学的方法には、高分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、磁気ビーズなどのコロイド分散システム、および水中油型エマルジョン、ミセル、混合ゲルクラスターとリポソームを含む脂質をベースとするシステムが含まれる。イン・ビボおよびイン・ビトロで送達ベクターとして使用される例示的なコロイドシステムは、リポソーム(例えば、人工膜小胞)である。
【0355】
非ウイルス送達システムを使用する場合、例示的な送達ベクターはリポソームである。脂質製剤を使用して核酸を宿主細胞に導入すること(イン・ビトロ、エクス・ビボ、またはイン・ビボ)が考えられる。他の一方では、前記核酸は、脂質に結合することができる。脂質に結合された核酸は、リポソームの水性内部に包まれ、リポソームの脂質二重層に分散され、リポソームおよびオリゴヌクレオチドに結合する連結分子を介してリポソームに接続され、リポソームに埋め込まれ、リポソームと複合体を形成し、脂質を含む溶液に分散して、脂質と混合し、脂質に結合し、脂質に懸濁し、ミセルに含まれるかまたはミセルと混合し、或いは他の方法で脂質に結合し得る。脂質、脂質/DNAまたは脂質/発現ベクターに関連する組成物は、溶液中で特定の構造に限定されない。例えば、それらは、二重層構造、ミセル、または「崩壊した」構造で存在し得る。それらは、単純に溶液中に分散させることもでき、不均一なサイズまたは形状の凝集体を形成する可能性がある。脂質は、脂肪物質であり、天然存在または合成された脂質でありうる。例えば、脂質は、細胞質に自然に存在する脂肪滴と、脂肪酸、アルコール、アミン、アミノアルコール、アルデヒドなどの、長鎖脂肪族炭化水素およびその誘導体を含む一種類の化合物とを含有する。
【0356】
外因性核酸を宿主細胞に導入するための方法であれ、または細胞を他の方法で本出願の阻害剤に曝露するための方法であれ、組換えDNA配列が宿主細胞に存在することを確認するために、様々な実験を行うことができる。このような実験は、例えば、当業者に周知の「分子生物学」実験を含む。例えば、SouthernおよびNorthern blotting、RT-PCRおよびPCR;「生化学」実験、例えば、ある特定のポリペプチドの存在または不在による検出、免疫学的方法(ELISAおよびWestern blots)または本明細書に記載の実験による同定は、全て本発明の範囲に含まれる。
【0357】
抗Psl抗体の調製
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、モノクローナル抗体であるか、またはモノクローナル抗体に由来するものである。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、モノクローナル抗体由来のVおよびV、またはその変異体を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、さらに、モノクローナル抗体由来のC1およびCドメイン、またはその変異体を含む。モノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ法、ファージディスプレイ法、または組換えDNA法を使用する方法などの本分野で既知の方法を使用して調製することができる。また、例示的なファージディスプレイ法は、本明細書および以下の実施例において説明されている。
【0358】
ハイブリドーマ法では、通常、ハムスター、マウス、または他の適切な宿主動物を免疫剤で免疫して、免疫剤と特異的に結合する抗体を産生するか、または産生できるリンパ球を誘導する。また、イン・ビトロでリンパ球を免疫化することができる。免疫剤は、目的のタンパク質のポリペプチドまたは融合タンパク質を含み得る。通常、ヒト由来細胞が必要である場合、末梢血リンパ球(PBL)が適用され、非ヒト哺乳類動物由来細胞が必要である場合、脾臓細胞またはリンパ節細胞が適用される。リンパ球は、適切な融合剤、例えば、ポリエチレングリコールを使用して不死化細胞株と融合され、ハイブリドーマ細胞を形成する。不死化細胞株は通常、形質転換された哺乳類動物細胞であり、特にげっ歯類、ウシ科、およびヒトの骨髄腫細胞である。通常、ラットまたはマウスの骨髄腫細胞株が適用される。ハイブリドーマ細胞は、適切な培地で培養することができ、前記培養基には、未融合の不死化細胞の増殖または生存を阻害する一種以上の物質が含まれることが好ましい。例えば、親細胞には、ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT「または」HPRT)を欠いている場合、ハイブリドーマ細胞培養培地には通常、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン(HAT培地)が含まれ、当該培養培地は、HGPRT欠損細胞の増殖を防ぐことができる。
【0359】
いくつかの実施例において、不死化細胞株は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞によって抗体の安定で高レベルの発現をサポートし、そしてこの細胞は、いくつの培地、例えば、HAT培地に感受性がある。いくつかの実施例において、不死化細胞株は、マウス骨髄腫細胞株であり、例えば、当該マウス骨髄腫細胞株は、カリフォルニア州サンディエゴのソーク細胞コレクションおよびバージニア州マナッサスのアメリカンタイプカルチャーコレクションから得られる。また、ヒト骨髄腫およびマウス-ヒトハイブリッド骨髄腫細胞株の、ヒトモノクローナル抗体の調製のための使用についても説明されている。
【0360】
そして、ハイブリドーマ細胞を培養する培地中にポリペプチドに対するモノクローナル抗体が存在するかどうかを測定することができる。ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、放射性免疫沈降分析法(RIA)または酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)のような免疫沈降法またはイン・ビトロ結合実験によって決定することができる。このような技術または分析方法は本分野で既知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、Munson and Pollard, Anal. Biochem.,107:220(1980)に記載されたScatchard 解析によって決定することができる。
【0361】
所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、標的クローンを限界希釈法によってサブクローン化し、標準的な方法によって培養することができる。この目的に基づく適切な培地は、例えば、改良されたEagle培地(DMEM)およびRPMI-1640を含む。または、ハイブリドーマ細胞は、哺乳類動物の体内で腹水の形で増殖することができる。
【0362】
サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、例えば、プロテインA-セファロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析またはアフィニティークロマトグラフィーのような従来の免疫グロブリン精製法によって、培地または腹水から分離または精製することができる。
【0363】
いくつかの実施例において、本明細書に記載の上記のいずれか1つの抗Psl抗体では、前記抗Psl抗体は、抗体ライブラリー(例えば、scFvまたはFabフラグメントを提示するファージライブラリー)から選択されるクローン化配列を含む。前記クローンは、コンビナトリアルライブラリー中の所望の活性を有する抗体フラグメントをスクリーニングすることによって同定することができる。例えば、本分野において、ファージディスプレイライブラリーを生成し、これらのライブラリーをスクリーニングして、所望の結合特性を有する抗体を得るための様々な方法が知られている。このような方法は、例えば、Hoogenboom et al.,Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,N.J.,2001)において説明されている。そして、更に例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552-554;Clackson et al.,Nature 352:624-628(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581-597(1992);Marks and Bradbury,Methods in Molecular Biology 248:161-175(Lo,ed.,Human Press,Totowa,N.J.,2003);Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004);Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(2004);Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472(2004);and Lee et al.,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)において説明されている。
【0364】
特定のファージディスプレイ法では、VおよびV遺伝子の全ての構成成分をそれぞれポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりクローンし、ファージライブラリーでランダムに再結合されてから、抗原に結合できるファージをスクリーニングされる。これは、例えば、Winter et al.,Ann.Rev.Immunol.,12: 433-455(1994)に記載されている。ファージは、通常scFvフラグメントまたはFabフラグメントとして抗体フラグメントをディスプレイする。免疫由来のライブラリーファージは、ハイブリドーマ細胞を構築する必要なしに、免疫原に対する高親和性抗体を提供する。或いは、ナイーブレパートリー(例えば、ヒト由来)をクローンして、何の免疫化せずに複数の非自己抗原および自己抗原に対する抗体の単一の供給源を提供することができる。これは、例えば、Griffiths et al.,EMBO J, 12: 725-734(1993)に記載されている。最後に、ナイーブライブラリーは、さらに、幹細胞からの再配列されていないV-geneフラグメントをクローニングし、ランダム配列を含むPCRプライマーを使用してCDR3高度可変領域をコードし、イン・ビトロで再配列する方法で調製しうる。これは、例えば、Hoogenboom and Winter,J. Mol. Biol.,227:381-388(1992)に記載されている。ヒト抗体ファージライブラリーを説明した特許刊行物は、例えば、U.S.Pat.No.5,750,373、およびUS Patent Publication Nos.2005/0079574、2005/0119455、2005/0266000、2007/0117126、2007/0160598、2007/0237764、2007/0292936および2009/0002360を含む。
【0365】
前記抗Psl抗体は、ファージディスプレイを適用して、ライブラリーにおける標的Pslと特異的に結合できる抗Psl抗体の部分をスクリーニングして調製することができる。当該ライブラリーは、ヒトscFvファージディスプレイライブラリーであり得、少なくとも1×10(例えば、少なくとも1×10、2.5×10、5×10、7.5×10、1×1010、2.5×1010、5×1010、7.5×1010または1×1011)種の多様性を有する特定のヒト抗体フラグメントである。いくつかの実施例において、前記ライブラリーは、健康な受験者のヒトPMBCsおよび脾臓から抽出されたDNAで構築されたヒト天然ライブラリーであり、全てのヒト重鎖および軽鎖サブファミリーを含む。いくつかの実施例において、前記ライブラリーは、様々な疾患の患者、例えば、自己免疫疾患の患者、がんの患者、および感染性疾患の患者から単離されたPMBCsから抽出されたDNAで構築されたヒト天然ライブラリーである。いくつかの実施例において、前記ライブラリーは、半合成のヒトライブラリーであり、ここで、重鎖CDR3が完全にランダムであり、全てのアミノ酸(システインを除く)が同じ確率で任意の所定の位置に存在する(例えば、Hoet,R.M.et al.,Nat.Biotechnol.23(3):344-348,2005を参照)。いくつかの実施例において、半合成のヒトライブラリーの重鎖CDR3の長さは、5から24個(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23または24)のアミノ酸の長さである。いくつかの実施例において、前記ライブラリーは、全合成のファージディスプレイライブラリーである。いくつかの実施例において、前記ライブラリーは、非ヒトファージディスプレイライブラリーである。
【0366】
標的Pslに対して高い親和性を有するファージクローンは、標的Pslへのファージの反復結合によってスクリーニングすることができ、前記標的Pslは、固体支持体(例えば、溶液パニング(Panning)に用いるビーズまたは細胞パニングに用いる哺乳類動物細胞)に結合し、そして結合されていないファージを除去し、特異的に結合されたファージを溶出する。続いて、結合されたファージクローンを溶出し、適切な宿主細胞、例えばE.coli XL1-Blueに対する感染に用いられ、発現および精製をする。特異的にPslに結合するファージクローンを濃縮するように、溶液パンニング、細胞パンニング、または両方の組み合わせなどの複数ラウンドのパンニング(例えば、2、3、4、5、6またはそれ以上の任意のラウンド)を行っても良い。濃縮されたファージクローンの、標的Pslへの特異的結合は、例えば、ELISAおよびFACSを含む、本分野で既知の任意の方法によって検出することができる。
【0367】
抗体ライブラリーをスクリーニングするための別の方法は、酵母細胞の表面にタンパク質をディスプレイすることである。Wittrup等(US Patent Nos.6,699,658および6,696,251)は、酵母細胞ディスプレイライブラリーのための方法を開発した。この酵母ディスプレイシステムでは、1つのコンポーネントには、酵母細胞壁に固定されている酵母凝集素タンパク質(Aga1)が含まれる。もう1つのコンポーネントには、凝集素タンパク質Aga2の2番目のサブユニットを含む。当該凝集素タンパク質Aga2の2番目のサブユニットは、Aga1タンパク質とジスルフィド結合して、酵母細胞の表面に表示することができる。タンパク質Aga1は、Aga1遺伝子の組み込み後に、酵母染色体から発現される。一本鎖可変フラグメント(scFv)のライブラリーは、酵母ディスプレイプラスミド中のAga2配列に遺伝的に融合され、形質転換後、前記プラスミドは、栄養マーカー付きエピソームで酵母に維持される。Aga1とAga2の両方のタンパク質がガラクトース誘導性プロモーターの制御下で発現する。
【0368】
ヒト抗体V遺伝子レパートリー(VHおよびVKフラグメント)は、縮重プライマーのプールを使用したPCR法によって得られる(Sblattero,D.&Bradbury,A.Immunotechnology 3,271-278 1998)。PCRテンプレートは、PBMC、脾臓、リンパ節、骨髄、および扁桃腺を含む市販のRNAsまたはcDNAsに由来する。独立したVHおよびVK PCRライブラリーを組み合わせ、オーバーラップエクステンションPCRによってscFv形式で組み立てる(Sheets,M.D.et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95, 6157-6162 1998)。酵母scFvディスプレイライブラリーを構築するために、得られたscFv PCR産物は、相同組換えによって酵母内の酵母ディスプレイプラスミドにクローニングされる。(Chao,G,et al,Nat Protoc.2006;1(2):755-68. Miller KD,et al.Current Protocols in Cytometry 4.7.1-4.7.30,2008)。
【0369】
抗Psl抗体は、U.S.patent No.7,732,195B2に記載されているように、抗体部分が細胞表面にディスプレイされ、標的Pslに特異的な抗体が抗原誘導スクリーニング法によって単離される哺乳動物細胞ディスプレイシステムを使用して発見することができる。ヒトIgG抗体遺伝子の大規模なセットを代表する中国ハムスター卵巣(CHO)細胞ライブラリーを構築し、高親和性抗体遺伝子を発現するクローンを発見するために使用される。別のディスプレイシステムが開発されており、当該ディスプレイシステムは、交互スプライシングを介して同じタンパク質の高レベルの細胞表面ディスプレイと分泌を同時に行うことができ、前記表示されたタンパク質の表現型は遺伝子型に関連付けられたままであるため、生物物理学的および細胞ベースの機能アッセイと同時に、可溶性の分泌抗体に対して特性評価を行うことができる。この方法は、以前の哺乳動物細胞ディスプレイの多くの制限を克服し、完全長のグリコシル化IgGの形で抗体を直接選択と成熟することができる(Peter M.Bowers,et al,Methods 2014,65:44-56)。一過性発現系は、抗体遺伝子を回収する前の単一ラウンドの抗原選択に適しているため、より小さなライブラリーからの抗体の選択に最も役立つ。安定したエピソームベクターは、魅力的な代替手段を提供する。エピソームベクターは、高効率でトランスフェクトでき、低コピー数で安定して維持できるため、複数回のパンニングとより複雑な抗体ライブラリーの解決が可能になる。
【0370】
IgGライブラリーは、ヒトドナーのパネルから分離された再配列(D)J領域に結合された生殖系列配列V遺伝子セグメントに基づくものである。2000個のヒト血液サンプルから収集したRNAをcDNAに逆転写し、VおよびV特異的プライマーを使用してVおよびVフラグメントを増幅し、ゲル抽出によって精製する。IgGライブラリーは、VおよびVフラグメントをそれぞれIgG1またはK定常領域を含むディスプレイベクターにサブクローニングし、次いで293T細胞に電気穿孔または形質導入することによって生成する。scFv抗体ディスプレイライブラリーを生成するために、VおよびVをリンクすることによってscFvsを生成し、ディスプレイベクターにサブクローニングし、その後、293T細胞に電気穿孔または形質導入する。IgGライブラリーは、ドナーのパネルから分離された再配列(D)J領域に結合された生殖系列配列V遺伝子セグメントに基づくものであり、ドナーはマウス、ラット、ウサギ、またはサルであってもよいことが知られている。
【0371】
モノクローナル抗体は、例えば、U.S.Patent No.4,816,567に記載された組換えDNA法によって調製できる。本発明に記載のモノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の方法(例えば、マウス抗体の軽鎖および重鎖をコードする遺伝子と特異的に結合するオリゴヌクレオチドプローブ)によって容易に単離および配列決定することができる。前記のようなハイブリドーマ細胞または本発明のPsl特異的ファージクローンは、このDNAの供給源とすることができる。単離した後、DNAを発現ベクターに入れ、そして、当該ベクターを、例えば、シミアン(Simian)COS細胞、チャイニーズハムスター卵巣がん(CHO)細胞、または免疫グロブリンを産生しない骨髄腫細胞のような宿主細胞にトランスフェクトして、組換え宿主細胞内で合成されたモノクローナル抗体を得る。前記DNAは、修飾されてもよく、例えば、コード配列でヒト重鎖および軽鎖定常ドメインを置換し、および/またはフレームワーク領域で相同な非ヒト配列を置換し(U.S.Patent No.4,816,567;Morrison et al.,supra)、または、共有結合で免疫グロブリンのコード配列における非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全部または一部を連結する。この非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメインを置換することができ、または本発明の抗体の可変ドメイン内の抗原結合部位を置換し、キメラ二価抗体を形成することができる。
【0372】
前記抗体は一価抗体であり得る。一価抗体を調製する方法は当分野で既知である。例えば、免疫グロブリン軽鎖および修飾された重鎖の組換に関する発現法である。通常、重鎖が互いに架橋するのを防ぐために、重鎖がFc領域の任意の位置で短く切られる。または、架橋を防ぐために、関連するシステイン残基が他のアミノ酸残基に置換または削除される。
【0373】
イン・ビトロ法は、一価抗体の調製にも適用される。抗体を消化して抗体フラグメント、特にFabフラグメントを生成するのは、本分野で知られている任意の方法で達成することができる。
【0374】
所望の結合特異性(抗体-抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインは、免疫グロブリン定常ドメインと融合できる。好ましくは、ヒンジ、CH2およびCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインと融合される。いくつかの実施例において、軽鎖結合に必要な部位を含む第1の重鎖定常領域(CH1)は、少なくとも一種の融合物中に存在する。免疫グロブリン重鎖融合物および所望により免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAを、別個の発現ベクターに挿入し、適切な宿主生物に同時トランスフェクトする。
【0375】
完全ヒト抗体およびヒト化抗体
前記抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)は、ヒト化抗体または完全ヒト抗体であり得る。非ヒト(マウスなど)抗体部分のヒト化形態は、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそれらのフラグメント(例えばFv、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFvまたは抗体のその他の抗原結合サブ配列)であり、通常、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小の配列を含む。ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖またはそのフラグメント(レシピエント抗体)を含み、ここで、受容体CDRからの残基が、例えば、マウス、ラット、またはウサギのCDRなどの、所望な特異性、親和性および性能を持つ非ヒト(ドナー抗体)のCDR残基によって置換される。いくつかの実施例において、ヒト免疫グロブリンFvフレームワーク領域の残基は、対応する非ヒト残基に置換される。ヒト化抗体は、レシピエント抗体に属しなく、導入されたCDRまたはフレームワーク領域の配列にも存在しないアミノ酸残基をさらに含み得る。通常、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、通常は2つの可変ドメインを含み、可変ドメインにおいて、全てまたは実質的に全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、全てまたは実質的に全てのフレームワーク領域がヒト免疫グロブリンコンセンサス配列である。
【0376】
通常、ヒト化抗体は、非ヒトから導入された1つ以上のアミノ酸残基を含む。これらの非ヒトアミノ酸残基は、通常、「インポート」残基と呼ばれ、通常、「インポート」可変ドメインに由来する。いくつかの実施例において、ヒト化は、実質的にWinterと彼の同僚の以下の方法(Jones et al.,Nature,321:522-525(1986);Riechmann et al.,Nature, 332:323-327(1988);Verhoeyen et al.,Science,239:1534-1536(1988))に従って実行し、げっ歯類動物のCDRsまたはCDR配列でヒト化抗体の対応する配列を置換する。従って、このような「ヒト化」抗体部分(U.S.Patent No.4,816,567)は、実質的に完全のヒト化抗体より不完全であって、その可変ドメインは、既に非ヒト化に由来する対応する配列に置換された。実際には、ヒト化抗体部分は、典型的には、いくつかのCDR残基および可能のいくつかのフレームワーク領域の残基が、げっ歯類抗体の類似部位からの残基によって置換されているヒト抗体部分である。
【0377】
完全ヒト抗体は、ヒト化の代替形の1つである。例えば、現在、免疫化後、内因性免疫グロブリンを産生せずに、完全な完全ヒト抗体ライブラリーを生成することができる通常遺伝子改変動物(例えば、マウス)を作製することができる。例えば、キメラおよび生殖細胞突然変異マウスにおいて、抗体重鎖結合領域(JH)遺伝子のホモ接合体の欠失は、完全に、内因性抗体の産生を阻害することが報告された。ヒト生殖細胞株免疫グロブリン遺伝子アレイをこのような生殖細胞突然変異マウスに移して、抗原刺激下で完全ヒト抗体を産生することができる。例えば、akobovits et al.,PNAS USA,90:2551 (1993);Jakobovits et al.,Nature,362:255-258(1993);Bruggemann et al.,Year in Immunol.,7:33 (1993);U.S. Patent Nos.5,545,806,5,569,825,5,591,669;5,545,807;およびWO97/17852を参照する。または、完全ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を遺伝子改変動物に導入すること(例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的または完全にサイレンシングされたマウス)によって調製することができる。刺激されると、完全ヒト抗体の産生は、遺伝子の再配列、組み立て、抗体ライブラリーを含むあらゆる面で、ヒトでの産生と非常に類似することが分かる。この方法は、例えば、U.S.Patent Nos.5,545,807;5,545,806;5,569,825;5,625,126;5,633,425;and 5,661,016,and Marks et al.,Bio/Technology, 10:779-783(1992);Lonberg et al.,Nature,368:856-859(1994);Morrison,Nature,368:812-813(1994);Fishwild et al.,Nature Biotechnology,14:845-851 (1996);Neuberger,Nature Biotechnology,14:826 (1996);Lonberg and Huszar,Intern.Rev.Immunol.,13:65-93(1995)において説明されている。
【0378】
完全ヒト抗体は、イン・ビトロでB細胞を活性化することによって(U.S.Patents5,567,610および5,229,275を参照)、またはファージディスプレイライブラリーを含む本分野で既知の様々な技術を使用することによっても生成される。Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581(1991).Cole et al.およびBoerner et al.等の技術も、完全ヒトモノクローナル抗体の調製に用いられる。Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p. 77 (1985) and Boerner et al., J. Immunol., 147(1): 86-95 (1991)を参照する。
【0379】
抗Psl抗体変異体
いくつかの実施例において、本明細書に提供の抗Psl抗体変異体(例えば、全長の抗Psl抗体)のアミノ酸配列も含まれる。例えば、抗体の結合親和性および/または他の生物学的活性を改善することが望ましい場合がある。抗体変異体のアミノ酸配列は、抗体をコードするヌクレオチド配列に適切な修飾を導入することによって、またはペプチド合成によって調製することができる。そのような修飾は、例えば、抗体のアミノ酸配列中の残基の欠失および/または挿入および/または置換を含む。最終的な構築は、例えば、抗原結合性などの所望の特性を有させるように、アミノ酸残基の欠失、挿入および置換の任意の組み合わせによって完了することができる。
【0380】
いくつかの実施例において、1つ以上のアミノ酸置換を有する、抗Psl抗体変異体を提供する。置換された突然変異の目的の部位は、高可変ドメイン(HVRs)およびフレームワーク領域(FRs)を含む。標的抗体にアミノ酸置換を導入し、目的の活性(例えば、改善された生物活性、維持/改善された抗原結合能、低減された免疫原性、または改善された緑膿菌のような病原菌のオプソニン食菌殺傷(OPK))がある製品をスクリーニングし得る。保存的置換は、以下の表8に示す。
【0381】
【表13】
【0382】
側鎖の性質により、アミノ酸を異なる種類に分類する。
a.疎水性アミノ酸:ノルロイシン(Norleucine)、メチオニン(Met)、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile);
b.中性親水性アミノ酸:システイン(Cys)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln);
c.酸性アミノ酸:アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu);
d.塩基性アミノ酸:ヒスチジン(His)、リジン(Lys)、アルギニン(Arg);
e.鎖の方向に影響を与えるアミノ酸:グリシン(Gly)、プロリン(Pro);
f.芳香族アミノ酸:トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)、フェニルアラニン(Phe)。
【0383】
非保存的アミノ酸の置換には、上記の一種類から別の種類への置換が含まれる。
【0384】
例示的な置換変異体は、例えば、ファージディスプレイに基づく親和性成熟技術によって産生される、親和性成熟抗体である。要するに、1つ以上のCDR残基を突然変異させ、変異体抗体がファージ上に部分的にディスプレイされ、特定の生物学的活性(例えば、RBC細胞溶解阻害実験に基づく生物学的活性または結合親和性)を有する変異体をスクリーニングする。RBC細胞溶解阻害実験に基づく生物学的活性または結合親和性を得るように、HVRs領域に変更(例えば、置換)を行うことができる。このような変更は、HVRの「ホットスポット領域」、つまり体細胞の成熟中に高頻度の突然変異が起こったコドンによってコードされる残基(例えば、Chowdhury,Methods Mol.Biol.207:179-196(2008)を参照)、および/または特異性決定残基(SDRs)で行われ、得られた変異体VおよびVの結合親和性を測定する。二次ライブラリーの構築および再選択による親和性成熟は、いくつかの文献に記載されている。例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1-37 (O’Brien et al.,ed., Human Press,Totowa,NJ,(2001))。
【0385】
いくつかの親和性成熟の実施例において、様々な方法(例えば、Error Prone PCR、チェーンシャッフリングまたはオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発)のいずれかによって、多様性を選択される、親和性成熟に用いられる可変遺伝子に導入する。そして、二次ライブラリーを作成する。当該ライブラリーに対してスクリーニングして、所望の親和性を有する抗体変異体を同定する。もう1つの方法は、HVRが介在する多様性の導入の方法を含み、ここでは、いくつかのHVR残基(例えば、一回に4~6つの残基)がランダム化される。抗原結合に関与するHVR残基は、特異的に同定され、例えば、アラニンスキャニングによって変異誘発またはモデリングする。通常、CDR-H3およびCDR-L3領域は特に重要な標的である。
【0386】
いくつかの実施例において、置換、挿入、または欠失は、1つ以上のHVR内で起こる可能性があり、このような変化が抗体の抗原への結合能力を実質的に低下させなければよい。例えば、結合親和性を実質的に低下させない保存的変化(例えば、本明細書で言及される保存的置換)は、HVRsにおいて生成される。これらの変化は、HVRの「ホットスポット領域」またはSDR領域以外で発生する可能性がある。上記に提供された変異体VHおよびVL配列のいくつかの実施例において、各HVRは変化しないか、または1つ、2つ、もしくは3つ以下のアミノ酸置換を含む。
【0387】
Cunningham and Wells (1989) Science, 244:1081-1085に記載されているように、抗体から、標的突然変異されうるアミノ酸残基または領域を同定できる有用な方法は、「アラニンスキャニング突然変異」と呼ばれる。当該方法では、標的残基における1つまたは1つのグループ(例えば、アルギニン、アスパラギン酸、ヒスチジン、リジンおよびグルタミン酸などの荷電残基)は、中性、または負に荷電したアミノ酸(例えば、アラニンまたはグルタミン酸)より置換されて、抗体と抗原の間の相互作用が影響を受けるかどうかを決定する。アミノ酸の位置に置換をさらに導入して、その位置が最初の置換に対して機能的感受性があることを証明することができる。あるいは/さらに、抗原-抗体複合体の結晶構造によって、抗体と抗原との間の接触部位を同定することができる。これらの接触部位に位置する残基および隣接する残基は、置換候補体として標的化または削除することができる。変異体をスクリーニングして、所望の性質を持っているかどうかを判定する。
【0388】
アミノ酸配列の挿入は、アミノ末端および/またはカルボキシル末端に、長さが1個の残基から100個以上の残基を含むポリペプチドを融合することを含み、さらに、配列に1個以上の残基を挿入することも含む。末端挿入の例として、N末端にメチオニル残基を有する抗体を含む。他の抗体分子の挿入変異体は、抗体分子のN末端またはC末端に酵素(例えば、ADEPT)、または抗体の血清半減期を増加させるポリペプチドを融合することを含む。
【0389】
Fc領域変異体
いくつかの実施例において、1つ以上のアミノ酸修飾は、本明細書に記載の抗体(例えば、全長の抗Psl抗体または抗Psl抗体融合タンパク質)のFc領域に導入され、それにより、Fc領域変異体が生成される。いくつかの実施例において、Fc領域変異体は、ADCCエフェクター機能が増強されており、通常、Fcに結合する受容体(FcRs)に関連する。いくつかの実施例において、Fc領域変異体は、低減されたADCCエフェクター機能を有する。Fc配列の変化または突然変異によってそのエフェクター機能に影響を与える例がたくさんあり、例えば、WO00/42072およびShields et al.J Biol.Chem.9(2):6591-6604(2001)において、FcRsとの結合を増強または低減することに関連する抗体変異体を記載された。この刊行物の内容は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0390】
抗体依存性細胞障害作用(ADCC)は、腫瘍細胞に対する治療用抗体の作用メカニズムである。ADCCは、細胞が介在する免疫防御であり、標的細胞膜の表面の抗原が特定の抗体(例えば、抗Psl抗体)によって結合されると、免疫システムのエフェクター細胞が自発に標的細胞(例えば、感染された細胞)を溶解する。通常、ADCC効果は、抗体によって活性化されたNK細胞に関わる。NK細胞は、Fc受容体CD16を発現する。当該受容体は、標的細胞の表面に結合する抗体分子のFc部分を認識して結合する。NK細胞の表面で最も一般的なFc受容体は、CD16またはFcγRIIIである。Fc受容体と抗体Fc領域との結合は、NK細胞の活性化を引き起こし、細胞溶解粒子が放出させ、続いて標的細胞がアポトーシスする。
【0391】
いくつかの実施例において、本発明は、また、CDCまたはADCCなどのエフェクター機能を一種以上有するFc領域を含む抗Psl抗体変異体(例えば、全長の抗Psl抗体変異体)を提供する。ADCCを介在する主な細胞において、NK細胞はFcγRIIIのみを発現し、単核細胞はFcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIを発現する。Ravetch and Kinet Annu. Rev. Immunol. 9:457-492 (1991)ページ464のTable 3において、造血細胞でのFcR発現をまとめる。イン・ビトロで標的分子のADCC活性を評価する非限定的な実例は、U.S.Pat.No.5,500,362において説明されている(例えば、Hellstrom,I.et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83:7059-7063(1986))およびHellstrom,I et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82:1499-1502(1985);U.S.Pat.No.5,821,337(see Bruggemann,M.et al.,J.Exp.Med.166:1351-1361(1987)を参照)。また、非放射性検出法を使用しても良い(例えば、ACTI(商標)フローサイトメトリー非放射性細胞毒性試験(CellTechnology,Inc.Mountain View, Calif.)およびCYTOTOX 96(商標)非放射性細胞毒性試験(Promega, Madison, Wis.)を参照)。このような実験に使用された効果細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー細胞(NK)を含む。また、Clynes et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:652-656(1998)に記載されたように、目的の分子のADCC活性は、体内、例えば動物モデルで試験される。同時に、C1q結合試験を実行することによって、抗体がC1qに結合できず、CDC活性が欠如ことを確認できる。例えば、WO2006/029879およびWO2005/100402におけるC1qおよびC3c結合ELISAを参照する。補体活性化の状況を評価するために、CDC測定を行う(例えば、Gazzano-Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996);Cragg,M.S.et al.,Blood 101:1045-1052(2003);およびCragg,M.S.and M.J.Glennie,Blood 103:2738-2743(2004)を参照)。本分野で既知の方法を使用して、FcRn結合およびイン・ビボでのクリアランス/半減期を測定する(例えば、Petkova, S. B.et al.,Int’l.Immunol.18(12):1759-1769(2006)を参照)。
【0392】
低減されたエフェクター機能を有する抗体は、Fc領域の残基238、265、269、270、297、327および329位で1つ以上の残基が置換されるものを含む(U.S.Pat.No.6,737,056)。これらのFc変異体は、265、269、270、297および327位で2つ以上の残基が置換されたFc変異体を含み、265および297位残基がアラニンに置換された「DANA」と呼ばれるFc変異体を含む(U.S.Pat.No.7,332,581)。
【0393】
このような、FcRsとの結合能力の向上または低減に関連する抗体変異体は、既に記載されている(例えば、U.S.Pat.No.6,737,056;WO2004/056312およびShields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591-6604(2001)を参照)。
【0394】
いくつかの実施例において、Fc領域の変更は、オプソニン作用の変更(すなわち、向上または低下)をもたらし、Moore et al.,MAbs.2(2):181-189(2010)に記載されているものを参照する。
【0395】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)変異体に関し、それは、1個以上のアミノ酸置換を有するFc領域変異体を含み、半減期を延長できるか、または、Fc受体(FcRn)との結合を増強できる。半減期を延長でき、またはFcRn結合を改善できる抗体は、US2005/0014934A1(Hinton等)において記載されている。これらの抗体Fc領域は、1個以上のアミノ酸が置換され、Fc領域とFcRnとの結合を増強する。これらのFc変異体は、Fc領域において、238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424または434位の残基が1個以上置換されたもの、例えば、Fc領域の434位残基が置換されたもの(U.S.Pat.No.7,371,826)を含む。
【0396】
同時に、Duncan & Winter,Nature 322:738-40(1988);U.S.Pat.No.5,648,260;U.S.Pat.No.5,624,821およびWO94/29351に記載の他の変異Fc領域の例を参照する。
【0397】
本発明は、本明細書に記載のいずれか1つのFc変異体またはその組み合わせを含む抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)も含まれる。
【0398】
グリコシル化変異体
いくつかの実施例において、本明細書に提供の抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)は、抗Psl抗体のグリコシル化の程度を増加または減少させるように、変更される。抗Psl抗体上のグリコシル化部位を添加または削除するために、抗Psl抗体またはそのポリペプチド部分のアミノ酸配列を変更することによって1つ以上のグリコシル化部位を添加または除去して便利に達成する。
【0399】
ここで、抗Psl抗体がFc領域を含む場合、それに接続されている炭水化物を変化させることができる。哺乳類動物細胞によって産生される天然抗体は、通常、分岐した二分岐オリゴ糖を含み、当該オリゴ糖は通常、N-結合を通じてFc領域のCH2ドメインにおけるAsn297に結合し、例えば、Wright et al.,TIBTECH 15:26-32 (1997)を参照する。前記オリゴ糖は、例えば、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトースおよびシアル酸、並びに二分岐オリゴ糖構造の「ステム」部分のGlcNAcに連結するトレハロースのような様々な糖を含み得る。いくつかの実施例において、本発明の抗Psl抗体をオリゴ糖修飾して、特定の改善された特性を有する抗Psl抗体変異体を生成することができる。
【0400】
Fc領域のCH2ドメインに連結されるN-グリカンは、異質的である。CHO細胞で産生される抗体またはFc融合タンパク質は、フコシルトランスフェラーゼ活性によってフコシル化されて、Shoji-Hosaka et al.,J.Biochem.2006,140:777-83を参照する。通常、ヒト血清で、ごく一部の天然に存在するフコシル化されていないIgGsが検出される。Fc領域のN-グリコシル化は、Fc領域のFcγRへの結合にとって重要であるが、フコシル化されていないN-グリカンは、FcとFcγRIIIaとの結合能力を増強される。FcγRIIIaとの結合能力の増強は、ADCC効果を増強し、これは、細胞毒性を必要とする特定の抗体治療適用で有利である。
【0401】
いくつかの実施例において、Fcが介在する細胞毒性が必要ない場合、増強されたエフェクター機能は有害でありうる。いくつかの実施例において、FcフラグメントまたはCH2ドメインは非グリコシル化されているものである。いくつかの実施例において、CH2ドメインにおけるN-グリコシル化部位を突然変異させて、そのグリコシル化を防ぐ。
【0402】
いくつかの実施例において、Fc領域を含む抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)変異体を提供し、ここで、Fc領域に連結される炭水化物構造には、フコースが減少しているか、またはフコースが欠如し、これは、ADCCの機能を増強する可能性がある。具体的には、本明細書は、抗Psl抗体を提供し、当該抗Psl抗体は、野生型CHO細胞が産生された同じ抗Psl抗体と比較して、減少されたフコースがある。つまり、それらは、天然のCHO細胞(例えば、天然のグリコシル化形態を産生するCHO細胞、天然のFUT8遺伝子を含むCHO細胞)によって産生される抗体と比較して、より少ない量のフコースがあることを特徴とする。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体のN-結合型グリカンは、50%、40%、30%、20%、10%または5%より少ない量のフコースを有する。例えば、当該抗Psl抗体のフコースの含有量は、1%-80%、1%-65%、5%-65%または20%-40%でありうる。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体のN-結合型グリカンは、フコースを含まなく、即ち、抗Psl抗体は、完全にフコースを含まなく、またはフコースを有しない、または脱フコシル化されたものである。フコースの含有量は、WO2008/077546に記載されたように、MARDI-TOF質量分析によって測定された、Asn297に連結された全ての糖構造(例えば、複合体、ハイブリッド、またはマンノース構造)の合計量に対する、Asn297に連結された糖鎖内のフコースの平均含有量を計算することによって決定される。Asn297とは、Fc領域の297位のアスパラギン残基(EU Fc領域残基番号付けシステム)である。しかしながら、抗体配列のわずかな変化によって、Asn297は、また297位の上流または下流の約±3アミノ酸、即ち、294および300位の間に位置しても良い。これらのフコシル化変異体は、増強されたADCC機能を持つ可能性がある。例えば、US Patent Publication Nos.US2003/0157108(Presta,L.),US2004/0093621(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)を参照する。「脱フコース基化」または「フコース欠損」の抗体変異体に関連する刊行物の実例として、US2003/0157108;WO2000/61739;WO2001/29246;US2003/0115614;US2002/0164328;US2004/0093621;US2004/0132140;US2004/0110704;US2004/0110282;US2004/0109865;WO2003/085119;WO2003/084570;WO2005/035586;WO2005/035778;WO2005/053742;WO2002/031140;Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239-1249(2004);Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)を含む。脱フコシル化された抗体を産生できる細胞株は、タンパク質フコシル化機能が欠如するLec13 CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533-545(1986);US Pat Appl No US2003/0157108A1,Presta,L;およびWO 004/056312A1,Adams et al.,特に実施例11)、および、例えば、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8遺伝子がノックアウトされたCHO細胞のようなノックアウト細胞株(Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004);Kanda,Y.et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680-688(2006);およびWO2003/085107)を含む。
【0403】
抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)変異体は、さらに、二分オリゴ糖に関し、例えば、抗Psl抗体のFc領域に連結された二分岐オリゴ糖は、GlcNAcによって均等に分割される。この抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)変異体は、減少されたフコシル化および/または増強されたADCC機能を持つ可能性がある。このような抗体の実例は、WO2003/011878(Jean-Mairet et al.);U.S.Pat.No.6,602,684(Umana et al.);US2005/0123546(Umana et al.),およびFerrara et al.,Biotechnology and Bioengineering,93(5):851-861(2006)に説明されている。本発明は、また、抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)変異体に関し、当該抗Psl抗体は、Fc領域に結合したオリゴ糖に少なくとも1つのガラクトース残基を持つ。このような抗Psl抗体変異体は、増強されたCDC機能を持つ可能性がある。このような変異体は、例えば、WO1997/30087(Patel et al.);WO1998/58964(Raju,S.);およびWO 1999/22764(Raju,S.)に説明されている。
【0404】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)変異体は、FcγRIIIに結合できるFc領域を含む。いくつかの実施例において、Fc領域を含む前記抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)変異体は、ヒトエフェクター細胞(例えば、T細胞)の存在下で、ADCC活性を示し、または、ヒト野生型IgG1 Fc領域を有する他の同じ抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)と比較して、ヒトエフェクター細胞の存在下で、増強されたADCC活性を有する。
【0405】
システイン操作変異体
いくつかの実施例において、システインが操作された抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)の調製が必要とし、当該抗Psl抗体において、1つ以上のアミノ酸残基がシステイン残基に置換される。いくつかの実施例において、置換された残基は、抗Psl抗体のアクセス可能な部位(accessible site)に現れる。これらの残基をシステインで置換することにより、活性があるスルフヒドリル基は、抗Psl抗体のアクセス可能な部位に位置し、当該抗Psl抗体と他の部分とのカップリング、例えば、薬物部分またはリンカー-薬物部分のカップリングに用いられて、本明細書に記載の抗Psl免疫複合体を調製する。システインが操作された抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)は、例えば、U.S.Pat.No.7,521,541に記載されたように調製することができる。
【0406】
誘導体
いくつかの実施例において、本明細書に提供の抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)は、本分野で知られており、容易に入手可能な他の非タンパク質部分を含むように、さらに修飾され得る。抗Psl抗体の一部を誘導体化するのに適している部分は、水溶性重合体を含むが、これに限定されない。水溶性ポリマーの非限定的な例として、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコール共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアミノ酸(単独重合体またはランダム共重合体)、デキストランまたはポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコール単独重合体、プロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセリン)、ポリビニルアルコールおよびそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中で安定しているため、製造において利点がある。重合体は任意の分子量であり得、分岐または非分岐であり得る。抗Psl抗体に結合する重合体の数は変わってもよく、そして複数の重合体が結合されている場合、それらは同じ分子でも異なる分子でもよい。通常、誘導体化に用いられる重合体の量および/またはタイプは、抗Psl抗体の改善しようとする特性または機能、抗Psl抗体誘導体が特定の条件下での治療に用いるかどうかなどを含む因子を考慮して決定するが、これらに限定されない。
【0407】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体(全長の抗Psl抗体など)と、放射線への曝露によって選択的に加熱され得る非タンパク質性部分とのコンジュゲートを提供する。いくつかの実施例において、非タンパク質性部分は、カーボンナノチューブである(Kam et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102:11600-11605(2005))。放射線は、任意の波長であってもよく、通常の細胞に害を及ぼさなく、非タンパク質性部分を抗Psl抗体-非タンパク質性部分に近接する細胞が殺される温度に加熱する波長を含むが、これらに限定されない。
【0408】
医薬組成物
本明細書は、いずれか1つの抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)、抗体をコードする核酸、抗体をコードする核酸を含むベクター、または本明細書に記載の核酸またはベクターを含む宿主細胞を含有する組成物(例えば、医薬組成物、ここでは、製剤ともいう。)をさらに提供する。いくつかの実施例において、本明細書に記載のいずれか1つの抗Psl抗体、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0409】
必要な純度の抗Psl抗体を、任意の製薬上許容される担体、賦形剤、または安定剤と混合することによって(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980))、適切な抗Psl抗体製剤を得て、凍結乾燥製剤または液体製剤の形に調製する。許容される担体、賦形剤または安定剤は、使用された量および濃度で受験者に対して無毒であり、これらは、リン酸塩、クエン酸および他の有機酸のような緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(例えば、オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム;ヘキサメチル塩化アンモニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール;ブタノールまたはベンジルアルコール;p-ヒドロキシ安息香酸メチルまたはp-ヒドロキシ安息香酸プロピルのようなp-ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノールおよびm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;例えば、血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性重合体;例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニンまたはリジンのようなアミノ酸;単糖、二糖およびグルコース、マンノースまたはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールのような糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属複合体(例えば亜鉛-タンパク質複合体);および/またはTWEEN(商標),PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)のような非イオン性界面活性剤を含む;例示的な製剤はWO98/56418に記載されており、それらの内容は引用により本明細書に明示的に組み込まれる。皮下投与に適した凍結乾燥製剤は、WO97/04801に記載されている。このような凍結乾燥製剤は、適切な希釈剤を用いて高タンパク質濃度の調製物に再構成することができ、そして再構成された製剤は、皮下投与によって本明細書に記載の治療しようとする個体に投与することができる。カチオン性リポソームまたはリポソームは、本発明における抗Psl抗体を細胞に送達することに用いられる。
【0410】
本明細書に記載の製剤は、抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)に加えて、特定の病症の治療に必要な一種以上の他の活性物質を含み得、この活性物質は、好ましくは相補的活性があり、かつ副作用のない物質である。例えば、抗Psl抗体に加えて、抗腫瘍剤、成長阻害剤、細胞毒性剤または化学療法剤をさらに含めることが必要な場合がある。これらの分子は、予期された目的に有効な量で組み合わせて存在する。他の物質の有効量は、製剤中の抗Psl抗体の含有量、疾患または障害或いは治療の種類、および前記の他の要因に依存する。これらの薬物は通常、本明細書に記載される投与量と同じ投与量および投与経路で使用され、または現在適用されている投与量の1%から99%で使用される。
【0411】
前記抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)は、凝集技術および界面重合によって調製されたマイクロカプセルに封入されることもでき、例えば、コロイド状薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)または粗いエマルジョン中のヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン-マイクロカプセルおよびポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセルに封入される。これで、徐放性製剤を調製できる。
【0412】
抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)の徐放性製剤を調製できる。徐放性製剤の適切な実例は、抗体(またはそのフラグメント)を含有する固体疎水性重合体の半透性マトリックスを含み、これらのマトリックスは、成形品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態である。徐放性マトリックスの実例として、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリ乳酸(U.S. Pat. No. 3,773,919)、L-グルタミン酸およびL-グルタミン酸エチル共重合体、非分解性エチレン-酢酸ビニル、LUPRON DEPOTTM(乳酸-グリコール酸共重合体と酢酸ロイプロリドからなる注射可能なミクロスフェア)のような分解性乳酸-グリコール酸共重合体およびポリ-D(-)- 3-ヒドロキシ酪酸を含む。エチレン-酢酸ビニルや乳酸-グリコール酸のような重合体分子は100日以上放出できるが、一部のヒドロゲルはより短い時間でタンパク質を放出できる。封入された抗体が体内に長期間留まると、37℃の高湿環境に曝されるために変性または凝集し、生物活性が失われたり、免疫原性が変化したりする可能性がある。対応するメカニズムによって、抗Psl抗体を安定化するための合理的な対策を設計することができる。例えば、凝集メカニズムは、チオジスルフィド交換によって分子間S-S結合を形成する場合、スルフヒドリル残基の修飾、酸性溶液中での凍結乾燥、含水量の制御、適切な添加剤の使用、および特定の重合体マトリックス組成物の開発によって安定化を達成できる。
【0413】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)は、クエン酸塩、塩化ナトリウム、酢酸塩、コハク酸塩、グリシン、ポリソルベート80(ツイン80)またはそれらの任意の組み合わせの緩衝液において調製される。いくつかの実施例において、抗Psl抗体は、約100mM~約150mMのグリシンを含む緩衝液において調製される。いくつかの実施例において、抗Psl抗体は、約50mM~約100mMのNaClを含む緩衝液において調製される。いくつかの実施例において、抗Psl抗体は、約10mM~約50mMの酢酸塩を含む緩衝液において調製される。いくつかの実施例において、抗Psl抗体は、約10mM~約50mMのコハク酸塩を含む緩衝液において調製される。いくつかの実施例において、抗Psl抗体は、約0.005%~約0.02%のポリソルベート80を含む緩衝液において調製される。いくつかの実施例において、抗Psl抗体は、pH値が5.1~5.6である緩衝液において調製される。いくつかの実施例において、抗Psl抗体は、10mMのクエン酸塩と、100mMのNaClと、100mMのグリシンと、0.01%ポリソルベート80を含む緩衝液において調製され、その製剤のpH値が5.5である。
【0414】
イン・ビボ投与のための製剤は無菌でなければならない。これは、例えば、滅菌フィルター膜を適用した濾過によって容易に達成することができる。
【0415】
抗Psl抗体を使用する治療方法または予防方法
いくつかの実施例において、本明細書に記載のいずれか1つの抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療する方法を提供する。いくつかの実施例において、シュードモナス菌感染を治療する方法は、シュードモナス菌感染に関連する疾患および/または病症に対する治療的または予防的な効果をさらに提供する。いくつかの実施例において、本明細書に記載のいずれか1つの抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を予防する方法を提供する。いくつかの実施例において、疾患または病症を治療する医薬の調製における、抗Psl抗体(上記のいずれか1つの抗Psl抗体)または医薬組成物(上記のいずれか1つの抗Psl抗体を含むいずれか1つの医薬組成物)の使用を提供する。
【0416】
シュードモナス菌感染に関連する疾患および/または病症は、発熱、悪寒、疲労、筋肉および関節の痛み、関節の腫れ、頭痛、下痢、皮膚発疹、創傷の膿、細菌血症、急性肺炎、腹腔内感染を含むが、これらに限定されない。さらなる例示的な疾患は、呼吸器感染、細菌血症、敗血症性ショック、化膿性関節炎、腸炎、皮膚および軟組織感染(火傷創傷感染など)、尿路感染、腸感染、潰瘍性角膜炎、慢性化膿性中耳炎、乳様突起炎、副鼻腔炎および心内膜炎を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、シュードモナス菌感染を治療または予防する方法により、シュードモナス菌感染による死亡率を低下させる。
【0417】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:2-3、および5-12のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR1と、SEQ ID NOs:14-15、および17-23のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR2と、SEQ ID NOs:25-26、および28-34のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:38-39、および41-49のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR1と、SEQ ID NOs:52-53、および55-61のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR2と、SEQ ID NOs:63-64、66-68、および70-75のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:2-3、および5-12のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR1と、SEQ ID NOs:14-15、および17-23のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR2と、SEQ ID NOs:25-26、および28-34のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:38-39、および41-49のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR1と、SEQ ID NOs:52-53、および55-61のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR2と、SEQ ID NOs:63-64、66-68、および70-75のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:2-3、および5-12のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR1と、SEQ ID NOs:14-15、および17-23のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR2と、SEQ ID NOs:25-26、および28-34のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、SEQ ID NOs:38-39、および41-49のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR1と、SEQ ID NOs:52-53、および55-61のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR2と、SEQ ID NOs:63-64、66-68、および70-75のいずれか1つのアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0418】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、SEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVと、SEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、SEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVと、SEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、SEQ ID NOs:80-81、83-90、および159のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVと、SEQ ID NOs:92-93、95-97、および99-104のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVとを含む。
【0419】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:63を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:63を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0420】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:80を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:92を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:80を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:92を含むVとを含む。
【0421】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:63を含む1つのLC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:80、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:80と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:92、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:92と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。
【0422】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:53を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:64を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:53を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:64を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0423】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:93を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:93を含むVとを含む。
【0424】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:53を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:64を含む1つのLC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:81、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:81と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:93、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:93と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。
【0425】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:17を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:17を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0426】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:83を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:83を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を含むVとを含む。
【0427】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:159を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:159を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を含むVとを含む。
【0428】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:17を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含む1つのHC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む1つのLC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:83、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:83と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:95、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:95と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:159、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:159と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:95、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:95と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。
【0429】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:18を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:55を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:18を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:55を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0430】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:96を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:96を含むVとを含む。
【0431】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:18を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含む1つのHC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:55を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む1つのLC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:84、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:96、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:96と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。
【0432】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:56を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:56を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0433】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:97を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:97を含むVとを含む。
【0434】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含む1つのHC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:56を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む1つのLC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:85、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:85と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:97、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:97と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。
【0435】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:19を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:57を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:19を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:57を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0436】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:86を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:99を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:86を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:99を含むVとを含む。
【0437】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:19を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含む1つのHC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:57を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む1つのLC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:86、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:86と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:99、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:99と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。
【0438】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:58を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:58を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0439】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:100を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:100を含むVとを含む。
【0440】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含む1つのHC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:58を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む1つのLC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:81、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:81と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:100、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:100と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。
【0441】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:20を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:20を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0442】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:87を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:101を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:87を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:101を含むVとを含む。
【0443】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:20を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含む1つのHC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:52を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む1つのLC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:87、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:87と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:101、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:101と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。
【0444】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:21を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:59を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:21を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:59を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0445】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:88を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:102を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:88を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:102を含むVとを含む。
【0446】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:21を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含む1つのHC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:59を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む1つのLC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:88、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:88と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:102、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:102と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。
【0447】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:22を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:60を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:22を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:60を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0448】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:89を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:103を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:89を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:103を含むVとを含む。
【0449】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:22を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含む1つのHC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:60を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む1つのLC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:89、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:89と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:103、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:103と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。
【0450】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:23を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:61を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む1つのLC-CDR3とを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:23を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:61を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0451】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:90を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:104を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:90を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:104を含むVとを含む。
【0452】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含む1つのHC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:23を含む1つのHC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含む1つのHC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含む1つのLC-CDR1と、アミノ酸配列SEQ ID NO:61を含む1つのLC-CDR2と、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む1つのLC-CDR3とを含み、または多くとも5個のアミノ酸置換を含む変異体を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、VおよびVを含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:90、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:90と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含み、前記Vは、アミノ酸配列SEQ ID NO:104、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:104と少なくとも90%(例えば少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)の配列同一性を有する変異体配列を含む。
【0453】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含み、前記Vは、IHSVH(SEQ ID NO:4)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つの重鎖相補性決定領域(HC-CDR)1と、TIISSGTTTTYAQSFQD(SEQ ID NO:16)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのHC-CDR2と、X(SEQ ID NO:189)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはD、YまたはNであり、XはGまたはAであり、XはDまたはTであり、XはS、AまたはTである1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、RASQGISSWLA(SEQ ID NO:40)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つの軽鎖相補性決定領域(LC-CDR)1と、HASTLES(SEQ ID NO:54)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR2と、LQAXSLPHT(SEQ ID NO:158)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはN、D、Y、F、P、G、K、H、A、C、E、Q、R、S、T、V、WまたはLである1つのLC-CDR3とを含む。
【0454】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含み、前記Vは、IHSVH(SEQ ID NO:4)を含む1つの重鎖相補性決定領域(HC-CDR)1と、TIISSGTTTTYAQSFQD(SEQ ID NO:16)を含む1つのHC-CDR2と、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:35、およびSEQ ID NOs:165-169からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、RASQGISSWLA(SEQ ID NO:40)を含む1つの軽鎖相補性決定領域(LC-CDR)1と、HASTLES(SEQ ID NO:54)を含む1つのLC-CDR2と、SEQ ID NO:65、SEQ ID NOs:76-78、およびSEQ ID NOs:199-212からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0455】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVとを含む。
【0456】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、SEQ ID NOs:105-110のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、SEQ ID NOs:105-110のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、SEQ ID NOs:105-110のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVとを含む。
【0457】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、SEQ ID NOs:111-127のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、SEQ ID NOs:111-127のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVと、SEQ ID NOs:111-127のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVとを含む。
【0458】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:113を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:113を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:113を含むVとを含む。
【0459】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:123を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:123を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:123を含むVとを含む。
【0460】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:116を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:116を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:107を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:116を含むVとを含む。
【0461】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含み、前記Vは、SSGDYWG(SEQ ID NO:1)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つの重鎖相補性決定領域(HC-CDR)1と、SIHNXGSTYYNPSLKG(SEQ ID NO:213)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはS、KまたはQである1つのHC-CDR2と、QFGSETYYXGIXP(SEQ ID NO:190)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはN、S、V、TまたはPであり、XはD、Y、C、H、S、R、A、E、G、K、W、VまたはQである1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、RSSQSLLHSXGYNYLD(SEQ ID NO:184)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはN、A、V、F、R、G、H、Q、WまたはPである1つの軽鎖相補性決定領域(LC-CDR)1と、LGSNRAS(SEQ ID NO:51)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものである1つのLC-CDR2と、MQALQTPXT(SEQ ID NO:214)またはその変異体を含み、前記変異体が多くとも3個のアミノ酸置換を含むものであり、ここで、XはRまたはYである1つのLC-CDR3とを含む。
【0462】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含み、前記Vは、SSGDYWG(SEQ ID NO:1)を含む1つの重鎖相補性決定領域(HC-CDR)1と、SEQ ID NO:13、およびSEQ ID NOs:163-164からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR2と、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:36、SEQ ID NOs:170-183、およびSEQ ID NOs:185-188からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのHC-CDR3とを含み、前記Vは、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:50、およびSEQ ID NOs:191-198からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つの軽鎖相補性決定領域(LC-CDR)1と、LGSNRAS(SEQ ID NO:51)を含む1つのLC-CDR2と、SEQ ID NO:62、およびSEQ ID NO:69からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む1つのLC-CDR3とを含む。
【0463】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:79を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:79を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:79を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。
【0464】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、SEQ ID NOs:128-139、SEQ ID NOs:149-151、およびSEQ ID NOs:154-155のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、SEQ ID NOs:128-139、SEQ ID NOs:149-151、およびSEQ ID NOs:154-155のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、SEQ ID NOs:128-139、SEQ ID NOs:149-151、およびSEQ ID NOs:154-155のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVとを含む。
【0465】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、SEQ ID NOs:140-148のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、SEQ ID NOs:140-148のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、SEQ ID NOs:140-148のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVとを含む。
【0466】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、SEQ ID NOs:132、149、152-153、および156-157のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、SEQ ID NO:132、149、152-153、および156-157のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、SEQ ID NO:132、149、152-153、および156-157のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:143を含むVとを含む。
【0467】
いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:98を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と競合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:98を含むVとを含む。いくつかの実施例において、抗Psl抗体を含む組成物を有効量で個体へ投与することを含む、個体におけるシュードモナス菌感染を治療または予防する方法を提供し、ここで、前記抗Psl抗体は以下の抗体と同じエピトープに結合するものであり、この抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:151を含むVと、アミノ酸配列SEQ ID NO:98を含むVとを含む。
【0468】
いくつかの実施例において、本明細書に記載のいずれか1つの治療または予防する方法において、前記抗Psl抗体は、抗体重鎖定常領域および抗体軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、IgG1型重鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、IgG2型重鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、IgG3型重鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、IgG4型重鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記IgGは、ヒトIgGを指す。いくつかの実施例において、前記重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:160を含むか、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:161からなる。いくつかの実施例において、前記重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:161を含むか、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:161からなる。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、λ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、κ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:162を含むか、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:162からなる。いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体は、抗体重鎖可変ドメインおよび抗体軽鎖可変ドメインを含む。
【0469】
いくつかの実施例において、本明細書に記載のいずれか1つの治療または予防する方法は、シュードモナス菌感染に関連する疾患および/または病症に対する治療的または予防的な効果をさらに提供する。いくつかの実施例において、前記方法は、個体におけるシュードモナス菌感染を予防することができる。
【0470】
いくつかの実施例において、前記個体は、哺乳類動物(例えば、ヒト、ヒト以外の霊長類、ラット、マウス、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ等)である。いくつかの実施例において、前記個体はヒトである。いくつかの実施例において、前記個体は、臨床患者、臨床試験ボランティア、実験動物などである。いくつかの実施例において、前記個体は、年齢が60歳未満(例えば、50歳未満、40歳未満、30歳未満、25歳未満、20歳未満、15歳未満、または10歳未満を含む)である。いくつかの実施例において、前記個体の年齢は、60歳超(例えば、70超、80超、90超または100歳超を含む)である。
【0471】
いくつかの実施例において、前記個体には、緑膿菌感染に関連する1つまたは複数の危険因子がある。例えば、いくつかの実施例において、前記個体は、皮膚の粘膜層が露出または破壊された状態にある。いくつかの実施例において、前記個体には、1つまたは複数の火傷がある。いくつかの実施例において、前記個体には、1つまたは複数の外科的創傷がある。いくつかの実施例において、前記個体は、皮膚疾患を有する。いくつかの実施例において、前記個体は、機械的人工呼吸器または導管などの異物が挿入されるが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、前記個体は、HIV感染、AIDSおよび/または好中球欠損症を含むがこれらに限定されない免疫不全症と診断されるか、または遺伝的にその傾向がある。いくつかの実施例において、前記個体には、1つまたは複数の形態の化学療法を受けることがある。いくつかの実施例において、前記個体には、1つまたは複数の形態の糖質コルチコイド治療を受けることがある。いくつかの実施例において、前記個体には、1つまたは複数の形態の化学療法を受けることがある。いくつかの実施例において、前記個体は、癌、糖尿病および/または慢性構造性肺疾患(嚢胞性線維症またはCOPDなど)と診断されるか、または遺伝的にその傾向がある。いくつかの実施例において、前記個体は、消化器系および/または他の器官における細菌叢の不均衡と診断されるか、または遺伝的にその傾向がある。いくつかの実施例において、前記個体には、上記の1つまたは複数の疾患または病症に関連する1つまたは複数の危険因子がある。
【0472】
いくつかの実施例において、本発明は、抗Psl抗体を含む組成物を個体へ投与することを含む、抗Psl抗体(本明細書に記載のいずれか1つの抗Psl抗体、例えば単離された抗Psl抗体)を個体の病原菌に感染された細胞に送達する方法を提供する。
【0473】
いくつかの実施例において、本明細書に記載のいずれか1つの方法は、1つまたは複数の追加の治療薬を投与することをさらに含む。いくつかの実施例において、治療薬の少なくとも一種は、抗生物質である。いくつかの実施例において、前記抗生物質は、ペニシリン、セファロスポリン、カルバペネム、フルオロキノロン、アミノグリコシド、モノバクタム、ポリミキシン、β-ラクタマーゼ阻害剤を含有する抗生物質の組成物、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施例において、前記抗生物質は、セフェピム、セフタジジム、セフピロメ、イミペネム、メロペネム、チカルシリン、ピペラシリン、アズロシリン、カルベニシリン、メズロシリン、アズトレオナム、トブラマイシン、ゲンタマイシン、アミカシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、セフォペラゾン-スルバクタム、ピペラシリン-タゾバクタム、ホスホマイシン、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施例において、前記抗生物質は、イミペネム、トブラマイシン、シプロフロキサシン、メロペネム、およびアズトレオナムの一種または複数種である。いくつかの実施例において、前記抗生物質は、ゲンタマイシン、アンピシリンおよびカナマイシンの一種または複数種である。
【0474】
Pslを発現する感染性病原体の多くの診断方法およびこれらの疾患の臨床的説明は、本分野において既知である。このような方法は、例えば、免疫組織化学、PCR、および蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を含むが、これらに限定されない。
【0475】
いくつかの実施例において、前記抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)および/または組成物は、第二の薬剤、第三の薬剤または第四の薬剤(例えば、抗生物質を含む)と併用することにより、Pslを発現する病原菌に関連する疾患および/または病症を治療または予防する。
【0476】
抗Psl抗体の投与量および方法
個体(例えば、ヒト)に投与される抗Psl抗体(例えば、単離された抗Psl抗体)組成物の剤量は、特定の組成物、投与方式、および治療される疾患のタイプによって異なり得る。いくつかの実施例において、組成物(例えば、単離された抗Psl抗体を含む組成物)の量は、シュードモナス菌感染の治療または予防において、客観的応答(例えば、部分応答または完全応答)を効果的に生成することができる。いくつかの実施例において、抗Psl抗体組成物の量は、個体において完全応答を産生するのに十分である。いくつかの実施例において、抗Psl抗体組成物の量は、個体において部分応答を産生するのに十分である。いくつかの実施例において、抗Psl抗体組成物の投与量(例えば、単独で投与される場合)は、抗Psl抗体組成物を使用して治療する個体群において、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、64%、65%、70%、75%、80%、85%または90%を上回る全応答率を産生するのに十分である。個体が本明細書に記載の治療方法に対する応答は、例えば、グラム染色または他の表現型試験方法などの方法によるシュードモナス菌検出によって決定することができる。
【0477】
いくつかの実施例において、組成物(例えば、単離された抗Psl抗体を含む組成物)の量は、個体の無増悪生存期間を延長するのに十分である。いくつかの実施例において、組成物の量は、個体の全生存期間を延長するのに十分である。いくつかの実施例において、抗Psl抗体組成物を使用して治療する個体群において、組成物の量(例えば、単独で投与される場合)は、50%、60%、70%または77%より高い臨床利点を産生するのに十分である。
【0478】
いくつかの実施例において、組成物(例えば、単離された抗Psl抗体を含む組成物)の量は、単独で投与される場合、または、第二の薬剤、第三の薬剤および/または第四の薬剤と併用して投与する場合、治療前の同じ受験者または治療されない他の受験者の対応する臓器負担と比較して、シュードモナス菌の臓器負担の数を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%まで十分に低減する。標準的な方法、例えば、精製酵素のイン・ビトロ検出、細胞による検出、動物モデル、またはヒト試験で治療効果を測定することができる。
【0479】
いくつかの実施例において、組成物が個体に投与される場合、組成物中の抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)の量は、毒性効果(即ち、臨床的に許容されるレベルよりも高い効果)を引き起こすレベルより低く、または潜在的な副作用が制御または許容されるレベルにある。
【0480】
いくつかの実施例において、同じ投与計画に従って、組成物の量は、組成物の最大耐量(MTD)に近い。いくつかの実施例において、組成物の量は、MTDの80%、90%、95%または98%より高い。
【0481】
いくつかの実施例において、組成物における抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)の含有量は、0.001μg~1000μgの範囲内にある。
【0482】
いくつかの実施例において、前記組成物または方法は、一種または複数種の抗生物質をさらに含む。いくつかの実施例において、組成物における抗生物質(例えば、イミペネム、トブラマイシン、シプロフロキサシン、メロペネム、アズトレオナム、チカルシリン、ピペラシリン、アズロシリン、カルベニシリン、メズロシリン、ゲンタマイシンまたはアミカシン)の含有量は、0.001μg~1000μgの範囲内にある。
【0483】
上記のいずれか1つの実施例において、組成物における抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)の有効量は、体重によって計算すれば、0.1μg/kg~100mg/kgの範囲内にある。
【0484】
上記のいずれか1つの実施例において、組成物における抗生物質(例えば、イミペネム、トブラマイシン、シプロフロキサシン、メロペネム、アズトレオナム、チカルシリン、ピペラシリン、アズロシリン、カルベニシリン、メズロシリン、ゲンタマイシンまたはアミカシン)の有効量は、体重によって計算すれば、0.1μg/kg~100mg/kgの範囲内にある。
【0485】
抗Psl抗体組成物は、例えば、静脈内注射、動脈内投与、腹腔注射、肺内投与、経口投与、吸入投与、血管内投与、筋肉注射、気管内投与、皮下注射、眼内投与、髄腔内投与、粘膜投与、または経皮投与を含む様々な経路を通じて、個体(例えば、ヒト)に投与することができる。いくつの実施例において、組成物の徐放性製剤を使用する。いくつの実施例において、組成物は、静脈内投与される。いくつかの実施例において、組成物は、門脈内に投与される。いくつの実施例において、組成物は動脈内投与される。いくつの実施例において、組成物は腹腔内投与される。いくつの実施例において、組成物は肝内投与される。いくつの実施例において、組成物は肝動脈注入によって投与される。いくつの実施例において、組成物は、第1の病変部位から離れた部位に投与される。
【0486】
製品および試薬キット
いくつかの実施例において、個体におけるシュードモナス菌感染の治療または予防に用いられるか、または、抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)を、Pslを発現する病原体が付着した細胞に送達することに用いられる物質を含む製品を提供する。前記製品は、容器と、当該容器に付随する容器上のラベルまたはパッケージ説明書を含みうる。適切な容器は、例えば、ボトル、バイアル、注射器などを含む。容器は、例えば、ガラスやプラスチックのような様々な材料で制作できる。通常、当該容器内は、本明細書に記載の、疾患または病症を効果的に治療することができる組成物を含み、そして、無菌ポートを有する(例えば、当該容器は、静脈輸液バッグまたは皮下注射針によって突き刺すことができるキャップ付きのバイアルであり得る。)ものである。組成物には、少なくとも1つの活性物質として、本発明に記載の抗Psl抗体を含む。ラベルまたは外装説明書には、当該組成物を使用して治療できる特定の病症を示している。ラベルまたは外装説明書には、抗Psl抗体組成物を患者に投与するための説明書がさらに含まれている。併用療法を含む製品および試薬キットのいずれも、本明細書の範囲内にある。
【0487】
外装説明書とは、通常治療用製品の市販パッケージ内の説明書であり、これらの治療用製品の使用に関する適応症、使用法、投与量、投与、禁忌症および/または警告情報を含む。いくつかの実施例において、外装説明書は、当該組成物が細菌感染の治療に用いられることを示している。いくつかの実施例において、外装説明書は、当該組成物がシュードモナス菌感染の治療に用いられることを示している。
【0488】
また、前記製品は、第2の容器をさらに含んでもよく、当該第2の容器が、例えば、注射用静菌性水(BWFI)、リン酸緩衝液、グリーン溶液、またはグルコース溶液などの薬学的に許容される緩衝液を含む。また、当該第2の容器が、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、注射針、注射器などの商業的およびユーザーの観点から必要な他の材料も含みうる。
【0489】
なお、本発明は、任意で製品と組み合わせて、例えば、個体におけるシュードモナス菌感染の治療または予防の治療に用いられか、または、抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)を、Pslを発現する病原体が付着した細胞に送達することに用いられるなどの様々な目的に用いる試薬キットを提供する。本発明の試薬キットは、1つ以上の容器を含み、当該容器は、抗Psl抗体組成物(または単回剤形および/または製品)を含み、いくつかの実施例において、さらに他の薬剤(例えば、本明細書に記載されている薬剤)および/または本明細書に記載のいずれか1つの方法と一致する取扱説明書を含む。当該試薬キットは、さらに、適切な治療個体を選択することに対する説明を含み得る。本発明の試薬キッ付きの取扱説明書は、通常、ラベルまたは外装説明書(試薬キットに含まれている紙)に書かれた説明であり、機械読取可能な説明(例えば、磁気または光学ストレージディスクにおける説明)も許容される。
【0490】
例えば、いくつかの実施例において、試薬キットは、抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)を含む組成物を含有する。いくつかの実施例において、試薬キットは、a)本明細書に記載のいずれか1つの抗Psl抗体を含む組成物、およびb)抗Psl抗体の効果(例えば治療効果、検出効果)を増強することができる少なくとも一種の有効量の他の薬剤を含む。いくつかの実施例において、試薬キットは、a)本明細書に記載のいずれか1つの抗Psl抗体を含む組成物、およびb)個体に抗Psl抗体組成物を投与し、個体におけるシュードモナス菌感染の治療に用いられる取扱説明書を含む。いくつかの実施例において、試薬キットは、a)本明細書に記載のいずれか1つの抗Psl抗体を含む組成物、b)抗Psl抗体の効果(例えば治療効果、検出効果)を増強することができる少なくとも一種の有効量の他の薬剤、およびc)個体に抗Psl抗体組成物および他の物質を投与し、個体におけるシュードモナス菌感染の治療に用いられる取扱説明書を含む。前記抗Psl抗体および他の物質は、別々の容器または同じ容器に存在することができる。例えば、当該試薬キットは、一種の特定の組成物または二種以上の組成物を含み得、中では、一種の組成物が、抗Psl抗体を含み、他の一種の組成物が他の薬剤を含む。
【0491】
いくつかの実施例において、試薬キットは、抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)をコードする核酸(または核酸のセット)を含む。いくつかの実施例において、試薬キットは、a)抗Psl抗体をコードする核酸(または核酸のセット)、およびb)核酸(または核酸のセット)を発現する宿主細胞を含む。いくつかの実施例において、試薬キットは、a)抗Psl抗体をコードする核酸(または核酸のセット)、およびb):i)宿主細胞に抗Psl抗体を発現すること、ii)抗Psl抗体を含む組成物を調製すること、およびiii)個体に抗Psl抗体を含む組成物を投与し、個体におけるシュードモナス菌感染の治療または予防に用いられること;に適している使用説明書を含む。いくつかの実施例において、試薬キットは、a)抗Psl抗体をコードする核酸(または核酸のセット)、b)核酸(または核酸のセット)を発現する宿主細胞、およびc):i)宿主細胞に抗Psl抗体を発現すること、ii)抗Psl抗体を含む組成物を調製すること、およびiii)個体に抗Psl抗体を含む組成物を投与し、個体におけるシュードモナス菌感染の治療または予防に用いられること;に適している使用説明書を含む。
【0492】
本発明に記載の試薬キットは、適切な形式でパッケージされる。適切なパッケージとして、バイアル、ボトル、ジャー、柔軟な包装(例えば、密封されたポリエステルフィルムまたはビニール袋)などが含まれるが、これらに限定されない。試薬キットは、例えば、緩衝液および説明情報のような他の成分を任意的に提供しうる。従って、本発明は、バイアル、ボトル、ジャー、柔軟なパッケージ(密封されたポリエステルフィルムやビニール袋)などを含む製品をさらに提供する。
【0493】
抗Psl抗体組成物の取扱説明書に関して、通常、投与量、投与期間および投与経路のような情報を含む。容器は、単位用量、バルク(例えば、複数用量包装)またはサブ単位用量であり得る。例えば、十分な用量の本明細書に記載の抗Psl抗体(例えば、全長の抗Psl抗体)を含む試薬キットを提供し、個体に対して長期間(例えば、1週間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月またはその以上)で効果的な治療をおこなう。試薬キットは、また複数単位用量の抗Psl抗体、医薬組成物、および取扱説明書を含み得て、十分な量でパッケージし、病院薬局や調剤薬局などの薬局での保管および使用することに用いる。
【0494】
当業者は、本発明の範囲および趣旨における若干の実施例を認識できる。次に、以下の非限定的な実施例を参照して、本出願をより詳細に説明する。以下の実施例は、本発明をさらに説明するものであり、本発明の範囲に対するいずれか1つの方式で制限するものとして解釈されるべきではない。
【実施例
【0495】
実施例1:Psl多糖の調製および抗Psl一本鎖抗体(scFv)のスクリーニング
Psl多糖の調製
Psl多糖を調製する方法は、以下のステップを含んだ。緑膿菌PAO1細菌(CNCTC PAO1)をLBNS(NaClを含まないLB培地)に接種し、37℃で18時間培養して、細菌を収集して、遠心分離し、上清を捨てた。細菌の沈殿物を再懸濁した後、振盪または超音波により、細菌のバイオフィルムを細菌から分離した。遠心分離した後、上清にエタノールを加えて多糖を沈殿させた。高速遠心分離した後、沈殿物を再懸濁して、DNase IおよびプロテイナーゼKを加えて処理した。その後、フェノール/クロロホルムを用いてタンパク質を除去した後、Psl多糖をエタノールで沈殿させ、水で溶解した。
【0496】
ビオチン化されたPsl多糖の調製
メーカーのプロトコルに従って、EZ-link(商標)アルコキシアミン-PEG-ビオチン試薬(サーモフィッシャーサイエンティフィック)を使用してPsl多糖のビオチン化を行った。簡単に言えば、過ヨウ素酸ナトリウムによって多糖を酸化させ、反応した後、透析法によって過ヨウ素酸ナトリウムを除去した。アルコキシアミン-ビオチンを1:9のモル比で酸化されたPsl多糖に添加し、続いて、室温で2時間インキュベートした。最後に、透析または脱塩法を用いて、ビオチン化されたPsl多糖を未反応の物質から分離した。
【0497】
抗Psl一本鎖抗体(scFv)のスクリーニング
酵母scFv抗体ディスプレイライブラリーの構築:2000個のヒト血液サンプルから収集したRNAをcDNAに逆転写し、V-およびV-特異的プライマーを使用してVおよびVフラグメントを増幅した。ゲル抽出および精製した後に、リンカーを介してVおよびVを連結してscFvを生成した。これらのscFvを酵母ディスプレイプラスミドPYD1にクローニングし、次に、これを酵母に電気穿孔して、酵母scFv抗体ディスプレイライブラリーを構築した。
【0498】
抗Psl一本鎖抗体のスクリーニング:数回のパニング後に、酵母ディスプレイライブラリーからPslを認識したscFvをスクリーニングして収集した。簡単に言えば、磁気活性化セルソーティング(MACS)を使用して、抗Psl scFv抗体を発現する細胞を収集した。メーカーのプロトコルに従って、ビオチン化されたPslと磁気ビーズ(Dynabeads(商標) MyOne(商標) Streptavidin T1)と一晩混合して、磁気ビーズをビオチン化されたPslで被覆した。次いで、酵母scFv抗体ディスプレイライブラリーとPsl被覆磁気ビーズとを混合して、抗Psl抗体をディスプレイする酵母を収集して、結合しない酵母は洗浄工程で洗い流された。続いて、MACSパニングで収集された酵母サンプルに対して、蛍光活性化セルソーティング(FACS)を行った。FACSを介したスクリーニングは、2~3サイクル繰り返された。スクリーニングされた酵母ライブラリー細胞を寒天に置き、単一のコロニーを採取し、さらなるFACS分析を行った。Pslへの正の結合を示した酵母クローンから、scFv遺伝子を抽出して、6-Hisタグと融合し、原核生物の発現ベクターにサブクローニングした。次に、メーカーのプロトコルに従って、Ni Sepharose精製を使用して、His標識scFvを精製した。陽性scFv抗体のパネルは、スクリーニングプロセスの最後に取得され、緑膿菌のA549細胞への付着(ATT)を阻害する能力、およびオプソニン食菌殺傷(OPK)を促進する能力について機能試験を行った。
【0499】
実施例2:全長のヒト抗Psl抗体の調製および特性評価
全長のヒト抗Psl抗体の調製
最も潜在力があるscFv抗体を、ヒトIgG1の重鎖定常ドメインおよびヒトκ軽鎖定常ドメインを持つヒトIgG1抗体分子に再構築した。原核生物発現ベクターからVおよびVを増幅して、それぞれ、真核生物発現ベクターpTT5-L(kappa定常ドメインを含む)、およびpTT5-H1(IgG1重鎖定常ドメインを含む)に構築した。293F細胞のトランスフェクトに用いるように、軽鎖および重鎖を発現するプラスミドを抽出した。前記細胞を37℃、8%CO、120rpmで5日間培養した後、培養液における抗体をProtein Aアフィニティークロマトグラフィーカラムで精製した。
【0500】
簡単に言えば、まず、0.15M NaClを含む6倍カラム体積の50mMのPBS緩衝液(pH7.2)を使用して、150cm/hの流速でProtein Aアフィニティークロマトグラフィーカラムを平衡化した。培養上清をpH7.2に調整し、150cm/hの流速でカラムに通した。更に平衡化した後、50mMのクエン酸ナトリウム緩衝液(pH3.5)を使用してカラムを洗い流し、抗Psl抗体を含む溶出液を回収した。全長のIgG1抗体に対して、イン・ビボおよびイン・ビトロの生物学的活性評価を行った。イン・ビトロでの機能的スクリーニングのための方法には、オプソニン食菌殺傷(OPK)試験および細胞(上皮細胞株A549)付着試験が含まれた。イン・ビボ実験で使用される抗体は、実験結果に対するエンドトキシンの影響を低減するためにエンドトキシンを除去した。
【0501】
緑膿菌のA549ヒト肺上皮細胞への付着に対する抗Psl抗体の阻害
この実験は、抗Psl抗体が緑膿菌と上皮細胞との結合を阻害することを示した。
(Choi K H, et al. mini-Tn7 insertion in bacteria with single attTn7 sites: example Pseudomonas aeruginosa[J]. Nature Protocols, 2006, 1(1):153-161)に記載されるように、PTN 7トランスポゾンシステムを使用して、発光性緑膿菌PAO1(O5)-LUXを構築した。発光性緑膿菌の発光シグナル値を検出することによって、候補抗体の阻害活性を決定した。10%FBSを含むDMEM培地を使用して、白い96ウェルプレート(Nunclon Delta)に接種されたA549細胞(腺癌ヒト肺胞基底上皮細胞株)のコンフルエントな単層に、抗Psl抗体を添加した。対数期発光緑膿菌PAO1(O5)-LUXを10の感染多重度(MOI=10)で添加し、37℃、5%COで1時間インキュベートした。次いで、A549細胞を洗浄して結合していない細菌を除去し、続いて2YT培地を添加した。細菌は、37℃での短時間のインキュベーション後に定量化された。Cam-003およびWapr-001を参照抗体として使用した。自発光モジュールでプレート全体の発光強度値を読み取った。飽和用量(300μg/ml)の参照抗体であるCam-003を用いた試験から得られた値を100%阻害とし、抗Psl抗体を添加しない試験から得られた値を0%阻害とすることにより、抗Psl抗体の阻害率を計算した。GraphPad Prism 6を使用して、4パラメータ法によって抗体のIC50値を計算した。
【0502】
図1A~1Bおよび表9に示すように、参照抗体であるWapr-001と比較して、すべての抗Psl抗体は、緑膿菌のA549への付着をブロックする際に有意により優れた効果を示し、参照抗体であるCam-003と比較して、すべての抗Psl抗体は、緑膿菌のA549への付着をブロックする際に有意により優れた効果または同等の効果を示した。
【0503】
【表14】
【0504】
緑膿菌のOPK促進における抗Psl抗体の評価
この実験は、抗Psl抗体が緑膿菌のオプソニン食菌殺傷(OPK)を媒介することを示した。PTN 7トランスポゾンシステムを使用して、発光性緑膿菌PAO1(O5)-LUXを構築した。抗Psl抗体の活性は、発光性緑膿菌の発光シグナル値を検出することによって決定された。OPK検出の方法は、(DiGiandomenico,A.,et al.,InfectImmun 72,7012-7021(2004))に記載された通りであった。簡単に言えば、前記検出は96ウェルプレートで実施して、補体源としてのウサギ血清(CREATIVE DIAGNOSTICS,Cat# DAG136)、分化したHL-60細胞、対数期発光緑膿菌PAO1(O5)-LUXおよび連続希釈の抗Psl抗体を使用した。特には、当技術分野で知られている方法を使用して、HL-60細胞をヒト多形核白血球(PMN)に分化させた(Fleck R A,et al.Use of HL-60 Cell Line To Measure Opsonic Capacity of Pneumococcal Antibodies[J].Clinical & Diagnostic Laboratory Immunology,2005,12(1):19)。96ウェルプレートをPMNで被覆し、2mlのウサギ血清を同量の培養液で希釈し、25μL/ウェルでプレートに加えた。抗Psl抗体を3倍希釈し、10μL/ウェルでプレートに加えた。そして、対数期発光緑膿菌PAO1(O5)-LUXを0.1の感染多重度(MOI=0.1)で添加し、37℃、5%COで4時間インキュベートした後に、発光強度値を読み取ることにより、細菌を定量化された。参照抗体として、Cam-003およびWapr-001を使用した。飽和用量(300μg/ml)の参照抗体であるCam-003を用いた試験から得られた値を100% OPKとし、抗Psl抗体を添加しない試験から得られた値を0% OPKとすることにより、抗Psl抗体の相対死滅率を計算した。GraphPad Prism 6を使用して、4パラメータ法によって抗体のIC50値を計算した。
【0505】
図1C~1Dおよび表10に示すように、参照抗体であるWapr-001と比較して、すべての抗Psl抗体は、緑膿菌のOPKを促進する際に有意により優れた効果を示し、参照抗体であるCam-003と比較して、すべての抗Psl抗体は、緑膿菌のOPKを促進する際に有意により優れた効果または同等の効果を示した。
【0506】
【表15】
【0507】
実施例3:全長の抗Psl抗体の広範囲の緑膿菌菌株の中和
抗Psl抗体が広範囲の緑膿菌菌株を中和できるかどうかを調べるために、抗Psl抗体が臨床的に関連する他の緑膿菌菌株(例えば、O1型、O6型、O16型またはO2型緑膿菌菌株)のA549細胞への付着を阻害する能力、および、抗Psl抗体が臨床的に関連する他の緑膿菌菌株(例えば、O1型、O6型、O16型またはO2型緑膿菌菌株)のOPKを促進する能力を評価した。
【0508】
異なる緑膿菌菌株のA549細胞への付着に対する抗Psl抗体の阻害
抗Pslモノクローナル抗体P59、7H9、3F12、2A2および6G7が異なる緑膿菌菌株(菌株O1-52/66(CNCTC 52/66)、O6-57/66(CNCTC 57/66)、O16-177/81(CNCTC 177/81)およびO2-53/66(CNCTC 53/66))のA549細胞への付着を阻害する能力を分析した。(Choi K H,et al.mini-Tn7 insertion in bacteria with single attTn7 sites:example Pseudomonas aeruginosa[J].Nature Protocols,2006,1(1):153-161)に記載されるように、PTN 7トランスポゾンシステムを使用して、発光性緑膿菌52/66(O1)-LUX、57/66(O6)-LUX、177/81(O16)-LUXおよび53/66(O2)-LUXを構築した。A549細胞付着阻害試験は、実施例2に記載のように行った。
【0509】
図2A~2Dおよび表11に示すように、抗Pslモノクローナル抗体P59、7H9、3F12、2A2および6G7が緑膿菌菌株(O1-52/66(図2A)、O6-57/66(図2B)、O16-177/81(図2C)またはO2-53/66(図2D))のA549細胞への付着を阻害する際に、優れた効果を示した。
【0510】
【表16】
【0511】
異なる緑膿菌菌株のOPKに対する抗Psl抗体の促進
参照抗体であるpsl0096と比較して、抗Pslモノクローナル抗体P59、7H9および3F12が異なる緑膿菌菌株(菌株O6-57/66、O16-177/81、O1-52/66およびO2-53/66)のOPKを促進する能力を分析した。PTN 7トランスポゾンシステムを使用して、発光性緑膿菌57/66(O6)-LUX、177/81(O16)-LUX、52/66(O1)-LUXおよび53/66(O2)-LUXを構築した。OPK促進試験は、実施例2に記載のように行った。
【0512】
図3A~3Dおよび表12に示すように、参照抗体であるpsl0096と比較して、抗Pslモノクローナル抗体P59、7H9および3F12が緑膿菌菌株(O6-57/66(図3A)、O16-177/81(図3B)、O1-52/66(図3C)またはO2-53/66(図3D))のOPKを促進する際に、同等またはより優れた効果を示した。
【0513】
【表17】
【0514】
実施例4:生物学的活性を有する全長の抗Psl抗体変異体の同定
抗体の異性化および脱アミド化を低減するために、VおよびVドメインに単一または組み合わせ変異を含むIgG1型全長の抗Psl抗体7H9、P59または3F12の変異体を構築して、当分野で知られている方法によって精製して、かつ実施例2に記載のA549付着ブロック試験およびOPK促進試験によってその生物学的活性を評価した。Cam-003を参照抗体として使用した。前記変異体が緑膿菌PAO1(O5)のA549細胞への付着を阻害するためのIC50値、および緑膿菌PAO1(O5)のOPKを促進するためのEC50値を以下の表13~18に示した。結果として、本明細書に記載の変異を有するすべての候補抗体変異体は、参照抗体であるCam-003と比較して、同等またはより優れた効果を示した。抗Psl抗体変異体の例示的な重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインの配列番号を表6に示した。
【0515】
【表18】
【0516】
【表19】
【0517】
【表20】
【0518】
【表21】
【0519】
【表22】
【0520】
【表23】
【0521】
抗Psl抗体変異体の広範囲の緑膿菌菌株の中和
これらの変異体が広範囲の緑膿菌菌株を中和できるかどうかを調べるために、これらの変異体が緑膿菌のA549細胞への付着をブロックする能力、および、これらの変異体が例えば、O1型、O6型、O16型またはO2型緑膿菌菌株などの臨床的に関連する他の緑膿菌菌株のOPKを促進する能力を評価した。
【0522】
異なる緑膿菌菌株のA549細胞への付着に対する抗Psl抗体変異体のブロック
抗Psl抗体変異体P59-m21および7H9-m23が異なる緑膿菌菌株(菌株O1-52/66、O2-53/66、O6-57/66およびO16-177/81)のA549細胞への付着をブロックする能力を更に分析した。PTN 7トランスポゾンシステムを使用して、発光性緑膿菌52/66(O1)-LUX、53/66(O2)-LUX、57/66(O6)-LUXおよび177/81(O16)-LUXを構築した。A549細胞付着阻害試験は、実施例2に記載のように行った。
【0523】
図4A~4Dおよび表19に示すように、抗Psl抗体変異体P59-m21および7H9-m23が異なる緑膿菌菌株(O1-52/66(図4A)、O2-53/66(図4B)、O6-57/66(図4C)またはO16-177/81(図4D))のA549細胞への付着をブロックする際に、優れた効果を示した。
【0524】
【表24】
【0525】
異なる緑膿菌菌株のOPKに対する抗Psl抗体変異体の促進
参照抗体であるpsl009と比較して、抗Psl抗体変異体P59-m21および7H9-m23が異なる緑膿菌菌株(O1-52/66、O16-177/81、O6-57/66またはO2-53/66)のOPKを促進する能力を分析した。PTN 7トランスポゾンシステムを使用して、発光性緑膿菌52/66(O1)-LUX、177/81(O16)-LUX、57/66(O6)-LUXおよび53/66(O2)-LUXを構築した。OPK促進試験は、実施例2に記載のように行った。
【0526】
図5A~5Dおよび表20に示すように、参照抗体であるpsl0096と比較して、抗Psl抗体変異体P59-m21および7H9-m23が緑膿菌菌株(O1-52/66(図5A)、O16-177/81(図5B)、O6-57/66(図5C)またはO2-53/66(図5D))のOPKを促進する際に、同等またはより優れた効果を示した。
【0527】
【表25】
【0528】
実施例5:抗Psl抗体の結合特異性の特性評価
抗Psl抗体変異体の結合親和性
抗Psl抗体変異体3F12-m01、7H9-m23、P59-m21および参照抗体であるpsl0096とPslとの結合動力学および親和性は、バイオレイヤー干渉法(Bio-layer interferometry,BLI)によって検出された。結果を表21に示した。
【0529】
【表26】
【0530】
組換え緑膿菌菌株WFPA801またはWFPA800との結合
以前に記載された方法(Ma,L.,et al,2006,J Bacteriol 188:8213-8221参照)に従って、ELISAを使用して菌株WFPA801またはWFPA800に対する抗Psl抗体および参照抗体であるpsl0096の結合特異性を検出した。簡単に言えば、本研究は、Pslプロモーター欠失の緑膿菌PAO1変異体WFPA800(Δpsl)、または、Pslを誘導発現できる菌株WFPA801(pBAD-psl)を使用した。ELISAプレートを菌株WFPA801またはWFPA800で被覆し、4℃で一晩インキュベートした。ブロッキング後、連続希釈の抗体を添加し、37℃で1時間インキュベートした。洗浄後、アルカリホスファターゼ標識抗ヒトIgG抗体(ヤギ抗ヒトIgG(全分子)-HRP、Sigma、A8667)を加え、37℃で1時間インキュベートした。各ウェルにPNPPを加えて発色させた。3MのNaOHを使用して反応を停止させた。シグナルはマイクロプレートリーダーを使用して410nmで読み取った。
【0531】
図6A~6Bおよび表22に示すように、抗Psl抗体3F12、7H9-m23、P59-m21および参照抗体であるpsl0096は、いずれも、WFPA800菌株への低レベルの結合を示した。対照的に、すべての試験抗体は、WFPA801(図6B)菌株に対して高レベルの特異的結合を示した。
【0532】
【表27】
【0533】
抗Psl抗体の非特異的結合
参照抗体であるpsl0096と比較して、抗Psl抗体3F12、7H9-m23およびP59-m21の非特異的結合を更に特性評価した。
【0534】
BV粒子との交差反応性:以前に記載された方法(Hotzel I, et al, 2012,mAbs 4:6,753-760参照)に従って、ELISA法によって、抗Psl抗体、参照抗体であるpsl0096とBV粒子との交差反応性を検出した。Lenzilumabを陽性コントロールとして使用し、Tildrakizumabを陰性コントロールとして使用した。BVスコアは、抗体を添加しない試験のOD値に対する、試験抗体を使用した試験のOD値の比率である。
【0535】
図7および表23に示すように、陽性コントロールは、BV粒子への高レベルの結合を示した。対照的に、抗体3F12、7H9-m23またはP59-m21は、陰性コントロールと類似し、参照抗体であるpsl0096よりも低いか同等であるBV粒子への非常に低いレベルの結合を示した。
【0536】
【表28】
【0537】
以上のようにして、これらの結果は、抗Psl抗体3F12、7H9-m23、およびP59-m21が、参照抗体であるpsl0096と同等またはそれより低い非特異的結合を有することを示した。
【0538】
実施例6:緑膿菌PAO1(O5)菌株のバイオフィルム形成に対する抗Psl抗体の阻害
緑膿菌は、慢性嚢胞性線維症肺感染症におけるバイオフィルム形成と長い間関連しているため、バイオフィルム形成の最も一般的なモデル生物である。バイオフィルムの形成は、慢性感染の定着(colonization)と抗生物質耐性につながる重要なメカニズムです。Psl多糖は緑膿菌のバイオフィルムを形成するための重要な成分であり、効果的な抗Psl抗体は理論的にはバイオフィルム形成を阻害する機能を持っているはずである。以下の試験から、抗Psl抗体3F12、P59-m21、7H9-m23および参照抗体であるpsl0096が緑膿菌のバイオフィルム形成を阻害する能力を有することは確認された。ここで、HIV中和抗体10E8(Huang J, et al., Broad and potent neutralization of HIV-1 by a gp41-specific human antibody. Nature. 2012 Nov 15;491(7424):406-12)を陰性コントロールとして使用し、本明細書ではHIV-10E8と名付けた。簡単に言えば、緑膿菌のコロニーを液体培地に採取し、37℃で一晩培養した。緑膿菌を含む培地のOD600値を1.0に調整し、10倍に希釈し、100μLの希釈した緑膿菌と抗Psl抗体とを96ウェルプレートに加え、30℃で24時間インキュベートした。その後、培地を静かに除去し、プレートを滅菌水で3回洗浄し、バイオフィルムを形成しなかった細菌を除去した。染色を実施するために、150μLの1%クリスタルバイオレットを各ウェルに添加して20分間インキュベートした。プレートを滅菌水で3回洗浄し、150μLの33%酢酸を加えて20分間インキュベートし、クリスタルバイオレットを抽出した。クリスタルバイオレットを含む酢酸を別のウェルに移し、OD値を490nmで読み取った。抗Psl抗体を添加しない試験のOD490値を100%バイオフィルム形成とし、緑膿菌を添加しない試験のOD490値を0%バイオフィルム形成とすることにより、バイオフィルム形成を計算した。
【0539】
図8に示すように、陰性コントロールと比較して、すべての試験抗Psl抗体は、300~900μg/mlの範囲の用量で、バイオフィルム形成を有意に阻害できた(P<0.05)。特に、参照抗体であるpsl0096と比較して、抗Psl抗体3F12、7H9-m23、およびP59-m21は、バイオフィルム形成を阻害する際により優れたまたは同等の有効性を示した。
【0540】
実施例7:抗Psl抗体を使用したマウス緑膿菌菌血症モデルの動物生存率
抗Psl抗体が菌血症マウスモデルの生存率を高める能力を評価した。HIV-10E8を陰性コントロールとして使用した。以上に記載された方法(Warrener et al.,2014,Antimicrob.Agents Chemother.,58,4384-4391参照)を使用して、腹腔内感染によってマウス菌血症モデルを構築した。
【0541】
高用量の抗Psl抗体による菌血症モデルマウスの生存率の改善
参照抗体であるCam-003と比較して、菌血症モデルにおける抗Psl抗体P59(15mg/kgマウス体重の高用量)がマウス生存率を改善する能力を評価した。HIV-10E8を陰性コントロールとして使用した。
【0542】
マウス菌血症モデルを構築するために、7~8週齢のBALB/cマウス(Vital River Laboratory)を無作為にグループに分け、各グループに8~10匹のマウスを有した。抗体は、感染の24時間前に腹腔内(i.p.)注射により15mg/kgマウス体重の用量で投与された。マウスの腹腔内に緑膿菌(O6-57/66菌株)を致死量の2倍(2×LD90=5×10CFU)で接種した。この菌株は、臨床疾患に関連する細胞毒性の高い緑膿菌の血清型を表した。感染後5日までのマウスの生存率を記録した。
【0543】
図9Aに示すように、緑膿菌(57/66)を致死量の2倍(2×LD90)で接種した菌血症モデルにおいて、同じ用量を使用する際に、抗Psl抗体P59は、参照抗体であるCam-003によりも有意に良好な保護を示した(P<0.05)。生存率の差は、ログランク検定によって計算された。
【0544】
低用量の抗Psl抗体による菌血症モデルマウスの生存率の改善
参照抗体であるCam-003と比較して、菌血症モデルにおける抗Psl抗体P59、1D10、7H9、2A2および6G7(10mg/kgマウス体重の低用量)がマウス生存率を改善する能力を評価した。HIV-10E8を陰性コントロールとして使用した。
【0545】
7~8週齢のBALB/cマウス(Vital River Laboratory)を無作為にグループに分け、各グループに8~10匹のマウスを有した。抗体は、感染の24時間前に腹腔内(i.p.)注射により10mg/kgマウス体重の用量で投与された。マウスの腹腔内に緑膿菌(O6-57/66菌株)を致死量の3倍(3×LD90=7×105CFU)で接種した。感染後6日までのマウスの生存率を記録した。
【0546】
図9Bに示すように、緑膿菌(57/66)を致死量の3倍(3×LD90)で接種した菌血症モデルにおいて、全ての抗Psl抗体は、低用量で投与された場合(10mg/kgマウス体重)、陰性コントロールHIV-10E8と比較して有意に優れた生存率改善効果を示した。抗Psl抗体7H9および6G7は、参照抗体であるCam-003と比較して、有意に優れた生存率改善効果を示し、(P<0.05)、そして、抗Psl抗体P59、1D10および2A2は、参照抗体であるCam-003と比較して、同等またはより優れた生存率改善効果を示した。生存率の差は、ログランク検定によって計算された。
【0547】
低用量の抗Psl抗体による、緑膿菌の接種量が高い菌血症モデルマウスの生存率の改善
参照抗体であるpsl0096と比較して、緑膿菌の接種量が高い(4×LD90)菌血症モデルにおける抗Psl抗体3F12および7H9(10mg/kgマウス体重の低用量)がマウス生存率を改善する能力を評価した。HIV-10E8を陰性コントロールとして使用した。
【0548】
7~8週齢のBALB/cマウス(Vital River Laboratory)を無作為にグループに分け、各グループに8~10匹のマウスを有した。抗体は、感染の24時間前に腹腔内(i.p.)注射により10mg/kgマウス体重の用量で投与された。マウスの腹腔内に緑膿菌(O6-57/66菌株)を致死量の4倍(4×LD90=7×10CFU)で接種した。感染後6日までのマウスの生存率を記録した。
【0549】
図9Cに示すように、緑膿菌(57/66)を致死量の4倍(4×LD90)で接種した菌血症モデルにおいて、抗Psl抗体3F12および7H9は、低用量で投与された場合(10mg/kgマウス体重)、参照抗体であるpsl0096と比較して、有意に優れた生存率改善効果を示した(P<0.05)。生存率の差は、ログランク検定によって計算された。
【0550】
抗Psl抗体変異体による菌血症モデルマウスの生存率の改善
緑膿菌の接種量が高い(4×LD90=9×10CFU)菌血症モデルにおける、抗Psl抗体変異体7H9-m23、7H9-m24、7H9-m25、3F12-m01およびP59-m21(10mg/kgマウス体重の低用量)がマウス生存率を改善する能力を評価した。HIV-10E8を陰性コントロールとして使用した。
【0551】
7~8週齢のBALB/cマウス(Vital River Laboratory)を無作為にグループに分け、各グループに8~10匹のマウスを有した。抗Psl抗体変異体は、感染の24時間前に腹腔内(i.p.)注射により10mg/kgマウス体重の用量で投与された。マウスの腹腔内に緑膿菌(O6-57/66菌株)を致死量の4倍(4×LD90=9×10CFU)で接種した。感染後6日までのマウスの生存率を記録した。
【0552】
図9Dに示すように、緑膿菌(57/66)を致死量の4倍(4×LD90)で接種したマウス菌血症モデルにおいて、すべての抗Psl抗体変異体(7H9-m23、7H9-m24,7H9-m25、3F12-m01およびP59-m21)は、低用量で投与された場合(10mg/kgマウス体重)、陰性コントロールHIV-10E8と比較して、有意に優れた生存率改善効果を示した(P<0.05)。生存率の差は、ログランク検定によって計算された。
【0553】
実施例8:抗Psl抗体変異体による急性肺炎モデルマウスにおける臓器負担の軽減
マウス急性肺炎モデルにおける、抗Psl抗体変異体3F12-m01、7H9-m24およびP59-m21(10mg/kgマウス体重の低用量)が緑膿菌の臓器負担を軽減する能力を評価した。HIV-10E8を陰性コントロールとして使用した。
【0554】
抗体またはPBSは、感染の24時間前に7~8週齢のBALB/cマウス(Vital River Laboratory)へ腹腔内(i.p.)注射により15mg/kgマウス体重の用量で投与された。急性肺炎を誘発するために、マウスに緑膿菌(57/66菌株)を5×106CFUで鼻腔内接種した。感染後24時間で、マウスを安楽死させた後、肺、脾臓、および腎臓を採取して、各臓器サンプルの緑膿菌負担を代表するコロニー形成単位(CFUで表される)を測定した。
【0555】
図10に示すように、陰性コントロールHIV-10E8と比較して、すべての抗Psl抗体変異体3F12-m01、7H9-m24およびP59-m21は、肺、脾臓、および腎臓における臓器負担を軽減する際により優れた有効性を示した(P<0.05)。
【0556】
実施例9:抗Psl抗体と抗生物質を用いた緑膿菌感染症の併用治療
抗Psl抗体と抗生物質の併用によるマウス腹腔内感染モデルの生存率の改善
抗Psl抗体3F12および3F12と抗生物質(メロペネム、トブラマイシン、またはシプロフロキサシン)との併用治療が腹腔内感染モデルマウスの生存率を高める能力を評価した。HIV-10E8を陰性コントロールとして使用した。
【0557】
7~8週齢のBALB/cマウス(Vital River Laboratory)に対して、感染の24時間前に抗体を腹腔内注射し、または感染の2時間後に抗生物質を注射した。具体的には、マウスに、抗Psl抗体3F12(7mg/kg)、メロペネム(8mg/kg)、トブラマイシン(2mg/kg)、シプロフロキサシン(2mg/kg)をそれぞれ投与した。併用治療では、感染の24時間前に抗Psl抗体3F12(7mg/kg)を腹腔内注射し、感染の2時間後にそれぞれメロペネム(8mg/kg)、トブラマイシン(2mg/kg)またはシプロフロキサシン(2mg/kg)を注射した。腹腔内感染を誘発するために、BALB/cマウスに緑膿菌(57/66菌株)を致死量の3倍(3×LD90=7×10CFU)で腹腔内接種した。感染後5日までのマウスの生存率を記録した。
【0558】
図11に示すように、緑膿菌(57/66菌株)を致死量の3倍(3×LD90)で接種した腹腔内感染モデルにおいて、抗体単独治療または抗生物質単独治療と比較して、3F12(7mg/kg)と抗生物質であるメロペネム(8mg/kg)、トブラマイシン(2mg/kg)またはシプロフロキサシン(2mg/kg)との併用は、マウスの生存率を有意に向上させた(p<0.05)。これらの結果は、本明細書に記載の抗Psl抗体と抗生物質との併用が緑膿菌の中和における臨床的可能性を示した。
【0559】
実施例10:抗Psl抗体および変異体の薬物動態学
抗Psl抗体3F12、抗Psl抗体変異体7H9-m23およびP59-m21のイン・ビボ薬物動態を検討するために、ラットにおける3F12、7H9-m23、P59-m21および参照抗体であるpsl0096抗体の血漿レベルを経時的に測定した。
【0560】
ラットにおける薬物動態学:同様の体重(体重約0.2kg)の20匹の健康な成体ラットに、3F12、7H9-m23、P59-m21、またはpsl0096をそれぞれ3mg/kg静脈内注射した。注射後1時間、続いて注射後0時間、0.5時間、2時間、8時間、1日、3日、7日、11日、17日、23日、31日、41日、52日に採血した。遠心分離した後、ELISA法により血漿における抗体濃度を検出した。ELISA実験において、96ウェルプレートをPsl多糖で被覆した。翌日、PBST溶液で洗浄した後、200μLのPBS-ミルクで1時間ブロッキングし、PBST溶液で再度洗浄し、血漿を加えて、37℃に1時間インキュベートした。96ウェルプレートを0.1%のTBST溶液で6回洗浄した後、各ウェルに100μLのヤギ抗ヒトFc抗体AP(PBSで1:3000希釈した)を添加し、1時間インキュベートした。0.1%のTBSTで6回洗浄した後、各ウェルに50μLのpNPPを添加し、抗体結合アルカリホスファターゼによって37℃で10~20分間発色して、比色シグナルを生成した。マイクロプレートリーダーにより410nmで比色シグナルを読み取った。
【0561】
図12に示すように、試験の用量(3mg/kg)で静脈内注射した場合、3F12、7H9-m23およびP59-m21の半減期は参照抗体であるpsl0096と同等であり、これは、抗PSl抗体および抗PSl抗体変異体が、ラットにおいて参照抗体psl0096に匹敵する安定な薬物動態を示すことを示した。
【0562】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
以下に提出されるASCIIテキストファイルにおける内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。コンピュータ可読形態(CRF)の配列表(ファイル名:PSL_202007138989_配列表.TXT、記録日:2020年07月13日;サイズ:116KB)
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
図12
【配列表】
2023537042000001.app
【国際調査報告】