(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】染料固着剤を含有する洗濯洗剤組成物を含む、水溶性単位用量物品
(51)【国際特許分類】
C11D 17/04 20060101AFI20230823BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20230823BHJP
C11D 3/22 20060101ALI20230823BHJP
C11D 1/66 20060101ALI20230823BHJP
C11D 1/02 20060101ALI20230823BHJP
C11D 1/40 20060101ALI20230823BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20230823BHJP
C11D 1/68 20060101ALI20230823BHJP
C11D 1/22 20060101ALI20230823BHJP
C11D 1/12 20060101ALI20230823BHJP
C11D 1/29 20060101ALI20230823BHJP
C11D 1/28 20060101ALI20230823BHJP
C11D 1/06 20060101ALI20230823BHJP
D06L 1/12 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
C11D17/04
C11D3/37
C11D3/22
C11D1/66
C11D1/02
C11D1/40
C11D1/72
C11D1/68
C11D1/22
C11D1/12
C11D1/29
C11D1/28
C11D1/06
D06L1/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023508505
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-02-07
(86)【国際出願番号】 CN2021112296
(87)【国際公開番号】W WO2022062755
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/118325
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/118408
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/138032
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】タン、ミン
(72)【発明者】
【氏名】ウェン、ヤンジエ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ナン
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB05
4H003AB19
4H003AB21
4H003AB27
4H003AB31
4H003AC05
4H003AC08
4H003AE02
4H003BA18
4H003DA01
4H003EA21
4H003EB14
4H003EB28
4H003EB30
4H003EB32
4H003EB33
4H003EB42
4H003EB46
4H003FA14
4H003FA28
(57)【要約】
水溶性フィルムと、水溶性フィルム内に封入された洗剤組成物と、を含む、水溶性単位用量物品であって、当該水溶性フィルムが水溶性ポリマーを含み、当該洗剤組成物が染料固着剤を含み、当該洗剤組成物が2.5~8.4の未希釈pHを有する、水溶性単位用量物品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性フィルムと、前記水溶性フィルム内に封入された洗剤組成物と、を含む、水溶性単位用量物品であって、
前記水溶性フィルムが水溶性ポリマーを含み、前記洗剤組成物が染料固着剤を含み、
前記洗剤組成物が、2.5~8.4の未希釈pHを有する、水溶性単位用量物品。
【請求項2】
前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及びポリカルボン酸塩、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、多糖類、天然ゴム、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項3】
前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコールである、請求項1又は2に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項4】
前記染料固着剤が、
i)ポリアミンとシアナミド及び酸との反応生成物、
ii)シアナミドとアルデヒド及びアンモニウム塩との反応生成物、
iii)シアナミドとアルデヒド及びアミンとの反応生成物、又は
iv)アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、並びに
これらの任意の組み合わせ、からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項5】
前記染料固着剤が、前記洗剤組成物の0.02重量%~5重量%、好ましくは0.05重量%~2重量%、より好ましくは0.1重量%~1.5重量%、最も好ましくは0.15重量%~0.9重量%の範囲の量で存在し、
好ましくは、前記染料固着剤が、アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択され、前記アミンが一級アミン、二級アミン又は三級アミンであり、
より好ましくは、前記染料固着剤が、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択され、
最も好ましくは、前記染料固着剤が、ポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチル塩化アンモニウム)である、請求項1~4のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項6】
前記洗剤組成物が、3~8.4、好ましくは4~8.3、より好ましくは5~8.2、更により好ましくは5~8.1、最も好ましくは5~8、例えば4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.1、8.2、8.3又はそれらの間の任意の範囲の未希釈pHを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項7】
前記洗剤組成物が、
前記組成物の0.1重量%~50重量%の非イオン性界面活性剤、及び/又は
前記組成物の0.1重量%~50重量%のアニオン性界面活性剤、及び/又は
前記組成物の0.01重量%~25重量%のアミン系界面活性剤を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項8】
前記非イオン性界面活性剤が、1%~45%、好ましくは2%~40%、より好ましくは3%~35%、最も好ましくは4%~30%の範囲の量で存在し、
好ましくは、前記非イオン性界面活性剤が、アルキルアルコキシル化アルコール、アルキルアルコキシル化フェノール、アルキル多糖類、アルキルポリグリコシド、メチルエステルエトキシレート、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、ショ糖エステル、ソルビタンエステル及びソルビタンエステルのアルコキシル化誘導体、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、
より好ましくは、前記非イオン性界面活性剤が、1~20、好ましくは5~15、より好ましくは7~12の範囲の重量平均アルコキシル化度を有するC
6~C
20アルコキシル化アルコールを含み、
最も好ましくは、前記非イオン性界面活性剤が、1~20、好ましくは5~15、より好ましくは7~12の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC
8~C
18エトキシル化アルコールを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項9】
前記アニオン性界面活性剤が、前記組成物の0.1重量%~45重量%、好ましくは0.5重量%~40重量%、より好ましくは1重量%~35重量%、最も好ましくは5重量%~30重量%の範囲の量で存在し、
好ましくは、前記アニオン性界面活性剤が、C
6~C
20直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C
6~C
20アルキルサルフェート(AS)、C
6~C
20アルキルアルコキシサルフェート(AAS)、C
6~C
20メチルエステルスルホネート(MES)、C
6~C
20アルキルエーテルカルボキシレート(AEC)、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、
より好ましくは、前記アニオン性界面活性剤が、C
6~C
20LASと、任意に、C
6~C
20AS及び/又はC
6~C
20AASなどの追加のアニオン性界面活性剤と、を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項10】
前記洗剤組成物が、前記洗剤組成物の0.4重量%~12重量%、好ましくは0.7重量%~10重量%、より好ましくは1重量%~8重量%の範囲の量で存在するアミン系界面活性剤を更に含み、
好ましくは、前記アミン系界面活性剤が、以下の式(I)
R-NH
a(((CH
2)
m-NH)
x-(CH
2)
n-NH
2)
b (I)
[式中、Rは、直鎖又は分枝鎖C
4~C
20アルキル、好ましくはC
8~C
18アルキル、より好ましくはC
10~C
16アルキルであり、
式中、a、b、x、m及びnは整数であり、a+b=2であり、
aは、0又は1であり、bは、1又は2であり、xは、0~10、好ましくは0~8、より好ましくは0~5、最も好ましくは0~3の整数であり、mは、1~7、好ましくは1~4、より好ましくは2~4、最も好ましくは3の整数であり、nは、1~7、好ましくは1~4、より好ましくは2~4、最も好ましくは3の整数である]を有し、
より好ましくは、前記アミン系界面活性剤が、ドデシルジプロピレントリアミンであり、
最も好ましくは、前記アミン系界面活性剤が、
以下の式
【化1】
を有するトリアミン化合物である、請求項1~9のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項11】
前記洗剤組成物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン(MEA)、トリエタノールアミン(TEA)、及びこれらの任意の組み合わせから選択されるpH調整剤を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項12】
前記pH調整剤が、MEAを含む、請求項11に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項13】
前記洗剤組成物が、
a)前記組成物の0.5重量%~3重量%の前記染料固着剤であって、前記染料固着剤が、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択される、前記染料固着剤と、
b)前記組成物の10重量%~35重量%の、7~9の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC
10~C
16エトキシル化アルコールを含む前記非イオン性界面活性剤と、
c)前記組成物の3重量%~25重量%の、C
10~C
16LAS及びC
10~C
16アルキルエトキシサルフェートを含む前記アニオン性界面活性剤と、を含み、
前記洗剤組成物が、6~8の未希釈pHを有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の水溶性単位用量物品。
【請求項14】
着色された布地の色を保護する方法であって、前記着色された布地を、請求項1~13のいずれか一項に記載の前記水溶性単位用量物品中の前記洗剤組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項15】
前記色の前記保護が、前記着色された布地中に染料を固着させることによって、及び/又は前記着色された布地からの退色若しくは色滲みを防止することによって達成される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染料固着剤を含有する洗濯洗剤組成物を含む、水溶性単位用量物品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、単位用量組成物の形態の洗剤製品が普及しつつある。単位用量洗濯製品は、従来の洗剤粉末製品又は液体洗剤製品と比較して多くの利点、例えば、持ち運びの便利さ、使用時に計量する必要がないこと、及び魅力的な外観を提供し得る。このような単位用量製品は、通常、液体洗剤界面活性剤をその中に封入する水溶性フィルムを含む。このような単位用量組成物は、水に添加されると溶解して洗剤界面活性剤を放出する。このような水溶性フィルムは、好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及びポリカルボン酸塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴムから選択される水溶性ポリマーを含む。
【0003】
一方、洗剤製品が進化するにつれて、洗浄に関する消費者の要求は十分に満たされてきた。しかしながら、洗濯の分野において未だに満たされていないいくつかのその他の消費者の要求が、依然として存在している。特に、満たされていない要求の1つは、洗浄サイクル中の着色された織物の退色又は色滲みを防止することである。
【0004】
着色された織物は、織物からの染料の放出に起因して、特に綿及び混合綿布地で作製された暗色の織物の場合、数回の洗浄サイクルにわたって色あせ得る。一方、色滲みが生じる可能性がある、すなわち、異なる色の織物又は白色の織物は、それらが同時に洗浄された場合に、洗浄液中の比較的高い染料濃度の結果として、染色された織物から放出される染料で汚れる可能性がある。退色又は色滲みは、着色された織物の外観の急速な劣化をもたらす。したがって、退色及び/又は色滲みを防止することができる洗濯洗剤組成物に対する必要性が、引き続き存在している。
【0005】
現在、退色又は色滲みの問題を解決するために、いわゆる染料固着が洗剤組成物にて用いられている。このような染料固着剤は、通常、カチオン性ポリマーであり、これは、着色された織物からの染料の脱離又は白色の織物若しくは異なる染料を有する織物への染料の再付着を防止するために、織物上又は洗浄液中の負に帯電した染料を結合することができる。
【0006】
しかしながら、これらの染料固着剤は洗剤組成物の配合に非常に敏感である。洗濯製品に使用される多くの成分(例えば、単位用量洗濯製品に使用される水溶性ポリマー)は、染料固着剤によってもたらされる色保護効果を損なう可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、より効果的に色保護を提供することができる染料固着剤を含有する単位用量洗濯製品を、提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
色保護の効果をもたらすために、染料固着剤を含有する単位用量洗濯製品にとってpHが非常に重要であり得ることは、本発明の驚くべき予想外の発見である。特に、水溶性フィルムと、水溶性フィルム内に封入された洗剤組成物と、を含む、単位用量洗濯製品であって、水溶性フィルムが水溶性ポリマーを含み、洗剤組成物が染料固着剤を含む単位用量洗濯製品については、洗剤組成物の未希釈pHが特定の範囲内(例えば、2.5~8.4)である場合に、単位用量洗濯製品は、有意に改善された色保護をもたらし得る。
【0009】
それに対応して、本発明は、一態様では、水溶性フィルムと、水溶性フィルム内に封入された洗剤組成物と、を含む、水溶性単位用量物品であって、当該水溶性フィルムが水溶性ポリマーを含み、当該洗剤組成物が染料固着剤を含み、当該洗剤組成物が2.5~8.4の未希釈pHを有する、水溶性単位用量物品に関する。
【0010】
好ましくは、洗剤組成物は、3~8.4、好ましくは4~8.3、より好ましくは5~8.2、更により好ましくは5~8.1、最も好ましくは5~8、例えば4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.1、8.2、8.3又はそれらの間の任意の範囲の未希釈pHを有する。
【0011】
本発明の特に好ましい実施形態では、洗剤組成物は、
a)当該組成物の0.5重量%~3重量%の当該染料固着剤であって、当該染料固着剤が、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択される、当該染料固着剤と、
b)当該組成物の10重量%~35重量%の、7~9の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C16エトキシル化アルコールを含む当該非イオン性界面活性剤と、
c)当該組成物の3重量%~25重量%の、C10~C16LAS及びC10~C16アルキルエトキシサルフェートを含む当該アニオン性界面活性剤と、
d)当該組成物の0.1重量%~20重量%のアミン系界面活性剤であって、
当該アミン系界面活性剤が、以下の式(I)
R-NHa(((CH2)m-NH)x-(CH2)n-NH2)b (I)
[式中、Rは、直鎖又は分枝鎖C4~C20アルキルであり、
a、b、x、m及びnは整数であり、a+b=2であり、
aは、0又は1であり、bは、1又は2であり、xは、0~10の整数であり、mは、1~7の整数であり、nは、1~7の整数である]を有する、アミン系界面活性剤と、を含む。
【0012】
別の態様では、本発明は、着色された布地の色を保護する方法であって、着色された布地と上述の水溶性単位用量物品中の洗剤組成物とを接触させることを含む、方法に関する。好ましくは、色の保護は、着色された布地中に染料を固着させることによって、及び/又は着色された布地からの退色若しくは色滲みを防止することによって、達成される。
【0013】
別の態様では、本発明は、着色された布地の退色又は色滲みを防止する方法であって、着色された布地と上述の水溶性単位用量物品中の洗濯洗剤組成物とを接触させることを含む、方法に関する。
【0014】
別の態様では、本発明は、着色された布地中に染料を固着させる方法であって、着色された布地と上述の水溶性単位用量物品中の洗濯洗剤組成物とを接触させることを含む、方法に関する。
【0015】
洗濯洗剤組成物の利点は、例えば、退色及び/又は色滲み並びに染料固着の防止を含む、着色された布地のための有効な色保護をもたらすことである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
定義
本発明で使用する場合、「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求の範囲において使用される場合に、特許請求されている又は記載されるもののうちの1つ以上を意味すると理解される。
【0017】
本発明で使用する場合、用語「含む(comprise、comprises、comprising)」、「包含する(include、includes、including)」、「含有する(contain、contains、containing)」は、非限定的である、すなわち、最終結果に影響を及ぼすことのないその他の工程及びその他の成分を加えることができることを意味している。上記用語には、用語「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」が包含される。
【0018】
本発明で使用する場合、組成物が特定成分を「実質的に含まない(substantially free)」場合とは、その組成物が、一定基準未満の量、あるいは当該組成物の0.1重量%未満、あるいは0.01重量%未満、あるいは0.001重量%の特定成分を含むことを意味する。
【0019】
本発明で使用する場合、用語「洗濯洗剤組成物」とは、布地を含む、汚れた材料を洗浄するための組成物を意味する。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用されてもよい、又は洗濯操作のすすぎ中若しくは洗浄サイクル中に添加されてもよい。洗濯洗剤組成物は、液体、粉末、単一区画若しくは多区画の単位用量などの単位用量、パウチ、錠剤、ゲル、ペースト、バー、又はフレークから選択される形態を有してもよい。好ましくは、洗濯洗剤組成物は、液体又は単位用量組成物である。本明細書における用語「液体洗濯洗剤組成物」は、注ぐことが可能な液体、ゲル、クリーム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される形態である組成物を指す。液体洗濯洗剤組成物は、水性又は非水性のいずれかであってもよく、異方性、等方性、又はこれらの組み合わせであってもよい。本明細書における用語「単位用量洗濯洗剤組成物」は、水溶性フィルムで包まれた特定の体積の液体を含有する水溶性パウチを指す。
【0020】
本発明で使用する場合、用語「主要界面活性剤」は、このような組成物が含有するあらゆるその他の界面活性剤より多い量で組成物中に存在する、界面活性剤を指す。同様に、用語「主要アニオン性界面活性剤」は、このような組成物が含有するあらゆるその他のアニオン性界面活性剤より多い量で組成物中に存在する、アニオン性界面活性剤を指す。
【0021】
本発明で使用する場合、用語「過半の界面活性剤」は、このような組成物中の総界面活性剤含有量の少なくとも50重量%である量で組成物中に存在する、界面活性剤を指す。同様に、用語「過半のアニオン性界面活性剤」は、このような組成物中の総アニオン性界面活性剤含有量の少なくとも50重量%である量で組成物中に存在する、アニオン性界面活性剤を指す。
【0022】
本発明で使用する場合、用語「アルキル」とは、分枝鎖又は非分枝鎖、置換又は非置換であるヒドロカルビル部分を意味する。用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる。
【0023】
本発明で使用する場合、用語「洗浄溶液」は、1サイクルの洗濯洗浄のために使用される典型的な量、好ましくは、1L~50L、あるいは、手作業で洗浄する場合には1L~20L、機械で洗浄する場合には10L~50Lの水溶液を指す。
【0024】
本発明で使用する場合、用語「汚れた布地」は、非特定的に使用され、例えば、綿、亜麻布、ウール、ポリエステル、ナイロン、絹、アクリルなどであるがこれらに限定されない、天然繊維、人工繊維、及び合成繊維、並びに種々の混紡及び組み合わせを含む、任意の種類の天然繊維又は人工繊維を指す場合がある。
【0025】
水溶性単位用量物品
本発明は、水溶性フィルムと、本発明による液体洗濯洗剤組成物と、を含む、水溶性単位用量物品に関する。
【0026】
本発明の単位用量物品は、少なくとも1つの区画に液体組成物を完全に封入する水溶性フィルムを含む。
【0027】
本明細書の単位用量物品は、典型的には、閉鎖構造であり、液体洗濯洗剤組成物を含む内容量を封入している水溶性フィルム製である。単位用量物品は、例えば、パウチが水に接触する前にパウチから組成物を放出することなく、組成物を保持し、保護するために好適な、任意の形態及び形状であり得る。正確な実行は、パウチ内の組成物の種類及び量、パウチ内の区画の数、組成物を保持、保護、及び放出するために水溶性フィルムに必要とされる特性のような要因に依存する。単位用量物品は、実質的に、正方形、長方形、卵形、楕円形、スーパー楕円形、又は円形の形状を有してもよい。形状は、2つ以上のフィルムが一緒に封止される点でフランジ又はスカート部として存在する任意の余分な材料を含んでも含まなくてもよい。「実質的に」とは、本明細書において、形状が、例えば、正方形であるという全体的な印象を有することを意味する。それは、丸みを帯びた角部及び/又は真っ直ぐでない辺部を有してもよいが、全体として、例えば正方形であるという印象を与える。
【0028】
液体組成物は、好ましくは、存在する場合、いかなる固形添加物をも除外するが、任意の気泡を含み、0.9~1.3グラム/立方センチメートル、より好ましくは1.0~1.1グラム/立方センチメートルの範囲の密度を有する。
【0029】
単位用量パウチは、少なくとも1つの区画に液体組成物を完全に封入する水溶性フィルムを含む。単位用量物品は、任意に更なる区画を含んでもよく、当該更なる区画は、追加の組成物を含んでもよい。当該追加の組成物は、液体、固体又はこれらの混合物であってもよい。あるいは、任意の追加の固体構成成分を液体入り区画に懸濁させてもよい。各区画は、同一又は異なる組成物を有してもよい。多区画単位用量形態は、化学的に非適合性の成分を分ける場合、又は、成分の一部分がより早く若しくはより遅く洗浄液中に放出されることが望ましい場合などの、このような理由に関して望ましいものであり得る。単位用量物品は、少なくとも1つ、又は更に少なくとも2つ、又は更に少なくとも3つ、又は更に少なくとも4つ、又は更に少なくとも5つの区画を含んでもよい。単位用量物品は、2つの区画を有してもよく、この場合、第1の区画は、区画の5重量%~20重量%のキレート剤を含み、好ましくは、キレート剤は固体形態である。
【0030】
複数の区画は、任意の好適な配向で配置されてもよい。例えば、単位用量物品は、下部区画と少なくとも第1の上部区画とを含んでもよく、上部区画は、下部区画の上に重ねて置かれる。単位用量物品は、下部区画と、少なくとも第1の上部区画及び第2の上部区画と、を含んでもよく、これらの上部区画は、並置され、下部区画の上に重ねて置かれ、好ましくは、物品は、下部区画と、少なくとも第1の上部区画、第2の上部区画、及び第3の上部区画と、を含み、これらの上部区画は、並置され、下部区画の上に重ねて置かれる。
【0031】
あるいは、区画は、全て並置配列で位置付けられてもよい。このような配列において、区画は、互いに連結され、隔壁を共有してもよい、又は実質的に分離され、単にコネクタ若しくはブリッジによって結合されてもよい。あるいは、区画は、「タイヤ及びリム」配置、すなわち、第1の区画が第2の区画の隣に位置付けられ、但し、第1の区画は少なくとも部分的に第2の区画を取り囲むが、完全には第2の区画を取り囲んでいない配置に配列されてもよい。
【0032】
単位用量物品のフィルムは、水溶性であるか、又は水に分散性であり、20マイクロメートルの最大孔径を有するガラスフィルタを使用して後に本明細書において示される方法によって測定する場合に、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更に少なくとも95%の水溶性を有し、
予め秤量した400mLのビーカーに、50グラム±0.1グラムのフィルム材料を追加し、245mL±1mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した磁気撹拌器で30分間激しく撹拌する。次に、混合物を、上記で定義した孔径(最大20マイクロメートル)のひだ付き定性焼成ガラスフィルタにより濾過する。任意の従来の方法によって、回収した濾液から水を乾燥させ、残った材料の重量を決定する(これが溶解画分又は分散画分である)。次に、溶解度又は分散率の百分率を計算し得る。
【0033】
好ましいフィルム材料は、好ましくはポリマー材料である。フィルム材料を、当該技術分野において周知の、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形によって得ることができる。
【0034】
フィルム材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及びポリカルボン酸塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、及びポリビニルアルコールから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量、好ましくは、約1000~1,000,000、より好ましくは、約10,000~300,000、更により好ましくは、約20,000~150,000を有してもよい。
【0035】
ポリマーの混合物もまた、フィルム材料として使用され得る。これは、その用途及び必要とされる要求に応じて、区画又はパウチの機械的特性及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物としては、例えば、1つのポリマーの水溶性が別のポリマーよりも高い、及び/又は1つのポリマーの機械的強度が別のポリマーよりも高い、混合物が挙げられる。また、異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、約10,000~40,000、好ましくは20,000前後の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーと、約100,000~300,000、好ましくは150,000前後の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーとの混合物も、好適である。また、例えば、ポリラクチド及びポリビニルアルコールを混合することによって得られ、典型的には約1~35重量%のポリラクチドと、約65~99重量%のポリビニルアルコールとを含む、ポリラクチドとポリビニルアルコールとのポリマーブレンドなどの、加水分解により分解可能な水溶性のポリマーブレンドを含むポリマーブレンド組成物も、本明細書において好適である。本明細書において使用するのに好ましいものは、約60%~約98%加水分解され、好ましくは約80%~約90%加水分解され、材料の溶解特性が改善されたポリマーである。
【0036】
好ましいフィルムは、冷水(蛇口から直接出てくる非加熱水を意味する)中で良好な溶解を示す。好ましくは、このようなフィルムは、25℃未満、より好ましくは21℃未満、より好ましくは15℃未満の温度で良好な溶解を示す。良好な溶解とは、上述の最大孔径が20マイクロメートルのガラスフィルタの使用後に、本明細書に記載の方法によって測定した場合に、フィルムが、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更に少なくとも95%の水溶性を示すことを意味する。好ましいフィルムは、米国特許第6166117号及び同第6787512号に記載されている、Monosolにより供給されている商品名M8630、M8900、M8779、及びM8310のフィルム、並びに対応する溶解度及び変形性特性のPVAフィルムである。
【0037】
染料固着剤
本発明の染料固着剤は、カチオン性ポリマーである。いかなる理論にも束縛されるものではないが、正電荷を有するこのような染料固着剤は、電荷相互作用を介して染料を負電荷と結合させ、次に、染料が織物から消失するのを防止するか、又は異なる色の布地上への染料の再付着を防止し得ると考えられる。特に、染料固着剤は、i)ポリアミンとシアナミド並びに有機酸及び/又は無機酸との反応生成物、ii)シアナミドとアルデヒド及びアンモニウム塩との反応生成物、iii)シアナミドとアルデヒド及びアミンとの反応生成物、又はiv)アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択されてもよい。好ましくは、染料固着剤は、アミンが一級アミン、二級アミン又は三級アミンである、アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択されてもよい。より好ましくは、染料固着剤は、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択されてもよい。最も好ましくは、染料固着剤は、ポリ(ジメチルアミン-コ-エピクロロヒドリン)とも呼ばれるポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチル塩化アンモニウム)、例えば、ClariantからTEXCARE DFC6の商標名にて市販されているポリマー(CAS番号:25988-97-0)であってもよい。
【0038】
用語「アミン」は、モノアミン及びポリアミンを含む。本明細書において使用されるモノアミンは、一級アミン、二級アミン及び三級アミンであってもよい。これらは、脂肪族アミン、例えばジアルキルアミン、特にジメチルアミン、脂環式アミン、例えばシクロヘキシルアミン、及び芳香族アミン、例えばアニリンであってもよい。しかしながら、本明細書において使用されるアミンはまた、脂肪族置換基、脂環式置換基及び芳香族置換基を同時に有していてもよい。更に、複素環式化合物、例えばピリジンを使用することも可能である。本明細書における用語「ポリアミン」は、例えば、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等、並びに類似のN-アルキルポリアミン及びN,N-ジアルキルポリアミンもまた含む。これらの例は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン、ヘキシレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン及び高級ポリアミンである。特に好ましいポリアミンは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びジメチルアミノプロピルアミンであってもよい。アンモニウム塩は、アンモニアの塩、特に塩化アンモニウム又は上記のアミン若しくはポリアミンの異なる無機酸若しくは有機酸との塩、又は他に四級アンモニウム塩である。
【0039】
シアナミドは、シアナミド又はジシアンジアミドであってもよい。本明細書において使用されるアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒドなどの脂肪族アルデヒドと、ジアルデヒド、例えばグリオキサールと、不飽和アルデヒド、例えばアクロレイン、クロトンアルデヒド、及び芳香族アルデヒド、例えばベンズアルデヒドと、を挙げてもよい。特に好ましいアルデヒドは、ホルムアルデヒドなどの脂肪族アルデヒドであってもよい。
【0040】
本明細書において使用される染料固着剤は、ジアリルジメチル塩化アンモニウム(DADMAC)に基づくホモポリマー及びコポリマーであってもよい。DADMACに基づくコポリマーは、更なる成分として、その他のビニルモノマー、例えば、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、ビニルアセテート、(メタ)アクリル酸/エステル、アクリルアミド、スチレン、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS)等を含有する。DADMACに基づくホモポリマーは、商標名Dodigen(登録商標)3954、Dodigen4033及びGenamin PDAC(Clariant製)にて入手可能である。
【0041】
好ましくは、本開示における使用に好適な染料固着剤は、アミンが一級アミン、二級アミン又は三級アミンである、アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択され得る。より好ましくは、本発明における使用に好適な染料固着剤は、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択され得る。最も好ましくは、染料固着剤は、ポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチル塩化アンモニウム)であってもよい。
【0042】
一実施形態では、染料固着剤は、式(I)
【0043】
【化1】
[式中、nは、5~1000の整数である]のポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチル塩化アンモニウム)である。
【0044】
本開示による組成物中の染料固着剤は、当該組成物の0.02重量%~5重量%、好ましくは0.05重量%~2重量%、より好ましくは0.1重量%~1.5重量%、最も好ましくは0.15重量%~0.9重量%の範囲、例えば0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1.0重量%又はそれらの間の任意の範囲の量で存在し得る。
【0045】
アミン系界面活性剤:
本発明の洗濯洗剤組成物は、アミン系界面活性剤を含んでもよい。特に、アミン系界面活性剤は、以下の式(I)
R-NHa(((CH2)m-NH)x-(CH2)n-NH2)b (I)
[式中、Rは、直鎖又は分枝鎖C4~C20アルキル、好ましくはC8~C18アルキル、より好ましくはC10~C16アルキルであり、
a、b、x、m及びnは整数であり、a+b=2であり、
aは、0又は1、好ましくは0であり、bは、1又は2、好ましくは2であり、xは、0~10、好ましくは0~8、より好ましくは0~5、最も好ましくは0~3、例えば、0、1又は2の整数であり、mは、1~7、好ましくは1~4、より好ましくは2~4、最も好ましくは3の整数であり、nは、1~7、好ましくは1~4、より好ましくは2~4、最も好ましくは3の整数である]を有してもよい。
【0046】
特に、本発明に好適なアミン系界面活性剤は、C12~C16アルキルジプロピレントリアミン、好ましくはドデシルジプロピレントリアミン、より好ましくは下記の化学式
【0047】
【化2】
を有するトリアミン化合物であってもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、本開示による洗剤組成物中のアミン系界面活性剤は、洗剤組成物の0.4重量%~12重量%、好ましくは0.7重量%~10重量%、より好ましくは1重量%~8重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0049】
アニオン性界面活性剤
本発明の洗濯洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤を含んでもよい。特に、本発明の洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.1重量%~50重量%のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0050】
好ましくは、アニオン性界面活性剤は、C6~C20直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C6~C20アルキルサルフェート(AS)、C6~C20アルキルアルコキシサルフェート(AAS)、C6~C20メチルエステルスルホネート(MES)、C6~C20アルキルエーテルカルボキシレート(AEC)、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を含んでもよい。より好ましくは、アニオン性界面活性剤は、C6~C20LASと、任意に、C6~C20AS及び/又はC6~C20AASなどの追加のアニオン性界面活性剤と、を含んでもよい。一実施形態では、LASは、C10~C16LAS、好ましくは、C12~C14LASである。
【0051】
LASは、通常、アルキルベンゼンのスルホン化(SO2又はSO3を使用する)に続いて、中和反応によって調製される。好適なアルキルベンゼンの供給原料は、硫黄及びHF系のプロセスを含む、任意の好適なアルキル化スキームを使用して、オレフィン、パラフィン、又はこれらの混合物から作製され得る。的確にアルキル化触媒を変えることにより、ベンゼンの脂肪族炭化水素鎖への共有結合の位置を広く変えることが可能である。したがって、本明細書のLASは、2-フェニル異性体及び/又は内部異性体含有量が広く変動し得る。
【0052】
洗濯洗剤組成物のいくつかの実施形態では、C6~C20LASは、アニオン性界面活性剤の1重量%~100重量%、好ましくは10重量%~99重量%、より好ましくは20重量%~95重量%、最も好ましくは30重量%~90重量%の範囲、例えば40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%又はそれらの間の任意の範囲の量で存在してもよい。
【0053】
洗濯洗剤組成物のいくつかの実施形態では、LASの濃度は、このような組成物が含有するあらゆるその他のアニオン性界面活性剤の濃度より高いことが好ましい、すなわち、LASは、このような組成物中の主要アニオン性界面活性剤である。
【0054】
本開示における使用に好適なアニオン性界面活性剤は、C6~C20アルキルサルフェート(AS)、C6~C20アルキルアルコキシサルフェート(AAS)、C6~C20メチルエステルスルホネート(MES)、C6~C20アルキルエーテルカルボキシレート(AEC)、又はこれらの任意の組み合わせを更に含んでもよい。例えば、洗濯洗剤組成物は、C6~C20アルキルアルコキシサルフェート(AAxS)[式中、xは、約1~30、好ましくは約1~15、より好ましくは約1~10、最も好ましくは、xは、約1~3である]を含有してもよい。このようなAAxS中のアルキル鎖は、直鎖又は分枝鎖のいずれかであり得、中鎖分枝鎖型AAxS界面活性剤が特に好ましい。好ましい群のAAxSとしては、xが約1~3である、C12~C14アルキルアルコキシサルフェートが挙げられる。本発明の洗濯洗剤組成物中のAAxS界面活性剤の量は、当該組成物の約0.05重量%~約100重量%、好ましくは約0.1重量%~約80重量%、より好ましくは約0.5重量%~約50重量%、最も好ましくは約1重量%~約30重量%の範囲、例えば5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれらの間の任意の範囲であってもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、LAS対AAxSの重量比は、少なくとも0.6、好ましくは少なくとも0.8、より好ましくは少なくとも0.9、最も好ましくは少なくとも1、例えば0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.2、1.5、2、2.5、3、4、5、8、10又はそれらの間の任意の範囲である。
【0056】
本開示による組成物中のアニオン性界面活性剤は、当該組成物の0.1重量%~45重量%、好ましくは0.5重量%~40重量%、より好ましくは1重量%~35重量%、最も好ましくは2重量%~30重量%の範囲、例えば2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%又はそれらの間の任意の範囲の量で存在してもよい。
【0057】
本開示のいくつかの実施形態では、本開示による組成物中のアニオン性界面活性剤は、当該アニオン性界面活性剤の30重量%未満、好ましくは20重量%未満、より好ましくは10重量%未満、最も好ましくは5重量%未満の石鹸を含んでもよい。
【0058】
非イオン性界面活性剤(NI)
本発明の洗濯洗剤組成物は、非イオン性界面活性剤を含んでもよい。特に、本発明の洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.1重量%~50重量%の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0059】
非イオン性界面活性剤は、アルキルアルコキシル化アルコール、アルキルアルコキシル化フェノール、アルキル多糖類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド(APG)、メチルエステルエトキシレート(MEE)、ショ糖エステル、ソルビタンエステル及びソルビタンエステルのアルコキシル化誘導体、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される非イオン性界面活性剤を含んでもよい。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、1~20、好ましくは5~15、より好ましくは7~10の範囲の重量平均アルコキシル化度を有するC6~C20アルコキシル化アルコールを含んでもよい。より好ましくは、非イオン性界面活性剤は、1~20、好ましくは5~15、より好ましくは7~10の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC8~C18エトキシル化アルコールを含んでもよい。
【0060】
本明細書において使用するのに好適な非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、EO7-9を伴うC12~C14アルキルエトキシレートなどのC12~C18アルキルエトキシレートと、Shellから入手可能なNeodol(登録商標)非イオン性界面活性剤と、C6~C12アルキルフェノールアルコキシレートであって、アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位との混合物である、C6~C12アルキルフェノールアルコキシレートと、BASFから入手可能なPluronic(登録商標)などのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレートとのC12~C18アルコール及びC6~C12アルキルフェノール縮合物と、C14~C22中鎖分枝鎖アルキルアルコキシレート、BAEx、[式中、xは、約1~約30である]と、アルキル多糖類、具体的にはアルキルポリグリコシドと、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、並びにエーテル末端ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤と、が挙げられる。また、非イオン性界面活性剤として本明細書において有用なのは、式R1C(O)O(R2O)nR3[式中、R1は、直鎖又は分枝鎖C6~C22アルキル又はアルキレン部分から選択され、R2は、C2H4及びC3H6部分から選択され、R3は、H、CH3、C2H5、及びC3H7部分から選択され、nは、約1~約20の値を有する]を有するものなどのアルコキシル化エステル界面活性剤である。このようなアルコキシル化エステル界面活性剤としては、脂肪メチルエステルエトキシレート(MEE)が挙げられ、当該技術分野において周知である。
【0061】
特定の実施形態では、本発明の洗濯洗剤組成物が含有するアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、C6~C20アルコキシル化アルコール、好ましくはC8~C18アルコキシル化アルコール、より好ましくはC10~C16アルコキシル化アルコールである。C6~C20アルコキシル化アルコールは、約1~約50、好ましくは約3~約30、より好ましくは約5~約20、更により好ましくは約5~約9の平均アルコキシル化度を有するアルキルアルコキシル化アルコールであることが好ましい。本明細書のアルコキシル化は、エトキシル化、プロポキシル化、又はこれらの混合物であってもよいが、好ましくはエトキシル化である。一実施形態では、アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、C6~C20エトキシル化アルコール、好ましくは平均約5~約20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC8~C18アルコール、より好ましくは平均約5~約9モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC10~C16アルコールである。最も好ましいアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、平均約7モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC12~C15アルコール、例えば、Shellから市販されているNeodol(登録商標)25-7である。
【0062】
本開示による組成物中の非イオン性界面活性剤は、当該組成物の1重量%~45重量%、好ましくは2重量%~40重量%、より好ましくは3重量%~35重量%、最も好ましくは4重量%~30重量%の範囲、例えば4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%又はそれらの間の任意の範囲の量で存在してもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤対アニオン性界面活性剤の重量比は、1.5~20、好ましくは1.7~15、より好ましくは1.9~10、最も好ましくは2~8、例えば1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10及びそれらの間の任意の範囲である。
【0064】
その他の成分
本開示による洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.01重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%、より好ましくは0.2重量%~3重量%、最も好ましくは0.3重量%~2重量%の界面活性剤増強ポリマー、好ましくはポリビニルアセテートグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーを更に含んでもよい。
【0065】
本発明の洗濯洗剤組成物は、カチオン性界面活性剤を更に含んでもよい。カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、最高26個の炭素原子を有し得る四級アンモニウム界面活性剤と、アルコキシル化四級アンモニウム(AQA)界面活性剤と、ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウムと、ジメチルヒドロキシエチルラウリル塩化アンモニウムと、ポリアミンカチオン性界面活性剤と、アミノ界面活性剤、具体的には、アミドプロピルジメチルアミン(APA)と、が挙げられる。
【0066】
本開示による洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.01重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%、より好ましくは0.2重量%~3重量%、最も好ましくは0.3重量%~2重量%の両性界面活性剤、好ましくはアミンオキシド、より好ましくはC6~C20アルキルジメチルアミンオキシド、最も好ましくはC10~C20アルキルジメチルアミンオキシドを更に含んでもよい。
【0067】
本明細書の洗濯洗剤組成物は、補助成分を含んでもよい。好適な補助材料としては、ビルダー、キレート剤、レオロジー改変剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒材料、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成済み過酸、ポリマー分散剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、抑泡剤、染料、光漂白成分、香料、香料マイクロカプセル、構造伸縮性付与剤、柔軟仕上げ剤、担体、ヒドロトープ、加工助剤、溶媒、色調剤、構造化剤、及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。洗濯洗剤組成物中のこれら補助成分の正確な性質及びその濃度は、組成物の物理的形状、及び組成物が使用される洗浄動作の性質に依存する。
【0068】
いくつかの実施形態では、本開示による洗濯洗剤組成物は、当該組成物の0.01重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%、より好ましくは0.2重量%~3重量%、最も好ましくは0.3重量%~2重量%の脂肪酸を更に含んでもよい。
【0069】
本開示による洗濯洗剤組成物は、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン(MEA)、トリエタノールアミン(TEA)及び任意の組み合わせから選択されるpH調整剤を更に含んでもよい。好ましくは、pH調整剤はMEAを含んでもよい。pH調整剤は、目標未希釈pHを提供するのに十分な量で存在してもよい。いくつかの実施形態では、pH調整剤は、当該組成物の0.1重量%~3重量%の範囲、例えば0.2重量%、0.3重量%、0.5重量%、0.7重量%、1重量%、1.5重量%、2重量%、2.5重量%又はそれらの間の任意の範囲の量で存在してもよい。
【0070】
水溶性単位用量物品を作製するためのプロセス
本発明の水溶性単位用量物品(例えば、水溶性パウチ)は、任意の好適な装置及び方法を使用して作製されてもよい。フィルムは、好ましくは湿潤性であり、より好ましくはその展性を増大させるために加熱される。更により好ましくは、本方法はまた、フィルムを好適な成形型の中に引き込むために真空の使用を伴う。フィルムを成形型の中に引き込む真空は、フィルムが表面の水平部分上にある時点から、0.2~5秒、好ましくは0.3~3、又は更により好ましくは0.5~1.5秒の間、適用され得る。この真空は、好ましくは、それが-100ミリバール~-1000ミリバール、又は更に-200ミリバール~-600ミリバールの負圧をもたらすようなものであってもよい。
【0071】
中にパウチが作製される成形型は、必要とされるパウチ寸法に応じた任意の形状、長さ、幅及び深さを有し得る。成形型はまた、望ましい場合、寸法及び形状が互いに異なり得る。例えば、最終パウチの体積は、5~300ml、又は更に10~150ml、又は更に20~100mlであり、成形型の寸法はそれに応じて調整されることが好ましい場合がある。
【0072】
熱成形として一般的に知られているプロセスにおいて、任意の手段によって、フィルムに熱を加え得る。例えば、フィルムは、フィルムを表面上に供給する前に、又はフィルムが表面上にある時点で、加熱要素の下又は熱風の中を通過させることで、直接加熱されてもよい。あるいは、フィルムは、例えば、表面を加熱するか、又はフィルム上に熱い部材を適用することにより、間接的に加熱されてもよい。最も好ましくは、フィルムは赤外光を使用して加熱される。フィルムは、好ましくは50~120℃の温度、又は更に60~90℃の温度に加熱される。あるいは、フィルムは、任意の好適な手段、例えば、フィルムを表面上に供給する前に、又はフィルムが表面上にある時点で、湿潤剤(水、フィルム材料の溶液、又はフィルム材料の可塑剤を含む)をフィルム上に直接噴霧することによって、又は表面を間接的に湿潤させることによって、又はフィルム上に湿潤部材を適用することによって、湿潤され得る。
【0073】
フィルムを加熱/湿潤させた後、好ましくは真空を使用して、適切な成形型の中に延伸させてもよい。成形フィルムの充填は、部材を充填する(移動させる)ための任意の周知の方法によって行うことができる。最も好ましい方法は、製品の形状及び必要とされる充填速度によって異なる。好ましくは、成型フィルムは、インライン充填技術によって充填される。次に、充填された、開いているパウチは、第2のフィルムを使用して任意の好適な方法によって閉じられる。好ましくは、これはまた、水平位置にある間に連続的な定速運動でなされる。好ましくは、閉鎖は、開いているパウチのウェブにわたって及びその上に、第2の材料又はフィルム、好ましくは水溶性フィルムを連続的に供給することによって、次に好ましくは、典型的には成形型間、したがってパウチ間の領域で第1のフィルムと第2のフィルムとを共に封止することによって、なされる。
【0074】
封止の好ましい方法としては、熱封止、溶媒融着、及び溶媒封止又は湿式封止が挙げられる。封止を形成するべき領域のみが熱又は溶媒により処理されることが、好ましい。熱又は溶媒は、任意の方法により、好ましくは閉鎖材料の上に、好ましくは封止を形成するべき領域上のみに適用され得る。溶媒封止若しくは湿式封止又は融着を使用する場合、熱も同様に加えられることが好ましい場合がある。好ましい湿式封止又は溶媒封止/融着方法は、溶媒を成形型間の領域上に、又は閉鎖材料上に、例えば、これをこれらの領域上に噴霧又は印刷することにより選択的に適用することと、次に圧力をこれらの領域に加えて封止を形成することと、を含む。例えば、上記のように封止ロール及びベルト(任意に、熱もまた提供する)を使用し得る。
【0075】
次に、形成されたパウチを切断装置によって切断し得る。切断は任意の周知の方法を使用して行うことができる。また、切断は、連続方式で、好ましくは定速で及び好ましくは水平位置にある間に行うことが好ましい場合がある。切断装置は、例えば、鋭利な部材又は高温部材であってもよく、後者の場合には、高温部材がフィルム/封止領域を「焼き切る」。
【0076】
使用方法
本発明の別の態様は、布地を処理するために、水溶性単位用量物品を使用する方法に関する。このような方法は、色保護効果をもたらし得る。本方法は、洗浄溶液を形成するために、水を含んでいる洗濯洗浄槽内に1つ以上の水溶性単位用量物品を投与する工程を含む。本明細書の洗濯洗浄槽内の洗浄溶液は、好ましくは、1L~50L、あるいは、手作業で洗浄する場合は1L~20L、機械で洗浄する場合は10L~50Lの容量を有する。洗濯洗浄溶液の温度は、好ましくは、5℃~60℃の範囲である。
【0077】
試験方法
試験1:染料滲み試験
Tergotometer(Model:RHLQ1V、Research Institute of Daily Chemical Industry(RIDCI)製)を使用することによって、以下のように染料滲み試験を実施する。
1)約1.0gの試験布(ASIE-130又はASIE-133)を、ターゴトメーター(tergotometer)の各管について、各片に切断する。
2)(Ca2+対Mg2+で、約4:1の重量比を伴う)約9gpgの水硬度レベルを有する1Lの逆浸透(RO)水を添加して、水浴で40℃まで加熱する。
3)1つの単位用量物品を溶解して、約2000ppmの洗剤用量を有する洗浄液を形成する。
4)(5cm×1cmの試料セルを使用することによって、UltraScan VIS(HunterLab(Virginia、USA)製を用いて測定した)約30mlの溶液を取り出して、洗浄前にL*/a*/b*を測定する。
5)各管内に1.0gの試験布1枚を加え、約20分間洗浄する。
6)約30mlの溶液を取り出して、工程5)と同じ条件下でL*/a*/bを測定する。及び
7)洗浄前後の測定値に基づいてΔEを計算し、ΔEが高いほど、染料滲みが悪いことを示す。
【実施例】
【0078】
実施例1:洗剤組成物が特定の範囲内のpHを有する場合の、改善された色保護
以下の成分を含有する液体洗剤組成物を含む5つの試料単位用量物品を調製し、液体洗剤組成物が、クエン酸及び/又は水酸化ナトリウムを添加することによって調整された異なる未希釈pHを有することを除いて、全ての試料は、染料固着剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びアミン系界面活性剤を含有する。PVAフィルム及び単位用量の形状がCNアリエール(Ariel)洗濯用2個並列室式パウチと同じであるポリビニルアルコール系フィルムを使用することによって、液体洗剤組成物(約10ml)を単位用量の区画内に封入した。
【0079】
【表1】
1 ClariantからTEXCARE DFC 6の商標名にて市販されている染料固着剤:ポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチル塩化アンモニウム)。
2 AkzoNobelから市販されているTriameen Y12D
3 クエン酸及び/又は水酸化ナトリウム
【0080】
試験1:青色染料(ASIE-133)又は直接赤色染料(ASIE-130)によって着色された布地がそれぞれ使用される上述の染料滲み試験に従って、これらの試料に関するΔEを染料滲みの尺度として測定した。ΔEが高いほど、染料滲みが悪いことを示し、より低いΔEが低いほど、色保護が効果的であることを示す。
【0081】
赤色布地
赤色に着色された布についての結果を、以下の表に示す。驚くべきことに、本発明者らは、単位用量物品が含有する洗剤組成物が特定の範囲内の未希釈pHを有する場合に、単位用量物品は、未希釈pHが5~7.5である試料1~3において、未希釈pHが8.5及び9.5(2.20~2.75のΔE)である試料4及び5と比較して、改善された色保護、すなわち有意に低減された色滲み(1.55~1.82のΔE)をもたらし得ることを発見した。
【0082】
【0083】
青色布地
青色染料(ASIE-133)によって着色された布地を使用することによる別の試験を実施して、試験1:上述の染料滲み試験を使用することによる異なる色(すなわち、青色)の色保護を示した。以下の表に示すように、結果はまた、洗剤組成物の未希釈pHが特定の範囲内である場合に、改善された色保護がもたらされ得ることを示す。特に、6.5~7.5の未希釈pHを有する試料2及び3は、8.5の未希釈pHを有する試料4(5.72のΔE)と比較して、有意に低減された色滲み(3.30及び2.80のΔE)を示す。
【0084】
【0085】
実施例2:MEAがpH調整剤として使用される場合の、水酸化ナトリウムと比較して更に改善された色保護。
pH調整剤が色保護性能に影響を及ぼすかどうかを調査するために、以下の成分を含有する液体洗剤組成物を含む2つの試料単位用量物品を調製し、液体洗剤組成物が異なるpH調整剤(試料6については水酸化ナトリウム及びクエン酸、試料7についてはモノエタノールアミン、すなわちMEA)を有することを除いて、全ての試料は、染料固着剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びアミンオキシドを含有する。PVAフィルム及び単位用量の形状がCNアリエール(Ariel)洗濯用2個並列室式パウチと同じであるポリビニルアルコール系フィルムを使用することによって、液体洗剤組成物(約10ml)を単位用量の区画内に封入した。
【0086】
試験1:青色染料(ASIE-133)によって着色された布地が使用される上述の染料滲み試験に従って、これらの試料に関するΔEを染料滲みの尺度として測定した。以下の表に示されるように、配合物においてpH調整剤としてMEAを使用することが、更に改善された色保護、すなわち、ΔEの有意な低減をもたらし得ることは、驚くべきことである。
【0087】
【0088】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0089】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又はその他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせた場合に、このようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0090】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく種々のその他の変更及び修正を行うことができる点が、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのこのような変更及び修正を、添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】