IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】研磨システム、及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 21/00 20060101AFI20230823BHJP
   B24B 21/06 20060101ALI20230823BHJP
   B24B 21/12 20060101ALI20230823BHJP
   B24B 1/04 20060101ALI20230823BHJP
   B24B 27/00 20060101ALI20230823BHJP
   B24D 11/00 20060101ALI20230823BHJP
   B24D 3/00 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
B24B21/00 A
B24B21/06
B24B21/12
B24B1/04 D
B24B27/00 A
B24D11/00 A
B24D3/00 330E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509477
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(85)【翻訳文提出日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 IB2021056504
(87)【国際公開番号】W WO2022034397
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】62/706,322
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 津紀夫
【テーマコード(参考)】
3C049
3C063
3C158
【Fターム(参考)】
3C049AA05
3C049AA09
3C049AA11
3C049AA14
3C049AA16
3C049CB03
3C063AA03
3C063AB07
3C063BB02
3C063BB03
3C063BB04
3C063BB06
3C063BG18
3C158AA05
3C158AA11
3C158AA14
3C158AA16
3C158CB03
3C158DA10
(57)【要約】
研磨システムが提示される。システムは、第1の複数の突出部を備える第1の振動構造を含む。システムはまた、第2の複数の突出部を備える第2の振動構造を含む。システムはまた、第1のフィルムに接触する研磨物品を含む。システムはまた、第2のフィルムに結合されたストロークプレートを含む。ストロークプレートが作動されると、第1の複数の突出部と第2の複数の突出部とが、第1の方向に相互連結して、互いに対して滑るように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨システムであって、
第1の複数の突出部を備える第1の振動構造と、
第2の複数の突出部を備える第2の振動構造と、
第1のフィルムに接触する研磨物品と、
第2のフィルムに結合されたストロークプレートと、
を備え、
前記ストロークプレートが作動されると、前記第1の複数の突出部と前記第2の複数の突出部とが、第1の方向に相互連結して、互いに対して滑るように構成されている、
研磨システム。
【請求項2】
前記研磨物品が、前記研磨システムによって送り方向に送られる研磨材のロール状シートであり、前記送り方向が前記第1の方向に垂直である、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項3】
前記研磨物品が、被覆研磨物品、結合研磨物品、又は不織布研磨物品である、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項4】
前記研磨物品が研磨粒子を含み、前記研磨粒子が、粉砕研磨粒子、形成研磨粒子、又は成形研磨粒子を含む、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項5】
前記第1の複数の突出部が、前記第1の振動構造の表面に沿って繰り返す成形突出部を含む、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項6】
前記成形突出部が、前記第1の振動構造の表面に沿って一定間隔で繰り返す、請求項5に記載の研磨システム。
【請求項7】
前記一定間隔が、突出幅よりも大きい、隣接する突出部間の空間長さを有する、請求項6に記載の研磨システム。
【請求項8】
前記一定間隔と前記突出幅との合計が、前記成形突出部の高さの2倍以下である、請求項6に記載の研磨システム。
【請求項9】
前記成形突出部が、矩形の成形突出部である、請求項5に記載の研磨システム。
【請求項10】
前記成形突出部が、三角形の成形突出部を含む、請求項5に記載の研磨システム。
【請求項11】
前記成形突出部が、丸みを帯びた角部を有する、請求項5に記載の研磨システム。
【請求項12】
前記第1及び前記第2の振動構造が、高精細フィルムを含む、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項13】
前記高精細フィルムが、樹脂を含む、請求項12に記載の研磨システム。
【請求項14】
前記高精細フィルムが、ポリオレフィンを含む、請求項12に記載の研磨システム。
【請求項15】
前記ストロークプレートと前記第2の振動構造との間に圧縮可能パッドを更に備える、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項16】
ロボット補修システムであって、
研磨システムであって、
振動源と、
第1の相互連結特徴部を有する、前記振動源に結合された第1の構造と、
前記第1の相互連結特徴部に相互連結された第2の相互連結特徴部を有する第2の構造と、
を備え、
前記第1の構造と前記第2の構造とが、相互連結されると、第1の方向に滑るように構成され、
研磨物品が、前記第1の構造に接触する第1の側とは反対側の第2の側で前記第2の構造に接触する、
研磨システムと、
前記研磨システムをワークピース上の定位置に移動させるように構成されたロボット補修ユニットと、
前記研磨システムを前記ロボット補修ユニットに結合する取付台と、
を備える、ロボット補修システム。
【請求項17】
前記研磨物品が研磨ベルトであり、前記研磨システムが、前記ベルトを前記第2の構造と前記ワークピースとの間に送り方向に送るベルト送り装置も備え、前記送り方向が前記第1の方向とは異なる、請求項16に記載のロボット補修システム。
【請求項18】
前記送り方向が、前記第1の方向に垂直である、請求項17に記載のロボット補修システム。
【請求項19】
研磨動作中に、前記研磨ベルトの表面領域が前記ワークピースに接触し、前記研磨物品の前記表面領域が、前記第2の構造の寸法と前記研磨ベルトの幅とを含む、請求項17に記載のロボット補修システム。
【請求項20】
前記研磨ベルトが、第1のベルトロールから第2のベルトロールに送られる、請求項17に記載のロボット補修システム。
【請求項21】
前記振動源と前記第1の構造との間にクッションを更に備える、請求項16に記載のロボット補修システム。
【請求項22】
前記振動源が、ストロークプレートである、請求項16に記載のロボット補修システム。
【請求項23】
前記研磨物品が、前記第2の構造に結合された研磨パッドである、請求項16に記載のロボット補修システム。
【請求項24】
前記研磨物品が研磨粒子を含み、前記研磨粒子が、粉砕研磨粒子、形成研磨粒子、又は成形研磨粒子を含む、請求項16に記載のロボット補修システム。
【請求項25】
前記研磨物品が、被覆研磨物品、結合研磨物品、又は不織布研磨物品である、請求項16に記載の研磨物品。
【請求項26】
前記第1及び前記第2の相互連結特徴部が、高精細特徴部である、請求項16に記載のロボット補修システム。
【請求項27】
前記第1及び前記第2の相互連結特徴部がそれぞれ、基部表面から延びる複数の突出部を備える、請求項16に記載のロボット補修システム。
【請求項28】
相互連結位置にあるとき、前記第1の相互連結特徴部と前記第2の相互連結特徴部との間に複数の空間が存在する、請求項27に記載のロボット補修システム。
【請求項29】
前記複数の突出部が、繰り返し形状を含む、請求項27に記載のロボット補修システム。
【請求項30】
前記繰り返し形状が、矩形又は三角形である、請求項29に記載のロボット補修システム。
【請求項31】
前記繰り返し形状が、空間に隣接する多角形である、請求項29に記載のロボット補修システム。
【請求項32】
前記繰り返し形状の長さが、前記繰り返し形状の高さの2倍以下である、請求項31に記載のロボット補修システム。
【請求項33】
表面を研磨する方法であって、
研磨物品を研磨システムに結合することであって、前記研磨システムが、
振動源と、
前記振動源に結合された第1の構造であって、第1の基部から延びる第1の複数の突出部を備える、前記第1の構造と、
第2の基部から延びる、第2の複数の突出部を備える第2の構造であって、前記第2の複数の突出部が前記第1の複数の突出部と相互連結する、前記第2の構造と、
を備え、
前記研磨物品が前記第2の構造に結合される、ことと、
前記研磨システムを作動させることであって、前記研磨システムを作動させると、前記第1の複数の突出部及び前記第2の複数の突出部が第1の方向に互いに対して滑る、ことと、
を含む、方法。
【請求項34】
前記研磨物品を前記ワークピースに対して送り方向に移動させること、
を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ワークピースが静止したままであり、前記研磨物品が前記第2の構造に物理的に取り付けられ、前記研磨物品を移動させることが、ロボット補修ユニットを使用して前記研磨システムを移動することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記ワークピースが静止したままであり、前記研磨物品が研磨ベルトであり、前記研磨物品を移動させることが、張力下で前記研磨ベルトを送りロールから圧延ロールに送ることを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
送り方向が前記第1の方向と反対であり、前記第1の複数の突出部及び前記第2の複数の突出部が前記送り方向への滑りを実質的に防止する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の複数の突出部が、高精細である、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の複数の突出部が、前記第1の構造に機械加工される、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の複数の突出部が、前記第1の基部と同じ材料で形成される、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記第1の複数の突出部が、前記第1の基部と一体である、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の複数の突出部が、第1の突出高さを有し、前記第2の複数の突出部が、第2の突出高さを有し、前記第1の突出高さと前記第2の突出高さとが、同一である、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の複数の突出部及び前記第2の複数の突出部が、隣接する突出部の間に間隙が存在するように相互連結する、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
前記第1の複数の突出部の形状が、多角形である、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
前記多角形形状が、実質的に矩形又は実質的に三角形である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記振動源が、ストロークプレートである、請求項33に記載の方法。
【請求項47】
前記振動源と前記第1の構造との間にクッションが存在する、請求項33に記載の方法。
【請求項48】
研磨物品であって、
第2方向よりも第1方向に長い基材と、
前記基材上の複数の突出部であって、前記第2の方向に延びる、複数の突出部と、
を備え、
前記突出部が、前記基材上に繰り返しパターンである、
研磨物品。
【請求項49】
前記基材が、前記突出部を含む第1の側と、第2の側とを有し、前記第2の側が、ワーク表面に接触するように構成された複数の研磨粒子を含む、請求項48に記載の研磨物品。
【請求項50】
前記基材が、前記突出部を含む第1の側と、第2の側とを有し、前記第2の側がクッションに接触する、請求項48に記載の研磨物品。
【請求項51】
前記研磨物品が、被覆研磨物品、結合研磨物品、又は不織布研磨物品である、請求項48に記載の研磨物品。
【請求項52】
前記研磨物品が研磨粒子を含み、前記研磨粒子が、粉砕研磨粒子、形成研磨粒子、又は成形研磨粒子を含む、請求項48に記載の研磨物品。
【請求項53】
前記繰り返しパターンが、突出幅よりも大きい隣接する突出部間の空間長さを含む、請求項48に記載の研磨物品。
【請求項54】
第1の突出部の第1の縁部及び第2の突出部の対応する第1の縁部の長さが、成形突出部の高さの2倍以下である、請求項48に記載の研磨物品。
【請求項55】
研磨粒子が、コアの周りに巻かれている、請求項48に記載の研磨物品。
【請求項56】
前記研磨物品が、前記コアの側にある、請求項55に記載の研磨物品。
【請求項57】
前記突出部が、前記コアの側にある、請求項55に記載の研磨物品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
長年、一般的に「構造化研磨物品」として知られるクラスの研磨物品が、表面仕上げに使用するために市販されてきた。構造化研磨物品は、裏材に固定された構造化研磨層を有し、典型的には、任意に界面活性剤を含有する、例えば水などの液体と共に使用される。構造化研磨層は、複数の成形研磨複合体(典型的には微小サイズを有する)を有し、それぞれがバインダー中に分散された研磨粒子を有する。多くの場合、成形研磨複合体は、例えば、様々な幾何学的形状(例えば、角錐形)に従って精密に成形される。このような構造化研磨物品の例としては、3M Company(St.Paul,Minnesota)によって商品名「TRIZACT」で市販されているものが挙げられる。
【0002】
構造化研磨物品は、工具(例えば、ディスクサンダー又はランダム軌道サンダー)に取り付けられたバックアップパッドと組み合わせて使用されることが多い。このような用途において、構造化研磨物品は、典型的には、使用中にそれらをバックアップパッドに固定する付着界面層(例えば、フック状フィルム、ループ状布、又は接着剤)を有する。
【発明の概要】
【0003】
研磨システムが提示される。システムは、第1の複数の突出部を備える第1の振動構造を含む。システムはまた、第2の複数の突出部を備える第2の振動構造を含む。システムはまた、第1のフィルムに接触する研磨物品を含む。システムはまた、第2のフィルムに結合されたストロークプレートを含む。ストロークプレートが作動されると、第1の複数の突出部と第2の複数の突出部とが、第1の方向に相互連結して、互いに対して滑るように構成されている。
【0004】
本明細書で提供されるシステムは、研磨動作中に研磨物品に振動を提供し、これにより、研磨効率が向上し、以前のシステムで利用可能であったよりも大きい表面領域をサンディング動作中に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】超仕上げ装置の構成を示す概略図である。
図2A】本明細書の実施形態による線形振動仕上げ装置の概略図である。
図2B】本明細書の実施形態による線形振動仕上げ装置の概略図である。
図2C】本明細書の実施形態による線形振動仕上げ装置の概略図である。
図3A】本明細書の実施形態による高精細(microreplicated)フィルム構造の概略図である。
図3B】本明細書の実施形態による高精細(microreplicated)フィルム構造の概略図である。
図3C】本明細書の実施形態による高精細(microreplicated)フィルム構造の概略図である。
図3D】本明細書の実施形態による高精細(microreplicated)フィルム構造の概略図である。
図4】本明細書の実施形態によるワークピースを研磨する方法を示す。
図5A】本明細書の実施形態による線形振動仕上げシステムの画像を示す。
図5B】本明細書の実施形態による線形振動仕上げシステムの画像を示す。
図5C】本明細書の実施形態による線形振動仕上げシステムの画像を示す。
図6A】本明細書の実施形態による振動仕上げシステムを示す。
図6B】本明細書の実施形態による振動仕上げシステムを示す。
図7A】本明細書中の実施例において説明される実験結果を示す。
図7B】本明細書中の実施例において説明される実験結果を示す。
図7C】本明細書中の実施例において説明される実験結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、超仕上げ装置の構成を示す概略図である。研磨材製品11は、送りロール12から送られ、接触ロール13を介して圧延ロール14に巻き取られる。接触ロールはエアシリンダ15によって円筒形ワークピース16の外周面に押し付けられる。円筒形ワークピース16を矢印方向に回転させながら、物体面の移動方向と反対方向に研磨材製品を送り、研磨を実行する。
【0007】
現在、ロボットサンダーは、研磨動作のために研磨ディスクを利用している。しかしながら、研磨ディスクがいつ交換される必要があるかを決定することは困難であり、実際の交換方法は複雑である。顧客は、ロボット補修のために研磨物品の交換の頻度及びそれに関連する困難さを低減するために、研磨物品の寿命にわたって切削性能が一貫しており、研磨物品の寿命が長い研磨システムを望む。
【0008】
接触ホイールベースのサンディングシステムは、ロールツーロールシステムで使用することができ、長い研磨寿命を可能にするので、サンディングディスクシステムの代替となる。接触ホイールベースのシステムは、接触面積が小さく、その結果、加えられる単位圧力が、所与の動作に対して高すぎる圧力になる可能性がある。ますます多くのサンディング及び仕上げ動作がロボットソリューションに移行しているので、曲率を有する表面にシステムが適合することが要求される。加えて、振動による研削を可能にするために、システムは、送り方向への滑りを可能にし、送りの横断方向では滑らない保持方法を有していなければならない。図1の例のように、サンディング部において接触ホイールを使用する送りサンディングユニットは存在するが、軟性材料を使用する大きな平坦サンディング部を有する送りサンディングユニットは存在していない。
【0009】
従来の接触ホイールは軟性又は可撓性ではなく、これは曲率を有する表面又は湾曲面を仕上げるために必要な特徴部である。ホイールが変形すると、軟性シートがしわになり、満足な研磨性能を妨げるので、軟性接触ホイールは理想的ではない。対照的に、接触ホイールは変形することができず、自動車のボンネットのような湾曲面を仕上げることが困難である。
【0010】
表面の曲率に対処するために、軟性かつ可撓性で、変形可能な研磨物品を利用するシステムが望ましい。更に、平坦なパッドは、より大きくより広い表面領域を提供する。変形は、物品の軟性のために、表面と接触する平坦なパッドの領域に対する影響は小さくなる。
【0011】
本明細書で使用される場合、研磨パッドに関する用語「軟性」は、JIS K 7312によって定義される。C硬度とは、JIS K 7312:1996の付属書2「スプリング硬さ試験タイプC試験方法」に規定された試験方法により、加圧面を密着させた直後の硬さを意味する。試験機の加圧面を試験片の表面に密着させたときに、スプリング圧によって加圧面の中心の穴から突出した押針が試験片によって押し戻される距離を硬さとして目盛りで示す構造のスプリング硬さ試験機を用いる。試験片の測定面は、少なくとも試験機の加圧面以上のサイズを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のパッドのC硬度は、約5程度に低く、又は約10程度に低く、又は約15程度に低く、又は約20程度に低く、又は約25程度に低く、又は約30程度に低い。
【0012】
本明細書に記載のパッドは、連続送り方法又は間欠送り方法のいずれかで使用され得る。連続送りセットアップでは、動摩擦が生じる。したがって、システムは、研磨性能が低くなり、かつ/又はより強い送り動力を有する機器を必要とする場合がある。
【0013】
間欠送りセットアップでは、動摩擦も発生するが、静摩擦も横断方向に発生する。摩擦は横断方向においてより安定しているが、送り方向を滑らかに保つことができる。
【0014】
本明細書のシステム及び方法は、連続送り動作又は中間送り動作のいずれかにおいてロールツーロール送りシステムを使用することができ、このシステムは、多くの仕上げ動作にこれまで使用されてきたディスク交換システムを上回る改善を提供する。これにより、ディスクを変更するのに必要なダウンタイムが減少し、効率が向上する。更に、ディスク変更システムは、通常、時間の経過とともに切断が低下する。研磨材料のロールを使用する能力は、より安定した切削率をもたらし、ロールの長さに基づいて長い使用寿命をもたらすことができる。また、既存のロールツーロールシステムに関して、本明細書に記載されるシステム及び方法は、湾曲面を研磨することを可能にするより軟性の材料のおかげで、より広い表面を研磨動作に利用可能にすることができる。
【0015】
図2A図2Cは、本明細書の実施形態による線形振動仕上げ装置の概略図である。図2Aは、ワークピース130の表面を研磨する振動研磨システム150を作動させるストロークプレート110を含む線形振動仕上げ装置100の斜視図である。図2Bの側面図102に示すように、いくつかの実施形態では、クッション120又はパッドが、ストロークプレート110と振動システム150との間に存在してもよい。クッション120は、ワークピース130の矩形表面領域にわたって加えられる圧力を増加させ、均一化するように機能し得る。表面領域は、実質的に研磨ベルト156などの研磨物品の幅であってもよく、いくつかの実施形態では、ストロークプレート110程度の長さを有してもよい。クッション120は、加えられた圧力が湾曲面にわたって広がることを可能にする軟性材料である。
【0016】
図2Cは、本明細書の一実施形態における振動システム150の構成要素をより明確に示す拡大断面図104である。一実施形態では、第1の構造152は、直接又はクッション120を介してストロークプレートに結合される。第1の構造152は、研磨物品156と接触する第2の構造154の対応する特徴部と相互連結するように成形される。例えば、研磨物品156は、システム100によって張力下で送られるシームレス研磨ベルトであってもよく、あるいはロールツーロールから送られる長い研磨物品であってもよい。研磨物品156は、被覆研磨物品、不織布研磨物品、又は結合研磨物品であってもよい。研磨物品156は、粉砕研磨粒子、形成研磨粒子、成形研磨粒子、及び/又はそれらの集塊、複合体若しくは混合物を含んでもよい。研磨物品156は、図2Cに示されるように、ワークピース130の表面に接触して研磨する。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1の構造152及び第2の構造154はそれぞれ、図2Cに示されるように相互連結する下部構造の繰り返しパターンを含む。下部構造の繰り返しパターンは、均等に間隔のあいた突出部、交互の山と谷、又はキー上の歯の変動高さのようなより複雑な構造を含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1の構造152及び第2の構造154は、均一な縞状の高精細構造である。そのような構成は、第1の構造152及び第2の構造154が噛合し、歯車上の歯のように相互連結するため、送り中に振動をより良好に機械的に伝達させ得る。不均一な縞状の高精細構造は、振動を十分に伝達しない動摩擦であり得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の構造152及び第2の構造154は、高精細フィルムから形成される。いくつかの実施形態では、高精細フィルムは、強度が確保され得る限り、可撓性及び潤滑性を有する樹脂から作製されることが好ましい。例えば、ポリオレフィンフィルムを使用することができる。
【0020】
高精細フィルム構造152、154の使用は、ロール13と表面16との間の接触点に沿ってのみ研磨を提供する、図1に示されるようなシステムを使用して、これまでは可能でなかったより大きい表面領域のサンディングを容易にする。
【0021】
図1に戻ると、例えば、接触ホイールの直径が約50mmである場合、摩擦力を確保するために約60度の接触角が必要である。接触が直径及び接触角を有する湾曲面に従うために、研磨物品11は弾性でなければならない。しかしながら、延伸ウェブの取り扱いは困難である。対照的に、大きな表面領域にわたってフィルム構造152、154を有するパッドを使用すると、膨張及び収縮は、湾曲面に従ってもわずかである。図2A図2Cに示されるシステムは、平坦な表面を研磨することができるが、従来技術のシステムよりも改善された湾曲面に従う能力を提供する。クッション120は補償し、湾曲面を管理する能力を向上させる。図3A図3Cは、本明細書の実施形態による高精細フィルム構造の概略図である。図2に関して説明されるように、いくつかの実施形態では、振動システムは、第1の方向234に沿った移動又は滑りを可能にするが、第2の方向232における実質的な滑りがない、第1の構造210及び第2の構造220を含む。滑りは、第1の構造210と第2の構造220との間の嵌合230によって容易にされ得る。いくつかの実施形態では、嵌合230は、移動の自由を可能にする間隙を含んでもよい。
【0022】
構造210は、いくつかの実施形態では、裏材214から延びる複数の突出部212を含む。いくつかの実施形態では、突出部212は、高さ及び幅、並びに隣接する突出部間の間隔が実質的に同一である。いくつかの実施形態では、突出部212は、裏材214と同じ材料である。突出部212は、裏材214と共押出しされてもよく、又は裏材214と共形であってもよい。
【0023】
構造220は、いくつかの実施形態では、裏材224から延びる複数の突出部222を含む。いくつかの実施形態では、突出部222は、高さ及び幅、並びに隣接する突出部間の間隔が実質的に同一である。いくつかの実施形態では、突出部222は、裏材224と同じ材料である。突出部222は、裏材224と共押出しされてもよく、又は裏材224と共形であってもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、嵌合230は、間隙を含まず、構造210は、突出部212の寸法が突出部222の寸法と同一であるという点で実質的に同一である。図3Aに示されるように、構造210、220の各々は、幅238及び長さ236によって画定される。構造210、220の間の滑りは、実質的に幅に沿った方向234にのみ生じる。
【0025】
図3A及び図3Bは、丸みを帯びた縁部を有する実質的に矩形の突出部212、222を示すが、図3C図3Dとの比較に示されるように、他の高精細構造が可能であることが明示的に企図される。
【0026】
図3Cは、支持構造から延びる一対の突出部260の図250を示す。突出部260の各々は同一であり、基部から延びる高さ256及び幅252を有し、図3Cに示される実施形態では、幅は高さ256に対して実質的に垂直である。突出部260は、形状が実質的に矩形であり、丸みを帯びた縁部を有する。しかしながら、より大きな程度の丸みや鋭い角部を含む他の形状も明確に想定される。図3Cに示されるように、突出部260の高さ256は、突出部のみの高さであり、構造250の基部の厚さ258を含まない。
【0027】
いくつかの実施形態では、厚さ258は、構造250の安定性を可能にするのに十分であるが、突出部260が振動するときに構造250のいくらかの柔軟性を可能にするのに十分に薄い。
【0028】
突出部260は、空間254によって互いに間隔があいている。図2Cに示されるように、いくつかの実施形態では、空間254は、幅252よりも大きく、相互連結位置にあるときに突出部260が振動する余地を可能にする。いくつかの実施形態では、幅252は、間隔254以下である。更に、いくつかの実施形態では、間隔254と幅252との組み合わせは、以下の式1に示すように、高さ256の2倍未満である。
(幅252+間隔254)<(2×高さ256) 式1
【0029】
滑り防止を提供することに加えて、図3Dを参照すると、ピッチが高さに対して大きい場合、ピッチ当たりの力は増加する。力は緩やかであるため、横滑りが発生しやすい。約45度の角度を確保できる値は約2:1に制限される。図3Dは、基部厚さ278を有する構造270から延びる突出部280の別の構成を示す。突出部280は、高さ276と、第1の幅272及び第2の幅274の合計繰り返し幅とを有する。いくつかの実施形態では、三角形の突出部280は、幅272及び274が同じであるような二等辺三角形である。他の実施形態では、突出部280は、幅272及び274が互いに異なり、かつ突出部280の全幅と異なるように、不等辺三角形である。加えて、幅272及び274は、隣接する突出部間に間隔(間隔254に匹敵する)が存在しないように提示されるが、そのような実施形態は、明示的に企図される。
【0030】
図3Dは、突出部280が、それらの先端及び隣接する突出部が接触する場所の両方に鋭い角部を有する実施形態を示す。しかしながら、他の実施形態では、これらの突出部は丸みを帯びていてもよい。極端な実施形態では、突出部280は、正弦波又は余弦波に類似する点まで丸められる。
【0031】
更に、いくつかの実施形態では、幅254と幅252との組み合わせは、以下の式2に示すように、高さ256の2倍未満である。
(幅272+幅274)<(2×高さ276) 式2
【0032】
図4は、本明細書の実施形態によるワークピースを研磨する方法を示す。
【0033】
ブロック310では、研磨物品が振動システムに結合される。振動システムは、いくつかの実施形態では、振動源と、研磨材送り源と、振動アセンブリとを含む。振動アセンブリは、図2A図2Cに関して上述したように、互いに対して相互連結位置316に配置され得る対向する構造を含んでもよく、研磨物品は、複数の突出部の反対側で、構造のうちの1つのみと相互作用してもよい。
【0034】
研磨物品は、ブロック312に示されるように、振動システムに移動可能に結合され得る。例えば、研磨物品は、ワークピースと接触する研磨物品の表面領域が研磨動作中に絶えず又は頻繁に変化するように、振動システムによって送られるシームレスベルトであってもよい。これは、ブロック314に示されるように、研磨物品が振動システムに対して非固定位置にあることを含むことができる。しかしながら、他の構成318も可能である。例えば、研磨物品は、例えば、フック及びループ結合又は接着剤ベースの結合を使用して振動システムに固定される被覆研磨物品であってもよい。
【0035】
ブロック320では、ワークピースが研磨される。ワークピースは、ワークピースと接触する研磨物品の表面領域を使用して研磨される332。図1に示される従来のシステムとは対照的に、研磨物品の正方形又は矩形の表面領域が研磨動作中に利用可能であり、その結果、任意の所与の時間に研磨される面積が大きくなり、研磨動作が高速化される。研磨動作の長さ及び幅が5倍又は10倍以上異なり得る図1のシステムなどの以前のシステムとは対照的に、例えば、研磨領域の長さ及び幅は同様であってもよい。
【0036】
研磨物品又はワークピースのいずれかは、線形送り334として振動システムによって送られ得る。例えば、研磨物品は、以下に提示する図5及び図6の例に示されるように、システムによって送られるシームレスベルトであってもよい。あるいは、研磨物品は被覆研磨物品であってもよく、ワークピースは振動システムによって送られてもよい。しかしながら、他の実施形態336では、振動システムは、以下に説明する図6のロボット補修ユニットの実施形態に関して説明するように、ワークピースに対して移動させられる。
【0037】
振動システムは、いくつかの実施形態では、研磨動作中に振動する。振動は、ストロークプレートの移動332、カプラの移動324によって、又は別の移動機構326を介して引き起こされ得る。
【0038】
図5A図5Cは、本明細書の実施形態による線形振動仕上げシステムの画像を示す。図5Aは、ストローク方向性510及び送り方向520を示すシステム500の図である。いくつかの実施形態では、ストロークプレートは、少なくとも30ストローク/分程度、又は少なくとも100ストローク/分程度、又は少なくとも500ストローク/分程度、又は少なくとも1000ストローク/分程度、又は少なくとも5000ストローク/分程度、又は少なくとも8000ストローク/分程度、又は少なくとも10,000ストローク/分程度、又は少なくとも12,000ストローク/分程度、又は少なくとも15,000ストローク/分程度の速度での振動を促進することができる。ストロークが長い場合はストローク数が少なく、ストロークが短い場合はストローク数が多い。
【0039】
システム500は、送り方向520に、少なくとも1mm/分、少なくとも10mm/分、少なくとも20mm/分、少なくとも50mm/分、少なくとも100mm/分、少なくとも150mm/分、又は200mm/分の速度の送り速度で移動する研磨ベルトを受け入れるように設計される。ストローク数が多いほど送り速度は速くなり、ストローク数が少ないほど送り速度は遅くなる。
【0040】
図5Bは、研磨物品530が定位置にあるシステム500の図である。図5Bに示されるように、一実施形態では、研磨物品は、システム500によって直線的に送られる。いくつかの実施形態では、幅532全体又は実質的に幅全体が、システム500内で使用するために利用可能であり、より大きい表面領域534が、研磨動作中に一度に使用されることを可能にする。図5Cは、ワークピース540を含む、システム500の送り領域の拡大図である。
【0041】
図6A及び図6Bは、本明細書の実施形態による振動仕上げシステムを示す。図6Aは、ロボット補修ユニット610に取り付けられた振動仕上げシステム620を含むロボット補修搭載仕上げシステム600を示す。ロボット補修ユニット610は、仕上げ作業を必要とするワークピースの上方の定位置に仕上げシステム620を自動的に移動させることができる。
【0042】
振動仕上げシステム620は、振動システム622を含み、振動システムは、システム620が自動車のボンネット、ドアなどの曲率を有する表面に仕上げを提供することを可能にする圧縮可能なクッションを含むことができる。システム622はまた、研磨物品630とストロークプレート626との間に配置される、図2図3を参照して説明したような相互連結構造を含み、それにより、研磨物品630の移動に垂直な方向に、例えば、図6Aの平面に出入りする方向に滑りを生じさせることができる。研磨物品630は、図6Aの実施形態では、研磨動作中にロール624の一方から他方に移動するベルトである。研磨物品630は、研磨物品630が振動システム622に対してしっかりと保持されることを確実にするガイド628によって安定化される。このことは、相互連結構造が、図6Aの平面の内外に移動することができるが、位置合わせが狂うほど自由に移動しないことを確保するのに有用であり得る。研磨物品630は、動作中に張力下で維持される。
【0043】
図2図3を参照して説明したように、振動システム622は、歯車の歯のように挙動する相互連結特徴部を有する上部及び下部構造を含み、研磨物品630の移動方向ではなく、例えば、図6Aの平面の内外への単一方向の移動を可能にする。
【0044】
代替のシステム650が、図6Bに示されている。システム650はまた、ロボット補修ユニットに装着可能であってもよく、又は独立して動作してもよい。図6Bに示されるように、研磨物品660は、ガイド656によって提供される張力下で、第1のロール652から第2のロール654に送られる。
【0045】
振動システム680は、上述したように、例えば図6Bの平面の内外への方向682の滑りを可能にする第1の相互連結構造及び第2の相互連結構造を含むように提供される。振動システム680はまた、研磨動作全体にわたってワーク表面670の表面領域684が研磨物品660と接触することを確実にするクッションを含んでもよい。
【0046】
本明細書に記載される研磨物品は、任意の好適な材料から形成することができ、任意の好適な研磨粒子を含むことができる。好適な裏材としては、例えば、ポリマーフィルム(プライマー処理したポリマーフィルムを含む)、布、紙、有孔ポリマー発泡体及び非有孔ポリマー発泡体、バルカナイズドファイバ、繊維強化熱可塑裏材、メルトスパン又はメルトブローン不織布、これらの処理バージョン(例えば、防水処理を伴う)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。ポリマーフィルムに使用される好適な熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミド(例えば、ナイロン-6及びナイロン-6,6)、ポリイミド、ポリカーボネート、これらのブレンド、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0047】
典型的には、裏材の少なくとも1つの主表面は滑らかである(例えば、第1の主表面として機能する)。
【0048】
裏材は、様々な添加剤(単数又は複数)を含有してもよい。好適な添加剤の例としては、着色剤、加工助剤、強化繊維、熱安定剤、紫外線安定剤、及び抗酸化剤が挙げられる。有用な充填剤の例としては、粘土、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、タルク、粘土、雲母、木粉、及びカーボンブラックが挙げられる。いくつかの実施形態では。裏材は、複合フィルム、例えば、2つ以上の別個の層を有する共押出フィルムであってもよい。
【0049】
研磨粒子は、粉砕研磨粒子、形成研磨粒子、精密成形研磨粒子、及び/又はそれらの集塊、混合物若しくは複合体を含む、任意の好適な形状及び組成の粒子を含んでもよい。
【0050】
研磨粒子の第1のセット及び/又は第2のセットに適した研磨粒子の例としては、溶融酸化アルミニウム、熱処理酸化アルミニウム、白色溶融酸化アルミニウム、商標名3M CERAMIC ABRASIVE GRAINで、Minnesota州St.Paul在所の3M Companyから商用的に入手することができるセラミック酸化アルミニウム材料などのセラミック酸化アルミニウム材料、褐色酸化アルミニウム、青色酸化アルミニウム、炭化ケイ素(緑色炭化ケイ素を含む)、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、炭化タングステン、ガーネット、炭化チタン、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、ガーネット、溶融アルミナ・ジルコニア、酸化鉄、クロミア、ジルコニア、チタニア、酸化スズ、石英、長石、フリント、金剛砂、ゾル-ゲル誘導研磨粒子、及びそれらの組み合わせが挙げられる。これらのうち、成形ゾル-ゲル誘導αアルミナ研磨粒子が、多くの実施形態において好ましい。ゾル-ゲル経路によって処理することができない研磨材料は、一時的又は永久的なバインダーを使用して成形することができ、それにより成形された前駆体粒子が形成され、次に、焼結されて、例えば米国特許出願公開第2016/0068729(A1)号(Ericksonら)に記載されている成形研磨粒子が形成される。
【0051】
ゾル-ゲル誘導研磨粒子及びそれらを調製するための方法の例は、米国特許第4,314,827号(Leitheiserら)、同第4,623,364号(Cottringerら)、同第4,744,802号(Schwabel)、同第4,770,671号(Monroeら)及び同第4,881,951号(Monroeら)に見出すことができる。また、研磨粒子は、例えば米国特許第4,652,275号(Bloecherら)又は同第4,799,939号(Bloecherら)に記載されている研磨集塊などの研磨集塊を含み得ることも企図されている。いくつかの実施形態では、第1の及び/又は研磨粒子は、バインダー(例えばメーク層及び/又はサイズ層)に対する研磨粒子の接着を強化するために、カップリング剤(例えばオルガノシランカップリング剤)又は他の物理的処理(例えば酸化鉄又は酸化チタン)で表面処理することができる。研磨粒子は、それらを対応するバインダー前駆体と結合する前に処理することができ、又は研磨粒子は、バインダーにカップリング剤を含むことによってin situで表面処理することができる。
【0052】
好ましくは、第1の及び/又は第2の研磨粒子は、例えばゾル-ゲル誘導多結晶αアルミナ粒子などのセラミック研磨粒子を含むことが好ましい。αアルミナ、マグネシウム・アルミナ・スピネル及び希土類六方晶アルミン酸塩の晶子から構成される研磨粒子は、例えば米国特許第5,213,591号(Celikkayaら)並びに米国特許出願公開第2009/0165394(A1)号(Cullerら)、及び同第2009/0169816(A1)号(Ericksonら)に記載される方法による、ゾルゲル前駆体αアルミナ粒子を使用して、調製することができる。
【0053】
αアルミナ系三角形研磨粒子は、よく知られている多重ステッププロセスに従って製造することができる。簡潔に言うと、本方法は、αアルミナに変換することができる種晶添加又は種晶非添加のいずれかのゾル-ゲルαアルミナ前駆体分散体を作製するステップと、研磨粒子の所望の外側形状を有する1つ以上の金型キャビティにゾル-ゲルを充填するステップと、ゾル-ゲルを乾燥させて前駆体三角形研磨粒子を形成するステップと、前駆体研磨粒子を金型キャビティから取り出すステップと、前駆体研磨粒子をか焼し、か焼された前駆体研磨粒子を形成するステップと、次いでか焼された前駆体研磨粒子を焼結し、研磨粒子の第1のセット及び/又は第2のセットを形成するステップとを含む。以下、プロセスを更に詳細に説明する。
【0054】
ゾル-ゲル誘導研磨粒子の製造方法に関する更なる詳細は、例えば米国特許第4,314,827号(Leitheiser)、同第5,152,917号(Pieperら)、同第5,435,816号(Spurgeonら)、同第5,672,097号(Hoopmanら)、同第5,946,991号(Hoopmanら)、同第5,975,987号(Hoopmanら)、及び同第6,129,540号(Hoopmanら)、並びに米国特許出願公開第2009/0165394(A1)号(Cullerら)に見出すことができる。
【0055】
いくつかの好ましい実施形態では、研磨粒子は、個々の研磨粒子が、任意選択のか焼及び焼結に先立って、本質的に、粒子前駆体が乾燥された成形工具又は生産工具のキャビティの部分の形状である形状を有することになる。
【0056】
本開示に使用される研磨粒子は、典型的には、例えば打抜き又は押抜きなどの他の製造代替よりも高い特徴画定を提供する精密機械加工を使用して切断された工具(すなわち型)を使用して製造することができる。ゾル-ゲル誘導αアルミナ(すなわちセラミック)研磨粒子の例は、米国特許第5,201,916号(Berg)、同第5,366,523号(Rowenhorst(Re 35,570))、及び同第5,984,988号(Berg)に見出すことができる。このような研磨粒子及びそれらを準備するための方法に関する詳細は、例えば米国特許第8,142,531号(Adefrisら)、同第8,142,891号(Cullerら)及び同第8,142,532号(Ericksonら)、並びに米国特許出願公開第2012/0227333号(Adefrisら)、同第2013/0040537号(Schwabelら)、及び同第2013/0125477号(Adefris)に見ることができる。
【0057】
スラリー誘導αアルミナ研磨粒子の例は、2014年5月8日に公開された国際公開第2014/070468号に見出すことができる。スラリー誘導粒子は、アルミナ酸化物粉末などの粉末前駆体から形成されてもよい。スラリープロセスは、ゾル-ゲル技術を使用して作製することが困難な可能性があるより大きな粒子に有利であり得る。
【0058】
研磨粒子は、例えば、2019年9月3日に発行された米国特許第10400146号に記載されているプロセスなどの焼結プロセスを受けてもよい。しかしながら、他の処理技術も明示的に企図される。
【0059】
超微粒子PSGも、本明細書に記載される研磨物品において使用されてもよい。超微粒子PSGは、2019年8月1日に公開された米国特許出願公開第2019/0233693号、又は2018年12月20日に公開された国際公開第2018023177号、又は2018年11月15日に公開された国際公開第2018/207145号に記載されている技術を使用して形成することができる。
【0060】
特に非スクラッチ用途が予想される場合、本明細書の研磨粒子に使用することができる2.0~5.0のモース硬度を有するより軟性のPSG粒子を、2019年11月14日に公開された国際公開第2019/215539号に記載されている方法に従って作製することができる。
【0061】
成形研磨粒子は、少なくとも1つの側壁を有することができ、これは傾斜側壁であってもよい。いくつかの実施形態において、2つ以上の(例えば2つ又は3つの)傾斜側壁が存在でき、各傾斜側壁の傾斜又は角度は、同一であっても異なっていてもよい。他の実施形態では、第1及び第2の面が、側壁を有する代わりに、それらが接触する薄い縁部又は点に向かって先細になる粒子の場合、側壁は最小化することができる。傾斜側壁はまた、(米国特許出願第2010/0151196号の図5Bに示されるように)半径Rによって画定することができる。半径Rは、側壁の各々に対して変更することができる。
【0062】
稜線を有する成形粒子の具体例としては、屋根状粒子、例えば、国際公開第2011/068714号の図4A図4Cに示されるような粒子が挙げられる。好ましい屋根状粒子としては、寄棟屋根(hip roof)又は寄棟屋根(hipped roof)(任意の側壁ファセットが稜線から第1の側へ下向きの傾斜を呈する屋根のタイプ)の形状を有する粒子が挙げられる。寄棟屋根は、典型的には、垂直な側壁(単数又は複数)又はファセット(単数又は複数)を含まない。
【0063】
少なくとも1つの傾斜側壁を有する成形研磨粒子を作製する方法は、例えば、米国特許出願公開第2009/0165394号に記載されている。
【0064】
成形研磨粒子はまた、その表面上に複数の隆起を含むことができる。複数の溝(又は隆起)は、前駆体成形研磨粒子を金型から取り出すことをより容易にすることが分かっている金型キャビティの底面内の複数の隆起(又は溝)によって形成することができる。
【0065】
少なくとも片側に溝を有する成形研磨粒子を作製する方法は、例えば、米国特許出願公開第2010/0146867号に記載されている。
【0066】
成形研磨粒子はまた、2019年12月16日に出願されたPCT出願第IB2019/060861号に記載されるように、研磨粒子の面の1つに1つ以上のノッチを有してもよい。
【0067】
成形研磨粒子は、開口部(好ましくは、第1の側及び第2の側を通って延びる又は通過する開口部)を有することができる。開口部を有する成形研磨粒子を作製するための方法は、例えば、米国特許出願公開第2010/0151201号及び第2009/0165394号に記載されている。
【0068】
成形研磨粒子はまた、少なくとも1つの凹んだ(又は凹状)面又はファセットと、外向きに成形された(又は凸状の)少なくとも1つの面又はファセットとを有することができる。皿状研磨粒子を作製する方法は、例えば、米国特許出願開第2010/0151195号及び第2009/0165394号に記載されている。更に、成形研磨粒子はまた、2018年12月11日に発行された米国特許第10,150,900号に記載されているような多面表面を有してもよい。
【0069】
成形研磨粒子はまた、少なくとも1つの破砕面を有することができる。少なくとも1つの破砕面を有する成形研磨粒子を作製する方法は、例えば、米国特許出願公開第2009/0169816号及び同第2009/0165394号に記載されている。
【0070】
成形研磨粒子はまた、キャビティを有することができる。成形研磨粒子はまた、2012年3月27日に発行された米国特許第8,142,532号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようなアパーチャを含んでもよい。
【0071】
成形研磨粒子はまた、低い丸み係数を有することができる。低い丸み係数を有する成形研磨粒子を作製する方法は、例えば、米国特許出願公開第2010/0319269号に記載されている。
【0072】
成形研磨粒子は、2016年9月16日に発行された米国特許第9,447,311号に記載されているように、第2の側上に第2の頂点を有してもよい。第2の側が頂点(例えば、二重テーパ研磨粒子)又は稜線(例えば、屋根状粒子)である研磨粒子を作製する方法は、例えば、2012年9月13日に公開された米国特許出願公開第2012/022733号に記載されている。
【0073】
成形研磨粒子は、2019年8月1日に公開された米国特許出願公開第2019/0233693号又は2019年7月23日に出願された米国仮特許出願第62/877443号に記載されているような鋭い先端を有するように形成されてもよい。
【0074】
成形研磨粒子はまた、2019年10月31日に公開された国際公開第2019/207423号、又は2019年10月31日に公開された国際公開第2019/207417号、又は2019年10月24日に出願されたPCT出願第IB2019/059112号に記載されているようなレーキ角を含むように形成されてもよい。
【0075】
成形研磨粒子はまた、2019年4月15日に出願された米国仮特許出願第62/833865号に記載されているように、精密成形部分と粉砕部分などの非成形部分などの非成形部とを有するように形成されてもよい。
【0076】
成形研磨粒子はまた、傾斜側壁、溝、凹部、ファセット、破砕面、キャビティ、2つ以上の頂点、鋭い縁部、非成形部分、ノッチ、レーキ角、及び/又は低い丸み係数を含む、本明細書で論じられる形状特徴部のうちの1つ以上の組み合わせを有することができる。
【0077】
加えて、成形研磨粒子は、成形研磨粒子及び/又は粉砕研磨粒子の集塊であってもよい。
【0078】
本明細書において、三角形研磨粒子の参照で使用される場合、「長さ」という用語は、三角形研磨粒子の最大寸法を意味している。「幅」は、長さに対して垂直である三角形研磨粒子の最大寸法を意味している。「厚さ」又は「高さ」という用語は、長さ及び幅に対して垂直である三角形研磨粒子の寸法を意味している。三角形以外の形状を有する研磨粒子については、長さは最長寸法を指し、幅は長さに垂直な最大寸法を指し、厚さは長さ及び幅の両方に垂直な寸法を指す。
【0079】
成形研磨粒子は、2019年4月11日に公開された米国特許出願公開第2019/0106362号又は2019年4月11日に公開された国際公開第2019/069157号に記載されているような細長い形状を有してもよい。細長い形状は、三角柱形状、ロッド形状、又はそうでなければ周囲に沿って1つ以上の頂点を含む形状であってもよい。
【0080】
成形研磨粒子は、米国特許出願公開第2019/0249051号に記載されているように、粒子の長さに沿って可変断面領域を有してもよい。例えば、成形研磨粒子は、ドッグボーン形状であってもよく、又はそうでなければ、第1の端部から第2の端部まで変化する断面領域を有してもよい。
【0081】
成形研磨粒子は、2018年11月15日に公開された国際公開第2018/207145号又は2017年2月21日に発行された米国特許第9,573,250号に記載されているような四面体形状を有してもよい。
【0082】
成形研磨粒子はまた、凹部又は凸部を有してもよく、又は2019年5月28日に発行された米国特許第10,301,518号に記載されているような1つ以上の鋭角の内角を有するものとして定義されてもよい。
【0083】
成形研磨粒子はまた、2014年5月20日に発行された第8,728,185号に記載されているようなプレートオンプレート成形粒子などの形状オン形状粒子を含んでもよい。
【0084】
成形研磨粒子はまた、2019年10月23日に出願された米国仮特許出願第62/924956号に記載されているような不規則な多角形形状を有する成形研磨粒子を含んでもよい。
【0085】
成形研磨粒子はまた、切断部分が、例えば、2019年12月4日に出願されたPCT出願第IB2019/060457号に記載されているように、裏材から離れた配向でメイクコートに埋め込まれる可能性が高くなるように、自立研磨粒子であるように成形されてもよい。
【0086】
成形研磨粒子は、凝集粒子であってもよい。凝集粒子は、例えば、2018年5月3日に公開された米国特許出願公開第2018/081246号に記載されているように、ガラス質ボンドマトリックス中に成形研磨粒子を含んでもよい。凝集粒子はまた、2019年9月6日に公開された国際公開第2019/167022号に記載されているように、ケイ酸塩バインダー中に成形研磨粒子を含んでもよい。凝集粒子はまた、2019年9月19日に公開された米国特許出願公開第2019/0283216号に記載されているように、ガラス質ボンドマトリックス中に角錐台形の成形粒子を含んでもよい。凝集体はまた、2019年10月1日に出願されたPCT公開第IB/2019/058349号に記載されているように、粉砕粒子及び成形粒子の混合物を含んでもよい。
【0087】
砥粒はその上に表面処理を有してもよい。いくつかの例では、表面処理は、バインダーへの接着を向上させる、研磨粒子の研磨特性を変化させる、などしてもよい。表面処理の例としては、カップリング剤、ハロゲン化物塩、シリカを含む金属酸化物、高融点金属窒化物、及び耐熱金属炭化物が挙げられる。
【0088】
研磨層はまた、典型的には研磨粒子と同程度の希釈剤粒子を含んでもよい。このような希釈剤粒子の例としては、石膏、大理石、石灰石、フリント、シリカ、ガラスバブル、ガラスビーズ、及びケイ酸アルミニウムが挙げられる。
【0089】
本明細書に記載される研磨物品及び振動仕上げシステムは、材料を有する様々なワークピースに好適であり得、任意の形態を有し得る。材料の例としては、金属、金属合金、外来の金属合金、セラミック、塗装表面、プラスチック、ポリマーコーティング、石、多結晶ケイ素、木材、大理石、及びこれらの組み合わせが挙げられる。加工物の例としては、成型(molded)物品及び/又は成形(shaped)物品(例えば、光学レンズ、自動車車体パネル、艇体、カウンタ、及びシンク)、ウェハ、シート、及びブロックが挙げられる。
【0090】
用途に応じて、研磨界面での力は、約0.1kg~1000kg超の範囲にわたり得る。一般に、この範囲は、研磨界面において1kg~500kgの力である。また、用途に応じて、研磨中に液体が存在してもよい。この液体は、水及び/又は有機化合物であってもよい。典型的な有機化合物の例としては、潤滑剤、油、乳化有機化合物、切削液、界面活性剤(例えば、石鹸、有機硫酸塩、スルホン酸塩、有機ホスホン酸塩、有機リン酸塩)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。これらの液体は、消泡剤、脱脂剤、防食剤、及びそれらの組み合わせなどの、他の添加剤を含有してもよい。
【0091】
本発明の目的及び利点は以下の非限定的な実施例によって更に例証されるが、これらの実施例に引用される具体的な材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を過度に制限するものと解釈されるべきではない。
【0092】
第1の複数の突出部を備える第1の振動構造と、第2の複数の突出部を備える第2の振動構造と、第1のフィルムに接触する研磨物品と、第2のフィルムに結合されたストロークプレートと、を含む研磨システムが提示される。ストロークプレートが作動されると、第1の複数の突出部と第2の複数の突出部とが、第1の方向に相互連結して、互いに対して滑るように構成されている。
【0093】
本研磨システムは、研磨物品が、研磨システムによって送り方向に送られる研磨材のロール状シートであるように実装されてもよい。送り方向は、第1の方向に垂直である。
【0094】
本研磨システムは、研磨物品が、被覆研磨物品、結合研磨物品、又は不織布研磨物品であるように実装されてもよい。
【0095】
本研磨システムは、研磨物品が研磨粒子を含むように実装されてもよい。研磨粒子は、粉砕研磨粒子、形成研磨粒子、又は成形研磨粒子を含む。
【0096】
本研磨システムは、第1の複数の突出部が、第1の振動構造の表面に沿って繰り返す成形突出部を含むように実装されてもよい。
【0097】
本研磨システムは、成形突出部が、第1の振動構造の表面に沿って一定間隔で繰り返すように実装されてもよい。
【0098】
本研磨システムは、一定間隔が突出幅よりも大きい、隣接する突出部間の空間長さを有するように実装されてもよい。
【0099】
本研磨システムは、一定間隔と突出幅との合計が、成形突出部の高さの2倍以下であるように実装されてもよい。
【0100】
本研磨システムは、成形突出部が、矩形の成形突出部であるように実装されてもよい。
【0101】
本研磨システムは、成形突出部が、三角形の成形突出部を含むように実装されてもよい。
【0102】
本研磨システムは、成形突出部が、丸みを帯びた角部を有するように実装されてもよい。
【0103】
本研磨システムは、第1及び第2の振動構造が、高精細フィルムを含むように実装されてもよい。
【0104】
本研磨システムは、高精細フィルムが、樹脂を含むように実装されてもよい。
【0105】
本研磨システムは、高精細フィルムが、ポリオレフィンを含むように実装されてもよい。
【0106】
本研磨システムは、ストロークプレートと第2の振動構造との間に圧縮可能パッドを含むように実装されてもよい。
【0107】
振動源と、第1の相互連結特徴部を有する、振動源に結合された第1の構造と、第1の相互連結特徴部に相互連結された第2の相互連結特徴部を有する第2の構造とを有する研磨システムを含む、ロボット補修システムが提示される。第1の構造と第2の構造とは、連結されると、第1の方向に滑るように構成されている。研磨物品は、第1の構造に接触する第1の側と反対側の第2の側で第2の構造に接触する。研磨システムはまた、研磨システムをワークピース上の定位置に移動させるように構成されたロボット補修ユニットと、研磨システムをロボット補修ユニットに結合する取付台とを含む。
【0108】
本ロボット補修システムは、研磨物品が研磨ベルトであるように実装されてもよい。研磨システムはまた、ベルトを第2の構造とワークピースとの間に送り方向に送るベルト送り装置を含む。送り方向は、第1方向とは異なる。
【0109】
本ロボット補修システムは、送り方向が、第1の方向に垂直であるように実装されてもよい。
【0110】
本ロボット補修システムは、研磨動作中に、研磨ベルトの表面領域がワークピースに接触するように実装されてもよい。研磨物品の表面領域は、第2の構造の寸法と研磨ベルトの幅とを含む。
【0111】
本ロボット補修システムは、研磨ベルトが、第1のベルトロールから第2のベルトロールに送られるように実装されてもよい。
【0112】
本ロボット補修システムは、振動源と第1の構造との間にクッションも含むように実装されてもよい。
【0113】
本ロボット補修システムは、振動源が、ストロークプレートであるように実装されてもよい。
【0114】
本ロボット補修システムは、研磨物品が、第2の構造に結合された研磨パッドであるように実装されてもよい。
【0115】
本ロボット補修システムは、研磨物品が研磨粒子を含むように実装されてもよい。研磨粒子は、粉砕研磨粒子、形成研磨粒子、又は成形研磨粒子を含む。
【0116】
本ロボット補修システムは、研磨物品が、被覆研磨物品、結合研磨物品、又は不織布研磨物品であるように実装されてもよい。
【0117】
本ロボット補修システムは、第1及び第2の相互連結特徴部が、高精細特徴部であるように実装されてもよい。
【0118】
本ロボット補修システムは、第1及び第2の相互連結特徴部がそれぞれ、基部表面から延びる複数の突出部を含むように実装され得る。
【0119】
本ロボット補修システムは、相互連結位置にあるとき、第1の相互連結特徴部と第2の相互連結特徴部との間に複数の空間が存在するように実装されてもよい。
【0120】
本ロボット補修システムは、複数の突出部が、繰り返し形状を含むように実装されてもよい。
【0121】
本ロボット補修システムは、繰り返し形状が、矩形又は三角形であるように実装されてもよい。
【0122】
本ロボット補修システムは、繰り返し形状が、空間に隣接する多角形であるように実装されてもよい。
【0123】
本ロボット補修システムは、繰り返し形状の長さが、繰り返し形状の高さの2倍以下であるように実装されもよい。
【0124】
研磨物品を研磨システムに結合することを含む、表面を研磨する方法。研磨システムは、振動源と、振動源に結合された第1の構造とを含む。第1の構造は、第1の基部から延びる第1の複数の突出部を含む。研磨システムはまた、第2の基部から延びる、第2の複数の突出部を備える第2の構造を含む。第2の複数の突出部は、第1の複数の突出部と相互連結する。研磨物品は、第2の構造に結合される。本方法はまた、研磨システムを作動させることを含む。研磨システムを作動させると、第1及び第2の複数の突出部は、第1の方向に互いに対して滑る。
【0125】
本方法は、研磨物品をワークピースに対して送り方向に移動させることも含むように実装されてもよい。
【0126】
本方法は、ワークピースが静止したままであり、研磨物品が第2の構造に物理的に取り付けられ、研磨物品を移動させることが、ロボット補修ユニットを使用して研磨システムを移動させることを含むように実装されてもよい。
【0127】
本方法は、ワークピースが静止したままであり、研磨物品が研磨ベルトであるように実装されてもよい。研磨物品を移動させることは、張力下で研磨ベルトを送りロールから圧延ロールに送ることを含む。
【0128】
本方法は、送り方向が第1の方向と反対であるように実装されてもよい。第1及び第2の複数の突出部は、送り方向への滑りを実質的に防止する。
【0129】
本方法は、第1の複数の突出部が、高精細であるように実装されてもよい。
【0130】
本方法は、第1の複数の突出部が、第1の構造に機械加工されるように実装されてもよい。
【0131】
本方法は、第1の複数の突出部が、第1の基部と同じ材料で形成されるように実装されてもよい。
【0132】
本方法は、第1の複数の突出部が、第1の基部と一体であるように実装されてもよい。
【0133】
本方法は、第1の複数の突出部が、第1の突出高さを有し、第2の複数の突出部が、第2の突出高さを有し、第1の突出高さと第2の突出高さとが同じであるように実装されてもよい。
【0134】
本方法は、第1及び第2の複数の突出部が、隣接する突出部間に間隙が存在するように相互連結するように実装されてもよい。
【0135】
本方法は、第1の複数の突出部の形状が、多角形であるように実装されてもよい。
【0136】
本方法は、多角形形状が、実質的に矩形又は実質的に三角形であるように実装されてもよい。
【0137】
本方法は、振動源が、ストロークプレートであるように実装されてもよい。
【0138】
本方法は、振動源と第1の構造との間にクッションが存在するように実装されてもよい。
【0139】
第2の方向よりも第1の方向に長い基材を含む研磨物品が提示される。研磨物品はまた、基材上に複数の突出部を含む。突出部は、第2の方向に延びる。突出部は、基材上に繰り返しパターンである。
【0140】
研磨物品は、基材が、突出部を含む第1の側と、第2の側とを有するように実装されてもよい。第2の側は、ワーク表面に接触するように構成された複数の研磨粒子を含む。
【0141】
研磨物品は、基材が、突出部を含む第1の側と、第2の側とを有するように実装されてもよい。第2の側はクッションに接触する。
【0142】
研磨物品は、研磨物品が、被覆研磨物品、不織布研磨物品、又は結合研磨物品であるように実装されてもよい。
【0143】
研磨物品は、研磨粒子が研磨粒子を含むように実装されてもよい。研磨粒子は、粉砕研磨粒子、形成研磨粒子、又は成形研磨粒子を含む。
【0144】
研磨物品は、繰り返しパターンが、突出幅よりも大きい隣接する突出部間の空間長さを含むように実装されてもよい。
【0145】
研磨物品は、第1の突出部の第1の縁部及び第2の突出部の対応する第1の縁部の長さが、成形突出部の高さの2倍以下であるように実装されてもよい。
【0146】
研磨物品は、研磨物品が、コアの周りに巻かれているように実装されてもよい。
【0147】
研磨物品は、研磨物品が、コアの側にあるように実装されてもよい。
【0148】
研磨物品は、突出部が、コアの側にあるように実装されてもよい。
【実施例
【0149】
図7A図7Cは、本明細書中の実施例において説明される実験結果を示す。研磨材は、3M Companyからモデル373L、30micを入手した。a+a’==230μm及びb=150μmの寸法を有する本明細書に記載の高精細フィルムに、研磨材を付着させた。ワークピースはSUS304であった。図5A図5Cに示される機械を使用し、研磨物品を機械に手動で送った。パッドサイズは、25mm×50mm×高さ10mmであった。クッションを提供するためにスポンジをパッドとして使用した。15.7Nの荷重を加えた。
【0150】
図7Aは、「実施例A」とラベル付けされた上述のパッドを従来のパッドと比較した切削率を示す。図7Bは、振動スクラッチを伴う研削作業後の実施例Aのパッドを示し、図7Cは、送りスクラッチのみを伴う実施例Aのパッドを示す。振動が観察されるとき、より多くの摩耗が示される。
【0151】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者によって、本発明の様々な修正及び変更を実施することができ、かつ本発明は、本明細書に記載される例示的な実施形態に過度に限定されるものではないことを理解されたい。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
【国際調査報告】