(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】鼻用アプリケーター
(51)【国際特許分類】
A61M 15/08 20060101AFI20230823BHJP
【FI】
A61M15/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509531
(86)(22)【出願日】2021-08-09
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 EP2021072189
(87)【国際公開番号】W WO2022034036
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】102020121044.2
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523044644
【氏名又は名称】ハッチモア ラブズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【氏名又は名称】田中 真理
(72)【発明者】
【氏名】シンナー、クラウス
(72)【発明者】
【氏名】スーレン、フランソワ アンリ マチュー マリー
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの医薬物質(S)、特に鎮痛剤を経鼻的に投与するための鼻用アプリケーター(100)に関する。鼻用アプリケーター(100)は、ある量の物質(S)を保持するための物質リザーバ(R)と、物質(S)の次の塗布用量(Dn)の呼び寄せることを目的として使用者によって作動される要求装置(1)と、それぞれの送達時間(tA0、tA1、tA2、...、tAn-1、tAn、tAn+1、...)において要求装置(1)の作動時に塗布用量(D0、D1、D2、...、Dn-1、Dn、Dn+1、...)を塗布するためのディスペンサ(3)と、鼻用アタッチメント(4)用接続部位(4a)、又は鼻用アタッチメント(4)若しくは鼻用ピースと、接続部位(4a)又は鼻用アタッチメント(4)又は鼻用ピースを介して、及び/又は鼻用アプリケーター(100)から物質(S)の塗布用量を塗布するための塗布装置(17)とをそれぞれ備えるか、又はそれらに接続されているハウジング(2)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの医薬物質(S)、特に鎮痛剤を経鼻投与するための鼻用アプリケーター(100)であって、前記鼻用アプリケーター(100)は、
ある量の前記物質(S)を含むための物質リザーバ(R)と、
前記物質(S)の次の塗布用量(D
n)を要求することを目的として使用者によって作動される要求装置(1)と、
それぞれの分注時点(tA
0、tA
1、tA
2、...、tA
n-1、tA
n、tA
n+1、...)での前記要求装置(1)の作動の際に塗布用量(D
0、D
1、D
2、...、D
n-1、D
n、D
n+1、...)を分注するためのディスペンサ(3)と、
鼻用アタッチメント(4)用の接続部位(4a)、又は鼻用アタッチメント(4)若しくは鼻用ピースと、
前記接続部位(4a)又は前記鼻用アタッチメント(4)若しくは前記鼻用ピースを介して、且つ/又は前記鼻用アプリケーター(100)から、前記物質(S)の塗布用量を塗布するための塗布装置(17)と
をそれぞれ備えるか、又はそれらに接続されているハウジング(2)を備える、鼻用アプリケーター(100)。
【請求項2】
前記物質リザーバ(R)内に保持された前記物質(S)の塗布用量を一時的に受けるための用量チャンバ(13)と、
前記用量チャンバ(13)に前記物質リザーバ(R)から前記物質(S)の塗布用量を装填するための装填装置(15)と
を更に備える、請求項1に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項3】
前記塗布装置(17)は、前記用量チャンバ(13)内に存在する前記物質(S)の塗布用量を、前記接続部位(4a)、前記鼻用アタッチメント(4)若しくは前記鼻用ピースを介して且つ/又は前記鼻用アプリケーター(100)から塗布するように配置されている、請求項2に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項4】
前記塗布装置(17)及び/又は前記装填装置(15)は、機械的エネルギー又はばねエネルギーのためのエネルギー貯蔵部を備える、請求項2又は3に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項5】
前記塗布装置(17)及び/又は前記装填装置(15)は、モータ、好ましくは電気モータ(19)を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項6】
前記塗布装置(17)及び/又は前記装填装置(15)は、スピンドル(21)を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項7】
前記モータは、スピンドル(21)に接続されている、請求項6に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項8】
前記物質(S)の塗布用量のための前記用量チャンバ(13)の容量容積を変化させるための機構を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項9】
乾燥剤又は物質中和剤を含む第2の流体チャンバを更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項10】
前記塗布装置(17)及び前記装填装置(15)は、同一の構成要素を備える、又は同一構成要素からなる、請求項1~9のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項11】
電子制御装置(9)を更に備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項12】
前記電子制御装置(9)は、前記塗布装置(17)を複数の速度で移動させる且つ/又は塗布させるようにプログラムされている、請求項11に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項13】
前記電子制御装置(9)は、前記用量チャンバ(13)の容量容積を変更するための機構に作用するようにプログラムされている、請求項11又は12に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項14】
前記用量チャンバ(13)に前記物質(S)の前記塗布用量を装填するための前記装填装置(15)は、少なくとも1つの第1の一方向弁(23a)若しくは逆止弁を備え、且つ/又は前記用量チャンバ(13)は、少なくとも1つの第1の一方向弁(23a)若しくは逆止弁によって制限される、請求項2~13のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項15】
前記用量チャンバ(13)に前記物質(S)の塗布用量を装填するための前記装填装置(15)は、少なくとも1つの第2の一方向弁(23b)又は逆止弁を備え、且つ/又は前記用量チャンバ(13)は、少なくとも1つの第2の一方向弁(23b)又は逆止弁によって制限され、前記第2の逆止弁(23b)は、好ましくは、前記用量チャンバ(13)に対して、前記第1の逆止弁(23a)の開方向とは反対の開方向を備える、請求項2~14のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項16】
前記分注された塗布用量(D
0、D
1、D
2、...、D
n-1、D
n、D
n+1、...)のそれぞれの分注時点(tA
0、tA
1、tA
2、...、tA
n-1、tA
n、tA
n+1、...)に又は該地点以降に再び始まるロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)の再開中に前記ディスペンサ(3)を一時的にロックするためのロック装置(5)であって、前記ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)は、ロック期間開始(T_vain
1_S、T_vain
2_S、...、T_vain
n-1_S、T_vain
n_S、T_vain
n+1_S、...)及びロック期間終了(T_vain
1_E、T_vain
2_E、...、T_vain
n-1_E、T_vain
n_E、T_vain
n+1_E、...)を有する、ロック装置(5)を更に備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項17】
前記分注時点(tA
0、tA
1、tA
2、...、tA
n-1、tA
n、tA
n+1、...)において前記ディスペンサ(3)によってそれぞれ分注された前記塗布用量(D
0、D
1、D
2、...、D
n-1、D
n、D
n+1、...)の量を検出するための用量検出装置(7)を更に備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項18】
1つ以上の既に分注された塗布用量(D
0、D
1、D
2、...、D
n-1)の少なくとも分注時点(tA
0、tA
1、tA
2、...、tA
n-1)及び/又は該塗布用量(D
0、D
1、D
2、...、D
n-1)の量を記憶するためのデータ記憶装置(M)を更に備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項19】
次の又は更なる塗布用量(D
n)を塗布することを目的として、少なくとも、前記要求装置(1)に関連する作動時点(tB
n)における使用者の起動挙動を検出するための検出装置(11)を更に備える、請求項1~18のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項20】
前記電子制御装置(9)は、
前記データ記憶装置(M)に記憶されたデータを読み出す、
前記検出装置(11)によって検出された前記使用者の作動挙動を評価する、
前記使用者がロック期間(T_vain
n)外で前記要求装置(1)を作動させる場合に、次の分注時点(tA
n)で前記使用者に送達され得る前記次の又は更なる塗布用量(D
n)の量を事前判定時点(tV
n)で事前判定をすることであって、前記事前判定時点(tV
n)は、前記作動時点(tB
n)以降にあり、前記事前判定は、前記データ記憶装置(M)から読み出された前記データを考慮して行われ、前記データは、少なくとも、一方では、a)既に分注された塗布用量(D
0、D
1、D
2、...、D
n-1)のうちの1つ又は複数個の分注時点(tA
0、tA
1、tA
2、...、tA
n-1)、若しくは既に分注された塗布用量(D
0、D
1、D
2、...、D
n-1)の1つ若しくは複数個の分注時点(tA
0、tA
1、tA
2、...、tA
n-1)と、前記次の作動時点(tB
n)の後にある前記分注時点(tA
n)との間の経過時間、及び/又は、他方では、b)前記既に分注された塗布用量(D
0、D
1、D
2、...、D
n-1)の1つ若しくは複数個の量を包含する、事前判定をする
ように更にプログラムされている、請求項11~19のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項21】
前記データ記憶装置(M)は、前記物質(S)に関する薬理学的、薬力学的、ファーマコメトリクス、及び/若しくは薬物動態学的データ、又は前記物質に関連する他のデータを更に包含し、
前記電子制御装置(9)は、前記物質(S)に関する前記データ記憶装置(M)に記憶されたデータ又は前記物質(S)と関連するデータを更に読み取るように更にプログラムされており、
前記物質(S)の前記次の塗布用量(D
n)の事前判定は、追加的に読み取られたデータを更に考慮して行われる、請求項20に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項22】
前記電子制御装置(9)は、更に、
前記ディスペンサ(3)によって、対応する前記分注時点(tA
n)で所定量の前記次の塗布用量(D
n)を分注するステップと、続いて、
分注された前記次の塗布用量(D
n)の塗布用量の量及び/又は結果生じる濃度を前記データ記憶装置(M)に記憶し、
前記次の塗布用量(D
n)の前記分注時点(tA
n)から又は該時点以降に開始するロック期間(T_vain
n+1)の間、前記ロック装置(5)に前記ディスペンサ(3)を一時的にロックさせ、前記ロックは、ロック期間開始(T_vain
n+1_S)及びロック期間終了(T_vain
n+1_E)を有し、且つ/又は分注された前記次の塗布用量(D
n)の分注時点(tA
n)を前記データ記憶装置(M)に記憶するステップとを
引き起こす又は開始するように更にプログラムされている、請求項20又は21に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項23】
前記電子制御装置(9)は、
前記次の塗布用量(D
n)に続く更なる塗布用量(D
n+1)の前記送達のうちの1つ又は複数個に関連して、請求項22に記載の更なる一連のステップを実行又は促進又は開始する
ように更にプログラムされている、請求項22に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項24】
前記電子制御装置(9)は、例えばPK曲線(PK25、PK50)及び/又はモデルを包含し、前記患者の体内、特に血液中の濃度(C(t))間の時間的経過をマッピングするデータを前記データ記憶装置(M)から読み取り、それに基づいて前記濃度(C(t))の次の最大値(C
1max、C
2max、C
nmax)を計算するように更にプログラムされている、請求項23に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項25】
前記電子制御装置(9)は、
前記データ記憶装置(M)に記憶されたデータ、特にPK曲線(PK25、PK50)又はモデル、及び前記データ記憶装置(M)に記憶された治療最大値に基づいて前記次の塗布用量(D
n)の量を事前判定する際に、前記次の最大値(C
1max、C
2max、C
nmax)が前記指定された最大値を超えないように前記次の塗布用量(D
n)の量を判定するように更にプログラムされている、請求項24に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項26】
前記使用者の検出された作動挙動を評価することは、前記次の塗布用量(D
n)を要求するための前記作動時点(tB
n)、又は前記作動時点(tB
n)と最後の満了のロック期間(T_vain
n)のロック期間終了(T_vain
n_E)との間にある時間スパンを判定することを包含し、
事前判定は、判定された前記次の作動時点(tB
n)又は判定された前記時間スパンを考慮することを包含する、請求項20~25のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項27】
前記使用者によって作動されるフィードバック装置(8)を更に備え、
前記検出装置(11)は、少なくとも1つの、好ましくは第1のフィードバック時点(tF
n_1)における前記フィードバック装置(8)の作動を検出するようにプログラムされており、
前記制御装置(9)は、前記少なくとも1つのフィードバック時点(tF
n_1)で前記使用者の体内又は血液中に存在する前記物質(S)の濃度を判定し、目標濃度(C
ED)又はその最大値を前記判定された濃度をそれぞれ下回る値に設定するようにプログラムされている、請求項9~26のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項28】
前記検出装置(11)は、
前記ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)後の作動時点(tB
1、tB
2、...、tB
n-1、tB
n、tB
n+1、...)で前記使用者によって行われた前記要求装置(1)の少なくとも1つの作動を検出するように、且つ/又は
以降に前記使用者による前記フィードバック装置(8)の更なる作動が検出されていないフィードバック時点、好ましくは最後のフィードバック時点(tF
n_4)を検出するように
更にプログラムされており、
前記制御装置(9)は、
前記フィードバック時点、好ましくは第1のフィードバック時点(tF
n_1)に関連する身体、特に血液中の濃度(C(t))と、好ましくは第1の作動時点(tB
1、tB
2、...、tB
n-1、tB
n、tB
n+1、...)又は最後のフィードバック時点(tF
n_4)にそれぞれ関連する身体、特に血液中の濃度(C(t))との両方を判定し、
前記フィードバック時点、好ましくは第1のフィードバック時点(tF
n_1)と、前記作動時点、好ましくは第1の作動時点(tB
1、tB
2、...、tB
n-1、tB
n、tB
n+1、...)又は最後のフィードバック時点(tF
n_4)と関連する濃度との両方を考慮しつつ、同じ用量と関連し、前記データ記憶装置(M)に記憶された複数の時間濃度経過、特にPKモデル又はPK曲線から、同じ用量と関連する時間的濃度経過の群から、特にモデル又はPK曲線(PK50
+SD、PK50
M及びPK50
-SD)から時間的濃度経過又は経時的な濃度経過を判定し、且つ
後続の塗布用量(D
3、D
n、D
n+1、...)のうちの1つ又は複数個の量を事前判定する際に、このようにして判定された時間的な個々の濃度経過、特に前記判定された個々のPK曲線(PK
Ind)を考慮するように更にプログラムされている、請求項27に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項29】
前記制御装置(9)は、
前記次の塗布用量(D
n)の量を事前判定する際に、指定された前記目標濃度(C
ED)若しくはその最大値及び/又は前記判定された個々の時間的な濃度経過、特に前記判定された個々のPK曲線(PK
Ind)を考慮するように更にプログラムされている、請求項27又は28に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項30】
前記制御装置(9)は、
分注時点(tA
0)で分注された初期用量(D
0)の前記分注後、前記初期用量(D
0)のの前記分注時点(tA
0)の後に存在する第1の作動時点(tB
1)において、又は前記第1の作動時点(tB
1)のために、それぞれ、前記第1の作動時点(tB
1)に関連する濃度(C
ED1_+SD、C
ED1_M、C
ED1_-SD)を判定し、このようにして判定された前記濃度(C
ED1_+SD、C
ED1_M、C
ED1_-SD)を、関連する前記時間的濃度経過の推定の前記目標濃度として設定し、前記判定は、時間的濃度経過の群、特に前記データ記憶装置(M)に記憶され、且つ同じ用量に関連する複数の時間的濃度経過からの前記同じ用量に関連するモデル又はPK曲線(PK50
+SD、PK50
M及びPK50
-SD)、特にPKモデル又はPK曲線についてのものである、
前記第1の作動時点(tB
1)での前記要求装置(1)の作動に応答して、前記初期用量(D
0)に続いて前記第1の塗布用量(D
1)を塗布する、
前記第1の塗布用量(D
1)の塗布後の時点で、前記身体中、特に前記血液中の濃度が、それぞれ、関連する前記時間的濃度経過の推定された前記目標濃度まで再び低下しているであろう群の時間的濃度経過を判定し、群の時間的濃度経過に対して、それぞれ、判定された時間を計算された目標濃度時間(tB
2_+SD、tB
2_M、tB
2_-SD)として設定する、
第2又は後続の塗布用量(D
2)を要求するための前記第2の作動時点(tB
2)を検出又は判定する、
前記群からの各時間的濃度経過の前記計算された目標濃度時間(tB
2_+SD、tB
2_M、tB
2_-SD)と前記第2の作動時点(tB
2)との間のそれぞれの差、特にその計算された目標濃度時間(tB
2_+SD、tB
2_M、tB
2_-SD)と前記第2の作動時点(tB
2)との間の最小差を有する時間的濃度経過を考慮しながら、前記群からの時間的濃度経過を個々の時間的濃度経過、特に個々のPK曲線(PK
Ind)として判定する、且つ
後続の前記塗布用量(D
3、D
n、D
n+1、...)のうちの1つ又は複数個の量を事前判定する際に、前記判定された時間的な個々の濃度経過、特に前記判定された個々のPK曲線(PK
Ind)を考慮する、
ように更にプログラムされている、請求項9~29のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項31】
前記制御装置(9)は、
少なくとも1つの考慮される作動時点(tB
n-1)又は少なくとも1つの考慮される事前判定時点(tV
n-1)で前記使用者の身体又は前記血液中に存在する前記物質(S)の濃度を判定し、該濃度を前記目標濃度(C
ED)として設定する
ように更にプログラムされている、且つ
前記制御装置(9)は、
前記次の塗布用量(D
n)の前記分注時点(tA
n)から所定時間が経過した後に初めて、前記使用者の体内又は前記血液中の濃度が再び前記目標濃度(C
ED)まで低下するように、前記次の塗布用量(D
n)の量を前記次の事前判定時点(tV
n)において設定する
ように更にプログラムされている、請求項9~30のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項32】
前記検出装置(11)によって検出された前記使用者の作動挙動を評価することは、前記ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)のうちの1つの期間内の作動時点(tB
1_v1、tB
2_v1、tB
1_v2、tB
2_v2)での前記使用者による前記要求装置(1)の作動の検出を包含し、
前記制御装置(9)は、
前記ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)のうちの1つの期間内の前記作動時点(tB
1_v1、tB
2_v1、tB
1_v2、tB
2_v2)にそれぞれ関連する前記体内、特に前記血液中の濃度(C(t))を判定する、
前記目標濃度(C
ED)又はその最小値を、前記関連する濃度(C(t))をそれぞれ上回る値に設定する
ように更にプログラムされている、請求項1~31のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項33】
前記検出装置(11)は、
前記ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)の後の作動時点(tB
1、tB
2、...、tB
n-1、tB
n、tB
n+1、...)で前記使用者による前記要求装置(1)の少なくとも1つの作動を検出するように更にプログラムされており、
前記制御装置(9)は、
前記ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)後の前記作動時点(tB
1、tB
2、...、tB
n-1、tB
n、tB
n+1、...)にそれぞれ関連する前記体内、特に前記血液中の濃度(C(t))を判定する、
ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)内の少なくとも1つの、好ましくは前記最後の作動時点(tB
1_v1、tB
2_v1、tB
1_v2、tB
2_v2)と、ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)後の少なくとも1つの、好ましくは前記第1の作動時点(tB
1、tB
2、...、tB
n-1、tB
n、tB
n+1、...)との両方を考慮しながら、前記群の時間的濃度経過を判定する、且つ
後続の塗布用量(D
3、D
n、D
n+1、...)のうちの1つ又は複数個の量を事前判定する際に、前記判定された時間的な個々の濃度経過、特に前記判定された個々のPK曲線(PK
Ind)を考慮する
ように更にプログラムされている、請求項32に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項34】
前記検出装置(11)によって検出された前記使用者の作動挙動を評価することは、前記ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)のうちの1つの期間内の作動時点(tB
1_v1、tB
2_v1、tB
1_v2、tB
2_v2)での前記使用者による前記要求装置(1)の作動の評価を包含し、
前記制御装置(9)は、
前記ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)のうちの1つの期間内の連続する作動時点(tB
1_v1、tB
2_v1、tB
1_v2、tB
2_v2)間の時間間隔の増加、又は前記ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)内での更なる作動時点(tB
1_v1、tB
2_v1、tB
1_v2、tB
2_v2)の不在を判定し、前記増加又は前記不在の程度が所定の基準を満たす開始時点を規定するように更にプログラムされており、
前記制御装置(9)は、
前記規定された設定時点に関連する前記体内、特に前記血液中の濃度(C(t))を判定するように更にプログラムされており、
前記目標濃度(C
ED)又はその最小値をそれぞれ関連する前記濃度(C(t))を上回る値に設定するように更にプログラムされている、
請求項1~33のいずれか一項に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項35】
前記制御装置(9)は、
前記ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)後の作動時点(tB
1、tB
2、...、tB
n-1、tB
n、tB
n+1、...)における前記使用者による前記要求装置(1)の少なくとも1つの検出された作動を評価するように更にプログラムされており、
前記制御装置(9)は、
前記ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)後の前記作動時点(tB
1、tB
2、...、tB
n-1、tB
n、tB
n+1、...)にそれぞれ関連する前記体内、特に前記血液中の濃度(C(t))を判定する、
前記ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)内の作動時点、好ましくは前記最後の作動時点(tB
1_v1、tB
2_v1、tB
1_v2、tB
2_v2)と、前記ロック期間(T_vain
1、T_vain
2、...、T_vain
n-1、T_vain
n、T_vain
n+1、...)後の作動時点、好ましくは前記第1の作動時点(tB
1、tB
2、...、tB
n-1、tB
n、tB
n+1、...)との両方を考慮しながら、前記群の時間的濃度経過を判定する、且つ
前記後続の塗布用量(D
3、D
n、D
n+1、...)のうちの1つ又は複数個の量を事前判定する際に、前記判定された時間的な個々の濃度経過、特に前記判定された個々のPK曲線(PK
Ind)を考慮する
ように更にプログラムされている、請求項34に記載の鼻用アプリケーター(100)。
【請求項36】
請求項1~35のいずれか一項に記載の1つ以上の鼻用アプリケーター(100)と、
1つ以上の周辺機器(101)とを備え、
前記1つ又は複数個の鼻用アプリケーター(100)は、
前記周辺装置(101)のうちの1つ又は複数個と信号通信又は通信接続するように
なっている、又は準備されている、又はプログラムされている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物分注装置、特に請求項1に記載の鼻用アプリケーターに関する。本発明は、更に、請求項36に記載のシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者が自身に薬物又は薬剤を経鼻的に投与し得る鼻用アプリケーターは、既に知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、更なる鼻用アプリケーターを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による目的は、請求項1の特徴を有する鼻用アプリケーターによって、及び請求項36の特徴を有するシステムによって達成される。
【0005】
本発明によれば、少なくとも1つの物質、例えば医療用又は非医療用物質、例えば医療用又は非医療用薬剤を投与又は経鼻投与するための薬物分注装置(経鼻、吸入、静脈内、経口、頬側、舌下などの分注用)、特に鼻用アプリケーターが提案される。医薬物質は、特に鎮痛薬であり得る。この目的のために、薬物分注装置又は鼻用アプリケーターはハウジングを備える。
【0006】
薬物分注装置は、ある量の物質を保持するための物質リザーバを備えるか、又は該物質リザーバに接続されている。
【0007】
薬物分注装置は、使用者/患者によって作動される要求装置に接続されているか、又は該要求装置を備える。要求装置は、要求装置を作動させることによって、薬物分注装置の使用者が物質の次の塗布用量を要求することを可能にするようにプログラムされている、又は異なるように調製されている。このように、要求装置の目的又は目標は、塗布用量を解放することができることである。
【0008】
薬物分注装置は、ディスペンサを更に備えるか、又はディスペンサに接続されている。ディスペンサは、要求装置の作動に応答して塗布用量を分注するために設けられている。分注は、そうであれば、それぞれのいわゆる分注時点で行われる。
【0009】
薬物分注装置は、鼻用アタッチメント若しくは鼻用ピースのための接続部位を更に備えるか、又は鼻用アタッチメント若しくは鼻用ピースに接続されている。
【0010】
最後に、薬物分注装置は、接続部位又は鼻用アタッチメント又は鼻用ピースを介して、且つ/又は鼻用アプリケーターから、物質の塗布用量を能動的に塗布するための塗布装置を備えるか、又は該塗布装置に接続されている。
【0011】
本発明によるシステムは、本発明による1つ又は複数個の鼻用アプリケーターと、1つ又は複数個の周辺装置とを備え、1つ又は複数個の鼻用アプリケーターは、特に鼻用アプリケーターの制御装置を介して、1つ又は複数個の周辺装置と信号通信又は通信接続している、或いは、この目的のために準備又はプログラムされている。
【0012】
本明細書において使用者に言及する場合、これには、自身で投薬する患者、介護者、医師、患者の血縁者などが含まれ、例えば、患者の要請に応じて、患者の投薬において本明細書に記載の薬物分注装置を使用する。
【0013】
上記及び以下の記述のすべてにおいて、「であり得る(may be)」又は「有し得る(may have)」などの表現の使用は、それぞれ「であることが好ましい(preferably is)」又は「有することが好ましい(preferably has)」などと同義に理解されるべきであり、本発明による実施形態を説明することを意図している。
【0014】
本明細書で数値語が言及されるときはいつでも、当業者はそれらを数値の下限を指示するものとして認識又は理解するものとする。明らかな矛盾が当業者に導かれない限り、当業者は、例えば「1つ」(「a/an」とも)の仕様を「少なくとも1つ」を包含するものとして理解するものとする。この理解は又、当業者にとって明らかに技術的に可能であれば、数値語、例えば「1」(「a/an」とも)が代替的に「正確に1」を意味し得るという解釈として本発明によって等しく包含される。両方の理解は本発明に包含され、本明細書で使用されるすべての数値語に適用される。
【0015】
「プログラムされた」、「提供された」、又は「構成された」が本明細書で言及されるときはいつでも、これらの用語を交換することも開示される。
【0016】
本明細書で、ステップ又は動作を実行するように「プログラムされた」、「提供された」、又は「構成された」に言及する場合、このステップ又は動作は、任意選択的に、例えば制御装置によって自動的に実行されることも開示される。
【0017】
本発明の有利な展開は、それぞれ従属請求項及び実施形態の主題である。
【0018】
本明細書で実施形態が言及されるときはいつでも、それは本発明による例示的な実施形態である。
【0019】
本発明による主題が特定の実施形態において1つ又は複数個の特徴を含むことが本明細書に開示されている場合、本発明による主題が、他の実施形態では、本発明と同様に、例えば、注意の意味で、この特徴又はこれらの特徴を明示的に含まないことも本明細書にそれぞれ開示されている。したがって、本明細書で言及されるすべての実施形態について、例えば否定として説明された逆の実施形態も開示されることが適用される。
【0020】
本発明による実施形態は、技術的に可能な任意の組み合わせで、上記の特徴又は以下の特徴のうちの1つ又は複数個を含み得る。
【0021】
本明細書で適合性、目的、ステップ、又は方法ステップが言及されるときはいつでも、本発明は又、達成又は実行に適した装置又はその部位の対応するプログラミング又は構成も包含する。
【0022】
本発明は、鼻用アプリケーターに限定されず、そのような薬物分注装置に関するが、以下では、鼻用アプリケーターに焦点を当てる。鼻用アプリケーターに関してなされた記述、説明、及び利点は、薬剤分注装置にそのまま適用され、その逆も同様である。幾つかの実施形態では、「薬物分注装置」及び「鼻用アプリケーター」という用語は同義語であり得る。幾つかの実施形態では、これらの用語は交換可能である。このように、「薬剤分注装置」について本明細書に記載されていることは、「鼻用アプリケーター」にも当てはまり、その逆も同様である。
【0023】
アプリケーターは、任意選択的に、例えば、舌下、吸入、更には静脈内の様々な形態の適用に使用可能であり得る。本明細書に開示される接続部位は、例えば、液体を小液滴に分解する衝突バッフル又はステップバッフル、2ジェットアトマイザ(衝突ジェット)、多孔質膜、多孔板(レイリー分解原理)、注入管、ボルテックスチャンバ、鼻用カニューレ、小液滴を生成するための他の鼻用アダプタなど、液体が送られ得る多種多様な接続部に接続されるように設計され得る。前記接続部位はそれぞれ接続され得る。
【0024】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、用量チャンバを更に備える。用量チャンバは、物質リザーバ内に保持された物質の塗布用量を一時的に受けるために使用される。
【0025】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、物質リザーバからの物質の塗布用量を用量チャンバに装填するための装填装置を更に備える。
【0026】
幾つかの実施形態では、装填装置はポンプである。
【0027】
幾つかの実施形態では、装填装置は、経時的に流体を用量チャンバ内に拡散させる膜である。
【0028】
他の実施形態では、装填装置は、滴下器、或いはベローズ、又はスリーブ、ボーラスシステムなどである。
【0029】
幾つかの実施形態では、異なる用量をシミュレートするために濃度を単独で混合することができる。換言すれば、所望の濃度、例えば50μg/100μL又は60μg/100μLなどを達成するために、一定及び/又は可変サイズ(例えば100μL)の用量チャンバ内に担体液体と薬剤との異なる混合物が提供される。
【0030】
この目的のために、及び任意選択的に追加的又は代替的に他の目的のために、物質リザーバに加えて第2の流体チャンバが設けられ得、この第2の流体チャンバは、所望の濃度を調整する目的で物質を希釈するための流体などの、リザーバの物質とは異なる第2の流体(好ましくは液体)を含む又は受けるように設けられている。
【0031】
例えばシリンジなどの任意の他の装填装置と同様に、第2の流体チャンバから第2の流体を塗布するためのポンプ又は更なるポンプが設けられ得る。
【0032】
第2の流体チャンバ、又は更に第3の流体チャンバは、乾燥剤を含んでもよく、又は乾燥剤のために設けられ得る。
【0033】
乾燥剤の代わりに、又はそれに加えて、薬理学的効果を低減又は阻害するために、物質のその、又は1つ薬剤に対する解毒剤、中和剤が提供され得る。
【0034】
幾つかの実施形態では、塗布装置は、特に能動的に、接続部位、鼻用アタッチメント又は鼻用ピースを介して、且つ/又は鼻用アプリケーターから、用量チャンバ内に存在する物質の塗布用量を塗布するように配置されている。
【0035】
幾つかの実施形態では、モータ駆動の直接ピストン駆動装置、すなわち、ボルテックスチャンバが、ここではリザーバ及び用量チャンバとして機能するシリンジ及び/又は円筒アンプル型シリンジ(カートリッジ)に、例えばモータ又はその他によって直接結合されているシステムの場合、必要な解放速度、解放力及び/又は圧力は、シリンジの圧力板に圧力を加えることによって生成され得る。分注される量は、流量センサによって判定及び制御され得る。流量センサは、これらの実施形態では、塗布装置の移動を停止するために、例えば所望の分注量に達したときに任意選択のモータを停止するために設けられている。
【0036】
幾つかの実施形態では、オーディオ信号は、流体が送達されている間及び/又は流体が送達されている限り、任意選択的に放出され得る。代替的又は追加的に、幾つかの実施形態では、塗布完了後にオーディオ信号が提供され得る。様々なオーディオ信号並びに様々な音調及びトーンピッチの両方が本発明に包含される。
【0037】
幾つかの実施形態では、用量設定及び/又は解放は、手動、又は手動と自動との組み合わせである。
【0038】
幾つかの実施形態では、塗布装置及び/又は装填装置は、機械的エネルギー又は電気エネルギー又はばねエネルギーのためのエネルギー貯蔵部を備える。
【0039】
特定の実施形態では、塗布装置及び/又は装填装置は、油圧及び/又は空気圧エネルギーのためのエネルギー貯蔵部を備える。
【0040】
幾つかの実施形態では、蓄積エネルギーは、人体又は重力によって生成されたエネルギーである。これらの実施形態では、エネルギーは、密度を変化させることによって、又はこのエネルギーを別の形態のエネルギーに変換することによって蓄積される。
【0041】
幾つかの実施形態では、塗布装置及び/又は装填装置は、モータ、好ましくは電気モータを備える。
【0042】
幾つかの実施形態では、モータはまた、圧縮空気(空気圧式、油圧式)によって、又は機械的エネルギー、例えばばねエネルギー及び/又は人間が加えたエネルギーによって駆動され得る。モータはポンプであり得る。
【0043】
幾つかの実施形態では、塗布装置及び/又は装填装置は、スピンドルを含む。
【0044】
スピンドルは、電気エネルギー、空気圧エネルギー、油圧エネルギー、機械的エネルギー、又はばねエネルギーによって駆動され得る。
【0045】
スピンドルは、様々な方法で、例えば、直線運動のための歯付きベルト及びスピンドルドライブを備えた直線システム(直線軸)として、ボールブッシュとして、ねじ付きスピンドル(ボールねじ又は台形ねじ歯車)として、シャフトガイドとして、溝付きシャフトとして、トルク伝達のための円筒形、フランジ付き、回転式、ショートストローク、ロングストロークトルクボールブッシュとして、溝あり及びなしのトルクシャフトとして、レールガイドとして、電気、空気圧、又は油圧シリンダとして、伸縮シリンダ(例えば多段油圧ピストン)として、又は単動又は複動シリンダとして設計され得る。
【0046】
幾つかの実施形態では、スピンドルは滑らかであり、例えば、ある角度で互いに対向して取り付けられた2対のボールベアリングによって駆動され得る。ローリングリングギア(Uhingギア)が設けられ得る。
【0047】
特定の実施形態では、鼻用アプリケーターは、ばね要素も、機械的エネルギー又はばねエネルギーのための記憶装置も有さない。
【0048】
特定の実施形態では、装填装置及び/又は塗布装置は、ばね要素を有さず、及び/又は機械的エネルギー又はばねエネルギーのための貯蔵装置を有さない。
【0049】
幾つかの実施形態では、モータはスピンドルに接続されている。
【0050】
これらの実施形態では、モータはスピンドルに直接接続されている。あるいは、モータとスピンドルとは間接的に接続されており、すなわち、ステップアップ又はステップダウンギアが介在され得る。
【0051】
モータ及びスピンドルは、まとめてギア(ユニット)と呼ばれることがある。幾つかの実施形態では、固定ギアであり得、すなわち、速度比及びトルク変換は可変ではない。他の実施形態では、ギアは可変ギア(段付き及び/又は連続可変)であり得る。さらなる実施形態では、ギアは、速度ステッピング及び/又はトルクステッピング及び/又は回転方向反転のためのギアであり得る。
【0052】
ギアユニット内で、ステップアップ又はステップダウンギアは、例えば、歯付き(ホイール)ギア及び/又は摩擦(ホイール)ギア及び/又は遊星ギア(3つすべての(ホイール)ギア)、チェーンギア及び/又はベルトギア(両方の牽引ギア)、遊星ギア、加圧ギア(例えば、自動車のブレーキの油圧ギアの場合のように)、連結ギア(例えば、内燃機関のクランクシャフトギアのように、クランクシャフト及びコネクティングロッド)、カムギア(例えば、弁制御装置のカムギアの場合のように)、スクリュー及びウォームギア(例えば万力又はジャックの場合のように)、直鎖ギア、摩擦ギア、動力分割ギア(例えば、デファレンシャルギア)、多板チェーンギア、圧延リングギア、連結ギア(例えば、クランクギア、マルタクロスギア(ゼネバ駆動))、又は弾性ギア要素を有するギア(例えば、ストレインウェーブギア)などに、形状嵌合又は圧入され得る。
【0053】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、物質の塗布用量のための用量チャンバの容量容積を変更するための機構を更に備える。容量容積の変更は、手動又は自動で行われ得る。
【0054】
このような容量容積の変更は、装填装置又は塗布装置のストローク経路を変更することによって行われ得る。その例は、装填装置又は塗布装置の移動経路を長く/短くすること、傾斜面を、例えばカム、溝、ハート曲線などの曲線、調整可能な(端部)ストッパ、移動リミッタとしての調整可能なピン、用量チャンバ直径の変化、それぞれ装填装置又は塗布装置の幾何学的形状の変化(例えば、円形から楕円形まで)、用量チャンバの幾何学的形状の変化(例えば、円形から楕円形まで)、及び/又は外側又は内側に延びる伸縮ピストンによってねじることである。
【0055】
幾つかの実施形態では、最初にスピンドルを第1の方向に回転させることによってピストンを(反時計回りなどに)移動させることによって、相応に、リザーバから物質を引き出すために用量チャンバを拡大することによって、用量チャンバの容量容積を変更することが提供され得る。このようにして用量チャンバ内に導入された塗布用量を塗布するために、次にスピンドルを反対方向に回転させる。
【0056】
特定の実施形態では、クランクシャフトギアによって用量チャンバを充填及び空にすることが提供され得る。
【0057】
クランクシャフトギアは、偏心シャフトと、偏心シャフト上又は偏心シャフトに配置され、偏心シャフトに対して回転可能なスラストロッドとを備え得るか、又はそれらからなり得る。
【0058】
クランクシャフトギアは、回転運動を振動スラスト運動に、又はその逆に変換する役割を果たす。ここで関連する装填装置又は塗布装置の設計を参照すると、これにより、シリンダ内で直線状に前後に移動するピストンを有するピストンエンジンが得られる。
【0059】
制御装置は、次の塗布用量を塗布する目的で、第1の方向にモータ駆動装置を回転させることによって用量チャンバを充填することと、同じ方向にモータ駆動装置を更に回転させることによって用量チャンバを再び空にすることとの両方を行うようにプログラムされ得る。この場合に送達される用量の量は、モータ駆動装置を適切な角度値だけ回転させることによって判定され得る。
【0060】
あるいは、制御装置は、次の塗布用量を塗布する目的で、第1の方向にモータ駆動装置を回転させることによって用量チャンバを充填し、第1の方向とは反対の第2の方向にモータ駆動装置を回転させることによって用量チャンバを再び空にするようにプログラムされ得る。送達される用量の量は、用量の調整を可変にする対応する角度値だけモータ駆動装置を回転させることによって再び判定され得る。クランクシャフトギアは、この点に関して有利に使用され得る。
【0061】
幾つかの実施形態では、用量チャンバのサイズを小さくすることは、塗布機構のストローク経路が変更されるのではなく、むしろ接続側が移動される本発明に包含される。
【0062】
用量チャンバが例えば150μLの最大容積を収容する場合、以下の方法が適切であり得、制御装置もプログラムされ得る。用量チャンバは、吸引ストロークで又は吸引ストロークによって150μLで満たされる、すなわち完全に満たされる。しかし、分注される塗布用量は、例えば、塗布ストロークを構成するピストンによって覆われる経路を反転させることによって分注される50μLのみである。このように、この例では、用量チャンバ内に残っている残留量は100μLである。次の塗布用量が例えば75μLである場合、装置は吸引ストロークを実行する必要はなく、代わりに塗布ストロークを直ちに実行する。この最後の塗布後に依然として用量チャンバ内に存在するまだ残っている量は25μLである。その後の塗布用量が例えば100μLである場合、これも75μLの吸引ストロークを必要とする。しかし、代わりに、用量チャンバは、150μLに補充され得る。
【0063】
さらに代替的には、一定のサイズ(例えば、150μL)を有する用量チャンバが、(例えば、マイクロポンプを使用して、例えば100μLで)塗布される所望の容積のみで常に満たされることが本発明に包含される。これらの実施形態では、塗布装置は、最初に空気を圧縮するために接続部位に向かって移動される。所定の圧力で弁が開き、空気が液体と共にボルテックスチャンバを通過する。あるいは、圧縮空気は、通気弁を介して排出される。
【0064】
幾つかの実施形態では、物質の塗布用量のための用量チャンバの容量容積を変化させる機構は、ディスペンサの一部である。
【0065】
本明細書でモータを参照する場合、モータは、ワンケルエンジンとして設計され得る。
【0066】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、電子制御装置を更に備える。
【0067】
幾つかの実施形態では、電子制御装置は、塗布装置を複数の速度、力、圧力、加速度、及び/又は流量で移動させるように、及び/又は複数の速度、力、圧力、加速度、及び/又は流量で物質を塗布するようにプログラムされている。このように、例えば、第1の速度、特に所定の速度で塗布し、第2の速度、特に第1の速度とは異なる所定の速度で塗布し、任意選択的に別の速度で塗布することが提供され得る。これらの塗布速度は、送達されるべき量及び/又は送達されるべき物質の容積及び/又はその(それぞれの)性質に応じて判定され得る。
【0068】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、乾燥剤又は物質を中和するための薬剤を含む第2の流体チャンバを含む。
【0069】
幾つかの実施形態では、塗布装置及び装填装置は、同一の構成要素を含むか、又はそれらからなる。
【0070】
幾つかの実施形態では、電子制御装置は、用量チャンバの容量容積を変更するための機構に作用するようにプログラムされている。
【0071】
幾つかの実施形態では、装填装置は、物質の塗布用量を用量チャンバに装填するための少なくとも1つの第1の一方向弁若しくは逆止弁を備え、且つ/又は用量チャンバは、少なくとも1つの第1の一方向弁若しくは逆止弁によって制限されている。
【0072】
幾つかの実施形態では、装填装置は、任意選択的に、所定の圧力値(例えば、4バール(4000hPa))で開く少なくとも1つの弁を備える。言い換えれば、用量チャンバは、塗布装置によって加圧され、塗布装置が移動するとすぐに、用量チャンバ内の圧力は所定の圧力値(例えば、4バール(4000hPa))まで上昇し、弁を開き、用量チャンバが空になるまで弁は開いたままである。このように、一方向弁は又、圧力切替弁の機能を示し得る。
【0073】
代替的又は追加的に、圧力切替センサ又は圧力センサによって弁を開閉することが提供され得る。この解決策は、逆止弁の機能と、別の弁の圧力切替弁(或いは、圧力シーケンス弁又は切替弁)、絞り、体積流量の障壁などの機能の両方をカバーする。
【0074】
幾つかの実施形態では、弁は、機械的に、他の実施形態では電気的又は電磁的に、更に他の実施形態では空気圧的又は油圧的に切り替え可能である。
【0075】
機械的に切り替え可能な弁は、例えば、ばね要素を有する逆止弁である。機械的に切り替えられる弁の他の実施形態は、例えば、ディスク逆止弁又はボール逆止弁、スイング逆止弁、又は背圧弁である。
【0076】
幾つかの実施形態では、弁は、切り替え可能な三方弁である。これもまた、機械的、電気的又は電磁的、空気圧的又は油圧的に切り替え可能であり得る。
【0077】
幾つかの実施形態では、一方向弁は、塗布装置又は装填装置に一体化されている、又は部分的に一体化されている。
【0078】
幾つかの実施形態では、一方向弁は、用量チャンバが充填された後に物質リザーバ内のプラグを遮断することによって交換される。
【0079】
一方向弁は、例えば接続部位を越えて、又は鼻用アタッチメントなどにおいて、ボルテックスチャンバに一体化され得る。
【0080】
ボルテックスチャンバは、弁の機能を果たすように成形され得る。ボルテックスチャンバは、そのような弁を有し得、又は一方の側に限定され得、又はその範囲でそのような弁によって画定され得る。
【0081】
幾つかの実施形態では、用量チャンバに物質の塗布用量を装填するために、装填装置は、少なくとも1つの第2の弁、例えば、本明細書で論じられるような任意の弁又は他の弁、特に一方向弁又は逆止弁を含む。代替的又は追加的に、用量チャンバは、少なくとも1つのそのような弁、例えば第2の一方向弁又は逆止弁によって区切られている。
【0082】
したがって、第2の逆止弁は、好ましくは、第1の逆止弁とは用量チャンバに対して反対の開口方向を含む。
【0083】
特定の実施形態では、第1の弁の機能及び第2の弁の機能は、単一の構成要素に共に提供され得る。
【0084】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、分注された塗布用量のそれぞれの分注時点で又はその後に再開するロック期間中にディスペンサを一時的にロックするためのロック装置を更に備える。ロック期間は、ロック期間開始及びロック期間終了を有する。
【0085】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、各分注時点でディスペンサによって分注される塗布用量の量を検出するための用量検出装置を更に備える。
【0086】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、以前に分注された1つ以上の塗布用量の少なくとも分注時点を記憶するためのデータ記憶装置を更に備える。代替的又は追加的に、これらの塗布用量の量も記憶されている。
【0087】
特定の実施形態では、用量チャンバは、物質又は投与量の物質を受けるためのチャンバを含むか、又は該チャンバからなる。特に、これらの実施形態では、用量チャンバは、可変サイズ又は可変容量容積である。
【0088】
他の実施形態では、用量チャンバは、可変サイズではなく、及び/又は常に同じ容量容積である。
【0089】
特定の実施形態では、ディスペンサは、噴霧及び/又は霧化して分注される物質の量を分注するように構成及び配置されている。
【0090】
特定の実施形態では、鼻用アプリケーターは、エネルギー貯蔵部及び/又はエネルギー貯蔵部に所定量のエネルギー、特に機械的エネルギーを適用するための手段を含まない。
【0091】
特定の実施形態では、鼻用アプリケーターは、エネルギー貯蔵部から用量チャンバに所定量のエネルギーを解放する手段を備えず、従って、内部の流体が低圧から高圧への所定の圧力上昇を受けて、用量チャンバからの流体の分注を開始する。
【0092】
幾つかの実施形態では、薬物分注装置は、ロック装置に更に接続される、又はロック装置を備え得る。
【0093】
幾つかの実施形態では、ロック装置は、特に所定のロック期間中にディスペンサを一時的にロックするように構成されている。ロック期間は、例えば、1回、数回又は各塗布用量の分注後に開始する。このように、ロック期間は、分注された塗布用量のそれぞれの分注時点又はそれぞれの分注後に再び開始することが提供され得る。ロック期間は、そのそれぞれのロック期間の開始及びそのそれぞれのロック期間の終了によって規定される。ロック装置によって設定されるロック期間は、異なる持続時間であり得、又は各々が同じ持続時間を有し得る。
【0094】
さらに、幾つかの実施形態では、薬物分注装置は、用量検出装置を含む、又は用量検出装置に接続されている。用量検出装置は、各それぞれの分注時点においてディスペンサによってそれぞれ分注される塗布用量の量(例えば、重量単位、容積単位、モルなどの物質単位の量として)を検出するようにプログラムされている。それはまた、本明細書で初期用量と呼ばれる塗布用量の量を検出するようにプログラムされ得る。
【0095】
さらに、幾つかの実施形態では、薬物分注装置は、電子制御装置に接続されているか、又は電子制御装置を備える。
【0096】
薬物分注装置は、記憶のためのデータ記憶装置を備え得るか、又は該データ記憶装置に接続され得る。それは、既に分注された1つ以上の塗布用量の分注時点を少なくとも記憶及び/又は有し得、従って、例えば、次の分注時点の前又は過去、及び/又はこれらの塗布用量の量である。
【0097】
薬物分注装置は、使用者による要求装置の作動を検出するようにプログラムされた検出装置を備え、又はそれに接続され得る。検出装置は、作動時点で発生した又は発生している使用者による要求装置の少なくとも1つの作動を作動挙動として検出し得、従ってこの目的のために構成、プログラム及び/又は提供されることが好ましい。作動挙動は、次又は今後の塗布用量の解放、分注又は分注完了、及び/又は状況、例えば、以前の分注時点が過去に十分に長い期間の前に既にあったかどうかをチェックすることを目的とする。作動挙動は、要求装置の作動であり得、又は評価によってそこから検出され得る。
【0098】
電子制御装置は、データ記憶装置に記憶されたデータを読み取るようにプログラムされ得る。それは、検出装置によって検出された使用者の作動挙動を評価するように更にプログラムされている。
【0099】
電子制御装置による使用者の作動挙動の評価の結果は、幾つかの実施形態では、次の又は今後の塗布用量の量の事前判定に影響を及ぼし得る。
【0100】
電子制御装置は、1つ以上の既に分注された塗布用量の分注時点から要求装置の作動までに経過した時間を判定し、これを事前判定において特に定量的に考慮するようにプログラムされ得る。
【0101】
電子制御装置は、要求装置が作動されているときにまだ進行中であり得るロック期間外に使用者が要求装置を作動させる場合に、次の分注時点において使用者に分注可能な次の又は更なる塗布用量の量を事前判定時点において事前判定する際に、要求装置の作動までの、既に分注された塗布用量のうちの1つ以上の分注時点から経過した時間を、特に定量的に判定し考慮するようにプログラムされ得る。
【0102】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーター及び/又はその1つ以上の装置は、ロック期間内にある事前判定時点で既に次の又は更なる塗布用量の量を事前判定するようにプログラムされている。
【0103】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーター及び/又はその装置は、投与された薬剤の量の効果又は所定の効果が終了される、損なわれる、又は低くなる際の又は以降の時点を使用者の側で入力することができるようにプログラムされていない。
【0104】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーター及び/又はその装置は、その量について記憶及び/又は検索された補償係数を使用して、所定量の次の又は更なる塗布用量を補償又は変更するようにプログラムされていない。
【0105】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、塗布用量を蒸発又は気化させるように設計又は構成されていない。
【0106】
幾つかの実施形態では、リザーバ内の物質は、リザーバの内部容積に圧縮的に作用するように配置されたばねなどによって、恒久的に加圧される。
【0107】
用量チャンバは、分注されるべき次の又は更なる塗布用量が備えられているとき、例えば、モータ、スピンドル及び/又は装填装置による対応する動きによってこの用量を受けるために必要な容積になるように設計され得る。その後、用量を塗布するために減少させ得る。
【0108】
幾つかの実施形態では、用量チャンバは、可変サイズ又は可変容量容積を有する。これは、好ましくは、モータ、スピンドル及び/又は装填装置によって次の又は更なる用量を装置に備える前又は目的のために自動的に調整される。
【0109】
幾つかの実施形態では、制御装置は、モータ、スピンドル及び/又は装填装置を使用して、最初に用量チャンバの充填のために用量チャンバの容積を増加させ、次に用量チャンバを空にするために用量チャンバの容積を再び減少させるようにプログラムされている。この目的のために、モータ及び/又はスピンドルは、好ましくは、第1の方向に回転し、その後、第1の方向とは反対の第2の方向に回転する。
【0110】
幾つかの実施形態では、用量チャンバは、ピストンの内壁部分、可動プランジャ、及び/又は2つの弁によって区切られている。幾つかの実施形態では、用量チャンバは、それによって形成されている。
【0111】
幾つかの実施形態では、用量チャンバを画定する弁のうちの1つ又は複数個は、逆止弁又は他の機械的に作動される弁である。
【0112】
幾つかの実施形態では、用量チャンバを画定する弁は、静止しており、これにより、それらの精度を高め得る。ここで静止とは、例えばピストンの移動に伴って弁が移動できないことを意味する。
【0113】
特定の実施形態では、用量チャンバを画定する弁は、用量チャンバの共通端部に配置されるか、又は用量チャンバの共通端部に関連し、例えば、両方とも上部領域に配置されるか、又は両方とも鼻用アタッチメントに関連している。
【0114】
幾つかの実施形態では、制御装置は、次の又は更なる塗布用量を投与することを目的として、要求装置の作動後に装填装置を第1の方向に移動させ、続いて第1の方向とは反対の第2の方向に移動させるようにプログラムされている。
【0115】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、ピストンポンプを備えない。
【0116】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、ピストンポンプの最大可能ストローク経路を画定するための装置を備えない。
【0117】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、電気弁作動装置を備えない。
【0118】
さらに、例えば、鼻用アプリケーターの使用中に、及び/又は好ましくは医療スタッフ、製造業者又はその他人間の介入なしに、例えば、事前判定時点(又は判定時点)において、好ましくは複数の可能な量の中から、任意選択的に治療の開始前には知られておらず、例えば、少なくとも所定の閾値内で、例えば、塗布用量が次の塗布用量として、例えば次の分注時点で使用者に分注可能である、又はそのようなロック期間が設定されている場合に前記使用者がロック期間外に要求装置を作動させる場合に前記使用者への送達のために分注可能である複数の可能な又は規定可能な塗布用量からの次の塗布用量の量を事前判定、計算、又は規定するようにプログラムされ得る。次の塗布用量の量は、事前に不明であり得る。次の塗布用量の量は、事前に記憶されていなくてもよく、すなわち、記憶装置から取り出されなくてもよい。むしろ、判定又は事前判定されなければならない。幾つかの実施形態では、次の塗布用量の量は、制御装置がそれを計算することなどによって事前判定又は判定するまで未知である。このように、塗布用量の量は、事前判定時点までは未知であり得る。塗布用量の量は可変であり得る。
【0119】
電子制御装置は、要求装置の以前の作動後にのみ、次の塗布用量の量を事前判定するようにプログラムされ得る。
【0120】
電子制御装置は、少なくとも要求装置の第1の作動まで、次の塗布用量の量を事前判定しないようにプログラムされ得る。
【0121】
電子制御装置は、各塗布用量について、又は少なくとも幾つかの塗布用量について、それぞれの次の塗布用量の量を判定するようにプログラムされ得る。
【0122】
電子制御装置は、用量検出装置によって検出された分注された塗布用量の量をデータ記憶装置に記憶するようにプログラムされ得る。
【0123】
そのような事前判定時点は、作動時点又は作動時点以降にある。事前判定ステップは、データ記憶装置から読み出されたデータを考慮して実行される。ここで読み出されたデータは、好ましくは、一方で既に分注された1つ以上の塗布用量の分注時点、又は他方で、既に分注された塗布用量の分注時点と、次の作動時点以降にある分注時点との間に経過した時間を少なくとも含む。代替的又は追加的に、読み取りデータは、好ましくは、特に薬物分注装置によって既に分注された1つ又は複数個の塗布用量の量も含む。
【0124】
幾つかの実施形態では、次の塗布用量の量は、以前に事前判定された事前塗布用量のうちの少なくとも1つ、複数個、又はすべての量と異なる。
【0125】
特定の実施形態では、読み取りデータもまた、患者の状態に関して患者によって入力されたデータを包含しないか、又はデータに基づくことに限定されるのではなく、上限としてデータに基づく。そのようなデータは、患者固有の制御データ及び/又は(健康)愁訴持続期間、(健康)愁訴重症度、及び/又は(健康)愁訴頻度を表すデータであり得る。
【0126】
幾つかの実施形態では、ディスペンサは用量検出装置ではない。ディスペンサが患者に塗布用量を分注している間、用量検出装置は、実際に分注された量を検出する。
【0127】
幾つかの実施形態では、用量検出装置は、次の塗布用量の量を判定しない。
【0128】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、既に分注されている残りの塗布用量の数及び/又は塗布用量の数を示すように制御されるディスプレイを備えない。
【0129】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、複数のバイアル、特に同一ではないバイアルを有しない。
【0130】
幾つかの実施形態では、要求装置を再び作動させるための、例えば使用者に向けられたリマインダ信号は、所定の最大時間が経過した後に発されない。
【0131】
幾つかの実施形態では、データ記憶装置は、特に塗布される、又は塗布されることになる物質に関する薬理学的、薬力学的、ファーマコメトリクス、及び/又は薬物動態学的データを更に含む。これらのデータは、モデル、特にPKモデル、又はPK曲線であり得るか、又はそれらを含み得る。このデータは、式であり得、及び/又はそれに基づいて、例えばオンラインで、電子制御装置によって、及び/又はリアルタイムで生成され得るか、又は生成され続け得る。それらは、患者特異性に基づいて検出又はコンパイルされ得る。代替的又は追加的に、物質に関連する他のデータは、データ記憶装置に包含され得るか、又は記憶され得る。
【0132】
データは、例えば、物質の用量半減期及び/又は排出半減期若しくは末端半減期を含み得る。
【0133】
用量半減期は、濃度(例えば、血漿、血液、作用部位(ZNS/CNS、中枢神経系)、脂肪組織、肝臓など)が投与用量の半分(50%)まで減少するのに必要な時間である。
【0134】
排出半減期又は末端半減期は、擬似平衡で優勢な濃度が値の半分(50%)まで減少するのに必要な時間である。
【0135】
電子制御装置は、任意選択的に、データ記憶装置からそのようなデータを追加的に読み出すようにプログラムされている。
【0136】
さらに、物質の次の又は更なる塗布用量の事前判定は、追加的に読み出されたデータを更に考慮して実行される。それにより、事前判定時点、及び任意選択的に作動時点は、次の塗布用量の分注時点に対応し得るが、分注時点の前であり得る。
【0137】
ロック期間のロック期間終了は、物質の2つの連続した塗布用量の分注の間の最大濃度の時点(この時点は、本明細書ではtmaxとも呼ばれる)に対応又は由来し得る。
【0138】
特定の実施形態では、ロック期間は、濃度の最大値に依存し得、従って、医師若しくは他の権限を有する人によって、又は薬物分注装置によって自動的に、或いは規定された濃度に、或いはこの規定された濃度が低下するまでの時間に応じて設定され得る、又は設定される。
【0139】
幾つかの実施形態では、電子制御装置は、ディスペンサを使用して、対応する分注時点で所定量の次の又は更なる塗布用量の分注を促すように更にプログラムされている。電子制御装置は、例えば、分注された次の塗布用量の物質の量表示又は体積表示などとして、塗布用量及び/又はそれから生じる濃度の量をデータ記憶装置にその後記憶する、又は記憶させるように更にプログラムされている。さらに、制御装置は、好ましくは、例えば塗布用量の送達と同時に又は該送達に続いて、ロック装置に特定のロック期間にわたってディスペンサを一時的にブロックさせるようにプログラムされている。
【0140】
ロック期間は、例えば、この次の塗布用量の分注時点から又は該分注時点以降に始まり、ロック期間の開始及び/又はロック期間の終了によって規定され、これは本明細書で言及される他のロック期間にも適用され得る。
【0141】
分注された次の塗布用量の分注時点は、データ記憶装置に記憶され得、制御装置は、この目的のためにプログラムされ得る。
【0142】
幾つかの実施形態では、電子制御装置は、次の塗布用量に時間的に続く、次の塗布用量に続く更なる塗布用量の分注の1つ又は複数個にも関連して、上述の更なる一連のステップを実行又は促進又は開始するように更にプログラムされている。
【0143】
幾つかの実施形態では、電子制御装置は、データ記憶装置からデータを読み出すようにプログラムされており、データは、例えばPK曲線及び/又はPKモデルを包含し、患者の体内、特に血液中の物質の濃度の時間経過を表す。これらの曲線又はモデルに基づいて、電子制御装置は、濃度の次の最大値を計算し得る。次の最大値は、すぐに連続する分注時点の間に濃度が取る最大値であり得る。それは累積塗布用量の結果であり得る。
【0144】
特定の実施形態では、この濃度の最大値が計算され、ロック期間の規定のために取られる。ロック期間を規定する場合、この最大値に達する時点を考慮に入れ得る。
【0145】
幾つかの実施形態では、電子制御装置は、濃度の次の最大値が所定の最大値又は所定の最高限度を超えないように次の塗布用量を判定するように更にプログラムされている。これらの実施形態では、塗布用量の判定は、データ記憶装置に記憶されたデータ、特にPK曲線又はモデル、及びデータ記憶装置に維持された治療最高限度に基づいて行われる。治療最高限度は、単回塗布用量の最高限度、又は複数回の塗布の合計の最高限度、又は特定の時間にわたる若しくは特定の時間間隔内の複数回の塗布の合計の最高限度であり得る。
【0146】
幾つかの実施形態では、使用者の検出された作動挙動を評価することは、使用者が次の又は更なる塗布用量を要求したい作動時点を判定することを包含する。あるいは、使用者の行動を評価することは、この作動時点と最後の期限切れのロック期間のロック期間終了との間にある期間を判定することを包含する。
【0147】
この場合、事前判定は、判定された次の作動時点を考慮すること、又は判定された期間を考慮することを包含する。
【0148】
幾つかの実施形態では、薬剤塗布装置又は鼻用アプリケーターは、フィードバック装置を更に備える。例えば、使用者の幸福、疼痛の状態などに関するフィードバックを提供することは使用者に役立つ。フィードバック装置は、スイッチ、タッチ面などであり得、例えば、それらが疼痛を伴わない、そうでなければそれらの体内の物質の効果を表すことができる場合、又はその限りにおいて、使用者によって作動されるように提供され得る。このように、使用者は、塗布用量が最後に使用者に塗布された後、疼痛が最初に耐えられると知覚された場合に、フィードバック装置を最初に作動させる、例えば、押すことが同意され得る。使用者は、(体内の物質の濃度が低下するために)最初に疼痛を感じた時点からフィードバック装置をもはや作動させないことが更に同意され得る。
【0149】
フィードバック装置は、例えば、要求装置よりも長く、短く、より頻繁に、又は別の方法で作動されることによって、それ自体のスイッチ評価で要求装置と同一であり得、或いは、使用者による作動のための別個の装置であり得る。
【0150】
ここで、検出装置は、少なくとも1つの、好ましくは第1のフィードバック時点において、使用者によるフィードバック装置の完了した作動を検出するようにプログラムされている。
【0151】
さらに、制御装置は、本明細書では、少なくとも1つのフィードバック時点において使用者の身体又は血液中に存在する物質の濃度を判定するようにプログラムされている。
【0152】
この場合、判定は、常に、計算、読み出し、及び/又は読み(取り)であり得る。
【0153】
さらに、制御装置は、目標濃度又はその最大値を、判定された濃度よりも低い値、高い値、又は等しい値にそれぞれ設定するようにプログラムされている。
【0154】
本明細書において「目標濃度」に言及するときはいつでも、これは、所望の治療効果をもたらす濃度であり得る。
【0155】
幾つかの実施形態では、検出装置は、特にロック期間後に、異なる作動時点で使用者による要求装置の少なくとも1つの作動を検出するように更にプログラムされている。代替的又は追加的に、検出装置は、フィードバック時点、好ましくは最後のフィードバック時点を検出するようにプログラムされており、使用者によるフィードバック装置の更なる作動は、少なくとも次の塗布用量の分注時点まで存在しない。任意選択的に、本発明はまた、これらのフィードバック時点の記憶も包含する。
【0156】
制御装置は、例えば、PK曲線、PKモデルなどの読み出しデータに基づいて、体内、特に血液中の物質の濃度を判定するように更にプログラムされ得る。この場合、例えば、好ましくは第1のフィードバック時点での濃度と、好ましくは第1の作動時点(例えば、最後のロック期間の終了後に)又は最後のフィードバック時点での濃度の両方が関連する。これらの濃度は、それぞれの時点に関連し得るか、又は関連するようになり得る。
【0157】
さらに、制御装置は、時間的濃度経過の群から時間的濃度経過を判定又は選択するように更にプログラムされ得る。時間的な濃度経過を判定する際に、好ましくは第1のフィードバック時点での濃度と、好ましくは第1の作動時点又は最後のフィードバック時点での濃度の両方が考慮される。
【0158】
本明細書において「時間的濃度経過の群」に言及する場合、これは、同じ用量(例えば、50μgのフェンタニル)に関連する、又は同じ用量に由来する濃度経過の群を意味する。具体的には、濃度経過は、その用量に基づいて研究された集団におけるすべての患者の平均についての濃度の時間的経過、又は平均プラス/マイナス1又は複数の数標準偏差を反映するものを包含する。様々なそのような経過又はデータは、データ記憶装置に記憶され得る。そこから、検討中の時間的経過の群は選択され得る。
【0159】
さらに、制御装置は、後続の塗布用量のうちの1つ又は複数個の量を事前判定する際に、このようにして判定された時間的な個々の濃度経過を考慮に入れるために、特に判定された個々のPK曲線を考慮に入れるためにプログラムされ得る。
【0160】
鼻用アプリケーターの幾つかの実施形態では、制御装置は、次の塗布用量の量を事前判定する際に、判定された目標濃度又はその最大値を考慮に入れるように更にプログラムされている。代替的又は追加的に、判定された時間的な個々の濃度経過、特に判定された個々のPK曲線が事前判定の間に考慮されることが提供され得る。
【0161】
幾つかの実施形態では、制御装置は、より早い時点での開始用量又は初期用量の送達後、使用者による要求装置の作動のそれぞれの第1の(又は本明細書では「初期」と呼ばれる)時点(好ましくは、初期用量の分注に続くロック期間の満了後であって、要求装置の作動時に使用者に塗布用量が適用されない、ロック期間の満了後に)で、この作動時点に関連する濃度を判定するために、すなわち、その/ある群の(データ記憶装置に記憶された)濃度経過のそれぞれについて、又はそこからそれを導出するために更にプログラムされている。この第1の作動時点は、初期用量の分注時点の時間的に後である。制御装置は、このように判定された濃度を、関連する時間的濃度経過のそれぞれの推定目標濃度として規定するように更にプログラムされている。簡単に言えば、初期用量があった場合、及びこれに続くロック期間の満了後に使用者が更なる塗布用量を要求したい場合、考慮される各時間的濃度経過について使用者が更なる塗布用量を要求しようと試みた時間に濃度が割り当てられる。このように割り当てられた濃度は計算によって判定され、依然として検証及び確認を必要とする仮説の結果であるため、このように判定された濃度を本明細書では推定目標濃度と呼ぶ。考慮される時間的経過の群が3つの要素(経過)を有する場合、3つの推定目標濃度値が得られる。すなわち、3つの仮説を立てる。それらは、群からの第1、第2又は第3の濃度経過が考慮される使用者に当てはまる場合、体内の濃度がどれだけ高くなるべきかを述べる。
【0162】
初期用量は、本明細書では、それに応じて第1の分注時点であり得る分注時点で分注される第1の又は先行塗布用量とも呼ばれ得る。初期用量は、薬物分注装置による実際のまさに最初の塗布であり得る。
【0163】
制御装置は、第1の作動時点での要求装置の作動に応答して、初期用量に続いて第1の塗布用量を塗布するように更にプログラムされ得る。
【0164】
さらに、制御装置は、この第1の塗布用量の塗布後に、体内、特に血液中の濃度が、関連する時間的濃度経過の推定された目標濃度まで再び低下する、又は低下するべきである時点を判定するようにプログラムされ得る。この時点は、本明細書では計算された目標濃度時点とも呼ばれる。それをそれぞれ計算するために(すなわち、群からの各濃度経過について)、計算された目標濃度時点がそれぞれ既に判定されている群の同じ時間的濃度経過がそれぞれ再び使用される。初期用量の量と後続の第1の塗布用量との差がここで考慮されることに留意されたい。例えば、初期用量が50μgフェンタニルであった場合、群の3つの選択された時間的濃度経過は、これらの50μgのフェンタニルが体内でどのように証明され得るかを示した。3つの濃度経過のうちの第1の経過は、例えば、集合体において平均して観察されるように経過が動く又は動作すると仮定し得る。第2の経過は、例えば、経過がプラス1標準偏差、プラス10%などだけ動くと仮定し得る。第3の経過は、例えば、経過が第1の経過のようにマイナス1標準偏差、マイナス10%などだけ動くと仮定し得る。しかし、後続の第1の塗布用量が、例えば、50μgではなく、30μgのフェンタニルのみである場合、群の同じ3つの選択された時間的濃度経過がそれぞれ想定される。それらはもはや50μgではなく、30μgフェンタニルで計算される。
【0165】
制御装置は、第2の塗布用量を要求するための第2の作動時点、又は後続の第1の塗布用量自体の後の塗布用量、例えば第2の塗布用量を直接的又は間接的に検出又は判定するように更にプログラムされ得る。
【0166】
さらに、制御装置は、群からの時間的濃度経過を個々の時間的濃度経過として、特に個々のPK曲線として判定するようにプログラムされ得る。この場合、群からの各時間的濃度経過の計算された目標濃度時点と第2の作動時点とのそれぞれの差が考慮される。特に、その計算された目標濃度時点と第2の作動時点との差が最も小さい時間的濃度経過は、個々の時間的濃度経過であると考えられる。
【0167】
制御装置は更に、後続の塗布用量のうちの1つ又は複数個の量を事前判定する際に、判定された時間的な個々の濃度経過を考慮に入れるようにプログラムされ得、ここで、時間的な個々の濃度経過は、特に、個々のPK曲線又は個々のPKモデルであり得る。
【0168】
幾つかの実施形態では、制御装置は、使用者の身体又は血液中に存在する物質の濃度を判定するように更にプログラムされている。判定は、少なくとも1つの考慮される作動時点又は少なくとも1つの考慮される事前判定時点で実行される。さらに、制御装置は、この濃度を目標濃度として設定するようにプログラムされている。
【0169】
ここで、制御装置は、次の所定の時点で、使用者の体内又は血液中の濃度が、所定の期間が経過した後に、再び目標濃度まで低下のみとなるように、その/ある次の塗布用量の量を設定するように更にプログラムされている。この期間は、例えば主治医によって調整可能であり得、次の塗布用量の分注時点から始まる。
【0170】
この目的のために、上記と同様に、不変の経時的な個々の濃度経過、すなわち使用者のPK曲線を基礎として、及び/又は考慮に入れ得る。
【0171】
幾つかの実施形態では、電子制御装置は、次の塗布用量の量を事前に判定するステップにおいてデータ記憶装置から読み出されたデータを考慮に入れるように更にプログラムされている。このデータは、一方では既に分注された塗布用量のうちの1つ以上の分注時点と、他方では既に分注された塗布用量のうちの1つ又は複数個の量との両方を包含する。これに関して、分注時点の代替として、既に分注された塗布用量の分注時点と次の作動時点後の分注時点との間に経過した時間が考慮され得ることが本発明に包含される。
【0172】
幾つかの実施形態では、検出装置によって検出された使用者の作動挙動を評価することは、ロック期間内の作動時点で使用者による要求装置の作動を検出することを包含する。これは、あらゆる任意の、特定の、すなわち第1及び/又は第2のロック期間などにおいて、又は任意のロック期間において行われ得る。特定の実施形態では、この目的に適した装置、例えば本明細書で言及されるデータ記憶装置にこの作動挙動を記憶することも任意選択的に提供される。
【0173】
制御装置は、身体内、特に血液内の物質の濃度を判定するように更にプログラムされており、これは、ロック期間のうちの1つの期間内のそれぞれの作動時点に関連するか、又は関連し得る。
【0174】
制御装置は、目標濃度又はその最小値を、それぞれ、関連する濃度より高い若しくは低い又は該濃度と等しい値に設定するように更にプログラムされている。
【0175】
特定の実施形態では、上記の手順は複数回繰り返され得る、すなわちループされ得る。このように近似された目標濃度、又はこのように近似された最小値は、1回又は各ロック期間後に0(ゼロ)に任意選択的にリセットされ得る。
【0176】
幾つかの実施形態では、本発明に係る鼻用アプリケーターの検出装置は、ロック期間後の少なくとも1つの作動時点で使用者による要求装置の少なくとも1つの作動を検出し、任意選択的に記憶するように更にプログラムされている。
【0177】
この場合、制御装置は、それぞれロック期間後の作動時点に関連する体内、特に血液中の濃度を判定するように更にプログラムされている。
【0178】
さらに、制御装置は、群の時間的な濃度経過を判定するようにプログラムされている。この場合、(任意の)ロック期間内の少なくとも1つの、好ましくは最後の作動時点と、ロック期間後の少なくとも1つの、好ましくは第1の作動時点との両方が考慮される。
【0179】
制御装置は、後続の塗布用量のうちの1つ又は複数個の量を事前判定する際に、判定された時間的な個々の濃度経過、特に判定された個々のPK曲線を考慮に入れるように更にプログラムされている。
【0180】
鼻用アプリケーターの幾つかの実施形態では、制御装置は、次の塗布用量の量を事前判定する際に、判定された目標濃度若しくはその最小値及び/又は判定された時間的な個々の濃度経過、特に判定された個々のPK曲線を考慮に入れるように更にプログラムされている。
【0181】
幾つかの実施形態では、検出装置によって検出された使用者の作動挙動を評価することは、ロック期間のうちの1つのロック期間内の作動時点における使用者による要求装置の作動を評価することを包含する。これは、任意のロック期間、特定のロック期間、すなわち第1及び/又は第2のロック期間などにおいて、又はロック期間のいずれかにおいて行われ得る。特定の実施形態では、この目的に適した装置内又は装置上にこの作動挙動を記憶することも任意選択的に提供される。
【0182】
さらに、制御装置は、(考慮される)ロック期間のうちの1つのロック期間内の連続する作動時点間の時間間隔の増加、或いは考慮されるロック期間内に更なる作動時点が存在しないことを判定するようにプログラムされ得る。さらに、制御装置は、増加又は存在しない程度が所定の基準を満たす時点を判定するようにプログラムされ得る。
【0183】
例えば、ロック期間T_vainnの例えば50%~75%が経過するとすぐに、作動時点が以前よりも所定の方法で実質的に更に離れていると仮定され得、及び/又は例えば所定の期間作動が発生しなかった場合、治療効果に対する反応が顕著/知覚可能になり、及び/又は目標濃度に達したと仮定することが基準として判定され得る。
【0184】
幾つかの実施形態では、計算上、例えば計算された最大濃度の80%又は他の所定の部分に到達し、依然として失敗した要求試行がある場合、すなわち所望の治療効果がまだ達成されていない場合、残りの、例えば濃度の20%は、現在適用されているレジメン下で使用者を目標濃度(CED)にするのに十分ではないため、現在のロック期間の終了が早まると規定され得る。
【0185】
幾つかの実施形態では、計算上、例えば計算された最大濃度の80%に達し、要求の試みが依然として失敗している、すなわち所望の治療効果がまだ達成されていない場合、ロック期間の終わりに使用者による要求の試みがある可能性が高いことを知って、次の事前判定時点が進められると規定され得る。
【0186】
これらの時間間隔が大きくなると、これは、所望の治療効果が、おそらく徐々であるが確実に効果を及ぼし始めることを意味する。このように、ロック期間の終了後に使用者による作動が発生した場合、用量は、治療効果がないかのようにより小さくなる、又は計算され得る。
【0187】
さらに、制御装置は、時点に関連する体内、特に血液中の物質の濃度を判定するようにプログラムされ得る。
【0188】
制御装置は、目標濃度又はその最小値を、それぞれ、関連する濃度より高い若しくは低い又は該濃度と等しい値に設定するように更にプログラムされ得る。
【0189】
幾つかの実施形態では、電子制御装置は、ロック期間の後である少なくとも1つの作動時点で、使用者による要求装置の少なくとも1つの作動を評価するように更にプログラムされている。任意選択的に、この目的に適した装置内又は装置上に作動を記憶することも本発明に包含される。
【0190】
この場合、制御装置は、ロック期間後の作動時点の間、体内、特に血液中の濃度を判定するように更にプログラムされている。
【0191】
これに関して、制御装置は、ロック期間内の作動時点、好ましくは最後の作動時点と、ロック期間後の作動時点、好ましくは第1の作動時点との両方を考慮して、その/任意の群の時間的濃度経過を判定するように更にプログラムされ得る。
【0192】
さらに、制御装置は、後続の塗布用量のうちの1つ又は複数個の量を事前判定する際に、判定された時間的な個々の濃度経過、特に判定された個々のPK曲線を考慮に入れるようにプログラムされ得る。
【0193】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターの制御装置は、次の塗布用量の量を事前判定する際に、判定された目標濃度又はその最小値を考慮に入れるように更にプログラムされている。代替的又は追加的に、制御装置は、判定された時間的な個々の濃度経過、特に判定された個々のPK曲線を考慮に入れ得る。
【0194】
幾つかの実施形態では、制御装置は、次の塗布用量の量を制限する、及び/又はそれから生じる濃度を制限するように更にプログラムされている。
【0195】
代替的又は追加的に、制御装置は、所定の期間内に送達されるすべての塗布用量の累積量を制限する、及び/又はそれから生じる濃度を制限するようにプログラムされている。
【0196】
さらに代替的又は追加的に、制御装置は、分注されたすべての塗布用量の累積量を制限する、及び/又はそれから生じる濃度を制限するようにプログラムされている。
【0197】
この目的のために、制御装置は、任意選択的に、データ記憶装置に記憶されたデータにアクセスし、該データは、物質に関連する。
【0198】
幾つかの実施形態では、本発明に係る鼻用アプリケーターは、特に薬剤である、又はそれを含む物質の塗布用量の経鼻投与に適している。
【0199】
他の実施形態では、本発明は、鼻用アプリケーターではない薬物分注装置に関する。したがって、鼻用アプリケーターに関して本明細書で述べられていることは、特にそれが携帯可能であり、使用者、例えば患者によって単独で操作することができ、通常は支援なしで又は特別な知識なしで操作される場合に、鼻用アプリケーターとしての薬物分注装置にも制限なく適用される。
【0200】
特に、薬物分注装置は、他の投与様式、例えば更なる経粘膜投与、特に口腔粘膜を介した、例えば頬ポケット(頬側)又は舌の下(舌下)での投与、静脈内投与又は吸入投与にも適している。
【0201】
幾つかの実施形態では、ディスペンサは、粒子発生器又は液滴発生器、例えばボルテックスチャンバ、スプレーヘッド、ノズル、カニューレ、滴下器、多孔板、バッフル、多孔質膜などであるか、それらを含む。
【0202】
幾つかの実施形態では、ディスペンサは、エネルギー適用機構及び/又は搬送機構を備える。これは、マイクロポンプ、ピストンポンプ、ロータリーポンプ、蠕動ポンプ、遠心ポンプなどの機械的及び/又は電子的であり得る。
【0203】
幾つかの実施形態では、ディスペンサは、投与のためのアナログ、特に連続的な、及び/又はデジタル(0又は1)制御を含む。これは、鼻用アプリケーターの電子制御装置の一部であり得る。特に、物質の塗布用量又は分注量は、作動当たり1μL~300μLの範囲の量に対応する。
【0204】
幾つかの実施形態では、解放速度、解放力、加速度、流量、圧力、回転、ストロークなどの同じ解放パラメータを常に使用することによって、量を分注する際の高い再現性及び精度が、使用者に依存しない作動(或いは、解放)によって提供され得る。
【0205】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは用量弁を備える。
【0206】
特定の実施形態では、鼻用アプリケーターは、それを鼻用アタッチメント(鼻用ディップとしても知られる)上に摺動させるためのエラストマーリング、特に取り外し可能なエラストマーリングを備える。エラストマーリングは、鼻孔と外部との間に可能な限り最も気密なシールを提供する役割を果たす。
【0207】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、例えば、一体化された搬送装置又はポンプ装置をそれぞれ有する市販又は従来の鼻用スプレーカートリッジを備える。この一体型搬送装置又はポンプ装置によって、例えばこの装置のストローク経路を延長又は短縮することによって、通気(プライミング)後に異なる投与量サイズが分注され得る。
【0208】
幾つかの実施形態では、搬送装置又はポンプ装置は、使用者/患者によって、すなわち手動で、機械的に解放される。この目的のために、例えば、ばねエネルギーは、手動で又は外部からエネルギー的に充電、調整、及び解放され得る。
【0209】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターの用量検出装置は、分注された物質又はその薬剤の量を判定するように構成されたセンサを備える。用量又はその体積若しくは量の前記判定は、例えば直接測定、例えばフローセンサなどによる、及び/又は導出された測定によって実行され得る。導出された測定では、用量は計算によって判定又は導出される。これは、例えば、回転数(min-1)、角度、ストローク経路、経路、ストローク数、時間、弁作動(数及び/又は時間)などを測定することによって行われ得る。
【0210】
代替的又は追加的に、用量の検出は、噴霧流体又はエアロゾルの液滴が実際に鼻用アタッチメントの領域内に形成されるかどうかを判定することを可能にするスプレーセンサによって行われ得る。例えば、噴霧センサは、霧化された流体又はエアロゾルが光を散乱させる効果を利用し、いわゆる散乱光センサとして動作する。
【0211】
幾つかの実施形態では、用量検出装置は、例えば鼻用アプリケーターの制御装置に一体化され得る。他の実施形態では、それは別個に提供される。
【0212】
幾つかの実施形態では、用量検出は、流量センサ、フロースルーセンサ、又は液滴分布測定及び/又は粒子分布測定によって実行され得る。
【0213】
幾つかの実施形態では、液滴分布及び/又は粒径分布は、用量を判定するために測定され得る。
【0214】
幾つかの実施形態では、液滴サイズ分布及び/又は粒径分布は、例えば解放速度、解放力、圧力、加速度、流量などの解放パラメータによって設定又は調整又は適合され得る。これは、液滴分布及び/又は粒径分布を異なる薬剤に容易に調整するために特に提供される。
【0215】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターのデータ記憶装置は、不揮発性であり、複数回上書き又は書き込み可能な少なくとも1つの内部記憶構成要素及び/又は特に交換可能な外部記憶構成要素(例えば、SSDメモリカード、USBメモリ、HDDなど)を備える。代替的又は追加的に、ネットワーク、スマート装置、充電ステーション(ドッキングステーション)、又はインターネットは、外部ストレージと見なされ得る。
【0216】
幾つかの実施形態では、例えば、制御装置によって解放される処置の最後のステップとして、個人データ及び/又は個別の制御データを鼻用アプリケーターのデータ記憶装置から削除すること、及び/又は、この目的に適した(更なる)内部又は外部記憶装置における又は該装置上での自動データバックアップを伴うことなく、又はその後に、処置又は治療の終わりに鼻用アプリケーターを工場出荷時の設定にリセットすることが提供され得る。有利には、これは、患者の治療が終了した後に、それに対向するデータ保護の懸念なしに、鼻用アプリケーター又はその部分を追加の患者に送達又は渡すことを可能にする。
【0217】
幾つかの実施形態では、データ記憶装置、特に外部データ記憶装置は、デジタル疼痛バッジとして実装され得、例えば移動中又は検査中に、治療医及び/又は検査員に証明又は証拠を提供するために使用者/患者によって使用され得る。
【0218】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターと相互作用する使用者/患者は、プログラミングの必要性を排除し、潜在的な誤差源を排除する、予めプログラムされた自動調節システムと考えられ得る。類似のアプローチが、アヘン剤の投与のためのIV-PCAスマートポンプの使用から知られている。予めプログラムされた自己調節システムは、特定の用量閾値(例えば、用量制限、濃度制限、時間制限、治療効果に基づく制限、すなわち、例えば、低疼痛スコアのための低用量)を包含する。これらの用量閾値は、時間当たりの用量制限、解放又は作動の特定の数、単回用量の制限、1日用量制限、濃度制限、及び/又は同様のものであり得る。用量制限に達すると、次の2つの結果が生じ得る。更なる塗布用量の分注は一時停止され得、又は治療効果がもはや生じ得ないように用量が減少させ得る。しかし、特に、ここではプラシーボ効果が依然として可能である。
【0219】
幾つかの実施形態では、使用者/患者は、制御ループと見なされ得、鼻用アプリケーターの解放挙動は、検出又は判定された薬理学的データに基づいて用量及び治療に関して使用者/患者の応答に従って調整され得る。この目的のために、直接測定値(実際の値)、例えば血糖値又は血液中のオピオイド濃度が一方で使用され得、又は他方で間接測定値(導出及び/又は推定値)、例えば(参照)集団の薬物動態(「PK」)曲線が使用され得る。解放挙動を適合させるために、直接測定値を使用することが好ましい。
【0220】
幾つかの実施形態では、電子制御装置は、例えば疼痛などの患者特異的治療効果の主観的治療所見を考慮して、物質の塗布用量の事前判定時点を事前判定するように更にプログラムされている。これらの所見は、患者の疼痛レベル(疼痛スコア)、疼痛タイプ、疼痛持続時間、疼痛強度、及び/又は疼痛頻度であり得るか、又はそれらを包含し得る。
【0221】
これは、使用者/患者が、何がまだ耐えられる、又はどれだけの疼痛を感じるかを判定することを意味する。これは、例えば、疼痛強度を判定するための一次元評価尺度への手動入力によって行われ得る。そのようなスケールは、例えば、以下であり得る。
・数値評価尺度(NRS、例えば1(=疼痛なし)~10(=最も強い強度))、
・口頭評価尺度(VRS、疼痛強度の説明で、例えば「なし」、「わずか」、「中程度」、「重度」、「非常に重度」、又は時間的発生の説明で、例えば「決して」、「稀」、「時々」、「頻繁に」、「常に」)、
・視覚的アナログスケール(VAS、例えば、使用者/患者が適切な尺度を知覚することなく疼痛の主観的知覚をマークする「疼痛なし」及び「耐えられない疼痛」などの極端な状態をエンドポイントが表す線としてのもの)、
・機能的活動スケール(FAS、例えば、分類で、使用者が制限なく特定の活動を行うことができる場合(例えば、疼痛に起因する)「制限なし」、活動が限られた範囲でしか行うことができない場合(例えば、疼痛に起因する)「軽度の制限」、及び活動を行うことができない場合(例えば、疼痛に起因して、又は疼痛療法の副作用に起因して)「重大な制限」、又は
例えば、不眠症、飲食能力の障害、及び/又は深呼吸の障害などの機能障害。
【0222】
幾つかの実施形態では、客観的及び/又は主観的な所見が考慮され得る。これらは、例えば、以下を包含し得る。
バイタルサイン(例えば、血圧、心拍数、体温など)、
・瞳孔対光反射、
・せん妄
・幻覚
・めまい
・耐性
・嗜癖
・疼痛に対する感受性の増大(痛覚過敏)
・鎮静状態、
・副作用(例えば、かゆみ、吐き気、嘔吐など)、
・生理学的所見、
・物質/薬剤の総用量/体積及び/又は総濃度、
・容器内の残量、
・睡眠パターン又は睡眠行動。
【0223】
幾つかの実施形態では、本発明は、いわゆるオーダーメイド医療の中からカウントし得、ここでは、使用者/患者は、事前にプログラムされた自己調節システムと見なされ、可能な限り個別の治療は、用量制限(絶対)及び/又は時間毎の用量制限、濃度制限及び/又は量制限及び/又は解放数の制限及び/又は単回用量及び/又は1日用量などについての制限、並びに以下に列挙され詳述される代替案を用いるか、又はこれらに基づくことを目的とする。使用者/患者の状態に関するより多くの入力又は情報が利用可能であるほど、治療をより個別化することができる。特定の実施形態では、特に濃度制限がこの点に関して考慮される場合、異なる量の用量が生じ得る。
【0224】
幾つかの実施形態では、電子制御装置は、物質の塗布用量の事前判定時点を事前判定するように更にプログラムされており、患者固有の設定データが代替的又は追加的に入力及び/又は考慮される。これらの設定データは、例えば、以下を含む、又は以下から生じ得る。
・(電子)患者記録からのデータ、
・個々の既往歴からのデータ、
・術前診察(術前)からのデータ、
・手術中(例えば、麻酔中)に収集されたデータ、
・PACU(麻酔後ケアユニット、回復室など)で収集されたデータ、及び/又は
・個々の患者の人体測定データ(例えば、体重、年齢、身長、性別など)。
【0225】
幾つかの実施形態において、例えば、本明細書中に記載されるような疼痛スコアを使用する主観的な治療的所見が、代替的又は追加的に入力され、考慮され得る。
【0226】
幾つかの実施形態では、電子制御装置は、代替的又は追加的に客観的な治療所見を考慮することによって、物質の塗布用量の事前判定時点を事前判定するように更にプログラムされている。これらの所見は、バイタルサインのセンサデータを使用することによって、好ましくは自動的に検証され得る。バイタルサインは、例えば、以下を包含し得る。
・心拍数(HR)、
・心拍変動(HRV)、
・(部分)血中酸素飽和度(SpO2)、
・血圧、
・血圧傾向(BPT)、
・電気化学的皮膚反応、
・温度、
・フォトプレチスモグラム(PPG)、
・心電図(EKG/ECG)、
・呼吸数、
・血糖値、
・ストレス、
・一酸化炭素(CO)測定
・脳波測定方法(EEG)。
【0227】
幾つかの実施形態では、制御装置によって開始される方法をパーソナライズ、適合、修正などすることが可能である。これは、使用者インターフェース、管理ソフトウェア、及び/又は周辺機器を介して行われ得る。
【0228】
幾つかの実施形態では、制御装置によって開始される方法は、鼻用アプリケーターを制御するための値テーブルを生成する。
【0229】
幾つかの実施形態では、制御装置によって開始される方法は、装置の位置に応じて鼻用アプリケーターの異なる解放パラメータを計算する。
【0230】
幾つかの実施形態では、使用者/患者のサーカディアンリズム、ウルトラディアンリズム、及び/又はインフラジアンリズムを考慮に入れ得る。
【0231】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、例えばLAN、Powerline、若しくはPowerLANを有線で使用して及び/又は適切なプロトコル、例えばWi-Fi、Bluetooth、WLAN、GPS、RFID、NFC、バーコード、QRコード、ZigBee、Wibree、WiMAX、IrDA、WPAN、赤外線などを無線で使用してデータをデータ記憶装置から送信し、及び/又はデータ記憶装置と信号通信する。
【0232】
2つの構成要素間の信号通信又は通信接続が本明細書で言及される場合、これは、使用中に存在する接続を意味すると理解され得る。そのような(有線、無線、又は他の方法で実施される)信号通信のための準備が、例えば両方の構成要素を結合することによって、例えばペアリングなどによって存在することも理解され得る。
【0233】
ペアリングは、通信のために電子ユニット間の初期リンクを確立するプロセスである。これの最もよく知られている例は、様々な装置(例えば、スマートフォン、ヘッドホン)が互いに接続されるBluetooth接続の確立である。ペアリングは、結合と呼ばれることもある。
【0234】
幾つかの実施形態では、本明細書で開示されるデータは、スマート装置とコンピュータとの間のインターフェースを使用して送信される。
【0235】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示されるデータは、ウェブベースの方法で送信され、すなわちソフトウェアインストールは必要とされない。
【0236】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示されるデータは、暗号化データ送信を使用して送信される。
【0237】
幾つかの実施形態では、本明細書に開示されるデータは、調整可能な範囲にわたって送信されることが好ましい。
【0238】
幾つかの実施形態では、可能な限り少ない電力を消費するために、鼻用アプリケーター及びそれに接続された装置に低エネルギー溶液が提供されることが好ましい。
【0239】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーター及びそれに接続された装置のためのフリート管理、すなわち、接続された装置を有する複数の鼻用アプリケーターの管理、スケジューリング、制御及び監視が提供される。
【0240】
幾つかの実施形態では、それに接続された装置を含む鼻用アプリケーターを既存のITインフラストラクチャに一体化する可能性がある。この目的のために、例えば、臨床装置及び/又は他の医療装置及び/又は診断装置及び/又は検査室などとのインターフェースが提供され得る。
【0241】
幾つかの実施形態では、インターフェースは、電子患者記録及び/又は病院品質報告、及び/又は国内、欧州及び国際的なデータ収集構想又はデータベースに提供され得る。このように、例えば、内部及び外部の研究、内部及び外部のサーベイデータ(例えば、患者満足、有害事象など)からのデータにアクセスされ得る。欧州連合内では、例えば、疾患及び関連する健康問題の国際統計分類(ICD-10)が関心対象である。ドイツ内で、診断関連群(DGRG)及び術後疼痛治療の質の改善(QUIPS)が比較データを提供し得る。米国では、それぞれリスク評価及び緩和戦略(REMS)プログラム、DEA監視プログラム、及びDEA文書を提供し得る。
【0242】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーター又はその電子制御ユニット及び/又は他の周辺装置のために、モジュール式/拡張可能なドック又はドッキングステーションが設けられている。ドック又はドッキングステーションは、鼻用アプリケーター及び/又は周辺装置を格納及び/又は管理するために使用される。ドック又はドッキングステーションは、アプリケーター及び/又は周辺装置を格納及び/又は管理するのに適している。例えば、ドックは、充電、ソフトウェア更新、ペアリング、ハードウェアチェック及び/又はリリースなどのために提供され得る。
【0243】
ドック又はドッキングステーションはまた、幾つかの実施形態では、周辺機器としてカウントされる。しかし、任意選択的に、幾つかの実施形態では、ドック又はドッキングステーションは、一方ではドック又はドッキングステーションと、それと物理的に接触する鼻用アプリケーター及び/又は他方ではサーバ又はクラウドサーバとの間でデータを転送するように機能しないが、他方では機能する。
【0244】
幾つかの実施形態では、ドック又はドッキングステーションは、スタンドアロンのITインフラストラクチャとして、例えばインターネット又はイントラネット上に(ハブ/ルータ/スイッチを介して)提供される。代替的又は追加的に、ドックは、適切なインターフェースを介して既存のITインフラストラクチャに一体化可能及び/又は一体化される。
【0245】
本発明の幾つかの実施形態では、データインターフェースは、有線であり、例えば、USB、USB-C、Thunderbolt、LANなどとして構成される。
【0246】
幾つかの実施形態では、例えばIBM Watsonを使用してアウトソースシステムインテリジェンスにアクセスし、従ってHL7及びDICOMなどの共通インターフェースを介して既存の病院情報システム(HIS/PACS)に結合することが提供され得る。このように、例えば、技術者は、鼻用アプリケーター、鼻用アプリケーターに接続された装置、インターフェース、及び/又はソフトウェアへのアクセスを提供され得る。
【0247】
幾つかの実施形態では、中央サーバが提供される。
【0248】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーター、特にその電子制御装置は、エネルギー貯蔵装置、特に充電式バッテリ又は蓄電池を備える。
【0249】
幾つかの実施形態では、エネルギー貯蔵装置は、用途関連及び/又は表示関連の電池設計を有し得る。これらの実施形態では、指示に応じて異なるサイズのエネルギー貯蔵装置、特に異なるサービス寿命又は有効期間を有するエネルギー貯蔵装置が提供され得る。例えば、術後3日間のエネルギー供給で十分であり得るが、より長いエネルギー供給(例えば、2週間にわたって)が片頭痛の治療に有利であり得る。
【0250】
幾つかの実施形態では、エネルギー貯蔵部の無線充電は、例えばピン(例えば、充電クレードルにおいて)を使用して、又はピンなし(例えば、誘導エネルギー伝達を使用するQi)で提供され得る。
【0251】
幾つかの実施形態では、エネルギー貯蔵部の有線充電は、例えば、電源を使用して、又はPoE(Power over Ethernet)を使用して提供され得る。
【0252】
幾つかの実施形態では、交換可能な電池は、使い捨て電池(ボタン電池、単3形電池、単4形電池、単6形電池、ブロック電池など)、充電式電池、充電式電池パックなどのエネルギー貯蔵装置として提供され得る。
【0253】
幾つかの実施形態では、エネルギー貯蔵部として外部電源接続部が設けられ得、又はPoEが使用され得る。
【0254】
幾つかの実施形態では、太陽電池が必要な電力を供給し得る。太陽電池は、鼻用アプリケーター上に直接、又は例えば充電ドック又は充電ステーション上に設けられ得る。
【0255】
幾つかの実施形態では、必要なエネルギーは、例えば時計仕掛けのような巻き取り機構によって、又はいわゆる「エネルギーハーベスティング」によって、すなわち例えばボタン又はレバーを1回又は数回押すことによって生成され得る。このようにして生成されたエネルギーは、塗布用量の塗布のために直ちに又は後で使用され得る。
【0256】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターの物質リザーバは、一体的に設けられ、他の実施形態では、非一体的に設けられ、特に共充填され、すなわち、鼻用アプリケーター及び/又は関連する構成要素と共充填される。一体型及び非一体型の両方の実施形態において、物質リザーバは、特に外側から(再)充填可能である。
【0257】
幾つかの実施形態では、物質リザーバは、例えばガラス、プラスチック、金属、非鉄金属、複合材料など、又はこれらの材料の組み合わせからなる、予め充填された使い捨て容器及び/又は現場で充填可能な使い捨て容器である。
【0258】
幾つかの実施形態では、物質リザーバには、位置に依存しない解放装置が設けられており、すなわち、解放は、すべての軸及び自由度の解放機能を伴って行われ得る。これは、例えば、折り畳み式及び/又は通電式レセプタクル及び/又は同様のものによって実施され得る。
【0259】
幾つかの実施形態では、物質リザーバは一定の充填体積を有し、他の実施形態では、物質リザーバは、可変の充填体積を有する。
【0260】
幾つかの実施形態では、物質リザーバは、防腐剤を含まない物質で充填可能及び/又は該物質に適し得、他の実施形態では、物質リザーバは、防腐剤を含む物質で充填可能及び/又は該物質に適し得る。
【0261】
幾つかの実施形態では、物質リザーバには、特に解放可能な方法で物質リザーバをディスペンサに接続するように機能する少なくとも1つの接続装置が設けられている。これは、ルアー接続、針、スクリューキャップ、プラグイン接続、クリック接続、プレスなどによって行われることができる。さらに、機械的ピン及び/又は形状嵌合接続もまた、接続のための本発明に包含され得る。
【0262】
幾つかの実施形態では、1つ又は複数の用途におけるトレーサビリティのために送信可能な情報を検出及び/又は格納するための装置、特にバーコード/QRコード及び/又はRFID装置が物質リザーバに設けられ得る。これらは、例えば、それぞれスキャンされ得るラベル、QRコード、チップ、RFID/NFCタグ、画像など、又はそれらの組み合わせであり得るか、又はそれらを包含し得る。用途は、例えば、名称、有効期限、薬理学的データ、濃度などの物質に関する情報を含む。
【0263】
幾つかの実施形態では、ポカヨーク又はロックアンドキーの原理に関するエラー防止のために、物質リザーバで技術的解決策が採用され得る。この目的のために、例えば、それぞれ走査され得るラベル、QRコード、バーコード、チップ、RFID/NFCタグ、画像など、又はそれらの組み合わせが物質リザーバ上に提供され得る。適切なソフトウェアを有する対応する制御装置及び/又はコンピューティング装置も同様に、この目的のために本発明に包含され得る。このように、とりわけ、誤った物質リザーバの鼻用アプリケーター内への不適切な取り扱い及び/又は挿入は、有利に回避され得る。機械的ピン及び/又は対応する形状嵌合も同様にこの目的を果たし得、従って、本発明にも包含される。
【0264】
幾つかの実施形態では、物質リザーバは、例えば、ガラス、プラスチック、金属、非鉄金属、複合材料など、又はそれらの任意の組み合わせからなる非一体型の充填済み使い捨て容器であり、鼻用アプリケーターとは別個に、特にそのディスペンサとは別個に保管される。特に、これにより、物質の物質リザーバの材料間の適合性の問題が回避される。別個の保存は、抽出物又は浸出物が物質中に移動するリスクを低減又は回避し得る。
【0265】
幾つかの実施形態では、物質リザーバは、フィルタを備えた再充填可能な一体型の再使用可能な容器である。他の実施形態では、フィルタを備えない。
【0266】
幾つかの実施形態では、物質リザーバは、フィルタを備えた外部の再使用可能な容器である。他の実施形態では、フィルタを備えない。
【0267】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、追加の物質リザーバ、特に液体リザーバを備え、内部に更なる物質が受けられ得る。好ましくは、更なる物質は、第1の物質とは異なる。更なる物質は、医療用又は非医療用、例えばヒアルロン酸、エクトイン、アロエベラなどであり得る。
【0268】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーター又はその物質リザーバは、上述の第2の流体チャンバなどの複数の流体チャンバを備える。そのような実施形態では、鼻用アプリケーターは、幾つかの治療、例えば、一方では鎮痛薬又はカンナビノイド、他方では例えばインスリンを支持するのに適し得る。特定の実施形態では、第2の流体チャンバ及び/又は物質リザーバ内の物質を中和又は破壊するために、第2の流体チャンバ及び/又は物質リザーバからの流体を使用すること、又はその逆が提供され得る。これは、盗難又は誤用の場合に特に有利であり得る。この目的のために、例えば、第2の流体チャンバ及び/又は物質リザーバ内に乾燥剤を設けられ得、これは物質、従ってその中に含まれる薬剤を通過し(フィルタ又はコーヒーフィルタの原理のように)、又はそれによって薬剤又は物質が吸収され(例えば、スポンジのように)、乾燥剤は物質又は薬剤(例えば、その塩)に結合する。
【0269】
乾燥剤は、例えばフィルタ内、第2の流体チャンバ内、又はスポンジ内に、例えば顆粒として提供され得る。
【0270】
乾燥剤はまた、好ましくは、所望であれば、薬剤を含有する物質が乾燥剤を通過する、乾燥剤中に貯蔵される、又は乾燥剤中に留まるように、鼻用アプリケーターの他の場所に設けられ得る。
【0271】
乾燥剤は、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム又は塩化カルシウムであり得る。
【0272】
フィルタは、例えば、モレキュラーシーブ、フィルタフリース又はイオン交換体であり得る。
【0273】
乾燥剤は、特に上述したように、追加的又は代替的にハウジング内の他の場所に配置され得る。したがって、第2のチャンバ及び/又は物質リザーバに限定されない。
【0274】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、物質リザーバ、特にその内容物のうちの1つ、複数個、又はすべてを冷却するのに適した冷却装置を備える。
【0275】
特定の実施形態では、鼻用アプリケーターは、物質リザーバのうちの1つ、複数個、又はすべて、特にその内容物(単数)又は内容物(複数)をそれぞれ加熱するのに適した加熱装置を備える。これは、物質の凍結を防止するため、又は冷たさによる物質の変性/破壊を防止するために特に有利である。
【0276】
幾つかの実施形態では、制御装置は、使い捨て装置として、他の実施形態では、再使用可能な電子制御装置として提供され得る。制御装置の部分が再使用可能であり、部分が使い捨て部品として提供されるハイブリッド実施形態も本発明に包含される。
【0277】
幾つかの実施形態では、制御装置は、鼻用アプリケーターのうちの1つ、複数個、又はすべての機能を収集、記憶、監視、処理、計算、シミュレート、調整、及び/又は制御する。
【0278】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、鼻用アプリケーターにロードされたアルゴリズム(組み込みソフトウェア)を介して制御装置によって制御される。
【0279】
幾つかの実施形態では、ディスペンサは、制御装置によって別々に、又は用量検出装置と共に制御され得る。
【0280】
幾つかの実施形態では、用量検出装置は、制御装置によって別々に、又はディスペンサと共に制御され得る。
【0281】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、ステーション(病棟)コンピュータ又はスマート装置(非組み込みソフトウェア)を介して、例えばウェブベースの分散的に記憶されたアルゴリズムを介して制御装置によって制御される。
【0282】
幾つかの実施形態では、制御装置は、例えば周辺装置と相互作用するために、無線又は有線で更なる装置と信号通信し、対応する送信装置及び/又は受信装置が設けられ得る。それらは、制御装置と信号通信し得る。周辺装置は、以下が挙げられるが、これらに限定されない。
・患者認証装置、
・リストバンド、
・センサアレイ、
・ドッキングステーション、
・コンピュータ(PC)、
・スマート装置、
・プリンタ、
・他の医療機器、
・データセンター内の装置、
・ハブ、ルータ、アクセスポイント、
・サーバ、
・(クラウド)サーバ。
【0283】
本発明によるシステムは、前述の及び/又は更なる周辺装置のうちの1つ又は複数個を備え得る。
【0284】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターの周辺装置は、追跡システム及び/又はジオフェンスを生成するための無線セルとして機能する。
【0285】
ジオフェンスは、物理的位置を「取り囲む」仮想フェンス又は仮想境界である。実際のフェンスのように、ジオフェンスは、物理的な障壁の形態ではなくデジタル方式であるが、所与の場所をその周囲から分離する。しかし、実際のフェンスとは異なり、ジオフェンスは、「フェンス又は囲い」内の動きを任意選択的に検出され得る。
【0286】
そのような仮想フェンスは、任意のサイズ、形状、又は周辺装置への結合を有し得る。2点間の直線であっても可能であり、提供され得る。
【0287】
ジオフェンスは、例えばマッピングソフトウェアを用いて作成され、使用者は、GPS、W-LAN、WPAN、RFID、Bluetooth信号を使用して、及び/又は他の周辺装置を使用して、所望の領域の真上に仮想フェンスを描画し、及び/又は結合などを確立することができる。デジタル境界は、例えば、緯度及び経度の複数の座標からなり、円形ジオフェンスの場合、中心を形成する点のみからなり、W-LAN、WPAN、RFID、Bluetooth信号を使用して、及び/又は他の周辺機器を使用して、結合などを確立する。
【0288】
ジオフェンスは、例えば、W-LAN、WPAN、RFID、Bluetooth信号を使用することによって、及び/又は他の周辺装置などへの結合を使用することによって、又は追跡などによって、仮想フェンス内の物体を監視するために使用され得、及び/又は領域の特定のアクションを規定及び/又はアクティブ化するために使用される。このようにして、例えば、本発明による薬物分注装置などの装置、特に鼻用アプリケーターがいつその使用場所から取り外されるかを直ちに認識することができる。逆に、仮想フェンスを使用して、オブジェクトを特定の領域から遠ざけ得る。
【0289】
幾つかの実施形態では、制御装置の電子機器は、監視システム/ウォッチドッグなどによって冗長に、例えばデュアルチャネルになるように設計され得る。特に、これは、安全な動作の保証に有利に寄与し、それによって安全性を高め、医療技術又は医療装置技術の様々なリスククラスを満たし得る。
【0290】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターの要求装置は、以下に記載される特徴のうちの少なくとも1つを包含する解放機構を包含する。
【0291】
例えば、解放機構は、純粋に又は実質的に機械的であり得、例えば、インスリンペン又はRespimat(商標)ソフトミスト吸入器と同様であり得る。
【0292】
あるいは、解放機構は、機構(解放機構)、例えば、心臓曲線、アクチュエータ、及び/又はスキップ若しくは解放スキップ、並びに電子機器(制御)の組み合わせであり得る。
【0293】
幾つかの実施形態では、解放機構は、一方向、双方向、多方向、回転制御、段階的制御、及び/又はエンコーダ制御及び/又は無段ピストン及び/又はアクチュエータなどであり得、又はそれらを包含し得る。
【0294】
これに加えて、幾つかの実施形態では、逆方向投与量調整機構(インスリンペン参照)が提供され得る。あるいは、電子投与(電子インスリンペン参照)も本発明に包含される。
【0295】
幾つかの実施形態では、解放機構は、ポンプ、例えば、マイクロポンプ、ピストンポンプ、ロータリーポンプ、蠕動ポンプ、ロータダイナミックポンプ、遠心ポンプなどを含む。
【0296】
幾つかの実施形態では、解放機構は、例えばRespimat(商標)の動作原理による双方向2ストローク原理(吸引/圧力)に基づいている。
【0297】
幾つかの実施形態では、塗布装置又は解放機構は、例えば1μL~300μLの範囲のマイクロドージングを引き起こし得る。
【0298】
幾つかの実施形態では、塗布装置又は解放機構は、単位時間当たりの投与量又は用量、例えば100μL/秒を塗布するようにプログラム又は構成され得る。
【0299】
幾つかの実施形態では、本発明により、塗布用量の量又は大きさが使用者/患者による作動とは無関係であるため、分注された量(塗布用量)は容易に及び/又は正確に再現され得る。
【0300】
常に同じ解放パラメータ、例えば、力、速度、加速度、圧力、流量、ストローク/経路、一般的なエネルギー入力を用いた、使用者に依存しない解放による分注量の高い再現性及び精度は、患者の安全性に有利に寄与し得る。
【0301】
幾つかの実施形態では、解放機構は、機械的又は電子的パルス発生器による解放を開始し得る。これらの実施形態では、システムに力を加える必要はない。
【0302】
幾つかの実施形態では、物質の塗布用量は、特に本明細書に記載の解放機構の実施形態を通して調整可能であり、特に可変である。
【0303】
幾つかの実施形態では、物質は、圧力カートリッジ内にある。
【0304】
幾つかの実施形態では、液滴のクラウドは、「振動メッシュ」、「圧電」、多孔質材料、及び/又は蒸発を使用して生成される。送達量は、時間又は予め測定された量によって判定され得、その後、霧化される。
【0305】
幾つかの実施形態では、解放機構は、例えば、押し下げられて保持される限り開いたままである用量弁を包含する。用量チャンバ、時間制御弁、又は流量制御弁などを有する用量弁も本発明に包含される。
【0306】
幾つかの実施形態では、用量チャンバの容量容積を変更するための手動で調整可能な機構は、例えば、ラチェットなどとしての回転ノブによって、例えば、分注される量、用量などの数値スケール又は表示と共に形成される。ここで、ラチェットの停止部は、エネルギー貯蔵部、例えばばね又は弾性要素に対して作用し得、又はしなくてもよい。解放又は送達は、例えば手動で、典型的な鼻用スプレーと同様に解放される。塗布が完了した後、ラチェットは、例えばロックナットなどを介してプラグの新しい初期位置に滑り込む。塗布装置は、例えばピストンによってプラグに接続され得るか、又はされなくてもよい。
【0307】
幾つかの実施形態では、機構は手動で調整可能であり、他の実施形態では、手動及び自動又は半自動の組み合わせで自動的に調整可能又は調整可能である。これは、本発明に包含される機構の任意の実施形態に適用される。
【0308】
幾つかの実施形態では、要求装置は、横方向に配置され得る。
【0309】
幾つかの実施形態では、「ラチェット」は従来のラチェットであり得る。それは逆回転糸を有し得る。ここでも、これは、本明細書で言及される任意の機構に適用され得る。
【0310】
幾つかの実施形態では、用量チャンバの容量容積を変化させるための機構は、ばねエネルギーの形態などのエネルギー貯蔵部に同時に負荷をかけ、エネルギー貯蔵部を解放する要求装置によってそれを適用し得る。
【0311】
幾つかの実施形態では、用量設定又は用量塗布は、手動及び自動の動作の組み合わせであり得る。
【0312】
幾つかの実施形態では、物質リザーバはまた、用量チャンバを表す。これは、最初に塗布される塗布用量を、物質リザーバから少なくとも一時的に流体的に分離されたチャンバ又は用量チャンバ内に受けることなく、鼻用アタッチメントを介して直接的又は間接的に物質リザーバから塗布が実行されることを意味する。したがって、これらの実施形態では、独立した装填装置は必要とされない。
【0313】
このようにして、有利には、塗布装置が常に同じ方向に移動、回転、搬送することを確実にされ得、これにより、左右上下移動が実行された場合よりも簡単な方法で不可避の遊びを補償することが可能になる。
【0314】
任意の種類の任意選択の流量センサ又は量検出のための任意選択の装置などの測定結果に基づいて、幾つかの実施形態では、塗布のためのモータは、例えば電源を単にオフにすることによって、又はコントローラに適切な信号を与えることによって、特にオフにするために制御され得る。
【0315】
幾つかの実施形態では、例えば、塗布用量又はその量が手動で設定される別の設計が提供される。例えば、エネルギー貯蔵部に手動で張力をかけ、手動で解放する。
【0316】
幾つかの実施形態では、塗布装置は、別個のプラグを駆動又は押し得る。あるいは、プラグは、塗布装置に一体化され得る。
【0317】
幾つかの実施形態では、特に使い捨て装置の場合、プラグ及び装填装置は、互いに取り外し不能に接続及び/又は一体化され得る。他の実施形態では、特に多用途装置の場合、プラグ及び装填装置は2つの個別の部品であり得、又はスピンドル及びプラグは互いに分離又は分離可能であり得る。
【0318】
幾つかの実施形態では、鼻用アタッチメントは、ハウジングと一体的に形成され得、又はプラグ接続、ねじ接続などでそれに接続され得る。この目的のために接続部位が設けられ得る。これは、ハウジングの囲まれた内腔の内側又は外側に配置され得る。
【0319】
幾つかの実施形態では、塗布装置は、これらの実施形態では用量チャンバとしても機能し得る物質リザーバに入る端面プラグを有するピストンを備える。
【0320】
幾つかの実施形態では、サーボモータは、例えばスピンドル又は調整ねじによって停止部をシフト又は調整するように配置されている。
【0321】
幾つかの実施形態では、手動で調整されるように代替的に設けられ得る停止部は、解放機構の移動を制限する。これらの実施形態では、機構は、塗布装置の一部であると理解され得る。
【0322】
幾つかの実施形態では、解放機構は、ばねのエネルギー貯蔵部又は別のエネルギー貯蔵部によって付勢され、付勢された状態で、例えば手動で解放されることが提供され得る。あるいは、解放機構は、モータによって駆動及び/又は解放され得る。
【0323】
幾つかの実施形態では、停止部は、雄ねじ円筒形ガイドに沿って摺動可能に設けられ得る雌ねじ外側リングによって構成され得る。
【0324】
幾つかの実施形態では、停止部は、モータによって及び/又は手動で交換可能又は調整可能に設けられ得る。
【0325】
幾つかの実施形態では、要求装置は、ばねに押し付けられる端面押しボタンの形態であり得る。
【0326】
幾つかの実施形態では、弁は、逆止弁、又は特定の圧力、例えば4バールの圧力でのみ開き、4バール未満の圧力降下後に再び閉じる弁であり得る。
【0327】
幾つかの実施形態では、フィルタは、用量チャンバの端部又は接続部位の下流に設けられ得る。
【0328】
幾つかの実施形態では、用量チャンバは傾斜面によって調整される。この目的のために適切な機構が提供され得る。解放及び塗布は、従来の鼻用スプレーの場合と同様に同じであり得る。戻しばねなどの任意選択の装置は、塗布装置及び/又は他の構成要素をそれらの初期位置に戻し得る。
【0329】
幾つかの実施形態では、機構の設定/調整は、例えばモータによって手動又は自動で実行され得る。この場合、移動は、回転移動又は直線移動であり得る。
【0330】
幾つかの実施形態では、物質リザーバは、トレーリングプラグ、パウチボトル(バッグインボトル)、「バッグ」、ライザーチューブを備えたリザーバなどで構成され得る。
【0331】
幾つかの実施形態では、用量チャンバの容量容積を変更するための機構は、鼻用アタッチメントに一体化され得るか、又は接続部位の上流若しくは下流に配置され得る。
【0332】
幾つかの実施形態では、容量容積を変更するための機構は、用量チャンバ自体である。
【0333】
幾つかの実施形態では、プラグは、圧力容器内で加圧されたガスによって物質リザーバ内に駆動されるピストンを備える、又はピストンである。要求装置が作動又は押下されると、用量チャンバ内に提供又は調製された塗布用量が分注される。
【0334】
幾つかの実施形態では、用量チャンバは、停止部などの傾斜面によって設定される。要求装置が手動で解放されると、ガスはプラグと共にピストンを前方に押して物質リザーバに入る。これらの実施形態では、設定及び解放は又、手動又は自動で実行され得る。
【0335】
幾つかの実施形態では、傾斜面は、例えば直線状又は円形(曲線状)に配置され得る。
【0336】
幾つかの実施形態では、用量チャンバ又はその容積は、傾斜面(複数)及びモータによって設定され、これは代替的に手動で行われ得る。これらの実施形態では、ばねエネルギーは手動で負荷される、又は予め負荷され、これはモータ又は他のエネルギー源によって代替的に行われ得る。
【0337】
幾つかの実施形態では、解放は、ばねエネルギーを使用して実施される。これらの実施形態では、ストロークは自動的に又は手動で設定され得、及び/又は解放は、例えば手動で、例えばばねエネルギー機構を手動又は自動で回転させることによって行われ得る。
【0338】
幾つかの実施形態では、この回転は、モータを使用して実施し得る。
【0339】
幾つかの実施形態では、用量チャンバの容量容積を変更するための機構は、物質の塗布用量に対して調整可能である。
【0340】
鼻用アプリケーターの幾つかの実施形態では、後者はポンプ、特にマイクロポンプを備え、これは、好ましくは、鼻用アタッチメント内に存在し得るボルテックスチャンバに直接結合されず、物質リザーバからの所望の送達量又は塗布用量で用量チャンバを満たす。
【0341】
幾つかの実施形態では、ポンプは用量チャンバを満たす。幾つかの実施形態では、ポンプは、接続部位又は鼻用ピースに直接接続され得る。
【0342】
幾つかの実施形態では、用量チャンバは、例えばラチェットによって手動で、又は例えばモータによって自動的に更に調整され得る。ポンプは、例えば、特定の圧力又は時間に達した後に止められる、停止される、又は電源を切る。
【0343】
幾つかの実施形態では、この目的のために流量センサが使用され得、流量センサはポンプを制御する。
【0344】
幾つかの実施形態では、ポンプによって用量チャンバに導入された物質は、用量チャンバを制限するピストンを変位させ、それによって用量チャンバの容量容積を増加させる。
【0345】
幾つかの実施形態では、逆止弁は、物質が物質リザーバから用量チャンバ内に流出し得るが、逆止弁を通って再び流出することができないように用量チャンバを制限し得る。
【0346】
幾つかの実施形態では、装填装置の一部である、又はその一部であり得るポンプは、モータによって、又は手動によって、例えば回転ノブ又はレバーによって操作され得る。これらの実施形態では回転ノブに提供され得る数値情報は、調整された又は調整可能な用量の量を示し得る。
【0347】
幾つかの実施形態では、ばねエネルギーは、手動で、又はばねを使用するモータによって負荷又は張力をかけられ得る。前記ばね機構が解放されると、塗布量は、鼻用アタッチメントのボルテックスチャンバを通って押し出される。
【0348】
幾つかの実施形態では、解放が提供され得る。それは、要求装置の機能を有する。例えば、それは、待機状態からシステムを起動し、次の用量(すなわち、用量チャンバを充填する)を再装填し得る。
【0349】
幾つかの実施形態では、解放は、機械的又は電気的に作用するように設計され得る。例えば、解放は、ラチェットを解放するために、又は電気制御装置に信号を送信するために使用され得、さらに、電気制御装置はアクチュエータを解放する。
【0350】
幾つかの実施形態では、逆止弁に組み込まれ得、又は組み込まれてもいなくてもよい弁が、接続部位を封止する。用量チャンバを充填するために、該弁が閉じられ、別の弁が開いている。塗布装置が例えば接続部位に向かって移動するとすぐに、逆止弁は閉じる。ここで、すべての弁が閉じられ、チャンバ内で圧力が上昇する。
【0351】
幾つかの実施形態では、既存の弁のうちの1つ又は複数個は、電気的に切り替えられ、最小圧力で開き、及び/又は要求装置を介して手動で開かれ得る。
【0352】
特定の実施形態では、要求装置は、用量チャンバが充填されているかに応じて、又はどこまで(どの程度又はレベルまで)充填されているかに応じて、異なるラッチ又はスナップインステップに関与し得る。
【0353】
幾つかの実施形態では、プラグを押圧するばねが設けられ得る。
【0354】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターのハウジングは、例えば、任意選択的にバイアルとして設計された物質リザーバがハウジングから取り外され、例えば別のものと交換され得るように、開いたときにハウジングの内部を露出させる蓋を備える。
【0355】
幾つかの実施形態では、用量チャンバと物質リザーバとの間の流体連通を確立するために、例えばバイアルの隔壁を貫通する針が設けられ得る。
【0356】
ポンプは、再びモータによって駆動され得るか、或いはこれは、手動で行われ組み込まれ得る。
【0357】
幾つかの実施形態では、モータを使用して、ポンプ、用量チャンバの容量容積を変更するための機構、及び/又はばねエネルギーの負荷を駆動又は動作させ得る。これにより、モータは、任意選択的に、塗布機構又は塗布装置を駆動し得る。これらのすべての構成要素は、任意の組み合わせで手動又は自動で操作及び/又は制御されるように提供及び設計され得る。
【0358】
幾つかの実施形態では、ピストン(塗布装置)の一方の端部領域に逆止弁が設けられていることが好ましく、該逆止弁は、送達時に閉じる(ピストンはカバーに向かって移動する)。反対側の端部領域、すなわち接続部位の近くには、用量チャンバがポンプによって充填されるときに切り替え可能又は閉じられ、ピストン(塗布装置)がこの弁に向かって移動するときに開く弁が設けられている。これは、解放中に開く切り替え可能な弁(電気的又は機械的)によって実施され得、実施されるであろう。同じことは、特定の圧力、例えば4バールでのみ開く逆止弁でも実施され得る。次いで、用量チャンバがポンプによって満たされている間、この弁は、圧力リリーフ弁又は圧力シーケンス弁と同様に、用量チャンバ内の圧力が弁の開放圧力を超えて増加するまで閉じたままである。
【0359】
幾つかの実施形態では、ポンプは用量チャンバを充填し、結果として生じる圧力上昇を使用して、装填装置及び/又は塗布装置は接続部位から押し出される。この場合、例えば、ばねエネルギー貯蔵装置が装填される。このようにして蓄積されたエネルギーは、次いで、塗布装置を接続部位に向かって移動させるために使用される。
【0360】
幾つかの実施形態では、モータは、ポンプ、装填装置、及び/又は塗布装置を駆動し得る。
【0361】
幾つかの実施形態では、バイアルの向きは、例えば周りに180°回転させ得る。
【0362】
幾つかの実施形態では、解放機構は、可逆的ポンピング方向(吸引)を更に含む、又は可能にする。これは、特に、例えば、誤用及び/又は盗難の場合に物質又は薬剤を廃棄及び/又は中和するために提供され得る。このように、例えば、物質リザーバのプラグをリザーバから押し出す空気ポンプ又は他の搬送機構又はアクチュエータが設けられ得、従って、物質は乾燥剤と接触し、それによって前者が後者によって結合されることを可能にする。
【0363】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターのハウジングは、解放機構を作動させるための要求装置として機能する。
【0364】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、右利き使用者による操作に適しており、及び/又はそれに適合しており、他の実施形態では、左利き使用者による操作に適している。特定の実施形態では、それは左手操作と右手操作の両方に適している、及び/又は適合している。
【0365】
幾つかの実施形態では、解放機構の解放及び/又はそれから生じる塗布用量の量は、使用者/患者の作動とは無関係である。
【0366】
鼻用アプリケーターの幾つかの実施形態では、使用者/患者が自身で分注される塗布用量の量を設定することが提供される。これは、例えば、医師からの計算又は指示に基づいて行われ得る。これらは、例えばスマートフォンなどを介して、様々な方法で使用者/患者に伝達することができる。特定の実施形態では、この目的のために、ソフトウェア、特に例えばスマートフォン用のアプリケーション(アプリ)が本発明に包含され得る。
【0367】
幾つかの実施形態では、要求装置は、解放機構を作動させるための以下の装置のうちの少なくとも1つを含む、又はそのように設計されている。
・例えば、ソフトタッチボタン、プッシュボタン、スイッチ、タッチスクリーン上の領域(ボタン)、センサなどとして設計された一体型解放ボタン、
・一体型入力装置、例えば、キーボード、タッチスクリーン、1つ(以上)の回転ノブ、指紋、顔若しくは音声、コードなどの生体認証データを取り込むための一体型センサ又はカメラ、
・鼻用アプリケーター、特にその要求装置、例えば、アプリケーション(アプリ)、リモートコントロール、ウェブ又はクラウドを介した入力、コンピュータ、スマート装置又は同様のものに好ましくは無線で接続された外部入力装置。
【0368】
特定の実施形態では、外部入力装置は、本明細書で言及される一体化入力装置の実施形態の例と同様に設計され得る。
【0369】
幾つかの実施形態では、使用者/患者の特定の挙動が要求装置を制御又は要求装置に影響を及ぼし得る。例えば、解放のための2回の押圧は、第1の押圧で、システムチェック、認証チェックなど、塗布用量の計算及びそれの提供におそらく関連して鼻用アプリケーターを「覚醒」させ、一方、第2の押圧は、塗布用量を最終的に解放させ得る。
【0370】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、特にその装置のうちの1つを介して、好ましくは物質用量の分注後に、好ましくは自動的に出力情報を生成し得る。この出力情報は、処置のログファイルであり得るか、又は処置のログファイルを包含し得る。この場合、各検出可能な信号又は相互作用、特に各作動が記録され得る。代替的又は追加的に、出力情報は、使用者/患者に関連する標準化された及び/又は個別化されたレポートの生成であり得るか、又は該生成を包含し得る。出力情報は、デジタル(オンライン)ダッシュボード、印刷機能(例えば、制御された物質に関する報告について)、エクスポートなどによって、それぞれこの目的に適した装置に、好ましくは無線で提供され得る。幾つかの実施形態では、有線で、及び/又は接触ピンで提供され得る。
【0371】
幾つかの実施形態では、ディスペンサの解放機構は、他の方法、例えば呼吸作動式又は鼻作動式で作動され得、すなわち、解放機構は、例えば、鼻用アプリケーターが鼻に挿入され、患者/使用者が鼻を通して吸入するときに負圧センサによって自動的に作動される。この解放機構の機械的実施も本発明に包含される。
【0372】
幾つかの実施形態では、例えば、指紋又は顔などの生体認証データを取り込むため、QRコード、バーコードなどを取り込むために、光学素子が鼻用アプリケーターに組み込まれている。
【0373】
幾つかの実施形態では、出力情報は、次の解放までの時間量(カウントダウン/タイマ)の指示であり得るか、又は該指示を包含し得る。この期間の指示(又は表示)又は満了は、例えば、視覚的(例えば、カラーディスプレイ、LED、又はプッシュメッセージによって)、音響的(例えば、警報によって)、触覚的(例えば、振動によって)、又は類似のものであり得る。着色表示は、例えば、新たな塗布が行われ得るときに「緑色」に変化するなど、その状態を知らせるために色を変化させる鼻用アプリケーター又はその部分を含み得る。
【0374】
幾つかの実施形態では、出力情報は、例えばスマートフォンなどの視覚及び/又は音響媒体を使用した段階的な命令(例えば、セットアップ又は高度な操作などのために)の出力であり得るか、又は該出力を包含し得る。
【0375】
幾つかの実施形態では、段階的な指示は、鼻用アプリケーター及び/又は対応する周辺装置及び/又はスマート装置に提供される。
【0376】
本発明の幾つかの実施形態では、入力オプション及び/又は出力オプションはそれぞれ、障壁のない方法で提供され得る。これは、例えば、点字、視覚、音響、又は触覚の入力及び出力、例えば振動、音などの入力及び/又は出力を含む。これはまた、悪い視認性条件及び/又は夜間での本発明の使用に特に有利である。特に、これらの入力オプション及び/又は出力オプションは、非接触入力オプション及び/又は出力オプションであり得るか、又は該オプションを包含し得る。
【0377】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターはQRコードリーダを備える。これは、使い捨てカートリッジのUDI(「固有装置識別」)をスキャンするため、使い捨てハウジング、アプリケーター電子機器、その使い捨てリストバンド及び/又はリストバンド電子機器を検出するため、及び/又はドッキングステーションでの自動読み取りのために役立ち得る。
【0378】
幾つかの実施形態では、本発明はプリンタ機能も包含する。これは、とりわけ、レポートを生成し、ステッカー(例えば、制御された物質及び/又は患者記録について)などを生成するのに役立ち得る。
【0379】
本発明の幾つかの実施形態では、データアクセスは、それ自体の入力及び読み取りディスプレイによって直接提供される。代替的又は追加的に、データアクセスは、例えばスマートフォン、タブレット及び/又はコンピュータによって、及び/又は他のインターフェースによって、「デジタルオンライン管理ソフトウェア」によって間接的に提供されて得る。
【0380】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーター及び/又はその装置のうちの少なくとも1つは、タッチ感知面を備える。
【0381】
幾つかの実施形態では、本発明は、鼻用アプリケーターに組み込まれたマイクロフォン及び/又はスマートフォンマイクロフォンを備え得る。このマイクロフォンは、例えば疼痛日記を記録するために使用され得る。
【0382】
特定の実施形態では、本発明は、「シェイクツーウェイク」機能を包含し得る。この目的に適した装置、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、角度センサ、位置センサなども本発明に包含される。
【0383】
幾つかの実施形態では、前記装置は、鼻用アプリケーターの不適切な取り扱い、例えば、落下、衝撃、振動、アプリケーターへの過度の圧力、粗い取り扱いなどを検出するために相補的に設けられている。
【0384】
幾つかの実施形態では、本発明は、鼻用アプリケーターに組み込まれたカメラ及び/又はスマートフォンカメラを備え得る。このカメラは、例えば、鼻、耳などの内部を見て、(写真/画像)を医師に送信した後に診断を行うなどのために使用され得る(Digital Health Diagnostics)。これはまた、例えば眼の瞳孔反応の画像によって、鎮静のレベルを検出するのに役立ち得る。
【0385】
患者認証とは、権限を有する使用者/患者のみが装置を操作できることを意味する。使用者は、例えば、とりわけ、医師、看護師、及び/又は他の権限を有する人であり得る。
【0386】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、この目的のための一体型認証モジュールを備える。他の実施形態では、認証モジュールは、外部に提供される。特定の実施形態では、部分的に一体化されている。ここで、認証モジュールの基礎を成す認証機構は、好ましくは、正確に1つの単一の特定の装置に結合されている。この目的のために必要とされる信号送信は、例えば、本明細書に開示されるように提供及び実行され得る。関与する信号送信パートナーの対応する設計が提供され得る。
【0387】
幾つかの実施形態では、一体型認証モジュール、すなわち鼻用アプリケーター上又は鼻用アプリケーター内に設けられている一体型認証モジュールは、例えばQRコードリーダ又は生体認証データを認識及び比較するための装置によって光学的に作用し得る。他の実施形態では、例えば音声認識によって音響的に作用し得る。更なる実施形態では、それは、例えば秘密の番号又はパスワードの入力によって触覚的に作用し得る。この場合、認証モジュールは、それぞれ認証に適したセンサ配置と、評価装置とを備える。
【0388】
幾つかの実施形態では、認証モジュールは、更なる装置と互換性があるように提供され得る。
【0389】
特定の実施形態では、振動(例えば、特定の振動パターン)又は言語認識若しくは音声認識による認証を受けることが提供され得る。さらなる実施形態では、装置のロックが解除される領域は、鼻用アプリケーターのGPS位置を使用して及び/又はジオフェンシング機能を使用して画定され得る。
【0390】
幾つかの実施形態では、部分的に一体化された又は外部認証モジュールが患者に設けられ得るが、他の実施形態では、それは患者に設けられない。部分的に一体化された又は外部の認証モジュールでは、認証機構は、例えば、トークン、無線認証に基づき得る。認証モジュールは、腕時計、RFIDブレスレット、バーコード/QRコード、ネックレス、リング、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、又は前述のモジュールのための相補的なソフトウェア(例えば、アプリ)などであり得、又はそれらを包含し得る。この場合、認証モジュールは、上記と同様に、認証にそれぞれ適したセンサ配置及び/又は評価装置を備える。
【0391】
幾つかの実施形態では、認証モジュールは、標準的な病院患者識別手段と互換性があり、例えば、前記手段に貼付又は印刷され得、又はその中に一体化可能であり得る(例えば、患者リストバンド内)。
【0392】
特定の実施形態では、標準的な病院患者識別手段自体が、認証モジュール、例えばインプリントされたバーコード/QRコードとして機能する。
【0393】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターを動作させるために、又は塗布用量を解放させるために、又は鼻用アプリケーターを調整するために、認証モジュール又は管理者及び/又は使用者群の認証を使用することが必要な場合がある。
【0394】
幾つかの実施形態では、認証モジュールは、技術者及び/又はシステム管理者を更に認証し、技術者及び/又はシステム管理者に鼻用アプリケーターソフトウェア、特にその制御装置へのアクセスを許可するために設けられている。
【0395】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターの制御装置上のデータを遠隔操作及び/又は上書きするために、管理者及び/又は使用者群を認証するために認証モジュールを使用することが必要な場合がある(オーバーライド機能)。これは、例えば追加の薬物送達を開始するために必要であり得る。これにより、認証は、本明細書で言及される装置及び/又は動作モードのいずれかによって実行され得る。
【0396】
幾つかの実施形態では、認証モジュールの範囲は、好ましくは連続的に可変及び/又は調整可能である。
【0397】
幾つかの実施形態では、認証モジュールは、例えば眼鏡、靴、患者用ガウン、枕及び/又は枕カバー、及び/又はベッドカバー及び/又はマットレス、ワークコートなどのいわゆるスマート繊維に一体化され得る。
【0398】
特定の実施形態では、認証モジュールはまた、ベッドの端部、ベッドサイドのテーブル、患者の近くの電気コンセントにあり得るか、又はそれらに固定される。
【0399】
幾つかの実施形態では、認証モジュールは、耳に装着された装置(耳内装着型)などである。
【0400】
幾つかの実施形態では、認証モジュールは、認証のための皮下インプラント及びそれを読み取るのに適したセンサ配置であるか、又はそれらを備える。
【0401】
幾つかの実施形態では、認証モジュールは、認証のための歯冠又は歯科スプリント及びそれを読み取るのに適したセンサ配置である、又はそれらを備える。
【0402】
幾つかの実施形態では、認証モジュールは、音声認識の目的のために、データ、例えば生体認証データを取り込むための鼻用アプリケーター及び/又はスマートフォンカメラに一体化されたカメラであるか、又は該一体化されたカメラを備え、代替的に又は追加的に、一体化された又は外部のマイクロフォンである、又は該マイクロフォンを備える。
【0403】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、モニタリング/監視システムを包含し、モニタリングは、患者の観察であるか、又は患者の観察を包含し、監視は、患者の環境の観察を更に包含するか、又は患者の環境の観察である。前記システムを使用することにより、例えば、いわゆる治療の遵守、すなわち、患者の行動が医療従事者の合意された推奨/処方に従っている程度(コンプライアンス/遵守)は、モニタリングされ得る。
【0404】
幾つかの実施形態では、モニタリング/監視システムは、リアルタイムの自動化された薬物モニタリングを包含する。これは、例えば、消費量、残量、残っている塗布の数などを検出し、この目的に適した記憶装置を介して内部又は外部にそれらを記憶し得る。
【0405】
幾つかの実施形態では、モニタリング/監視システムは、リアルタイムの自動治療モニタリングを包含する。これは、例えば、塗布時点及び塗布量、ロック間隔中に試みられた(失敗した)塗布などを検出し、この目的に適した記憶装置を介してそれらを内部又は外部に記憶し得る。
【0406】
幾つかの実施形態では、モニタリング/監視システムは、リアルタイムの自動治療日誌管理を備える。これは、例えば、患者特異的に、副作用、気分状態、及び/又は(健康)愁訴の重症度、持続時間、及び/又は頻度などを検出し、この目的に適した記憶装置を介してそれらを内部又は外部に記憶し得る。
【0407】
幾つかの実施形態では、モビリティログを生成するためにモニタリング/監視システムが設けられ得る。
【0408】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターのモニタリング/監視システムは、前述のリアルタイムモニタリングの組み合わせを包含する。
【0409】
鼻用アプリケーターのモニタリングシステム及び/又は監視システムを使用するリアルタイムモニタリングは、有利には、治療の容易な及び/又は正確なロギングを可能にする。
【0410】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターの制御装置は、一体化された視覚的(又は光学的)及び/又は音響的状態インジケータ及び/又は警報インジケータ、例えば、LED、ブザー、ビープ音、及び/又は、特にエラーコードなどによって状態又は警報を示すディスプレイを備える。
【0411】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターの制御装置は、例えば、周辺装置、スマート装置及び/又はステーション(病棟)コンピュータ内又は上に、外部、視覚及び/又は音響状態インジケータ及び/又はアラームインジケータを備える。外部状態表示及び/又はアラーム表示はまた、LED、ブザー、ビープ音、及び/又はディスプレイを含み得、ソフトウェアダッシュボード(アプリ)、プッシュメッセージなどとしてさらに提供され得る。
【0412】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、自動メッセージ、特に支援の要求及び/又は警報を第三者、例えば特定の人々の群、医師、介護者、救助調整センターなどに送信するように構成されている。これは、特に、記憶された移動プロファイル又は移動パターンからの逸脱などの異常な挙動の場合、又は例えば、薬物の最大許容量(投与限界)などを超える一定の薬物要求の場合、及び/又は使用者/患者のバイタルサインが所定の限界外である場合に行われ得る。代替的又は追加的に、そのような通知は、使用者/患者による「緊急ボタン」の能動的作動によって提供され得る。
【0413】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターの「安全」状態が提供される。特に、これは「オフ」状態で提供される。「安全」状態では、システムはいかなる状況下でも用量を分注しない。
【0414】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、患者モニタリングセンサ技術を備える。センサ技術は、患者特有のデータを検出することができる。これらのデータは、位置、動き、及び/又はバイタルサイン(例えば、HR、HRV、SpO2、血圧、電気化学的皮膚反応、体温、フォトプレチスモグラム(PPG)、心電図(ECG)、血圧傾向(BPT)、呼吸数、ストレスなど)などの客観的データ、若しくは本明細書に記載の患者フィードバックを介して検出された主観的データであり得るか、又は該客観的若しくは主観的データを含み得る。
【0415】
そのようなモニタリングシステムは、治療遵守、したがって治療効果(例えば、リマインダ、サポート情報、値クーポンなど、状態問い合わせ、提案、活動追跡者、親戚/知人の通知などによって)を有利に増加又は最適化し得る。
【0416】
幾つかの実施形態では、リマインダ、更なる支援情報、ゲーミフィケーション(例えば、収益ポイント、TV番組へのアクセスのために病院運営機関と交換することができるTV議事録の収益、クーポンの価値など)、状態の問い合わせ、提案、活動追跡者、親戚/知人の通知、調査への参加、例えばオンライン調査などの更なる機能を鼻用アプリケーターに追加することが提供され得る。
【0417】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、いわゆる社会的モニタリング及びコミュニケーションを可能にするために、すなわち、家族、友人、介護者などへの、好ましくは双方向のコミュニケーション手段を提供するために提供され得る。
【0418】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、例えば副作用を低減若しくは防止するために、又は過量投与などを回避するために適した、更なる物質リザーバ内の医薬物質に加えて解毒剤を含み得る。
【0419】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、呼吸ガス分析、例えばカプノグラフィを実行し、例えば、分析の結果を表示し、その結果を周辺装置に送信し、及び/又はその結果をこの目的に適した記憶装置に記憶するように構成されている。
【0420】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、使用者/患者の位置を検出及び記憶し得るセンサ配置及び/又は評価装置に接続され得る。位置は、患者が直立している、倒れている、及び/又は同様のものであるかどうかにかかわらず、患者の体位を検出し得る。これらのセンサ配置は、例えば、一体型センサを有するスマート繊維に一体化された、好ましくは本明細書に記載されるように、内部又は外部に設けられ得る。この目的のために、鼻用アプリケーターは、更なる適切なアクチュエータなどを備え得る。このようにして、例えばモビリティログなどが確立され得る。
【0421】
幾つかの実施形態では、患者モニタリングセンサ技術又はその一部は埋め込まれ得る。他の実施形態では、前記技術又はその一部は、歯冠又は歯科スプリント又はイヤリング又はイヤークリップに一体化され得る。
【0422】
幾つかの実施形態では、患者モニタリングセンサ技術又はその一部は、疼痛などの使用者/患者の測定可能な感度又は状態を検出又は作製し得る。これは、皮膚けいれん、血圧変化、心拍数変化、及び/又は瞳孔拡張などの物理的反応を介して判定され得る。
【0423】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、鼻用アプリケーター位置特定システムを備える。この場合、鼻用アプリケーター位置特定システムは、鼻用アプリケーターを位置特定し、物質を位置特定し、及び/又は使用者/患者を位置特定するように構成され得る。これは、無線接続を介した(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、WLAN、GPS、GSM、GPRS、Starlink、WPAN、赤外線、RFID、NFC、バーコード、QRコード、ZigBee、Wibree、WiMAX、及び/又はIrDAなどを介した)一体化されたリアルタイム追跡システム、例えばフリート管理などを含み得る。有利には、鼻用アプリケーター追跡システムは、装置管理を容易にし、患者の安全性を高めるのに役立つ。
【0424】
幾つかの実施形態では、仮想ゾーン又は領域を確立することにより、位置の規定又は判定を単純化することができる。
【0425】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、乱用防止システム及び/又は盗難防止システムを備える。
【0426】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターのハウジングは、物質又は任意の物質へのアクセスが防止されるように、アクセスできないように設計されている。これは、例えば、開放されると破壊される使い捨てハウジングによって実施され得る。
【0427】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、鼻用アプリケーターを定位置に物理的に固定するための装置を備える。これは、例えば、Kensington(商標)ロック、セキュリティケーブル又はセキュリティロープ、ケーブルロックなどによって設計され得る。
【0428】
幾つかの実施形態では、共通導体は、データ伝送及び/又は電力伝送のために設けられ得る。本明細書では、一体型鋼ケーブルを有するデータ伝送及び/又は電力(POE)用のLANケーブルを例示的に挙げる。
【0429】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターには、所定のジオフェンスが設けられている。これらの実施形態では、本発明は、例えば物質の薬剤の解放を防止することによって、又は物質の薬剤を中和することによって、所定の領域の外側で鼻用アプリケーターの機能性に影響を及ぼす可能性を包含する。これは、ソフトウェアソリューション及び/又は無線接続を使用して実施され得る。本明細書で説明するように、周辺装置は、これにより無線セルとして機能し得る。
【0430】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、子供が扱えないように設計され得る。子供が扱えない設計は、例えば、ハードウェア(例えば、カバー、ロック、及び/又は安全)及び/又はソフトウェア(例えば、患者認証など)によって実施され得る。
【0431】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターの周辺装置には、操作に対する安全閉鎖及び/又は保護、例えば鋼線が挿入されたリストバンド、ケブラーなど)が設けられ得、特に、周辺装置は、連続的に調整可能であり、したがって使用者/患者に対して個別に調整可能であり得る。
【0432】
幾つかの実施形態では、リアルタイム位置、特にジオフェンシングは、フリート管理及び/又は鼻用アプリケーターのロック/ロック解除及び/又は物質中の薬剤の中和の解放に役立ち得る。
【0433】
幾つかの実施形態では、物質中の薬剤は、例えば、塩基、酸、拮抗薬、石膏、セメント及び/又は低温(N2Oでは-89℃又はCO2では-78.5℃)などの液体及び/又は固体及び/又は気体添加剤によってそれぞれ中和又は無効にされ得る。
【0434】
幾つかの実施形態では、例えば本明細書に開示される乾燥剤は、物質が通過するように提供され得、乾燥剤は、本明細書に含まれる物質又は成分若しくは薬剤(例えば、塩)に結合する。
【0435】
適切な乾燥剤は、例えば、以下を含み得る。
・硫酸ナトリウム
・硫酸カルシウム
・塩化カルシウム
【0436】
幾つかの実施形態では、物質が通過し得るフィルタが、例えばモレキュラーシーブ、フィルタフリース、イオン交換体などの形態で提供される。
【0437】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、例えば2人の異なる患者の治療の間に再処理されるように構成され得る。再処理は、例えば、プログラミング又は再プログラミング、本明細書に記載の電池又は他のエネルギー貯蔵装置の(再)充電又は交換、物質リザーバの(再)充填、及び/又は新しいカートリッジの挿入であり得る、又はそれらを包含し得る。さらに、再処理は、例えばシステムチェックの形態のチェック、鼻用アプリケーター及び/又は物質の完全又は部分的な廃棄、清掃及び/又は消毒などの衛生対策、及び/又はメンテナンスであり得、又はそれらを包含し得、システム更新を更に含み得る。制御装置は、任意選択的に、記憶装置の制御メニュー内の適切なメニュー項目を選択した後など、自動的に又は要求に応じて、再処理ステップ、例えば患者データを削除するようにプログラムされ得る。
【0438】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、患者への初期使用後に適用可能な規制に従って完全に処分しなければならない完全に使い捨ての製品である。この場合、鼻用アプリケーター、物質及び/又は任意の可能な周辺装置は、個別に処分される必要があり得る。
【0439】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、部分的に使い捨て製品であり、例えば再使用可能な電子機器、物質及び/又は使用者/患者と接触した使い捨て構成要素(例えば、電子機器用の使い捨てハウジング、使い捨て鼻用アタッチメント、使い捨てポンプなど)を含む。
【0440】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、物質の残留量の自動化された及び/又は記録された廃棄を包含するように構成され得る。これは、例えば、有害廃棄物、又は薬物廃棄、吸引及び中和などのための特別な容器又は別個の容器に送り込むことによって行われ得る。特定の実施形態では、これは薬物廃棄を記録するのに役立ち得る。
【0441】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、電子制御装置及び/又は他の周辺装置用のモジュール式、好ましくは拡張可能なドッキングステーションを備える。例えば、ドッキングステーションは、エネルギー貯蔵装置を充電し、鼻用アプリケーター及び/又は周辺装置にソフトウェア更新を転送し、鼻用アプリケーターによって包含される任意の2つの装置をペアリングし、ハードウェアチェックを実行し、鼻用アプリケーター/周辺装置への解放を実施するように構成され得る。
【0442】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、物質を自動的に(再)オーダーするように構成されている。
【0443】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターの保護キャップは、鼻用アタッチメントを清潔に保つために抗菌剤を含む。
【0444】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、鼻用アタッチメント用のリンス装置を備え、そうでなければ、鼻用アタッチメント内の物質の量は、微生物によるコロニー形成を促進し得る次の解放まで「停滞する」。これは、好ましくは、物質中の感受性薬剤のために提供され得る。
【0445】
幾つかの実施形態では、プライミングプロセスが提供され得、該プロセスの間に、例えば、物質が物質リザーバに戻され、自動的に収集される。幾つかの実施形態では、プライミングプロセスが完了していない場合、鼻用アプリケーターが解放を阻止することが提供され得る。
【0446】
幾つかの実施形態では、プライミングプロセス中に音響信号が発され得る。この信号は、例えばプライミング処理が完了していない間に鳴る警告音であり得る。同様に、プライミングプロセスの終了時又は終了後にのみ、例えば本明細書に記載の音響信号が発され得る。
【0447】
本明細書、特に上記で音響信号を参照する場合、これは、特に音響信号の説明に従って視覚(又は光)信号も提供され得るという事実について誤解を招くことを意図していない。このように、視覚信号は、プライミング処理がまだ完了していないことを示し得る。代替的又は追加的に、視覚信号は、プライミングプロセスが現在、又は現在のみ完了したと見なされていることを示し得る。
【0448】
幾つかの実施形態では、ソフトウェア(例えば、データのエクスポート、ダッシュボード、レポート、電子メール、通知、スクリーン、アプリなど)を介したデータ評価は、鼻用アプリケーターの内部及び/又は外部で提供され得る。
【0449】
幾つかの実施形態では、データ評価は、データ暗号化を適用することを提供し得る。例えば、これは、暗号鍵、ブロックチェーン、パスワード、パスフレーズ、トークン、バイオメトリック、及び/又はドングルなどであり得るか、又はそれらを包含し得る。
【0450】
鼻用アプリケーターの幾つかの実施形態では、更なる機能、例えば、治療及び/又は更なる装置のための、及び/又は患者管理及び/又は同様のための更なる物質及び/又は機能の適用のための、鼻用アプリケーターの装置を集中的に制御、モニタリングなどすることができるダッシュボード(制御ステーション)が接続可能である。
【0451】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、例えば、患者の満足度、副作用などに関して、内部及び/又は外部調査を行うように提供又はプログラムされ得る。これらの調査は、例えば、国際統計疾患分類及び関連健康問題(ICD-10、EU)に従って、又は診断関連群(DGRG)に従って、及び/又は術後疼痛治療の質の改善(QUIPS)(独国)に従って、及び/又はリスク評価及び緩和戦略(REMS)プログラム、DEA監視プログラム、又はDEA文書化(米国)に従って標準化され得る。
【0452】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、使用者/患者の急性及び慢性疼痛経験を判定するためのQIUPSインターフェース(アンケート、情報資料等)を包含する。
【0453】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、使用者/患者の訓練及び/又はアフターケアのための患者情報(オンライン及び/又はオフライン)、又はそれを行う可能性を包含する。これは、例えば、オンラインビデオ相談、バーチャルアシスタント、取扱説明書、患者情報リーフレット又は添付文書、副作用に関する情報、FAQ、手術及び/又は製品情報、フォーム、調査、治療日誌、電子患者記録などによって提供され得る。
【0454】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、例えば、リマインダ、新しい訓練、研究、装置更新、新しい機能、物質などによって実現される、医師及び/又は介護者のための訓練機能(オンライン及び/又はオフライン)を包含する。
【0455】
幾つかの実施形態では、病院又は他の施設及び/又は規制の個々の要件を満たすために、本発明を使用してカスタマイズされたレポートが作成され得る。これらには、例えば、米国の食品医薬品局(FDA)規制、独国の連邦医薬品医療機器庁(BfArM)規制、又は欧州の欧州医薬品庁(EMA)規制などが含まれ得る。
【0456】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、例えばヘルスケア追跡、識別/認証、データ収集/データマイニング、及び/又は感知によってIoT(モノのインターネット)をサポートするために提供される。この目的に適した通信装置を使用して、特に人間の介入なしに、データはネットワークを介して送信され得る。この目的のために、個々の装置及び周辺装置がネットワーク内で互いに認識できるように、鼻用アプリケーターの個々の装置及び/又は周辺装置のうちの1つ以上に1対1の識別子を供給することが任意選択的に提供され得る。
【0457】
幾つかの実施形態では、周辺装置のうちの1つは、第1の鼻用アプリケーターから第1のデータを受信し、第1のデータを処理し、処理の結果に基づいて、第2のデータを作成し、第2のデータを第2の鼻用アプリケーター及び/又は第1の鼻用アプリケーターに送信するようにプログラムされている。この場合、第2のデータは、例えば、アルゴリズム、又はアルゴリズムを実行したときに得られた結果であり得る。
【0458】
特に、第1の使用者における特定の第1の鼻用アプリケーターの使用中に得られ、第1のデータに反映され得る経験は、このようにして有利に使用されて、この第1の鼻用アプリケーターの後の使用を改善し得る。この目的のために、第1の鼻用アプリケーターから受信したデータに基づいて、第2のデータは、第1のデータの分析、編集、処理などの後に周辺装置のうちの1つによって生成され得、例えば、前記周辺装置から第1の鼻用アプリケーターに送達され得ることが本発明に包含される。第2のデータは、特定の第1の使用者と使用者の群との関連、すなわち、例えば、それらの分類に関する、又はそれらの臨床像若しくは使用者の行動の分類に関するデータを包含し得る。それらは、式、アルゴリズム、又は他の形態として提供及び送信され得る。それらは、特定の使用者、使用者の行動及び/又は患者としての特徴を考慮せずに行われるが、例えば、医学的に区別できない消費者として行われる純粋な更新とは異なる場合がある。
【0459】
特に、第1の使用者における特定の第1の鼻用アプリケーターの使用中に得られ、第1のデータに反映され得る経験は、このようにして有利に使用されて、第2の鼻用アプリケーターの後の使用を改善し得る。この目的のために、第1の鼻用アプリケーターから受信したデータに基づいて、第2のデータは、第1のデータの分析、編集、処理などの後に周辺装置のうちの1つによって生成され得、例えば、前記周辺装置から第1の鼻用アプリケーターに送達され得ることが本発明に包含される。第2のデータは、上述のように実現され得る。これは、例えば、又はとりわけ、第1の使用者による第1の鼻用アプリケーターの使用によって得られた経験を、第2の鼻用アプリケーターの使用者の今後の使用のために有利に使用することが第2の鼻用アプリケーターの使用者に役立ち得る。
【0460】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターの使用は、最初に「ベースアルゴリズム」で始まることが提供される。
【0461】
本明細書で「ベースアルゴリズム」とも呼ばれる初期アルゴリズムは、任意選択的に、例えば、年齢、同時投薬、重大な既存の状態などに基づいて最初に調整され得る、対応する指示の事前設定モデル及びパラメータのセットで始まる。治療又は使用の開始後、「ベースアルゴリズム」(モデル及び/又はパラメータ)は、塗布された用量及び/又は結果として生じる濃度に基づいて、好ましくは、患者を特徴付けるために、理論的に計算された次の塗布時点と実際の次の塗布時点との間の比較、使用者の作動挙動及び/又はバイタルサインの入力を用いて訓練される。このように、それに基づいて、この患者による使用又はこの患者の治療は、その鼻用アプリケーターの更なる使用のために最適化され得る。
【0462】
この目的のために、「ベースアルゴリズム」(モデル及び/又はパラメータ)を訓練するために、人工知能及び/又は機械学習(又は機械学習の特殊な場合、深層学習)の手順、方法及び技術が適用され得、これは、例えば、異なる鼻用アプリケーターの複数の用途で得られ得るデータに頼ることなどによって周辺装置上で行われ得る。
【0463】
このようにして生成された治療データ(塗布用量、塗布時点、バイタルサインなど)又は各個々の使用者の「ベースアルゴリズム」(モデル及び/又はパラメータ)の「訓練進化」は、構造化された方法で収集され、治療の最後に又は対応するデータベースにおいてリアルタイムで均質化され得る。次いで、このデータベースは、「ベースアルゴリズム」のための有意義で実行可能な改善/洞察を導出又は評価し、第2のデータを送信することによってそれらを実装する目的で、類似性、パターン、異常などについて「ビッグデータ」分析方法(例えば、クラスタ分析、データマイニング、曲線分析、パターン分析など)及び/又は手順、人工知能及び/又は機械学習(又は機械学習、深層学習の特殊な場合)の方法及び技術を用いて検索され得る。
【0464】
任意選択のステップでは、「自身の」データベースは、例えば長期患者データ、例えばEHR(電子健康記録)、EMR(電子医療記録)及び/又はHIS(ヘルスケア情報システム)及び/又は遺伝子データベース、及び/又は表現型及び/又は臨床研究及び/又は長期研究と遺伝子型の組み合わせ、例えばQUIPS(術後疼痛治療の質の向上)、Pain-Outなど、及び/又は「ウェアラブル及びセンサ」データ、及び/又はコンピュータによる医療コンピュータシミュレーション及び/又は他のソースなどの更なるコンピュータモデルなどの他のデータベースとネットワーク接続し得る。このネットワーク形成の目標は、「ビッグデータ」分析方法及び/又はAI方法のデータ状況/ベース(量)、並びに「ベースアルゴリズム」が「訓練」される結果をそれぞれ増加又は拡張することである。目標は、今後の治療に「訓練された新しいベースアルゴリズム」を使用することである。それは、第2のデータとして使用され、対応して送信され得る。代替的又は追加的に、そのような「訓練された新しいベースアルゴリズム」に基づく第2のデータは、周辺装置上で生成され、鼻用アプリケーターに送達され得る。このプロセスは、任意の表示のためにカスタマイズされ得る。
【0465】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターの鼻用アタッチメントは、温度、湿度、空気流、負圧などを測定するように構成され得る。
【0466】
鼻用アプリケーターの幾つかの実施形態では、前記鼻用アプリケーターは、睡眠パターンの記録を実行し、この記録に基づいて、睡眠前/睡眠中/睡眠後の継続用量(投与スケジュール)などを調整するように構成され得る。
【0467】
鼻用アプリケーターの幾つかの実施形態では、そのハウジング表面は、ビーディング効果(ロータス効果)を有し得、すなわち、自己洗浄、抗菌などであることが提供され得る。
【0468】
鼻用アプリケーターの幾つかの実施形態では、そのハウジングは、例えばインスリン用に冷却可能であり得る。冷却装置、並びに断熱材料又は設備が設けられ得る。
【0469】
鼻用アプリケーターの特定の実施形態では、そのハウジングは、薬剤の凍結、凝集、又は変性を防止するために加熱可能であり得る。加熱装置、並びに断熱材料又は設備が設けられ得る。
【0470】
鼻用アプリケーターの幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターのハウジングは、寒さ、熱、湿気、及び/又は液体に対する断熱材を備え得る。
【0471】
鼻用アプリケーターの幾つかの実施形態では、追加のモジュールがクリック可能であり得る。対応するホルダ、装置などが鼻用アプリケーターに設けられ得る。
【0472】
鼻用アプリケーターの幾つかの実施形態では、それは、AUXソケット又はライトニングソケットを介してスマートフォン、特に使用者/患者のスマートフォンに接続可能であり得る。これらの実施形態では、スマートフォンは電子機器を表し、対応するアプリは、鼻用アプリケーターの必要なソフトウェアを表す。
【0473】
本明細書では、例えば「有線」などの有線ベースの信号送信に加えて、「コードレス」変形形態、すなわち無線変形形態もまた、信号送信が本明細書に開示されるときはいつでも本発明に包含されることを適用する。
【0474】
特定の実施形態では、鼻用アプリケーター及び/又は周辺装置のうちの1つは、体位信号を提供し、足信号、落下信号などに気付くことができるようにプログラムされている。この目的のために、スマートウォッチ、収納可能及び/又は接着可能なセンサ、及び一体化されたセンサ、アクチュエータ、触覚などを有する繊維又はスマート繊維などの付属品、モビリティプロトコルなどが提供され得る。
【0475】
鼻用アプリケーター及び/又は周辺装置のうちの1つは、これらの機能を実行するように設けられ、構成され得る。それらは、第三者に(例えば、使用者が転倒した後に、例えば、管理センター、病室などに)信号を提供するために使用され得るが、後続の塗布用量のうちの1つ又は複数個の量を事前判定するために使用され得る。例えば、塗布用量及び/又はその量の分注を、合間に起床した、すなわち、例えば、少なくとも数ステップ又は何らかの身体的活動のために結局ベッドを離れた使用者に依存するようにすることが提供され得る。
【0476】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、物質の濃度を自己混合する、特に自動的に混合する、及び/又は内部物質リザーバを充填する、及び/又は第2の物質リザーバからの物質で希釈する、例えば100μg/100μL~50μg/100μLに希釈するように構成されている。
【0477】
幾つかの実施形態では、鼻用アプリケーターは、例えばハウジングの底部での1回又は複数回の回転によるエネルギー採取に適している。このように、必要なエネルギーがそれぞれ必要に応じて生成される、機械システムと電子システムとの間のハイブリッドシステムが生成され得る。
【0478】
幾つかの実施形態において、鼻用アプリケーターの制御装置は、次の塗布用量Dnの量を事前判定する際に、所定の目標濃度CED若しくはその最小値及び/又は判定された時間的な個々の濃度経過、特に判定された個々のPK曲線PKIndを考慮に入れるように更にプログラムされている。
【0479】
幾つかの実施形態において、制御装置は、次の塗布用量Dnの量を事前判定する際に、判定された目標濃度CED若しくはその最小値及び/又は判定された時間的な個々の濃度経過、特に判定された個々のPK曲線PKIndを考慮に入れるように更にプログラムされている。
【0480】
幾つかの実施形態では、制御装置は、次の塗布用量Dnの量及び/又はそれから生じる濃度を制限する、所定の期間内に分注されるすべての塗布用量D0、D1、D2、...、Dn-1、Dn、Dn+1、...の累積量及び/又はそれから生じる濃度を制限する、及び/又は分注されたすべての塗布用量D0、D1、D2、...、Dn-1、Dn、Dn+1、...の累積量及び/又はそれから生じる濃度を制限するように更にプログラムされており、この目的のための制御装置は、データがデータ記憶装置に記憶されている物質に関するデータを任意選択的に利用する。
【0481】
幾つかの実施形態では、周辺装置のうちの1つは、第1の鼻用アプリケーターから第1のデータを受信し、第1のデータを処理し、処理の結果に基づいて、第2のデータを第2の鼻用アプリケーターに送信するようにプログラムされている。
【0482】
幾つかの実施形態では、周辺装置のうちの1つは、第1の鼻用アプリケーターから第1のデータを受信し、第1のデータを処理し、処理の結果に基づいて第2のデータを第1の鼻用アプリケーターに送信するようにプログラムされている。
【0483】
本明細書で言及される利点の1つ又は複数個は、本発明の幾つかの実施形態によって達成可能であり得、該利点には以下が含まれる。
【0484】
薬物療法は、患者が同じ物質の同じ用量に対して非常に異なって反応するという事実によって複雑になる。有効性、並びに有害反応及び副作用のスペクトル及び重症度に差が見られる。
【0485】
個々の薬物の個体間変動(すなわち、異なる患者間の差)の重要な部分は、患者の遺伝的性質(薬理遺伝学)に起因し得る。異なる患者に対する同一の投与は、非常に異なる濃度-時間曲線(薬物動態)、したがって非常に異なる効果(薬力学)をもたらし、したがって用量の個別化が有利である。個体間変動に加えて、個体内変動、すなわち個々の患者の差を薬物治療において考慮すべきである。本発明はこれに寄与し得る。
【0486】
特に、狭い治療範囲、長い排除段階及び副作用を有する物質の複数回投与の場合、数回の連続塗布用量の投与にわたる蓄積効果(物質の蓄積又は濃縮)を考慮に入れなければならない。本発明は、使用者自身による単一又は複数のそのような塗布用量の安全な塗布を可能にし得る。
【0487】
使用者が塗布を実行する可能性自体は、特に、正確な又は個別に適合された用量が決定的な役割を果たす高齢者に当てはまる。本発明は、これに貢献し得る。
【0488】
物質濃度への慎重な「滴定」(判定段階又は発見段階で行われる)及び「オーバーシュート」を回避しながらの異なる塗布用量又は治療効果の調整、及び関連する望ましくない副作用の回避は、更なる利点を示すことができる。
【0489】
この目的のために、目標濃度(CED)に調節することが有利であり得る。疼痛治療の場合、目標濃度に達することは、患者が疼痛治療に満足している状態を表す。目標濃度を超える濃度は、もはや治療効果に寄与せず、回避される副作用を増加させるだけである。
【0490】
本発明は、異なる鼻の生態構造、鼻の状態、塗布角度、個々の使用者が鼻用アタッチメントを通常どれだけ深く挿入するかなどの、鼻用アプリケーターの塗布関連の問題を解決することを可能にし得、本発明によれば、体内での効果が前述及び他の要因に依存する塗布用量の予め設定された量は必要ではない。本発明は、とりわけ、塗布用量の量の事前判定におけるそのような個体間の特異性に対処するのに適している。このように、所望の治療効果が確実に実現される。
【0491】
本発明にも包含されるように、物質が経鼻的に塗布される場合(すなわち、非侵襲的に)、他の投与形態の欠点が回避され得る。例えば、経口投与の場合、物質は、その効果を発揮することができる前に、最初に肝臓を介して代謝されなければならない(初回通過効果)。他の欠点は、作用の開始が比較的遅いこと、及び個々の用量を投与することが困難であることである。嚥下障害及び口渇などの症状は、経口投与を複雑にする。舌下投与の場合、例えば、比較的小さな吸収面及び偶発的な嚥下が問題となる。この効果は又、舌下塗布後すぐに飲む、食べる、又は話すことによっても影響される。
【0492】
本発明の鼻用アプリケーターを用いた鼻腔内投与は、無痛であり、自己投与が容易であり、迅速な効果を有する。
【0493】
さらに可変であり、本発明によれば、ロック装置によって開始及び持続時間を調整可能であるロック期間中の更なる塗布の物質関連の遮断は、目標濃度を適時に見出すことを可能にし、有利には物質の過剰投与を防止することができる。ロック装置は、塗布された用量がその完全な効果を確立することができることを保証し、それによって、効果が使用者によって評価され得る。
【0494】
このように、本発明によれば、とりわけ、既に分注されている塗布用量に基づいて「滴定段階」(判定段階又は発見段階である)の後に、使用者の作動挙動及び過去の時間間隔を、複数回の投与の場合には、個別化又は個別化された塗布用量を判定又は分注し、これは使用者のニーズに対応する、又はそれぞれ所望の治療効果をもたらす自動調節システムが有利に提案される。
【0495】
本発明によれば、使用者の身体のみが物質が身体に何を行うかを反映し(薬力学)、それぞれの塗布用量が判定され、要求/必要に応じて使用者ごとに個別に塗布され得るので、使用者の身体は、制御ループ又は制御システムとして使用される。
【0496】
本発明によれば、更に、薬物動態の性質を利用して使用者を分類し、体内濃度の経時的経過を追跡することができる。初期「滴定段階」後、対応する使用者について、例えば薬物動態群内の平均値若しくは「-SD」若しくは「+SD」に傾向があるかどうかを割り当てること、及び/又は個々の濃度-時間曲線を規定することが可能である。所望の治療効果が生じる目標濃度も本発明に従って判定され得るので、本発明はオーダーメイド医療の更なる開発に有利に寄与する。
【0497】
個体間変動(例えば、年齢、既存の状態、薬物消費)及び個体内変動(例えば、操作、モビリゼーション、概日進行、病状の改善又は回復)は、制御装置によって有利に考慮され得る。
【0498】
これにより、医師又は他の権限を有する人による措置は、有利には必要とされず、したがって時間及びリソースが節約される。
【0499】
最後に、本発明は、有利には、同じ効果を達成するために必要な物質の量がより少ないという事実に寄与し得る。
【0500】
初期用量又は開始用量として送達され得る、例えば手術室からの残留薬剤の「遮断」も又、本発明によれば有利に可能である。
【0501】
以下、添付の図面を参照して、本発明をその例示的な実施形態に基づいて説明する。図面において、以下が適用される。
【図面の簡単な説明】
【0502】
【
図1】第1の例示的な実施形態の薬物分注装置の一例としての鼻用アプリケーター、並びに本発明によるシステムを示す。
【
図2】薬物分注装置の一例としての本発明に係る鼻用アプリケーターの使用の可能な時間的経過を概略的かつ例示的に示す。
【
図3】使用者への物質の異なる塗布の累積用量の量を概略的かつ例示的に示す。
【
図4】異なる塗布用量の量の事前判定の結果を概略的かつ例示的に示す。
【
図5a】本発明による鼻用アプリケーターの考慮される使用者についての個々の濃度経過の判定を、3つの例示的に選択された時間的濃度経過に基づいて概略的に示す。
【
図5b】本発明の幾つかの実施形態の根底にある
図5aの考えの続きを示す。
【
図6】更なる例示的な実施形態の鼻用アプリケーターを示す。
【発明を実施するための形態】
【0503】
図1は、第1の例示的な実施形態の鼻用アプリケーター100を概略的に簡略化して示す。
【0504】
図1に示されるように、鼻用アプリケーター100は、以下に言及される装置又は構成要素のうちの1つ、すべて又は複数個が独立して、表面又は内部に配置され得るハウジング2を備える。他の実施形態では、これらの構成要素の1つ又は複数個は、任意の組み合わせで外部に存在する、すなわちハウジング2内に存在しなくてもよい。
【0505】
鼻用アプリケーター100は、要求装置1を備え、使用者は、物質リザーバRからの物質Sの用量D(
図2又は
図3を参照されたい)を自身に塗布することができるようにするために作動しなければならない。物質Sは、医療用又は非医療用薬剤、特に鎮痛剤であり得る。要求装置1は、同時に、任意選択的に提供されるフィードバック装置8であるか、又はフィードバック装置8を備え得る。フィードバック装置8は、設けられている場合、代替的にスタンドアロン装置であり得る。
【0506】
使用者が、スイッチ、ボタン、インサートなどとし得る要求装置1を作動させ、したがって作動信号を発生させた場合、ディスペンサ3は、ディスペンサによって投与された、すなわち量又は体積に関して判定された量の物質Sを解放し得る。それは、鼻孔内に挿入されることになる鼻用アタッチメント4の管腔を介して物質リザーバRから使用者の鼻内に流入する、注入するなどであり得る。これは、代替的に、鼻用アタッチメント4又は鼻用アプリケーター100の別の又は異なる装置の一部であり得る液滴発生器を介して物質リザーバRから鼻内に塗布され得る。
【0507】
ディスプレイ12、例えばディスプレイ、LEDなど、特に光学的又は触覚的なものが提供され得る。
【0508】
光学ディスプレイに加えて又は付随して、スピーカ、ブザー、ベルが鳴る装置、触覚インジケータ、例えば振動などによる触覚インジケータなどの音響インジケータが提供され得る。
【0509】
この目的のために、物質リザーバRは、任意選択的に、エネルギー負荷機構又は別の塗布装置によって作用され得る(例えば、
図6を参照されたい)。これは、圧力、力、速度、揺動、振動、回転、電気力/磁力などで機能し得る。後者の力又は物理的事象は、例えば、解放速度、力、圧力、加速度、流量、したがって、例えば液滴発生器などの塗布装置のパラメータに影響を及ぼし得る、すなわち、液滴発生器の結果に影響を及ぼし得る。このように、例えばディスペンサ3又は鼻用アタッチメント4の一部であり得る液滴発生器は、例えば物質Sに作用する加圧機構であり得る。例えば、ピストンが物質リザーバR内に押し込まれる、又はポンプが物質リザーバRから物質Sを引き込み、物質Sに圧力、力、速度などを負荷し、それを液滴発生器に押し込む。
【0510】
任意選択の液滴発生器は、機械的及び/又は電気的に作動し得る。それは、例えばノズル、噴霧器、ピエゾ素子などとして設計され得、又は同様のものを備え得る。それは、好ましくは、スプレー又は液滴のクラウド又は粒子のクラウドを生成し得る。
【0511】
ディスペンサ3によるそのような解放が任意の時点で不可能であり、要求装置1の各作動及び/又はその任意の時点に起因しない場合、ロック装置5が任意選択的に設けられ得る。それは、要求装置1がロック期間中に作動されるべきであっても、その持続時間及び/又はその開始及び/又は終了の時点に関して所定の基準に従って判定された規定されたロック期間(例えば、
図2のT_vain
nを参照されたい)中にディスペンサ3による解放又は排出又は送達を防止する、許可しないなど、好ましくは時間制御されるように構成されている。幾つかの実施形態では、固定又は不変の持続時間であるが、他の実施形態では、可変又は変更可能であるロック期間中、要求装置1の作動は、一般に又は原則として塗布されないが、これは、ロック期間が満了した後の作動には適用される必要がない、適用されない。
【0512】
異なる分注時点tA
0、tA
1、tA
2、...、tA
n、...で以下に説明するように、個々の初期用量又は塗布用量(
図2又は
図3のD
0、D
1、D
2、...、D
n、...)で送達される及び/又は送達された物質Sのその部分の量又は体積は、任意選択の用量検出装置7によって検出され得る。
【0513】
用量検出装置7は、鼻用アプリケーター100によって送達された、可変である、すなわち固定用量の量ではない個々の初期用量又は塗布用量D0、D1、D2、...、Dn、...を測定、判定、記憶、合計などするように構成され得る。
【0514】
用量検出装置7は、例えば、それぞれの塗布用量に関する直接的な記述を可能にする量、体積、又は別のパラメータを測定し得る。用量検出装置7は、追加的又は代替的に、時間当たりの流量、ポンプのストローク数、ポンプの回転数など、それぞれの塗布用量に関する間接的な記述を可能にするパラメータを測定又は判定し得る。
【0515】
用量検出装置7又は電子制御装置9などの別の装置は、例えば、速度、加速度、力、変位などの解放パラメータを検出するように構成され得る。そのような検出又は判定された値は、任意選択的に記憶される。
【0516】
例えば単位時間に関して制限された又は事前判定された総用量及び/又は総濃度を制限する用量制限及び/又は濃度制限が、任意選択的に提供され得る。
【0517】
用量検出装置7は、存在する場合、追加的又は代替的に、1つ以上の特定の塗布用量が鼻用アプリケーター100によって投与された又は投与される時点を記録するようにプログラムされ得る。用量検出装置7は更に、追加的又は代替的に、例えば投与された初期用量又は塗布用量D
0、D
1、D
2、...、D
n、...(
図2又は
図3を参照されたい)の2つ以上の分注時点tA
0、tA
1、tA
2、...、tA
n、....の間の期間を検出するようにプログラムされ得る。本明細書で言及される任意の時点間の更なる期間も検出され得る(例えば、tA
1-/「マイナス」T_vain
1_E、tA
1-(特に最後)tB
_v、tB
1_v1-tA
0、tB
_v(特に最後のもの、すなわちtB
_v-1)-tA
0、T_vain
1_E-最後のtB
_v、T_vain
1_E-tB
1_v1であり、そのパラメータは以下で説明される)。
【0518】
電子制御装置9は、任意選択的に、鼻用アプリケーター100又は
図1を参照して言及された装置又は構成要素のうちの複数個、任意又はすべてを制御、調整及び/又はモニターするために設けられ得る。それは、上述のように、ハウジング2内又は外部に設けられ得る。純粋に例示的には、それは、外部から事前判定された初期用量又は塗布用量D
0、D
1、D
2、...、D
n、...に関する情報の受信者であり得る。対応する有線又は無線信号通信が、制御装置9と鼻用アプリケーター100の構成要素又は構成要素(複数)との間で一方向又は双方向又は多方向で提供され得る。
【0519】
任意選択の検出装置11は、本明細書で使用者、オペレータ、又は患者であり得る使用者が、要求装置1を作動させることによって更なる塗布用量を自分自身で塗布しようと試みた又は開始したかどうか、試みた又は開始したこと、及び/又は試みた又は開始した時を検出するために提供され得る。
【0520】
各実施形態では、物質リザーバRは、例えば、シングルショットリザーバ、複数の塗布手順に十分な物質Sを有する物質リザーバなどとして、任意選択的に交換可能であり得る。
【0521】
物質リザーバRは、例えば、予め充填され、自己充填可能であり、一体化され、交換可能であり、単一の用途のために設計され、及び/又は複数の用途のために設計され得る。
【0522】
物質リザーバRは、ハウジング2の内部に配置され得、ハウジング2の外部に配置され得る。
【0523】
物質Sは、どのような凝集状態(液体、気体、固体など)を有し得る。
【0524】
データを記憶するための、又は本明細書に記憶されたデータを有する任意選択のデータ記憶装置Mは、ハウジング2の内部又はハウジング2の外部に配置され得る。
【0525】
これらのデータは、使用者による鼻用アプリケーター100の以前の使用、並びに本明細書で言及される時点又は期間(同義語:時間間隔)の時間データなどに関連し得る。それらは、制御装置9などによる評価の結果であり得、又は任意選択的に、物質S及び/又は基礎疾患などの基礎となる医学的状況に関する薬理学的、薬力学的、ファーマコメトリクス及び/又は薬物動態学的データのデータであり得る。それらは、医師又は他の権限を有する人によって物質関連及び/又は規定され得、例えば、物質Sのtmax値、医師に補正された、いわゆる「無効」tmax値、例えば、最大濃度又は血中濃度が生じる塗布後の時点又は時間間隔の終了、半減期、最終半減期、医師又は他の権限を有する人によって調整された値などであり得る。
【0526】
データは、客観的及び/又は主観的であり得る。
【0527】
データは、例えば血糖値、血圧、心拍数、呼吸数、酸素飽和度などの目的値(センサ値)であり得る。
【0528】
データは、直接測定することができない主観的な値(「効果値」)であり得る。それらは、疼痛スコア、鎮静スコア、副作用などの収集された値及び/又は測定値(例えば、SpO2、HR、HRVなど)に基づいて導出される。
【0529】
データは、推奨濃度、禁忌、副作用、有効期限、及び/又は添付文書、専門家又は熟練者の情報、患者情報、製品特性の概要(SmPC)、組み立て説明書、分解説明書、操作説明書/マニュアルなどであり得る、又はそれらを包含し得る。
【0530】
データは、任意選択的に、薬理学的及び/又は薬物動態学的データに加えて、体重、年齢、性別、BMI、既存の状態、合併症、併存症、アレルギーなどの使用者関連データを含んでもよい。一般に、使用者履歴及び/又は治療履歴は包含される(例えば、以前の介入、処置、診断、病歴、検査、受けた/処方された薬物、受けた麻酔薬、筋弛緩薬、制吐薬などに関するデータ)。
【0531】
そのようなデータ及び他のデータは、任意選択の制御装置9がより正確な投与量を計算すること、又は治療の安全性を高めることを助け得る。
【0532】
そのようなデータ及び他のデータは、解放パラメータ、例えば、規定された液滴サイズ分布を得るために必要な解放パラメータに関連し得る。トリガパラメータは、所定の用量に応じて変化し得る。それは、例えば、塗布装置の解放速度によって設定され得る。
【0533】
任意選択のデータ記憶装置Mは、例えばクラウド、モバイル装置などに配置されたハードウェアメモリ装置、フラッシュメモリ、又は外部データ記憶装置であり得、及び/又はWi-Fi/Bluetoothなどを介して鼻用アプリケーター100の更なる構成要素と信号通信し得る。
【0534】
ロック装置5及び/又は検出装置11は、好ましくは、例えば制御装置9によって電子的に実現又は実装される構成要素である。
【0535】
タイマ又はクロックなどのクロノメータが設けられ得る。個々の構成要素は、上述したように、それを利用し得る。
【0536】
クロノメータを使用することにより、例えば、絶対時間測定(すなわち、正しい/実際の/現在の時間に基づいて)が任意選択的に実行され得、又は相対時間測定が実行され得、相対時間測定において、好ましくは、鼻用アプリケーターが最初に初期化又はスイッチオンされるとき、現在のタイムスタンプが検出され、それにより、時間が遡って判定され得る。
【0537】
幾つかの実施形態では、例えば振動などによって視覚的又は音響的又は触覚的に、現在のロック期間の満了について使用者に通知することが提供され得る。
【0538】
図1には複数の周辺装置101が示されているので、この図も本発明によるシステムを示している。
【0539】
周辺装置101は、同じ設計又は構成を有し得るか、又は少なくとも幾つかが互いに異なり得る。
【0540】
例えば、周辺装置101の一部は、好ましくは本明細書に記載されるように、鼻用アプリケーター100として任意選択的に構成された、及び/又はドッキングステーション、サーバ、スマート装置などとして構成された鼻用アプリケーターであり得る。
【0541】
任意選択的に、周辺装置101の一部又は全部は、任意の組み合わせで互いに通信し得、又はしなくてもよい。
【0542】
図1では、それらはすべて鼻用アプリケーター100と通信し得るが、これも任意であることが示されている。幾つかの実施形態では、周辺装置101の一部のみがこれを行うことができる。
【0543】
さらに、鼻用アプリケーター100及び/又は周辺装置101が、鼻用アプリケーター100及び/又はドッキングステーション及び/又は別の周辺装置101を介して外部と通信し得るように任意選択的に設けられ得る。
【0544】
物質リザーバRは、例えば、通気の有無にかかわらずルアーロック、ピン、針、スパイクなどによって接続され得る。
【0545】
例えば、活性炭、プラスチック繊維などからなる、又はそれらを含むフィルタ(例えば、22μm粒子フィルタ)、又は多孔質膜(例えば、Porex(商標)フィルタ)が提供され得る。このフィルタは、用量チャンバの出口に設けられ得る。複数のフィルタが設けられ得る。
【0546】
物質リザーバRは、上方に移動することができるプラグを備え得る。これにより、鼻用アプリケーター100による位置に依存しない解放が可能になる。
【0547】
すべての材料は、不活性であっても部分的に不活性であり得、例えば、シリコーン、ガラス、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)などからなる、又はこれらで作製され得る。
【0548】
物質リザーバRは、穿刺可能な膜、ねじ接続、押し込み/嵌め合い接続、迅速接続などを有し得る。
【0549】
物質リザーバは、上昇管を備え得る。
【0550】
物質リザーバRは、例えば、パウチボトル(バッグ入りボトル)、「バッグ」(注入の場合のような)、又は折り畳み得、空気を流す必要がない別の容器であり得る。そのような解決策では、位置に依存せずに、すなわち鼻用アプリケーター100の任意の空間的方向に解放し得る。
【0551】
図2は、本発明に係る鼻用アプリケーター100の使用の可能な時間的経過を概略的及び例示的に示す。
【0552】
使用者が、例えば、本明細書で「次の」塗布用量と呼ばれる塗布用量Dnを自分自身に塗布するために要求装置1を作動させる場合、電子制御装置9又はその検出装置11によって、使用者がこの次の塗布用量Dnを自分自身に塗布することを望むこの時点が、まだ進行中のロック期間T_vainn内に入る可能性があるかどうかが判定される。
【0553】
要求装置1が作動されるこの時間がロック期間T_vain
n内にある場合、いかなる場合でも、前記時間に塗布用量D
nは、使用者に塗布されない。そのような時点は、より早いロック期間T_vain
1を参照して
図2に例示的に、更なるロック期間を参照して時点tB
1_v1及びtB
2_v1として、例えばtB
1_v2として示されており、任意選択的に事前判定に含まれる。
【0554】
一方、要求装置1の作動時点がロック期間T_vain
n内に入らず、作動時点tB
nに基づいて
図2の例に示すように、ロック期間T_vain
nの満了又は終了T_vain
n_E後である場合、次の塗布用量D
nは、ここで次の分注時点tA
nとして指定された時点で患者に塗布される。
【0555】
次の塗布用量Dnの塗布に先立って、その量は、本明細書では次のように指定される所定の時点tVnで電子制御装置9によって規定又は事前判定される。制御装置9自身が対応する計算が行われ得るか、又はその計算結果を受け得る。
【0556】
次の塗布用量D
nの量の事前判定は、それらが鼻用アプリケーター100のハウジング2内に含まれる、又はその外部にあるかどうかにかかわらず、鼻用アプリケーター100又は制御装置9などの
図1に関して言及されるその構成要素によって判定される。
【0557】
第1の事前判定時点tVnは、作動時点tBnと同様に、第1の分注時点tAnの時又は前にあり得る。したがって、少なくとも技術的に可能な範囲内で、第1の分注時点tAnと一致し得、その結果、第1の所定の時点tVnと次の分注時点tAnとの間には、次の塗布用量Dnの量を実際に事前判定又は計算するのに十分な時間と、塗布前の所定量が信号又は他の何らかの方法で通信されなければならない装置又は構成要素をアドレス指定する時間とがある。
【0558】
可変用量Dの一例である次の塗布用量D
nの量を事前判定する際に、すなわち、それは医師又は他の権限を有する人、製造業者などによって不変の方法で鼻用アプリケーター100に対して正確には又は排他的には予め設定されておらず、データ記憶装置Mから読み取り可能なデータ及び/又は
図1で言及された鼻用アプリケーター100の構成要素によって判定されたデータが考慮され得る。
【0559】
このデータは、好ましくは、成功した作動時点tBnの前の初期時点tA0を既に含み、この時点で、初期用量D0は、本発明による鼻用アプリケーター100によるか、医療従事者によるかにかかわらず、例えば術後回復室などにある間に、第1の塗布用量D1の送達前であっても使用者に投与された可能性がある。さらに、このデータは、この任意選択の初期用量D0の量を含み得る。
【0560】
この場合、初期時点tA0で初期用量D0が使用者に送達されたと仮定する。
【0561】
このデータは、好ましくは、初期用量又は塗布用量D0、D1、D2、Dn-1が使用者に既に投与された、又は使用者が自ら用量を投与した、作動成功時点tBnの前の任意の初期時間tA0、tA1、tA2、tAn-1を含む。代替的又は追加的に、それから経過した時間、好ましくは上述の用量のそれぞれの量も含まれる。
【0562】
次の塗布用量Dnの計画送達を考慮する場合、これらのデータは、例えば、少なくとも前の塗布用量Dn-1の量、及び任意選択的に、その分注時点tAn-1又はそれから経過した時間を含む。
【0563】
このように、第1の事前判定時点tVnで行われる事前判定は、次の塗布用量Dnの量をもたらす。次の作動時点tBnの後であり、医師又は他の権限を有する人、製造業者などによって事前設定されていない次の事前判定時点tVnで量が判定され、これは本明細書で言及される更なる塗布用量の全部又は一部にも適用され得る。次の事前判定時点tVnにおける事前判定は、データ記憶装置Mから読み出されたデータを考慮して行われる。
【0564】
次の塗布用量Dnが適用された後、好ましくは次の塗布Dnの分注時点tAnにおいて、ロック期間T_vainnが設定され、及び/又は再び開始される。それは、前又は後のロック期間と同じ長さを有し得、又はそれらから逸脱し得る。それぞれのロック期間の長さは、例えば、医師又は他の権限を有する人によって事前判定及び/又は設定され得る。次のロック期間を設定するとき、論理又はアルゴリズムに従い得、それについては各事前判定時点tVnで計算され得る。
【0565】
図2から分かるように、この図について上述した手順が繰り返され得る。
【0566】
次の塗布用量後の塗布用量Dn+1の量を事前判定する際に、前述の塗布用量の量及び/又は分注時点、並びに場合によっては初期用量D0の量及び/又は分注時点に加えて、ここでは次の塗布用量として本明細書で指定されているが、その後に既に塗布される塗布用量Dnの量及び/又は塗布時間tAnが第1の時間について考慮され得、ここで、塗布用量Dnの量及び/又は塗布時間tAnは、その間にデータとして検出され、同様にデータ記憶装置Mに保持され得る。
【0567】
したがって、事前判定時点tVn+1で行われる次の塗布用量の後の塗布用量Dn+1の量の事前判定は、次の塗布用量の後の分注時点tAn+1と次の分注時点tAnとの間にある時間幅の長さ、並びに次の塗布用量の後の分注時点tAn+1と初期時点tA0又は以前の分注時点tA1、tA2との間にある時間幅の長さも考慮に入れ得る。
【0568】
図3は、塗布された個々の用量D
0、D
1、D
2、...、D
n-1、D
n、D
n+1、...、及び時間tの経過にわたって蓄積された物質Sの用量を概略的かつ例示的に示し、その量及び/又は分注時点tA
0、tA
1、tA
2、...、tA
n-1、tA
n、tA
n+1、...などは、それぞれの後の塗布用量の事前判定に含まれ得る。
【0569】
時間軸t及びそのスケーリングは、
図2で使用されているものに対応する、又は同一であると仮定され得る。このように、時点tA
1及び時点tA
2は、
図2に示す絶対時点tA
1及びtA
2に対応する。
【0570】
図4には、本明細書において「滴定段階」とも称される、使用者が所望する治療効果を促す目標濃度が判定される、使用者に物質Sを供給する段階(発見段階又は判定段階)が模式的かつ例示的に記載されている。次いで、以下の塗布用量の量は判定され得、及び/又は個体、用量又は濃度ベースの治療計画が時間制御された方法で設定され得る。
【0571】
図4又は本明細書の他の箇所に示されるような曲線は、例えば、「PFIMソフトウェアに実装された薬物動態モデル及び薬力学モデルの数式」UMR738、INSERM、Paris Diderot UniversityにおけるDubois,A.,Bertrand,J.,&Mentre,F.(2011)による考察に基づいて生成され得る。制御装置は、そのような曲線を生成し、及び/又はそれに必要な計算を実行するようにプログラムされ得る。その刊行物の内容は、本開示の主題も参照することによって本明細書に記載される。
【0572】
図4は、様々な塗布用量D
1、D
2の量の事前判定の結果を概略的かつ例示的に示し、更にはそれぞれが本明細書で使用されるそれぞれの次の塗布用量D
nの一例であり得る。
【0573】
それぞれの塗布用量D1、D2などを事前判定するために、本明細書で論じられる実施形態では、薬理学的、薬力学的、ファーマコメトリクス及び/又は薬物動態学的データを含むデータ記憶装置Mからのデータが使用される。データは、モデル、特にPKモデル、並びにPK曲線であり得る。それらは、好ましくは患者特異的である。
【0574】
これらの薬理学的、薬力学的、ファーマコメトリクス及び/又は薬物動態学的データ又はモデルは、
図4の例では、本明細書でPK曲線と呼ばれる、それぞれの塗布用量後の使用者の体内の物質Sの濃度の時間経過を含む。示された曲線は、塗布された用量及び塗布された用量の量から生じる特定の物質Sの濃度の時間経過を反映している。曲線はまた、体内での吸収、分布、代謝及び排出の過程を反映している。そのような薬物動態モデルは、例えば、平均値及び標準偏差を有するものを考慮して統計分布に従い、ほとんどが患者特異的であり、すなわち、それらは患者Aから患者Bまで異なるように実行され得るため、それらはまた、異なる統計分布に従って異なる使用者又は使用者集団についてデータ記憶装置Mに記憶され得る。そのようなPK曲線の経過は投与方法及び用量に依存するので、
図4において参照番号を付した2つのPK曲線は、一方では50μgフェンタニルの鼻腔内投与についてPK50として、他方では25μgフェンタニルの鼻腔内投与についてPK25として示されている。
【0575】
図4の例では、薬理学的、薬力学的、ファーマコメトリクス及び/又は薬物動態学的データは、データ記憶装置Mに記憶され得るので、任意選択的に、t
maxなどの物質Sに関する情報も含み、これは、用量Dの塗布後に体内、例えば血液中に最高濃度C(t)が存在する時点を示し得る。t
maxの持続時間は、少なくとも最初に又は第1の用量、この場合は初期用量D
0に続くロック期間として使用され得る。同様に、ロック期間は、ロック期間が例えばt
maxの90%のみである、又は数分だけt
maxよりも短い若しくは長いと判定されるなどという点でt
maxに基づき得る。同様に、投与された物質が血液から作用部位に通過する遅延を考慮に入れたい場合、又はt
maxが13分であるが、ロック期間は実際的な理由で例えば10分に設定されるべきである場合、t
maxの100%を超える値、例えばt
maxの110%が可能であり、これはt
maxの後である。
【0576】
したがって、電子制御装置9は、物質Sに関連するデータ記憶装置Mに記憶されたそのようなデータも読み出し、物質Sの次の塗布用量Dnを事前判定する際にこれを考慮に入れるようにプログラムされ得る。
【0577】
図4に概略的及び例示的に示すように、初期時点tA
0で、50μgの鼻腔内フェンタニルの初期用量D
0を使用者に最初に投与した。濃度は第1の最大値C
1maxまであふれ、このため、第1のロック期間T_vain
1のロック期間終了T_vain
1_Eもこの時点について規定され、そのロック期間開始T_vain
1_SはtA
0にある。
【0578】
初期用量D
0のみを使用者に塗布した場合、濃度C(t)は経時的に減少し、
図4に破線で示すPK曲線PK50を仮定すると、約30分後に半減する。
【0579】
しかし、このような半減は、作動時点tB1で要求装置1を作動させた使用者のニーズを明らかに満たさないので、例えば25μgのフェンタニルの量の第1の塗布用量D1が第1の分注時点tA1でそれらに投与される。事前判定時点tV1で行われたこの量の事前判定は、PK50曲線の経過を考慮すると、25μgフェンタニルが、初期用量D0の減少効果又は濃度と、同時に第1の塗布用量D1の増加効果又は濃度との間の相互作用における濃度を達成するのに十分であり、一方では、最初に十分であると考えられた50μgフェンタニルの初期用量D0を超えず、他方では、約45μgフェンタニルの所望の治療効果発現濃度CEDを下回らないことを示した。
【0580】
使用者が所望する治療効果を促進する約45μgフェンタニルの濃度CEDは、使用者が要求装置1を作動させた第1の分注時点tA1の直前の作動時点tB1から所望の治療効果を明らかに逃したことを認識するという点で、制御装置9によって認識される。
【0581】
図4が示すように、使用者は、ロック期間T_vain
1の間に(時点tB
1_v1とtB
2_v1とにおいて)、所望の治療効果が明らかに生じていない、又はまだ生じていないので、2つのさらなる塗布を要求しようと試みる。これらの塗布は、初期用量D
0の濃度がまだその最大値に達していないために拒絶されるが、いずれにせよ、ロック期間T_vain
1はまだ終了していない。それは、ロック期間終了T_vain
1_Eに向かってのみ最大値に達する。ここで、作動時点tB
1は、ロック期間終了T_vain
1_Eの後しばらくするまで発生しないことが分かるので、システムはPK曲線を使用して、所望の治療効果が生じる濃度を導出し得る。この場合、50μgフェンタニルの初期用量D
0は、8分(7分~15分)の治療時間枠をもたらす。
【0582】
図4では、所望の治療効果のための濃度が7分で既に到達していることも分かる。これは、この時点から、ロック期間T_vain
1の間にさらなる無駄な作動時点tB
m_vnが発生しないという事実から分かる。しかし、図から分かるように、初期用量D
0の最大濃度はまだその最大値に達していない。最後の無駄な作動時点tB
3_v1で優勢な濃度を、この優勢な濃度をT_vain
1_Eの後の予想される作動時点と一致させることによって検証のために使用することができる。
【0583】
第1の作動時点tB1から所望の治療効果を促進する濃度CEDを知ると、制御装置9は、ここで第1の塗布用量D1の量を独立して事前判定し得る。初期用量D0による濃度C(t)の減衰及び第1の塗布用量D1による濃度C(t)の同時増加が、治療的に許容される最大値を超えない第2の最大値C2maxをもたらすことを知って、25μgフェンタニルの量を事前判定し得る。
【0584】
薬物動態モデル(PK曲線)を使用して、制御装置9は、任意選択的に、用量D
1の濃度が所望の治療効果を下回る時間を計算し得る。
図4では、これはtA
0から更に19分後又は34分後に起こる。
【0585】
所望の治療効果及び/又はそれぞれの次の最大値Cnmaxを促進する濃度CEDが上記の考察から既知である場合、それぞれの次のロック期間は、濃度CED又はそれぞれの次の最大値Cnmaxが生じる、又は達する時点の知識から計算され得る。例えば、初期用量D0の量に関連して、データ記憶装置Mからロック期間T_vain1が取得され得る。以下の第2のロック期間T_vain2の終了T_vain2_Eは、C2maxの時間の知識から得られ得るが、両方とも互いに同一であり得る。あるいは、場合により、濃度CEDが達成される時点tA1において、濃度C(t)が濃度CEDに再び低下した時点が既に計算され得る。これらの2つの時点間の差の半分、並びにその別の部分(例えば、40%、35%など)は、それぞれの次のロック期間の持続時間として設定され得る。
【0586】
代替アプローチも含まれる。一般に、C
EDを下回る次の落下の計算された時間は、ロック期間として、又はその直前に選択することができる。これは、
図4のtA
0から58分の時点の場合である。したがって、制御装置9は、tA
2、ここではtV
2において、ロック期間を次の目標濃度C
ED(
図4の58分の時点)に設定することができる。
【0587】
さらなる塗布用量、例えばD2(この例示的な場合、それぞれ25μgフェンタニル)の量は、D1と同様の考慮事項に従って事前判定されるであろう。それらは、以前に投与された塗布用量の量並びにそれらの塗布から経過した時間を考慮して判定された。第2の塗布用量D2については、初期用量D0及び第1の塗布用量D1に起因する残留濃度を基準とした。ここには示されていない第3の塗布用量について、初期用量D0、第1の塗布用量D1及び第2の塗布用量D2に起因する残留濃度は、基準となるであろう、又は基準となっていたであろう。したがって、残留用量は、それぞれの以前の塗布の量及びその塗布からの経過時間によって共に判定される。
【0588】
次の塗布用量Dnの量は、使用者の体内、特に血液中の濃度が、次の塗布用量Dnの分注時点tAnから開始して、例えば医師又は他の権限を有する人によって調整され得る所定の期間が経過した後にのみ目標濃度CEDに再び低下するように事前判定され得る。
【0589】
図4が示すように、使用者は、作動時点tB
1_v1、tB
2_v1及びtB
3_v1において、すなわちロック期間T_vain
1の間に、要求装置1を作動させる。しかし、これらの3つの作動はロック期間T_vain
1内にあるため、使用者はそれと共に塗布用量Dを得ることができない。にもかかわらず、制御装置9は、3回の失敗した作動試行及びそれらの作動時点を記録する。
図4の例では、それらはそれぞれ2分(tB
1_v1)及び4分(tB
2_v1)及び7分(tB
3_v1)にあり、任意選択的にデータ記憶装置Mに記憶され得る。作動の試みの失敗が分析される場合、例えば、それらの間の時間間隔、それらが停止するときなど、最初であるが十分な近似に対して、使用者によって所望され、意図された治療効果をもたらす濃度C
EDが検出又は規定され得る。
【0590】
図4には、フィードバック時点tF
1_1、tF
1_2、tF
1_3、tF
1_4が示されている。それらは、使用者がフィードバック装置8を作動させて、フィードバック時に存在するそれぞれの濃度の感じられた効果に満足しているか、又は満足していないかをフィードバックを使用して示す瞬間を表す。このように、前記使用者は、鼻用アプリケーターに、例えば、現在疼痛がないこと、体内により高い濃度を好まないことなどを知らせ得る。
【0591】
図4において、PK50
D0曲線において、約45分から「直線」が存在すること、すなわち、勾配が一定のままであること(擬似平衡「ラムダ」)を見ることができる。
【0592】
ここで、消失半減時間は、45分における優勢な濃度が半減する時間である。
【0593】
文献によれば、フェンタニルの排出半減時間は、慣れに応じて3~12時間の範囲である。
【0594】
図5aは、3つの例示的なPK曲線PK50
D0_+SD、PK50
D0_M及びPK50
D0_-SDを用いて、十分に大きな集団から得られた、50μg鼻腔内フェンタニル投与後の使用者の身体における可能な濃度経過の統計学的分布(平均及び標準偏差)を例示的かつ概略的に示す。示されている閾値の間にちょうど3つを超える曲線が存在し得る、すなわち、集合体/集団の対応する研究は、互いに区別可能なただ3つを超えるPK曲線をもたらし得る。それらのすべて、又はそれらが基づくモデルは、データ記憶装置Mに記憶され得、及び/又は制御装置9によって考慮され得る。簡単にするために、ここでは3つのPK曲線のみを示し、考察する。
【0595】
一般に、等しい用量の物質は、個々の患者に応じて体内の異なる濃度のC(t)をもたらし得る。これは、薬理遺伝学、個体内性、年齢、体重、性別、以前の投薬、以前の疾患などの様々な要因によって影響される。更に、異なる鼻の解剖学的構造、鼻の状態、塗布角度、鼻用アタッチメントが挿入される深さ、及び手動でトリガされる鼻用スプレーがどのように操作されるかは、それぞれのPK曲線の過程で役割を果たす可能性があり、これは経時的に体内の濃度C(t)に影響を及ぼす。
【0596】
図5aに示されるPK曲線、PK50
D0_+SD(平均プラス1標準偏差)、PK50
D0_M(平均)及びPK50
D0_-SD(平均マイナス1標準偏差)などの集団薬物動態モデルを使用することによって、そのような差はマッピングされ得る。
【0597】
図から分かるように、同じ用量の50μg鼻腔内フェンタニルは、これらの3つの例示的に選択された曲線について3つの異なる濃度最大値C
1max_-SD、C
1max_M及びC
1max_+SDをもたらす。複数の他の曲線も表示することができる。次いで、それらは異なる濃度最大値を有する。最大濃度に達するまでの時間は、示されている3つの曲線において異ならず、又複数の曲線から示されていない曲線においても異ならず、又はそうであったとしてもわずかにしか異ならない。したがって、濃度最大C
1max_-SD、C
1max_M及びC
1max_+SDに達する時間に向けられたロック期間T_vain
1の終了T_vain
1_Eは、
図5aの3つの曲線の各々について同時に終了する。
【0598】
初期用量D
0(D
0=50μg)が時点tA
0で塗布されると仮定すると、制御装置9は、集団薬物動態モデルを使用して最大濃度C
1max_-SD、C
1max_M及びC
1max_+SD(及びより多く)を計算し得る。しかし、これらの最大濃度に達するまでの時間はすべての変形例で同じであるため、制御装置9は、3つのPK曲線すべてについて、最大濃度に達するまでの時間に等しい第1のロック期間(T_vain
1、
図5a参照)を設定し、この場合、一例として10分に設定される。最大濃度への到達は、ある範囲で行われ得る。鼻腔内フェンタニルのこの場合では、10~12.8分である。10~12.8分の範囲の濃度の増加は非常に小さいので、この場合、例えば10分などの実際的な措置に時間を四捨五入する。もちろん、11分、12分、又は13分を選択することもできる。このように、tA
0で初期用量D
0(D
0=50μg)が塗布される場合、それぞれ得られる最大濃度が計算され、最大濃度C
1max_-SD、C
1max_M又はC
1max_+SDに達するまでの浸水時間が計算され、ロック期間T_vain
1の長さ(ここでは10分)が計算され、T_vain
1_S及びT_vain
1_Eが設定される。
【0599】
3つのPK曲線PK50
D0_+SD、PK50
D0_M及びPK50
D0_-SDの異なる経過によれば、第1の作動時点tB
1では、濃度は、使用者にとって所望される治療効果を促進する濃度を下回り、患者は、要求に応じて第1の塗布用量D
1を受けることになり(患者による作動、事前判定などに関する時点は、簡略化のためにここでは示されていない、又は実際にはそうであり得る第1の分注時点と同時になる)、所望される治療効果をそれぞれ促進する異なる濃度C
ED1_+SD、C
ED1_M、C
ED1_-SDをそれぞれ計算する(又は、
図5aのようにプロットされたPK曲線を参照して読み取る)。この濃度は、本明細書では目標濃度又はC
EDとも呼ばれる。その値は、とりわけ、薬力学に基づく。
【0600】
作動時点tBnは、事前判定時点tVn及び/又は分注時点tA1に対応し得ることに留意されたい。このように、例えば、以下のtB1=tV1=tA1が適用され得る。
【0601】
図5aは、濃度C
ED1_+SD、C
ED1_M、C
ED1_-SDが分注時点tA
1の前に、それぞれ5、6、及び8分でC’
ED1_+SD、C’
ED1_M、C’
ED1_-SDとして既に存在していたことを示す。これは、省略されたtB
_vによっても導出され得る。
【0602】
上記は、鼻用アプリケーター100が特定の方法で使用者の作動挙動を考慮する、
図5bを参照して説明した実施形態の基礎である。
【0603】
tA
0から始まって対応する濃度C
1max_-SD、C
1max_M及びC
1max_+SDまで
図5bの線(2点を通る直線)を引くと、各々が異なる勾配を有する3つの直線が得られる。ここで時間間隔に基づいて濃度の増加を見ると、PK50
D0_+SD曲線は、同じ時間間隔で濃度の増加が最大であり、PK50
D0_-SD曲線は最小であるので、使用者がどの曲線に割り当てられているかの評価を既に行うことができる。所望の治療効果は濃度に依存するので、初期評価を行うことができる。
【0604】
図5bは、個々のPK曲線PK
Indを判定、選択及び/又は規定するための例示的な手順を概略的に示し、これは、実在する個々の使用者の50μg鼻腔内フェンタニルの薬剤濃度経過を表す。この時点で、個々の時間的濃度経過を判定する際の目標は、本明細書で使用されるように、必ずしも使用者の個々のPK曲線である必要はないことに留意されたい。
【0605】
本発明によれば、例えば統計的平均値曲線PK50D0_Mを方向性として用いたり、「平均プラス標準偏差」曲線や「平均マイナス標準偏差」曲線等の閾値曲線に近づけたりして、使用者が移動する範囲が分かればよい。
【0606】
図5bは、
図5aの図を包含するが、例えば30μgフェンタニルの量の第1の塗布用量D
1の投与によって第1の分注時点tA
1からそれを補完する。
【0607】
第1の分注時点tA
1から、この時点より前に仮定されたPK曲線PK30
D1_+SD、PK30
D1_M及びPK30
D1_-SDがそれぞれ適用される。
図5bで判定された目標濃度C
ED1_+SD、C
ED1_M、C
ED1_-SDに基づいて、制御装置9又はアルゴリズムは、評価/分類を可能にする、すなわち更なる塗布用量を要求するための次の作動の予想される時点が発生しなければならない場合に、それから導出される複数の可能な用量及び濃度C(t)を判定する。この場合、システムは30μgを規定しており、システムは以前の曲線を累積し、判定された目標濃度C
ED1_+SD、C
ED1_M、C
ED1-SDに基づいて、それぞれの曲線経過を今後に伝える。目標濃度C
ED2_+SD、C
ED2_M、C
ED2_-SDがどの時点で数学的にアンダーカットされるべきかが判定される。
図5bの例では、tB
2_+SD、tB
2_M、tB
2_-SDと記されている。この確認に基づいて、制御装置9は、使用者がどの範囲又はどの曲線に存在するかを判定し得る。使用者は、これらの反復及び他の反復によってより良好に分類され得る。
【0608】
以下の3つの可能なケースを考える。
【0609】
ケース1:集団薬物動態曲線PK30D1_M(平均値)が使用者の体内の濃度変化に当てはまる場合、使用者は所望の治療効果濃度を良好に24分上回る、すなわち18分~42分である。前記使用者は、時間tB2_Mで42分まで作動を実行せず、これは、事前判定後、塗布時点tA2_Mで最終的に、使用者によって要求された(第2の)塗布用量D2_Mの再分注をもたらす。
【0610】
ケース2:集団薬物動態曲線PK30D1_+SD(平均プラス1標準偏差)が使用者の体内の濃度変化に適用される場合、使用者は所望の治療効果濃度を21分上回る、すなわち18分~39分である。前記使用者は、時点tB2_+SDで39分まで作動を行わず、これは、事前判定の後、塗布時点tA2_+SDで最終的に、使用者によって要求された(第2の)塗布用量D2_+SDの再分注をもたらす。
【0611】
ケース3:集団薬物動態曲線PK30D1_-SD(平均マイナス1標準偏差)が使用者の体内の濃度変化に適用される場合、使用者は所望の治療効果濃度を27分上回る、すなわち18分~45分まで良好であろう。前記使用者は、時点tB2_-SDで45分まで作動を分注せず、これは、事前判定後、最終的に塗布時点tA2_-SDで、使用者によって要求された(第2の)塗布用量D2_-SDの再分注につながる。
【0612】
このように、作動時点tB2_+SD、tB2_M又はそれぞれtB2_-SDに基づいて、制御装置9は、使用者の個々のPK曲線がここでPK曲線PK30D1_+SD、PK曲線PK30D1_M又はPK曲線PK30D1_-SD(又は制御装置9が考慮し得る無数の更なるPK曲線のうちの1つ)であるかどうかを認識する。要求時間がtA2_+SDである場合、PK曲線PK30D1_+SDが適用される。要求時間がtA2_Mである場合、PK曲線PK30D1_Mが適用される。要求時間がtA2_-SDである場合、PK曲線PK30D1_-SDが適用される。
【0613】
時間的経過と考慮される使用者との間の初期の直接的な関連付けが不可能である場合、それにもかかわらず、制御装置9は、排除プロセスを使用してターゲットに近づき、どの時間的濃度経過又はどの曲線がそれらを最もよく反映するかを特定のユーザの作動挙動に基づいて分類/判定する。
図5bに示され、場合によっては
図5bに示される時間を超えて延びることがある「滴定段階」(判定段階又は発見段階である)の後、使用者のカテゴリー化又は分類が行われ得る。その後、以下の塗布用量の量が判定され得、及び/又は個別の用量ベース若しくは濃度ベースの治療計画が時間制御された方法で設定され得る。
【0614】
上記の手順に従うならば、1つ又は任意の数のPK曲線を可能であると仮定することによって、使用者の個々のPK曲線を、事前に、又は複数の仮説として(例えば、PK曲線PK30
D1_+SDは、使用者に適用され、PK曲線PK30
D1_Mは、使用者に適用され、PK曲線PK30
D1_-SDは、使用者に適用される)、第1の初期用量又は塗布用量D
0、D
1、D
2など、又は次の塗布用量D
nの後の適用可能な仮説又は挙げられた仮説の正確さを一般的にチェックすることが可能である。これは、今後の塗布用量の基礎として使用され得る、使用者の個々の薬物動態モデルをもたらす。
図5bの例において、PK曲線PK30
D1_+SDは、作動時点tB
2_+SDにおいてPK曲線PK
Indとして規定され、塗布用量の今後の事前判定における必要な計算の基礎として使用される。
【0615】
このようにして判定された個々の薬物動態モデルが実際に適用されるかどうかのチェックは、場合により、さらなる治療の過程の任意の時点で、更なる塗布用量Dn、Dn+1などに関連して行われ得る。
【0616】
図6は、更なる例示的な実施形態の鼻用アプリケーター100を示す。鼻用アプリケーター100は、断面図又は部分的に示される部分断面図で
図6に示される。
【0617】
要求装置1を使用して、使用者は、物質Sの次の塗布用量Dnを送り得る。
【0618】
以下、
図1を参照して説明していない構成要素について説明する。
【0619】
このように、鼻用アプリケーター100は、分注される適塗布用量の投与を行う、すなわち量を判定するディスペンサ3を備える。ディスペンサ3は、ここでは例示的に、装填装置15として設計されており、この装填装置は、それぞれ、この量がどれだけ大きくなるかを判定することによって送達される塗布用量の量を規定する。所望の塗布用量を分離するために、装填装置15は、任意選択的に、例えば自動的に又は手動で、二重矢印に沿って(鼻用アタッチメント4から見て)大きめに又は小さめに、遠方に引き戻され得る。
【0620】
接続部位4a又は鼻用アタッチメント4を介してそれぞれ要求される塗布用量を能動的に適用するための塗布装置17は、例示的には、モータ、ここでは例えば電気モータ19及びスピンドル21からなる又はそれらを有する組み合わせとして
図6に示される。
【0621】
本明細書で言及される電気モータは、例えば、ブラシレスであり得るか、又はブラシを有し得る。それらは、例えば、内部ロータモータ、外部ロータモータ及び/又はスロットレスモータとして設計され得る。エンコーダは一体化され得、そのようなエンコーダは外部に配置され得、同じことがモータのコントローラにも当てはまる。
【0622】
モータは、幾つかの実施形態では、ハイブリッドステッパモータ、フラットモータ、中空シャフトモータ、サーボモータ、非同期モータ、同期モータ、又は進行波モータなどのステッパモータであり得る。
【0623】
幾つかの実施形態では、モータは、開制御及び/若しくは閉ループ制御を使用して、並びに/又はエンコーダ及び/若しくはコントローラを使用して制御され得る。エンコーダは、例えば、光学透過光エンコーダ又は反射エンコーダ、磁気エンコーダなどであり得る。
【0624】
モータは、電流消費を介して制御され得、又は制御される。例えば、モータが終了位置(上又は下)に接近又は移動する場合、モータの電流消費量は、例えば0.5Aから1Aに増加する。これは、終了位置又は停止に達したことを意味する。したがって、この測定値は、モータを制御するために、すなわち、例えばモータがオフになるべきときに(モータに)信号を送るためにも使用され得る。
【0625】
鼻用アプリケーター又はそのモータを制御するために、変位センサ、流量センサ、リミットスイッチ(マイクロスイッチ)が任意選択的に使用され得る。追加的又は代替的に、時限制御(例えば、所定時間の通電)も本発明に包含される。
【0626】
モータ又はスピンドルの組み合わせは、特定の実施形態では、ブレーキ、例えば磁気ブレーキ、渦電流、ばね圧力ブレーキ、ストロークの上死点及び/又は下死点又は限界点にあるリミットスイッチなどを含み得る。
【0627】
モータ又はモータ-スピンドルの組み合わせは、代替的又は追加的に、例えば共振及びノイズの問題を排除又は改善するためのダンパを含み得る。
【0628】
図6の鼻用アプリケーター100は、任意選択的に、物質リザーバRと区別可能な用量チャンバ13を備える。これは、物質リザーバR内に貯蔵された物質Sの塗布用量を受ける役割を果たし、具体的には、以後、それを分注するために、本明細書に開示される任意の実施形態が提供され得る。
【0629】
塗布用量を分注することができるようにするために、用量チャンバ13は、最初にそれで満たされなければならない。
図6の実施形態では、このタスクは装填装置15によって実行される。
【0630】
用量チャンバ13は、以下に説明するように、一連の吸引ストローク及び分注ストロークを実行するように作動させ得る。
【0631】
システムの脱気は、空気が圧縮性媒体であり、物質Sが非圧縮性媒体であることを除いて、同様に機能する。脱気すると、又は脱気することによって、システムは、全ストローク経路を移動し、任意選択的に、脱気後のように脱気の速度、力、圧力及び/又は加速度、特に物質Sの送達のための異なるパラメータ値を目指し得る。
【0632】
装填装置15及び/又は塗布装置17が
図6の向きに対して上死点/終点/始点/初期点(一方向弁23bの側)から離れるように移動すると、用量チャンバ13内に負圧が生成される。この負圧により、物質Sは、物質リザーバRから用量チャンバ13に流出する。物質リザーバR内のプラグ17aもこの負圧に追従し、したがって折り畳み式容器が作製される(吸引ストローク)。このとき、一方向弁23bは閉じ、一方向弁23aは開く。これは、機械的、空気圧的、液圧的、電気的などに行われ得る。
【0633】
負圧によって弁23a、23bを制御する代わりに、弁23a、23bは、電気的に制御され得る。この目的のために、装填装置15の位置が元に戻される。
【0634】
弁23a、23bはまた、前述の動作モードの任意の組み合わせで設計又は動作され得る。
【0635】
物質S(分注ストローク)を用量チャンバ13から塗布するために、装填装置15の方向が反転され、それにより、一方向弁23bに向かう方向に所定の速度、力、圧力、加速度で移動する塗布装置17となる。経路が逆になると、用量チャンバ13内に正圧が生成され、一方向弁23aを閉じ、一方向弁23bを開く。これにより、物質Sは、接続部位4aを介して鼻用アタッチメント4を通って押し出されることが可能になる。弁制御は、上述した通りであってよい。
【0636】
任意選択的に、速度、力、圧力、及び/又は加速度の異なる値が、分注ストロークよりも吸引ストロークにおいて塗布される、又は目標とされる。
【0637】
用量チャンバ13は、送達量の最小限の変動を引き起こすために高精度で製造され得、これは装填装置15及び塗布装置17にも適用され得る。
【0638】
これは、低収縮又は低吸水のプラスチックを使用することによって達成することができる。代替的又は追加的に、例えば
図6では、スリーブが圧入され得、スリーブは、好ましくは非常に近い直径公差を有する。これにより、塗布量をより良好に制御することができる。塗布量は、体積=面積×ストロークの式で与えられる。面積は、円A=d
2×π/4の面積である。
【0639】
収縮率が低い又は吸水率が低いプラスチックは、「寸法安定性プラスチック」と呼ぶことができる。
【0640】
寸法安定性は、様々な環境条件下でポリマーのサイズを維持する能力を指す。したがって、寸法的に安定なプラスチックは、吸湿しにくく、熱膨張が少ない。
【0641】
寸法安定性プラスチックには、PEEK、PPS、PSU、PPSU、PEI及びPETなどのポリマーが含まれる。
【0642】
吸湿は、サイズの変化だけでなく、材料特性の変化にもつながる可能性がある。これは、とりわけ、機械的強度及び/又は電気伝導率及び誘電損失係数などの電気的特性に影響を及ぼし得る。
【0643】
吸水しないポリマーは、例えば、PTFEである。以下のポリマー、PEEK、PPS、PSU、PPSU、PEI、PVDF、PET、PPE、PP及びPEは、吸水率が極めて低いプラスチックである。POM、PA12、PC及びABSについても低い吸水率が記録されている。
【0644】
用量チャンバ13、塗布装置17、及び/又は装填装置15は、自己シールであり得るか、及び/又はシールリング16、ピストンリング、Oリング、シールリップなどのシールを備え得る。
【0645】
用量チャンバ13、及び/又は塗布装置17、装填装置15及び/又は他のものなどの物質と接触する任意の要素はコーティングされ得る。可能なコーティングは、例えばパリレンであり得、及び/又はガラスなどの不活性材料であり得、及び/又はシクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)などのエンジニアリングプラスチックであり得る。
【0646】
ここで、任意の他の実施形態と同様に、用量チャンバ13、塗布装置17、及び/又は装填装置15は、潤滑を必要としない材料、例えばPOMホモポリマー、テフロンなどからなる、又は該材料を含み得る。シリコーン油などの潤滑剤、又は摩擦が低減されたコーティングも使用され得る。幾つかの実施形態では、摺動特性を改善するために、例えばCORDULEN、モンタンワックス、高分子量ポリエチレンワックス(PE-LD、PE-HD)、フルオロエラストマーなどの添加剤をプラスチックに添加し得る。
【0647】
特定の実施形態では、用量チャンバ13、塗布装置17、及び/又は装填装置15は、プラスチックなどの他の材料からなるか、又は該他の材料を含み得る。
【0648】
前述の説明から分かるように、用量チャンバ13は、装填装置15が、場合によってはより多くの、場合によってはより少ない量の物質Sを、物質リザーバRから分離するという点で可変であり、このように分離された塗布用量が送達される前に存在する空間は、用量チャンバ13として規定され得る。
【0649】
物質リザーバRは、ガイド内にクランプ、回転、挿入、固定され得若しくはされ、又はハウジング内に案内され得若しくはされる。
【0650】
物質リザーバRは、装填装置15、塗布装置17、鼻用アタッチメント4、ディスペンサ3、又は接続部位4aに接続され得る。接続は、可撓性又は剛性ライン22によって確立され得る。ライン22は、静止し得、又は塗布装置17及び/又は装填装置15と共に移動可能であり得る。
【0651】
物質リザーバRは、例えば、通気の有無にかかわらずルアーロック、ピン、針、スパイクなどによって用量チャンバ13に接続され得る。
【0652】
用量チャンバ13と物質リザーバRとの間の流体接続を確立するために、例えばバイアルの隔壁39を貫通する針38が設けられ得る。
【0653】
フィルタ、例えば(例えば22μm)粒子フィルタ又は多孔質膜(例えば、Porex(商標)-フィルタ)が介在され得る。幾つかの実施形態では、このフィルタは用量チャンバ13の出口に配置され得、そこに第2のフィルタがさらに設けられ得る。
【0654】
以下の詳細から明らかになるように、装填装置15は、塗布装置17と同一であり得るが、それとは別に設けられ得る。
【0655】
塗布装置17及び/又は装填装置15は、エネルギー適用機構として、機械的エネルギー又はばねエネルギー及び/又は油圧及び空気圧エネルギーのためのエネルギー貯蔵部を有し得るが、
図6の実施形態ではそうではない。
【0656】
電気エネルギー貯蔵部20は、塗布装置17及び/又は装填装置15に一体化され得、又は外部接続によってそれらに接続され得る。
【0657】
一体型エネルギー貯蔵部20は、解放のために充電され得、各塗布後に、例えばQi充電パッドなどの充電装置によって、又はPIN接続によってクレードル内で充電され得る。
【0658】
電気エネルギー貯蔵装置20は、キャパシタなどであり得る。
【0659】
電力は、電力ケーブル、電源などを介して、又はイーサネット(LAN)、パワーオーバーイーサネット(PoE)を介して供給され得る。後者は、8線式イーサネットケーブルを介してネットワーク対応装置に電力を供給する方法を指す。そのような供給は、本明細書で提供され得る。幾つかの実施形態では、エネルギー採取のための太陽電池又は機構が、この目的のために代替的に設けられ得る。
【0660】
図6では、塗布装置17及び/又は装填装置15は、本明細書ではスピンドル21を有する電気モータ19が結合された電気駆動部として設計されている。
【0661】
他の実施形態では、この結合はまた、変速機を介して行われ得、又は変速機と共に設計され得る。
【0662】
図6を参照すると、
図6の実施形態などの幾つかの実施形態では、塗布装置17及び装填装置15は、共通の機構によって実装又は実現され得、この機構は、例えば、それが第1の方向(例えば、接続部位4aから離れる方向)に移動するとき、装填装置15として用量チャンバ13を充填し、第1の方向とは反対であり得る第2の方向(例えば、接続部位4aに向かう方向)に移動するとき、例えば、鼻用ピースを介して、塗布装置17として用量チャンバ13の内容物を排出することに留意されたい。本明細書の他の箇所で既に説明したように、一方では吸引中、他方では塗布中のスピンドル21及び/又はモータ19の逆回転が提供され得る。あるいは、例えばクランクシャフトギアを基準にして上述したように、用量チャンバ13を充填することと空にすることとの両方について、同じ方向への回転が可能である。同様に、上述したように、クランクシャフトギアが使用される場合、相互回転によって充填及び排出が可能である。
【0663】
塗布装置17及び/又は装填装置15は、スピンドル21及び/又はモータ19に解放可能又は解放不可能に接続されている。
【0664】
物質リザーバR、塗布装置17及び/又は装填装置15は、使い捨て可能として設計され得る。
【0665】
塗布装置17、装填装置15は、再使用可能な製品として設計され得る。
【0666】
任意選択的に設けられた両方のハウジングシェルは、使い捨て可能として設計され得る。
【0667】
電子制御装置9、モータ19、スピンドル21、及び/又は他の構成要素は、再利用可能であり得る。
【0668】
図6の鼻用アプリケーター100は、用量チャンバ13の容量容積を変更するための任意選択の機構を更に備える。この機構により、又はこの機構を用いて、用量チャンバ13の容量容積は、部分量の物質Sを有するか、又は受けるために変化させ得、異なるサイズの塗布用量を塗布することを可能にする。
【0669】
幾つかの実施形態では、この機構はディスペンサ3の一部であるが、本発明のものなどの他の実施形態ではそうではない。
【0670】
電子制御装置9は、設けられている場合(
図1参照)、様々な速度、力、圧力、加速度、流量で移動し、及び/又は塗布装置17を塗布させるようにプログラムされ得る。
【0671】
モータ駆動の鼻用装置が使用されて、押圧により手動で解放するときに異なる速度、力、圧力、加速度を加える各ユーザの問題を解決し得る。各ユーザが同じ速度、例えば解放速度又は理想的な解放速度を生成することは保証されない。解放速度は、液滴サイズ分布、スプレーパターン及びプルーム形状に最も大きな影響を及ぼすため、ユーザ間で常に同一である解放が特に有利であり、これは、手動解放と比較して、一貫したスプレーパターン、特に液滴サイズ分布、スプレーパターン及びプルーム形状及び塗布量を常に確実にするためである。
【0672】
このようにして、次の適用量が塗布されるとき、これに必要なストローク経路、すなわち完全なストローク距離が常にカバーされることを有利に保証することができる。例えば、150μLの用量について、5mmの距離をカバーしなければならない場合、本明細書に記載のように、例えば4mmがカバーされるだけでなく、圧力強度又は圧力深さに基づく手動の解決策で可能であり得るが、本明細書に記載の選択肢のために、常に完全な必要なストローク経路がカバーされることが保証され得る。
【0673】
追加的又は代替的に、電子制御装置9は、用量チャンバ13の容量容積を変更するための機構に作用するようにプログラムされ得る。これは手動で行うこともよく、解放は依然として自動であり得る。
【0674】
液滴サイズ分布、スプレーパターン、プルーム形状は、好ましくは調整され得、任意選択的に塗布量ごとに異なるように調整され得る。
【0675】
薬剤及びその特性(例えば、粘度、表面張力など)に応じて、異なる速度、異なる力、異なる圧力、異なる加速度、異なる流量が必要とされ得る。装置は、幾つかの実施形態では、各用量に対して別個の速度、力、加速度、流量、又は圧力で作動し得る。これは、例えば予め設定されている、又は予め設定され得る。
【0676】
特定の実施形態では、センサは、位置又は解放位置、例えば垂直又は水平(及び間にあるすべて)を検出し、次いで速度、力、圧力、加速度をそれぞれその位置に調整し得る。
【0677】
図6の実施形態では、用量チャンバ13に物質Sの塗布用量を装填するための装填装置15は、少なくとも1つの第1の一方向弁23a又は逆止弁を備え、且つ/又は用量チャンバ13は、少なくとも1つの第1の一方向弁23a又は逆止弁によって制限されている。この弁は、例えば、ピストン自体に、又は任意の位置、例えば、物質リザーバRから用量チャンバ13への入口ライン内の任意の位置に配置され得る。
【0678】
図6の実施形態では、装填装置15は、少なくとも1つの第2の一方向弁23b又は逆止弁を備える。
【0679】
あるいは、例えば、第1の弁23aは、切り替え可能な三方弁として設計されており、及び/又は異なるように設計されている。このように、第1の弁23aは、単一の要素として二つの弁の機能を果たし得る。
【0680】
この場合、用量チャンバ13は、例示的に、少なくとも第2の一方向弁23b又は逆止弁によって制限されている。任意選択的に、第2の逆止弁23bは、用量チャンバ13に対して、第1の逆止弁23aの開方向とは反対の開方向を含む。
【0681】
任意選択的に、第1の一方向弁23aの機能及び第2の一方向弁23bの機能は、例えば弁要素のような共通の構成要素に組み合わされ得る。
【0682】
用量チャンバ13は、任意選択的に、本明細書に示されていない脱気弁を介して大気と連通している又は連通させ得る。このような脱気弁を使用して、システムの初期の脱気を動作させ、及び/又は後で気泡を除去することが提供され得る。フィルタは、適切な位置に設けられ得る。
【0683】
装置は、任意選択的に、
図6のハウジング分割線2dによって分離された2つのハウジング部、すなわち上ハウジング部2b及び下ハウジング部2cを備える。
【0684】
図6の概略図において、ハウジング上部2bは、物質リザーバR、用量チャンバ13、塗布装置17及び/又は装填装置15を備える。バルブ、フィルタ、脱気、鼻用アタッチメント4用の接続部位4aなどもハウジング上部2bに設けられ得る。
【0685】
ハウジング下部2cは、電子制御装置9、モータ19、スピンドル21、任意選択のエンコーダ、コントローラ、ブレーキ、ダンパ、エネルギー貯蔵部20、要求装置1などを備える。
【0686】
上記の構成要素は、
図6に示すように例示的にのみ配置されている。これらは、任意の組み合わせで配置され得る。
【0687】
ハウジングシェル又はハウジング部2b、2cの一方又は両方は、使い捨て可能であり得る。鼻用アプリケーター100は、完全に組み立てられ、滅菌され、包装されて存在し得るか、又は完全に組み立てられ、滅菌され、包装されて出荷又は送達され得る。あるいは、それは、最初に現場で、患者のベッドサイドで、患者によって、医師などによって完成される(又は組み立てられる)。例えば、物質リザーバRは、依然としてハウジング上部シェルに挿入されなければならず、後者はハウジング下部シェルと組み立てられなければならない。
【0688】
電子制御装置9、モータ19、スピンドル21、任意選択のエンコーダ、コントローラ、ブレーキ、ダンパ、エネルギー貯蔵部20、及び/又は要求装置1は、互いに任意に組み合わせて、ユニットを形成し得る。それらは、ハウジング下部2cに挿入され得るか、又は挿入され、ハウジング下部2cは、ハウジング上部2bと共にハウジング2を形成する。任意選択的に、分解時に、ハウジングシェル(上部及び下部)2b、2cを開いて処分することができる。電子機器は、触れられることなく、下部シェル又はハウジング下部2cから取り外され得る。
【0689】
ハウジング部2b、2cは、単独で又は共に、例えば、鼻用アプリケーターの更なる使用を防止するために、使用者の治療の完了後に意図的に破壊され得る。この目的のために、例えば任意選択のスナップフックを破断するために、又は別の形状嵌合接続を不可逆的に損傷、破断、変位などすることが提供され得る。例えば、スナップフックを変形させ、接続部材又はロックを変位させるなどである。
【0690】
鼻用アプリケーター100は、治療後に自動的に及び/又は手動で空にされ、全体として廃棄され得る。あるいは、部品に分解され、部分的にのみ廃棄又は再処理又は再使用され得、特に、例えば、電子制御装置9、モータ19、スピンドル21などがこの目的に適している。
【0691】
鼻用アプリケーター100は、物質リザーバR及び/又は電子制御装置9を挿入するために開放され得る蓋を備え得る。
【0692】
一方では装填装置15及び/又は塗布装置17と、他方では周囲のスリーブ又はシャフトとの間の気密性を確保するために、シールリング16が設けられ得る。
【0693】
流量センサ11aが設けられ得る。それは、検出装置の一部であり得るか、検出装置を構成し得る、又は検出装置を表し得る。
【0694】
任意選択のプラグ17aは、物質リザーバRの容積を制限するために設けられ、交換可能に配置され得る。
【0695】
任意選択のばねが、この実施形態又は任意の他の実施形態において設けられ得、これは、プラグ17aを直接的又は間接的に押圧して、鼻用アプリケーター100の解放時に、貯蔵上の理由により長期間にわたって想定され得る位置から移動させる。
【0696】
図6に示す弁23aは、任意の実施形態では、任意選択的に、塗布装置17及び/又は装填装置15に、該装置上に、及び/又は該装置中に、又は該装置に近接して配置され得る。
【0697】
任意選択的に、物質Sが用量チャンバ13に送達されるライン22は、任意の実施形態では、装填装置15及び/又は塗布装置17を通って延び得る。
【0698】
任意選択的に、装填装置15及び/又は塗布装置17は、任意の実施形態において、ライン22のための接続部を有し得る。
【0699】
任意選択的に、装填装置15及び/又は塗布装置17は、任意の実施形態では、中空であり得るか、又は遮られていなくてもよい。
【0700】
任意選択的に、ライン22は、任意の実施形態では、装填装置15と共に、及び/又は塗布装置17と共に移動し得る。幾つかの他の実施形態では、ライン22は、装填装置15及び/又は塗布装置17と共に移動しない。
【0701】
任意選択的に、物質リザーバRは、任意の実施形態では、
図6の実施形態に対して180度回転するように設置され得る。
【0702】
任意選択的に、ブラインド設置、すなわち視認性のない設置を回避し、針38からの損傷のリスクを低減し、隔壁39又は他の接続部を備え得る物質リザーバRをより容易に設置することができるように、任意の実施形態において所望のようにすべての構成要素が配置され得る。
【符号の説明】
【0703】
100 鼻用アプリケーター
101 周辺装置
1 要求装置
2 ハウジング
2b 上ハウジング部
2c 下ハウジング部
2d ハウジング分割線
3 ディスペンサ
4 鼻用アタッチメント
4a 接続部位
5 ロック装置
7 用量検出装置
8 フィードバック装置
9 電子制御装置
11 検出装置
11a 流量センサ
12 ディスプレイ
13 用量チャンバ
15 装填装置
16 シール又はシールリング
17 塗布装置
17a プラグ
19 電気モータ
20 エネルギー貯蔵部
21 スピンドル
22 ライン
23a 第1の一方向弁、逆止弁
23b 第2の一方向弁、逆止弁
38 針
39 隔壁
CED1 目標濃度、作動時点tB1での所望の効果/影響に必要な濃度
CED2 目標濃度、作動時点tB2での所望の効果/影響に必要な濃度
CED3 目標濃度、作動時点tB3での所望の効果/影響に必要な濃度
CED1_+SD 第1の設定目標濃度、作動時点tB1でのPK曲線PK50D0_+SDに対する所望の効果/影響に必要な濃度
CED1_M 第1の設定目標濃度、作動時点tB1でのPK曲線PK50D0_Mに対する所望の効果/影響に必要な濃度
CED1_-SD 第1の設定目標濃度、作動時点tB1でのPK曲線PK50D0_-SDに対する所望の効果/影響に必要な濃度
CED2_+SD 第2の設定又は第1の推定目標濃度、作動時点tB2でのPK曲線PK30D1_+SDに対する所望の効果/影響に必要な濃度
CED2_M 第2の設定又は第1の推定目標濃度、作動時点tB2でのPK曲線PK30D1_Mに対する所望の効果/影響に必要な濃度
CED2_-SD 第2の設定又は第1の推定目標濃度、作動時点tB2でのPK曲線PK30D1_-SDに対する所望の効果/影響に必要な濃度
C’ED1 分注時点tB1の前に判定された第1の目標濃度、PK曲線PK50D0に対する所望の効果/影響に必要な濃度
C’ED1_+SD 分注時点tB1の前に判定された第1の目標濃度、PK曲線PK50D0_+SDに対する所望の効果/影響に必要な濃度
C’ED1_M 分注時点tB1の前に判定された第1の目標濃度、PK曲線PK50D0_Mに対する所望の効果/影響に必要な濃度
C’ED1_-SD 分注時点tB1の前に判定された第1の目標濃度、PK曲線PK50D0_-SDに対する所望の効果/影響に必要な濃度
C(t)時点tでの濃度
Cnmax 濃度の最大値
C1max PK曲線PK50D0における第1の最大値
C2max PK曲線PK25D1における第2の最大値
C3max PK曲線PK25D2における第3の最大値
C1max_+SD PK曲線PK50D0_+SDにおける第1の濃度の最大値
C1max_M PK曲線PK50D0_Mにおける第1の濃度の最大値
C1max_-SD PK曲線PK50D0_-SDにおける第1の濃度の最大値
C2max_+SD PK曲線PK30D1_+SDにおける第2の濃度の最大値
C2max_M PK曲線PK30D1_Mにおける第2の濃度の最大値
C2max_-SD PK曲線PK30D1_-SDにおける第2の濃度の最大値
D 用量
D0 初期用量
D1 第1の塗布用量、先行塗布用量
D2 第2の塗布用量、次の塗布用量
D3 第3の塗布用量
Dn-1 次の塗布用量に先行する塗布用量
Dn 次の塗布用量
Dn+1 次の塗布用量の後の塗布用量又は次の用量の後の塗布用量
M データ記憶装置
PK25 25μgフェンタニルの単一用量についてのPK曲線
PK50 50μgフェンタニルの単一用量についてのPK曲線
PK25Dn 25μgフェンタニルの複数回用量についてのPK曲線
PK50Dn 50μgフェンタニルの複数回用量についてのPK曲線
PK50+SD 50μgフェンタニル単一用量についてのPK曲線、集合体の考慮されるすべての個体の平均値プラス1標準偏差
PK50M 50μgフェンタニル単一用量についてのPK曲線、集合体の考慮されるすべての個体の平均値
PK50-SD 50μgフェンタニルの単一用量のPK曲線、集合体の考慮されるすべての個体の平均値マイナス1標準偏差
PK50Dn_+SD 50μgフェンタニル複数回用量についてのPK曲線、集合体の考慮されるすべての個体の平均値プラス1標準偏差
PK50Dn_M 50μgフェンタニル複数回用量についてのPK曲線、集合体の考慮されるすべての個体の平均値
PK50Dn_-SD 50μgフェンタニル複数回用量についてのPK曲線、集合体の考慮されるすべての個体の平均値マイナス1標準偏差
PK30Dn_+SD 30μgフェンタニル複数回用量についてのPK曲線、集合体の考慮されるすべての個体の平均値プラス1標準偏差
PK30Dn_M 30μgフェンタニル複数回用量についてのPK曲線、集合体の考慮されるすべての個体の平均値
PK30Dn_-SD 30μgフェンタニル複数回用量についてのPK曲線、集合体の考慮されるすべての個体の平均値マイナス1標準偏差
PKInd 個体PK曲線
R 物質リザーバ
S 医薬物質
T_vainn ロック期間
T_vainn_S ロック期間開始
T_vainn_E ロック期間終了
tA0 初期又は開始時間;初期用量の分注時点;初期又は開始用量
tA1,…,tAn,tAn+1 分注時点1~n+1
tA2_+SD 集合体の考慮されるすべての個体の分注時点の平均値プラス1標準偏差
tA2_M 集合体の考慮されるすべての個体の分注時点の平均値
tA2_-SD 集合体の考慮されるすべての個体の分注時点の平均値マイナス1標準偏差
tB1,…,tBn,tBn+1 作動時点1~n+1
tB2_+SD、tB2_M、tB2_-SD算出目標濃度時間
tB1_v1,tB2_v1 ロック期間T_vain1の間の無駄な作動時点
tB1_v2,tB2_v2 ロック期間T_vain2の間の無駄な作動時点
tBm_vn ロック期間T_vainnの間の無駄な作動時点
tFn_1 第1のフィードバック時点
tFn_2,tFn_3 フィードバック時点
tFn_4 最後のフィードバック時点
tV1,…,tVn,tVn+1 事前判定時点1~n+1
【国際調査報告】