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特表2023-537160染料固着剤及びアミン系界面活性剤を含有する洗濯洗剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(54)【発明の名称】染料固着剤及びアミン系界面活性剤を含有する洗濯洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/40 20060101AFI20230823BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20230823BHJP
   C11D 1/66 20060101ALI20230823BHJP
   C11D 1/02 20060101ALI20230823BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20230823BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20230823BHJP
   C11D 1/74 20060101ALI20230823BHJP
   C11D 1/52 20060101ALI20230823BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20230823BHJP
   C11D 1/12 20060101ALI20230823BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20230823BHJP
   C11D 1/14 20060101ALI20230823BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20230823BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20230823BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20230823BHJP
   D06M 13/328 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
C11D1/40
C11D3/30
C11D1/66
C11D1/02
C11D1/72
C11D1/68
C11D1/74
C11D1/52
C11D1/22
C11D1/12
C11D1/29
C11D1/14
C11D1/04
C11D17/04
C11D17/08
D06M13/328
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511575
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-02-14
(86)【国際出願番号】 CN2021112271
(87)【国際公開番号】W WO2022062753
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/118408
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/118325
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/138032
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】タン、ミン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ、キアン
【テーマコード(参考)】
4H003
4L033
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB21
4H003AB27
4H003AB31
4H003AC03
4H003AC05
4H003AC08
4H003AC12
4H003AC13
4H003AE02
4H003BA12
4H003BA18
4H003DA01
4H003EA21
4H003EB04
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB19
4H003EB22
4H003EB30
4H003EB37
4H003EC01
4H003ED02
4H003EE01
4H003FA08
4H003FA14
4H003FA26
4H003FA34
4L033AB04
4L033AC15
4L033BA46
(57)【要約】
染料固着剤及びアミン系界面活性剤を含有する洗濯洗剤組成物が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯洗剤組成物であって、
a)前記組成物の0.01重量%~10重量%の染料固着剤、及び
b)前記組成物の0.1重量%~20重量%のアミン系界面活性剤を含み、
前記アミン系界面活性剤は、以下の式(I):
R-NH(((CH-NH)-(CH-NH (I)
(式中、Rは、直鎖又は分岐C~C20アルキルであり、
a、b、x、m、及びnは整数であり、a+b=2であり、
aは、0又は1であり、bは、1又は2であり、xは、0~10の整数であり、mは、1~7の整数であり、nは、1~7の整数である)を有する、洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記アミン系界面活性剤は以下の式(I):
R-NH(((CH-NH)-(CH-NH (I)
(式中、Rは、直鎖又は分岐C~C18アルキル、好ましくはC10~C16アルキルであり、aは0であり、bは2であり、xは、0~8の整数であり、好ましくは0~5、より好ましくは0~3であり、mは1~4の整数であり、好ましくは2~4、より好ましくは3であり、nは1~4の整数であり、好ましくは2~4、より好ましくは3である)を有し、
好ましくは、前記アミン系界面活性剤はC12~C16アルキルジプロピレントリアミンであり、
より好ましくは、前記アミン系界面活性剤はドデシルジプロピレントリアミンであり、
最も好ましくは、前記アミン系界面活性剤は、以下の式:
【化1】
を有するトリアミン化合物である、請求項1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項3】
前記アミン系界面活性剤は、前記洗剤組成物の0.4重量%~12重量%、好ましくは0.7重量%~10重量%、より好ましくは1重量%~8重量%の範囲の量で存在する、請求項1又は2に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項4】
前記染料固着剤は、
i)ポリアミンとシアナミド及び酸との反応生成物、
ii)シアナミドとアルデヒド及びアンモニウム塩との反応生成物、
iii)シアナミドとアルデヒド及びアミンとの反応生成物、又は
iv)アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、及び
v)それらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項5】
前記染料固着剤は、前記洗剤組成物の0.02重量%~5重量%、好ましくは0.05重量%~2重量%、より好ましくは0.1重量%~1.5重量%、最も好ましくは0.15重量%~0.9重量%の範囲の量で存在し、
好ましくは、前記染料固着剤は、アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択され、前記アミンは第一級、第二級、又は第三級アミンであり、
より好ましくは、前記染料固着剤は、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択され、
最も好ましくは、前記染料固着剤はポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)である、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項6】
前記洗剤組成物は、
c)前記組成物の0.1重量%~50重量%の非イオン性界面活性剤、及び/又は
d)前記組成物の0.1重量%~50重量%のアニオン性界面活性剤を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項7】
前記非イオン性界面活性剤は、1%~45%、好ましくは2%~40%、より好ましくは3%~35%、最も好ましくは4%~30%の範囲の量で存在し、
好ましくは、前記非イオン性界面活性剤は、アルキルアルコキシル化アルコール、アルキルアルコキシル化フェノール、アルキル多糖類、アルキルポリグリコシド、メチルエステルエトキシレート、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、スクロースエステル、ソルビタンエステル及びソルビタンエステルのアルコキシル化誘導体、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、
より好ましくは、前記非イオン性界面活性剤は、1~20、好ましくは5~15、より好ましくは7~10の範囲の重量平均アルコキシル化度を有するC~C20アルコキシル化アルコールを含み、
最も好ましくは、前記非イオン性界面活性剤は、1~20、好ましくは5~15、より好ましくは7~10の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC~C18エトキシル化アルコールを含む、請求項6に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項8】
前記アニオン性界面活性剤は、前記組成物の0.1重量%~45重量%、好ましくは0.5重量%~40重量%、より好ましくは1重量%~35重量%、最も好ましくは2重量%~30重量%の範囲の量で存在し、
好ましくは、前記アニオン性界面活性剤は、C~C20直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、C~C20アルキル硫酸塩(AS)、C~C20アルキルアルコキシ硫酸塩(AAS)、C~C20メチルエステルスルホン酸塩(MES)、C~C20アルキルエーテルカルボン酸塩(AEC)、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、
より好ましくは、前記アニオン性界面活性剤は、C~C20LASと、任意に、C~C20AS及び/又はC~C20AASなどの追加のアニオン性界面活性剤とを含む、請求項6に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項9】
前記洗剤組成物は、
a)前記組成物の0.5重量%~3重量%の前記染料固着剤であって、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択される、前記染料固着剤、
b)前記組成物の3重量%~10重量%の、ドデシルジプロピレントリアミンである前記アミン系界面活性剤、
c)前記組成物の10重量%~35重量%の前記非イオン性界面活性剤であって、7~9の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C16エトキシル化アルコールを含む、前記非イオン性界面活性剤、及び
d)前記組成物の3重量%~25重量%の、C10~C16LAS及びC10~C16アルキルエトキシ硫酸塩を含む前記アニオン性界面活性剤を含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項10】
前記組成物は、
e)前記組成物の0.01重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%、より好ましくは0.2重量%~3重量%、最も好ましくは0.3重量%~2重量%の脂肪酸、及び/又は
f)前記組成物の0.01重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%、より好ましくは0.2重量%~3重量%、最も好ましくは0.3重量%~2重量%の界面活性剤増強ポリマー、好ましくはポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーを更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項11】
前記組成物が、液体組成物又は単位用量組成物である、請求項1~10のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項12】
着色布地の色を保護する方法であって、前記着色布地を、請求項1~11のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項13】
前記色の保護は、前記着色布地に染料を固着させること、及び/又は前記着色布地からの退色又は色にじみを防止することによって達成される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染料固着剤及びアミン系界面活性剤を含有する洗濯洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗剤製品が進化するにつれて、洗浄に関する消費者のニーズはよく満たされている。しかし、洗濯業界にはまだ満たされていない消費者ニーズがいくつかある。特に、まだ満たされていないニーズの1つは、洗濯サイクル中に着色織物の退色又は色にじみを防止することである。
【0003】
着色織物は、特に綿や混紡綿生地で作られた暗色織物の場合、織物から染料が放出されるため、数回の洗濯サイクルで色あせすることがある。一方、色にじみが発生する可能性があり、即ち、異なる色又は白い織物と染色された織物を同時に洗濯すると、洗浄液中の染料濃度が比較的高くなり、その結果、異なる色又は白い織物は、染色された織物から放出された染料で染色される可能性がある。退色や色にじみ(染料にじみとも呼ばれる)は、着色織物の外観を急速に劣化させる。したがって、退色及び/又は色にじみを防ぐことができる洗濯洗剤組成物が引き続き必要とされている。
【0004】
現在、退色又は色にじみの問題を解決するために、いわゆる染料固着剤が洗剤組成物に使用されている。そのような染料固着剤は、通常、織物上又は洗浄液中の負に帯電した染料を結合して、着色織物から染料が脱離したり、白い織物若しくは異なる染料を有する織物に染料が再付着したりするのを防ぐことができるカチオン性ポリマーである。しかしながら、そのような染料固着剤を含有する洗剤組成物によって達成される色の保護は、消費者の期待に応えるには十分ではない。更に、アニオン性界面活性剤、特に直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩を含む配合物では、そのような染料固着剤の添加は、常に色保護の面で何の利益ももたらさない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、より効果的に色を保護することができる染料固着剤を含有する洗濯洗剤組成物を提供する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
洗剤配合物中の染料固着剤とアミン系界面活性剤との組み合わせが色保護を大幅に改善することができることは、本発明の驚くべき予想外の発見である。
【0007】
それに応じて、本発明は、一態様において、洗濯洗剤組成物であって、
a)組成物の0.01重量%~10重量%の染料固着剤、及び
b)組成物の0.1重量%~20重量%のアミン系界面活性剤を含み、
アミン系界面活性剤は、以下の式(I):
R-NHa(((CH2)m-NH)x-(CH2)n-NH2)b (I)
(式中、Rは、直鎖又は分岐C4~C20アルキルであり、
a、b、x、m、及びnは整数であり、a+b=2であり、
aは、0又は1であり、bは、1又は2であり、xは、0~10の整数であり、mは、1~7の整数であり、nは、1~7の整数である)を有する、洗濯洗剤組成物に関する。
【0008】
いくつかの実施形態では、アミン系界面活性剤は、以下の式(I):
R-NHa(((CH2)m-NH)x-(CH2)n-NH2)b (I)
(式中、Rは、直鎖又は分岐C8~C18アルキル、好ましくはC10~C16アルキルであり、aは0であり、bは2であり、xは、0~8の整数であり、好ましくは0~5、より好ましくは0~3であり、mは1~4の整数であり、好ましくは2~4、より好ましくは3であり、nは1~4の整数であり、好ましくは2~4、より好ましくは3である)を有する。特に、アミン系界面活性剤は、C12~C16アルキルジプロピレントリアミン、好ましくはドデシルジプロピレントリアミン、より好ましくは以下の式:
【0009】
【化1】
を有するトリアミン化合物である(例えば、AkzoNobelから市販されているTriameen Y12D)。
【0010】
本開示の特に好ましい実施形態では、組成物は、
a)組成物の0.5重量%~3重量%の染料固着剤であって、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択される、染料固着剤、
b)組成物の1重量%~10重量%の、ドデシルジプロピレントリアミンであるアミン系界面活性剤、
c)組成物の10重量%~35重量%の非イオン性界面活性剤であって、7~9の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC10~C16エトキシル化アルコールを含む、非イオン性界面活性剤、及び
d)組成物の3重量%~25重量%の、C10~C16LAS及びC10~C16アルキルエトキシ硫酸塩を含むアニオン性界面活性剤を含む。
【0011】
別の態様では、本発明は、着色布地の色を保護する方法であって、着色布地を上記の洗濯洗剤組成物と接触させることを含む、方法に関する。好ましくは、色の保護は、着色布地に染料を固着させること、及び/又は着色布地からの退色又は色にじみを防止することによって達成される。
【0012】
別の態様では、本発明は、着色布地の退色又は色にじみを防止する方法であって、着色布地を上記の洗濯洗剤組成物と接触させることを含む、方法に関する。
【0013】
別の態様では、本発明は、着色布地に染料を固着させる方法であって、着色布地を上記の洗濯洗剤組成物と接触させることを含む、方法に関する。
【0014】
この洗濯洗剤組成物の利点は、例えば、退色及び/又は色にじみの防止並びに染料固着を含めて、着色布地に効果的な色保護を提供することである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
定義
本明細書で使用される場合、「a」及び「an」を含む冠詞は、特許請求の範囲において使用される場合、特許請求されている又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。
【0016】
本明細書で使用される場合、「含む(comprise、comprises、comprising)」、「含む(include、includes、including)」、及び「含有する(contain、contains、containing)」という用語は、非限定的であり、即ち、最終結果に影響を及ぼすことのない他のステップ及び他の成分を加えることができることを意図している。上記用語は、「からなる(consisting of)」及び「本質的にからなる(consisting essentially of)」という用語を包含する。
【0017】
本明細書で使用される場合、組成物が特定の成分を「実質的に含まない(substantially free)」場合、その組成物が、微量未満、あるいは組成物の0.1重量%未満、あるいは0.01重量%未満、あるいは0.001重量%未満の特定成分を含むことを意味する。
【0018】
本明細書で使用される場合、「洗濯洗剤組成物」という用語は、布地を含めて、汚れた材料を洗浄するための組成物を意味する。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用することができ、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加することができる。洗濯洗剤組成物は、液体、粉末、単一区画又は複数区画単位用量などの単位用量、パウチ、錠剤、ゲル、ペースト、バー、又はフレークから選択される形態を有してもよい。好ましくは、洗濯洗剤組成物は液体又は単位用量組成物である。本明細書における「液体洗濯洗剤組成物」という用語は、注入可能な液体、ゲル、クリーム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される形態である組成物を指す。液体洗濯洗剤組成物は、水性又は非水性のいずれであってもよく、また、異方性、等方性、又はそれらの組み合わせであってもよい。本明細書における「単位用量洗濯洗剤組成物」という用語は、水溶性フィルムで包まれた一定量の液体を含有する水溶性パウチを指す。
【0019】
本明細書で使用される場合、「主要界面活性剤」という用語は、組成物中に、そのような組成物に含まれる任意の他の界面活性剤よりも多い量で存在する界面活性剤を指す。同様に、「主要アニオン性界面活性剤」という用語は、組成物中に、そのような組成物に含まれる任意の他のアニオン性界面活性剤よりも多い量で存在するアニオン性界面活性剤を指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、「過半量の界面活性剤」という用語は、組成物中に、そのような組成物中の総界面活性剤含有量の少なくとも50重量%である量で存在する界面活性剤を指す。同様に、「過半量のアニオン性界面活性剤」という用語は、組成物中に、そのような組成物中の総アニオン性界面活性剤含有量の少なくとも50重量%である量で存在するアニオン性界面活性剤を指す。
【0021】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、分岐又は非分岐、置換又は非置換であるヒドロカルビル部分を意味する。「アルキル」という用語には、アシル基のアルキル部分が含まれる。
【0022】
本明細書で使用される場合、「洗浄液」という用語は、1サイクルの洗濯に使用される典型的な量、好ましくは、1L~50L、あるいは、手洗いの場合は1L~20L、機械洗浄の場合は20L~50Lの水溶液を指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、「汚れた布地」という用語は、非特定的に使用され、天然、人工、及び合成繊維を含む任意の種類の天然又は人工繊維、例えば、限定されるものではないが、綿、亜麻布、ウール、ポリエステル、ナイロン、絹、アクリルなど、並びに様々なブレンド及び組み合わせを指すことができる。
【0024】
染料固着剤
本発明の染料固着剤はカチオン性ポリマーである。いかなる理論にも拘束されるものではないが、正電荷を有するそのような染料固着剤は、電荷相互作用を通じて負電荷を有する染料を結合し、染料が織物から出るのを防ぐ、又は染料が異なる色の織物に再付着するのを防ぐことができると考えられる。特に、染料固着剤は、i)ポリアミンとシアナミド及び有機酸及び/又は無機酸との反応生成物、ii)シアナミドとアルデヒド及びアンモニウム塩との反応生成物、iii)シアナミドとアルデヒド及びアミンとの反応生成物、又はiv)アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択され得る。好ましくは、染料固着剤は、アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択されてもよく、このアミンは第一級、第二級、又は第三級アミンである。より好ましくは、染料固着剤は、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択され得る。最も好ましくは、染料固着剤は、ポリ(ジメチルアミン-コ-エピクロロヒドリン)とも呼ばれるポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)、例えば、ClariantからTEXCARE DFC 6の商品名で市販されているポリマーであり得る。
【0025】
「アミン」という用語は、モノアミン及びポリアミンを含む。本明細書で使用されるモノアミンは、第一級、第二級、及び第三級アミンであり得る。それらは、脂肪族アミン、例えばジアルキルアミン、特にジメチルアミン、脂環式アミン、例えばシクロヘキシルアミン、及び芳香族アミン、例えばアニリンであり得る。しかしながら、本明細書で使用されるアミンはまた、脂肪族、脂環式及び芳香族置換基を同時に有してもよい。更に、複素環式化合物、例えばピリジンを使用することも可能である。本明細書における用語「ポリアミン」には、例えば、ジアミン、トリアミン、テトラアミンなどが含まれ、また、類似のN-アルキルポリアミン及びN,N-ジアルキルポリアミンも含まれる。その例は、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンチレンジアミン、ヘキシレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン及び高級ポリアミンである。特に好ましいポリアミンは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びジメチルアミノプロピルアミンであり得る。アンモニウム塩は、アンモニアの塩、特に塩化アンモニウム又は上記のアミン若しくはポリアミンと異なる無機酸若しくは有機酸との塩、又は第四級アンモニウム塩である。
【0026】
シアナミドは、シアナミド又はジシアンジアミドであり得る。本明細書で使用されるアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド;ジアルデヒド、例えばグリオキサール;不飽和アルデヒド、例えばアクロレイン、クロトンアルデヒド、及び芳香族アルデヒド、例えばベンズアルデヒドを挙げることができる。特に好ましいアルデヒドは、ホルムアルデヒドなどの脂肪族アルデヒドであり得る。
【0027】
本明細書で使用される染料固着剤はまた、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(diallyldimethylammonium chloride、DADMAC)に基づくホモポリマー及びコポリマーであってもよい。DADMACに基づくコポリマーは、更なる成分として、他のビニルモノマー、例えばビニルイミダゾール、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸/エステル、アクリルアミド、スチレン、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(acrylamidomethylpropanesulfonic acid、AMPS)などを含有する。DADMACに基づくホモポリマーは、商品名Dodigen(登録商標)3954、Dodigen 4033及びGenamin PDAC(Clariant製)で入手可能である。
【0028】
好ましくは、本開示での使用に適した染料固着剤は、アミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択することができ、このアミンは第一級、第二級、又は第三級アミンである。より好ましくは、本開示での使用に適した染料固着剤は、ジメチルアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択することができる。最も好ましくは、染料固着剤はポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)であってもよい。
【0029】
一実施形態では、染料固着剤は、式(I):
【0030】
【化2】
(式中、nは、5~1000の整数である)のポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)であってもよい。
【0031】
本開示による組成物中の染料固着剤は、組成物の0.02重量%~2.5重量%、好ましくは0.05重量%~2重量%、より好ましくは0.1重量%~1.5重量%、最も好ましくは0.15重量%~0.9重量%、例えば0.2重量%、0.25重量%、0.3重量%、0.35重量%、0.4重量%、0.45重量%、0.5重量%、0.55重量%、0.6重量%、0.65重量%、0.7重量%、0.75重量%、0.8重量%、0.85重量%、0.9重量%、0.95重量%、1.0重量%、1.1重量%、1.2重量%、1.5重量%、1.7重量%、2.0重量%、2.2重量%、2.5重量%又はそれらの間の任意の範囲の量で存在し得る。
【0032】
アミン系界面活性剤:
アミン系界面活性剤は、以下の式(I):
R-NH(((CH-NH)-(CH-NH (I)
(式中、Rは、直鎖又は分岐C~C20アルキル、好ましくはC~C18アルキル、より好ましくはC10~C16アルキルであり、
a、b、x、m、及びnは整数であり、a+b=2であり、
aは0又は1、好ましくは0であり、bは1又は2、好ましくは2であり、xは、0~10の整数であり、好ましくは0~8、より好ましくは0~5、最も好ましくは0~3、例えば、0、1、又は2であり、mは1~7の整数であり、好ましくは1~4、より好ましくは2~4、最も好ましくは3であり、nは1~7の整数であり、好ましくは1~4、より好ましくは2~4、最も好ましくは3である)を有してもよい。
【0033】
特に、本発明に適したアミン系界面活性剤は、C12~C16アルキルジプロピレントリアミン、好ましくはドデシルジプロピレントリアミン、より好ましくは、以下の式:
【0034】
【化3】
を有するトリアミン化合物であり得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、本開示による洗剤組成物中のアミン系界面活性剤は、洗剤組成物の0.4重量%~12重量%、好ましくは0.7重量%~10重量%、より好ましくは1重量%~8重量%の範囲の量で存在し得る。
【0036】
この洗濯洗剤組成物の利点は、例えば、退色及び/又は色にじみの防止及並びに染料固着を含めて、着色布地に効果的な色保護を提供することである。
【0037】
この洗濯洗剤組成物の別の利点は、アミン系界面活性剤を含まない洗濯洗剤組成物と比較して、洗浄性能(例えば、油脂洗浄)を予想外に改善することができることである。
【0038】
アニオン性界面活性剤
本発明の洗濯洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤系を含んでもよい。特に、本発明の洗濯洗剤組成物は、組成物の0.1重量%~50重量%のアニオン性界面活性剤系を含んでもよい。
【0039】
~C20直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(alkylbenzene sulfonate surfactant、LAS)界面活性剤は、本発明の洗濯洗剤組成物のために必要なアニオン性界面活性剤である。一実施形態において、LASは、C10~C16LAS、好ましくは、C12~C14LASである。
【0040】
LASは、通常、アルキルベンゼンのスルホン化(SO又はSOを使用する)とそれに続く中和によって調製される。好適なアルキルベンゼン供給原料は、硫黄及びHFベースの処理を含めて、任意の好適なアルキル化スキームを使用して、オレフィン、パラフィン、又はそれらの混合物から作製することができる。正確なアルキル化触媒を変えることにより、脂肪族炭化水素鎖へのベンゼンの共有結合の位置を広く変えることが可能である。したがって、本明細書のLASは、2-フェニル異性体及び/又は内部異性体含有量が広く変動し得る。
【0041】
洗濯洗剤組成物のいくつかの実施形態では、C~C20LASは、アニオン性界面活性剤系の10重量%~100重量%、好ましくは20重量%~99重量%、より好ましくは30重量%~95重量%、最も好ましくは40重量%~90重量%、例えば、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%又はそれらの間の任意の範囲の量で存在し得る。
【0042】
洗濯洗剤組成物のいくつかの実施形態では、LASのレベルは、好ましくは、そのような組成物に含有される任意の他のアニオン性界面活性剤のレベルよりも高く、即ち、LASは、そのような組成物中の主要アニオン性界面活性剤である。
【0043】
本開示での使用に適したアニオン性界面活性剤は、C~C20アルキル硫酸塩(alkyl sulfates、AS)、C~C20アルキルアルコキシ硫酸塩(alkyl alkoxy sulfates、AAS)、C~C20メチルエステルスルホン酸塩(methyl ester sulfonates、MES)、C~C20アルキルエーテルカルボン酸塩(alkyl ether carboxylates、AEC)又はそれらの任意の組み合わせを更に含んでもよい。例えば、洗濯洗剤組成物は、C~C20アルキルアルコキシ硫酸塩(AAS)(式中、xは、約1~30、好ましくは約1~15、より好ましくは約1~10、最も好ましくは、xは約1~3である)を含有してもよい。そのようなAAS中のアルキル鎖は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、中鎖分岐AAS界面活性剤が特に好ましい。好ましい群のAASとしては、xが約1~3であるC12~C14アルキルアルコキシ硫酸塩が挙げられる。本発明の洗濯洗剤組成物中のAAS界面活性剤(複数可)の量は、組成物の約0.05重量%~約30重量%、好ましくは約0.1重量%~約20重量%、より好ましくは約0.5重量%~約15重量%、最も好ましくは約1重量%~約5重量%の範囲であってもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、LASとAASとの重量比は、少なくとも0.6、好ましくは少なくとも0.8、より好ましくは少なくとも0.9、最も好ましくは少なくとも1、例えば、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.2、1.5、2、2.5、3、4、5、8、10、又はそれらの間の任意の範囲である。
【0045】
本開示による組成物中のアニオン性界面活性剤系は、組成物の0.1重量%~45重量%、好ましくは0.5重量%~40重量%、より好ましくは1重量%~35重量%、最も好ましくは2重量%~30重量%、例えば、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%又はそれらの間の任意の範囲の量で存在し得る。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態では、本開示による組成物中のアニオン性界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤系の30重量%未満、好ましくは20重量%未満、より好ましくは10重量%未満、最も好ましくは5重量%未満の石鹸を含んでもよい。
【0047】
非イオン性界面活性剤(Nonionic Surfactants、NI)
本発明の洗濯洗剤組成物は、非イオン性界面活性剤系を含んでもよい。非イオン性界面活性剤系は、アルキルアルコキシル化アルコール、アルキルアルコキシル化フェノール、アルキル多糖類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、スクロースエステル、ソルビタンエステル及びソルビタンエステルのアルコキシル化誘導体、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される非イオン性界面活性剤を含んでもよい。好ましくは、非イオン性界面活性剤系は、1~20、好ましくは5~15、より好ましくは7~10の範囲の重量平均アルコキシル化度を有するC~C20アルコキシル化アルコールを含んでもよい。より好ましくは、非イオン性界面活性剤系は、1~20、好ましくは5~15、より好ましくは7~10の範囲の重量平均エトキシル化度を有するC~C18エトキシル化アルコールを含んでもよい。
【0048】
本明細書での使用に適した非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、Shellから入手可能なNeodol(登録商標)非イオン性界面活性剤などのC12~C18アルキルエトキシレート;C~C12アルキルフェノールアルコキシレート(ここで、アルコキシレート単位はエチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位の混合物である);BASFから入手可能なPluronic(登録商標)などのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルキルポリアミンエトキシレートとのC12~C18アルコール及びC~C12アルキルフェノール縮合物;C14~C22中鎖分岐アルキルアルコキシレート(BAEx、式中、xは約1~約30である);アルキル多糖類、具体的にはアルキルポリグリコシド;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド;並びにエーテル末端処理ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。また、非イオン性界面活性剤として、アルコキシル化エステル界面活性剤、例えば、式RC(O)O(R)nR(式中、Rは、直鎖及び分岐C~C22アルキル又はアルキレン部分から選択され、Rは、C及びC部分から選択され、Rは、H、CH、C、及びC部分から選択され、nは、約1~約20の値を有する)を有するアルコキシル化エステル界面活性剤も本明細書において有用である。そのようなアルコキシル化エステル界面活性剤としては、脂肪メチルエステルエトキシレート(methyl ester ethoxylates、MEE)が挙げられ、これは当該技術分野において周知である。
【0049】
特定の実施形態において、本発明の洗濯洗剤組成物に含まれるアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、C~C20アルコキシル化アルコール、好ましくはC~C18アルコキシル化アルコール、より好ましくはC10~C16アルコキシル化アルコールである。C~C20アルコキシル化アルコールは、約1~約50、好ましくは約3~約30、より好ましくは約5~約20、更により好ましくは約5~約9の平均アルコキシル化度を有するアルキルアルコキシル化アルコールであることが好ましい。本明細書のアルコキシル化は、エトキシル化、プロポキシル化、又はそれらの混合物であってもよいが、好ましくはエトキシル化である。一実施形態では、アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、C~C20エトキシル化アルコール、好ましくは平均約5~約20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC~C18アルコール、より好ましくは平均約5~約9モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC10~C16アルコールである。最も好ましいアルコキシル化非イオン性界面活性剤は、平均約7又は9モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC12~C14アルコール、又は平均約7モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたC12~C15アルコール、例えばShellから市販されているNeodol(登録商標)25-7である。
【0050】
本開示による組成物中の非イオン性界面活性剤系は、組成物の1重量%~45重量%、好ましくは2重量%~40重量%、より好ましくは3重量%~35重量%、最も好ましくは4重量%~30重量%、例えば、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、又はそれらの間の任意の範囲の量で存在し得る。単一単位用量の用途では、高非イオン性界面活性剤を最大80%使用することができる
【0051】
いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤系とアニオン性界面活性剤系との重量比は、1.5~20、好ましくは1.7~15、より好ましくは1.9~10、最も好ましくは2~8、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、及びそれらの間の任意の範囲である。
【0052】
他の成分
本開示による洗濯洗剤組成物は、組成物の0.01重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%、より好ましくは0.2重量%~3重量%、最も好ましくは0.3重量%~2重量%の界面活性剤増強ポリマー、好ましくはポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーを更に含んでもよい。
【0053】
本発明の洗濯洗剤組成物は、陽イオン界面活性剤を更に含んでもよい。陽イオン界面活性剤の非限定的な例としては、アルコキシレート第四級アンモニウム(alkoxylate quaternary ammonium、AQA)界面活性剤を含む、最大26個の炭素原子を有することができる第四級アンモニウム界面活性剤;ジメチルヒドロキシエチル第四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;ポリアミン陽イオン界面活性剤、及びアミン界面活性剤(具体的には、アミドプロピルジメチルアミン(amido propyldimethyl amine、APA))が挙げられる。
【0054】
本明細書に記載の洗濯洗剤組成物は、補助成分を含んでもよい。好適な補助物質としては、ビルダー、キレート剤、レオロジー調整剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、事前形成された過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、光退色剤、香料、香料マイクロカプセル、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、担体、ハイドロトロープ、加工助剤、溶媒、色調剤、構造化剤、及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。これらの補助成分の正確な性質及び洗濯洗剤組成物中のそのレベルは、組成物の物理的形態、及び組成物が使用される洗濯操作の性質に依存する。
【0055】
いくつかの実施形態では、本開示による洗濯洗剤組成物は、組成物の0.01重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%、より好ましくは0.2重量%~3重量%、最も好ましくは0.3重量%~2重量%の脂肪酸を更に含んでもよい。
【0056】
組成物の調製
本発明の洗濯洗剤組成物は、一般に、洗濯洗剤組成物を製造する技術分野において知られているような従来の方法によって調製される。そのような方法は、典型的には、加熱、冷却、真空の適用などの有無にかかわらず、必須成分及び任意成分を任意の所望の順序で比較的均一な状態まで混合し、それによって、必要な濃度の成分を含有する洗濯洗剤組成物を提供することを含む。
【0057】
使用方法
本発明の別の態様は、洗濯洗剤組成物を使用して布地を処理する方法を対象とする。このような方法は、色保護の効果をもたらすことができる。方法は、水を含む洗濯槽内に5g~120gの上記の洗濯洗剤組成物を投入して洗浄液を形成するステップを含む。本明細書の洗濯槽内の洗浄液の量は、好ましくは、1L~50L、あるいは、手洗いの場合は1L~20L、機械洗浄の場合は10L~50Lである。洗濯洗浄液の温度は、好ましくは、5°C~60°Cの範囲である。
【0058】
本明細書の方法における投入量は、洗浄の種類に応じて異なってもよい。一実施形態では、方法は、約5g~約60gの洗濯洗剤組成物を手洗いの洗濯槽(例えば、約2~4L)に投入することを含む。代替の実施形態では、方法は、約5g~約100g、好ましくは約10g~約65gの洗濯洗剤組成物を洗濯機(例えば、約10~45L)に投入することを含む。
【0059】
試験方法
試験1:染料にじみ試験
染料にじみ試験は、ターゴトメーター(型式:RHLQ1V、Research Institute of Daily Chemical Industry(RIDCI)製)を用いて、以下のように行われる。
1)ターゴトメーターの各チューブ用に、1枚あたり約1.0gの試験用布地(ASIE-130又はASIE-133)を切断する。
2)水浴で40℃に加熱された約9gpgの水硬度レベル(Ca2+対Mg2+の重量比が約4:1)を有する1Lの逆浸透(reverse osmosis、RO)水を加える。
3)約2.0グラムのサンプル液体洗剤組成物を溶解して、約2000ppmの洗剤用量を有する洗浄液を形成する。
4)溶液のpHを約8.5に調整する。
5)約30mLの溶液を取り出し、洗浄前にL/a/bを測定する(5cm×1cmのサンプルセルを使用してUltraScan VIS(HunterLab(Virginia,USA)製)で測定する)。
6)各チューブに1.0gの試験用布地を1枚入れ、約20分間洗浄する。
7)約30mLの溶液を取り出し、ステップ5)と同じ条件でL/a/bを測定する。
8)洗浄前及び洗浄後の測定値に基づいてΔEを計算する。ΔEが高いほど、染料にじみがひどいことを示す。
【実施例
【0060】
実施例1:色保護用の液体洗濯洗剤組成物における染料固着剤とアミン系界面活性剤との相乗効果
以下の成分を含有する4つのサンプル液体洗濯洗剤組成物を調製した。サンプル1は染料固着剤もアミン系界面活性剤も含有しない。サンプル2は、染料固着剤を含有するが、アミン系界面活性剤を含有せず、サンプル3は、アミン系界面活性剤を含有するが、染料固着剤を含有せず、サンプル4は染料固着剤とアミン系界面活性剤の両方を含み、ここで、サンプル4における染料固着剤及びアミン系界面活性剤の合計重量%は、サンプル2における染料固着剤の重量%又はサンプル3におけるアミン系界面活性剤の重量%に等しい。
【0061】
【表1】
1 染料固着剤:ClariantからTEXCARE DFC 6の商品名で市販されているポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)。
2 AkzoNobelから市販されているTriameen Y12D
【0062】
ダイレクトレッド染料(ASIE-130)で着色された布地を使用する上記の試験1:染料にじみ試験に従って、これらのサンプルのΔEを染料にじみの測定値として測定した。ΔEが高いほど染料にじみがひどく、ΔEが低いほど色の保護効果が高いことを示す。
【0063】
赤色に着色された布地についての結果を以下の表に示し、ここで、着色布地は、染料固着剤及びアミン系界面活性剤を含まないサンプル1を使用して洗浄した後に、かなりの染料にじみ(即ち、ΔEの0.9)を示す。予想外に、染料固着剤とアミン系界面活性剤の両方を含むサンプル4は、サンプル2及び3と比較して最高の性能(即ち、ΔEの0.62)を示し、これは、染料固着剤とアミン系界面活性剤との相乗効果を示す。
【0064】
【表2】
【0065】
実施例2:染料固着剤及びアミン系界面活性剤を含有する液体洗濯洗剤組成物の例示的な処方
表3に示される以下の液体洗濯洗剤組成物は、列挙した成分を列挙した比率(重量%)で含むように製造される。
【0066】
【表3】
1 染料固着剤:ClariantからTEXCARE DFC 6の商品名で市販されているポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)。
2 AkzoNobelから市販されているTriameen Y12D
【0067】
実施例3:染料固着剤及びアミン系界面活性剤を含有する単位用量洗濯洗剤組成物の例示的な処方
表4に示される例示的な処方は、単位用量洗濯洗剤のために作製される。これらの組成物は、ポリビニルアルコールベースのフィルムを使用することにより、単位用量の区画(複数可)に封入される。
【0068】
【表4】
1 染料固着剤:ClariantからTEXCARE DFC 6の商品名で市販されているポリ(2-ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)。
2 AkzoNobelから市販されているTriameen Y12D
【0069】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0070】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用されるすべての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献又は複数の参考文献と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0071】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるすべてのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】