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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(54)【発明の名称】物品のための供給ユニット
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20230824BHJP
   B65G 47/86 20060101ALI20230824BHJP
   B65G 47/91 20060101ALI20230824BHJP
   B65B 5/06 20060101ALI20230824BHJP
   B65G 47/28 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
B65G47/14 A
B65G47/14 M
B65G47/86 H
B65G47/91 B
B65B5/06
B65G47/28 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569059
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-01-26
(86)【国際出願番号】 IB2021056705
(87)【国際公開番号】W WO2022023922
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】102020000018412
(32)【優先日】2020-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592033493
【氏名又は名称】ジ・ディ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビオンディ,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】カヴァッツァ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ザネッティ,ウンベルト
(72)【発明者】
【氏名】カンパニョーリ,エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】ジガンテ,アントニオ
【テーマコード(参考)】
3E003
3F072
3F080
3F081
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB02
3E003BE01
3E003DA07
3F072AA06
3F072AA07
3F072GD08
3F072GE01
3F072GE08
3F072JA09
3F072KA30
3F072KA33
3F072KC03
3F072KC07
3F072KE18
3F080AA01
3F080AA03
3F080AA21
3F080BA01
3F080BF04
3F080CC13
3F080CD05
3F080CD06
3F080CE05
3F080CF05
3F080CF23
3F080CG04
3F080DA18
3F081AA03
3F081AA18
3F081BA01
3F081BF08
3F081CB05
3F081CD02
3F081CE04
3F081CE11
3F081DA11
3F081FA02
3F081FB02
3F081FB08
(57)【要約】
物品(2)のための供給ユニット(1;100)は、第1の供給装置(4;104)と、第1の供給装置(4;104)から物品(2)を、所定の時間間隔で取り出し場所(P)において個別につまみ上げるように設けられた第2の供給装置(6;106)と、第1の供給装置(4;104)から物品を受け取って取り出し場所(P)へ移動させるように設けられた同期装置(5;105)と、を備える。制御システム(13;113)は、各物品(2)が、所定の時間間隔で取り出し場所(P)に到達して第2の供給装置(6;106)によってつまみ上げられるように、同期装置(5;105)の速度を調整するように設けられる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品(2)のための供給ユニット(1;100)であって、
・ 第1の供給装置(4;104)と、
・ 前記第1の供給装置(4;104)から前記物品(2)を個別につまみ上げるように設けられた第2の供給装置(6;106)であって、前記物品(2)は、所定の時間間隔に取り出し場所(P)においてつまみ上げられる、第2の供給装置(6;106)と、
・ 前記第1の供給装置(4;104)から前記物品(2)を受け取り、調整可能な速度で前記物品(2)を前記取り出し場所(P)へ移動させるように設けられた同期装置(5;105)と、
・ 速度のための制御システム(13;113)であって、前記物品(2)の各々が、前記時間間隔で前記取り出し場所(P)に到達して前記第2の供給装置(6;106)によってつまみ上げられるように、前記同期装置(5;105)の速度を調整するように設けられた、制御システム(13;113)と、
を備える、供給ユニット。
【請求項2】
前記物品(2)は、前記第1の供給装置(4;104)内で1列に次々と移動される、請求項1に記載の供給ユニット。
【請求項3】
前記第1の供給装置(4;104)は、ガイド(9)を備え、前記ガイド内では、前記物品(2)が摺動によって前記同期装置(5;105)に向けて移動される、請求項2に記載の供給ユニット。
【請求項4】
前記物品(2)は、重力によって前記ガイド(9)内を摺動するか、空気の噴射によって駆動される、請求項3に記載の供給ユニット。
【請求項5】
前記第2の供給装置(6;106)は、前記取り出し場所(P)から前記物品(2)を1つずつつまみ上げて、制御された所定の速度で解放場所(R)に向けて移動させるように設けられた少なくとも1つのねじ(15;115a,115b)を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の供給ユニット。
【請求項6】
前記第2の供給装置(6;106)は、逆回転する1対のねじ(15)を備える、請求項5に記載の供給ユニット。
【請求項7】
前記第2の供給装置(6;106)は、前記第2の供給装置(6;106)によって送られた前記物品(2)を解放場所(R)において受け取ってコンベア(8;108)上に置くように設けられた交換ホイール(7)と同期する、請求項1~6のいずれか1項に記載の供給ユニット。
【請求項8】
前記同期装置(5;105)は、互いに対向して逆回転する1対のコンベアベルト(10;110)を備え、前記物品(2)は、前記取り出し場所(P)に向けて移動されたときに、前記1対のコンベアベルト(10;110)の間に個別に保持される、請求項1~7のいずれか1項に記載の供給ユニット。
【請求項9】
前記制御システム(13;113)は、前記逆回転する1対のコンベアベルト(10;110)の回転速度を調整する、請求項8に記載の供給ユニット。
【請求項10】
前記制御システム(13;113)は、位置センサ(14;114)を備え、前記位置センサ(14;114)は、前記取り出し場所(P)の上流側の前記同期装置(5;105)上での前記物品(2)の移動中における前記物品(2)の位置を検出し、これにより、前記制御システム(13;113)は、前記同期装置(5;105)の速度を調整することができる、請求項1~9のいずれか1項に記載の供給ユニット。
【請求項11】
制御された状態で物品(2)を供給するための方法であって、
・ 第1の供給装置(4;104)に沿って前記物品(2)を移動させるステップと、
・ 前記物品を一体的に保持する同期装置(5;105)を用いて、前記第1の供給装置(4;104)から前記物品(2)を受け取るステップと、
・ 前記同期装置(5;105)を用いて、前記物品(2)を取り出し場所(P)に向けて移動させるステップと、
・ 第2の供給装置(6;106)を用いて、前記取り出し場所(P)および所定の時間間隔において、前記物品(2)を個別につまみ上げるステップと、
・ 前記物品(2)の各々が、前記時間間隔で前記取り出し場所(P)に到達して前記第2の供給装置(6;106)によってつまみ上げられるように、前記同期装置(5;105)の速度を調整するステップと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記物品(2)は、浸出式飲料用カプセルである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記物品(2)は、浸出式飲料用カプセルに挿入される保護ディスクである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
浸出式飲料用カプセルを作製するための装置であって、空の前記カプセル(3)のためのコンベア(8)と、前記空のカプセル内に置かれる保護ディスクのための供給ユニット(1)と、を備え、前記供給ユニットは、請求項1~10のいずれか1項に従って実現される、装置。
【請求項15】
浸出式飲料用カプセルを梱包するための装置であって、空の箱形梱包体のためのコンベアと、前記空の箱形梱包体内に置かれる前記浸出式飲料用カプセルのための供給ユニット(100)と、を備え、前記供給ユニット(100)は、請求項1~10のいずれか1項に従って実現される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整列していない状態で物品を受け取り、制御された状態で物品を送ることができる、物品のための供給ユニットに関する。また、本発明は、制御された状態で物品を供給するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、例えばコーヒーなどの浸出式飲料のためのカプセルのような食品および非食品を準備および梱包するための分野で好ましく適用されるが、これに限定されるものではない。この分野への参照は、以下の本明細書では一般性を損なうことなくなされ得る。
【0003】
特に、当該技術分野において、複数の容器が、例えばコーヒーの粉などの梱包対象製品で個別に満たされ、適切な膜によって閉鎖された後、特殊な箱に梱包されて最終梱包ステップに送られるようになっている生産・梱包装置が知られている。
【0004】
この生産・梱包装置は、複数の動作を含む。ここでは、異なる種類の物品が制御された状態でワークステーションまたはそれに従属しているコンベアに供給される必要がある。
【0005】
このような物品には、例えば、容器の下部と梱包対象製品(例えばコーヒーの粉)を内包するフィルタとの間に、まだ空の容器に挿入される保護ディスクが設けられる。これは、飲料を準備するステップ中にフィルタに誤って穴が開けられることを防止する。
【0006】
あるいは、生産・梱包装置の別の位置において、これらの物品は、完成した容器である。完成した容器は、箱詰めされるために梱包ステーションに供給される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
添付の特許請求の範囲および本明細書においては、いくつかの用語および表現は、別途明示されている場合を除き、以下に記載の定義で表現される意味を有するとみなす。
【0008】
「物品」という用語は、ガイドに沿って移動されるのに適したあらゆる物体を意味する。
【0009】
物品は、互いに同一であってもよいし、他の梱包対象物品に対する形態、組成、または色などの特徴について互いに異なっていてもよい。
【0010】
物品は、実質的に中断なしに1列に配置された場合、ガイド内に「次々に」配置される。換言すると、物品は、一般に、ガイドに沿って移動中に、物品同士のわずかで一時的な離間の可能性を排除することなく、互いに接触して1つの列に隣接するように配置される。
【0011】
「ガイド」とは、機械的部材であり、その内部の物品が、実質的に線状の経路に沿って出発部と到着部との間を摺動することができるように設けられる。ここで線状の経路は、直線状または曲線状であり得る。ガイド内での物品は、重力によって、またはストラップかベルトなどの移送部材を設けることで、または空気の噴射によって摺動することができる。
【0012】
好ましくは、ガイドは、主要な長手方向に沿って延在する。これにより、ガイドの長手方向軸が画定され、出発部と到着部との間で物品の線状の経路を画定することができる。
【0013】
好ましくは、ガイドは、物品が線状の経路に沿って摺動している間、物品を所定の空間的な向きに維持するように設けられる。
【0014】
所定の時点に1つまたは複数の物品を所定の位置に移動させることができる場合、1つまたは複数の物品は、「制御された状態で」供給されるか、送られるか、移動される。
【0015】
同様に、所定の時点に1つまたは複数の物品を所定の位置に移動させることを保証することができない場合、1つまたは複数の物品は、「制御されていない状態で」供給されるか、送られるか、移動される。
【0016】
なお、これに関連して、「時点」とは、一般に、生産プロセスにおける要求に応じた、十分に狭い時間間隔によって定義されることに留意されたい。
【0017】
制御されていない供給の例として、重力による、傾斜したガイドまたは摺動部に沿った物品の摺動、または物品のための適切な座部のないコンベア上での移送が挙げられる。これにより、物品は、移動中にコンベアに対して移動することができる。
【0018】
制御されていない供給の別の例として、頻度とコンベア上の位置との両方について、物品がコンベアにランダムに供給される場合である。
【0019】
物品が装置またはその一部に対して移動することができない場合、物品はその装置またはその一部と「一体的に」保持されるといえる。
【0020】
本出願人は、特定の供給動作において、制御された状態で物品が送られる必要があることを予備的に確認した。
【0021】
また、本出願人は、物品が供給装置に対して所定の位置にある間に、物品を出発場所から到着場所へ個別にまたはまとめて移動させる特定の供給装置を使用することで、物品の供給を適切に制御できることを確認した。
【0022】
特に、本出願人は、このような供給ユニットにおいて、出発場所と到着場所との間の各物品の移動は、供給装置の対応する移動によって一意に決定されることを確認した。そのため、供給装置の移動を監視することで、各物品の位置および速度を特定することもできる。
【0023】
しかしながら、本出願人は、このような供給装置は、非常に正確に物品を供給する必要があることに留意した。特に、本出願人は、供給装置からつまみ上げられた物品が、所与の時点に、所定の取り出し場所に存在する必要があることを確認した。
【0024】
しかしながら、本出願人は、この要件が、物品が実質的に整列していない状態で取り出し場所に搬送され、典型的には互いに隣接して積まれるという事実にしばしば不利であることを見出した。そして、本出願人は、物品と供給装置との間の取り出し場所における合流が失敗する可能性が、例えば処理サイクルが飛ばされ、場合によっては物品の損傷や供給プロセスの妨害などの重大な望ましくない結果につながる可能性があることも確認した。
【0025】
また、本出願人は、物品が供給される速度が特に高い場合には、サイクル時間が短縮され、その結果、供給装置から物品を取り出すのに要する時間が短縮されるため、この望ましくない現象が発生する可能性が増加することを確認した。
【0026】
そのため、本出願人は、物品の制御されていない移動から制御された移動への通路を適切に調整することを提供することで、上述した欠点を克服することができることを認識した。
【0027】
最後に、本出願人は、物品の移動が制御されていない第1の供給装置と、物品の移動が制御されている第2の供給装置との間に、速度を調整することができる同期装置を介在させることで、第1の供給装置の移動に必然的に相関する物品の移動の不均一性を吸収し、第2の供給装置の時間および位置の精度の要件に適合できることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0028】
したがって、その第1の態様において、本発明は、第1の供給装置を備える、物品のための供給ユニットに関する。
【0029】
好ましくは、供給ユニットは、第2の供給装置を備える。
【0030】
好ましくは、第2の供給装置は、第1の供給装置から物品を個別につまみ上げるように設けられる。
【0031】
好ましくは、物品は、所定の取り出し場所および所定の時間間隔において、第2の供給装置からつまみ上げられる。
【0032】
好ましくは、供給ユニットは、同期装置を備える。同期装置は、第1の供給装置から物品を受け取り、調整可能な速度で物品を取り出し場所へ移動させるように設けられる。
【0033】
好ましくは、供給ユニットは、速度制御システムを備える。速度制御システムは、各物品が、該時間間隔で取り出し場所に到達して第2の供給装置によってつまみ上げられるように、同期装置の速度を調整するように設けられる。
【0034】
その第2の態様において、本発明は、制御された状態で物品を供給するための方法に関する。
【0035】
好ましくは、該方法は、第1の供給装置に沿って物品を移動させるステップを含む。
【0036】
好ましくは、該方法は、同期装置を用いて第1の供給装置から物品を受け取るステップを含む。
【0037】
好ましくは、同期装置は、物品を一体的に保持する。
【0038】
好ましくは、該方法は、同期装置を用いて物品を取り出し場所に向けて移動させるステップを含む。
【0039】
好ましくは、該方法は、第2の供給装置を用いて、取り出し場所および所定の時間間隔において、物品を個別につまみ上げるステップを含む。
【0040】
好ましくは、該方法は、各物品が、該時間間隔で取り出し場所に到達して第2の供給装置によってつまみ上げられるように、同期装置の速度を調整するステップを含む。
【0041】
これらの特徴により、制御されていない状態で第1の供給装置からくる各物品は、同期装置によって取り上げられて、取り上げられた時点および位置に応じて、適切な速度で取り出し場所に向けて移動され、取り出し場所における第2の供給装置との合流点に迅速に到達する。
【0042】
その第3の態様において、本発明は、浸出式飲料用カプセルを作製するための装置に関する。該装置は、空のカプセルのためのコンベアと、空のカプセル内に置かれる保護ディスクのための供給ユニットと、を備える。供給ユニットは、上述した第1の態様に従って作製される。
【0043】
その第4の態様において、本発明は、浸出式飲料用カプセルを梱包するための装置に関する。該装置は、空の箱形梱包体のためのコンベアと、空の箱形梱包体内に置かれる浸出式飲料用カプセルのための供給ユニットと、を備える。供給ユニットは、上述した第1の態様に従って作製される。
【0044】
上述した態様のうちの少なくとも1つにおいて、本発明は、以下の好ましい特徴のうちの少なくとも1つをさらに有してもよい。
【0045】
好ましくは、物品は、第1の供給装置内で1列に次々と移動される。
【0046】
このようにして、同期装置による単一の物品の取り上げが容易になる。
【0047】
好ましくは、所定の時間間隔は、処理サイクル時間内に定義される。
【0048】
一部の実施形態において、第1の供給装置は、ガイドを備える。ガイド内では、物品が摺動によって同期装置に向けて移動される。
【0049】
好ましくは、物品は、重力によってガイド内を摺動する、あるいは空気の噴射によって駆動される。
【0050】
他の実施形態において、この第1の供給装置は、コンベアベルトまたはローラーコンベアを備える。
【0051】
このようにして、物品の制御されていない移動の一部を容易且つ経済的に実施することができる。
【0052】
一部の実施形態において、第2の供給装置は、取り出し場所から物品を1つずつつまみ上げて、制御された所定の速度で解放場所に向けて移動させるように設けられた少なくとも1つのねじを備える。
【0053】
好ましくは、第2の供給装置は、逆回転する1対のねじを備える。
【0054】
このようにして、ねじの溝との係合により、物品が制御された状態で移動することができる。
【0055】
他の実施形態において、第2の供給装置は、物品ごとに把持要素を備える。把持装置は、例えば、ペンチ型または吸引カップ型である。
【0056】
好ましくは、第2の供給装置は、物品を解放場所まで移送する。
【0057】
好ましくは、第2の供給装置は、コンベアと同期して、解放場所において物品を置く。
【0058】
このようにして、物品は、制御された状態で物品のワークステーションに供給され得る。
【0059】
好ましくは、第2の供給装置は、第2の供給装置によって送られた物品を解放場所において受け取ってコンベア上に置くように設けられた交換ホイールと同期する。
【0060】
このようにして、第2の供給装置によって解放された物品が異なる向きになっていても、制御された状態で物品をワークステーションに供給することができる。
【0061】
好ましくは、物品は、所定の位置でコンベア上に置かれる。
【0062】
好ましくは、第2の供給装置は、コンベアまたは交換ホイールと機械的に同期する。
【0063】
一部の実施形態において、同期装置は、互いに対向して逆回転する1対のコンベアベルトを備える。
【0064】
好ましくは、物品は、取り出し場所に向けて移動されたときに、1対のコンベアベルト間に個別に保持される。
【0065】
このようにして、1対のコンベアの入口に到着した時点にかかわらず、第1の供給装置から来る各物品を個別に取り上げることができる。
【0066】
好ましい実施形態において、制御システムは、逆回転する1対のコンベアベルトの回転速度を調整する。
【0067】
このようにして、同期装置によって取り上げられた物品が若干遅れたり、若干進んだりしても、第2の供給装置によって取り出されるように、正しい時間で取り出し場所に物品を持っていくことができる。
【0068】
好ましくは、制御システムは、位置センサを備える。位置センサは、取り出し場所の上流側の同期装置上での物品の移動中における物品の位置を検出するように設けられる。これにより、制御システムは、同期装置の速度を調整することができる。
【0069】
このようにして、制御システムは、取り出し場所に対する物品のわずかな遅れまたは進行を即座に且つ容易に検出して、それに応じて同期装置の速度を調整することができる。
【0070】
好ましい実施形態において、物品は、毎分500個の速度よりも速い速度、より好ましくは毎分1000個よりも速い速度、さらにより好ましくは毎分1200個よりも速い速度で供給される。
【0071】
好ましい実施形態において、物品は、コーヒーなどの浸出式飲料のためのカプセルである。
【0072】
別の実施形態において、物品は、コーヒーなどの浸出式飲料のためのカプセルに挿入される保護ディスクである。
【0073】
本発明の特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的に例示された実施形態に関する以下の詳細な説明からより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1】本発明に従って作製された、物品のための供給ユニットの一実施形態による第1の実施例を模式的に示す正面図である。
図2】構成要素を除いた、図1の供給ユニットを異なる角度から模式的に示す正面図である。
図3図1の供給ユニットを模式的に示す側面図である。
図4】本発明に従って作製された、物品のための供給ユニットの一実施形態による第2の実施例を模式的に示す側面図である。
図5図4の供給ユニットを上から模式的に示す平面図である。
図6図4の供給ユニットを模式的に示す正面図である。
図7図4の供給ユニットを模式的に示す立面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1図3を参照すると、参照符号1は、本発明に従って構築された物品2のための供給ユニットを全体として示している。
【0076】
本明細書に記載の第1の実施形態において、供給ユニット1は、特にコーヒーである浸出式飲料のためのカプセルを準備および梱包するための装置に挿入され、また、コーヒーの粉で満たす前の空のカプセル3の下部において複数の保護ディスクを供給するように設けられる。
【0077】
次いで、物品2は、保護ディスクによって成形される。
【0078】
後者は平板形状を有し、中央に大きな穴と、表面の残りの部分には複数の小さな穴2aが均等に分布している。保護ディスクは互いに同一であり、約30mm~40mmの直径Dと、約1mm~3mmで実質的に一定である厚さを有する円形状である。
【0079】
また、ディスクは、わずかに凸状の形状を有しており、物品2の総厚さは、約3mm~6mmのフットプリントを画定する。
【0080】
したがって、物品2では直径Dに等しい2つの主要寸法と、物品の総厚さに対応する、主要寸法よりも著しく小さい第3の寸法を有する。
【0081】
供給ユニット1は、最も一般的な構成において、物品2の第1の供給装置4と、第1の供給装置4からの物品2を受け取って取り出し場所Pへ移動させるように設けられた同期装置5と、取り出し場所Pにおいて物品2を個別につまみ上げように設けられた第2の供給装置6と、解放場所Rにおいて第2の供給装置6からの物品2を受け取ってコンベア8上に置くように設けられた交換ホイール7と、を備える。
【0082】
第1の供給装置4は、物品2が1列に次々に配置されて同期装置5に向けて移動されるガイド9を備える。
【0083】
ガイド9は、その長手方向軸の一方に沿って延在しており、物品2が摺動自在に収容される実質的に長方形の断面のチャンバを画定する保持壁によって区切られている。特に、物品2は、重力によって、またはガイド9に沿って配置されて空気圧システム(図示せず)に接続された複数のノズルによって送られる適切な空気の噴射によって、ガイド9内で摺動することができる。
【0084】
第1の供給装置4の直ぐ下流側に位置する同期装置5は、互いに対向して逆回転する1対のコンベアベルト10を備える。それらの間には、ガイド9から来る物品が1つずつ保持されて、取り出し場所Pに向けて移動される。
【0085】
各コンベアベルト10は、ベルト11を備える。ベルト11は、1対のプーリ12の周りに巻かれており、1対のプーリ12のうちの少なくとも一方は、速度が調整可能モータによって回転するように制御される。
【0086】
その結果、コンベアベルト10の進行速度は調整可能であり、供給ユニット1は、有利には制御システム13を備える。制御システム13は、同期装置5の速度を調整するように設けられる。
【0087】
特に、コンベアベルト10の速度は、各物品2が、供給ユニット1の所定のサイクル時間内且つ所定の時間間隔で取り出し場所Pに到達するように調整される。
【0088】
そのため、制御システム13は、取り出し場所Pに向けて物品2がコンベアベルト10間を移動する間、各物品2の位置を検出するように設けられた位置センサ14をさらに備える。
【0089】
このようにして、制御システム13は、物品2の位置を検出し、所定の時間で物品2が取り出し場所Pに到着するための正しい速度を算出し、それに応じて各モータに作用するコンベアベルト10の進行速度を適宜調整することができる。
【0090】
これにより、有利には、逆回転する1対のねじ15を備える第2の供給装置6によって、各物品2が取り出し場所Pにおいてつまみ上げられる。
【0091】
ねじ15は、互いに実質的に同一であり、相互に離間して平行に配置された回転軸に沿って、互いに逆方向に回転駆動される(図2において、図を明確にするために2つのねじの一方を取り除いてある)。
【0092】
各ねじ15には、溝16が形成される。溝16は、同期装置5に近接している、取り出し場所Pが画定されるねじの第1の端部17aと、交換ホイール7に近接している、解放場所Rが画定されるねじの第2の端部17bとの間で、間隔を広げながら螺旋状に延在する。
【0093】
交換ホイール7は、水平軸Xを中心に、図に置いて矢印Fで示す回転方向に回転駆動される。
【0094】
ペンチ型の把持要素19がそれぞれ設けられた8つの把持ヘッド18は、移動が制限された状態で交換ホイール7に取り付けられる。
【0095】
各把持ヘッド18は、交換ホイール7に対して、交換ホイール7の回転軸Xと平行な枢動軸Yを中心に枢動してもよい。各把持要素19は、1対のロッド20を備える。1対のロッド20は、中央位置で互いに対してヒンジ結合されており、ロッド20が物品2の穴2aに入ることができるように互いに近接する閉鎖状態と、物品を穴2aの壁に当接させ、物品2を保持して係合させるようにロッド20が互いに近接する開放状態との間で移動可能である(図2)。
【0096】
把持ヘッド18の揺動と把持要素19の開閉は、いずれも交換ホイール7上に取り付けられたカム型回転機構によって制御される。
【0097】
空のカプセル3が移送されるコンベア8は、実質的に水平な方向Tに沿って進行するように駆動されるコンベアベルト21を備える。
【0098】
コンベアベルト21上には、空のカプセル3がその間に配置されるように適切に離間している支持要素22が設けられる。コンベアベルト21は、交換ホイール7の下方を通過するように適切に配置される。これにより、把持要素19によって、各物品2を空のカプセル3内に置くことができる
空のカプセル3内での物品2の正しい配置を保証するように、コンベア8、交換ホイール7、および第2の供給装置6は、好ましくはその運動の適切な機械的伝達手段によって互いに同期される。
【0099】
供給ユニット1は、以下のように動作する。
【0100】
物品2は、ガイド9内で次々に1対のコンベアベルト10まで導かれる。ガイドに沿った移動は、重力と空気の噴射の作用によってなされる。これにより、物品2は、制御されていない状態でコンベアベルト10に到達する。
【0101】
コンベアベルト10は、その回転運動において、物品2に1ずつ係合し、その間で一体的に保持することで取り出し場所Pに向けて物品2を移動させる。
【0102】
取り出し場所に向かう物品2が特定の位置に到達すると、位置センサ14がそれを検出して信号を制御システム13に送信する。制御システム13は、取り出し場所Pからの間隔と物品2が検出された時点に応じて、第2の供給装置6と合流するために所定の時間内で取り出し場所Pに到達するのに必要な速度を算出し、算出された速度とコンベアベルト10の現在の速度を比較し、必要に応じて現在の速度を算出された速度に修正する。
【0103】
このようにして、各物品2は、逆回転するねじ15の溝16の間に適切に係合して解放場所Rに向けて移動させることができる時点で、取り出し場所Pに到達する。
【0104】
実際、物品がこの時間間隔前後に取り出し場所Pに到達した場合、物品は、2つの溝16の間ではなく、ねじの1対の突起部の間に入る可能性がある。これにより、供給ユニットの変形、破損またはブロックが生じる可能性がある。
【0105】
各物品2は、その位置と各時点におけるその速度がねじ15の移動によって一意に画定されるので、制御された状態で解放場所Rに向けて移動される。
【0106】
溝16の間隔の広がりにより、この移動中の物品2は、後続の物品から適切に離間することができる。これにより、交換ホイール7への物品の送達が容易になる。
【0107】
その回転運動において、交換ホイールは、把持ヘッド18を物品2に近接させ、解放場所Rにおいて、把持要素19は、閉鎖状態で穴2aに入る。ここで、把持要素19は、開放状態に移動して、その間にねじ15から係合解除された物品2に係合し、交換ホイール7の回転運動によって把持ヘッド18がコンベア8の上方に、より詳細には物品2が置かれる空のカプセル3の垂直部に移動するまで、それを保持する。
【0108】
コンベアベルト21と交換ホイール7の速度は、物品2が実質的にゼロの相対速度で空のカプセル3内に置かれるような速度であり、これによりこの動作を連続的に行うことができる。
【0109】
図4図7は、本発明の第2の実施形態による供給ユニット100を全体として示している。
【0110】
上述した供給ユニット1と同様の供給ユニット100の細部には、同じ参照符号が付されている。
【0111】
この第2の実施形態において、供給ユニット100は、例えばコーヒーなどの浸出式飲料のためのカプセルを梱包するための装置に挿入される。該装置は、空の箱形梱包体(図示せず)のためのコンベアと、空の箱形梱包体内に置かれるコーヒーカプセルのための供給ユニットと、を備える。
【0112】
したがって、この場合、物品2は、箱詰めされる準備が整った完成したコーヒーカプセルによって構成される。
【0113】
各カプセルは、コップのような形状を有する実質的に硬いケーシングから形成される。これは、頂部が平面で切断された円錐形状を有する。ケーシングにおいて、より小さい基部における下部5と、より大きい基部における、下部の反対側のヘッドに向けてわずかに広がって延在する側壁とによって画定される。ヘッドにおいて、ケーシングは、口部を有し、口部は、その縁部に取り外し可能に固定されるアルミシートなどの蓋によって閉鎖され得る。
【0114】
供給ユニット100は、供給ユニット1と実質的に同様のものであり、物品2のための第1の供給装置104と、第1の供給装置104から物品2を受け取って取り出し場所Pへ移動させるように設けられた同期装置105と、取り出し場所Pにおいて物品2を個別につまみ上げるように設けられた第2の供給装置106と、を備える。
【0115】
ただし、供給ユニット1とは異なり、供給ユニット100の第2の供給装置106は、解放場所Rにおいて物品2をコンベア108上に直接置く。コンベア108は、物品2を移送ステーションへ運ぶように構成されている。ここで、物品2は、グループごとにつまみ上げられて、空の箱に置かれる。
【0116】
第1の装置104は、コンベアベルト109(図5に模式的に示す)を備える。コンベアベルト109上において、制御されていない状態で物品2が2つの個別の列103で同期装置105に向けて運ばれる。ここで、物品2は、正位位置、すなわち下部が下側にありヘッドが上向きになっている状態で、次々に配置されている。
【0117】
同期装置105は、物品の列103ごとに、互いに対向し、逆回転する1対のコンベアベルト110を備える。これは、上述した実施例のコンベアベルト10と同様のものである。
【0118】
また、コンベアベルト110の各対は、物品2を個別に保持して、それらを取り出し場所Pに向けて移動させるように設けられ、1対のプーリ112の周りに巻かれたベルト111を備える。1対のプーリ112のうちの少なくとも一方は、速度が調整可能モータ112aによって回転するように制御される。モータは、制御システム113によって制御される。
【0119】
上述した実施例と同様に、制御システム113は、コンベアベルト110間の物品2の経路に沿った各物品2の位置を検出するのに適した位置センサ114からの信号に基づいて、コンベアベルト110の進行速度を調整するように設けられる。このようにして、各物品2は、供給ユニット100の所定のサイクル時間内の所定の時間間隔で、取り出し場所Pに到達することができる。
【0120】
列110ごとに、第2の供給装置106は、対応するねじ115aおよび115bを備える。ねじ115aおよび115bは、1対のコンベアベルト110に近接している、取り出し場所Pが画定される第1の端部117aと、コンベア108に近接している、解放場所Rが画定される第2の端部117bとの間で、実質的に水平な方向に沿って、且つ列103と平行に延在する。
【0121】
各ねじ115aおよび115bには、溝116が形成される。溝116は、第1の端部117aと第2の端部117bとの間で、間隔を広げながら螺旋状に延在し、各物品2の幅と同様の幅を有する。
【0122】
実質的に直線状のガイド118aは、ねじ115aによって並置される。これにより、対応する溝116に係合される物品2は、下部が下になっている同じ正位位置を維持しながら、制御された状態で解放場所Rに向けて移動される。
【0123】
その一方で、曲線状のガイド118bは、約180度の全体角度を通してねじ115bの周りで延在する。これにより、解放場所Rに向けて制御された状態で移動しながら対応する溝116に係合される物品2は、同時に上下反転される。これにより、解放場所において物品は、上下反転位置、すなわちヘッドが下になっており、下部が上向きになっている状態にある。
【0124】
コンベア108は、移送ステーションに向けて連続的に進行するように駆動されるコンベアベルト121を備える。ここで、物品2は、つまみ上げられて空の箱に置かれる。コンベアベルト121上では、ねじ115aおよび115bから来る物品2を受け取るのに適している座部の2つの列が形成される。
【0125】
供給ユニット100の動作は、上述した供給ユニット1の動作と実質的に同様である。
【0126】
特に、物品2は、制御されていない状態で2つの列103で第1の供給装置104からそれぞれの同期装置105に向けられる。ここで、物品2は、1対のコンベアベルト110に1つずつ係合し、コンベアベルト110は、物品2をヘッドおよび下部において保持しながら、取り出し場所Pに向けて移動させる。
【0127】
取り出し場所に向かう経路に沿って位置センサ114によって検出された物品2の位置に応じて、コンベアベルト110の進行速度は、制御システム113によって調整される。これにより、ねじ115aまたは115bの溝116が正しい位置にあり、物品2に損傷なく係合することができ、取り出し場所Pに物品2が到達することができる。
【0128】
この時点で、物品2は、制御された状態でねじ115aまたは115bによって、およびガイド118aまたは118bの助けによって、物品がコンベアベルト121上に置かれる解放場所Rに向けて移動される。
【0129】
本発明のこれらの特徴により、2つの移動システムの間の経路における不具合を回避して、制御されていない移動状態から制御された状態で物品を移動させることができる。
【0130】
これにより、毎分500個よりも速い速度、例えば毎分1500個の非常に速度でも、物品を正確に且つ連続的な流れで供給することができる。
【0131】
言うまでもなく、当業者であれば、特定の偶発的な応用要件を満たすために、添付の特許請求の範囲によって定義される保護範囲内で、上述した発明のさらなる修正および変形を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】