(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(54)【発明の名称】高いオエノテインB含有量を有するエピロビウム属の抽出物の調製プロセス
(51)【国際特許分類】
A23L 33/105 20160101AFI20230824BHJP
C07H 15/203 20060101ALI20230824BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20230824BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20230824BHJP
A61P 13/00 20060101ALI20230824BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20230824BHJP
A61P 1/14 20060101ALI20230824BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230824BHJP
A61P 39/06 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
A23L33/105
C07H15/203
A61K36/185
A61P13/08
A61P13/00
A61P1/00
A61P1/14
A61P29/00
A61P39/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022576391
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(85)【翻訳文提出日】2023-02-07
(86)【国際出願番号】 EP2021065494
(87)【国際公開番号】W WO2021250110
(87)【国際公開日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】102020000014011
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522479979
【氏名又は名称】イスティトゥート・ファルモキーミコ・フィトテラピコ・エピオ・エッセ・エッレ・エッレ・エディ・イン・フォルマ・アブレヴィアータ:エピオ・エッセ・エッレ・エッレ
【氏名又は名称原語表記】ISTITUTO FARMOCHIMICO FITOTERAPICO EPO S.R.L. ED IN FORMA ABBREVIATA EPO S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ニコトラ,ジョヴァンナ
(72)【発明者】
【氏名】インソリア,ヴィオレッタ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィセンティーニ,シルヴィア
(72)【発明者】
【氏名】マラノ,マリア・グラツィア
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ,ベアトリーチェ
(72)【発明者】
【氏名】ダグリア,マリア
【テーマコード(参考)】
4B018
4C057
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018MD08
4B018MD61
4B018MF01
4C057AA06
4C057BB02
4C057DD03
4C057JJ19
4C088AB12
4C088AC01
4C088BA14
4C088CA05
4C088CA06
4C088NA05
4C088ZA81
(57)【要約】
本発明は、高いオエノテインB含有量を有するエピロビウム(Epilobium)属の抽出物の調製プロセスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
15%w/wより高いオエノテインB含有量を有するエピロビウム(Epilobium)属の抽出物を調製するためのプロセスであって、
-水:エタノールの重量比が3:1~1:1の範囲である水:エタノール混合物による少なくとも2回の薬物の抽出、
-浸透物の濾過、溶媒の蒸発、及び更なる精製工程なしで、得られた濃縮抽出物の乾燥
を特徴とする、15%w/wより高いオエノテインB含有量を有するエピロビウム属の抽出物を調製するためのプロセス。
【請求項2】
エピロビウム属が、エピロビウム・アングスティフォリウムL.(Epilobium angustifolium L.)及びムクゲアカバナ(Epilobium parviflorum Schreb)から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記薬物の抽出が3~6回繰り返される、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記水:エタノール混合物による抽出が、25~50℃の範囲の温度で1~3時間の範囲の時間にわたって行われる、請求項1~3の一項以上に記載のプロセス。
【請求項5】
前記水:エタノール混合物による抽出が、2~6の範囲のpHで行われる、請求項1~4のいずれか一項以上に記載のプロセス。
【請求項6】
前記薬物が開花期における植物材料である、請求項1~5のいずれか一項以上に記載のプロセス。
【請求項7】
前記薬物と水:エタノール混合物との重量比が、1:3~1:10の範囲である、請求項1~6のいずれか一項以上に記載のプロセス。
【請求項8】
先に水及びエタノールにより抽出された前記薬物を酸性pHで水により抽出する工程と、前記浸透物を濾過する工程と、前記水相を濃縮する工程と、乾燥させる工程と、前記乾燥水性抽出物を、請求項1~7のプロセスによって得られた前記乾燥抽出物に添加する工程と、を更に含む、請求項1~7の1項以上に記載のプロセス。
【請求項9】
水:エタノールによる前記抽出濃縮物の乾燥が噴霧乾燥によって行われる、請求項1~8のいずれか一項以上に記載のプロセス。
【請求項10】
酸性pH水による前記抽出からの前記濃縮物の乾燥が、減圧下の蒸発によって行われる、請求項1~9のいずれか一項以上に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高いオエノテインB含有量を有するエピロビウム(Epilobium)属の抽出物の調製プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
最先端技術
エピロビウム・アングスティフォリウムL(Epilobium angustifolium L)は、アカバナ科に属する多年生の草本植物である。これは、単純な、無毛の直立した茎及び根茎を有し、花は、ピンク色から紫色の印象的なピラミッド型の総状花序で集められている。果実は、細長いカプセルであり、成熟時に開いて、種子を放出し、これは、風媒散布のための冠毛を有する。エピロビウムはヨーロッパ及び西アジアの地域が原産であり、そこでは砂利混じりの土において野生で成長する(Gruenwald J.et al.PDR for herbal medicines,4th Ed.Thomson,2007)。
【0003】
エピロビウムのフィトコンプレックス(phytocomplex)は、3つの主要なクラスのポリフェノール:フェノール酸、フラボノイド及びエラギタンニンを含み、後者は主にオエノテインB等の大環状エラギタンニンによって表される。上記フィトコンプレックス、個々のクラスのポリフェノール、及びより大きな程度ではオエノテインBは、特に泌尿器科領域(例えば、前立腺炎、良性前立腺肥大、尿路炎症)、胃及び腸領域における抗炎症及び抗酸化活性を含む、この植物の多くの健康促進特性に関連する(Granica S.et al.,Phytochemistry,pharmacology and traditional uses of different Epilobium species(Onagraceae):A review.Journal of Ethnopharmacology,156,316-346,2014);Schepetkin IA et al.Therapeutic potential of polyphenols from Epilobium angustifolium(Fireweed).Phytother Res.30(8):1287-97,2016)。オエノテインBは、いくつかの植物種から得ることができ、必ずしもE.アングスティフォリウムL由来ではない(US2018/0256619)。
【0004】
E.アングスティフォリウムLは、欧州薬局方のモノグラフに含まれておらず、したがって、この抽出物のガレヌス製剤は、煎じ薬(伝統的な民間薬の製剤)並びに文献及び市場で入手可能なものを指す。大部分の抽出物は水性であるが(Lesuisse D.et al.,Determination of oenothein B as the active 5-alpha-reductase-inhibiting principle of the folk medicine Epilobium parviflorum;Nat Prod.May;59(5):490-2,1996;Assessment report on Epilobium angustifolium L.and/or Epilobium parviflorum Schreb,herba,EMA,10 March 2015;FR 2712594;DE 3605250)、メタノール、酢酸エチル、ブタノール及びエタノール等の他の溶媒の使用も文書化されている(Deng L.et al.Evaluation of the therapeutic effect against benign prostatic hyperplasia and the active constituents from Epilobium angustifolium L.Journal of Ethnopharmacology.232:1-10,2019;Granica S.et al.,Phytochemistry,pharmacology and traditional uses of different Epilobium species(Onagraceae):A review.Journal of Ethnopharmacology,156,316-346,2014)。エピロビウム属の水性抽出物中で得られるオエノテインBの濃度は常に10%未満である。
【0005】
US6528490は、オエノテインB含有量が9.6重量%を超えないE.アングスティフォリウム抽出物の抗炎症活性を開示している。US2018/0256619は、有効なオエノテインBの量の好ましい範囲が、2.5から14%まで変化することを報告しているが、そこに報告されている実験データは、依然としてUS6528490に記載されている9.6%のオエノテインB含有量を有する抽出物を指す。
【0006】
FR2712594及び対応する特許であるUS552594は、水と水溶性溶媒、特にアセトンとの混合物によるムクゲアカバナ(Epilobium parviflorum Schreb)からのオエノテインBの抽出、及び逆相HPLCによる精製のためのプロセスを開示している。
【0007】
国際公開公報第2017108907号は、様々なエピロビウム種と他の植物との関連を開示している。
【0008】
オエノテインBの重要性は、上記の参考文献によって証明されている。ただし、
1)欧州の規制に従って、精製オエノテインBは現在、イタリア(Ministerial Circular of 16/06/2016)及び欧州(すなわち新規食品カタログ)において、栄養補助食品に添加することはできないが、この有効成分で滴定及び標準化されたE.アングスティフォリウム抽出物の使用は許可されている。公知のプロセスにおけるこの分子の抽出効率は、精製工程に関連する。
2)水性抽出物中に存在する分子は、これらの条件下ではフラボノイドの抽出収率が低いため、フィトコンプレックスを代表するものではない。
【0009】
市場に出回っているほとんどの抽出物は標準化を欠いており、公知の抽出及び精製手順は、高いオエノテインB含有量と共に、エピロビウムの最も重要な生物活性成分の全てを含有する抽出物の必要性に対する最適な解決策を提供しない。オエノテインBは、抗酸化活性及び抗炎症活性を有するエラギタンニンである。多数の科学的研究が、オエノテインBが前立腺の正常な機能性を回復することができることを示している。特に、最近の臨床研究(Esposito C.et al.,“Epilobium angustifolium L.extract with high content in oenothein B on benign prostatic hyperplasia:A monocentric,randomized,double-blind,placebo-controlled clinical trial” Biomedicine&Pharmacotherapy 138(2021)111414)は、オエノテインB含有量が15重量%を超えるE.アングスティフォリウム抽出物が、腎臓又は肝臓の毒性作用なしに良性前立腺肥大の治療に顕著に有効であることを示した。
【0010】
したがって、豊富なフィトコンプレックスを増強し、高いオエノテインB含有量を有する抽出物を調製して、栄養補助食品及び機能性食品製剤においてその生物学的及び生理学的機能を果たすことを可能にするプロセスが必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
ここで、精製工程を必要とせずに、15%w/wより高い、例えば15~35%のオエノテインB含有量を有する抽出物を提供する、エピロビウム種の抽出プロセスが見出された。
【0012】
本発明のプロセスは、様々な種のエピロビウム、特にE.アングスティフォリウム及びE.パルビフローラムに首尾よく適用することができる。開花期における植物材料(薬物)(「herba cum floribus」)の使用が特に好ましい。
【0013】
オエノテインB含有量が15.0%以上の本発明のプロセスによって得られる乾燥抽出物は、異なるクラスの活性成分からなる非常に豊富なフィトコンプレックスを有し、特に、10~20%のフェノール酸(その50%がヒドロキシ桂皮酸によって表される)、20~30%のフラボノイド(主にフラボノールによって表される)及び40~60%の加水分解性タンニン(オエノテインBが属する化合物のクラス)が存在する。
【0014】
15%w/wより高いオエノテインB含有量を有するエピロビウム属の抽出物を調製するための本発明のプロセスは、
-水:エタノールが3:1~1:1の範囲の比である水:エタノール混合物による少なくとも2回の薬物の抽出、
-浸透物の濾過、溶媒の蒸発、及び更なる精製工程なしの、得られた濃縮抽出物の乾燥、
を特徴とする。
【0015】
薬物抽出は、毎回新鮮な溶媒を使用して、好ましくは3~6回、より好ましくは4~5回繰り返される。
【0016】
水:エタノール混合物による抽出は、好ましくは、25~50℃の範囲の温度で1~3時間の範囲の時間、2~6の範囲のpH、好ましくは2~3.5のpHで行われる。
【0017】
薬物(植物の地上部)と水:エタノール混合物との重量比は、好ましくは1:3~1:10の範囲である。
【0018】
水:エタノールによる抽出濃縮物の乾燥は、任意の公知の技術によって、例えば噴霧乾燥によって行うことができる。
【0019】
本発明の好ましい態様によれば、プロセスは、水及びエタノールによって抽出された薬物の酸性pHにおける水による抽出工程、浸透物の濾過、水相の濃縮、乾燥及び前のプロセスから得られた乾燥抽出物への乾燥水性抽出物の添加を更に含む。
【0020】
したがって、この好ましい態様によれば、本発明のプロセスは、
-A.酸性pHで水:エタノールが3:1~1:1の範囲の比である水:エタノール混合物による、少なくとも2回の薬物の抽出、浸透物の濾過、溶媒の蒸発、及び更なる精製工程なしで得られた濃縮抽出物の乾燥
-B.水及びエタノールにより抽出された薬物の酸性pHにおける水による抽出、浸透物の濾過、水相の濃縮、乾燥、及び上記工程Aから得られた乾燥抽出物への乾燥水性抽出物の添加
を含む。
【0021】
異なる代謝プロファイルを有する工程A及びBから得られた2つの画分を分析し、所望の濃度のオエノテインBを有する生成物が得られるまで適切に混合する。
【0022】
酸性pH水による抽出物からの濃縮物の乾燥は、任意の公知の技術によって、例えば減圧下の蒸発によって行うことができる。
【0023】
本発明のプロセスは精製を含まず、したがって公知の方法よりも簡単かつ安価である。
【0024】
オエノテインB力価の分析は、HPLC-UV(Kaskoniene V,et al.(2015).“Evaluation of phytochemical composition of fresh and dried raw material of introduced Chamerion angustifolium L.using chromatographic,spectrophotometric and chemometric techniques”,Phytochemistry;115:184-93によって記載されている方法に匹敵する方法)によって行う。
【0025】
乾燥抽出物中のオエノテインBの含有量の決定を可能にする方法は、参照標準を使用したHPLC-DADによるクロマトグラフィー分離である。試料を適切な溶媒に可溶化し、濾過後、HPLCに注入する。移動相は酸性水及び酸性メタノールであり、RP-C18カラムで254nmの波長にて勾配分離している。
【0026】
方法の特異性は、他の抽出物質の干渉なしにオエノテインBの決定を可能にする。方法は、0.1mg/mL及び0.7mg/mLの濃度範囲で線形であり、精度は、許容基準に準拠して、全ての濃度の平均回収率を推定することを可能にする。
【0027】
表1は、RP-HPLC-PDA-ESI-MSnによるフィトコンプレックスの化学的プロファイリングの結果を示す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【0029】
【0030】
本発明は、以下の実施例においてより詳細に説明される。
【0031】
実施例1
プロセスA:水アルコール混合物による抽出
2L反応器に、薬物 50gを導入し、水:エタノール比=3:1のアルコール水溶液 250gを酸性pHで添加する。抽出混合物を50℃に加熱し、浸透による抽出で2.5時間維持する。この第1の工程の最後に、得られた液体抽出物を除去し、同じ溶媒により同じ条件下で更に3回薬物を抽出した。抽出の終わりに、全ての浸透物を濾過し、合わせ、濃縮された抽出物が得られるまで、溶媒を減圧下で50℃の温度で蒸発させる。最終乾燥は噴霧乾燥機により行う。得られた乾燥抽出物の量は12.6gである。
【0032】
プロセスB:水による抽出
工程1の終わりに、酸性pHの水 250gを薬物に添加し、抽出混合物を50℃に加熱し、浸透による抽出で1時間維持する。抽出の終わりに、浸透物を薬物から分離し、濾過し、濃縮された抽出物が得られるまで、溶媒を減圧下で50℃の温度で蒸発させる。残留水を、乾燥抽出物が得られるまで、減圧下で50℃で乾燥させることによって除去する。得られた乾燥抽出物の量は2gである。
【0033】
このようにして得られたオエノテインB含有量は19.47%w/wである。
【0034】
実施例2
プロセスA:水アルコール混合物による抽出
2L反応器に、薬物 50gを導入し、水:エタノール比=1:1のアルコール水溶液 250gを酸性pHで添加する。抽出混合物を50℃に加熱し、浸透による抽出で1時間維持する。この第1の工程の最後に、得られた液体抽出物を除去し、同じ溶媒により同じ条件下で更に3回薬物を抽出した。抽出の終わりに、全ての浸透物を濾過し、合わせ、濃縮された抽出物が得られるまで、溶媒を減圧下で50℃の温度で蒸発させる。最終乾燥は噴霧乾燥機により行う。得られた乾燥抽出物の量は13.4gである。
【0035】
プロセスB:水による抽出
工程1の終わりに、酸性pHの水 250gを薬物に添加し、抽出混合物を50℃に加熱し、浸透による抽出で1時間維持する。抽出の終わりに、浸透物を薬物から分離し、濾過し、濃縮された抽出物が得られるまで、溶媒を減圧下で50℃の温度で蒸発させる。残留水を、乾燥抽出物が得られるまで、減圧下で50℃で乾燥させることによって除去する。得られた乾燥抽出物の量は2gである。
【0036】
このようにして得られたオエノテインB含有量は19.17%w/wである。
【0037】
比較例3
水による抽出
100mLフラスコに薬物 500mgを導入し、酸性pHの水性溶媒 40mLを添加し、抽出混合物を50℃に加熱し、抽出を15分間維持する。このプロセスを二連で繰り返し、更に15分間抽出する。この第1の工程の最後に、得られた液体抽出物を濾過して薬物を除去する。濾液を、濃縮された抽出物が得られるまで、減圧下で50℃の温度で蒸発させる。最終乾燥は噴霧乾燥機により行う。得られた乾燥抽出物の量は99mgである。
【0038】
このようにして得られたオエノテインB含有量は7.86%w/wである。
【0039】
比較例4
水アルコール混合物による抽出
100mLフラスコに薬物 500mgを導入し、弱酸性pHで水:エタノール=1:4 40mLを添加し、抽出混合物を50℃に加熱し、抽出を15分間維持する。このプロセスを二連で繰り返し、更に15分間抽出する。この第1の工程の最後に、得られた液体抽出物を濾過して薬物を除去する。濾液を、濃縮された抽出物が得られるまで、減圧下で50℃の温度で蒸発させる。最終乾燥は噴霧乾燥機により行う。
【0040】
このようにして得られたオエノテインB含有量は4.25%w/wである。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
15%w/wより高いオエノテインB含有量を有するエピロビウム(Epilobium)属の抽出物を調製するためのプロセスであって、
a)水:エタノールの重量比が3:1~1:1の範囲である水:エタノール混合物による
3回~6回の薬物の抽出、
b)浸透物の濾過、溶媒の蒸発、及び更なる精製工程なしで、得られた濃縮抽出物の乾燥
、
c)先に水及びエタノールにより抽出された前記薬物を酸性pHで水により抽出する工程と、前記浸透物を濾過する工程と、前記水相を濃縮する工程と、乾燥させる工程と、前記乾燥水性抽出物を、工程b)において得られた前記乾燥抽出物に添加する工程と
を
含む、15%w/wより高いオエノテインB含有量を有するエピロビウム属の抽出物を調製するためのプロセス。
【請求項2】
エピロビウム属が、エピロビウム・アングスティフォリウムL.(Epilobium angustifolium L.)及びムクゲアカバナ(Epilobium parviflorum Schreb)から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記水:エタノール混合物による抽出が、25~50℃の範囲の温度で1~3時間の範囲の時間にわたって行われる、請求項1~
2の一項以上に記載のプロセス。
【請求項4】
前記水:エタノール混合物による抽出が、2~6の範囲のpHで行われる、請求項1~
3のいずれか一項以上に記載のプロセス。
【請求項5】
前記薬物が開花期における植物材料である、請求項1~
4のいずれか一項以上に記載のプロセス。
【請求項6】
前記薬物と水:エタノール混合物との重量比が、1:3~1:10の範囲である、請求項1~
5のいずれか一項以上に記載のプロセス。
【請求項7】
水:エタノールによる前記抽出濃縮物の乾燥が噴霧乾燥によって行われる、請求項1~
6のいずれか一項以上に記載のプロセス。
【請求項8】
酸性pH水による前記抽出からの前記濃縮物の乾燥が、減圧下の蒸発によって行われる、請求項1~
7のいずれか一項以上に記載のプロセス。
【国際調査報告】