(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(54)【発明の名称】水溶性医薬品有効成分の医薬造粒物
(51)【国際特許分類】
A61K 47/38 20060101AFI20230824BHJP
A61K 31/223 20060101ALI20230824BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20230824BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
A61K47/38
A61K31/223
A61K9/14
A61K47/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578763
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(85)【翻訳文提出日】2022-12-16
(86)【国際出願番号】 US2021037830
(87)【国際公開番号】W WO2021257832
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522491188
【氏名又は名称】エックスダブリューファーマ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カラボルニ、サミ
(72)【発明者】
【氏名】シャン、ウィリアム ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】カナファックス、ダニエル エム.
(72)【発明者】
【氏名】シャン、ジア - ニン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA94
4C076BB01
4C076DD27
4C076EE32
4C076FF05
4C076FF31
4C076FF33
4C076FF60
4C076GG12
4C076GG16
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA53
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA61
4C206MA72
4C206NA12
4C206NA15
(57)【要約】
高負荷の医薬品有効成分を有する顆粒を有する造粒物が開示される。医薬品有効成分は、高い水溶解度を有する。顆粒は、狭い粒径分布及び滑らかな外面を有する。
【選択図】
図10A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の顆粒を含む造粒物であって、
前記顆粒が、95重量%超の医薬品有効成分(active pharmaceutical ingredient)(API)を含み、重量%が、前記造粒物の総重量に基づき、
前記医薬品有効成分が、100mg/mL超の水溶解度を含む、造粒物。
【請求項2】
前記医薬品有効成分が、30μm未満のD90を特徴とする粒径分布を特徴とする、請求項1に記載の造粒物。
【請求項3】
前記医薬品有効成分が、200m
2/kg~1200m
2/kgの比表面積を特徴とし、前記比表面積が、レーザー回折を使用して決定される、請求項1又は2に記載の造粒物。
【請求項4】
前記医薬品有効成分が、0.1g/mL~0.4g/mLのかさ密度を特徴とし、前記かさ密度が、USP 616、方法1に従って決定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項5】
前記医薬品有効成分が、0.15g/mL~0.35g/mLのかさ密度を有し、前記かさ密度が、USP 616、方法Iを使用して決定される、請求項1~4のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項6】
前記医薬品有効成分が、100mg/mL~1,000mg/mLの水溶解度を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項7】
前記顆粒が、96重量%~99.5重量%の前記医薬品有効成分を含み、重量%が、前記顆粒の総重量に基づく、請求項1~6のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項8】
前記造粒物が、150μm~500μmのD50を特徴とする粒径分布(PSD)を特徴とし、前記粒径分布が、レーザー回折又はふるい分析によって決定される、請求項1~7のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項9】
前記造粒物が、200μm~400μmの粒径分布D50を特徴とし、前記粒径分布が、レーザー回折又はふるい分析によって決定される、請求項1~7のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項10】
前記造粒物が、
50μm~250μmの粒径分布D10、及び
400μm~750μmの粒径分布D90を特徴とし、
前記粒径分布が、レーザー回折又はふるい分析によって決定される、請求項1~7のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項11】
前記造粒物が、
80μm~120μmの粒径分布D10、及び
510μm~650μmの粒径分布D90を特徴とし、
前記粒径分布が、レーザー回折又はふるい分析によって決定される、請求項1~7のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項12】
前記造粒物が、0.50g/mL~1.20g/mLのかさ密度を有し、かさ密度が、USP 616、方法Iに従って決定される、請求項1~11のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項13】
前記造粒物が、0.40g/mL~0.80g/mLのかさ密度を有し、かさ密度が、USP 616、方法Iに従って決定される、請求項1~12のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項14】
前記造粒物が、0.05重量%~1.5重量%の乾燥減量(LOD)を特徴とし、重量%が、乾燥後の前記造粒物の前記重量に基づく、請求項1~13のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項15】
前記造粒物が、0.2重量%~1.2重量%の乾燥減量(LOD)を特徴とし、重量%が、乾燥後の前記造粒物の前記重量に基づく、請求項1~13のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項16】
前記造粒物が、2重量%未満の摩損度を特徴とし、重量%が、前記造粒物の前記総重量に基づき、前記摩損度が、実施例に記載される方法に従ってふるい振とう機を使用して決定される、請求項1~15のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項17】
前記造粒物が、1.10重量%未満の摩損度を特徴とし、重量%が、前記造粒物の前記総重量に基づき、前記摩損度が、実施例に記載される方法に従ってふるい振とう機を使用して決定される、請求項1~15のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項18】
前記造粒物が、1.02重量%未満の摩損度を特徴とし、重量%が、前記造粒物の前記総重量に基づき、前記摩損度が、実施例に記載される方法に従ってふるい振とう機を使用して決定される、請求項1~15のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項19】
前記顆粒が、0.90~1.00の真球度を特徴とし、真球度が、動画像分析によって決定される、請求項1~18のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項20】
前記顆粒が、
図9B~9Eに実質的に示される表面粗さを特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項21】
前記顆粒が、
図19~20に実質的に示される表面粗さを特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項22】
前記医薬品有効成分が、γ-ヒドロキシ酪酸又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項23】
前記医薬品有効成分が、γ-ヒドロキシ酪酸の誘導体又はその薬学的に許容される塩を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項24】
前記医薬品有効成分が、式(2)の化合物:
【化1】
又はその薬学的に許容される塩を含み、式中、
R
1が、水素及びC
1-6アルキルから選択され、
R
2及びR
3の各々が、水素、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシカルボニル、及びC
3-6シクロアルコキシカルボニルから独立して選択される、請求項1~21のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項25】
前記医薬品有効成分が、
4-(((tert-ブトキシカルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-(グリシルオキシ)ブタン酸、
4-((D-バリル)オキシ)ブタン酸、
4-((L-アラニル)オキシ)ブタン酸、
4-(((エトキシカルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-(((イソプロポキシカルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-((((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-(((エトキシカルボニル)-D-バリル)オキシ)ブタン酸、
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、
前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、及び
前述のうちのいずれかの組み合わせから選択される、請求項1~21のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項26】
前記医薬品有効成分が、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸(2a)又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~21のいずれか一項に記載の造粒物:
【化2】
【請求項27】
前記顆粒が、
結合剤と、
帯電防止剤と、を更に含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項28】
前記顆粒が、2重量%以下の前記結合剤を含み、重量%が、前記顆粒の前記総重量に基づく、請求項27に記載の造粒物。
【請求項29】
前記顆粒が、1.5重量%以下の前記帯電防止剤を含み、重量%が、前記顆粒の前記総重量に基づく、請求項27又は28に記載の造粒物。
【請求項30】
前記顆粒が、
98重量%~99重量%の前記医薬品有効成分、
0.25重量%~0.75重量%の前記結合剤、及び
0.5重量%~1.5重量%の前記帯電防止剤を含み、
重量%が、前記顆粒の前記総重量に基づく、請求項27~29のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項31】
前記顆粒が、
98.5重量%超の前記医薬品有効成分、
0.5重量%以下の前記結合剤、及び
1.0重量%以下の前記帯電防止剤を含み、
重量%が、前記顆粒の前記総重量に基づく、請求項27~29のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項32】
前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項27~31のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項33】
前記ヒドロキシプロピルセルロースが、10μm~35μmのD10、45μm~90μmのD50、及び100μm~300μmのD90を特徴とするサイズ分布を含む、請求項32に記載の造粒物。
【請求項34】
前記ヒドロキシプロピルセルロースが、50,000ダルトン~110,000ダルトンの重量平均分子量を含む、請求項32又は33に記載の造粒物。
【請求項35】
前記ヒドロキシプロピルセルロースが、25℃でBrookfield粘度計を使用して決定される場合、300mPa×sec~600mPa×secの粘度を含む、請求項32~34のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項36】
前記帯電防止剤が、親水性ヒュームドシリカを含む、請求項30~35のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項37】
前記親水性ヒュームドシリカが、発火物質に基づいて99.8%超のSiO
2含有量を有する、請求項36に記載の造粒物。
【請求項38】
前記親水性ヒュームドシリカが、175m
2/g~225m
2/gの比表面積(BET)を有する、請求項36又は37に記載の造粒物。
【請求項39】
前記親水性ヒュームドシリカが、4%の水性分散液中に3.7~4.5のpH値を有する、請求項36又は37に記載の造粒物。
【請求項40】
前記親水性ヒュームドシリカが、1.5重量%未満のLODを有する、請求項36又は37に記載の造粒物。
【請求項41】
前記親水性ヒュームドシリカが、30g/L~70g/Lのタップ密度を有する、請求項36又は37に記載の造粒物。
【請求項42】
前記顆粒が、コーティングを含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の造粒物。
【請求項43】
前記顆粒が、1重量%~10重量%の前記コーティングを含み、重量%が、前記顆粒の前記総重量に基づく、請求項42に記載の造粒物。
【請求項44】
前記コーティングが、シールコーティング、制御放出コーティング、又はそれらの組み合わせを含む、請求項42又は43に記載の造粒物。
【請求項45】
請求項1~44のいずれか一項に記載の造粒物を含む、医薬組成物。
【請求項46】
前記医薬組成物が、経口製剤を含む、請求項45に記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記経口製剤が、経口懸濁液を含む、請求項45又は46に記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記医薬組成物が、即時放出製剤を含む、請求項45~47のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項49】
前記医薬組成物が、制御放出製剤を含む、請求項45~48のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項50】
請求項1~44のいずれか一項に記載の造粒物を調製する方法であって、
前記医薬品有効成分、結合剤、及び帯電防止剤を混合して、乾燥混合物を形成することと、
前記乾燥混合物を湿式造粒して、湿式造粒物を得ることと、
前記湿式造粒物を湿式塊状化して、湿式塊状造粒物を得ることと、
前記湿式塊状造粒物を乾燥させて、前記造粒物を得ることと、を含む、方法。
【請求項51】
前記乾燥混合物を湿式造粒することが、5分~10分間、湿式造粒することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
湿式造粒することが、5重量%~20重量%の総水を添加することを含み、重量%が、前記医薬品有効成分の前記総重量に基づく、請求項50又は51に記載の方法。
【請求項53】
湿式造粒の間、前記湿式造粒物の温度が、20℃~25℃の温度である、請求項50~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記湿式造粒物を湿式塊状化することが、30分~60分間、湿式塊状化することを含む、請求項50~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記方法が、乾燥させる工程の前に、湿式造粒する工程及び湿式塊状化する工程を1回以上繰り返すことを含む、請求項50~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記方法が、前記造粒物の比重が顕著に増加しなくなるまで、前記乾燥させる工程の前に、前記湿式造粒する工程及び前記湿式塊状化する工程を1回以上繰り返すことを含む、請求項50~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
湿式造粒することが、
前記乾燥混合物を、800rpm~900rpmの混合器速度及び3200rpm~4000rpmのチョッパー速度で5分~15分間造粒することと、
0.0025重量%/分~0.0075重量%/分の速度で水を添加することであって、重量%が、前記乾燥混合物の総重量に基づく、添加することと、
湿式造粒の間、20℃~25℃の温度に前記湿式造粒物の前記温度を維持することと、を含む、請求項50~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
湿式造粒することが、
850rpmの混合器速度及び3600rpmのチョッパー速度で5分間~60分間造粒することと、
0.005重量%/分の速度で水を添加することであって、重量%が、前記混合物の総重量に基づく、添加することと、
前記湿式造粒物の前記温度を20℃~25℃に維持することと、を含む、請求項50~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
湿式塊状化することが、
550rpmの混合器速度及び1,500rpm~2,100rpmのチョッパー速度で30分間~60分間湿式塊状化することと、
前記湿式造粒物の前記温度を15℃~25℃の温度に維持することと、を含む、請求項50~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
湿式塊状化することが、
500rpm~600rpmの混合器速度及び1800rpmからのチョッパー速度で30分~60分間湿式塊状化することと、
前記湿式造粒物の前記温度を20℃~25℃に維持することと、を含む、請求項50~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項50~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記帯電防止剤が、親水性ヒュームドシリカを含む、請求項50~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記混合物が、
95重量%超の前記医薬品有効成分、
0.25重量%超の結合剤、及び
0.5重量%超の帯電防止剤を含み、重量%が、前記混合物の前記総重量に基づく、請求項50~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記混合物が、
98重量%~99重量%の前記医薬品有効成分、
0.25重量%~0.75重量%の結合剤、及び
0.5重量%~1.5重量%の帯電防止剤を含み、
重量%が、前記混合物の前記総重量に基づく、請求項50~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記混合物が、
98.2重量%~98.8重量%の前記医薬品有効成分、
0.3重量%~0.7重量%の結合剤、及び
0.8重量%~1.2重量%の帯電防止剤を含み、
重量%が、前記混合物の前記総重量に基づく、請求項50~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
乾燥後、前記湿式造粒物が、0.025重量%~0.075重量%の水を含み、重量%が、前記湿式造粒物の総重量に基づく、請求項50~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
乾燥後、前記湿式造粒物が、0.05重量%の水を含み、重量%が、前記湿式造粒物の前記総重量に基づく、請求項50~66のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が組み込まれる、2020年6月18日に出願された米国仮特許出願第63/040,780号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張する。
【0002】
本発明は、高い水溶解度を特徴とする高負荷の医薬品有効成分(active pharmaceutical ingredient)を有する顆粒を有する医薬造粒物に関する。顆粒は、狭い粒径分布及び滑らかな外面を有する。
【背景技術】
【0003】
ある特定の治療方法において、高用量の医薬品有効成分を投与することが必要である。そのような治療において患者に投与される医薬製剤の量を最小限に抑えるために、医薬組成物が、高含有量の医薬品有効成分を含有し、医薬賦形剤の量を最小限に抑えることが望ましい。
【0004】
経口制御放出剤形は、胃腸管内に所望の放出プロファイルを提供するコーティングでコーティングされた顆粒を含有することができる。所望の経口制御放出プロファイルの達成を促進するために、経口剤形は、制御放出コーティングを有する顆粒を含む造粒物を含むことができる。
【0005】
経口医薬懸濁液の嗜好性を向上させるために、医薬品有効成分を含有する粒子のサイズは、500μm未満であることが望ましい。
【0006】
高いかさ密度の医薬品有効成分(API)、500μm未満の粒径を有し、コーティングに適した表面を有する医薬造粒物が望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、造粒物は複数の顆粒を含み、顆粒は95重量%超の医薬品有効成分(API)を含み、重量%は造粒物の総重量に基づき、医薬品有効成分は100mg/mL超の水溶解度を含む。
【0008】
本発明によれば、医薬組成物は、本発明による造粒物を含む。
【0009】
本発明によれば、本発明による造粒物を調製する方法は、医薬品有効成分、結合剤、及び帯電防止剤を混合して、乾燥混合物を形成することと、乾燥混合物を湿式造粒して、湿式造粒物を得ることと、湿式造粒物を湿式塊状化して、湿式塊状造粒物を得ることと、湿式塊状造粒物を乾燥させて、造粒物を得ることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
当業者は、本明細書に記載される図面が例示のみを目的としていることを理解するであろう。図面は、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0011】
【
図1A】異なる湿式塊状化時間を使用して調製した医薬造粒物(1)についての粒径分布を示す。
【
図1B】2つの異なる倍率での医薬造粒物(1)のSEM画像を示す。
【
図1C】2つの異なる倍率での医薬造粒物(1)のSEM画像を示す。
【
図2A】異なる湿式塊状化時間を使用して調製した医薬造粒物(2)についての粒径分布を示す。
【
図2B】2つの異なる倍率での医薬造粒物(2)のSEM画像を示す。
【
図2C】2つの異なる倍率での医薬造粒物(2)のSEM画像を示す。
【
図3A】異なる湿式塊状化時間を使用して調製した医薬造粒物(3)についての粒径分布を示す。
【
図3B】2つの異なる倍率での医薬造粒物(3)のSEM画像を示す。
【
図3C】2つの異なる倍率での医薬造粒物(3)のSEM画像を示す。
【
図4A】異なる湿式塊状化時間を使用して調製した医薬造粒物(4)についての粒径分布を示す。
【
図4B】2つの異なる倍率での医薬造粒物(4)のSEM画像を示す。
【
図4C】2つの異なる倍率での医薬造粒物(4)のSEM画像を示す。
【
図5A】異なる湿式塊状化時間を使用して調製した医薬造粒物(5)についての粒径分布を示す。
【
図5B】2つの異なる倍率での医薬造粒物(5)のSEM画像を示す。
【
図5C】2つの異なる倍率での医薬造粒物(5)のSEM画像を示す。
【
図6A】異なる湿式塊状化時間を使用して調製した医薬造粒物(6)についての粒径分布を示す。
【
図6B】2つの異なる倍率での医薬造粒物(6)のSEM画像を示す。
【
図6C】2つの異なる倍率での医薬造粒物(6)のSEM画像を示す。
【
図7A】異なる湿式塊状化時間を使用して調製した医薬造粒物(7)についての粒径分布を示す。
【
図7B】2つの異なる倍率での医薬造粒物(7)のSEM画像を示す。
【
図7C】2つの異なる倍率での医薬造粒物(7)のSEM画像を示す。
【
図8A】異なる湿式塊状化時間を使用して調製した医薬造粒物(8)についての粒径分布を示す。
【
図8B】2つの異なる倍率での医薬造粒物(8)のSEM画像を示す。
【
図8C】2つの異なる倍率での医薬造粒物(8)のSEM画像を示す。
【
図9A】異なる湿式塊状化時間を使用して調製した医薬造粒物(9)についての粒径分布を示す。
【
図9B】2つの異なる倍率での医薬造粒物(9)のSEM画像を示す。
【
図9C】2つの異なる倍率での医薬造粒物(9)のSEM画像を示す。
【
図9D】2つの異なる倍率での医薬造粒物(9)のSEM画像を示す。
【
図9E】2つの異なる倍率での医薬造粒物(9)のSEM画像を示す。
【
図9F】医薬造粒物(9)を形成するために使用した粒子のサイズ分布を示す。
【
図10A】ジェットミリングの前後の医薬品有効成分の粒径分布を示す。
【
図10B】ジェットミリングの前後の医薬品有効成分の粒径分布を示す。
【
図11】実施例1~9についての造粒物及び湿式塊状化処理条件を要約した表である。
【
図12】実施例1~9の造粒物についての特性を要約した表である。
【
図13】700倍の倍率での実施例13の結晶化したまま(as-crystallized)の医薬品有効成分のSEM画像を示す。
【
図14】ジェットミリング後の700倍の倍率での実施例13の医薬品有効成分のSEM画像を示す。
【
図15】実施例13に記載の結晶化したままの医薬品有効成分の粒径分布を示す。
【
図16】ジェットミリング後の実施例13に記載の医薬品有効成分の粒径分布を示す。
【
図17】100倍の倍率で実施例13に記載されるように調製された顆粒のSEM画像を示す。
【
図18】240倍の倍率で実施例13に記載されるように調製された顆粒のSEM画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明の目的のために、本開示によって提供される実施形態は、相反することが明示的に指定されている場合を除き、様々な代替的な変形及び工程シーケンスを想定し得ることを理解されたい。更に、任意の動作の実施例以外、又は別様に示される場合、例えば、明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量を表す全ての数は、全ての例において用語「約」によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、相反することが示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、かつ、等価物の見解の適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有意な桁の数に照らし合わせて、かつ通常の四捨五入技法を適用することによって解釈されるべきである。
【0013】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータは、近似値であるにもかかわらず、特定の例において記載される数値は、できる限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に得られる特定の誤差を本質的に含有する。
【0014】
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、その中に包含される全ての部分範囲を含むことを意図していることを理解されたい。例えば、「1~10」の範囲は、記載された最小値1と記載された最大値10との間の(及びそれらを含む)全ての部分的な範囲、すなわち、1以上の最小値と、10以下の最大値と、を有することが意図される。
【0015】
「即時放出」は、経口投与後、50分未満、40分未満、30分未満、20分未満、又は10分未満等の、経口投与後1時間未満内に、実質的に全ての医薬品有効成分を患者の消化管内に放出する医薬組成物を指す。例えば、からの即時放出投薬量は、経口投与後、50分未満、40分未満、30分未満、20分未満、又は10分未満内等の、1時間未満内に、医薬組成物中の医薬品有効成分の90%超、95%超、又は98%超を消化管内に放出することができる。即時放出医薬組成物は、消化管の上部から全身循環に吸収される医薬品有効成分に適切であり得る。
【0016】
「制御放出」医薬組成物としては、修飾放出製剤、遅延放出製剤、徐放性製剤、及び持続放出製剤が挙げられる。これらの製剤は、患者による経口投与後、所望の速度及び/若しくは所望の時間に、並びに/又は消化管での特定の位置若しくは複数の位置において、医薬組成物から医薬品有効成分を放出することを意図する。米国薬局方は、修飾放出系を、即時放出剤形によって満たされない治療有効性又は利便性の目的を達成するために薬物放出の時間経過若しくは位置、又はその両方が選択されるものと定義する。より具体的には、修飾放出(MR)固形経口剤形としては、徐放性(ER)及び遅延放出(DR)製品が挙げられる。遅延放出製品は、投与後速やかにではなく、一度に薬剤を一斉に放出するものである。修飾放出製剤としては、腸溶性コーティングを使用する遅延放出製剤、結腸送達用等の部位特異的又は時限放出製剤、例えば、ゼロ次、一次、又は二相性放出プロファイルを提供することができる製剤を含む徐放、並びに脈動放出及び遅延徐放等のプログラム放出が挙げられ得る。
【0017】
「アルコキシ」は、Rがアルキルであるラジカル-ORを指す。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びブトキシが挙げられる。アルコキシ基は、例えば、C1-6アルコキシ、C1-5アルコキシ、C1-4アルコキシ、C1-3アルコキシ、エトキシ又はメトキシであり得る。
【0018】
「アルキル」は、親アルカンの単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される、飽和、分枝、又は直鎖一価の炭化水素ラジカルを指す。アルキル基は、例えば、C1-6アルキル、C1-5アルキル、C1-4アルキル、又はC1-3アルキルであり得る。アルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、又はtert-ブチルであり得る。
【0019】
「シクロアルキル」は、飽和環状アルキルラジカルを指す。シクロアルキル基は、例えば、C3-6シクロアルキル、C3-5シクロアルキル、C5-6シクロアルキル、シクロプロピル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルであり得る。例えば、シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルから選択され得る。
【0020】
「アルコキシカルボニル」は、ラジカル-C(=O)-O-Rを指し、式中、Rは、C1-6アルキル、例えば、C1-4アルキル、又はC1-3アルキルであり得る。例えば、Rは、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、及びtert-ブチルから選択され得る。
【0021】
「シクロアルコキシカルボニル」は、ラジカル-C(=O)-O-Rを指し、式中、Rは、C3-8シクロアルキル、例えば、C4-7シクロアルキル又はC4-6シクロアルキルであり得る。例えば、Rは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルから選択され得る。
【0022】
「患者」は、哺乳動物、例えば、ヒトを指す。
【0023】
「薬学的に許容される」とは、連邦政府若しくは州政府の規制機関によって、又は米国薬局方若しくは動物、より具体的にはヒトにおいて使用するための他の一般的に認められている薬局方に記載されている、承認された又は承認可能なものを指す。
【0024】
「薬学的に許容される塩」は、親化合物の所望の薬理活性を有する化合物の塩を指す。そのような塩には、無機酸、並びに親化合物内の一級、二級、又は三級アミン等の1つ以上のプロトン化可能な官能基で形成される酸付加塩が含まれる。好適な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。塩は、有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリルスルホン酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等により形成され得る。塩は、親化合物中に存在する1つ以上の酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、若しくはアルミニウムイオン、又はそれらの組み合わせ、あるいはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミン等の有機塩基との配位によって置き換えられる場合に形成され得る。薬学的に許容される塩は、塩酸塩であり得る。薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩であり得る。2つ以上のイオン化可能な基を有する化合物では、薬学的に許容される塩は、二塩、例えば、二塩酸塩等の1つ以上の対イオンを含むことができる。
【0025】
「薬学的に許容される塩」という用語は、水和物及び他の溶媒和物、並びに結晶形態又は非結晶形態の塩を含む。特定の薬学的に許容される塩が開示される場合、特定の塩(例えば、塩酸塩)は塩の例であり、他の塩は、当業者に公知の技法を使用して形成され得ることを理解されたい。加えて、当該技術分野で一般に既知の技法を使用して、当業者は、薬学的に許容される塩を対応する化合物、遊離塩基、及び/又は遊離酸に変換することができるであろう。
【0026】
「プロドラッグ」は、活性薬物を放出するために体内での変換を必要とする薬物分子の誘導体を指す。プロドラッグは、必ずしもそうではないが、親薬物に変換されるまで薬理学的に不活性であることが多い。プロドラッグは、典型的には、官能基を介して、プロ部分(promoiety)(本明細書で定義される)を薬物に結合させることによって得ることができる。
【0027】
かさ密度は、USP 616、方法1に従って決定することができる。
【0028】
タップかさ密度は、USP 616に従って決定することができる。
【0029】
比表面積は、レーザー回折によって決定することができる。
【0030】
ハウスナー比は、USP 1174に従って決定することができる。
【0031】
パラメータD90は、試料中の材料の総体積の90%までを含む、試料のサイズ分布における点を指す。例えば、400μmのD90について、試料体積の90%が、400μm以下のサイズを有し、D50は、試料中の材料の総体積の50%未満が含まれるサイズである。同様に、D10は、試料中の材料の総体積の10%未満が含まれるサイズを指す。試料の体積分布は、レーザー回折又はふるい分析によって決定することができる。
【0032】
次に、医薬造粒物、医薬造粒物を含む組成物、及び医薬造粒物を作製する方法について言及する。開示される医薬造粒物、医薬造粒物を含む組成物、及び医薬造粒物を作製する方法は、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。それとは反対に、特許請求の範囲は、全ての代替物、修正物、及び同等物を包含することが意図されている。
【0033】
本開示によって提供される造粒物は、複数の顆粒を含み、顆粒は、95重量%超、例えば、98重量%超、又は99重量%超の医薬品有効成分を含み、重量%は、顆粒の総重量に基づき、造粒物は、例えば、150μm~400μm、150μm~350μm、又は150~300μmの粒径分布(D50、中央径)を特徴とする。造粒物は、例えば、450μm未満、400μm未満、350μm未満、300μm未満 250μm未満、又は200μm未満のD50を特徴とする。
【0034】
顆粒は、高負荷の医薬品有効成分又は高負荷の医薬品有効成分の組み合わせを含むことができる。例えば、顆粒は、95重量%超、96重量%超、97重量%超、98重量%超、又は99重量%超の医薬品有効成分を含むことができ、重量%は、顆粒の総重量に基づく。顆粒は、例えば、95重量%~99.5重量%の医薬品有効成分、96重量%~99.5重量%の医薬品有効成分、96重量%~99重量%、97重量%~99重量%、又は98重量%~99重量%の医薬品有効成分を含むことができ、重量%は、顆粒の総重量に基づく。
【0035】
顆粒は、高い水溶解度を有する医薬品有効成分を含むことができる。
【0036】
例えば、医薬品有効成分は、100mg/mL超、150mg/mL超、200mg/mL超、250mg/mL超、300mg/mL超、350mg/mL超、400mg/mL超、500mg/mL超、600mg/mL超の水溶解度を有することができる。医薬品有効成分は、例えば、100mg/mL~600mg/mL、200mg/mL~500mg/mL、又は250mg/mL~450mg/mLの水溶解度を有することができる。
【0037】
水溶解度は、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって決定される。
【0038】
100mg/mL超の水溶解度を有する医薬品有効成分の例としては、アセトヒドロキサム酸、アリスキレン、アミフォスチン、アミノカプロン酸、アミノレブリン酸、アミノフィリン、アスコルビン酸、ベンゼトニウム、ベンズフェタミン、ベタゾール、ブレチリウム、ブロモテオフィリン、ブロムフェニラミン、ブロノポール、塩酸ブプロピオン、フォリン酸、カプトプリル、カルバモイルコリン、抱水クロラール、シドフォビル、シトルリン、クラブラン酸、クリンダマイシン、リン酸コデイン、サイクロセリン、システアミン、シタラビン、d-グルコース、ジノプロストトロメタミン、d-セリン、ジフィリン、エデト酸、エムトリシタビン、エスケタミン塩酸塩、アルケタミン塩酸塩、エタンブトール塩酸塩、ビスグリシン酸鉄、フルラゼパム、ホメピゾール、フラミセチン、ガバペンチン、γ-アミノ酪酸、ゲミフロキサシン、ゲンタマイシン、グルコン酸、グルコノラクトン、グルコサミン、グルタチオン、イバンドロネート、イブチリド、イソニアジド、ケトロラク、ラクチトール、ラクトース、ラクツロース、塩酸レバミゾール、レベチラセタム、レボカルニチン、リスデキサンフェタミン、マンニトール、塩酸メトホルミン、メテナミン、メチマゾール、アミノレブリン酸メチル、ミガーラスタット塩酸塩、ミグルスタット、ナルメフェン塩酸塩、ナルトレキソン塩酸塩、臭化ネオスチグミン、ネチルマイシン、ニコチンアミド、ニコチン、ニトロフラール、ノルフロキサシン、オルニチン、オキシコドン、ペニシラミン、ペントキシベリン、フェンホルミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、ピドール酸、ピペラジン、ピラセタム、プレガバリン、塩酸プロカルバジン、塩酸プロメタジン、ピリドキシン、ピルビン酸、塩酸ラニチジン、ロリテトラサイクリン、ロピニロール、スコポラミン、セレノメチオニン、アスコルビン酸ナトリウム、ナトリウムオキシベート、テルブタリン、塩酸チアミン、トブラマイシン、トラネキサム酸、トロメタミン塩、バラシクロビル、及び塩酸ベンラファキシン、又は前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0039】
100mg/mL超の水溶解度を有する医薬品有効成分は、100mg/mL超の水溶解度を有する塩形態、水和物、及び/又は溶媒和物を含み、親医薬品有効成分は、100mg/mL未満の水溶解度を有する。
【0040】
医薬品有効成分は、γ-ヒドロキシ酪酸又はγーヒドロキシ酪酸の誘導体を含むことができる。γ-ヒドロキシ酪酸は、式(1)の構造を有する:
【化1】
【0041】
γ-ヒドロキシ酪酸のプロドラッグ誘導体は、式(2)の構造:
【化2】
又はその薬学的に許容される塩を有することができ、式中、
R
1は、水素及びC
1-6アルキルから選択され得、
R
2及びR
3の各々は、独立して、水素、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシカルボニル、及びC
3-8シクロアルコキシカルボニルから選択され得る。
【0042】
式(2)の化合物において、R1は、水素及びC1-3アルキルから選択され得る。
【0043】
式(2)の化合物において、R1は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、及びイソ-プロピルから選択され得る。
【0044】
式(2)の化合物において、R1は、イソ-プロピルであり得る。
【0045】
式(2)の化合物において、R2及びR3のうちの少なくとも1つは、水素及びC1-3アルキルから選択され得る。
【0046】
式(2)の化合物において、R2及びR3の各々は、独立して、水素及びC1-3アルキルから選択され得る。
【0047】
式(2)の化合物において、R2及びR3の各々は、水素であり得る。
【0048】
式(2)の化合物において、R1は、水素及びC1-3アルキルから選択され得、R2は、C1-6アルコキシカルボニル及びC5-6シクロアルコキシカルボニルから選択され得る。
【0049】
式(2)の化合物において、R2及びR3の各々は、水素であり得、R1は、水素及びC1-3アルキルから選択され得る。
【0050】
式(2)の化合物において、R2及びR3の各々は、水素であり得、R1は、メチル、エチル、n-プロピル、及びイソ-プロピルから選択され得る。
【0051】
式(2)の化合物において、R2及びR3の各々は、水素であり得、R1は、イソ-プロピルであり得る。
【0052】
式(2)の化合物において、R1が結合している炭素原子は、(R)-立体配置であり得る。
【0053】
式(2)の化合物において、R1が結合している炭素原子は、(S)-立体配置であり得る。
【0054】
式(2)の化合物は、
4-(((tert-ブトキシカルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-(グリシルオキシ)ブタン酸、
4-((D-バリル)オキシ)ブタン酸、
4-((L-アラニル)オキシ)ブタン酸、
4-(((エトキシカルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-(((イソプロポキシカルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-((((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-(((エトキシカルボニル)-D-バリル)オキシ)ブタン酸、
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、
前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、及び
前述のうちのいずれかの組み合わせから選択され得る。
【0055】
式(2)の化合物は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸(2a)又はその薬学的に許容される塩であり得る:
【化3】
【0056】
式(2)の化合物は、4-(グリシルオキシ)ブタン酸(2b)又はその薬学的に許容される塩であり得る:
【化4】
【0057】
式(2)の化合物は、4-((L-アラニル)オキシ)ブタン酸(2c)又はその薬学的に許容される塩であり得る:
【化5】
【0058】
式(2)~(2c)の化合物は、γ-ヒドロキシ酪酸のプロドラッグであり、経口投与すると、患者の血液中にγ-ヒドロキシ酪酸が得られる。式(2)~(2c)の化合物は、患者において、10%F超、20%F超、30%F超、40%F超、50%F超、又は60%F超のγ-ヒドロキシ酪酸の相対的経口バイオアベイラビリティを示す
【0059】
顆粒に組み込む前に、医薬品有効成分は、高いかさ密度を有することができる。
【0060】
医薬品有効成分は、例えば、0.20g/mL未満、0.30g/mL未満、0.40g/mL未満、又は0.50g/mL未満のかさ密度を有することができる。
【0061】
医薬品有効成分は、例えば、0.15g/mL~0.33g/mL、0.16g/mL~0.32g/mL、0.17g/mL~0.31g/mL、0.18g/mL~0.30g/mL、0.19g/mL~0.29g/mL、又は0.20g/mL~0.28g/mLのかさ密度を有することができる。
【0062】
医薬品有効成分は、例えば、0.15g/mL~0.50g/mL、0.20g/mL~0.45g/mL、0.25g/mL~0.40g/mL、又は0.30g/mL~0.40g/mLのタップかさ密度を有することができる。
【0063】
医薬品有効成分は、例えば、1μm~3μmのD10、6.5μm~8.5μmのD50、及び15μm~17μmのD90を特徴とする粒径分布を有することができる。
【0064】
医薬品有効成分は、例えば、
図9Fに実質的に示されるような粒径分布を有することができる。
【0065】
医薬品有効成分をジェットミルして粒径を減少させることができる。
【0066】
医薬品有効成分は、例えば、0.10g/mL~0.30g/mL、0.12g/mL~0.28g/mL、0.14g/mL~0.26g/mL、0.16g/mL~0.24g/mL、又は0.18g/mL~0.22g/mLのかさ密度を有することができる。
【0067】
医薬品有効成分は、例えば、0.15g/mL~1g/mL、0.15g/mL~0.8g/mL、0.15g/mL~6g/mL、0.25g/mL~0.50g/mL、0.27g/mL~0.48g/mL、0.29g/mL~0.46g/mL、0.31g/mL~0.44g/mL、又は0.33g/mL~0.42g/mLのタップかさ密度を有することができる。
【0068】
医薬品有効成分は、例えば、200m2/kg~1200m2/kg、例えば、400m2/kg~1000m2/kg、又は400m2/kg~800m2/kgの比表面積を有することができ、比表面積は、レーザー回折を使用して決定される。医薬品有効成分は、例えば、200m2/kg超、400m2/kg超、600m2/kg超、800m2/kg超、1,000m2/kg超又は超の比表面積を有することができる。
【0069】
医薬品有効成分は、例えば、10μm~14μmのD10、32μm~36μmのD50、及び65μm~80μmのD90を特徴とする粒径分布を有することができる。
【0070】
医薬品有効成分は、例えば、
図16に実質的に示されるような粒径分布を有することができる。
【0071】
ジェットミルされた医薬品有効成分は、例えば、0.20g/mL未満、0.30g/mL未満、0.40g/mL未満、又は0.50g/mL未満のタップかさ密度を有することができる。
【0072】
ジェットミルされた医薬品有効成分は、例えば、0.10g/mL~0.30g/mL、0.12g/mL~0.28g/mL、0.14g/mL~0.26g/mL、0.16g/mL~0.24g/mL、又は0.18g/mL~0.22g/mLのタップかさ密度を有することができる。
【0073】
ジェットミルされた医薬品有効成分は、例えば、6μm~10μmのD10、14μm~18μmのD50、及び24μm~32μmのD90を特徴とする粒径分布を有することができる。
【0074】
ジェットミルされた医薬品有効成分は、例えば、
図16に実質的に示されるような粒径分布を有することができる。
【0075】
本開示によって提供される医薬組成物は、医薬品有効成分、結合剤、及び帯電防止剤を含むことができる。
【0076】
顆粒は、結合剤又は結合剤の組み合わせを含むことができる。顆粒は、例えば、1重量%未満の結合剤、0.8重量%未満、0.6重量%未満、0.4重量%未満、又は0.2重量%未満の結合剤を含むことができ、重量%は、顆粒の総重量に基づく。顆粒は、例えば、0.1重量%~1.0重量%の結合剤、0.2重量%~0.9重量%、0.2重量%~0.8重量%、0.25重量%~0.75重量%、又は0.3重量%~0.7重量%の結合剤を含むことができ、重量%は、顆粒の総重量に基づく。
【0077】
顆粒は、例えば、1.5重量%未満の結合剤、1.2重量%未満、1.0重量%未満、0.8重量%未満、又は0.6重量%未満の結合剤を含むことができ、重量%は、顆粒の総重量に基づく。
【0078】
顆粒は、好適な結合剤を含むことができる。好適な結合剤の例としては、デンプン、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、及びゼラチン等の天然結合剤;ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリメタクリレート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びポリエチレングリコール等の合成結合剤;並びに修飾セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、キシリトール、及びマンニトール等の糖類が挙げられる。
【0079】
他の好適な結合剤の例としては、アカシア、コポビドン、カルボマー、コーンスターチ、アルファ化デンプン、カルシウムカルボキシメチルセルロース、グリコール酸カルシウムセルロース、カルメロサムカルシウム(carmellosum calcium)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルメロースナトリウム、セラトニア、キトサン塩酸塩、デキストレート、デキストリン、エチルセルロース、液状グルコース、グアーガラトマンナン(guar galatomannan)、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、微結晶セルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒプロメロース/ヒドロキシプロピルメチルセルロース、Methocel(登録商標)、イヌリン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポビドン、アルギン酸ナトリウム、デンプン、アルファ化デンプン、スクロース、圧縮糖、ゼイン、ゼラチン、ポリメタクリレート、ソルビトール、グルコース、及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。
【0080】
顆粒は、帯電防止剤又は帯電防止剤の組み合わせを含むことができる。
【0081】
顆粒は、例えば、2重量%未満の帯電防止剤、1.25重量%未満、1重量%未満、0.75重量%未満、0.5重量%未満、又は0.25重量%未満の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、顆粒の総重量に基づく。顆粒は、例えば、0.1重量%~2.0重量%の帯電防止剤、0.2重量%~1.8重量%、0.5重量%~1.50重量%、又は0.75重量%~1.25重量%の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、顆粒の総重量に基づく。
【0082】
顆粒は、好適な帯電防止剤を含むことができる。
【0083】
好適な帯電防止剤の例としては、シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、及び前述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0084】
帯電防止剤は、親水性ヒュームドシリカ等の親水性シリカ等のシリカを含むことができる。
【0085】
帯電防止剤は、例えば、Evonik Industries製のAerosil(登録商標)ヒュームドシリカ、Cabot Corporation製のCab-o-sil(登録商標)ヒュームドシリカ、又はBrenntag Solutions Group製のHDK(登録商標)ヒュームドシリカ等の親水性ヒュームドシリカを含むことができる。
【0086】
帯電防止剤は、Evonik Industriesから入手可能なAerosil(登録商標)200を含むことができる。
【0087】
親水性ヒュームドシリカは、100m2/g~300m2/g、例えば、175m2/g~225m2/gの比表面積(BET、4%の水性分散液中の3.7~4.5のpH値、1.5%以下の105℃での2時間の乾燥減量、約40g/L~60g/Lのタップ密度、及び発火物質に基づいて99.8%超のSiO2含有量を有することができる。
【0088】
ある特定の造粒物において、帯電防止剤はタルクを含む。医薬品グレードのタルクは、例えば、Imerys Talc及びElementis PLCから入手可能である。ある特定の造粒物において、帯電防止剤はタルクを含まない。
【0089】
造粒物又は顆粒は、例えば、95.0重量%~99.5重量%の医薬品有効成分、0.1重量%~1.0重量%の結合剤、及び0.1重量%~2.0重量%の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、造粒物又は顆粒の総重量に基づく。
【0090】
造粒物又は顆粒は、例えば、98重量%~99重量%の医薬品有効成分、0.25重量%~0.75重量%の結合剤、及び0.5重量%~1.5重量%の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、造粒物又は顆粒の総重量に基づく。
【0091】
造粒物又は顆粒は、例えば、98.25重量%~98.75重量%の医薬品有効成分、0.33重量%~0.65重量%の結合剤、及び0.74重量%~1.25重量%の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、造粒物又は顆粒の総重量に基づく。
【0092】
医薬品有効成分、結合剤、及び帯電防止剤に加えて、顆粒は、例えば、流量制御剤、滑沢剤、崩壊剤、充填剤、圧縮助剤、界面活性剤、希釈剤、着色剤、緩衝剤、流動促進剤、及び前述のうちのいずれかの組み合わせ等の1つ以上の賦形剤を含むことができる。
【0093】
顆粒は、例えば、1つ以上の賦形剤のうちの3重量%未満、1つ以上の賦形剤のうちの2重量%未満、1重量%未満、又は0.5重量%未満を含むことができ、重量%は、顆粒の総重量に基づく。顆粒は、例えば、1つ以上の賦形剤のうちの0重量%~3重量%、1つ以上の賦形剤のうちの0.1重量%~3重量%、0.5重量%~2重量%、又は1重量%~2重量%を含むことができ、重量%は、顆粒の総重量に基づく。
【0094】
好適な流量制御剤又は流動促進剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ヒュームドシリカ(コロイド状二酸化ケイ素)、デンプン、タルク、及び前述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0095】
好適な滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、水添ヒマシ油、水添植物油、軽油、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸亜鉛、及び前述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0096】
好適な崩壊剤の例としては、クエン酸クロスカルメロースナトリウム、コロイド状シリコーンジオキシド、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、及び前述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0097】
界面活性剤は、イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤を含むことができる。好適なイオン性界面活性剤の例としては、ドクサートナトリウム(スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩)、ラウリル硫酸ナトリウム、及び前述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンステアレート、ポロキサマー、ポリソルベート、ソルビタンエステル、グリセリルモノオレエート、及び前述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0098】
好適な充填剤及び圧縮助剤の例としては、ラクトース、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、圧縮糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、微結晶性セルロース、粉末セルロース、スクロース、及び前述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0099】
造粒物又は顆粒は、医薬品有効成分、結合剤、及び帯電防止剤からなり得る。医薬品有効成分に加えて、造粒物は、ヒドロキシプロピルセルロースからなる結合剤及び/又は親水性ヒュームドシリカからなる帯電防止剤からなり得る。造粒物又は顆粒は、式(2)の化合物から選択される医薬品有効成分、結合剤がヒドロキシプロピルセルロースからなる結合剤、及び帯電防止剤が親水性ヒュームドシリカからなる帯電防止剤からなり得る。造粒物は微量の水を有し得る。ある特定の顆粒物において、医薬品有効成分は、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸(2a)若しくはその薬学的に許容される塩を含まず、結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含まず、かつ/又は帯電防止剤は、タルクを含まない。
【0100】
本開示によって提供される顆粒は、例えば、0.91~0.99、又は0.92~0.98等の0.90~1の真球度を特徴とすることができ、真球度は、湿潤分散粒子形状法を使用するか、又は動画像分析によって決定される。本開示によって提供される造粒物は、例えば、0.90超、0.91超、0.92超、0.93超、0.94超、又は0.95超の平均真球度を特徴とすることができる。本開示によって提供される造粒物は、例えば、0.94超、0.95超、0.96超、0.97超、0.98超、又は0.99超の平均真球度を特徴とする複数の顆粒を含むことができる。
【0101】
本開示によって提供される顆粒は固体であり、顆粒全体にわたって実質的に均質な組成物を特徴とする。
【0102】
高用量の医薬品有効成分について、特に投与前に懸濁液中で再構成される場合、嗜好性を改善するために、顆粒は小さな平均直径を有することが有用であり得る。
【0103】
本開示によって提供される造粒物は、例えば、150μm~500μm、150μm~450μm、150μm~400μm、225μm~400μm、150μm~350μm、例えば、175μm~325μm、200μm~300μm、又は225μm~275μmの例えば粒径分布D50を特徴とすることができる。造粒物は、例えば、500μm未満、450μm未満、400μm未満、350μm未満、300μm未満 250μm未満、又は200μm未満の粒径分布D50を特徴とすることができる。
【0104】
造粒物は、例えば、50μm~150μm、60μm~140μm、70μm~120μm、又は80μm~110μmの粒径分布D10を特徴とすることができる。造粒物は、例えば、200μm未満、180μm未満、160μm未満、又は140μm未満の粒径分布D10を特徴とすることができる。
【0105】
造粒物は、例えば、450μm~750μm、475μm~725μm、500μm~700μm、525μm~675μm、又は550μm~650μmの粒径分布D90を特徴とすることができる。造粒物は、例えば、800μm未満、700μm未満、600μm未満、又は500μm未満の粒径分布を特徴とすることができる。
【0106】
造粒物は、例えば、50μm~150μmの粒径分布D10、220μm~320μmの粒径分布D50、及び480μm~560μmの粒径分布D90を特徴とすることができる。
【0107】
造粒物は、例えば、60μm~140μmの粒径分布D10、230μm~310μmの粒径分布D50、及び490μm~550μmの粒径分布D90を特徴とすることができる。
【0108】
造粒物は、例えば、70μm~130μmの粒径分布D10、240μm~300μmの粒径分布D50、及び500μm~540μmの粒径分布D90を特徴とすることができる。
【0109】
造粒物は、例えば、70μm~230μmの粒径分布D10、及び400μm~750μmの粒径分布D90を特徴とすることができる。
【0110】
造粒物は、例えば、80μm~120μmの粒径分布D10、及び510μm~650μmの粒径分布D90を特徴とすることができる。
【0111】
本開示によって提供される造粒物についての粒径分布の例を
図9Aに示す。
【0112】
粒径分布は、レーザー回折又はふるい分析によって決定することができる。
【0113】
造粒物は、例えば、0.40g/mL超、0.50g/mL超、0.60g/mL超、0.90g/mL超、1.10g/mL超、1.30g/mL超、又は1.50g/mL超のかさ密度を有することができる。
【0114】
造粒物は、例えば、0.40g/mL~1.60g/mL、0.40g/mL~1.20g/mL、0.40g/mL~0.80g/mL、0.50g/mL~1.60g/mL、0.50g/mL~1.40g/mL、0.50g/mL~1.20g/mL、0.60g/mL~1.60g/mL、0.70g/mL~1.50g/mL、0.80g/mL~1.40g/mL、又は1.00g/mL~1.20g/mLのかさ密度を有することができる。造粒物は、例えば、0.5g/mL~0.8g/mL、0.55g/mL~0.75g/mL、又は0.6g/mL~0.7g/mLのかさ密度を有することができる。
【0115】
かさ密度は、かさ密度シリンダーを使用して決定することができる。
【0116】
本開示によって提供される顆粒の例の走査型電子顕微鏡写真(SEM)画像を、それぞれ、110倍、220倍、1,000倍、及び2,000倍の倍率で
図9B~9Cに示す。
図9B~9Eに示す顆粒は、実質的に滑らかな表面を特徴とする。
【0117】
滑らかな顆粒表面は、実質的に均一な厚さを有する薄い連続コーティングで顆粒をコーティングする能力を促進する。コーティングの品質は、制御放出製剤にとって重要であり得る。例えば、粗い及び/又は多孔質の表面は、滑らかな表面と同等の放出プロファイルを達成するために、著しく多い量のコーティングを必要とする傾向がある。加えて、粗い及び/又は多孔質の表面のコーティングは、様々な溶解又は放出プロファイルをもたらすことができる。
【0118】
本開示によって提供される造粒物は、乾燥すると、例えば、0.05重量%~1.5重量%、0.1重量%~1.4重量%、0.2重量%~1.2重量%、0.2重量%~1.3重量%、0.3重量%~1.2重量%、0.7重量%~1.1重量%、0.92重量%~0.98重量%、0.93重量%~0.97重量%、又は0.94重量%~0.96重量%の乾燥減量(LOD)を特徴とすることができ、重量%は、造粒物の総重量に基づく。本開示によって提供される造粒物は、乾燥すると、例えば、1.5重量%未満、1.3重量%未満、1.1重量%未満、0.9重量%未満、0.7重量%未満、0.5重量%未満、又は0.1重量%未満の乾燥減量(LOD)を特徴とすることができ、重量%は、造粒物の総重量に基づく。LODは、造粒物の調製中及び乾燥後に顆粒に組み込まれた水の除去を表す。
【0119】
LODは、熱重量分析によって決定される。
【0120】
本開示によって提供される造粒物は、例えば、2重量%未満、1.5重量%未満、1重量%未満、又は0.5重量%未満等の0重量%~2重量%の摩損度値を特徴とすることができ、重量%は、造粒物の総重量に基づく。本開示によって提供される造粒物は、例えば、0.1重量%~2重量%、0.2重量%~1.8重量%、0.2重量%~1.6重量%、0.4重量%~1.2重量%、又は0.6重量%~1.2重量%の摩損度値を特徴とすることができ、重量%は、造粒物の総重量に基づく。低い摩損度を有する顆粒は、高い摩損度を有する顆粒よりもコーティングしやすい。摩損度は、少なくとも2分間、毎分3,600個の音波エネルギーパルスに対応する8の振幅で動作した音波ふるいに造粒物を供することによって生成される75μm未満の直径を有する顆粒の量(重量%)として定義される。
【0121】
本開示によって提供される造粒物は、例えば、1.02%未満の摩損度を有することができ、摩損度は、音波ふるいを使用して決定される。
【0122】
本開示によって提供される造粒物は、医薬品有効成分及び1つ以上の賦形剤を混合して、乾燥混合物を形成することと、乾燥混合物を湿式造粒して、湿式造粒物を得ることと、湿式造粒物を湿式塊状化して、造粒物を得ることと、によって調製され得る。湿式造粒及び湿式塊状化する工程は、1回以上、例えば、1~6回、例えば、1回、2回、3回、4回、5回、6回、又はそれ以上繰り返すことができる。
【0123】
乾燥混合物は、例えば、医薬品有効成分、結合剤、及び帯電防止剤を含むことができる。
【0124】
乾燥混合物は、医薬品有効成分又は医薬品有効成分の組み合わせを含むことができる。乾燥混合物は、95重量%超の医薬品有効成分、96重量%超、97重量%超、98重量%超、又は99重量%超の医薬品有効成分を含むことができ、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。乾燥混合物は、例えば、95重量%~99.5重量%の医薬品有効成分、96重量%~99重量%、97重量%~99重量%、又は98重量%~99重量%の医薬品有効成分を含むことができ、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。
【0125】
乾燥混合物は、結合剤又は結合剤の組み合わせを含むことができる。乾燥混合物は、例えば、3重量%未満、2.5重量%未満、2重量%未満、1.5重量%未満、1重量%未満の結合剤、0.8重量%未満、0.6重量%未満、0.4重量%未満、又は0.2重量%未満の結合剤を含むことができ、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。乾燥混合物は、例えば、0.1重量%~3.0重量%の結合剤、0.1重量%~2.0重量%、0.1重量%~1.5重量%、0.2重量%~0.9重量%、0.2重量%~0.8重量%、0.25重量%~0.75重量%、又は0.3重量%~0.7重量%の結合剤を含むことができ、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。
【0126】
乾燥混合物は、例えば、3重量%未満の帯電防止剤、2重量%未満、1.25重量%未満、1重量%未満、0.75重量%未満、0.5重量%未満、又は0.25重量%未満の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。乾燥混合物は、例えば、0.1重量%~2.0重量%の帯電防止剤、0.2重量%~1.75重量%、0.5重量%~1.50重量%、又は0.75重量%~1.25重量%の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。
【0127】
乾燥混合物は、例えば、95.0重量%~99.5重量%の医薬品有効成分、0.1重量%~1.0重量%の結合剤、及び0.1重量%~2,0重量%の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。
【0128】
乾燥混合物は、例えば、98重量%~99重量%の医薬品有効成分、0.25重量%~0.75重量%の結合剤、及び0.5重量%~1.5重量%の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。
【0129】
乾燥混合物は、例えば、98.25重量%~98.75重量%の医薬品有効成分、0.33重量%~0.65重量%の結合剤、及び0.74重量%~1.25重量%の帯電防止剤を含むことができ、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。
【0130】
医薬品有効成分は、乾燥混合物に添加する前に、スクリーニング、脱塊化(de-lumped)、同時ミル(co-milled)、Fitzミル、ピンミル(pin-milled)、又はジェットミルすることができる。
【0131】
医薬品有効成分は、例えば、30μm未満、25μm未満、20μm未満、又は15μm未満のD90を特徴とするサイズ分布を有することができる。医薬品有効成分は、例えば、10μm~30μm、11μm~25μm、又は10μm~20μmのD90を特徴とするサイズ分布を有することができる。結晶化したままの医薬品有効成分は、ジェットミルして、好適な粒径分布を得ることができる。
【0132】
乾燥混合物は、ボウル内で、例えば、0.5分~5分間混合して、均質な乾燥混合物を得ることができる。
【0133】
造粒することは、(a)乾燥混合物を造粒して、乾燥造粒物を得る工程と、(b)乾燥造粒物に水を添加し、造粒して、湿式造粒物を得る工程と、を含むことができる。
【0134】
乾燥混合物を造粒することは、例えば、700rpm~1000rpm、例えば、800rpm~900rpmの混合器速度、及び例えば、3,000rpm~4200rpm、例えば、3,200rpm~4,000rpm、又は3,400rpm~3,800rpmのチョッパー速度で、例えば、5分~20分、例えば、5分~15分、又は5分~10分間造粒することを含むことができる。
【0135】
工程(a)で得られた乾式造粒物は、湿式造粒することができる。
【0136】
湿式造粒中、例えば、0.0025重量%/分~0.0075重量%/分の速度で水を乾燥造粒物に添加することができ、重量%は、乾燥造粒物の総重量に基づく。湿式造粒物は、例えば、5分~20分、例えば、5分~15分、又は5分~10分間造粒することができる。湿式造粒中、混合器速度は、例えば、700rpm~1000rpm、例えば、800rpm~900rpmであり得、チョッパー速度は、例えば、3,000rpm~4200rpm、例えば、3,200rpm~4,000rpm、又は3,400rpm~3,800rpmであり得る。
【0137】
プロセスの終わりに、湿式造粒物は、例えば、3重量%~7重量%の水、例えば、3.5重量%~6.5重量%、又は4重量%の水~6重量%の水を含有することができ、重量%は、湿式造粒物の総重量に基づく。
【0138】
添加した水の量は、造粒物に組み込まれた/消費された水の量を計量することによって決定される。
【0139】
湿式造粒中、湿式造粒物の温度は、例えば、20℃~25℃に維持することができる。
【0140】
次いで、湿式造粒物は、湿式塊状化して、滑らかで高密度な顆粒を形成することができる。
【0141】
湿式塊状化は、例えば、400rpm~700rpm、例えば、500rpm~600rpmの混合器速度、及び例えば、1300rpm~2300rpm、例えば、1500rpm~2100rpmのチョッパー速度で、20分~100分、例えば、30分~90分、30分~80分、又は30分~60分間行うことができる。
【0142】
湿式塊状化の間、湿式造粒物の温度は、例えば、20℃~25℃、例えば、22℃~25℃の温度で維持することができる。湿式造粒物の温度は、例えば、造粒物を含有する混合ボウルを、温度制御された浴中に浸漬することによって維持することができる。
【0143】
湿式塊状化は、例えば、22℃~24℃の温度で、525rpm~575rpmの混合器速度、及び1700rpm~1900rpmのチョッパー速度で、20分~80分、例えば、25分~70分、30分~60分、又は35分~55分間、造粒ボウルを使用して行うことができる。
【0144】
湿式塊状化の間、湿式造粒物は、例えば、0.01重量%~0.1重量%の水、0.02重量%~0.085重量%、0.025重量%~0.075重量%、又は0.035重量%~0.065重量%の水を含むことができ、水は、湿式造粒物の総重量に基づく。
【0145】
湿式塊状化後、造粒物を乾燥させることができる。
【0146】
乾燥減量が1.0w/重量%未満になるまで、造粒物をオーブン又は流動層乾燥機中で乾燥させることができる。
【0147】
本開示により提供される方法によって調製された造粒物は、100μm~425μmの粒径範囲の55重量%~70重量%の収率、100μm~425μmの粒径範囲の63重量%の収率、200μm~350μmの粒径範囲の30重量%~40重量%の収率、及び200μm~350μmの粒径範囲の36重量%の収率を特徴とすることができ、粒径範囲は、ふるい分析により決定され、重量%は、造粒物の総重量に基づく。
【0148】
本開示により提供される造粒物を調製するためのある特定の方法において、医薬品有効成分は、例えば、30μm未満、25μm未満、又は20μm未満の粒径分布D50を有することができる。医薬品有効成分は、例えば、200m2/kg~1200m2/kgの形態の比重を有することができる。
【0149】
1つ以上の造粒工程の間、造粒の温度は、例えば、20℃~25℃の温度に維持することができる。2g/分未満の速度等、可能な限り遅い速度で造粒物に水を添加することが望ましい場合がある。水をゆっくりと加えることで、凝集を最小限に抑えることができる。1つ以上の造粒工程の間、約5重量%~25重量%、例えば、10重量%~20重量%の総水を添加することができ、重量%は、医薬品有効成分の総重量に基づく。1つ以上の造粒工程の各々の間、600rpm超、700rpm超、800rpm超、又は1000rpm超等、可能な限り速い混合器速度を維持することが有用であり得る。
【0150】
1つ以上の湿式塊状化工程の間、造粒物の温度は、例えば、15℃~25℃の形態の温度に維持することができる。1つ以上の湿式塊状化工程の各々の間、600rpm超、700rpm超、800rpm超、又は1000rpm超等、可能な限り速い混合器速度を維持することが有用であり得る。
【0151】
造粒及び湿式塊状化工程は、造粒物が所望のかさ密度を示すまで、かつ/又は造粒物のかさ密度が著しく増加しないまでである。例えば、造粒物のかさ密度が最後の湿式塊状化工程の後に10%未満又は5%未満増加すると、造粒物は、完全であるとみなすことができる。造粒及び湿式塊状化工程は、最後の湿式塊状化工程の後、床の高さが著しく減少しなくなるまで繰り返すことができる。
【0152】
本開示によって提供される顆粒は、1つ以上のコーティングを含むことができる。
【0153】
コーティングは、例えば、300μm未満、200μm未満、150μm未満、100μm未満、50μm未満、又は25μm未満の平均厚さを有することができる。
【0154】
コーティングされた顆粒は、例えば、50重量%未満のコーティング、40重量%未満、30重量%未満、20重量%未満、又は10重量%未満のコーティングを含むことができ、重量%は、コーティングされた顆粒の総重量に基づく。高度な水溶性医薬品有効成分を含有する剤形は、医薬品有効成分の放出速度を低減させるために厚いコーティングを必要とする。
【0155】
コーティングは、薬学的に許容されるポリマー、可塑剤、粘着防止剤、着色剤又は顔料、流動促進剤、及び粘度調整剤を含むことができる。
【0156】
例えば、コーティングは、即時放出コーティング、又は制御放出コーティングを含むことができる。制御放出コーティングは、例えば、遅延放出コーティング、pH放出コーティング、持続放出コーティング、又は修飾放出コーティングを含むことができる。遅延放出薬物送達システムは、投与後の特定の時間又は一定の期間にわたって薬物を送達するように設計される。
【0157】
コーティングは、水溶性コーティングを含むことができ、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、及び前述のうちのいずれかの組み合わせ等のポリマーを含むことができる。
【0158】
コーティングは、貯蔵中に剤形が水を吸収することから保護するための水不溶性コーティング又は耐水性コーティングを含むことができる。好適な水不溶性又は耐水性コーティングの例としては、エチルセルロース、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等のポリマー、及び前述のうちのいずれかの組み合わせが挙げられ得る。
【0159】
コーティングは、例えば、時間依存性放出、pH依存性放出、又は持続性放出を提供することができる。
【0160】
コーティングは、流動床装置内の顆粒上にコーティングの溶液、懸濁液、又は分散液を噴霧する等の任意の好適な方法によって、本開示により提供される顆粒に適用することができる。
【0161】
本開示により提供される医薬組成物は、本開示により提供される造粒物を含むことができる。
【0162】
医薬組成物は、経口投与のための任意の好適な剤形を含むことができる。
【0163】
好適な経口剤形の例としては、錠剤、カプセル、カプレット、サシェ、ボトル、スティックパック、及び懸濁液が挙げられる。
【0164】
経口剤形は、例えば、0.1グラム~10グラムの医薬品有効成分、0.2グラム~8グラム、0.5グラム~5グラム、1グラム~4.5グラム、又は1.5グラム~4グラムの医薬品有効成分を含むことができる。経口剤形は、例えば、0.5グラム超、1グラム超、2グラム超、3グラム超、4グラム超、6グラム超、又は8グラム超の医薬品有効成分を含むことができる。
【0165】
本開示によって提供される経口製剤は、経口錠剤製剤を含むことができる。
【0166】
本開示によって提供される経口製剤は、経口懸濁液を含むことができる。
【0167】
本発明の態様
本発明は、以下の態様によって更に定義される。
【0168】
態様1.複数の顆粒を含む造粒物であって、顆粒が、95重量%超の医薬品有効成分(API)を特徴とし、造粒物が、150μm~300μmの粒径分布(PSD)(D50)を特徴とし、重量%が、造粒物の総重量に基づく、造粒物。
【0169】
態様2.造粒物が、98重量%~99重量%の医薬品有効成分を含み、重量%が、造粒物の総重量に基づく、態様1に記載の造粒物。
【0170】
態様3.造粒物が、225μm~275μmのPSD(D50)を特徴とする、態様1又は2に記載の造粒物。
【0171】
態様4.造粒物が、2重量%未満の摩損度を特徴とし、重量%が、造粒物の総重量に基づく、態様1~3のいずれか1つに記載の造粒物。
【0172】
態様5.造粒物が、50μm~150μmのPSD(D10)、及び450μm~750μmのPSD(D90)を特徴とし、PSDが、ふるい分析によって決定される、態様1~4のいずれか1つに記載の造粒物。
【0173】
態様6.造粒物が、80μm~120μmのPSD(D10)、及び510μm~650μmのPSD(D90)を特徴とし、PSDが、ふるい分析によって決定される、態様1~4のいずれか1つに記載の造粒物。
【0174】
態様7.造粒物が、106μmのPSD(D10)、267μmのPSD(D50)、及び533μmのPSD(D90)を特徴とし、PSDが、ふるい分析によって決定される、態様1~4のいずれか1つに記載の造粒物。
【0175】
態様8.造粒物が、0.150g/mL~0.320g/mLの医薬品有効成分かさ密度を有し、かさ密度が、USP616、方法Iを使用して決定される、態様1~7のいずれか1つに記載の造粒物。
【0176】
態様9.造粒物が、0.250g/mL~0.280g/mLの医薬品有効成分かさ密度を有し、かさ密度が、USP616、方法Iを使用して決定される、態様1又は2に記載の造粒物。
【0177】
態様10.造粒物が、0.70g/mL~1.70g/mLのかさ密度を有し、かさ密度が、USP 616、方法Iを使用して決定される、態様1~7のいずれか1つに記載の造粒物。
【0178】
態様11.造粒物が、0重量%~1.5重量%の乾燥減量(LOD)を特徴とし、重量%が、乾燥後の造粒物の重量に基づく、態様1~10のいずれか1つに記載の造粒物。
【0179】
態様12.造粒物が、0.2重量%~1.2重量%の乾燥減量(LOD)を特徴とし、重量%が、乾燥後の造粒物の重量に基づく、態様1~10のいずれか1つに記載の造粒物。
【0180】
態様13.造粒物が、0.95%~1.10%の摩損度を特徴とし、摩損度が、実施例に記載されるように、ふるい振とう機を使用して決定される、態様1~12のいずれか1つに記載の造粒物。
【0181】
態様14.造粒物が、1.02%の摩損度を特徴とし、摩損度が、実施例に記載されるように、ふるい振とう機を使用して決定される、態様1~12のいずれか1つに記載の造粒物。
【0182】
態様15.顆粒が、0.90~1.00の真球度を特徴とし、真球度が、動画像分析によって決定される、態様1~14のいずれか1つに記載の造粒物。
【0183】
態様16.顆粒が、
図9B~9Eに実質的に示される表面粗さを特徴とする、態様1~14のいずれか1つに記載の造粒物。
【0184】
態様17.医薬品有効成分が、100mg/mL超の水溶解度を有する、態様1~15のいずれか1つに記載の造粒物。
【0185】
態様18.医薬品有効成分が、100mg/mL~1,000mg/mLの水溶解度を有する、態様1~15のいずれか1つに記載の造粒物。
【0186】
態様19.医薬品有効成分が、γ-ヒドロキシ酪酸又はその薬学的に許容される塩を含む、態様1~18のいずれか1つに記載の造粒物。
【0187】
態様20.医薬品有効成分が、γ-ヒドロキシ酪酸、γ-ヒドロキシ酪酸の誘導体、又は前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩を含む、態様1~18のいずれか1つに記載の造粒物。
【0188】
態様21.医薬品有効成分が、式(2)の化合物:
【化6】
又はその薬学的に許容される塩を含み、
R
1が、水素及びC
1-6アルキルから選択され、
R
2及びR
3の各々が、水素、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシカルボニル、及びC
3-6シクロアルコキシカルボニルから独立して選択される、態様1~18のいずれか1つに記載の造粒物。
【0189】
態様22.医薬品有効成分が、
4-(((tert-ブトキシカルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-(グリシルオキシ)ブタン酸、
4-((D-バリル)オキシ)ブタン酸、
4-((L-アラニル)オキシ)ブタン酸、
4-(((エトキシカルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-(((イソプロポキシカルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-((((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-(((エトキシカルボニル)-D-バリル)オキシ)ブタン酸、
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、
前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、及び
前述のうちのいずれかの組み合わせから選択される、態様21に記載の造粒物。
【0190】
態様23.医薬品有効成分が、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸(2a)又はその薬学的に許容される塩である、態様21に記載の造粒物:
【化7】
【0191】
態様24.造粒物が、結合剤、及び帯電防止剤を更に含む、態様1~23のいずれか1つに記載の造粒物。
【0192】
態様25.造粒物が、98重量%~99重量%の医薬品有効成分、0.25重量%~0.75重量%の結合剤、及び0.5重量%~1.5重量%の帯電防止剤を含み、重量%が、造粒物の総重量に基づく、態様24に記載の造粒物。
【0193】
態様26.造粒物が、98.5重量%の医薬品有効成分、0.5重量%の結合剤、及び1.0重量%の帯電防止剤を含み、重量%が、造粒物の総重量に基づく、態様24に記載の造粒物。
【0194】
態様27.結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースを含む、態様24~26のいずれか1つに記載の造粒物。
【0195】
態様28.帯電防止剤が、親水性ヒュームドシリカを含む、態様24~27のいずれか1つに記載の造粒物。
【0196】
態様29.顆粒が、コーティングを含む、態様1~28のいずれか1つに記載の造粒物。
【0197】
態様30.造粒物が、2重量%未満のコーティングを含み、重量%が、造粒物の総重量に基づく、態様29に記載の造粒物。
【0198】
態様31.コーティングされた顆粒が、95重量%超の医薬品有効成分を含み、重量%が、顆粒の総重量に基づく、態様29又は30に記載の造粒物。
【0199】
態様32.コーティングが、制御放出コーティングを含む、態様29~31のいずれか1つに記載の造粒物。
【0200】
態様33.態様1~32のいずれか1つに記載の造粒物を含む、医薬組成物。
【0201】
態様34.医薬組成物が、経口製剤を含む、態様33に記載の医薬組成物。
【0202】
態様35.医薬組成物が、即時放出製剤を含む、態様33又は34に記載の医薬組成物。
【0203】
態様36.医薬組成物が、制御放出製剤を含む、態様33又は34に記載の医薬組成物。
【0204】
態様37.医薬品有効成分、結合剤、及び帯電防止剤を混合して、乾燥混合物を形成することと、乾燥混合物を5分~10分間湿式造粒して、湿式造粒物を得ることと、湿式造粒物を30分~60分間湿式塊状化して、湿式造粒物を得ることと、湿式造粒物を乾燥させて、造粒物を得ることと、を含む、態様1~32のいずれか1つに記載の造粒物を調製する方法。
【0205】
態様38.湿式造粒することが、乾燥混合物を、800rpm~900rpmの混合器速度及び3200rpm~4000rpmのチョッパー速度で5分~15分間造粒することと、0.0025重量%/分~0.0075重量%/分の速度で水を添加することであって、重量%が、乾燥混合物の総重量に基づく、添加することと、湿式造粒の間、湿式造粒物の温度を20℃~25℃の温度に維持することと、を含む、態様37に記載の方法。
【0206】
態様39.湿式造粒することが、850rpmの混合器速度及び3600rpmのチョッパー速度で5分間~60分間造粒することと、0.005重量%/分の速度で水を添加することであって、重量%が、混合物の総重量に基づく、添加することと、湿式造粒物の温度を22℃~24℃に維持することと、を含む、態様37に記載の方法。
【0207】
態様40.湿式塊状化することが、550rpmの混合器速度、及び1,500rpm~2,100rpmのチョッパー速度で30分~60分間湿式塊状化することと、湿式造粒物の温度を20℃~25℃の温度に維持することと、を含む、態様37~39のいずれか1つに記載の方法。
【0208】
態様41.湿式塊状化することが、500rpm~600rpmの混合器速度、及び1800rpmのチョッパー速度で30分~60分間湿式塊状化することと、湿式造粒物の温度を22℃~24℃に維持することと、を含む、態様37~39のいずれか1つに記載の方法。
【0209】
態様42.混合物が、98重量%~99重量%の医薬品有効成分、0.25重量%~0.75重量%の結合剤、及び0.5重量%~1.5重量%の帯電防止剤を含み、重量%が、混合物の総重量に基づく、態様37~41のいずれか1つに記載の方法。
【0210】
態様43.混合物が、98.5重量%の医薬品有効成分、0.5重量%の結合剤、及び1.0重量%の帯電防止剤を含み、重量%が、混合物の総重量に基づく、態様37~41のいずれか1つに記載の方法。
【0211】
態様44.造粒物が、100μm~425μmの粒径範囲の55重量%~70重量%の収率を特徴とし、粒径範囲が、レーザー回折によって決定され、重量%が、造粒物の総重量に基づく、態様37~43のいずれか1つに記載の方法。
【0212】
態様45.造粒物が、100μm~425μmの粒径範囲の63重量%の収率を特徴とし、粒径範囲が、レーザー回折によって決定され、重量%が、造粒物の総重量に基づく、態様37~44のいずれか1つに記載の方法。
【0213】
態様46.造粒物が、200μm~350μmの粒径範囲の30重量%~40重量%の収率を特徴とし、粒径範囲が、レーザー回折によって決定され、重量%が、造粒物の総重量に基づく、態様37~45のいずれか1つに記載の方法。
【0214】
態様47.造粒物が、200μm~350μmの粒径範囲の36重量%の収率を特徴とし、粒径範囲が、レーザー回折によって決定され、重量%が、造粒物の総重量に基づく、態様37~46のいずれか1つに記載の方法。
【0215】
態様48.湿式造粒物が、0.025重量%~0.075重量%の水を含み、重量%が、湿式造粒物の総重量に基づく、態様37~47のいずれか1つに記載の方法。
【0216】
態様49.湿式造粒物が、0.05重量%の水を含み、重量%が、湿式造粒物の総重量に基づく、態様37~47のいずれか1つに記載の方法。
【0217】
態様1A.複数の顆粒を含む造粒物であって、顆粒が、95重量%超の医薬品有効成分(API)を含み、重量%が、造粒物の総重量に基づき、医薬品有効成分が、100mg/mL超の水溶解度を含む、造粒物。
【0218】
態様2A.医薬品有効成分が、30μm未満のD90を特徴とする粒径分布を特徴とする、態様1Aに記載の造粒物。
【0219】
態様3A.医薬品有効成分が、200m2/kg~1200m2/kgの比表面積を特徴とし、比表面積が、レーザー回折を使用して決定される、態様1A又は2Aに記載の造粒物。
【0220】
態様4A.医薬品有効成分が、0.1g/mL~0.4g/mLのかさ密度を特徴とし、かさ密度が、USP 616、方法1に従って決定される、態様1A~3Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0221】
態様5A.医薬品有効成分が、0.15g/mL~0.35g/mLのかさ密度を有し、かさ密度が、USP 616、方法Iを使用して決定される、態様1A~4Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0222】
態様6A.医薬品有効成分が、100mg/mL~1,000mg/mLの水溶解度を有する、態様1A~5Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0223】
態様7A.顆粒が、96重量%~99.5重量%の医薬品有効成分を含み、重量%が、顆粒の総重量に基づく、態様1A~6Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0224】
態様8A.造粒物が、150μm~500μmのD50を特徴とする粒径分布(PSD)を特徴とし、粒径分布が、レーザー回折又はふるい分析によって決定される、態様1A~7Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0225】
態様9A.造粒物が、200μm~400μmの粒径分布D50を特徴とし、粒径分布が、レーザー回折又はふるい分析によって決定される、態様1A~7Aのいずれか1つに記載の造粒物
【0226】
態様10A.造粒物が、50μm~250μmの粒径分布D10、及び400μm~750μmの粒径分布D90を特徴とし、粒径分布が、レーザー回折又はふるい分析によって決定される、態様1A~7Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0227】
態様11A.造粒物が、80μm~120μmの粒径分布D10、及び510μm~650μmの粒径分布D90を特徴とし、粒径分布が、レーザー回折又はふるい分析によって決定される、態様1A~7Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0228】
態様12A.造粒物が、0.50g/mL~1.20g/mLのかさ密度を有し、かさ密度が、USP 616、方法Iに従って決定される、態様1A~11Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0229】
態様13A.造粒物が、0.40g/mL~0.80g/mLのかさ密度を有し、かさ密度が、USP 616、方法Iに従って決定される、態様1A~12Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0230】
態様14A.造粒物が、0.05重量%~1.5重量%の乾燥減量(LOD)を特徴とし、重量%が、乾燥後の造粒物の重量に基づく、態様1A~13Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0231】
態様15A.造粒物が、0.2重量%~1.2重量%の乾燥減量(LOD)を特徴とし、重量%が、乾燥後の造粒物の重量に基づく、態様1A~13Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0232】
態様16A.造粒物が、2重量%未満の摩損度を特徴とし、重量%が、造粒物の総重量に基づき、摩損度が、実施例に記載される方法に従ってふるい振とう機を使用して決定される、態様1A~15Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0233】
態様17A.造粒物が、1.10重量%未満の摩損度を特徴とし、重量%が、造粒物の総重量に基づき、摩損度が、実施例に記載される方法に従ってふるい振とう機を使用して決定される、態様1A~15Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0234】
態様18A.造粒物が、1.02重量%未満の摩損度を特徴とし、重量%が、造粒物の総重量に基づき、摩損度が、実施例に記載される方法に従ってふるい振とう機を使用して決定される、態様1A~15Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0235】
態様19A.顆粒が、0.90~1.00の真球度を特徴とし、真球度が、動画像分析によって決定される、態様1A~18Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0236】
態様20A.顆粒が、
図9B~9Eに実質的に示される表面粗さを特徴とする、態様1A~19Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0237】
態様21A.顆粒が、
図19~20に実質的に示される表面粗さを特徴とする、態様1A~19Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0238】
態様22A.医薬品有効成分が、γ-ヒドロキシ酪酸又はその薬学的に許容される塩を含む、態様1A~21Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0239】
態様23A.医薬品有効成分が、γ-ヒドロキシ酪酸の誘導体又はその薬学的に許容される塩を含む、態様1A~21Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0240】
態様24A.医薬品有効成分が、式(2)の化合物:
【化8】
又はその薬学的に許容される塩を含み、式中、
R
1が、水素及びC
1-6アルキルから選択され、
R
2及びR
3の各々が、水素、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシカルボニル、及びC
3-6シクロアルコキシカルボニルから独立して選択される、態様1A~21Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0241】
態様25A.医薬品有効成分が、
4-(((tert-ブトキシカルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-(グリシルオキシ)ブタン酸、
4-((D-バリル)オキシ)ブタン酸、
4-((L-アラニル)オキシ)ブタン酸、
4-(((エトキシカルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-(((イソプロポキシカルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-((((シクロヘキシルオキシ)カルボニル)グリシル)オキシ)ブタン酸、
4-(((エトキシカルボニル)-D-バリル)オキシ)ブタン酸、
4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸、
前述のうちのいずれかの薬学的に許容される塩、及び
前述のうちのいずれかの組み合わせから選択される、態様1A~21Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0242】
態様26A.医薬品有効成分が、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸(2a)又はその薬学的に許容される塩である、態様1A~21Aのいずれか1つに記載の造粒物:
【化9】
【0243】
態様27A.顆粒が、結合剤、及び帯電防止剤を更に含む、態様1A~26Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0244】
態様28A.顆粒が、2重量%以下の結合剤を含み、重量%が、顆粒の総重量に基づく、態様27Aに記載の造粒物。
【0245】
態様29A.顆粒が、1.5重量%以下の帯電防止剤を含み、重量%が、顆粒の総重量に基づく、態様27A又は28Aに記載の造粒物。
【0246】
態様30A.顆粒が、98重量%~99重量%の医薬品有効成分、0.25重量%~0.75重量%の結合剤、及び0.5重量%~1.5重量%の帯電防止剤を含み、重量%が、顆粒の総重量に基づく、態様27A~29Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0247】
態様31A.顆粒が、98.5重量%超の医薬品有効成分、0.5重量%以下の結合剤、及び1.0重量%以下の帯電防止剤を含み、重量%が、顆粒の総重量に基づく、態様27A~29Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0248】
態様32A.結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースを含む、態様27A~31Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0249】
態様33A.ヒドロキシプロピルセルロースが、10μm~35μmのD10、45μm~90μmのD50、及び100μm~300μmのD90を特徴とするサイズ分布を含む、態様32Aに記載の造粒物。
【0250】
態様34A.ヒドロキシプロピルセルロースが、50,000ダルトン~110,000ダルトンの重量平均分子量を含む、態様32A又は33Aに記載の造粒物。
【0251】
態様35A.ヒドロキシプロピルセルロースが、25℃でBrookfield粘度計を使用して決定される場合、300mPa×sec~600mPa×secの粘度を含む、態様32A~34Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0252】
態様36A.帯電防止剤が、親水性ヒュームドシリカを含む、態様30A~35Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0253】
態様37A.親水性ヒュームドシリカが、発火物質に基づいて99.8%超のSiO2含有量を有する、態様36Aに記載の造粒物。
【0254】
態様38A.親水性ヒュームドシリカが、175m2/g~225m2/gの比表面積(BET)を有する、態様36A又は37Aに記載の造粒物。
【0255】
態様39A.親水性ヒュームドシリカが、4%の水性分散液中に3.7~4.5のpH値を有する、態様36A又は37Aに記載の造粒物。
【0256】
態様40A.親水性ヒュームドシリカが、1.5重量%未満のLODを有する、態様36A又は37Aに記載の造粒物。
【0257】
態様41A.親水性ヒュームドシリカが、30g/L~70g/Lのタップ密度を有する、態様36A又は37Aに記載の造粒物。
【0258】
態様42A.顆粒が、コーティングを含む、態様1A~41Aのいずれか1つに記載の造粒物。
【0259】
態様43A.顆粒が、1重量%~10重量%のコーティングを含み、重量%が、顆粒の総重量に基づく、態様42Aに記載の造粒物。
【0260】
態様44A.コーティングが、シールコーティング、制御放出コーティング、又はそれらの組み合わせを含む、態様42A又は43Aに記載の造粒物。
【0261】
態様45A.態様1A~44Aのいずれか1つに記載の造粒物を含む、医薬組成物。
【0262】
態様46A.医薬組成物が、経口製剤を含む、態様45Aに記載の医薬組成物。
【0263】
態様47A.経口製剤が、経口懸濁液を含む、態様45A又は46Aに記載の医薬組成物。
【0264】
態様48A.医薬組成物が、即時放出製剤を含む、態様45A~47Aのいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0265】
態様49A.医薬組成物が、制御放出製剤を含む、態様45A~48Aのいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0266】
態様50A.態様1A~44Aのいずれか1つに記載の造粒物を調製する方法であって、医薬品有効成分、結合剤、及び帯電防止剤を混合して、乾燥混合物を形成することと、乾燥混合物を湿式造粒して、湿式造粒物を得ることと、湿式造粒物を湿式塊状化して、湿式塊状造粒物を得ることと、湿式塊状造粒物を乾燥させて、造粒物を得ることと、を含む、方法。
【0267】
態様51A.乾燥混合物を湿式造粒することが、5分~10分間、湿式造粒することを含む、態様50Aに記載の方法。
【0268】
態様52A.湿式造粒することが、5重量%~20重量%の総水を添加することを含み、重量%が、医薬品有効成分の総重量に基づく、態様50A又は51Aに記載の方法。
【0269】
態様53A.湿式造粒の間、湿式造粒物の温度が、20℃~25℃の温度である、態様50A~52Aのいずれか1つに記載の方法。
【0270】
態様54A.湿式造粒物を湿式塊状化することが、30分~60分間、湿式塊状化することを含む、態様50A~53Aのいずれか1つに記載の方法。
【0271】
態様55A.方法が、乾燥させる工程の前に、湿式造粒する工程及び湿式塊状化する工程を1回以上繰り返すことを含む、態様50A~54Aのいずれか1つに記載の方法。
【0272】
態様56A.方法が、造粒物の比重が顕著に増加しなくなるまで、乾燥させる工程の前に、湿式造粒する工程及び湿式塊状化する工程を1回以上繰り返すことを含む、態様50A~55Aのいずれか1つに記載の方法。
【0273】
態様57A.湿式造粒することが、乾燥混合物を、800rpm~900rpmの混合器速度及び3200rpm~4000rpmのチョッパー速度で5分~15分間造粒することと、0.0025重量%/分~0.0075重量%/分の速度で水を添加することであって、重量%が、乾燥混合物の総重量に基づく、添加することと、湿式造粒の間、湿式造粒物の温度を20℃~25℃の温度に維持することと、を含む、態様50A~56Aのいずれか1つに記載の方法。
【0274】
態様58A.湿式造粒することが、850rpmの混合器速度及び3600rpmのチョッパー速度で5分間~60分間造粒することと、0.005重量%/分の速度で水を添加することであって、重量%が、混合物の総重量に基づく、添加することと、湿式造粒物の温度を20℃~25℃に維持することと、を含む、態様50A~57Aのいずれか1つに記載の方法。
【0275】
態様59A.湿式塊状化することが、550rpmの混合器速度、及び1,500rpm~2,100rpmのチョッパー速度で30分~60分間湿式塊状化することと、湿式造粒物の温度を15℃~25℃の温度に維持することと、を含む、態様50A~58Aのいずれか1つに記載の方法。
【0276】
態様60A.湿式塊状化することが、500rpm~600rpmの混合器速度、及び1800rpmのチョッパー速度で30分~60分間湿式塊状化することと、湿式造粒物の温度を20℃~25℃に維持することと、を含む、態様50A~58Aのいずれか1つに記載の方法。
【0277】
態様61A.結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースを含む、態様50A~58Aのいずれか1つに記載の方法。
【0278】
態様62A.帯電防止剤が、親水性ヒュームドシリカを含む、態様50A~58Aのいずれか1つに記載の方法。
【0279】
態様63A.混合物が、95重量%超の医薬品有効成分、0.25重量%超の結合剤、及び0.5重量%超の帯電防止剤を含み、重量%が、混合物の総重量に基づく、態様50A~58Aのいずれか1つに記載の方法。
【0280】
態様64A.混合物が、98重量%~99重量%の医薬品有効成分、0.25重量%~0.75重量%の結合剤、及び0.5重量%~1.5重量%の帯電防止剤を含み、重量%が、混合物の総重量に基づく、態様50A~58Aのいずれか1つに記載の方法。
【0281】
態様65A.混合物が、98.2重量%~98.8重量%の医薬品有効成分、0.3重量%~0.7重量%の結合剤、及び0.8重量%~1.2重量%の帯電防止剤を含み、重量%が、混合物の総重量に基づく、態様50A~58Aのいずれか1つに記載の方法。
【0282】
態様66A.乾燥後、湿式造粒物が、0.025重量%~0.075重量%の水を含み、重量%が、湿式造粒物の総重量に基づく、態様50A~65Aのいずれか1つに記載の方法。
【0283】
態様67A.乾燥後、湿式造粒物が、0.05重量%の水を含み、重量%が、湿式造粒物の総重量に基づく、態様50A~66Aのいずれか1つに記載の方法。
【実施例】
【0284】
本開示によって提供される実施形態は、以下の実施例を参照することによって更に例示され、これは、造粒物、顆粒、経口投薬製剤、及び本開示によって提供される造粒物を作製する方法を記載する。本開示の範囲から逸脱することなく、材料及び方法の両方に対する多くの変更が実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0285】
実施例では、以下の材料を使用した。医薬品有効成分は、式(2a)、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸の化合物であった。結合剤は、Pharmacoat(登録商標)606 HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)(Shin-Etsu Chemical Company,Ltd.)(実施例1)又はKlucel(登録商標)EXF HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)(Ashland)(実施例2~9)であった。帯電防止剤は、Aerosil(登録商標)200(親水性ヒュームドシリカ、BWT SA200m2/g)(Evonik Industries)であった。ミリングは、Comil(登録商標)(Quadro Engineering)を使用して行った。
【0286】
実施例の各々についての乾燥混合物の成分を表1に示す。
【表1】
【0287】
実施例1~9の各々についてのプロセス条件を
図11に要約し、造粒物の特性を
図12に要約する。
【0288】
実施例1
医薬造粒物(1)
重量%を単位として乾燥混合物の成分を表1に示す。
【0289】
湿式造粒中に合計3.76重量%の水を添加し、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。床の高さが約2倍に低下するまで水を添加し、これは、かさ密度の実質的な増加を意味した。湿式造粒は、800rpmの混合器速度及び2,000rpmのチョッパー速度で7分間造粒し、湿式造粒物の平均温度は25.2℃であった。
【0290】
湿式造粒物を30分間湿式塊状化した。
【0291】
【0292】
湿式塊状化中の顆粒のサイズ分布を
図1Aに示し、得られた顆粒のSEM画像を、それぞれ34倍及び100倍の倍率で
図1B及び1Cに示す。
【0293】
実施例2
医薬造粒物(2)
重量%を単位として乾燥混合物の成分を表1に示す。
【0294】
湿式造粒中に合計3.69重量%の水を添加し、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。湿式造粒は、800rpmの混合器速度及び2,000rpmのチョッパー速度で6分間造粒し、湿式造粒物の平均温度は25.4℃であった。
【0295】
湿式造粒物は、1,200rpmの混合器速度及び2,000rpmのチョッパー速度で45分間、湿式塊状化しながら、湿式造粒物の温度は32.1℃の平均温度に維持した。
【0296】
【0297】
湿式塊状化中の顆粒のサイズ分布を
図2Aに示し、得られた顆粒のSEM画像を、それぞれ34倍及び100倍の倍率で
図2B及び2Cに示す。
【0298】
実施例3
医薬造粒物(3)
重量%を単位として乾燥混合物の成分を表1に示す。
【0299】
湿式造粒中に合計3.75重量%の水を添加し、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。湿式造粒は、850rpmの混合器速度及び3,600rpmのチョッパー速度で6分間造粒し、湿式造粒物の平均温度は32℃であった。
【0300】
最初の造粒後、サブバッチを、湿式塊状化のためにジャケット付きボウル中に混合した。20分の湿式塊状化の後、造粒物に目に見える変化はなかった。
【0301】
湿式造粒を、850RPMの混合器速度及び3,600rpmのチョッパー速度で更に24分間継続した。湿式造粒中に8.0重量%の追加の量の水を添加し、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。
【0302】
湿式造粒物は、850rpmの混合器速度及び3,600rpmのチョッパー速度で36分間、湿式塊状化しながら、湿式造粒物の温度は16℃~33℃であった。湿式造粒を、850rpmの混合器速度及び3,600rpmのチョッパー速度で更に24分間継続した。湿式造粒中に8.0重量%の追加の量の水を添加し、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。
【0303】
【0304】
湿式塊状化中の顆粒のサイズ分布を
図3Aに示し、得られた顆粒のSEM画像を、それぞれ40倍及び220倍の倍率で
図3B及び3Cに示す。
【0305】
実施例4
医薬造粒物(4)
重量%を単位として乾燥混合物の成分を表1に示す。医薬品有効成分を、乾燥混合物に添加する前に、0.045インチのスクリーンを取り付けたComil(登録商標)に通過させた。医薬品有効成分はジェットミルしなかった。
【0306】
湿式造粒中に合計5.0重量%の水を添加し、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。注射器及び噴霧空気を4psiに設定した2流体スプレーノズルを使用して水を添加した。湿式造粒を、850rpmの混合器速度及び3,600rpmのチョッパー速度で10分間造粒した。
【0307】
処理を通じて、ジャケット付きの4Lボウルを使用した。湿式塊状化の間、付属の冷却器を使用して、生成物の過熱を防止した。最初の造粒後、サブバッチを、更なる造粒のためにジャケット付きボウル中で混合し、その後に湿式塊状化を行った。
【0308】
湿式造粒を更に14分間継続した。この造粒の第2の段階の間、更に5.1重量%の水を添加し、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。
【0309】
湿式造粒物は、850rpmの混合器速度及び3,600rpmのチョッパー速度で50分間、湿式塊状化しながら、湿式造粒物の温度は、22.9℃~25.4℃に維持した。
【0310】
【0311】
20分間の湿式塊状化の前後の顆粒のサイズ分布を
図4Aに示し、得られた顆粒のSEM画像を、それぞれ110倍及び340倍の倍率で
図4B及び4Cに示す。
【0312】
実施例5
医薬造粒物(5)
重量%を単位として乾燥混合物の成分を表1に示す。医薬品有効成分を、乾燥混合物に添加する前に、0.045インチのスクリーンを取り付けたComil(登録商標)に通過させた。医薬品有効成分はジェットミルしなかった。
【0313】
湿式造粒中に合計5.0重量%の水を添加し、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。注射器及び噴霧空気を4psiに設定した2流体スプレーノズルを使用して水を添加した。湿式造粒を、850rpmの混合器速度及び3,600rpmのチョッパー速度で10分間造粒した。
【0314】
最初の造粒後、サブバッチを、第1の湿式塊状化のためにジャケット付きボウル中に混合した。最初の造粒物を、850rpmの混合器速度及び3,600rpmのチョッパー速度で20分間、湿式塊状化した。湿式塊状化の間、ジャケット付き4Lボウルに取り付けた水冷却器を使用して、温度を21℃~22℃に維持した。
【0315】
湿式塊状化後、第2の湿式造粒を行った。第2の湿式造粒の間、547rpmの混合器速度及び1800rpmのチョッパー速度で、6.5重量%の追加の量の水を添加した。
【0316】
第2の湿式造粒後、第2の湿式塊状化を行った。第2の湿式造粒物を、547rpmの混合器速度及び3600rpmのチョッパー速度で更に40分間、湿式塊状化した。ボウルの温度を24℃~31℃に維持した。
【0317】
【0318】
湿式塊状化中の顆粒のサイズ分布を
図5Aに示し、得られた顆粒のSEM画像を、それぞれ110倍及び340倍の倍率で
図5B及び5Cに示す。
【0319】
実施例6
医薬造粒物(6)
重量%を単位として乾燥混合物の成分を表1に示す。医薬品有効成分を、乾燥混合物に添加する前に、0.045インチのスクリーンを取り付けたComil(登録商標)に通過させた。医薬品有効成分はジェットミルしなかった。
【0320】
湿式造粒中に合計5.0重量%の水を添加し、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。注射器及び噴霧空気を4psiに設定した2流体スプレーノズルを使用して水を添加した。湿式造粒を、850rpmの混合器速度及び3,600rpmのチョッパー速度で10分間造粒した。
【0321】
最初の造粒後、2つのサブバッチを、第1の湿式塊状化のためにジャケット付きボウル中に混合した。最初の造粒物を、547rpmの混合器速度及び1,800rpmのチョッパー速度で20分間、湿式塊状化した。湿式塊状化の間、ジャケット付き4Lボウルに取り付けた水冷却器を使用して、温度を21℃~22℃に維持した。
【0322】
湿式塊状化後、第2の湿式造粒を行った。第2の湿式造粒の間、850rpmの混合器速度及び3600rpmのチョッパー速度で、3.0重量%の追加の量の水を添加した。
【0323】
第2の湿式造粒後、第2の湿式塊状化を行った。第2の湿式造粒物を、547rpmの混合器速度及び3600rpmのチョッパー速度で更に30分間、湿式塊状化した。第2の湿式塊状化の間、ボウルの温度を18℃~21℃に維持した。
【0324】
【0325】
湿式塊状化中の顆粒のサイズ分布を
図6Aに示し、得られた顆粒のSEM画像を、それぞれ110倍及び340倍の倍率で
図6B及び6Cに示す。
【0326】
実施例7
医薬造粒物(7)
重量%を単位として乾燥混合物の成分を表1に示す。この造粒には、異なるロットの医薬品有効成分を使用した。医薬品有効成分は、実施例1~6で使用した医薬品有効成分よりも凝集が少なかった。医薬品有効成分を、乾燥混合物に添加する前に、0.045インチのスクリーンを取り付けたComil(登録商標)に通過させた。医薬品有効成分は湿式ミルしなかった。
【0327】
湿式造粒中に合計5.0重量%の水を添加し、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。注射器及び噴霧空気を4psiに設定した2流体スプレーノズルを使用して水を添加した。湿式造粒を、850rpmの混合器速度及び3,600rpmのチョッパー速度で9.7分間造粒した。
【0328】
湿式造粒物は、547rpmの混合器速度及び1,800rpmのチョッパー速度で最大20分間、湿式塊状化しながら、温度を21℃に維持した。
【0329】
【0330】
湿式塊状化中の顆粒のサイズ分布を
図7Aに示し、得られた顆粒のSEM画像を、それぞれ110倍及び340倍の倍率で
図7B及び7Cに示す。
【0331】
実施例8
医薬造粒物(8)
重量%を単位として乾燥混合物の成分を表1に示す。実施例8で使用した医薬品有効成分は、実施例7及び9で使用したものと同じであった。
【0332】
湿式造粒中に合計4.8重量%の水を添加し、重量%は、乾燥混合物の総重量に基づく。注射器及び噴霧空気を4psiに設定した2流体スプレーノズルを使用して水を添加した。湿式造粒を、850rpmの混合器速度及び3,600rpmのチョッパー速度で11.5分間造粒した。
【0333】
湿式造粒物は、547rpmの混合器速度及び1,800rpmのチョッパー速度で最大60分間、湿式塊状化しながら、湿式造粒物の温度は、21℃~23.5℃に維持した。
【0334】
【0335】
湿式塊状化中の顆粒のサイズ分布を
図8Aに示し、得られた顆粒のSEM画像を、それぞれ34倍及び110倍の倍率で
図8B及び8Cに示す。
【0336】
実施例9
医薬造粒物(9)
0.263g/mLのかさ密度を有する医薬品有効成分を、0.056インチのスクリーンを取り付けたComil(登録商標)に通過させた。同時ミリングする前に、医薬品有効成分を乾燥環境中で保管した。
【0337】
重量%を単位として乾燥混合物の成分を表1に示す。
【0338】
ポンプ及び噴霧空気を4psiに設定した2流体スプレーノズルを使用して、蒸留水(4.7重量%)を乾燥混合物に添加した。
【0339】
造粒物は、処理を通じて、ジャケット付きの4リットルの腸内に保持した。
【0340】
湿式造粒を、850rpmの混合器速度及び3,600rpmのチョッパー速度で9.7分間造粒した。
【0341】
湿式造粒物は、547rpmの混合器速度及び1,800rpmのチョッパー速度で最大60分間、湿式塊状化しながら、湿式造粒物の温度は、23.1℃~23.6℃であった。湿式塊状化の間、冷却器を腸に取り付けて、25℃未満の温度を維持した。
【0342】
【0343】
湿式塊状化の間のPSDの進化を
図9Aに示す。微粒子及び大粒子の数は、湿式塊状化の間に減少し続けた。
【0344】
レーザー回折を使用して決定した場合の60分間の湿式塊状化後の造粒のより詳細なPSDを
図9Fに示す。
【0345】
顆粒のSEM画像を、それぞれ110倍、220倍、1,000倍、及び2,000倍の倍率で
図9B~9Eに示す。
【0346】
実施例10
医薬品有効成分の特徴付け
図10A及び10Bは、それぞれ、非ミル医薬品有効成分及びミル医薬品有効成分から調製した顆粒の粒径分布を示す。この医薬品有効成分は、実施例7~9で使用したものと同じであり、99.3%の純度を有した。
【0347】
実施例1~6で使用した医薬品有効成分は、0.15g/mLのかさ密度を有した。
【0348】
実施例12及び13で使用した医薬品有効成分は、一般に、より大きな結晶サイズを特徴とする異なる形態を有した(
図13~18)。結晶化したままの医薬品有効成分をジェットミルして、結晶サイズを約20μm未満に減少させた。
【0349】
図13は、700倍の倍率での結晶化したままの医薬品有効成分のSEM画像を示す。
【0350】
図14は、700倍の倍率でのジェットミル医薬品有効成分のSEM画像を示す。
【0351】
図15及び16は、それぞれ、レーザー回折によって決定される場合、結晶化したままの医薬品有効成分及びジェットミル医薬品有効成分の粒径分布を示す。結晶化したままの医薬品有効成分のPSDは、11.8μmのD10、34.0μmのD50、及び72.3μmのD90を特徴とした。ジェットミル医薬品有効成分のPSDは、7.8μmのD10、16.1μmのD50、及び21.5μmのD90を特徴とした。
【0352】
結晶化したままの医薬品有効成分及びジェットミル医薬品有効成分の比表面積分布をレーザー回折により決定した。結晶化したままの医薬品有効成分は、291m2/kgの比表面積を有し、ジェットミル医薬品有効成分は、478m2/kgの比表面積を有した。他の試料では、ジェットミル医薬品有効成分は、1174m2/kgの比表面積を特徴とした。
【0353】
実施例13で使用した医薬品有効成分の特定の特性を、表3に示す。
【表3】
【0354】
実施例11
摩損度測定
200μm~350μmの顆粒を、45メッシュ及び70メッシュのスクリーンを使用して分離した。スクリーニングした造粒物を、音波ふるいにおいて200メッシュのスクリーン上に配置し、次いで、毎分3,600の音波エネルギーパルスに対応する8の非常に高い振幅に2分間曝露した。造粒物を、音波振とうに曝露する前後に秤量した。約1.02重量%の材料が、200メッシュのスクリーンを通過した。この材料は、顆粒の摩耗によって生じた微粒子であるとみなされ、摩損度と定義される。
【0355】
実施例12
医薬造粒物(12)
98.5重量%の医薬品有効成分(394.0g)、0.5重量%の結合剤2.0g)、及び1.0重量%の帯電防止剤(4.0g)を混合することによって、造粒組成物(800.0g)を調製し、重量%は、混合物の総重量に基づいた。医薬品有効成分は、式(2a)の化合物、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸であり、ジェットミルした。結合剤は、Klucel(登録商標)EXF HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)(Ashland)であった。帯電防止剤は、Aerosil(登録商標)200(親水性ヒュームドシリカ、BWT SA 200m2/g)(Evonik Industries)であった。ミリングは、Comil(登録商標)(Quadro Engineering)を使用して行った。
【0356】
医薬品有効成分を、32Rスクリーン、正方形インペラ、及び0.175インチのスペーサー、及び1349.8rpmでミルした。
【0357】
組成物を、造粒のために2つの400gのバッチに分離した。各サブバッチを約6.75分間造粒し、3.0psiの噴霧空気圧を使用して約1.8g/分の流量で12.1gの水を添加した。床の高さは4.0cmであった。混合器速度は850rpmであり、チョッパー速度は3600rpmであった。
【0358】
湿式塊状化のために2つのサブバッチを混合した。
【0359】
組成物を、8.0cmの床の高さ、及び547rpmの混合器速度、及び1800rpmのチョッパー速度で、24.7℃の最終温度で10分間、湿式塊状化した。
【0360】
湿式塊状化後、32Rのスクリーンサイズ、正方形インペラ、及び3000rpmの速度で0.175インチのスペーサーを使用して、組成物を湿式ミルした。
【0361】
次いで、湿式ミル組成物を、1.8g/分の流量及び3psiの噴霧空気圧で41g(10.25重量%)の水を添加しながら22分間造粒した。床の高さは6.0cmであった。混合器速度は850rpmであり、チョッパー速度は3600rpmであった。
【0362】
造粒した組成物を、5.2cmの最終の床の高さ、及び547rpmの混合器速度、及び1800rpmのチョッパー速度で、24.7℃~30.9℃の温度で40分間、湿式塊状化した。
【0363】
顆粒を40℃で20時間オーブン乾燥させた。
【0364】
乾燥した顆粒は、0.41g/mLのかさ密度、1.38のハウスナー比、及び1174m2/kgの表面積を有した。
【0365】
実施例13
医薬造粒物(13)
98.5重量%の医薬品有効成分(394.0g)、0.5重量%の結合剤2.0g)、及び1.0重量%の帯電防止剤(4.0g)を混合することによって、製剤(400.0g)を調製し、重量%は、製剤の総重量に基づいた。医薬品有効成分は、式(2a)の化合物、4-((L-バリル)オキシ)ブタン酸であり、ジェットミルした。結合剤は、Klucel(登録商標)EXF HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)(Ashland)であった。帯電防止剤は、Aerosil(登録商標)200(親水性ヒュームドシリカ、BWT SA200m2/g)(Evonik Industries)であった。ミリングは、Comil(登録商標)(Quadro Engineering)を使用して行った。
【0366】
インペラ及びチョッパーを取り付けた4Lのジャケット付きボウルを用いて、GMX Granumeist(登録商標)高剪断造粒機(Freund-Vector Corporation)を使用して製剤を造粒した。
【0367】
乾燥製剤を、湿式造粒のために2つの400gのサブバッチに分けた。
【0368】
第1の湿式造粒工程では、湿式造粒の間に合計9.0重量%(18.1g)の水を添加し、重量%は、乾式製剤サブバッチの総重量に対してである。約2.0g/分の流量で混合ボウルに水を滴下することによって添加した。湿式造粒は、約25℃の湿式造粒物の平均温度で、850rpmの混合器速度、及び3,600rpmのチョッパー速度で、約9.3分間、造粒した。床の高さは7.0cmから4.0cmに約40%低下した)。
【0369】
第1の湿式塊状化工程では、湿式造粒したサブバッチを混合し、20.0℃~23.4℃の湿式造粒物の平均温度で、850rpmの混合器速度、及び3,600rpmのチョッパー速度で、約20分間、湿式塊状化した。床の高さは7.0cmから5.0cmに約30%低下した。
【0370】
第2の造粒工程では、第1の湿式塊状化工程の生成物を、25.2℃の湿式造粒物の平均温度で、850rpmの混合器速度、及び3,600rpmのチョッパー速度で、26.7分間、造粒した。水(53.6g)を、4.0psiの噴霧空気圧を使用して、造粒床から4.19cmの距離で噴霧することによって添加した。床の高さは5.0cmから4.0cmに低下した。
【0371】
第2の湿式塊状化工程では、第2の湿式造粒物を、約30℃~40℃の湿式造粒物の温度で、850rpmの混合器速度、及び3,600rpmのチョッパー速度で、40分間、湿式塊状化した。床の高さは4.0cmから3.5cmに約12%低下した。
【0372】
第3の造粒工程では、第2の湿式塊状化工程の生成物を、25.2℃の湿式造粒物の平均温度で、850rpmの混合器速度、及び3,600rpmのチョッパー速度で、8.4分間、造粒した。水(17.3g)を、4.0psiの噴霧空気圧を使用して、造粒床から5.69cmの距離で噴霧することによって添加した。床の高さは約3.5cmで同じままであった。
【0373】
第3の湿式塊状化工程では、第3の湿式造粒物を、約30℃~40℃の湿式造粒物の温度で、850rpmの混合器速度、及び3,600rpmのチョッパー速度で、20分間、湿式塊状化した。床の高さは3.5cmから3.0cmに約14%低下した。
【0374】
第4の造粒工程では、第3の湿式塊状化工程の生成物を、25.2℃の湿式造粒物の平均温度で、850rpmの混合器速度、及び3,600rpmのチョッパー速度で、8.3分間、造粒した。水(17.3g)を、4.0psiの噴霧空気圧を使用して、造粒床から5.9cmの距離で噴霧することによって添加した。床の高さは3.0cmから2.8cmに低下した。
【0375】
第4の湿式塊状化工程では、第3の湿式造粒物を、約19℃~20℃の湿式造粒物の温度で、850rpmの混合器速度、及び3,600rpmのチョッパー速度で、20分間、湿式塊状化した。床の高さは3.0cmでほぼ同じままであった。
【0376】
次いで、第4の湿式塊状化工程の生成物を、正方形インペラ、0.150インチのスペーサーを使用して、3005rpmのミリング速度で、032Rスクリーンを取り付けたComil(登録商標)を使用して湿式ミルした。
【0377】
第5の湿式塊状化工程では、湿式ミルした造粒物を、15℃~25℃の湿式造粒物の温度で、850rpmの混合器速度、及び3,600rpmのチョッパー速度で、20分間、湿式塊状化した。床の高さは3.0cmから2.4cmに低下した。
【0378】
第5の湿式塊状化工程の生成物を、40℃で19時間乾燥させた。
【0379】
医薬造粒物(13)を調製するために使用した処理条件の要約を表4に示す。
【表4】
【0380】
顆粒の約35%は500μm超の粒径を有し、53%は210μm~500μmの粒径を有し、28%は210μm未満の粒径を有し、粒径はふるい分析により決定した。
【0381】
医薬造粒物(13)の特定の特性を表5に示す。
【表5】
【0382】
図19及び20は、それぞれ100倍及び240倍の倍率での顆粒の写真を示す。
【0383】
本明細書に開示される実施形態を実施する代替の方法が存在することに留意すべきである。したがって、本実施形態は、例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。更に、特許請求の範囲は、本明細書で与えられる詳細に限定されるものではなく、それらの完全な範囲及びその等価物に権利を有する。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の顆粒を含む造粒物であって、
前記顆粒が、95重量%超の
式(2a)の化合物:
【化1】
又はその薬学的に許容される塩;
0.1重量%~3.0重量%の結合剤;及び
0.1重量%~2.0重量%の帯電防止剤
を含み、
重量%が、前記
顆粒の総重量に基づ
く、造粒物。
【請求項2】
前記顆粒が、
98.5重量%超の式(2a)の化合物;
0.5重量%以下の結合剤;及び
1.0重量%以下の帯電防止剤
を含み、
重量%が、前記顆粒の総重量に基づく、請求項1に記載の造粒物。
【請求項3】
前記顆粒が、
98重量%~99重量%の式(2a)の化合物;
0.25重量%~0.75重量%の結合剤;及び
0.5重量%~1.5重量%の帯電防止剤
を含み、
重量%が、前記顆粒の総重量に基づく、請求項1に記載の造粒物。
【請求項4】
前記顆粒が、0.90~1.00の真球度を特徴とし、真球度が、動画像分析によって決定される、請求項1に記載の造粒物。
【請求項5】
前記顆粒が、
50μm~250μmの粒径分布D10、及び
400μm~750μmの粒径分布D90
を特徴とし、前記粒径分布が、レーザー回折又はふるい分析によって決定される、請求項1に記載の造粒物。
【請求項6】
前記顆粒が、150μm~5000μmのD50を特徴とする粒径分布(PSD)を特徴とし、前記粒径分布が、レーザー回折又はふるい分析によって決定される、請求項1に記載の造粒物。
【請求項7】
前記顆粒が、2重量%未満の摩損度を有し、摩損度が、音波ふるいを使用して決定される、請求項1に記載の造粒物。
【請求項8】
前記顆粒が、0.50g/mL~1.20g/mLのかさ密度を有し、かさ密度が、USP 616、方法Iに従って決定される、請求項1に記載の造粒物。
【請求項9】
前記結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースを含み、
前記帯電防止剤が、親水性ヒュームドシリカを含む、請求項1に記載の造粒物。
【請求項10】
前記顆粒が、コーティングを含む、請求項
1に記載の造粒物。
【請求項11】
前記コーティングが
、制御放出コーティン
グを含む、請求項
10に記載の造粒物。
【請求項12】
請求項
1に記載の造粒物を含む、医薬組成物。
【請求項13】
前記医薬組成物が、経口製剤を含む、請求項
12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記医薬組成物が、即時放出
顆粒を含む、請求項
12に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記医薬組成物が、制御放出
顆粒を含む、請求項
12に記載の医薬組成物。
【国際調査報告】