(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(54)【発明の名称】室内型ガーデンセンター用の水分補給システムおよびその操作方法
(51)【国際特許分類】
A01G 7/00 20060101AFI20230824BHJP
A01G 9/24 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
A01G7/00 601Z
A01G9/24 G
A01G9/24 W
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502769
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(85)【翻訳文提出日】2023-01-19
(86)【国際出願番号】 CN2021105012
(87)【国際公開番号】W WO2022012389
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industry Park, Haier Road No. 1 Laoshan District Qingdao,Shandong 266101, China
(71)【出願人】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】ハイアール スマート ホーム カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】516183831
【氏名又は名称】ハイアール・ユーエス・アプライアンス・ソリューションズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ハンター マシュー
(72)【発明者】
【氏名】シュローダー マイケル グッドマン
(72)【発明者】
【氏名】ユンゲ ブレント オールデン
【テーマコード(参考)】
2B022
2B029
【Fターム(参考)】
2B022DA17
2B022DA19
2B022DA20
2B029MA06
2B029PA05
(57)【要約】
室内園芸用電気器具は、栽培室を規定する内側コンテナーと、栽培室内に回転可能に取り付けられて根室を規定する成長モジュールとを含む。水分補給システムは根室に流体的に接続されて、水分補給サイクルを選択的に実施し、根室は霧で満たされ、空気サイクルシステムは空気流を選択的に駆動して根室を通過させ、所望の温度を保持する。コントローラーは、水分補給サイクル期間空気流を停止し、例えば水分補給サイクルの中断を最小限にする。空気流の停止は時間、例えば水分補給サイクルの開始/終了時点に基づくものであってもよいし、または光学センサによって測定された水分レベルに基づくものであってもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に配置されて栽培室を規定する内側コンテナーと、
前記内側コンテナー内に取り付けられて根室を規定する成長モジュールと、
前記根室中に延伸する1つまたは複数の植物容器を収容するための前記成長モジュールを通過する複数の開口と、
水分補給サイクルを選択的に実施して液体を前記根室に流入させる水分補給システムと、
前記根室に流体的に結合されて空気流を駆動して前記根室を通過させるための空気サイクルシステムと、
前記水分補給システムおよび前記空気サイクルシステムに操作可能に通信し、前記水分補給サイクル期間前記空気流を停止するように構成されるコントローラーと、を含む、ことを特徴とする園芸用電気器具。
【請求項2】
前記水分補給サイクル期間前記空気流を停止することは、
前記水分補給サイクルの開始時点と終了時点を決定することと、
前記水分補給サイクルの前記開始時点の前に前記空気流を第1所定期間で停止することと、
前記水分補給サイクルの前記終了時点から第2所定期間が経過するまで前記空気流を遮断することと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の園芸用電気器具。
【請求項3】
前記第1所定期間が0.5秒~10秒である、ことを特徴とする請求項2に記載の園芸用電気器具。
【請求項4】
前記第2所定期間が5秒~30秒である、ことを特徴とする請求項2に記載の園芸用電気器具。
【請求項5】
前記栽培室または前記根室内の水分レベルを測定するための水検出装置をさらに含み、
前記水分補給サイクル期間前記空気流を停止することは、
前記水分レベルを測定することと、
前記水分レベルが閾値水分レベルを超えると、前記空気流を遮断することを、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の園芸用電気器具。
【請求項6】
前記水検出装置は光学センサである、ことを特徴とする請求項5に記載の園芸用電気器具。
【請求項7】
前記水検出装置は、前記根室内の異なる位置に設けられた複数のセンサを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の園芸用電気器具。
【請求項8】
前記空気サイクルシステムは、
前記栽培室に流体連通する送風配管と、
前記送風配管に操作可能に接続され、前記空気流を調節する送風ダンパーと、を含み、
前記空気流の停止は前記送風ダンパーを閉じることを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の園芸用電気器具。
【請求項9】
前記空気サイクルシステムは、
前記栽培室に流体連通する排出配管と、
前記排出配管に操作可能に接続されて前記空気流を調節する排出ダンパーと、を含み、
前記空気流の停止は前記排出ダンパーを閉じることを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の園芸用電気器具。
【請求項10】
前記空気サイクルシステムは、
前記栽培室に流体連通するサイクルファンを含み、前記空気流の停止は前記サイクルファンを停止することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の園芸用電気器具。
【請求項11】
根室を規定する成長モジュール、水分補給システムと空気サイクルシステムを含む園芸用電気器具の操作方法であって、
前記空気サイクルシステムを操作し、空気流を駆動して前記根室を通過させることと、
水分補給サイクル開始前に前記空気流を停止することと、
前記水分補給システムを用いて水分補給サイクルを実施し、液体を前記根室に供給することと、
前記水分補給サイクルが終了した後前記空気流を遮断することと、を含む、ことを特徴とする園芸用電気器具の操作方法。
【請求項12】
前記水分補給サイクルの開始前に、前記水分補給サイクルが終了した後、前記空気流を停止し、前記空気流を遮断することは、
前記水分補給サイクルの開始時点と終了時点を決定することと、
前記水分補給サイクルの前記開始時点前に前記空気流を第1所定期間で停止することと、
前記水分補給サイクルの前記終了時点から第2所定期間が経過するまで前記空気流を遮断することと、を含む、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1所定期間が0.5秒~10秒である、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2所定期間が5秒~30秒である、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記園芸用電気器具は、前記根室内の水分レベルを測定するための水検出装置をさらに含み、
前記水分補給サイクル期間前記空気流を停止することは、
前記水分レベルを測定することと、
前記水分レベルが閾値水分レベルを超えると、前記空気流を遮断することと、を含む、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記水検出装置が光学センサである、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記水検出装置は前記根室内の異なる位置に設けられた複数のセンサを含む、ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記空気サイクルシステムは、
前記根室に流体連通する送風配管と、
前記送風配管に操作可能に接続されて前記空気流を調節する送風ダンパーと、を含み、
前記空気流の停止は前記送風ダンパーを閉じることを含む、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記空気サイクルシステムは、
前記根室に流体連通する排出配管と、
前記排出配管に操作可能に接続されて前記空気流を調節する排出ダンパーと、を含み、
前記空気流の停止は前記排出ダンパーを閉じることを含む、ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記空気サイクルシステムは、前記根室に流体連通するサイクルファンをさらに含み、
前記空気流の停止は前記サイクルファンを停止することを含む、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に室内園芸用のシステムに関し、より具体的には、室内園芸装置において植物を水分補給するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の室内型ガーデンセンターは、栽培室を規定するためのケースで構成され、この栽培室に複数のトレイや棚が設けられて苗や植物材料を支持し、例えば、室内環境でハーブや野菜などの植物を栽培する。また、このような室内型ガーデンセンターは、栽培室を所望の温度または湿度に維持するための環境制御システムを含んでもよい。ある室内型ガーデンセンターは、植物に水を与える水分補給システムおよび/または植物の成長に必要な光を照明する人工照明システムをさらに含んでもよい。
【0003】
従来の水分補給システムは定期的に根室に噴霧するか、または他の方法で液体を根室内に流入させて水および/または栄養分を植物根部に供給する。水分補給のサイクルが終了すると、小さな水滴が根室全体に静かに浮かび、根や壁にゆっくりと付着する。なお、このような液滴密度の高い時期に根室に冷却風が流れると、液滴が効率よく根部に到達しない可能性がある。
【0004】
したがって、室内型ガーデンセンターを改善することは重要である。より具体的に、改善された水分補給サイクルの特徴を備えた室内型ガーデンセンターの開発は非常に有益である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の各側面および利点は以下で詳細に説明されるか、説明から明らかであるか、または本発明を実施することにより知り得る。
【0006】
本発明の例示的な態様では、園芸用電気器具を提供し、この園芸用電気器具は、ケース内に配置されて栽培室を規定する内側コンテナーと、内側コンテナー内に取り付けられて根室を規定する成長モジュールと、根室に延びる1つまたは複数の植物容器を収容するための成長モジュールを通る複数の開口とを含む。水分補給システムは、水分補給サイクルを選択的に実施して液体を根室に供給し、空気サイクルシステムは根室に流体的に結合され、空気サイクルシステムは空気流を駆動して根室を通過させる。コントローラーは水分補給システムおよび空気サイクルシステムと操作可能に通信し、コントローラーは水分補給サイクル期間空気流を停止するように構成される。
【0007】
本発明の別の例示的な態様では、園芸用電気器具の操作方法を提供する。園芸用電気器具は、根室を規定する成長モジュール、水分補給システム、および空気サイクルシステムを含む。この方法は、空気サイクルシステムを操作して空気流を根室に通過させることと、水分補給サイクル開始前に空気流を停止することと、水分補給システムを用いて水分補給サイクルを実施し、液体を根室に供給することと、水分補給サイクルが終了するまで空気流を停止することと、を含む。
【0008】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照することにより、より容易に理解することができる。本明細書に組み込まれ本明細書の一部を構成する図面は本発明の実施形態を示し、説明とともに本発明の原理を解釈するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付図面を参照して、本明細書は、当業者に向けられた本発明の完全な開示を示し、かかる開示は、当業者が、本発明の最良の実施例を含む本発明を実施することを可能にするものである。
【
図1】本発明の例示的な実施形態による園芸用電気器具の透視図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態による
図1の例示的な園芸用電気器具の正面図であり、扉が開かれている状態である。
【
図3】
図2の線3-3に沿って切断した
図1の例示的な園芸用電気器具の断面図であり、明瞭化のために内側仕切り板が取り外されている。
【
図4】本発明の例示的な実施形態による
図1の例示的な園芸用電気器具の上面透視図であり、回転可能な成長モジュールを露出するためにケースの天板が取り外されている。
【
図5】本発明の別の例示的な実施形態による
図1の例示的な園芸用電気器具の立体断面図である。
【
図6】本発明の別の例示的な実施形態による
図1の例示的な園芸用電気器具の成長モジュールの透視図である。
【
図7】本発明の別の例示的な実施形態による
図6の例示的な成長モジュールの立体断面図である。
【
図8】本発明の別の例示的な実施形態による
図6の例示的な成長モジュールの上面断面図である。
【
図9】本発明の例示的な実施形態による水分補給サイクル期間根室内の空気中の水分量を示す図である。
【
図10】本発明の例示的な実施形態による水分補給サイクル期間園芸用電気器具を操作する方法を示す。 本明細書および添付図面における添付標記の繰り返し使用は、本発明の同一または類似の特徴または要素を示すことを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を詳細に参照し、その1つまたは複数の例を添付の図面に示す。 各実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。実際、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明の様々な適応および変形がなされ得ることは、当業者には明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として示され、または説明された特徴は、別の実施形態で使用することができ、その結果、さらに別の実施形態が得られる。 したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲に該当するこれらの適応および変形、ならびにそれらの等価な形態をカバーすることが期待される。
【0011】
本明細書で使用される「近似」、「ほぼ」、「約」等の用語は、記載された値の10パーセント(10%)の誤差を意味する。 さらに、本明細書で使用する場合、「第1」、「第2」および「第3」という用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために互換的に使用することができ、これらの用語は、各部品の位置や重要性を示すものではない。「上流」および「下流」という用語は、流体経路における流体の相対的な流れ方法を意味する。例えば、「上流」とは流体の流れが来る方法、「下流」とは流体の流れが行く方向を指す。
【0012】
図1は、本発明の例示的な実施形態による園芸用電気器具100の透視図である。例示的な実施形態によれば、園芸用電気器具100は、植物を栽培するための室内型ガーデンセンターとして使用することができる。なお、本明細書の実施形態は本発明の側面のみを説明することを意図する。本発明の範囲から逸脱しない限り園芸用電気器具100を変更や修正することができる。
【0013】
園芸用電気器具100は、ハウジングまたはケース102を含み、このハウジングまたはケースは縦方向Vに沿って頂部104と底部106間に延伸し、側方向Lに沿って第1側108と第2側110間に延伸し、横方向Tに沿って前側112と後側114間に延伸する。縦方向V、側方向Lおよび横方向Tのそれぞれは互いに垂直で直交方向システムを形成する。
【0014】
園芸用電気器具100は、ケース102内に設けられた断熱内側コンテナー120を含む。内側コンテナー120は植物124が成長し得る温度制御室を少なくとも部分的に規定し、本明細書では一般に栽培室122と呼ばれる。園芸用電気器具100は植物124の成長を可能にすると言及するが、他の有機物や生物を園芸用電気器具100で成長または保存することもできることを理解されたい。例えば、園芸用電気器具100で藻類、菌類(例えばキノコ類)または他の有機物を栽培または保存してもよい。本明細書に記載された特定の用途は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0015】
ケース102、より具体的に、内側コンテナー120は実質的に密閉された後部領域または部分130を規定してもよい。また、ケース102と内側コンテナー120は前部開口を規定し、本明細書では前部表示開口132と呼ばれ、園芸用電気器具100のユーザはこの前部表示開口132を通過して栽培室122にアクセスし、例えば、収穫、植え付け、剪定または他の方式で植物124にアクセスことができる。例示的な実施形態によれば、密閉された後部130は内側コンテナー120の一部として定義され、この部分はケース102の後側114に近い栽培室122を規定する。また、前部表示開口132は通常ケース102の前側112の近くに設けられるか、またはそれと重なり合うように設けられる。
【0016】
園芸用電気器具100は1つまたは複数の扉134を含んでもよく、これらの扉はケース102に回転可能に取り付けられ、栽培室122に選択可能にアクセスすることができる。例えば、
図1は閉位置にある扉134を示し、扉134により栽培室122の断熱を助ける。これに対して、
図2は開位置にある扉134を示し、栽培室122にアクセスして保存している植物124への接近を可能にする。扉134は、透明窓136を含んでもよく、ユーザはこの窓136を通じて、扉134を開く必要なしに植物124を観察することができる。
【0017】
図1および
図2では、扉134は長方形でケース102の前側112に取り付けられるが、選択可能な実施形態に応じて、扉134は様々な形状、取付位置等を有し得る。例えば、扉134は湾曲していてもよいし、全体がガラスで形成されてもよい。あるいは、扉134は、栽培室122に対して入射/出射する光の全体特徴、例えば内部ルーバー、着色、UV処理、偏光などを制御するように構成される。当業者は、他の構造の室や扉も可能であり、本発明の範囲内に含まれることを理解することができる。
【0018】
例示的な実施形態によれば、ケース102は引出し138をさらに規定し、この引出し138は、ケース102の底部106の近くに、摺動可能にケースに取り付けられて植物栄養分、システム付属品、水フィルタなどの便利な保存を提供する。また、引出し138の後面に環境制御システムを受け入れるための機械室140が設けられ、この環境制御システムは、栽培室122内の温度を調節するための密閉システムを含み、以下でより詳細に説明する。
【0019】
図3は、栽培室122内の温度を調節するための環境制御システム148のいくつかの部材の模式図である。具体的に、環境制御システム148は、密閉システム150、配管システム160および水分補給システム270、または栽培室122内の環境を調節し例えばその中の植物124の成長を改善または調節するための任意の他の適切な部材またはサブシステムを含む。具体的に、
図3は、機械室140内の密閉システム150を例示する。本明細書では例示的な密閉システムを示したが、本発明の範囲内に留まりながら密閉システム150に対して様々な変更および修正を行うことができることが理解されたい。例えば、密閉システム150は、追加または選択可能な部材、異なる配管構造などを含んでもよい。
【0020】
図に示すように、密閉システム150は、圧縮機152、第1熱交換器または蒸発器154および第2熱交換器または凝縮器156を含む。一般的に理解されるように、圧縮機152は通常、冷媒を密閉システム150で循環または駆動するように動作し、冷媒を密閉システム150の各部材間で流動させるための様々な導管を含む。それにより、蒸発器154と凝縮器156は互いに、および圧縮機152と流体連通してもよい。
【0021】
密閉システム150の操作期間、冷媒が蒸発器154から圧縮機152に流動し、圧縮機152は通常、圧縮された冷媒を圧縮機152から凝縮器156に導く。例えば、冷媒は過熱蒸気の形態の流体として蒸発器154を出ることがある。蒸発器154を出る際に、冷媒は圧縮機152に入り、この圧縮機152は冷媒を圧縮する。したがって、冷媒の圧力および温度が圧縮機152において上昇し、冷媒がより過熱された蒸気となる可能性がある。
【0022】
凝縮器156は、圧縮機152の下流に配置され、冷媒からの熱を放出するように動作する。例えば、圧縮機152の過熱蒸気が凝縮器156に入りエネルギを凝縮器156周囲の空気に伝達する(例えば、高温空気流を形成する)。このように、冷媒が飽和液体および/または液体蒸気混合物に凝縮される。凝縮器のファン(図示せず)は凝縮器156に隣接して設けられ、高温空気流(例えば周囲の大気)を促進または駆動して凝縮器156のコイルを通って、熱伝達を促進する。
【0023】
例示的な実施形態によれば、冷媒膨張を調節するために、膨張装置または可変電子膨張弁158も提供され得る。使用期間中、可変電子膨張弁158は通常冷媒を膨張させ、その圧力と温度を低下させることができる。この点で、冷媒は高い液体質量/飽和液体蒸気混合物として凝縮器156を出て、蒸発器154を通って流れる前に可変電子膨張弁158を通過する。可変電子膨張弁158は通常調節可能であり、例えば、可変電子膨張弁158を通過する冷媒流を選択的に変更または調節することができる(例えば、ml/秒単位の体積流量)。
【0024】
蒸発器154は可変電子膨張弁158の下流に配置され、例えば蒸発器周囲の空気からの熱を吸収して蒸発器154内の冷媒を加熱する(例えば、冷気流を生成する)。例えば、可変電子膨張弁158の液体または液体蒸気混合物冷媒は蒸発器154に入れることができる。蒸発器154内で、可変電子膨張弁158からの冷媒は冷気流からエネルギを吸収して、過熱蒸気および/または高質量の蒸气混合物となる。エアハンドラーまたは蒸発器ファン(図示せず)は蒸発器154に隣接して設けられ、冷気流を蒸発器154に通過させるように促進または駆動して、熱伝達を促進する。冷媒は蒸発器154から圧縮機152に戻し、蒸気圧縮サイクルが継続される。
【0025】
上記のように、環境制御システム148は密閉システム150を含み、この密閉システム150は必要に応じて高温空気流または冷気流を栽培室122を走行させるために使用される。この空気を導くために、環境制御システム148は、温度調節空気流を案内するための配管システム160を含み、温度調節空気流は本明細書で単に空気流162として識別される(例えば
図3を参照)。このとき、例えば、空気が蒸発器154を通過するとき、蒸発器ファンは冷気流を生成し、空気とともに凝縮器156を通過し、凝縮器ファンは高温空気流を生成することができる。
【0026】
これらの空気流162はそれぞれ冷却空気供給配管および/または加熱空気供給配管(図示せず)を通じて経路が確保される。このとき、環境制御システム148は通常、複数の配管、ダンパー、ダイバータアセンブリおよび/またはエアハンドラーを含み、冷却モード、加熱モード、加熱および冷却モードまたは栽培室122内の環境を調節する任意の他のモードでの操作を容易にする。なお、配管システム160は複雑さの点で変化でき、栽培室122の任意の適切な部分を任意に配置して密閉システム150からの空気流を調節することができる。
【0027】
園芸用電気器具100は、制御パネル170を含んでもよい。制御パネル170は、ノブ、ボタン、押しボタン、タッチスクリーンインタフェースなどの1つまたは複数の入力セレクター172を含む。また、入力セレクター172は園芸用電気器具100の各設置、例えば密閉システム150の操作に関連する設置を指定または設定することができる。入力セレクター172は処理装置またはコントローラー174と通信することが可能である。コントローラー174において、またはコントローラー174によって生成された制御信号が入力セレクター172に応答されて園芸用電気器具100を操作することができる。さらに、制御パネル170は、指示灯またはスクリーンなどのディスプレイ176を含んでもよい。ディスプレイ176はコントローラー174と通信可能に接続され、コントローラー174からの信号に応答して情報を表示する。さらに、本明細書で説明するように、コントローラー174は園芸用電気器具100の他の部材(例えば1つまたは複数のセンサ、モータまたは他の部材)と通信可能に接続される。
【0028】
本明細書で使用する「処理装置」または「コントローラー」は1つまたは複数のマイクロプロセッサまたは半導体装置を指し、単一のデバイスに限定されない。処理装置は、園芸用電気器具100を動作させるように構成される。処理装置は、1つまたは複数の記憶素子(例えば、永続的な記録媒体)を含む、またはそれに関連付けられる。いくつかの実施形態では、記憶素子は電気的に消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)から構成される。通常、記憶素子は、処理装置によって実行され得る指令を含む処理装置がアクセス可能な情報を格納し得る。選択可能に、指令はソフトウェアまたは指令および/またはデータの任意集合であり、このソフトウェアまたは指令および/またはデータの任意集合は処理装置によって実行されると、処理装置が操作を実行する。
【0029】
図1~
図8を参照すると、園芸用電気器具100は通常、回転可能なディスクコンベアを含み、本明細書では成長モジュール200と呼ばれ、この成長モジュール200は内側コンテナー120内に取り付けられ、例えば、栽培室122内に取り付けられる。図に示されるように、成長モジュール200は、中心軸線204に沿って延伸し中心軸線204の周りに回転する中心ハブ202を含む。具体的に、例示的な実施形態では、中心軸線204は縦方向Vに平行である。しかしながら、中心軸線204は任意の適切な方向(例えば水平方向)に沿って延伸する。この点で、成長モジュール200は通常軸方向(つまり中心軸線204に平行)、中心軸線204に垂直に延伸する径方向Rおよび中心軸線204の周りに延伸する周方向C(例えば中心軸線204に垂直な平面)を規定する。
【0030】
成長モジュール200は複数の仕切り板206を含み、これらの仕切り板206はほぼ径方向Rに沿って中心ハブ202から延伸する。このように、成長モジュール200は栽培室122を仕切りまたは分割して複数のチャンバーを規定し、本明細書では符号210で示される。具体的に、
図1~
図8の例示的な成長モジュール200の第1実施形態を参照すると、成長モジュール200は3つの仕切り板206を含み、これらの仕切り板206は互いに周方向に間隔を空けて設けられた第1室212、第2室214および第3室216を規定する。通常、成長モジュール200が栽培室122内で回転すると、複数のチャンバー210は分離し異なる成長環境を規定し、例えば、異なる成長ニーズの植物124の成長を可能にする。
【0031】
より具体的に、仕切り板206は、中心ハブ202から内側コンテナー120に近い位置まで延伸する。仕切り板206は径方向に沿って延伸するが、完全に径方向に延伸する必要がないことを理解されたい。例えば、例示的な実施形態によれば、各仕切り板の遠位端が弓状壁218を介して隣接する仕切り板に係合され、この弓状壁218は通常植物124を支持するために使用される。
【0032】
明らかに、例示的な実施形態によれば、仕切り板206と内側コンテナー120間にほぼ密閉空間が形成される。したがって、例示的な実施形態によれば、成長モジュール200は成長モジュールの直径220を規定する(例えば、水平面に形成されたほぼ円形の被覆領域によって規定される)。同様に、内側コンテナー120の密閉された後部130はほぼ円柱形であり、内側コンテナー直径222を規定する。大量の空気が仕切り板206と内側コンテナー120間から逃げないように、内側コンテナー直径222は成長モジュール直径220と実質的に同じかそれより若干大きくてもよい。
【0033】
具体的に、
図3を参照すると、園芸用電気器具100は、モータ230または適切な駆動素子または装置を含み、園芸用電気器具100の操作期間成長モジュール200を選択的に回転させるために使用される。この点で、例示的な実施形態によれば、モータ230は成長モジュール200の下方に配置され、例えば、機械室140内に配置され、中心軸線204に沿って操作可能に成長モジュール200に接続されて、成長モジュール200を回転させる。
【0034】
本明細書で使用する「モータ」は成長モジュール200を回転させるための任意の適切な駆動モータおよび/または伝達アセンブリを指す。例えば、モータ230はブラシレスDCモータ、ステッピングモータまたは任意の他の適切なタイプまたは構造のモータであってもよい。例えば、モータ230はACモータ、誘導モータ、永久磁石同期モータまたは任意の他の適切なタイプのACモータであってもよい。あるいは、モータ230は任意の適切な伝達アセンブリ、クラッチ機構または他の部材を含んでもよい。
【0035】
例示的な実施形態によれば、モータ230は操作可能にコントローラー174に接続され、このコントローラー174は、ユーザ入力(例えばタッチボタン172)に基づいて所定の操作サイクルに従って成長モジュール200を回転させるようにプログラムされている。また、コントローラー174は、温度または湿度センサなどの1つまたは複数のセンサに通信可能に接続され、これらのセンサはそれぞれ温度および/または湿度を測定する様々なチャンバー210内に設けられる。その後、コントローラー174は、各チャンバー210が所望の環境条件を維持するように、モータ230を操作する。例えば、以下の詳細な説明のように、園芸用電気器具100は、園芸用電気器具100のある位置に光を提供し、温度制御、適切な水分、栄養分および植物成長のための他のニーズを提供する特徴を有する。モータ230は、特定のチャンバー210をそのような成長要件を受ける場所に設定する。
【0036】
例示的な実施形態によれば、例えば3つの仕切り板206は3つの室212~216を形成する場合、コントローラー174は、複数の予設位置で成長モジュール200を順次にインデックスするためにモータ230を操作する。より具体的に、モータ230は120°の刻みで反時計回り方向に(例えば、成長モジュール200の頂部から見たとき)成長モジュール200を回転させて、チャンバー210を密閉位置と表示位置間で移動させることができる。本明細書で使用する場合、チャンバー210が成長モジュール200(つまり中心ハブ202と隣接する仕切り板206)と内側コンテナー120間に密閉されるとき、このチャンバー210は「密閉位置」にあると考える。これに対して、チャンバー210の少なくとも一部が前部表示開口132に露出してユーザがこのチャンバー210内の植物124にアクセスするとき、このチャンバー210は「表示位置」にあると考える。
【0037】
例えば、
図4および
図5に例示するように、第1室212および第2室214は両方とも密閉位置にあり、第3室216は表示位置にある。モータ230が反時計回り方向に沿って成長モジュール200を120度回転させると、第2室214が表示位置に移行し、第1室212と第3室216が密閉位置に移行する。モータ230はこのような刻みで成長モジュール200を回転し続けて、チャンバー210を密閉位置と表示位置間で循環させることができる。
【0038】
図4~
図8を参照すると、本発明の例示的な実施形態による成長モジュール200をより詳細に説明する。図に示されるように、成長モジュール200は複数の開口240を規定し、これらの開口240は通常、植物容器242を内部根室244に収容するように構成される。植物容器242は通常、メッシュまたは他の支持構造内に設けられた植物を成長させるための苗または他の材料を含み、植物124の根をこのメッシュまたは他の支持構造によって成長モジュール200内で成長させる。ユーザは、所望種子の植物容器242の部分(例えば、種子端または根端246)を複数の開口240中の1つを通して根室244に挿入することができる。植物容器242の植物端248がチャンバー210内に保持され、植物124が成長モジュール200から成長し、ユーザがアクセスすることができる。この点で、成長モジュール200は、中心ハブ202と複数の仕切り板206中の少なくとも1つに根室244を規定する。以下の説明のように、水分や他の栄養分は根室244内の植物容器242の根端246に供給される。明らかに、植物容器242が設置されていないとき、開口240は平坦なバッフルシール(図示せず)で覆われて、水分が根室244から逃げるのを防止する。
【0039】
図5および
図7に最もよく示されるように、成長モジュール200は内側部分仕切り板250をさらに含んでもよく、この内側部分仕切り板250は根室244内に設けられて、根室244を複数の根室に分割し、複数の根室中のそれぞれが複数の開口240を介して複数のチャンバー210中の1つの流体と連通する。より具体的に、例示的な実施形態によれば、内側部分仕切り板250は根室244を第1根室252、第2根室254および第3根室256に分かれる。例示的な実施形態によれば、第1根室252は第1栽培室212に設置された植物124に水分および栄養分を供給し、第2根室254は第2栽培室214に設置された植物124に水分および栄養分を供給し、第3根室256は第3栽培室216に設置された植物124に水分および栄養分を供給することができる。このように、環境制御システム148は複数の室212~216と複数の根室252~256中のそれぞれの温度および/または湿度を独立して制御することができる。
【0040】
環境制御システム148は水分補給システム270をさらに含み、この水分補給システム270は通常、植物124に水を供給して植物の成長を支援するように構成される。具体的に、例示的な実施形態によれば、水分補給システム270は通常水源272と噴霧装置274(例えば、1つまたは複数の微細ミストノズル)を含む。例えば、水源272は水(例えば、蒸留水)を含む液体貯蔵器、または直接接続された市水源であってもよい。噴霧装置274は根室244の底部に設けられ、霧を根室244に充填させて植物124の根に水分を補給するように構成される。選択可能に、噴霧装置274は縦方向Vに沿って中心ハブ202を通過し、定期的に根室244に噴霧または水を噴出するノズルであり得る。各種の植物124の成長に異なる量の水が必要とするので、水分補給システム270は、複数の噴霧装置274を選択的に含んでもよく、例えば、すべての噴霧装置274が水源272に接続されるが、選択的に操作されて互いに独立して第1根室252、第2根室254および第3根室256のそれぞれを充填させてもよい。本明細書に使用する「水分補給サイクル」の用語は通常、水分補給システム270が液体を園芸用電気器具100、例えば根室244中の1つまたは複数に供給する期間を指す。
【0041】
明らかに、上記環境制御システム148は通常、複数のチャンバー210および/または根室252~256中の1つまたは全部内の温度と湿度(例えば、いくつかの他の適切な水位量または測定)を独立して調節することができる。このように、チャンバー210ごとに共通した所望の成長環境を得ることができる。
【0042】
例えば、
図4および
図5を参照すると、園芸用電気器具100は光アセンブリ280をさらに含み、この光アセンブリ280は通常、選択されたチャンバー210に光を提供して植物124の光合作用と成長を促進する。図に示されるように、光アセンブリ280は、複数の光源282を含み、これらの光源282は行列に積層され、例えば、縦方向Vに沿って延伸する。例えば、光源282はチャンバー210内の内側コンテナー120に直接取り付けられるか、または内側コンテナー120の後面に選択的に取り付けられ、光が透明窓または光パイプを通してチャンバー210に投射される。本明細書で説明される光源282の位置、構造およびタイプは本発明の範囲を何ら限定することを意図するものではない。
【0043】
光源282は、任意の適切な光技術用い任意の適切な色で照明し、任意の適切な数、タイプ、位置および構造に設定される電気光源である。例えば、例示的な実施形態によれば、光源282は1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含み、コントローラー174からの制御信号に応じて、これらの発光ダイオードは単一色で照明し(例えば、白色LED)、または複数の色で照明してもよい(例えば、多色またはRGB LED)。しかしながら、選択可能な実施形態によれば、光源282は任意の他の適切な従来の電球または光源、例えばハロゲン電球、蛍光灯、白熱電球、発光棒、光ファイバー光源などであり得る。
【0044】
上記のように、光アセンブリ280からの光は、園芸用電気器具100が位置する部屋において光害をもたらす可能性がある。したがって、本発明の各態様は、光害を低減するか、または光源282からの光が前部表示開口132を通過するのを防止することを特徴とする。具体的に、図に示されるように、光アセンブリ280は内側コンテナー120の密閉された後部130のみに設けられ、密閉位置にあるチャンバー210のみが光源282の光に露出する。具体的に、成長モジュール200は光アセンブリ280と前部表示開口132間の物理的な仕切り板として機能する。このように、
図5に示すように、第1室212または第2室214から成長モジュール200を通過して前部表示開口132から光が出ることがない。成長モジュール200の回転に従い、3つのチャンバー210中の2つが光アセンブリ280からの光を一度受ける。別の実施形態によれば、単一の光アセンブリを使用することでコストを削減でき、それによって、単一のチャンバー210のみが一度に照明される。
【0045】
異常、園芸用電気器具100と成長モジュール200について本発明の例示的な実施形態を説明する。しかしながら、本発明の範囲内に留まりながら変更および修正が可能であることを理解されたい。例えば、選択可能な実施形態によれば、園芸用電気器具100は角形内側コンテナー120と成長モジュール200の2室の実施形態に簡素化され、この成長モジュール200は中心ハブ202の対向側から延伸する2つの仕切り板206を有し、第1栽培室と第2栽培室を規定する。このような実施形態によれば、成長モジュール200は中心軸線204の周りに180度回転し、第1室は密閉位置(例えばケース102の後側114に面する)と表示位置(例えばケース102の前側112に面する)間で交互に変化することができる。逆に、同じ回転で第2室が表示位置から密閉位置に移動する。
【0046】
別の実施形態によれば、園芸用電気器具100は3室成長モジュール200を含むが、前部表示開口132がより広くなるために変更したケース102をさらに含み、3つのチャンバー210中の2つを一度に表示する。その結果、第1室212は密閉位置にあり、第2室214と第3室216は表示位置にある。成長モジュール200が反時計回りに回転すると、第1室212が表示位置に移動し、第3室216が密閉位置に移動する。
【0047】
再び
図8を参照すると、環境制御システム148の各態様が例示され、本発明の例示的な実施形態に従ってこれらの態様を説明する。具体的に、図に示されるように、環境制御システム148は空気サイクルシステム300を含み、この空気サイクルシステム300は通常、空気流(例えば、本明細書で通常符号302で示される)を園芸用電気器具100に供給し、例えば根室244に直接供給する。本明細書で例示的な空気サイクルシステム300が例示されたが、選択可能な実施形態に従って任意の他の適切な配管システム、ファン、流動制御装置およびその他の特徴を使用することができることを理解されたい。また、空気流302は任意の適切な濃度のガスの任意の適切な組み合わせであってもよい。
【0048】
図8に示すように、空気サイクルシステム300は、チャンバー210と流体連通する送風配管310と排出配管312を含む。より具体的に、例示的な実施形態によれば、送風配管310と排出配管312は根室244の底部に直接流体連通する。このように、空気サイクルシステム300は配管310、312を利用して空気流302を根室244で循環させ、園芸用電気器具100内で所望の温度を保持する。なお、空気サイクルシステム300は任意の適切な数、タイプ、位置および構造の流量調節装置を含み、空気流302を制御する。例えば、例示的な実施形態によれば、空気サイクルシステム300は送風ダンパー314を含み、この送風ダンパー314は送風配管310と操作可能に接続され、送風配管310を通過する空気流302を調節するために使用される。同様に、空気サイクルシステム300は排出ダンパー316を含み、この排出ダンパー316は操作可能に排出配管312に接続され、排出配管312を通過する空気流302を調節するために使用される。2つのダンパーを例示したが、選択可能な実施形態によれば、単一のダンパーまたは他の流量制御装置を使用してもよい。
【0049】
空気サイクルシステム300は、送風配管310と排出配管312中の1つまたは2つを介してチャンバー210に流体連通するファンアセンブリまたはサイクルファン320をさらに含む。このように、コントローラー174はサイクルファン320を選択的に操作して、空気流302を根室244全体で循環させる。通常、サイクルファン320は、空気流を循環または駆動するための任意の流量調節装置である。例えば、サイクルファン320は1つまたは複数の軸流ファン、遠心ファンなどを含んでもよい。あるいは、サイクルファン320は配管310、312または任意の適切な位置に設けられるか、または他の方式でチャンバー210に流体連通してもよい。さらに、
図8に示すように、排出配管312は根室244を周囲環境322に流体連通し、例えば、空気流302を排出するために使用される。しかしながら、選択可能な実施形態によれば、空気サイクルシステム300は空気流302をサイクル、濾過、処理および/または再利用するための配管システムと流量調節特徴を有する。
【0050】
依然として
図8を参照すると、園芸用電気器具100は、1つまたは複数のチャンバー210内の水分レベルまたは水分含有量を監視するための装置またはサブシステムを含む。例えば、図に示すように、園芸用電気器具100は水検出装置340を含み、この水検出装置340は根室244内に設けられて根室244内の水分レベルを測定する。例えば、例示的な実施形態によれば、水検出装置340は根室244内の異なる位置に設けられた1つまたは複数の光学センサ342を含む。通常、光学センサ342は光エネルギビーム344を送受信して、例えば光エネルギビーム344の歪みに基づいて根室244内の水分量を決定する。本明細書で光学センサを例示したが、選択可能な実施形態によれば、本発明の範囲内に留まりながら、任意の適切な湿度センサまたは他の水分検出システムおよび方法を使用することができる。
【0051】
園芸用電気器具100の構造を説明したが、以下園芸用電気器具の例示的な操作方法400を説明する。以下園芸用電気器具100の例示的な操作方法400を説明するが、当業者は、例示的な方法400は各種の他の園芸用電気器具または任意の適切な応用に適用できることを理解されたい。例示的な実施形態では、本明細書が開示する各種方法およびステップはコントローラー174または専用のコントローラーによって実行される。
【0052】
なお、上記のように、水分補給サイクル期間、水分補給システム270は液体のミストまたは流れを根室244に提供する。ノズルの排水が完了した後、小さな水滴が根室244を穏やかに流れる。これらの液滴がゆっくりと根部と壁に付着し、植物124の根部に水分を補給する。しかしながら、これらの高い液滴密度の期間、空気サイクルシステム300からの空気が根室244に供給されると、液滴が植物124の根部に効率よく到達しない可能性がある。例えば、
図9は園芸用電気器具100の例示的な水分補給サイクルを例示し、空気中の水分量の測定は符号350によって示される。図に示されるように、水分補給サイクルの開始時点352に、水分補給システム270は水流を根室244内のノズルまたは噴霧装置に供給する。その結果、液滴密度または水位350のパーセント分布は、水分補給サイクルの終了時点354になるまで急速に増加する。水分補給システム270が根室244への液体供給が停止した後、水位350が徐々に減少する。したがって、以下に説明するように、本発明の各態様は気流を調節して水分補給サイクルに対する悪影響を低減するシステムおよび方法に関する。
【0053】
図10を参照すると、方法400は、空気サイクルシステムを操作し、空気を駆動して園芸用電気器具の根室を通過させるステップ410を含む。この点で、空気サイクルシステム300は空気流302を駆動して根室244を通過させ、例えば根室244内で所望の温度を保持する。しかしながら、以下に説明するように、方法400は通常、水分補給サイクル期間空気流を停止するステップを含む。空気流の停止期間は水位350に依存するか、または時間に依存する可能であり、例えば空気サイクルシステム300は少なくとも一部が水分補給システム270の操作(例えば、水分補給システム270のオンオフ時間)に基づいて操作してもよい。
【0054】
例えば、方法400は、水分補給サイクルの開始の少し前に空気流を停止させ、水分補給サイクルが終了した後の一定の持続時間内で空気流を遮断する。なお、空気サイクルシステム300は、空気流302を停止または減速するための任意の適切な手段を含んでもよい。例えば、送風ダンパー314を閉じ、排出ダンパー316を閉じ、および/またはサイクルファン320を閉じて空気流302を停止することが可能である。それによって、ステップ420は、水分補給サイクルの開始前に空気流を停止することを含む。例えば、
図9を簡単に参照すると、空気流の空気停止時点356は水分補給サイクルの開始時点352前の第1所定期間358であり得る。ステップ430は、水分補給システムを用いて水分補給サイクルを実施して液体を根室に流入させることを含む。
【0055】
ステップ440は、水分補給サイクルが終了するまで空気流を遮断することを含む。例示的な実施形態によれば、空気開始時点360になった後空気流を開始し、この空気開始時点360は水分補給サイクルの終了時点354後の第2所定期間362の後であってもよい。それによって、例示的な実施形態によれば、420で空気流を停止して440で空気流を停止することは、水分補給サイクルの開始時点と終了時点を決定することを含む。水分補給サイクルの開始時点と終了時点から、空気停止時点356と空気開始時点360を決定することができる。なお、空気停止時点356と空気開始時点360間の期間内、空気サイクルシステム300は空気流302が根室244を通過するのを防止する。この無流期間以外に、環境制御システム148の命令、例えば根室244内の温度に基づいて、空気を供給したり空気を供給しなかったりする。
【0056】
なお、第1所定期間358と第2所定期間362は製造者によって設定されてもよく、ユーザによって選択されてもよく、経験的に決定されてもよく、またはコントローラー174を使用して計算されてもよい。あるいは、これらの期間358、362は、例えばノズル流量、室内湿度、空気流量または任意の他の適切な要素などの様々な要素に応じて変化する。例えば、第1所定期間358は通常、チャンバー210内の空気流が消散することを可能にする閾値以下の適切な期間であるように選択される。例えば、第1所定期間358は約0.1秒~20秒、約0.5秒~10秒、約1秒~4秒、または約3秒であってもよい。あるいは、第2所定期間362は少なくとも一部が水位350の減少(例えば、水位350が適切な閾値を下回るのにかかる時間)に基づいて決定されてもよい。例えば、第2所定期間362は約1秒~60秒、約5秒~30秒、約10秒~20秒、または約15秒であってもよい。
【0057】
例示的な実施形態によれば、空気流の停止および遮断は根室244内の水分レベルまたは水位に基づいて空気流を調節することを含んでもよい。例えば、コントローラー174は水検出装置340を用いて水分レベル(例えば、水位350)を測定してもよい。空気停止時点356および/または空気開始時点360はこの水位350に基づいて決定され得る。例えば、水位350が所定の水位閾値を下回ると(例えば符号364で示される)、空気流が根室244に再供給されてもよい。なお、水位閾値は、本発明の範囲内に留まりながら特定の応用に応じて変化してもよい。さらに、他の要素および考慮要素は空気停止時点356および空気開始時点360に影響を与える可能性があることを理解されたい。
【0058】
図10は、実施と考察の目的のために特定の順序で実行されるステップを描いたものである。本明細書に提供された発明内容を用いて、当業者は、本明細書に記載された任意の方法のステップが本発明の範囲から逸脱することなくさまざまな方法で適合、再配置、拡張、省略または修正され得ることを理解されたい。さらに、園芸用電気器具100を例にして方法400の各態様を説明したが、これらの方法は任意の適切な園芸用電気器具の操作に適用できることが理解されるべきである。
【0059】
本明細書では、例を挙げて本発明(最良の実施例を含む)を開示し、当業者が本発明(任意の装置またはシステムの製造及び使用、含まれる任意方法の実行を含む)を実施することができるようにする。本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって限定され、当業者が想到できる他の例示を含む。このような他の例示は特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を含む場合、またはこのような他の例示は特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等構造要素を含む場合、このような他の例示は特許請求の範囲に該当すると予想される。
【国際調査報告】