IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シンプソン ストロング タイ カンパニー インコーポレーテッドの特許一覧

特表2023-537218構造部材のためのピン留めベース接続部
<>
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図1
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図2
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図3
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図4
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図5
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図6
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図7
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図8
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図9
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図10
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図11
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図12
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図13
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図14
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図15
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図16
  • 特表-構造部材のためのピン留めベース接続部 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(54)【発明の名称】構造部材のためのピン留めベース接続部
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/18 20060101AFI20230824BHJP
   E04B 1/24 20060101ALI20230824BHJP
   E04B 1/26 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
E04B1/18 Z
E04B1/24 R
E04B1/26 Z
E04B1/18 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503085
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 US2021042525
(87)【国際公開番号】W WO2022031439
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】16/984,325
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506244375
【氏名又は名称】シンプソン ストロング タイ カンパニー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン イー. プライヤー
(57)【要約】
建造物の一つ又は複数のレベルにおいて、構造部材を基礎に取り付けるピン留めベースコネクタ。ピン留めベースコネクタは、基礎に取り付けられたベースプレートを含む。柱支持プレートは、ピボットブロックを介してベースプレートに取り付けられている。ピボットブロックは、ベースプレートに対しての第1の軸を中心とするピボットブロックの回転を可能にするように、ベースプレートに取り付けられている。柱支持プレートは、ピボットブロックに対しての第1の軸に直交する第2の軸を中心とする柱支持プレートの回転を可能にするように、ピボットブロックに取り付けられている。柱又は他の構造部材が次いで、柱支持プレートの表面に取り付けられてもよい。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造部材を建造物内の基礎に固定するためのシステムであって、
前記基礎に取り付けられるように構成されたベースプレートと、
前記ベースプレートに対して第1の軸を中心として回転するように、前記ベースプレートに回転可能に設置されたピボットブロックと、
前記構造部材を支持するように構成された柱支持プレートであって、前記第1の軸と直交する第2の軸を中心として回転するように、前記ピボットブロックに回転可能に設置された前記柱支持プレートと、
前記構造部材を前記柱支持プレートに締結するように構成された締結具と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記ベースプレート及び前記ピボットブロックは、前記ベースプレートに対しての前記第1の軸を中心とする前記ピボットブロックの回転を制限するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ピボットブロック及び前記柱支持プレートは、前記ベースプレートに対しての前記第2の軸を中心とする前記柱支持プレートの回転を制限するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記柱支持プレートは、天然木材からなる構造部材を支持するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記柱支持プレートは、加工木材又は金属から作られた構造部材を支持するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ベースプレートは、
ベースと、
前記ベースから延在した一対のブラケットと、を備え、
前記一対のブラケットは、前記ピボットブロックを前記ベースプレートに回転可能に設置するためのボルトを受容するように構成された取付孔を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記一対のブラケットは、溶接、ボルト締結、又は接着の少なくとも一つによって、前記ベースに取り付けられている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ピボットブロックの前記ベースとの接触は、前記ベースに対する前記ピボットブロックの回転を制限しており、
前記ボルトは、前記ベースプレートに対する前記ピボットブロックの回転量を所定の回転に制御するために、前記ピボットブロックを前記ベースの上方に所定の距離で離間させる、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記柱支持プレートは、
トッププレートと、
前記トッププレートから延在した一対のブラケットと、を備え、
前記一対のブラケットは、前記柱支持プレートを前記ピボットブロックに回転可能に設置するためのボルトを受容するように構成された取付孔を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記一対のブラケットは、溶接、ボルト締結、又は接着の少なくとも一つによって、前記ベースに取り付けられている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記トッププレートの前記ピボットブロックとの接触は、前記ピボットブロックに対する前記柱支持プレートの回転を制限しており、
前記ボルトは、前記ピボットブロックに対する前記柱支持プレートの回転量を所定の回転に制御するために、前記トッププレートを前記ピボットブロックの上方に所定の距離で離間させる、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記締結具は、締結プレート又はロッドのいずれか一つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の軸及び前記第2の軸の少なくとも一つを中心とする前記構造部材の枢動を防止するための一つ又は複数の軌道拘束部をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記一つ又は複数の軌道拘束部は、前記ベースプレート及び前記柱支持プレートの間に設けられるように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記一つ又は複数の軌道拘束部の一つ又は複数の高さは、調整可能である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
一つ又は複数のレベルを備える建造物であって、
前記一つ又は複数のレベルのうちの或るレベル上のパネルであって、横方向の引張安定性及び横方向の圧縮安定性を前記建造物に提供する前記パネルと、
構造部材と、
前記或るレベルの基礎上において前記構造部材を支持するピン留めコネクタであって、前記ピン留めコネクタは、ホーム軸を中心とする前記構造部材の360度回転を可能にし、前記構造部材及び前記ピン留めコネクタは、引張安定性及び圧縮安定性を前記建造物に提供する、前記ピン留めコネクタと、を備える、
建造物。
【請求項17】
前記ピン留めコネクタは、
前記基礎に取り付けられるように構成されたベースプレートと、
前記ベースプレートに対しての第1の軸を中心とする回転のために、前記ベースプレートに回転可能に設置されたピボットブロックと、
前記構造部材を支持するように構成された柱支持プレートであって、前記第1の軸と直交する第2の軸を中心とする回転のために、前記ピボットブロックに回転可能に設置された前記柱支持プレートと、
前記構造部材を前記柱支持プレートに締結するように構成された締結具と、を備える、請求項16に記載の建造物。
【請求項18】
前記ベースプレートは、
ベースと、
前記ベースから延在した一対のブラケットであって、前記ピボットブロックを前記ベースプレートに回転可能に設置するためのボルトを受容するように構成された取付孔を備える前記一対のブラケットと、を備える、請求項17に記載の建造物。
【請求項19】
前記ピボットブロックの前記ベースとの接触は、前記ベースに対する前記ピボットブロックの回転を制限しており、
前記ボルトは、前記ベースプレートに対する前記ピボットブロックの回転量を所定の回転に制御するために、前記ピボットブロックを前記ベースの上方に所定の距離で離間させる、請求項18に記載の建造物。
【請求項20】
前記柱支持プレートは、
トッププレートと、
前記トッププレートから延在した一対のブラケットであって、前記柱支持プレートを前記ピボットブロックに回転可能に設置するためのボルトを受容するように構成された取付孔を備える前記一対のブラケットと、を備える、請求項17に記載の建造物。
【請求項21】
前記トッププレートの前記ピボットブロックとの接触は、前記ピボットブロックに対する前記柱支持プレートの回転を制限しており、
前記ボルトは、前記ピボットブロックに対する前記柱支持プレートの回転量を所定の回転に制御するために、前記トッププレートを前記ピボットブロックの上方に所定の距離で離間させる、請求項20に記載の建築物。
【請求項22】
複数のレベルを備える建造物であって、
前記複数のレベルのうちの第1のレベル上の第1のパネルであって、横方向の引張安定性及び横方向の圧縮安定性を前記建造物に提供する前記第1のパネルと、
前記第1のレベル上の第1の構造部材と、
前記第1のレベルの第1の基礎上において前記第1の構造部材を支持する第1のピン留めコネクタであって、前記第1のピン留めコネクタは、ホーム軸を中心とする前記第1の構造部材の360度回転を可能にし、前記第1の構造部材及び前記第1のピン留めコネクタは、引張安定性及び圧縮安定性を前記建造物に提供する、前記第1のピン留めコネクタと、
前記複数のレベルのうちの第2のレベル上の第2の構造部材と、
前記第1の構造部材の上部に取り付けられた第2のピン留めコネクタであって、前記第2のピン留めコネクタは、前記第2のレベルの第2の基礎において又はその近くで前記第2の構造部材を支持し、ホーム軸を中心とする前記第2の構造部材の360度回転を可能にし、前記第2の構造部材及び前記第2のピン留めコネクタは、引張安定性及び圧縮安定性を前記建造物に提供する、前記第2のピン留めコネクタと、
を備える、建造物。
【請求項23】
前記第1のピン留めコネクタ及び前記第2のピン留めコネクタのそれぞれは、
前記基礎に取り付けられるように構成されたベースプレートと、
前記ベースプレートに対しての第1の軸を中心とする回転のために、前記ベースプレートに回転可能に設置されたピボットブロックと、
前記構造部材を支持するように構成された柱支持プレートであって、前記第1の軸と直交する第2の軸を中心とする回転のために、前記ピボットブロックに回転可能に設置された前記柱支持プレートと、
前記構造部材を前記柱支持プレートに締結するように構成された締結具と、を備える、請求項22に記載の建造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権データ)
本出願は、2020年8月4日に出願された「PINNED BASE CONNECTION FOR A STRUCTURAL MEMBER」と題する米国特許出願第16/984,325号の優先権を主張し、この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、改良された建造物装置に関し、具体的には、構造部材のベースにおける改良されたピン留め接続部に関する。
【背景技術】
【0003】
地震活動や強風などの自然現象によるせん断応力は、骨組建造物の構造的完全性に破壊的な影響を及ぼす可能性がある。そのような自然現象の間に発生する横方向の力は、壁の上部を壁の底部に対して横方向に動かす可能性があり、その動きは、壁の損傷又は構造的損壊、及び場合によっては建物の崩壊をもたらし得る。
【0004】
住宅や小規模建築物のような建造物において、横構システムは、軽量骨組式建造物の構造完全性に対するせん断応力の潜在的破壊的影響を弱めるために開発された。様々な設計が知られているが、一つのタイプの横構システムは、基礎に取り付けられた鉛直柱と、その柱に取り付けられているとともに柱の間に延在する水平梁とを含む。
【0005】
柱が基礎に堅固に取り付けられた個所では、柱に加えられる荷重は、基礎からか建造物にかかるせん断荷重のどちらかから、柱に過度の荷重を発生させる可能性がある。
これらの過度の荷重は、柱及び/又は基礎の損傷ならびに可能な柱の損壊をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本技術は、大まかに説明すると、ピン留めベースによって基礎上に支持される柱又は他の構造部材に関する。ピン留めベースは、基礎に対して二つの自由度を有しながら構造部材の回転を可能にするように構成され、従って、構造部材のホーム軸に対する構造部材の頂部の360°全ての回転を可能にする。ピン留め接続は、構造部材にかかる軸方向荷重を基礎に効果的に伝達し、一方、構造部材と基礎との間でモーメント力が伝達されることを効果的に低減又は防止する。
【0007】
一例において、本技術は、構造部材を建造物内の基礎に固定するためのシステムであって、基礎に取り付けられるように構成されたベースプレートと、ベースプレートに対して第1の軸を中心として回転するように、ベースプレートに回転可能に設置されたピボットブロックと、構造部材を支持するように構成された柱支持プレートであって、第1の軸と直交する第2の軸を中心として回転するように、ピボットブロックに回転可能に設置された柱支持プレートと、構造部材を柱支持プレートに締結するように構成された締結具と、を備えるシステム、に関する。
【0008】
さらなる実施形態において、本技術は一つ又は複数のレベルを備える建造物に関し、建造物は、一つ又は複数のレベルのうちの或るレベル上のパネルであって、横方向の引張安定性及び横方向の圧縮安定性を建造物に提供するパネルと、構造部材と、或るレベルの基礎上において構造部材を支持するピン留めコネクタであって、ホーム軸を中心とする構造部材の360度回転を可能にし、構造部材及びピン留めコネクタは引張安定性及び圧縮安定性を建造物に提供するピン留めコネクタと、を備える。
【0009】
別の実施形態において、本技術は、複数のレベルを備える建造物に関し、建造物は、複数のレベルのうちの第1のレベル上の第1のパネルであって、横方向の引張安定性及び横方向の圧縮安定性を建造物に提供する第1のパネルと、第1のレベル上の第1の構造部材と、第1のレベルの第1の基礎上において第1の構造部材を支持する第1のピン留めコネクタであり、ホーム軸を中心とする第1の構造部材の360度回転を可能にし、第1の構造部材及び第1のピン留めコネクタは引張安定性及び圧縮安定性を建造物に提供する、第1のピン留めコネクタと、複数のレベルのうちの第2のレベル上の第2の構造部材と、第1の構造部材の上部に取り付けられた第2のピン留めコネクタであり、第2のレベルの第2の基礎上で第2の構造部材を支持し、ホーム軸を中心とする第2の構造部材の360度回転を可能にし、第2の構造部材及び第2のピン留めコネクタは引張安定性及び圧縮安定性を建造物に提供する、第2のピン留めコネクタ、を備える。
【0010】
本発明のこれら及び他の部材ならびに利点は、本発明の好ましい実施形態を図面と併せて説明した以下の説明によって、より明確になるであろう。
【0011】
本発明は、その特定の実施形態に関して説明される。本発明の他の物体、特徴、及び利点は、本明細書及び図面を参照して明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本技術の実施形態によるピン留めコネクタのベースプレートの斜視図を示す。
【0013】
図2】本技術の実施形態による、基礎に設置されたピン留めコネクタのベースプレートの前面断面図を示す。
【0014】
図3】本技術の実施形態によるピン留めコネクタのピボットブロック及びベースプレートの分解斜視図を示す。
【0015】
図4】本技術の実施形態による、第一対のボルトによって、ピン留めコネクタのベースプレートに枢動可能に接続されたピボットブロックの斜視図を示す。
【0016】
図5】本技術の実施形態による、柱支持プレート及びピボットブロック/ベースプレートアセンブリの分解斜視図を示す。
【0017】
図6】本技術の実施形態による、第2対のボルトによって、ピボットブロック/ベースプレートアセンブリに枢動可能に取付けられた柱支持プレートを備える、完成したピン留めコネクタの斜視図を示す。
【0018】
図7】本技術の実施形態による完成したピン留めコネクタの前面図を示す。
【0019】
図8】本技術の実施形態による、第1の軸を中心として最大限に回転された完成したピン留めコネクタの前面図を示す。
【0020】
図9】本技術の実施形態による、ピン留めコネクタ上に支持された構造部材の斜視図を示す。
【0021】
図10】本技術の実施形態による、構造部材をピン留めコネクタに取り付けるためのプレート及びロッドを示す。
【0022】
図11】本技術の代替的な実施形態によるピン留めコネクタの分解斜視図を示す。
【0023】
図12】本技術の実施形態による、ピン留めコネクタ上に支持された構造部材を含む、単一レベル(階層)の建造物の斜視図を示す。
【0024】
図13】本技術の実施形態による、第1のレベルの構造部材及びピン留めコネクタに取り付けられた第2のレベルの構造部材及びピン留めコネクタの斜視図を示す。
【0025】
図14】本技術の実施形態による、ピン留めコネクタ上に支持された構造部材を含む2レベル建造物の斜視図を示す。
【0026】
図15】本技術のさらなる実施形態による、軌道拘束部を含むピン留めコネクタの斜視図及び側面図を示す。
【0027】
図16】本技術のさらなる実施形態による、軌道拘束部を含むピン留めコネクタの斜視図及び側面図を示す。
【0028】
図17】本技術のさらなる実施形態による、軌道拘束部を含むピン留めコネクタの斜視図及び側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、本技術が、図を参照して説明されるが、本技術は概して、ピン留めベースコネクタを使用して、一つ又は複数のレベルにおいて、基礎に取り付けられた構造部材を含む建造物に関する。ピン留めベースコネクタは、基礎又は後続のレベルに取り付けられたベースプレートを備える。柱支持プレートは、ピボットブロックを介してベースプレートに取り付けられている。ピボットブロックは、ベースプレートに対しての第1の軸を中心とするピボットブロックの回転を可能にするように、ベースプレートに取り付けられている。柱支持プレートは、ピボットブロックに対しての第1の軸に直交する第2の軸を中心とする柱支持プレートの回転を可能にするように、ピボットブロックに取り付けられている。柱又は他の構造部材が次いで、柱支持プレートの表面に取り付けられてもよい。
【0030】
ベースプレートに対しての二つの直交軸を中心とする柱支持プレートの枢動取付けは、ベースプレートに対する柱支持プレートの二つの自由度を規定する。これらの二つの自由度は、柱支持プレートに取り付けられた構造部材がベースプレートに対して垂直であってもよいホーム軸を中心として360°周りで少量回転することを可能にする。従って、ピン留めコネクタは、基礎から構造部材へのモーメント又は回転力の伝達を防止し、その逆方向の伝達も防止する。
【0031】
実施形態において、ピン留めコネクタは例えば、構造部材が木製の柱である木製構造に使用されてもよい。しかしながら、ピン留めコネクタに取り付けられた構造部材は、軽量骨組式建造物に使用される多種多様な他の部材のいずれであってもよいことが理解される。そのような部材は、根太、スタッド、桁、弦材、トラス、耐力壁(shear walls)及びフレームをさらに含む。ピン留め構造部材は、実施形態において、例えば、SPF材(spruce-pine-fir)、ダグラスファーラーチ(Douglas fir-larch)、ヘム-ファ(hem-fir)、及びダイオウマツ(southern pine)を含む木材群からの挽き材などの天然木材で形成されてもよい。
しかしながら、ピン留め構造部材は、さらなる実施形態において、グルーラム(集成材)もしくは木材複合材などの加工木材、又は金属であってもよい。ピン留め構造部材は、さらなる実施形態においては鉛直である必要はないが、軽量骨組式建造物において概して鉛直であってもよい。
【0032】
本発明は、多くの異なる形態で実施してもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではないことを理解されたい。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、当業者に本発明を十分に伝えるように提供される。実際、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲及び趣旨内に含まれる、これらの実施形態の代替形態、変形形態、及び均等物を包含することが意図される。さらに、本発明の以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明がそのような具体的な細部なしに実施されてもよいことは、当業者には明らかであろう。
【0033】
「頂部」及び「底部」と、「上部」及び「下部」と、「鉛直」及び「水平」という本明細書で使用され得る用語は、例証及び例示の目的としてのみ使用され、参照されるアイテムは位置及び方向において交換されることができ、本発明の説明を限定することは意図されていない。また、本明細書で使用するとき、「実質的に」及び/又は「約」という用語は、特定の寸法又はパラメータが所与の用途について許容可能な製造公差内で変化してもよいことを意味する。一実施形態では、許容可能な製造公差は±2.5%である。
【0034】
図1は、本技術の実施形態によるピン留めコネクタ100のベースプレート102の斜視図である。ベースプレート102は、ベース104の対向する縁部に設置された一対のブラケット106を有するベース104を備えてもよい。ブラケット106は、ベース104に溶接されてもよいが、さらなる実施形態において、ボルト締結及びエポキシ接着によるような他の方法によって取り付けられてもよい。ベースプレート102は、さらなる実施形態において、単一部品として鋳造されてもよい。
【0035】
ベース104は、取付孔108を含み、ブラケット106は、それぞれ、互いに軸方向に位置合わせされた取付孔110を含んでもよい。ベース104及び/又はブラケット106は、例えばASTM A572 Grade 50プレートなどの1/2インチ~1インチの厚さの鋼であってもよい。他の鋼板及び他の厚さが、例えば、ピン留めコネクタ100によって支持される荷重に応じて、使用されてもよい。取付孔108、110は、1/16インチ又は1/32インチのクリアランスを有して1.25インチ直径のボルトを受け入れるようなサイズにされてもよい。取付孔108、110は、さらなる実施形態において、他のクリアランスを有して他の直径のボルトを受け入れるようなサイズにされてもよい。
【0036】
図2は、ナット114及びボルト116を介して基礎112に設置されたベースプレート102を示す、ベース104の断面図である。基礎112は例えば、コンクリートであってもよい。そのような実施形態において、ボルト116は、それが固まる際にコンクリート内に配置されてもよく、ベースプレート102はその後、ボルト116に設置されてもよい。一対のボルト116が示されているが、さらなる実施形態では、様々なパターンで単一のボルト又は三つ以上のボルトがあってもよい。ベースプレート102は、さらなる実施形態において、他のメカニズムによって基礎に設置されてもよい。一つのそのようなさらなる実施形態は、ドイツのギーセンに事務所を有するStanley Engineered FasteningからのNelsonスタッドなどの、何らかの形の頭付きスタッドを含む。頭付きスタッドなどは、ユニット102全体が生コンクリート内へ入れられて、104の底面はコンクリートの表面と面一となるように、プレート104の下側に溶接されていてもよい。
【0037】
さらに、以下で説明するように、ピン留めコネクタ100は、最下層レベルに加えて(又はその代わりに)、建造物のレベル上でも使用されてよい。そのような実施形態において、そのベースにピン留めコネクタを有する構造部材は、下レベル構造部材の上に直接に固定されてもよく、又は追加レベル(複数可)の床板に取り付けられてもよい。
【0038】
図3及び図4はそれぞれ、分解斜視図及び斜視図であり、ベースプレート102に回転可能に設置されたピボットブロック120を示す。ピボットブロック120は、第一対の取付孔122(そのうちの一つが図3に示されている)を含む。取付孔122は、互いに、及び取付孔110に位置合わせされている。ボルト124は、軸128を中心として回転するようにピボットブロック120をベースプレート102に設置するために、ベースプレート102内の取付孔110を貫通して取付孔122に嵌合される。ピボットブロック120は例えば、ASTM A36鋼などの鋼で形成されてもよいが、他の材料が使用されてもよい。
【0039】
ピボットブロック120は例えば、1/4インチ~1/16インチのようなわずかなクリアランスをもってベースプレート102のブラケット106の間に嵌合するようなサイズにされた長さlを有するが、他のクリアランスがさらなる実施形態で提供されてもよい。取付孔122は、ピボットブロック120がベースプレート102に設置されていてベース104に平行であるときにピボットブロック120の底部とベース104との間に空間s1を残すように、ピボットブロック120の深さ寸法dに沿って設けられる。この空間sは、ピボットブロック120の幅寸法wと共に、ピボットブロック120がベースプレート102内で回転し得る最大角度を規定する。図8では、この最大角度が示されている。実施形態において、この角度が軸128に対して±3°であってもよいが、さらなる実施形態において、角度はそれよりも大きくても小さくてもよい。
【0040】
図5及び6はそれぞれ、分解斜視図及び斜視図であり、ピボットブロック120に回転可能に設置された柱支持プレート130を示す。「柱支持プレート」と呼ばれるが、プレート130は柱を支持することに限定されないことが理解されたい。柱支持プレート130は、本明細書に記載の構造部材150のいずれかを支持するために設けられる。
【0041】
柱支持プレート130は、トッププレート132と、一対のブラケット134とを備える。ブラケット134は、トッププレート132に溶接されてもよいが、さらなる実施形態において、ボルト締結及びエポキシ接着によるような他の方法によって取り付けられてもよい。柱支持プレート130は、さらなる実施形態において、単一部品として鋳造されてもよい。ブラケット134は、ピボットブロック120の幅寸法にわたって、例えば1/4インチ~1/16インチなどの小さなクリアランスを有しながら嵌合するように、互いに離間しているが、他のクリアランスも可能である。ブラケット134は、互いに軸方向に位置合わせされた取付孔138を含む。
【0042】
トッププレート132及び/又はブラケット134は、例えばASTM A572 Grade 50プレートなどの1/2インチ~1インチの厚さの鋼であってもよい。他の鋼板及び他の厚さが、例えば、ピン留めコネクタ100によって支持される荷重に応じて、使用されてもよい。取付孔138は、1/16インチ又は1/32インチのクリアランスを有して1.25インチ直径のボルトを受け入れるようなサイズにされてもよい。取付孔138は、さらなる実施形態において、他のクリアランスを有して他の直径のボルトを受け入れるようなサイズにされてもよい。
【0043】
ピボットブロック120は、第2の一対の取付孔142(そのうちの一つが図5に示されている)をさらに含む。取付孔142は、互いに、及び取付孔138に位置合わせされる。ボルト144は、軸148を中心として回転するように柱支持プレート130をピボットブロックに設置するために、柱支持プレート130の取付孔138を貫通して取付孔142に嵌合される。
【0044】
ここで図7の正面図を参照すると、ボルト144は、トッププレート132がピボットブロック120に平行であるときにピボットブロック120の頂部とトッププレート132との間に空間s2を残すように、ブラケット134を貫通してピボットブロック120(図7に網掛けされている)内に入るように設けられる。この空間s2は、ピボットブロック120の長さ寸法と共に、柱支持プレート130が軸148を中心としてピボットブロック120に対して回転し得る最大角度を規定する。実施形態において、この角度が軸148に対して±3°であってもよいが、さらなる実施形態において、角度はそれよりも大きくても小さくてもよい。間隔S2は上述の間隔S1と同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0045】
図8は、ピボットブロック120及び柱支持プレート130が、ボルト124によって規定された第1の軸を中心として両部材ともに最大限まで回転された状態のピン留めコネクタ100の正面図を示す。ピボットブロック120の底面を示す破線によって示されるように、ピボットブロック120は、ピボットブロック120のさらなる回転を防止するために、ベースプレート102のベース104に当接する。
【0046】
図7及び図8に示される正面図から留意されるべきは、ピボットブロック120の上面は、ベースプレート102のブラケット106の上縁の上にわずかに延在してもよいということである。従って、ピボットブロック120及び柱支持プレート130が図8に示されるように、両部材ともに最大限に回転したとき、ピボットブロック120(ブラケット106ではない)は、依然として、柱支持プレート130が軸148を中心として回転し得る最大の範囲を規定する。
【0047】
図9は、構造部材150を支持するピン留めコネクタ100の斜視図である。図9では、構造部材150の底部のみが示されている。上述のように、構造部材150は、木製の柱であってもよいが、軽量骨組式建造物に使用される多種多様な他の構造要素のいずれであってもよい。構造部材150の接触面は、図9に示されるように、柱支持プレート130のトッププレート132に対して平らに位置してもよい。構造部材150は、様々な方式によってトッププレート132に設置されてもよい。図9に示される実施形態において、二つ以上の締結プレート152(そのうちの一つが図9に示されている)がトッププレート132の縁において、又はその近くに溶接されて上方に延在してもよい。締結プレート152は、ボルト締結又はエポキシを含む様々な他の方法によってトッププレート132に取り付けられてもよい。
【0048】
締結プレート152は、構造部材150の下側の側面と面一となるように配置されてもよい。締結プレート152は、構造部材150を締結プレート152及びピン留めコネクタ100に締結するための締結具160(そのうちの二つのみが図9に示されている)を受容するために、孔パターン154を有して形成されてもよい。締結具は例えば、カリフォルニア州プレザントンのSimpson Strong-Tieからの1/4インチ径の高強度Strong-Drive SDS Connectねじのようなねじであってもよい。他のタイプの締結具が使用されてもよい。締結具160は、締結プレート152に垂直に、又は例えば先端部を上向きに傾斜させて45°の角度で挿入されてもよい。他の角度も可能である。図10に示されるように、締結プレート152は例えば、トッププレート132及び構造部材150の二つの対向する側に設けられてもよい。さらなる実施形態において、締結プレート152は、トッププレート132及び構造部材150の4つすべての側面の周りに設けられてもよい。
【0049】
上述のように、構造部材150は、様々な他の締結具によってピン留めコネクタ100に取り付けられてもよい。図10はまた、トッププレート132の上面から上方に突出するロッド164の形態の追加の締結具を示す。実際には、ねじ穴 が、トッププレート132を貫通するように作られてもよい。孔はまた、柱150に穿孔され、エポキシで充填されてもよい。次いで、構造部材150はトッププレート132上に着座させてよく、ロッド164は、トッププレートに穿孔された穴に通してもよい。代替的に、ロッド164は最初に、トッププレートに通されてもよく、構造部材は次いで、ロッド164の上方で、トッププレート132上まで下降されてもよい。エポキシは、(主に)柱とねじ山付きロッドとの間の張力において、荷重伝達を提供するように、ねじ山付きロッドのねじ山の周りで硬化して木材に接着する。
【0050】
さらなる実施形態において、構造部材150は、締結プレート152又はロッド164を使用して、トッププレート132にボルト締結されてもよい。さらなる実施形態では、構造部材150の端面を貫通して形成されたスロットに、構造部材150の内部に挿入されるナイフプレートを使用してもよい。使用され得るナイフプレートの例は例えば、2020年7月8日に出願された「Knife Plate Fastener」と題する米国特許出願第16/923,379号に記載されており、その出願は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0051】
トッププレート132の上面は、締結プレート152又はロッド164を受け入れるための凹部と、締結プレート152又はロッド164の一部とを含むことが考えられる。図10は、締結プレート152及びロッド164の両方を示すが、実施形態では、締結プレート152及びロッド164の一方又は他方を使用してもよい。締結プレート152又はロッド164のサイズは、構造部材150のサイズ、及び構造部材150によって支えられる荷重に依存してもよい。
【0052】
ピン留めコネクタ100は、二つの自由度(軸128及び148を中心とする回転によって提供される)で、ピン留めコネクタ100上に設置された構造部材150の枢動を可能にする。これらの二つの自由度は、ピン留めコネクタにおいてその頂点を有する円錐を描くことを可能にするように、構造部材150がホーム軸を中心として360°回転することを可能にする。構造部材150は、構造部材が軸128及び/又は148を中心として回転する際に、その円錐内において、他の形状を描いてもよい。構造部材150のホーム軸は、建物上のせん断荷重によって偏っていない、構造部材がそのホームポジションにあるときにおける構造部材の長手方向軸として定義されてもよい。構造部材が鉛直柱である実施形態において、このホーム軸は鉛直であってもよい。
【0053】
コネクタ100によって許容される構造部材150の回転は、有利には基礎112(図1)と構造部材150との間のモーメント力又は回転力の伝達を防止する。同時に、ピン留めコネクタは、ホーム軸を中心とする回転(即ち、構造部材の長手方向軸を中心とする構造部材の回転)に抵抗し、三つの直交軸に沿う構造部材150の移動に抵抗する。その各構成部品を含むピン留めコネクタ100のサイズは、構造部材150のサイズ及び構造部材150によって担持される荷重に応じて、拡大又は縮小されてもよい。
【0054】
ピン留めコネクタ100は例えば、地震活動中において、基礎が移動した際に、基礎から構造部材150へのモーメント力の伝達を防止する。構造部材150に対するモーメント力を低減することに加えて、ピン留めコネクタ100は、構造部材150が接続される梁などの構造部材に対するモーメント力を低減し得る。ピン留めコネクタ100も、構造部材150が使用される建物構造にせん断力を生じさせる例えば風又は雪に起因する構造部材150から基礎へのモーメント力の伝達を防止する。
【0055】
図1図10は、ピン留めコネクタ100の一つの特定の実施形態を示す。本技術の趣旨又は範囲から逸脱することなく、ベースプレート102、ピボットブロック120、及びトッププレート130の各々に変形がなされてもよいことが理解されたい。例えば、図11aは、ピン留めコネクタ200の更なる実施形態を示す。ピン留めコネクタ200は、コネクタブロック204を有するベースプレート202を含む。コネクタブロック204の各端部は、(コネクタブロック204全体を貫通する、又はコネクタブロック204の対向する端部において)取付孔206を含んでもよい。コネクタブロック204は、ベースプレート202に溶接されていてもよい。コネクタブロック204は、別の方法でベースプレート202に接続されてもよく、ベースプレート202と一体的に形成されてもよい。
【0056】
ピボットブロック220は例えば、1/4インチ~1/16インチなどの小さなクリアランスを有しながらコネクタブロック204上に嵌合するように、互いから離間するとともに下方に延びる一対のブラケット222を含むが、そのクリアランスはさらなる実施形態において異なってもよい。ブラケット222の各々は、互いに、及び取付孔206と位置合わせされた取付孔224を含んでもよい。ピボットブロック220のブラケット222はコネクタブロック204上に嵌合してもよく、そして、ピボットブロック220をベースプレート202に回転可能に取り付けるために、一対のボルト(図示せず)か、又は取付孔206がコネクタブロック204全体を通って延びる場合は一つの長いボルトを使用してもよい。
【0057】
ブラケット222の底縁部は、それぞれ、底縁部の前端部及び後端部に面取り部(傾斜部分)226を含んでもよい。面取り部226の角度は、ベースプレート202に対するピボットブロック220の最大回転範囲を規定する。
【0058】
ピボットブロック220は、コネクタブロック204に対して垂直に配向されたコネクタブロック230をさらに含んでもよい。コネクタブロック230の各端部は、(コネクタブロック230全体を貫通する、又はコネクタブロック230の対向する端部における)取付孔236を含んでもよい。ブラケット222及び/又はコネクタブロック230は、ピボットブロック220に溶接されていてもよい。ブラケット222及び/又はコネクタブロック230は、別の方法でピボットブロック220に接続されてもよく、又はピボットブロック220と一体に形成されてもよい。
【0059】
柱支持プレート238は、トッププレート240と、トッププレート240の底面から延在する下方に延在する一対のブラケット242とを含む。ブラケット242は、トッププレート240に溶接されてもよく、又は別の方法で取り付けられてもよい。ブラケット242は例えば、1/4インチ~1/16インチなどの小さなクリアランスを有しながらコネクタブロック230上に嵌合するように、互いから離間されてもよいが、そのクリアランスはさらなる実施形態では異なってもよい。ブラケット242の各々は、互いに、及び取付孔236と位置合わせされた取付孔244を含んでもよい。柱支持プレート238のブラケット242は、コネクタブロック230上に嵌合してもよく、そして、柱支持プレート238をピボットブロック220に回転可能に取り付けるために、一対のボルト(図示せず)か、又は取付孔236がコネクタブロック230全体を通って延びる場合は一つの長いボルトを使用してもよい。
【0060】
ブラケット242の底縁部は、それぞれ、底縁部の前端部及び後端部に面取り部246を含んでもよい。面取り部246の角度は、ピボットブロック220に対する柱支持プレート238の最大回転範囲を規定する。
【0061】
構造部材150が、図9及び図10に関して上述したように、トッププレート240に設置されてもよい。ピン留めコネクタ100と同様に、ピン留めコネクタ200は、有利には基礎112(図1)とピン留めコネクタ100に設置された構造部材150との間のモーメント力又は回転力の伝達を防止する。
【0062】
図12は、ピン留めコネクタ100を使用して基礎112(別々に図示せず)に取り付けられた一つ又は複数の構造部材150を含む建物250の斜視図である。ピン留めコネクタ100上に支持された一つ又は複数の構造部材150は、基礎112に垂直なホーム軸を中心として360°回転することが可能なため、横方向安定性のために、耐力壁(shear walls)又は他のパネル252を設けてもよい。建物は、一つ又は複数の構造部材150及びパネル252上に支持された床板254を含む。構造部材150及びパネル252は、以下に説明するように、床板254に取り付けられてもよい。
【0063】
ピン留めコネクタ100上の一つ又は複数の構造部材150は、床板254(及び場合によっては追加のレベル)に起因する圧縮荷重、ならびに建物250上のせん断力に起因する圧縮荷重を吸収する。ピン留めコネクタ100上の一つ又は複数の構造部材150はまた、一つ又は複数の構造部材150の領域内の床板254にかかる上昇気流の場合、引張荷重を吸収する。しかしながら、ピン留めコネクタは、上記で説明したように、基礎112に対する構造部材のある程度の回転を可能にすることによって、モーメント力の伝達を防止する。構造部材150及びパネル252の特定の構成はほんの一例であり、部材150及びパネル252の数、形状及びサイズは、さらなる例において異なってもよい。
【0064】
ここで図13の斜視図を参照すると、構造部材150は、構造部材150の上端において床板254(床板254の一部が仮想線で示されている)に乗っていてもよい。実施形態において、構造部材150は、構造部材150の上面が床板254の上面と面一となるように床板254の開口部を通って突出してもよいが、構造部材150の頂部は、さらなる実施形態においては、床板254の上面の上方又は下方にあってもよい。実施形態において、梁(図示せず)が構造部材150の上部に取り付けられてもよく、床板254は、梁上に、及びパネル252によって支持されてもよい。床板254を支持するための他の配置も可能である。本明細書で使用するとき、用語「基礎」は、第1のレベルの基礎112、又は連続するレベルの床板254のいずれかを指し得る。
【0065】
図13にさらに示されるように、実施形態では、第2のピン留めコネクタ100a及び(第2のレベルのための)構造部材150aが第1のピン留めコネクタ100に設置された第1の構造部材150の頂部で互いに継ぎ合わされてもよい。第2のピン留めコネクタ100aは、図示のように、下の構造部材150に直接設置されてもよい。例えば、締結プレート192が設けられてもよく、締結プレート192は、第2のレベルのコネクタ100aのベースプレート102aに溶接された上縁を有し、下方に延在しており、プレート192は、構造部材150の上部に締結されてもよい。第2のピン留めコネクタ100aは、代替的に、床板254上に乗っていてもよい。そのベースにピン留めコネクタ100を有する構造部材150は例えば、上述の締結プレートを使用して、第2又はそれより高いレベルにおいては、梁もしくは床板などの他の構成要素に取り付けられてもよい。
【0066】
図13の実施形態において、下の構造部材150は、基礎112上のピン留めコネクタ100上において回転してもよく、上の構造部材150aは、ピン留めコネクタ100a上において回転してもよい。
【0067】
図14は、第1のレベル及び第2のレベルを含む建物250の斜視図である。上述のように、第1のレベルのピン留めコネクタ100上の一つ又は複数のパネル252及び一つ又は複数の構造部材150が、床板254を支持する。図14では、第3のレベルの床板254aを支持する、第2のレベルのピン留めコネクタ100a上の一つ又は複数のパネル252a及び一つ又は複数の構造部材150aが示されている。図13に関して説明したように、構造部材150a及びピン留めコネクタ100aは、第1のレベルの構造部材150の頂部上で直接に、継ぎ合わされてもよい。
【0068】
いくつかの追加のレベルが、同じ方法で建物250にさらに続けて追加されてもよいことが理解されたい。新しいレベルごとに、ピン留めコネクタ100nは、その先行する(下の)レベルの構造部材150n-1の頂部に取り付けられてもよい。建物250は例えば、10個のレベルを有してもよいが、さらなる実施形態では、それよりも多い又は少ないレベルであってもよい。いくつかのレベルがピン留めコネクタ100nを含むが、他のレベルは含まないことが考えられる。あるレベル上のいくつかの構造部材150nがピン留めコネクタ100nを有するが、そのレベル上の他の構造部材150nはピン留めコネクタを有しないことも考えられる。
【0069】
上述の実施形態は、コネクタ100にピン留めされた構造部材150の回転を可能にするピン留めコネクタ100に関する。しかしながら、例えば建物250を組み立てるときなどに、ピン留めコネクタ100のベースプレート102に対して、柱支持プレート130及び構造部材150の位置を固定することが望ましい場合がある。さらなる実施形態において、ピン留めコネクタ100は、軸128及び/又は軸148を中心とするベースプレート102に対する柱支持プレート130の枢動を防止する軌道拘束部と共に使用されてもよい。
【0070】
図15~17では、ピン留めコネクタ100と共に使用するための軌道拘束部260の一例が示されている。軌道拘束部は、鋼、又は木材ブロックや、コンクリートや、鉄筋コンクリートなどの、圧縮下において良好に機能する他の材料から形成されてもよい。一実施形態では、すべての軌道拘束部260が同じ高さを有してもよく、柱支持プレート130のトッププレート132と、ベースプレート102のベース104との間の空間にぴったりと嵌合してもよい。そのような例であると、トッププレート132はベース104と平行に水平になり、(ベースプレート102が水平面上に設置されていると仮定して)構造部材150を鉛直方向に維持し、回転を防止することとなるだろう。軌道拘束部は、互いに異なるサイズにして、トッププレート132をベース104に対して非平行な関係に維持するために、トッププレート132とベース104との間にぴったりと嵌合することも考えられる。
【0071】
図示の例では、三つの軌道拘束部260があり、二つはピン留めコネクタ100の一方の側にあり、一つはピン留めコネクタ100のその反対側にある。三つのそのような制限体の地点は、ベースプレート102に対する構造支持プレート130の固定平面を規定する。さらなる実施形態では、軌道拘束部260がピン留めコネクタ100の他の側に設けられてもよい。
【0072】
さらに、さらなる実施形態において、軌道拘束部260は、制限体260が協同して軸128及び/又は軸148を中心とする柱支持プレート130の枢動を防止するように、4つ以上であってもよい。さらなる実施形態において、ある軌道拘束部260が、トッププレート132及びベース104の縁部の一部又は全体に沿って延在する長さを有してもよい。
【0073】
図示の例において、軌道拘束部はそれぞれ、各軌道拘束部260の全体高さが調節可能であるように、ナット及びボルトを備えてもよい。トッププレート132上でレベリング装置を使用して、各軌道拘束部260の高さは、トッププレート132が横方向に水平になるまで、又はベース102に対して何らかの他の所望の向きになるまで調整されてもよい。さらなる実施形態において、軌道拘束部260のうちの一つ又は複数は、固定長を有してもよい。いくつかの制限体260が、固定高さを有するが、他の制限体は、可変高さを有するということが可能である。
【0074】
図示の例において、軌道拘束部は、柱支持部材130に押しあてられた上部と、ベースプレート102に押しあてられた底部とを有する。さらなる実施形態において、例えば、トッププレート132がベース104よりも大きい場合、軌道拘束部260のうちの一つ又は複数は、柱支持部材130に対して押しあてられた上部と、基礎112、床板254、又は何らかの他の固定面に押しあてられた底部とを有してもよい。
【0075】
実施形態において、軌道拘束部は、柱支持プレート130の位置を固定し、構造部材150のいかなる回転をも防止するために、両方の軸128及び148を中心とする柱支持プレート130の枢動を防止する。軌道拘束部260は、軸128及び148のうちの一つのみを中心とする柱支持プレート130の枢動を防止し、従って、構造部材150が単一の自由度で枢動することを可能にすることも可能である。軌道拘束部260の特定の構成が図示されて上述されているが、軌道拘束部260は、軸128及び/又は軸148を中心とする柱支持プレート130の枢動を防止するための多種多様な形状及び構成のうちのいずれであってもよいことが理解されたい。
【0076】
本明細書の目的のために、接続は、直接接続、又は(たとえば、一つ又は複数の他の部分を介した)間接接続であってもよい。場合によっては、ある要素が別の要素に接続、取り付けられている、又は結合されていると言及されるとき、当該要素は、他の要素に直接接続されてもよく、又は介在要素を介して他の要素に間接的に接続されてもよい。ある要素が別の要素に直接接続、又は取り付けられていると言及されるとき、当該要素と他の要素との間に介在する要素は存在しない。
【0077】
本発明の前述の詳細な説明は、例示及び説明の目的のために提示されている。
本発明を包括的に説明する、又は本発明を開示された通りのまさにそのものの形態に限定することが意図されない。上記教示から多くの変更及び変形が可能である。説明された実施形態は、本発明の原理及びその実用的な適用を、それによって、他の当業者が、企図される特定の用途に適するように、様々な実施形態において、及び様々な変更を伴って、本発明を最もよく利用することを可能にするように、選択された。
本発明の範囲は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造部材を建造物内の基礎に固定するためのシステムであって、
前記基礎に取り付けられるように構成されたベースプレートと、
前記ベースプレートに対して第1の軸を中心として回転するように、前記ベースプレートに回転可能に設置されたピボットブロックと、
前記構造部材を支持するように構成された柱支持プレートであって、前記第1の軸と直交する第2の軸を中心として回転するように、前記ピボットブロックに回転可能に設置された前記柱支持プレートと、
前記構造部材を前記柱支持プレートに締結するように構成された締結具と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記ベースプレート及び前記ピボットブロックは、前記ベースプレートに対しての前記第1の軸を中心とする前記ピボットブロックの回転を制限するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ピボットブロック及び前記柱支持プレートは、前記ベースプレートに対しての前記第2の軸を中心とする前記柱支持プレートの回転を制限するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記柱支持プレートは、天然木材からなる構造部材を支持するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記柱支持プレートは、加工木材又は金属から作られた構造部材を支持するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ベースプレートは、
ベースと、
前記ベースから延在した一対のブラケットと、を備え、
前記一対のブラケットは、前記ピボットブロックを前記ベースプレートに回転可能に設置するためのボルトを受容するように構成された取付孔を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記一対のブラケットは、溶接、ボルト締結、又は接着の少なくとも一つによって、前記ベースに取り付けられている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ピボットブロックの前記ベースとの接触は、前記ベースに対する前記ピボットブロックの回転を制限しており、
前記ボルトは、前記ベースプレートに対する前記ピボットブロックの回転量を所定の回転に制御するために、前記ピボットブロックを前記ベースの上方に所定の距離で離間させる、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記柱支持プレートは、
トッププレートと、
前記トッププレートから延在した一対のブラケットと、を備え、
前記一対のブラケットは、前記柱支持プレートを前記ピボットブロックに回転可能に設置するためのボルトを受容するように構成された取付孔を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記一対のブラケットは、溶接、ボルト締結、又は接着の少なくとも一つによって、前記トッププレートに取り付けられている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記トッププレートの前記ピボットブロックとの接触は、前記ピボットブロックに対する前記柱支持プレートの回転を制限しており、
前記ボルトは、前記ピボットブロックに対する前記柱支持プレートの回転量を所定の回転に制御するために、前記トッププレートを前記ピボットブロックの上方に所定の距離で離間させる、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記締結具は、締結プレート又はロッドのいずれか一つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の軸及び前記第2の軸の少なくとも一つを中心とする前記構造部材の枢動を防止するための一つ又は複数の軌道拘束部をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記一つ又は複数の軌道拘束部は、前記ベースプレート及び前記柱支持プレートの間に設けられるように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記一つ又は複数の軌道拘束部の一つ又は複数の高さは、調整可能である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
一つ又は複数のレベルを備える建造物であって、
前記一つ又は複数のレベルのうちの或るレベル上のパネルであって、横方向の引張安定性及び横方向の圧縮安定性を前記建造物に提供する前記パネルと、
構造部材と、
前記或るレベルの基礎上において前記構造部材を支持するピン留めコネクタであって、前記ピン留めコネクタは、ホーム軸を中心とする前記構造部材の360度回転を可能にし、前記構造部材及び前記ピン留めコネクタは、引張安定性及び圧縮安定性を前記建造物に提供する、前記ピン留めコネクタと、を備える、
建造物。
【請求項17】
前記ピン留めコネクタは、
前記基礎に取り付けられるように構成されたベースプレートと、
前記ベースプレートに対しての第1の軸を中心とする回転のために、前記ベースプレートに回転可能に設置されたピボットブロックと、
前記構造部材を支持するように構成された柱支持プレートであって、前記第1の軸と直交する第2の軸を中心とする回転のために、前記ピボットブロックに回転可能に設置された前記柱支持プレートと、
前記構造部材を前記柱支持プレートに締結するように構成された締結具と、を備える、請求項16に記載の建造物。
【請求項18】
前記ベースプレートは、
ベースと、
前記ベースから延在した一対のブラケットであって、前記ピボットブロックを前記ベースプレートに回転可能に設置するためのボルトを受容するように構成された取付孔を備える前記一対のブラケットと、を備える、請求項17に記載の建造物。
【請求項19】
前記ピボットブロックの前記ベースとの接触は、前記ベースに対する前記ピボットブロックの回転を制限しており、
前記ボルトは、前記ベースプレートに対する前記ピボットブロックの回転量を所定の回転に制御するために、前記ピボットブロックを前記ベースの上方に所定の距離で離間させる、請求項18に記載の建造物。
【請求項20】
前記柱支持プレートは、
トッププレートと、
前記トッププレートから延在した一対のブラケットであって、前記柱支持プレートを前記ピボットブロックに回転可能に設置するためのボルトを受容するように構成された取付孔を備える前記一対のブラケットと、を備える、請求項17に記載の建造物。
【請求項21】
前記トッププレートの前記ピボットブロックとの接触は、前記ピボットブロックに対する前記柱支持プレートの回転を制限しており、
前記ボルトは、前記ピボットブロックに対する前記柱支持プレートの回転量を所定の回転に制御するために、前記トッププレートを前記ピボットブロックの上方に所定の距離で離間させる、請求項20に記載の建築物。
【請求項22】
複数のレベルを備える建造物であって、
前記複数のレベルのうちの第1のレベル上の第1のパネルであって、横方向の引張安定性及び横方向の圧縮安定性を前記建造物に提供する前記第1のパネルと、
前記第1のレベル上の第1の構造部材と、
前記第1のレベルの第1の基礎上において前記第1の構造部材を支持する第1のピン留めコネクタであって、前記第1のピン留めコネクタは、ホーム軸を中心とする前記第1の構造部材の360度回転を可能にし、前記第1の構造部材及び前記第1のピン留めコネクタは、引張安定性及び圧縮安定性を前記建造物に提供する、前記第1のピン留めコネクタと、
前記複数のレベルのうちの第2のレベル上の第2の構造部材と、
前記第1の構造部材の上部に取り付けられた第2のピン留めコネクタであって、前記第2のピン留めコネクタは、前記第2のレベルの第2の基礎において又はその近くで前記第2の構造部材を支持し、ホーム軸を中心とする前記第2の構造部材の360度回転を可能にし、前記第2の構造部材及び前記第2のピン留めコネクタは、引張安定性及び圧縮安定性を前記建造物に提供する、前記第2のピン留めコネクタと、
を備える、建造物。
【請求項23】
前記第1のピン留めコネクタは
前記第1の基礎に取り付けられるように構成されたベースプレートと、
前記ベースプレートに対しての第1の軸を中心とする回転のために、前記ベースプレートに回転可能に設置されたピボットブロックと、
前記第1の構造部材を支持するように構成された柱支持プレートであって、前記第1の軸と直交する第2の軸を中心とする回転のために、前記ピボットブロックに回転可能に設置された前記柱支持プレートと、
前記第1の構造部材を前記柱支持プレートに締結するように構成された締結具と、を備え、
前記第2のピン留めコネクタは、
前記第2の基礎に取り付けられるように構成されたベースプレートと、
前記ベースプレートに対しての第1の軸を中心とする回転のために、前記ベースプレートに回転可能に設置されたピボットブロックと、
前記第2の構造部材を支持するように構成された柱支持プレートであって、前記第1の軸と直交する第2の軸を中心とする回転のために、前記ピボットブロックに回転可能に設置された前記柱支持プレートと、
前記第2の構造部材を前記柱支持プレートに締結するように構成された締結具と、を備える、請求項22に記載の建造物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
本発明の前述の詳細な説明は、例示及び説明の目的のために提示されている。
本発明を包括的に説明する、又は本発明を開示された通りのまさにそのものの形態に限定することが意図されない。上記教示から多くの変更及び変形が可能である。説明された実施形態は、本発明の原理及びその実用的な適用を、それによって、他の当業者が、企図される特定の用途に適するように、様々な実施形態において、及び様々な変更を伴って、本発明を最もよく利用することを可能にするように、選択された。
本発明の範囲は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義されることが意図される。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
構造部材を建造物内の基礎に固定するためのシステムであって、
前記基礎に取り付けられるように構成されたベースプレートと、
前記ベースプレートに対して第1の軸を中心として回転するように、前記ベースプレートに回転可能に設置されたピボットブロックと、
前記構造部材を支持するように構成された柱支持プレートであって、前記第1の軸と直交する第2の軸を中心として回転するように、前記ピボットブロックに回転可能に設置された前記柱支持プレートと、
前記構造部材を前記柱支持プレートに締結するように構成された締結具と、
を備える、システム。
(項目2)
前記ベースプレート及び前記ピボットブロックは、前記ベースプレートに対しての前記第1の軸を中心とする前記ピボットブロックの回転を制限するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記ピボットブロック及び前記柱支持プレートは、前記ベースプレートに対しての前記第2の軸を中心とする前記柱支持プレートの回転を制限するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目4)
前記柱支持プレートは、天然木材からなる構造部材を支持するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記柱支持プレートは、加工木材又は金属から作られた構造部材を支持するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記ベースプレートは、
ベースと、
前記ベースから延在した一対のブラケットと、を備え、
前記一対のブラケットは、前記ピボットブロックを前記ベースプレートに回転可能に設置するためのボルトを受容するように構成された取付孔を備える、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記一対のブラケットは、溶接、ボルト締結、又は接着の少なくとも一つによって、前記ベースに取り付けられている、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記ピボットブロックの前記ベースとの接触は、前記ベースに対する前記ピボットブロックの回転を制限しており、
前記ボルトは、前記ベースプレートに対する前記ピボットブロックの回転量を所定の回転に制御するために、前記ピボットブロックを前記ベースの上方に所定の距離で離間させる、項目6に記載のシステム。
(項目9)
前記柱支持プレートは、
トッププレートと、
前記トッププレートから延在した一対のブラケットと、を備え、
前記一対のブラケットは、前記柱支持プレートを前記ピボットブロックに回転可能に設置するためのボルトを受容するように構成された取付孔を備える、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記一対のブラケットは、溶接、ボルト締結、又は接着の少なくとも一つによって、前記ベースに取り付けられている、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記トッププレートの前記ピボットブロックとの接触は、前記ピボットブロックに対する前記柱支持プレートの回転を制限しており、
前記ボルトは、前記ピボットブロックに対する前記柱支持プレートの回転量を所定の回転に制御するために、前記トッププレートを前記ピボットブロックの上方に所定の距離で離間させる、項目9に記載のシステム。
(項目12)
前記締結具は、締結プレート又はロッドのいずれか一つである、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記第1の軸及び前記第2の軸の少なくとも一つを中心とする前記構造部材の枢動を防止するための一つ又は複数の軌道拘束部をさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目14)
前記一つ又は複数の軌道拘束部は、前記ベースプレート及び前記柱支持プレートの間に設けられるように構成されている、項目13に記載のシステム。
(項目15)
前記一つ又は複数の軌道拘束部の一つ又は複数の高さは、調整可能である、項目14に記載のシステム。
(項目16)
一つ又は複数のレベルを備える建造物であって、
前記一つ又は複数のレベルのうちの或るレベル上のパネルであって、横方向の引張安定性及び横方向の圧縮安定性を前記建造物に提供する前記パネルと、
構造部材と、
前記或るレベルの基礎上において前記構造部材を支持するピン留めコネクタであって、前記ピン留めコネクタは、ホーム軸を中心とする前記構造部材の360度回転を可能にし、前記構造部材及び前記ピン留めコネクタは、引張安定性及び圧縮安定性を前記建造物に提供する、前記ピン留めコネクタと、を備える、
建造物。
(項目17)
前記ピン留めコネクタは、
前記基礎に取り付けられるように構成されたベースプレートと、
前記ベースプレートに対しての第1の軸を中心とする回転のために、前記ベースプレートに回転可能に設置されたピボットブロックと、
前記構造部材を支持するように構成された柱支持プレートであって、前記第1の軸と直交する第2の軸を中心とする回転のために、前記ピボットブロックに回転可能に設置された前記柱支持プレートと、
前記構造部材を前記柱支持プレートに締結するように構成された締結具と、を備える、項目16に記載の建造物。
(項目18)
前記ベースプレートは、
ベースと、
前記ベースから延在した一対のブラケットであって、前記ピボットブロックを前記ベースプレートに回転可能に設置するためのボルトを受容するように構成された取付孔を備える前記一対のブラケットと、を備える、項目17に記載の建造物。
(項目19)
前記ピボットブロックの前記ベースとの接触は、前記ベースに対する前記ピボットブロックの回転を制限しており、
前記ボルトは、前記ベースプレートに対する前記ピボットブロックの回転量を所定の回転に制御するために、前記ピボットブロックを前記ベースの上方に所定の距離で離間させる、項目18に記載の建造物。
(項目20)
前記柱支持プレートは、
トッププレートと、
前記トッププレートから延在した一対のブラケットであって、前記柱支持プレートを前記ピボットブロックに回転可能に設置するためのボルトを受容するように構成された取付孔を備える前記一対のブラケットと、を備える、項目17に記載の建造物。
(項目21)
前記トッププレートの前記ピボットブロックとの接触は、前記ピボットブロックに対する前記柱支持プレートの回転を制限しており、
前記ボルトは、前記ピボットブロックに対する前記柱支持プレートの回転量を所定の回転に制御するために、前記トッププレートを前記ピボットブロックの上方に所定の距離で離間させる、項目20に記載の建築物。
(項目22)
複数のレベルを備える建造物であって、
前記複数のレベルのうちの第1のレベル上の第1のパネルであって、横方向の引張安定性及び横方向の圧縮安定性を前記建造物に提供する前記第1のパネルと、
前記第1のレベル上の第1の構造部材と、
前記第1のレベルの第1の基礎上において前記第1の構造部材を支持する第1のピン留めコネクタであって、前記第1のピン留めコネクタは、ホーム軸を中心とする前記第1の構造部材の360度回転を可能にし、前記第1の構造部材及び前記第1のピン留めコネクタは、引張安定性及び圧縮安定性を前記建造物に提供する、前記第1のピン留めコネクタと、
前記複数のレベルのうちの第2のレベル上の第2の構造部材と、
前記第1の構造部材の上部に取り付けられた第2のピン留めコネクタであって、前記第2のピン留めコネクタは、前記第2のレベルの第2の基礎において又はその近くで前記第2の構造部材を支持し、ホーム軸を中心とする前記第2の構造部材の360度回転を可能にし、前記第2の構造部材及び前記第2のピン留めコネクタは、引張安定性及び圧縮安定性を前記建造物に提供する、前記第2のピン留めコネクタと、
を備える、建造物。
(項目23)
前記第1のピン留めコネクタ及び前記第2のピン留めコネクタのそれぞれは、
前記基礎に取り付けられるように構成されたベースプレートと、
前記ベースプレートに対しての第1の軸を中心とする回転のために、前記ベースプレートに回転可能に設置されたピボットブロックと、
前記構造部材を支持するように構成された柱支持プレートであって、前記第1の軸と直交する第2の軸を中心とする回転のために、前記ピボットブロックに回転可能に設置された前記柱支持プレートと、
前記構造部材を前記柱支持プレートに締結するように構成された締結具と、を備える、項目22に記載の建造物。
【国際調査報告】