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▶ アボット ダイアベティス ケア インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(54)【発明の名称】診療監視システムおよびその方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/20 20180101AFI20230824BHJP
【FI】
G16H50/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504547
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 US2021044462
(87)【国際公開番号】W WO2022031792
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/061,704
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】500211047
【氏名又は名称】アボット ダイアベティス ケア インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT DIABETES CARE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】バタチャリヤ,アパラジタ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイター,ゲイリー エー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
対話式の表示と入力に適した構成にされた、対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイス関連情報は、例えば、患者リストに在る患者ごとの患者識別情報、患者ごとの投薬スケジュール、患者ごとの診療監視データを示す表示内容を含む治療評価ワークシートなどを含んでいる。ワークシートにより、多様な期間に亘る監視結果を治療計画の進展と比較することができるようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電算装置の対話式ユーザ・インターフェイスの治療評価に、ヒトが判読できる観察記録と推奨事項を供与する方法であって、
所定期間に亘ってセンサ制御装置により収集された診療監視データを少なくとも1つの演算処理装置により受信する工程、
診療監視データの、医療介入前と医療介入後の別個のデータセットを評価を目的として前記少なくとも1つの演算処理装置により定義する工程、
血糖値パターンをそれと対応する、医療介入前と医療介入後の別個の前記データセットにある1日の時間帯の期間ごとに前記少なくとも1つの演算処理装置により判定する工程、
血糖値パターンに対応している1日の時間帯の期間ごとの、少なくとも部分的に血糖値パターンに基づいて、対話式ユーザ・インターフェイスに表示するための文章を前記少なくとも1つの演算処理装置により判定する工程、および、
前記対話式ユーザ・インターフェイスによる出力用の文章を供与する工程
を含んでいる方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの演算処理装置は文章を判定するにあたり、血糖値パターンに対応している1日の時間帯の期間ごとに血糖値パターンの少なくとも2つの別個の指標により標識を付された所定の値を探す目的でデータ構造を利用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの演算処理装置は、更に、1日の時間帯の指標に対応している1日の時間帯の期間ごとに該指標に基づいて前記文章を判定する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの演算処理装置は、更に、少なくとも1つの追加の血糖値パターン指標に対応している1日の時間帯の各期間の前後の続きの少なくとも一期間について該少なくとも1つの追加の血糖値パターン指標に基づいて前記文章を判定する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記対話式ユーザ・インターフェイスを利用して前記文章を表示装置に表示させるための信号を前記少なくとも1つの演算処理装置により供与する工程を更に含んでいる、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記医療介入前のデータセットと前記医療介入後のデータセットを定義する前記工程は、最新の監視データにアクセスした後で、記憶装置の状態に基づいて暗黙に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記医療介入前のデータセットと前記医療介入後のデータセットを定義する前記工程は、前記対話式ユーザ・インターフェイスによるユーザ入力に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上の食事事象を示すデータ特性に基づいて前記1日の時間帯の各期間を定義した状態で、前記少なくとも1つの演算処理装置により医療監視データを解析する工程を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記血糖値パターンの指標は、数値が高いほうの指標と低い方の指標から成る、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
1日の時間帯の多様な期間についての複数の文章を前記出力に向けた順に前記少なくとも1つの演算処理装置により順位付けする工程を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
文章列をそれらに関連している血糖値パターンおよび1日の時間帯と一緒にユーザ・インターフェイス装置上に表示する工程を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記医療介入前のデータセットを処理することで第1血糖値パターンを判定する工程と、これとは別個に前記医療介入後のデータセットを処理することで第2血糖値パターンを判定する工程とを更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
第1処理法に従って前記医療介入前のデータセットを処理する工程と、第2処理法に従って前記医療介入後のデータセットを処理する工程とを更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記医療監視データの所定パターンを同定することに基づいて前記医療介入前のデータセットと前記医療介入後のデータセットとを自動で定義する工程を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
第1組の所定パターンに基づいて第1血糖値パターンまたは第1血糖値事象を同定する目的で前記医療介入前のデータセットを解析する工程と、第2組の所定パターンに基づいて第2血糖値パターンまたは第2血糖値事象を同定する目的で前記医療介入後のデータセットを解析する工程とを更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
対話式ユーザ・インターフェイスの治療評価にヒトが判読することができる観察記録と推奨事項を供与する装置であって、コンピュータ記憶装置と患者が装着したセンサ制御装置からデータを受信する無線インターフェイスとに接続された少なくとも1つの演算処理装置を備えており、該記憶装置は、該少なくとも1つの演算処理装置により実行されると該装置に請求項1に記載の各工程を実施させ、また選択的に、請求項2から請求項15に記載の1つ以上の工程を実施させるプログラム命令を保持している、供与する装置。
【請求項17】
コンピュータが読取りできる持続性記憶媒体であって、演算処理装置により実行されると装置に請求項30に記載の各工程を実施させ、また選択的に、請求項2から請求項15に記載の1つ以上の工程を実施させるプログラム命令を保持している、持続性記憶媒体。
【請求項18】
請求項30に記載の各工程を実施し、また選択的に、請求項2から請求項15に記載の1つ以上の工程を実施する手段を備えている装置。
【請求項19】
電算装置の電子インターフェイスの方法であって、
或る所定期間に亘ってセンサ制御装置により収集された医療監視データを少なくとも1つの演算処理装置により受信する工程、
対話式の表示と入力に適した構成にされた情報を付随している対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを表示装置に提供し、該情報は、患者リストに在る患者ごとの患者識別情報、患者ごとの投薬スケジュール、患者ごとの診療監視データを示す表示内容を含む治療評価ワークシート含んでいる、工程、
外来診察中に患者ごとに前記対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスによりデータ入力を受信する工程、および、
前記データ入力を患者ごとの履歴に保存する工程
を含んでいる方法。
【請求項20】
対話式の表示に適した構成にされた前記情報は、前記患者リストを更に含んでいる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
対話式の表示に適した構成にされた前記情報は、前記医療監視データに加えて検査結果データを入力することができるようにする診察情報を更に含んでいる、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記診察情報は、前記検査結果データとは別個に外来診察データを入力することができるようにする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記検査結果データは、ヘモグロビンA1c、総コレステロール、低密度リポ蛋白、高密度リポ蛋白、および、トリグリセリドのうちの1つ以上を含んでいる、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの演算処理装置によって先の検査結果データを前記表示装置に供与して、直近のセッション中に対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスにより入力された検査結果データと一緒に表示させるようにした工程を更に含んでいる、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの演算処理装置により投薬スケジュールに入力するための医薬品をリストから選択することができるようにする工程を更に含んでいる、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの演算処理装置によって、対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスのユーザがリストから選択した医薬品について用量を1服以上の利用できる服用数から選択することができるようにする工程を更に含んでいる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
インスリン薬をリストから選択したのに応答して1つ以上の患者事象についてインスリン服用数を入力することができるようにした前記対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスの投薬計画モジュールを前記少なくとも1つの演算処理装置により始動させる工程を更に含んでいる、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つの演算処理装置により、食事時のインスリン服用のオプションをユーザが選択することができるようにする工程を更に含んでいる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
短時間作用型インスリン薬をユーザがリストから選択したのに応答する場合についてのみ、前記少なくとも1つの演算処理装置はユーザがオプションを選ぶことができるようにする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
食事時インスリン服用の各選択肢からいつも決まった食事時の注射による用量をユーザが選択したのに応答して、1つ以上の患者事象の各々についてより詳細な服用情報を入力できるようにするワークシートを前記少なくとも1つの演算処理装置が始動する工程を更に含んでいる、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
食事時インスリン服用の各選択肢から糖質計算して注射による服用のオプションをユーザが選択したのに応答して、1つ以上の患者事象の各々についてのより詳細な服用情報、毎日の総用量(TDD)、および、経験的投薬を選択するオプションを入力することができるようにするワークシートを前記少なくとも1つの演算処理装置により始動する工程を更に含んでいる、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
食事時インスリン服用についての各選択肢からインスリンポンプによる服用のオプションをユーザが選択したのに応答して、時刻と補正係数、毎日の総用量(TDD)、および、経験的投薬を選択するためのオプションを入力することができるようにするワークシートを前記1つ以上の演算処理装置が始動する工程を更に含んでいる、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記治療評価ワークシートにより、患者の最新の自由行動下24時間血糖変動(AGP)を、該患者に対する最近の治療変更より前の期間のAGPと対照比較することができるようにする、請求項19の方法。
【請求項34】
ユーザが選択したのに応答して、治療関連の各事象、各観察記録、および、併存疾患を選択することができるようにした事象と観察記録のワークシートを前記少なくとも1つの演算処理装置が始動する工程を更に含んでいる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ユーザが選択したのに応答して、治療変更に伴って対処するべき血糖値パターンをユーザが選択することができるようにした医療介入のワークシートを少なくとも1つの演算処理装置が始動する工程を更に含んでいる、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
医療介入ワークシートにより、対処するべき血糖値パターンに影響を与える目的で患者のセルフケアオプションの選択が更に実施できるようにしている、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
ユーザが選択したのに応答して、前記対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスに入力済みのデータと、治療評価と、治療計画に何か変更があった場合はその変更情報を簡潔にまとめた医療介入概要ページを前記1つ以上の演算処理装置が生成する工程を更に含んでいる、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
医療介入前と医療介入後の別個のデータセットを評価を目的として前記少なくとも1つの演算処理装置により定義する工程を更に含んでいる、請求項19に記載の方法
【請求項39】
前記少なくとも1つの演算処理装置により、医療介入前と医療介入後の別個の前記データセットにおいて血糖値パターンをこれに対応する1日の時間帯の期間ごとに判定する工程を更に含んでいる、請求項38に記載の方法
【請求項40】
血糖値パターンに対応している1日の時間帯の期間ごとの、少なくとも部分的に血糖値パターンに基づいて、前記対話式ユーザ・インターフェイスに表示するための文章を前記少なくとも1つの演算処理装置により判定する工程を更に含んでいる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも1つの演算処理装置は文章を判定するにあたり、血糖値パターンに対応している1日の時間帯の期間ごとに血糖値パターンの少なくとも2つの別個の指標により標識を付された所定の値を探す目的でデータ構造を利用する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記少なくとも1つの演算処理装置は、更に、1日の時間帯の指標に対応している1日の時間帯の期間ごとに該指標に基づいて前記文章を判定する、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記少なくとも1つの演算処理装置は、更に、少なくとも1つの追加の血糖値パターン指標に対応している1日の時間帯の各期間の前後の続きの少なくとも一期間について該少なくとも1つの追加の血糖値パターン指標に基づいて前記文章を判定する、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記対話式ユーザ・インターフェイスを利用して前記文章を表示装置に表示させるための信号を前記少なくとも1つの演算処理装置により供与する工程を更に含んでいる、請求項40に記載の方法。
【請求項45】
対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを供与する装置であって、コンピュータ記憶装置と患者が装着したセンサ制御装置からデータを受信する無線インターフェイスとに接続された少なくとも1つの演算処理装置を備えており、該記憶装置は、該少なくとも1つの演算処理装置により実行されると該装置に請求項19に記載の各工程を実施させ、また選択的に、請求項20から請求項44に記載の1つ以上の工程を実施させるプログラム命令を保持している、供与する装置。
【請求項46】
コンピュータが読取りできる持続性記憶媒体であって、演算処理装置により実行されると装置に請求項19に記載の各工程を実施させ、また選択的に、請求項20から請求項44の1つ以上の工程を実施させるプログラム命令を保持している持続性記憶媒体。
【請求項47】
請求項19に記載の各工程を実施し、また選択的に、請求項20から請求項44の1つ以上の工程を実施する手段を備えている装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本願は、2020年8月5日出願の米国特許仮出願第63/061,704号の優先権を主張するものであるが、斯かる出願は参照することによりその全体が明らかに本願の一部を成している。
【技術分野】
【0002】
本願は、診療監視および治療の管理を目的としたグラフィカル・ユーザ・インターフェイスなどのような電子インターフェイス、ならびに、それに関連する各種のシステム、装置、および、方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
健康状態を示す被分析物を間質監視または静脈内監視するための多様な身体着脱自在な監視装置が存在する。例えば、糖尿病治療の分野では、皮下移植したうえで、患者の皮膚に接着した格納庫内に入れてある演算処理装置、記憶装置、電源、および、無線インターフェイスに接続されているセンサを利用して、間質組織のグルコースを監視するセンサ制御装置が入手できる。演算処理装置は定期的なセンサ読取りを行い、センサ・データを記憶装置に保存し、上記以外の装置、例えば、患者のスマートフォン、もしくは、医療従事者のノートパッドコンピュータ、パーソナル・コンピュータ、または、同様の処理・表示装置などにセンサ・データを通信することができる。場合によっては、スマートフォンやその他の装置は、監視データを遠隔のサーバーにアップロードして保管したうえで、認証された医療従事者に配布するように構成されている。従って、連続周期に亘って或る間隔で得られる大量の監視データを患者と医療従事者が入手できるようにすることで、健康状態の医療処置を管理する際に利用するよう図っており、その一例に糖尿病が挙げられるがこれに限定されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、状況によっては、医療従事者が身体着脱自在な監視装置からの監視データを最適に利用することが困難な場合がある。グラフィカル・ユーザ・インターフェイスなどの各種の電子インターフェイスが公知であり、監視情報にアクセスするのに既に利用されているが、医療従事者が頻繁に必要とするのは、入手できるデータを最も効率よく利用するための補足情報、監視データを解釈する際の手引き、または、治療上の推奨事項の手引きである。目下のところ、医療従事者が身体着脱自在な装置を源とする診療監視データにアクセスして適用する際に使用する電子インターフェイスは、有用な機能が不足しているか、そのような諸機能が処置の流れに最適な態様で構成されていない。
【0005】
従って、先行技術の上記の制約およびそれ以外の制約を克服する、診療監視および治療の管理を目的としたグラフィカル・ユーザ・インターフェイスなどのような各種の電子インターフェイスの新しい方法およびその他の新規技術を開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】

この発明の概要と次項以降の詳細な説明とは、1つに統合された開示の相補的な部分であって、各部分が冗長な主題、補足的な主題、または、その両方を含んでいることもあると解釈するべきである。どちらか一方に省略があるからといって、本件の統合された出願に記載されているどの1つの要素についてであれ、その優先度または相対的な重要性を示すものではない。両部分の相違を構成しているのは、他にも選択できる実施形態の補足的開示であったり、追加の詳細であったり、或いは、内容同一の各実施形態を異なる用語を使って説明した、代わりに選択できる記述であったりする場合があるが、それぞれの開示から自明となる筈である。
【0007】
本件開示の一態様では、電算装置の電子インターフェイスのための方法は、少なくとも1つの演算処理装置によって、該少なくとも1つの演算処理装置に接続されている受信機の無線範囲内で患者が身体装着しているセンサ制御装置の識別子を検出することを含んでいるとよい。この方法は、センサ制御装置により連続周期に亘って収集された診療監視データを上記少なくとも1つの演算処理装置によって受信することを更に含んでいてもよい。この方法は、対話式の表示と入力に適した構成にされた、対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイス関連情報を表示装置に供与することを含んでいてもよいが、斯かる情報には、患者リストにある患者ごとの患者識別情報、患者ごとの投薬スケジュール、患者ごとの診療監視データを示す表示内容を含んでいる治療評価ワークシートなどがある。実施形態によっては、対話式の表示と入力に適した構成にされており、医療介入画面を含んでいる対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイス関連情報を表示装置に供与することを含んでいてもよいが、斯かる医療介入画面により医療提供者は、自らが目下の外来診察中に対処していくことになるパターン(問題点)と、患者の投薬を編集し、追加し、削除し、または、上記を各種組合せて実施した内容と、患者が踏襲してみることのできるセルフケア行為とを示すことができるように構成されている。この方法は、外来診察中に対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを介して患者ごとにデータ入力を受信すること、および、該データ入力を患者ごとの履歴に保存することを含んでいてもよい。この方法は、次項以降の詳細な説明に記載されているような更なる詳細事項や各種操作を含んでいることもある。
【0008】
この方法は、同定済みの患者の診療監視データを受信することができるようにするのに好適であれば、どのようなユーザ・インターフェイス装置によって実現されても構わない。本明細書で使用される場合、「ユーザ・インターフェイス装置」は、記憶装置に接続されているとともに、少なくとも1つの入力ポートおよび少なくとも1つの出力ポートを含む1つ以上のポートに接続されているコンピュータ処理装置(例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、PDAなど)などのことをいう。コンピュータ処理装置とは、例えば、超小型演算処理装置、マイクロコントローラ、単一チップ集積システム(システム・オン・チップ)、または、これら以外の演算処理回路のことをいう。本明細書で使用される「演算処理装置(プロセッサ)」とは、コンピュータ処理装置を意味する。
【0009】
前述の目的およびそれに関連する目的を達成するために、1つ以上の実施例が以下に十分に説明されて特に特許請求の範囲で指摘されている各種の特徴を備えている。以下の説明および添付の図面は、具体的な各態様を詳細に明示しているとともに、各具体例の原理を採用している多様な方法のうちのほんの幾つかを示しているにすぎない。他の利点および新規な特徴は、そのような態様とそれらの均等物を全て網羅している各図面および開示された実施例と併せて考慮されれば、以下の詳細な説明から自明となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本件開示の特徴、性質、および、利点は、明細書および図面全体を通して同一参照符号が同一構成要素を一対一対応式に同定している図面と併せて解釈すれば、以下に明示された詳細な説明からより明らかになるであろう。
図1】センサ・アプリケータ、センサ制御装置、読取り装置、ネットワーク、トラスティッド・コンピュータシステム、局所コンピュータシステムなどから成る被験物質監視システムの概要を示した図。
図2A】読取り装置の具体的な実施形態を例示したブロック図。
図2B】センサ制御装置の具体的な実施形態を例示したブロック図。
図2C】センサ制御装置の具体的な実施形態を例示したブロック図。
図2D】ユーザ・インターフェイス装置の具体的な実施形態を例示したブロック図。
図3】診療監視および治療の管理を目的としたグラフィカル・ユーザ・インターフェイスを供与する方法の操作を例示したフロー図。
図4図3に図式化されている方法の更なる選択的な各種態様を例示したフロー図。
図5A】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の外来問診の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図5B】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の外来問診の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図5C】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の外来問診の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図6A】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の患者情報部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図6B】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の患者情報部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図6C】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の患者情報部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図6D】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の患者情報部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図6E】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の患者情報部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図7A】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の診察情報部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図7B】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の診察情報部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図7C】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の診察情報部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図7D】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の診察情報部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図7E】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の診察情報部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図8図3に図式化されている方法の更なる選択的な各種態様を例示したフロー図。
図9A】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の投薬部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図9B-1】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の投薬部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図9B-2】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の投薬部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図9B-3】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の投薬部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図9C】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の投薬部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図9D】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の投薬部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図9E】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の投薬部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図9F】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の投薬部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図9G】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の投薬部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図10図3に図式化されている方法の更なる選択的な治療評価の各態様を例示したフロー図。
図11A-1-1】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の治療評価部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図11A-1-2】図11A-1-1の続き。
図11A-2】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の治療評価部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図11B】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の治療評価部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図11C-1】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の治療評価部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図11C-2】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の治療評価部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図11D】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法の治療評価部分の各態様を例示しているグラフィカル・ユーザ・インターフェイス画面図。
図12図3に図式化されている方法に含まれていてもよい、治療評価にヒトが判読できる観察記録と推奨事項を提示するための1つ以上の追加操作を例示しているフロー図。
図13A】グラフィカル・ユーザ・インターフェイスとその方法を利用して管理および表示することができるような評価結果の例を示している表。
図13B】演算処理装置による、評価結果を表現するための文章を選択する方法の各態様を例示しているフロー図。
図14】診療監視と治療の管理を目的としたグラフィカル・ユーザ・インターフェイスを供与するための装置またはシステムの各コンポーネントを例示している概念ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、図面を参照しながら多様な態様を説明する。以下の説明では、解説するために、多数の特定の詳細を明示することで1つ以上の態様の十分な理解を得ようと図っている。しかしながら、このような特定の詳細がなくても、多様な態様を実施することができるのは明白であると推察される。他の例では、周知の各種の構造および装置をブロック図の形式で表すことで、本件開示の新規の態様に焦点を当てるのを容易にしている。具体例の実施形態は、糖尿病のグルコース濃度の監視およびそれに対する治療の管理に関連しているが、本明細書の発明の概念は、糖尿病以外の各種の症候または疾患を監視および治療することを目的としたグラフィカル・ユーザ・インターフェイスに敷衍させてもよい。
【0012】
本明細書に開示されている各実施形態は、被分析物監視システムのための、直観的で、ユーザの使い易さに配慮しており、医療従事者による患者の生理学的情報の評価を容易にする各種の改良型グラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)またはGUIの諸機能に関するものである。例えば、これらの実施形態により医療従事者は、患者の診療監視データを迅速かつ徹底的に評価し、監視データのグラフィック表示に同期された患者の投薬およびセルフケア履歴を点検し、治療の潜在的な欠点を特定し、投薬の処方箋を改善し、セルフケアについて患者に助言することができるようになる。グラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)および誘導式解説レポート(GIR)などのようなGUI諸機能の各態様により医療従事者は、投薬の実際の影響、患者の習慣、および、投薬に対する反応についてより良好な理解を授かるとともに、疾患や病状の治療を改善する備えをするようになる。同様に、本明細書で提示されている各実施形態は、自動被分析物監視システムによって収集された大量のデータの評価を目的とした改良型デジタル・インターフェイス、その諸機能、または、それらの両方を備えていることで過去の医療介入の効果を迅速かつ正確に評価できるようにし、特定の時間帯に再発する諸問題に対処し、関連データをコンパクトなインターフェイスに収集して迅速に統合できるようにし、患者の履歴を整理し、問診を来院中に合理化し、本件開示の他の恩恵や利点の中でもとりわけ、検査結果と医療介入の正確な記録を至便に作成して患者の診療履歴にする。
【0013】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されている場合、「a(或る、或る種の、1種の)」、「an(或る、或る種の、1種の)」、および「the(その、該)」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含んでいる。
【0014】
本明細書で論じている各公開文献は、それらが本願の出願日より先に開示されたことを提示しているにすぎない。先に開示されたからといってそのような公開文献に本件開示が先行する資格が無いと認めているものと、本明細書のいかなる点も解釈されるべきではない。更に、提示された公開日は実際の公開日とは異なる場合があり、個別に確認する必要があると推察される。
【0015】
大まかには、本件開示の各実施形態としては、被分析物監視システムのためのグラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)およびデジタル・インターフェイス、ならびに、それらに関連する方法および装置が挙げられる。従って、多くの実施形態が各種の生体内被分析物センサを含んでおり、斯かるセンサは、その少なくとも1部がユーザの身体内に設置されたり位置決めできたりするような構造上の構成になっていることで、身体の少なくとも1種類の被分析物についての情報を取得することができる。しかし、本明細書に開示されている各実施形態は、完全に非侵襲的なシステムなどのような、純粋にインビトロ被分析物監視用すなわち体外被分析物監視用の各種システムと同様に、インビトロ性能を組み入れた生体内被分析物監視用の各種システムと併用することができることに留意するべきである。
【0016】
更に、本件開示の方法のすべての実施形態について、その各々を実施することができる各種のシステムおよび装置は本件開示の範囲内に含まれている。例えば、センサ制御装置、読取り装置、局所コンピュータシステム、および、米国国家安全保障局コンピュータセキュリティ評価基準を満たした安全なシステム(トラスティッド・コンピュータシステム)の各実施形態が開示されており、これらの装置およびシステムは1つ以上のセンサ、被分析物監視回路(例えば、アナログ回路)、記憶装置(例えば、命令を保存するための)、電源、通信回路、送信機、受信機、演算処理装置、コントローラ(たとえば、命令を実行するための)、または、これらの各種組合せを備えており、これら構成部材により、ありとあらゆる方法の各工程段を実施することができるし、ありとあらゆる方法の各工程段の実行を容易にすることができる。
【0017】
しかしながら、各実施形態のこれらの態様を詳細に説明する前に、例えば、生体内被分析物監視システムに内に在中させることができる各種装置の具体例の説明と同様に、これら装置の操作の具体例の説明を行うのが何よりも望ましいが、これら具体例は全て、本明細書に説明されている各実施形態と併用することができる。
【0018】
多様な種類の生体内被分析物監視システムがある。例えば、「連続被分析物監視」システム(または「連続グルコース監視」システム)は、ユーザに入力を促すことなく連続的に、例えば、スケジュールに従って自動的に、センサ制御装置から読取り装置にデータを送信することができる。もう1つ別の例として、「瞬間被分析物監視」システム(もしくは「瞬間グルコース監視」システムまたは単に「瞬間」システム)は、近距離無線通信(NFC)プロトコルまたは無線自動識別(RFID)プロトコルを利用したものなどのような読取り装置による走査またはデータ要求に応答して、センサ制御装置からデータを転送することができる。生体内被分析物監視システムは、指先穿刺検定を必要とせずに作動することも可能である。
【0019】
生体内被分析物監視システムは「インビトロ(体外)」のシステムとは区別することができるが、後者は身体の外側で(すなわち、「エクスビボ」)生物学的試料に触れるうえに、通例は、ユーザの体液を保有する被分析物試験片を受容するポートが設けられた計測装置を備えており、体液はユーザの血糖値を判定する目的で解析されることがある。
【0020】
生体内監視システムは、身体内に配置されている間、ユーザの体液と接触してそこに含まれている被分析物レベルを感知するセンサを備えているとよい。センサは、ユーザの身体上に在るセンサ制御装置の一部を構成しているとよいが、被分析物感知を可能にして制御する電子機器類と電源を有している。センサは侵襲性センサであるとよいが、例えば、間質組織内のグルコースを感知するために皮膚の下に挿入するよう構成されたグルコースセンサや血糖センサなどがある。これに代わる各実施形態では、センサは上記とは異なる被分析物を感知してもよいし、または、非侵襲的であっても構わない。センサ制御装置は、グルコースその他の各種被分析物、例えば、体温、脈拍、血中酸素レベルなどの他にも、多様な数量を測定するよう装備されていてもよい。センサ制御装置とその各種バリエーションは、「センサ制御ユニット」、「オン・ボディ(持運び式)電子機器」装置または「オン・ボディ電子機器」ユニット、「オン・ボディ」装置または「オン・ボディ」ユニット、もしくは「センサ・データ通信」装置または「センサ・データ通信」ユニットと呼ばれることもある。
【0021】
生体内監視システムはまた或る装置を備えており、該装置は、感知した被分析物データをセンサ制御装置から受信し、感知した被分析物データを処理し、何種類の形式であれ該データをユーザに表示して見せ、または、これらの各種組合せ操作を実施する。この装置とその各種バリエーションは、「ハンドヘルド(手持ち式)読取り装置」、「リーダ(読取り)装置」(または単に「リーダ」)、「ハンドヘルド電子機器」(または単に「ハンドヘルド」)、「ポータブル・データ処理」装置または「ポータブル・データ処理」ユニット、「データ・レシーバ」、「レシーバ」装置または「レシーバ」ユニット (または単に「レシーバ」)、「リモート(遠隔操作)」装置または「リモート」ユニットなどと、ほんの数例挙げれば上記のように呼称されることがある。パーソナル・コンピュータなどのような上記以外の各種装置も、生体内監視システムと体外監視システムと併用されたり、そこに組入れられたりしている。
【0022】
生体内被分析物監視システムの具体例の実施形態
図1は、センサ・アプリケータ150、センサ制御装置102、および、読取り装置120を備えている被分析物監視システム100の具体例の実施形態を描いている概念図である。ここで、センサ・アプリケータ150は、患者の皮膚上の監視部位にセンサを送達するために使用することができるが、この部位で、センサ104は或る期間に亘り粘着パッチ105により適所に保持される。センサ制御装置102は、図2Bおよび図2Cに更に記載されており、有線技術または無線技術を利用した通信経路140を介して読取り装置120と通信することができる。具体的な無線通信プロトコルの各種例には、Bluetооth(ブルートゥース(登録商標))、Bluetооth Lоw Energy(BLEまたはBTLEすなわち「ブルートゥース」・ロー・エナジー、Bluetооth SMARTすなわち「ブルートゥース」・スマートなど)、近距離無線通信(NFC)などがある。ユーザは、表示画面122(大半の実施形態では、タッチスクリーンから構成されているとよい)と入力部121を使用して、読取り装置120の記憶装置にインストールされたアプリケーションを目視しながら使用することができる。読取り装置120の装置用電池は、電源ポート123を使用して再充電することができる。読取り装置120は1つしか図示されていないが、センサ制御装置102は、多数の読取り装置120と通信することができる。読取り装置120は各々が、互いに通信し合い、データを共有することができる。読取り装置120についての更なる詳細は、後段以降に図2Aに関して明示してゆく。読取り装置120は、有線通信プロトコルまたは無線通信プロトコルを利用して、通信経路141を介して局所コンピュータシステム170と通信することができる。
【0023】
局所コンピュータシステム170は、ラップトップ、デスクトップ、タブレット、ファブレット、スマートフォン、セットトップボックス、ビデオゲーム・コンソール、または、これら以外の電算装置のうちの1つ以上である、または、1つ以上を構成部材として含んでいるとよいが、無線通信は、Bluetооth(「ブルートゥース」)、Bluetооth Lоw Energy(BTLEすなわち「ブルートゥース」・ロー・エナジー)、Wi-Fi(ワイファイ)などのような、多数の適用可能な無線ネットワークプロトコルのうちのどれかを含んでいるとよい。読取り装置120が前述の有線通信プロトコルまたは無線通信プロトコルによって通信経路142を介してネットワーク190と通信することができるようにする方法と同様に、局所コンピュータシステム170は通信経路143を介してネットワーク190と通信することができる。ネットワーク190は、私的ネットワークおよび公共ネットワーク、ローカル・エリア・ネットワークまたはワイド・エリア・ネットワークなどのような幾つかのネットワークのうちいずれかであるとよい。実施形態によっては、局所コンピュータシステム170は、本明細書に記載されているような、例えば、医療従事者が使用する臨床環境において対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)を作動させるユーザ・インターフェイス装置として機能することができるものもある。局所コンピュータシステム170は、読取り装置120の各種コンポーネントと同じコンポーネント、または、それらと同等のコンポーネントを、同じフォームファクタまたは異なるフォームファクタで備えているとよい。例えば、読取り装置はスマートフォンであってもよいし、局所コンピュータはラップトップまたはパーソナル・コンピュータであってもよい。
【0024】
トラスティッド・コンピュータシステム180は、クラウド基盤のプラットフォームまたはサーバーを含んでいてもよく、認証サービス、安全確保されたデータストレージ、レポート生成に備えることができるうえに、通信経路144を介して有線技術または無線技術によってネットワーク190と通信することができる。これに加えて、図1は、トラスティッド・コンピュータシステム180および局所コンピュータシステム170が1個のセンサ制御装置102および1個の読取り装置120と通信しているところを描いているが、局所コンピュータシステム170、トラスティッド・コンピュータシステム180、または、その両方は各々が複数の読取り装置および複数のセンサ制御装置と有線通信状態または無線通信状態におくことができることを、当業者ならば正しく認識するだろう。
【0025】
読取り装置の具体例の実施形態
図2Aは読取り装置120の具体例の実施形態を描いたブロック図であり、実施形態によっては、スマートフォンから構成されていてもよいものもある。ここでは、読取り装置120は、表示画面122、入力部121、および、処理コア206を備えているとよいが、処理コア206は記憶装置223に接続された通信処理装置222および記憶装置225に結合されたアプリケーション処理装置224を有している。別個の記憶装置230、アンテナ229付き無線通信機228、および、電力管理モジュール238が付随した電源226が設けられていてもよい。更に、読取り装置120は多機能送受信機232を備えていてもよいが、これには無線通信回路が設けられているとともに、Wi-Fi、NFC、Bluetooth、BTLE、GPSなどによりアンテナ234で通信するよう構成することができる。当業者なら理解するが、これらのコンポーネントは、機能装置を構成するための態様で電気的かつ通信可能に接続されている。
【0026】
センサ制御装置の具体例の実施形態
図2Bおよび図2Cはセンサ制御装置102の具体例の実施形態を描いたブロック図であるが、被分析物センサ104とセンサ電子機器類160が設けられており(被分析物監視回路を含む)、最終結果のデータをユーザに表示して見せるのに好適にするための処理能力の大部分を備えているようにすることができる。図2Bには1個の半導体チップ161が描かれており、これは誂えの特定用途向け集積回路(ASIC)でもよい。 ASIC161に内蔵と示されているのは各種の高度機能装置であり、例えば、アナログフロントエンド(AFE)162、電力管理(または制御)回路164、演算処理装置166、および、通信回路168(送信機、受信機、送受信機、受動回路、または、これら以外の、通信プロトコルに応じたもの、として実装することができる)などから構成されている。この実施形態では、AFE162と演算処理装置166の両方が被分析物監視回路として使用されているが、他の実施形態では、いずれか一方の回路が被分析物監視機能を実施するようにしてもよい。演算処理装置166は、1つ以上の演算処理装置、超小型演算処理装置、コントローラ、マイクロコントローラ、または、これらの各種組合せを備えているとよいが、これらは各々が別個のチップであってもよいし、或いは、多数の異なるチップの間で(その一部の間ででも)分散されていてもよい。
【0027】
記憶装置163もASIC161に内蔵されており、ASIC161内に存在する多様な機能装置が共有するようにしてもよいし、或いは、2つ以上の機能装置の間で分散されていてもよい。記憶装置163は別個のチップであってもよい。記憶装置163は揮発性記憶装置でもよいし、不揮発性記憶装置でもよいし、または、両方組合せの記憶装置でもよい。この実施形態においては、ASIC161は電源172に接続されているが、この電源はコイン型電池などであるとよい。AFE162は、生体内被分析物センサ104との間に介在してそこから測定データを受信し、データをデジタル形式で演算処理装置166に出力するが、延いては、演算処理装置がデータを処理して、最終結果グルコースの離散値や傾向値などを生成する。このデータは通信回路168に供与されることで、例えば、アンテナ171を介して読取り装置120(図示せず)に送信することができるが、その場合、データを表示するには、常駐ソフトウエア・アプリケーションが最小限の更なる処理を行う必要がある。実施形態によっては、例えば、現在のグルコース値をセンサ制御装置102から読取り装置120に1分毎に送信することができるようにするとともに、履歴上の各グルコース値をセンサ制御装置102から読取り装置120に5分毎に送信することができるようにしたものもある。
【0028】
実施形態によっては、センサ制御装置102の電力および電算処理資源を節約するために、アナログフロントエンド(AFE)162から受信したデジタルデータを、最小限の処理で、または、まったく処理せずに読取り装置120(図示せず)に送信することができるようにしたものもある。更にそれ以外の各実施形態では、演算処理装置166は、記憶装置163への保存と読取り装置120(図示せず)への送信のいずれか一方を目的として或る所定のデータタイプ(例えば、現在のグルコース値、履歴上の各グルコース値)を生成するよう構成されているとともに、或る警報状態(例えば、各種のセンサ不良状態)を確認するよう構成されているが、それ以外の処理の諸機能および警報の諸機能(例えば、高・低グルコース閾値警報など)は読取り装置120上で実行することができる。本明細書に記載されている方法、諸機能、および、各種インターフェイスは、センサ制御装置102の処理回路、読取り装置120の処理回路、局所コンピュータシステム170の処理回路、または、トラスティッド・コンピュータシステム180の処理回路によって、全部または一部を実施することができることを、当業者なら理解するであろう。本明細書で使われている場合、「ユーザ・インターフェイス装置」なる表現は、表示装置に現れる対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを制御する上記の各装置のうちの1つを指す、または、その1つを構成要素に含んでいることを意味する。
【0029】
図2C図2Bに類似しているが、それどころか、2個の別個の半導体チップ162、174を備えており、これらチップのパッケージングは一緒でも別々でも構わない。ここでは、アナログフロントエンド(AFE)162はASIC161に常駐している。演算処理装置166は、電力管理回路164および通信回路168がチップ174上に集積されている。AFE162が記憶装置163を備えているようにすることができ、チップ174は記憶装置165を備えているが、各記憶装置は単離式でもよいし、内部分散式であってもよい。或る具体例の実施形態では、AFE162は1つのチップ上で電力管理回路164および演算処理装置166と組み合わされている一方で、通信回路168は別個のチップ上にある。もう1つ別の具体例の実施形態では、AFE162と通信回路168の両方が1つのチップ上にあり、演算処理装置166と電力管理回路164がもう1つ別のチップ上にある。それ以外のチップの組み合わせも可能であり、例えば、3つ以上のチップから構成されており、その各々が既に説明した別個の諸機能を担当しているか、或いは、フェイルセーフ冗長性のために1つ以上の機能を共有していることに注目するべきである。
【0030】
被分析物監視システムのためのグラフィカル・ユーザ・インターフェイスの具体例の実施形態
本明細書に記載されているのは、被分析物監視システムのためのグラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)の具体例の実施形態である。最初の問題として、本明細書で説明するGUIは、読取り装置120の記憶装置、局所コンピュータシステム170の記憶装置、トラスティッド・コンピュータシステム180の記憶装置、何であれそれら以外の、被分析物監視システム100の一部であるか該システムと通信し合う装置またはシステムの記憶装置、もしくは、上記の装置またはシステムの各種組合せの記憶装置に保存されている命令を含んでいることを、当業者ならは理解するであろう。これらの命令は、読取り装置120の1つ以上の演算処理装置、局所コンピュータシステム170の1つ以上の演算処理装置、トラスティッド・コンピュータシステム180の1つ以上の演算処理装置、もしくは、これら以外の、被分析物監視システムの装置またはシステムの1つ以上の演算処理装置によって実行される際には、該1つ以上の演算処理装置に本明細書に記載の方法の各工程を実行させ、本明細書に記載のGUIを出力させ、または、その両方を実施する。本明細書に記載のGUIは、命令として単一集中型装置の記憶装置に保存することもできるし、或いは、その代わりに、地理的に分散した各地の多数の離散型装置の間で分散されていてもよいものと、当業者なら更に認識するであろう。
【0031】
センサ制御装置102の演算処理装置は、周期的な間隔で、または、検出された事象に応答してセンサ・データを受信および処理し、被分析物読取りの測定値(例えば、グルコース測定値)を局所の記憶装置に保存するよう構成することができる。これに加えて、演算処理装置はその無線インターフェイスによりセンサ・データをユーザ・インターフェイス装置、例えば、読取り装置120、局所コンピュータシステム170、または、トラスティッド・コンピュータシステム180に、例えば、直接的にまたは中間ノードを介して1つ以上のネットワークを経由して伝達し得る。これに代わる実施形態では、センサ制御装置は、「ブルートゥース」・ロー・エナジー(BLE)またはそれ以外の好適な通信プロトコルを利用して、局所受信機、例えば、読取り装置120にデータを送信するとよいが、局所受信機はデータを遠隔のコンピュータに転送することができる。これは、ユーザ・インターフェイス装置を利用している医療従事者が患者から遠隔地に居る場合に有用となる。それ以外の各実施形態では、例えば、或る臨床環境において、ユーザ・インターフェイス装置を操作している医師またはそれ以外の医療従事者が無線インターフェイスによりセンサ制御装置102から直接にデータを受信するようにしてもよい。本明細書で思料している各実施例では、監視データには、定められた期間または周期に亘ってセンサ制御装置によって間隔を置いて採られたグルコース測定値がある。
【0032】
ユーザ・インターフェイス装置上で作動するアプリケーションは、外来診察中に患者の実際の投薬データとグルコースデータを取得することができる。このアプリケーションは、医療助手(MA)、医師、または、それ以外の有資格の医療従事者が利用することを企図している。簡潔にするために、そのような人達を本明細書では「ユーザ」と呼称することがある。患者は、ユーザ・インターフェイス・アプリケーションと互換性のあるどのような市販のセンサ制御装置でも使用することができる。ユーザ・インターフェイス・アプリケーションはユーザ・インターフェイス装置にグルコースデータ(例えば、自由行動下24時間血糖変動すなわちAGP)を表示させることができるうえに、医療従事者が投薬データを患者履歴に関連づけて入力することができるようにしている。対話式GUIアプリケーションは、AGPと投薬履歴を容易に利用できるようにすることで過去の治療変更の影響を評価するとともに、治療上の推奨事項を調整することができるように設計されているとよい。外来診察が終わった後で、ユーザ・インターフェイス・アプリケーションは、患者の既存の電子診療履歴(EMR)に追加する要約文書を生成することができる。
【0033】
図2Dはユーザ・インターフェイス装置103の更なる詳細を示しており、その少なくとも1つの演算処理装置(CPU)204は記憶装置207に接続されているとともに、バス212またはそれ以外の好適な通信路を介してグラフィック処理ユニット(GPU)210および無線インターフェイス(WI)208にも接続されている。演算処理装置204は、表示出力とそれに関連する命令をGPU210に送信することができ、GPU210は、例えば、LEDモニタまたはタッチスクリーンなどのような表示装置202のための映像信号を生成する。表示装置202は、タッチスクリーンとして構成されている場合は、そこに表示されているユーザ・インターフェイスを利用している人からの入力を受け取るためのデータ入力装置として機能することもある。それ以外の実施形態では、演算処理装置204は、例えば、キーボード、マイク、または、ポインティング・デバイスなどの1つ以上の追加の各種入力装置に、好適なインターフェイスを介して接続されていてもよい。
【0034】
記憶装置207は1つ以上のコード・モジュールを格納しており、これらをプログラマーが実行すると、本明細書に記載されているような対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを起動させることができる。各モジュールをコード化するのに、好適であればどんなプログラミング言語が使用されていてもよく、JavaScript、PHP、または、その両方などのようなウエブ・アプリケーション言語や、C++などのような実行可能形式に変換済みの言語が挙げられるが、これらに限定されない。各モジュールとしては、例えば、本明細書に記載されているような1つ以上のユーザ・インターフェイス・モジュール(UI)や、それ以外の各種モジュール、例えば、当該技術で公知の通信モジュール(COMM)や認証モジュール(AUTH)などが挙げられる。記憶装置207が格納している1つ以上のモジュールは、少なくとも1つの演算処理装置204によって実行されると、ユーザ・インターフェイス装置103に図3に示されているような方法300またはその何らかのバリエーションの動作を実施させることができる。
【0035】
図3を参照すると、電算装置(例えば、局所コンピュータシステム170、読取り装置120、または、ユーザ・インターフェイス装置103)の電子インターフェイスに対し、コンピュータによって実行される方法300は、工程310の、少なくとも1つの演算処理装置がそこに接続されている受信機の無線範囲内で患者か、または、患者が装着しているセンサ制御装置か、その1つ以上について識別子を検出することを含んでいる。その代替例として、または、それに加えて、少なくとも1つの演算処理装置は、中間ノードまたはサーバーを経由して、センサ制御装置からのデータ、追加の医療情報または患者情報、もしくは、それらの各種組合せを受信するようにしてもよい。工程310の操作がすべての実施形態に含まれている必要はないものと、正しく認識するべきである。代わりに、例えば、ユーザはデータ入力によって手動で患者を識別するようにしても構わない。自動検出が利用される場合、演算処理装置は、センサ制御装置から識別子を受信したうえで、選択的に、センサ制御装置の識別子を患者識別子に関連付けすることができるようにするとよい。
【0036】
従って、方法300は、工程320の、所定の期間に亘ってセンサ制御装置によって収集された診療監視データを少なくとも1つの演算処理装置が受信することを含んでいるとよい。方法300は、工程330の、対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを表示装置に表示させることをさらに含んでいるとよい。そのようなグラフィカル・ユーザ・インターフェイスの多様な状態の例を添付の各図面に提示しているが、スクリーンショット機能による複写画面例またはその一部の例に相当する。グラフィカル・ユーザ・インターフェイスは、対話式の表示とユーザが入力するための1つ以上のフィールドに適した構成にされた情報を付随させているとよい。情報は、患者リストに在る患者ごとの患者識別情報、患者ごとの投薬スケジュール、患者ごとの診療監視データを示す表示内容から構成された治療評価ワークシート、本明細書に記載の更なる情報、または、これらの各種組合せを含んでいるとよい。方法300は、工程340の、外来診察中に患者ごとの対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを介してデータ入力を受信することを含んでいるうえで、工程350の、データ入力を患者ごとの履歴に保存することを含んでいるとよい。前述の各操作を、以下で説明する各図面に関連付けて、更に例証および説明してゆく。
【0037】
方法300は、本明細書に記載したような、いずれか1つ以上の追加の新規操作や、それら以外の当該技術で周知の操作を含んでいてもよい。例えば、この方法は、対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスにアクセスできるようにする前に、ユーザを認証するための操作を含んでいるとよい。これらの追加の操作は各々が、この方法のすべての実施形態で必ずしも実施されるわけではなく、どの1つの操作をするについても、何かそれ以外の上記追加の操作も実施することが必ずしも要件となることはない。
【0038】
例えば、図4は、対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスの操作を更に良くするための追加の操作400を示している。工程410において、方法300は、対話式の表示に適した構成にされた、患者リストを含んでいる情報を生成することを更に含んでいてもよい。図5Aおよび5Bは、関連するスクリーンショット複写画面500の患者リストの実施例を示している。演算処理装置は、ユーザを認証した後、スクリーンショット複写画面500のような表示内容を生成することができ、ここでは、縦の索引項目502のうち強調表示されたタブ504によって示されているように、「問診」と標識が付されている。問診の画面500は患者リストを含んでおり、事前登録していたためにユーザ・インターフェイス装置の記憶装置に在った患者を列挙している。実施形態によっては、診察は始まったものの未だ終わっていない場合にのみ、演算処理装置が問診の画面500に患者データを表示させるようにするものもある。図5Bに示すもう1つ別の局面では、ユーザが検索フィールド506に文字列をタイプ打ち入力すると、演算処理装置が、索引またはそれ以外の方法を利用して、文字画面に一致する外来問診をリストにして表示させることができる。患者が掲載されていない場合、ユーザは、対話式のグラフィカル・ユーザ・インターフェイスにより、演算処理装置に指示を出して新たな患者履歴を追加させることができる。
【0039】
もう1つ別の態様では、演算処理装置は、患者リストの或る列、例えば、画面500の右端の3列に、問診の状況を表示させることができる。図示の例では、処理のタブ「診察」、「投薬」、および、「評価」の状況が画面500に示されているが、これらは以下でより詳細に説明する。
【0040】
図5Cは問診の画面550のもう1つ別の具体例の実施形態を描いている。幾つかの態様では、画面550に示されているインターフェイスは、図5Aおよび図5Bに関して説明してきた画面500に類似している。実施形態によっては、画面550は、各行の血糖値データの状況を示すために、ここでは「Libre認証」と標識が付された列552を更に含めるようにしたものもある。例えば、列552に表示することができる幾つかの値として、「Libreアクセス認証されず」(システムが患者の血糖値データを回収、処理、表示、または、これらの各種組合せ操作を行う許可がされていないことを示す)、「データ検索中/データ処理中」(システムが血糖値データを検索中、または、処理中であることを示す)、「データ不十分」、または、「チャート作成済み」が挙げられる。血糖値データの状況を反映するのに上記以外の各種の値を表示しても構わないし、それらが完全に本件開示の範囲内にあることを、当業者なら認識するであろう。
【0041】
図6Aおよび図6Bは、索引項目502の情報タブ602に属する患者情報の画面600の例を示している。少なくとも1つの演算処理装置は対話式フィールド604を表示させることがきるが、それにより、ユーザは、示された各範疇のデータを検分して、編集または入力することができる。少なくとも1つの演算処理装置は、患者情報が保存されると、患者識別データを見せる見出し部608を表示させることができる。少なくとも1つの演算処理装置は、表示画面600および別なタブに属している各表示画面に、当該技術分野で公知のようなナビゲーション機能(例えば、前頁の表示画面に戻る、次頁の表示画面に進む、データを保存する、データ変更をキャンセルするなど)を実行するための、1行形式または1配列形式の対話式ナビゲーションボタン606を提示させることができる。ユーザが「戻る」または「次へ進む」を選択した場合は、演算処理装置はデータ変更を保存するよう設定されていてもよいが、ユーザの選択権、アプリケーションデザイナの選択権、または、双方の選択権に応じて、変更を元に戻すように設定されていてもよい。一態様では、演算処理装置は、後続の表示画面(例えば、診察の画面またはそれより後の画面)へ進むのを許可する前に、全ての患者情報フィールドの記入を済ませるように要求するようにしてもよい。
【0042】
図6Cから図6Eは、患者情報の画面の追加の例を示している。例えば、実施形態によっては、患者を登録している時には、患者登録の画面620を表示することができるものもある。少なくとも1つの演算処理装置は、対話式フィールド624を表示させ、これにより、ユーザは表示された各範疇のデータを検分して、編集または入力することができる。実施形態によっては、患者登録の画面620には「作成」ボタン626が含まれているものもあり、これは、クリックすると、対話式フィールド624に入力されたデータに基づいて、システム内に患者入力部を作成するよう構成されている。実施形態によってはもう1つ別の局面に応じて、患者入力部が作成されると(例えば、「作成」ボタン626により)、少なくとも1つの演算処理装置は、1つ以上の血糖値データ認証ボタン(例えば、ボタン628および630)を患者登録の画面620に表示させることができるようにしたものもあるが、これは、患者の血糖値データへのアクセスをシステムから与える、要求する、または、その両方を行うために使用することができる。図6Dは、「直ちに認証」および「認証リンクを送信」という文章標識を有している2つの血糖値データ認証ボタン628および630を示しているが、「直ちに認証」ボタン628や「認証リンクを装置」ボタン630の代わりに(または、これらに加えて)他のユーザ・インターフェイス・オブジェクト、標識、符号、または、画像を使用しても構わないことを、当業者なら理解するであろう。
【0043】
実施形態によってはもう1つ別な局面に応じて、システムが血糖値データへのアクセスを認証されると、少なくとも1つの演算処理装置は、患者登録の画面620を患者情報の画面640に置き換えるようにしても構わない。幾つかの態様では、図6Eの患者情報の画面640は、図6Aおよび図6Bの患者情報の画面600に類似している。例えば、図6Aの対話式フィールド604は、図6Eの対話式フィールド642に類似している。これに加えて、少なくとも1つの演算処理装置は、画面640および他のタブに属している各表示画面に、ナビゲーション機能(例えば、前頁の画面に戻る、次頁の画面に進む、データを保存するなど)を実行するための、1行形式または1配列形式の対話式ナビゲーションボタン646を提示させるようにしてもよい。実施形態によっては、ナビゲーションボタン646はキャンセルボタンを含んでいないものもある。
【0044】
図4を再度参照すると、方法300は、工程420の、診療監視データに加えて検査結果データを入力できるようにする診察情報を含んでいる対話式の表示画面に適した構成にされた情報を少なくとも1つの演算処理装置によって提示することを更に含んでいてもよい。工程430に例示されている方法300の一態様では、診察情報により、検査結果データとは別に患者の生体データを入力することができるようになる。工程440のもう1つ別の態様では、検査結果データは、ヘモグロビンA1c、総コレステロール、低密度リポ蛋白、高密度リポ蛋白、腎機能、および、トリグリセリドのうちの1つ以上を含んでいる。この方法は、工程450の、少なくとも1つの演算処理装置によって先の検査結果データを表示装置に送信して、直近のセッション中に対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスにより入力された検査結果データと一緒に表示させることを更に含んでいてもよい。
【0045】
図7Aおよび7Bは、強調表示された診察タブ702に属している診察の画面700の例によって、工程420ないし工程450の上述の各操作を更に例示している。図7Aで分かるように、患者のデータが全部記入済みとなると、演算処理装置は患者の識別子を画面見出し部に表示させる。演算処理装置は診察画面700を生成するが、これには、患者の「生体情報」(例えば、身長、体重、BMI、血圧(例えば、収縮期血圧および拡張期血圧)、心拍数、習慣(例えば、飲酒頻度、身体活動、喫煙頻度など)を入力および検分するためのフィールドを含んでいる区分704と、臨床検査値(例えば、ヘモグロビンA1c、総コレステロール、低密度リポ蛋白、高密度リポ蛋白、トリグリセリドなど)をこれらに関連する測定日時と一緒に入力および検分するためのフィールドを含む区分706とが設けられている。一態様では、少なくとも1つの演算処理装置は、ユーザが区分704および区分706への入力を別々に済ませることができるようにしてもよい。図7Bで分かるように、演算処理装置は、区分708に示すように、臨床検査データの最近だが前回の値を画面700に表示させることができる。例えば、その後の診察で、生体情報および臨床検査結果について入力済みの前回までの値を参考のために表示させることができる。更に、実施形態によっては、図7Cおよび図7Dに描かれているように、区分706の各行のデータの脇に「最近のデータなし」のチェックボックス710を表示することができるものもある。これらの実施形態の一局面によれば、「最近のデータなし」のチェックボックスを選択することで最近の臨床検査測定値で利用できるものは無いことを示し、脇の値フィールドと日付フィールドには値を入力させないようにする。少なくとも 1 つの演算処理装置は各フィールドに、入力された通りに値を表示させることができる。入力する値がない場合は、「最近のデータなし」のチェックボックス710を選択することとなる。
【0046】
患者データは、医療介護者によって手入力されてもよい。それに加えて、または、その代わりに、患者データは何であれ好適な方法によって、例えば、電子診療履歴(EMR)データと通信プロトコルによって、自動で検索されてインターフェイスに入力されてもよい。
【0047】
図8は、方法300の一部として含めることができる更なる追加の操作800を例示している。この方法は、工程810の、少なくとも1つの演算処理装置によって、投薬スケジュールに記入するための医薬品をリストから選択できるようにすることを含んでいるとよい。図9Aは、この操作に一致する具体的な投薬の画面900を示しているが、ここでは、演算処理装置は、患者が服用した糖尿病薬904のリストおよびそれ以外の医薬品906のリストを表示させている。ユーザが検索フィールド908に文字を入力すると、演算処理装置は、これと合致する医薬品名910の選択可能なリストを表示することができる。投薬の画面は、索引項目502の強調表示された投薬タブ902に属している位置に表示される。
【0048】
図8の工程820において、或る医薬品が追加される場合に、その医薬品について工程815で少なくとも1つの演算処理装置がその記憶装置に保存している服用スケジュールを利用できると判定した場合は、該演算処理装置によって、対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスのユーザがリストから選択した医薬品について用量を1服以上の利用できる服用数から選択することができるようにすることを、この方法300は含んでいる。図9B-1は、ボックス908に示された医薬品についての典型的な用量または利用可能な用量の推奨値を含む投薬の画面900を例示している。演算処理装置は、ユーザがリスト914から1回分を選択したのに応答するが、これは、患者が投与を受ける医薬品の服用量を示している。これに加えて、図9B-2および図9B-3で見て取れるように、画面900は、選択可能な頻度フィールド915(例えば、1から始まる整数値を有する)、選択可能なスケジュール・フィールド916(例えば、朝食、昼食、夕食、就寝前、毎日など)、または、その両方が設けられていてもよい。
【0049】
図8の工程825で、選択された医薬品が一種のインスリンである場合は、この方法は、工程830の、インスリン薬をリストから選択したのに応答して1つ以上の患者事象についてインスリン服用数を入力することができるようにした対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスの投薬計画モジュールを少なくとも1つの演算処理装置により始動させることを含んでいてもよい。図9Cは、工程919に示されたインスリン投薬について、投薬計画の表示区分918を含んでいる投薬の画面の具体例を示している。ランタスなどのような持続型インスリンの場合、区分918の投薬計画フィールドによりユーザは、食事時と就寝前のインスリン服用の値を入力することができるようになる。
【0050】
図8の工程835で、インスリンの形態が短時間作用型である場合、方法300は、工程830の、短時間作用型インスリン薬をユーザがリストから選択したのに応答する場合についてのみ、少なくとも1つの演算処理装置はユーザがオプションを選ぶことができるようにすることを含んでいてもよい。演算処理装置は、図9Dで分かるように、短時間作用型インスリンの投与の選択肢のリスト922を表示することができる。これらの選択肢は、長時間持続型のインスリンを入力した場合には表示されない。図示された例では、3種類の選択肢が表示されており、すなわち、決まった食事時の用量を注射により投与、食事の糖質計算に基づいた用量を注射によって投与、および、1服用量をインスリンポンプによって投与、が表示されている。工程845で、短時間作用型インスリンがいつも決まった用量で投与される場合、方法300は、工程840の、食事時インスリン服用の各選択肢からいつも決まった食事時の注射による用量をユーザが選択したのに応答して、1つ以上の患者事象の各々についてより詳細な服用情報を入力できるようにするワークシートを少なくとも1つの演算処理装置が始動することを含んでいるとよい。例えば、いつも決まった用量について工程840で起動されたワークシートにより、服用量、補正係数、目標血糖値、および、補正閾値の入力を行えるようにするとよい。実施形態によっては、補正係数と目標血糖値が入力された後で補正閾値を自動的に追加することができるようにしたものもあるが、その理由は、補正閾値は補正係数に目標血糖値(または、それの何か他の関数)を加算したものに等しいからである。図9Eは、毎日の総用量(TDD)値についてのフィールド926に加えて、補正係数、目標血糖値、および、補正閾値についての追加の列が設けられたより詳細なワークシート928を含む投薬の画面900の一部を示している。いつも決まった用量のオプションの選択は924に示されている。
【0051】
工程855で、短時間作用型インスリンが糖質計算に基づいている場合、方法300は、工程850の、食事時インスリン服用の各選択肢から糖質計算して注射による服用のオプションをユーザが選択したのに応答して、1つ以上の患者事象の各々についてのより詳細な服用情報、毎日の総用量(TDD)、および、経験的投薬を選択するオプションを入力することができるようにするワークシートを少なくとも1つの演算処理装置により始動することを更に含んでいてもよい。例えば、糖質計算ワークシートにより、インスリン/カーボ比(I:C比)、補正係数、目標血糖値、および、補正閾値の入力を行えるようにしてもよい。実施形態によっては、補正係数と目標血糖値が入力された後で補正閾値を自動的に追加することができるようにしたものもあるが、その理由は、補正閾値は補正係数に目標血糖値(または、それの何か他の関数)を加算したものに等しいからである。図9Fは、補正係数、目標血糖値、および、補正閾値の追加の列と、毎日の総用量(TDD)値についてのフィールド926と、経験的投薬のオプションとが設けられたより詳細なワークシート928を含む投薬の画面900の一部を示している。糖質計算用量のオプションの選択は930に示されている。
【0052】
工程865で、短時間作用型インスリンがポンプによって投与される場合、方法300は、工程860の、食事時インスリン服用についての各選択肢からインスリンポンプによる服用のオプションをユーザが選択したのに応答して、時刻、基礎代謝率、インスリン/カーボ比(I:C比)、補正閾値と補正係数、毎日の総用量(TDD)、および、経験的投薬を選択するためのオプションを入力することができるようにするワークシートを1つ以上の演算処理装置が始動することを更に含んでいてもよい。図9Gは、時間および補正係数を入力することができるようにするワークシート934と、毎日の総用量(TDD)値のフィールド926と、経験的投薬のオプションとが設けられた投薬の画面900の一部を示している。ポンプ投与のオプションの選択は932に示されている。
【0053】
前述の各画面のいずれについても、医療介護者が投薬データを手入力することができる。これに加えて、または、これに代わる例として、医薬品データは、何であれ好適な方法により、例えば、電子診察履歴(EMR)データや通信プロトコルなどによって自動で検索をかけてインターフェイスに入力されてもよい。
【0054】
図10を参照すると、方法300は、治療評価についての追加の操作1000のうちの1つ以上を含んでいるとよい。対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスの治療評価部分により、ユーザは現在の自由行動下24時間血糖変動(AGP)を最後の治療変更前のAGPと比較し、前回の外来診察中に対処した問題を見直し、治療効果の相対的変化が何かあれば見直し、投薬の変更を再検討することができる。工程1010において、方法300は、患者の最新の自由行動下24時間血糖変動(AGP)を、該患者に対する最近の治療変更より前の時期のAGPと対照比較することができるようにする治療評価ワークシートを少なくとも1つの演算処理装置が準備することを含んでいるとよい。対照比較は図11A-1に例示されており、最左端の区分1104が最後の医療介入前の監視データおよび投薬データを表示し、最右端の区分1106が最新データを示しているのが見て取れる。治療評価画面1100は、治療評価についての評価タブ1102、副次タブ1124に属している状態で表示される。これ以外の利用可能な副次タブには、各事象と監察結果についての副次タブ1122、医療介入についての副次タブ1126、医療介入概要についての副次タブ1128などがあってもよい。
【0055】
上記以外の各実施形態では、図11A-2に描かれているように、評価1160および医療介入1162は、完全に別個のタブから成っていても構わない(すなわち、副次タブの代わりに)。実施形態によっては、評価タブ1160には、治療評価副次タブ(図示せず)および事象と観察記録の副次タブ(図示せず)が設けられていてもよいものもある。実施形態によってはもう1つ別の局面に従って、医療介入タブ1162は、医療介入副次タブ1164および医療介入概要副次タブ1166が設けられているようにしてもよいものもあり、その場合、医療介入概要副次タブ1166は、(例えば、サイン・ボタン1168をクリックすることによって)外来診察が利用終了申請された後にのみ表示される。
【0056】
図11A-1を参照し直すと、治療評価データ1104、1106は、GMI、平均血糖値、標準偏差、変動係数などのような指標の比較、グラフ形式の血糖値パターン1108、1110の比較、直近の外来診察1112の最中に対処した血糖値パターンのリスト1112、現在の血糖値パターンの諸問題のリスト1116、および投薬リスト1120、1118などを含んでいてもよい。区分1120は、患者の直近の外来診察時の治療評価の結果として得られた推奨される投薬変更を示している。同様に、区分1121は、これまでの治療評価によって識別された、推奨されるセルフケア変更が何かあれば、それを示すようにしてもよい。これに加えて、最新のデータ区分1106は、治療効果に関する観察記録と推奨事項の一方のみまたは両方1114を含んでいてもよい。このような観察記録と推奨事項1114は、例えば、血糖値の中心傾向(例えば、中央値)と変動値、臨床目標範囲に血糖値が収まっている時間の割合であるTIR値(例えば、70mg/dL未満である時間、180mg/dLを上回っている時間など)、または、その両方に基づくアルゴリズムおよび論理を利用して判定することができるが、上記事項の大半は国際公開第2012/108939号、国際公開第2014/106263号、および、国際公開第2014/145335号に更に詳細に記載されており、これら文献はいずれもここで参照することによりその全体が本明細書に組入れられているのは明らかである。アルゴリズムは、クラウドベースのプラットフォームで実行されてもよい。強調表示された血糖値パターンの諸問題1112、1114は、このようなアルゴリズムに基づいて最も問題があると判断された高血糖値期間または低血糖値期間を含んでいるようにしても構わない。観察記録と推奨事項を表示させるためのアルゴリズムの更なる議論は、図12に関連して以下に提示されている。
【0057】
図10を参照すると、工程1020で、方法300は、ユーザが選択したのに応答して、治療関連の各事象、各観察記録、および、併存疾患を選択することができるようにした事象と観察記録のワークシートを少なくとも1つの演算処理装置が始動することを更に含んでいるとよい。図11Bは、事象と観察記録の副次タブ1122に属している評価画面1100の例を示している。画面1100は、左側の列1130に属している糖尿病関連の事象と観察記録のリストと、右側の列1132に属している患者の併存疾患のリストとを含んでいる。実施形態によっては、併存疾患のリスト、それぞれの選択項目、または、その両方は前回以前の外来診察から持ち越すことができる。演算処理装置は、リスト1130とリスト1132の両リストにある各項目をユーザが選択できるように対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを設定している。
【0058】
工程1030において、方法300は、ユーザが選択したのに応答して、治療変更に伴って対処するべき血糖値パターンをユーザが選択することができるようにした医療介入のワークシートを少なくとも1つの演算処理装置が始動することを更に含んでいるとよい。一局面では、区分1140で、医療介入ワークシートにより、対処するべき血糖値パターンに影響を与える目的で患者のセルフケアオプションの選択が更に実施できるようにしている。図11Cは医療介入画面1170の例を示しているが、これは、図示の実施形態では、評価タブ1102の医療介入の副次タブ1126に属している。医療介入のワークシート1140は、対処するべき血糖値パターンを識別するユーザが選択できる選択肢のリスト1142、投薬変更1144、および、セルフケア行為1146を含んでいる。その右側に、演算処理装置は、参照のし易いように、最新のデータ1132についての結果を表示することができる。ユーザが医療介入画面の入力を全部済ませた後、演算処理装置は診察を完了したものと処理し、患者を問診リストから削除することができる。
【0059】
実施形態によってはそのもう1つ別の局面に従って、状況に基づいて或るユーザ・インターフェイス諸機能を表示することができるものもある。例えば、実施形態によっては、図9Aないし図9Dに関して上述したように、インスリン薬が既にリストに掲載されている場合は、図11C-2に示すように、投薬変更の区分1144に(「次頁」ボタンの代わりに)「投薬計画」ボタン1145が設けられるようにしたものもある。「投薬計画」ボタン1145は、クリックすると、投薬計画(例えば、インスリン投薬計画)を表示するように設定することができ、ユーザが投薬計画の各入力事項を編集することができるようにする。他の状況下では、投薬変更区分1144は、投薬リストを編集することができるようにする「編集」ボタンが設けられていてもよい(例えば、医薬品を追加、削除、または、その両方を行える)。他の状況下では、図11C-1に示すように、ボタンは「次頁」と表示され、ユーザをセルフケア行為の区分1146に誘導することができる。
【0060】
演算処理装置は、米国特許第9,351,670号明細書、その関連出願で既術の国際公開第2012/108939号、国際公開第2014/106263号、および国際公開第2014/145335号、または、その両文献群に記載されているように血糖値パターンを判定するようにしても構わない。各パターンは区分1142に列挙されており、ユーザが選択できる関連付けリンクとして設定することができる。医療介入の画面は、ユーザ(例えば、医療従事者)が、投薬の変更およびセルフケアの変更のうちいずれか一方、または、その両方の変更に伴って修正が必要となっているパターンを特定して優先順位を付けるのを支援するよう構成されているとよい。例えば、画面1170は、区分1144および区分1146にそれぞれ見て取れるように、投薬変更およびセルフケア変更についてのユーザが選択可能なフィールドまたはユーザが入力可能なフィールドが設けられているとよい。演算処理装置は、これらのユーザ入力事項の全てを目下の外来診察日時と関連付けて保存する。同じユーザが次回の外来診察時にシステムにアクセスすると、図11Aの前述の諸機能区分1112、1120、1121に示すように、演算処理装置は評価画面上に前回以前の対処済みのパターン、投薬変更、および、セルフケア変更を表示することで、ユーザを支援して、現時点の外来診察のデータを医療介入が行われた際の前回の外来診察のデータと比較することにより、以前の医療介入が患者の血糖値パターンにどのように影響したかを評価することができるようにするとよい。評価画面1100は、ユーザを支援して前回以前の医療介入の有効性を評価させるにあたり、ユーザがどのパターンに対処するつもりであったかを前回の外来診察からユーザに思い出させるという状況で実施させ、未だ対処されていないパターンの変更に関しても同様に情報を提供できるようにし、または、その両方を行える。
【0061】
工程1050において、方法300は、ユーザが選択したのに応答して、対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスに入力済みのデータと、治療評価と、治療計画に何か変更があった場合はその変更情報を簡潔にまとめた医療介入概要ページを1つ以上の演算処理装置が生成することを更に含んでいるとよい。図11Dは医療介入の概要1180の例を示しているが、図示された実施形態では、評価タブ1102の、概要の副次タブ1128に属している。演算処理装置は、電子診療履歴(EMR)に入力するのに好適な標準様式で概要1150を表示する。ユーザが選択したのに応答して、演算処理装置は電子形式で概要を生成し、電子診療履歴(EMR)として患者のファイルに保存することができる。
【0062】
図12は、方法300またはこれに類似した、GUIなどのような対話式のユーザ・インターフェイスを制御するための方法に含まれており、誘導式解説レポート(GIR)と呼ばれることもある、治療評価においてヒトが判読できる観察記録と推奨事項を提示するための1つ以上の追加の操作1200を例示している。観察記録には1日の時間帯パターンが含まれていてもよいし、推奨事項には投薬の考慮事項とセルフケアの考慮事項が含まれていてもよいが、1日の或る1つの時間帯の複数の血糖値パターン間や1日の多数の時間帯の血糖値パターン間で看破された関係に基づくアルゴリズムにより優先順位が付けられる場合がある。 操作1200とそれらに関連する操作のより詳細な例は、国際公開第2012/108939号、国際公開第2014/106263号、国際公開第2014/145335号、または、これら文献の各種組合せに記載されているとおりである場合もある。
【0063】
工程1202において、この方法は、医療介入前の監視データセットと医療介入後の監視データセットを解析目的で装置の演算処理装置が定義することを更に含んでいるとよい。「医療介入」とは、患者が医療従事者のもとを訪れた前回以前の外来診察のことを指す場合もあるが、この医療従事者に対して、本明細書に記載されているような投薬データや監視データが利用できるとともに、斯かるデータをこの医療従事者が対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスにより更新している。医療介入後の監視データセットは、直近の既に終了した医療介入の後に収集された監視データである場合もあるし、それを含んでいる場合もある。医療介入前の監視データは、直近の既に終了した医療介入より前に収集された監視データのことである場合もあれば、前々回の医療介入以降に収集された監視データのことであるかもしれないし、そのような監視データを含んでいる場合もある。実施形態によっては、医療介入前データセットは、最新の医療介入前監視データとそれより古い1つ以上の期間に得られたデータを含んでいる場合もある。一態様では、医療介入前データセットおよび医療介入後データセットを定義することは、最新の監視データにアクセスした後の記憶装置の状態に基づいて暗黙に実施されてもよい。これに代えて、または追加的に、装置の演算処理装置は、ユーザ入力に基づいてデータセットを定義するようにしてもよい。
【0064】
工程1204で、演算処理装置は、所定時間に基づいて、または、監視データで検出可能な事象に基づいて、1日の一番速い時間帯値を1つまたは複数設定することができる。例えば、「朝食後」の時間帯は、午前8時から正午までの期間と定義してもよいし、或いは、朝食を食べてから次の食事までであることを示す信号間またはデータ間の時間と定義してもよい。工程1206で、演算処理装置は、1日の時間帯の選択された期間のデータを解析することで血糖値パターン(GP)を特性評価することができる。血糖値パターンは1つ以上の数値であってもよいし、文字列、例えば、「高」、「低」、「適度に高い」、「適度に低い」、「範囲内」などでもよいし、或いは、これらの象徴的指示記号であってもよい。一旦決定されると、工程1208で演算処理装置は記憶装置に血糖値パターンを保存し、操作1200における後ほどの使用に備えるようにするとよい。
【0065】
工程1210で、演算処理装置は、他に、未だ解析が済んでいない1日の時間帯の期間が存在するか否かをチェックする。工程1212で、他にも1日の時間帯の期間があって解析するべきならば、演算処理装置が次の時間帯の期間を定義して、前述の工程1206に戻る。演算処理装置は、解析するべき時間帯の期間がそれ以上は残存しなくなるまで、医療介入前データセットおよび医療介入後データセットに対して血糖値パターン特性評価ループ(工程1206、工程1210、工程1212)を繰り返す。次いで、演算処理装置は、工程1214で1日の時間帯をリセットすることで、データ内の関連する時間帯の各々についての評価ループを開始する。
【0066】
工程1216で、演算処理装置は医療介入前血糖値パターン(GP)を回収し、工程1218で、例えば、記憶装置から医療介入後血糖値パターンを回収するが、記憶装置には工程1208で血糖値パターンがそれらに相関的な時間帯に関連づけて保存されている。任意選択的に、演算処理装置は、前後の続きの時間帯について血糖値パターンの影響を表している二次因子を判定または回収するようにしてもよい。例えば、昼食後の血糖値パターンについては、演算処理装置は、朝食後の血糖値パターンを二次因子として回収するとよい。工程1220で、目下の1日の時間帯について、演算処理装置は、コメント、観察記録、または、推奨事項の文章値を早見表またはそれ以外のデータ構造から、各期間ごとの血糖値パターンに基づいて探すことができるし、また選択的に、1つ以上の二次因子の文章値を探すようにしてもよい。例えば、医療介入前期間の血糖値パターンが行を指し、医療介入後期間の血糖値パターンが列を指している場合において、行と列の交点が指し示している履歴に保存されている文章値を探すようにしてもよい。二次因子を利用する場合、各因子はデータ表のもう1つ別な次元を規定するために利用するとよい。従って、工程1220で、演算処理装置は、少なくとも1つの1日の時間帯の期間、1つの医療介入前血糖値パターン、および、1つの医療介入後血糖値パターンの一意に定まる組合わせに最適である文章値を選択する。工程1222で、上記のような一意に定まる組合せと、それに付随している、工程1220で定義された文章値とを、工程1224で記憶装置に保存し、グラフィカル・ユーザ・インターフェイスにおける後ほど使用に備えるようにするとよい。
【0067】
工程1226で、評価ループ(工程1216から工程1228)が終了しているか否かを演算処理装置が判定する。終了していない場合、演算処理装置は、工程1228で次の時間帯期間を選択し、工程1216に戻る。終了している場合、工程1230で、演算処理装置は、工程1224で記憶装置に保存した文章または文章の部分集合を、優先方式に従って優先順にランクづけする。望ましければどんな優先方式でも利用することができるが、例えば、予め定義された文章列ごとの付随するリスクまたは優先スコアに基づいた方式、または、それに付随している、各因子の一意に定まる組合せに基づいた方式などを利用してもよい。工程1232で、演算処理装置は文章列またはそれらの優先度の高い部分集合に、選択的に、各々に付随している各因子を付与し、目下の医療介入における使用に向けて対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスにより出力する。例えば、図11A-1のスクリーンショット機能を使った画面1100は、選択されたうえに優先順位付けされた文章列を区分1114に示し、それらに付随している血糖値パターンと1日の時間帯とを区分1112に示している。
【0068】
図13Aは、糖尿病治療のための各種のパターンと評価の例を、評価の詳細を含めて例示している。表1300は、ユーザに表示して見せる推奨事項を決定するために使用される評価ロジックを使用したいくつかの具体的な結果を例示している。左から右に読むと、最初の2列は、3番目の列に示されているような分類評価に到達するための入力条件の例を示している。より具体的には、1列目は、多数日の監視期間に亘って検出された顕著な血糖値パターンについての1日の時間帯を示しており、2列目は、示された時刻に観察されたパターンを示している。3列目は、最新の監視期間に検出された血糖値パターンを1つ以上の昔の期間、例えば、最新より1つ前の期間の血糖値パターンと比較したのに基づく状態の評価を示している。4列目は見出しに「詳細」とあり、上述の選択アルゴリズムに基づいて記憶装置から回収することのできる、表示されると、例えば、図11Aの区分1114に見て取れるような所定の文章例を示している。
【0069】
装置の少なくとも1つの演算処理装置は、例えば、図13Aに示されているような文章を生成する評価論理を実行するために、図13Bに示されるような追加の操作1310を実行するとよい。このような論理はデータ表またはこれに等価のデータ構造によって表すことができるが、データ表は、一組の介在する入力諸条件により、1日の時間帯(TOD)の期間ごとの血糖値パターンを表示文章に関連付けする。データ表は、1日の時間帯の各期間(朝食後、昼食後、夕食後、夜間)ごとに1回使用されるとよい。データ表の各入力列を利用することで、この表の、一意に定まる組の入力に対応している各行を同定することができる。例えば、1列目により、特定行が関連している1日の時間帯の1期間を同定することができ、2列目により、前回以前の外来診察時の血糖値パターン、すなわち、医療介入前パターンとも呼称されるパターンを同定することができ、3列目により、目下の外来診察時の血糖値パターン(医療介入後パターンとも呼称される)を同定することができ、4列目により、医療介入後の、臨床目標範囲に血糖値が収まっている時間の割合であるTIR値(TB70すなわち70mg/dL未満である時間、TA180すなわち180mg/dLを上回っている時間など)を医療介入前のものと比較することができ、5列目により所定の文章を同定することができる。
【0070】
追加の操作(アルゴリズム)1310は、工程1312の、評価を目的として1日の時間帯(TOD)の期間を同定することを含んでいるとよい。工程1314で、演算処理装置は、この時間帯の期間についての各種の入力パラメータを受信することができるが、これらパラメータは、少なくとも医療介入前パターンおよび医療介入後パターンを含んでいる。工程1316で、演算処理装置は、上記入力パラメータに合致している1つ以上の履歴を選択することができるが、例えば、演算処理装置は、1日の時間帯、医療介入前パターン、および、医療介入後パターンの入力組合わせに合致している1つ以上の行を選択することができる。工程1316で、演算処理装置は、選択された履歴(例えば、行)の数が1より多いか否か(すなわち、履歴が一意に定まるか否か)を判定することができる。履歴が一意に定まる場合、工程1320で、演算処理装置は、選択された行または選択された履歴に在る表示用の文章を選択することができる。
【0071】
1日の時間帯(TOD)の複数の期間のうち或るものについては、2列目と3列目の組合わせが一意的でないことがあり、すなわち、データ表の2行かそれ以上に同じ組合わせが発生することがある。このような場合、追加の列、すなわち「4番目の」列を入力として使用することで、最終的に一意に定まる行を選択することもできる。4列目は、医療介入前パターンと医療介入後パターンとの間の関係、例えば、医療介入前指標のほうが医療介入後指標よりも小さい、大きい、同等であるなどといった関係を表すことができる。指標計算は、血糖値パターンを判定するために使用される血糖値データに基づいているとよい。従って、工程1322で、演算処理装置は、医療介入前の期間および医療介入後の期間についてこの指標を比較したうえで、工程1324で、比較指標を成立させることができる行または履歴を選択するとよい。
【0072】
例えば、指標は、血糖値が閾値(例えば、70mg/dL)を下回っている時間の百分率であってもよいし、或いは、それを一部に含んでいるのでもよい。同様に、高血糖期間には、指標は、血糖値が閾値(例えば、180mg/dL)を上回っている時間の百分率であってもよいし、或いは、それを一部に含んでいるのでもよい。演算処理装置は、両方の指標が指定された範囲内にある場合、例えば、5%差を超過しない場合、「変化なし」または「同等」と検出するとよい。同様に、「上回っている」または「下回っている」の判断をするにあたり、これら相関性の要件が閾値を超える差が生じることである場合には、演算処理装置は閾値を適用することができる。
【0073】
工程1320で、演算処理装置は、各種の入力パラメータの一意に定まる組合わせを利用することで、これに対応する一意に定まる行で、工程1326で表示されることになる出力文章を含んでいるものを選択することができる。この文章の各例の或るものは、指標計算によって決定される更なる変更可能な文章を伴うものもある。例えば、{metric text}が示されている場合に、演算処理装置が4列目で使われている各指標の差を計算するようにするとよいが、例えば、演算処理装置は、目下の外来診察と前回の外来診察の間の指標変化の絶対値を計算することができる。装置は、各例に示すように、文章の残余の部分に合わせて、単位が百分率%(または時間)である値を工程1326で表示することができる。工程1328で、演算処理装置は、評価すべき追加の1日の時間帯(TOD)の期間が残っているか否かを判定するとよい。操作1310が終了していない場合は、工程1330で、演算処理装置は次のTOD期間を選択し、新たに選択された期間のために工程1314に戻る。この方法が終了した場合、演算処理装置は、評価論理操作1310を呼び出したルーチンに戻る。
【0074】
代替例となる各実施形態では、データ表は、例えば、表示された文章を緑色に着色することによって「改善」評価を強調する目的で、評価を更に細分類する1つ以上の更なる出力を含んでいてもよい。
【0075】
もう1つ別の態様では、演算処理装置は、評価文章が表示される順序を決定するようにしてもよい。例えば、データ表は、1日の時間帯(TOD)の期間ごとに1つずつ、例えば4つまでの文字列による評価文章を表示用に準備するとよい。演算処理装置は、各列に示されている順序で表示の順序を定義することができる。例えば、演算処理装置は、「低」パターンに関連付けられた文章をそれ以外のパターンに関連付けられた文章より前に表示するようにしてもよい。更なる例として、1つのパターン内で、演算処理装置は、夜間の期間で始まるTODに関連付けられた文章を表示し、それに後続する各期間を通常の1日の時間帯系列の順に並べることができる。
【0076】
図13Aおよび図13Bに関連して例証および説明してきた文章例および評価論理は、それらに限定されるものではない。グラフィカル・ユーザ・インターフェイス上で選択して表示するのに好適であればどのような文章を作成して記憶装置に保存してもよいし、評価論理を文章や意図する用途事例に適合させてもよい。
【0077】
図14は、一実施形態による、本明細書に記載しているような対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを提供するための装置またはシステム1400の構成要素を例示している概念ブロック図である。図示のように、装置またはシステム1400は、演算処理装置、ソフトウェア、または、それらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現される諸機能を表している機能ブロックから構成されているとよい。
【0078】
装置またはシステム1400は、或る連続期間に亘りセンサ制御装置によって収集されたセンサ制御データを受信するための電気コンポーネント1402を更に備えているとよい。コンポーネント1402は、上述したような受信のための手段であってもよいし、或いは、その手段を一部に含んでいるのでもよい。上述の手段は、記憶装置1416および無線インターフェイス1414に接続された演算処理装置1410を備えており、記憶装置に保存されているプログラム命令に基づいてアルゴリズムを実行するようになっているとよい。このようなアルゴリズムは一連のより詳細な操作を含んでいることもあり、例えば、患者が身体装着したセンサ制御装置との間に無線セッションを確立すること、監視装置からのデータを要求すること、該装置からの監視データを受信することなどがあり、或いは、先の例の代わりに、データ要求に伴って患者の識別子をサーバー(監視装置ではない)に送信すること、サーバーから監視データを受信することなどを含んでいることもある。
【0079】
装置またはシステム1400は、対話式の表示と入力に適した構成にされた情報を付随している対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスを提供するために、電気コンポーネント1404をさらに備えているとよいが、斯かる情報は、患者リストに在る患者ごとの患者識別情報、患者ごとの投薬スケジュール、患者ごとの診療監視データを示す表示を一部に含む治療評価ワークシートなどを含んでいる。コンポーネント1404は、前述のようにインターフェイスを提供する手段であってもよいし、或いは、そのような手段を一部に含んでいるのでもよい。斯かる手段は、記憶装置1416および入力装置1414に接続された演算処理装置1410を備えているとよいが、演算処理装置は、記憶装置に保存されたプログラム命令に基づいてアルゴリズムを実行する。このようなアルゴリズムには、一連のより詳細な操作、たとえば、ユーザを認証する、セッション状態を判定する、セッション状態に基づく対話式データオブジェクトを生成する、データオブジェクトをグラフィックス処理装置に送信することでレンダリングと出力を行うようにすることなどの操作を含んでいるとよい。実施形態によっては、電気コンポーネント1404は、独立動作型コンポーネントまたはそのような装置であってもよい。それ以外の実施形態では、電気コンポーネント1404は大量データ処理フレームワーク(EMR)の埋め込み画面であってもよいが、例えば、ハイブリッド光ファイバ同軸ケーブル方式(HFC)の配線がEMRの内側から電気コンポーネント1404とそれに対応する諸機能のうちの1つ以上にアクセスすることができるように図っている。
【0080】
装置またはシステム1400は、外来診察中に患者ごとに対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスによりデータ入力を受信し、履歴に保存するための電気コンポーネント1406をさらに備えていてもよい。コンポーネント1406は、前述のようにデータ入力を受信および保存する手段であってもよく、或いは、そのような手段を一部に含んでいるのでもよい。斯かる手段は、記憶装置1416および無線インターフェイス1414に接続された演算処理装置1410を備えているとよいが、演算処理装置は、記憶装置に保存されたプログラム命令に基づいてアルゴリズムを実行する。このようなアルゴリズムには、一連のより詳細な操作、例えば、変数に関連してインターフェイス・オブジェクトを定義すること、ユーザ入力に応答してインターフェイス・オブジェクト重視機能を起動すること、重視しているオブジェクトからの入力を該オブジェクトに割り当てられた変数に関連付けをすること、受信した各変数の履歴を作成すること、この履歴を保存用のコンピュータ記憶装置に送信することなどの操作を含んでいるとよい。
【0081】
データ処理装置として構成された装置1400の場合は、装置1400は、選択的に、少なくとも1つの演算処理装置が設けられた演算処理装置モジュール1410を備えていてもよい。そのような場合、演算処理装置1410は、バス1412またはそれ以外の通信路、例えばネットワークを介して、モジュール1402ないしモジュール1406と有効に通信することができる。演算処理装置1410は、電気コンポーネント1402ないし電気コンポーネント1406によって実施される各種処理または諸機能の開始とスケジュール編成に作用することができる。
【0082】
関連のある態様では、装置1400は、患者が身体装着しているセンサ制御装置と通信するよう動作可能な無線インターフェイス・モジュール1414を備えていることもある。更なる関連のある態様では、装置1400は、例えば、記憶装置1416またはそのモジュールなどのような、情報を保存するためのモジュールを選択的に備えていてもよい。コンピュータが読取りできる媒体または記憶装置モジュール1416は、バス1412等を介して装置1400の他の各コンポーネントに動作可能に接続することができる。記憶装置モジュール1416は、モジュール1402ないしモジュール1406とそれらのサブコンポーネント、または、演算処理装置1410の各種処理や振舞いを有効にするための、或いは、方法300および該方法で関連付けて既に説明してきた追加の操作400、800、1000、1200、1310のうちの1つ以上を有効にするための、コンピュータが読取りできる命令およびデータを保存するのに適した構成であるとよい。記憶装置モジュール1416は、モジュール1402ないしモジュール1406に付随している諸機能を実行するための命令を保持していてもよい。記憶装置1416の外部にあるものとして示されているが、モジュール1402ないしモジュール1406は記憶装置1416が内蔵していても構わないものと理解するべきである。
【0083】
本件開示の各態様に関連して記載されている多様な具体例の論理工程、モジュール、回路、および、アルゴリズム段は、電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、または、その両方の各種の組合わせとして実装することができる。ハードウェアとソフトウェアのこのような置換え可能性を明確に示すために、多様な具体例のコンポーネント、工程ブロック、モジュール、回路、工程段などを、大まかにそれぞれの機能に関してこれまでに説明してきた。このような機能がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、システム全体に課されるアプリケーションの制約と設計上の制約で決まる。当業者なら、説明してきた機能をアプリケーションごとに多様な方法で実装するだろうと推察されるが、そのような実装判断が本開示の範囲から逸脱を生じていると解釈すべきではない。
【0084】
本願で使用される場合、「コンポーネント」、「モジュール」、「システム」などの用語は、ハードウェアであれハードウェアとソフトウェアの組合わせであれ、ソフトウェアであれ、または、実行中のソフトウェアであれ、コンピュータに関連した実体を指して言うことを意図している。例えば、コンポーネントは、演算処理装置上で起動するプロセス、演算処理装置、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、コンピュータまたは協働する複数コンピュータから成るシステム、または、これらの各種組合せであるとよいが、これらに限定されない。例として、サーバー上で起動しているアプリケーションとサーバーの両方をコンポーネントとしてもよい。1つ以上のコンポーネントがプロセス内に存在することもあれば、実行中のスレッド内に存在することもあり、或いは、その両方に存在することもあるが、コンポーネントは1台のコンピュータ上でローカライズされてもよいし、2台以上のコンピュータに分散されてもよいし、或いは、ローカライズと分散化の両方が行われてもよい。
【0085】
プログラム命令は何であれ好適な高級言語、例えば、C、C++、C#、JavaScript、またはJava(商標)などで書かれており、演算処理装置による実行用機械語コードを生成するためにコンパイルすることができればよい。プログラム命令は、複数の機能モジュール群に分けることでコーディングの効率を促進するとともに理解を容易にすることができる。そのようなモジュールは、たとえソースコードでは分割された複数部分であるとか分類してあるとか認識できたとしても、機械レベルのコーディングでは別個のコード・ブロックとして必ずしも弁別できるわけではないものと理解するべきである。特定の機能向けのコード・バンドルは、バンドル上のマシンコードが他のマシンコードとは無関係に実行できるかどうかに関係なく、1つのモジュールを構成していると見なしてもよい。換言すると、各モジュールは上位モジュールのみであってもよい。
【0086】
幾つものコンポーネントやモジュールなどから構成することができるシステムシステムに関して、様々な態様を提示してゆく。多様なシステムが、追加のコンポーネント、モジュールなどを含んでいてもよいこと、図面に関連して説明したコンポーネント、モジュールなどは全部備えていなくてもよいこと、その両方も成り立つ場合があるものと理解して正しく認識するべきである。これら各種のアプローチを組み合わせて利用しても構わない。本明細書で開示されている様々な態様は、タッチスクリーン表示技術、マウスとキーボード併用型インターフェイス、または、その両方を利用している装置を含む、各種の電気装置で実行することができる。このような装置の例として、コンピュータ (デスクトップおよびモバイル)、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、および、それ以外の各種の電子装置で無線通信式と有線通信式の両方が挙げられる。
【0087】
これに加えて、本明細書に開示されている各態様に関連して説明してきた多様な具体例の論理工程、モジュール、回路などは、以下のものが実装され、或いは、以下のものを利用して実行されるが、すなわち、汎用演算処理装置、デジタル信号演算処理装置(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、現場でプログラミング可能なゲートアレイ(FPGA)、または、それ以外のプログラミング可能な論理デバイス、離散型ゲートまたはトランジスタロジック回路、離散型ハードウェア・コンポーネント、または、本明細書に記載されている諸機能を実行するように設計された、上記の何らかの組合わせである。汎用演算処理装置は超小型演算処理装置であってもよいが、その代わりに、演算処理装置は、任意の従来の演算処理装置、コントローラ、マイクロコントローラ、または、ステートマシンであってもよい。演算処理装置は各種の電算装置の或る種の組合わせとして実装されてもよいが、例えば、DSPと超小型演算処理装置の組合せ、複数のマイクロ処理装置、DSPコアと連携する1つ以上の超小型演算処理装置、または、何であれそれら以外の上記のような構成がある。本明細書で使用される場合、「演算処理装置」は前述の各例の任意の1つまたは機能的な組み合わせを網羅する。
【0088】
本件開示の動作の態様は、ハードウェアで直接実施してもよいし、演算処理装置によって実行されるソフトウェア・モジュールで実施されてもよいし、或いは、両方の組合わせで実施されてもよい。ソフトウェア・モジュールは、RAM型記憶装置、フラッシュメモリ、ROM型記憶装置、EPROM型記憶装置、EEPROM型記憶装置、各種レジスタ、ハードディスク、着脱自在ディスク、CD-ROM、または、何であれこれら以外の、当該技術分野で公知の記憶媒体に常駐させるとよい。具体例の記憶媒体が演算処理装置に接続されている態様は、演算処理装置が記憶媒体から情報を読み取ったり、記憶媒体に情報を書き込んだりすることができるように企図されている。これに代わる例として、記憶媒体は演算処理装置に一体化されていてもよい。演算処理装置および記憶媒体は、ASICに常駐させてもよい。ASICは、ユーザ端末に常駐させてもよい。代替例として、演算処理装置および記憶媒体は、ユーザ端末内の離散型コンポーネントとして常駐させてもよい。
【0089】
更に、1つ以上のバージョンは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、または、何であれそれらの組合わせを生成するための標準的なプログラミング技術、工学技術、または、その両方を利用することで、コンピュータを制御して本件開示の各態様を実現するようにした方法、装置、または、製品として実装されてもよい。持続性のある、コンピュータが読み取ることのできる媒体としては、磁気記憶装置(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気帯など)、光ディスク(例えば、コンパクトディスクすなわちCD、デジタル式多目的ディスクすなわちDVD、BluRayTMなど)、スマートカード、ソリッドステート装置すなわちSSD、および、フラッシュメモリ装置(例えば、カード型、スティック型など)が挙げられるが、これらに限定されない。勿論、開示された各態様の範囲から逸脱することなく、この構成に対して多くの変更を行うことができることを、当業者なら認識するであろう。
【0090】
上述の具体例の各システムを考慮して、開示された主題に従って実現することのできる多数の方法を、幾つかのフロー図を参照しながら説明してきた。説明を簡単にするために、これらの方法は一連のブロックとして図示され、説明されているが、特許を請求する主題はこれらブロックの順序に限られず、というのも、幾つかのブロックは本明細書に描かれて説明されているものとは異なる順序で起きてもよいし、他のブロックと同時に起きてもよいし、或いは、その両方が起きても構わないからである。更に、例示したブロックの全部が本明細書に記載の各方法を実現するための要件であるわけではない。加えて、本件開示の各方法は、それらをコンピュータに容易に移送および転送できるようにするための製品に格納することができることを、更に正しく理解するべきである。
【0091】
非限定的な各実施形態を、以下の番号付きの節で更に具体的に例示する。
【0092】
実施例1
電算装置の対話式ユーザ・インターフェイスの治療評価に、ヒトが判読できる観察記録と推奨事項を供与する方法であって、該方法は、
所定期間に亘ってセンサ制御装置により収集された診療監視データを受信すること、
診療監視データの、医療介入前と医療介入後の別個のデータセットを評価を目的として定義すること、
血糖値パターンをそれと対応する、医療介入前と医療介入後の別個の前記データセットにある1日の時間帯の期間ごとに判定すること、
血糖値パターンに対応している1日の時間帯の期間ごとの、少なくとも部分的に血糖値パターンに基づいて、対話式ユーザ・インターフェイスに表示するための文章を判定すること、および、
前記対話式ユーザ・インターフェイスによる出力用の文章を供与することを含んでいる。
【0093】
実施例2
前記少なくとも1つの演算処理装置は文章を判定するにあたり、血糖値パターンに対応している1日の時間帯の期間ごとに血糖値パターンの少なくとも2つの別個の指標により標識を付された所定の値を探す目的でデータ構造を利用する、実施例1の方法。
【0094】
実施例3
前記少なくとも1つの演算処理装置は、更に、1日の時間帯の指標に対応している1日の時間帯の期間ごとに該指標に基づいて前記文章を判定する、実施例1または実施例2の方法。
【0095】
実施例4
前記少なくとも1つの演算処理装置は、更に、少なくとも1つの追加の血糖値パターン指標に対応している1日の時間帯の各期間の前後の続きの少なくとも一期間について該指標に基づいて前記文章を判定する、実施例2または実施例3の方法。
【0096】
実施例5
前記対話式ユーザ・インターフェイスを利用して前記文章を表示装置に表示させるための信号を前記少なくとも1つの演算処理装置により供与することを更に含んでいる、実施例2から実施例4のいずれかの方法。
【0097】
実施例6
前記医療介入前のデータセットと前記医療介入後のデータセットを定義することは、最新の監視データにアクセスした後で、記憶装置の状態に基づいて暗黙に実施される、実施例1から実施例5のいずれかの方法。
【0098】
実施例7
前記医療介入前のデータセットと前記医療介入後のデータセットを定義することは、前記対話式ユーザ・インターフェイスによるユーザ入力に基づいている、実施例1から実施例6のいずれかの方法。
【0099】
実施例8
1つ以上の食事事象を示すデータ特性に基づいて前記1日の時間帯の各期間を定義した状態で、前記少なくとも1つの演算処理装置により医療監視データを解析することを更に含んでいる、実施例1から実施例7のいずれかの方法。
【0100】
実施例9
前記血糖値パターンの指標は、数値が高いほうの指標と低い方の指標から成る、実施例1から実施例8のいずれかの方法。
【0101】
実施例10
1日の時間帯の多様な期間についての複数の文章を前記出力に向けた順に前記少なくとも1つの演算処理装置により順位付けすることを更に含んでいる、実施例1から実施例9のいずれかの方法。
【0102】
実施例11
文章列をそれらに関連している血糖値パターンおよび1日の時間帯と一緒にユーザ・インターフェイス装置上に表示することを更に含んでいる、実施例1から実施例10のいずれかの方法。
【0103】
実施例12
前記医療介入前のデータセットを処理することで第1血糖値パターンを判定することと、これとは別個に前記医療介入後のデータセットを処理することで第2血糖値パターンを判定することとを更に含んでいる、実施例1から実施例11のいずれかの方法。
【0104】
実施例13
第1処理法に従って前記医療介入前のデータセットを処理することと、第2処理法に従って前記医療介入後のデータセットを処理することとを更に含んでいる、実施例1から実施例12のいずれかの方法。
【0105】
実施例14
前記医療監視データの所定パターンを同定することに基づいて前記医療介入前のデータセットと前記医療介入後のデータセットとを自動で定義することを更に含んでいる、実施例1から実施例13のいずれかの方法。
【0106】
実施例15
第1組の所定パターンに基づいて第1血糖値パターンまたは第1血糖値事象を同定する目的で前記医療介入前のデータセットを解析することと、第2組の所定パターンに基づいて第2血糖値パターンまたは第2血糖値事象を同定する目的で前記医療介入後のデータセットを解析することとを更に含んでいる、実施例1から実施例14のいずれかの方法。
【0107】
実施例16
対話式ユーザ・インターフェイスの治療評価にヒトが判読することができる観察記録と推奨事項を供与する装置は、コンピュータ記憶装置と患者が装着したセンサ制御装置からデータを受信する無線インターフェイスとに接続された少なくとも1つの演算処理装置を備えており、該記憶装置は、該少なくとも1つの演算処理装置により実行されると該装置に実施例1から実施例15に記載されている各操作を実施させるプログラム命令を保持している。
【0108】
実施例17
コンピュータが読取りできる持続性記憶媒体は、演算処理装置により実行されると装置に実施例1から実施例15のいずれかに記載の各操作を実施させるプログラム命令を保持している。
【0109】
実施例18
装置は、実施例1から実施例15のいずれかに記載の各操作を実施する手段を備えている。
【0110】
要約すると、対話式グラフィカル・ユーザ・インターフェイスは、対話式の表示と入力に適した構成にされている情報を付随しており、該情報は、患者リストにある患者ごとの患者識別情報、患者ごとの投薬スケジュール、および、患者ごとの医療監視データを示す表示を一部に含む治療評価ワークシートを含んでいる。このワークシートにより、多様な期間に亘る監視結果を比較することができるうえに、治療計画を立てることができるようになる。
【0111】
本明細書に提示されているいずれの実施形態に関して記載されている各種の特徴、要素、構成部材、機能、および、工程も全て、どれであれそれ以外の実施形態のものと自由に組合わせたり置換したりすることができると意図していることに留意するべきである。或る特徴、要素、構成部材、機能、または工程が1つの実施形態のみに関して説明されている場合でも、その特徴、要素、構成部材、機能、または、工程は、そうではないと明確に述べていない限り、本明細書に記載されている他のすべての実施形態でも使用できるものと理解するべきである。従って、この段落は特許請求の範囲を導入するための前提条件および書面によるサポートとして機能するが、特許請求の範囲は、常に、多様な実施形態に由来する特徴、要素、構成部材、機能、および、工程を組み合わせ、或いは、一実施形態の特徴、要素、構成部材、機能、および、工程を別な実施形態のもので代用し、たとえそれらに続く説明が、特別な事例で、そのような組合わせまたは置換ができると明確に述べていなくてもできるのである。従って、開示された主題の特定の実施形態の前述の説明は、例示および解説の目的で提示されたものである。特に、ありとあらゆるそのような組合わせと置換が許されることを当業者なら容易に認識することを考えると、可能な組合わせと置換を悉く明示的に列挙することが過度に面倒であることに同意が得られるのは明らかである。
【0112】
各実施形態は、多様な変更および代替形態が可能であるが、その特定の例が図面に示され、本明細書で詳細に説明されている。開示された主題の真髄または範囲から逸脱することなく、開示された主題の方法およびシステムにおいて様々な修正および変更を行うことができることは、当業者には明らかである。したがって、開示された主題は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内にある修正および変形を含むもことが意図されている。更に、各実施形態の特徴、機能、工程、または、要素は何であれ、また、特許請求の範囲内に含まれない特徴、機能、工程、または、要素によって特許請求の範囲の発明の範囲を規定する否定的な各種の制限も同様に、特許請求の範囲に列挙または付記されている。
【符号の説明】
【0113】
100 被分析物監視システム
102 センサ制御装置
104 被分析物センサ
120 読取り装置
160 センサ電子機器類
170 局所コンピュータシステム
180 トラスティッド・コンピュータシステム
207 記憶装置と各種モジュール
1100 グラフィカル・ユーザ・インターフェイス表示画面
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B-1】
図9B-2】
図9B-3】
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図10
図11A-1-1】
図11A-1-2】
図11A-2】
図11B
図11C-1】
図11C-2】
図11D
図12
図13A
図13B
図14
【国際調査報告】