(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(54)【発明の名称】天然繊維を含む吸収性物品パッケージ材料
(51)【国際特許分類】
B65D 85/07 20170101AFI20230824BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20230824BHJP
A61F 13/514 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
B65D85/07
A61F13/15 200
A61F13/514 210
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504700
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(85)【翻訳文提出日】2023-01-23
(86)【国際出願番号】 US2021043816
(87)【国際公開番号】W WO2022026784
(87)【国際公開日】2022-02-03
(32)【優先日】2020-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル、レムス
(72)【発明者】
【氏名】エミリー、シャルロット、ボズウェル
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス、ペーター、モッチュ
【テーマコード(参考)】
3B200
3E068
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA07
3B200BA14
3B200BB01
3B200BB05
3B200BB09
3B200BB17
3B200BB30
3B200CA02
3B200CA03
3B200DD02
3B200DF01
3B200DF09
3B200EA18
3E068AA40
3E068AB02
3E068AC07
3E068BB09
3E068CC22
3E068CE01
3E068CE02
3E068CE03
3E068EE04
3E068EE17
3E068EE22
3E068EE25
(57)【要約】
1つ以上の吸収性物品のパッケージが記載されている。パッケージは、天然繊維を有するパッケージ材料と、消費者に面するパネルを含む複数のパネルと、を含む。パッケージは、1つ以上の吸収性物品がその中に封入されるように、封止される。パッケージ材料は、本明細書で修正される、ASTM F1249に従って、約300g/(m2*日)以下、より好ましくは、約200g/(m2*日)以下、又は最も好ましくは、約150g/(m2*日)以下である、応力条件下での水蒸気透過率「SCWVTR」を呈する。パッケージ材料は、リサイクル可能であり、1つ以上の吸収性物品の各々が、物品当たり約5グラム超、より好ましくは、物品当たり約8グラム、又は最も好ましくは、物品当たり約10グラムの量の超吸収性ポリマー(SAP)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の吸収性物品のパッケージであって、前記パッケージが、パッケージ材料を含み、前記パッケージ材料が、天然繊維を含み、前記パッケージが、消費者に面するパネルを含む複数のパネルを含み、前記パッケージは、前記1つ以上の吸収性物品が、その中に封入されるように封止され、前記パッケージ材料が、本明細書で修正される、ASTM F1249に従って、約300g/(m
2*日)以下、より好ましくは、約200g/(m
2*日)以下、又は最も好ましくは、約150g/(m
2*日)以下である、応力条件下での水蒸気透過率「SCWVTR」を呈し、前記パッケージ材料が、リサイクル可能であり、前記1つ以上の吸収性物品の各々が、物品当たり約5グラム超、より好ましくは、物品当たり約8グラム、又は最も好ましくは、物品当たり約10グラムの量の超吸収性ポリマー(SAP)を含む、パッケージ。
【請求項2】
前記パッケージ材料が、前記パッケージ材料の内面上に配設されたフィルム層を更に含む、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記フィルム層が、不溶性ポリマーを含む、請求項2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記フィルム層が、ポリオレフィンを含む、請求項2又は3に記載のパッケージ。
【請求項5】
接着剤を実質的に含まない、請求項1~4のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記パッケージ材料が、20g/(m
2*日)~約300g/(m
2*日)、より好ましくは、約20g/(m
2*日)~約200g/(m
2*日)、又は最も好ましくは、約20g/(m
2*日)~約150g/(m
2*日)のSCWVTRを呈する、請求項1~5のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記パッケージ材料が、約70g/(m
2*日)~約150g/(m
2*日)、より好ましくは、約70g/(m
2*日)~約120g/(m
2*日)、又は最も好ましくは、約70g/(m
2*日)~約110g/(m
2*日)のSCWVTRを呈する、請求項1~6のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記パッケージ材料が、約100g/(m
2*日)未満、より好ましくは、約95g/(m
2*日)未満、又は最も好ましくは、約85g/(m
2*日)未満のSCWVTRを呈する、請求項1~7のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記パッケージ材料が、約20g/(m
2*日)~約100g/(m
2*日)、より好ましくは、20g/(m
2*日)~約90g/(m
2*日)、又は最も好ましくは、約20g/(m
2*日)~約85g/(m
2*日)のSCWVTRを呈する、請求項1~8のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記フィルム層が、前記パッケージ材料の5重量パーセント以下、又はより好ましくは、4重量パーセント以下である、請求項2~9のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項11】
前記パッケージ材料が、100g/(m
2*日)未満のSCWVTRを呈し、前記パッケージ材料が、PTS-RH:021/97(草案2019年10月)法によって決定される場合、少なくとも90パーセントのリサイクル可能な材料を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項12】
前記パッケージ材料が、80g/(m
2*日)~100g/(m
2*日)のSCWVTRを呈し、前記パッケージ材料が、少なくとも90パーセントのリサイクル可能な材料を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記パッケージ材料が、少なくとも60パーセント、より好ましくは、少なくとも80パーセント、又は最も好ましくは、少なくとも90パーセントのリサイクル可能な百分率を呈する、請求項1~12のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記パッケージ材料が、リサイクル可能であり、前記パッケージ材料が、前記PTS-RH:021/97(草案2019年10月)法によって決定される場合、全体的な「合格」試験結果を呈する、請求項1~13のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記パッケージ材料が、60パーセント~約99.9パーセント、より好ましくは、約80パーセント~約99.9パーセント、又は最も好ましくは、約90パーセント~約99.9パーセントのリサイクル可能な百分率を呈する、請求項1~14のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項16】
前記パッケージ材料が、少なくとも50重量パーセントの天然繊維、より好ましくは、少なくとも70重量パーセントの天然繊維、又は最も好ましくは、少なくとも90重量パーセントの天然繊維を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項17】
前記パッケージ材料が、50~100重量パーセントの天然繊維、より好ましくは、70~99重量パーセントの天然繊維、又は最も好ましくは、90~99重量パーセントの天然繊維を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項18】
前記天然繊維が、木材繊維又はパルプ繊維のうちの少なくとも1つを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項19】
前記消費者に面するパネルが、白色の基色又は背景色を含み、その中の前記吸収性物品が、天然系である、請求項1~18のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項20】
前記パッケージが、複数の封止を備え、前記複数の封止の各々が、少なくとも3N/inの引張強度を有する、請求項1~19のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項21】
前記複数の封止のうちの少なくとも1つが、15N/in~約40N/in、より好ましくは、約20N/in~約35N/in、又は最も好ましくは、約22N/in~約30N/inの引張強度を有する、請求項20に記載のパッケージ。
【請求項22】
前記パッケージ内の前記1つ以上の吸収性物品が、おむつ又は成人用失禁パンツを含む、請求項21に記載のパッケージ。
【請求項23】
前記1つ以上の吸収性物品の各々が、実質的に不活性化された湿り度インジケータを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項24】
前記1つ以上の吸収性物品が、バックシート構成要素として通気性フィルムを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て吸収性物品及びそれらのパッケージング、より具体的には、リサイクル可能な使い捨て吸収性物品のパッケージング材料に関する。
【背景技術】
【0002】
環境に優しい製品は、歴史におけるこの時点での多くの消費者の意識の最先端にある。持続可能に供給される製品への注目が増加している。例えば、市場では、天然材料、生物源材料、及び/又はリサイクル材料を含む消費者製品を作成することへの強い要望がある。廃棄目的では、生分解性、堆肥化可能、リサイクル可能、再利用可能、かつ/又はそうでなければ最小限の埋め立て廃棄物を生じる製品への注目が増加している。
【0003】
使い捨て吸収性物品、特に、使い捨て吸収性物品パッケージングの文脈においては、これらの基準の一方又は両方をすでに満たすパッケージ材料が存在する。例えば、それらの棚パッケージとして、カートンボードを利用する多数の吸収性物品が存在する。カートンボードは、木材パルプに由来するため、持続可能に供給されること、リサイクル可能であることの一方又は両方であり得る。そして、パッケージ内の製品がそれ自体で棚で安定な表面を形成することができない場合、カートンボードが有用である。
【0004】
使い捨て吸収性物品が圧縮され、棚で安定な表面を形成することができる場合、より可撓性のある材料、すなわち、プラスチックが多くの場合使用される。プラスチックは、プラスチックの屈曲及び延伸の能力を考慮すると、カートンボードよりも多くのパッケージングプロセスの厳しさに耐えることができるため、概してカートンボードよりも好ましい。
【0005】
更に、プラスチックは、環境水分からプラスチックパッケージング内の物品を保護するバリア特性を呈することができる。一実施例として、市場の多くの吸収性物品は、それらの吸収システム内で超吸収性ポリマーを利用する。これらの超吸収性ポリマーは、吸収性物品に対して液体侵襲を急速に吸収して収容するように設計されている。残念ながら、これらの超吸収性ポリマーはまた、液体蒸気、すなわち環境からの水分を吸収するのにも非常に効果的であり得る。この環境からの吸収水分は、特に、吸収性物品が湿り度インジケータを含む場合に問題となり得る。
【0006】
湿り度インジケータは、吸収性物品が液体侵襲の吸収を有するときに特定するために、介護者及び潜在的に着用者によって利用される。吸収性物品が、そのような吸収を抑制するバリアなしで環境からの水分を吸収することが可能である場合、これらの湿り度インジケータは、まだパッケージ内にある間に活性化され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、プラスチック及び非プラスチック系材料の代替物に対する公的需要が高まっているため、天然系の十分なバリア特性を呈する可撓性パッケージング材料は、その需要を満たすであろう。そのようなパッケージは、湿り度インジケータを有する吸収性物品が、まだそれらのパッケージにある間に時期尚早に作動する可能性を低減することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のパッケージは、その中に1つ以上の吸収性物品を含み、天然繊維を含むパッケージ材料を含む。パッケージの各々が、消費者に面するパネルを含む複数のパネルを含み、パッケージは、1つ以上の吸収性物品がパッケージ材料によって封入されるように封止される。加えて、本開示のパッケージがリサイクルされる。
【0009】
特定の一実施例では、1つ以上の吸収性物品のパッケージが、パッケージ材料を含み、パッケージ材料が、天然繊維を含み、パッケージが、消費者に面するパネルを含む複数のパネルを含み、パッケージは、1つ以上の吸収性物品が、その中に完全に封入されるように接着封止され、パッケージ材料が、本明細書で修正される、ASTM F1249に従って、約300g/(m2*日)以下、より好ましくは、約200g/(m2*日)以下、又は最も好ましくは、約150g/(m2*日)以下である、応力条件下での水蒸気透過率「water vapor transmission rate under stress condition、SCWVTR」を呈し、パッケージ材料が、リサイクル可能であり、1つ以上の吸収性物品が、実質的に不活性化された湿り度インジケータを含む。
【0010】
更に別の実施例では、1つ以上の吸収性物品のパッケージが、パッケージ材料を含み、パッケージ材料が、天然繊維を含み、パッケージが、消費者に面するパネルを含む複数のパネルを含み、パッケージは、1つ以上の吸収性物品が、その中に完全に封入されるように接着封止され、パッケージ材料が、本明細書で修正される、ASTM F1249に従って、約300g/(m2*日)以下、より好ましくは、約200g/(m2*日)以下、又は最も好ましくは、約150g/(m2*日)以下である、応力条件下での水蒸気透過率「SCWVTR」を呈し、パッケージ材料が、リサイクル可能であり、1つ以上の吸収性物品の各々が、物品当たり約5グラム超、より好ましくは、物品当たり約8グラム、又は最も好ましくは、物品当たり約10グラムの量の超吸収性ポリマー(super absorbent polymer、SAP)を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本開示によるパッケージ材料の概略図である。
【
図1B】折り畳まれた構成における
図1Aのパッケージ材料シートを示す概略図である。
【
図1C】開放状態の本開示によるパッケージの概略図である。
【
図1E】閉鎖状態で示される本開示の別のパッケージの概略図である。
【
図2A】本開示のパッケージのパネルを示す概略図であり、パネルは、ブロックスタイル構成で封止を備える。
【
図2B】本開示のパッケージを示す概略図であり、パッケージは、ピンチ底部構成で封止を備える。
【
図2C】本開示のパッケージを示す概略図であり、パネルは、交差スタイル構成で封止を備える。
【
図2D】本開示のパッケージのパネルを示す概略図であり、パネルは、封止領域を有するブロックスタイル構成で封止を備える。
【
図3A】フローラッププロセスで構築された本開示によるパッケージを示す概略図である。
【
図3B】フローラッププロセスで構築された本開示による別のパッケージを示す概略図である。
【
図4A】本開示に従って構築された本開示による別のパッケージを示す概略図である。
【
図4B】
図4Aのパッケージの回転ビューを示す概略図である。
【
図5】その中の吸収性物品を示す
図1Eのパッケージの断面図である。
【
図6】物品の部分切断図を示す、本開示の吸収性物品の概略図である。
【
図7A】本開示に従って構築されたおむつの平面図を示す。
【
図8】衣服に面する表面が観察者に向いており、平坦に広げられた状態の、テープ式おむつの形態の例示的な吸収性物品の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で使用する場合、「吸収性物品」という用語は、排泄物を吸収し収容する装置を指し、より具体的には、着用者の身体に当てて又は着用者の身体に近接して配置されて、身体から排泄された様々な排泄物を吸収して収容するデバイスを指す。本開示の吸収性物品には、おむつ、成人用失禁ブリーフ、トレーニングパンツ、水泳用パンツ、おむつホルダー、おむつ外側カバー、おむつ外部カバー用の吸収性インサート、月経パッド、失禁パッド、ライナー、パンティライナー、タンポン、耐久性のある月経パンツなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0013】
本明細書で使用される場合、「幅方向」又は「CD(cross-machine direction)」という用語は、ウェブの平面内で機械方向に垂直である経路を指す。
【0014】
本明細書で使用される場合、「機械方向」又は「MD(machine direction)」という用語は、ウェブなどの材料が製造プロセスを通して進む経路を指す。
【0015】
本明細書で使用される場合、「着色剤」という用語は、基材に色を形成するために使用されるインク、染料、顔料などを指す。
【0016】
本明細書で使用される場合、「天然繊維」という用語はセルロース系繊維、竹ベースの繊維などを指す。天然繊維はまた、綿、アバカ、ケナフ、サバイ草、亜麻、エスパルト繊維、わら、ジュート麻、バガス、トウワタフロス繊維、及びパイナップリーフ繊維などの非木質繊維、並びに北部及び南部針葉樹クラフト繊維などの針葉樹繊維を含む落葉及び針葉樹から得られるものなどの木質、木材、又はパルプ繊維、ユーカリ、カエデ、カバ、及びアスペンなどの広葉樹繊維を指す。パルプ繊維は、高収率又は低収率形態で調製することができ、クラフト、亜硫酸塩、高収率パルプ化法、及び他の既知のパルプ化法を含む任意の既知の方法でパルプ化することができる。本開示の天然繊維は、リサイクル天然繊維、バージン天然繊維、又はそれらの混合物であってもよい。更に、天然繊維における良好な機械的特性のために、天然繊維が比較的損傷を受けず、ほとんど精製されていないか、又はわずかに精製されていることが望ましい場合がある。繊維は、少なくとも200、より具体的には、少なくとも300、より具体的には、少なくとも400、最も具体的には、少なくとも500のカナダ標準ろ水度を有することができる。
【0017】
本明細書で使用される場合、「セルロース系繊維」という用語は、特に明記しない限り、木材繊維、綿、再生セルロース繊維のようなビスコース、リヨセル、レーヨン、又は銅アンモニアレーヨン、及び高パルプ収率繊維などのセルロース繊維を含んでもよい。「セルロース系繊維」という用語はまた、マーセル化パルプ、化学的に硬化されたか、若しくは架橋された繊維、又はスルホン化繊維などの化学的に処理された天然繊維も含む。また、マーセル化天然繊維、再生天然セルロース繊維、微生物によって生成されるセルロース、レーヨンプロセス、セルロース溶解及び凝集紡糸プロセス、及び他のセルロース材料又はセルロース誘導体も含まれる。他のセルロース系繊維は、紙の破損又はリサイクル繊維及び高収率の繊維である。高収率パルプ繊維は、約65%以上、より具体的には、約75%以上、更により具体的には、約75%~約95%の収率を提供するパルプ化プロセスによって生成される繊維である。収率は、初期木材質量の百分率として表される処理された繊維の結果として得られる量である。そのようなパルプ化プロセスには、漂白ケミサーモメカニカルパルプ(bleached chemithermomechanical pulp、BCTMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(chemithermomechanical pulp、CTMP)、圧力/圧力サーモメカニカルパルプ(pressure/pressure thermomechanical pulp、PTMP)、サーモメカニカルパルプ(thermomechanical pulp、TMP)、サーモメカニカル化学パルプ(thermomechanical chemical pulp、TMCP)、高収率亜硫酸パルプ、及び高収率クラフトパルプが含まれ、それらは全て、結果として得られる繊維が高レベルのリグニンを有するままにするが、それでも天然繊維であると考えられる。高収率繊維は、典型的な化学的パルプ化繊維と比較して、乾燥状態及び湿潤状態の両方におけるそれらの剛性について周知である。
【0018】
本開示のパッケージは、その中に超吸収性ポリマー、すなわち「SAP」を含む吸収性物品をその中に含む。本開示のパッケージは、パッケージ材料を通る水分の移動速度をパッケージ内の吸収性物品のSAPに低減するバリア材料を含む。更に、本開示の吸収性物品は、吸収性物品が液体侵襲を受けたときに示す湿り度インジケータを備えてもよい。本開示のパッケージのバリアは、バリア材料の不在と比較して、これらの湿り度インジケータが棚上ではるかに長い時間の間不活性化され得るように、その中の吸収性物品によって吸収されることを遅くする。
【0019】
本発明者らは、驚くべきことに、いくつかの吸収性物品が他の吸収性物品よりも水又は水蒸気吸収の影響をより受けやすいことを見出した。一実施例としては、感湿インジケータ又は湿り度インジケータ、例えば、おむつ及び/又はトレーニングパンツを含む吸収性物品である。これらの湿り度インジケータは、物品のパッケージが置かれる環境条件に応じて、使用前にパッケージにおいてトリガされる場合がある。更に、多量のSAP、典型的には吸収性ゲル化材料を有する吸収性物品も、湿潤環境の問題を提示し得る。一実施例として、これらの吸収性物品のSAPは、水蒸気の形態の水分の量を環境から吸収した後に色を変化させる場合がある。残念ながら、この色の変化は、着用者又は介護者の間に懸念を引き起こす可能性がある。
【0020】
更に、本発明者らは驚くべきことに、SAPが水蒸気の形態でその環境から水分を吸収するのに有効であるが、その水蒸気の吸収は、SAPの能力が枯渇するまで継続しないことを見出した。代わりに、SAPは、例えば、応力条件(以下に記載)下で、一定期間、水蒸気を吸収し、定常状態に近づく。SAPによって吸収される水蒸気の量の定常状態は、SAPの全体的な能力よりもはるかに低い。したがって、吸収性物品内のSAPは、使用中に液体侵襲を吸収する能力を依然として有する。一実施例として、定常状態は、吸収性物品の全能力の約10パーセント未満であり得る。しかしながら、10パーセント未満でさえ、十分な水蒸気は、摩耗前に湿り度インジケータを活性化し、かつ/又はSAPに色変化を引き起こす可能性がある。
【0021】
無数の要因が、吸収性物品におけるSAPによる水分の吸収に影響を与え得る。一実施例として、理論に束縛されることを望まないが、本発明者らは、吸収性物品内のセルロースが、SAPであるように水蒸気の水分の吸収の影響を受けやすいものではないことを見出した。吸収性物品内のセルロース材料は、SAPのように環境からの水蒸気を多く吸収しないことが理論化される。したがって、セルロース対SAPの高い重量比を有する吸収性物品は、より低い重量比のセルロース対SAPを有するそれらの吸収性物品として、環境からの大量の水蒸気を吸収しない可能性があると理論化される。同様に、吸収性物品当たり高い重量又はグラムのSAPを有する吸収性物品はまた、非常に低い重量又はグラムのSAPを有する吸収性物品のより多くの水蒸気を吸収してもよいことが理論化される。
【0022】
例えば、月経パッドは、典型的には、おむつ又はトレーニングパンツよりも、物品当たりはるかに少ないSAPを有する。同様に、月経パッドは、典型的には、成人用失禁パッド及び/又はパンツよりも、物品当たりはるかに少ないSAPを有する。物品当たり5グラムを超える量、より好ましくは、物品当たり8グラム、又は最も好ましくは、物品当たり10グラムの量のSAPを含む吸収性物品が、本開示のパッケージから潜在的に利益を受けることが理論化される。
【0023】
更に、吸収性物品のバックシートの通気性の量が、吸収性物品パッケージ内にある間に、SAPによって吸収される水蒸気の量に同様に寄与するか、又は影響を与え得ることが理論化される。一実施例として、非通気性フィルムは、SAP含有物品がパッケージ内にある間に、SAPによる吸湿に対する高いバリアを提供することができる。しかしながら、バックシート構成要素として通気性フィルムを有するおむつ、パンツ、及び成人用失禁パンツでは、そのような通気性フィルムは、湿度がパッケージ内の隣接する吸収性物品間の空間を横断するか、又は拡散することを可能にするように理論化される。つまり、本発明の吸収性物品パッケージング材料は、バックシート構成要素として通気性フィルムを含む吸収性物品に特に必要であると考えられている。
【0024】
吸収性物品におけるSAPによって吸収された水蒸気の量に影響を与える可能性のある別の特徴は、パッケージである。プラスチックフィルムは、大きな水分バリアを作製し、SAPによる水蒸気の吸収を妨げることができるが、プラスチックフィルムは、概して、天然繊維、例えば、木材パルプ及び/又はセルロース材料を意味するリサイクルプロセスにおいて汚染物質として見られる。しかしながら、本発明者らは驚くべきことに、天然繊維層と、フィルムコーティングと、を含み、依然としてリサイクル可能である、パッケージング材料を見出した。フィルム層は、天然繊維層の内面又は外面上に配設されてもよい。フィルムは、プラスチックであってもよく、又はポリマー材料を含んでもよい。一実施例では、フィルムは、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。明確にするために、フィルム層は、天然繊維と同じリサイクルプロセスでリサイクル可能である可能性は低いが、他のリサイクル手段、例えばプラスチックフィルム、プラスチックバッグリサイクルを介して、リサイクル可能であってもよい。
【0025】
パッケージ材料のリサイクル性に関して、材料のリサイクル性を決定する均一な標準はない。概して、天然材料の収率が高いほど、材料がリサイクルされ得る可能性が高くなる。天然材料、例えば、木材パルプ及び/又はセルロースのより高い収率を収容するために、天然繊維と比較したフィルムの重量百分率は、実質的に少なくなるべきである。一実施例として、フィルム層は、全体的なパッケージ材料の約40重量パーセント以下、より好ましくは、30パーセント以下、又は最も好ましくは、20パーセント以下(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)を構成することができる。別の実施例として、フィルム層は、約3重量パーセント~約40重量パーセント、より好ましくは、約3重量パーセント~約30重量パーセント、又は最も好ましくは、約3重量パーセント~約20重量パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)を構成することができる。特定の一実施例では、フィルムは、全体的なパッケージ材料重量の約5重量パーセント以下、より好ましくは、約4パーセント以下、又は最も好ましくは、約3パーセント以下を構成してもよい。別の特定の実施例では、フィルムは、約1重量パーセント~約5重量パーセント、より好ましくは、約1重量パーセント~約4重量パーセント、又は最も好ましくは、約1重量パーセント~約3重量パーセントを構成してもよい。
【0026】
パッケージ材料の坪量は、50gsm~120gsm、より好ましくは、60~105gsm、又は最も好ましくは、70~90gsm(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の坪量を有することができる。坪量は、本明細書で修正される、ISO536によって決定することができる。
【0027】
フィルムの坪量は、少なくとも約2gsmであるべきである。この坪量を下回ると、好適なバリア特性を提供するために、フィルムがバッグの十分な部分を覆い得ないことが理論化される。しかしながら、前述のものを除いて、フィルムの坪量がこれまでに記載された重量百分率内にある限り、フィルムは任意の好適な坪量であり得る。
【0028】
天然繊維層に積層、コーティング、又は他の方法で接合されたフィルムは、特に、フィルムが全体的なパッケージ材料のより小さい重量百分率であることが望ましい相乗的関係を形成することに注目すべきである。例えば、フィルムが全体的なパッケージ材料の5重量パーセント以下である場合、これは、これまでに記載されたパッケージ材料の坪量のための非常に小さな坪量フィルムであり得る。この非常に低い坪量では、フィルムは、天然材料層にコーティング、積層、又は他の方法で接合されることなく、確実に処理することができないと考えられる。同様に、フィルムを添加することなく、天然材料層は、もしあれば、パッケージにおける吸収性物品内のSAPによる水蒸気の吸収に対する多くの抑制をもたらすことができない場合がある。
【0029】
フィルムが天然繊維層に接合され得る方法に関して、例示的な方法が以下に記載される。フィルム層は、不水溶性であるポリマーであり得る。ポリマーは、予め作製された分散液/ポリマーのエマルションとして製造業者から得ることができ、又は事前に作製された分散液/エマルションが利用できない場合、分散液/エマルションを形成することができる。次いで、水性ポリマーシステムを天然繊維層上にコーティングし、次いで、水(又は他の溶媒、例えば、アルコール)を、対流又は拡散乾燥プロセスによって除去することができる。その後、十分な熱が適用されて、連続ポリマー層を形成し得る。
【0030】
理論に限定されるものではないが、水性ポリマー系の最も重要な材料特性は、a)ポリマーが水中でエマルションに作製される能力、b)その温度での水性ポリマーシステムの結果として得られる粘度(粘度がより高いほど、層間の最大区別/分離のためにより良好になる)、c)コーティングされる基材上の水性ポリマーシステムの湿潤(湿潤がより高いほど、より良好である)であると考えられる。
【0031】
別の実施例は、熱押出コーティングを伴う。熱押出コーティングは、水性ではない組成物を適用するために使用される。この方法では、ポリマー組成物は、押出機内で溶融され得る。溶融ポリマー組成物が、天然繊維層の表面上に熱的に押し出され、続いて冷却されて、パッケージ材料が形成される。
【0032】
更に別の実施例では、フィルムは、接着積層を介して、天然繊維層に塗布され得る。そのような実行が行われる場合、これがパッケージ材料の全体的なリサイクル性に影響を与える可能性があるため、接着剤のタイプ、及び使用される接着剤の量に関して注意すべきである。そのような配置を使用した場合、接着層を天然繊維層に直接塗布することができ、次いで、事前に作製されたフィルム層を接着剤層に塗布する。ポリマー組成物は、溶液ケーシング、熱キャストフィルム押出、及び熱吹出フィルム押出を含む様々な方法によって、予め作製されたフィルムに作製することができる。更に別の実施例では、熱積層を使用して、ポリマーフィルム層を天然繊維層に接着することができる。
【0033】
フィルム層に利用することができる好適なポリマー組成物に関して、生分解性であり得るか、又は非生分解性であり得る多くのものが存在し、生分解性のオプションのいくつかの実施例は、脂肪族芳香族ポリエステル(例えば、BASFからのECOFLEX(登録商標))、熱可塑性澱粉(NovamontからのMATER-BI、又はPlantic/KurarayからのPLANTIC(登録商標))、ポリブチレンコハク酸塩、及びそれらのコポリマー(例えば、昭和高分子株式会社からのBIONOLLE(登録商標)、又は三菱ケミカルからのPBSA)、及びそれらのコポリマー、ポリカプトラクトン、及びそれらの混合物を含む。他の好適なポリマーとしては、ポリ(ベータ-ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシヘキサン酸)DanimerからのNODAX(商標)、カネカからのポリ(3-ヒドロキシ酪酸-コ-3-ヒドロキシヘキサン酸))などのポリヒドロキシアルカン酸(polhydroyxalkoanate、PHA)及びPHAコポリマーが挙げられる。PHAコポリマーの非限定的な例としては、米国特許第5,498,692号に記載されているものが挙げられる。他のPHAコポリマーは、参照により本明細書に組み込まれるVolova,「Polyhydroxy Alkanoates Plastic Materials of the 21」Century:Production,Properties,and Application,Nova Science Publishers,Inc.,(2004)に記載されているように、例えば微生物から当業者に既知の方法によって、ベータラクトンの開環重合によって、ヒドロキシアルカン酸の脱水重縮合によって、及びヒドロキシアルカン酸のアルキルエーテルの脱アルコール重縮合によって合成されることができる。別の実施例は、ポリ乳酸(polylactic acid、PLA)である。非生分解性オプションの追加の実施例としては、ポリオレフィン材料、例えば、ポリエチレン(polyethylene、PE)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、及びポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)が挙げられる。ポリエチレンの実施例としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンが挙げられ得、これらの材料の全てのホモポリマー及びコポリマーを含む。非生分解性オプションの他の実施例としては、様々なSurlynの、スチレンブタジエン、例えば、アクリロニトリルブタジエンのコポリマー、アクリルコポリマー、アクリレートコポリマー(メタクリル酸メチルを含む)、EVA(エチレン酢酸ビニル)を含むアセテートコポリマーが挙げられる。ポリマーは、場合によっては、粘土(例えば、カオリン)などの充填剤添加剤及びCaCO3又はTiO2などの他の無機添加剤が含まれ得る。
【0034】
理想的には、本開示のパッケージ材料は、その中の吸収性物品におけるSAPによる水蒸気の吸収を抑制する無制限の保護を提供する。しかしながら、前述のように、天然材料層へのバリア材料の添加は、天然繊維層のリサイクル性に悪影響を及ぼし得る。そのため、バリア材料、したがってパッケージ材料を注意深く選択する必要がある。
【0035】
本開示のパッケージ材料のバリア特性は、ASTM F1249、すなわち、水蒸気透過率「WVTR」によって測定することができる。この試験は、パッケージ材料の水蒸気透過に関する有用な情報を提供することができるが、しかしながら、試験は、典型的には、23℃及び相対湿度50パーセントで行われる。前述のように、本発明者らは、いくつかの吸収性物品が、かなり低いレベルの吸収水分、例えば約6.5グラムで、水蒸気吸収、特に、おむつの湿り度インジケータに関して負の反応を示し得ることを見出した。更に、前述のような条件を有さないいくつかの領域が全体的に存在する。むしろ、これらの領域は、温度を高め、多くの場合、相対湿度を高める。前述に基づいて、本発明者らは、38℃及び相対湿度90パーセントの応力条件で、ASTM F1249 WVTR試験を実施した。この試験の結果は、応力条件WVTR又は「stress condition WVTR、SCWVTR」であった。
【0036】
湿り度インジケータが早期に活性化される可能性を低減するために、本発明者らは、驚くべきことに、パッケージ材料が約300g/(m2*日)以下、より好ましくは、約200g/(m2*日)以下、又は最も好ましくは、約150g/(m2*日)以下(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のSCWVTRを有するべきであることを見出した。更なる実施例として、本開示のパッケージ材料は、20g/(m2*日)~約300g/(m2*日)、より好ましくは、約20g/(m2*日)~約200g/(m2*日)、又は最も好ましくは、約20g/(m2*日)~約150g/(m2*日)(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のSCWVTR値を呈し得る。特定の一実施例では、本開示のパッケージ材料は、約100g/(m2*日)未満、より好ましくは、約95g/(m2*日)未満、又は最も好ましくは、約80g/(m2*日)(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のSCWVTRを呈し得る。別の特定の実施例では、本開示のパッケージ材料は、約20g/(m2*日)~約100g/(m2*日)、より好ましくは20g/(m2*日)~約95g/(m2*日)、又は最も好ましくは、約20g/(m2*日)~約80g/(m2*日)(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のSCWVTRを呈し得る。更に別の特定の実施例では、本開示のパッケージ材料は、約70g/(m2*日)~約150g/(m2*日)、より好ましくは、約70g/(m2*日)~約120g/(m2*日)、又は最も好ましくは、約70g/(m2*日)~約110g/(m2*日)(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のSCWVTRを呈し得る。
【0037】
様々な材料のデータを以下の表1に提供する。
【0038】
【0039】
試料1は、Aegis 95/5(商標)の商品名でMondiから入手可能な、片側にコーティングされた84gsmの褐色クラフト紙である。
【0040】
試料2は、Aegis 95/5(商標)の商品名でMondiから入手可能な、片側にコーティングされた84gsmの白色クラフト紙である。
【0041】
試料3は、Sustainex(商標)の商品名でMondiから入手可能な片側にコーティングされた材料である。
【0042】
試料4は、Sappi Seal(商標)の商品名でSappi Groupから入手可能な67gsmの材料である。
【0043】
上記の試験された試料1~4のうち、本発明者らは、試料1及び2のみが本明細書に記載の前提条件を満たすことを見出した。すなわち、試料1及び2は、本明細書に記載される水分に対する適切なバリアを提供し、かつ高いリサイクル性百分率を有する。試料1及び2は、試料1が褐色クラフト紙であり、試料2が白色クラフト紙であることを除いて、同一であることに留意されたい。白色クラフト紙を作製する際に利用される顔料は、紙リサイクルプロセスに悪影響を及ぼさず、SCWVTR試験に悪影響を及ぼすこともないと考えられている。したがって、試料1のSCWVTRスコアは、試料2のSCWVTRと同じ又はその小さなマージン内であると考えられている。同様に、試料2のパッケージ材料のリサイクル可能な百分率は、試料1のリサイクル可能な百分率と同じ又はその小さなマージン内であると考えられる。また、試料4は、本明細書に記載のバリア機能を提供するが、本発明者らは、試料4が本明細書に記載の機械的特性を満たさないことを見出した。本開示のパッケージ材料の機械的特性を以下に記載する。
【0044】
本開示の1つ以上の吸収性物品のパッケージの不活性化された湿り度インジケータに関して、様々なタイプの湿り度インジケータを考察することができる。第一に、湿り度インジケータは、その乾燥状態で第1の色として現れ、湿り度インジケータが湿潤するにつれて第2の色に変化し得る。より多くの液体が吸収性物品の吸収性コアに導入されるにつれて、湿り度インジケータのより多くが第1の色から第2の色に変化する。吸収性物品が完全に満たされている場合、湿り度インジケータは、典型的には、第2の色のみを示す。
【0045】
第2のタイプの湿り度インジケータは、湿り度インジケータによって湿り度が受け取られた後にのみ現れるグラフィックを伴い得る。例えば、その乾燥状態では、湿り度インジケータは、吸収性物品の周囲の色から見えるか、又は区別可能であり得る。そのような湿り度インジケータでは、第1のタイプと同様に、液体が湿り度インジケータによって受け取られると、物品の着用者に面する表面及び/又は衣服に面する表面のいずれかを通して見える色の変化が生じ得る。湿り度インジケータによって受け取られる液体の量に応じて、色の変化を生成するために小さな部分のみを活性化させてもよい。又は、大量の液体が受け取られる場合、湿り度インジケータのより大きな部分又は全てを活性化して、可視色の変化を生成することができる。
【0046】
第3のタイプの湿り度インジケータは、グラフィックを消失させることを伴い得る。一実施例として、例えば、完全なカートンの特徴のグラフィックは、物品の乾燥状態に現れ得る。物品が液体を吸収し始めると、カートンの特徴は消失し始める。物品が満たされると、カートンの特徴は、現れない可能性があり、その大部分で、現れない可能性がある。
【0047】
湿り度インジケータに関する前述の考察に基づいて、不活性化された湿り度インジケータは、湿り度インジケータが、物品内の液体を受け取ってそのレベルを示すために実質的に利用可能であるものである。例えば、湿り度インジケータの色変化又は出現の場合、実質的に不活性化された湿り度インジケータは、湿り度インジケータの面積の70パーセント以上、より好ましくは、85パーセント以上、又は最も好ましくは、95パーセント以上が、(i)元の(乾燥)色であるか、又は(ii)現れていない(具体的にはこの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)ものである。別の実施例として、消失グラフィックに関して、実質的に不活性化された湿り度インジケータは、消失グラフィックが約70パーセント以上、より好ましくは、85パーセント以上、又は最も好ましくは、95パーセント以上(具体的にはこの範囲それによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)で存在するものである
【0048】
本開示のパッケージ材料の所望のリサイクル性百分率が60パーセント~70パーセントである場合、水分に対するはるかにより制限的なバリアが収容され得ることに注目すべきである。そのような構造について、フィルム層は、約30重量パーセント~40重量パーセントを含み得、約30g/(m2*日)以下のSCWVTRを呈し得ることが理論化されている。本開示のパッケージ材料の所望のリサイクル性百分率が70パーセント~80パーセントである場合、フィルム層の重量百分率は、20重量パーセント~30重量パーセントであり得る。そのようなレベルでは、本開示のパッケージ材料は、約50g/(m2*日)以下のSCWVTRを呈し得る。本開示のパッケージ材料の所望のリサイクル性百分率が80パーセント~90パーセントである場合、フィルム層は、10重量パーセント~20重量パーセントを含み得る。そのようなレベルでは、本開示のパッケージ材料は、約80g/(m2*日)以下のSCWVTRを呈し得る。本開示のパッケージ材料の所望のリサイクル性百分率が90パーセントを超えることが望ましい場合、フィルム層は、10重量パーセント以下の重量を含み得る。そのようなレベルでは、本開示のパッケージ材料は、約100g/(m2*日)以下のSCWVTRを呈し得ると考えられる。
【0049】
本発明者らは、驚くべきことに、吸湿速度が追加のパッケージングによって更に低減され得ることも見出した。一実施例として、本開示のパッケージ材料は、一次パッケージとして利用され得る。一次パッケージは、その中に吸収性物品を含むパッケージである。一次パッケージは、典型的には、棚上に配置され、消費者に販売されている。
【0050】
小売業者に一次パッケージを出荷するために、二次パッケージを利用することができる。二次パッケージは、典型的には、その中に複数の一次パッケージを含む。吸収性物品によって水分が吸収される速度を低減するために、これらの二次パッケージは、同様に、内部及び/又は外部のいずれかでフィルム層を備えてもよい。この内部及び/又は外部フィルムは、一次パッケージ内の吸収性物品によって水分が吸収される速度を低減することができる。二次パッケージのフィルムに加えて、又は独立して、複数の二次パッケージをパレット上で一緒に出荷してもよい。この複数の二次パッケージはまた、複数の二次パッケージを安定化させるのに役立つフィルムラップを備え得る。しかしながら、複数の二次パッケージを安定化することに加えて、このフィルムラップは、一次パッケージ内の水蒸気吸収速度を更に低減し得る。パレット安定化のためのこれらのフィルムラップは、当該技術分野で既知であり、概してポリオレフィン系である。
【0051】
複数の二次パッケージは、製品の販売者によって開梱するのに必要となるまで、外側フィルムラップに包まれたままであり得る。同様に、二次パッケージは、その中の一次パッケージが必要とされるまで封止され得る。二次パッケージの各々が、開放する方法及び/又はときに関する指示を提供するパッケージ情報を含み得る。そのような情報は、二次パッケージが必要になるまで開放されないため、吸収性物品におけるSAPによって吸収される水分の全体量を減少させるのに役立ち得る。
【0052】
本開示のパッケージが吸湿に対する十分なバリアを有する場合、湿り度インジケータ及び吸収性物品内のSAPは、より長い貯蔵寿命を有するであろう。例えば、応力条件下、すなわち38℃及び90パーセント相対湿度では、本開示のパッケージ内の吸収性物品は、十分な期間にわたって、物品ごとに4.5グラム未満の水分を吸収すると考えられる。更に、本開示のパッケージ内の吸収性物品は、物品当たり7グラム未満の水分を、更に長期間にわたって吸収すると考えられる。
【0053】
前述のように、本開示のパッケージ材料におけるフィルムは、天然系材料、例えば、木材パルプ及び/又はセルロースのリサイクルプロセスにおいて汚染物質であると考えられる。残念ながら、フィルムに加えて、本開示のパッケージの構築に利用され得る他の材料も、汚染物質と見なされ得る。例えば、本開示のパッケージは封止を備える。これらの封止は、パッケージ内の吸収性物品が、パッケージの外部の環境から汚染する可能性が低いことを確実にする。更に、着色剤及び/又はコーティングを利用して、パッケージ上のブランディング、背景色、及び/又はパッケージ情報を提供することができる。接着剤、コーティング、及び/又は着色剤の使用は、以下で更に詳細に論じられる。
【0054】
ここで、本発明者らは、本開示のパッケージのリサイクル性に焦点を当てている。リサイクルプロセスは、リサイクル可能な材料のパーセント及び不合格材料の量、すなわちリサイクル可能ではない材料の量を決定することができる。パッケージ材料がリサイクル可能であるかどうか、リサイクル可能な材料パーセント、及びリサイクル不可能な材料のパーセントを決定するのに有用であり得るいくつかの特定の実施例は、PTS法及びウエスタンミシガン法を含み、各々が以下で更に詳細に説明される。これらの方法は、木材繊維及び/又はパルプ繊維を含む材料のリサイクル性に関する。これらの方法については、以下で更に詳細に説明する。
【0055】
本開示のパッケージ材料は、紙を形成する天然繊維を含み得る。パッケージ材料は、少なくとも50重量パーセントの天然繊維、より好ましくは、少なくとも70重量パーセントの天然繊維、又は最も好ましくは、少なくとも90重量パーセント(これらの範囲内の全ての値及びそれによって生成される任意の範囲を具体的に列挙する)の天然繊維を含み得る。更に別の実施例として、パッケージ材料は、95重量パーセントの天然繊維を含み得る。本開示のパッケージ材料は、50重量パーセント~100重量パーセントの天然繊維、より好ましくは、70重量パーセント~99.9重量パーセント、又は最も好ましくは、90重量パーセント~99.9重量パーセントの天然繊維を含み得る。天然繊維の重量百分率が100パーセント未満である場合、所望に応じて、コーティング、着色剤、フィルム、及び/又は接着剤の余地があることに注目すべきである。
【0056】
パッケージ材料がリサイクル可能である可能性を高めるために、本開示のパッケージ材料中のリサイクル不可能な材料、例えば接着剤、フィルム、コーティング及び/又は着色剤の総重量百分率を注意深く選択することができる。例えば、本開示のパッケージ材料は、50重量パーセント以下、より好ましくは、30重量パーセント以下、又は最も好ましくは、約15重量パーセント以下(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を含む)のリサイクル不可能材料を含み得る。別の実施例として、本開示のパッケージ材料は、約0.1重量パーセント~約50重量パーセント、より好ましくは、約0.1重量パーセント~約30重量パーセント、又は最も好ましくは、約0.1重量パーセント~約15重量パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のリサイクル不可能な材料を含み得る。リサイクル性の増加した可能性が所望される場合、リサイクル不可能な材料の重量百分率は、5重量パーセント以下、又は0.1重量パーセント~5重量パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であり得る。
【0057】
本開示のパッケージ材料に対するリサイクルプロセスの有効性は、リサイクル可能な百分率によって決定され得る。本開示のパッケージ材料は、60パーセント以上、より好ましくは、80パーセント以上、又は最も好ましくは、90パーセント以上(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のリサイクル可能な百分率を呈することができる。本開示のパッケージング材料は、約60パーセント~約99.9パーセント、より好ましくは、約80パーセント~約99.9パーセント、又は最も好ましくは、約90パーセント~約99.9パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のリサイクル可能な百分率を有し得る。特定の一実施例では、本開示のパッケージ材料は、約90パーセント~約99.9パーセント、より好ましくは、約94パーセント~約99.9パーセント、又は最も好ましくは、約96パーセント~約99.9パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を含む)のリサイクル可能な百分率を呈し得る。本開示のパッケージ材料のリサイクル可能な百分率は、Pirnaer Strasse 37,01809 Heidenau,Germanyに位置するPapiertechnische Stiftungによって実行される、カテゴリーIIの試験PTS-RH:021/97(草案2019年10月)によって、決定することができる。
【0058】
リサイクル可能な百分率とともに、総不合格百分率は、カテゴリーII試験方法のPTS-RH:021/97(草案2019年10月)によって、決定することができる。しかしながら、リサイクル可能な百分率とは異なり、リサイクル性の可能性を高めるために、総不合格百分率を減少させることができる。例えば、本開示のパッケージ材料の総不合格百分率は、40パーセント以下、より好ましくは、約20パーセント以下、又は最も好ましくは、約10パーセント以下(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を含む)であり得る。例えば、本開示のパッケージ材料の総不合格百分率は、0.1パーセント~40パーセント、より好ましくは0.1パーセント~20パーセント、又は最も好ましくは、0.1パーセント~10パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であり得る。特定の一実施例では、総不合格百分率は、6パーセント未満、又は0.1パーセント~6パーセント、より好ましくは、0.1~4パーセント、又は最も好ましくは、0.1~3パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を含む)であり得る。
【0059】
明確にするために、リサイクル不可能な材料パーセントは、必ずしも総不合格百分率と1:1の相関関係を有していない。例えば、溶解性接着剤の使用は、本明細書に開示される。これらの接着剤は、リサイクルプロセス中に溶解するように設計されるため、これらの接着剤は、総不合格百分率に影響を与えないと理論付けられるが、しかしながら、それらは、リサイクル不可能な材料重量パーセントに寄与するであろう。
【0060】
カテゴリーII試験方法でのPTS-RH:021/97(草案2019年10月)が、ハンドシート検査構成要素を含むことに注目すべきである。訓練されたスクリーナーは、視覚的欠陥及び粘着性のために、リサイクルされたパッケージ材料の1つ以上のハンドシートを検査する。視覚的欠陥の数が大き過ぎるか、又は粘着性であり過ぎる場合、パッケージ材料は不合格になる。視覚的欠陥の数が許容可能であり、ハンドシートが粘着性であり過ぎる場合、PTS-RH:021/97(草案2019年10月)法に従って、次いで、パッケージ材料が、追加の処理のために承認される。本開示のパッケージ材料は、PTS法のこのステップ中に許容可能なレベルの視覚的欠陥及び粘着性をもたらすことができる。
【0061】
本開示のパッケージ材料は、これまでに言及されたリサイクル可能な百分率をもたらし、かつハンドシートスクリーニング法に合格することができる。したがって、本開示のパッケージ材料は、カテゴリーIIリサイクル試験方法のPTS-RH:021/97(草案2019年10月)に供されたときに、「合格」の全体的なスコア又は最終的なスコアを達成することができる。
【0062】
また、本開示のパッケージ材料のリサイクル可能な百分率を決定するための代替的な方法があることにも注目すべきである。再パルプ化試験と呼ばれる西ミシガン大学によって実施される試験方法は、リサイクル可能な材料の収率パーセントを提供することができる。本開示のパッケージ材料は、再パルプ化試験に従って、約60パーセント超、より好ましくは、約80パーセント超、又は最も好ましくは、約90パーセント超(具体的にこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の百分率の収率を達成することができる。本開示のパッケージング材料は、約60パーセント~約99.9パーセント、より好ましくは、約80パーセント~約99.9パーセント、又は最も好ましくは、約90パーセント~約99.9パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のパーセント収率を有し得る。特定の一実施例では、本開示のパッケージ材料は、80パーセント~99.9パーセント(具体的にこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であるリサイクル可能な材料の収率の百分率を呈することができる。そのような実施例では、パッケージ材料は、茶色の基色を含み得る。別の特定の実施例では、本開示のパッケージ材料は、85パーセント~99.9パーセント(具体的にこの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であるリサイクル可能な材料の収率の百分率を呈することができる。そのような実施例では、パッケージ材料は、白色の基色を含み得る。パッケージ材料の基色は、本明細書で更に詳細に論じられる。
【0063】
本開示のパッケージ材料は、リサイクル可能であるが、それ自体がリサイクルされた材料を含み得ることが企図される。そのような決定は、パッケージ材料を目視検査することで確認することができる。例えば、製造業者は、典型的には、環境に優しいパッケージングであるというアプローチを実証するための努力の一環として、リサイクルされた材料の使用を宣伝する。この実施例を更に詳しく説明すると、一部の製造業者は、リサイクルされた材料を含むパッケージングを示す言葉とともに、ロゴ、例えばリーフを利用する場合がある。多くの場合、製造業者は、同様に利用されるリサイクル材料の百分率、例えば、50パーセント超、70パーセント超などを指定し得る。
【0064】
目視検査は、リサイクルされた材料を使用するロゴのためのパッケージを検査するために、人間の眼を利用することが簡単であり得る。追加的に、又は代替的に、目視検査は、光学顕微鏡法、走査電子顕微鏡法、又は当該技術分野で既知の他の好適な方法などの顕微鏡法を含み得る。例えば、リサイクルされた紙繊維を含むパッケージ材料は、パッケージ材料が100%の未再生紙で構成される場合よりもはるかに広い範囲の天然繊維タイプが存在することから、顕微鏡下で異なるように見える。別の実施例として、顕微鏡下、潜在的に走査型電子顕微鏡下では、リサイクルされた繊維は、それらの処理に起因して、それらのバージン繊維対応物よりもフィブリル化がより多く見られる場合がある。
【0065】
本開示のパッケージ材料は、1つ以上の吸収性物品を含む無数の構成でパッケージとして配置することができる。例えば、パッケージは、消費者に面するパネルを含む複数のパネルを含み得る。消費者に面するパネルは、棚上の場合、消費者に面するパッケージの面である。概して、消費者に面するパネルは、ブランディング及び/又はパッケージ情報を含み、それらの各々は、本明細書で更に詳細に説明される。複数のパネルの各々が、内面及び外面を含む。
【0066】
本開示のパッケージは、略直方体形状を含み得る。したがって、消費者に面するパネルに加えて、本開示のパッケージは、消費者に面するパネルに対向する背面パネルと、消費者に面するパネルと背面パネルとの間に配設された左パネルと、左パネルに対向する右パネルと、消費者に面するパネルと背面パネルとの間に配設された底部パネルと、対向する上部パネルと、を更に備え得る。
【0067】
パッケージ材料は、一体であってもよい。例えば、複数の折り目を利用して、パッケージの複数のパネルを形成してもよい。パッケージが直方体形状である実施例を更に説明するために、(1)消費者に面するパネル及び左パネルとの間、(2)消費者に面するパネルと右パネルとの間、(3)消費者に面するパネルと上部パネルとの間、並びに(4)消費者に面するパネルと底部パネルとの間の各々に少なくとも1つの折り目を配設することができる。加えて、少なくとも1つの折り目が、(1)背面パネル及び左パネルの間、(2)背面パネルと右パネルとの間、(3)背面パネルと上部パネルとの間、並びに(4)背面パネルと底部パネルとの間の各々に配設され得る。
【0068】
前述の代替実施例として、本開示のパッケージは、複数の別個の部分を含むパッケージ材料を含み得る。そのような構成は、本明細書で更に詳細に説明される
【0069】
直方体形状を含むパッケージについては、消費者に面するパネルは、店舗棚に対して概ね垂直に位置決めされてもよく、底部パネルは、店舗棚又は別のパッケージ上に概ね平坦に載置されてもよい。店舗棚が完全に水平であると仮定すると、概ね垂直は、消費者に面するパネルが垂直配向の±35度以内にあることを意味する。店舗棚が完全に水平であると仮定すると、概ね平坦は、底部パネルが水平方配向の±35度以内にあることを意味する。あるいは、いくつかの構成では、消費者に面するパネルは、店舗棚に対して概ね水平に配向され、消費者がパッケージ上に見下ろすときに消費者に面してもよい。
【0070】
他のパッケージ形状が企図される。そのようなパッケージの実施例としては、フローラップ又は水平フォーム充填及び封止ラップが挙げられる。そのようなパッケージは、上記のようにも構成された略直方体形状を含み得る。しかしながら、場合によっては、特に、少数の吸収性物品がその中に含まれる場合、これらのパッケージは、消費者に面するパネル及び対向する背面パネルを含み得る。そのようなパッケージでは、本明細書に記載されるように、フープ封止が、端封止と同様に形成される。そのような構成では、消費者に面するパネルは、概ね垂直方向に、又は概ね水平方向に配向され得る。更に、そのようなパッケージでは、消費者に面するパネルを背面パネルと区別する折り目線がない場合がある。代わりに、これらのパネル間に曲面があり得る。
【0071】
6つ未満のパネルを含むパッケージ形状が形成される追加の実施例が企図される。これらの実施例を構築するために、底部パネルから見たときに円形又は半円形の形状を有するパッケージが企図される。更に、底部パネルから見たときに三角形のパッケージが企図される。本開示のパッケージに含まれるパネルの数に関係なく、パッケージは、消費者に面するパネルを含む。
【0072】
コーティング及び着色剤
複数のパネルの各々が、内面及び外面を含む。1つ以上のパネルの外面及び/又は内面は、パッケージ、パッケージ情報、及び/又は背景色などのブランディングを作る着色剤及び/又はコーティングを含み得る。ブランディング及び/又はパッケージ情報は、少なくとも1つのパネル、例えば、消費者に面するパネルの外面及び/又は内面上に提供され得る。ブランディングは、パッケージ内の吸収性物品と関連したロゴ、商品名、商標、アイコンなどを含むことができる。ブランディングは、パッケージ内の吸収性物品のブランドの情報を消費者に与えるために利用され得る。一実施例として、女性用衛生パッドのパッケージのブランドは、商標名Always(登録商標)を含み得る。
【0073】
パッケージ情報は、パッケージ内の吸収性物品と関連付けられた、吸収性物品のサイズ、パッケージ内の吸収性物品の数、パッケージ内に収容されている吸収性物品の例示的な画像、リサイクル可能であることを示すロゴ(recyclability logos)などを含むことができる。更に、パッケージ情報は、パッケージ材料自体、例えば、リサイクル性ロゴ、様々な組織からの証明書などに関する情報を含むことができる。一実施例として、女性用衛生パッドのパッケージのパッケージ情報は、サイズインジケータ、例えば、「サイズ1」を含み得る。パッケージの他のパネルは、消費者に面するパネルと関連付けられたものとともに、ブランディング、パッケージ情報、及び/又は背景色を同様に含み得る。
【0074】
加えて、本開示のパッケージのうちの1つ以上のパネルは、本開示のパッケージに背景色を提供するための着色剤及び/又はコーティングを含み得る。背景色を更に明確にするために、パッケージング材料が基色を含むことに注目すべきである。パッケージ材料の基色は、着色剤及び/又はコーティングなしのパッケージ材料の色である。例えば、漂白パッケージ材料は色が白色であり、未漂白は色が茶色であり、リサイクルされた含有量を含むパッケージ材料は色が灰色である。背景色は、基色ではない任意の色、例えば、青色、赤色、緑色、黄色、紫色、オレンジ色、黒色、又はこれらの組み合わせである。しかしながら、背景色が着色剤及び/又はコーティングによって達成される場合、背景色は、白色、茶色、又は灰色も含み得る。
【0075】
前述のように、着色剤及び/又はコーティングの使用は、リサイクル性ストリームにおいて汚染物質であると見なされ得る。したがって、着色剤及び/又はコーティングの使用は、注意深くレビューされるべきである。
【0076】
リサイクルプロセスの利益のため、着色剤/コーティングの使用を低減するために、パッケージ材料の基色を利用してもよい。例えば、消費者に面するパネルがブランディング、パッケージ情報、及び/又は背景色を含むパッケージであって、1つ以上のパネルが、基色を含む、パッケージが企図される。特定の一実施例では、底部パネル及び/又は背面パネルは、背景色の代わりにパッケージ材料の基色を利用し得る。底部パネル、上部パネル、左パネル、右パネル、背面パネル、又はそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上は、背景色の代わりにパッケージ材料の基色を利用し得る。別の実施例では、消費者に面するパネルは独立して、又は他のパネルと併せて、基色を含み得る。この実施例を更に構築するために、パッケージは、天然系の構成要素、例えば、吸収性コア中の綿トップシート及び/又は非塩素漂白パルプを含む吸収性物品を含み得る。そのような実施例では、消費者に面するパネルは、白色の基色を含み得る。この同じ実施例では、基色と併せて、消費者に面するパネルは、ブランディング、(ブランディングに関連付けられた)背景色、及び/又はパッケージ情報を更に含み得る。更に別の実施例では、1つ以上のパネルは、部分的に基色を含むパッケージ情報を含み得る。この実施例を更に構築するために、基色は、第1の色、例えば白色であってもよく、背景色が、パッケージ情報、又はその一部分が背景色によって覆われておらず、パッケージ情報が、第1の色を含むように、パッケージ情報のネガ画像でパネルに塗布されてもよい。
【0077】
更に他の実施例では、本開示のパッケージの継ぎ目は、同じパネル上の隣接する領域よりも少ない着色剤被覆を含み得る。例えば、パネルの別の部分に接合されて封止を形成するパネルの一部分は、継ぎ目領域を含み得る。継ぎ目領域は、それに隣接するパネルの部分よりも着色剤が少ないか、又は着色剤を更には含まなくてもよい。各封止は、封止に対して隣接する領域よりも着色剤が少ないか、又は着色剤を更には含まない継ぎ目領域を含み得る。
【0078】
更に他の実施例では、第1のパネルは、第2のパネルとは異なる着色剤パーセント被覆を含み得る。この実施例を更に解明すると、消費者に面するパネルは、パッケージの別のパネル、例えば底部パネルよりも高い着色剤パーセント被覆を有し得る。上記のように、天然系である、例えば、綿トップシート又は他の構成要素、非塩素漂白コア、添加着色剤なし、及び/又は添加香料なしである吸収性物品は、パッケージ材料の基色に依存し得る。一実施例として、そのようなパッケージは、75パーセント以下、より好ましくは、50パーセント以下、又は最も好ましくは、40パーセント以下の着色剤被覆を含む消費者に面するパネルを含み得る。更に、消費者に面するパネルは、約10パーセント~約75パーセント、より好ましくは、約15パーセント~約50パーセント、又は最も好ましくは、約20パーセント~約40パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の着色剤被覆を含み得る。
【0079】
そのようなパッケージは、より高い百分率の着色剤被覆、より低い百分率、又はそれらの混合物を有するように構成され得る。例えば、そのような構成では、底部パネルは、より低い百分率の着色剤被覆率を含み得る。背面パネル、左パネル、及び/又は右パネルは、より高い百分率の着色剤被覆、又はより好ましくは、より低い百分率の着色剤被覆を含み得る。これらの同じ値は、本明細書に記載のフローラップパッケージ構成にも適用され得る。
【0080】
記載されるような天然系製品は、必ずしも前述の着色剤被覆に限定されないが、しかしながら、着色剤百分率が少ないと、リサイクル性の観点から有益であり得る着色剤重量百分率が少なくなり得る。別の実施例では、本開示による吸収性物品パッケージングは、100パーセント、より好ましくは、99パーセント以下、又は最も好ましくは、98パーセント以下の着色剤被覆を有する消費者に面するパネルを含み得る。例えば、本開示によるパッケージは、60パーセント~約100パーセント、より好ましくは、約60パーセント~約99パーセント、又は最も好ましくは、約60パーセント~約98パーセントの着色剤被覆百分率を有する消費者に面するパネルを含み得る。そのような構成では、他のパネルは、同じ百分率の着色剤被覆を含み得る、又はより好ましくは、より低いパーセントの着色剤被覆を含み得る。着色剤被覆率は、本明細書に記載の着色剤被覆測定法の百分率によって、決定される。
【0081】
所望のリサイクル性百分率を達成するために、紙を注意深く選択することは必要とされないだろう。例えば、本発明者らは、驚くべきことに、着色剤及び/又はコーティングが、パッケージ材料の全体的な重量百分率で非常に小さな役割を果たし得るが、着色剤及び/又はコーティングが全体的な百分率の一部分を形成することを見出した。したがって、所望のリサイクル性百分率が95パーセント以上である場合、白色の基色を有するパッケージ材料を利用することが推奨され得る。白色の基色を有するパッケージング材料が利用される場合、吸収性物品製造業者が全体的なパッケージング色スキームにおいて基色を利用することが可能であり得るため、着色剤及び/又はコーティングの量を低減することができる。パッケージングのこのような実行は、綿成分及び/又は他の天然成分を含む吸収性物品に有用であり得る。所望のリサイクル性百分率が95パーセント未満である場合、任意の好適な基色が利用され得る。
【0082】
任意の好適な着色剤が利用され得るが、驚くべきことに、本発明者らは、水系着色剤が、リサイクルプロセス中に水中でより容易に溶解することを見出した。したがって、水系着色剤は、本開示のパッケージのリサイクルプロセスを容易にすることができる。任意の好適な水系着色剤を利用することができる。水系着色剤は、当該技術分野において周知である。
【0083】
溶媒系着色剤及び/又はエネルギー硬化性着色剤もまた利用され得ることに注目すべきである。しかしながら、これらのタイプの着色剤の使用は、パッケージ材料の製造に複雑性を追加し得る。例えば、溶媒系着色剤は、概して、空気から除去される必要がある揮発性有機化合物を排出する。加えて、溶媒系着色剤は、パッケージ材料のリサイクル性に悪影響を及ぼし得るリサイクルプロセス中に水に容易に溶解しない成分を含み得る。
【0084】
エネルギー硬化性着色剤も利用することができるが、しかしながら、溶媒系着色剤のように、エネルギー硬化性着色剤は、パッケージ材料の加工に複雑性を加え得る。また、溶媒系着色剤のように、エネルギー硬化性着色剤は、パッケージ材料のリサイクル性に悪影響を及ぼし得るリサイクルプロセス中に水に容易に溶解可能ではない成分を含み得る。
【0085】
パッケージング材料に利用される任意の好適なコーティングが利用され得る。コーティングは、背景色、ブランディング、及び/又はパッケージ情報を保護するために利用され得る。更に、コーティングを利用して、帯電防止利益、摩擦利益の係数、例えば、光沢、艶消し、サテン、高光沢など)を提供し得る。本発明者らは、驚くべきことに、水系着色剤のように、水系コーティングが、パッケージ材料のリサイクルプロセスを容易にし得ることを見出した。好適なコーティングは、当技術分野で周知のワニスを含む。任意の好適なコーティング/ワニスを利用することができる。
【0086】
パッケージ封止
前述のように、本開示のパッケージはまた、複数の封止を備え得る。封止は、互いに取り付けられたパッケージ材料の継ぎ目である。継ぎ目は、パッケージ材料の少なくとも2つの部分が互いに重なる能力を有するパッケージの領域である。封止は、継ぎ目内のパッケージ材料の少なくとも2つの部分が互いに接合されたときに形成される。例えば、底部パネルは、パッケージ材料の端が重なり合う継ぎ目を備え得る。接着剤は、底部パネルの第1の部分の内面、及び/又は底部パネルの第2の部分の外面上、並びに1つ以上の封止を作るために底部パネルの基部部分の外面上に提供され得る。上部パネルは、パッケージ材料の端が底部パネルの封止と同様に一緒に接合される封止を備え得る。封止はパッケージの任意のパネル上に提供され得るが、消費者に面するパネルは継ぎ目又は封止を備えないことが推奨される。継ぎ目及び封止は、消費者にとって視覚的に魅力的ではない可能性がある。
【0087】
継ぎ目は、前述のパッケージ材料の重複領域を含み得ることに注目すべきである。すなわち、接着剤は、パッケージ材料の第1の部分の内面及び/又はパッケージ材料の第2の部分の外面上に塗布され得る。次いで、第1の部分及び第2の部分を一緒に接合して、重複封止を形成することができる。しかしながら、突合せ封止も形成され得る。突合せ封止は、接着剤がパッケージ材料の第1の部分の内面及び/又はパッケージ材料の第2の部分の内面上に塗布される場合に形成され得る。第1の部分及び第2の部分の内面は、接合されて、突合せ封止を形成し得る。突合せ封止及び重複封止は、以下で更に詳細に論じられる。
【0088】
接着剤の使用は、封止を形成するために本明細書に記載されているが、バリア材料、例えば、フィルム層は、独立して、又は接着剤と併せて利用され得ることにも注目すべきである。例えば、フィルム層がポリエチレンである場合、封止は、接着剤を使用し、又は使用せずに、フィルム層をそれ自体に熱封止することによって形成され得る。
【0089】
封止は、本開示のパッケージが、パッケージ材料の外側の環境への1つ以上の吸収性物品のその中に曝露する可能性が低いことを確実にするために重要である。本明細書に記載の封止の使用は、パッケージ内の吸収性物品が外部環境に曝露されないように、パッケージ材料の適切な封止を提供することができる。パッケージ材料の単純な折り目又はロールは、封止を形成せず、その中の1つ以上の吸収性物品を外部環境から保護するのに十分ではない。
【0090】
消費者による出荷、保管、及び取り扱いの厳しさに耐えるために、封止は必要な強度を有するべきである。必要な封止強度の要件を複雑化するのは、いくつかの変数、すなわち、封止のタイプ及びパッケージ内の1つ以上の吸収性物品の圧縮レベルである。追加の複雑性は、接着剤がリサイクル不可能な材料と見なされることである。しかしながら、本発明者らは、驚くべきことに、接着剤のタイプ及び重量百分率を注意深く選択することで、パッケージ材料のリサイクル性を維持しつつ、封止強度要件を満たすことができることを見出した。
【0091】
封止のタイプに関して、本開示のパッケージの複数の封止は、アクセス封止、フープ封止、及び底部封止を備え得る。フローラップパッケージは、これらの封止も含むように構成され得る。又は、フローラップパッケージは、一対の対向する端封止及び端封止間のフープ封止を備え得る。この構成では、アクセス封止が同様に提供され得る。
【0092】
アクセス封止は、パッケージ内の1つ以上の吸収性物品にアクセスするために消費者によって開放される封止として提供され得る。アクセス封止は、「Absorbent Article Packages with Natural Fibers and Opening Features」と題され、2020年10月9日に出願された米国仮特許出願第63/089661号に更に詳細に記載されている。
【0093】
フープ封止は、パッケージ作製プロセスにおいて形成された初期封止であり得る。フープ封止は、
図1A及び
図1Bに関して更に詳細に説明される。いくつかの形態では、フープ封止は、
図4A及び
図4Bに関して説明されるように、複数の封止を備え得る。底部封止は、底部パネル上に位置することができる。底部封止及びその構成は、
図2A~
図2Dに関して以下で更に詳細に論じられる。端封止もまた、
図3A及び
図3Bに関して後述する。
【0094】
概して、本開示のパッケージは、少なくとも3N/inの引張強度を有する封止を備え得る。例えば、本開示のパッケージの複数の封止の各々が、3N/in~約40N/in、より好ましくは、約3N/in~約35N/in、又は最も好ましくは、約3N/in~約30N/in(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の引張強度を有してもよい。大量の圧縮を含まない吸収性物品、例えば月経パッド、軽量成人用失禁パッド、ライナーを含むパッケージ、中に6つ以下の吸収性物品を含むパッケージなどについて、このパッケージの封止の引張強度は、約3N/in~約25N/in、より好ましくは、約3N/in~約20N/in、又は最も好ましくは、約3N/in~約15N/in(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であり得る。
【0095】
前述のように、圧縮吸収性物品を含むパッケージについて、フープ封止は、他の封止のうちの少なくとも1つよりも高い引張強度を含み得る。例えば、フープ封止は、15N/in~約40N/in、より好ましくは、約20N/インチ~約35N/in、又は最も好ましくは、約22N/インチ~約30N/in(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の引張強度を含み得る。そのようなパッケージでは、1つ以上の吸収性物品は、おむつ又は成人用失禁パンツ又は中程度から重量の成人用失禁パッドを含み得る。少なくとも1つの封止が別の封止よりも高い引張強度を含む追加の実施例が企図される。例えば、底部封止は、フープ封止及び/又はアクセス封止よりも高い引張強度を含み得る。別の実施例では、アクセス封止は、フープ封止、底部封止、又は端封止よりも高い引張強度を含み得る。更に別の実施例では、少なくとも1つの端封止は、他の端封止及び/又はフープ封止よりも高い引張強度を含み得る。
【0096】
更に、本発明者らは、驚くべきことに、アクセス封止がフープ封止、及び/又は任意の他の封止よりも低い引張強度を有し得ることを見出した。アクセス封止がパッケージの上部パネル上に位置する形態では、概して、フープ封止及び他の封止、例えば、底部封止、端封止に対してほとんど負荷がない。アクセス封止は、上部パネル、右パネル、及び/又は左パネルのうちの1つ以上に配設され得ることに注目すべきである。又は、端封止及びフープ封止を備えるフローラップパッケージの場合、端封止のうちの1つは、アクセス封止として作用することができる。
【0097】
あるいは、本開示のパッケージは、封止が同様の引張強度を含むように構成され得る。例えば、複数の封止の各々が、少なくとも10N/inの引張強度を有することができる。そのような形態では、封止の各々が、パッケージの封止の残りの引張強度の15%以内の引張強度を有することができる。しかしながら、前述のように、接着剤は、リサイクル不可能な材料と見なされるため、パッケージ材料がリサイクルされる能力を維持することを確実にするために、それらの使用を注意深くレビューする必要がある。本明細書で言及される封止の引張強度は、本明細書で修正される、ASTM F88-06に記載されている引張試験方法によって決定することができる。
【0098】
以前に記載されたように、存在する場合、本開示のパッケージの封止に利用されるタイプ及び量の接着剤は、パッケージのリサイクル性に影響を与える可能性がある。一実施例として、リサイクルプロセスの崩壊ステップの再パルプ化段階の間に水に溶解することができる接着剤は、本開示のパッケージに特に好適であり得る。そのような接着剤としては、デンプン系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、及びポリエチレンオキシド系接着剤が挙げられる。デンプン系接着剤の1つの好適な実施例は、商品名AP0420CRでMonroe,North Carolinaに位置するLD Davisから入手可能である。ポリビニルアルコール系接着剤の1つの好適な実施例は、Selvol 205の商品名で、Osaka,Japanに位置する積水化学工業から入手可能である。ポリエチレンオキシド系接着剤の1つの好適な実施例は、WSR N-80の商品名で、Midland,Michiganに位置するDow Chemicals Co.から入手可能である。
【0099】
接着剤が水溶性でない場合、次いで、水分散性接着剤も同様に利用され得る。水分散性接着剤の好適な実施例としては、熱可塑性エラストマー系接着剤及びポリ酢酸ビニル系接着剤が挙げられる。熱可塑性エラストマー系接着剤の1つの好適な実施例は、Yunico 491の商品名で、Blue Ash,Ohioに位置するActegaから入手可能である。ポリ酢酸ビニル系接着剤の1つの好適な実施例は、Aquagrip 4419U01の商品名で、Milwaukee,Wisconsinに位置するBostikから入手可能である。ポリ酢酸ビニル系接着剤の別の好適な実施例は、商品名PD-0330で、HB Fullerから入手可能である。
【0100】
任意の好適な感圧接着剤も同様に利用され得る。感圧接着剤の1つの好適な実施例としては、Bury,Lancashire,Englandに位置するFormulated Polymer Products Ltd.によって販売され、FP2154の商品名で販売されているを含む。特定の一実施例として、アクセス封止は、感圧接着剤を含み得る。
【0101】
理論に束縛されることを望むものではないが、水に溶解可能な接着剤を利用する本開示のパッケージは、水分散性のみである接着剤よりも高い重量百分率のそのような接着剤を含み得ると考えられる。例えば、水溶解性接着剤を含むパッケージは、第1の重量百分率の接着剤を含み得、水分散性接着剤を含むパッケージは、第2の重量百分率の接着剤を含み得る。第1の重量百分率は、パッケージ材料をリサイクルする目的で、第2の重量百分率よりも大きくてもよいと考えられる。
【0102】
前述のように、本開示のパッケージは、溶解性接着剤、分散性接着剤、感圧接着剤、又はそれらの任意の組み合わせを利用し得る。しかしながら、接着剤の選択は、重量百分率の観点から注意深く見なされるべきである。溶解性接着剤が利用される場合、接着剤は、デンプン系、ポリエチレンオキシド系、ポリビニルアルコール系、又はそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み得る。試料4は、14重量パーセントでさえ、溶解性接着剤(デンプン系)が本明細書に開示されるPTS法に合格したが、同じ重量パーセントのポリ酢酸ビニルがPTS試験に合格しなかったことを示している。
【0103】
本開示のパッケージの封止の特性が、パッケージ材料がどのように処理されるかに依存し得ることに注目すべきである。例えば、吸収性物品製造業者は、予め形成されたパッケージを購入することができる。そのような場合、吸収性物品製造業者は、紙パッケージ製造業者から、本質的に、フープ封止を有するパネルと、別の封止、例えば底部封止を有するパネルと、を含む開放バッグを受け取ることができる。他の封止、例えば底部封止は、ブロックスタイル、交差スタイル、又はピンチスタイルの配置で構成され得る。そのような構成は、
図2A~
図2Dに関して以下で更に詳細に論じられる。
【0104】
アクセス封止を形成する際に、吸収性物品製造業者は、フープ封止及び/又は他の封止、例えば底部封止に利用される同じ接着剤を利用し得る。あるいは、吸収性物品製造業者は、フープ封止及び/又は他の封止、例えば、底部封止のものとは異なる接着剤を利用し得る。
【0105】
吸収性物品製造業者がパッケージ自体を生成することも可能である。例えば、吸収性物品製造業者は、上記と同様に、開放バッグを生成し、続いてそれを1つ以上の吸収性物品で充填し、その後、そのようなバッグを供給者から購入する必要なしにそれを封止する能力を有し得る。
【0106】
吸収性物品製造業者がパッケージ自体を製造する別の実施例は、フローラップ構成を含む。そのような構成では、製造業者は、1つ以上の吸収性物品を予め形成されたバッグ内に配置するのとは対照的に、1つ以上の吸収性物品の周りにパッケージを形成する。本開示のこれらのタイプのパッケージは、端封止と、フープ封止と、を備え得、更にアクセス封止を備え得るか、又は端封止のうちの1つは、アクセス封止を備え得る。
【0107】
吸収性物品製造業者が供給業者から予め作製されたバッグを購入するか、又はパッケージ自体を作製するかに関係なく、前述の封止構成は依然として提供され得る。すなわち、少なくとも1つの封止は、他の封止とは異なる接着剤を含み得るか、又は封止における接着剤は、同じ接着剤を含み得る。又は、パッケージ材料がバリア層を含む場合、本開示のパッケージは、いかなる接着剤も含まなくてもよい。
【0108】
着色剤及び/又はコーティングの使用と同様に、接着剤の使用は、そのバリア特性のためにフィルム層を利用するときに、同様に注意深くレビューされるべきである。一実施例として、約95パーセント以上のリサイクル性百分率が所望される場合、フィルム層は、パッケージ材料の3重量パーセント以下を占めるように選択され得る。次いで、接着剤、着色剤、及び/又はコーティングは、約2重量パーセントを占めることができる。3重量パーセントのフィルム層がパッケージ材料SCWVTRに関して適切であることを確実にするために、天然材料層の重量パーセントを増加させる必要があり得る。したがって、接着剤の必要性を除去するフィルムバリア層を利用することが賢明であり得る。例えば、ポリオレフィンを含むフィルム層を利用することができる。そのようなフィルムは、バリア特性を提供することに加えて、パッケージ封止のうちの1つ以上を形成するために利用され得る。これは、接着剤の必要性を低減(又は排除)し、フィルムの重量百分率のより大きな可撓性を可能にすることができる。これは、パッケージ材料のリサイクル性百分率を増加させるのに役立ち得る。フィルム層が接着剤の代わりに利用される場合、本開示のパッケージ材料は、実質的に接着剤を含まなくてもよい。例えば、本開示のパッケージの封止は、全体的なパッケージ材料の2重量パーセント以下、より好ましくは、1重量パーセント以下、又は最も好ましくは、1重量パーセント以下の重量を含み得る。
【0109】
接着剤は、追加の理由で利用され得ることに注目すべきである。例えば、再封止可能性の特徴が所望される場合、アクセス封止領域の近くに接着剤を提供して、パッケージの再封止可能性を可能にすることができる。パッケージを再閉する能力は、外部環境の汚染からパッケージ内の物品を保護するのに役立ち、また、環境からの水分がパッケージにおける物品によって吸収されるのを抑制する。利用され得る接着剤の1つの好適な実施例は、感圧接着剤である。感圧接着剤の1つの特定の実施例は、Aquagrip(登録商標)JB018の商品名で、Bostikから入手可能である。更に、複数のパネルのうちの1つ以上のパッケージは、物品がアクセスされる必要がないときにパッケージを再封止するためのユーザへの指示を含み得る。
【0110】
ここで、パッケージ材料の機械的特性のいくつかに焦点を当てる。複数の吸収性物品がパッケージ内に配設される製造プロセスの厳しさに耐え、出荷中の厳しさに耐え、店舗棚にある間の環境侵襲からの保護を提供し、消費者の家庭にある間の製品保護を提供するために、パッケージ材料は、いくらかのレベルの強度、延伸、及び弾力性を有し得る。一実施例として、本開示のパッケージ材料はまた、少なくとも4.7kN/m、より好ましくは、少なくとも7kN/m、又は最も好ましくは、少なくとも8kN/m(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の弾力性も呈し得る。MD引張強度は、4.7kN/m~8.5kN/m、又はより好ましくは、5.2kN/m~8.2kN/m、又は最も好ましくは、5.5kN/m~8.0kN/m(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であり得る。MD引張強度は、本明細書で修正される、ISO1924-3を使用して測定される。
【0111】
別の実施例として、本開示のパッケージ材料は、少なくとも2.7kN/m、より好ましくは、少なくとも4kN/m、又は最も好ましくは、少なくとも5.5kN/m(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のCD引張強度を呈し得る。CD引張強度は、2.7~6.5kN/m、より好ましくは、2.7~6.2kN/m、又は最も好ましくは2.7~6kN/m(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であり得る。CD引張強度は、本明細書で修正される、ISO1924-3を使用して測定される。
【0112】
別の実施例として、本開示のパッケージ材料は、少なくとも185kPa、より好ましくは、少なくとも250kPa、又は最も好ましくは、少なくとも550kPa(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の破裂強度を呈し得る。本開示のパッケージ材料の破裂強度は、185~600kPa、より好ましくは、220~550kPa、又は最も好ましくは、250~500kPa(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)であり得る。破裂強度は、本明細書で修正される、ISO2758を使用して測定される。
【0113】
別の実施例として、本開示のパッケージ材料は、破断時のMD延伸、より好ましくは、少なくとも3パーセント、又は最も好ましくは、少なくとも6パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)を呈し得る。本開示のパッケージ材料は、3~6.5パーセント、より好ましくは、3.2~6.2パーセント、又は最も好ましくは、3.5~6パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の破断時のMD延伸を呈し得る。破断時のMD延伸は、本明細書で修正される、ISO1924-3を使用して測定される。
【0114】
別の実施例として、本開示のパッケージ材料は、少なくとも4パーセント、より好ましくは、少なくとも6パーセント、又は最も好ましくは、少なくとも9パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の破断時のCD延伸を呈し得る。本開示のパッケージ材料は、4~10パーセント、より好ましくは、4.5~9.5パーセント、又は最も好ましくは、5~9パーセント(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)の破断時のCD延伸を呈し得る。破断時のCD延伸は、本明細書で修正される、ISO1924-3を使用して測定される。
【0115】
キャリパに関して、本開示のパッケージ材料は、少なくとも50μm、より好ましくは、少なくとも70μm、又は最も好ましくは、少なくとも90μm(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のキャリパを呈し得る。本開示のパッケージ材料は、50~110μm、より好ましくは、55~105μm、又は最も好ましくは、60~100μm(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を列挙する)のキャリパを呈し得る。キャリパは、本明細書で修正される、ISO534を使用して測定される。
【0116】
本開示のパッケージ材料は、カートンボード、ボール紙、及び茶色の紙バッグとは異なることに注目すべきである。例えば、カートンボードは、本開示のパッケージ材料ほど可撓性ではない。カートンボードは、本開示のパッケージ材料よりも、剛性であるように設計され、本質的に剛性があり、それらの剛性により、変換ラインでの処理がより困難であり得る。更に、カートンボードは、本開示のパッケージ材料よりも高い坪量を有する。
【0117】
同様に、ボール紙はまた、本開示のパッケージ材料とは異なる。ボール紙は、本開示のパッケージ材料よりもはるかに高い坪量を有する。更に、ボール紙は、本開示のパッケージ材料よりもはるかに可撓性が低い。ボール紙材料は、一般に波形加工されており、紙材料の3つの層を含み、したがって、本開示のパッケージ材料とは構造的に異なる。更に、本開示のパッケージ材料は、ボール紙よりもはるかに低い坪量を有する。
【0118】
本開示のパッケージング材料がカートンボード及びボール紙に対して有するいくつかの利点は、本明細書で論じられるような可撓性を含む。しかしながら、別の利点は、本開示のパッケージ材料が、それらのよりかさばるカートンボード及びボール紙の対応物よりも少ない空間を取ることである。本開示のパッケージ材料の別の利点は、その中の吸収性物品がパッケージ内で圧縮されることを可能にすることである。これにより、より多くの製品が、効率性も可能にするより小さな容積パッケージ内に収まることが可能になる。
【0119】
食料品を運ぶための食料品の店舗に普及している茶色の紙バッグに関して、本開示のパッケージも異なる。本明細書で更に詳細に論じられるように、本開示のパッケージ材料は、吸収性物品がパッケージ材料によって外部環境から完全に封入及び保護されるように、接着封止される。より具体的には、本開示による吸収性物品のパッケージは、アイテムを配置することができる開口部を有さない。代わりに、本開示による吸収性物品のパッケージは、出荷、保管、及び店舗棚上の載置の間の吸収性物品の汚染の可能性を低減するために封止される。対照的に、数十年前に食料品店において広く使用されていた従来の茶色の紙バッグは、アイテムを配置することができる開口部を含む。更に、これらの茶色の紙バッグは、水蒸気吸収に対するいかなるバリアも提供しない。
【0120】
プラスチックパッケージングと比較して低減された可撓性、並びにカードボード及びボール紙よりも低い坪量にもかかわらず、本発明者らは、驚くべきことに、本開示のパッケージング材料がパッケージ内に配置される製造プロセスの厳しさ、及び出荷中の厳しさに耐え、出荷中、及び店舗棚にある間の環境侵襲からの保護を提供し、消費者の家庭にある間の製品保護を提供し得ることを見出した。
【0121】
更に、吸収性物品バックシートがパッケージ材料の内面と直接接触している実施例が企図される。おむつを含む本開示のパッケージは、このように構成され得る。月経パッド、ライナー、成人用失禁用パッドなどを含む女性用衛生パッドは、パンティー締結接着剤をそれぞれのバックシート上で保護するために個別に包まれ得る。これらの物品を有するパッケージでは、個別に包まれた物品は、パッケージ材料の内面と直接接触し得る。個々の物品を包むラッパーが本明細書に記載の天然繊維を含み得る形態が企図される。更に、このようなラッパーは、本明細書に記載されるようにリサイクル可能であり得る。
【0122】
前述のように、吸収性物品製造業者は、開放バッグにすでに予め形成されたパッケージング材料を購入し得るか、又はパッケージング材料のロールを購入し得る。パッケージ材料がロール上にあるか、又はある程度予め形成されているかに関係なく、本開示のパッケージは、紙ストックから始まる。
図1A~
図1Bを参照すると、紙ストックシート99の縁部分100及び110は、それ自体で折り畳まれ、続いて、一緒に接着されて封止を形成し得る。例えば、シート99の側部部分100及び110は、シート99の長手方向中心線90に向かって、折り畳まれるか、又は単に横方向内向きに並進され得る。これらの縁部分は、互いに重なり、一緒に接着されて、重複封止を形成することができる。あるいは、縁部分100及び110は、それらのそれぞれの内面上で一緒に接着接合されて、突合せ封止を形成し得る。突合せ封止は、重複封止ほど平坦ではない傾向があることに注目すべきである。封止が少なくとも部分的に底部パネル上に位置する場合、パッケージがより平坦な底部パネル上に位置するように、重複封止が望ましい場合がある。縁部分100及び110の接合は、フープ封止と呼ばれる。
【0123】
ここで
図1C~
図1Eを参照すると、パッケージング材料のシートは、バッグ側ひだ12b及び13b、並びに2つの側部折り目12a及び13aを両側に形成して、それぞれ第1の表面10、第2及び第3の表面12、13、並びに第4及び第5の表面14、15を有するバッグ構造4を形成するように、好適に折り畳まれる。開放端48(例えば、マチ付きバッグ構造体)は、第1の表面10に対向する。各側部ひだ12b、13bは、それぞれの第2又は第3の表面12、13に位置する。
図1C及び
図1Dでは、示されているひだ及び折り目は、ブロック構成又はブロック底部構成を有するパッケージのためのものであることに注目すべきである。ピンチ底部バッグのためのマチ及び折り目線は、
図2Bについて更に詳細に論じられる。
【0124】
袋4は、開放端48から吸収性物品の積み重ねなどの物品を挿入することによって充填することができる。例えば、開放端48から物品を入れることによって袋4に複数の物品が充填されるとき、袋4の中に物品を導入するために用いられる適当な装置と物品とによって、袋4の第2及び第3の表面12、13のそれぞれにいくらかの張力が作用し得る。例えば、物品は、袋4に挿入される前に圧縮することができる。したがって、物品は、袋4に導入された後にわずかに膨張し、したがって、第2及び第3の表面12、13、並びに第4の表面14及び第5の表面15にいくらかの張力を加えることができる。この張力は、特に、それによってパッケージがほぼ平行六面体の形状を維持することができる第1及び第2の側部折り目12a、13aに沿って、第2及び第3の表面12、13のそれぞれのひだ12b、13bのそれぞれに作用する。
【0125】
図1Dから理解され得るように、第1の表面10の反対側の開放端48は、第6の表面11を形成するように閉鎖され得る。任意の好適な閉鎖のスタイルを利用することができる。一実施例として、第6の表面は、袋4の縁を一緒にして、それらを一緒に接着して、閉鎖継ぎ目11a、及び閉鎖継ぎ目11aから延在する閉鎖継ぎ目11c、及び第6の表面11を形成することによって、閉鎖マチ11bを含み得る。更に別の実施例では、第6の表面は、後述するブロックスタイル構成又は交差スタイル構成で一緒に接合される継ぎ目を備え得る。
【0126】
ブロックスタイル構成の実施例が、
図2Aに示される。示されるように、第1の表面10は、封止220及び230を含むブロックスタイル構成を備え得る。第1の表面10は、基部部分240を有してもよい。パッケージ材料250の第1のフラップは、基部部分240上に折り畳まれ得る。接着剤は、パッケージ材料250の第1のフラップを基部部分240に取り付け、それによって第1の封止220を形成するために提供され得る。パッケージ材料260の第2のフラップは、折り畳まれ、基部部分240に、かつパッケージ材料250の第1のフラップの上部に接着的に取り付けられ得る。接着剤は、パッケージ材料260の第2のフラップを基部部分240に、かつパッケージ材料250の第1のフラップに取り付け、それによって第2の封止230を形成するために提供され得る。第6の表面11に関して、同様の実行が利用され得る。
【0127】
本開示のパッケージとともに利用することができるパネル封止スタイルの別の実施例は、ピンチスタイル構成又はピンチ底部スタイルである。ピンチスタイル構成の実施例が、
図2Bに示される。示されるように、ブロック底部とピンチ底部構成との間の重要な違いの1つは、ひだ12b及び13bである。側面12及び13上のひだの代わりに、ピンチスタイル構成は、第1の表面10上のマチ22b及び23bを含む。更に、ピンチ底部構成では、第1の表面10は、ブロックスタイル構成に存在しない場合がある折り目線10aを含む。
【0128】
本開示のパッケージ材料の部分を封止するために、交差スタイル構成も許容可能である。交差底部スタイル構成の実施例が、
図2Cに示される。示されるように、交差スタイル構成とブロックスタイル構成との間の重要な違いの1つは、マチ32b及び33bが外向きに配向されることである。対照的に、それぞれ
図1Cの第2の表面12及び第3の表面13上の折り目線12a及び13aは、パッケージを充填する前に内向きに配向されている。交差スタイル構成におけるマチ32b及び33bの配向により、吸収性物品でパッケージを充填することは、充填のためにパッケージを拡張するためにより少ないエネルギーを必要とし得る。一実施例として、内向きに配向されたひだ、例えば、ブロックスタイル構成は、パッケージを充填する前に、ひだの外向きの変位を必要とする。更に、製品をパッケージ内に誘導する際に利用される機器は、それらの外向きの配向を考慮すると、交差底部構成のマチとの干渉の低減された可能を有する。これにより、品質の問題に起因して、パッケージングの事故又は製造プロセスの停止の可能性を低減することができる。
【0129】
更に
図2Cを参照すると、ブロックスタイル構成と同様に、交差スタイル構成の第1の表面10は、封止320及び330を含む。第1の表面は、基部部分340を含む。パッケージ材料350の第1のフラップは、折り畳まれ、基部部分340に接着的に取り付けられ得る。第1の封止320は、パッケージ材料350の第1のフラップを基部部分340に取り付けるために提供され得る。パッケージ材料360の第2のフラップは、基部部分340上及びパッケージ材料350の第1のフラップの上に折り畳まれ得る。第2の封止330は、パッケージ材料360の第2のフラップを基部部分340に、かつパッケージ材料350の第1のフラップに接着的に取り付けるために提供され得る。同様の実行が、(その中の吸収性物品の配置後に形成される)第6の表面に関して利用され得る。
【0130】
封止構成、すなわちブロック、交差、又はピンチに関係なく、これらの構成は当該技術分野で既知である。パッケージの直立性が所望される、よりかさばらないアイテムについては、ブロック底部又は交差底部が望ましい場合があることに注目すべきである。しかしながら、かさばるアイテムの場合、ピンチスタイルの構成バッグは、その中かさばる吸収性物品が、パッケージが直立するための安定的な基部を形成することができるため、有益であり得る。更に、ブロックスタイル及び交差スタイル構成パッケージは、それらのピンチスタイルの対応物よりもかさばる傾向にあることに注目すべきである。パッケージングの目的で、未充填パッケージは、積み重ねられて吸収性物品製造業者のもとに来る場合がある。典型的には、ブロックスタイル及び交差スタイル構成パッケージの積み重ねは、そのかさばりのために、それらのピンチスタイルの対応物よりも多くの空間を占める。ブロック及び交差スタイル構成のかさばりは、特に多数のパッケージが毎分作成される場合に、充填プロセス中に積み重ねを操作することがより困難になり得る。そのような場合、これらの構成のかさばりは、積み重ねの補充頻度の増加を意味し得る。同じパッケージング材料を含むが、異なる封止スタイル、すなわち、ブロック及びピンチを含むパッケージ(非充填)について、ブロックスタイル構成は、それらのピンチスタイルの対応物よりも多くのスペースを占める。
【0131】
図2Dに関して、継ぎ目/封止に関する着色剤の被覆が言及されたことを想起されたい。
図2Dに示されるように、基部部分240は、内側縁240A、封止領域241及び242、並びに着色剤及びコーティングを含まない領域245を含み得る。前述のように、着色剤の重量百分率を節約するために、パッケージ材料250の第1のフラップ及びパッケージ材料260の第2のフラップの下に配設される基部部分240の領域は、これらの領域に着色剤及び/又はコーティングが提供されないように構成され得ることが企図される。基部部分240の露出領域は、着色剤及び/又はコーティングを含み得る。封止領域241及び/又は242は、着色剤及びコーティング自由領域245として同様に構成され得る。又は、封止領域241及び242のうちの1つ以上は、着色剤及び/又はコーティングを含み得る。また、ブロックスタイル構成が
図2Dに示されているが、上記は、交差スタイル構成にも適用され得る。
【0132】
図1C~
図1Eに戻ると、袋4及びパッケージ1の寸法は適宜選択することができ、デザイン、折り畳み、積み重ね、圧縮及びパッケージングプロセスによって実現することができるため、パッケージ1がその中の吸収性物品を保持し、かつ、パッケージ1の、きちんと整った、安定したほぼ平行六面体の形状、すなわち、直方体形状を維持する。
【0133】
第1の表面10は、パッケージ1の上部パネルを含み得る。又は、第1の表面10は、パッケージ1の底部パネルを含み得る。第1の表面10が封止を備える場合、第1の表面10が底部パネルを含むようにすることが望ましい場合があることに注目すべきである。このようにして、封止は、店舗棚の視野から隠され得る。同様に、第2及び第3の表面12及び13は、それぞれマチ12b及び13bを含み得るため、それぞれ左パネル及び右パネルを含んでもよく、又はその逆も同様であってもよい。第4及び第5の表面14及び15のうちの1つを残して、消費者に面するパネルを含む。したがって、第4及び/又は第5の表面14、15のうちの少なくとも1つは、本明細書に記載のブランディング、パッケージ情報及び/又は背景色を含み得る。しかしながら、前述のように、ブランディング、パッケージ情報、及び/又は背景色は、消費者に面するパネルに限定されない。本開示のパッケージのパネルの任意の組み合わせは、ブランディング、パッケージ情報、及び/又は背景色を含み得る。
【0134】
フローラップパッケージ構成についてもまた、これまでに論じられた。フローラップパッケージのいくつかの実施例を
図3A及び
図3Bに示す。
図3Aは、略直方体形状を備える例示的なフローラップパッケージを示す。直方体形状のパッケージについて、これまでに論じられた。示されるように、パッケージ301は、それぞれ、第1のパネル310と、対向する第2及び第3のパネル312及び313と、それぞれ、対向する第4及び第5のパネル314及び315と、第1のパネル310に対向する第6のパネル311と、を含む。示されるように、第2のパネル312は、端封止312aを含み得、第3のパネル313は、端継ぎ目313aを含み得る。フープ封止316は、第2のパネル312、第3のパネル313、及び第6のパネル311上に部分的に配設され得る。そのような構成では、第1のパネル310又は第5のパネル315のいずれかが、消費者に面するパネルを備え得る。
【0135】
図3Bは、本開示のパッケージによる別の例示的なパッケージ328を示す。
図3Aのパッケージ301のように、パッケージ328は、フローラップ構成である。示されるように、パッケージ328は、第1の表面324と、対向する第2の表面321と、を有する。丸みのある縁は、第1の表面324と第2の表面321との間の移行部として提供され得る。又は、第1の表面324と第2の表面321との間に1つ以上の折り目が設けられてもよい。パッケージ328は、端封止322及び323と、第2の表面321上に配設され得るフープ封止326と、を更に備え得る。そのようなパッケージでは、第1の表面324は、消費者に面するパネルを含み得る。
【0136】
図3A及び
図3Bの両方に関して、示されたパッケージ、すなわち301及び328は、端封止のための突合せ封止を備え、重複封止も利用され得る。例えば、端封止312a、313a、322、及び323のうちの1つ以上は、重複封止を備え得る。同様に、フープ封止、すなわち316及び326は、突合せ封止又は重複封止のいずれかを備え得る。
【0137】
更に別の実施例では、Totani(商標)スタイルバッグを利用することができる。バッグのTotani(商標)スタイルは、それらのブロック底部、ピンチ底部、及び/又は交差底部対応物よりも目立って移動する継ぎ目/封止を備え得る。
図4A及び
図4Bを参照すると、Totani(商標)スタイルパッケージ1400が示されている。パッケージ1400は、略直体形状で構成され得る。パッケージ1400は、第1のパネル1411と、対向する第2及び第3のパネル1412及び1413と、対向する第4及び第5のパネル1414及び1415と、第1のパネル1411に対向する第6のパネル1410と、を備え得る。示されるように、第4のパネル1414と第6のパネル1410との間に、第1の封止1420が外側に延在する。第1の封止1420は、パッケージ1400のためのある種の足を形成する。第2の封止は、第1の封止1420と同様の様式で、第5のパネル1415と第6のパネル1410との間で外向きに延在し得る。いくつかの形態では、第1のパネル1411は、第6のパネル1410と同様に平坦であり得ることに注目すべきである。
【0138】
第1の封止1420は、第1の封止1420の一部分が第2のパネル1412上にあり、第1の封止1420の別の部分が第3のパネル1413上に配設されるように延在することができる。同様に、第2の封止の一部分は、第2のパネル1412上に配設され得、別の部分は、第3のパネル1413上に配設され得る。第1の封止1420及び第2の封止は、第6のパネル1410が材料の別個の部分から形成される場所に提供され、これは、その後、第4のパネル1414及び第5のパネル1415に接合される。当然のことながら、第6のパネル1410が第4のパネル1414及び第5のパネル1415と一体である形態も企図される。
【0139】
第3の封止1430及び第4の封止1440は、それぞれ、第2のパネル1412及び第3のパネル1413から外向きに延在し得る。第1の封止1420、第2の封止、第3の封止1430、及び第4の封止1440は、集合的に、これまでに論じられたフープ封止を備え得ることに注目すべきである。したがって、これらの封止の1つ、全て又は任意の組み合わせは、本明細書に記載のフープ封止の引張強度を呈し得る。
【0140】
示されるように、パッケージ1400は、第6のパネル1411上に配設されている第5の継ぎ目1450と、第6の継ぎ目1460と、を更に備え得る。第5の継ぎ目1450及び第6の継ぎ目1460は、封止フィン1480内に延在することができる。パッケージ1400及びそれに関連付けられた継ぎ目は、接着剤、フィルム、及び/又はフィルムと接着剤との組み合わせに関して本明細書に記載されるように組み立てられ得ることに注目すべきである。しかしながら、パッケージ1400の構築は、パッケージ材料の内面上のフィルムコーティングを介した継ぎ目の形成に特によく適している。そのような構成では、フィルムは、その中の吸収性物品へのパッケージ材料を通る水蒸気の可能性又は少なくとも量を低減するバリアを形成し得る。
【0141】
本発明のパッケージは、例えば圧縮された使い捨て吸収性物品などの、複数の圧縮物品を含むことができる。例えば、本開示のパッケージは、女性用衛生パッドを収容するために使用され得る。
図4に示すように、パッケージ1は、複数の吸収性物品1004が置かれる内部空間1002を画定している。複数の吸収性物品1004は、1つ以上の積み重ね1006において配置され得る。吸収性物品は、パッケージのサイズを小さくする一方で1パッケージ当たり十分な量の吸収性物品を提供するように圧縮下で梱包することができる。吸収性物品を圧縮下でパッケージングすることによって、介護者はパッケージを容易に扱い、保管することができるとともに、パッケージのサイズによる流通コストの削減を製造業者にもたらすこともできる。従来のプラスチックパッケージング材料の延伸特性を欠くにもかかわらず、本発明者らは驚くべきことに、本開示のパッケージ材料が、パッケージ内で圧縮された吸収性物品であっても、これまでに言及したように、加工及び分配の厳しさに耐えることができることを見出した。これは、本発明の材料が現在使用されている従来のプラスチックフィルムの延伸特性を示さないため、特に予想外である。
【0142】
したがって、本開示の吸収性物品のパッケージは、本明細書に記載のバッグ内積み重ね高さ試験に基づいて、約150mm未満、約110mm未満、約105mm未満、約100mm未満、約95mm未満、約90mm未満、約85mm未満、約80mm未満、約78mm未満、約76mm未満、約74mm未満、約72mm未満、又は約70mm未満(具体的には、指定した範囲内、及びその中に又はそれにより形成される全ての範囲内の、0.1mm刻みの値の全てを列挙する)のバッグ内積み重ね高さを有してもよい。代替的に、本開示の吸収性物品のパッケージは、本明細書に記載のバッグ内積み重ね高さ試験に従う、約70mm~約150mm、約70mm~約110mm、約70mm~約105mm、約70mm~約100mm、約70mm~約95mm、約70mm~約90mm、約70mm~約85mm、約72mm~約80mm、又は約74mm~約78mm(具体的には、指定した範囲内、及びその中に又はそれにより形成される全ての範囲内の、0.1mm刻みの値の全てを列挙する)のバッグ内積み重ね高さを有してもよい。
【0143】
本開示のパッケージ内の吸収性物品は、無数の構成で配置することができることに注目すべきである。例えば、本開示の吸収性物品は、それらが垂直配向に配向されるようにパッケージ内に配設されてもよく、又は吸収性物品は、例えば
図5に示されるように、水平構成に配置されるように配置されてもよい。水平配向物品と垂直配向物品との組み合わせがパッケージにおいて提供される形態が企図される。
【0144】
更に、パッケージ内の物品は、複数の物品の各々の一方の長手方向周縁が別の長手方向周縁よりも消費者に面するパネルのより近位にあるように配向され得る。例えば、パッケージ内の吸収性物品の数が比較的多く、例えば9より大きい場合、吸収性物品は、これまでに説明したようにパッケージ内に配置され得る。しかしながら、パッケージ内の吸収性物品の数が、例えば9よりも低い場合、吸収性物品は、吸収性物品のトップシート又はバックシートが、消費者に面するパネルのより近位にあるように配置され得る。追加の吸収性物品は、消費者に面するパネルに最も近い吸収性物品の後ろに積み重ねられ得る。パッケージ内に配向の組み合わせがある形態が企図される。例えば、少なくとも1つの吸収性物品は、その長手方向の外周側縁のうちの1つが、他方よりも消費者に面するパネルの近位にあるように配置することができ、少なくとも1つの吸収性物品は、そのトップシート又はバックシートが消費者に面するパネルに対してより近位になるように配置され得る。吸収性物品の残部は、存在する場合、それらの構成のいずれかを想定することができる。
【0145】
吸収性物品
前述のように、本開示のパッケージ材料内に包装され得る吸収性物品は、多数である。2つの特定の実施例が、
図6~
図7Cに提供される。しかしながら、本開示のパッケージ材料及びパッケージは、前述のように多数の吸収性物品を収容するために利用され得る。
図6~
図7Cは、本開示のパッケージ材料/パッケージに収容され得る物品の単なる実施例である。
【0146】
図6では、例示的な女性用衛生パッド400が示されている。女性用衛生パッド400は、トップシート420と、バックシート450と、トップシート420とバックシート450との間に配設された吸収性コア440と、を備える。トップシート420と吸収性コア440との間には、流体管理層430が配設されている。吸収性物品は、着用者に面する表面460と反対側の衣服に面する表面462と、を有している。着用者に面する表面460は主としてトップシート420からなり、衣服に面する表面462は主としてバックシート450からなる。更なる構成要素が、着用者に面する表面460及び/又は衣服に面する表面462のいずれかに含まれてもよい。例えば、吸収性物品が失禁パッドである場合、吸収性物品400の長手方向軸Lに概ね平行に延在する一対のバリアカフが着用者に面する表面460の一部を形成してもよい。同様に、締結接着剤がバックシート450上に存在し、吸収性物品の衣服に面する表面462の一部を形成してもよい。
【0147】
トップシート420は、当該技術分野では周知のものなどの取り付け方法(図示せず)によって、バックシート450に接合することができる。トップシート420とバックシート450とは、物品の外周部において互いに直接接合されてもよく、それらを吸収性コア440、流体管理層430、及び/又はトップシート420とバックシート450との間に配置された更なる層に直接接合することによって、互いに間接的に接合されてもよい。この間接接合又は直接接合は、当該技術分野において周知の取り付け方法によって実現することができる。
【0148】
トップシート420は、順応性で、柔らかな感触であり、着用者の皮膚に対して非刺激性であってもよい。好適なトップシート材料としては、着用者の身体に向かって方向付けられ、身体に接触して、流体がトップシートを通って着用者の皮膚に逆流することなく、身体の排泄物がそれを通って急速に浸透することを可能にする、液体透過性材料が挙げられる。トップシートは、トップシートを通る流体の迅速な移動を可能にできる一方、ローション組成物を、着用者の皮膚の外側部分又は内側部分上に移動又は移行させることもできる。
【0149】
好適なトップシート420は、織布材料及び不織布材料;有孔形成熱可塑性フィルム、有孔プラスチックフィルム、及び交絡繊維有孔フィルムを含む有孔フィルム材料;ハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルム;多孔質発泡体;網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;熱可塑性スクリム;又はこれらの組み合わせなどの、幅広い範囲の材料から製造されてもよい。
【0150】
トップシートとして使用するのに好適な有孔フィルム材料としては、身体排泄物に対して非吸収性及び透過性であり、トップシートを通る流体の逆流を最小にするか又は排除する有孔のプラスチックフィルムが挙げられる。有孔及び非有孔形成フィルムを含む他の好適な形成フィルムの非限定例は、1975年12月30日にThompsonに発行された米国特許第3,929,135号、1982年4月13日にMullaneらに発行された、同第4,324,246号、1982年8月3日にRadelらに発行された、同第4,342,314号、1984年7月31日にAhrらに発行された、同第4,463,045号、1991年4月9日にBairdに発行された、同第5,006,394号、1986年9月2日にCurroらに発行された、同第4,609,518号、及び1986年12月16日にCurroらに発行された、同第4,629,643号においてより完全に記載されている。
【0151】
トップシートとして使用するのに好適な織布及び不織布材料の非限定例としては、天然繊維(例えば、100パーセントオーガニックコットンを含む綿)、改質天然繊維、合成繊維、又はそれらの組み合わせから作製された繊維状材料が挙げられる。これらの繊維状材料は、親水性であっても疎水性であってもよいが、トップシートは疎水性である又は疎水性になることが好ましい。親水性成分を含有するトップシートを作製する任意の既知の方法を使用して、任意選択としてトップシートの一部を親水性にすることができる。不織繊維トップシート20は、不織布ウェブを作製する任意の既知の手順により製造されてもよく、この非限定例としては、スパンボンディング、カーディング、ウェットレイド、エアレイド、メルトブローン、ニードルパンチング、機械交絡、熱機械交絡及び水流交絡が挙げられる。
【0152】
トップシート420は、有孔フィルムと不織布との組み合わせから形成することもできる。例えば、フィルムウェブと不織布ウェブとを、米国特許第9,700,463号に記載されるように組み合わせることができる。あるいは、フィルムは、不織布材料上に押出成形され得、これは、フィルム層と不織布材料との間の接触を強化すると考えられる。このような組み合わせの例示的なプロセスが、米国特許第9,849,602号及び同第9,700,463号に記載されている。
【0153】
バックシート450は、吸収性コア440の衣服に面する表面に隣接して位置決めすることができ、当該技術分野において周知のものなどの取り付け方法(図示せず)によって吸収性コアの衣服に面する表面に接合することができる。例えば、バックシート450は、均一な連続層の接着剤、パターン層の接着剤、又は独立した線、螺旋若しくは点の配列の接着剤によって吸収性コア440に固定することができる。あるいは、取り付け方法は、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、若しくは当該技術分野で既知の他の任意の好適な取り付け方法又はこれら取り付け方法の組み合わせの使用を含んでもよい。
【0154】
バックシート450は、液体(例えば、尿)に対して不透過性又は実質的に不透過性であってもよく、また、薄いプラスチックフィルムから製造されてもよいが、他の可撓性の液体不透過性材料を使用することもできる。本明細書で使用される場合、「可撓性」という用語は、順応性があり、人体の一般的な形状及び輪郭に容易に適合する材料を指す。バックシートは、吸収性コア中に吸収されて収容された排泄物が、下着などの失禁パッドに接触する衣類を濡らすことを防ぐか、又は少なくとも抑制し得る。しかしながら、バックシートは、蒸気を吸収性コアから逃がすことができる(すなわち、通気性である)が、場合によりバックシートは蒸気を逃がすことができない(すなわち、非通気性である)場合もある。したがって、バックシートは、ポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルムなどの高分子フィルムを含む場合がある。バックシートに好適な材料は、約0.012mm(0.5ミル)~約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フィルムである。当該技術分野において既知の任意の好適なバックシートが本発明とともに利用され得る。
【0155】
バックシート450は、その衣類の表面へと吸収性コア440を通過し得る任意の吸収された体液に対するバリアとして作用し、結果として下着又は他の衣類を汚す危険性を低減する。好ましい材料は、柔らかく滑らかで柔軟性のある、液体及び蒸気を通す材料であり、快適さのために柔らかさ及び共形性を提供し、低雑音であり、したがって動きによって望ましくない音が生じない。
【0156】
例示的なバックシートは、1999年3月23日発行の米国特許第5,885,265号(Osborn,III)、2002年10月8日発行の同第6,462,251号(Cimini)、2003年9月23日発行の同第6,623,464号(Bewick-Sonntag)、又は2003年12月16日発行の同第6,664439号(Arndt)に記載されている。本明細書での使用に好適な二層又は多層の通気性バックシートとしては、米国特許第3,881,489号、同第4,341,216号、同第4,713,068号、同第4,818,600号、欧州特許第203821号、同第710471号、同第710472号、及び同第793952号に例示されているものが挙げられる。
【0157】
本明細書で使用する好適な通気性バックシートは、当技術分野で知られている全ての通気性バックシートを含む。原則的に、2つのタイプの通気性バックシートがあり、通気性及び遮水性のある単層の通気性バックシートと、組み合わせると通気性と遮水性の両方を提供する少なくとも2つの層を有するバックシートとがある。本明細書で使用する好適な単層の通気性バックシートには、例えば英国特許第A2184389号、同第A2184390号、同第A2184391号、米国特許第4,591,523号、同第3,989,867号、同第3,156,242号、及び国際公開第97/24097号に記載されているものが含まれる。
【0158】
バックシートは、約20gsm~約50gsmの坪量を有する不織布ウェブであってもよい。一実施例として、バックシートは、Fiberweb NeubergerからF102301001の名称で入手可能な4デニールポリプロピレン繊維の、比較的疎水性の23gsmスパンボンド不織布ウェブであり得る。バックシートは、2002年8月20日に発行された米国特許第6,436,508号(Ciammaichella)に記載されるように、非水溶性の液体膨潤性材料でコーティングされていてもよい。
【0159】
バックシートは、衣類に面する側と、反対側の身体に面する側とを有する。バックシートの衣類に面する側は、非接着領域と接着領域とを含む。接着領域は、任意の従来の手段によって提供され得る。感圧性接着剤が、この目的に対して十分に機能することが一般に見出されてきた。
【0160】
吸収性コア440は、楕円形、ディスコ矩形(discorectangle)、矩形、非対称形状及び砂時計形を含むが、これらに限定されない任意の好適な形状を含み得る。例えば、本発明のいくつかの形態では、吸収性コア440は、輪郭ある形状、例えば中間領域が端部領域よりも狭い形状を含み得る。更に別の例としては、吸収性コアは、パッドの一方の端部領域により広い部分を有し、パッドのもう一方の端部のより狭い端部領域に向かって先細りになる、先細形状を含み得る。吸収性コアは、MD及びCDに様々な剛度を有することができる。
【0161】
吸収性コアの構成及び構造は変化してもよい(例えば、吸収性コア440は、変化するキャリパ区域、親水性勾配、超吸収性勾配、又はより低い平均密度及びより低い平均坪量の捕捉区域を有してもよい)。更に、吸収性コア440の寸法及び吸収能力も、様々な着用者に適応するように変更されてもよい。しかしながら、吸収性コア440の合計吸収能力は、使い捨て吸収性物品又は失禁パッドの設計負荷及び意図された用途に適合するべきである。
【0162】
本発明のいくつかの形態では、吸収性コアは、第1及び第2の積層体の他に、複数の多機能層を含むことができる。例えば、吸収性コアは、第1及び第2の積層体、並びに他の任意の層を包囲するのに有用なコアラップ(図示せず)を含むことができる。コアラップは、2つの不織布材料、基材、積層体、フィルム、又はその他の材料によって形成され得る。一態様では、コアラップは、単一の材料、基材、積層体、又は少なくとも部分的にその周りが包まれたその他の材料のみを含み得る。吸収性コアは、例えば、第1及び第2の積層体内にSAP又は他の吸収性材料を固定化するのを助けるために、1つ以上の接着剤を含むことができる。
【0163】
様々なコア設計による相対的に高い量のSAPを含む吸収性コアが、Goldmanらの米国特許第5,599,335号、Busamらの欧州特許第1,447,066号、Tanzerらの国際公開第95/11652号、Hundorfらの米国特許出願公開第2008/0312622(A1)号及びVan Malderenの国際公開第2012/052172号に開示されている。これらを使用して、超吸水性層を構成することができる。
【0164】
本開示のコアへの付加が想定される。特に、電流多積層体吸収性コアへの電位付加は、1986年9月9日にWeismanらに発行された「High-Density Absorbent Structures」という表題の米国特許第4,610,678号、1987年6月16日にWeismanらに発行された「Absorbent Articles With Dual-Layered Cores」という表題の同第4,673,402号、1989年12月19日にAngstadtに発行された「Absorbent Core Having A Dusting Layer」という表題の同第4,888,231号及び1989年5月30日にAlemanyらに発行された「High Density Absorbent Members Having Lower Density and Lower Basis Weight Acquisition Zones」という表題の同第4,834,735号に記載されている。吸収性コアは、1993年8月10日にAlemanyらに発行された「Absorbent Article With Elastic Waist Feature and Enhanced Absorbency」という表題の米国特許第5,234,423号及び同第5,147,345号に詳説されるように、吸収剤貯蔵コア上に位置付けられた、化学的に剛性化された繊維の捕捉/分配コアを収容する二重コア系を模倣する追加の層を更に備えてもよい。これらは、本発明の吸収性コアの以下に記載される積層体のこれらの効果を打ち消さないか、又は競合しない程度に有用である。好適な吸収性コアの追加の実施例が、米国特許出願公開第2018/0098893号及び同第2018/0098891号に記載されている。
【0165】
任意の好適な流体管理層が、女性用衛生パッド400と併せて利用され得る。流体管理層は、吸収システムから分離され、離隔していてもよい。更に、流体管理層は、トップシートの下かつコアの着用者に面する表面上に配設されている。流体管理層は、約40gsm~約100gsm、約45gsm~約75gsm、又は約50gsm~約65gsm(具体的にはこれらの範囲及びそれによって形成される任意の範囲内の全ての値を含む)の秤量を有し得る。いくつかの形態では、流体管理層は、繊維の均質な混合物を含み得るが、他の形態では、流体管理層は、繊維の不均一な混合物を含み得る。
【0166】
いくつかの例示的な流体管理層は、米国特許出願公開第2015/0351976(A1)号及び同第2014/0343523(A1)号、及びに米国特許出願第15/729704号に記載されている。
【0167】
本開示のパッケージに含まれ得る吸収性物品の別の実施例は、おむつである。
図7Aに示されるように、おむつ1900の構造をより明瞭に示すために構造の一部が切り取られ、その着用者に面する表面が閲覧者に向かっている、平らに広げられた未収縮状態の(すなわち弾性によって生じる収縮が取り除かれた)おむつ1900である例示的な吸収性物品の平面図。本開示のパッケージは、多種多様なおむつ及び他の吸収性物品のために使用され得るため、このおむつは例示目的のみで示される。
【0168】
吸収性物品は、液体透過性のトップシート1924と、液体不透過性のバックシート1925と、トップシート1924とバックシート1925との間に少なくとも部分的に位置決められる吸収性コア1928と、及びバリアレッグカフ1934と、を備え得る。吸収性物品は、液体管理システム(liquid management system、「LMS」)1950(
図6Bに図示)も備え得るが、これは、図示されている実施例では、分配層1954と捕捉層1952とを備えており、これらのいずれについても以下で詳細に説明する。様々な形態では、捕捉層1952は、代わりに、身体排泄物を分配することができ、また、分配層1954は、代わりに、身体排泄物を捕捉することができるか、又はいずれの層も、身体排泄物の分配及び/又は捕捉が可能である。また、LMS1950は、単一層又は2層以上として提供され得る。また、吸収性物品は、典型的には、トップシート及び/又はバックシートを通して吸収性物品のシャーシ1982と接合し、おむつのシャーシに実質的に平面である弾性ガスケットカフ1932を含んでもよい。
【0169】
図面はまた、吸収性物品1900の後縁に向かって取り付けられ、かつ吸収性物品1900の前方で、ランディング区域1944と協働する、結合タブ1942又はその他の機械的締結具を備える締結システムのような、テープ付きおむつの典型的な構成要素を示す。吸収性物品は、例えば、後側弾性腰部機構(
図8に示す1936)、及び前側弾性腰部機構(
図8に示す1937)など、図示されていないその他の典型的な要素を更に備え得る。
【0170】
吸収性物品1900は、前側腰部縁1910、前側腰部縁1910と長手方向の反対側の後側腰部縁1912、第1の側縁1903、及び第1の側縁1903と横方向の反対側の第2の側縁1904を有し得る。前側腰部縁1910は、着用されるときにユーザの前方に向かって置かれるように想定された吸収性物品1900の縁であり、後側腰部縁1912はその反対側の縁である。着用者が吸収性物品1900を着用すると、前側腰部縁1910及び後側腰部縁はともに腰部孔を形成する。吸収性物品1900は、
図7Aで例示されるように物品を平らに配置して着用者に面する表面から見た場合に、吸収性物品1900の前側腰部縁1910の横方向中点から後側腰部縁1912の横方向中点まで延在して、吸収性物品1900を、長手方向軸1980を中心に実質的に対称的な2つの半体に分割する長手方向軸1980を有し得る。吸収性物品はまた、第1の側縁1903の長手方向中点から第2の側縁1904の長手方向中点まで延在する横方向軸1990を有し得る。吸収性物品1900の長さLは、長手方向軸1980に沿って、前側腰部縁1910から後側腰部縁1912まで測定され得る。吸収性物品1900の股幅は、第1の側縁1903から第2の側縁1904へと横方向軸1990に沿って測定され得る。吸収性物品1900は、前側腰部領域1905と、後側腰部領域1906と、股部領域1907と、を備え得る。前側腰部領域、後側腰部領域及び股部領域は、それぞれ、吸収性物品の長手方向の長さの1/3を画定する。更に、前側及び後側部分も、横方向軸1990の両側で画定され得る。
【0171】
トップシート1924、バックシート1925、吸収性コア1928、及び物品のその他の構成要素は、様々な構成で、具体的には、例えば、糊剤接着又は熱エンボス加工によって組み立てられ得る。例示的なおむつの構成が、米国特許第3,860,003号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号で概説されている。
【0172】
吸収性コア1928は、全て吸収性材料の重量を基準にして、75重量%~100重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%(具体的には、上記に指定した各範囲、及びそれらの範囲内に、又はそれらの範囲によって形成される全ての範囲内の、全ての0.1重量%刻みが列挙される)を占める吸収性材料、及び吸収性材料を封入するコアラップを含んでもよい。コアラップは、通常、コアの上面及び下面に対して、2つの材料、基材、又は不織布材料16及び16’を備えてもよい。
【0173】
吸収性コア1928は、
図6Aにおいて4つのチャネル1926、1926’、及び1927、1927’として図示される1つ以上のチャネルを備え得る。更に、又はその代わりに、LMS1950は、
図7A~
図7Cにチャネル1949、1949’として示される、1つ以上のチャネルを備えてもよい。いくつかの形態では、LMS1950のチャネルは、吸収性コア1928のチャネルと整列する、実質的に整列する、重なり合う、又は少なくとも部分的に重なり合うように、吸収性物品1900内に位置決めされてもよい。以下、吸収性物品のこれら及び他の構成要素について、より詳細に考察する。
【0174】
トップシート1924は、着用者の肌に直接接する吸収性物品の一部である。当業者には知られているように、トップシート1924は、バックシート1925、コア1928、及び/又は任意のその他の層に接合され得る。通常は、トップシート1924とバックシート1925とがいくつかの箇所(例えば、物品の外周部上、又はその付近)で直接互いに接合され、他の箇所では、これらを吸収性物品1900の1つ以上の他の要素と直接接合することにより、間接的に接合される。
【0175】
バックシート1925は、概して、吸収性コア1928の衣服に面する表面に隣接して位置決めされ、その内部に吸収されて収容された身体排泄物が、ベッドシーツ及び下着などの物品を汚すのを防ぐ、又は少なくとも妨げる、吸収性物品1900の部分である。バックシート1925は、概して、液体(例えば、尿、流動性BM)不透過性、又は少なくとも実質的に不透過性であるが、おむつが「呼吸」できるように蒸気透過性である。バックシートは、例えば、約0.012mm~約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムであるか、又はそれを含んでもよい。例示的なバックシートフィルムとしては、Richmond,VAを拠点とするTredegar Corporationによって製造され、CPC2フィルムの商標で販売されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、蒸気が吸収性物品1900から逃れるのを可能にするが、同時に身体排泄物がバックシート1925を通り抜けるのを防止する、又は少なくとも妨げる通気性材料を挙げることができる。通気性材料の例としては、織布ウェブ、不織布ウェブなどの材料、並びにフィルムコーティングされた不織布ウェブなどの複合材料、微多孔性フィルム、及びモノリシックフィルムなどを挙げることができる。特定の一実施例では、バックシートは、フィルムと、不織布と、を含み得、不織布(
図8に示される1971)は、物品の衣服に面する表面の一部分を形成する。
【0176】
バックシート1925は、当業者に既知の任意の取り付け方法によって、トップシート1924、吸収性コア1928、及び/又は吸収性物品1900の任意の他の要素に接合され得る。好適な取り付け方法が、トップシート1924を吸収性物品1900の他の要素に接合するための方法に関して、上記で説明されている。
【0177】
本明細書で使用される場合、「吸収性コア」という用語は、最大の吸収能力を有し、吸収性材料を含む、吸収性物品の独立した構成要素を指す。吸収性コアは、吸収性材料を封入するコアラップ又はコアバッグ(以下「コアラップ」)を備え得る。「吸収性コア」という用語は、LMS、若しくはコアラップの一体部分ではないか、又はコアラップ内に配置されていない吸収性物品のいかなる他の構成要素も含まない。吸収性コアは、コアラップと、以下で定義される吸収性材料と、コアラップ内に封入される糊剤とを含むか、基本的にこれらで構成されるか、又はこれらで構成され得る。更にパルプ又はエアフェルトもコアラップ内に存在し得、また、吸収性材料の一部分を形成し得る。コアラップの外周部であり得る吸収性コアの外周部は、例えば「T」字形、「Y」字形、「砂時計」形、又は「ドッグボーン」形など、任意の好適な形状を画定してもよい。概ね「ドッグボーン」又は「砂時計」形を有する吸収性コアの外周部は、その幅に沿ってコアの中央又は「股部」領域に向かって先細になっていてもよい。このようにして、吸収性コアは、吸収性物品の股部領域内に置かれるように意図された吸収性コアの領域において、比較的狭い幅を有してもよい。
【0178】
本開示の吸収性コア1928は、多量の超吸収性ポリマー(本明細書では「SAP」と略す)がコアラップ内に封入された吸収性材料を含んでもよい。SAP含有量は、コアラップ内に収容された吸収性材料の70重量%~100重量%、又は少なくとも70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、99重量%、若しくは100重量%を示してもよい。本開示で有用なSAPとしては、非水溶性ではあるが大量の流体を吸収することができる、種々の水膨潤性ポリマーを挙げることができる。コアラップは、吸収性コア内のSAPの百分率を評価する目的で、吸収性材料とは見なされない。コア1928中の吸収性材料の残部はエアフェルトであってもよい。
【0179】
「吸収性材料」とは、SAP、セルロース系繊維、及び合成繊維など、いくらかの吸収特性又は液体保持特性を有する材料を意味する。一般に、吸収性コアを作るのに使用される糊剤は吸収特性を有さず、吸収性材料とは見なされない。SAP含有量は、上述したように、コアラップに収容された吸収性材料の80重量%超、例えば少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、及び更には100重量%以下であってもよい。これにより、典型的には、例えば、40~60%のSAP、及び大量のセルロース繊維又はエアフェルトを含む従来のコアと比較して、相対的に薄いコアが得られる。吸収性材料は、15重量%未満、若しくは10重量%未満の天然又は合成繊維を含むか、5重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満の天然及び/又は合成繊維を含んでもよく、あるいは更には天然及び/又は合成繊維を実質的に含まないか、又は含まなくてもよく、具体的には、指定される範囲内、及びそれらの範囲内に、又はそれらの範囲によって形成される全ての範囲内の、全ての0.1%刻みが列挙される。吸収性材料は、エアフェルト(セルロース)繊維をほとんど又は全く含まなくてもよく、特に吸収性コアは、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満のエアフェルト(セルロース)繊維を含んでもよく、又は更にはセルロース繊維を実質的に含まない、若しくは含まなくともよく、具体的には指定される範囲内の、及びそれらの範囲内に、又はそれらの範囲によって形成される全ての範囲の0.1%刻みの全てが列挙される。
【0180】
吸収性コア1928はまた、概ね平面状の上面、及び概ね平面状の底面を備え得る。コア1928は、
図6Aに示すような平面図で上から見ると、吸収性物品の長手方向軸80に実質的に対応する長手方向軸80’を有し得る。特定の物品では前側でより高い吸収性が求められることがあるので、吸収性材料は、後側に向かってよりも前側に向かってより多くの量が分配されてもよい。吸収性材料は、コアの任意の部分にわたって不均一の坪量又は均一の坪量を有し得る。コアラップは、2つの不織布材料、基材、積層体、又は他の材料1916、1916’によって形成されてもよく、それらは、吸収性コアの側部に沿って少なくとも部分的に封止されてもよい。コアラップは、吸収性コアラップから吸収性材料が実質的に漏れ出さないように、前側部、後側部、及び2つの長手方向側部に沿って少なくとも部分的に封止され得る。第1の材料、基材、又は不織布1916は、第2の材料、基材、又は不織布1916’を少なくとも部分的に囲んでコアラップを形成し得る。第1の材料1916は、第2の材料の1916’の、第1の側縁1903及び第2側縁1904に近接した一部分を囲んでもよい。
【0181】
様々なコアの設計を有し、比較的大量のSAPを含むコアが、米国特許第5,599,335号(Goldman)、欧州特許第1,447,066号(Busam)、国際公開第95/11652号(Tanzer)、米国特許出願公開第2008/0312622(A1)号(Hundorf)、及び国際公開第2012/052172号(Van Malderen)に開示されている。
【0182】
吸収性材料は、コアラップ内に存在する1つ以上の連続層であってもよい。あるいは、吸収性材料は、コアラップ内に封入された吸収性材料の個々のポケット又はストライプからなってよい。第1の事例では、吸収性材料は、例えば、吸収性材料の単一の連続層を適用することによって得ることができる。吸収性材料の、特にSAPの連続層はまた、不連続的な吸収性材料適用パターンを有する2つ以上の吸収性層を組み合わせることによって得られてもよく、結果として得られる層は、例えば米国特許公開第2008/0312622(A1)号(Hundorf)に開示されているように、吸収性粒状ポリマー材料の面積の全体にわたって実質的に連続的に分配されている。吸収性コア1928は、第1の吸収性層と、第2の吸収性層と、を備えてもよい。第1の吸収性層は、第1の材料1916と、100%以下のSAPであり得る吸収性材料の第1の層1961と、を備え得る。第2の吸収性層は、第2の材料1916’と、やはり100%以下のSAPであり得る吸収性材料の第2の層1962と、を備え得る。
【0183】
繊維状の熱可塑性接着剤材料1951は、ランド領域において、吸収性材料1961、1962と少なくとも部分的に接触していてよく、また、接合領域において、材料1916、1916’と少なくとも部分的に接触していてよい。これによって、それ自体では長さ及び幅方向の寸法と比べると相対的に厚みが薄い、本質的に二次元の構造である熱可塑性接着剤材料591の繊維層に、本質的に三次元の構造が付与される。それにより、繊維状の熱可塑性接着剤材料は、ランド領域において吸収性材料を被覆するためのキャビティを提供してもよく、それにより、100%以下のSAPであってもよいこの吸収性材料を固定する。
【0184】
コアラップは、吸収性材料の周りに折り重ねられた単一の基材、材料、又は不織布で形成されてよく、あるいは互いに取り付けられた2つ(又はそれ以上)の基材、材料、又は不織布を含むものとしてもよい。一般的な取り付け方法は、いわゆるCラップ及び/又はサンドイッチラップである。Cラップでは、基材のうちの一方の長手方向及び/又は横断方向の縁が、他方の基材上で折り畳まれてフラップを形成する。次に、これらのフラップは、通常は糊剤接着によって、他方の基材の外表面に結合される。他の技法を使用して、コアラップを形成することもできる。例えば、基材の長手方向及び/又は横断方向の縁が互いに結合され、次に吸収性コアの下に折り重ねられ、その位置で結合されてもよい。
【0185】
コアラップは、吸収性材料がコアから実質的に漏れ出さないように、吸収性コアの全ての側部に沿って少なくとも部分的に封止されてもよい。「吸収性材料が実質的にない」とは、コアラップから漏れ出る吸収性材料が5重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、又は約0重量%であることを意味する。「封止」という用語は、広義に理解されるべきである。コアラップの封止は、コアラップの外周部全体に沿って連続的である必要はないが、線上で離隔した一連の封止点によって形成されるなど、その一部又は全体に沿って不連続であってもよい。封止は、糊剤接着及び/又は熱接着によって形成され得る。
【0186】
コアラップはまた、吸収性材料を風呂敷包み状に封入し、コアの前側部及び後側部、並びに一方の長手方向封止に沿って封止され得る、単一の基材によって形成されてもよい。
【0187】
吸収性物品は、一対のバリアレッグカフ1934を備えてもよい。それぞれのバリアレッグカフは、吸収性物品の内面から上方に延びて、着用者の胴体と脚との接合部付近で液体及びその他の身体排泄物の収容性を改善し得るように、吸収性物品に結合された一片の材料によって形成され得る。バリアレッグカフ1934は、トップシート1924及び/又はバックシート1925に直接又は間接的に接合された近位縁1964と、着用者の皮膚と接触して着用者の皮膚と封止を形成するように想定された自由末端縁1966と、によって範囲を定められている。バリアレッグカフ1934は、長手方向軸1980の両側で吸収性物品の前側腰部縁1910と後側腰部縁1912との間に少なくとも部分的に延び、かつ少なくとも股部領域1907内に存在する。バリアレッグカフ1934は、糊剤結合、溶融結合、又はその他の好適な結合プロセスの組み合わせにより製造され得る結合部1965によって、近位縁1964で吸収性物品のシャーシと接合され得る。近位縁1964での結合部1965は、連続的であっても断続的であってもよい。レッグカフ1934の隆起区間に最も近い結合部1965が、レッグカフ1934の立ち上がり区間の近位縁1964の範囲を定める。
【0188】
バリアレッグカフ1934は、トップシート1924若しくはバックシート1925と一体であるか、又は、吸収性物品のシャーシに接合された別個の材料であってもよい。バリアレッグカフ1934の材料は、おむつの全長を通して延び得るが、これらの区間においてバリアレッグカフ材料がトップシート1924と同一平面上のままであるように、吸収性物品の前側腰部縁1910及び後側腰部縁1912に向かってトップシート1924に「タック結合」され得る。
【0189】
それぞれのバリアレッグカフ1934は、この自由末端縁1966に近接して、フィルム1935の1つ、2つ、若しくはそれ以上の弾性ストランド又はストリップを含み得るが、それにより、より良好な封止を提供することが可能となる。
図5に関して説明したように、バリアレッグカフは同様に、構造のパッドタイプに適用され得ることに注目すべきである。そのような構成は、成人用失禁パッドにおいて望ましい場合がある。バリアレッグカフについて本明細書に記載される構成のいずれも、成人用失禁パッドに利用され得る。
【0190】
吸収性物品は、バリアレッグカフ1934に加えて、ガスケットカフ1932を備えていてよく、このガスケットカフは、吸収性物品のシャーシ、特にトップシート1924及び/又はバックシート1925に接合されており、かつバリアレッグカフ1934に対して外側に配置される。ガスケットカフ1932は、着用者の大腿の周囲により良好な封止を提供し得る。各ガスケットレッグカフは、吸収性物品のシャーシ内のトップシート1924とバックシート1925との間の脚開口部の領域に、1つ以上の弾性ストリング又は弾性要素1933を備え得る。バリアレッグ及び/又はガスケットカフの全て又は一部分を、ローション又はスキンケア組成物で処理してもよい。バリアレッグカフは、米国特許出願公開第2012/0277713号に記載されるものを含む、数多くの異なる構成で作製され得る。
【0191】
ある形態では、吸収性物品は、前部耳部1946及び後部耳部1940を含んでよい。耳部は、サイドパネルとして、トップシート1924及び/又はバックシート1925から形成されるなど、シャーシの一体部分とすることができる。あるいは、
図7Aに示されるように、耳部(1946、1940)は、糊剤結合、熱エンボス加工、及び/又は圧着により取り付けられる、別体の要素であってよい。タブ1942(締結具1943)をランディング区域1944に容易に取り付け、テープ付きおむつを着用者の腰部周りの定位置に保つために、後耳部1940は伸縮可能であってよい。後側耳部1940はまた、弾性のある耳部によって吸収性物品の側部が伸縮し得るため、最初に吸収性物品を着用者に対して適合するようにフィットさせ、続いて吸収性物品が排泄物で充填されてからかなりの時間が経過した後も着用期間全体を通してこのフィットを維持することによって、より快適で、体に巻き付くようなフィット感を付与するように、弾性又は伸張性であってもよい。
【0192】
LMS1950の1つの機能は、流体を迅速に獲得し、それを吸収性コア1928に効率的に分配することである。LMS1950は、一体の層を形成しても、あるいは、互いに取り付けられ得る不連続の層のままでもよい、1つ又はそれ以上の層を備え得る。LMS1950は、2つの層:吸収性コアとトップシートとの間に配設される分配層1954及び捕捉層1952を備え得るが、本開示はこうした構成に限定されない。
【0193】
SAPは流体の捕捉及び分配を緩慢にし得るため、LMS1950はSAPを含み得る。他の形態では、LMSは、SAPを実質的に含まなくてもよい(例えば、80%、85%、90%、95%、又は99%非含有である)か、又は完全に含まなくてもよい。LMSはまた、例えば、連続気泡発泡体、エアレイド繊維、又はカーディング樹脂結合不織布材料など、様々な他の好適なタイプの材料のうちの1つ以上を含んでもよい。LMSの好適な例が、例えば、国際公開第2000/59430号(Daley)、同第95/10996号(Richards)、米国特許第5,700,254号(McDowall)、及び国際公開第02/067809号(Graef)に記載されている。
【0194】
LMS1950は、分配層1954を備え得る。分配層1954は、例えば、少なくとも50重量%以上の架橋セルロース繊維を含み得る。架橋セルロース繊維は、捲縮、加撚、若しくはカールされてもよく、又は捲縮、加撚、及びカールを含むこれらの組み合わせであってもよい。このタイプの材料は、米国特許出願公開第2008/0312622(A1)号(Hundorf)に開示されている。
【0195】
LMS1950は、代替的又は追加的に捕捉層1952を備え得る。獲得層1952は、例えば、分配層1954とトップシート1924との間に配設されてもよい。獲得層1952は、スパンボンド、メルトブローン、及び更なるスパンボンド層、あるいはカーディング化学結合不織布を含む、SMS又はSMMS材料などの不織布材料であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。獲得層1952は、エアレイド若しくは湿式レイドセルロース繊維、架橋セルロース繊維、又は合成繊維、あるいはそれらのブレンドを含んでもよい。獲得層1952は、合成繊維(空隙を増加させるため、固体状態形成法などによって処理されてもよい)のロールストックウェブ、又は嵩高材料を形成するために互いに結合された、合成繊維とセルロース繊維との組み合わせを含んでもよい。あるいは、獲得層1952は、吸収性連続気泡発泡体を含んでもよい。不織布材料は、ラテックス結合されてもよい。
【0196】
吸収性物品1900のLMS1950は、概して、吸収性物品を着用者の解剖学的構造により良く適合させて、それにより動作の自由度を高め、間隙を減少させるチャネルを含んでもよい。LMS1950の1つ以上のチャネルは、上述のように吸収性コア1928内の様々なチャネルと協調して動作するように構成されていてもよい。更に、LMS1950内のチャネルは、更に、吸収性物品内で、尿、排便(BM)、又は他の身体排泄物を保持して分配するための大きな空隙を与え、それによって漏れ及び皮膚の接触を低減させ得る。LMS1950内のチャネルはまた、特にテクスチャ、色、及び/又はパターンの物理的な違いによって強調される場合、内部の実用的な表示を提供して、着用者上での吸収性物品の正確な位置合わせの達成を容易にしてもよい。このため、かかる物理的な差異は、例えば、視覚的及び/又は触覚的に認識可能なものとすることができる。
【0197】
湿り度インジケータ/グラフィック
図7A及び
図8を参照すると、本開示の吸収性物品1900は、衣服に面する表面702から目視可能な、グラフィック780及び/又は湿り度インジケータ800を含んでもよい。グラフィック780は、ランディング区域740、バックシート1925、及び/又はその他の位置に印刷され得る。湿り度インジケータ800は、典型的には、吸収性コア1928内で身体排泄物と接触することができるように、バックシート1925の吸収性コアに面する側に適用される。場合によっては、湿り度インジケータ800は、グラフィック780の一部分を形成してもよい。例えば、湿り度インジケータは、現れるか又は消えることができ、特定のグラフィック内に文字を形成/除去することができる。他の場合、湿り度インジケータ800は、グラフィック780と調和してもよく(例えば、同一デザイン、同一パターン、同一色)、又は調和していなくてもよい。
【0198】
試験方法
ASTM F88-06-引張強度
この試験方法は、封止を含む材料の試験ストリップを分離するために必要な力を測定することによって、可撓性バリア材料における封止の強度を決定する。封止強度は、本明細書に記載の手順詳細を有する、一定速度の伸張引張試験機で、公定書の方法(compendial method)ASTM F0088-06に従って測定される。好適な機器は、両方ともNorwood,MA)から入手可能であるBluehill Universal Softwareを使用するInstron Model 5965又は同等物である。全ての測定は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で維持された実験室で実施され、試験試料は、試験前に2時間、この環境でコンディショニングされる。
【0199】
試験試料及び試験手順の調製は、参照されるASTM法に記載されており、以下の特定の詳細を有する。試験片を1.0インチの幅に切断し、グリップ分離速度は300mm/分であり、尾部保持法は支持されていない。試験片が不合格まで応力を受ける際に、試験試料として遭遇する最大力は、単位幅当たりの力として0.1N/in単位で記録される。合計5個の複製試験片について試験を繰り返す。最大封止強度の算術平均を計算し、引張強度として0.1N/in単位で報告する。
【0200】
ISO1924-3-引張特性(引張強度、延伸、エネルギー吸収)
試験試料の引張特性(引張強度、延伸及びエネルギー吸収)は、試料が破断するまで一定速度の伸長試験を使用して得られた測定された力及び伸長値から計算される。試験は、本明細書に記載の修正を伴う、公定書の方法ISO1924-3に従って実行される。測定は、測定された力がセルの限界の1%~99%以内であるロードセルを使用して、一定速度の伸張引張試験機で行われる。好適な機器は、Eden Prairie,MN、MTS Systems Corp.から入手可能な、Test Suite Software又は同等物を使用するMTS Allianceである。全ての測定は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で維持された実験室で実施され、試験試料は、試験前に少なくとも2時間、この環境でコンディショニングされる。
【0201】
測定は、原材料のロール若しくはシートから採取した試験試料、又は完成したパッケージから得たMD(機械方向)及びCD(横方向)両方の試験試料について行う。試験試料を完成したパッケージから切り取るとき、プロセス中に試料にいかなる汚染又は変形も付与しないように注意を払う。切り取った試料は、残存接着剤を含んではならず、継目又は折り目のないパッケージの領域から採取されなければならない。試験試料は、50.8mmの試験スパンに対応することができる長さで25.4mmの幅に切断される。試料の長辺は、関心方向(MD、CD)に平行である。通常、完成したパッケージでは、MDは、パッケージの底部から上部まで延びているが、これは、疑義がある場合、繊維の配向を決定することによって検証することができる。10個の複製試験試料は、MDから、10個の追加の複製物は、CDから調製されるべきである。
【0202】
引張試験機を定速伸張の一軸延伸のためにプログラムして、以下のように破断する。較正されたゲージブロックを使用してゲージ長を50.8mm(試験スパン)に設定し、交差ヘッドをゼロにする。長辺が引張試験機の中心引張軸を中心として平行になるようにして試験試料をグリップに挿入する。試験片が破断するまで25.4mm/分の速度で交差ヘッドを上昇させ、試験全体を通じて100Hzで力(N)及び伸張(mm)データを収集する。力(N)対伸張(mm)のグラフを作成する。グラフから最大力(N)を読み取り、0.01N単位で記録し、MD又はCDに注目する。グラフから最大力(N)で伸張を読み取り、0.01mm単位で破断時の伸長として記録し、MD又はCDに注目する。グラフから、曲線の最大勾配に等しい勾配を有する曲線に対する接線が、伸長軸と交差する点(z)を決定する。ここで、点zから最大力の点までの力対伸長曲線の下の面積を計算し、0.1mJ単位で報告し、MD又はCDに注目する。[点zが示される典型的な力対伸長曲線の描写については、ISO1924-3において
図2を参照されたい。]
【0203】
全てのMD複製についての算術平均ピーク力を計算し、次いで、全てのCD複製を計算し、それぞれ平均MDピーク力、及び平均CDピーク力を0.1N単位で記録する。全てのMD複製、及び、次いで全てのCD複製の破断時の算術平均伸長を計算し、それぞれ、破断時の平均MD伸長、及び、破断時の平均CD伸長を0.01mm単位で記録する。全てのMD複製、及び、次いで全てのCD複製の力対伸長曲線下で算術平均面積を計算し、それぞれ、MD曲線下の平均面積及びCD曲線下の平均面積を0.1mJ単位で計算する。
【0204】
引張強度は、平均ピーク力(N)を試験試料の幅(25.4mm)で除算することによって計算される。MD複製の引張強度、及び、次いでCD複製を計算し、それぞれ、MD引張強度及びCD引張り強度を0.1kN/m単位で報告する。
【0205】
破断時の延伸は、破断時の平均伸長(mm)を50.8mmの初期試験長(試験スパン)で除算し、次いで100を乗算することによって計算される。MD複製物の破断時の伸長を計算し、次いでCD複製を計算し、それぞれ破断時のMD延伸及び破断時のCD延伸をパーセント単位で報告する。
【0206】
ISO2758-破裂強度
破裂強度は、試験試料が耐えることができる最大均一分布圧力である。破裂強度は、試験装置を使用して、公定書の方法ISO2758に従い、方法内に記載されているように測定される。好適な機器は、Testing Machines,Inc(New Castle,DE)から入手可能な13-60 Burst Tester for Paper and Foils、又は同等物である。機器は、製造元の指示に従って較正及び操作される。全ての測定は、23℃+/-2℃及び相対湿度50%+/-2%で維持された実験室で実施され、試験試料は、試験前に少なくとも2時間、この環境でコンディショニングされる。
【0207】
測定は、原材料のロール若しくはシートから採取した試験試料、又は完成したパッケージから得た試験片について行う。試験試料を完成したパッケージから切り取るとき、プロセス中に試験試料にいかなる汚染又は変形も付与しないように注意を払う。試験試料は、試験試料を機器内に保持するために使用されるクランプよりも大きくなければならない。試験試料は、折り目、しわ、又は継ぎ目を含まない領域から取られるべきである。
【0208】
合計10個の複製試験試料について、(試験中の滑りを防止するのに十分なクランプ圧力、及び95+15mL/分のポンピング速度を使用する)破裂強度を測定する。両側の試料について、パッケージの内側に面することを意味する試験試料の側面は、クランプ内に配置されたときに圧力に面し、この配向で10個の複製を試験する。バランスが取れた(片寄っていない)試料について、圧力に対向するパッケージの内側で5個の複製を試験し、圧力に面するパッケージの外側で5個の複製を試験し、結果を一緒に平均化する。各試験試料が0.001kPa単位で破裂する圧力を記録する。破裂圧力が70kPa未満である場合、試験材料の複数の層を使用する必要がある。破裂強度を取得するために、試験された層の数で破裂圧力を除算する。全ての複製の算術平均破裂圧力を計算し、0.001kPa単位で破裂強度として報告する。
【0209】
ISO534-キャリパ
単層試験試料のキャリパ又は厚さは、公定書の方法ISO534に従い、本明細書に記載の修正を加えて、静的荷重下でマイクロメータによって測定される。全ての測定は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で維持された実験室で実施され、試験試料は、試験前に少なくとも2時間、この環境でコンディショニングされる。
【0210】
キャリパは、70kPa±0.05kPaの定常圧力を試験試料にかけることができる押さえを備えたマイクロメータで測定される。マイクロメータは、0.1マイクロメートルの単位まで正確に読み取れる自重型器具である。好適な機器は、Testing Machines Inc.(New Castle,DE)から入手可能なTMI Digital Micrometer Model 49-56、又は同等物である。押さえは、試験片よりも小さい直径を有し、必要な圧力をかけることが可能な、平坦な接地した円形可動面である。好適な押さえは、16.0mmの直径を有する。試験試料は、押さえの表面よりも大きく、かつ押さえの表面に平行な水平の平坦な基準プラットフォームによって支持される。システムは、製造元の指示に従って較正及び操作される。
【0211】
測定は、原材料のロール若しくはシートから採取した単層試験試料、又は完成したパッケージから得た試験試料について行う。試験試料を完成したパッケージから切り取るとき、プロセス中に試料にいかなる汚染又は変形も付与しないように注意を払う。切り取った試料は、残存接着剤を含んではならず、継目又は折り目のないパッケージの領域から採取されなければならない。試験試料は、理想的には200mm2であり、押さえより大きくなくてはならない。
【0212】
キャリパを測定するために、最初に、水平の平坦な基準プラットフォームに対してマイクロメータをゼロにする。試験試料を、試験位置が押さえの下で中心にある状態で、プラットフォーム上に置く。全圧力が試験試料に加えられるまで、3.0mm/秒の下降速度で押さえを静かに下げる。5秒待った後、試験試料のキャリパを0.1マイクロメートル単位で記録する。同じ要領で、合計10個の複製試験試料について繰り返す。全てのキャリパ測定値について算術平均を計算し、この値をキャリパとして0.1マイクロメートル単位で報告する。
【0213】
ISO536:坪量
試験試料の坪量は、単一の材料層の単位面積(平方メートル単位)当たりの質量(グラム単位)であり、公定書の方法ISO536に従って測定される。試験試料の塊を既知の面積に切断し、0.0001グラムの精度の分析天秤を用いて試料の質量を測定する。全ての測定は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%で維持された実験室で実施され、試験試料は、試験前に少なくとも2時間、この環境でコンディショニングされる。
【0214】
測定は、原材料のロール若しくはシートから採取した試験試料、又は完成したパッケージから得た試験試料について行う。試験試料を完成したパッケージから切り取るとき、プロセス中に試料にいかなる汚染又は変形も付与しないように注意を払う。切り取った試料は、残存接着剤を含んではならず、継目又は折り目のないパッケージの領域から採取されなければならない。試験試料は、任意の固有の材質変動が考慮されるように、可能な限り大きくなければならない。
【0215】
NISTにトレーサブルな較正された鋼製金属定規又は同等物を使用して、単層試験試料の寸法を測定する。試験試料の面積を計算し、0.0001平方メートル単位で記録する。分析天秤を使用して試験試料の質量を取得し、0.0001グラム単位で記録する。質量(グラム単位)を面積(平方メートル単位)で除算して坪量を計算し、0.01グラム/平方メートル(grams per square meter、gsm)単位で記録する。同じ要領で、合計10個の複製試験試料について繰り返す。坪量の算術平均を計算し、0.01グラム/平方メートル単位で報告する。
【0216】
バッグ内積み重ね高さ試験
吸収性物品のパッケージのバッグ内積み重ね高さは、以下のように測定する。
【0217】
機器
平坦な剛性の水平スライディングプレートを備えた厚さ試験機を使用する。厚さ試験機は、水平スライディングプレートが平坦な剛性の水平ベースプレートのすぐ上で水平の向きに常に維持された状態で、水平スライディングプレートが垂直方向に自由に移動するように構成されている。厚さ試験機は、水平スライディングプレートと水平ベースプレートとの間の間隙を±0.5mm以内で測定するのに好適な装置を含む。水平スライディングプレート及び水平ベースプレートは、各プレートと接触する吸収性物品パッケージの表面よりも大きい(すなわち、各プレートは全ての方向において吸収性物品パッケージの接触表面を越えて延在する)。水平スライディングプレートは、吸収性物品パッケージに下方への力850±1重量グラム(8.34N)を加えるが、これは、スライディングプレートの合計質量に付加重量を足して850±1グラムとなるように、水平スライディングプレートのパッケージに接触しない上面の中央に好適な重しを置くことによって達成し得る。
【0218】
試験手順
吸収性物品パッケージを、測定前に、23±2℃及び50±5%の相対湿度で平衡化する。
【0219】
水平スライディングプレートを上げ、パッケージ内の吸収性物品が水平の向きとなるようにして吸収性物品パッケージを水平スライディングプレート下で中心に置く(
図3参照)。プレートのいずれかに接触するであろうパッケージの表面上にある任意のハンドル又は他のパッケージング機構を、パッケージの表面に対して平坦に折り重ねることで、測定に対する影響を最小限にする。水平スライディングプレートを、パッケージの上面に接触するまでゆっくり下げてから、解放する。水平スライディングプレートを解放してから10秒後に、水平プレート間の間隙を±0.5mm以内になるように測定する。5つの同じパッケージ(同じサイズのパッケージ及び同じ吸収性物品数)を測定し、算術平均をパッケージ幅として報告する。「バッグ内積み重ね高さ」=(パッケージ幅/積み重ね当たりの吸収性物品数)×10を計算し、±0.5mm以内で報告する。
【0220】
着色剤被覆測定法の百分率
着色剤被覆測定法の百分率は、パッケージパネル上の着色剤被覆の面積パーセントを測定する。800dpiで24ビットカラーの最小値を走査することが可能で、カラーマネジメントの手動制御機能を有する、フラットベッドスキャナ(好適なスキャナは、Epson America Inc.(Long Beach CA)製のEpson Perfection V750 Pro又はその同等物である)を使用して画像を取得する。ANSI法IT8.7/2-1993(好適な色較正ソフトウェアは、X-Rite Grand Rapids,MIから入手可能なMonaco EZColor若しくはi1Studio、又はその同等物である)に準拠した対応する参照ファイルを利用して、カラー反射IT8標的に対してスキャナを較正することが可能なカラー較正ソフトウェアを実行するコンピュータに、スキャナをインターフェース接続する。カラー較正ソフトウェアは、スキャナのためのインターナショナルカラーコンソーシアム(International Color Consortium、ICC)のカラープロファイルを構築するが、これは、ICCプロファイルの適用をサポートする画像取得プログラムを用いて出力画像を色補正するために使用される。次いで、色補正された画像は、色分析ソフトウェアを使用して色閾値によってセグメント化される(好適な画像色解析ソフトウェアは、Natick,MA、Mathworks,Inc.から入手可能なMATLAB R2017bである)。
【0221】
試料は、試験前に、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%で2時間にわたって調湿される。
【0222】
較正及び画像取得の前に、スキャナを30分間オンにする。スキャナソフトウェアに含まれる場合がある、あらゆる自動的色補正又はカラーマネジメントオプションの選択を解除する。自動カラーマネジメントを無効にすることができない場合、そのスキャナは、この用途には適切ではない。色較正ソフトウェアの推奨手順に続いて、スキャナのICC色プロファイルを作成し、エクスポートする。色較正ソフトウェアは、取得されたIT8標的画像を対応する参照ファイルと比較して、スキャナ用のICC色プロファイルを作成及びエクスポートし、このICC色プロファイルは、後続の出力画像の色を補正するために画像解析プログラム内で適用される。
【0223】
試料は、特定されたパネルを有するパッケージ又はパッケージ材料から取得される。単一のパネルを選択し、その周囲に沿って切断して、試験のためにそれを除去する。試験のために選択されたパネルは、裂け目又はしわを含むべきではない。
【0224】
スキャナの蓋を開け、着色された表面をガラスに向けた状態で、試料をスキャナガラスの中心に注意深く平らに置く。パネル領域を含む走査は、反射モードで800dpi(mm当たり約31.5ピクセル)の解像度の24ビットカラーで取得される。色補正されたsRGB画像を生成する画像にICC色プロファイルを割り当てる。解析に先立って、この較正された画像を、較正されたR、G、B色値を保持するために、TIFFファイルなどの非圧縮形式で保存する。
【0225】
較正された画像は、色解析ソフトウェアで開かれる。画像は、3のシグマを有する2Dガウスフィルタを使用して平滑化されて、着色剤の個々のドットをにじませる。次に、色閾値プログラムを利用して、色閾値を実行するための色空間、例えば、その3つの色値L*,a*,b*を選択するCIELABが使用される。次いで、関心領域(region of interest、ROI)境界は、いかなる着色剤も存在しない、基色のみの視覚的に認識可能な領域内に手動で描かれ、その色空間値を特定する。視覚的な基色領域がないパネルは、100%の着色剤被覆を有すると見なされる。次いで、選択された色空間の3つ全てのチャネルにおける閾値レベルを手動で調整して、基色の領域から着色剤被覆を含むパネルの領域を区分する。着色剤被覆を含むパネルの面積を測定し、着色剤被覆を含むパネルの面積の百分率を計算し、全パーセント単位で記録する。
【0226】
同様に、6つの複製パッケージパネルを調製、走査、及び解析する。着色剤被覆値の測定された面積パーセントの算術平均を、全パーセント単位で計算し、報告する。
【0227】
SCWVTR及びWVTR
この試験方法は、以下の試験条件下でASTM F1249-13に従って実行される:温度は38℃(±0.56℃)であり、相対湿度は90%(±3%)である。水蒸気透過率は、g/m2/日で報告される。
【0228】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0229】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0230】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】