IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(54)【発明の名称】集積された磁気アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/00 20060101AFI20230824BHJP
   H01L 25/04 20230101ALI20230824BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
H01L25/00 B
H01L25/04 Z
H01L23/12 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504728
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-03-20
(86)【国際出願番号】 US2021043157
(87)【国際公開番号】W WO2022020801
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】17/383,878
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/056,344
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】イキ タン
(72)【発明者】
【氏名】ラジェン マニコン ムルガン
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン アルメリア ノキル
(57)【要約】
電子デバイスが、多レベルパッケージ基板と、導電性リードと、ダイと、パッケージ構成とを含む。多レベルパッケージ基板は、第1のレベルと第2のレベルと第3のレベルとを有し、各々が、パターン化された導電性特徴とモールドされた誘電性特徴とを有する。第1のレベルは、第1の巻線を形成する複数のターンを備える第1のパターン化された導電性特徴を含む。第2のレベルは、第2のパターン化された導電性特徴を含み、第3のレベルは、第2の巻線を形成する複数のターンを備える第3のパターン化された導電性特徴を含む。ダイの第1の端子が、第1の巻線の第1の端部に結合され、ダイの第2の端子が、第1の巻線の第2の端部に結合され、ダイの第3の端子が、第1の導電性リードに結合される。パッケージ構造は、第1のダイと、第2のダイと、多レベルパッケージ基板の一部とを囲む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスであって、
第1のレベル、第2のレベル、及び第3のレベルを有する多レベルパッケージ基板であって、前記第1、第2、及び第3のレベルが、各々、パターン化された導電性特徴及びモールドされた誘電性特徴を有し、前記第1のレベルが、第1の端部及び第2の端部を有する第1の巻線を形成する複数のターンを備える第1のパターン化された導電性特徴を含み、前記第2のレベルが第2のパターン化された導電性特徴を含み、前記第3のレベルが、第1の端部及び第2の端部を有する第2の巻線を形成する複数のターンを備える第3のパターン化された導電性特徴を含む、前記多レベルパッケージ基板と、
導電性リードと、
第1、第2、及び第3の端子を有するダイであって、前記ダイの前記第1の端子が、前記第1の巻線の前記第1の端部に結合され、前記ダイの前記第2の端子が、前記第1の巻線の前記第2の端部に結合され、前記ダイの前記第3の端子が、前記第1の導電性リードに結合される、前記ダイと、
前記ダイと前記多レベルパッケージ基板の一部とを囲むパッケージ構造と、
を含む、電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の電子デバイスであって、第1、第2、及び第3の端子を有する第2のダイを含み、前記第2のダイの前記第1の端子が、前記第2の巻線の前記第1の端部に結合され、前記第2のダイの前記第2の端子が、前記第2の巻線の前記第2の端部に結合され、前記第2のダイの前記第3の端子が、第2の導電性リードに結合される、電子デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の電子デバイスであって、前記多レベルパッケージ基板の側部に取り付けられる磁気シールドを含む、電子デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載の電子デバイスであって、前記多レベルパッケージ基板の別の側部に取り付けられる第2の磁気シールドを含む、電子デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載の電子デバイスであって、
前記ダイ及び前記第2のダイが、前記多レベルパッケージ基板の前記側部に取り付けられ、
前記ダイの前記第3の端子が、前記第1の導電性リードにはんだ付けされ、
前記第2のダイの前記第3の端子が、前記第2の導電性リードにはんだ付けされる、
電子デバイス。
【請求項6】
請求項4に記載の電子デバイスであって、
前記ダイがダイ取り付けパッドに取り付けられ、
前記第2のダイが、前記ダイ取り付けパッド又は別のダイ取り付けパッドに取り付けられ、
前記多レベルパッケージ基板が、前記ダイ取り付けパッド又は更なるダイ取り付けパッドに取り付けられ、
前記パッケージ構造が、前記多レベルパッケージ基板と導電性リードの一部とを囲む、
電子デバイス。
【請求項7】
請求項2に記載の電子デバイスであって、
前記ダイ及び前記第2のダイが、前記多レベルパッケージ基板の側部に取り付けられ、
前記ダイの前記第3の端子が、前記第1の導電性リードにはんだ付けされ、
前記第2のダイの前記第3の端子が、前記第2の導電性リードにはんだ付けされる、
電子デバイス。
【請求項8】
請求項2に記載の電子デバイスであって、
前記ダイがダイ取り付けパッドに取り付けられ、
前記第2のダイが、前記ダイ取り付けパッド又は別のダイ取り付けパッドに取り付けられ、
前記多レベルパッケージ基板が、前記ダイ取り付けパッド又は更なるダイ取り付けパッドに取り付けられ、
前記パッケージ構造が、前記多レベルパッケージ基板と前記導電性リードの一部とを囲む、
電子デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の電子デバイスであって、
前記ダイが、前記多レベルパッケージ基板の側部に取り付けられ、
前記ダイの前記第3の端子が、前記第1の導電性リードにはんだ付けされる、
電子デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載の電子デバイスであって、
前記ダイがダイ取り付けパッドに取り付けられ、
前記多レベルパッケージ基板が、前記ダイ取り付けパッド又は別のダイ取り付けパッド(2304、2308)に取り付けられ、
前記パッケージ構造が、前記多レベルパッケージ基板と前記導電性リードの一部とを囲む、
電子デバイス。
【請求項11】
磁気アセンブリであって、
第1のレベル、第2のレベル、及び第3のレベルを有する多レベルパッケージ基板であって、前記第1、第2、及び第3のレベルが、各々、パターン化された導電性特徴及びモールドされた誘電性特徴を有する、前記多レベルパッケージ基板、
を含み、
前記第1のレベルが、第1の端部及び第2の端部を有する第1の巻線を形成する複数のターンを備える第1のパターン化された導電性特徴を含み、
前記第2のレベルが第2のパターン化された導電性特徴を含み、
前記第3のレベルが、第1の端部及び第2の端部を有する第2の巻線を形成する複数のターンを備える第3のパターン化された導電性特徴を含む、
磁気アセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載の磁気アセンブリであって、
導電性リードと、
前記多レベルパッケージ基板の側部に取り付けられるダイと、
を更に含み、
前記ダイが、第1、第2、及び第3の端子を有し、前記ダイの前記第1の端子が、前記第1の巻線の前記第1の端部に結合され、前記ダイの前記第2の端子が、前記第1の巻線の前記第2の端部に結合され、前記ダイの前記第3の端子が、前記第1の導電性リードに結合される、
磁気アセンブリ。
【請求項13】
請求項12に記載の磁気アセンブリであって、
前記多レベルパッケージ基板の前記側部に取り付けられる第2のダイを更に含み、
前記第2のダイが、第1、第2、及び第3の端子を有し、前記第2のダイの前記第1の端子が、前記第2の巻線の前記第1の端部に結合され、前記第2のダイの前記第2の端子が、前記第2の巻線の前記第2の端部に結合され、前記第2のダイの前記第3の端子が、前記第2の導電性リードに結合される、
磁気アセンブリ。
【請求項14】
請求項12に記載の磁気アセンブリであって、前記多レベルパッケージ基板の前記側部に取り付けられる磁気シールドを含む、磁気アセンブリ。
【請求項15】
請求項14に記載の磁気アセンブリであって、前記多レベルパッケージ基板の別の側部に取り付けられる第2の磁気シールドを含む、磁気アセンブリ。
【請求項16】
電子デバイスを製造するための方法であって、前記方法が、
多レベルパッケージ基板を製造することであって、
キャリア構造上に第1のレベルを形成することであって、前記第1のレベルが、第1のモールドされた誘電性特徴と、第1の巻線を形成する複数のターンを備える第1のパターン化された導電性特徴とを有する、前記第1のレベルを形成することと、
前記第1のレベル上に第2のレベルを形成することであって、前記第2のレベルが、第2のパターン化された導電性特徴と第2のモールドされた誘電性特徴とを有する、前記第2のレベルを形成することと、
前記第2のレベル上に第3のレベルを形成することであって、前記第3のレベルが、第3のモールドされた誘電性特徴と、第2の巻線を形成する複数のターンを備える第3のパターン化された導電性特徴とを有する、前記第3のレベルを形成することとと、
前記第1のレベルから前記キャリア構造を取り除くことと、
を含む、前記多レベルパッケージ基板を製造すること、
第1の回路において第1のダイと前記第1の巻線とを結合し、前記第1の回路から絶縁された第2の回路において第2のダイと前記第2の巻線とを結合する電気接続プロセスを実施すること、及び
前記多レベルパッケージ基板の一部と、前記第1及び第2のダイとをパッケージ構造内に封入するモールディングプロセスを実施すること、
を含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記電気接続プロセスが、前記第1及び第2のダイを前記多レベルパッケージ基板の側部にはんだ付けすることを含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記多レベルパッケージ基板の前記側部に磁気シールドを取り付けることを更に含む、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、前記多レベルパッケージ基板の側部に磁気シールドを取り付けることを更に含む、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であって、
前記多レベルパッケージ基板をリードフレームの第1のダイ取り付けパッドに取り付けることと、
前記第1のダイを前記第1のダイ取り付けパッドに取り付けることと、
前記第2のダイを前記リードフレームの第2のダイ取り付けパッドに取り付けることと、
を更に含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
絶縁変圧器は、電力変換、通信、及びその他の応用例において、2つ以上の回路を互いから絶縁するためのコイルを有する。絶縁変圧器は、積層構造で製造することができる。しかしながら、積層変圧器は、高いコスト、本体サイズ及び厚みの大きなフォームファクタ、粗設計規則パラメータ、並びに、製造又は使用における層間剥離のリスクに悩まされる。
【発明の概要】
【0002】
一態様において、電子デバイスが、多レベルパッケージ基板と、導電性リードと、ダイと、パッケージ構造とを含む。多レベルパッケージ基板は、第1のレベル、第2のレベル、及び第3のレベルを有し、各々が、パターン化された導電性特徴及びモールドされた誘電性特徴を有する。第1のレベルは、第1の巻線を形成する複数のターンを備える第1のパターン化された導電性特徴を含む。第2のレベルは、第2のパターン化された導電性特徴を含み、第3のレベルは、第2の巻線を形成する複数のターンを備える第3のパターン化された導電性特徴を含む。ダイの第1の端子は、第1の巻線の第1の端部に結合され、ダイの第2の端子は、第1の巻線の第2の端部に結合され、ダイの第3の端子は、第1の導電性リードに結合される。パッケージ構造は、第1のダイと、第2のダイと、多レベルパッケージ基板の一部とを囲む。
【0003】
別の態様において、磁気アセンブリが、第1のレベルと、第2のレベルと、第3のレベルとを有する多レベルパッケージ基板を含む。第1のレベル、第2のレベル、及び第3のレベルは各々、パターン化された導電性特徴と、モールドされた誘電性特徴とを有する。第1のレベルは、第1の端部及び第2の端部を有する第1の巻線を形成する複数のターンを備える第1のパターン化された導電性特徴を含む。第2のレベルは、第2のパターン化された導電性特徴を含む。第3のレベルは、第1の端部及び第2の端部を有する第2の巻線を形成する複数のターンを備える第3のパターン化された導電性特徴を含む。
【0004】
更なる態様において、電子デバイスを製造するための方法が、多レベルパッケージ基板を製造することを含む。多レベルパッケージ基板は、キャリア構造上に第1のレベルを形成することと、第1のレベル上に第2のレベルを形成することと、第2のレベル上に第3のレベルを形成することとを含む。第1のレベルは、第1のモールドされた誘電性特徴と、第1の巻線を形成する複数のターンを備える第1のパターン化された導電性特徴とを有する。第2のレベルは、第2のパターン化された導電性特徴と、第2のモールドされた誘電性特徴とを有する。第3のレベルは、第3のモールドされた誘電性特徴と、第2の巻線を形成する複数のターンを備える第3のパターン化された導電性特徴とを有する。この方法は更に、第1のレベルからキャリア構造を除去することと、第1の回路内で第1のダイと第1の巻線とを結合し、第1の回路から分離された第2の回路内で第2のダイと第2の巻線とを結合する電気接続プロセスを実施することと、多レベルパッケージ基板の一部と第1及び第2のダイとをパッケージ構造内に囲み込むモールディングプロセスを実施することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】多レベルパッケージ基板に形成された一次及び二次コイル巻線と磁気シールドとを有する磁気アセンブリを含むパッケージ電子デバイスの頂部斜視図である。
【0006】
図1A図1における線1A-1Aに沿って切断した多レベルパッケージ基板の部分断面側部立面図である。
【0007】
図1B図1及び図1Aの多レベルパッケージ基板の上面図である。
【0008】
図2】電子デバイスを製造するための方法のフローチャートである。
【0009】
図3図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図4図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図5図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図6図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図7図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図8図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図9図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図10図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図11図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図12図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図13図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図14図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図15図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図16図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図17図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図18図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図19図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図20図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図21図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
図22図2の方法に従った製造中の図1の電子デバイスの部分側部立面図である。
【0010】
図23】多レベルパッケージ基板に形成された一次及び二次コイル巻線を備える磁気アセンブリと磁気シールドとを有する、別のパッケージされた電子デバイスの頂部斜視図である。
【0011】
図23A図23の多レベルパッケージ基板における導電性トレース層の頂部斜視図である。
【0012】
図23B図23及び図23Aの多レベルパッケージ基板における導電性トレース層の側部立面図である。
【0013】
図23C図23図23A、及び図23Bの多レベルパッケージ基板の上面図である。
【0014】
図24】電子デバイスを製造するための別の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面において、全体を介して同様の参照番号は同様の要素を示し、種々の特徴は必ずしも一定の縮尺で描いてはいない。また、用語「結合する」は、間接的又は直接的な電気的又は機械的接続、又はそれらの組み合わせを含む。例えば、第1のデバイスが、第2のデバイスに結合するか又は第2のデバイスと結合される場合、その接続は、直接的な電気接続を介するものであり得、又は一つ又は複数の介在デバイス及び接続を介した間接的な電気接続を介するものであり得る。種々の回路、システム、及び/又は構成要素の一つ又は複数の動作特性が、回路要素が給電され動作するときに、幾つかの場合において種々の構造の構成及び/又は相互接続から生じる機能の文脈で以下に説明される。
【0016】
図1図1A、及び図1Bを参照すると、図1は、集積パッケージ内に、導電性リードと、一つ又は複数の半導体ダイと、多レベルパッケージ基板を含む磁気アセンブリとを有する、パッケージ電子デバイス100の頂部斜視図を示す。電子デバイス100は、第1の電圧ドメインに関連する第1の回路(例えば、集積パワーデバイス又は通信デバイスの高電圧一次回路)と、第2の電圧ドメインに関連する第2の回路(例えば、絶縁された一層低い電圧の二次回路)とを含む。電子デバイス100は、一例において一次回路などである第1の回路内で相互接続された電子構成要素を内部に有する、第1の半導体ダイ102を含む。図1Aは、多レベルパッケージ基板の部分断面側部立面図を示し、図1Bは、図1及び図1Aの多レベルパッケージ基板の上面図を示す。
【0017】
電子デバイス100はまた、図示の例における二次回路などの第2の回路において接続された内部電子構成要素を有する、第2の半導体ダイ106を含む。第1及び第2の半導体ダイ102及び106は各々、それぞれの第1及び第2の回路を形成するために他の構造との電気的相互接続を提供する、複数の導電性端子を含む。図示の例において、半導体ダイ102及び106は各々、電気回路接続を形成するために導電性特徴にめっき及びはんだ付けすることができる銅ピラーとして形成された、6つの導電性端子を含む。それぞれの半導体ダイ102及び106の導電性端子の幾つかが、電子デバイス100の導電性リードにはんだ付けされ、他の導電性端子が磁気アセンブリの導電性特徴にはんだ付けされる。
【0018】
電子デバイス100は、第1のトレース層T1及び第1のビア層V1(図1A)を含む第1のレベルと、第2のトレース層T2及び第2のビア層V2を含む第2のレベルと、第3のトレース層T3及び第3のビア層V3を含む第3のレベルとを有する、多レベルパッケージ基板107を含む。他の例において、多レベルパッケージ基板は、3つよりも多い又は少ないレベルを含む。第1、第2、及び第3のレベルT1、V1、T2、V2、T3、V3は各々、銅、アルミニウム、又は他の導電性金属などのパターン化された導電性特徴と、異なる導電性特徴間及び隣接するレベル間の、圧縮モールドされた誘電性特徴とを有する。一例において、モールドされた誘電性特徴は、電気的に絶縁する誘電性材料であるか、又はそれを含み、それぞれのレベルにおける厚み及び材料は、所与の設計のために第1の回路と第2の回路との間の所望の電圧分離に応じた耐電圧を提供する。
【0019】
第1のレベルは、第1のトレース層T1内に第1のパターン化された導電性特徴109を含む。第1のパターン化された導電性特徴109は、第1の巻線(例えば、一次巻線)を形成する複数のターンを有する。第1の巻線は、第1の端部及び第2の端部を有し、その各々は、第1の回路内の一次巻線を結合するために、第1の半導体ダイ102のそれぞれの導電性端子に電気的に接続される。第2のレベルは、第2のトレース層T2内に第2のパターン化された導電性特徴110を含む。第3のレベルは、第3のパターン化された導電性特徴111及び第3のトレース層T3を含む。第3のパターン化された導電性特徴111は、第1の端部及び第2の端部を有する第2の巻線(例えば、二次巻線)を形成する複数のターンを含む。第2のトレース層T2内の第2のパターン化された導電性特徴110の2つの別個の部分が、それぞれの一次巻線及び二次巻線のための戻り接続を提供する。第2の巻線の第1及び第2の端部は、第2の半導体ダイ106のそれぞれの導電性端子に電気的に接続されて、第2の回路内の二次巻線を結合する。この例における第1、第2、及び第3のレベルは各々導電性ビア113を有し、そのうちの幾つかが図面において数値的に示されている。ビア113は、異なるレベルの特定の導電性トレース特徴を電気的に相互接続する。
【0020】
図1図1A、及び図1Bの磁気アセンブリは、非導電性エポキシ115によって多レベルパッケージ基板107の底部側に取り付けられた第1の(例えば、下側の)磁気シールド114を含む。この例における第1のトレース層T1はまた、第1のトレース層T1の銅材料の選択的エッチバックによって形成される下部が取られた又は階段状の特徴を含む。この例では、エッチングされた特徴が、第1の巻線を形成する第1のパターン化された導電性特徴109を含む。第1のトレース層T1の高い(例えば、エッチングされていない)部分は、それぞれの第1及び第2の半導体ダイ102及び106の対応する導電性端子にはんだ付けすることによって電気接続のための電気的コンタクト116を提供する。
【0021】
電子デバイス100はまた、第1のダイ102と、第2のダイ106と、多レベルパッケージ基板107の一部とを囲むパッケージ構成120を含む。一例において、パッケージ構造120は、プラスチックなどのモールドされた材料であるか又はそれを含む。別の例において、パッケージ構造120は、セラミック材料であるか又はセラミック材料を含む。
【0022】
この例の磁気アセンブリはまた、非導電性エポキシ115によって多レベルパッケージ基板107の頂部側に取り付けられた第2の(例えば、上側の)磁気シールド121を含む。この例のパッケージ構造120はまた、第2の磁気シールド121を囲む。別の例において、第1及び第2の磁気シールド114、121のうちの1つが省かれる。更なる例において、磁気シールド114及び121の両方が省かれる。磁気シールド114及び121は、それらが含まれる場合、外部源から第1及び第2の回路への磁気及び電界結合を有利に低減又は緩和し、第1及び第2の回路からホストシステム内の外部構成要素への電磁干渉(EMI)、高周波妨害(RFI)、及びその他の放射を低減する。また、磁気シールド114及び121は、それぞれのパターン化された導電性特徴109及び111によって形成される一次及び二次巻線と組み合わせて磁気回路(例えば、変圧器)を形成することを促進する。一例において、第1の磁気シールド114は第2の磁気シールド121と同じサイズである。別の例において、第1の磁気シールド114は第2の磁気シールド121よりも大きい。別の例において、第1の磁気シールド114は第2の磁気シールド121よりも小さい。一例において、磁気シールド114及び121の一方又は両方が、非導電性エポキシペースト115を用いて取り付けられた既製の磁気コアである。別の例において、磁気シールド114及び121の一方又は両方が、多レベルパッケージ基板107のそれぞれの一つ又は複数の側部上に形成された磁気ペーストの厚い層であるか又はそれを含む。
【0023】
図1に最もよく示されるように、パッケージ120は、第1の方向(例えば、図面において示されるX方向)に沿って互いに離間される、
それぞれの第1及び第2の横方向側部を有する。パッケージ120の細長い側部は、直交する第2の方向(例えば、Y方向)に沿って互いに離間され、電子デバイス100の頂部及び底部は、直交する第3方向(例えば、Z方向)に沿って互いに離間される。
【0024】
電子デバイス100はまた、パッケージ構造120の底部及び第1の横方向側部に沿って延在する導電性リード131、132、133、及び134、並びにパッケージ構造120の底部、及び第2の横方向側部に沿って延在する導電性リード135、136、137、及び138を含む。一例において、導電性リード131~138は、銅、アルミニウム、又は他の適切な導電性金属であるか又はそれを含み、多レベルパッケージ基板107の製造の一部として形成される。導電性リード131~138の一部は、電子デバイス100の底部側に沿って露出され、プリント基板(図示せず)などのホストシステムへのはんだ付け又は他の電気接続を促進する。
【0025】
第1の半導体ダイ102は、一例において、図1に示されるように、第1の巻線の第1の端部に結合された第1の端子と、第1の巻線の第2の端部に結合された第2の端子と、導電性リード131~134のそれぞれに結合された第3、第4、第5、及び第6の導電性端子とを含む。また、この例における第2の半導体ダイ106は、第2の巻線の第1の端部に結合された第1の端子と、第2の巻線の第2の端部に結合された第2の端子と、導電性リード135~138のそれぞれに結合された第3、第4、第5、及び第6の導電性端子とを有する。
【0026】
多レベルパッケージ基板107は、積層変圧器設計と比較して、改善された構造的完全性及び低減されたサイズを提供し、オートモーティブ、工業、又は、電圧絶縁及び小さなデバイスサイズが重要であるその他の応用例のための、高電圧絶縁を備える小さなフォームファクタの集積電子デバイスを促進する。多レベルパッケージ基板107は、他の例において、パッケージ化された電子デバイス内の構成要素(例えば、下記の図23)であり、異なる電界レベル、効率、及び/又はEMI性能規格を有する設計に適応するためのスケーラブルな解決策を提供するために、対称又は非対称の磁気アセンブリ位置決めを有する製品において使用することができる。例えば、多レベルパッケージ基板107は、共有ダイ取り付けパッド上に一つ又は複数の半導体ダイが実装されて磁気アセンブリ内に実装することができ、又は、磁気アセンブリは、図23の例のように、集積半導体ダイ及び関連する導電性ダイ取り付けパッドから離間された、導電性支持構造上に、又は、複数の絶縁されたダイ取り付けパッドの一部上に、別個に実装することもできる。
【0027】
ここで図2図22を参照すると、図2は、電子デバイスを製造するための方法200を示し、図3図22は、方法200に従って製造プロセスを受ける例示の電子デバイス100を示す。201において、方法200は、多レベルパッケージ基板107を製造することを含む。一例において、201における多レベルパッケージ基板の製造は、キャリア構造上に第1のレベル(例えば、T1、V1)を形成することと、第1のレベル上に第2のレベル(例えば、T2、V2)を形成することと、第2のレベル上に第3のレベル(例えば、T3、V3)を形成することとを含み、その後、キャリア構造は第1のレベルから除去される。
【0028】
図3図6は、電気めっきプロセス300及びパターン化されためっきマスク301を用いる、一例における多レベルパッケージ基板107の第1のレベルの形成を示す。図示の例は、第1のモールドされた誘電性特徴と、第1の巻線を形成する複数のターンを備える第1のパターン化された導電性特徴109と、導電性リード131~138の初期部分とを有する、第1のレベルを形成する。第1のレベルの形成は、例えば、複数の見込みパッケージ基板セクションを備えるパネル又はストリップなど、ステンレス鋼キャリア302を用いて第1のトレース層T1を形成することで始まり、その1つが図3に示されている。キャリア構造302は、プロセス300を介した電気めっきを促進するために、キャリア構造302のそれぞれの底部及び頂部上に薄い銅シード層303及び304を含む。電気めっきプロセス300は、パターン化されためっきマスク301を介して露出されるキャリア構造の頂部側の部分において、上側シード層304上に銅を堆積させる。
【0029】
図4は、工程300が完了し、めっきマスク301が除去されて第1のビア層V1が形成された後の多レベルパッケージ基板107を示す。パターン化された第2のめっきマスク401を用いて図4において第2の電気めっきプロセス400(例えば、銅ピラーめっきプロセス)が実施される。電気めっきプロセス400は、更なる銅を堆積させて、第2のめっきマスク401によって露出されたエリア内に、ビア113、及び第1のビアレベルV1の導電性リード131~138の更なる部分を形成する。プロセス400が完了した後、第2のめっきマスク401は除去される。
【0030】
図5及び図6は、第1のレベルにおける第1のモールドされた誘電性特徴の形成を示す。図5の圧縮モールディングプロセス500が、第1のトレース層T1の導電性特徴(例えば、コイル109)と第1のビア層V1のビア(例えば、113)との露出された部分上に、モールドされた誘電性特徴501を、第1のトレース層T1及び第1のビア層V1を覆う初期厚みまで形成する。図6において、研削プロセス600が実施され、モールドされた誘電性材料501の上側部分を研削し、第1のトレース層T1と第1のビア層V1との上側部分を露出させる。別の例において化学エッチングが用いられる。更なる例において化学機械研磨プロセスが用いられる。
【0031】
図7図10は、第2のトレース層T2、第2のビア層V2、及び第2のモールドされた誘電性特徴を形成することを含む、多レベルパッケージ基板107の第2のレベルの形成を示す。一例において、第2のレベルを形成するために用いられる処理は、第1のレベルを形成するために用いられる処理と同様であるが、これはすべての可能な実装の要件ではない。図示の例において、第2のレベル処理は、第1のレベルT1、V1上に第2のレベルT2、V2を形成し、第2のレベルT2、V2は、第2のパターン化された導電性特徴110及び第2のモールドされた誘電性特徴を有する。図7は、パターン化されためっきマスク701を用いて電気めっきプロセス700を受ける、多レベルパッケージ基板107を示す。電気めっきプロセス700は、めっきマスク701を介して露出される完成した第1のレベルの部分の頂部側上に銅を堆積させて、第2のパターン化された導電性特徴110と導電性リード131~138の更なる部分とを含む、第2のトレース層T2を形成する。プロセス700が完了した後、めっきマスク701は除去される。
【0032】
図8は、別のめっきマスク801を用いて別の電気めっきプロセス800(例えば、銅ピラーめっきプロセス)を受ける、多レベルパッケージ基板107を示す。電気めっきプロセス800は、更なる銅を堆積させて、めっきマスク801によって露出されたエリア内に、ビア113と、第2のビアレベルV2の導電性リード131~138の更なる部分とを形成する。プロセス800が完了した後、めっきマスク801は除去される。
【0033】
図9及び図10は、圧縮モールディング及び研削を用いた、第2のレベルにおける第2のモールドされた誘電性特徴の形成を示す。圧縮モールディングプロセス900が図9において実施され、これは、第2のトレース層T2の導電性特徴(例えば、コイル戻りセクション110)と第2のビア層V2のビア(例えば、113)との露出された部分上に、モールドされた誘電性特徴901を、第2のトレース層T2及び第2のビア層V2を覆う初期厚みまで形成する。研削プロセス1000が図10において行われ、これは、モールドされた誘電性材料901の上側部分を研削し、第2のトレース層T2及び第2のビア層V2の上側部分を露出させる。別の例において化学エッチングが用いられる。更なる例において化学機械研磨プロセスが用いられる。
【0034】
図11図14は、第3のトレース層T3、第3のビア層V3、及び第3のモールドされた誘電性特徴を形成することを含む、多レベルパッケージ基板107の第3のレベルの形成を示す。一例において、第3のレベルを形成するために用いられる処理は、第1及び第2のレベルを形成するために用いられる処理と同様であるが、これはすべての可能な実装の要件ではない。図示の例において、第3のレベル処理は、第2のレベルT2、V2上に第3のレベルT3、V3を形成し、第3のレベルT3、V3は、第3のモールドされた誘電性特徴と、第2の巻線を形成する複数のターンを備える第3のパターン化された導電性特徴111と、導電性リード131~138の更なる部分とを有する。
【0035】
図11は、パターン化されためっきマスク1101を用いて電気めっきプロセス1100を受ける、多レベルパッケージ基板107を示す。電気めっきプロセス1100は、パターン化されためっきマスク1101を介して露出される完成した第2のレベルの部分の頂部側上に銅を堆積させて、第3のパターン化された導電性特徴111と導電性リード131~138の更なる部分とを含む、第3のトレース層T3を形成する。プロセス1100が完了した後、めっきマスク1101は除去される。
【0036】
図12は、別のめっきマスク1201を用いて別の電気めっきプロセス1200(例えば、銅ピラーめっきプロセス)を受ける、多レベルパッケージ基板107を示す。電気めっきプロセス1200は、更なる銅を堆積させて、めっきマスク1201によって露出されたエリア内に、ビア113と、第3のビアレベルV3の導電性リード131~138の更なる部分とを形成する。電気めっきプロセス1200の後、めっきマスク1201は除去される。
【0037】
図13及び図14は、圧縮モールディング及び研削を用いた、第3のレベルにおける第3のモールドされた誘電性特徴の形成を示す。圧縮モールディングプロセス1300が図13において実施され、これは、第3のトレース層T3の導電性特徴と、第3のビア層V3のビア(例えば、113)との露出された部分上に、モールドされた誘電性特徴1301を、第3のトレース層T3及び第3のビア層V3を覆う初期厚みまで形成する。図14において、研削プロセス1400が実施され、これは、モールドされた誘電性材料1301の上側部分を研削し、第3のトレース層T3及び第3のビア層V3の上側部分を露出させる。別の例において化学エッチングが用いられる。更なる例において化学機械研磨プロセスが用いられる。
【0038】
また、図15図17を参照すると、図示の多レベルパッケージ基板107は、図15及び図16のZ方向に沿って更に延在する集積リード131~138を有する。図15において、更なる電気めっき又は他の堆積プロセス1500がマスク1501を用いて実施される。プロセス1500は、導電性リード131~138のZ方向寸法を更に延長し、マスク1501は、図16のプロセス1600によって除去される。図17において、多レベルパッケージ基板107の第1のレベルからキャリア構造302、303、304を除去する除去プロセス1700が実施される。
【0039】
図2の200はまた、202において、多レベルパッケージ基板107の頂部側に一つ又は複数の半導体ダイをはんだ付けするためのダイ取り付け及びはんだ付けを含む。この例におけるはんだ付けは、第1の回路における第1のダイ102と第1の巻線とを結合し、第1の回路から絶縁された第2の回路における第2の半導体ダイ106と第2の巻線とを結合する、電気接続プロセスを提供する。図18において、半導体ダイ102及び106の導電性端子の底部側上にはんだが塗布(例えば、浸漬又はその他の方式で堆積)され、半導体ダイ102及び106は、それぞれの端子が第1のトレース層T1のそれぞれの電気的コンタクト116上又はその上に配置される。ダイ端子をコンタクト116にはんだ付けする熱はんだリフロープロセス1800が実施される。
【0040】
方法200は更に、203及び204において、多レベルパッケージ基板107の片側又は両側に一つ又は複数の磁気シールドを取り付けることを含む。203において、上側磁気シールド121は、非導電性エポキシ115によって、半導体ダイ102と106との間で横方向に、及び多レベルパッケージ基板107の第1及び第2の巻線の一部を少なくとも部分的に覆って、多レベルパッケージ基板107の頂部側に取り付けられる。図19は、エポキシ115を用いて磁気シールド121を多レベルパッケージ基板107の頂部側に取り付ける取り付けプロセス1900が実施される例を示す。図2の204において、下側磁気シールド114は、非導電性エポキシ115によって、リードのセットの間で横方向に、及び多レベルパッケージ基板107の第1及び第2の巻線の一部の少なくとも一部の下で、多レベルパッケージ基板107の底部側に取り付けられる。図20は、エポキシ115を用いて磁気シールド114を多レベルパッケージ基板107の底部側に取り付ける取り付けプロセス2000が実施される例を示す。
【0041】
方法200は、パッケージモールディングを備える図2の206で継続する。図21は、多レベルパッケージ基板107の一部、上側磁気シールド121、第1及び第2のダイ102及び106をパッケージ構造120内に封入するモールディングプロセス2100が実施される一例を示す。図22においてパッケージ分離プロセス2200が実施され(例えば、ソーイング、レーザー切断など)、これは、図2の208において同時に処理されたデバイスのパネルから個々のパッケージ化された電子デバイス100を分離する。
【0042】
完成した電子デバイス100(例えば、図1図1A図1B図22)は、集積リード131~138及び半導体ダイ102、106を有し、ホストPCBへのはんだ付けに適した小さなフォームファクタの絶縁製品を提供する。多レベルパッケージ基板107は、マスク設計及びプロセスパラメータ選択を介して設計の柔軟性を可能にして、製造リスクが低い種々の応用のための絶縁解決策を提供し、コイルから高感度金属リードへの不要なノイズ結合を阻止するための頂部及び/又は底部磁気シールド121、114の使用を可能にする。一つ又は複数のシールドを有する例は、品質係数、DC/AC抵抗、低減されたノイズ結合など、より良好なコイル性能を促進する。1つの例示の実装において、電子デバイス100は約200μmの厚みであり、横寸法は5×3mmであり、1次対2次変圧器巻数比n=1.6である。
【0043】
この例では、3層パッケージ基板107の誘電体層は、MJ1 ABF RLF誘電性材料であるか又はそれを含み、パッケージ構造120は、Carsem/TITLモールド化合物であるか又はそれを含む。また、この例では、多レベルパッケージ基板107は、μmの単位で下記寸法を有する。即ち、トレース1エッチバックの深さ、最小0、最大5;トレース1の厚み、最小25、目標35、最大45;ビア1の厚み、目標35;トレース2の厚み、最小25、目標35、最大45;ビア2の厚み、目標35;トレース3の厚み、最小20、目標30、最大40;ビア3の厚み、目標30;ビア2エッチバック、目標5、最大10;SMTスタッド、最小20、目標30、最小40;及びプレモールドの厚み、最小170、目標200、最大230である。一例において、リード131~138のすべて又は一部が、基板製造処理の一部として上述のように形成された銅スタッドであるか、又はそれを含む。別の例において、導電性リードのすべて又は一部が、はんだボールであるか又はんだボールを含む。一例において、磁気シールドは279μmのZ方向厚みを有し、非導電性エポキシ115は約25μm厚みである。
【0044】
図23図23Cを参照すると、図23は、「X」と標示される第1の方向に沿って互いに離間される対向する第1及び第2の側にガルウィングリードを備えるスモールアウトライン集積回路(SOIC)パッケージタイプの、別の例示のパッケージ化された電子デバイス2300を示す。いわゆるリードレスパッケージタイプ(例えば、クワッドフラットノーリード(QFN)、デュアルフラットノーリード(DFN)、マイクロリードフレーム(MLF)などのフラットノーリードパッケージ、及びプリント基板(PCB)への電気接続を提供するパッケージ底部及び/又は側部上の周辺ランドなどの平面導電性リードを備えるスモールアウトラインノーリード(SON)タイプ)など、電気的相互接続のため別の一つ又は複数の構造にはんだ付され得る導電性特徴を有する、他のパッケージ化された電子デバイスタイプ及び形態が種々の実装で提供され得る。他の例において、デバイス2300は、モールドアレイプロセスボールグリッドアレイ(MAPBGA)又はオーバーモールドBGA(例えば、プラスチックBGA又はPBGA)などの、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ又はランドグリッドアレイ(LGA)タイプを含む。例示の電子デバイス2300は、第1及び第2の電気回路のための電気的相互接続を提供し、その一部又は全部が、ボンディングワイヤを用いて実装される。他の実装において、基板ベースの相互接続(BGA、LGAなど)を含む、異なる形態の相互接続タイプが用いられ得、この場合、基板が、単独で、又はボンドワイヤ電気接続と組み合わせて、電気的相互接続及び信号配路構造(例えば、一つ又は複数の層又はレベル上の銅又はアルミニウムトレース)を含む。
【0045】
図23に示されるように、例示のデバイス2300は、第1及び第2の半導体ダイ並びに積層磁気アセンブリを搭載及び支持するための導電性特徴(例えば、導電性ダイ取り付けパッド又は支持体)を含む。ダイ取り付けパッド及びデバイスリードは、銅、アルミニウムなどの任意の適切な導電性構造を含むことができる。図23の例示のデバイス2300は、開始リードフレームアセンブリの第1の導電性ダイ取り付けパッド2304に取り付けられた第1の半導体ダイ2302を含む。デバイス2300はまた、第2の導電性ダイ取り付けパッド2308に取り付けられた第2の半導体ダイ2306を含む。電子デバイス2300はまた、ダイ取り付けパッド2304及び2308に取り付けられた多レベルパッケージ基板2307を含む。この例における多レベルパッケージ基板2307は、多レベルパッケージ基板107と同様であるが、はんだ付け可能なリードの代わりに、電子デバイス2300内のボンドワイヤ接続のために第1及び第2のレベルに形成された端子を有する。他の実装において、多レベルパッケージ基板が、ホストPCB又は他の基板にはんだ付けするための導電性リードの組合せ、並びにボンドワイヤ接続のための端子を有する。
【0046】
電子デバイス2300は、第1の電圧ドメインに関連する第1の回路と、第2の電圧ドメインに関連する第2の回路とを含む。電子デバイス2300は、第1のダイ取り付けパッド2304に取り付けられた第1の半導体ダイ2302を含む。第1の半導体ダイ2302は、一例における一次回路などの、第1の回路内で相互接続される電子構成要素をその中に有する。図23Aは、多レベルパッケージ基板2307内の導電性トレース層の頂部斜視図を示す。図23Bは、多レベルパッケージ基板2307内の導電性トレース層の側部立面図を示し、図23Cは、多レベルパッケージ基板2307の上面図を示す。
【0047】
電子デバイス2300はまた、第2のダイ取り付けパッド2308に取り付けられた第2の半導体ダイ2306を含む。第2の半導体ダイ2306は、図示の例における二次回路などの、第2の回路において接続された内部電子構成要素を有する。第1及び第2の半導体ダイ2302及び2306は、各々、ボンドワイヤ接続2346のための接続点を提供して、他の構造との電気的相互接続を形成し、それぞれの第1及び第2の回路を形成する、銅ピラーなどの複数の導電性端子を含む。それぞれの半導体ダイ2302及び2306の導電性端子の幾つかが電子デバイス2300の導電性リードにはんだ付けされ、他の導電性端子は、多レベルパッケージ基板2307の導電性特徴にはんだ付けされる。一例において、第1及び第2の半導体ダイ2302及び2306は、めっきされた銅ポスト(例えば、銅ピラーバンプ)をダイ上に有するバンプ付きダイであり、これらは、図1の例における多レベルパッケージ基板107の頂部側の導電性特徴にはんだ付けされるか、又は図23の例におけるそれぞれの回路接続にワイヤボンディングされる。
【0048】
多レベルパッケージ基板2307は、第1のトレース層T1及び第1のビア層V1(例えば、図23B)を含む第1のレベルと、第2のトレース層T2及び第2のビア層V2を含む第2のレベルと、第3のトレース層T3及び第3のビア層V3を含む第3のレベルとを有する。他の例において、多レベルパッケージ基板は、3つよりも多い又は少ないレベルを含む。第1、第2、及び第3のレベルT1、V1、T2、V2、T3、V3は各々、銅、アルミニウム、又は他の導電性金属などのパターン化された導電性特徴、並びに、異なる導電性特徴間及び隣接するレベル間の圧縮モールドされた誘電性特徴を有する。一例において、モールドされた誘電性特徴は、電気的に絶縁する誘電性材料であるか又はそれを含み、それぞれのレベルにおける厚み及び材料は、所与の設計のために第1の回路と第2の回路との間の所望の電圧分離に応じた耐電圧を提供する。一例における多レベルパッケージ基板2307は、上述したように、図2の201におけるプロセスに従って製造することができる。
【0049】
多レベルパッケージ基板2307の第1のレベルは、第1のトレース層T1内に第1のパターン化された導電性特徴2309を含む。第1のパターン化された導電性特徴2309は、一対の第1の巻線(例えば、一次巻線)を形成する複数のターンを有する。個々の第1の巻線は各々、第1の端部及び第2の端部を有し、その各々が多レベルパッケージ基板2307のそれぞれの導電性端子に電気的に接続されて、第1の回路において一次巻線を結合する。第2のレベルは、第2のトレース層T2内に第2のパターン化された導電性特徴2310を含む。第3のレベルは、第3のパターン化された導電性特徴2311及び第3のトレース層T3を含む。第3のパターン化された導電性特徴2311は、一対の第2の巻線(例えば、二次巻線)を形成する複数のターンを含み、巻線の各々が第1の端部及び第2の端部を有する。第2のトレース層T2内の第2のパターン化された導電性特徴2310の一部が、それぞれの一次巻線及び二次巻線のための戻り接続を提供する。第2の巻線の第1及び第2の端部は、多レベルパッケージ基板2307のそれぞれの導電性端子に電気的に接続されて、第2の回路において二次巻線を結合する。この例における第1、第2、及び第3のレベルは各々、異なるレベルの特定の導電性トレース特徴を電気的に相互接続する導電性ビアを有する。磁気アセンブリは、非導電性エポキシによって多レベルパッケージ基板2307の底部側に取り付けられる第1(例えば、下側の)磁気シールド2314を含む。
【0050】
電子デバイス2300はまた、第1のダイ2302と、第2のダイ2306と、多レベルパッケージ基板2307とを囲むパッケージ構成2320を含む。一例において、パッケージ構造2320は、プラスチックなどのモールドされた材料であるか又はそれを含む。別の例において、パッケージ構造2320は、セラミック材料であるか又はセラミック材料を含む。
【0051】
この例における磁気アセンブリはまた、非導電性エポキシによって多レベルパッケージ基板2307の頂部側に取り付けられる第2の(例えば、上側の)磁気シールド2321を含む。この例のパッケージ構造2320はまた、第2の磁気シールド2321を囲む。別の例において、第1及び第2の磁気シールド2314、2321のうちの1つが省かれる。更なる例において、磁気シールド2314及び2321の両方が省かれる。磁気シールド2314及び2321が含まれる場合、磁気シールド2314及び2321は、外部源から第1及び第2の回路内への磁気及び電界結合を有利に低減又は緩和し、第1及び第2の回路からホストシステム内の外部構成要素への、電磁干渉(EMI)、高周波妨害(RFI)、及びその他の放射を低減する。また、磁気シールド2314及び2321は、それぞれのパターン化された導電性特徴2309及び2311によって形成される一次巻線及び二次巻線と組み合わせて磁気回路(例えば、変圧器)を形成することを促進する。一例において、第1の磁気シールド2314は、第2の磁気シールド2321と同じサイズである。別の例において、第1の磁気シールド2314は、第2の磁気シールド2321よりも大きい。別の例において、第1の磁気シールド2314は、第2の磁気シールド2321よりも小さい。一例において、磁気シールド2314及び2321の一方又は両方が、非導電性エポキシペーストを用いて取り付けられた既製の磁気コアである。別の例において、磁気シールド2314及び2321の一方又は両方が、多レベルパッケージ基板2307のそれぞれの一つ又は複数の側部上に形成された磁気ペーストの厚い層であるか、又はそれを含む。
【0052】
パッケージ構造2320は、第1の方向(例えば、図面で示されるX方向)に沿って互いに離間されるそれぞれの細長い第1及び第2の側部を有する。パッケージ2320の他の側部は、直交する第2の方向(例えば、Y方向)に沿って互いに離間され、電子デバイス2300の頂部及び底部は、直交する第3方向(例えば、Z方向)に沿って互いに離間される。
【0053】
電子デバイス2300はまた、パッケージ構造120の第1の横方向側部から外方及び下方に延在する導電性リード線2324~2331と、パッケージ構造120の第2の横方向側部から外方及び下方に延在する導電性リード線2332~2339とを含む。一例において、導電性リード2324~2339は、銅、アルミニウム、又は他の適切な導電性金属であるか、又はそれらを含み、開始リードフレームの一部として形成され、後にトリミングされ、図示のガルウィング形状に形成される。導電性リード2324~2339の底部部分が、プリント回路基板(PCB、図示せず)などのホストシステムへのはんだ付け又は他の電気接続を促進する。この例におけるパッケージ構造2320は、多レベルパッケージ基板2307と導電性リード2324~2339の一部とを囲む。
【0054】
一例における第1の半導体ダイ2302は、図23に示されるように、第1の巻線の第1の端部に結合された第1の端子と、第1の巻線の第2の端部に結合された第2の端子と、導電性リード2324~2331のそれぞれに結合された第3、第4、第5、及び第6の導電性端子とを含む。また、この例における第2の半導体ダイ2306は、第2の巻線の第1の端部に結合された第1の端子と、第2の巻線の第2の端部に結合された第2の端子と、導電性リード2332~2339のそれぞれに結合された第3、第4、第5、及び第6の導電性端子とを有する。
【0055】
多レベルパッケージ基板2307は、積層変圧器設計と比較して、改善された構造的完全性及び低減されたサイズを提供し、オートモーティブ、工業、又は、電圧絶縁及び小さなデバイスサイズが重要であるその他の応用例のための高電圧絶縁を備える小さなフォームファクタの集積電子デバイスを促進する。
【0056】
図24は、電子デバイスを製造するための別の方法2400を示す。2401において、方法2400は、多レベルパッケージ基板2307を製造することを含む。一例では、2401における多レベルパッケージ基板製造は、キャリア構造上に第1のレベル(例えば、T1、V1)を形成することと、第1のレベル上に第2のレベル(例えば、T2、V2)を形成することと、第2のレベル上に第3のレベル(例えば、T3、V3)を形成することとを含み、キャリア構造はその後、例えば、図2図17に関連して図示及び説明したように、第1のレベルから除去される。
【0057】
方法2400はまた、2403及び2404において、多レベルパッケージ基板2307の片側又は両側に一つ又は複数の磁気シールドを取り付けることを含む。2403において、上側磁気シールド2321は、非導電性エポキシによって、多レベルパッケージ基板2307の頂部側に、多レベルパッケージ基板2307の第1及び第2の巻線の一部を少なくとも部分的に覆って、取り付けられる。2404において、下側磁気シールド2314は、非導電性エポキシによって、多レベルパッケージ基板2307の底部側に、多レベルパッケージ基板2307の第1及び第2の巻線の部分の少なくとも部分的に下に、取り付けられる。方法2400はまた、2406において、ストリップ又はパネルから個々の磁気アセンブリを個片化することと、2408において、個片化された磁気アセンブリを対応するリードフレームに取り付けることとを含む。一例では、リードフレームは、2418での最終パッケージの分離に先立って、同時処理のためのアレイ状の複数の見込み電子デバイス部分を含むパネル又はストリップである。
【0058】
図24の2410及び2412において、方法2400は、2402において、一つ又は複数の半導体ダイを多レベルパッケージ基板2307の頂部側にはんだ付けするために、半導体ダイの取り付け及びはんだ付けすることで継続する。この例におけるはんだ付けは、第1の半導体ダイ2302を第1のダイ取り付けパッド2304に取り付け、第2の半導体ダイ2306を第2のダイ取り付けパッド2308に取り付ける電気接続プロセスを提供する(例えば、図23)。2414において、ワイヤボンディングプロセス又は他の電気的相互接続処理が実施されて、図23のボンドワイヤ2346を形成して、第1の回路内の第1の半導体ダイ2302と第1の巻線とを相互接続し、第1の回路から分離された第2の回路内の第2の半導体ダイ2306と第2の巻線とを相互接続する。次いで、2416において、デバイスセクションのパネル又はアレイは、モールドされてパッケージ構造2320が形成される。2418において、個々のパッケージ化された電子デバイス2300を提供するために、パッケージ分離及びその他のバックエンド処理を用いてリードトリミング及び形成が実施される。
【0059】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実装に改変が成され得、他の実施例が可能である。

図1
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図23A
図23B
図23C
図24
【国際調査報告】