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特表2023-537275トランザクションのための方法、装置及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(54)【発明の名称】トランザクションのための方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/28 20190101AFI20230824BHJP
   G06Q 20/22 20120101ALI20230824BHJP
【FI】
G06F16/28
G06Q20/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504749
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 US2021036377
(87)【国際公開番号】W WO2022039821
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】62/706,491
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523025355
【氏名又は名称】デヴ ナル プロダクションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】DEV NULL PRODUCTIONS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ムルシー,ムハンマド
【テーマコード(参考)】
5B175
5L055
【Fターム(参考)】
5B175AA01
5L055AA51
(57)【要約】
本開示の実施形態は、フィルタリングのための方法、装置、及びコンピュータ可読媒体を提供するものである。例示的な方法は、プロセッサによって、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムの複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを監視するステップと、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、を含む。本方法は、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションを検出するステップと、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションが、フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、複数のUEのうちの少なくとも1つのUEに第1のデータを格納するステップと、をさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサによって、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムの複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを監視するステップと、
前記プロセッサによって、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、
前記プロセッサによって、複数のノードのうちの前記少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションを検出するステップと、
前記プロセッサによって、複数のノードのうちの前記少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の前記複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションが、前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
前記プロセッサによって、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションを格納するステップと、
を含む監視方法。
【請求項2】
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムの1つ以上が、前記複数のノードによって保持されるブロックチェーンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記監視するステップが、前記複数のノードのうちの複数のノードを監視するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記送信するステップの前に、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムが、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションに関する合意に達したことを判定するステップ、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記送信するステップの前に、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムが、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションに関する合意に至らなかったことを判定するステップ、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記フィルタ式が、所定のフィルタ式のリストのうちの1つのフィルタ式である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記フィルタ式が所定のフィルタ式ではない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記プロセッサによって、複数のUEのうちの少なくとも1つのUEに、第1のデータを送信するステップ、をさらに含み、
前記第1のデータは、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションについての通知を前記UEのユーザに行うための少なくとも1つのアラートを含み、
前記アラートは、アプリケーションプログラミングインタフェースコール、チャットルームメッセージ、アプリケーション通知、外部システムの更新、アプリケーションプログラミングインタフェースリンク、電子メール、テキストメッセージ、電話発信、及びインスタントメッセージのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記フィルタ式が、トランザクションに関与するユーザ、支払の送信者、支払の受信者、通貨支払者、前記トランザクションに使用されるノードの位置、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムにおけるトランザクションの位置、及びブロックチェーントランザクションに表示されるフィールド、のうちの少なくとも1つに基づいてトランザクションを識別するように動作可能なパラメータフィルタ式である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
前記プロセッサによって、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクション履歴を読み出すステップと、
前記プロセッサによって、前記複数のトランザクション履歴のうちの少なくとも1つのトランザクション履歴が前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
送信要求の受信に応じて、前記プロセッサによって、複数のUEのうちの少なくとも1つのUEに第2のデータを送信するステップと、
をさらに含み、
前記第2のデータは、前記UEのユーザに対して前記複数のトランザクション履歴のうちの前記少なくとも1つのトランザクション履歴についての通知を行う第2のアラートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のデータが、フィルタ識別子、トランザクションのリスト、及びトランザクションへのリンクのうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサが実行可能なコンピュータプログラム命令を格納する少なくとも1つのメモリと、
を備える装置であって、
前記コンピュータプログラム命令を有する前記少なくとも1つのメモリと前記少なくとも1つのプロセッサとは、前記装置に、少なくとも
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムの複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを監視するステップと、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、
複数のノードのうちの前記少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションを検出するステップと、
複数のノードのうちの前記少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の前記複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションが、前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションについての通知を前記UEのユーザに行うための少なくとも1つのアラートを含む第1のデータを、前記UEに送信するステップと、
を実行させるように構成される、装置。
【請求項13】
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムが、前記複数のノードによって保持されるブロックチェーンを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記監視するステップが、前記複数のノードのうちの複数のノードを監視するステップを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記装置が、前記送信するステップの前に、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムが、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションに関する合意に達したことを判定するステップ、
をさらに実行させられる、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記フィルタ式が、所定のフィルタ式のリストのうちの1つのフィルタ式である、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記フィルタ式が所定のフィルタ式ではない、請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記アラートは、アプリケーションプログラミングインタフェースコール、アプリケーションプログラミングインタフェースリンク、電子メール、テキストメッセージ、電話発信、及びインスタントメッセージのうちの少なくとも1つである、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
前記装置が、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクション履歴を読み出すステップと、
前記複数のトランザクション履歴のうちの少なくとも1つのトランザクション履歴が前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
送信要求の受信に応じて、複数のUEのうちの少なくとも1つのUEに第2のデータを送信するステップと、
をさらに実行させられ、
前記第2のデータは、前記UEのユーザに対して前記複数のトランザクション履歴のうちの前記少なくとも1つのトランザクション履歴についての通知を行う第2のアラートを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項20】
コンピュータプログラム命令を有形に格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータプログラム命令は、プロセッサによって実行された場合に、前記プロセッサに、少なくとも
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムの複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを監視するステップと、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、
複数のノードのうちの前記少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションを検出するステップと、
複数のノードのうちの前記少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の前記複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションが、前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションについての通知を前記UEのユーザに行うための少なくとも1つのアラートを含む第1のデータを、前記UEに送信するステップと、
を実行させるものである、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記監視するステップが、前記複数のノードのうちの複数のノードを監視するステップを含む、請求項20に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記フィルタ式が、所定のフィルタ式のリストのうちの1つのフィルタ式である、請求項20に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項23】
前記フィルタ式が所定のフィルタ式ではない、請求項20に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項24】
前記アラートは、アプリケーションプログラミングインタフェースコール、アプリケーションプログラミングインタフェースリンク、電子メール、テキストメッセージ、電話発信、及びインスタントメッセージのうちの少なくとも1つである、請求項20に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項25】
前記送信するステップの前に、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムが、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションに関する合意に達したことを判定するステップ、
を前記プロセッサにさらに実行させる、請求項20に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項26】
前記プロセッサに、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクション履歴を読み出すステップと、
前記複数のトランザクション履歴のうちの少なくとも1つのトランザクション履歴が前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
送信要求の受信に応じて、複数のUEのうちの少なくとも1つのUEに第2のデータを送信するステップと、
をさらに実行させ、
前記第2のデータは、前記UEのユーザに対して前記複数のトランザクション履歴のうちの前記少なくとも1つのトランザクション履歴についての通知を行う第2のアラートを含む、請求項20に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項27】
プロセッサによって、デジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、
前記プロセッサによって、ブロックチェーンデータストアからの複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションが前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
前記プロセッサによって、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションを前記UEに送信するステップと、
を含む方法。
【請求項28】
前記ブロックチェーンデータストアからの前記複数のトランザクションは、ブロックチェーンからのトランザクションに基づくものである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記送信するステップが、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションを求める要求を前記UEから受信することに応じて実行される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、前記プロセッサによって、複数のUEのうちの少なくとも1つのUEに、第1のデータを送信するステップ、をさらに含み、
前記第1のデータは、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションについての通知を前記UEのユーザに行うための少なくとも1つのアラートを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記送信するステップが、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションが所定の閾値を満たすことに応じて実行され、
前記所定の閾値が、(i)前記送信するステップ間の所定の時間間隔、及び(ii)前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションの数が所定のトランザクション数を満たすことのうちの少なくとも1つである、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記送信するステップが、前記UEからの送信要求を前記プロセッサが受信することに応じて実行される、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、トランザクションに関し、より詳細には、トランザクションを監視するための方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル分散型台帳は、一般に、複数のコンピュータ、ノード、サーバなどを含み、これらのコンピュータ、ノード、サーバなどが、各々で台帳のコピーを保持するとともに、台帳への入力(追加)に対する承認を集合的に行うものである。ブロックチェーンもデジタル分散型台帳の一種であり、通常、ピアツーピアネットワークによって管理される。ピアツーピアネットワークを構成する各デバイスは、通信並びにブロックチェーン上での新たなブロックの作成及び検証に関する共通のプロトコルに準拠している。ブロックチェーンは、それを構成するブロックが暗号化されていること、トランザクションの変更や改ざんを行うためにはネットワーク内のかなりの数のノードに不正アクセスする必要があることから、ブロックに記録されたトランザクションの変更や改ざんに対する耐性が高い。かかる耐性により、関係を持たない当事者間で取引を望む場合にブロックチェーン技術が特に適していることが既に実証されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の目的は、上記に鑑みて方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1の例示的な実施形態は、監視方法を提供するものである。本方法は、プロセッサによって、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムの複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを監視するステップと、プロセッサによって、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、を含む。本方法は、プロセッサによって、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションを検出するステップと、プロセッサによって、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションが、フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、をさらに含む。また、本方法は、プロセッサによって、複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションを格納するステップをさらに含む。
【0005】
本開示の第2の例示的な実施形態は、装置を提供するものである。本装置は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサが実行可能なコンピュータプログラム命令を格納する少なくとも1つのメモリと、を備え、コンピュータプログラム命令を有する少なくとも1つのメモリと少なくとも1つのプロセッサとは、本装置に、少なくとも、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムの複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを監視するステップを実行させるように構成される。また、本装置に、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションを検出するステップと、をさらに実行させる。また、本装置に、少なくとも、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションが、フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションについての通知をUEのユーザに行うための少なくとも1つのアラートを含む第1のデータを、UEに送信するステップと、をさらに実行させる。
【0006】
本開示の第3の例示的な実施形態は、非一時的なコンピュータ可読媒体を提供するものである。本非一時的なコンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム命令を有形に格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、コンピュータプログラム命令は、プロセッサによって実行された場合に、プロセッサに、少なくとも、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムの複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを監視するステップを実行させるものである。また、プロセッサに、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションを検出するステップと、をさらに実行させられる。また、プロセッサに、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションが、フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションについての通知をUEのユーザに行うための少なくとも1つのアラートを含む第1のデータを、UEに送信するステップと、をさらに実行させる。
【0007】
本開示の第4の例示的な実施形態は、方法を提示するものである。本方法は、プロセッサによって、デジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、プロセッサによって、ブロックチェーンデータストアからの複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションがフィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、プロセッサによって、複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションをUEに送信するステップと、を含む。
【0008】
以下に、本開示の実施形態について説明するが、本開示は本説明に記載の実施形態に限定されるものではなく、本開示の基本原理から逸脱しない範囲で様々な変更が可能であることを理解されたい。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ特定されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の例示的な実施形態を実施する用途に適した例示的なシステムを示すブロック図
図2】本開示の例示的な実施形態を実施する用途に適した例示的な論理フロー図
図2A】本開示の例示的な実施形態を実施する用途に適した簡略版の論理フロー図
図3】本開示の例示的な実施形態を実施する用途に適した例示的な信号通信図
図4】本開示の例示的な実施形態を実施する用途に適した他の例示的な信号通信図
図5】本開示の例示的な実施形態を実施する用途に適したさらに他の例示的な信号通信図
図6】本開示の例示的な実施形態を実施する用途に適した、代替的な例示的信号通信図
図7】本開示の例示的な実施形態を実施する用途に適した、他の代替的な例示的信号通信図
図8】本開示の例示的な実施形態を実施する用途に適した、さらに他の代替的な例示的信号通信図
図9】本開示の例示的な実施形態を実施する用途に適した例示的なフィルタ式の応用例を示す図
図10】本開示の例示的な実施形態を実施するのに適した例示的な方法又はプロセスに従う例示的な論理フロー図
図11】本開示の例示的な実施形態を実施するのに適した例示的な方法又はプロセスに従う他の例示的な論理フロー図
図12】本開示の例示的な実施形態を実施するのに適した例示的な方法又はプロセスに従うさらに他の例示的な論理フロー図
図13】本開示の例示的な実施形態を実施する用途に適した他の例示的な信号通信図
図14】本開示の例示的な実施形態を実施する用途に適した、サーバとユーザ機器との間の例示的な信号通信図
図15】本開示の例示的な実施形態を実施する用途に適した例示的なシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0010】
各ブロックチェーンには、ユーザにとって有用となり得る情報やデータが大量に存在する。しかし、ブロックチェーンから得られる情報は膨大な量に上る。そのため、ユーザは自身に関係のない情報から関係のある情報を適切に抽出することができず、当該情報の有用性を大きく制限する要因となっている。したがって、改良により、ブロックチェーントランザクションの有用性を高めることが求められている。本開示の実施形態は、ユーザインタフェースを有する少なくとも1台のコンピュータを含むことができる。コンピュータは、何らかのメモリに接続された少なくとも1つの処理ユニットを備えることができる。コンピュータとしては、マイクロプロセッサ、サーバ、デスクトップパソコン、ノートパソコン、スマートデバイス(タブレット端末、スマートフォンなど)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。コンピュータは、機械可読プログラムコードを含むプログラム製品を備えることができる。機械可読プログラムコードは、コンピュータによって実行された場合に、当該コンピュータにステップを実行させるものである。プログラム製品はソフトウェアを含むことができ、当該ソフトウェアは、コンピュータにロードされるものでも、コンピュータからアクセスするものでもよい。ロードされるソフトウェアとしては、スマートデバイス上のアプリケーションを挙げることができる。ソフトウェアは、ウェブブラウザ又はネットワークインターフェイスを使用してコンピュータからアクセスすることもできる。コンピュータからソフトウェアへのアクセスは、ウェブブラウザやネットワークインターフェイスを介して、インターネット、エクストラネット、イントラネット、ホストサーバ、インターネットクラウドなどを使用することにより行うことができる。
【0011】
本明細書に開示のプラットフォームにおいて種々のアドホックタスクや自動化されたタスクを順序よく組み合わせることにより、以下に詳述する特定のプロセスを通じて、確実に技術的な改良を得ることができる。また、この特定の自動化プロセスは、従来技術にはない独特の側面を有しており、よって、単に、手動作業や知的作業を行うための公知(通常)の環境を提供するものとは全く異なるものである。
【0012】
上述のように、ブロックチェーン技術により、絶えず、多数のトランザクションが処理されている。そして、ユーザが自身の関心のあるトランザクションについての通知を受けるためには、ユーザ自身がすべてのトランザクションを手動で監視する必要があったが、本発明の例示的な実施形態では、ユーザが直面しているこの問題を解決することができるシステムが提供される。この問題を解決するため、本発明は、ユーザが関心を持っているトランザクションを表すフィルタ式を、ユーザ自身で指定することを可能にするシステムを提供する。本システムのシステム及びソフトウェアは、すべてのブロックチェーントランザクションをリアルタイム又はバッチで処理し、これらトランザクションそれぞれに対してユーザが指定した式を動的に適用し、適合したトランザクションについての通知をユーザに行うことができる。
【0013】
本発明のシステムは、現在既に存在するシステムとは相違し、区別されるものである。既存のブロックチェーン監視ソリューションは、非常に制約の厳しいものであった。一方、本発明の実施形態は、トランザクション内の任意のデータを照合する式を、ユーザ自身が作成することを可能にしている。本発明の実施形態は、トランザクションの形で表現されるデータの複雑性やニュアンスに対処することができ、ユーザが自身にとって関心のある情報や行動を見つけるために、ユーザ自身の手動処理に頼ってトランザクションの処理を行うことを迫られている状況を解消することができる。
【0014】
本発明の例示的な実施形態は、エンドユーザが適合させたいデータ及びコンテンツを正確に絞り込むこと、及び/又は、エンドユーザが含めたくないデータ及びコンテンツを除外することを支援する式言語を使用することができる。ユーザは、任意のフィールド又はフィールドの組み合わせと、比較演算子、論理演算子、及び算術演算子とを指定することにより、自身が関心を持っているトランザクションの通知を的確に受けることができる。
【0015】
ここで、図1を参照すると、本開示の例示的な実施形態を実施するのに適した例示的なシステムを示すブロック図が示されている。図1は、処理機能及びネットワーク機能を有するコンピュータ110と、コンピュータ110にインストールされたデータベースシステム120とを備えるシステム100を示している。データベースシステム120は、メモリ及び/又はディスク上に常駐し、ユーザ102が指定するフィルタ式132及び通知エンドポイント134を継続的に格納することができる。また、システム100は、アプリケーションを格納したコンピュータ可読媒体130をさらに備える。
【0016】
システム100の実施形態は、ユーザ102が指定したフィルタ式132と、ユーザ102が指定した通知エンドポイント134と、ブロックチェーン監視器136と、フィルタ式処理器138と、エンドポイント通知器140と、を備え、ブロックチェーントランザクション152を監視するためにブロックチェーン150にアクセスするためのインターネット142への接続を有している。
【0017】
データベース120及びソフトウェア130は、コンピュータ110にインストールして、起動させることができる。コンピュータ110は、上述したような処理を行うデバイスとすることができる。エンドユーザ102は、ネットワーク接続を介してコンピュータ110に接続し、データベース120に格納されているフィルタ式132と通知エンドポイント134とを指定することができる。そして、ブロックチェーントランザクション152が適合すると、データベース120から読み出したフィルタでブロックチェーントランザクション152を処理することができる。一方、適合しない場合は、ブロックチェーントランザクション152を廃棄することができる。適合したブロックチェーントランザクション152は、データベース120に格納することができ、所定の数のトランザクションが累積するまで、又は所定の時間が経過するまで、格納しておくことができる。そして、エンドポイント通知器140によりデータベースから読み出したエンドポイントを介して、エンドユーザに通知することができる。
【0018】
本開示の例示的な実施形態では、本発明は、以下のように動作することができる。実施形態では、JSONPathを介して指定された少なくとも1つのユーザフィルタをデータベースに格納することができる。JSONPathは、JSON形式で構造化された任意の文書の問い合わせ(query)を支援する式言語である。実施形態では、格納前に、ユーザの入力が有効なJSONPath構文となっていることを確認することができる。ユーザの入力が有効なJSONPath構文ではない場合、又はセキュリティや複雑さの要件を満たさない場合、ソフトウェアは処理をリジェクトし、エラーを返すことができる。実施形態によれば、ユーザがフィルタ式を作成できるように動作可能な任意の種類のプログラミング言語を使用することができることを理解されたい。そのようなプログラミング言語のいくつかの実施形態としては、xpath、sql、プログラミング言語などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
なお、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの通知エンドポイント(通知エンドポイントは、内部的には「シンク(sink)」とも呼ばれる)をデータベースに格納し、ユーザの指定に従って通知エンドポイントをフィルタと関連付けることができる。各通知エンドポイントの形式は、格納前に検証することができる。エンドポイントの形式が無効な場合、ソフトウェアは処理をリジェクトし、エラーを返すことができる。
【0020】
本発明の例示的な実施形態では、フィルタ、シンク、及び関連付けは、認証ユーザが指定することができ、かかる指定は、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)、グラフィカルインタフェース、テキストベースインタフェース、直接接続、ネットワーク接続、データベース接続、又はプロセス間通信などの手段を介して行うことができる。
【0021】
本発明の例示的な実施形態は、データベース、接続、通信ロジックに加え、少なくとも1つのワーカープロセスで構成することができる。例示的な実施形態は、トランザクション照合システムにおいて異なる役割を果たすことが可能な複数のワーカープロセスを備えることができる。
【0022】
一実施形態では、或るワーカープロセスは、ブロックチェーンノードへのネットワーク接続を開き、当該ブロックチェーンノードに送信される入庫トランザクション(incoming transaction)をリッスンすることができる。そして、トランザクションを受信すると、当該トランザクションをデータベースに格納することができる。
【0023】
一実施形態では、他のワーカープロセスは、データベースからトランザクションとフィルタ式とを読み出し、トランザクションにフィルタ式を適用することができる。フィルタ式を適用すると、式処理ロジックが、フィルタ式が適用対象のトランザクションに適合するか否かに対応するブール型(boolean)出力を返すことができる。そして、どのフィルタにも適合しないトランザクションは破棄することができる。一方、適合したトランザクションは、肯定的な結果が得られたフィルタの識別子とともにデータベースに格納することができる。
【0024】
一実施形態では、他のワーカープロセスは、フィルタに適合したトランザクションをデータベースから読み出し、当該フィルタに関連付けられたエンドポイントに通知を送信することができる。なお、この通知の形式は、エンドポイント種別により異なるものとすることができる。
【0025】
一実施形態では、すべての設定が完了して、ユーザフィルタと通知エンドポイントとが格納されている状態でトランザクションの処理が行われるようになると、受信した各トランザクションに対して各フィルタ式を適用することができる。フィルタ式が適合した場合、指定されたエンドポイントを介してエンドユーザにその旨を通知することができ、適合しない場合、トランザクションを破棄することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、フィルタ及びエンドポイントの作成や、エンドポイントとフィルタとの関連付けを支援するためのユーザフレンドリーなインタフェースを備えることができる。式照合ロジックを複数のコンピュータに配備し、トランザクション処理を連携させることにより、拡張性と生産性を向上することができる。また、エンドユーザを支援するため、手動による指定又は自動化されたプロセスによって式を生成する追加コンポーネントを配備することもできる。
【0027】
本開示の実施形態は、ブロックチェーンネットワーク上を伝播中のトランザクションを、データベース内の既存のフィルタと照合することができる。そのためには、適合判定されるトランザクションが送信されるより前に、何らかのフィルタが作成されている必要がある。また、本発明の一実施形態によれば、トランザクション履歴の分析を行うこともできる。いくつかの実施形態では、トランザクション履歴に対してそれ以降に作成したフィルタを適用し、フィルタの作成以前にブロックチェーンに含まれていたトランザクションについての適合通知を、ユーザが受け取ることができる。また、いくつかの実施形態では、追加の通知エンドポイントや他のアクセス手段を有している。
【0028】
いくつかの実施形態では、自身が関心のあるトランザクションのタイプに適合する可能性のあるフィルタ式をユーザが指定して、当該フィルタ式をデータベースに格納することを可能にする機能を備えている。ユーザは、少なくとも1つのブロックチェーントランザクションについての通知を受けるための式を作成することができる。限定されるものではないが、例えば、ユーザは、特定のアカウント(又は、複数のアカウント)から発信されるブロックチェーントランザクション、特定のアカウント(又は、複数のアカウント)に送信されるブロックチェーントランザクション、特定の通貨(又は、複数の通貨)を取引するブロックチェーントランザクション、支払う手数料が最小又は最大のブロックチェーントランザクション、及びこれらの任意の組み合わせなどの通知を受けるための式を作成することができる。また、エンドユーザは、上記のトランザクションの通知を受けることを希望するエンドポイントを少なくとも1つ指定することができる。
【0029】
トランザクションが適合すると、エンドユーザは指定したエンドポイントを介して通知を受けることができ、そのタイミングで、不正アクセスの場合であれば関係当局に警告する、店舗決済の場合であれば商品を発送する、市場取引活動の場合であれば売買注文を作成する、及び/又はこれ以降の任意の数の手続きを実行することができる。
【0030】
さらに、例示的な実施形態では、本発明を複数の種類のシステムに組み込むことができる。限定されるものではないが、例えば、本発明のシステムは、科学捜査システムや悪意のある行動を検出するシステム、自動商取引システムや自動市場取引システム、並びにネットワークの健全性や状態の監視を行うシステムに組み込むことができる。また、検出された行動によっては、これらのドメイン又はさらなるドメインのいずれかにエンドポイントを作成し、それ以降のプロセスを開始することもできる。
【0031】
本開示の実施形態は、さらなる処理が行えるように、ブロックチェーントランザクションを照合するシステム、方法、又は装置を提供することができる。本開示の実施形態は、エンドユーザが適合させたいデータ及びコンテンツを正確に絞り込むこと、及び/又は、エンドユーザが含めたくないデータ及びコンテンツを除外することを支援する式言語を使用することができる。ユーザは、任意のフィールド又はフィールドの組み合わせと、比較演算子及び論理演算子とを指定することにより、自身が関心を持っているトランザクションの通知を的確に受けることができる。
【0032】
本開示の例示的な実施形態は、システム100を使用して、さらなる処理が行えるようにブロックチェーントランザクションを照合するためのプロセス又は方法を含むことができる。例示的なプロセスは、(1)ブロックチェーンの監視を開始するステップと、(2)認証ユーザがフィルタ式をデータベースに格納できるようにするステップと、(3)各ブロックチェーントランザクションを個別に処理して、格納されたフィルタ式をトランザクションに対して適用するステップと、(4)適合しないトランザクションを破棄するステップと、(5)適合したトランザクションについて、1つ以上の方式(例えば、電子メール、SMS、ウェブフックなど)でユーザに通知を行うステップと、を含んでいる。他の例示的な実施形態では、一括処理される複数のブロックチェーントランザクションのうちの少なくとも1つからなるブロックチェーントランザクションセットを1セット以上処理することを支援する。
【0033】
図2は、本開示の実施形態を実施するのに適した方法又はプロセス200に従う、例示的な論理フロー図である。本プロセスは、開始ブロック210で始まる。次のブロック220で、ブロックチェーンをリッスンする。そして、ブロック230で、トランザクションを検出する。ブロック240で、トランザクションを記録する。次に、ブロック250で、ユーザのフィルタ式の処理を行う。ブロック260で、記録したトランザクションにフィルタ式が適合するか否かを判定する。フィルタ式が適合しない場合、トランザクションを破棄し、ブロック230に戻る。フィルタ式が適合した場合、ブロック290に進み、適合したトランザクションを記録する。そして、ブロック300でユーザに通知を行い、さらに少なくとも1つのトランザクションを検出するためブロック230に戻る。
【0034】
図2Aを参照すると、本開示の例示的な実施形態を実行するのに適した、簡略版の方法又はプロセス200Aに従う、簡略版の論理フロー図が示されている。例示的なプロセスは、サーバがブロックチェーントランザクションを受信するブロック202Aで開始する。サーバは、1つ以上のブロックチェーンノードのブロックチェーントランザクションを監視し、監視中のブロックチェーンノードからブロックチェーントランザクションを受信する。次に、ブロック204Aで、サーバは受信したブロックチェーントランザクションにフィルタ式を適用し、受信したトランザクションのいずれかがフィルタリング対象のトランザクションに適合するか否かを判定する。最後に、ブロック206Aで、フィルタ式に適合するトランザクションについての通知をユーザ機器(user equipment:UE)に送信する。なお、いくつかの実施形態では、適合したトランザクションは、UEによって読み出されるまでサーバ内に保持され、サーバは、UEが読み出したタイミングで、そのトランザクションを要求した特定のUEに当該トランザクションを送信することを理解されたい。
【0035】
ここで、本開示の例示的な実施形態を実施するのに適した例示的な信号通信図を示す図3を参照する。図3には、インターネット300と、サーバ302と、UE304とが示されている。インターネット300は、それぞれがデジタル分散型台帳308の別個のコピーを保持するように動作可能な複数のサーバ306を備えている。デジタル分散型台帳308の実施形態は、複数のエンティティ(例えば、サーバ)が保持するトランザクション記録を含むものであり、かかるエンティティは、それぞれがトランザクションを追跡するように動作可能とされるとともに、エンティティ同士で通信することにより、デジタル分散型台帳308に記録された各トランザクションが正しいものであることを当該複数のエンティティで集合的に承認する(合意に達する)ように動作可能とされる。デジタル分散型台帳308の実施形態は、ブロックチェーンを含んでいる。なお、複数のサーバ306は、それぞれを個々にノード又はブロックチェーンノードと称することができ、集合的にデジタル分散型台帳システムと称することもできる。複数のサーバ306は、それぞれが、デジタル分散型台帳308のコピーを保持するように動作可能とされる。なお、当然ながら、複数のサーバ306は、同一の場所に配置することができ、あるいは、複数の場所に配置することもできる。複数のサーバ306の実施形態は、それぞれが、プロセッサ306aと、コンピュータプログラム命令306cを格納するメモリ306bとを備えている。コンピュータプログラム命令306cは、複数の送信元からトランザクションを受信するステップと、トランザクションを実施するステップと、トランザクションをデジタル分散型台帳308に記録するステップと、デジタル分散型台帳308のコピーを保持するステップと、をプロセッサに実行させるように動作可能とされる。なお、図3にはサーバ306を3つのみ図示しているが、実施形態は1つ以上のサーバ306を備えるものであることを理解されたい。また、本明細書において、記録などの方法によりデジタル分散型台帳308にトランザクションを保持する複数のサーバ(ノード)306を、デジタル分散型台帳システムと称することができる。
【0036】
サーバ302は、少なくとも1つのプロセッサ302aと、コンピュータプログラム命令302cを格納する少なくとも1つのメモリ302bと、を備える。コンピュータプログラム命令302cは、プロセッサ302aによって実行された場合に、プロセッサ302aに本開示の実施形態を実行させるものである。サーバ302の実施形態は、インターネット300、及び複数のサーバ306のうちの少なくとも1つと双方向通信を行うように動作可能とされる。一実施形態では、サーバ302は、ノード306のうちの1つのみと通信するように動作可能とされる。他の実施形態では、サーバ302は、サーバ306のうちの2つ以上と通信するように動作可能とされる。サーバ302の実施形態は、サーバ302と通信する1つ以上のノード306がデジタル分散型台帳308上でトランザクションを実施する際、又はこれらのノード306のうちの1つ以上がトランザクションを受信する際に、かかるトランザクションを監視又は受信するように動作可能とされる。一実施形態では、特定のトランザクションが有効であること及びかかるトランザクションをデジタル分散型台帳に含める(追加する)ことに対して、ノード306のすべてが合意に達した場合にのみ、サーバ302は、1つ以上のノード306からトランザクションを受信する。他の実施形態では、特定のトランザクションが有効であること及びかかるトランザクションをデジタル分散型台帳に含めることに対して、ノード306が合意に達する前に、サーバ302は、1つ以上のノード306からトランザクションを受信する。なお、有効(valid)であるとは、そのトランザクションが、分散型台帳システム上で制定・施行されている運営・管理ルールに従っているか、例えば、送信者が、送信を行う通貨量(ビットコイン、XRP、イーサリアム、米ドルなど)を保有しているかなどを指すものであると理解されたい。
【0037】
サーバ302は、UE304と双方向通信を行うように動作可能とされる。UE304の実施形態としては、コンピュータや、デスクトップパソコン、ノートパソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブル端末、スマートウォッチなどが挙げられる。UE304の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラム命令を格納する少なくとも1つのメモリと、を備える。コンピュータプログラム命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行された場合に、少なくとも1つのプロセッサに本明細書に記載の機能を実行させるものである。また、UE304は、ユーザとの間でデータ及び情報を送受信することができる、ディスプレイを有するユーザインタフェースをさらに備えることができる。
【0038】
UE304の実施形態は、所定のフィルタ式のリストを保持するように動作可能とされる。また、サーバ302の実施形態も、所定のフィルタ式のリストを保持するように動作可能とされる。例示的なフィルタ式は、デジタル分散型台帳308上の過去、現在、又は将来のトランザクションを識別するための検索特性を提供するものである。一実施形態では、フィルタ式は、デジタル分散型台帳308上の過去、現在、又は将来のトランザクションを、数学演算子を用いて識別するための検索パラメータを提供するものである。例えば、例示的なフィルタ式としては、(i)或るユーザが決定した量(額)を上回るトランザクション、(ii)新たなアカウントを作成するトランザクション、(iii)或るユーザが決定した量(額)を下回るトランザクション、(iv)特定の資産(例えば、BTCとXRP間)の売買に関わるトランザクション、(v)特定の発信元やアカウントから発信されたトランザクション、を識別するものが挙げられる。一実施形態では、フィルタ式により、デジタル分散型台帳308上のトランザクションを識別するパラメータフィルタリングを行うことができる。このパラメータフィルタリングは、(i)トランザクションに関与するユーザ、(ii)支払いの送信者、(iii)支払いの受信者、(iv)通貨の支払者、(v)トランザクションに使用したノードの位置、(vi)トランザクション手数料、(vii)トランザクションに含まれるブロック数、及び(viii)デジタル分散型台帳システム内におけるトランザクションの位置、のうちの少なくとも1つに基づいて行われる。他の実施形態では、UE304及び/又はサーバ302は、ユーザが(所定のフィルタ式を選別又は選択するのではなく)フィルタ式を作成できるように動作可能とされる。サーバ302の実施形態は、メモリ302bにより、ユーザが作成又は特定したフィルタ式を保持することができるようにする。図3に示すように、サーバ302は、フィルタ式を保存又は保持するように動作可能なデータベース302dをメモリ302b上に保持している。
【0039】
他の例示的な実施形態では、例示的なフィルタ式は、フィルタグラフを含むことができる。フィルタグラフにより、トランザクションのフィルタリングを行うための論理フロー分析が得られる。図9に、例示的なフィルタグラフ900を示す。フィルタグラフの論理フロー分析により、各トランザクションを処理し、適合の有無を判定する。例えば、フィルタグラフ900では、ブロック902で、ブロックチェーン上にトランザクションが発生し、発生したトランザクションを、XRPに関わるトランザクションとETHに関わるトランザクションとに分類する。XRPとETHのいずれにも関係しないトランザクション(この例の場合)は、フィルタグラフ900におけるさらに詳細な分析から除外される。ブロック904で、XRPトランザクションを、当該トランザクションによってどのアカウントから資金を移動させているかによってさらに絞り込む。或るトランザクションの送金元が特定のアカウントである場合、当該トランザクションをフィルタグラフ900のさらに詳細な分析に付す。一方、或るトランザクションの送金元が特定のアカウントではない場合、ドット912で、当該トランザクションをさらに詳細な分析から除外する。同様に、ブロック906で、ETHトランザクションを、当該トランザクションによってどのアカウントに資金を移動させているかによってさらに絞り込む。或るトランザクションの送金先が特定のアカウントである場合、当該トランザクションをフィルタグラフ900のさらに詳細な分析に付す。一方、或るトランザクションの送金先が特定のアカウントではない場合、ドット912で、当該トランザクションをさらに詳細な分析から除外する。ブロック908で、XRPトランザクションを、支払額によってさらに絞り込む。図9に示す例では、5000XRPを上回る支払いを、適合していると見なす。5000XRP以下の支払いは不適合と見なす。ブロック910で、XRPトランザクションを、エスクロー額によってさらに絞り込む。図9に示す例では、エスクロー額が10,000XRPを上回るトランザクションを適合していると見なす。エスクロー額が10,000XRP以下のトランザクションは不適合と見なす。ブロック914で、ブロック906でフィルタリングされたトランザクションを、トランザクションが米ドルに関わるものであるかによってさらにフィルタリングし、米ドルに関わるトランザクションを適合していると見なす。フィルタグラフの実施形態は、適合するトランザクションを繰り返し絞り込む一連のフィルタリングステップにより、ユーザに対して、ブロックチェーンからトランザクションをフィルタリングすることを可能にするものであることを理解されたい。また、いくつかの実施形態では、フィルタリングステップの順序が変更されることも理解されたい。さらに、図9に示す各ブロックは、例示的なフィルタグラフの単なる実施態様に過ぎず、限定を意図するものではないことも理解されたい。
【0040】
サーバ302がデジタル分散型台帳308の1つ以上のノード306を監視している間、サーバ302は、デジタル分散型台帳308上の1つ以上のトランザクションを検出するように動作可能とされる。図4は、サーバ302がデジタル分散型台帳システム内の1つのノード306を監視している様子を示す例示的なブロック図である。なお、図4には1つのノード306しか示していないが、デジタル分散型台帳システムは複数のノード306を含むことを理解されたい。したがって、図4は、複数のノード306のうちの1つのノード306を監視するサーバ302を示しているに過ぎない。
【0041】
実施形態によれば、サーバ302がトランザクションを監視している間、プロセッサ302aは、1つ以上のノード306におけるデジタル分散型台帳308上で監視中のトランザクションが、ユーザが特定した1つ以上のフィルタ式と対応関係を有しているか否かを判定することができる。なお、いくつかの実施形態では、サーバ302が、デジタル分散型台帳308上の現在のトランザクションの監視及び/又はデジタル分散型台帳308上の過去のトランザクションの点検を行うことを理解されたい。サーバ302が過去のトランザクションの点検を行う実施形態では、サーバ302は、トランザクション点検の対象期間などの特定の検索パラメータを含む指示をUE304から受信するように動作可能とされる。そして、サーバ302は、1つ以上のノード306から、指定された期間内のトランザクションを取得する。サーバ302は、過去のトランザクションを受信すると、本明細書に記載の処理の実行に進み、かかるトランザクションを現在発生中のトランザクションであるかのように扱って処理を行う。
【0042】
なお、実施形態によれば、プロセッサ306aは、サーバ302が監視中の各トランザクションと1つ又は複数のフィルタ式との間に対応関係があるか否かを識別するように動作可能であることを理解されたい。対応関係の実施形態としては、トランザクションがフィルタ式と適合する(フィルタ式の範囲内にある)ことが挙げられる。例えば、フィルタ式を、インドに所在するノード306から発信された500ドル未満のトランザクションの識別に関するものとすることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ302aは、このようなフィルタ式パラメータに適合(を満足)するトランザクションを識別するように動作可能とされる。プロセッサ302aがフィルタリング対象のトランザクションと対応関係を有する1つ以上のトランザクションを特定すると、サーバ302は、特定したトランザクションについての通知をユーザに行うために、当該トランザクション及び/又はアラートをUE304に送信するように動作可能とされる。なお、いくつかの実施形態では、サーバ302が、フィルタ式を作成したUE304とは異なるUEに当該トランザクション及び/又はアラートを送信することを理解されたい。いくつかの実施形態では、サーバ302は、当該トランザクション及び/又はアラートを1つ又は複数のUEに送信する。限定を意図するものではないが、アラートのいくつかの実施形態として、APIコール、チャットルームメッセージ、アプリケーション通知、外部システムの更新(例えば、専用通知デバイスやウォッチなど)、APIリンク、電子メール、テキストメッセージ、電話発信、及びインスタントメッセージのうちの少なくとも1つが挙げられる。
【0043】
一実施形態では、システムは、ユーザが有効なフィルタ式構文と入力フィールドとを作成することを可能とし、これにより、ユーザは、自らフィルタ式を作成して、現在のデジタル分散型台帳又はブロックチェーン上に出現中のトランザクションのうち適合するトランザクションをライブで閲覧することができる。また、ユーザは、自らのニーズに合ったフィルタ式の作成を完了すると、適合が発生した際の通知先となる通知エンドポイントのルールを設定することもできる。その後、フィルタ式はデータベースに保持され、そして、デジタル分散型台帳又はブロックチェーンからトランザクションを受信すると、フィルタ式が適用されて、フィルタ式と適合した場合にその旨が、設定された通知エンドポイントに送信される。フィルタ式を適用するプロセスは、各トランザクションに照らしてフィルタ式を評価するステップと、フィルタ式が、デジタル分散型台帳又はブロックチェーントランザクションで表現されるように構造化されたデータに適合している(かかるデータとして記述されている)か否かを判定するステップとからなる。実施形態によれば、この処理により、適合が発生したか否かを示すブール型出力が返される。そして、このブール型出力をシステムが処理し、フィルタ適合の記録をデータベースに作成し、フィルタ適合の通知をユーザに送信する。さらに、実施形態によれば、フィルタ式を、それ以前に記録した様々なトランザクションに対してテストすることを可能にするインタフェースが提供され、これにより、ユーザは、現在のブロックチェーン上にトランザクションが実際に現れるのを待たずに、自身のフィルタを検証することができる。
【0044】
実施形態によれば、適合したトランザクションを受信したときに、ユーザに対してエンドポイント通知の送信を行う必要は必ずしもない。むしろ、実施形態によれば、エンドポイント通知を適合の発生タイミングで受信するか、他のタイミングで受信するかを、ユーザが予め設定しておくことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザのエンドポイント通知受信は、事前に設定された時間間隔で(例えば、15分間隔でその間に適合したすべてのトランザクションをまとめて)、又は適合したトランザクションの数が所定の値に達したとき(例えば、適合するトランザクションが少なくとも50件となったときに)に行われる。
【0045】
図5を参照すると、本開示の実施形態に係る、さらに他の例示的な信号通信図が示されている。図5において、サーバ302は、複数のブロックチェーンノード306を監視するように動作可能とされ、各ブロックチェーン監視器で複数のブロックチェーンノード306のうちの少なくとも1つを監視する。図5に示す構成の実施形態によれば、サーバ302の各ブロックチェーン監視器がブロックチェーンデータの一部を処理(担当)するように動作可能とされるため、冗長性と作業負荷分散が担保される。すなわち、サーバ302は、複数のブロックチェーンノード306を同時に監視して、トランザクションを分担して並列処理し、トランザクションの分析に要する時間を低減するように動作可能とされる。本実施形態によれば、複数のブロックチェーンノード306を個別に独立して分析することができる。例えば、未検証のトランザクションの場合、1つ以上のブロックチェーンノード306は、(まだ検証されていないトランザクションであるため)他のノードには存在していないトランザクションを有することができる。
【0046】
図6を参照すると、本開示の実施形態を実施する用途に適した他の例示的な信号通信図が示されている。図6は、同一の場所又は異なる場所に配置された複数のサーバ302を含んでいる。各サーバ302は、デジタル分散型台帳308の異なるノード306上のトランザクションを監視するように動作可能とされている。また、この実施形態では、各サーバ302が異なる機能を実行していることを理解されたい。或るサーバ302が、ブロックチェーンノード306の監視を行う。別のサーバ302が、フィルタ式のデータベースを保持するサーバ302からユーザが選択又は作成したフィルタ式を受信し、ブロックチェーン上のトランザクションのいずれかが当該フィルタ式に適合するか否かの判定を行う。そして、さらに別のサーバ302が、UE304に対して当該フィルタ式に適合するトランザクションについて通知する。実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の機能を実行するように動作可能とされた1つ以上のサーバ302を備えることを理解されたい。
【0047】
ここで、本開示の実施形態を実施するのに適した、さらに他の例示的な信号通信図を示す図7を参照する。図7は、ブロックチェーンノード306を監視するように動作可能とされた例示的なサーバ302を示す図である。この実施形態では、サーバ302は、フィルタ式をUE304から受信し、フィルタ式に適合するトランザクションを別のUE307に送信するように動作可能とされる。なお、本開示の実施形態には、サーバ302が、フィルタ式に適合するトランザクションを、(i)フィルタ式を作成した当該UE304に送信する実施形態と、(ii)(UE304とは異なる)UE307に送信する実施形態と、(iii)複数のUEに送信する実施形態とが含まれることを理解されたい。また、いくつかの実施形態では、UE304、UE307、他のUEのいずれかが、サーバ302からトランザクションを受信する特定の1つ以上のUEを識別することを理解されたい。
【0048】
図8を参照すると、本開示の実施形態の実施に適した他の例示的な信号通信図が示されている。図8は、それぞれが異なるブロックチェーンノード306を含む2つのブロックチェーン308を示している。この実施形態では、サーバ302は、異なるブロックチェーン308上のトランザクションについて、両方のブロックチェーンノード306上のトランザクションを監視するように動作可能とされる。この実施形態では、UE304は、ブロックチェーン308の一方又は両方に適用されるフィルタ式を作成又は提供することができる。また、いくつかの実施形態では、UEが各ブロックチェーン308に対して異なるフィルタ式を作成又は提供して、サーバ302が各ブロックチェーン308に異なるフィルタ式を適用し、ユーザは異なるフィルタ式に適合したことに基づいたトランザクションを受信することができることを理解されたい。
【0049】
ここで、本開示の実施形態を実施する用途に適した、さらに他の例示的な信号通信図を示す図13を参照する。図13は、ブロックチェーンノード306が監視するブロックチェーン308を示す図である。サーバ302は、ブロックチェーンノード306上のトランザクションを監視した上で、UE304から受信するフィルタ式に基づいてUE304にトランザクションを伝達するように動作可能とされる。この実施形態では、UE304からサーバ302にフィルタ式を送信しても、サーバ302から、当該フィルタ式に適合する(対応関係を有する)トランザクションをUE304に自動で送信することはない。これに代えて、この実施形態では、UE304から1つ以上のフィルタ式を受信したサーバ302は、当該1つ以上のフィルタ式に適合する(対応関係を有する)トランザクションをサーバ302のメモリ及び/又はデータベースに保持する。その後、UE304は、当該1つ以上のフィルタ式に適合する1つ以上のトランザクションを求める要求をサーバ302に送信することができる。UE304からの要求を受信したサーバ302は、要求されたトランザクションをUE304に又はUE304が指定した他の1つ以上のUEに送信する。この実施形態では、UE304は、要求がなされた場合に、フィルタ式に適合する(対応関係を有する)1つ以上のトランザクションを受信することができる。
【0050】
ここで図14を参照すると、本開示の他の例示的な実施形態における、サーバ302とUE304との間の信号通信図が示されている。図14には、サーバ302とUE304とが示されている。この実施形態では、サーバ302は、ブロックチェーンデータストア(blockchain datastore)1402を備えている。ブロックチェーンデータストア1402は、ブロックチェーンともブロックチェーンノードとも異なる。むしろ、ブロックチェーンデータストア1402は、1つ以上のブロックチェーン上で発生したトランザクションの履歴リストである。図14では、ブロックチェーンデータストア1402は、サーバ302内(例えば、サーバ302のメモリ内)に配置又は保持されるものとして図示しているが、いくつかの実施形態では、ブロックチェーンデータストア1402は、サーバ302とは別体とされ、明確に区別される。例えば、いくつかの実施形態では、ブロックチェーンデータストア1402は、別体のサーバ、別体のコンピュータ、又は別体の他のデータ記憶装置(例えば、USBドライブ、ハードドライブなど)に保持される。ブロックチェーンデータストア1402がサーバ302とは別体とされる実施形態では、ブロックチェーンデータストア1402を保持するデバイスは、(例えば、有線又は無線接続を介して)サーバ302と通信を行うように動作可能とされ、これにより、サーバ302は、ブロックチェーンデータストア1402内に保持されたトランザクションを受信することができる。この実施形態の実施に際しては、まず、サーバ302が、ブロックチェーンデータストア1402が保持する1つ以上のトランザクションを要求する。次に、サーバ302は、ユーザ機器(UE)304からフィルタ式を受信する。このフィルタ式には、ブロックチェーンデータストア1402上のトランザクションを識別するための検索パラメータが含まれる。そして、このプロセスでは、その後、サーバ302により、ブロックチェーンデータストア1402上の複数のトランザクションのうちの少なくとも1つがフィルタ式と対応関係を有することを判定する工程が行われる。また、このプロセスでは、これに続いて、サーバ302により、フィルタ式に適合するトランザクションがあることを示すアラート又はトランザクション自体のいずれかを、UE304に送信する工程が行われる。あるいは、UE304又は他のUEが、特定したトランザクションをUE304又は他のUEに送信する要求を行うまで、サーバ302は当該トランザクションを格納しておくこともできる。
【0051】
図10及び図11は、本開示の実施形態に係る例示的な方法又はプロセスを示す論理フロー図である。図2と同様、プロセスはブロック1002から開始し、ブロック1002で、サーバ302がブロックチェーンのリッスン(監視)を行う。これには、デジタル分散型台帳308上で発生するトランザクションの監視が含まれる。次にブロック1004で、サーバ302は、トランザクションの中から、支払トランザクションなどの特定の種類のトランザクションがあったことを検出する。ブロック1006で、サーバ302は、特定したトランザクションをサーバ302のメモリ、例えばデータベース内などに記録する。次に、ブロック1008で、サーバ302は、ユーザが事前にサーバ302のデータベース又はメモリに設定しておいたフィルタ式を読み出す。そして、サーバ302は、自身のプロセッサにより、当該トランザクションが本当に支払トランザクションであるか否かを判定する。「いいえ」の場合、ブロック1002に戻り、サーバ302はデジタル分散型台帳308の監視を継続する。「はい」の場合、ブロック1010に進み、サーバ302及びサーバ302のプロセッサは、ユーザが設定したフィルタ式にトランザクションが適合するか否かを判定する。「いいえ」の場合、ブロック1002に戻り、サーバ302はデジタル分散型台帳308の監視を継続する。「はい」の場合、ブロック1014に進み、ユーザのUE304にアラート又は通知を送信する。アラートの実施形態としては、サーバ302がトランザクションを識別する前にUE304が設定又は指定したアラートが挙げられ、例えば、電子メール送信、SMSメッセージ送信、又はAPIコールの実行などを挙げることができる。アラートの実施形態としては、特定されたトランザクションの特性を識別するアラートが挙げられ、かかる特性としては、トランザクションを行うエンティティ、トランザクションに関わる量(額)、トランザクションにおける送信/受信の位置、及びフィルタ式を作成する元となった他の任意のパラメータが挙げられる。最後に、ブロック1016で、サーバ302は、当該通知をサーバ302のメモリ、例えばデータベース内などに記録する。そして、UE304に通知を送信すると、ブロック1002に戻り、プロセスが継続される。
【0052】
図15に、図10に図示したプロセスと同様のプロセスをシーケンス図で示す。図15には、ユーザ1502と、ブロックチェーンノード1504と、ブロックチェーン監視器1506と、フィルタ式処理器1508と、エンドポイント通知器1510と、API1512と、データベース1514とを示している。本プロセスは、ライン1516から開始する。ライン1516で、ユーザ1502はフィルタ式を作成し、それをサーバのAPI1512に送信する。そして、ライン1518で、API1512は、フィルタ式をデータベース1514に格納する。次に、ライン1520で、ブロックチェーンノード1504は、サーバのブロックチェーン監視器1506に、ブロックチェーンノード1504のトランザクションを監視させる。ライン1522で、ブロックチェーン監視器1506は、監視しているトランザクションをデータベース1514に挿入する。ライン1524で、サーバのフィルタ式処理器1508が、データベース1514のトランザクションを分析する。ライン1526で、フィルタ式処理器1508は、フィルタ式をデータベース1514内のトランザクションに適用し、フィルタ式とトランザクションとの間に適合(対応関係)があるか否かを判定する。適合(対応関係)がある場合、エンドポイント通知器1510は、ライン1528で、適合したトランザクションを選択し、ライン1530で、適合したトランザクションがあることをユーザ1502に送信する。ライン1534で、ユーザ1502は、適合したトランザクションを要求する。ライン1536で、API1512は、ユーザ1502に送信するため、適合したトランザクションの取得(読み出し)を行う。
【0053】
ここで、図11を参照すると、図11のプロセスは、ブロック1102から開始し、ブロック1102で、サーバ302はブロックチェーンノードのリッスン(監視)を行う。これには、デジタル分散型台帳308上の1つ以上のノードの監視が含まれ得る。次に、ブロック1104で、サーバ302は、監視しているトランザクションセットのサニタイズ及びマージを行う。なお、サニタイズ(sanitize)とは、トランザクションデータから有用性や利用可能性のない情報又はデータを削除することを指す。例えば、ブロックチェーントランザクションにおけるデータの中には、複数の「ヌルバイト(null byte)」(すなわち、すべてゼロ)を含むものがあり、かかるデータは特定のデータベースへの格納を許可されない。また、ブロックチェーンの命令やランダムテキストなど、ブロックチェーンのデータには、適切に使用や格納ができないものも含まれる。システムは、これらを検出し、格納や処理が可能な値に置き換える。一方、マージは、1つ以上のサーバが様々なブロックチェーンノードのトランザクションの監視を行う場合に生じる。例えば、ノードAがトランザクション1、2、3を送信し、ノードBがトランザクション2、3、4を送信する場合、本発明では、これらのトランザクションセットをマージして、トランザクション1、2、3、4の1つのコピーのみをデータベースに書き込み、その後のフィルタ式による処理に備える必要がある。
【0054】
次のブロック1106で、トランザクションをサーバ302のメモリ及び/又はデータベースに記録する。次のブロック1108で、サーバ302は、1つ以上のトランザクションがフィルタ式に適合するか否かを検出する。例えば、ブロック1108で、システムは、ある特定のトランザクションがビットコインから米ドルへの換金オファーであるか否かを検出している。ただし、いくつかの実施形態では、ユーザにより設定されたフィルタ式パラメータに適合(満足)するか否かの検出又は判定が、記録済のトランザクションに対して行われることを理解されたい。トランザクションがフィルタ式に適合する場合、ブロック1110で、当該トランザクションを記録する。トランザクションが適合しない場合、ブロック1102に戻り、プロセスを最初から再び実行する。通知エンドポイントがない場合も、ブロック1102に進む。通知エンドポイントがある場合、プロセスはブロック1112に進み、ユーザ及び/又はUE304は、当該トランザクションについてUE304に通知する電子メール、SMSメッセージ、又はAPIコールを受信する。そして、ブロック1114で、通知をサーバ302のメモリ及び/又はデータベースに記録し、再びブロック1102からプロセスを開始することができる。なお、いくつかの実施形態では、図10図12の論理フロー図に示す複数のステップが並行して実行されることを理解されたい。
【0055】
ここで図12を参照すると、本開示の実施形態を実行するのに適した方法又はプロセスに従う、さらに他の例示的な論理フロー図が示されている。ブロック1202は、プロセッサによって、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムの複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを監視するステップと、プロセッサによって、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、プロセッサによって、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションを検出するステップと、プロセッサによって、複数のノードのうちの少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションが、フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、プロセッサによって、複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションを格納するステップと、を示している。次のブロック1204は、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムが、複数のノードによって保持されるブロックチェーンを含むことを記述している。
【0056】
また、図12のブロック1204以降に、上記で詳述した、限定を意図するものではない実施態様のいくつかを要約して示している。ブロック1206は、監視するステップが、上記の複数のノードのうちの複数のノードを監視するステップを含むことを記述している。次のブロック1208は、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムが、複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションに関する合意に達したこと又は合意に至らなかったことを、送信するステップの前に判定するステップに関連する。そして、ブロック1210で、フィルタ式が、(i)所定のフィルタ式のリストのうちの1つのフィルタ式である、(ii)所定のフィルタ式ではない、のいずれかであることを規定している。ブロック1212は、プロセッサによって、複数のUEのうちの少なくとも1つのUEに、第1のデータを送信するステップであって、第1のデータは、複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションについての通知をUEのユーザに行うための少なくとも1つのアラートを含み、アラートは、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)コール、チャットルームメッセージ、アプリケーション通知、外部システムの更新、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)リンク、電子メール、テキストメッセージ、電話発信、及びインスタントメッセージのうちの少なくとも1つであることを示している。そして、ブロック1214で、フィルタ式が、トランザクションに関与するユーザ、支払の送信者、支払の受信者、通貨支払者、トランザクションに使用されるノードの位置、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムにおけるトランザクションの位置、及びブロックチェーントランザクションに表示されるフィールド、のうちの少なくとも1つに基づいてトランザクションを識別するように動作可能なパラメータフィルタ式であることを記述している。次のブロック1216で、プロセッサによって、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクション履歴を読み出すステップと、プロセッサによって、複数のトランザクション履歴のうちの少なくとも1つのトランザクション履歴がフィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、プロセッサによって、複数のUEのうちの少なくとも1つのUEに第2のデータを送信するステップであって、第2のデータが、UEのユーザに対して複数のトランザクション履歴のうちの少なくとも1つのトランザクション履歴についての通知を行う第2のアラートを含むことを規定している。そして、最後のブロック1218で、第1のデータが、フィルタ識別子、トランザクションのリスト、及びトランザクションへのリンクのうちの少なくとも1つを含むことを記述している。
【0057】
図12に示す論理図は、方法の手順を示すもの、又はコンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータ命令を実行した結果を示すものと見なすことができる。また、図12に示す論理図は、あるデバイスを動作させるように当該デバイスのコンポーネントをどのように設定するかについての具体的な態様を示すものと見なすことができる。なお、当該デバイスが、サーバ、コンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、又はウェアラブル端末などの電子デバイスであるか、又はそのような電子デバイスを構成するコンポーネントの1つ以上であるかは問わない。
【0058】
以上、特定の実施形態を特に参照して、本発明の実施形態を詳細に説明したが、当然ながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱しない範囲で変形及び変更を行うことは可能である。したがって、本明細書に開示の実施形態は、あらゆる点で例示的なものであり、限定を意図したものではない。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって示されるものであり、均等物の意味や範囲から逸脱しないすべての変更を本発明に包含することを意図している。
【0059】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0060】
実施形態1
プロセッサによって、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムの複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを監視するステップと、
前記プロセッサによって、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、
前記プロセッサによって、複数のノードのうちの前記少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションを検出するステップと、
前記プロセッサによって、複数のノードのうちの前記少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の前記複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションが、前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
前記プロセッサによって、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションを格納するステップと、
を含む監視方法。
【0061】
実施形態2
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムの1つ以上が、前記複数のノードによって保持されるブロックチェーンを含む、実施形態1に記載の方法。
【0062】
実施形態3
前記監視するステップが、前記複数のノードのうちの複数のノードを監視するステップを含む、実施形態1に記載の方法。
【0063】
実施形態4
前記方法は、前記送信するステップの前に、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムが、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションに関する合意に達したことを判定するステップ、
をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0064】
実施形態5
前記方法は、前記送信するステップの前に、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムが、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションに関する合意に至らなかったことを判定するステップ、
をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0065】
実施形態6
前記フィルタ式が、所定のフィルタ式のリストのうちの1つのフィルタ式である、実施形態1に記載の方法。
【0066】
実施形態7
前記フィルタ式が所定のフィルタ式ではない、実施形態1に記載の方法。
【0067】
実施形態8
前記方法は、前記プロセッサによって、複数のUEのうちの少なくとも1つのUEに、第1のデータを送信するステップ、をさらに含み、
前記第1のデータは、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションについての通知を前記UEのユーザに行うための少なくとも1つのアラートを含み、
前記アラートは、アプリケーションプログラミングインタフェースコール、チャットルームメッセージ、アプリケーション通知、外部システムの更新、アプリケーションプログラミングインタフェースリンク、電子メール、テキストメッセージ、電話発信、及びインスタントメッセージのうちの少なくとも1つである、実施形態1に記載の方法。
【0068】
実施形態9
前記フィルタ式が、トランザクションに関与するユーザ、支払の送信者、支払の受信者、通貨支払者、前記トランザクションに使用されるノードの位置、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムにおけるトランザクションの位置、及びブロックチェーントランザクションに表示されるフィールド、のうちの少なくとも1つに基づいてトランザクションを識別するように動作可能なパラメータフィルタ式である、実施形態1に記載の方法。
【0069】
実施形態10
前記方法は、
前記プロセッサによって、複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクション履歴を読み出すステップと、
前記プロセッサによって、前記複数のトランザクション履歴のうちの少なくとも1つのトランザクション履歴が前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
送信要求の受信に応じて、前記プロセッサによって、複数のUEのうちの少なくとも1つのUEに第2のデータを送信するステップと、
さらに含み、
前記第2のデータは、前記UEのユーザに対して前記複数のトランザクション履歴のうちの前記少なくとも1つのトランザクション履歴についての通知を行う第2のアラートを含む、実施形態1に記載の方法。
【0070】
実施形態11
前記第1のデータが、フィルタ識別子、トランザクションのリスト、及びトランザクションへのリンクのうちの少なくとも1つを含む、実施形態8に記載の方法。
【0071】
実施形態12
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサが実行可能なコンピュータプログラム命令を格納する少なくとも1つのメモリと、
を備える装置であって、
前記コンピュータプログラム命令を有する前記少なくとも1つのメモリと前記少なくとも1つのプロセッサとは、前記装置に、少なくとも
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムの複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを監視するステップと、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、
複数のノードのうちの前記少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションを検出するステップと、
複数のノードのうちの前記少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の前記複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションが、前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションについての通知を前記UEのユーザに行うための少なくとも1つのアラートを含む第1のデータを、前記UEに送信するステップと、
を実行させるように構成される、装置。
【0072】
実施形態13
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムが、前記複数のノードによって保持されるブロックチェーンを含む、実施形態12に記載の装置。
【0073】
実施形態14
前記監視するステップが、前記複数のノードのうちの複数のノードを監視するステップを含む、実施形態12に記載の装置。
【0074】
実施形態15
前記装置が、前記送信するステップの前に、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムが、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションに関する合意に達したことを判定するステップ、
をさらに実行させられる、実施形態12に記載の装置。
【0075】
実施形態16
前記フィルタ式が、所定のフィルタ式のリストのうちの1つのフィルタ式である、実施形態12に記載の装置。
【0076】
実施形態17
前記フィルタ式が所定のフィルタ式ではない、実施形態12に記載の装置。
【0077】
実施形態18
前記アラートは、アプリケーションプログラミングインタフェースコール、アプリケーションプログラミングインタフェースリンク、電子メール、テキストメッセージ、電話発信、及びインスタントメッセージのうちの少なくとも1つである、実施形態12に記載の装置。
【0078】
実施形態19
前記装置が、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクション履歴を読み出すステップと、
前記複数のトランザクション履歴のうちの少なくとも1つのトランザクション履歴が前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
送信要求の受信に応じて、複数のUEのうちの少なくとも1つのUEに第2のデータを送信するステップと、
をさらに実行させられ、
前記第2のデータは、前記UEのユーザに対して前記複数のトランザクション履歴のうちの前記少なくとも1つのトランザクション履歴についての通知を行う第2のアラートを含む、実施形態12に記載の装置。
【0079】
実施形態20
コンピュータプログラム命令を有形に格納する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータプログラム命令は、プロセッサによって実行された場合に、前記プロセッサに、少なくとも
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムの複数のノードのうちの少なくとも1つのノードを監視するステップと、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、
複数のノードのうちの前記少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクションを検出するステップと、
複数のノードのうちの前記少なくとも1つのノードにおける複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の前記複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションが、前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションについての通知を前記UEのユーザに行うための少なくとも1つのアラートを含む第1のデータを、前記UEに送信するステップと、
を実行させるものである、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0080】
実施形態21
前記監視するステップが、前記複数のノードのうちの複数のノードを監視するステップを含む、実施形態20に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0081】
実施形態22
前記フィルタ式が、所定のフィルタ式のリストのうちの1つのフィルタ式である、実施形態20に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0082】
実施形態23
前記フィルタ式が所定のフィルタ式ではない、実施形態20に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0083】
実施形態24
前記アラートは、アプリケーションプログラミングインタフェースコール、アプリケーションプログラミングインタフェースリンク、電子メール、テキストメッセージ、電話発信、及びインスタントメッセージのうちの少なくとも1つである、実施形態20に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0084】
実施形態25
前記送信するステップの前に、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システムが、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションに関する合意に達したことを判定するステップ、
を前記プロセッサにさらに実行させる、実施形態20に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0085】
実施形態26
前記プロセッサに、
複数のデジタル分散型台帳システムのうちの前記少なくとも1つのデジタル分散型台帳システム上の複数のトランザクション履歴を読み出すステップと、
前記複数のトランザクション履歴のうちの少なくとも1つのトランザクション履歴が前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
送信要求の受信に応じて、複数のUEのうちの少なくとも1つのUEに第2のデータを送信するステップと、
をさらに実行させ、
前記第2のデータは、前記UEのユーザに対して前記複数のトランザクション履歴のうちの前記少なくとも1つのトランザクション履歴についての通知を行う第2のアラートを含む、実施形態20に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0086】
実施形態27
プロセッサによって、デジタル分散型台帳システム上の将来のトランザクションを識別するための検索パラメータを含むフィルタ式を、ユーザ機器(UE)から受信するステップと、
前記プロセッサによって、ブロックチェーンデータストアからの複数のトランザクションのうちの少なくとも1つのトランザクションが前記フィルタ式と対応関係を有することを判定するステップと、
前記プロセッサによって、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションを前記UEに送信するステップと、
を含む方法。
【0087】
実施形態28
前記ブロックチェーンデータストアからの前記複数のトランザクションは、ブロックチェーンからのトランザクションに基づくものである、実施形態27に記載の方法。
【0088】
実施形態29
前記送信するステップが、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションを求める要求を前記UEから受信することに応じて実行される、実施形態27に記載の方法。
【0089】
実施形態30
前記方法は、前記プロセッサによって、複数のUEのうちの少なくとも1つのUEに、第1のデータを送信するステップ、をさらに含み、
前記第1のデータは、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションについての通知を前記UEのユーザに行うための少なくとも1つのアラートを含む、実施形態27に記載の方法。
【0090】
実施形態31
前記送信するステップが、前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションが所定の閾値を満たすことに応じて実行され、
前記所定の閾値が、(i)前記送信するステップ間の所定の時間間隔、及び(ii)前記複数のトランザクションのうちの前記少なくとも1つのトランザクションの数が所定のトランザクション数を満たすことのうちの少なくとも1つである、実施形態27に記載の方法。
【0091】
実施形態32
前記送信するステップが、前記UEからの送信要求を前記プロセッサが受信することに応じて実行される、実施形態27に記載の方法。
【符号の説明】
【0092】
100 システム
102、1502 ユーザ(エンドユーザ)
110 コンピュータ
120、302d、1514 データベース
130 コンピュータ可読媒体
132 フィルタ式
134 通知エンドポイント
136、1506 ブロックチェーン監視器
138、1508 フィルタ式処理器
140、1510 エンドポイント通知器
142、300 インターネット
150、308 ブロックチェーン(デジタル分散型台帳)
152 ブロックチェーントランザクション
302 サーバ
302a、306a プロセッサ
302b、306b メモリ
302c、306c コンピュータプログラム命令
304、307 ユーザ機器(UE)
306、1504 サーバ(ブロックチェーンノード)
1402 ブロックチェーンデータストア
1512 アプリケーションプログラミングインタフェース(API)
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】