(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(54)【発明の名称】扉で閉鎖できる区画が装備された家具アイテム
(51)【国際特許分類】
E05D 15/26 20060101AFI20230824BHJP
E05D 15/58 20060101ALI20230824BHJP
E05F 1/02 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
E05D15/26
E05D15/58
E05F1/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505877
(86)(22)【出願日】2021-08-01
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 IB2021057023
(87)【国際公開番号】W WO2022029588
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】102020000018937
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522283228
【氏名又は名称】ボルトルッツィ システミ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】イレラ,アンジェロ
(72)【発明者】
【氏名】ジロット,アドリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】ダル キャステル,ロドルフォ
【テーマコード(参考)】
2E034
【Fターム(参考)】
2E034JA01
2E034JB03
2E034KA03
(57)【要約】
区画(20)、家具アイテムの天井に配置されたL型誘導部(80)、及び区画を露出または閉鎖するための第1及び第2の扉(32、30)、を備えた家具アイテム(MC)を説明する。第2の扉(30)における一方の端部にヒンジ留めされ、かつ家具アイテムの側部に取付けられた平行な2つの誘導部(64)に連結された、柱要素(60)によって、扉を動かすことができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具アイテム(MC)であって、
壁(26)及び天井(24)で境界を付けられた前面開口部を伴う区画(20)と、
前記家具アイテムの前記天井に配置された、L型誘導部(80)と、
一方を他方の上に折り畳んで前記区画を露出させるか、または同一面に配置して前記区画を閉鎖するのを可能にするよう、共に連結された、第1及び第2の扉(32、30)であって、前記第1の扉(32)は、本のような前記扉の開閉を実現するために、前記誘導部に摺動可能に連結された自由端部を有する、第1及び第2の扉(32、30)と、
柱要素(60)であって、
前記第2の扉(30)における一方の端部でヒンジ留めされ、
前記家具アイテムの側部に取付けられた、水平面に対して傾斜した2つの平行の誘導部(64)を用いて連結され、それによって前記柱要素(60)が、
前記区画の奥行きに平行に、前記家具アイテムの側部に沿って直線的に動き、一方で床から同じ高さを保つことができ、かつ
前記区画の開口部に隣接した第1の位置と、前記区画の後部に隣接した第2の位置と、の2つの位置間で直線的に動くことができ、
傾斜した前記誘導部及び前記第2の扉に連結され、それによって、
前記第1の位置に向かって動き、次に前記第1の位置にとどまり、まとめられた前記扉を前記家具アイテムの側部から引き出して、それらを前記区画の前面で広げ、
一方で、前記第2の位置まで動き、次に前記第2の位置にとどまり、同一面の前記扉を伴い、及び/または押込んで、本のように折り畳み、それらの一方を他方の上にまとめて、それら自体を前記家具アイテムの側部に平行にまとめて配置する、
柱要素(60)と、
を備える、家具アイテム(MC)。
【請求項2】
前記柱要素(60)は、概ね前記区画の高さを有し、かつ前記区画の奥行きに沿って測定した幅が前記区画の奥行き未満の、垂直に設定された棒材である、請求項1に記載のアイテム。
【請求項3】
前記柱要素(60)は、傾斜した前記誘導部で摺動し、重力のみで前記扉(30、32)を引張るような重量、または引張るのに十分な重量を有する、請求項1または2に記載のアイテム。
【請求項4】
前記柱要素(60)は、それぞれのキャリッジ(62)によって、傾斜した2つの前記誘導部(64)に連結され、前記キャリッジ(62)は、前記柱要素(60)を傾斜した前記誘導部で摺動させて、重力のみで前記扉(30、32)を引張るような重量、または引張るのに十分な重量を有する、請求項1、2、または3に記載のアイテム。
【請求項5】
前記柱要素(60)を傾斜した前記誘導部(64)で摺動させるための、前記キャリッジ(62)は、堅固な要素(130)によって互いに接続され、前記堅固な要素(130)の重量は、前記柱要素(60)を傾斜した前記誘導部で摺動させるか、または摺動させるのに十分である、請求項4に記載のアイテム。
【請求項6】
前記家具アイテムの一方の側部において、平行かつ離隔して取付けられた、2つの補助的摺動部(100、100)を備え、
前記柱要素(60)は、それぞれのキャリッジ(110、112)によって、2つの前記補助摺動部(100、100)に摺動可能に連結され、前記家具アイテムの側部に沿って直線かつ水平に摺動する、
請求項1~5のうちいずれか一項に記載のアイテム。
【請求項7】
傾斜して平行な前記誘導部(64)は、それらの最下端部が、前記区画の後部(28)に面した端部であり、それによって前記柱要素(60)を重力によって前記第2の位置に維持する、請求項1~6のうちいずれか一項に記載のアイテム。
【請求項8】
前記柱部材(60)及び前記家具アイテムの部分(64)をするための、定着手段もしくはデバイス(42)を備え、それによって前記柱部材(60)及び前記部分(64)を互いに一体化させて、前記柱部材(60)を前記部分(64)にブロックし、前記第1の位置にさらに保持する、請求項1~7のうちいずれか一項に記載のアイテム。
【請求項9】
前記アイテムの前記部分(64)は、前記家具アイテム(MC)の固定部分(64)である、請求項8に記載のアイテム。
【請求項10】
前記家具アイテムの前記部分(64)は、1つまたは各キャリッジ(62)に形成された座部であり、それを用いて前記柱部材(60)は、傾斜した2つの前記誘導部(64)のうち一方に連結される、請求項8または9に記載のアイテム。
【請求項11】
前記部分は、前記誘導部(64)のうちの一方である、請求項8、9、または10に記載のアイテム。
【請求項12】
前記定着手段もしくはデバイスは、前記柱要素(60)に取付けられる、請求項8、9、10、または11に記載のアイテム。
【請求項13】
前記定着手段もしくはデバイスは制止要素(42)を備え、前記制止要素(42)は、前記柱要素(60)を前記部分(64)に一体化させる位置と、前記柱要素(60)及び前記部分(64)が係合解除される位置と、の間で可動である、請求項8、9、10、11、または12に記載のアイテム。
【請求項14】
前記制止要素(42)は、直線的に可動である、請求項8、9、10、11、12、または13に記載のアイテム。
【請求項15】
前記制止要素(42)は、前記部分との選択的な係合のために可動な、自由端部を有し、前記自由端部には、転がり要素(140)が設けられる、請求項8、9、10、11、12、13、または14に記載のアイテム。
【請求項16】
前記扉(30、32)及び/または前記柱要素(60)の運動を、前記定着手段もしくはデバイスの作用と一致させるための、デバイスもしくは手段(40)を備える、請求項5、6、または7に記載のアイテム。
【請求項17】
一致させるための前記デバイスまたは手段は、
i)扉及び/または柱要素の位置を検出するため、及び
ii)定着手段もしくはデバイスを、検出された位置に応じて駆動させるための、
センサを備える、請求項1~16のうちいずれか一項に記載のアイテム。
【請求項18】
前記センサはレバー(48)から構成され、前記レバー(48)は、前記柱要素(60)から突出して取付けられ、かつ
前記L型誘導部(80)に沿って動く扉の一方の端部を阻止するよう、
前記端部と接触することによって変位するよう、及び
前記端部によって誘発された、それ自体の動きによって、前記定着手段もしくはデバイス(42)を駆動するよう、
構成される、請求項17に記載のアイテム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具アイテムにおいて摺動可能で、かつ本のように折り畳めるようスウィングする扉によって閉鎖できる区画を有する、家具アイテムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの家具アイテムには、摺動して折り畳む扉が装備され、開放されたときに扉のサイズを低減させる。例えば国際公開第2007/148366号を参照されたい。そこでは、2つの扉が家具アイテムの縁部に沿って摺動し、互いに重ねて折り畳んでまとめること、及び家具アイテムの一方の側部に沿って共に移動させること、ができる。しかし国際公開第2007/148366号は、非常に複雑な扉の運動機構を有し、扉に取付けられた下部ホイールによって、さらに複雑化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当技術分野のこの状況を改善することが、本発明の主な目標であり、それは添付の特許請求の範囲において定義され、その中で従属請求項は有利な変形を定義する。
【0005】
別の目標は、摺動、及び一方を他方に重ねて蛇腹式に折り畳む扉によって閉鎖可能な区画を伴い、使用が容易で、使用者に少ない動きしか要求せず、かつ使用中にあまり疲れない、家具アイテムを作り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
家具アイテムは使用中に:
壁及び天井で境界を付けられた前面開口部を伴う区画と、
家具アイテムの天井に配置された、L型誘導部と、
例えばヒンジ留めで互いに連結され、一方を他方に重ねて折り畳んで区画を露出させるか、または同一面に配置して区画を閉鎖する、第1及び第2の扉であって、
第1の扉は、誘導部に摺動可能に連結され、本のような扉の開閉を実現する自由端部を有する、第1及び第2の扉と、
柱要素であって、
-第2の扉における一方の端部でヒンジ留めされ、
-家具アイテムの側部に取付けられた、水平面に対して傾斜した2つの平行な誘導部を用いて連結され、それによって
柱要素は区画の奥行きに平行に、家具アイテムの側部に沿って直線的に動き、一方で床から同じ高さを保つことができ、
柱要素は、区画の開口部に隣接した第1の位置と、区画の後部に隣接した第2の位置と、の間で直線的に動くことができ、
-誘導部及び第2の扉に連結され、それによって、
第1の位置に向かって動き、次に第1の位置にとどまり、まとめられた扉を家具アイテムの側部から引き出して、それらを区画の前面で広げ、
一方で、第2の位置まで動き、次に第2の位置にとどまり、同一面の扉を伴い、及び/または押出して、本のように折り畳み、一方を他方の上部にまとめて、それら自体を家具アイテムの側部に平行にまとめる、柱要素と、
を備えることが提案される。
【0007】
換言すると、柱要素は2つの位置すなわち、
区画の開口部の近くに設置され、扉が同一面である、第1の位置(閉鎖された区画)と、
区画の後部の近くに設置され、扉がまとめられた、第2の位置(開放された区画)と、
の間で可動である。
【0008】
これらの扉は、少なくとも1つの軸の周りを枢動することによって蛇腹式に折り畳み可能であり、区画の前面で扉が互いに同一面に配置された、区画の閉鎖位置と、一方が他方の上に折り畳まれて区画の側部に沿って収容された、区画の開放位置と、の間で摺動可能である。
【0009】
区画の上記の側部において、そのときまとめられた扉を隠すことができる。
【0010】
これらの扉は、共通の垂直軸の周り、または2つの別個の垂直ヒンジ軸の周りで、互いに対してヒンジ留めされ得る。
【0011】
好ましい変形において、柱要素は、滑材によって平行誘導部に摺動可能に取付けられ、それによって柱要素は、滑材が誘導部上を摺動するときに、常に水平に移動する。これらの滑材は、例えば、ホイールを伴うかもしくは伴わないキャリッジ、または低摩擦摺動ブロックを備え得る。
【0012】
好ましい変形において、柱要素は、重力のみによって扉を引張るために、誘導部で摺動させるような重量、または誘導部で摺動させるために十分な重量を有する。しかし重力は、柱要素を誘導部上で摺動させるだけではなく、柱要素と一体化した他の要素も摺動させるよう、作用し得る。
【0013】
好ましくは、柱要素は、柱要素と一体で取付けられ、かつ柱要素と共に移動可能な、垂直壁を備える。より好ましくは、柱要素は、互いに直交して配置され、柱要素と一体で取付けられた、2つの垂直壁を備えるか、または連結される。第1の変形において、2つの垂直壁は、L形状に共に配置される。第2の変形において、2つの垂直壁は、T形状に共に配置される。これらの垂直壁は、扉が隠されるときに扉を覆い、扉を埃から防護して、それらの機構を想定外の衝撃から防ぐのを可能にする。
【0014】
柱要素の実施形態は、例えば直立構造、または平行移動構造である。詳細には、柱要素は、好ましくは垂直に置かれた直線要素、例えば棒材、もしくは異形材、または管状要素である。より好ましくは、要素は、区画の高さとほぼ同じ垂直長さと、(区画の奥行きに沿って測定した)区画の奥行き未満の幅と、を有する。例えば、柱要素は、区画の奥行きの1/4未満、1/5未満、または1/6未満の幅を有する。
【0015】
好ましくは、平行の誘導部は、それらの最下端部が区画の後部に面するものであるように傾斜され、それによって柱要素を、上記の第2の位置に重力によってとどめる。柱要素が上記の第1の位置にあるとき、柱要素は戻りの力を受け、扉を閉鎖された区画の位置にとどめるために対抗する必要がある。柱要素(及び/または柱要素に一体化された構成要素の全て、またはいくらか)の重量は、柱要素に作用する重力が単独で、柱要素を下方へ、すなわち誘導部の下端部へ向けて引張るために十分であるよう、設計される。誘導部の傾斜を、柱要素を上述の第1の位置にとどめるよう、逆にすることも可能である。
【0016】
柱部材を動かないよう保持する目的で、好ましくは家具アイテムは、柱部材と家具アイテムの固定部分との間に、定着手段もしくはデバイスを備え、それは柱部材及び固定部分を互いに一体化して、柱部材を上述の部分に対してブロックし、柱部材を上述の2つの位置のうち一方、特に第1の位置で動かないよう保持する。
【0017】
好ましくは、定着手段もしくはデバイスは、制止要素を備える。この制止要素は、柱部材を上記の固定部分に一体化する位置と、柱部材及び固定部分が係合解除される位置と、の間で可動である。例えば制止要素は、それ自体を固定部分の空洞に挿入するため、または取り出すために可動なピンとし得る。このピンは、柱部材に取付けられ、空洞は固定部分で実現されてもよく、その逆でもよい。
【0018】
詳細には、上記の固定部分は、家具アイテムの側部に傾斜して取付けられた平行誘導部のうち1つとし得る。
【0019】
好ましくは、家具アイテムは、扉及び/もしくは柱部材の運動を、制止部材の運動に、または定着手段もしくはデバイスの作用に、一致させるためのデバイスまたは手段を備える。このように、使用者は、制止要素を係止解除することを心配する必要はなく、柱要素の動きにおける想定外の故障は回避される。
【0020】
変形において、一致させるためのデバイスまたは手段は、
i)扉及び/または柱要素の位置を検出するため、及び
ii)制止要素、または定着手段もしくはデバイスを、検出された位置に応じて駆動させるための、
センサを考察する。
【0021】
このセンサは、電気式、電気機械式、または純粋に機械式とし得る。初めの2つの場合、電子回路が存在し得る。この電子回路は、使用者からの命令、ならびに/または柱要素及び/もしくは扉の位置、に応じて、制止要素の運動を駆動させる。変形において、センサは、例えば柱要素から突出して取付けられたレバーなど、機械式検出要素から構成され、それは、
L型誘導部に沿って動く扉の一方の端部を阻止するよう、
このような端部と接触することによって変位するよう、及び
このような端部によって誘発された、それ自体の動きによって、制止要素または定着手段もしくはデバイスを駆動するよう、
構成される。
【0022】
機械式検出要素の動きを、制止要素に移すために、検出要素は制止要素に、直接的に、または例えば一連のレバーもしくはギアなどの連鎖機械を介して、接続され得る。
【0023】
好ましくは、構造を簡略化するために、家具アイテムの側部に傾斜して取付けられた、一方または両方の平行誘導部は、異形棒材である。
【0024】
本発明の利点は、添付の図面を参照して、家具アイテムの好ましい実施形態における以下の説明から、より明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】扉の変位シーケンスを示す、家具アイテムの三次元後面図である。
【
図2】扉の変位シーケンスを示す、家具アイテムの三次元後面図である。
【
図3】扉の変位シーケンスを示す、家具アイテムの三次元後面図である。
【
図5】異なる2つの動作構成にある、家具アイテムの構成要素を示す図である。
【
図6】異なる2つの動作構成にある、家具アイテムの構成要素を示す図である。
【
図7】家具アイテムの任意選択の詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面において、同じ番号は、同じまたは概念的に類似の部分を示し、要素は使用中として説明する。
【0027】
本発明による家具アイテムMCは、外側に通じた空間を画定する区画によって形成されたモジュールを備え、底部22、天井24、区画20の幅だけ互いから離隔された2つの垂直側壁26、及び後壁28、によって境界を付けられる。区画20は、区画20の前面で摺動する2つの扉30、32によって覆うことが可能な、前面開口部を形成する。
【0028】
しかし、いくつかのモジュールまたは区画20を並置することによって、より大きい家具のピースを形成することができる。
【0029】
扉30、32は、区画20の前面で蛇腹式の運動で動くことができ、区画20を閉鎖するか、または外側から利用できるようにしておく。この運動中、扉30、32は常に垂直を保ち、それらの相対位置及び区画20に対する相対位置を変化させる。区画20が閉鎖されたとき、扉30、32は互いに隣接して同一面にあり(
図1)、一方で区画20を露出させるために、扉30、32は可動であり、扉自体を区画20の一方の側部で、一方の扉を他方の扉の上にまとめる。すなわち扉30、32は、壁26に対して平行に配置される(
図3)。
【0030】
この運動を実現するために、扉30、32は、垂直軸Y1の周りで互いに対してヒンジ留めされ、それによって扉30、32は、互いに重なり本のように折り畳まれて区画を露出させるか、または同一面で区画を閉鎖する。垂直軸Y1は、2つの扉30、32に共通のヒンジ軸とし得る。または
図1~
図3のように、扉30、32の間に取付けピース31が存在して、そこに各扉は、別個の軸Y1の周りでヒンジ留めされ得る。
【0031】
扉32は、ドア30から最も遠くにある自由端部を有する。この自由端部は、キャリッジ32cを通して、L型誘導部80に摺動可能に連結され、本のような、扉の折り畳み可能な開閉を実現する。
【0032】
誘導部80(
図4参照)は天井24に位置され、接続してL型を形成する、2つの同一面のセグメント82、84を備える。セグメント82は、壁28に対して平行であり、一方でセグメント84は壁28に対して直交する。したがって、誘導部80は、初めに扉32の端部を、区画20の一方の端部から他方の端部まで至らせ、次に扉30、32が互いの上にまとめられたとき、壁28の近傍へ最後まで至らせる(
図3)。扉30は、柱要素60に対して垂直軸Y2の周りでヒンジ留めされた一方の端部(扉が同一面にあり、扉32の反対かつ最も遠い端部)を有し、それは壁26に対して平行な方向に沿って直線的に(または換言すると壁28に対して直交して)移動可能である。矢印Fを参照されたい。
【0033】
例において、柱要素60は直線の異形棒材である。
【0034】
柱要素60は、滑材またはキャリッジ62を介して、区画20の側部に取付けられた直線誘導部64に、摺動可能に取付けられる。2つの誘導部64は平行で、互いから離隔され、水平に対して傾斜している。2つの誘導部64は、例えば直線の棒材、または異形棒材である。滑材またはキャリッジ62も、柱要素60に可動で取付けられ、その長さ方向に摺動する。
【0035】
傾斜した誘導部64のおかげで、柱要素60を、壁28に向けて重力によって引張ることができる。滑材62も柱要素60で垂直に進むので、柱要素60は水平方向にしか移動できない。すなわち要素60は、誘導部64において区画20の奥行きに対して平行である家具アイテムの側部に沿って、直線に動くことができ、一方では、常に床から同じ高さを保ち、及び/または常に垂直である。
【0036】
柱要素60のストロークは、柱要素60が、2つの位置、すなわち区画20の開口部に隣接した第1の位置(
図1)と、区画20の後部に隣接した第2の位置(壁28が存在する。
図3参照)と、の間を直線的に動くことができる(矢印F参照)。柱要素60画第1の位置に向かって動くとき、柱要素60は、まとめられた扉30、32を家具アイテムの側部から引き出して、それらを区画20の前面で広げる。柱要素60が第1の位置から第2の位置に向かって動くとき、柱要素60は、同一面の扉30、32を押込むかまたは伴い、それによって扉30、32は、本のように折り畳まれ、互いの上にまとまり、それら自体は家具アイテムMCの側部に対して平行にまとめられる。
【0037】
好ましくは、柱要素60をより良好に誘導するために、上部の水平直線誘導部100及び下部の水平直線誘導部102は、家具アイテムMCの側部または縁部に取付けられる。
図7を参照されたい。誘導部100、102は、互いに対して平行である。
【0038】
柱要素60は、その両端部に、ローラ190によって誘導部100、102を摺動可能な、2つのそれぞれのキャリッジ110、112を備える。ローラ190は、垂直回転軸を有し、誘導部100、102における柱要素60の直線変位を安定化させる。
【0039】
柱要素60自体の重量は、対応した底部キャリッジ112を介して、底部誘導部102上で負担を減らされる。この目的のため、水平回転軸または磁気浮上式滑材を伴う、少なくとも1つのローラが、誘導部102を転がるか、または摺動するために、キャリッジ112に取付けられることが好ましい。
【0040】
扉30、32の運動を始めるために、使用者は、要素60または取付けピース31を引張る必要があるのみであり、好ましくはそれらに、この目的のためにハンドルが装備される。
【0041】
図面から確認できるように、傾斜した誘導部64は、重力によって柱要素60を区画20の後壁28に向けて至らせる傾向があり、それによって柱要素60は、開放された区画20及びまとめられた扉30、32に対応して、上記の第2の位置に強制的に入れられる。
【0042】
柱要素60が第1の位置にとどまるとき、同じ戻り力を受ける。
【0043】
詳細には、引き出された位置から、家具アイテムMCの側部座部に挿入された位置に向かう、柱部材60の運動は、傾斜した誘導部64に沿って摺動するキャリッジ62自体の重量によるものとし得る。好ましくは、キャリッジ62は、柱要素60に対して平行に延びた接続要素または棒材130によって、堅固に接続される。接続要素または棒材130は、移動システムに追加の堅固さを与え、その重量は、前述の戻り力に寄与する。
【0044】
好ましくは、1つまたは各キャリッジ62には、誘導部64における、より良好な摺動のために、脚輪が装備され、及び/または、誘導部64における摺動応力を、より一様にするために、ブレーキまたは衝撃吸収材が装備される。例えば上記のブレーキは、磁気作用ブレーキである。
【0045】
区画20を、扉30、32によってしっかりと閉鎖し続けるために、家具アイテムMCは、柱部材60と家具アイテムの固定部分(例えば壁26及び/または誘導部64)との間に定着デバイスを備える。それによって柱部材60を第1の位置に保持するために、区画20に係止させることができる。
【0046】
定着デバイスは、構造の簡略化のために好ましくは柱部材60に取付けられ、かつ制止部材(例えばピン)を備える。この制止部材は、上部の誘導部64の空洞44に挿入されるか、または空洞44から出るために可動である。
【0047】
変形において、例えば制止要素は、スナップ作動とし得る。すなわちそれは、バネまたは弾性変形によって、空洞44の中に押込まれ得る。この場合、使用者は、柱要素60を動かすために、手動で制止要素を係止解除することを必要とする。この不便性を回避するために、好ましくは家具アイテムMCは、扉30、32及び/または柱要素60の運動を、制止要素の運動と一致させるためのデバイスもしくは手段を備える。とりわけ、柱要素60の運動における想定外の故障は、それによって防止される。異なる変形において、例えば制止要素は、電気アクチュエータによって駆動され得る。
【0048】
図5及び
図6に詳細に示された、好ましい定着デバイス40は、上記の固定部分の空洞44の中に挿入されるよう、または出るよう可動である制止要素42(例えばピン)を備える。制止要素42は、柱要素60に取付けられたブロック46に対して可動である。支点48pによってブロック46で枢動されるのは、レバー48である。レバー48は、扉32の自由端部が、第1の位置で動かない柱部材60の近くに達したときに、扉32の自由端部によって回転可能なブロック46の周辺から突出する。
【0049】
レバー48は、接続ロッド50を介して、ブロック46の支点52pを介して枢動する第2のレバー52に、ヒンジ留めされたアーム48aを備える。レバー52は、制止部材42にヒンジ留めされたアーム52aを備える。
【0050】
扉30、32が同一面にあるとき、レバー48を押圧するものはなく、制止要素42はブロック46から突出して空洞44に入る。それによって柱要素60は、所定の位置に保持され、誘導部64で摺動しない。
【0051】
扉30、32が重なったとき、誘導部80によって誘導された扉32の自由端部は、レバー48の自由端部に近付いて、レバー48を押圧して回転させる。これは、デバイス40の連動を引き起こす。アーム48aは、レバー52を押込むレバー50を押込んで、レバー52をピン52pの周りで回転させる。次に、アーム52aは制止部材42を引張り、制止部材42はブロック46の中に後退し、かつ空洞44を出て、柱部材60を区画20から解放して、柱部材60が誘導部64で動くのを可能にする。
【0052】
示した例において、制止要素42は直線的に可動であるが、異なる軌道も可能である。例えば軸の周りでも回転し得るか、または軸の周りのみで回転し得る。
【0053】
異なる実施形態において、制止部材42は、キャリッジ62のうち一方に設けられた凹部に係合可能であり、それによってキャリッジ62が、傾斜した誘導部64に沿って摺動するのを防止する。すなわち、空洞44は、キャリッジ62の一方または各々に作られる。
【0054】
好ましくは、制止要素42は、その自由端部において、少なくとも1つの摺動ローラ140を搭載し、引っ掛かることなく座部44に係合する。
【0055】
全ての係止/係止解除要素は、柱要素60の中に取付けられるという事実によって、摩耗または損傷を受ける全ての調整部分は、交換または補修のために容易に接近可能である、という利点がある。追加として、家具アイテムMCには部品が存在しないので、位置付けの公差の合計による変動性は最小に抑えられ、システムをより安定化させて、構成要素及び組立てプロセスの両方における、外形の変動の影響を受けない。
【国際調査報告】