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特表2023-537343アクティブモジュール化のコンバータチェーン制御方法およびコンバータ制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(54)【発明の名称】アクティブモジュール化のコンバータチェーン制御方法およびコンバータ制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20230824BHJP
【FI】
H02M7/12 H
H02M7/12 X
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507747
(86)(22)【出願日】2021-09-07
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 CN2021116978
(87)【国際公開番号】W WO2022052916
(87)【国際公開日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】202010934017.X
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515063024
【氏名又は名称】南京南瑞▲継▼保▲電気▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NR ELECTRIC CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 69 Suyuan Avenue, Jiangning Nanjing, Jiangsu, P.R. China
(71)【出願人】
【識別番号】515063046
【氏名又は名称】南京南瑞▲継▼保工程技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NR ENGINEERING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.69 Suyuan Avenue, Jiangning,Nanjing, Jiangsu, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】謝 曄源
(72)【発明者】
【氏名】王 宇
(72)【発明者】
【氏名】盛 曉東
【テーマコード(参考)】
5H006
【Fターム(参考)】
5H006BB00
5H006CA01
5H006CB01
5H006CC03
5H006DB01
5H006FA00
(57)【要約】
本願はアクティブモジュール化のコンバータチェーン制御方法を提供し、エネルギー貯蔵サブモジュールの数と非エネルギー貯蔵サブモジュールの数とに基づいて、コンバータチェーンが出力する有効電力の最大値を計算すること、有効電力の最大値に基づいて、受信した有効電力指令を修正して有効電力修正指令を得ること、有効電力修正指令に基づいて、受信した無効電力指令を修正して無効電力修正指令を得ること、制御システムが有効電力修正指令をエネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てて、無効電力修正指令を非エネルギー貯蔵コンバータチェーンとエネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てること、エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた有効電力修正指令と無効電力修正指令とに基づいて閉ループ制御を実行すること、非エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた無効電力修正指令に基づいて閉ループ制御を実行すること、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブモジュール化のコンバータチェーン制御方法であって、
前記コンバータチェーンは、
直列接続のN個のサブモジュールを含み、Nは2以上の整数であり、
前記N個のサブモジュールはN1個のエネルギー貯蔵サブモジュールと、N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールと、N3個の故障バイパスサブモジュールとを含み、N1、N2は1以上の整数であり、N3は0以上の整数であり、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールは、電力ユニットと、分離ユニットと、エネルギー貯蔵ユニットとを含み、前記N1個のエネルギー貯蔵サブモジュールはエネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは電力ユニットを含み、前記N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールは非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記電力ユニットはバイパススイッチを含み、
前記コンバータチェーン制御方法は、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とに基づいて、前記コンバータチェーンが出力する有効電力の最大値を計算することと、
前記有効電力の最大値に基づいて、受信した有効電力指令を修正して有効電力修正指令を得ることと、
前記有効電力修正指令に基づいて、受信した無効電力指令を修正して無効電力修正指令を得ることと、
前記有効電力修正指令を前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てて、前記無効電力修正指令を前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンと前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てることと、
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた有効電力修正指令と無効電力修正指令とに基づいて閉ループ制御を実行することと、
前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた無効電力修正指令に基づいて閉ループ制御を実行することと、を含むコンバータチェーン制御方法。
【請求項2】
前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とに基づいて、前記コンバータチェーンが出力する有効電力の最大値を計算するということは、
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vtを計算することと、
収集した電力網電圧の有効値ベクトルVsの始端を円の中心とし、Vtを半径として、第1円を形成することと、
前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vcを計算することと、
収集した電力網電圧有効値ベクトルVsの終端を円の中心とし、Vcを半径として、第2円を形成することと、
前記第1円と前記第2円との位置関係に基づいて、前記有効電力の最大値を計算することと、を含む請求項1に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項3】
前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とに基づいて、前記コンバータチェーンが出力する有効電力の最大値を計算するということは、
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vtと前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vcをそれぞれ以下の式に従って計算することをさらに含み、
【数1】
Otは前記エネルギー貯蔵サブモジュールの直流電圧であり、mtは前記エネルギー貯蔵サブモジュールの変調比であり、VOcは前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの直流電圧であり、mcは前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの変調比である請求項2に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項4】
前記第1円と前記第2円との位置関係に基づいて、前記有効電力の最大値を計算するということは、
前記第1円が前記第2円を含む場合、前記有効電力の最大値Pmaxを以下の式に従って計算することと、
【数2】
sは収集した電力網の電圧ベクトルであり、Ieは前記コンバータチェーンの定格電流であり、
前記第2円が前記第1円を含む場合、前記有効電力の最大値Pmaxを以下の式に従って計算することと、
【数3】
θは前記第2円の中心から前記第1円への接線ベクトルとベクトルVsがなす角度であり、
前記第1円と前記第2円が交わる場合、交点の位置に基づいて前記有効電力の最大値を決定することと、
前記第1円と前記第2円とが接する場合、前記有効電力の最大値は0であることと、
前記第1円と前記第2円とが互いに離れている場合、前記コンバータチェーンは故障状態にあることと、を含む請求項2に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項5】
前記第1円と前記第2円が交わる場合、交点の位置に基づいて前記有効電力の最大値を決定するということは、
前記有効電力の最大値Pmaxを次の式に従って計算することを含み、
θ≧90°の場合、Pmax=Vseであり、
θ<90°の場合、Pmax=Vsesinθであり、
θは前記第2円の中心から前記交点までのベクトルとベクトルVsがなす角度である請求項4に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項6】
前記有効電力の最大値に基づいて、受信した有効電力指令を修正して有効電力修正指令を得るということは、
前記有効電力の最大値Pmaxが前記有効電力指令Prefより大きいか否かを判断することと、
max≧Prefの場合、前記有効電力修正指令Pref’=Prefであることと、
max<Prefの場合、前記有効電力修正指令Pref’=Pmaxであることと、を含む請求項2に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項7】
前記有効電力修正指令に基づいて、受信した無効電力指令を修正して無効電力修正指令を得るということは、
前記有効電力修正指令Pref’と前記コンバータチェーンの皮相電力Sとに基づいて、前記コンバータチェーンの無効電力の最大値Qmaxを以下の式に従って計算することと、
【数4】
前記無効電力の最大値Qmaxが前記無効電力指令Qrefより大きいか否かを判断することと、
max≧Qrefの場合、前記無効電力修正指令Qref’=Qrefであることと、
max<Qrefの場合、前記無効電力修正指令Qref’=Qmaxであることと、を含む請求項6に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項8】
前記無効電力修正指令を前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンと前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てるということは、
前記有効電力修正指令Pref’と、前記無効電力修正指令Qref’と、電力網電圧有効値ベクトルVsとに基づいて、前記コンバータチェーンの電流有効値を計算することと、
sと逆三角関数φ=arctan(Qref’/Pref’)により方向を決定することで、電流の有効値ベクトルIsを決定することと、
前記電流ベクトルIsまたはその延長線が前記第2円と交わる又は接する場合、前記無効電力修正指令Qref’の全てを前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てることと、
前記電流ベクトルIsまたはその延長線と前記第2円とが互いに離れている場合、前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てられた第2無効電力修正指令Q2ref=Vc×Isであり、前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てられた第1無効電力修正指令Q1ref=Qref’-Q2refであることと、を含む請求項7に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項9】
前記無効電力修正指令を前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンと前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てるということは、
前記電力ユニットの効率最適化の原則に従って、前記無効電力修正指令を前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンと前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てることを含む請求項1に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵サブモジュールと前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは相互に変換することができ、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールまたは前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは故障バイパスサブモジュールに変換することができる請求項1に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項11】
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた有効電力修正指令と無効電力修正指令とに基づいて閉ループ制御を実行するということは、
割り当てられた有効電力修正指令と無効電力修正指令を外ループ制御目標とすることと、
前記外ループ制御目標と実測値との差分を調整器により内ループの電流指令値を得ることと、
前記電流指令値と電流実測値との差分を調整器により出力電圧の所定値を得ることと、
前記出力電圧の所定値を各エネルギー貯蔵サブモジュールに割り当てることと、
前記各エネルギー貯蔵サブモジュールが前記出力電圧の所定値に基づいて出力電圧を制御することと、を含む請求項1に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項12】
前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた無効電力修正指令に基づいて閉ループ制御を実行するということは、
前記非エネルギー貯蔵コンバータサブモジュールの直流電圧の平均値と割り当てられた無効電力を外ループ制御目標とすることと、
前記外ループ制御目標と実測値との差分を調整器により内ループの電流指令値を得ることと、
前記電流指令値と実測値との差分を調整器により出力電圧の所定値を得ることと、
前記出力電圧の所定値を各非エネルギー貯蔵サブモジュールに割り当てることと、
前記各非エネルギー貯蔵サブモジュールが前記出力電圧の所定値に基づいて出力電圧を制御することと、を含む請求項1に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項13】
前記分離ユニットは、
分離スイッチおよび/または分離機能を有するDC/DC回路を含む請求項1に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項14】
前記電力ユニットは、直流容量と、ブリッジ回路とを含み、前記ブリッジ回路は2組の電力半導体装置からなるハーフブリッジ回路または4組の電力半導体装置からなるフルブリッジ回路を含む請求項1に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項15】
前記コンバータチェーン制御方法は、
前記エネルギー貯蔵サブモジュール中のエネルギー貯蔵ユニットが故障した場合、前記分離スイッチを分離し、または前記DC/DC変換器を閉鎖し、前記エネルギー貯蔵サブモジュールを非エネルギー貯蔵サブモジュールに変換することと、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とを更新することと、
請求項1のステップを繰り返すことと、をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項16】
前記エネルギー貯蔵サブモジュール中の電力ユニットが故障した場合、前記バイパススイッチを閉じ、前記エネルギー貯蔵サブモジュールを故障バイパスサブモジュールに変換することと、
前記非エネルギー貯蔵サブモジュール中の電力ユニットが故障した場合、前記バイパススイッチを閉じ、前記非エネルギー貯蔵サブモジュールを故障バイパスサブモジュールに変換することと、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とを更新することと、
請求項1のステップを繰り返すことと、をさらに含む請求項1に記載のコンバータチェーン制御方法。
【請求項17】
アクティブモジュール化のコンバータチェーン制御方法であって、
前記コンバータチェーンは、
直列接続のN個のサブモジュールを含み、Nは2以上の整数であり、
前記N個のサブモジュールはN1個のエネルギー貯蔵サブモジュールと、N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールと、N3個の故障バイパスサブモジュールとを含み、N1、N2は1以上の整数であり、N3は0以上の整数であり、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールは、電力ユニットと、分離ユニットと、エネルギー貯蔵ユニットとを含み、前記N1個のエネルギー貯蔵サブモジュールはエネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは電力ユニットを含み、前記N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールは非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記電力ユニットはバイパススイッチを含み、
前記コンバータチェーン制御方法は、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とに基づいて、前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vtと前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vcをそれぞれ計算することと、
収集した電力網の電圧有効値ベクトルVsの始端を円の中心とし、それぞれVt、Vcを半径として第1円および第2円を形成し、第1円と第2円との位置関係に基づいて前記コンバータチェーンが出力する有効電力の最大値Pmaxを計算することと、
有効電力最大値Pmaxに基づいて、受信した有効電力指令Prefを修正して有効電力修正指令Pref’を得ることと、
有効電力修正指令Pref’と前記コンバータチェーンの皮相電力Sとに基づいて、受信した無効電力指令Qrefを修正し、無効電力修正指令Qref’を得ることと、
有効電力修正指令Pref’を前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てることと、
有効電力修正指令Pref’と、無効電力修正指令Qref’と、電圧有効値ベクトルVsとに基づいて、前記コンバータチェーンの電流Is値および方向を計算し、電流Is値および方向と前記第2円との位置関係に基づいて無効電力修正指令Qref’の割当原則を決定することと、
前記割当原則に基づいて、無効電力修正指令Qref’を非エネルギー貯蔵コンバータチェーンとエネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てることと、
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーン、非エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた有効電力修正指令および/または無効電力修正指令に基づいて閉ループ制御を実行することと、を含むアクティブモジュール化のコンバータチェーン制御方法。
【請求項18】
アクティブモジュール化のコンバータ制御方法であって、前記コンバータは、3つのアクティブモジュール化のコンバータチェーンを含み、それぞれA、B、Cの3相コンバータチェーンであり、
前記コンバータチェーンは、
直列接続のN個のサブモジュールを含み、Nは2以上の整数であり、
前記N個のサブモジュールはN1個のエネルギー貯蔵サブモジュールと、N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールと、N3個の故障バイパスサブモジュールとを含み、N1、N2は1以上の整数であり、N3は0以上の整数であり、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールは、電力ユニットと、分離ユニットと、エネルギー貯蔵ユニットとを含み、前記N1個のエネルギー貯蔵サブモジュールはエネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは電力ユニットを含み、前記N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールは非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記電力ユニットはバイパススイッチを含み、
前記コンバータ制御方法は、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールの数N1A、N1B、N1Cと非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2A、N2B、N2Cとをそれぞれ読み取ることと、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンにおけるエネルギー貯蔵サブモジュールと非エネルギー貯蔵サブモジュールの数をそれぞれ調整し、A、B、Cの3相コンバータチェーンにおけるエネルギー貯蔵サブモジュールの数はすべてN1minとなり、非エネルギー貯蔵サブモジュールの数はすべてN2minとなり、かつ以下の条件を満たすことと、
1min=min(N1A;N1B;N1C
2min=min(N2A+N1A-N1min;N2B+N1B-N1min;N2C+N1C-N1min)、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールの数N1minと非エネルギー貯蔵サブモジュール数N2minとに基づいて、前記A、B、Cの3相コンバータチェーンの出力する有効電力のバランスをとるように、請求項1~17のいずれか1項に記載のコンバータチェーン制御方法を実行することと、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールの数または非エネルギー貯蔵サブモジュールの数が変化した場合、前記ステップを繰り返すことと、を含むアクティブモジュール化のコンバータ制御方法。
【請求項19】
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンの出力する有効電力のバランスをとるということは、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンがそれぞれ出力する有効電力は等しいことを含む請求項18に記載のコンバータ制御方法。
【請求項20】
アクティブモジュール化のコンバータチェーン制御装置であって、
前記コンバータチェーンは、
直列接続のN個のサブモジュールを含み、Nは2以上の整数であり、
前記N個のサブモジュールはN1個のエネルギー貯蔵サブモジュールと、N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールと、N3個の故障バイパスサブモジュールとを含み、N1、N2は1以上の整数であり、N3は0以上の整数であり、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールは、電力ユニットと、分離ユニットと、エネルギー貯蔵ユニットとを含み、前記N1個のエネルギー貯蔵サブモジュールはエネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは電力ユニットを含み、前記N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールは非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記電力ユニットはバイパススイッチを含み、
前記コンバータチェーン制御装置は、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とに基づいて、前記コンバータチェーンが出力する有効電力の最大値を計算するための有効電力最大値計算モジュールと、
前記有効電力の最大値に基づいて、受信した有効電力指令を修正して有効電力修正指令を得るための有効電力指令修正モジュールと、
前記有効電力修正指令に基づいて、受信した無効電力指令を修正して無効電力修正指令を得るための無効電力指令修正モジュールと、
前記有効電力修正指令を前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てて、前記無効電力修正指令を前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンと前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てるための電力指令割当モジュールと、
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた有効電力修正指令と無効電力修正指令とに基づいて閉ループ制御を実行し、および、前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた無効電力修正指令に基づいて閉ループ制御を実行するための電力指令実行モジュールと、を含むアクティブモジュール化のコンバータチェーン制御装置。
【請求項21】
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンを制御する第1制御サブモジュールと、
前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを制御する第2制御サブモジュールと、をさらに含み、
前記コンバータチェーン制御装置は、前記第1制御サブモジュールと前記第2制御サブモジュールとの入力と出力を調整する請求項20に記載のコンバータチェーン制御装置。
【請求項22】
アクティブモジュール化のコンバータ制御装置であって、前記コンバータは3つの有効モジュール化コンバータチェーンを含み、それぞれA、B、Cの3相コンバータチェーンであり、
前記コンバータチェーンは、
直列接続のN個のサブモジュールを含み、Nは2以上の整数であり、
前記N個のサブモジュールはN1個のエネルギー貯蔵サブモジュールと、N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールと、N3個の故障バイパスサブモジュールとを含み、N1、N2は1以上の整数であり、N3は0以上の整数であり、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールは、電力ユニットと、分離ユニットと、エネルギー貯蔵ユニットとを含み、前記N1個のエネルギー貯蔵サブモジュールはエネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは電力ユニットを含み、前記N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールは非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記電力ユニットはバイパススイッチを含み、
前記コンバータ制御装置は、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールの数と非エネルギー貯蔵サブモジュールの数とをそれぞれ読み取るためのサブモジュール数読取モジュールと、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンにおけるエネルギー貯蔵サブモジュールの数と非エネルギー貯蔵サブモジュールの数とをそれぞれ調整するためのサブモジュール数調整モジュールと、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールの数と非エネルギー貯蔵サブモジュールの数とに基づいて、請求項1に記載のコンバータチェーン制御方法を実行するための電力修正と割当モジュールと、を含むアクティブモジュール化のコンバータ制御装置。
【請求項23】
アクティブモジュール化のコンバータ制御電子機器であって、
1つまたは複数のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムを記憶する記憶装置と、を含み、
1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに、請求項18に記載のコンバータ制御方法を実現させるアクティブモジュール化のコンバータ制御電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はハイパワー電力電子変流の技術分野に関し、具体的には、アクティブモジュール化のコンバータチェーン制御方法、装置ならびにコンバータの制御方法、装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
大容量ハイパワー電力電子変流の技術分野では、マルチレベルコンバータはモジュール化カスケード技術を利用して、エネルギー貯蔵装置をサブモジュールに集積し、モジュール化の程度が高く、調波特性が良く、等価スイッチング周波数が低いなどの利点があり、現在は高圧電力電子分野の標準的なトポロジとなっている。エネルギー貯蔵ユニットをサブモジュールとしてモジュール化のマルチレベルコンバータに集積することにより、交直流電力変換とエネルギー貯蔵を同時に実現することができる。
【0003】
これにより誕生したアクティブ型モジュール化のコンバータは、エネルギー貯蔵システムのアクセス要求を効果的に満たし、交直流システム間の故障伝播を緩和または分離することができる実行可能な方法である。エネルギー貯蔵ユニットを備えたマルチレベルコンバータは、エネルギー貯蔵ユニットの故障や電力ユニットの故障を考慮する必要がある。異なる状態のサブモジュールは、異なる運転特性を有し、例えば、エネルギー貯蔵ユニットの正常なサブモジュールは、有効電力と無効電力を提供することができるが、エネルギー貯蔵ユニットの故障またはエネルギー貯蔵ユニットのないサブモジュールは、無効電力の調整と交流電圧の支持の役割を果たすだけである。
【0004】
従来技術では、ハイブリッドユニットカスケードHブリッジ貯蔵システムの単相電力制御方法が、容量サブモジュールと貯蔵サブモジュールの制御概念を導入し、システム動作のベクトル図を分析したが、各種タイプのサブモジュールの数が動的に変化し、コンバータチェーンの有効電力と無効電力の調整能力も数の変化に応じて変化することを無視した。この場合、コンバータチェーンが制御指令を受信すると、電力調整能力の制限により指令通りに実行できないおそれがある。もし元のままの指令に従って実行すると、システム制御が不安定になるなどの問題を引き起こす。
【発明の概要】
【0005】
これに基づいて、本願はアクティブモジュール化のコンバータチェーン制御方法を提供する。
【0006】
前記コンバータチェーンは、
直列接続のN個のサブモジュールを含み、Nは2以上の整数であり、
前記N個のサブモジュールはN1個のエネルギー貯蔵サブモジュールと、N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールと、N3個の故障バイパスサブモジュールとを含み、N1、N2は1以上の整数であり、N3は0以上の整数であり、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールは、電力ユニットと、分離ユニットと、エネルギー貯蔵ユニットとを含み、前記N1個のエネルギー貯蔵サブモジュールはエネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは電力ユニットを含み、前記N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールは非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記電力ユニットはバイパススイッチを含み、
前記コンバータチェーン制御方法は、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とに基づいて、前記コンバータチェーンが出力する有効電力の最大値を計算することと、
前記有効電力の最大値に基づいて、受信した有効電力指令を修正して有効電力修正指令を得ることと、
前記有効電力修正指令に基づいて、受信した無効電力指令を修正して無効電力修正指令を得ることと、
前記有効電力修正指令を前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当て、前記無効電力修正指令を前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンと前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てることと、
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた有効電力修正指令と無効電力修正指令とに基づいて閉ループ制御を実行することと、
前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた無効電力修正指令に基づいて閉ループ制御を実行することと、を含む。
【0007】
本願のいくつかの実施形態により、前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とに基づいて、前記コンバータチェーン出力の有効電力最大値を計算することは、
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vtを計算することと、
収集した電力網電圧の有効値ベクトルVsの始端を円の中心とし、Vtを半径として、第1円を形成することと、
前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vcを計算することと、
収集した電力網電圧有効値ベクトルVsの終端を円の中心とし、Vcを半径として、第2円を形成することと、
前記第1円と前記第2円との位置関係に基づいて、前記有効電力の最大値を計算することと、を含む。
【0008】
本願のいくつの実施形態により、前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とに基づいて、前記コンバータチェーンが出力有効電力最大値を計算することは、
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vtと前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vcをそれぞれ以下の式に従って計算することをさらに含み、
【数1】
Otは前記エネルギー貯蔵サブモジュールの直流電圧であり、mtは前記エネルギー貯蔵サブモジュールの変調比であり、VOcは前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの直流電圧であり、mcは前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの変調比である。
【0009】
本願のいくつかの実施形態により、前記第1円と前記第2円との位置関係に基づいて、前記有効電力の最大値を計算することは、
前記第1円が前記第2円を含む場合、前記有効電力の最大値Pmaxを以下の式に従って計算することと、
【数2】
sは収集した電力網の電圧ベクトルであり、Ieは前記コンバータチェーンの定格電流であり、
前記第2円が前記第1円を含む場合、前記有効電力の最大値Pmaxを以下の式に従って計算することと、
【数3】
θは前記第2円の中心から前記第1円への接線ベクトルとベクトルVsがなす角度であり、
前記第1円と前記第2円とが交わる場合、交点の位置に基づいて前記有効電力の最大値を決定することと、
前記第1円と前記第2円とが接する場合、前記有効電力の最大値は0であることと、
前記第1円と前記第2円とが互いに離れている場合、前記コンバータチェーンは故障状態にあることと、を含む。
【0010】
本願のいくつかの実施形態により、前記第1円と前記第2円とが交わる場合、交点の位置に基づいて前記有効電力の最大値を決定することは、
前記有効電力の最大値Pmaxを次の式に従って計算することを含み、
θ≧90°の場合、Pmax=Vseであり、
θ<90°の場合、Pmax=Vsesinθであり、
θは前記第2円形中心から前記交点までのベクトルとベクトルVsがなす角度である。
【0011】
本願のいくつかの実施形態により、前記有効電力の最大値に基づいて、受信した有効電力指令を修正して有効電力修正指令を得ることは、
前記有効電力の最大値Pmaxが前記有効電力指令Prefより大きいか否かを判断することと、
max≧Prefの場合、前記有効電力修正指令Pref’=Prefであることと、
max<Prefの場合、前記有効電力修正指令Pref’=Pmaxであることと、を含む。
【0012】
本願のいくつかの実施形態により、前記有効電力修正指令に基づいて、受信した無効電力指令を修正して無効電力修正指令を得ることは、
前記有効電力修正指令Pref’と前記コンバータチェーンの皮相電力Sとに基づいて、前記コンバータチェーンの無効電力の最大値Qmaxを以下の式に従って計算することと、
【数4】
前記無効電力の最大値Qmaxが前記無効電力指令Qrefより大きいか否かを判断することと、
max≧Qrefの場合、前記無効電力修正指令Qref’=Qrefであることと、
max<Qrefの場合、前記無効電力修正指令Qref’=Qmaxであることと、を含む。
【0013】
本願のいくつかの実施形態により、前記無効電力修正指令を前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンと前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てることは、
前記有効電力修正指令Pref’と、前記無効電力修正指令Qref’と、電力網電圧有効値ベクトルVsとに基づいて、前記コンバータチェーンの電流有効値を計算することと、
sと逆三角関数φ=arctan(Qref’/Pref’)により方向を決定することで、電流有効値ベクトルIsを決定することと、
前記電流ベクトルIsまたはその延長線が前記第2円形と交わる又は接する場合、前記無効電力修正指令Qref’の全てを前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てることと、
前記電流ベクトルIsまたはその延長線と前記第2円とが互いに離れている場合、前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てられた第2無効電力修正指令Q2ref=Vc×Isであり、前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てられた第1無効電力修正指令Q1ref=Qref’-Q2refであることと、を含む。
【0014】
本願のいくつかの実施形態により、前記無効電力修正指令を前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンと前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てることは、
前記電力ユニットの効率最適化の原則に従って、前記無効電力修正指令を前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンと前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てることを含む。
【0015】
本願のいくつかの実施形態により、前記エネルギー貯蔵サブモジュールと前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは相互に変換することができ、前記エネルギー貯蔵サブモジュール、または前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは、故障バイパスサブモジュールに変換することができる。
【0016】
本願のいくつかの実施形態により、前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた有効電力修正指令と無効電力修正指令とに基づいて閉ループ制御を実行することは、
割り当てられた有効電力修正指令と無効電力修正指令を外ループ制御目標とすることと、
前記外ループ制御の目標と実測値との差分を調整器により内ループの電流指令値を得ることと、
前記電流指令値と電流実測値との差分を調整器により出力電圧の所定値を得ることと、
前記出力電圧の所定値を各エネルギー貯蔵サブモジュールに割り当てることと、
前記各エネルギー貯蔵サブモジュールが前記出力電圧の所定値に基づいて出力電圧を制御することと、を含む。
【0017】
本願のいくつかの実施形態により、前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた無効電力修正指令に基づいて閉ループ制御を実行することは、
前記非エネルギー貯蔵コンバータサブモジュールの直流電圧の平均値と割り当てられた無効電力を外ループ制御の目標とすることと、
前記外ループ制御の目標と実測値との差分を調整器により内ループの電流指令値を得ることと、
前記電流指令値と実測値との差分を調整器により出力電圧の所定値を得ることと、
前記出力電圧の所定値を各非エネルギー貯蔵サブモジュールに割り当てることと、
前記各非エネルギー貯蔵サブモジュールが前記出力電圧の所定値に基づいて出力電圧を制御することと、を含む。
【0018】
本願のいくつかの実施形態により、前記分離ユニットは、分離スイッチおよび/または分離機能を有するDC/DC回路を含む。
【0019】
本願のいくつかの実施形態により、前記電力ユニットは、直流容量と、ブリッジ回路とを含み、前記ブリッジ回路は2組の電力半導体装置からなるハーフブリッジ回路または4組の電力半導体装置からなるフルブリッジ回路を含む。
【0020】
本願のいくつかの実施形態により、前記コンバータチェーン制御方法は、
前記エネルギー貯蔵サブモジュール中のエネルギー貯蔵ユニットが故障した場合、前記分離スイッチを分離し、または前記DC/DC変換器を閉鎖し、前記エネルギー貯蔵サブモジュールを非エネルギー貯蔵サブモジュールに変換することと、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とを更新することと、
前記コンバータチェーン制御方法のステップを繰り返すことと、をさらに含む。
【0021】
本願のいくつかの実施形態により、前記コンバータチェーン制御方法は、
前記エネルギー貯蔵サブモジュール中の電力ユニットが故障した場合、前記バイパススイッチを閉じ、前記エネルギー貯蔵サブモジュールを故障バイパスサブモジュールに変換することと、
前記非エネルギー貯蔵サブモジュール中の電力ユニットが故障した場合、前記バイパススイッチを閉じ、前記非エネルギー貯蔵サブモジュールを故障バイパスサブモジュールに変換することと、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とを更新することと、
前記コンバータチェーン制御方法のステップを繰り返すことと、をさらに含む。
【0022】
また、本願はアクティブモジュール化のコンバータチェーン制御方法を提供し、前記コンバータチェーンは、
直列接続のN個のサブモジュールを含み、Nは2以上の整数であり、
前記N個のサブモジュールはN1個のエネルギー貯蔵サブモジュールと、N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールと、N3個の故障バイパスサブモジュールとを含み、N1、N2は1以上の整数であり、N3は0以上の整数であり、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールは、電力ユニットと、分離ユニットと、エネルギー貯蔵ユニットとを含み、前記N1個のエネルギー貯蔵サブモジュールはエネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは電力ユニットを含み、前記N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールは非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記電力ユニットはバイパススイッチを含み、
前記コンバータチェーン制御方法は、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とに基づいて、前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vtと前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vcをそれぞれ計算することと、
収集した電力網電圧の有効値ベクトルVsの始端を円の中心とし、それぞれVt、Vcを半径として第1円と第2円を形成し、第1円と第2円との位置関係に基づいて前記コンバータチェーンが出力する有効電力の最大値Pmaxを計算することと、
有効電力の最大値Pmaxに基づいて、受信した有効電力指令Prefを修正して有効電力修正指令Pref’を得ることと、
有効電力修正指令Pref’と前記コンバータチェーンの皮相電力Sとに基づいて、受信した無効電力指令Qrefを修正し、無効電力修正指令Qref’を得ることと、
有効電力修正指令Pref’を前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てることと、
有効電力修正指令Pref’と、無効電力修正指令Qref’と、電圧有効値ベクトルVsとに基づいて、前記コンバータチェーンの電流Is値および方向を計算し、電流Is値および方向と前記第2円との位置関係に基づいて無効電力修正指令Qref’の割当原則を決定することと、
前記割当原則に基づいて、無効電力修正指令Qref’を非エネルギー貯蔵コンバータチェーンとエネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てることと、
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーン、非エネルギー貯蔵コンバータチェーンは、割り当てられた有効電力修正指令および/または無効電力修正指令に基づいて閉ループ制御を実行することと、を含む。
【0023】
また、本願はアクティブモジュール化のコンバータ制御方法を提供し、前記コンバータは、3つのアクティブモジュール化のコンバータチェーンを含み、それぞれA、B、Cの3相コンバータチェーンであり、
前記コンバータチェーンは、
直列接続のN個のサブモジュールを含み、Nは2以上の整数であり、
前記N個のサブモジュールは、N1個のエネルギー貯蔵サブモジュールと、N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールと、N3個の故障バイパスサブモジュールとを含み、N1、N2は1以上の整数であり、N3は0以上の整数であり、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールは、電力ユニットと、分離ユニットと、エネルギー貯蔵ユニットとを含み、前記N1個のエネルギー貯蔵サブモジュールはエネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは電力ユニットを含み、前記N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールは非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記電力ユニットはバイパススイッチを含み、
前記コンバータ制御方法は、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールの数N1A、N1B、N1Cと非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2A、N2B、N2Cとをそれぞれ読み取ることと、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンにおけるエネルギー貯蔵サブモジュールと非エネルギー貯蔵サブモジュールの数をそれぞれ調整し、A、B、Cの3相コンバータチェーンにおけるエネルギー貯蔵サブモジュールの数はすべてN1minとなり、非エネルギー貯蔵サブモジュールの数はすべてN2minとなり、かつ以下の条件を満たすことと、
1min=min(N1A;N1B;N1C
2min=min(N2A+N1A-N1min;N2B+N1B-N1min;N2C+N1C-N1min)、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールの数N1minと非エネルギー貯蔵サブモジュール数N2minとに基づいて、前記A、B、Cの3相コンバータチェーンの出力する有効電力のバランスをとるように、前記コンバータチェーン制御方法を実行することと、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールの数または非エネルギー貯蔵サブモジュールの数が変化する場合、前記ステップを繰り返すことと、を含む。
【0024】
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンが出力する有効電力のバランスをとるということは、前記A、B、Cの3相コンバータチェーンそれぞれ出力の有効電力が等しいことを含む。
【0025】
また、本願はアクティブモジュール化のコンバータチェーン制御装置を提供し、前記コンバータチェーンは、
直列接続のN個のサブモジュールを含み、Nは2以上の整数であり、
前記N個のサブモジュールはN1個のエネルギー貯蔵サブモジュールと、N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールと、N3個の故障バイパスサブモジュールとを含み、N1、N2は1以上の整数であり、N3は0以上の整数であり、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールは、電力ユニットと、分離ユニットと、エネルギー貯蔵ユニットとを含み、前記N1個のエネルギー貯蔵サブモジュールはエネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは電力ユニットを含み、前記N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールは非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記電力ユニットはバイパススイッチを含み、
前記コンバータチェーン制御装置は、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とに基づいて、前記コンバータチェーンが出力する有効電力の最大値を計算するための有効電力最大値計算モジュールと、
前記有効電力の最大値に基づいて、受信した有効電力指令を修正して有効電力修正指令を得るための有効電力指令修正モジュールと、
前記有効電力修正指令に基づいて、受信した無効電力指令を修正して無効電力修正指令を得るための無効電力指令修正モジュールと、
前記有効電力修正指令を前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てて、前記無効電力修正指令を前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンと前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てるための電力指令割当モジュールと、
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた有効電力修正指令と無効電力修正指令とに基づいて閉ループ制御を実行し、および、前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた無効電力修正指令に基づいて閉ループ制御を実行するための電力指令実行モジュールと、を含む。
【0026】
本願のいくつかの実施形態により、前記コンバータチェーン制御装置は、
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンを制御する第1制御サブモジュールと、
前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを制御する第2制御サブモジュールと、をさらに含み、
前記コンバータチェーン制御装置は、前記第1制御サブモジュールと前記第2制御サブモジュールとの入力と出力を調整する。
【0027】
また、本願はアクティブモジュール化のコンバータ制御装置を提供し、前記コンバータは3つの有効モジュール化コンバータチェーンを含み、それぞれA、B、Cの3相コンバータチェーンであり、
前記コンバータチェーンは、
直列接続のN個のサブモジュールを含み、Nは2以上の整数であり、
前記N個のサブモジュールはN1個のエネルギー貯蔵サブモジュールと、N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールと、N3個の故障バイパスサブモジュールとを含み、N1、N2は1以上の整数であり、N3は0以上の整数であり、
前記エネルギー貯蔵サブモジュールは、電力ユニットと、分離ユニットと、エネルギー貯蔵ユニットとを含み、前記N1個のエネルギー貯蔵サブモジュールはエネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは電力ユニットを含み、前記N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュールは非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成し、
前記電力ユニットはバイパススイッチを含み、
前記コンバータ制御装置は、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールの数と非エネルギー貯蔵サブモジュールの数とをそれぞれ読み取るためのサブモジュール数読取モジュールと、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンにおけるエネルギー貯蔵サブモジュールの数と非エネルギー貯蔵サブモジュールの数とをそれぞれ調整するためのサブモジュール数調整モジュールと、
前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールの数と非エネルギー貯蔵サブモジュールの数とに基づいて、前記コンバータチェーン制御方法を実行するための電力修正と割当モジュールと、を含む。
【0028】
また、本願はアクティブモジュール化のコンバータ制御電子機器を提供し、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムを記憶する記憶装置と、を含み、1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに前記コンバータ制御方法を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本願の実施形態に係る発明をより明確に説明するために、以下では、実施形態の説明において必要とされる図面を簡単に紹介するが、以下の説明における図面は本願の一部の実施形態にすぎず、当業者にとっては、本願が保護を要求する範囲を逸脱することなく、これらの図面に基づき、他の図面を得ることもできることは明白である。
図1A】本願の例示的な実施形態に係るアクティブモジュール化のコンバータチェーンの構造を示す図である。
図1B】本願の例示的な実施形態に係る分離ユニットの構造を示す図である。
図2】本願の例示的な実施形態に係るコンバータチェーン制御方法を示すフローチャートである。
図3A】本願の例示的な実施形態に係る第1円と第2円との第1位置関係を示す図である。
図3B】本願の例示的な実施形態に係る第1円と第2円との第2位置関係を示す図である。
図3C】本願の例示的な実施形態に係る第1円と第2円との第3位置関係を示す図である。
図3D】本願の例示的な実施形態に係る第1円と第2円との第4位置関係を示す図である。
図3E】本願の例示的な実施形態に係る第1円と第2円との第5位置関係を示す図である。
図4A】本願の例示的な実施形態に係る第1交点の位置を示す図である。
図4B】本願の例示的な実施形態に係る第2交点の位置を示す図である。
図4C】本願の例示的な実施形態に係る第3交点の位置を示す図である。
図5A】本願の第1の例示的な実施形態に係る無効電力の割当を示す図である。
図5B】本願の第2の例示的な実施形態に係る無効電力の割当を示す図である。
図6】本願の他の例示的な実施形態に係るコンバータチェーン制御方法を示すフローチャートである。
図7】本願の例示的な実施形態に係るコンバータ制御方法を示すフローチャートである。
図8】本願の例示的な実施形態に係るコンバータチェーン制御装置の構成を示すブロック図である。
図9】本願の例示的な実施形態に係るコンバータ制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本願の実施形態の図面に関連して、本願の実施形態の発明を明確に、完全に説明する。明らかに、説明された実施形態は本願の一部の実施形態であり、すべての実施形態ではない。本願における実施形態に基づいて、当業者は創造的な労働を行うことなく取得する他のすべての実施形態は、本願保護の範囲に属する。
【0031】
本明細書では、様々なコンポーネントを記載するために第1、第2などという用語を使用することがあるが、これらのコンポーネントはこれらの用語によって制限されるべきではないことを理解すべきである。これらの用語は、あるコンポーネントと別のコンポーネントを区別するために使用される。従って、以下に述べる第1のコンポーネントは、本願の概念の教示から逸脱することなく、第2のコンポーネントと呼ぶことができる。本明細書で使用されるように、用語「および/または」は、関連するリスト項目のいずれか1つおよび1つまたは複数のすべての組合せを含む。
【0032】
図面は例示的な実施形態の概略図にすぎず、比例ではない可能性があることを、当業者であれば理解することができる。図面中のモジュールまたはフローは、必ずしも本願を実施するために必要なものではないので、本願の保護範囲を制限するためには使用するべきではない。
【0033】
本発明者は、従来のアクティブモジュール化のコンバータチェーンの制御において理想状態のみに基づいて計算し、コンバータチェーン自身の調整能力の制限を考慮していないなどの問題に対して、アクティブモジュール化のコンバータチェーン制御方法を提案し、前記コンバータチェーンの自己状態に基づいて制御指令を修正して、コンバータチェーンが最大能力で正常に動作することを確保すると同時に、2つの異なるタイプのサブモジュールに対して合理的な指令割当を行うことによって、コンバータチェーンの運行が最適な状態にあることを保証する。
【0034】
以下、添付図面を用いて、本願の発明を詳細に紹介する。
【0035】
図1Aは本願の例示的な実施形態に係るアクティブモジュール化のコンバータチェーンの構造を示し、図1Bは本願の例示的な実施形態に係る分離ユニットの構造を示す。
【0036】
本願に係るコンバータチェーン制御方法は、図1Aに示すアクティブモジュール化のコンバータチェーン1000に適している。アクティブモジュール化のコンバータチェーン1000は、直列接続のN個のサブモジュールを含み、それぞれはN1個のエネルギー貯蔵サブモジュール100、N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュール200、およびN3個の故障バイパスサブモジュール(図示せず)である。Nは2以上の整数であり、N1、N2は1以上の整数であり、N3は0以上の整数である。前記エネルギー貯蔵サブモジュール100と非エネルギー貯蔵サブモジュール200のコンバータチェーンにおける位置は連続的であってもよく、すなわち同じタイプのサブモジュールが接続されていてもよく、また、不連続であってもよく、すなわち異なるタイプの2つのサブモジュールがコンバータチェーンに交互に設けられていてもよい。前記故障バイパスサブモジュールは、コンバータチェーン内の任意の位置に設置することができる。
【0037】
前記エネルギー貯蔵サブモジュール100は、電力ユニット110と、分離ユニット120と、エネルギー貯蔵ユニット130とを含み、前記N1個のエネルギー貯蔵サブモジュールはエネルギー貯蔵コンバータチェーンを構成する。前記非エネルギー貯蔵サブモジュール200は、電力ユニット210を含み、前記N2個の非エネルギー貯蔵サブモジュール200は、非エネルギー貯蔵エネルギーコンバータチェーンを構成する。本願のいくつかの実施形態により、前記非エネルギー貯蔵サブモジュール200は、分離ユニットによって切除されたエネルギー貯蔵ユニットをさらに含むことができる。図1に示す実施形態のように、前記非エネルギー貯蔵サブモジュール200は電力ユニット210を含む。
【0038】
アクティブモジュール化のコンバータチェーン1000は、コンバータチェーンの運転を制御するための制御システム(図示せず)をさらに含む。制御システムは第1制御システムと第2制御システムとを含み、それぞれはエネルギー貯蔵コンバータチェーン、非エネルギー貯蔵コンバータチェーンと接続されている。
【0039】
前記電力ユニット110は、交流直流の変換を実現するために使用され、バイパススイッチ111と、ブリッジ回路112と、直流容量113とを含む。ブリッジ回路は、4組の電力半導体装置(S1、S2、S3、S4)からなるフルブリッジ回路を含む。本願の他の実施形態により、ブリッジ回路は、2組の電力半導体装置からなるハーフブリッジ回路を含むこともできる。
【0040】
図1Bを参照して、分離ユニット120は、分離スイッチ121および/または分離機能を有するDC/DC回路122を含むことができる。本願の例示的な実施形態により、DC/DC回路は、DC/ACインバータユニットと、分離トランスと、AC/DC整流ユニットとを含む。エネルギー貯蔵サブモジュール中のエネルギー貯蔵ユニットが故障した場合、分離ユニット中の分離スイッチを分離し、あるいはDC/DCコンバータを閉鎖して、エネルギー貯蔵サブモジュールを非エネルギー貯蔵サブモジュールに変換する。
【0041】
図2は本願の例示的な実施形態に係るコンバータチェーン制御方法のフローチャートを示す。
【0042】
本願の第1の態様により、アクティブモジュール化のコンバータチェーン制御方法を提供し、図2に示すように、前記コンバータチェーン制御方法は、
ステップS210においては、前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とに基づいて、前記コンバータチェーンが出力する有効電力の最大値を計算することを含む。本願のいくつかの実施形態により、前記コンバータチェーンが出力する有効電力の最大値を計算する工程において、
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vtを以下の式に従って計算し、
【数5】
Otは前記エネルギー貯蔵サブモジュールの直流電圧であり、mtは前記エネルギー貯蔵サブモジュールの変調比であり、
収集した電力網電圧の有効値ベクトルVsの始端を円の中心とし、Vtを半径として、第1円を形成し、
前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vcを以下の式に従って計算し、
【数6】
Ocは前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの直流電圧であり、MCは前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの変調比であり、
電力網電圧有効値ベクトルVsの終端を円の中心とし、Vcを半径として第2円を形成し、
前記第1円と前記第2円との位置関係に基づいて、前記有効電力の最大値を計算する。
【0043】
図3Aは本願の例示的な実施形態に係る第1円と第2円との第1位置関係を示し、図3Bは本願の例示的な実施形態に係る第1円と第2円との第2位置関係を示し、図3Cは本願の例示的な実施形態に係る第1円と第2円との第3位置関係を示し、図3Dは本願の例示的な実施形態に係る第1円と第2円との第4位置関係を示し、図3Eは本願の例示的な実施形態に係る第1円と第2円との第5位置関係を示す。
【0044】
第1円と第2円との位置には、図3A~3Eに示すように5つの状態が存在する。図3Aを参照して、第1円301が第2円302を含む場合、前記有効電力の最大値Pmaxを以下の式に従って計算し、
【数7】
sは電力網電圧の有効値ベクトルであり、Ieは前記コンバータチェーンの定格電流である。
【0045】
図3Bを参照して、第2円302が第1円301を含む場合、前記有効電力の最大値Pmaxを以下の式に従って計算し、
【数8】
θは前記第2円302の中心から前記第1円への接線ベクトルとベクトルVsのなす角度である。
【0046】
図3Cを参照して、前記第1円301が前記第2円302と交わる場合、交点の位置に基づいて前記有効電力の最大値を決定することができる。図4Aは本願の例示的な実施形態に係る第1交点の位置を示す。図4Bは本願の例示的な実施形態に係る第2交点の位置を示す。図4Cは本願の例示的な実施形態に係る第3交点の位置を示す。交点の位置によって、有効電力の最大値の計算方法が異なる。
【0047】
本願の例示的な実施形態により、図4A~4Cに示すように、ベクトルVsの始端から交点12までがベクトルVtを形成し、ベクトルVsの終端から交点12までがベクトルVcを形成する。ベクトルVs、Vt、Vcは三角形を構成し、VcとVsのなす角度はθと表記することができる。
【0048】
図4Aに示すように、θ>90°の場合、IsとVsが平行になるようにVcとVsを垂直に調整し、最大有効電力の出力に達することができる。図4Bに示すように、θ=90°の場合、VcはVsに垂直であり、IsはVsに平行であり、自然に最大有効電力の出力に達する。したがって、θ≧90°の場合、式Pmax=Vseに従って、有効電力の最大値を計算する。
【0049】
図4Cに示すように、θ<90°の場合、交点12の位置で三角形を構成すると、VsとVcのなす角度θを計算する必要があり、θが90°に近づけば近づくほど、出力の有効電力が大きくなる。ここで、
【数9】
図3Dを参照して、前記第1円301と前記第2円302が接する場合、前記有効電力の最大値Pmaxは0である。このとき、|Vc|+|Vt|=|Vs|、コンバータチェーン電流有効値のベクトルIsはVcに垂直であり、VsはVcに平行であるため、IsとVsの角度は90°であるため、有効電力は0である。
【0050】
図3Eを参照して、前記第1円301と前記第2円302が互いに離れている場合、コンバータチェーン全体が故障状態にあり、運転できず、操作を停止する必要がある。
【0051】
ステップS220においては、前記有効電力の最大値に基づき、受信した有効電力指令を修正して有効電力修正指令を得る。
【0052】
まず、前記有効電力の最大値Pmaxが前記有効電力指令Prefより大きいか否かを判断し、
max≧Prefの場合、前記有効電力修正指令Pref’=Prefであり、
max<Prefの場合、前記有効電力修正指令Pref’=Pmaxである。
【0053】
ステップS230において、前記無効電力の修正指令に基づき、受信した無効電力指令を修正して無効電力修正指令を得る。
【0054】
まず、前記有効電力修正指令Pref’と前記コンバータチェーンの皮相電力Sとに基づいて、前記コンバータチェーンの無効電力の最大値Qmaxを以下の式に従って計算し、
【数10】
前記無効電力の最大値Qmaxが前記無効電力指令Qrefより大きいか否かを判断し、
max≧Qrefの場合、前記無効電力修正指令Qref’=Qrefであり、
max<Qrefの場合、前記無効電力修正指令Qref’=Qmaxである。
【0055】
ステップS240において、前記制御システムは、前記有効電力修正指令を前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てて、前記無効電力修正指令を前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンと前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てる。
【0056】
本願のいくつかの実施形態により、前記無効電力修正指令の割り当て原則は、前記電力ユニットの効率最適の原則に従って、前記無効電力修正指令を前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンと前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てることができる。有効電力と無効電力の割当比率は電力ユニットの効率に影響するため、効率曲線に基づいて、電力ユニットの効率最適の原則に従って、無効電力の割当関係を選択することができる。
【0057】
本願の他の実施形態により、前記コンバータチェーンの電流有効値ベクトルIsと第2円との位置関係に基づいて割り当てることができる。図5Aは本願の第1の例示的な実施形態に係る無効電力の割当を示す。図5Bは本願の第2の例示的な実施形態に係る無効電力の割当を示す。
【0058】
まず、前記有効電力修正指令Pref’と、前記無効電力修正指令Qref’と、電力網電圧の有効値ベクトルVsとに基づいて、前記コンバータチェーンの電流の有効値を計算する。逆三角関数φ=arctan(Qref’/Pref’)を定義する。電流の有効値を以って、Vsとのなす角度φを方向として電流有効値ベクトルIsを形成する。
【0059】
図5Aに示すように、前記電流ベクトルIsまたはその延長線が前記第2円302と交わるまたは接する場合、前記無効電力修正指令Qref’をすべて前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てる。すなわち、非エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てられた第2無効電力修正指令Q2ref=Qref’であり、エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てられた第1無効電力修正指令Q1ref=0である。
【0060】
図5Bに示すように、前記電流ベクトルIsまたはその延長線が前記第2円302と互いに離れている場合、前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てられた第2無効電力修正指令Q2ref=Vc×Isであり、前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てられた第1無効電力修正指令Q1ref=Qref’-Q2refである。すなわち、Qref’は非エネルギー貯蔵コンバータチェーンに優先的に割り当てられ、残りはエネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てられる。
【0061】
図5A及び図5Bにおいて、非エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧VcはOA線分上で任意に変化することができ、依然としてQ2max=Vc×Is、Q1ref=Qref’-Q2refを満たす。
【0062】
ステップS250においては、前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンは、割り当てられた有効電力修正指令と無効電力修正指令とに基づいて閉ループ制御を実行し、前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンは、割り当てられた無効電力修正指令に基づいて閉ループ制御を実行する。
【0063】
本願の例示的な実施形態により、前記コンバータチェーンにおける前記制御システムは、2つのサブシステム、すなわち、前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンを制御する第1制御サブシステムと、前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを制御する第2制御サブシステムとに分ける。前記制御システムは、第1制御サブシステムと前記第2制御サブシステムとの入力と出力を調整する。ここで、エネルギー貯蔵コンバータチェーンは同時に有効と無効の調整能力を備え、有効電力の出力を優先する。非エネルギー貯蔵コンバータチェーンは無効の調整能力を備え、無効電力の出力を優先する。
【0064】
前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンが、割り当てられた有効電力修正指令と無効電力修正指令とに基づいて閉ループ制御を実行する工程は、割り当てられた有効電力修正指令と無効電力修正指令を外ループ制御目標として、前記外ループ制御目標と実測値との差分を調整器で内ループの電流指令値を得、前記電流指令値と電流実測値との差分を調整器で出力電圧の所定値を得、前記出力電圧の所定値を各エネルギー貯蔵サブモジュールに割り当てて、前記各エネルギー貯蔵サブモジュールが、前記出力電圧の所定値に基づいて出力電圧を制御することを含む。
【0065】
前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンが、割り当てられた無効電力修正指令に基づいて閉ループ制御を実行する工程は、前記非エネルギー貯蔵コンバータサブモジュールの直流電圧の平均値と割り当てられた無効電力を外ループ制御の目標として、前記外ループ制御目標と実測値との差分を調整器により内ループの電流指令値を得、前記電流指令値と実測値との差分を調整器により出力電圧の所定値を得、前記出力電圧の所定値を各非エネルギー貯蔵サブモジュールに割り当てて、前記各非エネルギー貯蔵サブモジュールが前記出力電圧の所定値に基づいて出力電圧を制御することを含む。
【0066】
上記コンバータチェーン制御方法において、前記エネルギー貯蔵サブモジュールと前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは相互に変換することができ、前記エネルギー貯蔵サブモジュールまたは前記非エネルギー貯蔵サブモジュールは故障バイパスサブモジュールに変換することができる。すなわち、N1、N2、N3は動的に変換することができ、N1とN2の間は双方向に変換することができ、N1またはN2はN3に一方向に変換することができ、N1+N2+N3=Nである。これにより、制御ニーズに応じてエネルギー貯蔵サブモジュール、非エネルギー貯蔵サブモジュール、および故障バイパスサブモジュールの数を調整することができる。
【0067】
運転中、前記エネルギー貯蔵サブモジュール中のエネルギー貯蔵ユニットが故障した場合、前記分離スイッチを分離し、または前記DC/DC変換器を閉鎖して、前記エネルギー貯蔵サブモジュールを非エネルギー貯蔵サブモジュールに変換し、前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とを更新し、上述のコンバータチェーン制御方法におけるステップを繰り返すことで、有効電力指令と無効電力指令の割当関係を更新することができる。
【0068】
同様に、前記エネルギー貯蔵サブモジュール中の電力ユニットが故障した場合、前記バイパススイッチを閉じ、前記エネルギー貯蔵サブモジュールを故障バイパスサブモジュールに変換し、前記非エネルギー貯蔵サブモジュール中の電力ユニットが故障した場合、前記バイパススイッチを閉じ、前記非エネルギー貯蔵サブモジュールを故障バイパスサブモジュールに変換し、前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とを更新し、上述のコンバータチェーン制御方法におけるステップを繰り返すことで、有効電力指令と無効電力指令の割当関係を更新することができる。
【0069】
図6は本願の別の例示的な実施形態に係るコンバータチェーン制御方法のフローチャートを示す。
【0070】
本願の別の実施形態により、コンバータチェーン制御方法を提供し、以下のステップを含む。
【0071】
ステップS610において、前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とに基づいて、前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vtと前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンの出力電圧Vcとをそれぞれ計算する。
【0072】
ステップS620において、収集した電力網電圧の有効値ベクトルVsの始端を円の中心とし、それぞれVt、Vcを半径として第1円と第2円を形成し、第1円と第2円との位置関係に基づいて前記コンバータチェーンが出力する有効電力の最大値Pmaxを計算する。
【0073】
ステップS630において、有効電力の最大値Pmaxに基づいて、受信した有効電力指令Prefを修正して有効電力修正指令Pref’を得る。
【0074】
ステップS640において、有効電力修正指令Pref’と前記コンバータチェーンの皮相電力Sとに基づいて、受信した無効電力指令Qrefを修正し、無効電力修正指令Qref’を得る。
【0075】
ステップS650において、有効電力修正指令Pref’を前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てる。
【0076】
ステップS660において、有効電力修正指令Pref’と、無効電力修正指令Qref’と、電圧の有効値ベクトルVSとに基づいて、前記コンバータチェーンの電流IS値及び方向を計算し、電流Is値及び方向と前記第2円との位置関係に基づいて無効電力修正指令Qref’の割当原則を決定する。
【0077】
ステップS670において、前記割当原則に基づいて、無効電力修正指令Qref’を非エネルギー貯蔵コンバータチェーンとエネルギー貯蔵コンバータチェーンとに割り当てる。
【0078】
ステップS680において、前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンと非エネルギー貯蔵コンバータチェーンは、割り当てられた有効電力修正指令および/または無効電力修正指令に基づいて閉ループ制御を実行する。
【0079】
図7は本願の例示的な実施形態に係るコンバータ制御方法のフローチャートを示す。
【0080】
本願の別の態様により、コンバータ制御方法をさらに提供する。前記コンバータは、図1Aに示す3つのアクティブモジュール化のコンバータチェーン1000を含み、それぞれA、B、Cの3相コンバータチェーンである。図7に示すように、前記コンバータ制御方法は、以下のステップを含む。
【0081】
ステップS710において、前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールの数N1A、N1B、N1Cと非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2A、N2B、N2Cとをそれぞれ読み取る。
【0082】
ステップS720において、前記A、B、Cの3相コンバータチェーンにおけるエネルギー貯蔵サブモジュールと非エネルギー貯蔵サブモジュールの数をそれぞれ調整し、A、B、Cの3相コンバータチェーンにおけるエネルギー貯蔵サブモジュールの数はすべてN1minとなり、非エネルギー貯蔵サブモジュールの数はすべてN2minとなり、かつ以下の条件を満たす。
1min=min(N1A;N1B;N1C
2min=min(N2A+N1A-N1min;N2B+N1B-N1min;N2C+N1C-N1min)。
【0083】
例えば、N1A=8、N2A=2、N1B=6、N2B=3、N1C=9、N2C=1。N1min=min(N1A;N1B;N1C)=min(8;6;9)=6。N2min=min(4;3;4)=3。
【0084】
A相コンバータチェーンについては、8つのエネルギー貯蔵サブモジュールのうちの1つを非エネルギー貯蔵サブモジュールに変換し、1つを故障バイパスサブモジュールに変換することができる。変換後N1A=8-1-1=6、N2A=2+1=3。B相コンバータチェーンについては、変わらないままであってもよい。C相コンバータチェーンについては、9つのエネルギー貯蔵サブモジュールのうちの2つを非エネルギー貯蔵サブモジュールに変換し、1つを故障バイパスサブモジュールに変換することができ、変換後N1A=9-2-1=6、N2A=1+2=3。このようにしてABC3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールと非エネルギー貯蔵サブモジュールの数が同じであることを実現した。
【0085】
ステップS730において、前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールの数N1minと非エネルギー貯蔵サブモジュール数N2minとに基づいて、前記A、B、Cの3相コンバータチェーンの出力する有効電力のバランスをとるように、上記コンバータチェーン制御方法を実行し、
ステップS740において、前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュールの数または非エネルギー貯蔵サブモジュールの数が変化した場合、上記ステップを繰り返す。
【0086】
3相コンバータチェーンを結合する場合、3相の電力バランスを考慮しなければいけないので、コンバータチェーンの制御に対してより高い水準が要求される。本願に係るコンバータチェーン制御方法において、3相コンバータチェーンにおけるサブモジュールの数を制御することにより3相電力のバランスを取ることができる。
【0087】
図8は本願の例示的な実施形態に係るコンバータチェーン制御装置の構成ブロック図を示す。
【0088】
本願の別の態様により、コンバータチェーン制御装置800をさらに提供し、有効電力最大値計算モジュール810と、有効電力指令修正モジュール820と、無効電力指令修正モジュール830と、電力指令割当モジュール840と、電力指令実行モジュール850とを含む。
【0089】
有効電力最大値計算モジュール810は、前記エネルギー貯蔵サブモジュールの数N1と前記非エネルギー貯蔵サブモジュールの数N2とに基づいて、前記コンバータチェーンが出力する有効電力の最大値を計算するためのものであり、
有効電力指令修正モジュール820は、前記有効電力の最大値に基づいて、受信した有効電力指令を修正して有効電力修正指令を得るためのものであり、
無効電力指令修正モジュール830は、前記有効電力修正指令に基づいて、受信した無効電力指令を修正して無効電力修正指令を得るためのものであり、
電力指令割当モジュール840は、前記制御システムが前記有効電力修正指令を前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てて、前記無効電力修正指令を前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンと前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンに割り当てるためのものであり、
電力指令実行モジュール850は、前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた有効電力修正指令と無効電力修正指令とに基づいて閉ループ制御を実行し、および前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンが割り当てられた無効電力修正指令に基づいて閉ループ制御を実行するためのものである。
【0090】
本願のいくつかの実施形態により、コンバータチェーン制御装置800は、第1制御サブモジュールと第2制御サブモジュールとをさらに含む。第1制御サブモジュールは前記エネルギー貯蔵コンバータチェーンを制御し、第2制御サブモジュールは、前記非エネルギー貯蔵コンバータチェーンを制御し、コンバータチェーン制御装置800は、前記第1制御サブモジュールと前記第2制御サブモジュールとの入力と出力を調整する。
【0091】
図9は本願の例示的な実施形態に係るコンバータ制御装置の構成ブロック図を示す。
【0092】
本願の別の態様により、コンバータ制御装置900をさらに提供し、サブモジュール数読取モジュール910と、サブモジュール数調整モジュール920と、電力修正と割当モジュール930とを含む。
【0093】
サブモジュール数読取モジュール910は、前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュール数と非エネルギー貯蔵サブモジュール数とをそれぞれ読み取るためのものであり、
サブモジュール数調整モジュール920は、前記A、B、Cの3相コンバータチェーンにおけるエネルギー貯蔵サブモジュールと非エネルギー貯蔵サブモジュール数とをそれぞれ調整するためのものであり、
電力修正と割当モジュール930は、前記A、B、Cの3相コンバータチェーンのエネルギー貯蔵サブモジュール数と非エネルギー貯蔵サブモジュール数とに基づいて、上記のコンバータチェーン制御方法を実行するためのものである。
【0094】
本願の別の態様により、アクティブモジュール化のコンバータ制御電子機器をさらに提供し、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムを記憶する記憶装置と、を含み、前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに上記のコンバータ制御方法を実現させる。
【0095】
本願に係るコンバータチェーン制御方法はエネルギー貯蔵サブモジュール、非エネルギー貯蔵サブモジュールの数に基づいて、2種類のコンバータチェーンの出力電圧を計算し、ベクトル図を描き、ベクトル図中の2つの円の位置関係により、コンバータチェーンの実際の出力有効電力能力を確認し、方法は簡潔で直観的で、操作性が強い。また、コンバータチェーンの実際の出力有効電力能力に基づいて電力指令を修正し、制御目標がコンバータチェーン自体の運転範囲を超えることを回避することができ、信頼性を向上させることができる。指令修正に基づいて、制御目標を満たすことを前提として、無効電力直径の合理的な割当によってコンバータチェーンを最適な作業点に運転させ、運転効率を最適に保証する。最後に、コンバータの制御方法では、3相コンバータチェーンにおけるエネルギー貯蔵サブモジュールと非エネルギー貯蔵サブモジュールの数を調整することにより、3相コンバータチェーンの出力有効電力のバランスを取り、単相コンバータチェーン制御目標の実現と3相有効電力バランスを両立させることができる。
【0096】
以上、本願の実施形態について詳細に紹介し、本文では具体的な例を用いて本願の原理及び実施形態について述べ、以上の実施形態の説明は本願の方法及びその核心思想の理解を支援するためにのみ用いられる。同時に、当業者は、本願の思想を根拠にし、本願の具体的な実施形態及び応用範囲に基づいて行った変更又は変形点は、いずれも本願保護の範囲に属する。以上のように、本明細書の内容は、本願に対する制限として理解されるべきではない。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】