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2023-537382真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(54)【発明の名称】真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピース
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20230824BHJP
   A61N 1/36 20060101ALI20230824BHJP
   A61N 1/04 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
A61H7/00 310E
A61N1/36
A61N1/04
A61H7/00 310H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509381
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(85)【翻訳文提出日】2023-02-07
(86)【国際出願番号】 KR2021009088
(87)【国際公開番号】W WO2022035066
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0100073
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0120654
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523043186
【氏名又は名称】パク、ウォン ヒ
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【弁理士】
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【弁理士】
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】パク、ウォン ヒ
【テーマコード(参考)】
4C053
4C100
【Fターム(参考)】
4C053BB23
4C053BB31
4C053JJ02
4C053JJ36
4C100AB02
4C100BA01
4C100BB03
4C100BB05
4C100CA01
4C100EA05
(57)【要約】
本発明は、施術部位によって、真空キャップの角度調節を自由にすることができ、真空キャップをハンドピースに着脱自在に設けることで、安定性及び衛生機能が改善した治療装置用ハンドピース300を提供する。真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピース300は、下面が開放し、内部に空洞部を備える真空キャップ310と、前記真空キャップが着脱自在に設けられる胴部410と、皮膚の標的部位が前記真空キャップの空洞部の方に吸着できるように、前記真空キャップに基準負圧を提供する真空装置350と、前記真空キャップの空洞部が負圧を維持する条件で、前記基準負圧をパルス状に可変させる基準負圧可変装置360と、前記皮膚の標的部位が前記真空キャップの空洞部の方に吸着されたとき、その吸着された皮膚が前記真空キャップの空洞部内で接触されるように、前記真空キャップの内側壁に露出して設けられるRF電極320、321と、前記真空装置、前記基準負圧可変装置、前記RF電極の駆動を制御するコントローラ380とを備える。前記基準負圧可変装置360と、前記皮膚の標的部位を治療するRF電極320、321の駆動は、単独駆動、同時駆動、交互駆動のうち、いずれか1つの駆動を選択できるように制御される。前記胴部410と前記真空キャップ310の着脱は、前記胴部410の端部に設けられる真空チューブ結束具432と、給電用コネクタ433、434と、クリップ435とからなる真空キャップ接続ユニット430の同時結合及び同時分離により行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面が開放し、内部に空洞部を備える真空キャップと、
前記真空キャップが着脱自在に設けられる胴部と、
皮膚の標的部位が前記真空キャップの空洞部の方に吸着できるように、前記真空キャップに基準負圧を提供する真空装置と、
前記真空キャップの空洞部が負圧を維持する条件で、前記基準負圧をパルス状に可変させる基準負圧可変装置と、
前記皮膚の標的部位が前記真空キャップの空洞部の方に吸着されたとき、該当吸着された皮膚が前記真空キャップの空洞部内で接触されるように、前記真空キャップの内側壁に露出して設けられるRF電極と、
前記真空装置、前記基準負圧可変装置、前記RF電極の駆動を制御するコントローラとを含み、
前記基準負圧可変装置と、前記皮膚の標的部位を治療するRF電極の駆動は、単独駆動、同時駆動、交互駆動のいずれか1つの駆動を選択して行われるように制御され、
前記胴部と前記真空キャップの着脱は、前記胴部の端部に設けられる真空チューブ結束具と、給電用コネクタと、クリップからなる真空キャップ接続ユニットの同時結合及び同時分離により行われることを特徴とする真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピース。
【請求項2】
前記胴部は、前記真空キャップが着脱自在に設けられる第1の胴部と、
関節具又は回転軸からなる角度調節手段を介在して、前記第1の胴部との角度を使用者が曲げて調節できるように結合される第2の胴部とを含み、
前記真空キャップ接続ユニットは、前記第1の胴部の端部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピース。
【請求項3】
前記基準負圧可変装置は、前記真空キャップの空洞部が負圧を維持する条件で、前記基準負圧を圧力可変弁により、1秒当たり、0.5~50回周期のパルス状に可変できるようにし、前記真空キャップと皮膚との接触部の間に密着不良が生じて、前記空洞部内の基準負圧が設定範囲をずらすと、前記真空装置が自動に稼働されて、前記基準負圧が維持されるように設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピースに関し、より詳しくは、皮膚を効果的に治療するか、皮下脂肪組織を効果的に分解して除去できるように、安全性、施術の便利性、衛生機能が改善した真空キャップの着脱及び角度調節が可能な治療装置用のハンドピースを提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般の真空キャップを用いた治療装置の例として、大韓民国特許登録番号10-1055334号が知られている。
【0003】
前記公報に記載された真空キャップを用いた治療装置200は、図1及び図2を参考して説明する。
【0004】
図1に示しているように、従来の真空キャップを用いた治療装置200は、真空キャップ220と、冷却部材230と、熱電素子240と、RF高周波電極250と、真空吸入部260とを備える。
【0005】
真空キャップ220は、内部に中空のソケット状からなる。冷却部材230は、真空キャップ220の対向する両側内壁にそれぞれ装着される。
【0006】
冷却部材230は、図2に示しているように、クーリングジャケット232と、冷却水供給配管234と、冷却水排出配管236と、チラー238とを含む。クーリングジャケット232は、内部に冷却水が循環する冷却水循環配管231を備える。ここで、クーリングジャケット232は、前記熱電素子240の一面に付着して、ペルティエ効果による熱電素子の一側面がクーリング(cooling)した分だけ、他側面での上昇した温度を冷却するために、熱電素子を冷却水循環配管231を介して循環する冷却水により冷やすことになり、一側面のクーリングした冷却部材230は、標的部位を冷却することになる。
【0007】
冷却水供給配管234は、クーリングジャケット232内の冷却水循環配管231に冷却水を供給する。冷却水供給配管234は、一端がクーリングジャケット232に連結され、他端は、冷却水を循環させるチラー238に連結される。
【0008】
すなわち、熱電素子240は、図1でのように、冷却部材230とRF高周波電極250の間に介在して、両面が付着するので、冷却部材230は、RF高周波電極250の冷却板の役割を果たす。
【0009】
また、前記RF高周波電極250は、制御部280に連結されて、RF高周波を発生させる。
【0010】
一方、真空キャップ220の内側天井に連通する真空吸入部260は、真空圧を発生させる真空発生ユニット262と、真空発生ユニット262からの真空圧を提供される真空ホール264とを備えることで、前記RF高周波電極250に治療が必要な標的部位を真空圧で吸着することができる。
【0011】
また、従来の真空キャップを用いた治療装置の他の例としては、米国特許登録番号US9,168,096号が知られている。
【0012】
前記米国公報に記載された真空キャップを用いた治療装置は、図3及び図4を参考して説明する。
【0013】
従来の真空キャップを用いた治療装置100は、図3に示しているように、内部に空洞部11を有し、冷却機能を有する真空キャップ10と、真空キャップの内壁面に設けられるRF電極12、13と、前記空洞部に負圧を形成するための吸入口14と、前記RF電極12、13と吸入口14を通じた負圧を制御するためのコントローラ20とを備える。
【0014】
治療が必要な皮膚15を真空キャップ10の底面に密着した後、空洞部11に負圧を加えると、皮膚15と皮下脂肪16が空洞部の方に吸引されて、皮膚15がRF電極12、13に接触される。
【0015】
前記状態で、RF電極12、13を通じて、図4のような波形の交流電流を印加することで、皮下脂肪を分解し、肥満などを治療することになる。
【0016】
前記のように構成される従来の真空キャップを用いた治療装置100、200は、皮膚及び皮下脂肪が、真空により真空キャップ10、220の空洞部内に吸入された選別部位に対して、RF周波数が照射されて施術が行われるので、脂肪分解効率や施術が容易であるというメリットはあるものの、治療部位の皮膚及び皮下脂肪を物理的に刺激して、脂肪組織の分解が容易となるように、治療過程で脂肪組織を繰り返して、弛緩・収縮するには限界があった。
【0017】
また、1つの真空キャップを多数人の皮膚に使用しているため、細菌伝染や衛生に脆弱であり、施術部位によって、真空キャップの装着に対する安全性やハンドピースを把持した施術者の手首の疲労度が増加するという不都合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、前記のような問題点を解決するためになされたものであって、施術部位によって、真空キャップの角度調節を自由にすることができ、真空キャップをハンドピースに着脱自在にすることで、安定性、施術の便利性、及び衛生機能が改善した治療装置用のハンドピースを提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は、真空キャップ内の皮膚の弛緩・収縮を、その真空キャップの上下方向に強制的に繰り返す機能を設けて、治療部位の皮下脂肪組織の分解効果を高める治療装置用のハンドピースを提供することである。
【0020】
本発明の更に他の目的は、真空キャップ内において、該当真空キャップの中心線方向と略直角をなす方向に皮膚を繰り返して収縮・弛緩できるように、基準負圧を所定の時間に所定のサイクルで所定の幅だけ変化させるパルス型変動負圧を選択的に付与することができる基準負圧可変装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記目的を達成するために、本発明の真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピースは、下面が開放し、内部に空洞部を備える真空キャップと、前記真空キャップが着脱自在に設けられる第1胴部と、角度調節手段を介在して、前記第1胴部との角度を調節できるように結合される第2胴部と、皮膚の標的部位が前記真空キャップの空洞部の方に吸着できるように、前記真空キャップに基準負圧を提供する真空装置を含むことを特徴とする。
【0022】
また、前記角度調節手段は、前記第1の胴部と前記第2の胴部を結合する関節具又は回転軸からなる。
【0023】
また、前記真空キャップの空洞部が負圧を維持する条件で、前記基準負圧をパルス状に可変させる基準負圧可変装置と、前記皮膚の標的部位を治療する治療ユニットと、前記真空装置、前記基準負圧可変装置、前記治療ユニットの駆動を制御するコントローラとを含む。
【0024】
また、前記第1の胴部には、前記真空装置及び前記基準負圧可変装置に連結された真空チューブと、前記真空キャップと着脱式で結合できるように、前記真空チューブの端部に結合される真空チューブ結束具と、前記治療ユニットの駆動のための給電用コネクタとが設けられる。
【0025】
また、前記基準負圧可変装置による基準負圧可変パルスの周期は、1秒当たり、0.5~50回に提供される。
【0026】
また、前記治療ユニットは、電磁波を用いた治療ユニット、冷温熱を用いた治療ユニット、光線を用いた治療ユニットより選ばれたいずれか1つである。
【0027】
また、前記電磁波を用いた治療ユニットは、前記真空キャップの空洞部の方に露出するRF電極を含み、前記皮膚の標的部位が前記真空キャップの空洞部の方に吸着されたとき、その皮膚の標的部位の一部が、前記RF電極と接触されるように設けられる。
【0028】
また、前記基準負圧可変装置と、前記皮膚の標的部位を治療する治療ユニットの駆動は、単独駆動、同時駆動、交代駆動のうち、いずれか1つの駆動を選択して行われる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピース300は、下面が開放し、内部に空洞部315を備える真空キャップ310と、前記真空キャップが着脱自在に設けられる第1の胴部410と、角度調節手段415により、前記第1の胴部との角度を調節できるように結合される第2の胴部420と、皮膚の標的部位が前記真空キャップの空洞部315の方に吸着できるように、前記真空キャップに基準負圧を提供する真空装置350と、前記真空キャップの空洞部315が負圧を維持する条件で、前記基準負圧をパルス状に可変させる基準負圧可変装置360と、前記皮膚の標的部位を治療する治療ユニット(RF電極)320、321と、前記真空装置、前記基準負圧可変装置、前記治療ユニットの駆動を制御するコントローラ380とを備えることで、施術部位によって、真空キャップの角度調節を自由にして、屈曲のある身体部位にも効果的に対応することができ、施術者の疲労度を減らすことができる。
【0030】
また、真空キャップ310を1回用に着脱して使用するので、使用する度に真空キャップを消毒する必要がなく、安定性、施術の便利性、及び衛生を確保することができる。
【0031】
更に、従来の単なる振動又はマッサージ機能を備えた治療装置と比較して、真空キャップ内において、皮膚の脂肪層に対する弛緩・収縮間隔を十分大きくして繰り返すので、治療部位の脂肪組織間の上下弛緩を促進して、皮下脂肪組織の分解効果を大きく改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、従来の真空キャップを用いた治療装置を説明するための断面図である。
図2図2は、図1における真空キャップを用いた治療装置に適用される冷却部材を示す図である。
図3図3は、他の例の従来の真空キャップを用いた治療装置を説明するための断面図である。
図4図4は、図3における真空キャップを用いた治療装置に適用されるRF電極の1サイクルの交流電圧波形を示す図である。
図5図5は、本発明のハンドピースを模式的に示す立体図である。
図6図6は、本発明のハンドピースを模式的に示す断面図である。
図7図7は、本発明の真空キャップが分離した状態を模式的に示すハンドピースの断面図である。
図8図8は、角度調節が行われた本発明のハンドピースを模式的に示す立体図である。
図9図9は、図6における真空キャップに皮膚の標的部位が吸着した状態を示す図である。
図10図10は、本発明の基準負圧可変パルスを示す図である。
図11図11は、本発明の基準負圧可変装置の駆動により、弛緩及び撹乱された皮膚の標的部位の脂肪細胞を模式的に示す図である。
図12図12は、本発明の真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピースの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
下面が開放し、内部に空洞部を備える真空キャップ310と、前記真空キャップが着脱自在に設けられる胴部410、420と、皮膚の標的部位が前記真空キャップの空洞部の方に吸着できるように、前記真空キャップに基準負圧を提供する真空装置350と、前記真空キャップの空洞部が負圧を維持する条件で、前記基準負圧をパルス状に可変させる基準負圧可変装置360と、前記皮膚の標的部位が前記真空キャップの空洞部の方に吸着されたとき、その吸着された皮膚が前記真空キャップの空洞部内で接触されるように、前記真空キャップの内側壁に露出して設けられるRF電極320、321と、前記真空装置、前記基準負圧可変装置、前記RF電極の駆動を制御するコントローラ380を備える、前記基準負圧可変装置と、前記皮膚の標的部位を治療するRF電極の駆動は、単独駆動、同時駆動、交互駆動のうち、いずれか1つの駆動を選択して行われるように制御される。
【0034】
前記胴部と前記真空キャップの着脱は、前記胴部の端部に設けられる真空チューブ結束具432と、給電用コネクタ433、434と、クリップ435とからなる真空キャップ接続ユニット430の同時結合及び同時分離により行われる。
【0035】
また、前記胴部は、前記真空キャップが着脱自在に設けられる第1の胴部410と、関節具又は回転軸からなる角度調節手段を介在して、前記第1の胴部との角度を使用者が曲げて調節できるように結合される第2の胴部420とを含み、前記真空キャップ接続ユニット430は、前記第1の胴部410の端部に設けられる。
【0036】
また、前記基準負圧可変装置360は、前記真空キャップ310の空洞部が負圧を維持する条件で、前記基準負圧を圧力可変弁361により、1秒当たり、0.5~50回周期のパルス状に可変できるようにし、前記真空キャップ310と皮膚との接触部の間に密着不良が生じて、前記真空キャップの空洞部内の基準負圧が所定の範囲をずらすと、前記真空装置350が自動に稼働されて、前記基準負圧が維持されるように設けられる。
【0037】
以下、本発明の真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピース300の技術構成及び作用を、図5乃至図12を参考して具体的に説明する。
【0038】
本発明の真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピース300は、図5乃至図8に示しているように、第1の胴部410と、取っ手機能をする第2の胴部420と、下面が開放し、内部に空洞部を設ける真空キャップ310とを備える。
【0039】
前記第1の胴部410と、取っ手機能をする第2の胴部420は、角度調節手段を介在して、前記第1の胴部410と前記第2の胴部420の角度を調節するように設けられる。
【0040】
前記角度調節手段は、前記第1の胴部410と前記第2の胴部420の一端部を結合する回転軸415で構成するか、前記回転軸の代わりに、関節具を用いて、第1の胴部410を基準に、第2の胴部420をいずれの方向にも折曲して構成しても良い。
【0041】
また、前記第1の胴部410の他端部には、前記真空キャップ310を着脱式で固定する真空キャップ接続ユニット430が設けられる。
【0042】
前記真空キャップ接続ユニット430は、真空装置350及び基準負圧可変装置360に連結された真空チューブ431と、前記真空キャップ310と着脱式で結合できるように、前記真空チューブの端部に結合される真空チューブ結束具432と、RF電極320、321などの治療ユニット駆動のための給電用コネクタ433、434と、前記真空キャップ320を着脱するためのクリップ435とを含む。
【0043】
前記真空装置350及び基準負圧可変装置360に連結された真空チューブ431は、第1の胴部410から第2の胴部420が折れて角度調整が行われたときの損傷を防止するために、フレキシブルな材質からなるのが望ましく、必要によって、伸縮性を有するように、一部(角度調節手段が位置する領域)が曲線又は螺旋状のチューブからなるようにしても良い。
【0044】
また、給電用コネクタ433、434に連結される電源ケーブルも、一部を螺旋状に構成して、角度調整において、伸縮性を持つようにする。
【0045】
前述したように、第1の胴部410と取っ手機能をする第2の胴部420の角度調整が可能となるようにし、真空キャップ310を、第1の胴部410から着脱自在に構成することで、屈曲のある身体部位にも真空キャップ310を効果的に固定することができ、ハンドピースの取っ手部を構成する第2の胴部420の角度を容易に調整して、施術者の疲労度を減らすことができる。
【0046】
また、前記真空キャップ310は、その真空キャップの空洞部315の方に露出して、治療ユニットとして機能するRF電極320、321が設けられ、該当RF電極は、真空キャップを第1の胴部410に結合したとき、給電用コネクタ433、434に接続できるように構成される。
【0047】
真空キャップ310の上端中央には、真空チューブ431に連通するホールが形成され、該当ホールの上端には、真空キャップを第1の胴部410に結合したとき、真空チューブ結束具432と気密状態で接続できるように、チューブコネクタ311が設けられる。
【0048】
モータと排気ポンプなどで構成される前記真空装置350は、図9に示しているように、表皮241と脂肪組織242などからなる皮膚245の標的部位を、前記真空キャップの空洞部315の方へ吸着して、治療ユニットとして機能する前記各RF電極320、321に接触するように、前記真空キャップ内に基準負圧を提供する。
【0049】
圧力可変弁361などで構成される前記基準負圧可変装置360は、真空キャップ310に加えられた基準負圧を、真空キャップの空洞部315が負圧を維持する条件で、パルス状、すなわち、所定の時間に所定のサイクルで所定の幅だけ変化させる役割をするように設けられる。
【0050】
前記治療ユニットとして機能するRF電極320、321と前記真空装置350と前記基準負圧可変装置360の駆動制御は、コントローラ380により行われる。
【0051】
本発明では、基準負圧に変動負圧を提供する装置として、圧力可変弁361からなる構造を例示して説明したが、真空キャップ310の内壁に圧力可変弁361を直接構成して、基準負圧を基準に、パルス状に圧力を可変するか、真空キャップ310の一部の内壁に空洞部315の体積をパルス状に可変させる気嚢などを設けて構成しても良い。
【0052】
前記真空キャップ310内に皮膚245を吸引するための真空装置350の基準負圧は、一例として、-100mbar~-800mbarの範囲内で提供される。
【0053】
また、基準負圧可変装置360は、真空装置350により形成された基準負圧に対して、一例として、±50mbarのパルス状の変化を与えて、真空キャップ310内に吸引された皮膚245が繰り返して上下方向に収縮・弛緩されるようにすることができる。
【0054】
基準負圧可変装置360は、図10に示しているように、基準負圧を基準にポルス負圧形態をなし、このパルスの振幅と波長は、基準負圧可変装置360の制御により、適宜制御される。
【0055】
基準負圧可変装置360に設けられた圧力可変弁361を用いて、一例として、空洞部315内に50mbarの正圧を加えると、真空キャップの空洞部315の真空圧が下がるので、図9に示しているように、表皮241と脂肪組織242を構成する皮膚245が、A位置からB位置に下降する。
【0056】
これに対して、圧力可変弁361を用いて、空洞部315内に-50mbarの負圧を加えると、真空キャップの空洞部315の真空圧が上がるので、表皮241と脂肪組織242を構成する皮膚245が、B位置からA位置に上昇する。
【0057】
前述したように、圧力可変弁361を用いて、空洞部315内に所定の正圧又は負圧を交互に加えることで、皮膚が一定の間隔だけ、パルス波状に繰り返して収縮・弛緩するようにすることができる。
【0058】
標的部位の皮膚の上端表面を基準に、皮膚が上下方向に収縮・弛緩する間隔は、一例として、0.1mm以上5mm以下の範囲内で設定可能であり、前記基準負圧可変装置360を構成する圧力可変弁361による基準負圧の可変パルスの周期は、1秒当たり、0.5~50回にすることができる。
【0059】
前記治療ユニットを構成するRF電極320、321は、真空キャップ310の対向する両側内壁にそれぞれ、正(+)、負(-)電極で装着され、高周波発生部(図示せず)からのRF高周波を発生して、真空キャップの空洞部内側に吸引された皮膚の標的部位に、RF高周波を印加する場合、脂肪組織を構成する細胞分子のイオンは、RF電極の交流電流により、正(+)電荷は負極に、負(-)電荷は正極に引かれて、分極現象(polarization phenomenon)が生じることになる。前記分極作用で、脂肪細胞組織内にジュール(Joul)熱が集中的に発生することになると、脂肪細胞が分解されるので、肥満などの治療につながる。
【0060】
本発明の基準負圧可変装置360を用いて、空洞部315内で皮膚を垂直方向に繰り返して収縮・弛緩させると、図11に示しているように、皮膚の脂肪組織242を抱き込んで保護するセルライト(cellulite)顆粒層242aが上下方向に沿って十分強制弛緩されて、破れるか、撹乱されるので、RF高周波が通過し易いため、従来の振動装置又はマッサージ装置を備えた真空キャップを用いた治療装置と比較して、皮下脂肪組織の分解効果を更に促進することができる。
【0061】
本発明の真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピース300には、RF電極の駆動時に発生する熱を感知するための温度センサ331が設けられる。
【0062】
また、温度センサ331の温度感知信号によって、RF電極に接触される皮膚、真空キャップ310、又は真空キャップの空洞部315を冷却するための様々な冷却装置(図示せず)が更に設けられる。
【0063】
前記のように構成される真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピース300の駆動過程は、図12を参考して説明する。
【0064】
まず、第1の胴部410に真空キャップ310を嵌合し、取っ手の機能をする第2の胴部420の角度を適宜調整する(S10)。
【0065】
ついで、真空キャップ310の開放部縁に、標的部位の皮膚245を密着させる(S20)。
【0066】
ついで、真空キャップ310の空洞部315が基準負圧となるまで、真空装置350を駆動(S30)して、真空キャップ内の空洞部315に皮膚245が吸引されるようにすることで、RF電極320、321と皮膚245の表面が接触されるようにする。
【0067】
ついで、施術者の制御信号によって、コントローラ380は、基準負圧可変装置360の駆動可否を判断する(S40)。
【0068】
基準負圧可変装置360の駆動が行われる場合、基準負圧の変動負圧を1秒当たり、0.5~50回、すなわち、0.5~50Hzの範囲内で、負圧パルスの波長と振幅を選択し(S50)、該当負圧パルスの振幅によって、標的部位の皮膚が上下方向に流動するので、皮膚のマッサージが行われる(S60)。皮膚の上下動の間隔を大きくするためには、前記負圧パルスの振幅を大きくすればよく、皮膚の上下動の間隔を小さくするためには、前記負圧パルスの振幅を小さくすればよい。負圧パルスの波長、すなわち、変動負圧の1秒当たりの変動回数を少なくすると、皮膚の上下動の速度が遅くなり、それに対して、1秒当たりの変動回数が増加すると、皮膚の上下動の速度が速くなる。
【0069】
また、変動負圧の秒当たりの回数は、圧力可変弁361のパルス動作タイミングをコントロールして制御することができる。ここで、真空キャップ310と皮膚との接触部の間に密着不良が生じて、空洞部315内の基準負圧が、所定の設定範囲をずらすと、真空装置350が自動に稼働されて、基準負圧を維持しなければならない。
【0070】
ついで、施術者の制御信号によって、コントローラ380は、治療ユニットを構成するRF電極320、321を駆動するか否かを判断する(S70)。
【0071】
RF電極などの電磁波を用いる治療ユニットの駆動が行われると、周波数の強さ、照射時間、照射週期などの治療モードが選択され(S80)、該当治療モードの選択によって、RF高周波を皮膚に照射して、脂肪組織を分解させるか、皮膚の病変を治療する(S90)。
【0072】
ついで、治療が終わると、負圧が解除(S100)され、施術者は、真空キャップ310をハンドピースの第1の胴部410から取り外す(S110)。
【0073】
一方、ステップS40において、基準負圧可変装置360の駆動が選択されないと、ステップS70に移行する。
【0074】
図12では、便宜上、基準負圧可変装置360の駆動を先に判断し、治療ユニットを構成するRF電極320、321の駆動を後に判断することと説明した。前記治療ユニットと基準負圧可変装置の駆動は、前述した駆動プロセスに限定されず、それぞれ単独に駆動するか、同時駆動、交互駆動のいずれか1つの駆動を選択して動作するように構成することができる。
【0075】
治療ユニットは、電磁波を用いるRF電極320、321の代わりに、冷温熱装置、光線を用いる装置などを使用しても良い。
【0076】
以上で説明した本発明の真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピース300は、前記例示した図面構造及び説明内容に限定されるものではなく、本発明の請求範囲と目的の範疇内で多様に変形して実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピースは、皮膚美容、皮膚疾患、肥満治療に用いられる医療機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
11、315;空洞部
12、13、320、321;RF電極
15、245;皮膚
100、200;真空キャップを用いた治療装置
220、310;真空キャップ
242;脂肪組織
242a;セルライト顆粒層
300;真空キャップの着脱及び角度調節が可能なハンドピース
311;チューブコネクタ
331;温度センサ
350;真空装置
360;基準負圧可変装置
361;圧力可変弁
380;コントローラ
410;第1の胴部
415;回転軸
420;第2の胴部
430;真空キャップ接続ユニット
431;真空チューブ
432;真空チューブ結束具
433、434;給電用コネクタ
435;クリップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】