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特表2023-537386抗体ライブラリーを作製するための方法および組成物ならびにそれから単離された抗体
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  • 特表-抗体ライブラリーを作製するための方法および組成物ならびにそれから単離された抗体 図1
  • 特表-抗体ライブラリーを作製するための方法および組成物ならびにそれから単離された抗体 図2
  • 特表-抗体ライブラリーを作製するための方法および組成物ならびにそれから単離された抗体 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-31
(54)【発明の名称】抗体ライブラリーを作製するための方法および組成物ならびにそれから単離された抗体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20230824BHJP
   C40B 40/06 20060101ALI20230824BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
C12N15/13
C40B40/06 ZNA
C07K16/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509479
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 US2021045360
(87)【国際公開番号】W WO2022035834
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】63/063,647
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521358671
【氏名又は名称】インテグラル・モレキュラー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】トレヴァー・エー・バーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・ビー・ラッカー
(72)【発明者】
【氏名】ロス・エス・チャンバーズ
【テーマコード(参考)】
4H045
【Fターム(参考)】
4H045AA11
4H045AA20
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書で提供される実施形態は、抗体、抗体のライブラリーおよびニワトリ中で生産された抗体のライブラリーの生産および同定ならびにそれを使用する方法を対象とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのヒトフレームワーク領域(FR)によって挟まれたニワトリ相補性決定領域(CDR)をコードする核酸分子の集団を生産する方法であって、
a)ニワトリ相補性決定領域(CDR)をコードする核酸分子の増幅された集団を生産するのに十分な条件下で、第1のプライマーおよび第2のプライマーを用いて、ニワトリ抗体をコードする核酸分子の第1の集団を増幅することを含み、
第1のプライマーが、ニワトリ抗体のCDRの上流または下流の領域にアニーリングし、第1のプライマーが、CDRのすぐ上流または下流にある位置で、認識部位から離れた距離で切断する制限酵素によって認識される制限酵素認識部位を含有し;
第1のプライマーがCDRの上流でアニーリングする場合、第2のプライマーが、ニワトリ抗体のCDRの下流の距離にある領域にアニーリングする;または
第1のプライマーがCDRの下流でアニーリングする場合、第2のプライマーが、ニワトリ抗体のCDRの上流の距離にある領域にアニーリングする、方法。
【請求項2】
核酸分子の増幅された集団を、前記制限酵素で消化して、CDRをコードする配列のすぐ上流に5’突出部を生産して、消化産物を生産することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記消化産物を、ヒト抗体の第1のFRをコードする核酸配列にライゲートすることによって第1のライゲーション産物を製造することをさらに含み、
ヒト抗体の前記第1のFRが、第1のFRが第1の消化産物の上流にライゲートされるように前記消化産物の突出領域と適合する突出領域をその3’末端に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
制限酵素が、CDR境界から1、2、3、4、または5ヌクレオチドである位置で切断し、境界が、CDRをコードする配列の内部または外部のいずれかにある、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
制限酵素が、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドである位置で切断する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
制限酵素が、認識部位から少なくとも10ヌクレオチド離れた位置で切断する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
制限酵素が、CDR境界から1、2、3、4、または5ヌクレオチドであり、認識部位から少なくとも10ヌクレオチド離れた位置で切断する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
制限酵素が、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドであり、認識部位から少なくとも10ヌクレオチド離れた位置で切断する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第2のプライマーが、ニワトリ抗体のCDRの下流または上流の、mRNA転写物の長さよりも大きくない距離にある領域にアニーリングする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
すぐ下流にある5’突出部が、CDR境界から1、2、3、4、または5ヌクレオチドである、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
すぐ下流にある5’突出部が、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ニワトリCDRをコードする核酸分子の第2の増幅された集団を生産するのに十分な条件下で、第3のプライマーおよび第4のプライマーを用いて、増幅された核酸分子の第2の集団を製造することをさらに含み、
第3のプライマーが、第1のライゲーション産物中に存在するCDRをコードする核酸配列のすぐ下流の領域にアニーリングし、第3のプライマーが、CDRのすぐ下流にあり、認識部位から離れた距離にある位置で切断する制限酵素によって認識される制限酵素認識部位を含有し;
第4のプライマーが、ライゲーション産物中のCDRの上流にある距離にある、第1のライゲーション産物中に存在する第1のFRをコードする核酸分子の一部にアニーリングする、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
制限酵素が、CDR境界から1、2、3、4、または5ヌクレオチドである位置で切断する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
制限酵素が、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドである位置で切断する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
制限酵素が、認識部位から少なくとも10ヌクレオチド離れた位置で切断する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
制限酵素が、CDR境界から1、2、3、4、または5ヌクレオチドであり、認識部位から少なくとも10ヌクレオチド離れた位置で切断する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
制限酵素が、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドであり、認識部位から少なくとも10ヌクレオチド離れた位置で切断する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第2のプライマーが、ニワトリ抗体のCDRの下流の、mRNA転写物の長さよりも大きくない距離にある領域にアニーリングする、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
核酸分子の第2の増幅された集団を、前記制限酵素で消化して、CDRをコードする配列のすぐ下流に5’突出部を生産して、第2の消化産物を生産することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
すぐ下流にある5’突出部が、CDR境界から1、2、3、4、または5ヌクレオチドである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
すぐ下流にある5’突出部が、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
第2の消化産物を、ヒト抗体の第2のFRをコードする核酸配列にライゲートして、第2のライゲーション産物を生産することを含み、前記第2のFRは、第2のFRが、第2の消化産物の下流にライゲートされるように、前記第2の消化産物の突出領域と適合する突出領域をその5’末端に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
ヒト抗体の2つのFRによって挟まれたCDRをコードする核酸分子の集団を生産するのに十分な条件下で、ヒト抗体の第1のFRにアニーリングする第1のFWプライマーおよびヒト抗体の第2のFRにアニーリングする第2のプライマーを用いて、第2のライゲーション産物を増幅することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
CDRが、ニワトリCDR1、CDR2、またはCDR3である、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
FRが、ヒトFR1、FR2、FR3、またはFR4である、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
第1のFRがヒトFR1であり、第2のFRがヒトFR2である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
第1のFRがヒトFR2であり、第2のFRがヒトFR3である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
第1のFRがヒトFR3であり、第2のFRがヒトFR4である、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
制限酵素がIIS型酵素である、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
IIS型酵素が、認識配列から少なくとも10塩基を超えて離れた距離で切断する任意のIIS型酵素である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
IIS型酵素が、認識配列から14~21塩基離れた距離で切断する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
IIS型酵素が、AcuI、BpmI、BpuEI、BsgI、MmeI、またはNmeAllIである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
それぞれのCDRがヒトフレームワーク領域によって挟まれた、ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸を生産することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
それぞれのCDRがヒトフレームワーク領域によって挟まれた、ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸を生産することが、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法に従って生産された第1、第2、および第3のライゲーション産物の重複PCRを実行することを含み、
第1のライゲーション産物が、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR1をコードする核酸分子を含み;
第2のライゲーション産物が、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR2をコードする核酸分子を含み;
第3のライゲーション産物が、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR3をコードする核酸分子を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
それぞれのCDRがヒトフレームワーク領域によって挟まれた、ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸を生産することが、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法に従って生産された第1、第2、および第3のライゲーション産物をライゲートすることを含み、
第1のライゲーション産物が、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR1をコードする核酸分子を含み;
第2のライゲーション産物が、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR2をコードする核酸分子を含み;
第3のライゲーション産物が、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR3をコードする核酸分子を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸分子が、
FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有する、請求項33~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸分子が、抗体可変領域をコードする、請求項33~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
第1のプライマーおよび第3のプライマーが、式:
5’-(N)xR(N)n-3’
(式中、
Rは、認識配列であり;
Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基であり;
xは、0~11であり;
nは、1~21である)
を含む核酸配列を含む、請求項1~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
Rが、CTGAAG、CGATC、ACNNNNGTAYC、GAAGAC、GCAGC、CCATC、ACGGC、CGANNNNNNTGC、GTATCC、GTCTC、ACCTGC、ACTGGG、CTGGAG、CTTGAG、GGTCTC、ACNNNNNCTCC、GAGGAG、GTGCAG、GTCTC、CGTCTC、GGGAC、GAATGC、CTCAG、ACCTGC、GCTCTTC、GCAATG、ACTGG、GCGATG、GGATG、GCAGTG、CAGTG、CAANNNNNGTGG、CTCTTC、GGCGGA、CGTCTC、CCCGC、GGATG、GACGC、GGTGA、CCTTC、GAAGA、GAGTC、TCCRAC、CCTC、GCCGAG、GAGTC、GCTCTTC、またはGCATCである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはH(式中、KはGまたはT/Uであり;MはAまたはCであり;RはAまたはGであり;YはCまたはT/Uであり;SはCまたはGであり;WはAまたはT/Uであり;BはCまたはGまたはT/Uであり;DはAまたはGまたはT/Uであり;AまたはCまたはT/Uである)である、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
第1のプライマーおよび第3のプライマーが、5’-CTGAAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号45)の配列(式中、Nは、天然に存在する、天然には存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)を含む核酸配列を含む、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
第1のプライマーおよび第3のプライマーが、5’-CTGGAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’の配列(式中、Nは、天然に存在する、天然には存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)を含む核酸配列を含む、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
第1のプライマーおよび第3のプライマーが、5’-CTTGAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’の配列(式中、Nは、天然に存在する、天然には存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)を含む核酸配列を含む、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
第1のプライマーおよび第3のプライマーが、5’-GTGCAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号62)の配列(式中、Nは、天然に存在する、天然には存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)を含む核酸配列を含む、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
第1のプライマーおよび第3のプライマーが、5’-TCCRACNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN-3’の配列(式中、Nは、天然に存在する、天然には存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)を含む核酸配列を含む、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
第1のプライマーおよび第3のプライマーが、5’-GCCGAGNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN-3’の配列(式中、Nは、天然に存在する、天然には存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)を含む核酸配列を含む、請求項1~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子のライブラリーを生産する方法であって、
i)ヒトフレームワーク領域1(FR1)およびヒトフレームワーク領域2(FR2)をコードする核酸配列によって挟まれた、ニワトリ相補性決定領域1(CDR1)ドメインをコードする核酸分子の第1のライブラリー;
ii)ヒトフレームワーク領域2(FR2)およびヒトフレームワーク領域3(FR3)をコードする核酸配列によって挟まれた、ニワトリ相補性決定領域2(CDR2)ドメインをコードする核酸分子の第2のライブラリー;
iii)ヒトフレームワーク領域3(FR3)およびヒトフレームワーク領域4(FR4)をコードする核酸配列によって挟まれた、ニワトリ相補性決定領域3(CDR3)ドメインをコードする核酸分子の第3のライブラリー
を組み合わせることを含み、
抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子が、
FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有する、方法。
【請求項51】
組み合わせることが、核酸分子の第1、第2、および第3のライブラリーをライゲートして、抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子を生産することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
組み合わせることが、核酸分子の第1、第2、および第3のライブラリーを用いた重複PCRを実行して、抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子を生産することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
請求項1~52のいずれか1項に従って製造された核酸分子のライブラリー。
【請求項54】
ライブラリーが核酸分子の集団を含み、集団の複数の核酸分子が、
FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有するポリペプチドをコードする、請求項53に記載の核酸分子のライブラリー。
【請求項55】
ニワトリ抗体のCDRのすぐ上流または下流の領域にアニーリングするオリゴヌクレオチドであって、認識部位の下流の距離で切断する制限酵素によって認識される制限酵素認識部位を含み、式:
5’-(N)xR(N)n-3’
(式中、
Rは、認識配列であり;
Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基であり;
xは、0~11であり;
nは、1~21である)
を含む核酸配列の配列を含む、オリゴヌクレオチド。
【請求項56】
配列番号1~85のいずれか1つ、すなわちそこに記載の配列を含むオリゴヌクレオチドまたはプライマーセット。
【請求項57】
FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有する核酸分子によってコードされるポリペプチドであって、核酸分子が請求項1~52のいずれか1項に従って製造された、ポリペプチド。
【請求項58】
標的に対する結合パートナーを同定する方法であって、標的と、請求項1~52のいずれか1項に記載の方法に従って製造されたライブラリーによってコードされるタンパク質のライブラリーとを接触させることを含む、方法。
【請求項59】
結合パートナーが、scFvのような抗体である、請求項245に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、抗体ライブラリーを作製するための方法および組成物ならびにそれから単離された抗体に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
一部の実施形態では、2つのヒトフレームワーク領域(FR)によって挟まれたニワトリ相補性決定領域(CDR)をコードする核酸分子の集団を生産する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、a)ニワトリ相補性決定領域(CDR)をコードする核酸分子の増幅された集団を生産するのに十分な条件下で第1のプライマーおよび第2のプライマーを用いて、ニワトリ抗体をコードする核酸分子の第1の集団を増幅することを含み、第1のプライマーは、ニワトリ抗体のCDRの上流の領域にアニーリングし、第1のプライマーは、CDRのすぐ上流にあり、認識部位から離れた距離にある位置で切断する制限酵素によって認識される制限酵素認識部位を含有し;第2のプライマーは、ニワトリ抗体のCDRの下流の距離にある領域にアニーリングする。一部の実施形態では、制限部位は、核酸の第1の集団を生産するためにCDRの上流にあってもよい。一部の実施形態では、制限部位は、核酸の第1の集団を生産するためにCDRの下流にあってもよい。
【0003】
一部の実施形態では、抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子のライブラリーを生産する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、i)ヒトフレームワーク領域1(FR1)およびヒトフレームワーク領域2(FR2)をコードする核酸配列によって挟まれた、ニワトリ相補性決定領域1(CDR1)ドメインをコードする核酸分子の第1のライブラリー;ii)ヒトフレームワーク領域2(FR2)およびヒトフレームワーク領域3(FR3)をコードする核酸配列によって挟まれた、ニワトリ相補性決定領域2(CDR2)ドメインをコードする核酸分子の第2のライブラリー;iii)ヒトフレームワーク領域3(FR3)およびヒトフレームワーク領域4(FR4)をコードする核酸配列によって挟まれた、ニワトリ相補性決定領域3(CDR3)ドメインをコードする核酸分子の第3のライブラリーを組み合わせることを含み、抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子は、
FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有する。
【0004】
一部の実施形態では、ライブラリーが本明細書で提供される方法に従って製造される、核酸分子のライブラリーが提供される。
【0005】
一部の実施形態では、ニワトリのCDRのすぐ上流の領域にアニーリングするオリゴヌクレオチドが提供される。一部の実施形態では、ニワトリ抗体のCDRのすぐ上流の領域にアニーリングするオリゴヌクレオチドであって、認識部位の下流の距離で切断する制限酵素によって認識される制限酵素認識部位を含む、前記オリゴヌクレオチドが提供される。
【0006】
一部の実施形態では、
FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有する核酸分子であって、
本明細書で提供される方法に従って製造される前記核酸分子によってコードされるポリペプチドが提供される。
【0007】
一部の実施形態では、標的に対する結合パートナーを同定する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、標的と、本明細書で提供される方法に従って製造されたライブラリーによってコードされるタンパク質のライブラリーとを接触させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】プライマー設計の非限定例を例示する図である。下線付きの配列は、IIS型制限酵素AcuIのための認識部位を表す。
図2】ニワトリ抗体からCDRを抽出し、隣接するヒトフレームワーク領域中にCDRを埋め込むための非限定的プロセスを例示する図である。
図3】本明細書で提供される実施形態に従って生産される抗体に由来するモノクローナルscFv結合を例示する図である。91の親和性成熟したscFvクローンの標的結合が例示される。これらのscFv抽出物を、その標的抗原および対照としての第2の非関連膜タンパク質に対して試験した。棒グラフは、scFv抽出物の標的抗原への結合を描写する。点線は、20倍のシグナル:バックグラウンド比(標的結合)を表す。50%を超えるクローンが、非関連タンパク質への結合よりも20倍高い標的結合を示した。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、本文が別途明確に記述しない限り、複数の指示対象を含む。
【0010】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprise)」、「有する(have)」、「有する(has)」および「含む(include)」ならびにそれらの同根語は、「限定されるものではないが、含む(including but not limited to)」を意味する。種々の組成物、および方法が、種々の成分または工程を「含む(comprising)」ことに関して記載されるが(「限定されるものではないが、含む(including, but not limited to)」を意味すると解釈される)、組成物、方法、およびデバイスはまた、種々の成分および工程「から本質的になっても(consist essentially of)」または「からなっても(consist of)」よく、そのような用語は、本質的に閉じたメンバー群を規定すると解釈されるべきである。
【0011】
本明細書で提供される実施形態は、部分的には、CDRをコードする核酸分子のライブラリーを生産する方法を対象とする。これらのCDRは、例えば、ニワトリ中で産生される抗体に由来してもよい。一部の実施形態では、ライブラリーは、それぞれのCDRがニワトリ抗体に由来する、3つのCDRを含むポリペプチドをコードする核酸分子を含む。
【0012】
例えば、一部の実施形態では、2つのヒトフレームワーク領域(FR)によって挟まれたニワトリ相補性決定領域(CDR)をコードする核酸分子の集団を生産する方法が提供される。
【0013】
一部の実施形態では、方法は、a)ニワトリ相補性決定領域(CDR)をコードする核酸分子の増幅された集団を生産するのに十分な条件下で第1のプライマーおよび第2のプライマーを用いて、ニワトリ抗体をコードする核酸分子の第1の集団を増幅することを含み、第1のプライマーは、ニワトリ抗体のCDRの上流の領域にアニーリングし、第1のプライマーは、CDRのすぐ上流にある位置で、認識部位から離れた距離で切断する制限酵素によって認識される制限酵素認識部位を含有し;第2のプライマーは、ニワトリ抗体のCDRの下流の距離にある領域にアニーリングする。一部の実施形態では、すぐ上流での切断は、CDR境界から約1、2、3、4、または5ヌクレオチドである。好ましい実施形態では、すぐ上流での切断は、CDR境界から約1、2、または3ヌクレオチドである。一部の実施形態では、第2のプライマーは、ニワトリ抗体のCDRの下流のmRNA転写物の長さよりも大きくない距離にある領域にアニーリングする。
【0014】
一部の実施形態では、方法は、核酸分子の増幅された集団を、前記制限酵素で消化して、CDRをコードする配列のすぐ上流(例えば、1、2、3、または4ヌクレオチド塩基)に5’突出部を生産して、消化産物を生産することをさらに含む。好ましい実施形態では、CDRをコードする配列のすぐ下流にある5’突出部は、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドである。一部の実施形態では、結合部位/突出部はまた、CDR中の残基であってもよい。例えば、CDR-L3およびCDR-H3のための5’結合部位は、CDRの上流のシステインである。一部の実施形態では、これは、CDRの命名規則に応じてCDRの一部と考えられる。したがって、一部の実施形態では、突出部は、CDR境界から1(-1)または2(-2)ヌクレオチド外側である。
【0015】
一部の実施形態では、方法は、前記消化産物を、ヒト抗体の第1のFRをコードする核酸配列にライゲートすることによって第1のライゲーション産物を製造することを含み、ヒト抗体の前記第1のFRは、第1のFRが第1の消化産物の上流にライゲートされるような、前記消化産物の突出領域と適合するその3’末端に突出領域を含む。
【0016】
一部の実施形態では、方法は、ニワトリCDRをコードする核酸分子の第2の増幅された集団を生産するのに十分な条件下で、第3のプライマーおよび第4のプライマーを用いて増幅された核酸分子の第2の集団を製造することをさらに含み、第3のプライマーは、第1のライゲーション産物中に存在するCDRをコードする核酸配列のすぐ下流の領域にアニーリングし、第3のプライマーは、CDRのすぐ下流にあり、認識部位から離れた距離にある位置で切断する制限酵素によって認識される制限酵素認識部位を含有し;第4のプライマーは、ライゲーション産物中のCDRの上流の距離にある第1のライゲーション産物中に存在する第1のFRをコードする核酸分子の一部にアニーリングする。一部の実施形態では、すぐ下流にある制限酵素切断部位は、CDR境界から約1、2、3、4、または5ヌクレオチドである。好ましい実施形態では、すぐ下流にある制限酵素切断部位は、CDR境界から約1、2、または3ヌクレオチドである。一部の実施形態では、第4のプライマーは、ライゲーション産物中のCDRの上流の距離にある第1のライゲーション産物中に存在する第1のFRをコードする核酸分子の一部にアニーリングし、その距離は、第1のFRの長さによって決定される。一部の実施形態では、第1のFRは、FR1、FR2、またはFR3である。
【0017】
一部の実施形態では、方法は、核酸分子の第2の増幅された集団を、前記制限酵素で消化して、CDRをコードする配列のすぐ下流に5’突出部を生産し、第2の消化産物を生産することを含む。一部の実施形態では、CDRをコードする配列のすぐ下流にある5’突出部は、CDR境界から約1、2、3、4、または5ヌクレオチドである。好ましい実施形態では、CDRをコードする配列のすぐ下流にある5’突出部は、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドである。
【0018】
一部の実施形態では、方法は、第2の消化産物を、ヒト抗体の第2のFRをコードする核酸配列にライゲートして、第2のライゲーション産物を生産することを含み、前記第2のFRは、第2のFRが、第2の消化産物の下流にライゲートされるように、前記第2の消化産物の突出領域と適合する突出領域をその5’末端に含む。
【0019】
一部の実施形態では、方法は、ヒト抗体の2つのFRによって挟まれたCDRをコードする核酸分子の集団を生産するのに十分な条件下で、ヒト抗体の第1のFRにアニーリングする第1のFWプライマーおよびヒト抗体の第2のFRにアニーリングする第2のプライマーを用いて、第2のライゲーション産物を増幅することを含む。
【0020】
一部の実施形態では、CDRは、ニワトリCDR1、CDR2、またはCDR3である。一部の実施形態では、フレームワーク領域(FR)は、ヒトFR1、FR2、FR3、またはFR4である。一部の実施形態では、第1のFRはヒトFR1であり、第2のFRはヒトFR2である。一部の実施形態では、第1のFRはヒトFR2であり、第2のFRはヒトFR3である。一部の実施形態では、第1のFRはヒトFR3であり、第2のFRはヒトFR4である。
【0021】
制限酵素は、任意の好適な制限酵素であってよい。一部の実施形態では、制限酵素は、IIS型酵素である。一部の実施形態では、IIS型酵素は、AcuI、BpmI、BpuEI、BsgI、MmeI、またはNmeAllIである。一部の実施形態では、IIS型酵素は、AcuI、AlwI、Alw26I、BaeI、BbsI、BbsI-HF、BbvI、BccI、BceAI、BcgI、BciVI、BcoDI、BfuAI、BmrI、BmsI、BpiI、BpmI、BpuEI、BsaI、BsaI-HF(登録商標)v2(BsaI部位で切断するIIS型制限酵素)、BsaXI、BseRI、BseGI、BsgI、BsmAI、BsmBI、BsmBI-v2、BsmFI、BsmI、BspCNI、BspMI、BspQI、BsrDI、BsrI、BtgZI、BtsCI、BtsI-v2、BtsIMutI、CspCI、EarI、EciI、Eco31I、Esp3I、FauI、FokI、HgaI、HphI、HpyAV、LguI、MboII、MlyI、MmeI、MnlI、MVA1269I、NmeAIII、PleI、SapI、またはSfaNIである。
【0022】
一部の実施形態では、方法は、それぞれのCDRがヒトフレームワーク領域によって挟まれた、ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸を生産することをさらに含む。一部の実施形態では、それぞれのCDRがヒトフレームワーク領域によって挟まれた、ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸を生産する工程は、本明細書で提供される方法に従って生産される第1、第2、および第3のライゲーション産物の重複PCRを実行することを含み、第1のライゲーション産物は、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR1をコードする核酸分子を含み;第2のライゲーション産物は、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR2をコードする核酸分子を含み;第3のライゲーション産物は、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR3をコードする核酸分子を含む。
【0023】
一部の実施形態では、それぞれのCDRがヒトフレームワーク領域によって挟まれた、ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸を生産する工程は、本明細書で提供される方法に従って生産される第1、第2、および第3のライゲーション産物をライゲートすることを含み、第1のライゲーション産物は、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR1をコードする核酸分子を含み;第2のライゲーション産物は、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR2をコードする核酸分子を含み;第3のライゲーション産物は、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR3をコードする核酸分子を含む。
【0024】
一部の実施形態では、ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸分子は、
FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有する。
【0025】
一部の実施形態では、ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸分子は、抗体可変領域をコードする。
【0026】
一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、式:
5’-(N)xR(N)n-3’
(式中、
Rは、認識配列であり;
Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基であり;
xは、0~11であり;
nは、1~21である)
を含む核酸配列を含む。
【0027】
一部の実施形態では、Rは、CTGAAG、CGATC、ACNNNNGTAYC、GAAGAC、GCAGC、CCATC、ACGGC、CGANNNNNNTGC、GTATCC、GTCTC、ACCTGC、ACTGGG、CTGGAG、CTTGAG、GGTCTC、ACNNNNNCTCC、GAGGAG、GTGCAG、GTCTC、CGTCTC、GGGAC、GAATGC、CTCAG、ACCTGC、GCTCTTC、GCAATG、ACTGG、GCGATG、GGATG、GCAGTG、CAGTG、CAANNNNNGTGG、CTCTTC、GGCGGA、CGTCTC、CCCGC、GGATG、GACGC、GGTGA、CCTTC、GAAGA、GAGTC、TCCRAC、CCTC、GCCGAG、GAGTC、GCTCTTC、またはGCATCである。式5’-R(N)n-3’(式中、Rは、認識配列であり、Nは、任意の核酸塩基であり、n=1~21である)。一部の実施形態では、Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である。一部の実施形態では、Nは、C、G、A、T、またはUのような、天然に存在する核酸塩基である。一部の実施形態では、天然に存在しない核酸塩基は、DNA二重鎖を安定化する。一部の実施形態では、天然に存在しない核酸塩基は、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである。一部の実施形態では、縮重核酸塩基は、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである。一部の実施形態では、Kは、GまたはT/Uである。一部の実施形態では、Mは、AまたはCである。一部の実施形態では、Rは、AまたはGである。一部の実施形態では、Yは、CまたはT/Uである。一部の実施形態では、Sは、CまたはGである。一部の実施形態では、Wは、AまたはT/Uである。一部の実施形態では、Bは、CまたはGまたはT/Uである。一部の実施形態では、Dは、AまたはGまたはT/Uである。一部の実施形態では、Hは、AまたはCまたはT/Uである。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-CTGAAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号45)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-CGATCNNNN-3’(配列番号46)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-NNNNNNNNNNACNNNNGTAYCNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号47)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GAAGACNN-3’(配列番号48)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GCAGCNNNNNNNN-3’(配列番号49)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-CCATCNNNN-3’(配列番号50)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-ACGGCNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号51)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-NNNNNNNNNNCGANNNNNNTGCNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号52)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GTATCCNNNNNN-3’(配列番号53)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GTCTCN-3’(配列番号49)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-ACCTGCNNNN-3’(配列番号55)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-ACTGGGNNNNN-3’(配列番号56)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-CTGGAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号57)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-CTTGAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号58)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GGTCTCN-3’(配列番号59)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-NNNNNNNNNACNNNNNCTCCNNNNNNNNNN-3’(配列番号60)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GAGGAGNNNNNNNNNN-3’(配列番号61)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GTGCAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号62)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GTCTCN-3’(配列番号49)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-CGTCTCN-3’(配列番号63)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GGGACNNNNNNNNNN-3’(配列番号64)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GAATGCN-3’(配列番号65)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-CTCAGNNNNNNNNN-3’(配列番号66)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-ACCTGCNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GCTCTTCN-3’(配列番号67)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GCAATGNN-3’(配列番号68)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-ACTGGN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GCGATGNNNNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GGATGNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GCAGTGNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-CAGTGNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-NNNNNNNNNNNCAANNNNNGTGGNNNNNNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-CTCTTCN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GGCGGANNNNNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-CGTCTCN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-CCCGCNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GGATGNNNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GACGCNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GGTGANNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-CCTTCNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GAAGANNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GAGTCNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-TCCRACNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-CCTCNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GCCGAGNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GAGTCNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GCTCTTCN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、第1のプライマーおよび第3のプライマーは、5’-GCATCNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。
【0028】
また、抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子のライブラリーを生産する方法も、本明細書で提供される。一部の実施形態では、方法は、i)ヒトフレームワーク領域1(FR1)およびヒトフレームワーク領域2(FR2)をコードする核酸配列によって挟まれた、ニワトリ相補性決定領域1(CDR1)ドメインをコードする核酸分子の第1のライブラリー;ii)ヒトフレームワーク領域2(FR2)およびヒトフレームワーク領域3(FR3)をコードする核酸配列によって挟まれた、ニワトリ相補性決定領域2(CDR2)ドメインをコードする核酸配列の第2のライブラリー;iii)ヒトフレームワーク領域3(FR3)およびヒトフレームワーク領域4(FR4)をコードする核酸配列によって挟まれた、ニワトリ相補性決定領域3(CDR3)ドメインをコードする核酸配列の第3のライブラリーを組み合わせることを含み、抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子は、
FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有する。
【0029】
一部の実施形態では、組み合わせることは、核酸分子の第1、第2、および第3のライブラリーをライゲートして、抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子を生産することを含む。一部の実施形態では、組み合わせることは、核酸分子の第1、第2、および第3のライブラリーを用いた重複PCRを実行して、抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子を生産することを含む。一部の実施形態では、これは、連続して行われる。
【0030】
また、本明細書で提供される方法のいずれか1つに従って製造される核酸分子のライブラリーも、本明細書で提供される。一部の実施形態では、ライブラリーは、核酸分子の集団を含み、集団の複数の核酸分子は、
FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有するポリペプチドをコードする。
【0031】
一部の実施形態では、ライブラリーは、異なるポリペプチドをコードするライブラリー中に存在する少なくとも2つの核酸分子を含む。
【0032】
一部の実施形態では、ニワトリ抗体のCDRのすぐ上流の領域にアニーリングするオリゴヌクレオチドであって、認識部位の下流の距離で切断する制限酵素によって認識される制限酵素認識部位を含む、前記オリゴヌクレオチドが提供される。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、式:
5’-(N)xR(N)n-3’
(式中、
Rは、認識配列であり;
Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基であり;
xは、0~11であり;
nは、1~21である)
を含む核酸配列の配列を含む。
一部の実施形態では、Rは、CTGAAG、CGATC、ACNNNNGTAYC、GAAGAC、GCAGC、CCATC、ACGGC、CGANNNNNNTGC、GTATCC、GTCTC、ACCTGC、ACTGGG、CTGGAG、CTTGAG、GGTCTC、ACNNNNNCTCC、GAGGAG、GTGCAG、GTCTC、CGTCTC、GGGAC、GAATGC、CTCAG、ACCTGC、GCTCTTC、GCAATG、ACTGG、GCGATG、GGATG、GCAGTG、CAGTG、CAANNNNNGTGG、CTCTTC、GGCGGA、CGTCTC、CCCGC、GGATG、GACGC、GGTGA、CCTTC、GAAGA、GAGTC、TCCRAC、CCTC、GCCGAG、GAGTC、GCTCTTC、またはGCATCである。一部の実施形態では、Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である。一部の実施形態では、Nは、C、G、A、T、またはUのような、天然に存在する核酸塩基である。一部の実施形態では、天然に存在しない核酸塩基は、DNA二重鎖を安定化する。一部の実施形態では、天然に存在しない核酸塩基は、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである。一部の実施形態では、縮重核酸塩基は、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである。一部の実施形態では、Kは、GまたはT/Uである。一部の実施形態では、Mは、AまたはCである。一部の実施形態では、Rは、AまたはGである。一部の実施形態では、Yは、CまたはT/Uである。一部の実施形態では、Sは、CまたはGである。一部の実施形態では、Wは、AまたはT/Uである。一部の実施形態では、Bは、CまたはGまたはT/Uである。一部の実施形態では、Dは、AまたはGまたはT/Uである。一部の実施形態では、Hは、AまたはCまたはT/Uである。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-CTGAAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号45)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-CGATCNNNN-3’(配列番号46)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-NNNNNNNNNNACNNNNGTAYCNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号47)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GAAGACNN-3’(配列番号48)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GCAGCNNNNNNNN-3’(配列番号49)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-CCATCNNNN-3’(配列番号50)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-ACGGCNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号51)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-NNNNNNNNNNCGANNNNNNTGCNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号52)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GTATCCNNNNNN-3’(配列番号53)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GTCTCN-3’(配列番号49)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-ACCTGCNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-ACTGGGNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-CTGGAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-CTTGAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GGTCTCN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-NNNNNNNNNACNNNNNCTCCNNNNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GAGGAGNNNNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GTGCAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号62)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GTCTCN-3’(配列番号49)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-CGTCTCN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GGGACNNNNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GAATGCN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-CTCAGNNNNNNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-ACCTGCNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GCTCTTCN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GCAATGNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-ACTGGN-3’(配列番号69)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GCGATGNNNNNNNNNN-3’(配列番号70)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GGATGNN-3’(配列番号71)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GCAGTGNN-3’(配列番号72)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-CAGTGNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-NNNNNNNNNNNCAANNNNNGTGGNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号73)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-CTCTTCN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GGCGGANNNNNNNNNNN-3’(配列番号74)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-CGTCTCN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-CCCGCNNNN-3’(配列番号75)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GGATGNNNNNNNNN-3’(配列番号76)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GACGCNNNNN-3’(配列番号77)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GGTGANNNNNNNN-3’(配列番号78)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-CCTTCNNNNNN-3’(配列番号79)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GAAGANNNNNNNN-3’(配列番号80)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GAGTCNNNNN-3’(配列番号81)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-TCCRACNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号82)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-CCTCNNNNNNN-3’(配列番号83)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GCCGAGNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号84)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GAGTCNNNN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GCTCTTCN-3’の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’-GCATCNNNNN-3’(配列番号85)の配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、本明細書で提供または記載される通りである。
【0033】
一部の実施形態では、
FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有する核酸分子によってコードされるポリペプチドが提供される。一部の実施形態では、核酸分子は、本明細書で提供されるいずれかの方法に従って製造される。
【0034】
一部の実施形態では、ヒトフレームワークアクセプター断片のような、ライブラリーを作出するために使用されるプライマーセットは、配列番号2の配列、または配列番号2と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、ヒトフレームワークアクセプター断片のような、ライブラリーを作出するために使用されるプライマーセットは、配列番号3の配列、または配列番号3と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、ヒトフレームワークアクセプター断片のような、ライブラリーを作出するために使用されるプライマーセットは、配列番号4の配列、または配列番号4と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、ヒトフレームワークアクセプター断片のような、ライブラリーを作出するために使用されるプライマーセットは、配列番号5の配列、または配列番号5と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、ヒトフレームワークアクセプター断片のような、ライブラリーを作出するために使用されるプライマーセットは、配列番号43の配列、または配列番号43と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、ヒトフレームワークアクセプター断片のような、ライブラリーを作出するために使用されるプライマーセットは、配列番号6の配列、または配列番号6と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、ヒトフレームワークアクセプター断片のような、ライブラリーを作出するために使用されるプライマーセットは、配列番号7の配列、または配列番号7と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、ヒトフレームワークアクセプター断片のような、ライブラリーを作出するために使用されるプライマーセットは、配列番号8の配列、または配列番号8と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、ヒトフレームワークアクセプター断片のような、ライブラリーを作出するために使用されるプライマーセットは、配列番号9の配列、または配列番号9と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。
【0035】
一部の実施形態では、プライマーセットは、配列番号2および配列番号3の配列または配列番号2および/もしくは配列番号3と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、プライマーセットは、配列番号4および配列番号5の配列または配列番号4および/もしくは配列番号5と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、プライマーセットは、配列番号4および配列番号43の配列または配列番号4および/もしくは配列番号43と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、プライマーセットは、配列番号6および配列番号7の配列または配列番号6および/もしくは配列番号7と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、プライマーセットは、配列番号8および配列番号9の配列または配列番号8および/もしくは配列番号9と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。本明細書で提供される配列は5’ビオチン化と共に例示することができるが、ビオチンと類似する機能を実行する他のタグを使用することもできるか、または他の改変型のビオチンを使用することができる。
【0036】
一部の実施形態では、プライマーセットは、CDRセットを生成するために使用することができるフレームワークアクセプター断片を生産するために使用される。一部の実施形態では、4つの異なるヒトフレームワーク領域アクセプター断片が生産される。一部の実施形態では、アクセプター断片の配列は、実施例のセクション中の表3に提供されるように生産される。一部の実施形態では、FR1-CDRH1-FR2断片に対応する一部の実施形態では、フレームワークアクセプター断片は、配列番号10または配列番号10と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含んでもよい。このフレームワークアクセプター断片は、例えば、隣接するフレームワークFR1およびFR2に加えて、ヒトVH3-23生殖系列CDR1領域(CDRH1)を含んでもよい。この断片を、例えば、配列番号2および/もしくは配列番号3を含むプライマーセットまたは配列番号2および/もしくは配列番号3と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一であるプライマーセットを使用して生産することができる。
【0037】
一部の実施形態では、フレームワーク3領域(FR3)に対応してもよいフレームワークアクセプター断片は、配列番号11もしくは配列番号44の配列または配列番号11もしくは配列番号44と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。例えば、この断片は、例えば、FR3領域がヒトVH3-23遺伝子のCDR2領域に接続することができる末端の突出部と共に、単一のフレームワーク領域を含有してもよい。一部の実施形態では、このアクセプター断片は、配列番号4および配列番号5を含むプライマーセットまたは配列番号4および配列番号43を含むプライマーセットまたは配列番号4および/もしくは配列番号5または配列番号4および/もしくは配列番号43と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を使用して生成される。一部の実施形態では、FR3領域の一部を含むアクセプター断片であって、例えば、FR3領域がヒトVH3-23遺伝子のCDR3領域に接続する末端に突出部と共に単一のフレームワーク領域FR3を含有してもよい、アクセプター断片が提供される。この断片は、例えば、配列番号12の配列または配列番号12と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含んでもよい。一部の実施形態では、この断片を、例えば、配列番号6および/もしくは配列番号7を含むプライマーセットまたは配列番号6および/もしくは配列番号7と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一であるプライマーセットを使用して生産することができる。
【0038】
一部の実施形態では、抗体のFR4部分に対応する断片が提供される。一部の実施形態では、断片は、配列番号13の配列または配列番号13と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。一部の実施形態では、この断片を、例えば、配列番号8および/もしくは配列番号9を含むプライマーセットまたは配列番号8および/もしくは配列番号9と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一であるプライマーセットを使用して生産することができる。
【0039】
抗体のCDR2領域は、一部の実施形態では、免疫化されたニワトリのB細胞から生産することができる。一部の実施形態では、CDR2領域は、免疫化されたニワトリのB細胞から誘導された(から抽出された)RNAから製造されたcDNAから増幅される。CDR2断片を、例えば、限定されるものではないが、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号36の配列、または配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号36と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含むプライマーを含む、表4に列挙されるもののような、プライマーを使用して増幅することができる。一部の実施形態では、プライマーセットは、配列番号14の配列、または配列番号14および配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号36の配列のうちの1つと少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列、または配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、もしくは配列番号36のうちの1つと少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列を含む。配列は、ある特定の位置として縮重性をもたらし、縮重核酸塩基は、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはH(式中、KはGまたはT/Uであり;MはAまたはCであり;RはAまたはGであり;YはCまたはT/Uであり;SはCまたはGであり;WはAまたはT/Uであり;BはCまたはGまたはT/Uであり;DはAまたはGまたはT/Uであり;AまたはCまたはT/Uである)である。
【0040】
いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、プライマーのこれらのプールは、できるだけ多くのニワトリ免疫レパートリーをサンプリングするための縮重塩基を含有する。これらのプライマーは、例えば、制限酵素の切断が、ヒトフレームワーク領域アクセプター断片へのライゲーションのための所望の結合点に突出部を残すように配置されたAcuI制限酵素認識部位(表4中のCTGAAG)を含有してもよい。他の制限部位を使用して、同様の突出部を生成することができる。これらのプライマーはまた、例えば、ストレプトアビジン磁気ビーズ上での捕捉およびAcuIを用いた消化による放出のために5’末端上でビオチン化することもできる。5’ビオチンはただの一例であり、ビオチンの代わりに他の結合部分を使用してもよく、公知の捕捉システムと共に使用してもよい。一部の実施形態では、ビオチン(捕捉結合部分)とAcuI認識部位(または他の使用される制限部位)との間のランダムスペーサー配列が、消化効率を改善するために含有される。
【0041】
一部の実施形態では、断片を生産した後、それを、限定されるものではないが、AcuIのような制限酵素で消化して、CDR2がFR3領域に接続する末端に突出部を有するCDR2を生産する。次いで、CDR3断片を、例えば、限定されるものではないが、配列番号11もしくは配列番号44、または配列番号11もしくは配列番号44と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列のような、FR3アクセプター断片にライゲートすることができる。次いで、このライゲーション産物を増幅することができる。生産される増幅産物は、例えば、CDR2がFR2に接続する末端に突出部を有するCDR2-FR3であってもよい。
【0042】
一部の実施形態では、CDR2-FR3断片は、配列番号10の配列または配列番号10と少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、もしくは99%同一である配列(配列番号10)のような、FR1-CDR1-FR2ヒトフレームワーク領域アクセプター断片にライゲートされる。ライゲーション後、ライゲートされた産物、FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3断片を、PCR増幅のための鋳型として使用して、ヒトVH3-23 FR1-CDR1-FR2およびFR3によって挟まれたVH CDR2を生成することができる。次いで、これを、本明細書で提供されるように生産されたCDR3領域と組み合わせることができる。
【0043】
一部の実施形態では、CDR3領域を、免疫化されたニワトリのB細胞から抽出されたRNAから製造されたcDNAから増幅することができる。一部の実施形態では、CD3は、PCRおよび消化反応によって抽出される。次いで、CDR3断片を、ヒトフレームワーク領域アクセプター断片上にライゲートし、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR3を含有する断片を生成することができる。この非限定例は、図2に例示される。一部の実施形態では、使用することができるプライマーとしては、限定されるものではないが、配列番号23~30または37~42を含む配列が挙げられる。一部の実施形態では、プライマーセットは、配列番号28または配列番号42のうちの1つおよび配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号29、配列番号30、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、または配列番号42のうちの1つを含む。一部の実施形態では、プライマーセットは、配列番号28または配列番号42のうちの1つと少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%同一である配列および配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号29、配列番号30、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、または配列番号42のうちの1つと少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%同一である配列を含む。配列は、ある特定の位置として縮重性をもたらし、縮重核酸塩基は、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはH(式中、KはGまたはT/Uであり;MはAまたはCであり;RはAまたはGであり;YはCまたはT/Uであり;SはCまたはGであり;WはAまたはT/Uであり;BはCまたはGまたはT/Uであり;DはAまたはGまたはT/Uであり;AまたはCまたはT/Uである)である。本明細書で提供されるように、プライマーは、制限酵素の切断がヒトフレームワーク領域アクセプター断片へのライゲーションのための所望の結合点に突出部を残すように配置された、限定されるものではないが、AcuI制限酵素認識部位のような、制限酵素認識部位を含有してもよい。これらのプライマーは、ストレプトアビジン磁気ビーズ上での捕捉およびAcuIを用いた消化による放出のために5’末端上でビオチン化することができる。他のタグまたは捕捉試薬を使用して、同様の機能を実行させることができる。一部の実施形態では、ビオチンとAcuI認識部位との間にランダムスペーサー配列を使用して、例えば、消化効率を改善することができる。
【0044】
一部の実施形態では、標的に対する結合パートナーを同定する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、標的と、本明細書で提供される方法に従って製造されたライブラリーによってコードされるタンパク質のライブラリーとを接触させること、および標的に対する結合パートナーを検出することを含む。標的は、任意の標的であってもよい。一部の実施形態では、標的は、複数の膜貫通タンパク質である。一部の実施形態では、標的タンパク質は、リポ粒子のような、ウイルス様粒子の表面上に存在する。複数の膜貫通タンパク質を含むリポ粒子を、任意の方法に従って生成することができる。例えば、米国特許第9,902,765号、第9,213,027号、第8,574,590号、および第8,377,691号があり、それぞれ、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。一部の実施形態では、結合パートナーは、抗体である。一部の実施形態では、抗体は、scFv形式または本明細書で提供される他の形式である。
【0045】
本明細書に記載されるように、本明細書で提供されるライブラリーを使用して、抗体を生産および/または同定することができる。抗体を、治療剤、診断試薬、検出試薬などのような様々な目的のために使用することができる。
【0046】
本明細書で使用される用語「抗体」は、広い意味で、ポリクローナル抗体、マウス、ヒト、ヒト化およびキメラモノクローナル抗体を含むモノクローナル抗体およびScFvまたはヘキサボディのような抗体断片を含む、免疫グロブリンまたは抗体分子を含むことを意味する(全体が参照により本明細書に組み入れられる、PLOS Biology DOI:10.1371/journal.pbio.1002344 January 6,2016)。
【0047】
「コードすること」は、ヌクレオチドの規定の配列(すなわち、rRNA、tRNAおよびmRNA)またはアミノ酸の規定の配列およびそれから生じる生物学的特性を有する生物学的プロセスにおける他のポリマーおよび高分子の合成のための鋳型として役立つ、遺伝子、cDNA、mRNA、またはウイルスRNAのようなポリヌクレオチド中のヌクレオチドの特定の配列の固有の特性を指す。かくして、ある遺伝子は、その遺伝子に対応するmRNAの転写および翻訳が細胞または他の生体系においてタンパク質をもたらす場合、タンパク質をコードする。mRNA配列と同一であり、通常は、配列表に提供されるヌクレオチド配列であるコード鎖と、遺伝子またはcDNAの転写のための鋳型として使用される非コード鎖との両方を、タンパク質またはその遺伝子もしくはcDNAの他の産物をコードすると称することができる。
【0048】
「発現ベクター」とは、発現させようとするヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含む組換えポリヌクレオチドを含むベクターを指す。発現ベクターは、発現のための十分なcis作用性エレメントを含む;発現のための他のエレメントを、宿主細胞によって、またはin vitro発現系において供給することができる。発現ベクターとしては、組換えポリヌクレオチドを組み込むコスミド、プラスミド(例えば、裸の、またはリポソーム中に含有される)およびウイルス(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス)のような、全て当業界で公知のものが挙げられる。一部の実施形態では、発現ベクターは、本明細書に記載されるアルファウイルスである。
【0049】
本明細書で使用される用語「ヒト化抗体」、「操作抗体」、「ヒトフレームワーク適合化」、および「HFA」は、ヒト起源の配列から誘導される可変領域フレームワークを有する抗体を含むことが意図される。さらに、抗体が定常領域を含有する場合、定常領域は、そのようなヒト配列、例えば、ヒト生殖系列配列、または天然に存在する(例えば、アロタイプ)もしくは突然変異型のヒト生殖系列配列から誘導することができる。ヒト化抗体は、ヒト配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、in vitroでの無作為もしくは部位特異的突然変異誘発によって、またはin vivoでの体細胞突然変異によって導入される突然変異)を含んでもよい。
【0050】
一般に、抗体は、特定の抗原に対する結合特異性を示すタンパク質またはポリペプチドである。無傷抗体は、2つの同一の軽鎖および2つの同一の重鎖から構成されるヘテロ四量体糖タンパク質である。典型的には、それぞれの軽鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖に連結されているが、ジスルフィド結合の数は異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で異なる。それぞれの重鎖および軽鎖はまた、規則的に間隔を空けた鎖内ジスルフィド架橋を有する。それぞれの重鎖は、一方の末端に、可変ドメイン(VH)、次いで、いくつかの定常ドメインを有する。それぞれの軽鎖は、一方の末端に可変ドメイン(VL)およびその他方の末端に定常ドメインを有する;軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと並んでおり、軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと並んでいる。任意の脊椎動物種の抗体軽鎖に、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、2つの明確に異なる型、すなわち、カッパおよびラムダのうちの1つを割り当てることができる。免疫グロブリンを、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、5つの主要なクラス、すなわち、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMを割り当てることができる。IgAおよびIgGは、アイソタイプIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4としてさらに下位分類される。
【0051】
用語「抗体断片」は、無傷抗体の一部、一般的には、無傷抗体の抗原結合または可変領域を意味する。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2およびFv断片、ダイアボディ、単鎖抗体分子および少なくとも2つの無傷抗体から形成される多重特異性抗体が挙げられる。
【0052】
本明細書で使用される用語「抗原」は、直接的または間接的に抗体を生成する能力を有する任意の分子を意味する。「抗原」の定義に含まれるのは、タンパク質をコードする核酸である。
【0053】
本明細書で使用される場合、「特異的結合」または「免疫特異的結合」または「免疫特異的に結合する」とは、抗体が、所定の抗原または抗原上に存在するエピトープに結合することを指す。一部の実施形態では、抗体は、10-7M以下の解離定数(KD)で結合し、所定の抗原以外の非特異的抗原(例えば、BSA、カゼイン、または他の非特異的ポリペプチド)への結合に関するそのKDの少なくとも2分の1であるKDで所定の抗原に結合する。語句「抗原/タンパク質/標的を認識する抗体」および「抗原/タンパク質/標的に特異的な抗体」は、本明細書では、用語「抗原/タンパク質/標的に免疫特異的に結合する抗体」と互換的に使用される。
【0054】
「CDR」は、免疫グロブリン重鎖および軽鎖の超可変領域である抗体の相補性決定領域のアミノ酸配列と定義される。例えば、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第4版、U.S.Department of Health and Human Services、National Institutes of Health(1987)を参照されたい。免疫グロブリンの可変部分には、3つの重鎖および3つの軽鎖CDRまたはCDR領域が存在する。かくして、本明細書で使用される「CDR」とは、適切な場合、3つ全部の重鎖CDR、または3つ全部の軽鎖CDRまたは全ての重鎖CDRと全ての軽鎖CDRとの両方を指す。
【0055】
CDRは、抗体の、抗原またはエピトープへの結合のための接触残基の大部分を提供する。目的のCDRを、ドナー抗体可変重鎖および軽鎖配列から誘導することができ、それらは、天然に存在するCDRのアナログを含み、そのアナログもまた、それらが誘導されたドナー抗体と同じ抗原結合特異性および/または中和能力を共有または保持する。
【0056】
用語「ホモログ」は、参照配列に対する40%~100%の配列同一性を有するタンパク質配列を意味する。2つのペプチド鎖間の同一性パーセントを、Vector NTI v.9.0.0(Invitrogen Corp.、Carlsbad、Calif.)のAlignXモジュールのデフォルト設定を使用するペアワイズアラインメントによって決定することができる。一部の実施形態では、抗体またはその断片は、本明細書に記載の配列に対する少なくとも50、60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%の同一性を有する。一部の実施形態では、抗体は、本明細書に記載の配列と比較して保存的置換を有する。一部の実施形態では、置換の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、または9であってもよい。同一性%または置換に基づいて異なるこれらの分子を、「バリアント」と称することもできる。表1に示される重鎖および軽鎖配列中に保存的置換を有する抗体は、開示される主題の範囲内に包含される。保存的置換は、それらが抗体の特性に有害に影響しない限り、フレームワーク領域中に、または抗原結合部位中に存在してもよい。置換を、抗体の特性、例えば、安定性または親和性を改善するために行うことができる。保存的置換は、そのような改変が行われる分子と類似する機能的および化学的特徴を有する分子をもたらすであろう。例示的なアミノ酸置換は、以下の表に示される。
【0057】
【表1】
【0058】
本明細書で使用される用語「と組み合わせて」は、記載される薬剤が、混合物中で一緒に、単一の薬剤として同時的に、または任意の順序で単一の薬剤と連続的に動物に投与することができることを意味する。
【0059】
ポリクローナル抗体は、抗原で免疫された動物の血清から誘導される抗体分子の異種集団である。モノクローナル抗体は、集団が実質的に類似するエピトープ結合部位を含有する、抗原に特異的な抗体の実質的に同種の集団を含有する。MAbを、当業者には公知の方法によって取得することができる。例えば、KohlerおよびMilstein、Nature 256:495~497頁(1975);米国特許第4,376,110号;Ausubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing Assoc.and Wiley Interscience、N.Y.(1987、1992);ならびにHarlowおよびLane ANTIBODIES:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratory(1988);Colliganら(編)、Current Protocols in Immunology、Greene Publishing Assoc. and Wiley Interscience、N.Y.(1992、1993)(これらの参考文献の内容は参照により全体が本明細書に組み入れられる)を参照されたい。そのような抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、GILDおよびその任意のサブクラスを含む、任意の免疫グロブリンクラスのものであってよい。mAbを産生するハイブリドーマを、in vitro、in situまたはin vivoで培養することができる。in vivoまたはin situでの高力価のmAbの生産は、これを、本発明の好ましい生産方法にする。
【0060】
キメラ抗体は、マウスmAbに由来する可変領域およびヒト免疫グロブリン定常領域を有するもののような、異なる動物種に由来する異なる部分の分子であり、例えば、ヒト/マウスキメラmAbが使用されるように、マウスmAbがハイブリドーマからの高い収率を有するが、ヒトにおいては免疫原性がより高い場合、適用における免疫原性を低下させるため、および生産の収率を増加させるために主に使用される。キメラ抗体およびその生産のための方法は、当業界で公知である(Cabillyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3273~3277頁(1984);Morrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851~6855頁(1984);Boulianneら、Nature 312:643~646頁(1984);Cabillyら、欧州特許出願第125023号(1984年11月14日公開);Neubergerら、Nature 314:268~270頁(1985);Taniguchiら、欧州特許出願第171496号(1985年2月19日公開);Morrisonら、欧州特許出願第173494号(1986年3月5日公開);Neubergerら、PCT出願WO86/01533(1986年3月13日公開);Kudoら、欧州特許出願第184187号(1986年6月11日公開);Morrisonら、欧州特許出願第173494号(1986年3月5日公開);Sahaganら、J.Immunol.137:1066~1074頁(1986);Robinsonら、国際特許出願公開WO1987/002671号(1987年5月7日公開);Liuら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3439~3443頁(1987);Sunら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:214 218頁(1987);Betterら、Science 240:1041 1043頁(1988);ならびにHarlowおよびLane、Antibodies. a Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratory(1988))。これらの参考文献は、全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0061】
抗イディオタイプ(抗Id)抗体は、抗体の抗原結合部位と一般的に関連するユニークな決定基を認識する抗体である。mAbの供給源と同じ種および同じ遺伝子型(例えば、マウス株)の動物を、抗Idが製造されるmAbを用いて免疫することによって、Id抗体を製造することができる。免疫された動物は、これらのイディオタイプ決定基に対する抗体(抗Id抗体)を産生することによって免疫化抗体のイディオタイプ決定基を認識し、それに応答するであろう。例えば、全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,699,880号を参照されたい。抗Id抗体を、さらに別の動物における免疫応答を誘導するための「免疫原」として使用し、いわゆる抗抗Id抗体を生産することもできる。抗抗Idは、抗Idを誘導した元のmAbとエピトープ的に同一であってもよい。かくして、mAbのイディオタイプ決定基に対する抗体を使用することによって、同一の特異性の抗体を発現する他のクローンを同定することができる。
【0062】
本明細書で使用される用語「モノクローナル抗体」(mAb)は、実質的に同種の抗体の集団から得られた抗体(または抗体断片)を意味する。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、典型的には、単一の抗原決定基に対するものである。修飾語句「モノクローナル」は、抗体の実質的に同種の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の生産を必要としない。例えば、マウスmAbを、Kohlerら、Nature256:495~497頁(1975)のハイブリドーマ法によって作製することができる。アクセプター抗体(典型的には、ヒトのような別の哺乳動物種)に由来する軽鎖および重鎖定常領域と結合した、ドナー抗体(典型的には、マウス)に由来する軽鎖および重鎖可変領域を含有するキメラmAbを、米国特許第4,816,567号に開示された方法によって製造することができる。非ヒトドナー免疫グロブリン(典型的には、マウス)に由来するCDRを有し、分子の残りの免疫グロブリン由来部分が、場合により、結合親和性を保持するためにフレームワーク支持残基が変更された、1つまたは複数のヒト免疫グロブリンに由来するヒト化mAbを、Queenら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、86:10029~10032頁(1989)およびHodgsonら、Bio/Technology、9:421頁(1991)に開示された技術によって取得することができる。
【0063】
本明細書に記載の抗体に加えて、ヒト化にとって有用な例示的なヒトフレームワーク配列は、例えば、www“dot”ncbi“dot”nlm“dot”nih“dot”gov/entrez/query“dot”fcgi;www“dot”ncbi“dot”nih“dot”gov/igblast;www“dot”atcc“dot”org/phage/hdb“dot”html;www“dot”mrc-cpe“dot”cam“dot”ac“dot”uk/ALIGNMENTS“dot”php;“dot”www“dot”kabatdatabase“dot”com/top“dot”html;ftp“dot”ncbi“dot”nih“dot”gov/repository/kabat;www“dot”sciquest“dot”com;www“dot”abcam“dot”com;www“dot”antibodyresource“dot”com/onlinecomp“dot”html;www“dot”public“dot”iastate“dot”edu/“dot”about“dot”pedro/research_tools“dot”html;www“dot”whfreeman“dot”com/immunology/CH05/kuby05“dot”htm;www“dot”hhmi“dot”org/grants/lectures/1996/vlab;www“dot”path“dot”cam“dot”ac“dot”uk/“dot”about“dot”mrc7/mikeimages“dot”html;mcb“dot”harvard“dot”edu/BioLinks/Immunology“dot”html;www“dot”immunologylink“dot”com;pathbox“dot”wustl“dot”edu/“dot”about“dot”hcenter/index“dot”html;www“dot”appliedbiosystems“dot”com;www“dot”nal“dot”usda“dot”gov/awic/pubs/antibody;www“dot”m“dot”ehime-u“dot”ac“dot”jp/“dot”about“dot”yasuhito/Elisa“dot”html;www“dot”biodesign“dot”com;www“dot”cancerresearchuk“dot”org;www“dot”biotech“dot”ufl“dot”edu;www“dot”isac-net“dot”org;baserv“dot”uci“dot”kun“dot”nl/“dot”about“dot”jraats/links1“dot”html;www“dot”recab“dot”uni-hd“dot”de/immuno“dot”bme“dot”nwu“dot”edu;www“dot”mrc-cpe“dot”cam“dot”ac“dot”uk;www“dot”ibt“dot”unam“dot”mx/vir/V_mice“dot”html;http://www“dot”bioinf“dot”org“dot”uk/abs;antibody“dot”bath“dot”ac“dot”uk;www“dot”unizh“dot”ch;www“dot”cryst“dot”bbk“dot”ac“dot”uk/“dot”about“dot”ubcg07s;www“dot”nimr“dot”mrc“dot”ac“dot”uk/CC/ccaewg/ccaewg“dot”html;www“dot”path“dot”cam“dot”ac“dot”uk/“dot”about“dot”mrc7/humanisation/TAHHP“dot”html;www“dot”ibt“dot”unam“dot”mx/vir/structure/stat_aim“dot”html;www“dot”biosci“dot”missouri“dot”edu/smithgp/index“dot”html;www“dot”jerini“dot”de;imgt“dot”cines“dot”fr;およびKabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、U.S.Dept.Health(1987)(それぞれ、全体が参照により本明細書に組み入れられる)に開示されている。本明細書で参照されるワールドワイドウェブアドレス中の“dot”は、必要に応じて「.」と置き換えてもよい。
【0064】
本明細書に記載の抗体は、限定されるものではないが、重鎖定常領域(H)、重鎖可変領域(H)、軽鎖可変領域(L)および軽鎖定常領域(L)のうちの少なくとも1つを含んでもよく、ポリクローナルAb、モノクローナルAb、その断片および/または領域は、標的の一部に結合し、抗原を検出するために使用することができる重鎖可変領域(H)または軽鎖可変領域(L)のうちの少なくとも1つを含む。抗体はまた、ニワトリを免疫することによって作製されるモノクローナル抗体であってもよい。単離されたモノクローナル抗体をコードする核酸配列に由来する可変鎖を、限定されるものではないが、PCRのような技術を使用することによって単離することができる。次いで、これらの技術によって単離された可変鎖を、ヒトFcと共にscFvベクター中に入れることができる。したがって、抗体は、ヒトFcおよび2つのscFvアームを有する抗体であってもよい。次いで、本明細書に記載され、本開示を通じて記載されるもののような抗体を、ヒトまたはヒト化抗体に改変することができる。ニワトリ抗体を含む抗体を改変する方法の例は、例えば、Riechmann L、Clark M、Waldmann H、Winter G(1988)、Reshaping human antibodies for therapy、Nature 332(6162):332~323頁;Tsurushita N、Park M、Pakabunto K、Ong K、Avdalovic A、Fu H、Jia A、Vasquez M、Kumar S.(2004);および「Humanization of a chicken anti-IL-12 monoclonal antibody」、Immunol Methods 295(1-2):9~19頁;Nishibori N、Horiuchi H、Furusawa S、Matsuda H.(2006)、「Humanization of chicken monoclonal antibody using phage display system」、Mol Immunol.43(6):634~42頁(それぞれその全体が参照により本明細書に組み入れられる)に見出すことができる。
【0065】
競合的阻害によってmAbの特異性および親和性を決定するための方法は、Harlowら、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1988)、Colliganら(編)、Current Protocols in Immunology、Greene Publishing Assoc. and Wiley Interscience、N.Y.、(1992、1993)、およびMuller、Meth.Enzymol.92:589 601(1983)に見出すことができ、これらの参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0066】
本明細書で使用される場合、用語「抗原結合領域」とは、抗原と相互作用し、抗体に対して、抗原に対するその特異性および親和性を付与するアミノ酸残基を含有する抗体分子のその部分を指す。抗体領域は、抗原結合残基の適切なコンフォメーションを維持するのに必要な「フレームワーク」アミノ酸残基を含む。一部の実施形態では、抗原結合領域は、マウス起源のものであろう。一部の実施形態では、抗原結合領域は、他の動物種、特に、ウサギ、ラットもしくはハムスターのようなげっ歯類、またはニワトリのような鳥類から誘導することができる。抗体の抗原結合機能を、完全長抗体の断片によって実行させることができることが示されている。抗体の用語「抗原結合部分」に包含される結合断片の例としては、VL、VH、CLおよびCH1ドメインを有する一価断片であるFab断片;ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab)断片;VHおよびCH1ドメインを有するFd断片;抗体の単一アームのVLおよびVHドメインを有するFv断片;VHドメインからなる、ドメイン抗体またはdAb断片(Wardら、1989、Nature341:544~546頁);および単離された相補性決定領域(CDR)、特に、CDR3(例えば、内容が参照により本明細書に組み入れられる、WO03/025019を参照されたい)が挙げられる。
【0067】
「フレームワーク領域」または「FR」残基は、本明細書で定義される超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。異なる軽鎖(すなわち、L-FR1、L-FR2、L-FR3およびL-FR4)または重鎖(すなわち、H-FR1、H-FR2、H-FR3およびH-FR4)のフレームワーク領域の配列は、種内で比較的保存されている。かくして、「ヒトフレームワーク領域」は、天然に存在するヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域と実質的に同一である(約85%以上、通常、90~95%以上)であるフレームワーク領域である。構成要素である軽鎖および重鎖のフレームワーク領域の組合せである、抗体のフレームワーク領域は、CDRを配置し、整列させるのに役立つ。重鎖と軽鎖との両方の可変領域の4つのフレームワークサブ領域(FR1、FR2、FR3、およびFR4)は、超可変配列の3つのストレッチ、またはKabatのデータベース(Kabatら、Variable region genes for the immunoglobulin framework are assembled from small segments of DNA-a hypothesis、PNAS 75(5):2429~33頁、1978)において定義された相補性決定領域(CDR)によって中断され、CDR1はFR1とFR2との間に位置し、CDR2はFR2とFR3との間に位置し、CDR3はFR3とFR4との間に位置する。特定のサブ領域をFR1、FR2、FR3またはFR4として特定するものではないが、他者によって称されるフレームワーク領域は、単一の、天然に存在する免疫グロブリン鎖の可変領域内のFR’sの組合せを表す。本明細書で使用される場合、FRは、4つのサブ領域のうちの1つを表し、FR’sは、フレームワーク領域を構成する4つのサブ領域のうちの2つ以上を表す。異なる軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は、種内で比較的保存されている。
【0068】
用語「相補性決定領域(CDR)」は、配列可変性に基づく(WuおよびKabat、J.Exp.Med.132:211~250頁、1970)。6つのCDRが存在し、3つは可変重鎖、またはVH中にあり、典型的には、H-CDR1、H-CDR2、およびH-CDR3と命名され、3つのCDRは可変軽鎖、またはVL中にあり、典型的には、L-CDR1、L-CDR2、およびL-CDR3と命名されている(Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、Md.、1991)。「超可変領域」、「HVR」または「HV」は、ChothiaおよびLesk(ChothiaおよびLesk、Mol.Biol.196:901~917頁、1987)によって定義されたような、構造が可変性である抗体可変ドメインの領域を指す。6つのHVRが存在し、3つはVH(H1、H2、H3)中にあり、3つはVL(L1、L2、L3)中にある。ChothiaおよびLeskは、構造的に保存されたHVを「カノニカル構造」と称している。抗原結合部位を形成する領域を記載する別の方法は、免疫グロブリンおよびT細胞受容体に由来するVドメインの比較に基づいてLefranc(Lefrancら、Developmental & Comparative Immunology 27:55~77頁、2003)によって提唱されている(Lefrancら、Developmental & Comparative Immunology 27:55~77頁、2003)。抗原結合部位を、Almagro(Almagro、Mol.Recognit.17:132~43頁、2004)による、「特異性決定残基使用(SDRU)」に基づいて説明することもでき、SDRUは、抗原接触に直接関与する免疫グロブリンのアミノ酸残基を指す。
【0069】
さらに、Fv断片の2個のドメイン、VLおよびVHは天然では別々の遺伝子によってコードされるが、VLとVH領域が対形成して、一価分子(単鎖Fv(scFv)として知られる;例えば、Birdら、1988、Science 242:423~426頁;およびHustonら、1988、Proc.Nat.Acad.Sci.85:5879~5883頁を参照されたい)を形成する単鎖タンパク質として作製するのを可能にする合成リンカーによって、それらを組換え方法を使用して連結することができる。そのような単鎖抗体は、抗体の用語「抗原結合部分」によって包含される。これらの抗体断片は、当業者には公知の従来の技術を使用して取得され、無傷抗体と同じ様式で使用することができる。
【0070】
本明細書で使用される場合、「単離された抗体」とは、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す。さらに、単離された抗体は、他の細胞材料および/または化学物質を実質的に含まなくてもよい。単離された抗体はまた、無菌性であるか、または発熱源を含まないか、または本明細書に記載の注射可能な医薬品として製剤化することもできる。
【0071】
「抗原」は、その抗原のエピトープに結合することができる抗体を産生するように動物をさらに誘導することができる抗体が結合することができる分子または分子の一部である。抗原は、1つまたは1つより多いエピトープを有してもよい。上で言及された特異的反応は、抗原が、高度に選択的な様式で、その対応する抗体と反応し、他の抗原によって誘発される複数の他の抗体とは反応しないことを示すことを意味する。一部の実施形態では、抗体、抗体の断片および領域に結合する抗原は、少なくとも5個のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、細胞は、無傷細胞である。無傷細胞は、界面活性剤または他の試薬を使用して溶解または破壊されていない細胞である。細胞膜を破壊するか、または細胞膜に穴を開ける界面活性剤または他の試薬で処理された細胞は、無傷細胞ではない。細胞または粒子、例えば、リポ粒子の表面上に受容体を発現させることによって、受容体は、そうでなければ精製されたタンパク質が使用される場合には存在しない立体的エピトープを提示することができる。例は、本明細書に提供される。一部の実施形態では、アジュバントは使用されないが、アジュバントを使用してもよい。一部の実施形態では、粒子を鳥(例えば、ニワトリ)に注射して、免疫応答を刺激し、粒子の表面上に存在するタンパク質に対する抗体を生成させる。抗体の生成にとって好適な粒子は、米国特許第8,377,691号、第7,763,258号、第8,158,130号ならびに米国特許出願公開第20050123563号および第20120195882号に記載されており、それぞれ、参照により本明細書に組み入れられる。これらの刊行物および特許は、膜貫通タンパク質(例えば、複数回膜貫通タンパク質、イオンチャネルなど)を発現させるために使用することができる、リポ粒子を含む、種々の粒子の生成を記載している。
【0072】
用語「エピトープ」は、Abの抗原結合領域の1つまたは複数において抗体によって認識および結合される任意の分子の部分を指す。エピトープは、通常、アミノ酸または糖側鎖のような分子の化学的に活性な表面基群からなり、特定の3次元構造特性ならびに特定の電荷特性を有する。エピトープの例としては、限定されるものではないが、挙げられる。
【0073】
本明細書で使用される場合、用語「キメラ抗体」は、一価、二価または多価免疫グロブリンを含む。一価キメラ抗体は、キメラL鎖とのジスルフィド架橋によって結合したキメラH鎖によって形成される二量体(HL)である。二価キメラ抗体は、少なくとも1個のジスルフィド架橋によって結合した2個のHL二量体によって形成される四量体(H)である。例えば、凝集するC領域(例えば、IgM H鎖、またはμ鎖に由来する)を用いることによって、多価キメラ抗体を生産することもできる。一部の実施形態では、マウスおよびキメラ抗体、断片および領域は、個々の重鎖(H)および/または軽鎖(L)免疫グロブリンを含む。
【0074】
同じか、または異なる可変領域結合特異性のキメラH鎖およびL鎖を有する抗体、断片または誘導体を、公知の方法工程による、例えば、以下のAusubel、以下のHarlow、および以下のColligan(これらの参考文献の内容は、参照により全体が本明細書に組み入れられる)による、個々のポリペプチド鎖の適切な会合により製造することもできる。この手法を用いて、キメラH鎖(またはその誘導体)を発現する宿主を、キメラL鎖(またはその誘導体)を発現する宿主とは別々に培養し、免疫グロブリン鎖を別々に回収した後、会合させる。あるいは、宿主を同時培養し、鎖を培養培地中で同時に会合させた後、集合した免疫グロブリン、断片または誘導体を回収することができる。
【0075】
非ヒト抗体を産生する細胞、典型的には、天然もしくは組換え抗原、または抗原タンパク質配列のペプチド断片に対して免疫された動物の脾臓細胞の融合によって、ハイブリッド細胞を形成させる。あるいは、非ヒト抗体を産生する細胞は、抗原で免疫された動物の血液、脾臓、リンパ節または他の組織から得られるBリンパ球であってもよい。
【0076】
不死化機能をもたらす第2の融合パートナーは、それ自身は抗体産生細胞ではないが、悪性であるリンパ芽球様細胞または形質細胞腫細胞または骨髄腫細胞であってもよい。融合パートナーとしては、限定されるものではないが、SP2/0(ATCC CRL1581)と省略されるハイブリドーマSP2/0-Ag14および骨髄腫P3X63Ag8(ATCC TIB9)、またはその誘導体が挙げられる。例えば、以下のAusubel、以下のHarlow、および以下のColligan(これらの参考文献の内容は全体が参照により本明細書に組み入れられる)を参照されたい。
【0077】
抗体を、本明細書に提供される実施例に従って生成することができる。配列が公知となったら、公知の方法に従って抗体を生成することもできる。抗体を、ヒトIgGなどに変換するなど、異なる型に変換することもできる。抗体をヒト抗体に変換することによって、ヒト対象は抗体を異物として識別しないはずである。これは、より有効な応答をもたらすであろう。非ヒトIgG抗体のヒトIgG抗体への変換は、周知であり、天然配列が公知となったら、日常的に行うことができる。本明細書で考察されるように、抗体を、公知の方法に従って改変することができる。そのような方法は、例えば、Riechmann L、Clark M、Waldmann H、Winter G(1988)、Reshaping human antibodies for therapy、Nature 332(6162):332~323頁;Tsurushita N、Park M、Pakabunto K、Ong K、Avdalovic A、Fu H、Jia A、Vasquez M、Kumar S.(2004);および「Humanization of a chicken anti-IL-12 monoclonal antibody」、Immunol Methods 295(1-2):9~19頁;Nishibori N、Horiuchi H、Furusawa S、Matsuda H.(2006)、「Humanization of chicken monoclonal antibody using phage display system」、Mol Immunol.43(6):634~42頁(それぞれその全体が参照により本明細書に組み入れられる)に記載されている。
【0078】
キメラ抗体の抗原結合領域をコードするヌクレオチド配列に寄与する抗体産生細胞を、霊長類のような非ヒト細胞、またはヒト細胞の形質転換によって生産することもできる。例えば、抗体を産生するBリンパ球に、エプスタイン・バーウイルスのようなウイルスを感染させ、形質転換して、不死抗体産生細胞を得ることができる(Kozborら、Immunol.Today 4:72 79(1983))。あるいは、Bリンパ球を、当業界で周知のように、形質転換遺伝子または形質転換遺伝子産物を提供することによって形質転換することができる。例えば、以下のAusubel、以下のHarlow、および以下のColligan(これらの参考文献の内容は全体が参照により本明細書に組み入れられる)を参照されたい。
【0079】
細胞融合は、免疫学の分野の当業者には周知の標準的な手順によって達成される。融合パートナー細胞系ならびにハイブリドーマを融合および選択し、mAbについてスクリーニングするための方法は、当業界で周知である。例えば、以下のAusubel、以下のHarlow、および以下のColligan(これらの参考文献の内容は全体が参照により本明細書に組み入れられる)を参照されたい。
【0080】
抗原特異的マウスまたはキメラmAbを、抗体を分泌するハイブリドーマまたはトランスフェクトーマ細胞を、マウスの腹腔に注入すること、適切な時間の後、高力価のmAbを含有する腹水を収獲すること、およびそれからmAbを単離することによって大量に生産することができる。非マウスハイブリドーマ(例えば、ラットまたはヒト)を用いたmAbのそのようなin vivoでの生産のために、ハイブリドーマ細胞を、好ましくは照射された、または無胸腺ヌードマウス中で増殖させる。あるいは、ハイブリドーマまたはトランスフェクトーマ細胞をin vitroで培養すること、および細胞培養培地から、または組換え的に、真核もしくは原核細胞中で、分泌されたmAbを単離することによって、抗体を生産することができる。
【0081】
抗体の配列を改変して、ヒトIgG抗体を得ることができる。本明細書で提供される配列の変換を改変して、他の型の抗体を得ることができる。CDRを他の抗体、タンパク質、または分子に連結して、標的に結合する抗体断片を作出することもできる。本明細書で提供されるCDRおよび抗体配列はまた、公知の方法に従ってヒト化するか、または完全にヒトにすることもできる。配列を、本明細書に記載のようにキメラ抗体にすることもできる。
【0082】
一部の実施形態では、抗体は、本明細書で提供される配列またはその断片を含むアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、抗体は、本明細書で提供される1つまたは複数のアミノ酸配列、その抗原結合断片、またはそのヒトIgGバリアントを含む。「そのヒトIgGバリアント」とは、出発抗体がヒトIgG抗体ではない場合に、ヒトIgGとなるように改変された抗体を指す。
【0083】
本明細書に記載されるように、公知の配列を有する抗体の生産は日常的であり、任意の方法によって行うことができる。したがって、一部の実施形態では、抗体またはその断片をコードする核酸が提供される。一部の実施形態では、核酸は、本明細書で提供される配列をコードする。抗体を、キメラ抗体またはヒト抗体となるように改変することもできる。抗体を、注射可能な医薬組成物中で使用することもできる。また、本明細書に記載されるように、抗体は、単離された抗体または操作された抗体であってもよい。
【0084】
一部の実施形態では、免疫グロブリン断片と機能的に類似する分子種を得るためにトランケートされた、または改変された遺伝子によってコードされるタンパク質を含む、抗体の「誘導体」、その断片、領域または誘導体が提供される。改変としては、限定されるものではないが、植物および細菌毒素のような細胞傷害性タンパク質をコードする遺伝子配列の付加が挙げられる。改変はまた、蛍光または化学発光タグのようなリポータータンパク質を含んでもよい。断片および誘導体を、任意の様式で生産することができる。
【0085】
断片としては、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)およびFvが挙げられる。これらの断片は、無傷抗体のFc断片を欠き、循環からより急速に消失し、無傷抗体よりも低い非特異的組織結合を有してもよい(Wahlら、J.Nucl.Med.24:316 325(1983))。これらの断片は、当業界で周知の方法を使用して、例えば、パパイン(Fab断片を生産するため)またはペプシン(F(ab’)断片を生産するため)のような酵素を用いたタンパク質溶解的切断によって無傷抗体から生産される。
【0086】
本明細書に記載のAbによって認識されるこれらの抗原結合領域および/またはエピトープの同定は、類似する結合特性および本出願の実施形態と同等である治療的または診断的有用性を有するさらなるモノクローナル抗体を生成するのに必要な情報を提供する。
【0087】
本明細書に記載の抗体をコードする核酸配列は、本明細書に記載の少なくとも1つの可変領域をコードする、ゲノムDNAまたはcDNA、またはRNA(例えば、mRNA)であってもよい。V領域抗原結合セグメントをコードするDNAの供給源としての染色体遺伝子断片の使用の都合のよい代替手段は、例えば、Liuら(Proc.Natl.Acad.Sci.、USA 84:3439頁(1987)およびJ.Immunology 139:3521頁(1987)、(これらの参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる))によって報告されたように、キメラ免疫グロブリン遺伝子の構築のためのcDNAの使用である。cDNAの使用には、宿主細胞にとって好適な遺伝子発現エレメントを、所望のタンパク質の合成を達成するための遺伝子と組み合わせることが必要である。cDNA配列の使用は、cDNA配列を適切なRNAスプライシング系を欠く細菌または他の宿主中で発現させることができる点で、ゲノム配列(イントロンを含有する)よりも有利である。
【0088】
例えば、標的を検出、結合、または中和することができるV領域抗原結合セグメントをコードするcDNAを、本明細書で提供されるアミノ酸配列の使用に基づく公知の方法を使用して提供することができる。遺伝子コードは縮重性であるため、1より多いコドンを使用して、特定のアミノ酸をコードさせることができる(Watsonら、下記)。遺伝子コードを使用して、それぞれ、アミノ酸をコードすることができる、1つまたは複数の異なるオリゴヌクレオチドを同定することができる。特定のオリゴヌクレオチドが、実際に、実際のコード配列を構成する確率を、異常な塩基対形成の関係および特定のコドンが抗体または断片を発現する真核または原核細胞中で実際に使用される(特定のアミノ酸をコードする)頻度を考慮することによって見積もることができる。そのような「コドン使用規則」は、Latheら、J.Molec.Biol.183:1 12(1985)によって開示されている。Latheの「コドン使用規則」を使用して、抗体可変または定常領域配列をコードすることができる理論的な「最もありそうな」ヌクレオチド配列を含有する、単一のオリゴヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドのセットが同定される。
【0089】
本明細書に記載の可変領域を、ヒト定常領域またはマウス定常領域を含む任意の型の定常領域と組み合わせることができる。抗体、断片および領域の定常(C)領域をコードするヒト遺伝子を、公知の方法によって、ヒト胎児肝臓ライブラリーから誘導することができる。ヒトC領域遺伝子を、ヒト免疫グロブリンを発現し、産生するものを含む任意のヒト細胞から誘導することができる。ヒトC領域を、ガンマ、μ、α、δまたはεを含むヒトH鎖の公知のクラスまたはアイソタイプ、ならびにG1、G2、G3およびG4のようなそのサブタイプのいずれかから誘導することができる。H鎖アイソタイプは抗体の種々のエフェクター機能を担っているため、C領域の選択は、補体固定、または抗体依存的細胞性細胞傷害性(ADCC)における活性のような所望のエフェクター機能によって導かれるであろう。好ましくは、C領域は、ガンマ1(IgG1)、ガンマ3(IgG3)、ガンマ4(IgG4)、またはμ(IgM)から誘導される。ヒトC領域は、ヒトL鎖アイソタイプ、カッパまたはラムダから誘導することができる。
【0090】
ヒト免疫グロブリンC領域をコードする遺伝子を、標準的なクローニング技術(Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、N.Y.(1989)およびAusubelら(編)、Current Protocols in Molecular Biology(1987、1993))によってヒト細胞から取得することができる。ヒトC領域遺伝子は、2つのクラスのL鎖、5つのクラスのH鎖およびそのサブクラスを表す遺伝子を含有する公知のクローンから容易に入手可能である。F(ab’)およびFabのようなキメラ抗体断片を、適切にトランケートされたキメラH鎖遺伝子を設計することによって製造することができる。例えば、F(ab’)断片のH鎖部分をコードするキメラ遺伝子は、CHドメインおよびH鎖のヒンジ領域、次いで、トランケートされた分子を得るための翻訳停止コドンをコードするDNA配列を含むであろう。
【0091】
一般に、マウス、ヒトまたはマウスおよびキメラ抗体、本明細書に記載の抗体の断片および領域は、抗原特異的抗体のHおよびL鎖抗原結合領域をコードするDNAセグメントをクローニングすること、ならびにこれらのDNAセグメントを、それぞれ、CおよびC領域をコードするDNAセグメントに結合させて、マウス、ヒトまたはキメラ免疫グロブリンコード遺伝子を生産することによって生産される。
【0092】
かくして、一部の実施形態では、ヒトC領域の少なくとも一部をコードする第2のDNAセグメントに連結された、結合(J)セグメントを有する機能的に再配置されたV領域のような、非ヒト起源の少なくとも抗原結合領域をコードする第1のDNAセグメントを含む融合キメラ遺伝子が作出される。
【0093】
したがって、抗体VおよびC領域をコードするcDNA、本明細書に記載の実施形態の一部に従ってキメラ抗体を生産する方法は、以下に例示されるような、いくつかの工程を含む:1.抗抗原抗体を産生する細胞系から、ならびに重鎖および軽鎖定常領域を供給する任意選択のさらなる抗体からのメッセンジャーRNA(mRNA)の単離;クローニングおよびそれからのcDNA産生;2.LおよびH鎖の適切なVおよび/またはC領域遺伝子セグメントを、(i)適切なプローブを用いて同定する、(ii)配列決定する、および(iii)キメラ抗体のための別の抗体に由来するCまたはV遺伝子セグメントと適合性にすることができる、精製されたmRNAからの完全長cDNAライブラリーの製造;3.上記のクローニングされたC領域遺伝子へのクローニングされた特異的V領域遺伝子セグメントの連結による完全なHまたはL鎖コード配列の構築;4.マウス-マウス、ヒト-マウス、ヒト-ヒトまたはヒトマウス抗体を提供するための原核および真核細胞を含む、選択された宿主中でのLおよびH鎖の発現および産生。
【0094】
全ての免疫グロブリンHおよびL鎖遺伝子ならびにそのコードされるmRNAの1つの共通の構成は、J領域である。HおよびL鎖J領域は、異なる配列を有するが、各群間で、特に、C領域の近くでは、高い程度の配列相同性が存在する(80%を超える)。この相同性は、この方法において活用され、HおよびL鎖J領域のコンセンサス配列を使用して、V領域セグメントのヒトC領域セグメントへのその後の連結のために有用な制限部位をJ領域中に導入するためのプライマーとしての使用のためのオリゴヌクレオチドを設計することができる。
【0095】
ヒト細胞から製造されるC領域cDNAベクターを、部位特異的突然変異誘発によって改変して、ヒト配列中の同様の位置に制限部位を置くことができる。例えば、当業者であれば、完全なヒトカッパ鎖C(Cκ)領域および完全なヒトガンマ-1C領域(Cγ-1)をクローニングすることができる。この場合、C領域ベクターのための供給源としてのゲノムC領域クローンに基づく代替的な方法では、これらの遺伝子を、介在配列を除去するのに必要とされる酵素が存在しない細菌系においては発現させることができないであろう。クローニングされたV領域セグメントを切り出し、LまたはH鎖C領域ベクターにライゲートする。あるいは、終止コドンを導入することによって、Fab分子のH鎖部分をコードする遺伝子配列を生成することによって、ヒトγ-1領域を改変することができる。次いで、VおよびC領域が連結されたコード配列を、原核または真核である適切な宿主中での発現のために適切な発現ビヒクル中に移行させる。
【0096】
連結が、トリプレットの読み枠の変更または中断なしに連続的に翻訳可能な配列をもたらす場合、2つのコードDNA配列は「作動可能に連結されている」と言われる。連結が、コード配列の発現をもたらすためのその遺伝子発現エレメントの適切な機能をもたらす場合、DNAコード配列は、遺伝子発現エレメントに作動可能に連結されている。
【0097】
発現ビヒクルは、プラスミドまたは他のベクターを含む。これらの中でも好ましいのは、適切な付着末端を有する任意のVまたはV鎖配列をその中に容易に挿入することができるように操作された適切な制限部位を有する機能的に完全なヒトCまたはC鎖配列を担持するビヒクルである。かくして、ヒトCまたはC鎖配列を含有するビヒクルは、任意の適切な宿主中での任意の所望の完全なHまたはL鎖の発現のための中間体として役立つ。
【0098】
マウス-ヒトまたはヒト-ヒトのようなキメラ抗体は、典型的には、構築物中で使用されるマウスHおよびL鎖V領域にとって天然である染色体遺伝子プロモーターによって駆動される遺伝子から合成されるであろう;スプライシングは通常、マウスJ領域中のスプライスドナー部位と、ヒトC領域の前のスプライスアクセプター部位との間に、また、ヒトC領域内に存在するスプライス領域で起こる;ポリアデニル化および転写終結は、ヒトコード領域の下流の天然の染色体部位で起こる。
【0099】
本明細書で使用される場合、および別途指摘しない限り、用語「約」は、それが修飾する値の±5%を意味することが意図される。かくして、約100は、95~105を意味する。
【0100】
一部の実施形態では、本明細書に記載の抗体は、抗原の存在を検出するために使用される。本発明の抗体を、抗原の存在を検出するための任意のデバイスまたは方法において使用することができる。
【0101】
抗体を参照する用語「精製された」とは、その天然の環境中の分子と会合する他の材料を実質的に含まない抗体を指す。例えば、精製されたタンパク質は、それが誘導される細胞または組織に由来する細胞材料または他のタンパク質を実質的に含まない。この用語は、単離されたタンパク質が、分析されるために十分に純粋である、または少なくとも70%~80%(w/w)純粋、少なくとも80%~90%(w/w)純粋、90~95%純粋;および少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、または100%(w/w)純粋である製造物を指す。一部の実施形態では、抗体は精製される。
【0102】
用語「特異的結合」、「特異的に結合する」などは、2つ以上の分子が、生理的またはアッセイ条件下で測定可能であり、選択的である複合体を形成することを意味する。抗体または抗原結合タンパク質または他の分子は、適切に選択された条件下で、そのような結合は実質的に阻害されないが、同時に、非特異的結合は阻害される場合、タンパク質、抗原、またはエピトープに「特異的に結合する」と言われる。特異的結合は、高い親和性を特徴とし、化合物、タンパク質、エピトープ、または抗原にとって選択的である。非特異的結合は通常、低い親和性を有する。例えば、IgG抗体における結合は、一般的には、少なくとも約10-8M以上、または少なくとも約10-9M以上、または少なくとも約10-10M以上、または少なくとも約10-11M以上、または少なくとも約10-12M以上のような、少なくとも約10-7M以上の親和性を特徴とする。この用語はまた、例えば、抗原結合ドメインが、いくつかの抗原によって担持されない特定のエピトープに特異的である場合にも適用可能であり、その場合、抗原結合ドメインを担持する抗体または抗原結合タンパク質は、一般的には他の抗原には結合しないであろう。一部の実施形態では、捕捉試薬は、その結合パートナー(例えば、抗原)に対する10-9M、10-10M、または10-11M以下のKdを有する。一部の実施形態では、捕捉試薬は、その結合パートナーに対する10-1以上のKaを有する。
【0103】
免疫グロブリンとしても知られる、無傷抗体は、典型的には、それぞれ約25kDaの2つの軽鎖(L)、およびそれぞれ約50kDaの2つの重鎖(H)から構成される四量体グリコシル化タンパク質である。抗体中には、ラムダおよびカッパと呼ばれる2つの型の軽鎖が存在する。重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは5つの主要なクラスに割り当てられる:A、D、E、G、およびM、ならびにこれらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2にさらに分割することができる。それぞれの軽鎖は、N末端可変(V)ドメイン(VL)および定常(C)ドメイン(CL)から構成される。それぞれの重鎖は、N末端Vドメイン(VH)、3つまたは4つのCドメイン(CH)、およびヒンジ領域から構成される。VHに最も近いCHドメインは、CH1と指定される。VHおよびVLドメインは、超可変配列の3つの領域(相補性決定領域、CDR)のための足場を形成する、フレームワーク領域(FR1、FR2、FR3、およびFR4)と命名される比較的保存された配列の4つの領域からなる。CDRは、抗体または抗原結合タンパク質と抗原との特異的相互作用を担う多くの残基を含有する。CDRは、CDR1、CDR2、およびCDR3と称される。したがって、重鎖上のCDR構成要素は、H1、H2、およびH3と称されるが、軽鎖上のCDR構成要素は、L1、L2、およびL3と称される。CDR3は、抗体または抗原結合タンパク質結合部位内の分子多様性の最大の供給源である。例えば、H3は、2個のアミノ酸残基または26個より多いアミノ酸の短さであってもよい。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造および3次元構成は、当業界で周知である。抗体構造の概説については、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、Harlowら(編)、1988を参照されたい。当業者であれば、それぞれのサブユニット構造、例えば、CH、VH、CL、VL、CDR、および/またはFR構造が、活性断片を含むことを認識できるであろう。例えば、活性断片は、抗原に結合するVH、VL、もしくはCDRサブユニットの部分、すなわち、抗原結合断片、またはFc受容体および/もしくは補体に結合する、および/もしくはそれを活性化するCHサブユニットの部分からなってもよい。
【0104】
本明細書に記載の断片に加えて、本明細書で使用される用語「抗原特異的抗体」内に包含される結合断片の非限定例としては、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab’)2断片;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一アームのVLおよびVHドメインからなるFv断片;(v)VHドメインからなるdAb断片;ならびに(vi)単離されたCDRが挙げられる。さらに、Fv断片の2つのドメイン、VLおよびVHは、別々の遺伝子によってコードされるが、それらを合成リンカーによって組換え的に結合し、VLおよびVHドメインが対形成して一価分子(単鎖Fv(scFv)として知られる)を形成する単一のタンパク質鎖を作出することができる。最も一般的に使用されるリンカーは、15残基(Gly4Ser)のペプチドであるが、他のリンカーも当業界で公知である。単鎖抗体もまた、用語「抗体または抗原結合タンパク質」または抗体の「抗原結合断片」内に包含されることが意図される。抗体はまた、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、抗原結合断片、Fc断片、単鎖抗体、またはその任意の誘導体であってもよい。
【0105】
これらの抗体を、当業者には公知の、および本明細書に記載の従来の技術を使用して取得することができ、断片は、無傷抗体と同じ様式で使用される。抗体多様性は、可変ドメインをコードする複数の生殖系列遺伝子および様々な体細胞事象によって作出される。体細胞事象は、完全なVHドメインを作製するための可変遺伝子セグメントと、多様性(D)および結合(J)遺伝子セグメントとの組換え、および完全なVLドメインを作製するための可変および結合遺伝子セグメントの組換えを含む。組換えプロセス自体は不正確であり、V(D)J結合部でのアミノ酸の喪失または付加をもたらす。多様性のこれらのメカニズムは、抗原曝露前の発生中のB細胞中で起こる。抗原刺激後、B細胞中の発現された抗体遺伝子は、体細胞突然変異を受ける。生殖系列遺伝子セグメントの見積もられた数、これらのセグメントの無作為組換え、および無作為のVH-VL対形成に基づいて、最大で1.6×10個の異なる抗体が産生される(Fundamental Immunology、第3版(1993)、Paul(編)、Raven Press、New York、N.Y.)。抗体多様性に起用する他のプロセス(体細胞突然変異など)を考慮に入れる場合、1×1010個を超える異なる抗体が生成されると考えられる(Immunoglobulin Genes、第2版(1995)、Jonioら(編)、Academic Press、San Diego、Calif.)。多くのプロセスが抗体多様性の生成に関与しているため、同じ抗原特異性を有する独立に誘導されたモノクローナル抗体が同一のアミノ酸配列を有する可能性は低い。
【0106】
本明細書に記載の抗原、エピトープ、または他の分子と特異的に相互作用することができる抗体または抗原結合タンパク質分子を、当業者には周知の方法によって生産することができる。例えば、公知の方法によるハイブリドーマの生成により、モノクローナル抗体を生産することができる。次いで、この様式で形成されるハイブリドーマを、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)およびバイオセンサー分析のような標準的な方法を使用してスクリーニングして、目的の分子または化合物と特異的に相互作用する抗体を産生する1つまたは複数のハイブリドーマを同定することができる。
【0107】
モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを製造するための代替手段として、本明細書に記載のポリペプチドとの組換えコンビナトリアル免疫グロブリンライブラリー(例えば、抗体ファージディスプレイライブラリー)をスクリーニングすることによって、あるポリペプチドに結合する免疫グロブリンライブラリーメンバーを単離することによって、そのポリペプチドに対するモノクローナル抗体を同定および単離することができる。ファージディスプレイライブラリーを生成およびスクリーニングするための技術および商業的に入手可能なキットは、当業者には周知である。さらに、抗体または抗原結合タンパク質ディスプレイライブラリーを生成し、スクリーニングする際の使用にとって特に適している方法および試薬の例を、文献中に見出すことができる。かくして、本明細書に記載のエピトープを使用して、治療的、診断的に、または研究手段として使用することができる他の抗体についてスクリーニングすることができる。
【0108】
抗体を含む投与、組成物、およびキット
単離された抗体は標的上のエピトープに結合するが、本明細書で提供される実施形態に従って生産された抗体またはその抗原結合断片は、ヒトおよび動物における状態を処置するための治療剤および予防剤の両方として好適であり得る。
【0109】
一部の実施形態では、方法は、治療または予防有効量の、本明細書で提供される1つまたは複数の抗体または抗体の抗原結合断片を、疑わしい対象に、または抗体が有用であると考えられる状態を示す者に投与することを含む。限定されるものではないが、FabおよびF(ab’)2断片を含む、任意の活性形態の抗体を投与することができる。
【0110】
一部の実施形態では、使用される抗体は、MAbに対する免疫応答が、許容できない程度に短い循環半減期をもたらさないか、または対象においてMAbに対する免疫応答を誘導するような、レシピエント種と適合する。一部の実施形態では、投与されるMAbは、対象のFc受容体への結合および抗体依存的細胞媒介性細胞傷害(ADCC)メカニズムの活性化のような、いくらかの二次的機能を示す。
【0111】
個体の処置は、治療有効量の本明細書で提供される抗体の投与を含んでもよい。抗体を、以下に記載のキット中に提供することができる。抗体を、単独で、または別の治療剤、鎮痛剤、もしくは診断剤との混合物中で使用または投与することができる。
【0112】
好適なビヒクルならびにその製剤化およびパッケージングは、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(第21版、Troy,D.(編)、Lippincott Williams & Wilkins、Baltimore、Md.(2005)Chapters 40および41)に記載されている。さらなる薬学的方法を用いて、作用の持続時間を制御することができる。制御放出製造物を、化合物と複合体化するか、または化合物を吸収するポリマーの使用によって達成することができる。制御放出製造物により作用の持続時間を制御するための別の可能な方法は、化合物を、ポリエステル、ポリアミノ酸、ヒドロゲル、ポリ(乳酸)またはエチレン酢酸ビニルコポリマーのようなポリマー材料の粒子中に組み込むことである。あるいは、これらの薬剤をポリマー粒子中に組み込む代わりに、例えば、界面重合により製造されたマイクロカプセル、例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースもしくはゼラチン-マイクロカプセルおよびポリ(メチルメタクリレート)-マイクロカプセル中に、またはコロイド薬物送達系、例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、およびナノカプセル中に、またはマクロエマルジョン中にこれらの材料を捕捉することが可能である。
【0113】
一般に、全身用量の抗体を投与する場合、約1ng/kg~100ng/kg、100ng/kg~500ng/kg、500ng/kg~1μg/kg、1μg/kg~100μg/kg、100μg/kg~500μg/kg、500μg/kg~1mg/kg、1mg/kg~50mg/kg、50mg/kg~100mg/kg、100mg/kg~500mg/kg(レシピエントの体重)の範囲にある抗体の投与量をレシピエントに提供することが望ましいが、より低い、またはより高い投与量を投与してもよい。約1.0mg/kgの低さの投与量は、いくらかの効能を示すと期待される。一部の実施形態では、約5mg/kgが許容される投与量であるが、約50mg/kgまでの投与量レベルも、特に、治療的使用にとって好ましい。あるいは、1μg~100μg、1mg~100mg、または1gm~100gmの範囲の量のような、患者の体重に基づかない特定量の抗体の投与を与えてもよい。例えば、部位特異的投与は、関節内、気管支内、腹部内、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、髄腔内、滑液嚢内、胸腔内、子宮内、膀胱内、病変内、経膣、直腸、頬側、舌下、鼻腔内、または経皮手段のような身体区画または体腔に対するものであってよい。
【0114】
本明細書に記載の抗体組成物を、特に、液体溶液または懸濁液の形態の、非経口(皮下、筋肉内もしくは静脈内)または他の任意の投与のための使用のために製造することができる。製剤はまた、注射可能製剤にとって好適であってもよい。一部の実施形態では、注射可能製剤は、無菌性である。一部の実施形態では、注射可能製剤は、発熱源を含まない。一部の実施形態では、製剤は、本明細書に記載の抗原以外の他の抗原に結合する他の抗体を含まない。
【0115】
ある量は、薬剤の投与量、投与経路、および投薬スケジュールが症状の低減に影響するのに十分なものである場合、そのような応答に「影響する」のに十分であるか、または「治療有効量」であると言われる。抗体投与に対する応答を、イメージング技術または組織試料のex vivoでの分析などによる、対象の影響を受けた組織、臓器、または細胞の分析によって測定することができる。ある薬剤は、その存在が、レシピエント患者の生理における検出可能な変化をもたらす場合、生理学的に有意である。
【0116】
抗体を公知の方法に従って製剤化して、薬学的に有用な組成物を製造することができ、それにより、これらの材料、またはその機能的誘導体は、薬学的に許容される担体ビヒクルと混合して組み合わされる。処置を、単回用量スケジュールで、または処置の主な過程が1~10の別々の用量、次いで、応答を維持および/または強化するのに必要とされるその後の時間間隔、例えば、第2の用量については1~4ヶ月で与えられる他の用量、および必要に応じて、数ヶ月後のその後の用量であってもよい、複数用量スケジュールで与えることができる。好適な処置スケジュールの例としては、(i)0、1ヶ月および6ヶ月、(ii)0、7日および1ヶ月、(iii)0および1ヶ月、(iv)0および6ヶ月、または疾患症状を低減させる、もしくは疾患の重症度を低下させると予想される所望の応答を惹起するのに十分な他のスケジュールが挙げられる。一部の実施形態では、抗体は、毎週、2週毎に1回、または3週毎に1回、または月1回投与される。
【0117】
本明細書に記載の実施形態を実行するのに有用であるキットも提供される。本発明のキットは、上記抗体を含有するか、または上記抗体と併せて包装された第1の容器を含む。キットはまた、実施形態を実行するのに必要な、またはそれにとって都合のよい溶液を含有する、またはそれらと併せて包装された別の容器を含んでもよい。容器は、ガラス、プラスチックまたはホイル製であってよく、バイアル、ビン、パウチ、チューブ、袋などであってもよい。キットはまた、実施形態を実行するための手順のような文書情報または第1の容器手段に含有される試薬の量のような分析情報を含有してもよい。容器は、文書情報と共に、別の容器装置、例えば、箱または袋中にあってもよい。
【0118】
一部の実施形態では、以下の実施形態が提供される:
1.2つのヒトフレームワーク領域(FR)によって挟まれたニワトリ相補性決定領域(CDR)をコードする核酸分子の集団を生産する方法であって、
a)ニワトリ相補性決定領域(CDR)をコードする核酸分子の増幅された集団を生産するのに十分な条件下で、第1のプライマーおよび第2のプライマーを用いてニワトリ抗体をコードする核酸分子の第1の集団を増幅することを含み、
第1のプライマーが、ニワトリ抗体のCDRの上流または下流の領域にアニーリングし、第1のプライマーが、CDRのすぐ上流または下流にある位置で、認識部位から離れた距離で切断する制限酵素によって認識される制限酵素認識部位を含有し;
第1のプライマーがCDRの上流でアニーリングする場合、第2のプライマーが、ニワトリ抗体のCDRの下流の距離にある領域にアニーリングする;または
第1のプライマーがCDRの下流でアニーリングする場合、第2のプライマーが、ニワトリ抗体のCDRの上流の距離にある領域にアニーリングする、方法。
2.核酸分子の増幅された集団を、前記制限酵素で消化して、CDRをコードする配列のすぐ上流に5’突出部を生産して、消化産物を生産することをさらに含む、実施形態1に記載の方法。
3.前記消化産物を、ヒト抗体の第1のFRをコードする核酸配列にライゲートすることによって第1のライゲーション産物を製造することをさらに含み、
ヒト抗体の前記第1のFRが、第1のFRが第1の消化産物の上流にライゲートされるように前記消化産物の突出領域と適合する突出領域をその3’末端に含む、実施形態2に記載の方法。
4.制限酵素が、CDR境界から1、2、3、4、または5ヌクレオチドである位置で切断し、境界が、CDRをコードする配列の内部または外部のいずれかにある、実施形態1に記載の方法。
5.制限酵素が、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドである位置で切断する、実施形態4に記載の方法。
6.制限酵素が、認識部位から少なくとも10ヌクレオチド離れた位置で切断する、実施形態1に記載の方法。
7.制限酵素が、CDR境界から1、2、3、4、または5ヌクレオチドであり、認識部位から少なくとも10ヌクレオチド離れた位置で切断する、実施形態1に記載の方法。
8.制限酵素が、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドであり、認識部位から少なくとも10ヌクレオチド離れた位置で切断する、実施形態7に記載の方法。
9.第2のプライマーが、ニワトリ抗体のCDRの下流または上流の、mRNA転写物の長さよりも大きくない距離にある領域にアニーリングする、実施形態1に記載の方法。
10.すぐ下流にある5’突出部が、CDR境界から1、2、3、4、または5ヌクレオチドである、実施形態2に記載の方法。
11.すぐ下流にある5’突出部が、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドである、実施形態10に記載の方法。
12.ニワトリCDRをコードする核酸分子の第2の増幅された集団を生産するのに十分な条件下で、第3のプライマーおよび第4のプライマーを用いて増幅された核酸分子の第2の集団を製造することをさらに含み、
第3のプライマーが、第1のライゲーション産物中に存在するCDRをコードする核酸配列のすぐ下流の領域にアニーリングし、第3のプライマーが、CDRのすぐ下流にあり、認識部位から離れた距離にある位置で切断する制限酵素によって認識される制限酵素認識部位を含有し;
第4のプライマーが、ライゲーション産物中のCDRの上流にある距離にある、第1のライゲーション産物中に存在する第1のFRをコードする核酸分子の一部にアニーリングする、実施形態3に記載の方法。
13.制限酵素が、CDR境界から1、2、3、4、または5ヌクレオチドである位置で切断する、実施形態12に記載の方法。
14.制限酵素が、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドである位置で切断する、実施形態13に記載の方法。
15.制限酵素が、認識部位から少なくとも10ヌクレオチド離れた位置で切断する、実施形態12に記載の方法。
16.制限酵素が、CDR境界から1、2、3、4、または5ヌクレオチドであり、認識部位から少なくとも10ヌクレオチド離れた位置で切断する、実施形態12に記載の方法。
17.制限酵素が、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドであり、認識部位から少なくとも10ヌクレオチド離れた位置で切断する、実施形態16に記載の方法。
18.第2のプライマーが、ニワトリ抗体のCDRの下流の、mRNA転写物の長さよりも大きくない距離にある領域にアニーリングする、実施形態12に記載の方法。
19.核酸分子の第2の増幅された集団を、前記制限酵素で消化して、CDRをコードする配列のすぐ下流に5’突出部を生産して、第2の消化産物を生産することをさらに含む、実施形態12に記載の方法。
20.すぐ下流にある5’突出部が、CDR境界から1、2、3、4、または5ヌクレオチドである、実施形態19に記載の方法。
21.すぐ下流にある5’突出部が、CDR境界から1、2、または3ヌクレオチドである、実施形態20に記載の方法。
22.第2の消化産物を、ヒト抗体の第2のFRをコードする核酸配列にライゲートして、第2のライゲーション産物を生産することを含み、前記第2のFRは、第2のFRが、第2の消化産物の下流にライゲートされるように、前記第2の消化産物の突出領域と適合する突出領域をその5’末端に含む、実施形態19に記載の方法。
23.ヒト抗体の2つのFRによって挟まれたCDRをコードする核酸分子の集団を生産するのに十分な条件下で、ヒト抗体の第1のFRにアニーリングする第1のFWプライマーおよびヒト抗体の第2のFRにアニーリングする第2のプライマーを用いて第2のライゲーション産物を増幅することをさらに含む、実施形態22に記載の方法。
24.CDRが、ニワトリCDR1、CDR2、またはCDR3である、実施形態1~23のいずれか1項に記載の方法。
25.FRが、ヒトFR1、FR2、FR3、またはFR4である、実施形態1~24のいずれか1項に記載の方法。
26.第1のFRがヒトFR1であり、第2のFRがヒトFR2である、実施形態25に記載の方法。
27.第1のFRがヒトFR2であり、第2のFRがヒトFR3である、実施形態25に記載の方法。
28.第1のFRがヒトFR3であり、第2のFRがヒトFR4である、実施形態25に記載の方法。
29.制限酵素がIIS型酵素である、実施形態1~28のいずれか1項に記載の方法。
30.IIS型酵素が、認識配列から少なくとも10塩基を超えて離れた距離で切断する任意のIIS型酵素である、実施形態29に記載の方法。
31.IIS型酵素が、認識配列から14~21塩基離れた距離で切断する、実施形態30に記載の方法。
32.IIS型酵素が、AcuI、BpmI、BpuEI、BsgI、MmeI、またはNmeAllIである、実施形態31に記載の方法。
33.それぞれのCDRがヒトフレームワーク領域によって挟まれた、ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸を生産することをさらに含む、実施形態1~32のいずれか1項に記載の方法。
34.それぞれのCDRがヒトフレームワーク領域によって挟まれた、ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸を生産することが、実施形態1~32のいずれか1項に記載の方法に従って生産された第1、第2、および第3のライゲーション産物の重複PCRを実行することを含み、
第1のライゲーション産物が、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR1をコードする核酸分子を含み;
第2のライゲーション産物が、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR2をコードする核酸分子を含み;
第3のライゲーション産物が、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR3をコードする核酸分子を含む、実施形態33に記載の方法。
35.それぞれのCDRがヒトフレームワーク領域によって挟まれた、ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸を生産することが、実施形態1~32のいずれか1項に記載の方法に従って生産された第1、第2、および第3のライゲーション産物をライゲートすることを含み、
第1のライゲーション産物が、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR1をコードする核酸分子を含み;
第2のライゲーション産物が、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR2をコードする核酸分子を含み;
第3のライゲーション産物が、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR3をコードする核酸分子を含む、実施形態33に記載の方法。
36.ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸分子が、
FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有する、実施形態33~35のいずれか1項に記載の方法。
37.ニワトリCDR1、ニワトリCDR2、およびニワトリCDR3を含むタンパク質をコードする核酸分子が、抗体可変領域をコードする、実施形態33~35のいずれか1項に記載の方法。
38.第1のプライマーおよび第3のプライマーが、式:
5’-(N)xR(N)n-3’
(式中、
Rは、認識配列であり;
Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基であり;
xは、0~11であり;
nは、1~21である)
を含む核酸配列を含む、実施形態1~37のいずれか1項に記載の方法。
39.Rが、CTGAAG、CGATC、ACNNNNGTAYC、GAAGAC、GCAGC、CCATC、ACGGC、CGANNNNNNTGC、GTATCC、GTCTC、ACCTGC、ACTGGG、CTGGAG、CTTGAG、GGTCTC、ACNNNNNCTCC、GAGGAG、GTGCAG、GTCTC、CGTCTC、GGGAC、GAATGC、CTCAG、ACCTGC、GCTCTTC、GCAATG、ACTGG、GCGATG、GGATG、GCAGTG、CAGTG、CAANNNNNGTGG、CTCTTC、GGCGGA、CGTCTC、CCCGC、GGATG、GACGC、GGTGA、CCTTC、GAAGA、GAGTC、TCCRAC、CCTC、GCCGAG、GAGTC、GCTCTTC、またはGCATCである、実施形態38に記載の方法。
40.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態38に記載の方法。
41.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態38に記載の方法
43.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態41に記載の方法。
43.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態38に記載の方法。
44.KがGまたはT/Uである、実施形態43に記載の方法。
45.MがAまたはCである、実施形態43に記載の方法。
46.RがAまたはGである、実施形態43に記載の方法。
47.YがCまたはT/Uである、実施形態43に記載の方法。
48.SがCまたはGである、実施形態43に記載の方法。
49.WがAまたはT/Uである、実施形態43に記載の方法。
50.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態43に記載の方法。
51.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態43に記載の方法。
52.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態43に記載の方法。
53.第1のプライマーおよび第3のプライマーが、5’-CTGAAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号45)の配列(式中、Nは、天然に存在する、天然には存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)を含む、実施形態1~52のいずれか1つに記載の方法。
54.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態53に記載の方法。
55.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態53に記載の方法。
56.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態55に記載の方法。
57.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態53に記載の方法。
58.KがGまたはT/Uである、実施形態57に記載の方法。
59.MがAまたはCである、実施形態57に記載の方法。
60.RがAまたはGである、実施形態57に記載の方法。
61.YがCまたはT/Uである、実施形態57に記載の方法。
62.SがCまたはGである、実施形態57に記載の方法。
63.WがAまたはT/Uである、実施形態57に記載の方法。
64.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態57に記載の方法。
65.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態57に記載の方法。
66.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態57に記載の方法。
67.第1のプライマーおよび第3のプライマーが、5’-CTGGAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’の配列(式中、Nは、天然に存在する、天然には存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)を含む、実施形態1~52のいずれか1つに記載の方法。
68.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態67に記載の方法。
69.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態67に記載の方法。
70.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態69に記載の方法。
71.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態67に記載の方法。
72.KがGまたはT/Uである、実施形態71に記載の方法。
73.MがAまたはCである、実施形態71に記載の方法。
74.RがAまたはGである、実施形態71に記載の方法。
75.YがCまたはT/Uである、実施形態71に記載の方法。
76.SがCまたはGである、実施形態71に記載の方法。
77.WがAまたはT/Uである、実施形態71に記載の方法。
78.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態71に記載の方法。
79.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態71に記載の方法。
80.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態71に記載の方法。
81.第1のプライマーおよび第3のプライマーが、5’-CTTGAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’の配列(式中、Nは、天然に存在する、天然には存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)を含む、実施形態1~52のいずれか1つに記載の方法。
82.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態81に記載の方法。
83.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態81に記載の方法。
84.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態83に記載の方法。
85.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態81に記載の方法。
86.KがGまたはT/Uである、実施形態85に記載の方法。
87.MがAまたはCである、実施形態85に記載の方法。
88.RがAまたはGである、実施形態85に記載の方法。
89.YがCまたはT/Uである、実施形態85に記載の方法。
90.SがCまたはGである、実施形態85に記載の方法。
91.WがAまたはT/Uである、実施形態85に記載の方法。
92.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態85に記載の方法。
93.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態85に記載の方法。
94.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態85に記載の方法。
95.第1のプライマーおよび第3のプライマーが、5’-GTGCAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号62)の配列(式中、Nは、天然に存在する、天然には存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)を含む、実施形態1~52のいずれか1つに記載の方法。
96.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態95に記載の方法。
97.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態95に記載の方法。
98.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態97に記載の方法。
99.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態95に記載の方法。
100.KがGまたはT/Uである、実施形態99に記載の方法。
101.MがAまたはCである、実施形態99に記載の方法。
102.RがAまたはGである、実施形態99に記載の方法。
103.YがCまたはT/Uである、実施形態99に記載の方法。
104.SがCまたはGである、実施形態99に記載の方法。
105.WがAまたはT/Uである、実施形態99に記載の方法。
106.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態99に記載の方法。
107.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態99に記載の方法。
108.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態99に記載の方法。
109.第1のプライマーおよび第3のプライマーが、5’-TCCRACNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN-3’の配列(式中、Nは、天然に存在する、天然には存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)を含む、実施形態1~52のいずれか1つに記載の方法。
110.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態109に記載の方法。
111.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態109に記載の方法。
112.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態111に記載の方法。
113.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態109に記載の方法。
114.KがGまたはT/Uである、実施形態113に記載の方法。
115.MがAまたはCである、実施形態113に記載の方法。
116.RがAまたはGである、実施形態113に記載の方法。
117.YがCまたはT/Uである、実施形態113に記載の方法。
118.SがCまたはGである、実施形態113に記載の方法。
119.WがAまたはT/Uである、実施形態113に記載の方法。
120.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態113に記載の方法。
121.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態113に記載の方法。
122.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態113に記載の方法。
123.第1のプライマーおよび第3のプライマーが、5’-GCCGAGNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN-3’の配列(式中、Nは、天然に存在する、天然には存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)を含む、実施形態1~52のいずれか1つに記載の方法。
124.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態123に記載の方法。
125.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態123に記載の方法。
126.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態125に記載の方法。
127.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態123に記載の方法。
128.KがGまたはT/Uである、実施形態127に記載の方法。
129.MがAまたはCである、実施形態127に記載の方法。
130.RがAまたはGである、実施形態127に記載の方法。
131.YがCまたはT/Uである、実施形態127に記載の方法。
132.SがCまたはGである、実施形態127に記載の方法。
133.WがAまたはT/Uである、実施形態127に記載の方法。
134.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態127に記載の方法。
135.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態127に記載の方法。
136.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態127に記載の方法。
137.抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子のライブラリーを生産する方法であって、
i)ヒトフレームワーク領域1(FR1)およびヒトフレームワーク領域2(FR2)をコードする核酸配列によって挟まれた、ニワトリ相補性決定領域1(CDR1)ドメインをコードする核酸分子の第1のライブラリー;
ii)ヒトフレームワーク領域2(FR2)およびヒトフレームワーク領域3(FR3)をコードする核酸配列によって挟まれた、ニワトリ相補性決定領域2(CDR2)ドメインをコードする核酸分子の第2のライブラリー;
iii)ヒトフレームワーク領域3(FR3)およびヒトフレームワーク領域4(FR4)をコードする核酸配列によって挟まれた、ニワトリ相補性決定領域3(CDR3)ドメインをコードする核酸分子の第3のライブラリー
を組み合わせることを含み、
抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子が、
FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有する、方法。
138.組み合わせることが、核酸分子の第1、第2、および第3のライブラリーをライゲートして、抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子を生産することを含む、実施形態137に記載の方法。
139.組み合わせることが、核酸分子の第1、第2、および第3のライブラリーを用いた重複PCRを実行して、抗体のヒト化可変領域をコードする核酸分子を生産することを含む、実施形態137に記載の方法。
140.実施形態1~139のいずれか1項に従って製造された核酸分子のライブラリー。
141.ライブラリーが核酸分子の集団を含み、集団の複数の核酸分子が、
FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有するポリペプチドをコードする、実施形態140に記載の核酸分子のライブラリー。
142.異なるポリペプチドをコードするライブラリー中に存在する少なくとも2つの核酸分子が存在する、実施形態141に記載のライブラリー。
143.ニワトリ抗体のCDRのすぐ上流または下流の領域にアニーリングするオリゴヌクレオチドであって、認識部位の下流の距離で切断する制限酵素によって認識される制限酵素認識部位を含む、オリゴヌクレオチド。
144.式:
5’-(N)xR(N)n-3’
(式中、
Rは、認識配列であり;
Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基であり;
xは、0~11であり;
nは、1~21である)
を含む核酸配列の配列を含む、実施形態143に記載のオリゴヌクレオチド。
145.Rが、CTGAAG、CGATC、ACNNNNGTAYC、GAAGAC、GCAGC、CCATC、ACGGC、CGANNNNNNTGC、GTATCC、GTCTC、ACCTGC、ACTGGG、CTGGAG、CTTGAG、GGTCTC、ACNNNNNCTCC、GAGGAG、GTGCAG、GTCTC、CGTCTC、GGGAC、GAATGC、CTCAG、ACCTGC、GCTCTTC、GCAATG、ACTGG、GCGATG、GGATG、GCAGTG、CAGTG、CAANNNNNGTGG、CTCTTC、GGCGGA、CGTCTC、CCCGC、GGATG、GACGC、GGTGA、CCTTC、GAAGA、GAGTC、TCCRAC、CCTC、GCCGAG、GAGTC、GCTCTTC、またはGCATCである、実施形態144に記載のオリゴヌクレオチド。
146.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態144に記載のオリゴヌクレオチド。
147.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態144に記載のオリゴヌクレオチド。
148.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態147に記載のオリゴヌクレオチド。
149.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態144に記載のオリゴヌクレオチド。
150.KがGまたはT/Uである、実施形態149に記載のオリゴヌクレオチド。
151.MがAまたはCである、実施形態149に記載のオリゴヌクレオチド。
152.RがAまたはGである、実施形態149に記載のオリゴヌクレオチド。
153.YがCまたはT/Uである、実施形態149に記載のオリゴヌクレオチド。
154.SがCまたはGである、実施形態149に記載のオリゴヌクレオチド。
155.WがAまたはT/Uである、実施形態149に記載のオリゴヌクレオチド。
156.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態149に記載のオリゴヌクレオチド。
157.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態149に記載のオリゴヌクレオチド。
158.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態149に記載のオリゴヌクレオチド。
159.5’-CTGAAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号45)(式中、Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)の配列を含む核酸配列の配列を含む、実施形態143に記載のオリゴヌクレオチド。
160.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態159に記載のオリゴヌクレオチド。
161.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態159に記載のオリゴヌクレオチド。
162.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態161に記載のオリゴヌクレオチド。
163.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態159に記載のオリゴヌクレオチド。
164.KがGまたはT/Uである、実施形態163に記載のオリゴヌクレオチド。
165.MがAまたはCである、実施形態163に記載のオリゴヌクレオチド。
166.RがAまたはGである、実施形態163に記載のオリゴヌクレオチド。
167.YがCまたはT/Uである、実施形態163に記載のオリゴヌクレオチド。
168.SがCまたはGである、実施形態163に記載のオリゴヌクレオチド。
169.WがAまたはT/Uである、実施形態163に記載のオリゴヌクレオチド。
170.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態163に記載のオリゴヌクレオチド。
171.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態163に記載のオリゴヌクレオチド。
172.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態163に記載のオリゴヌクレオチド。
173.5’-CTGGAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(式中、Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)の配列を含む核酸配列の配列を含む、実施形態143に記載のオリゴヌクレオチド。
174.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態173に記載のオリゴヌクレオチド。
175.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態173に記載のオリゴヌクレオチド。
176.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態175に記載のオリゴヌクレオチド。
177.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態173に記載のオリゴヌクレオチド。
178.KがGまたはT/Uである、実施形態177に記載のオリゴヌクレオチド。
179.MがAまたはCである、実施形態177に記載のオリゴヌクレオチド。
180.RがAまたはGである、実施形態177に記載のオリゴヌクレオチド。
181.YがCまたはT/Uである、実施形態177に記載のオリゴヌクレオチド。
182.SがCまたはGである、実施形態177に記載のオリゴヌクレオチド。
183.WがAまたはT/Uである、実施形態177に記載のオリゴヌクレオチド。
184.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態177に記載のオリゴヌクレオチド。
185.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態177に記載のオリゴヌクレオチド。
186.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態177に記載のオリゴヌクレオチド。
187.5’-CTTGAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(式中、Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)の配列を含む核酸配列の配列を含む、実施形態143に記載のオリゴヌクレオチド。
188.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態187に記載のオリゴヌクレオチド。
189.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態187に記載のオリゴヌクレオチド。
190.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態189に記載のオリゴヌクレオチド。
191.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態187に記載のオリゴヌクレオチド。
192.KがGまたはT/Uである、実施形態191に記載のオリゴヌクレオチド。
193.MがAまたはCである、実施形態191に記載のオリゴヌクレオチド。
194.RがAまたはGである、実施形態191に記載のオリゴヌクレオチド。
195.YがCまたはT/Uである、実施形態191に記載のオリゴヌクレオチド。
196.SがCまたはGである、実施形態191に記載のオリゴヌクレオチド。
197.WがAまたはT/Uである、実施形態191に記載のオリゴヌクレオチド。
198.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態191に記載のオリゴヌクレオチド。
199.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態191に記載のオリゴヌクレオチド。
200.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態191に記載のオリゴヌクレオチド。
201.5’-GTGCAGNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(配列番号62)(式中、Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)の配列を含む核酸配列の配列を含む、実施形態143に記載のオリゴヌクレオチド。
202.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態201に記載のオリゴヌクレオチド。
203.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態201に記載のオリゴヌクレオチド。
204.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態203に記載のオリゴヌクレオチド。
205.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態201に記載のオリゴヌクレオチド。
206.KがGまたはT/Uである、実施形態205に記載のオリゴヌクレオチド。
207.MがAまたはCである、実施形態205に記載のオリゴヌクレオチド。
208.RがAまたはGである、実施形態205に記載のオリゴヌクレオチド。
209.YがCまたはT/Uである、実施形態205に記載のオリゴヌクレオチド。
210.SがCまたはGである、実施形態205に記載のオリゴヌクレオチド。
211.WがAまたはT/Uである、実施形態205に記載のオリゴヌクレオチド。
212.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態205に記載のオリゴヌクレオチド。
213.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態205に記載のオリゴヌクレオチド。
214.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態205に記載のオリゴヌクレオチド。
215.5’-TCCRACNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(式中、Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)の配列を含む核酸配列の配列を含む、実施形態143に記載のオリゴヌクレオチド。
216.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態215に記載のオリゴヌクレオチド。
217.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態215に記載のオリゴヌクレオチド。
218.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態217に記載のオリゴヌクレオチド。
219.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態215に記載のオリゴヌクレオチド。
220.KがGまたはT/Uである、実施形態219に記載のオリゴヌクレオチド。
221.MがAまたはCである、実施形態219に記載のオリゴヌクレオチド。
222.RがAまたはGである、実施形態219に記載のオリゴヌクレオチド。
223.YがCまたはT/Uである、実施形態219に記載のオリゴヌクレオチド。
224.SがCまたはGである、実施形態219に記載のオリゴヌクレオチド。
225.WがAまたはT/Uである、実施形態219に記載のオリゴヌクレオチド。
226.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態219に記載のオリゴヌクレオチド。
227.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態219に記載のオリゴヌクレオチド。
228.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態219に記載のオリゴヌクレオチド。
229.5’-GCCGAGNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN-3’(式中、Nは、天然に存在する、天然に存在しない、または縮重核酸塩基のような任意の核酸塩基である)の配列を含む核酸配列の配列を含む、実施形態143に記載のオリゴヌクレオチド。
230.天然に存在する核酸塩基が、C、G、T、A、またはUである、実施形態229に記載のオリゴヌクレオチド。
231.天然に存在しない核酸塩基が、DNA二重鎖を安定化する、実施形態229に記載のオリゴヌクレオチド。
232.天然に存在しない核酸塩基が、AP-dC、2-アミノアデニン、5-メチルシトシン、C(5)-プロピニルシトシン、またはC(5)-プロピニルウラシルである、実施形態231に記載のオリゴヌクレオチド。
233.縮重核酸塩基が、K、M、R、Y、S、W、B、DまたはHである、実施形態229に記載のオリゴヌクレオチド。
234.KがGまたはT/Uである、実施形態233に記載のオリゴヌクレオチド。
235.MがAまたはCである、実施形態233に記載のオリゴヌクレオチド。
236.RがAまたはGである、実施形態233に記載のオリゴヌクレオチド。
237.YがCまたはT/Uである、実施形態233に記載のオリゴヌクレオチド。
238.SがCまたはGである、実施形態233に記載のオリゴヌクレオチド。
239.WがAまたはT/Uである、実施形態233に記載のオリゴヌクレオチド。
240.BがCまたはGまたはT/Uである、実施形態233に記載のオリゴヌクレオチド。
241.DがAまたはGまたはT/Uである、実施形態233に記載のオリゴヌクレオチド。
242.HがAまたはCまたはT/Uである、実施形態233に記載のオリゴヌクレオチド。
243.本明細書で提供される、または記載されるオリゴヌクレオチド。
244.FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4
(式中、
FR1はヒトFR1であり;
CDR1はニワトリCDR1であり;
FR2はヒトFR2であり;
CDR2はニワトリCDR2であり;
FR3はヒトFR3であり;
CDR3はニワトリCDR3であり;
FR4はヒトFR4である)
の式を有する核酸分子によってコードされるポリペプチドであって、前記核酸分子が実施形態1~139のいずれか1つに従って製造された、ポリペプチド。
245.標的に対する結合パートナーを同定する方法であって、標的と、実施形態1~139のいずれか1つに記載の方法に従って製造されたライブラリーによってコードされるタンパク質のライブラリーとを接触させることを含む、方法。
246.結合パートナーが抗体である、実施形態245に記載の方法。
247.結合パートナーがscFvである、実施形態245に記載の方法。
【0119】
実施形態を、種々の実施形態に関して記載してきたが、それらに限定されることは意図されておらず、むしろ、当業者であれば、実施形態の精神およびその範囲内にある変更および改変を行うことができることを認識するであろう。
【実施例1】
【0120】
ニワトリVHライブラリーのヒト化:本実施例は、免疫されたニワトリのB細胞からのVH CDR2およびCDR3の抽出、次いで、ニワトリCDRを含有するヒト化VHコード領域を形成するためのヒトフレームワーク領域との集合のための非限定的方法を提示する。
【0121】
ヒトフレームワーク領域アクセプター断片を、生殖系列ヒトV遺伝子を含有するプラスミドからのPCR増幅、次いで、抽出されたニワトリCDRと適合する突出部を残すための制限酵素による消化によって生成した。ニワトリV遺伝子に対するアミノ酸レベルでの類似性のため、VH3-23を選択した。ヒトJH1(FR4)に加えてVH3-23 V遺伝子の配列(配列番号1)を、表1に示す。VH3-23 V遺伝子+JH1をコドン最適化して、計画された接合点でのニワトリコドンとの同一性を確保し、フレームワーク増幅のための鋳型としての使用のためにpUCベクター中に挿入した。
【0122】
【表2】
【0123】
ヒトフレームワーク領域アクセプター断片を生成するために使用されたプライマーを、表2に列挙する(配列番号2~9)。それぞれのプライマー対中の1つのプライマーは、制限酵素の切断が抽出されたニワトリCDRへのライゲーションのための所望の接合点に突出部を残すような位置にAcuI制限酵素認識部位(表2中のCTGAAG)を含有する。このプライマーはまた、ストレプトアビジン磁気ビーズ上での捕捉およびAcuIを用いた消化による放出のために5’末端上でビオチン化されている。消化効率を改善するために、ビオチンとAcuI認識部位との間にランダムスペーサー配列が含まれている。ランダムスペーサー配列は、AcuIによる効率的な切断を可能にし、プライマー合成によって長さが制限されている。
【0124】
【表3】
【0125】
PCR反応を、2×Phusionマスターミックス(NEB)、鋳型1ng(配列番号1)、および0.5μMの各プライマーを使用し、以下のサーマルサイクリング条件:98℃で30秒、98℃で5秒、72℃で15秒の30サイクル、および72℃で2分の最終サイクルを使用して設定した。サーマルサイクリングの完了後、PCR精製キット(Qiagen)を使用して反応物を精製し、ストレプトアビジン磁気ビーズ(NEB)50μlを使用して捕捉した。捕捉後、ビーズを、洗浄緩衝液(0.5M NaCl、20mM Tris-HCl、0.1mM EDTA)、次いで、1×Cutsmart Buffer(NEB)で洗浄した。AcuI(NEB)、Cutsmart Buffer(NEB)、およびS-アデノシルメチオニン(NEB)を用いた制限消化反応を設定し、サーモミキサー中、1,500rpmで30分、振とうしながら37℃でインキュベートすることによって、ビーズからPCR産物を放出させた。消化後、放出されたPCR産物を含有する上清を、PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製した。
【0126】
4つのヒトフレームワーク領域アクセプター断片を生成し、その配列を表3に列挙した。FR1-CDRH1-FR2断片(配列番号10)は、隣接するフレームワークFR1およびFR2に加えて、ヒトVH3-23生殖系列CDR1領域(CDRH1)を含有する。この断片を、表2中のプライマーセットAを使用して生成した。FR3(H2突出部)断片(配列番号11または配列番号44)は、FR3領域がヒトVH3-23遺伝子のCDR2領域に接続する末端に突出部を有する単一のフレームワーク領域FR3を含有する。この断片を、表2中のプライマーセットBの1つを使用して生成した。FR3(H3突出部)断片(配列番号12)は、FR3領域がヒトVH3-23遺伝子のCDR3領域に接続する末端に突出部を有する単一のフレームワーク領域FR3を含有する。この断片を、表2中のプライマーセットCを使用して生成した。FR4断片(配列番号13)は、単一のフレームワーク領域FR4を含有し、これを、表2中のプライマーセットDを使用して生成した。
【0127】
【表4】
【0128】
ニワトリ抗体VH鎖のCDR2領域の取得およびヒトフレームワークへの挿入。免疫されたニワトリのB細胞から抽出されたRNAから製造されたcDNAから、ニワトリVH CDR2を増幅させた。CDR2断片を、本明細書および上に記載されたようないくつかのPCRおよび消化反応によって抽出した。次いで、CDR2断片を、ヒトフレームワーク領域アクセプター断片上にライゲートし、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR2を含有する断片を生成した。
【0129】
CDR2増幅のために使用したプライマーを、表4に列挙する(配列番号14~28)。それぞれのPCR工程について、プライマーセットは、CDRに隣接するニワトリフレームワーク領域に結合するプライマーのプールを含んでいた。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、プライマーのこれらのプールは、できるだけ多くのニワトリ免疫レパートリーをサンプリングするための縮重塩基を含有する。これらのプライマーは、制限酵素の切断が、ヒトフレームワーク領域アクセプター断片へのライゲーションのための所望の接合点に突出部を残すように配置されたAcuI制限酵素認識部位(表4中のCTGAAG)を含有する。これらのプライマーは、ストレプトアビジン磁気ビーズ上での捕捉およびAcuIを用いた消化による放出のために5’末端上でビオチン化されている。消化効率を改善するために、ビオチンとAcuI認識部位との間にランダムスペーサー配列が含まれている。AcuI認識部位を含有するプライマーの設計を、図1に示す。
【0130】
【表5】
【0131】
一部の実施形態では、配列番号15~22のプライマーは、それぞれ、配列番号31~36によって置き換えられる。
【0132】
ニワトリCDR2断片を得るために、PCR反応を、2×Phusionマスターミックス(NEB)、cDNA 1μl、0.5μMのフォワードプライマー(配列番号14)、および0.5μMのリバースプライマープール(配列番号15~18)を使用し、以下のサーマルサイクリング条件:98℃で30秒、98℃で5秒、65℃で10秒、72℃で5秒の15サイクル、および72℃で2分の最終サイクルを使用して設定した。サーマルサイクリングの完了後、PCR精製キット(Qiagen)を使用して反応物を精製し、ストレプトアビジン磁気ビーズ(NEB)50μlを使用して捕捉した。捕捉後、ビーズを、洗浄緩衝液(0.5M NaCl、20mM Tris-HCl、0.1mM EDTA)、次いで、1×Cutsmart Buffer(NEB)で洗浄した。AcuI(NEB)、Cutsmart Buffer(NEB)、およびS-アデノシルメチオニン(NEB)を用いた制限消化反応を設定し、サーモミキサー中、1,500rpmで30分、振とうしながら37℃でインキュベートすることによって、ビーズからPCR産物を放出させた。消化後、放出されたPCR産物を含有する上清を、PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製した。この消化産物は、CDR2がFR3領域に接続する末端に突出部を有するニワトリCDR2を含有する断片である。
【0133】
次の工程は、このニワトリCDR2断片を、FR3ヒトフレームワーク領域アクセプター断片(配列番号11)にライゲートすることであった。ライゲーション反応を、Quick Ligase Reaction Buffer(NEB)およびQuick Ligase(NEB)と共に、それぞれ1pモルのニワトリCDR2断片およびヒトFR3アクセプター断片を使用して設定した。この反応物を、25℃で5分インキュベートした後、PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製した。次の工程は、ニワトリCDR2およびヒトFR3を含有するライゲーション産物を増幅するPCR反応である。PCR反応を、鋳型としての精製されたライゲーション産物、2×Phusionマスターミックス(NEB)、0.5μMリバースプライマー(配列番号3)、および0.5μMのフォワードプライマープール(配列番号19~22)を使用し、以下のサーマルサイクリング条件:98℃で30秒、98℃で5秒、61℃で10秒、72℃で5秒の15サイクル、および72℃で2分の最終サイクルを使用して設定した。サーマルサイクリングの完了後、PCR精製キット(Qiagen)を使用して反応物を精製し、ストレプトアビジン磁気ビーズ(NEB)50μlを使用して捕捉した。捕捉後、ビーズを、洗浄緩衝液(0.5M NaCl、20mM Tris-HCl、0.1mM EDTA)、次いで、1×Cutsmart Buffer(NEB)で洗浄した。AcuI(NEB)、Cutsmart Buffer(NEB)、およびS-アデノシルメチオニン(NEB)を用いた制限消化反応を設定し、サーモミキサー中、1,500rpmで30分、振とうしながら37℃でインキュベートすることによって、ビーズからPCR産物を放出させた。消化後、放出されたPCR産物を含有する上清を、PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製した。得られた生成物は、CDR2がFR2に接続する末端に突出部を有する、CDR2-FR3の断片である。
【0134】
次の工程は、このCDR2-FR3断片を、FR1-CDR1-FR2ヒトフレームワーク領域アクセプター断片(配列番号10)にライゲートすることであった。ライゲーション反応を、Quick Ligase Reaction Buffer(NEB)およびQuick Ligase(NEB)と共に、それぞれ1pモルのCDR2-FR3断片およびFR1-CDR1-FR2断片を使用して設定した。この反応物を、25℃で5分インキュベートした後、PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製した。精製されたライゲーション産物(FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3断片)を、2×Phusionマスターミックス(NEB)、0.5μMの各プライマー(配列番号2~3)を使用し、以下のサーマルサイクリング条件:98℃で30秒、98℃で5秒、72℃で15秒の15サイクル、および72℃で2分の最終サイクルを使用する最終PCR増幅のための鋳型として使用した。PCR産物を、ゲル電気泳動によって分析し、集合させた断片をゲルから切り出し、ゲル抽出キット(Qiagen)を使用して精製した。最終生成物は、ヒトVH3-23 FR1-CDR1-FR2とFR3とによって挟まれたニワトリVH CDR2を含有する。
【0135】
ニワトリ抗体VH鎖のCDR3領域の取得およびヒトフレームワークへの挿入。免疫されたニワトリのB細胞から抽出されたRNAから製造されたcDNAから、ニワトリVH CDR3を増幅させた。CDR3を、いくつかのPCRおよび消化反応によって抽出した。次いで、CDR3断片を、ヒトフレームワーク領域アクセプター断片上にライゲートし、ヒトフレームワーク領域によって挟まれたニワトリCDR3を含有する断片を生成した。これらの工程を、図2に示す。
【0136】
CDR3増幅のために使用したプライマーを、表5に列挙する(配列番号23~30)。それぞれのPCR工程について、プライマーセットは、CDRに隣接するニワトリフレームワーク領域に結合するプライマーのプールを含む。これらのプライマーのプールは、できるだけ多くのニワトリ免疫レパートリーをサンプリングするために縮重塩基を含有する。これらのプライマーは、制限酵素の切断が、ヒトフレームワーク領域アクセプター断片へのライゲーションのための所望の接合点に突出部を残すように配置されたAcuI制限酵素認識部位(表5中のctgaag)を含有する。これらのプライマーを、ストレプトアビジン磁気ビーズ上での捕捉およびAcuIを用いた消化による放出のために5’末端上でビオチン化した。消化効率を改善するために、ビオチンとAcuI認識部位との間にランダムスペーサー配列が含まれている。
【0137】
【表6】
【0138】
ニワトリCDR3断片を得るために、PCR反応を、2×Phusionマスターミックス(NEB)、cDNA 1μl、0.5μMのフォワードプライマープール(配列番号23~27)、および0.5μMのリバースプライマー(配列番号28)を使用し、以下のサーマルサイクリング条件:98℃で30秒、98℃で5秒、52℃で10秒、72℃で5秒の15サイクル、および72℃で2分の最終サイクルを使用して設定した。サーマルサイクリングの完了後、PCR精製キット(Qiagen)を使用して反応物を精製し、ストレプトアビジン磁気ビーズ(NEB)50μlを使用して捕捉した。捕捉後、ビーズを、洗浄緩衝液(0.5M NaCl、20mM Tris-HCl、0.1mM EDTA)、次いで、1×Cutsmart Buffer(NEB)で洗浄した。AcuI(NEB)、Cutsmart Buffer(NEB)、およびS-アデノシルメチオニン(NEB)を用いた制限消化反応を設定し、サーモミキサー中、1,500rpmで30分、振とうしながら37℃でインキュベートすることによって、ビーズからPCR産物を放出させた。消化後、放出されたPCR産物を含有する上清を、PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製した。得られた生成物は、CDR3がFR3領域に接続する末端に突出部を有するニワトリCDR3を含有する断片である。
【0139】
それぞれ1pモルの消化されたPCR産物およびアクセプター断片、Quick Ligase Reaction Buffer(NEB)、ならびにQuick Ligase(NEB)を含有するライゲーション反応を設定することによって、この生成物を、FR3ヒトフレームワーク領域アクセプター断片(配列番号12)にライゲートした。この反応物を、25℃で5分インキュベートした後、PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製した。ライゲーション産物を増幅するために、次のPCR工程を、鋳型としての精製されたライゲーション産物、2×Phusionマスターミックス(NEB)、0.5μMフォワードプライマー(配列番号6)、および0.5μMのリバースプライマープール(配列番号29~30)を使用し、以下のサーマルサイクリング条件:98℃で30秒、98℃で5秒、68℃で10秒、72℃で5秒の15サイクル、および72℃で2分の最終サイクルを使用して設定した。サーマルサイクリングの完了後、PCR精製キット(Qiagen)を使用して反応物を精製し、ストレプトアビジン磁気ビーズ(NEB)50μlを使用して捕捉した。捕捉後、ビーズを、洗浄緩衝液(0.5M NaCl、20mM Tris-HCl、0.1mM EDTA)、次いで、1×Cutsmart Buffer(NEB)で洗浄した。AcuI(NEB)、Cutsmart Buffer(NEB)、およびS-アデノシルメチオニン(NEB)を用いた制限消化反応を設定し、サーモミキサー中、1,500rpmで30分、振とうしながら37℃でインキュベートすることによって、ビーズからPCR産物を放出させた。消化後、放出されたPCR産物を含有する上清を、PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製した。得られた生成物は、CDR3がFR4に接続する末端に突出部を有する、FR3-CDR3の断片である。
【0140】
それぞれ1pモルの消化されたPCR産物およびアクセプター断片、Quick Ligase Reaction Buffer(NEB)、ならびにQuick Ligase(NEB)を含有するライゲーション反応を設定することによって、この生成物を、FR4アクセプター断片(配列番号13)にライゲートした。この反応物を、25℃で5分インキュベートした後、PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製した。精製されたライゲーション反応物を、2×Phusionマスターミックス(NEB)、0.5μMの各プライマー(配列番号6、9)を使用し、以下のサーマルサイクリング条件:98℃で30秒、98℃で5秒、72℃で15秒の15サイクル、および72℃で2分の最終サイクルを使用する最終PCR増幅のための鋳型として使用した。生成物を、ゲル電気泳動によって分析し、集合させた断片をゲルから切り出し、ゲル抽出キット(Qiagen)を使用して精製した。最終生成物は、ヒトVH3-23 FR3とFR4とによって挟まれたニワトリVH CDR3を含有する。
【0141】
一部の実施形態では、配列番号37~41の配列が、配列番号23~27の代わりに使用される。一部の実施形態では、配列番号42の配列が、配列番号28の代わりに使用される。これらのものを使用することができ、本明細書に記載されたような第2のPCR/消化/ライゲーション工程を含まないように使用することができる、高いTmに起因するミスマッチを用いて依然としてプライミングすることができる。
【0142】
ヒト化抗体VH鎖の集合
VHを、ヒト化ニワトリCDR2およびCDR3断片(断片FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3およびFR3-CDR3-FR4)を使用して、重複PCRによって集合させた。PCR反応を、2×Phusionマスターミックス(NEB)、0.5μMの各プライマー(配列番号2、9)、および1pモルの各断片を使用し、以下の条件:98℃で30秒、98℃で5秒、72℃で20秒の15サイクル、および72℃で2分の最終サイクルを使用して設定した。生成物を、ゲル電気泳動によって分析し、集合させた断片をゲルから切り出し、ゲル抽出キット(Qiagen)を使用して精製した。
【0143】
最終生成物は、ニワトリ由来CDR2およびCDR3を有する、ヒトVH3-23 FR1、CDR1、FR2、およびFR3領域、ヒトJH1を含有する配列をコードするヒト化VHである。これを、同様の様式で製造されたニワトリCDRを含有するヒト化VL断片と対形成させて、ヒト化抗体ライブラリーを生成する。このライブラリーを、免疫した抗原に対するファージディスプレイによる親和性選択のためにファージミド中にクローニングする。
【0144】
親和性成熟および結合試験。膜タンパク質抗原で本明細書で提供され、上に記載されたように免疫したニワトリから抽出したCDRを使用して、ヒト化scFvライブラリーを構築し、ファージミドベクター中にクローニングした。ファージディスプレイによる標的抗原に対する2ラウンドの親和性選択後、ペリプラズム抽出物を、個々のクローンの細菌培養物から製造した。scFv抽出物を、ELISAによって試験した。試験結果を図3に示す。
【0145】
これらの結果は、ここで生産されたライブラリーを使用した抗体の生産が成功し、これを使用して、特異的結合を有する多様なセットの抗体を生成することができることを示している。
図1
図2
図3
【配列表】
2023537386000001.app
【国際調査報告】