(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-01
(54)【発明の名称】電池単体、電池、電気機器及び電池単体の製造方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/593 20210101AFI20230825BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20230825BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20230825BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20230825BHJP
H01M 50/249 20210101ALN20230825BHJP
【FI】
H01M50/593
H01M50/586
H01M50/15
H01M50/103
H01M50/249
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022558428
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-09-27
(86)【国際出願番号】 CN2021107472
(87)【国際公開番号】W WO2023000184
(87)【国際公開日】2023-01-26
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】周文林
(72)【発明者】
【氏名】陳聖旺
(72)【発明者】
【氏名】徐良帆
(72)【発明者】
【氏名】李全坤
(72)【発明者】
【氏名】李星
【テーマコード(参考)】
5H011
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011CC06
5H011DD26
5H040AA18
5H040AS04
5H040AS07
5H040AS13
5H040AS19
5H040AT01
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY06
5H043AA04
5H043BA07
5H043BA17
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA04
5H043CA09
5H043CA12
5H043CA13
5H043GA22
5H043GA24
5H043HA11E
5H043JA03E
(57)【要約】
本願は、電池単体、電池、電気機器及び電池単体の製造方法及び装置を提供し、電池技術分野に属する。電池単体は、電池セル、ハウジング、エンドカバー、及び第1絶縁部品を含む。電池セルは、本体部と、本体部から突出する電極タブと、を含む。ハウジングは、第1開口を有し、電池セルを収容する。エンドカバーは第1開口に装着される。第1絶縁部品は絶縁本体と、絶縁部と、を含み、絶縁本体は、エンドカバーの電極タブに向ける側に位置し、電池セルとエンドカバーを隔離し、絶縁部は、エンドカバーから離間する方向に沿って絶縁本体から延伸し、局所は本体部の外周面とハウジングの内周面との間に位置し、電極タブとハウジングを隔離する。電池単体において、絶縁部は電極タブとハウジングを隔離する役割を果たし、電極タブがハウジングと接触して電池単体の正負極の短絡を引き起こすリスクを低減させ、電池単体の安全性を効果的に向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池単体であって、
本体部及び当該本体部から突出する電極タブを含む電池セルと、
第1開口を有し、前記電池セルを収容するためのハウジングと、
前記第1開口に装着されるエンドカバーと、
絶縁本体及び絶縁部を含む第1絶縁部品と、
を含み、
前記絶縁本体は、前記エンドカバーの前記電極タブに向ける側に位置し、前記電池セルと前記エンドカバーを隔離するために用いられ、前記絶縁部は、前記エンドカバーから離間する方向に沿って前記絶縁本体から延伸し、局所は前記本体部の外周面と前記ハウジングの内周面との間に位置し、前記電極タブと前記ハウジングを隔離するために用いられる、ことを特徴とする電池単体。
【請求項2】
前記電池単体は、
前記ハウジングの内部に位置し、前記本体部と前記ハウジングを隔離するように構成される第2絶縁部品を更に含み、
前記絶縁部は前記第2絶縁部品に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池単体。
【請求項3】
前記第2絶縁部品の内部には、一端に前記絶縁本体に向けられた第2開口を有するとともに、前記本体部の少なくとも一部を収容するための収容空間が形成され、
前記絶縁部は、前記絶縁本体から前記第2開口に向けた方向に沿って延伸して前記第2絶縁部品に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の電池単体。
【請求項4】
前記絶縁部は、前記第2絶縁部品に熱融着されるか、又は、前記第2絶縁部品に接着される、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電池単体。
【請求項5】
前記絶縁部は前記絶縁本体の外周エッジに接続される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電池単体。
【請求項6】
前記絶縁部と前記絶縁本体との接続位置には折り目が形成され、前記絶縁部は前記折り目に沿って前記絶縁本体に反転可能に設置される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の電池単体。
【請求項7】
前記第1絶縁部品は前記本体部の外周面の周方向に沿って分布する複数の前記絶縁部を含む、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の電池単体。
【請求項8】
前記本体部は、前記エンドカバーの幅方向に沿って積層されて設置される複数の電極コンポーネントを含み、前記電極コンポーネントの前記エンドカバーの厚さ方向における一端には、前記エンドカバーの長さ方向に沿って配列された2つの前記電極タブが設置され、
前記絶縁本体の前記エンドカバーの長さ方向における両端には、前記本体部の両側に位置する前記絶縁部が設置され、前記エンドカバーの長さ方向において、前記絶縁本体の各端の前記絶縁部は、前記電極コンポーネントの1つの前記電極タブと前記ハウジングを隔離するために用いられる、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の電池単体。
【請求項9】
前記絶縁本体の前記エンドカバーの長さ方向における両端には、いずれも1つの前記絶縁部が設置される、ことを特徴とする請求項8に記載の電池単体。
【請求項10】
前記絶縁本体の前記エンドカバーの長さ方向における両端には、いずれも間隔を置いて複数の前記絶縁部が設置され、
隣接する2つの電極コンポーネントの間には、前記本体部の前記エンドカバーの長さ方向における一端に位置する逃げ溝がそれぞれ形成され、前記逃げ溝は前記絶縁部を退避させるために用いられる、ことを特徴とする請求項8に記載の電池単体。
【請求項11】
前記電極コンポーネントのエンドカバーの長さ方向における両端には、いずれも円弧面が形成され、
隣接する2つの電極コンポーネントの各々において、前記本体部の前記エンドカバーの長さ方向における同じ端部に位置する2つの円弧面は共に前記逃げ溝を画定する、ことを特徴とする請求項10に記載の電池単体。
【請求項12】
前記エンドカバーの長さ方向で且つ外側に向いた方向において、前記絶縁部は前記逃げ溝を超えない、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の電池単体。
【請求項13】
前記絶縁本体の前記エンドカバーの幅方向における両端に、前記本体部の両側に位置する前記絶縁部が設置されることにより、前記エンドカバーの幅方向において前記電極タブと前記ハウジングを隔離する、ことを特徴とする請求項8~12のいずれか一項に記載の電池単体。
【請求項14】
電池であって、
請求項1~13のいずれか一項に記載の電池単体と、
電池単体を収容するための筐体と、
を含む、ことを特徴とする電池。
【請求項15】
電気機器であって、請求項14に記載の電池を含む、ことを特徴とする電気機器。
【請求項16】
電池単体の製造方法であって、前記方法は、
本体部及び当該本体部から突出する電極タブを含む電池セルを提供することと、
第1開口を有するハウジングを提供することと、
エンドカバーと、絶縁本体及び絶縁部を含む第1絶縁部品と、を提供することと、
前記電池セルを前記ハウジングの内部に収容することと、
前記エンドカバーを前記第1開口に装着することで、前記絶縁本体を前記エンドカバーの前記電極タブに向ける側に位置させることと、
を含み、
前記絶縁本体は、前記電池セルと前記エンドカバーを隔離するために用いられ、前記絶縁部は、前記エンドカバーから離間する方向に沿って前記絶縁本体から延伸し、局所は前記本体部の外周面と前記ハウジングの内周面との間に位置し、前記電極タブと前記ハウジングを隔離するために用いられる、ことを特徴とする電池単体の製造方法。
【請求項17】
電池単体の製造装置であって、
本体部及び当該本体部から突出する電極タブを含む電池セルを提供するための第1提供装置と、
第1開口を有するハウジングを提供するための第2提供装置と、
エンドカバーと、絶縁本体及び絶縁部を含む第1絶縁部品と、を提供するための第3提供装置と、
前記電池セルを前記ハウジングの内部に収容し、更に、前記エンドカバーを前記第1開口に装着するために用いられる組立て装置と、
を含み、
前記絶縁本体は、前記電池セルと前記エンドカバーを隔離するために用いられ、前記絶縁部は、前記エンドカバーから離間する方向に沿って前記絶縁本体から延伸し、局所は前記本体部の外周面と前記ハウジングの内周面との間に位置し、前記電極タブと前記ハウジングを隔離するために用いられる、ことを特徴とする電池単体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池技術分野に関し、具体的には、電池単体、電池、電気機器及び電池単体の製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、電子機器、例えば、携帯電話、ノートパソコン、電動バイク、電気自動車、電動飛行機、電動船舶、電動玩具自動車、電動玩具船舶、電動玩具飛行機と電動工具などに広く応用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電池技術において、電池性能の問題を考慮しなければならないのみならず、また電池の安全性を考慮する必要もある。そのため、如何にして電池の安全性を向上させるかは、電池技術において早急に解決すべき技術課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例は、電池単体、電池、電気機器及び電池単体の製造方法及び装置を提供し、電池単体の安全性を効果的に向上させることができる。
【0005】
第1の態様では、本願の実施例は、電池単体を提供し、本体部及び前記本体部から突出する電極タブを含む電池セルと、第1開口を有し、前記電池セルを収容するためのハウジングと、前記第1開口に装着されるエンドカバーと、絶縁本体と絶縁部を含む第1絶縁部品と、を含み、前記絶縁本体は、前記エンドカバーの前記電極タブに向ける側に位置し、前記電池セルと前記エンドカバーを隔離するために用いられ、前記絶縁部は、前記エンドカバーから離間する方向に沿って前記絶縁本体から延伸し、局所は前記本体部の外周面と前記ハウジングの内周面との間に位置し、前記電極タブと前記ハウジングを隔離するために用いられる。
【0006】
上記技術的解決手段において、絶縁部は、エンドカバーから離間する方向に沿って絶縁本体から延伸し、絶縁部の局所は本体部の外周面とハウジングの内周面との間に位置し、電極タブとハウジングを隔離する役割を果たし、電極タブがハウジングと接触して短絡を引き起こすリスクを低減させ、電池単体の安全性を効果的に向上させる。
【0007】
いくつかの実施例では、前記電池単体は、前記ハウジングの内部に位置し、前記本体部と前記ハウジングを隔離するように構成された第2絶縁部品を更に含み、前記絶縁部は前記第2絶縁部品に接続される。
【0008】
上記技術的解決手段において、第2絶縁部品は、本体部とハウジングを隔離する役割を果たし、本体部がハウジングと接触して短絡を引き起こすリスクを低減させる。絶縁部は第2絶縁部品に接続され、第2絶縁部品は絶縁部を固定する役割を果たすことができ、絶縁部を、電極タブとハウジングを隔離する位置に保持する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記第2絶縁部品の内部には、一端に第2開口を有し、前記本体部の少なくとも一部を収容するための収容空間が形成され、前記第2開口は前記絶縁本体に向けられ、前記絶縁部は、前記絶縁本体から前記第2開口に向けた方向に沿って延伸して前記第2絶縁部品に接続される。
【0010】
上記技術的解決手段において、第2絶縁部品の内部には、一端に第2開口を有し、本体部の少なくとも一部を収容するための収容空間が形成され、第2絶縁部品は複数の方向において電池セルとハウジングを分離することができる。絶縁部は、絶縁本体から第2開口に向けた方向に沿って延伸して第2絶縁部品に接続されるため、第1絶縁部品、第2絶縁部品及び電池セルの三者は電池単体を組み立てる過程において一体にされてもよく、更にハウジングに組み立てられることに役立ち、電池単体の組立て効率を向上させることができる。
【0011】
いくつかの実施例では、前記絶縁部は、前記第2絶縁部品に熱融着され、又は、前記第2絶縁部品に接着される。
【0012】
上記技術的解決手段において、絶縁部は第2絶縁部品に熱融着で一体に接続されてもよく、接着で一体に接続されてもよく、絶縁部と第2絶縁部品との接続方式は簡単で、実現しやすく、絶縁部が第2絶縁部品に接続された後の堅牢性を保証することができる。
【0013】
いくつかの実施例では、前記絶縁部は前記絶縁本体の外周エッジに接続される。
【0014】
上記技術的解決手段において、絶縁部は絶縁本体の外周エッジに接続されることで、絶縁部は更に、ハウジングの内周面に接近し、電池セルの本体部は可能な限り大きくすることができ、電池単体のエネルギー密度を向上させることに寄与する。
【0015】
いくつかの実施例では、前記絶縁部と前記絶縁本体との接続位置には折り目が形成され、前記絶縁部は前記折り目に沿って前記絶縁本体に反転可能に設置される。
【0016】
上記技術的解決手段において、絶縁部と絶縁本体との接続位置には折り目が形成され、第1絶縁部品は一つの板状部材により折り目に沿って折り返されてなる。絶縁部は折り目に沿って絶縁本体に反転可能に設置されるため、電池セルの本体部は膨張して絶縁部を押圧する時、絶縁部は絶縁本体に対して折り目に沿って所定の角度に反転することができ、本体部は膨張して絶縁部による押圧を受けて破壊されるリスクを低減させる。
【0017】
いくつかの実施例では、前記第1絶縁部品は前記本体部の外周面の周方向に沿って分布する複数の前記絶縁部を含む。
【0018】
上記技術的解決手段において、第1絶縁部品は本体部の外周面の周方向に沿って分布する複数の絶縁部を含むことによって、絶縁部は異なる方位から電極タブとハウジングを隔離することができ、電極タブがハウジングと接触するリスクを低減させる。
【0019】
いくつかの実施例では、前記本体部は、前記エンドカバーの幅方向に沿って積層されて設置される複数の電極コンポーネントを含み、前記電極コンポーネントの前記エンドカバーの厚さ方向における一端には、前記エンドカバーの長さ方向に沿って配列する2つの前記電極タブが設置され、前記絶縁本体の前記エンドカバーの長さ方向における両端には、前記本体部の両側に位置する前記絶縁部が設置され、前記エンドカバーの長さ方向において、前記絶縁本体の各端の前記絶縁部は、前記電極コンポーネントの1つの前記電極タブと前記ハウジングを隔離するために用いられる。
【0020】
上記技術的解決手段において、絶縁本体のエンドカバーの長さ方向における両端には、いずれも本体部の両側に位置する絶縁部が設置され、エンドカバーの長さ方向において、絶縁本体の各端の絶縁部は、電極コンポーネントの1つの電極タブとハウジングを対応的に隔離することができ、すなわち、電極コンポーネントのエンドカバーの長さ方向における1つの電極タブとハウジングは絶縁本体の一端の絶縁部によって隔離され、電極コンポーネントのエンドカバーの長さ方向における他の電極タブとハウジングは、絶縁本体の他端の絶縁部によって隔離されることで、電極コンポーネントの2つの電極タブは、エンドカバーの長さ方向においていずれもハウジングと容易に接触することができない。
【0021】
いくつかの実施例では、前記絶縁本体の前記エンドカバーの長さ方向における両端には、いずれも1つの前記絶縁部が設置される。
【0022】
上記技術的解決手段において、絶縁本体のエンドカバーの長さ方向における両端には、いずれも1つの絶縁部品が設置され、すなわち、全ての電極コンポーネントのエンドカバーの長さ方向における片側の電極タブとハウジングは同じ絶縁部によって隔離され、全ての電極コンポーネントのエンドカバーの長さ方向における他方の側の電極タブとハウジングも同じ絶縁部によって隔離される。更に、絶縁本体のエンドカバーの長さ方向における両端の絶縁部は電極コンポーネントとハウジングを隔離する役割を果たし、電極コンポーネントのエンドカバーの長さ方向に沿って膨張しても、ハウジングと接触しにくく、電極コンポーネントは膨張した後にハウジングと接触して短絡を引き起こす状況が発生しにくい。
【0023】
いくつかの実施例では、前記絶縁本体の前記エンドカバーの長さ方向における両端には、いずれも間隔を置いて複数の前記絶縁部が設置され、隣接する2つの電極コンポーネントの間には、前記本体部の前記エンドカバーの長さ方向における一端に位置する逃げ溝がそれぞれ形成され、前記逃げ溝は前記絶縁部を退避させるために用いられる。
【0024】
上記技術的解決手段において、隣接する2つの電極コンポーネントの間には、本体部のエンドカバーの長さ方向に位置する逃げ溝がそれぞれ形成され、逃げ溝は絶縁部を退避させることができ、電極コンポーネントは膨張する時に絶縁部の圧迫を受けにくく、電極コンポーネントは膨張して絶縁部による押圧を受けて破壊されるリスクを低減させる。
【0025】
いくつかの実施例では、前記電極コンポーネントのエンドカバーの長さ方向における両端には、いずれも円弧面が形成され、隣接する2つの電極コンポーネントごとにおいて、前記本体部の前記エンドカバーの長さ方向における同じ端部に位置する2つの円弧面は共に前記逃げ溝を画定する。
【0026】
上記技術的解決手段において、隣接する2つの電極コンポーネントの円弧面を利用して共同で逃げ溝を画定し、構造がシンプルである。
【0027】
いくつかの実施例では、前記エンドカバーの長さ方向で且つ外側に向いた方向において、前記絶縁部は前記逃げ溝を超えない。
【0028】
上記技術的解決手段において、エンドカバーの長さ方向で且つ外側に向いた方向において、絶縁部は逃げ溝を超えず、すなわち、絶縁部はエンドカバーの長さ方向において完全に逃げ溝の内部に位置し、絶縁部は、本体部の外周面とハウジングの内周面との間の空間を必要以上に占有することがなく、電池単体のエネルギー密度を向上させることに役だつ。
【0029】
いくつかの実施例では、前記絶縁本体の前記エンドカバーの幅方向における両端に、前記本体部の両側に位置する前記絶縁部が設置されることにより、前記エンドカバーの幅方向において前記電極タブと前記ハウジングを隔離する。
【0030】
上記技術的解決手段において、絶縁本体のエンドカバーの幅方向における両端には、本体部の両側に位置する絶縁部が設置され、当該絶縁部はエンドカバーの幅方向において、電極タブとハウジングを隔離することができ、電極タブがハウジングと接触するリスクを更に低減させる。
【0031】
第2の態様では、本願の実施例は、第1の態様のいずれかの実施例により提供される電池単体と、前記電池単体を収容するための筐体と、を含む電池を提供する。
【0032】
第3の態様では、本願の実施例は、第2の態様のいずれかの実施例により提供される電池を含む電気機器を提供する。
【0033】
第4の態様では、本願の実施例は、電池単体の製造方法を提供し、前記方法は、本体部及び本体部から突出する電極タブを含む電池セルを提供することと、第1開口を有するハウジングを提供することと、エンドカバーと、絶縁本体と絶縁部と、を含む第1絶縁部品と、を提供することと、電池セルを前記ハウジングの内部に収容することと、前記エンドカバーを前記第1開口に装着することで、絶縁本体をエンドカバーの電極タブに向けた側に位置させることと、を含み、前記絶縁本体は、前記電池セルと前記エンドカバーを隔離するために用いられ、前記絶縁部は、前記エンドカバーから離間する方向に沿って前記絶縁本体から延伸し、局所は前記本体部の外周面と前記ハウジングの内周面との間に位置し、前記電極タブと前記ハウジングを隔離するために用いられる。
【0034】
第5の態様では、本願の実施例は、更に、電池単体の製造装置を提供し、本体部及び本体部から突出する電極タブを含む電池セルを提供するための第1提供装置と、第1開口を有するハウジングを提供するための第2提供装置と、エンドカバーと、絶縁本体と絶縁部と、を含む第1絶縁部品と、を提供するための第3提供装置と、電池セルを前記ハウジングの内部に収容し、更に、前記エンドカバーを前記第1開口に装着するために用いられる組立て装置と、を含み、前記絶縁本体は、前記電池セルと前記エンドカバーを隔離するために用いられ、前記絶縁部は、前記エンドカバーから離間する方向に沿って前記絶縁本体から延伸し、局所は前記本体部の外周面と前記ハウジングの内周面との間に位置し、前記電極タブと前記ハウジングを隔離するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、本願の実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明するが、明らかなことに、以下に説明する図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労力を支払うことなく、図面に基づいて他の図面を入手することができる。
【
図1】本願のいくつかの実施例により提供される車両の構成概略図である。
【
図2】本願のいくつかの実施例により提供される電池の構成概略図である。
【
図3】
図2に示すような電池モジュールの構成概略図である。
【
図4】本願のいくつかの実施例により提供される電池単体の分解図である。
【
図5】
図4に示すような電池単体の部分断面図である。
【
図6】
図4に示すようなエンドカバーと第1絶縁部品との組立図である。
【
図7】
図4に示すようなエンドカバーと第1絶縁部品との分解図である。
【
図8】
図4に示すような電池単体の部分分解図である。
【
図9】本願の別の実施例により提供される電池単体の部分分解図である。
【
図10】
図9に示すような絶縁部と逃げ溝との位置関係図である。
【
図11】本願のいくつかの実施例により提供される電池単体の製造方法のフローチャートである。
【
図12】本願のいくつかの実施例により提供される電池単体の製造装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本願の実施例の目的、技術的解決手段、及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例の図面を結び付けながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確に説明する。説明される実施例は、本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0037】
特に定義しない限り、本願に使用される全ての技術と科学用語は、当業者に一般に理解される意味と同じである。本願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を説明することを目的とし、本願を制限することを意図していない。本願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。本願の明細書と特許請求の範囲又は上記の図面における用語「第1」、「第2」などは、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主副関係を説明するためのものではない。
【0038】
本願において「実施例」と言及する場合、実施例で説明された特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいことを意味する。明細書における各箇所に記載されたこの語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。
【0039】
本願の記述において、説明すべきことは、特に明示的に規定して限定しない限り、「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「外付け」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接に接続してもよく、中間媒体を介して間接に接続してもよく、2つの素子の内部を連通させてもよいことである。当業者は、具体的な状況に応じて、上記用語の本願における具体的な意味を理解してもよい。
【0040】
本願における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、3つの関係が存在してもよいことを表し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBという3つのケースを表すことができる。また、本願における文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0041】
本願の実施例において、同一の符号は同一の構成要素を表し、また、簡潔のために、異なる実施例において、同一の構成要素に対する詳細な説明を省略する。なお、図面に示される本願の実施例における各部材の厚さ、長さ・幅などの寸法、及び集積装置の全体的な厚さ、長さ・幅などの寸法は、例示的なものに過ぎず、本願を限定するものではない。
【0042】
本願に記述された「複数」とは、2つ以上の(2つを含む)ことである。
【0043】
本願において、電池単体は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよいが、本願の実施例では、それを限定しない。電池単体は、円柱体、扁平体、長方体、又はその他の形状などを有してもよく、本願の実施例ではそれについても限定しない。電池単体は、パッケージングの形態によって、一般的には、柱形電池単体、直方体角形電池単体とパウチ電池単体の3つの種類に分けられ、本願の実施例では、それを限定しない。
【0044】
本願の実施例で言及した電池は、より高い電圧と容量を提供するために1つ又は複数の電池単体を含む単一の物理的モジュールを指す。例えば、本願に言及される電池には、電池モジュール又は電池パックなどが含まれてもよい。電池は、一般的には、1つ又は複数の電池単体をパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体又はその他の異物が電池単体の充電又は放電に影響を与えることを回避することができる。
【0045】
電池単体は電極コンポーネントと電解液とを含み、電極コンポーネントは正極板、負極板とセパレータによって構成される。電池単体は、主に金属イオンが正極板と負極板との間で移動することにより動作する。正極板は、正極集電体と正極活物質層とを含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布されており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極活物質層が塗布された正極集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にすると、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極板は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極活物質層が塗布された負極集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はシリコンなどであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は複数で積層されており、負極タブの数は複数で積層されている。セパレータの材質はPP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。また、電極コンポーネントは、巻回型構造であってもよいし、積層型構造であってもよく、本願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0046】
電池技術の発展は、多岐にわたる設計因子、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電レートなどの性能パラメータを同時に考慮しなければならず、また、電池の安全性を考慮する必要もある。
【0047】
一般的な電池単体について、電池単体が短絡するというリスクが発生する可能性があり、電池単体の安全性を向上させることが必要である。発明者の研究によれば、電池セルの電極タブとハウジングの間に絶縁処理が行わず、電極タブは、振動する環境において、位置がズレてハウジングと接触してしまう可能性があることで、電池単体の内部短絡を引き起こす。
【0048】
この点に鑑み、本願の実施例は、一技術的解決手段を提供し、第1絶縁部品の絶縁部をエンドカバーから離間する方向に沿って絶縁本体から延伸させ、絶縁部の局所を本体部の外周面とハウジングの内周面との間に設置させることで、絶縁部は電極タブとハウジングを隔離する役割を果たし、電極タブがハウジングと接触して短絡を引き起こすリスクを低減させ、電池単体の安全性を効果的に向上させる。
【0049】
本願の実施例で説明された技術的解決手段は電池及び電池を使用する電気機器に適用される。
【0050】
電気機器は、車両、携帯電話、携帯型デバイス、ノートパソコン、船舶、宇宙機、電動玩具と電動工具などであってもよい。車両は、燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド電気自動車又は航続距離延長型電気自動車などであってもよく、宇宙機は、飛行機、ロケット、スペースシャトルと宇宙船などを含み、電動玩具は、定置式又は移動式の電動玩具、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動船舶玩具、電動飛行機玩具などを含み、電動工具は、金属切削電動工具、研磨用電動工具、組立て用電動工具、鉄道用電動工具、例えば、電動ドリル、電動研磨機、電動レンチ、電動ドライバー、電気ハンマー、電気インパクドリル、コンクリートバイプレーター、電動カンナなどを含む。本願の実施例は、上記電気機器を特に制限しない。
【0051】
以下の実施例では、説明の便宜上、電気機器について車両を例として説明する。
【0052】
図1に示すように、
図1は、本願のいくつかの実施例により提供される車両1000の構成概略図であり、車両1000の内部には電池100が設置され、電池100は車両1000の底部又は先頭部又は後尾部に設置されてよい。電池100は車両1000への給電に用いられてもよく、例えば、電池100を車両1000の動作電源とすることができる。
【0053】
車両1000は更に、コントローラ200とモータ300とを含んでもよく、コントローラ200は、モータ300に給電するように電池100を制御するために用いられ、例えば、車両1000の起動、ナビゲーション及び走行時の動作のための電力の使用ニーズに用いられる。
【0054】
本願のいくつかの実施例では、電池100は、車両1000の動作電源として用いることができるだけでなく、車両1000の駆動電源として、ガソリン又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1000に駆動動力を提供することもできる。
【0055】
いくつかの実施例では、
図2に示すように、
図2は、本願のいくつかの実施例により提供される電池100の構成概略図であり、電池100は筐体10と電池単体20(
図2では、図示せず)とを含み、筐体10は電池単体20を収容するために用いられる。
【0056】
筐体10は、第1の部分11と第2の部分12とを含んでもよく、第1の部分11及び第2の部分12は相互に装着されることで、電池単体20を収容するための収容キャビティ13が限定される。第1の部分11及び第2の部分12は複数種の形状、例えば、直方体、円柱体などであってもよい。第1の部分11は、片側が開放する中空構造であってもよく、第2の部分12は、片側が開放する中空構造であってもよく、第2の部分12の開放側は第1の部分11の開放側に装着され、収容キャビティ13を有する筐体10を形成する。第1の部分11は、片側が開放する中空構造で、第2の部分12は、板状構造であってもよく、第2の部分12は第1の部分11の開放側に装着され、収容キャビティ13を有する筐体10を形成する。
【0057】
ここで、第1の部分11及び第2の部分12はシール部材によって封止されることを実現することができ、シール部材はシールリング、シーラントなどであってもよい。
【0058】
電池100において、電池単体20は1つであってもよく、複数であってもよい。電池単体20が複数であれば、複数の電池単体20の間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続は、複数の電池単体20に直列接続も並列接続も含まれることを意味する。
【0059】
いくつかの実施例では、
図3に示すように、
図3は、
図2に示すような電池モジュール30の構成概略図であり、複数の電池単体20は、まず、直列接続、又は並列接続、又は直並列接続で電池モジュール30を構成してもよく、複数の電池モジュール30は更に、直列接続、又は並列接続、又は直並列接続されて1つの全体を形成し、筐体10(
図2を参照)の内部に収容される。別の実施例では、複数の電池単体20の間は、直列接続、又は並列接続、又は直並列接続で直接的に一体に接続されてもよく、更に複数の電池単体20で構成される全体を筐体10の内部に収容する。
【0060】
いくつかの実施例では、電池100は、更に、バスバー31を含んでもよく、複数の電池単体20の間はバスバー31を介して電気接続されることを実現することができ、複数の電池単体20の直列接続、又は並列接続、又は直並列接続を実現する。
【0061】
バスバー31は金属導体、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金などであってもよい。
【0062】
図4に示すように、
図4は、本願のいくつかの実施例により提供される電池単体20の分解図であり、電池単体20は、電池セル21、ハウジング22、エンドカバー23と第1絶縁部品24を含む。電池セル21は、本体部211と、本体部211から突出する電極タブ212と、を含む。ハウジング22は、第1開口221を有し、電池セル21を収容するために用いられる。エンドカバー23は第1開口221に装着されるために用いられる。第1絶縁部品24は、エンドカバー23の電極タブ212に向いた側に位置し、電池セル21とエンドカバー23を隔離するためと、電極タブ212とハウジング22を隔離するために用いられる。すなわち、第1絶縁部品24は電池セル21の全体とエンドカバー23を隔離する役割を果たすのみならず、また電極タブ212とハウジング22を隔離する役割を果たし、更に電池単体20の安全性を向上させる。
【0063】
いくつかの実施例では、本体部211は少なくとも1つの電極コンポーネント2111を含み、すなわち、本体部211における電極コンポーネント2111は1つであってもよく、複数であってもよい。電極コンポーネント2111は、正極板、負極板及びセパレータを含んでもよく、電極コンポーネント2111は、正極板、セパレータ及び負極板を巻き取ることで形成される巻回型構造であってもよい。電極コンポーネント2111は、正極板、セパレータ及び負極板を積層して配置することで形成される積層式構造であってもよい。各電極コンポーネント2111には逆極性の2つの電極タブ212が対応的に設置され、当該2つの電極タブ212は、それぞれ正極タブ212a及び負極タブ212bである。正極タブ212a及び負極タブ212bは、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の厚さ方向Zにおける同じ端部に位置してもよく、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の厚さ方向Zにおいて対向する両端に位置してもよい。
図4では、正極タブ212a及び負極タブ212bは電極コンポーネント2111の同じ端部に位置する状況を例示的に示している。
【0064】
ここで、正極板は、正極集電体と、正極集電体の対向する両側に塗布されている正極活性物質層と、を含む。負極板は、負極集電体と、負極集電体の対向する両側に塗布されている負極活性物質層と、を含む。正極タブ212aは、正極板に正極活性物質層が塗布されない領域であってもよく、負極タブ212bは、負極板に負極活性物質層が塗布されない領域であってもよい。
【0065】
いくつかの実施例では、
図4に示すように、本体部211は、エンドカバー23の幅方向Yに沿って積層されて設置される複数の電極コンポーネント2111を含み、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の厚さ方向Zにおける一端には、エンドカバー23の長さ方向Xに沿って配列する2つの電極タブ212が設置され、当該2つの電極タブ212はそれぞれ正極タブ212a及び負極タブ212bである。
【0066】
例示的に、本体部211における電極コンポーネント2111は偶数個であり、2つの電極コンポーネント2111ごとに1つの電極コンポーネントユニットを構成し、電極コンポーネントユニットにおいて、2つの電極コンポーネント2111の正極タブ212aが折り畳まれ、2つの電極コンポーネント2111の負極タブ212bが折り畳まれている。本体部211における電極コンポーネント2111は4つであることを例とし、ここで、2つの電極コンポーネント2111は1つの電極コンポーネントユニットを構成し、別の2つの電極コンポーネント2111も1つの電極コンポーネントユニットを構成する。
【0067】
本願の実施例では、ハウジング22は複数種の形状、例えば、円柱体、直方体などであってもよい。ハウジング22の形状は電池セル21の形状と適合してもよい。例えば、電池セル21及びハウジング22はいずれも円柱体であり、更に例えば、電池セル21及びハウジング22はいずれも直方体である。
【0068】
ハウジング22の材質は複数種であってもよく、ハウジング22は金属材質、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金などであってもよく、本願の実施例では、それを特に限定しない。
【0069】
本願の実施例では、エンドカバー23は複数種の形状、例えば、円柱体、直方体などであってもよい。当然ながら、ハウジング22は円柱体である場合、エンドカバー23はハウジング22に整合する円柱体構造であってもよく、ハウジング22は直方体である場合、エンドカバー23はハウジング22に整合する直方体構造であってもよい。
【0070】
エンドカバー23の役割はハウジング22の第1開口221を装着することであり、ハウジング22と共に電池セル21と電解質を収容するための密閉空間を形成し、電解質は電解液であってもよい。
【0071】
説明すべきことは、電池単体20におけるエンドカバー23は1つであってもよく、2つであってもよいことであり、理解すべきことは、エンドカバー23は1つである場合、ハウジング22は一端に第1開口221を形成する中空構造であり、エンドカバー23は2つである場合、ハウジング22は両端にいずれも第1開口221を形成する中空構造であり、2つのエンドカバー23はそれぞれハウジング22の2つの第1開口221を装着するために用いられることである。
【0072】
いくつかの実施例では、ハウジング22及び電池セル21はいずれも円柱体であり、エンドカバー23は2つであり、ハウジング22は両端にいずれも第1開口221を形成する中空構造であり、2つのエンドカバー23はハウジング22の2つの第1開口221にそれぞれ装着され、正極タブ212a及び負極タブ212bは、それぞれ電極コンポーネント2111のエンドカバー23の厚さ方向Zにおける両端に設置される。別の実施例では、
図4に示すように、ハウジング22及び電池セル21はいずれも直方体であり、エンドカバー23は1つであり、ハウジング22は一端に第1開口221を形成する中空構造であり、エンドカバー23はハウジング22の第1開口221に装着され、正極タブ212a及び負極タブ212bは、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の厚さ方向Zにおける同じ端部に設置される。
【0073】
説明すべきことは、電池単体20におけるエンドカバー23が2つである場合、第1絶縁部品24は1つであってもよく、2つであってもよいことである。第1絶縁部品24が1つである場合、第1絶縁部品24は、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の厚さ方向Zにおける一端の電極タブ212のみとハウジング22を分離し、第1絶縁部品24が2つである場合、1つの第1絶縁部品24は、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の厚さ方向Zにおける一端の電極タブ212とハウジング22を隔離し、他の第1絶縁部品24は、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の厚さ方向における他端の電極タブ212とハウジング22を隔離する。
【0074】
いくつかの実施例では、
図4に示すように、電池単体20は更に、正極電極端子40と、負極電極端子50と、を含んでもよく、正極電極端子40は正極タブ212aに電気接続されるために用いられ、負極電極端子50は負極タブ212bに電気接続されるために用いられる。
【0075】
電池単体20におけるエンドカバー23が1つである場合、正極電極端子40及び負極電極端子50は同じエンドカバー23に取り付けられてもよい。電池単体20におけるエンドカバー23が2つである場合、正極電極端子40及び負極電極端子50はそれぞれ2つのエンドカバー23に取り付けられてもよい。
【0076】
正極電極端子40及び負極電極端子50は、電池単体20の2つの出力タブとされ、電池単体20の電気エネルギーを出力するために用いられる。複数の電池単体20がバスバー31を介して電気接続を実現する場合において、バスバー31の一端が1つの電池単体20の正極電極端子40に接続される場合、バスバー31の他端は他の電池単体20のエンドカバー23の負極電極端子50に接続されることで、2つの電池単体20の直列接続を実現し、2つの電池単体20の正極電極端子40が1つのバスバー31を介して接続される場合、2つの電池単体20のエンドカバー23の負極電極端子50は他のバスバー31を介して接続されることで、2つの電池単体20の並列接続を実現する。
【0077】
いくつかの実施例では、電池単体20は更に、集電部材60を含んでもよく、正極タブ212aは1つの集電部材60を介して正極電極端子40に電気接続され、負極タブ212bは他の集電部材60を介して負極電極端子50に電気接続される。
【0078】
集電部材60は、金属導体、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金などであってもよい。
【0079】
本願の実施例では、電池単体20の安全性を向上させるために、
図4及び
図5に示すように、
図5は、
図4に示すような電池単体20の部分断面図であり、第1絶縁部品24は絶縁本体241と絶縁部242とを含み、絶縁本体241は、エンドカバー23の電極タブ212に向いた側に位置し、電池セル21とエンドカバー23を隔離するために用いられ、絶縁部242は、エンドカバー23から離間する方向に沿って絶縁本体241から延伸し、局所は本体部211の外周面とハウジング22の内周面との間に位置し、電極タブ212とハウジング22を隔離するために用いられる。
【0080】
絶縁部242は、エンドカバー23から離間する方向に沿って絶縁本体241から延伸するため、絶縁部242の局所は本体部211の外周面とハウジング22の内周面との間に位置し、絶縁部242は電極タブ212とハウジング22を隔離する役割を果たし、電極タブ212がハウジング22と接触して短絡を引き起こすリスクを低減させ、電池単体20の安全性を効果的に向上させる。
【0081】
本体部211が複数の電極コンポーネント2111を含む場合、本体部211の外周面は、全ての電極コンポーネント2111は1つの全体を構成した後の外周面であり、本体部211における電極コンポーネント2111が1つのみである場合、本体部211の外周面は電極コンポーネント2111の外周面である。
【0082】
例示的に、絶縁本体241と絶縁部242とは一体成形構造であってもよい。
【0083】
説明すべきことは、第1絶縁部品24における絶縁部242は1つであってもよく、複数であってもよく、1つの絶縁部242は1つの電極タブ212とハウジング22を隔離する役割を果たしてもよく、1つの絶縁部242は同時に複数の電極タブ212とハウジング22を隔離する役割を果たしてもよいことである。
【0084】
いくつかの実施例では、エンドカバー23の厚さ方向Zにおいて、本体部211のエンドカバー23に向いた一端に表平面2112が形成され、表平面2112は本体部211の外周面に接続され、電極タブ212は表平面2112に凸設され、絶縁部242は、エンドカバー23から離間する方向に沿って絶縁本体241から延伸して、絶縁部242の局所が表平面2112を超えることによって、局所は本体部211の外周面とハウジング22の内周面との間に位置する。
【0085】
本体部211における電極コンポーネント2111が1つである場合、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の厚さ方向Zにおける一端の端面は表平面2112であり、本体部211における電極コンポーネント2111が複数である場合、複数の電極コンポーネント2111のエンドカバー23の厚さ方向Zにおける同じ端部の端面は共に表平面2112を形成する。
【0086】
いくつかの実施例では、電池単体20は、ハウジング22の内部に位置し、本体部211とハウジング22を隔離するように構成される第2絶縁部品70を更に含んでもよく、絶縁部242は第2絶縁部品70に接続される。
【0087】
第2絶縁部品70は、本体部211とハウジング22を隔離する役割を果たし、本体部211がハウジング22と接触して短絡を引き起こすリスクを低減させる。絶縁部242は第2絶縁部品70に接続され、第2絶縁部品70は絶縁部242を固定する役割を果たすことができ、絶縁部242を、電極タブ212とハウジング22を隔離する位置に保持する。
【0088】
絶縁部242は種々の方式で第2絶縁部品70に接続されてよい。例えば、絶縁部242は、第2絶縁部品70に熱融着され、更に例えば、第2絶縁部品70に接着される。この2種類の接続方式は簡単で、実現しやすく、絶縁部242が第2絶縁部品70に接続された後の堅牢性を保証することができる。
【0089】
第2絶縁部品70及び第1絶縁部品24はいずれも、例えば、ゴム、プラスチックなどの絶縁材質であってもよい。
【0090】
いくつかの実施例では、第2絶縁部品70の内部には、一端に第2開口71を有し、本体部211の少なくとも一部を収容するための収容空間72が形成され、第2開口71は絶縁本体241に向いている。絶縁部242は、絶縁本体241から第2開口71に向けた方向に沿って延伸して第2絶縁部品70に接続される。
【0091】
第2絶縁部品70の内部には、一端に第2開口71を有する収容空間72が形成されるため、収容空間72は本体部211の少なくとも一部を収容するために用いられ、第2絶縁部品70は複数の方向において電池セル21とハウジング22を分離することができる。絶縁部242は、絶縁本体241から第2開口71に向けた方向に沿って延伸して第2絶縁部品70に接続されるため、第1絶縁部品24、第2絶縁部品70及び電池セル21という三者は電池単体20を組み立てる過程に1つの全体とされてもよく、更にハウジング22に組み立てられることに役たち、電池単体20の組立て効率を向上させることができる。
【0092】
収容空間72は電池セル21の少なくとも一部を収容するために用いられ、理解すべきことは、電池セル21の一部は収容空間72の内部に収容されてもよく、電池セル21は完全に収容空間72の内部に収容されてもよい。
【0093】
本実施例では、ハウジング22は、一端に第1開口221が形成された中空構造であってもよく、電池単体20には1つのエンドカバー23及び1つの第1絶縁部品24のみが設置されてよい。
【0094】
例示的に、第2絶縁部品70はシート状部材が折り返して形成された箱本体構造であってもよい。
【0095】
例示的に、絶縁部242の局所は第2絶縁部品70の収容空間72内に延在して第2絶縁部品70の内周面に接続される。
【0096】
説明すべきことは、別の実施例では、第2絶縁部品70は、他の構造、例えば、両端に第2開口71を有する収容空間72が内部に形成されるものであってもよく、収容空間72は本体部211の少なくとも一部を収容するために用いられることである。このような場合、ハウジング22は、両端のいずれにも第1開口221が形成された中空構造であってもよく、電池単体20には2つのエンドカバー23が設置されてよく、2つのエンドカバー23は2つの第1開口221にそれぞれ装着されるために用いられ、1つのエンドカバー23には1つの第1絶縁部品24が対応するように設置される。
【0097】
いくつかの実施例では、
図6に示すように、
図6は、
図4に示すようなエンドカバー23と第1絶縁部品24との組立図であり、絶縁本体241の内側には第1凹部2411が形成され、絶縁本体241の外側の第1凹部2411に対応する位置には第1凸部2412が形成される。エンドカバー23の内側には第2凹部231が形成され、エンドカバー23の外側の第2凹部231に対応する位置には第2凸部232が形成され、第2凹部231は第1凸部2412の少なくとも一部を収容するために用いられ、第1凹部2411は集電部材60(
図6では、図示せず)の少なくとも一部を収容するために用いられることで、電池セル21のためにより多くの空間を空け、電池単体20のエネルギー密度を向上させることに役たつ。
【0098】
正極電極端子40及び負極電極端子50はいずれも第2凸部232に取り付けられてもよい。
【0099】
本願の実施例では、第1絶縁部品24における絶縁部242は1つであってもよく、複数であってもよく、絶縁部242の数は具体的なニーズに応じて決定されてもよい。
【0100】
いくつかの実施例では、
図7に示すように、
図7は、
図4に示すようなエンドカバー23と第1絶縁部品24との分解図であり、第1絶縁部品24は本体部211(
図4を参照)の外周面の周方向に沿って分布する複数の絶縁部242を含むことによって、絶縁部242は異なる方位から電極タブ212とハウジング22を隔離することができ、電極タブ212がハウジング22と接触するリスクを低減させる。
【0101】
本実施例では、隣接する2つの絶縁部242は、その間に隙間が存在してもよく、一体に接続されてもよい。隣接する2つの絶縁部242ごとに一体接続される場合、全ての絶縁部242は絶縁本体241の周方向に沿って全周に亘って延在する囲い構造を構成することができ、電極タブ212及びハウジング22をより良く分割する役割を果たす。
【0102】
いくつかの実施例では、
図7に示すように、絶縁部242が絶縁本体241の外周エッジに接続されることで、絶縁部242はよりハウジング22の内周面に接近し、電池セル21の本体部211は可能な限り大きくすることができ、電池単体20のエネルギー密度を向上させることに役たつ。
【0103】
絶縁本体241は、例として長方形であり、絶縁本体241の4つの辺におけるいずれか1つの辺にはいずれも第1絶縁部品24が設置されてよく、絶縁本体241の4つの辺にはいずれも絶縁部242が設置されてもよく、また絶縁本体241の一部の辺には絶縁部242が設置されてもよい。
図7では、絶縁本体241の4つの辺にはいずれも1つの第1絶縁部品24が設置されたものを例示的に示している。
【0104】
いくつかの実施例では、
図7に示すように、絶縁部242と絶縁本体241との接続位置には折り目243が形成され、絶縁部242は折り目243に沿って絶縁本体241に反転可能に設置される。
【0105】
絶縁部242と絶縁本体241との接続位置には折り目243が形成されるため、第1絶縁部品24は一つの板状部材により折り目243に沿って折り返されてなる。絶縁部242は折り目243に沿って絶縁本体241に反転可能に設置されるため、電池セル21の本体部211は膨張して絶縁部242を押圧する時、絶縁部242は絶縁本体241に対して折り目243に沿って所定の角度に反転されることができ、本体部211は膨張して絶縁部242による押圧を受けて破壊されるリスクを低減させる。
【0106】
電池単体20には、第2絶縁部品70が設置されず、又は第2絶縁部品70が設置されているが、絶縁部242は第2絶縁部品70に一体に接続されていない場合、電池セル21の本体部211は膨張して絶縁部242を押圧した後、絶縁部242は折り目243に沿って所定の角度で反転されることができる。電池単体20には、第2絶縁部品70が設置され、且つ、絶縁部242が第2絶縁部品70に一体に接続される場合、電池セル21の本体部211は膨張して絶縁部242を押圧した後、絶縁部242は折り目243に沿って所定の角度で反転されることもでき、絶縁部242は反転過程に第2絶縁部品70を一定に変形させることができる。
【0107】
説明すべきことは、別の実施例では、絶縁部242は絶縁本体241に一体に固定接続されてもよく、すなわち、絶縁部242は絶縁本体241に対して反転され得ないことである。
【0108】
いくつかの実施例では、
図8に示すように、
図8は、
図4に示すような電池単体20の部分分解図であり、本体部211は、エンドカバー23の幅方向Yに沿って積層されて設置される複数の電極コンポーネント2111を含み、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の厚さ方向Zにおける一端には、エンドカバー23の長さ方向Xに沿って配列する2つの電極タブ212が設置される。絶縁本体241のエンドカバー23の長さ方向Xにおける両端には、本体部211の両側に位置する絶縁部242が設置され、エンドカバー23の長さ方向Xにおいて、絶縁本体241の各端の絶縁部242は、電極コンポーネント2111の1つの電極タブ212とハウジング22を隔離するために用いられる。
【0109】
絶縁本体241のエンドカバー23の長さ方向Xにおける両端には、いずれも本体部211の両側に位置する絶縁部242が設置されるため、エンドカバー23の長さ方向Xにおいて、絶縁本体241の各端の絶縁部242は、電極コンポーネント2111の1つの電極タブ212とハウジング22を対応させて隔離することができ、すなわち、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の長さ方向Xにおける1つの電極タブ212とハウジング22は絶縁本体241の一端の絶縁部242によって隔離され、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の長さ方向Xにおける他の電極タブ212とハウジング22は、絶縁本体241の他端の絶縁部242によって隔離されることで、電極コンポーネント2111の2つの電極タブ212は、エンドカバー23の長さ方向Xにおいていずれもハウジング22と容易に接触することができない。
【0110】
説明すべきことは、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の厚さ方向Zにおける一端には、エンドカバー23の長さ方向Xに沿って配列された2つの電極タブ212が設置され、当該2つの電極タブ212はそれぞれ正極タブ212a及び負極タブ212bであってもよいことである。
【0111】
例示的に、絶縁部242は板状構造である。
【0112】
絶縁本体241のエンドカバー23の長さ方向Xにおける各端の絶縁部242は1つであってもよく、複数であってもよい。
【0113】
いくつかの実施例では、
図8に示すように、絶縁本体241のエンドカバー23の長さ方向Xにおける両端には、いずれも1つの絶縁部242が設置され、すなわち、全ての電極コンポーネント2111のエンドカバー23の長さ方向Xにおける片側の電極タブ212とハウジング22は同じ絶縁部242によって隔離され、全ての電極コンポーネント2111のエンドカバー23の長さ方向Xにおける他方側の電極タブ212とハウジング22も同じ絶縁部242によって隔離される。更に、絶縁本体241のエンドカバー23の長さ方向Xにおける両端の絶縁部242は電極コンポーネント2111とハウジング22を隔離する役割を果たし、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の長さ方向Xに沿って膨張しても、ハウジング22と接触しにくく、電極コンポーネント2111は膨張した後にハウジング22と接触して短絡を引き起こす状況が発生しにくい。
【0114】
別の実施例では、絶縁本体241のエンドカバー23の長さ方向Xにおける両端には、いずれも複数の絶縁部242が設置される。1つの電極コンポーネント2111のエンドカバー23の長さ方向Xにおける片側の電極タブ212とハウジング22は1つの絶縁部242によって隔離されてもよい。隣接する2つの電極コンポーネント2111が1つの電極コンポーネントユニットを形成する場合、電極コンポーネントユニットを構成する2つの電極コンポーネント2111のエンドカバー23の長さ方向Xにおける片側の電極タブ212とハウジング22は同じ絶縁部242によって隔離されてもよい。
【0115】
いくつかの実施例では、
図9に示すように、
図9は、本願の別の実施例により提供される電池単体20の部分分解図であり、絶縁本体241のエンドカバー23の長さ方向Xにおける両端には、いずれも間隔を置いて複数の絶縁部242が設置される。隣接する2つの電極コンポーネント2111の間には、本体部211のエンドカバー23の長さ方向Xにおける一端に位置する逃げ溝2113がそれぞれ形成され、逃げ溝2113は絶縁部242を退避させるために用いられる。逃げ溝2113は絶縁部242を退避させる役割を果たして、電極コンポーネント2111は膨張する時に絶縁部242の圧迫を受けにくく、電極コンポーネント2111は膨張して絶縁部242による押圧を受けて破壊されるリスクを低減させる。
【0116】
例示的に、逃げ溝2113は絶縁部242と1対1で対応する。本体部211における電極コンポーネント2111は4つであることを例とし、本体部211のエンドカバー23の長さ方向Xにおける両端には、いずれも3つの逃げ溝2113が形成され、絶縁本体241のエンドカバー23の長さ方向Xにおける両端には、いずれも間隔を置いて3つの絶縁部242が設置される。
【0117】
任意選択的に、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の長さ方向Xにおける両端には、いずれも円弧面2111aが形成される。隣接する2つの電極コンポーネント2111ごとにおいて、本体部211のエンドカバー23の長さ方向Xに位置する同じ端部の2つの円弧面2111aは共に逃げ溝2113を画定する。隣接する2つの電極コンポーネント2111の円弧面2111aを利用して共同で逃げ溝2113が画定されるため、構造がシンプルである。
【0118】
本実施例では、電極コンポーネント2111は巻回型構造であってもよく、電極コンポーネント2111は、正極板、負極板及びセパレータを巻き取ることで形成された後、電極コンポーネント2111のエンドカバー23の長さ方向Xにおける両端は自然に円弧面2111aを形成する。
【0119】
本実施例では、絶縁部242は折り目243に沿って絶縁本体241に反転可能に設置されてもよく、絶縁部242は絶縁本体241に固定接続されてもよい。
図9では、例示的に、絶縁部242は絶縁本体241に固定接続され、すなわち、絶縁部242は絶縁本体241に対して反転され得ない。
【0120】
いくつかの実施例では、
図10に示すように、
図10は、
図9に示すような絶縁部242と逃げ溝2113との位置関係図であり、エンドカバー23の長さ方向X且つ外に向ける方向において、絶縁部242は逃げ溝2113を超えない。すなわち、絶縁部242はエンドカバー23の長さ方向Xにおいて完全に逃げ溝2113の内部に位置し、絶縁部242は、本体部211の外周面とハウジング22の内周面との間の空間を必要以上に占有することがなく、電池単体20のエネルギー密度を向上させることに役立つ。
【0121】
一例として、逃げ溝2113は2つの電極コンポーネント2111の円弧面2111aによって共同で画定され、エンドカバー23の長さ方向Xにおいて、円弧面2111aの断面はハウジング22の内周面に最も近接する突出点2111bを有する。エンドカバー23の長さ方向Xで且つ外側に向いた方向において、絶縁部242は逃げ溝2113を超えず、すなわち、絶縁部242はエンドカバー23の長さ方向Xで且つ外側に向いた方向において突出点2111bを超えない。
【0122】
いくつかの実施例では、
図8に示すように、絶縁本体241のエンドカバー23の幅方向Yにおける両端には、本体部211の両側に位置する絶縁部242が設置されることで、エンドカバー23の幅方向Yにおいて、電極タブ212とハウジング22を隔離することによって、電極タブ212がハウジング22と接触するリスクを更に低減させる。
【0123】
本実施例では、絶縁本体241のエンドカバー23の長さ方向Xにおける両端には、絶縁部242が設置されてもよいが、絶縁部242が設置されなくてもよい。絶縁本体241のエンドカバー23の長さ方向Xにおける両端には、いずれも絶縁部242が設置される場合、
図8に示すように、絶縁本体241のエンドカバー23の長さ方向Xにおける各端には1つの絶縁部242が設置されてよく、
図9に示すように、絶縁本体241のエンドカバー23の長さ方向Xにおける各端には複数の絶縁部242が設置されてもよい。
【0124】
本願の実施例は、電池単体20の製造方法を提供し、
図11に示すように、
図11は、本願のいくつかの実施例により提供される電池単体20の製造方法のフローチャートであり、製造方法は、
本体部211と、本体部211から突出する電極タブ212と、を含む電池セル21を提供するステップS100と、
第1開口221を有するハウジング22を提供するステップS200と、
エンドカバー23と、絶縁本体241及び絶縁部242を含む第1絶縁部品24と、を提供するステップS300と、
電池セル21をハウジング22の内部に収容するステップS400と、
エンドカバー23を第1開口221に装着することで、絶縁本体241をエンドカバー23の電極タブ212に向ける側に位置させるステップS500と、を含む。
【0125】
ここで、絶縁本体241は、電池セル21とエンドカバー23を隔離するために用いられ、絶縁部242は、絶縁本体241から、エンドカバー23から離間する方向に沿って延伸し、局所は本体部211の外周面とハウジング22の内周面との間に位置し、電極タブ212とハウジング22を隔離するために用いられる。
【0126】
上記方法において、ステップS100、ステップS200及びステップS300の系列順序を限定せず、例えば、まずステップS300を実行してから、ステップS200を実行し、更にステップS100を実行してもよい。
【0127】
説明すべきことは、上記各実施例により提供される製造方法で製造された電池単体20の関連する構造は、前記各実施例により提供される電池単体20を参照することができ、ここで、詳細な説明を省略することである。
【0128】
更に、本願の実施例は、電池単体20の製造装置2000を更に提供し、
図12に示すように、
図12は、本願のいくつかの実施例により提供される電池単体20の製造装置2000の概略ブロック図であり、製造装置2000は第1提供装置2100、第2提供装置2200、第3提供装置2300及び組立て装置2400を含む。
【0129】
第1提供装置2100は、本体部211と、本体部211から突出する電極タブ212と、を含む電池セル21を提供するために用いられる。第2提供装置2200は、第1開口221を有するハウジング22を提供するために用いられる。第3提供装置2300は、エンドカバー23と、絶縁本体241及び絶縁部242を含む第1絶縁部品24と、を提供するために用いられる。組立て装置2400は、電池セル21をハウジング22の内部に収容し、更に、エンドカバー23を第1開口221に装着するために用いられる。
【0130】
ここで、絶縁本体241は、電池セル21とエンドカバー23を隔離するために用いられ、絶縁部242は、絶縁本体241から、エンドカバー23から離間する方向に沿って延伸し、局所は本体部211の外周面とハウジング22の内周面との間に位置し、電極タブ212とハウジング22を隔離するために用いられる。
【0131】
説明すべきことは、上記実施例により提供される製造装置2000で製造された電池単体20の関連する構造は、前記各実施例により提供される電池単体20を参照することができ、ここで、詳細な説明を省略することである。
【0132】
説明すべきことは、矛盾しない場合、本願における実施例及び実施例における特徴は相互に結合されてもよいことである。
【0133】
以上の実施例は、本願の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するためのものではなく、当業者にとって、本願について、様々な変更と変化を行うことができる。本願の趣旨と原則を逸脱しない限り、なされたいかなる修正、等価変更、改善などは、いずれも本願の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0134】
10 筐体
11 第1の部分
12 第2の部分
13 収容キャビティ
20 電池単体
21 電池セル
211 本体部
2111 電極コンポーネント
2111a 円弧面
2111b 突出点
2112 表平面
2113 逃げ溝
212 電極タブ
212a 正極タブ
212b 負極タブ
22 ハウジング
221 第1開口
23 エンドカバー
231 第2凹部
232 第2凸部
24 第1絶縁部品
241 絶縁本体
2411 第1凹部
2412 第1凸部
242 絶縁部
243 折り目
30 電池モジュール
31 バスバー
40 正極電極端子
50 負極電極端子
60 集電部材
70 第2絶縁部品
71 第2開口
72 収容空間
100 電池
200 コントローラ
300 モータ
1000 車両
2000 製造装置
2100 第1提供装置
2200 第2提供装置
2300 第3提供装置
2400 組立て装置
X 長さ方向
Y 幅方向
Z 厚さ方向
【国際調査報告】