(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-01
(54)【発明の名称】電池セル、電池セルの製造方法、電池セルの製造システム、電池及び電気装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/342 20210101AFI20230825BHJP
H01M 50/16 20210101ALI20230825BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20230825BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20230825BHJP
【FI】
H01M50/342 101
H01M50/16
H01M50/15
H01M50/103
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022569232
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2022-11-14
(86)【国際出願番号】 CN2021107586
(87)【国際公開番号】W WO2023000202
(87)【国際公開日】2023-01-26
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】陳新祥
(72)【発明者】
【氏名】鄭于煉
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011BB03
5H011CC02
5H011CC06
5H011DD12
5H012AA07
5H012BB02
5H012DD01
5H012DD05
5H012EE04
5H012GG01
5H012JJ10
(57)【要約】
本願発明の実施形態は、電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電気装置に関する。該電池セルは、壁部を有するシェルと、シェルに収容される電極部品と、シェル内の圧力が閾値に達すると破壊されて圧力を放出するように配置される弱部、弱部で囲まれた領域内に位置する本体部、及び弱部の外側に位置して前記壁部を接続するための接続部を含み、壁部に設けられる圧力放出機構とを備え、本体部は、接続部に対して電極部品から離れる方向に突出し、圧力放出機構は、電極部品と対向する側に本体部に対応する位置に第1の凹部が形成されている。本願発明の実施形態で提供される電池セルによれば、電池セルの安全性を向上させることができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁部を有するシェルと、
前記シェルに収容される電極部品と、
前記シェル内部の圧力が閾値に達すると破壊されて前記圧力を放出するように配置される弱部、前記弱部で囲まれた領域内に位置する本体部、及び前記弱部の外側に位置して前記壁部を接続するための接続部を含み、前記壁部に設けられる圧力放出機構と、
を備え、
前記本体部は、前記接続部に対して前記電極部品から離れる方向に突出し、
前記圧力放出機構は、前記電極部品と対向する側の前記本体部に対応する位置に第1の凹部が形成されている、
電池セル。
【請求項2】
前記弱部は、前記圧力放出機構に凹溝を設けることにより形成される、
請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記本体部及び前記接続部のいずれの厚さは、前記弱部よりも大きい、
請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記接続部の厚さをB1とし、前記弱部の厚さをW1とすると、0.1≦W1/B1≦0.5となる、
請求項3に記載の電池セル。
【請求項5】
前記凹溝と前記第1の凹部とは、前記圧力放出機構の厚さ方向に垂直する第1の方向における投影が少なくとも一部重なるように設置される、
請求項2~4のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項6】
前記接続部は、前記圧力放出機構の厚さ方向において第1の外表面と第1の内表面とを有し、前記第1の内表面が前記電極部品に対向し、
前記凹溝は、前記第1の内表面に対して前記電極部品から離れる方向に凹み、及び/又は、前記第1の外表面に対して前記電極部品へ向かう方向に凹む、
請求項2~5のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記接続部は、前記圧力放出機構の厚さ方向において第1の外表面と、第1の内表面と、を有し、前記第1の内表面が前記電極部品と対向し、
前記第1の凹部は、前記第1の内表面に対して前記電極部品から離れる方向に凹み、
前記本体部は、少なくとも一部が前記第1の外表面に突出する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項8】
前記圧力放出機構の厚さ方向において、前記接続部の厚さをB1とし、前記本体部の高さをHとすると、H/B1≦2となる、
請求項7に記載の電池セル。
【請求項9】
前記第1の凹部は、底壁を有し、前記第1の凹部は、前記第1の内表面から前記電極部品から離れる方向に沿って前記底壁まで凹んでおり、
前記底壁は、前記電極部品から離れる方向に沿って前記第1の外表面を超えていない、
請求項7に記載の電池セル。
【請求項10】
前記圧力放出機構は、前記接続部の周りに設置して前記壁部と前記接続部とを接続するために用いられ、かつ、厚さが前記接続部よりも大きい過渡部をさらに含む、
請求項1~9のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項11】
前記接続部の厚さをB1とし、前記過渡部の厚さをB2とすると、B1/B2≦2/3となる、
請求項10に記載の電池セル。
【請求項12】
前記接続部は、前記圧力放出機構の厚さ方向において第1の外表面と第1の内表面とを有し、前記第1の内表面が前記電極部品に対向し、
前記過渡部は、前記圧力放出機構の厚さ方向において第2の外表面と第2の内表面とを有し、前記第2の内表面が前記電極部品に対向し、
前記電極部品から離れる方向において、前記第2の外表面が前記第1の外表面に突出し、及び/又は、前記電極部品に近づく方向において、前記第2の内表面が前記第1の内表面に突出する、
請求項10又は11に記載の電池セル。
【請求項13】
前記本体部は、前記過渡部に対して前記電極部品から離れる方向に突出する、
請求項10~12のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項14】
前記接続部の前記圧力放出機構の厚さ方向に垂直する第1の方向における最小サイズは、0.1mmよりも大きい、
請求項10~13のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項15】
前記電池セルは、前記壁部の外表面に付着されて前記圧力放出機構を覆う防護シートをさらに含む、
請求項1~14のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項16】
前記シェルは、エンドカバーと筐体とを含み、前記筐体に開口が設けられており、前記エンドカバーが前記開口をカバーするために用いられ、
前記壁部は、前記エンドカバーである、
請求項1~15のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の電池セルを含む、電池。
【請求項18】
電気エネルギーを供給するための請求項17に記載の電池を含む、電気装置。
【請求項19】
エンドカバーを供給することであって、前記エンドカバーに、圧力放出機構及び電極端子が設けられており、前記圧力放出機構は、弱部と、前記弱部で囲まれた領域内に位置する本体部と、前記弱部の外側に位置して前記エンドカバーを接続するための接続部と、を含み、前記本体部は、前記接続部に対して突出し、前記圧力放出機構は、前記本体部に対応する位置に第1の凹部が形成されている、エンドカバーを供給することと、
電極部品を供給することと、
開口を有する筐体を供給することと、
前記電極部品を前記電極端子に接続することと、
前記筐体の開口を封鎖するように、前記電極部品を前記筐体に入れてから前記エンドカバーを前記筐体に接続することと、
を含み、
前記弱部は、前記筐体の内部の圧力が閾値に達すると破壊されて前記圧力を放出するように配置され、
前記本体部は、前記接続部に対して前記電極部品から離れる方向に突出し、
前記圧力放出機構は、前記電極部品と対向する側に前記本体部に対応する位置に前記第1の凹部が形成される、
電池セルの製造方法。
【請求項20】
エンドカバーを供給するための第1の供給装置であって、前記エンドカバーに、圧力放出機構及び電極端子が設けられており、前記圧力放出機構は、弱部と、前記弱部で囲まれた領域内に位置する本体部と、前記弱部の外側に位置して前記エンドカバーを接続するための接続部と、を含み、前記本体部は、前記接続部に対して突出し、前記圧力放出機構は、前記本体部に対応する位置に第1の凹部が形成されている、第1の供給装置と、
電極部品を供給するための第2の供給装置と、
開口を有する筐体を供給するための第3の供給装置と、
前記電極部品を前記電極端子に接続するための第1の組立装置と、
前記筐体の開口を封鎖するように、前記電極部品を前記筐体に入れてから前記エンドカバーを前記筐体に接続するための第2の組立装置と、
を備え、
前記弱部は、前記筐体の内部の圧力が閾値に達すると破壊されて前記圧力を放出するように配置され、
前記本体部は、前記接続部に対して前記電極部品から離れる方向に突出し、
前記圧力放出機構は、前記電極部品と対向する側に前記本体部に対応する位置に前記第1の凹部が形成される、
電池セルの製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、電池技術の分野に関し、より具体的には、電池セル、電池セルの製造方法、電池セルの製造システム、電池及び電気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池セルは、携帯電話、ノートパソコン、電気自転車、電気自動車、電気飛行機、電気ボート、電気おもちゃ自動車、電気おもちゃボート、電気おもちゃ飛行機及び電動工具などのような電子設備に広く用いられている。電池セルは、ニッカド電池セル、ニッケル水素電池セル、リチウムイオン電池セル及び二次アルカリ亜鉛マンガン電池セルなどを含んでもよい。
【0003】
電池技術の発展において、電池セルの性能の向上に加え、安全問題も無視できない問題となっている。電池セルの安全が確保されなければ、当該電池セルが使用できない。そのため、どのように電池セルの安全性を増強するかは、電池技術において至急解決する必要がある技術問題となる。
【発明の概要】
【0004】
本願発明は、電池セルの安全性を増強できる電池セル及びその製造方法と製造システム、電池並びに電気装置を提供する。
【0005】
第1の局面において、本願発明の実施形態によれば、壁部を有するシェルと、シェルに収容される電極部品と、シェル内部の圧力が閾値に達すると破壊されて圧力を放出するように配置される弱部、弱部で囲まれた領域内に位置する本体部、及び弱部の外側に位置して前記壁部を接続するための接続部とを含み、壁部に設けられる圧力放出機構と、を備え、本体部は、接続部に対して電極部品から離れる方向に突出し、圧力放出機構は、電極部品と対向する側に本体部に対応する位置に第1の凹部が形成されている、電池セルを提供する。
【0006】
上述した態様において、本願発明の実施形態で提供される電池セルによれば、本体部は、接続部に対して電極部品から離れる方向に突出し、弱部で断面の急変が生じ、弱部に応力集中が発生し、また圧力放出機構は、電極部品と対向する側に本体部に対応する位置に第1の凹部が形成されているので、弱部の応力集中をさらに促進し、弱部が割れやすくなるため、シェル内の圧力が閾値に達すると圧力を放出し、熱暴走した時の電池セルの安全を確保することができ、電池セルの使用安全性と安定性の向上に有利である。
【0007】
いくつかの実施形態において、弱部は、圧力放出機構に凹溝を設けることにより形成される。
【0008】
上述した態様において、凹溝を設けることにより、圧力放出機構の一部の厚さを小さくして弱部を形成する。
【0009】
いくつかの実施形態において、本体部と接続部とはいずれも弱部よりも厚さが大きい。
【0010】
上述した態様において、弱部は、本体部と接続部よりも、強度が小さく、破壊されやすいので、電池セルを適時に圧力放出することができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、接続部の厚さをB1、弱部の厚さをW1とすると、0.1≦W1/B1≦0.5となる。
【0012】
上述した態様において、弱部と接続部の厚さが前記数値の範囲にある場合、弱部の加工精度を高め、弱部の厚さの均一性を向上させることができるため、弱部が交互応力を受けた場合、弱部の破壊程度が均一となり、電池の破裂の一致性を向上させることができる。
【0013】
W1/B1<0.1となると、弱部の厚さが相対的により薄く強度が低いので、電池セルが熱暴走していない場合、弱部が破壊されやすい。かつ、この厚さの弱部を形成する場合、弱部のサイズ変動が大きく、その厚さの均一性が悪く、異なる電池セルの弱部が交互応力を受けた場合、疲労や老化の領域又は程度が異なる可能性があるので、異なる電池セルの破裂や圧力放出の一致性が悪くなる。
【0014】
W1/B1>0.5となると、弱部の厚さが相対的に厚く、強度が高いので、電池セルの予め設定された圧力値が小さい場合、弱部が破壊されにくいため、電池セルが熱暴走した場合、電池セルの内部のガスを適時に排出することができず、電池セルが膨張しやすく、ひいては爆発などが生じてしまう。
【0015】
いくつかの実施形態において、凹溝と第1の凹部とは、圧力放出機構の厚さ方向に垂直する第1の方向における投影が少なくとも一部重なるように設置されている。
【0016】
上述した態様において、凹溝と弱部とは厚さ方向において対応して設置されており、凹溝と第1の凹部とは第1の方向における投影が少なくとも一部重なるように設置されており、それによって、弱部の応力集中を促進し、弱部がより容易に破壊され、電池セルを適時に圧力放出することができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、接続部は圧力放出機構の厚さ方向において第1の外表面と電極部品と対向する第1の内表面とを有し、凹溝は第1の内表面に対して電極部品から離れる方向に凹んでおり、及び/又は、凹溝は第1の外表面に対して電極部品へ向かう方向に凹んでいる。
【0018】
いくつかの実施形態において、接続部は圧力放出機構の厚さ方向において第1の外表面と電極部品と対向する第1の内表面とを有し、第1の凹部は第1の内表面に対して電極部品から離れる方向に凹んでおり、本体部は少なくとも一部が第1の外表面に突出する。
【0019】
いくつかの実施形態において、圧力放出機構の厚さ方向において、接続部の厚さをB1、本体部の高さをHとすると、H/B1≦2となる。
【0020】
上述した態様において、接続部と本体部の厚さが前記数値の範囲にある場合、本体部の高さが適当であり、加工成型しやすく、弱部での応力集中を促進する場合、本体部と電池セル外の異物が干渉することを防止することができる。
【0021】
H/B1>2となると、本体部は高すぎ、加工成型しにくく、かつ高すぎる本体部は電池セルの表面に突出して電池セル外の異物と干渉する可能性がある。
【0022】
いくつかの実施形態において、第1の凹部は底壁を有し、第1の凹部は第1の内表面から電極部品から離れる方向に沿って底壁まで凹んでおり、底壁は電極部品から離れる方向に沿って第1の外表面を超えていない。
【0023】
上述した態様において、厚さ方向において、底壁と第1の外表面との間の距離が小さくなるにつれて、第1の凹部の厚さ方向における凹み程度が深くなり、第1の凹部の位置に対応する本体部と、弱部との接続箇所で応力集中をより形成しやすく、弱部がより容易に破壊される。
【0024】
いくつかの実施形態において、圧力放出機構は、接続部の周りに設置して壁部と接続部とを接続するために用いられ、かつ接続部よりも厚さが大きい過渡部をさらに備える。
【0025】
上述した態様において、過渡部の厚さが相対的により厚く、それにより過渡部の溶接強度を高め、過渡部の厚さが小さくて溶接時にひずんで変形したり溶け落ちたりするなどのことを防止することができる。かつ、接続部の厚さが相対的により薄く、圧力放出機構が交互応力を受けた場合、割れやすく、適時に圧力放出することができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、接続部の厚さをB1、過渡部の厚さをB2とすると、B1/B2≦2/3となる。
【0027】
上述した態様において、接続部と過渡部は厚さがこの数値の範囲にある場合、接続部と過渡部の厚さが適当であり、過渡部の溶接強度も接続部の強度要求も満たせる。
【0028】
いくつかの実施形態において、接続部は圧力放出機構の厚さ方向において第1の外表面と電極部品と対向する第1の内表面とを有し、過渡部は圧力放出機構の厚さ方向において第2の外表面と電極部品と対向する第2の内表面とを有し、電極部品から離れる方向に沿って、第2の外表面が第1の外表面に突出し、及び/又は、電極部品に近づく方向に沿って、第2の内表面が第1の内表面に突出する。
【0029】
いくつかの実施形態において、本体部は、過渡部に対して電極部品から離れる方向に突出する。
【0030】
上述した態様において、本体部と、弱部と、接続部と過渡部との間で階段構造が形成され、弱部と接続部とで応力集中を形成しやすく、特に弱部の応力集中を促進し、弱部が破壊されやすく、電池セルが適時に圧力放出することができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、接続部は圧力放出機構の厚さ方向に垂直する第1の方向における最小サイズが0.1mmよりも大きい。
【0032】
上述した態様において、弱部は圧力放出機構の中心位置により近づけ、弱部の受けた交互応力がより均一となり、弱部が割れる一致性がより高い。
【0033】
いくつかの実施形態において、電池セルは、壁部の外表面に付着されて圧力放出機構を覆う防護シートをさらに備える。
【0034】
上述した態様において、防護シートは圧力放出機構を防護することができ、外物による圧力放出機構への意外衝突や傷付けにより圧力放出機構がひずんで変形したりヒケを形成したりすることを減少させることができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、シェルはエンドカバーと筐体とを含み、筐体に開口が設けられ、エンドカバーが開口をカバーするために用いられ、また、壁部がエンドカバーである。
【0036】
上述した態様において、圧力放出機構が稼動して高温高圧の物質を放出しても、基本的にエンドカバーの構造に影響しない。
【0037】
第2の局面において、本願発明は、第1の局面におけるいずれかの実施形態に係る電池セルを含む電池を提供する。
【0038】
第3の局面において、本願発明は、第2の局面における実施形態に係る電池を含む電気装置を提供する。また、電池は、電気エネルギーを供給するために用いられる。
【0039】
第4の局面において、本願発明の実施形態によれば、圧力放出機構と電極端子とが設けられているエンドカバーであって、前記圧力放出機構が弱部と、弱部で囲まれた領域内に位置する本体部と、弱部の外側に位置してエンドカバーを接続するための接続部とを含み、本体部は接続部に対して突出し、圧力放出機構は本体部に対応する位置に第1の凹部が形成されているエンドカバーを供給することと、電極部品を供給することと、開口を有する筐体を供給することと、電極部品を電極端子に接続することと、筐体の開口を封鎖するように、電極部品を筐体に入れてからエンドカバーを筐体に接続することと、を含み、弱部は筐体内部の圧力が閾値に達すると破壊されて圧力を放出するように配置され、本体部は、接続部に対して電極部品から離れる方向に突出し、圧力放出機構は電極部品と対向する側に本体部に対応する位置に第1の凹部が形成される、電池セルの製造方法を提供する。
【0040】
第5の局面において、本願発明の実施形態によれば、圧力放出機構と電極端子とが設けられているエンドカバーを供給するための第1の供給装置であって、圧力放出機構が弱部と、弱部で囲まれた領域内に位置する本体部と、弱部の外側に位置してエンドカバーを接続するための接続部とを含み、本体部は接続部に対して突出し、圧力放出機構は本体部に対応する位置に第1の凹部が形成されている第1の供給装置と、電極部品を供給するための第2の供給装置と、開口を有する筐体を供給するための第3の供給装置と、電極部品を電極端子に接続するための第1の組立装置と、筐体の開口を封鎖するように、電極部品を筐体に入れてからエンドカバーを筐体に接続するための第2の組立装置とを備え、弱部は筐体内部の圧力が閾値に達すると破壊されて圧力を放出するように配置され、本体部は、接続部に対して電極部品から離れる方向に突出し、圧力放出機構は電極部品と対向する側に本体部に対応する位置に第1の凹部が形成される、電池セルの製造システムを提供する。
【0041】
本願発明の実施形態に係る技術方案をより明らかに説明するために、以下に本願発明の実施形態に用いられる添付図面について簡単に説明するが、以下に述べる添付図面は、本願発明のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者であれば、創作的労働を必要としない前提において、添付図面に基づいてその他の添付図面を得ることができることは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本願発明における一実施形態の車両の構造模式図である。
【
図2】本願発明における一実施形態の電池の分解構造模式図である。
【
図3】
図2に示される電池モジュールの構造模式図である。
【
図4】本願発明における一実施形態の電池セルの分解構造模式図である。
【
図5】本願発明における一実施形態の電池セルの断面構造模式図である。
【
図7】本願発明における一実施形態の電池セルのエンドカバー部品の分解構造模式図である。
【
図8】本願発明における一実施形態の電池セルの圧力放出機構の上面構造模式図である。
【
図9】本願発明における別の一実施形態の電池セルの圧力放出機構の上面構造模式図である。
【
図10】
図9におけるF-F方向に沿う断面構造模式図である。
【
図12】代替実施形態で提供される電池セルの圧力放出機構の一部断面模式図である。
【
図13】別の代替実施形態で提供される電池セルの圧力放出機構の一部断面模式図である。
【
図14】また別の代替実施形態で提供される電池セルの圧力放出機構の一部断面模式図である。
【
図15】さらに別の代替実施形態で提供される電池セルの圧力放出機構の一部断面模式図である。
【
図16】本願発明における一実施形態の電池セルの製造方法のフローチャートである。
【
図17】本願発明における一実施形態の電池セルの製造システムの模式的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
添付図面では、添付図面は必ずしも実際の比例で描かれるものではない。
【0044】
本願発明の実施形態の目的、技術方案及び利点をより明確にするために、以下に本願発明の実施形態における添付図面を参照して、本願発明の実施形態における技術方案についてはっきり説明するが、下記の実施形態はすべての実施形態ではなく、本願発明の一部の実施形態であることは明らかである。本願発明における実施形態に基づいて、当業者が創作的労働を必要としない前提で得られるあらゆるそのほかの実施形態も、本願発明が保護する範囲に属する。
【0045】
別に定義しない限り、本願発明で使用されるすべての技術及び科学的用語は、本願発明の属する技術の分野における技術者が通常理解されるものと同義である。また、本願発明では、出願明細書に使用される用語は、具体的な実施形態の目的を説明するためのものであり、本願発明を制限する意図はない。本願発明における明細書、特許請求の範囲及び上述した添付図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらのいずれかの変形は、排他的でない包含をカバーすると意図する。本願発明における明細書及び特許請求の範囲又は上述した添付図面における「第1」、「第2」などという用語は、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順番や主従関係を説明するためのものではない。
【0046】
本願発明で言及される「実施形態」とは、実施形態を組み合わせて説明される特定の特徴、構造又は特性が本願発明の少なくとも一実施形態に含まれてもよいことを意味する。明細書における各々の位置で出現される当該用語は必ずしも、いずれも同じ実施形態のことを指すものではなく、その他の実施形態と相互排他的で独立又は候補の実施形態でもない。
【0047】
本願発明の記述において、別に明確な規定や限定がない限り、「取り付ける」、「つながる」、「接続」、「付着」という用語は、広義的に理解されるべきであり、例えば、固定して接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、一体的に接続してもよい。また、直接つながってもよく、中間媒体を介して間接的につながってもよく、二つの素子の内部の連通でもよいことを説明しておく。当業者であれば、具体的な事情に応じて、本願発明における上述した用語の具体的な意義が理解される。
【0048】
本願発明における「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を述べるものにすぎず、三つの関係があることを表し、例えば、A及び/又はBとは、Aが単独で存在すること、AとBがともに存在すること、Bが単独で存在することという三つのことを表す。また、本願発明における「/」という記号は、一般的に、前後の関連対象が「又は」という関係にあることを示す。
【0049】
本願発明における実施形態において、同一の図面符号は同一の部材を示し、かつ簡潔のために、異なる実施形態においては、同一の部材についての詳しい説明を省略する。図面に示される本願発明の実施形態における各種の部材の厚さ、長さや幅などのサイズ、並びに集積装置全体の厚さ、長さや幅などのサイズは、例示的説明に過ぎず、本願発明についてのいかなる限定もされていないことが理解される。
【0050】
本願発明で出現される「複数」とは二つ以上(二つを含む)である。
【0051】
本願発明では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよく、本願発明の実施形態では限定しない。電池セルは、円柱体、扁平体、直方体又はその他の形状をなしてもよく、本願発明の実施形態でも限定しない。電池セルは、パッケージ方式で、円筒形電池セル、直方体角形電池セル及びソフトパック電池セルに分類され、本願発明の実施形態でも限定しない。
【0052】
本願発明における実施形態で言及される電池とは、より高い電圧と容量を供給するように1つ又は複数の電池セルを含む単一の物理的モジュールである。例えば、本願発明で言及される電池は、電池モジュールや電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般的に1つ又は複数の電池セルをパッケージするためのケースを含む。ケースにより、液体又はその他の異物による電池セルの充電又は放電への影響を防止することができる。
【0053】
電池セルは、電極部品及び電解液を含み、電極部品は、正極シート、負極シート及びセパレータからなる。電池セルは主に、金属イオンが正極シートと負極シートとの間で移動することにより作動する。正極シートは、正極集電体および正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面にコートされ、正極活物質層がコートされていない集電体は正極活物質層がコートされている集電体に突出し、正極活物質層がコートされていない集電体が積層してから正極タブとなる。リチウムイオン電池を例としていえば、正極集電体の材料はアルミニウムであってもよく、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極シートは、負極集電体および負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面にコートされ、負極活物質層がコートされていない集電体は負極活物質層がコートされている集電体に突出し、負極活物質層がコートされていない集電体が積層してから負極タブとなる。負極集電体の材料は銅であってもよく、負極活物質はカーボンやケイ素などであってもよい。セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。なお、電極部品は、巻取型構造でも、積層型構造でもよいが、本願発明の実施形態はこれに限らない。
【0054】
電池技術の発展には、多くの設計因子、例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電率などの性能パラメータを同時に考慮する必要があり、また、電池の安全性も考慮する必要がある。
【0055】
電池セルでの圧力放出機構は電池の安全性へ重要な影響を与える。例えば、ショート、過充電などが生じると、電池セルの内部で熱暴走が発生して圧力又は温度が急昇してしまう可能性がある。このような状況では、圧力放出機構の稼動により内部圧力及び温度を外へ放出し、電池セルの爆発や発火を防止することができる。
【0056】
圧力放出機構とは、電池セルの内部圧力又は温度が予め設定された閾値となると稼動して内部圧力又は温度を放出する素子又は部材である。当該閾値の設計は、設計ニーズにより異なる。前記閾値は、電池セルにおける正極シート、負極シート、電解液及びセパレータからの1つ又は複数の材料による可能性がある。圧力放出機構は、例えば防爆弁、ガス弁、圧力放出弁又は安全弁などの形として、具体的に圧力感受性又は温度感受性の素子又は構造を採用してもよく、すなわち、電池セルの内部圧力又は温度が予め設定された閾値に達すると、圧力放出機構が動作する、あるいは、圧力放出機構に設けられている弱い構造が破壊され、内部圧力又は温度を放出するための開口又は通路を形成する。
【0057】
本願発明で言及される「稼動」とは、圧力放出機構が動作を生じたり一定の状態に活性化されたりすることにより、電池セルの内部圧力及び温度を放出する。圧力放出機構が生じる動作は、圧力放出機構における少なくとも一部の割れ、破砕、引き裂け又は解放などを含むが、これらに限定されない。圧力放出機構が稼動している場合、電池セルの内部の高温高圧物質が放出物として稼動の部位から外へ排出される。このように、圧力又は温度を制御できるように、電池セルを圧力放出及び降温させ、潜在的な重大事故の発生を回避できる。
【0058】
本願発明で言及される電池セルからの放出物は、電解液、溶解又は分解された正負極シート、セパレータのフラグメント、反応で生じた高温高圧ガス、火炎などを含むが、これらに限定されない。
【0059】
出願者は、電池セルのサイクル中で、電池セルが予め設定された熱暴走の条件となっても破裂して圧力放出しない問題を発見した後、電池セルの構造と使用環境について分析及び研究を行った。電池セルは、輸送、温度変化又は充放電の過程中において、電池セルの内部圧力が交互に高低変化することがあるので、圧力放出機構が往復して開閉する場合があり、即ち圧力放出機構が電池セルの内部ガスが生じた交互応力を受けた。出願者は、電池セルの予め設定された圧力値が小さい場合、圧力放出機構に対して要求される強度が低いことを見出した。しかし、圧力放出機構のサイズ精度を確保するために、圧力放出機構を一定の強度に保持する必要がある。このように、電池セルの内部ガスが生じた交互応力を受けても、疲労変形や破断が生じにくく、ひいては、電池セルの内部圧力が予め設定された圧力値を超えても、圧力放出機構が割れないので、電池セルが適時に排気することができず、潜在的な安全問題を引き起こしてしまう。
【0060】
出願者が発見した上記問題に鑑み、出願者は、電池セルの構造を改進したところ、本願発明の実施形態に記載の技術方案は電池セル、電池セルを含む電池及び電池を使用する電気装置に適用される。
【0061】
電気装置とは、車両、携帯電話、携帯型設備、ノートパソコン、ボート、航空機、電気おもちゃや電動工具などであってもよい。車両は、ガソリン車、ガス車又は新エネルギー車であってもよく、また、新エネルギー車は、純粋電気自動車、ハイブリッド自動車又は航続距離延長型自動車などであってもよい。航空機は、飛行機、ロケット、宇宙飛行機及び宇宙船などを含む。電気おもちゃは、据置型又は携帯型の電気おもちゃ、例えば、ゲーム機、電気自動車おもちゃ、電気ボートおもちゃ及び電気飛行機おもちゃなどを含む。電動工具は、金属切削電動工具、研磨電動工具、組立電動工具及び鉄道用電動工具を含み、例えば、電気ドリル、電動砥石機、電動レンチ、電動ドライバー、電気ハンマー、衝撃電気ドリル、コンクリート振動機及び電気カンナなどが挙げられる。本願発明の実施形態は、上述した電気設備を特に制限しない。
【0062】
以下の実施形態では、説明の便宜上、電気装置である車両を例として説明する。
【0063】
図1に示されるように、車両1の内部に電池10が設けられている。電池10は、車両1の底部や、前部や後部に設けられてもよい。電池10は、車両1の電気供給に用いられ、例えば、電池10は、車両1のオペレーショナル電源として用いられる。
【0064】
車両1はさらに、コントローラ1bとモーター1aとを備えてもよい。コントローラ1bは、モーター1aに電気供給するように電池10を制御し、例えば、車両1の起動、ナビゲーション及び走行のための作動電気ニーズに対応する。
【0065】
本願発明のいくつかの実施形態において、電池10は、車両1のオペレーショナル電源だけでなく、ガソリンや天然ガスの代わりに、或いはそれらの一部の代わりに、車両1の駆動電源として車両1に駆動力を供給してもよい。
【0066】
図2及び
図3に示されるように、電池10は、電池セル30(
図2では不図示)を備える。電池10は、電池セル30を収容するためのケースをさらに備えてもよい。
【0067】
ケースは、電池セル30を収容するために用いられ、多種の構造形式であってもよい。
【0068】
いくつかの実施形態において、ケースはボトムシェル11とトップシェル12とを含んでもよい。ボトムシェル11とトップシェル12とは互いに蓋合わせされる。ボトムシェル11とトップシェル12とにより共同で電池セル30を収容するための収容スペースが特定されている。ボトムシェル11とトップシェル12とはいずれも一方の側に開口する中空構造であってもよい。ボトムシェル11の開口側はトップシェル12の開口側に蓋合わせされると、収容スペースを有するケースを形成する。ボトムシェル11とトップシェル12との間には、ボトムシェル11とトップシェル12との封止接続を実現するように、シールがさらに設けられてもよい。
【0069】
実際の応用において、ボトムシェル11はトップシェル12の天井部に蓋合わせされてもよい。ボトムシェル11を上ケース、トップシェル12を下ケースとも呼ぶ。
【0070】
ボトムシェル11とトップシェル12とは、例えば、円柱体、直方体など、様々な形状であってもよい。
図2では、例示的に、ボトムシェル11とトップシェル12とは、いずれも直方体構造である。
【0071】
電池10において、電池セル30は1つでも、複数でもよい。電池セル30が複数であれば、複数の電池セル30同士が直列でも並列でも直並列でもよい。直並列とは、複数の電池セル30の接続には直列も並列もある。複数の電池セル30同士は、直接直列又は並列又は直並列に接続し、さらに複数の電池セル30からなる全体をケースに収容してもよく、複数の電池セル30が予め直列又は並列又は直並列に接続して電池モジュール20を形成してから、複数の電池モジュール20はさらに直列又は並列又は直並列に一体に接続してケースに収容されてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、
図3に示されるように、電池では、電池セル30が複数ある。複数の電池セル30は予め直列又は並列又は直並列に接続して電池モジュール20を形成する。そして、複数の電池モジュール20はさらに直列又は並列又は直並列に一体に接続してケースに収容される。
【0073】
いくつかの実施形態において、電池モジュール20における複数の電池セル30同士は、電池モジュール20における複数の電池セル30の並列又は直列又は直並列を実現するように、バス部材により電気的に接続される。
【0074】
図4に示されるように、いくつかの実施形態において、電池セル30は、シェル40、電極部品50、電極端子60、絶縁部材及びアダプタ部材70を含む。シェル40は、開口421を有する筐体42及びエンドカバー41を含む。電極部品50は筐体42に収容され、タブ51を含む。エンドカバー41は、開口421に蓋合わせされるために用いられる。電極端子60は、エンドカバー41に取り付けられる。絶縁部材は、エンドカバー41の電極部品50と対向する側に位置する。アダプタ部材70は、タブ51と電極端子60とを電気的に接続するように、電極端子60とタブ51とを接続するために用いられる。
【0075】
中でも、筐体42は、例えば、円柱体、直方体など、様々な形状であってもよい。筐体42の形状は、電極部品50の具体的な形状に応じて決定される。例えば、電極部品50が円柱体構造である場合、筐体42を円柱体構造としてもよい。電極部品50が直方体構造である場合、筐体42を直方体構造としてもよい。
図4では、例示的に、筐体42と電極部品50とはいずれも直方体構造である。
【0076】
筐体42の材質は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金、プラスチックなど、多種の材質であってもよく、本願発明の実施形態はこれを特に制限しない。
【0077】
筐体42に収容される電極部品50は1つ又は複数であってもよい。
図4では、筐体42に収容される電極部品50は二つである。
【0078】
いくつかの実施形態において、電極部品50はさらに正極シート、負極シート及びセパレータを含む。電極部品50は、正極シート、セパレータ及び負極シートが巻取で形成される巻取型構造であってもよい。電極部品50は、正極シート、セパレータ及び負極シートが積層して形成される積層型構造であってもよい。
【0079】
正極シートは、正極集電体と正極活物質層とを含んでもよい。正極活物質層は、正極集電体の表面にコートされる。負極シートは、負極集電体と負極活物質層とを含んでもよい。負極活物質層は、負極集電体の表面にコートされる。セパレータは、正極シートと負極シートとの間でショートするリスクを低減するように正極シートと負極シートとを隔離するために、正極シートと負極シートとの間に位置する。
【0080】
中でも、セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。
【0081】
電極部品50でのタブ51は正タブと負タブとに分けられる。正タブは、正極集電体で正極活物質層がコートされていない部分であってもよい。負タブは、負極集電体で負極活物質層がコートされていない部分であってもよい。
【0082】
本願発明の実施形態では、
図4及び
図5のように、エンドカバー41は、電極部品50を収容するための密閉スペースを形成するように、筐体42の開口421に蓋合わせされるために用いられ、密閉スペースは、電解液のような電解質を収容するために用いられてもよい。電極端子60は、電池セル30の電気エネルギーを出力するための出力部材であり、二つであってもよい。
【0083】
筐体42の開口421は1つでも、2つでもよい。筐体42の開口421が1つである場合、エンドカバー41は1つでもよい。筐体42の開口421が二つある場合、エンドカバー41は二つでもよい。二つのエンドカバー41はそれぞれ二つの開口421に蓋合わせされ、各エンドカバー41には、それぞれ電極端子60が設けられてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態において、
図4に示されるように、筐体42の開口421が1つであり、エンドカバー41も1つであり。エンドカバー41には、二つの電極端子60が設けられてもよい。一方の電極端子60は、一方のアダプタ部材70を介して電極部品50の正タブと電気的に接続される。他方の電極端子60は、他方のアダプタ部材70を介して電極部品50の負タブと電気的に接続される。
【0085】
別のいくつかの実施形態において、筐体42の開口421は二つである。二つの開口421は、筐体42の対向する両側に設けられており、エンドカバー41は二つである。二つのエンドカバー41はそれぞれ筐体42の二つの開口421に蓋合わせされる。このような状況では、各エンドカバー41での電極端子60は1つでもよい。一方のエンドカバー41での電極端子60は、一方のアダプタ部材70を介して電極部品50の一方のタブ(正タブ)と電気的に接続され、他方のエンドカバー41での電極端子60は、他方のアダプタ部材70を介して電極部品50の他方のタブ(負タブ)と電気的に接続される。
【0086】
いくつかの実施形態において、
図4に示されるように、電池セル30は、圧力放出機構80をさらに含んでもよい。圧力放出機構80はシェル40に取り付けられる。圧力放出機構80は、電池セル30の内部圧力又は温度が閾値に達すると電池セル30内部の圧力を放出するために用いられる。
【0087】
例示的には、圧力放出機構80は、防爆弁、防爆シート、ガス弁、圧力放出弁又は安全弁などであってもよい。
【0088】
図4から
図7によれば、いくつかの実施形態において、本願発明の実施形態におけるシェル40は、圧力放出機構80に覆われるスルーホール412を有する壁部を含む。
【0089】
本願発明の実施形態において、
図4から
図7のように、圧力放出機構80が適時に破裂して圧力放出されるためには、本願発明の実施形態は、壁部を有するシェル40と、シェル40に収容される電極部品50と、シェル40内部の圧力が閾値に達すると破壊されて圧力を放出するように配置される弱部83、弱部83で囲まれた領域内に位置する本体部81、及び弱部83の外側に位置して壁部を接続するための接続部82とを含み、壁部に設けられる圧力放出機構80とを備え、本体部81は、接続部82に対して電極部品50から離れる方向に突出し、圧力放出機構80は、電極部品50と対向する側に本体部81に対応する位置に第1の凹部84が形成されている、電池セル30を提供する。
【0090】
本願発明の実施形態における電極部品50は、巻取型電極部品でも、積層型電極部品でも、或いはその他の電極部品でもよいことを説明しておく。
【0091】
いくつかの実施形態において、電極部品50は巻取型電極部品である。正極シート、負極シート及びセパレータはいずれも帯状構造である。本願発明の実施形態では、正極シート、セパレータ及び負極シートを順に積層して二回以上巻き取って電極部品50を形成してもよい。
【0092】
別のいくつかの実施形態において、電極部品50は積層型電極部品である。具体的には、電極部品50は、複数の正極シートと複数の負極シートを含み、正極シートと負極シートとは、正極シートの厚さ方向及び負極シートの厚さ方向に平行な方向に交互に積層する。
【0093】
本願発明の実施形態において、エンドカバー41は壁部を含んでもよく、すなわち、圧力放出機構80はエンドカバー41に設けられてもよく、或いは、シェル40は壁部を含んでもよく、すなわち、圧力放出機構80はシェル40に設けられてもよい。本願発明の実施形態における圧力放出機構80は壁部に設けられ、シェル40と圧力放出機構80とは別体構造であってもよく、すなわち、両方はそれぞれ独立して加工製造されてから、機械的接続により組み立てられることが理解される。シェル40と圧力放出機構80とは、一体成形構造であってもよく、例えば、本願発明では、圧力放出機構80を形成するように壁部の予め設定された領域を薄くしてもよい。説明を簡単するために、後述する実施形態では、エンドカバー41を壁部として説明する。
【0094】
エンドカバー41は、筐体42よりも厚さが大きいので、エンドカバー41は筐体42よりも剛性が大きい。同じ圧力の作用で、エンドカバー41が変形しにくい。電池セル30は、輸送、温度変化又は充放電の過程において、電池セル30の内部圧力が交互に高低変化することがあるので、圧力放出機構80をエンドカバー41に設ける場合、交互応力が圧力放出機構80に作用することにより、圧力放出機構80が稼動して高温高圧物質を放出することとなり、エンドカバー41の構造を破壊しにくい。
【0095】
本願発明の実施形態における電池セル30では、弱部83とは、圧力放出機構80での本体部81及び接続部82よりも強度が弱く、割れたり破砕したりしやすく、引き裂けられる又は開放される部分のことをいう。圧力放出機構80は、弱部83と、本体部81と接続部82とを含み、弱部83は本体部81と接続部82との接続箇所に位置し、圧力放出機構80の予め設定された領域を薄くし、薄くされた部分が弱部83を形成し、弱部83で仕切られて弱部83により接続される二つの部分が本体部81と接続部82とを形成することが理解される。或いは、圧力放出機構80の予め設定された領域に対して材料処理を行うことにより、当該領域はその他の領域よりも強度が弱く、強度の低い領域が弱部83を形成し、強度が高くて弱部83で仕切られて弱部83により接続される二つの部分が本体部81と接続部82とを形成する。
【0096】
接続部は、壁部に直接接続してもよく、その他の部分を介して壁部に間接的に接続してもよい。
【0097】
いくつかの例において、弱部は本体部を一回廻ってもよい。別のいくつかの例において、弱部は本体部を一定の角度廻ってもよく、例えば、弱部は本体部を180°-300°廻ってもよい。
【0098】
電池セル30の予め設定された圧力値が小さい場合、弱部83に対して要求される強度が低い。しかしながら、弱部83のサイズ精度を確保するために、弱部83を一定の強度に保持する必要がある。電池セル30は輸送、温度変化又は充放電の過程中において、電池セル30の内部圧力が交互に高低変化することがあるので、圧力放出機構80が電極部品50から離れる方向へ盛り上がる又は電極部品50に近づく方向へ凹んで変形することがある。圧力放出機構80は、盛り上がりと凹み変形とが交互に出現する場合、本体部81及び接続部82に接続される弱部83が交互応力を受けるので、交互応力の作用で弱部83が割れることを避けるために、弱部83を一定の強度に保持する必要がある。しかし、弱部83が一定の強度を有するので、電池セル30の内部圧力が予め設定された圧力値を超えている場合、弱部83が適時に割れることができない可能性がある。電池セル30の内部圧力が高すぎ、電池セル30の内部のガスが適時に排出されないので、電池セル30の膨張ひいては爆発を引き起こす可能性がある。
【0099】
本願発明の実施形態における電池セル30において、本体部81は接続部82に対して電極部品50から離れる方向に突出し、弱部83で断面の急変が生じ、弱部83に応力集中が発生し、かつ圧力放出機構80は、電極部品50と対向する側に本体部81に対応する位置に第1の凹部84が形成されており、弱部83の応力集中をさらに促進し、弱部83が割れやすくなり、シェル40内の圧力が閾値に達すると圧力を放出し、熱暴走した場合に電池セル30の安全を確保することができ、電池セル30の使用安全性及び安定性の向上に有利である。
【0100】
いくつかの実施形態において、電池セル30はさらに防護シート90を含む。防護シート90は、シェル40壁部の外表面に付着されて圧力放出機構80を覆う。
【0101】
防護シート90は圧力放出機構80を防護することができ、外物による圧力放出機構80への意外衝突や傷付けにより圧力放出機構80がひずんで変形したりヒケを形成したりすることにより、さらに圧力放出機構80の弱部83が正常に破断して破裂することに影響する可能性を減少させることができる。
【0102】
いくつかの例において、防護シート90はエンドカバーの上に位置してスルーホール412をカバーする。防護シート90の材料は、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのプラスチックであってもよい。
【0103】
本願発明の実施形態における電池セル30において、弱部83は、曲線状構造、環状構造などの形状であってもよい。弱部83が曲線状構造や環状構造である場合、本体部81が弱部83で囲まれた領域に位置し、接続部82が弱部83の外側に位置し、接続部82はシェル40の壁部を接続するために用いられる。
【0104】
いくつかの実施形態において、弱部83は、圧力放出機構80にノッチ、凹溝またはその他の構造を形成することにより、圧力放出機構80の一部の強度を小さくするようにしてもよい。
【0105】
いくつかの実施形態において、
図8から
図15のように、弱部83は、圧力放出機構80に凹溝83cを設けることにより形成される。接続部82は、圧力放出機構80の厚さ方向Xにおいて第1の外表面82aと第1の内表面82bとを有し、第1の内表面82bが電極部品50と対向する。
【0106】
例示的に、機械加工により圧力放出機構80から材料を除去することにより凹溝83cを形成してもよく、加工コスト及び加工の難しさを低減することに有利である。厚さ方向Xにおいて、弱部83と凹溝83cとは対応して設置される。
【0107】
いくつかの実施形態において、
図8のように、圧力放出機構80での凹溝83cが曲線状であり、凹溝83cと対応する弱部83が曲線状構造である。また、圧力放出機構80での凹溝83cが直線状であり、凹溝83cと対応する弱部83が直線状構造である。
【0108】
電池セル30の内部圧力が交互に高低変化することがある場合、弱部83が疲労老化したり破断したりしやすく、本体部81は弱部83が破断した後反転することにより、電池セル30を圧力放出する。
【0109】
いくつかの実施形態において、
図9のように、圧力放出機構80での凹溝83cが環状である。凹溝83cと対応する弱部83も環状である。本体部81は弱部83で囲まれた領域に位置する。接続部82は壁部を接続するために用いられる。
【0110】
いくつかの例において、凹溝83cにより囲まれた領域は、レーストラック状、円形状、矩形形状又は楕円状であってもよい。電池セル30の内部圧力が交互に高低変化することがある場合、弱部83が疲労老化したり破断したりしやすく、弱部83が破断されると、壁部のスルーホール412が露出することにより、電池セル30は外部環境と連通して早速に圧力放出することができる。
【0111】
いくつかの実施形態において、凹溝83cは厚さ方向Xに沿って凹む。
【0112】
いくつかの例において、
図10及び
図11のように、凹溝83cは第1の外表面82aに対して電極部品50へ向かう方向に凹む。
【0113】
別のいくつかの例において、
図12のように、凹溝83cは第1の内表面82bに対して電極部品50から離れる方向に凹む。
【0114】
また別の例において、
図13のように、凹溝83cが二つであり、一方の凹溝83cは第1の内表面82bに対して電極部品50から離れる方向に凹み、他方の凹溝83cは第1の外表面82aに対して電極部品50へ向かう方向に凹む。
【0115】
いくつかの実施形態において、
図14のように、本体部81及び接続部82はいずれも弱部83よりも厚さが大きい。弱部83は本体部81及び接続部82よりも強度が小さく、より容易に破壊されるので、電池セルが熱暴走した場合に電池セル30を適時に圧力放出することができる。
【0116】
いくつかの実施形態において、接続部82の厚さをB1、弱部83の厚さをW1とすると、0.1≦W1/B1≦0.5となる。弱部83及び接続部82の厚さが前記数値の範囲にある場合、弱部83の加工精度を高め、それにより弱部83の厚さの均一性を向上させることができ、弱部83が交互応力を受けた場合、弱部83が破壊される程度が均一であるので、電池の破裂の一致性を向上させることができる。
【0117】
W1/B1<0.1となると、弱部83の厚さが相対的に薄く、弱部83の強度が低いので、電池セル30が熱暴走していない場合、弱部83が破壊されやすい。かつ、この厚さの弱部83を形成する場合、弱部83のサイズ変動が大きく、その厚さの均一性が悪く、異なる電池セル30の弱部83が交互応力を受けた場合、疲労や老化の領域又は程度が異なる可能性があるので、異なる電池セル30の破裂や圧力放出の一致性が悪くなる。
【0118】
W1/B1>0.5となると、弱部83の厚さが相対的に厚く、弱部83の強度が高いので、電池セル30の予め設定された圧力値が小さい場合、弱部83が破壊されにくいため、電池セル30が熱暴走した場合、電池セル30の内部のガスを適時に排出することができず、電池セル30が膨張しやすく、ひいては爆発などが生じてしまう。
【0119】
本願発明の実施形態における電池セル30において、
図14のように、第1の凹部84は第1の内表面82bに対して電極部品50から離れる方向に凹む。弱部83で応力集中を形成し、弱部83が破壊されやすいので、電池セル30を適時に圧力放出することができる。
【0120】
いくつかの実施形態において、凹溝83cと第1の凹部84とは圧力放出機構80の厚さ方向Xに垂直する第1の方向Yにおける投影が少なくとも一部重なるように設置される。凹溝83cと弱部83とは厚さ方向Xにおいて対応して設置され、凹溝83cと第1の凹部84とは第1の方向Yにおける投影が少なくとも一部重なるように設置されるので、弱部83の応力集中を促進し、弱部83がより容易に破壊されるため、電池セル30を適時に圧力放出することができる。
【0121】
いくつかの実施形態において、
図14のように、第1の凹部84は第1の内表面82bに対して電極部品50から離れる方向に凹み、本体部81は少なくとも一部が第1の外表面82aに突出する。本体部81は少なくとも一部が第1の外表面82aに突出し、本体部81と接続部82との間に階段構造が形成され、本体部81と接続部82との接続箇所での応力が顕著に向上するが、弱部83が本体部81と接続部82の接続箇所に位置するので、弱部83での応力集中が促進される。
【0122】
いくつかの実施形態において、
図14のように、圧力放出機構80の厚さ方向Xにおいて、接続部82の厚さをB1、本体部81の高さをHとすると、H/B1≦2となる。接続部82と本体部81の厚さが前記数値の範囲にある場合、本体部81の高さが適当であり、加工成型しやすく、弱部83での応力集中を促進する場合、本体部81と電池セル30外の異物が干渉することを防止することができる。
【0123】
H/B1>2となると、本体部81の高さが高すぎ、加工されにくく、かつ、高すぎる本体部81は電池セル30の表面に突出して電池セル30外の異物と干渉する可能性がある。
【0124】
いくつかの実施形態において、
図14のように、第1の凹部84は底壁841を有し、第1の凹部84が第1の内表面82bから電極部品50から離れる方向において底壁841まで凹んでおり、底壁841が電極部品50から離れる方向において第1の外表面82aを超えていない。厚さ方向Xにおいて、底壁841と第1の外表面82aの間の距離が小さくなるにつれて、第1の凹部84の厚さ方向Xにおける凹み程度が深くなり、第1の凹部84の位置に対応する本体部81と、弱部83との接続箇所で応力集中をより形成しやすく、弱部83がより容易に破壊される。
【0125】
いくつかの実施形態において、本願発明の実施形態における圧力放出機構80は過渡部85をさらに含み、
図14に示されるように、過渡部85は、接続部82の周りに設置して壁部と接続部82とを接続するために用いられ、過渡部85は接続部82よりも厚さが大きい。過渡部85の厚さが相対的により厚いので、過渡部85の溶接強度を高め、過渡部85の厚さが小さくて溶接時にひずんで変形したり溶け落ちたりするなどのことを防止することができる。かつ、接続部82の厚さが相対的により薄く、圧力放出機構80が交互応力を受けた場合、割れやすく、適時に圧力放出することができる。
【0126】
いくつかの実施形態において、接続部82の厚さをB1、過渡部85の厚さをB2とすると、B1/B2≦2/3となる。接続部82と過渡部85の厚さがこの数値の範囲にある場合、接続部82と過渡部85の厚さが適当であり、過渡部85の溶接強度も接続部82の強度要求も満たせる。
【0127】
過渡部85は、圧力放出機構80の厚さ方向Xにおいて第2の外表面85aと第2の内表面85bとを有し、第2の内表面85bは電極部品50と対向することを説明しておく。
【0128】
いくつかの実施形態において、電極部品50から離れる方向において、第2の外表面85aが第1の外表面82aに突出する。
【0129】
いくつかの実施形態において、電極部品50に近づく方向において、第2の内表面85bが第1の内表面82bに突出する。
【0130】
いくつかの実施形態において、電極部品50から離れる方向において、第2の外表面85aが第1の外表面82aに突出し、並びに、電極部品50に近づく方向において、第2の内表面85bが第1の内表面82bに突出する。
【0131】
例として、接続部82の厚さをB1、過渡部85の厚さをB2とすると、B1/B2≦2/3となる。接続部82と過渡部85の厚さがこの数値の範囲にある場合、接続部82と過渡部85の厚さが適当であり、過渡部85の溶接強度も接続部82の引き裂け強度も満たせる。
【0132】
いくつかの実施形態において、過渡部85と接続部82とは滑らかに過渡して接続され、取り付ける過程中において、過渡部85と接続部82の接続箇所が破断することを防止する。
【0133】
いくつかの実施形態において、
図15のように、厚さ方向Xにおいて、本体部81は過渡部85に対して電極部品50から離れる方向に突出する。かつ、過渡部85は接続部82よりも厚さが大きい。本体部81と、弱部83と、接続部82と過渡部85との間で階段構造が形成され、弱部83と接続部82とで応力集中を形成しやすく、特に弱部83の応力集中を促進し、弱部83が破壊されやすく、電池セル30が適時に圧力放出することができる。
【0134】
本願発明の実施形態における接続部82は、第1の方向Yにおける最小サイズが0.1mmよりも大きい。弱部83は圧力放出機構80の中心位置により近づけ、弱部83が受けた交互応力がより均一となり、弱部83が割れる一致性がより高い。
【0135】
図16のように、本願発明の実施形態は、電池セル30の製造方法であって、
【0136】
圧力放出機構80と電極端子60とが設けられているエンドカバー41であって、圧力放出機構80が弱部83と、弱部83で囲まれた領域に位置する本体部81と、弱部83の外側に位置してエンドカバー41を接続するための接続部82とを含み、本体部81は接続部82に対して突出し、圧力放出機構80は本体部81に対応する位置に第1の凹部84が形成されているエンドカバー41を供給することと、
【0137】
電極部品50を供給することと、
【0138】
開口421を有する筐体42を供給することと、
【0139】
電極部品50を電極端子60に接続することと、
【0140】
筐体42の開口421を封鎖するように、電極部品50を筐体42に入れてからエンドカバー41を筐体42に接続することと、を含み、
【0141】
弱部83は筐体42内部の圧力が閾値に達すると破壊されて圧力を放出するように配置され、本体部81は接続部82に対して電極部品50から離れる方向に突出し、圧力放出機構80は電極部品50と対向する側に本体部81に対応する位置に第1の凹部84が形成される、電池セル30の製造方法を提供する。
【0142】
本願発明の実施形態に係る電池セル30の製造方法で製造される電池セル30において、圧力放出機構80の本体部81は接続部82に対して電極部品50から離れる方向に突出し、弱部83で応力集中が発生し、かつ圧力放出機構80は、電極部品50と対向する側に本体部81に対応する位置に第1の凹部84が形成されていることにより、弱部83の応力集中を促進し、弱部83の強度を低下させ、弱部83が割れやすく、シェル40内の圧力が閾値に達すると圧力を放出し、熱暴走した場合に電池セル30の安全を確保することができ、電池の使用安全性及び安定性の向上に有利である。
【0143】
本願発明の実施形態に係る電池セル30の製造方法により、上述した実施形態に係る電池セル30を製造することができる。
【0144】
図17のように、本願発明の実施形態はさらに、電池セル30の製造システム1000であって、
【0145】
圧力放出機構80と電極端子60とが設けられているエンドカバー41であって、圧力放出機構80が弱部83と、弱部83で囲まれた領域に位置する本体部81と、弱部83の外側に位置してエンドカバー41を接続するための接続部82とを含み、本体部81は接続部82に対して突出し、圧力放出機構80は本体部81に対応する位置に第1の凹部84が形成されているエンドカバー41を供給するための第1の供給装置1001と、
【0146】
電極部品50を供給するための第2の供給装置1002と、
【0147】
開口421を有する筐体42を供給するための第3の供給装置1003と、
【0148】
電極部品50を電極端子60に接続するための第1の組立装置1004と、
【0149】
筐体42の開口421を封鎖するように、電極部品50を筐体42に入れてからエンドカバー41を筐体42に接続するための第2の組立装置1005と、を備え、
【0150】
弱部83は筐体42内部の圧力が閾値に達すると破壊されて圧力を放出するように配置され、本体部81は接続部82に対して電極部品50から離れる方向に突出し、圧力放出機構80は電極部品50と対向する側に本体部81に対応する位置に第1の凹部84が形成される、電池セル30の製造システム1000を提供する。
【0151】
本願発明の実施形態に係る電池セル30の製造システム1000において、圧力放出機構80の本体部81は接続部82に対して電極部品50から離れる方向に突出し、弱部83で応力集中が発生し、かつ圧力放出機構80は、電極部品50と対向する側に本体部81に対応する位置に第1の凹部84が形成されていることにより、弱部83の応力集中を促進し、弱部83の強度を低下させ、弱部83が割れやすく、シェル40内の圧力が閾値に達すると圧力を放出し、熱暴走した場合に電池セル30の安全を確保することができ、電池の使用安全性及び安定性の向上に有利である。
【0152】
本願発明の実施形態に係る電池セル30の製造システムにより、上述した実施形態に係る電池セル30の製造方法を実行することができる。
【0153】
好ましい実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明の範囲から逸脱することなく、様々な改進を加えてもよく、かつその部材を均等物と置き換えることもできる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施形態で言及された各技術的特徴は、いずれも任意の方式で組み合わせることができる。本願発明は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に含まれる全ての技術方案を含む。
【符号の説明】
【0154】
X 厚さ方向
Y 第1の方向
1 車両
1a モーター
1b コントローラ
10 電池
11 ボトムシェル
12 トップシェル
20 電池
30 電池セル
40 シェル
41 エンドカバー
42 筐体
421 開口
412 スルーホール
50 電極部品
51 タブ
60 電極端子
70 アダプタ部材
80 圧力放出機構
81 本体部
82 接続部
82a 第1の外表面
82b 第1の内表面
83 弱部
83c 凹溝
84 第1の凹部
841 底壁
85 過渡部
85a 第2の外表面
85b 第2の内表面
【国際調査報告】