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特表2023-537478リン溶解度を高めるための植物肥料組成物及び関連方法
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  • 特表-リン溶解度を高めるための植物肥料組成物及び関連方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-01
(54)【発明の名称】リン溶解度を高めるための植物肥料組成物及び関連方法
(51)【国際特許分類】
   C05F 17/00 20200101AFI20230825BHJP
   C05B 17/00 20060101ALI20230825BHJP
   C05G 5/10 20200101ALI20230825BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20230825BHJP
   C12N 1/20 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
C05F17/00
C05B17/00
C05G5/10
A01G7/00 605Z
C12N1/20 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507277
(86)(22)【出願日】2021-08-04
(85)【翻訳文提出日】2023-03-29
(86)【国際出願番号】 US2021044538
(87)【国際公開番号】W WO2022031845
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/061,155
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521246172
【氏名又は名称】サイトザイム・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ウォズニアック・エリザベス・マリア
【テーマコード(参考)】
4B065
4H061
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065CA49
4B065CA60
4H061AA01
4H061AA04
4H061BB21
4H061CC58
4H061DD12
4H061DD15
4H061DD19
4H061EE01
4H061EE27
4H061EE51
4H061EE61
4H061EE64
4H061EE66
4H061FF07
4H061FF08
4H061FF25
4H061GG19
4H061GG34
4H061GG41
4H061GG49
4H061GG50
4H061HH07
4H061KK09
4H061LL25
4H061LL26
(57)【要約】
本発明は、土壌中の可溶性及び/又は生物学的に利用可能なリンの量、レベル、比率、又は割合を増加させ、リンを可溶化させ、土壌中のリンのバイオアベイラビリティを向上又は改善し、土壌の肥沃度を改善し、農作物生産を増加させ、リン肥料の必要量を低減するなどのための、土壌処理組成物、製品、システム、キット、及び方法に関する。本発明はまた、土壌中のリンの溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを高めるための生物活性化肥料組成物及び関連する方法に関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌処理システムであって、
リンを含む肥料成分と、
微生物発酵成分であって、溶解した細胞又はこれらの細胞成分、液体発酵培地、及び嫌気的に生成される発酵代謝産物又は細胞代謝産物を含む微生物発酵成分と、
を含む、
土壌処理システム。
【請求項2】
前記肥料成分は、粒状肥料を含み、
前記微生物発酵成分は、
(i)前記肥料成分の表面に吸着され、及び/又は前記肥料成分の表面下に吸収され、土壌処理製品を形成し、又は
(ii)固体担体成分の表面に吸着され、及び/又は固体担体成分の表面下に吸収され、組み合わせ製品を形成する、
請求項1に記載の土壌処理システム。
【請求項3】
前記土壌処理製品又は前記組み合わせ製品は、含水量が
約0.25重量%~約25重量%、好ましくは約0.25重量%~約20重量%、より好ましくは約0.25重量%~約15重量%、さらに好ましくは約0.25重量%~約10重量%、さらに好ましくは約0.25重量%~約5重量%、又は、
約25重量%以下、好ましくは約20重量%以下、より好ましくは約15重量%以下、さらに好ましくは約10重量%以下、さらに好ましくは約5重量%以下である、
請求項2に記載の土壌処理システム。
【請求項4】
(i)前記微生物発酵成分のうち、バイオマスの約50重量%未満、好ましくは約45重量%未満、より好ましくは約40重量%未満、よりさらに好ましくは約35重量%未満、よりさらに好ましくは約30重量%未満、よりさらに好ましくは約25重量%未満、よりさらに好ましくは約20重量%未満、よりさらに好ましくは約15重量%未満、よりさらに好ましくは約10重量%未満、よりさらに好ましくは約5重量%未満、よりさらに好ましくは約1重量%未満、よりさらに好ましくは約0.5重量%未満、よりさらに好ましくは約0.25重量%未満、よりさらに好ましくは約0.1重量%未満、よりさらに好ましくは約0.05重量%未満、よりさらに好ましくは約0.01重量%未満が生きた微生物又は生存微生物、プロバイオティクス、又は直接供給微生物であるか、
(ii)前記微生物発酵成分には生きた微生物及び/又は生存微生物、プロバイオティクス、又は直接供給微生物を実質的に欠いているか、又は
(iii)前記微生物発酵生成物は約1000cfu以下、好ましくは約900cfu以下、より好ましくは約800cfu以下、よりさらに好ましくは約700cfu以下、よりさらに好ましくは約600cfu以下、よりさらに好ましくは約500cfu以下、よりさらに好ましくは約400cfu以下、よりさらに好ましくは約300cfu以下、よりさらに好ましくは約400cfu以下、よりさらに好ましくは約200cfu以下、よりさらに好ましくは約100cfu以下、よりさらに好ましくは約90cfu以下、よりさらに好ましくは約80cfu以下、よりさらに好ましくは約70cfu以下、よりさらに好ましくは約60cfu以下、よりさらに好ましくは約50cfu以下、よりさらに好ましくは約40cfu以下、よりさらに好ましくは約30cfu以下、よりさらに好ましくは約20cfu以下、よりさらに好ましくは約10cfu以下、よりさらに好ましくは約5cfu以下の微生物を含む、
請求項1に記載の土壌処理システム。
【請求項5】
前記微生物発酵成分が、細菌発酵培養物の全培養溶解質を含む、請求項1に記載の土壌処理システム。
【請求項6】
前記溶解した細胞又は細胞成分は、溶解した乳酸菌又は溶解した乳酸菌の細胞成分、及び選択的に1つ以上の追加の溶解した細菌種又は株、又は1つ以上の追加の溶解した細菌種又は株の細胞成分を含み、及び/又は、
前記発酵代謝産物は、乳酸菌発酵代謝産物、及び選択的に1つ以上の追加の細菌種又は株の発酵代謝産物を含む、
請求項1に記載の土壌処理システム。
【請求項7】
前記肥料成分が窒素-リン-カリウム(NPK)肥料を含み、及び/又は前記肥料成分が尿素を実質的に含まない、請求項1に記載の土壌処理システム。
【請求項8】
アミノ酸、ペプチド、加水分解タンパク質、有機酸、カルボン酸、炭水化物、植物抽出物、リグニンスルホン酸塩、フミン酸、フルボ酸、多量栄養素、二次栄養素、微量栄養素、キレートミネラル、複合ミネラル、ビタミン、湿潤剤、分散剤、及び界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の添加剤、又は
アミノ酸、ミネラル、及び有機酸の混合物をさらに含む、
請求項1に記載の土壌処理システム。
【請求項9】
前記微生物発酵成分が、好気的に生成された代謝産物又は好気的に生成された細胞代謝産物をさらに含む、請求項1に記載の土壌処理システム。
【請求項10】
土壌中のリンの溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを高める方法であって、請求項1に記載の土壌処理システムを土壌に施用することを含む、方法。
【請求項11】
土壌処理製品であって、
リンを含む粒状肥料成分と、
前記肥料成分の表面に吸着される、及び/又は前記肥料成分の表面下に吸収される微生物発酵成分であって、溶解した細胞又はこれらの細胞成分、液体発酵培地、及び嫌気的に生成された発酵代謝産物又は細胞代謝産物を含み、約1000cfu以下の微生物を含む微生物発酵生成物と、
を含み、
前記土壌処理製品の含水量が約25重量%以下である、
土壌処理製品。
【請求項12】
請求項11に記載の土壌処理製品を製造する方法であって、
(i)液体形態の前記微生物発酵成分を前記粒状肥料成分に直接適用し、前記微生物発酵成分が前記肥料成分の表面に吸着され、及び/又は前記肥料成分の表面下に吸収されて組み合わせ製品を形成するステップと、
(ii)前記組み合わせ製品を約25重量%以下の含水量まで乾燥させるステップと、
を含む、
方法。
【請求項13】
土壌中のリンの溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを高める方法であって、請求項11に記載の土壌処理製品を土壌に施用することを含む、方法。
【請求項14】
土壌処理製品であって、
リンを含む肥料成分と、
前記肥料成分と混合された微生物発酵成分あって、溶解した細胞又はこれらの細胞成分、発酵培養培地の成分、及び発酵代謝産物を含む、微生物発酵生成物と、
を含む、
土壌処理製品。
【請求項15】
(i)前記土壌処理製品は、固体形態であり、及び/又は約25重量%未満の含水量を有し、前記土壌処理製品は、
固体、粒状の前記肥料成分、及び
前記肥料成分の表面に吸着され、及び/又は前記肥料成分の表面下に吸収される微生物発酵成分を含み、
(ii)前記土壌処理製品は、固体形態であり、及び/又は約25重量%未満の含水量を有し、前記土壌処理製品は、
固体、粒状の前記肥料成分、及び
固体形態の前記微生物発酵成分の混合物を含み、前記微生物発酵成分が固体担体の表面に吸着され、及び/又は固体担体の表面下に吸収され、又は
(iii)前記土壌処理製品は、液体形態であり、前記土壌処理製品は、
液体形態の前記肥料成分、及び
液体形態の前記微生物発酵成分の混合物を含む、
請求項14に記載の土壌処理製品。
【請求項16】
前記土壌処理製品が固体形態であり、及び/又は約25重量%未満の含水量を有し、前記土壌処理製品は、
固体、粒状の前記肥料成分、及び
固体形態の前記微生物発酵成分の混合物を含み、前記微生物発酵成分は固体担体の表面に吸着され、及び/又は固体担体の表面下に吸収され、前記固体担体は1つ以上のフィロケイ酸塩、植物材料、又は植物抽出物を含む、
請求項14に記載の土壌処理製品。
【請求項17】
土壌中のリンの溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを高めるために土壌を処理する方法であって、請求項14に記載の土壌処理製品を土壌に施用することを含む、方法。
【請求項18】
土壌中のリンの溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを向上、改善、又は増加させる方法であって、
リンを含む肥料成分と、
微生物発酵成分であって、溶解した細胞又はこれらの細胞成分、発酵培養培地の成分、及び発酵代謝産物を含む微生物発酵成分と、
を土壌に共施用することを含む、
方法。
【請求項19】
前記肥料成分と前記微生物発酵成分は、それぞれ液体形態で土壌に共施用される、
液体形態の前記肥料成分と液体形態の前記微生物発酵生成物を混合して液体土壌処理製品を形成し、前記方法は、前記液体土壌処理製品を土壌に施用することを含む、
液体形態の前記肥料成分と液体形態の前記微生物発酵成分を土壌に別々に施用する、
前記肥料成分は、固体、粒状であり、前記微生物発酵成分は前記肥料成分の表面に吸着され、及び/又は前記肥料成分の表面下に吸収されて組み合わせ製品を形成し、前記方法は、前記組み合わせ製品を土壌に施用することを含む、又は
前記肥料成分と前記微生物発酵成分は、それぞれ固体又は実質的に乾燥した形態で土壌に共施用される、
請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月4日に出願された米国仮出願第63/061,155号の利益及び優先権を主張し、その全文は具体的な参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
1.技術分野
本発明は、一般に土壌中の生物学的に利用可能なリン及び/又は可溶性リンの量又は割合を増加させることに関し、より詳しくは、土壌中のリンを可溶化させるか可溶性リンのレベル及び/又はリンのバイオアベイラビリティ(bioavailability)を高めるための組成物及び方法に関する。具体的には、本発明は、特に土壌中のリン溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを高めるのに使用するための生物活性化肥料組成物及び関連する製造及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
リンは、植物が力強く成長するために必要な主要栄養素である。土壌には、基底レベル又は基底量のリンが含まれ得る。土壌によっては、リンが不足している可能性がある。例えば、土壌中のリンの量(例えば、立方フィート当たり、又はその他の尺度によって)は、推奨レベル又は最適/最高レベルを下回る可能性がある。例えば、土壌中のリンは(植物によって)利用され得るが、補充されないこともある。時々、土壌中のリンは(自然的又は人間の影響を受けた)侵食(erosion)、及び氾濫(flooding)などによって洗い流され、補充されないこともある。あるいは、又はさらに、生物学的に利用可能な可溶性リンの量、レベル、比率(ratio)、又は割合(proportion)が推奨レベル又は最適/最高レベルを下回る可能性がある(例えば、可溶性リンが様々な(自然的及び人間の影響を受けた)プロセスによって不溶性リンに変換されるため)。リン不足の土壌で生育した植物は、生長しない及び/又は早死にする可能性がある。
【0004】
バイブレンド肥料(例えば、窒素-リン(NP)、及びリン-カリウム(PK)など)及びトリブレンド肥料(例えば、窒素-リン-カリウム(NPK)など)を含む様々な肥料組成物は、リン、又はリン供給源(例えば、P形態)を含む。肥料は、土壌中のリンの量又はレベルを高めるのに役立つ場合がある。しかし、土壌に含まれるか、又は土壌に施用されたリンは、土壌で生育する植物が使用できるように、必ずしも生物学的に利用可能であるとは限らない。例えば、肥料から土壌に配置及び/又は施用されたリン(又はリン供給源)は、(完全に)溶解できないか、植物の吸収又は活用に利用できない。特に、リンは、その溶解度を減少、阻害、又は防止する方式で、土壌成分と反応する、及び/又は土壌成分に結合している又は結合する可能性がある。このような土壌成分に結合した形態のリンは、植物による吸収、使用、及び/又は生物学的に利用が可能になる前に(再)可溶化又は可溶性形態に変換する必要があり得る。
【0005】
及び/又はリンの他の形態、もしくはリン供給源の可溶性リンへの変換は、遅く、非効率的であり、及び/又は不完全である可能性がある。水だけでは、土壌成分に結合したリンのように、土壌に配置又は土壌に含まれる不溶性リンを可溶化するのに十分でない場合がある。土壌に施用された肥料からのリンは、植物がリンを吸収又は使用する前に土壌成分に結合するか、不溶性になる可能性があり、これは施用されたリンの効率性を減少させる可能性がある。したがって、施用されたリンの相当量は、植物によって活用されない点で無駄になる可能性がある。
【0006】
リン不溶性、リン溶解度の損失、生物学的に利用可能であり、可溶性であるリンの量、レベル、比率、又は割合の減少などの問題を解決するために、土壌管理者はしばしばリンを過剰に施用して、基底、閾値、最適/最高レベルの生物学的に利用可能であり、可溶性であるリンは、常に土壌に存在するようにする。残念ながら、この肥料の過剰施用は環境を汚染し、給水の富栄養化を引き起こす可能性がある。農業で使用される過剰な量の多量栄養素、特にリンと窒素は、これらの栄養素が水生生態系に浸出して、植物と藻類の過成長をもたらすことができる。これらの有機体が死ぬと、そのバイオマスの細菌による分解が酸素消費と嫌気性条件の形成をもたらし、水生生物を死に至らしめる可能性がある。給水をきれいに維持し、健康な環境を維持するためには、水生生態系の富栄養化を減らすことが必要である。
【0007】
前述の内容に照らしてみると、多くの植物又は作物栽培者は、植物及び土壌処理組成物中の成分又は構成要素に敏感になっている。例えば、有機及び/又は非GMO農業者は、合成化学物質又は遺伝子組換え物質を植物に施用することを拒否することができる。しかし有機肥料、特に適切な量の可溶性リンを含む有機肥料は、多くの場合高価であり、及び/又は供給不足である。したがって、有機農家は作物の肥料を十分に与えていないことが多く、有機栽培された農作物は、多くの場合、有機栽培しない農作物よりも小さく、生産性が低下する。土壌中のリンの溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを向上させ(例えば、リンを含む肥料から)リンの植物吸収を改善又は向上させるために、適切な天然、有機、非GMO、再生可能及び/又は「環境に優しい(green)」組成物は利用できないか、知られていない。
【0008】
したがって、当技術分野において、特に肥料及び肥料成分の過剰使用を減らす分野において、解決すべき問題が残っている。具体的には、当技術分野における多くの短所は、リン肥料の必要量を減らす(例えば、投与されるリンの必要量を減らす)、土壌の肥沃度を改善する(例えば、既存のリン及び/又は投与されたリンの溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを高める)、及び/又は農作物生産を増加させる組成物及び方法の開発、生産、製造、及び投与によって解決できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、(i)土壌又は肥料組成物中の可溶性及び/又は生物学的に利用可能なリンの量(レベル、比率、又は割合)を高める、(ii)土壌又は肥料組成物中のリンのバイオアベイラビリティを高める、(iii)土壌又は肥料組成物中のリンを可溶化する、(iv)土壌の肥沃度を改善する、(v)土壌及び/又は植物を肥やす、(vi)土壌中のリンの植物吸収を高める、及び/又は(vii)1つ以上の植物又は作物の健康を増進させる製品及び方法を使用して前述の問題又は当技術分野における他の問題の1つ以上を解決する。実施形態はまた、土壌又は植物における酸性ホスファターゼ(acid phosphatase)活性を増加させ、土壌又は植物におけるグルコシダーゼ(glucosidase)(酵素)活性(β-グルコシダーゼ活性)を増加させるための製品及び方法を用いて、当技術分野における問題を解決することができる。実施形態はまた、土壌又は植物に追加のリン肥料の必要量を低減するための製品及び方法を用いて、当技術分野の問題を解決することができる。
【0010】
いくつかの実施形態は、生物活性化肥料組成物及び関連する製造及び使用方法、特に、(i)土壌又は肥料組成物中の可溶性及び/又は生物学的に利用可能なリンの量(レベル、比率、又は割合)を高める、(ii)土壌又は肥料組成物中のリンのバイオアベイラビリティを高める、(iii)土壌又は肥料組成物中のリンを可溶化する、(iv)土壌の肥沃度を改善する、(v)土壌及び/又は植物を肥やす、(vi)土壌中のリンの植物吸収を高める、及び/又は(vii)1つ以上の植物又は作物の健康を増進させるのに使用するための生物活性化肥料組成物、及び関連する製造及び使用方法を含む。
【0011】
いくつかの実施形態は、(i)リン供給源、及び(ii)1つ以上の微生物発酵生成物又は成分を含む土壌処理製品及び/又は植物処理製品に関する。
【0012】
いくつかの実施形態において、リン供給源は、1つ以上のリン系(phosphorus-based)(植物又は土壌)肥料成分、又はリン又はリン供給源を含む肥料成分であるか、これを含み得る。1つ以上のリン系植物肥料成分、又はリン又はリン供給源を含む肥料成分は、リン肥料(例えば、P)、リンと追加肥料成分、例えば、カリウム又は窒素を含むバイブレンド肥料(例えば、NP、PK)、又はリンと2つの追加肥料成分、例えば、カリウム及び窒素を含むトリブレンド肥料(例えば、NPK)、リン供給源(例えば、P形態)、リンのミネラル供給源(例えば、岩屑)又はコロイド状リン酸塩(colloidal phosphate)、「軟リン酸(soft phosphate)」とも呼ばれる)、リンの塩形態(例えば、リン酸アンモニウム、及びリン酸カリウムなど)、又はリン酸塩の有機供給源(例えば、畜産物、畜産副産物、畜産廃棄物、植物製品、植物副産物、植物廃棄物、微生物廃棄物、及びその他の廃棄物など)であるか、これを含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、1つ以上の微生物発酵生成物又は成分は、微生物発酵培養物(例えば、微生物発酵培養物の全培養溶解質)の1つ以上の成分であるか、又はこれを含み得る。いくつかの実施形態において、1つ以上の追加製品又は成分を含み得る。いくつかの実施形態は前記製品を製造する方法に関する。いくつかの実施形態は、前記製品を使用する方法に関する。例えば、実施形態は、植物又は作物を施肥(fertilizing)する方法を含み得る。例示的な(作物施肥)方法は、製品又はその成分を植物又は作物に共施用(又は共投与)するステップを含み得る。
【0014】
例示的な微生物発酵生成物は、微生物発酵(例えば、液体懸濁液)培養物の1つ以上の成分を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物(又は微生物発酵培養物の1つ以上の成分)は、(液体)発酵培地の1つ以上の成分を含み得る。発酵培地は、発酵ブロス(fermentation broth)、又は発酵ブロスの1つ以上の成分を含み得る。例示的に、発酵培地は、少なくとも部分的に消費された発酵ブロスを含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物(又は微生物発酵(例えば、液体懸濁液)培養物の1つ以上の成分)は、1つ以上の微生物からの細胞物質を含み得る。例示的に、細胞物質は、1つ以上の微生物の細胞(例えば、分子及び/又は構造)成分を含み得る。例えば、細胞物質は、細胞壁、細胞膜、及び細胞小器官(organelle)など(又はそれらの成分又は断片)(の1つ以上の成分)を含み得る。1つ以上の実施形態において、微生物発酵生成物(又は細胞物質)は、溶解した細胞又は微生物を含み得る。いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物(又は細胞物質)は、生きていない微生物を含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物(又は微生物発酵(例えば、液体懸濁液)培養物の1つ以上の成分)は、1つ以上の微生物の1つ以上の嫌気性代謝生成物(anaerobic metabolic product)を含み得る。嫌気性代謝生成物は、例えば、嫌気性代謝産物(anaerobic metabolite)(又は嫌気的に生成された代謝産物)、及び発酵代謝産物などを含み得る。いくつかの実施形態において、嫌気性代謝産物は、前記微生物の嫌気性代謝産物(又は前記微生物によって生成された嫌気性代謝産物)であるか、又はこれを含む。いくつかの実施形態において、嫌気性代謝産物は、前記微生物が死滅、不活性化、又は溶解する前に、前記微生物の嫌気性代謝産物(又は前記微生物によって生成された嫌気性代謝産物)であるか、又はこれを含む。いくつかの(代替又は追加の)実施形態において、嫌気性代謝産物は、微生物発酵生成物の生きた微生物の代謝産物(又は生きた微生物によって生成された代謝産物)であるか、又はこれを含む。
【0017】
1つ以上の実施形態において、微生物発酵生成物(又は微生物発酵(例えば、液体懸濁液)培養物の1つ以上の成分)は、1つ以上の微生物の1つ以上の好気性代謝生成物を(また)含み得る。(任意の)好気性代謝生成物は、例えば、好気性代謝産物(又は好気的に生成された代謝産物)を含み得る。いくつかの実施形態において、好気性代謝産物は、前記微生物の好気性代謝産物(又は前記微生物によって生成された好気性代謝産物)であるか、又はこれを含む。いくつかの実施形態において、好気性代謝産物は、前記微生物が死滅、不活性化、又は溶解する前に、前記微生物の好気性代謝産物(前記微生物によって生成された好気性代謝産物)であるか、又はこれを含む。いくつかの(代替又は追加の)実施形態において、好気性代謝産物は、微生物発酵生成物の生きた微生物の好気性代謝産物(又は生きた微生物によって生成された好気性代謝産物)であるか、又はこれを含む。
【0018】
いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物は、微生物発酵培養物の全培養溶解質(すなわち、微生物発酵全培養溶解質)を含み得る。微生物発酵培養物の全培養溶解質(又は微生物発酵全培養溶解質)は、(1)溶解した微生物、又は1つ以上の(溶解した)微生物からの細胞物質、(2)1つ以上の微生物の1つ以上の嫌気性代謝生成物(すなわち、(溶解する前に)微生物によって生成された嫌気性又は発酵代謝産物)、及び(3)(液体)発酵培地又は少なくとも部分的に使用された発酵ブロス((溶解する前に)微生物が成長した(grown)、成長する(growing)、発酵、培養などされる)を含み得る。選択的に、微生物発酵培養物の全培養溶解質(又は微生物発酵全培養溶解質)は、1つ以上の微生物の1つ以上の好気性代謝生成物(すなわち、(溶解する前)微生物によって生成された好気性代謝産物)をさらに含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態において、微生物は、細菌の1つ以上の属(genus)、 種(species)、又は株(strain)、好ましくは、原核細菌であるか、これらを含み得る。少なくとも1つの実施形態において、細菌は、乳酸菌の1つ以上の種又は株であるか、これらを含み得る。いくつかの実施形態において、乳酸菌の1つ以上の種又は株は、本明細書に記載のラクトバシラス(Lactobacillus)(例えば、アシドフィルス(acidophilus)など)を含み得る。いくつかの実施形態において、微生物は、1つ以上の(追加の)微生物(例えば、細菌)種及び/又は株(例えば、(第1の)微生物種又は株以外)を含み得る。例えば、いくつかの実施形態において、微生物は1つ以上の(追加の)乳酸菌種及び/又は株(例えば、(第1の)乳酸菌種又は株以外)を含み得る。いくつかの実施形態において、微生物は、1つ以上の非乳酸菌種及び/又は株(例えば、乳酸菌種又は株以外)を含み得る。
【0020】
あるいは、又はさらに、細胞物質は、細胞成分、又は1つ以上の真菌(例えば、酵母)及び/又は藻類の種又は株の抽出物を含み得る。
【0021】
特定の実施形態において、微生物発酵生成物、又は微生物発酵(例えば、液体懸濁液)培養物は、1つ以上の種類の生きた微生物を実質的及び/又は完全に欠いていてもよい(欠いているように作られてもよい)。例えば、いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物は、微生物懸濁液(発酵)培養物の全培養溶解質を含み得る。例示的に、微生物発酵生成物、又はこの微生物発酵(例えば、液体懸濁液)培養物が生きた微生物を実質的及び/又は完全に欠いているように微生物発酵(例えば、液体懸濁液)培養物、又はこの微生物が溶解し得る。微生物発酵培養物及び/又はこの溶解質は、液体培地(例えば、少なくとも部分的に消費された発酵ブロス)、溶解微生物(例えば、1つ以上の溶解微生物の細胞物質又は成分)、及び(現在溶解している)微生物の嫌気性(及び選択的に好気性)代謝産物を含み得る。
【0022】
特定の実施形態は、プロバイオティクスを実質的及び/又は完全に欠いていてもよい。いくつかの実施形態は、所定量(例えば、コロニー形成単位(cfu)、百分率、重量など)よりも少ない又は同量の生きた微生物及び/又は生存微生物を含み得る。例示的に、いくつかの実施形態は、約50重量%以下~約0.01重量%未満の生きた微生物又は生存微生物を含み得る。いくつかの実施形態において、土壌処理製品又はこの微生物発酵成分のうち、バイオマスの約50重量%以下~約0.01重量%未満は、生きた微生物又は生存微生物であるか、又はこれらを含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、土壌処理製品、又はこの微生物発酵成分は、約1000cfu以下~約5cfu以下の微生物(例えば、生きている、又は生存微生物、プロバイオティクス、又は直接供給微生物(DFM))を含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物、又はこの微生物発酵(例えば、液体懸濁液)培養物(例えば、発酵溶解質)は、1つ以上の添加剤又は追加成分を含み得る。あるいは、又はさらに、土壌処理製品又は植物処理製品(リン含有肥料成分も含む)は、1つ以上の添加剤又は追加成分を含み得る。いずれにしても、1つ以上の添加剤又は追加成分は、例示的に以下を含む、又は以下から選択できる。(1)アミノ酸、(2)ペプチド、(3)加水分解タンパク質、(4)有機酸及び/又はカルボン酸、(5)炭水化物、(6)植物成分又は植物抽出物(例えば、海藻又は大豆成分又は抽出物)、(7)リグニンスルホン酸塩、(8)フミン酸及び/又はフルボ酸、(9)多量栄養素、二次栄養素、及び/又は微量栄養素、(10)キレートミネラル及び/又は複合ミネラル、(11)ビタミン、(12)湿潤剤、(13)分散剤、及び(14)界面活性剤。いくつかの実施形態は、前述のものの2つ以上の混合物を含み得る。いくつかの実施形態は、混合アミノ酸、ミネラル、及び有機酸を含み得る。いくつかの実施形態において、1つ以上の添加剤は(活性(active)又は生(live))培養物に含まれ得る(例えば、溶解質に添加され得る)。他の実施形態において、1つ以上の添加剤は、土壌処理製品又は植物処理製品(又は微生物発酵生成物と(リン含有)肥料成分との混合物)に添加され得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物は、液体形態又は懸濁液形態であり得る。いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物は、乾燥、実質的に乾燥、又は部分的に乾燥した形態であり得る。例えば、少なくとも1つの実施形態において、微生物発酵生成物は、担体又は賦形剤に施用、結合、又は混合し得る。例示的に、担体は、フィロケイ酸塩又は粘土鉱物などの天然土成分を含み得る。
【0026】
いくつかの実施形態において、液体形態の微生物発酵生成物は、乾燥形態の肥料成分に施用できる。例えば、少なくとも1つの実施形態において、微生物発酵生成物は(例えば、肥料(又はこの乾燥粒子)(の少なくとも一部又は一部分)を(少なくとも部分的又は全体的に)コーティングするため)肥料に施用、結合、又は混合し得る。いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物は、肥料の表面に吸着され、及び/又は肥料の表面下に吸収できる。
【0027】
少なくとも1つの実施形態において、リン供給源は、固体、粒状、又は粉末状のリン系植物肥料成分(又は、NPK肥料などのリンを含む肥料成分)であるか、又はこれらを含み得る。例示的に、リン供給源は、(少なくとも部分的又は全体的に)微生物発酵生成物又は成分(例えば、(液体)微生物発酵(全)培養溶解質)、又はこれらによってコーティングされ得る。いくつかの実施形態において、リン供給源は、リンの液体供給源、又は液体リン系植物肥料成分(又はNPK肥料などのリンを含む液体肥料成分)であるか、又はこれを含むことができ、リンの液体供給源を(液体)微生物発酵生成物又は成分(例えば、微生物発酵(全)培養溶解質)と混合して、液体組み合わせ製品(liquid combination product)を形成し得る。
【0028】
少なくとも1つの(代替)実施形態において、リンの(液体又は固体形態の)供給源と(液体又は固体形態の)微生物発酵生成物は、別途の製品であり得る(例えば、キットの(別途の)成分を含む)。いくつかの実施形態において、リン供給源及び微生物発酵生成物は、(植物、土壌又は植物成長培地、種子などに)別々に施用及び/又は共同で施用し得る。
【0029】
少なくとも1つの実施形態は、植物肥料製品を製造する方法を含み、前記方法は、植物肥料成分を提供するステップ、及び前記植物肥料成分を微生物発酵生成物と混合するステップを含む。土壌処理製品又は植物処理製品を生産する例示的な方法は、実質的に液体である微生物発酵生成物を植物肥料成分と(例えば、約1:1~約1:2000の発酵生成物に対する植物肥料成分の比率、又はその逆の比率であり、好ましくは、約1:500~約1:1000の発酵生成物に対する植物肥料成分の比率、又はその逆の比率で)組み合わせて土壌処理製品又は植物処理製品を形成することを含む。土壌処理製品又は植物処理製品を製造する1つ以上の代替又は追加の実施形態は、実質的に乾燥した発酵生成物(例えば、担体に結合された発酵生成物)を植物肥料成分と(例えば、約1:1及び約1:2000の発酵生成物に対する植物肥料成分の比率、又はその逆の比率、好ましくは、約1:500~約1:1000の発酵生成物に対する植物肥料成分の比率、又はその逆の比率で)組み合わせて土壌処理製品又は植物処理製品を形成することを含む。
【0030】
いくつかの実施形態は、土壌処理製品又は植物処理製品を製造する方法を含む。前記方法は、植物肥料成分を微生物発酵生成物と混合して、土壌処理製品又は植物処理製品(又は組み合わせ製品)を形成することを含み得る。いくつかの実施形態において、液体植物肥料成分は、製品散布(distribution)前にタンク又は混合機内で液体微生物発酵生成物と混合する。1つ以上の追加又は代替の実施形態において、液体植物肥料成分及び液体微生物発酵生成物が共配合される。追加成分は、植物肥料成分、微生物発酵生成物、又はそれらの混合物と混合できる。
【0031】
他の実施形態において、前記方法は、微生物発酵生成物を肥料製品に流動的に施用することを含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、土壌処理製品又は植物処理製品は、植物肥料成分及び微生物発酵生成物を含むキット又はシステムを含み得る。前記キット又はシステムは、1つ以上の植物又は作物類型に施用するために植物肥料成分と微生物発酵生成物を混合するための指針を含み得る。前記キット又はシステムは、植物肥料成分と微生物発酵生成物を1つ以上の植物又は作物類型に共施用する指針を含み得る。
【0033】
追加の実施形態は、1つ以上の植物又は作物を施肥、及び/又は健康を増強する方法を含む。前記方法は、有効量の土壌処理製品又は植物処理製品(又はこれらの成分)を植物に施用(すなわち、投与)又は共施用し、好ましくは、植物又は植物集団の1つ以上の健康指標を(例えば、対照群と比較して)改善することを含み得る。1つ以上の健康指標は、萎れ(wilting)、着色(coloration)、収量(yield)、サイズ及び/又は重量、寿命及び/又は死亡率、全体的な健康及び外観、疾病及び/又は疾病の影響(例えば、腐敗)などからなる群より選ばれる。
【0034】
あるいは、前記方法は、有効量の土壌処理製品又は植物処理製品(又はこれらの成分)を種子(例えば、播種のための種子群)に施用(又は共施用)し、好ましくは、発芽種子及び/又は発芽後植物又は植物集団の1つ以上の健康指標を(例えば、対照群と比較して)改善することを含み得る。1つ以上の健康指標は、より強い発芽、萎れ、着色、収量、サイズ及び/又は重量、寿命及び/又は死亡率、全体的な健康及び外観、疾病及び/又は疾病の影響(例えば、腐敗)などからなる群より選ばれる。
【0035】
施用(又は投与)のステップは、土壌処理製品又は植物処理製品(例えば、(リン系)植物肥料成分と微生物発酵生成物を個別又は混合物を含む)を植物の上又は近くに、例えば、土壌に噴霧及び/又は散布して植物が土壌処理製品又は土壌の植物処理製品から有効量のリンを吸収するようにすることを含み得る。植物肥料成分及び微生物発酵生成物はまた、共投与又は共施用し得る(例えば、共に、組み合わせ製品として、又は個別に)。開示された植物肥料製品を使用する土壌肥料は、植栽前、発芽前、発芽後、及び植物の寿命中いつでも使用できる。
【0036】
例示的な実施形態は、以下を含む。
【0037】
1.土壌処理システムであって、
リンを含む肥料成分と、
微生物発酵成分であって、溶解した細胞又はこれらの細胞成分、液体発酵培地、及び嫌気的に生成される発酵代謝産物又は細胞代謝産物を含む微生物発酵成分と、
を含む、
土壌処理システム。
【0038】
2.実施形態1の土壌処理システムであって、
肥料成分は、粒状肥料を含み、
微生物発酵成分は、肥料成分の表面に吸着され、及び/又は肥料成分の表面下に吸収され、土壌処理製品を形成する、土壌処理システム。
【0039】
3.実施形態2の土壌処理システムであって、
土壌処理製品は、含水量が、
約0.25重量%~約25重量%、好ましくは約0.25重量%~約20重量%、より好ましくは約0.25重量%~約15重量%、さらに好ましくは約0.25重量%~約10重量%、なおさらに好ましくは約0.25重量%~約5重量%である、又は、
約25重量%以下、好ましくは約20重量%以下、より好ましくは約15重量%以下、さらに好ましくは約10重量%以下、さらに好ましくは約5重量%以下である、
土壌処理システム。
【0040】
4.実施形態1の土壌処理システムであって、
(i)微生物発酵成分のうち、バイオマスの約50重量%未満、好ましくは約45重量%未満、より好ましくは約40重量%未満、よりさらに好ましくは約35重量%未満、よりさらに好ましくは約30重量%未満、よりさらに好ましくは約25重量%未満、よりさらに好ましくは約20重量%未満、よりさらに好ましくは約15重量%未満、よりさらに好ましくは約10重量%未満、よりさらに好ましくは約5重量%未満、よりさらに好ましくは約1重量%未満、よりさらに好ましくは約0.5重量%未満、よりさらに好ましくは約0.25重量%未満、よりさらに好ましくは約0.1重量%未満、よりさらに好ましくは約0.05重量%未満、よりさらに好ましくは約0.01重量%未満が生きている、又は生存微生物、プロバイオティクス、又は直接供給微生物であるか、又は
(ii)微生物発酵成分は、生きた微生物及び/又は生存微生物、プロバイオティクス、又は直接供給微生物を実質的に欠いているか、又は
(iii)微生物発酵生成物は、約1000cfu以下、好ましくは約900cfu以下、より好ましくは約800cfu以下、よりさらに好ましくは約700cfu以下、よりさらに好ましくは約600cfu以下、よりさらに好ましくは約500cfu以下、よりさらに好ましくは約400cfu以下、よりさらに好ましくは約300cfu以下、よりさらに好ましくは約400cfu以下、よりさらに好ましくは約200cfu以下、よりさらに好ましくは約100cfu以下、よりさらに好ましくは約90cfu以下、よりさらに好ましくは約80cfu以下、よりさらに好ましくは約70cfu以下、よりさらに好ましくは約60cfu以下、よりさらに好ましくは約50cfu以下、よりさらに好ましくは約40cfu以下、よりさらに好ましくは約30cfu以下、よりさらに好ましくは約20cfu以下、よりさらに好ましくは約10cfu以下、よりさらに好ましくは約5cfu以下の微生物を含む、土壌処理システム。
【0041】
5.実施形態1の土壌処理システムであって、
微生物発酵成分が細菌発酵培養物の全培養溶解質を含む、土壌処理システム。
【0042】
6.実施形態1の土壌処理システムであって、
溶解した細胞又は細胞成分は、溶解した乳酸菌又は溶解した乳酸菌の細胞成分、及び選択的に、1つ以上の追加の溶解した細菌種又は菌株、又は1つ以上の追加の溶解した細菌種又は菌株を含み、及び/又は、
発酵代謝産物は、乳酸菌発酵代謝産物、及び選択的に、1つ以上の追加の細菌種又は菌株の発酵代謝産物を含む、土壌処理システム。
【0043】
7.実施形態1の土壌処理システムであって、
肥料成分が窒素-リン-カリウム(NPK)肥料を含み、及び/又は肥料成分が尿素を実質的に含まない、土壌処理システム。
【0044】
8.実施形態1の土壌処理システムであって、
アミノ酸、ペプチド、加水分解タンパク質、有機酸、カルボン酸、炭水化物、植物抽出物、リグニンスルホン酸塩、フミン酸、フルボ酸、多量栄養素、二次栄養素、微量栄養素、キレートミネラル、複合ミネラル、ビタミン、湿潤剤、分散剤、及び界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上の添加剤、又は
アミノ酸、ミネラル、及び有機酸の混合物をさらに含む、土壌処理システム。
【0045】
9.実施形態1の土壌処理システムであって、
微生物発酵成分が、好気的に生成された代謝産物又は好気的に生成された細胞代謝産物をさらに含む、土壌処理システム。
【0046】
10.実施形態1~9の土壌処理システムの任意の適切な組み合わせ。
【0047】
11.土壌中のリンの溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを高める方法であって、実施形態1~9のいずれかの土壌処理システム、又はこれらの任意の適切な組み合わせを土壌に施用することを含む、方法。
【0048】
12.土壌処理製品であって、
リンを含む粒状肥料成分と、
肥料成分の表面に吸着される、及び/又は肥料成分の表面下に吸収される微生物発酵成分であって、溶解した細胞又はこれらの細胞成分、液体発酵培地、及び嫌気的に生成された発酵代謝産物又は細胞代謝産物を含み、約1000cfu以下の微生物を含む微生物発酵生成物と、
を含み、
土壌処理製品の含水量が約25重量%以下である、
土壌処理製品。
【0049】
13.実施形態12の土壌処理製品を製造する方法であって、
(i)液体形態の微生物発酵成分を粒状肥料成分に直接適用し、微生物発酵成分が肥料成分の表面に吸着される、及び/又は肥料成分の表面下に吸収されて組み合わせ製品を形成するステップと、
(ii)組み合わせ製品を約25重量%以下の含水量まで乾燥させるステップと、
を含む、方法。
【0050】
14.土壌中のリンの溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを高める方法であって、実施形態12の土壌処理製品を土壌に施用することを含む、方法。
【0051】
15.土壌処理製品であって、
リンを含む肥料成分と、
肥料成分と混合された微生物発酵成分であって、溶解した細胞又はこれらの細胞成分、発酵培養培地の成分、及び発酵代謝産物を含む、微生物発酵生成物と、
を含む、
土壌処理製品。
【0052】
16.実施形態15の土壌処理製品であって、
(i)土壌処理製品は、固体形態であり、及び/又は約25重量%未満の含水量を有し、土壌処理製品は、
固体、粒状の肥料成分、及び
肥料成分の表面に吸着され、及び/又は肥料成分の表面下に吸収される微生物発酵成分を含み、
(ii)土壌処理製品は、固体形態であり、及び/又は含水量が約25重量%未満であり、土壌処理製品は、
固体、粒状の肥料成分、及び
固体形態の微生物発酵成分の混合物を含み、微生物発酵成分が固体担体の表面に吸着され、及び/又は固体担体の表面下に吸収され、又は
(iii)土壌処理製品は、液体形態であり、土壌処理製品は、
液体形態の肥料成分、及び
液体形態の微生物発酵成分の混合物を含む、
土壌処理製品。
【0053】
17.実施形態15の土壌処理製品であって、
土壌処理製品が固体形態であり、及び/又は約25重量%未満の含水量を有し、土壌処理製品は、
固体、粒状の肥料成分、及び
固体形態の微生物発酵成分の混合物を含み、微生物発酵成分は、固体担体の表面に吸着され、及び/又は固体担体の表面下に吸収され、固体担体は1つ以上のフィロケイ酸塩、植物材料、又は植物抽出物を含む、土壌処理製品。
【0054】
18.土壌中のリンの溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを高めるために土壌を処理する方法であって、実施形態15~17のいずれかの土壌処理製品を土壌に施用することを含む、方法。
【0055】
19.土壌中のリンの溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを向上、改善、又は増加させる方法であって、
リンを含む肥料成分と、
微生物発酵成分であって、溶解した細胞又はこれらの細胞成分、発酵培養培地の成分、及び発酵代謝産物を含む微生物発酵成分と、
を土壌に共施用することを含む、方法。
【0056】
20.実施形態19の方法であって、
肥料成分と微生物発酵成分は、各々液体形態で土壌に共施用される、
液体形態の肥料成分と液体形態の微生物発酵生成物を混合して液体土壌処理製品を形成し、方法は、液体土壌処理製品を土壌に施用することを含む、
液体形態の肥料成分と液体形態の微生物発酵成分を土壌に別々に施用する、
肥料成分は、固体、粒状であり、微生物発酵成分は肥料成分の表面に吸着され、及び/又は肥料成分の表面下に吸収され、組み合わせ製品を形成し、方法は、組み合わせ製品を土壌に施用することを含む、又は
肥料成分と微生物発酵成分は、各々固体又は実質的に乾燥した形態で土壌に共施用する、方法。
【0057】
本発明の製品、システム、及び方法は、土壌中の可溶性リンの量を増加させ得る。前記製品、システム、及び方法は、土壌中のリンを可溶化させるか、可溶性リンのレベル及び/又はリンのバイオアベイラビリティを高めるのに有効である。生物活性化肥料組成物及び関連する方法は、土壌中のリン溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを高めるのに有効であり得る。
【0058】
本発明の製品、システム、及び方法は、(本発明の製品及び方法で処理される、
又は処理された土壌で栽培された植物の場合)植物の収量をさらに改善し得る。本発明の製品及び方法は、作物又は植物を成長させるか、又は前記作物又は植物の収量を改善するために必要な肥料の量をさらに減らすことができる。このようなデータは本明細書に提示されている。
【0059】
例示的な製品、システム、及び方法は、(認証された)天然、有機、非GMO、再生可能、及び/又は「環境に優しい」であり得る。
【0060】
いくつかの実施形態は、本発明の他の態様又は実施形態を含む、本発明の他の所に記載されている任意の特徴、オプション、及び/又は可能性のいずれかを含み得る。また、本明細書に記載の前述、後述、及び/又は他の各特徴は、本発明の別の実施形態を示していることに留意する。さらに、このような特徴の任意の2つ以上の組み合わせも、本発明の別の実施形態を示す。このような特徴又は実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の適切な組み合わせ及び/又は順序で組み合わせることができる。したがって、本明細書に記載の各特徴は、本明細書に記載の任意の1つ以上の他の特徴と任意の適切な組み合わせ及び/又は順序で組み合わせることができる。したがって、本発明は、本明細書で詳細に説明される代表的な(exemplary)実施形態の特定の組み合わせに制限されない。
【0061】
本発明の例示的な実施形態の追加の特徴及び利点は、後述する詳細な説明に記載され、ある程度は説明から明らかになるか、又はこれらの例示的な実施形態の実施によって学習され得る。これらの実施形態の特徴及び利点は、特に添付の特許請求の範囲において言及された装置及び組み合わせによって実現及び獲得できる。これらの特徴及び他の特徴は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるか、又は後述する例示的な実施形態の実施によって学習され得る。
【0062】
本発明の前述の長所と特徴及び他の長所と特徴を得ることができる方法を説明するために、前記簡略に説明した実施形態のより具体的な説明は、添付の図面に示されている特定の実施形態を参照して提示される。より良く理解するために、全図にわたって類似の要素は類似の参照番号で指定されている。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しているため、本発明の範囲を制限するものと見なされるべきではないことを理解し、本発明は、下記の添付の図面を使用することによって、追加の具体性及び詳細事項と共に記述及び説明される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】土壌中の酸性ホスファターゼ酵素活性に対する、本発明の微生物発酵成分の様々な施用量(application rate)及びインキュベーション時間の効果を示す。
図2】土壌中のグルコシダーゼ酵素活性に対する、本発明の微生物発酵成分の様々な施用量及びインキュベーション時間の効果を示す。
図3】本発明の微生物発酵成分の代表的な作用方式を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本発明の様々な実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、特定のパラメータ、用語、及び実施形態によって異り得る、具体的に例示されたシステム、方法及び/又は製品に関する説明に制限されないことを理解されたい。また、本明細書で使用される用語の全てではないにしても、多くの部分は本発明の特定の実施形態を説明するためのものであり、必ずしも任意の特定方式で本発明の範囲を制限することを意図するものではないことも理解されたい。したがって、本発明の特定の実施形態は、具体的な構成、パラメータ、特徴(例えば、成分、構成要素、部材、要素、部品及び/又は部分)などを参照して詳細に説明されるが、この説明は例示的であり、本開示及び/又は特許請求の発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。さらに、本明細書で使用される用語は、実施形態を説明するためのものであり、必ずしも本開示及び/又は特許請求の発明の範囲を制限する意図ではない。
【0065】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本発明の属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0066】
システム、方法、及び/又は製品を含む本発明の様々な態様は、本質的に代表的又は例示的な1つ以上の「実施形態」を参照して説明することができる。本明細書で使用される「実施形態」という用語は、「例(example)、実例(instance)、又は例示(illustration)として役を果たす」ことを意味し、必ずしも本明細書に開示される他の態様よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。さらに、実施形態への言及は、詳細な説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される本発明の範囲を制限することなく、例示的な例を提供することを意図している。「代表的(exemplary)」、及び「例示的(illustrative)」などの用語は、交換可能、及び/又は1つ以上の実施形態を言及するために使用することができる。
【0067】
本明細書全体にわたって使用された「できる」(「can」及び「may」)という言葉は、義務的な意味(すなわち、しなければならないという意味)でなはく、許容的な意味(すなわち、する可能性があるという意味)として使用される。さらに、「含む(including)」、「有する(having)」、「伴う(involving)」、「含有する(containing)」、「特徴とする(characterized by)」という用語とこれらの変形態(例えば、「含む(includes)」、「有する(has)」及び「伴う(involves)」、及び「含有する(contains)」等)、及び特許請求の範囲を含め、本明細書で使用される同様の用語は、包括的及び/又は拡張可能であり、「含む(comprising)」及びその変形態(例えば、「含む」(「comprise」及び「comprises」))と同一の意味を有し、例示として言及されていない追加の要素又は方法のステップを排除しない。
【0068】
本明細書と添付の特許請求の範囲で使用された単数形(「a」、「an」及び「the」)は、各々、文脈上、明らかに異なる意味を持たない限り、該当単数形と複数形の両方を考慮し、含み、具体的に開示する。例えば、「肥料」への言及は、1種だけでなく、2種以上の肥料を考慮して具体的に開示する。同様に、複数の指示対象の使用は、そのような指示対象の複数を必ずしも必要とするものではなく、文脈上、明らかに指示しない限り、1つの指示対象だけでなく、2つ以上のこのような指示対象を考慮し、含み、具体的に開示する。
【0069】
本明細書で使用されるように、値に関して「約(about)」又は「およそ(approximately)」という用語は、一般的に、明示された値又はこれによって表される量の±10%を意味又は暗示する。さらに、本明細書を通じて、「約」という用語は、構成要素又は成分のパーセント濃度又は組成に関連して使用される。このような場合、「約」又は「およそ」という用語及び/又は「±10%」という用語は、言及されたパーセントの±10パーセントポイントではなく、明示された数値の±10%を意味し、及び/又は含む。例えば、20%w/wの構成要素又は成分が全混合物100mL当たり20gの構成要素又は成分を反映する場合、「約」、及び/又は「±10%」という用語は、10%w/w~30%w/wの範囲ではなく、18g~22g(すなわち、18%w/w~22%w/w)の言及された範囲を含む。いわゆる「約」値及び/又は±10%の代替としては、明示された値の±1%、±2%、±3%、±4%、±5%、±6%、±7%、±8%、又は±9%が含まれ、これらはそれぞれ、本明細書において「約」、又は±10%という用語の使用に対する適切な代案又は代替用語として考慮される。
【0070】
簡潔化のために、本発明は、数値のリスト又は範囲を言及することができる。また、2つ以上の値、又は値の範囲(例えば、特定値未満、特定値超過、少なくとも特定値、及び/又は特定値まで、及び/又は2つの言及された値の間)が開示又は言及される場合、開示された値又は値の範囲内に入る任意の特定値又は値の範囲も同様に、本明細書に具体的に開示、又は考慮されると理解できるであろう。したがって、約10単位以下、又は0~10単位の間である例示的な測定値(例えば、長さ、幅、及び厚さなど)の開示は、例示的に以下の特定の開示を含む。(i)9単位、5単位、1単位、又は0単位及び/又は10単位を含み、0単位と10単位との間の任意の他の値の測定値、及び/又は(ii)9単位と1単位との間、8単位と2単位との間、6単位と4単位との間の測定値、及び/又は0単位と10単位との間の値のその他の範囲。
【0071】
本明細書で使用される「実質的に」という用語は、明示された量(例えば、依然として所望の機能を実行するか(望ましい、意図された、又は予想された)、結果を達成する量)に近い量(又は任意の量)を表すか、又は意味する。例えば、「実質的に」という用語は、明示された量の10%、5%、1%、0.1%、0.01%、又はその他のパーセント内にある量又はそれ未満の量を指し得る。本明細書で使用される用語「実質的に欠いている」とは、(1)検出不可能又は定量不可能な量、(2)検出可能又は定量可能な量を反映することにより当業者が一般的に考える量よりも少ない又はその未満、及び/又は(3)機能的であるか、又は(望ましい、意図された、又は予想された)結果を達成できると当業者が一般的に考える量よりも少ない又はその未満(例えば、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、又はその他のパーセント未満)を意味する。
【0072】
本明細書に示されるパーセント濃度又は組成は、w/wパーセント、w/vパーセント、又はv/vパーセントで測定された値を表す。
【0073】
本明細書で使用されるように、「製品」には、組成物、製剤、混合物、キット、及びシステムなどが含まれる。同様に、「方法」には、プロセス、手順、及びステップなどが含まれる。
【0074】
本明細書で使用されるように、「土壌」という用語は、畑(field)、温室(greenhouse)、実験室、又はその他の場所のいずれの適切な植物成長培地を指すために広く使用され、土類成分以外の成分を含み得る。
【0075】
当業者が理解しているように、「ヘクタール」(「ha」と略する)は、主に土地の測定に使用されるメートル法面積単位であり、100エーカー(10,000m)又は1平方ヘクトメートル(hm)と等しい。1エーカーは約0.405ヘクタールであり、1ヘクタールは約2.47エーカーである。
【0076】
本発明の様々な態様又は実施形態は、一緒に結合、カップリング、取り付け、連結及び/又は接合される成分を記述することによって説明できる。本明細書で使用される「結合された(bound)」、「カップリングされた(coupled)」、「取り付けられた(attached)」、「連結された(connected)」、及び/又は「接合された(joined)」という用語は、2つの成分間の直接的な結合(association)、又は適切な場合、介在又は中間成分を介した相互の間接的な結合を示すために使用される。対照的に、成分が別の成分に「直接結合された」、「直接カップリングされた」、「直接取り付けられた」、「直接連結された」、及び/又は「直接接合された」と言及される場合、介在する要素が存在又は考慮されない。さらに、結合、カップリング、取り付け、連結、及び/又は接合は、機械的、物理的、及び/又は化学的結合を含み得る。
【0077】
さらに、本発明の様々な態様又は実施形態は、互いに混合される成分を記述することによって説明できる。本明細書で使用されるように、「混合された(mixed)」、「混合する(mixing)」及び類似の用語は、2つ以上の成分を物理的に組み合わせること又は組み合わせを示す。いくつかの実施形態において、物理的な組み合わせること又は組み合わせは、(化学的及び/又は物理的)反応をもたらす。このような化学反応は、混合前の成分(又は反応なしに混合した後に予想されること)と比較して化学組成、pH、又はその他の指標の変化によって証明できる。したがって、成分を混合すること及び/又は混合成分は、特定の実施形態において成分を反応させること及び/又は反応成分を含み得る。したがって、成分を混合すること又は混合成分への言及は、成分を反応させること又は反応された成分への言及を含む。
【0078】
「共施用(co-application)」という用語、及びこれと類似の用語は、2つ以上の成分の一斉施用、順次施用、及び/又は組み合わせ施用を示す。例えば、各成分を個別施用として一斉に、同時に、又は順次に(例えば、一定期間で区切られた別個の施用)施用することによって2つの成分を共施用することができる。前記期間は、非常に短い場合もあれば(例えば、実質的に最初の施用直後)、長い場合もある(例えば、1~60秒、1~60分、1~24時間、1~7日、1~4週間、1~12ヶ月など、又はそれらの間の任意の値又は範囲)。一斉施用又は共施用は、2つ以上の成分に対する重複施用期間、又は2つ以上の成分の混合物を含む組み合わせ製品の施用を含み得る。
【0079】
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」又は「特徴とする(characterized by)」と同義語である。これらの用語は包括的かつ拡張可能であり、追加の言及されない要素又は方法のステップを排除しない。「からなる(consisting of)」という語句は、特許請求の範囲に明示されていない任意の要素、ステップ、又は成分を排除する。この語句が、前文の直後ではなく、特許請求の範囲の本文の節に登場する場合、その節に記載されている要素のみを制限し、他の要素は、全体的に特許請求の範囲から排除されない。「本質的になる(consisting essentially of)」という語句は、特許請求の範囲を特定の材料又はステップに加えて、請求された主題の基本的及び新規な特性に実質的に影響を与えないものなどに制限する。「含む(comprising)」、「からなる(consisting of)」及び「本質的にからなる(consisting essentially of)」という用語は代替として使用できる。これらの3つの用語のうち1つが使用される場合、現在開示されて請求されている主題は、他の2つの用語のいずれかの使用を含み得る。
【0080】
「複数(plurality)」及び「少なくとも2つ」という用語は、交換可能に使用される。
【0081】
本明細書では、例示的な実施形態を説明するために特定の言語が使用される。しかし、このような言語によって本発明の範囲を制限する意図はないことを理解されたい。むしろ、代表的な実施形態を説明するために使用された言語はただ例示的なものであり、(このような言語が本明細書において必須であると明示的に記載されない限り)本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0082】
詳細な説明はセクションに分けられているが、各セクション内のセクションの題目と内容は、組織的な目的のためのものであり、自己完結型(self-contained)の説明及び実施形態であること、又は説明又は特許請求の範囲を制限することを意図していない。むしろ、詳細な説明内の各セクションの内容は、1つのセクションの要素が他のセクションに関連する、及び/又は他のセクションに情報を提供することができる、集合的な全体として読まれ、理解されることを意図している。したがって、あるセクション内で具体的に開示された実施形態は、同一及び/又は類似の製品、方法、及び/又は用語を有する他のセクション内の追加及び/又は代替の実施形態に関連し、及び/又はそれらとして機能することができる。
【0083】
以下の文書は、その全文が参照として組み込まれる。米国特許第5,549,728号、米国特許公開第2018/0235257号、及びPCT公開第WO2018/223087号。本発明の様々な実施形態は、前述の参考文献の1つ以上に開示又は記載された特徴(例えば、製品、組成物、成分、構成要素、方法、ステップ、態様、実施形態、実装、又は他の主題)を含み得る。例示的に、上記の参考文献に開示され、そこに説明されているように実施された1つ以上の特徴は、本発明の1つ以上の実施形態に含まれるか、又は実施できる。これらの特徴の実装は、上記の参考文献に提供される開示に従って、及び/又は本開示に提供されるようにすることができる。
【0084】
本発明者は以前に、ウレアーゼ阻害微生物発酵溶解質でコーティングされた尿素顆粒を含む尿素ベースの植物肥料組成物を説明した(米国特許第5,549,728号を参照)。この組成物は、尿素からアンモニア(又は利用可能な窒素)への転換速度を遅くすることによって、土壌に施用するとき(尿素顆粒単独に比べて)(尿素から)窒素の土壌への放出(又は損失)を遅らせた。
【0085】
本発明の実施形態は、土壌中の可溶性リンの量を増加させるための組成物及び方法を含み、より具体的には、土壌中のリンを可溶化させるか、又は可溶性リンのレベル及び/又はリンのバイオアベイラビリティを高めるための組成物及び方法を含む。いくつかの実施形態は、好ましくは微生物発酵溶解質を含む微生物発酵生成物、又はそれを含む組成物もしくは製品を含み、これは土壌中のリンを可溶化させるのに有効である。リンは、土壌中のリンの基底又は既存の量又はレベルであり得る。土壌にあるリンの基底又は既存の量又はレベルの一部は、植物の消費、吸収、及び/又は利用のために生物学的に使用できない。例えば、土壌中のリンの基底又は既存の量又はレベルの一部は、土壌に配置されたリンを生物学的に使用できないようにする方法で、1つ以上の土壌成分に結合している可能性がある。あるいは、又はさらに、前記リンは、例えば、リン(又はリン供給源)を含む、又は含有する肥料又は(植物)肥料成分からの施用されたリン(例えば、土壌に施用されたリン(又はリン供給源)であってもよい。このような施用されたリンは、上記のように、生物学的に利用できなくなるか、又は上記のように生物学的に利用できなくなる危険性がある。本発明の1つ以上の実施形態は、(i)土壌中の生物学的に利用不可能なリンを再可溶化する、(ii)土壌中のリンの生物学的利用不可能性(bio-unavailability)及び/又は不溶性を低減する、及び/又は(iii)土壌中のリンの生物学的利用不可能性及び/又は不溶性を防止又は軽減(又は生物学的利用不可能性及び/又は不溶性のリスクを低減)させるのに有効である。
【0086】
いくつかの実施形態は、土壌処理製品又は植物処理製品(例えば、組成物、システム、キットなど)又はこれらを製造及び使用するための方法(例えば、プロセス、ステップなど)を含み得る。いくつかの実施形態において、前記製品は、植栽又は成長前、植栽又は成長間、又は植栽又は成長後に土壌に施用できる。いくつかの実施形態において、前記製品は、植物、及び/又は植物が成長する土壌(例えば、植栽、成長、植栽予定など)に施用できる。前記製品は、液体、固体、半固体、又はこれらの組み合わせの形態であり得る。施用は、噴霧、散布、滴下、又は当技術分野における公知の任意の他の適切な施用方法によるものであり得る。
【0087】
いくつかの実施形態において、前記製品は、リン又は肥料(又は植物肥料成分)などのリン供給源、リンのミネラル供給源(例えば、岩屑又はコロイド状リン酸塩、「軟リン酸」とも呼ばれる)、リンの塩形態(例えば、リン酸アンモニウム、及びリン酸カリウムなど)、又はリン酸塩の有機供給源(例えば、畜産物、畜産副産物、及び畜産廃棄物など)と共施用することができる。共施用は、同時、連続、又は順次(いずれかの成分が最初に施用される)施用などであり得る。本発明のいくつかの実施形態は、植物肥料成分及び微生物発酵生成物を含む土壌処理製品(又はキット)又は植物処理製品(又はキット)に関する。植物肥料成分と微生物発酵生成物は、組み合わせ組成物のように混合することができ、又はキットのように分離することができる。いくつかの実施形態は、(例えば、(i)土壌中の生物学的に利用不可能なリンを再可溶化、(ii)土壌中のリンの生物学的利用不可能性及び/又は不溶性を低減、(iii)土壌中のリンの生物学的利用不可能性及び/又は不溶性を防止又は軽減(又は生物学的利用不可能性及び/又は不溶性のリスクを低減)させる、及び/又は作物の健康を増進させるため)このような製品又はキットを製造及び/又は使用する方法に関する。
【0088】
いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物は、液体(例えば、懸濁液)形態又は実質的に乾燥した(例えば、担体に結合した)形態であり得る。いくつかの実施形態において、(液体)植物肥料製品又は成分は、(液体)微生物発酵生成物又は成分と(混和的又は非混和的に)混合できる。いくつかの実施形態において、(液体)微生物発酵生成物又は成分は、(固体)植物肥料製品又は成分をコーティング又は結合できる。いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物又は成分は、(固体)植物肥料生成物又は成分の表面に吸着され、及び/又は(固体)植物肥料生成物又は成分の表面下に吸収され得る。いくつかの実施形態において、(固体)植物肥料製品又は成分は、(固体)微生物発酵生成物(例えば、担体に結合し、担体の表面に吸着し、及び/又は担体の表面下に吸収された微生物発酵生成物)と混合できる。
【0089】
いくつかの実施形態は、土壌処理製品又は植物処理製品を製造する方法を含む。前記方法は、植物肥料製品又は成分を微生物発酵生成物又は成分と混合することを含み得る。追加の実施形態は、植物の健康を増進させる方法を含む。前記方法は、有効量の土壌処理製品又は植物処理製品を植物に投与又は施用して植物又は植物集団の1つ以上の健康指標(例えば、対照群と比較して)を改善することを含み得る。特定の成分、この特性及び/又は特徴を含む、前述の実施形態及びその他の実施形態のそれぞれを、ここでさらに詳細に説明する。
【0090】
[例示的な発酵生成物]
本明細書で使用されたように、(微生物、細菌、酵母、真菌など)「発酵生成物」又は類似の用語は、当業者によって理解されるように、単なるバルク成長又は他の成長(例えば、増殖培地上又は増殖培地中のこのような微生物の成長)ではない、少なくとも一定期間の発酵、又は嫌気性代謝又は細胞呼吸(例えば、1回以上の微生物による)の結果物を意味する。いくつかの実施形態において、発酵生成物はまた、好気性代謝(1つ以上の好気性代謝期間)から生じ得る。発酵生成物は、凝縮及び/又は抽出された発酵生成物、プレスケーキ、発酵可溶物、発酵抽出物、乾燥発酵可溶物、液体発酵生成物、乾燥発酵バイオマス、又はそれらの組み合わせを含み得る。本明細書で使用される「液体発酵生成物」又は類似の用語は、液体形態の発酵生成物を意味する。例えば、液体発酵生成物は、(少なくとも部分的に消費された、又は発酵後の)液体培養培地又はこの成分、1つ以上の微生物及び/又はこの細胞物質(例えば、構造成分)、1つ以上の(発酵、嫌気性、好気性、及び/又はその他の発酵)代謝産物(微生物によって生成される)、及び当技術分野における公知のその他の成分を含む、液体発酵培養物(例えば、全体又は完全な微生物発酵懸濁液培養物)の成分であるか、又はこれを含み得る。
【0091】
微生物発酵生成物は、加工(例えば、精製、濾過、単離、分離など)又は粗製(crude)(例えば、未加工)することができる。いくつかの実施形態において、発酵生成物は、1つ以上の(発酵)代謝産物、(液体)発酵培地(例えば、発酵プロセス後に残っている培地)、及び/又は微生物細胞及び/又は構造成分(例えば、全細胞溶解質)を含む、微生物嫌気性(及び選択的に好気性)代謝で生成された実質的に精製されていない結果を含み得る。
【0092】
少なくとも1つの実施形態において、発酵生成物は、1つ以上の微生物及び/又は細胞物質、例えば、細胞構造成分、細胞小器官、遺伝物質、高分子、又はそれらの他の成分を含む。本明細書で使用される用語「微生物(microorganism)」、「微生物有機体(microbial organism)」、「微生物(microbe)」などは、当業者によって理解されるように、単細胞有機体であれ多細胞有機体であれ、原核生物であれ、真核生物であれ、関係なく、細菌、古細菌(archaea)、特定の原生動物(protozoa)、真菌類、例えば、酵母、カビ(mold)など、及び藻類の種又は株を意味する。いくつかの実施形態において、発酵生成物は、(全細胞)溶解微生物を含む。1つ以上の微生物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は任意の他の数の個別(例えば、別個に識別可能な)微生物株又は種を制限することなく含み得る。
【0093】
例示的な細菌は、アセチ(aceti)、キシリナム(xylinum)、及びサブオキシダンス(suboxydans)などを含むアセトバクター(Acetobacter)の種又は株;養蜂場(apiaries)、アゾトフィキサンズ(azotofixans)、ブレビス(brevis)、セレウス(cereus)、サーキュランス(circulans)、コアギュランス(coagulans)、ラテロスポラス(laterosporus)、レンタス(lentus)、リケニフォルミス(licheniformis)、マケランス(macerans)、マリヌス(marinus)、メガテリウム(megaterium)、パストゥリ(pasteurii)、ポリミクサ(polymyxa)、プルビファシエンス(pulvifaciens)、プミルス(pumilus)、シュレゲリ(schlegelii)、スフェリクス(sphaericus)、ステアロサーモフィルス(stearothermophilus)、サブチリス(subtilis)、チアミノリチクス(thiaminolyticus)、チューリンゲンシス(thuringiensis)、及びタスカイ(tusciae)種、などを含むバチルス(Bacillus)種又は株;アミロフィルス(amylophilus)、コピロサス(copillosus)、ルミノコラ(ruminocola)、及びスイス(suis)種などを含むバクテロイデス(Bacteroides)種又は株;アドレスセンティス(adolescentis)、アニマリス(animalis)、ビフィズス(bifidum)、インファンティス(infantis)、ロンガム(longum)、及びサーモフィラム(thermophilum)種、などを含むビフィズス菌(Bifidobacterium)種又は株;クレモリス(cremoris)、ダイアセチラクチス(diacetylactis)、フェシウム(faecium)、インターメディウス(intermedius)、ラクティス(lactis)、及びサーモフィルス(thermophilus)種、などを含むエンテロコッカス(Enterococcus)種又は株;アシドフィルス(acidophilus)、ブレビス(brevis)、ブチネリ(buchneri)、ブルガリクス(bulgaricus)、カゼイ(casei)、セロビオース(cellobiosus)、クルバタス(curvatus)、デルブルエキイ(delbruekii)、ファルシミニス(farciminis)、ファーメンタム(fermentum)、ヘルベティカス(helveticus)、ラクティス(lactis)、プランタラム(plantarum)、及びロイテリ(reuteri)種、などを含むラクトバシラス(Lactobacillus)種又は株;シトボラム(citovorum、デクストラニカム(dextranicum)、及びメセンテロイデス(mesenteroides)種、などを含むロイコノストック(Leuconostoc)種又は株;エルスデニー(elsdenii)種、などを含むメガスファエラ(Megasphaera)種又は株;アシディラクティシ(acidilactici)、セレビシエ(cerevisiae)(ダムノサス(damnosus))、及びペントサセウス(pentosaceus)種、などを含むペディオコッカス(Pediococcus)種又は株;フロイデンライヒ(freudenreichii)、及びシェルマニー(shermanii)種、などを含むプロピオン酸菌(Propionibacterium)種又は株;パルストリス(palustris)種、などを含むロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)種又は株;及び/又はクレモリス(cremoirs)、ダイアセチラクティス(diacetilactis)、ペシウム(faecium)、インタメジウス(intermedius)、ラクティス(lactis)、サルバリウス(salivarius)、及びサーモフィルス(thermophilus)種、などを含むストレプトコックス(Streptococcus)種又は株を含み得るが、これらに制限されない。他の実施形態には、例えば、種ナタレンシス(natalensis)、チャタノゲンシス(chattanoogensis)、及びグリセウス(griseus)種、などを含むストレプトマイセス(Streptomyces)種又は株;カンペストリス(campestris)種、などを含むキサントモナス(Xanthomonas)種又は株;ニベウス(niveus)種、などを含むリゾプス(Rhizopus)種又は株;リソデイクチクス(lysodeikticus)種、などを含むマイクロコッカス(Micrococcus)種又は株;セレウス種、などを含むバチルス(Bacillus)種又は株;及び/又はシトボラム(citovorum)、及びデクストラニカム種、などを含むロイコノストック種又は株が含まれる。
【0094】
少なくとも1つの実施形態において、発酵生成物は、微生物(例えば、細菌)の第1種及び/又は株、及び/又はこの細胞又は構造成分を含み得る。好ましくは、発酵生成物は、溶解した細菌の第1種及び/又は株を含み得る。(溶解した)細菌は、乳酸菌の1つ以上の種又は株であるか、又はこれらを含み得る。いくつかの実施形態において、乳酸菌の1つ以上の種又は株はラクトバシラス(例えば、アシドフィルスなど)又は乳酸菌を含み得る。いくつかの実施形態において、発酵生成物は、1つ以上の追加の微生物(例えば、細菌、真菌、酵母、カビ、藻類)種又は株(例えば、本明細書に列挙されるものの1つ以上)、及び/又はこの細胞又は構造成分を含み得る。例えば、発酵生成物は、(第1の)微生物種又は株以外の1つ以上の追加の(溶解した)細菌種又は株を含み得る。いくつかの実施形態において、発酵生成物は、1つ以上の(追加の)乳酸菌種及び/又は株(例えば、(第1の)乳酸菌種又は株以外)を含み得る。いくつかの実施形態において、発酵生成物は、1つ以上の非乳酸菌種及び/又は株(例えば、乳酸菌種又は株以外)を含み得る。
【0095】
1つ以上の(代替)実施形態において、1つ以上の微生物又は追加の微生物は、細菌、又は細菌種又は株を含まない。例えば、いくつかの実施形態において、土壌処理製品又は植物処理製品、又はこの微生物発酵生成物には、細菌及び/又はこの細胞又は構造成分を実質的に欠いていてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、発酵生成物は、細菌及び/又はその細胞又は構造成分を実質的に欠いている真菌(例えば、酵母及び/又はカビ)発酵生成物であり得る。例示的な真菌には、サッカロミコチナ(Saccharomycotina)及び/又はタフリノミコチナ(Taphrinomycotina)(例えば、シゾサッカロミセテス(Schizosaccharomycetes))などのアスコマイコタ(Ascomycota)門、及び/又はアガリコミコチナ(Agaricomycotina)(例えば、トレメロミセテス(Tremellomycetes))及び/又はサビキン亜門(Pucciniomycotina)(例えば、ミクロボトリウム菌綱(Microbotryomycetes)などの担子菌門(Basidiomycota)の酵母を含み得るが、これらに制限されない。例示的な酵母には、ユティリス(utilis)、グラブラタ(glabrata)、ギリエルモンディ(guilliermondii)、リポリティカ(lipolytica)、及びシュードトロピカリス(pseudotropicalis)種、などを含むカンジダ(Candida)種又は株(以前はトルロプシス(Torulopsis)と知られる);ラクティス種、などを含むクルイベロミセス(Kluyveromyces)種又は株;及び/又はセレビシエ(cerevisiae)、ボウラーディ(boulardii)、及びフラジリス(fragilis)種、などを含むサッカロミセス(Saccharomyces)種又は株を含み得る。例示的な真菌には、ニゲル(niger)、及びオリゼー(orizae)(又はオリゼー(oryzae))種、などを含むアスペルギルス(Aspergillus)種又は株;roquefortii種、などを含むペニシリウム(Penicillium)種又は株;ミエヘイ(miehei)、及びプシラス(pusillus)種、などを含むムコール(Mucor)種又は株;vinaceae種、などを含むクサレケカビ科(Morteirella)種又は株;パラシティカ(parasitica)種、などを含むエンドシア(Endothia)種又は株;及び/又はミエヘイ種、などを含むリゾムコール(Rhizomucor)種又は株をさらに含み得る。
【0096】
しかし、いくつかの実施形態において、土壌処理製品又は植物処理製品、又はこの微生物発酵生成物は、真菌、酵母、カビ、及び/又は前述のいずれか1つ以上の細胞又は構造成分を実質的に欠いていてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、発酵生成物は、真菌、酵母、カビ、及び/又は前述のいずれか1つ以上の細胞又は構造成分を実質的に欠いている細菌発酵生成物であり得る。いくつかの実施形態は、カビ及び/又はこの細胞又は構造成分を実質的に欠いている可能性がある。いくつかの実施形態において、発酵生成物は、カビ及び/又はこの細胞又は構造成分を実質的に欠いている細菌及び/又は酵母発酵生成物であり得る。いくつかの実施形態は、藻類及び/又はこの細胞又は構造成分を実質的に欠いている可能性がある。特定の実施形態は、少なくとも1つの細菌種又は株、少なくとも1つの真菌(又は酵母、又はカビ)種又は株、及び/又は少なくとも1つの藻類種又は株を含み得る。
【0097】
いくつかの実施形態において、(微生物発酵生成物の)1つ以上の微生物は、無生物、非生存、非代謝性及び/又は溶解したものであり得る。従って、発酵生成物は、1つ以上の無生物、非生存、非代謝性、及び/又は溶解した微生物、又はこの細胞物質(例えば、細胞構造成分)を含み得る。さらに、発酵生成物は、1つ以上又は任意の生きている(例えば、代謝性、休眠(dormant)、胞子形成など)微生物を実質的に欠いている可能性がある。例えば、発酵生成物は、約50重量%未満、約40重量%未満、約30重量%未満、約25重量%未満、約20重量%未満、約15重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.25重量%未満、約0.1重量%未満、約0.05重量%未満、約0.01重量%未満、又はその以下の生きた微生物又は生存微生物を含むか、又はこれらから構成され得る。いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物(又はこの微生物バイオマス)中の約50重量%未満、約40重量%未満、約30重量%未満、約25重量%未満、約20重量%未満、約15重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.25重量%未満、約0.1重量%未満、約0.05重量%未満、又は約0.01重量%未満の微生物が生きているか、又は生存微生物であるか、又はこれらを含み得る。
【0098】
いくつかの実施形態において、微生物発酵成分の約50重量%未満、好ましくは約45重量%未満、より好ましくは約40重量%未満、よりさらに好ましくは約35重量%未満、よりさらに好ましくは約30重量%未満、よりさらに好ましくは約25重量%未満、よりさらに好ましくは約20重量%未満、よりさらに好ましくは約15重量%未満、よりさらに好ましくは約10重量%未満、よりさらに好ましくは約5重量%未満、よりさらに好ましくは約1重量%未満、よりさらに好ましくは約0.5重量%未満、よりさらに好ましくは約0.25重量%未満、よりさらに好ましくは約0.1重量%未満、よりさらに好ましくは約0.05重量%未満、よりさらに好ましくは約0.01重量%未満のバイオマスが生きているか、又は生存微生物であるか、又はこれらを含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物は、約1000cfu以下の微生物(例えば、生きている、又は生存微生物、プロバイオティクス、又は直接供給微生物(DFM))を含み得る。いくつかの実施形態において、微生物発酵生成物は、約900cfu以下、好ましくは約800cfu以下、より好ましくは約700cfu以下、よりさらに好ましくは約600cfu以下、よりさらに好ましくは約500cfu以下、よりさらに好ましくは約400cfu以下、よりさらに好ましくは約300cfu以下、よりさらに好ましくは約400cfu以下、よりさらに好ましくは約200cfu以下、よりさらに好ましくは約100cfu以下、よりさらに好ましくは約90cfu以下、よりさらに好ましくは約80cfu以下、よりさらに好ましくは約70cfu以下、よりさらに好ましくは約60cfu以下、よりさらに好ましくは約50cfu以下、よりさらに好ましくは約40cfu以下、よりさらに好ましくは約30cfu以下、よりさらに好ましくは約20cfu以下、よりさらに好ましくは約10cfu以下、よりさらに好ましくは約5cfu以下の微生物を含み得る。
【0100】
したがって、プロバイオティクス製品又は直接供給微生物(DFM)含有製品は、生培養物(live culture)、自然的に発生する生又は生存微生物の供給源などを含み得るが、本発明のいくつかの実施形態は、(1つ以上の種類の)生きた微生物又は生存微生物が実質的に又は完全にない微生物発酵生成物を含み得る。特に、微生物は、当技術分野における公知のように、意図的に死滅及び/又は不活性化することができる(例えば、超音波処理などの溶解、激しい混合又はブレンド、熱不活性化、pH不活性化、及び自己分解の誘導などによる)。
【0101】
少なくとも1つの(代替)実施形態において、発酵生成物の1つ以上の微生物は、胞子形態(spore form)、増殖型形態(vegetative form)、代謝形態、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0102】
上記のように、発酵生成物はまた、液体(発酵)培地(例えば、発酵プロセス後に残っている培地)を含み得る。したがって、発酵生成物は、嫌気性(及び選択的に好気性)条件で成長した微生物液体懸濁液(発酵)培養の結果物を含み得る。前記培地は、液体基本成分、例えば、水又は栄養液体培地又は液体培地と同様の成分(例えば、Lysogeny Broth(LB)、M9、液体チオグリコレート培地(FTM)、NZ、NZY、又はNZYM液体培地、SOB、SuperBroth、2X YT、MOPS、牛乳、SOC、及びTBなど)を含み得る。いくつかの実施形態において、前記培地(又は液体培地又は液体培地と類似のこの成分)は1つ以上の栄養素、成長及び/又はその他の成分、例えば炭素源(例えば、グルコース、スクロース、フルクトース、ラクトース、及びガラクトースなどの炭水化物)、(無機)窒素源、タンパク質又はアミノ酸供給源(例えば、合成タンパク質又はアミノ酸、天然、植物及び/又は動物来由のタンパク質又はアミノ酸など)、ビタミン(例えば、チアミン、リボフラビン、葉酸、パントテン酸、ナイアシン、ビタミンB12、ビタミンE、ピリドキシン(pyridoxine)、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンA、及びコリン(choline)など)、ミネラル、微量元素(例えば、銅、鉄、マンガン、亜鉛、モリブデン、クロム、及びセレンなど)、必須原素(例えば、マグネシウム、窒素、リン、及び硫黄)、塩(例えば、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸マグネシウム、及び塩化カルシウムなど)、酵母抽出物、酵素、及び/又は当業者に公知のような任意の他の適切な(発酵)培養成分を含み得る。いくつかの実施形態において、前記培地は、炭水化物、タンパク質、ビタミン、及びミネラルの1つ以上の供給源を含み得る。また、特定の発酵生成物は、前述又は他の既知の培養成分(例えば、血清、成長因子、ホルモン、酵素、抗生剤、牛肉抽出物、全血、熱処理した血液など)の1つ以上を特別に排除することができる。いくつかの実施形態において、前記培地は、1つ以上の栄養素、成長成分、及び/又は発酵プロセス後に残っている他の成分を含み得る。
【0103】
発酵生成物は、1つ以上の代謝産物を含み得る。少なくとも1つの実施形態において、1つ以上の代謝産物は、発酵代謝産物、又は微生物によって生成された(例えば、嫌気性及び選択的に好気性代謝中)他の代謝産物を含む。微生物発酵代謝産物は、当業者に公知のように、1つ以上の有機酸(例えば、乳酸、酢酸、ギ酸など)、アミノ酸、炭水化物、脂肪、脂肪酸、酵素、ビタミン、及び/又はその他の任意の微生物代謝産物成分を含み得るが、これらに制限されない。前記代謝産物は、1つ以上の植物又は作物、又はこれらに関連する微生物によって栄養的に有益であり得る。いくつかの実施形態において、前記代謝産物は、1つ以上の微生物廃棄物を含み得る。少なくとも1つの実施形態において、発酵生成物は、抗菌剤(例えば、バックテリオシン、抗生剤、過酸化水素など)、特定の酵素(例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、グリコシダーゼ、DNA及び/又はRNAポリメラーゼ)などを実質的に欠いていてもよい。
【0104】
いくつかの実施形態において、前記代謝産物は、(例えば、廃棄物、発酵培地、微生物細胞及び/又は構造物質などの望ましくない物質から離れて)少なくとも部分的に精製され得る。あるいは、前記代謝産物は、1つ以上の実施形態において実質的に精製されていないこともある。実質的に精製されていない代謝産物は、微生物有機体及び/又は(液体)発酵培地(例えば、微生物有機体の外部)に配置することができる。いくつかの実施形態において、微生物は、(例えば、実質的に全ての代謝産物が溶液中に遊離しているように(すなわち、微生物内に含まれていないように))溶解し得る。したがって、いくつかの実施形態において、発酵生成物は、発酵後液体培地、1つ以上の微生物発酵代謝産物(例えば、嫌気性及び/又は好気性代謝産物)、及び微生物細胞及び/又は構造成分(例えば、全細胞溶解質)の混合物を含み得る。少なくとも1つの実施形態において、前記混合物は、未精製、未加工、及び/又は実質的に精製されていないものであり得る。
【0105】
例示的な発酵方法、及びパラメータなどは、当業者に公知のものなどを含む。発酵生成物は、当技術分野において公知のように、固体増殖培地上で1つ以上の微生物(例えば、細菌)種又は株又は細胞株の成長を含む1つ以上の発酵プロセスによって調製できる。微生物培養物は、いくつかの実施形態において、自然及び/又は周囲条件で成長できる。他の実施形態において、前記培養物は、人工及び/又は最適化された条件で成長できる。微生物培養物は、生物学的に適切な温度(例えば、摂氏約20~50度(℃)又は約30~40℃)、及び酸性度(pH)(例えば、約3.0~8.0)などで成長できる。さらに、増殖培地は、(実質的に固体の)基本成分(例えば、寒天又は他の適切な基本成分)、栄養素、及び/又は他の成分(例えば、炭素及び/又は(無機)窒素源、ビタミン、ミネラル、微量元素、必須要素、アミノ酸、アミノ酸供給源、塩、酵母抽出物、及び/又は当業者に公知のようなその他の任意の培養成分を含むが、これらに制限されない、上記の培地成分又は他の培地成分の1つ以上を含み得る。少なくとも1つの実施形態において、微生物培養物は、好気性及び/又は嫌気性条件で成長できる。
【0106】
いくつかの実施形態において、発酵プロセスはまた、当技術分野において公知のように、(例えば、スターター懸濁液培養物を形成するために)液体増殖培地に1つ以上の生存微生物又は微生物系列(又はこのコロニー)を接種することを含み得る。液体(懸濁液)培養物はまた、上記のように、自然及び/又は周囲条件、又は人工及び/又は最適化された条件で成長できる。液体増殖培地は、上記の培地成分又は他の培地成分の1つ以上を含み得る。
【0107】
少なくとも1つの実施形態において、生存可能なスターター培養物(又はこの全画分、抽出物、及び細胞ペレットなどを含むこの適切な部分)は、(例えば、液体発酵培養物を形成するために)液体発酵培地に移すことができる。液体発酵培地及び/又は培養物は、バイオリアクター、フラスコ、又は他の適切な成長容器に配置することができる。さらに、液体発酵培地及び/又は培養物は、上記の培地成分又は他の培地成分の1つ以上を含み得る。同様に、液体発酵培養物はまた、上記のように、自然及び/又は周囲条件、又は人工及び/又は最適化された条件で成長できる。少なくとも1つの代替実施形態において、1つ以上の生存微生物又は微生物系列(又はこのコロニー)は液体発酵培地に直接接種され得る。
【0108】
発酵培養物は、当技術分野において公知であり、本明細書に記載のように、第1の期間、嫌気性及び/又は好気性条件の下で、及び/又は第1の発酵条件の下で成長できる。例えば、発酵培養物は、約10~50℃の温度、及び/又は約2~10のpHで、約0.5日~約5日間成長できる。第1の期間後、発酵培養物は、当技術分野において公知であり、本明細書に記載のように、第2の期間、嫌気性及び/又は好気性条件の下で、及び/又は第2の発酵条件の下で成長できる。例えば、第2の期間は、0.5日~約5日であり得る。第2の発酵条件は、約10~50℃の温度、及び約2~約10のpHなどを含み得る。いくつかの実施形態において、第2の期間及び/又は第2の発酵条件は、第1の期間及び/又は第1の発酵条件とは異なり得る。例えば、発酵培養物(又はこの適切な部分)は、製2の発酵条件及び/又は第2の発酵培地に移すことができる。第2の発酵培地は、バイオリアクター、フラスコ、又は他の適切な成長容器に配置することができ、及び/又は上記の培地成分又は他の培地成分の1つ以上を含み得る。
【0109】
発酵プロセスはまた、当技術分野において公知であり、本明細書に記載のように、追加の期間、発酵条件、及び発酵培地などを含み得ることを理解されたい。発酵プロセスの完了時に、発酵培養物は、微生物発酵生成物であるか、又はこれを含むことができ、及び/又は選択的及び/又は追加的に処理して微生物発酵生成物を形成し得る。例えば、特定の実施形態において、発酵培養物の(嫌気性及び/又は好気性代謝)微生物は、意図的に死滅及び/又は不活性化できる(例えば、超音波処理などの溶解、激しい混合又はブレンド、熱不活性化、pH不活性化又は死滅、及び自己分解の誘導などによる)。少なくともいくつかの実施形態において、発酵培養物の微生物細胞又は有機体内に配置された発酵代謝産物は、それによって(例えば、代謝産物が溶液又は他の液体培地類型において遊離するように)培地に放出され得る。無生物、非生存、非代謝性、及び/又は溶解微生物、又はこの細胞物質(細胞構造成分)は、液体発酵培地中に維持することができ、(例えば、(超)遠心分離、及び濾過などによって)これから少なくとも部分的に(例えば、実質的及び/又は完全に)除去され得る。特定の実施形態において、発酵生成物は(例えば、発酵培養物の1つ以上の(例えば、任意の)成分の実質的な除去、精製、及び単離などを伴わない)発酵培養物の全細胞及び/又は全培養溶解質を含む。しかし、別の実施形態において、発酵培養物の1つ以上の成分は、少なくとも部分的及び/又は実質的に除去、精製、及び単離などすることができる。
【0110】
したがって、発酵生成物は、実質的に液体(懸濁液、溶液、コロイド、ゲル、及びスラリーなど)形態であることができ、及び/又は微生物発酵培養物の1つ以上の成分を含むことができる(例えば、本明細書に記載、及び/又は当技術分野において公知のように調製される)。少なくとも1つの例示的な実施形態において、発酵生成物は、(i)発酵培養によって生成された実質的に全ての(発酵)代謝産物、(ii)発酵培養物が成長した液体発酵培地(例えば、発酵プロセス後に残っている培地)、及び(iii)発酵培養で成長した微生物の全ての微生物細胞及び/又は構造成分を含む微生物又は培養物の全細胞溶解質を含む、微生物嫌気性代謝及び選択的に好気性代謝で生成された実質的に精製されていない結果を含む液体懸濁液を含み得る。あるいは、発酵生成物は、実質的に固体形態(例えば、乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、熱乾燥、脱水、及び抽出など)であり、発酵培養物の前述の成分の1つ以上を含む。
【0111】
[例示的な肥料成分]
例示的な肥料成分は、リン又はリン供給源を含む又は含有する肥料を含む。いくつかの実施形態において、リン供給源は、1つ以上のリン系(植物、種子、又は土壌)肥料成分、又はリン又はリン供給源を含む肥料成分であるか、又はこれらを含み得る。1つ以上のリン系植物肥料成分、又はリン又はリン供給源を含む肥料成分は、リン肥料(例えば、P)、リンと追加肥料成分、例えばカリウム又は窒素を含むバイブレンド肥料(例えば、NP、PK)、又はリンと2つの追加肥料成分、例えばカリウム及び窒素を含むトリブレンド肥料(例えば、NPK)、リン供給源(例えば、P形態)、リンのミネラル供給源(例えば、岩屑又はコロイド状リン酸塩、「軟リン酸」とも呼ばれる)、リンの塩形態(例えば、リン酸アンモニウム、及びリン酸カリウムなど)、又はリン酸塩の有機供給源(例えば、畜産物、畜産副産物、及び畜産廃棄物など)であり得るか、又はこれを含み得る。例示的に、植物肥料成分は、P、又はリンの別の形態又はリン供給源を含み得る。
【0112】
特定の実施形態において、植物肥料製品、又はこの植物肥料成分には、尿素及び/又は窒素含有肥料成分を(実質的に又は完全に)欠いていてもよい。特定の実施形態において、植物肥料製品又はこの植物肥料成分には、窒素含有肥料成分を(実質的に又は完全に)欠いていてもよい。
【0113】
土壌処理製品又は植物処理製品及び/又はこの肥料成分は、(実質的に)乾燥、固体、又は液体状態であり得る。いくつかの実施形態において、肥料成分及び微生物発酵生成物は、両方とも(実質的に)乾燥及び/又は固体形態であり得る。いくつかの実施形態において、肥料成分及び微生物発酵生成物は、両方とも液体形態であり得る。いくつかの実施形態において、肥料成分は、(実質的に)乾燥及び/又は固体形態であり得、微生物発酵生成物は液体形態であり得る。いくつかの実施形態において、肥料成分は、(実質的に)乾燥及び/又は固体形態であり得、微生物発酵生成物は液体形態であり得る。
【0114】
いくつかの実施形態において、植物肥料成分は、固体形態、すなわち、当技術分野において公知であり、及び/又は商業的に販売されている固体、粒状、又は粉末肥料などである。例示的に、固体形態の肥料成分(又は粒状又は粉末肥料成分)は、本明細書に記載のように、固体又は乾燥担体に適用、結合、吸着、又は吸収される液体形態の肥料を含み得る。いくつかの実施形態において、前記担体は、有機担体(1つ以上の有機成分又は物質を含む)又は土類担体(1つ以上の土類成分又は物質を含む)であるか、又はこれらを含み得る。土類担体、成分、及び/又は物質は、例えば、1:1又は2:1粘土鉱物フィロケイ酸塩、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、及び/又はアルミニウム(Al)などのフィロケイ酸塩などのフィロケイ酸塩を含み得る。いくつかの実施形態において、前記担体は、アリエタイト(aliettite)、アタパルジャイト(attapulgite)、バイデライト(beidellite)、ベントナイト(bentonite)、黒雲母(biotite)、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、緑泥石(chlorite)(例えば、クリノクロア(clinochlore)、カモサイト(chamosite)、ニマイト(nimite)、ペナンタイト(pennantite)、及び/又はこれらの亜鉛、リチウム、及び/又はカルシウム種)、クッカイト(cookeite)、珪藻土(diatomite)及び/又はその他の規藻土製品、ディッカイト(dickite)、グラウコナイト(glauconite)、ハロイサイト(halloysite)、ヘクトライト(hectorite)、疎水性シリカ、イライト(illite)、カオリン(kaolin)、カオリナイト(kaolinite)、モンモリロナイト(montmorillonite)、白雲母(muscovite)、ナクライト(nacrite)、ノントロナイト(nontronite)、パリゴルスカイト(palygorskite)、フィライト(phyllite)、サポナイト(saponite)、ソーコナイト(sauconite)、セピオライト(sepiolite)、セリサイト(sericite)、蛇紋石(serpentine)、スメクタイト(smectite)、タルク、トンスタイン(tonstein)、又はバーミキュライト(vermiculite)を含み得る。
【0115】
いくつかの実施形態において、前記担体は、石炭誘導体、フミン酸塩、フミン酸、フルボ酸、レオナルダイト(leonardide)、又はリグニンスルホン酸塩であるか、又はそれらを含み得る。いくつかの実施形態において、前記担体は、(乾燥した)植物材料(例えば、乾燥した海藻、及び乾燥した大豆など)、植物抽出物(海藻抽出物、及び大豆抽出物など)、ミール(meal)、小麦粉(flour)、及びタンパク質粉末などであるか、又はそれらを含み得る。特定の担体は、自然発生物質又は成分であるか、又はそれらを含み得る。他の担体は、人工及び/又は合成物質又は成分であるか、又はそれらを含み得る。
【0116】
少なくとも1つの実施形態において、前記担体は、本明細書に記載のように、固体形態の微生物発酵生成物、又は微生物発酵生成物結合担体であるか、又はそれらを含み得る。例示的に、液体肥料成分は、固体形態の微生物発酵生成物に適用、結合、吸着、又は吸収できる。いくつかの実施形態では、固体形態の植物肥料成分は、固体形態の微生物発酵生成物と混合(mix)又は混和(admix)、又は共施用できる。
【0117】
少なくとも1つの実施形態において、植物肥料成分は液体形態、すなわち液体肥料である。いくつかの実施形態において、液体植物肥料成分又は液体形態の植物肥料は、液体形態の微生物発酵生成物と混合又は混和、又は共施用できる。いくつかの実施形態において、液体肥料成分は、本明細書に記載のように、固体成分又は担体に適用、結合、吸着、又は吸収できる。例示的に、液体微生物発酵生成物は、固体形態の微生物発酵生成物に適用、結合、吸着、又は吸収できる。
【0118】
[その他の例示的な成分]
本発明のいくつかの実施形態は、1つ以上の追加成分及び/又は成分を含み得る。例えば、実施形態はまた、以下のうち1つ以上を含む。(1)アミノ酸、(2)ペプチド、(3)加水分解タンパク質、(4)有機酸及び/又はカルボン酸、(5)炭水化物、(6)植物抽出物、(7)リグニンスルホン酸塩、(8)フミン酸及び/又はフルボ酸、(9)多量栄養素、二次栄養素、及び/又は微量栄養素、(10)キレートミネラル及び/又は複合ミネラル、(11)ビタミン、(12)湿潤剤、(13)分散剤、及び(14)界面活性剤。いくつかの実施形態はまた、1つ以上の希釈剤又は増量剤を含み得る。1つ以上の希釈剤又は増量剤は、製品成分の1つ以上を希釈することができる。1つ以上の希釈剤又は増量剤は、代替的に植物肥料の均一な分布を向上させ得る。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態は、1つ以上の追加(補充)の成分及び/又は成分を含み得る。例えば、実施形態は、1つ以上のビタミン(例えば、ビタミンA、ビタミンB複合体(例えば、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、及びコリン)、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンKなど)、ミネラル又は微量ミネラル(又は元素)(例えば、マグネシウム、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、ホウ素、コバルト、塩化物、クロム、銅、フッ化物、ヨウ素、鉄、マンガン、モリブデン、セレン、亜鉛、ニッケル、バナジウム、ケイ素、スズなど)、アミノ酸(例えば、必須及び/又は非必須)、健康補助食品(例えば、グルコサミン(glucosamine)、コンドロイチン(chondroitin)など)、医薬品(例えば、化学添加物など)、栄養補助食品、植物又は植物の一部(例えば、ベリー、葉、茎、根、芽、苗、子葉など)、植物製品又は抽出物(昆布(kelp)、藻類、又はその他の抽出物)、ハーブ、植物栄養素(phytonutrient)、カロテノイド、酵素(例えば、アミラーゼ、キシラナーゼ(xylanase)、プロテアーゼ、フィターゼ(phytase)、グルカナーゼ(glucanase))、プロバイオティクス、及び有機酸などを含み得る。特定の実施形態は、プロバイオティクス及び/又は1つ以上の種類の生きた微生物を実質的及び/又は完全に欠いていてもよい。
【0120】
特定の実施形態は、1つ以上の界面活性剤、例えば、結合剤及び/又は乳化剤(例えば、モノグルセリド及びジグルセリドのジアセチル酒石酸エステル、食用脂肪及び油、食用脂肪形成脂肪酸、エトキシル化モノグリセリド及びジグリセリド、メチルグルコシドヤシ(coconut)油エステル、鉱油(mineral oil)、食用油脂又は食用油脂形成脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリド、食用油脂又は食用油脂形成脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリドのリン酸一ナトリウム誘導体、ポリオキシエチレングリコール400(モノオレエート及びジオレエート)、ポリシロキサン、ポリソルベート80、ポリソルベート60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、プロピレングリコール、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリソルベート60を含む又は含まないソルビタンモノステアレートなど、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0121】
いくつかの実施形態は、1つ以上の安定化剤、ケーキング防止剤、及び/又は加工剤(例えば、カラギーナン、ゼラチンガム、グアーガム、レシチン、ローカストビーンガム、ステアリン酸、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ナトリウムシリコ-アルミネート、タラガム、及びキサンタンガムなど)、防塵剤(例えば、鉱油、パラフィンなど、又はこれらの2つ以上の組み合わせ)、防腐剤、及び/又はその他の有益な成分、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0122】
いくつかの実施形態はまた、1つ以上の希釈剤又は増量剤を含み得る。1つ以上の希釈剤又は増量剤は、1つ以上の製品を混合物に希釈することができる。1つ以上の希釈剤又は増量剤は、代替的に、混合物中への製品又はサプリメント成分の均一な分布を向上させ得る。例示的な希釈剤又は増量剤は、水又はその他の水溶液、ビタミン及び/又はミネラル混合物、植物肥料成分の初期部分、土類担体、又は任意の他の適切な製品又はサプリメント成分-希釈又は分配要素を含み得るが、これらに制限されない。
【0123】
いくつかの実施形態において、前記増量剤は、乾燥製品の延展性(spreadability)を高めることができる。前記増量剤は、1つ以上のフィロケイ酸塩を含み得る。前記増量剤は、本明細書では担体とも呼ばれる。担体成分は、固体、乾燥、及び/又は実質的に乾燥した担体を含み得る。少なくとも1つの実施形態において、前記担体は、1つ以上の有機及び/又は土類成分又は物質を含む、有機及び/又は土類担体を含み得る。土類担体、成分、及び/又は物質は、例えば、フィロケイ酸塩(例えば、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、及び/又はアルミニウム(Al)のフィロケイ酸塩)を含み得る。フィロケイ酸塩は、緑泥石、粘土、雲母、又は蛇紋石の種類のものであり得る。少なくとも1つの実施形態において、前記担体は、1つ以上の1:1又は2:1粘土鉱物フィロケイ酸塩を含み得る。少なくとも1つの実施形態において、前記担体は、本明細書に開示及び/又は記載される植物肥料成分を含み得る。
【0124】
例示的な担体は、アリエタイト、アタパルジャイト、バイデライト、ベントナイト、黒雲母、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、緑泥石(例えば、クリノクロア、カモサイト、ニマイト、ペナンタイト、及び/又はこれらの亜鉛、リチウム、及び/又はカルシウム種)、クッカイト、珪藻土及び/又はその他の規藻土製品、ディッカイト、グラウコナイト、ハロイサイト、ヘクトライト、疎水性シリカ、イライト、カオリン、カオリナイト、モンモリロナイト、白雲母、ナクライト、ノントロナイト、パリゴルスカイト、フィライト、サポナイト、ソーコナイト、セピオライト、セリサイト、蛇紋石、スメクタイト、タルク、トンスタイン、バーミキュライト、フミン酸塩、フミン酸、フルボ酸、及びリグニンスルホン酸塩などが含まれ得るが、これらに制限されない。特定の担体は、自然発生物質又は成分であるか、又はそれらを含み得る。他の担体は、人工及び/又は合成物質又は成分であるか、又はそれらを含み得る。担体はまた、(乾燥した)植物材料及び/又は抽出物、ミール、小麦粉、タンパク質粉末、大豆、及び海藻などを含み得る。
【0125】
いくつかの実施形態において、(リン含有)植物肥料成分は、担体である、担体を含む、担体として機能する、又は、担体として働くことができる。したがって、いくつかの実施形態において、(液体)微生物発酵生成物は、固体形態の植物肥料成分に適用、結合、吸着、又は吸収できる。
【0126】
いくつかの実施形態において、(適用前の)担体(肥料成分、フィロケイ酸塩/土類鉱物、及び植物材料などに関係なく)は、含水量が約20重量%未満、約15重量%未満、約10重量%未満、約5重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、又は約1重量%未満であってもよい。少なくとも1つの実施形態において、前記担体は、含水量が約0.25重量%と約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、10重量%、15重量%、又は20重量%との間、約0.5重量%と約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、10重量%、15重量%、又は20重量%との間、約1重量%と約2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、10重量%、15重量%、又は20重量%との間、又は約2重量%と約3重量%、4重量%、5重量%、10重量%、15重量%、又は20重量%との間であってもよい。本明細書で使用される「実質的に乾燥した担体」という用語は、前述の含水量の1つ以上を有する担体を意味する。このような実質的に乾燥した担体は、一般に少なくともいくらかの水分が付随した固形の乾燥物質であると理解できる。
【0127】
いくつかの実施形態において、前記担体は、粉末状、粒状、及び/又は微粒子状であってもよく、平均粒子径が約20~297ミクロン(例えば、およそ625~50メッシュに対応する)であってもよい。少なくとも1つの実施形態において、前記担体は、平均粒子径が約74ミクロン(又は約200メッシュ)±20%、15%、10%、8%、又は5%であってもよい。特定の実施形態において、前記固体担体は、(例えば、粉砕(milling)、破砕(crushing)、及びグラインディング(grinding)などによって)適切な平均粒子径に調整することができる。したがって、いくつかの実施形態において、固体担体は、適切な平均粒子径を有する採掘及び粉砕された土類成分であり得る。
【0128】
少なくとも1つの実施形態において、発酵生成物は、担体に結合して発酵生成物結合担体を形成することができる。例えば、発酵生成物は、(例えば、化学反応又は手段によって)担体に物理的及び/又は化学的に結合できる。いくつかの実施形態において、発酵生成物は、静電気によって、又は(一般的又はマクロ)静電気以外の力によって担体に結合できる。特定の実施形態において、担体への発酵生成物の結合は、代謝産物の少なくとも1つのバイオアベイラビリティを増加させ得る(例えば、溶液中で遊離していること、又は溶液もしくは細胞から抽出、精製及び/又は単離されたことと比較して)。したがって、発酵生成物は、担体に適用され、担体の外表面に結合され、及び/又は表面に隣接するか又は表面下の担体の一部に結合できる。例えば、いくつかの実施形態において、液体発酵生成物の少なくとも一部は、(i)担体の表面に吸着される、及び/又は(ii)担体の表面下に吸収され得る。液体発酵生成物はまた、担体に施用された後、担体の上及び/又は担体中で乾燥させることによって、担体に結合できる。したがって、特定の実施形態において、液体発酵生成物は、担体に少なくとも部分的に乾燥結合できる。本明細書で使用される「乾燥結合」及びこれと類似の用語は、乾燥プロセス中に確立される物理的及び/又は化学的力による2つ以上の物質の持続的及び/又は一貫的な物理的結合を意味する。
【0129】
少なくとも1つの実施形態において、発酵生成物は、担体を実質的に又は少なくとも部分的にコーティングすることができる。例えば、発酵生成物は、(例えば、発酵生成物の液体部分が担体を溶解しないように、及び/又は発酵生成物の適用部分が担体周囲を実質的に又は少なくとも部分的にコーティングするように)担体に適用できる。
【0130】
いくつかの実施形態において、発酵生成物の少なくとも一部は、担体に化学的に結合できる。例えば、発酵生成物は、(例えば、物理的及び/又は化学的結合反応が起こるように)担体と反応し得る。前記反応は、吸熱又は発熱反応であり得る。さらに、前記反応は、1つ以上の酵素又は他の反応成分又はパラメータ(例えば、熱、空気(流れ)、及び混合など)によって促進及び/又は加速化することができる。酵素又は他の成分は、代謝反応生成物、発酵培養成分、及び/又は発酵生成物を担体に適用前又は適用中に添加される別個の成分であり得る。
【0131】
いくつかの実施形態において、発酵生成物結合担体(例えば、微生物発酵成分が適用された担体、微生物発酵成分に結合された担体、微生物発酵成分に吸着された担体、微生物発酵成分に吸収、又は微生物発酵成分によって吸収された担体、及び微生物発酵成分にコーティングされた担体など)、例示的に、本明細書に記載のように、「組み合わせ製品は、固体及び/又は(実質的に)乾燥形態であり得る。例えば、発酵生成物結合担体は、含水量が約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、又は約10重量%以下、約5重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、又は約1重量%以下であってもよい。少なくとも1つの実施形態において、発酵生成物結合担体は含水量が約0.25重量%と約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又は25重量%との間、約0.5重量%と約1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、又は25重量%との間、約1重量%と約2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、10重量%、15重量%、又は20重量%との間、又は約2重量%と約3重量%、4重量%、5重量%、10重量%、15重量%、又は20重量%との間であってもよい。したがって、発酵生成物結合担体は、実質的に乾燥したものであってもよい。他の実施形態において、発酵生成物結合担体は、実質的に液体(懸濁液、溶液、コロイド、ゲル、及びスラリーなど)形態であってもよい。
【0132】
1つ以上の実施形態において、発酵生成物及び/又はこの1つ以上の成分が適切なpH又はpH範囲で、又は適切なpH又はpH範囲を有する環境で維持されるように、発酵生成物を担体に結合させ得る。例えば、いくつかの実施形態において、担体及び/又は発酵生成物結合担体は、約2~10、好ましくは約2~8、より好ましくは約2~6、よりさらに好ましくは約2~5、よりさらに好ましくは約2~4、よりさらに好ましくは約2~3、よりさらに好ましくは約3~10、よりさらに好ましくは約3~8、よりさらに好ましくは約3~6、よりさらに好ましくは約3~5、よりさらに好ましくは約3~4、よりさらに好ましくは約4~10、よりさらに好ましくは約4~8、よりさらに好ましくは約4~6、よりさらに好ましくは約4~5のpHを提供及び/又は有してもよい。
【0133】
担体成分は、液体又は液体組成物(例えば、溶液、懸濁液、コロイド、及び混合物など)を追加又は代替的に含み得る。例示的な液体担体には、水又はその他の水性液体、油、及び有機液体、又は任意の適切な液体組成物又は担体、例えば溶媒(溶液の)、連続相(コロイドの)、及び外部相(懸濁液の)などが含まれるが、これらに制限されない。いくつかの実施形態において、(液体)担体は、培地、例えば懸濁液培養培地、水、混合物(例えば、溶液、懸濁液、及びコロイドなど)、フミン酸及び/又はフルボ酸、リグニンスルホン酸塩など、又は本明細書に開示又は記載される他の成分、(液体)植物肥料成分、又はその他の流体もしくは液体であるか、又はこれらを含み得る。少なくとも1つの実施形態において、発酵生成物は、担体と混合して希釈又は混合可能な発酵生成物を形成することができる。
【0134】
[例示的な組み合わせ製品]
本明細書で使用される「組み合わせ製品」及びこれと類似の用語は、少なくとも植物肥料成分と微生物発酵生成物を含む組成物、混合物、又はその他の組み合わせ(例えば、反応生成物)を意味する。例えば、組み合わせ製品は、植物肥料成分と微生物発酵生成物であるか、これらから成る、又はこれらを含むことができる。微生物発酵生成物は、植物肥料成分と混合、結合、吸着、吸収、又はコーティングすることができる。
【0135】
例示的には、組み合わせ製品は、選択的に担体(例えば、微生物発酵生成物が適用される担体及び/又は肥料成分が適用される担体)を含み得る。例示的には、組み合わせ製品は、選択的に1つ以上の追加成分(例えば、ビタミン、ミネラル又は微量ミネラル、アミノ酸、健康補助食品、医薬品、栄養補助食品、植物又は植物の一部、植物製品又は抽出物、ハーブ、植物栄養素、カロテノイド、酵素、プロバイオティクス、有機酸、及び/又は上記の任意の他の適切な添加剤又はその他の成分を含み得る。特定の実施形態には、プロバイオティクス及び/又は1つ以上の種類の生きた微生物を実質的及び/又は完全に欠いている可能性がある(例えば、100cfu未満の微生物など)。
【0136】
少なくとも1つの実施形態において、組み合わせ(土壌処理)製品は、(液体)微生物発酵生成物(又は溶解質)を含み、好ましくは、(実質的に液体の)植物肥料成分と、好ましくは約1:500及び約1:1000の発酵生成物に対する植物肥料成分の比率で、又はその逆の比率で混合又は組み合わされる。いくつかの実施形態において、発酵生成物に対する植物肥料成分の比率、又はその逆の比率は、最大1:1、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:50、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:900、1:1000、又はそれ以上、これらの間、及び/又は約1:1、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:50、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:900、1:1000、又はそれ以上であってもよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、土壌処理製品又は植物処理製品は、組み合わせ製品として予め混合できる。組み合わせ製品は、いくつかの実施形態では、濃縮物を含み得る。少なくとも1つの実施形態において、組み合わせ製品は、(例えば、水で)希釈され、すぐに施用可能な製品を形成することができる。特定の実施形態において、前記製品は、(例えば、畑で)施用時又はその前後に混合又は予め混合(例えば、タンク混合)できる。いくつかの実施形態において、前記混合物は、懸濁液、エマルション、及び溶液などであるか、又はこれらを含み得る。
【0138】
1つ以上の実施形態において、前記混合物又は組み合わせ製品は、好ましくは、(1)前記混合物のpHを約pH5~7に調整する、(2)1つ以上の(化学的、合成、天然、及び有機など)安定化剤を添加する、(3)水及び/又は有機鉱油ベースと共に添加又は共配合する、(4)前記混合物をカプセル化するなどによって安定化することができる。いくつかの実施形態において、前記混合物のpHは、必要に応じて、約pH5、5.5、6、6.5、又は7に調整することができる。
【0139】
組み合わせ製品の1つ以上の代替又は追加の実施形態は、実質的に乾燥した発酵生成物(例えば、(固体又は乾燥)担体、例えばフィロケイ酸塩/土類鉱物、植物材料、及び植物抽出物などに結合される)及び実質的に乾燥した(リン系)肥料成分を、好ましくは約1:1~約1:100の発酵生成物結合担体に対する植物肥料成分の比率で、又はその逆の比率で含む。いくつかの実施形態において、発酵生成物に対する植物肥料成分の比率、又はその逆の比率は、最大1:1、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、又はそれ以上、これらの間、及び/又は約1:1、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、又はそれ以上であってもよい。
【0140】
いくつかの実施形態は、発酵生成物の乾燥(粉末)形態(例えば、(固体又は乾燥)担体に結合される)及び肥料成分を混合することを含み得る。特定の実施形態は、発酵生成物結合担体及び植物肥料成分を同じ又は同様の粒子径で粉砕することを含み得る。いくつかの実施形態において、(乾燥形態の)組み合わせ製品は、水溶性、水混和性、及び/又は(化学的及び/又は構造的に)安定した懸濁液(例えば、水などの水性流体と混合する場合)を生成するように構成され得る。
【0141】
組み合わせ製品の1つ以上の代替又は追加の実施形態は、実質的に乾燥した植物肥料成分に結合された(例えば、この表面に吸着及び/又はこの表面下に吸収された)液体発酵生成物を、好ましくは、約1:1~約1:100の発酵生成物に対する植物肥料成分の比率、又はその逆の比率で含む。いくつかの実施形態において、発酵生成物に対する植物肥料成分の比率、又はその逆の比率は、最大1:1、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、又はそれ以上、これらの間、及び/又は約1:1、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、又はそれ以上であってもよい。
【0142】
したがって、(i)微生物発酵生成物及び(ii)肥料成分のそれぞれは、液体又は固体(又は実質的に乾燥した)形態であり得る(又は提供され得る)。次いで、組み合わせ製品は、本明細書に記載のように、(a)液体(例えば、液体微生物発酵生成物を液体植物肥料成分と組み合わせて形成される)又は(b)固体(例えば、液体微生物発酵生成物を固体植物肥料成分と組み合わせるか、又は固体微生物発酵生成物を固体植物肥料と組み合わせることで形成される)形態を含み得る。
【0143】
1つ以上の代替又は追加の実施形態は、キット又はシステムを含み得る。キット又はシステムは、(i)(液体又は固体)微生物発酵生成物及び(ii)(液体又は固体)植物肥料成分を含むことができ、それぞれは、本明細書に開示及び/又は記載されたものと同一である。キット又はシステムはまた、(i)(液体又は固体)微生物発酵生成物及び(ii)(液体又は固体)植物肥料成分を組み合わせる、及び/又は(ii)投与(例えば、同時投与)するための指針を含むことができ、それぞれは、本明細書に開示及び/又は記載されたものと同一である。指針は書面又は電子(コンピュータ読み取り可能な媒体)形式であり得る。指針は本明細書(例えば、以下)でさらに詳細に記載及び/又は開示されるように、1つ以上の方法ステップを含み得る。
【0144】
[方法]
少なくとも1つの実施形態は、土壌処理製品又は植物処理製品を製造する方法を含む。例示的な方法は、微生物発酵生成物と共に植物肥料成分を提供すること、及び/又は植物肥料成分を微生物発酵生成物と混合することを含み得る。土壌処理製品又は植物処理製品を製造する例示的な方法は、微生物発酵生成物(溶解質又は実質的に液体形態)を植物肥料成分(実質的に液体形態)と、好ましくは約1:500~約1:1000の発酵生成物に対する植物肥料成分の比率、又はその逆の比率で組み合わせて土壌処理製品又は植物処理製品を形成することを含む。土壌処理製品又は植物処理製品を製造する1つ以上の代替又は追加の実施形態は、実質的に乾燥した発酵生成物(担体に結合又は結合していない)を植物肥料成分((実質的に)固体、液体、又は半固体形態)と、好ましくは約1:500~約1:1000の発酵生成物に対する植物肥料成分の比率、又はその逆の比率で組み合わせて土壌処理製品又は植物処理製品を形成することを含む。
【0145】
微生物発酵生成物を製造する方法は、嫌気性(及び選択的に好気性)条件下で(例えば、当技術分野において公知、及び/又は本明細書に記載のような発酵培地などで)及び/又は微生物が少なくとも1つの発酵代謝産物を生産するように1つ以上の生きた微生物及び/又は生存微生物(又はこの微生物種又は株又は系列)を培養することを含み得る。いくつかの実施形態はまた、(意図的に)死滅及び/又は不活性化(例えば、超音波処理などの溶解、激しい混合又はブレンド、熱不活性化、pH不活性化又は死滅、及び自己分解誘導などによって)を含むことができ、発酵生成物には生きた微生物及び/又は生存微生物を実質的に欠いている(例えば、1つ以上又は任意の生きた微生物を実質的に欠いている)。しかし、発酵生成物は、微生物の1つ以上の(例えば、実質的に全ての)細胞及び/又は構造成分を含み得る。発酵生成物はまた、少なくとも1つの発酵代謝産物及び/又は発酵培養培地(又はその成分)を含み得る。
【0146】
いくつかの実施形態は、1つ以上のビタミン及び/又はミネラルを発酵生成物と混合する(又は反応させる)ことを含む。特に、(例えば、少なくとも1つの代謝産物のバイオアベイラビリティが増加されるように)1つ以上のビタミン及び/又はミネラルが発酵生成物の少なくとも1つの代謝産物に結合又はキレート化することができる。
【0147】
少なくとも1つの実施形態はまた、発酵生成物結合担体を生産する方法を含む。いくつかの実施形態において、肥料製品(例えば、固体、粒状、又は粉末状のNPK又はその他のリンを含む肥料)は、担体である、担体を含む、担体として働くことができる。発酵生成物(実質的に液体形態)は、例えば噴霧、注入、及び滴下などにより、及び/又は発酵生成物が担体に結合するように担体に流動的に適用できる。前記担体は、選択的に1つ以上のフィロケイ酸塩を含む、本明細書に記載のような土類担体などの固体及び/又は実質的な乾燥担体であるか、又はこれを含み得る。前記担体は、代替的に、本明細書に記載のような液体担体、例えば、水、水原もしくは給水原であってもよく、又はこれらを含んでもよい。発酵生成物は、担体内で又は担体全体に分散されるように、担体に適用するか、担体と組み合わせるか、又は混合することができる。
【0148】
発酵生成物は、最大及び/又は少なくともおよそ1:1重量%、およそ1:1.5重量%、およそ1:2重量%、およそ1:2.5重量%、およそ1:3重量%、およそ1:3.5重量%、およそ1:4重量%、およそ1:5重量%、およそ1:6重量%、およそ1:7重量%、およそ1:8重量%、およそ1:9重量%、又はおよそ1:10重量%の発酵生成物に対する担体の比率、及び/又はこれらの間の比率、又はその逆の比率で担体に適用され得る。発酵生成物の少なくとも一部は、物理的及び/又は化学的に担体と反応又は混合及び/又は結合できる。例えば、発酵生成物の少なくとも一部は、担体の表面に吸着され、及び/又は担体の表面下に吸収され得る。
【0149】
少なくとも1つの実施形態は、担体及び/又は発酵生成物結合担体を混合することを含み得る(例えば、発酵生成物を担体に適用する前、後、及び/又はその間)。担体及び/又は発酵生成物結合担体は、任意の適切な容器又は任意の適切な表面上で混合できる。例えば、前記担体は、回転(例えば、ドラム又はバレル内)、振とう(例えば、トレイ又は容器の上又は内)、及び撹拌(例えば、トレイ又は容器の上又は内)などによって混合することができる。さらに、前記担体は、任意の適切な速度で混合できる。特定の類型の混合、容器、及び表面などに関係なく、前記混合は、1分当たりの公転数、回転数、及び/又は往復数(rpm)で測定できる。例えば、前記担体は、約1~500rpm、約5~300rpm、約10~200rpm、約15~100rpm、約20~60rpm、約30~50rpm、又はこれらの間の全ての範囲の速度で混合できる。いくつかの実施形態において、適切な混合速度は、前記担体、発酵生成物結合担体、及び/又は他の組み合わせ製品が適切に及び/又は最適に処理されることを確実にすることができる。例えば、特定の閾値を超える混合速度は、生成物粒子のサイズ及び/又は均一性を、適切なレベル及び/又は最適レベル未満に低下させる可能性がある。同様に、特定の閾値未満の混合速度は、担体の周囲又は周囲への発酵生成物の十分な又は成功した適用又はコーティングを阻害する可能性があり、及び/又は生成物の凝集を引き起こし、生成物粒子のサイズ及び/又は均一性を不適切及び/又は最適化しないこともある。それに関係なく、不適切な混合の影響には、生成物の安全性及び/又は活性の低下が含まれる。
【0150】
特定の実施形態は、空気又は空気の流れを適用することを含み得る。空気又は空気の流れは、(i)担体及び/又は発酵生成物結合担体を混合している間(例えば、発酵生成物を担体に適用する前、後、及び/又は適用している間)、(ii)特定の、予定又は定義された期間(例えば、約6~120時間、約12~96時間、約12~120時間、約48~60時間など)にわたって、及び/又は(iii)発酵生成物結合担体が本明細書に記載のように、適切な含水量を達成するまで適用できる。さらに、空気の流れは、特定の実施形態において、約25m/分以上、約200m/分以下、約25m/分~約200m/分、約40m/分~約150m/分、約50m/分~約100m/分、又は約60m/分~約75m/分の速度で適用できる。好ましくは、空気又は空気の流れは、約68m/分の速度で適用できる。いくつかの実施形態において、適切な温度は、混合物が適切な時間内に適切な含水量で乾燥することを確実にすることができるので、製品のケーキング又は凝集、微生物汚染及び/又は増殖などを低減、阻害、及び/又は実質的に防止及び/又は回避することができる。
【0151】
少なくとも1つの実施形態において、前記方法は、反応及び/又は結合プロセス中の担体、混合した発酵生成物及び担体、及び/又は発酵生成物結合担体を適切な反応温度(例えば、約60℃未満、約58℃未満、約56℃未満、約55℃未満、約52℃未満、約50℃未満、約48℃未満、約45℃未満、約42℃未満、約40℃未満、約39℃未満、約38℃未満、約37℃未満、約35℃未満、約32℃未満、約30℃未満、約25℃未満、約20℃未満など、及び/又は約5℃超過、約10℃超過、約15℃超過、又は約20℃超過)で維持することを含む。いくつかの実施形態において、適切な反応温度は、反応が最適の速度(speed/rate)で発生し、反応生成物が(適切な速度で)適切な含水量で乾燥することなどを確実にすることができる。さらに、前記方法は、反応及び/又は結合プロセスの完了後又はほぼ完了したときに反応生成物及び/又は発酵生成物結合担体を適切な維持及び/又は格納温度(例えば、約42℃未満、約40℃未満、約39℃未満、約38℃未満、約37℃未満、約35℃未満、約32℃未満、約30℃未満、約28℃未満、約25℃未満、約20℃未満、約15℃未満、又は約10℃未満、約5℃未満、約2℃未満など、及び/又は約0℃超過、約2℃超過、約5℃超過、約10℃超過、又は約15℃超過など)で維持することを含み得る。いくつかの実施形態において、適切な維持温度は、反応生成物及び/又は発酵生成物結合担体の安全性、寿命、及び/又は組成を改善、向上、及び/又は維持させ得る(すなわち、分解を防止、低減、及び/又は阻害する)。
【0152】
さらに、1つ以上の実施形態において、前述のパラメータ(例えば、混合、適用、空気、及び温度など)は、発酵生成物の担体への結合を引き起こし、及び/又は増強することができる。例えば、前記パラメータは、担体の表面への発酵生成物の吸着、担体の表面下での発酵生成物の吸収、及び/又は担体の上又は内で発酵生成物の乾燥を引き起こし、及び/又は向上させることができる。したがって、発酵生成物は、いくつかの実施形態において、担体に乾燥結合できるか、又は担体に乾燥結合するようになる。
【0153】
少なくとも1つの実施形態において、前記方法はまた、反応及び/又は結合プロセス中の発酵生成物結合担体を、約2~10、好ましくは約2~8、より好ましくは約2~6、よりさらに好ましくは約2~5、よりさらに好ましくは約2~4、よりさらに好ましくは約2~3、よりさらに好ましくは約3~10、よりさらに好ましくは約3~8、よりさらに好ましくは約3~6、よりさらに好ましくは約3~5、よりさらに好ましくは約3~4、よりさらに好ましくは約4~10、よりさらに好ましくは約4~8、よりさらに好ましくは約4~6、よりさらに好ましくは約4~5、などの適切な反応pHで維持することを含み得る。いくつかの実施形態において、前記適切なpHは、化学反応を保障及び/又は向上させ得る。前記方法はまた、反応及び/又は結合プロセスが完了後又はほぼ完了するとき発酵生成物結合担体を、約2~10、好ましくは約2~8、より好ましくは約2~6、よりさらに好ましくは約2~5、よりさらに好ましくは約2~4、よりさらに好ましくは約2~3、よりさらに好ましくは約3~10、よりさらに好ましくは約3~8、よりさらに好ましくは約3~6、よりさらに好ましくは約3~5、よりさらに好ましくは約3~4、よりさらに好ましくは約4~10、よりさらに好ましくは約4~8、よりさらに好ましくは約4~6、よりさらに好ましくは約4~5、などの適切な維持pHで維持することを含み得る。いくつかの実施形態において、適切な維持pHは、反応生成物及び/又は発酵生成物結合担体の安全性、寿命、及び/又は組成を改善、向上、及び/又は維持させ得る(すなわち、分解を防止、低減、及び/又は阻害する)。さらに、適切な維持pHは、製品上又は製品内での微生物汚染及び/又は増殖を阻害することができる(例えば、特に低いpHで)。少なくとも1つの実施形態において、前記反応は、(例えば、担体及び/又は担体と発酵生成物の混合物に対する)pH低下効果を有し得る。
【0154】
いくつかの実施形態は、1つ以上のビタミン及び/又はミネラルを発酵生成物結合担体(又は発酵生成物施用担体)と混合すること(例えば、上記のように、又は他の方法で混合すること)を含む。上記のように、(例えば、少なくとも1つの代謝産物のバイオアベイラビリティが増加するように)1つ以上のビタミン及び/又はミネラルが発酵生成物の少なくとも1つの代謝産物に結合又はキレート化することができる。ビタミン及び/又はミネラルはまた、製品の栄養価を高めることができる。実施形態はまた、本明細書に記載のように、発酵生成物結合担体を1つ以上の追加成分(例えば、植物抽出物など)と混合すること(例えば、上記のように、又は他の方法で混合すること)を含み得る。
【0155】
いくつかの実施形態は、土壌処理製品又は植物処理製品を製造する方法を含む。前記方法は、組み合わせた土壌処理製品又は植物処理製品を形成するために、植物肥料成分を微生物発酵生成物と混合することを含み得る。いくつかの実施形態において、植物肥料成分は、製品散布前にタンクミックス内で液体微生物発酵生成物と混合される。1つ以上の追加又は代替の実施形態において、植物肥料成分及び液体微生物発酵生成物は、共配合される。植物肥料成分及び微生物発酵生成物に追加成分を混合してもよい。追加成分には、安定化剤、乳化剤、及び/又は水又は有機鉱油ベースが含まれる場合がある。いくつかの実施形態において、植物肥料成分は、乾燥又は実質的に乾燥した微生物発酵生成物(又は発酵生成物結合担体)と混合される。植物肥料成分及び微生物発酵生成物は、同じ又は実質的に同じ粒子径で粉砕され得る。植物肥料成分と微生物発酵生成物との混合から得られる土壌処理製品又は植物処理製品は水溶性であるので、水中で安定した懸濁液を形成することができる。実施形態はまた、土壌処理製品又は植物処理製品を包装することを含み得る。
【0156】
本発明の特定の実施形態は、作物の健康を高める方法を含み得ることが理解されるであろう。前記方法は、有効量の土壌処理製品又は植物処理製品を土壌(植物が成長する土壌)及び/又は植物に施用して植物又は植物集団の1つ以上の健康指標を(例えば、対照群と比較して)改善することを含み得る。1つ以上の健康指標は、萎れ、着色、収量、サイズ及び/又は重量、寿命及び/又は死亡率、全体的な健康及び外観などからなる群より選ばれる。施用するステップは、植物肥料成分と微生物発酵生成物(の混合物)を土壌及び/又は植物の上又は植物の近くに噴霧及び/又は散布して土壌及び/又は肥料内のリンのバイオアベイラビリティが向上し、及び/又は植物が増加された量のリンを吸収するようにすることを含み得る。植物肥料成分と微生物発酵生成物は、別々に、又は組み合わせて施用できる。
【0157】
いくつかの実施形態において、方法は、有効量の土壌処理製品又は植物処理製品を種子(例えば、播種のための種子群)に施用して発芽種子及び/又は発芽後の植物又は植物集団の1つ以上の健康指標(例えば、対照群と比較して)を改善することを含む。1つ以上の健康指標は、より強い発芽、萎れ、着色、収量、サイズ及び/又は重量、寿命及び/又は死亡率、全体的な健康及び外観などからなる群より選ばれる。
【0158】
施用するステップは、土壌処理製品又は植物処理製品(例えば、植物肥料成分と微生物発酵生成物との混合物を含む)を植物上又はその近く(例えば、土壌上)に噴霧及び/又は散布して植物が有効量の土壌処理製品又は植物処理製品、又はその成分(例えば、リン)を土壌から吸収するようにすることを含み得る。植物肥料成分と微生物発酵生成物は、個別に施用することもできる。開示された土壌処理製品又は植物処理製品を使用した土壌施肥は、植栽前、発芽前、発芽後、及び植物の寿命中いつでも行うことができる。
【0159】
いくつかの実施形態において、植物肥料製品及び微生物発酵生成物は、土壌、種子、又は植物に共施用できる。特定の実施形態において、共施用は、本明細書に記載のように、植物処理肥料及び微生物発酵生成物を混合又は組み合わせることによって、同時に発生できる。いくつかの実施形態において、共施用は、順次又は個別に発生できる。順次又は個別の施用は、任意の適切な期間で行われるか、分離されてもよい。
【0160】
本発明の例示的な実施形態の追加の特徴及び利点は、後述する詳細な説明に記載されており、ある程度はこのような詳細な説明から明らかになるか、このような例示的な実施形態の実施によって学習され得る。このような実施形態の特徴及び利点は、特に添付の特許請求の範囲において言及された装置及び組み合わせによって実現及び獲得できる。このような特徴及び他の特徴は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるか、又は後述する例示的な実施形態の実施によって学習され得る。
【0161】
[例示的な実験結果]
微生物発酵生成物が土壌中のリンの溶解度に及ぼす影響
NPK肥料を施用有無にかかわらず、土壌におけるリンの利用可能性(例えば、バイオアベイラビリティ又は溶解度)に及ぼす影響をテストするために、微生物発酵生成物を使用して2回の成長チャンバートウモロコシ実験(成長チャンバーで実施されたトウモロコシ実験)を実施した。処理には、1)未処理の土壌、2)微生物発酵生成物のみで処理された土壌、3)肥料のみで処理された土壌、及び4)肥料と微生物発酵生成物の混合物で処理された土壌が含まれた。およそ1kgの土壌を含む植木鉢にトウモロコシを植えた。微生物発酵生成物を、植木鉢当たり水100mlで希釈した生成物0.1mlの割合で土壌に施用した。N-P-KOの肥料15-15-15を1植木鉢当たり0.5gで種子の側面におよそ1インチ、及び土壌表面で1インチ下で施用した。微生物発酵生成物は、肥料0.5gに対して0.1mlで肥料処理をした。最初は100mlで水を与え、2日~4日ごとに植木鉢当たり100~200mlの水を与えた。水溶性リンは、ICP-OES法を用いて分析された。
【0162】
2つの実験の平均と各実験の4回の繰り返し結果を表1及び2に示した。微生物発酵生成物は、未処理の土壌に比べて土壌中の可溶性リンを11.6%増加させた。微生物発酵生成物は、肥料のみで処理した土壌に比べてN-P-KO肥料で処理した土壌で可溶性リンを16.6%増加させた。
【0163】
【表1】
【0164】
【表2】
【0165】
2つの割合のNPK肥料施用によって土壌中のリンの利用可能性(例えば、バイオアベイラビリティ又は溶解度)及び作物生産性への影響をテストするために微生物発酵生成物を使用してフィールドコーン(field corn)実験を行った。処理には、1)NPKの標準施用、2)微生物発酵生成物とNPKの標準施用/微生物発酵生成物で処理されたNPKの標準施用、3)減少されたNPK施用(25%減少)、及び4)微生物発酵生成物と減少されたNPK施用/微生物発酵生成物で処理された、減少されたNPK施用(25%減少)が含まれた。
【0166】
標準のNPK肥料施用/率は、168kgN/ha、112kgP/ha、及び112kgKO/haで構成された。25%減少されたNPK肥料施用/率は、126kgN/ha、84kgP/ha、及び84kgKO/haで構成された。微生物発酵生成物は、施用される場合、肥料1000kg当たり2リットルの割合で施用され、肥料が完全にコーティングされるまで混合された。上記の明示された肥料処理は、V1段階のトウモロコシの列にわたって施用された。トウモロコシは、76cmの列間隔で88、920種子/haの播種率で植えられた。各プロットは、長さ9m、幅3mであった。研究設計は、4回の繰り返されたランダムブロックであった。シーズン中、毎週3.8cmでプロットを灌漑した。耕作手順は、地元の慣行に従い、全てのプロットで等しく適用された。土壌サンプルは、作物発生2週間後に収集され、標準土壌試験方法を使用して水溶性リンについて分析した。トウモロコシ粒の含水量が25%に達すると、小さな研究用プロットコンバインを使用してトウモロコシを収穫した。
【0167】
4回の繰り返しの平均結果を、表3及び4に示す。
【0168】
【表3】
【0169】
標準NPK肥料施用に適用された微生物発酵生成物は、標準NPK肥料のみの施用で処理された土壌に比べて土壌中の可溶性リンを152%増加させた。25%減少したNPK肥料施用に施用された微生物発酵生成物は、25%減少したNPK肥料のみの施用で処理された土壌に比べて土壌中の可溶性リンを44%増加させた。
【0170】
【表4】
【0171】
微生物発酵生成物は、100%NPK肥料率で施用すると収量を1.7%増加させ、75%肥料率で施用すると収量を15.8%増加させた。
(1)固体形態の共施用、(2)固体形態の組み合わせ施用、(3)液体形態の発酵成分施用と共に固体形態の肥料施用、及び(4)固体形態の発酵成分施用と共に液体形態の肥料施用を利用した実験の実験結果が要約されている。
【0172】
いくつかの実施形態において、様々な酵素の活性に影響を及ぼす。トウモロコシ収獲後の土壌(シルトローム土壌)のホスファターゼ及びβ-グルコシダーゼ酵素の活性に対する微生物発酵生成物(又は成分)(別名バイオアクティベーター)施用の効果を評価した。
【0173】
任意の理論に縛られずに、微生物施用は、有益な微生物数の増加(Normand、1980)、土壌圧縮(soil compaction)の減少(Mayberry et al.,1991)、及び処理された土壌で可溶リン含量増加を通じて土壌品質を改善させ得る。酵素活性測定は、土壌の品質と生産性、及び微生物活性の重要な指標である(Alef et al.,1995; Dick et al.,1996; and Foster et al.,2018)。NRCS(National Resources Conservation Service)は、様々な農業管理慣行を評価する際の土壌品質指標であって、ホスファターゼ、アリールスルファターゼ、グルコシダーゼ、及びグルコサミニダーゼ分析を使用することを推奨する。
【0174】
これらの酵素に対するバイオアクティベーター(微生物発酵生成物)の影響をテストした結果、処理された土壌のβ-グルコシダーゼ及び酸性ホスファターゼの活性が増加したので、追加のテストのためにこれら酵素を選択した。両方の酵素は、栄養循環において重要である。例えば、β-グルコシダーゼは、セルロース分解の最後の段階を触媒することによってCサイクリングに影響を与え、土壌微生物に重要な炭素エネルギー源であるグルコースを生成する(Stott.、2009)。ホスファターゼは、利用できない有機リンのミネラル形態への加水分解を促進し、植物や微生物が生物学的に利用可能にする(Acosta-Martinez and Tabatai,2011)。
【0175】
一実施形態では、米国ユタ州ノースローガン(North Logan,Utah,USA)に位置するユタ州立大学の研究農場(Utah State University’s Research Farm)で、トウモロコシ(Zea mays L.)の収獲に続いて、微生物発酵生成物処理の土壌サンプル及び未処理の土壌サンプルが収集された。土壌類型は、有機物含量が1.5%、pHが7.8のシルトロームであった。土壌サンプルは、酵素分析を行う前に3ヶ月間-8℃で保管した。収集された土壌は、トウモロコシ植栽後、ヘクタール当たり105kgN、及び70kgPで施肥された。米国のCytozyme Laboratories,Inc.から購入した微生物発酵生成物(又はBioActivator)を肥料1000kg当たり2リットルの割合で処理されたプロットに適用した。
【0176】
酵素分析の1日、2日、3日、4日又は5日前に、製品を予め処理した土壌について、微生物発酵生成物の施用を繰り返した。微生物発酵生成物は、15mlのプラスチックバイアルに入れた土壌1gに対して0.1ppm、0.2ppm、及び0.4ppmの割合で施用された。未処理の土壌は、0.0ppmの施用量で使用された。全ての処理は3回繰り返された。未処理の土壌サンプルと処理された土壌サンプルは、酵素活性に対する製品の即刻及び連続的な影響を評価するために、25℃で指定された日数にわたってインキュベートした。
【0177】
β-グルコシダーゼ及び酸性ホスファターゼ活性は、各々文献[参照:Deng and Popova(2011)及びAcosta-Martinez and Tabatabai(2011)]に記載のように、p-ニトロペニルβ-D-グルコピラノシド及びp-ニトロフェニルホスホ酸塩溶液を添加した後、37℃で1時間のインキュベーション期間中に1gの土壌から放出されるp-ニトロフェノールの量を定量化することによって測定された。データは、Statistix(Analytical Software,Tallahassee,Florida,USA)を使用して分析された。
【0178】
β-グルコシダーゼ酵素活性は、インキュベーションの初日の全ての割合の微生物発酵成分の施用による対照群に比べて有意に増加した。0.1ppmで217、0.2ppmで229、及び0.4ppmで232%(表5及び図2)。微生物発酵成分の施用は、0.2ppm及び0.4ppmの施用量でインキュベーション3日目に活性を増加させる傾向があった。
【0179】
【表5】
【0180】
酸性ホスファターゼ活性に対する微生物発酵成分の影響は遅れており、1日目には対照群と比較して減少又は有意差はなかった(表6及び図1)。微生物発酵生成物が0.4ppm割合で施用されると、酵素活性は、対照群と比較して2日目、3日目、4日目、及び5日目にそれぞれ42%、19%、21%、及び48%と大幅に増加した。言い換えれば、微生物発酵成分を土壌に0.4ppmの割合で施用すると、酵素活性がインキュベーション2日目、3日目、4日目、及び5日目に各々42%、19%、21%、及び48%と大幅に増加した。
【0181】
また、0.2ppmの割合では、4日目及び5日目にそれぞれ30%及び43%の増加で、有意に高い活性が観察された。言い換えれば、微生物発酵成分を土壌に0.2ppmで施用すると、酸性ホスファターゼ酵素活性が4日目及び5日目にそれぞれ30%及び43%と大幅に増加した。
【0182】
【表6】
【0183】
微生物発酵生成物の施用によって、最初にβ-グルコシダーゼ活性が高め、次に翌日と3日目、4日目、及び5日目には酸性ホスファターゼの活性が増加した。これらの結果は、文献[参照:Spiers and McGill(1979)and Ridvanら(2007)]の結論によって裏付けられる、β-グルコシダーゼに対する酸性ホスファターゼ活性の依存性を示唆する。これら2つの酵素の強化された活性は、以前に報告された微生物活性の増加をサポートし、製品の施用後に観察される土壌の品質の改善及びより高い可用リン含量を説明する。
【0184】
微生物発酵生成物の施用によって、トウモロコシプロットから採取した処理されたシルトローム土壌におけるβ-グルコシダーゼと酸性ホスファターゼの活性が増加し、前記生成物のユニークな作用方式が明かになった。この生成物は、全ての施用量でインキュベーションの初日にβ-グルコシダーゼ活性を強化し、続いて2日目、3日目、4日目、及び5日目に、特に最も高い施用量で酸性ホスファターゼ活性を強化させた。このような酵素活動によって、微生物発酵成分は、炭素とリンの少なくとも2つの重要な栄養循環をサポートするため、土壌の肥沃度と作物生産を改善するのに役立つ。
(1)固体形態の共施用、(2)固体形態の組み合わせ施用、(3)液体形態の発酵成分施用を伴う固体形態の肥料施用、及び(4)固体形態の発酵成分施用を伴う液体形態の肥料施用を利用した実験の実験結果が要約されている。
【0185】
以下の参考文献は、その全文が具体的な参照によって組み込まれている。
【0186】
Acosta-Martinez,V.,and M.Ali Tabatabai.2011.Phosphorus cycle enzymes.In Methods of Soil Enzymology,ed.,R.P.Dick,161-163.Madison,Wisconsin:SSSA,Inc.
Alef,K.,P.Nannipieri,and C.Trazar-Cepada.1995.Phosphatase activity.In Methods in Applied Soil Microbiology and Biochemistry,ed.,K.Alef and P.Nannipieri,335-344.London,UK:Academic Press.
Deng,S.,and I.Popova.2011.Carbohydrate hydrolases.P.185-195.In R.P.Dick(ed.)Methods of soil enzymology.SSA,Wisconsin.
Dick,R.P.,D.Breakwill,and R.Turco.1996.Soil enzymes activities and biodiversity measurements as integrating biological indactors.In Handbook of Methods for Assessment of Soil Quality,ed.,F.B.Metting,95-125.New York,NY:Marcel Dekker.
Foster,E.J,E.J,Fogle,and M.F.Cotrufo.2018.Sorption to biochar impacts β-glucosidase and phosphatase enzyme activities.Agriculture 8(158).
Mayberry,B.,J.Gosch,and J.Pollock.1991.Effects of Soil+ on reduction of Soil Compaction.SOILUSNE9101.(Prepared by P.Wiatrak).Cytozyme.Salt Lake City,UT.
Normand,R.A.1980.Effect of BioActivator on population of soil bacteria and bacteriophage.BIOAUSLA8002.(Prepared by P.Wiatrak).Cytozyme,Salt Lake City,UT.
Kizilkaya,R.,F.Bayrakli,and A.Surucu.2007.Relationship between phosphatase activity and phosphorus fractions in agricultural soils.International Journal of Soil Science 2:107-118.
Spiers,G.A,W.B.McGill.1979.Effects of phosphorus addition and energy supply on acid phosphatase production and activity in soils.Soil Biology and Biochemistry.11(1):3-8.
Stott,D.E.,S.S.Andrews,M.A.Liebig,B.J.Weinhold,and D.L.Karlen.2009.Evaluation of β-glucosidase activity as a soil quality indicator for the soil management assessment framework.Publications from USDA-ARS/UNL Faculty.1222.
【0187】
[結論]
前述の詳細な説明は、代表的な特定の実施形態を言及しているが、本発明は、この概念又は本質的な特徴を逸脱することなく、他の特定の形態で具体化される可能性がある。同様に、様々な態様及び実施形態が本明細書に開示されているが、他の態様及び実施形態も考慮される。同様に、本明細書に記載と類似又は同等な多数の方法及び構成要素が本発明の実施形態を実施するのに使用できるが、本明細書には特定の構成要素及び方法のみが記載されている。具体的には、本発明の実施形態を例示する目的で、特定の実施形態及び詳細が本明細書及び添付の開示に含まれているが、本明細書に開示の方法、製品、装置、及び機構(apparatus)の様々な変更は、添付の特許請求の範囲に定義されている本開示又は本発明の範囲から逸脱することなく行われるのが当業者に明らかになる。例えば、本明細書に記載及び/又は例示された本発明の特徴に対する様々な置き換え、変更、及び/又は変形と、本明細書に記載及び/又は例示された原理の追加の応用は、関連する技術分野における熟練者及び本発明の所有者に発生し、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の概念と範囲から逸脱することなく、記述及び/又は例示された実施形態に対して行うことができる。このような置き換え、変更及び/又は変形は、本開示の範囲内にあると考慮されるべきである。したがって、記載されている実施形態は、全ての点で、例示的なものとしてのみ考慮されるべきであり、制限するものではない。
【0188】
したがって、本発明の範囲は、前述の詳細な説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲に列挙された制限は、前述の詳細な説明に記載されている特定の例示に制限されるものではなく、特許請求の範囲に使用される言語に基づいて広く解釈されるべきであり、このような例示は非排他的かつ非包括的であると解釈されるべきである。特許請求の範囲と同等な意味及び範囲内にある全ての変更は、特許請求の範囲内に受け入れられるべきである。
【0189】
また、特定の実施形態の様々な特徴が、本発明の他の実施形態と両立可能であり、組み合わせる、含まれる、及び/又は組み込まれることも理解されたい。例えば、本発明の特定の実施形態によるシステム、方法、及び/又は製品は、本明細書に開示及び/又は記載されている他の実施形態に記載されている特徴(例えば、成分、構成要素、部材、要素、部品、及び/又は部分)、及びステップなどを含む、組み込む、又は他の構成要素を含み得る。したがって、本発明の特定の実施形態に係る特定の特徴の開示は、特定の実施形態への上記の特徴の応用又は包含を制限するものと解釈されるべきではない。むしろ、他の実施形態も、本発明の範囲を必ずしも逸脱することなく、上記の特徴を含み得ることを理解されたい。
【0190】
さらに、ある特徴が特定の実施形態において必要とされると記載されていない限り、様々な実施形態に記載されている特徴は選択的なものであり、本発明の他の実施形態に含まれない可能性もある。さらに、ある特徴がそれと組み合わせて別の特徴を必要とすると記載されていない限り、本明細書の任意の特徴は、本明細書に開示された同一又は異なる実施形態の任意の他の特徴と組み合わせることができる。特定の実施形態では、特徴が選択的なものであり得るが、このような実施形態に特徴が含まれる場合、これらは本発明に記載のように特定の形態を有するのが必要であることを理解されたい。
【0191】
同様に、本明細書に記載及び/又は特許請求の範囲に記載されている任意の方法又はプロセスにおいて言及される任意のステップは、任意の適切な順序で実行することができ、(明示的又は暗示的に)特に明示しない限り、必ずしも記載及び/又は言及された順序に限定されないとは限らない。しかし、このようなステップは、本発明の特定の実施形態において特定の順序又は任意の適切な順序で実行される必要がある。
【0192】
さらに、例示的な実施形態の態様を曖昧にすることを避けるために、例示的なシステム、方法、及び製品などの周知の様々な態様を特に詳細に説明しない。しかし、このような態様も本明細書において考慮されている。
図1
図2
図3
【国際調査報告】