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特表2023-537502締結デバイス、方法、構造、および開閉装置キャビネット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-01
(54)【発明の名称】締結デバイス、方法、構造、および開閉装置キャビネット
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/10 20060101AFI20230825BHJP
   F16B 5/02 20060101ALI20230825BHJP
   F16B 5/04 20060101ALI20230825BHJP
   H02B 1/20 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
F16B5/10 C
F16B5/02 E
F16B5/02 V
F16B5/04 A
H02B1/20 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507788
(86)(22)【出願日】2021-08-03
(85)【翻訳文提出日】2023-03-16
(86)【国際出願番号】 EP2021071674
(87)【国際公開番号】W WO2022029124
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】BE2020/5561
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504019733
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・クロペンブルグ
(72)【発明者】
【氏名】ライナー・ブッセ
(72)【発明者】
【氏名】ヴャチェスラフ・ヤンツェン
【テーマコード(参考)】
3J001
5G016
【Fターム(参考)】
3J001FA02
3J001GB01
3J001HA07
3J001JA01
3J001JD03
3J001JD15
3J001KA19
3J001KB04
5G016DB05
(57)【要約】
本発明は、取り付けレール(200)を壁(400)に締結するための締結デバイス(100)に関し、締結デバイス(100)は少なくとも一つの締結要素(101)を有し、少なくとも一つの締結要素(101)は、締結要素(101)を壁(400)に締結するための壁締結部分(110)と、締結要素(101)を取り付けレール(200)に締結するための取り付けレール締結部分(111)とを備え、取り付けレール締結部分(111)は、締結状態にあるとき、取り付けレール(200)に形成された開口(211)を経て少なくとも部分的にガイドされ、取り付けレール締結部分(111)は、締結状態において、その中に取り付けレール(200)の一部分(210)が押し込まれるアンダーカット(112)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DINレール(200)を壁(400)に締結するための締結デバイス(100)であって、少なくとも一つの締結要素(101)を備え、前記少なくとも一つの締結要素(101)は、前記締結要素(101)を前記壁(400)に締結するための壁締結部分(110)と、前記締結要素(101)を前記DINレール(200)に締結するためのDINレール締結部分(111)と、を備え、
締結状態にあるとき、前記DINレール締結部分(111)は、前記DINレール(200)に形成された開口(211)を通って、少なくともいくつかの領域においてガイドされ、
前記DINレール締結部分(111)は、前記DINレール(200)の一部(210)が前記締結状態において挿入される、さねはぎシステム(112)を備える、締結デバイス(100)。
【請求項2】
前記さねはぎシステム(112)は、前記DINレール締結部分(111)の外周面(113)に形成されたリセス(114)の形態であることを特徴とする、請求項1に記載の締結デバイス(100)。
【請求項3】
前記リセス(114)は、前記DINレール締結部分(111)の前記外周面(113)から前記DINレール締結部分(111)の中心軸線(M)に向かって先細になっていることを特徴とする、請求項2に記載の締結デバイス(100)。
【請求項4】
前記リセス(114)は、第1の壁面(115)と、前記第1の壁面(115)と対向する第2の壁面(116)とによって画定され、前記第1の壁面(115)は斜面の形状であることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の締結デバイス(100)。
【請求項5】
前記DINレール締結部分(111)は、ツールホルダー領域(119)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の締結デバイス(100)。
【請求項6】
前記DINレール締結部分(111)は、前記壁締結部分(110)と一体に形成されることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の締結デバイス(100)。
【請求項7】
前記壁締結部分(110)は、前記壁(400)に形成された第1の開口(410)に係合するための係合ピン(121)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の締結デバイス(100)。
【請求項8】
前記締結状態において、前記壁締結部分(110)のフランジ(124)上で保持され、かつ、前記壁(400)に形成された第2の開口(411)に係合する保持要素(127)によって特徴付けられる、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の締結デバイス(100)。
【請求項9】
前記締結要素(101)とは別個に配置された固定要素(102)によって特徴付けられる、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の締結デバイス(100)。
【請求項10】
前記DINレール締結部分(111)が、前記締結状態において前記DINレール(200)の前記開口(211)に係合する固定ラグ(128)を備えることを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の締結デバイス(100)。
【請求項11】
前記固定ラグ(128)は、ばね荷重式に形成されることを特徴とする、請求項10に記載の締結デバイス(100)。
【請求項12】
前記固定ラグ(128)は停止面(129)を備え、前記締結状態では、前記停止面(129)に対して、前記DINレール(200)の、前記開口(211)の境界を定めるエッジ部分(215)が当接することを特徴とする、請求項10または請求項11に記載の締結デバイス(100)。
【請求項13】
前記フランジ(124)は、前記締結要素(101)上で前記DINレール(200)を方向付けるための、互いに平行に延びる二つのセンタリングリブ(130)を備えることを特徴とする、請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の締結デバイス(100)。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の締結デバイス(100)によってDINレール(200)を壁(400)に締結するための方法であって、
前記締結デバイス(100)の前記少なくとも一つの締結要素(101)が、その壁締結部分(110)によって前記壁(400)に締結され、
前記締結デバイス(100)の前記少なくとも一つの締結要素(101)が、少なくともいくつかの領域において前記DINレール(200)に形成された開口(211)を通り、そのDINレール締結部分(111)によってガイドされ、
前記DINレール(200)は、続いて、スライド移動(V)を利用して、前記DINレール(200)の一部分(210)によって前記DINレール締結部分(111)の前記さねはぎシステム(112)に挿入される、方法。
【請求項15】
DINレール(200)を備え、かつ、請求項1から請求項13のいずれか1項に従って形成された締結デバイス(100)を備えるアセンブリ(300)であって、前記DINレール(200)が、前記締結デバイス(100)によって、前記壁(400)に締結される、アセンブリ(300)。
【請求項16】
開閉装置キャビネットであって、前記開閉装置キャビネットの壁(400)に締結された、請求項15に記載のアセンブリ(300)を少なくとも一つ備える、開閉装置キャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DINレールを壁、例えば開閉装置キャビネットの壁に締結するための締結デバイスに関する。本発明はさらに、この種の締結デバイスによってDINレールを壁に締結するための方法、アセンブリ、およびこの種の締結デバイスを備える開閉装置キャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
DINレールは、細長いU字形プロファイルまたはC字形プロファイルとして形成することができ、多数の端子、特に端子ブロックを受け入れるために使用される。端子は、DINレールを使用して開閉装置キャビネットに設置することができる。DINレールは、一般に多数の開口を含み、この開口を経てDINレールをネジによって開閉装置キャビネットの壁に固定することができる。DINレールに端子を取り付けると、ネジにアクセスできなくなるため、最初にDINレールをネジを使用して開閉装置キャビネットに締結する必要があり、そしてDINレールが開閉装置キャビネットの壁に締結されるか設置されるまで、DINレールに端子を設けることはできない。このため、端子が予め組み付けられているDINレールを開閉装置キャビネットに設置することはできない。この結果、DINレールを自動で取り付けることはできない。したがって、開閉装置キャビネットに端子およびDINレールを設けるための設置作業量は非常に多くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、取り付け作業量を減らすことができ、特に端子が予め組み付けられたDINレールを壁に固定することができる締結デバイス、方法、アセンブリおよび開閉装置キャビネットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。従属請求項は、本発明の好都合な実施形態および有利な展開を提示する。
【0005】
本発明による締結デバイスは、少なくとも一つの締結要素を備え、当該締結要素は、締結要素を壁に締結するための壁締結部分と、締結要素をDINレールに締結するためのDINレール締結部分とを備える。締結要素がDINレールに締結された状態にあるとき、DINレール締結部分は、DINレールに形成された開口を経て、少なくとも一部の領域においてガイドされる。DINレール部分は、締結状態にあるとき、その中にDINレールの一部が挿入される、さねはぎシステムを備える。
【0006】
DINレールを壁、特に開閉装置キャビネットの壁に固定するために、少なくとも一つの締結要素を有する締結デバイスが提供され、一つまたは複数の締結要素が最初に壁(これはまた、例えば、取り付けプレートであってもよい)に締結され、そして、例えば端子を備えた事前に組み立てられたDINレールが、その後、一つまたは複数の固定要素に、したがって壁に締結される。締結デバイスの締結要素に挿入することにより、DINレールを壁で保持し、壁に締結することができるように、DINレールは、壁に締結された締結要素に挿入することができる。DINレールを壁に固定するために、他の方法では一般的である固定具、例えば複数のネジをDINレールに固定する必要がなくなる。これにより、DINレールをより簡単に壁に取り付けることができる。DINレールは、DINレールが締結要素のさねはぎシステムから不意に滑り落ちるのを防止できるように、DINレールに掛止される端子が存在しないDINレールの端部においてのみ、たとえばネジなどの固定要素によって、壁に直接ネジ止めすることができる。締結要素は、DINレール締結部分と壁締結部分の二つの部分を含む。DINレール締結部分は、壁締結部分に直接当接するように形成される。端子は、DINレールの上面の領域でDINレールに掛止される。DINレールは、DINレールの下面を介して壁に取り付けられ、当該下面は、上面の反対側にあり、特に、そこに掛止される端子を有していない。下面を経由して、締結要素は、締結状態において締結要素が少なくとも一部領域において、そのDINレール締結部分によってDINレールの開口を通過するように、DINレールの開口を経て、そのDINレール締結部分によってガイドされる。DINレールは、その長さに沿って複数の開口を備えることが好ましく、DINレールを壁に締結するために、各開口に一つのそのような締結要素を配置することが可能である。したがって、締結デバイスは、二つ以上のそのような締結要素を備えることもできる。DINレールの開口は、幅よりも長さが大きくなるように、それぞれ細長いことが好ましい。その長さに沿って、DINレール締結部分は、取り付け中、その中に、開口に隣接するDINレール部分を挿入することができる、さねはぎシステムを備え、これにより、締結状態において、DINレールは、さねはぎシステムと係合され、さねはぎシステムを経由して、締結デバイスの締結要素によって締結デバイス上で保持される。したがって、DINレールを、単純なインターロック接続によって、締結デバイスの締結要素上で、したがって壁で保持し、それに対して締結することができる。この種の締結デバイスを使用すると、既に端子を備えたDINレール(組み立て済みDINレールとも呼ばれる)を壁に素早く簡単に固定できるため、設置作業はほとんど必要がない。
【0007】
さねはぎシステムは、DINレール締結部分の外周面に形成されたリセスの形態であってもよい。DINレール締結部分は、円筒形状の細長い形状を有していてもよく、これは、例えば、円形または楕円形の断面を有していてもよい。リセスは、円筒形状の外周面に形成することができる。リセスは、DINレール締結部分の外周面の切り欠きの形態であってもよい。リセスは、外周面からDINレール締結部分の中心軸線に向かって延びる。
【0008】
リセスは、DINレール締結部分の外周面からDINレール締結部分の中心軸線に向かって先細になっていてもよい。テーパーによって、DINレール部分は、さねはぎシステムに的を絞って挿入することができる。さらに、さねはぎシステムへのDINレール部分の挿入をより簡単に行うことができる。
【0009】
リセスは、第1の壁面と、第1の壁面と対向する第2の壁面とによって区切られてもよく、第1の壁面を斜面の形態とすることが可能である。第1の壁面は、斜面形状により傾斜面を形成してもよい。対照的に、第2の壁面は好ましくは斜面形状ではない。第2の壁面は、好ましくは、DINレール締結要素の中心軸線に対して直交方向に延びる水平面内に延びる。第1の壁面は、例えば、第2の壁面に対して30°ないし70°、好ましくは40°ないし60°の角度で傾斜して延在することができる。DINレールの公差は斜面形状で補うことができる。さらに、結果として、異なる材料厚さのDINレールを締結デバイスの締結要素に締結することができる。さらに、固定要素とDINレールとの間、ひいては締結デバイスとDINレールとの間で実質的に遊びのない接続を達成することができる。
【0010】
締結デバイスの締結要素の取り扱いを簡単にするために、DINレール締結部分は、ツールホルダー領域を備えることができる。ツールホルダー領域は、例えばネジ回しなどのツールが係合できるスロットの形態であってもよい。ツールホルダー領域は、DINレール締結部分の端面に形成されてもよい。
【0011】
DINレール締結部分は、壁締結部分と一体に形成されていることが好ましい。したがって、締結要素全体が単一部品として製造されることが好ましい。
【0012】
締結要素を壁に締結するために、壁締結部分は、壁に形成された第1の開口に係合するための係合ピンを備えることができる。係合ピンによって、締結要素と壁との間の単純なインターロック接続が可能である。係合ピンは、細長いことが好ましい。係合ピンは円筒形であってもよい。壁に設置した状態で、係合ピンは壁の第1の開口に入ることができる。
【0013】
締結要素はまた、締結された状態で、壁締結部分のフランジ上に保持され、壁に形成された第2の開口に係合することができる保持要素を備えることができる。これにより、締結要素を壁に締結する際の安定性が向上する。保持要素は、好ましくは、保持要素と係合ピンの2点を介して締結要素を壁に締結できるように、係合ピンに加えて設けられる。例として、保持要素は、フランジに形成された開口を介して、フランジ上で、したがって壁締結部分で保持することができるネジまたはリベットであってもよい。
【0014】
さらに、締結デバイスは、締結要素に加えて固定要素を備えることができる。固定要素は、好ましくは、固定要素とは別個に、したがって距離を置いて配置される。固定要素を使用すると、DINレールが不意に固定要素から滑り落ちたり、外れたりするのを防ぐことができる。固定要素は、壁やDINレールに直接締結できる。固定要素は、そこに端子等が掛止されないDINレール端部に配置されることが好ましい。固定要素は、例えばネジであってもよい。しかしながら、例えば、固定要素を締結要素と同一に形成することも可能である。DINレールのズレや滑り動作に抗するブロック作用を実現できるように、締結要素と同じように形成された固定要素を、例えば、実際の固定要素に対して、180°回転させて、壁およびDINレールに締結することができる。
【0015】
DINレール締結部分は、締結状態でDINレールの開口に係合する固定ラグを備えていてもよい。締結状態において、固定ラグは、DINレール締結部分の本体と共に、DINレールの同じ開口に係合することができる。DINレールをその端部位置にスライドさせて締結状態にすると、固定ラグを開口の輪郭内に配置でき、これによって固定ラグがDINレールの開口にかみ合った状態では、DINレールの不意の滑りやズレを防止できる。固定ラグの外形は、少なくともいくつかの領域で開口の輪郭に適合させることができる。この種の固定ラグが設けられる場合、締結要素とは別個に配置された固定要素はもはや必要がない。
【0016】
好ましくは、固定ラグは、ばね荷重式に形成され得る。この結果、DINレールをスライドさせて締結状態にすると、固定ラグは、締結状態に達したとき、DINレールの開口に飛び込み、DINレールに掛止して、これによって締結状態からのDINレールの不意なスライド後退動作を防止することができる。
【0017】
固定ラグは、締結状態で、DINレールの、開口を画定するエッジ部分が当接することができる停止面を備えることができる。停止面により、締結状態において、固定ラグを規定された方式でDINレール上に配置できる。停止面は、好ましくは、固定ラグのエッジ領域に形成される。停止面の領域において、固定ラグは段差を含んでもよい。
【0018】
フランジは、締結要素上でDINレールを方向付けるために、互いに平行に延びる二つのセンタリングリブを備えることができる。センタリングリブは、DINレールの長さに沿って延びることができるように形成することができる。二つのセンタリングリブは、二つのセンタリングリブの間にDINレールを受け入れることができるように、互いに間隔を空けて配置することができる。二つのセンタリングリブにより、フランジは断面でU字形プロファイルを形成し得る。
【0019】
本発明の目的はまた、上記で説明、形成、および展開された締結デバイスを用いてDINレールを壁に締結するための方法によっても達成され、当該方法において、締結デバイスの少なくとも一つの締結要素は、その壁締結部分によって壁に締結され、締結デバイスの少なくとも一つの締結要素は、そのDINレール締結部分によって、少なくとも一部領域において、DINレールに形成された開口を経てガイドされ、そして、DINレールは、スライド動作を利用してDINレールの一部によってDINレール締結部分の、さねはぎシステムに挿入される。
【0020】
さらに、本発明の目的は、DINレールと、上記で説明、形成および展開された締結デバイスとを備えるアセンブリによって達成され、DINレールは、DINレールを壁に保持するために、締結デバイスによって壁に締結される。好ましくは、DINレールが高い安定性および高いレベルの安全性で壁に固定され得るように、DINレールの長さに沿って締結デバイスの複数の固定要素が提供され得る。DINレールの長さに沿って配置された締結デバイスの締結要素は、互いに距離を置いて配置されることが好ましい。
【0021】
さらに、本発明の目的は、開閉装置キャビネットの壁に締結される、上記で説明され、形成され、そして展開された少なくとも一つのアセンブリを備える開閉装置キャビネットによって達成される。
【0022】
本発明について、添付の図面を参照し、好ましい実施形態に基づいて、以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1a】本発明による締結デバイスの締結要素を第1の視点から見て示す概略図である。
図1b図1aに示される締結要素を第2の視点から見て示す概略図である。
図2】本発明による締結デバイスのさらなる締結要素の概略図である。
図3】壁に締結された図2に示される締結要素の概略図である。
図4】締結要素のさねはぎシステムへのDINレールの挿入中に壁に締結された、図1aおよび図1bに示される締結要素の概略図である。
図5】壁に設置された状態での本発明によるアセンブリの概略図であり、図1aおよび図1bに示される締結要素と、締結デバイスの固定要素とを備える。
図6】壁に取り付けられた状態での本発明によるアセンブリの概略図であり、図2に示される締結要素を備える。
図7】壁に設置された図6に示されるアセンブリの線A‐Aに沿った概略断面図である。
図8a】取り付け中のさらなる固定要素をDINレールと共に示す概略図である。
図8b】締結された状態での図8aに示される固定要素の概略図である。
図9図8aおよび図8bに示される固定要素を備える、本発明によるアセンブリの概略図である。
図10】本発明による締結デバイスのさらなる概略図である。
図11】壁に締結された図10に示される締結デバイスの概略図である。
図12】DINレールを図10に示される二つの締結デバイスに締結する際の本発明によるアセンブリの概略図である。
図13】DINレールが締結された状態で、壁に設置された図12に示されるアセンブリの概略断面図であり、図10から図12に示される締結デバイスを備える。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1aおよび図1bは、それを用いてDINレール200を壁400に締結することができる締結デバイス100の固定要素101の実施形態を示す。
【0025】
締結要素101は、それを用いて締結要素101を壁400に締結することができる壁締結部分110を備える。締結要素101はまた、それを用いて締結要素101をDINレール200に締結することができるDINレール締結部分111を備える。DINレール締結部分111は、壁締結部分110に直接当接する。DINレール締結部分111は、壁締結部分110と一体に形成される。
【0026】
DINレール締結部分111は、断面が楕円形の略円筒形状の本体118を備えている。
【0027】
さねはぎシステム112は、DINレール締結部分111上に形成され、DINレール200の部分210は、DINレール200を締結要素101に締結するために、さねはぎシステムに挿入することができる。さねはぎシステム112は、アンダーカットを構成する。さねはぎシステム112は、DINレール締結部分111の外周面113に形成されたリセス114の形態である。リセス114、したがって、さねはぎシステム112は、外周面113からDINレール締結部分111の中心軸線Mに向かって延在する。ここに示される実施形態では、さねはぎシステム112は、さねはぎシステム112が中心軸線Mまで延びるように、DINレール締結部分111内にまで延在する。
【0028】
さねはぎシステム112を形成するリセス114は、リセス114が外周面113から中心軸線Mに向かって先細になるように形作られる。テーパーは、リセス114を画定する壁面115,116の一方が斜面の形態であるように形成される。第1の壁面115は斜面の形態であるのに対し、第2の壁面116は水平面E内に延在する。水平面Eは中心軸線Mに対して横方向に延在する。斜面形状により、第1の壁表面115が好ましくは第2の壁表面116に対して30°ないし60°の間の角度で延びるように斜めに延びるように第1の壁面115が形成される。
【0029】
壁締結部分110は、第2の壁面116に当接する。
【0030】
第2の壁面116は、DINレール200の部分210のための平坦な支持面を形成する。第2の壁面116は、図1aおよび図1bに見られるように、いくつかの領域で、第1の壁面115から突き出ている。
【0031】
第2の壁面116は、一部の領域においてDINレール締結部分111の本体118と重なるカラー117上に形成される。第1の壁面115は、本体118に形成される。本体118とは異なり、カラー117は、少なくとも一部の領域において円形である。本体118は、カラー117に対して偏心するように、カラー117上に形成される。
【0032】
DINレール締結部分111には、ツールホルダー領域119が形成されている。ツールホルダー領域119は、DINレール締結部分111またはDINレール締結部分111の本体118の端面120に形成されている。ツールホルダー領域119は、ネジ回しなどのツールが係合できるスロット状のリセスまたは細長い溝の形態である。
【0033】
壁締結部分110は、それを用いて壁締結部分100が壁400に形成された第1の開口410に係合できる係合ピン121を備える。係合ピン121は円筒形状を有する。係合ピン121は、カラー117の下面122を起点としてカラー117から離れるように延びる。第2の壁面116は、カラー117の上面123上に形成され、この上面は、下面122の反対側にある。本体118は、カラー117の上面123にも接合され、カラー117の上面123を起点としてカラー117から離れるように延びる。
【0034】
係合ピン121は、カラー117よりも小さい直径を有する。
【0035】
中心軸線Mは、DINレール締結部分111および壁締結部分110の双方の中心軸線Mを形成する。
【0036】
図2に示される締結デバイス100の締結要素101の実施形態では、カラーは設けられていないが、壁締結部分110はフランジ124を備える。DINレール締結部分111の第2の壁面116は、DINレール締結部分111に面するフランジ124の上面125に形成される。この実施形態においても、第2の壁面116は、水平面E内に延在し、したがって中心軸線Mに対して直交方向に延在する。
【0037】
開口126がフランジ124に形成され、保持要素127がこの開口で保持されることが可能であり、この場合、保持要素127はリベットである。保持要素127は、壁400の第2の開口411に締結することができる。係合ピン121および保持要素127によって、締結要素101は、壁400に対して二つの締結点を含むことができる。
【0038】
他の点では、図2に示される実施形態は、図1aおよび図1bに示される実施形態と同一である。
【0039】
図3は、DINレール200、特に事前に組み立てられたDINレール200を締結できる壁400を示す。この場合、壁は、図2に示すような締結要素101を壁400に締結できるように、対で配置された開口410,411を備える。
【0040】
DINレール200を壁400に設置する場合、締結デバイス100の締結要素101は、まず、各締結要素100の壁締結部分110を係合ピン121によって第1の開口410に挿入することによって、そして適用可能な場合には保持要素127を壁400の第2の開口411にさらに挿入することによって、壁400に締結される。
【0041】
次に、DINレール200は、既に壁400に締結されている締結要素101に締結される。このプロセスにおいて、DINレール200は、図4に示されるように、DINレール200に形成されたそれぞれの開口211を通って各DINレール締結部分111がガイドされるように、締結要素101に取り付けられる。この時点で、DINレール締結部分111は、DINレール200を実際に締結要素101に締結するために使用されるDINレール200の部分210から依然として距離が置かれている。
【0042】
端部締結状態に到達するために、DINレール200のスライド移動Vが実行され、開口211に当接するように形成されたDINレール200の部分210が、締結要素101のDINレール締結部分111のさねはぎシステム112に挿入される。挿入された状態は図5に示されている。複数の締結要素101がある場合、DINレール200は、DINレール200の関連部分210によって、特定の締結要素のさねはぎシステム112に同時に挿入される。
【0043】
締結デバイス100は、一つまたは複数の締結要素101に加えて、固定要素102を備えることができる。固定要素102は、一つまたは複数の締結要素101に追加される構成要素の形態で提供される。DINレール200は、DINレール200が締結要素101のさねはぎシステムから不意に滑り落ちるのを防止するために、DINレール200の端部214において、図5および図6ではネジの形態である固定要素102によって壁400に固定することができる。固定要素102は、開口216を介してDINレール200の端部214と係合する。この場合、開口216は、開口211とは異なり、長穴として形成されない。
【0044】
図5は、締結または挿入された状態での締結要素101およびDINレール200の対応するアセンブリ300を示し、締結要素101は、図1aおよび図1bに示される実施形態と同様に形成される。
【0045】
図6は、締結または挿入された状態での締結要素101およびDINレール200の対応するアセンブリ300を示し、締結要素101は、図2に示される実施形態と同じ方法で形成される。
【0046】
図7は、図6で強調された線A‐Aに沿った断面図である。締結要素101のさねはぎシステム112におけるDINレール200のその部分210による係合は、この図で見ることができる。締結状態では、締結要素101は、その第1の壁面115によって、DINレール200の上面212に当接する。端子(ここでは図示せず)もまた、当該上面によってDINレール200に掛止される。締結状態では、締結要素101は、その第2の壁面116によってDINレール200の下面213に当接する。DINレール200は、固定要素101のDINレール締結部分111が、DINレール200の下面213からDINレール200の上面212に向かってDINレール200の開口211に入ることができるように、DINレール200をその下面213によって締結要素101に取り付けることによって、DINレール200の下面213によって締結要素101に締結される。
【0047】
図8aおよび図8bに示される実施形態では、固定要素102は、固定要素101と同様に、特に図9に示される固定要素101と同様に形成される。
【0048】
この場合も、固定要素102は、DINレール締結部分103および壁締結部分104を備える。DINレール締結部分103は、図8aおよび図8bに示されるDINレール締結部分200の一部をその中に挿入できる、さねはぎシステム105を備える。さねはぎシステム105はアンダーカットを構成する。さねはぎシステム105は、DINレール締結部分103の外周面に形成されたリセス106の形態である。この場合、リセス106、したがってさねはぎシステム105は、リセス114および締結要素101のさねはぎシステム112と同一に形成される。リセス106は、DINレール締結部分103の中心軸線に向かって先細になっている。
【0049】
壁締結部分104は、開口108が形成されたフランジ107を備え、その中には、その壁締結部分104によって固定要素102を壁400に締結するために、ネジの形態の保持要素109が配置される。
【0050】
DINレール200は、その端部214によって、固定要素102のDINレール締結部分103のさねはぎシステム105に挿入される。これは、DINレール200の端部214の開口216の領域で生じる。この場合、開口216がU字状になるように、開口216は開放式に形成される。開口216を一方の側が開いているように形成することによって、固定要素102のDINレール締結部分103は、DINレール200がさねはぎシステム105に入り、これによってさねはぎシステム105に掛止されるまで、開口216に挿入することができる。
【0051】
図9は、DINレール200および締結デバイス100を備えるアセンブリ300を示しており、この場合、締結デバイス100の締結要素101および固定要素102を見ることができる。固定要素102は、図8aおよび図8bに示される実施形態に従って形成される。締結要素101は、固定要素102と同一に形成される。固定要素102のブロッキング作用を得るために、固定要素102は、同一に形成された締結要素101に対して180°回転させた様式で配置される。
【0052】
締結要素101のフランジ124は、図9に見られるように、DINレール200が壁締結部分110のフランジ124のU字形断面に挿入できるように、断面がU字形である。U形状を形成するために、フランジ124は、互いに平行に配置された二つのセンタリングリブ130を含み、その間にDINレール200が挿入されて、DINレール200がフランジ124上で横方向に滑ったり傾いたりするのを防ぐことができる。
【0053】
固定要素101のDINレール締結部分111は、固定要素102のDINレール締結部分103と同一に形成される。さらに、固定要素101の壁締結部分110は、固定要素102の壁締結部分104と同一に形成される。
【0054】
図10から図13は、締結デバイス100が締結要素101を含むが、固定要素102を含まない実施形態を示す。締結要素101はそれぞれ固定ラグ128を備える。固定ラグ128は、固定要素102の機能を引き受けるので、固定要素102をもはや設ける必要はない。
【0055】
図10は、フランジ124が互いに平行に延びる二つのセンタリングリブ130を備えるために壁締結部分110のフランジ124がU字形の断面を有する締結要素101の実施形態を示す。さらに、開口126がフランジ124に形成され、保持要素127は、図11に見られるように、固定要素101を壁部分110によって壁400に締結するために開口に配置することができる。図11に示す実施形態では、保持要素127はネジである。
【0056】
DINレール締結部分111は、壁締結部分110と一体に形成されている。
【0057】
DINレール締結部分111は、本体118を備える。
【0058】
さねはぎシステム112は、本体118の領域でDINレール締結部分111上に形成され、DINレール200の部分210は、DINレール200を締結要素101に締結するために、当該さねはぎシステムに挿入することができる。さねはぎシステム112は、アンダーカットを構成する。さねはぎシステム112は、DINレール締結部分111の外周面113に形成されたリセス114の形態である。リセス114、したがってさねはぎシステム112は、外周面113からDINレール締結部分111の中心軸線Mに向かって延在する。
【0059】
さねはぎシステム112を形成するリセス114は、リセス114が外周面113から中心軸線Mに向かって先細になるように形作られる。テーパーは、リセス114を画定する壁面115が斜面の形状であるように形成される。リセス114のこのテーパー、したがってさねはぎシステム112の結果として、異なる厚さのDINレール200をDINレール締結部分111に締結または挿入することができる。
【0060】
図10から図13に示す実施形態では、DINレール締結部分111の本体118に固定ラグ128が形成されている。固定ラグ128は本体118上に形成され、固定ラグ128はさねはぎシステム112から離れて延在する。したがって、固定ラグ128は、さねはぎシステム112から離れて本体118上に形成される。本体118は、本体118が固定ラグ128よりも大きな高さを有するように、フランジ124を起点として固定ラグ128から突出する。
【0061】
固定ラグ128は、ばね荷重式に形成される。固定ラグ128は、DINレール200のスライド移動Vの方向に対して横方向に弾力性を有するように、ばね荷重式に形成される。固定ラグ128のばね荷重特性を生成するために、固定ラグは少なくとも部分的に自由にカットされ、本体118によってのみフランジ124に接合される。図13の断面図に見られるように、固定ラグ128とフランジ124との間に直接的な接続はない。固定ラグ128は細長い。固定ラグ128は舌状である。
【0062】
エッジ領域131において、固定ラグ128は、図13に見られるように、DINレール200の開口211を画定するエッジ部分215が締結状態で当接または圧接する停止面129を備える。停止面129の領域において、固定ラグ128は、締結状態にあるときにDINレール200のエッジ部分215が固定ラグ128に確実に当接するようにするための段差を含む。
【0063】
図12は、まだ締結されていない状態のアセンブリ300を示し、図13は、締結された状態のアセンブリ300を示す。DINレール200を締結するために、それはスライド運動Vによって軸方向にスライドさせられる。このスライド移動Vの間、DINレール200は、二つのセンタリングリブ130の間で壁締結部分110のフランジ124に沿ってスライドさせられる。DINレール200は、DINレール締結部分111全体のような点までスライドさせられ、したがってまた、DINレール締結部分111の固定ラグ128は、DINレール200の開口211に入るかまたはその中に飛び込む。このプロセスにおいて、DINレール200は、DINレール200が、本体118のさねはぎシステム112に入り、そこに引っかかるかあるいは留まるようにスライドさせられる。
【0064】
図13は、DINレール200が、そのエッジ部分215によって停止面129に当接、特に圧接するように、固定ラグ128がDINレール200の開口211に飛び込んだ締結状態を示す。図13に示す締結状態では、DINレール200はもはや軸方向にスライドすることができないため、DINレール200は締結デバイス100からもはや解放することができない。DINレール200を再び解放する場合、少なくとも一部の領域において固定ラグ128が開口211から押し出され、これによってDINレール200を再び自由にスライドさせることができるように、DINレール200のエッジ部分215に対する掛止から固定ラグ128を解放するために、上から圧力Dを固定ラグ128に加えることができる。
【符号の説明】
【0065】
100 締結デバイス
101 締結要素
102 固定要素
103 DINレール締結部分
104 壁締結部分
105 さねはぎシステム
106 リセス
107 フランジ
108 開口
109 保持要素
110 壁締結部分
111 DINレール締結部分
112 さねはぎシステム
113 外周面
114 リセス
115 第1の壁面
116 第2の壁面
117 カラー
118 本体
119 ツールホルダー領域
120 端面
121 係合ピン
122 下面
123 上面
124 フランジ
125 上面
126 開口
127 保持要素
128 固定ラグ
129 停止面
130 センタリングリブ
131 エッジ領域
200 DINレール
210 部分
211 開口
212 上面
213 下面
214 端部
215 エッジ部分
216 開口
300 アセンブリ
400 壁
410 第1の開口
411 第2の開口
V スライド移動
M 中心軸線
E 水平面
D 圧力
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】