IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テラダイン、 インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-537512ソース同期デバイスを動作させるための装置及び方法
<>
  • 特表-ソース同期デバイスを動作させるための装置及び方法 図1
  • 特表-ソース同期デバイスを動作させるための装置及び方法 図2
  • 特表-ソース同期デバイスを動作させるための装置及び方法 図3
  • 特表-ソース同期デバイスを動作させるための装置及び方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-01
(54)【発明の名称】ソース同期デバイスを動作させるための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20230825BHJP
   G01R 31/3181 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
G01R31/28 R
G01R31/3181
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023508591
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(85)【翻訳文提出日】2023-02-07
(86)【国際出願番号】 US2021045330
(87)【国際公開番号】W WO2022035812
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】16/989,767
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502391840
【氏名又は名称】テラダイン、 インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】サルチェフ、 ロナルド エイ
(72)【発明者】
【氏名】バン・デル・ワグト、 ジャン ポール アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】ナリー、 ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ボーダーズ、 グレイディ
【テーマコード(参考)】
2G132
【Fターム(参考)】
2G132AA01
2G132AB02
2G132AB07
2G132AD06
2G132AG08
2G132AH05
2G132AL16
(57)【要約】
ゲートされたDQS信号を用いてDQ信号をストローブするための回路構成及びそれを動作させる方法が記載される。いくつかの態様は、ドライバ回路によって生成されたエッジが、DQ信号などの受信されたデータ信号を誤ってストローブすることを防止されるように、ATE内の駆動回路における駆動イネーブル(DE)信号の状態に基づいて、DQSストローブ信号などの受信されたストローブ信号を選択的に通過させるためのゲーティング方式を対象とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイス(20)から受信されたデータをストローブ信号と同期させるための装置(100)であって、
前記半導体デバイスのストローブ信号ピン(24)に接続するように構成される第1の接続点(104)と、
前記半導体デバイスのデータピン(22)に接続するように構成される第2の接続点(102)と、
前記第1の接続点に結合された出力(114)及び駆動イネーブル入力(112)を有するドライバ回路(110)であって、前記駆動イネーブル入力における信号(113)の状態に基づいて、駆動イネーブル期間の間に前記出力を駆動するように構成されるドライバ回路(110)と、
データ入力(144)及びストローブ入力(142)を有するレシーバ回路であって、前記データ入力は、前記第2の接続点に結合され、及び前記レシーバ回路は、前記ストローブ入力における信号の状態に基づいて、前記データ入力(144)においてデータ(23)を受信するように構成される、レシーバ回路と、
前記第1の接続点に結合された入力(124)と、前記レシーバ回路の前記ストローブ入力に結合された出力(126)と、前記駆動イネーブル入力に結合された制御入力(122)とを有するゲート回路(120)であって、前記ゲート回路の制御入力における信号の状態に基づいて、前記ゲート回路の入力から前記ゲート回路の出力に信号を選択的に通過させるように構成されるゲート回路(120)と
を含む装置。
【請求項2】
前記駆動イネーブル入力は、第1の遅延コンポーネントと第2の遅延コンポーネントとを含む遅延回路を介して前記制御入力に結合され、
前記第1の遅延コンポーネントは、前記駆動イネーブル入力において、信号の立ち上がりエッジを第1の量だけ遅延させるように構成され、
前記第2の遅延コンポーネントは、前記駆動イネーブル入力において、前記信号の立ち下がりエッジを第2の量だけ遅延させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記遅延回路はSRフリップフロップを更に含み、
前記SRフリップフロップは、前記ゲート回路の前記制御入力に結合された出力と、前記第1の遅延コンポーネントに結合されたS入力と、前記第2の遅延コンポーネントに結合されたR入力とを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の遅延コンポーネントと前記第2の遅延コンポーネントとは、独立してプログラム可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ゲート回路はマルチプレクサを含み、
前記マルチプレクサは、出力と、少なくとも第1の選択入力及び第2の選択入力と、マルチプレクサ制御入力とを含み、
前記マルチプレクサは、前記マルチプレクサ制御入力における信号の状態に基づいて、前記第1の選択入力又は前記第2の選択入力からの信号を前記出力に選択的に結合するように構成され、
前記第1の選択入力は、前記第1の接続点に接続され、
前記マルチプレクサ制御入力は、前記SRフリップフロップの前記出力に結合される、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記ゲート回路は、前記ゲート回路の制御入力における信号が第1の状態であるとき、前記ゲート回路の入力から前記ゲート回路の出力に前記信号を選択的に通過させ、且つ前記ゲート回路の制御入力における信号が、前記第1の状態と異なる第2の状態であるとき、論理ロー値を渡すように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
被試験デバイス(DUT)のための信号を生成及び/又は測定するように構成される複数のチャネルを含む自動試験装置(ATE)を含み、
前記第1の接続点は、前記複数のチャネルのうちの第1のチャネルに存在し、
前記第2の接続点は、前記複数のチャネルのうちの第2のチャネルに存在する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
第2の遅延回路を更に含み、
前記ゲート回路の前記出力は、前記第2の遅延回路を介して前記レシーバ回路の前記ストローブ入力に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
半導体デバイスとのソース同期のための方法であって、
駆動イネーブル信号の駆動イネーブル期間の間に、ドライバが前記半導体デバイスのストローブ線を駆動することを可能にすることと、
前記半導体デバイスからのストローブ信号を前記ストローブ線において受信することと、
前記駆動イネーブル信号に基づいて、前記ストローブ線において受信されたストローブ信号から、ゲートされたストローブ信号を生成することと、
レシーバをストローブして、前記ゲートされたストローブ信号に基づいて、前記半導体デバイスのデータ線上の受信されたデータ信号を記録することと
を含む方法。
【請求項10】
前記ストローブ線における信号から、前記ゲートされたストローブ信号を生成することは、代替的に、前記受信されたストローブ信号を、前記ゲートされたストローブ信号として通過させること、又は前記駆動イネーブル信号に基づいて、前記ゲートされたストローブ信号を論理ロー値に設定することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ストローブ線における信号から、前記ゲートされたストローブ信号を生成することは、前記受信されたストローブ信号を、前記ゲートされたストローブ信号として通過させること、又はゲート持続時間の間に、前記受信されたストローブ信号を遮断することを含み、
前記駆動イネーブル期間は、前記駆動イネーブル信号における第1のエッジ及び第2のエッジによって定められ、
前記ゲートされたストローブ信号を生成することは、
前記駆動イネーブル信号における前記第1のエッジのタイミングに基づいて、遅延された第1のエッジにおいて前記ゲート持続時間を開始することと、
前記駆動イネーブル信号における前記第2のエッジのタイミングに基づいて、遅延された第2のエッジにおいて前記ゲート持続時間を終了することと
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ゲート持続時間は、前記駆動イネーブル期間よりも長い、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1の遅延コンポーネントを用いて、前記遅延された第1のエッジになるように、前記駆動イネーブル信号の前記第1のエッジを第1の遅延量だけ遅延させることと、
第2の遅延コンポーネントを用いて、前記遅延された第2のエッジになるように、前記駆動イネーブル信号の前記第2のエッジを、前記第1の遅延量と異なる第2の遅延量だけ遅延させることと
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ストローブ信号は、DQS信号であり、
前記受信されたデータ信号は、DQ信号である、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記レシーバをストローブすることは、
前記ゲートされたストローブ信号に遅延を与えて、遅延されたゲートされたストローブ信号を生成することと、
前記遅延されたゲートされたストローブ信号に基づいて、前記レシーバをストローブすることと
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
半導体デバイスを試験するために自動試験装置(ATE)を動作させるための方法であって、前記ATEは、前記半導体デバイスのストローブ線に結合された出力を有するドライバ回路と、レシーバ回路と、前記ストローブ線に結合された入力を有するゲート回路とを含み、
前記方法は、
駆動イネーブル信号の駆動イネーブル期間の間に、前記ドライバ回路が前記ストローブ線を駆動することを可能にすることと、
前記ゲート回路の前記入力において、前記半導体デバイスからのストローブ信号を受信することと、
前記ゲート回路を用いて、前記受信されたストローブ信号及び前記駆動イネーブル信号に基づいて、ゲートされたストローブ信号を生成することと、
前記レシーバ回路をストローブして、前記ゲートされたストローブ信号に基づいて、前記半導体デバイスのデータ線上のデータ信号を記録することと
を含む、方法。
【請求項17】
前記ゲートされたストローブ信号を生成することは、代替的に、前記受信されたストローブ信号を、前記ゲートされたストローブ信号として通過させること、又は前記駆動イネーブル信号に基づいて、前記ゲートされたストローブ信号を論理ロー値に設定することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ストローブ線における信号から、前記ゲートされたストローブ信号を生成することは、前記受信されたストローブ信号を、前記ゲートされたストローブ信号として通過させること、又はゲート持続時間の間に、前記受信されたストローブ信号を遮断することを含み、
前記駆動イネーブル期間は、前記駆動イネーブル信号における第1のエッジ及び第2のエッジによって定められ、
前記ゲートされたストローブ信号を生成することは、
前記駆動イネーブル信号における前記第1のエッジのタイミングに基づいて、遅延された第1のエッジにおいて前記ゲート持続時間を開始することと、
前記駆動イネーブル信号における前記第2のエッジのタイミングに基づいて、遅延された第2のエッジにおいて前記ゲート持続時間を終了することと
を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記ゲート持続時間は、前記駆動イネーブル期間よりも長い、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ゲート回路は、第1の遅延線及び第2の遅延線を含み、
前記方法は、
前記第1の遅延線を用いて、前記遅延された第1のエッジになるように、前記駆動イネーブル信号の前記第1のエッジを第1の遅延量だけ遅延させることと、
前記第2の遅延線を用いて、前記遅延された第2のエッジになるように、前記駆動イネーブル信号の前記第2のエッジを、前記第1の遅延量と異なる第2の遅延量だけ遅延させることと
を更に含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体デバイス、回路及びプリント回路基板(PCB)アセンブリなどの電子コンポーネントは、それらの製造中及び製造後、自動試験装置(ATE)などの試験システムを使用して頻繁に試験される。これらの試験を行うために、ATEは、ある範囲の動作条件を特定の被試験デバイス(DUT)上で試験することができるように、試験信号を生成又は測定する機器を含み得る。機器は、例えば、デジタル信号のパターンを生成して、半導体デバイス内のデジタル論理回路を駆動し得る。機器は、半導体デバイスからデジタル信号を受信して、DUTによって送信された信号が正しいかどうかを確認することもできる。多くの種類のDUTについて、信号の確認は、信号が期待値を有することと、それが期待時間において発生することとの両方を判定することを伴う。
【0002】
試験され得るいくつかのデバイスは、1つ又は複数の信号がクロックとしての役割を果たすシステムの一部として動作するように設計される。これらのデバイスは、適切に機能している場合、クロック信号の変化に対する既知の時間に信号を送信又は検知する。これらのデバイスは、DUTに送信される信号の生成及びDUTからの信号の測定に関連して使用されるクロックを生成するATEで試験され得る。このように、ATEは、クロックとの関連で適切なタイミングにおいて信号を生成及び測定し得る。
【0003】
試験され得るいくつかのデバイスは、データを送信するデバイスが生成し得るストローブ信号と相関性がある時間にデータ信号を送信する。このようなストローブ方式は、例えば、半導体メモリ又は他の高データ速度用途で使用され得、この方式では、データ信号及びクロック信号についての伝搬時間の差により、データ信号を検知する際にエラーが発生し得るデータ信号の前後でクロック信号をデバイスに十分に到達させることができる。ソース同期デバイスと呼ばれる、ストローブを送信するデバイスについて、データ信号及びストローブ信号が別のデバイスに到達するのに必要な時間の差が小さくなり、ストローブ信号に基づいて一度にデータを検知するデバイスが、誤ったデータ値を検知する可能性を低減し得るように、データ信号及びストローブ信号は、互いに並行して通信される。
【0004】
多くのソース同期デバイスについて、データストローブ線は、双方向であり、デバイスは、ストローブ線上の信号を使用して別の半導体デバイスからのデータを検知し、データ線上の値を検知すべきときを決定する。逆に、デバイスは、他のデバイスがデータ線上の値を検知すべきときを示すように、デバイスがデータ線上にデータを送信しているときを示すために、ストローブ線上に信号を生成し得る。
【0005】
ソース同期デバイスを試験するために、ATEは、レシーバを有して構成されたチャネルの制御入力にストローブ線を結合して、レシーバのタイミングを制御し得る。ストローブされたとき、レシーバは、レシーバのデータ入力に結合されたデータ線上の信号を記録し得る。ATEは、ドライバ回路を有して構成されたチャネルをストローブ線に結合することもできる。このドライバは、ATE内の別のドライバがデータ線上のデータ信号を駆動しているときには常に、ストローブ信号として動作する信号を送信するように制御され得る。ATEは、ATEがDUTからの信号を処理し、ATEによってデータ線上に送信された信号を無視するように、ATEから送信されたストローブ信号に応答して、データ線上で検知されたいかなるデータ値も破棄するようにプログラムされ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様は、ATE内の駆動回路における駆動イネーブル(DE)信号の状態に基づいて、DQSストローブ信号などの受信されたストローブ信号を選択的に通過させるための装置及びそれを動作させる方法を対象とする。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、半導体デバイスから受信されたデータをストローブ信号と同期させるための装置が提供される。装置は、半導体デバイスのストローブ信号ピンに接続するように構成された第1の接続点と、半導体デバイスのデータピンに接続するように構成された第2の接続点と、第1の接続点に結合された出力及び駆動イネーブル入力を有するドライバ回路とを含む。ドライバ回路は、駆動イネーブル入力における信号の状態に基づいて、駆動イネーブル期間中に出力を駆動するように構成される。装置は、データ入力及びストローブ入力を有するレシーバ回路を更に含む。データ入力は、第2の接続点に結合され、及びレシーバ回路は、ストローブ入力における信号の状態に基づいて、データ入力においてデータを受信するように構成される。装置は、第1の接続点に結合された入力と、レシーバ回路のストローブ入力に結合された出力と、駆動イネーブル入力に結合された制御入力とを有するゲート回路を更に含む。ゲート回路は、ゲート回路の制御入力における信号の状態に基づいて、ゲート回路の入力からゲート回路の出力に信号を選択的に通過させるように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、半導体デバイスとのソース同期のための方法が提供される。方法は、駆動イネーブル信号の駆動イネーブル期間中、ドライバが半導体デバイスのストローブ線を駆動することを可能にすることと、半導体デバイスからのストローブ信号をストローブ線上で受信することと、駆動イネーブル信号に基づいて、ストローブ線上の受信されたストローブ信号から、ゲートされたストローブ信号を生成することと、レシーバをストローブして、ゲートされたストローブ信号に基づいて、半導体デバイスのデータ線上の受信されたデータ信号を記録することとを含む。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、半導体デバイスを試験するために自動試験装置(ATE)を動作させるための方法が提供される。ATEは、半導体デバイスのストローブ線に結合された出力を有するドライバ回路と、レシーバ回路と、ストローブ線に結合された入力を有するゲート回路とを含む。方法は、駆動イネーブル信号の駆動イネーブル期間中、ドライバ回路がストローブ線を駆動することを可能にすることと、ゲート回路の入力において、半導体デバイスからのストローブ信号を受信することと、ゲート回路を用いて、受信されたストローブ信号及び駆動イネーブル信号に基づいて、ゲートされたストローブ信号を生成することと、レシーバ回路をストローブして、ゲートされたストローブ信号に基づいて、半導体デバイスのデータ線上のデータ信号を記録することとを含む。
【0010】
以下の図を参照して様々な態様及び実施形態について説明する。図は、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことが理解されるべきである。図面において、様々な図に図示する同一の又はほぼ同一の各コンポーネントは、類似の符号で表される。明確にするために、全ての図面で全てのコンポーネントに符号が付されているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ソース同期半導体デバイスを試験するための、本出願の態様に従ってストローブ信号が処理される自動試験システムの実施形態の概略図である。
図2】いくつかの実施形態による、DUTを試験するための装置を図示する概略図である。
図3図2に示すDUTを試験するための装置の例示的な実装形態を図示する概略図である。
図4図3に示す実施形態におけるいくつかの信号の概略タイミング図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、高速で動作するデバイスを含む被試験ソース同期デバイスをATEが正確に試験するための回路及び動作方法について説明する。
【0013】
ATEは、被試験半導体デバイス(DUT)を試験するとき、データの駆動及びデータピンでのデータの受信を交互に行い得る。被試験ソース同期デバイスについて、ストローブ信号は、DUTに接続されたデータ線をATEが駆動している間、ATEによって半導体デバイスに提供される。対照的に、ATEがDUTからデータ線上のデータを受信している間、ストローブ線上の信号は、DUTによって提供されるべきである。本発明者らは、従来の試験システムでは、ATEがDUTからデータを受信するように構成される一方、ストローブ線上の信号が、データ線上のデータを駆動している間にATEによって生成されたエッジを不必要に含み得ることを認識及び理解している。このようにストローブ線上の信号に影響を及ぼすと、DUTからのデータがデータ線上にないときにATEがデータを検知し得るため、DUTに対する試験の精度が損なわれる可能性がある。データ線上の信号を誤った時間に検知することにより、ATEは、DUTが適切に機能していないと誤って判定し得る。
【0014】
本開示の態様は、ストローブ線を駆動するために使用される、ATE内の駆動回路における駆動イネーブル(DE)信号の状態に基づいて、DUTのストローブ線上の信号をゲートすることを対象とする。ゲートされたストローブ信号は、データ線に接続されたレシーバへのストローブ入力として提供され得る。ゲーティングは、意図せずにレシーバがトリガされて、DUTによって駆動されていないデータ線上の信号を検知しないように、受信されたストローブ信号を選択的に通過させ得る。駆動イネーブル信号の立ち上がり及び/又は立ち下がりエッジは、ストローブ線上の信号をゲートするために使用される前に遅延され得る。このような技術は、DQ線に接続されたレシーバのストローブ入力へのDQS線上の信号を選択的にゲートするために、特定の半導体メモリを試験する際に使用され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、ATEは、ドライバ回路と、レシーバ回路と、ゲート回路とを含む。ATEは、ドライバ回路がDUTのストローブ線に接続されるように構成され得る。レシーバ回路は、DUTのデータ線に接続され得る。ATEがデータ線上のデータを(DUTに)駆動している間、ドライバ回路は、データ線上のデータを検知すべきときをDUTに伝えるために、ストローブ線上にストローブ信号を生成するように制御され得る。逆に、ATEによって受信されるデータをDUTが生成しているとき、DUTは、適切に動作している場合、ストローブ線上にストローブ信号を生成し得る。
【0016】
データ線に接続されたレシーバは、ゲート回路で生成されたゲートされたストローブ信号によってストローブされ得る。ゲート回路は、DUTのストローブ線上の信号を受信し、駆動イネーブル(DE)信号の状態に基づいて、受信されたストローブ信号をドライバ回路に選択的に渡すことにより、ゲートされたストローブ信号を生成し得る。他の時点において、少なくともゲート持続時間中、ゲート回路は、受信されたストローブ信号がレシーバのストローブ入力に結合されないように、受信されたストローブ信号を遮断し得る。受信されたストローブ信号がゲート持続時間中に遮断されると、ゲート回路は、ゲート持続時間中にゲートされたストローブ信号を、論理ロー値又はトライステートなど、データ線上の値をレシーバに検知させない値に設定し得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、ゲート持続時間は、ドライバ回路がイネーブル状態からディセーブル状態に切り替わっている間、ドライバ回路からのストローブ信号を遮断する受信間隔の少なくとも開始期間を含むように設定され得る。ゲート持続時間は、イネーブルからディセーブルへの遷移を示す、DE信号における第1のエッジを遅延させることによって決定された時間に終了するように設定され得る。同様に、ゲート持続時間は、ドライバ回路がディセーブル状態からイネーブル状態に切り替わっている間、ドライバ回路からのストローブ信号を遮断する受信間隔の少なくとも終了期間を含むように設定され得る。ゲート持続時間は、ディセーブルからイネーブルへの遷移を示す、DE信号における第2のエッジを遅延させることによって決定された時間に開始するように設定され得る。
【0018】
上で説明した態様及び実施形態並びに追加の態様及び実施形態について、以下で更に説明する。これらの態様及び/又は実施形態は、個別に、全てまとめて又は2つ以上の任意の組み合わせで使用され得、本出願は、この点で限定されない。
【0019】
図1は、本明細書で説明する技術を使用して、ソース同期データの受信を制御するように構成され得る自動試験システムの例示的な実施形態の概略図である。図1は、本出願で開示する方法に従って被試験デバイス(DUT)20に対して試験を行うようにテスタ16を制御する試験コンピュータ12を含む試験セットアップ10を図示する。いくつかのシナリオでは、テスタ16は、当技術分野で知られているように構築されたドライバ回路及びレシーバ回路を含む自動試験装置(ATE)であり得る。ドライバは、ドライバの駆動イネーブル入力に接続された信号がアサートされている間、ドライバの出力において信号を駆動し得る。レシーバは、レシーバのストローブ入力に接続された信号がアサートされたことに応答して、レシーバの入力において信号の値を検知し得る。各ドライバ及びレシーバの機能は、テスタ16に読み込まれた試験プログラムによって制御され得る。試験プログラムは、DUT20に試験信号を与え、応答を記録するように記述され得る。記録された応答は、DUT20がその指定の設計に従って動作しているかどうかを判定するために処理され得る。
【0020】
DUT20は、試験のための任意の好適なデバイスであり得る。DUT20は、半導体デバイスであり得、いくつかの実施形態ではメモリデバイスであり得る。DUT20は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)、シンクロナスダイナミックRAM(SDRAM)、ダブルデータレート(DDR)SDRAM、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)などの不揮発性メモリ、NORフラッシュメモリ又は他の任意の種類のメモリデバイスであり得る。DUT20は、専用の半導体デバイスである必要はなく、いくつかの実施形態では、メモリデバイスをパッケージの一部として含むシステムオンチップ(SOC)など、2つ以上の半導体コンポーネントのパッケージであり得ることが理解されるべきである。本明細書で説明する実施形態では、DUT20は、ソース同期デバイスであり得、データ線と、関連するストローブ線とを有し得る。ATEの1つ又は複数のドライバ及び/又はレシーバは、試験中にDUT20の線上に信号を生成し、測定するために、DUTの線のそれぞれに接続され得る。
【0021】
図1では、ATE16は、DUT20のための複数の試験信号14を生成及び/又は測定するための回路構成を含み得る。ATE16は、異なる種類のアナログ又はデジタル信号を生成又は測定するように構成された複数の機器を含み得る。ATE16は、異なるチャネル内での複数の試験信号の生成を同期させるように構成された1つ又は複数のタイミング発生器を含み得る。いくつかの実施形態では、ATE16は、複数の試験信号のそれぞれを制御する複数のタイミング信号のそれぞれに対して、以下で詳細に説明するように、信号を遅延させるためのプログラム可能な遅延線を含み得る。
【0022】
図1は、自動試験システムの大幅に簡略化した図であることが理解されるべきである。例えば、図示しないが、試験システム10は、ATE16内の機器の動作を制御する制御回路構成を含み得る。追加的に、試験システム10は、測定値を処理して、DUT20が正しく動作しているかどうかを判断するための処理回路構成を含み得る。更に、図1は、単一のDUT20が試験されるシナリオを図示するが、試験システム10は、複数のデバイスを試験するように構成され得る。試験信号を生成又は測定する機器又は他のコンポーネントの数及び被試験デバイスの数にかかわらず、試験システム10は、DUT20と、ATE16内の機器との間で信号をルーティングする信号送出コンポーネントを含み得る。
【0023】
更に、図示のような他のコンポーネントは、限定的なものではなく、例示的なものであることが理解されるべきである。例えば、図1では、試験コンピュータ12がパーソナルコンピュータ(PC)として図示されているが、試験コンピュータ、例えばモバイルデバイス又はコンピュータワークステーションを実装するために任意の好適なコンピュータデバイスが使用され得ることが理解されるべきである。試験コンピュータ12は、ネットワークに接続され、ネットワークを通してリソースにアクセスすることが可能であり、且つ/又はネットワークに接続された1つ若しくは複数の他のコンピュータと通信し得る。
【0024】
図2は、いくつかの実施形態による、DUT20を試験するための装置100を図示する概略図である。この例では、装置100は、ATE16内の回路構成であり得る。例えば、装置100は、ATE内の試験機器の一部であり得、ピンエレクトロニクス(PE)及び/又はタイミング発生器の形態で実装され得る。PEは、別個のコンポーネントを含み得るか、又は多数のトランジスタを含む1つ若しくは複数の集積回路(IC)として実装され得る。
【0025】
DUT20は、半導体デバイスであり得、データピン22とストローブ信号ピン24とを有する。この例では、ピン22及び24は、DUT20の周縁に図示されている。しかしながら、ピン22及び24は、DUT20の回路構成への接続が行われ得る任意の位置を表し得る。DUT20がパッケージ化された部品であるシナリオでは、ピン22及び24は、DUT20の半導体デバイスパッケージから延びるリード線であり得る。DUT20がウェーハの一部である間に試験される実施形態では、ピン22及び24は、それぞれデータ線及びストローブ線への接続が行われ得るDUT20内のパッド又は試験点を表し得る。
【0026】
図2は、装置100がドライバ回路110と、ゲート回路120と、レシーバ回路140とを含むことを示す。装置100は、DUT20からデータ信号23を受信するためにデータピン22に接続できる第1の接続点102を有する。装置100は、DUT20に対してストローブ信号25を送受信するためにストローブ信号ピン24に接続できる第2の接続点104を有する。他の回路構成は、簡略化のために図示しないが、本明細書での説明に基づいて存在することが理解され得る。例えば、図示しないが、装置100は、データピン22にデータを駆動し得る別のドライバを更に含み得る。そのデータは、ドライバ回路110によってストローブ信号ピン24に駆動されるストローブ信号に対して時間調節され得る。
【0027】
ドライバ回路110は、第1の接続点104に結合された出力114を有する。ドライバ回路110は、試験プログラムを実行するパターン発生器によって提供され得るような、駆動イネーブル(DE)信号113を受信できる駆動イネーブル入力112を有する。試験パターンは、データ線上の特定のデータをDUTに駆動するか又は特定のデータ線上のデータを検知するなど、DUT20の試験中の動作及び動作のタイミングを指定し得る。いくつかの実施形態では、DE信号113は、イネーブル状態とディセーブル状態とを有し得、ドライバ回路110は、DE信号がイネーブル状態であるとき、試験工程の駆動間隔中にストローブ信号25でDUT20のストローブ信号ピン24を駆動し得る。
【0028】
レシーバ回路140は、データ信号23を受信するために第2の接続点102に結合されたデータ入力144を有する。レシーバ回路140は、ストローブ入力142も有する。ストローブ入力142における信号は、レシーバ回路がデータを検知するときを制御する。
【0029】
ゲート回路120は、第1の接続点104に結合された入力124と、レシーバ回路140のストローブ入力142に結合された出力126とを有する。ゲート回路120は、ドライバ回路110の駆動イネーブル入力112に結合された制御入力122も有する。
【0030】
引き続き図2を参照すると、例示的な試験処理中の受信間隔において、レシーバ回路140は、ストローブ入力142における受信されたゲートされたストローブ信号128を使用して、DUT20内のデータ線から受信されたデータ信号23をストローブする。ゲートされたストローブ信号128は、DUT20のストローブ線から受信されたストローブ信号25に基づいて、また制御入力122におけるDE信号113に基づいて、ゲート回路120によって生成される。いくつかの実施形態では、ゲート回路120は、DE信号113の状態に基づいて、受信されたストローブ信号25をゲート回路120の入力124からゲート回路120の出力126に選択的に渡す。例えば、ゲート回路120は、代替的に、ゲート持続時間中にゲートストローブ信号128を論理ローに設定するか、又はゲート持続時間外において、受信されたストローブ信号25を、ゲートされたストローブ信号128として通過させ得る。ゲート持続時間は、DE信号113の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに基づいて設定され得る。いくつかの実施形態では、ゲート持続時間は、DE信号113の遅延された立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに基づいて開始及び終了し得る。立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに与えられる遅延は、同じである場合も異なる場合もある。いくつかの実施形態では、立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジのそれぞれの遅延は、較正工程を用いて決定され得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、ゲートされたストローブ信号は、任意選択的に又は追加的に、タイミング同期を調整するためにレシーバ回路に提供される前に、ゲート回路内においてある時間量だけ遅延され得る。総遅延は、与えられる場所にかかわらず、ATEがデータを駆動していないことを示す、ATEからの信号がDUTに伝搬し、DUTがデータを送信することによって応答し、そのデータがレシーバ140に到達するのに必要な時間と等しい、DE信号のアサート停止に関する時間において、受信されたストローブ信号がレシーバ140に与えられ始めるように選択され得る。遅延は、レシーバ140に伝搬する信号をドライバ110が生成することができる、DE信号のアサートに続く一定時間の経過後、ストローブ線上の信号がレシーバ140をストローブするために使用されないことも確実にする。
【0032】
図3は、いくつかの実施形態による、DUT30を試験するための装置200を図示する概略図である。DUT30は、多くの点で図2のDUT20と同様であるが、装置200は、図2に示す装置100の例示的な実装形態であり得る。
【0033】
図3では、装置200は、ドライバ回路210と、ゲート回路220と、受信回路240とを含む。駆動間隔中、ドライバ回路210は、ドライバ回路210の出力214において生成された駆動DQS信号でDUTピン34を駆動する。駆動DQS信号は、駆動イネーブル入力212に結合されたDE信号213の状態に基づいて、出力214においてイネーブル又はディセーブルにされ得る。受信間隔中、DQS信号は、DUT30内のソースチャネルから同じDUTピン34において受信される。DE信号213は、例えば、装置200を含むATEがデータ線244を駆動すべきときを指定する試験パターンを実行するタイミング発生器の一部であり得る、DE発生器216によって生成される。
【0034】
図3は、シングルエンド信号又は差動信号のいずれかである、受信されたストローブ信号を処理し得る回路構成を図示する。この実施形態では、比較器206は、DUTピン34に結合された1つの入力と、第2の入力208とを有する。DUT30がDQSをシングルエンドモードで駆動する場合、比較器206の第2の入力208は、一定の電圧レベルに設定され得る。DUT30がDQSを差動モードで駆動する場合、DUTピンは、DUT30内の差動DQS信号の1つに結合され、比較器206の第2の入力208は、相補差動DQS信号に結合される。いずれの場合にも、比較器206は、DUT30から駆動されたDQS信号を表すDQS信号35をその出力端子において提供し得る。
【0035】
装置200の様々な動作状態におけるDE信号213と、DUTピン34における信号とのタイミング関係は、図3に示す実施形態におけるいくつかの信号の概略タイミング図を示す図4に図示されている。図示のように、時間は、駆動間隔と受信間隔とに分けられる。駆動間隔中、装置200は、データ線244上のデータを駆動し得、DUTピン34に接続されたストローブ線上にストローブ信号を供給し得る。受信間隔中、装置200は、ストローブ線上のストローブ信号によって決定された時間にデータ線244上のデータを検知し得る。図4の例では、ゲートされたDQS信号は、受信間隔中にDUTから駆動されたストローブ信号を反映する遷移を有するが、それ以外には非挿入状態である。
【0036】
図4に示すように、DE信号213が論理ハイである間、ドライバ回路210は、出力214において駆動間隔402中に一連の駆動DQS信号416を出力する。そのため、駆動DQS信号416は、ドライバ回路から駆動され、DUTピン34に関する波形で反映される。DE信号213における立ち下がりエッジ408に続いて、駆動DQS信号が出力214においてディセーブルにされ、DUTピン34に関する波形は、受信間隔404中にDUT30から駆動される受信されたDQS信号420を示す。DE信号213の立ち上がりエッジ410に続いて、新たな駆動間隔406が始まり、駆動DQS信号418がDUTピン34において与えられる。図4は、DE信号213における立ち下がりエッジ/立ち上がりエッジの特定の組み合わせを、それぞれ駆動から受信/受信から駆動への間隔の遷移に対応するものとして図示するが、かかる例は、例示のみを目的とし、図4のDE信号213に示すものとは反対の極性のエッジも使用され得ることが理解されるべきである。
【0037】
引き続き図4を参照すると、DE信号213におけるエッジのタイミングは、ドライバ回路が駆動間隔と受信間隔とを交互に切り替えるタイミングを決定する。いくつかの実施形態では、DE信号213におけるエッジ、例えば立ち下がりエッジ408のタイミングは、ドライバ回路210からの生成された駆動DQS信号416がレベル424に変化する前に、DEエッジ408がドライバのタイミングを決定することを確実にし、グリッチを回避するように設定され得る。駆動間隔402が終了すると、DUTピン34のレベル422は、レシーバによってストローブ信号として解釈されない状態にドライバ回路212の出力214によって設定され得る。様々な実施形態では、その状態は、図4に示す論理ロー、論理ハイ又は第3のレベル(トライステートレベル)であり得る。いくつかの実施形態では、レベル422は、シングルエンドDQS信号を受信するためのトライステートとして設定され得、いくつかの他の実施形態では、レベル416は、受信されたDQS信号420が差動構成にあるとき、論理ロー又はハイとして設定され得る。
【0038】
本発明者らは、DUTピン34において受信された信号が受信間隔404中にDQSストローブ信号として使用され、受信されたデータをストローブする場合、ドライバ回路において生成されたDQS信号に対応する、DUTから受信されたデータがないため、受信間隔404の開始付近の駆動DQS信号416によるエッジ及び受信間隔404の終了付近の駆動DQS信号418によるエッジが、受信データをストローブする際にエラーを生じさせ得ることを理解及び認識している。本開示の態様は、受信間隔の少なくとも開始部分及び終了部分中に駆動DQS信号を遮断することができる、図4に示す信号228などのゲートされたDQS信号を生成することを対象とする。
【0039】
図4に示すように、ゲートされたDQS信号228は、受信間隔404の範囲内の通過期間422中、受信されたDQS信号420を通過させることによって生成される。通過期間422は、遅延されたDE信号227の第1のエッジ412及び第2のエッジ414によって定められる。そのため、第2のエッジ414から第1のエッジ412の次の発生までの持続時間は、ゲートされたDQS信号228が、受信されたデータ信号のストローブを回避するために論理ロー値に設定されるゲート持続時間であり得る。
【0040】
引き続き図4を参照すると、通過期間422及び同様にゲート持続時間は、DE信号213におけるエッジ408及び410に基づいて設定される。特に、第1のエッジ412は、エッジ408を第1の量d1だけ遅延させることによって設定される一方、第2のエッジ414は、エッジ410を第2の量d2だけ遅延させることによって設定される。遅延量d1及びd2は、DUTからのDQSエッジが失われていない間、ゲートされたDQS信号に駆動DQS信号が現れることが防止され得るように設定され得る。DQSをディセーブルにするのに必要な遅延は、DQSをイネーブルにするのに必要な遅延と異なるタイミングを有し得るため、プログラム可能な遅延d1及びd2は、DE信号213における立ち上がりエッジ410及び立ち下がりエッジ408を遅延させるために独立して且つ別々に提供され得る。例えば、ドライバ回路とDUTとの間の経路での往復信号の移動時間は、DUTピン34における駆動DQS信号の終了と、受信されたDQS信号の開始との間に比較的長い遅延424が生じるような時間であり得る。結果として、ゲーティングがオフにされると、エッジ412の正確なタイミングに関する要件が緩和され得る。一方で、ゲーティングがエッジ414においてオンされると、オン状態であるドライバ回路及び比較器206には往復遅延がないため、タイミングを設定する要件が厳しくなる。受信から駆動までの間隔のエッジ遅延時間d2は、理論的には、駆動されるDQS信号418がイネーブルにされる直前にゲート持続時間を開始するために、負の量であり得るが、実際には、d1及びd2の両方は、DUTからレシーバまでのDQ信号の移動時間を考慮に入れて、正の遅延時間を含む。いくつかの実施形態では、d2は、d1よりも小さい場合があり、ゲート持続時間は、DE信号の駆動イネーブル期間よりも長い場合がある。
【0041】
次に、図3に戻ると、図3は、図4に示すゲートされたDQS信号228の生成のためのゲート回路220の例示的な実装形態を図示する。図3に示すように、駆動イネーブル入力212は、遅延線221、223の対及びSRフリップフロップ224を介してゲート回路220の制御入力222に結合される。遅延線221、223の例は、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,276,229号明細書で説明されている。遅延線221、223及びSRフリップフロップ224は、DE信号213の立ち下がりエッジ及び立ち上がりエッジに独立して遅延時間を与える遅延回路を形成する。遅延線221は、DE信号213の立ち下がりエッジ408に遅延量d1を与えるようにプログラム可能である一方、遅延線223は、DE信号213の立ち上がりエッジ410に遅延量d2を与えるようにプログラム可能である。遅延線221、223のそれぞれは、50ps未満、例えば10ps~20psの精度で調整可能な粗調整遅延線であり得る。いくつかの実施形態では、DQS遅延d1及びd2は、1~2nsなどの1~5nsの範囲であり得る。遅延線221の出力は、SRフリップフロップ224のR入力に結合される。遅延線223の出力は、SRフリップフロップ224のS入力に結合される。SRフリップフロップ224の出力は、ゲート回路220の制御入力222に結合される。
【0042】
遅延221、223は、較正工程の一部として調整され得る。例えば、較正工程は、遅延されたDE信号227及びDQS信号35のタイミングに起因してDフリップフロップ236が状態を変化させるまで、立ち下がり遅延線221及び立ち上がり遅延線223における遅延時間を調整することによって行われ得る。較正された遅延時間は、DQS信号に対する遅延されたDE信号のタイミングを決定し得る。いくつかの実施形態では、それぞれの遅延線221、223は、較正された遅延時間に対するマージンを与えるように別々に調整され得る。例えば、遅延線223における立ち上がり遅延時間は、ゲートされたDQS信号228を駆動エッジの前にオフにするように調整され得る。同様に、遅延線221の立ち下がり遅延時間は、バーストの最後の駆動エッジが終了した後、ゲートされたDQS信号228をオンにするように調整され得る。
【0043】
図3において、制御入力222は、DE信号213の遅延された立ち下がりエッジ及び立ち上がりエッジがSRフリップフロップ224において合成された後、遅延されたDE信号227を搬送する。任意選択的に及び追加的に、マルチプレクサ226は、遅延されたDE信号によってDQSゲーティングが制御されることが望まれない場合、遅延されたDE信号227が静的DQSゲーティング制御信号に置き換えられ得るように制御入力222に結合され得る。
【0044】
引き続き図3を参照すると、マルチプレクサ230は、受信されたDQS信号35に結合される第1の選択入力「0」と、論理ローであり得る論理値231への第2の選択入力「1」とを有する。マルチプレクサ制御入力234は、遅延されたDE信号227を受信し、遅延されたDE信号227が論理ローであるとき、受信されたDQS信号35をマルチプレクサ出力においてゲートされたDQS信号228になるように通過させるようにマルチプレクサ230を制御し、遅延されたDE信号227が論理ハイであるとき、ゲートされたDQS信号228を論理レベル231に設定する。図4には、様々な波形間のタイミング関係の結果が示されている。
【0045】
任意選択的に及び追加的に、レシーバ回路240で受信されたDQ信号244をストローブするために遅延されたゲートされたDQS信号を使用する前に、DQS遅延ユニット232などにより、ゲートされたDQS信号228に遅延が与えられ得る。いくつかの実施形態では、Dフリップフロップ236は、任意選択的に、遅延されたDE信号227と、マルチプレクサへの「0」入力234とに結合される。Dフリップフロップ236は、ゲート回路220内において較正目的で使用され得る。例えば、Dフリップフロップ236のQ出力端子におけるゲート整合信号は、DQS信号35の立ち上がりエッジに関して、遅延されたDE信号227の状態に可観測性を与え得る。
【0046】
このように本発明の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を説明してきたが、様々な変更形態、修正形態及び改良形態が当業者に容易に想起されることを理解されたい。例えば、単一のソースチャネルのみが図2及び図3に示されているが、本開示の態様は、駆動イネーブル信号に基づいて複数のDQチャネルをゲートするために、ゲートされたDQS信号を複数のソースチャネルに提供するように拡張され得ることが理解されるべきである。
【0047】
また、説明の簡略化のために、1つのストローブ線は、1つのデータ線に関連付けられるように図示されている。いくつかのシナリオでは、ストローブ線は、バスを形成する複数のデータ線など、複数のデータ線に関連付けられ得る。このようなシナリオでは、データ線上の信号を駆動又は受信するコンポーネントが複製され、ゲートされた同じストローブ信号から制御され得る。
【0048】
また、例示の簡略化のために、適切に機能するDUTの動作について説明する。試験システムは、適切に機能するデバイスと同じようにDUTが信号に応答しないことを特定するようにプログラムされ得、それ応答して、DUTが誤動作したことを示す出力を提供し得る。
【0049】
更なる変形形態として、ATE及びDUTは、ソース同期通信を使用してデータを通信し得る2つのデバイスの例として使用される。本明細書で説明した回路構成及び技術は、メモリチップと通信し得るプロセッサなど、ソース同期通信を使用してデータを通信する他のデバイスで使用され得る。
【0050】
そのような変更形態、修正形態及び改良形態は、本開示の一部であることが意図され、本発明の趣旨及び範囲内であることが意図される。更に、本発明の利点が示されているが、本明細書で説明した技術の全ての実施形態が、説明した全ての利点を含むわけではないことが理解されるべきである。いくつかの実施形態は、本明細書で有利なものとして説明した任意の特徴を実装しないことがあり、場合により、説明した特徴の1つ又は複数は、更なる実施形態を達成するために実装され得る。したがって、前述の説明及び図面は、単なる例示に過ぎない。
【0051】
本発明の様々な態様は、単独で、組み合わせて又は上記で説明した実施形態で具体的に述べられていない種々の配置で使用され得、したがって、その適用において、上記の説明に記載した又は図面に図示したコンポーネントの詳細及び配置に限定されない。例えば、ある実施形態で説明した態様は、他の実施形態で説明した態様と任意の方式で組み合わされ得る。
【0052】
また、本発明は、方法として具現化され得、その例が提供されている。方法の一部として行われる動作は、任意の好適な方法で順序付けされ得る。したがって、例示の実施形態で一連の動作として示されていても、いくつかの動作を同時に行うことを含み得る、図示の順序と異なる順序で動作が行われる実施形態が構築され得る。
【0053】
そのような変更形態、修正形態及び改良形態は、本開示の一部であることが意図され、本発明の趣旨及び範囲内であることが意図される。更に、本発明の利点が示されているが、本明細書の全ての実施形態が、説明した全ての利点を含むわけではないことが理解されるべきである。いくつかの実施形態は、本明細書において且つ場合により有利なものとして説明した任意の特徴を実装しないことがある。したがって、前述の説明及び図面は、単なる例示に過ぎない。
【0054】
特許請求の範囲における請求項の要素を修飾する「第1」、「第2」、「第3」などの序数の用語の使用は、それのみで任意の優先度、優先順位若しくは請求項のある要素が別の要素よりも上位にあるという順番又は方法の動作が行われる時間的順序を暗示するものではなく、特定の名称を有する請求項の要素を、同じ名称(序数の用語の使用を別にして)を有する別の要素と区別するための単なる符号として使用され、請求項の要素を区別する。
【0055】
また、本明細書で使用される表現及び専門用語は、説明のためのものであり、限定的であるとみなされるべきではない。本明細書における「包含する」、「含む」又は「有する」、「収容する」、「伴う」及びこれらの変化形の使用は、その後に列挙される項目及びその均等物並びに追加の項目を包含するように意図される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】