(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-01
(54)【発明の名称】最小のエネルギー消費を伴う除湿および大気中の水分抽出のための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
F24F 3/14 20060101AFI20230825BHJP
B01D 53/28 20060101ALI20230825BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20230825BHJP
F24F 1/0083 20190101ALI20230825BHJP
【FI】
F24F3/14
B01D53/28
B01D53/26 231
B01D53/26 230
F24F1/0083
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509696
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-03-20
(86)【国際出願番号】 US2020058005
(87)【国際公開番号】W WO2022035451
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510300991
【氏名又は名称】バテル メモリアル インスティチュート
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マッグレイル, バーナード ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ジェンクス, ジェロミー ダブリュー.ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】モトクリ, ラダ ケー.
【テーマコード(参考)】
3L053
4D052
【Fターム(参考)】
3L053BC03
4D052AA08
4D052CD01
4D052CE00
4D052DA05
4D052FA05
4D052HA01
4D052HA03
4D052HA21
4D052HA49
(57)【要約】
第1の気圧において入口流からの水分を吸着し、第2の気圧が第1の気圧よりも低いときの第2の気圧に曝されるとき、その材料から水分を放出するように構成される、ナノ構造化乾燥剤多孔性材料を含む、HVACシステム内の湿度を管理するための方法、システム、およびデバイスが、材料にわたる湿り空気の通過を可能にし、材料上への水分の吸着を可能にするように、特定の場所内に位置する。真空ポンプと結合されるとき、水分は、収集され、材料およびシステムから放出され、将来の使用のために材料を再生し、既存のプロセスよりも有意に低い費用で流れから水分を除去することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HVACシステムのための湿度管理システムであって、
ナノ構造化乾燥剤多孔性材料を備え、前記ナノ構造化乾燥剤多孔性材料は、第1の気圧において入口流からの水分を吸着し、第2の気圧に曝されるとき、その材料から水分を放出するように構成され、前記第2の気圧は、前記第1の気圧よりも低い、湿度管理システム。
【請求項2】
前記ナノ構造化乾燥剤多孔性材料は、少なくとも1つの乾燥剤床内に位置する、請求項1に記載の湿度管理システム。
【請求項3】
前記気圧を低下させ、前記ナノ構造化乾燥剤多孔性材料から水分を除去するために十分な吸引を前記ナノ構造化乾燥剤多孔性材料に提供するように適合される、真空ポンプをさらに備える、請求項1または請求項2に記載の湿度管理システム。
【請求項4】
前記ナノ構造化乾燥剤多孔性材料は、MOF、ゼオライト、メソ多孔性シリカ、共有結合性有機構造体材料、多孔性有機ポリマー、および多孔性炭素から成る群から選択される、請求項1-3のいずれかに記載の湿度管理システム。
【請求項5】
前記ナノ構造化乾燥剤多孔性材料は、MOF材料である、請求項4に記載の湿度管理システム。
【請求項6】
前記ナノ構造化乾燥剤多孔性材料は、MOF303、801、または841から成る群から選択される、MOFを備える、請求項5に記載の湿度管理システム。
【請求項7】
前記ナノ構造化乾燥剤多孔性材料は、MOF303または801を備える、請求項6に記載の湿度管理システム。
【請求項8】
熱を前記ナノ構造化乾燥剤多孔性材料に送達するための熱送達システムをさらに備える、請求項1-7のいずれかに記載の湿度管理システム。
【請求項9】
前記熱送達システムは、熱を前記ナノ構造化乾燥剤多孔性材料に送達するように動作的に構成される、熱パイプを含む、請求項8に記載の湿度管理システム。
【請求項10】
前記ナノ構造化乾燥剤多孔性材料は、フィン上のコーティング内に具現化される、請求項1-9のいずれかに記載の湿度管理システム。
【請求項11】
乾燥剤含有床の第1のセットと、乾燥剤含有床の第2のセットとをさらに備え、前記第1および第2の乾燥剤含有床のそれぞれは、前記床にわたって通過する空気流から水分を除去するように構成される、ナノ多孔性乾燥剤材料を含有する、請求項1-10のいずれかに記載の湿度管理システム。
【請求項12】
前記第1の乾燥剤床および前記第2の乾燥剤床は、同一のナノ多孔性乾燥剤材料を含有する、請求項11に記載の湿度管理システム。
【請求項13】
前記ナノ構造化乾燥剤多孔性材料は、3次元形状内で構成される、請求項1-12のいずれかに記載の湿度管理システム。
【請求項14】
前記3次元形状は、ロッドである、請求項13に記載の湿度管理システム。
【請求項15】
前記3次元形状は、空気通過通路内に位置付けられる、請求項13または請求項14に記載の湿度管理システム。
【請求項16】
付加的加熱を伴わずに空気流から水分を除去するための方法であって、前記方法は、
ナノ構造化多孔性材料にわたって水分を含有する空気流を通過させることを含み、前記ナノ構造化多孔性材料は、第1の気圧において入口流からの水分を吸着し、第2の気圧に曝されるとき、そのナノ構造化多孔性材料から水分を放出するように構成され、前記第2の気圧は、前記第1の気圧よりも低く、前記ナノ構造化多孔性材料上に水分を収集し、次いで、周囲気圧を低減させることにより、前記ナノ構造化多孔性材料から水分を放出し、付加的水分捕捉のために前記ナノ構造化多孔性材料を再生させる、方法。
【請求項17】
前記周囲圧力の低減は、真空によって提供される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ナノ構造化多孔性材料は、少なくとも2つの動作的に分離される床内にカプセル化され、それによって、一方の床は、空気流から水分を捕捉するように位置付けられ、他方は、捕捉された水分を放出するように位置付けられる、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも2つの動作的に分離される床は、第1の床と、第2の床とを備え、前記方法はさらに、一方のプロセスから発せられる熱が、他方のプロセスを支援するために通過されるように、前記第1の床と前記第2の床との間で動作的に流体接続する熱伝達材料を提供することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記熱伝達材料は、導管内に含有される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(連邦政府による資金提供を受けた研究および開発)
本開示は、米国エネルギー省によって発注された契約DE-AC0576RL01830に基づいて政府支援を受けて作製された。政府は、本発明においてある権利を有する。
【0002】
(優先権の主張)
本願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2020年8月14日に出願された米国特許出願第16/993,699号の最先の出願日の利益を主張する。
【0003】
(開示の背景)
今日の建物空気の湿度制御は、殆どがHVACシステムにおける蒸発器コイル上での凝縮を通して受動的に行われている。水分凝縮は、有意な量の潜熱を発生させ、これは、HVACシステム上の冷却負荷を増加させ、したがって、局所環境に応じて、全体的エネルギー使用を30%またはそれを上回って増加させる。商業的に入手可能な除湿器は、現在、住宅市場における使用に関して過剰に大きく、高価であり、湿気管理の課題が要求する場所を除いて、商業的建物において殆ど使用されていない。これらのシステムのいずれも、建物の外壁がより緊密になるにつれてますます問題となっている、揮発性有機化合物(VOC)等のCO2または他のガスの管理のための選択肢を提供しない。本開示は、これらの問題の克服を前進させる方向性を提供し、従来技術では見出されていない利点を提供する、実施例およびシステムを提供する。
【0004】
本開示の付加的利点および新規の特徴が、以下のように記載され、本明細書に記載される説明および実装から容易に明白となるであろう。故に、本開示の以下の説明は、本開示の例証と見なされ、いかようにも限定として見なされるべきではない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要約)
以下の説明は、HVACシステム内の湿度を管理し、特に、現在利用可能であるものよりも有意に良好かつ費用効果がある方法でそのように行う際の方法、システム、およびデバイスの実施例を提供する。1つの用途では、HVACシステムのための湿度管理システムが、説明され、本システムは、第1の気圧において入口流からの水分を吸着し、第2の気圧が第1の気圧よりも低いときの第2の気圧に曝されるとき、その材料から水分を放出するように構成される、ナノ構造化乾燥剤多孔性材料を含む。好ましくは、ナノ多孔性材料は、乾燥剤床等の構造化材料内に位置するが、ロッドにおける構成、フィン上のコーティング、または他の構造を含む、3D配列を含む他の構成もまた、ある用途において想定される。複数の数のこれらの構造は、シールの熱パイプ等の他の特徴への接続の有無を問わずに相互接続されることができる。真空ポンプが、好ましくは、本システムに接続され、気圧を低下させ、ナノ構造化多孔性材料から水分を除去するために十分な吸引をナノ構造化多孔性材料に提供するように適合され、したがって、吸着材料を再生させる。
【0006】
いくつかの実施形態では、ナノ構造化多孔性材料は、MOF、ゼオライト、メソ多孔性シリカ、共有結合性有機構造体材料、多孔性有機ポリマー、および多孔性炭素であってもよい。実施形態の1つのセットでは、材料は、MOF、より具体的には、MOF303、801、または841であり、MOF303または801は、いくつかの状況において最良の性能を示した。
【0007】
いくつかの事例では、熱が、本デバイスにおける材料の性能を強化するために使用される。熱は、本システムのより暖かい部分からの加熱された材料を、それに乾燥剤材料が接続または合併される床もしくは構造にもたらす、動作的に接続される熱パイプまたは他の手段を通してこれらの材料に伝達されることができる。1つの配列では、熱パイプは、それに取り付けられる乾燥剤材料を有する、フィンのセットに動作的に接続される。フィンにわたって通過する空気中の水分は、次いで、材料に接触し、吸着される。空気通過通路内に乾燥剤材料含有床または他の構造の対もしくはセットを提供することは、空気が構造を横断して移動する間に継続的に乾燥する際、水分含有床と乾燥剤材料との間の接触を可能にする。これは、連続的乾燥および増加された効率を可能にすることができる。加えて、適切に位置付けられて構造化される場合、これらの構造への通路は、いくつかの通路を可能にするように開放および閉鎖され、一方のセットが除湿動作をする間、真空が別の区分に印加され、水分が本システムから除去され、吸着剤が再生されることを可能にすることができる。
【0008】
使用時、周囲空気からの水分を乾燥させるための方法が、説明される。本方法では、水分を含有する空気流が、第1の気圧において入口流からの水分を吸着し、第2の気圧に曝されるとき、その材料から水分を放出するように構成される、ナノ構造化多孔性材料にわたって通過され、第2の気圧は、第1の気圧よりも低い。これは、ナノ構造化多孔性材料上に水分を収集し、周囲気圧を低減させることにより、ナノ構造化多孔性材料から水分を放出し、付加的水分捕捉のためにナノ構造化多孔性材料を再生させる。周囲圧力の低減は、真空ポンプによって提供されてもよい。ナノ構造化多孔性材料は、少なくとも2つの動作的に分離される床内にカプセル化されてもよく、それによって、一方の床は、空気流から水分を捕捉するように位置付けられ、他方は、捕捉された水分を放出するように位置付けられる。所望される場合、熱伝達材料が、一方のプロセスから発せられる熱が、他方のプロセスを支援するために通過されるように、第1の床と第2の床との間で動作的に流体接続して提供されることができる。いくつかの事例では、本熱伝達材料は、導管または熱パイプ内に含有されてもよい。そのような配列の結果として、HVACシステムに対するエネルギー需要を低減させることによって、より費用効果のある加熱および冷却を可能にする。
【0009】
前述の要約の目的は、米国特許商標局および一般市民、特に、特許または法律用語もしくは表現法に精通していない科学者、エンジニア、および当業者が、大まかな閲覧から本願の技術開示の性質および本質を迅速に判定することを可能にすることである。要約は、請求項によって判断される、本願の開示を定義することを意図していない、またはいかようにも本開示の範囲に関する限定であることを意図していない。
【0010】
本開示の種々の利点および新規の特徴が、本明細書に説明され、以下の詳細な説明から、当業者にさらに容易に明白となるであろう。先述および以下の説明では、本発明者は、本開示を実行するために想定される最良モードの例証として、本開示の好ましい実施形態のみを示し、説明した。認識されるであろうように、本開示は、本開示から逸脱することなく、種々の点で修正が可能である。故に、以降に記載される好ましい実施形態の図面および説明は、制限的ではなく、本質的に例証的と見なされるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本説明に説明される本発明の実施形態の一実施例の詳細な概略図を示す。
【0012】
【
図2】
図2は、建物の戻り空気の湿度レベルの関数として排除されるHVACコンプレッサ上の負荷と比較される、本願の乾燥剤床システムを再生させるために使用される電力の量の比較を示す。
【0013】
【
図3】
図3は、種々の範囲の相対湿度(9RH)に関する作業能力に基づく、種々の例示的候補水分吸着剤材料の実施例を示す。
【0014】
【
図4】
図4は、25℃における3つの例示的MOF(303、841、および801)の水分収着性能を示す。
【0015】
【
図5】
図5は、2ファン効率に関する等温AWEシステムに関する体積エネルギー消費を示す。
【0016】
【
図6】
図6は、ある選択されたナノ多孔性材料の体積水分取込を示す。
【0017】
【
図7】
図7は、UIO-66におけるSO
3H官能基化を介して強化された水分収着容量に関する結果を示す。
【0018】
【
図8】
図8は、乾燥剤が、グラフェンまたは他の軽量であるが熱伝導性の支持体から作製されるフィン上にコーティングされる、本発明の別の実施形態を示す。
【0019】
【
図9】
図9は、本発明の第2の概略実施例の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(例示的実施形態の詳細な説明)
以下の説明は、本開示の一実施例を含む。本開示が、これらの例証される実施形態に限定されず、本開示がまた、種々のその修正および実施形態を含むことが、本説明から明白となるであろう。したがって、本説明は、限定ではなく、例証と見なされるべきである。本開示は、種々の修正および代替構造の影響を受けやすいが、本開示を開示される具体的形態に限定するいかなる意図も、存在せず、むしろ、本開示が、本開示の精神および範囲内に該当する全ての修正、代替構造、および均等物を網羅するものであることを理解されたい。
【0021】
説明の1つのセットでは、建物のHVACシステムを通した湿度の管理のための新規の乾燥剤システムが、説明され、水分に関する超高容量を伴う新しいナノ構造化多孔性材料が、乾燥剤床に統合され、熱パイプに熱的に結合される。建物空気は、次いで、水分を除去するためにこれらの床にわたって通過されるが、しかしながら、商業的除湿器が行うように乾燥剤再生のために熱を使用する代わりに、これらの高度な吸着剤は、単純な真空ポンプを用いて室温における吸着水分の容易な除去を支援する。本システムは、したがって、HVACシステムの蒸発器コイル上での凝縮からの付加的潜熱冷却負荷を排除する。取得されるエネルギー節約は、真空ポンプを動作させるために要求されるエネルギーを補って余りあり、機器占有面積および資本費用は、今日の商業的乾燥剤除湿システムの半分である。システム設計はまた、CO2レベルの制御を可能にする、または建物空気からVOCを除去する、乾燥剤床内の付加的吸着剤材料の包含を支援することができる。
【0022】
動作原理は、非常に単純であり、暖かい建物空気が、湿気を除去する乾燥剤床にわたって通過される。処理された空気は、次いで、エアハンドラを通して蒸発器に通過され、標準的HVACシステムにおけるように冷却される。しかしながら、流入する空気の湿気含有量は、その露点が、蒸発器コイルの温度を下回り、したがって、凝縮を防止するように、十分に低減されている。いったん乾燥剤が、その水分取込容量に到達すると、建物空気流は、その再生サイクルを完了した第2の乾燥剤床に接触するように切り替えられる。本発明者らのシステムにおける新しい超高水分容量乾燥剤材料(MOFおよび他の乾燥剤)の使用は、これが殆どの商業的および住宅用HVAC設備において使用される標準的エアハンドラ導管の範囲内に適合し得る、十分にコンパクトなユニットを可能にする。本統合された設計は、建物のエアハンドラのレイアウトの広範な修正および大型の専用除湿システムのための空間の必要性を不要にし、新しい配設および後付けの両方のためにこれを理想的にする。
【0023】
本発明者らのはるかに単純なアプローチは、商業的な既製の(COTS)真空ポンプを用いてその再生サイクルの間の乾燥剤床に対する吸引を提供する。乾燥剤床温度は、乾燥剤床の間の熱結合を提供するための熱パイプの使用を通して制御される。これは、除湿の間のアクティブな乾燥剤床において発生される水蒸気吸着の熱と、再生を受けている乾燥剤床において消費される脱着の吸熱とを「相殺する」、受動的であるが、非常に効率的な熱伝達機構を提供する。したがって、乾燥剤床は、建物空気温度において等温的に再生され、乾燥剤再生からの蒸発器上の顕熱負荷を増加させない。真空ポンプから放出された水蒸気は、周囲に排出されるだけである。
【0024】
本発明者らのシステムにおける新しい超高水分容量乾燥剤材料(MOFおよび他の乾燥剤)の使用は、これが殆どの商業的および住宅用HVAC設備において使用される標準的エアハンドラ導管の範囲内に適合し得る、十分にコンパクトなユニットを可能にする。本統合された設計は、建物のエアハンドラのレイアウトの広範な修正および大型の専用除湿システムのための空間の必要性を不要にし、新しい配設および後付けの両方のためにこれを理想的にする。
【0025】
図1-9は、種々の特徴およびサンプル実施形態を示す。添付される示される一実施例では、構成が、示され、新しい超高水分容量乾燥剤材料の使用は、これが殆どの商業的および住宅用HVAC設備において使用される標準的エアハンドラ導管の範囲内に適合し得る、十分にコンパクトなユニットを可能にする。本統合された設計は、建物のエアハンドラのレイアウトの広範な修正および大型の専用除湿システムのための空間の必要性を不要にし、新しい配設および後付けの両方のためにこれを理想的にする。
【0026】
ここで図を参照すると、
図1は、本発明の一実施形態の概略図を示し、所望の材料22、好ましくは、MOF(より好ましくは、MOF303、842、または841、但し、種々の他の材料もまた、ユーザの必要性および要求に応じて利用されることができる)等の金属有機構造体材料を含有する、乾燥剤床20が、動作的に位置付けられ、従来のHVACユニットにおける暖気戻り等の源からの湿った、典型的には、暖かい空気が、乾燥剤床20にわたって通過することを可能にし、乾燥剤床における材料22は、湿った空気からの水分を材料上に吸収し、より乾燥した空気が乾燥剤床20を通して通過することを可能にする。新しく乾燥された空気は、次いで、典型的なHVACシステムの標準的部分を通して冷却のために通過されることができ、これは、膨張弁から冷却剤を受容するように動作的に接続される蒸発器を含むことができ、それによって、冷却剤は、蒸発器を通してコンプレッサに流動し、これは、ファン冷却された凝縮器コイルを通して、膨張弁に戻るように冷却剤を圧送し、これは、蒸発器の中に戻る冷却剤の通過を制御する。この時点で乾燥し、冷却された空気は、次いで、所望の場所に通過されることができる。乾燥剤床20はまた、真空ポンプ24に動作的に接続され、これは、乾燥剤床から水分を除去し、本水分を別の場所に排出するように、乾燥剤床20内の材料22への吸引を提供する。
【0027】
動作原理は、非常に単純である。暖かい建物空気が、湿気を除去する乾燥剤床にわたって通過される。この時点で乾燥された空気は、次いで、エアハンドラを通して蒸発器に通過され、標準的HVACシステムにおけるように冷却される。乾燥剤の再生が、吸引が乾燥剤床材料から水分を引き出し、それらを別個の場所に排出する際に行われる。連続的に動作するシステムでは、乾燥剤のトレイが、使用されることができ、それによって、いったん第1の床からの乾燥剤が、その水分取込容量に到達すると、建物空気流は、その再生サイクルを完了した第2の乾燥剤床に接触するように切り替えられ、本プロセスは、いくつかの床を横断して交互に、または連続的に実施されることができ、各床は、真空吸引によって再生される一方、別のものは、湿った、典型的には、暖かい空気源から水分を捕捉する。
【0028】
種々のタイプの材料が、乾燥剤材料22として利用されることができる。高度な冷却システムのための種々の吸着剤の開発に関する以前の研究は、金属-有機構造体(MOF)、共有結合性有機構造体(COF)、多孔性有機ポリマー(POP)、ゼオライト、メソ多孔性シリカ、および多孔性炭素を含む、種々のナノ多孔性材料の水分吸着性質に関する一意のデータベースを確立している。本発明者らの最近の研究は、大きい水分収着容量ならびに水熱安定性を伴うある親水性ナノ多孔性材料の顕著な熱力学的性質を示し、商業的吸着冷蔵装置(McGrail et al., 2014)のサイズ、重量、および費用の十分かつ変革的な改良を確立した。
【0029】
この方向で、本発明者らは、これらの親水性材料に関して収集されたデータを再検討し、吸着の動力学およびそれらの水分吸着性質の精密な調整を主に強調する材料を開発した。材料の調整性は、脱着動力学が、いかなる加熱も伴わない単純な真空下で容易でなければならないため、本用途において有利である。このため、本発明者らは、(i)有機リンカーに好適に成形/定寸された親水性/疎水性官能基を施し、(ii)異なる官能基を用いて事前留保された金属含有クラスタノードの親水性を修飾/調節することによる、乾燥剤材料の調整のための2つの主要なアプローチに従った。結果は、RH>20%において水分吸着の急激なシグモイド形上昇(タイプV等温線)を伴う、低RHにおいて穏やかな疎水性特性を示す吸着剤材料であった。
【0030】
所望される等温線のタイプおよび水分収着挙動を示すMOF UIO-66ノードに対するSO
3H官能基化を伴う細孔調整または細孔工学設計概念を介して吸着剤性質を調整する能力の実施例が、
図7に図示される。ノード上のSO
3H基の濃度を変動させることは、その水分吸着性質に明白に影響を及ぼす。同様に、クラスタに異なる親水性の末端官能基(HCCO
-、CH3COO
-、H2O/OH、およびPhCOO
-)を施すことは、ある範囲のRHにわたる水分取込ステップの精密な制御をもたらし、細孔/クラスタ/官能性形状およびサイズの差異と関連付けられる疎水性/親水性細孔特性の変動に起因する。
【0031】
これらの実施例は、1つの実施例に関して実行可能であると見なされたが、他の配列では、20~65%RHの範囲内のタイプV等温線肩部を有し、50重量%よりも高い作業能力を伴う材料が、選択された。特に、2つのジルコニウム系MOFであるMOF-841、MOF-801、およびアルミニウム系MOF-303が、それらの高い化学安定性および要求される水分収着容量、ならびに吸着性質のいかなる劣化も存在しないことを確実にするためのサイクル試験によって示される再生性のため、具体的に選定された。さらに、本発明者らは、PNNLの霧化凝縮反応器技術(MOTKURI, 2016)または他の合成方法を使用して、商業的量において合成され得ることを予期している。
【0032】
MOF-801およびMOF-303は、現在の動作条件下で最良に機能することが示されている。要求される吸着剤の量が、キログラムスケールの範囲内であることが予期されるため、本発明者らは、すでに約100グラムスケールで調製/試験されたMOF-801のバルク合成に成功した。これらのMOFを調製するために、50mmolの各フマル酸およびZrOCl2・8H2Oが、500mLねじキャップジャーで、DMFおよびギ酸の混合溶媒(200mLおよび70mL)中に溶解され、次いで、一晩130℃において加熱され、白色沈殿物であるMOF-801を得た。同様に、MOF-303が、43.1mmolの3,5-ピラゾールジカルボン酸一水和物が脱イオン化H2O(約750mL)中に溶解され、それに塩基(NaOHまたはLiOH溶液、約65mmol)が激しい攪拌下で滴下して添加されたものを使用して合成された。結果として生じる混合物は、予熱されたオーブンにおいて120℃で60~90分にわたって加熱された。RTまでの冷却後、43.1mmolのAlCl3・6H2Oが、一定に激しく攪拌しながら、溶液に緩慢に添加された。溶液中に形成されるいずれの沈殿物も、長い超音波処理下で溶解された。透明な溶液が、オートクレーブに移送され、100℃で15~24時間にわたってオーブン内で加熱され、MOF粉末を得た。取得されたMOF粉末材料は、水分吸着に曝される前に、溶媒ならびに熱活性化によって活性化された。活性化された材料は、結晶性に関する粉末X線回折(PXRD)、材料の安定性を理解するための熱重量分析、および多孔性測定に関するN2吸着等温線を用いて特性評価された。十分に特性評価されたサンプルは、室温においてそれらの水分吸着測定を試験され、次いで、本研究のために要求される複数の温度まで拡張された。
【0033】
いったん材料が特性評価されると、材料は、バルク生産のためにPNNLの霧化凝縮反応器技術(MOTKURI, 2016)にスケールアップされた。本技術は、バルク量において吸着剤材料(例えば、MOF)を生産するための低費用かつスケーラブルな方法をもたらす。これらの特定の材料は、1つの用途において実証されたが、種々の他の材料もまた、そのようなシステムにおける使用のために識別された。非排他的かつ非限定的リストは、限定ではないが、AlPO4-34、AlPO4-LTA、AlPO4-CHA、13X、SAPO-34等のゼオライト、MCM-41、SBA-15等のメソ多孔性シリカ、ZrおよびAl系MOF、MIL族MOF、Co2Cl2(BTDD)を含むMOF、共有結合性有機構造体、多孔性有機ポリマー、多孔性炭素を含む。
【0034】
図6は、いくつかのMOFに関する水分取込動力学を示す。これらの結果は、これらの距離にわたる連続的な拡散輸送を達成することが困難であると判明する場合、湿気流動率を増加させるために、粒子サイズがこれらの公称値から低減され得る点において、設計柔軟性を示す。全体的に、本発明者らのシステム分析は、吸着剤における水分取込が、標的化された90秒の半サイクルにおいて11重量%に到達しなければならないことを示す。
図6に示されるように、本取込率が達成可能であるという確かな証拠が、存在する。吸着剤開発チームは、比表面積、粒子サイズ、および結晶内水分拡散を含む、物理的性質の組み合わせを通して本取込率を達成し得る乾燥剤を絞り込む必要があるであろう。
【0035】
システム設計チームは、乾燥剤表面への水蒸気輸送が、乾燥剤による水分取込の率を支援するために十分である一方、換気ファンに対する背圧を最小限にし、エネルギーを節約することを確実にした。本平衡を達成することは、サイクルの吸着部分上で最も困難であることが予期される。真空は、脱着の間に乾燥剤床を横断してほぼ均一に印加されるため、水分除去率も、比較的に均一となるはずである。脱着率は、吸引圧力を変動させることによって十分に制御されることができるため、一方のチャンバにおける水分吸着の率と他方のチャンバにおける脱着の率との間のおおよその平衡の維持は、温度および放出RHを監視する適正なセンサおよび制御システムを通したフィードバックを用いて容易に達成可能であるはずである。
【0036】
(i)有機リンカーに好適に成形/定寸された親水性/疎水性官能基を施し、(ii)異なる官能基を用いて事前留保された金属含有クラスタノードの親水性を修飾/調節することによる、乾燥剤材料の調整は、規定された条件下の所望の容易な除去を可能にする。吸着剤は、RH>20%において水分吸着の急激なシグモイド形上昇(タイプV等温線)を伴う、低RHにおいて穏やかな疎水性特性を示す。所望される等温線のタイプおよびSO
3H官能基化を用いて吸着剤を細孔工学設計および調整することを介して吸着剤性質を調整する能力の実施例が、示される(
図7参照)。ノード上のSO
3H基の濃度を変動させることは、その水分吸着性質に明白に影響を及ぼす。同様に、クラスタに異なる親水性の末端官能基(HCCO
-、CH3COO
-、H2O/OH、およびPhCOO
-)を施すことは、ある範囲のRHにわたる水分取込ステップの精密な制御をもたらし、細孔/クラスタ/官能性形状およびサイズの差異と関連付けられる疎水性/親水性細孔特性の変動に起因する。有望な性質を示す吸着剤材料は、20~65%RHの範囲内の最適なタイプV等温線肩部を伴い、50重量%よりも高い作業能力を伴う2つまたは3つの候補を有するものを含む。好ましくは、高い化学安定性を有する乾燥剤材料が、本システムの長期性能を保全するために利用される。
【0037】
従来の乾燥剤ベースの除湿器(乾燥剤車輪、乾燥剤床)は、加熱によって乾燥剤を再生させる。これは、1)典型的には>80℃の熱源温度が、乾燥剤再生のために要求され、2)除湿の間に放出される吸着の熱が、乾燥剤の温度を増加させ、それによって、その除湿能力を低減させ、3)高温の乾燥剤が、放出空気の温度を増加させ、蒸発器上の冷却負荷を増加させ、エネルギー節約を低減させるため、その用途を大きく制限している。
【0038】
本はるかに単純なアプローチは、商業的な既製の(COTS)真空ポンプを用いて乾燥剤床が再生されることを可能にする。乾燥剤床温度は、乾燥剤床の間の熱結合を提供するための熱パイプの使用を通して制御されることができる。これは、除湿の間のアクティブな乾燥剤床において発生される水蒸気吸着の熱と、再生を受けている乾燥剤床において消費される脱着の吸熱とを「相殺する」、受動的であるが、非常に効率的な熱伝達機構を提供する。したがって、乾燥剤床は、建物空気温度において等温的に再生され、乾燥剤再生からの蒸発器上の顕熱負荷を増加させない。真空ポンプから放出された水蒸気は、周囲に排出されるだけである。
【0039】
一好ましい実施形態では、乾燥剤床は、「熱パイプ」と熱的に結合される。これは、アクティブな乾燥剤床において発生される水蒸気吸着の熱と、再生を受けている乾燥剤床において消費される脱着の吸熱とを「相殺する」、受動的であるが、非常に効率的な熱伝達機構を提供する。本等温水分抽出サイクル(IWEC)は、乾燥空気流が、周囲温度を上回る温度変化を殆ど伴わずに凝縮器ユニットを冷却することを可能にする。真空ポンプは、その再生サイクルの間に乾燥剤床に対して吸引を提供し、液体水分に凝縮させるために十分に蒸気圧を上昇させるための適度な圧縮を提供するために使用される。圧縮作業は、水蒸気に対してのみ行われるため、これは、エネルギー消費を最小限にする。最後に、凝縮物は、保管容器への放出のために大気圧まで圧送される(これは、微量の付加的エネルギーを消費する)。
【0040】
本革新的なAWEシステム概念は、大きいエネルギー損失を生じさせる従来の温度スイング設計における熱伝達プロセスを排除する。また、1)乾燥剤床および凝縮器を横断して空気を移動させるためのファン、2)真空ポンプ、および3)液体水分ポンプのために要求される電力から本システムに関する全体的エネルギー消費を非常に正確に査定することが、可能である。要求される量の水分を生成するために十分な空気を本システムの中にもたらすために必要とされる空気流動(CFM)は、単純に、以下によって与えられる。
【数1】
式中、M
wは、本システムが動作時間周期t
pにわたって生成するべき水分の質量であり、ρ
aは、空気密度であり、m
aは、湿った空気の標準的な湿り空気性質から判定される混合比(kg-H
2O/kg-空気)である。パラメータε
Rは、空気流から水分を除去する際のシステム全体の効率であり、吸着剤性質をシステム性能と結び付ける重要なパラメータである。水分ポンプのために要求される電力は、これらの他の項と比較して微小であり、したがって、ここでは無視されるであろう。真空ポンプ電力を算出するために、本発明者らは、凝縮器ユニットが周囲空気温度を10℃上回る温度の変化を伴って動作していると仮定して、再生している乾燥剤床からの水蒸気圧をその飽和蒸気圧まで上昇させるために要求される圧縮電力を計算する。本発明者らは、真空ポンプが水蒸気に対して実施された圧縮作業において80%効率的であると仮定する。最終的な仮定は、乾燥剤床に対する吸引が、凝縮器圧力のすぐ下で動作するとき、吸着剤から水分を除去するために十分であり、すなわち、圧縮比が、固定され、≦1.2であることである。
【0041】
ファン電力に関して、本発明者らは、
図2に示されるように、典型的な換気システムにおけるファン効率に関するClarkeおよびWard(2006)において提供されるデータを使用する。予期されるであろうように、ファン効率は、背圧が増加するにつれて低下する。これは、乾燥剤床の設計に対する重要な制約を提供する。過剰な圧力低下、したがって、高電力消費が、微細に充塞した乾燥剤粒子の床を通して空気流を通過させることを試みることからもたらされるであろう。それを回避するために、本発明者らのシステム設計概念は、ラジエータ設計と同様に、フィンの間のチャネルを通して空気流を通過させ、したがって、ファンに対して最小の背圧を提供することができる。ここでは分析目的のために、本発明者らは、本発明者らのAWEシステムに関するエネルギー消費計算を完了させるために、2つのファン効率値、すなわち、10および3CFM/Wを使用した。
【0042】
上記に概説される単純な仮定では、本発明者らの設計に関するエネルギー消費は、周囲空気流の混合比によって判定される単一の曲線に沿って低下する。ファン電力は、全エネルギー収支の約80%を消費する。結果は、システム設計が、ファンに対して低い背圧を提供する場合、本発明者らのAWEシステムが、42W・時間/Lの標的を達成し得るという確信を提供する。43℃、60%RH条件に関して最適化される吸着剤は、より困難な27℃、10%RH湿度条件において不良に機能し、はるかに高い電力消費をもたらし、逆もまた同様である可能性が高い。
【0043】
図8は、乾燥剤を用いてコーティングされたグラフェンのような非常に軽量の材料から作製された熱伝導性フィンのセットを伴う、ラジエータと同様に形成された修正された熱パイプラジエータ設計乾燥剤床システムの実施例を示す。空気が、フィンの間のチャネルを通して流動する際、熱パイプは、再生を受けている床の同じセットを伴う他のチャンバへの伝達のために、各吸着床から熱を除去する。算出流体力学(CFD)コードANSYS-Fluentを使用する本設計の熱伝達シミュレーションが、最も低い空気流率(1,000CFM)を有する43℃、60%RHの事例に関して、吸着床における最大5℃のみの温度上昇を確認した。これは、吸着-脱着チャンバを熱的に結合し、AWEシステムをほぼ等温的に動作させることが可能であるという本発明者らの設計の前提を確認する。
【0044】
本技術は、今日の蒸気圧縮冷却システムに対する有意な改良であり、エネルギーペナルティがゼロである空気調節される建物空間における湿度管理をもたらす。加えて、単純な設計は、新しい建物のHVACシステムおよび後付け配設の両方に適している。高度な乾燥剤の予期される容量に基づいて、本発明者らの50RT基準事例に関する除湿器システムのサイズは、30フィート3をわずかに超えると予想される。これは、200フィート3の本同一のサイズの空気流(17,000cfm)に関する商業的建物の除湿器システムと比較されることができる。したがって、ここで想定されるシステムは、現在の除湿器システムでは可能ではない、標準的なHVACエアハンドラユニット内に統合されることができる。最後に、本発明者らは、乾燥剤システムが、汚染物質(CO2またはVOC等)の選択的除去のための他の吸着剤材料の追加に適しており、これが、エネルギーおよび費用節約のみを超えて訴求効果を高め得ることを指摘する。
【0045】
第2の概略設計が、
図9に示される。
図9では、アクティブな床から再生している床への吸着の熱が、熱パイプを利用する設計を通して提供される。利益は、床吸着/再生の間の等温条件をもたらす、受動的熱伝達プロセスである。また、熱パイプの外面は、乾燥剤材料が堆積されるための自然な支持体を提供する。乾燥剤床設計に加えて、ダクティングが、再生の間の各床の周囲の空気流および真空隔離の必要な迂回路であり得る。
図9に示される配列では、2つの乾燥剤区分は、1/4インチ直径の熱パイプが十字流に設置される、円筒形ダクティングを使用して加工されることが予期される。各熱パイプは、最適な吸着剤層厚を伴ってその周辺の周囲に吸着剤の層を用いてコーティングされるであろう。流動の方向に沿ったジグザク状の配設パターンは、乾燥剤への空気流動暴露を最大限にし、さらなる乱流および混合を助長し、より高い熱および物質移動係数をもたらすであろう。床区分は、空気放出口または真空ポンプのいずれかへの自律的分流制御を伴う、真空定格空気流動隔離弁とともに組み立てられるであろう。本システムは、重要なパラメータおよび変数を監視するために、熱電対、圧力トランスデューサ、コリオリ流量計、およびRHセンサを用いて完全に計装されるであろう。周囲空気流における水分濃度は、具体的湿度を達成するために、乾燥空気流を可変量の100%RH空気流と併合する混合弁によって制御されるであろう。相対湿度センサ(Omega Engineering, Inc., モデルRH-USB)が、RH値を連続的に監視するために、乾燥剤床入口および出口に設置される。本単純な試験システムは、乾燥剤床システムに関する全ての要求される性能情報を収集し、性能を査定し、数千回の再生サイクルを実施し、乾燥剤性質のいずれかの劣化を調べることを可能にするであろう。
【0046】
本開示の種々の好ましい実施形態が、示され、説明されるが、本開示が、それに限定されず、以下の請求項の範囲内で実践するために様々に具現化され得ることを明確に理解されたい。
【国際調査報告】