(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-04
(54)【発明の名称】組換えACE2-FC融合分子、その製造方法及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/62 20060101AFI20230828BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20230828BHJP
C12N 9/64 20060101ALI20230828BHJP
C12N 15/57 20060101ALI20230828BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20230828BHJP
A61K 38/16 20060101ALI20230828BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20230828BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20230828BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20230828BHJP
A61K 47/66 20170101ALI20230828BHJP
A61K 31/4965 20060101ALI20230828BHJP
A61K 31/7056 20060101ALI20230828BHJP
A61K 31/7052 20060101ALI20230828BHJP
A61K 51/10 20060101ALI20230828BHJP
C07K 16/00 20060101ALN20230828BHJP
C07K 14/165 20060101ALN20230828BHJP
【FI】
C12N15/62 Z
C07K19/00 ZNA
C12N9/64 Z
C12N15/57
C12N15/13
A61K38/16
A61P31/14
A61P11/00
A61P9/12
A61K47/66
A61K31/4965
A61K31/7056
A61K31/7052
A61K51/10 200
C07K16/00
C07K14/165
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548973
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(85)【翻訳文提出日】2022-10-11
(86)【国際出願番号】 US2021017305
(87)【国際公開番号】W WO2022173424
(87)【国際公開日】2022-08-18
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519457719
【氏名又は名称】シーチュアン バイリ ファーマスーティカル シーオー. エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】SICHUAN BAILI PHARMACEUTICAL CO. LTD.
【住所又は居所原語表記】161 Baili Road, Wenjiang District Chengdu, Sichuan (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ツング-アイ
(72)【発明者】
【氏名】マック,ガー シー アマンダ
(72)【発明者】
【氏名】ウェイト,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ランディ, スティーブン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ギルクリスト, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ハリ, ジャハン
(72)【発明者】
【氏名】ジョー, シー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ツー, ハイ
(72)【発明者】
【氏名】ツー, イ
【テーマコード(参考)】
4B050
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4B050CC03
4B050DD11
4B050EE10
4B050LL01
4C076AA95
4C076BB11
4C076BB13
4C076BB16
4C076CC35
4C076EE41
4C076EE59
4C084AA02
4C084AA03
4C084BA01
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4C084BA23
4C084CA53
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4C084MA55
4C084MA65
4C084NA14
4C084ZA36
4C084ZA59
4C084ZB33
4C085HH03
4C085HH11
4C085KA27
4C085KA29
4C085KB82
4C085LL07
4C085LL09
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC48
4C086EA16
4C086MA02
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4C086NA05
4C086ZA36
4C086ZA59
4C086ZB33
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
Fcドメインに共有結合したバリアントアンギオテンシン変換酵素2(ACE2)ドメインを含む融合タンパク質。バリアントACE2ドメインは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する全長野生型ACE2に対してN末端欠失及び/又はC末端欠失を有する。バリアントACE2ドメインは、ACE2活性を有する。
【選択図】
図1D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Fcドメインに共有結合したバリアントアンギオテンシン変換酵素2(ACE2)ドメインを含む融合タンパク質であって、
前記バリアントACE2ドメインは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する全長野生型ACE2に対してN末端欠失及び/又はC末端欠失を含み、前記バリアントACE2ドメインは、ACE2活性を有する、融合タンパク質。
【請求項2】
前記バリアントACE2ドメインは、前記全長野生型ACE2のアミノ酸配列セグメントと少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、前記セグメントは、前記全長野生型ACE2の残基1-17から選択されるアミノ酸残基で始まり、前記全長野生型ACE2の残基615-740から選択されるアミノ酸残基で終わる、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
前記バリアントACE2ドメインは、配列番号3と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記バリアントACE2ドメインは、SARS-CoV又はSARSスパイクタンパク質に対する結合親和性が前記全長野生型ACE2よりも高い、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記Fcドメインは、免疫グロブリンのFcドメインに由来し、前記免疫グロブリンは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1(d-IgA1、S-IgA1)、IgA2、IgD、IgE及びIgMから選択される、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
前記Fcドメインは、Fcヒンジ領域を含み、前記Fcヒンジ領域は、C220Sとなるようにエンジニアリングされる、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記Fcドメインは、配列番号5に示されるアミノ酸配列を有する野生型Fcドメインに比べ、K322A、L234A及びL235Aから選択されるヌル変異を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
前記Fcドメインは、配列番号6と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
配列番号7、9、11、13、15、16、17、18、19又は21と少なくとも98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
前記Fcドメインは、エフェクター機能を欠いている、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項11】
前記Fcドメインは、ADCC、ADCP及びCDCを欠いている、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項12】
約50kDaから250kDaの分子量を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項13】
前記Fcドメインは、IgG1 Fcドメインを含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項14】
請求項1に記載の融合タンパク質を2つ含む融合タンパク質複合体であって、2つの前記融合タンパク質は、ジスルフィド結合を介してペアになる、融合タンパク質複合体。
【請求項15】
2つの前記融合タンパク質は、前記Fcドメイン上の2つのジスルフィド結合を介してペアになる、請求項14に記載の融合複合体。
【請求項16】
前記タンパク質複合体は、約190kDaから300kDaの分子量を有する、請求項14に記載の融合複合体。
【請求項17】
前記融合タンパク質は、SARS-CoV-2、SARS-CoV又はSARSスパイクタンパク質に対して50nM以下の平衡解離定数で結合親和性を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項18】
ウイルスタンパク質に結合した請求項1に記載の融合タンパク質又は請求項14に記載の融合複合体を含む、タンパク質複合体。
【請求項19】
前記ウイルスタンパク質は、SARS-CoV-2、SARS-CoV、SARSスパイクタンパク質、コロナウイルス、SARSウイルス、それらの断片、又はそれらの組み合わせを含む、請求項18に記載のタンパク質複合体。
【請求項20】
請求項1に記載の融合タンパク質をコードする単離核酸
【請求項21】
発現ベクターを含む、請求項20に記載の単離核酸。
【請求項22】
請求項20に記載の核酸を含む宿主細胞であって、前記宿主細胞は、原核細胞又は真核細胞である、宿主細胞。
【請求項23】
融合タンパク質が産生されるように請求項22に記載の宿主細胞を培養することを含む、融合タンパク質の製造方法。
【請求項24】
請求項14に記載の融合タンパク質複合体と、薬物部分とを含むタンパク質コンジュゲートであって、前記薬物部分は、リンカーを介して前記融合タンパク質に結合され、前記リンカーは、エステル結合、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、ジスルフィド結合、イミド結合、スルホン結合、リン酸結合、リン酸エステル結合、ペプチド結合、ヒドラゾン結合及びそれらの組み合わせから選択される共有結合を含む、タンパク質コンジュゲート。
【請求項25】
前記薬物部分は、抗ウイルス剤、免疫調節剤、造影剤又はそれらの組み合わせを含む、請求項24に記載のタンパク質コンジュゲート。
【請求項26】
前記抗ウイルス剤は、ファビピラビル、リバビリン、ガリデシビル、レムデシビル及びそれらの組み合わせから選択される、請求項25に記載のタンパク質コンジュゲート。
【請求項27】
前記造影剤は、放射性核種、蛍光剤、量子ドット又はそれらの組み合わせであり得る、請求項25に記載のタンパク質コンジュゲート。
【請求項28】
請求項14に記載の融合タンパク質複合体と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項29】
抗ウイルス剤をさらに含む、請求項28に記載の医薬組成物。
【請求項30】
請求項24に記載のタンパク質コンジュゲートと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項31】
被験体のウイルス感染、急性呼吸窮迫症候群、肺動脈性肺高血圧症又は急性肺損傷を治療又は予防する方法であって、前記被験体に有効量の請求項14に記載の融合タンパク質複合体を投与することを含む、方法。
【請求項32】
有効量の治療薬を共投与することをさらに含み、前記治療薬は、抗ウイルス剤を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記被験体は、哺乳動物である、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記ウイルス感染は、SARS-CoV-2、SARS-CoV、SARSスパイクタンパク質、コロナウイルス、SARSウイルス、それらの断片又はそれらの組み合わせの感染を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
請求項14に記載の融合タンパク質複合体は、静脈内、皮下、経鼻又は経肺により投与される、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
有効濃度の請求項14に記載の融合タンパク質複合体を含む溶液であって、前記溶液は、被験体の血漿である、溶液。
【請求項37】
請求項18に記載のタンパク質複合体を含む溶液であって、前記溶液は、被験体の血漿である、溶液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
【0002】
本出願は、35U.S.C.119(e)に基づいて2020年2月13日に出願された米国仮出願第62/976,344号、2020年10月1日に出願された米国仮出願第63/086,593の優先権を主張し、それらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)が関与する疾患、症状又は病状(例えば、コロナウイルス感染症2019(COVID-19))及び関連病状の予防又は治療に関する。
【背景技術】
【0004】
本明細書で別段の指示がない限り、このセクションに記載されている資料は、本出願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、このセクションに含めることによって先行技術であるとは認められない。
【0005】
COVID-19は、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス2(SARS-CoV-2)によって引き起こされる感染性疾患であるである。COVID-19の合併症は、長期肺損傷、肺炎、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、末梢神経及び嗅神経損傷、多臓器不全、敗血症性ショック、及び死亡を含み得る。2020年1月にThe Lancetに掲載されたCOVID-19が確認された最初の41例の研究では、症状の発症の最も早い日付は2019年12月1日であると報告された。2020年3月11日までに、世界保健機関(WHO)はCOVID-19のアウトブレイクをパンデミックと宣言した。2020年9月26日の時点で、188の国と地域で3,260万人以上の症例が報告されており、99万人以上が死亡しており、そのうち750 万人以上の症例と205,000人の死亡者が米国から報告されている。
【0006】
レムデシビル以外、特異的な適応でCOVID-19を治療するための承認された医薬品やワクチンがない。米国国立衛生研究所のガイドラインでは、SARS-CoV-2ウイルスへの曝露の前後にかかわらず、臨床試験以外でCOVID-19を予防するための投薬を推奨していない。9 種類のワクチン(2種類のRNAワクチン(それぞれPfizer-BioNTech、Moderna製);3種類の従来の不活化ワクチン(それぞれSinopharm、Bharat Biotech、Sinovac製);3種類のウイルスベクターワクチン(それぞれSputnik V、Oxford-AstraZeneca、Janssen製);1種類のペプチドワクチン(EpiVacCorona))は、少なくとも1つの国の規制当局によって公的使用が承認されている。
【0007】
アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)は、主に肺胞細胞、小腸のエンテロサイト、動脈及び静脈の内皮細胞、動脈の平滑筋細胞、並びに肺、動脈、心臓、腎臓、腸及び他の組織の他の細胞系の細胞膜に存在する亜鉛含有金属酵素である。ACE2は、心血管系、腎臓系、呼吸器系のアンギオテンシン変換酵素活性に対抗することにより、レニン-アンギオテンシン系を調節し、血圧を制御する重要な役割を示している。ACE2は、高血圧、心機能、心機能及び糖尿病の生理学において保護的な役割を果たしている。急性呼吸窮迫症候群(ARDS)において、ACE、AngII及びAT1R は疾患の発症を促進するのに対し、ACE2及びAT2R は ARDSから保護する。また、ACE2は、重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスの受容体として同定され、重症急性呼吸器症候群(SARS)の発症において重要な役割を果たしている。コロナウイルスのファミリーのうち、少なくとも3つのウイルス(SARS-CoV、MERS CoV及びSARS-CoV-2)は、それらのウイルスタンパク質の一つ(スパイクとしても知られている)によりヒト宿主細胞の表面にあるACE2タンパク質に結合し、人体にウイルス侵入する。
【0008】
SARS-CoV-2は、ヒトに感染する既知の7つのコロナウイルス(2003年にアジア、2012年に中東でSARSのアウトブレイクを引き起こしたSARS-CoV-1及びMERS CoVウイルス)の一つである。SARS-CoV-2ウイルスに対する免疫応答には、細胞性免疫と抗体産生の組み合わせが含まれる。1億人以上の感染者がCOVID-19から回復したが、SARS-CoV-2ウイルスに対する自然免疫が個体内で長期間持続するかどうかはまだ不明である。ウイルスの継続的な突然変異の蓄積により、ウイルスの抗原性スペクトルが変化し、ウイルスの変異株による再感染が発生する懸念がある。2021年1月の時点で、ヨーロッパと南アフリカで特定されたSARS-CoV-2ウイルスの変異株が急速に広がっていたようである。これらの変異株は、最終的にウイルス認識と宿主細胞への感染を強化する変異を保有する可能性がある。これら又は他の予見可能なバリアントがワクチンの効力を低下させたり、自然免疫を克服したりして再感染の続発を引き起こすかどうかは、まだ不明である。
【0009】
もう1つの懸念は、抗体依存性増強(ADE)の現象に関する。ADEは、不適切な抗体の結合が宿主細胞へのウイルス侵入を促進する場合に発生する。コロナウイルスにおいて、ウイルススパイク(S)糖タンパク質を標的とする抗体はADEを促進する。SARS-CoV-1ウイルスの場合、ほとんどのバリアントを中和する抗体は、変異ウイルスの免疫細胞への侵入を強化できることが発見され、その結果、予防のためにワクチンがデザインされた疾患は悪化する場合がある。したがって、ワクチンが不適切な抗体の産生を引き起こす可能性があるため、ADEはワクチンの開発を妨げる恐れがある。このような状況において、ワクチン以外の予防戦略は、SARS-CoV-2ウイルスへの暴露の前後にもかかわらず、ADEを回避する実行可能な代替手段と見なされる。
【0010】
したがって、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)が関与する疾患又は病状のための効果的な治療又は予防は、依然として非常に必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
以下の概要は説明のみを目的としており、制限を意図したものではない。上述の例示的な態様、実施形態、及び特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、及び特徴は、図面及び以下の詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
【0012】
本発明は、特に、融合タンパク質、融合タンパク質複合体、タンパク質複合体、融合タンパク質複合体を含む免疫結合体、及び融合タンパク質複合体を含む医薬組成物を提供する。本発明は、融合タンパク質及び融合タンパク質複合体の製造方法、並びに融合タンパク質又は融合タンパク質複合体を使用して疾患を治療又は予防する方法をさらに提供する。
【0013】
一態様において、本発明は、ACE2活性を有する融合タンパク質を提供する。一実施形態において、前記融合タンパク質は、Fcドメインに共有結合したバリアントアンギオテンシン変換酵素2(ACE2)ドメインを含む。一実施形態において、前記バリアントACE2ドメインは、全長野生型ACE2に対してN末端欠失及び/又はC末端欠失を含む。一実施形態において、前記全長野生型ACE2ドメインは、配列番号1と少なくとも95%、97%又は98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態において、前記バリアントACE2ドメインは、ACE2活性を有する。
【0014】
一実施形態において、前記バリアントACE2ドメインは、全長野生型ACE2のアミノ酸配列セグメントと少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態において、前記セグメントは、全長野生型ACE2の残基1-17から選択されるアミノ酸残基から始まり得る。一実施形態において、前記セグメントは、全長野生型ACE2の残基615-740から選択されるアミノ酸残基で終わり得る。例えば、前記バリアントACE2ドメインは、全長野生型ACE2の残基1から残基615、残基2から残基618、残基2から残基740、残基4から残基615、残基17から残基615、残基17から残基740、又はこれらの開始残基と終了残基の他の組み合わせのアミノ酸配列セグメントと少なくとも98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0015】
一実施形態において、前記バリアントACE2ドメインは、配列番号3と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0016】
一実施形態において、前記バリアントACE2ドメインは、SARS-CoV又はSARSスパイクタンパク質に対する結合親和性が全長野生型ACE2よりも高い。例えば、バリアントACE2ドメインは、SARS-CoV又はSARSスパイクタンパク質に対する結合親和性が0.1nMから100nM(KD)であり得る。
【0017】
一実施形態において、前記バリアントACE2ドメインは、SARS-CoV又はSARSスパイクタンパク質に対するアビディティが全長野生型ACE2よりも高い。例えば、バリアントACE2ドメインは、SARS-CoV又はSARSスパイクタンパク質に対するアビディティが0.01nMから10nM(KD)であり得る。
【0018】
一実施形態において、Fcドメインは、免疫グロブリンのFcドメインに由来する。免疫グロブリンは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1(d-IgA1、S-IgA1)、IgA2、IgD、IgE又はIgMであり得る。一実施形態において、Fcドメインは、Fcヒンジ領域を有し得る。一実施形態において、Fcヒンジ領域は、C220Sとなるようにエンジニアリングされてもよい。一実施形態において、Fcドメインは、野生型Fcドメインに比べてK322A、L234A及びL235Aから選択されるヌル変異を含み得る。一実施形態において、野生型Fcドメインは、配列番号5と少なくとも98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0019】
一実施形態、Fcドメインは、エフェクター機能を欠いていてもよい。一実施形態において、Fcドメインは、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)及び補体依存性細胞傷害(CDC)を欠いていてもよい。一実施形態において、Fcドメインは、IgG1 Fcドメインを含む。
【0020】
一実施形態において、Fcドメインは、配列番号6と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0021】
一実施形態において、前記融合タンパク質は、配列番号7、9、11、13、15、16、17、18、19及び21と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。
【0022】
一実施形態において、前記融合タンパク質は、分子量が約50kDaから250kDaであり得る。一実施形態において、前記融合タンパク質は、分子量が50kDa、60kDa、70kDa、80kDa、90kDa、100kDa、120kDa、150kDa、180kDa、200kDa、250kDa又はそれらの間の任意の数字であり得る。
【0023】
第2の態様において、本発明は融合タンパク質複合体を提供する。一実施形態において、前記融合タンパク質複合体は、本明細書に開示の融合タンパク質のホモ二量体である。一実施形態において、前記融合タンパク質複合体は、2つのバリアントACE2ドメインを含む。
【0024】
一実施形態において、前記融合タンパク質複合体は、少なくとも2つの融合タンパク質を含む。一実施形態において、2つの前記融合タンパク質は、1つ又は2つのジスルフィド結合を介してペアとなる。一実施形態において、前記ジスルフィド結合は、前記Fcドメインのヒンジにある。
【0025】
一実施形態において、前記融合タンパク質又は融合タンパク質複合体は、SARS-CoV-2、SARS-CoV、SARSスパイクタンパク質又はそれらの断片に対して結合親和性を有する。一実施形態において、前記結合親和性は、0.1nM、0.5nM、1nM、2nM、3nM、5nM、10nM、20nM、25nM、30nM、40nM、50nM、60nM、80nM、又はそれらの間の任意の数字以下の平衡解離定数を有する。
【0026】
一実施形態において、前記融合タンパク質又は融合タンパク質複合体は、SARS-CoV-2、SARS-CoV、SARSスパイクタンパク質又はそれらの断片に対してアビディティを有する。一実施形態において、前記アビディティは、0.01nM、0.05nM、1nM、2nM、3nM、5nM、10nM、又はそれらの間の任意の数字以下の平衡解離定数を有する。
【0027】
一実施形態において、前記融合タンパク質又は融合タンパク質複合体は、約50pmol/min/μgから約5000pmol/min/μgの特異的な酵素活性を有する。一実施形態において、前記融合タンパク質は、約568pmol/min/μgの特異的な酵素活性を有する。
【0028】
第3の態様において、本明細はタンパク質複合体を提供する。一実施形態において、前記タンパク質複合体は、ウイルスタンパク質に結合した前記融合タンパク質又は融合タンパク質複合体を含む。一実施形態において、前記ウイルスタンパク質は、SARS-CoV-2、SARS-CoV、SARSスパイクタンパク質、コロナウイルス、SARSウイルス、断片又はそれらの組み合わせを含む。
【0029】
さらなる態様において、本発明は、前記融合タンパク質をコードする単離核酸を提供する。
【0030】
さらなる態様において、本発明は、前記融合タンパク質をコードする前記単離核酸を含む発現ベクターを提供する。
【0031】
さらなる態様において、本発明は、前記融合タンパク質をコードする前記核酸を含む宿主細胞を提供する。一実施形態において、前記宿主細胞は、原核細胞である。一実施形態において、前記宿主細胞は、真核細胞である。
【0032】
さらなる態様において、本発明は、前記融合タンパク質及び融合タンパク質複合体の製造方法を提供する。一実施形態において、前記方法は、前記融合タンパク質又は融合複合体が産生されるように、前記融合タンパク質又は融合タンパク質複合体をコードする核酸で前記宿主細胞を培養する工程を含む。
【0033】
さらなる態様において、本発明は、タンパク質コンジュゲートを提供する。一実施形態において、前記タンパク質コンジュゲートは、前記融合タンパク質又は融合タンパク質複合体と、薬物部分とを含む。前記薬物部分は、リンカーを介して前記融合タンパク質又は融合タンパク質複合体に結合され得る。一実施形態において、前記リンカーは、エステル結合、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、ジスルフィド結合、イミド結合、スルホン結合、リン酸結合、リン酸エステル結合、ペプチド結合、ヒドラゾン結合及びそれらの組み合わせから選択される共有結合であり得る。
【0034】
一実施形態において、前記薬物部分は、抗ウイルス剤、免疫調節剤、造影剤又はそれらの組み合わせであり得る。一実施形態において、前記抗ウイルス剤は、ファビピラビル、リバビリン、ガリデシビル、レムデシビル又はそれらの組み合わせであり得る。一実施形態において、前記造影剤は、放射性核種、蛍光剤、量子ドット又はそれらの組み合わせであり得る。
【0035】
さらなる態様において、本発明は、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)が関与する疾患又は病状を治療するための医薬組成物を提供する。一実施形態において、前記医薬組成物は、前記融合タンパク質又は融合複合体と、薬学的に許容される担体とを含む。一実施形態において、前記医薬組成物は、抗ウイルス剤をさらに含む。一実施形態において、前記医薬組成物は、前記タンパク質コンジュゲートと、薬学的に許容される担体とを含む。
【0036】
さらなる態様において、本発明は、被験体のウイルス感染、急性呼吸窮迫症候群、肺動脈性肺高血圧症又は急性肺損傷を治療又は予防する方法を提供する。一実施形態において、前記方法は、前記被験体に有効量の前記融合タンパク質又は融合複合体を投与するステップを含む。一実施形態において、前記方法は、有効量の治療薬を共投与するステップをさらに含む。一実施形態において、前記治療薬は、抗ウイルス剤を含む。一実施形態において、前記被験体は、哺乳動物である。
【0037】
一実施形態において、前記ウイルス感染は、SARS-CoV-2、SARS-CoV、SARSスパイクタンパク質、コロナウイルス、SARSウイルス、それらの断片又はそれらの組み合わせであり得る。
【0038】
一実施形態において、前記方法は、前記融合タンパク質又は融合タンパク質複合体を静脈内、皮下、鼻腔(鼻腔用スプレーなど)又は肺の経路により投与することを含み得る。
【0039】
さらなる態様において、本発明は、溶液を提供する。一実施形態において、前記溶液は、有効濃度の前記融合タンパク質又は融合タンパク質複合体を含む。一実施形態において、前記溶液は、被験体の血漿である。一実施形態において、前記溶液は、前記融合タンパク質、融合タンパク質複合体又はタンパク質複合体を含み、前記溶液は、被験体の血漿である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本開示の前述及び他の特徴は、添付の図面と併せて解釈される以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示に従って構成されたいくつかの実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解して、本開示は、添付の図面を使用することにより、追加の具体性及び詳細とともに説明される。
【0041】
【
図1A】ACE2機能ドメインと改変されたFc(ヌル)断片との組換え融合タンパク質(SI-69R2及びSI-69R4)の図である。
【
図1B】SI-F019融合タンパク質(N末端17アミノ酸シグナルペプチドを欠く翻訳後修飾SI-69R2)の配列を示す。
【
図1C】SI-F019融合タンパク質複合体がホモ二量体であることを示すサイズ排除クロマトグラフィーである。
【
図1D】SI-F019-スパイクタンパク質複合体の図である。
【0042】
【
図2】SI-69R4ではなく、SI-F019はTMPRSS2依存性加水分解に耐性であること(2A)、及びSI-F019の酵素活性はインビトロ蛍光アッセイで定量化できること(2B)を示す。
【0043】
【
図3】試験において、VeroE6細胞への生SARS-CoV-2感染のSI-F019用量依存的遮断がウイルスの3つのMOI全てで100%に達したことを示す。
【0044】
【
図4】10fM以上のSI-F019の添加は、SARS-CoV-2又はSARS-CoV-1ウイルスを0.01MOIで感染させた1時間後、Vero E6細胞の一部が細胞溶解を受けるのを防止したことを示す。
【0045】
【
図5】シュードウイルスとプレインキュベーションした後、SI-F019はウイルス感染を用量依存的に阻害し、比較的高い濃度で完全な阻害を達成することを示す(IC50=32.56nM)。
【0046】
【
図6】内在化/感染媒介アッセイの結果を示す。具体的には、試験した濃度のSI-F019で前処理した場合、シュードウイルス(PsV)の存在を示すGFPシグナルの取り込みがない一方、低GFPシグナルはSI-69C1(抗S1抗体)及びSI-69R3(SARS-CoV-2 ACE-2 Fc WT)、並びに培地、緩衝液(Buffer)及びACE2-his(SI-69C1)に関連した(48時間後、THP1(pH7.2)(6A)、THP1(pH6.0)(6B)及びDaudi(6C))。
【0047】
【
図7】PsV感染の兆候であるGFPシグナルによって測定されるように、SI-F019は、天然抗SARS-CoV-2抗体又はACE2-Fc(野生型)融合タンパク質のいずれかと競合してFc媒介抗体依存性増強(ADE)をブロックすることができることを示す。
【0048】
【
図8】抗スパイク抗体及び抗ヒトFc抗体を用いて検出された、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞のフローサイトメトリー分析を示す。
【0049】
【
図9】幾何平均蛍光強度(gMFI)によって測定された、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞へのSI-F019の用量依存的結合を示す。
【0050】
【
図10】抗体依存性細胞傷害(ADCC)アッセイのFACS分析を示す。具体的には、カルセイン-AM及びヨウ化プロピジウム染色によって測定されるように、ヒト抗S1抗体(SI-69C3)は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞を標的とするようにヒトNK細胞をダイレクトする。
【0051】
【
図11】ヒト抗S1抗体(SI-69C3)に比べる場合、SI-F019は100fMから100nMの治療用量でADCCを媒介しなかったのに対し、野生型Fcを含むそのバリアント(SI-69R3)は活性レベルが低いにもかかわらず、用量依存的に媒介したことを示す。
【0052】
【
図12】SARS-CoV-2 Sタンパク質を発現するHEK293-T細胞の生存率によって測定されるように、Fcヌル(null)変異により、SI-F019はインビトロで血清媒介補体依存性細胞傷害(CDC)を減少させることを示す。
【0053】
【
図13】様々な処理後にSARS-CoV-2 Sタンパク質を発現するHEK293-T細胞の生存率を測定した結果、SI-F019はインビトロで血清補体依存性細胞傷害(CDC)を誘導しないこと(13A)、SI-F019のFcヌル変異はインビトロで処理した96時間後の細胞増殖に影響を与えないこと(13B)を示す。
【0054】
【
図14A】SI-F019は、可溶性又はプレート結合フォーマットのいずれにおいても、PBMC培養中でサイトカインIFNγの放出を誘導しないことを示す。
【
図14B】SI-F019は、可溶性又はプレート結合フォーマットのいずれにおいても、PBMC培養中でサイトカインTNFαの放出を誘導しないことを示す。
【
図14C】SI-F019は、可溶性又はプレート結合フォーマットのいずれにおいても、PBMC培養中でサイトカインGM-CSFの放出を誘導しないことを示す。
【
図14D】SI-F019は、可溶性又はプレート結合フォーマットのいずれにおいても、PBMC培養中でサイトカインIL-2の放出を誘導しないことを示す。
【
図14E】SI-F019は、可溶性又はプレート結合フォーマットのいずれにおいても、PBMC培養中でサイトカインIL-10の放出を誘導しないことを示す。
【
図14F】SI-F019は、可溶性又はプレート結合フォーマットのいずれにおいても、PBMC培養中でサイトカインIL-6の放出を誘導しないことを示す。
【
図14G】SI-F019は、可溶性又はプレート結合フォーマットのいずれにおいても、PBMC培養中でサイトカインIL-1βの放出を誘導しないことを示す。
【
図14H】SI-F019は、可溶性又はプレート結合フォーマットのいずれにおいても、PBMC培養中でサイトカインIL-12p70の放出を誘導しないことを示す。
【
図14I】SI-F019は、可溶性又はプレート結合フォーマットのいずれにおいても、PBMC培養中でサイトカインMCP-1の放出を誘導しないことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面において、類似の記号は、文脈上別段の指示がない限り、典型的には類似の構成要素を示す。詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定的なものではない。本明細書に提示される主題の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書に一般的に記載され、図面に示される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、結合、分離、及び設計することができ、その全てが本明細書で明示的に企図されることが容易に理解される。
【0056】
本発明は、特に、組換えヒトACE2-Fc融合タンパク質などの融合タンパク質の生成と特性評価に関する。いくつかの実施形態において、これらの融合タンパク質は、ウイルス粒子又はウイルスからヒト宿主細胞の膜質ACE2を保護することができる。一実施形態において、前記ウイルス粒子又はウイルスは、感染後にウイルススパイクタンパク質を利用して宿主細胞に侵入することができる。一実施形態において、前記ウイルス粒子は、SARS-CoV-2ウイルス、COVID-19ウイルス、SARS-CoV-2のバリアント、及び他のコロナウイルスを含むが、これらに限定されない。一実施形態において、前記ウイルスは、重症急性呼吸器症候群(SARS)を引き起こすことができる。一実施形態において、SARSは、コロナウイルス感染症2019又はCOVID-19を含み得る。
【0057】
一実施形態において、前記組換えヒトACE2-Fc融合タンパク質は、ACE2亜鉛メタロペプチダーゼドメイン(ACE2細胞外ドメイン, ACE2-ECDとしても知られている)とIgG1 Fc断片との融合タンパク質であり得る。一実施形態において、前記融合タンパク質は、SI-F019である。SI-F019は、ACE2-ECDと、C220S、L234A、L235A及びK322A(EUナンバリングシステム)を有するIgG1 Fc断片との融合タンパク質である(表1及び
図1)。アクティブACE2-ECDは、ホスト受容体-ウイルス相互作用のための構造的立体配座を保持する。IgG1 Fc断片における各変異は、特定の免疫応答を激減させることができる。変異C220Sは、重鎖と軽鎖をペアにするために不対システインを除去することができ、これによって、特に、タンパク質が凝集体を形成するのを回避し、タンパク質の安定性を改善し、製造効率とスケーラビリティを促進するという技術的利点を提供することができる。L234AとL235Aの導入は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)などのFcのエフェクター機能を低下させることができる。K322A変異は、C1q結合によって引き起こされる補体依存性細胞傷害(CDC)を低下させることができる。SI-F019は、SARS-CoV-2ウイルスを中和し、より少ないエフェクター応答をトリガーするように設計される。
【0058】
本明細書で使用される用語「a」、「an」及び「the」は、文脈が不適切でない限り、「1つ又は複数」を意味し、複数を含むと定義される。
【0059】
用語「組換え融合タンパク質」とは、別々のタンパク質をコードするための2つ以上の遺伝子をコードする融合遺伝子の遺伝子工学によって製造されたタンパク質を指す。
【0060】
用語「ACE2-Fc」とは、ヒトACE2タンパク質断片と、ヒト免疫グロブリンの結晶性断片領域(Fc領域)の改変断片(engineered fragment)との組換え融合タンパク質を指す。前記ヒト免疫グロブリンは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1(d-IgA1、S-IgA1)、IgA2、IgD、IgE及びIgMを含むが、これらに限定されない。
【0061】
用語「スパイク」、「スパイクs」、「Sタンパク質」又はバリアントとは、ウイルスが(「S1サブユニット」又は「S1タンパク質」)に付着し、(「S2サブユニット」又は「S2タンパク質」)を宿主細胞の膜と融合することを可能にするタンパク質を指す。COVID-19の場合、SARS-CoV-2は、ヒト細胞上のACE2受容体に対して十分な親和性を有し、それらを細胞侵入のメカニズムとして使用する。SARS-CoV-2は、元のSARSウイルスよりもヒトACE2に対して高い親和性を有する。
【0062】
用語「Fcドメイン」、「Fc断片」及び「Fc領域」は、IgG、IgA及びIgD抗体アイソタイプにおけるFc領域(それぞれ「Fcドメイン」及び「Fc断片」)の同一ドメイン又は断片を指し、抗体の2本の重鎖のヒンジ並びに第2及び第3定常ドメイン(CH2-CH3)に由来する。
【0063】
用語「親和性」とは、2つのポリペプチド(例えば、受容体/リガンド、ACE2/スパイクタンパク質又はそのバリアント)間の引力の尺度を指す。2つのポリペプチド間の固有の引力は、特定の相互作用の結合親和性平衡定数(KD)として表すことができる。KD結合親和性定数は、例えば、バイオレイヤー干渉法によって測定することができる。
【0064】
用語「アビディティ」とは、個々の非共有結合相互作用(例えば、タンパク質受容体とそのリガンド)の複数の親和性の蓄積された強度を指し、一般的に機能的親和性と呼ばれる。そのため、アビディティは、単一の相互作用の強度を表す親和性と異なる。
【0065】
用語「抗原ドリフト」とは、抗原性がわずかに変化した新しいウイルス株が生じる感染性ウイルスのランダムな遺伝子変異を指し、前のウイルス株の感染を防止した抗体は、この新しいウイルス株に対して効果的ではない可能性がある。
【0066】
「サイトカイン放出症候群」(CRS)という用語は、サイトカインやケモカイン(例えば、インターロイキン(IL)-2、IL-6、IL-7、IL-10、腫瘍壊死因子(TNF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、単球走化性タンパク質-1(MCP1;CCL2としても知られている)、マクロファージ炎症性タンパク質1アルファ(MIP1α;CCL3としても知られている)、CXC-ケモカインリガンド10(CXCL10)、C反応性タンパク質、フェリチン及びSARS-CoV-2感染に起因する中のD二量体)を含む炎症性メディエーターのレベルの上昇に関連するCOVID-19の重症例におけるCRSを指す。
【0067】
実施例
【0068】
実施例1:組換えACE2-Fc融合タンパク質のクローニング、発現及び精製
【0069】
ヒト膜質ACE-2は、ヒトの宿主細胞へのSARS-CoVウイルスの侵入を媒介するための重要な受容体である。ヒトACE2タンパク質は、シグナルペプチド(残基1-17)、亜鉛メタロペプチダーゼドメイン(残基18-615)及びTMPRSS2プロテアーゼ切断部位(残基697-716)の少なくとも3つの機能ドメインを有する。配列番号1は、Genbank number: NP_001358344.1からの全長ヒトACE2タンパク質配列である。そのうち、SARS-CoVウイルスタンパク質であるスパイクは、亜鉛メタロペプチダーゼドメインと相互作用する(配列番号3は、残基1から615の短縮ACE2のタンパク質配列である)。一方、ヒト抗体のFc領域(配列番号5)は、多くの免疫細胞上のFc受容体(FcR)及び補体系のいくつかのタンパク質と相互作用することができる。IgG1 Fc領域の各Fc断片は、C220(EUナンバリングシステム)にシステインを含み、C220にあるシステインは、本質的にカッパ又はラムダ軽鎖のいずれかとジスルフィド結合を形成することができる。遊離システインを含むことでタンパク質が不安定化及び/又は不活性化されるリスクを減らすために、C220をセリン(C220S)又は他のアミノ酸に置換することができる。FcγR及びC1qへのFcの結合を減らすには、K322A、L234A及びL235Aなどの他の点変異を野生型IgG1 Fc断片に導入することができる。4つの変異を有するIgG1 Fc断片は、IgG1 Fcヌル(配列番号6)とまとめて呼ばれる。
【0070】
組換えヒトACE2-Fc融合タンパク質(表1)を、可溶性融合タンパク質が産生されるようにエンジニアリングした。そのうち、SI-69R2(配列番号7)は、TMPRSS2プロテアーゼ切断部位がない短縮ACE2断片と、IgG1 Fcヌル断片との組換え融合タンパク質である。IgアイソタイプのFc断片(例えば、SI-69R2-G4(IgG4 Fc、配列番号9)、SI-69R2-A1(IgA1 Fc、配列番号11)、SI-69R2-A2(IgA2 Fc、配列番号13)又は野生型IgG1 Fc断片(IgG1 Fc、配列番号19))を提供するために、他の組換え融合タンパク質を作成した。さらに、3つのドメインを全て有する短縮ACE2と、野生型IgG1 Fc断片との組換え融合タンパク質を作成した(SI-69R4、1-740、配列番号21)。全ての組換えACE2-Fc融合タンパク質のうち、シグナルペプチド(ACE2残基1-17)は、ヒトACEタンパク質又はACE2-Fc融合タンパク質の他のドメインの機能に影響を与えることなく、長さが異なる他のシグナルペプチドに置き換えることができる。
【0071】
表1に示される融合タンパク質をコードする組換え融合遺伝子をpCGS3.0(例えば、SI-69R2)又はpTT5発現ベクター(例えば、SI-69R4及びSI-69R10)にクローニングし、ExpiCHO細胞で発現させた。全ての融合タンパク質を標準的なタンパク質発現プロトコルに従って精製し、0.22umフィルターで滅菌し、4℃の凍結保存液中で保存した。発現及び精製の過程において、各組換え融合タンパク質に対して、N-グリコシル化及びN末端シグナルペプチド(17個のアミノ酸)の切断を含む翻訳後修飾を行ってもよい。SI-69R2の場合、精製された融合タンパク質は、新たにSI-F019と命名された。
【0072】
図1A及び
図1Bに示すように、SI-F019は、ヒトACE2の亜鉛メタロペプチダーゼドメイン(残基19-611)を含む短縮ACE2断片(残基18-615)を保持するが、TMPRSS2プロテアーゼ切断部位は保持しない。また、SI-F019は、Fcγ受容体への結合を欠くIgG1 Fcヌル断片を保持する。このように、可溶型のSI-F019は、末梢血中の標的細胞に結合しないと予想される。
【0073】
SI-F019融合タンパク質は、N-グリコシル化などの翻訳後修飾や、Fc領域の2つのジスルフィド結合によるホモ二量体化を受ける可能性がある。
図1Cに示すように、SI-F019二量体の実際の分子量を評価するには、分析サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)と、多角度光散乱(MALS)、吸光度(UV)及び/又は屈折率(RI)濃度検出器技術との組み合わせを用いた。この方法は、分子サイズによるクロマトグラフィー分離と、分子量標準キャリブレーションの制限がない光散乱(LS)による絶対モル質量の決定を組み合わせたものである。SI-F019の平均総分子量は209.6kDaであり(メインピーク)、そのうち、SI-F019二量体及びその調節物質(modifier)(即ち、グリカン)の分子量は、それぞれ189.3kDa及び20.3kDaであった。そのアミノ酸の理論計算では、SI-F019単量体の分子量は95.1kDaである。精製されたSI-F019融合タンパク質複合体はホモ二量体である。SI-F019タンパク質複合は、単量体又は二量体としてのSI-F019と、スパイクタンパク質及びエフェクタータンパク質などの他のタンパク質との間のタンパク質間相互作用を指す。SI-F019-スパイクタンパク質複合体の構成(
図1D)は、メカニズムの根底にある。このメカニズムによれば、SI-F019は、SARS-CoV-2ウイルスが膜質ACE2にドッキングしてヒトの宿主細胞に侵入するのを防ぐ候補阻害剤である。
【0074】
実施例2:スパイク、Fc受容体及びC1qへのSI-F019の結合親和性
【0075】
SI-F019は、ヒト宿主細胞上の膜質ACE2タンパク質へのスパイクタンパク質の結合を防止することによりヒトへのSARS-CoVウイルス侵入をブロックするように設計された。スパイクはコロナウイルスの最も特徴的な特徴であり、コロナ又はハローのような表面の原因となるノブ状構造である。スパイクタンパク質は、通常糖タンパク質から構成され、各スパイクは、Sタンパク質の三量体で構成され、Sタンパク質は、S1及びS2サブユニットから構成される。ホモ三量体Sタンパク質は、受容体結合及びウイルスと宿主細胞の間の膜融合を媒介する。S1サブユニットはスパイクの頭部を形成し、受容体結合ドメイン(RBD)を有する。S2サブユニットは、ウイルスエンベロープにスパイクを固定するステムを形成し、プロテアーゼ活性化により融合を可能にする。機能的に活性な状態では、S1とS2のサブユニット複合体は、プロテアーゼ(例えば、宿主細胞のカテプシンファミリーと膜貫通プロテアーゼセリン2(TMPRSS2))の作用下でウイルスが結合して宿主細胞と融合するときに個々のサブユニットに分割される。スパイクは、コロナウイルスによる感染プロセスのウイルス侵入において重要な役割を果たす。COVID-19の場合、SARS-CoV-2ウイルスは、宿主細胞表面の膜結合ACE2受容体にドッキングし、スパイクとACE2の機能ドメインとの間の相互作用は、ウイルスエンベロープと宿主細胞膜との間の融合を引き起こすことにより、ウイルスヌクレオキャプシドの宿主細胞細胞質への放出をもたらす。
【0076】
SI-F019について、ウイルススパイクタンパク質へのACE-Fc融合タンパク質の結合親和性及びアビディティを評価した。バイオレイヤー干渉分析において、スパイクタンパク質のサンプルには、SARS-CoV-2スパイク三量体、SARS-CoV-2 S1タンパク質、SARS-CoV-2 S1タンパク質RBDドメイン、及びSARS-CoV-1 RBDドメインが含まれる(表2)。結合親和性アッセイでは、抗ヒトIgG Fcキャプチャーバイオセンサーチップ表面に固定化されたSI-F019と、溶液中のスパイクタンパク質との結合を測定した。アビディティアッセイでは、溶液中のSI-F019へのストレプトアビジンバイオセンサーチップ表面に固定化されたビオチン化スパイクタンパク質の結合を測定した。データ分析では、1:1フィッティングモデルを利用して、結合親和性とアビディティの両方を計算した。結果は、これらのスパイクタンパク質、断片、又はドメインに対するSI-F019の結合親和性及びアビディティが、それぞれナノモル(nM)スケール内のKDにあることを示している(表2)。この特徴的で有益なデータは、SARS-CoV-2バリアントの中の潜在的な抗原ドリフトを示すウイルススパイクタンパク質のバリアントを有するSI-F019タンパク質複合体を測定するための有用な参考資料になる可能性がある。この現象は、膜性ACE2に対するウイルスの親和性及び宿主細胞へのウイルス侵入を変更した可能性があるスパイクタンパク質のD614GなどのSARS-CoV-2ウイルスの特定の株のウイルス変異(Zhang et al.,2020)を参照すると、現実に近い。
【0077】
スパイクへの結合と並行して、Bio-Layer InterferometryによりヒトFcγR、C1q、FcRnへのSI-F019の結合を評価した。表3に示すように、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIb、FcγRIIIaを含むFcγRへの結合は検出されず、C1qへの結合も検出されなかった。しかし、SI-F019はFcRnに結合し、結合親和性はヒトIgG1 Fc領域に匹敵する37.6nM(KD)であった。
【0078】
実施例3:SI-F019はTMPRSS2プロテアーゼ活性に耐性がある。
【0079】
ヒトACE2は、TMPRSS2による膜プロテアーゼ加水分解を受け、単量体細胞外ACE2が細胞から排出され、血清中で容易に検出できる。組換えACE2-Fc融合タンパク質において、短縮ACE2ドメインはFc断片に融合されたが、ウイルススパイクタンパク質に対する結合親和性を依然として保持している。
【0080】
SI-F019は、短縮ACE2ドメインにTMPRSS2切断部位がないようにエンジニアリングされた。
図1に示すように、SI-F019は、残基18-615を含む一方、SI-69R4は、TMPRSS2切断部位を含む全ての3つのACE2ドメイン(残基1-740、配列番号21)をコードする。SI-F019がTMPRSS2特異的タンパク質分解を受けないことを証明するために、SI-69R4を対照として使用した。TMPRSS2特異的加水分解のアッセイを実行するために、TMPRSS2(106-492)触媒ドメインをクローニングし、発現させ、Genbank:NP_001358344.1に従って精製した。
図2Aに示すように、TMPRSS2の非存在下では、SI-F019及びSI-69R4の両方は、それぞれの分子量(変性条件下の単量体として)に安定して移動した。TMPRSS2を追加した場合、SI-F019はTMPRSS2に対する耐性を示した一方、SI-69R4はタンパク質分解を受け、予測どおりTMPRSS2に対する感受性を示した。したがって、SI-F019は安定しており、TMPRSS3媒介プロテアーゼ活性に耐性を有する。
【0081】
実施例4:SI-F019は、ACE2の酵素活性を発揮する。
【0082】
SI-F019は、短縮ACE2(残基18-615)とIgG1 FCヌル断片との融合タンパク質である。短縮ACE2は、亜鉛メタロペプチダーゼをコードし、その酵素活性は確立されたアッセイにより再評価することができる。MCA(7-メトキシクマリン-4-酢酸)蛍光タグ付きACE2のペプチド基質[MCA-YVADAPK(Dnp)-OH蛍光ペプチド基質]を用いてSI-F019のACE2酵素活性を測定した。MCA分子を遊離フルオロフォア定量化のための標準曲線較正として調製し、基質をDMSO中で0.97mg/mlに希釈した。SI-F019を100、200及び300ng/mlに希釈し、インビトロで蛍光ペプチドを切断して遊離MCAを放出するために使用した。アッセイを室温で20分間インキュベートし、2分間隔の時点で蛍光シグナルについてデータを収集した。
【0083】
MCA標準曲線を使用して切断されたMCAをモルで定量化した。
図2Bに示される線形曲線(時間に対するMCA数量)の傾きに基づいて酵素活性を決定した。SI-F019は、3つの濃度で良好な直線性(R2>0.99)を示し、ペプチドの安定した切断が濃度依存的であることを示している。酵素活性を計算するために、傾きをSI-F019の質量数(μg)で割った。最終の特異的な酵素活性は、568pmol/min/μgであった。SI-F019が膜質ACE2の酵素活性を保持するという事実は、ACE2のこの独立したドメインが宿主受容体-ウイルス相互作用のための構造的立体配座も保持することを示している。
【0084】
実施例5:SI-F019は、VeroE6細胞への生SARS-CoV-2感染を阻害する。
【0085】
SI-F019について、生SARS-CoV-2感染及びVeroE6(ATCC:CRL-1586)細胞の溶解をインビトロで阻害する能力を試験した。試験濃度が1.5nMから1200nMの範囲のSI-F019を3つの濃度の生SARS-CoV-2ウイルス(USA-WA1/2020株、感染多重度MOIの100倍の範囲を表す)と1時間プレインキュベートした後、90%コンフルエントの単層VeroE6細胞に加えた。1時間後、ウイルスを含む培地を除去し、試験濃度が一致するSI-F019を含む培地と交換し、試験を3回実施した。細胞生存率は72時間後のニュートラルレッド色素の取り込みにより測定され、溶菌性ウイルス感染の阻害率は各MOIでウイルスを添加したウェル(SI-F019なし)と比較して決定された。各ウイルス濃度(1MOI=40,000ウイルス粒子)の50%阻害濃度(IC50)は、GraphPad Prismソフトウェアにより計算され、各グラフに示される。SI-F019と生SARS-CoV-2とのプレインキュベーションにより、3つの全てのMOIで試験ウイルスに対する用量依存的な感染遮断は100%に達した。
図3に示すように、SI-F019は1.0MOIで40,000ものウイルス粒子を中和し、IC50は97.62nMであった。0.1及び0.01MOIで、SI-F019はそれぞれ79.95nM及び36.5nMのIC50で感染を遮断することができた。
【0086】
実施例6:SI-F019はウイルスの複製と再感染を減少させる。
【0087】
SI-F019について、複製と再感染(即ち、以前に低MOIのSARS-CoV-2又はSARS-CoV-1ウイルスで感染したVeroE6細胞へのさらなる感染)を阻害する能力を試験した。90%コンフルエントの単層(約20,000細胞)のVeroE6細胞を、SARS-CoV-2(Strain USA-WA1/2020)又はSARS-CoV-1(Strain Urbani 2003000592)に0.01MOI(ウイルス感染粒子400個として計算)で1時間曝露した。遊離ウイルス粒子を洗い流した後、SI-F019を10fMから100nMの範囲で細胞に添加(三重反復;triplicates)し、細胞培養を72時間維持した。ニュートラルレッド染料の取り込みによって細胞生存率を決定し、ウイルス細胞傷害の阻害%を計算した。100%の細胞生存率を表すウイルス又は薬剤を含まない(NVND)条件での最大吸光度により各プレートで吸光度の値を標準化し、最大細胞死を確立するウイルス/薬物なし(VND)の平均吸光度値を下式により計算した。
【0088】
%細胞生存率=[(Well OD540-VND OD540)/(NVND OD540-VND OD540)]*100
【0089】
図4に示すように、SI-F019を10fMの濃度で添加することにより、Vero E6細胞は二次感染から保護された。SARS-CoV-2又はSARS-CoV-1ウイルスを0.01MOIで1時間感染させた培養により、細胞溶解は少なくとも20%減少した。しかし、SI-F019の濃度を10倍ずつ100nMまで増加させた場合、このアッセイでは保護の有意な向上は観察されなかった。この発見から分かるように、低力価のウイルスを感染させた細胞にSI-F019を添加することで、低濃度でもウイルスの拡散と細胞毒性の程度を低下させることができる。
【0090】
実施例7:SI-F019は、HEK293T-ACE2細胞のシュードウイルス感染を阻害する。
【0091】
ヒトACE2タンパク質のレンチウイルス形質導入によりHEK293T(ATCC:CRL-3216)-3D4クローン細胞株を作成した。発現したヒトACE2の機能は、酵素基質変換アッセイ及びFACSによる特異的抗体による結合によって確認された。ルシフェラーゼレポーター遺伝子を含むSARS-CoV-2 Sタンパク質パッケージシュードウイルスは、国立医薬品生物製品管理研究所から入手した。試験はメーカーの指示に従って実施された。300TCID50/ウェルのウイルス負荷(virus load)を得るために、Sシュードウイルスストック溶液を培養培地において20MRDで希釈した。濃度範囲0.07nMから1500nMのSI-F019を希釈したウイルス溶液と1時間プレインキュベートした。HEK293T-3D4細胞を96ウェルプレートに分散させた。1時間後、混合物を細胞プレートに添加した。24時間のインキュベーション後にルシフェラーゼ活性を試験することによって感染細胞を測定した。GraphPad Prismソフトウェアにより、定義されたウイルス負荷の50%阻害濃度(IC50)を計算した。
図5に示すように、シュードウイルスとプレインキュベーションした後、SI-F019はウイルス感染を用量依存的に阻害し、より高い濃度で完全な阻害を達成する(IC50=32.56nM)。
【0092】
実施例8:SI-F019はADEの発生率を低下させる。
【0093】
抗体依存性増強(ADE)は、不適切な抗体へのウイルスの結合が宿主細胞への侵入を増強する現象である。COVID-19の場合、一次感染に起因して抗SARS-CoV-2抗体を有する患者又はワクチン接種を受けた個体へのSARS-CoV-2ウイルスの二次感染は、単球及びB細胞によるウイルスの取り込みの増強を引き起こす可能性がある。ウイルスと接触する抗ウイルス抗体は、特定の免疫細胞又はいくつかの補体タンパク質に発現されるFc受容体に結合する可能性がある。後者の結合は、抗体のFc領域に依存する。典型的には、ウイルスは食作用と呼ばれるプロセスにより分解され、このプロセスにより、ウイルス粒子は原形質膜を介して宿主細胞に飲み込まれる。しかし、ウイルスが抗体によって中和されていない場合、結合親和性が低いか、非中和エピトープを標的とするため、抗体の結合によってウイルスエスケープを引き起こす可能性がある。その結果、抗体により感染が増強する。
【0094】
自然免疫又はワクチン接種のいずれかによって産生された抗体は、野生型Fc領域を有する。SI-F019はアンチスパイク抗体と競合してSARS-CoV2ウイルスに結合することができるが、IgG1 Fcヌル断片はFc受容体又はC1qのいずれにも結合することができない(表3を参照)。ADEの影響を軽減する上での比較優位性を実証するために、SI-F019の内在化、複製及び再感染における役割を評価した。
【0095】
Fc媒介内在化を測定するためのアッセイにおいて、SARS-CoV-2 Sタンパク質をGFP発現シュードウイルス(PsV)にパッケージングし、Fc受容体と補体受容体2(CR2)を発現する2つの細胞株(THP1(単球)及びDaudi(B細胞))を使用して、FcRγとCR2媒介ADEメカニズムを試験した。SI-69R3は、SI-F019の対照として使用され、野生型Fcを有するのに対し、SI-F019は、IgG1 Fcヌル修飾を有する(表1を参照)。PsVに48時間さらされた後、細胞からの緑色蛍光シグナルをPsV感染の指標として定量化した。PsV及びSI-69C1、抗S1抗体又はSI-69R3で処理した条件では、低レベルの緑色蛍光は、48時間後にTHP1(pH7.2)(6A)、THP1(pH6.0)(6B)及びDaudi(6C)細胞において測定された。この結果は、Fc受容体を介してPsVの一部の転送が発生する可能性があることを示している。対照的に、指定濃度のSI-F019を含む条件では、THP1又はDaudi細胞によるPsVの取り込みは発生せず、アッセイメディア、処方緩衝液(formulation buffer)、SI-69C1などの陰性対照条件で測定された緑色蛍光シグナルに匹敵した(
図6)。1pMから100nMの範囲の用量で細胞を処理した結果から分かるように、Fc媒介ADEの効果は用量依存的であった。これは、FcγR又はCR2メカニズムのいずれかを介してPsVの取り込みが発生する可能性があることを示している。
【0096】
実施例9:SI-F019は、PsVのウイルス負荷を減少させる。
【0097】
SI-F019は、機能的なFc断片がないため、Sタンパク質でパッケージングされたGFP発現シュードウイルス(PsV)の内在化を媒介しない可能性がある。SI-F019がシュードウイルスの取り込みを阻害できるかどうかを確認するために、SI-69R3又は天然抗SARS-CoV-2抗体との共処理としてSI-F019を競合モードで使用した。同じセットの標的細胞に感染する前に、PsVを10pMの抗SARS-CoV-2(S1)抗体又は10pMのSI-69R3とともに、1pMから100nMの用量範囲でSI-F019と1時間インキュベートした。PsV由来のGFPシグナルを感染のウイルス負荷として検出した。SI-F019は、標的細胞内のPsVのウイルス負荷を10fMから阻害することができた(
図7)。
【0098】
抗SARS-CoV-2(S1)抗体などの抗体と、SI-69R3の短縮ACE2-野生型Fc断片の融合タンパク質の両方は、SARS-CoV-2スパイクシュードタイプレンチウイルスの内在化を媒介できたのに対し、SI-F019は、機能的なFc断片を有さないため、SARS-CoV-2スパイクシュードタイプレンチウイルスの内在化を媒介できなかった。ここで、SI-F019は、10pMの抗SARS-CoV-2(S1)抗体又は10pMのSI-69R3のいずれかの存在下で、10fMの低濃度であっても、PsVのウイルス負荷の減少に役に立った。これらの結果から分かるように、SI-F019は、THP1単球及びDaudi B細胞のそれぞれにおいてFcRγ及びCR2依存メカニズムによって誘導されるADEの発生率を低下させることができる。
【0099】
実施例10:SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞
【0100】
SARS-CoV-2スパイクタンパク質をコードするcDNA(Accession:YP_009724390.1)でパッケージングしたレンチウイルスを形質導入すること、及び同じ発現コンストラクト(LPP-CoV219-Lv105-050,GeneCopoeia)によって駆動されるピューロマイシン耐性に基づくIRES発現と選択により、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を安定的に発現するHEK293-T細胞(ATCC:CRL-3216)を樹立した。SARS-CoV-2スパイクタンパク質「Anti-Spike」(SKU938701、Biolegend)に特異的なヒトIgGクローンAM001414の結合によりSARS-CoV-2スパイクタンパク質の発現を確認し、ヒトIgGアイソタイプが一致したクローンQA16A12(SKU403502、Biolegend)を対照「アイソタイプ」として使用した。ポリクローナル抗ヒトFc AF647 Fab(SKU109-607-008,Jackson Immuno Research)との二次インキュベーションにより、結合したタンパク質を定量化し、FACS評価を
図8に示す。
【0101】
いずれかのSARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞及び親HEK293細胞を、内在化阻害剤アジ化ナトリウムの存在下、所定材料で37℃で30分間染色した。遊離SI-F019を除去した後、抗ヒトFc AF647 fab(SKU109-607-008、Jackson ImmunoResearch)及びフローサイトメトリー分析によりSI-F109を検出及び定量した。
図9に示すように、幾何平均シグナル強度により、SI-F019と標的細胞株の結合を定量化した。いずれかのSARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞は、COVID-19感染細胞のモデルとして使用することができる。
【0102】
実施例11:抗体依存性細胞傷害(ADCC)に対するSI-F019の影響
【0103】
抗体依存性細胞障害(ADCC)は、COVID-19の場合のSARS-CoV-2ウイルスの感染などのウイルス感染に対する重要な免疫応答の1つである。最初のウイルス感染の後に、抗ウイルス抗体はウイルス粒子に直接結合して中和及び凝集する。食細胞上のFc受容体へのウイルス-抗体複合体の結合は、食作用を引き起こし、ウイルスを破壊することができ、単球、好中球、好酸球、NK細胞などの免疫エフェクター細胞上のFc受容体への結合は、細胞傷害性因子(抗ウイルス性インターフェロンなど)の放出を引き起こし、ウイルス複製に対して敵対的な微小環境を形成することができる。
【0104】
SI-F019の効果を抗スパイク抗体と区別するために、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞にCalcein-AMをロードし、5:1のエフェクター対ターゲット比で精製ヒトNK細胞と共培養した。試験された処理には、SI-F019及びS1特異的ヒトIgGクローンSI-69C3が含まれた。SI-69C3は、入院中のCOVID-19患者から単離されたヒト抗体クローンCC12.3である(10.1126/science.abc7520)。12時間共培養した後、細胞をヨウ化プロピジウムで染色し、生存率を評価した。
図10に示すように、カルセイン-AM(Calcein-AM)の発現及びヨウ化プロピジウム染色に基づく生存標的細胞頻度(集団3)の減少を細胞溶解の尺度として評価した。
【0105】
NK細胞によって媒介されるADCCは、S1特異的ヒトIgGクローンSI-69C3(クローンCC12.3)暴露されると、SARS-CoV-2タンパク質を発現するHEK293-T細胞にダイレクトされる可能性がある。SI-F019は、100nMから100fMの治療範囲内でSI-69C3と比較してADCCを媒介しなかった。これらのアッセイ条件下で、wt Fc(SI-69R3)を含むSI-F019薬物バリアントは、ADCCを用量依存的に媒介することができたが、
図11及び
図12に示すように、活性のレベルはS1特異的ヒトIgGクローンCC12.3よりも低かった。これらのデータから分かるように、SARS-CoV-2 S1特異的ヒトIgG抗体と異なり、SI-F019はNK細胞媒介ADCCを媒介しない。
【0106】
実施例12:補体依存性細胞傷害(CDC)に対するSI-F019の効果
【0107】
COVID-19患者の抗体ベースの細胞及び組織損傷の媒介における補体カスケードの役割は、自然免疫応答と中和抗体ベースの治療の両方で明らかである(Perico et al.,2021)。ウイルスと特定のIgGで形成された免疫複合体は、補体誘導性血液凝固、血栓塞栓症及び全身性微小血管障害を媒介する。COVID-19患者におけるこれらの広範な合併症は、生命を脅かす可能性があり、IgGに結合する補体タンパク質に依存する。C1qを介して赤血球と、FcγRIIAを有する血小板とを架橋するウイルス免疫複合体は、COVID-19患者の血栓塞栓症のメディエーターである(Nazy et al.,2020)。内皮血管壁への免疫複合体の固定及び補体媒介性凝固は、内皮細胞の活性化が血栓塞栓症カスケードの一部であるCOVID-19患者の主な懸念事項である。
【0108】
表3に示すように、天然IgG抗体と異なり、SI-F019はC1qに結合することができない。この特徴により、表面にSARS-CoV-2スパイクタンパク質を一過性に発現できる感染した上皮及び内皮の細胞死の誘導リスクが排除される。SI-F019のこの保護効果は、抗スパイクヒトIgG抗体と比較して実証されている。
【0109】
SI-F019の保護効果を実証するために、SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するHEK293-T細胞を無血清培地(Optimem)で培養し、30分間処理した後、1:10の血清対培地比でヒト血清補体を添加した。試験した処理には、SI-F019及びS1特異的ヒトIgGクローンAM001414が含まれた。細胞を37℃で3時間培養した後、ヨウ化プロピジウム染色を行い、各ウェルの陽性染色細胞を計数した。
図12及び
図13に示すように、3時間後にIncucyte Zoom ソフトウェアで計数した赤血球をCDC尺度として評価する。
図13に示すように、96時間後の全細胞コンフルエンスをCDC影響の尺度として評価した。
【0110】
補体損傷からの組織細胞の保護は、ヒト血清補体攻撃後にこれらの細胞がさらに増殖する能力によってさらに確認される。S1特異的ヒトIgGクローン(クローンAM4141)にさらされた場合、SARS-Cov-2 Sタンパク質を発現するHEK293T細胞に対して、無血清培地において1:10の体積対体積比でヒト血清補体によって媒介されるCDCは評価可能である。結果として、ヒト可溶性単量体ACE2及びSI-F019の両方はCDCを媒介しなかったのに対し、SI-69R3はヒトIgG抗体と比較して用量依存的にCDC活性を限定的に増加させた。処理した96時間後の十分なコンフルエンスに基づいて、CDC細胞溶解は細胞増殖の減少に反映された。
【0111】
実施例13:PBMC培養における可溶性又はプレート結合SI-F019によって誘導されるサイトカイン放出
【0112】
SARS-CoV-2は、気道及び小腸のACE2発現上皮に対して親和性を有する。サイトカイン放出症候群(CRS)を示すIL-2、IL-6、IL-7、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、インターフェロンγ誘導タンパク質10(IP-10)、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、マクロファージ炎症性タンパク質1α(MIP-1α)及び腫瘍壊死因子α(TNF-α)の上昇の臨床検査所見は、根底にある免疫病理学を示唆している。CRSは、生物製剤による治療の有用性を制限する可能性がある主な副作用であり、インビトロサイトカイン放出アッセイにより試験された。
【0113】
SI-F019は、ヒトACE2と、Fcγ受容体に結合できない変異型ヒトIgG1 Fcから構成される融合タンパク質である。したがって、SI-F019は、末梢血中の標的細胞に結合しないことやサイトカインの放出を誘導しないことが期待されている。5人の健康なドナーから単離された好中球を含む白血球(WBC)を、2000nM及び200nM濃度のプレート結合又は可溶性SI-F019を含む培養ウェルに入れた。
【0114】
TGN1412抗体は、このアッセイのプレート結合フォーマットでサイトカイン放出を誘導する能力が十分に実証されているため、陽性対照として同じ濃度及び同じフォーマットで使用された。SI-69R3との比較により、IgG1 Fcヌル断片がサイトカイン放出を減少させる潜在的な寄与を評価した。SI-69R3は、末梢血のいくつかの細胞型によって発現されるFcγ受容体に結合できる野生型Fc断片を有する。同様の希釈でSI-F019の処方緩衝液のみを含むWBC培養物を陰性対照として使用した。培養上清を24時間及び48時間の時点で収集し、Meso Scale Discovery(MSD)プラットフォームにより9つのサイトカインの存在は検出された。
【0115】
サイトカインパネルには、
図14Aから14Eに示すように、T細胞関連サイトカインIFNγ、TNFα、GM-CSF、IL-2及びIL-10が含まれる。また、
図14Fから14Iに示すように、炎症誘発性非T細胞関連サイトカインIL-1β、IL-12p70、IL-6、単球走化性タンパク質MCP-1のレベルも試験された。各供血者について各ウェルを二重測定し、得られた結果の平均値を算出し、JMP14ソフトウェアを使用して95%信頼区間及び外れ値を示す箱ひげ図を作成した。
【0116】
結果から分かるように、SI-F019は、200nM及び2000nMの濃度で、プレート結合又は可溶性フォーマットのいずれにおいても、試験したサイトカインのいずれもWBCへの暴露を誘導しない。SI-F019処理サンプル中のサイトカインのレベルは、全ての条件で緩衝液対照と類似の濃度を示した。陽性対照TGN1412は、可溶性フォーマットではなく、プレート結合フォーマットの場合、ほとんどのサイトカインを強く誘導しており、これは以前に公開された結果と一致している。プレート結合ACE2-Fc野生型を使用して白血球を刺激した場合、IFNγ、GM-CSF及びTNFαの中間生成が検出され、これはSI-F019のFcヌル断片の向上した安全性を示している。
【0117】
SARS-CoV-2ウイルスに対する体液性反応の病原性役割は、最近、介入的IgG療法を受けている患者によって示唆されている(Weinreich et al.,2021;Chen et al.,2021)。小血管の過炎症反応は、血小板増加症、そう痒症、発熱、高血圧などの有害事象の根底にある。本発明では、SI-F019は、機能障害の複数の経路から組織及び臓器を保護しながら、IgG治療に匹敵するウイルス中和の効果を提供できることが実証されている。したがって、SI-F019は、ウイルス感染の治療、予防又は緩和に使用でき、特にCOVID-19の進行を予防及び管理し、臨床的合併症を軽減するために使用でき、さらに急性呼吸窮迫症候群、肺動脈性肺高血圧症又は急性肺損傷にも使用できる。
【0118】
(表)
表1:組換えACE2-Fc融合タンパク質のクローニング、発現、および精製
表2:ウイルスタンパク質へのSI-F019の親和性及びアビディティ
表3:Fc受容体への結合に対するFcヌル変異の影響
【0119】
配列表
>Sequence ID 1: huACE2 full length protein sequence (Genbank_number:NP_001358344.1, TMPRSS2 protease cutting site)
MSSSSWLLLSLVAVTAAQSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADQSIKVRISLKSALGDKAYEWNDNEMYLFRSSVAYAMRQYFLKVKNQMILFGEEDVRVANLKPRISFNFFVTAPKNVSDIIPRTEVEKAIRMSRSRINDAFRLNDNSLEFLGIQPTLGPPNQPPVSIWLIVFGVVMGVIVVGIVILIFTGIRDRKKKNKARSGENPYASIDISKGENNPGFQNTDDVQTSF
>Sequence ID 2: huACE2 full length DNA sequence
(Genbank_number: NM_021804.3)
ATGTCAAGCTCTTCCTGGCTCCTTCTCAGCCTTGTTGCTGTAACTGCTGCTCAGTCCACCATTGAGGAACAGGCCAAGACATTTTTGGACAAGTTTAACCACGAAGCCGAAGACCTGTTCTATCAAAGTTCACTTGCTTCTTGGAATTATAACACCAATATTACTGAAGAGAATGTCCAAAACATGAATAATGCTGGGGACAAATGGTCTGCCTTTTTAAAGGAACAGTCCACACTTGCCCAAATGTATCCACTACAAGAAATTCAGAATCTCACAGTCAAGCTTCAGCTGCAGGCTCTTCAGCAAAATGGGTCTTCAGTGCTCTCAGAAGACAAGAGCAAACGGTTGAACACAATTCTAAATACAATGAGCACCATCTACAGTACTGGAAAAGTTTGTAACCCAGATAATCCACAAGAATGCTTATTACTTGAACCAGGTTTGAATGAAATAATGGCAAACAGTTTAGACTACAATGAGAGGCTCTGGGCTTGGGAAAGCTGGAGATCTGAGGTCGGCAAGCAGCTGAGGCCATTATATGAAGAGTATGTGGTCTTGAAAAATGAGATGGCAAGAGCAAATCATTATGAGGACTATGGGGATTATTGGAGAGGAGACTATGAAGTAAATGGGGTAGATGGCTATGACTACAGCCGCGGCCAGTTGATTGAAGATGTGGAACATACCTTTGAAGAGATTAAACCATTATATGAACATCTTCATGCCTATGTGAGGGCAAAGTTGATGAATGCCTATCCTTCCTATATCAGTCCAATTGGATGCCTCCCTGCTCATTTGCTTGGTGATATGTGGGGTAGATTTTGGACAAATCTGTACTCTTTGACAGTTCCCTTTGGACAGAAACCAAACATAGATGTTACTGATGCAATGGTGGACCAGGCCTGGGATGCACAGAGAATATTCAAGGAGGCCGAGAAGTTCTTTGTATCTGTTGGTCTTCCTAATATGACTCAAGGATTCTGGGAAAATTCCATGCTAACGGACCCAGGAAATGTTCAGAAAGCAGTCTGCCATCCCACAGCTTGGGACCTGGGGAAGGGCGACTTCAGGATCCTTATGTGCACAAAGGTGACAATGGACGACTTCCTGACAGCTCATCATGAGATGGGGCATATCCAGTATGATATGGCATATGCTGCACAACCTTTTCTGCTAAGAAATGGAGCTAATGAAGGATTCCATGAAGCTGTTGGGGAAATCATGTCACTTTCTGCAGCCACACCTAAGCATTTAAAATCCATTGGTCTTCTGTCACCCGATTTTCAAGAAGACAATGAAACAGAAATAAACTTCCTGCTCAAACAAGCACTCACGATTGTTGGGACTCTGCCATTTACTTACATGTTAGAGAAGTGGAGGTGGATGGTCTTTAAAGGGGAAATTCCCAAAGACCAGTGGATGAAAAAGTGGTGGGAGATGAAGCGAGAGATAGTTGGGGTGGTGGAACCTGTGCCCCATGATGAAACATACTGTGACCCCGCATCTCTGTTCCATGTTTCTAATGATTACTCATTCATTCGATATTACACAAGGACCCTTTACCAATTCCAGTTTCAAGAAGCACTTTGTCAAGCAGCTAAACATGAAGGCCCTCTGCACAAATGTGACATCTCAAACTCTACAGAAGCTGGACAGAAACTGTTCAATATGCTGAGGCTTGGAAAATCAGAACCCTGGACCCTAGCATTGGAAAATGTTGTAGGAGCAAAGAACATGAATGTAAGGCCACTGCTCAACTACTTTGAGCCCTTATTTACCTGGCTGAAAGACCAGAACAAGAATTCTTTTGTGGGATGGAGTACCGACTGGAGTCCATATGCAGACCAAAGCATCAAAGTGAGGATAAGCCTAAAATCAGCTCTTGGAGATAAAGCATATGAATGGAACGACAATGAAATGTACCTGTTCCGATCATCTGTTGCATATGCTATGAGGCAGTACTTTTTAAAAGTAAAAAATCAGATGATTCTTTTTGGGGAGGAGGATGTGCGAGTGGCTAATTTGAAACCAAGAATCTCCTTTAATTTCTTTGTCACTGCACCTAAAAATGTGTCTGATATCATTCCTAGAACTGAAGTTGAAAAGGCCATCAGGATGTCCCGGAGCCGTATCAATGATGCTTTCCGTCTGAATGACAACAGCCTAGAGTTTCTGGGGATACAGCCAACACTTGGACCTCCTAACCAGCCCCCTGTTTCCATATGGCTGATTGTTTTTGGAGTTGTGATGGGAGTGATAGTGGTTGGCATTGTCATCCTGATCTTCACTGGGATCAGAGATCGGAAGAAGAAAAATAAAGCAAGAAGTGGAGAAAATCCTTATGCCTCCATCGATATTAGCAAAGGAGAAAATAATCCAGGATTCCAAAACACTGATGATGTTCAGACCTCCTTTTAG
>Sequence ID 3: huACE2 functional domain (residue:1-615) protein sequence
MSSSSWLLLSLVAVTAAQSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYAD
>Sequence ID 4: huACE2 functional domain (residue:1-615) DNA sequence
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>Sequence ID 5: Fc wild type IgG1 Fc (EU numbering 216-447)
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>Sequence ID 6: Fc null version (EU numbering 216-447, with mutations: C220S, L234A, L235A, and K322A)
EPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>Sequence ID 7: SI-69R2_huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgG1 Fc (null) protein sequence (EU numbering 216-447, with mutations: C220S, L234A, L235A, and K322A)
MSSSSWLLLSLVAVTAAQSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>Sequence ID 8:SI-69R2: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgG1 Fc (null) DNA sequence
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>Sequence ID 9: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgG4 Fc protein sequence
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>Sequence ID 10: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgG4 Fc DNA sequence
ATGTCAAGCTCTTCCTGGCTCCTTCTCAGCCTTGTTGCTGTAACTGCTGCTCAGTCCACCATTGAGGAACAGGCCAAGACATTTTTGGACAAGTTTAACCACGAAGCCGAAGACCTGTTCTATCAAAGTTCACTTGCTTCTTGGAATTATAACACCAATATTACTGAAGAGAATGTCCAAAACATGAATAATGCTGGGGACAAATGGTCTGCCTTTTTAAAGGAACAGTCCACACTTGCCCAAATGTATCCACTACAAGAAATTCAGAATCTCACAGTCAAGCTTCAGCTGCAGGCTCTTCAGCAAAATGGGTCTTCAGTGCTCTCAGAAGACAAGAGCAAACGGTTGAACACAATTCTAAATACAATGAGCACCATCTACAGTACTGGAAAAGTTTGTAACCCAGATAATCCACAAGAATGCTTATTACTTGAACCAGGTTTGAATGAAATAATGGCAAACAGTTTAGACTACAATGAGAGGCTCTGGGCTTGGGAAAGCTGGAGATCTGAGGTCGGCAAGCAGCTGAGGCCATTATATGAAGAGTATGTGGTCTTGAAAAATGAGATGGCAAGAGCAAATCATTATGAGGACTATGGGGATTATTGGAGAGGAGACTATGAAGTAAATGGGGTAGATGGCTATGACTACAGCCGCGGCCAGTTGATTGAAGATGTGGAACATACCTTTGAAGAGATTAAACCATTATATGAACATCTTCATGCCTATGTGAGGGCAAAGTTGATGAATGCCTATCCTTCCTATATCAGTCCAATTGGATGCCTCCCTGCTCATTTGCTTGGTGATATGTGGGGTAGATTTTGGACAAATCTGTACTCTTTGACAGTTCCCTTTGGACAGAAACCAAACATAGATGTTACTGATGCAATGGTGGACCAGGCCTGGGATGCACAGAGAATATTCAAGGAGGCCGAGAAGTTCTTTGTATCTGTTGGTCTTCCTAATATGACTCAAGGATTCTGGGAAAATTCCATGCTAACGGACCCAGGAAATGTTCAGAAAGCAGTCTGCCATCCCACAGCTTGGGACCTGGGGAAGGGCGACTTCAGGATCCTTATGTGCACAAAGGTGACAATGGACGACTTCCTGACAGCTCATCATGAGATGGGGCATATCCAGTATGATATGGCATATGCTGCACAACCTTTTCTGCTAAGAAATGGAGCTAATGAAGGATTCCATGAAGCTGTTGGGGAAATCATGTCACTTTCTGCAGCCACACCTAAGCATTTAAAATCCATTGGTCTTCTGTCACCCGATTTTCAAGAAGACAATGAAACAGAAATAAACTTCCTGCTCAAACAAGCACTCACGATTGTTGGGACTCTGCCATTTACTTACATGTTAGAGAAGTGGAGGTGGATGGTCTTTAAAGGGGAAATTCCCAAAGACCAGTGGATGAAAAAGTGGTGGGAGATGAAGCGAGAGATAGTTGGGGTGGTGGAACCTGTGCCCCATGATGAAACATACTGTGACCCCGCATCTCTGTTCCATGTTTCTAATGATTACTCATTCATTCGATATTACACAAGGACCCTTTACCAATTCCAGTTTCAAGAAGCACTTTGTCAAGCAGCTAAACATGAAGGCCCTCTGCACAAATGTGACATCTCAAACTCTACAGAAGCTGGACAGAAACTGTTCAATATGCTGAGGCTTGGAAAATCAGAACCCTGGACCCTAGCATTGGAAAATGTTGTAGGAGCAAAGAACATGAATGTAAGGCCACTGCTCAACTACTTTGAGCCCTTATTTACCTGGCTGAAAGACCAGAACAAGAATTCTTTTGTGGGATGGAGTACCGACTGGAGTCCATATGCAGACGAGTCCAAATATGGTCCCCCGTGCCCACCATGCCCAGCACCTGAGTTCCTGGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTCCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTAAATGA
>Sequence ID 11: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgA1 Fc Protein sequence
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>Sequence ID 12: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgA1 Fc DNA sequence
ATGTCAAGCTCTTCCTGGCTCCTTCTCAGCCTTGTTGCTGTAACTGCTGCTCAGTCCACCATTGAGGAACAGGCCAAGACATTTTTGGACAAGTTTAACCACGAAGCCGAAGACCTGTTCTATCAAAGTTCACTTGCTTCTTGGAATTATAACACCAATATTACTGAAGAGAATGTCCAAAACATGAATAATGCTGGGGACAAATGGTCTGCCTTTTTAAAGGAACAGTCCACACTTGCCCAAATGTATCCACTACAAGAAATTCAGAATCTCACAGTCAAGCTTCAGCTGCAGGCTCTTCAGCAAAATGGGTCTTCAGTGCTCTCAGAAGACAAGAGCAAACGGTTGAACACAATTCTAAATACAATGAGCACCATCTACAGTACTGGAAAAGTTTGTAACCCAGATAATCCACAAGAATGCTTATTACTTGAACCAGGTTTGAATGAAATAATGGCAAACAGTTTAGACTACAATGAGAGGCTCTGGGCTTGGGAAAGCTGGAGATCTGAGGTCGGCAAGCAGCTGAGGCCATTATATGAAGAGTATGTGGTCTTGAAAAATGAGATGGCAAGAGCAAATCATTATGAGGACTATGGGGATTATTGGAGAGGAGACTATGAAGTAAATGGGGTAGATGGCTATGACTACAGCCGCGGCCAGTTGATTGAAGATGTGGAACATACCTTTGAAGAGATTAAACCATTATATGAACATCTTCATGCCTATGTGAGGGCAAAGTTGATGAATGCCTATCCTTCCTATATCAGTCCAATTGGATGCCTCCCTGCTCATTTGCTTGGTGATATGTGGGGTAGATTTTGGACAAATCTGTACTCTTTGACAGTTCCCTTTGGACAGAAACCAAACATAGATGTTACTGATGCAATGGTGGACCAGGCCTGGGATGCACAGAGAATATTCAAGGAGGCCGAGAAGTTCTTTGTATCTGTTGGTCTTCCTAATATGACTCAAGGATTCTGGGAAAATTCCATGCTAACGGACCCAGGAAATGTTCAGAAAGCAGTCTGCCATCCCACAGCTTGGGACCTGGGGAAGGGCGACTTCAGGATCCTTATGTGCACAAAGGTGACAATGGACGACTTCCTGACAGCTCATCATGAGATGGGGCATATCCAGTATGATATGGCATATGCTGCACAACCTTTTCTGCTAAGAAATGGAGCTAATGAAGGATTCCATGAAGCTGTTGGGGAAATCATGTCACTTTCTGCAGCCACACCTAAGCATTTAAAATCCATTGGTCTTCTGTCACCCGATTTTCAAGAAGACAATGAAACAGAAATAAACTTCCTGCTCAAACAAGCACTCACGATTGTTGGGACTCTGCCATTTACTTACATGTTAGAGAAGTGGAGGTGGATGGTCTTTAAAGGGGAAATTCCCAAAGACCAGTGGATGAAAAAGTGGTGGGAGATGAAGCGAGAGATAGTTGGGGTGGTGGAACCTGTGCCCCATGATGAAACATACTGTGACCCCGCATCTCTGTTCCATGTTTCTAATGATTACTCATTCATTCGATATTACACAAGGACCCTTTACCAATTCCAGTTTCAAGAAGCACTTTGTCAAGCAGCTAAACATGAAGGCCCTCTGCACAAATGTGACATCTCAAACTCTACAGAAGCTGGACAGAAACTGTTCAATATGCTGAGGCTTGGAAAATCAGAACCCTGGACCCTAGCATTGGAAAATGTTGTAGGAGCAAAGAACATGAATGTAAGGCCACTGCTCAACTACTTTGAGCCCTTATTTACCTGGCTGAAAGACCAGAACAAGAATTCTTTTGTGGGATGGAGTACCGACTGGAGTCCATATGCAGACAGCCAGGATGTGACTGTGCCCTGCCCAGTTCCCTCAACTCCACCTACCCCATCTCCCTCAACTCCACCTACCCCATCTCCCTCATGCTGCCACCCCCGACTGTCACTGCACCGACCGGCCCTCGAGGACCTGCTCTTAGGTTCAGAAGCGAACCTCACGTGCACACTGACCGGCCTGAGAGATGCCTCAGGTGTCACCTTCACCTGGACGCCCTCAAGTGGGAAGAGCGCTGTTCAAGGACCACCTGAGCGTGACCTCTGTGGCTGCTACAGCGTGTCCAGTGTCCTGCCGGGCTGTGCCGAGCCATGGAACCATGGGAAGACCTTCACTTGCACTGCTGCCTACCCCGAGTCCAAGACCCCGCTAACCGCCACCCTCTCAAAATCCGGAAACACATTCCGGCCCGAGGTCCACCTGCTGCCGCCGCCGTCGGAGGAGCTGGCCCTGAACGAGCTGGTGACGCTGACGTGCCTGGCACGCGGCTTCAGCCCCAAGGACGTGCTGGTTCGCTGGCTGCAGGGGTCACAGGAGCTGCCCCGCGAGAAGTACCTGACTTGGGCATCCCGGCAGGAGCCCAGCCAGGGCACCACCACCTTCGCTGTGACCAGCATACTGCGCGTGGCAGCCGAGGACTGGAAGAAGGGGGACACCTTCTCCTGCATGGTGGGCCACGAGGCCCTGCCGCTGGCCTTCACACAGAAGACCATCGACCGCTTGGCGGGTAAACCCACCCATGTCAATGTGTCTGTTGTCATGGCGGAGGTGGACGGCACCTGCTACTGA
>Sequence ID 13: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgA2 Fc Protein sequence
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>Sequence ID 14: huACE2 functional domain (residue:1-615)- IgA2 Fc DNA sequence
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>Sequence ID 15: SI-F019_huACE2 functional domain (residue:18-615)- IgG1 Fc (null) protein sequence (with mutations at C220S, L234A, L235A, and K322A, EU numbering)
QSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCAVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>Sequence ID 16: huACE2 functional domain (residue:18-615)- IgG4 Fc protein sequence
QSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
>Sequence ID 17: huACE2 functional domain (residue:18-615)- IgA1 Fc Protein sequence
QSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADSQDVTVPCPVPSTPPTPSPSTPPTPSPSCCHPRLSLHRPALEDLLLGSEANLTCTLTGLRDASGVTFTWTPSSGKSAVQGPPERDLCGCYSVSSVLPGCAEPWNHGKTFTCTAAYPESKTPLTATLSKSGNTFRPEVHLLPPPSEELALNELVTLTCLARGFSPKDVLVRWLQGSQELPREKYLTWASRQEPSQGTTTFAVTSILRVAAEDWKKGDTFSCMVGHEALPLAFTQKTIDRLAGKPTHVNVSVVMAEVDGTCY
>Sequence ID 18: huACE2 functional domain (residue:18-615)- IgA2 Fc Protein sequence
QSTIEEQAKTFLDKFNHEAEDLFYQSSLASWNYNTNITEENVQNMNNAGDKWSAFLKEQSTLAQMYPLQEIQNLTVKLQLQALQQNGSSVLSEDKSKRLNTILNTMSTIYSTGKVCNPDNPQECLLLEPGLNEIMANSLDYNERLWAWESWRSEVGKQLRPLYEEYVVLKNEMARANHYEDYGDYWRGDYEVNGVDGYDYSRGQLIEDVEHTFEEIKPLYEHLHAYVRAKLMNAYPSYISPIGCLPAHLLGDMWGRFWTNLYSLTVPFGQKPNIDVTDAMVDQAWDAQRIFKEAEKFFVSVGLPNMTQGFWENSMLTDPGNVQKAVCHPTAWDLGKGDFRILMCTKVTMDDFLTAHHEMGHIQYDMAYAAQPFLLRNGANEGFHEAVGEIMSLSAATPKHLKSIGLLSPDFQEDNETEINFLLKQALTIVGTLPFTYMLEKWRWMVFKGEIPKDQWMKKWWEMKREIVGVVEPVPHDETYCDPASLFHVSNDYSFIRYYTRTLYQFQFQEALCQAAKHEGPLHKCDISNSTEAGQKLFNMLRLGKSEPWTLALENVVGAKNMNVRPLLNYFEPLFTWLKDQNKNSFVGWSTDWSPYADSQDVTVPCRVPPPPPCCHPRLSLHRPALEDLLLGSEANLTCTLTGLRDASGATFTWTPSSGKSAVQGPPERDLCGCYSVSSVLPGCAQPWNHGETFTCTAAHPELKTPLTANITKSGNTFRPEVHLLPPPSEELALNELVTLTCLARGFSPKDVLVRWLQGSQELPREKYLTWASRQEPSQGTTTYAVTSILRVAAEDWKKGETFSCMVGHEALPLAFTQKTIDRMAGKPTHINVSVVMAEADGTCY
>Sequence ID 19: SI-69R3_human ACE2-ECD-1-615-Fc-w2(EU numbering 216-447)-protein sequence
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>Sequence ID 20: SI-69R3_human ACE2-ECD-1-615-Fc-w2-DNA sequence
ATGTCAAGCTCTTCCTGGCTCCTTCTCAGCCTTGTTGCTGTAACTGCTGCTCAGTCCACCATTGAGGAACAGGCCAAGACATTTTTGGACAAGTTTAACCACGAAGCCGAAGACCTGTTCTATCAAAGTTCACTTGCTTCTTGGAATTATAACACCAATATTACTGAAGAGAATGTCCAAAACATGAATAATGCTGGGGACAAATGGTCTGCCTTTTTAAAGGAACAGTCCACACTTGCCCAAATGTATCCACTACAAGAAATTCAGAATCTCACAGTCAAGCTCCAGCTGCAGGCTCTTCAGCAAAATGGGTCTTCAGTGCTCTCAGAAGACAAGAGCAAACGGTTGAACACAATTCTAAATACAATGAGCACCATCTACAGTACTGGAAAAGTTTGTAACCCAGATAATCCACAAGAATGCTTATTACTTGAACCAGGTTTGAATGAAATAATGGCAAACAGTTTAGACTACAATGAGAGGCTCTGGGCTTGGGAAAGCTGGAGATCTGAGGTCGGCAAGCAGCTGAGGCCATTATATGAAGAGTATGTGGTCTTGAAAAATGAGATGGCAAGAGCAAATCATTATGAGGACTATGGGGATTATTGGAGAGGAGACTATGAAGTAAATGGGGTAGATGGCTATGACTACAGCCGCGGCCAGTTGATTGAAGATGTGGAACATACCTTTGAAGAGATTAAACCATTATATGAACATCTTCATGCCTATGTGAGGGCAAAGTTGATGAATGCCTATCCTTCCTATATCAGTCCAATTGGATGCCTCCCTGCTCATTTGCTTGGTGATATGTGGGGTAGATTTTGGACAAATCTGTACTCTTTGACAGTTCCCTTTGGACAGAAACCAAACATAGATGTTACTGATGCAATGGTGGACCAGGCCTGGGATGCACAGAGAATATTCAAGGAGGCCGAGAAGTTCTTTGTATCTGTTGGTCTTCCTAATATGACTCAAGGATTCTGGGAAAATTCCATGCTAACGGACCCAGGAAATGTTCAGAAAGCAGTCTGCCATCCCACAGCTTGGGACCTGGGGAAGGGCGACTTCAGGATCCTTATGTGCACAAAGGTGACAATGGACGACTTCCTGACAGCTCATCATGAGATGGGGCATATCCAGTATGATATGGCATATGCTGCACAACCTTTTCTGCTAAGAAATGGAGCTAATGAAGGATTCCATGAAGCTGTTGGGGAAATCATGTCACTTTCTGCAGCCACACCTAAGCATTTAAAATCCATTGGTCTTCTGTCACCCGATTTTCAAGAAGACAATGAAACAGAAATAAACTTCCTGCTCAAACAAGCACTCACGATTGTTGGGACTCTGCCATTTACTTACATGTTAGAGAAGTGGAGGTGGATGGTCTTTAAAGGGGAAATTCCCAAAGACCAGTGGATGAAAAAGTGGTGGGAGATGAAGCGAGAGATAGTTGGGGTGGTGGAACCTGTGCCCCATGATGAAACATACTGTGACCCCGCATCTCTGTTCCATGTTTCTAATGATTACTCATTCATTCGATATTACACAAGGACCCTTTACCAATTCCAGTTTCAAGAAGCACTTTGTCAAGCAGCTAAACATGAAGGCCCTCTGCACAAATGTGACATCTCAAACTCTACAGAAGCTGGACAGAAACTGTTCAATATGCTGAGGCTTGGAAAATCAGAACCCTGGACCCTAGCATTGGAAAATGTTGTAGGAGCAAAGAACATGAATGTAAGGCCACTGCTCAACTACTTTGAGCCCTTATTTACCTGGCTGAAAGACCAGAACAAGAATTCTTTTGTGGGATGGAGTACCGACTGGAGTCCATATGCAGACGAGCCCAAATCTTCCGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGATGAGCTGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAATAG
>Sequence ID 21: SI-69R4-human ACE2-ECD-1-740(TMPRSS2 protease cutting site)-Fc-w2(EU numbering 216-447)-protein sequence
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>Sequence ID 22: SI-69R4_human ACE2-ECD-1-740-Fc-w2-DNA sequence
ATGTCAAGCTCTTCCTGGCTCCTTCTCAGCCTTGTTGCTGTAACTGCTGCTCAGTCCACCATTGAGGAACAGGCCAAGACATTTTTGGACAAGTTTAACCACGAAGCCGAAGACCTGTTCTATCAAAGTTCACTTGCTTCTTGGAATTATAACACCAATATTACTGAAGAGAATGTCCAAAACATGAATAATGCTGGGGACAAATGGTCTGCCTTTTTAAAGGAACAGTCCACACTTGCCCAAATGTATCCACTACAAGAAATTCAGAATCTCACAGTCAAGCTCCAGCTGCAGGCTCTTCAGCAAAATGGGTCTTCAGTGCTCTCAGAAGACAAGAGCAAACGGTTGAACACAATTCTAAATACAATGAGCACCATCTACAGTACTGGAAAAGTTTGTAACCCAGATAATCCACAAGAATGCTTATTACTTGAACCAGGTTTGAATGAAATAATGGCAAACAGTTTAGACTACAATGAGAGGCTCTGGGCTTGGGAAAGCTGGAGATCTGAGGTCGGCAAGCAGCTGAGGCCATTATATGAAGAGTATGTGGTCTTGAAAAATGAGATGGCAAGAGCAAATCATTATGAGGACTATGGGGATTATTGGAGAGGAGACTATGAAGTAAATGGGGTAGATGGCTATGACTACAGCCGCGGCCAGTTGATTGAAGATGTGGAACATACCTTTGAAGAGATTAAACCATTATATGAACATCTTCATGCCTATGTGAGGGCAAAGTTGATGAATGCCTATCCTTCCTATATCAGTCCAATTGGATGCCTCCCTGCTCATTTGCTTGGTGATATGTGGGGTAGATTTTGGACAAATCTGTACTCTTTGACAGTTCCCTTTGGACAGAAACCAAACATAGATGTTACTGATGCAATGGTGGACCAGGCCTGGGATGCACAGAGAATATTCAAGGAGGCCGAGAAGTTCTTTGTATCTGTTGGTCTTCCTAATATGACTCAAGGATTCTGGGAAAATTCCATGCTAACGGACCCAGGAAATGTTCAGAAAGCAGTCTGCCATCCCACAGCTTGGGACCTGGGGAAGGGCGACTTCAGGATCCTTATGTGCACAAAGGTGACAATGGACGACTTCCTGACAGCTCATCATGAGATGGGGCATATCCAGTATGATATGGCATATGCTGCACAACCTTTTCTGCTAAGAAATGGAGCTAATGAAGGATTCCATGAAGCTGTTGGGGAAATCATGTCACTTTCTGCAGCCACACCTAAGCATTTAAAATCCATTGGTCTTCTGTCACCCGATTTTCAAGAAGACAATGAAACAGAAATAAACTTCCTGCTCAAACAAGCACTCACGATTGTTGGGACTCTGCCATTTACTTACATGTTAGAGAAGTGGAGGTGGATGGTCTTTAAAGGGGAAATTCCCAAAGACCAGTGGATGAAAAAGTGGTGGGAGATGAAGCGAGAGATAGTTGGGGTGGTGGAACCTGTGCCCCATGATGAAACATACTGTGACCCCGCATCTCTGTTCCATGTTTCTAATGATTACTCATTCATTCGATATTACACAAGGACCCTTTACCAATTCCAGTTTCAAGAAGCACTTTGTCAAGCAGCTAAACATGAAGGCCCTCTGCACAAATGTGACATCTCAAACTCTACAGAAGCTGGACAGAAACTGTTCAATATGCTGAGGCTTGGAAAATCAGAACCCTGGACCCTAGCATTGGAAAATGTTGTAGGAGCAAAGAACATGAATGTAAGGCCACTGCTCAACTACTTTGAGCCCTTATTTACCTGGCTGAAAGACCAGAACAAGAATTCTTTTGTGGGATGGAGTACCGACTGGAGTCCATATGCAGACCAAAGCATCAAAGTGAGGATAAGCCTAAAATCAGCTCTTGGAGATAAAGCATATGAATGGAACGACAATGAAATGTACCTGTTCCGATCATCTGTTGCATATGCTATGAGGCAGTACTTTTTAAAAGTAAAAAATCAGATGATTCTTTTTGGGGAGGAGGATGTGCGAGTGGCTAATTTGAAACCAAGAATCTCCTTTAATTTCTTTGTCACTGCACCTAAAAATGTGTCTGATATCATTCCTAGAACTGAAGTTGAAAAGGCCATCAGGATGTCCCGGAGCCGTATCAATGATGCTTTCCGTCTGAATGACAACAGCCTAGAGTTTCTGGGGATACAGCCAACACTTGGACCTCCTAACCAGCCCCCTGTTTCCGAGCCCAAATCTTCCGACAAAACTCACACATGCCCACCGTGCCCAGCACCTGAACTCCTGGGGGGACCGTCAGTCTTCCTCTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACCCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACATGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCACGAAGACCCTGAGGTCAAGTTCAACTGGTACGTGGACGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTACAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAATGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGCCCTCCCAGCCCCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAACCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCGGGATGAGCTGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTATCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAGAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTATAGCAAGCTCACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGCAGGGGAACGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACGCAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCCGGGTAAATAG
>Sequence ID 23: SI-69R1_huACE2 functional domain (residue:1-615)- 6XHis protein sequence
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>Sequence ID 24: SI-69R1_huACE2 functional domain (residue:1-615)- 6XHis DNA sequence
ATGTCAAGCTCTTCCTGGCTCCTTCTCAGCCTTGTTGCTGTAACTGCTGCTCAGTCCACCATTGAGGAACAGGCCAAGACATTTTTGGACAAGTTTAACCACGAAGCCGAAGACCTGTTCTATCAAAGTTCACTTGCTTCTTGGAATTATAACACCAATATTACTGAAGAGAATGTCCAAAACATGAATAATGCTGGGGACAAATGGTCTGCCTTTTTAAAGGAACAGTCCACACTTGCCCAAATGTATCCACTACAAGAAATTCAGAATCTCACAGTCAAGCTTCAGCTGCAGGCTCTTCAGCAAAATGGGTCTTCAGTGCTCTCAGAAGACAAGAGCAAACGGTTGAACACAATTCTAAATACAATGAGCACCATCTACAGTACTGGAAAAGTTTGTAACCCAGATAATCCACAAGAATGCTTATTACTTGAACCAGGTTTGAATGAAATAATGGCAAACAGTTTAGACTACAATGAGAGGCTCTGGGCTTGGGAAAGCTGGAGATCTGAGGTCGGCAAGCAGCTGAGGCCATTATATGAAGAGTATGTGGTCTTGAAAAATGAGATGGCAAGAGCAAATCATTATGAGGACTATGGGGATTATTGGAGAGGAGACTATGAAGTAAATGGGGTAGATGGCTATGACTACAGCCGCGGCCAGTTGATTGAAGATGTGGAACATACCTTTGAAGAGATTAAACCATTATATGAACATCTTCATGCCTATGTGAGGGCAAAGTTGATGAATGCCTATCCTTCCTATATCAGTCCAATTGGATGCCTCCCTGCTCATTTGCTTGGTGATATGTGGGGTAGATTTTGGACAAATCTGTACTCTTTGACAGTTCCCTTTGGACAGAAACCAAACATAGATGTTACTGATGCAATGGTGGACCAGGCCTGGGATGCACAGAGAATATTCAAGGAGGCCGAGAAGTTCTTTGTATCTGTTGGTCTTCCTAATATGACTCAAGGATTCTGGGAAAATTCCATGCTAACGGACCCAGGAAATGTTCAGAAAGCAGTCTGCCATCCCACAGCTTGGGACCTGGGGAAGGGCGACTTCAGGATCCTTATGTGCACAAAGGTGACAATGGACGACTTCCTGACAGCTCATCATGAGATGGGGCATATCCAGTATGATATGGCATATGCTGCACAACCTTTTCTGCTAAGAAATGGAGCTAATGAAGGATTCCATGAAGCTGTTGGGGAAATCATGTCACTTTCTGCAGCCACACCTAAGCATTTAAAATCCATTGGTCTTCTGTCACCCGATTTTCAAGAAGACAATGAAACAGAAATAAACTTCCTGCTCAAACAAGCACTCACGATTGTTGGGACTCTGCCATTTACTTACATGTTAGAGAAGTGGAGGTGGATGGTCTTTAAAGGGGAAATTCCCAAAGACCAGTGGATGAAAAAGTGGTGGGAGATGAAGCGAGAGATAGTTGGGGTGGTGGAACCTGTGCCCCATGATGAAACATACTGTGACCCCGCATCTCTGTTCCATGTTTCTAATGATTACTCATTCATTCGATATTACACAAGGACCCTTTACCAATTCCAGTTTCAAGAAGCACTTTGTCAAGCAGCTAAACATGAAGGCCCTCTGCACAAATGTGACATCTCAAACTCTACAGAAGCTGGACAGAAACTGTTCAATATGCTGAGGCTTGGAAAATCAGAACCCTGGACCCTAGCATTGGAAAATGTTGTAGGAGCAAAGAACATGAATGTAAGGCCACTGCTCAACTACTTTGAGCCCTTATTTACCTGGCTGAAAGACCAGAACAAGAATTCTTTTGTGGGATGGAGTACCGACTGGAGTCCATATGCAGACCATCATCACCATCACCAC
>Sequence ID 25: SI-69R10_Human TMPRSS2 protein, His-tagged (106-492)- protein sequence
MYRMQLLSCIALSLALVTNSWKFMGSKCSNSGIECDSSGTCINPSNWCDGVSHCPGGEDENRCVRLYGPNFILQVYSSQRKSWHPVCQDDWNENYGRAACRDMGYKNNFYSSQGIVDDSGSTSFMKLNTSAGNVDIYKKLYHSDACSSKAVVSLRCIACGVNLNSSRQSRIVGGESALPGAWPWQVSLHVQNVHVCGGSIITPEWIVTAAHCVEKPLNNPWHWTAFAGILRQSFMFYGAGYQVEKVISHPNYDSKTKNNDIALMKLQKPLTFNDLVKPVCLPNPGMMLQPEQLCWISGWGATEEKGKTSEVLNAAKVLLIETQRCNSRYVYDNLITPAMICAGFLQGNVDSCQGDSGGPLVTSKNNIWWLIGDTSWGSGCAKAYRPGVYGNVMVFTDWIYRQMRADGHHHHHH
>Sequence ID 26: SI-69R10_Human TMPRSS2 protein, His-tagged (106-492)- DNA sequence
ATGTACAGGATGCAACTCCTGTCTTGCATTGCACTAAGTCTTGCACTTGTCACCAATTCGTGGAAGTTTATGGGTTCTAAATGCTCTAATAGCGGGATAGAATGTGACAGTAGTGGCACTTGCATTAACCCTTCAAACTGGTGTGATGGGGTAAGCCATTGCCCCGGGGGGGAAGATGAAAATAGATGTGTTAGGCTCTACGGTCCCAACTTTATACTCCAGGTATATTCAAGTCAACGCAAATCATGGCATCCAGTGTGTCAAGACGACTGGAACGAAAACTATGGACGCGCTGCATGTCGAGATATGGGATATAAGAATAACTTCTATAGTTCACAGGGAATCGTAGATGACTCTGGATCTACTAGTTTCATGAAACTGAACACCTCTGCCGGAAACGTAGATATATATAAAAAGCTTTACCACTCCGACGCTTGTAGCTCTAAGGCCGTAGTTAGCCTCAGATGCATCGCCTGCGGAGTAAACCTCAATTCATCTCGCCAGAGTAGGATCGTTGGCGGGGAAAGCGCCCTCCCAGGCGCTTGGCCTTGGCAAGTTTCCCTTCATGTCCAGAATGTTCATGTATGTGGCGGGTCTATAATCACCCCAGAATGGATCGTCACAGCTGCCCACTGCGTGGAGAAACCCCTCAACAATCCTTGGCATTGGACCGCATTTGCCGGAATACTGAGACAATCATTTATGTTCTATGGAGCCGGGTACCAAGTCGAAAAGGTCATTTCCCATCCCAATTATGATTCCAAAACCAAAAACAATGACATAGCCTTGATGAAACTCCAGAAGCCTTTGACATTTAATGACCTGGTCAAACCAGTGTGCCTCCCAAATCCTGGAATGATGTTGCAGCCTGAACAGTTGTGCTGGATCAGCGGTTGGGGTGCTACCGAGGAGAAGGGTAAGACAAGCGAGGTCCTTAACGCTGCAAAGGTTTTGCTGATAGAAACACAGAGATGTAACAGCCGCTATGTGTACGATAACCTGATCACCCCAGCTATGATTTGCGCCGGGTTTTTGCAAGGTAACGTCGATTCTTGCCAAGGTGACTCAGGCGGCCCTCTTGTTACATCAAAGAACAATATATGGTGGCTTATCGGCGATACATCATGGGGTTCTGGATGTGCTAAAGCCTATCGCCCAGGGGTGTATGGCAATGTAATGGTGTTTACAGACTGGATCTATAGGCAGATGCGGGCTGACGGTCACCATCATCACCATCACTGA
>Sequence ID 27: IgJ chain
MKNHLLFWGVLAVFIKAVHVKAQEDERIVLVDNKCKCARITSRIIRSSEDPNEDIVERNIRIIVPLNNRENISDPTSPLRTRFVYHLSDLCKKCDPTEVELDNQIVTATQSNICDEDSATETCYTYDRNKCYTAVVPLVYGGETKMVETALTPDACYPD
>Sequence ID 28: Secretory Component
KSPIFGPEEVNSVEGNSVSITCYYPPTSVNRHTRKYWCRQGARGGCITLISSEGYVSSKYAGRANLTNFPENGTFVVNIAQLSQDDSGRYKCGLGINSRGLSFDVSLEVSQGPGLLNDTKVYTVDLGRTVTINCPFKTENAQKRKSLYKQIGLYPVLVIDSSGYVNPNYTGRIRLDIQGTGQLLFSVVINQLRLSDAGQYLCQAGDDSNSNKKNADLQVLKPEPELVYEDLRGSVTFHCALGPEVANVAKFLCRQSSGENCDVVVNTLGKRAPAFEGRILLNPQDKDGSFSVVITGLRKEDAGRYLCGAHSDGQLQEGSPIQAWQLFVNEESTIPRSPTVVKGVAGGSVAVLCPYNRKESKSIKYWCLWEGAQNGRCPLLVDSEGWVKAQYEGRLSLLEEPGNGTFTVILNQLTSRDAGFYWCLTNGDTLWRTTVEIKIIEGEPNLKVPGNVTAVLGETLKVPCHFPCKFSSYEKYWCKWNNTGCQALPSQDEGPSKAFVNCDENSRLVSLTLNLVTRADEGWYWCGVKQGHFYGETAAVYVAVEERKAAGSRDVSLAKADAAPDEKVLDSGFREIENKAIQDPR
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2022-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Fcドメインに共有結合したバリアントアンギオテンシン変換酵素2(ACE2)ドメインを含む融合タンパク質であって、
前記バリアントACE2ドメインは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する全長野生型ACE2に対してN末端欠失及び/又はC末端欠失を含み、前記バリアントACE2ドメインは、ACE2活性を有する、融合タンパク質。
【請求項2】
前記バリアントACE2ドメインは、配列番号3
に示されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
前記Fcドメインは、免疫グロブリンのFcドメインに由来し、前記免疫グロブリンは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1(d-IgA1、S-IgA1)、IgA2、IgD、IgE及びIgMから選択される、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
前記Fcドメインは、配列番号5に示されるアミノ酸配列を有する野生型Fcドメインに比べ、K322A、L234A及びL235Aから選択されるヌル変異を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
前記Fcドメインは、配列番号6
を含むアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
配列番号7、9、11、13、15、16、17、18、19
及び21から
選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
前記Fcドメインは、エフェクター機能を欠いている、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
請求項1に記載の融合タンパク質を2つ含む融合タンパク質複合体であって、2つの前記融合タンパク質は、ジスルフィド結合を介してペアになる、融合タンパク質複合体。
【請求項9】
前記融合タンパク質は、SARS-CoV-2、SARS-CoV又はSARSスパイクタンパク質に対して50nM以下の平衡解離定数で結合親和性を有する、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
ウイルスタンパク質に結合した請求項1に記載の融合タンパク
質を含むタンパク質複合体であって、
前記ウイルスタンパク質は、SARS-CoV-2、SARS-CoV、SARSスパイクタンパク質、コロナウイルス、SARSウイルス、それらの断片、又はそれらの組み合わせを含む、タンパク質複合体。
【請求項11】
ウイルスタンパク質に結合した請求項8に記載の融合複合体を含むタンパク質複合体であって、前記ウイルスタンパク質は、SARS-CoV-2、SARS-CoV、SARSスパイクタンパク質、コロナウイルス、SARSウイルス、それらの断片、又はそれらの組み合わせを含む
、タンパク質複合体。
【請求項12】
配列番号8を含む、請求項
2に記載の融合タンパク質をコードする単離核酸。
【請求項13】
請求項
8に記載の融合タンパク質複合体と、薬物部分とを含むタンパク質コンジュゲートであって、前記薬物部分は、リンカーを介して前記融合タンパク質に結合され、前記リンカーは、エステル結合、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、ジスルフィド結合、イミド結合、スルホン結合、リン酸結合、リン酸エステル結合、ペプチド結合、ヒドラゾン結合及びそれらの組み合わせから選択される共有結合を含む、タンパク質コンジュゲート。
【請求項14】
前記薬物部分は、抗ウイルス剤、免疫調節剤、造影剤又はそれらの組み合わせを含む、請求項
13に記載のタンパク質コンジュゲート。
【請求項15】
前記抗ウイルス剤は、ファビピラビル、リバビリン、ガリデシビル、レムデシビル及びそれらの組み合わせから選択される、請求項
14に記載のタンパク質コンジュゲート。
【請求項16】
前記造影剤は、放射性核種、蛍光剤、量子ドット又はそれらの組み合わせであり得る、請求項
14に記載のタンパク質コンジュゲート。
【請求項17】
請求項
8に記載の融合タンパク質複合体と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項18】
請求項
13に記載のタンパク質コンジュゲートと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項19】
被験体のウイルス感染、急性呼吸窮迫症候群、肺動脈性肺高血圧症又は急性肺損傷を治療又は予防する方法であって、前記被験体に有効量の請求項
8に記載の融合タンパク質複合体を投与することを含む、方法。
【請求項20】
有効量の治療薬を共投与することをさらに含み、前記治療薬は、抗ウイルス剤を含む、請求項
19に記載の方法。
【国際調査報告】