(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-04
(54)【発明の名称】マットレス及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
A61G 7/057 20060101AFI20230828BHJP
A47C 31/00 20060101ALI20230828BHJP
A47C 27/00 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
A61G7/057
A47C31/00
A47C27/00 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565724
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(85)【翻訳文提出日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 KR2021009123
(87)【国際公開番号】W WO2023286890
(87)【国際公開日】2023-01-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522418934
【氏名又は名称】ハルシオン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リ ジスン
【テーマコード(参考)】
3B096
4C040
【Fターム(参考)】
3B096AC11
3B096AC15
3B096AC18
4C040AA01
4C040AA18
4C040CC02
4C040CC03
4C040EE08
(57)【要約】
マットレス制御方法は、ユーザの生体情報を取得する段階、前記生体情報と閾値との比較結果によって、音源に基づいた振動を出力する段階及び前記生体情報、前記閾値、前記マットレスの制御情報のうち少なくとも一つを外部制御器に伝送する段階を含み、前記生体情報は下位情報として少なくとも不動状態持続時間情報を含み、前記閾値は少なくとも不動状態持続時間閾値を含み、前記振動は、前記不動状態持続時間情報が不動状態持続時間閾値を超える場合に出力され、前記外部制御器から外部制御情報が受信される場合、前記外部制御情報に基づいて出力される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マットレス制御方法において、
使用者の生体情報を獲得する段階と;
前記生体情報と閾値との比較結果によって、音源に基づいた振動を出力する段階と;
前記生体情報、前記閾値、前記マットレスの制御情報のうち少なくとも一つを外部制御器に伝送する段階と、を含み、
前記生体情報は、下位情報として少なくとも不動状態持続時間情報を含み、前記閾値は、少なくとも不動状態持続時間閾値を含み、
前記振動は、前記不動状態持続時間情報が不動状態持続時間閾値を超える場合に出力され、前記外部制御器から外部制御情報が受信される場合、前記外部制御情報に基づいて出力されることを特徴とするマットレス制御方法。
【請求項2】
前記出力する段階は、前記音源に基づいた音響を出力する段階を含み、
前記音響は、前記不動状態持続時間情報が不動状態持続時間閾値を超える場合に出力されることを特徴とする請求項1に記載のマットレス制御方法。
【請求項3】
前記音源は、前記音源のBPM(beats per minute)及び前記生体情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項1または2に記載のマットレス制御方法。
【請求項4】
前記生体情報は睡眠生体情報をさらに含み、
前記睡眠生体情報に基づいて前記使用者が睡眠状態であると判断される場合、前記音響は出力が中断されることを特徴とする請求項2に記載のマットレス制御方法。
【請求項5】
使用者の生体情報を獲得するセンサと;
前記生体情報と閾値との比較結果によって振動ユニットを制御し、
音源に基づいた振動を出力するように構成される制御ユニットと;
前記生体情報、前記閾値、前記マットレスの制御情報のうち少なくとも一つを外部制御器に伝送するように構成される通信インターフェースと、を含み、
前記生体情報は、下位情報として少なくとも不動状態持続時間情報を含み、前記閾値は少なくとも不動状態持続時間閾値を含み、
前記振動は、前記不動状態持続時間情報が不動状態持続時間閾値を超える場合に出力され、前記外部制御器から外部制御情報が受信される場合、前記外部制御情報に基づいて出力されることを特徴とするマットレス。
【請求項6】
前記制御ユニットは、スピーカを制御して前記音源に基づいた音響を出力するようにさらに構成され、
前記音響は、前記不動状態持続時間情報が不動状態持続時間閾値を超える場合に出力されることを特徴とする請求項5に記載のマットレス。
【請求項7】
前記音源は、前記音源のBPM(beats per minute)及び前記生体情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項5または6に記載のマットレス。
【請求項8】
前記生体情報は睡眠生体情報をさらに含み、
前記制御ユニットは、前記睡眠生体情報に基づいて前記使用者が睡眠状態であると判断される場合、前記音響出力を中断することを特徴とする請求項6に記載のマットレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレス及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人間の平均寿命が延びるにつれ、全体人口のうち老人の割合が次第に増加している。老人のうち体の不自由な者(以下、「体の不自由な老人」という)は、ベッド又は病床に横たわった状態で過ごす時間が長い。体の不自由な老人は活動が全くないか、ほとんどないため、その身体に床ずれが発生する可能性が高い。床ずれを防止するためには、保護人(例えば、保護者、介護者、医療人など)が外力を加えて体の不自由な老人の病床の接触面を頻繁に変える必要がある。保護人は感覚(肉眼観察、記憶力など)に基づいて状態を判断し、相応の措置を取るので、前記の判断が不正確であったり、前記の措置が不適切であることがある。また、保護人を通じた世話は高費用である。したがって、体の不自由な老人に対する床ずれ防止効果が高く、且つ費用を節減できる方法を必要とするようになった。
【0003】
空気で満たされたマットレス、すなわちエアマットレスは床ずれ防止のための代表的な装置の一つである。従来のエアマットレスは空気格子方式、交互に浮揚する方式またはティルティング方式を介して体の不自由な老人の身体に外力を加える。前記の方式は、体の不自由な老人と病床との間の接触面を一時的に変化させるが、ハンモック現象を引き起こす可能性が高い。また、従来の方式は使用者の垂直位置を一定程度調節するだけなので、床ずれ防止動作が中断された後から比較的短時間内に、床ずれ防止動作が行われた使用者の身体部位に対して再び床ずれ防止動作を必要とする場合が多い。言い換えれば、従来のマットレスは床ずれ防止のための動作の周期が比較的短い。これは、使用者にマットレス使用による不快感を誘発し、電力が多く消耗され、マットレスの使用寿命を短縮させる。また、従来のマットレスは、家庭または病院などの場所で使用されるもので、保護者が遠隔地にいる場合、マットレスの動作現況を把握したりマットレスを制御することは難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハンモック現象が発生しないマットレス及びその制御方法が開示される。
【0005】
床ずれ防止のための動作遂行周期が長いマットレス及びその制御方法が開示される。
【0006】
床ずれを効果良く防止できるマットレス及びその制御方法が開示される。
【0007】
保護者が遠隔地で動作現況を把握し、且つ制御できるマットレス及びその制御方法が開示される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
マットレス制御方法は、使用者の生体情報を獲得する段階、前記生体情報と閾値との比較結果によって、音源に基づいた振動を出力する段階、及び前記生体情報、前記閾値、前記マットレスの制御情報のうち少なくとも一つを外部制御器に伝送する段階とを含み、前記生体情報は下位情報として少なくとも不動状態持続時間情報を含み、前記閾値は少なくとも不動状態持続時間閾値を含み、前記振動は前記不動状態持続時間情報が不動状態持続時間閾値を超える場合に出力され、前記外部制御器から外部制御情報が受信される場合、前記外部制御情報に基づいて出力される。
【0009】
前記出力する段階は、前記音源に基づいた音響を出力する段階を含み、前記音響は前記不動状態持続時間情報が不動状態持続時間閾値を超える場合に出力される。
【0010】
前記音源は、前記音源のBPM(beats per minute)及び前記生体情報に基づいて決定される。
【0011】
前記生体情報は睡眠生体情報をさらに含み、前記睡眠生体情報に基づいて前記使用者が睡眠状態であると判断される場合、前記音響は出力が中断される。
【0012】
マットレスは、使用者の生体情報を獲得するセンサと、前記生体情報と閾値との比較結果によって振動ユニットを制御し、音源に基づいた振動を出力するように構成される制御ユニットと、前記生体情報、前記閾値、前記マットレスの制御情報のうち少なくとも一つを外部制御器に伝送するように構成される通信インターフェースとを含み、前記生体情報は下位情報として少なくとも不動状態持続時間情報を含み、前記閾値は少なくとも不動状態持続時間閾値を含み、前記振動は前記不動状態持続時間情報が不動状態持続時間閾値を超える場合に出力され、前記外部制御器から外部制御情報が受信される場合、前記外部制御情報に基づいて出力される。
【0013】
前記制御ユニットは、スピーカを制御して前記音源に基づいた音響を出力するようにさらに構成され、前記音響は、前記不動状態持続時間情報が不動状態持続時間閾値を超える場合に出力される。
【0014】
前記音源は、前記音源のBPM(beats per minute)及び前記生体情報に基づいて決定される。
【0015】
前記生体情報は、睡眠生体情報をさらに含み、前記制御ユニットは、前記睡眠生体情報に基づいて前記使用者が睡眠状態であると判断される場合、前記音響出力を中断する。
【発明の効果】
【0016】
本発明のマットレス及びその制御方法は、ハンモック現象が発生しない。
【0017】
本発明のマットレス及びその制御方法は、床ずれ防止のための動作遂行周期が長い。
【0018】
本発明のマットレス及びその制御方法は、床ずれを効果良く防止することができる。
【0019】
本発明のマットレス及びその制御方法は、保護者が遠隔地で動作現況を把握し、且つ制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係るマットレスの制御方法の手順図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るマットレスの生体情報及び閾値を示す。
【
図3】本発明の一実施形態に係るマットレスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の目的、技術方案及び長所をより明確にするために、本発明に係る例示的な実施形態が添付図面を参照して以下で詳細に説明される。明らかなことは、説明された実施形態が、本発明の全ての実施形態ではなく、本発明の一部実施形態に過ぎず、本発明はここに説明された例示的な実施形態によって制限されないものであると理解しなければならない。本発明に記述された本発明の実施形態に基づいて、いかなる創造的努力の投入なしに通常の技術者によって獲得された他の全ての実施形態は、何れも本発明の保護範囲内に属する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るマットレスの制御方法の手順図である。
【0023】
マットレスは、使用者の生体情報を獲得する(S100)。
【0024】
内部に空気が充電されたエアタイプのマットレスが本願のマットレス100として使用できるが、これに限らず、媒質を通じて振動を発生させることができるすべてのタイプのマットレスが本願のマットレス100として使用できる。したがって、水マットレスなどのような液体タイプのマットレスだけでなく、内部が合成樹脂、繊維、スプリングなどで構成された固形マットレスも本願のマットレス100として使用できる。本願における使用者はマットレス100を通じて振動または音響を提供される者を指す。使用者は主に老人、患者、小児、障害者など体の不自由な者を含むが、これに限られない。
【0025】
前記生体情報はセンサ110を通じて獲得される。前記センサ110は各種生体情報を獲得するために使用される圧力センサ、温度センサ、赤外線センサ、超音波センサ、静脈センサ、心拍センサ、呼吸センサ、生体騒音センサなどを含むことができる。高感度の半導体式複合センサがセンサ110として採用できる。高感度の半導体式複合センサは、従来の金属箔のロードセルセンサに比べて信頼性及び安定性が高く、メンテナンスが容易である。マットレス100は、センサ110を通じて獲得された情報に対して補正及びノイズフィルタリングを行うことができる。
【0026】
前記生体情報は、下位情報として少なくとも不動状態持続時間情報を含むことができ、前記閾値は、前記生体情報の下位情報にそれぞれ対応する少なくとも一つの下位閾値を含むことができる。生体情報と閾値との関係、及び生体情報の下位情報と下位閾値との関係については、以下の
図2を参照して詳細に説明する。
【0027】
不動状態持続時間情報は、使用者の最後の動作が感知された時点から次の動作が感知されるまでの持続時間を意味する。床ずれは、長時間動作がない場合に発生するので、不動状態持続時間情報は床ずれ発生の予測に使われる主要パラメータの一つである。不動状態持続時間情報を獲得するために、圧力センサ、赤外線センサ、騒音測定センサなどが使用できるが、これに限られない。
【0028】
他の一実施形態において、生体情報はモーション回数情報を含むことができ、閾値はモーション回数閾値を含むことができる(未図示)。モーション回数情報は、一定時間の間に使用者の動きが感知された回数を意味する。マットレス100は、モーション回数情報がモーション回数閾値未満の場合、音源に基づく振動を出力するように構成することもできる。
【0029】
マットレスは、前記生体情報と閾値との比較結果によって、音源に基づいた振動を出力する(S110)。
【0030】
一実施形態において、マットレス100は、獲得された生体情報のうち、不動状態持続時間情報を不動状態持続時間閾値と比較することができる。不動状態持続時間情報Mが不動状態持続時間閾値Nを超える場合、マットレス100は振動を出力する。ここで、不動状態持続時間閾値Nは、床ずれの発生が予想される最短時間を意味する。
【0031】
一例において、不動状態持続時間閾値Nは、マットレス100外部(例えば、使用者本人、介護者または保護者)から受信された入力値であり得る。この時、前記入力値はマットレス100に有無線通信で連結された入力装置(外部制御器を含む)を通じて入力されることができる。
【0032】
他の一例において、不動状態持続時間閾値Nは、医学関連情報が保存された外部DBから受信された値であり得る。例えば、前記外部DBは、床ずれ研究会、大学病院、政府保健機構などが運営するDBであり得る。外部DBによって決定された不動状態持続時間閾値Nは信頼度が高い。
【0033】
また他の一例において、不動状態持続時間閾値Nは、使用者の床ずれ関連データの分析結果から導き出された値であり得る。使用者の血流速度、血圧などは床ずれの発生有無に影響を及ぼすパラメータの一つである。使用者の血流速度、血圧は年齢、性別、健康状態などによって異なることがある。したがって、床ずれが発生するために必要な持続時間も使用者ごとに異なることがある。すべての使用者に同じ不動状態持続時間閾値Nを適用する場合、相対的に長時間の間床ずれが発生しない患者には不要な振動を出力することができ、相対的に短時間内に床ずれが発生する患者には床ずれ防止の目的を達成することができない。使用者ごとにそれぞれ異なる不動状態持続時間閾値Nを設定することによって、全使用者に最適な床ずれ防止機能を提供することができる。
【0034】
音源に基づく振動は、前記音源の属性(例えば、メロディー、拍子、ボリューム、キーなど)に対応する振動を意味する。本発明は、機械的に繰り返す振動とは違って、音源に基づいた振動を出力することによって、振動の単調さを解消し、使用者に楽しさを提供することができる。ここで、音源は、前記音源のBPM(beats per minute)及び生体情報に基づいて決定できる。例えば、マットレス100は、浮動状態持続時間が長くなるほど高いBPMの音源が選択されるように構成することができる。言い換えれば、使用者の動きが少ないほど高いBPMを有する音源が選択されるので、効果良く床ずれ発生を防止することができる。
【0035】
他の実施形態において、前記音源は、使用者または保護人によって選択することができる。音源が使用者によって選択される場合、本人の好みが反映されるので使用者満足度が向上する。音源が保護人によって選択される場合、BPMが高い音源中心に選択することで、床ずれ防止効果を向上させることができる。
【0036】
また他の実施形態において、前記音源は、使用者の音源選択履歴に基づいて選択することができる。これによれば、前記音源は振動の基礎となる音源であって最も頻繁に選択されたものである可能性がある。
【0037】
また他の実施形態において、前記音源は、直前に選択された音源とメロディー、拍子、ボリューム、キーなどの側面から類似度の高いものが選択され得る。これによって、同一または類似する強度を持続的に提供するものの、使用者が認知する単調さまたは疲労感を最小化することができる。
【0038】
また他の実施形態において、前記音源は、BPMが次第に減少する一連の音源で構成することができる。これによって、床ずれの発生を防止すると共に、振動が使用者の休息に及ぼす影響を最小化することができる。
【0039】
本発明のマットレス100は、音源によって振動する原理を利用するので、スクラブ(scrub)マッサージ効果を提供する。空気格子方式、交互に浮揚する方式、ティルティング方式のマットレス100は、空気圧膨張を用いて使用者を押し出すだけなのでスクラブマッサージ効果を提供できない。一方、本発明のマットレス100は、振動を伝達するだけで、マットレス100の形状は維持されるので使用者に安楽な使用経験を提供する。マットレス100の形状維持のためにマットレス100の内部に多量の繊維の糸柱がマットレス100内部の上面及び下面を連結することができる。空気格子方式、交互に浮揚する方式、ティルティング方式のマットレス100は、動作の際にその形状が変化するので相対的に安楽さの程度が比較的低い。
【0040】
未図示であるが、マットレス100は、振動の基礎となる音源に基づいて音響を出力するようにさらに構成することができる。この時、マットレス100の制御情報は、音響出力の必要性に関する情報、現在音響が出力される状態であるかに対する情報、出力される音響の基礎となる音源または音源リスト情報、出力中の音響の持続時間情報、推奨される音響出力持続時間情報、音響ボリューム情報、スピーカの電力供給状態情報などのうち少なくとも一つをさらに含むことができる。
【0041】
このために、マットレス100の一側にスピーカをさらに設けることができる。スピーカは少なくとも一つ以上であり、使用者の耳と近い位置に配置することができる。ここで、前記音響は、不動状態持続時間情報が不動状態持続時間閾値を超える場合に出力されることができる。振動のみ出力される場合に比べて、振動及び音響が同時に出力される場合、使用者は振動に対する敏感度が相対的に低くなるので使用者の経験が向上する。これは、振動及び音響が同じ音源に基づいたものであるため、使用者が音響によって振動をよく感じなくなるためである。マットレス100は、増幅器をさらに含むことで、前記振動または音響を必要に応じて増幅させることができる(未図示)。
【0042】
一実施形態において、振動と音響は同期化または非同期化出力することができる。振動及び音響が同期化出力される場合、非同期混合が引き起こす可能性のあるめまいなどの副作用を最小化することができる。
【0043】
他の一実施形態において、振動と音響は異なる音源に基づいて出力されることができる。この場合、高いBPMを有する音源(例えば、ラップ、ヒップホップ音源)に基づいた振動を出力して床ずれ防止効果を極大化するものの、低いBPMを有する音源(例えば、クラシック音源)に基づいた音響を出力して使用者の心的安定を達成することができる。
【0044】
また他の一実施形態において、音響がステレオタイプに出力される場合、振動もステレオタイプに出力されることができる。このために、マットレス100は、少なくとも2つのスピーカ及び少なくとも2つの振動ユニット120を含むことができる。
【0045】
マットレスは、前記生体情報、前記閾値、マットレスの制御情報のうち少なくとも一つを外部制御器に伝送する(S120)。
【0046】
前記制御情報は、振動出力の必要性に関する情報、現在振動が出力される状態であるかに対する情報、出力される振動の基礎となる音源または音源リスト情報、出力中の振動の持続時間情報、推奨される振動出力持続時間情報、振動出力強度情報、振動ユニット120の電力供給状態情報などの情報のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0047】
外部制御器200(不図示)は、マットレス100と有線通信または無線通信を介して連結され遠隔でマットレス100を制御する機器を指す。外部制御器200は、マットレス100と携帯電話、ノートパソコン、タブレットPC、デスクトップ、スマートウォッチ、スマートグラス、スマートバンド、HMD(head mounteddevice)、TV、PDAなどの多様な機器を含むことができる。外部制御器200は、使用者または保護人によって制御することができる。使用者が外部制御器200を使用する場合、使用者本人が最も好む音源に基づいて振動及び/または音響を出力することができる。保護人は、外部制御器200を使用することによって遠隔地でも使用者の世話をすることができる。
【0048】
外部制御器200は、前記生体情報、前記閾値、前記制御情報を視覚的または聴覚的に出力することができる。外部制御器200は、入力部(マイク、ボタン、タッチスクリーンなど)を介して外部から外部制御情報を受信し、マットレス100に伝送することができる。例えば、生体情報が閾値を超えてはいなかったが閾値に近づいた数値である場合、保護人はマットレス100を制御して振動を出力させる外部制御情報を外部制御器200に入力することができる。この時、前記閾値は前記外部制御信号が受信された時点の生体情報に更新することができる。
【0049】
マットレス100は、外部制御器200から外部制御情報が受信される場合、前記外部制御情報に基づいて振動を出力することができる。これは、振動出力のトリガリングの側面から、外部制御情報の優先順位が生体情報と閾値との比較結果の優先順位より高いことを意味する。この場合、生体情報と閾値との比較結果によれば、振動を出力する必要がないと判断されても外部制御情報によって振動を出力することができる。逆に、生体情報と閾値との比較結果の優先順位は、外部制御情報の優先順位より高く設定することもある。外部制御情報は、振動または音響出力情報、振動または音響中断情報、振動または音響持続時間設定情報、振動または音響の基礎となる音源情報などのうち少なくとも一つを含むことができる。
【0050】
図2は、本発明の一実施形態に係るマットレスの生体情報及び閾値を示す。
【0051】
閾値は、生体情報の下位情報にそれぞれ対応する下位閾値を含むことができる。
図2を参照すると、生体情報はモーション回数情報、不動状態持続時間情報、脈拍情報、呼吸情報などを含むことができる。この時、閾値はモーション回数閾値、不動状態持続時間閾値、脈拍閾値、呼吸閾値などを含むことができる。
図2には示されていないが、生体情報には体温情報、いびき情報、歯ぎしり情報などをさらに含むことができ、これに対応するように、閾値は、体温閾値、いびき閾値、歯ぎしり閾値などをさらに含むことができる。本願においては、閾値は使用者または保護人によって事前に設定された値であり、または外部から入力された値であり得る。
【0052】
前記下位情報のうち、脈拍情報、呼吸情報、体温情報、いびき情報、歯ぎしり情報などは睡眠生体情報として利用できる。具体的に、活動中と比較すると、睡眠中には脈拍が低くなり、呼吸量が減り、体温が下がる。よって、脈拍情報が脈拍閾値未満であり、呼吸情報が呼吸閾値未満であり、体温情報が体温閾値未満である場合、使用者は睡眠状態であると判断できる。また、いびき情報がいびき閾値を超えるか、いびき情報がいびき閾値を超える場合においても、使用者は睡眠状態であると判断できる。音響出力は使用者の睡眠を妨げる可能性があるので、使用者が睡眠状態であると判断されれば音響出力は中断される。使用者が睡眠状態であるかどうかは、光量、照度、時間を通じても判断できる。マットレス100は、光量や照度を通じて睡眠状態であるか否かを判断するために光センサ110をさらに含むことができる。使用者が睡眠状態であると判断される場合、振動の基礎となる音源は、そのBPMが睡眠BPM閾値未満のもので選択することができる。これにより、床ずれ発生を防止するとともに、使用者の睡眠の質を向上させることができる。
【0053】
図3は、本発明の一実施形態に係るマットレスのブロック図である。
【0054】
図3を参照すると、マットレス100は、センサ110と、振動ユニット120と、制御ユニット130と、通信インターフェース150とを含む。センサ110は、使用者の生体情報を獲得する。制御ユニット130は、前記生体情報と閾値との比較結果によって振動ユニット120を制御し、音源に基づく振動を出力する。通信インターフェース150は、前記生体情報、前記閾値、前記マットレス100の制御情報のうち少なくとも一つを外部制御器に伝送する。不図示であるが、マットレス100は、音源に基づいて音響を出力する手段としてスピーカをさらに含むことができる。
【0055】
前述した実施形態は、本発明を制限するよりは本発明を例示し、通常の技術者は添付された特許請求の範囲の範疇から外れなければ代案的な実施形態を設計できることに留意しなければならない。特許請求の範囲において、括弧内に置かれた任意の参照符号は請求範囲を制限しないものと解釈される。「含む」という単語は、請求項に掲げられない要素又は段階の存在を排除しない。構成要素の前に位置する単語「一つ」または「一つの」は、このような多数の構成要素の存在を排除しない。本発明は、いくつかの別の要素を含むハードウェア及び適切にプログラミングされたコンピュータによって具現されることができる。一部装置のユニットを並べる請求項において、このような装置の一部は同一のハードウェアアイテムとして具現されることができる。1番目、2番目、3番目のような単語の使用は順序を意味しない。これらの単語は名称と解釈できる。
【0056】
以上説明した内容は、本発明の特定実施形態または特定実施形態の説明に過ぎなく、本発明の保護範囲はこれに制限されず、通常の技術者が本発明に開示された技術範囲内で、容易に変更または交換できるものは何れも本発明の保護範囲に含まれるものとみなされる。本発明の保護範囲は請求範囲の保護範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0057】
100:マットレス
110:センサ
120:振動ユニット
130:制御ユニット
150:通信インターフェース
200:外部制御器
【国際調査報告】