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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-04
(54)【発明の名称】エレベータシステム
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/30 20060101AFI20230828BHJP
   B66B 3/02 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
B66B13/30 C
B66B3/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022581484
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 EP2021067065
(87)【国際公開番号】W WO2022002703
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】20183131.0
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040729
【氏名又は名称】インベンテイオ・アクテイエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】INVENTIO AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リーベトラオ,クリストフ
【テーマコード(参考)】
3F303
3F307
【Fターム(参考)】
3F303DA03
3F303DA07
3F303DB04
3F303DC02
3F303DC12
3F307CA02
3F307CA04
(57)【要約】
エレベータシステム(1)の乗場ドア(8)であって、ドアリーフ(9)を含む前記乗場ドアは、出発フロア(4)に接近するエレベータかご(2)が現在位置しているフロアを人に示す一体化されたフロアディスプレイ(10)を備える。乗場ドア(8)のドアリーフ(9)は、シートメタルで作られた壁要素(11)と、壁要素(11)の背後に配置された少なくとも1つの制御可能な光源(15)を有するフロアディスプレイ(10)と、カバー層(13)と、を有する。壁要素(11)は、複数の光通過開口部(12)を有するディスプレイセグメント(14)を有し、光通過開口部(12)は有孔スクリーン構造を形成する。カバー層(13)は、所望のフロア情報を表示するために光源(15)が作動された後に、光が光通過開口部(12)を通って外部に透過し、少なくとも1つの光源(15)が作動停止されると、光通過開口部(12)が光を通さないように覆われるように設計される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアリーフ(9)を備える乗場ドア(8)を有するエレベータシステムであって、乗場ドアを介してエレベータかご(2)はフロア(4)からアクセス可能であり、ドアリーフ(9)は、
好ましくはシートメタルで出来ている壁要素(11)と、
壁要素(11)の背後に配置された少なくとも1つの制御可能な光源(15)を有するフロアディスプレイ(10)と、
を有し、
壁要素(11)は、複数の光通過開口部(12)を有するディスプレイセグメント(14)を有し、光通過開口部(12)は、有孔スクリーン構造を形成する、エレベータシステム。
【請求項2】
ドアリーフ(9)は、
カバー層(13)であって、所望のフロア情報を表示するための光源(15)の作動後に、光が光通過開口部(12)を通って外向きに透過し、少なくとも1つの光源(15)の作動停止されたときに、光通過開口部(12)が覆われて光を通過させないように設計されるカバー層(13)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項3】
カバー層(13)は、不透明な特性を有する材料で出来ている薄層であることを特徴とする、請求項2に記載のエレベータシステム。
【請求項4】
光通過開口部(12)は、0.5mm~8mm、好ましくは1mm~5mmの直径を有する壁要素(11)の丸穴であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項5】
ディスプレイセグメント(14)は、好ましくは、ドアリーフ(9)の縁部領域および/または角部領域に配置されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項6】
ディスプレイセグメント(14)に割り当てられた面積は、ドアリーフ(9)の前面の総面積の最大20%であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項7】
フロアディスプレイ(10)について、平面上に配置された複数の光源(15)がドアリーフ(9)内に設置されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項8】
光源(15)はLEDであり、光源(15)は平面LEDアレイを形成することを特徴とする、請求項7に記載のエレベータシステム。
【請求項9】
透明または半透明のプラグ(20)は光通過開口部(12)内に配置されることを特徴とする、請求項2~8のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項10】
光ガイド層(18)は少なくとも1つの光源(15)と壁要素(11)との間のディスプレイセグメント(14)内に配置され、プラグ(20)は光ガイド層(18)上に形成されることを特徴とする、請求項9に記載のエレベータシステム。
【請求項11】
複数の光通過開口部(12)、好ましくは光通過開口部(12)の各々に光源(15)が割り当てられていることを特徴とする、請求項2~10のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項12】
複数の光通過開口部(12)のための光源(15)はそれぞれの場合に設けられ、光ガイド層モジュール(19)は、このようにして関連付けられた光通過開口部(12)に割り当てられることを特徴とする、請求項2~11のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項13】
フロアディスプレイを有するドアリーフ(9)は、特にフロアコールを入力するためのコール検出ユニットの形態の操作ユニット(17)を備えることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のエレベータシステム(1)の乗場ドア(8)用のドアリーフ(9)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータシステムに関する。人または物品を運ぶためのエレベータシステムは、フロア間でエレベータシャフト内を移動されることができるエレベータかごを有する。エレベータシャフトを閉じるための少なくとも1つの乗場ドアは、少なくとも1つのフロアに設けられる。本発明はさらに、そのような乗場ドア用のドアリーフに関する。
【背景技術】
【0002】
人および物品を運ぶためのエレベータシステムが知られており、長い間一般的に使用されている。フロアコールを入力するためのコール検出部は、フロアに配置されることが多い。出発フロアから人がフロアコールをした後に、エレベータかごはこのフロアまで走行する。一般に乗場ドアのドアフレームに一体化されたフロアディスプレイは、出発フロアに接近するエレベータかごが現在位置しているフロアを人に示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、改善されたまたは代替的なフロアディスプレイを有するエレベータシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これらおよび他の目的は、請求項1の特徴を有するエレベータシステムを用いて本発明に従って達成される。人または物品を運ぶためのエレベータシステムは、フロア間でエレベータシャフト内を移動されることができるエレベータかごを備えることができる。エレベータシステムは、ドアリーフを具備する乗場ドアをさらに備え、乗場ドアを介してエレベータかごがフロアからアクセス可能である。次いで、エレベータシステムは、エレベータシステムを動作させるためのエレベータ制御ユニットとすることができ、エレベータ制御ユニットは、特に、エレベータかごを移動させるための駆動ユニットを制御する。フロアには、特に、フロアコールを入力するためのコール検出ユニットの形態で操作ユニットが設けられることができる。フロアディスプレイは、出発フロアに接近するエレベータかごが現在位置するフロアを人に示すことができる。フロアディスプレイは可変であり、上述の現在のかごの位置などの異なる表示を表示することができるので、以下では「動的フロアディスプレイ」という用語も使用される。
【0005】
ドアリーフは、フロア情報を表示するために、好ましくは縁部領域および/または角部領域に配置されたフロアディスプレイを有する。フロア情報は、エレベータかごを呼び出したフロアの人に、エレベータかごが現在位置しているフロアを示す。この動的フロアディスプレイは、追加的または代替的に、エレベータかごが現在移動している方向を示す方向ディスプレイであってもよい。行先コールコントローラが存在する場合、フロアディスプレイは、行先コールが行われた後に、フロアに配置された入力ユニットからどの行先フロアが選択されたかを示すこともできる。
【0006】
ドアリーフは、ドアリーフの支持構造を提供し、シャフトアクセスを覆うために、好ましくはシートメタル製の壁要素を有する。壁要素は、フロアに面する前面を画定することができる。フロアディスプレイの場合、壁要素は、好ましくは縁部領域および/または角部領域に配置され、複数の光通過開口部を有するディスプレイセグメントを有する。フロアディスプレイの場合、壁要素の背後に配置された少なくとも1つの制御可能な光源がディスプレイセグメント内のドアリーフ内に設置され、それによって、少なくとも1つの光源が、対応する作動後に、エレベータかごが現在位置しているフロアの表示が達成されることができる。
【0007】
そして、ドアリーフは、乗場ドアの閉鎖状態で自由であるかまたは見える壁要素の少なくとも前面を、好ましくは完全に覆うカバー層を有することができる。この場合、カバー層は、フロア情報(例えば、エレベータかごが現在位置しているフロアに対応する番号)を表示するための光源の作動後に、光がフロアにいる人が所望の情報を見るように1つまたは複数の光通過開口部を通って外向きに透過し、そして、少なくとも1つの光源が作動停止されると、フロアにいる人が従来のドアリーフの印象を受けるように光通過開口部が覆われて光を通さないように構成される。光源が作動停止される状況は、休止状態に対応する。
【0008】
ドアリーフにこのように一体化されたフロアディスプレイは、エレベータシステムのユーザにとって所望のフロア情報のディスプレイの視覚的に有利で確実な知覚をもたらす。これにより、キャビンが現在どこにあるか、またはどこへ移動しているかに関する情報に関する直感的なユーザガイダンスが得られる。特に、説明したカバーシートが提供される場合、フロアディスプレイは、初めてのユーザにとってサプライズ効果によって目立つ。最初、乗場ドアには何も見えず、突然、かごコールの作動後に、ドアリーフに表示が見える。カバー層のおかげで、フロアディスプレイは、耐汚損性であり、ドアリーフの視認可能な前面を容易に清掃することができる。
【0009】
カバー層は、不透明特性を有する材料で作られたプラスチックシート、本物の木製化粧板、塗料層、または異なる薄層を備えることができる。カバー層としては、積層体も好適である。プラスチックシートは、1つまたは複数の層で構成されたシートとすることができる。カバー層の色および表面構造は、審美的要件プロファイルに応じて選択されることができる。例えば、プラスチックシートは、木の外観を有することができる。プラスチック壁紙もカバー層として考えられる。
【0010】
そのようなカバー層は、費用対効果が高く、調達および使用が容易である。例えば、壁要素に迅速かつ少ない労力で取り付けられることができる自己接着性プラスチックシートが使用されることができる。カバー層用のプラスチックシートは、例えば、PE、PPまたはPVCからなることができる。
【0011】
カバー層は、1mm未満の厚さとすることができる。壁要素のシート厚、したがって光通過開口部の深さは、1mm~5mm、好ましくは1.5mm~3mmとすることができる。それぞれの光通過開口部の直径または幅は、シート厚の1.5倍~2倍とすることができる。
【0012】
光通過開口部を有する壁要素内のディスプレイセグメントは、有孔スクリーン構造を形成する。有孔スクリーン構造は、例えば、機械加工法、パンチング法またはレーザドリル加工法によって壁要素に導入することができる。ディスプレイセグメント内に有孔スクリーン構造を有する壁要素を有するドアリーフは、フロア情報の表示に関して良好な視覚特性を特徴とし、ドアリーフの安定性および耐久性に対する高い要件が同時に確保される。
【0013】
光通過開口部は、楕円形、円形、もしくは長方形の穴、または他の穴形状を有する穴とすることができる。フロアディスプレイの外観は、光通過開口部の形状に影響され得る。
【0014】
光通過開口部は、直径1mm~3mmの円形孔によって壁要素に形成されることができる。フロアディスプレイの視覚的外観に関する利点に加えて、そのような小さな穴は、カバーシートが、外部からの機械的作用によって、例えば不正開封または破壊によって損傷されることができないか、または損傷されにくいことを保証する。
【0015】
ディスプレイセグメントは、ドアリーフの前面の限られた領域を占めることができ、ディスプレイセグメントに割り当てられた領域は、有利には、ドアリーフの前面の全領域の最大20%を占める。
【0016】
ディスプレイセグメントは、例えば、長方形とすることができる。長方形は、好ましくは、側面が水平または垂直に延在するようにドアリーフ内に向けられる。長方形は、例えば、最大20cmの幅(横の辺の長さ)および最大20cmの高さ(縦の辺の長さ)を有することができる。
【0017】
フロアディスプレイの場合、1つの平面上に配置された複数の光源が、ディスプレイセグメント内のドアリーフ内に設置されることができる。光源は、白色光を生成することができる。しかしながら、光源または光源の一部は、色彩効果を生成するための色切り替え可能な光源であることも考えられる。
【0018】
光源はLEDとすることができる。複数の光源が設けられる場合、光源は平面LEDアレイを形成することができる。LEDアレイは、LEDを収容する少なくとも1つのプリント回路基板を含むことができ、プリント回路基板は、LEDを支持する側に光反射特性を含んでいる。LEDアレイは、LEDを備えた複数のプリント回路基板モジュールから形成されることができ、プリント回路基板モジュールは、例えばストリップの形状に設計されることができる。色効果を生成するために、LEDアレイには、異なる色スペクトルで光を放射するLEDが設けられることができる。LEDアレイの代わりにOLED箔が設けられてもよい。
【0019】
LEDとしては、RGB LEDが使用されることができる。このようなLEDでは、カバーシートにもかかわらず、所望の色が最終的に外側に浸透するように、光の色が調整または適合されることができる。このように、外観が木のプラスチックシートを用いる場合、LEDが白色光のみを発生させるものであれば、望ましくない黄色味が生じることが防止されることができる。
【0020】
フロア情報を表示するために、各光源を個別に作動可能および作動停止可能にされることができる。光源はグループに組み合わせられることができ、フロア情報を表示するための光源は、グループで作動および作動停止されることができる。これにより、容易かつ迅速にフロア情報を視覚的に表示することができる。フロア情報は、例えば、番号とすることができる。フロア情報は、追加的または任意選択で代替的に、矢印、三角形、または「V」の形態の方向表示であってもよい。
【0021】
光源は、光通過開口部の真後ろに配置されることができる。しかしながら、光源は、光通過開口部の真後ろに配置されない、すなわち、開口に対してオフセットされないことも考えられる。
【0022】
光源は、光通過開口部の大部分、好ましくは光通過開口部の各々に割り当てられることができる。
【0023】
光通過開口部を閉鎖するための透明または半透明のプラグを、光通過開口部内に配置され、特に使用されることができる。このような閉じた光通過開口部を有する壁要素は、例えば、コーティングまたは塗装することもできる。ラッカーまたは塗料層を塗布することにより、上述のカバー層は簡単な方法で作成されることができる。
【0024】
フロアディスプレイの効率的な動作のために、少なくとも1つの光源と壁要素との間のディスプレイセグメントに光ガイド層が配置されると有利となり得る。この導光層は、光を発する拡散フィルムまたはアクリルガラス板とすることができる。
【0025】
光通過開口部を閉鎖するためのプラグは、光ガイド層上に形成されることができる。したがって、プラグは、光ガイド層の一体部分であり、それにモノリシックに接続される。光源からの光は、光ガイド層に入り、その中で反射され、プラグを通る光通過開口部を介して光ガイド層を出る。
【0026】
光ガイド層は、共通または単一の構成要素によって指定されることができる。あるいは、光ガイド層が複数の光ガイド層モジュールから構成されることも有利となり得る。
【0027】
特に後者の場合、複数の光通過開口部用の光源がそれぞれの場合に設けられ、光ガイド層モジュールがこのようにして関連付けられた光通過開口部に割り当てられると有利となり得る。
【0028】
ドアリーフは、操作ユニット、特にフロアコールを入力するためのコール検出ユニットの形態の操作ユニットをさらに備えることができる。同じドアリーフ内のフロアディスプレイと操作ユニットとの組み合わせにより、ユーザガイダンスが再度最適化され、直感的に設計されることができる。そのような構成では、ドアフレーム上の操作ユニット、別個の操作端子、またはフロア内の建物の壁を設ける必要はなく、エレベータシステムの設置時間および労力にプラスの効果をもたらす。この変形形態は、さらに費用対効果が高い。
【0029】
有利には、一方の操作ユニットおよび他方のフロアディスプレイは、互いに離間した領域においてドアリーフ内に配置される。フロアディスプレイのための表示領域は、ドアリーフの上側領域に配置されることができ、操作ユニットに割り当てられた操作領域は、ドアリーフの中央領域に配置されることができる。正面図において長方形であるドアリーフは、2つの縦側面と、縦側面を互いに接続する横側面とを有することができ、ドアリーフがエレベータシステムに設置されると、横側面は水平に延在し、縦側面は垂直に延在する。例えば、フロアディスプレイのための表示領域は、ドアリーフの外側長手方向側に面する上側角部領域に配置されることができ、一方、操作ユニットに割り当てられた操作領域は、外側長手方向側とは反対側の内側長手方向側の領域にほぼ平均高さで配置されることができる。
【0030】
最後に、本発明のさらなる態様は、上述のエレベータシステムの乗場ドア用のドアリーフに関する。
【0031】
本発明のさらなる個々の特徴および利点は、以下の実施形態の説明および図面から導出されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】エレベータシステムの側面図の簡略図である。
図2】本発明によるエレベータシステムの作動されたフロアディスプレイを有するドアリーフを有する乗場ドアの簡略斜視図である。
図3】作動停止されたフロアディスプレイを有するドアリーフを有する乗場ドアを示す図である。
図4】作動停止されたフロアディスプレイを有するドアリーフ(カバー層なし)を示す図である。
図5】作動されたフロアディスプレイを有するドアリーフ(カバー層なし)を示す図である。
図6】作動されたフロアディスプレイを有する図5のドアリーフ(カバー層なし)を示す図であり、フロアディスプレイは代替的なフロア情報を出力する。
図7】フロアディスプレイ用の有孔スクリーン構造における光通過開口部を有する、図6のドアリーフのディスプレイセグメント(図6の詳細D)の拡大詳細図である。
図8】フロアディスプレイ用の有孔スクリーン構造における光通過開口部の代替実施形態を示す図である。
図9】本発明によるエレベータシステムのドアリーフの斜視分解図である。
図10】ドアリーフに一体化されたフロアディスプレイの簡略断面図である。
図11図10のフロアディスプレイの変形例を示す図である。
図12】さらなる実施形態によるドアリーフに一体化されたフロアディスプレイの簡略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、高層ビル用の1で示されるエレベータ設備を示す。建屋は、必要に応じて1つまたは複数のエレベータシャフト3を有する。ここに示すエレベータシステム1は、人または物品を個々のフロアに輸送するためにエレベータシャフト3内で垂直に上下に移動されることができるエレベータかご2を含む。エレベータかご2はかごドア16を有する。各フロア4には乗場ドア8が対応付けられている。エレベータシステム1は、懸架手段(例えば、ベルトまたはスチールケーブル)を介してエレベータかご2に接続された釣合いおもり5を有する。エレベータかご2および釣合いおもり5を移動させるために、エレベータ制御ユニット6によって制御される駆動ユニット6が設けられている。駆動ユニット6(例えば、牽引駆動部)は、1つまたは複数のサスペンション手段を駆動し、したがってかご2および釣合いおもり5を反対方向に移動させる。
【0034】
乗場ドア8は、エレベータシステム3のフロアドアとして設計されており、エレベータシャフト3を閉じ、フロア4からエレベータシステム3へのアクセスを形成する。フロア4にいる人は、エレベータを利用したい場合、彼または彼女は、例えばボタンを押すことで、17で示す操作ユニットを操作する。この場合、操作ユニット17は、フロアコールを入力するコール検出ユニットとして構成される。フロアコールの後に、エレベータかご2は、人がフロアコールをしたフロアに移動する。エレベータかご2を待っている人に知らせるために、乗場ドア8はフロアディスプレイ10を有する。フロアディスプレイ10は、エレベータかごが現在位置しているフロアなどのエレベータかごの位置に関する情報を表示する役割を果たす。この一般的な数値ディスプレイの代わりに、またはそれに加えて、フロアディスプレイ10は、方向表示ディスプレイとして設計されることができる。方向表示は、エレベータかごが現在移動している方向を示す。フロアディスプレイ10はまた、エレベータかごの間もなく到着すること、エレベータかごが現在乗場ドアの後ろに待機しているかどうか、エレベータかごが空であるか既に完全に占有されているかどうか、エレベータかごが次にどこに行くかなどを示すことができる。
【0035】
図2および図3は、フロア4から前方から乗場ドア8を示している。乗場ドア8は、開位置と閉位置との間で移動するために反対方向に移動されることができる2つのドアリーフを有する。本実施形態の図2において右側に位置する符号9で示すドアリーフは、フロアディスプレイ10が取り付けられている。もちろん、9’で示される左側のドアリーフには、代替的にフロアディスプレイ10が備えられてもよい。両方のドアリーフ9、9’にフロアディスプレイ10が備えられることさえ考えられる。例えば、一方のフロアディスプレイ10は、エレベータかごが位置するフロアの番号を視覚的に示すことができ、他方のフロアディスプレイ(ここでは図示せず)は、方向表示ディスプレイを視覚的に示すことができる。
【0036】
図2では、フロアディスプレイ10が作動されている。フロアディスプレイ10は、対応する信号をフロアディスプレイ10(図1を参照)に出力するエレベータ制御ユニット(6)を介して作動される。エレベータ制御ユニットおよびフロアディスプレイ10は、有線接続または無線を介して互いに通信することができる。操作ユニット17の、ボタン押下によるかごコールがエレベータ制御部に登録されると、エレベータかごはかご走行を開始する。ここで、フロアディスプレイ10は、エレベータかごが現在位置しているフロアを示す。図2では、番号「4」が表示されており、その結果、エレベータかごは4階に位置している。フロアディスプレイ10は、フロア情報に対応する信号をエレベータ制御ユニットから受信する。ドアリーフ9において、少なくとも1つの制御可能な光源(ここでは図示せず)が、破線の矩形14によって示されるディスプレイセグメント内に設置される。フロアディスプレイ10を作動させるために、少なくとも1つの光源は、少なくとも1つの光源が点灯される作動状態にされる。少なくとも1つの光源によって放射された光は、ドアリーフ9の壁要素および壁要素に取り付けられたカバー層内の少なくとも1つの光通過開口部を通して、以下に詳細に説明する方法でフロア情報として最終的に出力され、エレベータかごが現在位置しているフロアをフロアにいる人に示す。
【0037】
ここに提示され、ドアリーフ9に一体化されたフロアディスプレイ10の特別な特徴は、アイドル状態にあること、すなわち、それが作動されていないとき、それ自体が外部から全く認識できないことである。この状態を図3に示す。少なくとも1つの光源が作動停止された場合には、光通過開口部はカバー層によって覆われて光を通さず、フロアにいる人に従来のドアリーフの印象を与える。
【0038】
図5は、ドアリーフ9を正面図で示しており、上述のカバー層は、設計をよりよく理解するために除去されている。カバー層がない場合、ドアリーフ9は、ドアリーフの前面を形成する壁要素11を有する。壁要素11は、シートメタル製であり、ドアリーフの支持構造を提供する。この支持構造は、フロア情報を生成するために壁要素11の背後に配置されたカバー層(ここでは図示せず)および光源を支持する。前記光源は、壁パネルの右上角部領域のディスプレイセグメント14に配置される。ディスプレイセグメント14において、壁要素は、光通過開口部12を形成するための複数の孔を有する。光通過開口部12を有するディスプレイセグメント14は、明らかに、有孔スクリーン構造を有する。有孔スクリーン構造の光通過開口部12は、任意の数字、文字または単語の符号および記号がフロアディスプレイ10で示されることができることを保証し、壁要素は、機械的耐荷重能力に関する高い要件を満たすことができるように不必要に脆弱化されない。
【0039】
ディスプレイセグメント14は、壁要素11またはドアリーフ9の前面の限られた領域を占める。有利には、ディスプレイセグメント14に割り当てられた面積は、ドアリーフ9の前面の全面積の最大20%を占める。例えば、ディスプレイセグメント14は、本実施形態のように長方形の構成とすることができる。
【0040】
フロアディスプレイ10で異なる情報を表示するために、光源としてLEDが使用される。これらのLEDは、壁要素11の背後に配置されているため、ここでは示されていない。LEDは、平面LEDアレイを形成することができる。LEDアレイの代わりにOLED箔が設けられてもよい。LEDは、個別に作動および作動停止されることができ、または用途に応じてグループで作動および作動停止されることができる。
【0041】
図4では、フロアディスプレイ10のLEDが作動停止されている。図5および図6では、フロアディスプレイ10のLEDは、いずれの場合も作動される。図5において、フロアディスプレイ10は、フロア情報の数値表示の一例として「4」を示している。図6に一例を示すように、フロアディスプレイ10を使用して方向を表示することもできる。三角形の代わりに、方向指示器は、矢印または「V」の形状を有することもできる。
【0042】
図7は、光通過開口部12が有孔スクリーン構造を形成することを示す。有孔スクリーン構造は、領域内に均一に分布した多数の孔を特徴とする。この場合、光通過開口部12は、壁要素11の矩形の穴として設計される。図8から分かるように、それぞれの光通過開口部12はまた、壁要素11の円形孔であってもよい。有孔スクリーン構造の光通過開口部12は、いずれの場合も、1mm~3mmの直径を有することができる。
【0043】
一体化されたフロアディスプレイ10を有するドアリーフ9の設計に関するさらなる詳細は、図9に見ることができる。カバー層13は、壁要素11の自由または視認可能な前面を略完全に覆う。簡略化のためにこの場合には示されていないが、上部の壁要素11に隣接する壁要素11の不可視領域は、ドアリーフがエレベータシステムに設置されて、例えば、スライドドアとして構成された乗場ドアを形成する場合、開放状態のトランサムまたはドアフレームにも収容される。
【0044】
カバー層13は、プラスチックシート、本物の木材用単板、またはラッカーもしくは塗料層とすることができる。カバー層13は、積層体とすることもできる。プラスチックシートに適した材料は、例えば、PE、PPまたはPVCである。これらのプラスチックは不透明な特性を特徴とする。これにより、光通過開口部12は、光を通過させないようにカバーされることができる。しかしながら、カバー層13は、光源が作動された後に光がカバー層13を透過することができるほど薄い。材料の選択に応じて、プラスチックシートは、例えば0.05~0.5mmのシート厚を有することができる。プラスチックシートは、印刷シートとすることができる。例えば、木製の外観を有するプラスチックシートがカバー層13として選択されることができる。
【0045】
有孔スクリーン構造を形成する光通過開口部12を有するディスプレイセグメント14は、ドアリーフ9または壁要素11の角部領域に配置される。正面図において長方形であるドアリーフ9が、2つの垂直縦側面と、前記縦側面を互いに接続する横側面とを有する場合、本実施形態のように、ディスプレイセグメント14は、上部横側面および垂直外側縦側面の角部領域に配置されることができる。
【0046】
操作ユニット(図示せず)は、例えばフロアコールを入力するためのコール検出ユニットの形態で、ドアリーフ9に一体化されることができる。そのような構成では、ドアフレーム上の操作ユニット、別個の操作端子、またはフロア内の建物の壁を設ける必要はない。操作ユニットに割り当てられた操作領域は、好ましくは、外側長手方向側面の反対側の内側長手方向側面の領域内の平均高さにほぼ配置される。
【0047】
壁要素11の下方には、21で示されるLEDアレイがディスプレイセグメント14内に配置されている。図示されているLEDアレイ21は、フロアディスプレイ10を動作させるための光源として複数のLEDを概略的にのみ有する。
【0048】
乗場ドア用のフロアディスプレイ10の可能な展開に関するさらなる詳細は、図10図12から収集されることができる。図10によるフロアディスプレイ10は、図9に示すフロアディスプレイに概ね相当する。LEDアレイ21は、LED15を収容するプリント回路基板22を備える。LEDは、光通過開口部12の真後ろに位置している。
【0049】
図11は、光通過開口部を閉鎖するための透明または半透明のプラグ20が光通過開口部12に挿入されるか、または他の様態で配置される変形例に関する。プラグ20を有する変形例は、カバーシートが省かれるドアリーフに適合された変形例(ここでは図示せず)にも適している。
【0050】
図12に示すように、各光通過開口部12にはLED15を割り当てる必要はない。光ガイド層モジュール18によって、対応する作動後に、LED15からの光がカバー層13を介して依然として外側に通過することが確実にされることができる。この場合も、カバー層13を設けずにドアリーフ9を設けることが考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-08-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアリーフ(9)を備える乗場ドア(8)を有するエレベータシステムであって、乗場ドアを介してエレベータかご(2)はフロア(4)からアクセス可能であり、ドアリーフ(9)は、ドアリーフ(9)の支持構造を提供するための、かつシャフトアクセスを覆うための、好ましくはシートメタルで出来ている壁要素(11)を有し、壁要素(11)は、複数の光通過開口部(12)を有するディスプレイセグメント(14)を有し、
ディスプレイセグメント(14)内のドアリーフ(9)は、現在のかごの位置を、エレベータのかご(2)が現在位置しているフロアをフロア上の人に示すフロア情報として表示するためのフロアディスプレイ(10)を含み、フロアディスプレイ(10)は、壁要素(11)の背後に配置された少なくとも1つの制御可能な光源(15)を含み、光通過開口部(12)は、有孔スクリーン構造を形成することを特徴とする、エレベータシステム。
【請求項2】
ドアリーフ(9)は、
カバー層(13)であって、所望のフロア情報を表示するための光源(15)の作動後に、光が光通過開口部(12)を通って外向きに透過し、少なくとも1つの光源(15)の作動停止されたときに、光通過開口部(12)が覆われて光を通過させないように設計されるカバー層(13)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項3】
カバー層(13)は、不透明な特性を有する材料で出来ている薄層であることを特徴とする、請求項2に記載のエレベータシステム。
【請求項4】
光通過開口部(12)は、0.5mm~8mm、好ましくは1mm~5mmの直径を有する壁要素(11)の丸穴であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項5】
ディスプレイセグメント(14)は、好ましくは、ドアリーフ(9)の縁部領域および/または角部領域に配置されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項6】
ディスプレイセグメント(14)に割り当てられた面積は、ドアリーフ(9)の前面の総面積の最大20%であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項7】
フロアディスプレイ(10)のために、平面上に配置された複数の光源(15)がドアリーフ(9)に設置されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項8】
光源(15)はLEDであり、光源(15)は平面LEDアレイを形成することを特徴とする、請求項7に記載のエレベータシステム。
【請求項9】
透明または半透明のプラグ(20)は光通過開口部(12)内に配置されることを特徴とする、請求項2~8のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項10】
光ガイド層(18)は少なくとも1つの光源(15)と壁要素(11)との間のディスプレイセグメント(14)内に配置され、プラグ(20)は光ガイド層(18)上に形成されることを特徴とする、請求項9に記載のエレベータシステム。
【請求項11】
複数の光通過開口部(12)、好ましくは光通過開口部(12)の各々に光源(15)が割り当てられていることを特徴とする、請求項2~10のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項12】
複数の光通過開口部(12)のための光源(15)はそれぞれの場合に設けられ、光ガイド層モジュール(19)は、このようにして関連付けられた光通過開口部(12)に割り当てられることを特徴とする、請求項2~11のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項13】
フロアディスプレイを有するドアリーフ(9)は、特にフロアコールを入力するためのコール検出ユニットの形態の操作ユニット(17)を備えることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のエレベータシステム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のエレベータシステム(1)の乗場ドア(8)用のドアリーフ(9)。
【国際調査報告】