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特表2023-537576ロボットマニピュレータのためのモジュール式アームエンドツーリングの制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-04
(54)【発明の名称】ロボットマニピュレータのためのモジュール式アームエンドツーリングの制御
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/04 20060101AFI20230828BHJP
【FI】
B25J15/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503078
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2023-02-07
(86)【国際出願番号】 EP2021069976
(87)【国際公開番号】W WO2022013428
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】16/931,232
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523015666
【氏名又は名称】キンドレッド・システムズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】KINDRED SYSTEMS INC.
【住所又は居所原語表記】169 Stillman Street,San Francisco,California 94107,U.S.A.
(71)【出願人】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ボイチェホフスキ、サラ
(72)【発明者】
【氏名】キース、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】イェー、シンディ
(72)【発明者】
【氏名】ディック、ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ、ケビン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン、アドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ウィッティントン、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ビレッラ、ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ウィーチュラ、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ハロック、デイビッド
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707CY06
3C707FS01
3C707FT02
3C707FT06
3C707GS00
3C707GS06
3C707KS31
3C707KW01
3C707LW12
3C707LW15
(57)【要約】
ロボットアームの遠位端にあるツールチェンジャは、近位係合プレートを含むことができ、ツールは、近位係合プレートと磁気的に係合された遠位係合プレートを含むことができる。ツールチェンジャは、ロボットアームによって実行されている動作のために異なるツールが必要とされるので、様々なツールと磁気的に係合及び係合解除するように構成することができる。どのツールをツールチェンジャに結合するかに関する決定は、ロボットアームが物体を操作するために使用されるときの状況の変化に基づいて、オンザフライで行うことができる。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
ロボットアームの作業空間内で物体のセットを受け取ることと、
前記物体のセットに関する情報を収集することと、前記情報は、前記物体のセットにおける個々の物体の特性を含み、
前記収集された情報と前記個々の物体の特性とに基づいて、前記物体のセットに対して動作する第1の最適な順序を決定することと、前記第1の最適な順序は、前記第1の最適な順序の少なくとも第1のピッキングと、前記第1の最適な順序の第1のピッキングの後に実行されるべき前記第1の最適な順序の第2のピッキングとを指定し、
前記第1の最適な順序の第1のピッキングを実行することと、
前記第1の最適な順序の第1のピッキングを実行した後、前記第1の最適な順序の第2のピッキングを実行する前に、前記物体のセットに関する追加の情報を収集することと、前記追加の情報は、前記物体のセットにおける個々の物体の更新された特性を含み、
前記追加の収集された情報及び前記個々の物体の更新された特性に基づいて、前記物体のセットに対して動作する第2の最適な順序を決定することと、前記第2の最適な順序は、前記第1の最適な順序の前記第1のピッキングの後に実行されるべき前記第2の最適な順序の少なくとも第1のピッキングを指定し、前記第2の最適な順序は、前記第1の最適な順序の残りの部分とは異なり、
前記第2の最適な順序の第1のピッキングを実行することとを含む、方法。
【請求項2】
前記物体のセットにおける個々の物体の特性は、個々の物体の物体タイプを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記物体のセットにおける個々の物体の特性は、個々の物体の寸法を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記物体のセットにおける個々の物体の特性は、前記個々の物体の位置を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記物体のセットにおける個々の物体の特性は、個々の物体の向きを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記物体のセットにおける個々の物体の特性は、前記個々の物体の剛性及び空隙率を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記物体のセット上で動作するための前記第1の最適な順序を決定することは、前記ロボットアームの遠位端に結合された複数の異なるツールのそれぞれを使用するための第1の最適な順序を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記物体のセット上で動作するための前記第1の最適な順序を決定することは、前記物体のセットにおける個々の物体の梱包タイプ及び形状に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記物体のセット上で動作するための前記第1の最適な順序を決定することは、前記物体のセットにおける前記個々の物体の複数の候補ピッキングを識別することを含み、各候補ピッキングは、特定のツールを用いて特定の場所で特定の物体をピックアップするアクションを指定する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記物体のセット上で動作するための前記第1の最適な順序を決定することは、前記候補ピッキングをスコア付けし、ランク付けすることを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記スコア付け及びランク付けは、前記候補ピッキングのそれぞれが成功する可能性に基づく、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記スコア付け及びランク付けは、物体の表面の中心付近で前記物体をピックアップすることを含むピッキングに対して、より高い成功の可能性を割り当てることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記スコア付け及びランク付けは、物体の重心の近くで前記物体をピックアップすることを含むピッキングに対して、より高い成功の可能性を割り当てることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記スコア付け及びランク付けは、他の物体と重複する位置で物体をピックアップすることを含むピッキングに、より低い成功の可能性を割り当てることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記スコア付け及びランク付けは、識別情報を含む位置で物体をピックアップすることを含むピッキングに対して、より低い成功の可能性を割り当てることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記物体のセット上で動作するための第1の最適な順序を決定することは、前記ピッキングのそれぞれが前記物体のセットに関する追加の情報を明らかにする可能性に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記物体のセット上で動作するための第1の最適な順序を決定することは、前記ピッキングのそれぞれが前記物体のセットに関する収集された情報を変更する可能性に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の最適な順序又は前記第2の最適な順序は、前記物体のセットに関する履歴情報を処理する学習アルゴリズムを使用して決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ロボットシステムにおいて、
遠位端を有するロボットアームと、
近位端と遠位端とを有するツールチェンジャと、前記ツールチェンジャの近位端は前記ロボットアームの遠位端に結合され、前記ツールチェンジャの遠位端は近位係合プレートを含み、
近位端を有するツールとを備え、前記ツールの近位端は、前記ツールチェンジャの近位係合プレートに結合された遠位係合プレートを含み、
前記ツールチェンジャは、前記近位係合プレート内に埋め込まれた近位磁石を含み、前記ツールは、前記遠位係合プレート内に埋め込まれた遠位磁石を含み、前記近位磁石は、前記遠位磁石と係合される、ロボットシステム。
【請求項20】
前記近位係合プレートの遠位端が、切頭円錐を含む全体形状を有する凹部を含み、前記遠位係合プレートの近位端が、切頭円錐を含む全体形状を有する、請求項19に記載のロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボットマニピュレータに関し、より具体的には、ロボットマニピュレータのためのモジュール式アームエンドツーリングシステム、並びにその制御のための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動ロボット、コンベヤ、及び他の動力デバイスは、所望の目標を達成するために、物体を仕分け、再配置、運搬、又はそうでなければ操作するために、多くの産業又は物流用途で使用される。特定の産業又は物流作業における全ての物体は、同じ目的地又は作業が関連する各物体に適用可能であるように、同じタイプであってもよい。郵便サービスでは、例えば、選別機が、手紙及び小包を、その上の光学文字の認識を介して処理し、各処理された郵便物に、それぞれの処理された郵便物の宛先を示す対応するバーコードを刻印する。したがって、各物体に対して実行されるべき動作は予め決定され、プロセスは容易に自動化されることができる。
【0003】
いくつかの状況では、物体の集合の自動処理は、複雑で困難な課題のままである。異なる物体タイプを含む物体の集合が組み立てられ、各物体タイプが他の物体タイプとは異なって処理されるべきであるシナリオを考える。製造作業では、同じタイプのコンポーネントの均一な集合を含む物体の集合(例えば、出荷)を受け取ることができる。他のシナリオでは、異なる物体タイプを含む物体の集合を受け取ることができ、各物体タイプは、他の物体タイプとは異なって処理されるべきである。このため、ロボットアームに対するツールチェンジャが開発されている。
【発明の概要】
【0004】
方法は、ロボットアームの作業空間内で物体のセットを受け取ることと、物体のセットに関する情報を収集することと、情報は、物体のセットにおける個々の物体の特性を含み、収集された情報と個々の物体の特性とに基づいて、物体のセット上で動作するための第1の最適な順序を決定することと、第1の最適な順序は、第1の最適な順序の少なくとも第1のピッキングと、第1の最適な順序の第1のピッキングの後に実行されるべき第1の最適な順序の第2のピッキングとを指定し、第1の最適な順序の第1のピッキングを実行することと、第1の最適な順序の第1のピッキングを実行した後、第1の最適な順序の第2のピッキングを実行する前に、物体のセットに関する追加の情報を収集することと、追加の情報は、物体のセットにおける個々の物体の更新された特性を含み、追加の収集された情報及び個々の物体の更新された特性に基づいて、物体のセット上で動作するための第2の最適な順序を決定することと、第2の最適な順序は、第1の最適な順序の第1のピッキングの後に実行されるべき第2の最適な順序の少なくとも第1のピッキングを指定し、第2の最適な順序は、第1の最適な順序の残りの部分とは異なり、第2の最適な順序の第1のピッキングを実行することとを含むように要約されることができる。
【0005】
物体のセットにおける個々の物体の特性は、個々の物体の物体タイプ、個々の物体の寸法、個々の物体の位置、個々の物体の向き、並びに/又は個々の物体の剛性及び空隙率を含むことができる。物体のセット上で動作するための第1の最適な順序を決定することは、ロボットアームの遠位端に結合された複数の異なるツールのそれぞれを使用する第1の最適な順序を決定することを含むことができる。物体のセット上で動作するための第1の最適な順序を決定することは、物体のセットにおける個々の物体の梱包タイプ及び形状に基づくことができる。
【0006】
物体のセット上で動作するための第1の最適な順序を決定することは、物体のセットにおける個々の物体の複数の候補ピッキングを識別することを含むことができ、各候補ピッキングは、特定のツールを用いて特定の位置で特定の物体をピックアップするアクションを指定する。物体のセット上で動作するための第1の最適な順序を決定することは、候補ピッキングをスコア付けし、ランク付けすることを含むことができる。スコア付け及びランク付けは、候補ピッキングのそれぞれが成功する可能性に基づくことができる。スコア付け及びランク付けは、物体の表面の中心の近くで物体をピックアップすることを含むピッキングに、より高い成功の可能性を割り当てることを含むことができる。スコア付け及びランク付けは、物体の重心の近くで物体をピックアップすることを含むピッキングに、より高い成功の可能性を割り当てることを含むことができる。スコア付け及びランク付けは、他の物体と重複する場所で物体をピックアップすることを含むピッキングに、より低い成功の可能性を割り当てることを含むことができる。スコア付け及びランク付けは、識別情報を含む位置で物体をピックアップすることを含むピッキングに、より低い成功の可能性を割り当てることを含むことができる。
【0007】
物体のセット上で動作するための第1の最適な順序を決定することは、ピッキングのそれぞれが物体のセットに関する追加の情報を明らかにする可能性に基づくことができる。物体のセット上で動作するための第1の最適な順序を決定することは、ピッキングのそれぞれが物体のセットに関する収集された情報を変更する可能性に基づくことができる。
第1の最適な順序又は第2の最適な順序は、物体のセットに関する履歴情報を処理する学習アルゴリズムを使用して決定されることができる。
【0008】
ロボットシステムは、遠位端を有するロボットアームと、近位端と遠位端とを有するツールチェンジャと、ツールチェンジャの近位端はロボットアームの遠位端に結合され、ツールチェンジャの遠位端は近位係合プレートを含み、近位端を有するツールとを備え、ツールの近位端は、ツールチェンジャの近位係合プレートに結合された遠位係合プレートを含み、ツールチェンジャは、近位係合プレート内に埋め込まれた近位磁石を含み、ツールは、遠位係合プレート内に埋め込まれた遠位磁石を含み、近位磁石は、遠位磁石と係合されるように要約されることができる。近位係合プレートの遠位端は、切頭円錐を含む全体形状を有する凹部を含むことができ、遠位係合プレートの近位端は、切頭円錐を含む全体形状を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、ロボットアームに対するツールチェンジャの斜視図を図示している。
図2図2は、図1のツールチェンジャの別の斜視図を図示している。
図3図3は、図1のツールチェンジャの別の斜視図を図示している。
図4図4は、図1のツールチェンジャのハウジングコンポーネントを図示している。
図5図5は、図1に図示されているツールチェンジャの近位係合コンポーネントを図示している。
図6図6は、図1に図示されているツールチェンジャの近位係合プレートを図示している。
図7図7は、図1に図示されているツールチェンジャの磁石と機械締結具を図示している。
図8図8は、図5の近位係合コンポーネントと係合するように構成されたツールの遠位係合コンポーネントを図示している。
図9図9は、図6の近位係合プレートと係合するように構成された、図8の遠位係合コンポーネントの遠位係合プレートを図示している。
図10図10は、図1に図示するツールチェンジャと共に使用するためのツールホルダの斜視図を図示している。
図11図11は、図10のツールホルダの上面図を図示している。
図12図12は、ロボットアーム、ツールチェンジャ、及びツールを含むロボットシステムを動作させる方法を図示している。
図13図13は、コンピュータシステムを図示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明は、添付の図面とともに、様々な開示された実施形態の完全な理解を提供するために、ある特定の詳細を記載する。しかしながら、当業者は、開示された実施形態が、これらの具体的な詳細のうちの1つ以上を伴わずに、又は他の方法、コンポーネント、デバイス、材料等を伴って、種々の組み合わせで実施することができることを認識するであろう。他の例では、通信システム及びネットワーク及び環境を含むがこれらに限定されない、本開示の環境に関係付けられた周知の構造又はコンポーネントは、実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、示されてない又は説明されていない。加えて、様々な実施形態は、方法、システム、媒体、又はデバイスであってもよい。したがって、様々な実施形態は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態とすることができる。
【0011】
本明細書及び請求項、図面全体を通じて、以下の用語は、コンテキストが別のことを指示しない限り、本明細書に明示的に関係付けられた意味を取る。「本明細書において」という用語は、本出願に関連する明細書、特許請求の範囲、及び図面を指す。「一実施形態では」、「別の実施形態では」、「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「他の実施形態では」という句、及びそれらの他の変形は、本開示の1つ以上の特徴、構造、機能、限定、又は特性を指し、文脈が別途明確に指示しない限り、同じ又は異なる実施形態に限定されない。本明細書で使用される場合、「又は」という用語は、包括的な「又は」演算子であり、「AもしくはB、又は両方」又は「AもしくはBもしくはC、又はそれらの任意の組合せ」という語句と同等であり、追加の要素を有するリストも同様に扱われる。「に基づいて」という用語は、排他的ではなく、文脈が別途明確に指示しない限り、記載されていない追加の特徴、機能、態様、又は制限に基づくことを可能にする。さらに、本明細書全体を通して、「a」、「an」及び「the」の意味は、単数及び複数の言及を含む。
【0012】
本明細書で使用される「セット」(例えば、「アイテムのセット」)という用語への言及は、別段の記載がない限り、又は文脈と矛盾しない限り、1つ以上のメンバ又はインスタンスを含む空でない集合として解釈されるべきである。
【0013】
本明細書で使用されるように、「近位」及び「遠位」という用語は、文脈が別様に規定しない限り、ロボットアームシステムに関するそれらの通常の意味を有する。例えば、「近位」は、概して、ロボットアームシステムの長さに沿って、床又は他の剛性物体に堅固に搭載されるロボットアームシステムのベースにより近いことを意味し、「遠位」は、概して、ロボットアームシステムの長さに沿って、ロボットアームシステムのベースからより遠いことを意味する。
【0014】
図1から図3は、ツールチェンジャ102と、ロボットアームと共に使用するためのアームエンドツーリング(EOAT)又はツール104とを含むシステム100を図示する。システム100は、システム100の近位部分を形成し、その近位端において、標準的な市販のロボットアームの末端遠位端に結合されるように構成され、その近位端の反対側のその遠位端において、ツール104等の種々の異なるツール又は他のエンドオブアームツーリング(EOAT)デバイスのうちのいずれか1つに結合されるように構成される、ツールチェンジャ102を含む。ツールチェンジャ102は、様々な異なるツールのそれぞれを、一度に1つずつ、又は順番に、ロボットアームに結合するように構成することができる。例えば、ツールチェンジャ102は、ツール104の動作が完了すると、ツール104から切断又は分離され、使用のために異なるツールに接続又は結合されることができる。
ツールチェンジャ102はまた、ツール104を含む、それに結合されたツールの動作に関連する他の機能を実行するように構成される。
【0015】
システム100は、ツール104を含み、ツール104は、システム100の遠位部分を形成し、ロボットアームの作業環境内でワークピースに対して作業を実行するか又は動作するように構成され、ツール104は、その近位端でツールチェンジャ102の遠位端に結合され、それによって標準的な市販のロボットアームに結合されるように構成される。ツール104は、ツールチェンジャ102の遠位端に結合又は接続され、ツールチェンジャ102の遠位端から結合解除又は切断されるように構成され、それにより、異なるツールをそこに結合することが可能になる。ツール104は、ワークピースの概して平坦な表面に吸引を適用することによってワークピースを把持及び/又は操作するように構成された吸引ベースのグリッパである。いくつかのインプリメンテーションでは、ツール104及びツール104を支持する空気圧技術は、(大気圧に対して)少なくとも4バール又は少なくとも5バールの負圧を加えるように構成することができ、少なくとも5標準立方フィート/分の空気の空気圧流量を提供するように構成することができる。
【0016】
本明細書で言及される他の異なるツールは、機械ロボットグリッパ又はフィンガ、2-顎、3-顎、コレット及び拡張マンドレル、0リング、針、複数のフィンガ、適応フィンガ、ベローズ、ブラダ、電磁石及び磁石、静電力デバイス、関節式フィンガ及び掌を伴う擬人化ハンド、ねじ回し、ハンマ、鋸、マレット、レンチ、並びにカメラ及び撮像デバイス、熱センサ、重量センサ、並びに歪みゲージ等のセンサ等の当技術分野で公知の任意のタイプのツールを含むことができ、ガス、液体、塗料、又はワークピース上に噴霧、適用、コーティング、及びこれらに類するものをされることができる他の材料に流体接続することができる。いくつかのインプリメンテーションでは、ツール104は、その外部に印刷又は貼付されたバーコード、クイックレスポンス(QR)コード、マトリックスコード、シリアル番号、又は他の識別子を有することができ、それにより、ロボットアーム又はそれに結合されたカメラもしくはスキャナは、識別子の画像を捕捉することができ、その結果、ツールチェンジャ102の端部に貼付されたツール104を識別し、ツールチェンジャ102と共に使用される他のツールと区別することができる。
【0017】
図1から図3に図示するように、ツールチェンジャ102は、その近位端に、ロボットアームに直接結合されるように構成されたハウジング106の一部を含み、これについては本明細書の他の箇所でより詳細に説明する。図1から図3はまた、ツールチェンジャ102が、ツール104の相補的な遠位係合プレートと係合し、それに結合されるように構成され、近位係合プレート108を含むことを図示し、それは、本明細書の他の箇所でより詳細に説明される。図1から図3はまた、ツール104が、ツールチェンジャ102の近位係合プレート108と係合し、それに結合されるように構成された遠位係合プレート110を含むことを図示し、それは、本明細書の他の箇所でより詳細に説明される。図1から図3はまた、ツール104がベローズ型吸着カップ112を含むことを図示しており、この吸着カップは、ツール104によって動作されているワークピースに係合し、吸着を介して結合されるように構成されている。
【0018】
図4は、ツールチェンジャ102の残りの部分から分離されたツールチェンジャ102のハウジング106の部分の斜視図を、図1から図3よりも大きな縮尺で図示する。図4に図示するように、ハウジング106の一部は、その近位端に平坦な端壁を含み、この端壁は、ツールチェンジャ102が結合されるロボットアームの相補的な軸受面に直接当接し、直接係合するように構成される。図4にさらに図示するように、ハウジング106の一部の平坦な端壁は、その中に配置されたボルト穴のパターンを含み、ボルト穴のパターンは、ロボットアームの軸受面のボルト穴のパターンに対応するか、一致するか、又は補完することができる。そのようなパターンは、FANUC又はABB等によって、ロボットアームの製造業者によって規定されてもよい。したがって、ハウジング106の一部、並びにツールチェンジャ102及びツール104の残りの部分は、これらのボルト穴を通ってロボットアームの末端遠位端内に伸長するボルトのセットによって、ロボットアームに堅固に結合することができる。
【0019】
図4にさらに図示するように、ハウジング106の一部は、円形の開口部又はアパーチャ114を含む。ツールチェンジャ102がロボットアームに結合され、使用中であるとき、導管又は他のチューブは、アパーチャ114内に固定され、それを通って伸長することができる。そのような導管は、ツールチェンジャ102の外側からツールチェンジャ102の内側にケーブル、ワイヤ、又は他の導管を運ぶことができる。例えば、そのような導管は、ツールチェンジャ102及び/又はツール104に電力及び/又は通信能力を提供するように、複数の電子ケーブルを担持できる。別の例として、そのような導管は、またツールチェンジャ102及び/又はツール104のために、動力を提供するための複数の油圧及び/又は空気圧導管、及び/又は通信能力を担持できる。したがって、そのような導管は、そのようなケーブル及び/又は導管を封入及び保護することができ、その中に担持されるケーブル及び/又は導管が、ロボットアーム、ツールチェンジャ102、及び/又はツール104の動作に干渉しないことを確実にするように、アパーチャ114内の定位置に固定される。
【0020】
図5は、ツールチェンジャ102の近位係合コンポーネントを図示する。図5に図示するように、ツールチェンジャ102は、ツール104の相補的な遠位係合プレート110と係合し、それに結合されるように構成された近位係合プレート108を含む。図5にさらに図示されるように、近位係合プレート108は、その遠位に面する表面に埋め込まれ、それぞれの複数のねじ又は他の締結具118によってそこに固定される、複数の、例えば、4つの磁石116を含む。いくつかの実施形態では、磁石116は、永久磁石、強磁性体、電磁石、又は当技術分野で公知の任意の他のタイプの磁石とすることができる。図5に図示するように、複数の磁石116及びそれぞれのねじ118は、例えば、磁石116が近位係合プレート108の中心にその幾何学的中心を有する正方形に配置されるように、近位係合プレート108の中心の周りに互いに等しく離間することができる。
【0021】
図5にさらに図示するように、近位係合プレート108は、近位-遠位軸に沿って見たときに全体的に円形の形状を有し、全体的に円筒形の外側輪郭を有し、それにより、近位係合プレート108の外面の直径は、近位係合プレート108の長さ又は厚さに沿って一定又は実質的に一定である。近位係合プレート108の遠位に面する端面の全体的な円形形状の外周又は外縁において、近位係合プレート108は、近位係合プレート108の円形形状の周囲全体に伸長し、磁石116が埋め込まれる近位係合プレート108の部分の周囲を完全に囲む又は伸長する、隆起リム120を含む。図5に図示するように、隆起リム120を近位係合プレート108の断面図で見ると、隆起リム120は、全体として近位係合プレート108の全体的な円筒形の外側輪郭と同一平面であるか又は一致する外側表面と、外側表面から磁石116が埋め込まれる平坦な表面に向かって内側に傾斜又は角度で伸長する傾斜した内側表面とを有する。したがって、近位係合プレート108の遠位端は、切頭円錐を含む全体形状を有する、その中に形成された凹部を有する。
【0022】
図5に更に示すように、ツールチェンジャ102は、近位係合プレート108を通ってその近位表面からその遠位表面まで伸長する一対の接触センサ122を含む。いくつかの実施形態では、接触センサ122は、接触センサ122が別の物体と接触していることを示す信号を生成するために、別の物体と接触しているときに押下されることができるそれぞれのボタンをその末端の遠位端に有することができる。図6は、磁石116及びねじ118を収容するための凹部、並びに接触センサ122を収容するためのアパーチャを見せるために、他のコンポーネントが除去された近位係合プレート108を図示する。図7は、近位係合プレート108のコンポーネントの残りから分離された磁石116のうちの1つ及びねじ118のうちの1つを図示し、その付加的特徴を図示する。
【0023】
図8は、ツール104及びツール104の遠位係合コンポーネントを図示する。図8に図示するように、ツール104は、ツールチェンジャ102の相補的な近位係合プレート108と係合し、それに結合されるように構成された遠位係合プレート110を含む。図8にさらに図示されるように、ツール104は、その近位に面する表面に埋め込まれ、それぞれの複数のねじ又は他の締結具118によってそこに固定される、複数の、例えば、4つの磁石116を含む。いくつかの実施形態では、磁石116は、永久磁石、強磁性体、電磁石、又は当技術分野で公知の任意の他のタイプの磁石とすることができる。図8に図示するように、複数の磁石116及びそれぞれのねじ118は、例えば、磁石116が、その幾何学的中心が遠位係合プレート110の中心にある正方形に配置されるように、遠位係合プレート110の中心の周りに互いに等間隔に離間することができる。遠位係合プレート110の磁石116の配置の正方形の形状は、近位係合プレート108の磁石116の配置の正方形の形状に対応するか、又は同じであってもよい。
【0024】
図8にさらに図示されるように、遠位係合プレート110は、遠位係合プレート110の外面の直径が遠位係合プレート110の長さに沿って一定又は実質的に一定であるように、近位-遠位軸に沿って見たときに全体的に円形の形状及び全体的に円筒形の外側輪郭を有するが、遠位係合プレート110は、その他の点ではその円筒形の外面内に内向きに伸長する円周溝124を含む。遠位係合プレート110の遠位に面する端面の全体的な円形形状の外周又は縁部において、遠位係合プレート110は、遠位係合プレート110の円形形状の全周に伸長し、磁石116が埋め込まれる遠位係合プレート110の部分の境界を定めるか、又はその部分の周囲に完全に伸長する面取りされた角126を含む。したがって、遠位係合プレート110の近位端は、切頭円錐を含む全体形状を有する。図9は、磁石116及びねじ118を収容するための凹部を見せるために他のコンポーネントが除去された遠位係合プレート110を図示する。
【0025】
いくつかの実施形態では、ツール104等のツールは、任意の公差に適応するために、その把持又は他の接触表面上に可撓性又は適合性又はコンプライアント要素を含むことができる。例えば、そのような特徴は、ツールが深度誤差を補償し、ワークピースへの損傷を軽減することを可能にすることができる。そのようなコンプライアント要素は、可撓性及び軟質(又は部分的に軟質)コンポーネントから作製することができ、クッション、発泡体、ゴム、エラストマー、シリコーン、及びこれらに類するものから選択される材料を含むことができるが、これらに限定されない。他の実施形態では、そのようなコンプライアント要素は、膨張可能、充填可能、及び/又は拡張可能とすることができ、したがって、それらのサイズ、剛性、及び/又は寸法は、可変であり、空気圧、油圧、ガス、又は流体ポンプを介して制御されることができる。例えば、システムは、強化又は再帰的学習(「RL」)、機械学習(「ML」)、又は強化学習、再帰的学習、機械学習、人工知能、ファジー論理、ニューラルネットワーク及びこれらに類するものを組み込む任意のアルゴリズム、システム、若しくはプロセスを含む任意の他の学習機構又は技術を介して、特定のワークピースを最適に把持するためにツールが特定の剛性又は変形能を必要とすることを決定することができる。したがって、このようなコンプライアント要素は、必要に応じて調整することができる。
【0026】
図10及び図11は、5つの異なるツールが内部に保持されたツールホルダ128の斜視図及び上面図をそれぞれ図示する。図10及び図11に図示するように、ツールホルダ128は、一対のアパーチャ又はボルト穴130が形成された、単一片のシートメタルなどの単一シートの材料を含むことができる。ツールホルダ128が使用中であるとき、ボルト又は他の締結具は、ボルト穴130を通して伸長し、ツールホルダ128を他の構造に結合し、ツールホルダ128を定位置に保持し、及び/又はツールホルダ128をロボットアームの作業空間内であちこちに移動させることができる。図10及び図11にさらに図示するように、ツールホルダ128はまた、その上縁部に形成された複数の(例えば、図示の実施形態では5つの)ノッチ132を有し、これらのノッチは、ツールチェンジャ102と共に使用するために、ツール104を含むそれぞれのツールを収容し、支持し、運ぶように構成することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、ロボットアームのための作業空間は、ツールホルダ128のために本明細書に説明される特徴をそれぞれ有する、複数のツールホルダを含むことができ、これは、ロボットアームが、有意な進行時間を要求することなく、必要とされるときにツールホルダに迅速かつ容易に到達することができるように、ロボットアームの作業空間の周囲の種々の場所に最適に設置することができる。別の実施形態では、ツールホルダ自体を別個のロボットアーム、コンベヤベルト、トラック等に取り付けることができ、この場合、ツールホルダをロボットアームに移動させることができる。さらに他の実施形態では、ロボットアーム及びツールホルダの両方は、そのようなデバイスが迅速かつ効率的様式で相互に向かって移動されることができるように、移動可能であることができる。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、ツールホルダ128に関して本明細書に説明される特徴を含む、一体型ツールホルダを含むことができる。ツールは、必要に応じて、そのようなツールホルダ128から選択的に展開及び後退することができる。そのような実施形態では、ツールホルダ128は、交換することができるように、ロボットアームから取り外し可能とすることができる。例えば、第1のツールホルダは、複数の異なる吸引型ツール(例えば、異なるサイズ又は容量の吸引型ツール)を保持するように構成することができ、第2のツールホルダは、複数の異なるフィンガ型又は顎型ツール(例えば、異なるサイズ又は容量のフィンガ型又は顎型ツール)を保持するように構成することができる。
【0028】
ツールチェンジャ102を使用する方法では、ツール104と、それぞれが本明細書に記載の特徴のいずれかを含むことができる複数の追加のツールとを、最初にツールホルダ128に取り付けることができる。例えば、ツール104は、円周溝124がノッチ132のうちの1つに隣接するツールホルダ128の一片のシートメタルの側面又は縁部と係合した状態で、ツールホルダ128に取り付けることができる。したがって、ツール104は、重力によってツールホルダ128のノッチ132のうちの1つに保持することができ、ツール104をツールホルダ128に対して上方に持ち上げることなどによって、ツールホルダ128のノッチ132から簡単に取り外すことができる。ツールチェンジャ102が結合されたロボットアームは、近位係合プレート108の遠位端面が遠位係合プレート110の近位端面と係合するまでツールチェンジャ102を操作することができ、近位係合プレート108に埋め込まれた磁石116が遠位係合プレート110に埋め込まれた磁石116と係合し、遠位係合プレートの円錐台が近位係合プレートの端部の円錐台形状の凹部内に着座し、ツールチェンジャ102上にツール104を自動調心することができ、接触センサ122が起動される。
【0029】
次いで、ロボットアームは、ツール104を用いたそのような動作が完了するまで、ロボットアームの作業空間内の1つ以上のワークピース上で作業を行うように、ツールチェンジャ102及びそれに結合されたツール104を操作することができる。次いで、ロボットアームは、ツール104がツールホルダ128上に再び着座されるまで、ツールチェンジャ102及びツール104を操作することができる。次いで、ロボットアームは、近位係合プレート108の遠位端面がツールのうちの別の1つの遠位係合プレートの近位端面と係合するまでツールチェンジャ102を操作し、次いで、ツールチェンジャ102及びそれに結合されたツールを操作して、ツールを用いたそのような動作が完了するまで、ロボットアームの作業空間内の1つ以上のワークピース上で作業を実行することができる。次いで、ロボットアームは、ツールがツールホルダ128上に再び着座されるまで、ツールチェンジャ102及びツールを操作することができる。そのような動作は、実行されるべきすべての動作が完了するまで繰り返することができる。いくつかのインプリメンテーションにおいて、本明細書に記載された特徴は、2秒毎に少なくとも1回の平均速度で、ツールチェンジャ102に結合されたツールを交換することができる。
【0030】
ロボットアーム、ツールチェンジャ102、及びツール104を含む複数のツールを動作させる方法は、作業空間内のワークピース上で動作する際に使用するためのツールをオンザフライで選択すること、又はツールのうちの第1のものが作業空間内の第1のワークピース上で動作するために使用された後に受信された情報に基づいて、ツールが使用されるべき順序を更新することを含むことができる。例えば、ロボットアーム、ツールチェンジャ102、及びツール104を含む複数のツールを含む仕分けシステムは、重量センサ、トランスデューサ、撮像システム、カメラ、スキャナ等を含む様々なセンサを含むことができ、これらのセンサを使用して、システムが動作している作業空間及びその中の様々なワークピースに関する情報を捕捉及び記録することができ、例えば、仕分けビン内から仕分けされる物体である作業空間内の様々なワークピースを検出及び識別し、ワークピースのそれぞれの物体クラス若しくはタイプを検出し、ワークピースのそれぞれの梱包タイプ若しくはクラスを検出し、ワークピースのそれぞれの材料タイプ若しくはクラスを検出し、及び/又はワークピースのそれぞれの多孔性若しくはワークピースのそれぞれの梱包を検出することができる。
【0031】
そのような情報は、異なる順序でツールを使用することの効率をアセス及び評価するために使用することができ、そのような情報は、ツールが使用されるべき順序を精緻化又は変更するために、作業空間内のワークピースのうちの1つに対するあらゆる動作後に更新することができる。例えば、システムは、センサを使用して、作業空間内の複数のワークピースの初期状態に関する情報を収集することができる。これは、吸引グリッパ(例えば、平面を有する剛性物体)、フィンガグリッパ(例えば、ポリ袋内に格納された可撓性物体)、又は別のツールによってピックアップされることができるワークピース、並びにピックアップできない、又はピックアップすることが困難である、又は別様に回避されるべきワークピースを識別することを含むことができる。システムは、次いで、センサによって提供される情報を使用して、ワークピースが吸引グリッパ又はフィンガグリッパ等のツールによってピックアップされることができる方法を識別することができ、これは、吸引グリッパが添着されることができる剛性ワークピース上の場所、又はフィンガグリッパのセットがワークピースを握持することができる可撓性ワークピース上の場所を識別することを含むことができる。
【0032】
次いで、仕分けシステムは、ワークピースの候補「ピッキング」を識別することができ、ここで、「ピッキング」は、特定のツールを用いて特定の位置でワークピースをピックアップするアクションであり、次いで、「ピッキング」が成功する可能性の高さなどに基づいて「ピッキング」をスコア付け及び/又はランク付けする。そのようなスコア付けは、ワークピースの表面の中心の近く及び/又はワークピースの重心の近くでワークピースをピックアップすることを含むピッキングに、より高い成功の可能性を割り当てることができ、他のワークピースと重複するか、又はバーコードもしくは他のテキストもしくはワークピースの識別情報を含む位置でワークピースをピックアップすることを含むピッキングに、より低い成功の可能性を割り当てることができる。識別された候補ピッキングから、システムは、次に、ピッキングを実行する最適な若しくは最も効率的な順序を計算するか又は他の方法で決定することができ、これは、各潜在的順序でピッキングを実行するのに必要なロボットアームの移動、各潜在的順序でピッキングを実行するのに必要なツール交換の回数、及びピッキングに成功した各物体を積み込む(すなわち、意図された目的地で解放する)のに必要なロボットアームの移動に少なくとも部分的に基づくことができる。一例として、システムは、ツールを切り替えることが高価であるため、そのツールを用いて実行されるべき候補ピッキングが不十分にスコア付けされた後であっても、現在のツールを用いて動作し続けることがより効率的であり得ることを認識するかもしれない。
【0033】
システムが、センサによって提供された情報に基づいて、ピッキングを実行することができる第1の順序、したがってツールを使用することができる第1の順序が最適又は最も効率的な順序であると決定する場合、システムは、ツール104などのツールのうちの第1のツールをツールチェンジャ102に結合することによって開始し、決定された順序でツール104を使用して作業空間内のワークピースに対する動作を開始することができる。
しかしながら、そのような動作は、ピッキングが実行でき、ツールが使用できる最適又は最も効率的な順序を変化させるように、環境を変化させることができる。例えば、ツール104が第1のワークピースを移動させるために使用される場合、第1のワークピースの移動は、第1のワークピースによって以前に隠されていたか、又はブロックされていた他のワークピース、又は以前に利用可能でなかったそのようなワークピースに関する情報を明らかにすることができる。そのような状況では、システムの将来の動作を評価し、システムの将来の動作に組み込むための新しい潜在的なピッキングが存在することができ、ピッキングが実行でき、ツールが使用できる最適な順序は、それに応じて変更又は更新されることができる。
【0034】
別の例として、ツール104が第1のワークピースを移動させるために使用される場合、第1のワークピースの移動は、付随的に他のワークピースを移動させるか、又は別様に、システムによって仕分けされるべきワークピースの集合の状態を変化することができる。そのような状況では、評価し、システムの将来の動作に組み込むための新しい潜在的なピッキングが存在するかもしれず、及び/又は以前に識別され、スコア付けされたピッキングがもはや存在しないかもしれず、ピッキングを実行することができ、ツールを使用することができる最適な順序が、それに応じて変更又は更新されることがある。いくつかのインプリメンテーションでは、システムは、動作又は動作のセットに先立って、動作が、追加のワークピースもしくはその一部、又はワークピースに関する追加の情報を明らかにする、あるいは付加的ワークピースを移動させる、又は別様に環境を変化させる可能性を有することを決定可能とすることができる。そのような状況では、システムは、ワークピース上で動作する、及び/又はツールを使用する最適又は最も効率的な順序のその決定において、そのような情報を事前に使用することができる。
【0035】
1つのさらなる例では、1つ以上のピッキングが行われた後に、仕分けされるべき追加の物体がロボットアームの作業空間に供給することができる。そのような状況では、評価し、システムの将来の動作に組み込むための新しい潜在的なピッキングが存在することになり、及び/又は以前に識別され、スコア付けされたピッキングがもはや存在しないかもしれず、ピッキングを実行でき、ツールを使用できる最適な順序が、それに応じて変更又は更新することができる。
【0036】
図12は、ロボットアーム、ツールチェンジャ、及び複数のツールを含むロボット仕分けシステムを動作させる方法150の一例を図示する。例えば、方法150は、152において、ロボットアームの作業空間内の物体のセットを受け取ることと、154において、物体のセットに関する情報を収集することとを含むことができ、情報は、物体のセットにおける個々の物体の特性を含む。方法は、156において、収集された情報及び個々の物体の特性に基づいて、物体のセット上で動作するように第1の最適な順序を決定することをさらに含むことができ、第1の最適な順序は、第1の最適な順序の少なくとも第1のピッキングと、第1の最適な順序の第1のピッキングの後に実行されるべき第1の最適な順序の第2のピッキングとを指定する。方法は、158において、第1の最適な順序の第1のピッキングを実行することをさらに含むことができる。方法は、160において、第1の最適な順序の第1のピッキングを実行した後、第1の最適な順序の第2のピッキングを実行する前に、物体のセットに関する追加の情報を収集することをさらに含むことができ、追加の情報は、物体のセットにおける個々の物体の更新された特性を含む。方法は、162において、追加の収集された情報及び個々の物体の更新された特性に基づいて、物体のセット上で動作するように第2の最適な順序を決定することをさらに含むことができ、第2の最適な順序は、第1の最適な順序の第1のピッキングの後に実行される第2の最適な順序の少なくとも第1のピッキングを指定し、第2の最適な順序は、第1の最適な順序の残りの部分とは異なる。最後に、方法は、164において、第2の最適な順序の第1のピッキングを実行することをさらに含むことができる。
【0037】
いくつかのインプリメンテーションでは、システムは、強化学習又は再帰的学習(「RL」)、他の機械学習(「ML」)又は人工知能、あるいは強化学習、再帰的学習、機械学習、人工知能、ファジー論理、ニューラルネットワーク及びこれらに類するものを組み込む任意のアルゴリズム、システム、又はプロセスを含む任意の他の学習機構又は技術とともに使用することができ、その結果、経時的に、システムは、特定のタイプ、サイズ、又は物体の形状がビン内に存在するときに基づいてEOAT変化を知的に予測し、ロボットアームにEOAT変化をオンザフライで行うように積極的に命令して、ダウンタイムを低減し、システムの効率を改善することができる。さらに、経時的に、システムは、様々な異なるEOATの使用に関連するデータ、及び各EOATが過去に使用された対応する物体又はアイテムタイプを追跡して、将来の各物体に使用する理想的/最適EOATを決定することができる。
【0038】
別の実施形態では、RL技術及びML技術を使用して、ビン内の異なるタイプの物体をセグメント化することができる。システムは、それらの特性(すなわち、サイズ、重量、寸法、材料など)に基づいて、物体の異なるグループを識別することができる。次いで、システムは、特定のEOATによって取り扱うことができる全てのアイテム(すなわち、例えば、正方形のポリ袋又は非剛性物体)を仕分け/操作するようにロボットアームに命令することができる。それらのアイテムが取り扱われると、ロボットアームは、EOATを交換し、次いで、異なるEOATを必要とするアイテムの別のグループ(すなわち、例えば、矩形ボックス又は剛性物体)を仕分け/操作するように命令することができる。したがって、システムは、必要とされるEOATに基づいて物体を識別し、その後、適切なEOATを効率的に利用して、それらの物体を知的に取り扱う(すなわち、積み込む、輸送する、移動させるなど)ことができる。
【0039】
本明細書に記載のシステムは、仕分け、スキャン、及び/又はピックアンドプレース環境で使用することができ、物体が衣料品、消費財、商品及びを含む小売サプライチェーン倉庫内で実施することができる。しかしながら、本発明の実施形態は、小売供給チェーンの設定に限定されることを意図するものではなく、組立ライン、商品処理施設、機器製造施設、ロボット手術システム、及びこれらに類するもの様々な環境で利用することができ、本明細書に記載のツールによって取り扱われる物体は、ツール、パッケージ、手紙、通貨、食品、生物学的材料、半導体、消費者電子機器、有害物質、建築材料、自動車部品、及びこれらに類するものを含むことができる。
【0040】
図13は、本明細書で説明される特徴のうちのいずれかを含むことができ、コンピュータシステム310及びロボットシステム306の概略図200を示す。ロボットシステム306は、少なくとも1つのプロセッサ204、少なくとも1つの非一時的有形コンピュータ及びプロセッサ読取可能データ記憶装置206、並びに少なくとも1つのプロセッサ204及び少なくとも1つの非一時的有形コンピュータ又はプロセッサ読取可能データ記憶装置206が通信可能に結合される少なくとも1つのバス208を含む、制御サブシステム202を含むことができる。
【0041】
少なくとも1つのプロセッサ204は、1つ以上のマイクロプロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、プログラムされた論理ユニット(PLU)及びこれらに類するもののような、任意の論理処理ユニットとすることができる。
少なくとも1つのプロセッサ204は、本明細書では単数で言及されるかもしれないが、2つ以上のプロセッサとすることができる。
【0042】
ロボットシステム306は、バス208に通信可能に結合された(例えば、通信する)通信サブシステム210を含むことができ、本明細書で説明される1つ以上のネットワーク207などのネットワーク又は非ネットワーク通信チャネルを介して他のシステム(例えば、ロボットシステム306の外部のシステム)との双方向通信を提供する。通信システム210は、1つ以上のバッファを含むことができる。通信サブシステム210は、感知情報及び作動情報などのロボットシステム306のためのデータを送受信する。1つ以上のネットワーク207は、ワイヤード及び/又はワイヤレスネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メッシュネットワーク、又は本明細書で説明される処方(medication)及び情報を伝達するのに適した他のネットワークを含むことができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム310及びロボットシステム306は、1つ以上のネットワーク207を介して通信しなくてもよい。
【0043】
通信サブシステム210は、プロセッサ読取可能データ及びプロセッサ実行可能命令の双方向通信をもたらす任意の回路、例えば、無線機(例えば、無線又はマイクロ波周波数送信機、受信機、送受信機)、通信ポート、及び/又は関係付けられたコントローラとすることができる。適切な通信プロトコルは、FTP、HTTP、ウェブサービス、XMLを伴うSOAP、WI-FI準拠、BLUETOOTH(登録商標)準拠、セルラ(たとえば、GSM(登録商標)、CDMA)、及びこれらに類するものを含む。
【0044】
ロボットシステム306はまた、入力サブシステム212を含むことができる。インプリメンテーションのうちのいずれかでは、入力サブシステム212は、ロボットシステム306の条件又は状態、及び/又はロボットシステム306が動作する環境内の条件を測定する、1つ以上のセンサを含むことができる。そのようなセンサは、カメラ又は他の撮像デバイス(例えば、赤外線及び紫外線を含む電磁スペクトルの可視及び/又は非可視範囲で応答する)、レーダ、ソナー、タッチセンサ、圧力センサ、ロードセル、マイクロフォン、気象センサ、化学センサ、又はこれらに類するものを含む。そのようなセンサは、内部センサ、圧力センサ、ロードセル、歪みゲージ、振動センサ、マイクロフォン、電流計、電圧計、又はこれらに類するものを含む。いくつかのインプリメンテーションでは、入力サブシステム212は、位置及び/又は配向情報を受信するための受信機を含む。例えば、グローバルポジショニングシステム(GPS)データを受信するためのGPS受信機、制御サブシステム202のための2つ以上の時間信号は、飛行時間、信号強度、又は位置測定を達成する(例えば、行う)ための他のデータ等の信号内のデータに基づいて、位置測定を作成する。また、例えば、1つ以上の加速度計、ジャイロスコープ、及び/又は高度計は、1つ、2つ、又は3つの軸における慣性又は方向データを提供することができる。いくつかのインプリメンテーションでは、入力サブシステム212は、位置を表す情報を受信するための受信機を含む。例えば、1つ以上の加速度計又は1つ以上の慣性測定ユニットは、1つ、2つ、又は3つの軸における慣性又は方向データを制御サブシステム202に提供し、位置及び配向測定値を生成することができる。制御サブシステム202は、入力サブシステム212又は本明細書に記載される操作サブシステムから関節角度データを受信することができる。
【0045】
ロボットシステム306は、スピーカ、ライト、及びディスプレイ等の出力デバイスを備える、出力サブシステム214を含むことができる。入力ユニット212及び出力サブシステム214は、バス208を介してプロセッサ204に通信可能に結合される。
【0046】
ロボットシステム306は、物理的空間内でロボットシステム306を推進又は移動させ、それと相互作用するように、モータ、アクチュエータ、ドライブトレイン、ホイール、トラック、トレッド、及びこれらに類するもののような原動ハードウェア217を備える、推進又は動作サブシステム216を含むことができる。推進又は動作サブシステム216は、物理的空間内でロボットシステム306を推進するために、1つ以上のモータ、ソレノイド、又は他のアクチュエータ、及び関連ハードウェア(例えば、ドライブトレイン、ホイール、トレッド)を備えることができる。例えば、推進又は動作サブシステム216は、ドライブトレイン及びホイールを含むことができ、又は電気モータを介して独立して動作可能な脚を含むことができる。推進又は動作サブシステム216は、モータのセットによって印加される原動力の結果として、環境内でロボットシステム306の本体を移動することができる。
【0047】
ロボットシステム306は、例えば、1つ以上のアーム、エンドエフェクタ、関係付けられたモータ、ソレノイド、他のアクチュエータ、歯車、リンク機構、駆動ベルト、並びにアーム及び/又はエンドエフェクタを動作範囲内で移動させるように結合され、動作可能であるこれらに類するものを備える、操作サブシステム218を含むことができる。例えば、操作サブシステム218は、環境内の物体又は特徴と相互作用するためのロボットアーム又は他のデバイスの作動を生じさせる。操作サブシステム218は、バス208を介してプロセッサ204に通信可能に結合され、その通信は、双方向又は単方向であることがある。
【0048】
ロボットシステム306内のコンポーネントは、変更、組み合わせ、分割、省略等することができる。例えば、ロボットシステム306は、一対のカメラ(例えば、ステレオ対)又は複数のマイクロフォンを含むことができる。ロボットシステム306は、操作サブシステム218と関係付けられた1つ、2つ、又は3つのロボットアーム又はマニピュレータを含むことができる。いくつかのインプリメンテーションでは、バス208は、複数の異なるタイプのバス(たとえば、データバス、命令バス、電力バス)を含む。例えば、ロボットシステム306は、計算リソースデバイスがロボットシステム306のコンポーネントにわたって分散される、モジュール式コンピューティングアーキテクチャを含むことができる。いくつかのインプリメンテーションでは、ロボット(例えば、ロボットシステム306)は、アーム内にプロセッサを有し、その本体又はフレーム内にデータ記憶装置を有することができる。いくつかのインプリメンテーションでは、計算リソースは、ロボットシステム306の構造又は機械コンポーネント間の間隙空間内に位置付けられる。
【0049】
少なくとも1つのデータ記憶装置206は、少なくとも1つの非一時的又は有形の記憶デバイスを含む。少なくとも1つのデータ記憶装置206は、2つ以上の別個の非一時的記憶デバイスを含むことができる。データ記憶装置206は、例えば、1つ以上の揮発性記憶デバイス、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、並びに/又は1つ以上の不揮発性記憶デバイス、例えばリードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、磁気ハードディスク(HDD)、光ディスク、ソリッドステートディスク(SSD)、及びこれらに類するものを含むことができる。当業者は、記憶装置が、様々な非一時的構造、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)、ネットワークドライブ、フラッシュメモリ、デジタル多用途ディスク(DVD)、任意の他の形態のコンピュータ及びプロセッサ読取可能メモリもしくは記憶媒体、並びに/又はそれらの組み合わせで実装することができることを理解するであろう。記憶装置は、必要に応じて読出し専用又は読出し書込み可能である。さらに、揮発性記憶装置及び不揮発性記憶装置は、例えば、キャッシング、ハードドライブとしてのソリッドステートデバイスの使用、メモリ内データ処理、及びこれらに類するものに統合することができる。
【0050】
少なくとも1つのデータ記憶装置206は、ロボットシステム306又は他のデバイスの動作に関係するプロセッサ実行可能命令及び/又はプロセッサ読取可能データ220を含むか、又は記憶する。ここで、プロセッサ実行可能命令及び/又はプロセッサ読取可能データは、プロセッサ実行可能命令及び/又はデータと略記することができる。
【0051】
プロセッサ実行可能命令及び/又はデータ220の実行は、少なくとも1つのプロセッサ204に、例えば、動作サブシステム216又は操作サブシステム218を介して、種々の方法及びアクションを実施させる。プロセッサ204及び/又は制御サブシステム202は、ロボットシステム306に、情報の受信、変換、及び提示、環境内での移動、アイテムの操作、並びにセンサからのデータの取得を含む、種々の方法及びアクションを行わせることができる。プロセッサ実行可能命令及び/又はデータ220は、例えば、基本入出力システム(BIOS)222、オペレーティングシステム224、ドライバ226、通信命令及びデータ228、入力命令及びデータ230、出力命令及びデータ232、動作命令及びデータ234、並びに実行命令及びデータ236を含むことができる。
【0052】
例示的なオペレーティングシステム224は、ANDROIDTM、LINUX(登録商標)、及びWINDOWS(登録商標)を含む。ドライバ226は、制御サブシステム202がロボットシステム306の回路を制御することを可能にするプロセッサ実行可能命令及び/又はデータを含む。プロセッサ実行可能通信命令及び/又はデータ228は、ロボットシステム306とオペレータインターフェース、端末、コンピュータ又はこれらに類するものとの間の通信を実施するためのプロセッサ実行可能命令及びデータを含む。プロセッサ実行可能入力命令及び/又はデータ230は、入力サブシステム212内のセンサからの入力を処理するようにロボットシステム306を誘導する。プロセッサ実行可能入力命令及び/又はデータ230は、部分的に、本明細書で説明される方法を実現する。
【0053】
プロセッサ実行可能出力命令及び/又はデータ232は、ロボットシステム306を誘導して、表示のための情報を表す情報を提供するか、又は表示のための情報を変換する制御信号を生成する。プロセッサ実行可能動作命令及び/又はデータ234は、実行の結果として、ロボットシステム306に、物理的空間内で移動させ、及び/又は1つ以上のアイテムを操作させる。プロセッサ実行可能動作命令及び/又はデータ234は、実行の結果として、推進又は動作サブシステム216及び/又は操作サブシステム218内のコンポーネントを介して、その環境内で移動する際にロボットシステム306を誘導することができる。プロセッサ実行可能な実行命令及び/又はデータ236は、実行の結果として、環境内のデバイス及びセンサのための本出願又はタスクをロボットシステム306に誘導する。プロセッサ実行可能な実行命令及び/又はデータ236は、実行の結果として、推論、問題解決、タスクの計画、タスクの実行、及びこれらに類するものにおいてロボットシステム306を誘導する。
【0054】
命令220は、プロセッサ204による実行の結果として、ロボットシステム306に、指定されたエリアから各物体を(すなわち、物体として)連続的に抽出することによって複数の物体を処理させることができる。命令220はさらに、プロセッサ204に、カメラによって捕捉されたビデオデータ又は1つ以上のセンサによる測定等の入力サブシステム212を介して受信された入力情報を処理させ、受信された入力情報に基づいて、指定されたエリア内に位置付けられた複数の物体の存在を認識することができる。命令220はまた、ロボットシステム306に、抽出された物体を保持している間、移動のセットを行わせ、物体をある場所に配置することができる。いくつかの実施形態では、ロボットシステム306は、抽出された物体を保持している間に、コンピュータシステム310から通信を受信し、受信した通信で示された位置に物体を配置することができる。いくつかの実施形態では、ロボットシステム306は、複数の物体を処理するときにコンピュータシステム310とは独立して動作し、抽出された各物体を予め定められたエリア又は場所(例えば、コンベヤベルト、容器)に置くことができる。
【0055】
コンピュータシステム310は、1つ以上のプロセッサ238、メモリ240、及び通信インターフェース242を含む。メモリ240は、1つ以上のプロセッサ238が本開示の1つ以上の実施形態を実施するために実行することができ、コンピュータプログラム命令のセットを記憶する、コンピュータ読取可能非一過性データ記憶装置である。メモリ240は、一般に、RAM、ROM、及び/又は磁気ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、光学ドライブ、及びこれらに類するもののような他の永続的又は非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体を含む。メモリ240は、コンピュータシステム310の一般的な管理及び動作において1つ以上のプロセッサ238によって使用可能なコンピュータプログラム命令を含むオペレーティングシステムを記憶することができる。
【0056】
通信インターフェース242は、ネットワーク207を介して通信を送信し、通信を受信するための1つ以上の通信デバイスを含む。通信インターフェースの1つ以上の通信デバイスは、ワイヤード通信デバイス及び/又はワイヤレス通信デバイスを含むことができる。ワイヤレス通信デバイスの非限定的な例は、対応する通信プロトコルを使用するRF通信アダプタ(たとえば、Zigbee(登録商標)アダプタ、Bluetooth(登録商標)アダプタ、超広帯域アダプタ、Wi-Fiアダプタ)、衛星通信トランシーバ、自由空間光通信デバイス、セルラネットワークトランシーバ、及びこれらに類するものを含む。ワイヤード通信デバイスの非限定的な例は、シリアル通信インターフェース(例えば、RS-232、ユニバーサルシリアルバス、IEEE139)、パラレル通信インターフェース、イーサネット(登録商標)インターフェース、同軸インターフェース、光ファイバインターフェース、及び電力線通信インターフェースを含む。コンピュータシステム310は、通信インターフェース242を介して、ロボットシステム306又は他のロボット、デバイス、機械等に、物体又はワークピースを伴って行われるべき動作を示す情報等の情報を送信することができる。
【0057】
コンピュータシステム310及びロボットシステム306は、環境に関して説明した動作に関する情報を、1つ以上のネットワーク207を介して通信することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム310及びロボットシステム306は、1つ以上のネットワーク207を介して通信しなくてもよい。例えば、ロボットシステム306は、コンピュータシステム310とは独立して自律的に動作して、指定エリアから複数の物体のそれぞれを連続的に抽出することができる。コンピュータシステム310は、例えば、カメラ及び/又は他のセンサを介して、ロボットシステム306の動作を検出又は観察し、ロボットシステム306以外のデバイス、機械、又はロボットに、抽出された各物体を伴う動作を行うことができる。一例として、コンピュータシステム310は、抽出時に各物体の識別子を検出し、一連のコンベヤを制御して、識別子に対応する所望の位置に物体を送達することができる。
【0058】
2019年7月16日に出願された米国仮特許出願第62/874,721号は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている。上記の様々な実施形態は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせることができる。上述の説明に照らして、これら及び他の変更を、本実施形態に対して行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を本明細書及び特許請求の範囲に開示される特定の実施形態に限定すると解釈されるべきではないが、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲とともに、全ての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。
したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。
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【国際調査報告】