(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-04
(54)【発明の名称】多嚢胞性卵巣症候群を処置するための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20230828BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20230828BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20230828BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20230828BHJP
A61K 31/44 20060101ALI20230828BHJP
A61K 31/505 20060101ALI20230828BHJP
A61K 31/4985 20060101ALI20230828BHJP
A61K 31/4965 20060101ALI20230828BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20230828BHJP
A61K 31/426 20060101ALI20230828BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20230828BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230828BHJP
A61P 5/28 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P15/00
A61K31/519
A61K31/5377
A61K31/44
A61K31/505
A61K31/4985
A61K31/4965
A61K31/53
A61K31/426
A61K9/48
A61K9/20
A61P5/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023510319
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 US2021045780
(87)【国際公開番号】W WO2022036123
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520420919
【氏名又は名称】スプルース バイオサイエンシーズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】カルフ,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ノーア,ムスタファ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA53
4C076AA54
4C076AA56
4C076AA58
4C076BB01
4C076CC17
4C076FF70
4C084AA17
4C084NA14
4C084ZA81
4C084ZC03
4C084ZC51
4C086AA01
4C086BC17
4C086BC42
4C086BC48
4C086BC82
4C086CB05
4C086CB06
4C086CB09
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA10
4C086GA12
4C086ZC03
4C086ZC51
(57)【要約】
【解決手段】多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、アンドロゲンレベルの上昇、卵巣の嚢胞、および生理不順を特徴とする。PCOSの女性は多毛症、脱毛症、ざ瘡、不妊症、体重増加、疲労、うつ病、および気分の変化を含む、追加症状を呈する。本開示は、副腎アンドロゲンの上昇に起因するPCOSの治療における新規化合物、その塩、組成物、および使用を提供する。さらに、本開示は、副腎アンドロゲンの上昇に起因するPCOSを治療するための方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置を必要としている対象において機能性卵巣アンドロゲン過剰症および機能性副腎アンドロゲン過剰症を伴う多嚢胞性卵巣症候群(PCOS-FOH+FAH)を処置する方法であって、CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む、方法。
【請求項2】
処置を必要としている機能性副腎アンドロゲン過剰症を伴う多嚢胞性卵巣症候群(PCOS-FAH)を処置する方法であって、CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む、方法。
【請求項3】
前記CRF
1アンタゴニストは式(I)の化合物
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、
R
1とR
2は独立してエチルまたはn-プロピルであり、
R
3は水素、F、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、
R
4は水素、Br、-NR
aR
b、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【化2】
であり、
R
aとR
bは独立して、水素、C
1-C
3アルキル、-CH
2CH
2NH
2、-CH
2CH
2NHC(O)OC(CH
3)
3、または-CH
2CH
2NHCH
2CH
2CH
3である、請求項1~2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
R
3はF、Cl、Br、メチル、またはトリフルオロメチルである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
R
3はClまたはBrである、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
R
4は-NR
aR
b、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、または
【化3】
である、請求項4~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
R
4はモルホリン-4-イル、または
【化4】
である、請求項4~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
R
4は-NR
aR
bであり、R
aとR
bは独立してC
1-C
3アルキルである、請求項4~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、3-[4-ブロモ-2-(2-メチル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-チアゾール-5-イル]-2,5-ジメチル-7-(1-プロピル-ブチル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンである、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、3-(4-ブロモ-2-(2-メチル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-チアゾール-5-イル)-7-(1-エチル-プロピル)-2,5-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンである、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、3-(4-クロロ-2-モルホリン-4-イル-チアゾール-5-イル)-7-(1-エチル-プロピル)-2,5-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンである、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記CRF
1アンタゴニストは、
【化5】
またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記CRF
1アンタゴニストは、
【化6】
またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項4に記載の方法。
【請求項14】
前記化合物は、
【化7】
またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項4に記載の方法。
【請求項15】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、アンタラルミン塩酸塩、CP-154,526、CP-376395塩酸塩、NBI 27914塩酸塩、NBI 35965塩酸塩、NGD 98-2塩酸塩、ペキサセルフォント、R 121919塩酸塩、SSR125543(クリネセルフォント)、およびSN003からなる群から選択される、請求項1~2のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約5mg~約400mgの用量で前記対象に投与される、請求項1~15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約300mgの用量で前記対象に投与される、請求項1~15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約200mgの用量で前記対象に投与される、請求項1~15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約150mgの用量で前記対象に投与される、請求項1~15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約100mgの用量で前記対象に投与される、請求項1~15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項21】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約75mgの用量で前記対象に投与される、請求項1~15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項22】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約50mgの用量で前記対象に投与される、請求項1~15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項23】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約25mgの用量で前記対象に投与される、請求項1~15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項24】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約10mgの用量で前記対象に投与される、請求項1~15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
前記CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、医薬組成物として投与される、請求項1~24のいずれか1つに記載の方法。
【請求項26】
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)レベルは、ベースラインから少なくとも5%減少する、請求項1~25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項27】
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)レベルは、ベースラインから少なくとも10%減少する、請求項1~25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項28】
デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEAS)レベルは、ベースラインから少なくとも5%減少する、請求項1~25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項29】
デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEAS)レベルは、ベースラインから少なくとも10%減少する、請求項1~25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項30】
アンドロステンジオン(A4)レベルは、ベースラインから少なくとも5%減少する、請求項1~25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項31】
アンドロステンジオン(A4)レベルは、ベースラインから少なくとも10%減少する、請求項1~25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項32】
1β-ヒドロキシアンドロステンジオン(11OHA4)レベルは、ベースラインから少なくとも5%減少する、請求項1~25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項33】
1β-ヒドロキシアンドロステンジオン(11OHA4)レベルは、ベースラインから少なくとも10%減少する、請求項1~25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項34】
11β-ヒドロキシテストステロン(11OHT)レベルは、ベースラインから少なくとも5%減少する、請求項1~25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項35】
11β-ヒドロキシテストステロン(11OHT)レベルは、ベースラインから少なくとも10%減少する、請求項1~25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項36】
ベースラインからのACTH、DHEAS、A4、11OHA4、または11OHTのレベルの低下は、少なくとも24時間維持される、請求項25-35のいずれか1つに記載の方法。
【請求項37】
ベースラインからのACTH、DHEAS、A4、11OHA4、または11OHTのレベルの低下は、少なくとも4週間維持される、請求項25-35のいずれか1つに記載の方法。
【請求項38】
処置を必要としている対象において機能性副腎アンドロゲン過剰症を伴う多嚢胞性卵巣症候群(PCOS-FAH)を処置する方法であって、前記方法は、化合物3
【化8】
あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む医薬組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項39】
処置を必要としている対象において機能性卵巣アンドロゲン過剰症および機能性副腎アンドロゲン過剰症を伴う多嚢胞性卵巣症候群(PCOS-FOH+FAH)を処置する方法であって、前記方法は、化合物3
【化9】
あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む医薬組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項40】
化合物3は、約1mg/日~約200mg/日の用量で投与される、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
前記医薬組成物は、約1mg~約400mgの化合物3、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む、請求項38~40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記医薬組成物は、約25mgの化合物3、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記医薬組成物は、約50mgの化合物3、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記医薬組成物は、約75mgの化合物3、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記医薬組成物は、約100mgの化合物3、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記医薬組成物は、約200mgの化合物3、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
前記医薬組成物は、約300mgの化合物3、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
前記医薬組成物は微粒子の形態である、請求項1~47のいずれか1つに記載の方法。
【請求項49】
前記微粒子の平均サイズは約1μm~約20μmである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記微粒子の平均サイズは約5μm~約15μmである、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記微粒子の平均サイズは約10μm未満である、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記医薬組成物はカプセルまたは錠剤の形態である、請求項1~47のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
前記カプセルは硬ゼラチンカプセルである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記カプセルは軟ゼラチンカプセルである、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記カプセルは、天然のゼラチン、合成のゼラチン、ペクチン、カゼイン、コラーゲン、タンパク質、加工デンプン、ポリビニルピロリドン、アクリルポリマー、セルロース誘導体、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される材料を使用して形成される、請求項52~54のいずれか1つに記載の方法。
【請求項56】
前記医薬組成物は追加の賦形剤を含まない、請求項52~54のいずれか1つに記載の方法。
【請求項57】
前記医薬組成物は1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む、請求項52~54のいずれか1つに記載の方法。
【請求項58】
前記医薬組成物は錠剤の形態である、請求項52に記載の方法。
【請求項59】
前記医薬組成物は1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記対象は小児患者である、請求項1~59のいずれか1つに記載の方法。
【請求項61】
前記対象は約9歳~約18歳である、請求項1~59のいずれか1つに記載の方法。
【請求項62】
前記対象は約8歳~約55歳である、請求項1~59のいずれか1つに記載の方法。
【請求項63】
前記対象は成人患者である、請求項1~59のいずれか1つに記載の方法。
【請求項64】
前記対象は約2週~約36週の期間、処置される、請求項1~63のいずれかに記載の方法。
【請求項65】
前記対象は約1ヶ月~12ヶ月の期間、処置される、請求項1~63のいずれかに記載の方法。
【請求項66】
前記対象は約10ヶ月~50年の期間、処置される、請求項1~63のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2020年8月12日に出願された米国仮特許出願第63/064,863号の利益を主張するものであり、当該文献は全体として本明細書に参照される。
【背景技術】
【0002】
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、生殖可能年齢の女性の推定で12%に影響を及ぼす最も一般的な内分泌疾患の1つである。PCOSの女性は、多嚢胞性卵巣の形態学的特徴、月経の頻度が低いまたは月経が長引くという形の排卵機能障害、および男性ホルモンレベルが過剰であるという形のアンドロゲン過剰症を有することがある。この複雑な疾患は、一因として、肥満やインスリン抵抗性などの環境的影響と、視床下部や下垂体からの不適切な内分泌シグナル伝達の両方がある。アンドロゲン過剰症は、臨床的には多毛症やざ瘡、生化学的には血清アンドロゲンレベルの上昇を示す。アンドロゲンおよびアンドロゲン前駆体は、それぞれ卵巣への下垂体由来の黄体形成ホルモン(LH)による刺激と副腎への副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)による刺激に応じて、卵巣と副腎皮質によってほぼ同じ量で生成および分泌される。新しいデータによると、PCOS患者は、過剰なアンドロゲンの供給源が主に卵巣、すなわち、機能性卵巣アンドロゲン過剰症(FOH)か、副腎、すなわち、機能性副腎アンドロゲン過剰症(FAH)、その両方(FOHとFAH)、またはどちらでもなく、インスリン抵抗性/肥満または原因不明に起因し得るかによって、分類可能である。症例の過半数または約3分の2が、17-ヒドロキシプロゲステロン(17-OHP)の反応性亢進を特徴とする、典型的なFOHに起因する機能的に典型的なPCOS(PCOS-T)を有している。症例の約5分の1は、17-OHPの反応性亢進を欠く機能的に非定型FOH(PCOS-A)を有する。これら2つのFOH集団のうち、約3分の1がFOHとFAHの両方を持つことがある。PCOS症例の約8%はいずれかの肥満に起因し、残りは不明であるか、特発性である。約3~5%のPCOS症例だけがACTHに対するアンドロゲン反応性を持つ単離されたFAHによるものである。
【発明の概要】
【0003】
PCOSの副腎アンドロゲン過剰は、卵巣アンドロゲン過剰とは無関係に生じるようであり、そのことが副腎アンドロゲンの異常合成の本質的で潜在的な主要な供給源を表す可能性があることが示唆される。PCOSの副腎アンドロゲン過剰は、特定の酵素ステップの欠陥に起因するものではなく、むしろ、コルチコトロピン放出因子(CRF)と副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)に対する下垂体の応答性の変化を表す可能性がある。
【0004】
1つの態様では、本開示は、処置を必要としている対象において機能性卵巣アンドロゲン過剰症および機能性副腎アンドロゲン過剰症を伴う多嚢胞性卵巣症候群(PCOS-FOH+FAH)を処置するための方法であって、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0005】
別の態様では、本開示は、処置を必要としている対象において機能性副腎アンドロゲン過剰症を伴う多嚢胞性卵巣症候群(PCOS-FAH)を処置するための方法であって、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0006】
別の態様では、本開示は、処置を必要としている対象において多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を処置するための方法であって、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0007】
別の態様では、本開示は、処置を必要としている対象において多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を処置するための方法を提供し、上記方法は、過剰なアンドロゲンの供給源にアクセスする工程と、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程とを含む。いくつかの実施形態では、コシントロピンは約1μg/m2の用量で投与される。いくつかの実施形態では、コシントロピンは約10μg/m2の用量で投与される。いくつかの実施形態では、コシントロピンは約250μg/m2の用量で投与される。いくつかの実施形態では、過剰なアンドロゲンの供給源は副腎である。いくつかの実施形態では、過剰なアンドロゲンの供給源は卵巣である。
【0008】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストは、式(I)の化合物
【0009】
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、R
1とR
2は独立してエチルまたはn-プロピルであり、R
3は水素、F、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、R
4は水素、Br、-NR
aR
b、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0010】
【化2】
であり、R
aとR
bは独立して、水素、C
1-C
3アルキル、-CH
2CH
2NH
2、-CH
2CH
2NHC(O)OC(CH
3)
3、または-CH
2CH
2NHCH
2CH
2CH
3である。
【0011】
いくつかの実施形態では、R3はF、Cl、Br、メチル、またはトリフルオロメチルである。
【0012】
いくつかの実施形態では、R3はClまたはBrである。
【0013】
いくつかの実施形態では、R4は-NRaRb、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、または
【0014】
【0015】
いくつかの実施形態では、R4はモルホリン-4-イル、または
【0016】
【0017】
いくつかの実施形態では、R4は-NRaRbであり、RaとRbは独立してC1-C3アルキルである。
【0018】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、3-[4-ブロモ-2-(2-メチル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-チアゾール-5-イル]-2,5-ジメチル-7-(1-プロピル-ブチル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンである。
【0019】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、3-(4-ブロモ-2-(2-メチル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-チアゾール-5-イル)-7-(1-エチル-プロピル)-2,5-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンである。
【0020】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、3-(4-クロロ-2-モルホリン-4-イル-チアゾール-5-イル)-7-(1-エチル-プロピル)-2,5-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンである。
【0021】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストは、
【0022】
【0023】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストは、
【0024】
【0025】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0026】
【0027】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、アンタラルミン塩酸塩、CP-154,526、CP-376395塩酸塩、NBI 27914塩酸塩、NBI 35965塩酸塩、NGD 98-2塩酸塩、ペキサセルフォント(Pexacerfont)、R 121919塩酸塩、SSR125543(クリネセルフォント(crinecerfont))、およびSN003からなる群から選択される。
【0028】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約5mg~約400mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約300mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約200mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約150mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約100mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約75mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約50mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約25mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約10mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、医薬組成物として投与される。
【0029】
いくつかの実施形態では、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)レベルは、ベースラインから少なくとも5%減少する。いくつかの実施形態では、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)レベルは、ベースラインから少なくとも10%減少する。いくつかの実施形態では、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEAS)レベルは、ベースラインから少なくとも5%減少する。いくつかの実施形態では、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEAS)レベルは、ベースラインから少なくとも10%減少する。いくつかの実施形態では、アンドロステンジオン(A4)レベルは、ベースラインから少なくとも5%減少する。いくつかの実施形態では、アンドロステンジオン(A4)レベルは、ベースラインから少なくとも10%減少する。いくつかの実施形態では、1β-ヒドロキシアンドロステンジオン(11OHA4)レベルは、ベースラインから少なくとも5%減少する。いくつかの実施形態では、1β-ヒドロキシアンドロステンジオン(11OHA4)レベルは、ベースラインから少なくとも10%減少する。いくつかの実施形態では、11β-ヒドロキシテストステロン(11OHT)レベルは、ベースラインから少なくとも5%減少する。いくつかの実施形態では、11β-ヒドロキシテストステロン(11OHT)レベルは、ベースラインから少なくとも10%減少する。
【0030】
いくつかの実施形態では、ベースラインからのACTH、DHEAS、A4、11OHA4、または11OHTのレベルの低下は、少なくとも24時間維持される。いくつかの実施形態では、ベースラインからのACTH、DHEAS、A4、11OHA4、または11OHTのレベルの低下は、少なくとも4週間維持される。
【0031】
別の態様では、本開示は、処置を必要としている対象において機能性副腎アンドロゲン過剰症を伴う多嚢胞性卵巣症候群(PCOS-FAH)を処置するための方法を提供し、上記方法は、化合物3
【0032】
【化8】
あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む医薬組成物を投与する工程を含む。
【0033】
別の態様では、本開示は、処置を必要としている対象において機能性卵巣アンドロゲン過剰症および機能性副腎アンドロゲン過剰症を伴う多嚢胞性卵巣症候群(PCOS-FOH+FAH)を処置するための方法を提供し、上記方法は、化合物3
【0034】
【化9】
あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む医薬組成物を投与する工程を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、化合物3は、約1mg/日~約400mg/日の用量で投与される。
【0036】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約25mgの化合物3、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約50mgの化合物3、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約75mgの化合物3、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約100mgの化合物3、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約200mgの化合物3、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約1mg~約300mgの化合物3、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は微粒子の形態である。いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは約1μm~約20μmである。いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは約5μm~約15μmである。いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは約10μm未満である。
【0038】
いくつかの実施形態では、医薬組成物はカプセルまたは錠剤の形態である。いくつかの実施形態では、カプセルは硬ゼラチンカプセルである。いくつかの実施形態では、カプセルは軟ゼラチンカプセルである。
【0039】
いくつかの実施形態では、カプセルは、天然のゼラチン、合成のゼラチン、ペクチン、カゼイン、コラーゲン、タンパク質、加工デンプン、ポリビニルピロリドン、アクリルポリマー、セルロース誘導体、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される材料を使用して形成される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は追加の賦形剤を含まない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤の形態である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、対象は小児患者である。いくつかの実施形態では、対象は約9歳~約18歳である。いくつかの実施形態では、対象は約8歳~約55歳である。いくつかの実施形態では、対象は成人患者である。
【0041】
いくつかの実施形態では、対象は約2週~約36週の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約1ヶ月~12ヶ月の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約10ヶ月~50年の期間、処置される。
【0042】
本開示のさらなる態様および利点は、以下の詳細な記載から当業者に容易に明白となり、ここでは、本開示の例示的な実施形態のみが示され、記載されている。理解されるように、本開示は、他の実施形態および異なる実施形態においても可能であり、その様々な詳細は、そのすべてが本開示から逸脱することなく様々な明白な点で修正することができる。したがって、図面および説明は本来、例示的なものとしてみなされ、限定的なものであるとはみなされない。
【0043】
引用による組み込み
本明細書で言及されるすべての公開物、特許、および特許出願は、あたかも個々の公開物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により本明細書に具体的かつ個別に組み込まれるのと同じ程度にまで、参照により本明細書に組み込まれている。引用により組み込まれる刊行物および特許または特許出願が、本明細書に含まれる開示に矛盾する程度まで、本明細書は、そのような矛盾のある題材に取って代わる、および/または、上記題材よりも優先するように意図される。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の実施形態が本明細書中で示され、記載されているが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明らかであろう。ここで、本発明から逸脱することなく、多数の変更、変化、および置換がなされることが、当業者によって理解され得る。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が利用され得ることを理解されたい。
【0045】
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、複数の表現型を持つ不均質な疾患であり、生殖可能年齢の女性に最も一般的な内分泌代謝疾患の1つである。PCOSは、多毛症、ざ瘡、および肥満を伴う希発月経/無月経と多嚢胞性卵巣の症候群として最初に診断および記載された。アンドロゲン過剰症、持続的な排卵機能障害、多嚢胞性卵巣形態(PCOM)などの核となる診断特徴を考慮して若年および成人患者向けのさまざまな診断基準がある。本疾患の正確な病因は完全には明らかではないが、遺伝的要因と環境的要因の両方が本疾患を引き起こす役割を担っていると考えられている。一般に、PCOSは、神経内分泌、代謝性、卵巣機能障害を含む自己永続的な悪循環を反映した表現型として現れ、過剰な卵巣および/または副腎のアンドロゲン分泌を特徴とする。例えば、ステロイド産生の変化などの内因性の卵巣因子や、高インスリン血症などの卵巣外因子が、過剰な卵巣のアンドロゲン分泌に寄与している。真珠の首飾り(string-of-pearl)のような形態を持つ肥大した卵巣と、卵包膜間質性過形成という古典的な卵巣表現型は、アンドロゲンへの曝露を反映している。この形態は、先天性副腎過形成(CAH)の女性にも観察されている。
【0046】
PCOSの病態生理を理解しようとするためには、ステロイド産生およびアンドロゲンの供給源、産生、および生理学的形態の分子基盤を理解することが重要である。女性の正常な状況下では、卵巣と副腎は、テストステロンの産生にほぼ等しく寄与する。テストステロンの約半分は、卵巣と副腎による直接的なテストステロン分泌に由来し、一方、半分は、循環するアンドロステンジオンの末梢での転換によって生成され、それ自体は、卵巣と副腎のほぼ等しい分泌に由来する。アンドロゲンの産生は、エストラジオールやコルチゾールの分泌のように、女性の神経内分泌系による直接的な負のフィードバック制御下にはない。アンドロゲンは、卵巣と副腎の両方から、それぞれの刺激ホルモンであるLHとACTHに応答して分泌される。副腎の網状帯は、アンドロゲン産生のための核となる酵素パターンの発現において、卵巣の卵胞膜細胞区画に似ている。
【0047】
PCOS患者は、以下の表1に記載されているアンドロゲン過剰の供給源に基づいて、異なるサブタイプとして機能的に分類することができる。アンドロゲン過剰は、卵巣、副腎、その両方に由来することもあれば、そのどちらにも由来しないこともある。一次性PCOSは、原因不明のPCOSの中で最も一般的なものであり、視床下部-下垂体-卵巣(HPO)軸機能の障害とともに、機能性卵巣アンドロゲン過剰症(FOH)が根本的な原因であることを示唆している。さらに、HPO軸の障害以外の機能性副腎アンドロゲン過剰症(FAH)は、PCOS患者の特定の集団について説明がつくこともある。原発性FAHを有するPCOS患者は、高アンドロゲン血症の重症度と相関する副腎体積の平均50%増加を経験することがある。
【0048】
【0049】
アンドロゲン供給源を決定するための試験手順は、以下の表2に記載されている。PCOSの卵巣アンドロゲン過剰症は、GnRHag試験またはhCG試験によって、あるいは、デキサメタゾンアンドロゲン抑制試験(DAST)と組み合わせて直接証明される。GnRHag試験は、卵胞の協調機能を判定する。酢酸リュープロリド10μg/kg sc(または同等の用量の他の短時間作用型GnRHag)は、3~4時間でピークに達して24時間持続する内因性LHおよびFSHの放出を刺激する。これが、性ステロイドとその前駆体の分泌の増加を促し、血清レベルは18~24時間でピークに達する。ステロイド産生ブロックの証拠がない場合、17OHP反応の上昇はPCOSの典型である。卵巣ステロイド産生酵素欠損症はまれであるが、この試験に反応するステロイド中間体の異常パターンによって検出することができる。hCGはLHアナログである。5000IUの筋肉内注射は、24時間後にGnRHag試験と同等にステロイド産生反応を刺激する。DASTは、ACTH依存性のアンドロゲン産生を抑制することにより、卵巣のアンドロゲン供給源を間接的に検査する。正常な副腎皮質抑制がある場合、DAST後の血清テストステロンの不適切な上昇は、通常、卵巣由来のACTH非依存性のアンドロゲン供給源を示している。
【0050】
副腎アンドロゲン過剰症は、迅速なACTH試験で実証されることもある。コシントロピンを静脈内投与し、ステロイド反応のピークは15~60分後に起こる。この試験後のDHEAの上昇は、通常、副腎由来のACTH依存的なアンドロゲン供給源を示している。この試験は、最大上用量であるコシントロピン250μgを使用して実施されることがある。より低用量のコシントロピン(10μg/m2)を使用されてもよく、これにより同様のピーク反応が得られる。低用量のACTH試験(1.0-μgのコシントロピン)が使用され、生理的となることもある。これは通常、高用量とほぼ同程度のすぐに減弱するピーク反応を誘発するが、PCOSでは、高用量ほどの広域スペクトルのステロイド中間体の上昇を誘発しない。
【0051】
【0052】
コルチコトロピン放出因子
現在、PCOSに対する単一の普遍的な治療法は利用できない。その結果、現在の治療法は、個々の患者の実際のニーズに合わせて個別化され、適応される傾向がある。さらに、治療は症状指向的である場合がある。例えば、薬理学的治療の標的は、アンドロゲン過剰を含むことがある。副腎アンドロゲンが上昇したPCOS患者、FOH+FAHおよびPCOS-FAH患者については、いくつかの実施形態において、ACTH産生を標的とするコルチコトロピン放出因子(CRF)受容体アンタゴニストなどの薬理学的治療が使用されてもよい。
【0053】
コルチコトロピン放出因子(CRF)は、下垂体前葉からのプロオピオメラノコルチン(POMC)由来のペプチド分泌の主要な生理学的調節因子である41アミノ酸ペプチドである。下垂体における内分泌的役割に加え、CRFの免疫組織化学的局在化は、このホルモンが中枢神経系において視床下部外に広く分布し、脳における神経伝達物質または神経調節物質の役割と一致する広範囲の自律神経、電気生理学的、および行動学的な効果を生成することを実証している。さらに、CRFが生理的、心理的、および免疫学的なストレスに対する免疫系の反応を統合する上で重要な役割を担っていることが証明されている。
【0054】
CRFは、アルツハイマー病、ハンチントン病、進行性核上性麻痺、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、癲癇、片頭痛、アルコールおよび物質の濫用と関連する禁断症状、肥満症、メタボリックシンドローム、先天性副腎過形成(CAH)、クッシング病、高血圧症、脳卒中、過敏性腸症候群、ストレス誘発性の胃潰瘍、月経前症候群、性機能障害、早産、炎症性障害、アレルギー、多発性硬化症、内臓痛、睡眠障害、下垂体腫瘍または異所性下垂体由来の腫瘍、慢性疲労症候群、ならびに線維筋痛症と同様に、うつ病と不安を含む精神疾患と神経系疾患に関連付けられている。
【0055】
CRFは、下垂体前葉からの副腎皮質刺激ホルモン(「ACTH」)、β-エンドルフィン、およびその他のプロオピオメラノコルチン(「POMC」)由来ペプチドの基礎放出およびストレス誘導放出の主要な生理学的調節因子であると考えられている。CRFの分泌は、Gタンパク質共役受容体のクラスBファミリーのメンバーであるCRF1受容体への結合を介して、下垂体前葉のコルチコトロフからACTHを放出させる。
【0056】
CRF1の生理学的意義のために、有意なCRF受容体結合活性を有し、CRF1受容体に拮抗することができる生物学的に活性な小分子の開発は、依然として望ましい目標であり、不安、うつ病、過敏性腸症候群、心的外傷後ストレス障害、および物質乱用、ならびに先天性副腎過形成の治療のための進行中の研究および開発の主題となってきている。
【0057】
視床下部のコルチコトロピン放出因子(CRF)の制御下にある下垂体ホルモンACTHは、コレステロールの取り込みを刺激し、副腎におけるステロイド産生を開始するプレグネノロンの合成を駆り立てる。副腎皮質は異なるクラスのホルモンを産生する3つの領域で構成され、この多くはこの経路でコレステロールを動員するACTHによって駆り立てられる。中間層の網状帯は、DHEA、DHEAS、テストステロン(T)やジヒドロテストステロン(DHT)の前駆体であるアンドロステンジオン(A4)などのアンドロゲンの産生に関与している。この層は、特に女性において主要な生理活性アンドロゲンである11-オキシアンドロゲン、11β-ヒドロキシアンドロステンジオン(11OHA4)、および11β-ヒドロキシテストステロン(11OHT)の産生にも関与している。アンドロゲンが増加しているPCOS患者では原因不明であるが、網状帯はACTHに対して反応性亢進を示し、過剰なレベルのDHEA、DHEAS、11OHA4、11OHT、およびA4を生じさせる。過剰なACTH刺激は網状帯を肥大させて、副腎皮質過形成を生じさせ、PCOSやアンドロゲン過剰症に典型的な身体的特徴を臨床的に明らかにする。CRF1受容体を阻害することにより、下垂体のACTH分泌に対する刺激作用を減少させることで、PCOSにおける副腎のACTH反応領域からの過剰なアンドロゲン合成を抑えることが予想される。短期的なアンドロゲンレベルの上昇の正常化は、PCOSの主要な特徴である多毛症、ざ瘡、および生理不順を長期的に改善することが予想される。
【0058】
特定の定義
他に定義されない限り、本明細書で用いるすべての技術的および科学的な用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を持つ。本明細書に記載されるものに類似するまたは同等である任意の方法および材料は、本明細書に記載される実施形態の実施または試験において使用され得るが、特定の好ましい方法、装置、および材料がここに記載される。
【0059】
本明細書および添付の請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に他に指定していない限り、複数の言及を含む。ゆえに、例えば、「賦形剤」に対する言及は、当業者などに知られている1つ以上の賦形剤およびその同等物に対する言及である。
【0060】
「約」という用語は、ある値が、その値を決定するために利用されているデバイスまたは方法に関して10%の誤差レベルを含むことを示すために使用される。
【0061】
特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、代替物のみを指すように明示的に示されない限り、あるいは、代替物が相互に排他的でない限り、「および/または」を意味するように用いられるが、本開示は、代替物のみならびに「および/または」を指す定義を支持している。
【0062】
「アルキル」は、炭素原子と水素原子のみからなり、不飽和を含まず、好ましくは1~5個の炭素原子(例えば、C1-C5)を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖ラジカルを指す。いくつかの実施形態では、アルキルは1~4個の炭素原子を含む(すなわち、C1-C4アルキル)。いくつかの実施形態では、アルキルは1~3個の炭素原子を含む(すなわち、C1-C3アルキル)。いくつかの実施形態では、アルキルは1~2個の炭素原子を含む(すなわち、C1-C2アルキル)。いくつかの実施形態では、アルキルは1つの炭素原子(すなわち、C1)を含む。特定の実施形態では、アルキル基は、メチル、エチル、1-プロピル(n-プロピル)、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、1-ブチル(n-ブチル)、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソ-ブチル)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)、また1-ペンチル(n-ペンチル)から選択される。アルキルは単結合によって分子の残りに結合する。本明細書において具体的に別段の定めがない限り、アルキル基は、本明細書に記載される置換基などの1つ以上の置換基によって任意選択で置換される。
【0063】
「含む(comprise)」、「有する(have)」、および「含む(include)」という用語は、無制限の連結動詞である。「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「有する(has)」、「有すること(having)」、「含む(includes)」、または「含むこと(including)」などのこれらの動詞の1つ以上の形態または時制も、無制限である。例えば、1つ以上の工程を「含む(comprises)」、「有する(has)」、または「含む(includes)」任意の方法は、それら1つ以上の工程のみを持つことに限定されず、他の列挙していない工程も包含する。
【0064】
治療薬と併用して使用されるときの「投与すること(Administering)」は、治療薬を全身または局所的に、例えば、直接、標的組織中または標的組織上など投与すること、あるいは治療薬が、標的とされる組織に肯定的に影響するように患者に治療薬を投与することを意味する。医薬組成物を「投与すること」は、注射、局所投与、および経口投与、または他の方法によって、単独で、または他の既知の技術と組み合わせて、達成され得る。
【0065】
「薬学的に許容可能な」によって、担体、希釈剤、または賦形剤は、組成物の他の成分と適合性がなければならず、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0066】
「医薬組成物」という用語は、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩、あるいはCRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩などの少なくとも1つの有効成分を含む組成物を意味し、それによって、組成物は、哺乳動物(例えば、限定されないが、ヒト)における特定の有効な結果についての調査を受け入れることができる。当業者は、有効成分が当業者のニーズに基づいて所望の効果的な結果を有しているか否かを決定するのに適切な技術を理解して認識するであろう。
【0067】
「超生理的(supraphysiologic)な量」という用語は、健常者に見られる1日のグルココルチコイド要求量(産生率)を超えるグルココルチコイド用量レベルを記載する。
【0068】
「生理的な量」という用語は、健常者に見られる1日のグルココルチコイド要求量(産生率)を満たすグルココルチコイド用量レベルを記載する。
【0069】
本明細書で使用されるような「ヒドロコルチゾン当量」という用語は、様々なグルココルチコイドの効力および作用時間が変化し得るため、あるグルココルチコイドを別のものに置き換える際に考慮する必要がある換算計算であると当業者によって理解される。したがって、「ヒドロコルチゾン当量」という用語は、グルココルチコイドの効力の比較に用いられる基準である。
【0070】
本明細書で使用されるような、「治療有効量」または「有効量」は、研究者、獣医、医師、または他の臨床医によって求められている、組織、系、動物、個体、またはヒトにおける生体反応または医学的反応を引き出す、活性化合物または医薬品の量を指し、これは、以下の(1)疾患を予防すること、例えば、疾患、疾病、または障害の傾向はあるが、疾患の病状または総体的症状をまだ経験していないか、示していない個体において、疾患、疾病、または障害を予防すること、(2)疾患を阻害すること、例えば、疾患、疾病または障害の病状または総体的症状を経験しているか、示している個体において、疾患、疾病、または障害を阻害すること(すなわち、病状および/または総体的症状のさらなる進行を止めること)、および(3)疾患を回復させること、例えば、疾患、疾病、または障害の病状または総体的症状を経験しているか、示している個体において、疾患、疾病、または障害を回復すること(すなわち、病状および/または総体的症状を覆すこと)の1つ以上を含む。
【0071】
本明細書で使用されるような「処置する」、「処置された」、「処置」、または「処置すること」という用語は、いくつかの実施形態における治療的処置と、他の実施形態における予防的(prophylacticまたはpreventative)措置の両方を指し、その目的は、望ましくない生理学的状態、障害、または疾患を予防するか、遅らせる(少なくする)こと、あるいは有益なまたは望ましい臨床結果を得ることである。本明細書に記載される目的のために、有益なまたは望ましい臨床結果としては、限定されないが、症状の緩和、疾病、障害、または疾患の程度の減少、疾病、障害、または疾患の状態の安定化(つまり、悪化しないこと)、疾病、障害、または疾患の発症を遅らせること、あるいは進行を遅らせること、疾病、障害、または疾患状態の改善、および、検出可能であれ検出不可能であれ、緩解(部分的でも全体でも)、あるいは、疾病、障害、または疾患の亢進または改善を含む。処置は過剰なレベルの副作用のない臨床的に有意な反応を誘発することを含む。処置はさらに、処置を受けない場合の予想される生存時間と比較して、生存時間を延ばすことを含む。処置の予防的な利点は、疾病の予防、疾病の進行を遅らせること、疾病の安定化、または疾病の発生率の低下を含む。本明細書で使用されるように、「処置する(treat)」、「処置された(treated)」、「処置(treatment)」、または「処置すること(treating)」は、実施形態によっては、予防を含む。
【0072】
化合物
アンタラルミン塩酸塩、CP-154,526、CP-376395塩酸塩、NBI 27914塩酸塩、NBI 35965塩酸塩、NGD 98-2塩酸塩、ペキサセルフォント(Pexacerfont)、R 121919塩酸塩、SN003、およびSSR125543(クリネセルフォント(crinecerfont))などのCRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩が本明細書で開示される。
【0073】
1つの態様では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、n-ブチル-N-エチル-2,5,6-トリメチル-7-(2,4,6-トリメチルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩(アンタラルミン塩酸塩)、n-ブチル-N-エチル-2,5-ジメチル-7-(2,4,6-トリメチルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩(Pfizer CP154526)、N-(1-エチルプロピル)-3,6-ジメチル-2-(2,4,6-トリメチルフェノキシ)-4-ピリジンアミン塩酸塩(Pfizer CP376395塩酸塩)、5-クロロ-N-(シクロプロピルメチル)-2-メチル-n-プロピル-N’-(2,4,6-トリクロロフェニル)-4,6-ピリミジンジアミン塩酸塩(NBI27914塩酸塩)、(7S)-6-(シクロプロピルメチル)-2-(2,4-ジクロロフェニル)-7-エチル-7,8-ジヒドロ-4-メチル-6H-1,3,6,8a-テトラアザアセナフチレン塩酸塩(NBI35965塩酸塩)、N-(1-エチルプロピル)-3-メトキシ-5-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-6-メチル-2-ピラジンアミン塩酸塩(NGD 98-2塩酸塩)、8-(6-メトキシ-2-メチル-3-ピリジニル)-2,7-ジメチル-N-[(1R)-1-メチルプロピル]ピラゾロ[1,5-a]-1,3,5-トリアジン-4-アミン(ペキサセルフォント)、3-[6-(ジメチルアミノ)-4-メチル-3-ピリジニル]-2,5-ジメチル-N,N-ジプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン塩酸塩(R 121919塩酸塩)、およびN-(4-メトキシ-2-メチルフェニル)-1-[1-(メトキシメチル)プロピル]-6-メチル-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-c]ピリジン-4-アミン(SN003)、(S)-4-(2-クロロ-4-メトキシ-5-メチルフェニル)-N-(2-シクロプロピル-1-(3-フルオロ-4-メチルフェニル)エチル)-5-メチル-N-(プロプ-2-イン-1-イル)チアゾール-2-アミン(SSR125543)からなる群から選択される。
【0074】
式(I)の化合物
【0075】
【化10】
またはその薬学的に許容可能な塩が本明細書で開示され、R
1とR
2は独立してエチルまたはn-プロピルであり、R
3はH、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、R
4はH、Br、-NR
aR
b、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0076】
【化11】
であり、R
aとR
bは独立して、水素、C
1-C
3アルキル、-CH
2CH
2NH
2、-CH
2CH
2NHC(O)OC(CH
3)
3、または-CH
2CH
2NHCH
2CH
2CH
3である。
【0077】
いくつかの実施形態では、R1とR2は独立して、エチルまたはn-プロピルである。いくつかの実施形態では、R1はエチルであり、R2はn-プロピルである。いくつかの実施形態では、R1はn-プロピルであり、R2はエチルである。いくつかの実施形態では、R1とR2は両方ともエチルである。いくつかの実施形態では、R1とR2は両方ともn-プロピルである。
【0078】
いくつかの実施形態では、R3は水素、Cl、Br、メチル、またはトリフルオロメチルである。いくつかの実施形態では、R3は水素、Cl、Br、またはメチルである。いくつかの実施形態では、R3は水素、Cl、またはBrである。いくつかの実施形態では、R3は水素である。いくつかの実施形態では、R3はClである。いくつかの実施形態では、R3はBrである。
【0079】
いくつかの実施形態では、R4は水素、Br、-NRaRb、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0080】
【化12】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、Br、-NR
aR
b、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0081】
【化13】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、-NR
aR
b、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、または
【0082】
【化14】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、-NR
aR
b、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、または
【0083】
【化15】
である。いくつかの実施形態では、R
4は-NR
aR
b、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、または
【0084】
【化16】
である。いくつかの実施形態では、R
4はモルホリン-4-イル、または
【0085】
【化17】
である。いくつかの実施形態では、R
4はモルホリン-4-イルである。いくつかの実施形態では、R
4は
【0086】
【化18】
である。いくつかの実施形態では、R
4は-NR
aR
bであり、R
aとR
bは独立してC
1-C
3アルキルである。
【0087】
式(II)の化合物
【0088】
【化19】
またはその薬学的に許容可能な塩が本明細書で開示され、R
3はH、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、R
4はH、Br、-NR
aR
b、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0089】
【化20】
であり、R
aとR
bは独立して、水素、C
1-C
3アルキル、-CH
2CH
2NH
2、-CH
2CH
2NHC(O)OC(CH
3)
3、または-CH
2CH
2NHCH
2CH
2CH
3-CH
2CH
2NHCH
2CH
2CH
3である。
【0090】
式(III)の化合物
【0091】
【化21】
またはその薬学的に許容可能な塩が本明細書で開示され、R
1とR
2はn-プロピルであり、R
3はH、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、R
4はH、Br、-NR
aR
b、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0092】
【化22】
であり、R
aとR
bは独立して、水素、C
1-C
3アルキル、-CH
2CH
2NH
2、-CH
2CH
2NHC(O)OC(CH
3)
3、または-CH
2CH
2NHCH
2CH
2CH
3である。
【0093】
式(IV)の化合物
【0094】
【化23】
またはその薬学的に許容可能な塩が本明細書で開示され、R
3は、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、R
4はH、Br、-NR
aR
b、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0095】
【化24】
であり、R
aとR
bは独立して、水素、C
1-C
3アルキル、-CH
2CH
2NH
2、-CH
2CH
2NHC(O)OC(CH
3)
3、または-CH
2CH
2NHCH
2CH
2CH
3である。
【0096】
式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3は、水素、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり得る。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3は、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり得る。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3は、Cl、Br、メチル、またはトリフルオロメチルであり得る。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3は、Cl、Br、またはメチルであり得る。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3はClであり得る。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3はBrであり得る。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3はメチルであり得る。
【0097】
式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R4は、Br、-NRaRb、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0098】
【化25】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、Br、-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0099】
【化26】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、Br、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0100】
【化27】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、Br、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0101】
【化28】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、Br、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0102】
【化29】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0103】
【化30】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4はモルホリン-4-イル、
【0104】
【化31】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は
【0105】
【化32】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は
【0106】
【化33】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は
【0107】
【化34】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は
【0108】
【化35】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4はモルホリン-4-イルである。
【0109】
3-[4-ブロモ-2-(2-メチル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル)-チアゾール-5-イル]-2,5-ジメチル-7-(1-プロピル-ブチル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(化合物1)またはその薬学的に許容可能な塩が本明細書で開示される。
【0110】
【0111】
3-(4-ブロモ-2-(2-メチル-2H-[1,2,4]トリアゾール-3-イル-チアゾール-5-イル)-7-(1-エチルプロピル)-2,5-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(化合物2)またはその薬学的に許容可能な塩が本明細書で開示される。
【0112】
【0113】
3-(4-クロロ-2-(モルホリン-4-イル)チアゾール-5-イル)-7-(1-エチルプロピル)-2,5-ジメチルピラゾロ(1,5-a)ピリミジン(または、代替的に、4-(4-クロロ-5-(2,5-ジメチル-7-(ペンタン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)チアゾール-2-イル)モルホリン(化合物3)またはその薬学的に許容可能な塩が本明細書に開示される。
【0114】
【0115】
いくつかの実施形態では、4-(4-クロロ-5-(2,5-ジメチル-7-(ペンタン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)チアゾール-2-イル)モルホリンは、化合物3と呼ばれる。いくつかの実施形態では、3-(4-クロロ-2-(モルホリン-4-イル)チアゾール-5-イル)-7-(1-エチルプロピル)-2,5-ジメチルピラゾロ(1,5-a)ピリミジンは、化合物3と呼ばれる。
【0116】
1つの態様では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩はアストレシンであり得る。アストレシンは通常、ACTHとコルチゾールの合成を減少させる非選択的なコルチコトロピン放出ホルモンアンタゴニストを指す。
【0117】
医薬組成物
本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物が本明細書に開示される。特定の実施形態では、組成物は、上で開示されるように、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩、およびCRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、外因性のグルココルチコイド(GC)、またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0118】
剤形
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、単位剤形で提供される。本明細書で使用されるように、「単位剤形」は、良好な医療行為に従って単回用量での、動物、好ましくは、哺乳物の対象への投与に適した本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩の量を含む組成物である。しかしながら、単回または単位剤形の調製は、その剤形が1日1回または治療のコースごとに1回投与されることを意味するものではない。そのような剤形は、1日に1回、2回、3回、またはそれ以上投与されることが企図され、一定時間(例えば、約30分から約2~6時間)にわたって注入として投与されるか、連続注入として投与され、治療のコース中に複数回投与され得るが、単一投与が特に除外されるわけではない。
【0119】
医薬組成物は、処置される(または予防される)疾患に対して適切なやり方で投与される。適切な用量および投与の適切な持続時間と頻度は、患者の疾病、患者の疾患のタイプおよび重症度、有効成分の特定の形態、および投与の方法などの因子によって決定される。一般に、適切な用量および処置のレジメンは、より頻繁な完全寛解または部分寛解、あるいはより長い無病生存期間および/または全生存期間、あるいは症状の重症度の低下などの、治療的および/または予防的な恩恵(例えば、臨床結果の改善)をもたらすのに十分な量で組成物を提供する。最適な用量は一般に実験モデルおよび/または臨床試験を使用して決定される。最適な用量は患者の体型、体重、または血液量によって変わる。
【0120】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、経口剤形として製剤化される。適切な経口剤形は、例えば、錠剤、丸剤、サッシェ、またはカプセルを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の追加の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。例えば、薬学的に許容可能な賦形剤のリストについては、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro, 21st Ed. Mack Pub. Co.,Easton, PA (2005)を参照。
【0121】
カプセル
いくつかの実施形態では、医薬組成物はカプセルとして製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は硬ゲルカプセルとして製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は軟ゲルカプセルとして製剤化される。
【0122】
いくつかの実施形態では、カプセルは、限定されないが、天然または合成のゼラチン、ペクチン、カゼイン、コラーゲン、タンパク質、加工デンプン、ポリビニルピロリドン、アクリルポリマー、セルロース誘導体、またはこれらの組み合わせを含む材料を使用して、形成される。いくつかの実施形態では、カプセルは、保存剤、着色料と乳白剤、調味料と甘味料、糖類、胃耐性物質、または任意の組み合わせを使用して、形成される。いくつかの実施形態では、カプセルはコーティングされる。いくつかの実施形態では、カプセルを覆うコーティングは、限定されないが、即時放出コーティング、保護コーティング、腸溶性コーティングまたは遅延放出コーティング、持続放出コーティング、バリアコーティング、シールコーティング、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書のカプセルは硬質または軟質である。いくつかの実施形態では、カプセルはシームレスである。いくつかの実施形態では、カプセルは、微粒子が柔らかい食べ物に散りばめられ、噛むことなく呑み込まれるように、砕かれる。いくつかの実施形態では、カプセルの形状とサイズも変動する。カプセルの形状の例としては、限定されないが、丸、楕円形、管状、長方形、ねじ切り型、または非標準的な形状が挙げられる。カプセルのサイズは微粒子の体積に従って変動することがある。いくつかの実施形態では、カプセルのサイズは微粒子物や粉末の体積に基づいて調節される。硬ゼラチンカプセルまたは軟ゼラチンカプセルは、標準的なカプセルの形状を含む単一の本体ユニットとして従来の方法に合わせて製造され得る。単一本体の軟ゼラチンカプセルは典型的には、例えば、3~22ミニム(1ミニムは0.0616mlと等しい)のサイズ、および、楕円形、長方形、またはそれ以外の形状で提供され得る。ゼラチンカプセルも、従来の方法に合わせて、例えば、従来通りに(000)、(00)、(0)、(1)、(2)、(3)、(4)、および(5)として指定されるように、典型的には標準的な形状と様々な標準的なサイズのシールされたまたはシールされていないツーピースの硬ゼラチンカプセルとして製造され得る。最も大きな数字は最も小さなサイズに相当する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物(例えば、カプセル)は全体として呑み込まれる。
【0123】
いくつかの実施形態では、カプセルは、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、カプセルは追加の賦形剤を含まない。
【0124】
いくつかの実施形態では、カプセルは、不溶性である薬物物質について開発、製造、および商品化される。いくつかの実施形態では、溶解度が水中で0.002mg/mL未満である場合、薬物物質は不溶性である。いくつかの実施形態では、カプセルは、最大200mgの投与強度を有する。いくつかの実施形態では、カプセル中の薬物物質は、USP装置Iを使用して溶解媒体中で即時放出される。いくつかの実施形態では、カプセル中の薬物物質は、USP装置IIを使用して溶解媒体中で即時放出される。
【0125】
錠剤
難溶性薬物は、高剪断湿式造粒などの標準的な技術を使用して製剤化することが困難なことがある。難溶性薬物の最適な送達には、固溶体非晶質分散(ホットメルトエクストルージョンまたは噴霧乾燥)、ナノ製剤または脂質ベースの製剤などの複雑な技術が必要なことがある。疎水性の薬物物質は、USPの基準では難溶性とみなされ、水や他の賦形剤で顆粒化することが困難であることが知られていることもある。これは、即時放出製剤用の既知の賦形剤のほとんどが水溶性または水膨潤性であることに起因すると考えられる。難溶性の高用量薬物物質の錠剤を作るには、薬物物質の濃度を高くする必要があることもある。しかしながら、薬物濃度を特定のレベルよりも増加すると、顆粒の形成がますます難しくなる場合がある。さらに、特定の薬物負荷では、それが不可能になる可能性がある。
【0126】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤として製剤化される。
【0127】
いくつかの実施形態では、錠剤は、圧縮、成形、または押出によって、任意選択で1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに作られる。いくつかの実施形態では、圧縮錠剤は、任意選択で薬学的に許容可能な賦形剤と混合して、自由流動性の形態で本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を圧縮することによって調製される。いくつかの実施形態では、成形された錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた状態で、本明細書に記載される粉末状の化合物または薬学的に許容可能な塩の混合物を成形することによって作られる。いくつかの実施形態では、錠剤はホットメルトエクストルージョンによって調製される。いくつかの実施形態では、押出錠剤は、本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む混合物を、制御された条件下でオリフィスまたはダイスに強制的に通すことによって作られる。いくつかの実施形態では、錠剤はコーティングされるか、分割される。いくつかの実施形態では、錠剤は、本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩の徐放または制御放出をもたらすように製剤化される。いくつかの実施形態では、錠剤は、不溶性である薬物物質について開発、製造、および商品化される。いくつかの実施形態では、溶解度が水中で0.002mg/mL未満である場合、薬物物質は不溶性である。いくつかの実施形態では、錠剤は、最大200mgの投与強度を有する。いくつかの実施形態では、錠剤中の薬物物質は、USP装置Iを使用して溶解媒体中で即時放出される。いくつかの実施形態では、錠剤中の薬物物質は、USP装置IIを使用して溶解媒体中で即時放出される。
【0128】
いくつかの実施形態では、錠剤のサイズは、約1000mg未満、約800mg未満、約600mg未満、約400mg未満、約200mg未満、約100mg未満、または50mg未満である。いくつかの実施形態では、錠剤は、約10mg超、約50mg超、約100mg超、約150mg超、約200mg超、または約250mg超の用量強度を有する。いくつかの実施形態では、錠剤のサイズは、約50mgを超える用量強度について約1000mg未満である。いくつかの実施形態では、錠剤のサイズは、約100mgを超える用量強度について800mg未満である。いくつかの実施形態では、錠剤のサイズは、約150mgを超える用量強度について600mg未満である。いくつかの実施形態では、錠剤のサイズは、約200mgを超える用量強度について400mg未満である。いくつかの実施形態では、錠剤のサイズは、100mgを超える用量強度について400mg未満である。いくつかの実施形態では、錠剤のサイズは、50mgを超える用量強度について200mg未満である。いくつかの実施形態では、錠剤のサイズは、10mgを超える用量強度について50mg未満である。
【0129】
いくつかの実施形態では、錠剤の約20%超が、従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約40%超が、従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約50%超が、従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約60%超が、従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約70%超が、従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約80%超が、従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約20%超が24時間未満で従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約20%超が12時間未満で従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約20%超が6時間未満で従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約20%超が3時間未満で従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約20%超が2時間未満で従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約20%超が60分未満で従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約40%超が60分未満で従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約50%超が60分未満で従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約60%超が60分未満で従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約70%超が60分未満で従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約80%超が60分未満で従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約90%超が60分未満で従来の溶解媒体に溶かされる。いくつかの実施形態では、錠剤の約100%超が60分未満で従来の溶解媒体に溶かされる。
【0130】
いくつかの実施形態では、錠剤は商業規模で生産される。
【0131】
いくつかの実施形態では、錠剤は1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、錠剤はコーティング材料、例えば、封鎖剤でコーティングされる。いくつかの実施形態では、コーティング材料は水溶性である。いくつかの実施形態では、コーティング材料はポリマー、可塑剤、顔料、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、膜コーティング、例えば、光沢のあるフィルム、pH非依存性膜コーティング、水性の膜コーティング、乾燥粉末膜コーティング(例えば、完全な乾燥粉末膜コーティング)、またはこれらの任意の組み合わせの形態である。いくつかの実施形態では、コーティング材料は高粘着性である。いくつかの実施形態では、コーティング材料は低レベルの水浸透をもたらす。いくつかの実施形態では、コーティング材料は酸素障壁保護をもたらす。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩の急速な放出のために即時の崩壊を可能にする。いくつかの実施形態では、コーティング材料は色素性、透明、または白色である。いくつかの実施形態では、コーティングは腸溶コーティングである。例示的なコーティング材料としては、限定されないが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メタクリル酸アクリレートコポリマー、メタクリル酸メタクリレートコポリマー、酢酸フタル酸セルロース、酢酸コハク酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアセテートフタレート、セラック、トリメリト酸酢酸セルロース、アルギン酸ナトリウム、ゼイン、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0133】
薬学的に許容可能な賦形剤
いくつかの実施形態では、医薬組成物は薬学的に許容可能な賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は薬学的に許容可能な賦形剤を含まない。本明細書で使用されるように、「薬学的に許容可能な賦形剤」という用語は、哺乳動物への投与に適した1つ以上の適合性のある固体物質またはカプセル化物質を意味する。本明細書で使用されるように、「適合性のある」という用語は、組成物の成分が、通常の使用状況下で組成物の医薬的有効性を著しく低下させることになる相互作用が存在しないようなやり方で、対象となる化合物と、かつ、互いに混和できることを意味する。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な賦形剤は、好ましくは処置を受けている動物、好ましくは哺乳動物への投与に適したものとするために、十分に高い純度と十分に低い毒性を有する。
【0134】
薬学的に許容可能な賦形剤として機能することができる物質のいくつかの例としては、以下のものが挙げられる。
・アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンなどのアミノ酸。いくつかの実施形態では、アミノ酸はアルギニンである。いくつかの実施形態では、アミノ酸はL-アルギニンである。
・グルコース(デキストロース)、アラビノース、マンニトール、フルクトース(レブロース)、およびガラクトースなどの単糖類。
・カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、およびメチルセルロースなどのセルロースおよびその誘導体。
・タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、およびフマル酸ステアリルナトリウムなどの固体潤滑剤。
・プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール。
・ポリソルベートなどの乳化剤。
・ラウリル硫酸ナトリウム、Tween(登録商標)、Span、アルキルサルフェート、およびアルキルエトキシレートサルフェートなどの湿潤剤。
・炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、デンプン、α化デンプン、炭酸ナトリウム、マンニトール、およびラクトースなどの希釈剤。
・デンプン(トウモロコシデンプンとジャガイモデンプン)、ゼラチン、スクロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの結合剤。
・デンプンおよびアルギン酸などの崩壊剤。
・ac-di-sol、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、およびクロスポビドンなどの超崩壊剤。
・二酸化ケイ素などの滑剤。
・FD&C色素などの着色料。
・アスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント、および果実フレーバーなどの甘味料および調味料。
・塩化ベンザルコニウム、PHMB、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、パラベン、および安息香酸ナトリウムなどの保存剤。
・塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、およびグリセリンなどの等張性調整剤(Tonicity adjustor)。
・重亜硫酸ナトリウム、アセトン重亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒド、スルホキシル酸塩、チオ尿素、およびEDTAなどの抗酸化剤。
・NaOH、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、HCl、およびクエン酸などのpH調整剤。
・リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウム、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、および、炭水化物、例えば、デキストロース、マンニトール、ならびにデキストランなどの抗凍結剤。
・セトリミド、塩化ベンザルコニウム、および塩化セチルピリジウムなどのカチオン性界面活性剤。
・アルキルサルフェート、アルキルエトキシレートサルフェート、石鹸、カルボン酸、硫酸、およびスルホン酸などの陰イオン界面活性剤。
・ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシプロピレン誘導体、ポリオール誘導体、ポリオールエステル、ポリオキシエチレンエステル、ポロキサマー、グリオールエステル、グリセロールエステル、ソルビタン誘導体、ポリエチレングリコール(PEG-40、PEG-50、PEG-55)、および脂肪族アルコールのエーテルなどの非イオン性界面活性剤。
・炭水化物および修飾した炭水化物、ラクトース、αラクトース一水和物、噴霧乾燥させたラクトースおよび無水ラクトース、デンプンおよびアルファ化デンプン、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、粉末セルロース、および微結晶性セルロースなどの有機原料。
・リン酸カルシウム(無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、およびリン酸三カルシウム)などの無機材料。
・共加工希釈剤。
・ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤。
・圧縮助剤(Compression aid)。
・二酸化ケイ素およびタルクなどの固化防止剤(antitacking agent)。
【0135】
量
いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約500mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約400mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約300mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約200mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約100mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約90mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約80mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約70mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約60mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約50mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約40mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約30mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約20mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約1mg~約10mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約10mg~約500mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約10mg~約400mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約10mg~約300mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約10mg~約200mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約10mg~約100mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約10mg~約90mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約10mg~約80mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約10mg~約70mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約10mg~約60mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約10mg~約50mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約10mg~約40mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約10mg~約30mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、約10mg~約20mgの本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。
【0137】
粒径
いくつかの実施形態では、錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物は、微粒子の形態の本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、微粒子は約1μm~約100μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約1μm~約50μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約1μm~約30μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約1μm~約20μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約5μm~約15μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約1μm~約10μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約3μm~約10μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約4μm~約9μmの平均サイズを有する。
【0138】
処置方法
本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む、処置を必要としている対象の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を処置する方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、処置を必要としている対象はPCOS-FAHを有する。いくつかの実施形態では、処置を必要としている対象はPCOS-FOH+FAHを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、ホルモンのレベルの減少を引き起こす。そのようなホルモンとしては、デオキシコルチコステロン、11-デオキシコルチゾール、コルチゾール、コルチコステロン、プレグネノロン、17α-ヒドロキシプレグネノロン、プロゲステロン、17-OHP、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロン-サルフェート(DHEAS)、アンドロステンジオール、アンドロステンジオン(A4)、テストステロン(T)、ジヒドロテストステロン(DHT)、エストロン、エストラジオール、エストリオール、11β-ヒドロキシアンドロステンジオン(11OHA4)、11β-ヒドロキシテストステロン(11OHT)、11-ケトアンドロステンジオン(11KA4)、11-ケトテストステロン(11KT)、11β-ヒドロキシ-5α-アンドロステンジオン(11OHDHA4)、11-ケトン-5α-アンドロステンジオン(11KDHA4)、11β-ヒドロキシジヒドロテストステロン(11OHDHT)、11-ケトジヒドロテストステロン(11KDHT)、およびACTH。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、17-OHPレベルの減少を引き起こす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、A4レベルの減少を引き起こす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、ACTHレベルの減少を引き起こす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、DHEAレベルの減少を引き起こす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、DHEASレベルの減少を引き起こす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、テストステロン(T)レベルの減少を引き起こす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、DHTレベルの減少を引き起こす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、11OHA4レベルの減少を引き起こす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、11OHTレベルの減少を引き起こす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、11KA4レベルの減少を引き起こす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、11KTレベルの減少を引き起こす。
【0139】
さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、17-OHP、A4、ACTH、DHEA、DHEAS、T、DHT、11OHA4、11OHT、11KA4、および/または11KTレベルの減少の維持をもたらす。いくつかの実施形態では、17-OHP、A4、ACTH、DHEA、DHEAS、T、DHT、11OHA4、11OHT、11KA4、および/または11KTレベルの減少は、少なくとも24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24週間、25週間、26週間、27週間、28週間、29週間、30週間、31週間、32週間、33週間、34週間、35週間、36週間、37週間、38週間、39週間、40週間、41週間、42週間、43週間、44週間、45週間、46週間、47週間、48週間、49週間、50週間、51週間、52週間、2年間、5年間、10年間、15年間、20年間、25年間、30年間、35年間、40年間、45年間、50年間、55年間、60年間、65年間、70年間、75年間、80年間、85年間、90年間、95年間、または100年間続くことがある。
【0140】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、DHEASレベルの減少を引き起こす。いくつかの実施形態では、DHEASレベルは、ベースラインから少なくとも約1%、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%減少する。DHEASのベースラインレベルは、本明細書に開示される処置の開始前に対象で測定されてもよい。いくつかの実施形態では、DHEASレベルはベースラインから少なくとも5%減少する。いくつかの実施形態では、ベースラインからのDHEASレベルの減少は、少なくとも約1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、24時間、48時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24週間、25週間、26週間、27週間、28週間、29週間、または30週間維持されることがある。
【0141】
さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、17-OHP、A4、ACTH、T、DHT、11OHA4、11OHT、11KA4、および/または11KTレベルの減少の維持をもたらす。いくつかの実施形態では、17-OHP、A4、ACTH、T、DHT、11OHA4、11OHT、11KA4、および/または11KTレベルの減少は、少なくとも24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24週間、25週間、26週間、27週間、28週間、29週間、30週間、31週間、32週間、33週間、34週間、35週間、36週間、37週間、38週間、39週間、40週間、41週間、42週間、43週間、44週間、45週間、46週間、47週間、48週間、49週間、50週間、51週間、52週間、2年間、5年間、10年間、15年間、20年間、25年間、30年間、35年間、40年間、45年間、50年間、55年間、60年間、65年間、70年間、75年間、80年間、85年間、90年間、95年間、または100年間続くことがある。
【0142】
いくつかの実施形態では、処置を必要としている対象のPCOSを処置するための方法が本明細書に開示され、上記方法は過剰なアンドロゲンの供給源にアクセスする工程と、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程とをさらに含む。いくつかの実施形態では、過剰なアンドロゲンの供給源にアクセスする工程は、PCOSに苦しむ対象において産生された過剰なアンドロゲンの第1の供給源を測定することを含む。いくつかの実施形態では、第1の供給源は卵巣である。いくつかの実施形態では、第1の供給源は副腎である。いくつかの実施形態では、第1の供給源は卵巣と副腎の両方である。いくつかの実施形態では、第1の供給源はアンドロゲンを産生することができる臓器である。
【0143】
いくつかの実施形態では、コシントロピンあるいは他の適切なホルモンまたは化合物が副腎アンドロゲン過剰症について検査するべくACTH反応のために対象に投与されることがある。いくつかの実施形態では、コシントロピンは、少なくとも約0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、200、または250μg/m2の用量で投与される。いくつかの実施形態では、コシントロピンは本明細書に開示される用量間の範囲程度の用量で投与される。いくつかの実施形態では、コシントロピンは最大で約250、200、100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、4、3、2、1μg/m2の用量で投与される。
【0144】
いくつかの実施形態では、対象は約1週~約40週の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約2週~約39週の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約3週~約38週の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約4週~約36週の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約1ヶ月~12ヶ月の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約10ヶ月~10年の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約1ヶ月~10年の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約10ヶ月~20年の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約1ヶ月~20年の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約10ヶ月~30年の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約1ヶ月~30年の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約10ヶ月~40年の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約1ヶ月~40年の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約10ヶ月~50年の期間、処置される。いくつかの実施形態では、対象は約1ヶ月~50年の期間、処置される。
【0145】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、アンタラルミン塩酸塩、CP-154,526、CP-376395塩酸塩、NBI 27914塩酸塩、NBI 35965塩酸塩、NGD 98-2塩酸塩、ペキサセルフォント(Pexacerfont)、R 121919塩酸塩、SSR125543(クリネセルフォント(crinecerfont))、およびSN003からなる群から選択される。
【0146】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストは、式(I)の化合物
【0147】
【化39】
またはその薬学的に許容可能な塩であり、
R
1とR
2は独立してエチルまたはn-プロピルであり、
R
3は水素、F、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、
R
4は水素、Br、-NR
aR
b、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【0148】
【化40】
であり、
R
aとR
bは独立して、水素、C
1-C
3アルキル、-CH
2CH
2NH
2、-CH
2CH
2NHC(O)OC(CH
3)
3-CH
2CH
2NHC(O)OC(CH
3)
3、または-CH
2CH
2NHCH
2CH
2CH
3-である。
【0149】
いくつかの実施形態では、R3はF、Cl、Br、メチル、またはトリフルオロメチルである。いくつかの実施形態では、R3は、Cl、Br、またはメチルである。
【0150】
いくつかの実施形態では、R4はBr、-NRaRb-NRaRb、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、または
【0151】
【化41】
である。いくつかの実施形態では、R
4はモルホリン-4-イル、または
【0152】
【化42】
である。いくつかの実施形態では、R
4は水素、Br、-NR
aR
bであり、R
aとR
bは独立してC
1-C
3アルキルである。
【0153】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0154】
【化43】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0155】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0156】
【化44】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0157】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0158】
【化45】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0159】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約10mg~約200mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約200mgの用量で対象に投与される。
【0160】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約150mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約100mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約50mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約40mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約30mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約25mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約20mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約15mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約10mgの用量で対象に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、1日総量約5mgの用量で対象に投与される。
【0161】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、微粒子の形態である。いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは約1μm~約20μmである。いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは約5μm~約15μmである。いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは約10μ未満である。
【0162】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、医薬組成物として投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、医薬組成物として投与される。
【0163】
いくつかの実施形態では、医薬組成物はカプセルまたは錠剤の形態である。いくつかの実施形態では、カプセルは硬ゼラチンカプセルである。いくつかの実施形態では、カプセルは軟ゼラチンカプセルである。いくつかの実施形態では、カプセルは、天然のゼラチン、合成のゼラチン、ペクチン、カゼイン、コラーゲン、タンパク質、加工デンプン、ポリビニルピロリドン、アクリルポリマー、セルロース誘導体、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される材料を使用して形成される。
【0164】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は追加の賦形剤を含まない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤の形態である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、対象において約1~約8時間のTmaxを提供するために、カプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、対象において約2~約7時間のTmaxを提供するために、カプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、対象において約2~約6時間のTmaxを提供するために、カプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、対象において約3~約5時間のTmaxを提供するために、カプセルまたは錠剤として製剤化される。
【0166】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、対象において約8時間のTmaxを提供するために、カプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、対象において約7時間のTmaxを提供するために、カプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、対象において約6時間のTmaxを提供するために、カプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、対象において約5時間のTmaxを提供するために、カプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、対象において約4時間のTmaxを提供するために、カプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、対象において約3時間のTmaxを提供するために、カプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、対象において約2時間のTmaxを提供するために、カプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、対象において約1時間のTmaxを提供するために、カプセルまたは錠剤として製剤化される。
【0167】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む医薬組成物を、月に1回、月に2回、月に3回、週に1回、週に2回、週に3回、2日に1回、1日に1回、1日に2回、1日に3回、または1日に4回投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を1日1回投与する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物を1日2回投与する。
【0168】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、1日当たり約1mg~約2000mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、約50mg/日~約1600mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約50mg/日~約1500mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約50mg/日~約1400mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約50mg/日~約1300mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約50mg/日~約1200mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約50mg/日~約1100mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約50mg/日~約1000mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約50mg/日~約900mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約50mg/日~約800mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約60mg/日~約800mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約70mg/日~約800mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約80mg/日~約800mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約90mg/日~約800mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約100mg/日~約800mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約100mg/日~約700mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、約100mg/日~約600mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、150mg/日~約600mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、200mg/日~約600mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、200mg/日~約500mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、200mg/日~約400mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は、25mg/日~約200mg/日の用量で投与される。
【0169】
いくつかの実施形態では、化合物3は約500mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は約400mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は約300mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は約200mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は約150mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は約100mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物3は約50mg/日の用量で投与される。
【0170】
いくつかの実施形態では、約50mg~約1600mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約100mg~約1600mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約1600mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約1200mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約1000mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約800mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約100mg~約800mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約800mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約100mg~約600mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約600mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩が、1日当たり投与される。いくつかの実施形態では、約300mg~約600mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約100mg~約400mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約400mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約300mg~約400mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。
【0171】
いくつかの実施形態では、約2000mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約1800mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約1600mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約1400mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約1200mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約1000mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約800mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約600mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約500mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約400mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約300mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。いくつかの実施形態では、約200mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいはその薬学的に可能な塩または溶媒和物が、1日あたり投与される。
【0172】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含み、対象は摂食状態にある。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含み、対象は絶食状態にある。
【0173】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、就寝時刻に本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、睡眠の約4時間未満前に本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、睡眠の約3時間未満前に本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、睡眠の約2時間未満前に本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、睡眠の約1時間未満前に本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、睡眠の約30分未満前に本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、夜に本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、夜の午後11時頃に本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、夜の午後10時頃に本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、夜の午後9時頃に本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、夜の午後8時頃に本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、エフロルニチンおよび/またはレチノイドと組み合わせて本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、酢酸シプロテロン、スピロノラクトン、フルタミド、または5α-リダクターゼ阻害剤などのアンドロゲン受容体遮断薬を含有している経口避妊薬と組み合わせて、本明細書に記載される医薬組成物を投与することを含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、対象におけるDHEA、DHEAS、A4、11OHA4、T、11OHT、DHT、および/またはACTHのレベルは、対象の生体サンプルから決定される。いくつかの実施形態では、生体サンプルは、血液、血液分画、血漿、血清、尿、他のタイプの分泌液、および唾液の群から選択される。いくつかの実施形態では、生体サンプルは非侵襲的に得られる。
【0179】
いくつかの実施形態では、対象は小児患者である。いくつかの実施形態では、対象は青少年である。いくつかの実施形態では、対象は約8歳~約18歳である。いくつかの実施形態では、対象は成人患者である。いくつかの実施形態では、対象は約18歳~約55歳である。いくつかの実施形態では、対象は約18歳~約50歳である。
【0180】
いくつかの実施形態では、ステロイドおよびCRF1アンタゴニストは同時に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドおよびCRF1アンタゴニストは1つの医薬組成物中で投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドおよびCRF1アンタゴニストは、別々の医薬組成物中で同時に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドおよびCRF1アンタゴニストは、連続して投与される。
【実施例】
【0181】
以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、いかなる方法でもその範囲を制限するように解釈されるべきではない。特に、処理条件は、典型的なものにすぎず、当業者によって容易に変更され得る。
【0182】
本明細書で他に示されない限り、または他に文脈によって明確に否定されない限り、本明細書に記載された方法はすべて、適切な順序で実行され得る。本明細書に提供される、あらゆるすべての例、または典型的な用語(例えば「など(such as)」)の使用は、本発明をより良く例示するように意図されているにすぎず、他に要求されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。別段の定めのない限り、本明細書で使用される技術的および科学的な用語は、本発明が属する当該技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0183】
実施例1-多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)および副腎アンドロゲンの上昇を有する対象におけるDHEASレベルの減少
副腎アンドロゲンの上昇、PCOS-FAH、またはPCOS-FAH+FOHを有する成人における化合物3の反復用量の安全性および有効性を評価する、二重盲検概念実証試験において化合物3を研究する。スクリーニング後、DHEASの上昇によって実証された副腎アンドロゲンの上昇を有する適格な対象を、化合物3の用量漸増群またはマッチングプラセボ群のいずれかに無作為化する。
【0184】
本試験は、期間1および2の持続時間が4週間であり、期間3の持続時間が8週間であり、合計16週間の治療期間を有する3期間試験として計画されている。化合物3の用量漸増群に無作為化された対象は、各治療期間内にDHEAS陽性反応基準を達成することに基づいて、50mg、100mg、または200mgの漸増用量で処置される。基準を満たさない対象には、その前の期間に次の最高用量まで用量が漸増される。基準を満たす対象は現在の用量レベルを維持する。プラセボ対象は、16週間の全期間を通じてプラセボのままである。
【0185】
集団は、約40人の患者で構成され、化合物3またはマッチングプラセボを最大16週間にわたって毎日受ける。化合物3は1日1回の経口用量として投与される。患者は、約2週間ごとに、PK/PDまたはPDのみの評価を受ける。最終投与から30日後にフォローアップのための外来診察が行われる。
【0186】
試験設計
・試験タイプ:介入
・主な目的:処置
・試験相:第2相
・介入試験モデル:無作為化
・群の数:2
・マスキング:試験薬のマスキング
・割り付け:無作為化(1:1)
・登録:40
【0187】
【0188】
評価項目
一次評価項目:
1.副腎アンドロゲンの上昇した患者における化合物3の安全性および耐容性(副作用、深刻な副作用、臨床検査パラメータなど)
[時間枠:16週]
副次的評価項目:
2.以下を有する対象の割合:
a.デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEAS)中のベースラインからの≧30%の変化
b.DHEAS<正常上限(ULN)
c.DHEAS<正常範囲の75パーセンタイル(Q3)
[時間枠:4週~最大16週]
3.化合物3の薬物動態学
[時間枠:4週]
探索的評価項目:
4.PDマーカーの変化:コルチゾール、ACTH、DHEAS、DHEA、A4、T、17-OHP、11OHA4、11OHT、11KA4、11KTの変化
[時間枠:最大16週]
適格性
・最低年齢:18歳
・最高年齢:30歳
・性別:女性のみ
・ジェンダーに基づく:はい
・健常なボランティアの容認:いいえ
・基準:包含
基準:
包含基準:
・18~30歳の女性の対象、包括的
・対象はNIH(1990)基準に従って実証されたPCOSを有していなければならない。
・BMI≦38kg/m2
・DHEASレベル>スクリーニング時の年齢にマッチした基準ULN
・スクリーニング中のACTH刺激へのDHEA反応性亢進の証拠
除外基準:
・BMI>38kg/m2を有する。
・PCOS-FOHを有する。
・HbA1c>6.5%、または、空腹時血漿グルコース>126mg/dLを有する。
・両側副腎摘出または下垂体機能低下症を含む病歴を有する。
・チルダセルフォント(tildacerfont)または他のCRF1受容体アンタゴニストに対してアレルギーまたは過敏症の病歴を有する。
・臨床的に有意な不安定な病状、病気、または慢性疾患
・臨床的に有意な制御されていない精神障害
・臨床的に有意な異常な検査所見または評価
・妊娠している女性または授乳中の女性
・30日以内に他の治験薬の使用
・試験手順を理解して従うことができないこと、リスクを理解することができないこと、書面によるインフォームドコンセントを提供する意思がないこと
【0189】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され、記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されているに過ぎないことが当業者に明らかであろう。本発明が明細書内で提供される特定の例によって制限されることは意図していない。本発明は前述の明細書に関して記載されているが、本明細書中の実施形態の記載および例示は、限定的な意味で解釈されることを意味していない。当業者であれば、多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく思いつくだろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書で説明された特定の描写、構成、または相対的な比率に限定されないことが理解されよう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。それゆえ、本発明は、任意のそのような代替物、修正物、変形物、または同等物にも及ぶものと企図される。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法、および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置を必要としている対象において機能性卵巣アンドロゲン過剰症および機能性副腎アンドロゲン過剰症を伴う多嚢胞性卵巣症候群(PCOS-FOH+FAH)を処置する方法であって、CRF
1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む、方法。
【請求項2】
前記CRF
1
アンタゴニストは式(I)の化合物
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、
R
1
とR
2
は独立してエチルまたはn-プロピルであり、
R
3
は水素、F、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、
R
4
は水素、Br、-NR
a
R
b
、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル、モルホリン-4-イル、
【化2】
であり、
R
a
とR
b
は独立して、水素、C
1
-C
3
アルキル、-CH
2
CH
2
NH
2
、-CH
2
CH
2
NHC(O)OC(CH
3
)
3
、または-CH
2
CH
2
NHCH
2
CH
2
CH
3
である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物は、
【化3】
またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記CRF
1
アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、アンタラルミン塩酸塩、CP-154,526、CP-376395塩酸塩、NBI 27914塩酸塩、NBI 35965塩酸塩、NGD 98-2塩酸塩、ペキサセルフォント、R 121919塩酸塩、SSR125543(クリネセルフォント)、およびSN003からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【国際調査報告】