(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-04
(54)【発明の名称】sBCMAバリアントおよびそのFC融合タンパク質
(51)【国際特許分類】
A61K 39/00 20060101AFI20230828BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20230828BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20230828BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20230828BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20230828BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20230828BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230828BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20230828BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20230828BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230828BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20230828BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230828BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20230828BHJP
C07K 14/47 20060101ALN20230828BHJP
C07K 16/00 20060101ALN20230828BHJP
C07K 19/00 20060101ALN20230828BHJP
【FI】
A61K39/00 H
C12N15/12
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/02 C
C12N15/62 Z
A61P35/00
A61P35/04
A61P43/00 111
A61K47/68
C07K14/47 ZNA
C07K16/00
C07K19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023510373
(86)(22)【出願日】2021-08-11
(85)【翻訳文提出日】2023-04-10
(86)【国際出願番号】 US2021045615
(87)【国際公開番号】W WO2022036009
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515158308
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジャッチャ, アマート ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ミアオ, ユー
(72)【発明者】
【氏名】タッカー, カウシク
(72)【発明者】
【氏名】水野 和恵
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064AG31
4B064CA02
4B064CA05
4B064CA06
4B064CA08
4B064CA10
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA01X
4B065AA01Y
4B065AA57X
4B065AA57Y
4B065AA72X
4B065AA72Y
4B065AA83X
4B065AA83Y
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA25
4B065CA44
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE59
4C076FF70
4C085AA02
4C085BB01
4C085DD22
4C085EE01
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、新規なsBCMAバリアントおよびsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質、そのsBCMAバリアントおよび/またはsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、そのsBCMAバリアントおよび/またはsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を生成する方法、ならびにそのsBCMAバリアントおよび/またはsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を含む組成物を、例えば、例えば、腫瘍/がん、免疫調節性障害などの疾患を処置することにおいて、使用する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1と比較して少なくとも1アミノ酸置換を含むバリアント可溶性B細胞成熟抗原(sBCMA)を含む組成物であって、該アミノ酸置換は、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、14、16、19、20、22、23、25、26、29、31、32、35、36、38、39、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、および54からなる群より選択される位置番号にあり、該番号付けはEUインデックスに従う、組成物。
【請求項2】
前記バリアントsBCMAが配列番号1に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アミノ酸置換が、前記位置のうちの1個、前記位置のうちの2個、前記位置のうちの3個、前記位置のうちの4個、前記位置のうちの5個、前記位置のうちの6個、前記位置のうちの7個、前記位置のうちの8個、または前記位置のうちの9個で生じている、前述の請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
前記アミノ酸置換が、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36A、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される、前述の請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記アミノ酸置換が、M1V、L2S、Q3P、M4T、S9P、N11D、S16G、H19Y、N31S、N31D、T32I、T36A、R39H、N47S、K50E、およびN53Eからなる群より選択される、前述の請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記アミノ酸置換が、S16G、H19YおよびT36Aからなる群より選択される、前述の請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記アミノ酸置換が、L2S/S9P/E12K/N31D/T36A/N42S/N53S、M1V/T32P/T36A/T46I/N53D/A54V、Q3R/S16N/T36A/A43T、F14L/S16G/T36A/V45A/N47D、M1T/M4V/S9F/S16G/T32A/Q38R、M1A/S9A/Q38R、G6E/Q25R/Q38R、M1V/M4I/G6E/S9P/N11D/V49M/T52M/A54V、N11D/S16G/N31S、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、G6E/Q7R/H19Y/L35S、H19Y/N42D/S48P/T52A、M1V/N31D/T32I/T36A、M1V/A5T/H19L/T36A、M1T/N31D/T32A/T36A/Q38R/S44D/V49A/K50E、M1V/T36A/Q38R/A43V、M1V/L2S/S9P/Q10H/T36A/Q38R/K50G、T36A/Q38R/N53S、M1T/L2S/L35P/T36A/Q38R/T46A/K50R、A5T/A20V/T36A/Q38R、M1T/S16G/I22V/T36A/S44G/T46A/V49A、S16G/T36A、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、M1C/L2C/Q3R/M4E/N11D/S16G/T36P、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、N11D/N31D/T32I/T36A/S44N/N47D/N53D、M1R/L2C/Q3R、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T32I/T36A/V49A、H19Y/N31S/T36A/V45A、H19Y/N31S/T36A、H19Y/T36P/T52A、H19Y/N31D/T52M、M1V/H19Y/V45M、S16G/H19Y/N47D、S16G/H19Y/K50T、S16G/H19Y/S44N/K50R、N11D/H19Y/S48T、S9P/N11D/S16R/T32A/Q38R/S44G/T46I/T52A/N53D/A54T、N11D/S16G/S44R、H19L/T32A/S44G/G51E/T52A、S16N/H19Y/T36A/K50R、M1V/H19Y/T36A/R39H/T46A、M1V/H19Y/T36A、H19Y/T36A/N42D/N47S/S48P、M1V/H19Y/T36A/S44G/N47D、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、H19Y/L35P/T36A/N42D/T46I/V49A、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、M1T/H19Y/T36A、M1V/S16N/H19Y/I22M/T36A、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、M1V/S9P/Q10P/S16G/H19Y/L26F/T36A/A43V/N53D、S16G/H19Y/T36A/V49A/N53D、S16G/T36A/A43T/S44G/V45M、M4V/S9P/S16G/T36A/Q38R、S9P/N11S/S16G/T36A/Q38R、N11D/E12K/S16R/T36A/T52M、M4V/T32I/T36A/Q38R/A43T/V45A/S48P、S9P/N11D/S16G/Q25R、M1T/A5T/S9P/S16G/Q25R/N31D/V49M、L2S/S9P/S16G/A20T/T32I/Q38R/N42D/T46A/S48L、S16G/Q25R/T46A、G6E/S9A/S16G/Q25R/N31D/N47S/T52M、H19Y/Q38R/T52M、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、S16G/H19Y/T36A、S16G/H19Y/T36A/N53D、S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/N11D/T36A、M1V/L2S/M4T/H19Y/T36I/V45A/V49M、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/S9P/Q10R/H19Y/T36A/T46A/N47S、M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36A、M1V/M4T/T36A/Q38R/N53K、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、M1T/N31D/T32A/T36A/A38R/S44D/V49A/K50E、M1T/S9P/P23S/Q38R/N42S/S48P/V49A/A54V、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T36A、およびM4T/T36A/Q38R/N42S/S44G/T46A/N47K/S48P/T52Aからなる群より選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記バリアントsBCMAが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36Aと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記バリアントsBCMAが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36A/N53Dと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記バリアントsBCMAが、アミノ酸置換S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53Dと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記バリアントsBCMAが、アミノ酸置換Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50Eと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記バリアントsBCMAが、アミノ酸置換M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36Aと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、L2C、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31S、T32A、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記バリアントsBCMAが配列番号67に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記バリアントsBCMAが配列番号68に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記バリアントsBCMAが配列番号69に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記バリアントsBCMAが配列番号49に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記バリアントsBCMAが配列番号74に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記バリアントsBCMAが配列番号67のアミノ酸配列を有する、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記バリアントsBCMAが配列番号68のアミノ酸配列を有する、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記バリアントsBCMAが配列番号69のアミノ酸配列を有する、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記バリアントsBCMAが配列番号49のアミノ酸配列を有する、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記バリアントsBCMAが配列番号74のアミノ酸配列を有する、請求項1~4および7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記バリアントsBCMAが、配列番号1と比較して増殖誘導リガンド(APRIL)またはTNFファミリーのB細胞活性化因子(BAFF)に対する増強した結合親和性を示す、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記バリアントsBCMAが、配列番号1と比較してAPRILおよびBAFFに対する増強した結合親和性を示す、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
前述の請求項のいずれか一項に記載のバリアントsBCMAをコードする核酸。
【請求項26】
請求項25に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項27】
請求項25に記載の核酸または請求項26に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項28】
バリアントsBCMAタンパク質を生成する方法であって、
a)前記Fc融合タンパク質が発現される条件下で請求項27に記載の宿主細胞を培養する工程;および
b)該バリアントsBCMAタンパク質を回収する工程
を含む、方法。
【請求項29】
sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を含む組成物であって、該融合タンパク質は、
a)配列番号1と比較して少なくとも1アミノ酸置換を含むバリアントsBCMAドメインであって、該アミノ酸置換は、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、14、16、19、20、22、23、25、26、29、31、32、35、36、38、39、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、および54からなる群より選択される位置番号にあり、該番号付けはEUインデックスに従う、バリアントsBCMAドメイン;
b)必要に応じたリンカー;ならびに
c)Fcドメイン
を含む、組成物。
【請求項30】
前記融合タンパク質が、N末端側からC末端側へ、
a)前記バリアントsBCMAドメイン;
b)前記必要に応じたリンカー;および
c)前記Fcドメイン
を含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記融合タンパク質が、N末端側からC末端側へ、
a)前記Fcドメイン;
b)前記必要に応じたリンカー;および
c)前記バリアントsBCMAドメイン
を含む、請求項29に記載の組成物。
【請求項32】
前記バリアントsBCMAが配列番号1に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性を有する、請求項29~31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
前記アミノ酸置換が、前記位置のうちの1個、前記位置のうちの2個、前記位置のうちの3個、前記位置のうちの4個、前記位置のうちの5個、前記位置のうちの6個、前記位置のうちの7個、前記位置のうちの8個、または前記位置のうちの9個で生じている、請求項29~32のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項34】
前記アミノ酸置換が、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36A、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される、請求項29~33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
前記アミノ酸置換が、M1V、L2S、Q3P、M4T、S9P、N11D、S16G、H19Y、N31S、N31D、T32I、T36A、R39H、N47S、K50E、およびN53Eからなる群より選択される、請求項29~34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項36】
前記アミノ酸置換が、S16G、H19YおよびT36Aからなる群より選択される、請求項29~35のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
前記アミノ酸置換が、L2S/S9P/E12K/N31D/T36A/N42S/N53S、M1V/T32P/T36A/T46I/N53D/A54V、Q3R/S16N/T36A/A43T、F14L/S16G/T36A/V45A/N47D、M1T/M4V/S9F/S16G/T32A/Q38R、M1A/S9A/Q38R、G6E/Q25R/Q38R、M1V/M4I/G6E/S9P/N11D/V49M/T52M/A54V、N11D/S16G/N31S、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、G6E/Q7R/H19Y/L35S、H19Y/N42D/S48P/T52A、M1V/N31D/T32I/T36A、M1V/A5T/H19L/T36A、M1T/N31D/T32A/T36A/Q38R/S44D/V49A/K50E、M1V/T36A/Q38R/A43V、M1V/L2S/S9P/Q10H/T36A/Q38R/K50G、T36A/Q38R/N53S、M1T/L2S/L35P/T36A/Q38R/T46A/K50R、A5T/A20V/T36A/Q38R、M1T/S16G/I22V/T36A/S44G/T46A/V49A、S16G/T36A、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、M1C/L2C/Q3R/M4E/N11D/S16G/T36P、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、N11D/N31D/T32I/T36A/S44N/N47D/N53D、M1R/L2C/Q3R、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T32I/T36A/V49A、H19Y/N31S/T36A/V45A、H19Y/N31S/T36A、H19Y/T36P/T52A、H19Y/N31D/T52M、M1V/H19Y/V45M、S16G/H19Y/N47D、S16G/H19Y/K50T、S16G/H19Y/S44N/K50R、N11D/H19Y/S48T、S9P/N11D/S16R/T32A/Q38R/S44G/T46I/T52A/N53D/A54T、N11D/S16G/S44R、H19L/T32A/S44G/G51E/T52A、S16N/H19Y/T36A/K50R、M1V/H19Y/T36A/R39H/T46A、M1V/H19Y/T36A、H19Y/T36A/N42D/N47S/S48P、M1V/H19Y/T36A/S44G/N47D、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、H19Y/L35P/T36A/N42D/T46I/V49A、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、M1T/H19Y/T36A、M1V/S16N/H19Y/I22M/T36A、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、M1V/S9P/Q10P/S16G/H19Y/L26F/T36A/A43V/N53D、S16G/H19Y/T36A/V49A/N53D、S16G/T36A/A43T/S44G/V45M、M4V/S9P/S16G/T36A/Q38R、S9P/N11S/S16G/T36A/Q38R、N11D/E12K/S16R/T36A/T52M、M4V/T32I/T36A/Q38R/A43T/V45A/S48P、S9P/N11D/S16G/Q25R、M1T/A5T/S9P/S16G/Q25R/N31D/V49M、L2S/S9P/S16G/A20T/T32I/Q38R/N42D/T46A/S48L、S16G/Q25R/T46A、G6E/S9A/S16G/Q25R/N31D/N47S/T52M、H19Y/Q38R/T52M、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、S16G/H19Y/T36A、S16G/H19Y/T36A/N53D、S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/N11D/T36A、M1V/L2S/M4T/H19Y/T36I/V45A/V49M、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/S9P/Q10R/H19Y/T36A/T46A/N47S、M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36A、M1V/M4T/T36A/Q38R/N53K、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、M1T/N31D/T32A/T36A/A38R/S44D/V49A/K50E、M1T/S9P/P23S/Q38R/N42S/S48P/V49A/A54V、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T36A、およびM4T/T36A/Q38R/N42S/S44G/T46A/N47K/S48P/T52Aからなる群より選択される、請求項29~34のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
前記バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36Aと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項39】
前記バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36A/N53Dと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
前記バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53Dと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項41】
前記バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50Eと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
前記バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36Aと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、L2C、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31S、T32A、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
前記バリアントsBCMAドメインが配列番号67に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
前記バリアントsBCMAドメインが配列番号68に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
前記バリアントsBCMAドメインが配列番号69に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
前記バリアントsBCMAドメインが配列番号49に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
前記バリアントsBCMAドメインが配列番号74に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項48】
前記バリアントsBCMAドメインが配列番号67のアミノ酸配列を有する、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項49】
前記バリアントsBCMAドメインが配列番号68のアミノ酸配列を有する、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項50】
前記バリアントsBCMAドメインが配列番号69のアミノ酸配列を有する、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項51】
前記バリアントsBCMAドメインが配列番号49のアミノ酸配列を有する、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項52】
前記バリアントsBCMAドメインが配列番号74のアミノ酸配列を有する、請求項29~34および37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
前記バリアントsBCMAドメインが、配列番号1と比較してAPRILまたはBAFFに対する増強した結合親和性を示す、請求項29~52のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項54】
前記バリアントsBCMAドメインが、配列番号1と比較してAPRILおよびBAFFに対する増強した結合親和性を示す、請求項29~52のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項55】
前記FcドメインがヒトIgG FcドメインまたはバリアントヒトIgG Fcドメインである、請求項29~54のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項56】
前記ヒトIgG FcドメインがヒトIgG1のヒンジ-CH2-CH3を含む、請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
前記FcドメインがバリアントヒトIgG Fcドメインである、請求項55に記載の組成物。
【請求項58】
前記リンカーが配列番号87である、請求項29~57のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項59】
前記リンカーが、(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、および(GGGS)nからなる群より選択され、nは1、2、3、4および5からなる群より選択される、請求項29~57のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項60】
前記リンカーが配列番号88である、請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
前記sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が配列番号80のアミノ酸配列を有する、請求項29、30、32~34、37、55、および60のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項62】
前記sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が配列番号81のアミノ酸配列を有する、請求項29、30、32~34、37、55、および60のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項63】
前記sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が配列番号82のアミノ酸配列を有する、請求項29、30、32~34、37、55、および60のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項64】
前記sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が配列番号83のアミノ酸配列を有する、請求項29、30、32~34、37、55、および60のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項65】
前記sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が配列番号84のアミノ酸配列を有する、請求項29、30、32~34、37、55、および60のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項66】
請求項29~65のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする核酸。
【請求項67】
請求項66に記載の核酸を含む発現ベクター。
【請求項68】
請求項66に記載の核酸または請求項67に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項69】
sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を生成する方法であって、
a)該融合タンパク質が発現される条件下で請求項68に記載の宿主細胞を培養する工程;および
b)該融合タンパク質を回収する工程
を含む、方法。
【請求項70】
対象においてAPRILを発現する腫瘍を処置するか、該APRILを発現する腫瘍の転移もしくは浸潤を減少または予防する方法であって、
該対象に治療有効用量の1またはそれ以上の請求項29~65のいずれか一項に記載の融合タンパク質を投与する工程
を含む、方法。
【請求項71】
APRILを発現する腫瘍を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法であって、
該対象に治療有効用量の1またはそれ以上の請求項29~65のいずれか一項に記載の融合タンパク質を投与する工程
を含む、方法。
【請求項72】
対象においてB細胞増殖、免疫グロブリン産生、またはそれらの両方を阻害する方法であって、
該対象に治療有効用量の1またはそれ以上の請求項29~65のいずれか一項に記載の融合タンパク質を投与する工程
を含み、前記バリアントsBCMAドメインはBAFFに結合する、方法。
【請求項73】
BCMAと、BAFFRと、TACIと、BAFFへの結合を介して活性化される他のレセプターとからなる群より選択される少なくとも1つのレセプターを発現する自己免疫疾患を対象において処置する方法であって、
該対象に治療有効用量の1またはそれ以上の請求項29~65のいずれか一項に記載の融合タンパク質を投与する工程
を含む、方法。
【請求項74】
BAFFおよび/またはAPRILを発現する自己免疫疾患を対象において処置する方法であって、
該対象に治療有効用量の1またはそれ以上の請求項29~65のいずれか一項に記載の融合タンパク質を投与する工程
を含む、方法。
【請求項75】
BCMA、BAFFRおよび/またはTACIを発現する線維症を対象において処置する方法であって、
該対象に治療有効用量の1またはそれ以上の請求項29~65のいずれか一項に記載の融合タンパク質を投与する工程
を含む、方法。
【請求項76】
BAFFおよび/またはAPRILを発現する線維症を対象において処置する方法であって、
該対象に治療有効用量の1またはそれ以上の請求項29~65のいずれか一項に記載の融合タンパク質を投与する工程
を含む、方法。
【請求項77】
前記腫瘍が血液がんである、請求項70または請求項71に記載の方法。
【請求項78】
前記血液がんが多発性骨髄腫である、請求項77に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(配列表)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子提出されており本明細書によりその全体が参照によって援用される、配列表を含む。2020年8月11日に作成された当該ASCIIコピーは、121076-5004-PR_ST25.txtという名前であり、サイズは60.0バイトである。
【0002】
(I.発明の分野)
本発明は、可溶性B細胞成熟抗原(sBCMA)バリアントおよびsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質、そのsBCMAバリアントおよび/またはsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、そのsBCMAバリアントおよび/またはsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を生成する方法、ならびにそのsBCMAバリアントおよび/またはsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を含む組成物を、例えば、腫瘍/がん、免疫調節性障害、線維症などの疾患を処置することにおいて、使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(II.発明の背景)
腫瘍壊死因子(「TNF」)ファミリーは、TNFファミリーリガンドおよびTNFファミリーレセプターと呼ばれる、リガンドとそれらの特異的レセプターとの対からなる(Bazzoniら、N.Engl.J.Med.、1996、334(26):1717)。そのファミリーは、免疫系およびおそらくは他の非免疫学的系の調節に関与する。TNFファミリーシグナル伝達の調節は、その後の多数の事象をもたらし得る。TNFは、細胞輸送、特定の細胞を特定の区画へ駆動するためのケモカイン産生、および種々のエフェクター細胞のプライミングに関与する接着分子の提示変化を含む、外敵の侵入に対する生物の全般的防御的炎症応答を開始し得る。従って、これらの経路の調節は、臨床的可能性を有する(US9,650,430B2)。
【0004】
B細胞成熟抗原(BCMA)は、腫瘍壊死因子レセプタースーパーファミリーメンバーのメンバーである。BCMAの細胞外ドメインのアミノ酸配列が、
図7において示される。例えば、BCMAは、増殖誘導リガンド(A Proliferation Inducing Ligand)(APRIL)およびTNFファミリーのβ細胞活性化因子(BAFF)に対するレセプターである。抗体薬物複合体(ADC)が挙げられる抗BCMA抗体が、初期試験においてがんの処置において初期の成功を示しており、BCMA二重特異性T細胞誘導抗体、およびBCMAを使用するCAR-T構築物もまた、同様である。
【0005】
APRILは、WO99 12965およびUS7,276,241B2(これらは本明細書において参照により援用される)において以前に記載されている。APRILの細胞外ドメインのアミノ酸配列が、
図7において示される。APRILの発現研究および機能研究は、このタンパク質が、腫瘍細胞によって利用されて迅速な増殖を誘導することを示唆する。さらに、APRILは、他の疾患状況において、例えば、一部の自己免疫疾患(例えば、ループス)に関連して生じる細胞増殖性疾患などの細胞増殖性疾患において、または細胞集団が迅速に増殖する炎症性疾患(例えば、細菌性敗血症)において、作用し得る(US7,276,241B2)。
【0006】
BAFFは、WO/0012964およびUS9,650,430B2(これらは本明細書において参照により援用される)において以前に記載されている。BAFFの細胞外ドメインのアミノ酸配列が、
図7において示される。BAFFは、B細胞に関する細胞の生存および成熟の因子であり、BAFFの過剰産生は、全身性自己免疫疾患と関連する。ヒトにおいて、高レベルのBAFFが、自己免疫リウマチ性疾患(特に、全身性エリテマトーデスおよびシェーグレン症候群)を有する患者のうちの一定の割合の血液において検出可能である(Groomら、J.Clin.Invest.、2002、109:59;Zhangら、J.Immunol.、2001、166:6;Cheemaら、Arthritis Rheum.、2001、44:1313(これらはすべて本明細書において参照により援用される))。BAFFはまた、T細胞に対する有効な共刺激分子であり、この共刺激は、もっぱらBAFF-Rを介して生じる(Ngら、J.Immunol.、2004、173:807(本明細書において参照により援用される))。
【0007】
腫瘍壊死因子レセプタースーパーファミリーメンバー13B(TNFRSF13B)としても公知である、膜貫通性活性化因子およびCAML相互作用子(transmembrane activator and CAML interactor)(TACI)は、III型膜貫通タンパク質である。いくつかのタンパク質(BAFF/BLys、APRIL、Syndecan-2)が、TACIリガンドとして同定されている。TACIとそのリガンドとの相互作用は、転写因子NFAT、AP1、およびNF-κBの活性化を誘導し、それは、B細胞の増殖および生存の調節によって液性免疫において重要な役割を果たす。TACIによるB細胞の活性化は、それらの分化および成熟(抗体アイソタイプスイッチを含む)、ならびにT細胞非依存性抗体産生をもたらす(Chinenら、J Allergy Clin Immunol.、2011、127(6):1579(本明細書において参照により援用される))。
APRILおよびBAFFは、レセプター(例えば、BCMA、BAFFレセプター(BAFFR)およびTACI)に結合し得、従って、中和APRILおよび/または中和BAFFが、BCMA、BAFFRおよび/またはTACIを介して変化したシグナル伝達経路から生じる疾患((例えば、がん、自己免疫疾患および線維症)を処置するために使用され得る。
がん、免疫調節性障害および線維性障害に対する現在の処置は、乏しい有効性、サバイバーシップに対する低い影響、重篤な副作用を引き起こす毒性、またはそれらの組合せが原因で、多くの疾患型にとっては不十分である。従って、重篤な副作用を誘導することなく有効性を提供し得る、がんおよび/または免疫調節性障害を処置するためのさらなる方法を同定および開発する必要性が、存在する。本発明は、この必要性および他の必要性を満たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第9,650,430号明細書
【特許文献2】国際公開第99/012965号
【特許文献3】米国特許第7,276,241号明細書
【特許文献4】米国特許第9,650,430号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Bazzoniら、N.Engl.J.Med.、1996、334(26):1717
【非特許文献2】Groomら、J.Clin.Invest.、2002、109:59
【非特許文献3】Zhangら、J.Immunol.、2001、166:6
【非特許文献4】Cheemaら、Arthritis Rheum.、2001、44:1313
【非特許文献5】Ngら、J.Immunol.、2004、173:807
【非特許文献6】Chinenら、J Allergy Clin Immunol.、2011、127(6):1579
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
改善した特性(例えば、APRILおよび/またはBAFFに対する増加した結合親和性など)を有するsBCMAバリアントまたはsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質ならびにそのようなsBCMAバリアントおよび/またはそのFc融合タンパク質を生成する方法ならびにがんおよび/または免疫調節性障害を有する患者を処置することにおいてそのようなsBCMAバリアントおよび/またはそのFc融合タンパク質を使用する方法を提供することが、本発明の目的である。
【0011】
(III.発明の要旨)
本発明は、特に、sBCMAバリアントおよびそのFc融合タンパク質、そのsBCMAバリアントおよび/またはそのFc融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、そのsBCMAバリアントおよび/またはそのFc融合タンパク質を生成する方法、ならびにそのsBCMAバリアントおよび/またはそのFc融合タンパク質を、特に疾患(例えば、がんまたは免疫調節性障害)を処置するために、使用する方法を提供する。一部の実施形態において、そのsBCMAバリアントは、がんまたは免疫調節性適用を処置するために使用される。一部の実施形態において、そのsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、がんまたは免疫調節性適用を処置するために使用される。
【0012】
一つの局面では、本発明は、配列番号1と比較して少なくとも1アミノ酸置換を含むバリアント可溶性B細胞成熟抗原(sBCMA)を含む組成物であって、アミノ酸置換は、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、14、16、19、20、22、23、25、26、29、31、32、35、36、38、39、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、および54からなる群より選択される位置番号にあり、番号付けはEUインデックスに従う、組成物を提供する。
【0013】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが配列番号1に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0014】
追加の局面では、本発明は、アミノ酸置換が、位置のうちの1個、位置のうちの2個、位置のうちの3個、位置のうちの4個、位置のうちの5個、位置のうちの6個、位置のうちの7個、位置のうちの8個、または位置のうちの9個で生じている、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0015】
追加の局面では、本発明は、アミノ酸置換が、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36A、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0016】
追加の局面では、本発明は、アミノ酸置換が、M1V、L2S、Q3P、M4T、S9P、N11D、S16G、H19Y、N31S、N31D、T32I、T36A、R39H、N47S、K50E、およびN53Eからなる群より選択される、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0017】
追加の局面では、本発明は、アミノ酸置換が、S16G、H19YおよびT36Aからなる群より選択される、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0018】
追加の局面では、本発明は、アミノ酸置換が、L2S/S9P/E12K/N31D/T36A/N42S/N53S、M1V/T32P/T36A/T46I/N53D/A54V、Q3R/S16N/T36A/A43T、F14L/S16G/T36A/V45A/N47D、M1T/M4V/S9F/S16G/T32A/Q38R、M1A/S9A/Q38R、G6E/Q25R/Q38R、M1V/M4I/G6E/S9P/N11D/V49M/T52M/A54V、N11D/S16G/N31S、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、G6E/Q7R/H19Y/L35S、H19Y/N42D/S48P/T52A、M1V/N31D/T32I/T36A、M1V/A5T/H19L/T36A、M1T/N31D/T32A/T36A/Q38R/S44D/V49A/K50E、M1V/T36A/Q38R/A43V、M1V/L2S/S9P/Q10H/T36A/Q38R/K50G、T36A/Q38R/N53S、M1T/L2S/L35P/T36A/Q38R/T46A/K50R、A5T/A20V/T36A/Q38R、M1T/S16G/I22V/T36A/S44G/T46A/V49A、S16G/T36A、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、M1C/L2C/Q3R/M4E/N11D/S16G/T36P、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、N11D/N31D/T32I/T36A/S44N/N47D/N53D、M1R/L2C/Q3R、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T32I/T36A/V49A、H19Y/N31S/T36A/V45A、H19Y/N31S/T36A、H19Y/T36P/T52A、H19Y/N31D/T52M、M1V/H19Y/V45M、S16G/H19Y/N47D、S16G/H19Y/K50T、S16G/H19Y/S44N/K50R、N11D/H19Y/S48T、S9P/N11D/S16R/T32A/Q38R/S44G/T46I/T52A/N53D/A54T、N11D/S16G/S44R、H19L/T32A/S44G/G51E/T52A、S16N/H19Y/T36A/K50R、M1V/H19Y/T36A/R39H/T46A、M1V/H19Y/T36A、H19Y/T36A/N42D/N47S/S48P、M1V/H19Y/T36A/S44G/N47D、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、H19Y/L35P/T36A/N42D/T46I/V49A、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、M1T/H19Y/T36A、M1V/S16N/H19Y/I22M/T36A、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、M1V/S9P/Q10P/S16G/H19Y/L26F/T36A/A43V/N53D、S16G/H19Y/T36A/V49A/N53D、S16G/T36A/A43T/S44G/V45M、M4V/S9P/S16G/T36A/Q38R、S9P/N11S/S16G/T36A/Q38R、N11D/E12K/S16R/T36A/T52M、M4V/T32I/T36A/Q38R/A43T/V45A/S48P、S9P/N11D/S16G/Q25R、M1T/A5T/S9P/S16G/Q25R/N31D/V49M、L2S/S9P/S16G/A20T/T32I/Q38R/N42D/T46A/S48L、S16G/Q25R/T46A、G6E/S9A/S16G/Q25R/N31D/N47S/T52M、H19Y/Q38R/T52M、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、S16G/H19Y/T36A、S16G/H19Y/T36A/N53D、S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/N11D/T36A、M1V/L2S/M4T/H19Y/T36I/V45A/V49M、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/S9P/Q10R/H19Y/T36A/T46A/N47S、M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36A、M1V/M4T/T36A/Q38R/N53K、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、M1T/N31D/T32A/T36A/A38R/S44D/V49A/K50E、M1T/S9P/P23S/Q38R/N42S/S48P/V49A/A54V、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T36A、およびM4T/T36A/Q38R/N42S/S44G/T46A/N47K/S48P/T52Aからなる群より選択される、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0019】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36Aと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0020】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36A/N53Dと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0021】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが、アミノ酸置換S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53Dと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0022】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが、アミノ酸置換Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50Eと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0023】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが、アミノ酸置換M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36Aと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、L2C、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31S、T32A、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0024】
さらなる局面では、本発明は、バリアントsBCMAが配列番号67に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0025】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが配列番号68に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0026】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが配列番号69に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0027】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが配列番号49に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0028】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが配列番号74に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0029】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが配列番号67のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0030】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが配列番号68のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0031】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが配列番号69のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0032】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが配列番号49のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0033】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが配列番号74のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0034】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが、配列番号1と比較して増殖誘導リガンド(APRIL)またはTNFファミリーのB細胞活性化因子(BAFF)に対する増強した結合親和性を示す、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0035】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが、配列番号1と比較してAPRILおよびBAFFに対する増強した結合親和性を示す、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0036】
さらなる局面では、本発明は、本明細書に記載されるバリアントsBCMAタンパク質をコードする核酸を提供する。
【0037】
さらなる局面では、本発明は、本明細書に記載される核酸を含む発現ベクターを提供する。
【0038】
さらなる局面では、本発明は、本明細書に記載される核酸または発現ベクターを含む、宿主細胞を提供する。
【0039】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAタンパク質を生成する方法であって、a)Fc融合タンパク質が発現される条件下で本明細書に記載される宿主細胞を培養する工程;およびb)バリアントsBCMAタンパク質を回収する工程を含む、方法を提供する。
【0040】
さらなる局面では、本発明は、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を含む組成物であって、融合タンパク質は、
a)配列番号1と比較して少なくとも1アミノ酸置換を含むバリアントsBCMAドメインであって、アミノ酸置換は、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、14、16、19、20、22、23、25、26、29、31、32、35、36、38、39、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、および54からなる群より選択される位置番号にあり、番号付けはEUインデックスに従う、バリアントsBCMAドメイン;
b)必要に応じたリンカー;ならびに
c)Fcドメイン
を含む、組成物を提供する。
【0041】
追加の局面では、本発明は、融合タンパク質が、N末端側からC末端側へ、
a)バリアントsBCMAドメイン;
b)必要に応じたリンカー;および
c)Fcドメイン
を含む、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0042】
さらなる局面では、本発明は、融合タンパク質が、N末端側からC末端側へ、
a)Fcドメイン;
b)必要に応じたリンカー;および
c)バリアントsBCMAドメイン
を含む、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0043】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAが配列番号1に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0044】
さらなる局面では、本発明は、アミノ酸置換が、位置のうちの1個、位置のうちの2個、位置のうちの3個、位置のうちの4個、位置のうちの5個、位置のうちの6個、位置のうちの7個、位置のうちの8個、または位置のうちの9個で生じている、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0045】
追加の局面では、本発明は、アミノ酸置換が、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36A、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0046】
さらなる局面では、本発明は、アミノ酸置換が、M1V、L2S、Q3P、M4T、S9P、N11D、S16G、H19Y、N31S、N31D、T32I、T36A、R39H、N47S、K50E、およびN53Eからなる群より選択される、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0047】
追加の局面では、本発明は、アミノ酸置換が、S16G、H19YおよびT36Aからなる群より選択される、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0048】
さらなる局面では、本発明は、アミノ酸置換が、L2S/S9P/E12K/N31D/T36A/N42S/N53S、M1V/T32P/T36A/T46I/N53D/A54V、Q3R/S16N/T36A/A43T、F14L/S16G/T36A/V45A/N47D、M1T/M4V/S9F/S16G/T32A/Q38R、M1A/S9A/Q38R、G6E/Q25R/Q38R、M1V/M4I/G6E/S9P/N11D/V49M/T52M/A54V、N11D/S16G/N31S、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、G6E/Q7R/H19Y/L35S、H19Y/N42D/S48P/T52A、M1V/N31D/T32I/T36A、M1V/A5T/H19L/T36A、M1T/N31D/T32A/T36A/Q38R/S44D/V49A/K50E、M1V/T36A/Q38R/A43V、M1V/L2S/S9P/Q10H/T36A/Q38R/K50G、T36A/Q38R/N53S、M1T/L2S/L35P/T36A/Q38R/T46A/K50R、A5T/A20V/T36A/Q38R、M1T/S16G/I22V/T36A/S44G/T46A/V49A、S16G/T36A、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、M1C/L2C/Q3R/M4E/N11D/S16G/T36P、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、N11D/N31D/T32I/T36A/S44N/N47D/N53D、M1R/L2C/Q3R、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T32I/T36A/V49A、H19Y/N31S/T36A/V45A、H19Y/N31S/T36A、H19Y/T36P/T52A、H19Y/N31D/T52M、M1V/H19Y/V45M、S16G/H19Y/N47D、S16G/H19Y/K50T、S16G/H19Y/S44N/K50R、N11D/H19Y/S48T、S9P/N11D/S16R/T32A/Q38R/S44G/T46I/T52A/N53D/A54T、N11D/S16G/S44R、H19L/T32A/S44G/G51E/T52A、S16N/H19Y/T36A/K50R、M1V/H19Y/T36A/R39H/T46A、M1V/H19Y/T36A、H19Y/T36A/N42D/N47S/S48P、M1V/H19Y/T36A/S44G/N47D、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、H19Y/L35P/T36A/N42D/T46I/V49A、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、M1T/H19Y/T36A、M1V/S16N/H19Y/I22M/T36A、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、M1V/S9P/Q10P/S16G/H19Y/L26F/T36A/A43V/N53D、S16G/H19Y/T36A/V49A/N53D、S16G/T36A/A43T/S44G/V45M、M4V/S9P/S16G/T36A/Q38R、S9P/N11S/S16G/T36A/Q38R、N11D/E12K/S16R/T36A/T52M、M4V/T32I/T36A/Q38R/A43T/V45A/S48P、S9P/N11D/S16G/Q25R、M1T/A5T/S9P/S16G/Q25R/N31D/V49M、L2S/S9P/S16G/A20T/T32I/Q38R/N42D/T46A/S48L、S16G/Q25R/T46A、G6E/S9A/S16G/Q25R/N31D/N47S/T52M、H19Y/Q38R/T52M、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、S16G/H19Y/T36A、S16G/H19Y/T36A/N53D、S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/N11D/T36A、M1V/L2S/M4T/H19Y/T36I/V45A/V49M、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/S9P/Q10R/H19Y/T36A/T46A/N47S、M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36A、M1V/M4T/T36A/Q38R/N53K、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、M1T/N31D/T32A/T36A/A38R/S44D/V49A/K50E、M1T/S9P/P23S/Q38R/N42S/S48P/V49A/A54V、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T36A、およびM4T/T36A/Q38R/N42S/S44G/T46A/N47K/S48P/T52Aからなる群より選択される、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0049】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36Aと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0050】
さらなる局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36A/N53Dと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0051】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53Dと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0052】
さらなる局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50Eと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0053】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが、アミノ酸置換M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36Aと、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、L2C、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31S、T32A、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群より選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換とを含む、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0054】
さらなる局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが配列番号67に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0055】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが配列番号68に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0056】
さらなる局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが配列番号69に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0057】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが配列番号49に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0058】
さらなる局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが配列番号74に対して少なくとも90%の配列同一性を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0059】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが配列番号67のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0060】
さらなる局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが配列番号68のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0061】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが配列番号69のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0062】
さらなる局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが配列番号49のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0063】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが配列番号74のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0064】
さらなる局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが、配列番号1と比較してAPRILまたはBAFFに対する増強した結合親和性を示す、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0065】
追加の局面では、本発明は、バリアントsBCMAドメインが、配列番号1と比較してAPRILおよびBAFFに対する増強した結合親和性を示す、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0066】
さらなる局面では、本発明は、FcドメインがヒトIgG FcドメインまたはバリアントヒトIgG Fcドメインである、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0067】
追加の局面では、本発明は、ヒトIgG FcドメインがヒトIgG1のヒンジ-CH2-CH3を含む、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0068】
さらなる局面では、本発明は、FcドメインがバリアントヒトIgG Fcドメインである、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0069】
さらなる局面では、本発明は、リンカーが配列番号87である、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0070】
追加の局面では、本発明は、リンカーが、(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、および(GGGS)nからなる群より選択され、nは1、2、3、4および5からなる群より選択される、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0071】
さらなる局面では、本発明は、リンカーがGGGGS(配列番号88)である、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0072】
追加の局面では、本発明は、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が配列番号80のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0073】
さらなる局面では、本発明は、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が配列番号81のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0074】
追加の局面では、本発明は、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が配列番号82のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0075】
さらなる局面では、本発明は、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が配列番号83のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0076】
追加の局面では、本発明は、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質が配列番号84のアミノ酸配列を有する、本明細書に記載される組成物を提供する。
【0077】
追加の局面では、本発明は、本明細書に記載される融合タンパク質をコードする核酸を提供する。
【0078】
さらなる局面では、本発明は、本明細書に記載される核酸を含む発現ベクターを提供する。
【0079】
追加の局面では、本発明は、本明細書に記載される核酸または本明細書に記載される発現ベクターを含む、宿主細胞を提供する。
【0080】
さらなる局面では、本発明は、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を生成する方法であって、a)融合タンパク質が発現される条件下で本明細書に記載される宿主細胞を培養する工程;およびb)融合タンパク質を回収する工程を含む、方法を提供する。
【0081】
追加の局面では、本発明は、対象においてAPRILを発現する腫瘍を処置するか、APRILを発現する腫瘍の転移もしくは浸潤を減少または予防する方法であって、対象に治療有効用量の1またはそれ以上の本明細書に記載される融合タンパク質を投与する工程を含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本明細書に開示される腫瘍は血液がんである。一部の実施形態では、本明細書に開示される血液がんは多発性骨髄腫である。
【0082】
さらなる局面では、本発明は、APRILを発現する腫瘍を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法であって、対象に治療有効用量の1またはそれ以上の本明細書に記載される融合タンパク質を投与する工程を含む、方法を提供する。一部の実施形態では、本明細書に開示される腫瘍は血液がんである。一部の実施形態では、本明細書に開示される血液がんは多発性骨髄腫である。
【0083】
追加の局面では、本発明は、対象においてB細胞増殖、免疫グロブリン産生、またはそれらの両方を阻害する方法であって、対象に治療有効用量の1またはそれ以上の本明細書に記載される融合タンパク質を投与する工程を含み、バリアントsBCMAドメインはBAFFに結合する、方法を提供する。
【0084】
さらなる局面では、本発明は、BCMAと、BAFFRと、TACIと、BAFFへの結合を介して活性化される他のレセプターとからなる群より選択される少なくとも1つのレセプターを発現する自己免疫疾患を対象において処置する方法であって、対象に治療有効用量の1またはそれ以上の本明細書に記載される融合タンパク質を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0085】
追加の局面では、本発明は、BAFFおよび/またはAPRILを発現する自己免疫疾患を対象において処置する方法であって、対象に治療有効用量の1またはそれ以上の本明細書に記載される融合タンパク質を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0086】
追加の局面では、本発明は、BCMA、BAFFRおよび/またはTACIを発現する線維症を対象において処置する方法であって、対象に治療有効用量の1またはそれ以上の本明細書に記載される融合タンパク質を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0087】
さらなる局面では、本発明は、BAFFおよび/またはAPRILを発現する線維症を対象において処置する方法であって、対象に治療有効用量の1またはそれ以上の本明細書に記載される融合タンパク質を投与する工程を含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【
図1】
図1は、APRILに対するWT-BCMAの結合速度論を示す。APRILに対するWT-BCMAの結合についての結合アッセイは、32pMというKdを示す。
【0089】
【
図2】
図2は、BCMA酵母ディスプレイライブラリーについての種々のソート条件およびゲートを示す。
【0090】
【
図3-1】
図3A~3Dは、配列番号1において示される野生型ヒトBCMAの細胞外ドメインの配列と比較したsBCMAバリアントクローンの配列を示す。
図3Aは、S3クローン番号1~12の配列を示す。
図3Bは、S4クローン番号13~41の配列を示す。
図3Cは、S5クローン番号42~74の配列を示す。
図3Dは、S6クローン番号75~118の配列を示す。
【
図3-2】
図3A~3Dは、配列番号1において示される野生型ヒトBCMAの細胞外ドメインの配列と比較したsBCMAバリアントクローンの配列を示す。
図3Aは、S3クローン番号1~12の配列を示す。
図3Bは、S4クローン番号13~41の配列を示す。
図3Cは、S5クローン番号42~74の配列を示す。
図3Dは、S6クローン番号75~118の配列を示す。
【
図3-3】
図3A~3Dは、配列番号1において示される野生型ヒトBCMAの細胞外ドメインの配列と比較したsBCMAバリアントクローンの配列を示す。
図3Aは、S3クローン番号1~12の配列を示す。
図3Bは、S4クローン番号13~41の配列を示す。
図3Cは、S5クローン番号42~74の配列を示す。
図3Dは、S6クローン番号75~118の配列を示す。
【
図3-4】
図3A~3Dは、配列番号1において示される野生型ヒトBCMAの細胞外ドメインの配列と比較したsBCMAバリアントクローンの配列を示す。
図3Aは、S3クローン番号1~12の配列を示す。
図3Bは、S4クローン番号13~41の配列を示す。
図3Cは、S5クローン番号42~74の配列を示す。
図3Dは、S6クローン番号75~118の配列を示す。
【0091】
【
図4】
図4は、APRILに対する種々のsBCMAバリアントクローンについての結合曲線を示す。
【0092】
【
図5】
図5は、BAFFに対する種々のsBCMAバリアントクローンについての結合曲線を示す。
【0093】
【
図6】
図6は、配列番号80、配列番号81、配列番号82、配列番号83、および配列番号84において示されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質のアミノ酸配列を示す。バリアントsBCMAドメインに下線が付されており、リンカードメインは太字にされており、ヒトIgG1 Fcドメインはイタリック体である。
【0094】
【
図7】
図7は、野生型ヒトBCMAの細胞外ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)、APRILの細胞外ドメインのアミノ酸配列(配列番号85)、BAFFの細胞外ドメインのアミノ酸配列(配列番号86)、リンカードメインのアミノ酸配列(配列番号87)および別のリンカードメインのアミノ酸配列(配列番号88)を示す。
【0095】
【
図8-1】
図8Aおよび8Bは、MM1.R多発性骨髄腫マウスモデルに基づく腫瘍有効性研究(実施例5)における、腫瘍増殖曲線および末期腫瘍重量を示す。
図8Aは、1mg/kgおよび10mg/kgのsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質または1mg/kgおよび10mg/kgの野生型sBCMA Fcで処置したMM1.R多発性骨髄腫マウスモデルの腫瘍増殖曲線を示す。
図8Bは、処置群の各々における末期腫瘍重量を示す。
【
図8-2】
図8Aおよび8Bは、MM1.R多発性骨髄腫マウスモデルに基づく腫瘍有効性研究(実施例5)における、腫瘍増殖曲線および末期腫瘍重量を示す。
図8Aは、1mg/kgおよび10mg/kgのsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質または1mg/kgおよび10mg/kgの野生型sBCMA Fcで処置したMM1.R多発性骨髄腫マウスモデルの腫瘍増殖曲線を示す。
図8Bは、処置群の各々における末期腫瘍重量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0096】
(V.発明の詳細な説明)
本願発明の主題をより明確で正確に指摘するために、以下の定義が、以下の記載および添付の特許請求の範囲において使用される特定の用語について提供される。
【0097】
(A.序論)
本発明は、アミノ酸改変を含む可溶性形態のヒトBCMA(例えば、バリアントsBCMAタンパク質)の使用に関する。これらのバリアントsBCMAタンパク質は、BCMAリガンドであるヒトBAFFおよび/またはヒトAPRILのうちの1つまたは両方のいずれかに、野生型ヒトBCMAよりも強固な親和性で結合する。APRILおよびBAFFは、レセプター(例えば、BCMA、BAFFRおよびTACI)に結合し得、従って、中和APRILおよび/または中和BAFFが、BCMA、BAFFRおよび/またはTACIを介して変化したシグナル伝達経路から生じる疾患を処置するために、使用され得る。これらの疾患としては、がん、自己免疫疾患および線維症が挙げられる。中和APRIL単独が、高レベルのBCMAおよびTACIを発現するかまたはAPRILへの結合を介して活性化される高レベルの他のレセプターを発現する、がん、自己免疫疾患および線維症を処置することにおいて有効であり得る。中和BAFF単独が、BCMA、BAFFRおよびTACIを発現するか、またはBAFFへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現する、B細胞悪性疾患および自己免疫疾患を処置することにおいて有効であり得る。従って、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、リガンド(例えば、APRILおよび/またはBAFF)により強固に(従って優先的に)結合すること、従って、細胞表面のBCMA、BAFFRおよび/またはTACIと、APRILまたはBAFFとの間で別な様式で生じる正常なレセプターシグナル伝達を変化させることによって、BCMA、BAFFR、TACIを発現するか、ならびに/またはAPRILおよび/もしくはBAFFへの結合を介して活性化される他の任意のレセプターを発現する、がん、免疫調節性障害および/または線維症性疾患を処置するために使用され得る。
【0098】
さらに、一部の実施形態において、sBCMAバリアントは、概して血流から迅速に排出される小さいタンパク質であるので、本発明は、本明細書において議論されるように、sBCMAバリアントをヒトFcドメインまたはバリアントFcドメインに連結する、融合タンパク質を提供する。Fcドメインは、FcRnレセプターへの結合を介して、延長した血清中半減期を与えるので、sBCMAバリアント-Fcドメイン融合タンパク質の作製は、改善した治療法をもたらす。従って、本発明は、sBCMAドメイン-Fcドメイン融合タンパク質(本明細書において時には「融合タンパク質」と呼ばれる)を提供する。一部の実施形態において、本明細書において記載されるsBCMAバリアントまたは融合タンパク質のバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較してAPRILに対する増強した結合親和性を示す。一部の実施形態において、本明細書において記載されるsBCMAバリアントまたは融合タンパク質のバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較してBAFFに対する増強した結合親和性を示す。一部の実施形態において、本明細書において記載されるsBCMAバリアントまたは融合タンパク質のバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較してAPRILおよびBAFFに対する増強した結合親和性を示す。
【0099】
(B.定義)
本明細書において使用される場合、以下の用語は、異なるように明示されない限りは、それらの用語に帰する意味を有する。
【0100】
本明細書において使用される用語「1つの(ある)(a)」、「1つの(ある)(an)」、または「その(この)(the)」は、1つの要素を有する局面を含むだけではなく、1つよりも多い要素を有する局面もまた含む。例えば、単数形「1つの(ある)(a)」、「1つの(ある)(an)」、および「その(この)(the)」は、異なるように文脈が明確に示さない限りは、複数の言及物を含む。従って、例えば、「1つの(a)細胞」に対する言及は、複数のそのような細胞を含み、「その(the)作用因子」に対する言及は、当業者にとって公知である1つまたはそれ以上の作用因子に対する言及を含む、などである。
【0101】
本明細書において使用される場合、本明細書における「タンパク質」は、少なくとも2つの共有結合したアミノ酸が意味され、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチドおよびペプチドを含む。
【0102】
用語「単離された」とは、その天然環境を実質的に含まず他のタンパク質を含まない、分子を指す。例えば、単離されたタンパク質は、それが由来する細胞源または組織源由来の細胞物質も他のタンパク質も、実質的に含まない。用語「単離された」はまた、その単離されたタンパク質が薬学的組成物として投与されるのに十分に純粋であるか、または少なくとも約70~80%、80~90%、または90~95%(重量/重量)純粋であるか、または少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%、または100%(重量/重量)純粋である、調製物を指す。特に、そのポリペプチドは「本質的に純粋な形態」であること、すなわち、そのポリペプチド調製物は、それが天然で関連する他のポリペプチド物質を実質的に含まないことが、好ましい。これは、例えば、周知の組換え方法によってそのポリペプチドを調製することによってか、または古典的精製方法によって、達成され得る。
【0103】
B細胞成熟抗原「BCMA」という用語は、Grasら、International Immunology、1995、7:1093;Y.Laabiら、EMBO J.、1992、11:3897において記載されるような、B細胞成熟のためのタンパク質を指す。BCMAは、TNFレセプタースーパーファミリーのメンバーである。例えば、BCMAは、APRILおよびBAFFに対するレセプターである。野生型ヒトBCMAの細胞外ドメインのアミノ酸配列(配列番号1)が、
図7および表3において示される。
【0104】
用語「リガンド」とは、第2の生体分子(例えば、標的細胞の表面に存在するレセプター)に結合して複合体を形成して生物学的目的に役立つことが可能である、生体分子を指す。リガンドは、一般的には、標的タンパク質の部位に、例えば、分子間力(例えば、イオン結合、水素結合、疎水性相互作用、双極子間結合、またはファンデルワールス力)によって結合する、エフェクター分子である。本発明において、APRILおよびBAFFが、リガンドタンパク質である。
【0105】
用語「レセプター」とは、第2の生体分子(例えば、リガンド)に結合して複合体を形成することが可能である、標的細胞の表面に存在する生体分子を指す。レセプターは、一般的には、特定のシグナル伝達経路を活性化する。例えば、BCMAは、TNFファミリーのメンバーであるAPRILおよびBAFFに対するレセプターである。
【0106】
本明細書において使用される「位置」によって、タンパク質の配列における場所が意味される。本発明の一部の実施形態において、位置は、成熟タンパク質の最初のアミノ酸で開始して連続的に番号付けされ、例えばヒトBCMAタンパク質について
図3において示される。一部の場合において、例えば本明細書において記載される融合タンパク質のFcドメイン部分について、そのFcドメイン位置は、連続的に、または確立した形式(例えばEUインデックス)に従って、番号付けされ得る。EUインデックスまたはKabatにおけるEUインデックスまたはEU番号付けスキームとは、EU番号付け(SEQUENCES OF IMMUNOLOGICAL INTEREST、第5版、NIH publication、91-3242号、E.A.Kabatら(全体が参照により援用される)を参照のこと;およびEdelmanら、1969、Proc Natl Acad Sci USA、63:78~85(本明細書によって全体が参照により援用される)もまた参照のこと)を指す。
【0107】
本明細書における「アミノ酸改変」または「アミノ酸配列改変によって、ポリペプチド配列におけるアミノ酸の置換、挿入、および/または欠失が意味される。
【0108】
本明細書において使用される「親タンパク質」によって、後にバリアントを生成するように改変される出発タンパク質が意味される。その親タンパク質は、天然に存在するタンパク質、または天然に存在するタンパク質のバリアントもしくは操作されたバージョンであり得る。親タンパク質とは、そのタンパク質自体、その親タンパク質を含む組成物、またはそれをコードするアミノ酸配列を指し得る。この文脈において、「親Fcドメイン」は、記載されたバリアントと関連する。従って、「バリアントヒトIgG Fcドメイン」は、ヒトIgGの親Fcドメインと比較され、例えば、「バリアントヒトIgG1 Fcドメイン」は、ヒトIgG1の親Fcドメインと比較される、などである。
【0109】
本明細書における「野生型」または「WT」によって、天然で見出されるアミノ酸配列またはヌクレオチド配列(アレルバリエーションを含む)が意味される。WTタンパク質は、天然に存在しない配列へと意図的に改変されてはいない、アミノ酸配列またはヌクレオチド配列を有する。
【0110】
本明細書において使用される「バリアントタンパク質」または「タンパク質バリアント」、または「バリアント」によって、少なくとも1アミノ酸配列改変によって親タンパク質のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するタンパク質が意味される。例えば、本明細書において使用される「バリアントsBCMA」または「sBCMAバリアント」は、以下に概説されるとおり、少なくとも1アミノ酸配列改変によって親sBCMタンパク質のアミノ酸配列とは異なるが依然として同族リガンドに結合する能力を保持する、アミノ酸配列を有するタンパク質が意味される。一部の実施形態において、その親タンパク質は、ヒト野生型配列である。一部の実施形態において、その親タンパク質は、バリアントを有するヒト配列である。タンパク質バリアントとは、そのタンパク質自体、そのタンパク質を含む組成物、またはそれをコードするアミノ酸配列を指し得る。一部の実施形態において、そのタンパク質バリアントは、1個の位置、2個の位置、3個の位置、4個の位置、5個の位置、6個の位置、7個の位置、8個の位置、9個の位置、または10個の位置にアミノ酸置換を有する。本明細書におけるタンパク質バリアント配列は、親タンパク質配列と少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、または98%の配列同一性、好ましくは少なくとも約85%、86%、88%、90%、93%または95%の配列同一性を有する。2つのアミノ酸配列間または2つのヌクレオチド間の関係性は、パラメータ「配列同一性」または「同一性」。によって記述される。本発明のアミノ酸配列(「発明配列」)と特許請求の範囲において参照される親アミノ酸配列(例えば、配列番号1)との間の同一性の程度は、それらの2つの配列のアラインメントにおける正確なマッチの数を、「発明配列」の長さまたは親アミノ酸配列の長さ(どちらでも最短である方)で除算したものとして、算出される。その結果は、以下に算出されるように同一性パーセントで表現される。
【0111】
本発明の目的のために、配列番号1において示されるsBCMAの細胞外ドメインが、本発明のsBCMAバリアントにおける対応するアミノ酸配列改変を決定するために親タンパク質として使用される。sBCMAバリアントタンパク質のアミノ酸配列が、配列番号1のアミノ酸配列とアラインメントされ、そのアラインメントに基づいて、配列番号1において開示される任意のアミノ酸残基に対応するアミノ酸位置番号が、EMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite、Riceら、2000、Trends Genet.、16:276~277)(好ましくはバージョン5.0.0またはそれ以降)のNeedleプログラムにおいて実行されるとおり、Needleman-Wunschアルゴリズム(NeedlemanおよびWunsch、1970、J.Mol.Biol.48:443~453)を使用して、決定される。使用されるパラメータは、ギャップオーブンペナルティ(gap open penalty)10、ギャップ伸張ペナルティ(gap extension penalty)0.5、およびEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。「最長同一性(longest identity)」と呼ばれるNeedleのアウトプット(ブリーフなし(-nobrief)オプションを使用して得られる)が、同一性パーセントとして使用され、以下のとおり算出される:
【0112】
(同一な残基×100)/(アラインメントの長さ-アラインメント中のギャップの総数)
【0113】
別のsBCMAバリアントにおける対応するアミノ酸残基の同定は、以下が挙げられるがこれらに限定はされないいくつかのコンピュータプログラムを、それらの各自のデフォルトパラメータを用いて使用して、複数のポリペプチド配列のアラインメントによって決定され得る:MUSCLE(multiple sequence comparison by log-expectation;バージョン3.5またはそれ以降;Edgar、2004、Nucleic Acids Research、32:1792~1797)、MAFFT(バージョン6.857またはそれ以降;KatohおよびKuma、2002、Nucleic Acids Research、30:3059~3066;Katohら、2005、Nucleic Acids Research、33:511~518;KatohおよびToh、2007、Bioinformatics、23:372~374;Katohら、2009、Methods in Molecular Biology、537:39~64;KatohおよびToh、2010、Bioinformatics、26:1899~1900)、ClustalWを使用するEMBOSS EMMA(1.83またはそれ以降;Thompsonら、1994、Nucleic Acids Research、22:4673~4680)、ならびにClustal Omegaを使用するEMBL-EBI(SieversおよびHiggins、2014、Methods Mol Biol.、2014;1079:105~16)。
【0114】
他のバリアントポリペプチドが、従来の配列ベースの比較がそれらの関係性を検出するのを失敗する程度(LindahlおよびElofsson、2000、J.Mol.Biol.、295:613~615)に野生型sBCMAから離れていた場合、他のペアワイズ配列比較アルゴリズムが、使用され得る。配列ベースの検索におけるより高い感度が、ポリペプチドファミリーの確率的表示(プロファイル)を使用してデータベースを検索する検索プログラムを使用して、達成され得る。例えば、PSI-BLASTプログラムは、反復的データベース検索プロセスを通じてプロファイルを作成し、遠縁のホモログを検出することが可能である(Atschulら、1997、Nucleic Acids Res.、25:3389~3402)。ポリペプチドのファミリーまたはスーパーファミリーがそのタンパク質構造データベースにおいて1つまたはそれ以上の代表物を有する場合に、さらに高い感度が達成され得る。GenTHREADER(Jones、1999、J.Mol.Biol.、287:797~815;McGuffinおよびJones、2003、Bioinformatics、19:874~881)などのプログラムは、種々の供給源に由来する情報(PSI-BLAST、二次構造予測、構造アラインメントプロファイル、および溶媒和ポテンシャル)を、問い合わせ配列について構造折畳みを予測するニューラルネットワークへのインプットとして使用する。同様に、Goughら、2000、J.Mol.Biol.、313:903~919の方法が、未知の構造の配列を、SCOPデータベースに存在するスーパーファミリーモデルとアラインメントするために、使用され得る。これらのアラインメントは、次に、そのポリペプチドについての相同性モデルを作成するために使用され得、そのようなモデルは、その目的のために開発された種々のツールを使用して、精度について評価され得る。
【0115】
既知構造のタンパク質について、いくつかのツールおよび資源が、構造アラインメントを検索および作成するために利用可能である。例えば、タンパク質のSCOPスーパーファミリーが構造的にアラインメントされており、それらのアラインメントは、アクセス可能でありダウンロード可能である。2以上のタンパク質構造が、距離アラインメントマトリックス(distance alignment matrix)(HolmおよびSander、1998、Proteins、33:88~96)または組合せ拡張(combinatorial extension)(ShindyalovおよびBourne、1998、Protein Engineering、11:739~747)などの種々のアルゴリズムを使用して、アラインメントされ得、これらのアルゴリズムの実行が、可能性のある構造ホモログを発見するために、構造データベースに目的の構造で問い合わせるためにさらに利用され得る(例えば、HolmおよびPark、2000、Bioinformatics、16:566~567)。
【0116】
本発明のバリアントを記述する際に、下記の命名法が、参照を容易にするために適合される。標準的に受容されているIUPACの1文字または3文字のアミノ酸略号が、使用される。
【0117】
アミノ酸置換について、以下の命名法が、本明細書において使用される:元のアミノ酸、位置、置換アミノ酸。従って、位置43のアラニンのバリンによる置換は、「Ala43Val」または「A43V」と示される。複数の変異は、スラッシュ記号(「/」)によって区切られ、例えば、「N11D/S16G/N31S」は、それぞれ、位置11、位置16および位置31での置換を示す。20個のアミノ酸の各々についての名前、3文字略号、および1文字略号が、表1において示される。
【0118】
(表1.20個のアミノ酸の各々についての名前、3文字略号、および1文字略号)
【表1】
【0119】
用語「核酸構築物」とは、天然に存在する遺伝子から単離されているか、または天然では他に存在しない様式で核酸セグメントを含むように改変されているか、または合成である、一本鎖または二本鎖のいずれかである核酸分子を指し、その核酸分子は、1つまたはそれ以上の制御配列を含む。
【0120】
用語「作動可能に連結される」とは、制御配列がポリヌクレオチドのコード配列に対して、その制御配列がそのコード配列の発現を指示するように適切な位置に配置されている、構成を指す。
【0121】
本明細書において使用される「Fcバリアント」または「バリアントFc」は、親Fcドメインと比較して少なくとも1アミノ酸配列改変を含むタンパク質が意味される。一部の実施形態において、その親Fcドメインは、ヒト野生型Fc配列、例えば、IgG1、IgG2、またはIgG3に由来するFc領域である。一部の実施形態において、その親Fcドメインは、バリアントを含むヒトFc配列である。ヒトIgGのFcドメインに関する本発明において議論されるすべての位置について、異なるように記載されない限りは、アミノ酸位置番号付けは、EUインデックスに従う。その改変は、本明細書において概説される付加、欠失、置換またはそれらの任意の組合せであり得る。あるいは、そのバリアントFcドメインは、その親Fcドメインと比較して1個から、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個または20個のアミノ酸改変を有し得る。さらに、本明細書において議論されるように、本明細書におけるバリアントFcドメインは、本明細書において記載される公知技術(例えば、非変性ゲル電気泳動)を使用して測定された場合に、別のFcドメインと二量体を形成する能力およびFcRnレセプターと結合する能力を、依然として保持する。
【0122】
本明細書における用語「可溶性BCMA」または「sBCMA」は、BCMAの細胞外ドメイン(ECD)またはそのフラグメントもしくは短縮バージョンを含むが、BCMAの膜貫通ドメインの全体もBCMAの細胞質(細胞内)ドメインの全体も含まない、BCMAの可溶性部分が意味される。ヒト野生型sBCMAのECDが、配列番号1として示される。一部の実施形態において、その親野生型sBCMAドメインは、N末端短縮および/またはC末端短縮を、下記に議論されるように、その短縮型野生型sBCMAが生物学的活性(例えば、APRILおよび/またはBAFFへの結合)を保持する限りは、有し得る。
【0123】
用語「sBCMAバリアント」または「バリアントsBCMA」とは、少なくとも1アミノ酸配列改変による親sBCMAタンパク質のバリアントを指す。一部の実施形態において、その親タンパク質はヒト野生型sBCMAである。一部の実施形態において、そのsBCMAバリアントは、TGFファミリーメンバー(例えば、APRILおよび/またはBAFF)への特異的結合を保持するが、アミノ酸配列改変(例えば、アミノ酸置換)を有し、そのsBCMAバリアントは、野生型sBCMAと比較してN末端短縮またはC末端短縮を有し得る。この場合における特異的結合は、任意の適切な結合アッセイ(例えば、ELISA、Biacore、Sapidyne KinExA、またはフローサイトメトリー結合分析)によって決定され、これらのアッセイはまた、下記に概説されるように、結合親和性を決定するためにも使用され得る。本明細書において議論されるように、sBCMAバリアントは、一部の場合において、野生型sBCMAと比較してTGFファミリーメンバー(例えば、APRILおよび/またはBAFF)に対する増加した結合親和性を有し得る。
【0124】
用語「結合親和性」とは、リガンドまたはそのバリアントがタンパク質(例えば、レセプターまたはそのバリアント)と配位結合を形成する能力を指す。リガンドとタンパク質との間の結合親和性は、そのリガンドとそのタンパク質(例えば、レセプターまたはそのバリアント)との間のkoff/kon比である平衡解離定数(Kd)によって、表され得る。Kdと結合親和性とは、逆の関連がある。例えば、Kd値は、TGFファミリーメンバーに結合するために必要とされるsBCMAバリアントの濃度に関連し、より低いKd値(より低いsBCMAバリアント濃度)は、TGFファミリーメンバーに対するより高い結合親和性に対応する。高い結合親和性は、リガンドとタンパク質との間のより大きな分子間力に対応する。低い結合親和性は、リガンドとタンパク質との間のより低い分子間力に対応する。一部の場合において、リガンド結合親和性の増加は、例えば、少なくとも1.4分の1、少なくとも1.6分の1、少なくとも1.8分の1、少なくとも2分の1、少なくとも3分の1、少なくとも4分の1、少なくとも5分の1、少なくとも6分の1、少なくとも7分の1、少なくとも8分の1、少なくとも9分の1、少なくとも10分の1、少なくとも20分の1、少なくとも50分の1、少なくとも100分の1、少なくとも200分の1、少なくとも500分の1、またはそれ以下への解離速度の減少として、表され得る。
【0125】
「特異的結合」または特定のリガンドもしくはそのバリアント「に特異的に結合する」または特定のリガンドもしくはそのバリアント「に特異的」とは、非特異的相互作用とは測定可能な程度異なる結合を意味する。特異的結合は、例えば、対照分子(これは一般的には、結合活性を有しない類似構造分子である)の結合と比較したある分子の結合を決定することによって、測定され得る。例えば、特異的結合は、標的と類似する対照分子との競合によって、決定され得る。一部の実施形態において、その結合親和性は、上記で議論されるような当業者によって理解される任意の適切なアッセイ(例えば、標準的Biacoreアッセイ)を使用して、測定される。
【0126】
特定のリガンド またはそのバリアントに対する特異的結合は、例えば、別のリガンドタンパク質に対する少なくとも約10-4M、少なくとも約10-5M、少なくとも約10-6M、少なくとも約10-7M、少なくとも約10-8M、少なくとも約10-9M、あるいは少なくとも約10-10M、少なくとも約10-11M、少なくとも約10-12M、少なくとも約10-15M、またはそれ以上のKdを有するタンパク質によって示され得、Kdとは、特定のタンパク質-リガンド相互作用の解離速度を指す。一部の実施形態において、本発明のバリアントsBCMAは、リガンドに、対照分子と比較して1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、5,000倍、10,000倍またはそれ以上の結合親和性で結合する。
【0127】
本明細書において使用される「残基」によって、タンパク質中の位置およびその関連アミノ酸同一性(identity)が意味される。例えば、アスパラギン297(Asn297またはN297とも呼ばれる)は、ヒト抗体IgG1の位置297の残基である。
【0128】
本明細書における「ヒンジ」または「ヒンジ領域」または「抗体ヒンジ領域」または「ヒンジドメイン」によって、抗体の第1の定常ドメインと第2の定常ドメインとの間にあるアミノ酸を含む可撓性ポリペプチドが意味される。構造的に、IgG CH1ドメインは、EU位置215で終わり、IgG CH2ドメインは、EU位置231の残基で開始する。従って、IgGについて、その抗体ヒンジは、位置216(IgG1におけるE216)~230(IgG1におけるp230)を含むと本明細書において定義され、その番号付けは、KabatにおけるEUインデックスに従う。一部の場合において、「ヒンジフラグメント」が使用され、それは、ヒンジドメインのN末端およびC末端のいずれか一方または両方の少数のアミノ酸を含む。本明細書において概説されるとおり、一部の場合では、ヒンジを含むFcドメインが使用され、そのヒンジは一般的には可撓性リンカーとして使用される。(さらに、本明細書においてさらに記載されるとおり、さらなる可撓性リンカー成分が、そのヒンジを含んでかまたはそのヒンジを含まずにかのいずれかで、使用され得る)。
【0129】
本明細書において使用される「Fc」または「Fc領域」または「Fcドメイン」によって、IgG分子のCH2-CH3ドメイン(一部の場合において、そのヒンジを含む)を含むポリペプチドが意味される。ヒトIgG1についてのEU番号付けにおいて、そのCH2-CH3ドメインは、アミノ酸231~447を含み、そのヒンジは216~230である。従って、「Fcドメイン」の定義は、アミノ酸231~447(CH2-CH3)または216-447(ヒンジ-CH2-CH3)の両方、あるいはそれらのフラグメントを含む。従って、Fcとは、IgA、IgD、およびIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメイン、IgEおよびIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメインを指し、一部の場合において、これらのドメインのN末端側にある可撓性ヒンジを含む。IgAおよびIgMについて、Fcは、そのJ鎖を含み得る。IgGについて、そのFcドメインは、免疫グロブリンドメインCγ2およびCγ3を含み、一部の場合において、Cγ1とCγ2との間の下流側ヒンジ領域を含む。この文脈における「Fcフラグメント」は、そのN末端およびC末端のいずれか一方または両方に由来する少数のアミノ酸を含み得るが、一般的には大きさに基づく標準的方法(例えば、非変性クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーなど)を使用して検出され得るとおり、別のFcドメインまたはFcフラグメントと二量体を形成する能力を依然として保持する。ヒトIgG Fcドメインは、本発明において特に有用であり、ヒトIgG1、IgG2、またはIgG3に由来するFcドメインであり得る。一般に、IgG1およびIgG2が、IgG3よりも頻繁に使用される。一部の実施形態において、アミノ酸配列改変が、例えば、1もしくはそれ以上のFcγRレセプターまたはFcRnレセプターへの結合を変化させるため、および/あるいはインビボでの半減期を増加させるために、Fc領域に対してなされる。
【0130】
本明細書において使用される「IgGサブクラス改変」または「アイソタイプ改変」によって、1つのIgGアイソタイプの1つのアミノ酸をアラインメントした別のIgGアイソタイプの対応するアミノ酸へと交換する、アミノ酸配列改変が意味される。例えば、EU位置296においてIgG1はチロシンを含みIgG2はフェニルアラニンを含むので、IgG2におけるF296Y置換は、IgGサブクラス改変と考えられる。同様に、IgG1は位置241にプロリンを有しIgG4はセリンを有するので、S241Pを含むIgG4分子は、IgGサブクラス改変と考えられる。サブクラス改変は本明細書においてアミノ酸置換と考えられることに、留意すること。
【0131】
本明細書において使用される「アミノ酸」および「アミノ酸同一性(identity)」によって、DNAおよびRNAによってコードされる20個の天然に存在するアミノ酸のうちの1個が意味される。
【0132】
本明細書において使用される「エフェクター機能」によって、抗体Fc領域とFcレセプターまたはリガンドとの相互作用から生じる生化学的事象が意味される。エフェクター機能としては、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)、および補体依存性細胞傷害(CDC)が挙げられるがこれらに限定はされない。多くの場合において、別のIgGアイソタイプ(例えば、IgG4)またはFcドメインにおけるアミノ酸置換のいずれかを使用して、ほとんどまたはすべてのエフェクター機能を除去することが、望ましい;しかし、FcRnレセプターへの結合を維持することは、これがヒト血清におけるその融合タンパク質の半減期に寄与するので、望ましい。
【0133】
本明細書において使用される「FcRn」または「胎児性Fcレセプター」によって、IgG抗体Fc領域に結合しFcRn遺伝子によって少なくとも部分的にコードされる、タンパク質が意味される。
【0134】
本明細書において使用される「標的細胞」によって、標的ポリペプチドまたは標的タンパク質を発現する、細胞が意味される。
【0135】
本明細書における発明に従うバリアントsBCMAまたはsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を生成する文脈における「宿主細胞」によって、そのバリアントsBCMAまたはsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質の成分をコードする外因性核酸を含み、適切な条件下でそのようなバリアントsBCMAまたはFc融合タンパク質を発現することが可能である、細胞が意味される。適切な宿主細胞が、以下に記載される。
【0136】
本明細書における「改善した活性」または「改善した機能」によって、少なくとも1つの生化学的特性の望ましい変化が意味される。この文脈における改善した機能は、望ましい特性の増加(例えば、APRILおよび/またはBAFFに対する増加した結合親和性および/もしくは特異性、増加したタンパク質安定性、増加したインビボ半減期など)を伴う、特定の活性の増加もしくは減少のパーセンテージとして、または「倍数」変化として、測定され得る。一般に、変化パーセンテージが、(その親タンパク質と比較して)100%未満の生化学的活性変化を記述するために使用され、倍数変化が、(その親タンパク質と比較して)100%よりも大きな生化学的活性変化を記述するために使用される。本発明において、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%および99%の生化学的活性変化(通常は増加)パーセンテージが、達成され得る。本発明において、「倍数増加」(または減少)は、その親タンパク質と比較して測定される。多くの実施形態において、その改善は、少なくとも1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、50倍、100倍、200倍またはそれ以上である。
【0137】
(C.sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質)
本発明のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、バリアントsBCMAドメインと、Fcドメインとを含む組成物を含み、その組成物は、そのバリアントsBCMAドメインをそのFcドメインと連結するリンカーを必要に応じて含む。
【0138】
一部の実施形態において、本発明は、本明細書において記載される組成物を提供し、その融合タンパク質は、N末端側からC末端側へ、
a)上記バリアントsBCMAドメイン;
b)上記必要に応じたリンカー;および
c)上記Fcドメイン
を含む。
【0139】
一部の実施形態において、本発明は、本明細書において記載される組成物を提供し、その融合タンパク質は、N末端側からC末端側へ、
a)上記Fcドメイン;
b)上記必要に応じたリンカー;および
c)上記バリアントsBCMAドメイン
を含む。
【0140】
(D.バリアントsBCMAタンパク質およびドメイン)
本発明は、バリアントsBCMAタンパク質を独立的に提供し、本発明は、バリアントsBCMAタンパク質を、Fcドメインと融合したsBCMAドメインとして融合タンパク質構築物として提供する。本発明のバリアントsBCMAタンパク質は、ヒトBCMAの可溶性ECDの少なくとも一部(一般的には、
図7において示される全体的ECDドメイン(配列番号1)を、アミノ酸バリアントとともに含む。一部の実施形態において、バリアントsBCMAタンパク質またはsBCMAバリアントは、当該分野の下記で議論される結合親和性アッセイ(例えば、BiacoreまたはOctetアッセイ)によって測定した場合に、野生型sBCMAと比較して、APRILおよび/またはBAFFに対する増加した結合親和性および/または特異性を示す。
【0141】
一部の実施形態において、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、APRILおよび/またはBAFFに結合して、内因性のBCMA、BAFFR、およびTACIレセプターとのそれらの相互作用を軽減もしくは遮断する、アンタゴニストである。アンタゴニストとしてのバリアントsBCMAタンパク質は、BCMA、BAFFR、TACIを介して、ならびに/あるいはAPRILおよび/またはBAFFへの結合を介して活性化される他のレセプターを介して、変化したシグナル伝達経路に関連する状態を処置することにおいて、特に、腫瘍療法/化学療法、免疫調節性疾患および/または線維症性疾患において、使用され得る。
【0142】
一実施形態において、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、対象においてAPRILを発現する腫瘍を処置する方法、そのAPRILを発現する腫瘍の転移または浸潤を減少または予防する方法において使用され得、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0143】
一実施形態において、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、対象において、BCMAおよび/もしくはTACIを発現するかおよび/もしくはAPRILへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現する腫瘍を処置する方法、あるいはその腫瘍の転移または浸潤を減少または予防する方法において使用され得、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。一部の実施形態において、本明細書において開示される腫瘍は、B細胞悪性疾患である。一部の実施形態において、本明細書において開示されるB細胞悪性疾患は、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫-粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、および原発性眼内リンパ腫(眼のリンパ腫)からなる群より選択される。一部の実施形態において、本明細書において開示される腫瘍は、血液がんである。一部の実施形態において、本明細書において開示される血液がんは、多発性骨髄腫である。
【0144】
さらなる実施形態において、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、APRILを発現する腫瘍を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法において使用され得、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。一部の実施形態において、本明細書において開示される腫瘍は、B細胞悪性疾患である。一部の実施形態において、本明細書において開示されるB細胞悪性疾患は、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫-粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、および原発性眼内リンパ腫(眼のリンパ腫)からなる群より選択される。一部の実施形態において、本明細書において開示される腫瘍は、血液がんである。一部の実施形態において、本明細書において開示される血液がんは、多発性骨髄腫である。
【0145】
さらなる実施形態において、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、BCMAおよび/もしくはTACIを発現するかおよび/もしくはAPRILへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現する腫瘍を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法において使用され得、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。一部の実施形態において、本明細書において開示される腫瘍は、B細胞悪性疾患である。一部の実施形態において、本明細書において開示されるB細胞悪性疾患は、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫-粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、および原発性眼内リンパ腫(眼のリンパ腫)からなる群より選択される。一部の実施形態において、本明細書において開示される腫瘍は、血液がんである。一部の実施形態において、本明細書において開示される血液がんは、多発性骨髄腫である。
【0146】
さらなる実施形態において、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、APRILを発現する自己免疫疾患を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法において使用され得、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0147】
追加の実施形態では、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、BCMA、TACIおよび/またはAPRILへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現する自己免疫疾患を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法において使用され得、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0148】
さらなる実施形態において、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、APRILを発現する線維症を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法において使用され得、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0149】
さらなる実施形態において、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、BCMA、TACIおよび/またはAPRILへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現する線維症を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法において使用され得、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0150】
追加の実施形態では、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、対象においてB細胞増殖、免疫グロブリン産生、またはそれらの両方を阻害する方法において使用され得、バリアントsBCMAタンパク質はBAFFに結合し、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0151】
さらなる実施形態において、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、BCMA、BAFFR、TACIおよび/またはBAFFへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現するB細胞過形成または自己免疫疾患を有する対象においてBAFFの活性を阻害する方法において使用され得、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0152】
追加の実施形態では、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、BCMAと、BAFFRと、TACIと、BAFFへの結合を介して活性化される他のレセプターとからなる群より選択される少なくとも1つのレセプターを発現する自己免疫疾患を対象において処置する方法において使用され得、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0153】
さらなる実施形態において、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、BAFFおよび/またはAPRILを発現する自己免疫疾患を対象において処置する方法において使用され得、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0154】
追加の実施形態では、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、BCMA、BAFFRおよび/またはTACIを発現する線維症を対象において処置する方法において使用され得、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0155】
追加の実施形態では、(単離されたタンパク質または本明細書における融合タンパク質のsBCMAドメインのいずれか一方としての)バリアントsBCMAタンパク質は、BAFFおよび/またはAPRILを発現する線維症を対象において処置する方法において使用され得、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において開示されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0156】
一部の実施形態において、バリアントsBCMAタンパク質は、その野生型sBCMAと比較してアミノ酸の置換、欠失もしくは挿入、またはそれらの組合せを含み、その野生型sBCMAと比較してAPRILもしくはBAFFのいずれか一方またはそれらの両方へのそれらの結合活性を増加する。
【0157】
本開示は、親sBCMAと比較して1個またはそれ以上(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個)の位置に少なくとも1アミノ酸置換を含む、バリアントsBCMAタンパク質を提供する。一部の実施形態において、バリアントsBCMAは、その親sBCMAに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%であるが100%未満である配列同一性を有する。一部の実施形態において、親sBCMAドメインはヒト野生型sBCMAである。一部の実施形態において、親sBCMAドメインは配列番号1のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態において、バリアントsBCMAは、配列番号1に対して少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%であるが100%未満である配列同一性を有する。一部の実施形態において、本明細書において記載されるとおり、バリアントsBCMAは、野生型SBCMAと比較してN末端短縮および/またはC末端短縮を、本明細書において概説される結合アッセイのうちの1つによって測定された場合にその短縮型バリアントsBCMAが生物学的活性(例えば、APRILおよび/またはBAFFへの結合)を保持する限りは、有し得る。明確にするために述べると、本発明のバリアントBCMAは、配列番号1と比較して少なくとも1アミノ酸置換を有し、従って配列番号1ではない。
【0158】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、その野生型sBCMAポリペプチド/ドメインよりも強いTGFファミリーメンバー(すなわち、APRILおよび/またはBAFF)に対する結合親和性を有する。一部の実施形態において、そのバリアントsBCMAは、その野生型sBCMAのAPRILおよび/またはBAFFに対する結合親和性の少なくとも1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.8倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、50倍、100倍、200倍またはそれ以上のAPRILおよび/またはBAFFに対する結合親和性を有する。
【0159】
特定の実施形態において、そのバリアントsBCMAのAPRILおよび/またはBAFFに対する結合親和性は、その野生型sBCMAのAPRILおよび/またはBAFFに対する結合親和性と比較して少なくとも約0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%またはそれ以上増加している。他の実施形態において、本発明のバリアントsBCMAタンパク質は、APRILおよび/またはBAFFとの結合について約1×10-8M未満、1×10-9M未満、1×10-10M未満、1×10-12 M未満または1×10-15 M未満のKd値を有する。なお他の実施形態において、sBCMAバリアントは、インビボもしくはインビトロのいずれか一方またはそれらの両方で、APRILおよび/もしくはBAFFへの結合において野生型sBCMAを阻害するかまたは野生型sBCMAと競合する。
【0160】
(1.特定のバリアントsBCMAタンパク質)
本発明は、配列番号1と比較して少なくとも1アミノ酸置換を含むバリアントsBCMAを含む組成物を提供し、そのアミノ酸置換は、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、14、16、19、20、22、23、25、26、29、31、32、35、36、38、39、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、および54からなる群より選択される位置番号にあり、その番号付けはEUインデックスに従う。
【0161】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、配列番号1に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性を有する。
【0162】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置1にあるメチオニンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、その置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、そのアミノ酸置換は、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、およびM1Vから選択される。
【0163】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置2にあるロイシンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、L2CまたはL2Sである。
【0164】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置3にあるグルタミンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、Q3PまたはQ3Rである。
【0165】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置4にあるメチオニンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、M4E、M4I、M4T、およびM4Vから選択される。
【0166】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置5にあるアラニンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、A5Tである。
【0167】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置6にあるグリシンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、G6Eである。
【0168】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置7にあるグルタミンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、Q7Rである。
【0169】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置9にあるセリンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるスレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、S9A、S9FおよびS9Pから選択される。
【0170】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置10にあるグルタミンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、Q10H、Q10PおよびQ10Rから選択される。
【0171】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置11にあるアスパラギンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、N11DまたはN11Sである。
【0172】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置12にあるグルタミン酸のアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、E12Kである。
【0173】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置14にあるフェニルアラニンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、F14Lである。
【0174】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置16にあるセリンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるスレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、S16G、S16N、およびS16Rから選択される。
【0175】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置19にあるヒスチジンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、H19LまたはH19Yである。
【0176】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置20にあるアラニンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、A20VまたはA20Tである。
【0177】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置22にあるイソロイシンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、I22MまたはI22Vである。
【0178】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置23にあるプロリンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、P23Sである。
【0179】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置25にあるグルタミンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、Q25Rである。
【0180】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置26にあるロイシンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、L26Fである。
【0181】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置29にあるセリンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるスレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、S29Aである。
【0182】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置31にあるアスパラギンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、N31DまたはN31Sである。
【0183】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置32にあるスレオニンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、T32A、T32IおよびT32Pから選択される。
【0184】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置35にあるロイシンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、L35SまたはL35Pである。
【0185】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置36にあるスレオニンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、T36A、T36I、およびT36Pから選択される。
【0186】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置38にあるグルタミンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、Q38Rである。
【0187】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置39にあるアルギニンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、R39Hである。
【0188】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置42にあるアスパラギンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、N42D、N42RおよびN42Sから選択される。
【0189】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置43にあるアラニンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、A43TまたはA43Vである。
【0190】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置44にあるセリンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるスレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、S44D、S44G、S44NおよびS44Rから選択される。
【0191】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置45にあるバリンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、V45AまたはV45Mである。
【0192】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置46にあるスレオニンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、T46AまたはT46Iである。
【0193】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置47にあるアスパラギンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、N47D、N47K、N47RおよびN47Sから選択される。
【0194】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置48にあるセリンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるスレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、S48L、S48PおよびS48Tから選択される。
【0195】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置49にあるバリンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、V49AまたはV49Mである。
【0196】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置50にあるリジンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、K50E、K50G、K50RおよびK50Tから選択される。
【0197】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置51にあるグリシンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、G51Eである。
【0198】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置52にあるスレオニンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、T52AまたはT52Mである。
【0199】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置53にあるアスパラギンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、N53D、N53KおよびN53Sから選択される。
【0200】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、位置54にあるアラニンのアミノ酸置換を含み、その位置番号付けは成熟領域から開始する。一部の実施形態において、置換は、19個の天然に存在するアミノ酸であるセリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、システイン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシンのうちのいずれか他の物により、一部の実施形態は(可能なジスルフィド形成が原因で)システインまたは(立体効果が原因で)プロリンを使用しない。一部の実施形態において、アミノ酸置換は、A54VまたはA54Tである。
【0201】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36A、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。
【0202】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、M1V、L2S、Q3P、M4T、S9P、N11D、S16G、H19Y、N31S、N31D、T32I、T36A、R39H、N47S、K50E、およびN53Eからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。
【0203】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、S16G、H19YおよびT36Aからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。
【0204】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、L2S/S9P/E12K/N31D/T36A/N42S/N53S、M1V/T32P/T36A/T46I/N53D/A54V、Q3R/S16N/T36A/A43T、F14L/S16G/T36A/V45A/N47D、M1T/M4V/S9F/S16G/T32A/Q38R、M1A/S9A/Q38R、G6E/Q25R/Q38R、M1V/M4I/G6E/S9P/N11D/V49M/T52M/A54V、N11D/S16G/N31S、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、G6E/Q7R/H19Y/L35S、H19Y/N42D/S48P/T52A、M1V/N31D/T32I/T36A、M1V/A5T/H19L/T36A、M1T/N31D/T32A/T36A/Q38R/S44D/V49A/K50E、M1V/T36A/Q38R/A43V、M1V/L2S/S9P/Q10H/T36A/Q38R/K50G、T36A/Q38R/N53S、M1T/L2S/L35P/T36A/Q38R/T46A/K50R、A5T/A20V/T36A/Q38R、M1T/S16G/I22V/T36A/S44G/T46A/V49A、S16G/T36A、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、M1C/L2C/Q3R/M4E/N11D/S16G/T36P、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、N11D/N31D/T32I/T36A/S44N/N47D/N53D、M1R/L2C/Q3R、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T32I/T36A/V49A、H19Y/N31S/T36A/V45A、H19Y/N31S/T36A、H19Y/T36P/T52A、H19Y/N31D/T52M、M1V/H19Y/V45M、S16G/H19Y/N47D、S16G/H19Y/K50T、S16G/H19Y/S44N/K50R、N11D/H19Y/S48T、S9P/N11D/S16R/T32A/Q38R/S44G/T46I/T52A/N53D/A54T、N11D/S16G/S44R、H19L/T32A/S44G/G51E/T52A、S16N/H19Y/T36A/K50R、M1V/H19Y/T36A/R39H/T46A、M1V/H19Y/T36A、H19Y/T36A/N42D/N47S/S48P、M1V/H19Y/T36A/S44G/N47D、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、H19Y/L35P/T36A/N42D/T46I/V49A、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、M1T/H19Y/T36A、M1V/S16N/H19Y/I22M/T36A、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、M1V/S9P/Q10P/S16G/H19Y/L26F/T36A/A43V/N53D、S16G/H19Y/T36A/V49A/N53D、S16G/T36A/A43T/S44G/V45M、M4V/S9P/S16G/T36A/Q38R、S9P/N11S/S16G/T36A/Q38R、N11D/E12K/S16R/T36A/T52M、M4V/T32I/T36A/Q38R/A43T/V45A/S48P、S9P/N11D/S16G/Q25R、M1T/A5T/S9P/S16G/Q25R/N31D/V49M、L2S/S9P/S16G/A20T/T32I/Q38R/N42D/T46A/S48L、S16G/Q25R/T46A、G6E/S9A/S16G/Q25R/N31D/N47S/T52M、H19Y/Q38R/T52M、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、S16G/H19Y/T36A、S16G/H19Y/T36A/N53D、S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/N11D/T36A、M1V/L2S/M4T/H19Y/T36I/V45A/V49M、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/S9P/Q10R/H19Y/T36A/T46A/N47S、M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36A、M1V/M4T/T36A/Q38R/N53K、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、M1T/N31D/T32A/T36A/A38R/S44D/V49A/K50E、M1T/S9P/P23S/Q38R/N42S/S48P/V49A/A54V、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T36A、およびM4T/T36A/Q38R/N42S/S44G/T46A/N47K/S48P/T52Aからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。
【0205】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36A、およびM1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群から選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換を含む。
【0206】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36A/N53D、およびM1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群から選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換を含む。
【0207】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、アミノ酸置換S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、およびM1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群から選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換を含む。
【0208】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、アミノ酸置換Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、およびM1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群から選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換を含む。
【0209】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、アミノ酸置換M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36A、およびM1A、M1C、M1I、M1R、M1T、L2C、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31S、T32A、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群から選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換を含む。
【0210】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号67と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0211】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号68と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0212】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号69と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0213】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号49と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0214】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号74と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0215】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号67のアミノ酸配列を有する。
【0216】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号68のアミノ酸配列を有する。
【0217】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号69のアミノ酸配列を有する。
【0218】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号49のアミノ酸配列を有する。
【0219】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAは、配列番号74のアミノ酸配列を有する。
【0220】
例示的バリアントsBCMAタンパク質のクローン番号、配列番号1のアミノ酸配列と比較したアミノ酸置換、および割り当てられた配列番号が、表2において示される。
【0221】
(表2:例示的バリアントsBCMAタンパク質/ドメインのクローン番号、配列番号1のアミノ酸配列と比較したアミノ酸置換、および割り当てられた配列番号)
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【0222】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、配列番号1と比較してAPRILまたはBAFFに対する増強した結合親和性を示す。
【0223】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAは、配列番号1と比較してAPRILおよびBAFFに対する増強した結合親和性を示す。
【0224】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc 融合タンパク質は、配列番号80のアミノ酸配列を有する。
【0225】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc 融合タンパク質は、配列番号81のアミノ酸配列を有する。
【0226】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc 融合タンパク質は、配列番号82のアミノ酸配列を有する。
【0227】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc 融合タンパク質は、配列番号83のアミノ酸配列を有する。
【0228】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるsBCMAバリアント-Fc 融合タンパク質は、配列番号84のアミノ酸配列を有する。
【0229】
(2.結合親和性を測定するためのアッセイ)
本明細書において概説されるとおり、本発明は、ヒトAPRILおよび/またはヒトBAFFのいずれか一方または両方に対する増加した結合親和性を示す、sBCMAバリアントおよびこれらのバリアントを含む融合タンパク質を提供する。この文脈において、増加した結合親和性は、以下に概説されるインビトロ研究またはエクスビボ研究において、ヒト野生型BCMAまたは配列番号と比較される。一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAドメインは、その野生型sBCMAポリペプチドドメインおよび/または配列番号1よりも強いTGFファミリーメンバー(例えば、APRILおよび/またはBAFF)に対する結合親和性を有する。一部の実施形態において、そのバリアントsBCMAドメインは、その野生型sBCMAおよび/または配列番号1のAPRILおよび/またはBAFFに対する結合親和性の少なくとも1.4倍、1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、50倍、100倍、200倍またはそれ以上のAPRILおよび/またはBAFFに対する結合親和性を有する。
【0230】
sBCMAバリアントがAPRILおよび/またはBAFFに結合する能力は、例えば、アッセイプレートにコートされたAPRILおよび/またはBAFFに推定リガンドが結合する能力によって、決定され得る。あるいは、APRILおよび/またはBAFFに対するsBCMA(バリアント)の結合親和性は、微生物細胞表面(例えば、酵母細胞表面)にそのsBCMA(バリアント)を提示させること、およびその結合した複合体を、例えば、フローサイトメトリーによって検出ことによって、決定され得る(実施例3を参照のこと)。APRILおよび/またはBAFFに対するsBCMA(バリアント)の結合親和性は、当業者によって理解される任意の適切な方法(放射性リガンド結合アッセイ、非放射性(蛍光)リガンド結合アッセイ、表面プラズモン共鳴(SPR)、例えば、Biacore(商標)、Octet(商標)、プラズモン導波共鳴(PWR)、熱力学的結合アッセイ、ホールセルリガンド結合アッセイ、および構造ベースリガンド結合アッセイが挙げられるがこれらに限定はされない)を使用して、測定され得る。
【0231】
(3.融合タンパク質の形式)
本明細書において記載されるとおり、融合タンパク質の形式は、いくつかの構成を採り得、その成分ドメインはそのタンパク質中で(N末端側からC末端側へ)順序を交換する。一実施形態において、融合タンパク質は、N末端からC末端へ、バリアントsBCMAドメイン-ドメインリンカー-Fcドメインを含む。一部の実施形態において、融合タンパク質は、N末端からC末端へ、Fcドメイン-ドメインリンカー-バリアントsBCMAドメインを含む。一部の実施形態において、リンカーが使用されず、その場合は、その融合タンパク質は、N末端からC末端へ、バリアントsBCMAドメイン-Fcドメイン、またはFcドメイン-バリアントsBCMAドメインのいずれか一方を含む。一部の場合において、同じ融合タンパク質が多少異なるように標識され得ることに留意すること。例えば、そのFcドメインがヒンジドメインを含む場合には、バリアントsBCMAドメイン-Fcドメインを含む融合タンパク質は、ヒンジドメインの形式のリンカーを依然として含む。あるいは、この同じタンパク質は、そのFcドメインに含まれるヒンジドメインを有しないこともあり得、その場合には、その融合タンパク質は、バリアントsBCMAドメイン-CH2-CH3を含む。
【0232】
従って、一部の実施形態において、本開示は、本明細書において記載されるバリアントsBCMA-Fc融合タンパク質を提供し、そのFcドメインはヒンジドメインを含み、そのバリアントsBCMAドメインは、そのヒンジドメインによってそのFcドメインと連結されている:バリアントsBCMAドメイン-ヒンジドメイン-CH2-CH3。
【0233】
一部の実施形態において、本開示は、上記のバリアントsBCMA-Fc融合タンパク質を提供し、そのFcドメインはヒンジドメインを含み、そのバリアントsBCMAドメインは、本明細書において記載されるさらなるリンカーによってそのFcドメインに連結されている。すなわち、その融合タンパク質は、N末端側からC末端側へ、バリアントsBCMAドメイン-ドメインリンカー-ヒンジドメイン-CH2-CH3;バリアントsBCMAドメイン-ドメインリンカー-CH2-CH3;ヒンジドメイン-CH2-CH3-ドメインリンカー-バリアントsBCMAドメイン;またはCH2-CH3-ドメインリンカー-バリアントsBCMAドメインであり得る。
【0234】
一部の実施形態において、本開示は、上記のバリアントsBCMA-Fc融合タンパク質を提供し、そのFcドメインはヒンジドメインを含まず、そのバリアントsBCMAドメインは、本明細書において記載されるドメインリンカー(例えば、非ヒンジ)によってそのFcドメインに連結されている。
【0235】
一部の実施形態において、本開示は、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を含む組成物を提供し、その融合タンパク質は、
a)配列番号1と比較して少なくとも1アミノ酸置換を含むバリアントsBCMAドメインであって、そのアミノ酸置換は1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、14、16、19、20、22、23、25、26、29、31、32、35、36、38、39、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、および54からなる群より選択される位置番号にあり、その番号付けはEUインデックスに従う、バリアントsBCMAドメイン;
b)必要に応じたリンカー;ならびに
c)Fcドメイン
を含む。
【0236】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、N末端側からC末端側へ、
a)上記バリアントsBCMAドメイン;
b)上記必要に応じたリンカー;および
c)上記Fcドメイン
を含む。
【0237】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、N末端側からC末端側へ、
a)上記Fcドメイン;
b)上記必要に応じたリンカー;および
c)上記バリアントsBCMAドメイン
を含む。
【0238】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質のバリアントsBCMAドメインは、APRILおよび/またはBAFFに対する結合親和性を増加するのに役立つ。種々の実施形態において、本明細書において記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質の(バリアント)Fcドメインは、その融合タンパク質の半減期を増加させる。多くの実施形態において、融合タンパク質は、腫瘍/がん、線維症および/または免疫調節性疾患を処置するために使用される。
【0239】
指定のタンパク質/タンパク質ドメインの名前および対応するアミノ酸配列が、それぞれ表3において列挙される。
(表3.配列番号、説明および対応するアミノ酸配列)
【表3】
【0240】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAドメインは、野生型sBCMAと比較してAPRILもしくはBAFFのいずれか一方またはそれらの両方に対するその結合活性を増加する、配列番号1のアミノ酸配列に対するアミノ酸の置換、欠失もしくは挿入、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0241】
本開示は、配列番号1のアミノ酸配列と比較して1個またはそれ以上(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個)の位置に少なくとも1アミノ酸置換を含む、バリアントsBCMAドメインを提供する。一部の実施形態において、そのバリアントsBCMAドメインは、その親sBCMAドメインに対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%であるが100%未満である配列同一性を有する。一部の実施形態において、親sBCMAドメインは配列番号1のアミノ酸配列を有する。一部の実施形態において、バリアントsBCMAドメインは、配列番号1に対して少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%であるが100%未満である配列同一性を有する。一部の実施形態において、本明細書において記載されるとおり、バリアントsBCMAドメインは、野生型sBCMAと比較してN末端短縮および/またはC末端短縮を、本明細書において概説される結合アッセイのうちの1つによって測定された場合にその短縮型バリアントsBCMAが生物学的活性(例えば、APRILおよび/またはBAFFへの結合)を保持する限りは、有し得る。明確にするために述べると、本発明のバリアントBCMAドメインは、少なくとも1アミノ酸置換を有し、従って配列番号1のアミノ酸配列ではない。
【0242】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAドメインは、1個の位置、2個の位置、3個の位置、4個の位置、5個の位置、6個の位置、7個の位置、8個の位置、9個の位置、または10個の位置にアミノ酸置換を有する。
【0243】
特定の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAドメインのAPRILおよび/またはBAFFに対する結合親和性は、その野生型sBCMAのAPRILおよび/またはBAFFに対する結合親和性と比較して少なくとも約0.4%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%またはそれ以上増加される。他の実施形態において、本発明のバリアントBCMAドメインは、約1×10-8M未満、1×10-9M未満、1×10-10M未満、1×10-12 M未満または1×10-15 M未満のAPRILおよび/またはBAFFに対する結合親和性を有する。なお他の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントBCMAドメインは、インビボもしくはインビトロのいずれか一方またはそれらの両方で、APRILおよび/もしくはBAFFへの野生型sBCMAの結合を阻害するかもしくはそれと競合する。
【0244】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較して少なくとも1アミノ酸置換を含み、そのアミノ酸置換は、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、14、16、19、20、22、23、25、26、29、31、32、35、36、38、39、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、および54からなる群より選択される位置番号にあり、その番号付けはEUインデックスに従う。
【0245】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号1に対する少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列同一性を有する。
【0246】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、M1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36A、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。
【0247】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、M1V、L2S、Q3P、M4T、S9P、N11D、S16G、H19Y、N31S、N31D、T32I、T36A、R39H、N47S、K50E、およびN53Eからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。
【0248】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、S16G、H19YおよびT36Aからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。
【0249】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、L2S/S9P/E12K/N31D/T36A/N42S/N53S、M1V/T32P/T36A/T46I/N53D/A54V、Q3R/S16N/T36A/A43T、F14L/S16G/T36A/V45A/N47D、M1T/M4V/S9F/S16G/T32A/Q38R、M1A/S9A/Q38R、G6E/Q25R/Q38R、M1V/M4I/G6E/S9P/N11D/V49M/T52M/A54V、N11D/S16G/N31S、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、G6E/Q7R/H19Y/L35S、H19Y/N42D/S48P/T52A、M1V/N31D/T32I/T36A、M1V/A5T/H19L/T36A、M1T/N31D/T32A/T36A/Q38R/S44D/V49A/K50E、M1V/T36A/Q38R/A43V、M1V/L2S/S9P/Q10H/T36A/Q38R/K50G、T36A/Q38R/N53S、M1T/L2S/L35P/T36A/Q38R/T46A/K50R、A5T/A20V/T36A/Q38R、M1T/S16G/I22V/T36A/S44G/T46A/V49A、S16G/T36A、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、M1C/L2C/Q3R/M4E/N11D/S16G/T36P、M1I/N11D/S16G/I22M/S29A/T36A/S44G/K50R、N11D/N31D/T32I/T36A/S44N/N47D/N53D、M1R/L2C/Q3R、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T32I/T36A/V49A、H19Y/N31S/T36A/V45A、H19Y/N31S/T36A、H19Y/T36P/T52A、H19Y/N31D/T52M、M1V/H19Y/V45M、S16G/H19Y/N47D、S16G/H19Y/K50T、S16G/H19Y/S44N/K50R、N11D/H19Y/S48T、S9P/N11D/S16R/T32A/Q38R/S44G/T46I/T52A/N53D/A54T、N11D/S16G/S44R、H19L/T32A/S44G/G51E/T52A、S16N/H19Y/T36A/K50R、M1V/H19Y/T36A/R39H/T46A、M1V/H19Y/T36A、H19Y/T36A/N42D/N47S/S48P、M1V/H19Y/T36A/S44G/N47D、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、H19Y/L35P/T36A/N42D/T46I/V49A、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/H19Y/T36A/N42R/N53S、M1T/H19Y/T36A、M1V/S16N/H19Y/I22M/T36A、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、M1V/S9P/Q10P/S16G/H19Y/L26F/T36A/A43V/N53D、S16G/H19Y/T36A/V49A/N53D、S16G/T36A/A43T/S44G/V45M、M4V/S9P/S16G/T36A/Q38R、S9P/N11S/S16G/T36A/Q38R、N11D/E12K/S16R/T36A/T52M、M4V/T32I/T36A/Q38R/A43T/V45A/S48P、S9P/N11D/S16G/Q25R、M1T/A5T/S9P/S16G/Q25R/N31D/V49M、L2S/S9P/S16G/A20T/T32I/Q38R/N42D/T46A/S48L、S16G/Q25R/T46A、G6E/S9A/S16G/Q25R/N31D/N47S/T52M、H19Y/Q38R/T52M、N11D/H19Y/I22M/T32P/N47S/N53S、S16G/H19Y/T36A、S16G/H19Y/T36A/N53D、S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/N11D/T36A、M1V/L2S/M4T/H19Y/T36I/V45A/V49M、M1V/L2S/M4T/N11D/H19Y/T36A、M1V/L2S/M4T/S9P/Q10R/H19Y/T36A/T46A/N47S、M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36A、M1V/M4T/T36A/Q38R/N53K、M1T/N11D/H19Y/T36A/N42S/V45A/N53S、M1T/N31D/T32A/T36A/A38R/S44D/V49A/K50E、M1T/S9P/P23S/Q38R/N42S/S48P/V49A/A54V、H19Y/T36A/S44G、H19Y/T36A、およびM4T/T36A/Q38R/N42S/S44G/T46A/N47K/S48P/T52Aからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。
【0250】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36A、およびM1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群から選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換を含む。
【0251】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、アミノ酸置換S16G/H19Y/T36A/N53D、およびM1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群から選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換を含む。
【0252】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、アミノ酸置換S9P/N11D/S16G/H19Y/T36A/N47S/N53D、およびM1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、N31S、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群から選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換を含む。
【0253】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、アミノ酸置換Q3P/S9P/H19Y/N31S/T36A/R39H/N47R/K50E、およびM1A、M1C、M1I、M1R、M1T、M1V、L2C、L2S、Q3R、M4E、M4I、M4T、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16G、S16N、S16R、H19L、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31D、T32A、T32I、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群から選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換を含む。
【0254】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、アミノ酸置換M1V/L2S/M4T/S16G/N31D/T32I/T36A、およびM1A、M1C、M1I、M1R、M1T、L2C、Q3P、Q3R、M4E、M4I、M4V、A5T、G6E、Q7R、S9A、S9F、S9P、Q10H、Q10P、Q10R、N11D、N11S、E12K、F14L、S16N、S16R、H19L、H19Y、A20V、A20T、I22M、I22V、P23S、Q25R、L26F、S29A、N31S、T32A、T32P、L35S、L35P、T36I、T36P、Q38R、R39H、N42D、N42R、N42S、A43T、A43V、S44D、S44G、S44N、S44R、V45A、V45M、T46A、T46I、N47D、N47K、N47R、N47S、S48L、S48P、S48T、V49A、V49M、K50E、K50G、K50R、K50T、G51E、T52A、T52M、N53D、N53K、N53S、A54V、およびA54Tからなる群から選択される少なくとも1つのさらなるアミノ酸置換を含む。
【0255】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号67と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0256】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号68と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0257】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号69と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0258】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号49と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0259】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号74と少なくとも90%の配列同一性を有する。
【0260】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号67を有する。
【0261】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号68を有する。
【0262】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号69を有する。
【0263】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号49を有する。
【0264】
一部の実施形態において、本明細書に記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号74を有する。
【0265】
例示的バリアントsBCMAドメインのクローン番号、配列番号1のアミノ酸配列と比較したアミノ酸置換、および割り当てられた配列番号が、表2において示される。
【0266】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較してAPRILに対する増強した結合親和性を示す。
【0267】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較してBAFFに対する増強した結合親和性を示す。
【0268】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるバリアントsBCMAドメインは、配列番号1と比較してAPRILおよびBAFFに対する増強した結合親和性を示す。
【0269】
(4.Fcドメイン)
本明細書において議論されるとおり、上記のsBCMAバリアントドメインに加えて、本発明の融合タンパク質はまた、IgGクラスに一般的には基づく抗体のFcドメインも含み、そのIgGクラスは、いくつかのサブクラス(IgG1、IgG2、およびIgG3が挙げられるがこれらに限定はされない)を有する。本明細書において記載されるとおり、Fcドメインは、IgG抗体のヒンジドメインを必要に応じて含む。
【0270】
ヒトIgG Fcドメインが、本発明において特に有用であり、ヒトIgG1、IgG2、またはIgG3に由来のFcドメインに由来し得る。一般に、IgG1およびIgG2が、IgG3よりも頻繁に使用される。
【0271】
本発明の融合タンパク質に含まれるヒトIgGタンパク質のFcドメインは、その融合タンパク質の半減期の顕著な増加を付与し得、Ig分子とのさらなる結合または相互作用を提供し得る。一部の実施形態において、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、単量体バリアントsBCMAポリペプチドと比較して精製、多量体化、結合および他の分子の中和を容易にし得る。
【0272】
Fcドメインはまた、必要に応じて機能を変化させるためにFcバリアントを含み得る。しかし、多くの実施形態に従って、Fcバリアントは、二量体を形成する能力およびFcRnに結合する能力の両方を保持することを一般的に必要とする。従って、本明細書における実施形態の多くはヒトIgG1ドメインの使用に依拠するが、Fcバリアントは、他のIgGドメインにおける機能を増強または抑制するようにされ得る。従って、当業者によって理解されるように、例えば、IgG1またはIgG2におけるエフェクター機能を減少または除去する除去バリアントが使用され得、かつ/またはFcRnレセプターへの強固な結合を付与するFcRnバリアントが使用され得る。
【0273】
一実施形態において、Fcドメインは、ヒトIgG FcドメインまたはバリアントヒトIgG Fcドメインである。
【0274】
別の実施形態において、FcドメインはヒトIgG1 Fcドメインである。
【0275】
さらなる実施形態において、FcドメインはヒトIgG1のヒンジ-CH2-CH3を含む。
【0276】
別の実施形態において、FcドメインはヒトIgG1のCH2-CH3を含む。
【0277】
一部の実施形態において、Fcドメインは、IgG1ではない他のIgG(例えば、ヒトIgG2またはIgG3)に由来するFcドメインであり得る。一般に、IgG2が、IgG3よりも頻繁に使用される。
【0278】
さらなる実施形態において、Fcドメインは、バリアントヒトIgG Fcドメインである。しかし、本明細書におけるバリアントFcドメインは、これが本明細書における融合タンパク質の血清半減期の増加に顕著に寄与するので、既知を使用して測定される別のFcドメインと二量体を形成する能力、およびFcRnと結合する能力を、依然として保持する。
【0279】
バリアントIgG Fcドメインは、その親ヒトIgG Fcドメインと比較して付加、欠失、置換またはそれらの任意の組合せを含み得る。
【0280】
一部の実施形態において、本発明のバリアントヒトIgG Fcドメインは、対応する親ヒトIgG Fcドメインに対する少なくとも約80%、85%、90%、95%、95%、97%、98%または99%の同一性を有し得る(上記で議論された同一性アルゴリズムを使用し、一実施形態は当該分野で公知であるBLASTアルゴリズムを、デフォルトパラメータを使用して使用する)。
【0281】
一部の実施形態において、本発明のバリアントヒトIgG Fcドメインは、その親ヒトIgG Fcドメインと比較して1個から、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個または20個のアミノ酸配列改変を有し得る。
【0282】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるFcドメインは、ヒトIgG FcドメインまたはバリアントヒトIgG Fcドメインである。
【0283】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるFcドメインは、ヒトIgG1のヒンジ-CH2-CH3を含む。
【0284】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるFcドメインはバリアントヒトIgG Fcドメインである。
【0285】
(5.リンカー)
本発明の融合タンパク質は、そのsBCMAドメインをそのFcドメインに連結する、必要に応じたリンカーを含み得る。
【0286】
本明細書において使用される「リンカー」または「リンカーペプチド」は、2つの分子が互いに対して正確な立体構造を呈した結果それらの2つの分子が望ましい活性を保持する様式で、その2つの分子を連結するのに十分な長さを有する。一実施形態において、そのリンカーは、約1~20アミノ酸長、好ましくは約1~10アミノ酸長である。一実施形態において、4~10アミノ酸長のリンカーが、使用され得る。有用なリンカーとしては、IEGRMDまたはグリシン-セリンポリマー(例えば(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、および(GGGS)nが挙げられ、nは少なくとも1(一般的には3~4)である整数である)、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー、および他の可撓性リンカーが挙げられる。あるいは、種々の非タンパク質性ポリマー(ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、またはポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマーが挙げられるがこれらに限定はされない)が、リンカーとして用途を見出し得る。
【0287】
一部の実施形態において、そのリンカーは、本明細書において概説される任意の2つのドメインを共に連結するため、例えばバリアントsBCMAドメインをFcドメインに連結するために使用される、「ドメインリンカー」である。上記で議論されたとおり、多くの適切なリンカーが、それらの2つのドメインの組換え連結を、各ドメインがその生物学的活性を保持するのを可能にするのに十分な長さおよび可撓性で可能にするために、使用され得る。本明細書において議論されるとおり、特に有用なドメインリンカーは、IgG1のヒンジドメインに連結されたIEGRMDリンカーである。
【0288】
種々の実施形態において、2つのドメイン(例えば、sBCMAバリアントドメインおよびFcドメイン)が、本明細書において記載されるドメインリンカーを使用して、一般的には連結される。多くの実施形態において、2つのドメインが、それらの2つのドメインが独立的に作動し得る様式で、可撓性リンカーを使用して連結される。可撓性連結が、種々の様式で、従来のリンカーおよび/またはヒンジリンカーを使用して、達成され得る。
【0289】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるリンカーはIEGRMD(配列番号87)である。
【0290】
一部の実施形態において、本明細書において記載されるリンカーはGGGGS(配列番号88)である。
【0291】
一部の実施形態において、ヒトIgG抗体のヒンジドメインが、使用される。一部の場合では、ヒンジドメインはアミノ酸置換も含み得る。
【0292】
一部の実施形態において、ドメインリンカーは、ヒンジドメインと可撓性リンカーとの組合せ、例えばIgG1ヒンジとIEGRMDリンカーとの組合せである。
【0293】
一実施形態において、リンカーは、約1~50アミノ酸長、好ましくは約1~30アミノ酸長、より好ましくは約4~10アミノ酸である。
【0294】
(6.発明の特定の実施形態)
一部の実施形態において、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号80に対する少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を示す。
【0295】
一部の実施形態において、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号81に対する少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を示す。
【0296】
一部の実施形態において、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号82に対する少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を示す。
【0297】
一部の実施形態において、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号83に対する少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を示す。
【0298】
一部の実施形態において、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号84に対する少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を示す。
【0299】
一部の実施形態において、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号80において示されるアミノ酸配列を有する。
【0300】
一部の実施形態において、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号81において示されるアミノ酸配列を有する。
【0301】
一部の実施形態において、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号82において示されるアミノ酸配列を有する。
【0302】
一部の実施形態において、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号83において示されるアミノ酸配列を有する。
【0303】
一部の実施形態において、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質は、配列番号84において示されるアミノ酸配列を有する。
【0304】
(E.核酸)
本開示はまた、バリアントsBCMAおよび/またはsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質をコードする核酸を含む、組成物も提供する。そのような核酸は、本明細書において記載されるバリアントsBCMAおよび/またはsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質のうちのいずれかをコードする。
【0305】
核酸は、単離および/または精製され得る。種々の実施形態において、DNAまたはRNAのいずれか一方としての核酸は、他の天然に存在する核酸配列を実質的には含まない。一部の実施形態において、核酸は、少なくとも約50%、または少なくとも約90%純粋である。多くの実施形態において、核酸は、「組換え体」であり、すなわち、天然に存在する染色体上でその核酸が通常は結合してない1個またはそれ以上のヌクレオチドが隣接している。
【0306】
一部の実施形態において、組成物は、本明細書において記載される任意のバリアントsBCMAをコードする核酸を含む。
【0307】
一部の実施形態において、組成物は、本明細書において記載される任意のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質をコードする核酸を含む。
【0308】
一部の実施形態において、核酸は、シグナル配列を含むBCMAバリアント-Fc融合タンパク質をコードする。当該分野において公知であるとおり、シグナル配列は、連結された場合に分泌経路を通るようにタンパク質(またはペプチド)に指示して、しばしばそのタンパク質が細胞から排出されることを生じる、短いペプチドをコードする。当業者によって理解されるとおり、その融合タンパク質の発現のために適切なシグナル配列は、宿主細胞にとって適切であるように選択され得る。すなわち、本発明の融合タンパク質が哺乳動物宿主細胞(例えば、CHO細胞)において発現される場合、例えば、CHO細胞由来のシグナル配列が、使用され得る。
【0309】
一部の実施形態において、組成物は、本明細書において記載されるBCMA-Fc融合タンパク質をコードする核酸を含む。
【0310】
一部の実施形態において、組成物は、配列番号80に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を示すBCMA-Fc融合タンパク質をコードする核酸を含む。
【0311】
一部の実施形態において、組成物は、配列番号81に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を示すBCMA-Fc融合タンパク質をコードする核酸を含む。
【0312】
一部の実施形態において、組成物は、配列番号82に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を示すBCMA-Fc融合タンパク質をコードする核酸を含む。
【0313】
一部の実施形態において、組成物は、配列番号83に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を示すBCMA-Fc融合タンパク質をコードする核酸を含む。
【0314】
一部の実施形態において、組成物は、配列番号84に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を示すBCMA-Fc融合タンパク質をコードする核酸を含む。
【0315】
一部の実施形態において、組成物は、配列番号80のアミノ酸配列を有するBCMA-Fc融合タンパク質をコードする核酸を含む。
【0316】
一部の実施形態において、組成物は、配列番号81のアミノ酸配列を有するBCMA-Fc融合タンパク質をコードする核酸を含む。
【0317】
一部の実施形態において、組成物は、配列番号82のアミノ酸配列を有するBCMA-Fc融合タンパク質をコードする核酸を含む。
【0318】
一部の実施形態において、組成物は、配列番号83のアミノ酸配列を有するBCMA-Fc融合タンパク質をコードする核酸を含む。
【0319】
一部の実施形態において、組成物は、配列番号84のアミノ酸配列を有するBCMA-Fc融合タンパク質をコードする核酸を含む。
【0320】
一部の実施形態において、BCMAバリアント-Fc融合タンパク質をコードする核酸は、コドン最適化バージョンまたはバリアントを含む。
【0321】
この文脈における「コドン最適化」は、特定の宿主生物およびその一般的に好ましいアミノ酸コドンに関連して行われる;すなわち、その宿主産生生物(例えば、Aspergillus species)は、Aspergillusに好ましいコドンを使用して、酵母産生生物と比較して高い翻訳および/または分泌をもたらし得る。
【0322】
コドン最適化は、sBCMA(バリアント)-Fc融合タンパク質のいずれを用いても使用され得、それは、使用される宿主細胞におけるより高い発現をもたらし得る。
【0323】
sBCMA(バリアント)-Fc融合タンパク質は、周知技術(親遺伝子の部位特異的変異誘発および合成遺伝子組換え技術が挙げられる)を使用して、その融合タンパク質配列をコードする核酸配列によって一般的には調製され得る。
【0324】
発現核酸は、それら自体によって、または当該分野において公知である他の調節配列によって、調節され得る。種々の実施形態において、発現は、当該分野において理解されるとおり、望ましい発現効果をもたらすために特定の調節配列を組み込むことによって、調節される。
【0325】
(1.調節配列)
本発明はまた、バリアントsBCMAまたはsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを、制御配列と適合する条件下で適切な宿主細胞におけるそのコード配列の発現を指示する1つまたはそれ以上の調節配列に作動可能に連結された状態で含む、核酸構築物に関する。調節配列は、プロモーターを含み得る。プロモーターは、タンパク質(例えば、本明細書において記載されるバリアントタンパク質および融合タンパク質)の発現レベルを媒介する転写制御配列を含む。プロモーターは、宿主細胞において転写活性を示す任意のポリヌクレオチド(変異体プロモーター、短縮形プロモーター、およびハイブリッドプロモーターが挙げられる)であり得、宿主細胞に対して同種または異種のいずれかである細胞外ポリペプチドもしくは細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から取得され得る。
【0326】
(F.発現ベクター)
1つもしくはそれ以上のバリアントsBCMAおよびsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質の、構成的または1つもしくはそれ以上の調節エレメント下のいずれかでの、インビトロまたはインビボでの発現のための発現ベクターもまた、本明細書において提供される。一部の実施形態において、発現ベクターは、バリアントsBCMAまたはsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、プロモーター、ならびに転写終結シグナルおよび翻訳終止シグナルを含む。種々のヌクレオチドと制御配列とが、1つまたはそれ以上の従来の制限部位を含んでそのような部位でのFc融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの挿入または置換を可能にし得る、組換え発現ベクターを作製するために共に連結され得る。あるいは、そのポリヌクレオチドは、発現のための適切なベクター中にそのポリヌクレオチドまたはそのポリヌクレオチドを含む核酸構築物を挿入することによって、発現され得る。発現ベクターを作製する際に、そのコード配列は、そのコード配列が発現のために適切な制御配列と作動可能に連結されるように、そのベクター中に配置される。
【0327】
組換え発現ベクターは、組換えDNA手順に都合よく従い得、ポリヌクレオチドの発現をもたらし得る、任意のベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)であり得る。そのベクターの選択は、そのベクターが導入される宿主細胞とのそのベクターの適合性に代表的には依拠する。そのベクターは、直鎖状または閉環状のプラスミドであり得る。
【0328】
ベクターは、自律複製ベクター、すなわち、染色体外実体として存在し、その複製が染色体複製から独立しているベクター(例えば、プラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体、または人工染色体)であり得る。ベクターは、自己複製を保証するための任意の手段を含み得る。あるいは、ベクターは、その宿主細胞中に導入された場合に、そのゲノム中に組み込まれ、そのベクターが組み込まれた染色体とともに複製される、ベクターであり得る。さらに、単一のベクターもしくはプラスミド、または宿主細胞のゲノム中に導入される全DNAを共に含む2つ以上のベクターもしくはプラスミド、またはトランスポゾン、使用され得る。意図されるベクターとしては、組込みベクターおよび非組込みベクターの両方が挙げられる。
【0329】
(G.宿主細胞および産生株)
当業者によって理解されるとおり、本明細書において記載されるバリアントsBCMAタンパク質およびsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質の組換え産生のための広範な種類の産生宿主生物(細菌細胞、哺乳動物細胞および真菌細胞(酵母を含む)が挙げられるがこれらに限定はされない)が、存在する。
【0330】
本発明の核酸は、当該分野において利用可能な種々の技術(例えば、トランスフェリンポリカチオン媒介性DNA移入、裸の核酸またはカプセル化核酸によるトランスフェクション、リポソーム媒介性DNA移入、DNAコートラテックスビーズの細胞内輸送、プロトプラスト融合、ウイルス感染、エレクトロポレーション、遺伝子銃、リン酸カルシウム媒介性トランスフェクションなど)を使用して、適切な宿主細胞中に導入され得る。
【0331】
(H.融合タンパク質を作製する方法)
本発明はまた、バリアントsBCMAを作製する方法にも関し、その方法は、
(a)そのバリアントsBCMAの発現のために適切な条件下で本発明の宿主細胞を培養する工程;および
(b)そのバリアントsBCMAを必要に応じて回収する工程
を含む。
【0332】
本発明はまた、sBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を作製する方法にも関し、その方法は、
(a)そのsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質の発現のために適切な条件下で本発明の宿主細胞を培養する工程;および
(b)そのsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を必要に応じて回収する工程
を含む。
【0333】
(I.処置の方法)
(1.処置に従う対象)
種々の実施形態が、治療方法に関し、その治療方法の多くは、処置を必要とする対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において記載されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0334】
種々の実施形態が、治療方法に関し、その治療方法の多くは、処置を必要とする対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において記載されるsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。
【0335】
一部の実施形態において、本発明は、対象において1またはそれ以上のB細胞悪性疾患を処置する方法を提供し、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において記載されるバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。一部の実施形態において、1またはそれ以上のB細胞悪性疾患は、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫-粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、および原発性眼内リンパ腫(眼のリンパ腫)からなる群より選択される。一部の実施形態において、本明細書において開示される対象はヒト対象である。
【0336】
一部の実施形態において、本発明は、対象において1またはそれ以上のB細胞悪性疾患を処置する方法を提供し、その方法は、その対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の本明細書において記載されるsBCMAバリアントFc融合タンパク質を投与する工程を含む。一部の実施形態において、1またはそれ以上のB細胞悪性疾患は、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、原発性縦隔B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫-粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、有毛細胞白血病、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、および原発性眼内リンパ腫(眼のリンパ腫)からなる群より選択される。一部の実施形態において、本明細書において開示される対象はヒト対象である。
【0337】
いくつかの実施形態は、対象においてAPRILを発現する腫瘍を処置するか、該APRILを発現する腫瘍の転移もしくは浸潤を減少または予防する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。一部の実施形態において、本明細書に開示される腫瘍は、上記で開示されるB細胞悪性疾患である。一部の実施形態では、本明細書に開示される腫瘍は血液がんである。一部の実施形態では、本明細書に開示される血液がんは多発性骨髄腫である。
【0338】
いくつかの実施形態は、対象においてAPRILを発現する腫瘍を処置するか、該APRILを発現する腫瘍の転移もしくは浸潤を減少または予防する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。一部の実施形態において、本明細書に開示される腫瘍は、上記で開示されるB細胞悪性疾患である。一部の実施形態では、本明細書に開示される腫瘍は血液がんである。一部の実施形態では、本明細書に開示される血液がんは多発性骨髄腫である。
【0339】
いくつかの実施形態は、対象においてBCMA、TACIおよび/またはAPRILへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現する腫瘍を処置するか、該APRILを発現する腫瘍の転移もしくは浸潤を減少または予防する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。一部の実施形態において、本明細書に開示される腫瘍は、上記で開示されるB細胞悪性疾患である。一部の実施形態では、本明細書に開示される腫瘍は血液がんである。一部の実施形態では、本明細書に開示される血液がんは多発性骨髄腫である。
【0340】
いくつかの実施形態は、対象においてBCMA、TACIおよび/またはAPRILへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現する腫瘍を処置するか、該APRILを発現する腫瘍の転移もしくは浸潤を減少または予防する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。一部の実施形態において、本明細書に開示される腫瘍は、上記で開示されるB細胞悪性疾患である。一部の実施形態では、本明細書に開示される腫瘍は血液がんである。一部の実施形態では、本明細書に開示される血液がんは多発性骨髄腫である。
【0341】
一部の実施形態は、APRILを発現する腫瘍を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。一部の実施形態において、本明細書に開示される腫瘍は、上記で開示されるB細胞悪性疾患である。一部の実施形態では、本明細書に開示される腫瘍は血液がんである。一部の実施形態では、本明細書に開示される血液がんは多発性骨髄腫である。
【0342】
一部の実施形態は、APRILを発現する腫瘍を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。一部の実施形態において、本明細書に開示される腫瘍は、上記で開示されるB細胞悪性疾患である。一部の実施形態では、本明細書に開示される腫瘍は血液がんである。一部の実施形態では、本明細書に開示される血液がんは多発性骨髄腫である。
【0343】
一部の実施形態は、BCMA、TACIおよび/またはAPRILへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現する腫瘍を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。一部の実施形態において、本明細書に開示される腫瘍は、上記で開示されるB細胞悪性疾患である。一部の実施形態では、本明細書に開示される腫瘍は血液がんである。一部の実施形態では、本明細書に開示される血液がんは多発性骨髄腫である。
【0344】
一部の実施形態は、BCMA、TACIおよび/またはAPRILへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現する腫瘍を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。一部の実施形態において、本明細書に開示される腫瘍は、上記で開示されるB細胞悪性疾患である。一部の実施形態では、本明細書に開示される腫瘍は血液がんである。一部の実施形態では、本明細書に開示される血液がんは多発性骨髄腫である。
【0345】
一部の実施形態は、PRILを発現する自己免疫疾患を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0346】
一部の実施形態は、PRILを発現する自己免疫疾患を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。
【0347】
一部の実施形態は、BCMA、TACIおよび/またはAPRILへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現する自己免疫疾患を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0348】
一部の実施形態は、BCMA、TACIおよび/またはAPRILへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現する自己免疫疾患を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。
【0349】
一部の実施形態は、APRILを発現する線維症を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0350】
一部の実施形態は、APRILを発現する線維症を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。
【0351】
一部の実施形態は、BCMA、TACIおよび/またはAPRILへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現する線維症を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0352】
一部の実施形態は、BCMA、TACIおよび/またはAPRILへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現する線維症を有する対象においてAPRILの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。
【0353】
一部の実施形態は、対象においてB細胞増殖、免疫グロブリン産生、またはそれらの両方を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含み、バリアントsBCMAタンパク質はBAFFに結合する。
【0354】
一部の実施形態は、対象においてB細胞増殖、免疫グロブリン産生、またはそれらの両方を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含み、sBCMAドメインはBAFFに結合する。
【0355】
一部の実施形態は、BCMA、BAFFR、TACIおよび/またはBAFFへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現するB細胞過形成または自己免疫疾患を有する対象においてBAFFの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0356】
一部の実施形態は、BCMA、BAFFR、TACIおよび/またはBAFFへの結合を介して活性化される他のレセプターを発現するB細胞過形成または自己免疫疾患を有する対象においてBAFFの活性を阻害する方法に関し、方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。
【0357】
一部の実施形態は、BCMAと、BAFFRと、TACIと、BAFFへの結合を介して活性化される他のレセプターとからなる群より選択される少なくとも1つのレセプターを発現する自己免疫疾患を対象において処置する方法に関し、この方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0358】
一部の実施形態は、BCMAと、BAFFRと、TACIと、BAFFへの結合を介して活性化される他のレセプターとからなる群より選択される少なくとも1つのレセプターを発現する自己免疫疾患を対象において処置する方法に関し、この方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。
【0359】
一部の実施形態は、BAFFおよび/またはAPRILを発現する自己免疫疾患を対象において処置する方法に関し、この方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0360】
一部の実施形態は、BAFFおよび/またはAPRILを発現する自己免疫疾患を対象において処置する方法に関し、この方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。
【0361】
一部の実施形態は、BCMA、BAFFRおよび/またはTACIを発現する線維症を対象において処置する方法に関し、この方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0362】
一部の実施形態は、BCMA、BAFFRおよび/またはTACIを発現する線維症を対象において処置する方法に関し、この方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。
【0363】
一部の実施形態は、BAFFおよび/またはAPRILを発現する線維症を対象において処置する方法に関し、この方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のバリアントsBCMAタンパク質を投与する工程を含む。
【0364】
一部の実施形態は、BAFFおよび/またはAPRILを発現する線維症を対象において処置する方法に関し、この方法は、対象に治療有効用量の1種またはそれ以上の上記のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を投与する工程を含む。
【0365】
(2.治療的投与)
特定の実施形態において、1つまたはそれ以上のバリアントsBCMAタンパク質を有する治療有効組成物または処方物は、個体に全身投与され得るか、または当該分野で公知の他の任意の投与経路を介して投与され得る。
【0366】
特定の実施形態において、1つまたはそれ以上のsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質を有する治療有効組成物または処方物は、個体に全身投与され得るか、または当該分野で公知の他の任意の投与経路を介して投与され得る。
【0367】
(3.投薬)
一部の実施形態において、例えばがんまたは免疫調節性障害の処置のための、本発明の治療実体の有効用量は、多くの種々の要因(投与の手段、標的部位、患者の生理的状態、患者がヒトであるかまたは動物であるか、投与される他の薬物、および処置が予防的かまたは治療的かが、挙げられる)に依拠して変化する。処置投薬量は、安全性および有効性を最適にするように用量設定され得る。
【実施例】
【0368】
(VI.実施例)
(A.実施例1:酵母ディスプレイsBCMAライブラリーの合成)
ヒトBCMA細胞外ドメイン(アミノ酸Met1~Ala54)をコードするDNAを、NheI制限部位およびBamHI制限部位を使用して、pCT酵母ディスプレイプラスミド中にクローニングした。配列番号付けを、Sasakiらにおいて使用された配列番号付けと一致するように行って、その野生型タンパク質を用いた彼らの研究との比較を容易にした。エラープローンライブラリーを、そのBCMA細胞外ドメインDNAをテンプレートとして使用して作製し、低フィデリティTaqポリメラーゼ(Invitrogen)とヌクレオチドアナログである8-オキソ-dGTPおよびdPTP(TriLink Biotech)とを使用することによって、変異を導入した。6つの別個のPCR反応を実施し、それらの反応において、そのアナログの濃度およびサイクル数を以下のとおり変化させて、一定範囲の変異頻度を得た;5サイクル(200μM)、10サイクル(2μM、20μM、または200μM)、および20サイクル(2μMまたは20μM)。これらの反応からの産物を、各々がそのpCTプラスミドと50bp相同性を有するフォワードプライマーおよびリバースプライマーをヌクレオチドアナログの非存在下で使用して増幅した。増幅したDNAを、ゲル電気泳動を使用して精製し、pCTプラスミドを、NheIおよびBamHIで消化した。精製した変異体cDNAと、直鎖状にしたプラスミドとを、5:1の重量比でEBY100酵母中に電気穿孔した。このEBY100酵母において、これらの変異体cDNAとプラスミドとが、相同組換えを介してインビボでアセンブルした。ライブラリーの大きさを、希釈プレーティングによって2×108であると見積もった。
【0369】
(B.実施例2:ライブラリースクリーニング)
酵母が提示する高親和性BCMA変異体を、蛍光活性化セルソーティング(FACS)を使用して上記ライブラリーから単離した。FACSのラウンド1について、平衡結合ソートを実施し、このソートにおいて、酵母を、0.1%のBSAを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBSA)および2nMのAPRIL(Peprotech)中で室温にて24時間インキュベートした。APRILとのインキュベーションの後、酵母をペレットにし、洗浄し、抗c-Myc FITC抗体(Abcam)と抗HA AF647(Invitrogen)との1:100混合物を含むPBSA中で4℃にて1時間再懸濁した。その後、酵母を洗浄し、ペレットにし、PBSAを使用して再懸濁し、その後FACS分析を行った。
【0370】
FACSのラウンド2~6について、速度論的解離速度ソートを実施し、このソートにおいて、酵母を2nMのAPRILとともに室温にて3時間インキュベートし、その後、細胞を2回洗浄して、過剰な非結合型APRILを除去し、約50倍モル過剰のBCMAを含むPBSA中に再懸濁して、解離事象を不可逆にした。この解離工程の長さは、以下のとおりであった:ソート2) 48時間;ソート3、4および5) 72時間;ソート6) 84時間、すべての解離反応は室温にて実施した。この解離反応の最後の1時間の間に、細胞を、抗c-Myc FITC抗体(Abcam)と抗HA AF647(Invitrogen)との1:100混合物とともに4℃にて1時間混合した。酵母をペレットにし、洗浄し、0.1%のBSA中に再懸濁した。標識された酵母を、Vantage SEフローサイトメーター(Stanford FACS Core Facility)およびCellQuestソフトウェア(Becton Dickinson)を使用してFACSによってソートした。ソートは、クローンのうちの最高のAPRIL結合/c-Myc発現比を有する1~3%が選択されるように行い、APRILに対する最高の結合親和性を有するクローンについてそのライブラリーを濃縮した。ソート1において、108個の細胞をスクリーニングし、その後のラウンドを、その前のソートラウンドにおいて収集したクローンの数の最低10倍分析して、そのライブラリーの多様性の十分なサンプリングを保証した。選択したクローンを増殖させ、さらなるラウンドのFACSに供した。ソート3、4、5および6の後、プラスミドDNAを、Zymoprepキット(Zymo Research Corp.)を使用して回収し、DH5aスーパーコンピテント細胞中に形質転換し、プラスミドミニプレップキット(Qiagen)を使用して単離した。配列決定を、MCLABによって実施した。
【0371】
酵母により提示されたソート産物の分析を、同じ試薬およびプロトコルを使用して実施し、上記ライブラリーソートについて記載した。サンプルをFACS Calibur(BD Biosciences)にて分析し、データを、FlowJoソフトウェア(Treestar Inc.)を使用して分析した。
【0372】
(C.実施例3:結合親和性アッセイ)
細胞を、標準的組織培養条件で培養した。細胞を収集し、その上清を捨て、その後、3×105細胞/ウェルにて染色プレート上に散布した。そのプレートを、4℃にて300gで5分間遠心分離した。種々の濃度のsBCMA変異体および陰性対照を、2%のFBSを含有するFACS緩衝液中に希釈し、100μL/ウェルを添加した。細胞を4℃にて1時間インキュベートし、200μLのFACS緩衝液で2回洗浄し、300gで5分間遠心分離した。その上清を、各洗浄の前および後に捨てた。細胞を、抗ヒトIgG-Alexa 488(番号A28175、ThermoFisher、Waltham、MA)を含む1:1000希釈液で100μL/ウェルにて再懸濁した。プレートを4℃にて1時間インキュベートした。細胞をFACS緩衝液で2回洗浄し、300gにて5分間遠心分離した。上清を捨て、細胞を100μLの冷たいPBS中に再懸濁した。その細胞を暗所に維持し、FACS CantoII(BD Biosciences、San Jose、CA)にてFACS分析を実施した。(結合親和性の尺度である)二重陽性集団の幾何平均を、FlowJoソフトウェアを使用して決定した。この結合反応のKd(平衡状態でレセプター部位の半分に結合するリガンド濃度)を決定するために、結合親和性をリガンド濃度に対してプロットし、そのグラフを、Graphpad Prismにおいて1部位特異的結合を使用して分析して、そのKd値を得た。
【0373】
(D.実施例4:結果)
APRILに対するWT-BCMAの結合の結合速度論を、
図1において示す。APRILに対するWT-BCMAの結合に付いての結合アッセイは、32pMというKdを示す。
【0374】
BCMA酵母ディスプレイライブラリーについての種々のソート条件およびゲートを、
図2において示す。
【0375】
図3は、野生型sBCMAと比較した変異を決定するためのバリアントsBCMAクローンの配列決定を示す。
【0376】
APRILに対する種々のバリアントsBCMAクローンについての結合曲線および結合の結果を、
図4において示す。
【0377】
BAFFに対する種々のバリアントsBCMAクローンについての結合曲線および結合の結果を、
図5において示す。
【0378】
(E.実施例5:インビボ腫瘍有効性研究)
1mg/kgおよび10mg/kgで投与したsBCMAバリアント-Fc融合タンパク質(本明細書において以後は「バリアントsBCMA-Fc」)の抗腫瘍活性を分析し、1mg/kgおよび10mg/kgで投与した野生型sBCMA-Fc融合タンパク質(本明細書において以後は「野生型sBCMA-Fc」)の抗腫瘍活性と比較した。MM1.R多発性骨髄腫細胞を、NSG免疫不全マウスに皮下注射した。動物を、ビヒクル対照、1mg/kgのバリアントsBCMA-Fc、10mg/kgのバリアントsBCMA-Fc、1mg/kgの野生型sBCMA-Fcおよび10mg/kgの野生型sBCMA-Fcで処置した。腫瘍増殖を、対照群と処置群との間で実験全体と通じて比較した。収集したMM1.R多発性骨髄腫腫瘍の最終的腫瘍重量を、対照群および処置群において比較した。
図8は、腫瘍増殖曲線(
図8A)および末期腫瘍重量(
図8B)の結果を示す。この研究は、1mg/kgのバリアントsBCMA-Fcで処置した動物、10mg/kgのバリアントsBCMA-Fcで処置した動物および10mg/kgの野生型sBCMA-Fcで処置した動物において、薬物溶媒で処置した動物と比較して顕著に増強した抗腫瘍活性を示した。詳細には、1mg/kgのバリアントsBCMA-Fcで処置した動物は、1mg/kgの野生型sBCMA-Fcで処置したマウスと比較して顕著に改善した抗腫瘍活性を示した。
【0379】
上で示した実施例は、本発明の組成物、システムおよび方法の実施形態を製造し使用する方法に関する完全な開示および記載を当業者に与えるために提供され、本発明者らが自身の発明だとみなすものの範囲を限定することは意図されない。本発明を実施するための上記の様式の当業者にとって自明である改変は、添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。本明細書において記載されたすべての特許および公開物は、本発明が属する分野の当業者のレベルを示す。本開示において引用されたすべての参考文献は、各々の参考文献がその全体が個別に参照によって援用された場合とおなじ程度に、参照によって援用される。
【0380】
すべての見出しおよび節の名称は、明確性および参照を目的とするためだけに使用され、限定することは何ら考慮されない。例えば、当業者は、本明細書において記載される発明の趣旨および範囲に従って適切に別々の見出しおよび節から種々の局面を組み合わせることの有用性を理解する。
【0381】
本明細書において引用されるすべての参考文献は、個別の公開物または特許または特許出願の各々がすべての目的のためにその全体が参照により援用されると具体的および個別に示された場合とおなじ程度に、本明細書における参照によってその全体がすべての目的のために本明細書によって援用される。
【0382】
本出願の多くの改変および変化が、当業者にとって明らかであるように、本出願の趣旨および範囲から逸脱することなく行われ得る。本明細書において記載した特定の実施形態および実施例は、単に例示のみのために提供される。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
【国際調査報告】