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特表2023-537619自動医療スキャントリアージシステムおよびその使用のための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-04
(54)【発明の名称】自動医療スキャントリアージシステムおよびその使用のための方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/40 20180101AFI20230828BHJP
【FI】
G16H30/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023510485
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(85)【翻訳文提出日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 US2021071143
(87)【国際公開番号】W WO2022036351
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】16/991,373
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】522204474
【氏名又は名称】エンリティック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライマン、ケヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ、リ
(72)【発明者】
【氏名】ポブレンツ、エリック シー
(72)【発明者】
【氏名】コヴィントン、ベン
(72)【発明者】
【氏名】アップトン、アンソニー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA26
(57)【要約】
医療スキャントリアージシステムは、医療スキャンの訓練セットで訓練されたコンピュータ視覚モデルを利用することによって、複数の医療スキャンの各々に対して、大域的な異常確率を生成するステップと、複数の医療スキャンの各々についての大域的な異常確率をトリアージ確率閾値と比較することによって、比較データを生成するステップと、比較データに基づいて、各々に複数の異常のうちの1つが存在する複数の医療スキャンの第1のサブセットに、および、各々に複数の異常のうちのいずれも存在しない複数の医療スキャンの第2のサブセットに、複数の医療スキャンを選別するステップと、選別に基づいて、複数の医療スキャンの第1のサブセットおよび複数の医療スキャンの第2のサブセットの、少なくとも1つの医療スキャン視覚システムへの送信を容易にするステップとを作動可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療スキャントリアージシステムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
作動命令を保存するメモリと
を含み、
前記作動命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、前記医療スキャントリアージシステムに、
レビューのために、複数の医療スキャンを受信するステップと、
前記複数の医療スキャンの各々の画像データにおいて、少なくとも1つの推論機能を実行することによって、前記複数の医療スキャンの各々についての異常データを生成するステップであって、前記少なくとも1つの推論機能が、医療スキャンの訓練セットで訓練されたコンピュータ視覚モデルを利用し、前記複数の医療スキャンの各々についての前記異常データが、前記複数の医療スキャンの各々に複数の異常のうちの少なくとも1つが存在する確率を示す大域的な異常確率を示す、異常データを生成するステップと、
前記複数の医療スキャンの各々についての前記大域的な異常確率をトリアージ確率閾値と比較することによって、比較データを生成するステップと、
前記比較データに基づいて、前記複数の医療スキャンであって、各々に前記複数の異常のうちの1つが存在する、前記複数の医療スキャンの第1のサブセットに、および、前記複数の医療スキャンであって、各々に前記複数の異常のうちのいずれも存在しない、前記複数の医療スキャンの第2のサブセットに、前記複数の医療スキャンを選別するステップと、
選別に基づいて、前記複数の医療スキャンの前記第1のサブセットおよび前記複数の医療スキャンの前記第2のサブセットの、少なくとも1つの医療スキャン視覚システムへの送信を容易にするステップと
を含む、作業を実行させる、医療スキャントリアージシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの医療スキャン視覚システムは、複数の医療スキャン視覚システムを含み、
前記作動命令が、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、前記医療スキャントリアージシステムに、さらに、
前記複数の医療スキャンの各々を前記複数の医療スキャン視覚システムのうちの1つに割り当てることによって、レビュー割り当てデータを生成させる、
請求項1記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項3】
前記送信を容易にするステップは、前記レビュー割り当てデータに基づいて、前記複数の医療スキャンの前記第1のサブセットを前記複数の医療スキャン視覚システムの第1のサブセットに送ること、および、前記レビュー割り当てデータに基づいて、前記複数の医療スキャンの前記第2のサブセットを前記複数の医療スキャン視覚システムの第2のサブセットに送ることを含む、
請求項2記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項4】
前記レビュー割り当てデータは、前記複数の医療スキャン視覚システムの前記第1のサブセットの少なくとも1人の第1のユーザに対応する、および、前記複数の医療スキャン視覚システムの前記第2のサブセットの少なくとも1人の第2のユーザに対応する、資格データに基づいて生成される、
請求項3記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項5】
前記送信を容易にするステップは、前記選別に基づいて、前記複数の医療スキャンの前記第1のサブセットおよび前記複数の医療スキャンの前記第2のサブセットの、少なくとも1つの医療スキャン視覚システムへの送信の順序付けを含む、
請求項1記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの医療スキャン視覚システムは、ワークリストを表示する双方向インターフェースを含み、前記ワークリストは、所定の順序でグループ化された前記複数の医療スキャンの前記第1のサブセットおよび前記複数の医療スキャンの前記第2のサブセットを提示する、
請求項1記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの医療スキャン視覚システムは、前記少なくとも1つの医療スキャン視覚システムのユーザに関連付けられるエラーに寄与する1つまたは複数の因子を識別する因子データを受信し、前記因子データに応じて、前記順序が生成される、
請求項6記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項8】
前記1つまたは複数の因子は、少なくとも1つの系統因子を含む、
請求項7記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの系統因子は、
複数の表示ツールのうちの特定の1つを使用すること、
表示ツールの特定のインターフェース機能を使用すること、
一日の特定の時間、
前記ユーザのレビューセッションでの複数の事前のレビュー後、または、
前記レビューセッションの特定の期間後
に関連付けられる、前記ユーザによるレビューのために頻繁に発生するエラーを示す、
請求項7記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項10】
前記1つまたは複数の因子は、少なくとも1つの認知因子を含む、
請求項7記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの認知因子は、
アンカリングバイアス因子、
フレーミングバイアス因子、
検索因子の満足度、
報告因子の満足度、または、
トンネルビジョン因子
を含む、請求項10記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項12】
前記順序は、前記ワークリストにおいて、前記複数の医療スキャンの前記第2のサブセットの前に、前記複数の医療スキャンの前記第1のサブセットを提示する、
請求項7記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項13】
前記順序は、前記因子データに含まれる条件が満たされるまで、前記複数の医療スキャンの前記第1のサブセットの前記ワークリストへの提示を保留する、
請求項7記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項14】
前記順序は、前記因子データに含まれる条件が満たされるまで、前記複数の医療スキャンの前記第2のサブセットの前記ワークリストへの提示を保留する、
請求項7記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項15】
前記順序は、前記ワークリストにおいて、前記複数の医療スキャンの前記第2のサブセットの前に、前記複数の医療スキャンの前記第1のサブセットを提示する、
請求項6記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項16】
前記順序は、前記ワークリストにおいて、前記複数の医療スキャンの前記第2のサブセットの後に、前記複数の医療スキャンの前記第1のサブセットを提示する、
請求項6記載の医療スキャントリアージシステム。
【請求項17】
レビューのために、複数の医療スキャンを受信するステップと、
前記複数の医療スキャンの各々の画像データにおいて、少なくとも1つの推論機能を実行することによって、前記複数の医療スキャンの各々についての異常データを生成するステップであって、前記少なくとも1つの推論機能が、医療スキャンの訓練セットで訓練されたコンピュータ視覚モデルを利用し、前記複数の医療スキャンの各々についての前記異常データが、前記複数の医療スキャンの各々に複数の異常のうちの少なくとも1つが存在する確率を示す大域的な異常確率を示す、異常データを生成するステップと、
前記複数の医療スキャンの各々についての前記大域的な異常確率をトリアージ確率閾値と比較することによって、比較データを生成するステップと、
前記比較データに基づいて、前記複数の医療スキャンであって、各々に前記複数の異常のうちの1つが存在する、前記複数の医療スキャンの第1のサブセットに、および、前記複数の医療スキャンであって、各々に前記複数の異常のうちのいずれも存在しない、前記複数の医療スキャンの第2のサブセットに、前記複数の医療スキャンを選別するステップと、
選別に基づいて、前記複数の医療スキャンの前記第1のサブセットおよび前記複数の医療スキャンの前記第2のサブセットの、少なくとも1つの医療スキャン視覚システムへの送信を容易にするステップと
を含む、方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの医療スキャン視覚システムは、複数の医療スキャン視覚システムを含み、
前記方法は、前記複数の医療スキャンの各々を前記複数の医療スキャン視覚システムのうちの1つに割り当てることによって、レビュー割り当てデータを生成するステップをさらに含み、
前記送信を容易にするステップは、前記レビュー割り当てデータに基づいて、前記複数の医療スキャンの前記第1のサブセットを前記複数の医療スキャン視覚システムの第1のサブセットに送ること、および、前記レビュー割り当てデータに基づいて、前記複数の医療スキャンの第2のサブセットを前記複数の医療スキャン視覚システムの第2のサブセットに送ることを含み、
前記レビュー割り当てデータは、前記複数の医療スキャン視覚システムの前記第1のサブセットの少なくとも1人の第1のユーザに対応する、および、前記複数の医療スキャン視覚システムの前記第2のサブセットの少なくとも1人の第2のユーザに対応する、経験データに基づいて生成される、
請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの医療スキャン視覚システムは、ワークリストを表示する双方向インターフェースを含み、前記ワークリストは、所定の順序でグループ化された前記複数の医療スキャンの前記第1のサブセットおよび前記複数の医療スキャンの前記第2のサブセットを提示する、
請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの医療スキャン視覚システムは、前記少なくとも1つの医療スキャン視覚システムのユーザに関連付けられるエラーに寄与する1つまたは複数の因子を識別する因子データを受信し、順序が前記因子データに応じて生成される、
請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[連邦政府が後援する調査または開発に関する声明]
該当なし。
【0002】
[コンパクトディスクで提出された資料の引用による組み込み]
該当なし。
【0003】
本発明は、概して、クライアント/サーバネットワークアーキテクチャと併せて使用される医療撮像装置およびナレッジ型システム(knowledge-based systems)に関する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】医療スキャン処理システムの一実施形態の概略ブロック図である。
図2A】さまざまな実施形態によるクライアント装置の概略ブロック図である。
図2B】さまざまな実施形態による1つまたは複数のサブシステムの概略ブロック図である。
図3】さまざまな実施形態によるデータベース格納システムの概略ブロック図である。
図4A】さまざまな実施形態による医療スキャンエントリの概略ブロック図である。
図4B】さまざまな実施形態による異常データの概略ブロック図である。
図5A】さまざまな実施形態によるユーザプロファイルエントリの概略ブロック図である。
図5B】さまざまな実施形態による医療スキャン解析機能エントリの概略ブロック図である。
図6A】さまざまな実施形態による医療スキャン診断システムの概略ブロック図である。
図6B】さまざまな実施形態による医療スキャン診断システムの概略ブロック図である。
図7A】さまざまな実施形態による推論ステップを表すフローチャートである。
図7B】さまざまな実施形態による検出ステップを表すフローチャートである。
図8A】さまざまな実施形態による医療写真アーカイブ統合システムの概略ブロック図である。
図8B】さまざまな実施形態による医療写真アーカイブ統合システムの概略ブロック図である。
図8C】さまざまな実施形態による医療写真アーカイブ統合システムの概略ブロック図である。
図8D】さまざまな実施形態による医療写真アーカイブ統合システムの概略ブロック図である。
図8E】さまざまな実施形態による医療写真アーカイブ統合システムの概略ブロック図である。
図8F】さまざまな実施形態による医療写真アーカイブ統合システムの概略ブロック図である。
図9】さまざまな実施形態による、医療写真アーカイブ統合システムによる実行のための方法を表すフローチャートである。
図10A】さまざまな実施形態による匿名化システムの概略ブロック図である。
図10B】さまざまな実施形態による医療スキャンの画像データ内の患者識別子を匿名にする一例の例示である。
図11】さまざまな実施形態による、匿名化システムによる実行のための方法を例示するフローチャートを示す。
図12A】さまざまな実施形態による医療スキャントリアージシステムの概略ブロック図である。
図12B】さまざまな実施形態による医療スキャン視覚システムの概略ブロック図である。
図12C】さまざまな実施形態による双方向インターフェースの例示的な画面表示の例示である。
図12D】さまざまな実施形態による双方向インターフェースの例示的な画面表示の例示である。
図12E】さまざまな実施形態による双方向インターフェースの例示的な画面表示の例示である。
図12F】さまざまな実施形態による遡及的不一致フラグシステムの概略ブロック図である。
図12G】さまざまな実施形態による因子検出システムの概略ブロック図である。
図12H】さまざまな実施形態による方法を例示するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本出願の米国特許出願は、米国特許法第119条(e)に従って、2017年5月25日に出願された「MEDICAL SCAN ASSISTED REVIEW SYSTEM AND METHODS」と題する米国仮特許出願第62/511,150号の優先権を主張する、2017年6月20日に出願された「MEDICAL SCAN ASSISTED REVIEW SYSTEM」と題する米国特許出願第15/627,644号に関し、その両方は全体が引用により本明細書に組み込まれ、あらゆる目的で本出願の米国特許出願の一部を構成する。
【0006】
図1は、有線および/または無線ネットワーク150を介して1つまたは複数のクライアント装置120と双方向に通信する1つまたは複数の医療スキャンサブシステム101を含み得る、医療スキャン処理システム100を示している。医療スキャンサブシステム101は、医療スキャン支援型レビューシステム102、医療スキャン報告ラベリングシステム104、医療スキャン注釈者システム106、医療スキャン診断システム108、医療スキャンインターフェース機能評価者システム110、医療スキャン画像解析システム112、医療スキャン自然言語解析システム114、および/または医療スキャン比較システム116を含み得る。サブシステム101の一部またはすべては、たとえば、ネットワーク150に接続された同じセットの共有サーバ上で実行する、同じ処理装置、記憶装置、および/またはネットワークインターフェースを利用し得る。代替的または付加的に、サブシステム101の一部またはすべてに、たとえば、ネットワーク150に接続される異なるセットのサーバ上で別々に実行する、それら自体の処理装置、記憶装置、および/またはネットワークインターフェースが割り当てられる。たとえば、サブシステム101の一部またはすべては、互いに直接的に情報交換(interact)する場合があり、1つのサブシステムの出力は、ネットワーク150を介して入力として別のサブシステムに直接送信される。ネットワーク150は、1つもしくは複数の無線および/もしくは有線通信システム、1つもしくは複数の非公開イントラネットシステム、ならびに/または、公開インターネットシステム、ならびに/または1つまたは複数のローカルエリアネットワーク(LAN)、ならびに/またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含み得る。
【0007】
医療スキャン処理システム100は、データベース格納システム140をさらに含む場合があり、データベース格納システム140は、1つまたは複数のサーバ、1つまたは複数のサブシステム101の1つまたは複数の記憶装置、および/または、ネットワーク150に接続された1つまたは複数の他の記憶装置を含む場合がある。データベース格納システム140は、本明細書に記載されるようなデータベースエントリを含む1つまたは複数の記憶装置に保存された、1つまたは複数の共有データベースおよび/または1つまたは複数のファイルを保存し得る。共有データベースおよび/またはファイルは各々、医療スキャン処理システムのサブシステムの一部またはすべてによって利用される場合があり、それにより、サブシステムおよび/もしくはクライアント装置の一部またはすべては、エントリを検索、編集、もしくは削除するか、または、1つもしくは複数のデータベースおよび/もしくはファイルに追加することが可能になる。
【0008】
1つまたは複数のクライアント装置120は各々、医療スキャン処理システムの1つまたは複数のサブシステムの1人または複数人のユーザに関連付けられ得る。クライアント装置の一部またはすべては、病院または他の医療機関に関連付けられる場合があり、および/または、医療専門家、従業員、またはたとえば医療機関の1つまたは複数に位置する他の個々のユーザに関連付けられる場合がある。クライアント装置120の一部は、医療スキャン処理システムの1つまたは複数のサブシステムの1人または複数人の管理者に対応する場合があり、それにより、管理者は、担当する1つまたは複数のサブシステムの機能を管理、監視、または無効にすることが可能になる。
【0009】
医療スキャン処理システム100のサブシステム101の一部またはすべては、クライアント装置120のブラウザを介して、操作のためのウェブサイトを提示するサーバを含み得る。代替的または付加的に、各クライアント装置は、一部またはすべてのサブシステムに対応するアプリケーションデータ、たとえば、クライアント装置のメモリ内のユーザに関連するサブシステムのサブセットを保存する場合があり、クライアント装置のプロセッサは、メモリに保存されたインターフェースデータ内の指示に基づいて双方向インターフェースを表示する場合がある。たとえば、サブシステムによって提示されたウェブサイトは、アプリケーションを介して、操作し得る。たとえば、提示されたウェブサイトの一部またはすべては、複数のサブシステムに対応する場合があり、その場合には、複数のサブシステムは、ウェブサイトを提示するサーバを共有する。さらに、ネットワーク150は、データベース格納システムに保存されたデータ、および医療スキャンサブシステム101、クライアント装置120、およびデータベース格納システム140の間で通信されたデータを無許可のアクセスから保護するために、医療スキャンサブシステム101、クライアント装置120、およびデータベース格納システム140の間の安全なおよび/または認証された通信のために構成し得る。
【0010】
医療スキャン支援型レビューシステム102は、クライアント装置の表示装置を介した表示のために、選択された医療スキャンの医療スキャンデータおよび/または選択されたインターフェース機能(interface feature)のインターフェース機能データを医療スキャン支援型レビューシステムのユーザに対応するクライアント装置120に送信することによって、ユーザによるレビューのために医療スキャンを提示することによる医療スキャンの診断、トリアージ、分類、ランク付け、および/または、そうでなければ、レビューの際に、医療専門家または他のユーザを支援するために使用され得る。たとえば、医療スキャン支援型レビューシステム102は、スキャンレビューデータを提供するプロンプトに応じて、表示装置によって表示された双方向インターフェースへのユーザ入力に基づいて、医療スキャン用のスキャンレビューデータを生成する場合があり、その場合には、プロンプトは、1つまたは複数のインターフェース機能に対応する。
【0011】
医療スキャン支援型レビューシステム102は、ネットワークを介して、レビューのために医療スキャンを受信するように作動可能であり得る。異常注釈データは、複数の訓練医療スキャンで訓練されたコンピュータ視覚モデルを利用することによって、医療スキャンにおいて異常の1つまたは複数を識別することにより、生成され得る。異常注釈データは、スキャン画像データにおいて、複数の異常の各々についての位置データおよび分類データおよび/または異常の視覚化を容易にするデータを含み得る。異常データに基づいて、複数の異常の各々を記述するテキストを含む報告データが生成される。注釈データとして纏めて表示され得る視覚化および報告データは、クライアント装置に送信され得る。クライアント装置に関連付けられる表示装置は、双方向インターフェースを介して医療スキャンと併せて視覚化を表示する場合があり、表示装置は、双方向インターフェースを介して報告データをさらに表示する場合がある。
【0012】
さまざまな実施形態では、医療スキャンまたは類似スキャンの縦断的データ433の1つまたは複数の追加スキャンなどの縦断的データは、自動的か、またはユーザ入力を介して縦断的データを閲覧することを選択するユーザに応じて、医療スキャンと併せて表示され得る。たとえば、医療スキャン支援型レビューシステムは、自動的か、または過去の患者データを閲覧することを選択するユーザに応じて、患者データベースからか、または医療スキャンデータベースから、患者のための以前のスキャンまたは将来のスキャンを検索し得る。1つまたは複数の以前のスキャンは、最近の医療スキャンに隣接する1つまたは複数の対応するウィンドウに表示され得る。たとえば、ユーザは、表示のために縦断的データから過去のスキャンを選択し得る。代替的または付加的に、ユーザは、経過時間、スキャンの種類、最新のおよび/または最も古いスキャンの選択、将来のスキャンの選択、最も近い日付のスキャンの選択、または他の基準などの、縦断的パラメータを選択する場合があり、医療スキャン支援型レビューシステムは、縦断的パラメータと比較して、最も好適である以前のスキャンを自動的に選択する場合がある。選択された追加のスキャンは、最近の医療スキャンに沿って隣接するウィンドウに表示され得る。いくつかの実施形態では、複数の追加のスキャンが選択され、複数の隣接するウィンドウに表示され得る。
【0013】
さまざまな実施形態では、医療スキャンの画像スライス412を表示する第1のウィンドウ、および選択された追加のスキャンの画像スライスを表示する隣接する第2のウィンドウは、医療スキャンの最近表示されたスライス412に対応すると判定された画像スライス412を表示する。表示のために選択された類似医療スキャンのスライスを選択することに関して説明したように、これは、一致するスライス番号を有する画像スライスを選択することに基づいて、最近のスキャンの最近表示されたスライスに対応する解剖学的領域に最も密に一致する画像スライスを自動的に判定することに基づいて、および/または、最近表示されたスライスと最も類似した異常のビューで以前のスキャンにおけるスライスを判定することに基づいて、達成され得る。ユーザは、異なる画像スライスにジャンプするために、単一のスクロールバーまたは他の単一のユーザ入力指示を使用する場合があり、複数のウィンドウは、同じ番号の画像スライスを同時に表示する場合があるか、または、異なるスライス番号が最初に表示された場合は、同じ数のスライスによって、スクロールまたはジャンプする場合がある。いくつかの実施形態では、医療スキャンおよび2つまたはそれ以上の追加のスキャンに対応する3つまたはそれ以上の隣接するウィンドウが表示され、同様の方法で、単一のスクロールバーで、すべてを制御し得る。
【0014】
医療スキャン支援型レビューシステム102は、異常位置データなどの異常データに基づいて、識別された異常の以前の状態を自動的に検出し得る。識別された異常の検出された以前の状態は、丸で囲むか、強調表示するか、または、そうでなければ、対応するウィンドウに示し得る。医療スキャン支援型レビューシステム102は、以前のスキャンにマッピングされた同様の異常の異常注釈データ442を医療スキャンデータベース342から検索することによって、異常の以前の状態に対する分類データを検索し得る。このデータは以前のスキャンに割り当てられなくてもよく、医療スキャン支援型レビューシステムは、論じられているように、医療スキャン画像解析システムを利用することによって、以前の医療スキャンに対する分類データ、または他の診断データを自動的に判定し得る。代替的または付加的に、以前のスキャンに対する異常分類データ445または他の診断データ440の一部またはすべては、現在のスキャンに対して判定された異常分類データまたは他の診断データに基づいて判定された値を割り当られ得る。以前のスキャンに対して判定された、そのような異常分類データ445または他の診断データ440は、データベース内で、以前のスキャンにマッピングされる場合があり、および/または、縦断的データ433にマッピングされる場合があり、および/または、ネットワークを介して、信頼できるエンティティに送信される場合がある。
【0015】
医療支援型レビューシステムは、サイズ、体積、悪性度の変化、または異常のさまざまな分類子に対する他の変化などの、状態変化データを自動的に生成し得る。これは、1つまたは複数の以前のスキャンの画像データを現在のスキャンの画像データと自動的に比較することによって、および/または、以前のスキャンの異常データを現在のスキャンの異常データと比較することによって、達成され得る。いくつかの実施形態では、そのような測定基準は、医療スキャン類似性解析機能を利用することによって計算される場合があり、たとえば、ここで、類似性スコアなどの医療スキャン類似性解析機能の出力は、1つまたは複数の異常分類子カテゴリ444および/または異常パターンカテゴリ446で、距離、エラー、または他の測定された不一致を示している。各カテゴリにおける計算された距離、エラー、または他の測定されたこの不一致は、状態変化データを定量化するか、1つまたは複数のカテゴリで新たな分類子を示して、特定のカテゴリが多かれ少なかれ深刻になったかどうかを判定するか、または、そうでなければ、異常が時間の経過とともにどのように変化したかを判定するために使用され得る。さまざまな実施形態では、このデータは、1つのウィンドウに表示される場合があり、たとえば、ここで、異常サイズの増加は、以前の異常の対応する画像スライス上に現在の異常の概略をオーバーレイまたは強調表示することによって、またはその逆によって示される。いくつかの過去のスキャンが利用可能であるさまざまな実施形態では、そのような状態変化データは、経時的に判定される場合があり、経時的な成長率の変化または経時的な悪性度の変化を示す統計データが生成される場合があり、これは、たとえば、成長率が経時的に低下または悪化しているかどうかを示している。複数の過去のスキャンに対応する画像スライスは、順次表示される場合があり、たとえば、ここで、第1のスクロールバーによって、ユーザは、画像スライス番号間をスクロールすることが可能になり、第2のスクロールバーによって、ユーザは、同じ画像スライス間を経時的にスクロールすることが可能になる。さまざまな実施形態では、異常データ、ヒートマップデータ、または他のインターフェース機能は、過去の画像データの画像スライスと併せて表示される。
【0016】
医療スキャン報告ラベリングシステム104は、医療スキャン報告ラベリングシステム104のユーザによって識別された、医療スキャンの医療スキャン報告における自然テキストデータのユーザが識別したキーワード、フレーズ、または他の関連する病状用語に基づいて、医療コードを医療スキャンに自動的に割り当てるために使用され得る。医療スキャン報告ラベリングシステム104は、表示のために自然言語テキストを含む医療報告を第1のクライアント装置に送信するように作動可能であり得る。識別された病状用語データは、応答として第1のクライアント装置から受信され得る。医療ラベルエイリアスデータベース内のエイリアスマッピングペアは、エイリアスマッピングペアの病状用語が、識別された病状用語データと比較して好適であると判定することによって、識別され得る。エイリアスマッピングペアに対応する医療コードおよび医療報告に対応する医療スキャンは、表示のために、専門ユーザの第2のクライアント装置に送信される場合があり、応答において、第2のクライアント装置から精度データが、受信される場合がある。医療コードが医療スキャンと比較して好適であることを精度データが示す場合に、医療コードは、医療スキャンデータベース内の第1の医療スキャンにマッピングされる。
【0017】
医療スキャン注釈者システム106は、放射線科医または他の医療専門家などのシステムのユーザによる医療スキャン画像データのレビューに基づいて、医療スキャンの注釈を収集するために使用され得る。たとえば、病院または他のトリアージエンティティからトリアージされた注釈を必要とする医療スキャンは、医療スキャン注釈者システム106によって選択された複数のユーザに送る場合があり、複数の医療専門家から受信した注釈は、医療スキャン注釈者システムの処理システムによって自動的に処理する場合があり、これによって、医療スキャン注釈者システムは各医療スキャンのコンセンサス注釈を自動的に判定することが可能になる。さらに、ユーザは、ユーザの注釈が、コンセンサス注釈、または、たとえば、真のフラグが割り当てられた医療スキャンの注釈に対応する何らかの他の真の注釈にどれだけ密に一致するかに基づいて、医療スキャン注釈者システムによって自動的にスコア付けされ得る。ユーザは、ユーザの全体的なスコアに基づいて、および/または、受信する医療スキャンの識別されたカテゴリに対応するカテゴリ化されたスコアに基づいて、続いて受信する医療スキャンに注釈を付けるように、自動的に割り当てられ得る。
【0018】
医療スキャン注釈者システム106は、双方向インターフェースを介した表示のためのネットワークを介した第1のクライアント装置および第2のクライアント装置への送信のために、医療スキャンを選択するように作動可能である場合があり、注釈データは、第1のクライアント装置から受信する場合があり、応答において、第2のクライアント装置から受信する場合がある。第1の注釈データを第2の注釈データと比較することによって、注釈類似性データが生成される場合があり、第1の注釈データと第2の注釈データとの違いが注釈の不一致閾値と比較して好適であることを示す注釈類似性データに応じて、第1の注釈データおよび第2の注釈データに基づいて、コンセンサス注釈データが生成される場合がある。コンセンサス注釈データは、医療スキャンデータベース内の医療スキャンにマッピングされ得る。
【0019】
医療スキャン診断システム108は、コンピュータ視覚技術および/または自然言語処理技術を利用することによって、所与の医療スキャンに対する推論データを自動的に作成するように、病院、医療専門家、または他の医療エンティティにより使用され得る。この自動的に生成された推論データは、診断データまたは医療スキャンデータベース内の対応する医療スキャンエントリの他の対応するデータを生成および/または更新するために使用され得る。医療スキャン診断システムは、ネットワーク150を介してデータベース格納システム140と通信することによって、医療スキャンデータベース、ユーザデータベース、および/または医療スキャン解析機能データベースを利用する場合があり、および/または、ローカルメモリに保存された別の医療スキャンデータベース、ユーザデータベース、および/または機能データベースを利用する場合がある。
【0020】
医療スキャン診断システム108は、医療スキャンを受信するように作動可能であり得る。医療スキャンの診断データは、医療スキャンに対して医療スキャン推論機能を実行することによって生成され得る。第1の医療スキャンは、医療スキャンが非正常診断に対応することを示す診断データに応じて、医療スキャン診断システムのユーザに関連付けられる第1のクライアント装置に送信され得る。医療スキャンは、第1のクライアント装置に対応する表示装置によって表示される双方向インターフェースを介してユーザに表示され得る。レビューデータは、第1のクライアント装置から受信される場合があり、その場合には、レビューデータは、双方向インターフェースを介したプロンプトに応じて、第1のクライアント装置によって生成される。レビューデータに基づいて、更新された診断データが生成され得る。更新された診断データは、リクエスト元のエンティティに関連付けられる第2のクライアント装置に送信され得る。
【0021】
医療スキャンインターフェース機能評価システム110は、双方向インターフェースの提案されたインターフェース機能または最近使用されたインターフェース機能を評価して、医療専門家または1つまたは複数のサブシステム101の他のユーザによるレビューのために医療スキャンを提示するために使用され得る。医療スキャンインターフェース機能評価者システム110は、医療スキャンの順序付けられたセットの各々と共に表示されるユーザインターフェース機能のセットを選択することによって、順序付けられた画像からプロンプトへのマッピングを生成するように作動可能であり得る。医療スキャンのセットおよび順序付けられた画像からプロンプトへのマッピングは、クライアント装置のセットに送信され得る。ユーザインターフェースを介して順序付けられた画像からプロンプトへのマッピングに示される、マッピングされたユーザインターフェース機能と併せて医療スキャンのセットの各々を順次表示することに応じて、各クライアント装置によって、応答のセットが生成され得る。各応答を対応する医療スキャンの真の注釈データと比較することによって、応答スコアデータが生成され得る。応答スコアデータの集計に基づいて、各ユーザインターフェース機能に対応するインターフェース機能スコアデータが生成される場合があり、これは、ユーザインターフェース機能のセットのランキングを生成するために使用される。
【0022】
医療スキャン画像解析システム112は、既知の注釈データ、診断データ、ラベリングおよび/または医療コードデータ、報告データ、患者病歴データ、患者危険因子データ、および/または医療スキャンに関連付けられる他のメタデータを有する医療スキャンの訓練セットに対してコンピュータ視覚ベースの学習アルゴリズム1350を利用することによって、1つまたは複数の医療スキャン画像解析機能を生成および/または実行するために使用され得る。これらの医療スキャン画像解析機能は、トリアージされるか、または、そうでなければ、推論された注釈データ、診断データ、ラベリングおよび/または医療コードデータ、および/または報告データを必要とする新たな医療スキャンに対する推論データを生成するために使用され得る。たとえば、一部の医療スキャン画像解析機能は、医療スキャン診断システムの医療スキャン推論機能または医療スキャン解析機能データベースの他の医療スキャン解析機能に対応し得る。医療スキャン画像解析機能は、医療スキャンが正常であるか否かを判定して、医療スキャンの1つまたは複数のスライスにおける異常の位置を検出し、および/または、検出された異常を特徴付けるために使用され得る。医療スキャン画像解析システムは、本明細書に記載されるような医療スキャン処理システムの他のサブシステムによって利用されるコンピュータ視覚ベースの医療スキャン画像解析機能を生成および/または実行するために使用される場合があり、医療専門家が患者を診断し、および/または、さらなるデータおよびモデルを生成して医療スキャンを特徴付けるのを支援する。医療スキャン画像解析システムは、プロセッサと、処理システムによって実行されたときに作動の実行を容易にする実行可能命令を保存するメモリとを含む、処理システムを含み得る。
【0023】
医療スキャン画像解析システム112は、三次元解剖学的領域を表し、複数の断面画像スライスを含む、複数の医療スキャンを受信するように作動可能であり得る。各医療スキャンから複数の断面画像スライスの適切なサブセットを選択することによって、および断面画像スライスの各々の適切なサブセットから二次元サブ領域をさらに選択することによって、複数の医療スキャンの各々に対応する複数の三次元サブ領域を生成し得る。ニューラルネットワークを生成するために、複数の三次元サブ領域に対して学習アルゴリズムが実行され得る。ニューラルネットワークを利用することによって、新たな医療スキャンに対して推論アルゴリズムを実行することにより、ネットワークを介して受信した新たな医療スキャンに対応する推論データが生成され得る。推論データに基づいて、新たな医療スキャンにおいて、推論された異常が識別され得る。
【0024】
医療スキャン自然言語解析システム114は、真のデータであると判定された医療コードを有する医療スキャンの訓練セットを判定し得る。医療報告自然言語モデルを生成することによって、医療スキャン自然言語解析機能を訓練するために、対応する医療報告および/または医療スキャンに関連付けられる他の自然言語テキストデータが利用され得る。医療スキャンの自然言語解析機能は、他の医療スキャンのための受信する医療報告に対する推論データを生成して、対応する医療スキャンにマッピングされ得る、対応する医療コードを自動的に判定するために利用され得る。医療報告自然言語モデルを利用することによって医療スキャンに割り当てられた医療コードは、他のサブシステムによって、たとえば、他の医療スキャン解析機能を訓練する、他のサブシステムを介して提供された注釈を検証するための真のデータとして使用される、診断を支援するか、または、そうでなければ、本明細書に記載されるような他のサブシステムによって使用されるように利用され得る。
【0025】
類似医療スキャンを識別および/または表示する、たとえば、医療スキャン類似性解析機能に対する機能パラメータを実行または判定する、類似スキャンデータを生成または検索するか、または、そうでなければ、医療スキャンデータを比較するように、1つまたは複数のサブシステムによって、医療スキャン比較システム116が利用され得る。医療スキャン比較システム116はまた、本明細書に記載されるような他のサブシステムの一部またはすべての特徴を利用し得る。医療スキャン比較システム116は、ネットワークを介して医療スキャンを受信するように作動可能である場合があり、類似スキャンデータを生成し得る。類似スキャンデータは、医療スキャンデータベースから医療スキャンのサブセットを含む場合があり、医療スキャン類似性解析機能などの異常類似性機能を実行することによって生成される場合があり、医療スキャンのサブセットに含まれる異常のセットが医療スキャンで識別された異常と比較して好適であることを判定する。医療スキャンと併せて医療スキャン比較システムのユーザに関連付けられる表示装置上の表示のために、医療スキャンのサブセットの各医療スキャンから、少なくとも1つの断面画像が選択され得る。
【0026】
図2Aは、クライアント装置120の一実施形態を示している。各クライアント装置120は、バス280を介して接続される、1つまたは複数のクライアント処理装置230、1つまたは複数のクライアント記憶装置240、1つまたは複数のクライアント入力装置250、間接的および/または直接的にネットワーク150を介して、1つまたは複数の通信リンクをさらにサポートするように作動可能である1つまたは複数のクライアントネットワークインターフェース260、および/または、1つまたは複数のクライアント表示装置270を含み得る。クライアントアプリケーション202、204、206、208、210、212、214、および/または216はそれぞれ、医療スキャン処理システムのサブシステム102、104、106、108、110、112、114、および/または116に対応する。各クライアント装置120は、1つまたは複数の記憶装置240内の保存のために、ネットワークインターフェース260を利用することによって、ネットワーク150を介して、対応するサブシステムからアプリケーションデータを受信し得る。さまざまな実施形態では、一部またはすべてのクライアント装置120は、放射線科医、医療エンティティ、または、本明細書に記載されるような1つまたは複数のサブシステムの他のユーザに関連付けられるコンピューティング装置を含み得る。
【0027】
1つまたは複数の処理装置230は、クライアントアプリケーション202、204、206、208、210、212、214、および/または216の1つまたは複数によって、1つまたは複数のクライアント表示装置270上に双方向インターフェース275を表示する場合があり、たとえば、その場合には、対応するサブシステム102、104、106、108、110、112、114、および/または116によって提示されるウェブサイトによって、クライアントアプリケーションの一部またはすべてに対して異なる双方向インターフェース275が表示される。ユーザは、マイク、マウス、キーボード、表示装置270自体のタッチスクリーンまたは他のタッチスクリーン、および/または、ユーザが双方向インターフェースと対話することを可能にする他の装置を含み得る、1つまたは複数のクライアント入力装置250を介して双方向インターフェースによって提示されたメニューデータまたは他のプロンプトに応じて、入力を提供し得る。1つまたは複数の処理装置230は、ネットワーク150を介して医療スキャン処理システムの1つまたは複数のサブシステムおよび/またはデータベースと双方向に通信するようにネットワークインターフェース260を利用することによって、入力データを処理し、および/または、生または処理済みの入力データを対応するサブシステムに送信する場合があり、および/または、双方向インターフェース275を介して提示のために応じて、新たなデータを受信する、および/または、それに従って生成する場合がある。
【0028】
図2Bは、サブシステム102、104、106、108、110、112、114、および/または116と併せて利用し得るサブシステム101の一実施形態を示している。各サブシステム101は、バス285を介して接続される、1つまたは複数のサブシステム処理装置235、1つまたは複数のサブシステム記憶装置245、および/または1つまたは複数のサブシステムネットワークインターフェース265を含み得る。サブシステム記憶装置245は、本明細書で各サブシステムに関して説明されるように、1つまたは複数のサブシステム処理装置235によって実行されたときに、サブシステム101による作動の実行を容易にする実行可能命令を保存し得る。
【0029】
図3は、データベース格納システム140の一実施形態を示している。データベース格納システム140は、すべてがバス380を介して接続された、少なくとも1つのデータベース処理装置330、少なくとも1つのデータベース記憶装置340、および間接的および/または直接的にネットワーク150を介して、1つまたは複数の通信リンクをさらにサポートするように作動可能である少なくとも1つのデータベースネットワークインターフェース360を含み得る。データベース格納システム140は、複数の医療スキャンエントリ352を含む医療スキャンデータベース342、複数のユーザプロファイルエントリ354を含むユーザデータベース344、複数の医療スキャン解析機能エントリ356を含む医療スキャン解析機能データベース346、複数のインターフェース機能エントリ358を含むインターフェース機能データベース348、および/または、サブシステム101によって生成および/または利用されるデータを保存する他のデータベースを含み得る、少なくとも1つのメモリ340に1つまたは複数のデータベースを保存し得る。データベース342、344、346、および/または348の一部またはすべては、複数のデータベースから構成される場合があり、関係的または非関係的に保存する場合があり、本明細書で記載されるものとは異なるタイプのエントリおよび異なるマッピングを含む場合がある。データベースエントリは、関係テーブルにエントリを含む場合があるか、または、非関係的構造にエントリを含む場合がある。エントリ352、354、356、および/または358のデータ属性の一部またはすべては、エントリ自体に含まれ得るか、または、そうでなければ、エントリに含まれる識別子にマッピングされ、エントリの所与の識別子に基づいて、データベース格納システム140から検索され得るか、そこに加えられ得るか、それを変更され得るか、または、そこから削除され得る、データを参照し得る。データベース342、344、346、および/または348の一部またはすべては、たとえば、1つのサブシステムのみによって利用される場合、代わりに、対応するサブシステムによってローカルに保存し得る。
【0030】
処理装置330は、少なくとも1つの記憶装置340に保存された各データベースに対する読み取り/書き込み許可に基づいて、ネットワーク150を介してサブシステムおよび/またはクライアント装置から受信した読み取り/書き込みリクエストを容易にし得る。さまざまなサブシステムには、サブシステムの機能に基づいて、データベースごとに、さまざまな読み取り/書き込み許可が割り当てられる場合があり、さまざまなクライアント装置120にも、データベースごとに、さまざまな読み取り/書き込み許可を割り当てられる場合がある。1つまたは複数のクライアント装置120は、データベース格納システムによって保存されたデータベースの1つまたは複数の1つまたは複数の管理者に対応する場合があり、データベース管理者用装置は、1つまたは複数の割り当てられたデータベースを管理し、評価および/または効率を監督し、許可を編集するか、または、そうでなければ、双方向インターフェース275を介したクライアント装置への入力に基づいて、データベースプロセスを監督し得る。
【0031】
図4Aは、医療スキャンデータベース342に保存される、医療スキャンのメタデータに含まれ、および/または、そうでなければ、医療スキャンに関連付けられる、医療スキャンエントリ352の一実施形態を示している。医療スキャンには、CTスキャン、X線、MRI、PETスキャン、超音波、EEG、マンモグラム、または人体、動物、有機体、またはオブジェクトの解剖学的領域から撮影された他のタイプの放射線スキャンまたは医療スキャンに対応する画像データが含まれる場合があり、画像データに対応するメタデータがさらに含まれる場合がある。医療スキャンエントリの一部またはすべては、医療におけるデジタル画像と通信(Digital Imaging and Communications in Medicine)(DICOM)フォーマットまたは他の正規化された画像フォーマットによってフォーマットされる場合があり、医療スキャンエントリ352のフィールドの一部または複数は、DICOMヘッダーまたは医療スキャンの他の正規化されたヘッダーに含まれる場合がある。医療スキャンは、レビューを待っているか、または、1人もしくは複数人のユーザもしくは自動プロセスによって既にレビューされている可能性があり、サブシステムによって自動的に生成される、ユーザ入力に基づいて生成され、および/または、別のソースから生成される、暫定的な診断データを含み得る。一部の医療スキャンは、サブシステムによって生成され、および/または、ユーザ入力に基づいて生成され、および/または、別のソースから生成される、最終的な既知の診断データを含む場合があり、医療スキャン画像解析システム112および/または医療スキャン自然言語解析システム114などの、1つまたは複数のサブシステムによって使用されるプロセスを訓練するために使用される訓練セットに含まれる場合がある。
【0032】
一部の医療スキャンは、ユーザによって識別され得るか、または自動的に識別され得る、1つまたは複数の異常を含み得る。異常には、結節、たとえば胸部CTスキャンで識別された悪性結節が含まれ得る。異常にはまた、たとえば胸部X線で識別された、心肥大、硬化、滲出、気腫、および/または骨折などの1つまたは複数の異常パターンカテゴリが含まれる場合があり、および/または、それらによって特徴付けられる場合がある。異常にはまた、正常でないと識別された、医療スキャンの任意の他の未知、悪性、または良性の特徴もまた含まれ得る。一部のスキャンは、異常を含まない場合があり、正常なスキャンとして識別される場合がある。正常なスキャンとして識別された一部のスキャンは、良性に分類された識別された異常を含む場合があり、未知または悪性に分類された異常は、含まない。正常なスキャンとして識別されたスキャンは、1つまたは複数のサブシステムおよび/または元のエンティティによって検出されなかった異常を含み得る。したがって、一部のスキャンは、不適切に正常であると識別され得る。同様に、少なくとも1つの異常を含むと識別されたスキャンは、1つまたは複数のサブシステムおよび/または元のエンティティによって不適切に異常として検出された少なくとも1つの異常を含み得る。したがって、一部のスキャンは、不適切に異常を含むものとして識別され得る。
【0033】
各医療スキャンエントリ352は、それ自体の医療スキャン識別子353によって識別される場合があり、医療スキャン画像データ410、およびスキャン分類子データ420、患者病歴データ430、診断データ440、注釈作成者データ450、信頼スコアデータ460、表示パラメータデータ470、類似スキャンデータ480、訓練セットデータ490、および/または、医療スキャンに関連する他のデータなどの、メタデータを含み得るか、またはそれらにマッピングし得る。医療スキャンエントリ352に含まれるデータの一部またはすべては、ユーザが、たとえば、医療スキャン支援型レビューシステム102、医療スキャン報告ラベリングシステム104、および/または医療スキャン注釈者システム106と併せて、診断データ440を生成または編集するのを支援するために使用され得る。医療スキャンエントリ352に含まれるデータの一部またはすべては、医療スキャン報告ラベリングシステム104および/または医療スキャン診断システム108の自動化された部分などの、1つまたは複数のサブシステム101が、診断データ440または医療スキャンの他のデータを自動的に生成および/または編集することを可能にするために使用され得る。医療スキャンエントリ352に含まれるデータの一部またはすべては、たとえば、医療スキャン画像解析システム112、医療スキャン自然言語解析システム114、および/または医療スキャン比較システム116と併せて、1つまたは複数の医療スキャン画像解析機能、1つまたは複数の医療スキャン自然言語解析機能、1つまたは複数の医療スキャン類似性解析機能、1つまたは複数の医療報告ジェネレータ機能、および/または、1つまたは複数の医療報告解析機能などの、医療スキャン解析機能データベース346の一部またはすべての医療スキャン解析機能を訓練するために使用され得る。
【0034】
本明細書に記載されるような医療スキャンエントリ352および関連データはまた、たとえば、サブシステムへの直接的な送信のためにクライアント装置によってアップロードされる、医療スキャンデータベースによって保存されない、医療スキャンに関連付けられるデータ、サブシステムによって生成され、別のサブシステムへの入力として使用されたか、またはクライアント装置に直接送信されたデータ、医療スキャン処理システム100と通信する画像保管通信システム(Picture Archive and Communication System)(PACS)によって保存されたデータ、または医療スキャンデータベース342に保存されることなく受信および/または生成される医療スキャンに関連付けられる他のデータを指す。たとえば、医療スキャンエントリ352に関して記述された構造およびデータ属性の一部またはすべては、データオブジェクトの構造および/またはデータ属性、または医療スキャンに対応するサブシステムおよび/またはクライアント装置によって生成され、および/または、それらの間で送信された他のデータにも対応し得る。ここで、医療スキャンエントリ352に関して記述されたデータ属性はいずれも、サブシステムまたはクライアント装置によって生成されたデータオブジェクトから抽出されたデータか、または、そうでなければ、ネットワーク150を介して医療スキャンに対応するサブシステム、クライアント装置、または他のソースから受信されたデータにも対応し得る。
【0035】
医療スキャン画像データ410は、医療スキャンに対応する1つまたは複数の画像を含み得る。医療スキャン画像データ410は、たとえば、単一のX線画像、CTスキャンなどのスキャンの複数の断面の、断層画像、または同じまたは異なる角度で同じまたは異なる点から撮影された任意の複数の画像に対応する、1つまたは複数の画像スライス412を含み得る。医療スキャン画像データ410はまた、1つまたは複数の画像スライス412の順序付けを示し得る。本明細書では、「医療スキャン」は、医療スキャン画像データ410によって表される任意のタイプのフルスキャンを指し得る。本明細書では、「画像スライス」は、医療スキャン画像データ410の複数の断面画像の1つ、医療スキャン画像データ410の異なる角度から撮影された複数の画像の1つ、および/または、1つの画像のみを含む医療スキャン画像データ410の単一の画像を指し得る。さらに、「複数の画像スライス」は、関連付けられた医療スキャンの画像のすべてを指す場合があり、医療スキャン画像データ410が1つの画像のみを含む場合には、単一の画像のみを指す。各画像スライス412は、画像スライスの各ピクセルにマッピングされる複数のピクセル値414を含み得る。各ピクセル値は、ハウンズフィールド値や他の密度測定値などの密度値に対応し得る。ピクセル値はまた、グレースケール値、RGB(赤-緑-青)もしくは他の色値、または画像スライス412の各ピクセルに保存される他のデータに対応し得る。
【0036】
スキャン分類子データ420は、医療スキャンの分類データを示し得る。スキャン分類子データは、たとえば、スキャンのモダリティを示す、スキャンタイプデータ421を含み得る。スキャン分類子データは、スキャンが、CTスキャン、X線、MRI、PETスキャン、超音波、EEG、マンモグラム、または他のタイプのスキャンであることを示し得る。スキャン分類子データ420はまた、たとえば、スキャンが、胸部、頭、右膝、または他の解剖学的領域のスキャンであることを示す、解剖学的領域データ422を含み得る。スキャン分類子データはまた、スキャンが行われた病院および/またはスキャンをシステムにアップロードしたユーザを示す、元のエンティティデータ423を含み得る。元のエンティティデータが1つまたは複数のサブシステム101のユーザに対応する場合、元のエンティティデータは、対応するユーザプロファイル識別子を含む場合があり、および/または、ユーザのユーザプロファイルエントリ354から他のデータを含む場合がある。スキャン分類子データ420は、たとえば、元のエンティティに基づいてユーザデータベース344から検索されたユーザデータに基づいて、スキャンが発信された都市、州、および/または国を示す、地理的領域データ424を含み得る。スキャン分類子データはまた、たとえば、元のエンティティデータ423に基づいてユーザデータベース344から検索された撮像マシンデータに基づいて、マシン識別子データ、マシンモデルデータ、マシン較正データ、および/または造影剤データを含み得る、マシンデータ425を含み得る。スキャン分類子データ420は、いつスキャンが行われたかを示す、スキャン日付データ426を含み得る。スキャン分類子データ420は、優先度スコア、ランキング、待ち行列の数、またはトリアージおよび/またはレビューに関する他の優先度データを示し得る、スキャン優先度データ427を含み得る。スキャン優先度データ427の優先度スコア、ランキング、または待ち行列数は、スキャン優先度データ427に基づいて、患者症状の重症度または危険因子データ432内の他の指標に基づいて、元のエンティティに対応する優先度に基づいて、スキャンのために事前に生成された診断データ440に基づいて、サブシステムによって自動的に生成される場合があり、および/または、元のエンティティおよび/またはシステムのユーザによって割り当てられる場合がある。
【0037】
スキャン分類子データ420は、図4Aに示されていない他の分類データを含み得る。たとえば、スキャンのセットは、さまざまな撮像面に対応する医療スキャン画像データ410を含み得る。スキャン分類子データはさらに、画像データに対応する1つまたは複数の撮像面を示す撮像面データを含み得る。たとえば、撮像面データは、スキャンが、軸面、矢状面、または冠状面に対応することを示し得る。単一の医療スキャンエントリ352は、複数の面に対応する医療スキャン画像データ410を含む場合があり、これらの面の各々は、画像データにおいて適切にタグ付けされ得る。他の実施形態では、各面に対応する医療スキャン画像データ410は、別々の医療スキャンエントリ352として、たとえば、これらのエントリが同じスキャンのセットに属することを示す共通の識別子を用いて保存され得る。
【0038】
代替的または付加的に、スキャン分類子データ420は、シーケンシングデータを含み得る。たとえば、スキャンのセットは、さまざまなシーケンスに対応する医療スキャン画像データ410を含み得る。スキャン分類子データはさらに、画像データの複数のシーケンスのうちの1つまたは複数が対応することを示す、たとえば、MRIスキャンが、T2シーケンス、T1シーケンス、コントラストを有するT1シーケンス、拡散シーケンス、FLAIRシーケンス、または他のMRIシーケンスに対応するかどうかを示す、シーケンシングデータを含み得る。単一の医療スキャンエントリ352は、複数のシーケンスに対応する医療スキャン画像データ410を含む場合があり、これらのシーケンスの各々は、エントリにおいて適切にタグ付けされる場合がある。他の実施形態では、各シーケンスに対応する医療スキャン画像データ410は、別々の医療スキャンエントリ352として、たとえば、これらのエントリが同じスキャンのセットに属することを示す共通の識別子を用いて、保存され得る。
【0039】
代替的または付加的に、スキャン分類子データ420は、画質スコアを含み得る。このスコアは、1つまたは複数のサブシステム101によって自動的に判定される場合があり、および/または、医療スキャンに手動で割り当てられる場合がある。画質スコアは、画像データ410の解像度に基づく場合があり、その場合には、解像度がより高い画像データには、解像度がより低い画像データよりも好適な画質スコアが割り当てられる。画質スコアは、画像データ410が、対応する撮像マシンから直接受信されたデジタル化された画像データに対応するか、または後でスキャンインされた画像データのハードコピーに対応するかに基づき得る。いくつかの実施形態では、画質スコアは、検出された破損、ならびに/または、医療スキャンの取り込み中および/もしくは医療スキャンの取り込み後に画像データの質に悪影響を与えると判定された、検出された外的要因に基づき得る。いくつかの実施形態では、画質スコアは、画像データ内の検出されたノイズに基づく場合があり、その場合には、検出されたノイズのレベルがより高い医療スキャンは、検出されたノイズのレベルがより低い医療スキャンよりもそれほど好適でない画質スコアを受信することがある。この破損または外的要因が判定された医療スキャンは、破損または外的要因が検出されなかった医療スキャンよりもそれほど好適でない画質スコアを受信することがある。
【0040】
いくつかの実施形態では、画質スコアは、マシンデータ425を含むかどうかに基づき得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のサブシステムは、画質閾値を下回る画質スコアを有する医療スキャンにフラグ付けするように画質スコアを利用し得る。画質閾値は、異なるサブシステム、医療スキャンモダリティ、および/または解剖学的領域に対して同じであり得るか、または異なり得る。たとえば、医療スキャン画像解析システムは、画質閾値と比較して好適である画質スコアを有する医療スキャンのみを選択することに基づいて、訓練セットを自動的にフィルタ処理し得る。別の例として、1つまたは複数のサブシステムは、画質閾値と比較して好適でない画質スコアを有する医療スキャンの少なくとも閾値数および/またはパーセンテージを生成する、特定の撮像マシンおよび/または病院または他の医療エンティティにフラグ付けし得る。別の例として、画質スコアが画質閾値と比較して好適でない場合に画像データをクリーニングするように、ノイズ除去アルゴリズムが自動的に利用され得る。別の例として、医療スキャン画像解析システムは、医療スキャンのための推論データを生成するように医療スキャンで利用するために、一連の医療画像解析機能から特定の医療画像解析機能を選択し得る。この一連の医療画像解析機能の各々は、異なるレベルの画質で訓練する場合があり、選択された画像解析機能は、画像解析機能が訓練された、および/または、そうでなければ、適していた画質スコアの範囲内にある判定された画質スコアに基づいて選択する場合はある。
【0041】
患者病歴データ430は、患者、年齢、および/または性別の機密性を保護するために匿名にされ得る名前または識別子などの基礎患者情報を含み得る、患者識別子データ431を含み得る。患者識別子データ431はまた、データベース格納システムによって保存されるか、または他の場所に保存された別個の患者データベース内の患者エントリにマッピングし得る。患者病歴データは、以前の病歴、家族の病歴、喫煙および/または薬物習慣、タバコの使用に対応するパックイヤー、環境曝露、患者症状などを含み得る、患者危険因子データ432を含み得る。患者病歴データ430はまた、たとえば、患者識別子データ431に基づいて検索されるか、または、そうでなければ、患者識別子データ431にマッピングされる、患者に対応する1つまたは複数の追加の医療スキャンを識別し得る、縦断的データ433を含み得る。一部またはすべての追加の医療スキャンは、医療スキャンデータベースに含まれる場合があり、それらの対応する識別子の医療スキャン識別子353に基づいて識別される場合がある。一部またはすべての追加の医療スキャンは、異なるソースから受信される場合があり、そうでなければ、識別される場合がある。代替的または付加的に、縦断的データは、1つまたは複数の追加の医療スキャンに対応する医療スキャンエントリ352の一部またはすべての関連するスキャンエントリデータを単に含み得る。追加の医療スキャンは、同じタイプのスキャンであり得るか、または異なるタイプのスキャンであり得る。追加のスキャンの一部またはすべては、過去の医療スキャンに対応する場合があり、および/または、追加のスキャンの一部またはすべては、将来の医療スキャンに対応する場合がある。縦断的データ433はまた、最終生検データ、または診断データ440の一部またはすべてなどの、スキャン後の日付で受信および/または判定されたデータを含み得る。患者病歴データはまた、たとえば、追加の医療スキャンの数に基づいて、ファイル内の追加のスキャンのうちの何回のスキャンが医療スキャンおよび追加の医療スキャンのスキャン日付データ426に基づくスキャンの前および/または後に行われたかに基づいて、最も古いスキャンおよび最新のスキャンに対応する日付範囲に基づいて、これらのスキャンのスキャンタイプデータ421に基づいて、および/または、生検または他の最終データが含まれているか否かに基づいて、サブシステムによって自動的に計算され得る、縦断的品質スコア434を含み得る。本明細書で使用されるように、「高い」縦断的品質スコアは、「低い」縦断的品質スコアを有するスキャンよりも好適な縦断的データを有するスキャンを指す。
【0042】
診断データ440は、自動化された診断、仮の診断を示すデータ、および/または、そうでなければ、医療診断、トリアージ、医学的評価および/または医療専門家、または他のユーザによる他のレビューをサポートするために使用され得るデータを含み得る。医療スキャンの診断データ440は、スキャンが正常であるか、または、少なくとも1つの異常を含むかを示す、バイナリ異常識別子441を含み得る。いくつかの実施形態では、バイナリ異常識別子441は、信頼スコアデータ460の一部またはすべてを閾値と比較することによって判定される場合があり、確率値を閾値と比較することによって判定される場合があり、および/または、スキャンが1つまたは複数の異常を含む計算された尤度を示す別の連続値または離散値を閾値と比較することによって判定される場合がある。いくつかの実施形態では、バイナリ異常識別子441に加えて、またはその代わりに、スキャンが1つまたは複数の異常を含む尤度を示す1つまたは複数の連続値または離散値などの非バイナリ値が、診断データ440に含まれ得る。診断データ440によって、1つまたは複数の異常が識別される場合があり、識別された各異常は、異常注釈データ442のそれ自体のセットを含まれる場合がある。代替的に、診断データ440の一部またはすべては、複数の異常を示す場合があり、および/または、記述する場合あり、したがって、異常注釈データ442内の各異常に対して提示されない。たとえば、診断データ440の報告データ449は、識別されたすべての異常を記述する場合があり、したがって、単一の報告が診断に含まれる場合がある。
【0043】
図4Bは、異常注釈データ442の一実施形態を示している。各異常に対する異常注釈データ442は、解剖学的位置、および/またはピクセル、画像スライス、座標、または医療スキャン自体の領域を識別する他の位置情報に固有の位置を含み得る、異常位置データ443を含み得る。異常注釈データ442は、異常全体のバイナリ、定量的、および/または記述的なデータを含み得るか、またはサイズ、体積、前後コントラスト、倍加時間、石灰化、成分、平滑度、棘形成、分葉、球形、内部構造、質感、または異常を分類し、および/または、そうでなければ、特徴付ける他のカテゴリを含み得る、1つまたは複数の異常分類子カテゴリに対応み得る、異常分類データ445を含み得る。異常分類子カテゴリ444には、そのようなカテゴリが存在するか否かを示す、バイナリ値を割り当てられ得る。たとえば、このバイナリ値は、信頼スコアデータ460の一部またはすべてを閾値と比較することによって判定される場合があり、確率値を閾値と比較することによって判定される場合があり、および/または、各異常分類子カテゴリ444に対する同じまたは異なる閾値であり得る、対応する異常分類子カテゴリ444が存在する計算された尤度を示す別の連続値または離散値を閾値と比較することによって判定される場合がある。いくつかの実施形態では、異常分類子カテゴリ444には、対応する分類子カテゴリ444が存在する尤度を示す1つまたは複数の連続値または離散値などの、1つまたは複数の非バイナリ値を割り当てられ得る。
【0044】
異常分類子カテゴリ444は、悪性度カテゴリも含む場合があり、異常分類データ445は、Lung-RADSスコア、Fleischnerスコア、および/または悪性レベル、悪性重症度、および/または悪性の確率を示す1つまたは複数の計算された値などの悪性度評価を含む場合がある。代替的または付加的に、悪性度カテゴリには、「はい(yes)」、「いいえ(no)」、または「たぶん(maybe)」の値が割り当てられ得る。異常分類子カテゴリ444はまた、心肥大、硬化、滲出、気腫、および/または骨折などの異常パターンカテゴリ446を含む場合があり、各異常パターンカテゴリ446に対する異常分類データ445は、異常パターンの各々が存在するか否かを示す場合がある。
【0045】
異常分類子カテゴリは、固形癌効果判定基準(RECIST)適格性および/またはRECIST評価カテゴリに対応し得る。たとえば、RECIST適格性に対応する異常分類子カテゴリ444は、バイナリ値「はい」または「いいえ」を示す対応する異常分類データ445を有する場合があり、ならびに/または、異常が「標的病変」および/もしくは「非標的病変」であるかを示し得る。別の例として、RECIST評価カテゴリに対応する異常分類子カテゴリ444は、縦断的データ433に基づいて判定される場合があり、考えられ得る値のセットである「完全寛解」、「部分寛解」、「安定疾患」、または「進行性疾患」のうちの1つを含む、対応する異常分類データ445を有する場合がある。
【0046】
診断データ440全体、および/または各異常に対する異常注釈データ442は、バイナリ異常識別子441、異常位置データ443、および/または1つまたは複数の異常分類子カテゴリ444の異常分類データ445の一部またはすべてを識別する、カスタムコードまたはデータタイプを含み得る。代替的または付加的に、各異常に対する異常注釈データ442および/または他の診断データ440の一部またはすべては、DICOMフォーマットまたは他の正規化された画像注釈フォーマットで提示される場合があり、および/または、DICOMフォーマットで元々提示された異常注釈データに基づいてカスタムデータタイプに抽出される場合がある。代替的または付加的に、各異常に対する診断データ440および/または異常注釈データ442は、SNOMEDコード、Current Procedure Technology(CPT)コード、ICD-9コード、ICD-10コード、または、医療スキャンをラベル付けするか、もしくは、そうでなければ、記述するために使用される他の正規化された医療コードなどの、1つまたは複数の医療コード447として提示され得る。
【0047】
代替的または付加的に、診断データ440は、医療スキャン全体に注釈を付けるか、または、そうでなければ、それを記述する自然言語テキストデータ448を含む場合があり、および/または、異常注釈データ442は、各々の対応する異常に注釈を付けるか、または、そうでなければ、それを記述する自然言語テキストデータ448を含む場合がある。いくつかの実施形態では、診断データ440の一部またはすべては、自然言語テキストデータ448としてのみ提示される。いくつかの実施形態では、診断データ440の一部またはすべては、たとえば、医療スキャン自然言語解析システム114によって訓練された1つまたは複数の医療スキャン自然言語解析機能を利用することによって、たとえば、医療スキャン画像データ410を利用することなく、自然言語テキストデータ448に基づいて、1つまたは複数のサブシステムによって自動的に生成される。代替的または付加的に、いくつかの実施形態では、自然言語テキストデータ448の一部またはすべては、たとえば、医療スキャン自然言語解析システム114によって訓練された医療スキャン自然言語生成機能を利用することによって、異常注釈データ442などの他の診断データ440に基づいて自動的に生成される。
【0048】
診断データは、医療コード447の一部またはすべて、自然言語テキストデータ448の一部またはすべて、他の診断データ440、表示パラメータデータ470に基づいてフォーマットされた完全なまたはクロップされた画像スライスおよび/またはそれらへのリンク、類似スキャンデータ480の類似スキャンに基づく完全またはクロップされた画像スライスまたは他のデータおよび/またはそれらへのリンク、縦断的データ433などの患者病歴データ430に基づく完全なまたはクロップされた画像または他のデータおよび/またはそれらへのリンク、および/または、医療スキャンおよび関連付けられた異常を記述する他のデータまたはデータへのリンクを含むようにフォーマットされ得る、少なくとも1つの医療報告を含む報告データ449を含み得る。診断データ440はまた、患者のための将来のスキャン、および/または、将来の診断に対応する確定された診断データ、たとえば、生検データまたはスキャン後に続いて判定された他の縦断的データ433を含み得る。報告データ449の医療報告は、たとえば、元のエンティティデータ423に示されたユーザもしくは対応する報告フォーマッティングデータにおける他の責任のあるユーザの好みに基づいて、フォント、テキストサイズ、ヘッダーデータ、行頭文字もしくはナンバリングタイプ、余白、ファイルタイプ、1つまたは複数の完全なまたはクロップされた画像スライス412を含めるためのプリファレンス、類似医療スキャンを含めるためのプリファレンス、追加の医療スキャンを含めるためのプリファレンス、または自然言語テキストデータおよび/または画像データをリスト化するための他のフォーマッティングなどの、特定されたフォーマッティングパラメータに基づいてフォーマットされ得る。
【0049】
注釈作成者データ450は、各異常に対して診断データにマッピングされる場合があり、および/または、スキャン全体にマッピングされる場合がある。これは、システムを使用する個々の医療専門家、医療施設、および/または医療エンティティなどの、システムのユーザの1つまたは複数のユーザプロファイル識別子を含み得る、1つまたは複数の注釈作成者識別子451を含み得る。注釈作成者データ450は、ユーザプロファイルエントリ354の使用データを判定するために使用され得る。注釈作成者データ450はまた、診断データの一部またはすべてを自動的に生成し、および/または、ユーザが生成するのを支援する役割を担うサブシステムの1つまたは複数の機能または他のプロセスを示す1つまたは複数の医療スキャン解析機能識別子357または他の機能識別子、たとえば、診断データ440の一部またはすべてを生成するために使用される医療スキャン診断システム108によって使用される医療スキャン画像解析機能の特定のタイプおよび/またはバージョンの識別子、および/または診断データ440のエントリおよび/またはレビューを容易にするためにユーザに提示された1つまたは複数のインターフェース機能を示すインターフェース機能識別子を含み得る。注釈作成者データはまた、診断データ440の1つまたは複数の部分に関して、この部分が人によって生成されたか、または医療スキャン処理システムのサブシステムによって自動的に生成されたのかを単に示し得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、医療スキャンが複数のエンティティによってレビューされた場合、複数の個別の診断データエントリ440は、注釈作成者データ450内の各診断作成者にマッピングされる、医療スキャンエントリ352に含まれ得る。これによって、複数のエンティティから異なるバージョンの診断データ440が受信されることが可能になる。たとえば、特定の医療スキャンの注釈作成者データは、注釈データが医療エンティティAで医師によって作成されたこと、および、医療コードデータが医療スキャン報告ラベリングシステム104を利用することによりユーザYによって生成され、これが専門ユーザXによって確認されたことを示し得る。別の医療スキャンの注釈作成者データは、医療コードが、胸部X線に関連する医療スキャン画像解析機能のバージョン7を利用することによって自動的に生成され、専門ユーザXによって確認されたことを示し得る。別の医療スキャンの注釈作成者データは、位置および第1の悪性度評価が、胸部X線に関連する医療スキャン画像解析機能のバージョン7を利用することによって自動的に生成され、第2の悪性度評価がユーザZによって入力されたことを示し得る。いくつかの実施形態では、複数の診断エントリの1つは、たとえば、複数の診断データ440に基づいて、複数の診断データ440の各々の信頼スコアデータ460に基づいて、および/または、複数の診断データ440のうちの各々の対応する1つのための注釈作成者データにおいて識別された、対応するユーザ、医療スキャン解析機能、またはインターフェース機能の性能スコアデータに基づいて、医療スキャン注釈システム106などのサブシステムによって自動的に生成される、コンセンサス注釈データを含み得る。
【0051】
信頼スコアデータ460は、各異常に対して、および/または、スキャン全体に対して、診断データ440の一部またはすべてにマッピングされ得る。これは、診断に関する全体的な信頼スコア、スキャンが正常であったか否かのバイナリインジケーターに関する信頼スコア、異常が検出された位置に関する信頼スコア、および/または、異常分類子データの一部またはすべてに関する信頼スコアを含み得る。これは、たとえば、注釈作成者データ、および1人または複数人の識別されたユーザおよび/または注釈作成者データによって示された双方向インターフェースタイプまたは医療スキャン画像解析機能などのサブシステム属性の対応する性能スコアに基づいて、サブシステムによって自動的に生成され得る。複数の診断データエントリ440がさまざまなソースから含まれる場合、信頼スコアデータ460は、各エントリに対して計算される場合があり、および/または、たとえば、コンセンサス診断データに対応する全体的な信頼スコアは、計算された距離または他のエラーおよび/またはエントリ間の不一致に基づく場合があり、および/または、各エントリの信頼スコアデータ460に重み付けされる場合がある。さまざまな実施形態では、信頼スコアデータ460は、たとえば、ユーザ入力に基づいてフラグ付けされ、自動的に作成者データに基づいてフラグ付けされ、および/または、真の閾値を超える信頼スコアデータの計算された信頼スコアに基づいて自動的にフラグ付けされる、診断データが「既知」または「真実」とみなされることを示す真のフラグ461を含み得る。本明細書で使用されるように、「高い」信頼スコアは、「低い」信頼スコアよりも高いか、または好適なレベルの信頼を指す。
【0052】
表示パラメータデータ470は、各異常に対する、および/または、スキャン全体に対する双方向インターフェース275および/またはフォーマットされた報告による医療スキャンの最適なまたは好ましい表示を示すパラメータを示し得る。表示パラメータデータの一部またはすべては、たとえば、異常注釈データ442に基づいてサブシステム101によって自動的に生成される、各異常に対する別個のエントリを有し得る。表示パラメータデータ470は、たとえば、カテゴリ化されたインターフェース機能性能スコアデータおよび異常および/または医療スキャン自体に関連付けられるカテゴリに基づいて、異常の表示および/または医療スキャン全体の表示に関連付けられる1つまたは複数の選択されたインターフェース機能、および/または、医療スキャンとのユーザインタラクションに関連付けられる選択されたインターフェース機能を示し得る、双方向インターフェース機能データ471を含み得る。表示パラメータデータは、ユーザインターフェースによる表示のための医療スキャン画像データ410の単一の画像スライス412または複数の画像スライス412を含む複数の画像スライスの選択されたサブセットを示し得る、スライスサブセット472を含み得る。表示パラメータデータ470は、スライスサブセット472または医療スキャンのスライス412のすべてに対する選択されたカスタムな順序付けおよび/またはランキングを示すスライス順序データ473を含み得る。表示パラメータデータ470は、スライスサブセット472の一部またはすべて、または医療スキャンの画像スライス412のすべてに対応するスライスクロッピングデータ474を含む場合があり、表示のための各画像スライス412の選択されたカスタムでクロップされた領域、またはスライスサブセット472もしくはすべてのスライス412に対する同じ選択されたカスタムでクロップされた領域を示し得る。表示パラメータデータは、医療スキャン全体の表示のための選択されたカスタム密度ウィンドウ、スライスサブセット472のための選択されたカスタム密度ウィンドウ、および/または、スライスサブセット472の画像スライス412の各々のための、および/または、医療スキャンの各画像スライス412のための選択されたカスタム密度ウィンドウを示し得る、密度ウィンドウデータ475を含み得る。密度ウィンドウデータ475は、選択された上限密度値カットオフおよび選択された下限密度値カットオフを示す場合があり、および/または、好ましい密度ウィンドウに基づいてピクセルの各密度値をグレースケール値にマッピングするための選択された決定論的関数を含む場合がある。双方向インターフェース機能データ471、スライスサブセット472、スライス順序データ473、スライスクロッピングデータ474、および/または密度ウィンドウデータ475は、たとえば、異常注釈データ442に基づいて、および/または、さまざまな双方向インターフェースバージョンの性能スコアデータに基づいて、ユーザ入力を介して選択される場合があり、および/または、1つまたは複数のサブシステム101によって自動的に生成される場合がある。
【0053】
類似スキャンデータ480は、各異常またはスキャン全体にマッピングされ得る、たとえば、医療スキャン画像解析システム112の類似スキャン識別ステップを適用することによって、および/または、医療スキャン類似性解析機能を、医療スキャンの医療スキャンエントリに保存されたデータの一部またはすべてに、および/または、医療スキャンデータベース内の他の医療スキャンのすべての一部またはすべての対応するデータに適用することによって、たとえば、サブシステム101によって自動的に識別された、1つまたは複数の識別された類似医療スキャンに対応する類似スキャン識別子データ481を含み得る。類似スキャンデータ480はまた、別のソースから受信した医療スキャンに対応し得る。保存された類似性データは、類似した事例をシステムのユーザに提示するために使用される場合があり、および/または、医療スキャン画像解析機能または医療スキャン類似性解析機能を訓練するために使用される場合がある。
【0054】
各々の識別された類似医療スキャンは、それ自体のデータを有する医療スキャンデータベース342内にそれ自体の医療スキャンエントリ352を有する場合があり、類似スキャン識別子データ481は、各類似医療スキャンの医療スキャン識別子353を含む場合がある。各々の識別された類似医療スキャンは、医療スキャンと同じスキャンタイプまたは異なるスキャンタイプのスキャンであり得る。
【0055】
類似スキャンデータ480は、たとえば、医療スキャンのための医療スキャンエントリ352のデータの一部またはすべてに基づいて、および識別された類似医療スキャンのための医療スキャンエントリ352の対応するデータの一部またはすべてに基づいて生成される、各々の識別された類似スキャンのための類似性スコア482を含み得る。たとえば、類似性スコア482は、医療スキャン類似性解析機能を、医療スキャンおよび402の医療画像スキャンデータに、医療スキャンおよび402の異常注釈データの一部またはすべてに、および/または、危険因子デー432などの医療スキャンおよび402の患者病歴データ430の一部またはすべてに適用することに基づいて生成され得る。本明細書で使用されるように、「高い」類似性スコアは、「低い」類似性スコアよりも高いレベルの類似性を指す。
【0056】
類似スキャンデータ480は、識別された類似医療スキャンの表示パラメータデータ470の一部またはすべてに基づいて判定し得る、それ自体の類似スキャン表示パラメータデータ483を含み得る。類似スキャン表示パラメータデータ483の一部またはすべては、たとえば、識別された類似医療スキャンの表示パラメータデータ470に基づいて、医療スキャン自体の異常注釈データ442に基づいて、および/または、医療スキャン自体の表示パラメータデータ470に基づいて、サブシステムによって自動的に生成され得る。したがって、類似スキャン表示パラメータデータ483は、識別された類似医療スキャンにマッピングされた表示パラメータデータ470と同じか、または異なる場合があり、および/または、医療スキャン自体の表示パラメータデータ470と同じか、または異なる場合がある。これは、双方向インターフェース275を介して類似スキャンをユーザに表示するときに利用される場合があり、および/または、たとえば、医療スキャン支援型レビューシステム102と併せて、類似スキャンを含む報告データ449を生成するときに利用される場合がある。
【0057】
類似スキャンデータ480は、識別された類似医療スキャンの複数の異常のうちの1つを示し得る類似スキャン異常データ484、およびその対応する異常注釈データ442を含み得る。たとえば、類似性スキャン異常データ484は、医療スキャンの複数の異常のうちの1つを示す、および、たとえば、類似異常として識別された、識別された類似医療スキャンの複数の異常のうちの1つを示す、異常ペアを含み得る。
【0058】
類似スキャンデータ480は、類似スキャンフィルタデータ485を含み得る。類似スキャンフィルタデータは、サブシステムによって自動的に生成される場合があり、類似スキャンデータ480のすべての識別された類似スキャンの選択された順序付けられるか、または、順序付けられていないサブセット、および/または、すべての識別された類似スキャンのランキングを含み得る。たとえば、各類似性スコア482に基づいて、および/または、各々の識別された類似医療スキャンの縦断的品質スコア434に基づくなどの他の要因に基づいて、サブセットが選択される場合があり、および/または、一部またはすべての識別された類似スキャンがランク付けされる場合がある。
【0059】
訓練セットデータ490は、医療スキャンが属する1つまたは複数の訓練セットを示し得る。たとえば、訓練セットデータは、それらの訓練セットにおいて医療スキャンを利用する1つまたは複数の医療スキャン解析機能を示し、および/または、それらの訓練セットにおいて医療スキャンを利用した1つまたは複数の医療スキャン解析機能の特定のバージョンの識別子641を示す、1つまたは複数の訓練セット識別子491を示し得る。訓練セットデータ490はまた、たとえば、対応する医療スキャン解析機能のモデルパラメータデータ623に基づいて、訓練セットによって医療スキャンエントリのどの部分が利用されたかを示し得る。たとえば、訓練セットデータ490は、医療スキャン画像データ410が、胸部X線医療スキャン画像解析機能のバージョンXを訓練するために利用された訓練セットに含まれていたこと、またはこの医療スキャンの自然言語テキストデータ448が、自然言語解析機能のバージョンYを訓練するために使用されたことを示し得る。
【0060】
図5Aは、ユーザデータベース344に保存されるか、または、そうでなければ、ユーザに関連付けられるユーザプロファイルエントリ354の実施形態を示している。ユーザは、放射線科医、医師、医療専門家、医療報告のラベリング担当者、1つまたは複数のサブシステムまたはデータベースの管理者、または1つまたは複数のサブシステム101を使用する他のユーザなどの、サブシステムの1つまたは複数のユーザに対応し得る。ユーザはまた、病院、診療所、医療スキャンを利用する施設、記述される医療専門家の1人または複数人を雇用する施設、1つまたは複数のサブシステムの管理に関連付けられる施設、または他のエンティティなどの、医療エンティティに対応し得る。ユーザはまた、同じまたは異なる医療エンティティの1人または複数人の医療専門家または他の従業員がアクセスし得る特定のクライアント装置120またはアカウントに対応し得る。各ユーザプロファイルエントリは、対応するユーザプロファイル識別子355を有し得る。
【0061】
ユーザプロファイルエントリ354は、名前、連絡先情報、アカウント/ログイン/パスワード情報、地理的領域データ424などの地理的位置情報、および/または他の基礎情報などの、ユーザに対応する識別情報511を含み得る、基礎ユーザデータ510を含み得る。基礎ユーザデータ510は、たとえば、ユーザが医療専門家などの単一の人物に対応する場合か、またはユーザが病院のネットワークにおける病院に対応する場合に、ユーザが提携する1つまたは複数の医療エンティティまたは他の施設をリスト化し得る提携データ512を含み得る。提携データ512は、対応する提携した医療エンティティまたは他の施設がユーザデータベースにそれ自体のエントリを有する場合に、1つまたは複数の対応するユーザプロファイル識別子355および/または基礎ユーザデータ510を含み得る。ユーザ識別子データは、たとえば、ユーザが、医療エンティティまたは他の医療専門従業員の監督する医療専門家に対応する場合に、それら自体のユーザプロファイルエントリ354を有する医療専門家などの、1人または複数人の従業員をリスト化する従業員データ513を含み得る、各従業員のためのユーザプロファイル識別子355および/または基礎ユーザデータ510をリスト化し得る。基礎ユーザデータ510はまた、たとえば、マシン識別子、モデル情報、較正情報、スキャンタイプ情報、または各マシンに対応する、たとえばマシンデータ425に対応する他のデータを含み得るユーザに関連するマシンのリストを含み得る、撮像マシンデータ514を含み得る。ユーザプロファイルエントリは、クライアント装置データ515を含む場合があり、これは、たとえば、サブシステム101が、クライアント装置データに基づいて選択されたユーザに対応するクライアント装置120にデータを送信することを可能にし、および/または、データが受信されたクライアント装置を判定することによってデータが受信されたことをユーザに判定することを可能にする、ユーザに関連付けられる1つまたは複数のクライアント装置のための識別子を含み得る。
【0062】
ユーザプロファイルエントリは、1つまたは複数のサブシステム101を使用することと併せて、ユーザによる複数の使用に関する識別情報を含み得る使用データ520を含み得る。これは、たとえば、ユーザがサブシステムをサービスとして利用する場合、ユーザによる1つまたは複数のサブシステムの使用のリスト、またはそれに関連付けられる集計データを含み得る消費使用データ521を含み得る。たとえば、消費使用データ521は、医療スキャン診断システム108および/または医療スキャン支援型レビューシステム102と併せてユーザに提供される医療スキャンのために診断データがユーザに送信された各インスタンスに対応し得る。消費使用データ521の一部またはすべては、1つまたは複数のサブシステムによって提供される認証プログラムまたは他のユーザ訓練と併せて使用に対応する訓練使用データ522を含み得る。訓練使用データ522は、既知の診断データを有する医療スキャンのために、診断フィードバックデータがユーザによって提供される各インスタンスに対応する場合があり、診断フィードバックデータは、医療スキャンの診断データ440を生成、編集、および/または確認するためにサブシステムによって利用されず、これは、代わりに、ユーザを訓練するおよび/またはユーザのための性能データを判定するために利用されるためである。
【0063】
使用データ520は、ユーザによる1つまたは複数のサブシステム101の使用のリストを含み得るか、またはそれに関連する集計データを含み得る投稿使用データ523を含む場合があり、たとえば、その場合、ユーザは、サブシステムによって、たとえば、診断データ440を生成、編集、および/または確認し、および/または、そうでなければ、医療スキャンデータベースまたは他のサブシステムデータの一部を投入、変更、または確認するように利用し得るデータおよび/またはフィードバックを生成し、および/または、そうでなければ、提供する。たとえば、投稿使用データ523は、診断データを生成、編集、および/または確認するために使用される、ユーザから受信した診断フィードバックデータに対応し得る。投稿使用データ523は、投稿に関して利用される双方向インターフェース機能に対応する双方向インターフェース機能データ524を含み得る。
【0064】
消費使用データ521および/または投稿使用データ523は、ユーザが利用および/または投稿した医療スキャンエントリ352を含む場合があり、ユーザが利用および/または投稿した医療スキャンエントリ352の1つまたは複数の特定の属性、および/またはデータ使用と併せてユーザのクライアント装置によって生成されるユーザ入力のログを示し得る。投稿使用データ523は、たとえば、対応する医療スキャンエントリ352の注釈作成者データ450によって示され、それにマッピングされ、および/または、それを生成するために使用された、ユーザが生成および/またはレビューし得た診断データを含み得る。一部の使用は、消費使用データ521の消費使用と投稿使用データ523の投稿使用の両方に対応し得る。使用データ520はまた、各消費および/または投稿に対応する1つまたは複数のサブシステム101を示し得る。
【0065】
ユーザプロファイルエントリは、性能スコアデータ530を含み得る。これは、投稿使用データ523および/または訓練使用データ522に基づいて生成される1つまたは複数の性能スコアを含み得る。性能スコアは、投稿使用データ523および/または訓練使用データ522内のあらゆる投稿に対して生成され、および/または、訓練プログラムに対応するあらゆる訓練消費使用に対して生成される別個の性能スコアを含み得る。本明細書で使用されるように、「高い」性能スコアは、「低い」性能スコアよりも好適な性能または評価を指す。
【0066】
性能スコアデータは、たとえば、ユーザから受信される診断データと、たとえば、対応する医療スキャンエントリ352から検索される、真のフラグ461を有する医療スキャンなどの既知の真実データに対するデータとの比較に基づいて、および/または、たとえば、後にユーザの投稿使用データをレビューした専門ユーザから受信され、および/または、生成されるサブシステムによって自動的に生成される、医療スキャンに対応する他のデータに基づいて、各投稿に対してサブシステムによって自動的に生成し得る、精度スコアデータ531を含み得る。精度スコアデータ531は、たとえば、ユーザによる経時的な複数の投稿の精度データに基づいて、サブシステムによって自動的に生成された集計精度スコアを含み得る。
【0067】
性能データはまた、たとえば、投稿に対するリクエストがクライアント装置に送られた時点から、投稿がクライアント装置から受信された時間まで、投稿を完了するのにかかった時間に基づいて、クライアント装置自体から受信したタイミングデータに基づいて、および/または、他の因子に基づいて、各投稿に対してサブシステムによって自動的に生成された効率性スコアデータ532を含み得る。効率性スコアは、経時的に個々の効率性スコアに基づいて、および/または、投稿完了率の判定に基づいて、たとえば、一定時間のウィンドウにおいてどれだけの投稿が完了したかの判定に基づいて、サブシステムによって自動的に生成された集計効率性スコアを含み得る。
【0068】
集計性能スコアデータ533は、集計効率および/または精度データに基づいてサブシステムによって自動的に生成し得る。集計性能データは、たとえば、さまざまなスキャンタイプ、さまざまな解剖学的領域、さまざまなサブシステム、さまざまな双方向インターフェース機能、および/または、表示パラメータに対応する、カテゴリ化された性能データ534を含み得る。カテゴリ化された性能データ534は、各投稿に関連付けられる医療スキャンのスキャンタイプデータ421および/または解剖学的領域データ422、各投稿に関連付けられる1つまたは複数のサブシステム101、および/または、各投稿に関連付けられる双方向インターフェース機能データ524に基づいて、サブシステムによって自動的に判定され得る。集計性能データはまた、ユーザが医療エンティティに対応する場合、たとえば、従業員データ513に含まれるユーザプロファイル識別子355に基づいて検索された、個々の従業員の性能スコアデータ530に基づき得る。性能スコアデータはまた、たとえば、集計性能データに基づいてサブシステムまたはデータベース自体によって自動的に生成された、総合ランキングまたはカテゴリ化されたランキングを含み得る、ランキングデータ535を含み得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、たとえば、個別のスキャンカテゴリに対するスコアに基づいて、たとえばスキャン分類子データ420に基づいて、各ユーザのための集計データがさらに分解される場合があり、その場合、第1の集計データスコアが、すべての膝X線からのスコアに基づいてユーザ「A」に対して生成され、第2の集計データスコアが、すべての胸部CTスキャンからのスコアに基づいてユーザAに対して生成される。各ユーザのための集計データは、個別の診断カテゴリに対するスコアにさらに基づく場合があり、その場合、第1の集計データスコアが、すべての正常なスキャンからのスコアに基づいてユーザAに対して生成され、第2の集計データスコアが、異常を含むすべてのスキャンからのスコアに基づいてユーザAに対して生成される。これは、さらに分解される場合があり、その場合、第1の集計スコアが、第1のタイプのおよび/または第1の解剖学的位置における異常を含むスキャンからのすべてのスコアに基づいてユーザAに対して生成され、第2の集計スコアが、第2のタイプのおよび/または第2の位置における異常を含むスキャンからのすべてのスコアに基づいてユーザAに対して生成される。各ユーザのための集計データは、提携データにさらに基づく場合があり、その場合、ランキングが、同じ提携データを有するすべての医療専門家からのスコアに基づいて医療専門家「B」に対して生成され、および/または、ここで、ランキングが、すべての病院、同じ地理的領域内のすべての病院などに対するスコアに基づいて病院「C」に対して生成される。各ユーザのための集計データはインターフェース機能に対するスコアにさらに基づく場合があり、その場合、第1の集計データスコアが、第1のインターフェース機能を使用したスコアに基づいてユーザAに対して生成され、第2の集計データスコアが、第1のインターフェース機能を使用したスコアに基づいてユーザAに対して生成される。
【0070】
ユーザプロファイルエントリは、資格データ540を含み得る。資格データは、教育データ、専門的実践データ、実践年数、受賞歴などの、経験データ541を含み得る。資格データ540はまた、たとえば、性能スコアデータ530に基づいて、および/または、投稿使用データ523および/または訓練使用データ522における多数の投稿に基づいて、サブシステムによって自動的にユーザに割り当てられた、1つまたは複数のサブシステムへの投稿に基づいて獲得した認証に対応する認証データ542を含み得る。たとえば、認証は、医療専門家を訓練する、および/または、医療専門家にシステムを使用するように動機を与えるための、標準のおよび/または認識された認証に対応し得る。資格データ540は専門家データ543を含み得る。専門家データ543は、経験データ541、認証データ542、および/または性能スコアデータ530に基づいて、サブシステムによって自動的に生成される場合があり、ユーザが専門ユーザであるかどうかを示し得るバイナリ専門家識別子を含み得る。専門家データ543は、スキャンタイプ、解剖学的領域、および/または特定のサブシステムに対応する複数の資格カテゴリに対応する複数のカテゴリ化されたバイナリ専門家識別子を含み得る。カテゴリ化されたバイナリ専門家識別子は、カテゴリ化された性能データ534および/または経験データ541に基づいてサブシステムによって自動的に生成し得る。カテゴリは、特定の専門性を示すために各カテゴリにおいて性能スコアによってランク付けされる。専門家データ543はまた、システム内のすべての専門家に関する専門家ランキングまたはカテゴリ化された専門家ランキングを含み得る。
【0071】
ユーザプロファイルエントリは、ユーザが加入した複数の加入オプションのうちの選択された1つを含み得る加入データ550を含み得る。たとえば、加入オプションは、ユーザが1か月にサブシステムを利用し得る回数などの、1つまたは複数のサブシステムの許可された使用、および/または、認証データ542のサブシステム認証を獲得するための訓練を受信するためにユーザによって支払われた、認証プログラムに対応し得る。加入データは、加入の有効期限情報、および/または課金情報を含み得る。加入データはまた、たとえば、システムの残りの使用回数および/または利用可能なクレジット情報を示し得る加入ステータスデータ551を含み得る。たとえば、消費使用データ521および/または訓練使用データ522に示されるサービスとして1つまたは複数のサブシステムを利用する使用に応じて、残りの使用回数が減少する場合があり、および/または、利用可能なクレジットが減少する場合がある。いくつかの実施形態では、たとえば、投稿使用データ523に基づいて、投稿に対応する使用に応じて、残りの使用回数が増加する場合があり、および/または、利用可能なクレジットが増加する場合がある。クレジットの増加は、可変である場合があり、各投稿の判定された品質に基づく場合があり、たとえば、より高い性能スコアがクレジットのより高い増加に対応する投稿に対応する性能スコアデータ530に基づく場合があるか、より高い優先度のスキャンへの投稿がクレジットのより高い増加に対応する医療スキャンのスキャン優先度データ427に基づく場合があるか、または他の因子に基づく場合がある。
【0072】
ユーザプロファイルエントリ354はインターフェースプリファレンスデータ560を含み得る。インターフェースプリファレンスデータは、1つもしくは複数の双方向インターフェース機能識別子、および/またはインターフェース機能のインターフェース機能エントリ358、および/またはバージョン識別子の1つもしくは複数の双方向インターフェースバージョン識別子を含み得る、好みの双方向インターフェース機能セット561を含み得る。好みの双方向インターフェース機能セット561のインターフェース機能の一部またはすべては、医療スキャンの表示パラメータデータ470に対応し得る。好みの双方向インターフェース機能セット561は、1つまたは複数の特徴タイプおよび/またはインターフェースタイプに対して単一の対話型特徴識別子を含む場合があり、および/または、1つまたは複数のインターフェースカテゴリに対して単一の双方向インターフェースバージョン識別子を含む場合がある。好みの双方向インターフェース機能セット561は、同じ特徴タイプおよび/またはインターフェースタイプに対して複数の特徴のランキングを含み得る。ランク付けされたおよび/またはランク付けされていない好みの双方向インターフェース機能セット561は、インターフェース機能および/またはバージョンの一部またはすべてを選択および/またはランク付けするために、クライアント装置の双方向インターフェースへのユーザ入力に基づいて生成され得る。好みの対話型特徴セットの特徴および/またはバージョンの一部またはすべては、たとえば、インターフェース機能性能スコアデータおよび/または特徴人気度データに基づいて、医療スキャンインターフェース評価者システムなどのサブシステムによって自動的に選択および/またはランク付けされ得る。代替的または付加的に、性能スコアデータ530は、たとえば、カテゴリ化された性能データ534のさまざまな特徴ベースのカテゴリにおけるスコアに基づいて、好みの対話型特徴セットを自動的に判定するようにサブシステムによって利用され得る。
【0073】
ユーザプロファイルエントリ354は、ユーザによって示された報告フォーマッティングプリファレンスを示し得る報告フォーマッティングデータ570を含み得る。これは、フォント、テキストサイズ、ヘッダーデータ、行頭文字またはナンバリングタイプ、余白、ファイルタイプ、1つまたは複数の完全なまたはクロップされた画像スライス412を含めるためのプリファレンス、類似医療スキャンを含めるためのプリファレンス、追加の医療スキャンを報告に含めるためのプリファレンス、または自然言語テキストデータおよび/または各異常に対応する画像データをリスト化するための他のフォーマッティングプリファレンスを含み得る。報告フォーマッティングデータ570の一部またはすべては、インターフェースプリファレンスデータ560に基づき得る。報告フォーマッティングデータ570は、1つまたは複数のサブシステムによって、リクエストしているユーザの好みに基づいて医療スキャンの報告データ449を自動的に生成するために使用され得る。
【0074】
図5Bは、医療スキャン解析機能データベース346に保存された、またはそうでなければ1つまたは複数のサブシステム101によって訓練および/または利用された複数の医療スキャン解析機能の1つに関連付けられる、医療スキャン解析機能エントリ356の一実施形態を示している。たとえば、医療スキャン解析機能は、医療スキャン画像解析システム112によって訓練された1つまたは複数の医療スキャン画像解析機能と、医療スキャン自然言語解析システム114によって訓練された1つまたは複数の医療スキャン自然言語解析機能と、医療スキャン画像解析システム112、医療スキャン自然言語解析システム114、および/または医療スキャン比較システム116によって訓練された1つまたは複数の医療スキャン類似性解析機能と、医療スキャン自然言語解析システム114および/または医療スキャン画像解析システム112によって訓練された1つまたは複数の医療報告ジェネレータ機能および/または医療スキャン自然言語解析システム114によって訓練された医療報告解析機能とを含み得る。医療スキャン解析機能の一部またはすべては、図8A~8Fと併せて論じたような医療写真アーカイブ統合システムによって利用される、医療スキャン診断システム108の医療スキャン推論機能、匿名化機能、および/または推論機能、または1つまたは複数のサブシステム101と併せて本明細書に記載される他の機能および/またはプロセスに対応し得る。各医療スキャン解析機能エントリ356は医療スキャン解析機能識別子357を含み得る。
【0075】
医療スキャン解析機能エントリ356は機能分類子データ610を含み得る。機能分類子データ610は、機能に対応する入力タイプおよび出力タイプを含み得る。たとえば、機能分類子データは、医療スキャン解析機能への入力としてどのタイプのスキャンを使用し得るかを示す入力スキャンカテゴリ611を含み得る。たとえば、入力スキャンカテゴリ611は、医療スキャン解析機能が、特定の病院または他の医療エンティティからの胸部CTスキャン用であることを示し得る。入力スキャンカテゴリ611は、スキャン分類子データ420に含まれる1つまたは複数のカテゴリを含み得る。さまざまな実施形態では、入力スキャンカテゴリ611は、医療スキャン解析機能を訓練するために使用された医療スキャンのタイプに対応する。機能分類子データ610はまた、たとえば、医療スキャン解析機能が医療コード447を生成するために使用されることを示す、機能によって生成される出力のタイプを特徴付ける出力タイプデータ612を含み得る。入力スキャンカテゴリ611はまた、どのサブシステム101が医療スキャン解析機能を実行する責任があるかを識別する情報を含み得る。
【0076】
医療スキャン解析機能エントリ356は訓練パラメータ620を含み得る。これは、医療スキャン解析機能を訓練するために使用される医療スキャンに対応する医療スキャン識別子353のセット、医療スキャン解析機能を訓練するために使用される医療スキャン報告および対応する医療コードのリストなどの、医療スキャン解析機能を訓練するために使用されるデータに対する識別子を含み得る、訓練セットデータ621を含み得る。訓練セットの特定のスキャンを識別することに代えて、またはそれに加えて、訓練セットデータ621は、必要なスキャン分類子データ420、必要な異常位置、分類子、または異常注釈データ442に対応する他の基準、たとえば、真のフラグ461が割り当てられた診断データ440を有するまたはそうでなければ訓練セット信頼スコア閾値と比較して好適である信頼スコアデータ460を有する医療スキャンのみが含まれていることを示す、必要な信頼スコアデータ460、含まれる医療スキャンの数およびさまざまな基準に対応するデータ、または訓練セットに医療スキャンのデータを投入するために使用される他の基準などの、訓練セット基準を識別し得る。訓練パラメータ620は、訓練セット621を利用することによって医療スキャン解析機能を判定するために使用されるモデル、方法、および/または訓練機能の1つまたは複数のタイプを示すモデルタイプデータ622を含み得る。訓練パラメータ620は、医療スキャン解析機能を訓練するために選択された訓練データの特徴のセット、選択された入力および出力特徴に対応する重みに対する判定された値、モデル自体に対応するモデルパラメータに対する判定された値などを含み得る、モデルパラメータデータ623を含み得る。訓練パラメータデータはまた、医療スキャンのテストセットまたは医療スキャン解析機能をテストするために使用される他のデータを識別し得る、テストデータ624を含み得る。テストセットは、訓練セット621のサブセットであり、訓練セット621とは完全に別個のデータを含み、および/または、訓練セット621と重複し得る。代替的または付加的に、テストデータ624は、テストのための訓練セットからランダムもしくは擬似ランダムに選択されるデータのパーセンテージなどの検証パラメータ、交差検証プロセスを特徴付けるパラメータ、またはテストに関する他の情報を含み得る。訓練パラメータ620はまた、たとえば、テストデータ624に示された交差検証の適用に基づいて、医療スキャン解析機能に関連付けられる訓練エラーを示す訓練エラーデータ625を含み得る。
【0077】
医療スキャン解析機能エントリ356は性能スコアデータ630を含み得る。性能データは、たとえば、新たなデータに対して実行されたときの機能の精度に基づいて生成および/または更新された、モデル精度データ631を含み得る。たとえば、モデル精度データ631は、たとえば、サブシステム101と併せて、医療スキャン解析機能の出力を、双方向インターフェース275へのユーザ入力によって生成された対応するデータと比較することによって生成された、および/または、医療スキャン解析機能の出力を真のフラグ461を有する医療スキャンと比較することによって生成された、個々の使用に対する判定のためのモデル誤差が含まれ得るか、またはそれに基づいて計算され得る。モデル精度データ631は、経時的な機能の個々の使用のモデル誤差に基づいて計算された集計モデル精度データを含み得る。性能スコアデータ630はまた、医療スキャン解析機能がどれほど速く実行されるか、医療スキャン解析機能によってどれだけのメモリが利用されるか、または医療スキャン解析機能に関連する他の効率性データに基づいて生成され得る、モデル効率性データ632を含み得る。性能スコアデータ630の一部またはすべては、訓練および/または検証中に判定された訓練エラーデータ625または他の精度および/または効率性データに基づき得る。本明細書で使用されるように、「高い」性能スコアは、「低い」性能スコアよりも好適な性能または評価を指す。
【0078】
医療スキャン解析機能エントリ356はバージョンデータ640を含み得る。バージョンデータはバージョン識別子641を含み得る。バージョンデータは、機能の前のバージョンに対応する他の医療スキャン解析機能エントリ356に格納されたバージョン識別子641にマッピングされ得る、1つまたは複数の前のバージョン識別子642を示し得る。代替的または付加的に、バージョンデータは、機能分類子データ610に基づいて同じタイプの複数のバージョンを示す場合があり、バージョンの対応する順序および/またはランクを示す場合があり、および/または、各バージョンに関連付けられる訓練パラメータ620を示す場合がある。
【0079】
医療スキャン解析機能エントリ356は治療データ650を含み得る。治療データ650は、治療が必要な場合に、どのように医療スキャン解析機能が稼働(commission)から解除されるか、および/または、前のバージョンに戻されるかを示す治療プロセスにおけるステップを示し得る治療指示データ651を含み得る。バージョンデータ640は、治療がいつ必要であるかを自動的に判定するために使用される閾値データまたは他の基準を含み得る、治療基準データ652をさらに含み得る。たとえば、治療基準データ652は、モデル精度データおよび/またはモデル効率性データが、示されたモデル精度閾値および/または示されたモデル効率性閾値と比較して好適でない場合の任意の時間に治療が必要であることを示し得る。治療データ650はまた、医療スキャン解析機能の再稼働(recommissioning)および/または医療スキャン解析機能の更新に必要とされる基準を識別する、再稼働指示データ653を含み得る。治療データ650はまた、医療スキャン解析機能が稼働から解除された、および/または、再稼働された1つまたは複数の事例を示す、治療歴を含み得る。
【0080】
図6Aおよび6Bは、医療スキャン診断システム108の実施形態を示している。医療スキャン診断システム108は、ローカルに保存および実行され、別のサブシステム101によって保存および実行され、および/または、医療スキャン解析機能データベース346に保存された、医療スキャン推論機能1105のセットを利用することによって、医療スキャンに対する推論データ1110を生成する場合があり、その場合、機能および/または機能のパラメータは、医療スキャン診断システムによってデータベースから検索され得る。たとえば、医療スキャン推論機能1105のセットは、医療スキャンエントリ352の一部またはすべてのデータなどの医療スキャンに対応する一部またはすべてのデータに基づいて、本明細書に記載される一部またはすべての医療スキャン解析機能または推論データ1110を生成する他の機能を含み得る。セット内の各医療スキャン推論機能1105は、スキャンカテゴリ1120に対応する場合があり、スキャンカテゴリ1120と比較して好適である医療スキャンのセットで訓練され得る。たとえば、各推論機能は、同一および/または類似のスキャンタイプ、同一および/または類似の解剖学的領域位置、同一および/または類似のマシンモデル、同一および/または類似のマシン較正、同一および/または類似の使用される造影剤、同一および/または類似の元のエンティティ、同一および/または類似の地理的領域、および/または他の分類子などの、1つまたは複数の同一のスキャン分類子データ420の医療スキャンのセットで訓練され得る。したがって、スキャンカテゴリ1120は、スキャンタイプ、スキャン解剖学的領域データ、病院または他の元のエンティティデータ、マシンモデルデータ、マシン較正データ、造影剤データ、地理的領域データ、および/または他のスキャン分類データ420のうちの1つまたは複数に対応し得る。たとえば、第1の医療スキャン推論機能は膝X線の特徴付けに方向付ける場合があり、第2の医療スキャン推論機能は胸部CTスキャンに方向付ける場合がある。別の例として、第1の医療スキャン推論機能は第1の病院からのCTスキャンの特徴付けに方向付ける場合があり、第2の医療スキャン画像解析機能は第2の病院からのCTスキャンの特徴付けに方向付ける場合がある。
【0081】
これらのカテゴリ化されたセットを個別に訓練することで、各医療スキャン推論機能1105をそのスキャンカテゴリ1120に従って較正することを保証する場合があり、たとえば、異なる推論機能を、タイプ固有、解剖学的領域固有、病院固有、マシンモデル固有、および/または領域固有の傾向および/または不一致に対して較正することが可能になる。医療スキャン推論機能1105の一部またはすべては、医療スキャン画像解析システムおよび/または医療スキャン自然言語処理システムによって訓練される場合があり、および/または、いくつかの医療スキャン推論機能1105は、推論データ1110を生成するために画像解析および自然言語解析技術の両方を利用する場合がある。たとえば、推論機能の一部またはすべては、医療スキャン画像データ410および/または異常注釈データ442および/または報告データ449から抽出された自然言語データの画像解析を入力として利用し、医療コード447などの診断データ440を出力として生成され得る。各医療スキャン推論機能は、たとえば、モデルタイプデータ622およびモデルパラメータデータ623で示された、同じまたは異なるモデルパラメータを用いて、医療スキャンデータの同じまたは異なる特徴で訓練するように同じまたは異なる学習モデルを利用し得る。モデルタイプおよび/またはパラメータは、1つまたは複数の対応するスキャンカテゴリ1120の特定の特性に基づいて、特定の医療スキャン推論機能に対して選択される場合があり、モデルタイプデータ622およびモデルパラメータデータ623で示される一部またはすべては、1つまたは複数の対応するスキャンカテゴリ1120の特定の学習された、および/または、そうでなければ、判定された特性に基づいて、訓練プロセス中にサブシステムによって自動的に選択される場合がある。
【0082】
図6Aに示されるように、医療スキャン診断システム108は、ネットワークを介して医療エンティティから医療スキャンを受信することに応じて、処理するために医療スキャンを自動的に選択し得る。代替的に、医療スキャン診断システム108は、特定のスキャンに対してユーザから受信したリクエストに基づいて、および/または、スキャン優先度データ427に基づいて、医療スキャン診断システム108または別のサブシステムによって自動的に順序付けられたスキャンの待ち行列(queue)に基づいて、選択された医療スキャンデータベースから医療スキャンを自動的に検索し得る。
【0083】
処理される医療スキャンが判定されると、医療スキャン診断システム108は、選択された医療スキャンの判定されたスキャンカテゴリ1120に基づいて、および対応する推論機能スキャンカテゴリに基づいて、推論機能1105を自動的に選択し得る。スキャンのスキャンカテゴリ1120は、スキャン分類子データ420の一部またはすべてに基づいて、および/または、スキャンに関連付けられる他のメタデータに基づいて判定され得る。これは、たとえば、スキャンカテゴリ1120を機能分類子データ610の入力スキャンカテゴリと比較することによって、複数の医療スキャン推論機能1105のうちのどれがスキャンカテゴリ1120と一致するか、またはそうでなければ比較して好適であるかを判定することを含み得る。
【0084】
代替的または付加的に、医療スキャン診断システム108は、推論機能1105によって出力される推論データ1110の所望のタイプに対応する出力プリファレンスに基づいて、どの医療スキャン推論機能1105が利用されるかを自動的に判定し得る。出力プリファレンスは、医療スキャン診断システム108のユーザによって指定され、および/または、医療スキャン診断システム108を利用するサブシステム101の機能に基づく。たとえば、推論機能のセット1105は、医療スキャンが正常であるか否かを示し、スキャンにおいて少なくとも1つの異常を自動的に識別し、スキャンにおいて少なくとも1つの異常を自動的に特徴付け、スキャンに1つまたは複数の医療コードを割り当て、スキャンのための自然言語テキストデータおよび/またはフォーマットされた報告を生成し、および/または、医療スキャンに基づいて診断データ440の一部またはすべてなどの他の診断データを自動的に生成するために利用される推論機能を含み得る。代替的または付加的に、一部の推論機能は、信頼スコアデータ460、表示パラメータデータ470、および/または類似スキャンデータ480を自動的に生成するように利用することもできる。医療スキャン診断システム108は、選択された推論機能1105を判定するために、出力プリファレンスを医療スキャン推論機能1105の出力タイプデータ612と比較し得る。たとえば、これは、所望のタイプの推論データ1110に基づいて医療報告のために、医療コードを自動的に生成する第1の医療スキャン推論機能と自然言語テキストを自動的に生成する第2の医療スキャン推論機能との間で決定するために使用され得る。
【0085】
選択された医療スキャン推論機能1105を実行する前に、医療スキャン診断システム108は、適切なスキャンカテゴリ1120の適切な医療スキャン推論機能1105が選択されるように、医療スキャンのスキャン分類子データ420または他のメタデータが、医療スキャンを正確に分類することを保証するために、入力品質保証機能1106を自動的に実行し得る。入力品質保証機能は、たとえば、検証されたスキャンカテゴリを有する複数の前の医療スキャンの医療スキャン画像データ410で訓練され得る。したがって、入力品質保証機能1106は、医療スキャン画像データ410を入力として取得し、出力として推論されたスキャンカテゴリを生成し得る。推論されたスキャンカテゴリは、スキャンのスキャンカテゴリ1120と比較される場合があり、入力品質保証機能1106は、スキャンカテゴリ1120が自動的に生成された推論されたスキャンカテゴリと比較して好適であるかを判定することによって、スキャンカテゴリ1120が適切であるか否かを判定する場合がある。入力品質保証機能1106はまた、スキャンカテゴリ1120が自動的に生成された推論されたスキャンカテゴリと比較して好適である場合に、生成された推論されたスキャンカテゴリをスキャンカテゴリ1120に再割り当てするように利用され得る。入力品質保証機能1106はまた、生成された推論されたスキャンカテゴリを、分類データを含まない入力医療スキャンに対するスキャンカテゴリ1120に割り当て、および/または、スキャン分類子データ420内の分類子を、1つまたは複数の分類子が欠落している医療スキャンに追加するように利用され得る。
【0086】
さまざまな実施形態では、スキャン分類子データ420または他のメタデータによって判定されたスキャンカテゴリ1120が不正確であると判定するように入力品質保証機能1106を利用すると、医療スキャン診断システム108は、アラートおよび/または自動的に生成された推論されたスキャンカテゴリを、スキャンがスキャン分類子データ420または他のメタデータに誤って分類されていることを示す医療エンティティに送信し得る。いくつかの実施形態では、たとえば、医療スキャン診断システム108は、元のエンティティデータ423で示されたスキャンの元のエンティティ、またはスキャンを分類する責任を担う別のユーザまたはエンティティに対応する性能スコアデータを自動的に更新する場合があり、その場合、スキャンが誤って分類されたと判定したことに応じて、より低い性能スコアが生成され、および/または、スキャンが正しく分類されたと判定したことに応じて、より高い性能スコアが生成される。
【0087】
いくつかの実施形態では、医療スキャン診断システム108は、医療スキャンおよび/または自動的に生成された推論されたスキャンカテゴリを選択されたユーザに送信し得る。ユーザは、たとえば、双方向インターフェース275を介して、医療スキャン支援型レビューシステム102と併せて表示された、医療スキャンの医療スキャン画像データ410および/または他のデータを提示され得る。インターフェースは、適切なスキャンカテゴリ1120を示すようにユーザを促す場合があり、および/または、ユーザにも提示された、推論されたスキャンカテゴリを確認および/または編集するようにユーザを促す場合がある。たとえば、ユーザが生成および/または検証したスキャンカテゴリ1120を反映するために、スキャンレビューデータを自動的に生成し得る。このユーザが示したスキャンカテゴリ1120は、医療スキャン推論機能1105を選択し、および/または、それに応じて、スキャン分類子データ420またはその他のメタデータを更新し得る。いくつかの実施形態では、たとえば、選択されたユーザが入力品質保証機能1106によって作成された自動的に生成された推論されたスキャンカテゴリに同意しないことをスキャンレビューデータが示す場合、医療スキャン診断システム108は、低い性能スコアを生成することによって入力品質保証機能1106の性能スコアデータ630を自動的に更新する場合があり、および/または、入力品質保証機能1106のための治療ステップ1140に入ることを判定する場合がある。
【0088】
医療スキャン診断システム108はまた、図6Bに示される実施形態に例示されるように、推論データ1110を生成するために医療スキャン推論機能1105が医療スキャンに対して実行された後に、出力品質保証ステップを自動的に実行し得る。出力品質保証ステップは、選択された医療スキャン推論機能1105が、専門家のフィードバックに基づいて適切な推論データ1110を生成したことを保証するように利用され得る。選択された医療スキャン推論機能1105を実行することによって生成された推論データ1110は、たとえば、対応するユーザエントリのカテゴリ化された性能データおよび/または資格データに基づいて、推論データ1110において識別された異常分類子カテゴリ444および/または異常パターンカテゴリ446をレビューするのに最適な専門ユーザを選択することによって、スキャンカテゴリ1120および/または推論自体に対応するカテゴリ化された性能データおよび/または資格データに基づいて選択されたユーザデータベース内の専門ユーザなどの、選択された専門ユーザのクライアント装置120に送信され得る。選択されたユーザはまた、元のエンティティデータ423に示された、医療専門家または元のエンティティで採用されたおよび/または元の医療専門家に対応する他のユーザに対応し得る。
【0089】
図6Bは、治療ステップ1140の実行と併せた医療スキャン診断システム108の一実施形態を例示している。医療スキャン診断システム108は、たとえば、推論データ評価機能によって出力された推論精度データの評価に基づいて、および/または、医療スキャン診断システムにおける性能スコアデータ630に基づくモニタリングに基づいて、医療スキャン推論機能1105のセットの性能をモニターする場合があり、対応する医療スキャン推論機能1105が適切に実行されているか否かを判定する場合がある。これは、たとえば、性能スコアデータ630および/または推論精度データを治療基準データ652と比較することによって、たとえば、治療ステップ1140が医療スキャン推論機能1105に必要であるかどうかを判定することを含み得る。治療ステップ1140が必要であるかどうかを判定することはまた、1つまたは複数の識別された医療スキャン推論機能1105および/または医療スキャン推論機能1105のすべてに対して治療が必要であるという専門ユーザまたは別のユーザからの指示の受信に基づき得る。
【0090】
さまざまな実施形態では、治療ステップ1140が医療スキャン推論機能1105に必要かどうかを判定するために、治療評価機能が利用される。治療評価機能は、特定の医療スキャン推論機能1105の最近の精度データおよび/または効率性データが、特定の推論機能の正常な性能レベルを下回る場合に、治療が必要であると判定することを含み得る。治療評価機能は、特定の医療スキャン推論機能1105の最近または全体の精度データおよび/または効率性データが、すべてまたは類似の医療スキャン推論機能1105の最近または全体の平均を下回る場合に、治療が必要であると判定することを含み得る。治療評価機能は、誤った診断の閾値数に達した後にのみ治療が必要であると判定することを含み得る。さまざまな実施形態では、誤った診断の複数の閾値数は、異なる診断カテゴリに対応する。たとえば、治療のための誤った診断の閾値数は、偽陽性の診断よりも偽陰性の診断の方が高くなり得る。同様に、異なる診断の重症度および/または希少性に対応するカテゴリは、異なる閾値を有する場合があり、たとえば、その場合、治療を必要とするには誤っていたより重大なおよび/またはより希少な診断の閾値数は、誤っていたそれほど重大でないおよび/またはそれほど希少でない診断の閾値数よりも低い。
【0091】
治療ステップ1140は、識別された医療推論機能1105を自動的に更新することを含み得る。これは、新たなデータ、より高い対応する信頼スコアを有するデータ、または新たな訓練セット基準に基づいて選択されたデータを含む、同じ訓練セットまたは新たな訓練セットで、識別された医療推論機能1105を自動的に再訓練することを含み得る。識別された医療推論機能1105はまた、クライアント装置から受信したレビューデータに基づいて更新および/または変更し得る。たとえば、医療スキャンおよび専門家フィードバックデータは、医療スキャン推論機能1105の訓練セットに追加される場合があり、医療スキャン推論機能1105は、更新された訓練セットで再訓練される場合がある。代替的または付加的に、専門ユーザは、医療スキャン用の推論データ1110を生成する際に推論機能によっておかされたエラーに基づいて、専門家フィードバックデータ内の追加のパラメータおよび/またはルールを識別する場合があり、これらのパラメータおよび/またはルールは、たとえば、モデルタイプデータ622および/またはモデルパラメータデータ623を更新することによって、医療スキャン推論機能を更新するために適用される場合がある。
【0092】
治療ステップ1140はまた、スキャンカテゴリ1120を2つまたはそれ以上のサブカテゴリに分割すると判定することを含み得る。したがって、2つまたはそれ以上の新たな医療スキャン推論機能1105が作成される場合があり、その場合、各々の新たな医療スキャン推論機能1105は、元の訓練セットのサブセットであり、および/または、サブカテゴリに対応する新たな医療スキャンデータを含む、対応する訓練セットで訓練される。これによって、医療スキャン推論機能1105をより特殊化することが可能になり、および/または、機能が推論データ1110を生成するときにサブカテゴリに固有の特性および/または不一致を利用することを可能にする。同様に、医療スキャン推論機能1105のいずれによっても以前に表されなかった新たなスキャンカテゴリ1120は、治療ステップに追加される場合があり、新たな医療スキャン推論機能1105は、新たなスキャンカテゴリ1120に対応する医療スキャンデータの新たなセットで訓練される場合がある。スキャンカテゴリの分割および/またはスキャンカテゴリの追加は、たとえば性能スコアデータ630に基づいて、治療ステップ1140を実行するときに、医療スキャン診断システム108によって自動的に判定され得る。これは、カテゴリを分割する、および/または、システムの専門ユーザまたは他のユーザから新たなスキャンカテゴリを追加する指示を受信することに基づいて判定することもできる。
【0093】
医療スキャン推論機能1105が初めて更新または作成された後、治療ステップ1140は、たとえば、訓練パラメータ620に基づいて、訓練セットに対する医療スキャンの厳しいテストを含み得る、稼働試験をさらに受け得る。たとえば、医療スキャン推論機能1105が正しい推論データ1110の閾値数を生成したときに、稼働試験に合格する場合があり、および/または、推論データとテストデータとの間の全体的または平均的な不一致レベルが設定されたエラー閾値を下回るときに、試験に合格する場合がある。稼働試験は、効率性を評価する場合があり、その場合、医療スキャン推論機能1105は、閾値効率レベルで実行するか、またはそれを超える場合にのみ稼働試験に合格する。医療スキャン推論機能1105が稼働試験に失敗した場合、モデルタイプおよび/またはモデルパラメータは、自動的にまたはユーザ入力に基づいて変更される場合があり、医療スキャン推論機能が再試験される場合があり、医療スキャン推論機能1105が稼働試験に合格するまで、このプロセスが継続される。
【0094】
治療ステップ1140は、たとえば、医療スキャン推論機能が再訓練されている間、および/または、稼働試験を受けている間に、医療スキャン推論機能1105を稼働停止する(decommissioning)ことを含み得る。稼働停止された医療スキャン推論機能1105に対応するスキャンカテゴリ1120を有する医療スキャン診断システム108への受信スキャンは、たとえば、医療スキャン注釈者システム106と併せて、1人または複数人のユーザによるレビューに直接送られ得る。これらのユーザがレビューした医療スキャンおよび対応する注釈は、治療ステップ1140の一部として稼働停止された医療スキャン推論機能1105を訓練するために使用される更新された訓練セットに含まれ得る。いくつかの実施形態では、複数の医療スキャン画像解析機能の前のバージョンは、医療スキャン診断システムのメモリに保存される場合があり、および/または、医療スキャン推論機能1105のバージョンデータ640に基づいて判定される場合がある。最新のバージョンまたは最高の性能スコアを有するバージョンなどの、医療スキャン推論機能1105の前のバージョンは、すべての医療スキャンをユーザレビューに送る代わりに、治療ステップ1140中に利用され得る。
【0095】
医療スキャン推論機能はまた、医療スキャン推論機能1105が保存および/または実行される処理、メモリ、および/または他のコンピューティング装置上のハードウェアおよび/またはソフトウェアの更新に自動的に応じて、治療ステップ1140を受け得る。マイクロサービスアーキテクチャを利用することによって、さまざまな医療スキャン推論機能1105をそれらの自体の装置上でコンテナ化し得るため、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの更新では、医療スキャン推論機能1105の1つが治療ステップ1140を受ける一方で、他の機能は影響を受けないままである必要があるだけである。医療スキャン推論機能1105はまた、正常なシステム起動に応じて自動的に、および/または、一定の間隔で周期的に、治療ステップ1140を受け得る。たとえば、スケジュールされた、または自動的に検出されたハードウェアおよび/またはソフトウェアの更新、変更、または問題に応じて、このハードウェアまたはソフトウェアによる影響を受けた1つまたは複数の医療スキャン推論機能1105は、各々が稼働試験に合格するまで稼働から解除し得る。そのような基準は、治療基準データ652で示し得る。
【0096】
医療スキャン診断システム108は、たとえば、ユーザデータベースの加入データの一部またはすべてを利用、生成、および/または更新することによって、システムのユーザ使用に対応する複数のユーザに対する使用データ、加入データ、および/または課金データを自動的に管理し得る。ユーザは、さまざまなコストに対応し得るさまざまな加入レベルが含み得る、システムへの加入のための料金を支払い得る。たとえば、病院は、毎月最大100件の医療スキャンを自動的に診断するために毎月の費用を支払い得る。病院は、割り当てに達した後に受信した追加のスキャンの自動診断のために加入をアップグレードするか、またはスキャンごとの費用を支払うかを選択する場合があり、および/または、医療スキャン診断システム108は、割り当てに達した後に受信した医療スキャンを病院に関連付けられる専門ユーザに自動的に送る場合がある。さまざまな実施形態では、専門家がさまざまな医療エンティティからの医療スキャンをレビューするように奨励するために、医療スキャン診断システムによって、インセンティブプログラムが使用され得る。たとえば、専門家は、レビューされた医療スキャンごとに、または医療スキャンの閾値数がレビューされた後に、アカウントへのクレジットおよび/または加入の更新を受信し得る。インセンティブプログラムは、たとえば、他のサブシステムとのインタラクションを介して医療スキャンエントリに対して行われた投稿に基づいて、ユーザによる他のサブシステムとのインタラクションを含み得る。
【0097】
図7Aは、医療スキャン画像解析システム112の実施形態を示している。たとえば、医療スキャン画像解析機能に対応する訓練セットデータ621に基づいて、1つまたは複数の医療スキャン画像解析機能を訓練するために使用される医療スキャンの訓練セットが、ネットワークを介して1つまたは複数のクライアント装置から受信される場合があり、および/または、医療スキャンデータベース342から検索される場合がある。複数の利用可能な医療スキャンから訓練セットに含まれる医療スキャンを自動的に識別および選択するために、たとえば、医療スキャン画像解析機能の訓練パラメータ620で識別された訓練セット基準を利用し得る。訓練セット基準は、たとえば、前に学習した基準に基づいて、自動的に生成される場合があり、および/または、訓練セット基準は、たとえば、ネットワークを介して、医療スキャン画像解析システムの管理者から受信される場合がある。訓練セット基準は、訓練セットの最小サイズを含み得る。訓練セット基準は、医療スキャンに真のフラグ461を割り当てることを要求すること、医療スキャンに関連付けられる病院および/または医療専門家に対する性能スコアデータが、性能スコア閾値と比較して好適であることを要求すること、医療スキャンが少なくとも医療専門家の閾値数によってレビューされていることを要求すること、医療スキャンおよび/または医療スキャンの患者ファイルに対応する診断が経過時間の閾値よりも古いことを要求すること、または訓練セット内の医療スキャンおよび関連データが「真の」データと見なされるのに十分な信頼性があることを保証することを意図した他の基準に基づくことなど、訓練セット内の医療スキャンに対するデータ完全性要件を含み得る。訓練セット基準は、患者に必要とされる後続する医療スキャンの数、患者に必要とされる追加のスキャンの複数のタイプ、および/または他の患者ファイル要件などの長期的な要件を含み得る。
【0098】
訓練セット基準は、1つまたは複数の医療スキャン分類データに対する割り当ておよび/または比率要件を含み得る。たとえば、訓練セット基準は、1つまたは複数のスキャンタイプおよび/またはスキャンの人体位置に関する割り当ておよび/または比率要件を満たすこと、多数の正常な医療スキャンおよび異常が識別された多数の医療スキャンに関する割り当てまたは比率要件を満たすこと、特定の位置に異常がある多数の医療スキャンおよび/または特定のサイズ、タイプ、または他の特性を満たす異常のある多数の医療スキャンの割り当ておよび/または比率要件を満たすこと、特定の診断または特定の対応する医療コードを伴う多数の医療スキャンに関する割り当ておよび/または比率データを満たすこと、および/または、メタデータ、患者データ、または医療スキャンに関連付けられる他のデータに関連する他の識別された割り当ておよび/または比率データを満たすことを含み得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、複数の訓練セットが作成されて、たとえば、医療スキャン推論機能1105のセットの一部またはすべてに対応する、対応する医療スキャン画像解析機能が生成される。一部またはすべての訓練セットは、医療スキャン診断システム108と併せて記載されるように、スキャン分類子データ420の一部またはすべてに基づいてカテゴリ化する場合があり、その場合、医療スキャンは、訓練セットのスキャンカテゴリに一致するそれらのスキャン分類子データ420に基づいて訓練セットに含まれる。いくつかの実施形態では、入力品質保証機能1106または別の入力チェックステップを、訓練セットごとに選択された医療スキャンに対して実行して、それらの対応するスキャン分類子データ420が正しいことを確認し得る。いくつかの実施形態では、入力品質保証機能は、医療スキャン画像解析システムによって訓練されたそれ自体の医療スキャン画像解析機能に対応する場合があり、その場合、入力品質保証機能は、スキャンカテゴリ1120を判定するおよび/または医療スキャンに既に割り当てられるスキャン分類子データ420を確認するように高レベルのコンピュータ視覚技術を利用する。
【0100】
いくつかの実施形態では、訓練セットは、単一のニューラルネットワークモデル、または上記の医療スキャン分類データの一部またはすべて、および/または、他のメタデータ、患者データ、または医療スキャンに関連付けられる他のデータで訓練され得る、モデルタイプデータ622および/またはモデルパラメータデータ623に対応する他のモデルを作成するために使用される。他の実施形態では、複数の訓練セットが作成されて、対応する複数のニューラルネットワークモデルが生成され、ここで、複数の訓練セットは、上述の医療スキャン分類データの一部またはすべて、および/または、他のメタデータ、患者データ、または医療スキャンに関連付けられる他のデータに基づいて分割される。複数のニューラルネットワークモデルの各々は、複数の訓練セットの対応する1つにおいて医療スキャンの同じまたは異なる特徴を利用する同じまたは異なる学習アルゴリズムに基づいて生成され得る。医療スキャンを複数の訓練セットに分離するために選択された医療スキャン分類は、たとえば、管理者から管理者クライアント装置への入力に基づいて、ネットワークを介して受信され得る。たとえば、医療スキャンを分離するために選択された医療スキャン分類は、医療スキャン画像解析システムによって自動的に判定される場合があり、その場合、監督されていないクラスタリングアルゴリズムが元の訓練セットに適用されて、監督されていないクラスタリングアルゴリズムの出力に基づいて適切な医療スキャン分類を判定する。
【0101】
医療スキャン画像解析システムが医療スキャン診断システムと併せて使用される実施形態では、各ニューラルネットワークモデルに関連付けられる医療スキャン画像解析機能の各々は、医療スキャン画像解析システムによって生成された複数のニューラルネットワークモデルの1つに対応し得る。たとえば、複数のニューラルネットワークモデルの各々は、医療スキャン診断システムと併せて論じられるような、スキャンタイプ、スキャン人体位置、病院または他の元のエンティティデータ、マシンモデルデータ、マシン較正データ、造影剤データ、地理的領域データ、および/または他のスキャン分類データで分類された訓練セットで訓練され得る。訓練セット分類子が学習される実施形態では、医療スキャン診断システムは、元の訓練セットを分離するために使用される学習された分類基準に基づいて、どの医療スキャン画像解析機能が適用されるべきかを判定し得る。
【0102】
各ニューラルネットワークモデルを作成するために使用されるコンピュータ視覚ベースの学習アルゴリズムは、訓練セット内の各医療スキャンに対する三次元サブ領域1310を選択することを含み得る。この三次元サブ領域1310は、スキャン全体のごく一部を表し得るスキャン全体から「サンプリングされた」領域に対応し得る。医療スキャンが、複数の順序付けられた断面画像スライスを含み得ることを思い起こされたい。三次元サブ領域1310の選択は、複数の医療スキャンの各々から複数の断面画像スライスの適切な画像スライスのサブセット1320を選択することによって、およびさらに、医療スキャンの各々の断面画像スライスの選択されたサブセットの各々から二次元サブ領域1330を選択することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、選択された画像スライスは、1つまたは複数の連続しない画像スライスを含む場合があり、したがって、複数の切断された三次元サブ領域が作成される。他の実施形態では、複数の画像スライスの選択された適切なサブセットは、連続する画像スライスのセットに対応し、単一の接続された三次元サブ領域が選択されることを保証する。いくつかの実施形態では、ニューラルネットワークモデルを訓練するために、訓練セットのスキャン全体が使用される。そのような実施形態では、本明細書で使用されるように、三次元サブ領域1310は、医療スキャンの医療スキャン画像データ410のすべてを指し得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、フルスキャンまたは選択された三次元サブ領域に、密度ウィンドウ処理ステップが適用され得る。密度ウィンドウ処理ステップは、選択された上限密度値カットオフおよび/または選択された下限密度値カットオフを利用すること、および上限密度値カットオフよりも高い値でピクセルをマスキングすること、および/または、下限密度値カットオフよりも低い値でピクセルをマスキングすることを含み得る。上限密度値カットオフおよび/または選択された下限密度値カットオフは、異常を含む領域に含まれる密度値の範囲および/または分布に基づいて、および/または、異常自体に関連付けられる密度値の範囲および/または分布に基づいて、サブシステムへのユーザ入力に基づいて、医療スキャンに関連付けられるか、または同じタイプの医療スキャンに関連付けられる表示パラメータデータに基づいて、判定される場合があり、および/または、訓練ステップで学習される場合がある。いくつかの実施形態では、ピクセル密度値を変更する、たとえば、コントラストを伸縮または圧縮するために、非線形密度ウィンドウ機能が適用され得る。いくつかの実施形態では、この密度ウィンドウ処理ステップは、データ増強ステップとして実行される場合があり、さまざまな密度ウィンドウに従って医療スキャン用の追加の訓練データを作成する。
【0104】
訓練セット内のフル医療スキャンのセットに対応する三次元サブ領域1310のサブ領域訓練セット1315を判定すると、医療スキャン画像解析システムは、対応する学習モデルのモデルパラメータデータ1355を生成するために複数の三次元サブ領域に対して学習アルゴリズムを実行することによって訓練ステップ1352を完了し得る。学習モデルは、ニューラルネットワーク、人工ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、ベイジアンモデル、サポートベクターマシンモデル、クラスタ解析モデル、または他の監督されたもしくは監督されていない学習モデルのうちの1つまたは複数を含み得る。モデルパラメータデータ1355は、学習アルゴリズム1350を実行することによって生成される場合があり、モデルパラメータデータ1355は、対応する医療スキャン画像解析機能を判定するために利用される場合がある。たとえば、モデルパラメータデータ1355の一部またはすべてが、モデルパラメータデータ623内の医療スキャン解析機能にマッピングされ得るか、または、そうでなければ、医療スキャン解析機能が定義され得る。
【0105】
訓練ステップ1352は、モデルパラメータデータ1355を生成するために学習アルゴリズム1350によって使用される訓練セットの各三次元サブ領域に対する特徴ベクトルを作成することを含み得る。特徴ベクトルは、判定された密度ウィンドウに基づく各ピクセルの密度値および/またはグレースケール値などの三次元サブ領域のピクセルデータを含み得る。特徴ベクトルはまた、位置および/または分類データなどの既知の異常データ、危険因子データまたは前の医療スキャンなどの患者病歴データ、診断データ、責任のある医療エンティティデータ、スキャンマシンモデルまたは較正データ、造影剤データ、医療コードデータ、生または処理済みの自然言語テキストデータを含み得る注釈データ、スキャンタイプおよび/または解剖学的領域データ、または医療スキャンエントリ352の一部またはすべてのデータなどの、画像に関連付けられる他のデータなどの、追加の入力特徴または所望の出力特徴として他の特徴を含み得る。特徴は、ネットワークを介して受信した管理者の指示に基づいて選択される場合があり、および/また、たとえば、さまざまな特徴セットを使用して作成された複数のモデルに対して交差検証ステップを実行することによって、エラーを分類する際にエラーを減少させる特徴セットの判定に基づいて判定される場合がある。特徴ベクトルは、入力特徴ベクトルと出力特徴ベクトルとに分割され得る。入力特徴ベクトルは、たとえば、三次元サブ領域ピクセルデータおよび/または患者病歴データを含み得る、後続する医療スキャン入力で利用可能になるデータを含み得る。出力特徴ベクトルは、後続する医療スキャン入力で推論されるデータを含む場合があり、医療スキャンが異常を含むか否かを示すバイナリ値、または、画像に対応する複数の医療コードの1つに対応する値などの、単一の出力値を含む場合がある。出力特徴ベクトルはまた、異常位置および/または分類データ、診断データ、または他の出力を含み得る、複数の値を含み得る。出力特徴ベクトルはまた、たとえば、どのピクセル値が異常の検出および/または分類に関連したかを特徴付ける、判定された上限密度値カットオフおよび/または下限密度値カットオフを含み得る。出力特徴ベクトルに含まれる特徴は、訓練セットで知られている特徴を含むように選択され得るが、医療スキャン診断システムによって診断されるトリアージされたスキャン、および/または、医療スキャン報告ラベリングシステムによってラベリングされるスキャンなどの、後続する医療スキャンにおいては知られて場合がある。入力特徴ベクトルおよび出力特徴ベクトルにおける特徴のセットの他に、各特徴に対応する重みが割り当てられるさまざまな特徴の重要性も、モデルパラメータデータ1355で指定され得る。
【0106】
ニューラルネットワークを利用する医療スキャン画像解析機能も考慮されたい。ニューラルネットワークは、複数の層を含む場合があり、その場合、各層は、複数のニューラルノードを含む。1つの層における各ノードは、次の層における一部またはすべてのノードに接続される場合があり、その場合、各接続は重み値によって定義される。したがって、モデルパラメータデータ1355は、ネットワーク内のすべての接続に対する重み値を含む重みベクトルを含み得る。代替的または付加的に、モデルパラメータデータ1355は、入力画像のピクセルデータの一部をマスキングするために使用される上限密度値カットオフおよび/または下限密度値カットオフ、カーネル値、フィルタパラメータ、バイアスパラメータ、および/または、ニューラルネットワークモデルの複数の畳み込み機能の1つまたは複数を特徴付けるパラメータを含み得る、ニューラルネットワークモデルに関連付けられるパラメータの任意のベクトルまたはセットを含み得る。医療スキャン画像解析機能は、入力特徴ベクトルおよびニューラルネットワークモデルを特徴付けるモデルパラメータデータ1355に応じて出力ベクトルを生成するために利用され得る。特に、医療スキャン画像解析機能は、重みベクトルまたは他のモデルパラメータデータ1355に基づいて推論された出力ベクトルを生成するために、複数のニューラルネットワーク層の順方向伝搬ステップを実行することを含み得る。したがって、ニューラルネットワークモデルと併せて利用される学習アルゴリズム1350は、たとえば、出力エラーを最良に低減する最適な重みを有する重みベクトルを投入することによって、ニューラルネットワークモデルに対応するモデルパラメータデータ1355を判定することを含み得る。
【0107】
特に、モデルパラメータデータ1355を判定することは、逆伝搬方策を利用することを含み得る。順方向伝搬アルゴリズムは、管理者によって設定されたまたはランダムに選択された初期重み値の初期重みベクトルなどの、初期および/またはデフォルトモデルパラメータデータ1355に基づいて、複数のニューラルネットワーク層を介して少なくとも1つの入力特徴ベクトルを伝搬するために、訓練セットにおける少なくとも1つの医療スキャンに対応する少なくとも1つの入力特徴ベクトルに対して実行され得る。少なくとも1つの入力特徴ベクトルに対して順方向伝搬アルゴリズムを実行することによって生成された少なくとも1つの出力ベクトルは、対応する少なくとも1つの既知の出力特徴ベクトルと比較されて、出力エラーを判定し得る。出力エラーを判定することは、たとえば、生成された出力ベクトルと既知の出力ベクトルとの間のユークリッド距離、すなわち二乗ユークリッド距離などのベクトル距離を計算すること、および/または、数の入力特徴ベクトルが利用された場合には、平均ユークリッド距離、すなわち二乗ユークリッド距離などの平均出力エラーを判定することを含み得る。次に、出力エラーまたは平均出力エラーに基づいて更新された重みベクトルを判定するために、勾配降下法が実行され得る。この勾配降下ステップは、出力層から開始する各層において、各重み、またはモデルパラメータデータ1355内の他のパラメータに関するエラーに対する偏導関数を計算することを含み得る。すべての重みの勾配が計算されるまで、各々の前の各層における各重みまたはパラメータに関する勾配を反復して計算するために、連鎖律が利用され得る。次に更新された重み、またはモデルパラメータデータ1355内の他のパラメータは、その対応する計算された勾配に基づいて各重みを更新することによって生成される。このプロセスは、新たな更新された重みベクトルおよび/またはモデルパラメータデータ1355内の他の新しく更新されたパラメータを作成するために、モデルパラメータデータ1355における更新された重みベクトルおよび/または他の更新されたパラメータに基づいて、前の反復で使用された同じまたは異なる少なくとも1つの特徴ベクトルを含み得る、少なくとも1つの入力特徴ベクトルに対して繰り返され得る。このプロセスは、直近に更新された重みベクトルおよび/または他のモデルパラメータデータ1355が最適であるか、または、そうでなければ、選択のために判定されることを判定するために、出力エラーが収束するか、出力エラーが特定のエラー閾値内に収まるか、または別の基準に達するまで、繰り返し続けられ得る。
【0108】
医療スキャンニューラルネットワークおよびその最終的な他のモデルパラメータデータ1355を判定すると、図7Bに示されるように、推論された出力ベクトルなどの推論データ1370を生成するために、新たな医療スキャンに対して、推論ステップ1354が実行され得る。推論ステップは、推論データを生成するための、最終的な重みベクトルの重み値などの、最終的なモデルパラメータデータ1355に基づいて、複数のニューラルネットワーク層を介して入力特徴ベクトルを伝搬するために順方向伝搬アルゴリズムを実行することを含み得る。この推論ステップ1354は、たとえば、推論された診断データまたはその対応する入力特徴ベクトルに基づいてトリアージされた医療スキャンに対する他の選択された出力データを生成するために医療スキャン診断システム108と併せて、推論データ1370を生成するために新たな医療スキャンに対して、最終的なモデルパラメータデータ1355によって定義されるような、医療スキャン画像解析機能を実行することに対応し得る。
【0109】
推論ステップ1354は、密度ウィンドウ処理ステップを新たな医療スキャンに適用することを含み得る。推論ステップを実行するときに、学習された密度ウィンドウカットオフ値および/または非線形密度ウィンドウ関数が自動的に適用され得る。たとえば、訓練ステップ1352が、最適な密度ウィンドウを指定するために最適な上限密度値カットオフ値および/または下限密度値カットオフ値を判定するために使用された場合、推論ステップ1354は、順方向伝搬アルゴリズムを適用する前にこの判定された密度ウィンドウの範囲外に入る受信スキャンのピクセルをマスキングすることを含み得る。別の例として、1つまたは複数の畳み込み関数の学習されたパラメータが、最適な上限密度値カットオフ値および/または下限密度値カットオフ値に対応する場合、密度ウィンドウ処理ステップは、順方向伝搬アルゴリズムが新たな医療スキャンに対して実行されるときに本質的に適用される。
【0110】
ニュートラルネットワークモデルに対応するモデルパラメータデータ1355によって医療スキャン解析機能が定義されるいくつかの実施形態では、ニューラルネットワークモデルは、完全な畳み込みニューラルネットワークであり得る。そのような実施形態では、順方向伝搬アルゴリズムでニューラルネットワークの層を介して入力特徴ベクトルを伝搬するために、畳み込み機能のみが実行される。これによって、医療用スキャン画像解析機能は、任意のサイズの入力特徴ベクトルを処理することが可能になる。たとえば、本明細書で論じられるように、三次元サブ領域に対応するピクセルデータは、重みベクトルおよび/または他のモデルパラメータデータ1355を投入するように訓練ステップ1352が利用されるときに、順方向伝搬アルゴリズムへの入力として利用される。しかし、推論ステップ1354で順方向伝搬アルゴリズムを実行するときに、完全な医療スキャンのピクセルデータは、入力として利用される場合があり、これにより、スキャン全体を処理して異常を検出および/または分類するか、または、そうでなければ、推論データ1370を生成することが可能になる。これは、三次元サブ領域を選択することによって新たなスキャンもサンプリングしなければならない他の実施形態、および/または推論ステップが、別々に処理された複数の三次元サブ領域に対応する推論データ1370を「つなぎ合わせる」ことを必要とする他の実施形態よりも好ましい実施形態であり得る。
【0111】
推論データ1370の推論された出力ベクトルは、新たな医療スキャンの複数の断面画像スライスの各々のピクセル位置にマッピングされた複数の異常確率を含み得る。たとえば、推論された出力ベクトルは確率行列1371のセットを示す場合があり、その場合、セットにおける各行列は、医療スキャンの複数の画像スライスの1つに対応し、その場合、各行列は、各画像スライスのピクセル数に対応するサイズであり、その場合、各行列の各セルは、対応する画像スライスのピクセルに対応し、その値は、対応するピクセルの異常確率である。
【0112】
検出ステップ1372は、複数の異常確率に基づいて医療スキャンに異常が存在するかどうかを判定することを含み得る。たとえば、異常が存在するかどうかを判定することは、たとえば、医療スキャンの同じ領域内のピクセルのクラスタが高い異常確率に対応することを判定することを含む場合があり、その場合、異常確率の閾値割合は閾値異常確率を満たすか、または超えなければならず、その場合、領域内のピクセルの平均異常確率は閾値異常確率を満たすか、またを超えなければならず、その場合、ピクセルのクラスタを含む領域は少なくとも特定のサイズでなければならない。異常が存在するかどうかを判定することは、異常確率および/または患者病歴データなどの医療スキャンに対応する他のデータに基づいて信頼スコアを計算することも含み得る。検出された異常の位置は、高い異常確率を有するピクセルの位置に基づいて、検出ステップ1372で判定され得る。検出ステップは、異常の一部またはすべてを含む1つまたは複数の画像スライス上の二次元サブ領域などの異常領域1373を判定することをさらに含み得る。検出ステップ1372で判定された異常領域1373は、1つまたは複数の他のサブシステム101および/またはクライアント装置120による使用のための異常位置データ443の一部またはすべてを投入するために、医療スキャンにマッピングされ得る。さらに、検出ステップ1372において異常が存在するか否かを判定することは、たとえば、スキャンが正常であるか、または診断データ440に異常を含むことを示すために、医療スキャンの診断データ440の一部またはすべてを投入するために使用され得る。
【0113】
異常が存在するという判定に応じて医療スキャンに対して、異常分類ステップ1374が実行され得る。異常サイズ、体積、収縮前後、倍加時間、石灰化、成分、平滑度、質感、診断データ、1つまたは複数の医療コード、Lung-RADSスコアなどの悪性度評価、または本明細書に記載される他の分類データなどの、1つまたは複数の分類カテゴリに対応する分類データ1375が、検出された異常に基づいて判定され得る。異常分類ステップ1374によって生成された分類データ1375は、対応する異常分類子カテゴリ444および/または異常パターンカテゴリ446の異常分類データ445の一部またはすべてを投入する、および/または、医療スキャンの1つまたは複数の医療コード447を判定するために、医療スキャンにマッピングされ得る。異常分類ステップ1374は、完全な医療スキャンに、または検出ステップ1372で判定された異常領域1373に対して、異常分類機能を実行することを含み得る。異常分類機能は、分類カテゴリの一部またはすべてに対する推論データを生成するために既知の異常分類データを含む、支持ベクトルマシンモデル、別のニューラルネットワークモデル、または医療スキャンもしくは医療スキャンの一部で訓練された任意の監督された分類モデルなどの、異常データで訓練された別のモデルに基づき得る。たとえば、異常分類機能は、別の医療スキャン解析機能を含み得る。複数の分類カテゴリの各々における分類データ1375はまた、それら自体の計算された信頼スコアに割り当てられる場合があり、これはまた、異常分類機能を利用することによって生成される場合がある。異常分類機能への出力が、たとえば訓練データに基づいて、少なくとも1つの識別された類似医療スキャンおよび/または少なくとも1つの識別された類似するクロップされた画像を含むこともできる。異常分類ステップはまた、推論ステップ1354に含められる場合があり、その場合、医療スキャン画像解析機能の推論された出力ベクトルまたは他の推論データ1370は、分類データ1375を含む。
【0114】
異常分類機能は、完全な医療スキャン、および/または、異常を含む医療スキャンからの1つまたは複数のクロップされた、または完全に選択された画像スライスで訓練され得る。たとえば、異常分類機能は、異常を含む二次元のクロップされたスライスのセットで訓練され得る。選択された画像スライスおよび/または訓練セット内の各スキャンのために選択された各画像スライス内のクロップされた領域は、異常の既知の位置に基づいて自動的に選択され得る。異常分類機能への入力が、完全な医療スキャン、1つまたは複数の選択された完全な画像スライス、および/または、選択された領域に基づいてクロップされた1つまたは複数の選択された画像スライスを含み得る。したがって、異常分類ステップは、検出された異常を含む1つまたは複数の画像スライスを自動的に選択することを含み得る。スライスの選択は、異常を含むと判定されている連続するスライスのセット内の中心スライスを選択すること、または異常の最大断面を有するスライスを選択すること、または他の基準に基づいて1つまたは複数のスライスを選択することを含み得る。異常分類ステップはまた、異常を含む自動的に選択された領域に基づいて、選択された画像スライスの1つまたは複数に対応する1つまたは複数のクロップされた二次元画像を自動的に生成することを含み得る。
【0115】
異常分類機能への入力は、患者の病歴、危険因子、または他のメタデータを含む、医療スキャンに関連付けられる他のデータも含み得る。異常分類ステップはまた、医療スキャン自体のデータに基づいて特性の一部またはすべてを判定することを含み得る。たとえば、異常のサイズおよび体積は、検出された異常の一部であると判定されたピクセルの数に基づいて判定され得る。そのような特徴を特徴付けるように具体的に設計された画像に対して1つまたは複数の他の前処理機能を実行することによって、異常な質感および/または平滑度などの他の分類子が判定され得る。このような前処理された特性は、医療コードの割り当てまたは他の診断データの生成という、より困難なタスクに対する異常分類機能への入力に含められ得る。訓練データはまた、そのような前処理された特徴を含むように前処理され得る。
【0116】
類似スキャン識別ステップ1376がまた、異常が検出された医療スキャンに対して実行される場合があり、および/または、検出ステップ1372で判定された異常領域1373に対して実行される場合がある。類似スキャン識別ステップ1376は、たとえば、医療スキャンのデータベースおよび/またはクロップされた二次元画像のデータベースから、1つまたは複数の類似医療スキャンまたは1つまたは複数の類似するクロップされた二次元画像を識別することによって、類似異常データ1377を生成することを含み得る。類似医療スキャンおよび/またはクロップされた画像は、所与の医療スキャンの推論された異常位置に類似した位置に既知の異常を有する視覚的に類似した医療スキャンまたはクロップされた画像、所与のスキャンにおける異常の推論された特性に類似した特性を有する既知の異常を有する医療スキャン、類似した患者病歴および/または類似した危険因子を有する医療スキャン、またはこれらの因子および/または他の既知および/または推論された因子のいくつかの組み合わせを含み得る。類似異常データ1377は、1つまたは複数の他のサブシステム101および/またはクライアント装置120による使用のためのその対応する類似スキャンデータ480の一部またはすべてを投入するために、医療スキャンにマッピングされ得る。
【0117】
類似スキャン識別ステップ1376は、所与の医療スキャンおよび医療スキャンのセット内の医療スキャンに対する特徴ベクトルを生成することを含み得る、スキャン類似性アルゴリズムを実行することを含む場合があり、その場合、特徴ベクトルは、定量的および/またはカテゴリベースの視覚的特徴、推論された特徴、異常位置、および/または所定のサイズおよび/または体積などの特性、患者の病歴および/または危険因子の特徴、または他の既知のまたは推論された特徴に基づいて生成され得る。医療スキャン類似性解析機能は、所与の医療スキャンの特徴ベクトルおよびセット内の医療スキャンの1つまたは複数の特徴ベクトルに適用され得る。医療スキャン類似性解析機能は、特徴ベクトル間のユークリッド距離などの類似性距離を計算し、セット内の対応する医療スキャンに類似性距離を割り当てることを含み得る。類似医療スキャンは、最小の計算された類似性距離を有するセット内の1つまたは複数の医療スキャンを判定すること、計算された類似性距離に基づいてセット内の医療スキャンをランク付けし、指定された数の上位ランクの医療スキャンを識別することに基づいて、および/または、所与の医療スキャンとセット内の医療スキャンとの間の類似性距離が類似性閾値よりも小さいかどうかを判定することに基づいて、識別され得る。類似医療スキャンはまた、医療スキャンの医療コードに一致する医療コードにマッピングされた、または他の一致する分類データにマッピングされたデータベース内の医療スキャンを判定することに基づいて識別され得る。他の入力または自動生成された基準に基づいて、識別された類似医療スキャンのセットをフィルタ処理することもでき、ここで、たとえば、信頼できる診断データまたは豊富な患者報告を有する医療スキャン、後日撮影された複数の後続するスキャンなどの患者ファイル内の縦断的データに対応する医療スキャン、所与の患者の危険因子に対応する患者データを有する医療スキャン、または他の識別された基準のみが選択され、その場合、基準と比較して好適であるスキャンのサブセットのみがセットから選択され、および/または、最高ランクの単一スキャンまたはスキャンのサブセットのみがセットから選択され、その場合、基準に基づいて、ランキングが自動的に計算される。このように類似スキャンをフィルタ処理することは、本明細書で論じられるように、1つまたは複数のスコアを計算することを含み得るか、または、前に計算された1つもしくは複数のスコアに基づき得る。たとえば、ランキングは、患者のための後続するおよび/または前のスキャンの数に基づいて、識別された医療スキャンに関して計算され得る、縦断的品質スコア434などの縦断的品質スコアに基づき得る。代替的または付加的に、ランキングは、信頼スコアデータ460などの、スキャンの診断データに関連付けられる信頼スコアに基づいて、スキャンに関連付けられるユーザまたは医療エンティティに関連付けられる性能スコアデータに基づいて、患者病歴データまたは医療スキャンエントリ352内のデータの量、または他の品質因子に基づき得る。識別された類似医療スキャンは、それらの品質スコアに基づいてスキャンをランク付けすることに基づいて、および/または、それらの品質スコアを品質スコア閾値と比較することに基づいて、フィルタ処理され得る。いくつかの実施形態では、縦断的閾値に達しなければならず、縦断的閾値と比較して好適であるスキャンのみが選択される。たとえば、患者のためのファイルに対する少なくとも3回のスキャンを有するスキャンおよび最終的な生検データのみが含まれる。
【0118】
いくつかの実施形態では、異常分類データ445などの分類データまたは識別された類似スキャンの1つまたは複数にマッピングされた他の診断データ440に基づいて、医療スキャンの推論された分類データ1375の一部またはすべてを判定するために、訓練された異常分類機能に加えて、またはその代わりに、類似性アルゴリズムが利用され得る。他の実施形態では、類似性アルゴリズムは、医療画像に対するレビュー、診断、および/または医療報告の生成を支援するために、医療専門家によるレビューのために類似スキャンを識別するために単に使用される。
【0119】
異常の検出および/または分類に基づいて、表示パラメータステップ1378が実行され得る。表示パラメータステップは、各異常を最良に表示するために双方向インターフェースによって使用され得るパラメータを含み得る、表示パラメータデータ1379を生成することを含み得る。異常ごとに、同じまたは異なる表示パラメータが生成され得る。表示パラメータステップ1378で生成された表示パラメータデータは、1つまたは複数の他のサブシステム101および/またはクライアント装置120による使用のためのその対応する表示パラメータデータ470の一部またはすべてを投入するために、医療スキャンにマッピングされ得る。
【0120】
表示パラメータステップ1378を実行することは、異常を含む1つまたは複数の画像スライスを判定することによって、および/または、異常の最適な二次元視を有する1つまたは複数の画像スライスを判定することによって、たとえば、異常を含むと判定されている連続するスライスのセットにおいて中心スライスを選択すること、異常の最大の断面を有するスライスを選択すること、二次元画像を含むスライスを選択すること、選択された最も類似する二次元画像に最も類似する異常の二次元画像を含むスライスを選択すること、異常分類ステップおよび/または類似スキャン識別ステップへの入力として使用されたスライスを選択することによって、または他の基準に基づいて、異常を含む1つまたは複数の画像スライスを選択することを含み得る。これはまた、異常を含む識別された領域に基づいて、1つまたは複数の選択された画像スライスを自動的にクロップすることを含み得る。これはまた、異常を最良に表示する理想的なハウンズフィールドウィンドウを選択し得る。これはまた、医療スキャンインターフェース評価システムによって生成されたデータに基づいて、および医療スキャンに基づいて、他の表示パラメータを選択することを含み得る。
【0121】
図8A~8Fは、医療写真アーカイブ統合システム2600の実施形態を例示している。医療写真アーカイブ統合システム2600は、医療スキャンを保存するPACSなどの、医療写真アーカイブシステム2620に対する統合サポートを提供し得る。医療写真アーカイブ統合システム2600は、医療写真アーカイブシステム2620から受信した医療スキャンの匿名化された医療スキャンに対して推論機能を実行するように、ネットワーク2630を介して中央サーバシステム2640から受信したモデルパラメータが利用され得る。推論機能を実行することによって作成された注釈データは、医療写真アーカイブシステムに送信して戻され得る。さらに、注釈データおよび/または匿名化された医療スキャンは、中央サーバシステム2640に送信される場合があり、中央サーバシステムは、続いて受信した医療スキャンでの使用のために医療写真アーカイブ統合システム2600に送信して戻すための新たなおよび/または更新されたモデルパラメータを作成するように、この情報に対して訓練される場合がある。
【0122】
さまざまな実施形態では、医療写真アーカイブ統合システム2600は、少なくとも1つの患者識別子を識別し、少なくとも1つの患者識別子を含まない匿名化された医療スキャンを生成するために、医療写真アーカイブシステムから受信したDICOM画像に対して匿名化機能を実行するように作動可能な、保護医療情報(PHI)用に指定された第1のメモリを含む匿名化システムを含む。医療写真アーカイブ統合システムは、第1のメモリとは別の第2のメモリに匿名化された医療スキャンを保存する匿名化された画像格納システム、および注釈されたDICOMファイルとして医療写真アーカイブシステムに送信するための注釈データを生成するために第2のメモリから検索された匿名化された医療スキャンに対して推論機能を実行するように、中央サーバから受信したモデルパラメータを利用して作動可能な注釈システムをさらに含む。
【0123】
第1のメモリおよび第2のメモリは、別個の格納システムを利用することによって実装される場合があり、第1のメモリは、PHI保存用に指定された第1の格納システムによって実装される場合があり、第2のメモリは、匿名化されたデータの保存用に指定された第2の格納システムによって実装される場合がある。第1の格納システムは、注釈システムによるアクセスから保護される場合があり、一方で、第2の格納システムは、注釈システムによってアクセス可能である。医療写真アーカイブ統合システム2600は、匿名化されたデータを生成するために、第1の格納システム内のデータに対して匿名化機能を実行するように作動可能である。その後、匿名化されたデータは、注釈システムによるアクセスのために第2の格納システムに保存され得る。第1および第2の格納システムは、物理的に分離される場合があり、その各々は、それら自体の分離した記憶装置の少なくとも1つを利用する。代替的に、第1および第2の格納システムは、仮想的に分離される場合があり、その場合、データは、記憶装置の同じセット上の分離した仮想記憶位置に保存される。各格納システム内のデータの分離を強制するために、第1の格納システムを注釈システムによるアクセスおよび/または他の不正アクセスから保護するために、および/または、匿名化機能の適用を介して適切に匿名化された第1の格納システムのデータのみを第2の格納システムに保存され得ることを保証するために、ファイアウォール、仮想マシン、および/または他の保護されたコンテナリゼーションが利用され得る。
【0124】
図8Aに示されるように、医療写真アーカイブシステム2620は、CT装置、MRI装置、X線装置、および/または医療スキャンを作成する他の医療撮像マシンなどの複数のモダリティマシン2622から画像データを受信し得る。医療写真アーカイブシステム2620は、図4Aおよび図4Bに記載された属性の一部またはすべてと併せて説明されるように、この画像データは、DICOM画像フォーマットで保存される場合があり、および/または、画像データは、複数の医療スキャンエントリ352に保存される場合がある。「DICOM画像」は、本明細書では、医療写真アーカイブシステム2620によって保存される医療スキャンを指すために使用されるが、医療写真アーカイブ統合システム2600は、医療スキャンを他のフォーマットで保存する医療写真アーカイブシステム2620に対する統合サポートを提供し得る。
【0125】
医療写真アーカイブ統合システム2600は、受信機2602および送信機2604を含む場合があり、それぞれ、医療写真アーカイブシステム2620からデータを送信および受信するように作動可能である。たとえば、受信機2602および送信機2604は、医療写真アーカイブシステム2620によって認識されたDICOM通信プロトコルおよび/または別の通信プロトコルに従って、それぞれ、データを受信および送信するように構成され得る。受信機は、医療写真アーカイブシステム2620からDICOM画像を受信し得る。送信機2604は、注釈されたDICOMファイルを医療写真アーカイブシステム2620に送信し得る。
【0126】
受信機2602を介して受信したDICOM画像は、匿名化システム2608に直接送り得る。匿名化システム2608は、DICOM画像内の少なくとも1つの患者識別子を識別し、識別された少なくとも1つの患者識別子を含まない匿名化された医療スキャンを生成するために、第1のDICOM画像に対して匿名化機能を実行するように作動可能である。本明細書で使用されるように、患者識別子は、患者ID番号または他の固有の患者識別子、受入番号、サービスオブジェクトペア(SOP)インスタンス固有の識別子(UID)フィールド、日付および/または時間であって、その日付および/または時間にスキャンされた患者の身元を特定するために使用され得る日付および/または時間、および/または患者、医師、もしくは病院に対応する他の個人データなどの、医療スキャンの画像データ、ヘッダー、および/または、メタデータ内の任意の患者識別データを含み得る。いくつかの実施形態では、匿名化された医療スキャンは、依然としてDICOM画像フォーマットのままである。たとえば、患者識別子を含まない複製のDICOM画像が生成される場合があり、および/または、元のDICOM画像は、新たなDICOM画像の患者識別子が、マスキング、難読化、削除される、カスタム基準で置換され、および/または、そうでなければ、匿名化されるように変更される場合がある。他の実施形態では、匿名化された医療スキャンは、識別情報を含まない異なる画像フォーマットおよび/または異なるデータフォーマットに従ってフォーマットされる。いくつかの実施形態では、たとえば、特定の医師または他の医療専門家に関連付けられる他の個人情報は、同様に、識別および匿名化され得る。
【0127】
一部の患者識別情報は、DICOM画像のDICOMヘッダーに、たとえば、患者識別子用に指定されたフィールドに含められ得る。これらの対応するフィールドは、対応するDICOMヘッダーフィールド内で匿名化され得る。医療スキャン画像データ410など、画像自体に他の患者識別情報を含み得る。たとえば、画像データは、画像がデジタル化される前に画像のハードコピーに手書きされた患者名または他の識別子を含み得る。別の例として、病院が管理するアームバンドまたは患者の近傍の他の視覚的な患者情報が、画像自体に取り込まれ得る。たとえば、コンピュータ視覚モデルは、匿名化のためにこれらの識別子の存在を検出する場合があり、その場合、新たなDICOM画像が、元のDICOM画像の識別部分をカバーする基準画像を含む。いくつかの実施形態では、画像自体において対応する患者情報を検出するために、DICOMヘッダーで識別された患者情報が利用され得る。たとえば、匿名化前にDICOMヘッダーから抽出された患者名を使用して、画像内の患者名が検索され、および/または、患者名を含む画像の位置が検出され得る。いくつかの実施形態では、匿名化システム2608は、図10A、10B、および11と併せて論じられる匿名化システムによって実装され、および/または、図10A、10B、および11と併せて論じられる機能および/または作用を利用する。
【0128】
匿名化された医療スキャンは、匿名化された画像格納システム2610に保存される場合があり、注釈システム2612は、処理のために匿名化された画像格納システム2610から匿名化された医療スキャンにアクセスする場合がある。匿名化された格納システムは、複数の匿名化されたDICOM画像をアーカイブする場合があり、および/または、注釈システム2612による匿名化された医療スキャンの処理が完了するまで、匿名化された医療スキャンの一時保存として機能する場合がある。注釈システム2612は、中央サーバシステム2640から受信したモデルパラメータを利用して、匿名化された医療スキャンに対して推論機能を実行することによって注釈データを生成し得る。注釈データは、図4Aおよび4Bと併せて論じられるように、診断データ440の一部またはすべてに対応し得る。いくつかの実施形態では、注釈システム2612は、医療写真アーカイブシステム2620から受信した匿名化された医療スキャンに対して、図7Bと併せて論じられるように、医療スキャン画像解析システム112の推論ステップ1354、検出ステップ1372、異常分類ステップ1374、類似スキャン識別ステップ1376、および/または表示パラメータステップ1378を実行するように、モデルパラメータが利用され得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、たとえば、中央サーバシステム2640から、複数の推論機能に対するモデルパラメータが受信される場合があり、その場合、各推論機能は、異なるスキャンカテゴリのセットの1つに対応する。各スキャンカテゴリは、1つまたは複数のスキャンモダリティ、複数の解剖学的領域の1つ、および/または、他のスキャン分類子データ420の固有の組み合わせに対応し得る。たとえば、第1の推論機能は、胸部CTスキャンに対応する匿名化された医療スキャンを対象として訓練される場合があり、第2の推論機能は、頭部MRIスキャンに対応する匿名化された医療スキャンを対象として訓練される場合がある。注釈システムは、匿名化された医療スキャンで示されたDICOM画像のスキャンカテゴリを判定し、判定されたスキャンカテゴリに対応する推論機能を選択することに基づいて、推論機能のセットの1つを選択し得る。
【0130】
医療写真アーカイブシステム2620から受信したスキャンが、注釈システムが対応する推論機能を実行するように作動可能であるスキャンカテゴリのセットと一致することを保証するために、送信機は、スキャン分類子データ420に対応するパラメータなどの画像タイプパラメータを示す、たとえば、1つまたは複数のスキャンモダリティ、1つまたは複数の解剖学的領域、および/または他のパラメータを示す、DICOMクエリなどのリクエストを送信し得る。たとえば、リクエストは、注釈システムが、中央サーバシステム2640からモデルパラメータを取得および実行するように作動可能である、注釈システム2612の推論機能のセットに対応するスキャンカテゴリのセットに一致するすべての受信スキャンを示し得る。
【0131】
選択された推論機能を実行することによって注釈データが生成されると、注釈システム2612は、保存のために医療写真アーカイブシステム2620に送信するための注釈されたDICOMファイルを生成し得る。注釈されたDICOMファイルは、図4Aおよび4Bの診断データ440および/または異常注釈データ442のフィールドの一部またはすべてを含み得る。注釈されたDICOMファイルは、たとえば、医療スキャン支援型レビューシステム102での使用のために、DICOM画像で異常を視覚的に示すように、および/または、そうでなければ、注釈データを視覚的に提示するように、元のDICOM画像と併せて使用され得る、識別された異常および/または表示データの位置データを提供する、スキャンオーバーレイデータを含み得る。たとえば、匿名化された医療スキャンで識別された異常の位置を示すために、DICOM提示状態ファイルを生成し得る。DICOM提示状態ファイルは、注釈データを元のDICOM画像にリンクするために、たとえば、DICOM提示状態ファイルのメタデータに、元のDICOM画像の識別子を含み得る。他の実施形態では、完全な複製のDICOM画像が生成され、これは、この複製の注釈されたDICOM画像を元のDICOM画像にリンクする識別子を有する注釈データを含む。
【0132】
注釈されたDICOMファイルを元のDICOM画像にリンクする識別子は、匿名化システム2608によって元のDICOMファイルから抽出される場合があり、したがって、医療写真アーカイブシステム2620がその保存時に注釈されたDICOMファイルを元のDICOM画像にリンクすることを可能にする。たとえば、匿名化された医療スキャンは、匿名化された医療スキャンを元のDICOMファイルにリンクするが、匿名化された医療スキャンを患者識別子または他の個人データにはリンクしない識別子を含み得る。
【0133】
いくつかの実施形態では、注釈されたDICOMファイルを生成することは、元のDICOMヘッダーの1つまたは複数のフィールドを変更することを含む。たとえば、正規化されたヘッダーフォーマッティング機能パラメータは、中央サーバシステムから受信される場合があり、注釈システムによって、元のDICOMヘッダーを正規化されたDICOMヘッダーフォーマットに一致するべく変更するように利用される場合がある。正規化されたヘッダーフォーマッティング機能は、本明細書で論じられる他の医療スキャン解析機能と同様の方法で訓練される場合があり、および/または、医療スキャン解析機能エントリ356の一部またはすべてのフィールドによって特徴付けられる場合がある。注釈システムは、注釈されたDICOMファイルで医療写真アーカイブシステム2620に送り返される医療スキャン用の新たな正規化されたDICOMヘッダーを生成するために、および/または、元のDICOMファイルのヘッダーを置換するために、匿名化された医療スキャンに対して正規化されたヘッダーフォーマッティング機能を実行し得る。正規化されたヘッダーフォーマッティング機能は、注釈データの生成に使用される他の推論機能に加えて実行され得る。他の実施形態では、医療写真アーカイブ統合システム2600は、主に、医療写真アーカイブシステム2620によって保存された医療スキャンに対するヘッダー正規化のために実装される。そのような実施形態では、元のDICOM画像に対する変更されたDICOMヘッダーを生成するために、匿名化されたデータに対して、正規化されたヘッダーフォーマッティング機能のみが実行されるが、匿名化された医療スキャンは注釈されない。
【0134】
ヘッダー正規化のいくつかの実施形態では、注釈システムは、DICOMヘッダーフィールドの一部またはすべてに対する許容可能な正規化されたエントリのセットを保存する場合があり、注釈されたDICOMファイルに対する新たなDICOMヘッダーの1つまたは複数のフィールドに投入する際に、許容可能な正規化されたエントリのセットの1つを選択し得る。たとえば、注釈システムによって判定されたスキャンカテゴリのセットの各々は、DICOMヘッダーの1つまたは複数のフィールドの正規化されたエントリに対応し得る。したがって、新たなDICOMヘッダーは、判定されたスキャンカテゴリに基づいて投入され得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、正規化されたエントリのセットの各々は、異なる順序のエントリ、一般的にスペルミスのあるエントリ、または正規化されたフォーマットに従わない他の類似したエントリなどの、関連する正規化されていないエントリのセットにマッピングされ得る。たとえば、スキャンカテゴリに対応するフィールドに対する許容可能な正規化されたエントリのセットの1つは、「CT胸部」、「コンピュータ断層装置CT」、および/または、正規化されていない他のエントリを含み得る、「胸部CT」を含み得る。そのような実施形態では、注釈システムは、元のDICOMヘッダーが類似した正規化されていないエントリの1つであると判定する場合があり、マッピングされた正規化されたエントリを変更されたDICOMヘッダーのエントリとして選択する場合がある。他の実施形態では、画像データ自体および/または他のヘッダーデータは、注釈システムによって、正規化されたフィールドを判定するように利用され得る。たとえば、入力品質保証機能1106は、匿名化された医療スキャンの画像データまたは他のデータに基づいて、1つまたは複数の適切なスキャン分類子フィールド、または、1つまたは複数の他のDICOMヘッダーフィールドを判定するために、中央サーバシステムによって訓練され、注釈システムに送られ得る。入力品質保証機能によって判定された1つまたは複数のフィールドに基づいて、変更されたDICOMヘッダーの対応するフィールドに1つまたは複数の正規化されたラベルが割り当てられ得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、DICOMヘッダーは、推論機能を実行する際に生成された注釈データに基づいて変更される。特に、推論機能を実行する際に検出された異常の重症度および/または時間的感度に基づいて、DICOM優先度ヘッダーフィールドが自動的に生成および/または変更され得る。たとえば、DICOM優先度ヘッダーフィールドは、頭部CTスキャンに対応するDICOM画像の匿名化された医療スキャンにおいて脳出血を示す注釈データに応じて、低優先度から高優先度に変更される場合があり、高優先度のDICOM優先度ヘッダーフィールドを含む新たなDICOMヘッダーは、頭部CTスキャンの元のDICOM画像を置換されるか、または、そうでなければ、マッピングするために、医療写真アーカイブシステム2620に送り返され得る。
【0137】
さまざまな実施形態では、医療写真アーカイブシステム2620は、たとえば、DICOM画像に含まれ、および/または、そうでなければ、医療写真アーカイブシステム2620によって保存される患者識別子および他の個人患者情報などの、保護医療情報(PHI)に関する要件に応じるために、ネットワーク2630から切断される。医療写真アーカイブ統合システム2600は、匿名化システム2608を利用して最初にDICOMデータを匿名化することによって、患者の個人情報を依然として保護しながら、DICOM画像の処理を可能にし得る。匿名化システム2608は、たとえば、PHI用に指定された、医療写真アーカイブ統合システムの指定されたプロセッサおよびメモリを利用し得る。匿名化システム2608は、ネットワーク2630から分離して、患者識別子を依然として含むDICOM画像がネットワーク2630を介してアクセスされるのを防止し得る。たとえば、図8Aに示されるように、匿名化システム2608はネットワークインターフェース2606に接続されていない。さらに、匿名化システム2608のみが、受信機2602を介して医療写真アーカイブシステム2620から受信した元のDICOMファイルにアクセスし得る。匿名化された画像格納システム2610および注釈システム2612は、ネットワークインターフェース2606を介してネットワーク2630に接続されているため、匿名化システム2608によって作成された匿名化された医療スキャンを保存し、それにアクセスするだけである。
【0138】
匿名化システム2608を匿名化された画像格納システム2610および注釈システム2612から分離するこのコンテナリゼーションは、医療写真アーカイブ統合システム2600の実施形態を提示する図8Bにさらに例示されている。匿名化システム2608は、バス2659を介して受信機2602に接続される、それ自体の指定されたメモリ2654および処理システム2652を含み得る。たとえば、このメモリ2654および処理システム2652は、PHI用に指定される場合があり、PHIを取り扱うための要件を準拠する場合がある。メモリ2654は、処理システム2652によって実行されたときに、匿名化システムが、匿名化システムの受信機2602を介して受信したDICOM画像に対して匿名化機能を実行することを可能にするようにする実行可能命令を保存し得る。入力DICOM画像は、処理のためにメモリ2654に一時的に保存される場合があり、匿名化機能を実行する際に検出された患者識別子は、匿名化を受けるためにメモリ2654に一時的に保存される場合がある。インターフェース2655は、匿名化された画像格納システム2610および注釈システム2612による使用のために、匿名化された医療スキャンをインターフェース2661に送信し得る。インターフェース2655は、元のDICOMファイルの送信から保護される場合があり、匿名化された医療スキャンのみの送信用に指定される場合がある。
【0139】
バス2669は、インターフェース2661に加えて、送信機2604およびネットワークインターフェース2606を、匿名化された画像格納システム2610および注釈システム2612に接続する。匿名化された画像格納システム2610および注釈システム2612は、別個のプロセッサおよびメモリを利用し得るか、または共有のプロセッサおよび/またはメモリを利用し得る。たとえば、匿名化された画像格納システム2610は、匿名化された画像が受信および処理されて注釈データを生成するときに、注釈システム2612の一時メモリとして機能し得る。
【0140】
図8Bに示されるように、匿名化された画像格納システム2610は、注釈システム2612による処理を受けると、受信する匿名化された医療スキャンを一時的に保存する場合があり、および/または、医療写真アーカイブ統合システム2600によって受信した複数のDICOM画像に対応する識別された複数の匿名化された医療スキャンをアーカイブし得るメモリ2674を含む場合がある。注釈システム2612は、処理システム2682によって実行されたときに、注釈システム2612に匿名化された医療スキャンに対して第1の推論機能を実行させて、インターフェース2606を介して受信したモデルパラメータを利用することによって注釈データを生成し、送信機2604を介した送信のために注釈データに基づいて注釈されたDICOMファイルを生成する、実行可能命令を保存するメモリ2684を含み得る。モデルパラメータは、メモリ2684に保存される場合があり、たとえば、異なるスキャンカテゴリのセットに対応する、複数の推論機能に対するモデルパラメータを含む場合がある。
【0141】
医療写真アーカイブ統合システムは、医療写真アーカイブシステム2620と提携している病院または他の医療エンティティなどの第1の地理的サイトに設置されたオンサイトシステムであり得る。たとえば、病院または他の医療エンティティは、匿名化システムのPHIに対してさらに責任を負う場合があり、その場合、メモリ2654および処理システム2652は、病院または他の医療エンティティによって所有され、維持され、および/または、そうでなければ、提携している。中央サーバシステム2640は、病院または他の医療エンティティと提携していない第2の別個の地理的サイト、および/または、医療写真アーカイブシステム2620と提携していない別個の地理的サイトに配置され得る。中央サーバシステム2640は、ネットワークファイアウォールの外側および/または病院または他の医療エンティティの物理的セキュリティの外側にあるように構成されるサーバ、または、そうでなければ、病院または他の医療エンティティの特定の管理上の、物理的および技術的なセーフガードによってカバーされないサーバであり得る。
【0142】
図8Cは、既存の推論機能を改善するために、および/または、たとえば、新たなスキャンカテゴリに対応する新たな推論機能を追加するために、モデルパラメータを経時的にどのように更新し得るかをさらに例示している。特に、匿名化システム2608によって生成された匿名化された医療スキャンの一部またはすべては、中央サーバシステムに送信して戻される場合があり、中央サーバシステム2640は、このデータを訓練して、既存の推論機能の更新されたモデルパラメータを作成することによって、既存のモデルを改善し、および/または、新たな推論機能に対する新たなモデルパラメータを作成することによって、たとえば新たなスキャンカテゴリに対応する新たなモデルを生成する場合がある。たとえば、中央サーバシステム2640は、医療写真アーカイブ統合システム2600から受信した複数の匿名化された医療スキャンに対して、図7Aと併せて論じられるように、医療スキャン画像解析システム112の訓練ステップ1352を実行することによって、更新されたおよび/または新たなモデルパラメータを作成し得る。
【0143】
画像タイプパラメータは、モデルを訓練および/または再訓練するために受信される匿名化された医療スキャンのセットの特性を決定づけるために中央サーバシステムによって判定され得る。たとえば、画像タイプパラメータは、1つまたは複数のスキャンカテゴリに対応する場合があり、スキャン分類子データ420を示す場合があり、1つまたは複数のスキャンモダリティ、1つまたは複数の解剖学的領域、日付範囲、および/または他のパラメータを示す場合がある。画像タイプパラメータは、訓練される対応する推論機能に対して判定された訓練パラメータ620に基づいて、および/または、訓練される推論機能に対応する新たなおよび/または既存のスキャンカテゴリの特性に基づいて、中央サーバシステムによって判定され得る。画像タイプパラメータは、医療写真アーカイブ統合システム2600に送られる場合があり、画像タイプパラメータを示すDICOMクエリなどのリクエストが、送信機2604を介して、医療写真アーカイブシステム2620に送られる場合がある。たとえば、処理システム2682は、中央サーバシステム2640から受信した画像タイプパラメータに基づいてDICOMクエリを生成するように利用され得る。医療写真アーカイブシステムは、1つまたは複数のDICOM画像が画像タイプパラメータと比較して好適であると判定したことに応じて、1つまたは複数のDICOM画像を医療写真アーカイブ統合システムに自動的に送信し得る。応答として、受信したDICOM画像は、匿名化システム2608によって匿名化され得る。いくつかの実施形態では、匿名化された医療スキャンは、たとえば、注釈データを生成することなく、中央サーバシステム2640に直接送信され得る。
【0144】
中央サーバシステムは、匿名化された医療スキャンの受信したセットで訓練することによって、新たなおよび/または更新されたモデルパラメータを生成する場合があり、新たなおよび/または更新されたモデルパラメータを匿名化された格納システムに送信する場合がある。モデルパラメータが新たなスキャンカテゴリに対する新たな推論機能に対応する場合、医療写真アーカイブ統合システム2600は、新たなスキャンカテゴリに対応する画像タイプパラメータに対応する受信スキャンが医療写真アーカイブ統合システムに送られることを示す医療写真アーカイブシステムへの送信のために、DICOMクエリなどのリクエストを生成し得る。注釈システムは、新たな推論機能を含むように推論機能のセットを更新する場合があり、注釈システムは、対応するDICOM画像が新たなスキャンカテゴリに対応することをこれらの匿名化された医療スキャンの各々が示すと判定することによって、匿名化システムによって続いて生成される匿名化された医療スキャンのために推論機能のセットから新たな推論機能を選択する場合がある。新たなモデルパラメータは、対応する注釈データを生成するためにこれらの匿名化された医療スキャンの各々に対して新たな推論機能を実行するように利用される場合があり、送信機を介した医療写真アーカイブシステムへの送信のために、これらの匿名化された医療スキャンの各々に対応する注釈されたDICOMファイルが生成される場合がある。
【0145】
いくつかの実施形態では、中央サーバシステム2640は、ネットワーク2630を介して、たとえば、各々が複数の異なる病院または他の医療エンティティに設置されている、複数の医療写真アーカイブ統合システム2600から複数の匿名化された医療スキャンを受信する。中央サーバシステムは、1つまたは複数の推論機能を訓練し、モデルパラメータを生成するために、複数の医療写真アーカイブ統合システム2600の一部またはすべてから匿名化された医療スキャンを統合することによって訓練セットを生成し得る。複数の医療写真アーカイブ統合システム2600は、推論機能の同じセットまたは推論機能の異なるセットを利用し得る。いくつかの実施形態では、複数の医療写真アーカイブシステム2620の各々によって利用される推論機能のセットは、訓練データの異なるセットで訓練される。たとえば、訓練データの異なるセットは、対応する医療写真アーカイブ統合システム2600から受信した匿名化された医療スキャンのセットに対応し得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、医療スキャン診断システム108は、注釈システム2612を実装するように利用される場合があり、その場合、医療スキャン診断システム108の対応するサブシステム処理装置235およびサブシステム記憶装置245は、それぞれ、処理システム2682およびメモリ2684を実装するように利用される場合がある。図6Aと併せて論じられるように、ネットワーク150を介して医療スキャンを受信するよりもむしろ、医療スキャン診断システム108は、匿名化システム2608によって生成されたおよび/または匿名化された画像格納システム2610から検索された受信する匿名化された医療スキャンに対して、選択された医療スキャン推論機能1105を実行し得る。メモリ2684は、医療スキャン推論機能1105のセットを保存する場合があり、その各々はスキャンカテゴリ1120に対応しており、その場合、推論機能は、匿名化された医療スキャンのスキャンカテゴリを判定すること、および対応する推論機能を選択することに基づいて、セットから選択される。処理システム2682は、選択された推論機能1105を実行して、推論データ1110を生成する場合があり、これは、注釈システム2612によってさらに利用されて、医療写真アーカイブシステム2620へと送信して戻すために注釈されたDICOMファイルを生成する場合がある。対応するモデルパラメータが中央サーバシステムから受信されると、新たな医療スキャン推論機能1105がセットに追加され得る。治療ステップ1140は、注釈システム2612によってローカルに実行される場合があり、および/または、中央サーバシステム2640に送られる1つまたは複数の匿名化された医療スキャンおよび対応する注釈データを利用することによって、中央サーバシステム2640により実行される場合がある。更新されたモデルパラメータは、中央サーバシステム2640によって生成され、治療ステップ1140を実行した結果として医療写真アーカイブ統合システム2600に送り得る。
【0147】
中央サーバシステム2640は、1つまたは複数の推論機能に対するモデルパラメータを作成するように、医療スキャン画像解析システム112および/または医療スキャン診断システム108などの医療スキャンサブシステム101の1つまたは複数を利用することによって実装され得る。中央サーバシステムは、1つまたは複数の医療写真アーカイブ統合システム2600から受信した匿名化された医療スキャンおよび/または注釈データを含む医療スキャンデータベース342を保存するか、または、そうでなければ、それと通信し得る。医療スキャンデータベース342の一部またはすべてのエントリは、1つまたは複数の推論機能に対するモデルパラメータを作成するように訓練データとして利用され得る。医療スキャンデータベース342のこれらのエントリは、本明細書で論じられるように他のサブシステム101によって利用され得る。たとえば、他のサブシステム101は、特定の基準を満たす医療スキャンおよび/または対応する注釈データを取得するように中央サーバシステム2640を利用し得る。中央サーバシステム2640は、この基準に基づいて医療写真アーカイブ統合システム2600に照会する場合があり、応答として、匿名化された医療スキャンおよび/または注釈データを受信する場合がある。これは、要求側サブシステム101に直接送られる場合があり、および/または、要求側サブシステム101によるアクセスのために医療スキャンデータベース342またはデータベース格納システム140の別のデータベースに追加される場合がある。
【0148】
代替的または付加的に、中央サーバシステム2640は、複数の医療写真アーカイブ統合システム2600のうちの対応する1つを各々が利用する複数の医療エンティティの各々に対応するユーザプロファイルエントリを保存するユーザデータベース344を保存するか、または、そうでなければ、それと通信し得る。たとえば、医療エンティティに対応する基礎ユーザデータが基礎ユーザデータとして保存される場合があり、多数のスキャンまたは対応する医療写真アーカイブ統合システムによる1つまたは複数の推論機能の使用を示す他の消費情報が、消費使用データとして保存される場合があり、および/または、多数のスキャンまたは訓練データとして中央サーバシステムに送られた匿名化されたスキャンを示す他の投稿情報が、投稿使用データとして保存される場合がある。ユーザプロファイルエントリはまた、たとえば、対応する医療写真アーカイブ統合システム2600によって現在利用されている推論機能の、医療スキャン解析機能識別子357などの、モデルパラメータまたは機能識別子のリストを有する推論機能データを含み得る。ユーザデータベース344のこれらのエントリは、本明細書で論じられるように他のサブシステム101によって利用され得る。
【0149】
代替的または付加的に、中央サーバシステム2640は、モデルパラメータ、訓練データ、または1つもしくは複数の推論機能に関する他の情報を医療スキャン解析機能エントリ356として保存するために、医療スキャン解析機能データベース346を保存するか、または、そうでなければ、それと通信し得る。いくつかの実施形態では、モデルパラメータデータ623は、モデルパラメータを示す場合があり、機能分類子データ610は、推論機能エントリのスキャンカテゴリを示す場合がある。いくつかの実施形態では、医療スキャン解析機能エントリ356は、医療スキャン解析機能エントリ356に対応する推論機能を利用するために、医療写真アーカイブ統合システム識別子、医療エンティティ識別子を示し、および/または、どの医療アーカイブ統合システムおよび/または医療エンティティが対応するモデルパラメータを受信したかを示す使用識別情報をさらに含み得る。医療スキャン解析機能データベース346のこれらのエントリは、本明細書で論じられるように、他のサブシステム101によって利用され得る。
【0150】
いくつかの実施形態では、匿名化機能は、たとえば、医療スキャン解析機能データベース346内の対応する医療スキャン解析機能エントリ356を有する医療スキャン解析機能である。いくつかの実施形態では、匿名化機能は、中央サーバシステム2640によって訓練される。たとえば、中央サーバシステム2640は、匿名化システム2608による使用のために、医療写真アーカイブ統合システム2600に匿名化機能パラメータを送り得る。複数の医療写真アーカイブ統合システム2600を有する実施形態では、複数の医療写真アーカイブ統合システム2600の各々は、同じまたは異なる匿名化機能を利用し得る。いくつかの実施形態では、複数の医療写真アーカイブ統合システム2600の各々によって利用される匿名化機能は、訓練データの異なるセットで訓練される。たとえば、訓練データの異なるセットは、各々の対応する医療写真アーカイブ統合システム2600から受信した匿名化された医療スキャンの各々の異なるセットに対応し得る。
【0151】
いくつかの実施形態では、図8D~8Fに例示されるように、医療写真アーカイブ統合システム2600は、医療写真アーカイブシステム2620によって保存されたDICOM画像に対応する複数の医療報告を含む、放射線医学情報システム(RIS)などの報告データベース2625とさらに通信し得る。
【0152】
図8Dに示されるように、医療写真アーカイブ統合システム2600は、報告データベース2625から、DICOM画像に対応する報告データを受信する受信機2603をさらに含み得る。報告データベース2625は、医療写真アーカイブシステム2620と提携する場合があり、医療写真アーカイブシステムに保存されたDICOM画像に対応する報告データを保存する場合がある。報告データベース2625の報告データは、PHIを含む場合があり、したがって、報告データベース2625は、ネットワーク2630から切断される場合がある。
【0153】
報告データは、たとえば、対応するDICOM画像をレビューした放射線科医によって生成された自然言語テキストを含み得る。たとえば、報告データは、匿名化された医療スキャンを生成するために使用される場合があり、その場合、匿名化システム2608は、報告データに対して自然言語解析機能を実行して、報告データ内の患者識別テキストを識別する。匿名化システム2608は、DICOM画像内の一致する患者識別子を検出するようにこの患者識別テキストを利用して、DICOM画像の患者識別子を識別し、匿名化された医療スキャンを生成し得る。いくつかの実施形態では、報告データは、匿名化された報告データを生成するために、識別された患者識別テキストを難読化、ハッシュ、削除する、基準と置換する、または、そうでなければ、匿名にすることによって匿名化され得る。
【0154】
匿名化された報告データは、たとえば、DICOM画像と併せて、注釈データを生成するように注釈システム2612によって利用され得る。たとえば、注釈システム2612は、報告データの匿名化された自然言語テキストに対して自然言語解析機能を実行して、注釈データの一部またはすべてを生成し得る。いくつかの実施形態では、匿名化された報告データは、中央サーバシステムに送られて、たとえば、推論機能のための、自然言語解析機能のための、他の医療スキャン解析機能のための、および/または、少なくとも1つの他のサブシステム101による使用のための訓練データとして使用される。たとえば、他のサブシステム101は、特定の医療スキャンに対応するか、または、そうでなければ、特定の基準を満たす医療報告を取得するように、中央サーバシステム2640を利用し得る。中央サーバシステム2640は、この基準に基づいて、医療写真アーカイブ統合システム2600に照会する場合があり、応答として、匿名化された医療報告を受信する場合がある。これは、要求側サブシステム101に直接送られる場合があり、要求側サブシステム101によるアクセスのために、医療スキャンデータベース342、匿名化された報告データベース、またはデータベース格納システム140の別のデータベースに追加される場合がある。
【0155】
いくつかの実施形態では、医療写真アーカイブ統合システム2600は、DICOM画像から抽出された共通識別子を利用することによって、受信したDICOM画像に対応する報告データに関して報告データベース2625に照会し得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、報告データは、複数のDICOM画像に対応し得る。たとえば、報告データは、複数のシーケンス、複数のモダリティ、および/または、経時的に取得された複数の医療スキャンを含み得る、患者の複数の医療スキャンを記述する自然言語テキストを含み得る。そのような実施形態では、報告データにおいて検出された患者識別テキストおよび/または注釈データは、それが記述する複数のDICOM画像に対する注釈データを匿名化および/または生成するために適用することもできる。そのような実施形態では、医療写真アーカイブ統合システム2600は、報告データに対応する1つまたは複数の追加のDICOM画像に関して医療写真アーカイブシステム2620に照会する場合があり、それに従って、報告データを利用することによって、これらの追加のDICOM画像に対する匿名化されたデータおよび注釈データが生成され得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、図8Eに示されるように、医療写真アーカイブシステム2620は、報告データベース2625と通信する。医療写真アーカイブシステム2620は、報告データベース2625からDICOM画像に対応する報告データをリクエストする場合があり、受信機2602を介した受信のためにDICOM通信プロトコルを介して医療写真アーカイブ統合システム2600に報告データを送信する場合がある。医療写真アーカイブシステム2620は、対応するDICOM画像を医療写真アーカイブ統合システム2600に送ると判定したことに応じて、対応するDICOM画像から抽出された共通識別子を利用して、報告データに関して、報告データベース2625に照会し得る。
【0158】
図8Fは、報告データが、注釈システム2612によって生成され、送信機2605を介して、たとえばDICOM通信プロトコルまたは報告データベース2625によって認識された他のプロトコルを介して、報告データベース2625に送信される実施形態を提示している。他の実施形態では、報告データは、代わりに、送信機2604を介して医療写真アーカイブシステム2620に送信され、医療写真アーカイブシステム2620は、報告データを報告データベース2625に送信する。
【0159】
報告データは、匿名化された医療スキャンに対して推論機能を実行することの出力として、注釈システム2612によって生成され得る。報告データは、たとえば、医療スキャン自然言語解析システム114によって訓練された医療スキャン自然言語生成機能を利用することによって、推論機能を実行することによって判定された異常注釈データ442などの他の診断データ440に基づいて自動的に生成された自然言語テキストデータ448を含み得る。注釈されたDICOMファイルの代わりか、またはそれに加えて、報告データが生成される。
【0160】
図9は、少なくとも1つの第1のプロセッサおよび少なくとも1つの第2のプロセッサによって実行されたときに、それぞれ、医療写真アーカイブ統合システムに以下のステップを実行させる実行可能命令を保存する第1のメモリおよび第2のメモリを含む医療写真アーカイブ統合システム2600による実行のための方法を例示するフローチャートを提示している。さまざまな実施形態では、第1のメモリおよび少なくとも1つの第1のプロセッサは、それぞれ、図8Bのメモリ2654および処理システム2652を利用することによって実装される。さまざまな実施形態では、第2のメモリは、図8Bのメモリ2674および/またはメモリ2684を利用することによって実装される。さまざまな実施形態では、少なくとも1つの第2のプロセッサは、図8Bの処理システム2682を利用することによって実装される。
【0161】
ステップ2702は、医療写真アーカイブシステムから受信機を介して、PHI用に指定された第1のメモリに保存するための第1のDICOM画像を受信することを含み、ここで、第1のDICOM画像は少なくとも1つの患者識別子を含む。ステップ2704は、第1のメモリに連結され、PHI用に指定された少なくとも1つの第1のプロセッサを介して、第1のDICOM画像に対して匿名化機能を実行して、少なくとも1つの患者識別子を識別し、少なくとも1つの患者識別子を含まない第1の匿名化された医療スキャンを生成することを含む。
【0162】
ステップ2706は、第1の匿名化された医療スキャンを、第1のメモリとは別の第2のメモリに保存することを含む。ステップ2708は、医療写真アーカイブシステムを含まないネットワークと通信するネットワークインターフェースを介して、中央サーバから第1のモデルパラメータを受信することを含む。
【0163】
ステップ2710は、第2のメモリから第1の匿名化された医療スキャンを検索することを含む。ステップ2712は、第1の匿名化された医療スキャンに対して第1の推論機能を実行するように第1のモデルパラメータを利用して、少なくとも1つの第1のプロセッサとは異なる少なくとも1つの第2のプロセッサを介して第1の注釈データを生成することを含む。ステップ2714は、送信機を介した医療写真アーカイブシステムへの送信のために、少なくとも1つの第2のプロセッサを介して第1の注釈されたDICOMファイルを生成することを含み、ここで、第1の注釈されたDICOMファイルは、第1の注釈データを含み、第1のDICOM画像を示す識別子をさらに含む。さまざまな実施形態では、第1の注釈されたDICOMファイルはDICOM提示状態ファイルである。
【0164】
さまざまな実施形態では、第2のメモリは、少なくとも1つの第2のプロセッサによって実行されたときに、さらに、医療写真アーカイブ統合システムに、匿名化された画像格納システムから第2の匿名化された医療スキャンを検索させる作動命令(operation intructions)をさらに含み、ここで、第2の匿名化された医療スキャンは、医療写真アーカイブシステムから受信した第2のDICOM画像に対して匿名化機能を実行することによって、少なくとも1つの第1のプロセッサによって生成された。更新されたモデルパラメータは、第2の匿名化された医療スキャンに対して第1の推論機能を実行するように利用されて、第2の注釈データを生成する。送信機を介した医療写真アーカイブシステムへの送信のために、第2の注釈されたDICOMファイルが生成され、ここで、第2の注釈されたDICOMファイルは、第2の注釈データを含み、第2のDICOM画像を示す識別子をさらに含む。
【0165】
さまざまな実施形態では、第2のメモリは、受信機を介して医療写真アーカイブシステムから受信した対応する複数のDICOM画像に対して匿名化機能を実行することによって、少なくとも1つの第1のプロセッサにより生成された複数の匿名化された医療スキャンを保存する。複数の匿名化された医療スキャンは、ネットワークインターフェースを介して中央サーバに送信され、中央サーバは、複数の匿名化された医療スキャンを含む訓練データに対して訓練機能を実行することによって第1のモデルパラメータを生成する。
【0166】
さまざまな実施形態では、中央サーバは、ネットワークを介して複数の医療写真アーカイブ統合システムから受信した複数の匿名化された医療スキャンを含む訓練データに対して訓練機能を実行することによって、第1のモデルパラメータを生成する。複数の医療写真アーカイブ統合システムの各々は、複数の医療写真アーカイブシステムのうちの対応する1つと双方向に通信し、複数の匿名化された医療スキャンは、複数の医療写真アーカイブ統合システムによって保存された複数のDICOM画像に対応している。
【0167】
さまざまな実施形態では、第1の匿名化された医療スキャンは第1のDICOM画像のスキャンカテゴリを示す。第2のメモリは、少なくとも1つの第2のプロセッサによって実行されたときに、医療写真アーカイブ統合システムに、スキャンカテゴリに基づいて推論機能のセットから第1の推論機能を選択させる作動命令をさらに保存する。推論機能のセットは、スキャンカテゴリを含む固有のスキャンカテゴリのセットに対応している。さまざまな実施形態では、固有のスキャンカテゴリのセットの各々の固有のスキャンカテゴリは、複数のモダリティの1つおよび複数の解剖学的領域の1つによって特徴付けられる。
【0168】
さまざまな実施形態では、第1のメモリは、少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されたときに、医療写真アーカイブ統合システムに、送信機を介して医療写真アーカイブシステムに送信されたクエリに応じて第1のメモリに保存するために受信機を介して医療写真アーカイブシステムから複数のDICOM画像データを受信させる作動命令をさらに保存する。クエリは、ネットワークを介して中央サーバから受信した新たなスキャンカテゴリを示すリクエストに応じて、医療写真アーカイブ統合システムによって生成される。新たなスキャンカテゴリは固有のスキャンカテゴリのセットには含まれず、複数のDICOM画像データは新たなスキャンカテゴリに対応している。匿名化機能は複数のDICOM画像データに対して実行されて、ネットワークを介した中央サーバへの送信のために複数の匿名化された医療スキャンを生成する。
【0169】
第2のメモリは、少なくとも1つの第2のプロセッサによって実行されたときに、さらに、医療写真アーカイブ統合システムに、新たなスキャンカテゴリに対応する新たな推論機能のためにネットワークを介して中央サーバから第2のモデルパラメータを受信させる作動命令をさらに保存する。推論機能のセットは更新されて、新たな推論機能を含むようになる。第2の匿名化された医療スキャンは第1のメモリから検索され、ここで、第2の匿名化された医療スキャンは、医療写真アーカイブシステムから受信した第2のDICOM画像に対して匿名化機能を実行することによって、少なくとも1つの第1のプロセッサにより生成された。新たな推論機能は、第2のDICOM画像が新たなスキャンカテゴリに対応することを第2の匿名化された医療スキャンが示すと判定することによって、推論機能のセットから選択される。第2のモデルパラメータは、第2の匿名化された医療スキャンに対して新たな推論機能を実行するように利用されて、第2の注釈データを生成する。送信機を介した医療写真アーカイブシステムへの送信のために、第2の注釈されたDICOMファイルが生成され、ここで、第2の注釈されたDICOMファイルは、第2の注釈データを含み、第2のDICOM画像を示す識別子をさらに含む。
【0170】
さまざまな実施形態では、医療写真アーカイブ統合システムは、固有のスキャンカテゴリのセットを示す医療写真アーカイブシステムへの送信のためのパラメータデータを生成する。医療写真アーカイブシステムは、第1のDICOM画像が固有のスキャンカテゴリのセットの1つと比較して好適であると判定することに応じて、第1のDICOM画像を医療写真アーカイブ統合システムに自動的に送信する。
【0171】
さまざまな実施形態では、第2のメモリは、少なくとも1つの第2のプロセッサによって実行されたときに、医療写真アーカイブ統合システムに、第1の注釈データに基づいて自然言語報告データを生成させ、第2の送信機を介して、自然言語報告データを医療写真アーカイブ統合システムに関連付けられる報告データベースに送信させる作動命令をさらに保存し、ここで、自然言語報告データは第1のDICOM画像に対応する識別子を含む。
【0172】
さまざまな実施形態では、第1のメモリは、少なくとも1つの第1のプロセッサによって実行されたときに、医療写真アーカイブ統合システムに、第2の受信機を介して、報告データベースから第1のDICOM画像に対応する自然言語報告を受信させる作動命令をさらに保存する。自然言語報告に含まれる患者識別テキストのセットが識別される。第1のDICOM画像に対して匿名化機能を実行することは、患者識別テキストのセットを求めて第1のDICOM画像を検索して、少なくとも1つの患者識別子を識別することを含む。
【0173】
さまざまな実施形態では、第1のメモリは、医療写真アーカイブシステムに関連付けられる医療エンティティによって管理される。医療写真アーカイブ統合システムは、医療エンティティに対応する第1の地理的サイトに配置され、中央サーバは第2の地理的サイトに配置される。さまざまな実施形態では、第1のメモリはネットワークから切り離されて、少なくとも1つの患者識別子を含む第1のDICOM画像がネットワークを介して通信されるのを防止する。さまざまな実施形態では、医療画像アーカイブシステムは画像保管通信システム(PACS)サーバであり、第1のDICOM画像は、DICOM通信プロトコルに従って送信機によって医療画像アーカイブシステムに送られたクエリに応じて受信される。
【0174】
図10Aは、匿名化システム2800の実施形態を示している。匿名化システム2800は、図8A~8Fの匿名化システム2608を実装するように利用され得る。いくつかの実施形態では、匿名化システム2800は、画像データ、医療報告データ、患者識別子データ431などの医療スキャンエントリ352の個人用フィールド、および/または、データベース記憶装置340のデータベースに保存された他の個人用トフィールドを匿名化するように他のサブシステムによって利用され得る。
【0175】
匿名化システムは、少なくとも1つの第1のエンティティから、医療スキャンおよび医療スキャンに対応する医療報告を受信するように作動可能であり得る。医療スキャンのヘッダーのフィールドのサブセットにおいて、患者識別子のセットを識別し得る。患者識別子のセットの各々に対してヘッダー匿名化機能を実行して、対応する匿名にされたフィールドのセットが生成され得る。医療スキャンのヘッダーのフィールドのサブセットを対応する匿名にされたフィールドのセットと置換することによって、匿名化された医療スキャンが生成され得る。
【0176】
患者識別子のセットを求めて医療報告のテキストを検索することによって、医療報告において患者識別子のセットの患者識別子のサブセットが識別され得る。患者識別子のサブセットに対してテキスト匿名化機能を実行して、患者識別子のサブセットの各々のための対応する匿名にされたプレースホルダーテキストが生成され得る。患者識別子のサブセットの各々を対応する匿名にされたプレースホルダーテキストに置換することによって、匿名化された医療報告が生成され得る。匿名化された医療スキャンおよび匿名化された医療報告は、ネットワークを介して第2のエンティティに送信され得る。
【0177】
図10Aに示されるように、匿名化システム2800は、DICOM画像フォーマットで医療スキャンなどの医療スキャンを受信するように作動可能な少なくとも1つの受信機2802を含み得る。少なくとも1つの受信機2802は、匿名化システムによって受信された医療スキャンを診断、記述、または、そうでなければ、それに関連付けられる自然言語テキストを含む報告データ449または他の報告などの医療報告を受信するようにさらに作動可能である。医療スキャンおよび報告データは、同じまたは異なる通信プロトコルに従って、同じまたは異なるエンティティから受信される場合があり、同じまたは異なる受信機2802によって受信される場合がある。たとえば、医療スキャンは、図8A~8Fの医療写真アーカイブシステム2620から受信される場合があり、報告データは、図8D~8Fの報告データベース2625から受信される場合がある。そのような実施形態では、受信機2802は、図8Bの受信機2602を実装するように利用され得る。
【0178】
匿名化システム2800は、少なくとも1つのプロセッサを含む処理システム2804と、メモリ2806とをさらに含み得る。メモリ2806は、処理システムによって実行されたときに、匿名化システムに、受信した医療スキャンおよび/または医療報告に対して少なくとも1つの患者識別子検出機能を実行させて、医療スキャンおよび/または医療報告において患者識別子のセットを識別する作動命令を保存し得る。作動命令は、処理システムによって実行されたときに、さらに、匿名化システムに医療スキャンおよび/または医療報告に対して匿名化機能を実行させて、少なくとも1つの患者識別子検出機能を実行する際に見つかった患者識別子のセットを含まない匿名化された医療スキャンおよび/または匿名化された医療報告を生成し得る。匿名化された医療スキャンを生成することは、匿名化されたヘッダーを生成し、匿名化された画像データを生成することを含む場合があり、その場合、匿名化された医療スキャンは、匿名化されたヘッダーと匿名化された画像データの両方を含む。メモリ2806は、インターネット接続から分離される場合があり、PHI用に指定される場合がある。
【0179】
匿名化システム2800は、匿名化された医療スキャンおよび匿名化された医療報告を送信するように作動可能な少なくとも1つの送信機2808をさらに含み得る。匿名化された医療スキャンおよび匿名化された医療報告は、それぞれ、それらが受信された同じエンティティに送信して戻される場合があり、および/または、別のエンティティに送信される場合がある。たとえば、少なくとも1つの送信機は、匿名化された医療スキャンを図8A~8Fの匿名化された画像格納システム2610に送信される場合があり、および/または、匿名化された医療スキャンを図8A~8Fのネットワーク2630を介して中央サーバシステム2640に送信される場合がある。そのような実施形態では、送信機2808は、図8Bのインターフェース2655を実装するように利用され得る。受信機2802、処理システム2804、メモリ2806、および/または送信機2808は、バス2810を介して接続され得る。
【0180】
本明細書で論じられるような少なくとも1つの患者識別子検出機能および/または少なくとも1つの匿名化機能の一部またはすべては、本明細書で論じられる他の医療スキャン解析機能と同じ方法で、1つまたは複数のサブシステム101によって訓練および/または実行される場合があり、図3の医療スキャン解析機能データベース346に保存される場合があり、および/または、そうでなければ、図5の医療スキャン解析機能エントリ356の一部またはすべてのフィールドによって特徴付けられる場合がある。
【0181】
匿名化システム2800は、医療報告および/または医療スキャンのヘッダーに対して、医療報告のテキストデータに対して、および/または、医療スキャンの画像データから抽出されたテキストなどの医療スキャンの画像データに対して、別々の患者識別子検出機能を実行し得る。これらの機能の各々の実行によって、識別された患者識別子のそれ自体のセットの出力が生成される。患者識別子のこれらのセットを組み合わせることによって、ブラックリスト用語のセットが産出される。医療報告のテキストデータに対する、および/または、このブラックリスト用語のセットを利用する医療スキャンの画像データに対する、医療報告および/または医療スキャンのヘッダーの第2のパスは、それぞれの患者識別子検出機能によって見逃された用語を捕捉する場合があり、したがって、これらの複数の識別プロセスの出力は、相互にサポートする場合がある。たとえば、ヘッダー内のデータの一部は、構造化された形式になるため、確実に識別することがより容易になり得る。これは、これらの識別子が、フリーテキストヘッダーフィールド、報告データ、および/または医療スキャンの画像データに表示されるときに、これらの識別子をさらに匿名にするように利用および使用され得る。一方、フリーテキストヘッダーフィールド、報告データ、および/または医療スキャンの画像データ内の非構造化テキストは、たとえば、匿名化プロセスで維持される関連する臨床情報を含む可能性が高いため、少なくとも1つのサブシステム101によって活用される場合があり、および/または、少なくとも1つの医療スキャン解析機能の訓練において活用される場合がある。
【0182】
少なくとも1つの第1の患者識別子検出機能は、DICOMヘッダー、または患者識別データに対応する既知のタイプを用いる医療スキャンおよび/または医療報告の別のヘッダーもしくは他のメタデータのフィールドのサブセット内にデータを抽出することを含み得る。たとえば、フィールドのこの患者識別サブセットは、名前フィールド、患者ID番号フィールドまたは他の固有の患者識別子フィールド、日付フィールド、時間フィールド、年齢フィールド、受入番号フィールド、SOPインスタンスUID、および/または患者を識別し、および/または、個人情報を含むように利用され得る他のフィールドを含み得る。ヘッダーのフィールドの匿名化サブセットは、病院識別子、マシンモデル識別子、および/または患者識別データに対応しない医療スキャンエントリ352の一部またはすべてのフィールドを含み得る。フィールドの患者識別サブセットおよびフィールドの匿名化サブセットは、相互に排他的であり、ヘッダーに対して集合的に網羅的であり得る。少なくとも1つの患者識別子機能は、フィールドの匿名化サブセットを無視し、フィールドの患者識別サブセットのみのエントリを抽出することによって、患者識別子の第1のセットを生成することを含み得る。この患者識別子の第1のセットは、匿名にされて、本明細書で論じられるように、匿名化されたヘッダーを生成し得る。
【0183】
いくつかの実施形態では、医療報告の報告データに対して、少なくとも1つの第2の患者識別子検出機能が実行され得る。少なくとも1つの第2の患者識別子検出機能は、たとえば、医療スキャン自然言語解析システム114によって訓練された、自然言語解析機能を実行することによって、報告データ内の患者識別テキストを識別することを含み得る。たとえば、少なくとも1つの第2の患者識別子検出機能は、医療報告の既知の構造および/または医療報告のコンテキストを活用し得る。患者識別テキストに対応する患者識別子の第2のセットが判定される場合があり、患者識別子の第2のセットは、匿名にされて、匿名化された医療報告を生成する場合がある。いくつかの実施形態では、匿名化された医療報告は、たとえば、臨床情報を含む元の医療報告の一部が患者識別テキストを含まないと見なされたため、および/または、臨床情報を含む元の医療報告の一部が、維持される関連情報を含むと判定されたため、臨床情報を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、医療報告は、フリーハンドまたはタイプされたテキストに対応する画像データを含む。たとえば、医療報告は、放射線科医または他の医療専門家によって作成された元のフリーハンドテキストのデジタル化されたスキャンに対応し得る。そのような実施形態では、患者識別子検出機能は、最初に画像データ内のフリーハンドテキストからテキストを抽出して、テキストデータを生成する場合があり、その後、少なくとも1つの第2の患者識別子検出機能が医療報告のテキストに対して実行されて、患者識別子の第2のセットを生成する。
【0185】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2の患者識別子検出機能は、同様に、たとえば、医療スキャン自然言語解析システム114によって訓練された自然言語解析機能を実行することによって、フリーテキストフィールドおよび/またはDICOMヘッダーの非構造化テキストフィールドおよび/または医療スキャンの他のメタデータおよび/または医療報告データにおいて患者識別テキストを識別するように利用され得る。フリーテキストフィールドおよび/または非構造化ヘッダーフィールドのこの患者識別テキストに対応する患者識別子の第3のセットが判定される場合があり、患者識別子の第3のセットを匿名にして、匿名化されたフリーテキストヘッダーフィールドおよび/または非構造化ヘッダーフィールドが生成される場合がある。いくつかの実施形態では、匿名化されたフリーテキストヘッダーフィールドおよび/または非構造化ヘッダーフィールドは、たとえば、臨床情報を含む対応するヘッダーフィールドの一部が患者識別テキストを含まないと見なされたため、および/または、臨床情報を含む対応するヘッダーフィールドの一部が、維持される関連情報を含むと判定されたため、臨床情報を含む。
【0186】
医療スキャン自体の画像データには、患者識別子もまた含まれ得る。たとえば、図10Bと併せて論じられたように、デジタル化する前に医療スキャンのハードコピーに記載される患者名に対応するフリーハンドテキストもまた画像データに含まれ得る。医療スキャンが撮影されたときに、患者のリストバンドに含まれる情報または患者上または患者近傍に配置される他の識別情報などの他の患者識別子が取り込まれていてもよく、したがって画像に含まれる場合がある。少なくとも1つの第3の患者識別子検出機能は、画像データからテキストを抽出すること、および/または、たとえば医療スキャン画像解析システム112によって訓練された医療スキャン画像解析機能を実行することによって画像データにおいて非テキスト識別子を検出することを含み得る。たとえば、患者識別子を含むことが知られている画像位置に対応する検出テキスト、患者識別子のフォーマットに対応する検出テキスト、および/または患者識別子に対応すると判定された検出テキストまたは他の画像データが識別され得る。少なくとも1つの第3の患者識別子検出機能は、少なくとも1つの第2の患者識別子検出機能を実行することによって、および/または、自然言語解析機能を実行することによって、画像データから抽出されたテキストにおいて患者識別テキストを識別することをさらに含み得る。医療スキャンの画像データにおいて検出された患者識別テキストまたは他の患者識別子に対応する患者識別子の第4のセットが判定される場合があり、患者識別子の第4のセットは、画像データで匿名にされて、本明細書に記載されるような医療スキャンの匿名化された画像データが生成される場合がある。特に、患者識別子の第4のセットは、医療スキャンの画像データの領域のセットにおいて検出される場合があり、画像データの領域のセットは、匿名にされる場合がある。
【0187】
いくつかの実施形態では、匿名化のための患者識別子のそれぞれのセットを生成するために、本明細書に記載される患者識別子検出機能のサブセットのみが実行される。いくつかの実施形態では、匿名化のための患者識別子の追加のそれぞれのセットを判定するために、医療スキャンおよび/または医療報告に対して追加の患者識別子検出機能が実行され得る。各患者識別子検出機能を実行することによって出力された患者識別子のセットは、ヌルまたは非ヌルの共通部分を有し得る。各患者識別子検出機能を実行することによって出力された患者識別子のセットは、ヌルまたは非ヌルのセットの差異を有し得る。
【0188】
患者識別子のセットが非ヌルのセットの差異を有するケースは、1つの機能によって検出された患者識別子が別の機能によって見逃された可能性があることを示し得る。たとえば、各患者識別子機能を実行することによって出力された患者識別子のセットの和集合として生成された、患者識別子の組み合わされたセットは、たとえば、メモリ2806に保存されたブラックリスト用語のセットを構築するために使用され得る。ブラックリスト用語のセットは、匿名にされる用語の最終セットを指定し得る。それぞれの少なくとも1つの患者識別子検出機能を実行する際に捕捉されなかった匿名化のための用語にフラグ付けするように、ブラックリスト用語のセットを利用することによって、ヘッダーデータ、医療スキャン、医療報告、および/またはヘッダーデータ、医療スキャン、および/または医療報告から抽出された任意のフリーテキストの第2のパスが実行され得る。たとえば、第2のパスを実行することは、ヘッダー、医療報告、および/または医療スキャンの画像データにおいてブラックリスト用語のセットの少なくとも1つの患者識別子を識別することを含み得る。これは、ブラックリスト用語のセットに含まれる用語を求めてヘッダー、医療報告、および/または画像データの対応する抽出されたテキストを検索することによって、および/または、抽出されたテキスト内の各用語がブラックリスト用語のセットに含まれているかどうかを判定することによって含み得る。
【0189】
いくつかの実施形態では、第2のパスが実行されるまで、少なくとも1つの患者識別子は検出されない。DICOMヘッダーのフリーテキストフィールドに、DICOMヘッダーのフリーテキストフィールドに対してそれぞれの患者識別子検出機能を実行する際に検出されなかった患者名が含まれた例を考慮されたい。しかし、患者名は、医療報告に対して患者識別子検出機能を実行する際に医療報告のテキストで識別することに成功した。この患者名は、ブラックリスト用語のリストに追加され、DICOMヘッダーのフリーテキストフィールドの第2のパスで検出される。第2のパスでの検出に応じて、DICOMヘッダーのフリーテキストフィールドの患者名がそれに従って匿名にされて、匿名化されたフリーテキストフィールドを生成し得る。患者名が、医療スキャンの画像データに含まれているが、DICOMヘッダーのフリーテキストフィールドに対してそれぞれの患者識別子検出機能を実行する際に検出されなかった別の例を考慮されたい。第2のパスでは、この患者名は、ブラックリスト用語のセットを求めて画像データを検索することによって医療スキャンの画像データの少なくとも1つの領域において検出され得る。
【0190】
いくつかの実施形態では、患者識別子検出機能の一部またはすべてを実行することは、ヘッダーのフィールドの匿名化サブセットなどの匿名化用語のセットを識別することを含む。特に、匿名化用語は、臨床情報として識別された用語および/または維持されると判定された他の用語を含み得る。たとえば、各患者識別機能を実行することによって出力された匿名化のセットの和集合として生成された、匿名化用語の組み合わされたセットは、たとえば、メモリ2806に保存されたホワイトリスト用語のセットを構築するために使用され得る。第2のパスを実行することは、ヘッダー、医療報告、および/または医療スキャンの画像データにおいてホワイトリスト用語のセットの少なくとも1つの匿名化用語を識別すること、および匿名化用語を匿名にしない、またはそうでなければ無視すると判定することをさらに含み得る。
【0191】
さまざまな実施形態では、ホワイトリスト用語のセットの一部またはすべての用語は、ブラックリスト用語のセットから削除され得る。特に、1つまたは複数の患者識別子検出機能を実行する際に患者識別子として前に識別された少なくとも1つの用語が、ホワイトリスト用語のセットに含まれていると判定したことに応じて、無視され、匿名にされないと判定される。これは、臨床的に重要な情報が匿名にされず、したがって匿名化された医療スキャンおよび匿名化された医療報告において維持されることを保証するのに役立ち得る。
【0192】
いくつかの実施形態では、患者識別子検出機能の各々が実行された後に、第2のパスが実行され得る。たとえば、匿名化機能を実行することは、匿名にされる用語の最終セットを判定するようにブラックリスト用語のセットを利用することによって、この第2のパスを実行することを含み得る。患者識別子の第1のセットまたは患者識別子の第3のセットを生成する際に前に検出されなかった、ヘッダーフィールドにおけるテキストの新たな部分は、テキストのこれらの新たな部分がブラックリスト用語のセットの用語に対応していると判定することによって、匿名化のためにフラグ付けされ得る。患者識別子の第2のセットを生成する際に前に検出されなかった、医療報告のテキストの新たな部分は、テキストのこれらの新たな部分がブラックリスト用語のセットの用語に対応していると判定することによって、匿名化のためにフラグ付けされ得る。患者識別子の第4のセットを生成する際に前に検出されなかった、医療スキャンの画像データの新たな領域は、テキストのこれらの新たな部分がブラックリスト用語のセットの用語に対応していると判定することによって、匿名化のためにフラグ付けされ得る。
【0193】
いくつかの実施形態では、ブラックリスト用語のセットは、各患者識別子検出機能が実行されると構築され、続く患者識別子検出機能の実行は、現行のブラックリスト用語のセットを利用することを含む。たとえば、第2の患者識別子検出機能を実行することは、ブラックリスト用語のセットを求めて医療報告のテキストを検索することによって、および/または、医療報告のテキスト内の各用語がブラックリスト用語のセットに含まれているかどうかを判定することによって、医療報告においてブラックリスト用語のセットの第1のサブセットを識別することを含み得る。第2の患者識別子検出機能を実行することは、ホワイトリスト用語のセットに含まれる医療報告において少なくとも1つの用語を識別し、それに応じて用語を無視すると判定することをさらに含み得る。第1のサブセットは、匿名にされて、本明細書で論じられるように匿名化された医療報告を生成し得る。まだ見つかっていない新たな患者識別子は、ブラックリスト用語のセットに付加される場合があり、更新されたブラックリスト用語のセットは、医療スキャンのヘッダーおよび/または画像データの第2の検索を実行するために適用される場合があり、新たな患者識別子の少なくとも1つは、ヘッダーの第2の検索内のヘッダーにおいて、および/または、画像データの第2の検索内の画像データにおいて、識別される場合がある。ヘッダーおよび/または画像データにおけるこれらの新たに識別された患者識別子は、匿名化された医療スキャンを生成する際に匿名にされる。
【0194】
別の例として、医療スキャンの画像データに対して医療スキャン画像解析機能を実行することによって、医療スキャンの画像データの領域のセットにおいてブラックリスト用語のセットの第2のサブセットが検出される場合があり、その場合、画像解析機能は、患者識別子のセットを求めて画像データを検索することを含む。たとえば、医療スキャン画像解析機能は、テキストを求めて画像データを検索することを含む場合があり、第2のサブセットは、ブラックリスト用語のセットの1つまたは複数の用語に一致する検出されたテキストを含む場合がある。いくつかの実施形態では、ホワイトリスト用語のセットの1つまたは複数の用語に一致する検出されたテキストは、無視され得る。第2のサブセットは、本明細書で論じられるように、匿名にされて、匿名化された画像データを生成し得る。検出される新たな患者識別子は、ブラックリスト用語のセットに付加される場合があり、更新されたブラックリスト用語のセットは、医療スキャンのヘッダーおよび/またはメタデータの第2の検索を実行するために適用される場合があり、および/または、医療報告の第2の検索を実行するために適用される場合がある。新たな患者識別子の少なくとも1つは、ヘッダーの第2の検索を実行した結果としてヘッダーにおいて識別される場合があり、および/または、新たな患者識別子の少なくとも1つは、医療報告の第2の検索を実行した結果として医療報告において識別される場合がある。これらの新たに識別された患者識別子は、匿名化されたヘッダーを生成する際に、最初に識別されたブラックリスト用語のセットと共にヘッダーにおいて匿名にされる場合があり、および/または、匿名化されたヘッダーを生成する際に、最初に識別された第1のサブセットと共に医療報告において匿名にされる場合がある。
【0195】
いくつかの実施形態では、メモリ2806は、たとえば、既知の患者識別用語の膨大なセットを含む大域的なブラックリストをさらに保存する。いくつかの実施形態では、大域的なブラックリストはまた、匿名化のための患者識別用語を判定するために、少なくとも1つの患者識別子検出機能によって、および/または、第2のパスを実行する際に利用される。いくつかの実施形態では、特定の医療スキャンおよび対応する医療報告のために生成されたブラックリスト用語のセットは、第2のパスを実行する際、および/または、続いて受信した医療スキャンおよび/または医療報告において患者識別子を検出する際の使用のために、大域的なブラックリストに付加され得る。
【0196】
代替的または付加的に、メモリ2806は、たとえば、無視され得る用語の膨大なセットを含む大域的なホワイトリストをさらに保存し得る。特に、大域的なホワイトリストは、患者識別情報に対応しない維持に有益であると考えられる臨床用語および/または他の用語を含み得る。いくつかの実施形態では、大域的なホワイトリストは、ヘッダー、画像データ、および/または医療報告において無視する用語を判定するために、少なくとも1つの患者識別子検出機能によって、および/または、第2のパスを実行する際に利用される。いくつかの実施形態では、特定の医療スキャンおよび対応する医療報告のために生成されたホワイトリスト用語のセットは、第2のパスを実行する際、および/または、続いて受信した医療スキャンおよび/または医療報告において用語を無視する際の使用のために大域的なホワイトリストに付加され得る。
【0197】
代替的または付加的に、メモリ2806は、たとえば、いくつかのコンテキストでは患者識別用語であり得るが、他のコンテキストでは匿名化用語であり得る、曖昧な用語を含む大域的なグレーリストをさらに保存し得る。たとえば、「パーキンソン(Parkinson)」は、「ジョン・パーキンソン(John Parkinson)」などの患者名の一部である場合、患者識別データに対応し得るが、「パーキンソン病(Parkinson’s disease)」などの診断用語の一部である場合、匿名化された医療報告および/または匿名化された医療スキャンにおいて無視されて、維持されると意図された非患者識別データに対応し得る。いくつかの実施形態では、大域的なグレーリストはまた、第2のパスを実行する際に、および/または、少なくとも1つの患者識別子検出機能を実行する際に、用語がグレーリストに含まれることを判定するように、および/または、付随するテキストのコンテキストを活用することによって、用語が抽出されたヘッダーフィールドの既知のデータ型を活用することによって、用語の既知の構造を活用することによって、用語が抽出された画像データの位置の既知のデータ型を活用することによって、および/または、他のコンテキスト情報を活用することによって、用語が、匿名化のためのブラックリスト用語のセットまたは無視されるホワイトリスト用語のセットに付加されるべきであるかどうかをさらに判定するように利用される。いくつかの実施形態では、グレーリスト用語のセットは、特定の医療スキャンおよび対応する医療報告のためのブラックリスト用語および/またはホワイトリスト用語のセットに基づいて更新され得る。
【0198】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの匿名化機能は、基準置換機能を含む。たとえば、ブラックリスト用語のセットの一部またはすべては、ヘッダー、報告データ、および/または画像データ内の対応する大域的な基準に置換され得る。いくつかの実施形態では、大域的な基準は、対応する患者識別子のタイプに基づいて大域的な基準のセットから選択され得る。ヘッダーおよび/または医療報告において検出された各患者識別子は、大域的なテキスト基準のセットのうちの対応する1つに置換され得る。画像データにおいて検出された各患者識別子は、大域的な画像基準のセットのうちの対応する1つに置換され得る。たとえば、1つまたは複数の大域的な画像基準は、患者識別データを含む画像データの領域のピクセルをオーバーレイして、匿名化された画像データ内の患者識別データを難読化し得る。
【0199】
大域的なテキスト基準および/または大域的な画像基準は、推論機能および/または訓練機能によって認識可能であり、たとえば、ここで、大域的なテキスト基準および大域的な画像基準は、推論機能を訓練するために訓練ステップで処理されるときに無視され、および/または、推論機能によって処理されるときに推論ステップで無視される。さらに、大域的なテキスト基準および/または大域的な画像基準は、ヘッダー、医療報告、および/または画像データを閲覧する人によって認識可能である。たとえば、放射線科医または他の医療専門家は、ヘッダー、医療報告、および/または画像データを閲覧すると、基準によって置換される患者識別子の位置を明確に識別する場合があり、および/または、基準によって置換される患者識別子のタイプを識別する場合がある。
【0200】
一例として、名前「ジョン・スミス(John Smith)」は、ヘッダーおよび/または医療報告においてテキスト「%患者名%(%PATIENT NAME%)」置換される場合があり、その場合、テキスト「%患者名%」は、ヘッダーおよび/または医療報告のテキストの名前タイプに対する大域的な基準である。医療スキャン自然言語解析機能の訓練ステップおよび/または推論ステップは、自動的に「%患者名%」に一致するテキストを認識して無視し得る。
【0201】
図10Bは、医療スキャンの画像データ内の患者識別子を匿名にする例を例示している。本例では、名前「ジョン・スミス(John Smith)」および日付「2010年5月4日(May 4,2010)」は、医療スキャンの元の画像データ内のフリーハンドテキストとして検出される。患者識別子を含む画像データの領域は各々、長方形のバーの形状または任意の他の形状で大域的な基準に置換され得る。図10Bに示されるように、元の画像データ内の「ジョン・スミス(John Smith)」の位置に対応する第1の領域が、匿名化された画像データ内の基準2820に置換され、元の画像データ内の「2010年5月4日(May 4,2010)」の位置に対応する第2の領域が、匿名化された画像データ内の基準2822に置換される。各々の大域的な視覚基準のサイズ、形状、および/または位置は、テキスト全体がカバーされることを依然として保証しながら、難読化される画像データの量を最小限に抑えるために、患者識別子を含む領域のサイズ、形状、および/または位置に基づいて、自動的に判定され得る。図10Bには示されていないが、たとえば、基準は特定の色であり得、ここで、特定の色のピクセルが、医療スキャン画像解析機能の訓練ステップおよび/または推論ステップによって自動的に認識されて、対応する領域が無視されることを示し、および/または、特定の色は、元の医療スキャンに含まれておらず、および/または、医療スキャンには含まれていないことが知られている。基準は、図10Bに示されるように、「%患者名(%PATIENT NAME)」および「%日付(%DATE)」などの人の検査で認識可能なテキストを含む場合があり、および/または、人の検査で認識可能であり、および/または、医療スキャン画像解析機能の訓練ステップおよび/または推論ステップによって自動的に認識可能であり、対応する領域が無視されることを示す、QRコード、ロゴ、または他の固有の記号を含む場合がある。
【0202】
いくつかの実施形態では、フィールドの患者識別サブセットのさまざまなものに対して他の匿名化機能が実行されて、匿名化されたヘッダー、匿名化された報告データ、および/または、匿名化された画像データを生成し得る。たとえば、ヘッダーの各フィールドの識別データのタイプに基づいて、さまざまなタイプのヘッダー匿名化機能および/またはテキスト匿名化機能が選択され、ヘッダーフィールド、報告のテキスト、および/または画像データから抽出されたテキストに対して利用され得る。匿名化機能のセットは、たとえば、絶対時間差を維持するために、および/または、一人の患者の複数の医療スキャンおよび/または医療報告にわたって相対的な順序を維持するために、判定された量だけ日付、時刻、または他の時間データをオフセットするように利用された、シフト機能を含み得る。図10Bは、シフト機能が画像データにおいて検出された日付に対して実行されて、基準2822を生成する例を示しており、ここで、判定された量は10年1ヶ月である。判定された量は、各患者および/または各医療スキャンおよび対応する医療報告に対して、ランダムおよび/または擬似ランダムに匿名化システムによって判定される場合があり、既知のオフセットを利用することによって、元の日付を復元し得ないことを保証している。さまざまな実施形態では、ヘッダーの患者ID番号または他の固有の患者識別子を利用することによって、同じ患者に対して他の医療スキャンおよび/または医療報告が取得される。これらの医療スキャンおよび医療報告は匿名にすることもでき、ここで、これらの医療スキャンおよび/または医療報告において検出された日付および/または時間は、患者ID番号に対してハッシュ関数を実行することに基づいて、同じ判定された量だけオフセットされ、特定の患者ID番号に対してランダム化または擬似ランダム化される。
【0203】
匿名化機能のセットは、たとえば、ヘッダーおよび/またはテキストの患者ID番号、受入番号、および/またはSOPインスタンスUIDなどの固有の患者IDをハッシュするように利用される、少なくとも1つのハッシュ関数を含み得る。いくつかの実施形態では、ハッシュされたSOPインスタンスUID、受入番号、および/または患者ID番号には、メモリ2806のデータベースに保存され、および/または、匿名化された医療スキャンおよび/または医療報告が送信されるエンティティと共有される、固有の識別子が先頭に追加され、それにより、匿名化された医療スキャンおよびそれらの対応する匿名化された医療報告が遡及的にリンクおよび検索され得る。同様に、同じ患者の複数の医療スキャンおよび/または医療報告に同じハッシュされた患者IDが割り当てられるため、縦断的データが維持され得る。
【0204】
匿名化機能のセットは、いくつかのタイプの患者識別子のための少なくとも1つのマニピュレータ機能をさらに含み得る。通常は個人情報とは見なされないヘッダーフィールドおよび/または報告テキストの一部の値は、その後、可能なオプションの非常に小さなサブセットから対応する患者を識別するように利用され得る外れ値または他の希少な値に対応する場合、患者識別データと見なされ得る。たとえば、89歳を超える患者が非常に少ない場合に、89歳を超える患者の年齢が利用されて、患者の身元が特定され得る。そのようなケースを防止するために、患者識別子が外れ値に対応すると判定することに応じて、および/または、患者識別子が正常範囲の閾値と比較して好適でないと判定することに応じて、患者識別子は、正常範囲の閾値で制限(capped)され得るか、または、そうでなければ、操作され得る。たとえば、年齢に対応する正常範囲の閾値が89に設定される場合があり、匿名化された患者年齢を生成することが、89歳よりも高い患者の年齢を89にキャップすることを含む場合があり、および/または、89歳以下の患者の年齢に対して同じ値を保つことを含み場合がある。
【0205】
いくつかの実施形態では、匿名化されたヘッダーデータは、医療報告において検出された患者識別子の対応する第1のサブセットを匿名化されたヘッダーフィールドのテキストと置換されるように利用される。他の実施形態では、テキスト匿名化機能のセットは、医療報告内の対応するタイプの患者識別子を別々に匿名にする大域的なテキスト基準置換機能、シフト機能、ハッシュ関数、および/またはマニピュレータ機能を含む。
【0206】
医療スキャンの画像データが患者の頭部に対応する解剖学的領域を含むいくつかの実施形態では、画像データは、患者の身元を判定するように利用され得る顔識別構造および/または顔の特徴を含み得る。たとえば、患者を含む対応する複数の人々にマッピングされる顔画像のデータベースが検索される場合があり、データベースにおいて患者を識別するように顔認識機能が利用される場合がある。したがって、画像データに含まれる顔の構造は、患者識別データとみなされ得る。
【0207】
この問題を防止し、患者のプライバシーを維持するために、匿名化システムは、医療スキャンで検出された顔の構造の顔の難読化を実行するようにさらに実装され得る。医療画像解析機能を利用することによって、顔の構造を識別することを含む画像データの少なくとも1つの領域が判定され得る。たとえば、医療画像解析機能は、顔の皮膚、顔の骨構造、または顔識別構造に対応する解剖学的塊タイプの他の密度に対応する密度値を有するピクセルを求めて画像データを検索することに基づいて、顔識別構造を含む画像データの領域を判定する顔検出機能を含む場合があり、識別されたピクセルに対して顔の難読化機能が実行される場合がある。代替的または付加的に、顔検出機能は、顔の構造に対応する画像データにおいて少なくとも1つの形状を識別することに基づいて領域を判定し得る。
【0208】
画像難読化機能は、顔識別構造を含まない匿名化された画像データを生成するために医療スキャンで実行される顔の構造の難読化機能を含み得る。たとえば、顔の構造の難読化機能は、顔検出機能によって識別された領域のピクセルをマスキングする、スクランブルする、基準と置換するか、または、そうでなければ、難読化し得る。いくつかの実施形態では、顔の構造の難読化機能は、患者が識別可能でないように顔識別構造を依然として難読化しながら、鼻の骨折または顔の皮膚病変などの、画像の対応する部分の異常を維持する領域に対して一方向の機能を実行し得る。たとえば、顔識別構造のピクセルは、固定された一般的な顔の構造に向かって収束するように変更され得る。いくつかの実施形態では、たとえば、複数の顔の平均または他の組み合わせに対応する一般的な顔の構造を生成するように、複数の患者の複数の顔の構造の画像データが利用され得る。たとえば、一般的な顔の構造のピクセルは、匿名化された画像データを生成する際に顔検出機能によって識別された画像データの領域のピクセルと平均化され、重ね合わせられ、または、そうでなければ、組み合わせられ得る。
【0209】
いくつかの実施形態では、一般的な顔の構造が、元の顔識別構造を再現するために、匿名化された画像データの結果として得られるデータと併せて利用され得ないように、画像データの一般的な顔の構造と識別された顔の構造との平均に対して、ハッシュ関数が実行され得る。そのような実施形態では、ハッシュ関数は、依然として異常を維持しながらピクセル値を変更し得る。いくつかの実施形態では、たとえば、複数の顔の構造の画像データを利用することによって、複数のランダムで一般的な顔の構造が生成される場合があり、その場合、複数の顔の構造の画像データの各々に、一般的な顔の構造を作成するように利用される平均化機能においてランダムまたは擬似ランダムの重みが割り当てられ、その場合、元の顔識別構造が、結果として得られる匿名化された画像データからを抽出され得ないことを保証するために、顔の構造の難読化機能が、匿名化された画像データを作成する際に識別された顔の構造で平均化される新たな一般的な顔の構造を作成するように利用されるたびに、新たなランダムまたは擬似ランダムの重みのセットが生成される。
【0210】
顔の難読化が本明細書に説明されているが、患者識別子を含むと判定されている他の解剖学的領域に、および/または、匿名にされていない場合に患者識別情報を抽出するように利用し得る他の解剖学的領域に、同様の技術が同様の方法で適用され得る。
【0211】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの受信機2802は、たとえば、医療写真アーカイブシステム2620および/または報告データベース2625の間の双方向通信を可能にする、少なくとも1つの送受信機に含まれる。そのような実施形態では、匿名化システム2800は、特定の医療スキャンおよび/または医療報告に対して、それぞれ、医療写真アーカイブシステム2620および/または報告データベース2625へのクエリを生成し得る。特に、医療スキャンおよび医療報告が、別個のメモリおよび/または別個のエンティティによって保存および/または管理される場合、それらは同時に受信されない可能性がある。しかし、受信された医療スキャンに対応する医療報告を取得するように、および/または、少なくとも1つの送受信機を利用して送られたクエリを介して受信された医療報告に対応する医療スキャンを取得するように、受入番号、患者ID番号、SOPインスタンスUIDなどの、医療スキャンおよび/または医療報告のヘッダーまたはメタデータ内のDICOM識別子などのリンキング識別子、または医療スキャンを医療報告にマッピングする他のリンキング識別子が利用され得る。たとえば、医療写真アーカイブシステム2620から医療スキャンを受信することに応じて、匿名化システムは、医療スキャンのDICOMヘッダーからリンキング識別子を抽出する場合があり、クエリ内のリンキング識別子を示すことによって、対応する医療報告に対して報告データベース2625に照会する場合がある。逆に、報告データベース2625かの医療報告を受信することに応じて、匿名化システムは、医療報告のヘッダー、メタデータ、および/またはテキスト本文からリンキング識別子を抽出する場合があり、クエリ内のリンキング識別子を示すことによって対応する医療スキャンに対して医療写真アーカイブシステム2620に照会する場合がある。いくつかの実施形態では、元の医療スキャンへの匿名化された医療スキャンのマッピング、および/または元の医療報告への匿名化された医療報告のマッピングがメモリ2806に保存され得る。いくつかの実施形態では、患者ID番号などのリンキング識別子は、追加の医療スキャン、追加の医療報告、または同じ患者に対応する他の縦断的データを取得するように利用され得る。
【0212】
図11は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、匿名化に以下のステップを実行させる実行可能命令を保存する匿名化システム2800による実行のための方法を例示するフローチャートを提示している。
【0213】
ステップ2902は、第1のエンティティから、受信機を介して、第1の医療スキャンと、医療スキャンに対応する医療報告とを受信することを含む。ステップ2904は、第1の医療スキャンの第1のヘッダーのフィールドのサブセットにおいて患者識別子のセットを識別することを含む。ステップ2906は、患者識別子のセットの各々に対してヘッダー匿名化機能を実行して、対応する匿名化フィールドのセットを生成することを含む。ステップ2908は、第1の医療スキャンの第1のヘッダーのフィールドのサブセットを対応する匿名にされたフィールドのセットと置換することによって、第1の匿名化された医療スキャンを生成することを含む。ステップ2910は、患者識別子のセットを求めて医療報告のテキストを検索することによって、医療報告において患者識別子のセットの患者識別子の第1のサブセットを識別することを含む。ステップ2912は、患者識別子の第1のサブセットに対してテキスト匿名化機能を実行して、患者識別子の第1のサブセットの各々のための対応する匿名にされたプレースホルダーテキストを生成することを含む。ステップ2914は、患者識別子の第1のサブセットの各々を対応する匿名にされたプレースホルダーテキストと置換することによって、匿名化された医療報告を生成することを含む。ステップ2916は、送信機を介して、匿名化された第1の医療スキャンおよび匿名化された医療報告を、ネットワークを経由して第2のエンティティに送信することを含む。
【0214】
さまざまな実施形態では、医療スキャンは画像保管通信システム(PACS)から受信され、ここで、医療報告は放射線医学情報システム(RIS)から受信され、ここで、第1の匿名化された医療スキャンおよび匿名化された医療報告は、PACSまたはRISと提携していない中央サーバに送信される。さまざまな実施形態では、第1の医療スキャンおよび医療報告は、処理のために第1のメモリに保存される。第1のメモリはネットワークから分離されて、患者識別子のセットがネットワークを介して通信されるのを防止する。第1の匿名化された医療スキャンおよび匿名化された医療報告は、第1のメモリとは別の第2のメモリに保存される。第1の匿名化された医療スキャンおよび匿名化された医療報告は、第2のエンティティへの送信のために第2のメモリから取得される。
【0215】
さまざまな実施形態では、患者識別子のセットの各々に対して実行されるヘッダー匿名化機能は、フィールドのサブセットのうちの対応する1つの複数の識別子タイプのうちの1つに基づいて、複数のヘッダー匿名化機能から選択される。さまざまな実施形態では、複数の識別子タイプは日付タイプを含む。第1のヘッダーの第1の日付に対して日付タイプに対応するシフト機能が実行されて、第1の匿名化された医療スキャンを生成し、ここで、シフト機能は、判定された量だけ第1の日付をオフセットすることを含む。受信機を介して、第2のヘッダーを含む第2の医療スキャンが受信される。第1のヘッダーの固有の患者識別子は、第2のヘッダーの固有の患者識別子と一致する。シフト機能は、判定された量だけ第2の日付をオフセットすることによって第2のヘッダーの第2の日付に対して実行されて、第2の匿名化された医療スキャンを生成する。第2の匿名化された医療スキャンは、ネットワークを介して第2のエンティティに送信される。
【0216】
さまざまな実施形態では、複数の識別子タイプは固有の患者IDタイプを含む。第1のヘッダーの固有の患者IDに対して固有の患者IDタイプに対応するハッシュ関数が実行されて、第1の匿名化された医療スキャンを生成する。ハッシュ関数は、第2のヘッダーの固有の患者識別子に対して実行されて、第2の匿名化された医療スキャンを生成する。第1の匿名化された医療スキャンの匿名にされた固有の患者IDフィールドは、第1のヘッダーの固有の患者IDが第2のヘッダーの固有の患者IDと一致する結果として、第2の匿名化された医療スキャンの匿名にされた固有の患者IDフィールドと一致する。
【0217】
さまざまな実施形態では、複数の識別子タイプは、医療スキャンを医療報告にマッピングするリンキング識別子タイプを含む。第1のヘッダーのリンキング識別子に対して、リンキング識別子タイプに対応するハッシュ関数が実行されて、ハッシュされたリンキング識別子を生成する。第1の匿名化された医療スキャンのリンキング識別子フィールドは、ハッシュされたリンキング識別子を含む。患者識別子の第1のサブセットに対してテキスト匿名化機能を実行することは、患者識別子の第1のサブセットのうちの1つがリンキング識別子テキストに対応すると判定すること、および患者識別子の第1のサブセットのうちの1つに対してハッシュ関数を実行して、ハッシュされたリンキング識別子を生成することを含み、ここで、匿名化された医療報告はハッシュされたリンキング識別子を含む。
【0218】
さまざまな実施形態では、医療スキャンの画像データに対して画像解析機能を実行することによって、医療スキャンの画像データの領域のセットにおいて、患者識別子のセットの患者識別子の第2のサブセットが識別される。画像解析機能は、患者識別子のセットを求めて画像データを検索することを含む。患者識別子の第2のサブセットの各々に対して識別子タイプが判定される。識別子タイプに基づいて患者識別子の第2のサブセットの各々に対して、複数の画像基準のうちの1つが選択される。匿名化された画像データが生成され、ここで、画像データの領域のセットに対応する匿名化された画像データの領域のセットは、患者識別子の第2のサブセットの各々を難読化するために複数の画像基準のうちの1つを含む。第1の匿名化された医療スキャンを生成することは、医療スキャンの画像データを匿名化された画像データと置換することをさらに含む。
【0219】
さまざまな実施形態では、医療報告に対して自然言語解析機能を実行することによって、医療報告において新たな患者識別子が識別され、ここで、新たな患者識別子は患者識別子のセットに含まれない。患者識別子のセットは、患者識別子のセットを求めて医療スキャンの画像データを検索する前に、新たな患者識別子を含むように更新され、患者識別子の第2のサブセットは新たな患者識別子を含む。
【0220】
さまざまな実施形態では、メモリは、大域的な識別子ブラックリストをさらに保存する。自然言語解析機能は、大域的な識別子ブラックリストに含まれる複数の用語を求めて医療報告を検索して、新たな患者識別子を識別することを含む。さまざまな実施形態では、匿名化システムは、大域的な識別子ブラックリストが患者識別子のセットの1つを含まず、大域的な識別子ブラックリストが患者識別子のセットの1つを含むように更新されると判定する。
【0221】
さまざまな実施形態では、画像解析機能を実行することは、画像データにおいて新たな患者識別子を識別することをさらに含み、ここで、新たな患者識別子は患者識別子のセットに含まれない。新たな患者識別子に対応する画像データの領域から識別テキストが抽出される。新たな患者識別子は、識別テキストを求めて医療報告のテキストを検索することによって医療報告において識別される。テキスト匿名化機能は新たな患者識別子に対して実行されて、新たな患者識別子に対する匿名にされたプレースホルダーテキストを生成する。匿名化された医療報告を生成することは、識別テキストを新たな患者識別子に対する匿名にされたプレースホルダーテキストと置換することをさらに含む。
【0222】
さまざまな実施形態では、匿名化された画像データを生成することは、医療スキャンの画像データにおいて顔識別構造を検出することをさらに含む。匿名化された画像データを生成することは、画像データに対して顔の構造の難読化機能を実行することを含み、ここで、匿名化された画像データは顔識別構造を含まない。
【0223】
図12Aは、医療スキャントリアージシステム8002を示している。医療スキャントリアージシステム8002は、十分に高い確率で正常であると判定されている医療スキャンの人によるレビューを優先し、制御し、および/または、自動的に見送るように利用され得る。特に、これらの医療スキャンに対して1つまたは複数の推論機能を実行して、さまざまな異常に対応する大域的な異常確率を生成することによって、スキャンの大域的な正常性が判定され得る。これらの大域的な異常確率は、トリアージ確率閾値と比較され得る。トリアージ確率閾値は、予め判定されるか、自動的に生成されるか、または管理者の入力によって生成される場合があり、異常が医療スキャンに存在しない尤度/確率が非常に高い(信頼度が高い)ことを示し、異常が存在する尤度/確率が逆に低いことをさらに示す。一部の医療スキャンは、大域的に正常であると自動的に判定される場合があり、たとえば、その場合、大域的な異常確率の各々とトリアージ確率閾値との比較に基づいて、すべての異常が存在しないと見なされる。これらの大域的に正常なスキャンは、専門性の低いレビュー担当者に送信され、ワークフローの上部/下部にある他のスキャンとは異なって優先度が付けられ、および/または、さらなるレビューが完全に放棄され得る。
【0224】
1つまたは複数の大域的な異常確率とトリアージ確率閾値との比較に基づいて、1つまたは複数の異常の存在を除外し得ない場合、一部の異常が存在する十分に高い確率を有するこれらの残りの医療スキャンは、医療スキャン視覚システム3002の双方向インターフェースとのインタラクションを介してユーザ/医療専門家によるレビューのためにトリアージされ得る。たとえば、医療スキャンは、存在し得る特定の異常について経験を積んだレビュー担当者によって、レビューのために送られ得る。これらのトリアージされたスキャンは、大域的に正常なスキャンの前、後、またはそれとは別々に、ユーザが指定したワークリストの順序で待機される場合があり、さらに、スキャンのタイプに基づいて、検出された異常のタイプに基づいて、検出された異常の判定された重症度、希少性、および/または時間的感度に基づいて、ユーザのワークリストで順序付けされる場合があり、および/または、特定のユーザに対して指定される場合がある。
【0225】
図12Aに示されるように、医療スキャントリアージシステム8002は、ネットワーク150を介して、医療スキャンデータベース342および/またはデータベース格納システム140の他のデータベースと、1つまたは複数の医療スキャン視覚システム3002(たとえば、3002-1、...、3002-G)および/または中央サーバシステム2640、医療写真アーカイブシステム2600と双方向に通信する場合があり、および/または、図12Aには示されていないが、図1の1つまたは複数のサブシステム101と双方向に通信する場合がある。
【0226】
いくつかの実施形態では、医療スキャントリアージシステム8002は、図2Bのサブシステム記憶装置245、サブシステム処理装置235、および/またはサブシステムネットワークインターフェース265を利用することによって実装された、医療スキャン処理システム100の追加のサブシステム101である。たとえば、医療スキャントリアージシステム8002は、1つまたは複数のコンピュータ視覚モデルを訓練するように、および/または、1つまたは複数のコンピュータ視覚モデルを利用することによって1つまたは複数の推論機能を実行するように、医療スキャン画像解析システム112を利用することによって実装され得る。さらに、医療スキャン視覚システム3002は、双方向インターフェースへのユーザ入力を介して人が生成した注釈データを生成するために使用され得る。医療スキャン視覚システム3002は、医療スキャン支援型レビューシステム102および/または医療スキャン注釈システム106を利用することによって、実装され得る。
【0227】
いくつかの実施形態では、医療スキャントリアージシステム8002は、中央サーバシステム2640を利用するか、または、そうでなければ、それと通信する。たとえば、医療スキャンデータベース342には、医療写真アーカイブ統合システム2600によって生成される、匿名化されたデータが投入され得る。医療スキャントリアージシステム8002は、たとえば、医療写真アーカイブ統合システム2600から直接、対応する注釈データ、診断データ、および/または医療報告を有する匿名化された医療スキャンを受信する場合があり、その場合、注釈データ、診断データ、および/または医療報告は、医療スキャントリアージシステム8002によって利用される1つまたは複数の推論機能を訓練するために利用される訓練セットにおいて医療スキャンのための医療ラベルを判定するように利用される。別の例として、医療スキャントリアージシステム8002は、医療写真アーカイブ統合システム2600から受信した匿名化された医療スキャンに対して1つまたは複数の推論機能を実行する場合があり、異常データまたは1つまたは複数の推論機能の出力として生成された他の推論データが、医療写真アーカイブ統合システム2600において医療スキャンに割り当てられる場合がある。別の例として、医療スキャントリアージシステム8002は、トリアージされるリクエストされた基準医療スキャンに一致する匿名化された医療スキャン、注釈データ、および/または報告をリクエストし得る。いくつかの実施形態では、医療スキャントリアージシステム8002の一部またはすべては、他のサブシステム101を利用することによって実装され、および/または、1つまたは複数の他のサブシステム101と併せて記載された機能または他の作業を実行するように作動可能である。
【0228】
図12Aに例示されるように、医療スキャントリアージシステム8002によって、医療スキャン1-Nのセットが受信され得る。たとえば、これらの医療スキャンは、レビューされる新たな医療スキャンに対応する場合があり、それらが撮像マシンによって取り込まれると、医療スキャントリアージシステム8002に送信される場合があり、および/または、医療スキャントリアージシステム8002によってリクエストされる場合がある。医療スキャントリアージシステム8002は、1つまたは複数の推論機能8010を実行して、複数の医療スキャン1-Nに対する推論データを生成し得る。(1つまたは複数の)推論機能は、医療スキャンの訓練セットおよび対応するラベリングデータで訓練されたコンピュータ視覚モデルを利用し得る。たとえば、推論機能8010を訓練するように利用された対応するラベリングデータは、放射線科医または他の医療専門家によって生成された大域的な異常ラベルを含む場合があり、これは、訓練セット内の各スキャンが、「正常」であるか、または少なくとも1つの異常を含むかを示している。このように、「正常」は、経験的な定義からよりもむしろ、この訓練データに基づいてモデルによって本質的に学習される、バイアスのない環境下での、口語的に定義された放射線科医の定義に基づいて定義され得る。「正常」の定義は、たとえば、「臨床的に有意なまたは実行可能な所見がない」ことと同等であり得る。本明細書での使用において、「正常な」スキャンは、平均的な放射線科医によって有意でないと見なされ、それでも正常と見なされ、結果として、異常がないと見なされる小さな異常を依然として含み得る。たとえば、唯一の異常が直径3.2mmの孤立性肺結節である低リスク患者の胸部CTスキャンを考慮されたい。Fleischner Societyのガイドラインに従って、この結節は、6mm未満であるため、無視され得る(たとえば、定期的なフォローアップが必要とされない)。これらの定義の下で、スキャンは、「正常」かつ異常がないとラベル付けされ得る。
【0229】
別の例として、推論機能8010は、K個のさまざまなクラスの異常に対応する図8Bの注釈システム2612のK個の推論機能を利用する場合があり、推論ステップ1354を利用する場合があり、および/または、推論データを生成するように検出ステップ1372を利用する場合がある。推論機能8010によって生成された推論データは、異常が存在する尤度/信頼度を示す大域的な異常確率を含み得る。大域的な異常確率は、推論機能8010への出力として生成された複数の出力ラベルのいずれかが、たとえば、1つまたは複数の確率行列1371を利用することによって、複数の異常のうちの対応する1つが存在することを示すかどうかを評価することに基づいて生成され得る。
【0230】
いくつかの実施形態では、医療スキャンに対する推論データは、異常が存在する単一の確率を示す、1つのみの出力ラベルを含む。他の実施形態では、医療スキャンに対する推論データは、複数の異常タイプが存在する複数の確率を含み、大域的な異常確率は、複数の異常タイプの複数の確率に応じて生成される。いくつかの実施形態では、医療スキャンに対する推論データは、医療スキャンの画像データの複数の領域に対応する複数の確率を含み、ここで、大域的な異常確率は、複数の領域の複数の確率に応じて生成される。
【0231】
大域的な異常確率は、複数の異常タイプの各々が存在する複数の確率の中の最も高い確率を示し得る。大域的な異常確率は、複数の異常タイプのうちの複数が、検出確率閾値より高い、医療スキャンに存在する確率を有すると判定することに応じて、複数の異常タイプの各々が存在する複数の確率のいずれよりも高い確率を示し得る。大域的な異常確率は、各々が、検出確率閾値よりも高い、医療スキャンに存在する確率を有する、複数の異常が、画像データのさまざまな領域で検出されると判定することに応じて、複数の異常の各々が存在する複数の確率のいずれよりも高い確率を示し得る。
【0232】
いくつかの実施形態では、確率行列データが、医療スキャンの画像データの複数の領域の各々が確率を含む複数の確率を示す場合、大域的な異常確率は、検出確率閾値よりも高い異常が存在する確率を示す、より多数の隣接領域に応じてより高くなり得る。たとえば、大域的な異常確率は、複数の隣接領域の確率のいずれよりも高くなり得、隣接領域の平均または最高確率からの大域的な異常確率の値の増加は、多数の隣接領域の増加関数であり得る。
【0233】
いくつかの実施形態では、単一の領域が、検出確率閾値よりも実質的に低い隣接領域に囲まれて、検出確率閾値よりも高い異常が存在する確率を示す場合、大域的な異常確率は、単一の領域での確率よりも低くなるように生成される。
【0234】
いくつかの実施形態では、推論機能8010への出力として生成される確率行列データにフィルタ処理および/または平滑化ステップが適用される場合があり、その場合、これらの単一の領域の確率は、除去される無関係な確率と見なされ、大域的な異常確率は、確率行列データのこれらの無関係な確率にもかかわらず、検出確率閾値よりも低い異常が存在する確率を示すように生成される。
【0235】
本明細書で論じられる大域的な異常確率は、異常が存在する確率が高くなるにつれて増加する、およびあらゆる異常が存在しない確率が高くなるにつれて減少する値を示すが、大域的な異常確率は、代わりに、大域的な正常確率として表し得る。大域的な正常確率の値は、1から大域的な異常確率を差し引いた値に等しく、異常が存在しない(たとえば、あらゆる異常が存在しない)確率が高くなるにつれて増加する、および異常が存在する確率が高くなるにつれて減少する値を示し得る。推論機能8010への出力として生成された推論データは、大域的な異常確率または大域的な正常確率のいずれかを示し得る。このように、複数の医療スキャンの各々に複数の異常のうちの少なくとも1つが存在する確率に対応する大域的な異常確率を示す異常データも、大域的な正常確率を示すと考えられ得る。換言すれば、大域的な異常確率を示す異常データは、たとえば、これら2つの量間の決定論的な数学的関係に基づいて、大域的な異常確率を明示的に示し得るか、または大域的な正常確率を明示的に示し得る。本明細書で使用されるように、大域的な異常確率を示す異常データは、さらに、大域的な異常確率および/または大域的な正常確率の何らかの他の確定関数を明示的に示し得る。大域的な正常/異常確率が、確率自体、1から確率を差し引いたもの、確率の何らかの他の確定関数の値、ノンパラメトリック統計を含む何らかの他の尤度関数の値、確信度を示す別の関数またはスケールの値による確率を示し得ることが留意されるべきである。
【0236】
医療スキャン1-Nのセットのために大域的な異常が生成されると、トリアージ割り当て機能8020が実行され得る。トリアージ割り当て機能8020は、医療スキャンを2つのグループ、すなわち、正常であると判定された医療スキャンの正常グループと医療スキャンのトリアージされたグループとにグループ化、分割、または、そうでなければ、選別し得る。医療スキャンを2つのグループに分割することは、大域的な異常確率をトリアージ確率閾値と比較し、比較の結果を示す比較データを生成することによって実行され得る。トリアージ確率閾値と比較して好適である(たとえば、より高い大域的な異常確率を有し、結果として、より低い大域的な正常確率を有する)大域的な異常確率を有する医療スキャンは、トリアージグループに含まれることを示すバイナリインジケーターまたはフラグなどの比較データを有する場合があり、トリアージ確率閾値と比較して好適でない(たとえば、より低い大域的な異常確率を有し、結果として、より高い大域的な正常確率を有する)医療スキャンは、正常グループに含まれることを示すバイナリインジケーターまたはフラグなどの比較データを有する場合がある。トリアージ確率閾値は、双方向インターフェース7075に表示されるトリアージ確率閾値を選択するプロンプトに応じて、医療スキャントリアージシステム8002によって自動的に判定される場合があり、および/または、表示装置上に表示された双方向インターフェース8075へのユーザ入力に基づきクライアント装置120からトリアージ確率閾値を受信することに基づいて判定される場合がある。たとえば、管理者は、トリアージ確率閾値を設定する場合があり、後でトリアージ確率閾値をより高い値またはより低い値に変更する場合がある。
【0237】
トリアージ確率閾値は、たとえば、非常に厳しい基準に対応する場合があり、その場合、医療スキャンは、少なくとも99%の大域的な正常確率(したがって、1%未満の大域的な異常確率)または異常が存在しない(たとえば、医学的に有意な異常が存在しない)他の実質的に高い確率、尤度/信頼度を有しなければならない。たとえば、トリアージ確率閾値は、高感度、すなわち、いくつかのスキャンが、実際に正常であっても異常とラベル付けされる場合に、正常とラベル付けされない高い信頼度に対応する受信者動作特性(ROC)曲線上の動作点に対応し得る。たとえば、スキャンが人によってレビューされ、レビュー担当者が、(1つまたは複数の)AIモデルによって「見逃された」異常を発見すること、および/または、医療スキャン視覚システム3002の(1つまたは複数の)AIモデルによって発見された「ファントム」異常を除外することを期待されるときに、このトリアージプロセス後に、医療スキャン視覚システム3002によって採用された推論機能によって、ROC曲線上の第2のより低い感度の動作点が使用され得る。トリアージ確率閾値は、本明細書で論じられる検出確率閾値のいずれかと同じであり得るかまたは異なり得る。トリアージ確率閾値は、さまざまなタイプの医療スキャンおよび/またはさまざまなタイプの異常に対して同じであるか、または異なる場合があり、これらのさまざまなグループに対する複数のトリアージ確率閾値は、双方向インターフェース8075へのユーザ入力を介して個別に設定される場合がある。
【0238】
トリアージグループに割り当てられた医療スキャンは、たとえば、ユーザデータベース内のこれらのユーザに対する性能データおよび/または資格データに基づいて、レビューのために1人または複数人の特定のユーザに自動的に割り当てられ得る。特に、たとえば、医療スキャンのタイプに基づいて、推論データ内の検出された異常の1つまたは複数のタイプに基づいて、および/または、1つまたは複数の検出された異常の時間的感度を示す推論データ内の緊急値に基づいて、医療スキャン注釈システム106と併せて論じられるように、ユーザが選択され得る。代替的または付加的に、ユーザは、ユーザの利用可能性に基づいて、ユーザにトリアージされた他のスキャンの待ち行列サイズに基づいて、および/または、ランダムまたは擬似ランダム選択に基づいて、選択される。
【0239】
対応する医療スキャン視覚システム3002は、選択されたユーザに基づいて判定する場合があり、医療スキャントリアージシステム8002は、判定された割り当てに基づいて、1つまたは複数の医療スキャン視覚システム3002へのトリアージグループ内の各医療スキャンの送信を容易にする場合がある。代替的に、医療スキャントリアージシステム8002は、トリアージデータを医療スキャンデータベース342および/またはトリアージグループ内の医療スキャンの識別子を示す別のエンティティに送信する場合があり、トリアージグループ内の医療スキャンは、それに応じて、医療スキャン視覚システム3002から検索されるか、またはそこに自動的に送信される場合がある。たとえば、図12Aに例示されるように、トリアージグループに割り当てられた医療スキャン1-Rは、医療スキャン1-Nのセットの適切なサブセットに対応する。ネットワークを介して、たとえば医療スキャンデータベースに、トリアージグループ内の医療スキャン1-Rを示す識別子が送信され得る。医療スキャン1-Rの各々は、レビューのために、医療スキャンデータベース342から、および/または、医療スキャントリアージシステム8002から、1つまたは複数の医療スキャン視覚システム3002に送られ得る。代替的に、医療スキャン1-Rを示す識別子および/または各ユーザに割り当てられたトリアージされたスキャンのサブセットを示す識別子のサブセットは、各々の対応する医療スキャン視覚システム3002に送られる場合があり、医療スキャン視覚システム3002は、対応する識別子を利用することによって、それに応じてトリアージされた医療スキャンを検索する場合がある。
【0240】
正常グループ内の1つまたは複数の医療スキャンは、推定的に正常であると識別される場合があり、正常グループ内の医療スキャンを示す識別子は、同様に、医療スキャンデータベース342および/または別のエンティティに送られる場合がある。たとえば、(1つまたは複数の)これらの医療スキャンは、正常であるとしてフラグ付けされる場合があり、レビューが既に完了しているとフラグ付けされる場合があり、経験の浅いユーザによるレビューのためにフラグ付けされる場合があり、および/または、スキャン1-Rのサブセットのレビューとは別の順序または他の方法でレビューのためにフラグ付けされる場合がある。たとえば、図12Aに例示されるように、正常グループに割り当てられた(1つまたは複数の)医療スキャン1-Qは、医療スキャン1-Nのセットの適切なサブセットに対応する。スキャン1~Rのセットおよびスキャン1-Qのセットは、相互に排他的であり、スキャン1-Nのセットに関して集合的に網羅的であり得る。ネットワーク150を介して、たとえば医療スキャンデータベース342に、正常グループ内の(1つまたは複数の)医療スキャン1-Qを示す識別子が送られ得る。Qが1に等しくなる場合があり、それ故、このサブセット内のスキャンの数は、1つのみであり得ることに留意されたい。代替的または付加的に、(1つまたは複数の)これらの医療スキャンは、前にトリアージ用に指定されたスキャンのセットから削除され得る。代替的または付加的に、正常グループ内の医療スキャンを示す識別子は、1つまたは複数の医療スキャン視覚システム3002に送られ得る。さまざまな実施形態では、(1つまたは複数の)医療スキャン1-Qを受信する(1つまたは複数の)医療スキャン視覚システム3002のユーザは、これらのスキャンが、(1つまたは複数の)対応する医療スキャン視覚システムの双方向インターフェース上のディスプレイを介して推定上正常であることを通知され得る。
【0241】
大域的な異常確率のみが推論機能8010の出力に示されるいくつかの実施形態では、追加の推論機能がトリアージグループ内の医療スキャンに適用され得る。たとえば、医療スキャンがトリアージグループ1-R内のレビュー用に指定されることが判定されると、サブモデル選択ステップが医療スキャンに適用される場合があり、1つまたは複数の追加の推論ステップを適用することによって追加の推論データを生成するために、1つまたは複数の選択されたサブモデル1-Jが適用される場合がある。いくつかの実施形態では、追加の推論データは、たとえば、対応する資格を有するユーザを選択するように異常のタイプおよび/または異常に対するローカリゼーションデータなどの追加の詳細を利用することによって、どのユーザがトリアージのために選択されるかを判定するために利用され得る。追加の推論データは、時間的感度データを示す場合があり、これは、スキャンをレビューするか、または患者を個人的により迅速に診察することが可能なユーザを選択することの判定に利用される場合がある。追加の推論データは、この情報の一部またはすべてに対応する確率を示す場合があり、画像データ内の異常の存在がより不確実であり、スキャンをレビューするために、さらに精査が必要であると判定したことに応じて、より適格なユーザが選択される場合がある。同様に、画像データ内の異常の存在が、より確実であり、および/または、より詳細に、および/またはより高い信頼度で特徴付けられていると判定したことに応じて、医療スキャンをレビューするために、それほど適格でないユーザが選択される場合があり、その場合、スキャンをレビューするためにそれほど精査が必要とされない場合がある。続く推論機能を実行することによって提供されるこの追加情報の一部またはすべては、代わりに、推論機能8010の出力として生成される元の推論データで示され得る。
【0242】
医療スキャン視覚システム3002は、対応する表示装置を介してユーザに医療スキャンを表示し得る双方向インターフェースを含み得る。この双方向インターフェースにより、ユーザは、たとえば、医療スキャン支援型レビューシステム102のインターフェース機能を利用することによって、注釈データ、報告データ、診断データ、または医療スキャンに含まれると判定された任意の異常を記述する他のデータを入力することが可能になる。実行された推論機能8010および/または追加の推論機能によって生成される追加情報の一部またはすべては、たとえば、医療スキャン支援型レビューシステム102と併せて論じられるように、医療スキャンをレビューするユーザを支援する表示のために、医療スキャンと併せて医療スキャン視覚システム3002に送信され得る。代替的に、医療スキャンが元の形式でレビューされる場合がある。医療スキャン視覚システム3002のユーザによってレビューされる医療スキャンのために生成された注釈データは、たとえば、診断データ440の一部またはすべてとして、保存のために医療スキャンデータベースに送信され得る。図12Aに示されるように、トリアージされた医療スキャン1-Nに対応する注釈データ1-Nは、たとえば、診断データ440の一部またはすべてとして、保存のために医療スキャン視覚システム3002から医療スキャンデータベース342に送信され得る。各注釈データ1-Nは、本明細書で論じられるように、構造化されたラベリングデータ、関心領域データ、非構造化テキスト、および/または任意の他の診断データ440を含み得る。
【0243】
トリアージ確率閾値が、自動的にまたは双方向インターフェース8075へのユーザ入力に基づいて変更されると、続いて受信された医療スキャンは、新たなトリアージ確率閾値に従って、トリアージグループまたは正常グループに割り当てられ得る。さらに、既に選別された医療スキャン1-Nのいくつかは、それに応じて異なるグループに切り替えられ得る。たとえば、トリアージ確率閾値がより厳正になり、スキャンに対するより高い大域的な正常確率が正常カテゴリに配置される必要がある場合、新たな、より厳正なトリアージ確率閾値と比較して好適であることに応じたトリアージのために、前のトリアージ確率閾値と比較して好適でないために正常カテゴリに含まれる1つまたは複数の医療スキャンが割り当てられ得る。これらの医療スキャンは、同様に、1人または複数人の特定のユーザによるレビュー用に指定される場合があり、および/または、レビュー用に待機される場合がある。医療スキャンデータベースは、レビューが完了するまで、これらのスキャンの指定を正常からトリアージに変更するために更新され得る。
【0244】
トリアージ確率閾値がより緩くなり、スキャンに対するより低い大域的な正常確率が正常カテゴリに配置される必要がある場合、新たな、より緩いトリアージ確率閾値と比較して好適でないことに応じた正常として、トリアージカテゴリに含まれる1つまたは複数の医療スキャンが、前のトリアージ確率閾値と比較して好適であるため、割り当てられ得る。これらの医療スキャンが、レビューのために1つまたは複数の医療スキャン視覚システム3002に既に送信されている場合、それらは、レビューするためにスキャンの待ち行列から削除される場合があり、および/または、再グループ化し、レビュープロセスで他の正常スキャン1-Qが、それらに再割り当てされる場合がある。これらの医療スキャンのための識別子は、医療スキャンデータベースに送信される場合があり、これらの医療スキャンは、医療スキャンデータベース342で正常としておよび/またはトリアージとしてフラグ付けされる場合がある。
【0245】
トリアージ確率閾値は、医療スキャントリアージシステム8002によって任意の時間に自動的に調整され得る。たとえば、医療スキャントリアージシステム8002は、推論機能8010の精度が悪化した、および/または、閾値と比較して好適でないと判定したことに応じて、トリアージ確率閾値をより厳正なトリアージ確率閾値に変更すると判定し得る。医療スキャントリアージシステム8002は、予想される平均レビュー時間が低いレビュー時間閾値と比較して好適であると判定したことに応じて、トリアージ確率閾値をより厳正なトリアージ確率閾値に変更すると判定する場合があり、したがって、システムにおいてユーザに過負荷をかけることなく、および/または、低いレビュー時間閾値と比較して好適でないと予想された平均レビュー時間を遅延させることなく、より多くの医療スキャンが、トリアージレビュー用に指定される場合がある。
【0246】
医療スキャントリアージシステム8002は、推論機能8010の精度が向上した、および/または、閾値と比較して好適であると判定したことに応じて、トリアージ確率閾値をより緩いトリアージ確率閾値に変更すると判定し得る。医療スキャントリアージシステム8002は、トリアージされた医療スキャンがより迅速にレビューされていることを保証するために、低いレビュー時間閾値と比較して好適でないと予想された平均レビュー時間を判定することに応じて、トリアージ確率閾値をより緩いトリアージ確率閾値に変更すると判定し得る。
【0247】
トリアージ割り当て機能8020を実行することは、トリアージグループ内の医療スキャンに対する優先度データを生成することを含む場合があり、たとえば、その場合、医療スキャンは、複数の医療スキャンに対して生成された複数の優先度値によって指定された順序でレビュー用に指定される。優先度値は、大域的な異常確率の関数である場合があり、大域的な異常確率によって決定付けられるように、それに、異常が存在する確率が高いほど高い値を割り当てられる場合がある。優先度値は、医療スキャンで検出される1つまたは複数のタイプの異常に対応する重症度レベルおよび/または希少度レベルの関数であり場合があり、その場合、検出されたタイプの異常がより希少またはより深刻であると判定された医療スキャンに、より高い確率値が割り当てられる。優先度値は、たとえば、推論機能8010を実行することによって生成される推論データに示された大域的な時間的感度値の関数である場合があり、その場合、時間的感度値は、推論データ内の1つまたは複数の出力ラベルに基づき、推論機能8010は、医療スキャンの訓練セットに対して判定された時間的感度に基づいて、1つまたは複数の時間的感度値を示した医療スキャンの訓練セットに対する出力ラベルを利用することによって訓練されていた。優先度値は、時間的感度値が高いほど高い値を割り当てられ得る。優先度値は、正常なまたはトリアージされた指定に基づいて、および/または、加重和、加重平均、または大域的な異常確率、重症度値、希少性値、時間的感度および/または推論データで示される他の出力ラベルのうちの1つまたは複数を含む複数の基準の他の関数に基づいて判定され得る。
【0248】
医療スキャン1-Nは、対応する優先度値によって決定付けられた順序で、レビューのために待機(queued)される場合があり、その場合、最も高い優先度値を有する医療スキャンが最初にレビューのために待機される。どのユーザが各医療スキャンをレビューするかを選択することは、優先度値の順序付けにさらに基づく場合があり、その場合、より高い優先度値を有する医療スキャンをレビューするために、医療スキャンをより迅速におよび/またはより正確にレビューすることが可能であると判定されたユーザが選択され、および/または、最も高い優先度値を有する複数の医療スキャンが複数のユーザ間で分割され、これらのユーザの各々がこれらの最も高い優先度の医療スキャンを最初にレビューし得ることを保証し、最も高い優先度のスキャンのすべてがタイムリーにレビューされることを保証する。優先度値に従ってそのユーザのために、医療スキャン視覚システム3002の特定のユーザ用に指定された医療スキャンのサブセットを待機される場合あり、ここで、対応する医療スキャン視覚システム3002の双方向インターフェースは、優先度値によって決定づけられた順序付けに従って、ワークリストまたはその他のインターフェース構造におけるレビューのために医療スキャンを一度にユーザ一人に提示する。
【0249】
実施形態では、推定される正常な医療スキャンの人によるレビューが普通にスキップされる場合でも、トリアージ確率閾値と比較して好適でない大域的な異常確率を有する一部の医療スキャンが、トリアージ用に指定され得る。たとえば、医療スキャンに対する推論データで判定された重症度、希少性、および/または時間的感度値が、対応する重症度、希少性、および/または時間的感度閾値を超える場合、これらの医療スキャンは同様にレビュー用に指定され得る。たとえば、低確率で存在する可能性がある特定のタイプの異常を示す推論データを有する医療スキャンが考慮され、ここで、大域的な異常確率は、医療スキャンをトリアージ用に指定するには十分に高くない。この特定のタイプの異常が、特に重症、希少、および/または時間的感度ではない場合、この医療スキャンを誤って正常グループに配置しても、特に有害ではないかもしれない。しかし、この特定のタイプの異常が、特に重症、希少、および/または時間的感度である場合、この医療スキャンを誤って正常グループに配置すると、有害となり得る。トリアージに対する重症度、希少性、および/または時間的感度閾値は、双方向インターフェース8075へのユーザ入力に基づいて判定される場合があり、および/または、医療スキャントリアージシステム8002によって自動的に判定される場合がある。重症度、希少性、および/または時間的感度のタイプの所見が、異常としての分類を正当化する十分に高い確率を有しているかどうかを決定づけるために、1つまたは複数の特定のタイプの異常に対する1つまたは複数の対応する確率のための追加のトリアージ確率閾値を利用することもできる。したがって、医療スキャンがトリアージグループ1-Rに分類されるかどうかの判定は、その大域的な異常確率に加えて、その重症度、希少性、および/または時間的感度値に応じたものであり得る。
【0250】
さまざまな実施形態では、医療スキャントリアージシステム8002は、少なくとも1つのプロセッサと、作動命令を保存するメモリとを含み、作動命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、医療スキャントリアージシステムに、
レビューのために複数の医療スキャン1-Nを受信するステップと、
複数の医療スキャンの各々の画像データに対して少なくとも1つの推論機能を実行することによって複数の医療スキャンの各々についての異常データを生成するステップであって、少なくとも1つの推論機能が、医療スキャンの訓練セットで訓練されたコンピュータ視覚モデルを利用し、複数の医療スキャンの各々についての異常データが、複数の医療スキャンの各々に複数の異常の少なくとも1つが存在する確率を示す大域的な異常確率を示す、ステップと、
複数の医療スキャンの各々についての大域的な異常確率をトリアージ確率閾値と比較することによって比較データを生成するステップと、
複数の医療スキャンを、比較データに基づいて、各々が複数の異常のうちの1つを有する複数の医療スキャンの第1のサブセット1-Rへと、および各々に複数の異常のいずれも存在しない複数の医療スキャン1-Qの第2のサブセットへと選別するステップと、
選別に基づいて、少なくとも1つの医療スキャン視覚システム3002への複数の医療スキャンの第1のサブセットおよび複数の医療スキャンの第2のサブセットの送信を容易にするステップと、を含む作業を実行させる。
【0251】
さまざまな実施形態では、少なくとも1つの医療スキャン視覚システム3002は、複数の医療スキャン視覚システム3002-1...3002-Gを含み、作動命令はさらに、医療スキャントリアージシステムに、複数の医療スキャンの各々を複数の医療スキャン視覚システムの1つに割り当てることによってレビュー割り当てデータを生成させる。選別に基づいて送信を容易にするステップは、レビュー割り当てデータに基づいて、複数の医療スキャンの第1のサブセットを複数の医療スキャン視覚システムの第1のサブセットに送ること、およびレビュー割り当てデータに基づいて、複数の医療スキャンの第2のサブセットを複数の医療スキャン視覚システムの第2のサブセットに送ることを含み得る。レビュー割り当てデータは、複数の医療スキャン視覚システムの第1のサブセットの少なくとも1人の第1のユーザに対応する、および、複数の医療スキャン視覚システムの第2のサブセットの少なくとも1人の第2のユーザに対応する経験データに基づいて生成され得る。
【0252】
さまざまな実施形態では、選別に基づいて送信を容易にするステップは、少なくとも1つの医療スキャン視覚システムへの複数の医療スキャンの第1のサブセットおよび複数の医療スキャンの第2のサブセットの送信の順序付けを含む。たとえば、少なくとも1つの医療スキャン視覚システム3002は、所定の順序でグループ化された複数の医療スキャンの第1のサブセットおよび複数の医療スキャンの第2のサブセットを提示するワークリストを表示する双方向インターフェースを含む。たとえば、順序は、ワークリストにおいて複数の医療スキャンの第2のサブセットの前に複数の医療スキャンの第1のサブセットを提示され得る。順序は、ワークリストにおいて複数の医療スキャンの第2のサブセットの前に複数の医療スキャンの第1のサブセットを提示され得る。このように、正常スキャンは、ユーザのワークリストの上部または下部のいずれかに優先度が付けられ得る。
【0253】
正常スキャンは、たとえば、ユーザに特有のユーザの好みに基づいて、特定の放射線科医のワークリストの上部または下部に選別され得る。一部の放射線科医は、疲れて認知エラーをより起こしやすい1日の終わりのために正常スキャンが「保存」されるときに、より良好にパフォーマンスを発揮し得る。他の放射線科医は、最初にレビューセッションでいくつかのスキャンのレビューを迅速に完了することによって「学習性無力感」と闘うために正常スキャンが最初に提示されるときに、より良好にパフォーマンスを発揮し得る。医療スキャンレビューシステム3002に保存されたプリファレンスデータは、ユーザ用に設定され、これらの順序付けを選択するために使用され得る。
【0254】
付加的または代替的に、因子検出システム4300から受信されるユーザに特有の系統因子または認知因子を表す因子データに基づいて、特定の放射線科医のワークリストの上部または下部に、正常スキャンが選別され得る。たとえば、医療スキャン視覚システム3002は、少なくとも1つの医療スキャン視覚システムのユーザに関連付けられるエラーに寄与する1つまたは複数の因子を識別する因子データを受信する場合があり、その場合、順序は因子データに応じて生成される。1つまたは複数の因子は、複数の表示ツールの特定の1つを使用すること、表示ツールの特定のインターフェース機能を使用すること、一日の特定の時間、および/または、ユーザのレビューセッションでの多数の事前のレビュー後、またはレビューセッションの特定の期間後に関連付けられるユーザによるレビューのために頻繁に発生するエラーを示す少なくとも1つの系統因子を含み得る。付加的または代替的に、1つまたは複数の因子は、アンカリングバイアス因子、フレーミングバイアス因子、検索因子の満足度、報告因子の満足度、またはトンネルビジョン因子などの、少なくとも1つの認知因子を含み得る。特定の放射線科医のパフォーマンスが、たとえば、午後3時以降、または12のトリアージされたスキャンを含むセッション後に低下した場合、ワークリストは、精神的努力があまり必要とされない正常スキャンの提示にシフトし得る。他の放射線科医は、ユーザをより困難なトリアージされたスキャンに対する速度にもっていくために、正常スキャンが最初に提示されたときに、より良好にパフォーマンスを発揮し得る。
【0255】
さまざまな実施形態では、ワークリストにおける提示の順序は、因子データに含まれる条件が満たされるまで、トリアージされた医療スキャンまたは正常医療スキャンのいずれかをワークリストに提示することを保留し得る。たとえば、特定のインターフェース機能が使用されている中で、一日の特定の時間の前、一日の特定の時間の後、または特定数のスキャンがレビューセッションでレビューされた後に、ユーザの因子データが、正常スキャンまたはトリアージされたスキャンのいずれかに対する性能が低いことを示している例を考慮されたい。この性能の低下に関連付けられるスキャンのサブセットは、この状態が存在しなくなるまで、ワークリストへの提示を保留され得る。さまざまな実施形態では、保留されたスキャンにタイムアウトフェイルセーフ機構が適用される場合があり、これにより、たとえば、少なくとも調査がレビューのために提示されるように、所望の「条件」が満たされない場合でも、保留されたスキャンを同じユーザまたは別のユーザのワークリストに送る。たとえば、保留されたスキャンは、24時間か、またはより長いか、もしくはより短いかの何らかの他の所定のタイムアウト期間のような、所定の時間枠内で転送される場合があり、そうでなければ、それは、無視されることになる場合があり、長すぎる待ち行列となる。
【0256】
図12Bは、さまざまな実施形態による医療スキャン視覚システムの概略ブロック図である。特に、ユーザによるレビューを求めて医療スキャン3120を検索するために、医療スキャンデータベース342および/または他の医療スキャンデータベースと併せて使用され得る、医療写真アーカイブシステム2620などの、医療スキャン視覚システム3002が提示される。
【0257】
さまざまな実施形態では、医療スキャンデータベース342は、CT装置、MRI装置、X線装置、および/または医療スキャン3120を作成する他の医療撮像マシンなどの複数のモダリティマシンから画像データを受信し得る。医療スキャン3120は、CTスキャン、X線、MRI、PETスキャン、超音波、EEG、マンモグラム、または人体、動物、または他の有機体の解剖学的領域から撮影された他のタイプの放射線スキャンまたは医療スキャンに対応する画像データを含む場合があり、画像データに対応するメタデータをさらに含む場合がある。PACSまたは他のデータベースなどの、医療スキャンデータベース342は、図4Aおよび4Bと併せて記載された属性の一部またはすべてと併せて説明されるように、これらの医療スキャン3120をDICOM画像フォーマットまたは他の医療スキャン画像データ410で保存する場合があり、および/または、画像データを複数の医療スキャンエントリ352に保存する場合がある。
【0258】
さまざまな実施形態では、医療スキャン視覚システム3002は、クライアント装置120などのクライアント装置、または医療トリアージ、診断、管理評価、監査、および/または訓練を目的に報告データベース392に保存された報告データ3122および/または医療スキャンデータベース342に保存された注釈された医療スキャン3123の準備の際に放射線科医または他の医療専門家などのユーザを支援するPACSビューアまたは他の対話型視覚システムとして作動する他のコンピュータを含む。医療スキャン視覚システム3002は、図1に最初に導入された医療スキャン支援型レビューシステム102、医療スキャン報告ラベリングシステム104、医療スキャン注釈者システム106、医療スキャン診断システム108、医療スキャンインターフェース機能評価者システム110、医療スキャン画像解析システム112、医療スキャン自然言語解析システム114、および/または医療スキャン比較システム116と併せて前に説明された機能および特徴を含み得る。
【0259】
医療スキャン視覚システム3002は、注釈システム2612を含み、たとえば、マルチラベル生成システムとして作動して、コンピュータ視覚技術、自然言語処理、または他の人工知能(AI)モデルを利用する所与の医療スキャン3120のために1つまたは複数の推論機能から推論データを自動的に作成する。この自動的に生成された推論データは、ユーザが報告データ3122および/または注釈された医療スキャン3123を生成および/または更新するのを支援するために使用され得る。作動時、推論データは、推論機能がこれらの異常の存在を検出したときに、1つまたは複数の異常の存在を示す。推論データは、推論機能が異常の存在の検出に失敗したときに、異常が存在しないことを示す。図12Aと併せて論じられたように、トリアージプロセスで使用されるトリアージ確率閾値と比較したときに、ROC曲線上のより低い感度の動作点が、医療スキャン視覚システム3002により利用される推論機能によって使用され得る。これによって、より多くのユーザの精査が容易になり、ユーザは、たとえば、トリアージプロセスによって十分な注意を必要としないと「発見」された異常を除外することが可能になる。注釈システム2612は、それ自体の処理システム2682を有するものとして図8Bに示されているが、処理システム3106の作動は、処理システム2682と組み合わせて、単一の処理モジュールまたは他のプラットフォームを介して作動し得る。
【0260】
注釈された医療スキャン3123は、注釈されたDICOMファイルまたは何らかの他のフォーマットでの注釈された医療画像データとなり得る。注釈されたDICOMファイルは、図4Aおよび4Bの診断データ440および/または異常注釈データ442および/または他の報告データおよび注釈のフィールドの一部またはすべてを含み得る。注釈されたDICOMファイルは、たとえば、医療スキャン支援型レビューシステム102での使用のために、DICOM画像で異常を視覚的に示すように、および/または、そうでなければ、注釈データを視覚的に提示するように、元のDICOM画像と併せて使用され得る識別された異常および/または表示データの位置データを提供する、スキャンオーバーレイデータを含み得る。たとえば、匿名化された医療スキャンで識別された異常の位置を示すために、DICOM提示状態ファイルが生成され得る。DICOM提示状態ファイルは、注釈データを元のDICOM画像にリンクするために、たとえば、DICOM提示状態ファイルのメタデータに、元のDICOM画像の識別子を含み得る。他の実施形態では、完全な複製のDICOM画像が生成され、これは、この複製の注釈されたDICOM画像を元のDICOM画像にリンクする識別子を有する注釈データを含む。
【0261】
報告データ3122は、テキストとしてフォーマットされる場合があり、随意に、他の媒体を含む場合があり、たとえば、図4Aおよび4Bと併せて説明されるような診断データ440、異常データ440、患者病歴データ430、診断作成者データ450、スキャン分類子データ420、信頼スコアデータ460、および/または他の報告データを含む場合がある。放射線医学情報システム(RIS)または他のデータベースなどの報告データベース392は、報告データ3122を、医療スキャンデータベース342によって保存された医療スキャン3120に対応する複数の医療報告として保存する。
【0262】
医療スキャン視覚システム3002は、ネットワークインターフェース3102と、プロセッサを含む処理システム3106と、記憶装置3104と、タッチスクリーンまたは他の表示装置などの表示装置3108と、マイク、スピーカー、マウス、タッチパッド、サムホイール、ジョイスティック、1つまたは複数のボタン、および/またはユーザが医療スキャン視覚システム3100と対話することを可能にする他の装置などの、双方向インターフェース3110とを含んでいる。作動時に、記憶装置3104は、処理システム3106によって実行されたときに、医療スキャン視覚システム3002のさまざまな作業を実行するようにプロセッサを構成する実行可能命令を保存し、当該作動は、たとえば、
レビューのための医療スキャン3120の選択を容易にする双方向インターフェース3110などの対話型ユーザインターフェースを提供するステップと、
ネットワークインターフェース3102を介して医療スキャンデータベース342からの医療スキャン3120の検索を容易にするステップと、
対話型ユーザインターフェースを介して、ユーザによるレビューのための表示装置3108上の医療スキャン3120の表示を容易にするステップと、
対話型ユーザインターフェースを介して、報告データ3122および/または注釈された医療スキャン3123の生成および収集を容易にするステップと、
ネットワークインターフェース3102を介して、報告データベース392への報告データ3122の送信を容易にするステップと、および/または、
ネットワークインターフェース3102を介して、医療スキャンデータベース342への注釈された医療スキャン3123の送信を容易にするステップと
を含んでいる。
【0263】
さまざまな実施形態では、医療スキャン視覚システム3002は、所定の順序でグループ化されたトリアージされた医療スキャンおよび正常医療スキャンを提示するワークリストを表示する双方向インターフェース3110を含む。たとえば、順序は、ワークリストにおいて正常スキャンの前にトリアージされたスキャンを提示する場合があり、その逆もしかりである。このように、正常スキャンは、ユーザのワークリストの上部または下部のいずれかに優先度が付けられ得る。特定の放射線科医のワークリストの上部または下部での正常スキャンの順序付けは、ユーザに特有のユーザプリファレンスデータおよび/または因子検出システム4300から受信した因子データに基づき得る。前に論じたように、ワークリストにおける提示の順序は、因子データに含まれる条件が満たされるまで、トリアージされた医療スキャンまたは正常医療スキャンのいずれかをワークリストに提示することを保留し得る。
【0264】
図12C~12Eは、さまざまな実施形態による双方向インターフェースの例示的な画面表示の例示である。特に、さまざまな医療スキャン視覚システム3002の双方向インターフェース3110の画面表示の例が示される。図12Cでは、ユーザの好み、因子データ、またはデフォルトパラメータに基づいて、正常スキャンがワークリストの上部でグループ化されるワークリストが提示される。図12Dでは、ユーザの好み、因子データ、またはレビュー割り当てデータに基づいて、正常スキャンがワークリストの下部でグループ化されるワークリストが提示される。図12Eでは、正常スキャン1-Qが、1つの医療スキャン視覚システムで経験の浅いユーザ「DEF67890」のワークリストにルーティングされ、一方で、トリアージされたスキャン1-Rが、別の医療用スキャン視覚システムでより経験豊富なユーザ「ABC12345」のワークリストにルーティングされる、ワークリストが示される。
【0265】
図12Fは、さまざまな実施形態による遡及的不一致フラグシステムの概略ブロック図である。遡及的不一致フラグシステム3300は、選択された医療スキャンのセットの自動化された遡及的レビューを実行した結果に基づいて、医療スキャンにフラグ付けするように利用し得る。医療スキャンをレビューする、および/または、医療報告を生成する際に、医療専門家によって犯された潜在的なエラーに関する遡及的洞察を提供する、遡及的不一致通知が生成され得る。遡及的不一致フラグシステム3300は、さらなる解析のために潜在的なエラーを自動的に判定してフラグ付けすることによって、表示ツールおよびレビューシステムの技術を向上させる。
【0266】
さまざまな実施形態では、各々が患者のセットの1つおよび/または調査のセットの1つに対応する、1つまたは複数の医療スキャンのセットが、遡及的レビューのために選択され得る。これらの選択された医療スキャンおよびそれらの対応する医療報告は、それらに応じて検索され得る。複数の医療スキャンで訓練されたコンピュータ視覚モデルを利用して医療スキャンに対して推論機能を実行することによって、1つまたは複数の医療スキャンの各々に対して自動化された評価データが生成され得る。1つまたは複数の医療スキャンの閲覧と併せて放射線科医または他の人によって行われた診断または所見に対応する人による評価データが、対応する医療報告から抽出された所見に基づいて生成され得る。自動化された評価データと人による評価データとを比較することによって、コンセンサス機能が実行される場合があり、遡及的不一致フラグシステムは、比較が好適であるか否かを判定し得る。比較が好適でないことをコンセンサス機能の結果が示す場合、対応する1つまたは複数の医療スキャンが遡及的不一致通知でフラグ付けされる場合があり、当該遡及的不一致通知は、表示のためにクライアント装置に送信され、さらなる解析のために使用される場合があり、たとえば、完全に自動化された方法で、特定の医療専門家、機関、表示ツールおよび具体的なインターフェース機能、病状に関連付けられるエラー因子および他の傾向を判定する。
【0267】
図12Fに示されるように、遡及的不一致フラグシステム3300は、ネットワーク150を介して、医療スキャンデータベース342、医療報告データベース392、ユーザデータベース344、および/またはデータベース格納システム140の他のデータベース、および図12Fには示されていないが、図1の1つまたは複数のサブシステム101と双方向に通信し得る。いくつかの実施形態では、医療報告データベース392は、報告データベース2625を利用することによって実装され得る。いくつかの実施形態では、医療報告が、医療スキャンデータベース342から報告データ449として代わりに検索され、および/または、医療報告データベース392は、医療スキャンデータベース342の対応する医療スキャンエントリの報告データ449に対応するエントリを含む。
【0268】
さまざまな実施形態では、遡及的不一致フラグシステム3300は、少なくとも1つのプロセッサ、および作動命令を保存するメモリを介して実装され、当該作動命令は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されたときに、遡及的不一致フラグシステムに、
サブシステムネットワークインターフェース265などのネットワークインターフェースを介して、医療スキャン、および医療スキャンのレビューと併せて医療専門家/ユーザによって作成された医療スキャンに対応する医療報告を受信させる。遡及的不一致フラグシステム3300はまた、複数の医療スキャンで訓練されたコンピュータ視覚モデルを利用して第1の医療スキャンに対して推論機能3310を実行することによって自動化された評価データを生成するように作動し、医療報告に対して抽出機能3320を実行することによって人による評価データを生成し、さらに自動化された評価データおよび人による評価データに対してコンセンサス機能3395を実行することによってコンセンサスデータを生成する。コンセンサス機能3395を実行することは、自動化された評価データを人による評価データと比較することを含み得る。遡及的不一致フラグシステム3300はまた、自動化された評価データが第1の人による評価データと比較して好適であるか否かをコンセンサスデータが示すかどうかを判定する、すなわち、それらが一致するか否かを判定するように作動する。自動化された評価データが人による評価データと比較して好適でないことをコンセンサスデータが示す、すなわちそれらが一致しないと判定したことに応じて、遡及的不一致通知が生成される。
【0269】
さまざまな実施形態では、遡及的不一致通知は、医療スキャンに関連付けられる少なくとも1つの画像、および自動化された評価データと人による評価データとの間の少なくとも1つの不一致を示す遡及的不一致データを含む。たとえば、遡及的不一致通知は、自動化された評価データまたは人による評価データのいずれかに基づいて、医療スキャンの識別、不一致を含む医療スキャンにおける画像および/または画像部分の特定のサブセットの識別、および/または存在または不存在のいずれかであると判定される複数の病状を含み得る。遡及的不一致通知は、医療報告、および医療報告を生成した医療専門家の識別の他に、不一致の性質に関する情報も含み得るか、または示すこともできる。たとえば、遡及的不一致通知は、自動化された評価データが特定の異常または他の病状の存在を示し、一方で、人による評価データが示さなかったこと、またはその逆であったことを示し得る。特定の異常または他の病状は、たとえば、遡及的不一致通知に、対応する医療コード、医学用語、および/または他の異常分類データを含めることによって識別され得る。付加的または代替的に、遡及的不一致通知は、報告が生成された時間、主題の医療報告を含むレビューセッションでユーザによって生成される医療報告の数、医療報告が生成された時間でのレビューセッションを介する進行状況、別の医療専門家による予備診断および/またはユーザによるレビューのリクエスト、報告を生成するためにユーザによって使用されるPACSビューアまたはその他のユーザインターフェースの種類、および/または医療報告または医療スキャンから導出された他のデータまたはメタデータなどの、医療報告の生成に関する他の情報を提供し得る。
【0270】
遡及的不一致フラグシステム3300はまた、サブシステムネットワークインターフェース265などのネットワークインターフェースを介して、ネットワーク150を介した遡及的不一致通知を他のサブシステム101に送信するように作動する。さまざまな実施形態では、遡及的不一致フラグシステム3300は、それ自体が、図2Bのサブシステム記憶装置245、サブシステム処理装置235、および/またはサブシステムネットワークインターフェース265を利用することによって実装された、医療スキャン処理システム100の追加のサブシステム101である。いくつかの実施形態では、遡及的不一致フラグシステム3300は、中央サーバシステム2640を利用するか、またはそうでなければそれと通信する。たとえば、データベース格納システム140のデータベースの一部またはすべては、医療写真アーカイブ統合システム2600によって生成された匿名化されたデータを投入される。遡及的不一致フラグシステム3300は、匿名化された医療スキャン、注釈データ、および/または報告を、医療写真アーカイブ統合システム2600から直接受信し得る。たとえば、遡及的不一致フラグシステム3300は、リクエストされた基準に一致する匿名化された医療スキャン、注釈データ、および/または報告をリクエストし得る。いくつかの実施形態では、遡及的不一致フラグシステム3300の一部またはすべては、他のサブシステム101を利用することによって実装され、および/または、1つまたは複数の他のサブシステム101と併せて記載された機能または他の作業を実行するように作動可能である。
【0271】
遡及的不一致フラグシステム3300は、レビューのために1つまたは複数の医療スキャンを遡及的に選択し得る。1つまたは複数の医療スキャンは、ランダムに、非ランダム/系統的監査の一部として、擬似ランダムに選択される場合があり、選択された基準に基づいて選択される場合があり、ピアレビュースケジュールに基づいて選択される場合があり、レビューする医療スキャンの判定された割合に基づいてされる場合があり、時間枠内でレビューする医療スキャンの選択された頻度またはレートに基づいてされる場合がある。さらに、そのような監査は、レビューのために前にフラグ付けされた、1つまたは複数の前の遡及的不一致通知に関連付けられるか、または、そうでなければ、閾値数を超えるなど、多数の医療スキャンに基づく、1つまたは複数の前のエラーの識別によって引き起こされる特定の医療専門家に関連付けられる非ランダムな監査である場合があるか、そうでなければ、事前のレビュー結果に基づいて選択される場合があり、特定のPACS視覚システム、ユーザ、および/または、機関に関連付けられる反復されるか、または系統的な、または認知的なエラーの識別に応じて選択される場合があり、特定の病状の有無に基づいて選択される場合があり、および/または、他の因子に基づいて選択される場合がある。この選択は、レビューのために医療スキャンの数を選択すること、選択された医療スキャンのタイプ、モダリティ、および/または選択された解剖学的領域に対応するレビューのために医療スキャンを選択すること、選択された医療専門家が、対応する注釈データ、診断データ、および/または報告データを作成されるか、または、そうでなければ、生成される、レビューのために医療スキャンを選択すること、選択された医療エンティティに関連付けられるレビューのために医療スキャンを選択すること、選択された地理的領域に関連付けられるレビューのために医療スキャンを選択すること、選択された診断タイプに関連付けられるレビューのために医療スキャンを選択すること、選択された患者病歴または患者の人口統計学的基準を満たす患者に関連付けられるレビューのために医療スキャンを選択すること、他の選択基準に基づいてレビューのために医療スキャンを選択すること、および/または、そうでなければ、受信した基準および/または遡及的不一致フラグシステム3300によって自動的に判定された基準に基づいて医療スキャンを選択することを含み得る。選択基準の一部またはすべては、ユーザインターフェースへのユーザ入力を介して、ネットワークを介して、および/または、1つまたは複数の他のサブシステム101を介して受信され得る。
【0272】
選択された医療スキャン、医療報告、医療専門家、医療エンティティ、および/または患者に対する選択基準および/または識別子は、遡及的不一致フラグシステム3300によって、選択された医療スキャンおよび/または対応する医療報告をデータベースシステム140から取得するように利用され得る。さまざまな実施形態では、医療スキャンおよび/または対応する医療報告は、医療写真アーカイブシステムおよび/または報告データベースから検索され得る。いくつかの実施形態では、医療スキャンおよび/または対応する医療報告は、たとえば、医療写真アーカイブ統合システム2600を利用することによって、レビューの前に匿名化され得る。
【0273】
医療スキャンおよび/または医療報告を受信すると、抽出機能3320を医療報告に適用することによって、人による評価データが生成され得る。いくつかの実施形態では、医療スキャンのみが受信され、抽出機能3320が、医療スキャンのメタデータ、または医療スキャンの画像データと共に含まれた他の人が生成した所見に適用される。人による評価データは、病変追跡システム3002と併せて論じられた人による評価データに対応する場合があり、医療専門家によって生成された注釈データに対応する場合があり、医療専門家によって検出された病変または他の異常の医療専門家によって行われた測定に対応する場合があり、医療専門家によって検出された1つまたは複数の異常または他の病状の医療専門家によって行われた分類に対応する場合があり、医療専門家によって行われた診断に対応する場合があり、および/または、人によって判定された、医療スキャンにおける他の測定または所見に対応する場合がある。抽出機能は、医療スキャンのメタデータから、診断データ440などの医療スキャンエントリ352のフィールドから、および/または、医療報告のテキスト、メタデータ、または他のフィールドから、人による評価データを抽出するように利用され得る。いくつかの実施形態では、抽出機能3320を実行することは、医療スキャン自然言語解析機能および/または推論機能を実行することを含み得る。たとえば、医療スキャン自然言語解析機能は、医療報告のテキストなどの、医療専門家によって行われた所見に対応するテキストに対して実行され得る。
【0274】
医療スキャンに対して少なくとも1つの推論機能3310を実行することによって、自動化された評価データが生成される。いくつかの実施形態では、推論機能3310は、医療スキャンの画像データ単独に対して実行され得る。他の実施形態では、推論機能3310は、自動化された評価データを生成するように、画像データに加えて、患者病歴または医療スキャンエントリ342の他のデータなどの他の関連データを利用し得る。推論機能3310は、本明細書で論じられるように複数の医療スキャンに対して、たとえば、医療スキャン画像解析システム112によって訓練されたコンピュータ視覚モデルを利用し得る。推論機能3310を実行することは、本明細書で論じられる1つまたは複数の病変測定機能を実行して、測定データを生成することを含む場合があり、および/または、自動化された評価データは、病変追跡システムと併せて論じられる自動化された評価データに対応する場合がある。推論機能3310を実行することは、本明細書で論じられる任意の医療スキャン解析機能および/または推論機能を実行して、自動的に生成された注釈データ、診断データ、異常検出データ、および/または、異常または他の病状に関連付けられる異常分類データに対応する自動化された評価データを生成することを含み得る。
【0275】
コンセンサス機能3395は、人による評価データおよび自動化された評価データに対して実行され、コンセンサスデータを生成し得る。自動化された評価データの1つまたは複数のタイプのフィールドおよび/または値は、人による評価データの1つまたは複数の同じタイプのフィールドおよび/または値に対応する場合があり、人による評価データと自動化された評価データの比較を可能にする。コンセンサス機能を実行することは、自動化された評価データと人による評価データとの間の相違を測定すること、および測定された相違が、相違の閾値と比較して好適であるか否かを判定することを含み得る。たとえば、相違を測定することは、類似機能を実行することを含む場合があり、値または論理結果の差(たとえば、はい対いいえ、条件が存在する場合に対する条件が存在しない場合、スキャンが正常である場合に対するスキャンが異常である場合など)を計算することを含む場合があり、値または論理結果が一致するか否か、または、そうでなければ、比較して好適であるか否かを判定することを含む場合があり、および/または、人による評価データと自動化された評価データの特徴ベクトル間のユークリッド距離を計算することを含む場合がある。測定された相違が相違の閾値と比較して好適でない場合、比較は好適でないないと判定され、測定された相違が相違の閾値と比較して好適である場合、比較は好適であると判定される。相違の閾値は、いかなるレベルの相違も許可しないように設定もしくは予め判定され得るか、またはある程度のレベルの相違を許可するように設定もしくは予め判定され得る。コンセンサス機能を実行する際に好適でない比較をもたらす医療スキャンは、対応する遡及的不一致通知の生成のためにフラグ付けされ得る。
【0276】
さまざまな実施形態では、調査全体の遡及的なレビュー/監査が行われる。遡及的不一致フラグシステムは、レビューのために複数の縦断的データセットを検索する場合があり、その場合、縦断的データの各セットは患者のセットの1つに対応する。遡及的不一致フラグシステムは、縦断的データの各セットに対する人による評価データを抽出する場合があり、縦断的データの各セットに対する自動化された評価データを生成する場合があり、この人による評価データを縦断的データの各セットに対する自動化された評価データと比較する場合がある。患者に対応する縦断的データは、たとえば病変追跡システムと併せて論じられるように、レビューされ得る。人による評価データは、1つまたは複数の病変の人による測定および/または1つまたは複数の病変の人による分類に対応し得る。自動化された評価データは、1つまたは複数の病変測定機能を実行することによって、および/または、本明細書で論じられるように異常分類ステップ1374を実行することにより病変を分類することによって生成され得る。コンセンサス機能が実行される場合があり、人による評価データおよび縦断的データのセットの自動化された評価データが好適でない比較をもたらす場合、調査全体は、対応する遡及的不一致通知の生成のためにフラグ付けされる場合がある。
【0277】
図12Gは、さまざまな実施形態による因子検出システムの概略ブロック図である。特に、共通の参照番号によって参照される図12Fおよび12Aに提示されるいくつかの同様の要素を含むシステムにおいて、因子検出システム4300が示される。さまざまな実施形態では、因子検出システム4300は、図12Aおよび12Bと併せて論じられるように、レビュー中のスキャンのワークリストを提示/調整する際の使用のために、因子データを生成して、それを医療スキャン視覚システム3002に送信するように構成されている。
【0278】
特に、因子検出システム4300は、遡及的不一致フラグシステム3300からの複数の遡及的不一致通知に基づいて、因子データを生成するように構成されている。因子データは、特定の医療専門家、医療専門家の選択されたサブセット、医療専門家の全セット、PACSビューアもしくは他の表示ツールもしくはそのインターフェース機能、医療機関、または他のエンティティのいずれかに関連付けられるエラーに寄与する1つまたは複数の因子を識別する。たとえば、因子検出システム4300は、遡及的不一致通知を経時的に解析して、放射線科医または他の医療専門家によって行われた医療スキャンのレビューにおける誤りの傾向を評価および識別し、さらに系統因子、認知因子、および/または、これらのエラーを導くように見える他の因子を識別し得る。これによって、完全に自動化された方法で、将来のエラーの防止を助けるために使用され得るエラーおよびバイアスの識別を支援することにより、表示ツールおよび解析ツールとシステムの技術が向上する。
【0279】
さまざまな実施形態では、遡及的不一致フラグシステム3300は、モデルによって生成された出力または他のレビュー担当者によって生成された監査のいずれかとの不一致を有すると識別されたスキャンを含む、特定の放射線科医によってレビューされた医療スキャンのセットおよび対応する医療報告を識別し得る。遡及的不一致フラグシステム3300によって、モデル出力を利用するスキャン/報告に対して、非ランダム監査が自動的に実行され、たとえば遡及的不一致通知に基づいて、不一致のあるスキャンを判定する場合があり、および/または、ランダム監査が自動的に実行され、特定の放射線科医のためにスキャンを収集し、非ランダム監査で検出された不一致のあるスキャンに基づいて、それらのエラー率を判定する場合がある。たとえば、(ランダム監査から判定された)それらのエラー率が閾値を超えた場合にのみ、放射線科医は、このプロセスに対してフラグ付けし得る。医療スキャン/報告のセットは、ランダムに、非ランダム/系統的監査の一部として、擬似ランダムに監査のために選択される場合があり、選択された基準に基づいて選択される場合があり、ピアレビュースケジュールに基づいて選択される場合があり、レビューする医療スキャンの判定された割合に基づいて選択される場合があり、時間枠内でレビューする医療スキャンの選択された頻度またはレートに基づいて選択される場合がある。さらに、そのような監査は、レビューのために前にフラグ付けされた、1つまたは複数の前の遡及的不一致通知に関連付けられるか、または、そうでなければ、閾値数を超えるなど、多数の医療スキャンに基づく、1つまたは複数の前のエラーの識別によって引き起こされた特定の医療専門家に関連付けられる非ランダムな監査である場合があるか、そうでなければ、事前のレビュー結果に基づいて選択される場合があり、特定のPACS視覚システム、ユーザ、および/または、機関に関連付けられる、反復されるか、または系統的な、または認知的なエラーの識別に応じて選択される場合があり、特定の病状の有無に基づいて選択される場合があり、および/または、他の因子に基づいて選択される場合がある。この選択は、レビューのために医療スキャンの数を選択すること、選択された医療スキャンのタイプ、モダリティ、および/または、選択された解剖学的領域に対応するレビューのために医療スキャンを選択すること、選択された医療専門家が、対応する注釈データ、診断データ、および/または報告データを作成するか、または、そうでなければ、生成した、レビューのために医療スキャンを選択すること、選択された医療エンティティに関連付けられるレビューのために医療スキャンを選択すること、選択された地理的領域に関連付けられるレビューのために医療スキャンを選択すること、選択された診断タイプに関連付けられるレビューのために医療スキャンを選択すること、選択された患者病歴または患者の人口統計学的基準を満たす患者に関連付けられるレビューのために医療スキャンを選択すること、他の選択基準に基づいてレビューのために医療スキャンを選択すること、および/または、そうでなければ、受信した基準および/または遡及的不一致フラグシステム3300によって自動的に判定された基準に基づいて医療スキャンを選択することを含み得る。因子検出システム4300は、(たとえば、各スキャン/報告のメタデータに提示されるか、または各スキャン/報告に対して実行されたモデルの出力から抽出された情報に基づいて、さらに監査における全体的な医療スキャン/報告の一部のサブセットに対応する遡及的不一致通知に基づいて)この医療スキャンのセットにおいて識別された傾向を評価して、エラーの原因となる特定の系統因子および/または認知因子を判定し得る。
【0280】
系統因子および認知因子を識別することは、放射線科医に送られた報告/放射線医のレビューへの照会を考慮すること、傾向基準を満たす放射線科医によっておかされたすべてのエラーの割合を判定し、閾値と比較すること、および/または、この傾向基準が、すべての正しくレビューされたスキャンの割合未満で存在するかどうかを判定し、この割合を閾値と比較することを含む場合があり、たとえば、放射線科医が午後5時以降にあらゆるスキャンをレビューした場合、「放射線科医が午後5時以降にエラーを活用する」という傾向は、系統的エラーとして有効ではない。因子を識別することは、このプロセスですべての放射線科医にわたって検出された傾向を比較すること、およびすべての放射線科医にわたってエラーおよび/または非エラーに相関した共通の傾向を検出することを含み得る(たとえば、多くの放射線科医にわたるエラーがあるスキャンは、午後5時以降にこれらの放射線科医によってレビューされたスキャンの相当な割合に対応し、これは、午後5時以降のレビューが、将来的に直接検索され得る多くの放射線科医にわたって共通する傾向であることの因果関係を暗示し得るか、または、そうでなければ、それを示唆し得る)。因子を識別することは、その因子を特定のタイプのスキャン/身体部位/異常にリンクすることを含み得る(たとえば、心肥大を含むスキャンが提示された場合、放射線科医Xにはフレーミングバイアスが優位である)。
【0281】
識別された因子は、(図12Aおよび12Bと併せて前に論じたように)放射線科医のレビューのために病院/医療エンティティに、PACSツールメーカーまたはインターフェース開発者(特定のツールに系統的エラーを引き起こす優位な傾向がある場合)に、および/または、レビューの向上を誘導する放射線科医に提示され得る。識別された因子は、すべての放射線科医、特定の病院の放射線科医、特定の地理的領域の放射線科医、特定の調査分野の放射線科医などにわたって処理および解析されて、同じ病院/地理的領域/調査分野などにわたって優位な系統因子および/または認知因子が存在するかどうかを判定し得る。
【0282】
いくつかの実施形態では、因子検出システム4300は、医療スキャン処理システム100の追加のサブシステム101であり、ネットワーク150と双方向に通信するように構成され、さらに、図2Bのサブシステム記憶装置245、サブシステム処理装置235、および/またはサブシステムネットワークインターフェース265を利用することによって作動する。遡及的不一致フラグシステム3300とは別に示されているが、他の例では、これらの2つのシステムは、少なくとも1つのプロセッサと、両方の機能を実行するための作動命令を保存するメモリとを備えた単一のプラットフォームで一緒に実装され得る。
【0283】
前に論じたように、遡及的不一致通知は、自動化された評価データまたは人による評価データのいずれかに基づいて、医療スキャンの識別、不一致を含む医療スキャンにおける画像および/または画像部分の特定のサブセットの識別を含み得る。遡及的不一致通知はまた、医療報告、および医療報告を生成した医療専門家の識別の他、不一致の性質に関する情報も含み得るか、または示し得る。たとえば、遡及的不一致通知は、自動化された評価データが特定の異常の存在を示す場合があり、一方で、人による評価データが示さなかったこと、またはその逆であったことを示す場合がある。特定の異常または他の病状は、たとえば、遡及的不一致通知に、対応する医療コード、病状用語、および/または、他の異常分類データを含めることによって識別され得る。付加的または代替的に、遡及的不一致通知は、報告が生成された時間、主題の医療報告を含んだレビューセッションでユーザによって生成された医療報告の数、医療報告が生成された時間でのレビューセッションを介する進行状況、別の医療専門家による予備診断および/またはユーザによるレビューのリクエスト、報告を生成するためにユーザによって使用されたPACSビューアまたはその他のユーザインターフェースの種類、および/または医療報告または医療スキャンから導出された他のデータまたはメタデータなどの、医療報告の生成に関する他の情報を提供し得る。
【0284】
系統因子識別子4350および認知因子識別子4370は、統計解析、仮説検定、クラスタリングアルゴリズム、生成・テストアルゴリズム、検索ベースのアルゴリズム、畳み込みニューラルネットワーク、スタッキングニューラルネットワーク、敵対的生成ネットワーク、および/または、エラーなしで遡及的不一致通知および随意に他の医療報告からのデータに基づいて生成される他の機械学習アルゴリズムを介して、特定の不一致または遡及的不一致通知によって提示されるその他のエラーに相関する1つまたは複数の系統因子、認知因子、または他の因子を示す因子データを生成するように、推論機能を介して作用し得る。
【0285】
さまざまな実施形態では、識別された系統因子は、複数のPACSビューアおよび/または他の表示ツールの特定の1つを使用すること、および/または、表示ツールの特定のインターフェース機能を使用することに関連付けられるレビューに対してより頻繁に発生するエラーを示し得る。さらなる例では、システムエラーは、早朝、午前中、昼食時間の直前または直後、午後の中ごろ、夕食時、および/または、注意力が低下する深夜などの、1日の特定の時間にレビューに対して識別され得る。さらなる例では、システムエラーは、特定の医療専門家のレビューセッションにおける多数の事前のレビューに基づいて、たとえば、100回の連続したレビュー後に、またはレビューセッションの特定の期間後、たとえば、連続した2時間後に識別され得る。
【0286】
さまざまな実施形態では、識別された認知因子は、医療専門家が、事前診断、予備診断、または紹介医または他の医療専門家からのレビューリクエスト、たとえば腎臓結石の可能性のチェックなどの、提案された第1の情報にかなり依存する場合のアンカリングバイアスに関連付けられるレビューに対して、より頻繁に発生するエラーを示し得る。識別された認知因子は、オプションが、肯定的または否定的な意味合いで提示されるかどうかに基づいて、医療専門家がオプションを決定する場合のフレーミングバイアス因子、たとえば非常に深刻な状態の診断に対するバイアスに関連付けられるレビューに対してより頻繁に発生するエラーを示し得る。識別された認知因子は、1つ以上の異常が既に見つかった後にレビュー担当者が異常を探すのをやめた場合の検索因子の満足度または報告因子の満足度に関連付けられるレビューに対してより頻繁に発生するエラーを示し得る。識別された認知因子は、たとえば、認知確証バイアス、後知恵バイアス、および/または結果バイアスを示すトンネルビジョン因子に関連付けられるレビューに対してより頻繁に発生するエラーを示し得る。
【0287】
さまざまな実施形態では、系統因子識別子4350および認知因子識別子4370は、遡及的レビューにおいて、および/または、医療スキャン、医療専門家、および/または医療機関のフラグ付けにおいて、医療スキャン、医療専門家、および/または医療機関にわたって傾向を追跡するように作用する。たとえば、因子検出システム4300は、遡及的不一致通知を介してフラグ付けされた医療スキャンのより多い回数、割合、または頻度に相関する傾向を判定し得る。たとえば、因子検出システム4300は、医療スキャンの種類、医療スキャンの解剖学的領域、患者病歴の特定の属性、さまざまな地理的領域、医療専門家および/または医療機関の資格またはバックグラウンド、および/または、たとえば医療スキャンエントリ352またはユーザプロファイルエントリ354において、医療スキャンまたは医療専門家にマッピングされた他の属性にわたってこれらの傾向を追跡し得る。たとえば、因子検出システム4300は、より頻繁にレビューするために特定のスキャンタイプまたはモダリティにフラグ付けされる地理的領域を識別し得る。
【0288】
図12Hは、さまざまな実施形態による方法を例示するフローチャートを示している。特に、前に論じた1つまたは複数の機能または特徴と併せて使用するための方法が提示される。ステップ9402は、レビューのために複数の医療スキャンを受信することを含む。ステップ9404は、複数の医療スキャンの各々の画像データに対して少なくとも1つの推論機能を実行することによって複数の医療スキャンの各々についての異常データを生成することを含み、ここで、少なくとも1つの推論機能は、医療スキャンの訓練セットで訓練されたコンピュータ視覚モデルを利用し、複数の医療スキャンの各々についての異常データは、複数の医療スキャンの各々に複数の異常の少なくとも1つが存在する確率を示す大域的な異常確率を示す。ステップ9406は、複数の医療スキャンの各々についての大域的な異常確率をトリアージ確率閾値と比較することによって比較データを生成することを含む。
【0289】
ステップ9408は、複数の医療スキャンを、比較データに基づいて、各々が複数の異常のうちの1つを有する複数の医療スキャンの第1のサブセットへと、および各々に複数の異常のいずれも存在しない複数の医療スキャンの第2のサブセットへと選別することを含む。ステップ9410は、選別に基づいて、少なくとも1つの医療スキャン視覚システムへの複数の医療スキャンの第1のサブセットおよび複数の医療スキャンの第2のサブセットの送信を容易にすることを含む。
【0290】
さまざまな実施形態では、少なくとも1つの医療スキャン視覚システムは、複数の医療スキャン視覚システムを含み、ここで、当該方法は、複数の医療スキャンの各々を複数の医療スキャン視覚システムの1つに割り当てることによってレビュー割り当てデータを生成するステップをさらに含む。この場合、送信を容易にするステップ9410は、レビュー割り当てデータに基づいて、複数の医療スキャンの第1のサブセットを複数の医療スキャン視覚システムの第1のサブセットに送ること、およびレビュー割り当てデータに基づいて、複数の医療スキャンの第2のサブセットを複数の医療スキャン視覚システムの第2のサブセットに送ることを含む場合があり、さらに、レビュー割り当てデータは、複数の医療スキャン視覚システムの第1のサブセットの少なくとも1人の第1のユーザに対応するおよび複数の医療スキャン視覚システムの第2のサブセットの少なくとも1人の第2のユーザに対応する経験データに基づいて生成される。
【0291】
さまざまな実施形態では、少なくとも1つの医療スキャン視覚システムは、ワークリストを表示する双方向インターフェースを含み、ここで、ワークリストは、所定の順序でグループ化された複数の医療スキャンの第1のサブセットおよび複数の医療スキャンの第2のサブセットを提示する。少なくとも1つの医療スキャン視覚システムは、少なくとも1つの医療スキャン視覚システムのユーザに関連付けられるエラーに寄与する1つまたは複数の因子を識別する因子データを受信する場合があり、因子データに応じて、順序を生成する場合がある。
【0292】
本明細書で使用され得るように、用語「実質的に」および「略」は、その対応する用語および/または用語間の相対性に関する業界で認められた許容範囲を提供する。このような業界で認められた許容範囲は、1パーセント未満から50パーセントまでの範囲であり、限定されないが、部品の値、集積回路のプロセス変動、温度変動、立ち上がり時間と立ち下がり時間、および/または熱雑音に対応している。このような用語間の相対性は、数パーセントの差から大きな差までの範囲である。本明細書で使用され得るように、(1つまたは複数の)用語が、「ように構成される」、「に作動可能に連結される」、「に連結される」、および/または「連結する」は、アイテム間の直接連結、および/または、介在するアイテムを介したアイテム間の間接連結を含み(たとえば、アイテムは、限定されないが、コンポーネント、要素、回路、および/またはモジュールが含む)、ここで、間接連結の例として、介在するアイテムは、信号の情報を修正しないが、その電流レベル、電圧レベル、および/または電力レベルを調整し得る。本明細書でさらに使用され得るように、推論された連結(すなわち、1つの要素が推論によって別の要素に連結される場合)は、「に連結される」と同様に2つのアイテム間の直接連結および間接連結を含む。本明細書でさらに使用され得るように、「ように構成される」、「ように作動可能である」、「に連結される」、または「に作動可能に連結される」という用語は、アイテムが、アクティブ化されたときに、1つまたは複数の対応する機能を実行するための、電力接続、(1つまたは複数の)入力、(1つまたは複数の)出力などのうちの1つまたは複数を含むことを示し、1つまたは複数の他のアイテムへの推論された連結をさらに含み得る。本明細書でさらに使用され得るように、用語が「関連付けられる」は、別個のアイテムおよび/または別のアイテム内に埋め込まれている1つのアイテムの直接連結および/または間接連結を含む。本明細書でさらに使用され得るように、用語「自動的に」は、トリガーイベントに応じて、特に人の介入なしに、コンピュータネットワークのプロセッサによって直接引き起こされたアクションを指す。
【0293】
本明細書で使用され得るように、用語「比較して好適である」は、2つまたはそれ以上のアイテム、信号などの間の比較が所望の関係性を提供することを示す。たとえば、所望の関係性が、信号1が信号2より大きい大きさを有することである場合、信号1の大きさが信号2より大きい場合、または信号2の大きさが信号1より小さい場合に、好適な比較が達成され得る。本明細書で使用され得るように、用語「比較して好適でない」は、2つまたはそれ以上のアイテム、信号などの間の比較が所望の関係性を提供し得ないことを示す。
【0294】
また本明細書で使用され得るように、用語「処理モジュール」、「処理回路」、「プロセッサ」、「処理装置」、および/または「処理ユニット」は、単一の処理装置または複数の処理装置であり得る。このような処理装置は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、グラフィックス処理ユニット、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルロジック装置、ステートマシン、ロジック回路、アナログ回路、デジタル回路、および/または回路、および/または作動命令のハードコーディングに基づいて信号(アナログおよび/またはデジタル)を処理する任意の装置であり得る。処理モジュール、モジュール、処理回路、および/または処理ユニットは、別の処理モジュール、モジュール、処理回路、および/または処理ユニットの単一の記憶装置、複数の記憶装置、および/または組み込み回路であり得る、メモリおよび/または統合メモリ要素であり得るか、またはそれらをさらに含み得る。そのような記憶装置は、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、および/またはデジタル情報を保存する任意の装置であり得る。処理モジュール、モジュール、処理回路、および/または処理ユニットが1つを超える処理装置を含む場合、処理装置は中央に配置され得る(たとえば、有線および/または無線のバス構造を介して互いに直接連結され得る)か、または分散して配置され得る(たとえば、ローカルエリアネットワークおよび/またはワイドエリアネットワークを介した間接連結によるクラウドコンピューティング)ことに留意されたい。さらに、処理モジュール、モジュール、処理回路、および/または処理ユニットが、ステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、および/または論理回路を介してその機能の1つまたは複数を実装する場合、対応する作動命令を保存するメモリおよび/またはメモリ要素は、ステートマシン、アナログ回路、デジタル回路、および/または論理回路を含む回路内に埋め込まれ得るか、またはその外部にあり得ることに留意されたい。またさらに、メモリ要素が、図面の1つまたは複数に例示される、および/または、本明細書に記載されるステップおよび/または機能の少なくとも一部に対応するハードコードされた指示および/または作動命令を保存し、それらを処理モジュール、モジュール、処理回路、および/または処理ユニットが実行することに留意されたい。そのような記憶装置またはメモリ要素は、製品に含まれ得る。処理モジュール、モジュール、処理回路、および/または処理ユニット装置は、汎用コンピューティング装置であり得るが、処理モジュール、モジュール、処理回路、および/または処理ユニットによるハードコードされた指示および/または作動命令の実行は、そのような汎用コンピューティング装置を、図面の1つまたは複数に例示される、および/または、本明細書に記載される対応するステップおよび/または機能を実装する専用のコンピューティング装置として構成する。特に、処理モジュール、モジュール、処理回路、および/または処理ユニットによるハードコードされた指示および/または作動命令は、処理モジュール、モジュール、処理回路、および/または処理ユニットによって実行される行為およびアルゴリズムを実装する。そのような行為およびアルゴリズムは、名前で識別される場合があり、フローチャートで例示される場合があり、および/または、言葉で説明される場合がある。
【0295】
1つまたは複数の実施形態が、指定された機能の実行およびそれらの関係性を例示する方法のステップを用いて、上記で説明されている。これらの機能構成ブロックおよび方法のステップの境界および順序は、説明の便宜上、本明細書で恣意的に定義されている。指定された機能および関係性が適切に実行される限り、代替的な境界および順序が定義され得る。したがって、そのような任意の代替の境界または順序は、特許請求の範囲および精神内にある。さらに、これらの機能構成ブロックの境界は、説明の便宜上、恣意的に定義されている。特定の有意な機能が適切に実行される限り、代替の境界も定義され得る。同様に、特定の有意な機能性を例示するために、フロー図のブロックも本明細書で恣意的に定義されていてもよい。
【0296】
使用される範囲で、フロー図のブロック境界および順序は、別の方法で定義され得るが、それでもなお特定の有意な機能を実行し得る。したがって、そのような機能構成ブロックおよびフロー図のブロックおよび順序のいずれの代替の定義も、特許請求の範囲および趣旨にある。当業者は、本明細書の機能構成ブロックおよび他の例示的なブロック、モジュールおよびコンポーネントは、例示されるようか、または、個別のコンポーネント、特定用途向け集積回路、適切なソフトウェアなどを実行するプロセッサ、もしくは、それらの任意の組み合わせによって実装され得ることも理解するであろう。
【0297】
さらに、フロー図は、「開始」および/または「続く」の表示を含み得る。「開始」および「続く」の表示は、提示されたステップが、随意に、他のルーチンに組み込まれ得るか、または、そうでなければ、他のルーチンと併せて使用され得ることを反映している。これに関連して、「開始」は、提示された第1のステップの開始を示し、具体的に示されていない他のアクティビティが先行し得る。さらに、「続く」の表示は、提示されたステップが、複数回実行されることがあり、および/または、具体的に示されていない他のアクティビティが後続することがあることを反映している。さらに、フロー図はステップの特定の順序付けを示しているが、因果関係の原則が維持される限り、他の順序付けも同様に可能である。
【0298】
1つもしくは複数の実施形態は、1つもしくは複数の態様、1つもしくは複数の特徴、1つもしくは複数の概念、および/または、1つもしくは複数の例を例示するために本明細書で使用される。装置、製品、機械、および/またはプロセスの物理的な実施形態は、本明細書で論じた実施形態の1つまたは複数を参照して説明した態様、特徴、概念、実施例などの1つまたは複数を含み得る。さらに、実施形態は、図面から図面に、同じまたは異なる参照番号を使用し得る同じまたは類似の名称の機能、ステップ、モジュールなどを組み込んでいる場合があり、したがって、機能、ステップ、モジュールなどは、同じもしくは類似の機能、ステップ、モジュールなど、または異なるものであり得る。
【0299】
用語「システム」は、実施形態のうちの1つまたは複数の説明において使用される。システムは、作動命令を保存するメモリを含むか、またはそれに関連して作動するプロセッサもしくは他の処理装置、または他のハードウェアなどの装置を介して1つまたは複数の機能を実装する。システムは、独立して、および/または、ソフトウェアおよび/またはファームウェアと併せて作動し得る。また、本明細書で使用されるように、システムは、各々が1つまたは複数のシステムであり得る、1つまたは複数のサブシステムを含み得る。
【0300】
本明細書でさらに使用され得るように、コンピュータ可読メモリは1つまたは複数のメモリ要素を含む。メモリ要素は、別個の記憶装置、複数の記憶装置、または記憶装置内の記憶場所のセットであり得る。そのような記憶装置は、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、および/または、デジタル情報を保存する任意の装置であり得る。記憶装置は、ソリッドステートメモリ、ハードドライブメモリ、クラウドメモリ、サムドライブ、サーバメモリ、コンピューティング装置メモリ、および/または、デジタル情報を保存するための他の物理媒体の形態であり得る。
【0301】
1つまたは複数の実施形態のさまざまな機能および特徴の特定の組み合わせが、本明細書に明示的に記載されているが、これらの特徴および機能の他の組み合わせも同様に可能である。本開示は、本明細書に開示された特定の例によって限定されず、これらの他の組み合わせを明示的に組み込む。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図12H
【国際調査報告】