(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-04
(54)【発明の名称】共振反射デバイスの検出
(51)【国際特許分類】
H02J 50/12 20160101AFI20230828BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230828BHJP
【FI】
H02J50/12
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023511552
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-04-05
(86)【国際出願番号】 US2021045816
(87)【国際公開番号】W WO2022040020
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520310643
【氏名又は名称】アイラ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIRA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】グッドチャイルド,エリック ハインデル
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503GB08
(57)【要約】
ワイヤレス充電のためのシステム、方法および装置が開示されている。充電装置は、充電面に設けられた複数の充電セルと、充電回路と、コントローラとを具える。コントローラは、充電回路に、充電装置から励起フラックスを送信させ、励起フラックスに応答して共振が検出された場合に、充電装置による充電に互換性のある充電式デバイスが利用可能であると判定し、充電装置の電力伝送コイルに充電電流を供給するように構成され得る。励起フラックスは、互換性のある充電式デバイスに関連する第1の公称共振周波数を含む第1の周波数範囲で送信され得る。充電電流は、互換性のある充電式デバイスに関連する第2の公称共振周波数を含む第2の周波数範囲で提供され得る。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電装置の動作方法において、充電装置から励起フラックスを送信するステップであって、励起フラックスは、互換性のある充電式デバイスに関連する第1の公称共振周波数を含む第1の周波数範囲で送信されるステップと、励起フラックスに応答して共振が検出された場合に、互換性のある充電式デバイスが充電装置によって充電できると判定するステップと、充電装置の電力伝送コイルに充電電流を提供するステップであって、充電電流は互換性のある充電式デバイスに関連する第2の公称共振周波数を含む第2の周波数範囲で提供されるステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の周波数の範囲と前記第2の周波数の範囲は、第3の周波数の範囲によって分離されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の公称共振周波数は1メガヘルツと定義され、前記第2の公称共振周波数は100キロヘルツと定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記励起フラックスを伝送するステップは、前記充電装置の表面の領域内に設けられた1つまたは複数の電力伝送コイルを囲む励起コイルに励起信号を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記励起信号の反射である前記電力伝送コイルが受信した信号の位相または利得に基づいて共振を検出するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記励起フラックスを伝送するステップは、前記電力伝送コイルに励起信号を供給するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記電力伝送コイルを含む回路における位相または利得に基づいて共振を検出するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記励起フラックスを伝送するコイルにパルスを与えるステップと、前記パルスの反射の周波数に基づいて共振を検出するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
さらに、前記共振の周波数と前記第1の公称共振周波数との間の差を特定するステップと、この差に基づいて充電電流の振幅または周波数を設定するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
充電装置であって、充電回路と、コンローラであって、前記充電装置から励起フラックスを送信させ、この励起フラックスは、互換性のある充電式デバイスに関連する第1の公称共振周波数を含む第1の周波数範囲で送信され、前記励起フラックスに応答して共振が検出された場合に、互換性のある充電式デバイスが充電装置によって充電できると判定し、前記充電装置の電力伝送コイルに充電電流を提供し、この充電電流は互換性のある充電式デバイスに関連する第2の公称共振周波数を含む第2の周波数範囲で提供される、ように構成されたコントローラとを具えることを特徴とする充電装置。
【請求項11】
前記第1の周波数範囲と前記第2の周波数範囲とは、第3の周波数範囲によって分離されている、請求項10に記載の充電装置。
【請求項12】
前記第1の公称共振周波数は1メガヘルツと定義され、前記第2の公称共振周波数は100キロヘルツと定義される、請求項10に記載の充電装置。
【請求項13】
前記コントローラはさらに、前記充電装置の表面の領域内に設けられた1つまたは複数の電力伝送コイルを囲む励起コイルに励起信号を提供するように構成される、請求項10に記載の充電装置。
【請求項14】
前記コントローラはさらに、前記励起信号の反射である前記電力伝送コイルによって受信された信号の位相または利得に基づいて、共振を検出するように構成されている、請求項13に記載の充電装置。
【請求項15】
前記コントローラはさらに、前記電力伝送コイルに励起信号を供給するように構成される、請求項10に記載の充電装置。
【請求項16】
前記コントローラはさらに、前記電力伝送コイルを含む回路の位相または利得に基づいて共振を検出するように構成される、請求項15に記載の充電装置。
【請求項17】
前記コントローラはさらに、前記励起フラックスを送信するコイルにパルスを供給し、前記パルスの反射の周波数に基づいて共振を検出するように構成される、請求項10に記載の充電装置。
【請求項18】
前記コントローラはさらに、前記共振の周波数と前記第1の公称共振周波数との差を特定し、この差に基づいて前記充電電流の振幅または周波数を設定するように構成される、請求項10に記載の充電装置。
【請求項19】
命令が格納されたプロセッサ可読記憶媒体であって、当該命令は充電装置内の少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記充電装置から励起フラックスを送信させ、前記励起フラックスは、互換性のある充電式デバイスに関連する第1の公称共振周波数を含む第1の周波数範囲で送信され、前記励起フラックスに応答して共振が検出されると、前記互換性のある充電式デバイスが前記充電装置によって充電可能であると判断させ、前記充電装置の電力伝送コイルに充電電流を供給させ、前記充電電流は、前記互換性のある充電式デバイスに関連する第2の公算周波数を含む第2の周波数範囲内で供給される、ことを特徴とするプロセッサ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記命令は、前記プロセッサに、前記共振の周波数と前記第1の公称共振周波数との間の差を特定し、この差に基づいて前記充電電流の振幅または周波数を設定させる、請求項19に記載のプロセッサ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2021年8月11日に米国特許庁に出願された非仮特許出願第17/400,068号および2020年8月15日に米国特許庁に出願された仮特許出願第63/066,221号の優先権と利益を主張するものであり、この出願の内容全体は以下に完全に記載されているかのようにその全体およびすべての適用目的のために参照により本書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般にモバイルコンピューティングデバイスのバッテリを含むバッテリのワイヤレス充電に関し、より具体的には、充電装置の近くに配置されたデバイスの検出に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス充電システムは、特定のタイプのデバイスが物理的な充電接続を使用せずに内部バッテリを充電できるようにするために開発されてきた。ワイヤレス充電を利用できるデバイスには、モバイル機器および/または通信機器などがある。ワイヤレスパワーコンソーシアムが定めるQi規格などの標準規格では、第1のサプライヤが製造した機器を、第2のサプライヤが製造した充電器でワイヤレス充電することが可能である。ワイヤレス充電の規格は、比較的単純な構成のデバイス向けに最適化されており、基本的な充電機能を提供する傾向にある。
【0004】
ワイヤレス充電機能の改善は、絶えず複雑化するモバイルデバイスや変化するフォームファクタに対応するために必要である。例えば、充電装置が充電装置の表面上の充電式デバイスを検出し、位置を特定できるようにする、より高速で低電力の検出技術が求められている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本明細書に開示される特定の態様によるワイヤレス充電装置が具える充電面に設けられる充電セルの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本明細書に開示される特定の態様によるワイヤレス充電装置が具える充電面のセグメントの単一層に設けられた充電セルの配置の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本明細書に開示される特定の態様によるワイヤレス充電装置が具える充電面のセグメント内で充電セルの複数の層が重ねられたときの充電セルの配置の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本明細書に開示される特定の態様による構成された複数層の充電セルを採用する充電装置の充電面によって提供される電力伝送領域の配置を示す図である。
【
図5】
図5は、本明細書に開示される特定の態様によって適合され得るワイヤレス充電装置に設けられ得るワイヤレス電力トランスミッタを示す図である。
【
図6】
図6は、本明細書に開示される特定の態様による充電式デバイスに設けられ得るワイヤレス電力レシーバを示す図である。
【
図7】
図7は、本明細書に開示される特定の態様による、充電面の上またはその近くに置かれた充電式デバイスの存在を検出するように構成されたワイヤレス充電器における充電面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本開示の特定の態様による、互換性のある充電式デバイスを検出するように構成された検出回路の第1の実施例を示す。
【
図9】
図9は、本明細書に開示される特定の態様による、励起信号がある周波数範囲にわたって送信されたときに伝送コイルで観察され得る周波数応答を示す。
【
図10】
図10は、本明細書に開示される特定の態様による、ある周波数範囲にわたる反射または再送信信号と励起信号との間の位相差に対応する位相応答を例示する応答図である。
【
図11】
図11は、本開示の特定の態様による、互換性のある充電式デバイスを検出するように構成された検出回路の第2の実施例を示す図である。
【
図12】
図12は、本明細書に開示される特定の態様による、励起信号がある周波数範囲にわたって送信されたときに伝送コイルで観察され得る周波数応答を例示する応答図である。
【
図13】
図13は、本明細書に開示される特定の態様による、励起信号がある周波数範囲にわたって送信されたときに伝送コイルで観察される位相応答を例示する応答図である。
【
図14】
図14は、本開示の特定の態様による、互換性のある充電式デバイスを検出するように構成された検出回路の第3の実施例を示す図である。
【
図15】
図15は、本明細書に開示される特定の態様による、励起信号においてパルス送信後に伝送コイルで観察される応答を示す図である。
【
図16】
図16は、本明細書に開示される特定の態様による、近くに配置されたデバイスの物理的構成を示す図である。
【
図17】
図17は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合され得る処理回路を採用する装置の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、本開示の特定の態様に従った充電装置の動作方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成を説明することを意図しており、本明細書に記載の概念が実施され得る唯一の構成を示すことを意図したものではない。詳細な説明には、様々な概念の完全な理解を提供するための具体的な詳細が含まれている。しかしながら、それらの概念が具体的な詳細なしで実施できることは当業者には明らかであろう。時には、そのような概念を不明瞭にしないために、周知の構造および構成要素をブロック図の形式で示している。
【0007】
次に、ワイヤレス充電システムの特定の態様を、様々な装置および方法を参照して提示する。これらの装置および方法は、以下の詳細な説明に記載されるとともに、添付の図面において、様々なブロック、モジュール、コンポーネント、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(総称して「要素」と呼ぶ)によって示される。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェアまたはそれらの任意の組合せを使用して実装することができる。そのような要素がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課される設計上の制約に依存する。
【0008】
例えば、要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1以上のプロセッサを含む「処理システム」で実装され得る。プロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載された様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。処理システムの1以上のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、プロセッサ可読記憶媒体に常駐するようにしてもよい。本明細書でコンピュータ可読媒体とも呼ばれるプロセッサ可読記憶媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、近距離ワイヤレス通信(NFC)トークン、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、搬送波、伝送路、ソフトウェアを格納または伝送するのに適した他の任意の媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、処理システムに存在していても、処理システムの外部にあっても、処理システムを含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、特定の用途およびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実装するための最良の方法を認識するであろう。
【0009】
概要
本開示の特定の態様は、ワイヤレス充電装置に適用可能なシステム、装置、および方法に関する。充電セルは1以上の誘導コイルで構成されて充電装置に充電面を提供し、充電面によって充電装置が1以上の充電式デバイスをワイヤレスで充電できるようにする。充電されるデバイスの位置は、デバイスの位置を充電面上の既知の位置を中心とする物理的特性の変化に関連付けるセンシング技術を介して検出することができる。位置の感知は、容量性、抵抗性、誘導性、接触、圧力、負荷、歪み、および/または別の適切なタイプのセンシングを使用して実装することができる。
【0010】
本開示の一態様において、充電装置の動作方法は、充電装置から励起フラックスを伝送するステップであって、励起フラックスは、互換性のある充電式デバイスに関連する第1の公称共振周波数を含む第1の周波数範囲で伝送されるステップと、励起フラックスに応答して共振が検出された場合に、互換性のある充電式デバイスが充電装置によって充電できると決定するステップと、充電装置の電力伝送コイルに充電電流を提供するステップであって、充電電流は互換性のある充電式デバイスに関連する第2の公称共振周波数を含む第2の周波数範囲で提供されるステップとを含む。
【0011】
いくつかの実施例では、充電装置は充電面を提供し、それによって、充電面上の任意の場所に位置する受電デバイスに電力をワイヤレス伝送することができる。受電デバイスは、任意に定義されたサイズおよび/または形状を有することができ、充電が可能な任意の個別の配置位置に関係なく配置されることができる。単一の充電面上で複数のデバイスを同時に充電することができる。本装置は、充電面にわたって1以上のデバイスの動きを追跡することができる。
【0012】
充電セル
本明細書に開示される特定の態様によれば、充電装置内の充電セルを用いて充電面が提供され、これら充電セルは充電面に隣接配備される。一例において、充電セルは、ハニカムパッケージ構成に従って、充電面の1以上の層に配備される。充電セルは、それぞれがコイルに隣接する充電面に実質的に直交する軸に沿って磁場を誘導することができる1以上のコイルを使用して実装することができる。本明細書において、充電セルとは、各コイルが充電セル内の他のコイルによって生成される場に対して加算的であって共通の軸に沿うか近接して配向される電磁場を生成するように構成された1以上のコイルを有する構成要素いう。いくつかの例では、充電セル内のコイルはプリント回路基板上のトレースを使用して形成される。いくつかの例では、充電セルのコイルは、ワイヤを螺旋状に巻いて、平面的なコイルまたは略円筒形の外形を持つコイルを得ることによって形成される。一例として、リッツワイヤを用いて平面状またはほぼ平坦な巻線を形成し、中央に電力伝送領域を持つコイルを提供することができる。
【0013】
いくつかの実装例では、充電セルは、共通の軸に沿って積層され、および/または、充電面に実質的に直交する誘導磁界に寄与するように重なり合うコイルを含む。いくつかの実施態様において、充電セルは、充電面の規定された部分内に配置され、充電セルに関連する充電面の実質的に直交する部分内の誘導磁界に寄与するコイルを含む。いくつかの実装例では、充電セルは、動的に定義された充電セルに含まれるコイルにアクティブ化電流を供給することによって構成可能であり得る。例えば、充電装置は、充電面にわたって配備された複数のコイルのスタックを含むことができ、この充電装置は、充電対象デバイスの位置を検出し、充電対象デバイスに隣接する充電セルを提供するためにコイルのスタックのいくつかの組み合わせを選択し得る。ある実施例では、充電セルは、単一のコイルを含むか、または単一のコイルとして特徴付けられ得る。しかしながら、充電セルは、複数の積層コイルおよび/または複数の隣接するコイルもしくはコイルの積層を含むことができることを理解されたい。本明細書では、コイルを、充電コイル、ワイヤレス充電コイル、伝送器コイル、伝送コイル、送電コイル、送電器コイルなどと呼ぶことがある。
【0014】
図1は、充電装置の充電面を提供するために配備され、および/または構成され得る充電セル100の一例を示す。本明細書で説明するように、充電面は、1以上の基板106上に設けられた充電セル100のアレイを含むことができる。1以上の基板106上に、1以上の集積回路(IC)および/またはディスクリート電子部品からなる回路を設けることができる。この回路は、受電デバイスに電力を伝送するために使用するコイルに供給される電流を制御するために使用されるドライバおよびスイッチを含み得る。この回路は、本明細書に開示される特定の機能を実行するように構成され得る1以上のプロセッサおよび/または1以上のコントローラを含む処理回路として構成することができる。いくつかの実施例では、処理回路の一部または全部を充電装置の外部に設けてもよい。いくつかの実施例では、電源を充電装置に結合することができる。
【0015】
充電セル100は、充電装置の外表面領域の近くに設けることができ、その上に充電のために1つまたは複数のデバイスを配置することができる。充電装置は、充電セル100の複数のインスタンスを含むことができる。一例では、充電セル100は、電力伝送領域104に電磁場を生成するのに十分な電流を受け取ることができる導体、配線または回路基板トレースを用いて構築することができる1以上のコイル102を囲む、実質的に六角形の形状を有している。様々な実施態様において、いくつかのコイル102は、
図1に例示される六角形の充電セル100を含む、実質的に多角形である形状を有してもよい。他の実施態様では、他の形状を有するコイル102が提供される。コイル102の形状は、少なくとも部分的に、製造技術の能力または制限によって、および/またはプリント回路基板などの基板106上の充電セルのレイアウトを最適化するために決定することができる。各コイル102は、スパイラル構成のワイヤ、プリント回路基板トレースおよび/または他のコネクタを使用して実装することができる。各充電セル100は、異なる層のコイル102が共通軸108に中心を持つように、絶縁体または基板106によって分離された2以上の層にわたることができる。
【0016】
図2は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合され得る充電装置の充電面のセグメントの単一層に設けられた充電セル202の配列200の一例を示す図である。充電セル202は、ハニカムパッケージング構成に従って配置されている。本実施例では、充電セル202は、重なり合うことなく端と端を合わせて配置されている。この配置は、スルーホールやワイヤ配線なしで提供することができる。充電セル202の一部が重なり合う配置など、他の配置も可能である。例えば、2以上のコイルでなるワイヤをある程度インターリーブすることができる。
【0017】
図3は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合され得る、充電面のセグメント内に複数の層が重ねられる場合の、2つの視点300、310(例えば、上面図と側面図)からの充電セルの配置の一例を示す図である。充電セル302、304、306、308の層が、充電面の1セグメント内に設けられている。各層の充電セル302、304、306、308内の充電セルは、ハニカムパッケージング構成に従って配置されている。一実施例では、充電セル302、304、306、308の層は、4層以上のプリント回路基板上に形成され得る。充電セル100の配置は、図示されたセグメントに隣接する割り当てられた充電領域を完全にカバーするように選択することができる。充電セルは、
図3に例示した302、304、306、308が、多角形の伝送コイルが提供する電力伝送領域に対応することができる。他の実装例では、充電コイルは、ワイヤから構成された螺旋状に巻かれた平面コイルを具え、それぞれが略円形の電力伝送領域を提供するように巻かれてもよい。後者の例では、複数の螺旋状に巻かれた平面コイルが、ワイヤレス充電装置の充電面の下に積層して配備され得る。
【0018】
図4は、本明細書に開示される特定の態様に従って構成された複数層の充電セルを採用する充電面400に提供される電力伝送領域の配置を示す図である。図示された充電面は、4層の充電セル402、404、406、408から構成されており、これらは
図3の充電セルの層302、304、306、308に対応しうるものである。
図4において、第1層の充電セル402の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L1」と記され、第2層の充電セル404の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L2」と記され、第3層の充電セル406の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L3」と記され、第4層の充電セル408の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L4」と記されている。
【0019】
ワイヤレストランスミッタ
図5は、本開示の特定の態様に従って適合され得るワイヤレス充電装置におけるワイヤレストランスミッタ500の一例を示す図である。コントローラ502は、調整回路508でフィルタリングされるか、他の方法で処理されたフィードバック信号を受信することができる。コントローラは、コンデンサ512およびインダクタ514を含む回路によって表され得る共振回路506に交流電流を供給するドライバ回路504の動作を制御し得る。共振回路506は、本明細書においてタンク回路、LCタンク回路、またはLCタンクとも呼ばれ、共振回路506のLCノード510で測定される電圧516はタンク電圧とも呼ばれる。
【0020】
ワイヤレストランスミッタ500は、互換デバイスがワイヤレス充電装置の充電面に置かれたかどうかを判断するために、充電装置によって使用され得る。例えば、充電装置は、ワイヤレストランスミッタ500を介して間欠的なテスト信号(アクティブまたはデジタルPing)を送信することによって、互換デバイスが充電面に置かれたことを特定することができ、ここで共振回路506は、互換デバイスがテスト信号に応答した場合に符号化信号を検出または受信することができる。充電装置は、規格、慣習、製造者または用途によって規定された応答信号の受信を特定したら、少なくとも1つの充電セル内の1以上のコイルを励起するように構成することができる。いくつかの例では、互換デバイスは、充電装置が互換デバイスの充電に使用される最適な充電セルを見つけることができるように、受信信号強度を通信することによってPingに応答する。
【0021】
本明細書に開示する特定の技術を含む受動的デバイス発見技術は、充電式デバイスからの能動的な応答を必要としないテスト信号を用いて、充電式デバイスが充電表面に置かれたことを特定することができる。受動的デバイス発見技術は、充電式デバイスの有無を示す応答を刺激するために、充電装置の表面を通してパルスを伝送することができる。一例では、処理回路は、充電装置内のLCノード510で測定または観察された電圧および/または電流を監視して、ワイヤレス充電装置の充電面の近くに配置された受電コイルの存在を識別することができる。LCノード510の電圧を測定するため、またはLCネットワークの電流を測定するために、ワイヤレス充電装置に回路が設けられる。これらの電圧および電流の測定値は、電力調整の目的で、あるいは場合によってはデバイス間の通信をサポートするために監視され得る。
図5のワイヤレストランスミッタ500は、LCノード510の電圧の測定が監視されることを示す。共振回路506に短パルスが供給されたときに、パッシブPingをサポートするために、電流が追加的または代替的に監視され得る。電圧の例では、パッシブPing(初期電圧V
0)に対する共振回路506の応答は、LCノード510における電圧(V
LC)により、次のように表すことができる。
【0022】
本明細書に開示された特定の態様によれば、1以上の充電セル内のコイルを選択的にアクティブ化して、互換デバイスの充電に最適な電磁界を提供することができる。いくつかの実施例では、コイルが充電セルに割り当てられ、一部の充電セルが他の充電セルと重なり得る。後者の場合、充電セル単位で最適な充電設定を選択することができる。他の例では、充電セルは、充電装置表面への充電対象デバイスの配置に基づいて規定されてもよい。このような他の例では、各充電イベントでアクティブ化されるコイルの組み合わせは異なり得る。いくつかの実装例では、充電装置は、充電イベント中に励起するために1以上のセルおよび/または1以上の所定の充電セルを選択できるドライバ回路を含み得る。
【0023】
本開示の特定の態様は、充電式デバイスの存在または不存在を検出するために、充電式デバイスの特性を測定または監視することに関する。一態様において、充電式デバイスの位置を、充電式デバイスの充電面を提供する1つまたは複数の伝送コイルに対して特定することができる。いくつかの実施例では、充電装置は、伝送コイルからの充電式デバイスの絶対距離またはアライメント、および/または伝送コイルに対する充電式デバイスの多次元アライメントを特定することができる。
【0024】
本開示の特定の態様において、共振反射を用いて、充電式デバイスの特性を測定または監視することができる。共振反射は、充電式デバイスに設けられた受電回路の共振を利用する。
図6は、Qi規格に対応し、受電回路602と充電回路612を含むシステム600におけるワイヤレス充電の一例を示す図である。受電回路602は、トランスの2次側として動作する受電コイル604を含み、トランスの1次側は、充電回路612の伝送コイル614によって提供される。受電コイル604は、インダクタンス(L
s)を有する。受電回路602はさらに、受電コイル604のインダクタンスに基づいて選択される静電容量(C
s)を有し、伝送コイル614によって提供される充電フラックスの周波数に受電回路602を同調させるように選択され得る直列共振コンデンサ606を更に含む。一例では、充電フラックスの周波数は、公称100kHzである。したがって、受電回路602の第1の共振周波数(f
s)は、以下のように記載することができる。
【0025】
Qi規格では、受電コイル604と並列に検出コンデンサ608を設けることが規定されている。検出用コンデンサ608は、受電コイル604のインダクタンスに基づいて選択される静電容量(C
d)を有し、公称1MHzで共振する検出共振回路を提供する。受電回路602の検出共振回路は、以下のように記載できる第2の共振周波数(f
d)を有する。
【0026】
検出用共振回路はQi規格で定義されるが、従来の充電システムでは一般的に使用されていない。
【0027】
本開示の特定の態様によれば、充電装置は、検出用共振回路を共振させ、1MHzの共振周波数で励起信号のエネルギーを反射または再放射させる励起信号を送信することができる。例えば、充電回路612は1MHzまたはそれに近い周波数で測定できる励起フラックスを伝送することができ、充電式デバイスのレシーバは1MHzに同調した共振回路を具え、このエネルギーを有意なまたは測定可能な大きさで充電回路612に再放射して戻す。本開示の目的のために、1MHzに同調した共振回路を具える充電式デバイスは、Qi互換充電式デバイス、Qi互換デバイス、または単に互換デバイスとも呼ばれる。Qi規格に準拠していない、または互換性のない充電式デバイスや他の機器や物体は、1MHzの励起信号には応答することは期待されない。Qi準拠でない特定の充電式デバイスでも、ワイヤレス充電装置から電力を受け取ることができる場合に、1MHzの励起信号に応答するように適応され得る。
【0028】
図7は、充電面700の上またはその近くに置かれた充電式デバイスの存在を検出できる励起コイル702を具えるワイヤレス充電器における充電面700の一例を示す図である。励起コイル702は、充電面700に関連する1以上の充電コイル(LP1~LP18)の周囲に提供され得る。いくつかの例では、励起コイル702は、充電コイル(LP1~LP18)の一部または全部を含む充電面700の領域を囲む。一例では、励起コイル702は、充電面700に設けられたすべての充電コイルに隣接するか取り囲む。別の例では、励起コイル702は、個々の充電コイルまたは充電コイルのグループに隣接するか取り囲む。例えば、励起コイル702は、充電面700上にマークされるか他の方法で識別される充電ゾーンに隣接するか取り囲むことができ、励起コイル702は、本明細書に開示された共振反射技術を使用して監視対象の充電ゾーンの外側の限界を追従または画定するように構成される。
【0029】
図8は、本開示の特定の態様による、互換性のある充電式デバイス810を検出するように構成された検出回路800の第1の実施例を示す。検出回路800は、ワイヤレス充電装置内に設けられ得る。いくつかの例では、検出回路800は、
図7に例示された充電面700と同様の充電面を提供するワイヤレス充電装置に設けられ得る。検出回路800は、単一の励起コイル702に結合された処理回路808を含み得る。いくつかの例では、処理回路808は、1より多い励起コイル702に結合され得る。いくつかの例では、検出回路800は、ワイヤレス充電装置に設けられた複数の検出回路のうちの1つであり得る。
【0030】
いくつかの実装例では、検出回路800は、励起コイル702に電磁フラックス828を伝送させるように構成可能な励起信号816を提供する信号ドライバ回路806を含む。電磁フラックス828は、励起フラックスとも称される。励起信号816は、互換型または識別可能な充電式デバイス810内の検出共振回路の共振周波数またはその近傍で提供される。一例では、充電式デバイス810は、Qi規格に準拠した受電回路を有する場合に、互換性があるとされる(例えば、
図6参照)。別の例では、充電式デバイス810は、信号ドライバ回路806を使用して構成または選択され得る、励起信号816の周波数で共振する受電回路を有する場合に、互換型または識別可能であり得る。様々な実装例において、励起信号816は、1MHzの公称周波数を有する。
【0031】
励起コイル702が伝送する電磁フラックス828は、充電式デバイス810の受電コイルを励磁することができる。ワイヤレス充電装置の充電面700に配置された伝送コイル804は、共振回路の存在の影響を受け、および/または励起コイル702によって伝送される電磁フラックス828を検出することができる。いくつかの実施例では、充電装置は、充電式デバイス810が充電面700の上またはその近くに位置する場合に、それが伝送する反射フラックス830に応答することができる。検出回路800は、充電式デバイス810内の受電回路から伝送される反射フラックス830の電力、振幅、信号利得、または位相シフトに基づいて、充電式デバイス810の存在または位置を特定し得る。反射フラックス830は、充電面700の伝送コイル804のうちの1以上によって検出され得る。
【0032】
検出回路800は、電力の大きさまたは位相シフトが共振に起因し、励起信号816の周波数における充電式デバイス810内の受電回路における共振と一致する場合に、充電式デバイス810が存在すると判定することができる。伝送コイル804の特性814を監視して、充電式デバイス810が互換性があり、充電面上またはその近くに置かれたかを判断することができる。特性814は、伝送コイル804に流れる電流または伝送コイル804に関連するタンク電圧に対応し得る。
図5に示すワイヤレストランスミッタ500を参照すると、特性は、共振回路506のLCノード510で取られる測定値によって表され得る。一例では、特性は、インダクタ514を流れる電流、または電流の変化によって表すことができる。別の例では、特性は、インダクタ514にまたがって測定される電圧、または電圧の変化によって表すことができる。別の例では、特性は、インダクタ514を流れる電流の一連の測定値またはインダクタ514にまたがる電圧の測定値を用いて計算された、または他の方法で得られた共振回路506の共振周波数、またはその変化によって表すことができる。いくつかの例では、アナログ/デジタル変換器(ADC802)を用いて、共振回路506の電流または電圧をサンプリングして定量化し、伝送コイル804のインダクタンスを含むインダクタンスを有し得るインダクタ514に関連する電流またはタンク電圧の時系列の測定値のデジタル表現を提供するマルチビット信号812を提供し得る。
【0033】
マルチビット信号812は、マルチビット信号812によって表される観察された特性814と1以上の基準信号との差を検出するように構成された比較器818、820として動作する回路を含む、またはモジュールを実装する処理回路808に提供される。基準信号は、充電式デバイスが存在しないときの伝送コイル804の状態を表し得る。
【0034】
図9は、励起信号816をある周波数範囲にわたって伝送した場合に伝送コイル804で観測され得る周波数応答902、904を例示する応答
図900である。第1の周波数応答902は、ワイヤレス充電器の充電面700の近くに物体が存在しない場合、または充電面700に置かれた物体が二重共振受電回路を有しない場合に、伝送コイル804のうちの1以上で観察されると予想される応答を示す。第2の周波数応答904は、ワイヤレス充電器の充電面700の近くに位置する物体が二重共振受電回路を有し、検出回路が公称1MHzの周波数で共振するように構成されている場合に、伝送コイル804のうちの1以上で観察されると予想される応答を示す。周波数応答902、904は、より高い周波数(例えば、500kHz超)で発散し始め、1MHzの周波数付近で顕著な利得の差が観察され、1MHzを超える周波数で最大差分910が観察される。第2の周波数応答904の利得は、当初は第1の周波数応答902に対して正の最大差分908まで増加し、第1の周波数応答902に対して負の差分である最大差分910まで低下する。充電装置内の伝送コイルと受電コイルとの結合が検出回路のインダクタンスに影響を与え、検出回路の共振周波数を変調するため、充電式デバイス内の検出回路の公称共振周波数とは異なる周波数で利得のピーク応答が観察され得る。
【0035】
図10は、ある周波数範囲にわたる反射または再送信信号816と励起信号との間の位相差に対応する位相応答1002、1004を例示する応答
図1000である。第1の位相応答1002は、ワイヤレス充電器の充電面700の近くに物体が存在しない場合、または充電面700に置かれた物体が二重共振受電回路を有しない場合に、伝送コイル804のうちの1以上で観察されると予想される応答を示す。第2の位相応答1004は、ワイヤレス充電器の充電面700の近くに位置する物体が二重共振受電回路を有し、それによって検出回路が公称1MHzの周波数で共振するように構成される場合に、伝送コイル804のうちの1以上で観察されると予想される応答を示す。1MHzを超える周波数で最大差1006が観測される。充電装置内の伝送コイルと受電コイルとの結合が検出回路のインダクタンスに影響を与え、検出回路の共振周波数を変調するため、位相応答1002、1004間の位相シフトの差のピークが、充電式デバイス内の検出回路の公称共振周波数とは異なる周波数で観察され得る。
【0036】
周波数応答902、904と位相応答1002、1004との間の差を用いて、
図8の検出回路800によって、互換性のある充電式デバイス(例えば、充電式デバイス810)がワイヤレス充電器の充電面700上に置かれるか存在するのを特定することができる。処理回路808は、伝送コイル804に関連する電流またはタンク電圧の時系列測定値を表すマルチビット信号812を基準信号または閾値と比較するように構成された振幅比較器818を含むか提供し得る。一例では、基準信号は、励起信号816が周波数応答902、904において同等の利得が期待される周波数を有する場合の反射信号の振幅を表すことができる。第1の周波数応答902(物体が存在しない)の軌跡は、増加または実質的に平坦であると予想することができ、利得の低下は、互換性のある充電式デバイス810の存在を示し得る。基準信号は、探索手順中に取得することができる。いくつかの実施例では、基準信号を用いて、複数回の検索で使用され得る伝送コイル804のうちの1つまたは複数のための閾値レベルを設定することができる。
【0037】
処理回路808は、励起信号816の位相826に関連する電流またはタンク電圧の測定値の時系列を表すマルチビット信号812の位相を比較するように構成された位相比較器820を含むか提供し得る。位相比較器820はさらに、位相シフト差が閾値差を超えたこと、または位相シフトの変化率が閾値変化率を超えたことを判定するように構成され得る。
【0038】
周波数応答902、904と位相応答1002、1004は、互換性のある充電式デバイスが存在すると、周波数応答902、904と位相応答1002、1004の両方に大きな差が生じることを示す。互換性のある充電式デバイスが存在すると、周波数応答の最大差902、904が、位相応答の最大差1002、1004が発生する周波数とは異なる周波数で発生する場合がある。さらに、周波数応答902、904および位相応答1002、1004の最大差は、充電式デバイス810内の伝送コイルと受電コイル間の結合によって生じる共振周波数の変化により、典型的には正確に1MHzで発生しない。
【0039】
特定の実装例では、複数の伝送コイル804について測定された応答に基づいて、充電式デバイス810の位置を推定または把握することができる。一例では、充電式デバイス810に最も近い伝送コイル804が、検出された反射信号において最大の振幅または位相シフトを生じ得る。別の例では、充電式デバイス810に最も近い伝送コイル804が、基準信号に対する検出された反射信号の振幅の変化または位相シフトの変化が最大となり得る。いくつかの実施例では、各伝送コイル804に使用される基準信号は、較正手順中に伝送コイル804についてキャプチャされた信号であり得る。いくつかの実施例では、各伝送コイル804に使用される基準信号は、互換性のある充電式デバイス810で共振応答を誘発するとは期待されない周波数で、探索手順中にキャプチャされ得る。
【0040】
いくつかの実装例では、処理回路808は、充電式デバイス810の存在の検出の信頼性を向上させるために、振幅比較器818および位相比較器820の両方を含むか提供し得る。2つの検出判定822、824を生成することで、信頼性を向上させ、検出回路の共振周波数の変化に対応することができる。さらに検出を改善するために、周波数ディザリングを用いることができる。周波数ディザリングは、ノイズスペクトルを拡散することによって電源のSNR(信号対雑音比)を向上させるために従来から採用されている。可変周波数励起信号816を使用すると、充電式デバイス810の存在が検出回路の共振周波数を予測不可能な程度に変更し得る場合に、充電式デバイス810の存在の検出を改善することができ、ここで共振周波数の変化は、例えば、電力伝送コイルと受電コイルの近さや重なりの程度に依存し得る。周波数ディザリング技術を適用することで、検出の不確実性を低減することができ、これはSNRの形態で定量化することができる。
【0041】
いくつかの実装例では、検出の不確実性を犠牲にして複雑さを低減するために、単一の励起周波数を使用することができる。一部の実装例では、充電回路の複雑さを軽減するために、振幅または位相という単一の検出メトリックを使用することができる。反射信号の位相シフトと振幅の両方を監視・測定することで、検出回路の感度と検出の信頼性を高めることができる。
【0042】
図11は、本開示の特定の態様による、互換性のある充電式デバイス1110を検出するように構成された検出回路1100の第2の実施例を示す図である。検出回路1100は、ワイヤレス充電器に設けられ得る。本明細書で説明する一例では、検出回路1100は、
図7に例示する充電面700を提供し、1つまたは複数の電力伝送コイル1104を使用して励起信号1116を送信するワイヤレス充電器に設けられ得る。励起信号1116を送信する電力伝送コイル1104は、励起信号1116に応答して反射される信号を検出することができる。
【0043】
図示の例では、検出回路1100は、電力伝送コイル1104に励起信号1116を供給する信号ドライバ1106を含む。励起信号1116は、電力伝送コイル1104に電磁フラックス1128を伝送させる。励起信号1116は、互換性のあるまたは識別可能な充電式デバイスにおける検出共振回路の公称共振周波数に近い周波数を有する。一例として、充電式デバイスは、Qi規格に準拠した受電回路を有する場合に、互換性があるとされる(例えば、
図6参照)。別の例では、充電式デバイスは、信号ドライバ1106を使用して構成または選択された、励起信号1116の周波数で共振する受電回路を有する場合に、互換性または識別可能であり得る。様々な実施形態において、励起信号1116は、1MHzの公称周波数を有する。
【0044】
電力伝送コイル1104が伝送する電磁フラックス1128は、充電式デバイス1110の受電コイルを励起し得る。例えば、充電面700に配置された電力伝送コイル1104は、共振回路の存在によって、および/または充電面700上またはその近くに配置された充電式デバイス1110によって伝送された反射フラックス1130によって影響を受け得る。検出回路1100は、電力伝送コイル1104で測定された振幅または位相シフトに基づいて、充電式デバイス1110の存在または位置を識別することができる。いくつかの実装例において、電力伝送コイル1104に関連するタンク電圧または電流の振幅および/または位相を監視して、励起信号1116の周波数またはその付近における充電式デバイス1110内の受電回路の共振に起因する電圧または電流の大きさ、位相、あるいは大きさまたは位相の変化を特定することができる。
【0045】
電力伝送コイル1104の特性1114を監視して、互換性のある充電式デバイス1110が充電面の近くに置かれたときを判断することができる。特性1114は、電力伝送コイル1104に流れる電流、または電力伝送コイル1104に関連するタンク電圧の振幅に対応し得る。一実装例では、アナログ/デジタル変換器(ADC1102)を用いて、1つまたは複数の特性1114をサンプリングおよび測定し、電力伝送コイル1104に関連する電流またはタンク電圧の時系列の測定値のデジタル表現を提供するマルチビット信号1112を提供することができる。
【0046】
マルチビット信号1112は、マルチビット信号1112によって表される観察された特性1114と1以上の基準信号との差を検出するように構成された比較器1118、1120として動作する回路を含む、またはモジュールを実装する処理回路1108に提供される。基準信号は、充電式デバイスが存在しない場合の電力伝送コイル1104の状態を表すことができる。
【0047】
図12は、励起信号1116がある周波数範囲にわたって送信されたときに電力伝送コイル1104で観察され得る周波数応答1202、1204を例示する応答
図1200である。周波数応答1202、1204は、励起信号1116の周波数に対する電圧または電流の振幅をプロットしており、測定値は電力伝送コイル1104で取得され得る。第1の周波数応答1202は、ワイヤレス充電器の充電面700の近くに物体が存在しない場合、または充電面700に置かれた物体が二重共振受電回路を有しない場合に、電力伝送コイル1104のうちの1以上で観察される応答を示す。第2の周波数応答1204は、ワイヤレス充電器の充電面700の近くに位置する物体が二重共振受電回路を有し、それによって互換性のある充電式デバイス1110の検出回路が公称1MHzの周波数で共振するように構成される場合に、電力伝送コイル1104で観察される応答を示す。周波数応答1202、1204は、1MHzを超える周波数で最大差1206を示す。
【0048】
図13は、励起信号1116がある位相範囲にわたって送信されたときに電力伝送コイル1104で観察される周波数応答1302、1304を例示する応答
図1300である。周波数応答1202、1204は、励起信号1116の周波数に対する電圧または電流の振幅の位相差であり、電力伝送コイル1104で観察され得る。位相差は、反射信号や再送信信号に起因するものや、電力伝送コイル1104を含む充電回路に近接する充電式デバイス1110の共振回路が及ぼす影響であり得る。
【0049】
第1の位相応答1302は、ワイヤレス充電器の充電面700の近くに物体が存在しない場合、または充電面700に置かれた物体が二重共振受電回路を有しない場合に、電力伝送コイル1104のうちの1以上で観察される応答を示す。第2の位相応答1304は、ワイヤレス充電器の充電面700の近くに位置する物体が二重共振受電回路を有し、それによって検出回路が公称1MHzの周波数で共振するように構成される場合に、電力伝送コイル1104で観察される応答を示す。1MHzを超える周波数1306で最大差が観測される。充電装置内の伝送コイルと受電コイルとの結合が検出回路のインダクタンスに影響を与え、検出回路の共振周波数を変調するため、位相応答1302、1304間の位相シフトの差のピークが、充電式デバイス内の検出回路の公称共振周波数とは異なる周波数で観察され得る。
【0050】
周波数応答902、904と位相応答1302、1304との間の差を用いて、
図11の検出回路1100によって、互換性のある充電式デバイス1110がワイヤレス充電器の充電面700上に置かれるか存在するのを特定することができる。処理回路1108は、電力伝送コイル1104に関連する電流またはタンク電圧の時系列測定値を表すマルチビット信号1112を基準信号または閾値と比較するように構成された振幅比較器1118を含むか提供し得る。第1の周波数応答1202(物体が存在しない)の軌跡は、実質的に平坦であると予想することができ、利得の低下は、互換性のある充電式デバイス1110の存在を示し得る。基準信号は、探索手順中に取得することができる。いくつかの実施例では、基準信号を用いて、複数回の検索で使用され得る電力伝送コイル1104のうちの1つまたは複数のための閾値レベルを設定することができる。
【0051】
処理回路1108は、励起信号1116の位相1126に関連する電流またはタンク電圧の測定値の時系列を表すマルチビット信号1112の位相を比較するように構成された位相比較器1120を含むか提供し得る。位相比較器1120はさらに、位相シフト差が閾値差を超えたこと、または位相シフトの変化率が閾値変化率を超えたことを判定するように構成され得る。
【0052】
周波数応答902、904と位相応答1302、1304は、互換性のある充電式デバイス1110が存在すると、周波数応答902、904と位相応答1302、1304の両方に大きな差が生じることを示す。互換性のある充電式デバイス1110が存在すると、周波数応答の最大差902、904が、位相応答の最大差1302、1304が発生する周波数とは異なる周波数で発生する場合がある。さらに、周波数応答902、904および位相応答1302、1304の最大差は、充電式デバイス1110内の伝送コイルと受電コイル間の結合によって生じる共振周波数の変化により、典型的には正確に1MHzで発生しない。
【0053】
特定の実装例では、複数の電力伝送コイル1104について測定された応答に基づいて、互換性のある充電式デバイス1110の位置を推定または把握することができる。一例では、互換性のある充電式デバイス1110に最も近い電力伝送コイル1104が、検出された反射信号において最大の振幅または位相シフトを生じ得る。別の例では、互換性のある充電式デバイス1110に最も近い電力伝送コイル1104が、基準信号に対する検出された反射信号の振幅の変化または位相シフトの変化が最大となり得る。いくつかの実施例では、各電力伝送コイル1104に使用される基準信号は、較正手順中に電力伝送コイル1104についてキャプチャされた信号であり得る。いくつかの実施例では、各電力伝送コイル1104に使用される基準信号は、互換性のある充電式デバイス1110で共振応答を誘発するとは期待されない周波数で、探索手順中にキャプチャされ得る。
【0054】
いくつかの実装例では、処理回路1108は、互換性のある充電式デバイス1110の存在の検出の信頼性を向上させるために、振幅比較器1118および位相比較器1120の両方を含むか提供し得る。2つの検出判定1122、1124を生成することで、信頼性を向上させることができ、検出回路の共振周波数の変化に対応する。さらに検出を改善するために、周波数ディザリングを用いることができる。周波数ディザリングは、ノイズスペクトルを拡散することによって電源のSNRを向上させるために従来から採用されている。可変周波数励起信号1116を使用すると、互換性のある充電式デバイス1110の存在が検出回路の共振周波数を予測不可能な程度に変更し得る場合に、その存在の検出を改善することができ、ここで共振周波数の変化は、例えば、電力伝送コイルと受電コイルの近さや重なりの程度に依存し得る。周波数ディザリング技術を適用することで、検出の不確実性を低減することができ、これはSNRの形態で定量化することができる。
【0055】
いくつかの実装例では、検出の不確実性を犠牲にして複雑さを低減するために、単一の励起周波数を使用することができる。一部の実装例では、充電回路の複雑さを軽減するために、単一の検出メトリックを使用することができる。反射信号の位相シフトと振幅の両方を監視・測定することで、検出回路の感度と検出の信頼性を高めることができる。
【0056】
図14は、本開示の特定の態様による、互換性のある充電式デバイスを検出するように構成された検出回路1400の第3の実施例を示す図である。
図15は、励起信号1414でパルスが送信された後に電力伝送コイル1404で観測される応答1502、1504を示す
図1500である。検出回路1400は、ワイヤレス充電器に設けられ得る。本明細書で説明する一例では、検出回路1400は、
図7に例示する充電面700を提供し、1つまたは複数の電力伝送コイル1404を使用して励起信号1414を送信するワイヤレス充電器に設けられ得る。励起信号1414を送信する電力伝送コイル1404は、励起信号1414に応答して反射される信号を検出することができる。
【0057】
図示の例では、検出回路1400は、励起信号1414に短パルスを供給するパルス発生器1406を含む。励起信号1414は、電力伝送コイル1404に供給され、互換性のあるまたは識別可能な充電式デバイスの共振回路を刺激するように構成され得る。一例として、充電式デバイスは、Qi規格に準拠した受電回路を有する場合に、互換性があるとされる(例えば、
図6参照)。別の例では、充電式デバイスは、1MHzの公称周波数で共振する受電回路を有する場合に、互換性または識別可能であり得る。
【0058】
励起信号1414は、電力伝送コイル1404に、本明細書において励起フラックスと呼ばれ得る電磁フラックスを伝送させることができる。励起フラックスは、充電式デバイスの受信回路で反射され得る。例えば、充電面700に配置された電力伝送コイル1404は、充電面700の上または近くに位置する充電式デバイスの受電コイルと結合することができる。検出回路1400は、パルスの送信時刻1506と、充電式デバイスから受信した応答との間の遅延に基づいて、充電式デバイスの存在または位置を識別することができる。特定の実装例では、互換性のある充電式デバイスから受信した応答は、充電式デバイス内の共振回路の共振周波数でのリンギング1508を含む。検出回路1400は、充電式デバイスにおける共振回路の共振周波数を特定するために、リンギングの発振周期1510を特定するように構成され得る。互換性のある充電式デバイスは、公称周波数1MHzまたはその付近で共振し得る。電力伝送コイル1404の特性を監視して、互換性のある充電式デバイスが充電面の近くに置かれたときを判断することができる。特性は、電力伝送コイル1404に流れる電流の振幅、または電力伝送コイル1404に関連するタンク電圧の高度に対応し得る。一実装例では、アナログ/デジタル変換器(ADC1402)を用いて、1つまたは複数の特性をサンプリングおよび測定し、電力伝送コイル1404に関連する電流またはタンク電圧の時系列の測定値のデジタル表現を提供するマルチビット信号1412を提供することができる。
【0059】
マルチビット信号1412は、マルチビット信号1412によって表される観察された特性と1以上の基準信号との差を検出するように構成された比較器1416、1418として動作する回路を含む、またはモジュールを実装する処理回路1408に提供される。基準信号は、充電式デバイスが存在しない場合の電力伝送コイル1404の状態を表すことができる。
【0060】
図15の応答1502、1504は、時間に対する電圧または電流の振幅をプロットしており、電力伝送コイル1404で観察され得る。第1の応答1502は、ワイヤレス充電器の充電面700の近くに物体が存在しない場合、または充電面700に置かれた物体が二重共振受電回路を有しない場合に、電力伝送コイル1404のうちの1以上で観察される応答を示す。第2の応答1504は、ワイヤレス充電器の充電面700の近くに位置する物体が二重共振受電回路を有し、それによって充電式デバイスの検出回路が公称1MHzの周波数で共振するように構成される場合に、電力伝送コイル1404で観察される応答を示す。第2の応答1504は、物体の共振周波数でのリンギング1508を含む。
【0061】
処理回路1408は、反射パルスを検出するために、マルチビット信号1412の振幅を1つまたは複数の閾値と計算および/または比較するように構成された振幅比較器1416を含むか提供し得る。いくつかの実施例では、周波数比較器1418は、反射信号における共振周波数の検出を促進または可能にするノッチフィルタ、バンドパスフィルタまたはハイパスフィルタで置換または補足することができる。処理回路1408から得らたる時間情報は、電力伝送コイル1404からの充電式デバイスの距離を推定するために使用され得る。
【0062】
処理回路808、1108、1408は、マルチビット信号1412を処理するように構成されたDSPまたは他のプロセッサを含み得る。DSPまたは他のプロセッサは、デジタルフィルタリング、周波数推定または検出、位相測定および振幅測定を行うことができる。DSPまたは他のプロセッサは、時間領域および周波数領域の計算を実行するように構成され得る。いくつかの実装例では、フィルタ比較器や増幅器を含むアナログ回路を使用して、1以上の機能を実行してもよい。
【0063】
いくつかの実装例では、測定された共振周波数の位相と振幅の最大値の差または他の変動を用いて、充電装置の充電設定を最適化することができる。
図16は、充電装置1602の伝送コイル1606と充電式デバイス1604の受電コイル1608との間に誘導結合が生じるように、充電装置1602と充電式デバイス1604とが近接配置された装置の物理的構成1600の態様を示す。充電装置1602と充電式デバイス1604の表面同士が平面的に接触し、伝送コイル1606と受電コイル1608の中心が同軸上に並んでいるときに、最大の結合が達成され得る。多くの場合、充電装置1602と充電式デバイス1604の表面間に間隔1612が存在するか、伝送コイル1606と受電コイル1608の軸がオフセット1610または他の様式でずれており、最大よりも低い結合となり得る。結合のばらつきは、受電コイル1608、直列共振コンデンサ1614、および検出コンデンサ1616を含む充電式デバイス1604の検出回路の共振周波数に変化をもたらし得る。
【0064】
本開示の一態様では、充電式デバイス1604の充電設定は、充電式デバイス1604の検出回路から取得された測定値1618に基づいて決定され得る、伝送コイル1606と受電コイル1608との間の結合に基づいて選択され得る。測定値1618は、タンク電圧、電流または周波数を含み得る。いくつかの実施例では、測定値1618は、タンク電圧または電流の振幅の時系列として取得される。タンク電圧、電流または周波数は、位相シフトまたは利得を計算するために使用することができ、また充電装置1602における1以上の充電セルの充電設定または動作点を決定するために使用することができる。充電設定は、充電イベント中にどの伝送コイル1606が充電電流を受け取るかを決定し、さらに各伝送コイル1606における電流の振幅と位相を定義し得る。
【0065】
一例では、動作点は、充電式デバイス1604の充電に使用する電流の大きさおよび周波数を設定するために使用されるルックアップテーブルから決定され得る。充電式デバイス1604は、ワイヤレス充電のための所望の電力レベルを指示するかネゴシエートすることができる。所望の電力レベルは、デジタルPingを通じて伝達または合意することができる。充電装置1602は、動作点を使用して、ワイヤレス充電のための所望の電力レベルを提供するために計算された電流レベルを構成することができる。充電装置1602は、動作点を用いて、伝送コイル1606と受電コイル1608とが磁気的に結合したときに、充電装置1602内の受電回路の共振周波数を合わせるために、伝送コイル1606を駆動するために用いる周波数を設定することができる。
【0066】
処理回路の例
図17は、バッテリをワイヤレス充電することを可能にする充電装置または受電デバイスに組み込むことができる装置1700のハードウェア実装の一例を示す図である。いくつかの例では、装置1700が、本明細書に開示の1以上の機能を実行することができる。本開示の様々な態様によれば、本明細書に開示の要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せを、処理回路1702を用いて実装することができる。処理回路1702は、ハードウェアモジュールおよびソフトウェアモジュールのある組合せによって制御される1以上のプロセッサ1704を含むことができる。プロセッサ1704の例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、SoC、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、シーケンサ、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載される様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。1以上のプロセッサ1704は、特定の機能を実行する専用のプロセッサを含むことができ、ソフトウェアモジュール1716の1つによって構成、増強または制御され得る。1以上のプロセッサ1704は、初期化中にロードされるソフトウェアモジュール1716の組合せを通じて構成されてもよく、動作中に1以上のソフトウェアモジュール1716をロードまたはアンロードすることによってさらに構成されてもよい。
【0067】
図示の例では、処理回路1702が、概してバス1710で示されるバスアーキテクチャで実装され得る。バス1710は、処理回路1702の特定の用途および全体的な設計上の制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含むことができる。バス1710は、1以上のプロセッサ1704およびストレージ1706を含む様々な回路をリンクする。ストレージ1706は、メモリデバイスおよび大容量ストレージデバイスを含むことができ、本明細書では、コンピュータ可読媒体および/またはプロセッサ可読媒体とも呼ばれる。ストレージ1706は、一時的な記憶媒体および/または非一時的な記憶媒体を含むことができる。
【0068】
バス1710は、タイミングソース、タイマ、周辺機器、電圧レギュレータおよび電源管理回路などの様々な他の回路をリンクしてもよい。バスインターフェース1708は、バス1710と1以上のトランシーバ1712との間のインターフェースを提供することができる。一例では、標準規定プロトコルに従って、装置1700が充電装置または受電デバイスと通信できるようにするために、トランシーバ1712を設けることができる。また、装置1700の性質に応じて、ユーザインターフェース1718(例えば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイク、ジョイスティック)が提供されてもよく、バス1710に直接またはバスインターフェース1708を介して通信可能に結合することができる。
【0069】
プロセッサ1704は、バス1710の管理と、ストレージ1706を含むコンピュータ可読媒体に格納されたソフトウェアの実行を含む全体的な処理とを担うことができる。この点において、プロセッサ1704を含む処理回路1702は、本明細書に開示の方法、機能および技術のいずれかを実装するために使用することができる。ストレージ1706は、ソフトウェアの実行時にプロセッサ1704によって操作されるデータを格納するために使用することができ、ソフトウェアは、本明細書に開示の方法のいずれか一つを実行するように構成することができる。
【0070】
処理回路1702の1以上のプロセッサ1704は、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかに拘わらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、関数、アルゴリズムなどを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、コンピュータ可読形式でストレージ1706に存在するようにしても、外部のコンピュータ可読媒体に存在するようにしてもよい。外部のコンピュータ可読媒体および/またはストレージ1706は、非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。非一時的なコンピュータ可読媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、「フラッシュドライブ」、カード、スティック、キードライブ)、RAM、ROM、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、EEPROMを含む消去可能PROM(EPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を格納するための他の任意の適切な媒体を含むことができる。また、コンピュータ可読媒体および/またはストレージ1706は、例えば、搬送波、伝送線、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を伝送するための他の任意の適切な媒体も含むことができる。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ1706は、処理回路1702に存在していても、プロセッサ1704に存在していても、処理回路1702の外部にあっても、処理回路1702を含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ1706は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、特定の用途およびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実装するための最良の方法を認識するであろう。
【0071】
ストレージ1706は、本明細書でソフトウェアモジュール1716とも呼ばれる、ロード可能なコードセグメント、モジュール、アプリケーション、プログラムなどのソフトウェアを維持および/または編成することができる。ソフトウェアモジュール1716の各々は、処理回路1702にインストールまたはロードされて、1以上のプロセッサ1704によって実行されると、1以上のプロセッサ1704の動作を制御するランタイムイメージ1714に寄与する命令およびデータを含むことができる。特定の命令は、実行されると、処理回路1702に、本明細書に記載の特定の方法、アルゴリズムおよびプロセスに従って機能を実行させることができる。
【0072】
ソフトウェアモジュール1716のいくつかは、処理回路1702の初期化中にロードされるものであってもよく、これらのソフトウェアモジュール1716は、本明細書に開示の様々な機能の実行を可能にするように処理回路1702を構成することができる。例えば、いくつかのソフトウェアモジュール1716は、プロセッサ1704の内部デバイスおよび/または論理回路1722を構成することができ、トランシーバ1712、バスインターフェース1708、ユーザインターフェース1718、タイマ、数値演算コプロセッサなどの外部デバイスへのアクセスを管理することができる。ソフトウェアモジュール1716は、割り込みハンドラおよびデバイスドライバと相互作用し、処理回路1702が提供する様々なリソースへのアクセスを制御する制御プログラムおよび/またはオペレーティングシステムを含むことができる。リソースは、メモリ、処理時間、トランシーバ1712へのアクセス、ユーザインターフェース1718などを含むことができる。
【0073】
処理回路1702の1以上のプロセッサ1704は多機能であり、それによってソフトウェアモジュール1716のいくつかがロードされ、異なる機能または同じ機能の異なるインスタンスを実行するように構成される。さらに、1以上のプロセッサ1704は、例えばユーザインターフェース1718、トランシーバ1712およびデバイスドライバからの入力に応答して開始されるバックグラウンドタスクを管理するように適合されてもよい。複数の機能の実行をサポートするために、1以上のプロセッサ1704は、マルチタスク環境を提供するように構成されてもよく、それによって複数の機能の各々が、必要に応じて1以上のプロセッサ1704によって提供されるタスクのセットとして実装される。一例では、マルチタスク環境は、異なるタスク間でプロセッサ1704の制御を引き渡すタイムシェアリングプログラム1720を使用して実装されてもよく、それによって各タスクは、未処理の動作の完了時および/または割り込みなどの入力に応答して、1以上のプロセッサ1704の制御をタイムシェアリングプログラム1720に戻す。タスクが1以上のプロセッサ1704の制御を有する場合、処理回路は、制御タスクに関連する機能によって対処される目的のために効果的に特化される。タイムシェアリングプログラム1720は、オペレーティングシステム、ラウンドロビン方式で制御を転送するメインループ、機能の優先順位に従って1以上のプロセッサ1704の制御を割り当てる機能、および/または、1以上のプロセッサ1704の制御を処理機能に提供することによって外部イベントに応答する割込み作動メインループを含むことができる。
【0074】
一実施態様では、装置1700は、充電回路に結合されたバッテリ充電電源と、複数の充電セルと、1以上のプロセッサ1704に含まれ得るコントローラとを有するワイヤレス充電装置を含むか、またはそのように動作する。複数の充電セルは、充電面を提供するように構成され得る。少なくとも1つのコイルは、各充電セルの電荷伝送領域を通して電磁場を導くように構成され得る。コントローラは、充電回路に、充電装置から励起フラックスを送信させ、励起フラックスに応答して共振が検出された場合に、充電装置による充電に互換性のある充電式デバイスが利用可能であると判定し、充電装置の電力伝送コイルに充電電流を供給するように構成され得る。励起フラックスは、互換性のある充電式デバイスに関連する第1の公称共振周波数を含む第1の周波数範囲で送信され得る。充電電流は、互換性のある充電式デバイスに関連する第2の公称共振周波数を含む第2の周波数範囲で提供され得る。第1の周波数範囲と第2の周波数範囲は、第3の周波数範囲によって分離され得る。一例では、第1の公称共振周波数は1メガヘルツ、第2の公称共振周波数は100キロヘルツと定義される。第1の公称共振周波数及び第2の公称共振周波数は、プロトコルによって、あるいはQi規格などの規格によって定義され得る。
【0075】
いくつかの例では、コントローラは、充電装置の表面の領域内に設けられた1つまたは複数の電力伝送コイルを囲む励起コイルに励起信号を供給するようにさらに構成される。コントローラは、励起信号の反射である電力伝送コイルが受信した信号の位相または利得に基づいて共振を検出するようにさらに構成され得る。
【0076】
いくつかの例では、コントローラは、電力伝送コイルに励起信号を提供するようにさらに構成される。コントローラは、電力伝送コイルを含む回路における位相または利得に基づいて共振を検出するようにさらに構成され得る。いくつかの例では、コントローラは、励起フラックスを伝送するコイルにパルスを提供し、パルスの反射の周波数に基づいて共振を検出するようにさらに構成される。
【0077】
いくつかの例では、コントローラは、共振の周波数と第1の公称共振周波数との間の差を特定し、この差に基づいて充電電流の振幅または周波数を設定するようにさらに構成される。
【0078】
いくつかの実装例では、ストレージ1706が命令と情報を保持し、これらの命令が、1以上のプロセッサ1704に、充電装置から励起フラックスを送信させ、励起フラックスに応答して共振が検出された場合に、充電装置による充電に互換性のある充電式デバイスが利用可能であると判定し、充電装置の電力伝送コイルに充電電流を供給することを実行させる。励起フラックスは、互換性のある充電式デバイスに関連する第1の公称共振周波数を含む第1の周波数範囲で送信され得る。充電電流は、互換性のある充電式デバイスに関連する第2の公称共振周波数を含む第2の周波数範囲で提供され得る。第1の周波数範囲と第2の周波数範囲は、第3の周波数範囲によって分離され得る。一例では、第1の公称共振周波数は1メガヘルツ、第2の公称共振周波数は100キロヘルツと定義される。第1の公称共振周波数及び第2の公称共振周波数は、プロトコルによって、あるいはQi規格などの規格によって定義され得る。
【0079】
いくつかの例では、励起フラックスを送信することは、充電装置の表面の領域内に設けられた1以上の電力伝送コイルを囲む励起コイルに励起信号を提供することを含む。命令は、1以上のプロセッサ1704に、励起信号の反射である電力伝送コイルによって受信された信号の位相または利得に基づいて共振を検出させるように構成され得る。
【0080】
いくつかの例では、励起フラックスを送信することは、電力伝送コイルに励起信号を提供することを含む。命令は、1以上のプロセッサ1704に、電力伝送コイルを含む回路における位相または利得に基づいて共振を検出させるように構成され得る。命令は、1以上のプロセッサ1704に、励起フラックスを伝送するコイルにパルスを提供し、パルスの反射の周波数に基づいて共振を検出させるように構成され得る。命令は、1以上のプロセッサ1704に、共振の周波数と第1の公称共振周波数との間の差を特定し、この差に基づいて充電電流の振幅または周波数を設定させるように構成され得る。
【0081】
図18は、本開示の特定の態様に従った充電装置の動作方法を示すフローチャート1800である。本方法は、充電装置内のDSP、プロセッサまたは他のコントローラによって実行され得る。ブロック1802において、コントローラは、充電装置から励起フラックスを送信することができる。励起フラックスは、互換性のある充電式デバイスに関連する第1の公称共振周波数を含む第1の周波数範囲で送信され得る。ブロック1804において、コントローラは、励起フラックスに応答して共振が検出された場合に、互換性のある充電式デバイスが充電装置による充電に利用可能であると判定することができる。ブロック1806において、コントローラは、充電装置の電力伝送コイルに充電電流を供給することができる。充電電流は、互換性のある充電式デバイスに関連する第2の公称共振周波数を含む第2の周波数範囲で提供され得る。
【0082】
いくつかの実施例では、第1の周波数範囲と第2の周波数範囲は、第3の周波数範囲によって分離されている。第1の公称共振周波数は1メガヘルツ、第2の公称共振周波数は100キロヘルツと定義される。
【0083】
いくつかの例では、コントローラは、充電装置の表面の領域内に設けられた1以上の電力伝送コイルを囲む励起コイルに励起信号を提供することによって励起フラックスを送信し得る。コントローラは、励起信号の反射である電力伝送コイルが受信した信号の位相または利得に基づいて共振を検出し得る。
【0084】
いくつかの例では、コントローラは、電力伝送コイルに励起信号を提供することによって、励起フラックスを送信することができる。コントローラは、電力伝送コイルを含む回路における位相または利得に基づいて共振を検出し得る。いくつかの実装例では、コントローラは、励起フラックスを伝送するコイルにパルスを提供し、パルスの反射の周波数に基づいて共振を検出し得る。いくつかの実装例では、コントローラは、共振の周波数と第1の公称共振周波数との間の差を特定し、この差に基づいて充電電流の振幅または周波数を設定し得る。
【0085】
いくつかの実施例を以下の番号の項目に記載する。
1. 充電装置の動作方法において、充電装置から励起フラックスを送信するステップであって、励起フラックスは、互換性のある充電式デバイスに関連する第1の公称共振周波数を含む第1の周波数範囲で送信されるステップと、励起フラックスに応答して共振が検出された場合に、互換性のある充電式デバイスが充電装置によって充電できると判定するステップと、充電装置の電力伝送コイルに充電電流を提供するステップであって、充電電流は互換性のある充電式デバイスに関連する第2の公称共振周波数を含む第2の周波数範囲で提供されるステップとを含むことを特徴とする方法。
【0086】
2. 前記第1の周波数の範囲と前記第2の周波数の範囲は、第3の周波数の範囲によって分離されている、項目1に記載の方法。
【0087】
3. 前記第1の公称共振周波数は1メガヘルツと定義され、前記第2の公称共振周波数は100キロヘルツと定義される、項目1または2に記載の方法。
【0088】
4. 前記励起フラックスを伝送するステップは、前記充電装置の表面の領域内に設けられた1つまたは複数の電力伝送コイルを囲む励起コイルに励起信号を提供することを含む、項目1乃至3のいずれかに記載の方法。
【0089】
5. 前記励起信号の反射である前記電力伝送コイルが受信した信号の位相または利得に基づいて共振を検出するステップをさらに含む、項目4に記載の方法。
【0090】
6. 前記励起フラックスを伝送するステップは、前記電力伝送コイルに励起信号を供給するステップを含む、項目1乃至5のいずれかに記載の方法。
【0091】
7. 前記電力伝送コイルを含む回路における位相または利得に基づいて共振を検出するステップをさらに含む、項目6に記載の方法。
【0092】
8. 前記励起フラックスを伝送するコイルにパルスを与えるステップと、前記パルスの反射の周波数に基づいて共振を検出するステップとをさらに含む、項目1乃至7のいずれかに記載の方法。
【0093】
9. さらに、前記共振の周波数と前記第1の公称共振周波数との間の差を特定するステップと、この差に基づいて充電電流の振幅または周波数を設定するステップとを含む、項目1乃至8のいずれかに記載の方法。
【0094】
10. 充電装置であって、充電回路と、コンローラであって、前記充電装置から励起フラックスを送信させ、この励起フラックスは、互換性のある充電式デバイスに関連する第1の公称共振周波数を含む第1の周波数範囲で送信され、前記励起フラックスに応答して共振が検出された場合に、互換性のある充電式デバイスが充電装置によって充電できると判定し、前記充電装置の電力伝送コイルに充電電流を提供し、この充電電流は互換性のある充電式デバイスに関連する第2の公称共振周波数を含む第2の周波数範囲で提供される、ように構成されたコントローラとを具えることを特徴とする充電装置。
【0095】
11. 前記第1の周波数範囲と前記第2の周波数範囲とは、第3の周波数範囲によって分離されている、項目10に記載の充電装置。
【0096】
12. 前記第1の公称共振周波数は1メガヘルツと定義され、前記第2の公称共振周波数は100キロヘルツと定義される、項目10または11に記載の充電装置。
【0097】
13. 前記コントローラはさらに、前記充電装置の表面の領域内に設けられた1つまたは複数の電力伝送コイルを囲む励起コイルに励起信号を提供するように構成される、項目10乃至12のいずれかに記載の充電装置。
【0098】
14. 前記コントローラはさらに、前記励起信号の反射である前記電力伝送コイルによって受信された信号の位相または利得に基づいて、共振を検出するように構成されている、項目13に記載の充電装置。
【0099】
15. 前記コントローラはさらに、前記電力伝送コイルに励起信号を供給するように構成される、項目10乃至14のいずれかに記載の充電装置。
【0100】
16. 前記コントローラはさらに、前記電力伝送コイルを含む回路の位相または利得に基づいて共振を検出するように構成される、項目15に記載の充電装置。
【0101】
17. 前記コントローラはさらに、前記励起フラックスを送信するコイルにパルスを供給し、前記パルスの反射の周波数に基づいて共振を検出するように構成される、項目10乃至16のいずれかに記載の充電装置。
【0102】
18. 前記コントローラはさらに、前記共振の周波数と前記第1の公称共振周波数との差を特定し、この差に基づいて前記充電電流の振幅または周波数を設定するように構成される、項目10乃至17のいずれかに記載の充電装置。
【0103】
19. 命令が格納されたプロセッサ可読記憶媒体であって、当該命令は充電装置内の少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記充電装置から励起フラックスを送信させ、前記励起フラックスは、互換性のある充電式デバイスに関連する第1の公称共振周波数を含む第1の周波数範囲で送信され、前記励起フラックスに応答して共振が検出されると、前記互換性のある充電式デバイスが前記充電装置によって充電可能であると判断させ、前記充電装置の電力伝送コイルに充電電流を供給させ、前記充電電流は、前記互換性のある充電式デバイスに関連する第2の公算周波数を含む第2の周波数範囲内で供給される、ことを特徴とするプロセッサ可読記憶媒体。
【0104】
20. 前記命令は、前記プロセッサに、前記共振の周波数と前記第1の公称共振周波数との間の差を特定し、この差に基づいて前記充電電流の振幅または周波数を設定させる、項目19に記載のプロセッサ可読記憶媒体。
【0105】
上述した説明は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施できるようにするために提供されたものである。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には明らかであり、本明細書で規定される一般的な原理は、他の態様に適用することができる。このため、特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言と一致する全範囲が認められるものであり、単数形の要素への言及は、特に明記がなければ、「唯一の」を意味するものではなく、「1以上」を意味するものとする。特に明記されていない限り、「いくつか」という用語は1以上を指している。当業者に知られている、または後に当業者に知られるようになる、本開示を通して説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的均等物は、引用により本明細書に明示的に援用されるとともに、特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に捧げられることを意図していない。クレームの要素は、その要素が 「means for」という語句で明示的に記載されているか、方法クレームの場合には「step for」という語句で記載されていなければ、35U.S.C.§112、第6章の規定に基づいて解釈されるべきではない。
【国際調査報告】