(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-04
(54)【発明の名称】軽量遺骨収容庫、遺骨収容庫・収容庫運搬器・枠組すかし木箱の組み合わせ、及び遺骨収容庫の運搬・設置方法
(51)【国際特許分類】
A61G 17/007 20060101AFI20230828BHJP
【FI】
A61G17/007
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520404
(86)(22)【出願日】2020-06-15
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 CA2020050830
(87)【国際公開番号】W WO2021253110
(87)【国際公開日】2021-12-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522485958
【氏名又は名称】ジェスティヨン モラン エ ギブソン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギブソン、ノルマンド
(57)【要約】
軽量の遺骨収容庫は、剛性のフレームと、化粧パネルと、化粧パネルをフレームに取り付けるパネル取り付け具と、内部に画定された骨壺を収容するためのエンクロージャとを備える。フレームの材料は化粧パネルの材料よりも脆弱でなく化粧パネル材料のみの場合により軽い重量で遺骨収容庫に構造的な剛性を与える。遺骨収容庫は、遺骨収容庫ベッドと、遺骨収容庫ベッドに取り付けられた運搬用のハンドルと備える葬儀用の収容庫運搬器で移送され得る。遺骨収容庫は、剛性のシェルと、遺骨収容庫の底部と形状が整合するようにシェルに設けられた開口部とを含む枠組すかし木箱に保管され得る。遺骨収容庫の枠組すかし木箱からの取り出しと、ベース部への設置を容易化するために、遺骨収容庫の底部に当接し、シェルから突出するようにシェルの開口部に適合するサイズの、地面に置かれたときに遺骨収容庫をその上に載置可能な支持具を使用してもよい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽量の遺骨収容庫であって、
フレーム材料で作られた、剛性を有するフレームと、
化粧パネル材料で作られた複数の化粧パネルと、
前記複数の化粧パネルを前記フレームに取り付けるための複数のパネル取り付け具と、
前記複数の化粧パネル及び前記フレーム内に画定された、骨壺を収容するためのエンクロージャと、を備え、
前記フレーム材料は前記化粧パネル材料よりも脆弱性が低く、前記化粧パネル材料のみを使用した場合よりも軽い重量で前記遺骨収容庫に構造的な剛性を与えることができる、遺骨収容庫。
【請求項2】
請求項1に記載の遺骨収容庫であって、
前記フレーム材料は、金属、金属合金、グラファイト、炭素繊維、プラスチックのうちの1種類以上からなり、前記化粧パネル材料は、石材、大理石、御影石、レキサン、ガラスのうちの1種類以上からなる、遺骨収容庫。
【請求項3】
請求項2に記載の遺骨収容庫であって、
前記エンクロージャは前記フレーム内に画定され、
前記複数の化粧パネル、前記フレーム、またはその両方は、前記エンクロージャにアクセスするために開くことができるドアを有する、遺骨収容庫。
【請求項4】
請求項3に記載の遺骨収容庫であって、
前記パネル取り付け具は、
前記エンクロージャの外側に配置され、前記化粧パネルの少なくとも一部を受容するフランジと、
前記化粧パネルの少なくとも一部を前記フレームに固定する固定具とを含み、
前記フランジは、前記遺骨収容庫の外側からみえる露出部分を含む、遺骨収容庫。
【請求項5】
請求項4に記載の遺骨収容庫であって、
前記ドアは透明な壁を備える、遺骨収容庫。
【請求項6】
軽量の遺骨収容庫と葬儀用の収容庫運搬器との組み合わせであって、
前記遺骨収容庫は、
フレーム材料で作られた、剛性を有するフレームと、
化粧パネル材料で作られた複数の化粧パネルと、
前記複数の化粧パネルを前記フレームに取り付けるための複数のパネル取り付け具と、
前記複数の化粧パネル及び前記フレーム内に画定された、骨壺を収容するためのエンクロージャと、を備え、
前記フレーム材料は前記化粧パネル材料よりも脆弱性が低く、前記化粧パネル材料のみを使用した場合よりも軽い重量で前記遺骨収容庫に構造的な剛性を与えることができ、
前記収容庫運搬器は、
前記遺骨収容庫を運ぶための遺骨収容庫ベッドと、
前記遺骨収容庫ベッドに取り付けられた、前記収容庫運搬器を持ち運ぶためのハンドルとを備える、組み合わせ。
【請求項7】
請求項6に記載の組み合わせであって、
前記ハンドルは、前記遺骨収容庫ベッドを挟んで間隔をおいて配置された一対のサイドレールを含む、組み合わせ。
【請求項8】
請求項7に記載の組み合わせであって、
前記収容庫運搬器は、前記一対のサイドレール間に懸架され、前記遺骨収容庫の外側で葬儀用骨壷を担持する骨壷ベッドをさらに有する、組み合わせ。
【請求項9】
請求項6に記載の組み合わせであって、
前記収容庫運搬器は、前記収容庫運搬器に前記遺骨収容庫を着脱可能に取り付けるための遺骨収容庫取り付け具をさらに有する、組み合わせ。
【請求項10】
軽量の遺骨収容庫を葬儀用の収容庫運搬器で移送する方法であって、
前記遺骨収容庫は、
フレーム材料で作られた、剛性を有するフレームと、
化粧パネル材料で作られた複数の化粧パネルと、
前記複数の化粧パネルを前記フレームに取り付けるための複数のパネル取り付け具と、
前記複数の化粧パネル及び前記フレーム内に画定された、骨壺を収容するためのエンクロージャと、を備え、
前記フレーム材料は前記化粧パネル材料よりも脆弱性が低く、前記化粧パネル材料のみを使用した場合よりも軽い重量で前記遺骨収容庫に構造的な剛性を与えることができ、
前記収容庫運搬器は、
前記遺骨収容庫を運ぶための遺骨収容庫ベッドと、
前記遺骨収容庫ベッドに取り付けられた、前記収容庫運搬器を持ち運ぶためのハンドルとを備え、
前記方法は、
前記遺骨収容庫を前記遺骨収容庫ベッド上に配置するステップと、
前記遺骨収容庫を露出させた状態で、前記収容庫運搬器を、前記ハンドルを用いて手動で運搬するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記遺骨収容庫を前記遺骨収容庫ベッド上に配置するステップの後、前記遺骨収容庫を前記収容庫運搬器に着脱可能に取り付けるステップをさらに含む、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、
前記収容庫運搬器は、前記遺骨収容庫に取り付けられた骨壷ベッドをさらに有し、
前記方法は、前記骨壺を前記遺骨収容庫の外側で前記骨壷ベッド上に配置して、前記遺骨収容庫から分離して外部に露出させるステップをさらに含む、方法。
【請求項13】
軽量の遺骨収容庫、枠組すかし木箱、及び支持具の組み合わせであって、
前記遺骨収容庫は上部と、底部とを有し、
前記遺骨収容庫は、
フレーム材料で作られた、剛性を有するフレームと、
化粧パネル材料で作られた複数の化粧パネルと、
前記複数の化粧パネルを前記フレームに取り付けるための複数のパネル取り付け具と、
前記複数の化粧パネル及び前記フレーム内に画定された、骨壺を収容するためのエンクロージャと、を備え、
前記フレーム材料は前記化粧パネル材料よりも脆弱性が低く、前記化粧パネル材料のみを使用した場合よりも軽い重量で前記遺骨収容庫に構造的な剛性を与えることができ、
前記枠組すかし木箱は、
衝撃に対して前記遺骨収容庫を保護するために、前記遺骨収容庫の外側に取り付けられた剛性を有する保護シェルと、
前記保護シェルに設けられた開口部であって、前記遺骨収容庫の前記底部と形状が整合する、該開口部とを有し、
前記支持具は、前記遺骨収容庫の前記底部に当接し、前記保護シェルから突出するように、前記保護シェルの前記開口部に適合するサイズに形成されることによって、前記支持具が地面に置かれたときに前記遺骨収容庫を前記支持具の上に載置可能にし、前記遺骨収容庫の前記枠組すかし木箱からの取り出しと、ベース部への設置を容易にするように構成される、組み合わせ。
【請求項14】
請求項13に記載の組み合わせであって、
前記保護シェルは、複数のシェルパネルと、前記複数のシェルパネルを前記遺骨収容庫に固定するための複数のシェルパネル取り付け具とを含む、組み合わせ。
【請求項15】
請求項13に記載の組み合わせであって、
前記保護シェルは、木材とプラスチックのうちの1つ以上を含むシェル材料から作られる、組み合わせ。
【請求項16】
枠組すかし木箱に収容された軽量の遺骨収容庫をベース部に設置する方法であって、
前記遺骨収容庫は上部と、底部とを有し、
前記遺骨収容庫は、
フレーム材料で作られた、剛性を有するフレームと、
化粧パネル材料で作られた複数の化粧パネルと、
前記複数の化粧パネルを前記フレームに取り付けるための複数のパネル取り付け具と、
前記複数の化粧パネル及び前記フレーム内に画定された、骨壺を収容するためのエンクロージャと、を備え、
前記フレーム材料は前記化粧パネル材料よりも脆弱性が低く、前記化粧パネル材料のみを使用した場合よりも軽い重量で前記遺骨収容庫に構造的な剛性を与えることができ、
前記枠組すかし木箱は、
衝撃に対して前記遺骨収容庫を保護するために、前記遺骨収容庫の外側に取り付けられた剛性を有する保護シェルと、
前記保護シェルに設けられた開口部であって、前記遺骨収容庫の前記底部と形状が整合する、該開口部とを有し、
前記方法は、
前記保護シェルの前記開口部内に適合するサイズで、前記保護シェルより厚い支持具を準備するステップと
前記支持具を前記ベース部上に配置するステップと、
前記枠組すかし木箱に収納された前記遺骨収容庫を前記支持具の上に置くステップであって、前記遺骨収容庫の前記底部が前記支持具の上に載り、前記支持具が前記枠組すかし木箱の前記開口部を通って延び、前記保護シェルを越えて突出するように前記遺骨収容庫を前記支持具の上に置く、該ステップと、
前記遺骨収容庫が前記支持具の上に載っている間、前記遺骨収容庫から前記保護シェルを少なくとも部分的に取り除くステップと、
前記遺骨収容庫を直接前記ベース部上に載せるべく、前記支持具を前記遺骨収容庫の下から取り除くステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記保護シェルを少なくとも部分的に取り除くステップは、
複数のシェルパネルを取り除くステップであって、前記複数のシェルパネルを前記遺骨収容庫に対して固定している複数のシェルパネル取り付け具を解除することによって、前記複数のシェルパネルを取り除く、該ステップをさらに含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記複数のシェルパネルを取り除くステップは、
前記複数のシェルパネルを前記遺骨収容庫に対して維持する取り付けストラップを切断するステップを含む、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、
前記支持具を前記遺骨収容庫の下から取り除くステップの前に、前記遺骨収容庫の前記底部が前記ベース部に載るまで前記遺骨収容庫を一方の片側で揺動させるステップであって、前記遺骨収容庫を一方の片側で揺動させることで、前記遺骨収容庫の重さが前記支持具にかからないようにする、該ステップをさらに含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記保護シェルを少なくとも部分的に取り除くステップの後で、前記遺骨収容庫を一方の片側で揺動させるステップ及び前記支持具を前記遺骨収容庫の下から取り除くステップの前に、
前記遺骨収容庫の前記底部へのアクセスが得られるまで、前記遺骨収容庫を前記一方の片側とは反対側の他方の片側で揺動させるステップと、
前記遺骨収容庫が前記他方の片側で揺動させられている間に、前記ベース部と前記遺骨収容庫の前記底部との間に接着剤の第1の部分を塗布するステップと、
前記塗布するステップに次いで、前記支持具を前記遺骨収容庫の下から取り除くステップの前であって、前記遺骨収容庫を一方の片側で揺動させるステップの後に、前記遺骨収容庫を一方の片側で揺動させた状態で、前記ベース部と前記底部との間に前記接着剤の第2の部分を塗布するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、葬儀用具の分野に関し、特に遺骨収容庫、及び遺骨収容庫の運搬・保管方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大切な人間の他界に伴って行われる深く精神に関わる行為のプロセスは、宗教の有無にかかわらず存在し、人が亡くなった後の儀式、すなわち葬儀の重要性は高く、人が喪に服すために不可欠なステップである。葬儀は、国や文化によって様々な形態がある。遺体を荼毘に付し、その灰を骨壺に納め、骨壺を墓地に安置する儀式もその一つである。
【0003】
遺骨収容庫は本来、骨壺を保護するための装飾付きの箱であるが、多くの人が骨壺のある墓地を訪れ、そこで遺骨収容庫や骨壷が公開されるため、その外観の精神的な影響は重要である。墓地の平穏な環境を乱さないようにするため、墓地の管理者は墓地の構成に関する規則等を定めている。そのような規則のうち遺骨収容庫を作るための材料についての規則は、遺骨収容庫を石材、花崗岩または大理石のみで作るか、またはその大部分を石材、花崗岩または大理石で作り、一部をブロンズなどの貴金属を使用して作ることを要請している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしその結果、比較的小さな骨壺を納めるだけの場合でも、遺骨収容庫は、葬儀場への搬入を含めた移動のためにリフト車やクレーンが必要になるほどの重さになってしまう。つまり、骨壺を安置する作業の際に、通常は事前に遺骨収容庫を設置する必要があり、墓地の管理者が遺骨収容庫の設置に介入する必要があり、その分コストがかかることになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は軽量の遺骨収容庫に関する。本発明の軽量の遺骨収容庫は、
フレーム材料で作られた、剛性を有するフレームと、
化粧パネル材料で作られた複数の化粧パネルと、
前記複数の化粧パネルを前記フレームに取り付けるための複数のパネル取り付け具と、
前記複数の化粧パネル及び前記フレーム内に画定された、骨壺を収容するためのエンクロージャと、を備え、
前記フレーム材料は前記化粧パネル材料よりも脆弱性が低く、前記化粧パネル材料のみを使用した場合よりも軽い重量で前記遺骨収容庫に構造的な剛性を与えることができる。
【0006】
一実施形態では、前記フレーム材料は、金属、金属合金、グラファイト、炭素繊維、プラスチックのうちの1種類以上からなり、前記化粧パネル材料は、石材、大理石、御影石、レキサン、ガラスのうちの1種類以上からなる。
【0007】
一実施形態では、前記エンクロージャは前記フレーム内に画定され、前記複数の化粧パネル、前記フレーム、またはその両方は、前記エンクロージャにアクセスするために開くことができるドアを有する。
【0008】
一実施形態では、前記パネル取り付け具は、前記エンクロージャの外側に配置され、前記化粧パネルの少なくとも一部を受容するフランジと、前記化粧パネルの少なくとも一部を前記フレームに固定する固定具とを含み、前記フランジは、前記遺骨収容庫の外側からみえる露出部分を含む。
【0009】
一実施形態では、前記ドアは透明な壁を備える。
【0010】
本発明は軽量の前記遺骨収容庫と、葬儀用の前記収容庫運搬器との組み合わせに関する。前記組み合わせにおいて、前記収容庫運搬器は、前記遺骨収容庫を運ぶための遺骨収容庫ベッドと、前記遺骨収容庫ベッドに取り付けられた、前記収容庫運搬器を運ぶためのハンドルとを備える。
【0011】
一実施形態では、前記ハンドルは、前記遺骨収容庫ベッドを挟んで間隔をおいて配置された一対のサイドレールを含む。
【0012】
一実施形態では、前記収容庫運搬器は、前記一対のサイドレール間に懸架され、前記遺骨収容庫の外側で葬儀用骨壷を担持する骨壷ベッドをさらに有する。
【0013】
一実施形態では、前記収容庫運搬器は、前記収容庫運搬器に前記遺骨収容庫を着脱可能に取り付けるための遺骨収容庫取り付け具をさらに有する。
【0014】
本発明は、軽量の前記遺骨収容庫を葬儀用の前記収容庫運搬器で移送する方法に関する。前記方法は、前記遺骨収容庫を前記遺骨収容庫ベッド上に配置するステップと、前記遺骨収容庫を露出させた状態で、前記収容庫運搬器を、前記ハンドルを用いて手動で運搬するステップとを含む。
【0015】
一実施形態では、前記遺骨収容庫を前記遺骨収容庫ベッド上に配置するステップの後、前記遺骨収容庫を前記収容庫運搬器に着脱可能に取り付けるステップをさらに含む。
【0016】
一実施形態では、前記収容庫運搬器は、前記遺骨収容庫に取り付けられた骨壷ベッドをさらに有し、前記方法は、前記骨壺を前記遺骨収容庫の外側で前記骨壷ベッド上に配置して、前記遺骨収容庫から分離して外部に露出させるステップをさらに含む。
【0017】
本発明は軽量の前記遺骨収容庫、枠組すかし木箱、及び支持具の組み合わせに関する。前記組み合わせにおいて、
前記遺骨収容庫は上部と、底部とを有し、
前記枠組すかし木箱は、
衝撃に対して前記遺骨収容庫を保護するために、前記遺骨収容庫の外側に取り付けられた剛性を有する保護シェルと、
前記保護シェルに設けられた開口部であって、前記遺骨収容庫の前記底部と形状が整合する、該開口部とを有し、
前記支持具は、前記遺骨収容庫の前記底部に当接し、前記保護シェルから突出するように、前記保護シェルの前記開口部に適合するサイズに形成されることによって、前記支持具が地面に置かれたときに前記遺骨収容庫を前記支持具の上に載置可能にし、前記遺骨収容庫の前記枠組すかし木箱からの取り出しと、ベース部への設置を容易にするように構成される。
【0018】
一実施形態では、前記保護シェルは、複数のシェルパネルと、前記複数のシェルパネルを前記遺骨収容庫に固定するための複数のシェルパネル取り付け具とを含む。
【0019】
一実施形態では、前記保護シェルは、木材とプラスチックのうちの1つ以上を含むシェル材料から作られる。
【0020】
本発明は前記枠組すかし木箱に収容された軽量の前記遺骨収容庫をベース部に設置する方法に関する。前記方法は、
前記保護シェルの前記開口部内に適合するサイズで、前記保護シェルより厚い支持具を準備するステップと
前記支持具を前記ベース部上に配置するステップと、
前記枠組すかし木箱に収納された前記遺骨収容庫を前記支持具の上に置くステップであって、前記遺骨収容庫の前記底部が前記支持具の上に載り、前記支持具が前記枠組すかし木箱の前記開口部を通って延び、前記保護シェルを越えて突出するように前記遺骨収容庫を前記支持具の上に置く、該ステップと、
前記遺骨収容庫が前記支持具の上に載っている間、前記遺骨収容庫から前記保護シェルを少なくとも部分的に取り除くステップと、
前記遺骨収容庫を直接前記ベース部上に載せるべく、前記支持具を前記遺骨収容庫の下から取り除くステップと、
を含む。
【0021】
一実施形態では、前記保護シェルを少なくとも部分的に取り除くステップは、複数のシェルパネルを取り除くステップであって、前記複数のシェルパネルを前記遺骨収容庫に対して固定している複数のシェルパネル取り付け具を解除することによって、前記複数のシェルパネルを取り除く、該ステップをさらに含む。
【0022】
一実施形態では、前記複数のシェルパネルを取り除くステップは、前記複数のシェルパネルを前記遺骨収容庫に対して維持する取り付けストラップを切断するステップを含む。
【0023】
一実施形態では、前記方法は、前記支持具を前記遺骨収容庫の下から取り除くステップの前に、前記遺骨収容庫の前記底部が前記ベース部に載るまで前記遺骨収容庫を一方の片側で揺動させるステップであって、前記遺骨収容庫を一方の片側で揺動させることで、前記遺骨収容庫の重さが前記支持具にかからないようにする、該ステップをさらに含む。
【0024】
一実施形態では、前記方法は、
前記保護シェルを少なくとも部分的に取り除くステップの後で、前記遺骨収容庫を一方の片側で揺動させるステップ及び前記支持具を前記遺骨収容庫の下から取り除くステップの前に、
前記遺骨収容庫の前記底部へのアクセスが得られるまで、前記遺骨収容庫を前記一方の片側とは反対側の他方の片側で揺動させるステップと、
前記遺骨収容庫が前記他方の片側で揺動させられている間に、前記ベース部と前記遺骨収容庫の前記底部との間に接着剤の第1の部分を塗布するステップと、
前記塗布するステップに次いで、前記支持具を前記遺骨収容庫の下から取り除くステップの前であって、前記遺骨収容庫を一方の片側で揺動させるステップの後に、前記遺骨収容庫を一方の片側で揺動させた状態で、前記ベース部と前記底部との間に前記接着剤の第2の部分を塗布するステップと、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る遺骨収容庫をベース部に取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係る遺骨収容庫をベース部に取り付けた状態を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1及び
図2の遺骨収容庫を、本発明による、骨壷を花とともに運ぶための葬儀用の収容庫運搬器に設置した側立面図である。
【
図4】
図4は、
図3の葬儀用の収容庫運搬器、遺骨収容庫、及び骨壺の斜視図である。
【
図5】
図5は、
図3の葬儀用の収容庫運搬器、遺骨収容庫、及び骨壺の分解斜視図であり、花を除いた状態を示している。
【
図6】
図6は、本発明による、
図1~
図2の遺骨収容庫と、ベース部と、枠組すかし木箱と、支持具とを一緒に示す斜視図である。
【
図7】
図7は、遺骨収容庫の、
図6で設置されるベース部とは別体の枠組すかし木箱への収納を示す図である。この作業は支持具の助けにより実施される。
【
図8】
図8は、ベース部への遺骨収容庫の設置を示す図である。この作業は支持具の助けにより実施される。
【
図9】
図9は、枠組すかし木箱からの遺骨収容庫の取り外しを示す図である。この作業は支持具の助けにより実施される。
【
図10】
図10は、ベース部への遺骨収容庫の設置に際して、遺骨収容庫を支持具の片側で揺動させてベース部と遺骨収容庫の底部との間に接着剤の部分を塗布する作業を示す図である。
【
図11】
図11は、ベース部への遺骨収容庫の設置に際して、遺骨収容庫を支持具の
図10とは異なる片側で揺動させてベース部と遺骨収容庫の底部との間に接着剤の部分を塗布する作業を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の第2実施形態に係る遺骨収容庫をベース部に取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、本発明の第2実施形態に係る遺骨収容庫をベース部に取り付けた状態を示す分解斜視図である。
【
図14】
図14は、本発明の第3実施形態に係る遺骨収容庫をベース部に取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図15】
図15は、本発明の第3実施形態に係る遺骨収容庫をベース部に取り付けた状態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1及び
図2は、本発明による軽量の遺骨収容庫30を示し、この軽量の遺骨収容庫は従来のように、葬儀場や墓地に通常設けられるスラブまたは石または他の適切な支持構造で形成されたベース部32上に設置される。
【0027】
遺骨収容庫30は、互いに固定的に取り付けられる(例えば、溶接される)後壁36、上壁38及び底壁40、2つの側壁42、44を含む剛性を有するフレーム34から構成される。フレーム34はまた、そこに骨壺(図示せず)を受容するために壁36、38、40、42、44の間に画定されたエンクロージャ48へのアクセスを可能にする前面の開口部46を有している。
【0028】
フレーム34は、エンクロージャ48の外側でフレーム34の外面に位置する、後壁36及び側壁42、44の外面に固定(例えば、溶接)される3対のフランジ50、52;54、56;及び58、60を更に備える。各フランジ50、52、54、56、58及び60は断面がC字形状であり、各対が互いに対向して設けられた三対のフランジ50、52;54、56;及び58、60の各々が、各フランジ対の間にぴったりと適合する対応する壁パネルをなす化粧パネル、すなわち後部化粧パネル62及び2つの側部化粧パネル64、66を保持する。上部及び下部の化粧パネル68、70は、ボルト72、74である上側及び下側の留め具によってそれぞれフレーム34に固定され、またフレーム34よりもサイズが大きいので、後部化粧パネル62及び側部化粧パネル64及び66が、対応する対のフランジ50、52;54、56;及び58、60から滑り落ちるのを防止できる。
【0029】
遺骨収容庫30はまた前部パネル76を備え、前部パネル76は、エンクロージャ48にアクセス可能にするべく開くことができるドアを形成する。前部パネル76は、フレーム34上の前部フランジ82と係合可能なカムであるロック部材78、80を、周辺サッシ81上に有し、これにより前部パネル76をフレーム34に着脱可能に取り付けて、エンクロージャ48を閉じるか、またはアクセスを可能にすることができる。キー(図示せず)を、ロック部材78、80をロックするために使用してもよい。前部パネル76は透明ペイン86を含み、透明ペインはエンクロージャ48のなかへの視覚的アクセスを可能とし、内部の骨壺を可視化することができる。
【0030】
一実施形態では(図示せず)、前部パネルは、他の側部、後部、底部、及び上部化粧パネルと同じ材料、すなわち石材、御影石または大理石で作られ得る。それでも、この前部パネルを、例えば専用の鍵でロック・ロック解除することは可能である。
【0031】
図1に示すように、フランジ50、52、54、56、58、及び60の露出部分は、化粧パネル62、64、66、68、70、及び76の間の領域で、遺骨収容庫30の外部に見えるので、遺骨収容庫30の外観の改善に寄与することができる。特に、フランジ50、52、54、56、58、及び60の露出部分には、彫刻などの装飾を施すことができる。
【0032】
化粧パネル62、64、66、68、70、及び76をフレーム34に取り付けるために、フランジ50、52、54、56、58、及び60並びにボルト72、74に加えて、またはそれらの代わりに、他のパネル取り付け具(図示せず)、及びロック部材78、80を使用してもよい。
【0033】
フレーム34は、化粧パネル62、64、66、68、70、及び76の材料よりも脆弱性が少なく(壊れにくく)、化粧パネル材料のみを使用した場合よりも軽い重量で遺骨収容庫に構造的剛性を与えることができるフレーム材料で形成されている。フレーム材料は、例えば、金属(例えば、ブロンズ、銀、金、錫、アルミニウムまたは他の金属、これらの金属の1つ以上を他のものと組み合わせて含み得る金属合金)、黒鉛、炭素繊維、及び化粧パネルを保持するために必要な機械特性を有する剛性プラスチックのなかの1以上から構成される。化粧プレートの材料は、石材、大理石、御影石、レキサン、ガラスのうちの1つ以上から構成される。通常、化粧パネルは、そのほとんどが石材、大理石、花崗岩で構成されるが、ドアのように透明な一部のパネルは当然ながらレキサンのような他の材料を含む。また、ドアは、金属または金属合金、あるいは他の適切な材料を含んでいてもよい。
【0034】
この結果、遺骨収容庫30は、通常全体が花崗岩、石材、または大理石で構成されている従来の遺骨収容庫と比較して軽量となる。また、遺骨収容庫30の外部露出面を花崗岩、石材または大理石とすることは、遺骨収容庫の材料の種類に求められる要件や規則に適合している。遺骨収容庫30は材料について配慮しつつも軽量となるが、これは外側の化粧パネル62、64、66、68、70、及び76をこれらの材料で提供するとともに、内側の枠構造は壊れにくく抵抗力を有するように構成し、全体的に軽量化を可能とすることによって達成されている。
【0035】
結果的に軽量化された遺骨収容庫30は、例えば2人または1人で運搬することができる。これは、運搬のためにリフトトラック、クレーン、その他のリフト車両を必要とした、大理石や花崗岩で作られた従来の重い遺骨収容庫では実現できなかったことである。
【0036】
軽量の遺骨収容庫30を利用する1つの方法として、
図3、
図4及び
図5に示すように、遺骨収容庫を搬送するために人力で搬送可能な葬儀用の収容庫運搬器100を使用することができる。葬儀用の収容庫運搬器100は、当該収容庫運搬器100の長手方向に延びる一対の間隔をおいたサイドレール102、104と、サイドレール102、104間に延びる、遺骨収容庫30を載置するための遺骨収容庫ベッド106とから主として構成される。遺骨収容庫ベッド106は、サイドレール102、104に固定され、それらの間に横方向に延びる2つのL字型支持具108、110を含み、支持具のそれぞれがC字型の断面を有する取り付けプレート112、114である遺骨収容庫取り付け具を備える。C字型の取り付けプレート112、114は、遺骨収容庫の底部の壁をなす化粧パネル70の突出した縁部に係合し、多数の留めネジでそれに対して着脱可能に固定されて、遺骨収容庫30を収容庫運搬器100に着脱可能に取り付けている。遺骨収容庫取り付け具はまた、遺骨収容庫30の横方向の位置を固定できるように支持具108、110に止めネジで取り付けられた鉄製の規制部120、122、124、及び126を含む。
【0037】
遺骨収容庫ベッド106は、当然ながら、離隔して配置された支持具108、110の代わりに、完全な下部面プレートをでもよいが、その場合は重量がより重くなる。
【0038】
収容庫運搬器100は、サイドレール102、104に固定されて、それらの間に懸架された平板である骨壺ベッド130をさらに備え、骨壺ベッド130の上には、骨壺134を運ぶための骨壺用の台座132が設けられる。キー136は、係合ソケット137及び留めネジ138によって骨壺134を台座132に着脱可能に取り付けるために使用される。
【0039】
花用ベッド140は、収容庫運搬器100上に花Fを載せるために、サイドレール102、104に固定され、それらの間に懸架される。
【0040】
サイドレール102,104に固定され、それらの間に懸架される一対のクロスバー142,144は、収容庫運搬器100を補強するものである。
【0041】
サイドレール102,104及びクロスバー142,144は、収容庫運搬器100を運搬するためのハンドル(取っ手)として使用でき、例えば、
図3に示すように、2人の人間Pがそれぞれサイドレール102、104の前部及び後部の端部を持ち、収容庫運搬器100を運搬することも可能である。
【0042】
本発明によれば、軽量の遺骨収容庫30を葬儀用の収容庫運搬器100で移送する方法が提供され、前記方法は、遺骨収容庫を前記遺骨収容庫ベッド上に配置するステップと、遺骨収容庫を露出させた状態で、収容庫運搬器100を、前記ハンドルを用いて手動で運搬するステップと、を含む。遺骨収容庫30の手動輸送は、前述したように軽量でなければ不可能である。収容庫運搬器100自体が、人間Pによって運ばれる総重量に含まれ、考慮されるべき追加の重量を有することから、遺骨収容庫が軽量であることはより重要となる。
【0043】
一実施形態では、前記方法は、遺骨収容庫30を遺骨収容庫ベッド106上に配置するステップの後に、遺骨収容庫30を葬儀用の収容庫運搬器100に着脱可能に取り付けるステップをさらに含む。遺骨収容庫30が遺骨収容庫ベッド106に取り付けられるが、その場合、サイドレール102、104に交互に取り付けられてもよく、または収容庫運搬器100の任意の他の適切な部分に取り付けられてもよい。
【0044】
本発明の方法によれば、骨壺134を骨壺ベッド103上に配置して外部に露出させて、葬儀の行列の際に骨壺を遺骨収容庫30から分離して外部に露出させることも可能である。
【0045】
かくして、軽量な遺骨収容庫30を収容庫運搬器100に載置して運搬可能とすることによって、葬儀関係者自身が遺骨収容庫と骨壺を葬儀場まで運ぶことができる。
【0046】
軽量な遺骨収容庫30を活用する別の方法として、
図6~
図9に示すように枠組すかし木箱200と併せて出荷・運搬し、枠組すかし木箱200から直接ベース部32に設置することができる。その際、支持具202を使用することで設置が容易になる。
【0047】
具体的には、枠組すかし木箱200は、遺骨収容庫30を衝撃から保護するために、その外側に取り付けられた剛性を有する保護シェル204を含む。保護シェル204は、いずれも板状の多数のパネルで構成された2つのシェル部分206、208から主として構成され、これらシェル部分は、シェルパネルを遺骨収容庫に対して固定するシェルパネル取り付け具によって互いに取り付けられる。シェルパネル取り付け具は柔軟なストラップ210、212を含み、これらのストラップは、2つのシェル部分206、208の周りに巻回されて、それらを遺骨収容庫30に対して保持する。
【0048】
保護シェル204は、木材及びプラスチックのうちの1つ以上からなるシェル材料から作成されるが、剛性のあり耐衝撃性のある、好ましくは軽量の材料であれば、どのような材料からでも作成され得る。
【0049】
保護シェル204の2つのシェル部分206、208は、保護シェル204が遺骨収容庫30に設置されたときに遺骨収容庫30の底部と形状が整合する開口部214を画定する。
【0050】
支持具202もまた、複数枚の板を組み立てて形成され、遺骨収容庫30の底部の壁をなす化粧パネル70の下面に当接し、かつ保護シェル204を越えて突出するように、シェル開口部214内に適合するサイズに形成され、支持具202が地面に置かれたときに、遺骨収容庫30を支持具202上に載置可能にし、その後、保護シェル204を、地面の上方に間隔をおいて配置して、遺骨収容庫の枠組すかし木箱200からの取り出しと、ベース部32への設置を容易にする。この点については後に詳述する。
【0051】
本発明によれば、枠組すかし木箱200に収容された軽量の遺骨収容庫30をベース部32に設置する方法が開示される。前記方法は、保護シェルの開口部214内に適合するサイズで、シェル204より厚い支持具202を準備するステップと;支持具202をベース部32上に配置するステップと;枠組すかし木箱200に収納された遺骨収容庫30を支持具202の上に置くステップであって、遺骨収容庫30の底面(すなわち底部の壁をなす化粧パネル70の下面)が支持具202の上に載り、枠組すかし木箱200が保護シェルの開口部214を通って延び、保護シェル204を越えて突出するように遺骨収容庫30を支持具202の上に置く、該ステップと;遺骨収容庫30が支持具202の上に載っている間、遺骨収容庫30から保護シェル204を少なくとも部分的に取り除くステップと;遺骨収容庫30を直接ベース部32上に載せるべく、支持具202を遺骨収容庫30の下から取り除くステップと、を含む。
【0052】
遺骨収容庫30から保護シェル204を少なくとも部分的に取り除くステップは、2つのシェル部分206、208を取り除くステップであって、各シェル部分は、例えば組み立てられた(例えば釘付けされた)木製の板であるいくつかのシェルパネルを含み、シェルパネルを遺骨収容庫30に対して固定するためのシェルパネル取り付け具(例えば柔軟なストラップ)を解除する(例えば、はさみで切断する)ことによって、シェル部分206、208を取り除く、該ステップを含む。保護シェル204は、任意の数のシェルパネルを2つのシェル部分206、208を形成するように配置することによって、または、より一般的には、遺骨収容庫をカバーし衝撃から保護するための任意の適切なシェルパネルを配置することによって形成され得ることは理解されよう。
【0053】
かくして、支持具202は、ベース部32の上方に遺骨収容庫30を配置するためのレスト(載置部)を提供し、シェル204自体がベース部32の上方に間隔をおいて配置され、ストラップ210、212及びシェルパネルが、遺骨収容庫30の重量及び枠組すかし木箱200自体の重量がシェルパネルにかかることなく取り外しできるようにすることによって、遺骨収容庫からシェルパネルを取り除くのに役立つ。
【0054】
前記方法は、支持具202を遺骨収容庫30の下から取り除くステップの前に、
図11に示すように、遺骨収容庫の底部がベース部に載り、遺骨収容庫空の荷重が支持具から取り除かれるまで、遺骨収容庫を一方の片側で揺動させる(傾ける)ステップを含む。このように遺骨収容庫を揺動させることにより、その荷重が支持具202から取り除かれ、支持具202を容易に取り除くことが可能となる。
【0055】
また本発明の方法は、接着剤218で遺骨収容庫30をベース部32に固定するステップを含む。具体的には、前記方法は、シェル204を遺骨収容庫から取り除くステップの後で、遺骨収容庫を一方の片側で揺動させるステップ及び支持具を取り除くステップの前に、
図10に示すように、遺骨収容庫を揺動した前記一方の側とは反対側の他方の片側で遺骨収容庫の底部へのアクセスが得られるまで揺動させるステップを含む。この方法は、
図10に示すように、遺骨収容庫の底部へのアクセスが得られるまで、遺骨収容庫を揺動させた一方の片側とは反対側の他方の片側で揺動させるステップと、遺骨収容庫が他方の片側で揺動している間に、接着剤218の第1の部分220をベース部と遺骨収容庫の底部との間に塗布するステップとを含み、前記方法は次いで、
図11に示すように、遺骨収容庫の下から支持具を取り除くステップの前で、遺骨収容庫を一方の片側で揺動させるステップの後に、遺骨収容庫が一方の片側で揺動されている間に、ベース部と遺骨収容庫の底部との間に接着剤218の第2の部分222を塗布するステップとを含む。
【0056】
このように、支持具202には、前に説明したように枠組すかし木箱200の除去を容易にすることに加えて、支持具202の上で遺骨収容庫を一方の片側で揺動させ、ついで他方の片側で揺動させて、底部の壁をなす化粧パネル70の下面及び/またはベース部32の対応する上面を露出させて両者の間に接着剤を塗布することを可能にすることによって、接着剤の塗布を容易にするという第2の効果もある、ことが理解されよう。本実施形態では、接着剤は、ベース部32に塗布する例が示されているが、当然ながら、ベース部の代わりに遺骨収容庫の底部の壁をなす化粧パネル70の下面に塗布することも可能である。
【0057】
支持具202は、好ましくは枠組すかし木箱200と共に出荷及び輸送され、例えば、
図6及び
図7に示すように、柔軟なストラップ230、232で枠組すかし木箱200に取り付けられ、ハサミでストラップを切断して取り外すことができる。
【0058】
シェル204は、好ましくは、シェル部分206、208にそれぞれ設けられ、各シェル部分206、208から突出した板状のハンドル224、226を有し、これにより運搬のために手で把持することが可能となる。
【0059】
手で搬送できる枠組すかし木箱200を用いた遺骨収容庫30の搬送は、上述したように遺骨収容庫30が軽量であることにより可能となる。
【0060】
図12~
図13及び
図14~
図15はそれぞれ、本発明の第2の実施形態及び第3の実施形態による、遺骨収容庫300及び400を示す。当業者には明らかであるように、以下に説明する事項以外は、これらの実施形態の遺骨収容庫は
図1~
図2に示す本発明の第1の実施形態の遺骨収容庫30と同様である。
【0061】
第2の実施形態では、遺骨収容庫300が、内部に2つのエンクロージャ304、306と、2つのエンクロージャ304、306を分離する中間壁308を有するフレーム302を備える。前部パネル310は、独立して開くことができる2つのドア312、314を有する。
【0062】
第3の実施形態では、遺骨収容庫400が、内部に3つのエンクロージャ404、406、408と、3つのエンクロージャ404、306、408を分離する2つの中間壁410、412を有するフレーム402を備える。前部パネル414は、独立して開くことができる3つのドア416、418、420を有する。
【0063】
遺骨収容庫300、400は、それぞれ2つ、3つの骨壺を収容することができ、それぞれを独立したエンクロージャに収めることができる。第1の実施形態の遺骨収容庫30よりもサイズが大きくなるが、遺骨収容庫300、400は、従来の石材、大理石、御影石のみを用いた2重、3重の遺骨収容庫に比べ重量がかなり軽くなる。
【国際調査報告】