(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-05
(54)【発明の名称】反復データ信号の検出
(51)【国際特許分類】
H04L 1/08 20060101AFI20230829BHJP
H04L 1/00 20060101ALI20230829BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20230829BHJP
【FI】
H04L1/08
H04L1/00 B
H04W28/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540650
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 IB2021052467
(87)【国際公開番号】W WO2022034382
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523024439
【氏名又は名称】ディー - フェンド ソリューションズ エイディー リミテド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モンサ シャーモン、アサフ
(72)【発明者】
【氏名】ライゼロヴィッチ、ハナン
【テーマコード(参考)】
5K014
5K067
【Fターム(参考)】
5K014DA03
5K014EA01
5K067AA24
5K067EE12
5K067HH25
5K067HH28
(57)【要約】
無線ネットワークを介して第1のノードと第2のノードとの間で通信される、データ・パケット内の反復情報を検出する装置は、処理回路を備え、処理回路は、該無線ネットワークを介して、該第1のノードと該第2のノードとの間で、複数のそれぞれの時間に送信されるデータ通信信号のサンプルを収集し、該収集したサンプルを、複数のサンプルのシーケンスにグループ化し、該サンプルのシーケンスを組み合わせて、少なくとも1つの結合信号にし、且つ該少なくとも1つの結合信号の分析に基づいて、該データ通信信号によって伝搬された複数のデータ・パケット内の反復情報を示す信号を生成するよう構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークを介して、第1のノードと第2のノードとの間で通信されるデータ・パケット内の、反復情報を検出する装置であって、前記装置が、
処理回路
を備え、前記処理回路が、
前記無線ネットワークを介して、前記第1のノードと前記第2のノードとの間で、複数のそれぞれの時間に送信されるデータ通信信号のサンプルを収集し、
前記収集したサンプルを、複数のサンプルのシーケンスにグループ化し、
前記サンプルのシーケンスを組み合わせて、少なくとも1つの結合信号にし、且つ
前記少なくとも1つの結合信号の分析に基づいて、前記データ通信信号によって伝搬された複数のデータ・パケット内の反復情報を示す信号を生成する
よう構成される、装置。
【請求項2】
前記分析が、前記少なくとも1つの結合信号内の、反復情報の有無を識別することを含み、前記反復情報を示す信号が、前記複数のデータ・パケット内における、前記識別した反復情報の有無のインジケータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記分析が、前記少なくとも1つの結合信号から反復情報を抽出することを含み、前記反復情報を示す信号が、前記抽出した反復情報を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記サンプルのシーケンスのそれぞれが、ただ1つのデータ・パケットを含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項5】
前記処理回路がさらに、前記第1のノードと前記第2のノードとの間で送信される前記データ通信信号を監視するよう構成される、請求項1から4までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
ベースバンド入力信号をサンプリングし、前記サンプルを前記収集のために前記処理回路へ供給するよう構成される、サンプラをさらに備える、請求項1から5までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記サンプルのシーケンスを前記少なくとも1つの結合信号にする、前記組合せの前に、周波数変換が、前記サンプルのシーケンスのそれぞれに適用される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記処理回路が、複数の前記サンプルのシーケンスと、前記複数の前記サンプルのシーケンスの遅延バージョンとの加重線形結合を形成することによって、前記組合せを実行するよう構成される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記処理回路が、前記ネットワークの通信チャネルの状態に従って、前記加重線形結合の重みづけ係数を選択するよう構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記処理回路が、
重みづけ係数の複数のセットを指定することと、
前記重みづけ係数のセットのそれぞれに対して、複数の前記サンプルのシーケンス及び前記複数の前記サンプルのシーケンスの遅延バージョンの加重線形結合である、それぞれの結合信号を形成することと
によって、前記組合せを実行するよう構成され、前記反復情報を示す信号が、反復情報が前記それぞれの結合信号のうちの少なくとも1つで識別される場合に、生成される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記処理回路が、
前記サンプルのシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出することと、
前記データ・パケットのプリアンブル及び同期シーケンスのうちの少なくとも一方を使用して、前記サンプルのシーケンスを組み合わせて結合信号にするための重みを計算することと、
前記計算した重みを使用して、複数の前記サンプルのシーケンス及び前記複数の前記サンプルのシーケンスの遅延バージョンの加重線形結合を形成することと
によって、前記組合せを実行するよう構成される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記処理回路が、
前記サンプルのシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出することと、
前記検出したデータ・パケットに対してシンボルの検出を実行し、それぞれのシンボル・シーケンスを取得することと、
前記シンボル・シーケンスを線形に組み合わせることと
によって、前記組合せを実行するよう構成される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記処理回路が、
前記サンプルのシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出することと、
前記検出したデータ・パケットのそれぞれを、それぞれのビット・シーケンスにデコードすることと、
前記少なくとも1つの結合信号内の場所ごとに、前記それぞれのビット・シーケンス内での前記場所において、ビットの大部分に現れるビット・レベルを選択することと
によって、前記組合せを実行するよう構成される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記処理回路が、
前記サンプルのシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出することと、
前記少なくとも1つの結合信号内の場所ごとに、前記検出したデータ・パケットの尤度比の分析に基づいて、前記場所に現れる確率が最も高いビット・レベルを選択することと
によって、前記組合せを実行するよう構成される、請求項1から7までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記処理回路が、周波数の一定サイクルのフェーズごとに、前記データ通信信号のサンプルのシーケンスのそれぞれのセットを収集し、且つ前記サンプルのシーケンスのセットのそれぞれについて、少なくとも1つの結合信号を形成するよう構成され、前記反復情報を示す信号が、反復情報が前記それぞれの結合信号のうちの少なくとも1つで検出される場合に、生成される、請求項1から13までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記処理回路が、周波数の複数のサイクルのフェーズごとに、前記データ通信信号のサンプルのシーケンスのそれぞれのセットを収集し、且つ前記サンプルのシーケンスのセットのそれぞれについて、少なくとも1つの結合信号を形成するよう構成され、前記反復情報を示す信号が、反復情報が前記それぞれの結合信号のうちの少なくとも1つで検出される場合に、生成される、請求項1から13までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記処理回路が、前記サンプルの収集を、前記第1のノード及び前記第2のノードのうちの一方から受信した、検出したデータ・パケットに同期させるよう構成される、請求項1から16までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記処理回路が、前記サンプルの収集を、検出した要求パケットに同期させるよう構成される、請求項1から16までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記処理回路が、前記サンプルの収集を、検出した応答パケットに同期させるよう構成される、請求項1から16までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記処理回路が、前記サンプルの収集を、前記第1のノード及び前記第2のノードのうちの少なくとも一方から送信された、複数の検出したデータ・パケットのサイクル時間に同期させるよう構成される、請求項1から16までのいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
無線ネットワークを介して、第1のノードと第2のノードとの間で通信されるデータ・パケット内の、反復情報を検出する方法であって、
前記無線ネットワークを介して、前記第1のノードと前記第2のノードとの間で複数のそれぞれの時間に送信される、データ通信信号のサンプルを収集するステップ、
前記収集したサンプルを、複数のサンプルのシーケンスにグループ化するステップ、
前記サンプルのシーケンスを、少なくとも1つの結合信号にするよう組み合わせるステップ、並びに
前記少なくとも1つの結合信号の分析に基づいて、前記データ通信信号によって伝搬された複数のデータ・パケット内の反復情報を示す信号を生成するステップ
を含む、方法。
【請求項22】
前記分析が、前記少なくとも1つの結合信号内の、反復情報の有無を識別するステップを含み、前記反復情報を示す信号が、前記識別した反復情報の有無のインジケータを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記分析が、前記少なくとも1つの結合信号から反復情報を抽出するステップを含み、前記反復情報を示す信号が、前記抽出した反復情報を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1のノードと前記第2のノードとの間の前記データ通信信号を監視するステップをさらに含む、請求項21から23までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
ベースバンド入力信号をサンプリングするステップと、前記サンプルを、前記収集するステップへ供給するステップとをさらに含む、請求項21から24までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記サンプルのシーケンスを前記少なくとも1つの結合信号にする、前記組み合わせるステップの前に、前記サンプルのシーケンスのそれぞれに、周波数変換を適用するステップをさらに含む、請求項21から25までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記組み合わせるステップが、複数の前記サンプルのシーケンスと、前記複数の前記サンプルのシーケンスの遅延バージョンとの加重線形結合を形成するステップを含む、請求項21から26までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記ネットワークの通信チャネルの状態に従って、前記加重線形結合の重みづけ係数を選択するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記組み合わせるステップが、
重みづけ係数の複数のセットを指定するステップと、
前記重みづけ係数のセットのそれぞれに対して、前記複数の前記サンプルのシーケンス及び前記複数の前記サンプルのシーケンスの遅延バージョンの加重線形結合である、それぞれの結合信号を形成するステップと
を含み、前記反復情報を示す信号が、反復情報が前記それぞれの結合信号のうちの少なくとも1つで識別される場合に、生成される、請求項21から26までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記組み合わせるステップが、
前記サンプルのシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出するステップと、
前記データ・パケットのプリアンブル及び同期シーケンスのうちの少なくとも一方を使用して、前記サンプルのシーケンスを組み合わせて結合信号にするための重みを計算するステップと、
前記計算した重みを使用して、複数の前記サンプルのシーケンス及び前記複数の前記サンプルのシーケンスの遅延バージョンの加重線形結合を形成するステップと
を含む、請求項21から26までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記組み合わせるステップが、
前記サンプルのシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出するステップと、
前記少なくとも1つの結合信号内の場所ごとに、前記検出したデータ・パケットの尤度比の分析に基づいて、前記場所に現れる確率が最も高いビット・レベルを選択するステップと
を含む、請求項21から26までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記組み合わせるステップが、
前記サンプルのシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出するステップと、
前記検出したデータ・パケットに対してシンボルの検出を実行し、それぞれのシンボル・シーケンスを取得するステップと、
前記シンボル・シーケンスを線形に組み合わせるステップと
を含む、請求項21から26までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記組み合わせるステップが、
前記サンプルのシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出するステップと、
前記検出したデータ・パケットのそれぞれを、それぞれのビット・シーケンスにデコードするステップと、
前記少なくとも1つの結合信号内の場所ごとに、前記それぞれのビット・シーケンス内での前記場所において、ビットの大部分に現れるビット・レベルを選択するステップと
を含む、請求項21から26までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
周波数の一定サイクルのフェーズごとに、前記データ通信信号のサンプルのシーケンスのそれぞれのセットを収集するステップと
前記サンプルのシーケンスのセットのそれぞれについて、少なくとも1つの結合信号を形成するステップと
をさらに含み、前記反復情報を示す信号が、反復情報が前記サンプルのセットについて形成された前記結合信号のうちの少なくとも1つで検出される場合に、生成される、請求項21から33までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記方法が、
周波数の複数のサイクルのフェーズごとに、前記データ通信信号のサンプルのシーケンスのそれぞれのセットを収集するステップと、
前記サンプルのシーケンスのセットのそれぞれについて、少なくとも1つの結合信号を形成するステップと
をさらに含み、前記反復情報を示す信号が、反復情報が前記サンプルのセットについて形成された前記結合信号のうちの少なくとも1つで検出される場合に、生成される、請求項21から33までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記収集するステップを、前記第1のノード及び前記第2のノードのうちの一方から受信した、検出したデータ・パケットに同期させるステップをさらに含む、請求項21から35までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記収集するステップを、検出した要求パケットに同期させるステップをさらに含む、請求項21から35までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記収集するステップを、検出した応答パケットに同期させるステップをさらに含む、請求項21から35までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記収集するステップを、前記第1のノード及び前記第2のノードのうちの少なくとも一方から送信された、複数の検出したデータ・パケットのサイクル時間に同期させるステップをさらに含む、請求項21から35までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
コンピュータ・プログラム・コードを含むコンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラム・コードが、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、無線ネットワークを介して第1のノードと第2のノードとの間で通信されるデータ・パケット内の反復情報を、
前記第1のノードと前記第2のノードとの間で、前記無線ネットワークを介して、複数のそれぞれの時間に送信されるデータ通信信号のサンプルを収集すること、
前記収集したサンプルを、複数のサンプルのシーケンスにグループ化すること、
前記サンプルのシーケンスを組み合わせて、少なくとも1つの結合信号にすること、並びに
前記少なくとも1つの結合信号の分析に基づいて、前記データ通信信号によって伝搬された複数のデータ・パケット内の反復情報を示す信号を生成すること
によって検出させる、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項41】
前記分析が、前記少なくとも1つの結合信号内の、反復情報の有無を識別することを含み、前記反復情報を示す信号が、前記識別した反復情報の有無のインジケータを含む、請求項40に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項42】
前記分析が、前記少なくとも1つの結合信号から反復情報を抽出することを含み、前記反復情報を示す信号が、前記抽出した反復情報を含む、請求項40に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、参照により本明細書に組み込まれている、出願日が2020年8月12日のイスラエル特許出願第276678号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、本発明のいくつかの実施例において、データ信号内の反復情報を検出することに関し、より詳細には、限定するものではないが、データ・パケット内の反復情報を検出することに関する。
【背景技術】
【0003】
無線データ通信では、受信した信号からデータを抽出する能力は、受信した信号の信号対雑音比(SNR:signal to noise ratio)に大きく依存する。受信側と送信側との間の距離が長い、且つ/又は受信側での干渉が大きいなど、多くの要因によって、受信機でSNRが低くなる可能性がある。SNRが低い状態では、受信した信号からデータ(たとえば、データ・パケット)を抽出できない場合がある。
【0004】
場合によっては、複数のパケット内で又はすべてのパケット内でさえ繰り返されるデータ信号の一部を、検出することが望ましい。かかる繰返しの実例が、
図1に示されており、データ・パケット1~Nのすべてで、同じビット位置に同じビット・シーケンスが繰り返されている。
【0005】
たとえば、同じ送信元と同じ宛先との間で転送される複数のパケット内で、送信元アドレス及び/又は宛先アドレスが繰り返される場合がある。送信元アドレス及び宛先アドレスは通常、パケット内の同じビット位置にある。レート及び符号化変調方式が一定に維持されている場合、アドレスのシンボルが、パケット信号内の同じ位置に維持されもする。たとえば、直交周波数分割多重方式(OFDM:orthogonal frequency-division multiplexing)では、送信元アドレス及び宛先アドレスは、同じOFDMフレーム内に、且つ同じOFDMサブキャリアに位置する。反復信号のさらなる実例は、複数のパケット内で一定であるプリアンブル及び同期信号である。
【0006】
SNRが高い状態では、信号内でデータ・パケットが検出可能であるため、各データ・パケットの到着時間が分かる。受信したデータ・パケットのそれぞれの到着時間に基づいて、且つ受信した信号のSNRが高いおかげで、データ・パケットの内容(たとえば、制御情報及びデータ・ペイロード)が判断され、複数のデータ・パケット内の反復情報を識別するために、複数のデータ・パケット間で比較され得る。しかし、これは、データ・パケット受信の到着時間が不明であり、且つ/又はデータ・パケットの内容を判断できない、SNRが低い場合には不可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、データ通信信号によって伝搬される、複数のデータ・パケット内で繰り返される情報を検出する装置、システム、コンピュータ・プログラム製品、及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
データ通信信号が、SNRが不十分な状態で受信されると、受信した信号内のデータ・パケットを検出できない場合がある。さらに、データ・パケットが検出できたとしても、データ・パケットからデータを抽出できない場合がある。
【0009】
本発明の実施例は、複数のデータ・パケット内で繰り返される情報(本明細書では反復情報と表記される)のSNRを高めるように、データ通信信号のサンプル(本明細書では信号サンプル又はサンプルと表記される)を組み合わせて、1つ又は複数の結合信号(united signal(s))にする。SNRがより良好である場合、複数のパケット内で繰り返される制御フィールド及び/又はデータ・ペイロードの内容が、不十分なチャネル状態の下でさえも検出される可能性がある。
【0010】
信号サンプルは、シーケンス(本明細書ではサンプル・シーケンスと表記される)にグループ化される。たとえば、各信号シーケンスが、ただ1つのデータ・パケットを含むと予測されるように、データ信号がグループ化され得る(サンプリング及びグループ化が、実際のデータ・パケットの受信時間に正確に同期されている場合)。複数のデータ・パケット内で繰り返される情報のSNRを高めるように、サンプルが組み合わされて、1つ又は複数の結合信号となる。いくつかの実施例では、データ・サンプル値が直接組み合わされる。他の実施例では、データ・パケットがサンプル内で検出され、データ・パケット検出後に結合信号が作成される。
【0011】
結合信号は、収集したパケット内に反復情報が存在するか又はしないかを検出し、且つ/又は結合信号から反復情報を抽出するために、分析される。
【0012】
本発明のいくつかの実施例は、送信された信号に関して限られた情報(たとえば、サイクル、符号化、及び変調方式など)がある場合に、特に有益である。サンプリングしたデータ・パケットは、様々なやり方で組み合わされて、複数の結合信号を形成し、複数の結合信号は、複数の結合信号のうちの少なくとも1つに反復情報が存在するかどうかを判断するために、(別個に又は組み合わせて)分析される。したがって、サンプルの効果的な組合せが得られるまで、キャリア周波数、周波数ホッピング・サイクル、データ・パケット受信時間などに関する、様々な仮説が分析され得る。
【0013】
本発明のいくつかの実施例の第1の態様によれば、無線ネットワークを介して第1のノードと第2のノードとの間で通信される、データ・パケット内の反復情報を検出する装置が提供される。装置は、処理回路を含み、処理回路は、
無線ネットワークを介して、第1のノードと第2のノードとの間で複数のそれぞれの時間に送信される、データ通信信号のサンプルを収集し、
収集したサンプルを、複数のサンプルのシーケンスにグループ化し、
サンプルのシーケンスを組み合わせて、少なくとも1つの結合信号にし、且つ
少なくとも1つの結合信号の分析に基づいて、データ通信信号によって伝搬された複数のデータ・パケット内の反復情報を示す信号を生成する
よう構成される。
【0014】
本発明の第1の態様のいくつかの実装形態によれば、装置は、ベースバンド入力信号をサンプリングし、サンプルを収集するために処理回路へ供給するよう構成される、サンプラをさらに含む。
【0015】
本発明のいくつかの実施例の第2の態様によれば、無線ネットワークを介して第1のノードと第2のノードとの間で通信される、データ・パケット内の反復情報を検出する方法が提供される。この方法は、
無線ネットワークを介して、第1のノードと第2のノードとの間で複数のそれぞれの時間に送信される、データ通信信号のサンプルを収集するステップ、
収集したサンプルを、複数のサンプルのシーケンスにグループ化するステップ、
サンプルのシーケンスを、少なくとも1つの結合信号にするよう組み合わせるステップ、並びに
少なくとも1つの結合信号の分析に基づいて、データ通信信号によって伝搬された複数のデータ・パケット内の反復情報を示す信号を生成するステップ
を含む。
【0016】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、分析は、少なくとも1つの結合信号内の、反復情報の有無を識別することを含み、反復情報を示す信号は、複数のデータ・パケット内における、識別した反復情報の有無のインジケータを含む。
【0017】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、分析は、少なくとも1つの結合信号から反復情報を抽出することを含み、反復情報を示す信号は、抽出した反復情報を含む。
【0018】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、サンプルのシーケンスのそれぞれは、ただ1つのデータ・パケットである。
【0019】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、第1のノードと第2のノードとの間のデータ通信信号が監視される。
【0020】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、ベースバンド入力信号がサンプリングされ、サンプルは、収集するために供給される。
【0021】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、サンプルのシーケンスを少なくとも1つの結合信号にする、組合せ(組み合わせるステップ)の前に、周波数変換が、サンプルのシーケンスのそれぞれに適用される。
【0022】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、該結合信号のうちの少なくとも1つについて、サンプルのシーケンスは、サンプルのシーケンスと、サンプルのシーケンスの遅延バージョンとの加重線形結合(weighted linear combination)を形成することによって組み合わされる。
【0023】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、ネットワークの通信チャネルの状態に従って、加重線形結合の重みづけ係数が選択される。
【0024】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、サンプルのシーケンスが、重みづけ係数の複数のセットを指定することと、重みづけ係数のセットのそれぞれに対して、サンプルのシーケンス及び複数のサンプルのシーケンスの遅延バージョンの加重線形結合である、それぞれの結合信号を形成することとによって組み合わされる。反復情報を示す信号は、反復情報がそれぞれの結合信号のうちの少なくとも1つで識別される場合に、生成される。
【0025】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、該結合信号のうちの少なくとも1つについて、サンプルのシーケンスは、
サンプルのシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出することと、
データ・パケットのプリアンブル及び同期シーケンスのうちの少なくとも一方を使用して、サンプルのシーケンスを組み合わせて結合信号にするための重みを計算することと、
計算した重みを使用して、サンプルのシーケンス及びサンプルのシーケンスの遅延バージョンの加重線形結合を形成することと
によって組み合わされる。
【0026】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、サンプルのシーケンスは、
サンプルのシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出することと、
検出したデータ・パケットに対してシンボル検出を実行し、それぞれのシンボル・シーケンスを取得することと、
シンボル・シーケンスを線形に組み合わせることと
によって組み合わされる。
【0027】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、サンプルのシーケンスは、
サンプルのシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出することと、
検出したデータ・パケットのそれぞれを、それぞれのビット・シーケンスにデコードすることと、
結合信号内の場所ごとに、それぞれのビット・シーケンス内でのこの場所において、ビットの大部分に現れるビット・レベルを選択することと
によって組み合わされる。
【0028】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、該結合信号のうちの少なくとも1つについて、サンプルのシーケンスは、
サンプルのシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出することと、
結合信号内の場所ごとに、検出したデータ・パケットの尤度比の分析に基づいて、この場所に現れる確率が最も高いビット・レベルを選択することと
によって組み合わされる。
【0029】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、データ通信信号のサンプルのシーケンスのそれぞれのセットが、周波数の一定サイクルのフェーズごとに収集される。サンプルのシーケンスのセットのそれぞれについて、少なくとも1つの結合信号が形成される。反復情報を示す信号は、反復情報がそれぞれの結合信号のうちの少なくとも1つで検出される場合に、生成される。
【0030】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、データ通信信号のサンプルのシーケンスのそれぞれのセットが、周波数の複数サイクルのフェーズごとに収集される。サンプルのシーケンスのセットのそれぞれについて、少なくとも1つの結合信号が形成される。反復情報を示す信号は、反復情報がそれぞれの結合信号のうちの少なくとも1つで検出される場合に、生成される。
【0031】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、サンプルの収集は、第1のノード及び第2のノードのうちの一方から受信した、検出したデータ・パケットに同期される。
【0032】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、サンプルの収集は、検出した要求パケットに同期される。
【0033】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、サンプルの収集は、検出した応答パケットに同期される。
【0034】
本発明の第1の態様又は第2の態様のいくつかの実装形態によれば、サンプルの収集は、第1のノード及び第2のノードのうちの少なくとも一方から送信された、複数の検出したデータ・パケットのサイクル時間に同期される。
【0035】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語及び/又は科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で説明されているものと類似又は同等の方法及び材料が、本発明の実施例の実践又は試験に使用され得るが、例示的な方法及び/又は材料が、下記で説明される。矛盾する場合は、定義を含め、特許明細書が優先されることになる。加えて、材料、方法、及び実例は、例示的なものにすぎず、必ずしも限定的であることを意図しない。
【0036】
本発明の実施例の方法及び/又はシステムの実装形態には、選択されたタスクを手動で、自動で、又はその組合せで、実行又は完了することが含まれ得る。さらに、いくつかの選択されたタスクは、本発明の方法及び/又はシステムの実施例の、実際の器具類及び機器に応じて、ハードウェア、ソフトウェア、若しくはファームウェアによって、又はこれらの組合せによって、オペレーティング・システムを使用して実施され得る。
【0037】
たとえば、本発明の実施例に従って選択されたタスクを実行するハードウェアは、チップ又は回路として実装され得る。
【0038】
本発明の実施例に従って選択されたタスクは、ソフトウェアとして、任意の好適なオペレーティング・システムを使用するコンピュータによって実行されている、複数のソフトウェア命令として、実装され得る。本発明の例示的な実施例では、本明細書で説明されている方法及び/又はシステムの例示的な実施例による1つ又は複数のタスクが、複数の命令を実行するコンピューティング・プラットフォームなどの、データ・プロセッサによって実行される。データ・プロセッサは、任意選択で、命令及び/若しくはデータを記憶する揮発性メモリ、並びに/又は命令及び/若しくはデータを記憶する不揮発性記憶装置、たとえば、磁気ハード・ディスク及び/若しくは取外し可能な媒体を含む。任意選択でさらに、ネットワーク接続も備えられる。任意選択でさらに、ディスプレイ、並びに/又はキーボード若しくはマウスなどのユーザ入力デバイスも備えられる。
【0039】
本開示の他のシステム、方法、特徴、及び利点は、以下の図面及び詳細な説明を検討すれば、当業者には明らかであろう、又は明らかになるであろう。かかるさらなるシステム、方法、特徴、及び利点はすべて、この説明の中に含まれ、本開示の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることを意図している。
【0040】
本発明のいくつかの実施例が、本明細書で、ただ単に実例として、添付図面を参照して説明されている。ここで詳細に、図面を具体的に参照すると、実例として、また本発明の実施例を例示的に議論するために、詳細が図示されていることを強調しておく。この点に関連して、図面と共に行われる説明が、本発明の実施例がどのように実践され得るかを、当業者に対して明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】反復情報を含む、データ・パケットのシーケンスの図である。
【
図2A】本発明の実施例による、ネットワークを介して通信されるデータ・パケット内の反復情報を検出する装置の、簡略化されたブロック図である。
【
図2B】本発明の例示的な実施例による、2つのノード間の通信を監視する、反復情報検出器の簡略化されたブロック図である。
【
図3】本発明の実施例による、ネットワークを介して通信されるデータ・パケット内の反復情報を検出する方法の、簡略化されたフローチャートである。
【
図4】本発明の例示的な実施例による、データ通信信号の処理を示す簡略化された図である。
【
図5】サイクルの長さがNの、周波数ホッピング送信を示す図である。
【
図6】無線データ通信ネットワークを介して通信するノードの、簡略化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、本発明のいくつかの実施例において、データ信号内の反復情報を検出することに関し、より詳細には、限定するものではないが、データ・パケット内の反復情報を検出することに関する。
【0043】
本発明の実施例は、複数のデータ・パケット(すなわち、反復情報を有するデータ・パケット)内で繰り返されているビット又はシンボルのシーケンスのSNRを高め、特定の繰り返されるビット若しくはシンボルのシーケンスの存在を検出し、且つ/又はデータ・パケットから反復情報を抽出することを可能にするように、通信信号のサンプルを処理することに関する。下記でより詳細に説明されるように、データ通信信号のサンプルが収集され、サンプリングした通信信号によって伝搬された複数のデータ・パケットのサンプルから、1つ又は複数の結合信号が作成される。結合信号が、データ・パケット内に反復情報(指定されたデータ・シーケンスなど)が存在するかどうかを検出するために、分析される。
【0044】
場合によっては、(たとえば、受信側と送信側との間の距離が長いことの結果として、又は受信側での干渉が大きいことにより)データ・パケットを実際に検出する能力がなくても、複数のデータ・パケット内に既知のデータ・シーケンス(たとえば、パケットのプリアンブル)が存在するかどうかを判断することが、目標である。たとえば、ユーザは、応答パケットが特定の頻度で存在するかどうか、又は送信元及び宛先のアドレスを、知りたい場合がある。ただ1つのサンプリングしたデータ・パケット内の、特定のデータ・シーケンスを検出することは不可能な場合があるが、複数のデータ・パケットからのサンプルが適切に組み合わされる場合、特定のデータ・シーケンスを検出することは可能であり得る。
【0045】
他の場合では、不特定のデータ・シーケンスが、複数のデータ・パケット内で繰り返されるかどうかを判断することが望ましい。たとえば、多くの通信プロトコルでは、送信元アドレス及び宛先アドレスがすべてのパケット内に存在する。したがって、同じ送信元と同じ宛先との間のデータ通信では、送信元アドレスと宛先アドレスとは通常、パケット内の同じビット位置にある。レート及び符号化変調方式が一定に維持される場合、アドレスのシンボルは、パケット信号内の同じ位置に維持されることさえある。(たとえば、OFDMでは、アドレスのシンボルは、同じOFDMフレーム内で、同じOFDMサブキャリアに位置し、同じ値を含む。)SNRが低すぎると、ただ1つのデータ・パケットのサンプルから、送信元アドレス及び宛先アドレスを抽出するのは不可能である。しかし、いくつかのデータ・パケットのサンプルを組み合わせて結合信号にすることにより、繰り返される送信元アドレス及び宛先アドレスのSNRを十分に高めることができ、フィールドの内容が抽出され得る。
【0046】
繰返しは、信号処理の様々なレベルで識別され得る(たとえば、データ通信信号のサンプル内の、データ・パケット検出の前又は後に)。データ通信信号サンプルを、データ・パケット検出後に(たとえば、データ・シンボル又はビット・レベルで)、組み合わせて結合信号にする場合、データ・パケットを検出するために、いくつかの初期処理がサンプルに対して実行され得る。
【0047】
本発明の少なくとも1つの実施例を詳細に説明する前に、本発明は、本発明の適用にあたって、以下の説明に記載され、且つ/又は図面及び/若しくは実例に示されている、構成要素及び/又は方法の構成及び配置の詳細に、必ずしも限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、他の実施例が可能であるか、又は様々なやり方で実践又は実行することができる。
【0048】
本発明は、システム、方法、及び/又はコンピュータ・プログラム製品であり得る。コンピュータ・プログラム製品には、プロセッサに本発明の態様を実行させるための、コンピュータ可読プログラム命令を有する、コンピュータ可読記憶媒体(又は複数の媒体)が含まれ得る。
【0049】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスが使用する命令を保持及び記憶することができる、有形のデバイスであり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、これらに限定されるものではないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又は前述の任意の好適な組合せであり得る。完全に網羅しているわけではないが、コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な実例のリストには、携帯型コンピュータ用ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)、読取り専用メモリ(ROM:read-only memory)、消去可能且つプログラム可能な読取り専用メモリ(EPROM:erasable programmable read-only memory又はフラッシュ・メモリ)、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM:static random access memory)、携帯型コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CD-ROM:compact disc read-only memory)、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)、メモリ・スティック、フロッピ・ディスク、その上に命令が記録されている、パンチカード又は溝内の隆起した構造体などの、機械的にエンコードされたデバイス、及び前述の任意の好適な組合せが含まれる。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波若しくは他の自由に伝播する電磁波、導波路若しくは他の伝送媒体を通って伝播する電磁波(たとえば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通して送信される電気信号などの、それ自体が一時的な信号であると解釈されるべきではない。
【0050】
本明細書で説明されているコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から、それぞれのコンピューティング/処理デバイスへ、又はネットワーク、たとえば、インターネット、構内ネットワーク、広域ネットワーク、及び/若しくは無線ネットワークを介して、外部コンピュータ若しくは外部記憶デバイスへ、ダウンロードすることができる。ネットワークは、銅線伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、及び/又はエッジ・サーバを備えることができる。各コンピューティング/処理デバイスのネットワーク・アダプタ・カード又はネットワーク・インタフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するために、コンピュータ可読プログラム命令をフォワードする。
【0051】
本発明の動作を実行するコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA:instruction-set-architecture)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語若しくは同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語とを含む、1つ若しくは複数のプログラミング言語の任意の組合せで記述された、ソース・コード若しくはオブジェクト・コードのいずれかであり得る。コンピュータ可読プログラム命令は、ユーザのコンピュータ上で完全に、ユーザのコンピュータ上で部分的に、独立型のソフトウェア・パッケージとして、ユーザのコンピュータ上で部分的且つ遠隔のコンピュータ上で部分的に、又は遠隔のコンピュータ若しくはサーバ上で完全に実行され得る。後者のシナリオでは、遠隔のコンピュータは、構内ネットワーク(LAN:local area network)若しくは広域ネットワーク(WAN:wide area network)を含む任意の種類のネットワークを介して、ユーザのコンピュータに接続され得るか、又は外部コンピュータに接続され得る(たとえば、インターネット・サービス・プロバイダを使用したインターネットを介して)。いくつかの実施例では、たとえば、プログラム可能な論理回路、フィールドでプログラム可能なゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)、又はプログラム可能な論理アレイ(PLA:programmable logic array)を含む電子回路は、本発明の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して、電子回路を専用のものにすることにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0052】
本発明の態様が、本発明の実施例による方法、装置(システム)、及びコンピュータ・プログラム製品の、フローチャート図及び/又はブロック図を参照して、本明細書で説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びにフローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組合せが、コンピュータ可読プログラム命令によって実施され得ることが理解されよう。
【0053】
こうしたコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他の、機械を製造するためのプログラム可能なデータ処理装置の、プロセッサに供給され得、この結果、コンピュータのプロセッサ又は他のプログラム可能なデータ処理装置により実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックの、指定された機能/作用を実施する手段を生み出す。こうしたコンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置、及び/又は他のデバイスに、特定のやり方で機能するよう指示することができる、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得、したがって、記憶された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体には、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックの、指定された機能/作用の態様を実施する命令を含む、製造品が含まれる。
【0054】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他のデバイスにロードされ得、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、若しくは他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータで実施されるプロセスを生成することができ、この結果、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、又は他のデバイス上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックの、指定された機能/作用を実施する。
【0055】
図中のフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施例によるシステム、方法、及びコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態の、アーキテクチャ、機能、及び動作を示している。この点に関連して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実施するための、1つ又は複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、又は命令の一部を表すことができる。いくつかの代替の実装形態では、ブロックに示されている機能は、図に示されている順序を変えて行われる場合がある。たとえば、連続して示されている2つのブロックが、実際には、ほぼ同時に実行されてもよく、又は必要な機能に応じて、ブロックが、逆の順序で実行される場合があり得る。ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組合せは、指定された機能又は作用を実行する、専用のハードウェアベースのシステムによって実施されるか、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実行できることにも留意されよう。
【0056】
1)反復情報検出器
ここで、本発明の実施例による、ネットワークを介して通信されるデータ・パケット内の反復情報を検出する装置の、簡略化されたブロック図である
図2Aを参照する。装置(本明細書では、反復情報検出器200と表記される)は、処理回路210、及び任意選択で通信インタフェース220を含む。
【0057】
処理回路210は、無線通信ネットワークのノード間の無線通信信号伝送の複数のサンプルを、それぞれの時間に収集する。サンプルは、複数のサンプルのシーケンス(サンプル・シーケンスと表記される)にグループ化され、サンプル・シーケンスが組み合わされて、1つ又は複数の結合信号になる。結合信号が分析され、この分析に基づいて、データ・パケット内の反復情報を示す信号(本明細書では、インジケータ信号と表記される)が生成される。
【0058】
反復情報検出器200は、無線通信ネットワークのノード(又はノードの一部)ではなく、ノード間の無線通信に関与しない。
【0059】
反復情報検出器200は、任意選択で、2つのノード間の無線通信を監視する。監視は、たとえば、他のノードから受信した送信信号の強度が、十分な大きさでない場合に、ノードのうちの一方の送信だけに関して実行され得る。この監視を使用して、反復情報検出プロセスの、後の方の段階で使用されるべき情報を取得することができる。たとえば、ノード間の無線通信の監視は、ノードが使用するパケット送信のタイミング及び周波数を推定するのに役立ち得る。
【0060】
ここで、本発明の例示的な実施例による、2つのノード間の通信を監視する、反復情報検出器の簡略化された図である
図2Bを参照する。ノードA240及びノードB250は、無線ネットワークを介してデータ通信を実行する。
【0061】
ノードA240とノードB250との間の無線通信は、アンテナ260によって受信され、受信機270によって処理される。
図2Bの実施例では、サンプリングは、受信機270によって実行され、受信機270は、サンプルを、反復情報検出器260に供給する。他の例示的な実施例では、反復情報検出器260は、信号処理機能を含む。この場合、受信機280は、サンプリングされていない信号(たとえば、アナログ・ベースバンド信号)を反復情報検出器260に供給でき、サンプル・シーケンスを組み合わせて結合信号とし、結合信号を分析して反復情報を検出する前に、ダウンコンバート及びサンプリングを実行する。
【0062】
結合信号に対して実行され得る分析の種類には、以下が含まれるが、これらに限定されるものではない。
i)信号の存在検出
ii)プリアンブル検出
iii)同期
iv)周波数補正(Frequency correction)
v)等化(Equalization)、及び
vi)コンステレーション・ビット抽出(Constellation bit extraction)
【0063】
サンプル・シーケンスを組み合わせて結合信号にするための任意選択の実施例には、以下が含まれるが、これらに限定されるものではない。
a)複数の信号サンプルのシーケンスの、加重線形結合を形成する。ここで、下記の式1(Equation 1 )に示されるように、複数のシーケンス間に遅延がある。
b)信号サンプル内のデータ・パケットを検出し、データ・パケットのプリアンブル及び/又は同期シーケンスを使用して、検出したデータ・パケットを組み合わせる。
c)信号サンプル内のデータ・パケットを検出し、検出したデータ・パケットに対してシンボル検出を実行し、データ・シンボルを線形に組み合わせる。
d)信号サンプル内のデータ・パケットを検出し、サンプリングしたデータ・パケットのそれぞれをビットにデコードし、結合信号内の場所ごとに、データ・パケット内でのその場所において、ビットの大部分に現れるビット・レベルを選択する。
e)信号サンプル内のデータ・パケットを検出し、データ・パケット内の各場所で現れる確率が最も高いビット・レベルを選択する。この確率は、たとえば、検出したデータ・パケットの尤度比の分析を実行することによって、且つ/又は別のやり方で確率を計算することによって(たとえば、複数のデータ・パケット内の所与の場所での、ビット確率の線形結合によって)計算され得る。
【0064】
任意選択で、各サンプル・シーケンスに含まれるサンプルは、ただ1つのデータ・パケットに対応することが予測される。
【0065】
任意選択で、信号サンプルの、サンプル・シーケンスへのグループ化は、以下の1つ又は複数に同期される。
a)異なる送信元(すなわち、反復情報について分析されているデータ・パケットを受信しているノードからではない)から受信した送信
b)いくつかの検出したデータ・パケットのサイクル時間
c)通信信号の既知のパラメータ(たとえば、サイクル時間及び周波数ホッピング・パターン)。
信号サンプルをグループ化するタイミングを確立する例示的な実施例は、下記のセクションVで説明される。
【0066】
もう一度
図2Aを参照すると、反復情報検出器200には、任意選択で、通信インタフェース220が含まれる。通信インタフェース220の別の実施例は、信号を受信する1つ又は複数の段階(たとえば、RF、ベースバンド、アナログからデジタルへの変換後のデジタル化された、など)で、信号を入力することができる。
【0067】
通信インタフェース220が入力できる信号の非限定的な実例には、以下が含まれるが、これらに限定されるものではない。
1)無線信号 - 通信インタフェース220には、任意選択で、データ・パケットを伝搬する無線信号を受信し、受信した通信信号のダウンコンバート及びサンプリングなどの信号処理も実行できる、無線受信機221(たとえば、RF受信機)が含まれる。
2)ダウンコンバート後のデータ信号 - 通信インタフェース220には、任意選択で、アナログ・ベースバンド信号を入力及びサンプリングするサンプラ222が含まれる。サンプラ222はまた、ベースバンド信号サンプルに対して、アナログからデジタルへの(A/D:analog to digital)変換を実行することもできる。並びに、
3)デジタル信号 - 通信インタフェース220は、任意選択で、受信した通信信号がサンプリングされ、A/D変換を経た後に、デジタル化された形式でサンプル値を入力する。
【0068】
データ・パケットが、確実に、正しいタイム・スタンプでサンプリングされるようにするための、任意選択の実施例は、下記のセクションVで説明される。
【0069】
本明細書で使用される「データ・シーケンス」という用語は、データ・パケット内のシンボル又はビットのシーケンスを意味する。「データ・シーケンス」という用語は、データ・パケット内のデータ・ペイロードに限定されるものではなく、データ・パケットの他の部分の内容が含まれ得ることに留意されたい。
【0070】
本明細書で使用される「反復情報」という用語は、複数のデータ・パケット内に存在するデータ・シーケンスを意味する。
【0071】
本明細書で使用される「反復情報を検出する」という用語は、指定されたデータ・シーケンス又は不特定のデータ・シーケンスが、複数のデータ・パケット内で繰り返されているかどうかが判断されることを意味する。
【0072】
本明細書で使用される「通信信号のサンプル」、「信号サンプル」、及び「サンプル」という用語は、複数のサンプリング時間における、通信信号(ダウンコンバートの前又は後)のそれぞれのレベルを意味する。
【0073】
本明細書で使用される「サンプルのシーケンス」及び「サンプル・シーケンス」という用語は、通信信号の連続するサンプルのシーケンスを意味する。
【0074】
本明細書で使用される「サンプルを収集すること」という用語は、通信信号の一連のサンプルを、後で組み合わせて1つ又は複数の結合信号にできるように、記憶又はバッファリングすることを意味する。
【0075】
本明細書で使用される「サンプルのシーケンスを組み合わせること」及び「サンプル・シーケンスが組み合わされる」という用語は、その結果ただ1つの信号が得られる、サンプル・シーケンスに対する演算(たとえば、数学的、論理的、数値的など)が実行されることを意味する。信号を組み合わせることには、任意選択で、シーケンス内のデータ・パケットの検出、及び検出したデータ・パケットに対する演算の実行が含まれる。
【0076】
本明細書で使用される「結合信号」という用語は、複数のサンプル・シーケンスを組み合わせた結果を意味する。
【0077】
本明細書で使用される「タイム・スタンプ」という用語は、通信信号がサンプリングされる時間を意味する。各サンプルは、それぞれのタイム・スタンプを有している。所与のパケットについて、パケットの最初のサンプルのタイム・スタンプは、そのパケットのサンプル収集を開始すべき時間を示す。
【0078】
分析には、任意選択で、反復情報が結合信号のうちの1つ又は複数に存在するか又はしないかを検出することが含まれ、インジケータ信号は、反復情報がデータ・パケット内に存在するか又はしないかを示す。分析には、さらに任意選択で、特定の信号が、結合信号のうちの1つ又は複数に存在するか又はしないかを識別することが含まれる。場合によっては、反復情報の存在が識別される場合にだけ、インジケータ信号が生成され得る。
【0079】
分析には、代替的又は追加的に、結合信号のうちの1つ又は複数から反復情報を抽出することが含まれ、インジケータ信号には、抽出した反復情報が含まれる。さらに任意選択で、反復情報が1つ又は複数の結合信号から抽出されない限り、インジケータ信号は生成されない。
【0080】
反復情報には、任意選択で、以下のうちの1つ又は複数が含まれる。
a)パケット・プリアンブル(本明細書では、プリアンブル信号とも表記される)
b)パケット同期シーケンス(本明細書では、同期信号とも表記される)
c)送信元アドレス
d)宛先アドレス、並びに
e)データ・ビット及び/又はデータ・シンボルのシーケンス
【0081】
サンプリングしたデータ・パケットは、任意選択で、組み合わされてただ1つの結合信号になり、分析は、ただ1つの結合信号に対して実行される。この手法は、インジケータ信号を生成するために必要な処理及び分析の量を最小限に抑え、データ・パケット送信のパラメータが既知の場合に有益であり得る。
【0082】
代替的に、サンプリングしたデータ・パケットは、組み合わされて複数の結合信号になり、分析は、複数の結合信号に対して実行される。各結合信号は、実質的には、信号をどのように組み合わせるべきかについての仮説である。分析では、様々な仮説をテストして、結合信号のうちの1つ又は複数から反復情報が検出及び/又は抽出され得るかどうかを判断する。この手法は、データ・パケット送信のパラメータが不明な場合に(たとえば、キャリア周波数サイクルが不明な周波数ホッピング信号において)有益である。
【0083】
様々な周波数ホッピング方式の下で、複数のデータ・パケット内で繰り返される、指定されたデータ・シーケンス(たとえば、同期及び/又はプリアンブル・シーケンス)の存在を検出する例示的な実施例は、下記のセクション3.2~3.3で説明される。不特定のデータ・シーケンスが、様々な符号化及び変調伝送方式の下で、複数のデータ・パケット内で繰り返されるかどうかを検出する例示的な実施例は、下記のセクション4.1~4.3で説明される。
【0084】
反復情報検出器200には、任意選択で、信号サンプルを記憶するために使用され得る、内部メモリ230が含まれる。したがって、記憶されたサンプルは、処理回路210が分析するのに、容易にアクセス可能である。
【0085】
処理回路は、任意選択で、抽出した反復情報に対してさらなる信号処理を実行する(たとえば、抽出した反復情報をデータ・シンボル又はデータ・ビットに復調する)。
【0086】
2)データ・パケット内の反復情報を検出する方法
ここで、本発明の実施例による、ネットワークを介して通信されるデータ・パケット内の反復情報を検出する方法の、簡略化されたフローチャートである
図3を参照する。
【0087】
310では、2つのノード間で送信される通信信号のサンプルが、相異なるそれぞれの時間に収集される。310には、任意選択で、ダウンコンバート後の通信信号のサンプリングが含まれる。代替的に、データ信号サンプル値は、デジタル通信インタフェースを介して入力され得る。サンプル収集を実行するデバイスは、2つのノード間の通信に関与していない。
【0088】
305では、任意選択で、たとえば、通信信号のサンプルを収集すべきかどうか、且つ/又はサンプル収集のタイミングを判断するために、2つのノード間のデータ通信信号が監視される。
【0089】
320では、サンプルは、サンプル・シーケンスにグループ化される。任意選択で、各サンプル・シーケンスの長さは、各サンプル・シーケンスの開始がデータ・パケットの最初のサンプルと正しく揃っている場合に、各サンプル・シーケンスにただ1つのデータ・パケットのサンプルが含まれるように選択される。
【0090】
330では、複数のサンプル・シーケンスが組み合わされて、1つ又は複数の結合信号になる。サンプル・シーケンスは、任意選択で、信号サンプル値自体に対する演算によって組み合わされる(たとえば、セクション4.1で説明される加重線形結合によって)。代替的に、サンプル・シーケンス内でデータ・パケットが検出され、データ・パケット、シンボル、又はビット・レベルで組合せが実行される(セクション5で説明される)。
【0091】
340では、1つ又は複数の結合信号が分析され、分析の結果が、反復情報が複数のデータ・パケット内に存在することを示す場合に、インジケータ信号が生成される。インジケータ信号は、任意選択で、反復情報が、結合信号のうちの1つ又は複数で識別され、且つ/又結合信号のうちの1つ又は複数から抽出される場合にだけ生成される。
【0092】
場合によっては、通信ネットワークは、周波数ホッピング送信を使用することがある(既知のサイクルの有無にかかわらず)。データ・パケットを伝搬する信号のサンプルを収集するために、通信信号は、サンプルが収集され、且つ/又は組み合わされる前に、現在の周波数からダウンコンバートされる(たとえば、
図4参照)。現在のキャリア周波数が不明な場合、サンプルは、複数のキャリア周波数での通信信号について収集され得る。様々な周波数で収集されたサンプルから、いくつかの結合信号が形成され、分析されて、結合信号のうちの1つ又は複数で、反復情報が検出されるかどうかを判断することができる。
【0093】
第1の例示的な実施例では、周波数ホッピング信号は、周波数の一定のサイクルにわたって送信される。サンプル・シーケンスのそれぞれのセットが、サイクルのフェーズごとに収集される。セットのそれぞれに対して、1つ又は複数の結合信号が形成される。インジケータ信号は、結合信号のうちの少なくとも1つで反復情報が検出される場合に生成される。
【0094】
第2の例示的な実施例では、周波数ホッピング信号は、周波数の一定のサイクルにわたって送信されるが、サイクル自体は不明である。サンプル・シーケンスのそれぞれのセットは、送信周波数の複数のサイクルのフェーズごとに収集され、ここで、サイクルのそれぞれは、送信に使用されている周波数の可能性のあるサイクルの推定値である。セットのそれぞれに対して、1つ又は複数の結合信号が形成される。インジケータ信号は、結合信号のうちの少なくとも1つで反復情報が検出される場合に生成される。
【0095】
ここで、本発明の例示的な実施例による、データ通信信号の処理を示す簡略化された図である
図4を参照する。本実例では、インジケータ信号は、指定されたデータ・シーケンスが結合信号内で検出されたかどうかを示す。SNRが低すぎて、ただ1つのデータ・パケット内のデータ・シーケンスを検出できなかったと仮定すると、これは、指定されたデータ・シーケンスが複数のデータ・パケット内で繰り返されたことを意味する。
【0096】
410では、データ・パケットを含む変調されたアナログ信号が、ダウンコンバートされ、フィルタ処理される。
【0097】
420では、ダウンコンバートされた信号がサンプリングされ、サンプルに対して、アナログからデジタルへの(A/D)変換が実行される。サンプリング時間をデータ・パケットの到着時間に揃える例示的な実施例は、下記のセクションVで説明される。
【0098】
430では、信号サンプルがバッファ内に収集される。
【0099】
440では、バッファリングされたサンプルが組み合わされて、1つ又は複数の結合信号になる。
【0100】
450では、結合信号が分析され、指定されたデータ・シーケンスが結合信号のうちの少なくとも1つで検出される場合に、インジケータ信号が生成される。
【0101】
いくつかの例示的な実施例では、反復情報検出器は、
図4に示されている処理段階のすべてを実行する。代替の実施例では、ダウンコンバート及びフィルタ処理(410)、サンプリング及びA/D変換(420)、並びにバッファへの収集430のうちの一部又はすべてが、外部で実行されてもよい。反復情報検出器は、440の際に、記憶した信号サンプルを取得し、信号サンプルを組み合わせて結合信号にする。
【0102】
3)サンプル・シーケンスを組み合わせて結合信号にする
サンプルを組み合わせて結合信号にするやり方は、受信した通信信号の品質に依存し得る。ここで、サンプリングしたデータ・パケットを組み合わせて結合信号にするための実施例について説明する。
【0103】
データ・パケットを検出する前に実行され得る第1の任意選択の実施例(たとえば、SNRが低すぎて、通信信号内のデータ・パケットを検出できない場合)では、下記でさらに説明されるように、サンプルが、サンプルのシーケンスの加重線形結合によって組み合わされ、結合信号になる。
【0104】
受信した信号の品質が、信号サンプルからデータ・パケットを検出するのに十分であるが、SNRが識別したデータ・パケットから反復情報を抽出するほど十分な高さではない場合、データ・パケット検出後に、代替の任意選択の実施例が実行され得る。例示的な実施例は以下を含むが、これらに限定されるものではない。
a)任意選択で、データ・パケットのプリアンブル、及び/又は同期シーケンス、及び/又はペイロード自体の一部を使用して、信号サンプルの遅延バージョンの線形結合を実行することにより、サンプリングしたデータ・パケットを結合してただ1つのデータ・パケットにする。
b)それぞれのシンボル・シーケンスを取得するために、サンプリングしたデータ・パケットに対してシンボル検出を実行し、シンボル・シーケンスを線形結合する。シンボルは、たとえば、各パケットから得ることができ(等化の前若しくは後に、ただしデマッピング若しくは他の任意のシンボルからビットにする方法の前に)、又はLLR[log-likelihood-ratios](対数尤度比)で、ビットへのデマッピング(又はMLSEデコードなど、シンボルからビットを抽出する他の任意の方法)の前に、コヒーレントに平均化され得る。
c)サンプリングしたデータ・パケットのそれぞれを、それぞれのビット・シーケンスにデコードし、結合信号内の場所ごとに、ビット・シーケンス内でのその場所において、ビットの大部分に現れるビット・レベルを選択する。
d)データ・パケット内の各場所に現れる確率が最も高い、ビット・レベルを選択する。
【0105】
本明細書で使用される「信号サンプルの遅延バージョン」という用語は、下記の式1でxk[n-m]と示される、遅延mの複数のデータ・パケット(パケット0からK-1)のサンプルを意味する。
【0106】
3.1)加重線形結合
任意選択で、下記の式1で示されるように、サンプリングしたデータ・パケットが、シーケンスの遅延が相異なる通信信号のサンプルのシーケンスの加重線形結合である、結合信号となるよう組み合わされる。データ・パケットの予測到着時間は既知であるが、データ・シーケンスが実際にデータ・パケット内に存在するかどうかは不明である。サンプリングしたデータ・パケット内でデータ・シーケンスが繰り返される場合、線形結合によるサンプルの組合せは、繰り返されるデータ・シーケンスのSNRを高め、この結果、データ・シーケンスが、検出の仕組み(たとえば、参照系列との相互相関(cross correlation))によって、より簡単に検出され得る。
【0107】
加重線形結合を使用して結合信号を形成することは、固定データ・シーケンス(たとえば、パケットのプリアンブル)又は可能性のあるデータ・シーケンスのセットの固定変形(fixed variant)(パケット同期シーケンスなど)の存在を検出することが望ましい場合に、特に有益である。結合信号には、依然として、チャネル応答及び周波数オフセットなどの、損なうものが残っている可能性があることに留意されたい。
【0108】
データ・パケットのサンプルは、式1(Equation 1)に従って加重線形結合を実行することにより組み合わされ得る。
【数1】
ここで、h
k,mは重みづけ係数のセットであり、x
k[n-m]は遅延mの複数のデータ・パケット(パケット0からK-1)のサンプルである。各データ・パケットkについて、h
k,mは等化器と見なされ得る。
【0109】
hk,m重みづけ係数は、任意選択で、たとえば、チャネル推定、MRC(最大比合成)、及び/又は他のチャネル等化方法によって、通信チャネルの状態に従って選択される。チャネル推定は、入力信号と参照信号との相互相関(一方が既知の場合)、又は入力信号同士の相互相関によって実行され得る。
【0110】
任意選択で、様々な(通常は、予め規定された)重みづけセットを使用して、同じサンプルに対して複数の結合信号が形成される。結合信号のそれぞれに対して、分析が実行される。インジケータ信号は、反復情報の存在が、結合信号のうちの少なくとも1つで識別され、且つ/又は結合信号のうちの少なくとも1つから抽出される場合に生成される。
【0111】
複数の予め規定された重みづけセットを使用して、指定されたデータ・シーケンスを検出する例示的な実施例は、以下の擬似コードで説明される。
【数2】
【0112】
3.2)一定の既知のサイクルでの周波数ホッピング送信における、既知のデータ・シーケンスの検出
任意選択で、加重線形結合法を使用して、一定の既知のサイクルを有する周波数ホッピング送信内の、既知のデータ・シーケンス又は可能性のあるデータ・シーケンスの固定変形(たとえば、同期及び/又はプリアンブル・シーケンス)の有無を判断する。この種類の送信では、パケットは、既知の時間間隔で、また様々な周波数で、送信される。周波数シーケンスは、N個のパケットが送信された後に、繰り返される(
図5で示されるように)。
【0113】
処理回路は、一定のサイクルに従って、複数の既知の周波数でサンプルを収集する。
【0114】
第1の例示的な実施例では、周波数サイクルのフェーズごとに、ただ1つの結合信号が形成される(ここで、フェーズという用語は、キャリア周波数のN個のシーケンス内の時間を意味する)。言い換えれば、周波数サイクルがN個のデータ・パケットごとに繰り返される場合、N個の結合信号が形成される。結合信号は、周波数ホッピング信号のそれぞれの可能性のあるフェーズで、サンプルを組み合わせる。結合信号のそれぞれが、たとえば、結合信号のそれぞれと、探しているデータ・シーケンスとの相互相関によって、既知のデータ・シーケンス(又は変形)が存在するかどうかを検出するために分析される。フェーズのうちの1つに、既知のデータ・シーケンス(又は変形)の複数のインスタンス化が含まれている場合、そのフェーズで検出が行われることになる。インジケータ信号は、データ・シーケンス(又はシーケンスの変形のうちの1つ)が、それぞれの結合信号のうちの少なくとも1つで検出される場合に生成される。
【0115】
第2の例示的な実施例では、周波数サイクルのフェーズごとに複数の結合信号が形成され、結合信号のそれぞれは、それぞれの重みづけセットh
k,mを使って生成されている。データ・サンプルは、可能性のあるフェーズのそれぞれにおいて、h
k,mセットごとに順番に組み合わされる。現在の結合信号で(すなわち、現在のh
k,m及び現在のフェーズdで)反復情報が見つかると、手順は停止される。この場合、手順は、以下の擬似コードで説明され得る。
【数3】
【0116】
第3の例示的な実施例では、反復情報の検出には、検出判断の質を表す、品質性能指数(quality figure of merit)も含まれる。サンプリングしたデータ・パケットの正しいフェーズは、品質性能指数に基づいて判断される。手順は、以下の擬似コードで説明され得る。
【数4】
品質性能指数の実例には、SNR、信号のばらつき、相関ピーク値が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0117】
第4の例示的な実施例では、周波数サイクルは一定であるが、この一定サイクルが{N
0,N
1,...,N
u}のどれかであり得る、いくつかの可能性がある、この場合、組み合わせるサンプルの選択もまた、すべての周波数サイクルの可能性にわたってループされる。
【数5】
【0118】
3.3)一定の不明なサイクルを有するか、又はサイクルがない、周波数ホッピングのシナリオでの、反復情報の検出
ネットワークは、場合によっては、既知の周波数にわたって、ホッピングする周波数で通信する。ただし、サイクルは不明であるか、一定でさえない場合がある。こうした場合に対して、上記のセクション3.2での、一定の既知のサイクルに利用される手法は、いくつかの仮説を使用して形成される、可能性のあるセットに信号を集めることによって、又は信号間の相関(correlation)を実行することによって、適合され得る。
【0119】
任意選択で、処理回路は、複数のサイクル長(一定のサイクル長又は相異なるサイクル長のいずれか)の既知の周波数で、サンプリングされたデータ・パケットのそれぞれのセットを収集する。一定のサイクル又は相異なるサイクル長で、サンプリングされたデータ・パケットのセットごとに、少なくとも1つのそれぞれの結合信号が形成される。結合信号のそれぞれが分析される。インジケータ信号は、反復情報が、それぞれの結合信号のうちの少なくとも1つで識別され、且つ/又はそれぞれの結合信号のうちの少なくとも1つから抽出される場合に生成される。
【0120】
データ・パケットの取込み及び/又はサンプリングのタイミングが、別の送信元から受信したデータ・パケットに基づいている場合(たとえば、下記のセクション5.1又は5.2参照)、推定サイクルの仮説は、2つの受信したパケットごとの時間差に基づいて、又は2つの受信の整数分母(integer denominator)によって作られ得る。たとえば、受信が20ミリ秒、50ミリ秒、及び70ミリ秒の時間に検出される場合、可能性のあるサイクルは、2ミリ秒、5ミリ秒、及び10ミリ秒であり得る。
【0121】
4)検出したデータ・パケット内の反復情報の検出
任意選択で、データ・パケットは、サンプル・シーケンス内で検出され、サンプル・シーケンスは、データ・パケット検出後に組み合わされる。さらに任意選択で、各サンプル・シーケンスは、それぞれのデータ・パケットにデコードされる。
【0122】
この手法は、SNRが、通信信号内のデータ・パケットを検出するのに十分な高さであるが、データ・パケットからビットを抽出するほど十分な高さではない場合に有益である。
【0123】
信号サンプル内で検出したデータ・パケットを組み合わせる例示的な実施例には、以下が含まれるが、これらに限定されるものではない。
A)データ・パケットのプリアンブル及び/又は同期シーケンスを使用する。
B)サンプリングしたデータ・パケットに対してシンボル検出を実行し、データ・シンボル・シーケンスを線形に組み合わせることにより、それぞれのシンボル・シーケンスを取得する。
C)サンプリングしたデータ・パケットのそれぞれを、それぞれのビット・シーケンスにデコードし、結合信号内の場所ごとに、それぞれのビット・シーケンス内でのこの場所において、ビットの大部分に現れるビット・レベルを選択する。
D)データ・パケット内の各場所に現れる確率が最も高い、ビット・レベルを選択する。
【0124】
例示的な実施例では、デインターリーブ、デスクランブル、及びFEC(順方向誤り訂正:forward error correction)デコード後の情報ビットの抽出のさらなる詳細に立ち入ることなく、(マッピング段階の直前に)PHY層ビットを抽出することに留意されたい。これらの段階は、別々に実行され得る。ビットは一定であり、インターリーブ、スクランブル、及びFECエンコードなどの同じ段階を通過するので、ビットのほとんどがPHY層レベルでもまた、一定である確率が高い。
【0125】
繰り返されるビット又はシンボルには、以下を含むがこれらに限定されるものではない情報が含まれ得る。
a)送信元アドレス
b)宛先アドレス
c)セル識別子、及び
d)複数のパケットで一定である、他の任意の情報
【0126】
4.1)レート及び符号化変調が一定の場合の、同じ場所に位置する反復データ・ビットの検出
本例示的な実施例は、レート及び符号化変調が一定である場合に、検出したデータ・パケット内の同じ位置に(すなわち、パケット開始ビットから同じビット・インデックスに)ある、繰り返されるデータ・ビット又はシンボルを検出することに関する。
【0127】
データ・パケット全体を結合するために(上記の例示的な実施例Aと同様に)、データ・パケットは、送信機によって同じ周波数で送信される必要がある。任意選択で、データ・パケットが同じ周波数で送信されない場合、受信機は、周波数補正を実行して、すべてのデータ・パケットを同じベースバンド周波数に変換し、データ・パケットが、確実に、データ・パケット間に周波数オフセットを持たないようにする。代替の任意選択の実施例では、組み合わされている検出したデータ・パケットが、同じ周波数を共有する場合、パケット間の周波数オフセットは予測されないので、結合前の周波数オフセット補正は省かれ得る。
【0128】
検出したデータ・パケットをシンボルレベルで結合する場合(上記の例示的な実施例Bと同様に)、パケットは相異なる周波数で到着する可能性がある(たとえば、周波数ホッピングのシナリオにおいて)。加えて、コヒーレント平均化は、シンボル間のフェーズを調整した後に実行され得、シンボルが等化の前の場合にのみ必要となる。平均化されたシンボル間でSNRが異なる場合は、加重線形結合が適用され得る。
【0129】
4.2)レート及び符号化変調が一定でない場合の、同じ場所に位置する反復データ・ビットの検出
レート又は符号化変調が一定でない場合、検出したすべてのデータ・パケットに対して、例示的な実施例A~Cを直接実行することは不可能である。
【0130】
任意選択で、同じレート及び符号化変調を共有する、検出したパケットが選択され、次いで、上記のセクション4.1で説明された、データ・パケットの、一定レート及び符号化変調との組合せと同様に処理される。
【0131】
レートだけは変化するが、符号化が同じである場合(たとえば、同じ順方向誤り訂正を使うが、パンクチャを使わない場合)、例示的な実施例B及びCが使用され得る。デマッピング又は他の任意のビット抽出方法の前に、LLRなどの、ビットごとのメトリックの平均化が実施され得る。また、ビット平均化は、ビット抽出後に実行され得る。加重和の組合せが使用され得、これにより、より低レートのビット(この場合はビットのエネルギー対ノイズ比である、より高いSNRを有する)が、より大きい重みの、高レートのビットを受けることができる。
【0132】
同じ順方向誤り訂正(FEC)であるがパンクチャが異なる場合、例示的な実施例Cが使用され得る。パンクチャされていないビット(マッピングの前又は後)が組み合わされ、平均化の必要がないパンクチャされたビットを考慮しながら、ビットのSNRを向上させる。たとえば、パンクチャなしのビットがX0、X1、X2、X3であり、別のパケット内にY0、Y1、Y2<Y3があり、別のパケット内にパンクチャ(レート3/4)後のZ0、Z1、Z3がある場合、ビットは以下のように平均化され得る。
(X0+Y0+Z0)/3、(X1+Y1+Z1)/3、(X2+Y2)/2、(X3+Y3+Z3)/3
【0133】
4.3)同じ場所に位置していない反復データ・ビットの検出
任意選択で、反復情報が、データ・パケット内の同じ位置にはないが、符号化方式が同じである(たとえば、パンクチャがない)場合、反復ビットの場所は、パケット間の相関によって検出される。
【0134】
5)サンプル・シーケンスを、データ・パケットの到着時間に揃える
信号サンプルを正しく組み合わせて1つの結合信号にするためには、サンプル・シーケンスに含まれるサンプルを、データ・パケットのサンプリング時間に揃える必要がある。
【0135】
データ・パケットのサンプリングは、任意選択で、無線通信に関与しているノード間の送信(たとえば、
図2BのノードA又はノードBからの)で検出した、データ・パケットに同期される。データ・パケットのサンプリングは、さらに任意選択で、以下のうちの少なくとも1つに同期される。
a)異なる送信元から受信した信号で検出した要求パケット、及び
b)異なる送信元から受信した信号で検出した応答パケット
【0136】
この手法を説明するために、ここで、無線データ通信ネットワークを介して通信するノードの簡略化された図である、
図6を参照する。
図6では、ノードA610及びノードBが、無線ネットワークを介して通信する。ノードAから送信された信号から、反復情報を検出及び/又は抽出することが望ましい。受信機630は、非常に低いSNRでノードA610からの送信を受信する。しかし、ノードBから送信された信号内のデータ・パケットを検出するために、ノードB620からの送信が、受信機630によって、SNRが十分良好な状態で受信される。したがって、信号サンプルの、サンプル・シーケンスへのグループ化は、受信したノードBの信号内で検出したデータ・パケットのタイミングに同期され得る。
【0137】
代替的又は追加的に、サンプルをサンプル・シーケンスにグループ化するためのタイム・スタンプは、複数の検出したデータ・パケットのサイクル時間に基づく。
【0138】
以下は、適切なサンプリング時間にサンプルを収集する、例示的な実施例である。
【0139】
5.1)受信した要求又は応答パケットに基づくサンプリング
第1の例示的な実施例では、データ・パケットのサンプリングのタイミングは、異なる送信元(たとえば、ノードB)から受信した要求又は応答パケットに基づいて確立される。
【0140】
ノードBは、応答パケットをノードAに送信している可能性がある(たとえば、確認応答パケット又は送信許可パケット)。ノードBはまた、実際のデータをノードAに送信している可能性もあり、ノードAは、応答パケットを返す。もう1つの可能性は、ノードA及びノードBがTDD通信を行い、それぞれの側が、それ自体の順番に送信する。
【0141】
任意選択で、異なる送信元(たとえば、ノードB)からの送信が適切なSNRで受信される場合、必要なパケットを収集するためのタイム・スタンプ(たとえば、ノードAからの)が、ノードBから受信するデータ・パケットの開始時間又は終了時間の前又は後に、一定の時間間隔に設定される。応答パケットは通常、要求パケットの終了後に送信されるため、次のデータ・パケットを収集するためのタイム・スタンプは、異なる送信元から受信した要求パケットの終了後の、一定の時間間隔にある。通常、要求パケットは応答パケットの前に送信されるため、次のデータ・パケットを収集するためのタイム・スタンプは、異なる送信元からの次の要求パケットの予測される開始時間より前の、一定の時間間隔にある。
【0142】
5.2)受信したデータ・パケットによる同期
第2の例示的な実施例では、データ・パケット送信には、一定のサイクル時間があると想定される(又は分かっている)。さらに、ノードAに送信されたデータ・パケットの一部は検出可能である。サンプリング用タイム・スタンプは、さらに、別の送信元からの送信(たとえば、上記のセクション5.1と同様に、異なる送信元から受信した要求及び/又は応答パケット)に基づき得る。
【0143】
任意選択で、データ・パケット受信のサイクル時間は、検出可能なデータ・パケットに従って推定される。サイクル時間は、下記の式2( Equation 2)に対応しているタイミングを調査することによって、又は一部の受信{T
n}のベクトルが既知の場合に、サイクルTを調査する、他の任意の整数線形最適化基準(integer linear optimization criteria)によって、検出され得る。
【数6】
【0144】
Tの推定値が存在する場合(たとえば、クロック・エラーを除いて、サイクル時間が分かっている場合)、式2は式3(Equation 3)に変更され得る。
【数7】
【0145】
サイクル時間及び最初のフェーズが分かれば、必要な信号は、式4(Equation 4)に従って、予測されるタイム・スタンプで取り込まれ得る。
サンプル収集タイム・スタンプ(n)=(サイクル時間)・n+(最初のフェーズ) (4)
【0146】
5.3)既知のサイクル時間を有する、固定周波数又は周波数ホッピング送信の同期
このシナリオでは、データ・パケット送信のサイクル時間が一定であり、サイクル時間が既知である(又は、複数の可能性のあるサイクル時間が既知である)。さらに、既知のただ1つの周波数(又は既知の周波数リスト内の)で、又は固定周波数のホッピング・シーケンスで、無線信号が伝送される。周波数ホッピングの場合、周波数リストは少なくとも部分的に既知であり、送信される周波数の固定サイクルがある(すなわち、F1,F2,...FN,F1,F2,...FN...)。
【0147】
データ・パケットのサンプリングは、サイクルごとに、既知のタイム・スタンプで実行される。いくつかの重複する取込みも、実行され得る。
【0148】
たとえば、既知のサイクルが10ミリ秒の信号が、4つの既知の周波数{F1,F2,F3,F4}の、既知の周波数ホップ・サイクルで送信される。通常のパケット長は、1ミリ秒と予測される。したがって、10ミリ秒ごとに1ミリ秒の信号が予測され、40ミリ秒ごとに同じ周波数の信号が予測される。
【0149】
周波数Fkがリストから選択され、受信した信号は、Fkについてのみフィルタ処理される。1ミリ秒を超える、たとえば2ミリ秒の長さの信号のグループが収集される。信号の開始時間が、互いに40ミリ秒の整数倍である場合、信号は、同じグループに追加される。したがって、グループ1には、0,40,80,120,...の時間に開始する信号が含まれる。グループ2には、1,41,81,121,...の時間に開始する、2ミリ秒の信号が含まれる(1ミリ秒の重複に留意されたい)。グループ3には、2,42,82,122,...の時間に開始する、2ミリ秒の信号が含まれる。信号は、このようにして、39,79,119,159,...の時間に開始する2ミリ秒の信号が含まれる、最終グループまで収集される。
【0150】
グループのそれぞれについて、信号がこの信号のグループ内に存在するかどうかを判断するために、上記で説明されたものと同様の手法が適応され得る。たとえば、グループ内の信号の多くの線形結合が作成され得、次いで、その結果を、検出の仕組みに通すことができる。
【0151】
正しいパケット・サイクル又はホップ・サイクルは不明であるが、いくつかの可能性のあるホップ・サイクルがある場合、信号が検出されるまで、可能性のある各ホップ・サイクルがテストされ得る。
【0152】
5.4)動的周波数ホッピング・パターンの、可能性のある既知のサイクル時間による同期
このシナリオでは、送信のサイクル時間が一定であり、サイクル時間が既知である(又は、複数の可能性のあるサイクル時間が分かっている)。周波数ホッピング・パターンは動的である(すなわち、各サイクルで送信される周波数の順序が変わる場合があり、且つ/又はすべての周波数がすべてのサイクルで送信される必要はない)。
【0153】
この場合、上記の2回の取込みごとに相関があり得、2つの信号は、2つの信号間の相関が十分に高い場合にだけ、同じグループに関連づけられることになる。
【0154】
2つの信号間の相関(Correlation)は、式5(Equation 5)のように計算され得る。
【数8】
corr(i,j)>閾値の場合、2つの信号i及びjは、同じグループに属する。
【0155】
送信が固定レート及び符号化変調方式を使用する場合、パケットは、シンボル抽出前(すなわち、生の信号)、シンボル抽出後でビット・メトリック(ビットごと若しくはビットのグループごとの対数尤度比など)作成前、又はビット・メトリック作成後(且つ、FECデコードが存在する場合はその前)のいずれかに、関連づけされ得る。周波数オフセット及びチャネル応答は、ほぼ一定のままであると予測され得、フェーズだけが変化すると予測される(たとえば、サンプリングのフェーズ、局部発振器のフェーズ)。複数入力複数出力(MIMO:multiple-in multiple-out)送信の場合、複数のチャネルが同様に変化すると予測され(たとえば、同じようにフェーズが変化する)、他の送信パラメータは一定のままであると予測され得る(たとえば、周波数オフセット及び/又はチャネル応答)。
【0156】
要約すると、本明細書に提示される実施例は、通常ならかかる検出及び/又は抽出が不可能となる、SNRが低い状態の下で、受信したデータ・パケットからデータを検出及び/又は抽出する、技術的問題の解決策を提供する。通信信号サンプルのサンプルは、上記で説明されたように、複数のデータ・パケット内で繰り返される情報(たとえば、シンボルのシーケンス)のSNRを、反復情報の検出及び/又は抽出を可能にするレベルまで高めるよう処理される。信号シーケンスをデータ・パケットの受信に揃える、複数の手法もまた提示されている。適切に揃えることにより、複数のサンプル・シーケンスを組み合わせて結合信号にする効果が高まり、その結果、反復情報のSNRがさらに向上する。
【0157】
上記で説明された方法は、集積回路チップの製造に使用される。
【0158】
図中のフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施例によるシステム、方法、及びコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態の、アーキテクチャ、機能、及び動作を示している。この点に関連して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実施する、1つ又は複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことができる。いくつかの代替の実装形態では、ブロックに示されている機能は、図に示されている順序を変えて行われる場合があることにも留意されたい。たとえば、連続して図示されている2つのブロックが、実際には、ほぼ同時に実行される可能性があり、又は必要な機能に応じて、ブロックが、逆の順序で実行される場合があり得る。ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャート図のブロックの組合せは、指定された機能若しくは作用を実行する、専用のハードウェアベースのシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せによって実施される得ることにも留意されよう。
【0159】
本発明の様々な実施例の説明は、例示する目的で提示してきたものであり、網羅的であること、又は開示した実施例に限定されることを意図するものではない。説明された実施例の範囲及び精神から逸脱することなく、多くの修正形態及び変形形態が、当分野の技術者には明らかであろう。本明細書で使用する用語は、実施例の原理、実際上の応用例、又は市場で見られる技術全般にわたる技術的改良を最良に説明するために、或いは当分野の他の技術者が、本明細書で説明された実施例を理解できるようにするために、選択したものである。
【0160】
この出願から期限を迎えるまでの特許の存続期間中に、多くの関連するデータ・パケット形式、通信信号伝送方式、周波数ホッピング送信、送信データのレート及び/又は符号化、信号のサンプリング、シーケンスを組み合わせる技法、相関技法、データ・パケット検出技法、及び検出したデータ・パケットからデータ・シンボル及び/又はビットを抽出する技法が開発されることが予測され、データ・パケット、通信信号、周波数ホッピング、レート、符号化、通信信号のサンプリング、シーケンスの組合せ、相関、データ・パケットの検出及び抽出という用語の範囲には、かかるすべての新しい技術が先験的に含まれることを意図している。
【0161】
「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語及びこれらの動詞の活用形は、「含むがこれらに限定されるものではない」を意味する。この用語は、「~からなる」及び「本質的に~からなる」という用語を包含する。
【0162】
「本質的に~からなる」という句は、追加の成分及び/又はステップが、特許請求の範囲に記載された組成物又は方法の基本的且つ新規の特性を実質的に変更しない場合に限って、組成物又は方法に、追加の成分及び/又はステップが含まれ得ることを意味する。
【0163】
明細書で使用されている単数形「a」、「an」、及び「the」には、文脈上明らかにそうでないと規定されていない限り、複数の参照する対象が含まれる。たとえば、「化合物」又は「少なくとも1つの化合物」という用語には、化合物の混合物を含む、複数の化合物が含まれ得る。
【0164】
「例示的な」という単語は、本明細書では、「実例、例、又は例示として機能する」ことを意味するように使用される。「例示的」として説明されるどの実施例も、必ずしも、他の実施例よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではなく、且つ/又は他の実施例からの特徴の組込みを除外するものではない。
【0165】
「任意選択で」という単語は、本明細書では、「一部の実施例では備えられ、他の実施例では備えられない」ことを意味するために使用される。本発明の任意の特定の実施例には、かかる特徴が矛盾しない限り、複数の「任意選択の」特徴が含まれ得る。
【0166】
この出願全体にわたり、この発明の様々な実施例は、範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜上の、且つ簡潔にするためのものであり、本発明の範囲に関する柔軟性のない制限と解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内の個々の数値のみならず、すべての可能性のある部分的な範囲も具体的に開示していると見なされるべきである。たとえば、1から6などの範囲の説明は、その範囲内の個々の数値、たとえば1、2、3、4、5、及び6のみならず、1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6などの、部分的な範囲も具体的に開示していると見なされるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0167】
本明細書で数値範囲が示されているときはいつでも、数値範囲は、示された範囲内のどんな言及された数字(分数又は整数)も含むことを意味する。第1の示す数字と第2の示す数字との「間の範囲にわたる(ranging)/範囲にわたる(ranges)」という句、並びに第1の示す数字「から」第2の示す数字「までの範囲にわたる(ranging)/範囲にわたる(ranges)」という句は、本明細書では、互換的に使用され、第1及び第2の示された数字と、示された数字間のすべての分数及び整数とを含むことを意味する。
【0168】
明確にするために別個の実施例の文脈で説明されている、本発明のいくつかの特徴はまた、ただ1つの実施例において組み合わせても実現され得ることを理解されたい。逆に、簡潔にするためにただ1つの実施例の文脈で説明されている、本発明の様々な特徴はまた、別個に若しくは任意の好適な部分的組合せで、又は本発明の他の任意の説明された実施例で好適なものとして実現され得る。様々な実施例の文脈で説明されているいくつかの特徴は、実施例がその要素なしでは機能しない場合を除いて、それらの実施例の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0169】
本発明は、本発明の特定の実施例と併せて説明されてきたが、当業者には、多くの代替形態、修正形態、及び変形形態が明らかとなることは、明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び広い範囲に入る、かかるすべての代替形態、修正形態、及び変形形態を、包含することを意図している。
【0170】
この明細書で言及されているすべての刊行物、特許、及び特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許、又は特許出願のそれぞれが、参照により本明細書に組み込まれることが具体的且つ個別に示されているのと同じ程度に、その全体が参照により本明細書内に組み込まれる。加えて、この出願におけるどの参考文献の引用又は特定も、かかる参考文献が、本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものとは、解釈されないものとする。セクションの見出しが使用されている範囲において、セクションの見出しが、必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークを介して、第1のノードと第2のノードとの間で通信されるデータ・パケット内の、反復情報を検出する装置であって、前記装置が、
処理回路
を備え、前記処理回路が、
前記無線ネットワークを介して、前記第1のノードと前記第2のノードとの間で、複数のそれぞれの時間に送信されるデータ通信信号のサンプルを収集し、
前記収集したサンプルを、サンプルの複数のシーケンスにグループ化し、
サンプルの前記複数のシーケンスを組み合わせて、少なくとも1つの結合信号にし、且つ
前記少なくとも1つの結合信号の分析に基づいて、前記データ通信信号によって伝搬された複数のデータ・パケット内の反復情報を示す信号を生成する
よう構成される、装置。
【請求項2】
前記分析が、前記少なくとも1つの結合信号内の、反復情報の有無を識別することを含み、前記反復情報を示す信号が、前記複数のデータ・パケット内における、前記識別した反復情報の有無のインジケータを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記分析が、前記少なくとも1つの結合信号から反復情報を抽出することを含み、前記反復情報を示す信号が、前記抽出した反復情報を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
サンプルの前記複数のシーケンスのそれぞれが、ただ1つのデータ・パケットを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記処理回路がさらに、前記第1のノードと前記第2のノードとの間で送信される前記データ通信信号を監視するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
ベースバンド入力信号をサンプリングし、前記サンプルを前記収集のために前記処理回路へ供給するよう構成される、サンプラをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
サンプルの前記複数のシーケンスを前記少なくとも1つの結合信号にする、前記組合せの前に、周波数変換が、サンプルの前記複数のシーケンスのそれぞれに適用される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記処理回路が、サンプルの前記複数のシーケンスと、サンプルの前記複数のシーケンスの遅延バージョンとの加重線形結合を形成することによって、前記組合せを実行するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記処理回路が、前記ネットワークの通信チャネルの状態に従って、前記加重線形結合の重みづけ係数を選択するよう構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記処理回路が、
重みづけ係数の複数のセットを指定することと、
前記重みづけ係数のセットのそれぞれに対して、サンプルの前記複数のシーケンス及びサンプルの前記複数のシーケンスの遅延バージョンの加重線形結合である、それぞれの結合信号を形成することと
によって、前記組合せを実行するよう構成され、前記反復情報を示す信号が、反復情報が前記それぞれの結合信号のうちの少なくとも1つで識別される場合に、生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記処理回路が、
サンプルの前記複数のシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出することと、
前記データ・パケットのプリアンブル及び同期シーケンスのうちの少なくとも一方を使用して、サンプルの前記複数のシーケンスを組み合わせて結合信号にするための重みを計算することと、
前記計算した重みを使用して、サンプルの前記複数のシーケンス及びサンプルの前記複数のシーケンスの遅延バージョンの加重線形結合を形成することと
によって、前記組合せを実行するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記処理回路が、
サンプルの前記複数のシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出することと、
前記検出したデータ・パケットに対してシンボルの検出を実行し、それぞれのシンボル・シーケンスを取得することと、
前記シンボル・シーケンスを線形に組み合わせることと
によって、前記組合せを実行するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記処理回路が、
サンプルの前記複数のシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出することと、
前記検出したデータ・パケットのそれぞれを、それぞれのビット・シーケンスにデコードすることと、
前記少なくとも1つの結合信号内の場所ごとに、前記それぞれのビット・シーケンス内での前記場所において、ビットの大部分に現れるビット・レベルを選択することと
によって、前記組合せを実行するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記処理回路が、
サンプルの前記複数のシーケンスのそれぞれについて、それぞれのデータ・パケットを検出することと、
前記少なくとも1つの結合信号内の場所ごとに、前記検出したデータ・パケットの尤度比の分析に基づいて、前記場所に現れる確率が最も高いビット・レベルを選択することと
によって、前記組合せを実行するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記処理回路が、前記第1のノードおよび前記第2のノードのうちの1つから受信された検出されたデータ・パケットと同期して前記サンプルを収集するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記処理回路が、検出された要求パケットと同期して前記サンプルを収集するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記処理回路が、検出された応答パケットと同期して前記サンプルを収集するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記処理回路が、前記第1のノード及び前記第2のノードのうちの少なくとも一方によって送信された、複数の検出されたデータ・パケットのサイクル時間に同期して前記サンプルを収集するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
無線ネットワークを介して、第1のノードと第2のノードとの間で通信されるデータ・パケット内の、反復情報を検出する方法であって、
前記無線ネットワークを介して、前記第1のノードと前記第2のノードとの間で複数のそれぞれの時間に送信される、データ通信信号のサンプルを収集するステップ、
前記収集したサンプルを、サンプルの複数のシーケンスにグループ化するステップ、
サンプルの前記複数のシーケンスを、少なくとも1つの結合信号にするよう組み合わせるステップ、並びに
前記少なくとも1つの結合信号の分析に基づいて、前記データ通信信号によって伝搬された複数のデータ・パケット内の反復情報を示す信号を生成するステップ
を含む、方法。
【請求項20】
前記分析が、前記少なくとも1つの結合信号内の、反復情報の有無を識別するステップを含み、前記反復情報を示す信号が、前記識別した反復情報の有無のインジケータを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記分析が、前記少なくとも1つの結合信号から反復情報を抽出するステップを含み、前記反復情報を示す信号が、前記抽出した反復情報を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のノードと前記第2のノードとの間の前記データ通信信号を監視するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
ベースバンド入力信号をサンプリングするステップと、前記サンプルを、前記収集するステップへ供給するステップとをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
サンプルの前記複数のシーケンスを前記少なくとも1つの結合信号にする、前記組み合わせるステップの前に、サンプルの前記複数のシーケンスのそれぞれに、周波数変換を適用するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記組み合わせるステップが、サンプルの前記複数のシーケンスと、前記サンプルの前記複数のシーケンスの遅延バージョンとの加重線形結合を形成するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記ネットワークの通信チャネルの状態に従って、前記加重線形結合の重みづけ係数を選択するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記組み合わせるステップが、
重みづけ係数の複数のセットを指定するステップと、
前記重みづけ係数のセットのそれぞれに対して、サンプルの前記複数のシーケンス及びサンプルの前記複数のシーケンスの遅延バージョンの加重線形結合である、それぞれの結合信号を形成するステップと
を含み、前記反復情報を示す信号が、反復情報が前記それぞれの結合信号のうちの少なくとも1つで識別される場合に、生成される、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
コンピュータ・プログラム・コードを含むコンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラム・コードが、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、無線ネットワークを介して第1のノードと第2のノードとの間で通信されるデータ・パケット内の反復情報を、
前記第1のノードと前記第2のノードとの間で、前記無線ネットワークを介して、複数のそれぞれの時間に送信されるデータ通信信号のサンプルを収集すること、
前記収集したサンプルを、サンプルの複数のシーケンスにグループ化すること、
サンプルの前記複数のシーケンスを組み合わせて、少なくとも1つの結合信号にすること、並びに
前記少なくとも1つの結合信号の分析に基づいて、前記データ通信信号によって伝搬された複数のデータ・パケット内の反復情報を示す信号を生成すること
によって検出させる、非一時的コンピュータ・プログラム製品。
【国際調査報告】