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特表2023-537675パーキンソン病の治療のための医薬組成物及びその治療方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-05
(54)【発明の名称】パーキンソン病の治療のための医薬組成物及びその治療方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/05 20060101AFI20230829BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 31/48 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 31/428 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 31/4045 20060101ALI20230829BHJP
   A61K 31/473 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
A61K31/05
A61P25/16
A61K31/352
A61K9/08
A61K9/06
A61K9/70 401
A61K9/12
A61K45/00
A61K31/198
A61K31/48
A61K31/428
A61K31/4045
A61K31/473
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503426
(86)(22)【出願日】2021-08-13
(85)【翻訳文提出日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 IB2021057474
(87)【国際公開番号】W WO2022038475
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】63/066,386
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/229,021
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
2.SPAN
(71)【出願人】
【識別番号】522142752
【氏名又は名称】パイク セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】プラコヤニス,フォショス エム.
(72)【発明者】
【氏名】モディ,ニサージ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076AA09
4C076AA11
4C076AA24
4C076AA72
4C076BB31
4C076CC01
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD45
4C076DD55
4C076DD60
4C076FF11
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA13
4C084MA17
4C084MA27
4C084MA28
4C084MA32
4C084MA63
4C084NA14
4C084ZA02
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA08
4C086BC13
4C086BC30
4C086BC84
4C086CB05
4C086CB20
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA27
4C086MA28
4C086MA32
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZA02
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA19
4C206FA56
4C206KA01
4C206KA17
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA33
4C206MA37
4C206MA47
4C206MA48
4C206MA52
4C206MA83
4C206NA14
4C206ZA02
(57)【要約】
患者におけるパーキンソン病及び/又は関連症状の治療及び/又は予防及び/又は管理のための医薬組成物及び方法に関する。CBD及びTHCから選択される少なくとも1つの活性剤、溶媒、界面活性剤、場合によっては浸透促進剤、及び場合によっては接着剤/ポリマーを含む局所用医薬組成物に関する。当該局所組成物は、パーキンソン病及び/又はそれに関連する症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせるために用いられる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーキンソン病(PD)及び/又はそれに関連する症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせるための方法であって、以下の:
PD及び/又はそれに関連する症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる必要がある患者を選択すること、
以下の:
約0.1%~約50%の、カンナビジオール(CBD)、その合成体、その生合成体、その遊離塩基体、その塩、その異性体、その非晶質体、その誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性剤;
約0.1%~約50%の、テトラヒドロカンナビノール(THC)、その合成体、その生合成体、その遊離塩基体、その塩、その異性体、その非晶質体、その誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性剤;並びに
それらの組み合わせ;
からなる群から選択される少なくとも1つの活性剤を含む医薬組成物を局所適用すること、
を含む方法であって、
さらに、前記医薬組成物は、以下の:
約1%~約99%の少なくとも1つの溶媒;
約1%~約99%の少なくとも界面活性剤;
場合によっては、約1%~約99%の少なくとも1つの透過促進剤;及び/又は
場合によっては、約30%~約99%の接着剤及び/又はポリマー
を含む、方法。
【請求項2】
前記医薬組成物は、約0.01ng/mL、約0.02ng/mL、約0.05ng/mL、約0.1ng/mL、約0.2ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2ng/mL、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約50ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL、約1μg/mL、約2μg/mL、及び約5μg/mLからなる群から選択される活性剤の血清レベルをもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
活性剤の濃度は、製剤の約1%~約10%、約1%~約9%、約1%~約8%、約1%~約7%、約1%~約6%、約1%~約5%、約0.1~約50%、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、及び約35%~約65%からなる群から選択される濃度で存在する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
活性剤の濃度は、製剤の約1%~約10%、約1%~約9%、約1%~約8%、約1%~約7%、約1%~約6%、及び約1%~約5%からなる群から選択される濃度で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
THCは、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆体、その立体異性体、その固溶体、そのイオン対、その溶液、その粉末体、その液体を、単独で、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
CBDが、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆体、その立体異性体、その固溶体、そのイオン対、その溶液、その粉末体、その液体を、単独で、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記医薬組成物は、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非結晶体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の活性剤を、経皮送達用の剤形で含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記医薬組成物は、経皮液体製剤、経皮半固形製剤、経皮ゲル化剤、経皮ポリマーマトリクス製剤、経皮接着マトリクス製剤、経皮フィルム形成ゲル化剤、経皮フィルム形成スプレー製剤、多層経皮マトリクスシステム、又は経皮drug in adhesive型マトリクス製剤(経皮薬物-接着マトリクス製剤)として製剤化される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記医薬組成物は、局所液体製剤、局所半固形製剤、局所ゲル化剤、局所ポリマーマトリクス製剤、局所接着マトリクス製剤、局所膜形成ゲル化剤、又は局所膜形成スプレー製剤として製剤化される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記医薬組成物は、さらに、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、粘着付与剤、希釈剤、膨張剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、抗酸化剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の担体又は成分を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記医薬組成物は、さらに、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、粘着剤、希釈剤、膨張剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の担体又は成分を0.1%-99.5%w/w又はw/vの範囲で含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記医薬組成物は、経皮パッチとして製剤化される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記医薬組成物は、多層経皮マトリクスシステム、定量経皮ゲル、定量経皮スプレー、フィルム形成ゲル、フィルム形成スプレー、又は定量エアゾールとして製剤化される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記医薬組成物は、局所パッチとして製剤化される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記医薬組成物は、定用量ゲル、定用量スプレー、ゲル、クリーム、溶液、乳化剤、液体組成物、半固体組成物、ポリマーと組み合わせた接着剤のマトリクス又はフィルム形成製剤として製剤化される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記医薬組成物は、経皮パッチとして製剤化される請求項1~15のいずれか一項に記載の方法であって、前記経皮パッチは、リザーバパッチ、多層経皮マトリクスシステム、マイクロリザーバパッチ、マトリクスパッチ、drug in adhesive型パッチ、ポリマーと組み合わせた接着剤のマトリクスパッチ、感圧性接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバシステム、マイクロリザーバパッチ、粘膜接着パッチ及びそれらの組み合わせ等の群から選択される、方法。
【請求項17】
前記医薬組成物は、局所パッチとして製剤化される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法であって、前記局所パッチは、多層経皮マトリクスシステム、リザーバパッチ、マイクロリザーバパッチ、マトリクスパッチ、drug in adhesive型パッチ、感圧性接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバシステム、マイクロリザーバパッチ、粘膜接着パッチ、マイクロドージングパッチ及びそれらの組み合わせ等の群から選択される、方法。
【請求項18】
前記医薬組成物は、毎日一回、毎日二回、1日に三回、1時間~8時間に一回、1時間~24時間に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、8~約13日に一回、2週間に一回、15日~約30日に一回からなる群から選択される用量レジメンで投与されうる経皮製剤として製剤化される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記医薬組成物は、毎日一回、毎日二回、1日に三回、1日に四回、1日に五回、1日六回、1時間~8時間に一回、1時間~24時間に一回、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、8~約13日に一回、2週間に一回、15日~約30日に一回からなる群から選択される用量レジメンで投与されうる局所製剤として製剤化される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記医薬組成物は、マイクロニードルとして製剤化される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その多形、その立体異性体、そのイオン対、その被覆体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、及びそれらの組み合わせは、合成経路により作製される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
活性剤は合成的に製造され、前記医薬組成物に添加される前の純度は、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.75%、又は100%(w/w)以上である、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記医薬組成物は、ドーパミン前駆体、ドーパミン受容体作動薬、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのさらなる活性剤と共に同時投与される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記医薬組成物は、レボドパ、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、カベルゴリン、ロピニロール、アポモルフィン、及びそれらのいかなる組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つのさらなる活性剤と共に同時投与される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPDの症状は、以下の:
(a)認知障害、幻覚及び精神病、抑うつ気分、不安気分、無気力、ドーパミン調節不全症候群の特徴、睡眠問題、日中の眠気、疼痛、排尿問題、便秘問題、立ちくらみ、及び疲労からなる群から選択される、統一パーキンソン病評価尺度のパートIによって定義される日常生活の経験の少なくとも1つの非運動側面;
(b)発話、唾液及び流涎、咀嚼及び嚥下、食事作業、着衣、衛生、手書き、寝返り、振戦、ベッド、車、又は深い椅子からの起き上がり、歩行及び平衡、及び硬直からなる群から選択される、統一パーキンソン病評価尺度のパートIIによって定義される日常生活の経験の少なくとも1つの運動側面;
(c)発話、顔面表情、硬直、指使い、手の動き、手の前屈-後屈運動、つま先立ち、脚の敏捷性、椅子からの起き上がり、歩行、歩行の硬直、姿勢安定性、姿勢、身体運動緩慢、手の姿勢振戦、手の運動性振戦、安静時振戦振幅、及び安静時振戦の持続からなる群から選択される、統一パーキンソン病評価尺度のパートIIIで特定される少なくとも1つの運動症状;
(d)ジスキネジア(運動障害)に費やした時間、ジスキネジアの機能的影響、オフ状態で過ごした時間、ゆらぎの機能的影響、運動ゆらぎの複雑性、及び有痛性オフ状態ジストニアから選択される、統一パーキンソン病評価尺度のパートIVで特定される少なくとも1つの運動合併症;
(e)便秘;
(f)うつ病;
(g)認知機能障害;
(h)短期又は長期の記憶障害;
(i)集中力障害;
(j)協調障害;
(k)移動障害;
(l)言語障害;
(m)精神錯乱;
(n)睡眠問題、睡眠障害、入眠障害;
(o)概日リズム機能障害;
(p)幻覚;
(q)疲労;
(r)レム睡眠障害;
(s)レム睡眠行動障害;
(t)勃起不全;
(u)体位性低血圧;
(v)血圧又は起立性低血圧の補正;
(w)夜間高血圧;
(x)体温調節;
(y)呼吸や無呼吸の改善;
(z)心臓伝導障害の矯正;
(aa)疼痛の改善;
(bb)尿失禁、膀胱感覚や排尿の回復;
(cc)気分の変動;
(dd)無気力;
(ee)夜間頻尿の抑制;
(ff)神経変性;
(gg)不安;
(hh)人前で話す能力を含む会話能力の向上;及び/又は
(ii)パーキンソン病認知症
からなる群から選択される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状が、睡眠問題、睡眠障害、入眠障害、概日リズム機能障害、REM睡眠障害、又はREM行動障害であり、かつ、以下の:
(a)睡眠障害、入眠障害は、入眠の遅延、睡眠断片化、REM行動障害、いびき及び無呼吸を含む睡眠呼吸障害、日中の眠気、マイクロスリープエピソード、ナルコレプシー、幻覚、又はこれらのいかなる組み合わせを含む;並びに/又は
(b)レム行動障害は、鮮明な夢、悪夢、及び睡眠中に話したり叫んだり、そわそわしたり腕や脚を殴ったりして夢を演じることを含む;並びに/又は
(c)睡眠問題、睡眠障害、入眠障害を治療することでパーキンソン病の発症及び/又は進行を予防又は遅らせる;並びに/又は
(d)本方法により、所定の期間にわたり被験体の睡眠パターンが肯定的に変化する;並びに/又は
(e)本方法により、所定の期間にわたり被験体の睡眠パターンが肯定的に変化し、前記肯定的な変化は以下の:
(i)得られた睡眠の総量の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%の増加;及び/若しくは、
(ii)夜間の覚醒回数比率の減少が、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%からなる群より選択される;並びに/又は
ように定義される;並びに/又は
(f)本方法の結果として、被験体は、被験体の年齢層について、医療機関が推奨する睡眠時間の合計を得る;並びに/又は
(g)ここで、所定の期間は各々、約1日~約10日、約10日~約30日、約30日~約3か月、約3か月~約6か月、約6か月~約12か月、及び約12か月を超える期間からなる群から独立して選択される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状が幻覚であり、かつ、以下の:
(a)幻覚は視覚、聴覚、触覚、味覚又は嗅覚の幻覚を含む;及び/又は
(b)幻覚を治療することでパーキンソン病の発症及び/又は進行を予防及び/又は遅らせる;及び/又は
(c)前記方法により、所定時間の間に被験体の幻覚回数が減少する;及び/又は
(d)前記方法により、所定時間の間に被験体の幻覚回数が減少し、前記減少回数は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%からなる群から選択される;及び/又は
(e)前記方法により、被験体は幻覚を見なくなる;及び/又は
(f)前記方法により、1つ以上の医学的に認められた技術によって測定された、所定の期間にわたり被験体の幻覚の程度が軽減する;及び/又は
(g)前記方法により、所定時間の間に被験体の幻覚の程度が軽減し、前記程度の軽減は、1つ以上の医学的に認められた技術で測定すると、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%からなる群の中から選択される;及び/又は
(h)シカゴ幻覚評価ツール(CHAT)、精神病症状評価尺度(PSYRATS)、幻聴評価尺度(AHRS)、ハミルトンプログラム統合失調症声質質問票(HPSVQ)、幻聴の特徴質問票(CAHQ)、精神保健研究所異常知覚スケジュール(MUPS)、陽性及び陰性症状評価尺度(PANSS)、陽性症状評価尺度(SAPS)、ラウネースレイド幻覚尺度(LSHS)、カーディフ異常知覚尺度(CAPS)、知覚異常評価のための構造化面接(SIAPA)からなる群から選択される医学的に認められた技術;及び/又は
(i)所定時間は各々、約1日~約10日、約10日~約30日、約30日~約3か月、約3か月~約6か月、約6か月~約12か月、及び約12か月を超える期間からなる群から独立して選択される、
請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状がうつ病であり、かつ、以下の:
(a)うつ病を治療することにより、パーキンソン病の発症及び/若しくは進行を予防又は遅らせる;並びに/あるいは
(b)前記方法により、臨床的に認識された1つ以上のうつ病評価尺度によって測定される、所定の期間にわたり被験体のうつ病が改善される;及び/又は
(c)前記方法により、臨床的に認識された1つ以上のうつ病評価尺度によって測定される、所定の期間にわたり被験体のうつ病が改善され、前記改善は、気分、行動、食事、睡眠、エネルギー、性行為等の身体機能、及び/若しくは悲しみや無気力のエピソードからなる群より選択される1つ以上のうつ病の特徴にある;並びに/又は
(d)前記方法により、臨床的に認識された1つ以上のうつ病評価尺度によって測定される、所定の期間にわたり被験体のうつ病が改善され、治療後に被験体が経験する改善は、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95若しくは約100%である;及び/又は
(e)所定時間は各々、約1日~約10日、約10日~約30日、約30日~約3か月、約3か月~約6か月、約6か月~約12か月、及び約12か月を超える期間からなる群から独立して選択される、
請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状が認知障害であり、かつ、以下の:
(a)認知障害を治療することにより、パーキンソン病の発症及び/若しくは進行を予防及び/若しくは遅らせる;並びに/又は
(b)前記医薬組成物の投与後の所定の期間にわたり、医学的に認められた技術によって測定すると、認知障害の進行若しくは発症が遅延、停止、若しくは逆転している;及び/又は
(c)認知障害は、医学的に認められた技術によって測定すると、前記医薬組成物の投与によって正の影響を受ける;及び/又は
(d)認知障害は、医学的に認められた技術によって測定すると、前記医薬組成物の投与によって正の影響を受け、認知機能低下に対する正の影響及び/又は進行は、ミニ精神状態検査(MMSE)、ミニコグテスト、及びCantab Mobile、Cognigram、Cognivue、Cognition、及びAutomated Neuropsychological Assessment Metricsから選択されたコンピュータテストからなる群から選択される1つ以上の技術によって定量的又は定性的に測定される;並びに/又は
(e)認知障害の進行若しくは発症は、医学的に認められた技術で測定すると、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%が遅延、停止、若しくは逆転する;及び/又は
(f)所定時間は各々、約1日~約10日、約10日~約30日、約30日~約3か月、約3か月~約6か月、約6か月~約12か月、及び約12か月を超える期間からなる群から独立して選択される、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状が便秘であり、かつ、以下の:
(a)便秘の治療によりパーキンソン病の発症及び/若しくは進行を予防及び/若しくは遅らせる;並びに/又は
(b)前記医薬組成物の投与により、被験体に排便させる;及び/又は
(c)前記方法により、所定期間に被験体の排便回数が増加し;及び/又は
(d)前記方法により、被験体の排便回数が増加し、前記排便回数の増加は以下の:
(i)1週間あたりの排便回数の、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%の増加;及び/又は
(ii)各々連続する排便の間の時間の減少比率が、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%からなる群から選択されると定義され;及び/又は
(e)前記方法により、被験体の排便頻度が、医療機関が推奨する被験体の年齢層の排便頻度になる、
請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状がPDと相関する神経変性であり、かつ、以下の:
(a)認知障害を治療することにより、パーキンソン病の発症及び/若しくは進行を予防及び/若しくは遅らせる;並びに/又は
(b)前記方法により、被験体の神経変性の進行及び/又は発症を治療、予防、及び/又は進行を遅らせる;及び/又は
(c)前記医薬組成物の投与後の所定の期間にわたり、医学的に認められた技術によって測定すると、神経変性の進行若しくは発症が遅延、停止、若しくは逆転している;及び/又は;及び/又は
(d)神経変性は、医学的に認められた技術によって測定すると、前記医薬組成物の投与によって正の影響を受ける;及び/又は
(e)神経変性に対する正の影響及び/又は進行は、脳波(EEG)、神経画像、機能的MRI、構造的MRI、拡散テンソル画像(DTI)、[18F]フルオロデオキシグルコース(FDG)PET、アミロイドを標識する薬剤、[18F]F-ドーパPET、放射性トレーサー画像、局所組織喪失の体積分析、異常なタンパク質沈着の特異的画像マーカー、マルチモーダル画像、及びバイオマーカー分析からなる群から選択される1つ以上の技術によって定量的又は定性的に測定される;及び/又は
(f)神経変性の進行又は発症は、医学的に認められた技術で測定すると、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%が遅延、停止、若しくは逆転する;及び/又は
(g)所定時間は各々、約1日~約10日、約10日~約30日、約30日~約3か月、約3か月~約6か月、約6か月~約12か月、及び約12か月を超える期間からなる群から独立して選択される、
請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
以下の:
約0.1%~約50%の、カンナビジオール(CBD)、その合成体、その生合成体、その遊離塩基体、その塩、その異性体、その非晶質体、その誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性剤;
約0.1%~約50%の、テトラヒドロカンナビノール(THC)、その合成体、その生合成体、その遊離塩基体、その塩、その異性体、その非晶質体、その誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性剤;並びに
それらの組み合わせ;
からなる群から選択される少なくとも1つの活性剤を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物は、以下の:
約1%~約99%の少なくとも1つの溶媒;
約1%~約99%の少なくとも1つの界面活性剤;
場合によっては、約1%~約99%の少なくとも1つの透過促進剤;並びに/又は
場合によっては、約30%~約99%の少なくとも1つの接着剤及び/若しくはポリマー;
を含む、医薬組成物。
【請求項33】
約0.01ng/mL、約0.02ng/mL、約0.05ng/mL、約0.1ng/mL、約0.2ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2ng/mL、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約50ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL、約1μg/mL、約2μg/mL、及び約5μg/mLからなる群から選択される活性剤の血清レベルをもたらす、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
活性剤の濃度は、製剤の約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%からなる群から選択される、請求項32又は33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
活性剤の濃度は、製剤の約1%~約10%、約1%~約9%、約1%~約8%、約1%~約7%、約1%~約6%、約1%~約5%、約0.1~約50%、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、及び約35%~約65%からなる群から選択される、請求項32~34のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項36】
THCは、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆体、その立体異性体、その固溶体、そのイオン対、その溶液、その粉末体、その液体を、単独で、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項32~35のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項37】
CBDが、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆体、その立体異性体、その固溶体、そのイオン対、その溶液、その粉末体、その液体を、単独で、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項32~36のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項38】
経皮送達用の剤形において、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非結晶体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆体、及びその組み合わせからなる群から選択される1つ以上の活性剤を含む、請求項32~37のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
経皮液体製剤、経皮半固形製剤、経皮ゲル化剤、経皮ポリマーマトリクス製剤、経皮接着マトリクス製剤、経皮フィルム形成ゲル化剤、経皮フィルム形成スプレー製剤、多層経皮マトリクスシステム、又は経皮drug in adhesive型マトリクス製剤(経皮薬物-接着マトリクス製剤)として製剤化される、請求項32~38に記載の医薬組成物。
【請求項40】
局所液体製剤、局所半固形製剤、局所ゲル化剤、局所ポリマーマトリクス製剤、局所接着マトリクス製剤、局所膜形成ゲル化剤、又は局所膜形成スプレー製剤として製剤化される、請求項32~39のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項41】
さらに、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、粘着付与剤、希釈剤、膨張剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、抗酸化剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の担体又は成分を含む、請求項32~40のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項42】
さらに、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、粘着剤、希釈剤、膨張剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の担体又は成分を0.1%~99.5%w/w又はw/vの範囲で含む、請求項32~41のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項43】
経皮パッチとして製剤化される、請求項32~42のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項44】
多層経皮マトリクスシステム、定量経皮ゲル、定量経皮スプレー、フィルム形成ゲル、フィルム形成スプレー、又は定量エアゾールとして製剤化される、請求項32~43のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項45】
局所パッチとして製剤化される、請求項32~44のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項46】
定用量ゲル、定用量スプレー、ゲル、クリーム、溶液、乳化剤、液体組成物、半固体組成物、ポリマーと組み合わせた接着剤のマトリクス又はフィルム形成製剤として製剤化される、請求項32~45のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項47】
経皮パッチとして製剤化される請求項32~46のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、前記経皮パッチは、リザーバパッチ、多層経皮マトリクスシステム、マイクロリザーバパッチ、マトリクスパッチ、drug in adhesive型パッチ、ポリマーと組み合わせた接着剤のマトリクスパッチ、感圧性接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバシステム、マイクロリザーバパッチ、粘膜接着パッチ及びその組み合わせ等の群から選択される、医薬組成物。
【請求項48】
局所パッチとして製剤化される、請求項32~47のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、前記局所パッチは、多層経皮マトリクスシステム、リザーバパッチ、マイクロリザーバパッチ、マトリクスパッチ、drug in adhesive型パッチ、感圧性接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバシステム、マイクロリザーバパッチ、粘膜接着パッチ、マイクロドージングパッチ及びその組み合わせ等の群から選択される、医薬組成物。
【請求項49】
毎日一回、毎日二回、1日に三回、1時間~8時間に一回、1時間~24時間に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、8~約13日に一回、2週間に一回、15日~約30日に一回からなる群から選択される用量レジメンで投与されうる経皮製剤として製剤化される、請求項32~48のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項50】
毎日一回、毎日二回、1日に三回、1日に四回、1日に五回、1日六回、1時間~8時間に一回、1時間~24時間に一回、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、8~約13日に一回、2週間に一回、15日~約30日に一回からなる群から選択される用量レジメンで投与されうる局所製剤として製剤化される、請求項32~49のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項51】
マイクロニードルとして製剤化される、請求項32~50のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項52】
テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その多形、その立体異性体、そのイオン対、その被覆体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、及びその組み合わせは、合成経路により作製される、請求項32~51のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項53】
活性剤は合成的に製造され、医薬組成物に添加される前の純度は、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.75%、又は100%(w/w)以上である、請求項32~52のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項54】
ドーパミン前駆体、ドーパミン受容体作動薬、及びその組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのさらなる活性剤と共に同時投与される、請求項32~53のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項55】
レボドパ、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、カベルゴリン、ロピニロール、アポモルフィン、及びそれらのいかなる組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つのさらなる活性剤と共に同時投与される、請求項32~54のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年8月17日出願の米国特許出願第63/066,386及び2021年8月3日出願の米国特許出願第63/229,021の利益を主張し、その全体は参照により本出願に援用される。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病(PD)は、主に運動系に影響を及ぼす中枢神経系の変性疾患であり、運動器疾患という疾患群に属し、黒質におけるドーパミン産生細胞の消失により発症する。この細胞死の原因はほとんど解明されていない。疾患の初期には、震え、硬直、動作の緩慢さ、歩行や歩行の困難等、運動に関連する症状が最も顕著に現れる。その後、思考や行動に問題が生じ、進行すると一般に認知症になる。うつ病は最も一般的な精神症状である。その他の症状としては、感覚障害、睡眠障害、情緒障害等があげられる。パーキンソン病は高齢者に多く、ほとんどの症例は50歳以降に発症する。若年成人にみられる場合は、若年発症PD(YOPD)という。
【0003】
PDの4つの主な症状としては、手、腕、脚、顎、顔の震え、四肢や体幹の硬直、動作緩慢、姿勢の不安定、バランスや協調運動の障害があげられる。これらの症状が顕著になると、患者は歩行や会話、その他の簡単な作業を行うことが困難になる場合がある。その他の症状としては、うつ病やその他の感情の変化、嚥下困難、咀嚼困難、発話困難;排尿障害、便秘;皮膚障害;と睡眠障害等があげられる。現在のところ、散発性PDの診断に役立つことが証明されている血液検査や臨床検査はなく、診断は病歴と神経学的検査に基づいて行われる。
【0004】
主な運動症状は、「パーキンソニズム」又は「パーキンソニアン症候群」と総称される。当該疾患は一次性(原発性)と二次性(二次性)の場合がある。原発性パーキンソン病は特発性(原因不明)というが、非典型的な症例としては遺伝子に由来するものもあり、二次性パーキンソン病は毒素等の既知の原因による。多くのリスクと保護因子が調査されており、最も明確な証拠は、特定の農薬に曝露された人ではPDのリスクが高まり、タバコを吸う人ではリスクが低下することである。PDの病理の特徴は、ニューロンのレビー小体にタンパク質が蓄積し、中脳の特定の部位でドーパミンの生成と活性が不十分となることである。レビー小体がどこにあるかは、個人の症状の発現と程度に関係することが多い。通常の症例の診断は主に症状に基づいて行われ、確認のために神経画像等の検査が用いられる。
【0005】
現在、PDの治療法はないが、様々な薬物療法により症状の緩和が図られている。治療は、通常はL-DOPAとドーパミン作動薬等の薬剤であり、疾患の初期症状を改善する。疾患が進行し、ドーパミン作動性ニューロンが失われ続けると、これらの薬剤は最終的に症状の治療に効果がなくなり、同時に不随意の身悶え運動を特徴とする合併症を誘発させる。食事療法やリハビリテーションは、症状の改善にある程度の有効性を示す。また、薬物療法が効かない重症例では、最終手段として、手術や脳深部刺激療法により運動症状を軽減させている。研究の方向性としては、この疾患の新しい動物モデルの研究や、遺伝子治療、幹細胞移植、神経保護薬の潜在的な有用性の研究があげられる。睡眠障害や感情の問題等、運動に関連しないPDの症状を治療する薬も存在する。
【0006】
レボドパ(L-DOPA)は1967年以降、最も汎用されている治療薬である。L-DOPAはドーパミン作動性ニューロンにおいて、ドーパ脱炭酸酵素によってドーパミンに変換される。運動症状は黒質におけるドーパミンの欠乏によって生じるため、L-DOPAを投与すると運動症状を一時的に軽減させることができる。通常、患者にはレボドパとカルビドパを併用投与して、レボドパが脳に到達するまでドーパミンへの変換を遅らせる。神経細胞はレボドパを用いてドーパミンを生成し、脳において減少した供給量を補充することができる。レボドパはパーキンソン病患者の3/4以上に効果があるが、全ての症状がこの薬に等しく反応するわけではない。運動緩慢と硬直は最もよく反応するが、振戦はわずかしか緩和しない場合がある。平衡障害やその他の症状は全く緩和されない場合がある。抗コリン薬は振戦や硬直の抑制に作用する場合がある。ブロモクリプチン、プラミペキソール、ロピニロール等の他の薬剤は、脳内のドーパミンの作用を模倣し、ニューロンをドーパミンに反応させる。抗ウイルス薬のアマンタジンも症状を緩和するようである。
【0007】
推定5300万人がPDを発症し、世界で約103,000人が死亡している。パーキンソン病は通常60歳以上の人に発症し、女性よりも男性に多く発症する。診断後の平均寿命は7~14年である。パーキンソン病は一般に特発性(特定の既知の原因がない)であるものの、既知の遺伝的要因に起因する症例もありうる。例えば、特定の遺伝子の変異がPDを引き起こすことが示されている(例えば、αシヌクレイン(SNCA)、パーキン(PRKN)、ロイシン富化反復キナーゼ2(LRRK2)、PTEN誘導型推定キナーゼ1(PINK1)、DJ-1及びATP13A2等)。LRRK2の変異は、家族性及び散発性PDの最も一般的な原因として知られており、この疾患の家族歴がある人の約5%、散発例の3%を占める。LRRK2G2019S機能獲得遺伝子変異は、PDの病因に寄与する最も一般的な変異の1つである。PDの治療法は確立されているものの、より効果的な治療法が必要である。
【0008】
現代の治療法では、主にレボドパとドーパミン作動薬を用いて、この疾患の初期の運動症状に対処しようとしている。疾患が進行してドーパミン神経が失われ続けると、これらの薬剤は最終的に症状の治療に効果がなくなり、同時に不随意の身悶え運動を特徴とする合併症を誘発させる。そのため、当業界では、治療効果を得るために、例えばCBDの大量の経口相当量を送達させ、かつ、パーキンソン病の症状だけでなく、治療の副作用として生じる症状等のパーキンソン病に間接的に関連する症状を含む、パーキンソン病の被験体の運動症状を治療するための大量の経口投与に関連する、肝臓酵素上昇等の有害事象としての、下痢、傾眠、腹痛、体重増加、頭痛等の中止、有害事象、及び副作用を排除又は緩和させることができる技術が必要である。
【0009】
本明細書では、本明細書に記載されているように、例えばCBD及び/又はTHCの投与を含む、患者におけるパーキンソン病の治療及び/又は予防及び/又は制御のための組成物及び方法を提供する。
【0010】
カンナビス(マリファナ)は、米国ではスケジュールI薬物に指定されている。カンナビスは、400種類以上の植物栄養素(微量栄養素)を含む顕花植物である。植物から100種類以上のテルペノイド、精油、抗酸化物質、カンナビノイドが抽出されている。すべての植物化学物質の中で、テトラヒドロカンナビノール(THC)のみが顕著な精神活性作用を示した。THCについては、その精神作用と治療効果から、多くの研究論文が発表されている。THC以外にも、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビゲロール(CBG)、テトラヒドロカンビバリン(THCV)、デルタ9-テトラヒドロカンビノール(デルタ9THC)等の、精神作用を伴わない治療効果を示す成分が研究されている。カンナビス及びその誘導体は、疼痛、2型関連代謝障害、眼圧低下、ドラベ(Dravet)症候群、レノックス・ガストー(Lennox-Gastaut)症候群(LGS)、てんかん、悪心、AIDSに伴う疼痛及び消耗、関節炎及びリウマチ、片頭痛、多発性硬化症及び麻痺に伴う筋痙縮、アルコール及び麻薬の禁断症状、ストレス及びうつ病、喘息、線維筋痛症、炎症性疼痛、化学療法に伴う疼痛及び/又は炎症の治療に使用できることが示されており、抗菌薬として作用する。FDAが承認したMarinol及びSyndrosにはデルタ9-THCが含まれており、現在、化学療法に伴う吐き気、嘔吐、食欲不振に用いられている。さらに、2016年4月、FDAは結節性硬化症症候群(TSC)、ドラベ症候群及びレノックス・ガストー症候群の治療薬としてカンナビジオールを希少疾病用医薬品として指定した。カンナビジオールは痛みと炎症に対して経口的に有効な治療薬である。(非特許文献1)。
【0011】
現在、カンナビスサティバから107種類のカンナビノイドが同定されている。これらの化合物は、長鎖多価不飽和脂肪酸からなる内因性カンナビノイド群に類似する。カンナビノイド受容体には、I)CB1とII)CB2の2種類がある。エンドカンナビノイド系は重要な内因性脂質シグナル伝達経路の1つであり、カンナビノイド受容体、カンナビノイド受容体の内因性リガンド(エンドカンナビノイド)、及びエンドカンナビノイドの生合成と不活性化を調節する酵素からなる。脂質シグナル伝達系は、中枢神経系及び末梢神経系、内分泌系及び免疫系における多くの重要な生理機能に関与している。これらの受容体は、グアノシン結合タンパク質共役受容体ファミリーに属し、広く発現され、その特異的機能、局在性及びシグナル伝達機構によって、区別される5, 3。カンナビノイド受容体1(CB1)は、アデニル酸シクラーゼを阻害し、cAMPレベル及びプロテインキナーゼA(PKA)活性を低下させ、結果としてA型カリウムチャネルを活性化し、細胞内カリウムレベルを低下させる。この受容体は主に脂肪組織、消化管、脊髄、副腎、甲状腺、肝臓、生殖器、免疫細胞等に存在することが知られている。
【0012】
カンナビジオール(CBD)は、非精神作用の植物性カンナビノイドで、CB1およびCB2に対してほとんど親和性がなく、CB1の部分拮抗薬及びCB2の弱い逆作動薬として作用する。
【0013】
経口投与される多くの薬物は胃腸粘膜を刺激し、CBDを含む多くの薬物は肝臓による広範な「初回通過」不活性化を受ける。本明細書に記載される組成と方法は、皮膚への適用を介して全身循環に直接薬物を送達することを目的としており、したがって、活性剤の吸収後の肝臓での代謝は回避され、また胃腸の刺激が回避されるため、本明細書に記載される組成物及び方法は当該課題を克服する。
【0014】
これらの経口薬剤に関連する副作用は経皮経路を用いることで回避できる。さらに、経口送達による血漿中濃度のピークと谷は、経皮剤形を用いて常に所定の入力速度で薬物分子を送達することで回避できる。
【0015】
さらに、本明細書に記載される組成と方法は、患者又は医療提供者がパッチを除去するだけで、薬物投与を直ちに停止することができるという独特の利点をもたらす。例えば、患者は、望ましくない負の副作用が発現する用量から開始することができる。患者又は医療提供者には、それが悪化する前に投与を制御又は中止(パッチの除去)する能力があり、また望ましくない経験の期間を劇的に短縮することができる。
ここに引用されているすべての参考文献は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Costa,B.The non-psychoactive cannabis constituent cannabidiol is an orally effective therapeutic agent in rat chronic inflammatory and neuropathic pain. European Journal of Pharmacology.Volume 556,Issues 1-3,5 February 2007,Pages 75-83
【発明の概要】
【0017】
本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又はそれに関連する症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせるための方法であって、以下の:
PD及び/又はそれに関連する症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる必要がある患者を選択すること、以下の:約0.1%~約50%の、カンナビジオール(CBD)、その合成体、その生合成体、その遊離塩基体、その塩、その異性体、その非晶質体、その誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性剤;約0.1%~約50%の、テトラヒドロカンナビノール(THC)、その合成体、その生合成体、その遊離塩基体、その塩、その異性体、その非晶質体、その誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性剤;並びにそれらの組み合わせ;からなる群から選択される少なくとも1つの活性剤を含む医薬組成物を局所適用すること、を含む方法であって、さらに、前記医薬組成物は、以下の:約1%~約99%の少なくとも1つの溶媒;約1%~約99%の少なくとも界面活性剤;場合によっては、約1%~約99%の少なくとも1つの透過促進剤;及び/又は場合によっては、約30%~約99%の接着剤及び/又はポリマーを含む、方法を提供する。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、ここで、前記医薬組成物は、約0.01ng/mL、約0.02ng/mL、約0.05ng/mL、約0.1ng/mL、約0.2ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2ng/mL、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約50ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL、約1μg/mL、約2μg/mL、及び約5μg/mLからなる群から選択される活性剤の血清レベルをもたらす。本明細書では、活性剤の濃度は、製剤の約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%からなる群から選択される方法を提供する。本明細書では、活性剤の濃度は、製剤の約1%~約10%、約1%~約9%、約1%~約8%、約1%~約7%、約1%~約6%、約1%~約5%、約0.1~約50%、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、及び約35%~約65%からなる群から選択される濃度で存在する方法を提供する。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、THCは、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆体、その立体異性体、その固溶体、そのイオン対、その溶液、その粉末体、その液体を、単独で、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、CBDは、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆体、その立体異性体、その固溶体、そのイオン対、その溶液、その粉末体、その液体を、単独で、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、経皮送達用の剤形において、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非結晶体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆体、及びその組み合わせからなる群から選択される1つ以上の活性剤を含む。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、医薬組成物は、経皮液体製剤、経皮半固形製剤、経皮ゲル化剤、経皮ポリマーマトリクス製剤、経皮接着マトリクス製剤、経皮フィルム形成ゲル化剤、経皮フィルム形成スプレー製剤、多層経皮マトリクスシステム、又は経皮drug in adhesive型マトリクス製剤(経皮薬物-接着マトリクス製剤)として製剤化される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物は、局所液体製剤、局所半固形製剤、局所ゲル化剤、局所ポリマーマトリクス製剤、局所接着マトリクス製剤、局所膜形成ゲル化剤、又は局所膜形成スプレー製剤として製剤化される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物は、さらに、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、粘着付与剤、希釈剤、膨張剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、抗酸化剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の担体又は成分を含む。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物は、さらに、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、粘着剤、希釈剤、膨張剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の担体又は成分を0.1%~99.5%w/w又はw/vの範囲で含む。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物は経皮パッチ剤として製剤化される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物は多層経皮マトリクスシステム、定量経皮ゲル、定量経皮スプレー、フィルム形成ゲル、フィルム形成スプレー、又は定量エアゾールとして製剤化される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物は局所パッチとして製剤化される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物は、定用量ゲル、定用量スプレー、ゲル、クリーム、溶液、乳化剤、液体組成物、半固体組成物、ポリマーと組み合わせた接着剤のマトリクス又はフィルム形成製剤として製剤化される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物は、経皮パッチとして製剤化される請求項1~15のいずれか一項に記載の方法であって、前記経皮パッチは、リザーバパッチ、多層経皮マトリクスシステム、マイクロリザーバパッチ、マトリクスパッチ、drug in adhesive型パッチ、ポリマーと組み合わせた接着剤のマトリクスパッチ、感圧性接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバシステム、マイクロリザーバパッチ、粘膜接着パッチ及びその組み合わせなどの群から選択される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物は局所パッチとして製剤化されここで、前記局所パッチは、多層経皮マトリクスシステム、リザーバパッチ、マイクロリザーバパッチ、マトリクスパッチ、drug in adhesive型パッチ、感圧性接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバシステム、マイクロリザーバパッチ、粘膜接着パッチ、マイクロドージングパッチ及びその組み合わせ等の群から選択される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物は毎日一回、毎日二回、1日に三回、1時間~8時間に一回、1時間~-24時間に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、8~約13日に一回、2週間に一回、15日~約30日に一回からなる群から選択される用量レジメンで投与されうる経皮製剤として製剤化される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物は、毎日一回、毎日二回、1日に三回、1日に四回、1日に五回、1日六回、1時間~8時間に一回、1時間~-24時間に一回、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、8~約13日に一回、2週間に一回、15日~約30日に一回からなる群から選択される用量レジメンで投与されうる局所製剤として製剤化される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物はマイクロニードルとして製剤化される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、ここで、前記テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その多形、その立体異性体、そのイオン対、その被覆体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、及びそれらの組み合わせは、合成経路によって生産される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、活性剤は合成的に製造され、医薬組成物に添加される前の純度は、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.75%、又は100%(w/w)以上である。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物は、ドーパミン前駆体、ドーパミン受容体作動薬、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのさらなる活性剤と共に同時投与される。本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、その医薬組成物は、レボドパ、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、カベルゴリン、ロピニロール、アポモルフィン、及びそれらのいかなる組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つのさらなる活性剤と共に同時投与される。
【0018】
本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPDの症状は、以下の:(a)認知障害、幻覚及び精神病、抑うつ気分、不安気分、無気力、ドーパミン調節不全症候群の特徴、睡眠問題、日中の眠気、疼痛、排尿問題、便秘問題、立ちくらみ、及び疲労からなる群から選択される、統一パーキンソン病評価尺度のパートIによって定義される日常生活の経験の少なくとも1つの非運動側面;(b)発話、唾液及び流涎、咀嚼及び嚥下、食事作業、着衣、衛生、手書き、寝返り、振戦、ベッド、車、又は深い椅子からの起き上がり、歩行及び平衡、及び硬直からなる群から選択される、統一パーキンソン病評価尺度のパートIIによって定義される日常生活の経験の少なくとも1つの運動側面;(c)発話、顔面表情、硬直、指使い、手の動き、手の前屈-後屈運動、つま先立ち、脚の敏捷性、椅子からの起き上がり、歩行、歩行の硬直、姿勢安定性、姿勢、身体運動緩慢、手の姿勢振戦、手の運動性振戦、安静時振戦振幅、及び安静時振戦の持続からなる群から選択される、統一パーキンソン病評価尺度のパートIIIで特定される少なくとも1つの運動症状;(d)ジスキネジア(運動障害)に費やした時間、ジスキネジアの機能的影響、オフ状態で過ごした時間、ゆらぎの機能的影響、運動ゆらぎの複雑性、及び有痛性オフ状態ジストニアから選択される、統一パーキンソン病評価尺度のパートIVで特定される少なくとも1つの運動合併症;(e)便秘;(f)うつ病;(g)認知機能障害;(h)短期又は長期の記憶障害;(i)集中力障害;(j)協調障害;(k)移動障害;(l)言語障害;(m)精神錯乱;(n)睡眠問題、睡眠障害、入眠障害;(o)概日リズム機能障害;(p)幻覚;(q)疲労;(r)レム睡眠障害;(s)レム睡眠行動障害;(t)勃起不全;(u)体位性低血圧;(v)血圧又は起立性低血圧の補正;(w)夜間高血圧;(x)体温調節;(y)呼吸や無呼吸の改善;(z)心臓伝導障害の矯正;(aa)疼痛の改善;(bb)尿失禁、膀胱感覚や排尿の回復;(cc)気分の変動;(dd)無気力;(ee)夜間頻尿の抑制;(ff)神経変性;(gg)不安;(hh)人前で話す能力を含む会話能力の向上;及び/又は(ii)パーキンソン病認知症からなる群から選択される。
【0019】
本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、ここで、治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状が、睡眠問題、睡眠障害、入眠障害、概日リズム機能障害、REM睡眠障害、又はREM行動障害であり、かつ、以下の:(a)睡眠障害、入眠障害は、入眠の遅延、睡眠断片化、REM行動障害、いびき及び無呼吸を含む睡眠呼吸障害、日中の眠気、マイクロスリープエピソード、ナルコレプシー、幻覚、又はこれらのいかなる組み合わせを含む;並びに/又は(b)レム行動障害は、鮮明な夢、悪夢、及び睡眠中に話したり叫んだり、そわそわしたり腕や脚を殴ったりして夢を演じることを含む;並びに/又は(c)睡眠問題、睡眠障害、入眠障害を治療することでパーキンソン病の発症及び/又は進行を予防又は遅らせる;並びに/又は(d)本方法により、所定の期間にわたり被験体の睡眠パターンが肯定的に変化する;並びに/又は(e)本方法により、所定の期間にわたり被験体の睡眠パターンが肯定的に変化し、前記肯定的な変化は以下の:(i)得られた睡眠の総量の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%の増加;及び/若しくは、(ii)夜間の覚醒回数比率の減少が、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%からなる群より選択される;並びに/又はように定義される;並びに/又は(f)本方法の結果として、被験体は、被験体の年齢層について、医療機関が推奨する睡眠時間の合計を得る;並びに/又は(g)ここで、所定の期間は各々、約1日~約10日、約10日~約30日、約30日~約3か月、約3か月~約6か月、約6か月~約12か月、及び約12か月を超える期間からなる群から独立して選択される。
【0020】
本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状が幻覚であり、かつ、以下の:(a)幻覚は視覚、聴覚、触覚、味覚又は嗅覚の幻覚を含む;及び/又は(b)幻覚を治療することでパーキンソン病の発症及び/又は進行を予防及び/又は遅らせる;及び/又は(c)前記方法により、所定時間の間に被験体の幻覚回数が減少する;及び/又は(d)前記方法により、所定時間の間に被験体の幻覚回数が減少し、前記減少回数は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%からなる群から選択される;及び/又は(e)前記方法により、被験体は幻覚を見なくなる;及び/又は(f)前記方法により、1つ以上の医学的に認められた技術によって測定された、所定の期間にわたり被験体の幻覚の程度が軽減する;及び/又は(g)前記方法により、所定時間の間に被験体の幻覚の程度が軽減し、前記程度の軽減は、1つ以上の医学的に認められた技術で測定すると、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%からなる群の中から選択される;及び/又は(h)シカゴ幻覚評価ツール(CHAT)、精神病症状評価尺度(PSYRATS)、幻聴評価尺度(AHRS)、ハミルトンプログラム統合失調症声質質問票(HPSVQ)、幻聴の特徴質問票(CAHQ)、精神保健研究所異常知覚スケジュール(MUPS)、陽性及び陰性症状評価尺度(PANSS)、陽性症状評価尺度(SAPS)、ラウネースレイド幻覚尺度(LSHS)、カーディフ異常知覚尺度(CAPS)、知覚異常評価のための構造化面接(SIAPA)からなる群から選択される医学的に認められた技術;及び/又は(i)所定時間は各々、約1日~約10日、約10日~約30日、約30日~約3か月、約3か月~約6か月、約6か月~約12か月、及び約12か月を超える期間からなる群から独立して選択される。
【0021】
本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状がうつ病であり、かつ、以下の:
(a)うつ病を治療することにより、パーキンソン病の発症及び/若しくは進行を予防又は遅らせる;並びに/あるいは
(b)前記方法により、臨床的に認識された1つ以上のうつ病評価尺度によって測定される、所定の期間にわたり被験体のうつ病が改善される;及び/又は
(c)前記方法により、臨床的に認識された1つ以上のうつ病評価尺度によって測定される、所定の期間にわたり被験体のうつ病が改善され、前記改善は、気分、行動、食事、睡眠、エネルギー、性行為等の身体機能、及び/若しくは悲しみや無気力のエピソードからなる群より選択される1つ以上のうつ病の特徴にある;並びに/又は
(d)前記方法により、臨床的に認識された1つ以上のうつ病評価尺度によって測定される、所定の期間にわたり被験体のうつ病が改善され、治療後に被験体が経験する改善は、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95若しくは約100%である;及び/又は
(e)所定時間は各々、約1日~約10日、約10日~約30日、約30日~約3か月、約3か月~約6か月、約6か月~約12か月、及び約12か月を超える期間からなる群から独立して選択される。
【0022】
本明細書では、治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状が認知障害であり、かつ、以下の:(a)認知障害を治療することにより、パーキンソン病の発症及び/若しくは進行を予防及び/若しくは遅らせる;並びに/又は(b)医薬組成物の投与後の所定の期間にわたり、医学的に認められた技術によって測定すると、認知障害の進行若しくは発症が遅延、停止、若しくは逆転している;及び/又は(c)認知障害は、医学的に認められた技術によって測定すると、医薬組成物の投与によって正の影響を受ける;及び/又は(d)認知障害は、医学的に認められた技術によって測定すると、医薬組成物の投与によって正の影響を受け、認知機能低下に対する正の影響及び/又は進行は、ミニ精神状態検査(MMSE)、ミニコグテスト、及びCantab Mobile、Cognigram、Cognivue、Cognition、及びAutomated Neuropsychological Assessment Metricsから選択されたコンピュータテストからなる群から選択される1つ以上の技術によって定量的又は定性的に測定される;並びに/又は(e)認知障害の進行若しくは発症は、医学的に認められた技術で測定すると、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%が遅延、停止、若しくは逆転する;及び/又は(f)所定時間は各々、約1日~約10日、約10日~約30日、約30日~約3か月、約3か月~約6か月、約6か月~約12か月、及び約12か月を超える期間からなる群から独立して選択される。
【0023】
本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、ここで、治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状が便秘であり、かつ、以下の:(a)便秘の治療によりパーキンソン病の発症及び/若しくは進行を予防及び/若しくは遅らせる;並びに/又は(b)医薬組成物の投与により、被験体に排便させる;及び/又は(c)前記方法により、所定期間に被験体の排便回数が増加し;及び/又は(d)前記方法により、被験体の排便回数が増加し、前記排便回数の増加は以下の:(i)1週間あたりの排便回数の、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%の増加;及び/又は(ii)各々連続する排便の間の時間の減少比率が、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%からなる群から選択されると定義され;及び/又は(e)前記方法により、被験体の排便頻度が、医療機関が推奨する被験体の年齢層の排便頻度になる。
【0024】
本明細書では、患者におけるパーキンソン病(PD)及び/又は関連症状の治療、予防、又は発症若しくは進行を遅らせる方法を提供し、ここで、治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状がPDと相関する神経変性であり、かつ、以下の:(a)認知障害を治療することにより、パーキンソン病の発症及び/若しくは進行を予防及び/若しくは遅らせる;並びに/又は(b)前記方法により、被験体の神経変性の進行及び/又は発症を治療、予防、及び/又は進行を遅らせる;及び/又は(c)医薬組成物の投与後の所定の期間にわたり、医学的に認められた技術によって測定すると、神経変性の進行若しくは発症が遅延、停止、若しくは逆転している;及び/又は;及び/又は(d)神経変性は、医学的に認められた技術によって測定すると、医薬組成物の投与によって正の影響を受ける;及び/又は(e)神経変性に対する正の影響及び/又は進行は、脳波(EEG)、神経画像、機能的MRI、構造的MRI、拡散テンソル画像(DTI)、[18F]フルオロデオキシグルコース(FDG)PET、アミロイドを標識する薬剤、[18F]F-ドーパPET、放射性トレーサー画像、局所組織喪失の体積分析、異常なタンパク質沈着の特異的画像マーカー、マルチモーダル画像、及びバイオマーカー分析からなる群から選択される1つ以上の技術によって定量的又は定性的に測定される;及び/又は(f)神経変性の進行又は発症は、医学的に認められた技術で測定すると、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%が遅延、停止、若しくは逆転する;及び/又は(g)所定時間は各々、約1日~約10日、約10日~約30日、約30日~約3か月、約3か月~約6か月、約6か月~約12か月、及び約12か月を超える期間からなる群から独立して選択される。
【0025】
本明細書では、以下の: 約0.1%~約50%の、カンナビジオール(CBD)、その合成体、その生合成体、その遊離塩基体、その塩、その異性体、その非晶質体、その誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性剤;約0.1%~約50%の、テトラヒドロカンナビノール(THC)、その合成体、その生合成体、その遊離塩基体、その塩、その異性体、その非晶質体、その誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される活性剤;並びにそれらの組み合わせ;からなる群から選択される少なくとも1つの活性剤を含む医薬組成物を提供し、前記医薬組成物は、以下の:約1%~約99%の少なくとも1つの溶媒;約1%~約99%の少なくとも1つの界面活性剤;場合によっては、約1%~約99%の少なくとも1つの透過促進剤;並びに/又は場合によっては、約30%~約99%の少なくとも1つの接着剤及び/若しくはポリマー;を含む。本明細書では、約0.01ng/mL、約0.02ng/mL、約0.05ng/mL、約0.1ng/mL、約0.2ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2ng/mL、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約50ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL、約1μg/mL、約2μg/mL、及び約5μg/mLからなる群から選択される活性剤の血清レベルをもたらす医薬組成物を提供する。本明細書では、活性剤の濃度は、製剤の約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%からなる群から選択される医薬組成物を提供する。本明細書では、活性剤の濃度は、製剤の約1%~約10%、約1%~約9%、約1%~約8%、約1%~約7%、約1%~約6%、約1%~約5%、約0.1~約50%、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、及び約35%~約65%からなる群から選択される医薬組成物を提供する。本明細書では、THCが、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆体、その立体異性体、その固溶体、そのイオン対、その溶液、その粉末体、その液体を、単独で、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される医薬組成物を提供する。本明細書では、CBDが、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆体、その立体異性体、その固溶体、そのイオン対、その溶液、その粉末体、その液体を、単独で、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される医薬組成物を提供する。本明細書では、経皮送達用の剤形において、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非結晶体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆体、及びその組み合わせからなる群から選択される1つ以上の活性剤を含む医薬組成物を提供する。本明細書では、経皮液体製剤、経皮半固形製剤、経皮ゲル化剤、経皮ポリマーマトリクス製剤、経皮接着マトリクス製剤、経皮フィルム形成ゲル化剤、経皮フィルム形成スプレー製剤、多層経皮マトリクスシステム、又は経皮drug in adhesive型マトリクス製剤(経皮薬物-接着マトリクス製剤)として製剤化される、医薬組成物を提供する。本明細書では、局所液体製剤、局所半固形製剤、局所ゲル化剤、局所ポリマーマトリクス製剤、局所接着マトリクス製剤、局所膜形成ゲル化剤、又は局所膜形成スプレー製剤として製剤化される医薬組成物を提供する。本明細書では、さらに、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、粘着付与剤、希釈剤、膨張剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、抗酸化剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の担体又は成分を含む、医薬組成物を提供する。本明細書では、医薬組成物が、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、粘着剤、希釈剤、膨張剤、界面活性剤、酸化防止剤、酸化剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の担体又は成分を0.1%~99.5%w/w又はw/vの範囲で含む医薬組成物を提供する。本明細書では、経皮パッチとして製剤化される医薬組成物を提供する。本明細書では、多層経皮マトリクスシステム、定量経皮ゲル、定量経皮スプレー、フィルム形成ゲル、フィルム形成スプレー、又は定量エアゾールとして製剤化される医薬組成物を提供する。本明細書では、局所パッチとして製剤化される医薬組成物を提供する。本明細書では、医薬組成物が定用量ゲル、定用量スプレー、ゲル、クリーム、溶液、乳化剤、液体組成物、半固体組成物、ポリマーと組み合わせた接着剤のマトリクス又はフィルム形成製剤として製剤化される医薬組成物を提供する。本明細書では、経皮パッチとして製剤化される医薬組成物を提供し、ここで、前記経皮パッチは、リザーバパッチ、多層経皮マトリクスシステム、マイクロリザーバパッチ、マトリクスパッチ、drug in adhesive型パッチ、ポリマーと組み合わせた接着剤のマトリクスパッチ、感圧性接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバシステム、マイクロリザーバパッチ、粘膜接着パッチ及びその組み合わせ等の群から選択される。本明細書では、局所パッチとして製剤化される医薬組成物を提供し、ここで、前記局所パッチは、多層経皮マトリクスシステム、リザーバパッチ、マイクロリザーバパッチ、マトリクスパッチ、drug in adhesive型パッチ、感圧性接着パッチ、徐放性経皮フィルム、液体リザーバシステム、マイクロリザーバパッチ、粘膜接着パッチ、マイクロドージングパッチ及びその組み合わせ等の群から選択される。本明細書では、毎日一回、毎日二回、1日に三回、1時間~8時間に一回、1時間~24時間に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、8~約13日に一回、2週間に一回、15日~約30日に一回からなる群から選択される用量レジメンで投与されうる経皮製剤として製剤化される医薬組成物を提供する。本明細書では、毎日一回、毎日二回、1日に三回、1日に四回、1日に五回、1日六回、1時間~8時間に一回、1時間~24時間に一回、1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、6日に一回、週に一回、8~約13日に一回、2週間に一回、15日~約30日に一回からなる群から選択される用量レジメンで投与されうる局所製剤として製剤化される医薬組成物を提供する。本明細書では、マイクロニードルとして製剤化される医薬組成物を提供する。本明細書では、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その多形、その立体異性体、そのイオン対、その被覆体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、及びその組み合わせは、合成経路により作製される医薬組成物を提供する。本明細書では、活性剤は合成的に製造され、医薬組成物に添加される前の純度は、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.75%、又は100%(w/w)以上である医薬組成物を提供する。本明細書では、医薬組成物が、ドーパミン前駆体、ドーパミン受容体作動薬、及びその組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのさらなる活性剤と共に同時投与される医薬組成物を提供する。本明細書では、レボドパ、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、カベルゴリン、ロピニロール、アポモルフィン、及びそれらのいかなる組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つのさらなる活性剤と共に同時投与される医薬組成物を提供する。
【0026】
本明細書では、本明細書に記載される適応を予防及び/又は治療するための医薬品の製造のための、本明細書に記載される組成物の使用を提供する。
さらなる実施形態では、本明細書では、医薬において用いるために有効量で、かつ最も好ましくは、例えば本明細書に記載されるように、被験体の疾患又は障害を治療するための医薬において用いるための上記の医薬組成物の使用を提供する。
さらに他の実施形態では、本明細書では、医薬において用いるために有効量で、かつ最も好ましくは、例えば本明細書に記載されるように、被験体の疾患又は障害を治療するための医薬において用いるための上記の医薬組成物及び少なくとも1つのさらなる治療薬の使用を提供する。
本明細書では、患者において本明細書に記載される疾患又は状態を治療及び/又は予防するための方法を提供し、当該方法は、本明細書に記載されるように、当該疾患又は状態を治療及び/又は予防する必要がある患者を選択すること;本明細書に記載される組成物を治療的に有効な量で患者に投与し、当該患者における当該疾患を治療及び/又は予防ことを含む。
【発明を実施するための形態】
【0027】
経皮薬物送達では、経皮パッチ又は経皮組成物を皮膚表面に局所的に塗布する。経皮パッチ又は経皮構成剤の局所適用期間を通して、薬物は継続的に放出され、無傷の皮膚を通して(経細胞、細胞間および経腱経路)送達され、全身に効果を発揮する。そのため、一度貼付された経皮組成物又は経皮パッチにより、1週間にも及ぶ塗布期間でも、1日中、又は1日以上にわたって、全身循環で薬剤を送達することができる。
【0028】
経皮送達は、例えば、カンナビジオール及び/又はTHC、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物を単独又は併用して投与頻度を減らすことができる。
経皮送達を介して、例えば、カンナビジオール及び/又はTHC、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物を単独又は併用した経皮組成物又は経皮製剤又は経皮パッチを皮膚に局所適用することができ、それにより、局所適用の期間を通して薬物を送達することができる。局所適用の持続時間は、必要に応じて1日に一回、2日に一回、3日に一回、4日に一回、5日に一回、週に一回とすることができる。そのため、経皮投与は、投与頻度を減らすことによって、経口投与の反復投与レジメンを克服することができる。
【0029】
さらに、経皮薬物送達では、局所適用期間を通じて薬物は緩慢に継続的に送達されるため、1日の複数回投与に伴う薬物血漿中濃度のピークやトラフは存在しない。したがって、カンナビジオール及び/又はTHC、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物を単独又は併用して経皮送達することにより、患者は薬物の血漿中濃度を急激に変化させずに、長期間にわたって薬物の治療効果を得ることができる。
【0030】
薬物が経口投与される場合、その生物学的利用能は、一般に、不完全な吸収及び初回通過代謝により低下し、かつ、患者によって異なる場合がある。本明細書に記載される組成物は、経皮投与で活性剤が皮膚を通して全身循環に直接送達され、それが所望の治療活性を達成するために必要な薬物はより少ないため、副作用が軽減されるか又は副作用を回避できるため、これらの問題を克服する。カンナビノールは脂溶性が高く、経口投与後に肝初回通過代謝を受けるため、投与量の10%~20%しか体循環に到達しない。そのため、経皮送達では、カンナビジオールで、経口投与よりも低用量で望ましい治療効果がもたらされる。
【0031】
さらに、経皮送達は簡便かつ非侵襲的で便利である。患者自身が経皮パッチ又は経皮組成物を局所的に塗布することができるため、経皮パッチ又は経皮組成物の投与は医療監督が必要ない。さらに、何らかの副作用や緊急事態が発生した場合、経皮吸収パッチや経皮吸収組成物を皮膚から剥がすことで、いつでも治療をすることができる。
【0032】
本明細書中で用いられる用語「活性医薬成分」(「API」)又は「医薬的な活性剤」は、本明細書中で用いられるように用いることができ、病気、疾患、身体的損傷または病理学的症状を治癒、緩和、予防または診断するため、身体又は精神状態の状態、条件又は機能を特定するため、ヒト又は動物の身体又は体液によって生成される活性物質をするため、病原体、寄生虫又は外来物質に対する防御、除去又は無害化するため、又は身体又は精神状態の状態、条件又は機能に影響を及ぼすため、に、ヒト又は動物の体内で用いられることを目的とする医薬又は薬剤を意味する。用いられる薬物は、例えば、ローテリストやメルクインデックス等の参考文献に見出すことができる。言及されうる例としては、例えば、CBD及び/又はTHCがあげられる。
【0033】
本明細書で用いられる用語「薬剤」は、疾患又は症状の予防、治療、管理及び/又は診断に用いるためのいかなる分子、化合物、方法論及び/又は物質もいう。
本明細書で用いられる用語「有効量」は、従来の意味であり、疾患又は症状及びその1つ以上の症状の発生、再発又は発症の予防をもたらし、他の療法の予防効果を増強又は改善し、疾患又は症状の重症度、期間を短縮し、疾患又は症状の1つ以上の症状を改善し、疾患又は症状の進行を防ぎ、疾患又は症状を退行させ、及び/又は他の療法の治療効果を増強又は改善するのに十分な量の療法を意味する。
本明細書で用いられる用語「薬学的に許容される」は、連邦政府又は州政府の規制機関によって承認されるか、又は動物、より詳細にはヒトに用いるために米国薬局方、欧州薬局方、又は他の一般に認められた薬局方に収載されていることを意味する。
本明細書で用いられる用語「治療剤」は、疾患又は障害を治療及び/又は管理するために用いられるいかなる分子、化合物、及び/又は物質もいう。
本明細書で用いられる用語「治療法」及び「治療」は、疾患若しくは状態、又はそれらの1つ以上の症状の予防、治療及び/若しくは管理に用いることができるいかなる1つ以上の方法、1つ以上の組成物、及び/若しくは1つ以上の薬剤をいうことができる。ある実施形態では、用語「治療法」及び「治療」は、低分子治療をいう。
本明細書で用いられる用語「誘導体」又は「誘導体化」には、例えば、本明細書に記載される化合物の化学修飾、若しくは植物由来又はそれらの薬学的に許容される塩若しくはそれらの混合物から抽出されたものがあげられる。すなわち、「誘導体」は、所定の被験体において薬理学的機能活性を改善させることができる、本明細書に記載される化合物の機能的等価物であってよい。
本明細書で用いられる用語「組成物」及び「剤形」は、互換的に用いられる。
【0034】
本明細書で用いられる用語「経皮送達」は、皮膚を介して全身循環に薬物を送達することを意味する。
【0035】
本明細書で用いられる用語「薬学的に許容される塩」とは、治療用化合物がその酸又は塩基の塩を作ることによって修飾される、本明細書で用いられる化合物の誘導体を意味する。薬学的に許容される塩の例としては、活性剤の無機酸塩又は有機酸塩があげられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩としては、例えば無毒の無機酸又は有機酸由来の従来の無毒な塩があげられる。例えば、このような従来の無毒の塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルホン酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等の無機酸由来のもの、かつ、アミノ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸等の有機酸、その他、その他薬学分野の当業者に公知のものから調製される塩があげられる。適当な塩のリストとしては、レミントンの薬学第18版等のテキストに記載されている。(Alfonso R.Gennaro,ed.;Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1990);Remington:the Science and Practice of Pharmacy 19th Ed.(Lippincott,Williams&Wilkins,1995);Handbook of Pharmaceutical Excipients,3rd Ed.(Arthur H.Kibbe,ed.;Amer.Pharmaceutical Assoc.,1999);the Pharmaceutical Codex:Principles and Practice of Pharmaceutics 12th Ed.(Walter Lund ed.;Pharmaceutical Press,London,1994);The United States Pharmacopeia:The National Formulary(United States Pharmacopeial Convention);and Goodman and Gilman’s:the Pharmacological Basis of Therapeutics(Louis S.Goodman and Lee E.Limbird,eds.;McGraw Hill,1992)。これらの開示は参照により本明細書に援用される。
【0036】
本明細書で用いられる場合、ある量は、その量が対象において効果をもたらす場合に「効能」がある。本明細書で用いられる用語「有効量」は、本明細書で用いられる利益を独立又は併用して含む正の利益を有意に誘導するのに十分であるが、重大な副作用を避けるのに十分低い、すなわち当業者の健全な判断の範囲内で、リスクに対する妥当な利益を提供する化合物又は組成物の量であることを意味する。当業者にとって、有効量、投与量及び投与頻度は、本明細書に基づく単なる日常的な実験の知識及び標準的な方法論に従って決定することができる。
本明細書で用いられる用語「被験体」と「患者」は互換可能に用いられる。本明細書で用いられる用語「患者」とは、動物、好ましくは、非霊長類(例えば、牛、豚、馬、猫、犬、ネズミ等)や霊長類(例えば、サルと人間)等の哺乳類、最も好ましくは、ヒトである。ある実施形態では、被験体は、家畜(例:馬、豚、牛)やペット(例:犬や猫)等の非ヒト動物である。具体的な実施形態では、被験体は高齢者である。他の実施形態では、被験体はヒト成人である。他の実施形態では、被験体はヒト子供である。さらに他の実施形態では、被験体はヒト幼児である。
本明細書で用いられる用語「薬学的に許容される」は、連邦又は州政府の規制機関によって承認された、又は動物、特にヒトに対する、米国薬局方、欧州薬局方、又はその他の一般に認められている薬局方に記載されているものを意味する。
【0037】
本明細書で用いられる用語「予防する」、「予防すること」及び「予防」は、被験体への治療法の投与の文脈において、疾患又は状態の再発、発症及び/又は進行の予防又は阻害、又は併用治療(例えば、予防薬又は治療薬の併用)をいう。
本明細書で用いられる用語「治療法」は、疾患又は状態、又はその1つ以上の症状の予防、治療及び/又は管理に用いられうるいかなる方法、組成、及び/又は薬剤をいう。
本明細書で用いられる用語「治療する」、「治療」、及び「治療すること」は、被験体への治療法の投与の文脈において、疾患又は状態の進行及び/又は期間の減少又は阻害、疾患又は状態の重篤度の減少又は改善、及び/又は1つ以上の治療法の投与に起因する1つ以上の症状の改善をいう。
【0038】
本明細書で用いられる用語「約」は、記載された数値又は範囲と組み合わせて用いられる場合、当業者によって合理的に帰属される意味がある、すなわち、記載された値又は範囲よりも多少多く又は多少少ないことを意味する。
【0039】
活性剤
本明細書で用いられる用語「活性剤」は、何らかの薬理学的、多くの場合有益な効果をもたらす薬剤有効成分化合物又はその他の物質、又はその組成物及び混合物をいう。特定の活性剤という場合、適当な場合には、その活性剤とその薬学的に許容される塩を含む。本明細書の記載は、本明細書の記載は、例えば、以下の活性剤の一つ以上を含む経皮製剤及び/又は局所製剤を提供する:カンナビノイドは、カンナビス種によって生産される21-炭素含有テルペノフェノール化合物の一群である。カンナビノイドはまた、合成的に製造されることができる。以下、用語「カンナビノイド」は、脳内の神経伝達物質の放出を抑制する細胞上のカンナビノイド受容体に作用する多様な化学化合物の一群をいう。これらの受容体タンパク質としては、エンドカンナビノイド(ヒトや動物が体内で自然に産生する)、フィトカンナビノイド(大麻やその他の一部の植物に含まれる)、合成カンナビノイドがあげられる。親油性カンナビノイドは、一般に、エンドカンナビノイド(最も典型的なのは哺乳類のエンドカンナビノイド);植物由来のフィトカンナビノイド;及び合成カンナビノイド;と分類される。このようなカンナビノイドは、しばしば以下のサブクラス:カンナビゲロール(CBG);カンナビクロメン(CBC);カンナビジオール(CBD;CBDL);テトラヒドロカンナビノール(THC);カンナビノール(CBN);カンナビシクロール(CBL);カンナビエルソイン(CBE);、カンナビトリオール(CBT)に分類される。
【0040】
カンナビジオール
IUPAC名:2-[(1R,6R)-6-イソプロペニル-3-メチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル]-5-ペンチルベンゼン-1,3-ジオール
化学式:C2130
分子量:314.46ダルトン
化学構造を式Iとして以下に示す。
【0041】
【化1】
〔式I〕
テトラヒドロカンナビノール(THC)
IUPAC名:(-)-(6aR,10aR)-6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6a,7,8,10a-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[c]クロメン-1-オール
化学式: C2130
分子量314.47ダルトン
化学構造式を下記式IIに示す。
【0042】
【化2】
〔式II〕
本明細書で用いられる用語「カンナビス」は、カンナビス及びその誘導体を単独又は併用するすべての医薬的に許容される形態をいい、例えば、遊離塩基、塩、異性体、非晶質体、結晶体、共結晶体、固溶体、プロドラッグ、類似体、誘導体、代謝物、多形、又はその立体異性体、被覆体、又はイオン対等の形態であるが、これらに限定されない。例えば、カンナビジオールの遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、その固溶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、合成体、その多形、その立体異性体、又はそのイオン対等があげられる。本化合物は、例えば、酸付加塩もしくは塩基性塩等の薬学的に許容される塩、又はその水和物を含むその溶媒和物の形態であってよい。例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、サッカレート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩があげられる。適当な塩基性塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成され、例としては、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、及びジエタノールアミン塩があげられる。
【0043】
本明細書で用いられる用語「カンナビジオール」は、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その固溶体、その被覆体、その多形、その立体異性体、その粉末体、その液体、そのイオン対、カンナビジオールのメタノール等のような溶媒中の溶液を単独で又はそれらの組み合わせで含むが、これらに限定されない。
本開示の用語「THC」は、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その固溶体、その被覆体、その多形、その立体異性体、その粉末体、その液体、そのイオン対、THCのメタノール、ヘプタン等のような溶媒中の溶液を単独で又はそれらの組み合わせで含むが、これらに限定されない。
【0044】
本明細書で用いられる合成カンナビノイドは少なくとも以下を含む:AM-087は、3位の側鎖が置換されたΔ8THCのカンナビノイド作動薬誘導体であり、強力なCB1作動薬である鎮痛剤である;AM-251はCB1カンナビノイド受容体の逆作動薬で、SR141716A(リモナバント)と構造的に類似し、いずれもμ-オピオイド受容体拮抗薬と同様にビアリールピラゾール系カンナビノイド受容体拮抗薬である;メトアナンダミド(AM-356)は、アナンダミドの安定なキラル類似体であり、CB1のKiが17.9nM、CB2のKiが868nMでカンナビノイド受容体に作用する;AM-374-パルミチルスルホニルフルオリド;AM-381-フッ化ステアリルスルホニル;AM404は、N-アラキドノイルアミノフェノールとしても知られ、パラセタモール(アセトアミノフェン)の活性代謝物であり、疼痛及び体温調節経路に存在する内因性カンナビノイド系、COX系、及びTRPV系に対する活性を介して鎮痛作用を誘導すると考えられている;AM-411はカンナビノイド作動薬である鎮痛剤である;AM-411は強力でかなり選択的なCB1完全作動薬であり、鎮痛、鎮静及び抗不安等の他のカンナビノイド作動薬と同様の作用をもたらす;AM-630(6-ロドプラバドリン)はカンナビノイド受容体CB2に対する強力で選択的な逆作動薬として作用し、弱い部分作動薬として作用するCB1に対する選択性がある;AM661-1-(N-メチル-2-ピペリジン)メチル-2-メチル-3-(2-ヨード)ベンゾイルインドール;JWH-018(1-ペンチル-3-(1-ナフトイル)インドール)又はAM-678はナフトイルインドールファミリーに属する鎮痛化学物質であり、CB1カンナビノイド受容体及びCB2カンナビノイド受容体に対して完全な作動薬として作用し、CB2に対してある程度の選択性がある;AM-679はカンナビノイド受容体に対する中程度に強力な作動薬として作用する;AM-694(1-(5-フルオロペンチル)-3-(2-ヨードベンゾイル)インドール)はカンナビノイド受容体CB1に対して強力で選択的な作動薬として作用する;AM-735-3-ボルニル-Δ8-THCはCB1/CB2混合型作動薬である;AM-855は、CB1とCB2の両方に対する鎮痛カンナビノイドアゴニストであり、CB1に対して中程度の選択性がある;AM881はアナンダミドの塩素置換立体異性体で、CB1でKi=5.3nM、CB2で95nMであるAM-883はアナンダミドのアリル置換立体異性体で、CB1でKi=9.9nM、CB2で226nMである;AM-905は鎮痛性カンナビノイドであり、CB1カンナビノイド受容体に対する強力で合理的に選択的な作動薬として作用する;AM-906はカンナビノイド作動薬であり、CB1カンナビノイド受容体に対する強力で選択的な作動薬である鎮痛薬である;AM-919はCB1受容体及びCB2受容体に対して強力な鎮痛性カンナビノイド受容体作動薬である;AM-926はCB1に対して中程度の選択性がある、CB1受容体及びCB2受容体に対して強力な作動薬である;AM-938はカンナビノイド受容体作動薬である鎮痛剤であり、CB1受容体及びCB2受容体に強力な作動薬であるが、CB2に対して適度に選択的である;AM-1116はアナンダミドのジメチル化立体異性体である;AM-1172は、強力かつ選択的なAEAの取り込み阻害剤として設計された内因性カンナビノイド類似体で、FAAHの加水分解に抵抗性がある;AM-1220は、カンナビノイド受容体CB1に対して強力で中程度に選択的な作動薬である;AM-1221は、カンナビノイド受容体CB2に対して強力かつ選択的なアゴニストとして作用するAM-1235(1-(5-フルオロペンチル)-3(ナフタレン-1-オイル)-6-ニトロインドール)はカンナビノイド受容体CB1に対する強力で合理的に選択的な作動薬として作用する;AM-1241(1-(メチルピペリジン-2-イルメチル)-3-(2-ヨード-5-ニトロベンゾイル)インドール)はカンナビノイド受容体CB2に対する強力で選択的な作動薬であり、特に哺乳動物における痛覚過敏症や異痛症等の「非定型」疼痛に対する鎮痛作用があり、また哺乳類のモデルにおいて、筋萎縮性側索硬化症の治療に効能を示す;AM-1248は、カンナビノイド受容体CB1及びCB2に対して中程度に強力な作動薬として作用する;AM-1710は、CB1に対して54倍の選択性を示し、CB2選択的カンナビラクトンである;AM-1714は、末梢性カンナビノイド受容体CB2に対して合理的な選択的作動薬として作用し、鎮痛作用と抗アロディニア作用を備える;AM-2201(1-(5-フルオロペンチル)-3-(1-ナフトイル)インドール)は、カンナビノイド受容体の完全作動薬として強力に作用するが非選択性である;AM-2212はCB1とCB2の両方で強力な作動薬として作用する;AM-2213はCB1とCB2の両方で強力な作動薬として作用する;AM-2232(1-(4-シアノブチル)-3-(ナフタレン-1-オイル)インドール)は、強力で非選択的なカンナビノイド受容体CB1及びCB2の作動薬として作用する;AM-2233はカンナビノイド受容体CB1及びCB2の強力な完全作動薬として作用し、特定の哺乳動物試験ではTHCと完全に置換することが見いだされており、その効能はJWH-018よりも低く、WIN55,212-2よりも高い;AM-2389はCB1受容体に対する強力で合理的に選択的な作動薬として作用する;AM-3102はオレオイルエタノールアミド(増殖因子活性化受容体α(PPARα)の内因性作動薬)の類似体であり、CB1及びCB2において弱いカンナビノイド作動薬として作用する;AM-4030はCB1及びCB2に対する強力な作動薬であるが、CB1に対して適度に選択性のある鎮痛剤である;AM-4054はCB1親和性及びCB2に適度に選択性のある強力ではあるが遅発性の作動薬であるAM-4113は、CB1選択的中立アンタゴニストである;AM-6545はCB1に対する末梢選択的なサイレント拮抗薬として作用し、肥満治療のために開発された;
JWH-007は、CB1受容体及びCB2受容体でカンナビノイド作動薬として作用する鎮痛剤であり、CB2に対して若干の選択性がある鎮痛剤である;JWH-015は、CB1よりもほぼ28倍強力にCB2に結合する、サブタイプ選択的カンナビノイド作動薬として作用し、免疫調節作用があることが示されており、疼痛や炎症の治療に有用でありうる;JWH018は、CB1及びCB2のカンナビノイド受容体の完全作動薬として作用し、THCと同様の効果をもたらす鎮痛剤である;JWH-019-は、CB1受容体及びCB2受容体で作動薬として作用し、CB1受容体及びCB2受容体でカンナビノイド作動薬として作用するナフトイルインドールファミリーの鎮痛剤である;JWH-030は、CB1受容体の部分作動薬である鎮痛剤である;JWH-047は、CB2受容体の強力で選択的な作動薬である;JWH-048は、CB2受容体の強力で選択的な作動薬である;JWH-051は、CB1受容体への親和性が高い鎮痛剤であるが、CB2に対してより強い作動薬である;JWH-057は、Δ8-THCの1-デオキシ類似体であり、CB2受容体への親和性が非常に高いが、CB1受容体への親和性も高い;JWH-073は、CB1受容体及びCB2受容体の両方でカンナビノイド作動薬として作用する鎮静剤であり、これはCB1サブタイプに対してある程度選択的である。以下は、CB1サブタイプに対してある程度選択的である;JWH-081は、カンナビノイドのCB1受容体及びCB2受容体の両方で作動薬として作用する鎮静剤である;JWH-098は、強力でかなり選択的なCB2作動薬である;JWH-116は、CB1リガンドである;JWH-120は、強力かつ173倍の選択性を有するCB2作動薬である;JWH-122は、強力でかなり選択的なCB1作動薬である;JWH-133は、強力で選択的なCB2受容体作動薬である;1JWH-139は、3-(1,1-ジメチルプロピル)-6,6,9-トリメチル6a,7,10,10a-テトラヒドロ-6H-ベンゾ[c]クロメンである;JWH-147は、CB1受容体及びCB2受容体でカンナビノイド作動薬として作用する、ナフトピロール系の鎮痛剤である;JWH-148は、CB2受容体に対する中程度に選択的なリガンドであり、CB1サブタイプの8倍以上の選択性を有する;JWH-149は、強力かつかなり選択的なCB2作動薬である;JWH-161は、CB1リガンドである;JWH-164は、強力なカンナビノイド作動薬である;JWH-166は、強力かつ高度に選択的なCB2作動薬である;JWH-167は、フェニルアセチルインドールファミリーの弱いカンナビノイド作動薬である;JWH-171は、カンナビノイド受容体作動薬として作用する鎮痛剤である;JWH-175は、(1-ペンチリンドール-3-イル)ナフタレン-1-イルメタン、22nMのCB1である;JWH-176は、1([(1E)-3-ペンチリンデン-1-イリジン]メチル)ナフタレンである;JWH-181-強力なカンナビノイド作動薬である;JWH-182は、CB1に対してある程度の選択性を有する強力なカンナビノイド作動薬である;JWH-184は、1-ペンチル-1H-インドール-3-イル(4-メチル-1-ナフチル)メタンである;JWH-185は、1-ペンチル-1H-インドール-3-イル(4-メトキシ1-ナフチル)メタンである;JWH-192は、(1-(2-モルホリン-4-イルエチル)インドール-3-イル)-4-メチルナフタレン-1-イルメタンである;JWH-193は、(1-(2-モルホリン-4-イルエチル)インドール-3-イル)-4-メチルナフタレン-1-イルメタノンである;JWH-194は、2-メチル-1-ペンチル-1H-インドール-3-イル-(4-メチル-1-ナフチル)メタンである;JWH-195は、(1-(2-モルホリン-4-イルエチル)インドール-3-イル)-ナフタレン-1-イルメタンである;JWH-196は、2-メチル-3-(1-ナフタレニルメチル)-1-ペンチル-1H-インドールである;JWH-197は、2-メチル-1-ペンチル-1H-インドール-3-(4-メトキシ-1-ナフチル)メタンである;JWH-198は、(1-(2-モルホリン-4-イルエチル)-インドール-3-イル)-4-メトキシナフタレン-1-イルメタノンである;JWH-199は、(1-(2-モルホリン-4-イルエチル)インドール-3-イル)-4-メトキシナフタレン-1-イルメタンである;JWH-200は、カンナビノイド受容体作動薬として作用するアミノアルキルインドールファミリーの鎮痛剤;JWH-203は、CB1受容体及びCB2受容体にほぼ同等の親和性があるカンナビノイド作動薬として作用するフェニルアセチルインドールファミリー由来の鎮痛剤;JWH-205は、142-メチル-1-ペンチリンドール-3-イル)-2フェニルエタノンである;JWH-210は、CB1受容体及びCB2受容体で強力なカンナビノイド作動薬として作用するナフトイルインドールファミリーの鎮痛剤である;JWH-213は、強力でかなり選択的なCB2作動薬である;JWH-229は、1-メトキシ-3-(1’,1’-ジメチルヘキシル)-Δ8-THCで、強力なCB2作動薬であるジベンゾピランカンナビノイドである;JWH-234は、CB2選択性を有するカンナビノイド作動薬である;JWH-250は、CB1受容体及びCB2受容体のカンナビノイド作動薬として作用するフェニルアセチルインドールファミリーの鎮痛剤である;JWH-251は、(1-ペンチル-3-(2-メチルフェニルアセチル)インドール)である;JWH-258は、強力で軽度に選択的なCB1作動薬である;JWH-302は、(1-ペンチル-3-(3-メトキシフェニルアセチル)インドール)である;JWH-307は、ナフトイルピロールファミリーの鎮痛剤であり、CB1受容体及びCB2受容体においてカンナビノイド作動薬として作用し、CB2サブタイプに対してある程度選択的である;JWH-350は、11-ノル-1-メトキシ-3(1’,1’-ジメチルヘプチル)-9α-ヒドロキシヘキサカンナビノールであり、CB2受容体に対して33倍の選択性を有し、高いCB2受容体親和性を有し、CB1受容体に対する親和性は低い;JWH-359は、強力かつ選択的なCB 2受容体作動薬であるジベンゾピラン系カンナビノイドであり;JWH-387は、1-ペンチル-(4-ブロモ-1-ナフトイル)インドールであり、CB1受容体及びCB2受容体に強力なカンナビノイド作動薬として作用するナフトイルインドールファミリーの鎮痛剤である;JWH-398は、CB1受容体及びCB2受容体で強力なカンナビノイド作動薬として作用するナフトイルインドールファミリーの鎮痛剤であり、KiがCB1で2.3nM、CB2で2.8nMである;JWH-424は、強力かつ中程度の選択性を有するCB2アゴニストで、KiはCB2で5.44nM、CB1で20.9nMである;
HU-210は、大麻由来の天然THCの100~800倍の強力なカンナビノイドであり、作用持続時間が長く、天然THCと同じ多くの作用を有する強力な鎮痛剤である。;アジュレム酸(AB-III-56、HU-239、IP-751、CPL 7075、CT-3、レズナブ)は、非精神活性THC代謝物11-ノル-9-カルボキシ-THCのカンナビノイド誘導体であり、自覚的に「ハイな」状態を誘発せずに有用な鎮痛及び抗炎症作用を示す。以下は、神経障害性疼痛や関節炎等の炎症性疾患の治療薬として、また生命を脅かす炎症性疾患の希少疾病の治療薬として開発されている。;HU-243(AM-4056)はCB1受容体及びCB2受容体で強力な作動薬であるカンナビノイドであり;HU-308はカンナビノイド作動薬として作用し、CB2受容体サブタイプに対して高度に選択的である。以下は、鎮痛作用があり、神経幹細胞の増殖を促進し、TNF-αの阻害を介して酸化ストレスから肝臓と血管組織の両方を保護する;HU-331はカンナビジオールから合成されたキノン抗発がん性化合物である;HU-336は血管新生阻害剤であり、血管新生促進サイトカイン及びその受容体の発現を変化させずに、血管内皮細胞のアポトーシスを直接誘導し、血管新生を阻害する;HU-345(カンナビノールキノン)は、その親化合物であるカンナビノールよりも強力に大動脈輪血管新生を阻害することができる薬物である;CP47,497又は(C7)-CP47,497は、カンナビノイド受容体作動薬である。
【0045】
本明細書はまた、カンナビノイドの生合成のための方法、並びにカンナビノイド及びカンナビノイド類似体の製造に用いることができる生合成酵素の産生用の真核生物又は原核生物の発現系で用いるための方法を提供する。カンナビノイド酸合成酵素のクローニング及び発現には、真核細胞及び原核細胞と同様に酵母が適しており、大腸菌、酵母及びバキュロウイルス宿主を含むが、これらに限定されない。したがって、本開示は、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)合成酵素及びカンナビジオール酸(CBDA)合成酵素を含むが、これらに限定されない、カンナビノイド酸合成酵素を用いて、生合成カンナビノイド、例えばTHC及び/又はCBDを産生する方法を提供する。本明細書では、さらに、例えば、生合成CBDを単独又は他の活性剤と組み合わせて含む、本明細書中に開示される及び/又は局所組成物を提供する。
【0046】
本明細書のある実施形態では、経皮及び/又は局所用組成物は、本明細書に記載されるように、例えばCBD及び/又はTHCの投与を含む患者のパーキンソン病の治療及び/又は予防及び/又は管理のための組成物及び方法に関する。ある実施形態では、本明細書に記載される経皮及び/又は局所組成物は、パーキンソン病の重症度を緩和するためのものである。
【0047】
本明細書のある実施形態では、医薬組成物、経皮製剤又は局所製剤は、カンナビジオール及び/又はTHC-その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その立体異性体、その固溶体、その被覆体、その液体、そのイオン対を溶媒において単独又はそれらの組み合わせを含む。より好ましくは、経皮製剤又は局所製剤は、カンナビジオール、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その立体異性体、その固溶体、その被覆体、その液体、そのイオン対、カンナビジオールの溶液をメタノール中に単独又は組み合わせて含むことができる。より好ましくは、経皮製剤又は局所製剤は、THC、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その立体異性体、その固溶体、その被覆体、その液体、そのイオン対、カンナビジオールの溶液をメタノール中に単独又は組み合わせて含むことができる。
【0048】
本明細書で用いられる用語「活性剤」は、活性剤及びその誘導体の単独又は組み合わせのいずれかの医薬的に許容されるすべての形態をいい、例えば、遊離塩基、塩、異性体、非晶質体、結晶体、共結晶体、固溶体、プロドラッグ、類似体、誘導体、代謝物、多形、立体異性体、被覆体、イオン対等の形態に限定されない。例えば、活性剤の遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、その固溶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その多形、そのイオン対、その立体異性体、その被覆体等があげられる。本化合物は、例えば、酸付加塩もしくは塩基性塩等の医薬的に許容される塩、又はその水和物を含むその溶媒和物の形態であってよい。適当な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成され、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、サッカレート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩があげられる。適当な塩基性塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成され、例としては、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、及びジエタノールアミン塩があげられる。活性成分は遊離塩基の形で存在してもよいし、医薬的に許容される塩の形で存在してもよい。本発明の部分を形成する医薬的に許容される塩は、Li、Na及びK塩等のアルカリ金属塩;Ca及びMg塩等のアルカリ土類金属塩;リジン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミン、コリンなどの有機塩基の塩;アンモニウムまたは置換アンモニウム塩及びアルミニウム塩等のカルボン酸部位の塩を規定するが、それらに限られないことが意図される。塩は、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、ヒドロハロゲン化物、酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、パルモアート酸塩、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、ヒドロキシナフトエート、ベンゼンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩、グリセロリン酸塩、ケトグルタル酸塩等を定義するが、これらに限定されない酸付加塩であってよい。
【0049】
本明細書で用いられる用語「活性剤」としては、その遊離塩基、その塩、その異性体、その非晶質体、その結晶体、その共結晶体、そのプロドラッグ、その類似体、その誘導体、その合成体、その生合成体、その天然体、その活性代謝物、その多形、その固溶体、その被覆体、その立体異性体、その固溶体、そのイオン対、その溶液、その粉末体、その液体を、単独で、又はそれらの組み合わせがあげられる。ある実施形態では、活性剤は高度に精製される。ある実施形態では、活性剤は高度に純粋な合成体である。ある実施形態では、活性剤は、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.75%(w/w)に等しいかそれ以上の濃度を含む活性剤の高精製抽出物である。
ある実施形態では活性剤の濃度は、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.75%、又は100%(w/w)以上である。
ある実施形態では、活性剤は100%合成される。ある実施形態では、活性剤の純度は、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.75%、又は100%(w/w)以上である。ある実施形態では、活性剤は合成的に製造され、その純度は、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.75%、又は100%(w/w)以上である。ある実施形態では、活性剤は活性剤の組み合わせであり、各活性剤は合成的に製造され、その純度は独立して、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.75%、又は100%(w/w)以上であってよい。
【0050】
ある実施形態では、活性剤の用量は、例えば、独立して、約0.01、0.1、0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、又は45mg/kg/日以上である。ある実施形態では、活性剤は5から20~25mg/kg/日まで滴定され、場合によっては10~15日維持される。ある実施形態では、活性剤の用量は、例えば、約0.01、0.1、0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95,100,125,150,175,200,225,250,275,300,325,350,375、又は400マイクログラム/日以上である。ある実施形態では、活性剤の用量は、例えば、約0.01、0.1、0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95,100,125,150,175,200,225,250,275,300,325,350,375、又は400mg/日以上である。ある実施形態では、活性剤の用量は、例えば、約0.01、0.1、0.25、0.01、0.1、0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95,100,125,150,175,200,225,250、275,300,325,350,375、又は400mgより多い。
【0051】
ある実施形態では、活性剤の用量は、例えば、約0.01、0.1、0.25、0.5、0.1、0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、又は400mgより多い。ある例示的な実施形態では、本明細書に記載される剤型は、各々、剤形の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%及び約99.5%の濃度で含む。例示的な実施形態では、本明細書に記載の製剤は、約0.1~約50%、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度の活性剤を含むことができる。例示的な実施形態では、本開示の例示的な製剤では、活性剤は製剤の約1~10%、約1~9%、約1~8%、約1~7%、約1~6%、約1~5%、約0.1質量%~約50%質量%、約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度である。
【0052】
本明細書は、漸増用量パッチをさらに用いて、例えば添加によって、患者又は医療提供者が患者ごとに最も有効な用量に用量を漸増することができる、本明細書で特定される状態の治療を提供するという独自の利点を備える組成物及び方法を提供する。
本開示は、単にパッチを取り外すだけで薬物投与を直ちに停止するユニークな機能を備える、組成物及び方法を提供する。例えば、患者は、望ましくない負の副作用が発現する用量で開始することができる。患者又は医療提供者は、悪化する前に投与を制御又は中止する(例えば、パッチ剤を取り外すか、低用量パッチ剤で投与量を漸増させる)ことができ、かつ、また、望ましくない経験の時間を劇的に短縮することができる。
【0053】
本明細書中で用いられる用語「医薬的に許容される塩」は、遊離塩基の酸付加塩又は付加塩を含む。その範囲内の活性剤の「医薬的に許容される塩」という用語は、すべての可能な異性体及びそれらの混合物、ならびにいかなる医薬的に許容される代謝物、バイオ前駆体及び/又はプロドラッグ、例えば、哺乳動物、特にヒトなどの被験体への投与により、開示の化合物の1つとは構造式が異なるものの、直接又は間接的に生体内で開示の化合物に変換される化合物等があげられる。本明細書で用いられる用語「経皮送達」は、皮膚を介して体循環に薬物を送達することを意味する。
【0054】
適応
治療適応症としては、パーキンソン病(PD)、レストレスレッグ症候群、ハンチントン病、及びアルツハイマー病等であるがこれらに限定されない神経変性疾患にみられる運動障害や非運動障害を特徴とする様々な中枢神経系疾患、並びに統合失調症、注意欠陥多動性障害及び薬物中毒等の神経精神疾患もあげられるが、これらに限定されない。
【0055】
本開示の組成物及び方法は、パーキンソン病及び/又はドーパミン作動薬による治療が治療上有益である他の状態等の神経変性疾患及び障害の治療を意図する。
神経変性疾患及び障害に加えて、ドーパミン作動性代謝回転の増加が有益でありうる他の状態は、認知の様々な側面を含む精神機能の改善にある。また、うつ病の患者に良好な効果をもたらす可能性があり、さらに、食欲不振剤としての肥満治療や薬物中毒の治療にも用いられうる。また、最小脳機能障害(MBD)、ナルコレプシー、注意欠陥多動性障害や、統合失調症の陰性症状、陽性症状、認知症状を改善しうる。
レストレスレッグ症候群(RLS)や周期性四肢運動障害(PLMD)は、ドーパミン作動薬で臨床的に治療される代替適応症である。また、インポテンス、勃起不全、SSRIによる性機能障害、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、特定の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)等も、ドーパミン作動薬の治療により改善される可能性が高い。ドーパミンは、心臓血管系及び腎臓系の調節に関与しており、従って、腎不全及び高血圧は、本明細書に記載される組成物及び方法の代替適応症と考えることができる。
【0056】
本明細書に記載される組成及び方法は、副作用がある1つ以上のドーパミン作動薬が用いられるいかなる適当な状態の治療に用いることができる。
疾患の例としては、パーキンソン病、アルツハイマー病、ドーパ反応性ジストニア、脳性麻痺、虚血後収縮機能障害、重度卵巣過剰刺激症候群、小児運動障害及び非乏尿性腎不全があげられるが、これらに限定されない。
【0057】
ある実施形態では、治療の組成及び方法は、ドーパミン作動薬によって誘発される副作用の治療ではなく、パーキンソン病の直接的な症状を指向する。例えば、ある実施形態では、治療の方法は、パーキンソン病に直接起因する歩行障害及び平衡障害の治療を指向する。ある実施形態では、ニコチンは、いかなるドーパミン作動薬とも別に投与される。ある実施形態では、ニコチンによる治療を受けている被験体には、ドーパミン作動薬は投与されない。ある実施形態では、ニコチンによる治療を受けている被験体には、レボドパ、カルビドパの投与又はそれらの併用投与はされない。
【0058】
ある実施形態では、治療の組成及び方法は、パーキンソン病認知症(PDD)の治療、予防又は緩解を指向する。他の実施形態では、本明細書では、本明細書に記載されるTHC及び/又はCBDの局所投与を含む、パーキンソン病(PD)の歩行障害及び平衡障害の治療のための製剤を提供する。パーキンソン病の症状の直接治療のためのある実施形態では、ドーパミン作動薬治療方法に含まれても、除外されてもよい。ある実施形態では、レボドパ及び/又はカルビドパを本明細書の方法に含まれても、除外されてもよい。
【0059】
ある実施形態では、本発明は、パーキンソン病の症状又はパーキンソン病に関連する症状、例えばドーパミン作動薬治療に関連する副作用を軽減、緩和又は除去するために、本明細書に記載されるTHC及び/又はCBDを利用する組成物及び方法を提供する。ある実施形態では、本発明は、例えばドーパミン作動薬治療に関連する副作用を緩和又は除去するために、本明細書に記載されるTHC及び/又はCBDを利用する組成物及び方法を提供する。ある実施形態では、本明細書に記載されるTHC及び/又はCBDは、ドーパミン作動薬治療に関連する副作用を緩和又は除去する。ドーパミン作動薬としては、ドーパミン前駆体又はドーパミン受容体作動薬があげられる。ドーパミン作動薬の例としては、レボドパ、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、カベルゴリン、ロピニロール、アポモルヒネ(アポモルフィン)、又はこれらの組み合わせがあげられる。
【0060】
限定的でない通常のPD症状としては、(a)認知障害、幻覚及び精神病、抑うつ気分、不安気分、無気力、ドーパミン調節不全症候群の特徴、睡眠問題、日中の眠気、疼痛、排尿問題、便秘問題、立ちくらみ、及び疲労からなる群から選択される、統一パーキンソン病評価尺度のパートIによって定義される日常生活の経験の少なくとも1つの非運動側面;(b)発話、唾液及び流涎、咀嚼及び嚥下、食事作業、着衣、衛生、手書き、寝返り、振戦、ベッド、車、又は深い椅子からの起き上がり、歩行及び平衡、及び硬直からなる群から選択される、統一パーキンソン病評価尺度のパートIIによって定義される日常生活の経験の少なくとも1つの運動側面;(c)発話、顔面表情、硬直、指使い、手の動き、手の前屈-後屈運動、つま先立ち、脚の敏捷性、椅子からの起き上がり、歩行、歩行の硬直、姿勢安定性、姿勢、身体運動緩慢、手の姿勢振戦、手の運動性振戦、安静時振戦振幅、及び安静時振戦の持続からなる群から選択される、統一パーキンソン病評価尺度のパートIIIで特定される少なくとも1つの運動症状;(d)ジスキネジア(運動障害)に費やした時間、ジスキネジアの機能的影響、オフ状態で過ごした時間、ゆらぎの機能的影響、運動ゆらぎの複雑性、及び有痛性オフ状態ジストニアから選択される、統一パーキンソン病評価尺度のパートIVで特定される少なくとも1つの運動合併症;(e)便秘;(f)うつ病;(g)認知機能障害;(h)短期又は長期の記憶障害;(i)集中力障害;(j)協調障害;(k)移動障害;(l)言語障害;(m)精神錯乱;(n)睡眠問題、睡眠障害、入眠障害;(o)概日リズム機能障害;(p)幻覚;(q)疲労;(r)レム睡眠障害;(s)レム睡眠行動障害;(t)勃起不全;(u)体位性低血圧;(v)血圧又は起立性低血圧の補正;(w)夜間高血圧;(x)体温調節;(y)呼吸や無呼吸の改善;(z)心臓伝導障害の矯正;(aa)疼痛の改善;(bb)尿失禁、膀胱感覚や排尿の回復;(cc)気分の変動;(dd)無気力;(ee)夜間頻尿の抑制;(ff)神経変性;(gg)不安;(hh)人前で話す能力を含む会話能力の向上;及び/又は(ii)パーキンソン病認知症があげられる。いくつかの実施形態では、(a)睡眠障害又は睡眠障害は、入眠の遅延、睡眠断片化、レム行動障害、いびき及び無呼吸を含む睡眠呼吸障害、日中の眠気、微小睡眠エピソード、ナルコレプシー、幻覚、又はこれらのいかなる組み合わせを含む;(b)レム行動障害は、鮮明な夢、悪夢、及び睡眠中に話したり叫んだりして夢を演じること、腕や脚をそわそわさせること、または嗅覚幻覚を含む;又は(c)幻覚は、視覚、聴覚、触覚、味覚又は嗅覚の幻覚を含む。
治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状が、睡眠問題、睡眠障害、入眠障害、概日リズム機能障害、REM睡眠障害、又はREM行動障害である実施形態では、以下の:
(a)睡眠障害、入眠障害は、入眠の遅延、睡眠断片化、REM行動障害、いびき及び無呼吸を含む睡眠呼吸障害、日中の眠気、マイクロスリープエピソード、ナルコレプシー、幻覚、又はこれらのいかなる組み合わせを含む;並びに/又は
(b)レム行動障害は、鮮明な夢、悪夢、及び睡眠中に話したり叫んだり、そわそわしたり腕や脚を殴ったりして夢を演じることを含む;並びに/又は
(c)睡眠問題、睡眠障害、入眠障害を治療することでパーキンソン病の発症及び/又は進行を予防又は遅らせる;並びに/又は
(d)本方法により、所定の期間にわたり被験体の睡眠パターンが肯定的に変化する;並びに/又は
(e)本方法により、所定の期間にわたり被験体の睡眠パターンが肯定的に変化し、前記肯定的な変化は以下の:
(i)得られた睡眠の総量の約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%の増加;及び/若しくは、
(ii)夜間の覚醒回数比率の減少が、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%からなる群より選択される;並びに/又は
ように定義される;並びに/又は
(f)本方法の結果として、被験体は、被験体の年齢層について、医療機関が推奨する睡眠時間の合計を得る。
治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状が幻覚である実施形態では、以下の:
(a)幻覚は視覚、聴覚、触覚、味覚又は嗅覚の幻覚を含む;及び/又は
(b)幻覚を治療することでパーキンソン病の発症及び/又は進行を予防及び/又は遅らせる;及び/又は
(c)前記方法により、所定時間の間に被験体の幻覚回数が減少する;及び/又は
(d)前記方法により、所定時間の間に被験体の幻覚回数が減少し、前記減少回数は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%からなる群から選択される;及び/又は
(e)前記方法により、被験体は幻覚を見なくなる。
治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状がうつである実施形態では、以下の:
(a)うつ病を治療することにより、パーキンソン病の発症及び/若しくは進行を予防又は遅らせる;並びに/あるいは
(b)前記方法により、臨床的に認識された1つ以上のうつ病評価尺度によって測定される、所定の期間にわたり被験体のうつ病が改善される;及び/又は
(c)前記方法により、臨床的に認識された1つ以上のうつ病評価尺度によって測定される、所定の期間にわたり被験体のうつ病が改善され、前記改善は、気分、行動、食事、睡眠、エネルギー、性行為等の身体機能、及び/若しくは悲しみや無気力のエピソードからなる群より選択される1つ以上のうつ病の特徴にある;並びに/又は
(d)前記方法により、臨床的に認識された1つ以上のうつ病評価尺度によって測定される、所定の期間にわたり被験体のうつ病が改善され、治療後に被験体が経験する改善は、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95若しくは約100%である。
治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状が認知障害である実施形態では、以下の:(a)認知障害を治療することにより、パーキンソン病の発症及び/若しくは進行を予防及び/若しくは遅らせる;並びに/又は(b)医薬組成物の投与後の所定の期間にわたり、医学的に認められた技術によって測定すると、認知障害の進行若しくは発症が遅延、停止、若しくは逆転している;及び/又は(c)認知障害は、医学的に認められた技術によって測定すると、医薬組成物の投与によって正の影響を受ける;及び/又は(d)認知障害は、医学的に認められた技術によって測定すると、医薬組成物の投与によって正の影響を受け、認知機能低下に対する正の影響及び/又は進行は、ミニ精神状態検査(MMSE)、ミニコグテスト、及びCantab Mobile、Cognigram、Cognivue、Cognition、及びAutomated Neuropsychological Assessment Metricsから選択されたコンピュータテストからなる群から選択される1つ以上の技術によって定量的又は定性的に測定される;並びに/又は(e)認知障害の進行若しくは発症は、医学的に認められた技術で測定すると、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%が遅延、停止、若しくは逆転する。
治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状が便秘である実施形態では、以下の:(a)便秘の治療によりパーキンソン病の発症及び/若しくは進行を予防及び/若しくは遅らせる;並びに/又は(b)医薬組成物の投与により、被験体に排便させる;及び/又は(c)前記方法により、所定期間に被験体の排便回数が増加し;及び/又は(d)前記方法により、被験体の排便回数が増加し、前記排便回数の増加は以下の:(i)1週間あたりの排便回数の、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%の増加;及び/又は(ii)各々連続する排便の間の時間の減少比率が、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%からなる群から選択されると定義され;及び/又は(e)前記方法により、被験体の排便頻度が、医療機関が推奨する被験体の年齢層の排便頻度になる。
【0061】
治療、予防、及び/又は進行を遅らせるPD症状がPDと相関する神経変性である実施形態では、以下の:(a)認知障害を治療することにより、パーキンソン病の発症及び/若しくは進行を予防及び/若しくは遅らせる;並びに/又は(b)前記方法により、被験体の神経変性の進行及び/又は発症を治療、予防、及び/又は進行を遅らせる;及び/又は(c)医薬組成物の投与後の所定の期間にわたり、医学的に認められた技術によって測定すると、神経変性の進行若しくは発症が遅延、停止、若しくは逆転している;及び/又は;及び/又は(d)神経変性は、医学的に認められた技術によって測定すると、医薬組成物の投与によって正の影響を受ける。
さらなる実施形態では、(a)神経変性に対する正の影響及び/又は進行は、脳波(EEG)、神経画像、機能的MRI、構造的MRI、拡散テンソル画像(DTI)、[18F]フルオロデオキシグルコース(FDG)PET、アミロイドを標識する薬剤、[18F]F-ドーパPET、放射性トレーサー画像、局所組織喪失の体積分析、異常なタンパク質沈着の特異的画像マーカー、マルチモーダル画像、及びバイオマーカー分析からなる群から選択される1つ以上の技術によって定量的又は定性的に測定される;及び/又は(f)神経変性の進行又は発症は、医学的に認められた技術で測定すると、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%が遅延、停止、若しくは逆転する。
本明細書の記載には、本明細書に記載される疾患、症状、及び障害の治療のために、本明細書に記載される化合物及び方法の使用が含まれる。
【0062】
さらなる活性剤
本発明の化合物、治療薬又は公知の薬剤の組み合わせに関する、本明細書中で用いられる用語「併用投与」は、公知の薬物及び/又は併用がともに治療効果をもたらす時点での当該薬物及び1つ以上の化合物の投与を意味する。ある場合、この治療効果は相乗効果をもたらす。このような同時投与により、本発明の組成物投与及び/又は併用投与としては、薬物の併用(すなわち同時に)投与、事前投与、又は後続投与があげられる。当業者であれば、本発明の特定の薬物の投与の適当なタイミング、順序及び投与量を決定することは困難ではない。
さらに、1又はそれ以上の活性成分は、該当する場合、1つの実質的に純粋な光学的エナンチオマーの形で、又はそのエナンチオマー又は多形の混合物として存在してよい。
【0063】
有効成分は、以下の治療クラスの1つ以上を含んでよいが、ドーパミン作動薬に限定されない。
一態様では、本発明は、ドーパミン作動薬の効果を低減又は除去するための組成物及び方法を提供する。ある実施形態では、組成物及び方法は、ドーパミン作動薬の所望の効果、例えば、抗パーキンソン効果を保持又は増強する。本発明の方法及び組成物は、1つ以上の副作用を低減することが望まれるいかなるドーパミン作動薬に適用される。ある実施形態では、本発明の組成物及び方法は、ドーパミン前駆体を利用する。ある実施形態では、本発明の組成物及び方法は、ドーパミン作動薬を利用する。ある実施形態では、ドーパミン作動薬は、レボドパ、ブロモクリプチン、ペルゴリド、プラミペキソール、カベルゴリン、ロピニロール、アポモルヒネ(アポモルフィン)、又はそれらの組み合わせである。ある実施形態では、ドーパミン作動薬はレボドパである。ある実施形態では、本明細書に記載される組成物及び方法は、当業界で用いられる1つ以上の薬剤をドーパミン剤治療と併用利用して治療効果を達成する。例えば、1つの例示的な実施形態では、本発明の組成物及び方法は、血中でのレボドパのドーパミンへの変換を遮断するカルビドパ等の薬剤とレボドパを併用する。他の例示的な実施形態では、本発明の組成物及び方法は、エンタカポン等のCOMT阻害剤とレボドパを併用する。他の例示的な実施形態では、本発明の組成物及び方法は、セレギリン等のモノアミン酸化酵素B型(MAO-B)阻害剤とレボドパを併用する。さらに他の例示的な実施形態では、本発明の組成物及び方法は、アマンタジンとレボドパを併用する。
【0064】
芳香族アミノ酸であるレボドパは、白色の結晶性化合物で、水にわずかに溶け、分子量は197.2である。L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン(S)-2-アミノ-3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン酸という。その構造式は、
【0065】
【化3】
である。
レボドパはパーキンソン病の治療に用いられる。パーキンソン病は進行性の錐体外路神経系の神経変性疾患であり、骨格筋系の可動性と制御に影響を及ぼす。その特徴として、安静時振戦、硬直、徐動運動等があげられる。
【0066】
これまでのエビデンスでは、パーキンソン病の症状は線条体のドーパミンの枯渇に関連していることが示されている。ドーパミンは血液脳関門を通過しないため、パーキンソン病の治療には効果がない。しかし、ドーパミンの代謝前駆物質であるレボドパは、血液脳関門を通過し、おそらく脳内でドーパミンに変換される。これが、レボドパがパーキンソン病の症状を緩和するメカニズムであると考えられている。
レボドパによる長期治療は初期にはきわめて有効であるが、長期的な治療では複数の合併症がおきる。レボドパの投与により、吐き気、嘔吐、不随意運動(ジスキネジアなど)、精神障害、うつ病、失神、幻覚が起きる場合がある。
【0067】
副作用
ドーパミン作動薬の主な副作用としては、頭痛、下痢、高血圧、悪心、嘔吐、不随意運動(ジスキネジア等)、精神障害、うつ病、失神、幻覚、腎機能異常などがあげられる。
本明細書では、ドーパミン作動薬治療に関連する副作用を緩和又は除去するための、本明細書に記載されるTHC及び/又はCBDを利用する組成物及び方法を提供する。ある実施形態では、本明細書では、ドーパミン作動薬治療に関連するジスキネジアを緩和又は除去するための、本明細書に記載されるTHC及び/又はCBDを利用する組成物及び方法を提供する。
【0068】
医薬組成物
本明細書に記載されるある実施形態では、医薬組成物又は経皮製剤及び/又は局所製剤は、カンナビノイド及びこれらの化合物の誘導体等の活性剤を含む。より好ましくは、経皮製剤及び/又は局所製剤には、CBD及び/又はTHC並びにこれらの化合物の誘導体等の活性剤を含めることができる。
本明細書に記載される一実施形態は、経皮製剤、経皮パッチ、マイクロニードル、イオントフォレシス、定量経皮スプレー、定量経皮ゲル、経皮エアロゾル、経皮フィルム形成製剤を含むがこれらに限定されない経皮薬物送達システムであってよい。
【0069】
経皮製剤としては、例えば、溶液、懸濁液、分散液、乳化剤等の限定されない液体があげられる。経皮製剤としては、例えば、ゲル、軟膏、乳化剤、クリーム、懸濁液、ペースト、ローション、バルム等の限定されない半固体があげられる。好ましくは、液体経皮製剤及び/又は経皮パッチは、経皮パッチ、定量経皮システム、分包等に組み込まれる。経皮製剤は、好ましくは、粘着性マトリクスパッチ、drug in adhesive型マトリクスパッチ、非粘着性マトリクスパッチ、drug in adhesive型マトリクスパッチとしての経皮マトリクス製剤があげられる。その他の経皮製剤としては、経皮ゲル、経皮定量スプレー、経皮定量エアロゾル、経皮フィルム形成製剤、マイクロニードル等があげられる。
【0070】
経皮パッチはいかなる限定もなく、好ましくは、多層経皮マトリクスシステム、リザーバパッチ、マトリクスパッチ、二層マトリクスパッチ、多層マトリクスパッチ、マイクロリザーバパッチ、接着システム、経皮適用可能テープ及びその他当業界で記載されている全ての経皮薬物送達システムがあげられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載されるある実施形態では、経皮パッチは、CBD及び/又はTHC等の活性剤、及びリザーバ又はマトリクスに含まれるこれらの化合物の誘導体を含む経皮製剤と、経皮パッチを皮膚に付着させ、CBD及び/又はTHC等の活性剤、及びこれらの化合物の誘導体を経皮パッチから患者の皮膚を通過させるための接着剤とを含む。経皮送達システムは、閉塞性、半閉塞性、又は非閉塞性であってよく、接着性又は非接着性であってよい。
【0071】
CBD及び/又はTHC等の活性剤、及びこれらの化合物の誘導体を含む経皮製剤は、パッチ内に組み込むことができ、パッチは皮膚表面に局所的に適用することができる。パッチは、いかなる適当な期間、被験体上に残存させることができる。ある実施形態では、経皮パッチは、所定の時間にわたって経皮パッチの活性成分の一定の送達速度を提供する。ある実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、15日であってよい。
なおさらなる実施形態では、本明細書に記載される経皮パッチは、患者による経皮パッチの活性成分を、所定の期間にわたり、安定した吸収速度で提供する。ある実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、15日であってよい。
なお、さらなる実施形態では、本明細書に記載される経皮パッチは、患者における経皮パッチの活性成分の血清レベルを、一定期間にわたり、一定に提供する。ある実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、15日であってよい。
なおさらなる実施形態では、本明細書に記載される経皮パッチは、患者における経皮パッチの活性成分の血漿中濃度を、一定期間にわたり、治療範囲で提供する。ある実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、15日であってよい。
さらにさらなる実施形態では、本明細書に記載される経皮パッチは、患者における活性成分の投与量の変動を低減させることができる。ある実施形態では、所定の期間は、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、7日、8~13日、2週間、15日であってよい。
【0072】
さらに他の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、患者の治療範囲において経皮パッチの活性剤成分の血漿中濃度を所定の時間にわたり、提供する。本明細書に記載される例示的な実施形態では、当該医薬組成物は、例えば、約0.01ng/mL、約0.02ng/mL、約0.05ng/mL、約0.1ng/mL、約0.2ng/mL、約0.5ng/mL、約1ng/mL、約2ng/mL、約5ng/mL、約10ng/mL、約20ng/mL、約50ng/mL、約100ng/mL、約200ng/mL、約500ng/mL、約1μg/mL、約2μg/mL、及び約5μg/mLからなる群から選択される活性剤の血清レベルをもたらすがこれらに限定されない。一態様では、当該医薬組成物の活性剤の血清レベルは0.01ng/mL-400ng/mLでもたらされる。さらなる態様では、当該医薬組成物の活性剤の血清レベルは0.01ng/mL~100ng/mLでもたらされる。さらに他の態様では、当該医薬組成物の活性剤の血清レベルは0.01~1ng/mlから1~100ng/ml、100~500ng/ml、500~1000ng/ml、1000~5000ng/mlでもたらされる。
【0073】
さらに他の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、患者の治療範囲において経皮パッチの活性剤成分の血漿中濃度を所定の時間にわたり、提供する。本明細書に記載される例示的な実施形態では、当該医薬組成物は、例えば、約0.01マイクログラム/mL、約0.02マイクログラム/mL、約0.05マイクログラム/mL、約0.1マイクログラム/mL、約0.2マイクログラム/mL、約0.5マイクログラム/mL、約1マイクログラム/mL、約2マイクログラム/mL、約5マイクログラム/mL、約10マイクログラム/mL、約20マイクログラム/mL、約50マイクログラム/mL、約100マイクログラム/mL、約200マイクログラム/mL、約500マイクログラム/mL、約1ミリグラム/mL、約2ミリグラム/mL、及び約5ミリグラム/mLからなる群から選択される活性剤の血清レベルをもたらすがこれらに限定されない。一態様では、当該医薬組成物の活性剤の血清レベルは0.01マイクログラム/mL-400マイクログラム/mLでもたらされる。さらなる態様では、当該医薬組成物の活性剤の血清レベルは0.01マイクログラム/mL~100マイクログラム/mLでもたらされる。さらに他の態様では、当該医薬組成物の活性剤の血清レベルは0.01~1マイクログラム/mlから1~100マイクログラム/ml、100~500マイクログラム/ml、500~1000マイクログラム/ml、1000~5000マイクログラム/mlでもたらされる。
【0074】
限定されるものではないが、例えば、軟膏、クリーム、エマルジョン、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、ペースト、バルム、ゲル、ローション、ムース等の半固体を含む、当業界で報告されている局所剤形を用いることができる。溶液、懸濁液、微小懸濁液、ナノ懸濁液、分散液、ナノ分散液等の等の液体、噴霧、エアロゾル、マグマ等のCBD及び/又はTHC及びこれらの化合物の誘導体を含む局所製剤の局所送達のために皮膚表面に局所塗布することができる。本明細書に記載される一実施形態は、局所パッチ、局所製剤、定量局所スプレー、局所フィルム形成製剤、drug in adhesive型局所パッチ、局所マトリクスパッチ、局所エアロゾル、定量局所ゲルを含むがこれらに限定されない局所薬物送達システムであってよい。
【0075】
多層ポリマー薬物マトリクスシステム:
例えば、水溶性ポリマーを用いて活性物質マトリクスを構築し、これを接着層上にコーティングした経皮薬物送達システムが想定される。さらに、活性物質リザーバをポリマーマトリクスとして調製することができる。さらに、活性物質リザーバを、活性物質透過性膜によって経皮薬物送達システムの皮膚に面した側に閉じ込め、活性物質不透過性層と接着層によって皮膚と反対側に閉じ込めることができる。
本明細書では、二重又は多層の活性物質マトリクスである活性物質マトリクス含有領域を含む経皮薬物送達システムを提供する。他の実施形態では、活性物質であるCBD/PSIは、最も単純な場合、ベースポリマーの溶液又は溶融物中に、粗く、コロイド状又は分子状に分散している。さらなる経皮薬物送達システムの製造技術において、CBD/PSIは、過飽和溶液、ナノ乳化剤又はナノ懸濁液、非晶質体、結晶体、共結晶体、ベースポリマーで被覆された形態、又はホットメルト押出工程を用いてポリマーに可溶化されている。
【0076】
本明細書では、CBD/PSIマトリクスは、接着パッチ内にマルチラミネート薬物を含有する、二層構造又は多層構造を有するような実施形態であってよい。例えば、様々なマトリクス層は、上記ポリマーから構成されるポリマーを含んでよい。この場合、マトリクス層は、ポリマーまたは感圧性ポリマーまたはホットメルトポリマーの組成、CBD/PSI濃度、異なる浸透促進剤又は可溶化剤の点で互いに異なる。これらの層は、単一のバックフィルムの下の、2つの異なるドラックイン接着剤層の間又は複数のドラックイン接着剤層の間に半透過性膜を用いて分離することができる。用語「重合体フィルム」としては、これらに限定されないが、感圧接着剤及び/又は非接着性重合体があげられる。
一態様では、本明細書では、さらに、CBD/PSI及びポリマービヒクルシステムを含むポリマーマトリクス製剤を提供する。ビヒクルシステムは、pH調整のために酸又は塩基が必要な場合、溶媒(例えば、可溶化剤)、透過性増強賦形剤、及びポリマー又はゲル化剤又は増粘剤、必要に応じてpH調整のための酸又は塩基を含んでよい。
【0077】
前処理:薬物の浸透を促進するために、角質層のバリア性を開放するための様々なアプローチが用いられてきた。化学浸透促進剤を用いた前処理は採用されている技術の一つである。前処理は、皮膚の最外層を可逆的に調節して、薬物の取り込みを促進する可能性がある。浸透促進剤は、脂質領域とタンパク質領域を組み合わせて、又は各領域に単独で作用する。
【0078】
浸透促進剤は、本明細書に記載の製剤(例えば、接着層に薬剤を含む経皮薬物送達システム、分離接着剤と薬剤含有層)に組み込むことができるが、成分内で何らかの不適合または相互作用をもたらす場合がある。したがって、本明細書では、パッチ適用前に、いくつかの浸透促進剤又は浸透促進剤の併用により皮膚を準備/前処理する皮膚浸透促進の代替方法を提供する。
本明細書に記載される前処理塗布としては、パッチであることを意図する薬物含有製品の塗布前に、ゲル/スプレー/溶液/湿潤剤/浸漬綿棒/浸漬綿球/浸漬ガーゼを皮膚に塗布することがあげられる。しかしながら、前処理組成物としては、他の局所剤形、溶液ゲル、クリーム等があげられることは理解される。例えば、前処理組成物は、CuradMediplast、40%サリチル酸パッチ、又はアクリル、シリコーン若しくはPIB接着剤等の不揮発性成分を含むプラセボパッチ、プラセボパッチなどのそれ自身の個々のパッチ、又は場合によっては、皮膚透過促進剤の添加とのそれらの併用があげられ、皮膚を介して有効医薬成分の送達が促進される。
【0079】
本明細書では、浸透促進剤が溶液、ゲル、クリーム、スプレー、湿潤剤、浸漬綿球及びガーゼとして局所剤形として組み込まれた前処理組成物を提供する。さらに他の実施形態では、前処理組成物は、好ましくはゲルに限定されないが、リザーバパッチに組み込むことができる。
【0080】
局所製剤としては、例えば、溶液、懸濁液、分散液、乳化剤等の限定されない液体があげられる。局所製剤としては、例えば、ゲル、軟膏、乳化剤、クリーム、懸濁液、ペースト、ローション、バーム等の限定されない半固体があげられる。好ましくは、液体製剤及び/又はゲル化剤は、局所パッチ、定量局所システム、分包等に組み込まれる。局所製剤は、好ましくは、粘着性マトリクスパッチ、drug in adhesive型マトリクスパッチ、非粘着性マトリクスパッチ、drug in adhesive型マトリクスパッチとしての局所マトリクス製剤があげられるがこれらに限定されない。その他の局所製剤には、局所ゲル、定量噴霧局所スプレー、定量噴霧局所エアロゾル、局所フィルム形成製剤等があるが、これらに限定されない。
【0081】
局所パッチはいかなる限定もなく、好ましくは、多層経皮マトリクスシステム、リザーバパッチ、マトリクスパッチ、二層マトリクスパッチ、多層マトリクスパッチ、マイクロリザーバパッチ、接着システム、局所適用可能テープ及びその他当業界で記載されている全ての局所薬物送達システムを含むことができるが、これらに限定されない。本明細書に記載されるある実施形態では、局所パッチは、ジクロフェナク及び/又はCBD及び/又はTHC等の活性剤、及びリザーバ又はマトリクスに含まれるこれらの化合物の誘導体を含む経皮製剤と、局所パッチを皮膚に付着させ、ジクロフェナク及び/又はCBD及び/又はTHC等の活性剤、及びこれらの化合物の誘導体を局所パッチから患者の皮膚を通過させるための接着剤とを含む。局所送達システムは、閉塞性、半閉塞性、又は非閉塞性であってよく、接着性又は非接着性であってよい。
【0082】
ジクロフェナク及び/又はCBD及び/又はTHC等の活性剤、及びこれらの化合物の誘導体を含む局所製剤は、パッチ内に組み込むことができ、パッチは皮膚表面に局所的に塗布することができる。パッチは、いかなる適当な期間、被験体上に残存させることができる。本明細書に記載されるある実施形態の経皮製剤及び/又は局所製剤としては、これらに限定されないが、溶媒、ゲル化剤、ポリマー、感圧接着性ポリマー、接着性ポリマー、生分解性ポリマー、浸透促進剤、皮膚軟化剤、皮膚刺激軽減剤、緩衝剤、pH安定剤、可溶化剤、懸濁剤、分散剤、安定剤、可塑剤、粘着剤、界面活性剤、揮発性化学物質、抗酸化剤、酸化剤、キレート剤、錯化剤、希釈剤、膨張剤、賦形剤、パッチ調製用材料、マトリックスパッチ調製用材料、リザーバパッチ調製用材料等のいずれかを単独又は組み合わせた有効量の担体又は成分があげられてよい。
【0083】
活性剤を、上記の単一担体、担体の混合物及び担体の組み合わせに溶解、懸濁、分散又は均一に混合することができる。CBD及び/又はTHC並びにこれらの化合物の誘導体等の2つ以上の薬物のいかなる組合せは、上記の単一の担体、担体の混合物及び担体の組合せ中に溶解、懸濁、分散又は均一に混合することができる。CBD及び/又はTHC及びこれらの化合物の誘導体等の単独又は組み合わせの所望の最適な経皮及び/又は局所剤形は、実施例1~12に記載の以下の担体の単独又は組み合わせで構成されてよいが、これらに限定されない。ある実施形態では、本明細書に記載される経皮及び/又は局所組成物は、例えばパーキンソン病の治療及び/又は予防及び/又は抑制のためのものである。
【0084】
パッケージング/治療キット
本明細書では、本明細書に記載された方法を簡便かつ効果的に実施するためのキットを提供する。当該キットは、錠剤またはカプセル等の固体経口剤の送達に適する場合がある。当該キットは、多数の単位投与量を含むことができる。当該キットは、使用目的の順序に沿った投与量を含めるための手段を含んでよい。使用目的の順序に沿った投与量を含めるための手段の例としてはカードがあげられる。当該キットの例としては、「ブリスターパック」があげられる。ブリスターパックは包装業界では周知であり、単位剤形の包装に汎用されている。所望により、ブリスターは、子供用プルーフブリスター、すなわち、子供が開けるのは困難であるが、大人であれば容易に開けることができる、形態にすることができる。
所望であれば、例えば、数字、文字、または他のマーキングの形態で、またはカレンダー機能及び/又はカレンダー挿入物を用いて、投与量を投与することができる治療スケジュール日および一日日のセクションを指定する記憶補助を提供することができる。例えば、AM投与量は「正午」とPM投与量とパッケージされるか、又はAM投与量はPM投与量とパッケージされる。あるいは、プラセボ投与量、又はビタミン又は栄養補助食品が、活性投与物と同様の形態又は活性投与物とは異なる形態のいずれかで、含まれてよい。
【0085】
本明細書では、本発明で提供されるような状態、症状及び疾患を治療、予防又は改善するための治療法として有用な、上記のような成分の組み合わせ(本発明の薬剤の多成分の併用を含む)を含む、調剤、製剤および/またはキットを含む、組成物を提供する。一態様では、成分の組み合わせの各成分は、個別のパッケージ、キット又は容器で製造されるか、又は、成分の組み合わせのすべて又はサブセットは、個別のパッケージ又は容器で製造される。代替的な態様では、パッケージ、キット又は容器は、ブリスターパッケージ、クラムシェル、トレイ、シュリンクラップ等を含む。
【0086】
一態様では、パッケージ、キット又は容器は、「ブリスターパッケージ」(ブリスターパック、バブルパックともという)で構成される。一態様では、ブリスターパッケージは、2つ以上の個別のコンパートメントで構成される。当該ブリスターパッケージは、製品に合わせた形状の透明なプラスチックの空洞とそのブリスターの裏蓋という2つの個別の材料要素で構成されている。当該2つの要素をヒートシール工程で結合すると、製品を吊るしたり展示したりすることができる。「ブリスターパッケージ」の例としては、フェイスシールブリスターパッケージ、ギャングランブリスターパッケージ、モックブリスターパッケージ、インタラクティブブリスターパッケージ、スライドブリスターパッケージ等があげられる。
ブリスターパック、クラムシェル又はトレイは、商品に用いられる包装の形態であり、したがって、本発明は、本発明の組成物(例えば、(本発明の薬物の多成分配合物)有効成分の組み合わせ)を含むブリスターパック、クラムシェル又はトレイを提供する。ブリスターパック、クラムシェル又はトレイは再封できないように設計できるため、消費者にはパッケージが既に開封されているかどうかがわかる。これらは、発明の薬剤等、製品の改ざんが懸念される販売商品のパッケージに用いられる。一態様では、本発明のブリスターパックは、成形されたPVCベースを含み、本発明の組み合わせを含む錠剤、錠剤等を収容するための隆起部分(「ブリスター」)を備え、箔ラミネートで覆われている。錠剤、丸薬等は、箔を剥がすか、ブリスターを押して箔を割って錠剤をパックから取り除く。一態様では、ブリスターパックの特殊な形態はストリップパックである。
【0087】
一態様では、ブリスターパックは、本明細書に記載される成分の組み合わせを含む組成物がカードと透明PVCの間に含まれる包装方法も含む。PVCは透明にすることができるので、アイテム(パッチ剤、錠剤、錠剤、ゲルタブ等)を簡便に目視検査することができ、かつ、一態様では、アイテムをぴったりと収納しつつ、購入時に開封するための空間があるように、金型周辺を真空成形することができる。一態様では、中のアイテム(パッチ剤、錠剤、錠剤、ゲルタブ等)に応じてカードを明るい色で、デザインすることができ、PVCを接着剤が配置された予め形成されたタブを用いてカードに貼付することができる。接着剤は、パックをペグに吊るすことができるほど強力であるが、結合部を破ってアイテムにアクセスできる程度に弱くすることができる。大きなアイテムや複数のパッチ、錠剤、錠剤、ゲルタブ等が封入されている場合、カードにはアクセス用のミシン目窓があってよい。一態様では、例えば、本発明の錠剤、錠剤、ゲルタブ等のアイテムのためのより安全なブリスターパックを用いてよく、それらは2つの真空成形PVCシートが端で噛み合うように構成してよく、その中に情報カードを入れることができる。
一態様では、ブリスターパッケージは、製品(例えば、本発明の組み合わせ)を収納する熱成形された「ブリスター」と、前面に接着剤コーティングが施されたプリントカードである「ブリスターカード」という少なくとも2つの要素(例えば、本発明の薬剤の多成分配合物である。)で構成される。組立工程では、一般的なPVC製ブリスター要素がブリスターマシンを用いてブリスターカードに取り付けられる。従来のブリスターパックは密封してもよい。
【0088】
本明細書で論じるように、本発明の製造品は、本発明の治療薬の組み合わせを単独又は組み合わせて、「ブリスターパッケージ」として、又は複数のパケットとして包装することを含み、これには、蓋付きブリスターパッケージ、蓋付きブリスターカード又はブリスターカード又はパケット、又はシュリンクラップがあげられる。
一態様では、キット又はブリスターパックを含む本発明の製造品のいずれも、本発明の薬剤をいつ、どのように服用するかを患者に思い出させるのに役立つ記憶補助具を含む。
【0089】
治療キットは、当業者に周知の様々な形態で構築することができる。キットは、毎日のレジメンに従って投与するための活性剤の少なくとも1つの単位投与量と、単位投与量を含む手段を含む。
【0090】
治療キットは、例えば、毎日一回、毎日二回、毎日三回、毎日四回、毎日複数回、又は他の投与レジメン用に構築することができる。キットは、本発明の薬剤を毎日投与するための手段を含む。一実施形態では、キットは約1~約4単位の投与量を含む。
【0091】
一実施形態では、単位投与量を含む手段はカードであり、例えば、折り畳むことができるカードを含む。このカードは、キットに関連付けることができるさらなるオプションカード、サーキュラー、又はその他のそのような材料と区別するために、ここではメインカード、又はあるいはプリンシパルカード又はファーストカードという。このメインカードは、閉じた本の背表紙に似た背骨を示すように、単純な折り目又は二重の折り目で折りたたんだりすることができる。メインカードは、印刷可能な表面、すなわち、製品名、適当な管理指示、製品情報、図面、ロゴ、記憶補助、カレンダー機能等を印刷できる表面を構成することができる。メインカードは、当該単位用量又は1日の異なる時間帯に指定された異なる用量を含む手段と、当該単位用量又は用量を管理するための記憶補助を含んでよい。メインカードは、特に2つ以上のラミネートされた板紙表面から作製された場合、例えば折りたたまれたカードの内側板紙表面の1つにスリット又はポケットを構成することができる。スリット又はポケットは、着脱可能なセカンダリカード、すなわちメインカードに恒久的に取り付けられたり固定されたりしない第2のカード又はインサートカードを収容するために用いてよい。
記憶補助には、曜日、すなわち日曜日、月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日、土曜日のリストを含めることができ、患者が治療を行う希望の曜日を選択してカードに示すための適当なスペースを含めることができる。記憶補助には、患者が選択し、カードに治療を行う望ましい時間(例:AM、PM、正午)を示すための適当なスペースを備えた時間帯のリストを含めることができる。記憶補助には、カレンダーやデイマインダー等の目的の表面への簡単な取り外しと再固定を容易にするために、適当な感圧接着剤を備えた着脱可能なシールを含めることもできる。着脱可能なシールは、メインカード上に配置することも、メインカードのオプションのスリットに容易に挿入したり取り外したりできるように構成されたセカンダリカード上に配置することもできる。さらに、オプションのスリットには、さらなる患者情報やその他の回覧を含めることができる。
当該単位投与量を収容するための他の手段としては、当該単位投与量を投与するための印刷ラベル等の記憶補助具を含むボトルやバイアルがあげられる。ラベルには、カレンダーやデイマインダーに配置するための着脱可能なリマインダーステッカーを含めることもでき、患者が投与量をいつ服用するか、又は投与量がいつ服用されたかをさらに思い出すのに役立つ。
以下の例を参照して、発明の詳細を説明するが、本発明はこれに限定されるものではないことを理解すべきである。
【実施例1】
【0092】
本明細書に記載される経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、プロパノール等)のこれらに限定されないC1-C20アルコール、多価アルコール、(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン等)等のこれらに限定されないグリコール類、グリコール類の誘導体、(N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン等)等のこれらに限定されないピロリドン類、(ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド等)等のこれらに限定されないスルホキシド類、ジメチルイソソルビド、鉱油、植物油、水、極性溶媒、半極性溶媒、非極性溶媒、(エタノール、プロパノール、酢酸エチル、アセトン、メタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、IPA、ヘキサン)等のマトリクスパッチを作るのに用いることができるがこれに限定されない揮発性化学物質、酢酸、乳酸、レブリン酸等の酸、塩基等の酸、ペンタン、ジメチルホルムアミド、ブタン、脂質等、をこれらに限定されずに、単独又はこれらの組み合わせた溶媒を含むことができる。より好ましくは0.01%~95%のw/w又はw/vの範囲である。例示的な実施形態では、本明細書に記載される製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度の溶媒を含んでよい。例示的な実施形態では、本明細書に記載される製剤は、約30~99%、約35%~95%、約40%~約90%w/wの濃度の溶媒を含んでよい。本明細書に記載される例示的な製剤では、溶媒は、約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度である。
【実施例2】
【0093】
本明細書に記載される経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:天然ポリマー、多糖類およびその誘導体(寒天、アルギン酸及びその誘導体、カシアトラ、コラーゲン、ゼラチン、ゲルムガム、グアーガム、ペクチン、カリウム又はカラギーナンナトリウム、トラガカンス、キサンタム、コパルガム、キトサン、樹脂等)、セルロース及びその誘導体に限定されないような半合成重合体及び(メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)これらに限定されないその誘導体、カルボキシビニルポリマー又はカルボマー等のそれらに限定されない合成重合体及びその誘導体(カルボポール940、カルボポール934、カルボポール971p NF)、ポリエチレン及びその共重合体等の粘土、(ケイ酸塩、ベントナイト)、二酸化ケイ素、ポリビニルアルコール、アクリルポリマー(オイドラギット)、アクリル酸エステル、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンホモポリマー及びポリビニルピロリドン共重合体(PVP、コリドン30、ポロキサマー)、イソブチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、天然ゴム、合成ゴム、(bio psa 4302、bio-psa 4501、bio-psa 4202等)等のシリコーン重合体等の感圧接着剤、(duro-tak 87-2156、duro-tak 387-2287等)等のアクリル感圧接着剤、(ポリイソブチレン低分子量、中分子量ポリイソブチレン、分子量35000ポリイソブチレン等)等のポリイソブチレン、アクリル系共重合体、ゴム系接着剤、ホットメルト接着剤、スチレン-ブタジエン共重合体、ベントナイト、すべての水及び/又は有機溶媒膨潤性重合体等を、これらに限定されず、当業者に公知のゲル化剤及び/又は増粘剤及び/又は懸濁剤を単独又はそれらの組み合わせで含むことができる。好ましくは0.1%~70%w/w又はw/vの範囲内で含む。
本明細書に記載される製剤は、ゲル化剤及び/又は増粘剤及び/又は懸濁剤を、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度の溶媒を含んでよい。例示的な実施形態では、本明細書に記載される製剤は、本開示の製剤は、製剤の約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度のゲル化剤及び/又は増粘剤及び/又は懸濁剤を含んでよい。本明細書に記載される例示的な製剤では、ゲル化剤及び/又は増粘剤及び/又は懸濁剤は、約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度である。
【実施例3】
【0094】
本明細書の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:スルホキシド及び類似の化学物質であって、例えば、これらに限定されない(ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、デシルメチルスルホキシド、ジメチルイソソルビド等)、1,3-ブタンジオール、アゾン、ピロリドン類であって、例えば、これらに限定されない(N-メチル-2-ピロリドン、2-ピロリドン等)、脂肪酸エステル類であって、例えば、これらに限定されない(モノラウリン酸プロピレングリコール、エタン酸ブチル、エタン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、エタン酸メチル、デシクロオレイン酸エステル、モノオレイン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ラウリン酸ラウリル、乳酸ラウリル、オレイン酸エチル等)、脂肪酸類であって、例えば、これらに限定されない(カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、リノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸等)、アルコール類、脂肪アルコール類及びグリコール類であって、例えば、これらに限定されない(オレイルアルコール、エタノール、ドデカノール、プロピレングリコール、グリセロール等)、エーテルアルコール類であって、例えば、これらに限定されない(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、尿素、トリアセチン等でこれに限定されないトリグリセリド、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、脂肪アルコール類のエステル類、精油類、界面活性剤型促進剤であって、例えば、これらに限定されない(brij、ラウリル硫酸ナトリウム、tween、ポリソルベート)、テルペン、テルペノイド及び書籍「Percutaneous Penetration Enhancers」(Eric W.Smith,Howard I.Mailbach,2005.Nov,CRC press)で言及されているすべての浸透促進剤又は透過促進剤等、をこれらに限定されずに、単独又はこれらの組み合わせた浸透促進剤又は透過促進剤を含むことができる。より好ましくは0.01%~95%のw/w又はw/vの範囲である。本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度の透過促進剤を含んでよい。例示的な実施形態では、本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度の浸透促進剤又は透過促進剤を含むことができる。本開示の例示的な製剤では、透過促進剤は約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度である。
【実施例4】
【0095】
本明細書の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:グリセロール及びそのエステル、リン酸エステル、グリコール誘導体、糖アルコール、セバシン酸エステル、クエン酸エステル、酒石酸エステル、アジピン酸塩、フタル酸エステル、トリアセチン、オレイン酸エステル等の可塑剤、並びに、書籍『Handbook of Plasticizers』(George Wypych,2004,Chem Tec Publishing)で言及されている経皮薬物送達システムで用いられうるすべての可塑剤を、単独又はそれらの組み合わせで当業者に公知である可塑剤を含めることができる。より好ましくは0.01%~95%のw/w又はw/vの範囲である。本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度の可塑剤を含んでよい。例示的な実施形態では、本明細書に記載の製剤は、約、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、及び約40%~約64%w/wの濃度の可塑剤を含んでよい。より好ましくは例示的な実施形態では、本開示の製剤の可塑剤は、約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度である。
【実施例5】
【0096】
本明細書の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:ワセリン、ラノリン、鉱油、ジメチコン、酸化亜鉛、グリセリン、プロピレングリコール及びその他を、単独又はそれらの組み合わせが当業者に公知である皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激軽減剤及び類似の化合物又は化学物質を含めることができる。より好ましくは0.01%~95%のw/w又はw/vの範囲である。本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度の皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激軽減剤及び類似の化合物又は化学物質を含むことができる。本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、及び約40%~約64%w/wの濃度の皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚刺激軽減剤及び類似の化合物を含むことができる。本開示の例示的な製剤では、pH緩衝補助剤及びpH安定剤、並びこれらに類似化合物は約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度である。
【実施例6】
【0097】
本明細書の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:(ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80等)等のこれらに限定されないポリソルベート(例:TWEEN(登録商標))、(span80、span20等)等のこれらに限定されないスパン、(アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性)等のこれらに限定されない界面活性剤、モノカプリル酸プロピレングリコールI型、モノカプリル酸プロピレングリコールII型、ジカプリル酸プロピレングリコール、中鎖トリグリセリド、モノラウリン酸プロピレングリコールII型、リノレオイルポリオキシル6グリセリド、カプリルグリセリド、オレイル-ポリオキシル-1-6-グリセリド、ラウロイルポリオキシル6グリセリド、オレイン酸エチル、ポリグリセリル-3-ジオレイン酸、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド等、シクロデキストリン、LABRASOL(登録商標)(aカプリロカプロイルマクロゴルグリセリド、カプリロカプロイルマクロゴール-8グリセリドEP、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリドNF)等を、単独又はそれらの組み合わせで当業者に公知である溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤、及びこれらに類する化合物又は化学物質を含めることができる。より好ましくは0.01%~95%のw/w又はw/vの範囲である。本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度の可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤及びこれらに類する化合物又は化学物質を含めることができる。本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、及び約40%~約64%w/wの濃度の可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤及びこれらに類する化合物又は化学物質を含めることができる。本開示の例示的な製剤では、可溶化剤、界面活性剤、乳化剤、分散剤及びこれらに類する化合物又は化学物質は、約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度である。
【実施例7】
【0098】
製剤中の高度に精製されたCBDの安定性及び/又は溶解性を高めるために、コーティング、カプセル化、マイクロカプセル化、ナノカプセル化、凍結乾燥、キレート剤、錯化剤等に制限されることなく、異なる技術及び成分を用いることができる。
【実施例8】
【0099】
本明細書の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:リン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤等、かつ、(カルボン酸、無機酸、スルホン酸、ビニル性カルボン酸その他)等のこれらに限定されない酸、(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、トリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム)等のこれらに限定されない塩基等を、単独又はそれらの組み合わせで当業者に公知であるpH緩衝補助剤及びpH安定剤、並びこれらに類似化合物であって、製剤のpHを、好ましくは、4.0~8.0の範囲内に、維持するのに役立つ化合物を含めることができる。より好ましくは0.01%~30%のw/w又はw/vの範囲である。本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度の補助pH緩衝剤及びpH安定剤及び類似の化合物を含めることができる。本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、及び約40%~約64%w/wの濃度の補助pH緩衝補助剤及びpH安定剤、並びこれらに類似化合物を含めることができる。本開示の例示的な製剤では、補助pH緩衝補助剤及びpH安定剤、並びこれらに類似化合物は約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度である。特定の実施形態では、製剤のpHは、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、又は約8.0に維持される。ある実施形態では、製剤のpHは、約4.0~約8.0、約4.5~約7.5、又は約5.0~約7.0の範囲に維持される。
【実施例9】
【0100】
本明細書の経皮製剤及び/又は局所製剤は、当業者に公知である以下の:(メタ重亜硫酸ナトリウム、クエン酸、アスコルビン酸、BHA、BHT)、酸化剤、安定剤、変色剤、防腐剤及び安定剤を得るのに役立つ当業者に公知である類似の化合物又は化学物質等の抗酸化剤等を、単独又はそれらの組み合わせで当業者に公知である抗酸化剤を含めることができる。より好ましくは0.01%~50%のw/w又はw/vの範囲である。本開示の製剤は、製剤の約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約75%、及び約80%の濃度の酸化防止剤を含めることができる。本開示の製剤は、約1~20%、約5%~25%、約10%~約20%、又は約15%~約18%、約30%~約70%、約35%~約65%、約63.13%、及び約40%~約64%w/wの濃度の酸化防止剤を含めることができる。本明細書に記載される例示的な製剤では、酸化防止剤は、約1質量%~75質量%、好ましくは2質量%~30質量%、より好ましくは5質量%~20質量%の濃度である。
【実施例10】
【0101】
本開示の経皮吸収型製剤及び/又は外用製剤は、当業者に公知の軟膏、又はクリームベースの剤形で製剤化することができる。
【実施例11】
【0102】
本開示のパッチ形態の経皮送達システムを作製するための材料は、当業者に公知の以下の:例えば、リザーバパッチ、マトリクスパッチ、接着剤中の薬剤、経皮フィルム等であり、かつ、これらに限定されないが、重合体、共重合体、誘導体、支持フィルム、剥離膜、剥離ライナー等を、単独又はそれらの組み合わせで含むことができる。感圧接着剤(これらに限定されない、シリコーン重合体、ゴム系接着剤、アクリル重合体、アクリル系共重合体、ポリイソブチレン、アクリル酸イソオクチルアクリル酸共重合体、ホットメルト接着剤、ポリブチレン等)、支持フィルム(これらに限定されない、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、金属箔、ポリエステル、アルミ化ドフィルム、ポリエチレン等)、剥離膜(これらに限定されない、マイクロポーラスポリエチレン膜、マイクロポーラスポリプロピレン膜、速度制御エチレン酢酸ビニル共重合体膜等)、離型ライナー(これらに限定されない、シリコン型ポリエステルフィルム、フルオロ重合体コーティングされたポリエステルフィルム、ポリエステルフィルム、シリコン型ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、及びテープ等である。
【0103】
本開示の経皮製剤及び/又は外用製剤及び/又は経皮送達システムは、少なくとも治療有効量の高純度CBDを送達しうる。パーキンソン病の治療及び/又は予防に必要なヒト血漿中の治療有効高精製CBD、単独又はそれらの組み合わせである。治療有効量の高純度CBDは、パーキンソン病の治療及び/又は予防に必要なヒト血漿中の治療濃度を意味する。さらに、経皮製剤又は局所製剤又は経皮送達システムにおける高度に精製されたCBDの正確な治療有効用量は、患者の状態等の要因に基づいて当業者が決定することができるが、これらに限定されない。さらに、経皮製剤又は局所製剤又は経皮送達システムにおける高度に精製されたCBDは、異なる用量強度及びパッチサイズで利用可能であり、患者の要求に基づいて最適な治療結果が達成される。
【0104】
さらに他の実施形態では、本開示の経皮製剤及び/又は外用製剤及び/又は経皮送達システムは、少なくとも治療有効量の高純度CBDを送達しうる。治療有効量の高純度CBDは、患者におけるパーキンソン病の治療及び/又は予防及び/又は制御に必要なヒト血漿中のその高純度CBDの治療濃度をいう。
【0105】
高純度CBDの経皮製剤又は経皮パッチ剤は、好ましくはこれに限定されないが、1日に1回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、週に1回、約8日~約13日の範囲で1回、2週間に1回、15日に1回のいずれかの用法や用量で粘膜表面に塗布することができる。
【実施例12】
【0106】
【表1】
【実施例13】
【0107】
経皮送達用の合成デルタ-9-thc(THC)及びカンナビジオール(CBD)製剤(製剤番号001、002、003、004、005)を表1に示す成分を混合して調製した。
【0108】
【表2】
次に、CBD及び/又はTHCを添加剤混合物に加え、最終的な経皮製剤を調製した。次に、調製した経皮製剤を以下のようにフラックス測定試験にかけた。-80°Cで保存されたヒト死体の皮膚を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で、室温で解凍し、研究で用いる前に、欠陥がないか目視検査した。次に、円筒状ドナーコンパートメントと13mLの容量の他のウォータージャケット付き円筒状受容体コンパートメントを含む標準的なフランツ拡散細胞を用いて、経皮流束を測定した。ヒト死体の皮膚を、真皮側を受容体区画に向けて2つの区画の間にクランプした。ドナーコンパートメントを、上記のように調製された経皮CBD及び/又はTHC製剤で充填した。受容体コンパートメントを受容体培地で充填し、一定の温度で保持し、CBD及び/又はTHCが皮膚を介して受容体コンパートメントに拡散する際に、それを収集するために絶えず撹拌した。受容液が常に皮膚に接触していることを確認することが重要である。CBD及び/又はTHCの分析のために24時間間隔で受容体コンパートメントを空にし、新鮮な受容体溶液に置換した。受容体コンパートメントのシンク状態を維持するためには、受容体コンパートメント内のCBD及び/又はTHCの濃度を溶解度の10%未満に保つことが重要である。実験条件を表2に示す。CBDとTHCを除く表1の全成分を18時間撹拌して混合した。次に、CBDとTHCを賦形剤混合物に加え、経皮製剤を最終調製した。
【0109】
【表3】
ヒトの死体皮膚を通過するCBDとTHCのフラックスを最低72時間(3日間)測定し、フラックス測定の結果を表3及び表4に示す。
【0110】
【表4】
【実施例14】
【0111】
経皮送達用の合成カンナビジオール(CBD)製剤(製剤番号047-055)を、表5に示す成分を混合して調製した。
【0112】
【表5】
上記の材料(表5)を18時間かき混ぜた後、市販のベンチトップスプレッダーを用いて、8x14インチの剥離ライナー(3M 9744等)のシートにマトリクスを0.5mmの厚さに均等に広げる。次に、シートを86Fのオーブンに120分間入れて、酢酸エチル接着溶媒を蒸発させる。次に、光や酸化的劣化を抑制するために酸素透過性の低い不透明な支持膜(3M 9730NRフィルム等)を、気泡や空隙の形成を避けるために手で慎重に塗布する。円形のダイス(直径1.5インチ)を用いて、その後の研究でパッチ(1.76平方cm)に切断する。乾燥後、薬物接着マトリックスの表面密度は2~30mg/sqcmであり、5%w/wのCBDを含む。
調製された製剤を以下のように放出試験にかけた:パッチ(n=3)の質量を測定した後、剥離ライナーを除去し、パッチを15mlの受入媒体と共に20mlのシンチレーションバイアルに入れた。受入媒体は0.5%Brij(O)20を含むpH7.4のPBS溶液であった。バイアルを20RPMで一晩ローラーの上に置いた。試料は24時間ごと、最長72時間までに回収し、その都度媒体を完全に交換した。その後、試料についてHPLCを行い、異なる製剤由来のCBDの%放出を測定した。
調製された製剤は、薬物含有量の均一性についても分析した。パッチ(n=3)を各製剤について秤量し、剥離ライナーを除去し、パッチ(剥離ライナーを含む)を15mlの溶液IPA:エタノール(190プルーフ)(50:50)と共に20mlのシンチレーションバイアルに入れた。その後、バイアルを20RPMでローラー上に置き、一晩放置した。各バイアルから試料を取り出し、試料をHPLCで分析し、各製剤の薬物含有量を測定した。
【0113】
【表6】
マトリクスシステムを介したCBDの%放出を最低48時間(2日間)測定し、%放出の結果を表7に示す。
【0114】
【表7】
薬物含有量調査では、すべての製剤でCBDの抽出回収率が96~107%であることが示された。さらに、放出試験では、シリコーン接着剤4501は最初の24時間以内に90%以上が放出された。以下は放出プロファイルに基づくCBD製剤として最適な接着剤である
BIOPSA-4501>2054=2194>2074>2516>2852=2287>9301
放出研究により、官能基と架橋剤がアクリル系接着剤からのCBD放出に影響することが示された。今回の研究によれば、-COOH官能基と架橋剤を含むアクリル粘着剤により、すべてのアクリル系接着剤パッチからのCBDは最大放出された。
【実施例15】
【0115】
経皮送達用のさらなる合成カンナビジオール(CBD)製剤(製剤番号057~064)を表8に示す成分を混合して調製した。
【0116】
【表8】
経皮送達用の合成カンナビジオール製剤(057-064)を、実施例14と同じ手順で調製した。次に、調製した経皮製剤を以下のようにフラックス測定試験にかけた。-80°Cで保存されたヒト死体の皮膚を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で、室温で解凍し、研究で用いる前に、欠陥がないか目視検査した。次に、円筒状ドナーコンパートメントと13mLの容量の他のウォータージャケット付き円筒状受容体コンパートメントを含む標準的なフランツ拡散細胞を用いて、経皮流束を測定した。ヒト死体の皮膚を、真皮側を受容体区画に向けて2つの区画の間にクランプした。ドナーコンパートメントを、上記のように調製された経皮CBD製剤で充填した。受容体区画を受容媒体で充填し、一定の温度で保持し、CBDが皮膚を介して受容体区画に拡散する際にCBDを収集するために常に撹拌した。受容液が常に皮膚に接触していることを確認することが重要である。CBD分析のために24時間間隔で受容体区画を空にし、新鮮な受容体溶液に置換した。受容体区画のシンク状態を維持するためには、受容体区画内のCBD濃度を溶解度の10%未満に保つことが重要である。実験条件を表9に示す。
【0117】
【表9】
ヒトの死体皮膚を通過するCBDのフラックスを最低96時間(4日間)測定し、フラックス測定の結果を表10に示す。流束研究の完了後、使用済みパッチを慎重に取り外し、IPA:エタノール(50:50)を用いて使用済みパッチからCBDを抽出した。ヒトの死体の皮膚もIPA:エタノール(50:50)に浸してCBDを抽出した。試料を、HPLCを用いて分析した。表6のデータに皮膚及びパッチに残存するCBDの量を示す。
【0118】
【表10】
【実施例16】
【0119】
経皮送達用のさらなる合成カンナビジオール(CBD)製剤(製剤番号102から106)を表11に示す成分を混合して調製した。
【0120】
【表11】
経皮送達用の合成カンナビジオール製剤(102-106)を、実施例14と同じ手順で調製した。インビトロフラックス試験を実施例15と同じ手順で実施した。ヒトの死体皮膚を通過するCBDの流束を最低144時間(6日間)測定し、流束測定の結果を表8に示す。
【0121】
【表12】
【実施例17】
【0122】
経皮送達用のさらなる合成カンナビジオール(CBD)製剤(製剤番号060)を表13に示す成分を混合して調製した。
【0123】
【表13】
経皮送達(060)用の合成カンナビジオール製剤を実施例14で説明したのと同じ手順で調製した。インビトロ流束試験は、実施例2で説明したのと同じ手順で実施した。受容媒体(RM)の効果を様々なRMを用いて評価した:
1)0.5%w/w水中のBrijO20、2)1%w/w水中のBrijO20:0.5%エタノール(50:50)、4)0.5%w/w水中のBrijO20:エタノール(90:10)、5)0.5%w/w水中のBrijO20:エタノール(80:20)、6)0.5%w/w水中のBrijO20:エタノール(70:30)、7)0.5%w/w水中のBrijO20:PEG400(60:40)。
ヒトの死体皮膚を通過するCBDの流束を最低168時間(7日間)測定し、流束測定の結果を表14、表15及び表16に示す。
【0124】
【表14】
【0125】
【表15】
【0126】
【表16】
【実施例18】
【0127】
経皮送達用のさらなる合成カンナビジオール(CBD)製剤(製剤番号102及び104)を表17に示す成分を混合して調製した。
【0128】
【表17】
経皮送達用の合成カンナビジオール製剤(102及び104)を、実施例14と同じ手順で調製した。
インビトロ流束試験は、実施例2で説明したのと同じ手順で実施した。複数の異なるRMを用いて、受容媒体(RM)の効果を評価した:
1)水中0.5%w/w BrijO20、及び2)水中0.5%w/w BrijO20:エタノール(50:50)。ヒトの死体皮膚を通過するCBDの流束を、最低120~144時間(5~6日)測定し、流束測定の結果を表23に示す。
ヒトの死体皮膚を通過するCBDの流束を、最低120~144時間(5~6日)測定し、流束測定の結果を表18に示す。
【0129】
【表18】
本発明は、その具体例を参照して詳細に説明されているが、その精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】