(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-05
(54)【発明の名称】配備可能な遠隔制御式純粋次亜塩素酸製造システム及び方法
(51)【国際特許分類】
C25B 1/26 20060101AFI20230829BHJP
C25B 1/46 20060101ALI20230829BHJP
C25B 15/08 20060101ALI20230829BHJP
C25B 15/031 20210101ALI20230829BHJP
C25B 15/029 20210101ALI20230829BHJP
C25B 15/023 20210101ALI20230829BHJP
C25B 9/19 20210101ALI20230829BHJP
C02F 1/461 20230101ALI20230829BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20230829BHJP
【FI】
C25B1/26 C
C25B1/46
C25B15/08 302
C25B15/031
C25B15/029
C25B15/023
C25B9/19
C02F1/461 A
C25B9/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023508005
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 US2021044973
(87)【国際公開番号】W WO2022032115
(87)【国際公開日】2022-02-10
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518451079
【氏名又は名称】ブリオテック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】テリー,ダニエル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,ジェフリー エフ.
(72)【発明者】
【氏名】デイ,ロバート
【テーマコード(参考)】
4D061
4K021
【Fターム(参考)】
4D061DA02
4D061DA03
4D061DB10
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4K021AA01
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4K021DC01
4K021DC03
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4K021DC15
(57)【要約】
配備可能な可搬式の高容量のローカライズされた製造ユニットで高い効力の、安全で一貫して純粋で安定な真正HOClを生成するためのHOCl製造システムが開示される。電解方法は、配備可能な遠隔制御式製造システムを使用する。この方法は、フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御することと、調整可能な及び高電流の電源によって電解槽にフィードバック制御された電流を印加することと、フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加し、水性混合物を作製することと、フィードバック制御されたアクチュエータを介して水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することと、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない次亜塩素酸水を生成することとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配備可能な遠隔制御式製造システムを使用した電解方法であって、
遠隔起動に応答して、フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御することと、
前記遠隔起動に応答して、調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽にフィードバック制御された電流を印加することと、
前記遠隔起動に応答して、フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加し、水性混合物を作製することと、
前記遠隔起動に応答して、前記フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することと、
次亜塩素酸水をアノード室出口で、及び水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成することであって、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することと、
を含む、電解方法。
【請求項2】
前記水性混合物に前記水酸化ナトリウムを添加することは、脱気槽及びポンプを介して前記カソード室出口から前記アノード室入口に前記水酸化ナトリウムを添加することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水性混合物に前記水酸化ナトリウムを添加することは、電解機構と無関係の水溶液から前記水酸化ナトリウムを添加することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アノード室出口で生成された前記次亜塩素酸水はアノード液バッファタンクに案内される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記カソード室出口で生成された前記水酸化ナトリウム水溶液はカソード液バッファタンクに案内される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記次亜塩素酸水は、金属カチオン、過ヨウ素酸塩、リン酸塩緩衝液、炭酸塩緩衝液、及びハロゲン安定化能を持つ有機化合物を含有しない、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
滴定を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
入力成分として酸を全く使用しない、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記次亜塩素酸水は、720センチメートル
-1~740センチメートル
-1のラマン分光法値範囲を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記次亜塩素酸水のpHバランスは、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記次亜塩素酸水中のHOClの百万分率(PPM)は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記次亜塩素酸水の塩濃度は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記次亜塩素酸水の酸化還元電位(ORP)は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記次亜塩素酸水中の遊離塩素濃度の量は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
水素ガスが前記電解槽の前記カソード室出口で発現し、塩素と酸素の混合ガスが前記電解槽の前記アノード室出口で発現する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記水素ガスは空気と水素が約1000:1の混合物であり、安全に排出される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記塩素と酸素の混合ガスは、活性炭ブロック吸着フィルタを含む閉じたシステム内で交換される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記活性炭ブロック吸着フィルタは塩素センサで監視される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
給水源からの水は、部分的に溶解した固形物が濾過されている、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
給水源からの水は、病原体を失活させる又は除去するために処理されている、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
給水源からの水は、不溶性金属を除去するために脱イオン化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得することと、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節することと、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
配備可能な遠隔制御式の次亜塩素酸(HOCl)製造システムを使用した電解方法であって、
フィードバック制御された水圧をアノード液メータリングバルブ及びカソード液メータリングバルブに提供することと、
電解槽のアノード室入口及びカソード室入口を通って前記電解槽に入る水流量を制御することと、
前記電解槽への水の流入中に、調整可能な及びフィードバック制御された高電流の電源によって前記電解槽に電流を印加することと、
フィードバック制御されたポンプを介して前記アノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加し、水性混合物を作製することと、
前記フィードバック制御されたポンプを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することと、
次亜塩素酸水をアノード室出口で、及び水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成することであって、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することと、
を含む、電解方法。
【請求項24】
前記水性混合物に前記水酸化ナトリウムを添加することは、脱気槽及びポンプを介して前記カソード室出口から前記アノード室入口に前記水酸化ナトリウムを添加することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記水性混合物に前記水酸化ナトリウムを添加することは、電解機構と無関係の水溶液から前記水酸化ナトリウムを添加することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記アノード室出口で生成された前記次亜塩素酸水はアノード液バッファタンクに案内される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記カソード室出口で生成された前記水酸化ナトリウム水溶液はカソード液バッファタンクに案内される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記次亜塩素酸水は、金属カチオン、過ヨウ素酸塩、リン酸塩緩衝液、炭酸塩緩衝液、及びハロゲン安定化能を持つ有機化合物を含有しない、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
滴定を含まない、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
入力成分として酸を全く使用しない、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記次亜塩素酸水は、ラマン分光法によって特徴付けられた場合に720センチメートル
-1~740センチメートル
-1の範囲のラマン分光法ピークを有する、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記次亜塩素酸水のpHバランスは、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記次亜塩素酸水中の前記HOClの百万分率(PPM)は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
前記次亜塩素酸水の塩濃度は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項23に記載の方法。
【請求項35】
前記次亜塩素酸水の酸化還元電位(ORP)は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項23に記載の方法。
【請求項36】
前記次亜塩素酸水中の遊離塩素濃度の量は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項23に記載の方法。
【請求項37】
水素ガスが前記電解槽の前記カソード室出口で発現し、塩素と酸素の混合ガスが前記電解槽の前記アノード室出口で発現する、請求項23に記載の方法。
【請求項38】
前記水素ガスは空気と水素が約1000:1の混合物であり、安全に排出される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記塩素と酸素の混合ガスは、活性炭ブロック吸着フィルタを含む閉じたシステム内で交換される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記活性炭ブロック吸着フィルタは塩素センサで監視される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得することと、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節することと、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整することと、
を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項42】
水圧を使用して電解槽への水流量を制御することと、
電源によって前記電解槽に電流を印加することと、
塩化ナトリウムブラインをアノード室入口に添加し、水性混合物を作製することと、
前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することと、
前記電解槽から次亜塩素酸水を生成することであって、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することと、
を含む、電解方法。
【請求項43】
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得することと、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節することと、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節及び前記水流量の調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整することと、
を更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
配備可能な遠隔制御式製造システムを使用した電解システムであって、
前記システム内のセンサを監視する監視システムと、
前記被監視センサからデータを送信し、命令を受け取る通信システムと、
プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、前記コンピュータ命令は、前記受け取った命令を有する前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御させ、
調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽にフィードバック制御された電流を印加させ、
フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、
前記フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させ、
次亜塩素酸水をアノード室出口で、及び水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成させ、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、
制御システムと、
を含む、システム。
【請求項45】
制御システムは、プロセッサと更なるコンピュータ命令を格納するメモリとを含み、前記更なるコンピュータ命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得させ、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節させ、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整させる、
請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
配備可能な遠隔制御式製造システムを使用した電解システムであって、
1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムであって、各配備可能な遠隔制御式製造システムは、
前記システム内のセンサを監視する監視システムと、
前記被監視センサからデータを送信し、命令を受け取る通信システムと、
プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、前記コンピュータ命令は、前記受け取った命令を有する前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御させ、
調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽にフィードバック制御された電流を印加させ、
フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、
前記フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させ、
次亜塩素酸水をアノード室出口で、及び水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成させ、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、
制御システムと、
を含む、1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムと、
ベースキャンプユニットであって、
前記1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムを監視する監視システムと、
前記1つ以上の配備可能な遠隔制御式HOCl製造システムに及び前記1つ以上の配備可能な遠隔制御式HOCl製造システムからデータを送信する通信システムと、
プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、前記コンピュータ命令は、受け取った命令を有する前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムから情報を受け取らせ、
前記1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムに命令を送らせる、
制御システムと、
を含む、ベースキャンプユニットと、
を含む、電解システム。
【請求項47】
制御システムは、プロセッサと更なるコンピュータ命令を格納するメモリとを含み、前記更なるコンピュータ命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得させ、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節させ、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整させる、
請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
配備可能な遠隔制御式次亜塩素酸(HOCl)電解製造システムであって、
水が取得される水供給タンクと、
ブライン水が取得されるブライン水供給タンクと、
アノード液室入口とカソード液室入口とアノード室出口とカソード室出口とを有する電解槽と、
前記水供給タンクから前記電解槽のカソード液メータリングバルブへの導管と、
前記ブライン水供給タンクから前記電解槽のアノード液メータリングバルブへの導管と、
前記水供給タンクから前記電解槽の前記カソード液メータリングバルブへの前記導管と関連付けられた供給ポンプと、
前記ブライン水供給タンクから前記電解槽の前記アノード液メータリングバルブへの前記導管と関連付けられた食塩水メータリングポンプと、
前記電解槽に電流を印加する高電流の電源と、
プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、前記コンピュータ命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
フィードバック制御された水圧を提供することにより前記電解槽への水流量を制御させ、
調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽にフィードバック制御された電流を印加させ、
フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、
前記フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させる、
制御システムと、
を含み、
次亜塩素酸水は前記アノード室出口で生成され、水酸化ナトリウム水溶液は前記カソード室出口で生成され、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、
システム。
【請求項49】
制御システムはプロセッサと更なるコンピュータ命令を格納するメモリとを含み、前記更なるコンピュータ命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得させ、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節させ、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整させる、
請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
配備可能な遠隔制御式次亜塩素酸(HOCl)電解製造システムであって、
電解槽と、
前記電解槽に電流を印加する高電流の電源と、
プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、前記コンピュータ命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
フィードバック制御された水圧を提供することにより前記電解槽への水流量を制御させ、
調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽にフィードバック制御された電流を印加させ、
フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、
前記フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させる、
制御システムと、
を含み、
次亜塩素酸水は前記電解槽から生成され、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、
システム。
【請求項51】
制御システムは、プロセッサと更なるコンピュータ命令を格納するメモリとを含み、前記更なるコンピュータ命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得させ、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節させ、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節及び前記水流量の調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整させる、
請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
製造プロセスで成分を追跡する方法であって、
後に前記製造プロセスで又は前記製造プロセスの後で検出可能な非自明の識別マーカとして機能する化学マーカを前記製造プロセスの成分に導入することと、
前記製造プロセスの後の段階に又は前記製造プロセスの後に、分析手法によって前記成分中の前記化学マーカを識別することと、
前記化学マーカが互いに合致することにより、導入された前記化学マーカを有する前記成分が、識別された前記化学マーカを有する成分と同じ成分であると確認することと、
を含む、方法。
【請求項53】
電解前のブライン又はアノード液流の1つ以上における前記製造プロセスの前記成分、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記分析手法は、分光光度的分析、比色分析、分光法、イオンクロマトグラフィ、炎光光度分析、又は蛍光光度分析の1つ以上を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記非自明の識別マーカは、品質保証、非偽造、盗用、及びブロックチェーン検証のうちの1つ以上のために、前記製造プロセスの前記成分が承認された供給元からのものであることを確認するセキュリティフィンガープリントとして機能する、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
次亜塩素酸(HOCl)製造システムを使用した電解方法であって、
フィードバック制御された水圧をアノード液メータリングバルブ及びカソード液メータリングバルブに提供することと、
フィードバック制御されたポンプを介し、電解槽に、前記電解槽のアノード室入口及びカソード室入口の1つ以上を通って入る追加の塩、バッファ、薬剤、又は触媒を含まない未処理の海水の流量を制御することと、
前記電解槽への水の流入中に、調整可能な及びフィードバック制御された高電流の電源によって前記電解槽に電流を印加することと、
次亜塩素酸水をアノード室出口で生成することであって、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することと、
を含む、電解方法。
【請求項57】
前記次亜塩素酸(HOCl)製造システムによって生成される前記次亜塩素酸水は、その殺ウイルス剤及び殺菌剤としての安定性及び有効性を損なうことなく4回まで凍結可能である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記次亜塩素酸(HOCl)製造システムによって生成される前記次亜塩素酸水は、10%を超える酸化還元電位(ORP)の検出可能な損失を有することなく4回まで凍結可能である、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記次亜塩素酸(HOCl)製造システムによって生成される前記次亜塩素酸水は、その殺ウイルス剤及び殺菌剤としての安定性及び有効性を損なうことなく80Cまで加熱可能である、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記次亜塩素酸(HOCl)製造システムによって生成される前記次亜塩素酸水は、10%を超える酸化還元電位(ORP)の検出可能な損失を有することなく80Cまで加熱可能である、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
前記次亜塩素酸(HOCl)製造システムは船上に配備される、請求項56に記載の方法。
【請求項62】
次亜塩素酸(HOCl)電解製造システムであって、
電解槽と、
前記電解槽に電流を印加する高電流の電源と、
プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、前記コンピュータ命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
フィードバック制御された水圧をアノード液メータリングバルブ及びカソード液メータリングバルブに提供させ、
フィードバック制御されたポンプを介し、前記電解槽に、前記電解槽のアノード室入口及びカソード室入口の1つ以上を通って入る追加の塩、バッファ、薬剤、又は触媒を含まない未処理の海水の流量を制御させ、
前記電解槽への水の流入中に、調整可能な及びフィードバック制御された高電流の電源によって前記電解槽に電流を印加させ、
次亜塩素酸水をアノード室出口で生成させ、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、
制御システムと、
を含む、次亜塩素酸(HOCl)電解製造システム。
【請求項63】
前記次亜塩素酸(HOCl)製造システムによって生成される前記次亜塩素酸水は、その殺ウイルス剤及び殺菌剤としての安定性及び有効性を損なうことなく4回まで凍結可能である、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記次亜塩素酸(HOCl)製造システムによって生成される前記次亜塩素酸水は、10%を超える酸化還元電位(ORP)の検出可能な損失を有することなく4回まで凍結可能である、請求項62に記載のシステム。
【請求項65】
前記次亜塩素酸(HOCl)製造システムによって生成される前記次亜塩素酸水は、その殺ウイルス剤及び殺菌剤としての安定性及び有効性を損なうことなく80Cまで加熱可能である、請求項62に記載のシステム。
【請求項66】
前記次亜塩素酸(HOCl)製造システムによって生成される前記次亜塩素酸水は、10%を超える酸化還元電位(ORP)の検出可能な損失を有することなく80Cまで加熱可能である、請求項62に記載のシステム。
【請求項67】
前記次亜塩素酸(HOCl)製造システムは船上に配備される、請求項62に記載のシステム。
【請求項68】
配備可能な遠隔制御式製造システムを使用した電解システムであって、
前記システム内のセンサを監視する監視システムと、
前記被監視センサからデータを送信し、命令を受け取る通信システムと、
人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上を組み込んだ制御システムであって、前記制御システムは、プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含み、前記コンピュータ命令は、前記受け取った命令を有する前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
機械学習フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御させ、
調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽に機械学習フィードバック制御された電流を印加させ、
機械学習フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、
前記機械学習フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させ、
常時変化する制御パラメータを識別及び修正するために、各制御パラメータの複数の関連効果をリアルタイムで監視させ、
次亜塩素酸水を生成させ、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、
制御システムと、
を含み、
前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、MLアルゴリズムとリアルタイム閉ループ適応学習制御との組み合わせを用いて複数のフィードバック制御ループを互いに調整する、
電解システム。
【請求項69】
前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、前記人工ニューラルネットワーク及びリアルタイム機械学習モデルの1つ以上に影響を及ぼす過去の生産データに基づく一連の機械学習モデルにアクセスし、前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、複数のフィードバック制御ループサイクルを制御し、生産ラン中に、前記システムが自己修正し、HOCl生成プロセスの変化に適応することを可能にする、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
機械学習アルゴリズムとリアルタイム閉ループ適応学習制御との前記組み合わせは、パーティクルスワームオプティミゼーションを含む、請求項68に記載のシステム。
【請求項71】
前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、pH調整パラメータの将来の振る舞いを予測し、pH調整ループ、電解電流、及びブラインのリアルタイム制御を実施する、請求項68に記載のシステム。
【請求項72】
前記電解槽は、層流プレナムに導入される動的渦崩壊入力を用いる、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
前記層流プレナムは、白金とルテニウムイリジウム酸化物とを交互に収容したものである、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
次亜塩素酸(HOCl)製造システムを使用した電解方法であって、
人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上を組み込んだ制御システムにアクセスすることであって、前記制御システムは、プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む、アクセスすることと、
フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御することと、
調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽にフィードバック制御された電流を印加することと、
フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加し、水性混合物を作製することと、
前記フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することと、
常時変化する制御パラメータを識別及び修正するために、各制御パラメータの複数の関連効果をリアルタイムで監視することと、
次亜塩素酸水を生成することであって、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することと、
を含み、
前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、機械学習アルゴリズムとリアルタイム閉ループ適応学習制御との組み合わせを用いて複数のフィードバック制御ループを互いに調整する、
電解方法。
【請求項75】
前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、前記人工ニューラルネットワーク及びリアルタイム機械学習モデルの1つ以上に影響を及ぼす過去の生産データに基づく一連の機械学習モデルにアクセスし、前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、複数のフィードバック制御ループサイクルを制御し、生産ラン中に、前記システムが自己修正し、HOCl生成プロセスの変化に適応することを可能にする、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
機械学習アルゴリズムとリアルタイム閉ループ適応学習制御との前記組み合わせは、パーティクルスワームオプティミゼーションを含む、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、pH調整パラメータの将来の振る舞いを予測し、pH調整ループ、電解電流、及びブラインのリアルタイム制御を実施する、請求項74に記載の方法。
【請求項78】
前記電解槽は、層流プレナムに導入される動的渦崩壊入力を用いる、請求項74に記載の方法。
【請求項79】
前記層流プレナムは、白金とルテニウムイリジウム酸化物とを交互に収容したものである、請求項78に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、純粋次亜塩素酸を製造するためのシステム及び方法に関し、特に、純粋次亜塩素酸を製造するための配備可能な遠隔制御式のシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の説明
世界中のコミュニティは、現在、膨大な課題、すなわち、パンデミック、対処不能な感染症、治癒しない創傷、清潔な飲料水の世界的な不足、及び迫り来る食料不安に直面している。更に、世界中の国々は、高齢化する人口を支える負担を負っている。世界の半数は医療へのアクセスがなく、飲用水及び電力の不足は世界人口の5分の1に影響を及ぼしている。この解決策は、消毒剤として知られてはいるものの分子の非常に不安定な性質のせいで広く普及していない次亜塩素酸(HOCl)として特定される組成物にある。世界中の機器製造業者は、HOCl生成の経時的な一貫性、使用の容易さ、製品の安定性、及びHOClを溶液として提供する費用の現実に関連する課題に対処していない。HOCl製造における一貫性の欠如及び広範な採用の失敗は、既存のシステムの失敗の根拠となる。
【0003】
次亜塩素酸(HOCl)は、その有益な医療、食品消毒、及び感染制御/治療用途のために有用であることが知られており、一般に受け入れられている。HOClは、感染及び外傷に対するヒト及び動物の細胞の活性酸素種(ROS)応答の成分として、生体内での寿命が短い不安定なものであることが知られている。HOClは、その世界中で製造されている形態においては、典型的には、反応性酸化剤種の未定義の混合物であり、水性塩素分子に加えて、安全性が高い(benign)が非常に有効なHOClとともに、次亜塩素酸塩、塩素酸塩、亜塩素酸塩、過塩素酸塩、及び場合により短時間作用オゾン、過酸化物、及び特定できないフリーラジカルのうちの1つ以上の様々な成分からなるハイブリッド組成物である(すなわち、広義には、上記の混入物の1つ以上を有するHOCL混合物を意味する)。これらの成分のいくつかは細胞毒性であり、潜在的に危険であることが知られている。HOCl組成物中に任意の量の次亜塩素酸塩が含まれる場合、次亜塩素酸塩及び他の形態の水溶性塩素へのHOClの変換を急激に加速させる化学反応が起こる。真正の純粋なHOCl(すなわち、狭義には、次亜塩素酸塩、混合酸化剤、又は上記の他の混入物を含有しないHOCl混合物を意味する)は単一の分子実体であるのに、HOClは、制御されていない製造プロセスの粗製の混合酸化剤生成物と同等であると度々誤って特徴付けられ、誤って表示されている。特に、このような状況では、純水及び食塩水は混入物とみなされない。
【0004】
HOClは、多くの場合、有機化合物又は無機化合物を用いた次亜塩素酸塩溶液のpH調整によって生成されるが、そのプロセスは、一貫した終点に到達するために工業規模で制御することが困難なことが知られており、その結果、信頼性が低く、定義があいまいな製品がもたらされ、この場合も、実際にはHOCl混合次亜塩素酸塩/酸化剤溶液である場合に、真正で純粋で安定なHOClと誤って特徴付けられることが多い。HOClは、現場での電解によって塩素発生器(HOCl発生器と誤って表示されることが多い)でも生成されることがあるが、多くの場合、極めて有害なガス(pH1~4の塩素)を放出する過剰量の分子塩素ガス(Cl2)種を含む定義が不十分な水性の低pH混合物を生成する。しかしながら、電解で生成されたHOClを含む典型的な混合酸化剤種は、多くの場合、短い保管寿命及び/又は時間とともに漂白剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウム、NaClO)に分解する成分の存在によって特徴付けられる。
【0005】
更に、多くの製造業者は、そのHOCl製品を「pH中性」であるとして販売促進しているが、「pH中性」は、定義上、pH7.4を有する混合物の分類になり、pH7.4を有する混合物では、水溶性塩素の約50%が次亜塩素酸塩として存在していなければならない。これらの混合酸化剤は不安定な次亜塩素酸塩含有混合物であり、真正の純粋で安定なHOCl製品に代表される単一の分子実体の有効性と安全性を付与しない。したがって、これらの混合物は、安全でないだけでなく、同等のCl含有量を有する純粋なHOClの100分の1の効果であることが知られている。
【0006】
緩衝剤を有する又は有しない、HOClの有用な割合を追求する電解的に発生させた混合酸化剤塩素種は業界で十分に確立されているが、これらは純粋なHOClに比べると有効性がはるかに低い。これらの電解的に発生させた混合酸化剤塩素種は不安定であり、Cl2ガスを放出すれば危険な可能性がある。安全のために、既存のプロセスは、即時の使用を必要とする又は塩素安定剤及び安定化バッファなどの添加剤を必要とするという条件付きで、現場で適用されることが多かった。これらのバッファは認識されるレベルの不純物を生じ、また、ラベルで認められるレベルの次亜塩素酸塩の裏付けとなる。
【0007】
電解によるHOClの製造では、これまでのところ、緩衝系及び/又は金属カチオン、過ヨウ素酸塩、リン酸塩緩衝液、炭酸塩緩衝液、及びハロゲン安定化能を持つ有機化合物を含む様々な安定化実体を組み込むことなく、広範な実用用途に対して十分な安定性を有する水性製剤を生成することはできていない。
【0008】
事実上有用な保管期間にわたり活性形態でのHOClの維持を支えるために従来用いられている添加剤及び化学安定剤は全て、選択される化学的介入に応じて、次亜塩素酸塩及び亜塩素酸塩/塩素酸塩などの水溶性塩素の他の種又は塩素の存在に依存する、又は崩壊が開始した結果、溶液中に出現することになる。これらの成分の多くは、製剤に対する細胞及び組織への毒性効果に寄与し、医療処置におけるそれらの有用性を制限する。次亜ハロゲン酸、HOCl及びHOBr以外のハロゲンの水性種は全て、環境表面に有害な、多くの場合、腐食作用を与え、環境表面を実用的な目的の理想に満たないものにする。
【0009】
HOCl生成に付随する、化学的pH調整(酸滴定)の量制限的で、危険な、信頼できない、困難な性質及びHOClとして不正に販売促進されている混合酸化剤製品の非一貫性の課題に対する回答が必要である。更に、その効果が信頼できず、潜在的に危険な化学混合物をもたらす電解機器で作製されたHOClを一部含有する粗製の未定義の溶液の生成という歴史的課題に対する回答が必要である。更に、それらの混合酸化剤は、時間の経過とともに、及びpHスペクトルにわたり劣化するにつれて効力を失う。したがって、混合酸化剤複合体(すなわち広義)として生成される典型的なHOClは、安定性が低く、一貫性が低く、信頼性が低く、効力が低く、その最も価値の高い用途に採用される可能性は低い。現在の技術では塩素/HOCl/漂白剤混合物が生成される。本開示は、これらの必要性に対処し、他の関連する技術的改善を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
簡潔に述べると、開示される真正HOCl製造システムは、世界中に遠隔配備後に、リアルタイム診断、制御、及び監視のために、イーサネット技術、セルラー技術、又は衛星アップリンク技術の1つ以上を用いてアクセス可能及び遠隔的に制御可能である。真正HOCl製造システムは、システムがどこに配備されていても使用者による品質保証を提供する。
【0011】
本システムは、複雑で高レベルのプロセス制御された製造を伴うが、完全に遠隔的に操作及び制御され得る均一なHOCl生成システムの地球規模の配備を提供する。真正HOCl製造システムは、内部又は外部エネルギー源及び遠隔制御される通信接続を使用して、高生産の純粋次亜塩素酸(HOCl)電気化学製造システムを自動的に運転することができる。
【0012】
遠隔起動に応答して、フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御することと、遠隔起動に応答して、調整可能な及び高電流の電源によって電解槽にフィードバック制御された電流を印加することと、遠隔起動に応答して、フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加し、水性混合物を作製することと、遠隔起動に応答して、フィードバック制御されたアクチュエータを介して水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することと、次亜塩素酸水をアノード室出口で、及び水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成することであって、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することとを含む配備可能な遠隔制御式製造システムを使用した電解方法。
【0013】
本電解方法のいくつかの実施形態の別の態様では、電解槽は、層流プレナムに導入され、水を直線状に回転させて水の構造にエネルギーを与える動的渦崩壊入力を用いる。いくつかの実施形態の更に別の態様では、層流プレナムは、白金とルテニウムイリジウム酸化物とを交互に収容したものである。
【0014】
いくつかの実施形態では、水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することは、脱気槽及びポンプを介してカソード室出口からアノード室入口に水酸化ナトリウムを添加することを更に含んでもよい。他の実施形態では、水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することは、電解機構と無関係の水溶液から水酸化ナトリウムを添加することを更に含む。
【0015】
1つ以上の実施形態では、アノード室出口で生成された次亜塩素酸水はアノード液バッファタンクに案内される。1つ以上の実施形態の別の態様では、カソード室出口で生成された水酸化ナトリウム水溶液はカソード液バッファタンクに案内される。1つ以上の実施形態の更に別の態様では、次亜塩素酸水は、金属カチオン、過ヨウ素酸塩、リン酸塩緩衝液、炭酸塩緩衝液、及びハロゲン安定化能を持つ有機化合物を含有しない。1つ以上の実施形態の更に別の態様では、本方法は滴定を含まない。1つ以上の実施形態の更に別の態様では、本方法は、入力成分として酸を全く使用しない。
【0016】
1つ以上の実施形態では、次亜塩素酸水は、720センチメートル-1~740センチメートル-1のラマン分光法値範囲を有する。1つ以上の実施形態の別の態様では、次亜塩素酸水のpHバランスは、フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である。1つ以上の実施形態の更に別の態様では、次亜塩素酸水中のHOClの百万分率(PPM)は、フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である。
【0017】
1つ以上の実施形態の別の態様では、次亜塩素酸水の塩濃度は、フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である。1つ以上の実施形態の更に別の態様では、次亜塩素酸水の酸化還元電位(ORP)は、フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である。1つ以上の実施形態の更に別の態様では、次亜塩素酸水中の遊離塩素濃度の量は、フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である。
【0018】
1つ以上の実施形態では、水素ガスが電解槽のカソード室出口で発現してもよく、塩素と酸素の混合ガスが電解槽のアノード室出口で発現する。水素ガスは空気と水素が約1000:1の混合物であってもよく、安全に排出される。いくつかの実施形態では、塩素と酸素の混合ガスは、活性炭ブロック吸着フィルタを含む閉じたシステム内で交換されてもよい。活性炭ブロック吸着フィルタは塩素センサで監視されてもよい。給水源は、部分的に溶解した固形物が濾過されている。給水源は、病原体を失活させる又は除去するために処理されている。給水源は、不溶性金属を除去するために脱イオン化されている。
【0019】
別の実施形態では、配備可能な遠隔制御式の次亜塩素酸(HOCl)製造システムを使用した電解方法は、給水源から水を送達することと、フィードバック制御された水圧をアノード液メータリングバルブ及びカソード液メータリングバルブに提供することと、電解槽のアノード室入口及びカソード室入口を通って電解槽に入る水流量を制御することと、電解槽への水の流入中に、調整可能な及びフィードバック制御された高電流の電源によって電解槽に電流を印加することと、フィードバック制御されたポンプを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加し、水性混合物を作製することと、フィードバック制御されたポンプを介して水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することと、次亜塩素酸水をアノード室出口で、及び水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成することであって、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することとを含むものと要約され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することは、脱気槽及びポンプを介してカソード室出口からアノード室入口に水酸化ナトリウムを添加することを更に含む。他の実施形態では、水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することは、電解機構と無関係の水溶液から水酸化ナトリウムを添加することを更に含む。
【0021】
1つ以上の実施形態では、アノード室出口で生成された次亜塩素酸水はアノード液バッファタンクに案内される。1つ以上の実施形態の別の態様では、カソード室出口で生成された水酸化ナトリウム水溶液はカソード液バッファタンクに案内される。1つ以上の実施形態の更に別の態様では、次亜塩素酸水は、金属カチオン、過ヨウ素酸塩、リン酸塩緩衝液、炭酸塩緩衝液、及びハロゲン安定化能を持つ有機化合物を含有しない。1つ以上の実施形態の更に別の態様では、本方法は滴定を含まない。1つ以上の実施形態の更に別の態様では、本方法は、入力成分として酸を全く使用しない。
【0022】
1つ以上の実施形態では、次亜塩素酸水は、720センチメートル-1-740センチメートル-1のラマン分光法値範囲を有する。1つ以上の実施形態の別の態様では、次亜塩素酸水のpHバランスは、フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である。1つ以上の実施形態の更に別の態様では、次亜塩素酸水中のHOClの百万分率(PPM)は、フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である。
【0023】
1つ以上の実施形態の別の態様では、次亜塩素酸水の塩濃度は、フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である。1つ以上の実施形態の更に別の態様では、次亜塩素酸水の酸化還元電位(ORP)は、フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である。1つ以上の実施形態の更に別の態様では、次亜塩素酸水中の遊離塩素濃度の量は、フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である。
【0024】
1つ以上の実施形態では、水素ガスが電解槽のカソード室出口で発現し、塩素と酸素の混合ガスが電解槽のアノード室出口で発現する。水素ガスは空気と水素が約1000:1の混合物であってもよく、安全に排出される。いくつかの実施形態では、塩素と酸素の混合ガスは、活性炭ブロック吸着フィルタを含む閉じたシステム内で交換されてもよい。活性炭ブロック吸着フィルタは塩素センサで監視されてもよい。
【0025】
電解方法は、水圧を使用して電解槽への水流量を制御することと、電源によって電解槽に電流を印加することと、塩化ナトリウムブラインをアノード室入口に添加し、水性混合物を作製することと、水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することと、次亜塩素酸水をアノード室出口で、及び水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成することであって、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することとを含むものと要約され得る。
【0026】
本電解方法のいくつかの実施形態の別の態様では、電解槽は、層流プレナムに導入される動的渦崩壊入力を用いる。いくつかの実施形態の更に別の態様では、層流プレナムは、白金とルテニウムイリジウム酸化物とを交互に収容したものである。
【0027】
更に別の実施形態では、配備可能な遠隔制御式製造システムを使用した電解システムは、システム内のセンサを監視する監視システムと、被監視センサからデータを送信し、命令を受け取る通信システムと、プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、コンピュータ命令は、受け取った命令を有するプロセッサによって実行されると、プロセッサに、フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御させ、調整可能な及び高電流の電源によって電解槽にフィードバック制御された電流を印加させ、フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、フィードバック制御されたアクチュエータを介して水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させ、次亜塩素酸水をアノード室出口で、及び水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成させ、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、制御システムと、を含むものと要約され得る。
【0028】
この電解システムのいくつかの実施形態の別の態様では、電解槽は、層流プレナムに導入される動的渦崩壊入力を用いる。いくつかの実施形態の更に別の態様では、層流プレナムは、白金とルテニウムイリジウム酸化物とを交互に収容したものである。
【0029】
更に別の実施形態では、配備可能な遠隔制御式製造システムを使用した電解システムは、1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムと、1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムを監視する監視システムを含むベースキャンプユニットを含むものと要約され得る。
【0030】
1つ以上の実施形態では、各配備可能な遠隔制御式製造システムは、システム内のセンサを監視する監視システムと、被監視センサからデータを送信し、命令を受け取る通信システムと、プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、コンピュータ命令は、受け取った命令を有するプロセッサによって実行されると、プロセッサに、フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御させ、調整可能な及び高電流の電源によって電解槽にフィードバック制御された電流を印加させ、フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、フィードバック制御されたアクチュエータを介して水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させ、次亜塩素酸水をアノード室出口で、及び水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成させ、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、制御システムとを含む。
【0031】
この製造システムのいくつかの実施形態の別の態様では、電解槽は、層流プレナムに導入される動的渦崩壊入力を用いる。いくつかの実施形態の更に別の態様では、層流プレナムは、白金とルテニウムイリジウム酸化物とを交互に収容したものである。
【0032】
1つ以上の実施形態では、ベースキャンプユニットは、1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムに及び1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムからデータを送信する通信システムと、プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、コンピュータ命令は、受け取った命令を有するプロセッサによって実行されると、プロセッサに、1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムから情報を受け取らせ、1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムに命令を送らせる、制御システムとを含む。
【0033】
更に別の実施形態では、配備可能な遠隔制御式次亜塩素酸(HOCl)電解製造システムは、水が取得される水供給タンクと、ブライン水が取得されるブライン水供給タンクと、アノード液室入口とカソード液室入口とアノード室出口とカソード室出口とを有する電解槽と、水供給タンクから電解槽のカソード液メータリングバルブへの導管と、ブライン水供給タンクから電解槽のアノード液メータリングバルブへの導管と、水供給タンクから電解槽のカソード液メータリングバルブへの導管と関連付けられた供給ポンプと、ブライン水供給タンクから電解槽のアノード液メータリングバルブへの導管と関連付けられた食塩水メータリングポンプと、電解槽に電流を印加する高電流の電源と、プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、コンピュータ命令は、受け取った命令を有するプロセッサによって実行されると、プロセッサに、フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御させ、調整可能な及び高電流の電源によって電解槽にフィードバック制御された電流を印加させ、フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、フィードバック制御されたアクチュエータを介して水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させ、次亜塩素酸水をアノード室出口で生成させ、水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成させ、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、制御システムとを含むものと要約され得る。
【0034】
更に別の実施形態では、配備可能な遠隔制御式次亜塩素酸(HOCl)電解製造システムは、電解槽と、電解槽に電流を印加する高電流の電源と、プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、コンピュータ命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御させ、調整可能な及び高電流の電源によって電解槽にフィードバック制御された電流を印加させ、フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、フィードバック制御されたアクチュエータを介して水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させ、次亜塩素酸水をアノード室出口で生成させ、水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成させ、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、制御システムとを含むものと要約され得る。
【0035】
更に別の実施形態では、次亜塩素酸(HOCl)製造システムを使用した電解方法は、フィードバック制御された水圧をアノード液メータリングバルブ及びカソード液メータリングバルブに提供することと、フィードバック制御されたポンプを介し、電解槽に、電解槽のアノード室入口及びカソード室入口の1つ以上を通って入る追加の塩、バッファ、薬剤、又は触媒を含まない未処理の海水の流量を制御することと、電解槽への水の流入中に、調整可能な及びフィードバック制御された高電流の電源によって電解槽に電流を印加することと、次亜塩素酸水をアノード室出口で生成することであって、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することとを含むものと要約され得る。
【0036】
本電解方法のいくつかの実施形態の別の態様では、電解槽は、層流プレナムに導入される動的渦崩壊入力を用いる。いくつかの実施形態の更に別の態様では、層流プレナムは、白金とルテニウムイリジウム酸化物とを交互に収容したものである。
【0037】
1つ以上の実施形態では、次亜塩素酸(HOCl)製造システムによって生成される次亜塩素酸水は、その殺ウイルス剤及び殺菌剤としての安定性及び有効性を損なうことなく4回まで凍結可能である。いくつかの実施形態の別の態様では、次亜塩素酸(HOCl)製造システムによって生成される次亜塩素酸水は、10%を超える酸化還元電位(ORP)の検出可能な損失を有することなく4回まで凍結可能である。更に他の実施形態では、次亜塩素酸(HOCl)製造システムによって生成される次亜塩素酸水は、その殺ウイルス剤及び殺菌剤としての安定性及び有効性を損なうことなく80Cまで加熱可能である。いくつかの実施形態の別の態様では、次亜塩素酸(HOCl)製造システムによって生成される次亜塩素酸水は、10%を超える酸化還元電位(ORP)の検出可能な損失を有することなく80Cまで加熱可能である。他の実施形態では、次亜塩素酸(HOCl)製造システムは船上に配備される。
【0038】
更に他の実施形態では、次亜塩素酸(HOCl)電解製造システムは、電解槽と、電解槽に電流を印加する高電流の電源と、プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、コンピュータ命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、フィードバック制御された水圧をアノード液メータリングバルブ及びカソード液メータリングバルブに提供させ、フィードバック制御されたポンプを介し、電解槽に、電解槽のアノード室入口及びカソード室入口の1つ以上を通って入る追加の塩、バッファ、薬剤、又は触媒を含まない未処理の海水の流量を制御させ、電解槽への水の流入中に、調整可能な及びフィードバック制御された高電流の電源によって電解槽に電流を印加させ、次亜塩素酸水をアノード室出口で生成させ、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、制御システムとを含むものと要約され得る。
【0039】
更に他の実施形態では、配備可能な遠隔制御式のHOCl生成システムは、システム内のセンサを監視する監視システムと、被監視センサからデータを送信し、命令を受け取る通信システムと、人工ニューラルネットワーク(ANN)及び機械学習(ML)モデルの1つ以上を組み込んだ制御システムであって、制御システムは、プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含み、コンピュータ命令は、受け取った命令を有するプロセッサによって実行されると、プロセッサに、フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御させ、調整可能な及び高電流の電源によって電解槽にフィードバック制御された電流を印加させ、フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、フィードバック制御されたアクチュエータを介して水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させ、常時変化する制御パラメータを識別及び修正するために、各制御パラメータの複数の関連効果をリアルタイムで監視させ、次亜塩素酸水を生成させ、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、制御システムと、を含み、人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、MLアルゴリズムとリアルタイム閉ループ適応学習制御との組み合わせを用いて複数のフィードバック制御ループを互いに調整するものと要約され得る。
【0040】
いくつかの実施形態の別の態様では、1つ以上の人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルは、1つ以上の人工ニューラルネットワーク及びリアルタイム機械学習モデルに影響を及ぼす過去の生産データに基づく一連の機械学習モデルにアクセスし、1つ以上の人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルは、複数のフィードバック制御ループサイクルを制御し、生産ラン中に、システムが自己修正し、HOCl生成プロセスの変化に適応することを可能にする。いくつかの実施形態の更に別の態様では、機械学習アルゴリズムとリアルタイム閉ループ適応学習制御との組み合わせは、パーティクルスワームオプティミゼーションを含む。いくつかの実施形態の更に別の態様では、1つ以上の人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルは、pH調整パラメータの将来の振る舞いを予測し、pH調整ループ、電解電流、及びブラインのリアルタイム制御を実施する。
【0041】
本HOCl生成システムのいくつかの実施形態の別の態様では、電解槽は、層流プレナムに導入される動的渦崩壊入力を用いる。いくつかの実施形態の更に別の態様では、層流プレナムは、白金とルテニウムイリジウム酸化物とを交互に収容したものである。
【0042】
更に他の実施形態では、次亜塩素酸(HOCl)製造システムを使用した電解方法は、人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上を組み込んだ制御システムにアクセスすることであって、制御システムは、プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む、アクセスすることと、フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御することと、調整可能な及び高電流の電源によって電解槽にフィードバック制御された電流を印加することと、フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加し、水性混合物を作製することと、フィードバック制御されたアクチュエータを介して水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することと、常時変化する制御パラメータを識別及び修正するために、各制御パラメータの複数の関連効果をリアルタイムで監視することと、次亜塩素酸水を生成することであって、次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することと、を含み、人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、MLアルゴリズムとリアルタイム閉ループ適応学習制御との組み合わせを用いて複数のフィードバック制御ループを互いに調整するものと要約され得る。
【0043】
本電解方法のいくつかの実施形態の別の態様では、電解槽は、層流プレナムに導入される動的渦崩壊入力を用いる。いくつかの実施形態の更に別の態様では、層流プレナムは、白金とルテニウムイリジウム酸化物とを交互に収容したものである。
【0044】
図面において、同一の参照番号は類似の要素又は行為を識別する。図面中の要素の大きさ及び相対位置は必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。例えば、様々な要素の形状及び角度は必ずしも縮尺通りに描かれておらず、これらの要素のいくつかは、図面の可読性を向上するために任意に拡大され配置されている。更に、描かれた要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関する情報を必ずしも伝えることを目的とするものではなく、図面における認識を容易にするために単に選択されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】ラマン分光法によって測定された728~732センチメートル
-1の単一の測定可能なピークを有する純粋で安定な真正のHOClを示すラマンスペクトルである。
【
図2】実質的に全ての利用可能な塩素が純粋で安定な真正のHOClとしてpH4.0~5.33に存在する、pHに応じた、HOClとして存在する塩素のパーセント表示を示す。
【
図3】純粋で安定な真正のHOClの配備可能な遠隔制御式の安全な製造ユニットの斜視図である。
【
図4】真正HOCl製造システム及び方法の一実施形態の構成要素(例えば、配管、バルブ、計器、ポンプ、タンクなど)及びプロセスフローの配管及び計装図である。
【
図5】構成要素及びプロセスフローを遠隔的に制御するための真正HOCl製造システム及び方法の一実施形態の制御盤の概略図である。
【
図6】真正HOCl製造システム及び方法の1つ以上の実施形態で使用するための案内羽根を示す流体パイプの図である。
【
図7】真正HOCl製造システム及び方法の1つ以上の実施形態で使用するための渦エネルギーのインライン誘導用の流体パイプの図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
詳細な説明
当業者であれば、本開示は単なる例示であり、限定では決してないことを理解するであろう。本明細書に開示される特徴及び教示はそれぞれ、配備可能な遠隔制御式次亜塩素酸(HOCl)電解製造システム及び方法を提供するために、別々に又は他の特徴及び教示とともに用いることができる。これらの追加的な特徴及び教示の多くを用いる代表的な例を、別々に及び組み合わせにおいて、添付の図を参照しながら更に詳細に記載する。この詳細な説明は、本教示の態様を実施するための更なる詳細を当業者に教示することを単に目的とし、特許請求の範囲の範囲を限定することを目的とするものではない。したがって、詳細な説明に開示される特徴の組み合わせは、最も広義の教示の実施には必要ない場合があり、その代わりに、本教示の特に代表的な例を単に記述するために教示される。
【0047】
本明細書における詳細な説明の一部は、コンピュータメモリ内のデータビットに関する操作のアルゴリズム及び記号表現の観点から示されている。これらのアルゴリズム的記述及び表現は、データ処理技術の技量を有する者が自身の仕事の実体を他の当業者に最も効果的に伝えるために用いる手段である。アルゴリズムとは、ここでは、及び一般に、所望の結果に至る自己矛盾のない一連の工程であると考えられる。工程は、物理量の物理的操作を要するものである。必ずしも必須ではないが、通常、これらの量は、記憶、伝送、結合、比較、及び他の操作が可能な電気信号又は磁気信号の形態をとる。主に、一般的な使用の理由から、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数などと称することが時として好都合であることが証明されている。
【0048】
しかしながら、これらの及び類似の用語は全て、適切な物理量と関連付けられるものであり、これらの量に適用される便利なラベルに過ぎないことは念頭に置いておくべきである。以下の説明から明らかなように、別段の記載のない限り、明細書の全体を通じて、「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「決定」、「表示」、「構成」などの用語を用いた記述は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを、コンピュータシステムメモリ又はレジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送、若しくは表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに操作及び変換するコンピュータシステム又は類似の電子コンピューティングデバイスのアクション及びプロセスを指すことは理解される。
【0049】
更に、代表的な例及び従属請求項の様々な特徴は、本教示の追加の有用な実施形態を提供するために、具体的及び明示的に列挙されていない手法で組み合わせることができる。また特に、全ての値範囲又は実体の群の表示は、本来の開示の目的のみならず特許請求の対象を限定する目的で、可能なあらゆる中間値又は中間実体を開示することに留意されたい。また特に、図に示される構成要素の寸法及び形状は、本教示がどのように実施されるかを理解するのに役立つように設計されており、例に示される寸法及び形状を限定することを意図するものではないことに留意されたい。
【0050】
文脈で別段に必要とされない限り、明細書及びそれに続く特許請求の範囲の全体を通じて、「含む(comprise)」という語及び「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などのその変化形は、オープンな、包含的意味で、すなわち、「含むがこれに限定されない(including, but not limited to)」として解釈されるものとする。本明細書全体を通じて、「一実装形態(one implementation)」又は「一実装形態(an implementation)」への言及は、特定の特徴、構造、又は特性が任意の適切な手法で1つ以上の実装形態に組み合わされる可能性があることを意味する。
【0051】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、内容で別段の明確な指示のない限り、複数形の指示対象を含む。用語「又は」は、内容で別段の明確な指示のない限り、一般に、その最も広い意味で、すなわち、「及び/又は」の意味で用いられることにも留意されたい。本明細書で提供される見出し及び要約書は単に利便性のためのものであり、実装形態の範囲又は意味を説明するものではない。
【0052】
ここで
図1及び
図2を参照すると、
図1は、ラマン分光法によって測定された純粋で安定な真正のHOClのラマンスペクトルを示し、
図2は、実質的に全ての利用可能な塩素を表す純粋で安定な真正のHOClをpH4.0~5.33に有する、pHに応じた、HOClとして存在する塩素のパーセント表示を示す。HOCl製造システム及び方法100は、遠隔製造制御を使用して、ラマン分光法分析により測定される、720~740センチメートル
-1、最適には728~732センチメートル
-1の、検出可能な次亜塩素酸塩分子を包含しない真正で純粋なHOClを生成する新規な次亜塩素酸(HOCl)生成システムである。検出可能な次亜塩素酸塩が存在しないことにより、HOClを劣化させる反応の加速を回避することによって安定性に寄与し、単一の720~740センチメートル
-1のラマンピーク、pH4.0~5.33における完全なHOCl提示、及び等張性の状態というこれらの特性。このような安定性は、HOClの濃度(ppm)、酸化還元電位(ORP)、pH、及び-80℃~100℃の熱耐性の観点における次亜塩素酸の保管安定性の主要値に関連する。
【0053】
HOCl製造システム及び方法100は、訓練された人員を必要とすることなく、真正で純粋なHOClの生成を制御する。多種多様な環境条件、場所、及び入力において、HOCl製造システム及び方法100は、イーサネット、セルラー、又は衛星通信に接続及び制御された電気分解を通じて最適な範囲のpH、ORP、活性成分(Cl)及び純度を維持する。HOCl製造システム及び方法100は、地球規模の遠隔環境における訓練されていない人員によるHOClのリアルタイム医薬品レベル合成を提供するために、水濾過、圧力調整、流入及び流出流、特に作成された乱流特性、電気アンペア数、ブライン入力濃度、及び磁気入力のフィードバックループを通じて自動化プロセスを決定する機能を含む。
【0054】
図3は、純粋で安定な真正の次亜塩素酸(HOCl)用の配備可能な遠隔制御式の安全なHOCl製造システム及び方法100を示す。HOCl製造システム及び方法100は、安定化バッファ又は水溶性塩素を含まない純粋な真正の安定な次亜塩素酸を、比類なく安全な、絶えずセンサで監視されるプロセスにおいて大量に生成する。HOCl製造システム及び方法100は、真正な安定化された次亜塩素酸を生成する電気化学プロセスシステムを実装する。HOCl製造システム及び方法100は、非限定的な理論によって及び特定の実施形態に従って、ヒト好中球によって産生されるHOClが存在しない、不十分な、或いは利用できない状況においてHOClを補完、代替、置換、又は有利に導入することができる真正な安定化された次亜塩素酸の実証可能な合成を提供する。HOCl製造システム及び方法100は、世界中のどこにでも配置することができ、遠隔センサ監視及び制御プロセスを使用して機能することができる配備可能なユニットである。
【0055】
HOCl製造システム及び方法100は、プロセス制御センター、遠隔通信センター、セキュリティセンター、パワーセンター、及び入出力センターを含む。以下で更に詳細に説明するプロセス制御センターは、純粋で安定な真正の次亜塩素酸(HOCl)の製造プロセスを監視及び制御する。遠隔通信センターは、承認された人員が純粋で安定な真正の次亜塩素酸(HOCl)の製造プロセスを別の遠隔地から遠隔的に監視及び制御することを可能にする。以下で更に詳細に説明するセキュリティセンター及びその機能は、純粋で安定な真正の次亜塩素酸(HOCl)の製造プロセス及び配備されたHOCl製造システム自体の構造に関連する様々なセキュリティ機能を提供及び管理する。HOCl製造システム及び方法100のパワーセンターはシステムの電力を調整する。いくつかの実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、ソーラーパネル及びバッテリー機器(例えばPowerwall電池)に供給する他の再生可能エネルギーデバイスによって持続的に給電される。HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態は、地域社会が余剰エネルギーを無償又は有償サービスのいずれかにおいて利用できるようにする。HOCl製造システム及び方法100の入出力センターは、携帯電話での支払い、現金、又はクレジットカードによる純粋で安定な真正の次亜塩素酸(HOCl)の提供及び販売を可能にするユーザインターフェースポータルを制御及び管理し得る。
【0056】
これらのセンターによってもたらされる機能により、HOCl製造システム及び方法100を地球上の事実上どこにでも届けることが可能になるとともに、機械又は化学の技能のない者が医薬品品質レベルで運転することが可能になる。HOCl製造システム及び方法100は、保守をほとんど必要とせず、大量の医薬品品質のHOClを生成する。
図3に示されるように、いくつかの実施形態では、HOCl製造システム及び方法100はコンパクトな接地面積を有し、可搬式で、ユニット毎及び複数ユニットの生成に合わせてスケーラブルとなる。1つ以上の実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、容易に入手できる塩水入力のみで動作し、分散した地域的な製造により大量の純粋で安定な真正の次亜塩素酸(HOCl)を提供することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、HOCl製造システム及び方法100の通信センターは、ローカル仮想プライベートネットワーク、及び任意選択的に、衛星リンク、セルラー又は有線若しくは無線イーサネット接続を介したシステムへのリモートアクセスを提供する。衛星接続を利用する実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、地球上の事実上どこにでも配備され、機能し得る。更に、衛星接続を利用する実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、地域社会を中心としたインターネット及び携帯電話接続を提供し得る。HOCl製造システム及び方法100によるこのようなリモート接続は好ましくは動的である。いくつかの実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、動作の監視、予防保守の検証、及びシステムの使用料金指数のために、定期的なダウンロードで散発的にアクセスされ得る。
【0058】
他の実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、クレジットカード(PCI:payment card industry)の取り扱いに関する認証を受けたVPN技術を利用して、転送中のデータを保護する。更に、VPN技術を利用するHOCl製造システム及び方法100の他の実施形態は、空港又は地域施設のWi-Fiを活用することがある。通信センターの別の態様では、HOCl製造システム及び方法100がサイバーアタックにより改変されないようにするために、他のサイバーセキュリティ技術が実装される。
【0059】
いくつかの実施形態の別の態様では、HOCl製造システム及び方法100はまた、大量(例えば、3000ガロン/日、5000ガロン/日など)の清潔な飲料水を生産する浄水システムを含む。1つ以上の実施形態では、浄水システムは、自己給電式の、低コストで堅牢な、信頼性の高いWARP(Water and Renewable Power:水と再生可能エネルギー)システムである。いくつかの実施形態では、浄水システムは、一連のスピンダウンフィルタ、任意選択的に152、104、61、30、15、20、10、5、1、及び0.5ミクロンのフィルタを使用し、そのいくつかは、好ましい実施形態では、水がWHOの「飲料水水質ガイドライン(Guidelines for Drinking-water Quality)」を満たすように、UV濾過、Silecteクォンタム除菌及びカーボンブロック濾過(Silecte Quantum Disinfection and Carbon Block filtration)と結合された、ゼータ電位を帯びた電気吸着型アルミニウムで作製され得る。HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、電荷を帯びた膜、サブミクロンメディアフィルタ、及び脱イオン化を使用して適切な水質を確保し、電解プロセスにおける副次的な電気化学反応を最小限にする。したがって、HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態は、現地の水から調達された場合であってもHOCl生成及び清潔な飲料水の両方を地域社会に提供する。ここで
図4及び
図5を参照すると、
図4は、HOCl製造システム及び方法100の一実施形態の構成要素(例えば、配管、バルブ、計器、ポンプ、タンクなど)及びプロセスフローの配管及び計装図であり、
図5は、HOCl製造システム及び方法100の一実施形態の構成要素及びプロセスフローを遠隔的に制御するための制御盤の概略図である。いくつかの実装形態では、HOCl製造システム及び方法100は以下の操作を実施する。
【0060】
1つ以上の実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、部分的に溶解した固形物が粒子フィルタ1010で濾過され、病原体を失活させる又は除去するために生物フィルタ1020で処理され、不溶性金属を除去するために脱イオン化ユニット1030で脱イオン化された加圧飲用水(例えば、地方自治体の水道事業者からの、或いは利用可能な給水源から圧送された)を用いる。他の実施形態では、給水は許容パラメータ内であることが知られているため、これらの操作は必要ない。任意の必要な濾過及び脱イオン化に続いて、処理された水流は、フロートバルブ1050を介して供給タンク1040に送られる。いくつかの実施形態の別の態様では、水は、フロートバルブ1070を介してブラインタンク1060にも供給される。
【0061】
続いて、HOCl製造システム及び方法100では、供給タンク1040からの水は、フィードバック制御された圧力を使用し、ポンプ1080(又は他のアクチュエータ)を介してアノード液メータリングバルブ1090及びカソード液メータリングバルブ1100に送られる。特に、フィードバック制御された圧力を使用して、電解槽1110のアノード室入口1120及びカソード室入口1130を通って電解槽1110に入る水の流量を制御する。
【0062】
HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、電解槽1110に水が流入中に、フィードバック制御された高電流の電源1140によって電流が電解槽1110に印加され、遠隔的に制御される。フィードバック制御された高電流の電源1140によって印加される電流は調整可能である。いくつかの実施形態では、電流密度は、1,000~5,000アンペア/平方メートルの範囲内に遠隔的に制御される。電流密度範囲は、望ましい結果の製品の仕様に適した変換に応じたものであり、例えば、農業製品では約35ppm以下の電流密度範囲が用いられ、プリオン及びCOVID19ウイルスの消毒では約300ppm以上の電流密度範囲が用いられる。
【0063】
この段階で、フィードバック制御されたポンプ1150(又は他のアクチュエータ)を介してアノード室入口1120に塩化ナトリウム(NaCl)ブラインが添加され、遠隔的に制御され、これにより水性混合物を作製する。いくつかの実施形態では、この室に投入されるNaClブラインの塩分濃度範囲は500~30,000百万分率である(必要に応じて、製品仕様の特性によって生成時に動的に指示される)。NaClブライン入力範囲は、望ましい結果の製品の仕様に適したレベルに遠隔的に制御される(例えば、500ppmは無塩消毒剤に相当し、20,000ppmはアイソトニックスプレーに相当し、30,000ppmは海水入力に相当する)。
【0064】
HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、脱気槽1180及びフィードバック制御されたポンプ1190(又は他のアクチュエータ)を介して水酸化ナトリウム(NaOH)がカソード室出口1170からアノード室入口1120に添加され、遠隔的に制御される。いくつかの実施形態では、この室に投入されるNaOHは100~500百万分率(ppm)の範囲内である。NaOH投入範囲は、所望のpH結果の仕様に適するように遠隔的に制御される(例えば、100ppmはpH6.0に相当し、200ppmはpH5.3のpHに相当し、360ppmはpH4.2のpHに相当し、400ppmはpH4.0のpHに相当し、500ppmはpH3.5のpHに相当し、投入水のpHは7.4である)。HOCl製造システム及び方法100の他の実施形態では、水酸化ナトリウムは、電解機構から独立した水溶液からフィードバック制御系によって供給される。
【0065】
HOCl製造システム及び方法100の1つ以上の実施形態では、フィードバック制御された電流を印加することにより、次亜塩素酸水がアノード室出口1160で生成される。更に、水酸化ナトリウム水溶液がカソード室出口1170で生成される。具体的には、次亜塩素酸水はアノード液バッファタンク1200に案内され、水酸化ナトリウム水溶液はカソード液バッファタンク1210に案内される。1つ以上の実施形態では、アノード液バッファタンク1200内の次亜塩素酸水は要求に応じてポンプ1230により外部保持タンクに圧送されてもよく、カソード液バッファタンク1210内の水酸化ナトリウム溶液は要求に応じてポンプ1240により外部保持タンクに圧送されてもよい。
【0066】
特に、HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、供給タンク1040内の投入水のpH値が測定、決定、或いは取得される。換言すると、投入水が中性、酸性、又はアルカリ性であるかが決定される。1つ以上の実施形態では、投入水のこれらのpH値は、NaOH投入レベル(すなわちNaOHのppm)とともに、システムから排出されるHOCl溶液のpH値を制御するために使用される。したがって、HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、水のpH値を調節して、目標最終製品のHOClのpHレベルを調整する。例えば、HOCl製造システム及び方法100の1つ以上の実施形態では、投入水が電解槽に投入される前に投入水のpHを上昇させる。いくつかの実施形態では、この手法は、電解プロセス中に起こるpHの非線形の低下に対処するために使用されることがある。
【0067】
HOCl製造システム及び方法100による、この純粋なHOClを生成する電解の通常操作中に、特定のガスが電解槽1110の出口で発現する。すなわち、水素がカソード室出口1170で発現し、塩素と酸素の混合ガスがアノード室出口1160で発現する。水素ガスは、空気と水素が約1000:1の混合物へと混合される。したがって、この混合物は任意の閉鎖空間又は建物の外の大気に安全に排出され得る。しかしながら、一実施形態では、塩素と酸素の混合ガスは、活性炭ブロック吸収フィルタ1125を含む閉じたシステム内で交換される。これらの活性炭ブロック吸収フィルタ1125は塩素センサで監視され、必要に応じて定期的に交換される。別の実施形態では、塩素ガスはカソード水に導入され、別の実施形態では、塩素ガスは酢酸(例えばビタミンC)の存在下で中和される。更に別の実施形態では、塩素ガスは給水中で解離する。
【0068】
HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、製品の純度及び品質は、継続的な遠隔監視及びシステムパラメータの誤り訂正によって確保される。例えば、測定及び制御される電気化学パラメータとしては、単なる例として、及び限定されることなく、pH、酸化還元電位(ORP)、遊離塩素濃度、導電率、及びプロセス温度が挙げられる、が適切なセンサ1260によって継続的に測定される。HOCl製造システム及び方法100の他の態様では、測定及び制御される更に別のパラメータとしては、単なる例として、及び限定されることなく、アノード液流量、カソード液流量、給水圧、アノード液出力圧力、カソード液出力圧力、侵入及び改変、並びに排出及びガスの存在が挙げられる。
【0069】
品質管理を知らせる複数の変数としては、単なる例として、及び限定されることなく、温度、水質、生産量特性、塩及び水酸化物の化学物質入力、pH入力及び出力、電力品質、塩素ガス及び水素排出量測定及び制御が挙げられる。HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、水質は、カルシウム又はマグネシウムが1ppmを超えると遮断される、全溶解固形物(TDS)測定による硬度の最小設定値によって制御される。いくつかの実施形態の別の態様では、適切な即時の、継続中の、及び定期的な保守のニーズを示す品質特性及び最適な動作条件を知らせるために、システム生産変数誤差のバッチ変動が(動的に及び経時的に)測定される。
【0070】
いくつかの実施形態の更に別の態様では、塩及び水酸化物の化学物質投入は、所望の出力製品の仕様(すなわち、製品仕様の使用目的によって決定される)に従ってHOCl製造システム及び方法100により動的に及び遠隔的に制御される。このように、例えば、殺菌剤の製品仕様は創傷治癒用のものとは異なる。いくつかの実施形態の更に別の態様では、所望の出力製品の仕様(すなわち、製品仕様の使用目的によって決定される)に従って、pH入力及び出力はHOCl製造システム及び方法100により動的に及び遠隔的に制御される。この点に関して、投入水のpHは、出力される製品のpHに影響する。上記のように、殺菌剤の製品仕様は創傷治癒用のものとは異なる。
【0071】
いくつかの実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、単なる例として、及び限定されることなく、塩分濃度、槽の流量、槽の電流及び電圧、並びにpHを含むパラメータを制御する。このような実施形態では、これらのパラメータは、各場合において、フィードバック制御ループゲインの動的調整によって制御され得る。いくつかのパラメータは、特定の製品用途(例えば、アイケア、作物用抗真菌剤、医療用消毒剤、創傷治癒など)のパラメータに関して異なる製品仕様によって動的に決定される。このようなパラメータとしては、単なる例として、及び限定されることなく、製品のpH、製品の遊離有効塩素(FAC)、細胞内圧、アノード液の流量、カソード液の流量、動作温度、酸化還元電位(ORP)、ブライン濃度及びpH、槽の電流及び電圧、並びに製品の導電率が挙げられる。
【0072】
HOCl製造システム及び方法100の1つ以上の実施形態では、高調波ひずみ、雑音、及び電圧変動が電解槽の動作に影響することがあり、生成されるHOClの品質が損なわれる可能性がある。したがって、HOCl製造システム及び方法100のそのような実施形態では、電源入力は継続的に監視され、システムループ誤差と関連付けられ、それによるそのような負の効果が通知される。いくつかの実施形態では、監視及びシステムループ誤差からのデータを使用して回路の力率改善を起動し、そのような効果を媒介することができる。1つ以上の実施形態では、極端な状況においては、監視及びシステムループ誤差からのデータを使用してシステムシャットダウンを起動することができる。
【0073】
特に、HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、システムは、pH及び遊離有効塩素(FAC)を監視する。FACは、電流滴定的に、分光学的に、又はこれらの両方で測定され得る。この測定では、測定されるFACがHOCl形態の塩素であり、Cl2又はOCl形態の塩素ではないと確認することで、製造及び製品品質の安全性を確保する。
【0074】
HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、動的に決定されるpHの範囲は3.5~6.0である。HOCl製造システム及び方法100のいくつかのより好ましい実施形態では、動的に決定されるpHの範囲は4.0~5.3である。HOCl製造システム及び方法100のいくつかの最も好ましい実施形態では、動的に決定されるpHの範囲は4.0~4.2である。
【0075】
HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態の別の態様では、動的に決定されるORPの範囲は850~1200である。HOCl製造システム及び方法100のいくつかの好ましい実施形態では、動的に決定されるORPの範囲は1000~1100である。
【0076】
HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態の更に別の態様では、動的に決定される遊離塩素濃度の範囲は25~2000である。HOCl製造システム及び方法100のいくつかの好ましい実施形態では、動的に決定される遊離塩素濃度の範囲は100~500である。HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、動的に決定される塩分濃度の範囲は0.01%~2%である。
【0077】
HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態の更に別の態様では、プロセス温度の許容範囲は8℃~24℃である。したがって、1つ以上の実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、ユニットの外部の温度を監視して適切な動作温度の維持を支援する。追加的に又は代替的に、いくつかの実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、電流、NaCl、NaOH、及び速度入力の調整を使用することにより温度変化を補償する。
【0078】
更に、HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、電解槽に、pH11~12.5、塩分濃度700マイクロシーメンス(μS)~20mSのパラメータを持つpH制御され同定された予混合ブラインが供給される。
【0079】
HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、通常操作中にアクティブなメイン制御ループには、単なる例として、及び限定されることなく、NaOH注入、電流、塩分濃度、及び流量が含まれる。1つ以上の実施形態では、設定pHは、注入ポンプ1190(又は他のアクチュエータ)を介してアノード液室入口1120に添加される水酸化ナトリウムの量を自動的に変更することにより維持される。更に、1つ以上の実施形態では、遊離塩素濃度設定値は、電流、塩分濃度、及び流量それぞれの量を単独で及び同時に変更することにより維持される。
【0080】
HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、プロセス制御センターは、複数のフィードバックループを監視及び制御する。例えば、1つ以上の実施形態では、プロセス制御センターは、活性成分の百万分率(ppm)に影響を及ぼすブライン入力変数を制御する。更に、1つ以上の実施形態では、プロセス制御センターは、カソード液制御ループを使用して目標pHを制御する。更に、1つ以上の実施形態では、プロセス制御センターは流量を制御し、これにより、量及びpH値を微調整する。これらのフィードバック制御ループは全て、動的インライン表示及び標本平均の両方の定性的制御を使用して上限及び下限を提供する。このようにして、パラメータ限界値は、遠隔的に動的に設定され、現地の水、電力、及び入力変数などの因子によって影響を受ける品質に関してフィードバックループを介して監視され得る。これらのパラメータ限界値は、遠隔通信システムを介して伝達される「許容」モード、「警告」モード、及び「故障/停止」モードなどのローカル及びリモートフィードバックを提供し得る。この通信システムは、現地のオペレータ及びベースキャンプリモートホームファクトリー(basecamp remote home factory)のいずれか又は両方にメッセージを送信することができる。
【0081】
したがって、このような実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、これらのパラメータを遠隔監視及びフィードバックループシステムを介して管理するプロセス制御を用いる。これらのフィードバックループシステムは、望まれる製品仕様がどのようなものであれこれを満たすように調整され得る製造の品質管理の一貫性を提供する。
【0082】
本明細書に記載されるように、HOCl製造システム及び方法100によって生成される真正の、混じり気のない純粋次亜塩素酸水は、安定化バッファを含まず、検出可能な次亜塩素酸塩を含まず、pHが、その化学反応が完了するスペクトルで、及びそのORPが最大になるpHを有する720~740センチメートル-1の分光範囲で測定される次亜塩素酸の遊離塩素濃溶液と定義される。
【0083】
真正で混じり気がないとは言えない不純なHOCl溶液(「混合酸化剤」として科学的に知られる)中に存在する任意の量の次亜塩素酸塩は、混合酸化剤HOCl溶液を、最終的に完全な次亜塩素酸塩状態に至る分解化学反応に導く反応性条件を作り出す。混合酸化剤HOCl溶液中のこの分解化学反応は、典型的には、安定化バッファの使用を通じて従来のシステムに含まれている。この理由から、混合酸化剤HOCl溶液は、安定化バッファ、次亜塩素酸塩、又はこれらの両方を含むことにより、「純粋」であると主張する場合であっても、このように(すなわち、真正で混じり気がなく純粋とは言えないHOCl溶液)識別され得る。安定化バッファ、次亜塩素酸塩、又はこれらの両方のいずれかが非常に少量であっても、任意のそのような溶液は真正で混じり気がなく純粋次亜塩素酸水ではなく混合酸化剤となる。更に、安定化バッファの添加により、定義上、任意の溶液は不純な状態に品質が低下する。
【0084】
ここで
図6及び
図7を参照すると、1つ以上の他の実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は生化学合成プロセスを利用する。いくつかの実施形態では、HOCl製造システム及び方法100の入力及び出力は層状直交流電解槽の一部である。電解槽にpH制御され定量された予混合ブラインが供給される。電解槽は、層流プレナムに導入されるシャウベルガー型の動的渦崩壊入力を利用する。この手法では、水の構造にエネルギーを導入するために水を線状に回転させる(すなわち、DNA型の折りたたみ螺旋流の形成による崩壊)。各層流プレナムは、好ましくは白金を収容したものである。いくつかの実施形態では、層流プレナムはより好ましくは、白金とルテニウムイリジウム酸化物とを交互に収容したものである。特に、白金カソードとルテニウムイリジウムアノードのサンドイッチ構造(すなわち、白金カソードとルテニウムイリジウムアノードを交互に配置する)を使用することにより、より高いppm値(例えば、500~2000ppm)が達成される。換言すると、白金表面仕上げされたカソードとルテニウムイリジウム酸化物コーティングされたアノードのプレナムの間を流れる反応性の酸化剤種の変換によって、遊離有効塩素としての純粋なHOClの、2000ppmもの高いppm値が達成される。いくつかの実施形態の別の態様では、層流プレナムは、Nafion(商標)(スルホン化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマー共重合体)膜などの水素透過性膜によって分岐している。
【0085】
いくつかの実施形態では、アノード液(すなわち、次亜塩素酸水)とカソード液(すなわち、水酸化ナトリウム水溶液)は、流れの非相互性を制御可能な状態で、並行流で生成される。別の態様では、アノード液の次亜塩素酸は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有せず、耐熱安定性を呈する。更に、次亜塩素酸水は、1000を超えるORP状態を有する。更に別の実施形態では、次亜塩素酸水は、好ましくは1100を超えるORP状態を有する。特に、安定なORPは、HOCl製造システム及び方法100におけるHOCl生存度の顕著な成分である。
【0086】
いくつかの実施形態の別の態様では、HOCl製造システム及び方法100は、パイプサイズの管理及びゲーティングによる流れ乱流動力学の制御を示す。この制御により、下流の一貫性が提供され、電解結果の効果が圧力入力管理、圧力測定及び流れを越えて管理される。槽は、アノード液及びカソード液両方の出て行く層流が、流れを遮断し、容器の内部に背圧を生じさせるよう制限されるように、アノード液及びカソード液出口ポートにおいて逆流圧力制御、ゲーティング、及びフィードバックを使用することを開示する。背圧は、電解において分解する水素及び酸素の変換の従来の効果を妨げ、「槽内時間」効果に長時間さらすことによって白金収容プレナム内の層流の縁に渦巻きを生成することにより、アノード液生成における水素結合の再形成の再構成を最大化する。この行為は、背圧制御された出口ゲーティングを介した層流の非線形流を最大化する。
【0087】
更に、フローモデルは、このプロセスにより、ブライン入力内に無秩序な渦の形成及び槽の既知の地点に電気化学相互作用が生じることを示す。電解槽のアノード液側のこれらの地点に非線形流をごく近接させて外部導入することにより、HOCl製造システム及び方法100は、任意選択的に、永久磁石の1つ以上を、その正磁場線が非磁性外側ハウジングを通って非線形アノード液流内の最大電気化学的渦巻き流と交差するように位置付ける。
【0088】
この方法を使用し、層流白金塩水電解プロセスの定義された渦巻き流中で電気化学プロセスに正磁場を提示することにより水素格子を発生させることができる。結果として生成されるHOClは、安定化バッファを含まず、検出可能な次亜塩素酸塩を含まず、pHは、
図1に示されるように、その化学反応が完了するスペクトルで、そのORPが最大になるpHを有する720~740センチメートル
-1の分光範囲で測定される次亜塩素酸の遊離塩素濃溶液である。更に、結果として生じるHOClは、好ましくは等張性であるが、任意選択的に塩分が0.01%~2%であり、最大酸化還元電位(ORP)条件が好ましくは1000~1100である電解水の担体に包埋させる。
【0089】
ラマン散乱は、分子振動に関する情報を提供する分光学的手法であり、サンプル識別及び定量化のために使用され得る。ラマン分光法は、サンプルに単色光源(すなわちレーザ)を照射し、散乱光を検出することを伴う。散乱光の大半は励起源と同じ周波数である。しかしながら、入射電磁波とサンプル中の分子の振動エネルギーレベルとの間の相互作用により、非常に少量の散乱光は、レーザの周波数からエネルギーがシフトしている。この「シフトした」光の強度と周波数をグラフに取ると、サンプルのラマンスペクトルが得られる。ラマンスペクトルは、赤外線(IR)吸収スペクトルの解釈と同様に解釈され得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、配備可能なモジュール式の高生産の純粋次亜塩素酸(HOCl)製造システムである。HOCl製造システム及び方法100は純粋で安定な真正のHOClを生成する。HOCl製造システム及び方法100は、遠隔監視及び制御による遠隔地における配備及びHOClのオンサイト生成用に設計されている。重要なことには、HOCl製造システム及び方法100は、電解水、HOCl、及び食卓塩のみを用いて純粋で安定な真正のHOClを生成する。HOCl製造システム及び方法100によって生成される純粋で安定な真正のHOClは、本明細書に記載され、当技術分野で知られる検出手法を使用した場合、検出可能な漂白剤を0%、検出可能な塩素酸塩を0%、及び検出可能なアルコールを0%含有する。更に、HOCl製造システム及び方法100によって生成される純粋な真正HOClは、室温、凍結温度(すなわち-80℃)、及び高温(すなわち80℃)で安定である。本明細書に定義されるように、安定とは、閉じられた容器内の本明細書に記載されるHOCl組成物が、25℃での保管の36か月後に、10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは0%のORPの検出可能な損失を有することを意味する。更に、本明細書に定義されるように、安定とは、閉じられた容器内の本明細書に記載されるHOCl組成物が、25℃での保管の36か月後に、50%未満、更により好ましくは25%未満のHOClの検出可能な損失を有することを意味する。更に、本明細書に定義されるように、安定とは、閉じられた容器内の本明細書に記載されるHOCl組成物が25℃での保管の36か月後に測定可能な次亜塩素酸塩又は酸化剤を有しないことを意味する。
【0091】
特に、pHのわずかな変化が、任意のHOClの組成に指数関数的な影響を及ぼす。更に、HOCl製造プロセスにおけるいかなるエラーも塩素、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、又は過塩素酸塩(このどれもが毒性又は苛性)を生じさせる。HOCl含有調製品(実際には混合酸化剤/HOClハイブリッド溶液を含む)の生成においてこれまで解決されていないこれらの不安定性の課題によって、そのような混合酸化剤HOCl溶液の従来説明されている形態は不安定で、約72時間以内に劣化する。重要なことに、数時間又は数日しか持たなかった混合酸化剤HOCl溶液の従来の形態とは対照的に、本開示により生成される純粋な真正HOClは安定であり、検出可能な劣化なしに、及び検出可能な汚染漂白剤、塩素酸塩、又はアルコールの出現なしに、ゼロ未満から+170°Fの範囲の温度で、棚で数年間保管することが可能である。
【0092】
遠隔監視及び制御
いくつかの実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、1つ以上の配備用ユニットとベースキャンプユニットとを含む。配備用ユニットについては上記した。ベースキャンプユニットは、承認されたオペレータが配備用ユニットの構成要素の機能を監視及び制御する家庭用中央指令ユニットである。ベースキャンプユニットにいる承認されたオペレータは、製品品質を制御するためのみならず、生成される製品を変更するために(例えば、アイケアの仕様としてのHOCl、器具消毒の仕様としてのHOCl、創傷治癒の仕様としてのHOClなど)、アクチュエータのパラメータ及び1つ以上の配備用ユニット内の他の構成要素を遠隔的に監視し、調整することができる。
【0093】
ベースキャンプユニットにいる承認されたオペレータは、1つ以上の配備用ユニットの機能をセキュリティ又は品質提案(proposes)のために遠隔的に作動又は停止させることができる。HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、配備用ユニットの遠隔停止は、品質課題又は危険状態の制御に応答してベースキャンプユニットにより起動される。HOCl製造システム及び方法100の1つ以上の実施形態では、機器停止は、品質課題、危険状態、又はセキュリティ違反(例えば、改変、運転中の扉の開放など)の場合に自動的に及び遠隔的に実施されるソフトウェアロックによって実施される。HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、ベースキャンプユニットのみが、このタイプの停止の後に配備用ユニットを使用するためのリセット条件を起動させることができる。
【0094】
いくつかの実施形態の別の態様では、HOCl製造システム及び方法100は、イーサネット、GSM、又は衛星アップリンク技術を利用したリアルタイム診断の遠隔監視を通じて、生成される純粋で混じり気のないHOClの品質を確保する。このような特徴としては、プロセス制御及びアラームによる遠隔リアルタイム精査及び調整;分野における最適な用途に合わせた製品特性の遠隔リアルタイム修正;医薬品cGMP、EPA、及びISO規格の遵守に関する遠隔監視;予防保守サイクルの遠隔容量監視;生成されるHOClの量の遠隔監視;並びに品質課題又は危険状態の場合の遠隔停止が挙げられる。
【0095】
1つ以上の実施形態では、HOCl製造システム及び方法100における各配備用ユニットの構成要素は、異なるベースキャンプユニットで承認されたオペレータによって動的及び遠隔的に監視される。可変入力は、製品仕様(例えば、アイケア製品のpH範囲は4.0~4.2、塩分濃度は1.0~0.85など)によって決定される変動性において許容される統計的プロセス制御(SPC)範囲内の同時出力として動的に決定及び監視される。
【0096】
いくつかの実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、動的概観のシステムを使用した遠隔診断フィードバックを含む。任意選択的に、接続が途切れやすい領域においては、製品量及び製品の変動の分析を可能にするために一時メモリストレージ及びデータダウンロードダンプが使用され得る。製品量及び製品の変動の分析は、低、高、警告、仕様外、改変、及び停止条件などの、フィードバックイベント又はアラートを生成し得る。1つ以上の実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、pH及びORPパラメータがフィードバックループを介して動的に指定された上限設定値又は下限設定値に制御されることを可能にする。これらの動的に指定された上限設定値又は下限設定値は、異なる製品タイプ(例えば、異なるHOCl濃度レベルの製品)に合うように調節可能である。上限設定値又は下限設定値は、品質基準を確保するために「警告」又は「故障」通知を発生させる。いくつかの実施形態では、そのような通知は、適宜、システム全体又は警告を生じさせたシステムの特定領域のみの自動停止ももたらす。
【0097】
セキュリティ機能
HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、生成されるHOClの品質及びシステムのセキュリティは複数のセキュリティレイヤーによって管理される。これらのセキュリティ対策により、改変、再設定、アライメント不備、無許可の複写、誤用、又はシステムの損傷を阻止する。例えば、システム内の複数の入力は、アクセス許可のない第三者には分からないようにされている。HOCl製造システム及び方法100の別の態様では、上述のフィードバック制御系は、品質管理及びセキュリティ両方のために使用され得る。
【0098】
物理的観点から、HOCl製造システム及び方法100は、厳しい環境における遠隔配置のために、補強された高セキュリティ機能をその可搬式筐体に組み込んでいる。1つ以上の実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は冷却キャビネット(病院での配置又は他のモジュール式構成において使用されるような)内に収容される。冷却キャビネットは、配備後にその中に入れられた技術を包囲するための厚い金属外装及びロックシステムを有する輸送容器を含む。
【0099】
サイバーセキュリティの観点から、HOCl製造システム及び方法100は、システムが配備された後に、HOCl生産管理及びパラメータの遠隔制御によって改変を防止することにより、その場での高品質の生成を保証する。HOCl製造システム及び方法100は、HOCl製造システム及び方法100が遠隔的に配備された後の純粋な真正HOClの遠隔生成中に改変されないこと、無効化されないこと、及び品質管理の監視を確実にするために、複数レベルのセキュリティ保護を含む。具体的には、HOCl製造システム及び方法100によって実装されるサイバーセキュリティ機能としては、単なる例として、及び限定されることなく、脆弱なポート及びサービスの無効化、オペレーティングシステムの脆弱な機能の除去、脆弱なソフトウェアのアンインストール、脆弱なアプリケーションの除去、セキュリティ機能の頻繁な進化などが挙げられ得る。
【0100】
別のセキュリティ態様では、HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態は、HOCl製造システム及び方法の改変、リバースエンジニアリング、又は移動を、フィードバックモニタリングを使用して検知し、示すセキュリティトリガーを含む。配備されたシステムの改変、リバースエンジニアリング、又は移動のそのような検知に応答して、HOCl製造システム及び方法100は、適宜、システムの全部又は一部の遠隔的な無効化を開始するように構成されている。いくつかの実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、ユニットの改変、リバースエンジニアリング、又は移動に関連するセキュリティトリガーの起動の検知に応答して遠隔的な無効化を自動的に開始するように構成されている。他の実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、別の場所にいる承認された人員にセキュリティ違反を通知し、他の場所にいる承認された人員が、ユニットの改変、リバースエンジニアリング、又は移動に関連するセキュリティトリガーの起動の検知に応答して遠隔的な無効化を開始することを可能にするように構成されている。
【0101】
ユニットの移動の検知に関しては、いくつかの実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、システムが指定された位置(例えば、緯度及び経度位置によって示され得る)での「作業承認」設定を組み込むことを可能にするGPSジオロケーション測位スイッチを含む。そのような実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、「作業承認」設定が起動されている場合にのみ機能する。更に、HOCl製造システム及び方法100のいくつかのそのような実施形態では、この「作業承認」設定は、配備されたHOCl製造システム及び方法100が合意によって定められた位置から指定の距離(例えば、10メートル)を超えて許可なく移動した場合にシステムを強制的に停止させる。したがって、HOCl製造システム及び方法100が物理的に盗まれた又は許可なく移動した場合、配備されたHOCl製造システム及び方法100の全体を無効にすることができ、したがって、HOCl製造システム100の監視管理を提供する。
【0102】
1つ以上の実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は、セキュリティ認証用の停止タイマーシステムを含む。いくつかの実施形態では、停止タイマーシステムは、遠隔診断プログラムによって接続の間隔において自動的にリセットされる「使用時間」機能を含む。或いは、HOCl製造システム及び方法100が「電波のない」遠隔地に配置される領域では、停止タイマーシステムのリセットは、規則的に電子的に送られるリセットキー又は物理的なドングルを用いて行われ得る。
【0103】
更に別のセキュリティ態様においては、HOCl製造システム及び方法100は、クレジットカードの取り扱いにおける認証を受けた仮想プライベートネットワーク(VPN)技術を含む。更に別のセキュリティ態様では、HOCl製造システム及び方法100は、伝送中のデータを保護するための支払いカード業界(PCI)技術を含む。これらのサイバーセキュリティ保護により、HOCl製造システム及び方法100が地域空港、地域施設のWi-Fi、及び他の地域技術を活用することを可能とし、システムがサイバーの観点から安全であることを確実にする。
【0104】
更に別のセキュリティ態様においては、HOCl製造システム及び方法100は、純粋で混じり気のないHOCl及びその成分の流れを制御する隠れた近接スイッチを含むとともに、隠れた近接スイッチによって起動される隠れたバルブを組み込むことによって流れの成分の分析を阻止する。したがって、隠れた近接スイッチによって起動されるこれらの隠れたバルブにより、無許可の人員が、HOCl製造システム及び方法100の構成要素を、その構成要素を分析しようとして取り外すことを阻止する。
【0105】
ここでHOCl製造システム及び方法100の別のセキュリティ機能について述べると、いくつかの実施形態では、システムは、電子構成要素を封入し保護する重ね成形材料を組み込む。重ね成形材料は、無許可の人員又は第三者による盤、構成要素、及び槽設計の視覚的精査を阻止するために実施され得る。重ね成形材料は無許可の人員又は第三者による盤、構成要素、及び槽設計の視覚的精査を阻止するのに有用であるが、X線検査(又は他の透過イメージング)もまた、潜在的なセキュリティ懸案事項である。この点に関して、いくつかの実施形態では、HOCl製造システム及び方法100は耐x線(例えば、x線散乱、x線遮蔽、カーボン含浸など)塗料を組み込む。このような耐x線塗料は、x線、磁気共鳴画像法(MRI)、その他の透過的イメージング技術を使用した、重要な内部構成要素及び槽設計の透過的な精査を阻止するために組み込まれる。他の実施形態では、x線以外の又はx線に加えて、波長を遮断するように構成された他の耐透過的イメージング塗料が使用されてもよい。更に他の実施形態では、x線波長であるか他の波長であるかを問わず透過的イメージングを遮断するために、塗料以外の耐透過的イメージング材料が使用される。
【0106】
HOCl製造システム及び方法100の重ね成形特徴について更に述べると、いくつかの実施形態では、システムは、重ね成形材料中にランダムに配置された反応性カプセルを組み込む。したがって、重ね成形材料を回避又は除去しようとして重ね成形材料に改変があった場合、これにより反応性カプセルが破裂し、内部構成要素(例えば、盤、構成要素、及び槽設計)上に高反応性の酸又は他の物質が放出される。無許可の者が重ね成形材料を無許可で強制的に開けることによる反応性カプセルからのこの高反応性の酸又は他の物質の放出により、内部構成要素の液化(又は他の破壊)が生じる。このようにして、反応性カプセルは、「アクセス禁止」構成要素と示された頑丈な構成要素内に密閉及び封入され得る。したがって、このような「アクセス禁止」構成要素のハウジングを無許可で強制的に開ける又は切断すると、重要な内部構成要素の破壊が生じる。このセキュリティ機能は、このようにして保護される重要な内部構成要素の物理的な盗難及び分析を阻止する。
【0107】
更に別の態様では、HOCl製造システム及び方法100は、いくつかの実施形態では、化学マーカフィードバックループ監視システムを組み込む。いくつかの実施形態では、化学マーカは、化学マーカ識別システムの一部として水溶液流の成分中に導入される。この化学マーカは、以下の目的、すなわち、(1)操作で使用された成分の正確さを示す、(2)不適当な成分が入力として使用されたことを検出する、及び(3)製造プロセス中に存在すべき成分からのずれ、の1つ以上のために、プロセス又は販売フローの下流で検出され得る。換言すると、化学マーカは、適切な入力成分が製造プロセスで使用されていること、及び仕様からの意図的な(例えば、成分をより安価で劣る代替品に交換する)又は意図しない(例えば、誤った成分を誤って使用する)ずれがないことを確認するための供給元識別子として使用され得る。
【0108】
この化学マーカ識別システムのいくつかの実施形態では、マーカは、電解前又は電解後のいずれかにおいて流れに添加される識別可能な化学物質であり得る。この化学マーカは、HOCl製品の電気化学性の影響を受けない低い、プロセス定義された濃度で存在する。特に、多くの物質は、HOCl製品の電気化学性に影響を及ぼすため、HOCl製品の崩壊、例えば、次亜塩素酸塩及び/又は酸化剤を含有する混合ハイブリッド溶液への崩壊を引き起こさない化学マーカのみを使用することが重要である。選択される化学マーカはHOClの数年の保管後でも電気化学性に影響しない。更に、選択される化学マーカは、創傷ケア、アイケア、食品消毒剤などの製品が使用される全ての用途に対して安全でなければならない。更に、化学マーカは、適切に感度の良いモニタリングデバイスによって検出可能でなければならない。したがって、製品に適切に感度の良い分析手法が行われたときに製品を供給元の確認に関して後に識別することを可能にする化学シグネチャが製品に組み込まれる。
【0109】
上記のように、この化学マーカの存在は、単なる例として、及び限定されることなく、量のずれの検出、流れのずれの検出、成分の不純物混和の検出、誤った成分の偶発的な誤用の検出などを含む目的のために有用である。いくつかの実施形態では、単なる例として、及び限定されることなく、分光光度的分析、比色分析、分光法、イオンクロマトグラフィ、炎光光度分析、又は蛍光光度分析を含み得るモニタリング分析手法が化学マーカの特定の放出特性を検出するために使用されてもよい。したがって、このような化学マーカの存在は、生産監視目的で有用なだけでなく、数ある手法の中でもとりわけ、インライン若しくは分光光度的分析、比色分析、マススペクトロスコピー、液体若しくはイオンクロマトグラフィ、炎光光度分析、又は蛍光光度分析による供給元確認を実証する「指紋」として機能し得る。
【0110】
1つ以上の実施形態では、これらの手法のこれら1つ以上は、最も適切な検出システムとして機能する。このように添加剤化学マーカを使用することで、情報を与えられていないオペレータでは容易に検出できない非自明の成分供給元確認システムを作り出す。更に、化学マーカ識別システムは、HOCl製造システムの動作に関する情報を遠隔で収集するために使用されてもよい。このようにして、化学マーカ識別システムは、品質保証、トレーサビリティ、及び供給元情報を提供する。いくつかの実施形態では、この化学マーカは、市場内の製品が真正、模造、又は不良であると包括的に又は排他的に識別するために、世界中に分布する製造パートナーによって確認される。
【0111】
化学マーカ識別システムはまた、供給元情報を提供することにより、ブロックチェーン検証とともに使用されてもよい。その後、この供給元情報は、プロビデンス(providence)及びサプライチェーンのトレーシングを提供するためにブロックチェーン追跡システムに組み込まれてもよい。ブロックチェーンは分散型のデジタル台帳である。台帳は、取引を一連のブロックで記録する。台帳は、一般にノードとして知られる複数のコンピュータにわたって分散した複数のコピーで存在する。分散した台帳システム(すなわちブロックチェーン)は、製造、販売、及び輸送の各様々な段階において製品ステータスを記録するために、化学マーカ識別システムとともに使用され得る。
【0112】
化学マーカ識別システムの1つ以上の実施形態では、化学マーカは、イミダゾリジノン/オキサゾリジノン/ヒダントイン系の特定の有機複素環式化合物、例えば2,2,5,5-テトラメチルイミダゾリジン-4-オン、又は酪酸などの特定の短鎖有機カルボン酸、又はネオジム若しくはランタンなどの希土類金属元素を含有する水溶性化合物を含む群から選択される。このような化学マーカは、非反応性、温度安定性で、供給元識別及び真正性に関して下流ロットで識別可能である。いくつかのそのような実施形態では、化学マーカは、電解前又は電解後に流れに添加され、低い、プロセス定義された濃度で存在する。他の実施形態では、同じ製造プロセス内の複数の成分を追跡できる及び/又はその供給元を確認できるように、他の成分に1つ以上の異なる化学マーカが利用される。
【0113】
化学マーカ識別システムの別の実施形態では、化学マーカは組成物(2,2,5,5-テトラメチルイミダゾリジン-4-オン)である。この組成物は、水又は塩に最初に添加され、全てのHOCl中で、例えば、1パーツパービリオン(ppb)~10パーツパーミリオン(ppm)にて検出可能になり得る。このレベルにおいて、組成物はHOClの安定性に影響しない。開示されるシステム及び方法によって生成されるHOClは、沸騰温度、凍結温度、及び室温で安定であることに加えて、水中で数年間安定であり、不活性で、脊椎動物又は無脊椎動物に毒性がない。特に、化学マーカ識別システムのいくつかの実施形態では、化学マーカは、市場において製品の供給源を認証する役割を果たすマーカとして生産後に添加される。
【0114】
機械学習及び人工ニューラルネットワーク:
上記のように、HOCl製造システム及び方法100は、システム100によって製造される様々なHOCl溶液の全てのパラメータを厳密に制御するために、源水のpH、電解セル電流、アノード液及びカソード液流体流、閉ループブライン注入、製品pH、ORP、及び遊離有効塩素をバランスさせる自己調整システムを用いるクロールアルカリ電解機構である。
【0115】
HOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、システムの全てのパラメータ(例えば、入力成分、制御ループパラメータなど)は、出力製品(すなわち、純粋で安定な真正のHOCl)に複数の影響を及ぼす。単なる例として、及び限定されることなく、電解セルの電流が増加すると遊離有効塩素が増加するだけでなく製品のpHも低下するため、安定な真正HOCl出力製品の許容製品レベルを維持するためには給水pHの調整が必要である。したがって、単一パラメータ制御ループは、業界標準の手法でリンクされた場合であっても、HOCl製造システム及び方法100を長期間の動作にわたって制御するのに効果的ではない。したがって、機械学習及び人工ニューラルネットワークを組み込んでいないHOCl製造システム及び方法100のいくつかの実施形態では、システムが応答し自己修正する能力を上回るプロセスのずれを監視するために、訓練された技術者による監視が用いられる。
【0116】
HOCl製造システム及び方法100の他の実施形態では、純粋で安定な真正のHOClを生産するプロセスを制御するために、閉ループ制御システムの代わりに機械学習と人工ニューラルネットワークの組み合わせが用いられる。このような実施形態では、WHISHクロールアルカリプロセスを制御するために用いられる複数の結合された比例積分微分(PID)ループの代わりに人工ニューラルネットワーク(ANN)モデルと機械学習(ML)モデルの組み合わせが用いられ、HOCl最終製品の極めて厳密な制御を可能にし、HOCl製造システム及び方法100のオペレータによる監視を排除する。
【0117】
いくつかの実装形態では、他の実施形態で遠隔地の技術者によってこれまで実施されていた制御の代わりに、パーティクルスワームオプティミゼーションなどのMLアルゴリズムとリアルタイム閉ループ適応学習制御の組み合わせが用いられる。特に、非線形pH制御ループは、リアルタイムパーティクルスワームオプティミゼーション又は類似の機械制御アルゴリズムを用いてpH調整パラメータの将来の振る舞いを予測し、pH調整ループ、電解電流、ブライン、及び他のパラメータのリアルタイム制御を実施することによる、ANN及び/又はML制御の対象となる。このリアルタイム制御は、各閉ループ制御を他の閉ループ制御に対して調整し、各制御パラメータの複数の関連効果をリアルタイムで監視し、複雑な化学プロセスに常時適応する解決策を見出す。
【0118】
いくつかの実施形態の更に他の態様では、特定の機械の過去の生産データに基づく一連の機械学習モデルを使用して、人工ニューラルネットワーク又はリアルタイム機械学習モデルに影響を及ぼす。このような機械学習モデルは、WHISHプロセスを定義する各閉ループサイクルを制御し、クロールアルカリ発生プロセスが生産ランの過程で変化する際に機械が自己修正することを可能にする。
【0119】
ブリオオーシャン(Brio-Ocean):
上述のいくつかのプロセスの代替として、HOCl製造システム及び方法100の他の実施形態では、所望の純粋で安定な真正のHOClを作るために塩及び/又は水酸化物の別個の化学物質入力はなく、純粋で安定な真正のHOClを生成するために使用される唯一の入力成分は未処理の海水(すなわち、追加の塩、バッファ、薬剤、又は触媒を含まない塩水)である。HOCl製造システム及び方法100のいくつかのそのような実施形態では、通常操作中にアクティブなメイン制御ループには電流及び流量が含まれる。いくつかの実施形態では、電解槽1110に水が流入中に、フィードバック制御された高電流の電源1140によって電流が電解槽1110に印加され、遠隔的に制御される。フィードバック制御された圧力を使用して、電解槽1110のアノード室入口1120及びカソード室入口1130を通って電解槽1110に入る海水の流量を制御する。HOCl製造システム及び方法100によって生成される純粋で安定な真正のHOClは、本明細書に記載する検出手法を使用した場合、検出可能な漂白剤を0%、検出可能な塩素酸塩を0%、及び検出可能なアルコールを0%含有する。
【0120】
温度安定度:
更に、HOCl製造システム及び方法100によって生成される純粋な真正HOClは、室温、凍結温度(すなわち-80℃)、及び高温(すなわち、80℃)で安定である。例えば、HOCl製造システム及び方法100は、その有効性を損なうことなく4回まで凍結させることができる純粋で安定な真正のHOClを生成する。HOCl製造システム及び方法100によって生成される純粋で安定な真正のHOClのこの熱安定性の特徴は、測定可能な量の次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない次亜塩素酸水の極めて純粋な性質によって可能になる。更に、HOCl製造システム及び方法100によって生成されるこの純粋で安定な真正のHOClは、4回まで凍結後に10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは0%のORPの検出可能な損失を有する。
【0121】
そのような汚染物は、HOCl混合物が凍結された場合に、HOCl混合物の有効性を害するほどにHOCl混合物の劣化を加速させる。換言すると、不適切なHOCl混合物製造プロセスにおけるエラーにより作製されることのある塩素、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び過塩素酸塩(このどれもが毒性又は苛性)などの汚染物の存在により、凍結された場合に(及び単に時間の経過とともに)HOCl混合物中の本来のHOClが塩素、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び他の物質に分解する。これらの汚染されたHOCl混合物は有効性が非常に劣るだけでなく毒性又は苛性であることも多い。したがって、HOCl製造システム及び方法100が純粋で安定な真正のHOClを生成できることは劇的な技術的向上である。なぜなら、ヒト組織を損傷することなく純粋で安定な真正のHOClをヒトの組織、上皮、膜などに使用することが可能になるからである。
【0122】
別の実装形態では、HOCl製造システム及び方法100は、有効性を維持しながら100Cまで加熱することができる純粋で安定な真正のHOClを生成する。重ねて、HOCl製造システム及び方法100によって生成される純粋で安定な真正のHOClのこの熱安定性の特徴は、測定可能な量の次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない次亜塩素酸水の極めて純粋な性質によって可能になる。更に、HOCl製造システム及び方法100によって生成されるこの純粋で安定な真正のHOClは、100Cまで加熱した後に10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは0%のORPの検出可能な損失を有する。
【0123】
そのような汚染物は、HOCl混合物が加熱された場合に、HOCl混合物の有効性を害するほどにHOCl混合物の劣化を加速させる。換言すると、不適切なHOCl混合物製造プロセスにおけるエラーにより作製されることのある塩素、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び過塩素酸塩(このどれもが毒性又は苛性)などの汚染物の存在により、加熱された場合に(及び単に時間の経過とともに)HOCl混合物中の本来のHOClが塩素、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び他の物質に分解する。これらの汚染されたHOCl混合物は有効性が非常に劣るだけでなく毒性又は苛性であることも多い。
【0124】
要約書に記載されているものを含む、例示した実装形態の上記説明は、網羅的であること、又は開示した厳密な形態に実装形態を限定することを意図するものではない。特定の実装形態及び実施例が例示の目的で本明細書に記載されているが、当業者によって理解されるように、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な等価の修正を施すことができる。本明細書に提供される様々な実装形態の教示は、必ずしも全般的に上述した例示的なウェアラブル電子デバイスではなく、他のポータブル及び/又はウェアラブル電子デバイスに適用することができる。
【0125】
例えば、前述の詳細な説明は、デバイス及び/又はプロセスの様々な実装形態を、ブロック図、概略図、及び例の使用によって示している。そのようなブロック図、概略図、及び例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、そのようなブロック図、流れ図、又は例内の各機能及び/又は動作は、個々に及び/又は集合的に、広範なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は事実上そのあらゆる組み合わせによって実装され得ることは当業者には理解されるであろう。一実装形態では、本対象は、特定用途向け集積回路(ASIC)により実装され得る。しかしながら、本明細書に開示される実装形態は、全体的に又は部分的に、標準的な集積回路において、1つ以上のコンピュータによって実行される1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ以上のコンピュータシステム上で動作する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のコントローラ(例えばマイクロコントローラ)によって実行される1つ以上のプログラムとして、1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット、グラフィカル処理ユニット)によって実行される1つ以上のプログラムとして、ファームウェアとして、又はそれらの事実上あらゆる組み合わせとして同等に実装することができ、回路を設計すること及び/又はソフトウェア及び/又はファームウェアのコードを書くことは、本開示の教示の観点から、当業者の通常の技量の範囲内であることは当業者であれば理解するであろう。
【0126】
ロジックがソフトウェアとして実装され、メモリに格納される場合、ロジック又は情報は、任意のプロセッサ関連システム若しくは方法による使用のために又は任意のプロセッサ関連システム若しくは方法に関連する使用のために、任意のプロセッサ可読媒体に格納され得る。本開示の文脈では、メモリは、コンピュータ及び/又はプロセッサプログラムを収容若しくは格納する電子、磁気、光学、又は他の物理的デバイス若しくは手段であるプロセッサ可読媒体である。ロジック及び/又は情報は、命令実行システム、装置、又はデバイスから命令を取り出し、ロジック及び/又は情報に関連する命令を実行することができるコンピュータベースのシステム、プロセッサ収容システム、又は他のシステムなどの命令実行システム、装置、又はデバイスにより使用される、又はこれらに関連して使用される任意のプロセッサ可読媒体に含まれ得る。
【0127】
本明細書の文脈では、「非一時的なプロセッサ可読媒体」は、命令実行システム、装置、及び/又はデバイスによって使用される、又は命令実行システム、装置、及び/又はデバイスに関連して使用されるロジック及び/又は情報に関連するプログラムを格納することができる任意の要素であり得る。プロセッサ可読媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、又は半導体システム、装置、又はデバイスであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)としては、以下、すなわち、ポータブルコンピュータディスケット(磁気、コンパクトフラッシュカード、セキュアデジタルなど)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM、EEPROM、又はフラッシュメモリ)、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)、デジタルテープ、及び他の非一時的媒体が挙げられる。
【0128】
上述の様々な実装形態を組み合わせて、更なる実装形態を提供することができる。本明細書中の特定の教示及び定義と矛盾しない範囲において、2020年8月6日に出願の米国仮特許出願第63/062,287号を含む、本明細書で参照される及び/又は出願データシートに記載された米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、及び非特許文献は全て、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。そのような出願は、具体的には、以下、すなわち、HOCl分子溶液(The HOCl Molecule Solution):(1)米国特許出願第62/353,483号 Inactivation Of Highly Resistant Infectious Microbes And Proteins With Hypohalous Acid Preparations;(2)国際出願PCT/US2017/038838号:Aqueous Hypohalous Acid Preparations For The Inactivation Of Resistant Infectious Agents;及び(3)国際出願PCT/US2019/036722号を含む。
【0129】
実装形態の態様は、必要に応じて、様々な特許、出願、及び刊行物のシステム、回路、及び概念を用いるように修正して、更に別の実装形態を提供することができる。
【0130】
これら及び他の変更は、上記の詳細な説明を考慮し、実装形態に施すことができる。概して、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、明細書及び特許請求の範囲に開示される特定の実装形態に限定するものと解釈されるべきではなく、可能な全ての実装形態を、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲とともに含むものと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されるものではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配備可能な遠隔制御式製造システムを使用した電解方法であって、
遠隔起動に応答して、フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御することと、
前記遠隔起動に応答して、調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽にフィードバック制御された電流を印加することと、
前記遠隔起動に応答して、フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加し、水性混合物を作製することと、
前記遠隔起動に応答して、前記フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することと、
次亜塩素酸水をアノード室出口で、及び水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成することであって、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することと、
を含む、電解方法。
【請求項2】
前記水性混合物に前記水酸化ナトリウムを添加することは、脱気槽及びポンプを介して前記カソード室出口から前記アノード室入口に前記水酸化ナトリウムを添加することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記水性混合物に前記水酸化ナトリウムを添加することは、電解機構と無関係の水溶液から前記水酸化ナトリウムを添加することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アノード室出口で生成された前記次亜塩素酸水はアノード液バッファタンクに案内される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記カソード室出口で生成された前記水酸化ナトリウム水溶液はカソード液バッファタンクに案内される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記次亜塩素酸水は、金属カチオン、過ヨウ素酸塩、リン酸塩緩衝液、炭酸塩緩衝液、及びハロゲン安定化能を持つ有機化合物を含有しない、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
滴定を含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
入力成分として酸を全く使用しない、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記次亜塩素酸水は、720センチメートル
-1~740センチメートル
-1のラマン分光法値範囲を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記次亜塩素酸水のpHバランスは、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記次亜塩素酸水中のHOClの百万分率(PPM)は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記次亜塩素酸水の塩濃度は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記次亜塩素酸水の酸化還元電位(ORP)は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記次亜塩素酸水中の遊離塩素濃度の量は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
水素ガスが前記電解槽の前記カソード室出口で発現し、塩素と酸素の混合ガスが前記電解槽の前記アノード室出口で発現する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記水素ガスは空気と水素が約1000:1の混合物であり、安全に排出される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記塩素と酸素の混合ガスは、活性炭ブロック吸着フィルタを含む閉じたシステム内で交換される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記活性炭ブロック吸着フィルタは塩素センサで監視される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
給水源からの水は、部分的に溶解した固形物が濾過されている、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
給水源からの水は、病原体を失活させる又は除去するために処理されている、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
給水源からの水は、不溶性金属を除去するために脱イオン化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得することと、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節することと、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
配備可能な遠隔制御式の次亜塩素酸(HOCl)製造システムを使用した電解方法であって、
フィードバック制御された水圧をアノード液メータリングバルブ及びカソード液メータリングバルブに提供することと、
電解槽のアノード室入口及びカソード室入口を通って前記電解槽に入る水流量を制御することと、
前記電解槽への水の流入中に、調整可能な及びフィードバック制御された高電流の電源によって前記電解槽に電流を印加することと、
フィードバック制御されたポンプを介して前記アノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加し、水性混合物を作製することと、
前記フィードバック制御されたポンプを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することと、
次亜塩素酸水をアノード室出口で、及び水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成することであって、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することと、
を含む、電解方法。
【請求項24】
前記水性混合物に前記水酸化ナトリウムを添加することは、脱気槽及びポンプを介して前記カソード室出口から前記アノード室入口に前記水酸化ナトリウムを添加することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記水性混合物に前記水酸化ナトリウムを添加することは、電解機構と無関係の水溶液から前記水酸化ナトリウムを添加することを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記アノード室出口で生成された前記次亜塩素酸水はアノード液バッファタンクに案内される、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記カソード室出口で生成された前記水酸化ナトリウム水溶液はカソード液バッファタンクに案内される、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記次亜塩素酸水は、金属カチオン、過ヨウ素酸塩、リン酸塩緩衝液、炭酸塩緩衝液、及びハロゲン安定化能を持つ有機化合物を含有しない、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
滴定を含まない、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
入力成分として酸を全く使用しない、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記次亜塩素酸水は、ラマン分光法によって特徴付けられた場合に720センチメートル
-1~740センチメートル
-1の範囲のラマン分光法ピークを有する、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記次亜塩素酸水のpHバランスは、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記次亜塩素酸水中の前記HOClの百万分率(PPM)は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
前記次亜塩素酸水の塩濃度は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項23に記載の方法。
【請求項35】
前記次亜塩素酸水の酸化還元電位(ORP)は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項23に記載の方法。
【請求項36】
前記次亜塩素酸水中の遊離塩素濃度の量は、前記フィードバック制御された水圧、フィードバック制御された電流、フィードバック制御された塩化ナトリウム、及びフィードバック制御された水酸化ナトリウムのうちの1つ以上を使用して制御可能である、請求項23に記載の方法。
【請求項37】
水素ガスが前記電解槽の前記カソード室出口で発現し、塩素と酸素の混合ガスが前記電解槽の前記アノード室出口で発現する、請求項23に記載の方法。
【請求項38】
前記水素ガスは空気と水素が約1000:1の混合物であり、安全に排出される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記塩素と酸素の混合ガスは、活性炭ブロック吸着フィルタを含む閉じたシステム内で交換される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記活性炭ブロック吸着フィルタは塩素センサで監視される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得することと、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節することと、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整することと、
を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項42】
水圧を使用して電解槽への水流量を制御することと、
電源によって前記電解槽に電流を印加することと、
塩化ナトリウムブラインをアノード室入口に添加し、水性混合物を作製することと、
前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することと、
前記電解槽から次亜塩素酸水を生成することであって、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することと、
を含む、電解方法。
【請求項43】
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得することと、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節することと、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節及び前記水流量の調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整することと、
を更に含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
配備可能な遠隔制御式製造システムを使用した電解システムであって、
前記システム内のセンサを監視する監視システムと、
前記被監視センサからデータを送信し、命令を受け取る通信システムと、
プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、前記コンピュータ命令は、前記受け取った命令を有する前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御させ、
調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽にフィードバック制御された電流を印加させ、
フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、
前記フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させ、
次亜塩素酸水をアノード室出口で、及び水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成させ、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、
制御システムと、
を含む、システム。
【請求項45】
制御システムは、プロセッサと更なるコンピュータ命令を格納するメモリとを含み、前記更なるコンピュータ命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得させ、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節させ、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整させる、
請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
配備可能な遠隔制御式製造システムを使用した電解システムであって、
1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムであって、各配備可能な遠隔制御式製造システムは、
前記システム内のセンサを監視する監視システムと、
前記被監視センサからデータを送信し、命令を受け取る通信システムと、
プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、前記コンピュータ命令は、前記受け取った命令を有する前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御させ、
調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽にフィードバック制御された電流を印加させ、
フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、
前記フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させ、
次亜塩素酸水をアノード室出口で、及び水酸化ナトリウム水溶液をカソード室出口で生成させ、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、
制御システムと、
を含む、1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムと、
ベースキャンプユニットであって、
前記1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムを監視する監視システムと、
前記1つ以上の配備可能な遠隔制御式HOCl製造システムに及び前記1つ以上の配備可能な遠隔制御式HOCl製造システムからデータを送信する通信システムと、
プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、前記コンピュータ命令は、受け取った命令を有する前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムから情報を受け取らせ、
前記1つ以上の配備可能な遠隔制御式製造システムに命令を送らせる、
制御システムと、
を含む、ベースキャンプユニットと、
を含む、電解システム。
【請求項47】
制御システムは、プロセッサと更なるコンピュータ命令を格納するメモリとを含み、前記更なるコンピュータ命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得させ、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節させ、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整させる、
請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
配備可能な遠隔制御式次亜塩素酸(HOCl)電解製造システムであって、
水が取得される水供給タンクと、
ブライン水が取得されるブライン水供給タンクと、
アノード液室入口とカソード液室入口とアノード室出口とカソード室出口とを有する電解槽と、
前記水供給タンクから前記電解槽のカソード液メータリングバルブへの導管と、
前記ブライン水供給タンクから前記電解槽のアノード液メータリングバルブへの導管と、
前記水供給タンクから前記電解槽の前記カソード液メータリングバルブへの前記導管と関連付けられた供給ポンプと、
前記ブライン水供給タンクから前記電解槽の前記アノード液メータリングバルブへの前記導管と関連付けられた食塩水メータリングポンプと、
前記電解槽に電流を印加する高電流の電源と、
プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、前記コンピュータ命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
フィードバック制御された水圧を提供することにより前記電解槽への水流量を制御させ、
調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽にフィードバック制御された電流を印加させ、
フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、
前記フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させる、
制御システムと、
を含み、
次亜塩素酸水は前記アノード室出口で生成され、水酸化ナトリウム水溶液は前記カソード室出口で生成され、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、
システム。
【請求項49】
制御システムはプロセッサと更なるコンピュータ命令を格納するメモリとを含み、前記更なるコンピュータ命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得させ、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節させ、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整させる、
請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
配備可能な遠隔制御式次亜塩素酸(HOCl)電解製造システムであって、
電解槽と、
前記電解槽に電流を印加する高電流の電源と、
プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む制御システムであって、前記コンピュータ命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
フィードバック制御された水圧を提供することにより前記電解槽への水流量を制御させ、
調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽にフィードバック制御された電流を印加させ、
フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、
前記フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させる、
制御システムと、
を含み、
次亜塩素酸水は前記電解槽から生成され、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、
システム。
【請求項51】
制御システムは、プロセッサと更なるコンピュータ命令を格納するメモリとを含み、前記更なるコンピュータ命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水のpH値を取得させ、
前記投入水が前記電解槽に入る前に前記投入水の前記pH値を調節させ、
前記投入水の前記pH値調節を前記水酸化ナトリウムの投入レベルの調節及び前記水流量の調節とともに使用し、前記システムによって生成される前記次亜塩素酸水のpH値を調整させる、
請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
配備可能な遠隔制御式製造システムを使用した電解システムであって、
前記システム内のセンサを監視する監視システムと、
前記被監視センサからデータを送信し、命令を受け取る通信システムと、
人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上を組み込んだ制御システムであって、前記制御システムは、プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含み、前記コンピュータ命令は、前記受け取った命令を有する前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
機械学習フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御させ、
調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽に機械学習フィードバック制御された電流を印加させ、
機械学習フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加させて、水性混合物を作製させ、
前記機械学習フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加させ、
常時変化する制御パラメータを識別及び修正するために、各制御パラメータの複数の関連効果をリアルタイムで監視させ、
次亜塩素酸水を生成させ、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、
制御システムと、
を含み、
前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、MLアルゴリズムとリアルタイム閉ループ適応学習制御との組み合わせを用いて複数のフィードバック制御ループを互いに調整する、
電解システム。
【請求項53】
前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、前記人工ニューラルネットワーク及びリアルタイム機械学習モデルの1つ以上に影響を及ぼす過去の生産データに基づく一連の機械学習モデルにアクセスし、前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、複数のフィードバック制御ループサイクルを制御し、生産ラン中に、前記システムが自己修正し、HOCl生成プロセスの変化に適応することを可能にする、請求項
52に記載のシステム。
【請求項54】
機械学習アルゴリズムとリアルタイム閉ループ適応学習制御との前記組み合わせは、パーティクルスワームオプティミゼーションを含む、請求項
52に記載のシステム。
【請求項55】
前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、pH調整パラメータの将来の振る舞いを予測し、pH調整ループ、電解電流、及びブラインのリアルタイム制御を実施する、請求項
52に記載のシステム。
【請求項56】
前記電解槽は、層流プレナムに導入される動的渦崩壊入力を用いる、請求項
52に記載の
システム。
【請求項57】
前記層流プレナムは、白金とルテニウムイリジウム酸化物とを交互に収容したものである、請求項
56に記載の
システム。
【請求項58】
次亜塩素酸(HOCl)製造システムを使用した電解方法であって、
人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上を組み込んだ制御システムにアクセスすることであって、前記制御システムは、プロセッサとコンピュータ命令を格納するメモリとを含む、アクセスすることと、
フィードバック制御された水圧を提供することにより電解槽への水流量を制御することと、
調整可能な及び高電流の電源によって前記電解槽にフィードバック制御された電流を印加することと、
フィードバック制御されたアクチュエータを介してアノード室入口に塩化ナトリウムブラインを添加し、水性混合物を作製することと、
前記フィードバック制御されたアクチュエータを介して前記水性混合物に水酸化ナトリウムを添加することと、
常時変化する制御パラメータを識別及び修正するために、各制御パラメータの複数の関連効果をリアルタイムで監視することと、
次亜塩素酸水を生成することであって、前記次亜塩素酸水は、次亜塩素酸塩、リン酸塩、酸化物、及び安定剤を含有しない、生成することと、
を含み、
前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、機械学習アルゴリズムとリアルタイム閉ループ適応学習制御との組み合わせを用いて複数のフィードバック制御ループを互いに調整する、
電解方法。
【請求項59】
前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、前記人工ニューラルネットワーク及びリアルタイム機械学習モデルの1つ以上に影響を及ぼす過去の生産データに基づく一連の機械学習モデルにアクセスし、前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、複数のフィードバック制御ループサイクルを制御し、生産ラン中に、前記システムが自己修正し、HOCl生成プロセスの変化に適応することを可能にする、請求項
58に記載の方法。
【請求項60】
機械学習アルゴリズムとリアルタイム閉ループ適応学習制御との前記組み合わせは、パーティクルスワームオプティミゼーションを含む、請求項
58に記載の方法。
【請求項61】
前記人工ニューラルネットワーク及び機械学習モデルの1つ以上は、pH調整パラメータの将来の振る舞いを予測し、pH調整ループ、電解電流、及びブラインのリアルタイム制御を実施する、請求項
58に記載の方法。
【請求項62】
前記電解槽は、層流プレナムに導入される動的渦崩壊入力を用いる、請求項
58に記載の方法。
【請求項63】
前記層流プレナムは、白金とルテニウムイリジウム酸化物とを交互に収容したものである、請求項
62に記載の方法。
【国際調査報告】