(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-05
(54)【発明の名称】連続バイオプロセス遠心分離機ロータ
(51)【国際特許分類】
B04B 1/02 20060101AFI20230829BHJP
B04B 7/08 20060101ALI20230829BHJP
B04B 11/00 20060101ALI20230829BHJP
B04B 9/10 20060101ALI20230829BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20230829BHJP
C12N 1/02 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
B04B1/02
B04B7/08
B04B11/00 Z
B04B9/10
C12M1/00 C
C12N1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023510326
(86)(22)【出願日】2021-08-11
(85)【翻訳文提出日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 US2021045525
(87)【国際公開番号】W WO2022035952
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510016645
【氏名又は名称】ファイバーライト・セントリフュージ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ピラムーン,シナ
【テーマコード(参考)】
4B029
4B065
4D057
【Fターム(参考)】
4B029AA11
4B029DG10
4B029GA08
4B029GB10
4B065BD15
4D057AA01
4D057AB01
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4D057AE02
4D057AF01
4D057BA06
4D057BA16
4D057BA31
4D057BA43
4D057BC01
4D057BC05
4D057BC11
4D057CB04
(57)【要約】
ロータアセンブリ(10、150、270、310)およびロータアセンブリ(10、150、270、310)の使用方法。ロータアセンブリ(10、150、270、310)は、バイオプロセスバッグ(48)、バッグ(48)の下部を受けるドラム(46)、および圧力リング(50)を含む。ホルダ(54、182)は、バッグ(48)の上部を圧力リング(50)に結合する。圧力リング(50)は、ドラム(46)に結合されて、バッグ(48)を収容する内部空間を画定する。液体輸送アセンブリ(35、178、272)は、ホルダ(54、182)の開口部を通過し、ロータ(16、154)を遠心分離機から取り外すことなく、液体をバッグ(48)に追加し、バッグから取り出すことができる。ホルダ(54、182)内のベアリングアセンブリ(190)は、液体輸送アセンブリ(35、178、272)をロータ(16、154)に結合し、ロータ(16、154)が周りを回転している間、液体輸送アセンブリ(35、178、272)を静止したままにできる。1つ以上のシールアセンブリ(276、312)は、液体輸送アセンブリ(35、178、272)の外側部分に対して液密シールを提供し、遠心分離中にバッグ(48)から流体が漏れるのを防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体培地を遠心分離するためのロータアセンブリであって、
下部および上部を含むバイオプロセスバッグであって、前記バイオプロセスバッグの前記上部が、前記バイオプロセスバッグの前記下部に接続された軸方向に整列したネックと、前記軸方向に整列したネックから外向きに延びる半径方向に整列したスカートとを含む、バイオプロセスバッグと、
外側リムと、前記外側リムから上向きに延びる第1の円周壁とを有する第1の基部を含むドラムであって、前記第1の円周壁が第1の外面と第1の内面とを含み、前記第1の内面が前記バイオプロセスバッグの前記下部を受け入れる第1の開口部を画定する、ドラムと、
第1の半径方向に整列したフランジおよび第2の円周壁を含む圧力リングであって、前記第1の半径方向に整列したフランジが、第1の上面、外縁、および第2の開口部を画定する内縁を含み、前記第2の円周壁が、前記外縁から下方に延び、前記ドラムの前記第1の円周壁の前記第1の外面と係合する第2の内面を有する、圧力リングと、
外向き面を有する第3の円周壁と、第1の下面を有する第2の半径方向に整列したフランジとを含むホルダであって、前記第2の半径方向に整列したフランジが、前記第3の円周壁の上部から外向きに延び、前記外向き面および前記第1の下面のうちの少なくとも1つが、前記バイオプロセスバッグの前記上部を前記圧力リングに動作可能に結合する、ホルダと、を備える、ロータアセンブリ。
【請求項2】
凹んだ環を有する第2の上面を含む圧縮リングであって、前記凹んだ環が、前記圧縮リングの軸方向側で開いており、前記ホルダの前記第2の半径方向に整列したフランジの前記第1の下面とともに半径方向に整列した円周チャネルを画定し、前記半径方向に整列した円周チャネルが、前記バイオプロセスバッグの前記半径方向に整列したスカートの少なくとも一部を受け入れるように構成されている、圧縮リングをさらに備える、請求項1に記載のロータアセンブリ。
【請求項3】
前記ホルダの前記第2の半径方向に整列したフランジおよび前記圧縮リングのそれぞれが、複数の通過孔を含み、
複数の保持ボルトと、
それぞれが前記保持ボルトのそれぞれを受け入れるように構成された複数のねじ穴を含む保持リングであって、各保持ボルトが、前記第2の半径方向に整列したフランジおよび前記圧縮リングのそれぞれの通過孔を通過する、保持リングと、をさらに備え、
前記圧縮リングが、前記保持ボルトの締め付けに応答して、前記半径方向に整列した第2のフランジおよび前記保持リングによって圧縮力を受ける、請求項2に記載のロータアセンブリ。
【請求項4】
前記圧力リングが、前記第1の半径方向に整列したフランジの前記第1の上面から上向きに突出する円周リッジを含み、前記保持リングを、前記圧力リングの前記内縁によって画定された前記第2の開口部の周りに中心合わせするように構成された軸方向に整列した内向き面を含む、請求項3に記載のロータアセンブリ。
【請求項5】
前記ドラムが、複数の軸方向に整列したバッフルを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のロータアセンブリ。
【請求項6】
前記バイオプロセスバッグの前記下部が、複数の内部ポケットと、2つの隣接する内部ポケットの間にそれぞれ配置された複数の外部ポケットとを含み、前記外部ポケットのそれぞれが、前記ドラムの前記軸方向に整列したバッフルのそれぞれと係合するように構成されている、請求項5に記載のロータアセンブリ。
【請求項7】
前記軸方向に整列したバッフルのそれぞれには中空が含まれ、前記第1の基部が、各軸方向に整列したバッフルの前記中空への第3の開口部を有する第2の下面を含み、
それぞれが前記第1の基部の前記第2の下面のそれぞれの第3の開口部と係合するように構成された複数の突起を有する第3の上面を含むトルク移送モジュールをさらに備える、請求項5または6に記載のロータアセンブリ。
【請求項8】
カバーと、前記カバーを受け入れるように構成された第2の基部とを含むハウジングをさらに備え、
前記バイオプロセスバッグ、前記ドラム、前記圧力リング、および前記ホルダが、前記ハウジング内で回転するロータを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のロータアセンブリ。
【請求項9】
前記ホルダの前記第3の円周壁が、第4の開口部を画定する内向き面を含み、
前記カバーおよび前記第4の開口部を通過し、第1の液体培地が前記バイオプロセスバッグから除去される入力ポートを有するデカントアセンブリをさらに備え、
前記第1の基部が、前記ロータの回転軸に近接する集水域を画定する、上向きボウル形状を有する第4の上面を含み、
前記デカントアセンブリの前記入力ポートが前記集水域に近接して配置される、請求項8に記載のロータアセンブリ。
【請求項10】
前記カバーおよび前記第4の開口部を通過し、第2の液体培地が前記バイオプロセスバッグに提供される供給アセンブリ出力ポートを含む供給アセンブリをさらに備える、請求項9に記載のロータアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の液体培地が上澄みであり、前記第2の液体培地が懸濁液である、請求項10に記載のロータアセンブリ。
【請求項12】
前記供給アセンブリが、供給アセンブリ入力ポートと、第1の直径を有する第3の内面を有する供給管とをさらに含み、
前記デカントアセンブリが、前記第1の直径よりも小さい第2の直径を有する第2の外面を有するデカント管を含み、前記デカント管が前記供給管を長手方向に通過し、
前記デカント管および前記供給管が、前記デカント管の前記第2の外面と前記供給管の前記第3の内面との間に環状チャネルを画定するように、前記第1の直径が、前記デカント管の少なくとも一部に沿って前記第2の直径よりも大きく、
前記環状チャネルが、前記供給アセンブリ入力ポートを前記供給アセンブリ出力ポートに流体結合する、請求項10または11に記載のロータアセンブリ。
【請求項13】
ベアリングアセンブリと、
前記カバーおよび前記ベアリングアセンブリを通過し、第1の液体培地が前記バイオプロセスバッグから除去される第1のポートと、第2の液体培地が前記バイオプロセスバッグに提供される第2のポートとを含む液体輸送アセンブリと、をさらに備える、請求項8から12のいずれか一項に記載のロータアセンブリ。
【請求項14】
前記ホルダが、
第1の円筒形環を含む下部セクションと、
第2の円筒形環を含む上部セクションと、を含み、
前記第1の円筒形環および前記第2の円筒形環は、前記下部セクションが前記上部セクションに結合されたときに前記ベアリングアセンブリを保持する中央空洞を画定する、請求項13に記載のロータアセンブリ。
【請求項15】
前記ベアリングアセンブリが、
第1のボアを有する第1の内側リングを含む上部ベアリングと、
第2のボアを有する第2の内側リングを含む下部ベアリングと、
前記上部ベアリングを前記下部ベアリングに対して垂直に配置する円筒形スペーサと、を含み、
前記第1のボアおよび前記第2のボアが、前記ベアリングアセンブリを前記液体輸送アセンブリに結合する、請求項13または14に記載のロータアセンブリ。
【請求項16】
第5の上面および第3の下面を有するシールベアリングであって、前記シールベアリングが、前記第5の上面を介して前記ハウジングの前記カバーに結合され、前記第3の下面を介して前記ホルダと回転接触状態にある、シールベアリングをさらに備える、請求項13から15のいずれか一項に記載のロータアセンブリ。
【請求項17】
第3の外面および第4の下面を含むシール駆動ハブであって、前記シール駆動ハブが、前記第3の外面を介して前記ハウジングの前記カバーに結合され、前記第4の下面によって前記第5の上面に結合される、シール駆動ハブ、をさらに備える、請求項16に記載のロータアセンブリ。
【請求項18】
前記第4の下面には、1つ以上の突起が含まれ、
前記第5の上面には、1つ以上のノッチが含まれ、
前記突起の各々がそれぞれのノッチと係合し、その結果、前記シールベアリングが前記シール駆動ハブに対して回転するのを防止する、請求項17に記載のロータアセンブリ。
【請求項19】
前記シール駆動ハブが、
前記シールベアリングから熱を逃がすように伝導するように構成された1つ以上のヒートパイプをさらに含む、請求項17または18に記載のロータアセンブリ。
【請求項20】
前記ハウジングの前記カバーが第1の中心穴を含み、
前記シール駆動ハブを前記第1の中心穴に結合するトルク保持ハブをさらに含む、請求項17から19のいずれか一項に記載のロータアセンブリ。
【請求項21】
前記トルク保持ハブが、非円形の形状を有する第2の中心穴を含み、
前記シール駆動ハブの前記第3の外面が、前記非円形の形状を有し、前記トルク保持ハブの前記第2の中心穴と係合するように構成され、その結果、前記シール駆動ハブが前記非円形の形状によって前記トルク保持ハブに対して回転するのを防止する、請求項20に記載のロータアセンブリ。
【請求項22】
前記シール駆動ハブがねじ付きボアを含み、
前記液体輸送アセンブリが、前記シール駆動ハブの前記ねじ付きボアとねじ係合するように構成されたねじ部分を備えた第4の外面を有する一体型カラーを含み、
前記液体輸送アセンブリが、前記シール駆動ハブによって前記ハウジングの前記カバーに結合される、請求項17から21のいずれか一項に記載のロータアセンブリ。
【請求項23】
前記液体輸送アセンブリが、滑らかな部分を有する第4の外面を有する一体型カラーを含み、前記シールベアリングが内側溝を含み、
前記シールベアリングと前記液体輸送アセンブリの前記一体型カラーの前記第4の外面の前記滑らかな部分との間に液密シールを提供する前記シールベアリングの前記内側溝に配置された弾性部材をさらに含む、請求項16から22のいずれか一項に記載のロータアセンブリ。
【請求項24】
前記ホルダが、第1の中央開口部を含み、
前記第1の中央開口部を通過し、第1の液体培地が前記バイオプロセスバッグから除去される第1のポートと、第2の液体培地が前記バイオプロセスバッグに提供される第2のポートとを含む液体輸送アセンブリと、
第1の内側溝と、前記ホルダと回転接触状態にある第2の上面とを含むシールベアリングと、
前記シールベアリングを前記液体輸送アセンブリに結合する前記シールベアリングの前記第1の内側溝に配置された第1の弾性部材と、をさらに含む、請求項1から23のいずれか一項に記載のロータアセンブリ。
【請求項25】
前記ホルダが、前記第3の円周壁の下部に結合された下部プレートを含み、前記第1の中央開口部が前記下部プレートにある、請求項24に記載のロータアセンブリ。
【請求項26】
第1の端部および第2の端部を有し、前記シールベアリングを付勢して前記ホルダの前記下部プレートと前記回転接触状態にさせるように構成されている第2の弾性部材をさらに備える、請求項25に記載のロータアセンブリ。
【請求項27】
内面を有する第1の円筒形スリーブと、前記第1の円筒形スリーブの底部から半径方向内側に延びる第1の環状フランジとを含むリテーナと、
前記液体輸送アセンブリとの摩擦または滑り嵌めを提供する第2の中央開口部を画定する前記第1の環状フランジと、
前記第1の円筒形スリーブの前記内面と前記液体輸送アセンブリとの間に環状空間を画定するのに十分な内径を有する前記第1の円筒形スリーブと、をさらに備え、
前記第2の弾性部材の前記第1の端部が、前記環状空間内に保持される、請求項26に記載のロータアセンブリ。
【請求項28】
第2の円筒形スリーブと、前記第2の円筒形スリーブの上部から半径方向内側に延びる第2の環状フランジとを含むベアリング支持体と、
上面、下面を有し、前記液体輸送アセンブリとの滑り嵌めを提供する第3の中央開口部を画定する前記第2の環状フランジと、をさらに備え、
前記第2の弾性部材の前記第2の端部が前記第2の環状フランジの前記下面と係合し、前記第2の環状フランジの前記上面が前記シールベアリングの底面と係合する、請求項27に記載のロータアセンブリ。
【請求項29】
前記第2の円筒形スリーブが、前記第1の円筒形スリーブの外径よりも大きい内径を有し、前記第1の円筒形スリーブと前記第2の円筒形スリーブとの間に滑り嵌めを提供する、請求項28に記載のロータアセンブリ。
【請求項30】
第3の弾性部材をさらに備え、
前記第2の環状フランジが第2の内側溝を含み、
前記第3の弾性部材は、前記第2の内側溝に配置され、前記ベアリング支持体を前記液体輸送アセンブリに結合する、請求項28または29に記載のロータアセンブリ。
【請求項31】
前記第1および第3の弾性部材がOリングであり、前記第2の弾性部材がコイルばねである、請求項30に記載のロータアセンブリ。
【請求項32】
第1の成分および第2の成分を含む液体培地を遠心分離する方法であって、
第1の量の前記液体培地をロータに提供することと、
ポート前記液体培地の少なくとも一部を前記第1の成分と前記第2の成分に分離させる第1の角速度に前記ロータが到達するまで、1つ以上の段階で前記ロータを加速することと、
前記ロータが前記第1の角速度よりも小さい第2の角速度に達するまで、前記ロータを1つ以上の段階で減速することと、
前記ロータが前記第2の角速度で回転している間、
前記ロータから前記第1の成分の少なくとも一部を除去することと、
前記第1の成分の前記一部を前記ロータから除去した後、第2の量の前記液体培地を前記ロータに加えることと、
前記ロータが、前記第2の成分が前記ロータ内に蓄積するように、前記液体培地の前記第2の量の少なくとも一部を前記第1の成分と前記第2の成分に分離させる前記第1の角速度に達するまで、1つ以上の段階で前記ロータを加速することと、を含む、方法。
【請求項33】
前記ロータが前記第1の角速度に到達するまで1つ以上の段階で前記ロータを加速することが、
前記ロータが第3の角速度に達するまで、第1の角加速度で前記ロータを加速することと、
第1の期間、前記第3の角速度で前記ロータを回転させることと、
前記第1の期間が満了した後、前記ロータが前記第1の角速度に達するまで、前記第1の角加速度よりも大きい第2の角加速度で前記ロータを加速することと、を含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ロータが前記第3の角速度で回転している間、前記第3の角速度によって前記液体培地の表面が放物線形状になり、前記ロータが前記第1の角速度で回転している間、前記第1の角速度によって前記液体培地の前記表面が円筒形状になる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第3の角速度が毎分約100回転であり、前記第1の角速度が毎分5,000~5,500回転である、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記ロータが前記第2の角速度に達するまで1つ以上の段階で前記ロータを減速することは、
前記ロータが第4の角速度に達するまで、第3の角加速度で前記ロータを減速することと、
第2の期間、前記第4の角速度で前記ロータを回転させることと、
前記第2の期間が満了した後、前記ロータが前記第2の角速度に達するまで、前記第3の角加速度よりも小さい第4の角加速度で前記ロータを減速することと、を含む、請求項32から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
第1の成分および第2の成分を含む液体培地を遠心分離する方法であって、
複数の内部ポケットを有するバイオプロセスバッグを含むロータに、前記液体培地の第1のバッチを加えることと、
前記液体培地の少なくとも一部を前記第1の成分と前記第2の成分に分離させる第1の角速度に前記ロータが到達するまで、1つ以上の段階で前記ロータを加速することと、
前記第2の成分を前記複数の内部ポケットに蓄積することと、を含む、方法。
【請求項38】
前記ロータが前記第1の角速度よりも小さい第2の角速度に達するまで、前記ロータを1つ以上の段階で減速することと、
前記ロータが前記第2の角速度で回転している間に、前記ロータから前記第1の成分の前記一部を除去し、前記ロータから前記第1の成分の前記一部を除去した後、前記液体培地の第2のバッチを前記ロータに追加することと、
前記液体培地の前記第2のバッチが前記ロータに追加された後、前記ロータが前記第1の角速度に達するまで、1つ以上の段階で前記ロータを加速することと、
前記液体培地の前記第2のバッチの前記第2の成分を前記複数の内部ポケットに蓄積することと、をさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記ロータを前記第2の角速度に減速するステップと、前記ロータから前記第1の成分の前記一部を除去するステップと、前記液体培地の別のバッチを前記ロータに追加するステップと、前記ロータを前記第1の角速度に加速するステップと、前記第2の成分を前記複数の内部ポケットに蓄積するステップとを繰り返すことと、
前記ロータから前記第2の成分を除去することと、をさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ロータから前記第2の成分を除去することには、前記ロータの回転を停止することと、前記ロータから前記バイオプロセスバッグを除去することとが含まれる、請求項39に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に遠心分離機ロータに関し、より詳細には、遠心分離機内で生物学的懸濁液を連続的に処理するように構成されたロータに関する。
【背景技術】
【0002】
バイオリアクタおよび発酵槽は、液体培地に懸濁した細胞または微生物を含む生物学的懸濁液を増殖させるために使用される。生物学的懸濁液が十分に成長すると、通常、液体と固体の成分に分離される。分離された成分は、その後の分析または使用のために回収される。遠心分離は、生物学的懸濁液に分散したタンパク質、核酸、脂質、炭水化物などを含む、細胞、オルガネラ、生体高分子などの生物学的成分を分離するための一般的な手法である。
【0003】
遠心分離は、通常、バイオリアクタまたは発酵槽からボトルやバッグなどの処理容器に一定量の懸濁液を分配することを伴う。次に、容器を閉じて遠心分離機で回転させる。遠心分離機でロータを回転させることによって生じる遠心力により、懸濁液中の固形物が沈殿し、容器の底に向かってほぼ固形のペレットが形成される。ペレットより密度の低い液体を含む上澄みが、ペレットの上の容器に集まる。他の場合では、懸濁液に密度勾配が形成されることがあり、同様の密度の固体を含む液体の等密度層が重なり合って形成される。いずれの場合も、上澄みとペレットまたは等密度層が形成されると、分離された成分は、容器から各成分を注ぐ、ポンピングする、または別の方法で除去することによってデカントすることができる。
【0004】
従来の遠心分離プロセスには多くの欠点がある。例えば、処理量を増加させるために、容器ができるだけ多くの懸濁液を保持することが典型的に望ましい。しかしながら、容器のサイズが大きくなるにつれて、操作者が容器を遠心分離機に入れたり、遠心分離機から容器を取り出したりすることがより困難になる。遠心分離機にロードされる容器の数を増やすと、処理量も向上する。ただし、容器の数が多いと、操作者が容器の各バッチを遠心分離機にロードおよびアンロードするのにかかる時間が長くなる。
【0005】
遠心分離のもう1つの問題は、分離された様々な成分を、他の成分に影響を与えずに除去する方法である。この問題は、容器が大きい場合、または容器の押し合いが大きくなったために遠心分離機から取り出すのが困難な場合に悪化する可能性があり、分離された成分の再混合を引き起こす可能性がある。
【0006】
したがって、生物学的懸濁液の遠心分離のための改善された方法およびシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、生物学的懸濁液の遠心分離において使用するためのこれまでに知られている遠心分離機ロータの前述および他の短所および欠点を克服する。本発明は、特定の実施形態に関連付けて考察されるが、本発明は、これらの実施形態に限定されないことが理解されるであろう。
【0008】
本発明の一実施形態では、液体培地を遠心分離するためのロータアセンブリが提供される。ロータアセンブリは、バイオプロセスバッグ、ドラム、およびホルダを含む。バイオプロセスバッグは下部および上部を有する。バイオプロセスバッグの上部は、バイオプロセスバッグの下部に接続された軸方向に整列したネックと、軸方向に整列したネックから外向きに延びる半径方向に整列したスカートとを含む。ドラムは、外側リムと、外側リムから上向きに延びる第1の円周壁とを有する第1の基部を含む。第1の円周壁は、第1の外面および第1の内面であって、第1の内面は、バイオプロセスバッグの下部を受け入れる第1の開口部を画定する、第1の外面および第1の内面と、第1の半径方向に整列したフランジおよび第2の円周壁を含む圧力リングとを含む。半径方向に整列した第1のフランジは、第1の上面、外縁、および第2の開口部を画定する内縁を含む。第2の円周壁は、外縁から下方に延び、ドラムの第1の円周壁の第1の外面と係合する第2の内面を有する。ホルダは、外向き面を有する第3の円周壁と、第1の下面を有する半径方向に整列した第2のフランジとを含む。第2の半径方向に整列したフランジは、第3の円周壁の上部から外向きに延び、外向き面および第1の下面のうちの少なくとも1つは、バイオプロセスバッグの上部を圧力リングに動作可能に結合する。
【0009】
本発明の一態様では、ロータアセンブリは、凹んだ環を備えた第2の上面を有する圧縮リングをさらに含むことができる。凹んだ環は、圧縮リングの軸方向側で開いていてもよく、ホルダの第2の半径方向に整列したフランジの第1の下面と半径方向に整列した円周チャネルを画定する。半径方向に整列した円周チャネルは、バイオプロセスバッグの半径方向に整列したスカートの少なくとも一部を受け入れるように構成され得る。
【0010】
本発明の別の態様では、ホルダの第2の半径方向に整列したフランジおよび圧縮リングはそれぞれ、複数の通過孔を含むことができ、ロータアセンブリは、複数の保持ボルトと、それぞれが保持ボルトのそれぞれの1つを受けるように構成された複数のねじ穴を有する保持リングとをさらに含むことができる。各保持ボルトは、第2の半径方向に整列されたフランジおよび圧縮リングのそれぞれの通過孔を通過してもよく、圧縮リングは、保持ボルトの締め付けに応答して、半径方向に整列した第2のフランジおよび保持リングによって圧縮力を受けてもよい。
【0011】
本発明の別の態様では、圧力リングは、第1の半径方向に整列したフランジの第1の上面から上向きに突出する円周リッジを含み得、保持リングを、圧力リングの内縁によって画定された第2の開口部の周りに中心合わせするように構成された軸方向に整列した内向き面を含み得る。
【0012】
本発明の別の態様では、ドラムは、軸方向に整列した複数のバッフルを含むことができる。
【0013】
本発明の別の態様では、バイオプロセスバッグの下部が、複数の内部ポケットと、2つの隣接する内部ポケットの間にそれぞれ配置された複数の外部ポケットとを含み得、外部ポケットのそれぞれが、ドラムの軸方向に整列したバッフルのそれぞれと係合するように構成され得る。
【0014】
本発明の別の態様では、軸方向に整列したバッフルのそれぞれが中空を含み得、第1の基部が、各軸方向に整列したバッフルの中空への第3の開口部を有する第2の下面を含み得、ロータアセンブリは、それぞれが第1の基部の第2の下面のそれぞれの第3の開口部と係合するように構成された複数の突起を有する第3の上面を含むトルク移送モジュールをさらに備え得る。
【0015】
本発明の別の態様では、ロータアセンブリは、カバーと、カバーを受け入れるように構成された第2の基部とを含むハウジングをさらに備えてもよく、バイオプロセスバッグ、ドラム、圧力リング、およびホルダが、ハウジング内で回転するロータを含み得る。
【0016】
本発明の別の態様では、ホルダの第3の円周壁が、第4の開口部を画定する内向き面を含み得、ロータアセンブリは、カバーおよび第4の開口部を通過するデカントアセンブリをさらに含むことができる。デカントアセンブリは、第1の液体培地がバイオプロセスバッグから除去される入力ポートを有し得る。第1の基部は、ロータの回転軸に近接する集水域を画定する上向きボウル形状を有する第4の上面を含み得、デカントアセンブリの入力ポートは集水域に近接して配置され得る。
【0017】
本発明の別の態様では、ロータアセンブリは、カバーおよび第4の開口部を通過する供給アセンブリをさらに含むことができる。供給アセンブリは、第2の液体培地がバイオプロセスバッグに提供される供給アセンブリ出力ポートを含み得る。
【0018】
本発明の別の態様では、第1の液体培地は上澄みであり、第2の液体培地は懸濁液である。
【0019】
本発明の別の態様では、供給アセンブリは、供給アセンブリ入力ポートと、第1の直径を有する第3の内面を有する供給管とをさらに含むことができ、デカントアセンブリは、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する第2の外面を有し、供給管を長手方向に通過するデカント管を含み得る。デカント管および供給管が、デカント管の第2の外面と供給管の第3の内面との間に環状チャネルを画定するように、第1の直径が、デカント管の少なくとも一部に沿って第2の直径よりも大きくてもよい。環状チャネルは、供給アセンブリ入力ポートを供給アセンブリ出力ポートに流体結合することができる。
【0020】
本発明の別の態様では、ロータアセンブリは、ベアリングアセンブリと、カバーおよびベアリングアセンブリを通過し、第1の液体培地がバイオプロセスバッグから除去される第1のポートと、第2の液体培地がバイオプロセスバッグに提供される第2のポートとを含む液体輸送アセンブリと、をさらに備え得る。
【0021】
本発明の別の態様では、ホルダは、第1の円筒形環を有する下部セクションと、第2の円筒形環を含む上部セクションとを含むことができる。第1の円筒形環および第2の円筒形環は、下部セクションが上部セクションに結合されたときにベアリングアセンブリを保持する中央空洞を画定することができる。
【0022】
本発明の別の態様では、ベアリングアセンブリは、第1のボアを有する第1の内側リングを有する上部ベアリングと、第2のボアを有する第2の内側リングを有する下部ベアリングと、第1のボアおよび第2のボアが、ベアリングアセンブリを液体輸送アセンブリに結合するように、上部ベアリングを下部ベアリングに対して垂直に配置する円筒形スペーサと、を含み得る。
【0023】
本発明の別の態様では、ロータアセンブリは、第5の上面および第3の下面を有するシールベアリングをさらに含むことができる。シールベアリングは、第5の上面を介してハウジングのカバーに結合され、第3の下面を介してホルダと回転接触状態にすることができる。
【0024】
本発明の別の態様では、ロータアセンブリは、第3の外面および第4の下面を有するシール駆動ハブをさらに含むことができ、シール駆動ハブは、第3の外面を介してハウジングのカバーに結合することができ、第4の下面によって第5の上面に結合されてもよい。
【0025】
本発明の別の態様では、第4の下面は1つ以上の突起を含むことができ、第5の上面は1つ以上のノッチを含むことができ、突起のそれぞれは、突起の各々がそれぞれのノッチと係合し、その結果、シールベアリングがシール駆動ハブに対して回転するのを防止することができる。
【0026】
本発明の別の態様では、シール駆動ハブは、シールベアリングから熱を逃がすように伝導するように構成された1つ以上のヒートパイプをさらに含むことができる。
【0027】
本発明の別の態様では、ハウジングのカバーは第1の中心穴を含み、ロータアセンブリは、シール駆動ハブを第1の中心穴に結合するトルク保持ハブをさらに含み得る。
【0028】
本発明の別の態様では、トルク保持ハブは、非円形の形状を有する第2の中心穴を含むことができ、シール駆動ハブの第3の外面は、非円形の形状を有し、トルク保持ハブの第2の中心穴と係合するように構成され、その結果、シール駆動ハブが非円形の形状によってトルク保持ハブに対して回転するのを防止することができる。
【0029】
本発明の別の態様では、シール駆動ハブはねじ付きボアを含むことができ、液体輸送アセンブリは、シール駆動ハブのねじ付きボアとねじ係合するように構成されたねじ部分を備えた第4の外面を有する一体型カラーを含むことができ、液体輸送アセンブリは、シール駆動ハブによってハウジングのカバーに結合され得る。
【0030】
本発明の別の態様では、液体輸送アセンブリは、滑らかな部分を有する第4の外面を有する一体型カラーを含むことができ、シールベアリングは内側溝を含むことができ、ロータアセンブリは、シールベアリングと液体輸送アセンブリの一体型カラーの第4の外面の滑らかな部分との間に液密シールを提供するシールベアリングの内側溝に配置された弾性部材をさらに含むことができる。
【0031】
本発明の別の態様では、ホルダは、液体輸送アセンブリが通過する第1の中央開口部を含むことができ、ロータアセンブリは、第1の内側溝と、ホルダと回転接触状態にある第2の上面とを含むシールベアリングと、シールベアリングを液体輸送アセンブリに結合するシールベアリングの第1の内側溝に配置された第1の弾性部材と、をさらに含むことができる。
【0032】
本発明の別の態様では、ホルダは、第3の円周壁の下部に結合された下部プレートを含み、中央開口部が下部プレートにあり得る。
【0033】
本発明の別の態様では、ロータアセンブリは、シールベアリングを付勢してホルダの下部プレートと回転接触状態にさせるように構成されている第2の弾性部材をさらに含むことができる。
【0034】
本発明の別の態様では、ロータアセンブリは、内面を備えた第1の円筒形スリーブを有するリテーナと、液体輸送アセンブリとの摩擦または滑り嵌めを提供する、第1の円筒形スリーブの底部から半径方向内側に延在して第2の中央開口部を画定する第1の環状フランジとをさらに含むことができる。第1の円筒形スリーブは、第1の円筒形スリーブの内面と液体輸送アセンブリとの間に環状空間を画定するのに十分な内径を有することができ、第2の弾性部材の第1の端部が、環状空間内に保持される。
【0035】
本発明の別の態様では、ロータアセンブリは、第2の円筒形スリーブと、第2の円筒形スリーブの上部から半径方向内側に延びる第2の環状フランジとを含むベアリング支持体とをさらに含むことができる。第2の環状フランジは、上面、下面を含み、液体輸送アセンブリとの滑り嵌めを提供する第3の中央開口部を画定することができる。ベアリング支持体は、第2の弾性部材の第2の端部が第2の環状フランジの下面と係合し、第2の環状フランジの上面がシールベアリングの底面と係合するように構成され得る。
【0036】
本発明の別の態様では、第2の円筒形スリーブは、第1の円筒形スリーブの外径よりも大きい内径を有し得、第1の円筒形スリーブと第2の円筒形スリーブとの間に滑り嵌めを提供し得る。
【0037】
本発明の別の態様では、ロータアセンブリは第3の弾性部材をさらに含むことができ、第2の環状フランジは第2の内側溝を含むことができ、第3の弾性部材は、第2の内側溝内に配置され得、ベアリング支持体を液体輸送アセンブリに結合することができる。
【0038】
本発明の別の態様では、第1および第3の弾性部材がOリングであり、第2の弾性部材がコイルばねであってもよい。
【0039】
本発明の別の実施形態では、第1の成分および第2の成分を含む液体培地を遠心分離する方法が提供される。この方法は、第1の量の液体培地をロータに提供することと、液体培地の少なくとも一部を第1の成分と第2の成分に分離させる第1の角速度にロータが到達するまで、1つ以上の段階でロータを加速することと、ロータが第1の角速度よりも小さい第2の角速度に達するまで、ロータを1つ以上の段階で減速することと、を含む。ロータが第2の角速度で回転している間、この方法は、ロータから第1の成分の少なくとも一部を除去し、第1の成分の一部をロータから除去した後、第2の量の液体培地をロータに加える。次いで、この方法は、ロータが、第2の成分がロータ内に蓄積するように、液体培地の第2の量の少なくとも一部を第1の成分と第2の成分に分離させる第1の角速度に達するまで、1つ以上の段階でロータを加速する。
【0040】
本発明の別の態様では、ロータが第1の角速度に達するまでロータを1つ以上の段階で加速することは、ロータが第3の角速度に達するまで、第1の角加速度でロータを加速することと、第1の期間、第3の角速度でロータを回転させることと、第1の期間が満了した後、ロータが第1の角速度に達するまで、第1の角加速度よりも大きい第2の角加速度でロータを加速することと、を含み得る。
【0041】
本発明の別の態様では、ロータが第3の角速度で回転している間、第3の角速度が液体培地の表面を放物線形状にしてもよく、ロータが第1の角速度で回転している間、第1の角速度が液体の表面を円筒形状にしてもよい。
【0042】
本発明の別の態様では、第3の角速度は毎分約100回転とすることができ、第1の角速度は毎分5,000~5,500回転とすることができる。
【0043】
本発明の別の態様では、ロータが第2の角速度に達するまで1つ以上の段階でロータを減速することは、ロータが第4の角速度に達するまで、第3の角加速度でロータを減速することと、第2の期間、第4の角速度でロータを回転させることと、第2の期間が満了した後、ロータが第2の角速度に達するまで、第3の角加速度よりも小さい第4の角加速度でロータを減速することと、を含み得る。
【0044】
本発明の別の実施形態では、第1の成分および第2の成分を含む液体培地を遠心分離するさらに別の方法が提供される。この方法は、複数の内部ポケットを有するバイオプロセスバッグを含むロータに、液体培地の第1のバッチを加えることと、液体培地の少なくとも一部を第1の成分と第2の成分に分離させる第1の角速度にロータが到達するまで、1つ以上の段階でロータを加速することと、第2の成分を複数の内部ポケットに蓄積することと、を含む。
【0045】
本発明の一態様では、方法は、ロータが第1の角速度よりも小さい第2の角速度に達するまで、ロータを1つ以上の段階で減速することと、ロータが第2の角速度で回転している間に、ロータから第1の成分の一部を除去することと、をさらに含むことができる。ロータから第1の成分の一部を除去した後、方法は液体培地の第2のバッチをロータに追加し、ロータが第1の角速度に達するまで、1つ以上の段階でロータを加速し、液体培地の第2のバッチの第2の成分を複数の内部ポケットに蓄積してもよい。
【0046】
本発明の別の態様では、方法は、ロータを第2の角速度に減速するステップと、ロータから第1の成分の一部を除去するステップと、液体培地の別のバッチをロータに追加するステップと、ロータを第1の角速度に加速するステップと、第2の成分を複数の内部ポケットに蓄積するステップとを繰り返すことと、ロータから第2の成分を除去することと、をさらに含むことができる。
【0047】
本発明の別の態様では、ロータから第2の成分を除去することは、ロータの回転を停止することと、バイオプロセスバッグをロータから除去することとを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本明細書に組み込まれ、かつ、本明細書の一部を成している、添付の図面は、本発明の特定の実施形態を例示しており、上に提示された本発明の概略的な説明および以下に提示される詳細な説明とともに、本発明を解説する働きをする。
【
図1】本発明の一実施形態による連続流密封ロータアセンブリの斜視図である。
【
図2】ロータアセンブリのカバー、ロータ、基部、および格納シェルを示している
図1のロータアセンブリの部分分解斜視図である。
【
図4】
図1のロータアセンブリの概略断面図である。
【
図5】
図1のロータアセンブリの別の概略断面図であり、
図4では明確に見えない追加の詳細を示す。
【
図6】
図5のロータアセンブリの一部の拡大図であり、その追加の詳細を示す。
【
図7】
図5のロータアセンブリの別の部分の拡大図であり、その追加の詳細を示す。
【
図8】本発明の別の実施形態による連続流密封ロータアセンブリの斜視図である。
【
図9】ロータアセンブリのカバー、ロータ、基部、および格納シェルを示している
図8のロータアセンブリの部分分解斜視図である。
【
図10】
図8のロータアセンブリの概略断面図である。
【
図11】
図10のロータアセンブリの一部の拡大図であり、その追加の詳細を示す。
【
図12】
図10のロータアセンブリの別の部分の拡大図であり、その追加の詳細を示す。
【
図13】
図10のロータアセンブリのさらに別の部分の拡大図であり、その追加の詳細を示す。
【
図14】
図10のロータの液体輸送アセンブリの概略断面図である。
【
図15】液体輸送アセンブリ、バイオプロセスバッグ、およびホルダを含む
図8のロータアセンブリのサブアセンブリの斜視図である。
【
図18】本発明のさらに別の実施形態による連続流密封ロータアセンブリの斜視図である。
【
図19】ロータアセンブリのカバー、ロータ、基部、および格納シェルを示している
図18のロータアセンブリの部分分解斜視図である。
【
図21】
図20のロータアセンブリの一部の拡大図であり、その追加の詳細を示す。
【
図22】下部シールアセンブリを含む
図18のロータアセンブリの概略断面図である。
【
図23】
図22のロータアセンブリの一部の拡大図であり、その追加の詳細を示す。
【
図24】本発明の一実施形態による液体培地の遠心分離のための
図1~
図23のロータアセンブリで使用できるプロセスの概略図である。
【
図25】本発明の一実施形態による液体培地の遠心分離のための
図1~
図23のロータアセンブリで使用できるプロセスの概略図である。
【
図26】本発明の一実施形態による液体培地の遠心分離のための
図1~
図23のロータアセンブリで使用できるプロセスの概略図である。
【
図27】本発明の一実施形態による液体培地の遠心分離のための
図1~
図23のロータアセンブリで使用できるプロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の実施形態は、密封されたロータアセンブリの形態の処理容器を使用して生物学的懸濁液を連続的に処理するためのロータを対象とする。密閉されたロータアセンブリは、ロータアセンブリのユーザに必要な労力を最小限に抑える「プラグアンドプレイ」遠心分離システムを可能にする。
【0050】
図1~
図7は、本発明の一実施形態による連続流密封ロータアセンブリ10を示す。ロータアセンブリ10は、カバー12および基部14を含むハウジング11、ロータ16、および格納シェル18を含む。基部14は、ラベット17を備えた外面を有する円周リム15を含んでもよい。カバー12は、円周リム15よりも直径がわずかに大きい開口部19を有してもよい。開口部19の直径により、カバー12の内面と基部14のラベット17との間に摩擦嵌合を提供する弾性部材20(例えば、ガスケット)によって、カバー12を基部14に結合することが可能になり得る。カバー12および基部14は、それによって互いに動作可能に結合され得、その結果、ハウジング11がロータ16を収容するための密閉チャンバ22を提供することができる。
【0051】
図6に最もよく示されているように、ラベット17によって画定されるフランジ21は、カバー12が基部14に対して軸方向に確実に配置されるように、カバー12の下縁23のストップを提供することができる。カバー12は、1つ以上のハンドル24と、複数(例えば、2つ)のねじ付きボア28、30を有する補強プレート26とを含み得る。ねじ付きボア28、30は、供給アセンブリ32およびデカントアセンブリ34をそれぞれ受容するように構成され得る。補強プレート26、供給アセンブリ32、およびデカントアセンブリ34は、液体培地をロータアセンブリ10に供給し、ロータアセンブリ10からデカントするための液体輸送アセンブリ35を備えることができる。
【0052】
基部14は、例えばナットおよびボルトなどの1つ以上の締結具36によって格納シェル18に結合することができる。基部14および格納シェル18はそれぞれ、ロータ16を遠心分離機に結合することができるそれぞれの中心穴38、40を含むことができる。中心穴38、40は、ロータ16が密閉チャンバ22内で回転することを可能にする一方で、ハウジング11および格納シェル18は静止したままである。格納シェル18は、密閉チャンバ22から漏出するあらゆる物質を収集するように構成され得る。
【0053】
図3~
図5によって最もよく示されるように、ロータ16は、トルク移送モジュール42、駆動ハブ44、ドラム46、バイオプロセスバッグ48、圧力リング50、保持リング52、ホルダ54、圧縮リング55、および補強材56を含み得る。トルク移送モジュール42は、圧力プレートおよびトルク移送部材の両方として機能することができる。トルク移送モジュール42は、中心穴58、中心穴58を中心とするキー付き凹部60、および
図5に示すようにドラム46の対応する凹部64と係合するように構成された複数の突起62を有する上面を含むことができる。
【0054】
駆動ハブ44は、遠心分離機のスピンドルを受け入れるように構成されたボア66と、トルク移送モジュール42のキー付き凹部60と係合するように構成されたキー付きフランジ68とを含み得る。駆動ハブ44のねじ部分は、保持ナット70を受け入れるように構成され得る。保持ナット70は、駆動ハブ44のねじ部分とねじ係合するように構成され得る。保持ナット70を締め付けることに応答して、キー付き凹部60の下面を提供するトルク移送モジュール42の一部は、駆動ハブ44のキー付きフランジ68と保持ナット70の上面との間で圧縮され得る。これにより、ロータ16は、保持ナット70によって駆動ハブ44にしっかりと結合され得る。
【0055】
ドラム46は、上面80、下面71、外側リム73、および内面75および外面77を有する円周壁74を有するほぼ円形の基部72を含んでもよい(
図3~
図5参照)。円周壁74は、外側リム73から概ね上向きに突出して開口部76(
図3)を画定することができ、ドラム46の開口部76がドラム46の基部72よりも小さい直径を有するように内側に角度を付けることができる。複数の軸方向に整列したバッフル78は、円周壁74の内面75から半径方向内側に突出することができる。ドラム46の各バッフル78は中空であり、その基部に開口部を含み、上記で説明し、
図5に示すように、トルク移送モジュール42のそれぞれの突起62と係合する凹部64を提供する。
【0056】
基部72の上面(または内面)80は、
図4および
図5に示すように、ロータアセンブリ10の回転軸82に近接する集水域81を画定する浅い上向きボウル形状を有してもよい。この目的のために、上面80は、ドラム46の基部72の中心に近接して、ほぼゼロである(すなわち、水平面内でほぼ平坦である)半径方向傾斜を有することができる。ロータアセンブリ10が静止しているときに、ドラム46に収容された液体培地が重力によって基部72の中心に向かって押し出されるように、基部72の中心からの半径方向距離が大きくなるにつれて、半径方向の傾斜が大きくなる。
【0057】
供給アセンブリ32は、外部供給管88によって供給取付具86の入口に結合された供給弁84(例えば、ボール弁)の形態の入力ポートを含み得る。供給アセンブリ32は、内部供給管92によって供給取付具86の出口に結合されたノズル90の形態の出口ポートを含んでもよい。内部供給管92は、回転軸82から概ね外向きの方向に液体培地を分配するように、ノズル90を配向するように構成されてもよい。
【0058】
デカントアセンブリ34は、外部デカント管98によってデカント取付具96の出口に結合されたデカントバルブ94(例えば、ボール弁)の形態の出力ポートと、内部デカント管102によってデカント取付具96の入口へ流体的に結合された入力ポート100とを含み得る。内部デカント管102は、デカントアセンブリ34の入力ポート100が遠心分離プロセス中に液体培地(例えば、上澄み)を除去するために最適に配置されるように構成され得る。例えば、内部デカント管102は、デカントアセンブリ34の入力ポート100をドラム46の集水域81に近接して配置するように構成され得る。有利なことに、集水域81によって、デカントアセンブリ34は、ロータ16内で入力ポート100をより低く配置できるようにすることによって、また、入力ポート100の周りに液体培地を集中させることによって、この特徴を欠くロータで可能であるよりも多くの割合の液体培地をロータ16からデカントすることができる。
【0059】
図3から
図5に示すように、バイオプロセスバッグ48は下部104および上部108を含み得る。バイオプロセスバッグ48の下部104は、複数の内部ポケット106を含み得る。バイオプロセスバッグ48の上部108は、軸方向に整列したネック110と、ネック110の上部から外向きに延びる半径方向に整列したスカート112とを含み得る。バイオプロセスバッグ48のネック110は、液体培地をバイオプロセスバッグ48に追加し、液体培地の処理された成分をバイオプロセスバッグ48から除去することができる開口部を画定し得る。バイオプロセスバッグ48の隣接する内部ポケット106間の外部ポケット114は、ドラム46のバッフル78と係合するように構成され得る。この係合は、ロータ16が遠心分離機によって角加速度を受けるときに、バイオプロセスバッグ48がドラム46に対して移動または回転するのを防止することができる。
【0060】
図7に最もよく示されているように、圧力リング50は、開口部118を画定する半径方向に整列したフランジ116と、フランジ116の外縁からほぼ下方に延びる円周壁120とを含み得る。開口部118は、バイオプロセスバッグ48の軸方向に整列したネック110を受け入れるように構成され得る。ロータアセンブリ10の回転軸82を中心とする円周リッジ122は、フランジ116の上面から上向きに突出することができる。円周リッジ122は、圧力リング50の開口部118の周りに保持リング52を中心に置くように構成された、軸方向に整列した内向き面124を含むことができる。
【0061】
保持リング52は、その下面に円周チャネル130と、それぞれが保持ボルト133とねじ係合するように構成された複数のねじ穴132とを含み得る。ホルダ54は、軸方向に整列した円周壁134と半径方向に整列したフランジ136とを含み得る。円周壁134は、ロータ16の開口部139を画定する内向き面138と、バイオプロセスバッグ48のネック110と係合する外向き面140とを含み得る。フランジ136は、円周壁134の上部に接合され、そこから半径方向外側に延在し、保持ボルト127を通過するように構成された複数の通過孔135を含むことができる。
【0062】
圧縮リング55は、上面141、下面143、および保持ボルト133を通過するように構成された複数の通過孔126を含むことができる。圧縮リング55の上面141は、圧縮リング55の軸方向側に開いている垂直に凹んだ環142を含むことができる。垂直に凹んだ環142は、ホルダ54のフランジ136の下面144と協働して、バイオプロセスバッグ48のスカート112の少なくとも外側部分を受け入れる半径方向に整列した円周チャネルを提供することができる。
【0063】
保持リング52およびホルダ54は、圧力リング50および圧縮リング55と協働して、バイオプロセスバッグ48をロータ16内に固定するように構成され得る。圧縮リング55は、保持リング52のねじ穴132とねじ係合している間に保持ボルト133が締め付けられると、保持リング52の上面145とフランジ136の下面144との間で圧縮力を受けることがある。この圧縮力は、圧縮リング55の垂直に凹んだ環142とフランジ136の下面144との間にバイオプロセスバッグ48のスカート112を固定し得る。円周壁134の外向き面140は、バイオプロセスバッグ48のネック110を圧力リング50に押し付け、バイオプロセスバッグ48のスカート112を、圧縮リング55とホルダ54のフランジ136との間に画定された円周チャネル内に完全かつ平らに挿入することを確実にする。
【0064】
補強材56は、ドラム46および圧力リング50の円周壁74、120の周りに延在する1つ以上の螺旋巻きを含むことができる。補強材56は、フィラメントワインディングプロセス、およびそれに続くエポキシコーティングされた炭素繊維などの好適な材料を使用する圧縮成形プロセスによって、形成され得る。例えば、補強材56は、樹脂コーティングされた炭素繊維積層材料の層を配置するか、または炭素繊維の1つ以上のストランドを円周壁74の外向き面に巻き付けた後、ロータ16上に圧縮成形され得る。補強材56は、ロータ16にかけられる遠心力の大部分に耐えるように構成され得る。フィラメントワインディングプロセスを使用して遠心分離ロータの補強材を形成する方法は、2012年12月4日に発行された米国特許第8,323,169号によって詳細に説明されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0065】
図8~
図17は、本発明の別の実施形態による連続流密封ロータアセンブリ150を示しており、同様の参照番号はロータアセンブリ10の同様の構成要素を指す。ロータアセンブリ150は、基部14およびカバー152を含むハウジング151、ロータ154、および格納シェル156を含む。
【0066】
図8から
図10によって最もよく示されるように、カバー152は、キャップ158およびバレル160を含み得る。バレル160は、上縁161、下縁162、および1つ以上のフランジ163、例えば3つのフランジを含むことができる。各フランジ163は、ねじ付きボア165を含むことができ、バレル160の上縁161から半径方向内側に延在することができる。
図11に最もよく示されているように、円周ラベット164は、バレル160の下縁162に近接するバレル160の内向き面上に配置され得る。円周ラベット164は、円周ラベット164の半径方向に整列した表面に円周溝166を含んでもよい。円周溝166は、基部14の円周リム15を受け入れるように構成され得る。基部14のフランジ21は、バレル160の下縁162のためのストップを提供し得る。
【0067】
バレル160が基部14に動作可能に結合されるとき、円周ラベット164および円周溝166は、バレル160を基部14に対して軸方向および半径方向の両方に配置するように協働して動作し得る。有利なことに、円周ラベット164および円周溝166の構成を有する本発明の実施形態は、カバー152を基部14に結合するために弾性部材(例えば、弾性部材20)を使用することを回避することができる。
【0068】
図12および
図13に最もよく示されるように、キャップ158は、直径d
1を有する中心穴168と、弾性部材174、例えばOリングを受け入れるように構成された溝172を有する周縁170とを含み得る。中心穴168は、例えば液体輸送アセンブリ178を中心穴168の中心に置くことによって、液体輸送アセンブリ178をキャップ158に対して位置決めするブッシング(ブッシュ)176を受け入れるように構成されてもよい。この目的のために、ブッシング176は、中心穴168の直径d
1とほぼ同じサイズの外径d
2と、液体輸送アセンブリ178との摩擦嵌合を提供するように構成された内径d
3と、外径d
2を超えて半径方向に延在し、ブッシング176をキャップ158に対して軸方向に配置する上部および下部フランジ179a、179bとを有してもよい。キャップ158は、バレル160のフランジ163内のねじ付きボア165にねじ係合する締結具180(例えば、ボルト)によって、バレル160に動作可能に結合され得る。弾性部材174は液密シールを提供することができるので、基部14、キャップ158、およびバレル160は、組み立てられると、ロータ154が回転する密閉チャンバ22を提供するハウジング151を形成する。
【0069】
図10、
図16、および
図17に最もよく示されるように、ロータ154は、下部セクション184および上部セクション186を有するホルダ182を含むことができる。一緒に動作可能に結合されると、ホルダ182の下部セクション184および上部セクション186は、ベアリングアセンブリ190を含むように構成された中央空洞188と、中央空洞188を取り囲む環状キャビティ192とを画定し得る。
【0070】
ホルダ182の下部セクション184は、軸方向に整列した円周壁196と、円周壁196の上部から半径方向外向きに延びる半径方向に整列したフランジ194と、円周壁196の下部に結合された下部プレート198とを含むことができる。下部プレート198は、液体輸送アセンブリ178を挿入できる中央開口部200を含むことができる。中央空洞188の下部は、下部プレート198から上向きに突出する円筒形環202によって画定され得る。フランジ194は、保持ボルト133のシャフトを通過するように構成された1つ以上(例えば、4つ)の穴203を含み得る。保持ボルト133は、そのねじ穴132と係合することによって、下部セクション184を保持リング52に動作可能に結合することができる。
【0071】
ホルダ182の上部セクション186は、円周壁204および上部プレート206を含み得る。上部プレート206は、円周壁204の上部に結合され得る。円周壁204の直径は、上部セクション186の円周壁204が下部セクション184の円周壁196内に適合するようにすることができる。上部プレート206は、液体輸送アセンブリ178を挿入できる中央開口部208を含むことができる。円筒形環210は、上部プレート206から下向きに突出して、中央空洞188の上部を画定することができる。
【0072】
ホルダ182は、組み立てられたときに、上部プレート206の中央開口部208が下部プレートの中央開口部200と軸方向に整列するように構成することができる。この整列により、液体輸送アセンブリ178がホルダ182を通して挿入され、それにより、ホルダ182がロータアセンブリ150内に配置されたときに、液体輸送アセンブリ178の下部がバイオプロセスバッグ48内に突出することが可能になり得る。下部プレート198の円筒形環202および上部プレート206の円筒形環210はまた、軸方向に整列して中央空洞188を画定することができる。ホルダ182の上部セクション186は、ブッシング176の下面によって上部セクション186に加えられる圧力によって、液体輸送アセンブリ178との摩擦嵌めによって、または任意の他の適切な手段によって、ホルダ182の下部セクション184に対して所定の位置に保持されてもよい。
【0073】
ベアリングアセンブリ190は、遠心分離機の運転中に、液体輸送アセンブリ178の周りのロータ154の回転を容易にするように構成することができる。この目的のために、
図13に最もよく示されているように、ベアリングアセンブリ190は、円筒形スペーサ216によって軸方向に分離された上部ベアリング212および下部ベアリング214を含み得る。各ベアリング212、214は、ボア220を提供する内側リング218と、ベアリング212、214を中央空洞188内に配置する外側リング222とを含むことができる。各ベアリング212、214のボア220は、液体輸送アセンブリ178がベアリングアセンブリ190を通過できるように構成されてもよい。
【0074】
内側リング218および外側リング222はそれぞれ、上面および下面を有することができる。ベアリング212、214の外側リング222は、中央空洞188の垂直面と接触することによって、ベアリングアセンブリ190を半径方向の適所に保持するようなサイズおよび形状にすることができる。円筒形スペーサ216は、上部ベアリング212の上面および下部ベアリング214の下面が中央空洞188のそれぞれの水平面と係合するような長さを有してもよい。これにより、ベアリングアセンブリ190は、中央空洞188の上下の水平面によって軸方向に所定の位置に保持され得る。
【0075】
各ベアリング212、214は、内側リング218と外側リング222が互いに対して回転できるように構成することができる。この目的のために、内側リング218は内側レース228を有することができ、外側リング222は、例えばボール、ローラなどの各ベアリング部材232を収容するように協働する外側レース230を有することができる。内側レース228および外側レース230によって収容されるベアリング部材232は、ケージおよびガイドリング(図示せず)のうちの1つ以上によって、互いに対してほぼ固定された位置に維持され得る。
【0076】
図10および
図14によって最もよく示されるように、液体輸送アセンブリ178は、デカントアセンブリ234および供給アセンブリ236を含むことができる。デカントアセンブリ234は、その下端に入力ポート240(例えば、開口部)を有し、その上端に出力ポート242(例えば、とげのあるノズル)を有するデカント管238を含み得る。デカント管238は、入力ポート240が遠心分離中に液体培地(例えば、上澄み)を除去するのに最適な位置に配置するのに十分な距離だけ、バイオプロセスバッグ48内に延在することができ、例えば、入力ポート240がドラム46の集水域81に近接するようにすることができる。
【0077】
供給アセンブリ236は、入力ポート246に動作可能に結合された供給管244を含み得る。供給アセンブリ236の入力ポート246は、横方向開口部250を介して供給管244の内部に結合された取付具248(例えば、とげのあるノズル)を含み得る。横方向開口部250は、供給管244の上端252に近接していてもよい。取付具248は、それを通して液体培地(例えば、生物学的懸濁液)がロータアセンブリ150に提供される可撓性管を受け入れるように構成され得る。供給管244の下端256に近接する1つ以上(例えば、3つ)の横方向開口部254は、液体培地をバイオプロセスバッグ48に提供することができる出力ポート258を提供し得る。供給アセンブリ236の出力ポート258は、液体培地が外向きの半径方向でバイオプロセスバッグ48内に分配されるように構成され得る。
【0078】
供給管244の上端252と下端256との間に(例えば、ほぼ中間に)配置された供給管244のセクションは、供給管244の上部および下部よりも大きい外径を有する一体型カラー259を含み得る。供給管244の一体型カラー259は、供給管244とブッシング176の内面との間に摩擦嵌合を提供し得る。一体型カラー259は、供給管244のこのセクションがブッシング176の内径よりも小さい外径を有することを可能にすることによって、ブッシング176を通る液体輸送アセンブリ178の下部の通過を容易にすることができる。
【0079】
デカント管238は、供給管244を長手方向に通過し、少なくともその一部に沿って供給管244の内径d6より小さい外径d5を有することができる。デカント管238および供給管244は、それによって、デカント管238の外面と供給管244の内面との間に環状チャネル260を画定し得る。環状チャネル260は、供給アセンブリ236の入力ポート246を供給アセンブリ236の出力ポート258に流体結合することができる。
【0080】
供給管244の内径は、その上端252および下端256に近接して減少し得る。この減少した内径により、供給管244の内面が、供給管244の上端および下端に近接するデカント管238の外面と接触することになり得る。デカント管238の内面と供給管244の外面との間の接触は、供給アセンブリ236の入力ポート246に流入する懸濁液が環状チャネル260を通って導かれ、そして、供給アセンブリ236の出力ポート258を通してバイオプロセスバッグ48に分配されるように、環状チャネル260の上端および下端をシールすることができる。別の実施形態では、環状チャネル260の上端および下端は、スリーブ、Oリング、デカント管238の外径の増大、または任意の他の適切な方法の1つ以上によってシールされ得る。したがって、本発明の実施形態は、環状チャネル260の上端および下端が、減少した内径を有するデカント管238のセクションによって密閉される液体輸送アセンブリ178に限定されない。
【0081】
図18~
図21は、本発明の別の代替実施形態による連続流密封ロータアセンブリ270を示し、同様の参照番号は、上述のロータアセンブリ10、150の同様の構成要素を指す。ロータアセンブリ270は、一体型カラー274を有する液体輸送アセンブリ272と、上部シールアセンブリ276とを含む。一体型カラー274は、ねじ部分275および滑らかな部分277を有する外面を含み得る。シールアセンブリ276は、トルク保持ハブ278、シール駆動ハブ280、および上部シールベアリング282を含み得る。
【0082】
トルク保持ハブ278は、半剛性材料(例えば、硬質ゴム)から作られたキャップ158の中心穴168によって受け取られるように構成され得、シール駆動ハブ280を受け入れるように構成された中心穴279を含み得る。トルク保持ハブ278の中心穴279は、非円形、例えば楕円形、多角形(例えば六角形)、または回転に抵抗する別の適切な形状を有することができる。
【0083】
シール駆動ハブ280は、ねじ付きボア284、外面286、および1つ以上の突起290を含む下面288を含み得る。シール駆動ハブ280のねじ付きボア284は、一体型カラー274のねじ部分275にねじ係合するように構成され得る。シール駆動ハブ280の外面286は、トルク保持ハブ278の中心穴と係合するように構成された非円形の断面形状(例えば、六角形)を有してもよい。シール駆動ハブ280の外面286の非円形形状は、シール駆動ハブ280がトルク保持ハブ278に対して回転するのを防止することができる。
【0084】
シールベアリング282は、突起290を受け入れるように構成された1つ以上のノッチ294を有する上面292を含む円周リング296を備えることができる。シール駆動ハブ280の各突起290は、シールベアリング282のそれぞれのノッチ294と係合することができ、それにより、シールベアリング282がシール駆動ハブ280に対して回転するのを防止する。シールベアリング282の円周リング296は、弾性部材300(例えば、シリコンOリング)を配置する内側溝298と、滑らかな下面302とをさらに含んでもよい。シールベアリング282は回転軸82の周りの固定された角度位置のままであってもよく、ロータ154が回転するにつれて、ホルダ182の上部セクション186を押し下げてもよい。シールアセンブリ276によって提供される圧力は、遠心分離中にロータアセンブリの駆動ハブ44を遠心分離機スピンドルに着座させたままにすることができる。
【0085】
シール駆動ハブ280は、シールベアリング282の下面302とホルダ182の上部セクション186との間の摩擦によって生成された熱をシールベアリング282から逃がすように伝導するように構成され得る。シール駆動ハブ280の熱伝導率を高めるために、シール駆動ハブ280は、埋め込まれたヒートパイプを含むことができる。シールベアリング282内の熱を制御するために本発明の実施形態に含めることができる追加の特徴は、シール駆動ハブ280のトルク量を調整すること、またはシールベアリング282内に高温材料を使用することを含むことができる。
【0086】
有利には、ロータ154の内側と外側の両方でシールアセンブリ276によって提供されるシールは、ロータ154の回転による供給材料排出を防止することができる。シールアセンブリ276は、使い捨てロータアセンブリの一部であってもよく、その場合、シールベアリング282は、バイオプロセスバッグ48をペレットの容量まで満たすのに十分な懸濁液を処理するのに十分な動作寿命、例えば、約6時間の動作を有するだけでよい。コストを削減するために、シールアセンブリ276は、成形プラスチック、例えば「スナップ式」設計を提供する射出成形プラスチック部品を含むことができる。
【0087】
有利には、特に
図20を参照すると、ロータ154が回転している間、液体輸送アセンブリ272は静止したままである。液体輸送アセンブリ272は、上澄みがロータ154から出ることができる内部経路、および入ってくる液体(上澄み中の細胞の懸濁液など)がそれを通ってロータ154に入ることができる内部経路の周りの環状経路を提供する。
【0088】
図22および
図23は、本発明の別の代替実施形態による連続流密封ロータアセンブリ310を示しており、同様の参照番号は、上述のロータアセンブリ10、150、270の同様の構成要素を指し、ロータアセンブリ310は、下部シールアセンブリ312を含む。下部シールアセンブリ312は、単独で、または上部シールアセンブリ276と連動して動作して、ロータ154の回転による供給材料排出を防止することができる。下部シールアセンブリ312は、下部シールベアリング314および支持アセンブリ316を含み得る。支持アセンブリ316は、シールベアリング314を液体輸送アセンブリ272に沿って軸方向に上向きに付勢して、シールベアリング314とホルダ182の下部セクション184との間に確実な係合を提供することができる。
【0089】
シールベアリング314は、滑らかな上面320、弾性部材324(例えば、シリコンOリング)を配置する内側溝322、および滑らかな下面326を含む円周リング318を備え得る。シールベアリング314は、回転軸82の周りの固定された角度位置に留まることができ、ロータ154が回転するにつれて、ホルダ182の下部プレート198を上向きに押すことができる。
【0090】
上部シールベアリング282および下部シールベアリング314は、下流プロセスにおいて遠心分離された液体培地成分からの摩耗生成物の除去を容易にするために、非細胞障害性、クラスVIなどの摩耗生成物を生成する材料から作製され得る。シールベアリング282、314は、高性能プラスチック(例えば、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)など)、またはオハイオ州クリーブランドのAetna Plastics Corpから入手できるTurcite(登録商標)などの内部潤滑アセタールベースの材料で作ることができ得る。
【0091】
支持アセンブリ316は、リテーナ328およびベアリング支持体330を含み得る。リテーナ328は、円筒形スリーブ332と、円筒形スリーブ332の底部から半径方向内側に延びる環状フランジ334とを含み得る。環状フランジ334は、液体輸送アセンブリ178を挿入できる中央開口部336を画定することができる。中央開口部336は、供給管244の外径よりわずかに大きい直径を有してもよい。それにより、リテーナ328の中央開口部336は、液体輸送アセンブリ272の供給管244との摩擦または滑り嵌めを提供し得る。中央開口部336の直径は、リテーナ328の横方向の動きを防ぐために、供給管244の外径に十分に近くてもよい。リテーナ328は、供給管244の外面の溝340と係合する保持リング338によって、供給管244に沿って配置することができる。
【0092】
リテーナ328の円筒形スリーブ332は、円筒形スリーブ332の内面と供給管244の外面との間に環状空間342を画定するために、供給管244の外径よりも十分に大きい内径を有することができる。中央開口部336は、環状空間342が供給管244の外面の周りに均等に分配されるように、円筒形スリーブ332を供給管244と同心に整列させるように構成されてもよい。環状空間342は、弾性部材344、例えばコイルばねを受け入れるように構成することができる。リテーナ328は、弾性部材344が圧縮されたときにシールベアリング314を上向きに付勢するように、弾性部材344を供給管244に対して配置することができる。
【0093】
ベアリング支持体330は、円筒形スリーブ346と、円筒形スリーブ346の上部から半径方向内側に延びる環状フランジ348とを含み得る。環状フランジ348は、弾性部材352(例えば、シリコンOリング)を配置する内側溝350を含むことができ、液体輸送アセンブリ272を挿入できる中央開口部354を画定する。中央開口部354は、供給管244の外径よりわずかに大きい直径を有してもよい。ベアリング支持体330の中央開口部354は、それによって、ベアリング支持体330の軸方向の動きを可能にする液体輸送アセンブリ178の供給管244との滑り嵌めを提供することができる。中央開口部354の直径は、ベアリング支持体330の大幅な横方向の動きを防ぐために、供給管244の外径に十分に近くてもよい。中央開口部354は、それにより、ベアリング支持体330とリテーナ328との間の軸方向の位置合わせを維持することに貢献し得る。
【0094】
ベアリング支持体330の円筒形スリーブ346は、リテーナ328の円筒形スリーブ332の外径よりも十分に大きい内径を有し、ベアリング支持体330の軸方向の移動を可能にする円筒形スリーブ332、346間の滑り嵌めを提供することができる。円筒形スリーブ332、346は、それによって、ベアリング支持体330の軸方向の動きを可能にしながら、リテーナ328とベアリング支持体330との間の軸方向の位置合わせを維持することに寄与し得る。ベアリング支持体330の自由な動きを確保するために、供給管244に沿った保持リング338の位置は、リテーナ328のスリーブ332の上部とフランジ348の底面との間にヘッドスペース356を提供するように選択され得る。
【0095】
ロータ154が回転する遠心分離機は、環状経路を介して、バイオリアクタなどから懸濁液をロータ154に圧送するか、さもなければ運搬するように装備することができる。遠心分離機はまた、ロータ154から内部経路を通して上澄みを搬送するように装備されてもよい。入ってくる液体と出ていく液体は、適切な流速で、適切な時間にわたって、ロータ154に出入りすることができ、その例は、
図24および
図25に関連して以下に説明される。
【0096】
本発明の実施形態で使用するための遠心分離機は、スピンドルと、ロータアセンブリを受容するように構成されたチャンバを画定するハウジングと、駆動ユニット、ロータアセンブリをチャンバに装填およびロータアセンブリをチャンバから取り外すことを可能にするように構成された蓋と、コントローラとを含み得る。ハウジングおよびチャンバはそれぞれ、任意の適切な材料から作製され得る。例えば、ハウジングは、亜鉛メッキされ粉体塗装された高強度鋼から作られ、チャンバは、ステンレス鋼から作られ得る。
【0097】
駆動ユニットは、モータ(例えば、誘導モータ)と、コントローラからの信号に応答してモータに電力を供給する駆動回路とを含み得る。モータは、スピンドルに動作可能に結合された出力シャフトと、駆動回路に動作可能に結合された1つ以上の入力端子とを含み得る。コントローラは、モータがスピンドルに選択的にトルクを加えるようにする信号を駆動回路に提供することができる。コントローラは、それによって、コントローラにプログラムされた遠心分離プロセスに従って、ロータの角加速度および速度を制御することができる。
【0098】
蓋は、ロータアセンブリを遠心分離機に固定するように構成され得る。この目的のために、蓋は、ロータが回転しているときに蓋が開かれないようにするロック機構と、液体輸送アセンブリを収容するように構成された開口部とを含むことができる。蓋およびハウジングの一方または両方は、蓋が閉じられてラッチされているかどうかを検出するセンサを含むことができる。コントローラは、センサおよびロック機構に動作可能に結合され、遠心分離機のスイッチがオンになり、ロータが完全に停止しない限り、遠心分離機の蓋を開くことができないように構成され得る。コントローラは、蓋が適切に閉じられるまで、遠心分離機の始動を妨げる場合もある。ロック機構は、緊急時に蓋を開けることができるように、このロック機能を無効にできるようにする機械的リリースを含むことができる。例えば、機械的解放により、停電時にロータアセンブリを取り外すことができるように蓋を開くことができる。
【0099】
コントローラは、プロセッサ、メモリ、および入出力(I/O)インターフェースを含むことができる。プロセッサは、メモリに格納された内部ロジックまたは操作命令に基づいて、データに対して操作を実行する1つ以上のデバイスを含むことができる。メモリは、データを格納できる単一のメモリデバイスまたは複数のメモリデバイスを含むことができる。メモリに常駐する1つ以上のコンピュータソフトウェアアプリケーションとして具現化されたコンピュータプログラムコードは、プロセッサによって実行される命令を有することができる。1つ以上のデータ構造はまた、メモリ内に常駐し得、データを記憶または操作するために、プロセッサ、またはアプリケーションによって使用され得る。
【0100】
I/Oインターフェースは、プロセッサを、センサ、駆動ユニット、およびユーザインターフェースなどの他のデバイスおよびシステムに動作可能に結合する機械インターフェースを提供することができる。したがって、アプリケーションは、I/Oインターフェースを介して通信することにより、外部デバイスおよびシステムと協働して、本発明の実施形態の様々な機能、機能、アプリケーション、プロセス、またはモジュールを提供することができる。
【0101】
ユーザインターフェースは、実行速度、相対遠心力(RCF)、実行時間、実行温度、実行プロファイル(加速および制動曲線)などの操作パラメータをユーザが選択するか、そうでなければ遠心分離機にプログラムできるように構成することができる。この目的のために、ユーザインターフェースは、キーパッド、キーパッドロック、オプションインジケータ、ディスプレイ、メニューキー、ファンクションキー、またはユーザから入力を受信し、ユーザに情報を提供するための他の適切なデバイスのうちの1つ以上を含むことができる。例えば、ディスプレイは、遠心分離機の動作状態に関する情報を表示するために、英数字またはドットマトリックスディスプレイ、タッチスクリーン、発光ダイオードなどのうちの1つ以上を含むことができる。ユーザインターフェースは、ユーザが選択可能ないくつかのプリセット加速曲線および制動曲線(例えば、9つの加速曲線および10の減速曲線)を提供することができる。ユーザインターフェースはまた、ユーザが将来の使用のために遠心分離プログラムを保存し、コントローラによる実行のために以前に保存された遠心分離プログラムを選択できるように構成されてもよい。
【0102】
加速および制動曲線は、スロースタート、スローストップ、およびブレーキオフ曲線を含み得る。スロースタート曲線は、低速範囲(例えば、0~250RPM)では緩やかな加速を提供し、低速範囲より上の速度(例えば、6,000~10,000RPMの範囲であり得る250RPM~最大RPM)で通常または最大角加速度への遷移(移行)を提供してもよい。遠心分離プロセス中に遠心分離機によって提供されるスロースタート加速率は、選択された加速曲線によって定義され得る。例えば、加速プロファイルは、最小の番号が最低のスロースタート加速率を提供し、連続する各番号が最高の番号まで段階的に高くなるスロースタート加速率を提供するように、番号を付けることができる(例えば、1から9まで)。
【0103】
同様に、スローストップ曲線は、別の低速範囲(例えば、0~500RPM)にわたって穏やかな減速を提供し、運転速度から低範囲の上限まで公称減速ブレーキを提供することができる。すなわち、0~500RPMの低減速範囲、および6,000RPMの運転速度について、スローストップ曲線は、ロータアセンブリのロータが500RPMまで低下するとき、公称減速率からより低いスローストップ減速率に遷移し得る。スローストップ減速率は、複数の番号付き減速プロファイル(例えば、1から10まで)のうちの1つを選択することによって定義することができ、最小数が最低スローストップ減速率を提供する。
【0104】
ブレーキオフ曲線を選択すると、任意の指定された速度からの惰性ストップの公称減速ブレーキが無効になる場合がある。この場合、ロータアセンブリのロータが停止するのにかかる時間は、指定された遷移速度、風損、摩擦、およびロータの慣性によって異なる。ブレーキオフ遷移速度は、走行速度とは無関係に設定でき、走行速度の変化に影響されない場合がある。遷移速度が運転速度よりも速く設定されている場合、運転終了時に、遠心分離ステップまたはプロセスの最後に遠心分離機が運転速度から惰性で停止することがある。
【0105】
遠心分離機のコントローラは、1つ以上のポンプ、バルブ、マニホールド、および管を含む液体ハンドリングシステムに動作可能に結合され得る。液体ハンドリングシステムは、供給アセンブリの入力ポートを処理される液体培地(例えば、懸濁液)の供給源に結合し、デカントアセンブリの出力ポートを、処理された液体培地、例えば上澄みまたはペレットを受け取る容器に結合する流路を選択的に画定するように構成することができる。液体培地がバイオプロセスバッグ48にいつ追加され、そこから除去されるかを遠心分離機のコントローラが制御できるようにすることは、液体培地の連続フローおよびバッチ処理の自動化を促進し得る。特に、遠心分離機のコントローラは、遠心分離プロセスの特定の時点で、例えば、特定のロータ速度で、または特定の処理ステップ中に、ロータアセンブリに液体培地を追加し、処理された液体培地をロータアセンブリから除去することができる。
【0106】
図24~
図27は、本発明の実施形態に従って液体培地の成分を分離するための例示的な遠心分離プロセス410、430を描写する。参照は、明確にするために、以下の説明では
図20および
図22を参照するが、本発明の実施形態は、これらの図によって示される特定の流路に限定されないことを理解されたい。したがって、本明細書に記載の他の例示的な液体輸送アセンブリ35、178によって提供される流路、および他の同様の流路など、他の適切な流路も使用できることをさらに理解されたい。
【0107】
ここで、
図24および
図25を参照すると、プロセス410のステップ1で、ロータ154は空で静止していてもよい。ロータアセンブリ270、310がこの初期状態にある間、プロセス410は、ステップ2に進み、初期量(例えば、25リットル)の懸濁液412をバイオプロセスバッグ48に、例えば、液体輸送アセンブリ272の内側または環状経路のうちの1つを通して装填することができる。懸濁液412は、例えば、重力供給によって、または懸濁液412をバイオリアクタまたは他の懸濁液源から供給アセンブリ236の入力ポート246に圧送することによって装填され得る。静止している間、懸濁液412と密閉チャンバ内の空気との間の気液界面414は、本質的に平坦であり得る。
【0108】
懸濁液412の初期量がバイオプロセスバッグ48に装填された後、プロセス410はステップ3に進み、ロータ154を移送回転速度、例えば毎分100~150回転(RPM)まで加速し始めることができる。懸濁液412に対するバイオプロセスバッグ48の移動による懸濁液412の過剰な撹拌を避けるために、この初期スピンアップ段階における角加速度の速度は比較的低く(例えば、0.15rad/秒2)あり得る。
【0109】
懸濁液412の角速度が移送回転速度まで増加するのに応答して、懸濁液412の気液界面414は、放物線形状を取得し始めることができる。この放物線形状は、固定基準フレームに対する懸濁液412の回転によって生成される遠心力に応答する懸濁液412から生じ得る。遠心力はまた、回転速度が増加するにつれて、回転軸に近接する気液界面414を液体輸送アセンブリ272の下部に沿って下方に移動させ得る。放物線形状の深さのこの増加は、回転速度が増加するにつれて、デカントアセンブリ234の入力ポート240が懸濁液412によって部分的または完全に覆われなくなる可能性がある。
【0110】
移送回転速度で一定期間(例えば、3~5分)経過した後、プロセス410は、ステップ4に進み、ロータ154を運転回転速度(例えば、5,000~5,500RPM)まで加速することができる。遠心力の増加によるバイオプロセスバッグ48の内部ポケット106内への懸濁液412の移動は、この動作スピンアップ段階において比較的高い角加速度(例えば、6.0rad/秒2)を許容し得る。運転回転速度は、懸濁液412の気液界面414を円筒形状にするのに十分な遠心力を生成し、同様に、懸濁固体を懸濁液体から分離させ、バイオプロセスバッグ48の内部ポケット106に沈降させることができる。
【0111】
ロータ154が運転回転速度に達すると、プロセス410はステップ5に進み、遠心分離期間、例えば30分間運転回転速度を維持することができる。この段階の間、懸濁液412中の懸濁液体より高い密度を有する固体は沈下する傾向があり(例えば、半径方向外側に移動する)、懸濁液体よりも軽い固体は浮遊する傾向がある(例えば、半径方向内側に移動する)。重力をはるかに強力な遠心力で置き換えるか、または補足することにより、運転回転速度は、固体が懸濁液体から分離される速度を劇的に増加させる可能性がある。したがって、遠心分離は、密度がわずかに異なるだけの液体培地の成分の分離を可能にし、固体と液体との間の密度の差が大きい懸濁液は、より速い速度で分離する。懸濁固体がバイオプロセスバッグ48の内部ポケット106に集まると、ペレット416は、上澄み418の層の下の各内部ポケット106に形成され得る。ペレット416は、回転速度に依存するネオ角度を有するペレット-上澄み界面420によって、上澄み418から分離され得る。
【0112】
液体培地の気液界面が円筒形または円錐台形となるような、遠心分離を引き起こすのに十分な遠心力を遠心分離される液体培地が受けている間に、液体培地は、バイオプロセスバッグ48の内部ポケット106内に大部分が収容され得る。収容により、気液界面414が、放物線形状を呈するか、さもなければバイオプロセスバッグ48の内部ポケット106から出てくる回転速度と比較して、分離した液体培地の様々な成分(例えば、ペレット416および上澄み418)に過度の乱流を生じさせずに、したがってそれらを混合することなく、より高い速度の角加速度および減速を可能にすることができる。
【0113】
ロータ154が遠心分離期間の間に運転回転速度で回転した後、プロセス410はステップ6に進み、ロータ154の多段階減速を開始することができる。プロセス410は、最初に、ロータ154を運転回転速度から遷移回転速度(例えば、800RPM)まで中程度の角度減速速度、例えば1.5rad/秒2で減速することができる。遷移回転速度は、上澄み418がバイオプロセスバッグ48の内部ポケット106から出現し始める回転速度であり得る。
【0114】
ロータ154が遷移回転速度まで減速されると、プロセス410は、減速速度が初期減速段階より遅い、例えば0.15rad/秒2の別の減速段階に入ることができる。この減速段階の間、プロセス410は、回転速度を遷移速度から移送回転速度、例えば100RPMまで遅くすることができる。ロータ154が移送回転速度で回転している間、遠心力は、気液界面414が放物線形状を取り戻すのに十分に低くてもよい。結果として得られる流体の分布は、ペレット416をバイオプロセスバッグ48の内部ポケット106の下隅に維持しながら、デカントアセンブリ234の入力ポート240を上澄み418に沈め得る。
【0115】
ロータ154が移送速度で回転している間、プロセス410は、排出ポンプを作動させるか、さもなければ上澄み418をデカントアセンブリを通してバイオプロセスバッグ48からデカントすることができる。上澄み418がバイオプロセスバッグ48からデカントされると、プロセス410はステップ7に進むことができる。
【0116】
ステップ7では、上澄み418は、バイオプロセスバッグ48から大部分が除去され、ペレット416は、内部ポケット106の下隅に残り得る。この時点で、プロセス410は、バイオプロセスバッグ48を新鮮な懸濁液で再充填し、ステップ3に戻ることができる。プロセス410は、それによって、分離段階を繰り返し、バイオプロセスバッグ48の内部ポケットにペレット材料を蓄積し続けることができる。十分な量のペレット材料が収集された後(例えば、バイオプロセスバッグ48の内部ポケット106が容量に達したか、またはそれに近い)、プロセス410は、ペレット416を取り出すことができるように、ロータ154をゼロRPMまで減速することができる。例えば、入ってくる懸濁液が5~10パーセントの細胞または他のペレット形成成分を含む場合、バイオプロセスバッグ48の内部ポケット106が最後の遠心ラウンドの終わりに、ペレット416の容量まで、または容量近くまで充填される前に、懸濁液の導入、遠心分離、および上澄みのデカンテーションを5回以上行うことが期待できる。いずれにせよ、ペレット416が除去されると、ロータアセンブリ270、310を再利用できるように、バイオプロセスバッグ48を新しいバイオプロセスバッグ48と交換することができる。
【0117】
特定の種類のペレット材料については、遠心分離の最終ラウンドの最後にペレット416を緩衝液で洗浄することも実行可能であり得る。緩衝液は、供給アセンブリ236を介して(例えば、環状経路を介して)導入され、デカントアセンブリ234を介して(例えば、内部経路を介して)除去され得る。ペレット416が洗い流されると、1回以上の新鮮な懸濁液が導入され、遠心分離され、場合によっては、1回以上の上澄みデカンテーションが続く。
【0118】
好都合なことに、ロータアセンブリ270、310からロータ154を、または遠心分離機からロータアセンブリ270、310を取り外すことなく、バイオプロセスバッグ48から上澄みを空にして新鮮な懸濁液と交換できるようにすることによって、プロセス410は、大量の懸濁液が自動的に処理されることを可能にすることがある。これは、バイオプロセスバッグ48が交換を必要とするのに十分な量のペレット416を収容する前に大量の懸濁液を処理できるように、比較的低いパーセンテージの固体を有する懸濁液を処理する場合に特に有利であり得る。
【0119】
ここで、
図26および
図27を参照すると、プロセス430のステップ1で、ロータ154は空で静止していてもよい。ロータアセンブリ270、310がこの初期状態にある間、プロセス430は、ステップ2に進み、密度勾配溶液432の初期量(例えば、20リットル)をバイオプロセスバッグ48に、例えば、液体輸送アセンブリ272の内側または環状経路のうちの1つを通して装填することができる。この初期量は、後の段階で別の溶液を追加できるように、ロータ154の総容量よりも少なくてもよい。密度勾配溶液432は、例えば、重力供給によって、または密度勾配溶液432を供給アセンブリ236の入力ポート246に送り込むことによって装填され得る。静止している間、密度勾配溶液432と密閉チャンバ内の空気との間の気液界面434は、本質的に平坦であり得る。
【0120】
密度勾配溶液432の初期量がバイオプロセスバッグ48に装填された後、プロセス430はステップ3に進み、ロータ154を移送回転速度、例えば毎分100~150回転(RPM)まで加速し始めることができる。密度勾配溶液432に対するバイオプロセスバッグ48の移動による密度勾配溶液432の過剰な撹拌を避けるために、この初期スピンアップ段階における角加速度の速度は比較的低く(例えば、0.15rad/秒2)することができる。
【0121】
密度勾配溶液432の角速度が移送回転速度まで増加するのに応答して、密度勾配溶液432の気液界面434は、放物線形状を取得し始めることができる。この放物線形状は、固定基準フレームに対する密度勾配溶液432の回転によって生成される遠心力に応答する密度勾配溶液432から生じ得る。遠心力はまた、回転速度が増加するにつれて、回転軸に近接する気液界面434を液体輸送アセンブリ272の下部に沿って下方に移動させ得る。放物線形状の深さのこの増加は、回転速度が増加するにつれて、デカントアセンブリ234の入力ポート240が密度勾配溶液432によって部分的または完全に覆われなくなる可能性がある。
【0122】
移送回転速度で一定期間(例えば、3~5分)経過した後、プロセス430は、ステップ4に進み、ロータ154を運転回転速度(例えば、5,000~5,500RPM)まで加速することができる。遠心力の増加によるバイオプロセスバッグ48の内部ポケット106への密度勾配溶液432の移動は、この動作スピンアップ段階において比較的高い角加速度(例えば、6.0rad/秒2)を許容し得る。運転回転速度は、密度勾配溶液432の気液界面434を円筒形状にするのに十分な遠心力を生成することができる。ロータ154が運転回転速度に達すると、プロセス430は、半径方向に沿って密度勾配を形成するために、密度勾配溶液432を2~3分間安定させることができる。
【0123】
密度勾配溶液が密度勾配を形成した後、プロセス430はステップ5に進み、ある量の懸濁液436(例えば、5リットル)をロータ154に加えて、流体の総量をロータ154の容量(例えば25リットル)まで上げることができる。懸濁液436がロータ154に加えられることに応答して、懸濁液436と密度勾配溶液432との間の界面で帯状勾配が形成され始めることがある。
【0124】
プロセス430は、ステップ6に進み、遠心分離期間、例えば60分間、運転回転速度を維持することができる。この段階の間、帯状流体粒子は、ロータ154の最大半径に向かって沈降し始めることができる。時間の経過とともに、これらの粒子は、相対密度に従って並べられた円筒形の等密度層438~441を生成する可能性がある。これは、密度勾配溶液432内の固体がそのレベルを求めるときに発生する可能性があり、高密度の固体は密度勾配溶液432の下層に沈む傾向があり(例えば、半径方向外側に移動することによって)、密度の低い固体は密度の低い層に留まる傾向がある。重力をはるかに強い遠心力で置き換えるかまたは補足することによって、運転回転速度は、固体が等密度層438~441に分離される速度を劇的に増加させることができる。
【0125】
ロータ154が遠心分離期間の間、運転回転速度で回転した後、プロセス430はステップ7に進み、ロータ154をゼロrpmまでゆっくりと減速し始めることができる。遠心力の減少に応答して、等密度層438~441は、それらの相対密度に基づいて、互いに積み重ねられた水平層を形成することができる。ロータ153が停止すると、プロセス430は、等密度層438~441を別々の段階で排出することができる。
【0126】
ステップ8では、等密度層438~441をバイオプロセスバッグ48から大部分除去することができる。この時点で、プロセス430は、バイオプロセスバッグ48を新しい密度勾配溶液432で再充填し、ステップ3に戻ることができる。プロセス430は、それによって、分離段階を繰り返し、懸濁液436の処理を継続することができる。代替実施形態では、バイオプロセスバッグ48を新しいバイオプロセスバッグ48と交換して、ロータアセンブリ270、310を再利用して、例えば異なる懸濁液を処理することができる。
【0127】
本発明は、その特定の実施形態の説明によって例示され、実施形態はかなり詳細に記載されてきたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に限定、または決して制限することを意図したものではない。本明細書で考察される様々な特徴は、単独でまたはいずれかの組み合わせで使用することができる。追加の利点および改変が、当業者には容易に明らかとなろう。したがって、その最も広い態様における本発明は、示されかつ説明された具体的な詳細、代表的な装置および方法、ならびに、例示的な例に限定されない。したがって、一般的な発明の概念の範囲または精神から逸脱することなく、そのような詳細から逸脱することができる。
【国際調査報告】