(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-05
(54)【発明の名称】マルチデバイスワイヤレス充電器用のワイヤレス周波数識別
(51)【国際特許分類】
H02J 50/80 20160101AFI20230829BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20230829BHJP
H02J 50/90 20160101ALI20230829BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20230829BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/40
H02J50/90
H02J50/12
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023510384
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(85)【翻訳文提出日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 US2021045809
(87)【国際公開番号】W WO2022036143
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520310643
【氏名又は名称】アイラ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIRA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】グッドチャイルド,エリック,ハインデル
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503GB08
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
ワイヤレス充電のためのシステム、方法および装置が開示されている。充電装置は、複数の伝送コイルと、共振回路に充電電流を供給するように構成されたドライバ回路と、コントローラとを有する。充電セルは、充電面を提供し得る。ドライバ回路は、伝送コイルに充電電流を供給するように構成され得る。充電装置は、無線周波数識別(RFID)信号を送受信するように構成された無線インターフェースを含む。コントローラは、充電式デバイスが最初にワイヤレス充電器の表面またはその近くに置かれたときに、無線インターフェースを介してRFIDタグを刺激するように構成された問合せ信号を送信し、問合せ信号に対する応答を受信した場合には充電式デバイスのワイヤレス充電を開始することを控え、問合せ信号に対する応答を受信しなかった場合には充電構成をネゴシエートするように構成され得る。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス充電のための方法であって、
無線周波数識別(RFID)タグを刺激するように構成された問合せ信号を第1の無線インターフェースを介して送信するステップと、
前記問合せ信号に対する応答を受信した場合にワイヤレス充電への参加を禁止するステップと、
前記問合せ信号に対する応答が受信されない場合に充電設定をネゴシエートするステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の無線インターフェースはワイヤレス充電器に設けられ、充電式デバイスが最初に前記ワイヤレス充電器の表面またはその近くに配置されときに、前記問合せ信号が送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、前記ワイヤレス充電器の1つまたは複数のコイルを含むアンテナを介して前記問合せ信号を送信するステップを含み、前記1つまたは複数のコイルは、前記ワイヤレス充電器が前記充電式デバイスを充電しているときに充電電流を受け取るように構成されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
さらに、前記ワイヤレス充電器の表面に対する前記充電式デバイスの位置に基づいて、前記1つまたは複数のコイルを選択するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記問合せ信号に対する応答信号が受信されない場合に、前記充電設定に従って前記充電電流を構成するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
さらに、前記ワイヤレス充電器の1つまたは複数のコイルを取り囲むループとして構成されたアンテナを介して前記問合せ信号を送信するステップを含み、前記1つまたは複数のコイルは、前記ワイヤレス充電器が前記充電式デバイスを充電しているときに充電電流を受け取るように構成される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の無線インターフェースは、前記ワイヤレス充電器に設けられた複数の無線インターフェースのうちの1つであり、前記複数の無線インターフェースのうちの各無線インターフェースは、前記ワイヤレス充電器の表面の異なる部分が異なるアンテナによって囲まれるように、関連するアンテナに結合されている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
さらに、前記ワイヤレス充電器の表面に対する前記充電式デバイスの位置に基づいて、前記1つまたは複数のコイルを選択するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
さらに、前記問合せ信号に対する応答が、異なるデバイスに関連すると以前に特定されたRFIDタグから受信された場合に、充電設定をネゴシエートするステップと、
前記ワイヤレス充電器の表面に対する前記充電式デバイスおよび前記異なるデバイスの位置に基づいて前記1つまたは複数のコイルを選択するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の無線インターフェースは充電式デバイスに設けられており、前記問合せ信号は、前記ワイヤレス充電器からワイヤレスpingを受信したときに送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
さらに、前記問合せ信号に対する応答が受信された場合に、前記ワイヤレスpingに対する応答を控えるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
さらに、前記問合せ信号に対する応答が受信された場合に、前記ワイヤレスpingに応答して前記ワイヤレス充電器に充電を終了させるように構成されたメッセージを送信するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
さらに、前記問合せ信号への応答が受信された場合に、前記ワイヤレスpingへの応答を控えるか、または、充電を終了するように構成されたメッセージを送信することによって前記ワイヤレスpingに応答するステップと、
前記充電式デバイスのディスプレイ上にメッセージを表示するステップとを含み、前記メッセージは、前記問合せ信号への応答が受信された場合にRFIDタグの存在を示す、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
ワイヤレス充電装置であって、
複数の送信コイルと、
前記複数の送信コイルに充電電流を供給するように構成されたドライバ回路と、
無線周波数識別(RFID)を送受信するように構成された無線インターフェースと、
コントローラであって、
充電式デバイスが最初に前記ワイヤレス充電装置の表面またはその近くに配置されたときに、RFIDタグを刺激するように構成された問合せ信号を前記無線インターフェースを介して送信し、
前記問合せ信号に対する応答が受信された場合に前記充電式デバイスのワイヤレス充電を開始することを控え、
前記問合せ信号に対する応答が受信されない場合に充電構成をネゴシエートするように構成されたコントローラと
を具えることを特徴とするワイヤレス充電装置。
【請求項15】
さらに、前記複数の伝送コイルにおける1つまたは複数のコイルを含むアンテナ回路を具え、前記1つまたは複数のコイルは、前記ワイヤレス充電装置が前記充電式デバイスを充電しているときに充電電流を受け取るように構成されており、
前記コントローラは、
前記ワイヤレス充電装置の表面に対する前記充電式デバイスの位置に基づいて前記1つまたは複数のコイルを前記アンテナ回路に含めるように構成される、請求項14に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項16】
さらに、前記ワイヤレス充電装置の1つまたは複数のコイルを取り囲むループを含むアンテナ回路を具え、前記1つまたは複数のコイルは、前記ワイヤレス充電装置が前記充電式デバイスを充電しているときに充電電流を受け取るように構成され、
前記コントローラは、
前記ワイヤレス充電装置の表面に対する前記充電式デバイスの位置に基づいて前記1つまたは複数のコイルを選択するように構成される、請求項14に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項17】
プロセッサ可読記憶媒体であって、処理回路の少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記処理回路に、
ワイヤレス充電器からワイヤレスpingを受信することと、
前記ワイヤレスpingを受信した後に第1の無線インターフェースを介して無線周波数識別(RFID)タグを刺激するように構成された問合せ信号を送信することと、
前記問合せ信号に対する応答が受信された場合にワイヤレス充電への参加を控えることと、前記問合せ信号に対する応答が受信されない場合に充電設定をネゴシエートすることと、
を実行させる命令が格納されたプロセッサ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記命令はさらに、前記処理回路に、前記問合せ信号に対する応答が受信された場合に、前記ワイヤレスpingに対する応答を控えさせる、請求項17に記載のプロセッサ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記命令はさらに、前記処理回路に、前記問合せ信号に対する応答が受信された場合に、前記ワイヤレスpingに応答して前記ワイヤレス充電器に充電を終了させるように構成されたメッセージを送信させる、請求項17に記載のプロセッサ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記命令はさらに、前記処理回路に、前記問合せ信号への応答が受信された場合に、前記ワイヤレスpingへの応答を控えるか、または、充電を終了するように構成されたメッセージを送信することによって前記ワイヤレスpingに応答することと、
前記充電式デバイスのディスプレイにメッセージを表示することを実行させ、前記メッセージは、前記問合せ信号への応答が受信された場合にRFIDタグの存在を示す、請求項17に記載のプロセッサ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2021年8月11日に米国特許庁に出願された非仮特許出願第17/400,043号および2020年8月13日に米国特許庁に出願された仮特許出願第63/065,465号の優先権と利益を主張するものであり、これらの出願の内容全体は以下に完全に記載されているかのようにその全体およびすべての適用目的のために参照により本書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般にモバイルコンピューティングデバイスのバッテリを含むバッテリのワイヤレス充電に関し、より具体的には、充電されるデバイスから受信される信号の復調に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス充電システムは、特定のタイプのデバイスが物理的な充電接続を使用せずに内部バッテリを充電できるようにするために開発されてきた。ワイヤレス充電を利用できるデバイスには、モバイル機器および/または通信機器などがある。ワイヤレスパワーコンソーシアムが定めるQi規格などの標準規格では、第1のサプライヤが製造した機器を、第2のサプライヤが製造した充電器でワイヤレス充電することが可能である。ワイヤレス充電の規格は、比較的単純な構成のデバイス向けに最適化されており、基本的な充電機能を提供する傾向にある。
【0004】
ワイヤレス充電機能の改善は、絶えず複雑化するモバイルデバイスや変化するフォームファクタに対応するために必要である。例えば、ワイヤレス充電のトランザクションに無関係なデバイスへの付随的被害を回避するための技術が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本明細書に開示される特定の態様に従って充電面を提供するために採用され得る充電セルの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本明細書に開示される特定の態様に従って構成された複数層の充電セルを採用する充電面によって提供される電力伝達領域の配置を示す図である。
【
図3】
図3は、本明細書に開示される特定の態様による充電器ベースステーションに設けられ得るワイヤレス電力トランスミッタを示す図である。
【
図4】
図4は、RFID(Radio Frequency Identification)システムを示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の特定の態様に従って適合され得る充電装置の第1の実施例を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の特定の態様に従って適合され得る充電装置の第2の実施例を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の特定の態様に従って適合され得る充電装置の第3の実施例を示す図である。
【
図8】
図8は、本開示の特定の態様に従って、ワイヤレス充電装置の充電面を監視する方法の第1の実施例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本開示の特定の態様に従って適合され得る充電装置の第4の実施例を示す図である。
【
図10】
図10は、本開示の特定の態様に従って、ワイヤレス充電装置の充電面を監視する方法の第2の実施例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本書に開示された特定の態様に従って適合され得るモバイルデバイスの実施例を示す図である。
【
図12】
図12は、本開示の特定の態様に従って、ワイヤレス充電装置の充電面を監視する方法の第3の実施例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、本明細書に開示される特定の態様に従って適合され得る処理回路を採用する装置の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本開示の特定の態様に従って、ワイヤレス充電装置の充電面を監視する方法の第4の実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成を説明することを意図しており、本明細書に記載の概念が実施され得る唯一の構成を示すことを意図したものではない。詳細な説明には、様々な概念の完全な理解を提供するための具体的な詳細が含まれている。しかしながら、それらの概念が具体的な詳細なしで実施できることは当業者には明らかであろう。時には、そのような概念を不明瞭にしないために、周知の構造および構成要素をブロック図の形式で示している。
【0007】
次に、ワイヤレス充電システムの特定の態様を、様々な装置および方法を参照して提示する。これらの装置および方法は、以下の詳細な説明に記載されるとともに、添付の図面において、様々なブロック、モジュール、コンポーネント、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(総称して「要素」と呼ぶ)によって示される。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェアまたはそれらの任意の組合せを使用して実装することができる。そのような要素がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課される設計上の制約に依存する。
【0008】
例えば、要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1以上のプロセッサを含む「処理システム」で実装され得る。プロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載された様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。処理システムの1以上のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、プロセッサ可読記憶媒体に常駐するようにしてもよい。本明細書でコンピュータ可読媒体とも呼ばれるプロセッサ可読記憶媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、近距離ワイヤレス通信(NFC)トークン、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、搬送波、伝送路、ソフトウェアを格納または伝送するのに適した他の任意の媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、処理システムに存在していても、処理システムの外部にあっても、処理システムを含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、特定の用途およびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実装するための最良の方法を認識するであろう。
【0009】
概要
本開示の特定の態様は、ワイヤレス充電装置に適用可能なシステム、装置、および方法に関する。充電セルは1以上の誘導コイルで構成されて充電装置に充電面を提供し、充電面によって充電装置が1以上の充電式デバイスをワイヤレスで充電できるようにする。充電されるデバイスの位置は、デバイスの位置を充電面上の既知の位置を中心とする物理的特性の変化に関連付けるセンシング技術を介して検出することができる。位置の感知は、容量性、抵抗性、誘導性、接触、圧力、負荷、歪み、および/または別の適切なタイプのセンシングを使用して実装することができる。
【0010】
本開示の一態様では、装置は、バッテリ充電用の電源と、マトリクス状に構成された複数の充電セルと、各スイッチがマトリクス内のコイルの横列(row)をバッテリ充電電源の第1の端子に結合するように構成されている第1の複数のスイッチと、各スイッチがマトリクス内のコイルの縦列(column)をバッテリ充電電源の第2の端子に結合するように構成されている第2の複数のスイッチとを具える。複数の充電セルのうちの各充電セルは、電力伝送領域を取り囲む1または複数のコイルを含むことができる。複数の充電セルは、複数の充電セルのうちの充電セルの電力伝送領域が重なることなく、充電装置の充電面に隣接して配置されるものであってもよい。表面に置かれたデバイスは、1以上の充電セルを介してワイヤレスで伝送される電力を受け取ることができる。
【0011】
場合によっては、本装置は充電面と呼ばれることもある。電力は、装置の面上の任意の場所に配置された受電デバイスにワイヤレスで伝送することができる。受電デバイスは、任意に規定されたサイズおよび/または形状を有することができ、充電可能な任意の個々の配置に拘わらず配置することができる。単一の充電面上で複数の受電デバイスを同時に充電することができる。本装置は、充電面にわたって1以上の受電デバイスの動きを追跡することができる。
【0012】
本明細書に開示される特定の態様は、近距離通信(NFC)信号に応答する回路を有し、充電装置の充電面上またはその近くに配置される充電式デバイスに取り付けられ、またはそれに連接され得るRFIDタグ、非接触クレジットカードおよび他の物品の検出に関する。充電装置は、複数の伝送コイルと、共振回路に充電電流を供給するように構成されたドライバ回路と、コントローラとを有し得る。充電セルは、充電面を提供し得る。ドライバ回路は、伝送コイルに充電電流を供給するように構成され得る。充電装置は、RFID信号または他のNFC信号を送受信するように構成された無線インターフェースを含む。一例では、コントローラは、充電式デバイスが最初にワイヤレス充電器の表面またはその近くに置かれたときに、無線インターフェースを介してRFIDタグを刺激するように構成された問合せ信号を送信し、問合せ信号に対する応答を受信した場合には充電式デバイスのワイヤレス充電を開始することを控え、問合せ信号に対する応答を受信しなかった場合には充電構成をネゴシエートするように構成され得る。充電設定のネゴシエーションは充電に先立つものである。一例として、充電装置は無線Pingを送信して、充電式デバイスの存在を確認し、充電に使用される伝送コイルと充電電流のレベルを定義する充電構成を決定する。
【0013】
いくつかの実装例では、ワイヤレス充電器が問合せ信号を送信し、問合せ信号に対する応答が充電式デバイスに関するRFIDタグまたは他のRFID搭載アイテムの存在を示す場合、Pingの送信をしなくてもよい。いくつかの実装例では、充電式デバイスが問合せ信号を送信し、問合せ信号に対する応答が充電式デバイスに関するRFIDタグまたはRFID搭載アイテムの存在を示す場合、Pingへの応答をしないようにしてもよい。充電式デバイスは、代替的に、RFIDタグまたはRFID搭載アイテムが存在する場合に、充電を拒否するメッセージをワイヤレス充電器に送信することによって、pingに応答することができる。
【0014】
充電セル
本明細書に開示される特定の態様によれば、充電装置内の充電セルを用いて充電面が提供され、これら充電セルは充電面に隣接配備される。一例において、充電セルは、ハニカムパッケージ構成に従って、充電面の1以上の層に配備される。充電セルは、それぞれがコイルに隣接する充電面に実質的に直交する軸に沿って磁場を誘導することができる1以上のコイルを使用して実装することができる。本明細書において、充電セルとは、各コイルが充電セル内の他のコイルによって生成される場に対して加算的であって共通の軸に沿うか近接して配向される電磁場を生成するように構成された1以上のコイルを有する構成要素いう。いくつかの例では、充電セル内のコイルはプリント回路基板上のトレースを使用して形成される。いくつかの例では、充電セルのコイルは、ワイヤを螺旋状に巻いて、平面的なコイルまたは略円筒形の外形を持つコイルを得ることによって形成される。一例として、リッツワイヤを用いて平面状またはほぼ平坦な巻線を形成し、中央に電力伝送領域を持つコイルを提供することができる。
【0015】
いくつかの実装例では、充電セルは、共通の軸に沿って積層され、および/または、充電面に実質的に直交する誘導磁界に寄与するように重なり合うコイルを含む。いくつかの実装例では、充電セルは、充電面の規定された部分内に配置され、充電セルに関連する充電面の実質的に直交する部分内の誘導磁界に寄与するコイルを含む。いくつかの実装例では、充電セルは、動的に定義される充電セルに含まれるコイルにアクティベート電流を供給することによって構成可能であり得る。例えば、充電装置は、充電面にわたって配備された複数のコイルのスタックを含むことができ、この充電装置は、充電対象デバイスの位置を検出し、充電対象デバイスに隣接する充電セルを提供するためにコイルのスタックのいくつかの組み合わせを選択し得る。ある実施例では、充電セルは、単一のコイルを含むか、または単一のコイルとして特徴付けられ得る。しかしながら、充電セルは、複数の積層コイルおよび/または複数の隣接するコイルもしくはコイルの積層を含むことができることを理解されたい。本明細書では、コイルを、充電コイル、ワイヤレス充電コイル、伝送器コイル、伝送コイル、送電コイル、送電器コイルなどと呼ぶことがある。
【0016】
図1は、充電装置の充電面を提供するために配備され、および/または構成され得る充電セル100の一例を示す。本明細書で説明するように、充電面は、1以上の基板106上に設けられた充電セル100のアレイを含むことができる。1以上の基板106上に、1以上の集積回路(IC)および/またはディスクリート電子部品からなる回路を設けることができる。この回路は、受電デバイスに電力を伝送するために使用するコイルに供給される電流を制御するために使用されるドライバおよびスイッチを含み得る。この回路は、本明細書に開示される特定の機能を実行するように構成され得る1以上のプロセッサおよび/または1以上のコントローラを含む処理回路として構成することができる。いくつかの実施例では、処理回路の一部または全部を充電装置の外部に設けてもよい。いくつかの実施例では、電源を充電装置に結合することができる。
【0017】
充電セル100は、充電装置の外表面領域の近くに設けることができ、その上に充電のために1つまたは複数のデバイスを配置することができる。充電装置は、充電セル100の複数のインスタンスを含むことができる。一例では、充電セル100は、電力伝達領域104に電磁場を生成するのに十分な電流を受け取ることができる導体、配線または回路基板トレースを用いて構築することができる1以上のコイル102を囲む、実質的に六角形の形状を有している。様々な実施態様において、いくつかのコイル102は、
図1に例示される六角形の充電セル100を含む、実質的に多角形である形状を有してもよい。他の実施態様では、他の形状を有するコイル102が提供される。コイル102の形状は、少なくとも部分的に、製造技術の能力または制限によって、および/またはプリント回路基板などの基板106上の充電セルのレイアウトを最適化するために決定することができる。各コイル102は、スパイラル構成のワイヤ、プリント回路基板トレースおよび/または他のコネクタを使用して実装することができる。各充電セル100は、異なる層のコイル102が共通軸108に中心を持つように、絶縁体または基板106によって分離された2以上の層にわたることができる。
【0018】
図2は、本明細書に開示される特定の態様による構成された複数層の充電セルを採用する充電装置の表面200にわたって設けられた電力伝送領域の配置を示す図である。充電装置は、4層の充電セル202、204、206、208から構成され得る。
図2において、第1層の充電セル202の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L1」と記され、第2層の充電セル204の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L2」と記され、第3層の充電セル206の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L3」と記され、第4層の充電セル208の充電セルが提供する各電力伝達領域が「L4」と記されている。充電セル202、204、206、208は、多角形である伝送コイルの電力伝達領域によって提供され得る。他の実装例では、充電コイルは、ワイヤから構成された螺旋状に巻かれた平面コイルを具え、それぞれが略円形の電力伝送領域を提供するように巻かれてもよい。後者の例では、複数の螺旋状に巻かれた平面コイルが、ワイヤレス充電装置の充電面の下に積層して配備され得る。
【0019】
図3は、充電器ベースステーションに設けられ得るワイヤレストランスミッタ300を示す図である。コントローラ302は、調整回路308でフィルタリングされるか、他の方法で処理されたフィードバック信号を受信することができる。コントローラは、コンデンサ312およびインダクタ314を含む共振回路306に交流を供給するドライバ回路304の動作を制御し得る。共振回路306は、本明細書において、タンク回路、LCタンク回路、および/またはLCタンクとも呼ばれ、共振回路306のLCノード310で測定される電圧316はタンク電圧とも呼ばれる。
【0020】
ワイヤレストランスミッタ300は、充電装置によって、互換性のあるデバイスが充電装置の面上に置かれたかどうかを判断するために使用することができる。例えば、充電装置は、ワイヤレストランスミッタ300を介して間欠的なテスト信号(アクティブPingまたはデジタルPing)を送信することによって、互換デバイスが充電装置の表面に置かれたことを特定することができ、ここで共振回路306は、互換デバイスがテスト信号に応答するかテスト信号の特性を変更した場合に符号化された信号を検出または受信することができる。充電装置は、規格、慣習、製造者または用途によって規定された応答信号を受信したら、少なくとも1つの充電セル内の1以上のコイルを励起するように構成することができる。いくつかの例では、互換デバイスは、充電装置が互換デバイスの充電に使用される最適な充電セルを見つけることができるように、受信信号強度を通信することによってPingに応答することができる。
【0021】
パッシブping技術は、LCノード310で測定または観測された電圧および/または電流を使用して、本明細書に開示された特定の態様に従って適合されたデバイスの充電パッドに近接する受電コイルの存在を識別することができる。従来の多くのワイヤレス充電器用トランスミッタでは、LCノード310の電圧を測定したりネットワーク内の電流を測定する回路が設けられている。これらの電圧と電流は、電力調整目的および/またはデバイス間の通信をサポートするために監視され得る。
図3に示す例では、LCノード310の電圧が監視されるが、共振回路306に短いパルスが提供されるパッシブPingをサポートするために電流が追加的または代替的に監視され得ることが企図される。パッシブPing(初期電圧V
0)に対する共振回路306の応答は、LCノード310における電圧(V
LC)により、次のように表すことができる。
【0022】
本明細書に開示された特定の態様によれば、1以上の充電セル内のコイルを選択的にアクティブ化して、互換デバイスの充電に最適な電磁界を提供することができる。いくつかの実施例では、コイルが充電セルに割り当てられ、一部の充電セルが他の充電セルと重なり得る。後者の場合、充電セル単位で最適な充電構成を選択することができる。他の例では、充電セルは、充電装置表面への充電対象デバイスの配置に基づいて規定されてもよい。このような他の例では、各充電イベントでアクティブ化されるコイルの組み合わせは異なり得る。いくつかの実装例では、充電装置は、充電イベント中に励起するために1以上のセルおよび/または1以上の所定の充電セルを選択できるドライバ回路を含み得る。
【0023】
RFID
本開示の特定の態様において、充電装置は、RFIDタグがワイヤレス充電装置の表面またはその近くで検出された場合、および/またはワイヤレス充電コイルが励起した場合にRFIDタグが損傷する可能性がある場合、1以上のワイヤレス充電コイルの励起を控え得る。RFID技術は当初識別システムに使用され、RFIDタグは従来、在庫管理目的、POSおよび/または商業施設の出口で使用されている。RFID技術は、他のモバイル機器や他のRFIDシステムとの相互作用を可能にするために、スマートフォンなどのモバイルデバイスに設けられることがある。一部のスマートフォンは、2台のデバイスが最大4cmの距離で通信できるようにする標準定義の通信プロトコルを含むNFC(Near Field Communication)プロトコルに対応しており、モバイル決済システムなどに利用されている。一部のNFC対応機器は、RFIDタグの読み取りやRFIDタグと同様の機能を持つものもある。本開示の特定の態様は、RFIDシステムの例を用いて説明されるが、その概念はNFCシステムおよびNFC搭載アイテムに等しく適用可能である。
【0024】
図4は、RFIDシステム構成400、420の特定の実施例を示す図である。各実施例において、RFIDリーダ402、422は、処理回路404、424とRFID無線機406、426を含む。RFID無線機406、426は、特定種類のRFIDタグとの使用のために定義されたいくつかの周波数のうちの1つで動作することができる。一例では、RFID無線機406、426は、特定のスマートカード用途で使用される場合、13.56MHzで送信または受信するように構成され得る。別の例では、RFID無線機406、426は、IEEE 802.11無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)およびBluetooth規格での使用のために定義された2.45GHz~5.80GHz帯で動作可能であり得る。別の例では、RFID無線機406、426は、超広帯域用途において3.1~10GHzの周波数で動作し得る。RFIDリーダ402、422は、RFID無線機406、426によって使用される周波数帯に従って構成され得るアンテナ408、428を含む。
【0025】
第1の構成400において、RFIDシステムは、パッシブRFIDタグ412の使用をサポートする。パッシブRFIDタグ412は、それ自体の電源を有さず、代わりにRFIDリーダ402に含まれ得るインテロゲータによって生成されるRF場から抽出される少量のエネルギーによって電力供給される。インテロゲータは、RFIDタグ412をウェイクさせ、応答コードを提供させる周波数でRFID問合せ信号を送信する。RFID問合せ信号は、RFIDタグ412が応答コードを送信するのに十分なエネルギーを抽出できるように、十分な電力レベルで送信される。一例では、RFID無線機416は、RFID問合せ信号を検出および認識し、自身の使用とトランスポンダ回路414の使用のために電力を生成する。いくつかの実施例では、RFID無線機416は、トランスポンダ回路414によって使用されるクロック信号を提供する。トランスポンダ回路414は、ステートマシンまたは他の順序付けロジックを含むことができる。
【0026】
パッシブRFIDタグ412は、RFID無線機416が使用する周波数帯に従って構成されたアンテナ418を含む。一例では、RFID無線機416およびトランスポンダ回路414は、単一の半導体集積回路(IC)またはチップ上に設けられたり、アンテナ418はIC内に製作され、IC上の金属または他の導電層内に設けられ、ICのケーシング上に塗装され、またはチップから遠隔配置され、またはチップに近接配置されることができる。パッシブRFIDタグ412は、通常、低周波数の120~150kHzの範囲から選択される低い周波数、および/またはスマートカードや他のデバイスのRFIDの動作周波数13.56MHzまでで動作する。特定のパッシブRFIDタグ412は、433MHzを含む高周波端または超高周波(UHF)帯でRFID問合せ信号を検出および認識するように構成され得る。
【0027】
第2の構成400では、RFIDシステムは、アクティブまたはパワーアシスト型RFIDタグ432の使用をサポートする。アクティブまたはパワーアシスト型RFIDタグ432は、外部電源を受け取り、より複雑な通信を行うことができ、かつ/またはより高い周波数で送信することができる。アクティブまたはパワーアシスト型RFIDタグ432は、典型的には、特定の機能を実行および管理できる処理回路434を含む。アクティブまたはパワーアシスト型RFIDタグ432は、典型的には、パッシブRFIDタグ412によって保存されたシリアル番号を超える詳細な情報を提供できるメモリを具える。一例では、RFID無線機436は、RFID信号を検出および認識し、処理回路434に受信RFID信号をデコードさせ、応答メッセージを構成させ、RFID無線機436に応答メッセージを送信させるウェイクアップ信号を生成することができる。処理回路434は、典型的には、プロセッサ、コントローラおよび/またはステートマシンを含み、これらは動作中に構成可能であり得る。アクティブまたはパワーアシスト型RFIDタグ432は、RFID無線機436が使用する周波数帯に従って構成されたアンテナ438を含む。一例では、アンテナ438はコイルアンテナとして構成することができる。
【0028】
RFIDタグ412,432は、低送信電力で動作するように設計されている。アンテナ418、438は、通常、低電力RFID信号を扱うように設計されており、RFID無線機416、436は、低電流および/または低電圧信号で動作することが期待される送受信回路を含む。ワイヤレス充電コイルは、RFID無線機416、436の送受信回路および/またはアンテナ418、438に、RFID無線機416、436またはアンテナ418、438を損傷するほどの電力レベルを有する信号を誘導する可能性がある。
【0029】
本開示の特定の態様は、RFIDタグ412、432に近接する面上に置かれたデバイスの充電を開始する前に、ワイヤレス充電器の表面上またはその近傍にRFIDタグ412、432の存在を検出するシステム方法および技術を提供する。一例として、RFIDタグ412、432は、スマートフォンなどの充電式デバイスのカバーに収容されるクレジットカードに埋め込むことができる。スマートフォンをカバーに入れたまま充電装置の表面に置いて充電することがあり、それによってRFIDタグ412、432が充電装置の表面から発せられる電磁充電フラックスによって損傷するリスクが生じる。RFIDタグ412、432を確実に検出すると、RFIDタグ412、432の損傷を防ぐことができる。特定の実装例では、1以上のRFIDリーダ402、422を、マルチデバイス充電装置のワイヤレストランスミッタに組み込むことができる。RFIDリーダ402、422を用いて、充電面の1以上のゾーンまたは領域を通じてワイヤレス電力伝送が開始される前に、RFIDタグ412、432の存在を検出することができる。いくつかの実装例では、RFIDタグ412、432の存在の検出によって、1以上のワイヤレス充電コイルを充電構成から除外することができ、1以上のワイヤレス充電コイルに充電電流が印加されるのを防ぐことができる。
【0030】
図5に示す例500を参照すると、本開示の特定の態様に従って適合された充電装置は、ワイヤレス電力トランスミッタ502およびRFIDリーダ504を具える。ワイヤレス電力トランスミッタ502は
図3のワイヤレストランスミッタ300に対応し、RFIDリーダ504は
図4のRFIDリーダ402または422に対応し得る。ワイヤレス電力トランスミッタ502は、1以上のワイヤレス充電コイル506に充電電流を供給するように構成されたドライバ回路512を含み得る。ドライバ回路512は、
図3のドライバ回路304に対応し得る。
【0031】
特定の実装例では、1以上のワイヤレス充電コイル506は、RFIDリーダ504内のRFID無線機514のアンテナとして機能し得る。ワイヤレス充電コイル506は、ワイヤレス電力伝送がRFID無線周波数と同じ周波数または高調波周波数で動作する場合、ワイヤレス電力伝送およびRFIDシグナリングのためのアンテナとして機能し得る。一例では、ワイヤレス充電コイル506は、特定のパッシブRFID技術の上限周波数13.56MHzの半分の周波数である6.78MHzの比較的高い周波数で電力を伝送する、A4WP(Alliance for Wireless Power)が定義するワイヤレス充電システムにおけるワイヤレス電力伝送用アンテナとしても機能し得る。
【0032】
図6に示す例を参照すると、本開示の特定の態様に従って適合された充電装置は、ワイヤレス充電装置の表面600にわたって異なるゾーンまたは領域602、604、606を監視するように構成された複数のRFID無線機612、614、616を含む。複数のRFID無線機612、614、616が設けられたマルチデバイスワイヤレス充電装置は、ワイヤレス充電装置の表面600に置かれた各充電式デバイスが、専用のRFID無線機612、614、616によって監視および/または質問されるように構成され得る。ゾーン602、604、606のサイズ、形状および位置は、設計によって固定または予め決められていてもよく、検出された充電式デバイスの位置および向きに基づいて構成することができる。複数のRFID無線機が設けられたマルチデバイスワイヤレス充電装置は、ワイヤレス充電装置の表面600に置かれた各充電式デバイスが、専用のRFID無線機612、614、616によって位置合わせまたは監視されるように構成され得る。
【0033】
別の例では、本開示の特定の態様に従って適合された充電装置は、1以上のワイヤレス充電コイル608、610を使用して、RFIDタグ検出目的のためのアンテナとして機能する。ゾーン602、604、606に関連付けられたRFID無線機612、614、616に結合されたいくつかのワイヤレス充電コイル608は、RFID無線機612、614、616によって監視ゾーン602、604、606内に完全に位置する場合もあるが、一方でRFID無線機612、614、616に結合された他のワイヤレス充電コイル610は、RFID無線機612、614、616によって監視ゾーン602、604、606内に部分的に位置する場合がある。後者の例では、特定のワイヤレス充電コイル610が、ワイヤレス充電装置の表面600上の対応するゾーン602、604、606内のRFIDタグの存在を検出するために、隣接するRFID無線機612、614、616が相互に排他的な時間に動作できるように、異なる時間に異なるRFID無線機612、614、616に結合され得る。
【0034】
別の例では、本開示の特定の態様に従って適合された充電装置は、検出された充電式デバイスのRFIDタグ検出目的のアンテナとして使用するために、選択されたワイヤレス充電コイル608、610、618および/または620をRFID無線機612、614、616に結合させる。例えば、ワイヤレス充電装置は、充電式デバイスがワイヤレス充電コイル610、618、620を用いて充電されるものであることを決定し、ワイヤレス充電コイル610、618、620があるゾーン602、604、606に拘わらず、これらのワイヤレス充電コイル610、618、620が、検出された充電式デバイスに割り当てられたRFID無線機612、614、616に結合することができる。
【0035】
図7に示す例を参照すると、本開示の特定の態様に従って適合された充電装置は、それぞれが専用のRFIDアンテナ702、704、706に結合された複数のRFID無線機712、714、716を具える。RFIDアンテナ702、704、706は、ワイヤレス充電装置の表面700に対応する監視ゾーンを規定する。RFIDアンテナ702、704、706は、監視ゾーンの境界線に対応し得る。RFIDアンテナ702、704、706は、ワイヤレス充電装置の表面700全体に配備することができ、監視ゾーンの位置、サイズおよび向きを規定し得る。図示の例では、監視ゾーンは共通のサイズおよび向きで、ワイヤレス充電装置の表面700を3つの等しい領域に分割している。他の例では、モニターゾーンは、異なる形状および/またはサイズを有し得る。いくつかの例では、監視ゾーンは重なっていてもよい。
【0036】
図示の例では、各RFIDアンテナ702、704、706は、対応する監視ゾーンの領域を実質的に画定するループとして形成される。いくつかの例では、RFIDアンテナ702、704、706は、監視ゾーンの境界を正確に画定する。いくつかの例では、RFIDアンテナは、RFIDアンテナ702、704、706によって画定された領域の外にある程度離れて置かれたRFIDタグとの間で信号を送受信することができ、これらのRFIDアンテナ702、704、706が監視ゾーンの境界を近似する。
【0037】
RFIDアンテナ702、704、706の各々は、対応する専用のRFID無線機712、714、716に結合され、ワイヤレス充電装置の表面700上の対応する監視ゾーン内のRFIDタグの存在を検出するよう構成される。RFIDアンテナ702、704、706の各々は、監視ゾーンを複数回周回するコイルを含むことができ、それによってマルチターンコイルアンテナを提供する。この例では、充電装置は、充電式デバイスへの電力伝送に使用されるワイヤレス充電コイルとは異なる、RFID検出用のアンテナを提供する。
【0038】
図8は、本開示の特定の態様に従って、ワイヤレス充電装置の充電面の少なくとも一部を監視する方法を示すフローチャート800である。この方法は、ワイヤレス充電装置の表面で物体が検出された後、ワイヤレス充電装置内のコントローラによって実行され得る。この方法は、定期的に、および/またはブロック802での物体検出後に実行することができる。いくつかの例では、物体は、パッシブPingによって充電可能な物体として識別され得る。いくつかの例では、1以上のワイヤレス充電コイルで測定された静電容量の変化が物体の配置または除去を示す静電容量感知手順によって、物体が充電可能な物体として識別され得る。いくつかの例では、物体の存在は、ワイヤレス充電装置の表面の応力または歪みの変化を検出する1以上のセンサを使用して識別され得る。他の例では、物体の存在は、光路の遮断を検出する1以上の光学センサを用いて識別され得る。他の例では、物体の存在は、電磁場の変化を検出する1以上のセンサを用いて識別され得る。
【0039】
ブロック804において、コントローラは、ワイヤレス充電装置の表面のアンテナを介して、問合せ信号を送信することができる。問合せ信号は、ワイヤレス充電装置の表面またはその近くに位置し得る1以上のRFIDタグをウェイクするように構成され得る。問合せ信号は、ワイヤレス充電装置の表面またはその近くに位置し得るパッシブRFIDタグに電力を供給するのに十分なエネルギーを有し得る。問合せ信号を受信したRFIDタグは応答を送信することが期待され、ブロック806において、コントローラは、ワイヤレス充電装置の表面上またはその近くに位置する少なくとも1つのRFIDタグの存在を示す応答信号を受信したかどうかを特定することができる。応答信号がRFIDタグから受信された場合、ブロック808において、コントローラは、問合せ信号を送信したアンテナによってカバーされた表面領域を介して充電フラックスを提供するように構成された1以上のワイヤレス充電コイルを介した充電を禁止することができる。
【0040】
RFIDタグから応答信号が受信されない場合、ブロック810において、コントローラは、1以上のワイヤレス充電コイルを介して、検出された物体にデジタルpingまたは他のより高出力の発見信号を送信することができる。デジタルpingまたは他のより高出力の検出は、コントローラが、検出された物体が充電可能な物体であるかどうかを判定し、応答した充電可能な物体の充電に使用される送信電力レベルおよび1または複数のワイヤレス充電コイルを規定する充電設定を提供できるように構成され得る。
【0041】
ブロック812において、コントローラは、充電可能な物体がデジタルpingまたは他のより高出力の発見信号に応答したかどうかを判定し得る。ブロック812で応答が受信されない場合、ブロック814で、コントローラは、検出された物体を異物として扱い、手順を終了することができる。ブロック812で応答を受信した場合、次にブロック816で、コントローラは、適切な充電設定を構成し、応答した充電可能な物体の充電を開始することができる。
【0042】
図9に示す例を参照すると、本開示の特定の態様に従って適合された充電装置は、マルチデバイスワイヤレス充電装置の表面900上の監視ゾーンを実質的に規定する単一のRFIDアンテナ902に結合された単一のRFID無線機904を具える。RFID無線機904は、ワイヤレス充電装置の表面900上の充電式デバイスの配置を追跡し、新たに配置された充電式デバイスがRFIDタグと関連付けられているかどうかを判断するための問合せ手順を開始するように構成され得る。
【0043】
図示の例では、RFIDアンテナ902は、ワイヤレス充電装置の表面900を介して充電フラックスを提供するワイヤレス充電コイルを囲むループとして形成されている。RFIDアンテナ902は、マルチデバイスワイヤレス充電装置の表面900を複数回周回するコイルを含むことができ、それによってマルチターンコイルアンテナを提供する。いくつかの例では、RFIDアンテナ902は、監視ゾーンの境界を正確に画定する。いくつかの例では、RFIDアンテナ902は、RFIDアンテナ902によって画定された領域の外にある程度離れて置かれたRFIDタグとの間で信号を送受信することができ、このRFIDアンテナ902が監視ゾーンの境界を近似する。RFIDアンテナ902は専用のRFID無線機904に結合され、ワイヤレス充電装置の表面900上の監視ゾーン内のRFIDタグの存在を検出するよう構成される。この例では、充電装置は、充電式デバイスへの電力伝送に使用されるワイヤレス充電コイルとは異なる、RFID検出用のアンテナを提供する。他の例では、RFID無線機904は、ワイヤレス充電装置の表面900にRFIDカバレッジを提供するアンテナとして機能し得る複数のワイヤレス充電コイル906に結合され得る。一例では、ワイヤレス充電コイル906のすべてがRFIDアンテナを形成するために使用される。別の例では、ワイヤレス充電装置の表面900の周辺に位置するワイヤレス充電コイル906を用いて、RFIDアンテナが形成される。
【0044】
ワイヤレス充電装置の表面900上の監視ゾーンを実質的に規定する単一のRFIDアンテナ902に結合された単一のRFID無線機904の使用は、表面900上の物体の配置および表面900に対するそれらの物体の後の移動または除去を追跡することによって、マルチデバイスモードで動作し得る。物体の配置には有限の時間差があるため、ワイヤレス充電装置のコントローラがそれぞれの配置、移動、および/または除去イベントを検出できることが期待される。2つの物体が全く同じタイミングで配置、移動、除去されることはまずありえない。コントローラは、ワイヤレス充電装置の表面900の状態および表面900に置かれた物体の特定の特性に関する情報を保持するように構成され得る。
【0045】
特定の実装例では、コントローラは、表面900に置かれた物体にRFIDタグが取り付けられるか付随しているかどうかを判定し、その後、RFIDタグを物体に関連付けるように構成され得る。例えば、表面900上またはその近くに物体が存在しないときに、第1のデバイスを表面900上に配置したとする。第1のデバイスは第1のRFIDタグに取り付けられている場合があり、コントローラは、第1のデバイスの充電を禁止することができる。続いて、第2のデバイスを表面900に配置すると、コントローラが表面900上またはその近くのRFIDタグに問合せを行う。この問合せにより、第1のRFIDタグと他のRFIDタグを識別することが期待できる。コントローラは、第1のRFIDタグを第1の物体と関連付け、第2の物体を充電すべきかどうかを決定する際に、第1のRFIDタグを考慮から除外することができる。コントローラは、第2のRFIDタグが検出されないことを条件に、第2の物体の充電を開始することができる。
【0046】
図10は、本開示の特定の態様に従って、単一のRFID無線機を用いてワイヤレス充電装置の充電面の少なくとも一部を監視する方法を示すフローチャート1000である。この方法は、複数の充電式デバイスが置かれ得る充電面の領域を監視するためにRFID無線機が使用される場合に採用され得る。いくつかの実装例では、RFID無線機を用いて充電面全体を監視する。
【0047】
この方法は、ワイヤレス充電装置の表面で1以上の物体が検出された後、ワイヤレス充電装置内のコントローラによって実行され得る。この方法は、第1の物体が検出されて第1のRFIDタグと関連付けられ、第1の物体の近くで充電が抑制されているコンテキスト1002において実行することができる。この方法は、定期的に、および/またはブロック1004での第2の物体検出後に実行することができる。第2の物体は、パッシブPingによって充電可能な物体として識別され得る。1以上のワイヤレス充電コイルで測定された静電容量の変化が第2の物体の配置または除去を示す静電容量感知手順によって、第2の物体が充電可能な物体として識別され得る。一例では、物体の存在は、ワイヤレス充電装置の表面の応力または歪みの変化を検出する1以上のセンサを使用して識別され得る。他の例では、物体の存在は、光路の遮断を検出する1以上の光学センサを用いて識別され得る。他の例では、物体の存在は、電磁場の変化を検出する1以上のセンサを用いて識別され得る。
【0048】
ブロック1006において、コントローラは、ワイヤレス充電装置の表面のアンテナを介して、問合せ信号を送信することができる。問合せ信号は、ワイヤレス充電装置の表面またはその近くにあり得る1以上のRFIDタグをウェイクするように構成され得る。問合せ信号は、ワイヤレス充電装置の表面またはその近くに位置し得る1以上のパッシブRFIDタグに電力を供給するのに十分なエネルギーを有し得る。問合せ信号を受信したRFIDタグは応答を送信することが期待され、ブロック1008において、コントローラは、ワイヤレス充電装置の表面上またはその近くに位置する少なくとも1つのRFIDタグの存在を示す応答信号を受信したかどうかを特定することができる。応答信号がRFIDタグから受信されると、次にブロック1010で、コントローラは、新しいRFIDタグが検出されたかどうかを判定することができる。コントローラは、コントローラが以前に第1のRFIDタグの存在を検出していた場合、第1のRFIDタグに対する応答を無視することができる。コントローラは、第1のRFIDタグが第1の物体に存在または近接していることに一致するモードでワイヤレス充電装置を動作させることができる。すなわち、コントローラは、第1の物体の近くの1以上のワイヤレス充電コイルを介した充電を禁止している可能性がある。コントローラは、第2のRFIDタグがブロック1006で開始された問合せに応答したと判断したら、ブロック1012に進み、第2の物体の近くに充電フラックスを提供するように構成された1以上のワイヤレス充電コイルを介した充電を禁止することができる。
【0049】
第2のRFIDタグが検出されない場合、ブロック1014において、コントローラは、デジタルpingまたは他のより高出力の発見信号を、1以上のワイヤレス充電コイルを介して第2の物体に送信することができる。デジタルpingまたは他のより高出力の検出は、コントローラが、第2の物体が充電可能な物体であるかどうかを判定し、応答した充電可能な物体の充電に使用される送信電力レベルおよび1または複数のワイヤレス充電コイルを規定する充電設定を提供できるように構成される。
【0050】
ブロック1016において、コントローラは、充電可能な物体がデジタルpingまたは他のより高出力の発見信号に応答したかどうかを判定し得る。ブロック1016で応答が受信されない場合、ブロック1018で、コントローラは、検出された物体を異物として扱い、手順を終了することができる。ブロック1016で応答を受信した場合、次にブロック1020で、コントローラは、適切な充電設定を構成し、応答した充電可能な物体の充電を開始することができる。
【0051】
図11は、モバイルデバイス1100がワイヤレス充電器1106の表面またはその近くに置かれ、ワイヤレス充電器1106から電磁フラックス1110を受け取る前に、RFIDタグ1104の存在を検出するように構成され得るモバイルデバイス1100の一例を示す。モバイルデバイス1100は、コントローラ1112または他のプロセッサを含み、ワイヤレス電力レシーバ1114およびRFID無線機1116をさらに含むかそれに結合される処理回路1102を有する。モバイルデバイス1100は、携帯電話、スマートフォン、マルチメディアデバイス、ビデオデバイス、デジタルオーディオプレーヤー(例えば、MP3プレーヤー)、カメラ、エンターテインメントデバイス、ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、スマートウォッチ、健康またはフィットネストラッカー、アイウェアなど)、家電、センサ、セキュリティデバイス、ドローン、マルチコプター、または任意の他の同様の機能デバイスであり得る。
【0052】
ワイヤレス電力レシーバ1114は、ワイヤレス充電器1106から受け取った電磁フラックス1110に応答して充電電流を生成するように構成された受電コイル1118を含むか、またはそれに結合される。受電コイル1118は、電磁波フラックス1110の周波数に同調するアンテナとして機能する。RFID無線機1116は、RFID規格およびプロトコルによって定義された周波数で、RFIDアンテナ1120を介して信号1122、1124を送受信するように構成され得る。受電コイル1118は、RFIDアンテナ1120の機能を実行する。RFIDタグ1104は、アンテナ1108を含み、パッシブまたはアクティブRFIDタグとして動作することができる。
【0053】
特定の実装例では、コントローラ1112は、RFIDタグ1104の存在を検出するように構成することができ、RFIDタグ1104が存在すると判定された場合にワイヤレス充電を禁止することができる。処理回路1102は、RFIDタグ1104が存在すること、および充電を開始できるようにするためにRFIDタグ1104を受電コイル1118とワイヤレス充電器1106の表面との間の任意の位置から取り除くべきであることを、モバイルデバイス1100のユーザに通知するように構成され得る。
【0054】
図12は、RFIDタグ1104の存在が検出された場合に充電を行わないように構成されたモバイルデバイス1100の動作を説明するフローチャート1200である。この方法は、モバイルデバイス1100内のコントローラ1112によって実行され得る。ブロック1202において、コントローラ1112は、デジタルPingを検出することができる。デジタルpingは、ワイヤレス充電器1106によって送信され、モバイルデバイス1100を識別し、モバイルデバイス1100の能力を特定し、モバイルデバイスの状態を確認し、および/または充電設定を決定するように構成され得る。
【0055】
本開示の特定の態様によれば、ブロック1204において、コントローラ1112は、そのRFID無線機1116にRFID問合せ信号1122を送信することができる。RFID問合せにより、モバイルデバイス1100の近くに位置する任意のRFIDタグ1104をウェイクし、および/またはパッシブRFIDタグ1104に電力供給することができる。RFID問合せ信号1122を検出したRFIDタグ1104は、RFIDタグ1104の識別子および/またはメッセージを搬送する応答信号1124を送信することによって応答する。ブロック1206において、コントローラ1112が応答信号1124を検出しない場合、方法はブロック1208に進み、コントローラ1112がデジタルpingに応答し、モバイルデバイス1100の充電に従事することができる。
【0056】
ブロック1206において、コントローラ1112がRFID問合せ信号の後に応答信号1124を検出した場合、方法はブロック1210に進む。ブロック1210において、コントローラ1112は、モバイルデバイス1100の充電を拒否することができる。一例では、コントローラ1112は、デジタルpingへの応答を控えることによって、モバイルデバイス1100の充電を拒否することができる。別の例では、コントローラ1112は、ワイヤレス充電器1106に「電力伝送終了」(EPT:End Power Transfer)メッセージを送信することによって、モバイルデバイス1100の充電を拒否することができる。ブロック1212において、コントローラ1112は、RFIDタグ1104の存在を示すエラーメッセージをモバイルデバイス1100に表示することができる。メッセージは、RFIDタグ1104をワイヤレス充電器1106の範囲外に移動させるように示唆するようにしてもよい。
【0057】
特定の実装例では、RFID無線機1116は、ワイヤレス充電器1106との近距離通信に使用され得る。これらの実装例では、ワイヤレス充電器1106は、
図6、7および9に例示されたRFID無線機612、614、616、712、714、716、904のうちの1以上といった、それ自身のRFID無線機を具え得る。ワイヤレス充電器1106は、そのRFID無線機を使用して、モバイルデバイス1100との近距離通信に参加することができる。近距離通信は、標準的に定義されたプロトコルに従って行われ、モバイルデバイス1100がワイヤレス充電器1106によって充電されている間、大量のデータ交換を伴うことができる。一例では、近距離通信は、モバイルデバイス1100からワイヤレス充電器1106にファームウェア更新を転送するために使用され得る。別の例では、近距離通信は、状態統計および/または充電データをワイヤレス充電器から受電デバイスに転送するために使用され得る。
【0058】
処理回路の例
図13は、バッテリをワイヤレス充電することを可能にする充電装置または受電デバイスに組み込むことができる装置1300のハードウェア実装の一例を示す図である。いくつかの例では、装置1300が、本明細書に開示の1以上の機能を実行することができる。本開示の様々な態様によれば、本明細書に開示の要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せを、処理回路1302を用いて実装することができる。処理回路1302は、ハードウェアモジュールおよびソフトウェアモジュールのある組合せによって制御される1以上のプロセッサ1304を含むことができる。プロセッサ1304の例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、SoC、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、シーケンサ、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載される様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。1以上のプロセッサ1304は、特定の機能を実行する専用のプロセッサを含むことができ、ソフトウェアモジュール1316の1つによって構成、増強または制御され得る。1以上のプロセッサ1304は、初期化中にロードされるソフトウェアモジュール1316の組合せを通じて構成されてもよく、動作中に1以上のソフトウェアモジュール1316をロードまたはアンロードすることによってさらに構成されてもよい。
【0059】
図示の例では、処理回路1302が、概してバス1310で示されるバスアーキテクチャで実装され得る。バス1310は、処理回路1302の特定の用途および全体的な設計上の制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含むことができる。バス1310は、1以上のプロセッサ1304およびストレージ1306を含む様々な回路をリンクする。ストレージ1306は、メモリデバイスおよび大容量ストレージデバイスを含むことができ、本明細書では、コンピュータ可読媒体および/またはプロセッサ可読媒体とも呼ばれる。ストレージ1306は、一時的な記憶媒体および/または非一時的な記憶媒体を含むことができる。
【0060】
バス1310は、タイミングソース、タイマ、周辺機器、電圧レギュレータおよび電源管理回路などの様々な他の回路をリンクしてもよい。バスインターフェース1308は、バス1310と1以上のトランシーバ1312との間のインターフェースを提供することができる。一例では、標準規定プロトコルに従って、装置1300が充電装置または受電デバイスと通信できるようにするために、トランシーバ1312を設けることができる。また、装置1300の性質に応じて、ユーザインタフェース1318(例えば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイク、ジョイスティック)が提供されてもよく、バス1310に直接またはバスインターフェース1308を介して通信可能に結合することができる。
【0061】
プロセッサ1304は、バス1310の管理と、ストレージ1306を含むコンピュータ可読媒体に格納されたソフトウェアの実行を含む全体的な処理とを担うことができる。この点において、プロセッサ1304を含む処理回路1302は、本明細書に開示の方法、機能および技術のいずれかを実装するために使用することができる。ストレージ1306は、ソフトウェアの実行時にプロセッサ1304によって操作されるデータを格納するために使用することができ、ソフトウェアは、本明細書に開示の方法のいずれか一つを実行するように構成することができる。
【0062】
処理回路1302の1以上のプロセッサ1304は、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかに拘わらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、関数、アルゴリズムなどを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、コンピュータ可読形式でストレージ1306に存在するようにしても、外部のコンピュータ可読媒体に存在するようにしてもよい。外部のコンピュータ可読媒体および/またはストレージ1306は、非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。非一時的なコンピュータ可読媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、「フラッシュドライブ」、カード、スティック、キードライブ)、RAM、ROM、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、EEPROMを含む消去可能PROM(EPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を格納するための他の任意の適切な媒体を含むことができる。また、コンピュータ可読媒体および/またはストレージ1306は、例えば、搬送波、伝送線、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を伝送するための他の任意の適切な媒体も含むことができる。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ1306は、処理回路1302に存在していても、プロセッサ1304に存在していても、処理回路1302の外部にあっても、処理回路1302を含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ1306は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、特定の用途およびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実装するための最良の方法を認識するであろう。
【0063】
ストレージ1306は、本明細書でソフトウェアモジュール1316とも呼ばれる、ロード可能なコードセグメント、モジュール、アプリケーション、プログラムなどのソフトウェアを維持および/または編成することができる。ソフトウェアモジュール1316の各々は、処理回路1302にインストールまたはロードされて、1以上のプロセッサ1304によって実行されると、1以上のプロセッサ1304の動作を制御するランタイムイメージ1314に寄与する命令およびデータを含むことができる。特定の命令は、実行されると、処理回路1302に、本明細書に記載の特定の方法、アルゴリズムおよびプロセスに従って機能を実行させることができる。
【0064】
ソフトウェアモジュール1316のいくつかは、処理回路1302の初期化中にロードされるものであってもよく、これらのソフトウェアモジュール1316は、本明細書に開示の様々な機能の実行を可能にするように処理回路1302を構成することができる。例えば、いくつかのソフトウェアモジュール1316は、プロセッサ1304の内部デバイスおよび/または論理回路1322を構成することができ、トランシーバ1312、バスインターフェース1308、ユーザインターフェース1318、タイマ、数値演算コプロセッサなどの外部デバイスへのアクセスを管理することができる。ソフトウェアモジュール1316は、割り込みハンドラおよびデバイスドライバと相互作用し、処理回路1302が提供する様々なリソースへのアクセスを制御する制御プログラムおよび/またはオペレーティングシステムを含むことができる。リソースは、メモリ、処理時間、トランシーバ1312へのアクセス、ユーザインタフェース1318などを含むことができる。
【0065】
処理回路1302の1以上のプロセッサ1304は多機能であり、それによってソフトウェアモジュール1316のいくつかがロードされ、異なる機能または同じ機能の異なるインスタンスを実行するように構成される。さらに、1以上のプロセッサ1304は、例えばユーザインタフェース1318、トランシーバ1312およびデバイスドライバからの入力に応答して開始されるバックグラウンドタスクを管理するように適合されてもよい。複数の機能の実行をサポートするために、1以上のプロセッサ1304は、マルチタスク環境を提供するように構成されてもよく、それによって複数の機能の各々が、必要に応じて1以上のプロセッサ1304によって提供されるタスクのセットとして実装される。一例では、マルチタスク環境は、異なるタスク間でプロセッサ1304の制御を引き渡すタイムシェアリングプログラム1320を使用して実装されてもよく、それによって各タスクは、未処理の動作の完了時および/または割り込みなどの入力に応答して、1以上のプロセッサ1304の制御をタイムシェアリングプログラム1320に戻す。タスクが1以上のプロセッサ1304の制御を有する場合、処理回路は、制御タスクに関連する機能によって対処される目的のために効果的に特化される。タイムシェアリングプログラム1320は、オペレーティングシステム、ラウンドロビン方式で制御を転送するメインループ、機能の優先順位に従って1以上のプロセッサ1304の制御を割り当てる機能、および/または、1以上のプロセッサ1304の制御を処理機能に提供することによって外部イベントに応答する割込み作動メインループを含むことができる。
【0066】
一実施態様では、装置1300は、ドライバ回路に結合されたバッテリ充電電源と、複数の充電セルと、1以上のプロセッサ1304に含まれ得るコントローラとを有するワイヤレス充電装置を含むか、またはそのように動作する。複数の充電セルは、充電面を提供するように構成され得る。各充電セルにおいて、少なくとも1つの伝送コイルが、電荷伝送領域を通して電磁場を導くように構成され得る。ドライバ回路は、伝送コイルに充電電流を供給するように構成され得る。装置1300は、RFID信号を送受信するように構成された無線インターフェースを含む。コントローラは、充電式デバイスが最初にワイヤレス充電器の表面またはその近くに置かれたときに、無線インターフェースを介してRFIDタグを刺激するように構成された問合せ信号を送信し、問合せ信号に対する応答を受信した場合には充電式デバイスのワイヤレス充電を開始することを控え、問合せ信号に対する応答を受信しなかった場合には充電構成をネゴシエートするように構成され得る。
【0067】
いくつかの実施態様において、装置1300は、伝送コイルのうちの1以上を構成するアンテナ回路を含む。1以上のコイルは、ワイヤレス充電器が充電式デバイスを充電しているときに、充電電流を受け取るように構成され得る。コントローラは、ワイヤレス充電器の表面に対する充電式デバイスの位置に基づいて、1以上のコイルを含むようにアンテナ回路を構成するように構成され得る。
【0068】
いくつかの実施態様において、装置1300は、ワイヤレス充電器の1以上のコイルを取り囲むループを含むアンテナ回路を含む。1以上のコイルは、ワイヤレス充電器が充電式デバイスを充電しているときに、充電電流を受け取るように構成され得る。コントローラは、ワイヤレス充電器の表面に対する充電式デバイスの位置に基づいて、1以上のコイルを選択するように構成され得る。
【0069】
いくつかの実装例では、ストレージ1306は命令と情報を保持し、命令はコントローラに、RFIDタグを刺激するように構成された問合せ信号を第1の無線インターフェースを介して送信させ、問合せ信号に対する応答が受信されたときにワイヤレス充電への参加を控えさせ、問合せ信号に対する応答が受信されない場合に充電設定をネゴシエートさせるように構成される。第1の無線インターフェースは、ワイヤレス充電器に設けられ得る。問合せ信号は、充電式デバイスが最初にワイヤレス充電器の表面またはその近くに置かれたときに送信され得る。
【0070】
一例において、命令はコントローラに、ワイヤレス充電器の1以上のコイルを具えるアンテナを介して問合せ信号を送信させるように構成される。1以上のコイルは、ワイヤレス充電器が充電式デバイスを充電しているときに、充電電流を受け取るように構成され得る。命令はコントローラに、ワイヤレス充電器の表面に対する充電式デバイスの位置に基づいて、1以上のコイルを選択させ得る。命令は、問合せ信号に対する応答信号を受信しない場合に、コントローラに、充電設定に従って充電電流を構成させ得る。
【0071】
別の例では、命令はコントローラに、ワイヤレス充電器の1以上のコイルを囲むループとして構成されるアンテナを介して、問合せ信号を送信させ得る。1以上のコイルは、ワイヤレス充電器が充電式デバイスを充電しているときに、充電電流を受け取るように構成され得る。第1の無線インターフェースは、ワイヤレス充電器に設けられた複数の無線インターフェースのうちの1つであり得る。複数の無線インターフェースにおける各無線インターフェースは、ワイヤレス充電器の表面の異なる部分が異なるアンテナによって囲まれるように、関連するアンテナに結合され得る。命令はコントローラに、ワイヤレス充電器の表面に対する充電式デバイスの位置に基づいて、1以上のコイルを選択させ得る。命令はコントローラに、問合せ信号に対する応答が、異なるデバイスに関連付けられると以前に特定されたRFIDタグから受信された場合に、充電設定をネゴシエートさせ、ワイヤレス充電器の表面に対する充電式デバイスおよび異なるデバイスの位置に基づいて、1以上のコイルを選択させることができる。
【0072】
いくつかの実装例では、ストレージ1306は命令と情報を保持し、命令はコントローラに、ワイヤレス充電器から受け取ったワイヤレスPingを受信し、ワイヤレスPingを受信した後に、RFIDタグを刺激するように構成された問合せ信号を第1の無線インターフェースを介して送信させ、問合せ信号に対する応答が受信されたときにワイヤレス充電への参加を控えさせ、問合せ信号に対する応答が受信されない場合に充電設定をネゴシエートさせるように構成される。
【0073】
命令は、問合せ信号に対する応答が受信された場合に、コントローラに、ワイヤレスpingに対する応答を控えさせることができる。命令は、問合せ信号に対する応答が受信された場合に、コントローラに、ワイヤレスpingに応答してワイヤレス充電器に充電を終了させるように構成されたメッセージを送信させることができる。命令はコントローラに、ワイヤレスpingへの応答を控えさせ、または問合せ信号への応答が受信された場合に充電を終了するように構成されたメッセージを送信することによってワイヤレスpingに応答させ、問合せ信号への応答が受信されたときにRFIDタグの存在を示すメッセージを充電式デバイスのディスプレイ上に表示させ得る。
【0074】
図14は、本開示の特定の態様に従ったワイヤレス充電方法を示すフローチャート1400である。ブロック1402において、RFIDタグを刺激するように構成された問合せ信号が、RFID問合せ装置によって第1の無線インターフェースを通じて送信される。ブロック1404において、応答が待たれる。ブロック1406において、RFID問合せ装置は、問合せ信号に対する応答が受信された場合に、ワイヤレス充電への参加を控えることができる。ブロック1408において、RFID質問装置は、問合せ信号に対する応答が受信されない場合、充電設定をネゴシエートすることができる。
【0075】
特定の実装例では、ワイヤレス充電器は問合せ装置として動作し、第1の無線インターフェースはワイヤレス充電器内に設けられる。問合せ信号は、充電式デバイスが最初にワイヤレス充電器の表面またはその近くに置かれたときに送信され得る。いくつかの例では、問合せ信号は、ワイヤレス充電器の1以上のコイルを構成するアンテナを介して送信され得る。1以上のコイルは、ワイヤレス充電器が充電式デバイスを充電しているときに、充電電流を受け取るように構成され得る。1以上のコイルは、ワイヤレス充電器の表面に対する充電式デバイスの位置に基づいて選択され得る。充電電流は、問合せ信号に対する応答信号を受信しない場合に、充電設定に従って構成され得る。
【0076】
特定の例では、問合せ信号は、ワイヤレス充電器の1以上のコイルを囲むループとして構成されたアンテナを介して送信され得る。1以上のコイルは、ワイヤレス充電器が充電式デバイスを充電しているときに、充電電流を受け取るように構成され得る。一例において、第1の無線インターフェースは、ワイヤレス充電器に設けられた複数の無線インターフェースのうちの1つである。複数の無線インターフェースにおける各無線インターフェースは、ワイヤレス充電器の表面の異なる部分が異なるアンテナによって囲まれるように、関連するアンテナに結合され得る。1以上のコイルは、ワイヤレス充電器の表面に対する充電式デバイスの位置に基づき得る。
【0077】
一例では、ワイヤレス充電器は、問合せ信号に対する応答が、異なるデバイスに関連付けられていると以前に特定されたRFIDタグから受信された場合に、充電設定をネゴシエートすることができる。アンテナのループに囲まれた1以上のコイルは、ワイヤレス充電器の表面に対する充電式デバイスおよび異なるデバイスの位置に基づいて選択され得る。
【0078】
特定の実装例では、充電式デバイスは問合せ装置として動作し、第1の無線インターフェースは充電式デバイス内に設けられる。問合せ信号は、ワイヤレス充電器からワイヤレスPingを受信したときに送信することができる。充電式デバイスは、問合せ信号に対する応答が受信された場合に、ワイヤレスpingに対する応答を控えることができる。充電式デバイスは、問合せ信号に対する応答が受信された場合に、ワイヤレスpingに応答してワイヤレス充電器に充電を終了させるように構成されたメッセージを送信することができる。充電式デバイスは、問合せ信号に対する応答が受信された場合に、ワイヤレスpingに対する応答を控えることができる。充電式デバイスは、問合せ信号に対する応答が受信された場合に、充電を終了させるように構成されたメッセージを送信することによってワイヤレスPingに応答することができる。充電式デバイスは、充電式デバイスのディスプレイにメッセージを表示してもよい。このメッセージは、問合せ信号に対する応答が受信された場合に、RFIDタグの存在を示すことができる。
【0079】
いくつかの実施例を以下の番号の項目に記載する。
1.ワイヤレス充電のための方法であって、RFIDタグまたはNFCタグを刺激するように構成された問合せ信号を第1の無線インターフェースを介して送信するステップと、前記問合せ信号に対する応答を受信した場合にワイヤレス充電への参加を禁止するステップと、前記問合せ信号に対する応答が受信されない場合に充電設定をネゴシエートするステップとを含むことを特徴とする方法。
【0080】
2.前記第1の無線インターフェースはワイヤレス充電器に設けられ、充電式デバイスが最初に前記ワイヤレス充電器の表面またはその近くに配置されときに、前記問合せ信号が送信される、項目1に記載の方法。
【0081】
3.さらに、前記ワイヤレス充電器の1つまたは複数のコイルを含むアンテナを介して前記問合せ信号を送信するステップを含み、前記1つまたは複数のコイルは、前記ワイヤレス充電器が前記充電式デバイスを充電しているときに充電電流を受け取るように構成されている、項目2に記載の方法。
【0082】
4.さらに、前記ワイヤレス充電器の表面に対する前記充電式デバイスの位置に基づいて、前記1つまたは複数のコイルを選択するステップを含む、項目3に記載の方法。
【0083】
5.さらに、前記問合せ信号に対する応答信号が受信されない場合に、前記充電設定に従って前記充電電流を構成するステップを含む、項目3または項目4に記載の方法。
【0084】
6.さらに、前記ワイヤレス充電器の1つまたは複数のコイルを取り囲むループとして構成されたアンテナを介して前記問合せ信号を送信するステップを含み、前記1つまたは複数のコイルは、前記ワイヤレス充電器が前記充電式デバイスを充電しているときに充電電流を受け取るように構成される、項目2に記載の方法。
【0085】
7.前記第1の無線インターフェースは、前記ワイヤレス充電器に設けられた複数の無線インターフェースのうちの1つであり、前記複数の無線インターフェースのうちの各無線インターフェースは、前記ワイヤレス充電器の表面の異なる部分が異なるアンテナによって囲まれるように、関連するアンテナに結合されている、項目6に記載の方法。
【0086】
8.さらに、前記ワイヤレス充電器の表面に対する前記充電式デバイスの位置に基づいて、前記1つまたは複数のコイルを選択するステップを含む、項目6または項目7に記載の方法。
【0087】
9.さらに、前記問合せ信号に対する応答が、異なるデバイスに関連すると以前に特定されたRFIDタグから受信された場合に、充電設定をネゴシエートするステップと、前記ワイヤレス充電器の表面に対する前記充電式デバイスおよび前記異なるデバイスの位置に基づいて前記1つまたは複数のコイルを選択するステップを含む、項目6乃至8のいずれかに記載の方法。
【0088】
10.前記第1の無線インターフェースは充電式デバイスに設けられており、前記問合せ信号は、前記ワイヤレス充電器からワイヤレスpingを受信したときに送信される、項目1乃至9のいずれかに記載の方法。
【0089】
11.さらに、前記問合せ信号に対する応答が受信された場合に、前記ワイヤレスpingに対する応答を控えるステップを含む、項目10に記載の方法。
【0090】
12.さらに、前記問合せ信号に対する応答が受信された場合に、前記ワイヤレスpingに応答して前記ワイヤレス充電器に充電を終了させるように構成されたメッセージを送信するステップを含む、項目10または項目11に記載の方法。
【0091】
13.さらに、前記問合せ信号への応答が受信された場合に、前記ワイヤレスpingへの応答を控えるか、または、充電を終了するように構成されたメッセージを送信することによって前記ワイヤレスpingに応答するステップと、前記充電式デバイスのディスプレイ上にメッセージを表示するステップとを含み、前記メッセージは、前記問合せ信号への応答が受信された場合にRFIDタグの存在を示す、項目10乃至12のいずれかに記載の方法。
【0092】
14.ワイヤレス充電装置であって、複数の送信コイルと、前記複数の送信コイルに充電電流を供給するように構成されたドライバ回路と、RFIDまたはNFC信号を送受信するように構成された無線インターフェースと、コントローラであって、充電式デバイスが最初に前記ワイヤレス充電装置の表面またはその近くに配置されたときに、RFIDタグまたはNFCタグを刺激するように構成された問合せ信号を前記無線インターフェースを介して送信し、前記問合せ信号に対する応答が受信された場合に前記充電式デバイスのワイヤレス充電を開始することを控え、前記問合せ信号に対する応答が受信されない場合に充電構成をネゴシエートするように構成されたコントローラとを具えることを特徴とするワイヤレス充電装置。
【0093】
15.さらに、前記複数の伝送コイルにおける1つまたは複数のコイルを含むアンテナ回路を具え、前記1つまたは複数のコイルは、前記ワイヤレス充電装置が前記充電式デバイスを充電しているときに充電電流を受け取るように構成されており、前記コントローラは、前記ワイヤレス充電装置の表面に対する前記充電式デバイスの位置に基づいて前記1つまたは複数のコイルを前記アンテナ回路に含めるように構成される、項目14に記載のワイヤレス充電装置。
【0094】
16.さらに、前記ワイヤレス充電装置の1つまたは複数のコイルを取り囲むループを含むアンテナ回路を具え、前記1つまたは複数のコイルは、前記ワイヤレス充電装置が前記充電式デバイスを充電しているときに充電電流を受け取るように構成され、前記コントローラは、前記ワイヤレス充電装置の表面に対する前記充電式デバイスの位置に基づいて前記1つまたは複数のコイルを選択するように構成される、項目14に記載のワイヤレス充電装置。
【0095】
17.プロセッサ可読記憶媒体であって、処理回路の少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記処理回路に、ワイヤレス充電器からワイヤレスpingを受信することと、前記ワイヤレスpingを受信した後に第1の無線インターフェースを介してRFIDタグまたはNFCタグを刺激するように構成された問合せ信号を送信することと、前記問合せ信号に対する応答が受信された場合にワイヤレス充電への参加を控えることと、前記問合せ信号に対する応答が受信されない場合に充電設定をネゴシエートすることと、を実行させる命令が格納されたプロセッサ可読記憶媒体。
【0096】
18.前記命令はさらに、前記処理回路に、前記問合せ信号に対する応答が受信された場合に、前記ワイヤレスpingに対する応答を控えさせる、項目17に記載のプロセッサ可読記憶媒体。
【0097】
19.前記命令はさらに、前記処理回路に、前記問合せ信号に対する応答が受信された場合に、前記ワイヤレスpingに応答して前記ワイヤレス充電器に充電を終了させるように構成されたメッセージを送信させる、項目17に記載のプロセッサ可読記憶媒体。
【0098】
20.前記命令はさらに、前記処理回路に、前記問合せ信号への応答が受信された場合に、前記ワイヤレスpingへの応答を控えるか、または、充電を終了するように構成されたメッセージを送信することによって前記ワイヤレスpingに応答することと、前記充電式デバイスのディスプレイにメッセージを表示することを実行させ、前記メッセージは、前記問合せ信号への応答が受信された場合にRFIDタグの存在を示す、項目17乃至19のいずれかに記載のプロセッサ可読記憶媒体。
【0099】
上述した説明は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施できるようにするために提供されたものである。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には明らかであり、本明細書で規定される一般的な原理は、他の態様に適用することができる。このため、特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言と一致する全範囲が認められるものであり、単数形の要素への言及は、特に明記がなければ、「唯一の」を意味するものではなく、「1以上」を意味するものとする。特に明記されていない限り、「いくつか」という用語は1以上を指している。当業者に知られている、または後に当業者に知られるようになる、本開示を通して説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的均等物は、引用により本明細書に明示的に援用されるとともに、特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に捧げられることを意図していない。クレームの要素は、その要素が「means for」という語句で明示的に記載されているか、方法クレームの場合には「step for」という語句で記載されていなければ、35U.S.C.§112、第6章の規定に基づいて解釈されるべきではない。
【国際調査報告】