(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-05
(54)【発明の名称】シートファスナ
(51)【国際特許分類】
A44B 13/00 20060101AFI20230829BHJP
【FI】
A44B13/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023510471
(86)(22)【出願日】2021-09-20
(85)【翻訳文提出日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 US2021051016
(87)【国際公開番号】W WO2022066548
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000006828
【氏名又は名称】YKK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】中田 智士
(72)【発明者】
【氏名】フィーガン エヴァン
【テーマコード(参考)】
3B100
【Fターム(参考)】
3B100AB01
3B100AE02
(57)【要約】
一対のシート縁部を固着するためのシートファスナが、第1の部材と第2の部材を備える。上記第1の部材は、上記一対のシート縁部のうちの第1縁部に係合する第1の固定部分と、上記第1の固定部分に連続するホルダとを含む。上記ホルダは、第1の凹部を画成し、上記第1の凹部への開口を画成する突起および支持部分を含む。上記第2の部材は、上記一対のシート縁部のうちの第2の縁部に係合するように構成された第2の固定部分と、上記第2の固定部分に連続するヘッドとを含む。上記ヘッドは、上記第2の固定部分の反対側にある前端と、上記第2の固定部分から上記前端まで延びるヘッド表面とを含む。上記ヘッドは、上記ヘッド表面の一部分が上記ホルダの上記突起との接触を維持するように、上記第1の凹部に挿入可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のシート縁部を固着するためのシートファスナであって、
第1の部材であって、
前記一対のシート縁部のうちの第1の縁部に係合するように構成された第1の固定部分と、
前記第1の固定部分に連続するホルダであって、前記ホルダが、第1の凹部を画成し、突起および支持部分を含み、前記突起および前記支持部分が、前記第1の凹部への開口を画成する、前記ホルダと、
を含む、前記第1の部材と、
第2の部材であって、
前記一対のシート縁部のうちの第2の縁部に係合するように構成された第2の固定部分と、
前記第2の固定部分に連続するヘッドであって、前記第2の固定部分の反対側にある前端と、前記第2の固定部分から前記前端まで延びるヘッド表面とを含む、前記ヘッドと、
を含む、前記第2の部材と、
を備え、
前記第2の部材の前記ヘッドが、前記ヘッド表面の一部分が前記ホルダの前記突起との接触を維持するように、前記ホルダの前記第1の凹部に挿入可能である、シートファスナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、被覆材の重ねられた縁部を固着するためのシートファスナに関する。
【背景技術】
【0002】
被覆材の重ねられた縁部を固着するために、典型的にはシートファスナが使用されてきた。例えば、自動車の座席には、クッション材を覆って座面、背もたれ面、ヘッドレスト面、アームレスト面などを形成する被覆材が含まれ得る。ただしシートファスナは、自動車や座席に用途を限定されるものではなく、むしろ被覆材を用いる様々な他の製品に使用され得る。こういった製品には、電車の座席、航空機の座席、船の座席、学校やオフィスで使用される座席、運動用具のクッション部分、ソファやベッドなどの家具などが含まれるが、これらに限定されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存のシートファスナは、組み立てる者にとって組み立てしにくい場合があり、組み立てに時間をかなり要することもある。さらに、従来のシートファスナは、様々な厚さの様々な被覆材に対応しておらず、被覆材の厚さによっては係合強度が低下することがある。係合強度が低下すると、取り付け後にシートファスナが表から見えてしまう可能性があり、これは様々な製品で望ましくない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本特許で使用する「発明」、「本発明(the invention)」、「本発明(this invention)」および「本発明(the presentinvention)」という語は、本特許の対象および添付の特許請求の範囲の主題の全てを、大まかに指すためのものである。これらの用語を含む記述は、本明細書に記載の主題を限定するものでも、添付の特許請求の範囲の意味または範囲を限定するものでもないと理解されたい。本特許が包含する発明の実施形態は、「発明の概要」ではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される。「発明の概要」は、本発明の様々な実施形態の大まかな概要であり、以下の「課題を解決するための手段」で詳細に説明する概念のいくつかを紹介する。「発明の概要」は、特許請求する主題の重要または基本的な特徴を特定するためのものではなく、特許請求する主題の範囲を定めるために単独で使用されることを意図していない。特許請求の主題については、この特許の明細書全体、図面のいずれかまたは全て、および各請求項のうちの該当する部分を参照することによって理解されたい。
【0005】
特定の実施形態によると、一対のシート縁部を固着するためのシートファスナが、第1の部材と第2の部材を備える。上記第1の部材は、第1の固定部分と、上記第1の固定部分に連続するホルダとを含む。様々な実施形態では、上記第1の固定部分は、上記一対のシート縁部のうちの第1の縁部に係合するように構成される。特定の実施形態では、上記ホルダは、第1の凹部を画成し、突起および支持部分を含み、上記突起および上記支持部分は、上記第1の凹部への開口を画成する。上記第2の部材は、第2の固定部分と、上記第2の固定部分に連続するヘッドとを含む。様々な実施形態では、上記第2の固定部分は、上記一対のシート縁部のうちの第2の縁部に係合するように構成される。上記ヘッドは、上記第2の固定部分の反対側にある前端と、上記第2の固定部分から上記前端まで延びるヘッド表面とを含む。様々な実施形態では、上記ヘッドは、上記ヘッド表面の一部分が上記ホルダの上記突起との接触を維持するように、上記ホルダの上記第1の凹部に挿入可能である。いくつかの実施形態では、上記第1の凹部は非平面の凹部表面を含む。様々な実施形態では、上記第1の部材は、上記ホルダが上記第1の固定部分からオフセットされるように、上記第1の固定部分と上記ホルダの間に段差部分を含み得る。特定の実施形態では、上記ヘッドは、上記ヘッド表面の、上記前端に近接する部分と上記第2の固定部分に近接する部分とが、上記凹部表面に接触するように、上記ホルダの上記第1の凹部に挿入可能である。いくつかの実施形態では、上記第2の固定部分の固定表面によって規定される平面と上記前端との間に垂直間隙が画成されるように、上記前端が上記平面より下にオフセットされ得る。
【0006】
本開示に記載の様々な実装形態は、追加のシステム、方法、特徴、および利点を含むことができ、これらは必ずしも本明細書で明示的に開示されるわけではないが、以下の詳細な説明および添付の図面を検討すると、当業者には明らかとなるであろう。かかるシステム、方法、特徴、および利点は全て、本開示内に包含され、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【0007】
以下の図の特徴および構成要素は、本開示の一般的な原理を強調するために示されている。対応する特徴と構成要素は、一貫性と明瞭性を目的として図全体で一致する参照記号によって示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態による第1の部材および第2の部材を備えるシートファスナによって縁部が重ねて固着された被覆材の斜視図である。
【
図4】
図1のシートファスナの第2の部材の側面図である。
【
図5】第2の部材が第1の部材に対して一時的な位置にある、
図1のシートファスナの側面図である。
【
図6】本開示の実施形態による重ねられた縁部を含む接合領域の全体の厚さを示す、
図1の被覆材とシートファスナの側面図である。
【
図7】本開示の実施形態によるシートファスナによって重ねて接合された縁部間の間隙の厚さを示す、
図1の被覆材とシートファスナの側面図である。
【
図8】
図1の被覆材を含んだ座席用ヘッドレストの底面図である。
【
図9】本開示の実施形態による、第1の部材と第2の部材を備える別のシートファスナの側面図である。
【
図10】本開示の実施形態による、第1の部材と第2の部材を備える別のシートファスナの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書では、法定要件を満たすために、本発明の実施形態の主題を具体的に説明するが、この説明は、必ずしも特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。特許請求する主題は、他の方法で具体化することができ、異なる要素またはステップを含むことができ、他の既存または今後の技術と組み合わせて使用することができる。個々のステップの順序または各要素の配置を明示的に記載している場合を除き、この説明が、様々なステップまたは要素の特定の順序または配置を意味していると解釈すべきではない。方向を示す参照語、特に「上へ」、「下へ」、「上端」、「下端」、「左」、「右」、「前」、「後」などは、構成要素および方向が参照している1つまたは複数の図に示され、記載されている向きを示すためのものである。
【0010】
本明細書では、一対のシート縁部を固着するためのシートファスナについて説明する。上記シートファスナは、第1の部材と、その第1の部材と共に組み立てられ得る第2の部材とを備える。上記第1の部材は、上記シート縁部の一方に係合し得る第1の固定部分と、上記第1の固定部分に連続するホルダを含む。上記ホルダは、第1の凹部を画成し、突起および支持部分を含む。様々な実施形態では、上記突起および上記支持部分は、上記第1の凹部への開口を画成する。上記第2の部材は、上記シート縁部のもう一方に係合し得る第2の固定部分と、上記第2の固定部分に連続するヘッドを含む。特定の実施形態では、上記ヘッドは、上記第2の固定部分の反対側にある前端と、上記第2の固定部分から上記前端まで延びるヘッド表面とを含む。上記第2の部材の上記ヘッドは、上記ヘッド表面の一部分が上記ホルダの上記突起との接触を維持するように、上記ホルダの上記第1の凹部に挿入可能である。上記一対のシート縁部は、上記第1の部材と上記第2の部材を連結することによって固着される。
【0011】
図1~7は、様々な実施形態によるシートファスナ100を示している。
図1に示されているように、シートファスナ100は、継ぎ目106に沿って、被覆材104の一対のシート縁部102Aおよび102Bを固着し得る。シートファスナ100はシート縁部の任意の対の接合に使用できること、両シート縁部が同一の被覆材の縁部である必要はないことが理解されよう。
【0012】
図2~5に最もよく示されているように、シートファスナ100は第1の部材108と第2の部材110とを備える。第1の部材108および第2の部材110はそれぞれ、連続部材であってよく、様々な適当な材料から様々な適当な形成技術によって製造され得る。非限定的な一実施例として、第1の部材108および第2の部材110はそれぞれ、押出成形、射出成形、または所望に応じて他の適当な技術によって形成された合成樹脂材料であってよい。
【0013】
第1の部材108は、第1の固定部分112と、第1の固定部分112に連続するホルダ114とを含む。様々な実施形態では、第1の固定部分112は第1の部材108の端116を含み、その端116の反対側にホルダ114が設けられる。第1の固定部分112は第1の固定表面118を含み、その上にシート縁部(例えば、シート縁部102A)が様々な適当な機構または技術によって固定され得る。非限定的な一実施例では、シート縁部は第1の固定表面118に縫い付けられ得る。様々な実施形態では、第1の固定表面118は第1の平面120内に延びる。
【0014】
第1の部材108のホルダ114は、第1の凹部122を画成し、接続部分124、支持部分126、および突起128を含む。支持部分126は、接続部分124から延び、第1の凹部122を取り囲む。支持部分126は支持部分端130を含む。突起128は、接続部分124から、支持部分126とは反対の方向に、支持部分端130に向かって延びる。いくつかの実施形態では、突起128は、第1の凹部122の第1の凹部表面136に連続するかつ/または別の方法で接続されてもよく、特定の実施形態では、突起128は任意選択で、第1の凹部表面136の非平面部分から延び得る。突起128は所望に応じて様々な適当な形状または輪郭を有することができ、
図1~7に示されている突起128の弓形の形状を、本開示を限定するものと見なすべきではない。突起128は突起端132を含み、支持部分端130と突起端132が共同で第1の凹部122への開口を画成する。第1の凹部122は第1の凹部表面136を含む。任意選択で、第1の凹部表面136は非平面であり得る。非限定的な一実施例として第1の凹部表面136は弓形であってよく、
図1~
図7の実施形態では第1の凹部表面136はほぼC字形である。他の実施形態では、第1の凹部表面136の少なくとも一部分は平面であり得る。特定の実施形態では、
図2に示されているように、第1の凹部122は中心131を有し、この中心131は、第1の凹部122の長手に沿って(例えば、
図2の紙面の表から裏に向かう方向に)延び得る軸であり得る。特定の実施形態では、第1の凹部122の形状または輪郭は真円でなくてもよく、所望に応じて様々な形状または輪郭を有し得ることが理解されよう。特定の実施形態では、第1の凹部表面136の一部分のみが弓形であり得る。同様に、以下で説明するように、第2の部材110のヘッド142の形状は真円でもよく、所望に応じて他の形状を有し得る。いくつかの実施形態では、第1の凹部表面136の少なくとも一部分が弓形で、ヘッド142の少なくとも一部分が弓形である。特定の実施形態では、ヘッド142および第1の凹部表面136の部分的な弓形部分が真円を形成する場合、ヘッド142の中心と第1の凹部122の中心は一致し得る。
【0015】
任意選択で、第1の部材108は、第1の固定部分112とホルダ114の間に、その第1の固定部分112およびホルダ114と連続する段差部分138を含む。特定の態様では、段差部分138は、ホルダ114の接続部分124を(したがってホルダ114を)、その接続部分124が第1の平面120より上または下になるようにオフセットし得る。
図1~
図7の実施形態では、段差部分138は、接続部分124を第1の平面120より上にオフセットする。特定の実施形態では、段差部分138を用いることによって、シートファスナ100は十分な係合強度を維持しながら様々な厚さを有するシート縁部に対応することが可能になり、かつ/または固着されたシート縁部間の間隙を最小限に抑えることができる。様々な実施形態では、シートが厚くても第2の部材110が第1の部材108に係合できることから、第1の部材108を第2の部材110に係合させる操作も改善される。
【0016】
図4に最もよく示されているように、第2の部材110は、第2の固定部分140およびヘッド142を含む。様々な実施形態では、第2の固定部分140は第2の部材110の端144を含み、その端144の反対側にヘッド142が設けられる。第1の固定部分112と同様に、第2の固定部分140は第2の固定表面146を含む。第2の固定表面146に、シート縁部(例えば、シート縁部102B)が様々な適当な機構または技術によって固定され得る。非限定的な一実施例では、シート縁部は第2の固定表面146に縫い付けられ得る。
図2に最もよく示されているように、様々な実施形態では、第2の固定表面146は第2の平面148内に延びる。
【0017】
第2の部材110のヘッド142は、ヘッド端150を含み、第2の凹部152を画成する。ヘッド端150と、第2の固定部分140の、ヘッド142に接続される部分とが共同で、第2の凹部152への開口を画成する。特定の態様では、
図2および
図4に最もよく示されているように、ヘッド端150が第2の平面148からオフセットされて、第2の平面148とヘッド端150の間に垂直間隙156が画成される。以下で詳細に説明するように、様々な実施形態では、ヘッド端150と第2の平面148の間の間隙156により、ヘッド142を第1の凹部122に深く挿入し、一時的な位置での第2の部材110の安定性を向上させることが可能になる。
【0018】
図4に示されているように、例えば、ヘッド142は外表面158を含み、第2の凹部152は第2の凹部表面160を含む。特定の態様では、外表面158および/または第2の凹部表面160は非平面の表面であり得る。ただし、他の実施形態では、外表面158および/または第2の凹部表面160の少なくとも一部分は平面であり得る。第1の凹部表面136と同様に、ヘッド142は真円である必要はなく、所望に応じて様々な形状または輪郭を有し得ることが理解されよう。特定の事例では、ヘッド142の少なくとも一部分が弓形で、第1の凹部表面136の少なくとも一部分が弓形である。ヘッド142と第1の凹部表面136の両方が真円である実施形態では、第2の部材110が第1の部材108と共に組み立てられると、両円の中心が一致し得る。いくつかの実施形態では、外表面158の曲率は、第1の凹部表面136の曲率と相補関係にあり得る。かかる実施形態では、この外表面158および第1の凹部表面136の相補関係にある曲率により、第1の部材108と第2の部材110の間の接触を改善することができ、第1の部材108に対する第2の部材110の回転運動が容易になり得る。
【0019】
様々な実施形態では、第2の部材110はまた、端144とヘッド142の間に、第2の固定部分140から延びる突起162を含み得る。特定の実施形態では、例えば
図2および
図3に示されているように、第2の部材110が第1の部材108と完全に組み立てられると、第1の部材108のホルダ114の突起128の一部分が、第2の部材110の突起162とヘッド142との間に収容され得る。
【0020】
図3および
図5を参照すると、第2の部材110が、第1の部材108に対して一時的な位置(
図5)および完全に組み立てられた位置(
図3)に配置され得る。一時的な位置では、ヘッド142がホルダ114の第1の凹部122の内側に部分的に配置される。
図5に示されているように、一時的な位置では、ヘッド端150が第1の凹部表面136に接触することができ、ホルダ114の支持部分端130が第2の凹部152の中に配置されてヘッド142の第2の凹部表面160に接触し、突起端132がヘッド142の外表面158に接触する。特定の実施形態では、ヘッド端150と第2の平面148の間の間隙156により、ヘッド142を第1の凹部122へ最初に挿入することと、一時的な位置へ挿入することが容易になり得る。間隙156により、一時的な位置でヘッド142を第1の凹部122に深く挿入することが可能になり得る。これによって、従来のシートファスナと比較して、一時的な位置での第2の部材110の支持を増強することが可能になり得る。様々な実施形態では、間隙156によりまた、従来のシートファスナと比較して、一時的な位置における第1の平面120と第2の平面148の間の角度164が最小になり得る。いくつかの事例では、角度164は約50°未満にすることができ、非限定的な一実施例では、角度164は約26°未満になり得る。他の実施形態では、角度164は、50°より大きく、または所望に応じて約50°以下の他の角度にすることができる。様々な実施形態では、間隙156によりまた、一時的な位置から完全に組み立てられた位置への第2の部材110の移動が容易になり得る。
【0021】
完全に組み立てられた位置では、ヘッド142が第1の凹部122の内部に完全に配置される。
図3に示されているように、完全に組み立てられた位置では、少なくとも突起128がヘッド142との接触を維持する。様々な実施形態では、完全に組み立てられた位置にヘッド142があると、第1の凹部表面136がヘッド142の外表面158との接触を維持し得る。特定の実施形態では、完全に組み立てられた位置および/または一時的な位置で、ヘッド端150が第1の凹部表面136に接触していると、ヘッド142と突起128が接触を維持し得る。特定の態様では、完全に組み立てられた位置では、突起128とヘッド142の間で接触が維持されることにより、第1の部材108に対して第2の部材110を固定することができ、シートファスナ100の係合強度が向上し得る。様々な実施形態では、突起128とヘッド142の間の接触によりまた、第1の部材108に対して第2の部材110の回転軸が維持され得る。特定の実施形態では、上記回転軸は、第1の凹部122の中心131にすることができ、この第1の部材108の第1の凹部122の中心131の周りを、第2の部材110が回転し得る。他の実施形態では、上記回転軸は、第1の凹部122の中心131である必要はない。様々な実施形態では、完全に組み立てられた位置で、突起端132は、ヘッド142と突起162の間にあり得るが、第1の部材108に対する第2の部材110の回転位置によってはそこでなくてもよい。いくつかの実施形態では、ホルダ114の支持部分端130が、第2の固定部分140のかつ/またはヘッド142の一部分に接触し得る。
図2に示される実施形態では、例えば支持部分端130は、第2の固定部分140の、ヘッド142に近接する部分に接触する。他の実施形態では、
図10に示されているように、支持部分端130はヘッド142と第2の固定部分140の両方に接触し得る。
図10の実施形態では、支持部分端130は、第2の固定部分140とヘッド142の間の移行に対応した溝1033を含み得るが、他の実施形態では、支持部分端130は、所望に応じて様々な適当な輪郭または形状を有し得る。他の実施形態では、支持部分端130は、ヘッド142のみに接触し得る。様々な態様では、支持部分端130と第2の固定部分140の間のかかる接触により、第1の部材108に対する第2の部材110の回転が制限されて、安定した連結が維持され得る。
【0022】
図6および
図7を参照すると、完全に係合した位置にあるシートファスナ100は、そのシートファスナ100によって結合された縁部102Aおよび102Bの、改善された外観を提供し得る。この改善は、継ぎ目106の厚さ166を低減させること(
図6)と、固着された縁部102Aと102Bの間の間隙168の厚さを低減させること(
図7)によってもたらされる。非限定的な一実施例では、継ぎ目106の厚さ166は約12mmであるが、他の実施例ではそうである必要はない。非限定的な一実施例では、間隙168の厚さは約2mmであるが、他の実施例ではそうである必要はない。
【0023】
図8は、被覆材804に継ぎ目806を有するヘッドレスト801の一実施例を示している。継ぎ目806は、被覆材104の継ぎ目106とほぼ同様であり、シートファスナ100と同様のシートファスナ(図では見えない)によって形成されている。
【0024】
図9は、シートファスナ100とほぼ同様のシートファスナ900の一実施例を示している。ただし、第1の部材908の段差部分938が、シートファスナ100の第1の部材108の段差部分138と比べて異なる形状を有し、それよりも正方形に近い。
【0025】
図10は、シートファスナ100とほぼ同様のシートファスナ1000の一実施例を示している。ただし、第1の部材108の支持部分端130が、第2の部材110のヘッド142と第2の固定部分140の両方に接触するように構成され、溝1033を含んでいる。
【0026】
図1~
図7に戻ると、シートファスナ100を用いて一対の縁部102Aおよび102Bを固着する方法が、シート縁部102Aを第1の固定表面118に固定することと、シート縁部102Bを第2の固定表面146に固定することとを、含み得る。第2の部材110のヘッド142が第1の部材108のホルダ114に向かって動かされ、ヘッド端150が第1の凹部122に挿入されて第1の凹部表面136と接触し、第2の部材110が一時的な位置になる。特定の態様では、ヘッド端150を第1の凹部122に挿入することによって、支持部分端130が第2の凹部152に挿入されて第2の凹部表面160と接触する。様々な実施形態では、一時的な位置で、縁部102Aおよび102Bに張力が加わる前に、その縁部102Aおよび102Bが所望に応じて調整されてもよい。いくつかの非限定的な実施例として、縁部102Aおよび102Bの折り目、たるみなどが、シートファスナ100と縁部102Aおよび102Bが一時的な位置にある間に除去され得る。
【0027】
第2の固定部分140が第1の固定部分112に近づくように、第2の部材110が第1の部材108に対して回転させられ得る。様々な実施形態では、第2の部材110は、第1の部材108に対して回転軸を中心に回転することができ、上記回転軸は、第1の凹部122の中心131であり得る。第2の部材110の回転により、第2の部材110のヘッド142が第1の凹部122にさらに挿入され得る。第2の部材110の回転によりまた、第2の固定部分140が第1の固定部分112に近づくにつれて、シート縁部102Bに張力が加わる。様々な実施形態では、第2の部材110の回転中、突起128は、任意選択でヘッド142との接触を維持し得る。
【0028】
第2の部材110の回転の結果、第2の部材110は、一時的な位置から完全に組み立てられた位置まで動かされる。完全に組み立てられた位置では、突起128がヘッド142との接触を維持することができ、ヘッド142の外表面158は、突起128に加えて第1の凹部表面136と接触し得る(例えば、突起128と向かい合った位置で)。完全に組み立てられた位置では、支持部分端130が第2の固定部分140、ヘッド142、または第2の固定部分140とヘッド142の両方に接触し得る。様々な実施形態では、完全に組み立てられた位置では、支持部分端130と、第2の固定部分140、ヘッド142、または第2の固定部分140とヘッド142の両方との間の接触により、第1の部材108に対する第2の部材110の回転が制限されて、安定した連結が維持され得る。したがって、縁部102Aと縁部102Bが互いに近接した状態で固着されるように、第1の部材108と第2の部材110が確実に連結される。
【0029】
上述の各態様は、可能な実施例にすぎず、本開示の原理を明確に理解するために記載されているにすぎない。本開示の趣旨および原理から大幅に逸脱することなく、上述の実施形態に対して多くの変形および修正を行うことができる。かかる修正形態および変形形態は全て、本開示の範囲内に含まれることが意図され、各要素または各ステップの個々の態様または組み合わせに対する全ての可能な請求項が、本開示によって裏付けられることが意図される。さらに、本明細書および添付の特許請求の範囲では特定の用語が使用されているが、それらは総称的かつ説明的な意味のみで使用され、説明した発明または添付の特許請求の範囲を限定する目的のものではない。
【国際調査報告】