(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-05
(54)【発明の名称】半埋め込み可能な補聴器
(51)【国際特許分類】
A61F 11/00 20220101AFI20230829BHJP
H04R 25/00 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
A61F11/00 320
H04R25/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512026
(86)(22)【出願日】2021-08-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-17
(86)【国際出願番号】 US2021046942
(87)【国際公開番号】W WO2022040550
(87)【国際公開日】2022-02-24
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591052398
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジャリリアン,ハミード
(57)【要約】
【要約】
全体的又は部分的に隠され、部分的埋め込み可能である半埋め込み可能な聴取機器は、交換可能な外耳ユニットであって、該交換可能な外耳ユニットによって受け取られた音響エネルギーに応答してエネルギーを生成するための手段を有する、交換可能な外耳ユニットを含む。交換可能な外耳ユニットは、対象者の外耳道内又は対象者の耳の後ろに配置されるように適合されている。埋め込み可能である半埋め込み可能な聴取機器はまた、中耳又は乳様突起に配置される流体充填された管形状の機器も含む。特徴的には、流体充填された管形状の機器は、交換可能な外耳ユニットから伝達されたエネルギーを受け取るように適合されており、それによって、該流体充填された管形状の機器によって受け取られたエネルギーは、該流体充填された管形状の機器に包含されている流体を介して内耳へと伝達される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換可能な外耳ユニットであって、該交換可能な外耳ユニットによって受け取られた音響エネルギーに応答してエネルギーを生成するためのエネルギー伝達機器を有し、対象者の外耳道内又は対象者の耳の後ろに配置されるように適合されている、交換可能な外耳ユニットと、
中耳又は乳様突起に配置される流体充填された管形状の機器であって、前記交換可能な外耳ユニットから伝達されたエネルギーを受け取るように適合されており、該流体充填された管形状の機器によって受け取られたエネルギーは、該流体充填された管形状の機器に包含されている流体を介して対象者の内耳へと伝達される、流体充填された管形状の機器と
を含む、半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項2】
前記流体充填された管形状の機器は、可撓性の閉管によって封入された前記流体を含む、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項3】
前記エネルギーは、電磁刺激を用いて、前記交換可能な外耳ユニットから前記流体充填された管形状の機器へと伝達される、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項4】
前記エネルギーは、無線周波数刺激を介して、前記交換可能な外耳ユニットから前記流体充填された管形状の機器へと伝達される、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項5】
前記エネルギーは、誘導結合を介して、前記交換可能な外耳ユニットから前記流体充填された管形状の機器へと伝達される、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項6】
前記交換可能な外耳ユニットは、光ベースの伝達及び圧電変換を介して、前記エネルギーを前記流体充填された管形状の機器へと伝達するように構成される、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項7】
前記交換可能な外耳ユニットは、前記交換可能な外耳ユニット内の第1のコイルが前記流体充填された管形状の機器の第2のコイルと位置合わせされるように位置合わせされたコイルを介して、前記エネルギーを前記流体充填された管形状の機器へと伝達するように構成される、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項8】
前記流体充填された管形状の機器は、取り付けられた圧電コンポーネントを含む、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項9】
前記流体充填された管形状の機器は、取り付けられた光応答性機器を含み、該取り付けられた光応答性機器は、光歪材料を含む、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項10】
前記流体充填された管形状の機器は、前記流体充填された管を前記対象者の耳内の耳小骨連鎖に取り付けることによって固定される、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項11】
前記交換可能な外耳ユニットは、気密封止されて対象者の体内に埋め込まれる、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項12】
前記流体充填された管形状の機器は、正円窓膜に接触することによって内耳との接触を行うように構成されている、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項13】
前記流体充填された管形状の機器は、卵形窓又は1つ以上の耳小骨に接触することによって内耳との接触を行うように構成されている、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項14】
前記流体充填された管形状の機器は、外科手術又は疾患によって形成された開口を通して内耳との接触を行うように構成されている、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項15】
前記流体充填された管形状の機器は、鼓膜との外側接触を行うように構成されている、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項16】
前記流体充填された管形状の機器は、前記対象者の外耳道の皮膚下での外側接触を行うように構成されている、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項17】
前記流体充填された管形状の機器は、耳の後ろ又は上の皮膚下での外側接触を行うように構成されている、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項18】
前記流体充填された管形状の機器は、内耳との剛性接触により聴取情報を送るように構成されている、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項19】
前記流体充填された管形状の機器は、内耳との可撓性接触を用いて聴取情報を送る、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項20】
前記流体充填された管形状の機器は、該流体充填された管形状の機器が鼓膜を通して配置され得る場所にて聴取情報を送るために使用される、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項21】
前記流体充填された管形状の機器は、該流体充填された管形状の機器が鼓膜を横断する場所にて聴取情報を送るために使用される、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項22】
前記流体充填された管形状の機器は、該流体充填された管形状の機器がフランジを使用して固定される場所にて聴取情報を送るために使用される、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項23】
前記流体充填された管形状の機器は、該流体充填された管形状の機器が1つ以上のねじを使用して固定される場所にて聴取情報を送るために使用される、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項24】
前記流体充填された管形状の機器は、該流体充填された管形状の機器が1つ以上の熱で作動する金属アームを使用して固定される場所にて聴取情報を送るために使用される、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【請求項25】
前記流体充填された管形状の機器は、シリコーン又は金属を使用して所定の位置に固定される、請求項1に記載の半埋め込み可能な聴取機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月20日に出願された米国仮出願第63/068,158号の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
少なくとも一態様において、本発明は、埋め込み可能な、及び/又は、半埋め込み可能な聴取機器に関する。
【背景技術】
【0003】
先進国では、人口の約10%が聴力損失を被っている。現在、米国では約3,000万人が聴力損失を抱えている。通常、聴力は外耳道内に補聴器を配置することによって改善される。補聴器は、音を受け取って、その音をより大きな音へと変換する。このようにして変換された音は、鼓膜を振動させ、続いて耳小骨(中耳の骨)を振動させ、そして卵形窓を介して内耳液を振動させる。正円窓(内耳の別の膜窓)を介して、聴覚器官(蝸牛)もまた刺激され得る。
【0004】
現在、正円窓を介して内耳へと音を伝達する唯一の埋め込み可能な機器は、2~3時間の大手術を必要とする。
【0005】
したがって、改善された埋め込み可能である半埋め込み可能な聴取機器が求められている。
【発明の概要】
【0006】
少なくとも1つの態様では、半埋め込み可能な聴取機器が提供される。この半埋め込み可能な聴取機器は、鼓膜(tympanic membrane)(鼓膜(eardrum))又は鼓膜付近に広がって、耳道内における外部聴取機器からの音情報を内耳へと伝達することができる。本機器の埋め込み可能な部分は、2~3時間や全身麻酔ではなく、診療所内において局所麻酔を使用し2~3分の処置により配置され得る。有利には、半埋め込み可能な聴取機器は、コストを大幅に削減することができる。
【0007】
別の態様では、半埋め込み可能な聴取機器は、交換可能な外耳ユニットであって、該交換可能な外耳ユニットによって受け取られた音響エネルギーに応答してエネルギーを生成するためのエネルギー伝達機器を有する、交換可能な外耳ユニットを含む。交換可能な外耳ユニットは、対象者の外耳道内又は対象者の耳の後ろに配置されるように適合されている。半埋め込み可能な聴取機器はまた、中耳、乳様突起又は対象者の耳に近い他の構造に配置される流体充填された管形状の機器も含む。有利には、流体充填された管形状の機器は、交換可能な外耳ユニットから伝達されたエネルギーを受け取るように適合されており、該流体充填された管形状の機器によって受け取られたエネルギーは、該流体充填された管形状の機器に包含されている流体を介して対象者の内耳へと伝達される。
【0008】
別の態様では、半埋め込み可能な聴取機器は、全体的又は部分的に隠され得る。
【0009】
別の態様では、半埋め込み可能な聴取機器は、全身麻酔を用いずに低侵襲の診療所内における処置により配置され得る。
【0010】
別の態様では、半埋め込み可能な聴取機器は、従来の聴取機器よりも高品質の音を生成する、蝸牛の直接的な機械的振動を提供し得る。
【0011】
別の態様では、交換可能な外耳ユニットは、光ベースの伝達及び圧電変換を介して、エネルギーを流体充填された管形状の機器へと伝達するように構成される。
【0012】
別の態様では、交換可能な外耳ユニットは、交換可能な外耳ユニット内の第1のコイルが流体充填された管形状の機器の第2のコイルと位置合わせされるように位置合わせされた複数のコイルを介して、エネルギーを流体充填された管形状の機器へと伝達するように構成される。
【0013】
別の態様では、半埋め込み可能な聴取機器は、対象者に配置するために、全身麻酔下における外科手術を必要としない。
【0014】
別の態様では、エネルギーは、電磁刺激を用いて、交換可能な外耳ユニットから流体充填された管形状の機器へと伝達される。
【0015】
別の態様では、エネルギーは、無線周波数刺激を介して、交換可能な外耳ユニットから流体充填された管形状の機器(例えば、アクチュエータ)へと伝達される。
【0016】
別の態様では、エネルギーは、光ベースの伝達及び圧電変換を介して、交換可能な外耳ユニットからエネルギーを流体充填された管形状の機器へと伝達される。
【0017】
別の態様では、流体充填された管形状の機器は、取り付けられた圧電コンポーネントを含む。
【0018】
別の態様では、流体充填された管形状の機器は、取り付けられた光応答性機器を含み、該取り付けられた光応答性機器は、光歪材料を含む。
【0019】
別の態様では、エネルギーは、位置合わせされたコイルを介して、交換可能な外耳ユニットから流体充填された管形状の機器へと伝達される。
【0020】
別の態様では、流体充填された管形状の機器は、磁石を耳内の耳小骨連鎖に取り付けることによって対象者に固定される。
【0021】
別の態様では、交換可能な外耳ユニットは、気密封止されて対象者の体内に埋め込まれる。
【0022】
別の態様では、流体充填された管形状の機器は、正円窓膜にて内耳との接触を行うように構成されている。
【0023】
別の態様では、流体充填された管形状の機器は、卵形窓又は1つ以上の耳小骨にて内耳との接触を行うように構成されている。
【0024】
別の態様では、流体充填された管形状の機器は、外科手術又は疾患によって形成された開口を通して内耳との接触を行うように構成されている。
【0025】
別の態様では、流体充填された管形状の機器は、鼓膜との外側接触を行うように構成されている。
【0026】
別の態様では、流体充填された管形状の機器は、対象者の外耳道の皮膚下での外側接触を行うように構成されている。
【0027】
別の態様では、流体充填された管形状の機器は、耳の後ろ又は上の皮膚下での外側接触を行うように構成されている。
【0028】
別の態様では、充填された管形状の機器は、内耳との剛性接触を行うように構成されている。
【0029】
別の態様では、充填された管形状の機器は、内耳との可撓性接触を行うように構成されている。
【0030】
別の態様では、流体充填された管形状の機器は、剛性の外側接触を行うように構成されている。
【0031】
別の改良形態では、流体充填された管形状の機器は、可撓性の外側接触を行うように構成される。
【0032】
別の態様では、流体充填された管形状の機器は、該流体充填された管形状の機器が鼓膜を通して配置され得る場所にて聴取情報を送るために使用される。
【0033】
別の改良形態では、流体充填された管形状の機器は、該流体充填された管形状の機器が鼓膜を通して配置され得る場所にて聴取情報を送るために使用される。
【0034】
さらに別の態様では、本明細書に記載の半埋め込み可能な聴取機器を対象者に埋め込む方法を提供する。該方法は、交換可能な外耳ユニットを対象に外科的に配置することによって、対象者の耳又は対象者の耳に隣接する解剖学的構造に対して、請求項1~25の埋め込み可能である半埋め込み可能な聴取機器を配置するステップを含む。
【0035】
さらに別の態様では、該方法は、交換可能な外耳ユニットを対象者の外耳道に配置するステップをさらに含む。
【0036】
前述の概要は、例示のみを目的としており、限定することを決して意図するものではない。上述した例示的な態様、実施形態及び特徴に加えて、さらなる態様、実施形態及び特徴は、図面及び以下の詳細な説明を参照することによって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本開示の性質、目的及び利点をさらに理解するために、以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて参照されることが望ましい。ここで、同様の参照番号は、同様の要素を表している。
【0038】
【0039】
【0040】
【
図2B】耳の構造に取り付けられた流体充填された管形状の機器の概略図。
【0041】
【
図2C】磁石で取り付け可能な、流体充填された管形状の機器の模式図。
【0042】
【
図2D】熱で作動する金属アームを備えた、流体充填された管形状の機器の概略図。
【0043】
【
図3A】交換可能な外耳ユニットから流体充填された管形状の機器へとエネルギーを伝達する、半埋め込み可能な聴取機器の概略図。
【0044】
【
図3B】
図3A、4A~C及び5の半埋め込み可能な聴取機器において使用可能な電圧-電流への回路の概略図である。
【0045】
【
図4A】送信コイルを有する交換可能な外耳ユニットと、受信コイルを有する流体充填された管形状の機器との概略図。
【0046】
【
図4B】端部が抵抗器に取り付けられた受信コイルを有する、流体充填された管形状の機器の概略図。
【0047】
【
図4C】端部が圧電コンポーネントに取り付けられた受信コイルを有する、流体充填された管形状の機器の概略図。
【0048】
【
図5】光を介して、交換可能な外耳ユニットから流体充填された管型の機器へとエネルギーを伝達する、半埋め込み可能な聴取機器の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、現時点において発明者の知る本発明を実施する最良の形態を構成する、現時点における本発明の好ましい実施形態及び方法を詳細に参照する。図面は、必ずしも一定の縮尺ではない。しかしながら、開示の実施形態は、本発明の単なる例示であり、様々な代替形態で具現化され得ることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された特定の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に本発明の任意の態様についての代表的な基本として、及び/又は、当業者に本発明を様々な方法で採用することを教示するための代表的な基本として解釈されるべきである。
【0050】
当然ながら、特定のコンポーネント及び/又は条件は変化し得るため、本発明は、以下に記載の特定の実施形態及び方法に限定されないことについても理解されたい。さらに、本明細書において使用される用語は、本発明の特定の実施形態を説明する目的でのみ使用され、限定することを決して意図するものではない。
【0051】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形“a"、"an"及び"the"は、文脈が他を明確に示さない限り、複数の指示対象を含むことにも留意が必要である。例えば、単数形のコンポーネントへの言及は、複数のコンポーネントを含むことが意図される。
【0052】
用語「を含む(comprising)」は、「を含む(including)」、「を有する(having)」、「を包含する(containing)」又は「によって特徴付けられる(characterized by)」と同義である。これらの用語は包括的かつ非限定的(open-ended)であって、追加の列挙されていない要素又は方法のステップを除外するものではない。
【0053】
語句「により構成されている(consisting of)」は、請求項において特定されていない要素、ステップ又は成分を除外するものである。この語句がプリアンブルの直後ではなく、請求項の本文の節に現れる場合、その節に記載されている要素のみが限定されるが、他の要素は、全体として該請求項から除外されない。
【0054】
語句「により主に構成されている(consisting essentially of)」という語句は、請求項の範囲を、特定の材料又はステップに加えて、特許請求される主題の基本的かつ新規な(1つ以上の)特徴に対して実質的に影響を及ぼさないものに限定するものである。
【0055】
用語「を含む(comprising)」、「により構成されている(consisting of)」及び「により主に構成されている(consisting essentially of)」に関し、本明細書においてこれら3つの用語のうちの1つが使用される場合、ここで開示及び特許請求される主題は、他の2つの用語のいずれの使用をも含み得る。
【0056】
整数範囲には、介在する全ての整数が明示的に含まれることについても理解されたい。例えば、1~10の整数範囲には、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10が明示的に含まれる。同様に、1~100の範囲には、1、2、3、4・・・97、98、99、100が含まれる。同様に、任意の範囲が必要な場合は、上限と下限の差を10で割った増分である間にある数値を、代わりの上限又は下限として使用できる。例えば、範囲が1.1~2.1である場合には、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9及び2.0の数値が、下限又は上限として選択され得る。
【0057】
用語「1つ以上(one or more)」は「少なくとも1つ(at least one)」を意味し、用語「少なくとも1つ」は「1つ以上」を意味する。用語「1つ以上」及び「少なくとも1つ」は、「複数(plurality)」を部分集合として含む。
【0058】
用語「実質的に(substantially)」、「概ね(generally)」又は「約(about)」は、開示又は特許請求される実施形態を説明するために本明細書で使用され得る。用語「実質的に」は、本開示で開示又は特許請求される値又は相対的な特徴を修正し得る。そのような場合、「実質的に」は、それが修正する値又は相対的な特徴が、値の±0%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%又は10%以内であることを意味し得る。
【0059】
用語「1つ以上(one or more)」は「少なくとも1つ(at least one)」を意味し、用語「少なくとも1つ」は「1つ以上」を意味する。用語「1つ以上」及び「少なくとも1つ」は、「複数(plurality)」を部分集合として含む。
【0060】
用語「電気通信(electrical communication)」は、電気信号が発信電子機器から受信電気機器へと直接又は間接的に送信されることを意味する。間接的な電気通信には、信号のフィルタリング、信号の増幅、信号の整流、信号の変調、信号の減衰、信号の別の信号への加算、信号の別の信号からの減算、信号から別の信号の減算が包含され得る。電気通信は、有線コンポーネント、無線接続コンポーネント又はそれらの組み合わせによって実現され得る。
【0061】
用語「電気信号(electrical signal)」は、電子機器からの電気出力又は電子機器への電気入力を示す。電気信号は、電圧及び/又は電流によって特徴付けられる。電気信号は、時間に対して定常(例えば、DC信号)であってもよく、時間に対して変化していてもよい。
【0062】
用語「電子コンポーネント(electronic component)」は、電子状態、電子の流れ又は電子に関連する電場に影響を及ぼすために使用される、電子機器又はシステム内の任意の物理的エンティティを示す。電子コンポーネントの例には、以下に限定されないが、コンデンサ、インダクタ、抵抗器、サイリスタ、ダイオード、トランジスタ等が含まれる。電子コンポーネントは、パッシブ又はアクティブであり得る。
【0063】
用語「電子機器(electronic device)」又は「システム(system)」は、電気信号に対して既定の機能を実行するために、1つ以上の電子コンポーネントから形成された物理的エンティティを示す。
【0064】
電子機器についての任意の図面において、線(例えば、ワイヤ)によって接続された一連の電子コンポーネントは、そのような電子コンポーネントが互いに電気通信していることを示すことを理解されたい。さらに、方向付きの線がある電子コンポーネントを別の電子コンポーネントへと接続している場合、それらの電子コンポーネントは、上記で定義されたように、互いに接続され得る。
【0065】
図1を参照すると、完全に又は部分的に隠された、部分的に埋め込み可能な聴取機器が提供される。埋め込み可能な聴取機器10は、交換可能な外耳ユニットによって受け取られた音響エネルギーに応答してエネルギーを生成するための手段を有する交換可能な外耳ユニット12を含む。交換可能な外耳ユニット12は、対象者の外耳道14の内部又は対象者の耳16の後ろに配置されるように適合されている。埋め込み可能な聴取機器はまた、中耳、乳様突起又は中耳に近接する他の構造に配置される、流体充填された管形状の機器18を含む。鼓膜は項番20、耳小骨連鎖は項番21、円形窓は項番22、卵円窓は項番24で標識されている。改良形態では、流体充填された管形状の機器18を内耳に近接して配置することができる。特徴的には、流体充填された管形状の機器18は、流体充填された管形状の機器によって受け取られたエネルギーが流体充填された管形状の機器に含まれる流体を介して内耳へと伝達されるように、交換可能な外耳ユニット12から伝達されたエネルギーを受け取るように適合される。改良形態では、交換可能な外耳ユニット12は気密封止されて、対象者の体内へと埋め込まれる。
【0066】
図2A、2B及び2Cは、流体充填された管形状の機器18の例の断面を提供する。流体充填された管形状の機器18は、エンドキャップ28及び30で閉じられた可撓性の管26から形成された、可撓性の閉管26を含む。改良形態では、エンドキャップ28及び30の一方又は両方が、管26と一体となっている(monolithic)。したがって、可撓性の閉管26は、外側端33及び内側端34を有する。流体32は、可撓性の閉管26内に包含されている。流体32は、可撓性の閉管26を完全に又は部分的に満たすことができる。改良形態では、可撓性の閉管26は、ゴムから構成される、又は、シリコーンゴムなどの可撓性プラスチックから構成される。別の改良形態では、管内の流体32は、流体シリコーン、シリコーンゲル、生理食塩水、水及びそれらの成分からなる群より選択される。別の改良形態では、管内の流体32は、光応答性色素ドープ液晶等の光応答性組成物を含み得る。流体充填された管形状の機器18はまた、可撓性の閉管26の端部に取り付けられた取り付けフランジ36をも含む。
図2Bは、ねじ又はボルト40によって耳構造38に取り付けられた、流体充填された管形状の機器18を表している。充填された管形状の機器18の内耳接触部との接触は、剛性又は可撓性であり得る。改良形態では、流体充填された管形状の機器18は、フランジを使用して固定される。別の改良形態では、流体充填された管形状の機器18は、ねじを使用して固定される。
図2Cに表されるように、流体充填された管形状の機器18は、磁石42を耳内の耳小骨連鎖21に取り付けることによって、対象者に固定される。接合磁石又は強磁性体金属44は、可撓性の閉管26の内側端部34に接着され得る。さらに別の改良形態では、流体充填された管形状の機器18は、シリコーン又は金属を使用して所定の位置に固定される。
図2Dに表されるさらに別の改良形態では、流体充填された管形状の機器は、熱で作動する金属アーム45を使用して固定される。そのような熱で作動するアームの例は、ニチノール(すなわち、ニッケルチタン)アームで構成されており、レーザーにより加熱されることによって形状が変化して、インプラントを中耳構造に固定することができる。
【0067】
流体充填された管形状の機器18は、中耳又は乳様突起内に配置され得るが、聴取に関連する他の構造内にもまた配置され得る。改良形態では、流体充填された管形状の機器18は、鼓膜との接触を行う。さらなる改良形態では、流体充填された管形状の機器18は、可撓性の閉管26の外側端部33にて鼓膜との接触を行う。別の改良形態では、流体充填された管形状の機器18は、対象者の外耳道の皮膚の下にて外側端部33との接触を行う。さらに別の改良形態では、流体充填された管形状の機器18は、外側端部33により耳の後ろ又は上の皮膚の下での外側接触を行う。別の改良形態では、流体充填された管形状の機器18は、正円窓膜又は卵形窓にて内耳接触部に接触する。さらなる改良形態では、流体充填された管形状の機器18は、内側端部34により円形窓膜又は卵形窓にて内耳接触部に接触する。また、流体充填された管形状の機器18は、流体充填された管形状の機器が鼓膜を通して配置され得る場所にて聴取情報を送るために使用され得ることも理解されたい。改良形態では、流体充填された管形状の機器は、該流体充填された管形状の機器が鼓膜を横断する場所で聴取情報を送るために使用される。
【0068】
また、流体充填された管形状の機器18は、当技術分野で知られる任意の数の外科的処置によって中耳内に配置され得ることも理解されたい。例えば、流体充填された管形状の機器18は、外科手術又は疾患によって形成された内耳への開口を通して内耳との内耳接触が行われる場所において、聴取情報を送るために使用され得る。
【0069】
図3Aは、交換可能な外耳ユニット12の概略図を提供する。交換可能な外耳ユニット12は回路50を含み、回路50には、補聴機器の信号処理、再充電、プログラミング及び追加機能のための1つ以上の要素が含まれる。マイク52は、交換可能な外耳ユニット12の端部に配置される。
図1に示されるように、交換可能な外耳ユニット12が外耳道内に配置される場合、マイク52は、装着時において外耳道の入口に面する。音がマイク52によって受信され、回路50の信号処理回路が、受信された音信号を処理する。回路50の信号処理回路には、増幅器、
図3Bに表される電圧-電流回路、パルス幅変調(PWM)回路又はパルス持続時間変調(PDM)回路等が含まれ得る。PWM回路及び/又はPDMは、国際特許出願第2009/155358号に記載されているように、光結合にとって特に有用であり、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。光結合にとって特に適する別の変形形態では、回路50は、音信号によって変調された光パルスが送信されるように、パルス発生器を含み得る。別の改良形態では、回路50は、マイクロプロセッサ等の制御コンポーネント、又は、音信号処理を制御するための任意の制御コンポーネントを含み得る。マイク42は、外側コンポーネント20の端部に配置される。回路50のコンポーネントの詳細は、米国特許第9407994号内に見出され、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。交換可能な外耳ユニット12は、米国特許第9407994号に記載されているように、補聴機器を快適に所定の位置に保持するための1つ以上の機能を提供するハウジング56を含み、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。交換可能な外耳ユニット12は、音が外耳道、鼓膜、中耳又は内耳の1つ以上の部分へと到達することを抑制するための1つ以上の要素を含み得る。ある改良形態では、ハウジング56は、外耳道を完全に封止して、自然音が鼓膜へと到達することを防止してもよい。別の改良形態では、ハウジング56は、バッフルを備えて設計されており、それによって音が鼓膜へと到達することを妨害すると共に、圧力を機器の両側の間で等しくすることができる。ハウジング56は、封止を有さず(閉塞されておらず)、音を自由に通過させるように設計されていてもよい。ハウジング56はまた、可撓性であるように設計されることもでき、それによってコンポーネント間の相対的な動きが可能になり、それにより機器が外耳道によりよく適合できるようになる。ハウジング56は、ポリマー、特に軟質ポリマー又はプラスチックから構成され得る。回路50からの出力信号58は、ワイヤ62を介して、鼓膜20を通ってエネルギー伝達機器60へと運ばれる。エネルギー伝達機器60は、流体充填された管形状の機器18へとエネルギーを伝達し、流体充填された管形状の機器18は、患者内で音を知覚できるように応答する。この応答は、典型的には、可撓性の閉管26内において、動き及び/又は時間依存の振動を伴う。エネルギー伝達機器60は、以下でより詳細に説明するように、電磁結合(例えば、誘導結合及び無線周波数結合)及び光結合によってエネルギーを伝達する。エネルギー伝達機器60は、以下でより詳細に説明するように、電磁結合(例えば、誘導結合及び無線周波数結合)、直接配線及び光結合によってエネルギーを伝達する。
【0070】
図4A、4B及び4Cは、電磁エネルギーを使用して、特に電磁波による刺激(例えば、無線周波数刺激)によって、エネルギーが交換可能な外耳ユニット12から流体充填された管形状の機器18へと伝達される変形形態を表している。この変形形態では、エネルギー伝達機器60は、流体充填された管形状の機器18に結合(例えば、誘導結合)可能なコイルを含む。上述のように、交換可能な外耳ユニット12は回路50を含み、回路50には、補聴器の信号処理、再充電、プログラミング及び追加機能のための1つ以上の要素が含まれる。マイク52は、交換可能な外耳ユニット12の端部に配置される。
図1に示されるように、交換可能な外耳ユニット12が外耳道内に配置される場合、マイク52は、装着時において外耳道の入口に面する。音がマイク52によって受信され、回路50が受信された音信号を処理する。交換可能な外耳ユニット12は、補聴機器を快適に所定の位置に保持するための1つ以上の機能を提供するハウジング56を含む。交換可能な外耳ユニット12は、音が外耳道、鼓膜、中耳又は内耳の1つ以上の部分へと到達することを抑制するための1つ以上の要素を含み得る。ある改良形態では、ハウジング56は、外耳道を完全に封止して、自然音が鼓膜へと到達することを防止してもよい。ハウジング56の詳細は、上述されている。回路5からの出力信号58は、ワイヤ62を介してエネルギー伝達機器60へと運ばれる。エネルギー伝達機器60は、回路50と電気通信する送信コイル66を含む。送信コイル66は、鼓膜20を通して流体充填された管形状の機器18へとエネルギーを伝達し、鼓膜20は、患者の音の知覚を可能にするように応答する。この応答は、典型的には、可撓性の閉管26内において、出力信号58に由来する動き及び/又は振動を伴う。改良形態では、可撓性の閉管26に提供される無線周波数刺激は、20kHz~約300GHzの範囲である。20kHz未満の周波数を有する電磁波や、300GHzを超える周波数を有する電磁波もまた使用可能であることを理解されたい。
【0071】
引き続き
図4A、4B及び4Cを参照すると、改良形態では、流体充填された管形状の機器18は、可撓性の閉管26周りに巻回された受信コイル70を含む。さらなる改良形態では、送信コイル66は、可撓性の閉管26への誘導結合及び/又はエネルギーの伝達を最大化するように、レシーバコイル70と位置合わせされる。改良形態では、受信コイル70の端部は、可撓性の閉管26に取り付けられる。別の改良形態では、受信コイル70の端部は、互いに電気的に接続される。さらなる改良形態では、受信コイル70の端部の間に、抵抗器及び/又はコンデンサ72が接続される。さらに別の改良形態では、受信コイル70の端部の間に、圧電コンポーネント74が接続され、任意選択的には、圧電コンポーネント74が可撓性の閉管26に接着される。圧電コンポーネント74は、圧電材料の層から構成され得るか、圧電材料の層を含み得る。圧電材料の例には、ランガサイト(La
3Ga
5SiO
14)、オルトリン酸ガリウム(GaPO
4)、ニオブ酸リチウム(LiNbO
3)、タンタル酸リチウム(LiTaO
3)、石英、ベルリナイト(AlPO
4)、チタン酸鉛(PbTiO
3)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb[ZrxTi1-x]O
3(0≦x≦1))、ニオブ酸カリウム(KNbO
3)、タングステン酸ナトリウム(Na
2WO
3)、Ba
2NaNb
5O
5、Pb
2KNb
5O
15、酸化亜鉛(ZnO)及びこれらの組み合わせが含まれる。
【0072】
図5は、エネルギーが、光を使用して、交換可能な外耳ユニット12から流体充填された管形状の機器18へと伝達される変形形態を表している。この変形形態では、エネルギーは、光ベースの伝送を介して、交換可能な外耳ユニット12から流体充填された管形状の機器18へと伝達される。改良形態では、エネルギーは、光ベースの伝達及び圧電変換を介して、交換可能な外耳ユニット12から流体充填された管形状の機器18へと伝達される。さらに、エネルギー伝達機器60は、光源(例えば、フォトダイオード又はレーザーダイオード)を含む。上述のように、交換可能な外耳ユニット12は回路50を含み、回路50には、補聴器の信号処理、再充電、プログラミング及び追加機能のための1つ以上の要素が含まれる。マイク52は、交換可能な外耳ユニット12の端部に配置される。
図1に示されるように、交換可能な外耳ユニット12が外耳道内に配置される場合、マイク52は、装着時において外耳道の入口に面する。音がマイク52によって受信され、回路50が受信された音信号を処理する。交換可能な外耳ユニット12は、補聴機器を快適に所定の位置に保持するための1つ以上の機能を提供するハウジング56を含む。交換可能な外耳ユニット12は、音が外耳道、鼓膜、中耳又は内耳の1つ以上の部分へと到達することを抑制するための1つ以上の要素を含み得る。ある改良形態では、ハウジング56は、外耳道を完全に封止して、自然音が鼓膜へと到達することを防止してもよい。ハウジング56の詳細は、上述されている。回路50からの出力信号58は、ワイヤ62を介してエネルギー伝達機器60へと運ばれる。エネルギー伝達機器60は、回路50と電気通信する光源68を含む。光源には、電子駆動信号を受信して適切な周波数、強度及び変調の光出力を生成することが可能な任意の機器が含まれる。光源の例には、以下に限定されないが、発光ダイオード、半導体レーザー等が含まれる。光源68は、鼓膜20を介して、流体充填された管形状の機器18へとエネルギーを伝達する。流体充填された管形状の機器18は、患者が音を知覚できるように応答する。改良形態では、流体充填された管形状の機器18は、光検出機器75を含む。光検出機器75は、光を受信して、エネルギーを可撓性の閉管26内の流体へと伝達し、それによって、閉管26内の流体が、該可撓性の閉管26内で患者が音として解釈することができる動き(例えば、時間依存の振動)を引き起こす。別の改良形態では、光応答機器75は、光電池(例えば、光センサダイオード又は太陽電池)を含む。
【0073】
変形形態では、光検出機器75は、光応答機器80を含む。別の改良形態では、光応答機器80は、光歪材料(例えば、PLZT)を含む。該光歪材料は、米国特許公開第2006/0189841号に記載されており、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。全般的に、光歪効果は、材料の光誘起非熱寸法変化である。光歪材料は特定の波長の光において最も活性が高いため、光源68は、そのような波長の光を出力するように選択される。改良形態では、光応答機器80は、典型的には、任意の基板上にコーティングされた光歪材料の1つ以上の層(1~5)を含む。本変形形態で使用可能な光歪材料を含む光応答機器80の詳細は、米国特許第7867160号に記載されており、その全開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
改良形態では、光応答機器80への光入力は、流体充填された管形状の機器18が対象者の聴覚変換経路に結合するように、機械的振動を生成するのに十分な電力を提供する。この結合は、対象者に音として解釈される神経インパルスを誘起することができる。光歪材料は特定の波長の光において最も活性が高いため、光源68は、そのような波長の光を出力するように選択される
【0075】
図3、4及び5を参照すると、電池78は、半埋め込み可能な聴取機器10に電力を供給することができる。改良形態では、充電インタフェース90は、電池68を再充電するために使用される。改良形態では、充電インタフェース90は、外部電源への誘導結合を介して電池68を再充電可能な再充電コイル80である。別の改良形態では、充電インタフェース90は、光電セルである。さらに別の改良形態では、充電インタフェース90は、外部電源を用いた充電を可能にする電子コネクタである。いくつかの改良形態では、電池68の再充電は、該機器をうまく実装するための要件ではない。
【0076】
例示的な実施形態について上述したが、それらの実施形態が、特許請求の範囲に包含される全ての可能な形態について説明することが意図されているわけではない。本明細書で使用される用語は、限定ではなく説明の用語であり、開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得ることが理解される。前述のように、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、明示的に説明又は図示されていない可能性がある本発明のさらなる実施形態を形成することができる。様々な実施形態が、1つ以上の所望の特性に関して利点を提供するものとして、又は、他の実施形態又は従来技術の実装よりも好ましいものとして説明されてきたが、当業者は、特定の用途及び実装に依存する所望のシステム全体の属性を達成するために、1つ以上の特徴又は特性を妥協し得ることを認識する。それらの属性には、以下に限定されないが、コスト、強度、耐久性、ライフサイクルコスト、市場性、外観、梱包、サイズ、保守性、重量、製造可能性、組み立ての容易さ等が含まれ得る。したがって、任意の実施形態が、1つ以上の特徴に関して他の実施形態または従来技術の実施形態よりも望ましくないと説明されている限りにおいて、それらの実施形態は、本開示の範囲外ではなく、特定の用途にとって望ましいものであり得る。
【国際調査報告】