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特表2023-537788乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム及び調整方法
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  • 特表-乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム及び調整方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-05
(54)【発明の名称】乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム及び調整方法
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/02 20060101AFI20230829BHJP
   B60N 2/22 20060101ALI20230829BHJP
   B60N 2/90 20180101ALI20230829BHJP
   A47C 7/14 20060101ALI20230829BHJP
   A47C 7/40 20060101ALI20230829BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20230829BHJP
【FI】
B60N2/02
B60N2/22
B60N2/90
A47C7/14 A
A47C7/14 B
A47C7/40
A47C7/62 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023512422
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2021108038
(87)【国際公開番号】W WO2022037357
(87)【国際公開日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】202010841033.4
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523057998
【氏名又は名称】艾福邁汽車系統(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】ALFMEIER AUTOMOTIVE SYSTEMS (SHANGHAI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 3, No. 66 Tianying Road, Qingpu District, Shanghai 201712, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】宋 宏雨
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084BA01
3B084EB05
3B084HA05
3B084HA11
3B084JA03
3B084JA06
3B084JC01
3B087DE04
3B087DE08
(57)【要約】
ECU制御系を備える乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステムであって、ECU制御系内には、通信モジュールと、マイクロコントローラと、電源モジュールと、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールとが設けられ、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは回線を介してマイクロコントローラに双方向に接続されており、マイクロコントローラモジュールは回線を介して通信モジュールに双方向に接続されている。従来技術に比べて、さらにスマート動的調整を実現し、シートコンフォートシステムに配置されたセンシング回路によって乗員のシートにおける密着度を検知し、各部位の支持位置を動的に調整する乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム及び調整方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ECU制御系を備える乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステムであって、前記ECU制御系内には、通信モジュールと、マイクロコントローラと、電源モジュールと、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールとが設けられ、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは回線を介してマイクロコントローラに双方向に接続されており、マイクロコントローラモジュールは回線を介して通信モジュールに双方向に接続されていることを特徴とする乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【請求項2】
前記電源モジュールは回線を介して通信モジュールと、マイクロコントローラと、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールに接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【請求項3】
前記シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは、ガス弁駆動モジュールと、キャパシタンス検知モジュールと、気圧・温度検知モジュールと、ガスポンプ駆動モジュールとを備え、キャパシタンス検知モジュールは回線を介してマイクロコントローラに双方向に接続されており、マイクロコントローラの出力ポートはそれぞれ、ガス弁駆動モジュール及びガスポンプ駆動モジュールに接続されており、前記ガス弁駆動モジュールは、制御弁のコントローラを介してエアバッグに接続されており、前記ガスポンプ駆動モジュールは回線を介してガスポンプに接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載の乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【請求項4】
前記ガス弁駆動モジュールは、電磁弁、記憶合金ワイヤーを含むが、これらに限定されない、ことを特徴とする請求項3に記載の乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【請求項5】
前記エアバッグは自動車のシートの内部に位置し、且つエアバッグ(2)は少なくとも1つ設けられ、エアバッグ(2)は、底部がフェルト(4)に接続され、エアバッグ(2)の表面において若干のセンサとしての抵抗線(3)が均一に配置され、前記センサとしての抵抗線(3)は、キャパシタンス検知回路(1)に接続されている、ことを特徴とする請求項3に記載の乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【請求項6】
前記システムの具体的なワークフローは次のとおりである:(1)スタートし、(2)ハードウェアを初期化し、(3)システム変数を初期化し、(4)システムは、現在の全てのエアバッグにおける容量値が較正範囲内に収まるか否かを検知し、YESの場合は終了し、NOの場合は周期的にエアバッグごとに容量値を検知し、(5)あるエアバッグにおける容量値を検知するとともに、当該容量値が閾値1を超えるか否かを判断し、YESの場合は当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、NOの場合は当該容量値が閾値2を超えるか否かを判断し、(6)当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、(7)制御弁は、ガスポンプの稼働をオンにし、(8)当該容量値が閾値2を超えるか否かを判断し、YESの場合は当該エアバッグのガス充填制御弁を閉じ、NOの場合は当該容量値が閾値3より小さいか否かを判断し、(9)当該エアバッグのガス充填制御弁を閉じ、(10)制御弁は、ガスポンプの稼働をオフにし、(11)当該容量値が閾値3より小さいか否かを判断し、YESの場合は当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、NOの場合は次のエアバッグにおけるキャパシタンスの検知を行い、(12)当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、(13)制御弁は、ガスポンプの稼働をオンにし、(14)次のエアバッグにおけるキャパシタンスの検知を行い、ステップ(4)を繰り返す、ことを特徴とする請求項1に記載の乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【請求項7】
前記閾値1は、ガス充填動作を行うか否かを判断する数値であり、前記閾値2は、ガス充填動作を停止させるか否かを判断する数値であり、前記閾値3は、ガス放出動作を行うか否かを判断する数値であり、前記閾値3の数値は前記閾値1の数値よりも小さく、前記閾値1の数値は前記閾値2の数値よりも小さい、ことを特徴とする請求項6に記載の乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【請求項8】
前記システム変数は、システム較正完了フラグと、システム初期化検知完了フラグと、キーアルゴリズムデータ検知完了フラグとを含む、ことを特徴とする請求項6に記載の乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【請求項9】
前記キャパシタンスの検知の具体的な方法は、センサとしての抵抗線の接触面積とセンサとしての抵抗線同士の間の距離とを用いるものであり、次の式によるものであって:
ただし、Cはキャパシタンスであり、dは2つのセンサとしての抵抗線同士の間の距離であり、Aはセンサとしての抵抗線の接触面積であり、εは誘電率である、ことを特徴とする請求項6に記載の乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載シートシステムの技術分野に関し、具体的に乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム及び調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今、自動車の快適性はますます重要になっており、また、車両シートシステムは乗車時の快適性に大きく影響を与えている。従来の自動車シートコンフォートシステムの制御では、主にボタンや車両通信によってシートの各支持用エアバッグの位置が調整され、それぞれの乗員の座り方及び体型が異なるため、乗員はよく各支持用エアバッグの位置を手動で調整する必要があり、ユーザー体験が悪い。一方、手動調整により、エアバッグの数が制限されるため、シートと人体の最大可能密着度が実現できず、シートの快適性及び支持性が低下している。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、従来技術の不備を解消するために、さらにスマート動的調整を実現し、シートコンフォートシステムに配置されたセンシング回路によって乗員のシートにおける密着度を検知し、各部位の支持位置を動的に調整する、乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム及び調整方法を提供する。
【0004】
上記目的を実現するために、ECU制御系を備える乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステムであって、前記ECU制御系内には、通信モジュールと、マイクロコントローラと、電源モジュールと、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールとが設けられ、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは回線を介してマイクロコントローラに双方向に接続されており、マイクロコントローラモジュールは回線を介して通信モジュールに双方向に接続されていることを特徴とする、乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステムを設計する。
【0005】
前記電源モジュールは回線を介して通信モジュールと、マイクロコントローラと、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールに接続されている。
【0006】
前記シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは、ガス弁駆動モジュールと、キャパシタンス検知モジュールと、気圧・温度検知モジュールと、ガスポンプ駆動モジュールとを備え、キャパシタンス検知モジュールは回線を介してマイクロコントローラに双方向に接続されており、マイクロコントローラの出力ポートはそれぞれ、ガス弁駆動モジュール及びガスポンプ駆動モジュールに接続されており、前記ガス弁駆動モジュールは、制御弁のコントローラを介してエアバッグに接続されており、前記ガスポンプ駆動モジュールは回線を介してガスポンプに接続されている。
【0007】
前記ガス弁駆動モジュールは、電磁弁、記憶合金ワイヤーを含むが、これらに限定されない。
【0008】
前記エアバッグは自動車のシートの内部に位置し、且つエアバッグは少なくとも1つ設けられ、エアバッグは、底部がフェルトに接続され、エアバッグの表面において若干のセンサとしての抵抗線が均一に配置され、前記センサとしての抵抗線は、キャパシタンス検知回路に接続されている。
【0009】
前記システムの具体的なワークフローは次のとおりである:
(1)スタートし、
(2)ハードウェアを初期化し、
(3)システム変数を初期化し、
(4)システムは、現在の全てのエアバッグにおける容量値が較正範囲内に収まるか否かを検知し、YESの場合は終了し、NOの場合は周期的にエアバッグごとに容量値を検知し、
(5)あるエアバッグにおける容量値を検知するとともに、当該容量値が閾値1を超えるか否かを判断し、YESの場合は当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、NOの場合は当該容量値が閾値2を超えるか否かを判断し、
(6)当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、
(7)制御弁は、ガスポンプの稼働をオンにし、
(8)当該容量値が閾値2を超えるか否かを判断し、YESの場合は当該エアバッグのガス充填制御弁を閉じ、NOの場合は当該容量値が閾値3より小さいか否かを判断し、
(9)当該エアバッグのガス充填制御弁を閉じ、
(10)制御弁は、ガスポンプの稼働をオフにし、
(11)当該容量値が閾値3より小さいか否かを判断し、YESの場合は当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、NOの場合は次のエアバッグにおけるキャパシタンスの検知を行い、
(12)当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、
(13)制御弁は、ガスポンプの稼働をオンにし、
(14)次のエアバッグにおけるキャパシタンスの検知を行い、ステップ(4)を繰り返す。
【0010】
前記閾値1は、ガス充填動作を行うか否かを判断する数値であり、前記閾値2は、ガス充填動作を停止させるか否かを判断する数値であり、前記閾値3は、ガス放出動作を行うか否かを判断する数値であり、閾値3の数値は閾値1の数値よりも小さく、閾値1の数値は閾値2の数値よりも小さい。
【0011】
前記システム変数は、システム較正完了フラグと、システム初期化検知完了フラグと、キーアルゴリズムデータ検知完了フラグとを含む。
【0012】
前記キャパシタンスの検知の具体的な方法は、センサとしての抵抗線の接触面積とセンサとしての抵抗線同士の間の距離とを用いるものであり、次の式によるものである:
ただし、Cはキャパシタンスであり、dは2つのセンサとしての抵抗線同士の間の距離であり、Aはセンサとしての抵抗線の接触面積であり、εは誘電率である。
【0013】
本発明は、従来技術に比べて、さらにスマート動的調整を実現し、シートコンフォートシステムに配置されたセンシング回路によって乗員のシートにおける密着度を検知し、各部位の支持位置を動的に調整する、乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム及び調整方法を提供している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のシステムブロックの接続図である。
図2】本発明のシステムブロックの接続図である。
図3】エアバッグとセンサとしての抵抗線の接続構成の模式図である。
図4】本発明のソフトウエアのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図面に基づいて本発明をさらに説明する。
【0016】
図1図2に示すように、ECU制御系内には、通信モジュールと、マイクロコントローラと、電源モジュールと、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールとが設けられ、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは回線を介してマイクロコントローラに双方向に接続されており、マイクロコントローラモジュールは回線を介して通信モジュールに双方向に接続されている。
【0017】
電源モジュールは回線を介して通信モジュールと、マイクロコントローラと、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールに接続されている。
【0018】
シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは、ガス弁駆動モジュールと、キャパシタンス検知モジュールと、気圧・温度検知モジュールと、ガスポンプ駆動モジュールとを備え、キャパシタンス検知モジュールは回線を介してマイクロコントローラに双方向に接続されており、マイクロコントローラの出力ポートはそれぞれ、ガス弁駆動モジュール及びガスポンプ駆動モジュールに接続されており、前記ガス弁駆動モジュールは、制御弁のコントローラを介してエアバッグに接続されており、前記ガスポンプ駆動モジュールは回線を介してガスポンプに接続されている。
【0019】
ガス弁駆動モジュールは、電磁弁、記憶合金ワイヤーを含むが、これらに限定されない。
【0020】
図3に示すように、エアバッグは自動車のシートの内部に位置し、且つエアバッグ2は少なくとも1つ設けられ、エアバッグ2の数はクライアントによって自由に定義でき、エアバッグ2は、底部がフェルト4に接続され、エアバッグ2の表面において若干のセンサとしての抵抗線3が均一に配置され、前記センサとしての抵抗線3は、キャパシタンス検知回路1に接続されている。当該キャパシタンス検知回路は通常の回路であり、即ち、メインコントローラMCUは、IIC,SPIバス又はAD方式によってキャパシタンス検知回路のマルチチャネル容量値を読み取ることができ、キャパシタンス検知回路は、通常のマルチチャネル高速キャパシタンス‐デジタル変換器チップ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はアナログ回路により構成することが可能である。
【0021】
図4に示すように、本発明のシステムの具体的なワークフローは次のとおりである:
(1)スタートし、
(2)ハードウェアを初期化し、
(3)システム変数を初期化し、
(4)システムは、現在の全てのエアバッグにおける容量値が較正範囲内に収まるか否かを検知し、YESの場合は終了し、NOの場合は周期的にエアバッグごとに容量値を検知し、
(5)あるエアバッグにおける容量値を検知するとともに、当該容量値が閾値1を超えるか否かを判断し、YESの場合は当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、NOの場合は当該容量値が閾値2を超えるか否かを判断し、
(6)当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、
(7)制御弁は、ガスポンプの稼働をオンにし、
(8)当該容量値が閾値2を超えるか否かを判断し、YESの場合は当該エアバッグのガス充填制御弁を閉じ、NOの場合は当該容量値が閾値3より小さいか否かを判断し、
(9)当該エアバッグのガス充填制御弁を閉じ、
(10)制御弁は、ガスポンプの稼働をオフにし、
(11)当該容量値が閾値3より小さいか否かを判断し、YESの場合は当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、NOの場合は次のエアバッグにおけるキャパシタンスの検知を行い、
(12)当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、
(13)制御弁は、ガスポンプの稼働をオンにし、
(14)次のエアバッグにおけるキャパシタンスの検知を行い、ステップ(4)を繰り返す。
【0022】
閾値1は、ガス充填動作を行うか否かを判断する数値であり、前記閾値2は、ガス充填動作を停止させるか否かを判断する数値であり、前記閾値3は、ガス放出動作を行うか否かを判断する数値であり、閾値3の数値は閾値1の数値よりも小さく、閾値1の数値は閾値2の数値よりも小さい。
【0023】
システム変数は、システム較正完了フラグと、システム初期化検知完了フラグと、キーアルゴリズムデータ検知完了フラグとを含む。
【0024】
キャパシタンスの検知の具体的な方法は、センサとしての抵抗線の接触面積とセンサとしての抵抗線同士の間の距離とを用いるものであり、次の式によるものである:
ただし、Cはキャパシタンスであり、dは2つのセンサとしての抵抗線同士の間の距離であり、Aはセンサとしての抵抗線の接触面積であり、εは誘電率である。
【0025】
本発明に使用されるセンサは、従来の意味の静電容量センサではなく、抵抗線をカスタム形状に並ぶことで、センサの機能を実現するものである。当該方式は、コストが低く、カスタム化程度が高く、寿命が長く、干渉に対して強いなどの特徴を有する。
【0026】
センシング回路は、乗員によるセンシング回路のキャパシタンスの変化を測定することによりそれぞれのエアバッグのガス充填及びガス放出を制御する技術であり、従来手動でそれぞれのエアバッグを調整することに比べて、適応シートコンフォートシステムは動的調整コンフォートシステムを有し、乗員の快適性の個人化が向上する。
【0027】
シートコンフォートシステムのエアバッグのガス充填及びガス放出機能は、乗員とエアバッグ上のセンサとしての抵抗線の間の距離及び接触面積に影響を与えることで、キャパシタンスの変化を引き起こす。本発明においてシートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは、異なるチャネルのキャパシタンスの変化によって、アルゴリズムにてそれぞれのエアバッグにおける調整すべき情報を判定し、シートコンフォートシステムは、シートと乗員の密着度検知システムの情報に応じて、システムの中の、人体の各部位に対するそれぞれのエアバッグの支持位置を調整し、様々な乗員の快適性及び個人化を満たすとともに、特定パラメータを設置することなく、乗員が着ている服の厚さに応じて適応調整を行うので、乗員がどんな季節、温度条件でも同じ快適性を得ることが実現される。
【0028】
本発明は、車載マイクロコントローラMCUチップを採用し、車載バス、自動車バスにより繋ぎ、様々なメーカーのバスコミュニケーションプロトコルに応じて自己調整するために、ハードウェアにはCANバス、LINバスの物理インターフェースが統合されている。
【0029】
電源モジュールとして、LDO電源システムが採用され、MCUにより消費電力が管理される。電源管理は、深い睡眠と浅い睡眠の2つの状況に分けており、端末の静的消費電力を極めて低減し、自動車の低消費電力の認証を完全に通過できる。
【0030】
キャパシタンス検知モジュールは、専有キャパシタンス取得モジュールを採用し、バス方式にてキャパシターとしての導線のキャパシタンスを読み取り、空いている位置のキャパシタンスに対し、データ冗長性除去や振れなどの方法によって、乗員の位置の変化を取得し、さらに、シートコンフォートシステムの制御弁を駆動し、弁の開閉を十分に精確に制御し、これにより、システムの中の、人体の各部位に対するそれぞれのエアバッグの支持位置を調整し、乗員の快適性を満たす。また、システムの信頼性のために、回路上に短絡及び開放ループ検知機能を加える。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量センサとキャパシタンス検知回路とを備えるキャパシタンス検知モジュールを備え、前記静電容量センサは前記キャパシタンス検知回路に接続され、前記静電容量センサは、エアバッグの表面に配置されるために用いられ、その容量値がエアバッグのガス充填又はガス放出に伴って変化する、ことを特徴とするシートと乗員の密着度検知モジュール。
【請求項2】
前記静電容量センサは抵抗線又は導線を備え、前記抵抗線又は導線と乗員との間の距離はエアバッグのガス充填又はガス放出に伴って変化する、ことを特徴とする請求項1に記載のシートと乗員の密着度検知モジュール。
【請求項3】
前記抵抗線又は導線は、波形に延びている、ことを特徴とする請求項2に記載のシートと乗員の密着度検知モジュール。
【請求項4】
前記抵抗線又は導線の形状は接触面積を占めており、前記接触面積はエアバッグのガス充填又はガス放出に伴って変化する、ことを特徴とする請求項2に記載のシートと乗員の密着度検知モジュール。
【請求項5】
静電容量センサとキャパシタンス検知回路とを備え、前記静電容量センサは前記キャパシタンス検知回路に接続されているキャパシタンス検知モジュールと、
表面に前記静電容量センサが設けられたエアバッグと、
前記エアバッグにガス充填を行うためのガスポンプと、
前記ガスポンプを駆動するためのガスポンプ駆動モジュールと、
当該エアバッグに対応して設けられ、前記エアバッグのガス充填又はガス放出を許容する制御弁と、
前記制御弁を駆動するためのガス弁駆動モジュールと、
前記ガス弁駆動モジュール、キャパシタンス検知モジュール、及びガスポンプ駆動モジュールのそれぞれに接続されるマイクロコントローラと、を備え、
前記静電容量センサの容量値は前記エアバッグのガス充填又はガス放出に伴って変化し、前記エアバッグによる支持の位置は、前記容量値に応じて調整されることを特徴とする、シートコンフォートシステム。
【請求項6】
マイクロコントローラに接続される気圧・温度検知モジュールをさらに備える、ことを特徴とする請求項5に記載のシートコンフォートシステム。
【請求項7】
通信モジュールをさらに備え、
前記通信モジュールは、前記マイクロコントローラに双方向に接続されている、ことを特徴とする請求項5に記載のシートコンフォートシステム。
【請求項8】
電源モジュールをさらに備え、
前記電源モジュールは、前記マイクロコントローラと、前記通信モジュールと、前記キャパシタンス検知モジュールと、前記ガスポンプ駆動モジュールと、前記ガス弁駆動モジュールに接続されている、ことを特徴とする請求項7に記載のシートコンフォートシステム。
【請求項9】
前記エアバッグの数が1つまたは複数である、ことを特徴とする請求項5に記載のシートコンフォートシステム。
【請求項10】
前記静電容量センサは抵抗線又は導線を備え、前記抵抗線又は導線と乗員との間の距離は前記エアバッグのガス充填又はガス放出に伴って変化する、ことを特徴とする請求項5に記載のシートコンフォートシステム。
【請求項11】
前記抵抗線又は導線は、波形に延びている、ことを特徴とする請求項10に記載のシートコンフォートシステム。
【請求項12】
前記抵抗線又は導線の形状は接触面積を占めており、前記接触面積は前記エアバッグのガス充填又はガス放出に伴って変化する、ことを特徴とする請求項10に記載のシートコンフォートシステム。
【請求項13】
シートにおいてエアバッグ及びエアバッグ上に位置する静電容量センサを提供し、静電容量センサの容量値がエアバッグのガス充填又はガス放出に伴って変化するようにする工程と、
エアバッグ上の静電容量センサの容量値を取得する工程と、
容量値と閾値とを比較することで、エアバッグのガス充填、ガス充填の停止又はガス放出を行うか否かを判断する工程と、を少なくとも含むことを特徴とするシートコンフォートシステムの制御方法。
【請求項14】
前記容量値と第一閾値とを比較することで、ガス充填を行うか否かを判断し、前記容量値と第二閾値とを比較することで、ガス充填の停止を行うか否かを判断し、前記容量値と第三閾値とを比較することで、ガス放出を行うか否かを判断し、第三閾値は第一閾値よりも小さく、第一閾値は第二閾値よりも小さい、ことを特徴とする請求項13に記載のシートコンフォートシステムの制御方法。
【請求項15】
ECU制御系を備える乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステムであって、前記ECU制御系内には、通信モジュールと、マイクロコントローラと、電源モジュールと、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールとが設けられ、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは回線を介してマイクロコントローラに双方向に接続されており、マイクロコントローラは回線を介して通信モジュールに双方向に接続されており、
前記電源モジュールは回線を介して通信モジュールと、マイクロコントローラと、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールに接続されており、
前記シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは、ガス弁駆動モジュールと、キャパシタンス検知モジュールと、ガスポンプ駆動モジュールとを備え、キャパシタンス検知モジュールは回線を介してマイクロコントローラに双方向に接続されており、マイクロコントローラの出力ポートはそれぞれ、ガス弁駆動モジュール及びガスポンプ駆動モジュールに接続されており、前記ガス弁駆動モジュールは、制御弁のアクチュエータを介してエアバッグに接続されており、前記ガスポンプ駆動モジュールは回線を介してガスポンプに接続されている、ことを特徴とする乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【請求項16】
前記エアバッグは自動車のシートの内部に位置し、且つエアバッグは少なくとも1つ設けられ、エアバッグは、底部がフェルトに接続され、エアバッグの表面において若干のセンサとしての抵抗線が均一に配置され、前記センサとしての抵抗線は、キャパシタンス検知回路に接続されている、ことを特徴とする請求項15に記載の乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【請求項17】
前記システムの具体的なワークフローは次のとおりである:
(1)スタートし、
(2)ハードウェアを初期化し、
(3)システム変数を初期化し、
(4)システムは、現在の全てのエアバッグにおける容量値が較正範囲内に収まるか否かを検知し、YESの場合は終了し、NOの場合は周期的にエアバッグごとに容量値を検知し、
(5)あるエアバッグにおける容量値を検知するとともに、当該容量値が第1閾値を超えるか否かを判断し、YESの場合はステップ(6)に進み、NOの場合はステップ(8)に進み
(6)当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、
(7)制御弁は、ガスポンプの稼働をオンにし、
(8)当該容量値が第2閾値を超えるか否かを判断し、YESの場合はステップ(9)に進み、NOの場合はステップ(11)に進み
(9) 当該エアバッグのガス充填制御弁を閉じ、
(10)制御弁は、ガスポンプの稼働をオフにし、
(11)当該容量値が第3閾値より小さいか否かを判断し、YESの場合はステップ(12)に進み、NOの場合は次のエアバッグにおけるキャパシタンスの検知を行い、
(12)当該エアバッグのガス放出制御弁を開け、
(13)制御弁は、ガスポンプの稼働をオンにし、
(14)次のエアバッグにおけるキャパシタンスの検知を行い、ステップ(4)を繰り返す、ことを特徴とする請求項15に記載の乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【請求項18】
前記第1閾値は、ガス充填動作を行うか否かを判断する数値であり、前記第2閾値は、ガス充填動作を停止させるか否かを判断する数値であり、前記第3閾値は、ガス放出動作を行うか否かを判断する数値であり、前記第3閾値の数値は前記第1閾値の数値よりも小さく、前記第1閾値の数値は前記第2閾値の数値よりも小さい、ことを特徴とする請求項17に記載の乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【請求項19】
前記システム変数は、システム較正完了フラグと、システム初期化検知完了フラグと、キーアルゴリズムデータ検知完了フラグとを含む、ことを特徴とする請求項17に記載の乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載シートシステムの技術分野に関し、具体的に乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム及び調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今、自動車の快適性はますます重要になっており、また、車両シートシステムは乗車時の快適性に大きく影響を与えている。従来の自動車シートコンフォートシステムの制御では、主にボタンや車両通信によってシートの各支持用エアバッグの位置が調整され、それぞれの乗員の座り方及び体型が異なるため、乗員はよく各支持用エアバッグの位置を手動で調整する必要があり、ユーザー体験が悪い。一方、手動調整により、エアバッグの数が制限されるため、シートと人体の最大可能密着度が実現できず、シートの快適性及び支持性が低下している。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、従来技術の不備を解消するために、さらにスマート動的調整を実現し、シートコンフォートシステムに配置されたセンシング回路によって乗員のシートにおける密着度を検知し、各部位の支持位置を動的に調整する、乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム及び調整方法を提供する。
【0004】
上記目的を実現するために、ECU制御系を備える乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステムであって、前記ECU制御系内には、通信モジュールと、マイクロコントローラと、電源モジュールと、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールとが設けられ、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは回線を介してマイクロコントローラに双方向に接続されており、マイクロコントローラモジュールは回線を介して通信モジュールに双方向に接続されていることを特徴とする、乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステムを設計する。
【0005】
前記電源モジュールは回線を介して通信モジュールと、マイクロコントローラと、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールに接続されている。
【0006】
前記シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは、ガス弁駆動モジュールと、キャパシタンス検知モジュールと、気圧・温度検知モジュールと、ガスポンプ駆動モジュールとを備え、キャパシタンス検知モジュールは回線を介してマイクロコントローラに双方向に接続されており、マイクロコントローラの出力ポートはそれぞれ、ガス弁駆動モジュール及びガスポンプ駆動モジュールに接続されており、前記ガス弁駆動モジュールは、制御弁のアクチュエータを介してエアバッグに接続されており、前記ガスポンプ駆動モジュールは回線を介してガスポンプに接続されている。
【0007】
前記ガス弁駆動モジュールは、電磁弁、記憶合金ワイヤーを含むが、これらに限定されない。
【0008】
前記エアバッグは自動車のシートの内部に位置し、且つエアバッグは少なくとも1つ設けられ、エアバッグは、底部がフェルトに接続され、エアバッグの表面において若干のセンサとしての抵抗線が均一に配置され、前記センサとしての抵抗線は、キャパシタンス検知回路に接続されている。
【0009】
前記システムの具体的なワークフローは次のとおりである:
(1)スタートし、
(2)ハードウェアを初期化し、
(3)システム変数を初期化し、
(4)システムは、現在の全てのエアバッグにおける容量値が較正範囲内に収まるか否かを検知し、YESの場合は終了し、NOの場合は周期的にエアバッグごとに容量値を検知し、
(5)あるエアバッグにおける容量値を検知するとともに、当該容量値が第1閾値を超えるか否かを判断し、YESの場合はステップ(6)に進み、NOの場合はステップ(8)に進み
(6)当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、
(7)制御弁は、ガスポンプの稼働をオンにし、
(8)当該容量値が第2閾値を超えるか否かを判断し、YESの場合はステップ(9)に進み、NOの場合はステップ(11)に進み
(9)当該エアバッグのガス充填制御弁を閉じ、
(10)制御弁は、ガスポンプの稼働をオフにし、
(11)当該容量値が第3閾値より小さいか否かを判断し、YESの場合はステップ(12)に進み、NOの場合は次のエアバッグにおけるキャパシタンスの検知を行い、
(12)当該エアバッグのガス放出制御弁を開け、
(13)制御弁は、ガスポンプの稼働をオンにし、
(14)次のエアバッグにおけるキャパシタンスの検知を行い、ステップ(4)を繰り返す。
【0010】
前記第1閾値は、ガス充填動作を行うか否かを判断する数値であり、前記第2閾値は、ガス充填動作を停止させるか否かを判断する数値であり、前記第3閾値は、ガス放出動作を行うか否かを判断する数値であり、第3閾値の数値は第1閾値の数値よりも小さく、第1閾値の数値は第2閾値の数値よりも小さい。
【0011】
前記システム変数は、システム較正完了フラグと、システム初期化検知完了フラグと、キーアルゴリズムデータ検知完了フラグとを含む。
【0012】
前記キャパシタンスの検知の具体的な方法は、次の式によるものである:
ただし、Cはキャパシタンスであり、dは乗員とエアバッグ上のセンサとしての抵抗線の間の距離であり、Aはセンサとしての抵抗線の接触面積であり、εは誘電率である。
【0013】
本発明は、従来技術に比べて、さらにスマート動的調整を実現し、シートコンフォートシステムに配置された静電容量センサによって乗員のシートにおける密着度を検知し、各部位の支持位置を動的に調整する、乗員とシートの密着度に基づく適応シートコンフォートシステム及び調整方法を提供している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のシステムブロックの接続図である。
図2】本発明のシステムブロックの接続図である。
図3】エアバッグとセンサとしての抵抗線の接続構成の模式図である。
図4】本発明のソフトウエアのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図面に基づいて本発明をさらに説明する。
【0016】
2に示すように、ECU制御系内には、通信モジュールと、マイクロコントローラと、電源モジュールと、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールとが設けられ、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは回線を介してマイクロコントローラに双方向に接続されており、マイクロコントローラモジュールは回線を介して通信モジュールに双方向に接続されている。
【0017】
電源モジュールは回線を介して通信モジュールと、マイクロコントローラと、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールに接続されている。
【0018】
図1に示すように、シートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは、ガス弁駆動モジュールと、キャパシタンス検知モジュールと、気圧・温度検知モジュールと、ガスポンプ駆動モジュールとを備え、キャパシタンス検知モジュールは回線を介してマイクロコントローラに双方向に接続されており、マイクロコントローラの出力ポートはそれぞれ、ガス弁駆動モジュール及びガスポンプ駆動モジュールに接続されており、前記ガス弁駆動モジュールは、制御弁のアクチュエータを介してエアバッグに接続されており、前記ガスポンプ駆動モジュールは回線を介してガスポンプに接続されている。
【0019】
ガス弁駆動モジュールは、電磁弁、記憶合金ワイヤーを含むが、これらに限定されない。
【0020】
図3に示すように、エアバッグは自動車のシートの内部に位置し、且つエアバッグ2は少なくとも1つ設けられ、エアバッグ2の数はクライアントによって自由に定義でき、エアバッグ2は、底部がフェルト4に接続され、エアバッグ2の表面において若干のセンサとしての抵抗線3が均一に配置され、前記センサとしての抵抗線3は、キャパシタンス検知回路1に接続されている。当該キャパシタンス検知回路は通常の回路であり、即ち、メインコントローラMCUは、IIC,SPIバス又はAD方式によってキャパシタンス検知回路のマルチチャネル容量値を読み取ることができ、キャパシタンス検知回路は、通常のマルチチャネル高速キャパシタンス‐デジタル変換器チップ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はアナログ回路により構成することが可能である。
【0021】
図4に示すように、本発明のシステムの具体的なワークフローは次のとおりである:
(1)スタートし、
(2)ハードウェアを初期化し、
(3)システム変数を初期化し、
(4)システムは、現在の全てのエアバッグにおける容量値が較正範囲内に収まるか否かを検知し、YESの場合は終了し、NOの場合は周期的にエアバッグごとに容量値を検知し、
(5)あるエアバッグにおける容量値を検知するとともに、当該容量値が第1閾値を超えるか否かを判断し、YESの場合はステップ(6)に進み、NOの場合はステップ(8)に進み
(6)当該エアバッグのガス充填制御弁を開け、
(7)制御弁は、ガスポンプの稼働をオンにし、
(8)当該容量値が第2閾値を超えるか否かを判断し、YESの場合はステップ(9)に進み、NOの場合はステップ(11)に進み
(9)当該エアバッグのガス充填制御弁を閉じ、
(10)制御弁は、ガスポンプの稼働をオフにし、
(11)当該容量値が第3閾値より小さいか否かを判断し、YESの場合はステップ(12)に進み、NOの場合は次のエアバッグにおけるキャパシタンスの検知を行い、
(12)当該エアバッグのガス放出制御弁を開け、
(13)制御弁は、ガスポンプの稼働をオンにし、
(14)次のエアバッグにおけるキャパシタンスの検知を行い、ステップ(4)を繰り返す。
【0022】
第1閾値は、ガス充填動作を行うか否かを判断する数値であり、前記第2閾値は、ガス充填動作を停止させるか否かを判断する数値であり、前記第3閾値は、ガス放出動作を行うか否かを判断する数値であり、第3閾値の数値は第1閾値の数値よりも小さく、第1閾値の数値は第2閾値の数値よりも小さい。
【0023】
システム変数は、システム較正完了フラグと、システム初期化検知完了フラグと、キーアルゴリズムデータ検知完了フラグとを含む。
【0024】
キャパシタンスの検知の具体的な方法は、次の式によるものである:
ただし、Cはキャパシタンスであり、dは乗員とエアバッグ上のセンサとしての抵抗線の間の距離であり、Aはセンサとしての抵抗線の接触面積であり、例えば図3に示すセンサとしての抵抗線の形状が占めている面積であり、εは誘電率である。
【0025】
本発明に使用される静電容量センサは、従来の意味の静電容量センサではなく、抵抗線をカスタム形状に並ぶことで、センサの機能を実現するものである。当該方式は、コストが低く、カスタム化程度が高く、寿命が長く、干渉に対して強いなどの特徴を有する。
【0026】
静電容量センサは、乗員によるセンシング回路のキャパシタンスの変化を測定することによりそれぞれのエアバッグのガス充填及びガス放出を制御する技術であり、従来手動でそれぞれのエアバッグを調整することに比べて、適応シートコンフォートシステムは動的調整コンフォートシステムを有し、乗員の快適性の個人化が向上する。
【0027】
シートコンフォートシステムのエアバッグのガス充填及びガス放出機能は、乗員とエアバッグ上のセンサとしての抵抗線の間の距離及び接触面積に影響を与えることで、キャパシタンスの変化を引き起こす。本発明においてシートと乗員の密着度検知モジュール及び快適性調整モジュールは、異なるチャネルのキャパシタンスの変化によって、アルゴリズムにてそれぞれのエアバッグにおける調整すべき情報を判定し、シートコンフォートシステムは、シートと乗員の密着度検知システムの情報に応じて、システムの中の、人体の各部位に対するそれぞれのエアバッグの支持位置を調整し、様々な乗員の快適性及び個人化を満たすとともに、特定パラメータを設置することなく、乗員が着ている服の厚さに応じて適応調整を行うので、乗員がどんな季節、温度条件でも同じ快適性を得ることが実現される。
【0028】
本発明は、車載マイクロコントローラMCUチップを採用し、車載バス、自動車バスにより繋ぎ、様々なメーカーのバスコミュニケーションプロトコルに応じて自己調整するために、ハードウェアにはCANバス、LINバスの物理インターフェースが統合されている。
【0029】
電源モジュールとして、LDO電源システムが採用され、MCUにより消費電力が管理される。電源管理は、深い睡眠と浅い睡眠の2つの状況に分けており、端末の静的消費電力を極めて低減し、自動車の低消費電力の認証を完全に通過できる。
【0030】
キャパシタンス検知モジュールは、専有キャパシタンス取得モジュールを採用し、バス方式にてキャパシターとしての導線のキャパシタンスを読み取り、空いている位置のキャパシタンスに対し、データ冗長性除去や振れなどの方法によって、乗員の位置の変化を取得し、さらに、シートコンフォートシステムの制御弁を駆動し、弁の開閉を十分に精確に制御し、これにより、システムの中の、人体の各部位に対するそれぞれのエアバッグの支持位置を調整し、乗員の快適性を満たす。また、システムの信頼性のために、回路上に短絡及び開放ループ検知機能を加える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【国際調査報告】