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特表2023-537812改善された面内透過性を有する複合材および改善された流体管理力を有する吸収性製品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】改善された面内透過性を有する複合材および改善された流体管理力を有する吸収性製品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/53 20060101AFI20230830BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
A61F13/53 100
A61F13/15 327
A61F13/15 329
A61F13/15 331
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576830
(86)(22)【出願日】2021-08-24
(85)【翻訳文提出日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 US2021047342
(87)【国際公開番号】W WO2022046763
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】63/069,678
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/158,471
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504293447
【氏名又は名称】インターナショナル・ペーパー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【弁理士】
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,チャールズ・イー
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン,ロバート・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】エング,ライアン・ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ウエスト,ヒュー
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA01
3B200BA03
3B200BB03
3B200CA02
3B200CA11
3B200DB02
3B200DB13
3B200EA01
(57)【要約】
本開示は、複合布帛を特徴とし、該複合布帛は、ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む不織布層;前記不織布層と対向して位置する、架橋したセルロース繊維を含む架橋セルロース層(例えば架橋セルロース層および不織布層とは異なる介在層は無く、幾つかの実施形態においては、架橋セルロース層は不織布層に直接隣接している。);ならびに、前記不織布層と前記架橋セルロース層との間の界面領域を含み、ここで前記界面領域は前記不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメントと、前記架橋セルロース層からの架橋セルロース繊維とが物理的に絡合したものを含む。前記不織布層および前記架橋セルロース層は、乾燥状態において機械的に不可分である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合布帛であって、
ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む不織布層;
前記不織布層と対向して位置する、架橋したセルロース繊維を含む架橋セルロース層;ならびに
前記不織布層と前記架橋セルロース層との間の界面領域
を含み、
ここで前記界面領域は前記不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメントと、前記架橋セルロース層からの架橋セルロース繊維とが物理的に絡合したものを含み、
前記不織布層および前記架橋セルロース層は、乾燥状態において機械的に不可分であり;
前記複合布帛は0.06g/cm~0.15g/cm(例えば0.06g/cm、0.12g/cm、0.08g/cmまたは0.06~0.08g/cm)の密度を有する、
複合布帛。
【請求項2】
前記不織布層および前記架橋セルロース層が互いに重なり前記界面領域で相互貫入している、請求項1に記載の複合布帛。
【請求項3】
前記架橋セルロース層および前記不織布層が完全に相互貫入している、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
【請求項4】
前記不織布層が第1の厚さを有し、前記架橋セルロース層が第2の厚さを有し、前記界面領域が、前記第1または前記第2の厚さ以下の厚さを有する、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
【請求項5】
前記ポリマー繊維および/またはフィラメントが合成ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む、請求項1または請求項2に記載の複合繊維。
【請求項6】
前記不織布層が、結合カードウェブ布帛、カードウェブ、スパンボンド布帛、メルトブロー布帛、非結合合成繊維またはそれらのいずれかの組み合わせを含む、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
【請求項7】
前記架橋したセルロース繊維がポリアクリル酸で架橋した繊維を含む、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
【請求項8】
前記架橋セルロース層が前記不織布層上にエアレイドまたはドライレイドされている、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
【請求項9】
前記架橋セルロース層が前記不織布層上にウエットレイドされている、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
【請求項10】
前記架橋セルロース層からの前記架橋したセルロース繊維が、前記不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメントへ前記界面領域で水流絡合される、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
【請求項11】
前記不織布層が、前記複合布帛中に15g/m~50g/mの乾燥坪量を有する、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
【請求項12】
前記架橋セルロース層が、前記複合布帛中に20g/m~185g/mの乾燥坪量を含む、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
【請求項13】
複合布帛がエンボス加工され、折り目を付けられ、ひだを付けられ、および/または穿孔されており、ここで、前記折り目またはひだを付けられた複合布帛は、折り目またはひだ内に、任意で吸収材料を含む、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
【請求項14】
ラテックス、ラテックス結合した繊維、水圧膨張層、前処理された不織布層、リヨセル、レーヨンまたはそれらのいずれかの組み合わせを含まない、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
【請求項15】
前記不織布層および前記架橋セルロース層、ならびに前記不織布層と前記架橋セルロース層との間の界面領域からなる、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
【請求項16】
生体液にさらされた場合、臭気を中和する、請求項1または請求項2に記載の複合布帛。
【請求項17】
請求項1または請求項2に記載の複合布帛を含む吸収性物品。
【請求項18】
パーソナルケア吸収性製品を含む、請求項17に記載の吸収性物品。
【請求項19】
前記パーソナルケア吸収性製品が、おむつ、失禁製品、女性用衛生製品、ワイプ、タオルおよびティッシュから選択される、請求項17に記載の吸収性物品。
【請求項20】
前記複合布帛を含む流体捕集分配層を含む、請求項17に記載の吸収性物品。
【請求項21】
前記複合布帛が吸収材料を覆って配置され、ここで、前記架橋セルロース層は、前記吸収材料の表面に面し、前記吸収材料は場合によって超吸収性ポリマーを含む、請求項17に記載の吸収性物品。
【請求項22】
吸収性コアをさらに含む、請求項17に記載の吸収性物品。
【請求項23】
前記吸収性コアが、吸収材料にかぶさる複合布帛の第1の層、および場合によって超吸収性ポリマーを含む前記吸収材料の下にある複合布帛の第2の層を含む、請求項22に記載の吸収性物品。
【請求項24】
前記吸収性コアが、場合によって超吸収性ポリマーを含む吸収材料を包む複合布帛を含む、請求項22に記載の吸収性物品。
【請求項25】
前記複合布帛が、場合によって超吸収性ポリマーを含む前記吸収材料を完全に包む、請求項24に記載の吸収性物品。
【請求項26】
前記架橋セルロース層が前記吸収材料の表面と接触する、請求項24に記載の吸収性物品。
【請求項27】
前記吸収性物品が吸収材料を含み、ここで、前記複合布帛に折り目またはひだを付ける場合、前記不織布層または前記架橋セルロース層のいずれかは前記吸収材料の表面と接触する、請求項17に記載の吸収性物品。
【請求項28】
おむつまたは失禁製品である、請求項17に記載の吸収性物品。
【請求項29】
前記吸収性物品が前記複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第1の流体曝露から第2の後続の流体曝露までに少なくとも23%の吸込み時間の短縮を有する、請求項20に記載の吸収性物品。
【請求項30】
前記吸収性物品が前記吸収性コアを包む複合布帛を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第1の流体曝露から第2の後続の流体曝露までに少なくとも25%の吸込み時間の短縮を有する、請求項24に記載の吸収性物品。
【請求項31】
前記吸収性物品が前記複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第2の流体曝露から第3の後続の流体曝露までに少なくとも8%の吸込み時間の短縮を有する、請求項20に記載の吸収性物品。
【請求項32】
前記吸収性物品が前記吸収材料を包む前記複合布帛を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第2の流体曝露から第3の後続の流体曝露までに少なくとも12%の吸込み時間の短縮を有する、請求項24に記載の吸収性物品。
【請求項33】
前記吸収性物品が前記複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験において第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有する、請求項20に記載の吸収性物品。
【請求項34】
前記吸収性物品が前記吸収材料を包む前記複合布帛を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験において第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有する、請求項24に記載の吸収性物品。
【請求項35】
前記複合布帛が、20g/m~50g/m(例えば30g/m~40g/m)の乾燥坪量の前記不織布層、および70g/m~120g/m(例えば80g/m~110g/m)の乾燥坪量の前記架橋セルロース層を含む、請求項20に記載の吸収性物品。
【請求項36】
前記複合布帛が、20g/m~50g/m(例えば30g/m~40g/m)の乾燥坪量の前記不織布層、および40g/mから70g/m未満(例えば40g/m~60g/m、または50g/m)の乾燥坪量の前記架橋セルロース層を含む、請求項24に記載の吸収性物品。
【請求項37】
前記吸収性物品が前記複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験において第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有する、請求項35に記載の吸収性物品。
【請求項38】
前記吸収性物品が前記吸収材料を包む前記複合布帛を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験において第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有する、請求項36に記載の吸収性物品。
【請求項39】
吸収性物品であって、
内側表面および外側表面を画定する液体不浸透性バックシートと;
前記バックシートの内側表面に配置された吸収性コアであり、
前記吸収性コアの上側表面および下側表面を画定する吸収材料;ならびに
ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む不織布層;
前記不織布層と対向して位置する、架橋したセルロース繊維を含む架橋セルロース層;および
物理的に絡合した、前記不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメント、および前記架橋セルロース層からの架橋セルロース繊維を含む、前記不織布層と前記架橋セルロース層との間の界面領域を含む、上側表面および下側表面の少なくとも一部を囲む複合布帛を含み、
ここで、前記不織布層および前記架橋セルロース層は、乾燥状態において機械的に不可分である、吸収性コアと;
前記吸収性コアの上側表面にかぶさり、前記バックシートの内側表面と接触するトップシートとを含む、吸収性物品。
【請求項40】
前記複合布帛が前記吸収性コアの上側表面および下側表面を完全に囲む、請求項39に記載の吸収性物品。
【請求項41】
前記複合布帛が、前記複合布帛の幅の少なくとも一部によって前記吸収性コアの上側表面または下側表面に重なる、請求項39に記載の吸収性物品。
【請求項42】
前記複合布帛が、前記吸収性コアの上側表面または下側表面に切れ目を画定し、吸収性コアは切れ目を覆って配置されたカバー層をさらに含む、請求項39に記載の吸収性物品。
【請求項43】
前記カバー層が前記複合布帛の少なくとも一部にかぶさり、前記複合布帛は、前記カバー層の少なくとも一部と前記吸収材料との間に配置される、請求項42に記載の吸収性物品。
【請求項44】
前記カバー層が前記複合布帛の下にあり、前記カバー層の少なくとも一部が前記複合布帛と前記吸収材料の間に配置される、請求項42に記載の吸収性物品。
【請求項45】
前記カバー層が前記複合布帛から形成される、請求項42から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項46】
前記カバー層がスパンボンドメルトブロースパンボンド(SMS)材料を含む、請求項42から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項47】
前記カバー層がスパンボンド(SB)材料を含む、請求項42から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項48】
前記吸収材料が吸収性合成ポリマーおよび高ロフト通気型結合カードウェブ(TABCW)を含む、請求項39から42のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項49】
前記吸収材料が、吸収性合成ポリマー(例えばSAP)、フラッフパルプまたは任意のそれらの組み合わせを含む、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項50】
前記吸収材料が、30%~90重量%の吸収性合成ポリマー、および10%~70重量%のフラッフを含む、請求項49に記載の吸収性物品。
【請求項51】
前記複合布帛の前記不織布層の前記ポリマー繊維および/またはフィラメントが、合成ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項52】
前記複合布帛の前記不織布層および前記架橋セルロース層が互いにかぶさり、前記界面領域で相互貫通する、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項53】
前記複合布帛の前記架橋セルロース層および前記不織布層が完全に相互貫通する、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項54】
前記不織布層が第1の厚さを有し、前記架橋セルロース層が第2の厚さを有し、界面領域は前記第1の厚さまたは前記第2の厚さ以下の厚さを含む、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項55】
前記不織布層が結合カードウェブ布帛、カードウェブ、スパンボンド布帛、メルトブロー布帛または任意のそれらの組み合わせを含む、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項56】
前記架橋したセルロース繊維がポリアクリル酸架橋した繊維を含む、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項57】
前記架橋セルロース層からの前記架橋したセルロース繊維が、前記不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメントに前記界面領域で水流絡合される、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項58】
前記不織布層が、前記複合布帛中に15g/m~50g/mの乾燥坪量を有する、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項59】
前記架橋セルロース層が、前記複合布帛中に20g/m~185g/mの乾燥坪量を含む、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項60】
前記複合布帛が、ラテックス、ラテックス結合した繊維、水圧膨張層、前処理した不織布層、リヨセル、レーヨンまたは任意のそれらの組み合わせを含まない、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項61】
パーソナルケア吸収性製品を含む、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項62】
前記パーソナルケア吸収性製品が、おむつ、失禁製品および女性用衛生製品から選択される、請求項61に記載の吸収性物品。
【請求項63】
前記複合布帛が、場合によって超吸収性ポリマーを含む吸収材料を完全に包む、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項64】
前記架橋セルロース層が前記吸収材料の表面と接触する、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項65】
平坦捕集荷重下試験において第1の流体曝露から第2の後続の流体曝露まで少なくとも25%の吸込み時間の短縮を有する、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項66】
平坦捕集荷重下試験において第2の流体曝露から第3の後続の流体曝露まで少なくとも12%の吸込み時間の短縮を有する、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項67】
前記吸収性物品が前記吸収材料を包む前記複合布帛を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験において第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有する、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項68】
前記複合布帛が、20g/m~50g/m(例えば30g/m~40g/m)の乾燥坪量の前記不織布層、および40g/mから70g/m未満(例えば40g/m~60g/m、または50g/m)の乾燥坪量の前記架橋セルロース層を含む、請求項39から44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項69】
女性用衛生製品であって、
ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む不織布層;
前記不織布層と対向して位置する、架橋したセルロース繊維を含む架橋セルロース層;ならびに
物理的に絡合した、前記不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメント、および前記架橋セルロース層からの架橋セルロース繊維を含む、前記不織布層と前記架橋セルロース層との間の界面領域を含む複合布帛を含み、
ここで、前記不織布層および前記架橋セルロース層は、乾燥状態において機械的に不可分である、女性用衛生製品。
【請求項70】
吸収材料を含む吸収性コアをさらに含む、請求項69に記載の女性用衛生製品。
【請求項71】
流体吐出にさらされた場合、前記複合布帛が、女性用衛生製品の前方部、中間部および後方部に流体を分配する、請求項69または請求項70に記載の女性用衛生製品。
【請求項72】
前記前方部、中間部および後方部がそれぞれ、各部分の20重量%~45重量%以内の流体量を含む、請求項71に記載の女性用衛生製品。
【請求項73】
前記複合布帛が前記吸収性コアを覆って配置される、請求項69または請求項70に記載の女性用衛生製品。
【請求項74】
前記複合布帛が前記吸収材料の少なくとも一部を包む、請求項70に記載の女性用衛生製品。
【請求項75】
請求項1または請求項2に記載の複合布帛を製造する方法であって、
ポリマー繊維および/またはフィラメントを供給するステップと;
架橋したセルロース繊維を供給するステップと;
前記架橋したセルロース繊維をエアレイイングまたはウエットレイイングして、ポリマー繊維および/またはフィラメントの不織布層に、前記不織布層と対向して位置する架橋セルロース層を与えるステップと;
前記不織布層からの前記ポリマー繊維および/またはフィラメント、ならびに前記架橋セルロース層からの前記架橋したセルロース繊維を物理的に絡合して前記複合布帛を与えるステップとを含み、ここで、前記複合布帛は前記不織布層と前記架橋セルロース層との間に界面領域を含み、前記不織布層および前記架橋セルロース層は、乾燥状態において機械的に不可分である、方法。
【請求項76】
前記不織布層からの前記ポリマー繊維および/またはフィラメントならびに前記架橋セルロース層からの前記架橋したセルロース繊維を物理的に絡合するステップが、前記架橋したセルロース繊維を前記ポリマー繊維および/またはフィラメントへ水流絡合するステップを含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記ポリマー繊維および/またはフィラメントは、結合カードウェブ布帛、カードウェブ、スパンボンド布帛、メルトブロー布帛、非結合の合成繊維または任意のそれらの組み合わせの形態である、請求項75または請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記ポリマー繊維が合成である、請求項75または請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記不織布層が最上層であり、前記架橋セルロース層が最下層である、請求項75または請求項76に記載の方法。
【請求項80】
前記不織布層が最下層であり、前記架橋セルロース層が最上層である、請求項75または請求項76に記載の方法。
【請求項81】
前記架橋セルロース層が前記不織布層と絡合する前に前もって形成され、および/または、前記不織布層が前記架橋セルロース層と絡合する前に前もって形成される、請求項75または請求項76に記載の方法。
【請求項82】
前記架橋セルロース層が前記不織布層と絡合する前に前もって形成されず、および/または、前記不織布層が前記架橋セルロース層と絡合する前に前もって形成されない、請求項75または請求項76に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月24日に出願された米国特許出願第63/069,678号および2021年3月9日に出願された米国特許出願第63/158,471号の利益を主張し、それらのそれぞれの開示は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア吸収性製品、例えば、おむつ、成人用失禁パッドおよび下着、ならびに女性用ケア製品は、通常、流体吸収性コアを含む。多くの吸収性物品が、トップシートとバックシートの間に配置された流体吸収性コアを含む。トップシートは、通常、トップシートによって通常は最小限流体保持される液体吐出の際などに、吸収性コアへ流体移動を促進するのに適合した流体透過性材料から形成される。米国産ダイオウマツのフラッフパルプは、共通して吸収性コアにおいて、一般に繊維質マトリックスの形で、時には繊維質マトリックスの全体にわたって分散した超吸水性ポリマー(SAP)と組み合わせて使用される。このフラッフパルプは、フラッフパルプの大きい繊維長、繊維粗さ、およびウエットレイドで乾燥されたパルプシートからエアレイドウェブに加工するその相対的な容易さなどの因子に基づいて、吸収性製品にとって好ましい繊維として世界中で認識されている。このタイプのセルロース質フラッフパルプ用の原料は、ダイオウマツ(Southern Pine)(例えばテーダマツ、Pinus taeda L.)である。原料は再生可能であり、パルプは容易に生物分解可能である。SAPと比較して、これらの繊維は、質量基準当たりで安価であるが、しかし、液体保持基準の1単位当たりでより高価な傾向がある。これらのフラッフパルプ繊維の多くは、繊維間の間隙内で吸収する。
【0003】
SAPは、水に膨潤可能であり、一般に、流体に対して高い吸収能力を有する水に溶けない吸収材料である。SAPは、流体を吸収して膨潤し、そのような流体をその重量より多く保つゲルになる。共通して使用されるSAPはほとんど、アクリル酸に由来する。アクリル酸系ポリマーは、また、おむつ、失禁パッドおよび下着の原価構成の意味のある部分を含む。SAPは、高いゲル強度(荷重下での高い吸収性、すなわちAULによって示される)を有するように設計される。現在使用されているSAP粒子の高いゲル強度(膨潤の際の)によって、粒子間に重要な空隙空間を保持するのを助け、それは迅速な流体取り込みの助けになる。しかしながら、この大きい「空隙容積」は、同時に飽和状態の製品においてかなりの隙間(粒子間の)液体をもたらす。
【0004】
フラッフパルプ繊維およびSAPは非常に大量の液体を貯蔵することができるが、それらはしばしば吐出点から吸収性物品のより遠い区域に液体を分配することができず、物品が受け取り得るほど高速には液体を捕集することができない。この理由のため、大量の液体の中間的な捕集を提供し、しばしば液体の分配をも可能にする、捕集部材が使用される。それによって、捕集部材は、収納部材によって与えられる吸収能力全体を使用する際に重要な役割を果たす。
【0005】
液体捕集層について上記の略述された要件を満たすのに適切な材料は、標準または理想的条件においてだけでなく、様々な条件、すなわち使用中、さらには貯蔵および取り扱い中に生じる、異なる温度および圧力においてもこれらの要件を満たさなければならない。
【0006】
おむつまたは成人用失禁パッドなどの幾つかの吸収性物品は、流体吐出から吸収性コアに対する流体の採取および均質で適時の分配のための捕集および分配の層(ADL)を含む。ADLは、通常トップシートと吸収性コアの間に配置され、例えば、織物の上部3分の1が、比較的大きい空隙を含む高デニール繊維、および比較的より高い放出速度でさえ提示された流体の効果的な捕集のためのより大きい空隙容積を有する、複合布帛の形態をとることができる。ADLの複合布帛の中間3分の1は、より小さな空隙を含む低デニール繊維から製造することができ、一方、織物の下部3分の1は、さらに低および小デニール繊維から、にもかかわらずより細かい空隙を含む繊維から製造することができる。複合材のより高密度部分はより多くより細かい毛細管を有し、したがってより大きな毛細管圧を発現し、したがってより大量の流体を構造の外側領域に移し、したがって均一な様式において流体の適当な流路化および分配を可能にして、吸収性コアが限られた時間で液体吐出をすべて取り上げることを可能にし、吸収性コア内のSAPが吐出を保ち、遅すぎず、しかもまた速すぎずにゲル化することができる。ADLはより迅速な液体捕集(目標帯域中の氾濫を最小限にする)を提供し、吸収性コアへの流体のより迅速な輸送および完全な分配を保証する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の開示した物品に比較して改善された液体取り扱い特性を有する流体分配層または「コア-外被」材料が必要とされている。着用するのがより快適であり、特に優れた乾燥性を与える吸収性物品が必要とされている。本開示は、これらの必要を満たそうと努力し、さらに関連する利点を提供する。
【0008】
この発明の概要は、以下の「発明を実施するための形態」においてさらに記述される概念から選択したものを簡略化して紹介するものである。この発明の概要は、請求項の主題の重要な機能を同定するように意図されるのでもなく、請求項の主題の範囲を決定する助力として使用するように意図されるものでもない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様において、本開示は、複合布帛であって、ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む不織布層;不織布層と対向して配置された、架橋したセルロース繊維を含む架橋セルロース層(例えば架橋セルロース層および不織布層と異なる介在層なしで;幾つかの実施形態において、架橋セルロース層は不織布層に直接隣接している。);ならびに、物理的に絡合した、不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメント、および架橋セルロース層からの架橋セルロース繊維を含む、不織布層と架橋セルロース層との間の界面領域を含み、ここで、不織布層および架橋セルロース層は、乾燥状態で機械的に不可分であり、0.06g/cm~0.15g/cm(例えば0.06g/cm、0.12g/cm、0.08g/cmまたは0.06~0.08g/cm)の密度を有する複合布帛を特色とする。
【0010】
別の態様において、本開示は、本明細書において記載の複合布帛を含む吸収性物品を特色とする。
なお別の態様において、本開示は、内側表面および外側表面を画定する液体不浸透性バックシートと;バックシートの内側表面に配置された吸収性コアと、吸収性コアの上側表面にかぶさり、バックシートの内側表面と接触するトップシートとを含む吸収性物品を特色とする。吸収性コアは、吸収性コアの上側表面および下側表面を画定する吸収材料;ならびに上側表面および下側表面の少なくとも一部を囲む複合布帛を含み、複合布帛は、ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む不織布層;不織布層と対向して位置する、架橋したセルロース繊維を含む架橋セルロース層;ならびに、物理的に絡合した、不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメント、および架橋セルロース層からの架橋セルロース繊維を含む、不織布層と架橋セルロース層との間の界面領域を含み、ここで、不織布層および架橋セルロース層は、乾燥状態において機械的に不可分である。
【0011】
なおさらなる態様において、本開示は、ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む不織布層;不織布層と対向して位置する、架橋したセルロース繊維を含む架橋セルロース層;ならびに、物理的に絡合した、不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメント、および架橋セルロース層からの架橋セルロース繊維を含む不織布層と架橋セルロース層との間の界面領域を含む複合布帛を含み、ここで、不織布層および架橋セルロース層は、乾燥状態において機械的に不可分である、女性用衛生製品を特色とする。
【0012】
なおさらなる態様において、本開示は、本開示の複合布帛を製造する方法であって、ポリマー繊維および/またはフィラメントを供給するステップと;架橋したセルロース繊維を供給するステップと;架橋したセルロース繊維をエアレイイングまたはウエットレイイングして、ポリマー繊維および/またはフィラメントの不織布層に、不織布層と対向して位置する架橋セルロース層を与えるステップと;不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメント、ならびに架橋セルロース層からの架橋したセルロース繊維を物理的に絡合して複合布帛を与えるステップとを含み、ここで、複合布帛は不織布層と架橋セルロース層との間に界面領域を含み、不織布層および架橋セルロース層は、乾燥状態において機械的に不可分である方法を特色とする。
【0013】
上述の態様および本開示の付随する利点の多くは、以下の詳細な記載を参照することによって添付図面と一緒に読めばよりよく理解されるので、より容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の水流絡合プロセスの略図である。
図2A】本開示の流体捕集および分配層(ADL)の実施形態の略図である。
図2B】本開示のコア-外被の実施形態の模式的断面の描写である。
図3】本開示のコア-外被の実施形態の模式的断面の描写である。
図4】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図5A】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図5B】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図5C】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図5D】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図5E】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図6A】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図6B】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図6C】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図6D】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図7A】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図7B】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図8A】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図8B】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図8C】本開示の吸収性物品の実施形態の模式的断面の描写である。
図9】無荷重サドル吸上げ試験において市販おむつに対する本開示のADLおむつ構成物の実施形態の吐出点からの吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。
図10】平坦捕集荷重下試験において市販おむつに対する本開示のADLおむつ構成物の実施形態の吸込み時間の比較を示す棒グラフである。
図11】平坦捕集荷重下試験において市販おむつに対する本開示のADLおむつ構成物の実施形態の再含湿値の比較を示す棒グラフである。
図12】平坦捕集荷重下試験において市販おむつに対する本開示のADLおむつ構成物の実施形態の吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。
図13】無荷重サドル吸上げ試験において市販おむつに対する本開示のコア-外被おむつ構成物の実施形態の吸込み時間の比較を示す棒グラフである。
図14】無荷重サドル吸上げ試験において市販おむつに対する、本開示のコア-外被おむつ構成物の実施形態の吐出点からの吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。
図15】平坦捕集荷重下試験において市販おむつに対する、本開示のコア-外被おむつ構成物の実施形態の吸込み時間の比較を示す棒グラフである。
図16】平坦捕集荷重下試験において市販おむつに対する、本開示のコア-外被おむつ構成物の実施形態の再含湿値の比較を示す棒グラフである。
図17】平坦捕集荷重下試験において市販おむつに対する、本開示のコア-外被おむつ構成物の実施形態の吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。
図18】無荷重サドル吸上げ試験において市販フラッフレスおむつの平均に対する、本開示のコア-外被おむつ構成物の実施形態の吸込み時間を示す棒グラフである。
図19】無荷重サドル吸上げ試験において市販フラッフレスおむつの平均に対する、本開示のコア-外被おむつ構成物の実施形態の吐出点からの吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。
図20】平坦捕集荷重下試験において市販フラッフレスおむつの平均に対する、本開示のコア-外被おむつ構成物の実施形態の吸込み時間を示す棒グラフである。
図21】平坦捕集荷重下試験において市販フラッフレスおむつの平均に対する、本開示のコア-外被おむつ構成物の実施形態の再含湿値の比較を示す棒グラフである。
図22】平坦捕集荷重下試験において市販フラッフレスおむつの平均に対する、本開示のコア-外被おむつ構成物の実施形態の吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。
図23】無荷重サドル吸上げ試験において市販フラッフコアおむつの平均に対する、本開示のADLおむつ構成物の実施形態の吐出点からの吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。
図24】平坦捕集荷重下試験において市販フラッフコアおむつの平均に対する、本開示のADLおむつ構成物の実施形態の吐出点からの吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。
図25】本開示の女性用衛生吸収性コアの実施形態の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
定義
他の方法で定義されなければ、本明細書において使用される科学技術用語はすべて当業者が共通して理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において記載のものと同様または等価である方法および材料は、慣行によってまたは本開示の試験において使用することができるが、適切な方法および材料は以下に記載される。本明細書において言及される刊行物、特許出願、特許および他の言及はすべて、参照によってそれらの全体が組み込まれる。矛盾する場合には、定義を含めて、本明細書が優先する。さらに、材料、方法および例は、例証としてのみであり、限定するようには意図されない。
【0016】
別個の実施形態の文脈においてわかりやすくするために記載される本発明の特定の特徴を単一実施形態における組み合わせでも提供してよいことが認められる。
逆に、単一実施形態の文脈において簡略のために記載される本開示の種々の特徴は、別個にまたはいずれかの適切な下位組み合わせでも提供することができる。
【0017】
さらに、これらの実施形態のうちの少なくとも幾つかにおける特定の要素の包含は、任意であってもよく、さらなる実施形態は、とりわけ、これらの特定の要素の1つまたは複数を除外する1つまたは複数の実施形態を含んでいてもよい。さらに、本開示の特定の実施形態に関連した利点は、これらの実施形態の文脈において記載されるが、他の実施形態もまたそのような利点を示してもよく、すべての実施形態が、本開示の範囲以内に該当するそのような利点を示す必要があるとは限らない。
【0018】
本明細書において使用される場合、特に断らなければ、“a”および“an”は、「1つ」、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味するものとする。文脈によって他の方法で必要とされない限り、本明細書において使用される単数の用語は、複数を含むものとし、複数の用語は単数を含むものとする。
【0019】
文脈が記載および請求項の全体にわたって、明白に他の方法で必要としない限り、語は「含む」、「含むこと」などは、排他的か網羅的な意味とは対照的に包括的な意味に;すなわち「含むが、しかし限定されない」という意味に解釈されるべきである。単数または複数を使用する語はまた、それぞれ複数および単数の数字を含む。さらに、「本明細書において」、「上記」および「以下」という語、ならびに同様の意味の語は、本出願において使用される場合、本出願を全体として指すものとし、本出願のいずれかの特定の部分を指すものではない。
【0020】
本明細書において使用される場合、「吸収性物品」は、液体を吸収し含む製品を指し、より詳細には、身体から放出された様々な分泌物を吸収し含むために着用者の身体に対してまたは近接して配置される製品を指す。吸収性物品は、おむつ、成人用失禁ブリーフ、躾パンツ、おむつ保持具およびライナー、生理ナプキンなどを含むが、これら限定されない。これらの物品は、トップシート、バックシート、吸収性コア、および、場合によって受け取り層および/または分配層、ならびに他の成分を含むことができ、吸収性コアは、通常、バックシートおよび受け取り系またはトップシートの間に配置される。吸収性物品はまた、例えば、家庭用清掃ワイプ、乳児用ワイプなどのワイプを含む。
【0021】
本明細書において使用される場合、用語「吸収性コア」は、吸収性物品に配置され、コア-外被に内包された吸収材料を含む単一成分を指す。コア-外被は吸収材料を包むシートであってもよく、例えば、本開示の複合布帛を含むことができる。用語「吸収性コア」は、コア-外被の一体化した部分ではなく、またはコア-外被内に配置されない吸収性物品の受け取り層または分配層または他のいずれの成分にも延在しない。吸収性コアは吸収性物品において最も高い吸収性を有することができ、超吸水性ポリマー(SAP)および/またはフラッフパルプを含むことができる。
【0022】
本明細書において使用される場合、「使い捨て」という用語は、一般に洗濯されるか、他の方法で復元または再使用されることを意図しない物品を指し、すなわち、それらは、単回使用の後に廃棄され、可能性として、環境上適合する方式では、リサイクルされ、堆肥にされ、または、さもなければ処分されることを意図する。
【0023】
本明細書において使用される場合、用語「配置される」とは、他の要素を含む一体型構造として、または別の要素に接合された別個の要素として特定の場所または位置で形成された(接合および配置された)要素を指す。
【0024】
本明細書において使用される場合、用語「おむつ」は、一般に胴体下部あたりに幼児および失禁する人によって着用される吸収性物品を指す。
「厚さ」、「ノギス値」という用語は本明細書において交換可能に使用される。
【0025】
本明細書において使用される場合、用語「不織布」、「不織生地」および「不織布ウェブ」は、交換可能であり、指向的にまたはランダムに配置された繊維および/または摩擦によっておよび/または凝集および/または接着によって一緒に結合したフィラメントから製造されたシート、ウェブまたはマット製品を指す。繊維は、天然(例えば綿)、再生(例えば再生セルロース)もしくは合成起源であってもよく、ステープル繊維もしくは長繊維であってもよく、またはインサイチューで形成することができる。繊維は、約0.001mm未満から0.2mmを超える範囲の直径を有することができ、例えば短繊維(いわゆるステープル繊維または切断繊維)、連続的な単繊維(フィラメントまたはモノフィラメント)、連続フィラメントの撚りの無い束(ケーブル)および長繊維の撚った束(ヤーン)のような、幾つかの異なる形態において利用可能であってもよい。不織布ウェブは、メルトブロー、スパンボンド、溶媒紡糸、電気紡糸、カーディング、空気力学的レイイング、エアレイイング、またはそれらのいずれかの組み合わせなどの様々なプロセスによって形成することができる。不織布ウェブの坪量は、通常それぞれ1平方メートル(g/m、Gまたはgsm)当たりグラムで表現される。合成繊維および/または合成フィラメントは、ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)、およびそれらのいずれかの組み合わせ(例えば二成分繊維)などを含むが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書において使用される場合、Helix(商標)は、未処理のフラッフパルプ(International Paper CompanyからのSuperSoft(登録商標)など)に基づく架橋したセルロース繊維である。Helix(商標)を製作する方法は、例えば米国特許第5,399,240号、第5,437,418号および第6,436,231号に記載され、そのそれぞれは全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0027】
本明細書において使用される場合、Helix(商標)Air(登録商標)+は、処理または脱結合されたフラッフ等級に基づく架橋した繊維(SuperSoft(登録商標) Air(登録商標)および/またはSuperSoft(登録商標) Air(登録商標)+など)である。Helix(商標)を製作する方法は、例えば米国特許第5,399,240号、第5,437,418号および第6,436,231号に記載され、そのそれぞれは参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。脱結合パルプは、例えば米国特許第6,306,251号に記載され、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0028】
矛盾する場合には、定義を含めて、本明細書が優先する。さらに、材料、方法および例は、例証のみであり、限定するようには意図されない。
一般に本明細書において記載され、図において説明される本開示の態様が、すべてが明示的に本明細書において企図される種々様々の異なる構成において配置、置き換え、組み合わせ、分離、設計することができることは容易に理解されよう。
【0029】
さらに、図において示される特定の配置は、限定的と見なすべきでない。他の実施形態が、所与の図に示される各要素を多かれ少なかれ含んでいてもよいことは、理解されるべきである。さらに、例証される要素のうちの幾つかは、組み合わせられても省略されてもよい。なお、さらに、例示の実施形態は、図に例証されない要素を含んでいてもよい。
【0030】
本明細書において使用される場合、測定に関して「約」は+/-5%を意味する。本明細書において使用される場合、記述された範囲は、0.5モルパーセントから99.5モルパーセントが0.5モルパーセントおよび99.5モルパーセントの両方を含むように、終点を含む。
【0031】
本開示の様々な実施形態の原理および概念的な態様。この点に関しては、本開示の、図面を用いて得られる説明の、および/または本開示の幾つかの形態が実際上どのようにして具現され得るのか当業者に明らかにする例の、基本理解のために必要とされる以上に詳細には本開示の構造の詳細を示す試みはなされない。
複合布帛
吸収性製品はますます薄く可撓性になっている。したがって、吸収性コアの空隙容積の減少が起こり、そのためには、漏洩から許容される保護を消費者に届ける流体管理のためのより強力な吸収システムを必要とする。
【0032】
本開示は、吸収性物品の捕集および分配層(「ADL」)中および/またはコア-外被中などの吸収性物品において使用することができる架橋したセルロース繊維、および不織布を含む複合布帛を記載する。架橋したセルロース繊維は、吸収性物品において有利である優れた含湿嵩高さおよび回復力などの独特の特性を有する。しかしながら、市販の架橋したセルロース繊維は、多くの営業運転中のベールオープナーの欠如によりほとんどの製造設備においてその適用を限定する圧縮ベール形式である。架橋したセルロース繊維の巻き取りフォーマットはより好都合にし、製作プロセスを単純化することができる。以下に詳細に記載されるように、架橋したセルロース繊維で構成されるウェブは、エアレイドまたはウエットレイドプロセスによって形成され、続いて、結合カードウェブ(BCW)などの不織生地に絡合されて複合布帛を形成することができる。不織生地へのセルロース質繊維の貫入は制御することができ(例えば水流絡合プロセスにおける水噴射圧力の制御によって)、複合布帛は、不織布中で少し架橋したセルロース繊維の貫入から不織布中で架橋したセルロース繊維の完全に相互貫入した網目を含む二元層構造を有することができる。
【0033】
したがって、本開示は、ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む不織布層;不織布層と対向して位置する、架橋したセルロース繊維を含む架橋セルロース層;ならびに、物理的に絡合した、ポリマー繊維および/または不織布層からのフィラメントおよび架橋セルロース層からの架橋したセルロース繊維を含む、不織布層と架橋セルロース層との間の界面領域を含む、複合布帛を特色とする。複合布帛の不織布層および架橋セルロース層は、乾燥状態において機械的に不可分である。複合布帛は、0.06g/cm~0.15g/cm(例えば0.06g/cm、0.12g/cm、0.08g/cmまたは0.06~0.08g/cm)の密度を有する。密度は、以下に記載の方法「厚さ、嵩高さおよび密度測定」に従って測定される。平均密度は、試料において測定された少なくとも5つの密度値の平均である。架橋セルロース層は、架橋セルロース層および不織布層と異なる介在層を含まない不織布層と対向して位置する。幾つかの実施形態において、架橋セルロース層は、不織布層に直接隣接し、絡合している。幾つかの実施形態において、複合布帛は、基本的に不織布層および架橋セルロース層、および不織布層と架橋セルロース層との間の界面領域からなる。幾つかの実施形態において、複合布帛は不織布層および架橋セルロース層、および不織布層と架橋セルロース層との間の界面領域からなる。
【0034】
幾つかの実施形態において、不織布層のポリマー繊維および/またはフィラメントは、合成ポリマー繊維および/またはフィラメント、例えば、ポリオレフィンおよび/またはポリエステル繊維および/またはフィラメントを含む。不織布層は、メルトスパンプロセスによって製造することができるウェブを含むことができる。幾つかの実施形態において、不織布層は結合カードウェブである。幾つかの実施形態において、不織布層は、結合カードウェブ織物、カードウェブ、スパンボンド織物、メルトブロー織物、非結合合成繊維またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0035】
幾つかの実施形態において、不織布層および架橋セルロース層は、重なり(すなわち、互いにかぶさり)、界面領域で相互貫入する。幾つかの実施形態において、架橋セルロース層および不織布層は完全に相互貫入する。
【0036】
複合布帛は、複合布帛の幅および長さに対応する「x」寸法および「y」寸法を有することができる。複合布帛は、複合布帛の厚さに対応する「z」寸法をさらに有することができる。幾つかの実施形態において、不織布層は第1の厚さを有し、架橋セルロース層は第2の厚さを有し、界面領域は第1または第2の厚さ以下の厚さを有する。幾つかの実施形態において、界面領域は、架橋セルロース層が不織布層に完全に絡合した場合、不織布層の全厚さにわたる厚さを有することができる。幾つかの実施形態において、界面領域は、架橋セルロース層が不織布層に部分的に絡合した場合、不織布層および/または架橋セルロース層の厚さより薄い厚さを有することができる。
【0037】
幾つかの実施形態において、架橋セルロース層が他の領域より不織布層への大きな絡合を有する場合には、複合布帛は、界面領域が厚さを変動することができるような領域を有する。理論に拘束されることを望むわけではないが、複合布帛がより大きな絡合の界面領域を有する場合、複合布帛を通して液体の流動を誘導するために、経路または流路は複合布帛中に形成することができると考えられる。
【0038】
幾つかの実施形態において、不織布層は、結合カードウェブ織物(例えば樹脂結合カードウェブ織物)、カードウェブ、スパンボンド織物、指向的に溶融またはブローした織物、非結合合成繊維、ステープル繊維(例えばマットとして堆積され、いかなるメカニズムによっても結合されていない合成繊維)、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むことができる。不織生地は、摩擦および/または凝集および/または接着によって結合し、ランダム配向された繊維および/またはフィラメントの製作シート、ウェブまたはバットを含むことができるが、織り、編み、束ね、結合ヤーンまたはフィラメントを組み込んでステッチ結合し、または湿式ミル挽きによってフェルト化した(さらに針を用いたか否かにかかわらず)、紙および製品を除く。不織生地層中の繊維および/またはフィラメントは、合成起源、または天然起源、例えば、ポリオレフィン(例えばポリプロピレン、ポリエチレン)、ポリエステル、またはそれらのいずれかの組み合わせ(例えば二成分繊維)であってもよい。
【0039】
市販されている繊維は、約0.001mm未満から約0.2mmを超える範囲の直径を有することができ、短繊維(ステープル繊維または切断繊維)、連続的な単繊維(フィラメントまたはモノフィラメント)、連続フィラメントの撚りの無い束(トウ)、および連続フィラメントの撚った束(ヤーン)の形態をとることができる。繊維はそれらの起源、化学構造または両方に従って分類される。
【0040】
不織布ウェブは、繊維およびウェブがほぼ同じ時点で形成される直接押出プロセスによって、または、明確に後続の時点でウェブに堆積することができる予備形成された繊維によって形成することができる。例示の直接押出プロセスは、スパンボンド、メルトブロー、溶媒紡糸、電気紡糸、および通常層を形成するその組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0041】
上記繊維および製作技法のすべては、本開示による複合布帛を提供するために有用であり得る。
架橋したセルロース繊維はポリアクリル酸架橋したセルロース繊維を含むことができる。架橋したセルロース繊維は、例えば米国特許第7,513,973号、第8,722,797号、第6,716,306号、第6,736,933号、第6,748,671号、第7,018,508号、第6,782,637号および第6,865,822号;第7,290,353号、第6,769,199号、第7,147,446号、第7,399,377号、第6,306,251号、第5,183,707号および第5,998,511号に記載され、そのそれぞれは本明細書にその全体が組み込まれる。例示の架橋メカニズムは、エステル化反応、エーテル化、イオン反応およびラジカル反応を含む。例として、架橋したセルロース繊維は、漂白されたポリアクリル酸架橋したセルロース質繊維を含み、ここで、ポリアクリル酸架橋したセルロース質繊維は、1種または複数の漂白剤を用いて処理されて、高い嵩高さおよび改善された白色度を有する架橋したセルロース質繊維を与える。別の実施例において、架橋したセルロース繊維は、重合プロセスの間に次亜リン酸ナトリウムの導入によってポリマー鎖に組み込まれたリン(ホスフィネートとして)を有する、ポリアクリル酸を含むポリアクリル酸架橋剤を含むことができる。
【0042】
例えば、個々に化学架橋されたセルロース質繊維は、高分子ポリカルボン酸架橋剤を用いて繊維内架橋することができる。本明細書において使用される場合、用語「高分子ポリカルボン酸」は、セルロースとエステル結合を形成(すなわち架橋)するために利用可能な複数のカルボン酸基を有するポリマーを指す。本開示の架橋繊維の形成に有用な適切な架橋剤は、ポリアクリル酸ポリマー、ポリマレイン酸ポリマー、アクリル酸のコポリマー、マレイン酸のコポリマーおよびそれらの混合物を含む。他の適切な高分子ポリカルボン酸は、市販されているポリカルボン酸、例えば、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリ(3-ヒドロキシ)酪酸、およびポリイタコン酸を含む。ポリアクリル酸ポリマーは、アクリル酸、アクリル酸エステルおよびそれらの混合物の重合により形成されたポリマーを含む。ポリマレイン酸ポリマーは、マレイン酸、マレイン酸エステル、無水マレイン酸およびそれらの混合物の重合により形成されたポリマーを含む。適切なポリアクリル酸コポリマーの例は、ポリ(アクリルアミド-co-アクリル酸)、ポリ(アクリル酸-co-マレイン酸)、ポリ(エチレン-co-アクリル酸)、およびポリ(1-ビニルピロリドン-co-アクリル酸)、ならびにポリ(エチレン-co-メタクリル酸)およびポリ(メタクリル酸メチル-co-メタクリル酸)などの他のポリアクリル酸誘導体を含む。適切なポリマレイン酸コポリマーは、ポリ(メチルビニルエーテル-co-マレイン酸)、ポリ(スチレン-co-マレイン酸)およびポリ(塩化ビニル-co-酢酸ビニル-co-マレイン酸)を含む。ポリアクリル酸コポリマーおよびポリマレイン酸コポリマーの形成のために適しているコモノマーは、アクリル酸またはマレイン酸(またはそれらのエステル)と共重合された場合、嵩高さ、吸収能力、液体捕集速度および安定な繊維内架橋の有利な性質を有する架橋したセルロース繊維を生成するポリカルボン酸コポリマー架橋剤を提供するいずれかのコモノマーを含む。代表的なコモノマーは、例えば、アクリル酸エチル、酢酸ビニル、アクリルアミド、エチレン、ビニルピロリドン、メタクリル酸、メチルビニルエーテル、スチレン、塩化ビニル、イタコン酸および酒石酸一コハク酸(tartrate monosuccinic acid)を含む。好ましいコモノマーは、酢酸ビニル、メタクリル酸、メチルビニルエーテルおよびイタコン酸を含む。上記に示した代表的なコモノマーから調製されたポリアクリル酸コポリマーおよびポリマレイン酸コポリマーは、様々な分子量および商業的な起源からの分子量の範囲において利用可能である。好ましい実施形態において、ポリカルボン酸コポリマーはアクリル酸およびマレイン酸のコポリマーである。
【0043】
架橋したセルロース繊維を形成するのに役立つポリカルボン酸ポリマーは自己触媒するポリカルボン酸ポリマーを含む。例えば、自己触媒するポリカルボン酸架橋剤は、アクリル酸またはマレイン酸ならびに低分子量モノアルキル置換ホスフィネートおよびホスホネートのコポリマーを含むことができる。これらのコポリマーは、連鎖移動剤として次亜リン酸およびその塩、例えば次亜リン酸ナトリウム、および/またはリン酸を用いて調製することができる。ポリカルボン酸ポリマーおよびコポリマーは、単独で、組み合わせて、または当業界で公知の他の架橋剤と組み合わせて使用することができる。
【0044】
幾つかの実施形態において、架橋剤とセルロース繊維の間の結合反応を加速するための架橋触媒を用い、高分子ポリカルボン酸架橋剤を使用して架橋したセルロース繊維を得ることができる。適切な架橋触媒は、ポリカルボン酸架橋剤とセルロース繊維の間のエステル結合形成の速度を増加させるいずれかの触媒を含む。例えば、架橋触媒は、リン含有酸のアルカリ金属塩、例えば、アルカリ金属次亜リン酸塩、アルカリ金属亜リン酸塩、アルカリ金属ポリホスホン酸塩、アルカリ金属リン酸塩およびアルカリ金属スルホン酸塩を含む。
【0045】
幾つかの実施形態において、架橋したセルロース繊維の製造のために適している架橋剤は、ヒドロキシル基と結合する能力のある二官能性であり、繊維内のセルロース分子にヒドロキシル基間の共有結合橋梁を生成する。架橋剤は、ポリカルボン酸を含み、または、メチロール化尿素、メチロール化環状尿素、メチロール化低級アルキル置換環状尿素、メチロール化ジヒドロキシ環状尿素などの尿素誘導体から選択される。好ましい尿素誘導体架橋剤は、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU)、ジメチルジヒドロキシエチレン尿素である。尿素誘導体の混合物も使用されてもよい。好ましいポリカルボン酸架橋剤は、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタル酸またはシトラコン酸である。板紙の提案された使用が食品包装である場合、これらのポリカルボン酸架橋剤は特に有用である。使用されてもよい他のポリカルボン酸架橋剤は、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(マレイン酸)、ポリ(メチルビニルエーテル-co-マレイン酸エステル)コポリマー、ポリ(メチルビニルエーテル-co-イタコネート)コポリマー、マレイン酸、イタコン酸および酒石酸一コハク酸である。ポリカルボン酸の混合物も使用されてもよい。架橋剤は、架橋剤とセルロース分子の間の結合反応を加速するための触媒を含むことができるが、しかし、ほとんどの架橋剤は触媒を必要としない。適切な触媒は、尿素系の架橋物質が使用される場合に有用になり得る酸性塩を含む。そのような塩は、塩化アンモニウムおよび硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、もしくはこれらの混合物または他の同様の化合物を含む。リンを含む酸のアルカリ金属塩も使用されてもよい。
【0046】
他の架橋剤は、Chungの米国特許第3,440,135号;Lashらの米国特許第4,935,022号;Herronらの米国特許第4,889,595号;Shawらの米国特許第3,819,470号;Steijerらの米国特許第3,658,613号;Deanらの米国特許第4,822,453号;およびGraefらの米国特許第4,853,086号に記載され、そのすべてが本明細書においてその全体が参照によって組み込まれる。
【0047】
幾つかの実施形態において、繊維内架橋を果たすのに十分な量のセルロース質繊維にポリアクリル酸を適用することによって、ポリアクリル酸架橋したセルロース質繊維を調製することができる。セルロース質繊維に適用される量は、繊維の総重量に対して約1~約10重量パーセントであってもよい。一実施形態において、架橋剤は乾燥繊維の総重量に対して約4~約6重量パーセントの量である。幾つかの実施形態において、ポリアクリル酸架橋したセルロース質繊維は、架橋触媒を使用して調製することができる。適切な触媒は、酸性塩、例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、およびより好ましくは、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸および次亜リン酸のようなリンを含有する酸のアルカリ金属塩を含むことができる。一実施形態において、架橋触媒は次亜リン酸ナトリウムである。使用される触媒の量は、乾燥繊維の総重量に対して約0.1~約5重量パーセントと変動することができる。
【0048】
ある実施形態において、架橋したセルロース質繊維は架橋したレーヨンまたはリヨセル誘導体を含むことができる。
架橋したセルロース質繊維のための有用なセルロース質繊維は、主として木材パルプに由来し得る。適切な木材パルプ繊維は、後続の脱色を含むか含まないかにかかわらずクラフト法および亜硫酸法などの周知の化学プロセスから得ることができる。パルプ繊維はまた、熱機械的、化学熱機械的方法、またはそれらの組み合わせによって加工されてもよい。好ましいパルプ繊維は、化学的方法によって製造される。粉砕木材繊維、リサイクルされまたは2次的な木材パルプ繊維、ならびに漂白および無漂白の木材パルプ繊維を使用することができる。好ましい開始材料は、長尺繊維の毬果植物の木材種、例えば、ダイオウマツ、ダグラスファー、スプルスおよびツガから調製される。木材パルプ繊維の製造の詳細は当業者に周知である。適切な繊維はInternational Paper Companyを含む幾つかの会社から市販されている。例えば、本開示の製造において使用可能であるダイオウマツから製造された適切なセルロース繊維は、名称SuperSoft(登録商標)、SuperSoft(登録商標)Air(登録商標)およびSuperSoft(登録商標)Air(登録商標)+の下でInternational Paper Companyから入手可能である。
【0049】
幾つかの実施形態において、不織布層は、複合布帛中に15g/m(例えば20g/mから、25g/mから、30g/mから、35g/mから、40g/mまたは45g/mから)から50g/m(例えば45g/m、40g/m、35g/m、30g/m、25g/mまたは20g/m)の乾燥坪量を有する。複合布帛は、例えば、吸収性物品中で捕集分配層として使用することができる。
【0050】
幾つかの実施形態において、架橋セルロース層は、複合布帛中に20g/m(例えば40g/mから、60g/mから、80g/mから、100g/mから、120g/mから、140g/mまたは160g/mから)から185g/m(例えば160g/m、140g/m、120g/m、100g/m、80g/m、60g/mまたは40g/m)の乾燥坪量を含む。複合布帛は、例えば、吸収性物品(例えばコア-外被として)の吸収性コアにおいて吸収材料を包むために使用することができる。幾つかの実施形態において、複合布帛は、複合布帛の第1の層が吸収材料にかぶさり、複合布帛の第2の層が吸収材料の下になるように、吸収材料を挟みこむために使用することができる。
【0051】
幾つかの実施形態において、吸収性物品中の複合布帛は、20g/m以上(例えば30g/m以上、40g/m以上)および/または50g/m以下(例えば40g/m以下、または30g/m以下)の乾燥坪量の、例えば、20g/m~50g/m(例えば、30g/m~40g/m)の乾燥坪量の不織布層を、および70g/m以上(例えば80g/m以上、90g/m以上、100g/m以上、110g/m以上)および/または120g/m以下(例えば110g/m以下、100g/m以下、90g/m以下または80g/m以下)の乾燥坪量の、例えば、70g/m~120g/m(例えば80g/m~110g/m)の乾燥坪量の架橋セルロース層を有する。吸収性物品は、複合布帛を含む流体捕集分配層を含むことができる。例えば、複合布帛は、吸収性コアまたは超吸水性ポリマーを覆って配置することができる。複合布帛の架橋セルロース層は、吸収性コアの表面に面することができる。吸収性物品は、吸収性物品が複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験の第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有することができる。幾つかの実施形態において、吸収性物品はおむつまたは失禁製品である。
【0052】
ある実施形態において、複合布帛は、20g/m以上(例えば30g/m以上、または40g/m以上)から50g/m以下(例えば40g/m以下、または30g/m以下)の乾燥坪量の不織布層および40g/m以上(例えば50g/m以上、60g/m以上)および/または70g/m以下(例えば60g/m以下、または50g/m以下)の乾燥坪量の架橋セルロース層を含む。幾つかの実施形態において、複合布帛は、20g/m~50g/m(例えば30g/m~40g/m)の乾燥坪量の不織布層および40g/mから70g/m未満(例えば40g/m~60g/m、または50g/m)の乾燥坪量の架橋セルロース層を含む。吸収性物品は、例えばコア-外被として、吸収性コア内の吸収材料を包むことができる複合布帛を含むことができる。例えば、複合布帛は、吸収性コア内の超吸水性ポリマーなどの吸収材料を包むことができる。幾つかの実施形態において、複合布帛は、吸収性コア中に吸収材料(例えばバルク超吸水性ポリマーなどのバルク吸収材料)を完全に包む。幾つかの実施形態において、複合布帛は、複合布帛の第1の層が吸収材料にかぶさり、複合布帛の第2の層が吸収材料の下になるように、吸収材料を挟みこむために使用することができる。複合布帛の架橋セルロース層は、吸収材料の表面と接触することができる。吸収性物品は、吸収性物品が吸収材料を包む複合布帛を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験の第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有することができる。幾つかの実施形態において、吸収性物品はおむつまたは失禁製品である。
【0053】
吸収性コアは、例えば、米国特許第8,674,169号および国際出願PTC/WO2020/046627号に記載され、そのそれぞれは本明細書にその全体が組み込まれる。幾つかの実施形態において、吸収性コアは、伝統的なフラッフコア、溝のあるフラッフコア、複合コア(例えば多層コア)、および/またはSAPを含むことができる。幾つかの実施形態において、SAPは、接着剤の助けによって吸収性物品の内部に含むことができる粒子の形態をしている。
【0054】
本開示の複合布帛は、1種または複数のパターンを用いてエンボス加工し、折り目を付け、および/または穿孔することができる。吸収性物品に使用される場合、エンボス、折り目および/または穿孔は、物理的に分配し、流路を作り、または、他の方法で液体吐出の流動に影響を及ぼすことができる。例えば、複合布帛は、繰り返しパターンなどのパターンでエンボス加工することができる。例えば、複合布帛の断面がひだまたは折り目によって山と谷を形成するように、複合布帛にひだを付け、折り重ね、または他の方法でテクスチャー表面を有することができる。吸収材料、例えばSAPは複合布帛の谷に存在することができる。複合布帛にひだ、折り目を付け、または他の方法でテクスチャー表面を有する場合、不織布層または架橋セルロース層のいずれかは、吸収性物品の吸収性コアの吸収材料に面することができる。幾つかの実施形態において、複合布帛は穿孔されて、スリット、流路および/または孔などの貫通開口部を有するすることができる。
【0055】
幾つかの実施形態において、生体液を受けた(例えば、濡れた)場合、複合布帛は臭気を中和する。
上記実施形態のいずれかの1つにおいて、複合布帛はラテックス、ラテックス結合繊維、水圧膨張層、前処理された不織布層、リヨセルおよび/またはレーヨンが欠けていてもよい。
【0056】
以下に記載のように、本開示の複合布帛は、パーソナルケア吸収性製品などの吸収性物品に組み込むことができる。パーソナルケア吸収性製品は、おむつ、失禁製品、女性用衛生製品、ワイプ、タオルおよびティッシュを含むことができる。
複合布帛を製造する方法
幾つかの実施形態において、架橋セルロース層は不織布層上にエアレイドまたはドライレイドされて本開示の複合布帛を与える。幾つかの実施形態において、架橋セルロース層は不織布層上にウエットレイドされる。架橋セルロース層からの架橋したセルロース繊維は、界面領域中で不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメントへ水流絡合することができる。例えば、水流絡合プロセスにおいて、水流絡合の水噴射はまずセルロース質繊維と接触し、不織布ポリマー繊維へセルロース質繊維を押し込む。水流絡合プロセスは、例えば、米国特許出願公開第2018/0326699号およびカナダ国特許第841,938号に記載され、そのそれぞれは参照によって本明細書にその全体が組み込まれる。
【0057】
水流絡合ステップは、繊維に衝突する高圧水の複数の細い噴射の作用によって異なる繊維型に絡合を引き起こす。細かく動きやすいスパンレイドフィラメントは、それ自体で、および他の繊維とともに捻り絡合し、繊維型がすべて入念に混合され統合された、非常に高強度を有する材料を与える。絡合水は、形成する織物を通して排水され、精製の後に所望の場合、リサイクルすることができる。水流絡合に必要なエネルギー供給は、比較的低い、すなわち、材料は絡合し易い。
【0058】
織物を形成するための水流絡合プロセスは、高速度の水の噴射を使用して、ウェブの繊維を機械的に互いに包み結ぶことによって行われる。プロセスは、繊維質ウェブと衝突する水の細かく高速度の噴射を使用し、繊維を互いにカールさせ絡合させる。水噴射はウェブを穿孔し、繊維を絡合し、水噴射の下でウェブを担持する、形成ベルトのパターンを反映する織物を生成する。これによって、テキスタイル織物の外観および良好なドレープ性を有する織物を生成する。結合剤を、一部の水流絡合織物に添加して、液体忌避にするためにそれらの強度および寸法安定性を高めることができる。プロセスはドライレイドウェブおよびウエットレイドウェブで使用することができる。低速度水噴射を使用する、より低エネルギーの水流絡合プロセスは、場合によって結合剤を含むことができる、より少ない絡合を有する製品を与えることができる。水流絡合プロセスは、例えば、Association of the Nonwoven Fabrics Industry (INDA), Cary NC 1999によって出版されたThe Nonwovens Fabric Handbookに記載され、本明細書に参照によってその全体が組み込まれる。
【0059】
「レイイング」プロセスは、ウエットレイイングおよびエアレイイング(後者は時に、またドライレイイングとも称される)を含む。例示のドライレイイングプロセスは、通常層を形成するエアレイイング、カーディングおよびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。組み合わせの例は、通常、層中にスパンボンドメルトブロースパンボンド(SMS)、スパンボンドカード(SC)、スパンボンドエアレイド(SA)、メルトブローエアレイド(MA)およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。直接押出を含む組み合わせは、直接押出プロセスとほぼ同じ時点で(例えばSAおよびMAに対する、スピン形および共形)、または後続の時点で組み合わせることができる。上記の例において、1つまたは複数の個々の層は各プロセスによって作成することができる。例えば、SMSは3つの層、「sms」ウェブ、5つの層「ssmms」ウェブ、またはそのいずれかの妥当な変形を意味することができ、ここで、小文字は個々の層を指定し、大文字は、同様の隣接した層のまとまりを指定する。
【0060】
図1は、織物または繊維の形態にすることができる不織布材料へ架橋したセルロース繊維を絡合する水流絡合プロセスを示す。図1を参照すると、架橋したセルロース繊維114は不織布材料112上に供給され、水噴射102は架橋したセルロース繊維に方向付けされて、不織布材料にセルロース繊維を押し込み、それによって複合布帛110を与える。より高い水圧で、不織布材料中への架橋セルロース繊維の貫入の程度が増加するように、水噴射圧力を変動することができ、界面領域116は厚さを増加させることができる。
【0061】
幾つかの実施形態において、本開示は、複合布帛を製造する方法であって、ポリマー繊維および/またはフィラメントを供給するステップ;架橋したセルロース繊維を供給するステップ;架橋したセルロース繊維をエアレイイングまたはウエットレイイングして、ポリマー繊維および/またはフィラメントの不織布層に、不織布層と対向して位置する架橋セルロース層を与えるステップ(例えば架橋セルロース層および不織布層と異なる介在層なしで;幾つかの実施形態において、架橋セルロース層は、不織布層に直接隣接している。);および、不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメントと、架橋セルロース層からの架橋したセルロース繊維を物理的に絡合して、乾燥状態で機械的に不可分である不織布層と架橋セルロース層との間の界面領域を与えるステップを含む方法を特色とする。
【0062】
幾つかの実施形態において、不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメントと架橋セルロース層からの架橋したセルロース繊維とを物理的に絡合するステップは、ポリマー繊維および/またはフィラメントへ架橋したセルロース繊維を水流絡合するステップを含む。ポリマー繊維および/またはフィラメントは、結合カードウェブ織物、カードウェブ、スパンボンド織物、メルトブロー織物またはそれらのいずれかの組み合わせの形態をとることができる。幾つかの実施形態において、ポリマー繊維は合成である。
【0063】
幾つかの実施形態において、不織布層は最上層であり、架橋セルロース層は最下層である。ある実施形態において、不織布層は最下層であり、架橋セルロース層は最上層である。不織布層と絡合する前に架橋セルロース層を前もって形成することができる。幾つかの実施形態において、架橋セルロース層は、不織布層と絡合する前に、前もって形成されず、および/または、不織布層は、架橋セルロース層と絡合する前に前もって形成されない。ある実施形態において、不織布層は、絡合プロセス中に前もって形成しても、インサイチューで形成してもよい。
【0064】
本開示は、不織布の一体性および架橋したセルロース繊維の吸収性を一緒に組み合わせて優れた流体管理能力、および、回復力/バンチングフリーなどの物理的特性の両方を提示する。
吸収性物品
本開示の複合布帛は吸収性物品に使用することができる。図2Aを参照すると、複合布帛110は例えば、フラッフまたはSAPを含むことができる吸収材料210を覆って流体捕集および分配層(ADL)として吸収性物品中に使用することができる。複合布帛110は、フラッフまたは超吸水性ポリマーを含む吸収性コアを覆って配置することができ、架橋セルロース層114は、吸収材料の表面に面し、および/または接触する。幾つかの実施形態において、図2Bおよび図3を参照すると、本開示の複合布帛110は吸収材料220を包むために(例えば吸収材料220のまわりのコア-外被として)使用することができ、ここで、架橋セルロース層114は、吸収材料220の表面に面しおよび/または接触する。幾つかの実施形態において、複合布帛は、複合布帛の第1の層が吸収材料にかぶさり、複合布帛の第2の層が吸収材料の下になるように、吸収材料を挟みこむために使用することができる。吸収材料220はフラッフパルプ(すなわちフラッフ)、高ロフト通気型結合カードウェブ(TABCW)、および/またはSAP 330を含むことができる。幾つかの実施形態において、吸収材料220は高密度化したフラッフパルプおよびSAPを含むことができる。図3に示されるように、包まれた吸収材料は、液体浸透性のトップシート310とバックシート320の間に挟みこんで吸収性物品300を与えることができる。バックシート320は液体不浸透性とすることができる。
【0065】
幾つかの実施形態において、吸収材料は、30重量%以上(例えば40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上)および/または90重量%以下(例えば80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下または40重量%以下)の吸収性合成ポリマー、ならびに10重量%以上(例えば20重量%以上、30重量%以上、40重量%以上、50重量%以上、60重量%以上)および/または70重量%以下(例えば60重量%以下、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下または20重量%以下)のフラッフパルプを含む。幾つかの実施形態において、吸収材料は、フラッフパルプおよびSAPの高密度化した混合物を含むことができる。
【0066】
複合布帛が、ADLとして、吸収材料のまわりの外被として、または他の方法でそれを挟みこむように使用される場合、従来のADLまたはコア-外被材料を含む吸収性物品と比較して、または不織布層もしくは架橋セルロース層の1つを有する吸収性物品、または絡合していない不織布層と架橋セルロース層との組み合わせと比較して、吸収性物品において、改善された流体管理が観察される。
【0067】
幾つかの実施形態において、吸収材料がSAPを含んでいる場合、SAPは、例えば接着剤の助けを借りて織物によって吸収性物品の内部に保たれた粒子の形態をとることができる。
【0068】
複合布帛が吸収材料(例えば、フラッフおよび/またはSAP)のまわりを覆って吸収性コア(例えば図2Bおよび図3)を与える場合、吸収材料を、複合材ラップによって完全にまたは部分的に覆うことができる。機能において、複合布帛は、またこの単純化された設計で流体捕集分配層として役立つことができる。
【0069】
吸収性物品はパーソナルケア吸収性製品を含むことができる。例えば、パーソナルケア吸収性製品は、おむつ、失禁製品、女性用衛生製品(例えば生理ナプキン、パンティーライナー)、ワイプ、タオル、および/または、ティッシュを含むことができる。ある実施形態において、吸収性物品は、おむつ、失禁製品または女性用衛生製品である。
【0070】
幾つかの実施形態において、本開示の吸収性物品は、複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、平坦捕集荷重下試験において、第1の流体曝露から第2の後続の流体曝露までに少なくとも23%の吸込み時間短縮を有する。
【0071】
幾つかの実施形態において、吸収性物品は、吸収材料を包む複合布帛を含む場合、平坦捕集荷重下試験において、第1の流体曝露から第2の後続の流体曝露に少なくとも25%の吸込み時間短縮を有する。
【0072】
幾つかの実施形態において、吸収性物品は、複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、吸収性物品は、平坦捕集荷重下試験において第2の流体曝露から第3の後続の流体曝露までに少なくとも8%の吸込み時間短縮を有する。
【0073】
幾つかの実施形態において、吸収性物品は、吸収材料を包む複合布帛を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第2の流体曝露から第3の後続の流体曝露までに少なくとも12%の吸込み時間短縮を有する。
【0074】
幾つかの実施形態において、吸収性物品は、複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験において第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有する。
【0075】
幾つかの実施形態において、吸収性物品は、吸収材料を包む複合布帛を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験において第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有する。
【0076】
幾つかの実施形態において、吸収性物品は、複合布帛、または吸収材料を包む複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第1の流体曝露から0.5g未満の再含湿量を有する。
【0077】
幾つかの実施形態において、吸収性物品は、複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第2の流体曝露から0.5g未満の再含湿量を有する。
幾つかの実施形態において、吸収性物品は、吸収材料を包む複合布帛を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第2の流体曝露から0.8g以下の再含湿量を有する。
【0078】
幾つかの実施形態において、吸収性物品は、複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第2の流体曝露から第3の後続の流体曝露までに11.9g未満の再含湿量が増加する。
【0079】
幾つかの実施形態において、吸収性物品は、複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第1の流体曝露から第2の後続の流体曝露までに0.35g未満の再含湿量が増加する。
【0080】
幾つかの実施形態において、吸収性物品は、吸収材料を包む複合布帛を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第2の流体曝露から第3の後続の流体曝露までに4.42g未満の再含湿量が増加する。
【0081】
幾つかの実施形態において、吸収性物品は、吸収材料を包む複合布帛を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第1の流体曝露から第2の後続の流体曝露までに0.73g未満の再含湿量が増加する。
【0082】
ADLまたは吸収材料を包む複合布帛を含むおむつの幾つかの実施形態についての流体曝露当たり例示の再含湿量範囲は、表1に示される。
【0083】
【表1】
【0084】
女性用衛生製品
本開示の複合布帛は、女性用衛生製品(例えば生理ナプキン、パンティーライナー)などの吸収性物品において使用することができる。女性用衛生製品は、ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む不織布層;架橋したセルロース繊維を含む、不織布層と対向して位置する架橋セルロース層;ならびに不織布層からの物理的に絡合したポリマー繊維および/またはフィラメント、および架橋セルロース層からの架橋セルロース繊維を含む不織布層と架橋セルロース層との間の界面領域を含む複合布帛含むことができ、ここで、不織布層および架橋セルロース層は、乾燥状態で機械的に不可分である。
【0085】
女性用衛生製品は、吸収材料を含む吸収性コアを含むことができる。幾つかの実施形態において、複合布帛は吸収性コアを覆って配置される。幾つかの実施形態において、複合布帛は、吸収材料の少なくとも一部を包む。幾つかの実施形態において、複合布帛は、複合布帛の第1の層が吸収材料にかぶさり、複合布帛の第2の層が吸収材料の下になるように、吸収材料をサンドイッチするために使用することができる。
【0086】
流体吐出にさらされた場合、複合布帛は、前方部、中間部および女性用衛生製品の後方部に流体を分配する。幾つかの実施形態において、流体吐出にさらされた場合、女性用衛生製品の複合布帛の前方部、中間部および後方部それぞれは、各部分の20重量%から45重量%以内の流体の量を含む。本明細書において使用される場合、中間部は長さ7.5cmであり、前方部および後方部の間に位置し、残りの長さは、前方部と後方部の間に同等に割り当てられる。
吸収性物品の構成-吸収性コア
本開示の複合布帛は、吸収性物品中に含むことができ、種々の目的の中でも、捕集分配層(ADL)として役立つことができ、または吸収材料のまわりを少なくとも部分的に覆うために使用することができ、幾つかの吸収材料の1つまたは複数であっても、それを含んでいてもよい。「コア-外被」吸収性物品の様々な例示の構成は、以降のパラグラフにおいて図4~8Cを参照して記載される。
【0087】
図4は、本開示の実施形態による、例示の吸収性物品400を説明する概要図である。幾つかの実施形態において、例示の吸収性物品400は、バックシート405、吸収性コア410およびトップシート415を含む。例示の吸収性物品400は、トップシート415を介して液体吐出を受け取り、吸収性コア410を通して液体を分配し、液体を吸収するように構成され、一方で、液体がバックシート405を迂回することを抑制し、それによって吸収性物品400の着用者が経験する濡れ、不快および/または刺激を低減または解消する。例示の吸収性物品400は、図3を参照して説明される吸収性物品300の例である。
【0088】
幾つかの実施形態において、バックシート405は、液体に対して不浸透性の構成材料、例えば、液体不浸透性の障壁を生成するポリマー状、エラストマーおよび/または金属材料の1つまたは複数の層を含む。逆に、トップシート415は、液体に対して浸透性のある材料を含むことができ、その結果、トップシート415に注がれる液体吐出を吸上げ、流路を開き、または、そうでなければ物理的な抵抗がほとんど無くトップシート415から吸収性コア410に通過することができる。集成されると、トップシート415は吸収性コア410にかぶさることができ、バックシート405の内側表面と接触することができる。このように、バックシート405の内側表面との接触は、吸収性コア410の周辺あたりおよび/またはバックシート405と同じ広がりの1点または複数点でバックシート405との接触を含むことができる。様々な構成によって、吸収性コア410の著しいバンチングまたは締めつけなしで、吸収性物品が曲がったりねじれたりするのを可能にすることができる。
【0089】
バックシート405は、内側表面420および外側表面425を画定することができる。内側表面420は物理的な止め金、ラッチ、タブ、接着剤または別の構成であっても、それを含んでもよく、それによってバックシート405は、機械的に吸収性コア410および/またはトップシート415と連結することができ、それによってバックシート405は、取り除けるように着用者の衣服と連結することができる。幾つかの実施形態において、吸収性物品はファスナーがないパンツ形態であってもよい。例えば、吸収性コア410は、バックシート405の内側表面420に配置することができ、保持し、保ち、固定し、または、そうでなければバックシート405と機械的に連結することができる。幾つかの実施形態において、バックシート405およびトップシート415は一緒に吸収性コア410を取り除けるように配置することができる窪みを画定する。このように、吸収性物品400は再使用可能になり、または、堆肥にすることができる材料の処分、およびプラスチック成分のリサイクルを促進するために取り外すことができる。
【0090】
幾つかの実施形態において、本開示のバックシート405、トップシート415、吸収性コア410および複合布帛は、エンボス加工し、折り目を付け、ひだを付け、および/または穿孔して物理的に分配し流路で流し、または、そうでなければトップシート415に注がれる液体吐出の流動に影響を及ぼすことができ、ここで、折り目またはひだが付けられた複合布帛は、場合によって、折り目またはひだ内に吸収材料を含む。複合布帛にひだまたは折り目が付けられるか、そうでなければテクスチャー表面を有する場合、不織布層または架橋セルロース層のいずれかは、吸収性物品の吸収性コアの吸収材料に面することができる。
【0091】
幾つかの実施形態において、トップシート415は、吸収性物品を身につける間に着用者の感覚を改善するためにテクスチャー化される。例証となる例において、テクスチャーおよび/またはパターンは、吸収性物品400を通して空気の循環を改善するために1つまたは複数の細孔を含むことができ、それによって着用者の皮膚の表面近くの湿度を低減し臭気を隔離および/または変性する。同様に、トップシート415は、トップシート415の液体透過性や空隙率を変えずに、表面にソフト感を与えるミクロテクスチャー表面を含むことができる。
【0092】
図5A~5Eを参照して、コア-外被吸収性物品の様々な構成が記載される。図5Aは、構成材料の一例、および企図される構成を説明する。図5B-8C、吸収性物品の実施形態に含むことができる追加および/または代替の構成および/または材料を説明する。
【0093】
図5Aは、本開示の実施形態による、図4の例示の吸収性物品400の内部構造を説明する概要図である。例示の吸収性物品400は、吸収性コア410の構成要素として、吸収材料510の少なくとも一部を囲んで配置される、本開示の複合布帛を含むかまたはそれから形成することができる分配層505を含む。分配層505および吸収材料510は一緒に、トップシート415に注がれる液体吐出を分配、吸収し、後続の初期吸収の再湿潤を低下させるために作用することができる。
【0094】
幾つかの実施形態において、吸収材料510は、吸収性コア410の上側表面515および下側表面520を画定する。分配層505は、上側表面515および下側表面520の少なくとも一部を囲む。分配層505は、吸収性コア410の上側表面515および下側表面520を完全に囲むことができる。例えば、分配層505は、吸収材料510のまわりに覆われた、4辺を有する長方形-平面材料であっても、それを含んでもよく、吸収性コア410の下側表面520に沿って、または上側表面515に沿って2辺は互いに接触する。
【0095】
分配層505は、2つ以上の構成層を含む複合布帛110であっても、それを含んでいてもよい。構成層は、不織布層112および架橋セルロース層114を含むことができる。不織布層112は、先の図を参照してより詳細に記載されたようにポリマー繊維および/またはフィラメントであっても、それを含んでいてもよい。対照的に、架橋セルロース層114は、架橋したセルロース繊維であっても、それを含んでいてもよい。
【0096】
架橋セルロース層114は、不織布層112と対向して位置することができ、図1~3を参照して詳細に記載されたように、不織布層112と架橋セルロース層114の間の界面領域116を画定することができる。界面領域116は、物理的に絡合した不織布層112からのポリマー繊維および/またはフィラメント、ならびに架橋セルロース層114からの架橋したセルロース繊維を含むことができる。このように、不織布層112および架橋セルロース層114は、乾燥状態で機械的に不可分となり得る。
【0097】
代替として、図5Bおよび図5Cを参照すると、分配層505は、吸収性コア410の上側表面515または下側表面520に切れ目525を画定することができる。切れ目525が液体を保持することができるか、そうでなければ分配層505を通して液体の分配を損なうことがある場合には、吸収性コア410は、切れ目525を覆って配置されたカバー分配層530をさらに含むことができる。カバー分配層530は、カバー分配層530の少なくとも一部と吸収材料510との間に分配層505が配置されるように、分配層505の少なくとも一部にかぶさることができる。組立の観点では、分配層505は、吸収材料510の部分のまわりを覆い、上側表面515または下側表面520に切れ目525を画定することができ、圧力、接着剤、物理的閉鎖または他の手法によって連結することができ、それにわたってカバー分配層530は、同様の技法によって分配層505と物理的に連結することができる。幾つかの実施形態において、カバー分配層530は、複合布帛110であるか、またはそれを含み、その結果、カバー分配層530が吸収材料510と接触する場合、それは、分配層505と同じ方式で液体を分配する役目をする。
【0098】
図5Dおよび図5Eを参照すると、カバー分配層530は、分配層505の少なくとも一部と吸収材料510との間にカバー分配層530が配置されるように、分配層505の少なくとも一部の下にあってもよい。組立の観点では、カバー分配層530は、圧力、接着剤、物理的閉鎖または他の手法によって吸収材料510と物理的に連結することができ、それにわたって分配層505は、上側表面515または下側表面520に切れ目525を画定して、吸収材料510の一部のまわりを覆うことができ、それによって、カバー分配層530および吸収材料510と連絡することができる。
【0099】
図6A~6Dを参照すると、カバー分配層530は、先に記載のようにスパンボンドメルトブロースパンボンド(SMS)材料、スパンボンド(SB)材料、スパンボンドカード(SC)、スパンボンドエアレイド(SA)、メルトブローエアレイド(MA)またはそれらの組み合わせであっても、それを含んでいてもよい。図5B~5Eを参照して記載したように、SMSおよびSB材料は、分配層505の少なくとも一部にかぶさり、分配層505の下に配置することができ、吸収性コア410の切れ目525の位置に対応して、上側表面515または下側表面520に配置することができる。
【0100】
幾つかの実施形態において、図7Aおよび図7Bを参照して、分配層505は、吸収性コア410の上側表面515または下側表面520に、分配層505の幅の少なくとも一部535が重なる。長方形-平面材料の例において、2辺は、上側表面515または下側表面520に重なることができる。有利には、重なる部分を含む構成は、カバー分配層530の調製および配置に関与するステップを含まない、より少ないプロセスで製作することができる。
【0101】
図8A図8Bおよび図8Cを参照すると、吸収材料220は、また図4の例示の物品400の一部として含まれてもよい吸収性物品300を参照して記載される。吸収性コア中の吸収材料220は、吸収性物品300の改善された吸収、吸上げおよび/または保持の性質を与えるために選択される1種または複数の構成材料であっても、それを含んでいてもよい。例えば、吸収材料220は、合成吸収性ポリマー330および高ロフト通気型結合カードウェブ(TABCW)810であっても、それを含んでいてもよい。別の例において、吸収材料220は、吸収性合成ポリマー330およびフラッフパルプ815であっても、それを含んでいてもよい。吸収材料220は前述の材料を組み合わせて含むことができる。幾つかの実施形態において、吸収材料220は、30%~90重量%の吸収性合成ポリマー330、および10%~70重量%のフラッフ815を含む。吸収材料の組成は、以下の吸収性物品の試験手順を参照して記載されるように吸収性、重量、密度および他の湿潤性のバランスによって少なくとも一部、決定することができる。例えば、吸収性合成ポリマー330は保持の増加を示すことができるが、フラッフ815は捕集および吸上げを改善することができる。このように、吸収性物品の全体的な性能は、例えば、量が比較的少ないが、長期間にわたってしっかりと吸収されるべき場合の用途とは対照的に比較的大量の液体が迅速に吸収されなければならない場合は、吸上げがより望ましくなり得る、特定の用途に依存することがある。
【0102】
このように、吸収材料220は、5%~99重量%の吸収性合成ポリマー330および1%~95重量%のフラッフ815、10%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~90重量%のフラッフ815、15%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~85重量%のフラッフ815、20%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~80重量%のフラッフ815、25%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~75重量%のフラッフ815、30%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~70重量%のフラッフ815、35%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~65重量%のフラッフ815、40%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~60重量%のフラッフ815、45%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~55重量%のフラッフ815、50%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~50重量%のフラッフ815、55%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~45重量%のフラッフ815、60%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~40重量%のフラッフ815、65%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~40重量%のフラッフ815、70%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~30重量%のフラッフ815、75%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~25重量%のフラッフ815、80%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~20重量%のフラッフ815、85%~90重量%の吸収性合成ポリマー330および10%~15重量%のフラッフ815を含むことができ、それらの端数または内挿を含む。
吸収性物品の試験手順
吸収性物品の無荷重サドル吸上げ
この試験は、吸収性衛生用製品が、ヒトの使用中に、吸収性物品の位置をシミュレートする「U」形サドルに束縛される間にどれくらい迅速にある量の流体を吸収することができるかを求める。さらに、試験は、流体すべての用量の後に流体を吸上げた距離を求める。この試験は、実生活での使用に類似した構成で、吸収性物品の流体吸込みおよび流体分配能力を評価する。
必要とされる設備および材料
この試験のために必要とされる設備および材料は以下の通りである:定規、模擬尿(0.9%の食塩水)、サドル装置、分注管がおむつに触れるのを防止するためのアタッチメントを有する分注配管を含む蠕動ポンプ、タイマー、ストップウォッチ、磁性板および4つの磁石。
【0103】
試料の調製
1. 試料の寸法を求める。
2. 幼児用製品を試験する場合は、製品の長さおよび幅を測定する。
3. 試料長の中心に目印を付ける。
4. 試料の前方に向かって9cm測り、吸収性コア幅を参照して確実に「X」が中心になるように「X」で目印を付ける。「X」は吐出点になる。
5.場合によって、おむつの弾性のある脚部ギャザーは、切断がおむつの吸収能力を妨げない限り、試験する容易さのために切断してもよい。
【0104】
較正
1. 試験するポンプの入口に適合することができる容器に、試験用の0.9%の食塩水の適正量を準備する。
2. ポンプを所望の流速および用量に設定する。幼児用製品については、速度900ml/分および用量85mlであるべきである。
3. メスシリンダーへ1回分を分注する。用量が正しくない場合は、配管を較正する。
【0105】
試験手順
1. 表面が分注点と接触することなく、吐出点に垂直におよび吸収性物品表面に可能な限り近くに分注管を配置する。
2. 蠕動ポンプ、ストップウォッチおよびタイマー(20分に設定)を同時にスタートさせる。
3. 流体が吸収されたら、ストップウォッチを停止する。
4. 20分のタイマーが終了したら、ステップ1~3をさらに2回繰り返す。
5. 20分タイマー終了の第3巡目の後に、吸収性物品を取り出し、磁性板に平らに広げ、適当な場所に吸収性物品を固定する。
6. 流体が吸収性物品の吐出点から前方および後端へ向かって吸上げた距離を測る。吸上げ距離を求めるために、試験装置は、流体の大部分を吸上げた最も遠い吸上げ距離を特定し、中心から外れた吸上げ距離は除外するものとする。
吸収性衛生用製品としての荷重下の平坦捕集
この試験では、吸収性衛生用製品が高圧力下でどれくらい迅速にある量の流体を吸収することができるか、それに加えて、どれくらいよくその流体を保持するか求める。したがって、この試験は、吸収性物品の荷重下での流体管理能力を評価する。
必要とされる設備および材料
この試験のために必要とされる設備および材料は以下の通りである:磁性板および磁石、容量1,000グラム、感度0.01gの天秤、定規、模擬尿(0.9%の食塩水)、吐出プレート、再含湿プレート、分注配管付き蠕動ポンプ、吸取紙、2.62kPa(0.38psi)のおもり、2台のタイマー、ストップウォッチ。
【0106】
試料の調製
1. 2つの磁石を使用して前方または後方の2つのタブのいずれかから、磁性板上に試料を取り付ける。
2. おむつをピンと張って引っ張り、さらに2つの磁石を使用して、使用可能な2つのタブでおむつを押し下げて張力を維持する。
3. 吸収コアの前方から150mmで、吸収コアの幅方向の中心にある吐出点にラベル付けする。
【0107】
較正
1. 試験用ポンプの入口に適合することができる容器に試験用の0.9%の食塩水の適正量を準備する。
2. ポンプを所望の量および速度に設定する。
3. 幼児用製品には900mL/分の速度および用量85mLであるべきである。
4. メスシリンダーへ1用量を分注する。用量が正しくない場合は、ポンプを較正する。
【0108】
試験手順
第1の吸込み/再含湿
a) 製品上に吐出ボードを置き、吸収性コアの前辺に吐出ボードの前辺を合わせる。吐出点が円柱の中心であることを確認する。
b) ボードに2.62kPa(0.38psi)の荷重をかける。
c) 円柱へ85mlの食塩水を分注する。
d) 分注直後に、ストップウォッチを同時にスタートさせ、タイマーを15分に設定する。
e) 食塩水がすべて製品へ吸収されたら、ストップウォッチを停止し、捕集時間を記録する。
f) 1枚の乾燥した吸取紙を秤量し、重量を記録する。
g) 短辺を吸収性コアの前辺に揃えて、前もって秤量した再含湿吸取紙を置き、吸取紙の上部中央に再含湿プレートを置く。
h) 再含湿プレートに2.62kPa(0.38psi)の荷重をかける。
i) 2分に設定したタイマーを再びスタートする。
j) 再含湿を2分待った後に、再含湿プレートおよび再含湿吸取紙を取り出す。
k) 吸取紙を秤量する。
l) 吐出点から吸収性物品の前方および後端へ流体を吸上げた距離を測定し、それぞれ「前方吸上げ距離」および「後方吸上げ距離」としてそれぞれ別々に記録する。吸上げ距離を求めるために、試験装置は流体の大部分を吸上げた最も遠い吸上げ距離を特定し、中心を外れた流体の吸上げを除外するものとする。
【0109】
第2の吸込み/再含湿
a) 再含湿として第2の使用の乾燥した吸取紙以外は、第1の吸込みの手順に従う。
第3の吸込み/再含湿
再含湿として第3の使用の乾燥した吸取紙以外は、第1の吸込みの手順に従う。
【0110】
計算
再含湿値(g)=再含湿(g)後の吸取紙重量- 再含湿(g)前の吸取紙重量。
面内放射状透過性(IPRP)試験
透過性は、一般に液体または気体が多孔質材料の通過を引き起こすその品質を指し、そういうものとして、一般にそれを通る所与の流体の質量流速から求められる。吸収性構造の透過性は、構造内の液体を迅速に捕集し輸送する材料の能力と関係があり、その両方が吸収性物品の重要な特徴である。したがって、透過性の測定は、吸収性物品で使用される材料の適合性が評価され得る1つの計量である。多孔質材料の面内放射状透過性(IPRP)は、本明細書において参照によってその全体が組み込まれる米国特許第10,287,383号に記載の方法に従って測定される。定圧下の材料の環状試料を通して放射状に流動する食塩水(0.9%のNaCl)の量は、時間の関数として測定され、試験は、23℃±2℃および相対湿度50%±5%で遂行される。試料はすべて試験前に24時間この環境において調節される。
厚さ、嵩高さおよび密度
この方法は、規定時間印加する規定荷重を使用するモーター駆動マイクロメーターの使用によって、材料の単一シート厚さを求めるために使用される。方法はTAPPI T 411に基づく。
【0111】
この方法は、見かけの厚さの測定のためのIPC Soft Platen技法を使用するのに適している。この技法は、圧力面を柔らかいネオプレンゴムでカバーされたマイクロメーターを用いる。これは、ラテックスが表面不規則状態に追随する能力により厚さの読みを低減する効果を有する。段ボール原紙および中しん原紙などのざらざらな、または不規則な表面を有する材料を測定する場合、これは有用である。
必要とされる設備:0.001mmまで正確なモーター駆動マイクロメーター
0.0005mm以内の既知の厚さの、ワイヤーまたは他の適切な較正ゲージゲージは、厚さの範囲(例えば0.2~1.0mm)にわたって及ぶべきである。
手順:
ステップ1.1:リントフリーの紙(Bausch and Lomb Sightsaverシリコンワイプ)を用いて圧盤の表面をきれいにし、マイクロメーターの読みを0に調節する。
ステップ1.2:圧力面を閉じ、読みを0に設定する。以下のステップ中に0をリセットしないこと。
ステップ1.3:圧力面間の切れ目を開き、それを再び閉じる。
ステップ1.4:較正ゲージのうちの1つを挿入し、最も近い0.001mmで厚さを読む。4回繰り返す。各厚さの読みおよび平均を記録する。
ステップ1.5:別のゲージ厚さを選び、ステップ4を繰り返す。残りの厚さゲージについて継続する(合計4つの異なる厚さ)。
ステップ1.6:各ゲージについて得られた読みの平均および変動係数を算定する。記録する。読みは較正されたゲージ読みと0.5%以内に合わなければならない。変動係数は0.5%以下であるべきである。
ステップ2.1:行われている範囲に最も近いゲージについてステップ1.1~1.4に従う。
ステップ2.2:ステップ1.6に従う。
ステップ2.3:単一ゲージを下側面の1つの側面(面の辺から1~2mm)に挿入することによって上側および下側圧盤の平行度を点検し、面を閉じる。最も近い0.001mmで記録する。この辺と直接対向する辺で繰り返す。
ステップ2.4:ステップ2.3を繰り返し、最初の2つから90°回転した位置で読む(すなわち、第1の読みが左辺および右辺について得られたなら、下側圧盤の前辺および後辺)。平行度(P)の誤差を算定する:
P=0.5 [(d+ (d1/2
ここで:d=読み間の差異、ステップ8.2.3。
=読み間の差異、ステップ8.2.4。
最も近い0.001mmでPを試験日誌に記録する。
P>0.005mmの場合、機器は続行する前に計測によって点検されるべきである。
ステップ3:試料は50の読みを得るのに十分であるべきである(8.6に規定される)。
ステップ4:リントフリーの紙を用いて圧盤の表面をきれいにし、マイクロメーターの読みを0に調節する。
ステップ5:ノギス開口部に単一試験片を挿入し、圧力面を閉じ、読みを安定させる。読みがなされている間、試験片に手の応力を決してかけないようにする。手を用いるかまたはSample Managerを使用してシリアルポートエントリーによる読みを記録する。
ステップ6:ランダム方式で10のノギス値読みを完了する(例えば、外側リングから15~25mmの5つの読み、および、中心から15~25mmの中心リングから5つの読み)。
ステップ7:1シート当たり5つの読みを行う:上部区域で2、中間で1、および下部区域で2。
【0112】
各試料の後、機器の「0」がなお読み0であることを点検する。
計算
計算はコンピューターによって行われる。
ステップ1:風乾した嵩高さ、1グラム当たりの立方センチメートルの算定:
嵩高さ、cm/g=1000 A/B
ここで:A=厚さ、mm
B=風乾した坪量、g/m
ステップ2:風乾(「見かけ」)密度の算定、1立方メートル当たりのキログラム:
密度、kg/m=B/A
ここで:A=厚さ、mm
B=風乾坪量、g/m
臭気制御の評価
遊離TMAの減少を測定する方法
本開示の複合布帛またはそれから製造された吸収性物品などの吸収材料によって隔離された遊離トリメチルアミン(TMA)の減少を測定する方法。実施形態において、吸収材料は閉じた容器中に配置され、ある量のTMAと接触される。吸収材料に、TMAの量の少なくとも一部を隔離する機会があった後、例えば、TMAの量は、閉じた容器のガスヘッドスペースと吸収材料との間の平衡に到達した後、ガスヘッドスペースの一部は閉じた容器から引き抜かれる。実施形態において、平衡に到達する十分な時間、TMAの量は、吸収材料と接触させ、その後、ガスヘッドスペースの一部は閉じた容器から引き抜かれ、それによってまた初期の量のTMAの少なくとも一部が吸収材料内に隔離される十分な時間を提供する。当業者なら、平衡曲線を生成する方法、または平衡を監視し特定する他の好適なツールについて容易にわかる。
【0113】
実施形態において、閉じた容器は、ガスヘッドスペースの一部が引き抜かれるのを受けて少なくとも部分的に崩壊するように構成された可撓性容器である。この点に関しては、閉じた容器からガスヘッドスペースの一部を引き抜く方が、使用者にとって容易である。
【0114】
ガスヘッドスペースの引き抜かれた部分は、ヘッドスペース中に存在する遊離TMAのガス濃度を求めるために分析される。実施形態において、引き抜かれた部分の遊離TMAの量の測定は、TMAと接触した場合に色が変化する比色定量マーカーが装填された固定相にわたってガスヘッドスペースの引き抜かれた部分を通すこと;および固定相にわたってガスヘッドスペースの引き抜かれた部分を通すことを受けて固定相において色変化の量を測定することを含む。実施形態において、遊離TMAのガス濃度を測定するためのガスヘッドスペースの引き抜かれた部分の分析は、比色定量のガス検知管(Sensidyne(登録商標)ガス検知管システムなど)を使用することを含む。比色定量の検出方法が記載されるが、TMA検出の他の方法、例えば、限定されないが、ガスクロマトグラフィーを、本開示の方法と矛盾しないで使用することができることは理解されよう。
【0115】
遊離TMAの減少は対照と比較し測定される。実施形態において、対照は、吸収材料とのTMA分子の接触を含まない対象を含むゼロ対照である。実施形態において、対照は、繊維マトリックスに連結したカルボン酸を実質上有しない、または添加されたカルボン酸を実質上有しない吸収材料である吸収材料対照である(この場合、「添加されたカルボン酸が実質上ない」または「添加されたカルボン酸を実質上含まない」とは、公知の検出方法によって限定される、添加されたカルボン酸がないこと、または0重量%から1重量%の間の添加されたカルボン酸の量を意味すると理解されたい。)。本明細書において使用される場合、「添加されたカルボン酸」とは、加工中または製作中に、未処理の吸収材料中に存在するカルボン酸の他に、添加されたか、そうでなければ吸収材料と連結されたカルボン酸の量を意味すると理解されたい。実施形態において、対照吸収材料は、カルボン酸で処理されず、そうでなければカルボン酸と連結されていないフラッフパルプ(南部産の漂白された軟材クラフトパルプなど)を含む。この点に関しては、使用者は、選ばれた対照と比較して、本明細書において記載の吸収材料の繊維マトリックスと連結されたカルボン酸によるTMA減少の量を求めることができる。
【0116】
実施形態において、吸収材料によって隔離されていず、気体ヘッドスペース(TMA)内で平衡になるTMAの量は、対照の気体ヘッドスペース(TMA)内で平衡になる対照実験において隔離されていないTMAの量と比較される。吸収材料の上のヘッドスペースにおいて測定される遊離TMAのガス濃度の減少は、対照のそれと比較して遊離TMAの減少パーセント(% TMAred)として表現されてもよい。この減少パーセントは以下の式で算定することができる。
% TMAred=(TMA-TMA/ TMA) × 100%
吸収材料または吸収性物品に吐出する流体などのTMA含有流体は、閉じた容器の側面または他の部分に存在し、TMA減少結果を歪め得ることは注目されるべきである。吸収材料や吸収性物品と接触していないそのようなTMA含有流体は、TMA含有溶液から閉じた容器のガスヘッドスペースへのTMAの揮発を増加させ得る。そのようなTMA揮発の増加は、TMA含有溶液が吸収材料または吸収性物品上に直接吐出された場合より高い相対的気体TMA濃度をもたらすことがあり、TMAを隔離する吸収材料または吸収性物品の能力を不正確に(またはその欠如を)示すことになる。
女性用衛生製品の評価プロトコル
女性用衛生試験のプロトコルは、1つの製品の性能を別のものと比較するために使用することができる標準化法を使用して、データを生成する。試験は製品重量、再含湿性能および液体分配を含む。
【0117】
製品重量、坪量および密度などの物理的属性の測定は、1つの製品を別のものと比較するための基準線情報を提供する。
吸収性製品の坪量および密度は、液体吸収、パッドの全体にわたる液体吸上げおよびパッド一体性に影響を与える。パッド全体にわたる坪量および密度均一性またはパッドの一部の計画的なプロファイリングは、製品性能に影響する。
【0118】
吸収性構造に流体が吐出された後の再含湿試験は、皮膚に対する乾燥性の証拠を提供する。再含湿値は、液体が構造へ吸収される速度、液体がどれくらいうまく吐出点から離れて吸上げられるか、および、液体がどれくらいうまく製品内に保持されるかによって影響を受ける。液体分配試験は、吐出点から吸収性製品の末端までの流体吸上げの量を定量化する。吸収性女性用衛生製品の性能を分析する場合、これらは両方とも重要な性質である。
【0119】
女性ケア製品としての吸込みおよび再含湿分析は、平坦ボードに置かれた間の女性用衛生製品の流体管理能力を評価する。この試験に使用される流体は月経の模擬流体である。標準化された分析の結果は、流体を吸込む、流体の再含湿または逆流を緩和する能力、および/または流体を吸上げる距離において製品の比較を可能にする。
必要とされる設備および材料
女性用衛生試験に必要とされる設備および材料は以下の通りである:パッドに目印を付けるための再含湿および液体分配テンプレート;坪量-密度テンプレート;フィルター紙(7.5cm x 6.2cmの長方形へ切断);蠕動ポンプ - 0.33mL/分に較正され、3本の管に3個のカムを含む;おもり、長方形、3.2kPa(0.46psi)または等価物;合成月経流体、実験室用タイマー、0.01gの感度の天秤;はさみ;定規;秤量皿;4~250mlのプラスチックビーカー;ステンレス鋼チューブホルダー;Samco Series 70プレスまたは等価物;位置テンプレートおよびダイカッター;まな板;標準シリコーン配管。
【0120】
吸込みおよび再含湿分析のために、必要とされる材料は以下の通りである:吸収性パッド、吐出ブロック;3または5mlのシリンジ;タイマー;ストップウォッチ;合成月経流体(SMF)-加工豚血液(PSB)- SMFの調製のための詳細なプロセスについて、以下を参照;フィルター紙、Whatman #3、サイズ11cm;3.8kPa(0.55psi)を生じるおもり - 標準化圧力装置;少なくとも0.001gの感度の天秤;定規;250mlのプラスチックボトル;50ml試験管。
【0121】
試験手順:
製品重量変動性
ステップ1:平均重量、標準偏差および変動係数を求めるために標準試験スプレッドシートおよび天秤を使用して、女性用衛生製品をすべて秤量する。
ステップ2:パッドを秤量しながら、各パッドの重量をラップのどこか、または直接パッドに書く。
ステップ3:重量による昇順または降順にパッドを積層する。
ステップ4:ラップが容易に外れず、試験がラップを付けたまま遂行される場合、少なくとも5つのラップを注意深く除去し秤量する。
ステップ5:調整された平均製品重量を計算するために標準試験スプレッドシートに個々の値を入力する。
ステップ6:調整された平均製品重量を求めるために試料を秤量した後、調整された平均製品重量に最も近い製品重量を有する6~12パッド(試験する反復数に応じて)を選択し、再含湿および液体分配試験のためにそれらを別にしておく。
【0122】
再含湿および液体分配のためのパッド調製
ステップ1:再含湿
および液体分配試験のために別にしたパッドをとり、2つの群にそれらを分ける:
・群1:試験する3~6のパッド
・群2:風袋重量として使用する3~6のパッド
ステップ2:ラップを緩めて開き、試料の折り目を広げ、羽根を広げて平らに置けるようにする。
ステップ3:試料をある程度の時間(4~8時間)平らに置いて、通気させ平坦化する。何らかの軽量のおもりを印加すると、このプロセスを促進するのを支援し得る。
ステップ4:羽根の中心を見つけることによって試料の中心を定め、投与のために製品に目印を付ける。
【0123】
試験の準備をするための再含湿および分配テンプレートの使用
ステップ1:再含湿および分配テンプレートは細いPlexiglasであり、試料に目印を付け3つの区分へ分けるために使用される2つのスリットを有する。テンプレートの中心の小さな孔は、テンプレートの中心、およびまた女性用衛生パッドに位置決めするべき場所を指定する。これが投与点に関して適所になったら、線は、ガイドとしてスリットを使用して、マーカーを用いてパッドに描くことができる。
【0124】
パッドの中心の目印または投与点に関してテンプレートの中心孔に並べて、パッドの長さおよび幅に関してテンプレートの位置決めする。
ステップ2:マジックインキを使用して、テンプレートのスリットの内側を辿ることによってパッド(および該当する場合、ラップ)に目印を付ける。このことで、パッドは3つの区分に分けられる。必要ならば、定規を使用してプラスチックラップ上にパッドについての線を延ばす。
ステップ3:試料の各区分に反復数および位置特定のラベルを付ける:
試験用の反復#1としては、以下のように各区分にラベル付けされる:#1F(前方)、#1M(中間)および#1B(後方)。パッドの前方がパッドの後方と区別することができない場合、以下のようにラベル付けされる:#1最後-A、#1中間および#1最後-B。風袋の反復#1としては、文字「T」(風袋)が、T#1F、T#1M、T#1と、各区分で先行するべきである。
ステップ4:パッドすべてに目印を付けた後に、風袋重量のために使用される1つを選択し、テンプレートを使用して作られた線に沿って切断する。
ステップ5:各区分の重量を秤量し記録する。
【0125】
各区分の平均風袋重量が計算され、液体分配を求めるためにワークシートの分配-パッド区分に適用される。濡れた区分が切断、秤量され、スプレッドシートに記録されて試験が完了した後、液体分配が達成される。(含湿重量(g)-乾燥重量(g)=再含湿(g))。
【0126】
各区分(前方=3.04g、中間=3.01g、後方=8.59g)の平均は、「開始重量(g)」として分配-パッド区分に付加される。
フィルター紙の準備
実際の試験を始める前に、少なくとも2時間周囲の室温/湿度にフィルター紙を調節する。
【0127】
試験する試料当たり3組の10枚の7.5cm X 6.2cmのフィルター紙をカウントし秤量する。
フィルター紙が秤量されたら、フィルター紙に重量(g)を書き、それを記録する。
【0128】
合成月経流体が投与された後、パッドに適用される位置に従って、フィルター紙にラベルを付ける。
蠕動ポンプの準備および較正
ステップ1:ポンプは60分かけて合成月経流体20mLを届けるように較正される。試料が非常に少ない場合、30分かけてより低用量の10mLも使用することができる。第2のポンプも30分かけてさらにより低用量の5mLに設定される。
【0129】
およそ50mLの合成月経流体を用いて250mlビーカーに充填することによって、蠕動ポンプの作動および較正を検証する。
ステップ2:3個の別個の250mlビーカーを前もって秤量し、それらをA、BおよびCとラベル付ける。
ステップ3:各ビーカーの重量を風袋重量として記録する。
ステップ4:月経流体に管の3つの入口(またA、BおよびCとラベル付けする)端を入れる。
ステップ5:空の250mlビーカーに出口端を入れる。
ステップ6:ポンプを準備し、それを作動させて、十分に長く運転して先の試験または長期間の間に滞留している管路中のDI水または空気をすすぎ流す。
ステップ7:一旦、ポンプが準備され、管が合成月経流体で満たされれば、較正および試験のために使用する主な250mlビーカー中に流体の少なくとも40mLが残っていることを確認する。
ステップ8:注意深く各管を取り出し、3個の対応してラベル付けされ、前もって秤量されたビーカーに出口管端部の各1つを入れる(管AはビーカーAに、管BはビーカーBに、など)。
ステップ9:タイマーを3分間に設定し、ポンプをスタートして運転する。-少量の流体が各ビーカーへ入るのが見られる。
ステップ10:タイマーが止まったら、注意深くビーカーから管を取り出し、各ビーカーを秤量し総重量(g)として重量を記録する。
ステップ11:総重量から風袋重量を引いて個々の管路の正味重量を計算し、正味重量を記録して較正を確認する。
【0130】
3本の管をすべて試験前に較正して確認する必要がある。いずれかの管の正味の値に10%を超える不一致があれば、上記に言及された同じステップに従って較正を再び行う。
ステップ12:3本の管がすべて正確に較正されたら、試験に用意した対応するステンレス鋼管ホルダーにそれらを通す。
【0131】
再含湿および液体分配試験
ステップ1:各パッドの重量を秤量し記録する。
ステップ2:女性用衛生試験箱内側に試験されるパッドを裏返して置き、投与管がパッドの目印を付けた吐出点の1cm上になるように位置決めする。パッドの辺がカールする場合、それらが平らになるように実験室用テープを使用して、実験台にパッドをテープで留める。
ステップ3:実験室タイマーを1時間設定し、ポンプをスタートさせる。
ステップ4:女性用衛生試験箱を閉じる。
ステップ5:1時間の投与の後、試料を20分間静置する。
ステップ6:20分の静置時間の後、中間から開始することによって試料の対応する区分の上にフィルター紙の積層を位置決めし、次いで他の2つの積層をパッドの前方および後方へ置くと、それらは中間の積層に触れる。
ステップ7:個々のタイマーを5分間に設定する。
ステップ8:フィルター紙およびパッドの上に長方形のおもりを置き、5分タイマーをスタートさせる。
ステップ9:5分の終わりに、おもりを取り除く。
ステップ10:フィルター紙の積層を秤量し、1つずつ含湿重量を記録する。
ステップ11:含湿パッド全体を秤量し、重量を記録する。
ステップ12:パッドの(描かれた)線に沿ってできるだけ正確に各試料を一度に1つ切断する。
ステップ13:各含湿パッド区分(#1F、#1Mおよび#1B)を秤量し重量を記録する。試験が完了するまで、他のすべてを反復してこのプロセスを繰り返す。
【0132】
計算:
再含湿値-投与後にフィルター紙に吸収された液体の量。再含湿(g)=含湿フィルター紙(g)-乾燥フィルター紙(g)。
液体分配-パッドの各(切断)区分によって吸収された液体の総量:前方、中間、後方。液体分配(g)=各区分の重量+各区分の再含湿値-各(風袋)区分の平均乾燥製品重量。
ステップ14:実験台上にパッドから流出が起きたら、失敗である。羽根および/または側面流路に流れ込むと、それは許容される。
ステップ15:試験が終了した後、DI水を用いて蠕動ポンプ管路をすべて洗い流す。
ステップ16:冷蔵庫中に残っている合成月経流体を貯蔵する。
【0133】
女性用衛生製品としての吸込みおよび再含湿
加工豚血液(PSB)からのSMFの調製
ステップ1:加工豚血液が袋で到着する。
ステップ2:穏やかに袋をもんで中身を混合する。
ステップ3:袋の縁を切り落とし、250mlのプラスチック瓶へ中身を注ぐ。
ステップ4:袋からラベルを取り出し、250mlのプラスチック瓶にそれを付ける。
ステップ5:250mlのプラスチック瓶から、およそ40mlを50ml試験管に満たす。冷蔵庫に過剰PSBを戻す。血液の粘度が経時的に変化し得るので、一度に少量を取り出すことが重要である。
ステップ6:およそ1時間でPSBを室温にする。
ステップ7:PSBの粘度を読みとる。粘度は袋ごとに、また各袋内で経時的に変化し得る。血液の粘度によって、吸込み時間は変化し得る。
ステップ8:試験中、第2の50ml試験管にPSBを満たし、温度を合わせることができる。
【0134】
女性用衛生製品の試料調製
ステップ1:原型は、バックシートおよびパッドを含まなければならない。製品の吸収性コアの長さおよび幅を測定する。
ステップ2:吸収性コアの長さおよび幅の中心に「X」と目印を付ける。「X」は吐出点になる。
ステップ3:羽根がある市販品については、中心は羽根の中間にならなければならない。
【0135】
女性用衛生製品としての吸込みおよび再含湿試験の手順:
ステップ1:孔が吐出点に関して中心に来るようにして、吐出ブロックの突出側を製品に配置する。
ステップ2:「再含湿前」の重量として3枚のフィルター紙を秤量し、それらの初期の重量を記録する。
ステップ3:月経模擬流体を含むシリンジを準備する。
ステップ4:シリンジにPSB2mLを吸込み、気泡がないことを確認する。
ステップ5:製品の吐出点にシリンジの先端を置き、吐出ブロックにシリンジを静置するが、しかしブロック上には全く圧力を加えない。
ステップ6:月経模擬流体の分注を開始し、5mL/3秒の用量速度を目標とする。同時に、ストップウォッチおよび10分タイマーをスタートさせる。
ステップ7:流体が吸収されたら、ストップウォッチを停止する。
ステップ8:10分タイマーが終了したら、ステップ3~6をさらに2回繰り返す。
ステップ9:10分タイマー終了の第3の一巡の後に、吐出ブロックを取り出す。
ステップ10:製品の上に3枚の再含湿フィルター紙を置き、大半の流体をカバーする。
ステップ11:フィルター紙の上におもりを置く。2分間タイマーをスタートさせる。
ステップ12:2分タイマーが終了したら、製品からおもりおよびフィルター紙を取り出す。
ステップ13:「再含湿後」の重量としてフィルター紙を秤量し、重量を記録する。
ステップ14:吸上げ距離が所望の場合は、試料についてPSBの長さおよび幅を測定する。
ステップ15:吸上げられた流体距離の長さおよび幅を記録する。
ステップ16:製品を折り畳み、バイオハザード廃棄物バケツにそれを処分する。
ステップ17:消毒薬溶液を用いてアクリル製吸込み再含湿ボードをきれいにする。
【実施例
【0136】
実施例1。複合布帛の組立て
本実施例の架橋繊維層は実験室スケールエアレイイング設備の使用により組み立てた。乾燥した緩いフラッフ形態の架橋した繊維を、平滑ブレンドブレードを用いて槽へ供給してさらに繊維を分散させた。槽に空気を供給して、36cm(14in) x 36cm(14in)形成ワイヤーに置いたティッシュに、ワイヤーメッシュを通して架橋した繊維を押しつけた。次いで、吸取紙の間にエアレイドで架橋した繊維マットを挟みこみ、82740kPa(12000psi)でプレスした。プレスしたマットは30cm(12in) x 30cm(12in)の寸法に切断し、次に、後の使用のために貯蔵した。架橋した繊維マット、30cm(12inz) x 30cm(12in)と同じ寸法に不織布を切断することによって、樹脂結合カードウェブおよびスパンボンド材料を用意した。2Lの水に緩く乾燥したステープル繊維を入れ、British Disintegrator中で混合物を1500rpmにかけてステープル繊維を分散させることによって、ステープル繊維を用意した。排水路区域に形成ワイヤーを置き、水が漏れ出さないように設備を封止することによって、設備の30cm(12in) x 30cm(12in)実験室スケールのウエットレイイング片を用意した。2分間低速の空気衝突を用いてステープル繊維-水スラリーを混合した。2分後、空気衝突を停止し、水は捨て、形成ワイヤー上にステープル繊維を堆積させた。吸取紙の間にウエットレイドステープル繊維マットを挟みこみ、105℃で15分間乾燥した。
【0137】
水流絡合のための架橋したセルロース繊維および不織布/ステープル繊維の2つの層を調製するために、吸取紙からエアレイド架橋したセルロース繊維マットを取り出し、不織布/ステープル繊維層に架橋したセルロース繊維マットを直接位置決めするように、樹脂結合カードウェブ、カードウェブ、スパンボンドまたはウエットレイドステープル繊維マットいずれかの上に配置した。
【0138】
コンベヤーベルト、コンベヤーベルトの上の形成ワイヤー、水噴射を押し出すコンベヤーベルトの上に配置した噴射細片、および噴射細片から出て来る水噴射の圧力を制御するポンプを含む実験室スケール水流絡合設備を用いて試料の水流絡合を遂行した。形成ワイヤーは、それが噴射細片の下にならないようにコンベヤーベルトの上に配置した。架橋繊維および不織布/ステープル繊維の組み合わせたマットを、形成ワイヤー上にそれが噴射細片の直下にならないで、不織布/ステープル繊維層が形成ワイヤーと直接接触しつつ、架橋層が噴射細片に直接面するように配置した。送水ポンプを作動させて、689kPa(100psi)未満の低い圧力で水噴射を供給した。1回のパスを、コンベヤーベルトを停止したり方向を変化させたりすることなく1つの端から反対の端まで一方向の水噴射に通して水流絡合する材料を移動することと定義した。コンベヤーベルトを操作して、架橋した繊維および不織布/ステープル繊維マットを低圧力条件で4回パスにかけて繊維を予備含湿した。次いで、水噴射の圧力を操作して表2に列挙された圧力を達成し、架橋した繊維および不織布/ステープル繊維マットをその圧力で1回パスにかけた。例えば試料10(樹脂結合カードウェブの上の架橋した繊維マット)の水流絡合は、4回の予備含湿パス、続いて1375kPa(200psi)での1回パスからなる。試料を水流絡合させたら、2枚のTeflonマット間でそれらを拘束し、105℃15~20分間オーブン中で乾燥した。
【0139】
表2は、変動する圧力で水流絡合した架橋繊維および不織布材料の異なる組み合わせを示す。水流絡合の圧力が増加するにつれて、不織布中への架橋したセルロース繊維貫入の程度は増加した。表2において、不織布は、樹脂結合カードウェブ:樹脂によって結合した合成繊維が含まれるウェブ;メルトプロセスからのフィラメントで形成されたスパンボンドウェブ;またはステープル繊維(マットとして堆積され、いかなるメカニズムによっても結合していない合成繊維である)のいずれかであった。
【0140】
【表2】
【0141】
実施例2。おむつ構成物および性質
表3を参照すると、様々なBCWを架橋したセルロース繊維と組み合わせて結果として得られる複合構造として一連の密度を生成することができる。密度の差異にもかかわらず、BCWおよび架橋したセルロース繊維を含む複合布帛はすべて改善された再含湿および吸込み値を示した。
【0142】
【表3】
【0143】
この実施例のために2種のおむつ構成物を形成し、ADLおよびコア-外被構成物と称した。構成物としての基体おむつは、市販おむつ1、不織布捕集層を含むおむつ、不織布の下の架橋したセルロース繊維、および流路を有するフラッフレスコアであった。市販おむつ2は多層コア設計を有し、本開示の複合布帛を使用する、コア-外被おむつ構成物の比較として使用した。
【0144】
ADL構成物について、不織布および架橋したセルロース繊維を取り出し、代替品材料を不織布層の寸法に切断した。
コア-外被構成物について、不織布およびHelix(商標)繊維を取り出した。コアを取り出し、複合布帛材料どちらかによって覆った。
【0145】
実施例2は、複合構造において使用する不織布は、通気型結合または樹脂結合することができることを示す。実施例2はまた、吸収性性質における改善の大きさは、セルロース質繊維層として架橋した繊維を使用することに独特であることも示す。不織布は、架橋した繊維を含む複合材中で利用される場合、7700~18500のIPRP流速範囲に及び、性能を維持することができる。150gsm ± 10%の坪量を有する複合材は、0.052~0.099g/cmの密度範囲に及ぶことがあり、おむつ構成物性能に変化はない。
【0146】
実施例3。おむつ構成物および性質
表4を参照して、一連のTABCWおよび架橋したセルロース繊維の複合布帛を製造した。
材料属性 - 坪量、ノギス値、密度
おおよそ同じ坪量および水流絡合の条件で、繊維成分としてのHelix(商標)は、約14%、複合材のノギス値を増加させる。Groz-B噴射細片の使用は、約14%、複合材のノギス値を増加させる。
【0147】
【表4】
【0148】
TABCWは、複合材の不織布部として役立つ通気型結合カードウェブである。
この実験のために2種のおむつ構成物を形成し、ADLおよびコア-外被構成物と称した。構成物としての基体おむつは、市販おむつ1、不織布捕集層を有するフラッフレスコアおむつおよび不織布の下のHelix(商標)繊維分配層である。市販おむつ2は多層コア設計を有し、本開示の複合布帛を使用して、コア-外被おむつ構成物の比較として使用した。
【0149】
ADL構成物について、不織布およびHelix(商標)繊維分配層を取り出し、代替品材料を不織布層の寸法に切断した。
コア-外被構成物については、不織布およびHelix(商標)繊維分配層も取り出す。コアを取り出し、本開示の複合材料どちらかによって覆った。
【0150】
おむつは以下で構成された:
TABCW/Helix(商標)110gsmコア-外被
TABCW/Helix(商標)110gsm ADL
TABCW/Helix(商標)Air(登録商標)+110gsm ADL
TABCW/Helix(商標)Air(登録商標)+110gsmコア-外被、Groz-B 64の噴射細片
不織布(NW)/Helix(商標)Air(登録商標)+50gsmコア-外被
無荷重サドル吸上げ試験、および平坦捕集荷重下試験を、試験方法の項に記載された通りである。
【0151】
図9は、無荷重サドル吸上げ試験においてADLおむつ構成物における本開示の複合布帛の吐出点からの吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。統計的に、分解した対照おむつは、後方に向かって吸上げ距離が短かった。Helix(商標)(図示せず)およびHelix(商標)Air(登録商標)+複合布帛の両方は、対照より大きな距離で吸上げた。Helix(商標)複合布帛は、Helix(商標)Air(登録商標)+複合布帛より前方に向かってさらに吸上げることができた。増加した吸上げ距離は、コアのよりよい利用を示す。
【0152】
図10は、平坦捕集荷重下試験としての吸込み時間に関して、ADLおむつ構成物において本開示の複合布帛の比較を示す棒グラフである。対照おむつの分解および復元は、吸込み時間に有意な影響を及ぼさない。複合材を含む架橋した繊維は、吸込み2および3として著しく時間を短縮した。おむつ構成物において複合構造の繊維成分としてHelix(商標)(図示せず)およびHelix(商標)Air(登録商標)+を使用した場合、吸込み時間に有意差はなかった。
【0153】
図11は、再含湿値に関して、平坦捕集荷重下試験として、ADLおむつ構成物における本開示の複合布帛の比較を示す棒グラフである。吸込み1、2および3について再含湿値の低下を示し、吸込み3としての再含湿値は市販おむつ1より劇的に小さかった。
【0154】
図12は、市販おむつ1と比較して、ADLおむつ構成物において本開示の複合布帛としてのおむつの平均吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。ADLおむつ構成物における複合布帛は、対照おむつより著しく遠くに吸上げた。本開示の架橋した繊維成分としてのHelix(商標)(図示せず)は、Helix(商標)Air(登録商標)+バージョンより吸込み1において遠くに吸上げる。しかしながら、用量2および3からの吸上げ距離は、2つの架橋した繊維構成物間で統計的に異ならない。
【0155】
図13は、無荷重サドル吸上げ試験においてコア-外被おむつ構成物における、本開示の複合布帛を含むおむつの平均吸込み時間の比較を示す棒グラフである。本開示の複合布帛を含むおむつはすべて、対照市販おむつ2に対して吸込み時間を著しく改善した。Helix(商標)(図示せず)またはHelix(商標)Air(登録商標)+を含有する複合材を含むおむつの吸込み時間の間に有意差はなかった。異なる噴射細片を用いて水流絡合した場合、複合材中の繊維成分としてのHelix(商標)Air(登録商標)+は有意差を示さない。
【0156】
図14は、無荷重サドル吸上げ試験においてコア-外被おむつ構成物における本開示の複合布帛の吐出点からの吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。本開示の複合布帛を含むおむつ構成物はすべて対照に対して著しく改善された吸上げ距離を示した。複合材中の繊維成分としてのHelix(商標)(図示せず)は、Helix(商標)Air(登録商標)+に対して繊維成分として改善された吸上げ距離を示す。
【0157】
図15は、平坦捕集荷重下試験からの吸込み時間に関して、コア-外被おむつ構成物において本開示の複合布帛の比較を示す棒グラフである。本開示の複合布帛を含むおむつ構成物はすべて、対照に対して吸込み時間にかなりの改善を示した。
【0158】
図16は、平坦捕集荷重下試験からの再含湿値に関して、コア-外被おむつ構成物において本開示の複合布帛の比較を示す棒グラフである。本開示の複合布帛を含むおむつ構成物はすべて、対照おむつに対してかなりの改善を示した。
【0159】
図17は、コア-外被おむつ設計において使用される本開示の複合布帛の平均吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。コア-外被を含むおむつ構成物は市販おむつ2の多層コア設計と比較して、より単純化された設計であった。本開示の複合布帛を用いるおむつ構成物はすべて、用量1および2として前方に向かって改善された吸上げ距離を示した。複合布帛中の架橋したセルロース繊維成分としてHelix(商標)を使用する場合、試験流体は、直ちにおむつのコアの十分な距離に吸上げられた。おむつ構成物を含む架橋した繊維複合材はすべて、対照おむつに対して著しく改善された吸上げ距離を示した。
【0160】
実施例3は、異なるパターンの噴射細片を用いてHelix(商標)Air(登録商標)+を絡合した場合、おむつ構成物性能に有意差がないことを示した。Helix(商標)を含む複合材は、すべてのおむつ構成物においてHelix(商標)Air(登録商標)+に対して改善された吸上げを示す。改善された吸上げが、すべての吐出または最初の2つの吐出を通して生じる。
【0161】
【表5】
【0162】
【表6】
【0163】
実施例4。実験室カードステープル繊維複合材
【0164】
【表7】
【0165】
【表8】
【0166】
【表9】
【0167】
上記の3つの表は、不織布層が非結合のステープル繊維で構成され、カーディングプロセスによって形成され、続いてHelix(商標)Air(登録商標)+繊維と後続の水流絡合が行われた場合、結果として得られた複合材は、予備結合した不織布ウェブを用いて形成された場合の複合材となお同等に遂行したことを示す。石油系ステープル繊維および、セルロース由来のステープル繊維は両方とも、この実施例において不織布層として使用した。カードステープル繊維を用いて製造された複合材は、実施例2において記載の同じ手順の後、コア-外被原型にされた。予備結合した不織布ウェブを用いて製造された複合材と比較した場合、カードウェブ複合材は、平坦捕集荷重下試験において同様の吸込み時間の傾向を示す。さらにカードウェブ複合材の再含湿値および吸上げ距離の両方は、予備結合した不織布複合材を用いて先に測定した値の範囲内にある。複合材の不織布部分に使用することができる様々なステープル繊維は、複合材の製作用の原料の調達において融通性を可能にする。
【0168】
実施例5。フラッフレスコアおよびフラッフコアおむつの比較
本実施例は、コア-外被の適用として本開示の水流絡合された架橋繊維および不織布複合布帛によって提示された利益を示す(例えば、図4参照)。架橋繊維の坪量を増加させると、さらなる利益を観察することができる。
【0169】
ADLとして、架橋繊維複合材は、サドル吸上げの結果でパリティーに到達する。架橋繊維複合材は、荷重下の平坦捕集において吸込み時間、再含湿値および初期の吸上げ距離を改善して優れている。坪量を変動させることによって多数の等級の材料を製造することが可能である。
【0170】
図18は、コア-外被構成の複合布帛を使用するおむつとしての無荷重サドル吸上げ試験において、市販フラッフレスコアおむつの平均と比較したフラッフレスおむつの平均吸込み時間を示す棒グラフである。複合布帛は、無荷重サドル吸上げ試験としてのコア-外被適用における流体の吸込み時間を著しく改善することができた。
【0171】
図19は、市販フラッフレスコアおむつの平均と比較して、コア-外被構成において複合布帛を使用して、おむつとしての吐出点からの吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。複合布帛は、市販フラッフレスコアおむつの平均吸上げ距離と比較して、吸上げ距離を増加させることができた。
【0172】
図20は、平坦捕集荷重下試験において市販フラッフレスコアおむつの平均と比較して、コア-外被構成において複合布帛を使用するおむつとしてのフラッフレスおむつ吸込み時間の比較を示す棒グラフである。複合布帛は、コア-外被の適用における3つの流体吐出すべてについて吸込み時間を著しく改善することができた。
【0173】
図21は、平坦捕集荷重下試験において市販フラッフレスコアおむつの平均と比較して、コア-外被構成において複合布帛を使用するおむつとしてのフラッフレスおむつ再含湿値の比較を示す棒グラフである。複合布帛は、コア-外被の適用において第2および第3の再含湿値を著しく改善することができた。
【0174】
図22は、平坦捕集荷重下試験において市販フラッフレスコアおむつの平均と比較して、コア-外被構成において複合布帛を使用するおむつとしてのフラッフレスおむつの平均吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。複合布帛は、平坦捕集荷重下試験においてコア-外被の適用での3つのすべての流体吐出としての吸上げ距離を増加させることができた。
【0175】
図23は、無荷重サドル吸上げ試験において市販フラッフコアおむつの平均と比較して、ADL構成において複合布帛を使用するおむつとしてのおむつ構成物の吐出点からのフラッフコアおむつの比較を示す棒グラフである。複合布帛は、無荷重サドル吸上げ試験において市販フラッフコアおむつの平均吸上げ距離に対して吸上げ距離を増加させることができた。
【0176】
図24は、市販フラッフコアおむつの平均と比較して、ADL構成において複合布帛を使用するおむつの吸上げ距離の比較を示す棒グラフである。複合布帛は、平坦捕集荷重下試験において3つの流体吐出すべてについて、市販フラッフコアおむつの平均吸上げ距離に対して吸上げ距離を著しく増加させることができた。
【0177】
実施例6。おむつおよび成人用失禁製品(ウエットレイド複合材)-構成および性質
以下に、市販されている混成カードパルプ技術の試行的近似が記載される。ウエットレイドパイロットラインについて複合不織布のHelix(商標)の製造は、繊維ストック調製から始めた。乾燥Helix(商標)Air(登録商標)+繊維を水のストックタンクに添加し、≦2%の濃度に希釈した。ストックタンクは、繊維の品質を損傷しない揺動機を用いて絶えず撹拌した。ストックタンクからウエットレイイングシステムのヘッドボックスにストックをポンプ注入した。途中で、繊維の形成を改善するために水を用いてさらにストックを希釈し、それらを形成ワイヤー上に堆積した。次いで、希釈したストックは、ヘッドボックスに入れ、形成ワイヤー上に分配してHelix(商標)Air(登録商標)+繊維のウェブを形成した。次いで、重力または真空スリットいずれかから形成ワイヤーの下にウェブから水を排水した。ウェブが十分に乾燥したら、予備結合した不織布ウェブ上に形成ワイヤーからそれを移した。不織布ウェブ幅は、Helix(商標)Air(登録商標)+ウェブと比較して、幅は同等かまたはより大きかった。2層状不織布および繊維ウェブを、2つの層をまとめるのを支援するために低圧力水噴射を用いて前もって水流絡合した。水噴射は、まずウェブの繊維質側に接触させ、不織布に繊維を押し込んだ。予備水流絡合の後に、真空スリットを介して水を除去した。次いで、ウェブは、加熱した缶型乾燥システムに通し、ここで最小限の熱を印加しておよそ50%の固体含有率にウェブを脱水するのを支援した。次いで、部分的に乾燥したウェブをロールに巻き、プラスチックで覆ってさらなる湿分損失を防止した。次いで、さらなる水流絡合のためにプラスチックで覆われたロールを取っておいた。
【0178】
ウェブの不織布側が担体ウェブと接触し、ウェブの繊維側が水流絡合噴射ヘッドに面するように、巻いていないスタンドにロールを装填し、ほどいた。担体ウェブは、不織布材料中の非結合Helix(商標)を少なくとも2つの水流絡合噴射ヘッドに通してさらにHelix(商標)Air(登録商標)+繊維を不織布に押し込み、2つの層を一緒に結合した。真空スリットを介して複合構造を脱水し、通気型乾燥システムに通して、複合材を90%を超える固体含有率に完全に乾燥した。さらなる使用のために乾燥した複合材をロールに巻いた。
【0179】
複合布帛を製造する2ステップのプロセスが本実施例において記載されるが、容易に1ステップのプロセスを行うことができることを当業者は理解するであろう。
表10を参照すると、この実施例において使用される複合材料は、100%のHelix(商標)Air(登録商標)+で構成された繊維層から形成され、不織布層は通気型結合カードウェブであった。それらの性能に関して試料コード1~4をADLとして試験した;試料5および6はコア-外被としてそれらの性能に関して試験した。
【0180】
【表10】
【0181】
市販乳児用おむつおよび市販成人用失禁製品を、原型としての比較市販品として選択した。各製品からのADLは除去し、正確に同じ寸法の複合布帛と置き換えた:各市販品においてコード1~4を試験した。
【0182】
平坦捕集荷重下試験において比較用市販おむつの吸込み時間が得られた。比較用市販おむつ1および4は、最速の吸込み時間を有していた。ADLおむつ構成物において、平坦捕集荷重下試験において比較用市販おむつ1、2、3または4のADLをコード1、2、3または4の複合布帛試料と置き換えると、複合布帛試料コード1は比較用おむつ2または3とそれぞれ比較して顕著に短縮された吸込み時間を示した。比較用おむつ1と比較してコード1、2、3および4の複合布帛試料を使用するすべてのADLおむつ構成物に対して吸込み時間の短縮が見られた。比較用おむつ4と比較して吸込み時間の短縮が、コード1、3および4複合布帛試料を使用するADLおむつ構成物に対して、およびコード2複合布帛試料を使用するADLおむつ構成物の場合には吸込み1および3に対して見られた。
【0183】
コード5または6の複合布帛試料が比較用市販おむつ1の吸収性コアを覆ったコア-外被おむつ構成物の実施形態の吸込み時間について、平坦捕集荷重下試験において、コード5および6両方の複合布帛試料は、比較用市販おむつ1および5と比較して、吸込み時間をかなり短縮した。
【0184】
比較用市販おむつ1および4は、比較用市販おむつの中でも、平坦捕集荷重下試験において再含湿3で最低の再含湿値を有する。比較用市販おむつ1~4にわたって、コード1複合布帛は再含湿値において改善を提示し、これは、再含湿3において特に目にとまった。再含湿2および3での再含湿値の改善がまた、比較用市販おむつ5と比較して、特にコード5または6複合布帛試料が、平坦捕集荷重下試験において、比較用市販おむつ1の吸収性コアを覆うコア-外被おむつ構造において観察された。
【0185】
比較用市販おむつ1のADLを置き換えるためにコード1、2、3または4複合布帛試料を使用する、ADLおむつ構成物の実施形態の平均の全体吸上げ距離について、平坦捕集荷重下試験において、比較用市販おむつ1のものと比較して、吸上げ距離を改善した。
【0186】
コード5または6複合布帛試料を使用して比較用市販おむつ1の吸収性コアを覆う、コア-外被おむつ構成物の実施形態の平均の全体吸上げ距離について、平坦捕集荷重下試験において、比較用市販おむつ1および5のものと比較して、吸上げ距離を改善した。
【0187】
比較のおむつ4の吸込み時間と比較して、無荷重サドル吸上げ試験においてコード1、2、3および4を使用するADL構成物としての吸込み時間を改善した。
コード5およびコード6複合布帛試料を用いて製造されたコア-外被おむつ構成物は、無荷重サドル吸上げ試験において比較用市販おむつ5と比較して吸込み時間2および3において改善を示す。
【0188】
ADLおむつ構成物において、比較用市販おむつ3および比較用市販おむつ1のものに対してコード1、2、3、または4の複合布帛試料を使用する吸上げ距離は改善された(すなわち上回った)。
【0189】
コア-外被おむつ構成物において、吸収性コアを覆うコード5または6複合布帛試料を使用する吸上げ距離は、比較用市販おむつ1および5のものと比較して改善された(すなわち上回った)。
【0190】
無荷重サドル吸上げ試験において比較用市販成人用失禁製品のADLを置き換えるためにコード1、2、3または4複合布帛試料を使用する、ADL成人用失禁製品構成物の平均吸込み時間の比較に関して、コード1、2、3および4複合布帛試料を用いて製造されたADL成人用失禁製品構成物は、比較用市販成人用失禁製品と比較して吸込み時間2および3において改善が示された(すなわち吸込み時間短縮)。
【0191】
無荷重サドル吸上げ試験において比較用市販成人用失禁製品のADLを置き換えるためにコード1、2、3または4複合布帛試料を使用する、ADL成人用失禁製品構成物の吐出点(前方および後方)からの吸上げ距離および吸上げ距離全体の比較に関して、コード1、2、3および4複合布帛試料を用いて製造されたADL成人用失禁製品構成物は、比較用市販成人失禁製品と比較した場合、吸上げ距離において改善(すなわちより大きな吸上げ距離)を示す。
【0192】
本実施例において、大多数の比較用市販乳児用おむつについて、コード1は、平坦捕集荷重下試験としての吸込み時間および吸上げ距離において改善を示した。比較用市販おむつ1について、複合布帛は、従来のADLより非常に高いSAP含有率を有する吸収性コアに吸収性コアのより多くを利用するのを支援することができた。平坦捕集荷重下試験および無荷重サドル吸上げ試験の両方において、コード1、2、3または4複合布帛を含有するADLおむつ構成物は、著しい吸上げ距離の増加を示した。
【0193】
実施例7:不織布のHelixを用いるTMAの隔離
不織布シート中のHelix(商標)を1g片へ切断し、繊維化フラッフと比較して、パッドに形成し、密封容器に入れ、トリメチルアミン溶液を吐出した。繊維化フラッフを化学物質で処理してトリメチルアミンを隔離した。
【0194】
比較のフラッフパルプシートは細片に切断し、次に、Kamasミルで繊維化した。次いで、フラッフパルプを0.94±0.02gの平均重量を有する直径5cm(2インチ)のパッドに形成した。Carverプレスでこれらのパッドを13790kPa(2000psi)の圧力に圧縮した。
【0195】
試験容器は、圧縮性により選択したKirkland の500mL水筒から構成されていた。水筒のプラスチック蓋に16ゲージの針を貫入させ、適所を接着し、シリコーンコーキングを用いて封止した。針の柄のまわりにゴム管を配置して、柄と測定デバイスの間の気密封止を可能にした。
【0196】
試験容器へ圧縮したフラッフ塊を導入し、15gの溶液を吐出し、封止し、次いで、2時間後にTMAに関して上記のヘッドスペースを試験した。表11を参照すると、0.053重量%の濃度でTMA溶液を試験した。細菌性膣疾患と関係しない正常な膣流体は文献値によるとトリメチルアミンレベル0.0005重量%を有する。
【0197】
【表11】
【0198】
吐出の2時間後に両方のパルプ上の容器のヘッドスペース中のトリメチルアミンの濃度を試験した。105SEモデルSensidyne(登録商標)管を使用した。これらの管はアンモニアを用いる使用のためにラベル付けされるが、しかし、トリメチルアミンについても同様に使用することができる。実際のトリメチルアミン濃度は、Sensidyne(登録商標)の読みに0.5の換算率を掛けることにより得られる。
【0199】
各材料の3つの試料を試験した。パッド上のヘッドスペース中のトリメチルアミン濃度を、不織布複合材およびフラッフパルプ中のHelix について比較した。表12を参照して、不織布複合材中のHelixがフラッフパルプよりTMAのヘッドスペース濃度をより減少させることが見いだされた。
【0200】
【表12】
【0201】
実施例8。女性用衛生製品評価
150g/mの坪量を有する不織布(NW)/Helix(商標)Air(登録商標)+複合布帛を、平坦なシート構成で評価し、生理パッドで使用される吸収性コアとして役立てた。不織布側は入って来る液体に面していた。図25を参照すると、7つの比較用市販生理パッドと比較して、複合布帛は最も均一な流体分配を有していた。複合材またはHelix(商標)Air(登録商標)+分画の坪量は、分配に効果があるようには見えなかった。
【0202】
【表13】
【0203】
例として、またこれらに限定されないが、以下の列挙されたパラグラフに従って実施形態が開示される:
A1.複合布帛であって、
ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む不織布層;
不織布層と対向して位置する、架橋したセルロース繊維を含む架橋セルロース層;ならびに
物理的に絡合した、不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメント、および架橋セルロース層からの架橋したセルロース繊維を含む不織布層と架橋セルロース層との間の界面領域を含み、
ここで、不織布層および架橋セルロース層は、乾燥状態において機械的に不可分であり;
複合布帛は0.06g/cm~0.15g/cm(例えば0.06g/cm、0.12g/cm、0.08g/cmまたは0.06~0.08g/cm)の密度を有する複合布帛。
A2.不織布層および架橋セルロース層が互いに重なり界面領域で相互貫入する、パラグラフA1に記載の複合布帛。
A3.架橋セルロース層および不織布層が完全に相互貫入する、パラグラフA1またはパラグラフA2に記載の複合布帛。
A4.不織布層が第1の厚さを有し、架橋セルロース層が第2の厚さを有し、界面領域が、第1または第2の厚さ以下の厚さを有する、パラグラフA1からA3のいずれか一項に記載の複合布帛。
A5.ポリマー繊維および/またはフィラメントが合成ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む、パラグラフA1に記載の複合繊維。
A6.不織布層が、結合カードウェブ織物、カードウェブ、スパンボンド織物、メルトブロー織物、非結合合成繊維またはそれらのいずれかの組み合わせを含む、パラグラフA1からA5のいずれか一項に記載の複合布帛。
A7.架橋したセルロース繊維がポリアクリル酸架橋した繊維を含む、パラグラフA1からA6のいずれか一項に記載の複合布帛。
A8.架橋セルロース層が不織布層上にエアレイドまたはドライレイドされる、パラグラフA1からA7のいずれか一項に記載の複合布帛。
A9.架橋セルロース層が不織布層上にウエットレイドされる、パラグラフA1からA7のいずれか一項に記載の複合布帛。
A10.架橋セルロース層からの架橋したセルロース繊維が、不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメントへ界面領域で水流絡合される、パラグラフA1からA9のいずれか一項に記載の複合布帛。
A11.不織布層が、複合布帛中に15g/m~50g/mの乾燥坪量を有する、パラグラフA1からA10のいずれか一項に記載の複合布帛。
A12.架橋セルロース層が、複合布帛中に20g/m~185g/mの乾燥坪量を含む、パラグラフA1からA11のいずれか一項に記載の複合布帛。
A13.複合布帛がエンボス加工され、折り目、ひだを付けられ、および/または穿孔され、ここで、折り目またはひだが付けられた複合布帛は、場合によって、折り目またはひだ内に吸収材料を含む、パラグラフA1からA12のいずれか一項に記載の複合布帛。
A14.ラテックス、ラテックス結合した繊維、水圧膨張層、前処理された不織布層、リヨセル、レーヨンまたはそれらのいずれかの組み合わせを含まない、パラグラフA1からA13のいずれか一項に記載の複合布帛。
A15.不織布層および架橋セルロース層、ならびに不織布層と架橋セルロース層との間の界面領域からなる、パラグラフA1からA14のいずれか一項に記載の複合布帛。
A16.生体液にさらされた場合、臭気を中和する、パラグラフA1からA15のいずれか一項に記載の複合布帛。
A17.パラグラフA1からA16のいずれか一項に記載の複合布帛を含む吸収性物品。
A18.パーソナルケア吸収性製品を含む、パラグラフA17に記載の吸収性物品。
A19.パーソナルケア吸収性製品が、おむつ、失禁製品、女性用衛生製品、ワイプ、タオルおよびティッシュから選択される、パラグラフA18に記載の吸収性物品。
A20.複合布帛を含む流体捕集分配層を含む、パラグラフA17~A19のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A21.複合布帛が吸収材料を覆って配置され、ここで、架橋セルロース層は、吸収材料の表面に面し、吸収材料は場合によって超吸収性ポリマーを含む、パラグラフA17~A20のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A22.吸収性コアをさらに含む、パラグラフA17~A19のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A23.吸収性コアが、吸収材料にかぶさる複合布帛の第1の層、および場合によって超吸収性ポリマーを含む吸収材料の下にある複合布帛の第2の層を含む、パラグラフA22に記載の吸収性物品。
A24.吸収性コアが、場合によって超吸収性ポリマーを含む吸収材料を包む複合布帛を含む、パラグラフA22に記載の吸収性物品。
A25.複合布帛が、場合によって超吸収性ポリマーを含む吸収材料を完全に包む、パラグラフA24に記載の吸収性物品。
A26.架橋セルロース層が吸収材料の表面と接触する、パラグラフA24またはパラグラフA25に記載の吸収性物品。
A27.吸収性物品が吸収材料を含み、ここで、複合布帛に折り目またはひだを付ける場合、不織布層または架橋セルロース層のいずれかは吸収材料の表面と接触する、パラグラフA17~A20およびA22~A25のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A28.おむつまたは失禁製品である、パラグラフA18~A27のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A29.吸収性物品が複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第1の流体曝露から第2の後続の流体曝露までに少なくとも23%の吸込み時間の短縮を有する、パラグラフA20、A21、A26およびA27のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A30.吸収性物品が吸収性コアを包む複合布帛を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第1の流体曝露から第2の後続の流体曝露までに少なくとも25%の吸込み時間の短縮を有する、パラグラフA24~A28のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A31.吸収性物品が複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第2の流体曝露から第3の後続の流体曝露までに少なくとも8%の吸込み時間の短縮を有する、パラグラフA20、A21およびA28のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A32.吸収性物品が吸収材料を包む複合布帛を含む場合、平坦捕集荷重下試験において第2の流体曝露から第3の後続の流体曝露までに少なくとも12%の吸込み時間の短縮を有する、パラグラフA24~A28のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A33.吸収性物品が複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験において第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有する、パラグラフA20、A21およびA28のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A34.吸収性物品が吸収材料を包む複合布帛を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験において第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有する、パラグラフA24~A28のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A35.複合布帛が、20g/m~50g/m(例えば30g/m~40g/m)の乾燥坪量の不織布層、および70g/m~120g/m(例えば80g/m~110g/m)の乾燥坪量の架橋セルロース層を含む、パラグラフA17~A21およびA28のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A36.複合布帛が、20g/m~50g/m(例えば30g/m~40g/m)の乾燥坪量の不織布層および40g/mから70g/m未満(例えば40g/m~60g/m、または50g/m)の乾燥坪量の架橋セルロース層を含む、パラグラフA17~A19およびA22~A28のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A37.吸収性物品が複合布帛を含む流体捕集分配層を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験において第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有する、パラグラフA35に記載の吸収性物品。
A38.吸収性物品が吸収材料を包む複合布帛を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験において第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有する、パラグラフA36に記載の吸収性物品。
A39.吸収性物品であって、
内側表面および外側表面を画定する液体不浸透性バックシートと;
バックシートの内側表面に配置された吸収性コアであり、
吸収性コアの上側表面および下側表面を画定する吸収材料;ならびに
ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む不織布層;
不織布層と対向して位置する、架橋したセルロース繊維を含む架橋セルロース層;および
物理的に絡合した、不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメント、および架橋セルロース層からの架橋セルロース繊維を含む、不織布層と架橋セルロース層との間の界面領域を含む、上側表面および下側表面の少なくとも一部を囲む複合布帛を含み、
ここで、不織布層および架橋セルロース層は、乾燥状態において機械的に不可分である、吸収性コアと;
吸収性コアの上側表面にかぶさり、バックシートの内側表面と接触するトップシートとを含む、吸収性物品。
A40.複合布帛が吸収性コアの上側表面および下側表面を完全に囲む、パラグラフA39に記載の吸収性物品。
A41.複合布帛が、複合布帛の幅の少なくとも一部によって吸収性コアの上側表面または下側表面に重なる、パラグラフA39に記載の吸収性物品。
A42.複合布帛が、吸収性コアの上側表面または下側表面に切れ目を画定し、吸収性コアは切れ目を覆って配置されたカバー層をさらに含む、パラグラフA39に記載の吸収性物品。
A43.カバー層が複合布帛の少なくとも一部にかぶさり、複合布帛は、カバー層の少なくとも一部と吸収材料との間に配置される、パラグラフA42に記載の吸収性物品。
A44.カバー層が複合布帛の下にあり、カバー層の少なくとも一部が複合布帛と吸収材料の間に配置される、パラグラフA42に記載の吸収性物品。
A45.カバー層が複合布帛から形成される、パラグラフA42~A44のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A46.カバー層がスパンボンドメルトブロースパンボンド(SMS)材料を含む、パラグラフA42~A45のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A47.カバー層がスパンボンド(SB)材料を含む、パラグラフA42~A45のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A48.吸収材料が吸収性合成ポリマーおよび高ロフト通気型結合カードウェブ(TABCW)を含む、パラグラフA39~A47のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A49.吸収材料が、吸収性合成ポリマー(例えばSAP)、フラッフパルプまたはそれらのいずれかの組み合わせを含む、パラグラフA39~A47のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A50.吸収材料が、30%~90重量%の吸収性合成ポリマー、および10%~70重量%のフラッフを含む、パラグラフA49に記載の吸収性物品。
A51.複合布帛の不織布層のポリマー繊維および/またはフィラメントが、合成ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む、パラグラフA39~A50のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A52.複合布帛の不織布層および架橋セルロース層が互いにかぶさり、界面領域で相互貫入する、パラグラフA39~A51のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A53.複合布帛の架橋セルロース層および不織布層が完全に相互貫入する、パラグラフA39~A52のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A54.不織布層が第1の厚さを有し、架橋セルロース層が第2の厚さを有し、界面領域は第1の厚さまたは第2の厚さ以下の厚さを含む、パラグラフA39~A52のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A55.不織布層が結合カードウェブ織物、カードウェブ、スパンボンド織物、メルトブロー織物またはそれらのいずれかの組み合わせを含む、パラグラフA39~A54のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A56.架橋したセルロース繊維がポリアクリル酸架橋した繊維を含む、パラグラフA39~A55のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A57.架橋セルロース層からの架橋したセルロース繊維が、不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメントに界面領域で水流絡合される、パラグラフA39~A56のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A58.不織布層が、複合布帛中に15g/m~50g/mの乾燥坪量を有する、パラグラフA39~A57のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A59.架橋セルロース層が、複合布帛中に20g/m~185g/mの乾燥坪量を含む、パラグラフA39~A58のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A60.複合布帛が、ラテックス、ラテックス結合した繊維、水圧膨張層、前処理した不織布層、リヨセル、レーヨンまたはそれらのいずれかの組み合わせを含まない、パラグラフA39~A59のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A61.パーソナルケア吸収性製品を含む、パラグラフA39~A60のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A62.パーソナルケア吸収性製品が、おむつ、失禁製品および女性用衛生製品から選択される、パラグラフA61に記載の吸収性物品。
A63.複合布帛が、場合によって超吸収性ポリマーを含む吸収材料を完全に包む、パラグラフA39~A62のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A64.架橋セルロース層が吸収材料の表面と接触する、パラグラフA39~A63のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A65.平坦捕集荷重下試験において第1の流体曝露から第2の後続の流体曝露まで少なくとも25%の吸込み時間の短縮を有する、パラグラフA39~A64のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A66.平坦捕集荷重下試験において第2の流体曝露から第3の後続の流体曝露まで少なくとも12%の吸込み時間の短縮を有する、パラグラフA39~A65のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A67.吸収性物品が吸収材料を包む複合布帛を含む場合、無荷重サドル吸上げ試験において第3の流体曝露の後に少なくとも60%の吸上げ距離百分率を有する、パラグラフA39~A66のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A68.複合布帛が、20g/m~50g/m(例えば30g/m~40g/m)の乾燥坪量の不織布層、および40g/mから70g/m未満(例えば40g/m~60g/m、または50g/m)の乾燥坪量の架橋セルロース層を含む、パラグラフA39~A67のいずれか一項に記載の吸収性物品。
A69.女性用衛生製品であって、
ポリマー繊維および/またはフィラメントを含む不織布層;
不織布層と対向して位置する、架橋したセルロース繊維を含む架橋セルロース層;ならびに
物理的に絡合した、不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメント、および架橋セルロース層からの架橋セルロース繊維を含む不織布層と架橋セルロース層との間の界面領域を含む複合布帛を含み、
ここで、不織布層および架橋セルロース層は、乾燥状態において機械的に不可分である、女性用衛生製品。
A70.吸収材料を含む吸収性コアをさらに含む、パラグラフA69に記載の女性用衛生製品。
A71.流体吐出にさらされた場合、複合布帛が、女性用衛生製品の前方部、中間部および後方部に流体を分配する、パラグラフA69またはパラグラフA70に記載の女性用衛生製品。
A72.前方部、中間部および後方部がそれぞれ、各部分の20重量%~45重量%以内の流体量を含む、パラグラフA71に記載の女性用衛生製品。
A73.複合布帛が吸収性コアを覆って配置される、パラグラフA70~A72のいずれか一項に記載の女性用衛生製品。
A74.複合布帛が吸収材料の少なくとも一部を包む、パラグラフA70~A72のいずれか一項に記載の女性用衛生製品。
A75.パラグラフA1~A15のいずれか一項に記載の複合布帛を製造する方法であって、
ポリマー繊維および/またはフィラメントを供給するステップと;
架橋したセルロース繊維を供給するステップと;
架橋したセルロース繊維をエアレイイングまたはウエットレイイングして、ポリマー繊維および/またはフィラメントの不織布層に、不織布層と対向して位置する架橋セルロース層を与えるステップと;不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメント、ならびに架橋セルロース層からの架橋したセルロース繊維を物理的に絡合して複合布帛を与えるステップとを含み、ここで、複合布帛は不織布層と架橋セルロース層との間に界面領域を含み、不織布層および架橋セルロース層は、乾燥状態において機械的に不可分である、方法。
A76.不織布層からのポリマー繊維および/またはフィラメントならびに架橋セルロース層からの架橋したセルロース繊維を物理的に絡合するステップが架橋したセルロース繊維をポリマー繊維および/またはフィラメントへ水流絡合するステップを含む、パラグラフA75に記載の方法。
A77.ポリマー繊維および/またはフィラメントは、結合カードウェブ織物、カードウェブ、スパンボンド織物、メルトブロー織物、非結合の合成繊維またはそれらのいずれかの組み合わせの形態である、パラグラフA75またはパラグラフA76に記載の方法。
A78.ポリマー繊維が合成である、パラグラフA75~A77のいずれか一項に記載の方法。
A79.不織布層が最上層であり、架橋セルロース層が最下層である、パラグラフA75~A78のいずれか一項に記載の方法。
A80.不織布層が最下層であり、架橋セルロース層が最上層である、パラグラフA75~A78のいずれか一項に記載の方法。
A81.架橋セルロース層が不織布層と絡合する前に前もって形成され、および/または、不織布層が架橋セルロース層と絡合する前に前もって形成される、パラグラフA75~A80のいずれか一項に記載の方法。
A82.架橋セルロース層が不織布層と絡合する前に前もって形成されず、および/または、不織布層が架橋セルロース層と絡合する前に前もって形成されない、パラグラフA75~A80のいずれか一項に記載の方法。
【0204】
例証となる実施形態が図示され記載されたが、本開示の趣旨および範囲から外れることなく、様々な変更を本明細書において行うことができることは認識されるであろう。
排他的な所有権または特権が請求される本発明の実施形態は、以下のように定義される:
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【国際調査報告】