(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】根菜類を個別化しかつ搬送するための装置
(51)【国際特許分類】
B65G 17/06 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
B65G17/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501812
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(85)【翻訳文提出日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2021069528
(87)【国際公開番号】W WO2022013255
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】102020118423.9
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520134865
【氏名又は名称】グリメ ラントマシーネンファブリーク ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Grimme Landmaschinenfabrik GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Hunteburger Strasse 32, 49401 Damme, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ユリアン ロス
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフラム シュトロートマン
【テーマコード(参考)】
3F034
【Fターム(参考)】
3F034AA18
3F034AC03
3F034BA01
3F034BB06
3F034CA01
3F034CC02
(57)【要約】
本発明は、根菜類を搬送するための装置に関する。この装置は、運転中に循環方向(8)に循環する運搬装置(7)であって、少なくとも1つの収容領域(18)を形成していて、根菜類を運搬するように構成されている運搬装置(7)を備える。さらに、装置は、少なくとも部分的に横方向(12)に延在していて、収容領域(18)を循環方向(8)で画定している少なくとも1つの横方向分離装置(14)を備える。収容領域(18)は、内室(11)の外側に隣接しており、この内室(11)は、横方向(12)に対して平行に延在しかつ側面図で見て専ら循環方向(8)に延びている内室周面(10)によって取り囲まれている。さらに、横方向分離装置(14)の少なくとも1つの突出している部分が、側面図で見て内室(11)の外側に配置されている。装置は、横方向分離装置(14)の延在方向に対して角度を成して、特に直角に、かつ内室周面(10)に対して平行に延在している少なくとも1つの長手方向分離装置(16)を備える。長手方向分離装置(16)の少なくとも1つの突出している部分が、側面図で見て内室(11)の外側に配置されている。長手方向分離装置は、横方向(12)で互いに隣接した2つの収容領域(18)を互いに分離している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
根菜類を搬送するための装置(2)であって、運転中に循環方向(8)に循環する運搬装置(7)であって、少なくとも1つの収容領域(18)を形成していて、根菜類を運搬するように構成されている運搬装置(7)と、少なくとも部分的に横方向(12)に延在していて、前記収容領域(18)を循環方向(8)で画定している少なくとも1つの横方向分離装置(14)とを備え、前記収容領域(18)は、内室(11)の外側に隣接しており、該内室(11)は、前記横方向(12)に対して平行に延在しかつ側面図で見て専ら循環方向(8)に延びている内室周面(10)によって取り囲まれており、前記横方向分離装置(14)の少なくとも1つの突出している部分が、前記側面図で見て前記内室(11)の外側に配置されている、装置(2)において、
前記横方向分離装置(14)の延在方向に対して角度を成して、特に直角に、かつ前記内室周面(10)に対して平行に延在している少なくとも1つの長手方向分離装置(16)を備え、該長手方向分離装置(16)の少なくとも1つの突出している部分が、前記側面図で見て前記内室(11)の外側に配置されており、前記長手方向分離装置(16)は、前記横方向(12)で互いに隣接した2つの収容領域(18)を互いに分離していることを特徴とする、装置(2)。
【請求項2】
前記収容領域(18)は、少なくとも部分的に槽状にまたは凹み状に形成されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの長手方向分離装置(16)は、運転中に前記運搬装置(7)と一緒に循環するように構成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの横方向分離装置(14)および/または前記少なくとも1つの長手方向分離装置(16)は、前記横方向に沿ってもしくは前記横方向に対して角度を成した方向に沿って並べられた、前記側面図で見て外向きに突出している複数の分離要素(13,15)によって少なくとも形成されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記分離要素(13,15)は、少なくとも15mm、好ましくは少なくとも20mm、特に好ましくは少なくとも25mm、前記内室周面(10)に対して直角な方向に、特に前記内室周面(10)から突出していることを特徴とする、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記横方向分離装置(14)は、前記横方向に細長く延在する横方向分離要素(24)を有し、該横方向分離要素(24)は、少なくとも部分的に前記内室(11)の外側に延在していて、かつ/または該横方向分離要素(24)に前記分離要素(13,15)が配置されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記長手方向分離装置(16)は、横方向(12)で互いに隣接した複数の収容領域(18)を分離する長手方向分離要素(15)を備えることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記収容領域(18)は、前記内室周面(10)から外向きに突出している少なくとも1つの型要素(20)によって形成され、該型要素(20)は、前記収容領域(18)に対して直角に、前記横方向分離装置(14)および/または前記長手方向分離装置(16)よりも低く突出していることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
前記型要素(20)は、循環方向(8)で見て、前記横方向(12)で互いに隣接した2つの長手方向分離装置(16)の間に中心からずらして配置されていることを特徴とする、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記運搬装置(7)は、特に剛性のかつ互いに相対的に可動の複数の運搬要素(6)から少なくとも形成されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
前記循環方向(8)で、特に互いに平行に延在している少なくとも2つの無端運搬体(4)を備え、該無端運搬体(4)に前記運搬要素(6)が固定されており、前記横方向分離装置(14)および/または前記長手方向分離装置(16)は、少なくとも部分的に、前記内室周面(10)に対して直角な仮想の補助直線が、前記無端運搬体(4)および前記横方向分離装置(14)もしくは前記長手方向分離装置(16)と交差するように、前記無端運搬体(4)のうちの少なくとも1つの無端運搬体の領域に延在していることを特徴とする、請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記補助直線は、前記無端運搬体(4)および少なくとも1つの分離要素(13,15)、特に少なくとも1つの運搬要素(6)および/または少なくとも1つの横方向分離要素(24)と交差していることを特徴とする、請求項4を引用する請求項11記載の装置。
【請求項13】
個別化装置(30)であって、請求項1から12までのいずれか1項記載の装置(2)と、装置フレームと、該装置フレームに配置された少なくとも2つの変向要素(22)とを備え、該変向要素(22)によって、前記装置(2)は、該装置の少なくとも1つの搬送区分(26)が少なくとも部分的に上り勾配または下り勾配を有するように支持されている、個別化装置(30)。
【請求項14】
前記装置の第1の搬送区分(26)が、循環方向(8)で続く第2の搬送区分(28)よりも大きな上り勾配もしくは大きな下り勾配を有することを特徴とする、請求項13記載の個別化装置。
【請求項15】
前記搬送区分もしくは前記第2の搬送区分(28)の少なくとも一部の下方に配置されていて、運転中に循環しない、前記装置(2)をガイドするための少なくとも1つの滑り要素(32)を備えることを特徴とする、請求項13または14記載の個別化装置。
【請求項16】
運転中に、特に回転する可動の少なくとも1つの衝撃要素(34)を備え、該衝撃要素(34)は、前記搬送区分(24)もしくは前記第1の搬送区分(24)の少なくとも一部に衝撃を発生させるように構成されていることを特徴とする、請求項13から14までのいずれか1項記載の個別化装置。
【請求項17】
前記搬送区分(26)もしくは前記第1の搬送区分(26)の上方に配置されていて、回転可能に支持された少なくとも1つの剥ぎ取り要素(36)を備えることを特徴とする、請求項13から16までのいずれか1項記載の個別化装置。
【請求項18】
請求項11から15までのいずれか1項記載の個別化装置(30)を備えた移動式の根菜類収穫機(40)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、根菜類を搬送するための装置であって、運転中に循環方向に循環する運搬装置を備える、装置に関する。運搬装置は、少なくとも1つの収容領域を形成していて、根菜類を運搬するように構成されている。装置は、さらに、少なくとも部分的に横方向に延在している少なくとも1つの横方向分離装置を備える。この横方向分離装置は、収容領域を循環方向で画定している。収容領域は、内室の外側に隣接しており、この内室は、内室周面内に延在している。内室周面は、横方向に対して平行に延在していて、側面図で見て専ら循環方向に延びている。横方向分離装置の少なくとも1つの突出している部分が、側面図で見て内室の外側に配置されている。
【0002】
運転中、根菜類は、運搬装置に載置されていて、部分的に装置と一緒に循環する。横方向分離装置は、収容領域内に配置されている少なくとも1つの根菜類のためのバリアを形成していて、運転中に収容領域から根菜類が外に出ることを阻止するかもしくは困難にする。横方向で収容領域は一般的に少なくとも実質的に装置の全幅にわたって延在している。収容領域の内部では、少なくとも1つの根菜類の移動が可能である。
【0003】
冒頭に記載した形態の既知の装置には、運転中、装置の効果的な使用のために周期的に収容領域に供給された、同じ収容領域内における多数の根菜類が、運搬装置上で複数の層を成して配置されてしまうという欠点がある。特に運転中に一般的に生じる装置の傾きに基づいて、収容領域にある根菜類は、収容領域の一部に集まって、この部分で互いに上下に位置してしまうのに対して、収容領域の他の部分には、根菜類が存在しなくなってしまう。このような現象によって、根菜類の目視あるいは選別もしくはチェックや取り除くべき異物の発見が困難になる。
【0004】
本発明の課題は、冒頭に記載した形態の装置を改良して、装置によって搬送される根菜類の目視あるいは選別もしくはチェックを容易にする装置を提供することである。
【0005】
この課題を解決するために、本発明によれば、装置は、横方向分離装置の延在方向に対して角度を成して、特に直角に、かつ内室周面に対して平行に延在している少なくとも1つの長手方向分離装置を有している。長手方向分離装置の少なくとも1つの突出している部分が、側面図で見て内室の外側に配置されている。長手方向分離装置は、横方向で互いに隣接した2つの収容領域を互いに分離している。
【0006】
装置のこの構造によって、横方向での装置の幅を変えずに、搬送能力が不変のまま、それぞれより少ない数の根菜類を収容するより多くのかつそれぞれより狭幅の収容領域が得られる。これによって、特に装置が上昇する経過を有している場合または装置が少なくとも部分的に搬送方向に対して平行な旋回軸線を中心にして傾斜している場合に、横方向への根菜類の移動によって根菜類が運搬装置上で特定箇所に集まることが抑制される。循環方向への作物の移動を場合によって減じることができる、横方向分離装置の数を増す形態とは異なり、さらに、装置もしくは長手方向分離装置の一方の側にある根菜類が、循環中にこの側に留まり、対応する側に位置する目視者あるいは選別者が、いずれにせよ、これらの根菜類にもしくは場合によってそこに存在する異物にアクセスすることが保証される。
【0007】
装置は、環状に、つまり循環方向で閉じられて形成されており、相補形状を有する結合要素を備えていて、循環方向で互いに結合されたそれぞれ2つの端部領域は、特に分解のために互いに解離可能である。装置は、特に横方向に対して平行な撓み軸線を中心にして撓みやすいベルトもしくはコンベヤベルトとして形成されている。規則通りの運転中に、搬送されている根菜類の少なくとも一部は、運搬装置に直接接触している。運転中、運搬装置は好ましくは根菜類の下方に延在している。横方向は、循環方向に対して直角な方向であり、この方向で装置の幅が測定される。内室周面は、仮想の面であり、横方向で特に装置の大部分の幅または全幅にわたって延在している。横方向に向けられた側面図で見て、内室周面は線形である。例えば2つの変向ローラの間で、装置が張設された経過を有している場合、つまり装置が側面図で見て部分的に直線の経過を有している場合に、内室周面はこの各々の区分で平らである。運転中に根菜類が位置している収容領域は、この収容領域が内室周面に接触しているが、内室周面を横切っていない限り、内室に隣接している。特に収容領域は、内室周面に点接触、線接触または面接触している。
【0008】
循環方向および/または横方向で見て、装置は、互いに並んだ、好ましくは少なくとも3箇所の、特に好ましくは少なくとも5箇所の、特に少なくとも10箇所の収容領域を有している。これらの収容領域は、横方向もしくは循環方向で互いに続いている。
【0009】
好ましくは、収容領域のうちの少なくとも1つの収容領域は、少なくとも部分的に、特に全体で槽状にまたは凹み状に形成されている。この形状は、連続的に、つまり閉じられて形成されているのではなく、この形状に沿って配置されていて、運搬装置によって形成された支持点によって形成されている。収容領域は、内室を起点として外向きに開放されて形成されている。収容領域のこの構成によって、すでに収容領域の内部で、収容領域内にある根菜類の移動、特に収容領域内における転動が抑制される。
【0010】
長手方向分離装置は、特に細長く形成されている。好ましくは、長手方向分離装置は、横方向に対して角度を成して、特に循環方向に延在している。好ましくは、装置は複数の、特に少なくとも5基、好ましくは少なくとも10基、特に好ましくは少なくとも15基の長手方向分離装置を有しており、これらの長手方向分離装置は、局所的に横方向で互いに離間させられている。特に、長手方向分離装置は循環方向に延びている。長手方向分離装置のこのような数と、対応して多くの個数で生じる収容領域とによって、収容領域は、装置が従来の幅を有している場合には、ただ1つ、あるいは、せいぜい僅かな数の根菜類しか循環方向で見て並んで配置され得ない幅を有している。装置の幅は、特に0.3m~3m、好ましくは0.5m~2.5m、有利には0.9mまたは2.4mである。
【0011】
好ましくは、横方向における2つの長手方向分離装置の局所的な間隔は、20mm~150mm、特に好ましくは30mm~80mm、最適には40mm~60mmである。間に位置している収容領域の、このような値に対応する幅によって、さらに収容領域内における、循環方向で見て互いに並んで位置している根菜類の収容が可能な限り良好に阻止される。
【0012】
横方向分離装置は、特に細長く形成されている。好ましくは、横方向分離装置は、横方向で、つまり循環方向に対して直交する方向に細長く延在している。代替的に、横方向分離装置は、好ましくは横方向に対しても循環方向に対しても角度を成して延在しており、横方向分離装置の延在方向は、横方向との間で、特に60°未満、好ましくは45°の角度を成している。好ましくは、循環方向におけるもしくは横方向分離装置の細長い延在方向に対して直交する方向における2つの横方向分離装置の間隔は、40mm~250mm、特に好ましくは70mm~130mm、最適には90mm~110mmである。両横方向分離装置によって画定された収容領域の、循環方向でもしくは延在方向に対して直交する方向で測定した適合する長さによって、横方向で見て互いに並んで配置された根菜類が、同じ収容領域内で収容されることは可能な限り良好に回避される。好ましくは、各々の収容領域は、正確に1つの基準サイズの根菜類を収容するために形成されていて、この根菜類は、運転中に可能な限りその長手方向軸線でもって長手方向分離装置の延在方向に対して平行に、代替的には、横方向分離装置の延在方向に対して平行に方向付けられる。
【0013】
本発明の好適な構成では、横方向分離装置の延在方向および長手方向分離装置の延在方向は共に、一方では横方向に対して角度を成して、他方では循環方向に対して角度を成して方向付けられている。特に延在方向はそれぞれ、同じ角度値だけ、しかしながら、循環方向に対して相対的に異なる正負符号をもって角度を成している。好ましくは、両延在方向は循環方向に対して30°~60°、特に45°旋回させられて方向付けられている。平面図で見て横方向分離装置と長手方向分離装置とは、特に菱形パターンを形成している。分離装置のこのような構成によって、装置の、運転中に上昇する経過において、根菜類が重力に基づいて、各々の収容領域を画定している分離装置の最も低い位置にある接続点の方向に転動することによって、収容領域内に配置された根菜類の自動的なセンタリングを達成することができる。これによって、根菜類間の最大の間隔と欠陥箇所の最適な視認とを実現することができる。
【0014】
横方向分離装置および/または長手方向分離装置は、横方向分離装置および/または長手方向分離装置が平面図で見て好ましくは真っ直ぐに延びている限り、指定された方向に延在している。これによって、指定された方向は、各々の分離装置を主延在方向に一貫して形成する必要なしに、各々の分離装置の主延在方向を示す。例えば横方向への少なくとも部分的な延在というのは、延在方向と横方向とが、90°未満である角度を成していることを意味する。
【0015】
本発明の有利な構成では、少なくとも1つの長手方向分離装置は、この少なくとも1つの長手方向分離装置が運転中に運搬装置と一緒に循環するように構成されている。特に長手方向分離装置は、運搬装置に力接続的にまたは形状接続的に結合されていて、運転中に運搬装置と同じ循環周期で循環する。そのために、長手方向分離装置は、運搬装置に、特に解離可能に、好ましくはねじ要素、係止要素またはクランプ要素によって結合されている。好ましくは、長手方向分離装置は、脚またはアイレットによってガイドされていて、これによって、運搬装置に支持されている。
【0016】
好ましくは、長手方向分離装置は、運搬装置と一体に形成されている。特に収容領域の、内室周面に隣接している側は、コンベヤベルトのより薄い区分によって形成され、これに対して、長手方向分離装置は、同じコンベヤベルトの、隣接したより肉厚で特に内室周面からさらに外向きに突出している区分によって形成される。これによって、運搬装置と長手方向分離装置とによって形成された収容領域内にある根菜類の移動を生じさせる、運搬装置と長手方向分離装置との間の相対移動が、可能な限り良好に阻止される。
【0017】
好ましくは、運搬装置および長手方向分離装置は、少なくとも1つの異形成形されたスクリーンバーによって少なくとも形成される。スクリーンバーは、その中心線に沿って少なくとも実質的に等しいままの横断面を有しており、特に中心線を中心にして回転対称である。中心線は、直線と異なる経過を有している。特に中心線は、一平面内で延びており、かつ/またはスクリーンバーの長さにわたって繰り返される形状を有していて、好ましくは波形である。少なくとも1つの収容領域は、好ましくは複数のこのようなスクリーンバーによって形成されており、特に長手方向分離装置は、専ら少なくとも1つのスクリーンバーによって形成される。この構成によって、本発明を、根菜類収穫技術の分野で以前から確実に使用されている特に少ない数の部材によって実現することができる。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つの横方向分離装置および/または少なくとも1つの長手方向分離装置は、その(主)延在方向に沿って並べられた、側面図で見て外向きに突出している複数の分離要素によって少なくとも形成されている、特に形成されている。これらの分離要素は、特に互いに直接的には結合されていない。好ましくは、互いに隣接した分離要素の間の間隔は、横方向へのもしくは横方向に対して角度を成した方向への分離要素の延在長さよりも大きい。特に好ましくは、分離要素は、分離要素が別の部材に配置されている分離要素基部から、内室周面に対して直交する方向に、上側の、特に尖っていない端部領域に至るまで延在している。分離要素は、特に少なくともほぼ、分離要素に直交する方向に対して平行な対称軸線を中心にして回転対称に形成されていて、かつ/またはフィンガ状である。特に分離要素はプラスチックまたはゴムから製造されていて、特にこれによって、金属製の部材の周りに注型されており、かつ/または弾性変形可能である。横方向分離装置の分離要素および長手方向分離装置の分離要素は、特に画一的に形成されている。このような分離要素により分離装置を形成することによって、根菜類に対する優しい取扱いと、異なる収容領域の境界の独立性とが保証される。
【0019】
好ましくは、互いに隣接した分離要素は、最大で40mm、特に好ましくは最大で30mm、最適には最大で20mmの間隔を相互間に有している。好ましくは、互いに隣接した分離要素は、さらにまたは代替的に、少なくとも5mm、特に好ましくは少なくとも10mm、最適には少なくとも15mmの間隔を相互間に有している。これらの間隔によって、根菜類に対する優しい取扱いと、収容領域相互の可能な限り良好な分離との間の最適な妥協案が得られる。
【0020】
好ましくは、横方向分離装置は、その(主)延在方向にかつ/または横方向に延在している横方向分離要素を有しており、この横方向分離要素は、少なくとも部分的に、内室の外側で横方向に細長く延在していて、かつ/または横方向分離要素に分離要素が配置されている。横方向分離要素は、特に、好ましくはクランク状のスクリーンバーであり、このスクリーンバーには、特に分離要素の分離要素基部が配置されている。横方向分離要素は、特に剛性に、好ましくはばね鋼から形成されている。特に、少なくとも複数の分離要素が、スクリーンバーカバーもしくはスクリーンバーアタッチメントと一体に形成されており、スクリーンバーカバーもしくはスクリーンバーアタッチメントは、横方向分離要素に押し嵌められているかまたは装着されている。横方向分離要素によって、特に装置が上昇する経過を有している場合に、循環方向における分離作用が直接得られ、かつ/または分離要素は確実に支持される。
【0021】
好ましくは、分離要素は、少なくとも15mm、好ましくは少なくとも20mm、特に好ましくは少なくとも25mm、内室周面に対して直角な方向に、特に内室周面から突出している。これらの寸法は、分離要素の分離要素基部から、内室とは反対側の分離要素端部領域に至るまでの分離要素の高さに相当している。互いに隣接した2つの分離要素の間には、特に、同じ高さの自由空間が残されている。特に、蕪を搬送するための装置の構成では、高さは150mmまでである。分離要素のこの寸法によって、運搬装置に直接載置されている根菜類の分離が確実に保証され、同時に、根菜類を装置の異なる収容領域に引き渡す場合における、根菜類の所望の分布に対する障害、特に運搬装置において第2の層の位置で載置されている根菜類が分離要素を越えて移動することに対する障害も排除される。
【0022】
好ましくは、長手方向分離装置は、長手方向分離要素によって少なくとも形成されており、特に専ら形成されており、長手方向分離要素は、循環方向で互いに隣接した複数の収容領域を分離している。長手方向分離要素は、循環方向において、長手方向分離要素によって分離された収容領域よりも大きな延在長さを有している。特に長手方向分離要素は、運搬装置全体を取り囲んで形成されていて、かつ/または運搬装置に固定されているか、もしくは運搬装置と一体に形成されている。好ましくは、この長手方向分離要素はベルトであり、このベルトは、特に12mmの好適な直径を有する丸い横断面を有している。この構成によって、長手方向分離装置は運転中に特に頑丈であり、かつ作物に対して優しくなる。
【0023】
好ましくは、収容領域は、内室周面から外向きに突出している少なくとも1つの型要素によって形成されている。型要素は、内室周面に対して直角に、横方向分離装置および/または長手方向分離装置もしくはそれらの分離要素よりも低く突出している。好ましくは、型要素は、内室周面から5mm~20mm、特に好ましくは10mm~15mm、外向きに突出している。型要素は、特にカップ状に形成されている。代替的に、少なくとも1つの型要素は、フィンガ状に、好ましくはその延在長さもしくは長さを除けば、分離要素と同じように構成されていて、収容領域に配置された根菜類のために支持点を成している。少なくとも1つの型要素によって、収容領域の、そこに収容された根菜類の転動を阻止する形状が得られる。例えば、型要素および分離要素は、ヘッジホッグベルトで一般的な突出している異形材要素の形式で形成されている。
【0024】
型要素は、循環方向で見て、好ましくは、横方向で互いに隣接した2つの長手方向分離装置の間に中心からずらして配置されている。長手方向分離装置の中心には、特に型要素は配置されていないので、収容領域内に配置された根菜類をこの領域では運搬装置に直接載置することができる。好ましくは、両長手方向分離装置のうちの一方の長手方向分離装置に隣接して、かつ両長手方向分離装置のうちの他方の長手方向分離装置に隣接して、少なくとも1つの型要素が配置されており、これによって収容領域の、循環方向で見て凹み状または槽状の横断面を形成することができる。特に、長手方向分離装置に隣接して、それぞれ循環方向でずらされた複数の型要素が配置されている。好ましくは、循環方向で見て1つの長手方向分離装置と、長手方向分離装置によって画定された収容領域の中心との間に、特に同じ運搬要素に配置された複数の型要素が配置されている。これらの型要素は、好ましくは次に位置している長手方向分離装置からの間隔と共に低減する長さを有しており、これによって、多数の支持点によって根菜類を優しく取り扱うための横断面を形成することができる。
【0025】
有利には、本発明に係る装置の改良形態における運搬装置は、内室周面に対して横方向に延在する切欠きを有している。このような切欠きは、装置では特にスクリーンベルトである。これによって不純物を装置による搬送中に根菜類から効果的に分離することができる。
【0026】
好ましくは、運搬装置は、特に剛性のかつ互いに相対的に可動の複数の運搬要素から少なくとも形成されている。特に運搬装置は、横方向に細長く延びている複数のスクリーンバーを有しており、これらのスクリーンバーは、循環方向で互いに隣接しかつ互いに平行に配置されている。これらのスクリーンバーの端部は、好ましくは、例えばプラスチックベルトもしくはゴムベルトのような側部の無端運搬体に配置されており、無端運搬体は、変向ローラ上を延びるように構成されていて、運転中に駆動することができる。この構造と、分離要素による長手方向分離装置の構成とでは、特に各々のスクリーンバーに、少なくとも1つの、特に正確に1つの分離要素が配置されている。場合によって設けられている型要素もまた、好ましくは同様にスクリーンバーに直接配置されている。スクリーンバーの外側を向いている上面は、特に収容領域を共に形成している。好ましくは、スクリーンバーは内室内に配置されていて、内室周面に隣接している。
【0027】
好ましくは、それぞれ2つの運搬要素、特にスクリーンバーが、1つの一体の運搬要素ユニットを形成している。運搬要素は、特に、ガラス繊維強化プラスチックから形成されている。代替的に、運搬要素は互いに可動の格子セグメントとして形成されているか、または運搬装置はヘッジホッグベルトとして形成されており、最短の突起要素もしくは異形材要素の端部領域は、好ましくは内室周面に位置しているかまたは内室周面に接触している。
【0028】
運搬要素は、特に、それぞれ少なくとも1つの、好ましくは2つのリベットまたはねじのような固定手段を用いて、少なくとも2つの無端運搬体に固定されている。無端運搬体は、特に互いに平行に延在しており、かつ/または弾性的にかつ少なくともその周囲の大部分にわたって少なくとも実質的に一体に、特に均一に形成されている。横方向分離装置(14)および/または長手方向分離装置(16)は、少なくとも部分的に、内室周面(10)に対して直角な仮想の補助直線が、無端運搬体(4)および横方向分離装置(14)もしくは長手方向分離装置(16)と交差するように、無端運搬体(4)のうちの少なくとも1つの無端運搬体の領域に延在している。補助直線は、循環方向に対しても横方向に対しても直角である。つまり横方向分離装置および/または長手方向分離装置は、特に無端運搬体のうちの少なくとも1つの無端運搬体の上方に(まで)延在している。収容領域の少なくとも一部は、好ましくは少なくとも部分的に無端運搬体の上方に延在しているので、無端運搬体は、収容領域の一部と内室との間に配置されている。これによって、装置の、搬送のために利用できる面積が特に大きくなる。
【0029】
好ましくは、補助直線は、無端運搬体および少なくとも1つの分離要素と交差している。特に好ましくは、補助直線は、さらに少なくとも1つの運搬要素および/または横方向分離要素とも交差している。特に運搬要素または横方向分離要素に分離要素が配置されている。好ましくは、分離要素が分離要素または横方向分離要素を特に完全に注型により取り囲むプラスチックから形成されているように、運搬要素または横方向分離要素に分離要素が配置されている。好ましくは、補助直線に対して平行な別の直線が、無端運搬体および型要素のうちの少なくとも1つの型要素または隣接した収容領域と交差している。このようになっていると、収容領域を無端運搬体の上方にも無端運搬体の間にも形成することができる。
【0030】
冒頭に記載した課題は、さらに上述したまたは後で記載する装置と、装置フレームと、この装置フレームに回転可能に配置された少なくとも2つの変向要素とを備える個別化装置によって解決される。特に個別化装置は駆動装置を備えており、好ましくは、変向要素のうちの1つの変向要素は、トルクを伝達するための駆動要素として形成されている。変向要素は、装置の少なくとも1つの搬送区分が少なくとも部分的に上り勾配を有するように、装置をガイドするように構成されている。このように構成されていると、装置は、搬送区分において少なくとも部分的に上昇するように延びている。代替的に搬送区分は、少なくとも部分的に下り勾配を有しており、これによって、装置は搬送区分において少なくとも部分的に下降するように延びている。特に、変向要素は、装置フレームに回転可能に支持されている変向ローラである。上り勾配もしくは下り勾配によって、可能な限り少ない数の根菜類を収容領域ごとに所望のように配置することが容易になる。それというのは、1つの収容領域で第2の層にある根菜類は、重力に基づいて、隣接した、特に後続の収容領域内に転動するかもしくは滑り込むからである。搬送区分の上述した構成の代わりに、個別化装置の特別な用途のための装置の少なくとも1つのコンベヤベルトは、少なくとも実質的に水平な経過を有している。
【0031】
好ましくは、装置の第1の搬送区分が、循環方向で続く第2の搬送区分よりも大きな上り勾配もしくは大きな下り勾配を有している。特に、装置は運転中に両搬送区分の間で変向要素を通過する。第2の搬送区分は、特に少なくとも実質的に水平に延びている。装置の上昇する経過の利点を述べた後で、接続する僅かな勾配もしくは水平な経過の利点は、このような経過では、収容領域にある根菜類の、装置に対する相対移動が僅かになるということである。装置における根菜類の動きが僅かになればなるほど、根菜類のチェックがより簡単になる。1つもしくは複数の搬送区分は、装置と一緒に循環するのではなく、装置フレームに対して相対的に固定の区分であり、このような区分内で装置は、例えば根菜類の動きの沈静化のような適合機能を実行する。
【0032】
好ましくは、個別化装置は、搬送区分の少なくとも一部もしくは複数の搬送区分のうちの少なくとも1つの搬送区分の下方に配置されていて、運転中に循環しない少なくとも1つの滑り要素を有している。滑り要素は、特に第2の搬送区分の下方に配置されている。好ましくは、滑り要素は、装置を特に2つの変向要素の間で運転中に滑動させ、これによって、装置の弛みを阻止する滑りレールである。好ましくは、個別化装置は、横方向で互いに離間させられた複数の滑り要素を有している。少なくとも1つの滑り要素は、少なくとも、根菜類の移動を引き起こすおそれがある、根菜類への衝撃の導入を阻止するかもしくは減じる。
【0033】
本発明の別の構成によれば、個別化装置は、運転中に可動の、特に回転する少なくとも1つの衝撃要素を有している。衝撃要素は、搬送区分の少なくとも一部もしくは複数の搬送区分のうちの1つの搬送区分の少なくとも一部に衝撃を発生させるように構成されている。特に衝撃要素は、運転中に上昇する第1の搬送区分の下方に配置されている。運転中に衝撃要素は、好ましくは循環方向に方向付けられていない力衝撃を装置に発生させる。これによって、装置は、特に第1の搬送区分で振動させられ、これによって、収容領域への根菜類の均一な分配が得られる。詳しく言えば、衝撃要素は、好ましくは中心からずらした外輪郭を有していて、運転中に回転する要素として形成されている。代替的に、かつ特に装置もしくは運転中に衝撃要素を越えて走行する無端運搬体の下側が異形成形されている場合には、衝撃要素は、運転中に回転する少なくとも実質的に回転対称の要素として、つまり好ましくはローラとして形成されている。運転中に、少なくとも1つの衝撃要素の機能は、特に自動化されている。好ましくは、運転中に衝撃要素の少なくとも1つの運転パラメータ、特に衝撃要素の回転数または半径は、使用者による調整に関連していて、かつ/または搬送物、特に搬送物もしくは根菜類中における異物割合に関する、好ましくは元々、少なくとも1つの光学センサによって装置または後で記載する機械のうちの1つの機械に記憶されているデータに関連している。
【0034】
搬送区分もしくは複数の搬送区分のうちの1つの搬送区分、特に第1の搬送区分の上方には、特に掻取り要素が配置されており、この掻取り要素は、内室周面から最大で20cm、好ましくは最大で15cmの間隔を置いて配置されていて、掻取り要素の周面は、運転中に側面図で見て特に型要素に隣接している。特に好ましくは、掻取り要素は、特に横方向に対して平行に方向付けられた回転軸線を中心にして回転可能に支持されている。掻取り要素は、好ましくは特に発泡材料から成る弾性変形可能なローラである。代替的に、掻取り要素は抑えゴムまたはブラシとして形成されている。掻取り要素は、第2の層として運搬要素に載置されている根菜類または転がり戻る根菜類を、循環方向でまたは循環方向とは逆方向で押しとどめ、後続の空の収容領域に移動させるために働く。
【0035】
さらに本発明の課題は、上述した個別化装置を備えた移動式の根菜類収穫機によって解決される。また、この課題は、上述した個別化装置を備えた移動式のまたは定置の搬送機または洗浄機によって解決される。第1の搬送区分の上方には、特に装置に根菜類をもたらす供給搬送装置が配置されている。さらに、個別化装置は、作物流の方向で装置に続く搬送装置と共に、好ましくは落下段を形成しており、この落下段には、好ましくは分離器が配置されている。分離器は、特に、互いに横方向でずらして配置された複数の逸らし要素を備えており、これらの逸らし要素の数は少なくとも、横方向で並んで配置された収容領域の数に相当している。逸らし要素は、割り当てられた収容領域から排出された根菜類を後続の搬送装置に達しないように逸らす逸らし位置と、逸らし要素が作物流の外側に配置されている出発位置との間で、往復移動可能である。特に、逸らし要素は、(第2の)搬送区分の上方に配置された少なくとも1つのセンサ、特に逸らすべき根菜類もしくは異物を光学的に識別するカメラの情報に関連して制御される。
【0036】
本発明の更なる詳細および利点は、以下に記載しかつ略示した実施例から看取することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明に係る装置の第1の実施形態の一区分を示す斜視図である。
【
図2】第1の実施形態の一区分を示す平面図である。
【
図4a】第1の実施形態の運搬要素を循環方向で見た図である。
【
図4b】第1の実施形態の運搬要素を示す平面図である。
【
図5】本発明に係る装置の第2の実施形態の一区分を示す斜視図である。
【
図6】第2の実施形態の一区分を示す平面図である。
【
図8】第2の実施形態の一区分を循環方向で見た図である。
【
図9】本発明に係る装置の第3の実施形態の一区分を示す斜視図である。
【
図10】第3の実施形態の一区分を示す平面図である。
【
図11】第3の実施形態を詳細に示す斜視図である。
【
図12a】第3の実施形態の運搬要素を循環方向で見た図である。
【
図12b】第3の実施形態の運搬要素を示す平面図である。
【
図13a】第1の実施形態または第3の実施形態の横方向分離装置を循環方向で見た図である。
【
図14】本発明に係る個別化装置を概略的に示す側面図である。
【
図15】本発明に係る根菜類収穫機を示す斜視図である。
【
図16】本発明に係る装置の第4の実施形態の一区分を示す斜視図である。
【
図17】第4の実施形態の一区分を示す平面図である。
【
図18】第4の実施形態を詳細に示す斜視図である。
【
図19a】第4の実施形態の運搬要素を循環方向で見た図である。
【
図19b】第4の実施形態の運搬要素を示す平面図である。
【0038】
本発明に係る実施例の以下に述べる特徴は、個別でも、または常に少なくとも請求項1の特徴との組合せであれば、本発明の図示または記載した対象とは別の組合せでも可能である。有意義である場合には、機能的に同等の部分には、同一符号を付している。
【0039】
本発明に係る装置2の図示の実施形態は、根菜類を搬送するための複数部分から成るベルトである。
図1、
図2、
図5、
図6、
図9および
図10はそれぞれ、実質的に平らに延ばした状態で示した各々の実施形態の1つの区分だけを示している。図示の端部は、閉じられた環状のベルトを形成するために反対側に位置している端部(図示せず)に連結可能である。これらの実施形態は、運転中に循環方向8に循環する運搬装置7を備えている。この運搬装置7は、スクリーンバーとして形成された複数の運搬要素6(
図4a、
図4b、
図8、
図12aおよび
図12b参照)を備えている。運搬装置7は、複数の収容領域18を形成しており、これらの収容領域18は、循環方向8および/または横方向12で互いにずらして配置されている。運搬装置7は、根菜類を運搬するように構成されている。
【0040】
装置2は、横方向12に延在している複数の横方向分離装置14を備えていて、これらの横方向分離装置14は、循環方向8で互いに隣接した収容領域18を互いに分離している。横方向分離装置14は、収容領域18内で運搬装置7に載置されている根菜類が収容領域18から外に出ることを阻止するために働く。
【0041】
収容領域18は、内室11の外側に隣接していて、内室11は、仮想の内室周面10内で延在している。内室周面10は、横方向12に対して平行に延在していて(
図4a、
図8および
図12a参照)、側面図で見て専ら循環方向8に延びている。特に、収容領域18の、運搬装置7によって形成されている最も低い部分は、内室周面10もしくは内室11に接触している。図示の装置区分にそれぞれ対応する内室周面区分は、平らである。
図1、
図2、
図3、
図4b、
図5、
図6、
図7、
図9、
図10、
図11および
図12bに部分的に示した装置2の内室11は、各々の斜視図で見てそれぞれ主として、図示した運搬要素6の後ろで延在している。
図2、
図6、
図10に示した平面図で見て、収容領域18は実質的に方形である(
図3、
図7、
図11も参照)。
【0042】
少なくとも横方向分離装置14の突出している部分は、内室周面10の上方における根菜類搬送時に、側面図で見て内室11の外側に配置されている。このことは、第1の実施形態および第3の実施形態では分離要素13に該当し(
図13aおよび
図13b)、第2の実施例ではさらに、横ステーとして形成された横方向分離要素24の一部に該当する(
図8参照)。
【0043】
循環方向8で互いに隣接した2つの横方向分離装置14の間には、スクリーンバーとして形成された3つ(第1の実施形態および第3の実施形態)もしくは4つ(第2の実施形態)の運搬要素6が配置されている。第2の実施形態では、循環方向8で互いに連続するそれぞれ2つの運搬要素6が、一体に形成されている。運搬要素6と横方向分離要素24とは共に、装置2の2つの無端運搬体4の側部に固定されている。
【0044】
装置2の図示の実施形態は、循環方向8に、つまり横方向12に対して直角に延在している複数の長手方向分離装置16を有している。これらの長手方向分離装置16は、内室11の外側に配置されている。長手方向分離装置16は、横方向12で互いに隣接したそれぞれ2つの収容領域18を互いに分離している。長手方向分離装置16は、運転中に運搬装置7と一緒に循環する。
【0045】
本発明の第1の実施形態および第3の実施形態では、横方向分離装置14および長手方向分離装置16は、横方向12もしくは循環方向8に沿って並べられた、側面図で見て外向きに突出している複数の分離要素13,15によって少なくとも形成されている。長手方向分離装置16は、専ら分離要素15によって形成されている。横方向分離装置14は、分離要素13のみならず、運搬要素6に対して平行に延びている横方向分離要素24によっても形成されている。横方向分離装置14はその端部の領域で、無端運搬体4に配置されている。本発明の第2の実施形態では長手方向分離装置16は、循環方向8に延びているベルトによって形成されている。この実施形態では、互いに隣接した2つの長手方向分離装置16の間に、横方向分離装置14ごとに2つの分離要素が配置されており、他の実施形態では、互いに隣接した2つの長手方向分離装置16の間に、横方向分離装置14ごとに1つの分離要素が配置されている。分離要素は、これらの分離要素が配置されている運搬要素もしくは横方向分離要素を起点として、少なくとも25mmの高さを有している。
【0046】
本発明に係る装置2の第3の実施形態は、槽状の収容領域18を有している(特に
図12参照)。これらの収容領域18は型要素20によって形成されており、これらの型要素20は、
図10に示した平面図で見て収容領域18内で運搬装置7に配置されていて、内室周面10から外向きに突出しているが、周囲の分離要素よりも低く突出している。型要素は、循環方向で見て、各々の収容領域18を画定する2つの長手方向分離装置16に対して中心からずらしかつ隣接して配置されている。特に各々の運搬要素6には収容領域18ごとに、2つの型要素20が配置されている。
【0047】
図16~
図18に示した本発明に係る装置2の第4の実施形態は、第1の実施形態とほぼ同じである。第1の実施形態とは異なり、第4の実施形態は、主として無端運搬体4のうちの1つの無端運搬体の上方で延在している収容領域18を有している。このような収容領域18を形成するために第4の実施形態は、分離要素13,15を無端運搬体4の上方にも有しており、これらの分離要素13,15によって横方向分離装置14は、無端運搬体4の上方にまで延在していて、それぞれ1つの長手方向分離装置16が、完全に1つの無端運搬体4の上方で装置2の外縁部に沿って延在している。
図19aおよび
図19bには、そのために運搬要素6の端部にも配置された分離要素15が示してある。
【0048】
図14には、装置2を備えた個別化装置30が示してある。個別化装置30は、運転中に装置と一緒に循環しない剛性の装置フレーム(図示せず)と、装置2をガイドするための複数の変向要素22とを有している。個別化装置30は、第1の搬送区分26と第2の搬送区分28とを形成している。第1の搬送区分26において装置2が上り勾配を有しているのに対して、循環方向8で第1の搬送区分26に続く第2の搬送区分28は、水平に延びている。第2の搬送区分28の下方には少なくとも1つの滑り要素32が配置されていて、この滑り要素32に沿って装置2の第2の搬送区分28は滑動する。第1の搬送区分26の下方には、運転中に回転する少なくとも1つの衝撃要素34が配置されており、この衝撃要素34は、装置2に衝撃を発生させるように第1の搬送区分に形成されている。滑り要素32と衝撃要素34とは共に、内室11内に配置されている。第1の搬送区分26の上方には、運転中に回転可能な剥ぎ取り要素36が配置されており、この剥ぎ取り要素36は、運転中に弾性的に撓むように構成されている。作物流の方向で装置2に続く根菜類のための落下段には、特に分離器44が配置されており、この分離器44は、横方向12に並んでいて個々に制御可能な逸らし要素42を有しており、これらの逸らし要素42の数は、少なくとも横方向12に並んで配置された収容領域18の数に相当している。逸らし要素42は、第2の搬送区分28の上方に配置された光学式のセンサ46の情報に関連して制御され、このセンサ46は、逸らすべき根菜類もしくは異物を光学的に識別する。
【0049】
図15には、上述した個別化装置30を備えた移動式の根菜類収穫機40が示してある。
【国際調査報告】