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特表2023-537847無菌環境を細胞培養物のインキュベーションのために確保するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】無菌環境を細胞培養物のインキュベーションのために確保するための装置
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/04 20060101AFI20230830BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20230830BHJP
   C12M 1/36 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
C12M1/04
C12M1/00 K
C12M1/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023502954
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(85)【翻訳文提出日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 EP2021069642
(87)【国際公開番号】W WO2022013303
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】102020118898.6
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020126038.5
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523015127
【氏名又は名称】エス‐バイオシステムズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】S‐BIOSYSTEMS GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ティール, エルウィン リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ザンダー, クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】イルレ, ステファン
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA08
4B029AA17
4B029BB11
4B029DF01
4B029DF04
4B029FA12
(57)【要約】
本発明は、無菌環境を細胞培養物のインキュベーションのために確保するための装置であって、発熱体、温度用センサー、湿度用センサーおよびCO2用センサー、ならびにガス接続部を内部にもたらすガス供給を有する加熱チャンバー(100)を含む装置に関する。本発明の装置はまた、培養容器(110)を加熱チャンバー(100)に設置されて有する。前記培養容器は、加熱チャンバー(100)の内部におけるガス接続部に連結される封止可能なガス入口およびガス出口(130)でもある、それぞれのセンサーのための封止可能な流路(130)を有する。加熱チャンバー(100)のセンサーは、培養容器(110)の関連した流路(130)の中に収まるように位置が定められる。本発明の装置はまた、培養容器(110)に設置される貯水槽(120)を有する。これら3つの要素、すなわち、加熱チャンバー(100)、培養容器(110)および貯水槽(120)は、それぞれの場合において最適である方法を使用して互いに別々に滅菌されることが可能である。センサーは培養容器(110)の一部ではないので、後者はまた、高温によって汚染除去することができる。加熱チャンバー(100)が滅菌されるという事実は、培養容器(110)における細胞培養物が外部によって汚染され得ないこと、また、実験室における汚染の原因となり得ないことを保証する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無菌環境を細胞培養物のインキュベーションのために提供するためのデバイスであって、
封止可能な、および/または封止された加温チャンバー(100)
ただし、
前記加温チャンバー(100)は少なくとも1つの発熱体(210)を含む;
前記加温チャンバー(100)は温度用センサーおよび/または湿度用センサーおよび/またはCO2用センサー(220)を含む;
前記加温チャンバー(100)はガス供給のための少なくとも1つの接続部を外側に有し、前記接続部が、ガス接続部(130;240)を前記加温チャンバーの内部にもたらす管路に接続される;
前記細胞培養物を保持するための封止可能な、および/または封止された培養容器(110)
ただし、
前記培養容器(110)は前記加温チャンバー(100)に設置される;
前記培養容器(110)は、前記センサーのそれぞれのための、前記培養容器における雰囲気と連絡している封止可能な流路(130;310)を有する;
前記培養容器(110)は、前記加温チャンバーの内部において前記少なくとも1つのガスポート(130;240)に連結可能である少なくとも1つの封止可能なガス入口および/またはガス出口(130;330)を含む;および
貯水槽(120)
ただし、
前記貯水槽(120)は前記培養容器(110)に配置される;
を含むデバイス。
【請求項2】
前記加温チャンバー(100)の前記センサーのそれぞれが無菌フィルターによって覆われる
ことを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
ガス供給のための前記加温チャンバーの前記少なくとも1つの接続部(240)、それに接続される前記管路、またはこの管路を介して接続され、前記加温チャンバーの内部に設けられる前記ガス接続部(130)が、無菌フィルターを含む
ことを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のデバイス。
【請求項4】
前記加温チャンバー(100)が密閉用の蓋または扉(250)を有する;
前記蓋または扉(250)の開口部が、前記培養容器(110)の幅よりも大きい断面を有する
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記培養容器(110)につながるそれぞれの封止可能な流路(130;310)が無菌フィルター(320)を含む
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記培養容器(110)における前記少なくとも1つの封止可能なガス入口および/またはガス出口(130;330)が無菌フィルター(340)を含む
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記培養容器(110)が使い捨て可能な要素である
ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記培養容器(110)が密閉用の蓋または密閉用の扉(350)を有する
ことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記貯水槽(120)が半透過性膜(410)により覆われる
ことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記貯水槽(120)の前記半透過性膜(410)が、使用のためには取り除かれる、水および水蒸気に対して不透過性であるフィルム(420)により使用前に封止される
ことを特徴とする、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記貯水槽(120)が無菌の超純水を含有する
ことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記貯水槽(120)が使い捨て可能な要素である
ことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
制御および/または調節のシステムが設けられる;
ただし、
前記制御および/または調節は、前記加温チャンバー(100)の前記センサー(220)からのデータに基づいて前記培養容器(110)における前記条件に影響を及ぼすことができる;
前記温度センサーデータは、前記加温チャンバー(100)の前記発熱体(210)を制御するために、および/または調節するために使用される;
前記CO2センサー(220)の前記データは、前記少なくとも1つのガス供給を制御するために、および/または調節するために役立つ;
前記湿度センサーの前記データは、警告メッセージを出力するために役立つ
ことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
細胞培養物を保持するための封止可能な、および/または封止された培養容器(110)であって、
センサーのための少なくとも1つの封止可能な流路(130;310)
ただし、
前記少なくとも1つの封止可能な流路(130;310)は前記培養容器(110)における雰囲気と連絡している;
ガスポート(240)に連結可能である少なくとも1つの封止可能なガス入口および/またはガス出口(330);および
前記培養容器(110)の内部における貯水槽(120)のための場所
を含む培養容器(110)。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイスにおいて使用されるための、請求項14に記載の培養容器(110)。
【請求項16】
請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイスにおける、請求項14に記載の培養容器(110)の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無菌環境を細胞培養物のインキュベーションのために確保するためのデバイスに関する。そのようなデバイスは、様々な細胞培養物の、主に医療目的および研究目的のための培養であって、当該細胞培養物と接触するすべての要素の無菌性、およびいかなる汚染であれこれらの細胞培養物の汚染を回避することが最も重要であるそのような培養のために主として使用される。
【0002】
遺伝子はさみ(これはCRISP/CASとして知られている)の発明により、遺伝物質の標的化された改変の可能性が切り開かれている。このことを背景にして、様々な研究グループが早くも、遺伝物質の操作に基づく新たな細胞療法的治療法を次々に開発している。ヒトの医学療法の分野において、これには、患者材料(すなわち、患者の生細胞)が遺伝子操作の前に、また遺伝子操作の後で細胞培養物でインキュベーションされる個別化医療が伴うであろう。この患者材料の汚染を厳密に避けるために、様々なデバイスが、これらの細胞培養物のための無菌環境をインキュベーション段階の期間中に安全に確保するために必要となる。
【背景技術】
【0003】
様々な細胞培養物が、選択可能な一定の温度(通常の場合には37℃)、調節可能なCO2濃度(例えば、5%)、および高い相対湿度がその内部では一般的であるに違いないインキュベーターにおいて培養される。したがって、理想的な成長条件が、どのようなタイプの細胞に対してであれ、すなわち、望ましい培養物および望ましくない培養物の両方にインキュベーターにおいて提供される。
【0004】
インキュベーターにおける特に重要な構成要素が、水供給である。基本的に、インキュベーターにおける水は、100%に近い比較的高い湿度を確保して、その結果、細胞培養物の細胞が置かれる水性栄養培地が蒸発しないようにする、または非常にわずかしか蒸発しないようにするという役割を有している。貯水槽における細胞生物学的汚染物の成長を防止するために、原虫に対して毒性である物質が典型的には、その水に加えられる。
【0005】
2つの問題が上記から生じている:第1に、汚染が水とともに持ち込まれる可能性があり、その後、たとえ毒性物質が水自体に加えられるとしても、汚染がインキュベーターにおいて増大する。第2に、比較的高い湿度と、細胞成長のための最適な温度との組み合わせは、どのような汚染であれ存在するかもしれない汚染を、湿気がインキュベーターにおいて凝縮するならば何倍にも増幅される爆発的成長にまで刺激する。
【0006】
実際、インキュベーターにおける理想的な成長条件は、患者細胞の増加だけでなく、外来細胞、いわゆる不純物または汚染の意図されない導入もまたもたらす。このことは、実際の細胞培養物、すなわち、患者材料の汚染を引き起こす可能性があり、その結果、患者材料は治療のために使用できなくなり、最悪の場合、患者が汚染の結果として死亡する。
【0007】
外来細胞によるインキュベーターの汚染を軽減する目的で、従来のインキュベーターの内部は定期的な間隔で滅菌されなければならない(汚染除去)。この目的のために、インキュベーターの内部は、最大で数時間までの期間にわたって200℃近い温度にされる。このようにして、そこに存在する細胞の集団は多くが強力に死滅させられ、しかし、完全には消滅しない。汚染が、例えば、1000分の1に軽減されることが、一般的である。
【0008】
汚染のリスクを軽減させるための別の取り組みが、サンプルを個別の封止された容器の中に置くことである。この容器には通常、ガス透過性膜が取り付けられて、その結果、インキュベーターにおける雰囲気とのガスおよび水分の交換がもたらされるようにされる。膜自体は通常、生物学的汚染物が容器の内部に侵入することを主として最小限に抑える無菌フィルターとして設計される。しかしながら、そのような容器は汚染をインキュベーター自体の内部において防止せず、また、とりわけ、そのような容器の外側表面において防止しない。具体的には、汚染が、そのような容器の無菌フィルターの外側表面に優先的に堆積する可能性があり、その結果、容器の内部へのこの汚染の持ち込みを排除することができない。
【0009】
温度またはCO2濃度などのパラメーターをインキュベーターにおいてモニターする、または調節するためには、様々なセンサーをその内部に設置することが必要である。しかしながら、これらのセンサーの多くは高温の影響を受けやすく、例えば、通常のCO2センサーは、160℃を超える温度には耐えられない。このため、インキュベーターの汚染除去は、センサーの少なくとも一部がインキュベーターから事前に取り外されなければならないため、手間がかかる。加えて、これらのセンサーはそれ自体が汚染除去できないにもかかわらず、依然としてインキュベーターの内部に再設置されなければならず、このことは、インキュベーターを汚染除去する効果を少なくとも部分的に打ち消している。
【0010】
細胞生物学および医学における多くの現在の用途のために、また、とりわけ、可能性のある将来の用途、例えば、遺伝子疾患(例えば、腫瘍、白血病または遺伝性疾患)の治療における将来の用途のためには、インキュベーターにおける完全に無菌の環境が不可欠である。
【0011】
国際公開第2015/172882号からは、1つだけのサンプルキャリアのためにそれぞれが設計される相互に自己充足的なミニインキュベーターによって実験室における安全性を高めるために、また、具体的にはサンプルの混同および起こり得る汚染を防止するために意図されるシステムが知られている。しかしながら、このシステムでは、完全な無菌性が保証され得ない。
【0012】
国際公開第2011/130865号には、本質的には従来的に設計されたインキュベーターであって、サンプルの汚染を防止するために、可能な限り多くの処理工程をインキュベーター内で機械によって、すなわち、人が関与することなく実施することが意図されるインキュベーターが記載される。ロボットアームなどの特別なデバイスが、この目的のために提供される。しかしながら、完全な無菌性がこの場合においてさえ保証され得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2015/172882号
【特許文献2】国際公開第2011/130865号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、細胞培養物のインキュベーションにおける無菌性の改善を可能にするデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的が独立請求項の主題によって達成される。独立請求項の目的の好都合なさらなる実施形態が従属請求項において示される。すべての請求項の文言がこれによって、参照により本明細書の内容となる。
【0016】
単数形の使用は、別途開示される場合を除き、複数形を除外するために意図されず、このことはまた、逆の意味でも当てはまるものとする。
【0017】
この目的を達成するために、無菌環境を細胞培養物のインキュベーションのために確保するためのデバイスが提案される。本発明のデバイスは、少なくとも1つの発熱体を有する封止可能な、および/または封止された加温チャンバーを有する。加温チャンバーは、温度用センサーおよび/または湿度用センサーおよび/またはCO2用センサーを有し、かつガス供給のための少なくとも1つの接続部を外側に有する。接続部は、ガス接続部を加温チャンバーの内部にもたらす管路に接続される。ガス供給は典型的にはCO2であり、しかし、他のガスが特別な細胞培養物のために提供される場合がある。本発明のデバイスはまた、細胞培養物を保持するための封止可能な、および/または封止された培養容器を加温チャンバーに設置されて有する。培養容器は、自身の加熱システムがない。培養容器は前記センサーのそれぞれのための封止可能な流路を有しており、この流路は培養容器における雰囲気と連絡している。培養容器はまた、加温チャンバーの内部における少なくとも1つのガス接続部に連結されることが可能である少なくとも1つの封止可能なガス入口および/またはガス出口を有する。加温チャンバーのセンサーは、培養容器が加温チャンバーの中に挿入されたときには加温チャンバーのそれぞれの封止可能な流路の中に導入されるように配置される。このようにして、加温チャンバーのセンサーは、培養容器における状態に関する測定データをもたらすことができる。本発明のデバイスはさらに、貯水槽を培養タンクに配置されて有する。
【0018】
このデバイスに関しては、加温チャンバー、培養容器および貯水槽という3つの要素が、最適なプロセスをそれぞれのために使用して互いに別個に滅菌されることが可能であるので、細胞培養物がインキュベーションされている間の滅菌状況におけるかなりの改善を達成することができる。センサーは培養容器の中に設置されないため、培養容器は、例えば、要求されるならば高温(例えば、200℃を超える高温)によって、汚染除去することができる。滅菌された加温チャンバーは確実に、培養容器における細胞培養物が外部から汚染され得ることがないようにし、また、汚染を実験室において引き起こし得ることがないようにする。
【0019】
封止可能なガス入口および/またはガス出口は、加温チャンバーの内部に設けられるガスポートに連結されることが可能であるので、培養槽における最適な条件の維持を可能にする。これらの条件は、封止可能なディフューザー(1つまたは複数)の中に収まるセンサーによって制御することができる。
【0020】
センサーによる培養容器における細胞培養物の起こり得る汚染が、加温チャンバーの前記センサーのそれぞれを無菌フィルターにより覆うことによって防止され得る。
【0021】
同様に、ガス供給による汚染が、ガス供給のための加温チャンバーの少なくとも1つの接続部、それに接続される管路、またはこの管路を介して接続され、加温チャンバーの内部に設けられるガス接続部が無菌フィルターを有するという事実によって回避され得る。
【0022】
培養容器を加温チャンバーの中に挿入するために、加温チャンバーが密閉用の蓋または扉を有し、蓋または扉の開口部が、培養容器の幅よりも大きい断面を有するならば、好都合である。
【0023】
センサーによる汚染がまた、培養容器につながるそれぞれの封止可能な流路が確実に無菌フィルターを有するようにすることによって防止され得る。この設計が特に好ましい。この設計は、直接には加温チャンバーのセンサーに接する無菌フィルターの代替として、またはそれに対する補完として使用することができる。
【0024】
ガス供給による汚染が好ましくは、無菌フィルターを有する培養槽における少なくとも1つの封止可能なガス入口および/またはガス出口によって防止され得る。これはその結果として、直接には加温チャンバーのガス接続部における無菌フィルターの代替として、またはそれに対する補完としてどちらでも使用することができる。
【0025】
培養容器が確実に使用前に滅菌されているようにするために、培養容器が使い捨て可能な要素であるならば、好都合である。これは、無菌条件またはクリーンルーム条件のもとで早くも製造されることが可能である。
【0026】
細胞培養物を含むサンプルキャリア(1つまたは複数)の導入が、培養容器が密閉用の蓋または扉を有するならば、容易になる。
【0027】
貯水槽が半透過性膜により覆われるならば、特に好都合である。この膜は水に対して不透過性でなければならず、しかし、水蒸気が通過することを可能にしなければならない。例えば、高密度ポリエチレン(PE-HD)から作製される不織布が、この目的のために優れていることが判明している。このようにして、水を、貯水槽が作られたときには早くも加えることができる。
【0028】
貯水槽からの水の早まった蒸発が、貯水槽の半透過性膜が、使用のためには取り除かれるフィルムであって、水および水蒸気に対して不透過性であるフィルムにより、例えば、プラスチックフィルムにより使用前に封止されるならば、防止され得る。
【0029】
貯水槽を介した細胞培養物の起こり得る汚染が、貯水槽が無菌の超純水を含有するならば、特に起こりにくくなる。
【0030】
貯水槽の無菌性が、貯水槽が使い捨て可能な要素であるならば、特に十分に確保され得る。
【0031】
培養タンクにおけるインキュベーション条件が、加温チャンバーのセンサーからのデータに基づいて培養タンクにおける条件に影響を及ぼすことができる制御および/または調節のシステムが存在するならば、特に最適に設定され得る。温度センサーのデータが、加温チャンバーの発熱体を制御するために、かつ/または調節するために使用され、CO2センサーのデータが、少なくとも1つのガス供給を制御するために、かつ/または調節するために使用される。湿度センサーのデータが、例えば、湿度が、低すぎる値に達するならば、貯水槽を更新するように、使用者に促し得る警告メッセージを出力するために使用される。
【0032】
課題がさらに、細胞培養物を保持するための封止された、および/または封止可能な培養容器によって解決される。培養容器は、培養容器における雰囲気と連絡しているセンサー用の少なくとも1つの封止可能な流路を有する。さらに、培養容器は、ガスポートに連結可能である少なくとも1つの封止可能なガス入口および/またはガス出口を有する。最後に、貯水槽のための位置が培養容器の内部に定められる。
【0033】
そのような培養容器は容易に汚染除去することができ、かつ/または無菌条件のもとで製造することさえできる。したがって、汚染感受性サンプルをそのような培養容器の中に置くことができ、汚染感受性サンプルはその後、培養プロセス全体にわたって特別に保護される。その後、培養容器を前述されるような加温チャンバーの中に置くことができる。封止可能なガス入口および/またはガス出口は、加温チャンバーの内部に設けられるガス接続部に連結され得るので、最適な条件を培養容器において維持することを可能にする。最適な条件が、封止可能な流路(1つまたは複数)に中に収まるセンサーによって制御され得る。
【0034】
したがって、この培養容器は、上記で記載されるようなデバイスにおいて使用することができる。
【0035】
さらなる詳細および特徴が、図面とともに好ましい実施形態例の以下の説明から得られる。それぞれの特徴が個別に、または互いに組み合わされて実行され得る。課題を解決する可能性は実施形態例に限定されない。例えば、範囲指定は常に、すべての(言及されていない)中間の値、およびすべての想定可能な部分区間を含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
一実施形態の一例が図面に概略的に示される。個々の図における同一の参照番号は、同一または機能的に同一の要素、あるいはその機能に関して互いに対応する要素を示す。
【0037】
図1】本発明によるデバイスの概略的全体図。
図2】本発明によるデバイスの加温チャンバーの概略図。
図3】本発明によるデバイスの培養容器の概略図。
図4】本発明によるデバイスの貯水槽の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、無菌環境を細胞培養物のインキュベーションのために確保するためのデバイスを、3つの主要な構成要素の相互の関連での配置を見ることができるように全体図で示す。加温チャンバー100は外側要素であり、通常の実施では、培養される培養物に依存して種々のサイズであることが可能である培養容器110を収容する。培養容器がサンプルキャリア(例えば、マイクロプレートまたはペトリ皿)を受け入れることが可能である設計が好ましい。しかしながら、より大きい設計もまた、当然のことながら、可能である。
【0039】
培養容器の内部には、貯水槽120が配置される。選択された実施形態において、接続部または接続要素130が培養容器の背後に配置されており、これらにより、培養容器110が加温チャンバー100に接続されている。これらの接続部または接続要素が、図2および図3と相互に関連して下記においてより詳しく記載される。
【0040】
図2は加温チャンバー100を示す。この加温チャンバーは、所望の温度を確保する外殻を形成する。この目的のために、加温チャンバーは発熱体210を収容する。要求されたセンサー、例えば、温度、相対湿度またはCO2含有量のためのセンサーもまた、加温チャンバー100に設置される。
【0041】
図2では、明確化のために、CO2センサー220のみが示される。センサーが、培養容器が挿入されたときにはセンサーが正しい場所にあるようにセンサーの位置を定めるホルダー230に取り付けられる。さらに、ガス供給のための少なくとも1つの接続部が設けられる。このポートは、ガスポート240を加温チャンバーの内部にもたらす導管に接続される。好ましくは、2つのそのようなガスポートが設けられ、この場合、それらの一方が、例えば、CO2供給をもたらし、他方がガス抜出しのための手段をもたらす。
【0042】
好ましくは、気密性であるように設計される扉250が、センサーおよびガス接続部の反対側に設けられる。代替では、例えば、取り外し可能な蓋または類似のものが設けられる場合がある。蓋または扉250の開口部は、培養容器110が難なく挿入されることを可能にするために十分に大きい断面を有しなければならない。
【0043】
加温チャンバー100を実験室に持ち込むことによる実験室環境の汚染を避けるために、加温チャンバーが清浄化され、実験室に持ち込まれる前に加温チャンバーが滅菌され得る梱包用容器の中に置かれるならば、好都合である。梱包材は少なくとも一部が、ガス透過性であり、しかし、細菌が通過することができないように十分に細かい細孔を有する半透過性膜からなる。その後、滅菌が、例えば、エチレンオキシドによるガス処理による知られている様式で行われ得る。
【0044】
図3は、加温チャンバーの中に挿入され、また、加温チャンバーから取り出し可能である培養容器110を示す。培養容器は、センサーのための少なくとも1つの封止可能な流路310を有しており、この流路は培養容器における雰囲気と連絡している。この流路310は好ましくは、その内側が無菌フィルター320によって覆われて、その結果、培養容器が外部からの汚染に対して保護されるようにされている。加温チャンバーの各センサーは、培養容器110が加温チャンバーの中に挿入されたときには培養容器110のそれぞれの封止可能な流路の中に挿入されるように配置される。その結果として、センターは、培養容器110の内側の状態に関するデータをもたらすことができる。培養容器にはまた、加温チャンバーの内部における少なくとも1つのガスポートに適合させられる少なくとも1つの封止可能なガス入口および/またはガス出口330が含まれる。これらのガス入口および/またはガス出口のそれぞれが好ましくは、無菌フィルター340を有しており、その結果、培養容器110が外部からの汚染に対して保護されるように、しかし、また、培養容器から環境への汚染が生じ得ないようにされている。これは、例えば、感染性物質が細胞培養物に存在するならば、必要であるかもしれない。好ましくは、ガス入口およびガス出口がそれぞれの場合に設けられ、これにより、培養容器の内側でのガス交換を実行することがより容易になる。
【0045】
さらに、培養容器110は、例えば、細胞培養物を含むサンプルキャリアを培養容器の中に挿入することができる、または培養容器から取り出すことができる開口部を有する。この開口部は、蓋または扉350によって閉じることができる。蓋または扉350による閉鎖は、培養容器110が環境に対して気密封止されるようにしなければならない。培養容器の内部には、貯水槽120を受け入れることがさらに規定される。
【0046】
無菌環境を細胞培養物のインキュベーションのために確保するという目標を達成するために、培養容器110はその使用に先立って清浄化され、滅菌されることが規定される。この点に関して、培養容器110が使い捨て可能であるならば、好都合である。汚染について特に重大である要素、すなわち、センサー用の流路310、ガス入口またはガス出口330、および付随した無菌フィルター320/340は、培養容器の一部である。そのため、それらは配送では含められ、滅菌され、しかも廃棄される。
【0047】
培養容器110を滅菌するための特別な梱包材に、例えば、半透過性膜を提供することもまた、理にかなっている。様々な方法を滅菌のために使用することができ、例えば、ガンマ線照射、またはエチレンオキシドによるガス処理、あるいは熱的方法を使用することができる。
【0048】
培養容器110をクリーンルーム環境で使用するために、無菌梱包を含めた培養容器の製造全体がそれ自体、クリーンルームで行われるならば、同様に好都合である。完成した構成要素(すなわち、無菌梱包での培養容器110)にはその後、クリーンルーム適合性の外側梱包材(例えば、ビニール袋)がそれでもやはりもたらされることが可能である。
【0049】
図4には、貯水槽120が、本発明によるデバイスのさらなる構成要素として概略的に示される。実際には、これは必ずしも直方体型である必要はない。例えば、円筒形または気泡形状の設計もまた想定可能である。貯水槽120は好ましくは、その表面の少なくとも一部に、半透過性膜410、例えば、Tyvekフィルムまたは類似のものを有する。半透過性膜は、ガス状の水蒸気が培養槽において貯水槽から雰囲気に逃げることを可能にし、しかし、液状の水が貯水槽から漏れることを防止する。
【0050】
貯水槽が培養容器の中に挿入される前に、半透過性膜は好ましくは、フィルム420によって、例えば、水密性かつ気密性のプラスチックフィルムによって封止される。図4における矢印は、貯水槽が挿入される前にこの封止フィルム420が取り除かれることを示している。
【0051】
貯水槽120が、使い捨て可能な貯水槽として別個に、培養容器110の中に挿入されるように設計されるならば、特に好都合である。この場合、貯水槽120は、製造時に早くも水で満たされることが可能である。好ましくは、無菌の超純水が使用される。
【0052】
無菌環境をインキュベーションのために提供するという目標を達成するために、貯水槽120がその使用に先立って外部で滅菌されるならば、好都合である。この目的のために、貯水槽は、それ以外の構成要素、すなわち、加温チャンバー100および培養容器110が置かれ得るように、滅菌用の梱包用容器の中に、例えば、半透過性膜を有する梱包用容器の中に置かれることが可能である。種々の方法を滅菌のために使用することができ、例えば、ガンマ線照射、またはエチレンオキシドによるガス処理を使用することができる。
【0053】
貯水槽120をクリーンルーム環境で使用するために、水および無菌梱包を含めた貯水槽の製造全体がクリーンルームで行われ、構成要素全体(すなわち、貯水槽120、水、水蒸気透過性膜410、シール420、および無菌梱包)がクリーンルーム好適な容器(例えば、ビニール袋)にもう一度梱包されるならば、同様に好都合である。
【0054】
上記で記載されるデバイスでは、先行技術を超える下記の利点が得られる:
【0055】
培養容器のガス入口が、加温チャンバーと培養容器との間でのガス交換がないような様式で加温チャンバーに合うようにされるため、加温チャンバーの領域からの無菌フィルターの汚染は起こり得ない。ガス入口またはガス出口は、ガスがガス接続部から培養タンクにまで進むことを許すだけである。
【0056】
同様に、培養容器のガス出口は、培養容器と加温チャンバーとの間でのガス交換が防止されるような様式で加温チャンバーに合うようにされる。このようにして、培養容器の領域からの加温チャンバーの汚染は起こり得ない。
【0057】
さらに、本発明によるデバイスでは、センサーが培養容器の外側に設置され、したがって、センサーが、無菌フィルターによって培養容器から分離されているために培養容器におけるサンプルによって汚染され得ないという利点が得られる。
【0058】
さらに、滅菌された培養容器の使用により、サンプルの汚染が防止される。このことは、培養容器が滅菌された使い捨て可能な物品であるならば、特に当てはまる。
【0059】
超純水の使用でもまた、超純水が、滅菌された培養容器に、滅菌された使い捨て可能な貯蔵槽で導入されるので、導入された水による汚染が排除される。この危険性が、すべての構成要素が使用前に滅菌されているので、相対湿度が非常に高くて、水が培養容器において凝縮する場合には存在しない。
【0060】
用語
インキュベーター
インキュベーターは、様々な発生プロセスおよび成長プロセスのための制御された屋外条件を作出し、かつ維持するために生物学において使用されるデバイスである。インキュベーターは、湿度および温度の条件が厳密に制御される微気候を作出し、かつ維持するために使用される。インキュベーターはタイマーおよび温度コントローラーを備え、また、ある特定の状況のもとでは、供給された新鮮な空気を調節するための設定を備える。設定温度は、インキュベーションされることになる微生物の至適温度に調節される。CO2インキュベーターが動物細胞の培養のために使用される。(de.wikipedia.org/wiki/Incubator_(Biology)による)
【0061】
マイクロプレート
マイクロウェルプレート(またはマイクロプレート)は多サンプルキャリアである。通常は長方形であるマイクロプレートが通常の場合にはプラスチックから作製され、非常に特殊な用途のためにはガラスからも作製される。マイクロプレートは、行および列において互いに孤立するウェルを6(2×3)個~1536(32×48)個の間で含有する。正確な大きさ(縦×横×高さ)は、Society for Biomolecular Screening(SBS)の勧告に基づくANSI規格に従って127.76×85.48×14.35mmである。マイクロプレートは広範囲の様々な微生物学的操作のために使用される。典型的な用途が、細胞培養、または工業用生物反応のスクリーニングである。ウェルの数が多いこと、および同一タイプが使用されることのために、マイクロプレートは、非常に多数の異なるサンプルの並行した培養および試験に適している。標準化されたサイズのために、ほぼすべての操作が、好適なロボットにより自動化されることが可能である。(de.wikipedia.org/wiki/Microtiterplateによる)
【0062】
サンプルキャリア
微生物学的サンプルまたは細胞培養物が、本明細書ではサンプルキャリアとして示される容器に貯蔵される。サンプルのタイプに依存して、サンプルキャリアは広範囲の様々な容器であることが可能である。しかしながら、典型的には、ペトリ皿またはマイクロプレートが使用され、時には三角フラスコまたは同様のものもまた使用される。多数のサンプルキャリア(例えば、マイクロプレート)はまた、サンプルキャリアシステムとして示される。
【0063】
無菌フィルター
無菌ろ過において、微生物が、滅菌される材料からろ過によって分離される。細孔径が0.1μm~0.22μmであるメンブランが通常、フィルターとして使用される。無菌ろ過が多くの場合、熱感受性溶液を滅菌するために、例えば、血清を含有する組織培養液を滅菌するために使用される。主な用途が、水溶液、熱感受性栄養溶液、ビタミン溶液、血清、ウイルスワクチン、血漿分画分およびタンパク質溶液の無菌ろ過である。(https://de.wikipedia.org/wiki/Sterilisation#Sterilfiltrationによる)
【符号の説明】
【0064】
100 加温チャンバー
110 培養容器
120 貯水槽
130 接続部または接続要素
210 発熱体
220 CO2センサー
230 センサー用のホルダー
240 ガス接続部
250 加温チャンバーの扉
310 センサー用の流路
320 センサー用の無菌フィルター
330 ガス入口またはガス出口
340 ガス入口またはガス出口のための無菌フィルター
350 培養槽の扉
410 半透過性膜
420 フィルム
【0065】
引用文献
国際公開第2015/172882号
国際公開第2011/130865号

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無菌環境を細胞培養物のインキュベーションのために提供するためのデバイスであって、
封止された加温チャンバー(100)
ただし、
前記加温チャンバー(100)は少なくとも1つの発熱体(210)を含む;
前記加温チャンバー(100)は温度用センサーおよび/または湿度用センサーおよび/またはCO2用センサー(220)を含む;
前記加温チャンバー(100)はガス供給のための少なくとも1つの接続部を外側に有し、前記接続部が、ガス接続部(130;240)を前記加温チャンバーの内部にもたらす管路に接続される;
前記細胞培養物を保持するための封止された培養容器(110)
ただし、
前記培養容器(110)は前記加温チャンバー(100)に設置される;
前記培養容器(110)は、前記加温チャンバーの前記センサーのそれぞれのための、前記培養容器における雰囲気と連絡している封止可能な流路(130;310)を有する;
前記培養容器(110)は、前記加温チャンバーの内部において前記少なくとも1つのガスポート(130;240)に連結可能である少なくとも1つの封止可能なガス入口および/またはガス出口(130;330)を含む;
前記加温チャンバー(100)の前記センサーは、前記培養容器(110)が前記加温チャンバー(100)の中に挿入されたとき、前記加温チャンバー(100)のそれぞれの封止可能な流路(130;310)に導入されるように配置される;および
貯水槽(120)
ただし、
前記貯水槽(120)は前記培養容器(110)に配置される;
を含むデバイス。
【請求項2】
前記加温チャンバー(100)の前記センサーのそれぞれが無菌フィルターによって覆われる
ことを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
ガス供給のための前記加温チャンバーの前記少なくとも1つの接続部(240)、それに接続される前記管路、またはこの管路を介して接続され、前記加温チャンバーの内部に設けられる前記ガス接続部(130)が、無菌フィルターを含む
ことを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のデバイス。
【請求項4】
前記加温チャンバー(100)が密閉用の蓋または扉(250)を有する;
前記蓋または扉(250)の開口部が、前記培養容器(110)の幅よりも大きい断面を有する
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記培養容器(110)につながるそれぞれの封止可能な流路(130;310)が無菌フィルター(320)を含む
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記培養容器(110)における前記少なくとも1つの封止可能なガス入口および/またはガス出口(130;330)が無菌フィルター(340)を含む
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記培養容器(110)が使い捨て可能な要素である
ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記培養容器(110)が密閉用の蓋または密閉用の扉(350)を有する
ことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記貯水槽(120)が半透過性膜(410)により覆われる
ことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記貯水槽(120)の前記半透過性膜(410)が、使用のためには取り除かれる、水および水蒸気に対して不透過性であるフィルム(420)により使用前に封止される
ことを特徴とする、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記貯水槽(120)が無菌の超純水を含有する
ことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記貯水槽(120)が使い捨て可能な要素である
ことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
制御および/または調節のシステムが設けられる;
ただし、
前記制御および/または調節は、前記加温チャンバー(100)の前記センサー(220)からのデータに基づいて前記培養容器(110)における前記条件に影響を及ぼすことができる;
前記温度センサーデータは、前記加温チャンバー(100)の前記発熱体(210)を制御するために、および/または調節するために使用される;
前記CO2センサー(220)の前記データは、前記少なくとも1つのガス供給を制御するために、および/または調節するために役立つ;
前記湿度センサーの前記データは、警告メッセージを出力するために役立つ
ことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
細胞培養物を保持するための封止された培養容器(110)であって、
センサーのための少なくとも1つの封止可能な流路(130;310)
ただし、
前記少なくとも1つの封止可能な流路(130;310)は前記培養容器(110)における雰囲気と連絡している;
ガスポート(240)に連結可能である少なくとも1つの封止可能なガス入口および/またはガス出口(330);および
前記培養容器(110)の内部における貯水槽(120)のための場所
を含む培養容器(110)。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイスにおいて使用されるための、請求項14に記載の培養容器(110)。
【請求項16】
請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイスにおける、請求項14に記載の培養容器(110)の使用。
【国際調査報告】