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特表2023-537881別個の作業所を有する材料取り扱い装置とその使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】別個の作業所を有する材料取り扱い装置とその使用方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20230830BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
B65G1/04 509
B65G1/04 515A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023506552
(86)(22)【出願日】2021-08-16
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 US2021046188
(87)【国際公開番号】W WO2022036333
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】63/065,524
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509196718
【氏名又は名称】オペックス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァリンスキー、 ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンス、 アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ブロック、 ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ムッタシル、 ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】バインズ、 デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022FF01
3F022JJ11
3F022KK14
3F022LL12
3F022LL14
3F022MM21
(57)【要約】
材料取り扱いシステムのための作業所が提供される。材料取り扱いシステムは、1つ以上のラック内に位置する複数の格納場所からアイテムを取得する、複数の車両を含んでいてもよい。作業所は、車両が作業所に進入して作業所内の軌道に沿って上方に駆動されるよう、車両を収容するように構成されている。一構成では、軌道は、車両が上方に駆動されるとき、水平に対して所定の角度に車両を傾斜させるように構成されている。車両が所定の角度に傾斜した後、車両は、所定の角度を維持しながら継続的に上方に駆動される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイテムを運搬する複数の独立動作可能な車両を有する材料取り扱いシステムのための作業所であって、
該作業所に進入する車両を収容するよう構成されている、第1の開口部を有するハウジングであって、前記車両がコンテナを運搬している間に前記第1の開口部を通過できるように前記第1の開口部が構成されている、ハウジングと、
前記ハウジング内に配置されて前記ハウジング内の前記第1の開口部を通過するように駆動する車両が動作係合し、前記車両を垂直上方に案内するように構成され、水平に対して所定の角度に前記車両を傾斜させるための湾曲形状を有する下側区画と前記車両を傾斜させる傾斜角を維持して垂直に持ち上げるための実質的に直線状の形状を有する上側区画とを含む軌道と、を備えている作業所。
【請求項2】
前記車両によって前記作業所に運搬される前記コンテナから取り出される前記アイテムを識別するモニタを備えている、請求項1に記載された作業所。
【請求項3】
前記下側区画および前記上側区画のそれぞれが、複数の垂直な軌道を含む、請求項1または請求項2に記載された作業所。
【請求項4】
前記軌道が、複数の歯を含む、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された作業所。
【請求項5】
前記軌道の前記下側区画が、第1の歯ピッチを有する第1の軌道要素と第2の歯ピッチを有する第2の軌道要素とを含む、請求項4に記載された作業所。
【請求項6】
前記第1の軌道要素が、前記第2の軌道要素に対向している、請求項5に記載された作業所。
【請求項7】
前記上側区画が、前記下側区画の前記第1の軌道要素と一体的に形成されている第1の軌道要素と、前記下側区画の前記第2の軌道要素と一体的に形成されている第2の軌道要素と、を含む、請求項5または請求項6に記載された作業所。
【請求項8】
前記上側区画の前記第1の軌道要素および前記第2の軌道要素が、前記第1の歯ピッチを有している、請求項7に記載された作業所。
【請求項9】
前記車両が、垂直駆動要素を含み、
前記垂直駆動要素および前記軌道と協働可能な伝達歯車を備えている、請求項8に記載された作業所。
【請求項10】
前記伝達歯車が、前記上側区画の前記第2の軌道要素の前記第1の歯ピッチと協働する第1の歯ピッチと、前記下側区画の前記第2の軌道要素の前記第2の歯ピッチと協働する第2の歯ピッチと、を有している第1の区画を含む、請求項9に記載された作業所。
【請求項11】
格納場所のラックからコンテナを取得するよう動作可能な複数の運搬車両を有する材料取り扱いシステムのための作業所で各運搬車両が垂直駆動機構を含み、オペレータにアイテムを提示する方法であって、
前記複数の運搬車両のうちの1つの運搬車両が前記コンテナの1つを運搬している間、前記運搬車両を作業所に進入させるステップと、
前記作業所で前記運搬車両の前記垂直駆動機構を第1の方向に駆動することで、前記運搬車両を上方に持ち上げる、前記垂直駆動機構を第1の方向に駆動するステップと、を含み、
前記垂直駆動機構を第1の方向に駆動する該ステップが、
前記垂直駆動機構を第1の期間駆動することで、前記運搬車両を上方に持ち上げ、かつ、前記コンテナを水平に対してある角度で傾斜させる、前記垂直駆動機構を第1の期間駆動するステップと、
前記垂直駆動機構を第2の期間駆動することで、前記コンテナの水平に対する前記角度を維持して前記運搬車両を上方に持ち上げる、前記垂直駆動機構を第2の期間駆動するステップと、を含む、作業所でオペレータにアイテムを提示する方法
【請求項12】
前記運搬車両の前記垂直駆動機構を第2の方向に駆動することで、前記運搬車両を下降させる、前記垂直駆動機構を第2の方向に駆動するステップを含む、請求項11に記載された、オペレータにアイテムを提示する方法。
【請求項13】
前記垂直駆動機構を第2の方向に駆動する前記ステップの後に、前記運搬車両を前記作業所から離れるように駆動するステップを含む、請求項12に記載された、オペレータにアイテムを提示する方法。
【請求項14】
前記作業所が、複数の第1の駆動歯と該第1の駆動歯とは異なる構成の複数の第2の駆動歯とを有する軌道を含み、前記垂直駆動機構を第1の期間駆動する前記ステップで前記運搬車両が前記第1の駆動歯に沿って駆動し、
前記垂直駆動機構を第2の期間駆動する前記ステップで前記運搬車両が前記第2の駆動歯に沿って駆動する、請求項11乃至請求項13のいずれか一項に記載された、オペレータにアイテムを提示する方法。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本出願は、2020年8月14日に出願された米国仮特許出願第63/065,524号および2021年8月16日に出願された米国特許出願第17/403,814号に対する優先権を主張し、それらの各出願の開示内容全体が、引用により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、アイテムを格納または取得するための材料取り扱いシステムに関する。
より具体的には、本発明は、複数の目的地領域と、複数の目的地領域へおよび/または複数の目的地領域から、並びに1つ以上の作業所へおよび/または1つ以上の作業所から、アイテムを運搬する複数の車両と、を組み込んでいる、材料取り扱いシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
顧客の注文を満たすためのアイテムを格納および取得することは、特に、何千ものアイテムを格納するシステムでは、困難であり時間を要する場合がある。
何千もの格納領域からアイテムを手動で格納および取得するには、かなりの労力が必要である。
多くの分野で自動採取が開発され、人件費を削減し、かつ、顧客の注文を満たす時間を短縮することで顧客サービスを向上させてきた。
しかし、材料を自動的に取り扱う既知のシステムは、非常に高価であるか、その有効性を妨げる制限がある。
したがって、さまざまな材料取り扱い用途において、アイテムを自動で格納および/または取得する需要が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、材料取り扱いに関する、かつ/または、格納プロセスと取得プロセスとに関する、多くの発明態様を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によると、アイテムを運搬する複数の独立動作可能な車両を有する材料取り扱いシステムのための、採取所が提供される。
そして、この採取所が、オプションでハウジングを含んでいてもよい。
また、このハウジングが、前記採取所に進入する車両を収容するように構成されている開口部を有していてもよい。
さらに、採取所が、ハウジング内に配置されている固定軌道を有する軌道を含み、このハウジング内の開口部を通過するように駆動する車両が、固定軌道に動作係合するよう駆動される。
そして、この固定軌道は、車両を垂直上方に案内するように構成されていてもよい。
さらに、前記軌道が、水平に対して所定の角度に前記車両を傾斜させるための湾曲形状を有する、下側区画を含んでいてもよい。
また、前記軌道が、前記車両を前記傾斜角を維持して所定の距離だけ持ち上げるための、実質的に直線状の形状を有する上側区画も含んでいてもよい。
【0006】
さらなる態様によると、採取所が、車両が採取所に運搬するコンテナから取り出されるアイテムを識別するためのモニタを含んでいてもよい。
【0007】
別の態様によると、採取所が、複数の垂直軌道を含む軌道を含んでいてもよい。
【0008】
さらなる態様によると、採取所が、複数の歯を含む軌道を含んでいてもよい。
【0009】
さらに別の態様によると、採取所が、第1の歯ピッチを有する下側区画と第1の歯ピッチを有する上側区画とを有する第1の軌道区画を有する軌道を、含んでいてもよい。
オプションで、この軌道が、第1の軌道区画に対向し、実質的に長さ全体に沿って第1の歯ピッチを有している、第2の軌道要素を有していてもよい。
【0010】
さらなる態様によると、水平方向の第1の経路および垂直方向の第2の経路に沿って駆動するように構成されている材料取り扱い車両を充電するための方法が、提供されてもよい。
各車両が、蓄電要素を含んでいてもよい。
材料取り扱い車両を充電するための前記方法が、車両に充電電流を供給して前記車両の蓄電要素を充電するように構成されている導電性要素を含む充電要素を有する採取所まで、アイテムを有する車両を駆動するステップを含んでいてもよい。
また、材料取り扱い車両を充電するための記方法が、車両の電気接点を変位させることで充電要素と係合させる、車両の電気接点を変位させるステップを含んでいてもよい。
オプションで、この電気接点が充電要素との電気的係合を維持している間、車両が採取所で持ち上げられていてもよい。
さらに、前記車両が採取所で上方に持ち上げられている間に、充電要素が変位されてもよい。
【0011】
別の態様によると、採取所で前記車両を上方に駆動するステップを含む、材料取り扱い車両を充電するための方法が提供される。
【0012】
さらなる態様によると、車両の駆動アセンブリを作動させることによって車両を上方に駆動するステップを有する、材料取り扱い車両を充電するための方法が提供される。
【0013】
さらに別の態様によると、前記充電要素を変位させるステップを含む、材料取り扱い車両を充電するための方法が提供され、前記充電要素を変位させるステップが、車両が上方に持ち上げられているときに前記充電要素を垂直に変位させることで前記車両の充電接点との充電要素の動作係合を維持する、前記充電要素を垂直に変位させるステップを含む。
【0014】
さらなる態様によると、材料取り扱い車両を充電する方法が、充電要素を車両の充電接点に対して垂直方向に付勢するステップを含む。
オプションで、材料取り扱い車両を充電する方法が、充電要素を車両の充電接点に対して水平方向に付勢するステップを、付加的にまたは代替的に含んでいてもよい。
【0015】
別の態様によると、材料取り扱いのための車両を充電する方法が、コンテナを搭載している車両を採取所まで駆動するステップを含んでいてもよい。
オプションで、材料取り扱いのための車両を充電する方法が、前記コンテナが上昇位置に位置するように前記車両を上方位置まで上向きに駆動することで、採取所でオペレータに前記コンテナを提示する、前記車両を上方位置まで上向きに駆動するステップを含んでいてもよい。
【0016】
また、本発明は、格納システムから採取所までアイテムを運搬する方法を提供する。
格納システムから採取所までアイテムを運搬する該方法が、コンテナを有する車両を採取所まで駆動するステップを含む。
前記車両が、採取所で上方位置まで上向きに駆動し、コンテナを上昇位置まで移動させて、コンテナをオペレータに提示する。
前記コンテナが、前記上昇位置で解放可能に保持されてもよい。
また、コンテナが上昇位置で保持されている間に車両を上方位置から下方に駆動させてもよい。
さらに、コンテナが上昇位置で保持されている間に車両を下方に駆動することで、車両をコンテナから分離させてもよい。
また、格納システムから採取所までアイテムを運搬する方法が、コンテナが上昇位置に保持されている間に、採取所まで1つ以上の後続の車両を駆動することでコンテナ内に入れられるアイテムを運搬する、1つ以上の後続の車両を駆動するステップを含んでいてもよい。
【0017】
別の態様によると、格納システムから採取所までアイテムを運搬する方法が、前記コンテナが上昇位置に保持されている間に、採取所で上方位置まで取得車両を上向きに駆動することでコンテナと動作係合させる、取得車両を上向きに駆動するステップを含んでいてもよい。
さらに、アイテムを運搬する方法が、前記コンテナを解放するステップを含んでいてもよい。
オプションで、格納システムから採取所までアイテムを運搬する方法が、前記解放されたコンテナと共に前記取得車両を下向きに駆動するステップを含んでいてもよい。
さらに、格納システムから採取所までアイテムを運搬する該方法が、前記取得車両を下向きに駆動する前記ステップの後に、前記取得車両を採取所から離れるように水平に駆動するオプションのステップを含んでいてもよい。
【0018】
別の態様によると、本発明は、地面に沿って車両を水平に駆動するための水平駆動システムと、前記車両を垂直に駆動するための垂直駆動システムとを有する、車両によって運搬されるアイテムを提示するための作業所を提供してもよい。
この作業所が、複数の駆動歯を有する後方軌道と複数の駆動歯を有する前方軌道と運搬機構とを含む軌道システムを含んでいてもよい。
オプションで、この運搬機構が、前記後方軌道と協働して運搬機構を上方に駆動する第1の移送機構と、前記前方軌道と協働して運搬機構を上方に駆動する第2の移送機構と、を含む。
前記垂直駆動システムからの動力が前記第1および第2の移送機構を介して伝達されることで前記運搬機構が前記軌道システムの上方に駆動されるように、前記第1および第2の移送機構が前記車両の垂直駆動システムに係合するように構成されていることで、採取所でオペレータに車両上のアイテムを提示してもよい。
【0019】
別の態様によると、本発明は、第1の移送機構および第2の移送機構を有する作業所を提供してもよく、前記第1および第2の移送機構の1つが、第1の歯ピッチを有する第1の歯車と、第2の歯ピッチを有する第2の歯車要素と、をオプションで含んでいてもよい。
オプションで、この作業所は、第1の歯ピッチに対応する歯ピッチを有する第1の区画と第2の歯ピッチに対応する歯ピッチを有する第2の区画とを有する前方軌道を含んでいてもよい。
オプションで、前記第1の区画が、車両を所定の角度に傾斜させるように構成されている湾曲形状を含み、前記第2の区画が、実質的に直線状である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の実施形態の前述の概要と以下の詳細な説明とは、添付の図面と併せて読むと、最もよく理解することができる。
【0021】
図1】材料取り扱いシステムの概略平面図である。
【0022】
図2図1に示す材料取り扱いシステムの一部の部分側面図である。
【0023】
図3図1に示す材料取り扱いシステムと共に使用する車両の斜視図である。
【0024】
図4図3に示す車両の端面図である。
【0025】
図5図3に示す車両の側面図である。
【0026】
図6A図1に示す材料取り扱いシステムと共に使用する作業所の斜視図である。
【0027】
図6B図1に示す材料取り扱いシステムと共に使用する、代替の作業所の斜視図である。
【0028】
図7図6Aに示す作業所の部分拡大後方斜視図である。
【0029】
図8図6Aに示す作業所の部分拡大前方斜視図である。
【0030】
図9図6Aに示す作業所の一部の斜視図であり、作業所の軌道を示す。
【0031】
図10図9に示す軌道の端面図である。
【0032】
図11図9に示す軌道の後方斜視図である。
【0033】
図12図9に示す作業所の拡大端面図であり、作業所の運搬機構を示す。
【0034】
図13図12に示す運搬機構の一部の部分拡大前方斜視図である。
【0035】
図14図13に示す運搬機構の一部の部分拡大後方斜視図である。
【0036】
図15図12に示す運搬機構の歯車の拡大斜視図である。
【0037】
図16図12に示す運搬機構の案内部の一部の部分拡大斜視図である。
【0038】
図17図6aに示す作業所の部分拡大斜視図であり、安全ドアの詳細を示す。
【0039】
図18図3から図5に示す車両の垂直駆動歯車の部分拡大図である。
【0040】
図19図6Bの作業所の概略俯瞰図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1を参照すると、アイテムの仕分けまたは取得のための装置、すなわち、材料取り扱いシステムが全体的に10で示されている。
アイテムの仕分けまたは取得のための装置である材料取り扱いシステム10は、ラック内に位置する格納領域25などの複数の場所のうちの1つからアイテムを取得する、1つ以上の機構を含む。
取得機構は、格納場所からアイテムを取得し、オペレータが車両からアイテムを取得可能な作業所200にアイテムを運搬する、1つ以上の車両を含んでいてもよい。
その後、車両は、ラック内の格納領域に戻り、オペレータが取得しなかった残りのアイテムを格納する。
その後、車両は、別の格納領域に進み、次に取得されるアイテムを取得することができる。
このように、材料取り扱いシステムは、アイテムをオペレータに提示することができるよう、様々な格納領域へ/からアイテムを連続的に格納および取得するための機構を含んでいてもよい。
【0042】
システム全体のさまざまなアイテムおよびサブアセンブリは、単独で用いられてもよいし、または図に示されて以下で説明されるシステムとは異なる構造を有したり動作を行ったりする、材料取り扱いシステムと組み合わせて用いられてもよいことを理解されたい。
【0043】
材料取り扱いシステム10は、アイテムを格納するための様々なシステムのうちの任意のものを含んでいてもよい。
例えば、材料取り扱いシステム10は、2021年2月18日付の米国特許出願公開第2021/0047117号である、米国特許出願第16/992,703号に記載されている材料取り扱いシステムのような、複数の自動車両を組み込んだシステムを含んでいてもよい。
米国特許出願第16/992,703号の記載内容全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0044】
図1に示すように、材料取り扱いシステム10は、1つ以上のラック20をオプションで組み込んでいてもよい。
各ラック20は、複数の格納場所25を含んでいてもよい。
オプションで、格納場所25は、1つ以上の垂直列22に配置されていてもよい。
例えば、図1は、複数のラック20を示しており、各ラック20は複数の垂直列22を含んでいてもよく、各垂直列22は複数の格納場所25を含んでいる。
材料取り扱いシステム10が処理するアイテムは、格納場所25に直接格納されてもよい。
あるいは、図2に示すように、アイテム、は容器またはトート55に格納されていてもよく、格納場所25がトート55を格納するように構成されていてもよい。
ここで、トートという用語は、以下の説明で特に断りのない限り、1つ以上のアイテムを収容するためのコンテナを含むだけでなく、必ずしも、コンテナに収容されない単なるアイテムも含んでいてもよいことを理解されたい。
【0045】
再び、図1を参照すると、材料取り扱いシステムは、行または通路50を形成するように任意に配置可能な、複数のラック20を含んでいてもよい。
例えば、第1のラック20aを第2のラック20bから隔てることで、2つのラックの間に通路50aを形成していてもよい。
具体的には、第1のラック20aは、実質的に均一な幅を有する通路を形成するために、第2のラック20bに対して実質的に平行であってもよい。
さらに、材料取り扱いシステム10は、複数の通路50を形成する複数のラック20を含んでいてもよい。
通路50同士は、図1では平行であるように示されているが、システムが複数のラック20を組み込んでいる場合、ラック20は、様々な構成で配置されていてもよいし、材料取り扱いシステム10が複数の通路50を含む場合、通路50同士は、平行である必要はないことを理解されたい。
【0046】
オプションで、材料取り扱いシステム10は、トートを格納し、格納場所25から取得するための自動要素を含む。
そのような自動要素の1つが、自動車両である。
例えば、以下でさらに説明するように、自動要素は、複数の自動車両100を含んでいてもよい。
さらに、自動車両100は、トート55を作業所200に輸送するように構成されていてもよい。
作業所200で、1つ以上のアイテムが、車両100上のトートから取得されてもよい。
一実施形態では、人間のオペレータが、車両100からアイテムを取り出してもよい。
しかし、自動化された機構が車両100からアイテムを取り出してもよいことを、理解されたい。
したがって、作業所200でアイテムを取り扱うオペレータとは、人間のオペレータ、自動化された機構、またはこれら2つの組み合わせであってもよいことを理解されたい。
【0047】
材料取り扱いシステム10および/またはシステムの様々な構成要素は、マイクロコンピュータなどの中央制御装置90によって制御されてもよい。
中央制御装置90は、センサーなどのさまざまな構成要素から信号を受信し、さまざまな構成要素から受信した信号に基づいてシステムのさまざまな機能を制御してもよい。
また、中央制御装置90は、システムから取得する様々なアイテムの位置に関するデータを格納していてもよい。
さらに、中央制御装置90は、顧客の注文を満たすアイテムの数、およびそのアイテムの数量など、取得するアイテムの識別に関するデータを含んでいてもよい。
このようにして、中央制御装置90は、様々な構成要素の動作を制御および調整して、格納場所25からの様々なアイテムの取得および処理に関する予定を組んでもよい。
<ラックシステム>
【0048】
前述のように、材料取り扱いシステム10は、複数の格納場所25を有する1つ以上のラック20を含んでいてもよい。
格納ラック20の詳細が、図1および図2に示されている。
しかし、材料取り扱いシステム10は、複数の格納場所25を組織するための様々な構成要素のうちの任意のものを含んでいてもよいことを理解されたい。
【0049】
図2を参照すると、各ラック20は、実質的に垂直に延在する複数の支持脚とこの支持脚を相互接続する実質的に水平に延在する複数のブラケットと、を含んでいてもよい。
ブラケットは、棚が格納場所25を形成するように棚を形成する、平面要素であってもよい。
しかし、図2に示す実施形態では、水平ブラケットが水平脚を形成するL字型ブラケットであることで、トート55の縁を支持している。
水平ブラケットは、垂直脚の高さだけ互いに離間していることで、垂直方向に離間している格納場所25の垂直列22を形成していてもよい。
【0050】
前述のように、材料取り扱いシステム10は、間隔をあけて配置されている複数のラック20を含むことで、1つ以上の通路50を形成していてもよい。
オプションで、軌道40がラック20に沿って配置されていてもよく、車両100が垂直列22を上下して垂直列22内の格納場所25まで移動するように、軌道40が車両を垂直に案内するよう構成されていてもよい。
さらに、第1の軌道を通路50の一方の側のラック(例えば、ラック20a)に沿って配置し、第2の軌道を通路50の反対側のラック(例えば、ラック20b)に沿って配置することが望ましい場合がある。
車両100は、車両100が通路50a内をラック20aに沿う軌道に沿って垂直に移動しながら同時にラック20bに沿う軌道に沿って垂直に移動するように構成されていてもよい。
【0051】
材料取り扱いシステム10が1つ以上の車両100と1つ以上のラック20とを用いる場合、車両100が材料取り扱いシステム10内に組み込まれている任意の通路を横断可能であったり、通路に沿って移動可能であったりすることに加えて、ラック20の下を移動可能であるように、ラック20が構成されていてもよい。
例えば、図1を参照すると、車両100は、通路50に平行であったり直交したりしている経路区画に沿う経路をたどってもよい。
第1のそのような経路を、経路60aで示す。
経路60aは、通路50a内にあり、通路50aと平行である。
第2のそのような経路を、経路60bで示す。
経路60bは、通路50aの長さ方向に平行であるが、通路50aから離間して配置されている。
具体的には、経路60bは、ラック20bの下に位置している。
ラック20bは、通路50aの長さ方向に平行な経路60bに沿って車両がラック20bの下を移動できるように、最も低い格納場所25の下に車両の移動のための空間を提供するように構成されていてもよい。
第3の経路は、60cで示され、経路60aおよび経路60bに対して直交している。
図1および図2に示すように、経路60cは、各垂直列22の奥行き方向に平行である。
【0052】
図2は、ラック20および格納場所25に対して、違う方向を向いている複数の車両を示している。
例えば、第1の車両100aは、通路50の長さ方向に対して直交している経路60cに沿って水平移動する方向を向いている。
第2の車両100bは、通路50の長さ方向に平行な経路60bに沿って、ラック20の下を水平移動する方向を向いている。
さらに、第3の車両100dは、通路50の両側のラック20に沿う垂直軌道を登るように、通路50内に配置されている。
第4の車両100eも、通路50内に配置され、軌道40aと軌道40bとを登り、列22の上部の格納場所25に到達している。
最後に、第5の車両100fは、ラック20の下に配置されており、車両100aが向いている方向と車両100bが向いている方向との中間の方向を向いている。
具体的には、ラック20は、車両がラック20の下で水平方向に旋回するのを容易にするように構成されていてもよい。
第5の車両100fは、ラック20の下で第1の経路から第2の経路に方向転換する過程にある車両を示している。
<車 両>
【0053】
図3は、図2に示す複数の車両100のうちの1つの車両の詳細を示す。
上述のように、材料取り扱いシステム10が車両100を組み込んでいる場合、車両100の構造は様々であってもよい。
したがって、以下で説明する車両100の各特徴は、用途に応じて変更または削除可能なオプションの特徴であることを理解されたい。
【0054】
車両100は、この車両100を駆動するための車載電源を含んでいる自動システムであってもよい。
また、車両100は、各車両100と中央制御装置90などの制御要素との間で制御信号をワイヤレスで送受信するための通信システムを含んでいてもよい。
このようにして、車両100は、アイテムを取得する場所および車両100がアイテムを運搬する場所に関する制御信号を受信してもよい。
【0055】
図3に示す車両100は、車両100を水平方向に駆動するための水平駆動アセンブリ120を含んでいる。
水平駆動アセンブリ120は、軌道に沿って、または床などの広い水平面に沿って、車両100を駆動するように構成されていてもよい。
例えば、水平駆動アセンブリ120のためのオプションとして、車輪またはローラーなどの複数の回転可能要素が含まれる。
このような回転可能要素を回転させるために、1つ以上の駆動機構を設けてもよい。
さらに、回転可能な要素が左右に方向転換することで、車両100が操縦されてもよい。
【0056】
あるいは、図3から図5に示すように、車両100は、車軸などの第1の軸を中心に回転可能な複数のローラー122、123、124で形成されている水平駆動アセンブリ120を有していてもよい。
さらに、ローラー122、123、124は、単一の軸を中心に回転するように拘束されていてもよい。
例えば、図3から図5に示す実施形態では、水平駆動アセンブリ120は、一対の中央ローラー124と第1の組の外側ローラー122と第2の組の外側ローラー123と、を含む。
第1の組の外側ローラー122は、中央ローラー124の前方に配置され、第2の組の外側ローラー123は、中央ローラー124の後方に配置されている。
外側ローラー122、123は、水平軸の長さ方向に沿って離間している複数のローラーを含んでおり、各組の外側ローラーは、図4に示すように、車両100の一方の側に第1のローラー122aを含み、車両100の反対側に第2のローラー122bを含んでいてもよい。
さらに、図4に示すように、各組の外側ローラーは、車両100のそれぞれの側に一対のローラー122を含んでいてもよい。
【0057】
前述したように、車両100は、この車両100の進行方向を制御するために様々な操縦機構のうちの任意のものを有していてもよい。
たとえば、操縦機構の1つのオプションとして、実質的に前進することなく車両100を方向転換可能なゼロターン機構が挙げられる。
オプションで、ゼロターン機構は、車両を通過する垂直軸の周りで車両を方向転換させる機能を有する。
【0058】
ゼロターン機構は、車両100の一方の側の車輪またはローラーが車両100の反対側の車輪またはローラーとは異なる速度で回転することを可能にする、連携機構を含んでいる。
オプションで、この連携機構は、車両100の一方の側の車輪またはローラーが、車両100の反対側の車輪またはローラーとは異なる方向に回転することを可能にする。
このように、車両100の片側の車輪の速度および/または回転方向を、車両100の反対側の車輪の速度および/または回転方向に対して異ならせることにより、ゼロターン機構によって移動方向が変更され、車両100が操縦される。
【0059】
オプションで、材料取り扱いシステム10は、1つ以上の案内部80を含むことで、車両100が移動する際に車両100を案内または方向付けさせてもよい。
例えば、図4を参照すると、案内部80は、溝または窪みを含んでいてもよく、車両100は、案内部80と協働して車両100の移動を制御する、対応する案内要素を含んでいてもよい。
案内要素の一例は、追従部126である。
追従部126は、案内部80と係合または協働するように構成されている任意の要素であってもよい。
この例では、車両100は、垂直軸の周りを回転する軸受などの回転可能な要素を含む、中央追従部126を含む。
中央追従部126は、案内部80内の窪みと係合して、車両100の水平方向の動きを拘束する。
【0060】
オプションで、車両100は、1つ以上の横方向案内部材127を含んでいてもよい。
そして、この横方向案内部材127は、案内部80の外側面と協働して、車両100の動きを制限してもよい。
例えば、案内部80は、車両100の回転を案内するための円周面を有する円形案内部を含んでいてもよい。
車両100は、案内部80の円周面の直径に等しい距離だけ互いに離間している一対の横方向案内部材127を有していてもよい。
このように、横方向案内部材127は、案内部80の円周面と係合して、車両100の回転運動を拘束する。
【0061】
水平駆動機構120に加えて、車両100は、ラック20内で車両100を垂直に駆動するための垂直駆動機構140を含んでいてもよい。
具体的には、前述のように、材料取り扱いシステム10は、ラック20に隣接して配置されている軌道40などの案内機構を含んでもよい。
垂直駆動機構140は、垂直案内機構40と協働して車両100を垂直に駆動するように構成されていてもよい。
【0062】
図3から図4は、複数の回転可能な歯車145を含む垂直駆動機構140を示している。
しかし、垂直駆動機構140は、車両100を垂直に駆動するための多数の駆動機構のうちの任意のものを含んでもよいことを理解されたい。
図4を参照すると、垂直駆動機構140は、水平駆動機構120の水平回転軸と直交する水平軸の周りを回転する駆動歯車145を含んでいてもよい。
具体的には、車両100は、互いに離間している一対の駆動歯車145を含み、図4に示すように、第1の歯車145bの歯車の歯が、車両100の第1の側から外側に突出し、第2の歯車145dの歯車の歯が、車両100の第2の側から外側に突出している。
これらの第1の歯車145bおよび第2の歯車145dは、同期して駆動されてもよい。
さらに、図3に示すように、車両100は、車両100の長さ方向に沿って互いに離間している2対の垂直駆動要素を含んでいてもよい。
具体的には、車両100は、この車両100の第1の端部に第1の対の垂直駆動要素145a、145cを含み、車両100の第2の端部に第2の対の垂直駆動要素145b、145dを含む。
【0063】
図2および図3を参照すると、軌道20は、第1のラック20aに沿う軌道40aが第2のラック20bに沿う軌道40bから、第1の組の垂直駆動要素145aと第2の組の垂直駆動要素125bとの間の間隔に対応する距離だけ離間されているように構成されていてもよい。
このようにして、第1の垂直駆動要素145aは、第1の軌道40aと協働することで車両100を第1の軌道40aの上方に駆動することができ、一方で、第2の垂直駆動要素145bは、第2の軌道40bと協働することで車両100を第2の軌道40bの上方に駆動させてもよい。
オプションで、2つの垂直駆動要素145a、145bは、車両100が水平移動から垂直移動に移動する際に車両100が水平方向を維持するように同期的に駆動される。
【0064】
垂直駆動機構140は、車両100が水平移動から垂直移動に移行する際に垂直駆動機構140の幅が実質的に一定のままであるように、オプションで構成されていてもよい。
このようにすると、垂直駆動機構140は、水平駆動から垂直駆動に移行するために、幅を狭めたり幅を外側に拡張したりする必要がない。
例えば、図3および図4を参照すると、前側上昇歯車145bおよび145dは、それぞれ水平回転軸を有し、駆動部材145bの水平回転軸は、車両100が水平に移動している間、および、車両100が上昇している間、駆動部材145dの水平回転軸に対して固定されている。
【0065】
また、車両100は、この車両100と格納場所25などの目的地との間でアイテムを移送するためのオプションの移送機構を含んでいてもよい。
【0066】
移送機構150は、車両100の積載面と複数の目的地領域25のうちの1つとの間でアイテムを移送するように動作してもよい。
図3に示すように、オプションで、積載面は、複数のローラーの外側面で定義される。
【0067】
移送機構150は、アイテムを車両100に積み込み、アイテムを車両100から格納領域の1つに積み下ろすための様々な機構のうちの任意のものであってもよい。
さらに、この移送機構150は、特定の用途に合わせて特別に適合されていてもよい。
この例では、移送機構150は、格納場所25に格納されたアイテムと係合してアイテムを車両100上に引っ張るように構成されている1つ以上の変位可能要素を含んでいる。
より具体的には、この車両100は、格納場所25内のトート55に向かって移動し、このトート55に解放可能に係合するように構成されている1つ以上の変位可能要素を含んでいる。
変位可能要素がトート55に係合した後、各変位可能要素は、格納場所25から離れるように移動し、トート55を車両100上に引っ張る。
【0068】
移送機構150の変位可能要素は、トート55などのアイテムと係合するように構成されているバー、ロッドまたは別の要素などのさまざまなアイテムのうちの任意のものであってもよい。
例えば、図3および図4を参照すると、移送機構150は、1つ以上の変位可能なピン152を含んでいてもよい。
さらに、移送機構150は、ピン152を変位させるための駆動要素を含んでいてもよい。
例えば、オプションで、移送機構150は、駆動ベルトまたは駆動チェーン154などの無端キャリアの形態の2つの駆動要素を含んでいる。
オプションで、各ピン152は、車両100の長手方向の中心線に向かって内側に突出または延在している。
移送機構150は、トート55の1つと協働して、このトート55と解放可能に係合するように構成されていると好ましい。
例えば、この例では、ピン152は、移送機構150がトート55と係合可能なように、このトート55の凹部と嵌合するように構成されている。
しかし、移送機構150は、車両100上に積み込みまたは車両100から積み下ろされるアイテムと係合する様々な要素のうちの、任意のものを含んでいてもよいことを認識されたい。
【0069】
車両100は、移送機構150を駆動するための1つ以上の駆動要素を含む。
オプションで、車両100は、移送機構150を駆動する1つ以上のモーターを含む。
例えば、車両駆動システムの1つ以上のモーターは、チェーン154を駆動してチェーン154およびピン152を格納場所25に近づけるように、または、格納場所25から離れるように選択的に移動させてもよい。
【0070】
車両100が格納場所25に接近してトート55を取得する際、チェーン154が変位可能なピン152を格納場所25に向かって駆動し、ピン152がトート55の底の溝またはノッチの下に入り込むようにしてもよい。
車両100は、ピン152がトート55の溝またはノッチ内に配置されるまで、上方に少し移動する。
次に、ピン152が格納場所25から離れるよう、チェーン154が逆回転する。
ピン152は、ノッチ内でトートと係合しているので、ピン152が格納場所25から離れると、ピン152がトートを車両100上の面に引っ張る。
このようにして、移送機構150は、格納場所25からアイテムを取得するように動作可能である。
同様に、アイテムを格納場所25に格納するために、移送機構150のチェーン154は、アイテムが格納場所25に位置するまでピン152を格納場25所に向かって駆動する。
次に、車両100は、下方に移動してピン152をトート55から外すことにより、トート55を解放する。
【0071】
この例では、図2に示すように、トート55などの2つ以上のトート55が、嵌合コネクタを使用して互いに連結および分離してもよい。
オプションで、トート55は、車両100を移動させることで行われる一連の持ち上げおよび分離移動を通じて、互いに連結および分離してもよい。
オプションで、移送機構150は、トート55が車両100で完全に支持されるように、前方にある(「先頭」)トート55を車両100の面上に引っ張るように作動されてもよい。
トートが解放可能に接続されている場合、この引っ張り動作により、後続のトート55(すなわち、先頭のトート55のすぐ後ろにあるトート55)が通路に面した位置に進む。
オプションで、次に、車両100の垂直駆動機構を動作させて車両100を垂直に駆動させ、先頭トート55を後続トート55から切り離す。
切り離しが完了すると、駆動システムを再び作動させて、トート55を車両100の中央に位置させてもよい。
【0072】
車両100は、移送機構150を駆動するための別個の駆動要素を含んでいてもよい。
あるいは、移送機構150は、車両100の水平駆動要素の1つと相互接続されていてもよい。
具体的には、移送機構150は、駆動システムが車両100の駆動と移送機構150の駆動とを選択的に動作可能であるように、駆動システムの1つと接続されてもよい。
【0073】
例えば、オプションで、移送機構150が、水平駆動システムの1つに選択可能な接続を用いて接続され、第1の向きでは、駆動システムが車両100を水平に駆動し、第2の向きでは、駆動システムが移送機構150を駆動してもよい。
オプションのクラッチ機構を選択的に係合および解放することで、水平駆動システムのモーターから移送機構150への動力の伝達を開始および終了させ、それにより、第2の駆動システムを伝達機構とは独立して動作させてもよい。
この場合、クラッチ機構は、車両100の長手方向中心線に対して対称的に配置されている2つのクラッチサブアセンブリとして構成されていてもよい。
<作業所>
【0074】
ここで、図6Aから図17を参照すると、自動倉庫における材料取り扱いシステム10と共に、またはその一部として使用可能な作業所200の詳細が示されている。
作業所200は、特定の自動倉庫における材料取り扱いシステム10での使用に限定されておらず、作業所200の特徴は、ラック20や、ラック20からアイテムを取得するのに用いられる車両100などの構成要素のような、自動倉庫における材料取り扱いシステム10の特徴とは、無関係であることを理解されたい。
【0075】
作業所200は、図6Bに示すように、採取所205と呼ばれる単一の作業領域を有していてもよい。
オプションで、作業所200は、図6Aに示すように並んで配置されている2つの作業領域205を有していてもよい。
以下の説明では、単一の採取所205について説明する。
作業所200が2つの採取所205を含む場合、各採取所205は、実質的に同様に構成されていることを理解されたい。
【0076】
採取所205は、上述の車両100などの独立した車両と協働するようにオプションで構成されていてもよい。
したがって、採取所205は、車両100と協働して車両100を上方に持ち上げ、オペレータが採取所205にいる間に車両100からアイテムを容易に取得することができるように構成されていてもよい。
例えば、採取所205は、車両100が採取所205に到着するときに各車両100を持ち上げるための、構成要素を組み込んでいてもよい。
持ち上げ要素は、採取所205によって駆動されてもよい。
例えば、各採取所205は、車両100を持ち上げるエレベータを含んでいてもよく、採取所205は、エレベータを駆動するためのモーターや他の機構を含んでいてもよい。
あるいは、以下に説明するように、車両100を持ち上げるための駆動要素が、車両100によって提供されてもよい。
【0077】
採取所205は、採取所205のハウジングとして機能する筐体210を含んでいてもよい。
筐体210は、側壁212および上面215を含んでいてもよい。
ハウジングとして機能する筐体210は、採取所205の前方部を支持する前方脚部222と採取所205の後方部を支持する後方脚部224とを任意に含んでいてもよい。
前方脚部222および後方脚部224は、各脚部の高さを調節するために伸縮する調整可能な部分を含んでいてもよい。
側壁212は、車両100が側壁212を通過して採取所205に進入可能なように構成されている開口部214を有していてもよい。
【0078】
図6A図6Bおよび図19を参照すると、作業面215は、採取開口部216を有し、オペレータが採取開口部216から手を伸ばして車両100で運搬されたアイテムを取得可能であってもよい。
採取開口部216の長さおよび幅は、格納ラック20にアイテムを格納するために使用可能なトート55の長さおよび幅に対応していてもよい。
オプションで、各トート55は、各トート55の上面を定義する上側縁部を有していてもよい。
【0079】
縁部に隣接しているトート55内部の長さおよび幅は、採取開口部216の長さおよび幅と実質的に同じであってもよい。
トート55がそのようなオプションの構成を有する場合、トート55が採取開口部216の長さ全体および幅全体に及ぶことで、トート55が採取開口部216内に位置しているときに、トート55の縁部と採取開口部216の端部との間のすり抜けを防止する。
具体的には、トート55は、オペレータの手がトート55と採取開口部216との間を通るのを防止するために、採取開口部216と対応するような大きさおよび構成になっている。
言い換えれば、トート55は、オペレータが採取開口部216から採取所205の内部に物を挿入させるのを妨げるストッパーとして機能してもよい。
【0080】
オプションで、作業所200は、作業所200に光およびオプションで画像を投影するためのプロジェクタ220を含んでいてもよい。
プロジェクタ220は、作業面215の上に取り付けられ、作業面215と採取開口部216によって囲まれている領域とに光を下向きに投影してもよい。
プロジェクタ220は、図19に示すように、トート55が上方位置に持ち上げられたときに、上面215の上の可変的な位置におよび/またはトート55の領域上に光と画像とを選択的に投影するように、中央制御装置90によって制御可能であってもよい。
【0081】
図19に示すように、採取所205の上面215は、採取開口部216の枠を構成し、それによって、トート55の枠を構成していてもよい
作業面215は、オプションで、オペレータに情報を提供する画像をプロジェクタ220が投影可能な、投影面として機能する。
例えば、プロジェクタ220は、作業面215に1つ以上の画像を投影し、トート55の一部に光を投影してもよい。
図19では、プロジェクタ220は、トート55に隣接している作業面215に第1の画像405を投影している。
この場合、第1の画像405は、トート55から取り出されるアイテムの数を表す。
オプションで、図19に示すように、プロジェクタ220は、トート55に隣接している作業面215に第2の画像410を同時に投影してもよい。
第2の画像410は、トート55から取得するアイテムを図で表現している。
オプションで、プロジェクタ220は同時に照明ビーム400を照射することで、採取されるアイテムが収容されているトート55の一部を照らしてもよい。
例えば、プロジェクタ220は、アイテムが採取されるセル56を照らしてもよい。
【0082】
中央制御装置90は、車両100と、車両100が運搬するトート55内のセル56を監視する。
さらに、中央制御装置90は、作業所200でトート55から採取するアイテムの数を監視する。
したがって、中央制御装置90は、トート55が上部位置に持ち上げられると、プロジェクタ220がオペレータのために1つ以上の識別表示を投影するように、プロジェクタ220を制御する。
中央制御装置90がプロジェクタ220を制御して少なくとも2つの指標を選択的に投影し、そのうちの少なくとも1つが、トート55に隣接している面上に投影されるグラフィック画像を含んでいると好ましい。
指標は、トート55内のアイテムの位置および必要なアイテムの数に関するデータに応答して、選択的に投影される。
<ドア>
【0083】
上述のように、採取所205は、トート55が採取開口部216まで持ち上げられたときにトート55が採取開口部216を塞ぐように、トート55と協働するようにオプションで構成されていてもよい。
さらに、採取所205は、採取開口部216を選択的に覆う取り外し可能なカバーをオプションで含んでいてもよい。
例えば、採取所205は、アイテムが採取開口部216を通過しないように採取開口部216を覆う、可動式の閉鎖機構やカバーを含んでいてもよい。
第1の位置では、閉鎖機構は、採取開口部216を覆い、アイテムが採取開口部216を通過しないようにする障壁として機能する。
第2の位置では、閉鎖機構は、採取開口部216を覆わずに、アイテムが採取開口部216を通過可能なようにする。
一実施形態では、閉鎖機構は、可動ドア230であってもよい。
第1の位置では、可動ドア230は、閉じられており、採取開口部216を覆っている。
第2の位置では、可動ドア230は、採取開口部216から離れる方向に移動して、図6Aに示すように、採取開口部216を開放している。
【0084】
オプションのドア230は、採取開口部216を覆うための様々な構成要素のうちの任意のものあってもよい。
一例を、図6A図8および図17に示す。
この例では、ヒンジ234などの一連の枢動可能な接続部によって接続されている複数のドア部分232が含まれている。
採取所205は、ドア230を開位置と閉位置との間で自動的に駆動するための機構を含んでいてもよい。
【0085】
図17に示すように、駆動シャフト246によって駆動される駆動ベルト244の形態のドア閉鎖機構240が、ドア230を開位置と閉位置との間で駆動させてもよい。
ドア部分232のヒンジ234が、溝内をスライドする複数のヒンジブロック236に取り付けられていてもよい。
ブラケットまたはブロックなどの接続部242が、ヒンジブロック236を駆動ベルト244と相互接続させ、ヒンジブロック236を第1の方向に駆動させることでドア230を採取開口部216上に位置させ、ヒンジブロック236を第2の方向に駆動させることでドア230を採取開口部216から引っ込めてもよい。
<軌 道>
【0086】
採取所205は、採取所205で車両100を持ち上げることで、トート55を採取所205で作業するオペレータに提示するための機構を含んでいてもよい。
例えば、採取所205は、車両100が作業所200に進入した後に車両100を持ち上げるエレベータを含んでいてもよい。
このようなエレベータには、作業所200の電源が電力を供給してもよい。
あるいは、車両100が、作業所200で車両100を持ち上げるまたは上昇させるための電源を提供してもよい。
例えば、作業所200は、軌道または案内要素250を含んでいてもよく、車両100は、軌道250を登るためのクライミング要素を含んでいてもよい。
例えば、車両100の垂直駆動機構140が軌道250と協働することで、車両100が作業所200内で垂直方向上下に移動可能であってもよい。
【0087】
この例において、作業所200は、トート55がオペレータに向かって持ち上げられるとき、トート55がオペレータに向かって傾斜されるように構成されていてもよい。
例えば、作業所200は、オプションの湾曲軌道250を含んでいてもよく、湾曲軌道250は、作業所200の前方に向かって湾曲していることで、車両100が上方に移動するときにトート55をオペレータに向かって傾斜させる。
ここで、図10および図11を参照して、オプションの湾曲軌道250をより詳細に説明する。
湾曲軌道250の特徴は、オプションであるため、用途に応じて1つ以上の特徴を軌道に組み込み可能な一方で、組み込まれない他の特徴があってもよいことを理解されたい。
【0088】
採取所205は、湾曲軌道250を含む枠体を囲むハウジング210を有するものとして説示されているが、用途によっては、湾曲軌道250が採取所205を構造的に支持可能である。
また、オプションで、ハウジング210の構成を変更したり、削除したりしてもよい。
【0089】
オプションの軌道250の実施形態が、図10および図11に示されている。
軌道250は、互いに離間している一対の前方軌道260と互いに離間している一対の後方軌道270とを含む。
前方軌道260および後方軌道270は、後方から前方へ上向きに湾曲している上下方向の柱の4つの角部を形成している。
前方軌道260と後方軌道270とは、堅固に接続されていてもよい。
例えば、一対のサイドバー226が、前方軌道260を後方軌道270に接続していてもよい。
【0090】
図10に示すように、各サイドバー226は、水平に対して前方から後方へ上向きの角度を有して延在していることで、前方軌道260のうちの1つの上部を、採取所205の同じ側の後方軌道270の上部に堅固に接続していてもよい。
さらに、一対のクロスバー228が、採取所205の幅にわたって延在し、前方軌道260同士と後方軌道270同士を接続していてもよい。
具体的には、第1のクロスバー228が2つの前方軌道260間に延在して前方軌道260同士を堅固に接続し、第2のクロスバー228が2つの後方軌道270間に延在して後方軌道270同士を堅固に接続していてもよい。
このように、前方軌道260および後方軌道270を接続することで、自立可能な軌道を形成していてもよい。
【0091】
図9から図12に示すように、軌道250が湾曲している場合、前方軌道220の脚部は、後方軌道270の脚部よりも短い。
したがって、後方軌道270と係合する車両100の後端は、前方軌道260と係合する車両100の前端よりも速く移動する。
この速度差に対応するために、車両100と軌道250との間の接続領域部に、相対速度の差を考慮した修正を加えてもよい。
例えば、前方軌道260および後方軌道270は、それぞれ、歯車ラックの歯と同様に機能する複数の歯を有していてもよい。
前方軌道260の歯のピッチは、後方軌道270の歯のピッチと異なっていてもよい。
例えば、前方軌道260は、後方軌道270(例えば、M6)よりも小さいモジュールサイズ(例えば、M4)の歯ピッチを有していてもよい。
このようにすると、垂直駆動機構が同期駆動する垂直駆動輪を有する場合、垂直駆動輪の回転毎に、後輪は、前輪よりも長い距離を移動する。
【0092】
オプションで、軌道250は、後方軌道270とは異なるピッチを有する前方軌道260を含んでもよいが、採取所205で持ち上げられる際に車両100を傾斜させるための別の構成が組み込まれてもよい。
例えば、車両100の垂直駆動機構は、採取所205の後方縁部に隣接する垂直駆動機構が、採取所205の前方部に隣接する垂直駆動機構よりも速く駆動されるように構成されていてもよい。
いずれの構成においても、採取所205の後方縁部に隣接する車両100の縁は、採取所205の前方縁部に隣接する車両100の縁よりも速く上方に移動する。
【0093】
上述のように、軌道250および車両100は、車両100がオペレータに向かって傾斜するように、後方軌道270に隣接する車両100の後端が車両100の前端に対して上方に移動するように協働するように、構成されていてもよい。
このように、トート55が、オペレータに提示されることでトート55内のアイテムへのアクセスが改善される。
【0094】
図10を参照すると、軌道250は、軌道250が車両100が上方に移動するときに車両100を傾斜させる第1の区画と、水平に対して一定の角度で車両100を上向きに駆動する第2の区画とを有するように、オプションで構成されていてもよい。
このようにすると、車両100が水平に対して所定の角度を形成する所定の点まで車両100が上方に移動すると、車両100が傾斜する。
この所定の点に移動した後、車両100は、水平に対する所定の角度を維持しながら上方に移動する。
【0095】
図10は、車両100を傾斜させるように構成されている下側区画と、水平に対して一定の角度で車両100を上昇させるように構成されている上側区画とを有する軌道250を示している。
例えば、前方軌道260は、曲率半径を有する下側湾曲区画262を有していてもよい。
同様に、後方軌道270は、曲率半径を有する下側湾曲区画272を有していてもよい。
後方下側軌道272の曲率半径は、前方下側軌道262の曲率半径よりも大きい。
さらに、前方軌道260は、下側湾曲区画262の端部から実質的に直線状に延在している上側直線区画266を含む。
同様に、後方軌道270は、下側湾曲区画272の端部から実質的に直線状に延在している上側直線区画274を含む。
さらに、前方軌道260の上側区画266は、後方軌道270の上側区画274と実質的に平行に延在していてもよい。
【0096】
上述のように、前方軌道260および後方軌道270は、下側湾曲区画262、272および上側直線区画266、274を有していてもよい。
さらに、2つの下側湾曲区画262、272は、車両100の後部に対する車両100の前部の相対的な移動を可能にするために、異なる歯ピッチを有している。
しかし、上側直線区画266、274は、車両100を水平に対して実質的に一定の角度に保ちながら車両100の前部および後部が実質的に一定の速度で移動するように、一定の歯ピッチを有していてもよい。
【0097】
下側区画の歯ピッチは、異なるが、上側区画の歯ピッチは同じであるため、1つの軌道の中でも直線区画と湾曲区画では、異なる歯ピッチとなっている。
この例では、前方軌道260は、M4などの第1の歯ピッチを有する下側湾曲区画262と、M6などの第2の歯ピッチを有する直線状上側区画268とを有する。
オプションで、上側区画と下側区画がオフセットされている。
具体的には、下側溝部264が下側湾曲区画262と実質的に同じ長さだけ延在するように、ある幅を有する下側溝部264が下側湾曲区画262に沿って垂直に延在していてもよい。
また、上側直線区画266は、下側溝部264の幅と実質的に同じ幅を有していてもよく、上側直線区画266は、下側溝部264の端部から延在していてもよい。
さらに、下側湾曲軌道262の幅と同じ幅を有する上側溝部268が、上側直線軌道266に沿って垂直に延在していてもよい。
<運搬機構>
【0098】
上述のように、作業所200は、車両100が垂直に登ることでオペレータにトートを提示可能なように車両100を案内する、軌道250を含んでいてもよい。
軌道250および車両100は、車両100が軌道250に直接係合して軌道250を登ることができるように構成されていてもよい。
あるいは、以下に説明するように、作業所200は、運搬機構300を含んでいてもよく、車両100が運搬機構300上に乗り、運搬機構300が軌道250を登ることで、オペレータに向かって車両100を持ち上げてもよい。
【0099】
車両100の持ち上げには、様々な運搬機構を使用可能であり、作業所200の側面の幅にわたって延在する単一部品の運搬機構も含まれる。
以下に説明するように、運搬機構300は、複数の独立した区画を備えてもよい。
エレベータが、電源と車両100との間の接続部として機能し、車両100を上昇させる。
例えば、運搬機構300は、(モーターに電力を供給することで車両100を持ち上げる電源のような)電源に接続されていてもよい。
あるいは、以下に説明するように、運搬機構300は、車両100からの力を利用して車両100を持ち上げる機構を有していてもよい。
以下の例では、運搬機構300は、車両100からクライミング機構に駆動力を伝達する伝達歯車を有しており、このクライミング機構が軌道250を登り、車両100を傾斜させる。
【0100】
図7から図10および図12から図16に示す運搬機構300は、前方運搬アセンブリ310および後方運搬アセンブリ320を含む。
前方運搬アセンブリ310および後方運搬アセンブリ320は、実質的に同じ構成であるが、2つのアセンブリのうちの1つが、充電アセンブリを含んでいてもよい。
以下の説明では、後方運搬アセンブリ320が、充電アセンブリを組み込んでいるものとして示されている。
また、以下の説明では、後方運搬機構320について詳細に説明する。
前方運搬アセンブリである前方運搬機構310は、充電アセンブリに関する詳細以外は、後方運搬アセンブリである後方運搬機構320についての以下の説明と同様の特徴を含むことを理解されたい。
【0101】
ここで図7図9および図13を参照すると、後方運搬機構320は、2つの後方軌道270の間にわたる長さの細長い実質的に垂直な側壁322を備えている。
側壁322は、壁の長さ方向に沿って離間している一対の開口部324を含んでいてもよい。
第1の開口部は、第1の後方軌道270に隣接していてもよく、第2の開口部は、第2の後方軌道270に隣接していてもよい。
【0102】
オプションで、後方運搬アセンブリ320は、作業所200で車両100の垂直駆動機構140と協働することで車両100を持ち上げる、複数の歯車を含んでいてもよい。
例えば、後方運搬機構320は、第1の後方軌道270に隣接している第1の伝達歯車330と、第2の後方軌道270に隣接している第2の伝達歯車330とを含んでもよい。
図12から図13に示すように、伝達歯車330は、側壁322の開口部324を通過して位置していてもよい。
【0103】
そして、この伝達歯車330は、シャフト339に回転可能に取り付けられていてもよい。
シャフト339は、側壁322の窓部である開口部324にまたがるヨーク338に取り付けられていてもよく、このヨークは、第1の端部が窓部である開口部324の一方の側にあり、第2の端部が窓部である開口部324の反対側にあってもよい。
【0104】
図12を参照すると、伝達歯車330は、車両100の垂直駆動機構140と軌道250との間の中間歯車として動作する。
具体的には、伝達歯車330は、垂直駆動機構140の駆動歯車145と、後方軌道区画270の歯と係合する。
このようにして、垂直駆動歯車145は、運搬機構300を軌道270に沿って垂直に駆動する伝達歯車330を駆動する。
垂直駆動歯車145を第1の方向に駆動することで、運搬機構300が軌道270に沿って上方に駆動され、垂直駆動歯車145を第2の方向に駆動することで、運搬機構300が軌道270に沿って下方に駆動される。
【0105】
オプションで、車両100は、運搬機構300が車両100の重量を支持するように、運搬機構300と係合するための構造を含んでいてもよい。
例えば、車両100は、ほぼ水平に突出している支持要素を含んでいてもよい。
図12では、支持要素は、ピンまたは柱状部材165として示され、車両100は、複数のそのような支持要素を含んでいてもよい。
オプションで、車両100は、車両100の前方側、後方側および両側面側が支持されるように、車両100の四隅に隣接している支持要素を含んでいてもよい。
【0106】
運搬機構300は、車両200の垂直支持要素165と協働する構造を含んでいてもよい。
例えば、図13に示すように、運搬機構サブアセンブリ320が、車両100の垂直支持要素165を支持する面を有する1つ以上のブロック状部材、ストッパー、ブラケットまたは他の構成要素である支持ブラケット370を含んでいてもよい。
支持ブラケット370は、支持ピン165を支持する水平面を有していてもよい。
図示の実施形態では、支持ブラケット370は、V字型の溝を含み、このV字型の溝内に支持ピン165が収まる。
【0107】
車両100上の支持要素165は、図12に示すように、支持要素165が運搬機構300上の支持ブラケット370の上方に離間して配置されていてもよい。
このようにすると、支持ブラケット370の上部と支持要素165の底部との間に、隙間が形成される。
この隙間があることで、車両100が作業所200に進入する、または、作業所200を通過するときに、支持ピン165が支持ブラケット370の上を通過することが可能になる。
【0108】
車両100上の支持要素165は、作業所200で運搬機構300上の支持ブラケット370と協働して、車両100を昇降させる。
例えば、車両100の垂直駆動歯車145は、運搬機構300の伝達歯車330を駆動することで、運搬機構300を上方に駆動してもよい。
そして、この運搬機構300が上方に駆動されると、支持ブラケット370が支持ピン165と係合し、この支持ピンが支持ブラケットのV字型の溝内に収まる。
運搬機構300がさらに上方に駆動されると、支持ブラケット370は、支持ピンを介して車両100の重量を支持し、運搬機構300が車両100を上方に持ち上げる。
同様に、運搬機構300が下降すると、支持ブラケット370が支持ピンを支持し、車両100が運搬機構300と共に下降する。
【0109】
前述のように、前方運搬アセンブリ310は、後方運搬アセンブリ320と実質的に同様の構成であってもよい。
さらに、前述のように、前方軌道260は、例えば、作業所200で軌道250が湾曲していることでオペレータに向かってトート55を傾斜させる用途などのように、後方軌道270とは、異なって構成されていてもよい。
したがって、前方運搬機構310の伝達歯車330を、後方運搬機構320の伝達歯車330とは、異なる構成にすることが望ましい場合がある。
例えば、後方運搬機構320の伝達歯車330は、後方軌道270と協働する単一の歯車の歯を有する中間歯車であってもよく、前方運搬機構310は、図15に示されるように2組の歯車の歯を有する複合歯車330’を組み込んでいてもよい。
しかし、前方運搬機構310および後方運搬機構320が異なる伝達歯車を有する場合、軌道250は、後方運搬機構320が図15に示す複合歯車などの複数の歯車要素を有するように構成されていてもよい。
【0110】
図15を参照すると、前方運搬機構310に組み込まれているオプションの複合伝達歯車330’が示されている。
伝達歯車330’は、同じ速度で回転する異なる歯ピッチを有する2つの別個の同軸歯車を含んでいてもよい。
しかし、この例では、伝達歯車330’は一体の部品であり、この部品は、両方の歯車要素が中央ハブ332に固定的に接続されている。
例えば、伝達歯車330’は、中央ハブ332と一体的に形成されて前方軌道260の第1の部分と協働するように構成されている第1の歯車334と、中央ハブ332と一体的に形成されて前方軌道260の第2の部分と協働するように構成されている第2の歯車336とを有していてもよい。
例えば、オプションで、第1の歯車334は、前方軌道260の上部266と噛み合うように設計されている歯車ピッチで構成され、第2の歯車336は、前方軌道260の下部262と噛み合うように設計されている歯車ピッチで構成されている。
さらに、伝達歯車330’は、第1の歯車334の歯車の歯が第2の歯車336の歯車の歯よりも長く、第1の歯車334の歯が中央ハブ332から外側に第2の歯車336の歯よりもさらに突出するように構成されていてもよい。
【0111】
伝達歯車330’は、第1の歯車334が前方軌道260の下側溝部264に倣い、かつ/または重なるように、前方運搬機構310に取り付けられていてもよい。
さらに、第1の歯車334は、第1の歯車334が前方軌道260の下側軌道区画262と噛み合わない、または、接触しないように構成されていてもよい。
このように、第1の歯車334が下側ラック区画から離間していると、第1の歯車334が下側ラック区画と噛み合うことがない。
【0112】
図11および図15を参照すると、伝達歯車330’は、小径の第2の歯車336が下側ラック区画262と係合して車両100を上方に駆動するように構成および配置されている。
同時に、下側溝部264によって、大径の第1の歯車334のための隙間が生じている。
車両100が上向きに上昇すると、小径の第2の歯車336は、下側軌道区画262の端部に到達する。
下側軌道区画262の端部で、車両100が上方に移動し続けることにより、伝達歯車330’が下側軌道区画262から上側軌道区画266に移行する。
この移行は、大径の第1の歯車334が上側軌道区画264と係合することで発生し、上側溝部268によって小径の第2の歯車336用の隙間が生じる。
この大径の第1の歯車334が上側軌道区画266と係合すると、伝達歯車330’を継続的に駆動することで、運搬機構300が上側軌道区画266に沿って上方に駆動される。
【0113】
同様に、上側軌道区画266および下側軌道区画262が、伝達歯車330’と協働して運搬機構300を下降させる。
具体的には、第1の歯車334は、大径の第1の歯車334が上側軌道区画266の端部に到達するまで上側軌道区画266と係合する。
この大径の第1の歯車334が上側軌道区画266の端部に到達した後も伝達歯車を下方に駆動し続けると、伝達歯車が上側軌道区画266から下側軌道区画262に移動し、小径の第2の歯車336が下側軌道区画262と係合し、大径の第1の歯車334のための隙間が下側溝部264によって生じる。
【0114】
前述のように、車両100の垂直駆動機構140は、外側に突出している歯を有する複数の駆動歯車を含んでいてもよい。
オプションで、車両100が地面に沿って駆動しているとき、および、車両100がラック内を登っているときにも、駆動歯車間の相互の間隔は、車両100の動作中に固定されていてもよい。
同様に、車両100が作業所200で垂直に持ち上げられるとき、クライミング歯車の位置関係は、固定されていてもよい。
【0115】
したがって、図10および図12に示すように、車両100が作業所200内にあるとき、垂直駆動歯車145の回転軸は、運搬機構300の伝達歯車330の回転軸と平行である。
したがって、垂直駆動要145と伝達歯車330とのこのオプションの組み合わせを組み込む場合、これらの垂直駆動歯車145の歯と伝達歯車330の歯とが、車両100が作業所200に進入するときに互いに容易に通り抜け可能なよう、構成されていることが望ましい。
【0116】
図12に示すように、伝達歯車330と垂直駆動歯車145とは、この垂直駆動歯車145が伝達歯車330に対して移動するときに、垂直駆動歯車145が伝達歯車330に衝突または接触しないように位置合わせされていてもよい。
例えば、この垂直駆動歯車145が伝達歯車330の回転軸に平行な線に沿って水平に移動するときに大径の第1の歯車334の複数の歯の間の隙間を通過できるように、この第1の歯車334の複数の歯の間の間隔が垂直駆動歯車145の歯に対して充分な隙間を有している。
より具体的には、垂直駆動歯車145および伝達歯車330は、垂直駆動歯車145の歯先円が伝達歯車330の歯先円と重なるように構成および配置されていてもよい。
2つの歯車の歯先円は、重なっている一方で、歯車の歯は、垂直駆動歯車145が伝達歯車330の歯の間の隙間を通過するように構成され、配向されている。
【0117】
再び、図12を参照すると、オプションで、垂直駆動歯車145および伝達歯車330は、車両100が作業所200に進入するときに(すなわち、垂直駆動歯車145の回転軸が伝達歯車330の回転軸との平行な関係を維持して垂直駆動歯車145が移動するとき)、垂直駆動歯車145が伝達歯車330を通過するための隙間が大きくなるように、構成および配向されていてもよい。
したがって、図12に示すように、運搬機構300が最下点にあるときに、垂直駆動歯車145と伝達歯車330の動作隙間は、最大になる。
【0118】
運搬機構300が車両100を持ち上げると、歯車の軸間距離が標準的な軸間距離となるよう、垂直駆動歯車145と伝達歯車330との間の動作隙間が減少する。
具体的には、軌道250は、前方軌道260と後方軌道270との間の距離が軌道250の高さ方向に沿って一定ではないように構成されていてもよい。
例えば、前方軌道260および後方軌道270の歯の基準線は、2つの基準線の間の距離が軌道の高さ方向に沿って徐々に減少するように構成されていてもよい。
そして、この軌道250の基準線間の間隔は、軌道250の高さ方向全体に沿って減少し続けてもよい。
しかし、この例では、軌道基準線の間隔は、所定の距離まで減少し、軌道250の上部では一定のままである。
前方軌道260および後方軌道270の基準線間の距離が減少することにより、軌道250が伝達歯車330を垂直駆動歯車145に向かって移動させ、垂直駆動歯車145と伝達歯車330との間の接触率を増加させる。
【0119】
前述のように、車両100が作業所200に進入すると、垂直駆動歯車145と伝達歯車330は、最大距離で離間して隙間が最大となっており、伝達歯車330に対する垂直駆動歯車145の平行移動を容易にする。
オプションで、軌道250は、運搬機構300が軌道250を登っていくときに、軌道250が伝達歯車330を垂直駆動歯車145に向かって案内するように構成されていてもよい。
このように、材料取り扱いシステム10は、車両100が軌道250に沿って上方に駆動するにつれて動作隙間が減少するように構成されている。
【0120】
運搬機構300は、前方運搬アセンブリ310および後方運搬アセンブリ320の両方が相互接続されている、単一のアイテムであってもよい。
あるいは、図10に示すように、運搬機構300は、独立して動作する別個の前方運搬機構310および後方運搬機構320を含んでいてもよい。
運搬機構300が、別個の前方運搬機構310および後方運搬機構320を含む場合、保持機構を使用して、伝達歯車330を軌道250と動作係合した状態に保持することが望ましい場合がある。
【0121】
図11および図16を参照すると、オプションの保持機構の詳細が示されている。
保持機構は、各運搬機構310、320に取り付けられている構成要素と協働することで伝達歯車330を軌道と動作係合した状態に保持する、作業所200に取り付けられている構成要素を含んでいてもよい。
この例では、案内軌道280が、軌道250に取り付けられている。
具体的には、案内軌道280は、図11に示されているように、軌道250の各区画に隣接して配置されている細長い溝または窪みを備えている。
さらに、追従アセンブリ380が、運搬機構300に接続されていてもよい。
追従アセンブリ380は、前方運搬機構310および後方運搬機構320の両方の各端部に接続されてもよい。
図16に示すように、追従アセンブリ380は、後方運搬機構320に接続されて後方運搬機構320の側壁322と直交する方向に突出しているブラケット382を含む。
後方運搬機構320の側壁から離れているブラケット382の遠位端には、1つ以上の内側追従要素384が取り付けられている。
内側追従要素384は、案内軌道280の溝と協働するように構成されている。
【0122】
この例では、内側追従要素384は、案内軌道280の溝の幅に対応する直径を有するローラー軸受である。
追従アセンブリ380は、案内軌道280の第2の面と協働するように構成されている外側追従要素386も含んでいてもよい。
例えば、追従アセンブリ380は、内側軸受384から離間している第3の軸受386を含んでいてもよい。
そして、内側軸受384と外側軸受386との間の隙間は、案内軌道280の壁厚と同様であって、内側軸受384は、溝の内壁に追従し、外側軸受386は、案内部の外壁に追従する。
充電アセンブリ
【0123】
作業所200は、車両100を充電するための充電機構をオプションで含んでいてもよい。
そして、この充電機構は、車両100への電力を供給するための充電電流を提供するために、電源95に接続されていてもよい。
例えば、オプションで、各車両100は、充電可能な車載電源を含む。
充電式電源は、充電式電池であってもよい。
しかし、この例では、車両100は、急速な再充電が可能な複数のウルトラキャパシタを含む電源を備えている。
例えば、電源は、車両100が30から40キログラムの積載量で水平または垂直に移動する際に車両100に電力を供給するのに充分な、複数のスーパーキャパシタまたはウルトラキャパシタを含んでいてもよい。
【0124】
充電機構は、車両100に充電電流を提供するための様々な構成要素のうちの任意のものであってもよい。
例えば、この充電機構は、車両100の電気接点である充電接点160と協働する充電レール340であってもよい。
【0125】
図13に示すように、充電レール340は、1つ以上の細長い導電性要素を備えていてもよい。
この充電レール340は、車両100の電気接点である充電接点160と協働するように構成されている1つ以上のチャネルまたは溝を形成していてもよい。
例えば、図12に示すように、車両100は、ブラシ160などの1つ以上の電気接点である充電接点を含んでいてもよい。
ブラシ160は、車両100から外側に突出していてもよい。
ブラシ160は、充電レール340と嵌合または協働するように配向および構成されている。
例えば、図13に示すように、車両100が運搬機構300内にあるときにブラシが突出して充電レール340と電気的に接触するように、充電レール340は水平に配向され、車両100の後方側から外側に水平に突出している。
【0126】
充電レール340は、充電レール340が軌道250またはハウジング210に対して動かないように、軌道250またはハウジング210に堅固に取り付けられていてもよい。
あるいは、充電レール340は、軌道250またはハウジング210に対して変位可能であってもよい。
オプションで、充電レール340が運搬機構300と共に移動するように、充電レール340が運搬機構300に接続されていてもよい。
例えば、充電レール340は、運搬機構300が軌道250に沿って垂直に移動するときに、垂直に上下に移動してもよい。
このようにして、車両100の電気接点である充電接点160は、運搬機構300および充電レール340が垂直方向に移動するときに、運搬機構300との電気接続を維持してもよい。
言い換えると、充電レール340は、車両100および充電レール340が採取所205で垂直方向に移動するときに、充電電流を車両100に供給し続けるように構成されていてもよい。
【0127】
オプションで、充電レール340は、車両100に対して水平方向に変位可能であることで、充電レールに対して車両100の充電接点160を水平方向に位置合わせしてもよい。
【0128】
一実施形態では、充電レール340は、車両100に向かう方向や離れる方向に水平に変位可能なように、運搬機構300に変位可能に接続されていてもよい。
オプションで、車両100の充電接点160が、充電レール340に対して水平方向および/または垂直方向に変位可能であってもよい。
【0129】
運搬機構300と充電レール340との間の接続を変位可能にするために、様々な接続が組み込まれていてもよい。
例えば、そのような接続は、充電レール340が運搬機構300の側壁322から離れて車両100に向かう方向に水平に付勢されるような付勢接続であってもよい。
【0130】
付勢接続を含む実施形態が、図14に示されている。
この実施形態では、運搬機構300は、車両100に向かって充電レール340を付勢する1つ以上の横方向調整機構350を含む。
【0131】
横方向調整機構350は、取り付けブラケット356に対して水平方向に変位可能な複数の水平ロッド352を含んでいてもよい。
さらに、横方向調整機構350は、取り付けブラケット356を運搬機構300に堅固に接続する1つ以上の剛性ロッドを含んでいてもよい。
1つ以上の付勢要素354が、変位可能なロッド352を車両100に向かって付勢する。
付勢要素354は、エラストマー部材やばねなどの様々な要素のうちの任意のものであってもよい。
この例では、付勢要素354は、変位可能なロッド352を囲んでいるコイル圧縮ばねである。
【0132】
オプションで、充電レール340は、車両100に対して垂直方向に変位可能であることで、充電レール340に対して車両100の充電接点160を垂直方向に位置合わせしてもよい。
例えば、充電レール340が、車両100に対して垂直方向に変位可能なように、運搬機構300に変位可能に接続されていてもよい。
【0133】
運搬機構300と充電レール340との間の接続を垂直方向に変位可能にするために、様々な接続が組み込まれていてもよい。
一実施形態では、接続は、充電レール340が運搬機構300の側壁322に対して垂直に付勢されるような、付勢接続であってもよい。
【0134】
図14に、付勢接続を含むオプションの実施形態が示されている。
この実施形態では、運搬機構300は、車両100に対して充電レール340を垂直に付勢する1つ以上の垂直調整機構360を含む。
垂直調整機構360は、垂直方向に変位可能な垂直ロッド362と、充電レール340を垂直方向に付勢するための付勢要素とを含んでいてもよい。
垂直ロッド362は、1つ以上の支持要素で支持されていてもよい。
例えば、垂直ロッド362は、軸受部材または取り付け部材などの2つの支持部材364の間で支持されている。
【0135】
オプションで、垂直調整機構360は、支持ブロック364に対する垂直ロッド362の移動を制限する1つ以上のストッパーを含んでいてもよい。
さまざまなアイテムがそのようなストッパーとして使用可能であるが、図14には、非限定的な例として、ストッパーが垂直ロッド362の長さ方向に沿って配置されているスナップリングである例が示されている。
【0136】
1つ以上の付勢要素363が、垂直ロッド362を垂直方向に付勢する。
付勢要素363は、エラストマー部材やばねなどの様々な要素のうちの任意のものであってもよい。
この場合、付勢要素は、垂直ロッド362を囲んでいるコイル圧縮ばねである。
【0137】
充電レール340の接続をオプションで変位可能とすることで、車両100が運搬機構300に進入するときに充電レール340が車両100に対して変位可能になる。
一例では、充電レール340が第1の方向に変位可能とすることで、充電レール340を車両100の電気接点に対して位置合わせすることが可能になる。
同様に、オプションで、充電レール340が第1の方向に直交する第2の方向に変位可能であることで、充電レール340を車両100の電気接点160に対して位置合わせすることが可能になる。
【0138】
さらに、充電レール340は、車両100のブラシ160と係合してこのブラシ160を充電レール340のチャネル内に位置合わせすることが可能な先細フィンガ345などの、1つ以上の案内部または偏向機構を含んでいてもよい。
具体的には、案内部345は、ブラシ160が案内部345と係合するときに充電レール340をブラシ160に対して垂直に偏向させるために、1つ以上のテーパ面を含んでいてもよい。
【0139】
前述の例では、充電レール340が運搬機構300に対して変位可能となるように、充電レール340が運搬機構300に垂直方向および/または水平方向に変位可能に接続されていてもよい。
または、充電レール340は、運搬機構300に対して実質的に堅固に接続されていてもよく、車両100が運搬機構300に進入するときに、電気接点160を充電レール340に対して位置合わせするために、電気接点160が車両100に対して垂直方向および/または水平方向に変位可能であってもよい。
<トート保持機構>
【0140】
前述のように、車両100は、トート55などのアイテムを作業所200に運搬し、車両100が垂直に持ち上げられてトート55を採取開口部216に持ち上げ、オペレータがトート55からアイテムを取り出すことができる。
次に、車両100は、トート55とともに地面に向かって下降する。
しかし、車両100が下降する際、トート55を持ち上げられた位置で保持することが望ましい用途がある場合がある。
そのような場合、車両100が別のトート55を取得するなどの別の役割を実行するために車両100が別の場所に移動している間、トート55は、採取所205で持ち上げられた位置に留まることができる。
したがって、図17に示すように、採取所205は、トート55を持ち上げられた位置に保持するためのオプションの保持機構290を含んでいてもよい。
【0141】
保持機構290は、引っ込み位置と突出位置との間で変位可能な機械要素を含む。
この突出位置では、保持機構290は、トート55に向かって内側に突出している。
図9に示すように、トート55は、上側縁部またはフランジを有していてもよい。
突出位置では、保持機構290は、保持機構290がトート55の縁部の下に存在するように、トート55に向かって突出している。
このように、保持機構290は、車両100が下方に移動する場合、トート55の下方への移動を妨げるストッパーとして機能する。
【0142】
保持機構290は、トート55を係合するための様々な構成要素のうちの任意のものを含んでいてもよい。
図17は、1つの例示的な機構を示している。
具体的には、保持機構290は、パドルと呼ばれる枢動可能な指状または腕状の部材292を含んでいてもよい。
パドル292は、パドル292の第1の端部に隣接して配置されている枢動軸の周りを枢動する、長手方向に細長い要素である。
パドル292の第2の端部が、引っ込み位置と突出位置との間で枢動する。
引っ込み位置では、パドル292は、採取開口部216から離れる方向に引き込まれ、車両100が軌道250を上下に移動すると、トート55が上下に移動可能である。
突出位置では、パドル292は、採取開口部216に延び、パドル292がトート55にかみ合い、トート55が下方に移動するのを妨げる。
【0143】
保持機構290は、引っ込み位置と突出位置との間で保持機構290を駆動するための駆動要素を含む。
駆動要素は、ソレノイド、モーター、または他のアクチュエータなどの別個の駆動機構であってもよい。
オプションで、図17に示すように、採取開口部216を覆うドア230の駆動機構が、保持機構290も駆動する。
具体的には、ドア駆動機構240に接続されている接続部294は、パドル292に接続されている連携機構296にも接続されている。
このようにすると、ドア駆動機構240を作動させると、保持機構290も作動する。
さらに、保持機構290を突出位置または引っ込み位置のいずれかに付勢することが望ましい場合がある。
この例では、ばねなどの付勢要素が、パドル292を引っ込み位置に向かって付勢している。
【0144】
オプションで、ドア駆動機構240とパドル292との間の接続は、ドア駆動機構240を閉位置から開位置に作動させることで、パドル292が引っ込み位置から突出位置に駆動されるように構成されている。
さらに、ドア駆動機構240およびパドル292は、ドア駆動機構240を開位置から閉位置に作動させると、パドル292が突出位置から引っ込み位置に駆動されるように接続されていてもよい。
動作
【0145】
上述の材料取扱いシステム10および様々なサブアセンブリは、以下で説明するように、材料取り扱いに関連する多数の動作方法を容易にするように構成されていてもよい。
【0146】
材料取扱いシステム10は、アイテムを作業所200に運搬するための複数の自動車両100を含んでいてもよい。
車両100は、地面などの水平経路60に沿って駆動するように構成されていてもよい。
そして、車両100は、地面に沿って、複数のアイテムが格納されている格納領域まで駆動してもよい。
例えば、複数のトート55などの容器に複数のアイテムを格納してもよい。
また、長手方向に細長い通路50を形成している離間した複数のラック20に、トート55を格納してもよい。
通路50同士は、互いに平行であってもよい。
【0147】
車両100は、通路50のうちの1つと平行な方向に、ラック20の1つの下を駆動してもよい。
車両100は、アイテムを格納または取得するラック20内の目的の垂直列22に到達するまで、ラック20の下を駆動してもよい。
そして、車両100が目的の垂直列22に到着すると、旋回または方向転換して進行方向を変えてもよい。
例えば、車両100が目的の垂直列22にいる間に、車両100は、通路50に平行な進行方向から通路50に対して直行する進行方向に進行方向を変えてもよい。
あるいは、車両100は、ラック20の下を、通路50に対して実質的に直交している経路に沿って目的の垂直列22まで駆動してもよい。
目的の列に到達した後、車両100は、オプションで、通路50に対して直交している方向に移動して、目的の垂直列22に沿う通路に移動する。
【0148】
通路50では、車両100は、オプションで、アイテムを格納または取得する目的地25まで上方へ移動する。
この車両100は、エレベータまたは他の機構によって列の上方へと持ち上げられてもよい。
しかし、この例では、車両100は、車両100を上方に駆動するように動作可能な垂直駆動機構140を含む。
さらに、材料取扱いシステム10は、垂直列22に隣接して配置されている軌道250または案内部40を含んでいてもよく、車両100の垂直駆動機構140が、軌道または案内部40と係合して、車両100を目的地まで垂直列22の上方に駆動させてもよい。
【0149】
車両100が目的地まで持ち上げられると、トート55などのアイテムが、車両100と目的地との間で移送されてもよい。
例えば、車両100は、トート55を移送するための移送機構140を含んでいてもよく、車両100は、移送機構140を作動させて、車両100から目的地へのトート55の移送、または、目的地から車両100へのトート55の移送を行ってもよい。
【0150】
そして、この車両100と目的地との間でアイテムを移送した後、車両100は、オプションで、地面などの水平な経路まで下向きに駆動する。
次に、車両100は、通路材料取扱いに垂直な経路に沿って水平に駆動してもよい。
【0151】
また、材料取扱いシステム10は、1つ以上の作業所200を含んでいてもよい。
材料取扱いシステム10は、作業所200で自動車両100を動作させるための方法を含んでいてもよい。
例えば、車両100は、トート55などのアイテムを作業所200まで運搬する水平経路に沿って移動してもよい。
車両100は、作業所200内に移動し、車両100を作業所200内の所定の位置に位置合わせしてもよい。
あるいは、車両100は、作業所200を通過して別の作業所200に移動してもよい。
例えば、作業所200は、採取所205と呼ばれる複数の場所を含んでいてもよい。
車両100は、作業所200の中を通り、第1の採取所205から第2の採取所205に移動してもよい。
あるいは、車両100が作業所200に入り、作業所200の中を通り、作業所200を出て、取り出すアイテムを車両100が提示する別の作業所200に移動してもよい。
【0152】
材料取扱いシステム10は、作業所200でトート55などのアイテムを提示するために車両100を制御するための方法を、オプションで含んでいてもよい。
例えば、その方法は、車両100を作業所200に進入させるステップと、車両100を上方に持ち上げるステップとを含んでいてもよい。
例えば、車両100は、オペレータに向かって上方に持ち上げられてもよい。
作業所200は、上面に採取開口部を含んでいてもよく、その方法は、車両100上のトート55が開口部に位置するように車両100を持ち上げるステップを含んでいてもよい。
さらに、採取開口部は、トート55の内部形状に対応するように構成されていてもよい。
さらに、車両100を持ち上げるステップが、トート55の上側縁部が採取開口部の作業面の下側に隣接し、トート55の内部が採取開口部に倣うまで、トート55を持ち上げるステップを含んでいてもよい。
さらに、トート55を倣わせるステップが、トート55の内側が実質的に採取開口部全体にわたることで採取開口部を囲み、それにより、アイテムが採取開口部からトート55の外側へ通過するのを妨げるように、トート55を位置決めするステップを含んでいてもよい。
【0153】
そして、アイテムを提示するために車両100を制御する方法が、トート55が持ち上げられるときにトート55を傾斜させるステップを含んでいてもよい。
例えば、このアイテムを提示するために車両100を制御する方法は、車両100を垂直上方に持ち上げるステップと、車両100の第1の端部が車両100の第2の端部に対して持ち上げられるように車両100を水平に対して徐々に移動させるステップと、を含んでいてもよい。
また、車両100を垂直上方に持ち上げるステップが、車両100が水平に対して所定の角度に傾斜するまで車両100を傾斜させるステップと、次にその所定の角度を維持して車両100を垂直上方に持ち上げるステップと、を含んでいてもよい。
さらに、材料取扱いシステム10は、車両100が運搬しているアイテムの特性に応じて、車両100が所定の角度を維持して垂直に持ち上げられる距離を選択的に制御してもよい。
具体的には、アイテムが第1の高さである場合、車両100は、所定の角度を維持して第1の距離を移動してもよい。
アイテムが第2の高さである場合、車両100は、所定の角度を維持して第1の距離より長い第2の距離を移動してもよい。
【0154】
この車両100が持ち上げられる所定の角度は、車両100が上面の開口部と実質的に平行な角度に傾けられるように、作業所200の上面の角度に対応していてもよい。
さらに、システム10は、作業所200でさまざまな高さのトート55やコンテナを収容するように構成されていてもよい。
例えば、車両100を持ち上げて所定の高さまで傾斜させ、次いで、第1の高さを有するトート55のために、所定の角度を維持して第1の距離だけ持ち上げてもよい。
同様に、車両100を、第2の高さを有するトート55のために、所定の角度を維持して第2の距離だけ持ち上げてもよい。
両方の場合において、トート55の上側縁部が作業所200の上面に隣接するように、車両100を上昇させることが好ましい。
【0155】
さらに、車両100を持ち上げて傾斜させるステップが、車両100を軌道250の上方へ駆動するステップを含んでいてもよい。
軌道250は、一対の離間している前方湾曲軌道区画と、一対の離間している後方湾曲軌道区画とを含んでいてもよい。
この方法は、車両100の後方縁部を速く駆動することで、車両100の後方縁部を車両100の前方縁部に対して上昇させ、車両100を所定の角度まで傾斜させる、車両100の後方縁部を速く駆動するステップを含んでいてもよい。
そして、この車両100を所定の角度に傾斜させた後、この方法は、前方軌道に沿う車両100の前方縁部と実質的に同じ速度で、後方軌道に沿って車両100の後方縁部を駆動するステップを含んでいてもよい。
さらに、軌道250の上方に車両100を駆動するステップが、第1の歯車歯ピッチを有する前方軌道の第1の区画を上方に車両100の前方縁部を駆動するステップと、第2の歯車歯ピッチを有する前方軌道の第2の区画を上方に車両100を駆動するステップと、を含んでいてもよい。
【0156】
また、軌道250を上方に車両100を駆動するステップが、水平面に沿って車両100を駆動する複数の駆動要素の回転軸に対して直交する軸の周りで、車両100の垂直駆動歯車145を回転させるステップを含んでいてもよい。
そして、軌道250を上方へと車両100を駆動するステップが、垂直駆動歯車145を第1の方向に駆動することで、軌道250とかみ合う伝達歯車330を駆動する、垂直駆動歯車145を第1の方向に駆動するステップを、オプションで含んでいてもよい。
垂直歯車145を第1の方向に駆動することで、伝達歯車330を軌道の上方へと駆動させる。
伝達歯車330は、第1の歯車ピッチを有する第1の歯車要素と、第2の歯車ピッチを有する第2の歯車要素とを有していてもよい。
この方法は、垂直駆動歯車145を駆動することで第1の歯車要素を軌道の第1の区画の上方に駆動する、垂直駆動歯車145を駆動するステップと、垂直駆動歯車145を駆動し続けることで、第2の歯車要素を軌道の第2の区画の上方に駆動する、垂直駆動歯車145を駆動し続けるステップと、を含んでいてもよい。
【0157】
そして、材料取扱いシステム10は、自動材料取り扱いのための車両100を充電する方法を含んでいてもよい。
このような車両100を充電する方法は、アイテムを運搬するために車両100を作業所200へ駆動するステップを含んでいてもよい。
この車両100は、電気接点160を含んでいてもよく、作業所200は、充電電流を提供するための充電要素340を含んでいてもよい。
このような車両100を充電する方法は、車両100の電気接点160を充電要素340と電気的に接続するステップを含んでいてもよい。
例えば、電気的に接続するステップが、充電接点160に向かって充電要素340を付勢するステップ、および/または、充電要340に向かって充電接点160を付勢するステップを含んでいてもよい。
【0158】
さらに、電気的に接続する方法が、充電要素340に向かって車両100を駆動することで、電気接点160を充電要素340と電気接続させる、充電要素340に向かって車両100を駆動するステップを含んでいてもよい。
そして、このような車両100を充電する方法は、充電接点160が充電要素340と電気的に係合するように変位するときに、充電接点160に対する充電要素340の高さを自動的に調整するステップを含む。
さらに、このような車両100を充電する方法は、充電接点が充電要素340と電気的に係合するように変位するときに、充電要素340に対する充電接点の横方向の位置を自動的に調整するステップを含んでいてもよい。
【0159】
そして、このような車両100を充電する方法は、オプションで、車両100の充電を継続しながら車両100を垂直に持ち上げるステップを含んでいてもよい。
例えば、この方法は、車両100が上方に移動している間、車両100の電気接点160と充電要素340との間の電気的接続を維持するステップを含んでいてもよい。
さらに、充電電流を、車両100が作業所200で上方に移動しているときに充電要素340に連続的に供給してもよい。
あるいは、オペレータがアイテムを車両100に、または車両100から移送している間に充電電流が車両100に供給されるように、車両100が作業所200の採取所205にいるときに充電要素340への充電電流が維持されていてもよい。
車両100を下降させている間に充電電流を車両100に供給してもよい。
この方法は、車両100を充電要素340から遠ざけるように駆動することによって、車両100を充電要素340から切り離すステップをオプションで含んでいてもよい。
【0160】
材料取扱いシステム10は、作業所200でコンテナを運搬および保持するための方法をオプションで含む。
例えば、この方法は、トート55などのコンテナを運搬する車両100を作業所200まで駆動するステップと、作業所200で車両100を持ち上げることでコンテナを持ち上げる、作業所200で車両100を持ち上げるステップと、を含んでいてもよい。
トート55が作業所200で所定の高さで持ち上げられている間、車両100が作業所200から離れるように移動している間に、保持機構290がトート55を所定の高さに保持してもよい。
例えば、車両100が下降し、作業所200から離れるように水平経路に沿って駆動する間、トート55が所定の高さに保持されていてもよい。
車両100がトート55から離れるように移動した後にトート55が保持されている間、このようなコンテナを運搬および保持するための方法は、複数のアイテムをトート55に選択的に積み上げるステップをオプションで含んでいてもよい。
【0161】
さらに、トート55に積み上げられたアイテムは、1つ以上の別個の車両100で運搬されてもよい。
例えば、作業所200は、隣接する複数の採取所205を含んでいてもよく、各採取所205は、アイテムを作業所200に運搬する車両100を受け入れるように構成されていてもよい。
トート55は、作業所200の第1の採取所205で、保持機構290によって持ち上げられた位置に保持されてもよい。
トート55が第1の採取所205で保持されている間、車両100は、アイテムを第2の採取所205に運搬してもよい。
オペレータは、第2の採取所205で車両100からアイテムを取り出し、第1の採取所205でそのアイテムをトート55に入れてもよい。
第1の採取所205でトート55に入れられるアイテムを提供するために車両100が第2の採取所205にアイテムを運搬するプロセスは、所定のアイテムの組が第1の採取所205でトート55に置かれるまで継続されてもよい。
【0162】
そして、所定のアイテムの組が第1の採取所205でトート55に積み上げられると、トート55が第1の採取所205から取り出されてもよい。
また、車両100を作業所200内へ移動させ、車両100をトート55に向かって上方に持ち上げることで、トート55を取り出してもよい。
次に、保持機構290をトート55から切り離して、トート55を解放してもよい。
次に、車両100は、トート55とともに下方に移動してもよい。
次に、車両100を作業所200から遠ざけるように駆動することで、積み上げられたアイテムを有するトート55を作業所200から遠ざけるように駆動してもよい。
第1の採取所205からトート55を取得する車両100は、トート55を第1の採取所205に運搬する車両100とは異なるものであってもよいことを理解されたい。
【0163】
同様に、この方法は、採取所205で保持されたトート55内にアイテムを積み上げるのではなく、保持されたトート55からアイテムを取り出すステップと、1つ以上の別個の採取所205で複数のトート55にアイテムを供給するステップと、を含んでいてもよい。
例えば、第1の採取所205で保持されているトート55は、複数のアイテムを含んでいてもよい。
1つ以上の隣接する採取所205で、複数の車両100が複数のトート55を隣接する採取所205に運搬してもよい。
各トート55が運搬されると、オペレータは、第1の採取所205でトート55から1つ以上のアイテムを取り出し、隣接する採取所205に運搬されたトート55にアイテムを移してもよい。
このようにして、第1の採取所205に運搬されたトート55によって、1つ以上の隣接する採取所205に運搬された1つ以上のトート55に移されるアイテムが、供給されてもよい。
第1の採取所205で保持されたトート55からアイテムが移された後、この方法は、第1の採取所205で車両100を持ち上げるステップと、保持機構290を解放してトート55を解放するステップと、を含んでいてもよい。
次に、車両100をトート55と共に下降させてもよく、車両100をトート55と共に作業所200から遠ざかるように移動させてもよい。
第1の採取所205からトート55を取得する車両100は、トート55を第1の採取所205に運搬する車両100とは異なるものであってもよいことを理解されたい。
【0164】
オプションで、材料取扱いシステム10は、作業所200の作業面215にある採取開口部216を選択的に覆う方法を含んでいてもよい。
ドア230などのカバーを、作業所200の採取開口部216の上に移動させて、アイテムが採取開口部216を通過するのを妨げてもよい。
カバーが採取開口部216の上にある間、トート55の上端が作業面215に隣接する所定の高さに位置するよう、トート55を運搬する車両100が持ち上げられてもよい。
トート55が所定の高さになったら、カバーを採取開口部216から取り外して、この採取開口部216からトート55へアクセス可能にしてもよい。
トート55への、またはトート55からのアイテムの移送が完了したという信号に応答して、中央制御装置90は、ドア230の動作を制御して、カバーを採取開口部216の上に移動させてもよい。
例えば、中央制御装置90は、駆動機構を作動させて採取開口部216上のドア230を閉じてもよい。
さらに、中央制御装置90は、車両100の動作を制御して車両100を持ち上げられた位置に保持し、ドア230が採取開口部216を閉じるまでトート55を所定の高さに維持してもよい。
ドア230が閉じられた後、中央制御装置90は、材料取扱いシステム10に信号を送り、トート55と共に車両100を下降させ、車両100を遠ざけるように移動させてもよい。
例えば、中央制御装置90は、車両100を下方に駆動する信号を車両100に提供することで、車両100を下降させてもよい。
【0165】
また、材料取扱いシステム10は、作業所200に対して垂直駆動機構140を調整して、車両100が作業所200に進入するときに垂直駆動機構140と作業所200との間に隙間を提供する方法を提供してもよい。
垂直駆動歯車145の歯が、垂直駆動歯車145と協働して車両100を上方に駆動する要素の歯を通過するように、車両100を作業所200内に進入させてもよい。
垂直駆動歯車145を第1の方向に駆動すると、車両100が作業所200で上方に駆動される。
垂直駆動歯車145を第2の方向に駆動すると、車両100が下方に駆動される。
【0166】
車両100が作業所200に進入するときに垂直駆動歯車145が作業所200に衝突するのを防ぐために、各垂直駆動歯車145の1つ以上の歯の位置を監視して、歯が作業所200に対して確実に所定の位置にあるようにしてもよい。
具体的には、この方法は、各垂直駆動歯車145の所定の歯の周方向の位置を監視するステップを含んでいてもよい。
車両100は、作業所200に進入し、上方に、次いで下方に駆動されてもよい。
車両100が地面に向かって下方に駆動された後、作業所200に対する各垂直駆動歯車145の所定の歯の位置が測定されてもよい。
例えば、作業所200は、各垂直駆動歯車145とかみ合う歯車を含んでいてもよい。
そして、そのような歯車が、伝達歯車330であってもよい。
車両100が地面向かって下降した後、各垂直駆動歯車145の所定の歯の位置を検出して、歯が所定の周方向の範囲内にあるかどうかを判断してもよい。
周方向の範囲は、垂直駆動歯車145と噛み合う歯車の歯間隔に対して判断され、車両100が垂直駆動歯車145と噛み合う歯車の回転軸と平行に駆動されるときに、垂直駆動歯車145が垂直駆動歯車145と噛み合う歯車に衝突しないようにしてもよい。
【0167】
また、材料取扱いシステム10は、作業所200に情報を投影して、オペレータによるアイテムの取り扱いを支援する方法を含んでいてもよい。
例えば、トート55のような容器を、作業所200の採取開口部216に移動させてもよい。
また、この採取開口部216に隣接する面を設けてもよい。
例えば、その面は、採取開口部216の全部または一部を取り囲んでいてもよい。
図19に示す例では、作業面215は、オプションで採取開口部216全体を囲んでいる。
【0168】
プロジェクタ220を制御して、作業所200に1つ以上の投影を投射し、オペレータを支援する情報を提供してもよい。
例えば、プロジェクタ220は、第1の光信号を提供することで、取得するアイテムを示す信号をオペレータに提供してもよい。
例えば、第1のライトを、トート55内の取得するアイテムを照らしてもよい。
そして、このトート55は、トート55をセル56と呼ばれる複数の別個の格納場所に分割する、複数の仕切りを含んでいてもよい。
プロジェクタ220は、図19に示すように、特定のセル56が照らされる一方で、残りのセル56が照らされないように、第1の光400を特定のセル56に向けて投射してもよい。
このようにして、第1の光信号によって、取得するアイテムの位置を識別してもよい。
【0169】
プロジェクタ220は、オプションで、第2の光を投射することで取得するアイテムに関する情報をオペレータに提供してもよい。
図19に示すように、第2の光信号405を、作業所200の採取開口部216に隣接する作業所200の作業面215に投射してもよい。
オプションで、第2の光信号405を、トート55内にアイテムが収容される場所に隣接する作業面上に投射してもよい。
例えば、図19に示すように、第2の光信号405を、第1の光信号400に隣接する面215上に投射してもよい。
【0170】
第2の光信号405は、オペレータによるアイテムの取得を支援するために、様々な情報のうちの任意のものを提供してもよい。
例えば、図19に示すように、第2の光信号405は、トート55から取得するアイテムの数を識別してもよい。
【0171】
また、この方法は、第3の光信号を投射して、取得するアイテムに関するさらなる情報をオペレータに提供するステップを含んでもよい。
作業面215の構成並びに第2の光信号405および第3の光信号の構成に応じて、第3の光信号410は、第1の光信号400に隣接する、かつ/または、第2の光信号405に隣接する、作業面215に投射されてもよい。
第3の光信号410は、第2の光信号405によって提供される情報とは別個の情報を提供するように構成されていてもよい。
例えば、図19に示すように、第3の光信号410は、取得するアイテムのアイコンまたはグラフィック/絵画表示を提供してもよい。
【0172】
上述のように、プロジェクタ220は、複数の信号をトート55内のアイテムまたはトート55に隣接する作業面215に投影するように構成されていてもよい。
投影された視覚信号は、数および構成が様々であってもよいことを理解されたい。
例えば、図19は、3つの異なる種類の光信号が提供される実施形態を示し、第1の光信号400は、アイテムの位置を識別し、第2の光信号405は、取得するアイテムの数を識別し、第3の光信号410は、取得するアイテムを識別する。
しかし、用途によって、異なる情報が提供されてもよいし、光信号の1つまたは2つだけが用いられてもよい。
同様に、トート55上またはこのトート55に隣接する作業所200の作業面215に追加の光信号を投射してもよい。
【0173】
このように、材料取り扱いシステム10は、アイテムのコンテナを取得するステップと、アイテムを作業所200に移送するステップと、を含むアイテムを処理する方法を提供してもよい。
この方法は、コンテナの一部に第1の光信号400を投射することで、コンテナからアイテムを取得する場所を識別する、第1の光信号400を投射するステップを含んでいてもよい。
この方法は、コンテナ内で識別された場所から取得するアイテムの数を識別する第2の光信号405を、作業所200の作業面215に同時に投射するステップを含んでいる。
そして、この方法は、取得するアイテムを識別する第3の光信号410を作業所200の作業面215に投射するステップを含んでいてもよい。
第3の光信号410は、第2の光信号405の代わりに提供されてもよく、または、第2の光信号405と共に同時に提供されてもよい。
【0174】
また、この方法は、アクチュエータを作動させることで、適切なアイテムがコンテナから取り出されたことを示す、アクチュエータを作動させるステップを含んでもよい。
アクチュエータは、ボタンまたはタッチスクリーンディスプレイなどの様々なアクチュエータのうちの任意のものであってもよい。
アクチュエータの作動に応答して、コンテナは、作業所200から離れる方向に移動してもよい。
例えば、コンテナが、車両100のうちの1つによって作業所200から離れる方向に移動されてもよい。
【0175】
また、本発明は、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の範囲および精神内にある全ての変更および修正を含むことを意図していることを、理解されたい。
図1
図2
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図5
図6A
図6B
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【国際調査報告】