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特表2023-537894トルクに基づいた器具の目標を定めたトルク解放
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】トルクに基づいた器具の目標を定めたトルク解放
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/88 20060101AFI20230830BHJP
   A61B 17/16 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
A61B17/88
A61B17/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507500
(86)(22)【出願日】2021-08-11
(85)【翻訳文提出日】2023-03-15
(86)【国際出願番号】 US2021045563
(87)【国際公開番号】W WO2022035974
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】16/993,949
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505026479
【氏名又は名称】アキュームド・エルエルシー
【住所又は居所原語表記】5885 NE Cornelius Pass Road,Hillsboro,Oregon 97124 United States
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】セイコラ,アンドリュー ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ホースト,スティーブン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ソマーズ,マーク ビー.
(72)【発明者】
【氏名】マストロイアニ,スコット エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ハットン,グレゴリー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】フォークナー ジュニア.,ジェイムス ジー.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL03
4C160LL07
4C160LL11
4C160LL21
4C160LL31
4C160LL42
(57)【要約】
本開示は、目標を定めたねじり破壊を有する、医療器具および医療器具部品を提供する。このような目標を定めたねじり破壊は、インプラントまたは骨を損傷する場合がある、過剰なトルクの印加を防止するのに役立ち、かつ外科処置中に患者の体内で医療器具が壊れたときに生じる問題および困難を回避するのにも役立つ。このような目標を定めたねじり破壊を与えるために、本開示の医療器具部品は、部品が所望の量のトルクで、所望の位置で、かつ所望の方法で壊れるように設計された離脱部を含む。提供される医療器具部品は、離脱部によって側面負荷強度が低くならないように、離脱部の側面負荷強度を増すためのスリーブをさらに含んでもよい。側面負荷強度の増加により、偶発的な曲げによる破壊を防止するのに役立ち得る。したがって本開示の医療器具部品は、側面負荷強度を犠牲にすることなく、目標を定めたねじり破壊を与える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具部品であって、
第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含む細長いシャフトであって、前記第1の部分は、前記第2の部分と前記第3の部分との間にある、細長いシャフトと、
少なくとも一時は前記第1の部分の周りに配置されるように構成されたスリーブであって、前記スリーブは、前記第2の部分または第3の部分に接続され、
前記第1の部分が、前記第2の部分または前記第3の部分より低いトルク力でねじり破壊を起こすように、前記第1の部分は前記第2の部分および前記第3の部分よりねじり強度が低くなるように構成される、スリーブと
を備える、医療器具部品。
【請求項2】
前記第1の部分の断面積が、前記第2の部分との接合面の断面積から最小断面積まで、および前記第3の部分との接合面の断面積から前記最小断面積まで連続的に減少する、請求項1に記載の医療器具部品。
【請求項3】
前記第1の部分の前記断面積が直線的に減少する、請求項2に記載の医療器具部品。
【請求項4】
前記第1の部分が、前記細長いシャフトの中心軸へ向かう複数の分離したくぼみを含む、請求項1に記載の医療器具部品。
【請求項5】
前記複数の分離したくぼみが平面を含む、請求項4に記載の医療器具部品。
【請求項6】
前記第1の部分が、連続的ならせん形のくぼみを含む、請求項1に記載の医療器具部品。
【請求項7】
前記第1の部分が、第1のくぼみと、前記第1のくぼみより大きくくぼんだ複数の第2のくぼみとを含む、請求項1に記載の医療器具部品。
【請求項8】
前記第1の部分が、前記細長いシャフトを通る少なくとも1つの開口部を含む、請求項1に記載の医療器具部品。
【請求項9】
前記開口部が、その対向する端部と比較して、一端がより大きい、請求項8に記載の医療器具部品。
【請求項10】
前記スリーブの位置が、前記第1の部分の前記開口部に沿って調整可能であり、その結果、前記スリーブの前記位置に基づいて前記第1の部分の前記ねじり強度が調整可能な、請求項8に記載の医療器具部品。
【請求項11】
前記スリーブの位置が、前記細長いシャフトに対して固定される、請求項1に記載の医療器具部品。
【請求項12】
前記スリーブの位置が、前記細長いシャフトに対して調整可能な、請求項1に記載の医療器具部品。
【請求項13】
前記スリーブの位置が、前記細長いシャフトとのねじ係合によって調整可能な、請求項12に記載の医療器具部品。
【請求項14】
前記細長いシャフトの前記第3の部分が駆動機能を含む、請求項1に記載の医療器具部品。
【請求項15】
破断をもたらすねじり破壊後に、前記第2の部分と前記第1の部分の残りの部分とが駆動機能として構成されるように、前記第1の部分および前記第2の部分が構成される、請求項14に記載の医療器具部品。
【請求項16】
前記第1の部分に生じる前記ねじり破壊が、前記第1の部分が壊れて2つの個別の部品になることを含む、請求項1に記載の医療器具部品。
【請求項17】
前記医療器具部品がリーマまたはドリルの部品である、請求項1に記載の医療器具部品。
【請求項18】
前記細長いシャフトの前記第2の部分または前記第3の部分が、ドライバと取り外し可能に結合するように構成される、請求項1に記載の医療器具部品。
【請求項19】
前記第3の部分がねじであり、前記第2の部分がキーを含む、請求項1に記載の医療器具部品。
【請求項20】
前記第3の部分がねじであり、前記スリーブがハンドドライバを含む、請求項1に記載の医療器具部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2020年8月14日に出願された米国特許出願第16/993,949号の優先権および利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に、医療器具および医療器具部品に関する。より具体的には、本出願は、目標を定めたトルク破壊用に構成された医療器具および医療器具部品を提供する。
【背景技術】
【0003】
多くの整形外科的処置において、外科医はプレート、爪、またはインプラントの中に、あるいは骨折や関節の癒着を横断するようにねじを挿入するために、ドライバを使用する。外科医がねじを挿入するために過剰な量のトルクを印加すれば、外科医は駆動接合面やプレートやインプラントや骨などを損傷する場合がある。さらに、ねじを挿入するために外科医によって印加されたトルクがドライバチップの強度を上回ると、ドライバチップが折れて、通常はねじの頭部内に残留することになる。他の外科器具でも、これと同種の破断が生じる場合がある。例えば、タップ、ドリル、またはリーマには、様々な量のトルクがかかる場合があり、これにより、これらの器具の一部が骨の内部で折れる場合がある。このような外科器具の折れた破片により、いくつかの課題や問題が生じる。このような問題の1つは手術時間が増加することで、これは場合によっては、折れた破片および/またはねじの回収に時間をかけなければならないためであり、また他の場合には、別の場所で処置(例えば、ねじの挿入)を繰り返さなければならないためである。
【0004】
別の課題または問題は、場合によっては、折れた器具の破片は回収が困難または不可能な場合があり、したがって外科医は、折れた破片を患者の体内に残すか、あるいはインプラントまたは折れた器具の破片を回収するために処置の侵襲性を増すかのいずれかを行う必要がある。例えば、特に重要なのは、経皮的にねじを挿入することである。このような場合、ねじ/ドライバの接合面を可視にすることは不可能であり、軟組織の層の下に埋もれていることが多く、折れたドライバチップの回収が困難または不可能になる。別の例では、ドライバチップ、ドリル、タップ、またはリーマが、骨の近くで、骨と同一平面上で、あるいは骨の内部で折れると、折れた器具の破片を骨から取り除けるように配置または把持するのが困難な場合がある。爪用の長骨管を生成するリーマの場合には、リーマの折れた破片を回収可能にすることが必須である。リーマが骨管の中で折れた場合、折れた破片を骨から取り出すために、解決困難な問題が生じる。
【0005】
ドライバチップを患者の体内に残すと、ドライバチップが、異なる材料で構成されたねじの頭部内に残った場合は、ガルバニック腐食の可能性が生じる。ドライバチップを除去できないと、さらに、外科医がドライバチップを内部に含んだねじを除去できなくなり、かつねじが固定しているインプラントやプレートなどを外科医が除去できなくなる場合があるが、いずれかを行うことが必要な状況が生じる可能性がある。
【0006】
過剰なトルク印加の防止に役立ち、したがって上述した課題または問題の防止に役立つ1つの方法は、ドライバチップでねじに印加され得る最大トルク量を制限する、トルク制限ドライバを使用することである。トルク制限ドライバは、プレートやインプラントや骨などを損傷せず、かつドライバチップが折れることのない、安全なレベルの最大トルクまで較正されてもよい。しかしながら、トルク制限ドライバはかさが高くかつ高価であり、場合によってはその有用性が制限される場合があり、外科手術用品の費用も増加する。
【0007】
加えて、トルク制限ドライバは、装置の寿命を通じて、信頼性の高い較正状態を維持するのが困難である。例えば、トルク制限ドライバの適切な保守には、300回転または300クリックごとの再較正が必要な場合があるが、回転またはクリックが何回行われたかを記録する簡便な方法はない。したがって、トルク制限ドライバは、適切に較正できないことが多い。場合によっては、トルク制限ドライバに保護機能が備わっていると外科医が誤って思い込んでいると、このために外科医が不注意で過剰なトルクを印加することにつながりかねない。したがって、トルク制限ドライバの使用中にやはりドライバチップが折れる場合があり、上述した問題または課題が生じる。加えて、外科医が所望より低いトルクを不注意で印加することにつながる、較正が不正確なトルク制限ドライバは、それ自身が固有の欠陥を有する。このような不十分なトルク印加により、ねじの突出、ねじの後退、あるいは骨折、骨切り術、または癒合の際の固定または整復が不十分になる場合がある。
【0008】
外科医が過剰なトルクを印加するのを防止するのに役立つ別の方法は、ドライバとねじとが単一の部品として加工される、離脱構造である。このような構造におけるドライバとねじとの接合面は、ドライバが、装置を移植するのに必要な所望のトルクを伝えられるように設計されるが、ドライバとねじとの接合面が破断しやすいようにも設計される。例えば、接合面は、破断しやすくなるように側面負荷強度を低減して構成されてもよい。
【0009】
しかしながら、この種の離脱構造は、常に設計した通りに壊れるとは限らず、外科医がドライバをねじから切り離すことが必要になる場合がある。逆に、他の例では、意図しない側面負荷などにより、意図されているより早くドライバがねじから切り離される場合がある。離脱構造は、ドライバとねじとが1つの部品として加工されることが必要であり、1回使用のみとなることに加えて、処置に使用され得るドライバおよび/またはねじに対して、柔軟性を制限する。さらに、このような構造におけるねじは、後で取り外せるように、ドライバが切り離された後は駆動機構を有さない場合がある。加えて、この離脱構造は、ドライバでない外科用器具に関する問題または課題は解決しない。
【0010】
したがって、上述した問題および課題を解決するために、トルクをかけたシャフトがどこでどのように壊れるかを制御する機構に対する需要がある。
【発明の概要】
【0011】
本開示は、部品のトルク破壊が、所望のトルクの量で、所望の位置で、かつ所望の方法で確実に生じるようにする、新しい画期的な医療器具部品を提供する。これは過剰なトルク印加を防止し、かつ外科処置中に医療器具が破断したときに生じ得る問題および課題を解消するのに役立つ。一例では、医療器具部品は、細長いシャフトとスリーブとを備える。細長いシャフトは、第2の部分と第3の部分との間に第1の部分を有する。細長いシャフトの第1の部分は、第2の部分および第3の部分よりねじり強度が低くなるように構成され、その結果、第1の部分は、第2の部分または第3の部分より低いトルク力でねじり破壊される。スリーブは、細長いシャフトの第1の部分の周りに配置され、かつ細長いシャフトの第2の部分または第3の部分のいずれかに接続される。
【0012】
スリーブは、偶発的な曲げによる破断を防止するために、細長いシャフトの第1の部分に付加的な側面負荷強度を与える。例えば、ねじり強度を低減するための細長いシャフトの第1の部分の構成により、第1の部分の側面負荷強度も低減することができる。したがって、スリーブは、第1の部分の低減されたねじり強度に影響を及ぼすことなく、細長いシャフトがその側面負荷強度を維持するのに役立つ。スリーブは、細長いシャフトがその第1の部分で破断した後で、破片を収容するのにも役立つ場合がある。
【0013】
本明細書に記載の技術的特徴に照らして、限定はしないが、別段の指定がない限り任意の他の態様と組み合わせることができる本出願の開示の第1の態様では、医療器具部品は、細長いシャフトとスリーブとを備える。細長いシャフトは、第1の部分と、第2の部分と、第3の部分とを含み、第1の部分は、第2の部分と第3の部分との間にある。スリーブは、第2の部分または第3の部分に接続され、少なくとも一時は第1の部分の周りに配置されるように構成される。第1の部分は、第2の部分および第3の部分よりねじり強度が低くなるように構成され、その結果、第1の部分は、第2の部分または第3の部分より低いトルク力でねじり破壊される。
【0014】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第2の態様では、細長いシャフトの第1の部分の断面積は、細長いシャフトの第2の部分との接合面における断面積から最小断面積まで、かつ細長いシャフトの第3の部分との接合面における断面積から最小断面積まで連続的に減少する。
【0015】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様または第2の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第3の態様では、細長いシャフトの第1の部分の断面積は直線的に減少する。
【0016】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様、第2の態様、または第3の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第4の態様では、細長いシャフトの第1の部分は、細長いシャフトの中心軸に向かう複数の分離したくぼみを含む。
【0017】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第4の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第5の態様では、複数の分離したくぼみは平面を含む。
【0018】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様、第2の態様、または第3の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第6の態様では、細長いシャフトの第1の部分は、連続的ならせん形のくぼみを含む。
【0019】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様から第5の態様のいずれか)と組み合わせることができる本出願の開示の第7の態様では、細長いシャフトの第1の部分は、第1のくぼみと、第1のくぼみより大きくくぼんだ複数の第2のくぼみとを含む。
【0020】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様から第7の態様のいずれか)と組み合わせることができる本出願の開示の第8の態様では、細長いシャフトの第1の部分は、細長いシャフトを通る少なくとも1つの開口部を含む。
【0021】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様から第8の態様のいずれか)と組み合わせることができる本出願の開示の第9の態様では、細長いシャフトを通る少なくとも1つの開口部は、その反対側の端部と比較して、一方の端部で大きくなっている。
【0022】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第8の態様または第9の態様)と組み合わせることができる本出願の開示の第10の態様では、スリーブの位置は第1の部分の開口部に沿って調整可能であり、その結果、第1の部分のねじり強度が、スリーブの位置に基づいて調整可能になる。
【0023】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様から第9の態様のいずれか)と組み合わせることができる本出願の開示の第11の態様では、スリーブの位置は、細長いシャフトに対して固定される。
【0024】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様から第10の態様のいずれか)と組み合わせることができる本出願の開示の第12の態様では、スリーブの位置は、細長いシャフトに対して調整可能である。
【0025】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様から第10の態様、または第12の態様のいずれか)と組み合わせることができる本出願の開示の第13の態様では、スリーブの位置は、細長いシャフトとのねじ係合によって調整可能である。
【0026】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様から第13の態様のいずれか)と組み合わせることができる本出願の開示の第14の態様では、細長いシャフトの第3の部分は、駆動機能を備える。
【0027】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様から第14の態様のいずれか)と組み合わせることができる本出願の開示の第15の態様では、細長いシャフトの第1の部分および細長いシャフトの第2の部分は、破断につながるねじり破壊の後で、第2の部分と第1の部分の残りの部分とが駆動機能として構成されるように構成される。
【0028】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様から第15の態様のいずれか)と組み合わせることができる本出願の開示の第16の態様では、細長いシャフトの第1の部分にかかるねじり破壊は、第1の部分が壊れて2つの分離した部品になることを含む。
【0029】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様から第16の態様のいずれか)と組み合わせることができる本出願の開示の第17の態様では、医療器具部品は、リーマまたはドリルの部品である。
【0030】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様から第17の態様のいずれか)と組み合わせることができる本出願の開示の第18の態様では、細長いシャフトの第2の部分または第3の部分は、ドライバに取り外し可能に結合されるように構成される。
【0031】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様から第10の態様のいずれか、第12の態様から第14の態様のいずれか、または第16の態様から第18の態様のいずれか)と組み合わせることができる本出願の開示の第19の態様では、細長いシャフトの第3の部分はねじであり、細長いシャフトの第2の部分はキーを含む。
【0032】
別段の指定がない限り任意の他の態様(例えば、第1の態様から第10の態様のいずれか、または第12の態様から第19の態様のいずれか)と組み合わせることができる本出願の開示の第20の態様では、細長いシャフトの第3の部分はねじであり、スリーブはハンドドライバを含む。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1A】本開示の一態様による、ねじり強度が低減された離脱部を有する、例示的な医療器具部品を示す。
図1B】本開示の一態様による、ねじり強度が低減された別の離脱部を有する、例示的な医療器具部品を示す。
図1C】本開示の一態様による、ねじり強度が低減されたさらに別の離脱部を有する、例示的な医療器具部品を示す。
図1D】本開示の一態様による、ねじり強度が低減されたさらに別の離脱部を有する、例示的な医療器具部品を示す。
図1E】本開示の一態様による、ねじり強度が低減されたさらに別の離脱部を有する、例示的な医療器具部品を示す。
図1F】本開示の一態様による、ねじり強度が低減されたさらに別の離脱部を有する、例示的な医療器具部品を示す。
図1G】本開示の一態様による、ねじり強度が低減されたさらに別の離脱部を有する、例示的な医療器具部品を示す。
図1H】本開示の一態様による、ねじり強度が低減されたさらに別の離脱部を有する、例示的な医療器具部品を示す。
図1I】本開示の一態様による、ねじり強度が低減されたさらに別の離脱部を有する、例示的な医療器具部品を示す。
図1J】本開示の一態様による、ねじり強度が低減されたさらに別の離脱部を有する、例示的な医療器具部品を示す。
図1K】本開示の一態様による、ねじり強度が低減されたさらに別の離脱部を有する、例示的な医療器具部品を示す。
【0034】
図2】本開示の一態様による、固定されたスリーブを有する医療器具部品を示す。
【0035】
図3A】本開示の一態様による、調整可能なスリーブを有する例示的な医療器具部品の分解斜視図を示す。
【0036】
図3B】本開示の一態様による、図3Aの例示的な医療器具部品の断面図を示す。
【0037】
図4】本開示の一態様による、非対称な開口部を有する、図3Aおよび図3Bの例示的な医療器具部品の断面図を示す。
【0038】
図5A】本開示の一態様による、部品のトルク強度を調整するために3つの領域を有する医療器具部品の斜視図を示す。
図5B】本開示の一態様による、部品のトルク強度を調整するために3つの領域を有する医療器具部品の断面図を示す。
【0039】
図6A】本開示の一態様による、破断後に駆動機構として使用できる医療器具部品を示す。
図6B】本開示の一態様による、破断後に駆動機構として使用できる医療器具部品の別の図を示す。
【0040】
図7】本開示の一態様による、互いに滑り嵌めされ接合される2つの部分を有する、医療器具部品を示す。
【0041】
図8A】本開示の一態様による、調整可能なスリーブを有する、キーのない折り取り式ねじ器具を示す。
図8B】本開示の一態様による、調整可能なスリーブを有する、キーのない折り取り式ねじ器具の別の図を示す。
【0042】
図8C】本開示の一態様による、調整可能なスリーブを有する、キー付きの折り取り式ねじ器具を示す。
【0043】
図9A】本開示の一態様による、ナットを含むスリーブ調整機構を有する、例示的な医療器具部品の断面図を示す。
図9B】本開示の一態様による、ナットを含むスリーブ調整機構を有する、例示的な医療器具部品の斜視図を示す。
【0044】
図9C】本開示の一態様による、細長いシャフトがねじから折り取られた後の、図9Aおよび図9Bの例示的な医療器具部品の斜視図を示す。
【0045】
図10】本開示の一態様による、ねじり強度を低減した部分を有する、ねじり装置結合器を示す。
【0046】
図11A】本開示の一態様による、折り取りガイドを有するプレートを示す。
図11B】本開示の一態様による、折り取りガイドを有するプレートの別の図を示す。
【0047】
図12A】本開示の一態様による、非破壊でトルクを解放するように構成された例示的な医療器具部品の斜視図を示す。
【0048】
図12B】本開示の一態様による、図12Aの医療器具部品のトルク解放部の斜視図を示す。
【0049】
図12C】本開示の一態様による、図12Aおよび図12Bの医療器具部品のトルク解放部の断面図を示す。
【0050】
図12D】本開示の一態様による、図12Aから図12Cの医療器具部品の臨界トルク点の断面図を示す。
【0051】
図13A】本開示の一態様による、シャフトの周りに配置されたばねおよびボールプランジャを含むリングを有する医療器具部品を含む、例示的な非破壊でトルクを解放する医療器具の断面図を示す。
図13B】本開示の一態様による、シャフトの周りに配置されたばねおよびボールプランジャを含むリングを有する医療器具部品を含む、例示的な非破壊でトルクを解放する医療器具の斜視図を示す。
【0052】
図14A】本開示の一態様による、解放スロットを有する弾性変形可能な医療器具部品を含む、非破壊でトルクを解放する医療器具を示す。
図14B】本開示の一態様による、解放スロットを有する弾性変形可能な医療器具部品を含む、非破壊でトルクを解放する医療器具の別の図を示す。
図14C】本開示の一態様による、解放スロットを有する弾性変形可能な医療器具部品を含む、非破壊でトルクを解放する医療器具のさらに別の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本開示の医療器具および医療器具部品は、医療器具に目標を定めたねじり破壊を与える。例えば、開示される医療器具部品は、ねじを挿入するためのハンドルに固定または結合できる、ドライバシャフトであってもよい。他の例では、開示される医療器具部品は、リーマシャフトまたはドリルシャフトであってもよい。さらに別の例では、開示される医療器具部品は、シャフト以外の医療器具の一部であってもよい。このような目標を定めたねじり破壊により、インプラント、器具、または骨を破損させる場合がある、過剰なトルクを外科医が印加するのを防止する。目標を定めたねじり破壊は、外科処置中に患者の体内で医療器具またはインプラントが破損したときに生じる問題および合併症を回避するのにも役立つ。
【0054】
このような目標を定めたねじり破壊を与えるために、本開示の医療器具部品は離脱部を備え、これはねじり破壊が離脱部でのみ、かつ特定の量の印加トルクでのみ生じやすくするのに役立つ。別の言い方をすれば、医療器具部品の離脱部は、部品が所望の量のトルクで、所望の位置で、かつ所望の方法で壊れるように設計される。例えば、医療器具部品の離脱部は、インプラントまたは骨に損傷を生じさせ得るトルクの臨界量未満の、ある量のトルクを印加すると破断するように構成されてもよい。したがって、当該医療器具部品は、外科医が臨界量のトルクを印加する前に破断し、損傷を防止するのに役立つ。加えて、提供される医療器具部品のトルク制限要因は部品の材料の構造であるため、当該医療器具部品は典型的なトルク制限ドライバのように較正される必要がなく、したがって偶発的かつ無意識的な、過剰かつ不適切なトルクの印加を引き起こし得る、典型的なトルク制限ドライバの保守の問題を解消する。
【0055】
別の例では、医療器具部品は細長いシャフトを備え、離脱部は、処置中に患者の体内に挿入されていない、細長いシャフトの一部に配置されてもよい。これにより、医療器具部品が破断した場合は患者の体外で破断し、患者の外部でつかみ取ることができるため、取れた破片を迅速に回収するのが外科医にとって容易になる。したがって、医療器具が破断し得る場所の予測不可能性、そして器具の破片によって起こり得る、処置時の合併症の予測不可能性を制限することができる。
【0056】
加えて、その部分のねじり強度を低減する離脱部の構造は、その部分の側面負荷強度も低減し得る。側面負荷強度の低減により、当該医療器具部品がその一部になっている器具を外科医が使用すると、偶発的な曲げによる破壊が生じる場合がある。したがって、このような偶発的な曲げによる破壊を防止するのに役立つように、提供される医療器具部品は、離脱部の周りに配置されたスリーブを備えることができる。スリーブは、離脱部の周りの所定の位置に固定されてもよく、あるいは離脱部のねじり強度および曲げ強度を調整できるように、その位置が調整可能であってもよい。したがって本開示の医療器具部品は、側面負荷強度を犠牲にすることなく、目標を定めたねじり破壊を与える。スリーブは、医療器具部品が離脱部で破断した際に遊離する場合がある、材料の破片を収容するのにも役立つ場合がある。
【0057】
図1Aから図1Jは、部品の残りの部分に比べてねじり強度が低減された離脱部を有する、例示的な医療器具部品を示す。図示されている様々な離脱部の構成は、破壊するために異なる量のトルクを必要とし得る。したがって、本開示のいくつかの態様では、使用される外科処置に基づいて、特定の離脱部構成が選択されてもよい。加えて、図1Aから図1Jに示す例示的な医療器具部品は、それぞれの例示的な離脱部を単に示す方法で図示されていることを理解されたい。様々な場合において、例示的な医療器具部品の第2の部分または第3の部分は、駆動機能(例えば、ドライバチップ)、結合または接続機能(例えば、図6A、6B、または図10)、ねじ(例えば、図8Aから図8C、および図9Aから図9C)、ドリルビットの切断部、リーマのリーミング部、インプラント(例えば、図11Aおよび図11B)、穴開けガイド(図11Aおよび図11B)などとして、またはこれらを含むように構成されてもよい。
【0058】
いくつかの例では、提供される医療器具部品は、離脱部内で最小断面積まで連続的かつ均一に減少する断面積を有し得る。図1Aは、第1の部分102Aと、第2の部分104Aと、第3の部分106Aとを含む細長いシャフトを有する、例示的な医療器具部品100Aを示す。図示されているように、医療器具部品100Aの断面積は、その第1の部分102A(例えば、離脱部)において、第2の部分104Aおよび第3の部分106Aの断面積から最小断面積まで、連続的かつ均一に減少している。場合によっては、図示されている例のように、断面積は凹状に連続的に減少する。
【0059】
他の例では、断面積は、第2の部分104Aおよび第3の部分104Bから直線的に減少してもよい。例えば、図1Kは、第1の部分102Kと、第2の部分104Kと、第3の部分106Kとを含む細長いシャフトを有する、例示的な医療器具部品100Kを示す。第2の部分104Kおよび第3の部分106Kの断面積は、第1の部分102K(例えば、離脱部)内で、最小断面積116Kまで直線的に減少する。場合によっては、最小断面積116Kは、図示されている例のように、第1の部分102Kの一部分に続いていてもよい。
【0060】
他の例では、提供される医療器具部品は、その離脱部の内部に複数のくぼみを含んでいてもよい。図1Bは、第1の部分102Bと、第2の部分104Bと、第3の部分106Bとを含む細長いシャフトを有する、例示的な医療器具部品100Bを示す。図示されているように、第1の部分102Bは複数の細長いくぼみ108Bを含んでいるが、明確にするために1つのみが示されている。図1Cは、第1の部分102Cと、第2の部分104Cと、第3の部分106Cとを含む細長いシャフトを有する、例示的な医療器具部品100Cを示す。図示されているように、第1の部分102Cは複数の凹んだ球状のくぼみ108Cを含んでいるが、明確にするために1つのみが示されている。図1Dは、第1の部分102Dと、第2の部分104Dと、第3の部分106Dとを含む細長いシャフトを有する、例示的な医療器具部品100Dを示す。図示されているように、第1の部分102Dは、平面を有する複数の(例えば、4つの)くぼみ108Dを含んでいるが、明確にするために1つのみが示されている。この例では、複数のくぼみ108Dが正方形の全周を形成しているが、他の例では、他の全周形状を形成する、これより多いかまたは少ない平面のくぼみ108Dがあってもよい。
【0061】
少なくとも1つの例では、提供される医療器具部品は、その離脱部の内部に、単一の連続したくぼみを含んでいてもよい。図1Eは、第1の部分102Eと、第2の部分104Eと、第3の部分106Eとを含む細長いシャフトを有する、例示的な医療器具部品100Eを示す。図示されているように、第1の部分102Eは、単一の連続したらせん状のくぼみ108Eを含む。
【0062】
いくつかの態様では、提供される医療器具部品は、その離脱部の内部に、深さが異なる複数のくぼみを含んでいてもよい。図1Fは、第1の部分102Fと、第2の部分104Fと、第3の部分106Fとを含む細長いシャフトを有する、例示的な医療器具部品100Fを示す。第1の部分102Fは、医療器具部品100Fの全周の周りに延びる、第1のくぼみ108Fを含む。第1の部分102Fは、くぼみ108Fよりくぼみ深さが大きい、複数のくぼみ110Fをさらに含む。明確にするために、くぼみ110Fは1つのみが示されている。
【0063】
図1Gは、第1の部分102Gと、第2の部分104Gと、第3の部分106Gとを含む細長いシャフトを有する、例示的な医療器具部品100Gを示す。第1の部分102Gは複数のくぼみ108Gを含んでいるが、明確にするために、くぼみ108Gは1つのみが示されている。各くぼみ108G同士の間に、第1の部分102Gはくぼみ110Gをさらに含んでいるが、明確にするために、くぼみ110Gは1つのみが示されている。くぼみ108Gは、くぼみ110Gよりくぼみ深さが大きい。
【0064】
いくつかの態様では、提供される医療器具部品は、その離脱部内に、細長いシャフトを通って延びる1つ以上の開口部を含んでいてもよい。図1Hは、第1の部分102Hと、第2の部分104Hと、第3の部分106Hとを含む細長いシャフトを有する、例示的な医療器具部品100Hを示す。第1の部分102Hは、医療器具部品100Hの全周の周りに延びる、くぼみ108Hを含む。第1の部分102Hは、細長いシャフトの片側から他方の側へ延びる、複数の貫通穴110Hをさらに含む。明確にするために、貫通穴110Hは1つのみが示されている。
【0065】
図1Jは、第1の部分102Jと、第2の部分104Jと、第3の部分106Jとを含む細長いシャフトを有する、例示的な医療器具部品100Jを示す。図示されているように、医療器具部品100Jは、その細長いシャフトを通る細長い開口部116Jを含み、その結果、第1の部分102Jは、細長いアーム112Jと114Jとを含む。他の例では、アーム112Jおよび114Jが細長くならないように、開口部116Jがより小さくてもよい。開口部116Jは、あるいはより大きくてもよい。加えて、図示されている例では、医療器具部品100Jの細長いシャフトを通る開口部116Jは、対称である。他の例では、開口部の一端がその対向する端部より大きくなるように、開口部116Jは非対称であってもよい。図1Aから図1Hに示す、破断(例えば、延性または脆性破壊モード)によって破断し得る例示的な医療器具部品とは対照的に、例示的な医療器具部品100Jは、プラスチックの変形によって破断し得る。
【0066】
本開示のいくつかの態様では、提供される医療器具部品は、離脱部を形成するように互いに滑り嵌めされ接合される、2つの個別の部品を含むことができる。図7は、部品710内に滑り嵌めされる部品708を有する、例示的な医療器具部品700を示す。部品708は、接合部712で部品710に接合されている。医療器具部品700の細長いシャフトは、第1の部分702(例えば、離脱部)と、第2の部分704と、第3の部分706とを含む。接合部712は、特定の臨界量のトルクで破損または破断することを目的として設計されるように制御されてもよい。この接合制御は、接合サイズや電圧や接合部の数などの接合パラメータを操作することによって達成することができる。
【0067】
本開示のいくつかの態様では、提供される医療器具部品は、熱処理(例えば、高周波焼入れ)されてもよい。例えば、先に図示した離脱部の例によって明らかなように、医療器具部品の細長いシャフトの残りの部分と比較して、離脱部の材料が低減されていることは、離脱部のねじり強度の低減に寄与し得る。これに加えて、またはこれに代えて、医療器具部品は、離脱部におけるねじり強度の低減を生成するかまたはこれに寄与するように熱処理されてもよい。熱処理パラメータは、細長いシャフトの離脱部その他の部分に対して、所望のトルク強度または所望の破壊モードを目標に定めるように調整されてもよい。例えば、脆性破壊は、通常は縁部が鋭利になって破片が生じる可能性があり、延性破壊は、通常は破片が生じることのない滑らかな表面が残る。
【0068】
医療器具部品は、細長いシャフトにわたって均一に熱処理されてもよく、あるいは細長いシャフトの特定の部分が、他の部分とは異なるように熱処理されてもよい。例えば、第2の部分および/または第3の部分は硬度が増すように熱処理されてもよく、その一方で、第1の部分(例えば、離脱部)は硬くされない。このような例は、第2の部分および/または第3の部分を確実に適切な強度にするのに役立てることができ、駆動接合面、あるいはドリルまたはリーマ切断溝を含んでもよく、離脱部に延性破壊モードを保証する。アニーリングされた状態の離脱部は延びが大きく、破壊前の変形角が大きくなる。
【0069】
少なくとも1つの例では、部品708と710とは互いに接合される前は分離されているので、医療器具部品700の接合構成は、別の部分はアニーリングされたままにしながら、医療器具部品700の細長いシャフトの1つの部分を熱処理するのをより容易にすることができる。いくつかの態様では、接合部712は、壊れることは意図されず、むしろ熱処理された部品を熱処理されていない部品に接合するために使用されるように制御されてもよい。例えば、部品710は熱処理され、かつドライバチップを含んでもよく、その一方で、部品708はアニーリングされたままで、かつ離脱部を含むことができる。
【0070】
図1Aから図1J、および図7に示す離脱部は、単に例示することが意図されている。提供される医療器具部品の離脱部は、離脱部にねじり強度の低減を同様にもたらす、図示されているもの以外の適切な構成を有してもよい。例えば、医療器具部品は、説明した図1Aから図1J、および図7の様々な例における特徴の、任意の適切な組み合わせを含むことができる。一例では、医療器具部品は、図1Dの平面のくぼみと、図1Gの貫通穴とを含むことができる。
【0071】
上述したように、場合によっては、提供される医療器具部品は、側面負荷強度が低くならないように、離脱部の側面負荷強度を増すためのスリーブを含むことができる。図2は、スリーブ208を有する、例示的な医療器具部品200の一例を示す。医療器具部品200は、第1の部分202(例えば、離脱部)と、第2の部分204と、第3の部分206とを含む細長いシャフトを有する。図1Aから図1Jに示す例示的な医療器具部品のように、例示的な医療器具部品200は、単に離脱部(第1の部分202)およびスリーブ208を示す方法で図示されていることを理解されたい。様々な場合において、第2の部分204または第3の部分206は、駆動機能、結合または接続機能、ドリルビットの切断部、リーマのリーミング部などを有するように構成されてもよい。
【0072】
スリーブ208は、第1の部分202と、第2の部分204および第3の部分206のそれぞれの一部との周りに配置される。第2の部分204および第3の部分206にかかるスリーブ208の延長部は、離脱部から側面負荷応力を取り除くのに役立ち、第1の部分202の側面負荷強度を高めるために、スリーブ208に側面負荷応力を配置する。場合によっては、スリーブ208は開口部210を含んでもよく、その結果、外科医は第1の部分202を見ることができ、例えば、破壊が生じそうな徴候があるかどうかがわかる。図示されている例では、スリーブ208は、細長いシャフトの第2の部分204に接続されている。他の例では、スリーブ208は、あるいは第3の部分206に接続されてもよい。スリーブ208を第2の部分204または第3の部分206のみに接続すると、スリーブのない医療器具部品と比較して、第1の部分202に同量のトルクが印加されるようにすることが可能になる。加えて、スリーブ208は、所定の位置で固定されるように、第2の部分204に固定的に接続されるものとして図示されている。例えば、スリーブ208は、接合部212で第2の部分204に接合されてもよい。
【0073】
他の例では、提供される医療器具部品は、位置を調整可能なスリーブを備えることができる。スリーブの位置によって、医療器具部品の臨界ねじり強度(例えば、離脱部を破断させるのに必要なトルク)を調整することができる。図3Aおよび図3Bは、調整可能なスリーブ304を有する例示的な医療器具部品300の分解斜視図および断面図をそれぞれ示す。医療器具部品300は、シャフト302と、スリーブ304と、シャフト306とを備える。シャフト302の少なくとも一部は、シャフト306の少なくとも一部をシャフト302内に配置できるように、非円形のチャネルを含む中空である。シャフト302は、図3Bに示すように、シャフト302をスリーブ304に結合できるように、ノッチ312を含むことができる。
【0074】
場合によっては、スリーブ304は、内部ねじ山320を含むことができる。このような例では、シャフト306はねじ部308を含む。ねじ部308は、外科医がねじ部308に沿ってスリーブ304の位置を調整できるように、内部ねじ山320と係合するように構成される。他の例では、シャフト306に沿ったスリーブ304の位置は、ねじ係合ではなく摩擦によって調整されてもよい。例えば、スリーブ304の内部は、シャフト306に向かって内向きの力を印加する、少なくとも1つの柔軟な凹状の部分を含むことができる。内向きの力は、スリーブ304の位置を維持するのに十分であるのと同時に、外科医がシャフト306に沿ってスリーブ304を摺動させることも可能にする。
【0075】
シャフト306の少なくとも一部は、トルクを伝えることができる非円形の断面積を有する。例えば、シャフト306の部分314は、正方形の断面積を有する。シャフト306は、部分314に沿って1つ以上の細長い開口部310を含む。1つ以上の細長い開口部310は材料が除去されているため、シャフト306の他の部分と比較して、部分314においてシャフト306のねじり強度を弱める。したがって、以下で述べるように、部分314の少なくとも一部は、トルク制限要因である。臨界トルクに達すると、シャフト306の部分314のトルク制限要因部分は、プラスチック変形によって破断し得る。開口部が大きいほど、ねじり強度が低下する。
【0076】
シャフト302内に配置された1つ以上の開口部310の比率が、医療器具部品300のトルク強度を決定する。シャフト302内に配置されたシャフト306の一部に加えられたトルクは、シャフト302に伝達される。その結果、スリーブ304内に残っている部分314の区画がトルク制限要因になる。したがって外科医は、矢印328の方向へ、スリーブ304の位置をシャフト306に沿って前進させて、医療器具部品300のトルク強度を高めることができる。外科医は、スリーブ304の位置を反対方向に前進させて、トルク強度を減少させてもよい。このようにして、医療器具部品300は、第1の部分322と、第2の部分324と、第3の部分326とを有するものとして説明され得る。第1の部分322は、図示されているように、スリーブ304内に残っている部分314の一部であり、そのためこれはトルク制限要因である。第2の部分324は、シャフト302、およびシャフト302内にあるシャフト306の任意の部分である。第3の部分326は、シャフト306の残部である。
【0077】
場合によっては、1つ以上の開口部310の形状が、医療器具部品300のトルク強度に寄与する。図4は、非対称な開口部を有する、例示的な医療器具部品300の断面を示す。例えば、例示的な非対称な開口部402は、シャフト302に最も近い端部が、その対向する端部に比べて大きい。開口部が大きいほど、トルク強度は低下する。したがって、スリーブ304が矢印328の方向に前進すると、図3Bに関して説明した理由だけでなく、スリーブ304内に残っている非対称な開口部402の大きさが減少するために、医療器具部品300のトルクが増加する。このように、1つ以上の非対称な開口部を有しているときは、1つ以上の対称な開口部を有しているときと比較して、医療器具部品300のトルク強度が、スリーブ304の位置の変化に応答して、より迅速に増加または減少し得る。場合によっては、医療器具部品300は、1つ以上の対称な開口部と、1つ以上の非対称な開口部とを有してもよい。
【0078】
図5Aおよび図5Bは、調整可能なトルク強度を有する医療器具部品の、別の例の斜視図および断面図をそれぞれ示す。例示的な医療器具部品500は、医療器具部品500にそれぞれが異なるトルク強度を与えるのに役立つ、3つの個別の離脱部504A、504B、504Cを有する、細長いシャフト502を備える。様々な例において、シャフト502の遠位端516はドライバまたは切断溝を有してもよく、シャフト502の近位端514はドライバ用コネクタを有してもよく、逆もまた可能である。図示されているように、離脱部504A、504B、504Cはそれぞれ、凹んだくぼみであってもよい。くぼみが最大であるため、離脱部504Cのねじり強度が最低であり、したがってその断面積は最小である。したがって、離脱部504Aが最大のねじり強度を有し、離脱部504Bのねじり強度は中間である。あるいは、離脱部504A、504B、504Cは、図1Aから図1Jに関して説明した離脱部の1つとして構成されてもよい。
【0079】
細長いシャフト502は、その内部にチャネル508をさらに含む。非円形ロッド506がチャネル508内に挿入される。例えば、非円形ロッド506は、正方形または六角形の断面、あるいはトルクを伝えられる他の適切な非円形の断面を有してもよい。非円形ロッド506の位置は、チャネル508内で調整可能である。例えば、非円形ロッド506は、細長いシャフト502内のスロット510を通って細長いシャフト502の外部に延びる、調整タブ512を含むことができる。外科医は、チャネル508内で非円形ロッド506の位置を調整するために、調整タブ512を動かしてもよい。医療器具部品500は、調整されていないときは非円形ロッド506がチャネル508内でその位置を維持するようにさらに構成されてもよい。例えば、いくつかの例では、調整タブ512と細長いシャフト502との間の摩擦によって、非円形ロッド506の位置を維持し得る。
【0080】
非円形ロッド506の位置は、医療器具部品500トルク強度を調整する目的で調整可能である。より具体的には、非円形ロッド506が、チャネル508内にあって近位端514のほうに向かい、かつ離脱部504Cに到達する前は、離脱部504Cがアクティブである。別の言い方をすれば、医療器具部品500は、離脱部504Cのねじり強度を有する。(例えば、図5に示されているように)非円形ロッド506は離脱部504Cを通過するように平行移動されるが、離脱部504Bに到達する前は、離脱部504Bがアクティブである。別の言い方をすれば、この配向で医療器具部品500にトルクが印加されると、離脱部504Cでトルクが非円形ロッド506の中に伝達され、離脱部504Bは、最低トルク強度を有する制限要因として残る。したがって医療器具部品500は、離脱部504Bのねじり強度を有する。
【0081】
非円形ロッド506は離脱部504Bを通過するように平行移動されるが、離脱部504Aに到達する前は、離脱部504Aがアクティブである。したがって医療器具部品500は、離脱部504Aのねじり強度を有する。非円形ロッド506が、離脱部504Aを通過するように平行移動されると、離脱部504A、504B、504Cのそれぞれのトルクが非円形ロッド506の中に伝達されるので、医療器具部品500は細長いシャフト502のねじり強度を有する。したがって、ここで用いられている例示的な医療器具部品500の第1の部分(例えば、離脱部)、第2の部分、および第3の部分の位置は、細長いシャフト502に沿って調整可能である。例えば、医療器具部品500の第1の部分は、上述したようにどれがアクティブかに応じて、離脱部504A、504B、または504Cのいずれかであってよい。
【0082】
離脱部504A、504B、および/または504Cの間隔、あるいは非円形ロッド506の長さなど、医療器具部品500の寸法は、本開示の別の例では変化する場合がある。図5A、および図5B(ならびに本明細書に含まれる他のすべての図面)に示す寸法は、単なる例示であることを理解されたい。非円形ロッド506は、離脱部504Bおよび504Cのみを通過できるような長さを有してもよく、あるいは離脱部504A、504B、および504Cのそれぞれを通過できるような長さを有してもよい。
【0083】
本開示のいくつかの態様では、提供される医療器具部品の細長いシャフトは、破断後に細長いシャフトの望ましい構成が得られるように構成されてもよい。例えば、細長いシャフトは、破断後に外科医が医療器具部品の使用を続けられるように構成されてもよい。図6Aおよび図6Bは、破断後にドライバに取り付けられた状態を継続できる、例示的な医療器具部品600の斜視図および断面図をそれぞれ示す。医療器具部品600は、第1の部分622と、第2の部分624と、第3の部分626とを有する、細長いシャフト602を備える。第1の部分622は、離脱部608を含む。離脱部608は、例えば、図1Aから図1J、および図7に関して説明した離脱部のいずれかによって構成されてもよい。
【0084】
スリーブ606は、離脱部608の周りに配置される。場合によっては、スリーブ606は、1つ以上の開口部614(例えば、開口部210)を有してもよい。1つ以上の開口部614により、外科医は、離脱部608を見ることができ、例えば、破壊が生じそうな徴候があるかどうかがわかる。開口部614により、スリーブ606内で洗浄および滅菌処置が行われることも可能になり得る。様々な例において、スリーブ606は、第2の部分624または第3の部分626のいずれかに取り付けられてもよい。例えば、スリーブ606は、接合部616で第3の部分に取り付けられてもよい。
【0085】
第3の部分626は、ドライブ用コネクタ604を含むように構成される。この例では、ドライバ用コネクタ604は、医療器具部品600をドライバに取り付けられるように構成された、AO駆動機能である。他の例では、ドライバ用コネクタ604は、異なる駆動機能を有するドライバに取り付けるように構成されてもよい。離脱部608に隣接する、細長いシャフト602の第2の部分624は、少なくとも実質的にドライバ用コネクタ604と合致するように構成される。例えば、ドライバ用コネクタ604はノッチ610を備え、ドライバ用コネクタ604をドライバに取り付けられるようにする。細長いシャフト602の第2の部分624もまた、ノッチ610と同じかまたは同様のノッチ612を備える。このようにして、離脱部608で医療器具部品600が破断または破損した後であっても、外科医は、固定部品(例えば、ねじ)をさらに締め付けたり取り外したりするために、医療器具部品600の残りの部分をドライバに取り付けることができる。
【0086】
スリーブ606が第3の部分626に取り付けられている例では、ドライバ用コネクタ604とスリーブ606とは、離脱部608で破壊されると、両方とも細長いシャフト602から分離される。他の例では、スリーブ606は第2の部分624に取り付けられてもよいため、破断後は第2の部分624に取り付けられたままになる。このような例では、スリーブ606は第2の部分624から取り外し可能になり得るため、残りの部分がドライバに取り付けられてもよい。
【0087】
本開示のいくつかの態様では、提供される医療器具部品は、キーのない、またはキー付きの折り取り式ねじ器具であってもよいし、あるいはその部品であってもよい。図8Aおよび図8Bは、例示的なキーのない折り取り式ねじ器具の医療器具部品800Aを示す。医療器具部品800Aは、ねじ804(例えば、第3の部分)に接続された、細長いシャフト802(例えば、第2の部分)を備える。細長いシャフト802は、折り取り式ねじ器具のハンドルその他適切な構成に接続されてもよい。医療器具部品800Aは、ねじ804と細長いシャフト802との間の接合面に、離脱部816(例えば、第1の部分)を含むように構成される。離脱部により、臨界トルクまたは側面負荷を印加すると、ねじ804を細長いシャフト802から切り離すことが可能になる。例えば、外科医は、ねじ804が挿入された後で、細長いシャフト802を片側に曲げることによって、細長いシャフト802からねじ804を「折り取る」ことができる。一例では、離脱部816は、細長いシャフトの断面積の減少部(例えば、図9の離脱部912)として構成されてもよい。他の例では、離脱部816は、図1Aから図1J、または図7に示す離脱部のうちの1つとして構成されてもよい。
【0088】
例示的な医療器具部品800Aは、調整可能なスリーブ806をさらに備える。調整可能なスリーブ806の位置は、医療器具部品800Aの側面負荷強度を高めるため、または低減するために変更されてもよい。側面負荷強度の変化に影響を及ぼすために、ねじ804の頭部は複数のノッチ810を含んでもよく、スリーブ806は、これに対応して複数の突出部808を含むことができる。いくつかの例では、図8Bに示すように、スリーブ806は、ねじ804から離して維持されてもよい。このような例では、キーのない折り取り式ねじ器具800Aの側面負荷強度は、離脱部816の側面負荷強度と等しい。他の例では、スリーブ806は、図8Aに示すように、突出部808がノッチ810の内部にくるように、ねじ804の頭部まで摺動されてもよい。印加された側面負荷がスリーブ806に伝達されるので、スリーブ806のこの位置により、医療器具部品800Aの側面負荷強度が高まる。
【0089】
様々な態様において、調整可能なスリーブ806は、ハンドドライバ814を含むことができる。外科医は、ねじ804の最終トルクを調整するために、ハンドドライバ814を使用してもよい。例えば、外科医は医療器具部品800Aを含む折り取り式ねじ器具をワイヤドライバに装填してもよく、ねじ804を骨に挿入することができる。ねじ804が骨に挿入されたら、外科医はワイヤドライバを除去してもよい。外科医は、ハンドドライバ814を介してスリーブ806をねじ804の頭部まで摺動させて(例えば、図8A)、ねじ804の最終トルクを調整してもよい。所望の最終トルクが達成されたら、外科医はスリーブ806をねじ804の頭部から離れるように摺動させて、側面負荷によって細長いシャフト802を除去してもよい。図示されているように、ハンドドライバ814は、スリーブ806から延びる四角柱であってもよい。他の例では、ハンドドライバ814は、外科医がねじ804にトルクを印加できるようにする、三角柱、五角柱などの他の適切な構造を有し得る。
【0090】
図8Cは、例示的なキー付きの折り取り式ねじ器具の医療器具部品800Bを示す。医療器具部品800Bは、キー812を有する、細長いシャフト802を備える。このような例では、スリーブ818は、その内部がキー812と合致するように構成されるため、スリーブ818は、キー812の上方を通って、ねじ804の頭部まで摺動され得る。医療器具部品800Bの細長いシャフト802は離脱部816を含むが、これは図示されていない。このようなキー付きの例では、スリーブ818をねじ804の頭部まで摺動させて、医療器具部品800Bの側面負荷強度およびトルク強度を高める。例えば、キー812に適合するスリーブ818の内部が、スリーブ818にトルクを伝達する。キー812が医療器具部品800Bのトルク強度を高めるので、細長いシャフト802にキーが付けられている例では、スリーブ818はハンドドライバ(例えば、ハンドドライバ814)なしで構成されてもよい。それにかかわらず、場合によっては、スリーブ818がさらにハンドドライバを備えてもよい。
【0091】
いくつかの例では、スリーブ806または818は、細長いシャフト802に沿って自在に摺動し得る。このような例では、スリーブ806または818によって強度が追加されるのを外科医が望まないときは、スリーブ806または818がねじ804から離れるように外科医が保持しておかなければならない場合がある。他の例では、医療器具部品800Aまたは800Bは、スリーブを細長いシャフト802上のある位置で維持する、スリーブ調整機構を備えることができる。例えば、図9Aおよび図9Bは、ナット908を含むスリーブ調整機構を有する、例示的な医療器具部品900の断面図および斜視図をそれぞれ示す。医療器具部品900は、離脱部912(例えば、第1の部分)でねじ904(例えば、第3の部分)に接続された、細長いシャフト902(例えば、第2の部分)を備える。この例では、細長いシャフト902はキー914を備えているが、他の例では、キー914なしで構成されてもよい。医療器具部品900は、スリーブ906をさらに備える。ナット908は、細長いシャフト902に沿ったナット908の動きが、同様にスリーブ906を動かすように、接合面910でスリーブ906に結合する。
【0092】
ナット908の内部の一部は、細長いシャフト902のねじ部とねじ係合される。ナット908が(例えば、時計回りまたは反時計回りに)回転されると、ナット908とスリーブ906とが、細長いシャフト902に沿って、ねじ904に向かって、またはねじ904から離れるように平行移動される。細長いシャフト902とナット908との間のねじ係合により、細長いシャフトに沿って、ナット908とスリーブ906とを、位置が調整されていないときはそれぞれの位置に維持する。例えば、外科医は、スリーブ906がねじ904から離れて配置されるようにナット908を調整してもよく、これによって離脱部912がスリーブ906の外部に露出する。この位置で、外科医は側面負荷によって、細長いシャフト902をねじ904から除去してもよい。図9Cは、細長いシャフト902がねじ904から折り取られた後の医療器具部品900を示す。
【0093】
場合によっては、外科医は、あるいはナット908の位置をねじ904に向かって調整することによって、細長いシャフト902をねじ904から除去してもよい。ナット908の位置をねじ904に向かって調整することによって、ねじ904の頭部に細長いシャフト902から離れる力を印加する。その力が離脱部912の強度を十分に上回ると、ねじ904が細長いシャフト902から分離する。
【0094】
図9Aから図9Cに関して説明した例示的なスリーブ調整機構は、単なる例である。スリーブ906の位置を維持するために、他の適切な調整機構が使用されてもよい。例えば、ねじ係合の代わりに、ナット908は、摩擦によってスリーブ906の位置を維持するように構成されてもよい。このような例では、ナット908は、細長いシャフト902に向かって内向きの力を印加する、少なくとも1つの柔軟な凹状の部分を含むことができる。内向きの力は、ナット908の位置を維持するのに十分であるのと同時に、外科医が細長いシャフト902に沿ってナット908を摺動させることも可能にする。
【0095】
本開示のいくつかの態様では、提供される医療器具部品は、任意のねじり装置(例えば、電動ドライバ)に追加できる結合器であってもよい。図10は、本開示の一態様による、ねじり強度を低減した離脱部を有する、例示的なねじり装置結合器1000を示す。ねじり装置結合器1000は、ドライバ用コネクタ1002を有する細長いシャフト1010を備える。この例では、ドライバ用コネクタ1002は、ねじり装置結合器1000をドライバに取り付けられるように構成された、AOコネクタである。他の例では、ドライバ用コネクタ1002は、異なる駆動機能を有するドライバに取り付けるように構成されてもよい。ねじり装置結合器1000は、ねじり装置結合器1000をねじり装置に取り付けるための結合器1004をさらに含む。この例では、結合器1004はAO結合器である。他の例では、結合器1004は、異なる結合機能を有するねじり装置に取り付けるように構成されてもよい。
【0096】
ねじり装置結合器1000の細長いシャフト1010は、細長いシャフト1010の残部と比較してねじり強度を低減した、離脱部1006を含む。離脱部1006は、細長いシャフト1010の断面積の連続的な減少部(例えば、図1A)として図示されている。他の例では、離脱部1006は、図1Bから図1Jに示す離脱部のうちの1つ、または離脱部1006でのねじり破壊を目標とするために、細長いシャフト1010のトルク強度を低減する、別の適切な構造として構成されてもよい。いくつかの例では、一連の個別のねじり装置結合器1000は、それぞれが異なる離脱トルクレベルを有してもよいため、外科医は特定の処置のために、一連のねじり装置結合器1000から適切なねじり装置結合器1000を選択してもよい。ねじり装置結合器1000は、他の例示的なスリーブに関して上述したように、離脱部1006に追加の側面負荷強度を与えるために、スリーブ1008を備えることができる。離脱部1006を図示するために、スリーブ1008は透明なものとして図示されていることを理解されたい。
【0097】
本開示のいくつかの態様では、提供される医療器具部品はプレートなどのインプラントの部品であってもよく、ドリル/ねじガイドを含む。通常、外科医は、ガイドを有するインプラントを配置してから、ガイドの1つを介して骨に穴を開ける。ガイドにより、外科医はインプラントの穴と同軸に、骨に迅速に穴を開けられるようになる。ガイドにより、外科医がどれくらい深く骨に穴を開けるかも外科医が決定できるようになる。穴開けが完了したら、外科医はガイドを取り外し、その結果、外科医は開けた穴にねじを挿入することができる。通常は、ガイドはインプラントにねじ式で挿入されるので、外科医はガイドを取り外すためにねじを外さなければならず、これは外科処置中には煩わしいことであり、かつ時間がかかる。
【0098】
図11Aおよび図11Bは、複数の穴1118A、1118Bを含む本体1102を有する、例示的なプレート1100を示す。穴1118A、1118Bはそれぞれ、ガイド1104A、1104Bに関連付けられる。プレート1100の本体1102は、インプラント用の任意の適切な形状を有してよい。プレート1100は、任意の適切な配向で、プレート1100上に追加の穴および/またはガイドを有してもよい。通常のガイドは、ドリルビットを同軸にガイドするように構成されるため、外科医は骨にプレートの穴と同軸の穴を迅速に開けることができる。しかしながら、ガイド1104A、1104Bはそれぞれ、ねじの頭部(例えば、ねじ1110の頭部)も通過できるように、通常のガイドより直径が大きい。様々な例において、ガイド1104A、1104Bの直径が大きいため、ガイド1104A、1104Bにドリルスリーブ1106が挿入され得る。ドリルスリーブ1106は、ガイド1104A、1104Bの内径を(例えば、通常のガイドと等しい内径まで)効果的に低減して、ドリルビット(例えば、ドリルビット1116)を同軸にガイドする。
【0099】
したがって外科医は、ガイド1104A、1104B内に挿入されたスリーブ1106を介して骨に穴を開け、スリーブ1106を取り外してから、間にあるガイド1104A、1104Bを取り外すことなく、同じガイド1104A、1104Bを介して、(例えば、ドライバ1108によって)骨穴にねじ1110を挿入することができる。ねじ1110は、プレート1100の本体1102にあるねじ穴1112を通して挿入される。明確にするために、ねじ穴1112は1つのみが示されている。
【0100】
加えて、プレート1100のガイド1104A、1104Bは、折り取られてもよいように、本体1102に取り付けられる。ガイド1104A、1104Bは、側面負荷またはねじり負荷によって折り取られてもよい。例えば、ガイド1104A、1104Bは、本体1102に仮付け溶接されてもよい。他の例では、ガイド1104A、1104Bは、側面負荷力またはねじり力を印加することによって除去されてもよいように、本体1102の一部として加工または三次元印刷されてもよい。このようにして、外科医が穴開けと骨へのねじの挿入とを行った後で、外科医は、プレート1100の特定のねじ穴1112に対して、ガイド1104A、1104Bを迅速に除去または「折り取る」ことができる。例えば、外科医は、ねじ式で挿入されたときはガイド1104A、1104Bを何回転もねじらなければならないのに比べて、ガイド1104A、1104Bをねじってすぐに折り取ることができる。このような例では、ねじり強度を低減して設計されたガイド1104A、1104Bと本体1102との接合面は第1の部分、本体1102は第2の部分、ガイド1104A、1104Bは第3の部分と称されてもよい。
【0101】
別の例では、図11Bでガイド1104Bに対して示しているように、外科医は矢印1114の方向へ力を印加して、ガイド1104A、1104Bを折り取ってもよい。このような例では、外科医は、ドライバ1108がガイド1104A、1104Bに挿入されてねじ1110を挿入した後で、ドライバ1108を介して矢印1114の方向へ力を印加してもよい。
【0102】
したがって、例示的なプレート1100は、外科医が使用を終えると、各ガイド1104A、1104Bを外科医が簡単に折り取れるようにすることによって、外科医が通常のガイドを除去するためにねじを外さなければならないのに比べて、外科処置の際に外科医にとって時間の節約になる。ガイド1104A、1104Bを折り取ることは、通常のガイドと比較して、外科医が各ガイドのねじを外す必要がないため外科医の指にかかる負担も少なくなり、したがって外科処置全体を通じて外科医の器用さを保つ助けになる。加えて、場合によっては、外科医の手でつかむ必要はなく、外科医がツールを使用してガイド1104A、1104Bを折り取ってもよく、これによって処置のやりやすさが高まり、外科医は時間を節約することができる。
【0103】
本開示は、非破壊でトルクを解放する例示的な医療器具部品をさらに提供する。図12Aから図12Cは、非破壊でトルクを解放するように構成された例示的な医療器具部品1200を示す。医療器具部品1200は、細長いシャフト1202を備える。細長いシャフト1202は、駆動機能1204(例えば、フィリップスのねじ用駆動機能)を備える。医療器具部品1200は、ドライバ用コネクタ1206をさらに備える。この例では、ドライバ用コネクタ1206は、医療器具部品1200をドライバに取り付けられるように構成された、AOコネクタである。他の例では、ドライバ用コネクタ1206は、異なる駆動機能を有するドライバに取り付けるように構成されてもよい。
【0104】
図示されているように、ドライバ用コネクタ1206の延長部1210は細長いシャフト1202内に滑り嵌めされ、その結果、これらは同軸に結合する。図示されているように、細長いシャフト1202は、ドライバ用コネクタ1206の斜面1220に対応する斜面1218を含む。ばね1208が、細長いシャフト1202およびドライバ用コネクタ1206の一部を囲んでいる。ばね1208の一端は、ドライバ用コネクタ1206に接続される。ばね1208のもう一方の端部は、ナット1216に接続される。ナット1216は、細長いシャフト1202に対して回転できるように、細長いシャフト1202に結合される。例えば、ナット1216は、ナット1216が細長いシャフト1202に対して回転できるように、突出部1214に結合されてもよい。ばね1208は、細長いシャフト1202とドライバ用コネクタ1206との間に結合力を印加するために付勢される。
【0105】
外科医が、(例えば、駆動機能1204でねじを挿入するために、ドライバ用コネクタ1206に接続されたドライバを介して)トルクを印加するために医療器具部品1200を使用すると、ばね1208の結合力によって高められた、対応する斜面1218と斜面1220との間の力が、ドライバ用コネクタ1206に対して細長いシャフト1202が回転するのを防止するように働く。しかしながら、臨界トルクがこのような力を上回ると、細長いシャフト1202は、ドライバ用コネクタ1206に対して回転する。
【0106】
図12Dに示すように、細長いシャフト1202およびドライバ用コネクタ1206は、それぞれの斜面1218および1220の先端が互いに接触するまで、互いに対して回転する。増加するトルクはこの点まで印加されてもよく、その際に斜面1220が斜面1218を「上って」いき、ドライバ用コネクタ1206が細長いシャフト1202から分離する。延長部1210は、細長いシャフト1202とドライバ用コネクタ1206とが互いに分離する際に、これらの軸線方向の整列を維持する。しかしながら、この点を過ぎると、さらなる回転またはトルクによって斜面1220が斜面1218を「下って」いき、医療器具部品1200によって印加できるトルクの量が減少する。このようにして、医療器具部品1200は外科医が印加できるトルクの量を制限し、非破壊のトルク解放をもたらす。
【0107】
外科医が医療器具部品1200で印加できるトルクのレベルは、斜面1218および1220と、ばね1208の強度とに依存し得る。例えば、斜面の傾斜が大きいほど、大きい反作用力が生じるので、外科医がより大きい量のトルクを印加することが可能になる。ばね1208の強度が大きいと、ドライバ用コネクタ1206と細長いシャフト1202との間に強い結合力が生じ、斜面1220が斜面1218を「上らない」ようにするのに役立つ。したがってばね1208の強度が大きいと、外科医がより大きい量のトルクを印加することが可能になる。
【0108】
本開示の別の態様では、非破壊でトルクを解放するための医療器具部品は、1つ以上のばねおよびボールプランジャを含む。少なくとも1つの平面を有するシャフトが、(1つまたは複数の)ばねおよびボールプランジャに少なくとも1つの平面が接触するように、医療器具部品に挿入されてもよい。図13Aは、シャフト1302の周りに配置されたばねおよびボールプランジャ1306A、1306B、1306C、1306Dを有する医療器具部品1314を含む、医療器具1300の断面図を示す。図示されている実施形態では、シャフト1302は八角形の断面を有する。他の実施形態では、シャフト1302は、少なくとも1つの平面を含む、他の適切な断面形状(例えば、五角形、六角形、七角形、1つの平面を除く円形)を有するように構成されてもよい。医療器具部品1314に挿入されていないシャフト1302の端部は、駆動機能を備えてもよい。
【0109】
ばねおよびボールプランジャ1306A、1306B、1306C、および1306Dはそれぞれ、ボール1310に接続されたばね1308を含んでいるが、明確にするために、それらのうちのばねおよびボールプランジャ1306Aのみが示されている。ばねおよびボールプランジャ1306A、1306B、1306C、および1306Dは、ばね1308に接続されたボール1310を介して、シャフト1302の平面に圧縮力を印加するために、ばね1308が付勢されるように構成される。シャフト1302の平面により、圧縮力を大きくすることができるように、シャフト1302とボール1310との接触面を大きくすることができる。図13Aに示すようないくつかの例では、ばねおよびボールプランジャ1306A、1306B、1306C、および1306Dは、個別に医療器具部品1314と一体化される。他の例では、ばねおよびボールプランジャ1306A、1306B、1306C、および1306Dは、リングの一部として接続されてもよい(例えば、図13B)。リングは、医療器具部品1314に接続される分離した部品であってもよく、あるいは医療器具部品1314と一体化されてもよい。
【0110】
トルクは、例えば、シャフト1302の駆動機能を介してねじを挿入するために、外科医が医療器具部品1314を回転させたときに、ばねおよびボールプランジャ1306A、1306B、1306C、および1306Dと、シャフト1302との間で生成され得る。このようなトルクが生成されると、ばね1308によって印加された圧縮力によるボール1310とシャフト1302との間の摩擦が、当初は、医療器具部品1314がシャフト1302に対して回転するのを防止する。しかしながら、トルクの臨界レベルに達すると摩擦力が克服され、シャフト1302に対して医療器具部品1314が「滑る」または回転する。
【0111】
様々な例において、トルクの臨界レベルは、シャフト1302の平面の数、平面の大きさ、ばねおよびボールプランジャ1306A、1306B、1306Cおよび1306Dの数、ならびにばね1308の強度などの、1つ以上のパラメータに基づいて調整されてもよい。例えば、多数のばねおよびボールプランジャ1306A、1306B、1306C、および1306Dを有する医療器具部品1314は、追加のばねおよびボールプランジャ1306A、1306B、1306C、および1306Dがそれぞれ追加の摩擦力を生成するため、より大きい臨界トルクレベルを与えることができ、これを克服するにはより大きい臨界トルクレベルが必要になる。同様に、ばねおよびボールプランジャ1306A、1306B、1306C、および1306Dのより強力なばね1308は、追加の摩擦力を生成する。当業者は、作られ得る様々な組み合わせ、およびそれらがそれぞれ臨界トルクレベルにどのように影響するかを理解するであろう。
【0112】
図13Bは、ばねおよびボールプランジャがリングの一部として接続された、例示的な医療器具1300の斜視図を示す。医療器具部品1314は、2つの分離したリング1304および1316を備える。各リング1304および1316は、複数のばねおよびボールプランジャ1306Aおよび1318をそれぞれ含む。いくつかの例では、医療器具部品1314は、医療器具1300でねじを挿入するときに外科医が保持するためのハンドルを含むように構成されてもよい。他の例では、医療器具部品1314は、電動ドライバなどの駆動装置に接続され得る結合器として構成されてもよい。このような例のいずれかにおいて、外科医が医療器具1300でねじを挿入すると、ばねおよびボールプランジャ1306Aおよび1318のボールと、シャフト1302との間の摩擦力が、医療器具部品1314がシャフト1302に対して回転するのを防止し、外科医がねじにトルクを印加することが可能になる。外科医が臨界レベルのトルクを印加すると、医療器具部品1314はシャフト1302に対して、「滑る」または回転する。医療器具部品1314が「滑る」かまたは回転するため、臨界レベルを上回る量のトルクを印加することはできない。このようにして、医療器具部品1314は外科医が印加できるトルクの量を制限し、インプラントまたは骨の損傷を防止するのに役立つ。
【0113】
本開示の別の態様では、非破壊でトルクを解放するための医療器具は、解放スロットを有する、弾性変形可能な医療器具部品を含む。図14Aから図14Cは、医療器具部品1402と、その一端が医療器具部品1402の挿入端1412内に配置されるシャフト1404とを含む、例示的な医療器具1400を示す。シャフト1404の他方の端部は、駆動機能を備えてもよい。図示されている例では、医療器具部品1402は、ハンドルとして構成されている。他の例では、医療器具部品1402は、結合器として構成されてもよい。医療器具部品1402は、トルクの印加に使用するのにやはり十分に強固な、弾性変形可能な材料(例えば、PEEK、ポリエーテルイミド(Ultem(登録商標)、ポリオキシメチレン(Delrin(登録商標))で構成される。医療器具部品1402は、少なくとも1つの解放スロット1406を含む。解放スロット1406は、図14Aおよび図14Bに示すような、解放スロット1406が拡張することによって、弾性変形可能な医療器具部品1402が変形できるようにする、材料の切り欠き部であってもよい。
【0114】
医療器具部品1402の挿入端1412の内部は、少なくとも1つの平面を含む。例えば、図14Bでは、挿入端1412は5つの平面を有するものとして示されている(例えば、正方形断面の4つ目の側面が、解放スロット1406によって2つに分割されている)。挿入端1412に挿入されたシャフト1404の端部は、挿入端1412の少なくとも1つの平面と整列する、1つ以上の平面を含む。例えば、シャフト1404は、図14Bでは、挿入端1412の断面と整列する正方形断面を有するものとして示されている。平面が接合することにより、臨界レベルのトルクに達するまで、医療器具部品1402がシャフト1404に対して回転するのを防止するのに役立つ。
【0115】
例えば、外科医が医療器具1400でねじを挿入すると、挿入端1412の平面と、シャフト1404との間の力が、医療器具部品1402がシャフト1404に対して回転するのを防止し、外科医がねじにトルクを印加することが可能になる。しかしながら、医療器具部品1402が弾性変形可能なために、増加するトルクにより解放スロット1406の拡張も生じる。解放スロット1406が拡張すると、挿入端1412の直径が増加し、挿入端1412の平面と、シャフト1404の平面との接触が減少する。外科医が臨界レベルのトルクを印加すると、医療器具部品1402がシャフト1404に対して「滑る」かまたは回転する点まで、平面同士の接触が減少する。医療器具部品1402が「滑る」かまたは回転するため、臨界レベルを上回る量のトルクを印加することはできない。このようにして、医療器具部品1400は外科医が印加できるトルクの量を制限し、インプラントまたは骨の損傷を防止するのに役立つ。
【0116】
医療器具部品1402の挿入端1412の内部は、ノッチを含んでいてもよい。図14Cに示す通り、シャフト1404の突出部1408がノッチ内に配置されるように、挿入端1412とシャフト1404とは共に折り取られてもよい。例えば、シャフト1404が挿入端1412に挿入または滑り嵌めされると、突出部1408が、弾性変形可能な挿入端1412を拡張させる。突出部1408がノッチに到達すると、挿入端1412は静止形状に戻る。ノッチ内に配置された突出部1408は、ねじり強度に影響を及ぼすことなく、医療器具部品1402とシャフト1404との軸線方向の整列を維持するのに役立つ。
【0117】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈からそうでないことが明らかでない限り、単語の単数形は複数形を含む。したがって、「a」、「an」、および「the」という語句は、通常はそれぞれの語の複数形を包含する。例えば、「リング(a ring)」という語句は、このような「リング」の複数形を含む。「Xおよび/またはY」という文脈で使用される「および/または」という語は、「X」、または「Y」、または「XおよびY」と解釈されるべきである。
【0118】
さらに詳述することなく、当業者は、特許請求される発明を最大限に利用するために前述の説明を使用することができると考えられる。本明細書に開示された例および態様は、単なる例示として解釈されるべきであり、決して本開示の範囲を限定するものではない。説明した基本原理から逸脱することなく、上述の例の詳細に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。換言すれば、上記の説明で具体的に開示された例の様々な修正および改善は、添付の特許請求の範囲内にある。例えば、記載された様々な例の特徴の任意の適切な組み合わせが企図される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1J
図1K
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
【手続補正書】
【提出日】2023-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
他の例では、断面積は、第2の部分104Aおよび第3の部分106Aから直線的に減少してもよい。例えば、図1Kは、第1の部分A102Kと、第2の部分104Kと、第3の部分106Kとを含む細長いシャフトを有する、例示的な医療器具部品100Kを示す。第2の部分104Kおよび第3の部分106Kの断面積は、第1の部分102K(例えば、離脱部)内で、最小断面積116Kまで直線的に減少する。場合によっては、最小断面積116Kは、図示されている例のように、第1の部分102Kの一部分に続いていてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0080】
非円形ロッド506の位置は、医療器具部品500トルク強度を調整する目的で調整可能である。より具体的には、非円形ロッド506が、チャネル508内にあって近位端514のほうに向かい、かつ離脱部504Cに到達する前は、離脱部504Cがアクティブである。別の言い方をすれば、医療器具部品500は、離脱部504Cのねじり強度を有する。(例えば、図5に示されているように)非円形ロッド506は離脱部504Cを通過するように平行移動されるが、離脱部504Bに到達する前は、離脱部504Bがアクティブである。別の言い方をすれば、この配向で医療器具部品500にトルクが印加されると、離脱部504Cでトルクが非円形ロッド506の中に伝達され、離脱部504Bは、最低トルク強度を有する制限要因として残る。したがって医療器具部品500は、離脱部504Bのねじり強度を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0085】
第3の部分626は、ドライバ用コネクタ604を含むように構成される。この例では
、ドライバ用コネクタ604は、医療器具部品600をドライバに取り付けられるように構成された、AO駆動機能である。他の例では、ドライバ用コネクタ604は、異なる駆動機能を有するドライバに取り付けるように構成されてもよい。離脱部608に隣接する、細長いシャフト602の第2の部分624は、少なくとも実質的にドライバ用コネクタ604と合致するように構成される。例えば、ドライバ用コネクタ604はノッチ610を備え、ドライバ用コネクタ604をドライバに取り付けられるようにする。細長いシャフト602の第2の部分624もまた、ノッチ610と同じかまたは同様のノッチ612を備える。このようにして、離脱部608で医療器具部品600が破断または破損した後であっても、外科医は、固定部品(例えば、ねじ)をさらに締め付けたり取り外したりするために、医療器具部品600の残りの部分をドライバに取り付けることができる。
【国際調査報告】