(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】ガラス管変換プロセスにおける形状均一性を制御する方法
(51)【国際特許分類】
C03B 23/09 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
C03B23/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507616
(86)(22)【出願日】2021-08-02
(85)【翻訳文提出日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 US2021044169
(87)【国際公開番号】W WO2022035632
(87)【国際公開日】2022-02-17
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】フルネル,オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】マクネリス,ケヴィン パトリック
【テーマコード(参考)】
4G015
【Fターム(参考)】
4G015BA05
4G015BB05
(57)【要約】
ガラス管からガラス物品を製造する方法は、変換装置のホルダにガラス管を固定するステップ;ガラス管を回転させるステップ;及び、少なくとも加熱ステーションと成形ステーションとを含む処理ステーションにガラス管を通し、該ガラス管の作業端に1つ以上の特徴を形成するステップを含む。アクティブ時間は、ガラス管が処理ステーション内にある間に加熱素子又は成形ツールと係合する時間量であり、処理ステーションの曝露指数は、ガラス管の回転速度に処理ステーション内の加熱素子又は成形ツールの数を掛け、それにアクティブ時間を掛けた積である。曝露指数と最も近い整数との差の絶対値は0.30以下であり、ガラス管の周囲の温度と寸法の不均一性を低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス管から複数のガラス物品を製造する方法において、該方法が、
複数の処理ステーションを含む変換装置のホルダにガラス管を固定するステップであって、前記処理ステーションが少なくとも1つの加熱ステーションと少なくとも1つの成形ステーションとを含む、ステップ;
前記ホルダ内の前記ガラス管の中心軸を中心に前記ガラス管を回転させるステップ;及び
前記ガラス管を前記複数の処理ステーションの各々に通して前記ガラス管の作業端に1つ以上の特徴を形成するステップであって、前記複数の処理ステーションのいずれかについて、
前記処理ステーションのアクティブ時間は、前記ガラス管が前記処理ステーション内にある間に少なくとも1つの加熱素子又は少なくとも1つの成形ツールとの係合を維持する時間量であり;
前記処理ステーションの曝露指数は、前記ホルダ内の前記ガラス管の回転速度に、前記処理ステーション内の加熱素子の数又は成形ツールの数を掛け、かつ前記処理ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を掛けた積に等しく;かつ
前記曝露指数と最も近い整数との差の絶対値が0.30以下である、
ステップ、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ガラス管の周囲の前記ガラス管の温度又は寸法の不均一性を特定するステップ;
前記複数の処理ステーションの1つ以上における前記ガラス管の前記曝露指数を決定するステップ;
前記曝露指数を前記最も近い整数と比較するステップ;及び
前記ガラス管の回転速度、前記アクティブ時間、又はその両方を調整して、前記曝露指数と前記最も近い整数との差の絶対値を0.30以下に維持するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記曝露指数を前記最も近い整数の±0.30以内に維持するステップを含み、前記曝露指数を前記最も近い整数の±0.30以内に維持することにより、前記ガラス管の回転の不安定性及び前記ガラス管の周囲の温度の変動が減少する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の処理ステーションの各々における前記複数のガラス管の各々についての前記アクティブ時間定数を維持するステップ、及び前記複数のガラス管の各々の回転速度を調整して、前記複数の処理ステーションの各々における前記複数のガラス管の各々についての前記曝露指数と前記最も近い整数との差の絶対値を0.30以下に維持し、前記ガラス管の周囲の前記ガラス管の温度及び寸法の不均一性を低減するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の処理ステーションの1つ以上における前記複数のガラス管の各々のアクティブ時間を変化させて、前記複数の処理ステーションの各々における前記複数のガラス管の各々についての前記曝露指数と前記最も近い整数との差の絶対値を0.30以下に維持し、前記ガラス管の周囲の前記ガラス管の温度及び寸法の不均一性を低減するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ガラス管から複数のガラス物品を製造するためのシステムであって、前記システムが、
少なくとも1つの加熱ステーション、少なくとも1つの成形ステーション、及び分離ステーションを含む複数の処理ステーションを有する変換装置;及び
複数のホルダであって、各々がガラス管を固定し、該ガラス管の中心軸を中心に該ガラス管を回転させるように動作可能な複数のホルダ;
を含み、
前記変換装置は、前記複数のホルダ及びガラス管が前記複数の処理ステーションを通って移動するように動作可能であり;
前記複数の処理ステーションの各々は、前記ホルダ内の前記ガラス管の回転速度(時間あたりの回転数を単位とする)に、前記処理ステーション内の前記ガラス管の外面に接触する加熱素子の数又は成形ツールの数を掛け、かつ前記処理ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を掛けた積として定義される曝露指数を有し;かつ
前記曝露指数と最も近い整数との差の絶対値は、前記複数の処理ステーションの各々について0.30以下である、
システム。
【請求項7】
前記変換装置の前記少なくとも1つの加熱ステーションが、前記少なくとも1つの加熱ステーション内の前記ガラス管と係合及び脱係合するようにスイベルバーナを旋回させて、前記少なくとも1つの加熱ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を変化させるように動作可能なスイベルバーナアクチュエータに動作可能に連結した少なくとも1つのスイベルバーナを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記変換装置の前記少なくとも1つの加熱ステーションが、前記ガラス管と水平又は垂直に係合及び脱係合するように少なくとも1つのバーナを移動させて、前記少なくとも1つの加熱ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を変化させるように動作可能なバーナ移動システムを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記変換装置の前記少なくとも1つの成形ステーションが、前記ガラス管と係合及び脱係合するように成形ツールを移動させて、前記少なくとも1つの成形ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を変化させるように動作可能な成形ツールアクチュエータに動作可能に連結した少なくとも1つの成形ツールを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記変換装置に通信可能に連結されたシステムコントローラをさらに含み、該システムコントローラが、少なくとも1つのプロセッサと、前記プロセッサによって実行されると前記システムコントローラに自動的に、
前記ガラス管の周囲の前記ガラス管の1つ以上の温度又は寸法の不均一性を特定させ;
前記複数の処理ステーションの1つ以上についての前記ガラス管の曝露指数を決定させ;
前記1つ以上の処理ステーションの各々の前記曝露指数を最も近い整数と比較させ;かつ
前記ガラス管の回転速度、前記処理ステーションにおける前記ガラス管のアクティブ時間、又はその両方を調整して、前記曝露指数と前記最も近い整数との差の絶対値を0.30以下に維持させる、
コンピュータ可読かつ実行可能な命令を含む少なくとも1つの記憶媒体と
を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、(1)前記ガラス管の前記回転速度を調整させて、一又は複数の前記処理ステーションの前記曝露指数を調整する;(2)1つ以上の処理ステーションにおける前記アクティブ時間を調整させて前記曝露指数を調整する;又は、(3)前記ガラス管と係合及び脱係合するように前記加熱素子を移動させるタイミングを変更させることにより、前記少なくとも1つの加熱ステーションの前記アクティブ時間を自動的に調整する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの加熱ステーションが、スイベルバーナアクチュエータに動作可能に連結したスイベルバーナを含み、前記スイベルバーナアクチュエータが、前記システムコントローラに通信可能に連結され、かつ前記システムコントローラから制御信号を受信し、前記ガラス管と係合及び脱係合するように前記スイベルバーナを旋回させるように動作可能であり、前記コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに前記ガラス管と係合及び脱係合するように前記スイベルバーナを旋回させるタイミングを自動的に変化させて、前記加熱ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を変化させる、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの成形ステーションが成形ツールアクチュエータに動作可能に連結した少なくとも1つの成形ツールを含み、前記成形ツールアクチュエータが、前記システムコントローラに通信可能に連結され、かつ前記システムコントローラから1つ以上の制御信号を受信し、前記ガラス管と係合及び脱係合するように前記成形ツールを移動させるように動作可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに前記ガラス管と係合及び脱係合するように前記成形ツールを移動させるタイミングを自動的に変化させて、前記成形ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を変化させる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記変換装置が、前記少なくとも1つの加熱ステーション、前記少なくとも1つの成形ステーション、又はその両方に近接して配置された測定システムを含み、該測定システムが、前記システムコントローラに通信可能に連結され、かつ前記ガラス管の周囲の前記ガラス管の少なくとも1つの特性を測定し、かつ前記特性を示す前記システムコントローラへの信号を前記システムコントローラに送信するように動作可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記ガラス管の前記少なくとも1つの特性が、前記ガラス管の前記周囲の少なくとも1つの温度、少なくとも1つの寸法、又はその両方を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、前記ガラス管の前記1つ以上の特性を示す前記測定システムからの信号を自動的に受信させ、前記ガラス管の周囲の前記ガラス管の前記特性の変動性を決定させ、かつ前記処理ステーションにおける前記アクティブ時間、前記中心軸を中心とした前記ガラス管の前記回転速度、又はその両方を調整させて、前記ガラス管の前記特性の前記変動性に応じて前記曝露指数を変更させる、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、その全体がここに参照することによって本願に援用される、2020年8月12日出願の米国仮特許出願第63/064,631号の米国法典第35編特許法119条に基づく優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、概して、システム及びガラス管からガラス物品を製造する方法に関し、特に、ガラス管変換プロセスにおける形状均一性を制御するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
歴史的に、ガラスは、気密性、光学的透明性、及び他の材料と比較して優れた化学的耐久性の理由から、医薬品の包装にとって好ましい材料として使用されてきた。具体的には、医薬品包装に用いられるガラスは、そこに含まれる医薬品製剤の安定性に影響を与えないように、適切な化学的耐久性を備えていなければならない。適切な化学的耐久性を有するガラスには、化学的耐久性についての実績がある、ASTM規格「タイプIA」及び「タイプIB」のガラス組成物内のガラス組成物が含まれる。
【0004】
ガラス管は、バイアル、注射器、アンプル、カートリッジ、及び他のガラス物品を含むがこれらに限定されない、薬学的用途で使用するためのさまざまなガラス容器などの他のガラス物品へと変換することができる。ガラス管は、例えば「変換機」で変換することができる。変換機は、75年超にわたって使用されており、現在、さまざまな商用及び内部設備の供給業者によって製造されている。これらの変換機は、通常、火炎加工、回転、及び静止ツール成形、熱分離、又はスコアリング及び衝撃切断ステップを含むステップを使用して、長尺のガラス管を複数のガラス物品へと再成形する。さまざまなバーナ及び成形ツールは、しばしば、ガラス管から1つ以上の物品を成形し、ガラス管から物品を分離するために用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
変換プロセス中に、ガラス管の周囲の熱的不均一性及び寸法的不均一性が懸念され、ガラス管からガラス物品を製造するための成形プロセスにおいて質量及び形状の非対称性が生じる可能性がある。これらの懸念は、プロセスのスループットが大きくなると特に顕著になる。これらの懸念は、外径を大きくするなど、ガラス管のサイズを大きくする場合にも発生しうる。ガラス管を1つ以上の物品へと変換するプロセス全体を通して、ガラス管は、該ガラス管の中心軸を中心に回転する。プロセスのスループットの向上のため、ガラス管が各処理ステーションで費やす時間が短縮される。また、ガラス管の外径が大きくなると、概して、ガラス管の回転速度が低下する。両方の状況において、各処理ステーションでのガラス管の回転数が減少する可能性があり、成形中にガラス管の周囲の温度及び寸法の不均一性につながる可能性がある。温度及び寸法の不均一性により、ガラス管から製造された完成品に質量及び形状の非対称性が生じる可能性がある。したがって、ガラス管の周囲のガラス管の温度及び寸法の変動を低減しつつ、ガラス管を医薬品包装などのガラス物品に変換するためのシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様では、ガラス管から複数のガラス物品を製造する方法は、複数の処理ステーションを含む変換装置のホルダにガラス管を固定するステップを含みうる。処理ステーションは、少なくとも1つの加熱ステーション及び少なくとも1つの成形ステーションを含みうる。該方法は、ホルダ内のガラス管の中心軸を中心にガラス管を回転させるステップ、及びガラス管を複数の処理ステーションの各々に通してガラス管の作業端に1つ以上の特徴を形成するステップをさらに含みうる。複数の処理ステーションのいずれかでは、処理ステーションのアクティブ時間は、ガラス管が処理ステーション内にある間に少なくとも1つの加熱素子又は少なくとも1つの成形ツールとの係合を維持する時間量であってよく、処理ステーションの曝露指数は、ホルダ内のガラス管の回転速度に処理ステーション内の加熱素子の数又は成形ツールの数を掛け、かつ処理ステーションにおけるガラス管のアクティブ時間を掛けた積に等しくてよく、曝露指数と最も近い整数との差の絶対値は0.30以下である。
【0007】
第2の態様は、ガラス管の周囲のガラス管の温度又は寸法の不均一性を特定するステップ、複数の処理ステーションの1つ以上におけるガラス管の曝露指数を決定するステップ、曝露指数を最も近い整数と比較するステップ、及びガラス管、アクティブ時間、又はその両方の回転速度を調整して、曝露指数と最も近い整数との差の絶対値を0.30以下に維持するステップをさらに含む、第1の態様を含みうる。
【0008】
第3の態様は、曝露指数を最も近い整数の±0.30以内に維持することを含み、曝露指数を最も近い整数の±0.30以内に維持することにより、ガラス管の回転の不安定性及びガラス管の周囲の温度の変動が減少しうる、第1の態様又は第2の態様を含みうる。
【0009】
第4の態様は、曝露指数が整数に等しくなりうる、第1から第3の態様のいずれかを含みうる。
【0010】
第5の態様は、変換装置が複数のホルダを含んでよく、方法が、複数のガラス管を複数のホルダ内に固定するステップ、並びに複数のホルダ及び複数のガラス管の各々を複数の処理ステーションに通すステップを含みうる、第1から第4の態様のいずれかを含みうる。
【0011】
第6の態様は、複数の処理ステーションの各々における複数のガラス管の各々のアクティブ時間定数を維持するステップ、及び複数のガラス管の各々の回転速度を調整して、複数の処理ステーションの各々における複数のガラス管の各々についての曝露指数と最も近い整数との差の絶対値を0.30以下に維持し、それにより、ガラス管の周囲のガラス管の温度及び寸法の不均一性を低減しうるステップを含む、第1から第5の態様のいずれかを含みうる。
【0012】
第7の態様は、複数の処理ステーションの1つ以上における複数のガラス管の各々のアクティブ時間を変化させて、複数の処理ステーションの各々における複数のガラス管の各々についての曝露指数と最も近い整数との差の絶対値を0.30以下に維持し、ガラス管の周囲のガラス管の温度及び寸法の不均一性を低減するステップを含む、第1から第5の態様のいずれかを含みうる。
【0013】
第8の態様は、複数の処理ステーションの各々が固定位置にあってよく、変換装置は、複数の処理ステーションの各々に対してガラス管を順次割り出しすることができる、第1から第7の態様のいずれかを含みうる。
【0014】
第9の態様は、変換装置が処理ステーションを通してガラス管を連続的に移動させることができ、複数の処理ステーションの各々が、アクティブ時間中にガラス管の移動と協調して移動することができる、第1から第7の態様のいずれかを含みうる。
【0015】
本開示の第10の態様では、ガラス管から複数のガラス物品を製造するためのシステムは、少なくとも1つの加熱ステーション、少なくとも1つの成形ステーション、及び分離ステーションを含みうる複数の処理ステーションを有する変換装置を含みうる。該システムは、各々がガラス管を固定し、該ガラス管をガラス管の中心軸を中心に回転させるように動作可能な複数のホルダをさらに含みうる。変換装置は、複数の処理ステーションを通じて複数のホルダ及びガラス管を移動させるように動作可能でありうる。複数の処理ステーションの各々は、ホルダ(時間あたりの回転数を単位とする)内のガラス管の回転速度に、処理ステーションでガラス管の外面に接触する加熱素子の数又は成形ツールの数を掛け、かつ処理ステーションにおけるガラス管のアクティブ時間を掛けた積として定義される曝露指数を有しうる。処理ステーションのアクティブ時間は、ガラス管が処理ステーション内にある間に少なくとも1つの加熱素子又は少なくとも1つの成形ツールとの係合を維持する時間量でありうる。曝露指数と最も近い整数との差の絶対値は、複数の処理ステーションの各々について0.30以下でありうる。
【0016】
第11の態様は、変換装置が、複数の処理ステーションの各々を通じてガラス管を割り出しするように動作可能なインデックス変換装置でありうる、第10の態様を含みうる。
【0017】
第12の態様は、アクティブ時間が変換装置の滞留時間以下でありうる、第11の態様を含みうる。
【0018】
第13の態様は、変換装置が、複数の処理ステーションを通じてガラス管を連続的に移動させるように動作可能な連続変換装置でありうる、第10の態様を含みうる。
【0019】
第14の態様は、変換装置の少なくとも1つの加熱ステーションが、少なくとも1つの加熱ステーション内のガラス管と係合及び脱係合するようにスイベルバーナを旋回させるように動作可能なスイベルバーナアクチュエータに動作可能に連結しうる少なくとも1つのスイベルバーナを含むことができ、少なくとも1つの加熱ステーション内のガラス管のアクティブ時間を変化させることができる、第10から第13の態様のいずれかを含みうる。
【0020】
第15の態様は、変換装置の少なくとも1つの加熱ステーションが、ガラス管と水平又は垂直に係合及び脱係合するように少なくとも1つのバーナを移動させるように動作可能なバーナ移動システムを含むことができ、少なくとも1つの加熱ステーション内のガラス管のアクティブ時間を変化させることができる、第10から第13の態様のいずれかを含みうる。
【0021】
第16の態様は、変換装置の少なくとも1つの加熱ステーションが、1つ、2つ、3つ、4つ、又は4つより多い加熱素子を含みうる、第1から第15の態様のいずれかを含みうる。
【0022】
第17の態様は、変換装置の少なくとも1つの成形ステーションが、ガラス管と係合及び脱係合するように成形ツールを移動させるように動作可能でありうる成形ツールアクチュエータに動作可能に連結しうる少なくとも1つの成形ツールを含むことができ、少なくとも1つの成形ステーションにおけるガラス管のアクティブ時間を変化させることができる、第1から第16の態様のいずれかを含みうる。
【0023】
第18の態様は、第10から第17の態様のいずれかを含みうる。変換装置は、ガラス管の周囲の少なくともガラス管の温度、少なくともガラス管の寸法、又はこれらの組合せを決定するように動作可能でありうる測定システムを含みうる。
【0024】
第19の態様は、測定システムが熱画像システムでありうる、第18の態様を含みうる。
【0025】
第20の態様は、変換装置に通信可能に連結することができるシステムコントローラをさらに含む、第1から第19の態様のいずれかを含みうる。システムコントローラは、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサによって実行されるとシステムコントローラに、ガラス管の周囲のガラス管の1つ以上の温度又は寸法の不均一性を自動的に特定させ、複数の処理ステーションの1つ以上についてガラス管の曝露指数を決定させ、1つ以上の処理ステーションの各々についての曝露指数を最も近い整数と比較させ、かつガラス管の回転速度、処理ステーションにおけるガラス管のアクティブ時間、又はその両方を調整させて、曝露指数と最も近い整数との差の絶対値を0.30以下に維持させることができる、コンピュータ可読かつ実行可能な命令を含む少なくとも1つの記憶媒体とを含みうる。
【0026】
第21の態様は、コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、プロセッサによって実行されると、システムに、ガラス管の回転速度を調整させて、一又は複数の処理ステーションの曝露指数を調整することができる、第20の態様を含みうる。
【0027】
第22の態様は、コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、プロセッサによって実行されると、システムに、1つ以上の処理ステーションにおけるアクティブ時間を調整させて、曝露指数を調整することができる、第20又は第21の態様を含みうる。
【0028】
第23の態様は、変換装置が、複数の処理ステーションの各々を通じてガラス管を割り出しするように動作可能なインデックス変換装置であってよく、コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、プロセッサによって実行されると、システムに変換装置の滞留時間を自動的に増減させて、複数の処理ステーションにおけるガラス管のアクティブ時間を増減させることができる、第22の態様を含みうる。
【0029】
第24の態様は、コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、プロセッサによって実行されると、システムに、ガラス管と係合及び脱係合するように加熱素子を移動させるタイミングを変更させることによって少なくとも1つの加熱ステーションのアクティブ時間を自動的に調整することができる、第20から第22の態様のいずれかを含みうる。
【0030】
第25の態様は、少なくとも1つの加熱ステーションが、スイベルバーナアクチュエータに動作可能に連結したスイベルバーナを含むことができる、第2から第24の態様のいずれかを含みうる。スイベルバーナアクチュエータは、システムコントローラに通信可能に連結することができ、また、システムコントローラから制御信号を受信し、ガラス管と係合及び脱係合するようにスイベルバーナを旋回させるように動作可能でありうる。
【0031】
第26の態様は、コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、プロセッサによって実行されると、システムに、ガラス管と係合及び脱係合するようにスイベルバーナを旋回させるタイミングを自動的に変化させて、加熱ステーションにおけるガラス管のアクティブ時間を変化させることができる、第25の態様を含みうる。
【0032】
第27の態様は、少なくとも1つの成形ステーションが、成形ツールアクチュエータに動作可能に連結した少なくとも1つの成形ツールを含んでよく、成形ツールアクチュエータが、システムコントローラに通信可能に連結されてよく、かつシステムコントローラから1つ以上の制御信号を受信し及びガラス管と係合及び脱係合するように成形ツールを移動させるように動作可能でありうる、第1から第26の態様のいずれかを含みうる。
【0033】
第28の態様は、コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、プロセッサによって実行されると、システムに、ガラス管と係合及び脱係合するように成形ツールを移動させるタイミングを自動的に変化させて、成形ステーションにおけるガラス管のアクティブ時間を変化させることができる、第27の態様を含みうる。
【0034】
第29の態様は、変換装置が、少なくとも1つの加熱ステーション、少なくとも1つの成形ステーション、又はその両方に近接して配置された測定システムを含むことができ、該測定システムが、システムコントローラに通信可能に連結されてよく、ガラス管の周囲のガラス管の少なくとも1つの特性を測定し、特性を示すシステムコントローラへの信号をシステムコントローラに送信するように動作可能でありうる、第20から第28の態様のいずれかを含みうる。
【0035】
第30の態様は、ガラス管の少なくとも1つの特性が、ガラス管の周囲の少なくとも1つの温度、少なくとも1つの寸法、又はその両方を含みうる、第29の態様を含みうる。
【0036】
第31の態様は、コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、プロセッサによって実行されると、システムに、ガラス管の1つ以上の特性を示す測定システムからの信号を自動的に受信させ、ガラス管の周囲のガラス管の特性の変動性を決定させ、かつ処理ステーションにおけるアクティブ時間、中心軸を中心としたガラス管の回転速度、又はその両方を調整して、ガラス管の特性の変動性に応じて曝露指数を変更させることができる、第29又は第30の態様を含みうる。
【0037】
前述の概要及び以下の詳細な説明はいずれも、さまざまな実施形態を説明しており、特許請求される主題の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図していることが理解されるべきである。添付の図面は、さまざまな実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれて、その一部を構成する。図面は、本明細書に記載されるさまざまな実施形態を例証しており、その説明とともに、特許請求の範囲の主題の原理及び動作を説明する役割を担う。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、ガラス管からガラス物品を製造するための変換装置の実施形態の概略図
【
図2】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、
図1の変換装置の主タレット、二次タレット、及び供給タレットの概略的な上面図
【
図3A】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、
図1の変換装置の加熱ステーションの概略図
【
図3B】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、
図1の変換装置の成形ステーションの概略図
【
図3C】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、
図1の変換装置の成形ステーションの別の実施形態の概略図
【
図3D】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、
図1の変換装置の冷却ステーションの概略図
【
図3E】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、
図1の変換装置の分離ステーションの概略図
【
図3F】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、
図1の変換装置の穿孔ステーションの概略図
【
図4】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、
図1の変換装置での変換前のガラス管の断面の概略的な斜視図
【
図5】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、一定の滞留時間におけるホルダ回転速度(x軸)の関数としての加熱ステーションで処理されたガラス管の内面及び外面の表面温度の変化(y軸)を示すグラフ
【
図6A】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、
図1の変換装置の加熱ステーションの別の概略的な正面図
【
図6B】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、
図6Aの加熱ステーションの概略的な上面図
【
図7】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、2つの加熱素子を有する
図1の変換装置の別の加熱ステーションの概略的な上面図
【
図8】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、3つの加熱素子を有する
図1の変換装置のさらに別の加熱ステーションの概略的な上面図
【
図9A】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、
図1の変換装置の成形ステーションの概略的な正面図
【
図9B】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、
図9Aの変換装置の成形ステーションの概略的な上面図
【
図10】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、一定の滞留時間におけるガラス管の曝露指数(x軸)の関数としての
図6Aの加熱ステーションで処理されたガラス管の相対的な長さ寸法(y軸)を示すグラフ
【
図11】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、一定の滞留時間におけるガラス管の曝露指数(x軸)の関数としての
図6Aの加熱ステーションで処理されたガラス管から製造されたガラスバイアルの相対的なフランジ厚さ(y軸)を示すグラフ
【
図12】本明細書に図示され説明される1つ以上の実施形態による、18の処理ステーションを有する主タレットの概略的な上面図
【発明を実施するための形態】
【0039】
これより、その例が添付の図面に示されている、形状均一性を制御して、ガラス管をガラス物品へと変換するための変換プロセスから製造されたガラス物品における寸法変動性を低減するためのシステム及び方法の実施形態を詳細に参照する。可能な場合はいつでも、同一又は類似した部分についての言及には、図面全体を通して同じ参照番号が用いられる。ガラス管から複数のガラス物品を製造するための本明細書に開示される方法は、少なくとも1つの加熱ステーション及び少なくとも1つの成形ステーションを含みうる複数の処理ステーションを含む変換装置のホルダにガラス管を固定するステップを含みうる。該方法は、ホルダ内のガラス管の中心軸を中心にガラス管を回転させるステップ、及びガラス管を複数の処理ステーションの各々に通してガラス管の作業端に1つ以上の特徴を形成するステップをさらに含みうる。複数の処理ステーションのいずれかについて、処理ステーションのアクティブ時間は、ガラス管が処理ステーション内にある間に少なくとも1つの加熱素子又は少なくとも1つの成形ツールとの係合を維持する時間量でありうる。処理ステーションの曝露指数は、ホルダ内のガラス管の回転速度(秒あたりの回転数を単位とする)に処理ステーション内の加熱素子の数又は成形ツールの数を掛け、かつ処理ステーションにおけるガラス管のアクティブ時間を掛けた積に等しくなりうる。複数の処理ステーションのいずれかについて、曝露指数と最も近い整数との差の絶対値は0.30以下でありうる。曝露指数と最も近い整数との差の絶対値を0.30以下に維持することにより、ガラス管の周囲の温度及び寸法の不均一性が低減される。ガラス管からガラス物品を製造するさまざまな方法を、添付の図面を特に参照して本明細書で説明する。
【0040】
本明細書で使用される方向用語(例えば、上、下、右、左、前、後、上部、底部)は、描かれた図及びそれとともに提供される座標軸を参照してのみ作られており、絶対的な方向を意味することは意図していない。
【0041】
特に明記しない限り、本明細書に記載されるいずれの方法も、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とすること、若しくは、装置には特定の向きが必要であると解釈されることは、決して意図していない。したがって、方法クレームが、そのステップが従うべき順序を実際に記載していない場合、若しくは装置クレームが個々の構成要素に対する順序又は向きを実際に記載していない場合、あるいは、ステップが特定の順序に限定されるべきであることが特許請求の範囲又は明細書に別段に明確に述べられていない場合、若しくは装置の構成要素に対する特定の順序又は向きが記載されていない場合には、いかなる意味においても、順序又は方向が推測されることは決して意図していない。これには、次のような解釈のためのあらゆる非明示的根拠が当てはまる:ステップの配置、動作フロー、構成要素の順序、又は構成要素の方向に関する論理的事項;文法上の編成又は句読点から派生した平明な意味;及び、明細書に記載される実施形態の数又はタイプ。
【0042】
本明細書で用いられる場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象を含む。よって、例えば、「ある1つの(a)」構成要素への言及は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、そのような構成要素を2つ以上有する態様を含む。
【0043】
本明細書で用いられる場合、ガラス管の「作業端」とは、ホルダ対して変換装置の処理ステーションに向けられたガラス管の端部であり、ガラス管の「非作業端」とは、処理ステーションから離れた方向のガラス管の端部である。
【0044】
本明細書で用いられる場合、変換装置の「滞留時間」とは、次の後続の処理ステーションに移動する前に、ガラス管が特定の処理ステーションで費やす時間を指す。
【0045】
本明細書で用いられる場合、「アクティブ時間」という用語は、ガラス管が特定の処理ステーション内にある間に少なくとも1つの加熱素子又は少なくとも1つの成形ツールとの係合を維持する時間を指す。
【0046】
加熱ステーションに関連して用いられる場合、バーナ302とガラス管102との「係合」とは、バーナ302からの火炎がガラス管102に向かって延びて又はガラス管102に接触してガラス管102を加熱する位置にバーナ302を配置することを指しうる。逆に、バーナ302がガラス管102と係合していない場合、バーナ302は、該バーナ302からの火炎がガラス管102から離れるように向けられる位置に配置されるか、あるいは、火炎がガラス管102に接触しないように、又はガラス管102を直接加熱しないように、ガラス管102から十分に離れた位置に配置される。バーナ302がガラス管102と係合していない場合でも、バーナ302からガラス管102への幾らかの熱伝達が起こりうるが、この加熱は、バーナ102がガラス管102と係合している場合のガラス管102の加熱と比較して、偶発的であり、最小限である。バーナ302について上述した「係合」という用語は、他のタイプの加熱素子301にも等しく適用される。
【0047】
成形ステーション204内の成形ツール324に関連して用いられる場合、「係合」という用語は、ガラス管102に接触する成形ツール324を指す。成形ツール324が係合していない場合、成形ツール324はガラス管102と接触しない。
【0048】
本明細書で用いられる場合、「パートレート」という用語は、単位時間当たりのガラス物品の数を単位とした変換装置の生産速度又はスループット速度を指す。
【0049】
本明細書で用いられる場合、ガラス管の「周囲」という用語は、特定のZ位置(すなわち、図の±Z軸上の位置)におけるガラス管102の中心軸Dから一定の半径rでの360度にわたるガラス管102の点の集合を指す。ガラス管102の周囲は、例えば、特定のZ位置におけるガラス管102の外面140又は具体的なZ位置におけるガラス管102の内面146と一致しうる。
【0050】
ガラス管は、ガラス物品、特に薬学的用途で使用するためのガラス物品へと変換することができ、バイアル、注射器、アンプル、カートリッジ、及び他のガラス物品が含まれうるが、これらに限定されない。ガラス管は、複数の処理ステーションを含む変換機などの変換装置を使用して、これらのガラス物品へと変換することができる。処理ステーションは、他のタイプの処理ステーションの中でもとりわけ、加熱ステーション、成形ステーション、熱分離ステーション、及び穿孔ステーションを含みうる。変換機は、典型的には、火炎加工、回転及び静止ツール成形、熱分離、又はスコアリング及び衝撃切断ステップを含むがこれらに限定されないステップを使用して、長尺のガラス管を複数のガラス物品へと再形成する。したがって、変換機で行われる変換プロセスによって製造されたガラス物品は、一連の火炎バーナ又は他の加熱素子及び成形ツールに供され、ガラス管が特定の形状及び寸法へと成形され、成形された物品がガラス管から分離される。
【0051】
次に
図1を参照すると、ガラス管102からガラス物品を製造するための変換装置100が概略的に描かれている。変換装置100は、ガラス管102を複数のガラス物品へと変換するために用いることができる。変換装置100は、複数の処理ステーション106と、ベース104上に位置づけられた、中心軸Aを中心にベース104に対して回転可能な主タレット108とを有するベース104を含みうる。変換装置100は、ガラス管102を主タレット108に供給するために主タレット108の上方に位置づけられたガラス管装填タレット110をさらに含みうる。変換装置100はまた、ベース104上の複数の二次処理ステーション112と、ベース104に対して回転可能でありうる二次タレット114とを含みうる。
【0052】
図1に概略的に示されるように、変換装置100のベース104は静止していてもよく、処理ステーション106はベース104の上部105に連結されていてもよい。複数の処理ステーション106は、互いに離間されて、主回路116に配置されていてもよい。1つ以上の実施形態では、主タレット108が、中心軸Aを中心とした主タレット108の回転によって、複数の処理ステーション106を通じて、ガラス管102を割り出す又は連続的に移動させることができるように、主回路116は円形でありうる。あるいは、他の実施形態では、主回路116は線形であってもよい。本明細書では、処理ステーション106の円形レイアウトを参照して説明したが、本明細書に開示される主題は、線形、曲線、又は不規則な形状の配置の処理ステーション106など、他の配置の処理ステーション106を有する変換装置にも同様に適用することができるものと理解されたい。
【0053】
ガラス管102から製造される物品のタイプ及び/又は形状は、変換装置100の処理ステーション106の数に影響を与えうる。主タレット108の処理ステーション106の数は、14から32の処理ステーション106でありうる。変換装置100及び変換プロセスは、本明細書では、主回路116内に16の処理ステーション106を有する変換装置100に関連して説明されているが、変換装置100は、主回路116内に16より多い又は少ない処理ステーション106を有することができるものと理解されたい。処理ステーション106は、限定はしないが、一例として、ガラス管102からガラス物品を製造するための1つ以上の加熱、成形、研磨、冷却、分離、穿孔、測定、供給、排出ステーション、他の処理ステーション、又はこれらの組合せを含みうる。ガラス管102から製造される物品のタイプ及び/又は形状はまた、処理ステーション106のタイプ及び/又は変換装置100の処理ステーション106の順序にも影響を与えうる。
【0054】
主タレット108は、ベース104の上に位置づけることができ、主タレット108がベース104に対して中心軸Aを中心に回転可能になるようにベース104に回転可能に連結することができる。ベース104に対して主タレット108を回転させるために、駆動モータ(図示せず)を利用することができる。主タレット108は、各ガラス管102を主タレット108に取り外し可能に固定するように構成された複数のホルダ130を含みうる。ホルダ130は、クランプ、チャック、若しくは他の保持デバイス、又は保持デバイスの組合せでありうる。ホルダ130は、ガラス管102が主タレット108の中心軸Aにほぼ平行であり、かつベース104の上部105にほぼ垂直になるように、各ガラス管102を配向することができる。変換装置100は、本明細書では垂直に配向された変換器100に関連して説明されているが、変換器100は水平に又は角度を付けて配向されてもよいものと理解されたい。ホルダ130の各々は、主タレット108の底部109からベース104に向かう方向(すなわち、
図1の座標軸に対して-Z方向)に延びてよく、各ホルダ130は、主タレット108が中心軸Aを中心として割り出しされる際に、ベース104の主回路116の連続する処理ステーション106の各々に又はそれに近接してガラス管102を配向させることができる。ガラス管102の垂直配向は、各ガラス管102の下向きの突出部分が、処理ステーション106を通って漸進的に移動又は割り出しされることを可能にする。実施形態では、変換装置100は、複数の処理ステーション106を通じて、複数のホルダ130の各々を漸進的に割り出しするように動作可能でありうる。あるいは、実施形態では、変換装置100は、複数のホルダ130を、変換プロセスを通じて連続的に移動させるように動作可能でありうる。各ホルダ130は、主タレット108の中心軸Aとほぼ平行でありうるガラス管102の中心軸Dを中心にガラス管102を回転させるように、主タレット108に対して個別に回転可能でありうる。ホルダ130の各々は、モータ(図示せず)、連続駆動ベルト、又は主タレット108に対するホルダ130の各々の回転のための他の駆動機構に動作可能に連結されうる。ホルダ130の回転は、固定バーナ、成形ツール、冷却ノズル、又は処理ステーション106の他の特徴部に対する、ガラス管102の中心軸Dを中心としたガラス管102の回転を可能にする。処理ステーション106内の加熱素子又は成形ツールは、ガラス管102に対して固定された位置に維持することができ、中心軸Dを中心としたガラス管102の回転により、ガラス管102の全周を加熱素子又は成形ツールに曝露させることができる。
【0055】
図1及び2を参照すると、変換装置100は、離間させて、二次回路118(
図2)内に配置することもできる、複数の二次処理ステーション112を含みうる。変換装置100は、複数の二次処理ステーション112を通じてガラス管102から分離された物品103(
図1)を割り出しするか、又は連続的に移動させるための二次タレット114(
図1)を含みうる。二次タレット114は、ベース104に対して第2の軸Bを中心に回転可能でありうる。第2の軸Bは、主タレット108の中心軸Aとほぼ平行でありうる。二次タレット114はまた、ガラス物品103を保持し、ガラス物品103を位置決めして二次処理ステーション112の各々と連続して係合する複数のホルダ130も含みうる。二次タレット114は、主タレット108の分離ステーション206(
図2)から物品103を受け取り、二次タレット114の回転によって複数の二次処理ステーション112を通して物品103を割り出しするか、又は連続的に移動させ、変換装置100から完成した物品を排出することができる。
【0056】
ガラス管装填タレット110は、主タレット108に隣接して位置づけることができる。実施形態では、ガラス管装填タレット110は、主タレット108の中心軸Aからオフセットされていてもよい。ガラス管装填タレット110は、主タレット108の中心軸Aにほぼ平行でありうる軸Cを中心に回転可能でありうる。ガラス管装填タレット110は、主タレット108に対して静止位置に独立して支持されていてもよく、ガラス管装填タレット110の回転は、主タレット108の回転とは独立していてもよい。
図1及び2を参照すると、幾つかの実施形態では、ガラス管装填タレット110は、円形回路134内に配置され、ガラス管102を保持するように構成された、複数の装填チャネル132を含むことができる。ガラス管装填タレット110は、装填チャネル132の1つを、変換装置100の主回路116の処理ステーション106及び主回路116の処理ステーション106を通って移動する主タレット108の対応するホルダ130と垂直方向(すなわち、主タレット108の中心軸Aに平行な方向及び/又は
図1のZ軸に平行な方向)に位置合わせするように位置決めすることができる。1つ以上の実施形態では、ガラス管装填タレット110と位置合わせした処理ステーション106は、管装填ステーション214でありうる(
図2)。変換装置100が特定のホルダ位置136でガラス管102の全部又は少なくとも一部を1つ以上の物品へと変換したときに、ガラス管装填タレット110は、ホルダ位置136が主回路116の管装填ステーション214(
図2)と位置合わせするように割り出しされる際に、新たな長さのガラス管102を主タレット108の頂部を通してホルダ位置136のホルダ130に送給することができる。代替的な実施形態では、変換装置100は、主タレット108とガラス管装填タレット110との間で移動可能なアーム(図示せず)を含みうる。変換装置100が特定のホルダ位置136でガラス管102の全部又は一部を変換したときに、アームは、ガラス管装填タレット110又は他のガラス管ステージングデバイスから新たな長さのガラス管102を掴み、特定のホルダ位置136で新たな長さのガラス管102を主タレット108に送給することができる。新たな長さのガラス管102を主タレット108に送給するための他の方法及び装置も企図されている。
【0057】
図2を参照すると、上述したように、変換装置100の複数の処理ステーション106は、1つ以上の加熱ステーション202、成形ステーション204、分離ステーション206、冷却ステーション210、穿孔ステーション212、管装填ステーション214、排出ステーション216、測定ステーション218、管長落下ステーション220、又は他のステーション、及び/又はこれらのステーションの組合せを含みうる。
図2は、16の処理ステーション106の主回路116と8つの二次処理ステーション112の二次回路118とを有する変換装置100のための処理ステーション106の配置を概略的に示している。上述したように、主回路116の処理ステーション106は、均等に離間し、円形回路を中心として均等に分散させることができ、二次回路118の二次処理ステーション112もまた、均等に離間し、円形回路を中心として均等に分散させることができる。
図2はまた、複数の装填チャネル132を有するガラス管装填タレット110も概略的に示している。
図2において、ガラス管装填タレット110は、説明の目的で、主回路116から離間された位置に示されている。ガラス管装填タレット110は24の装填チャネル132を有するものとして示されているが、ガラス管装填タレットは24より多い又は少ない装填チャネル132を有することができるものと理解されたい。
【0058】
図2に概略的に示されている変換装置の主回路116は、1つ以上の加熱ステーション202、分離ステーション206、穿孔ステーション212、1つ以上の成形ステーション204、1つ以上の冷却ステーション210、測定ステーション218、管長落下ステーション220、及び管装填ステーション214を含みうる。
図2は、主回路116を円形配置の処理ステーション106を有するものとして示しているが、以前に論じたように、主回路116は、直線、曲線、不規則な形状、又は他の配置など、他の形状をした配置で位置決めされた処理ステーション106を有していてもよい。主タレット108の割り出しの方向222に関して、加熱ステーション202は、成形ステーション204及び分離ステーション206の各々の手前に位置づけられて、ガラス管102の標的領域が粘性かつ変形可能になる標的温度までガラス管102の標的領域を予熱し、効果的に成形又は伸張し、分離することができる。分離ステーション206では、成形されたガラス物品103(
図1)は、ガラス管102(
図1)から、その底部が同時に成形されるときに、分離されうる。分離ステーション206は、部分的に形成されたガラス物品103が分離されると二次タレット114(
図1)に移送されて二次処理ステーション112の二次回路118を通じて割り出しされる、処理ステーション106であってもよい。穿孔ステーション212は、主タレット108の割り出しの方向222で、分離ステーション206の下流の主回路116上に位置づけることができる。穿孔ステーション212では、分離ステーション206において前もって形成されたガラス管102のメニスカス350が穿孔され、それによってガラス管102の作業端150が再び開放される。
【0059】
主タレット108の成形ステーション204は、割り出しの方向222で、穿孔ステーション212及び1つ以上の加熱ステーション202の下流に位置づけることができる。1つ以上の成形ステーション204は、ガラス管102を繰り返し成形して、完成したガラス物品の1つ以上の特徴部を形成することができる。上述のように、1つ以上の加熱ステーション202は、成形ステーション204の各々の手前に位置づけられて、ガラス管102の標的領域を、ガラス管102が所望の特徴部へと形状化及び成形されうる温度まで予熱することができる。主タレット108の成形ステーション204は、ガラス管102の作業端150(
図3A)を成形して、ガラス物品103の一端に特徴部を形成することができ、二次タレット114の成形ステーション204は、ガラス物品103がガラス管102から分離された後に、ガラス物品103の他方の端を成形することができる。実施形態では、変換装置100は、ガラス管102からバイアルを製造するために使用することができ、変換装置100の成形ステーション204は、1つ以上のショルダ成形ステーション、フランジ成形ステーション、フランジ仕上げステーション、又はこれらの組合せを含むことができ、成形ステーション204の各々の手前及び間に1つ以上の加熱ステーション202が位置づけられる。
【0060】
主回路116は、測定ステーション218をさらに含むことができ、そこで、寸法測定システム(図示せず)を使用して、例えば直径及び厚さなどのガラス管102の1つ以上の寸法、並びに成形ステーション204によって成形されたの特徴部の1つ以上の寸法を測定することができる。特徴部の寸法は、フランジ厚さ、フランジ長さ、ネックの長さ、ネックの厚さ、物品全体の長さ、他の特徴部の寸法、又はそれらの組合せを含みうる。測定ステーション218は、ガラス管102がまだ高温である間に寸法を測定するように、最後の成形ステーション204の直後に位置づけることができる。あるいは、測定ステーション218は、ガラス管102及び/又はガラス物品の寸法を低温で測定するために、1つ以上の冷却ステーション210の後に位置づけられてもよい。
【0061】
引き続き
図2を参照すると、1つ以上の冷却ステーション210が、成形ステーション204の後に、主タレット108の割り出しの方向222に位置づけられうる。成形ステーション204の後、成形ステーション204と分離ステーション206との間に管長落下ステーション220を位置づけて、部分的に形成されたガラス管102を落下させ、それによって、分離ステーション206においてガラス管102からガラス物品103を分離するためにガラス管102を位置づけることができる。主回路116はまた、ガラス管装填タレット110から主タレット108(
図1)に新たな長さのガラス管102原料を装填するための管装填ステーション214も含みうる。実施形態では、管装填ステーション214は、冷却ステーション210に組み込むことができる。管装填ステーション214は、最後の成形ステーション204と分離ステーション206との間に位置づけることができる。
【0062】
主タレット108の成形ステーション204は、ガラス物品103の第1の端部に特徴部を形成することができる。例えば、成形ステーション204は、
図3Aに示されるように、バイアル又はカートリッジであるガラス物品103の頂部(第1の端部)にショルダ142及びフランジ144を形成することができる。
図2を再び参照すると、ガラス物品103が分離ステーション206においてガラス管102から分離されると、該ガラス物品103は二次タレット114の二次処理ステーション112へと移送されうる。二次処理ステーション112は、ガラス物品103の第1の端部とは反対側にあるガラス物品103の第2の端部を形成するための1つ以上の成形ステーション204を含みうる。例えば、二次処理ステーション112の成形ステーション204は、ガラス物品103の底部(第2の端部)において1つ以上の特徴部を形成しうる。二次タレット114は、主タレット108とは反対の方向224に、軸Bを中心として回転することができる。実施形態では、二次タレット114は、主タレット108と同じ方向に回転することができる。
【0063】
二次回路の二次処理ステーションは、1つ以上の加熱ステーション202、成形ステーション204、研磨ステーション208、冷却ステーション210、排出ステーション216、若しくは他のステーション、又は二次処理ステーション112の組合せを含みうる。
図2は二次回路を円形配置の二次処理ステーション112を有するものとして示しているが、以前に論じたように、二次回路は、直線、曲線、不規則な形状、又は他の配置など、他の形状をした配置で位置決めされた二次処理ステーション112を有していてもよい。実施形態では、二次回路118の二次処理ステーション112を使用して、主タレット108によって形成された端部とは反対のガラス物品103の端部に、例えばバイアル、アンプル、カートリッジ、又は注射器などのガラス物品103の1つ以上の特徴部を形成することができる。例えば、幾つかの実施形態では、ガラス物品103はバイアルであり、二次回路118の成形ステーション204はバイアルの底部を形成することができる。アンプル、カートリッジ、注射器などに特有の特徴部など、他の特徴部もまた企図されている。二次回路118は、ガラス物品の表面を仕上げるための1つ以上の研磨ステーション208を含むことができる。二次回路118は、複数の冷却ステーション210と排出ステーション216とをさらに含むことができ、そのステーションにおいて、完成したガラス物品103を変換装置100から排出することができる。
【0064】
主回路116の処理ステーション106及び二次回路118の二次処理ステーション112についての先の説明は、ガラス管102からバイアルを製造するための典型的な変換装置100を表しうる。しかしながら、より多数又はより少数の処理ステーション106及び二次処理ステーション112を利用して、異なる形状若しくは特徴部を有するバイアル、又は他のガラス物品、例えばカートリッジ、注射器、アンプル、又は他の薬学的ガラス物品などを製造することができるものと理解されたい。さらには、異なる形状のガラス物品を製造するために、処理ステーション106及び二次処理ステーション112を、任意の数の異なる順序及び/又は構成で配置することができるものと理解されたい。
【0065】
次に
図3Aを参照すると、変換装置100の加熱ステーション202が概略的に示されている。加熱ステーション202の各々は、1つ以上の加熱素子301を含むことができる。
図3Aに示されるように、実施形態では、加熱素子301は、成形ステーション204(
図2)において実施される成形動作又は分離ステーション206(
図2)において実施される分離動作の前にガラス管102の標的領域を加熱するために用いられる1つ以上のバーナ302を含むことができる。
図3Aには単一のバーナ302が示されているが、それぞれ、2つのバーナ302及び3つのバーナ302を示している
図6及び
図7に示されるように、複数のバーナ302を単一の加熱ステーション202で使用することができるものと理解されたい。
図3Aを再び参照すると、各バーナ302は、燃料供給304、酸素供給306、及び、任意選択的に空気供給308に流体連結されうる。バーナ302用の燃料の例としては、水素、例えばメタン、プロパン、及びブタンなどの炭化水素燃料ガス、他の燃料、又はこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。各バーナ302は、バーナ302への燃料ガスの流量を制御するための燃料制御バルブ310を含みうる。各バーナ302はまた、バーナ302への酸素の質量流量を制御するための酸素制御バルブ312も含みうる。各バーナ302はまた、バーナ302への空気の流量を任意選択的に制御するための空気制御バルブ314をさらに含みうる。バーナ302は、酸素及び/又は空気の存在下で燃料ガスを燃焼させて、少なくともガラス管102の標的領域を加熱する火炎を生成する。変換装置100の加熱ステーション202は、本明細書では、バーナを使用してガラス管102を加熱するものとして説明されているが、バーナ以外の他の加熱素子又は方法を使用してガラス管102を加熱することができるものと理解されたい。
【0066】
次に
図3B及び3Cを参照すると、変換装置100の成形ステーション204の例が概略的に示されている。各成形ステーション204は、ツーリング軸Eを中心にベース104(
図1)に対して回転可能な1つ以上の成形ツール324を含みうる。成形ステーション204に移動すると、前の加熱ステーション202で加熱されたガラス管102は、ホルダ130によって回転される。成形ツール324は、回転するときに、ガラス管102の外面140と係合することができる。係合すると、成形ツール324と加熱されたガラス管102の外面140との接触により、ガラス管102を所望の形状へと成形することができる。成形ツール324は、アクティブ時間の間、ガラス管102と接触することができる。アクティブ時間が満了すると、成形ツールアクチュエータ326は成形ツール324をガラス管102との係合から解除することができる。
図3Bは、ガラス管102から形成されたガラスバイアルのショルダ142を成形するための成形ステーション204の実施形態を概略的に示している。
図3Cは、ガラス管102から形成されたガラスバイアルのフランジ144を成形するための成形ステーション204’の例示的な実施形態を概略的に示している。フランジ144を形成するための成形ステーション204’は、3つの成形ツール324a、324b、及び324cを含む。物品の所望の特徴部に応じて、他のタイプの成形ツール324を成形ステーション204で使用することができる。
【0067】
図3Dは、例えば冷却空気又は不活性ガスなどの冷却流体342をガラス管102に向けて導くように位置づけられた1つ以上の冷却ノズル340を有する冷却ステーション210を概略的に示している。冷却ノズル340のうちの1つ以上が、冷却流体342をガラス管102の特定の領域に導くように位置づけられうる。1つ以上の冷却流体制御バルブ344は、冷却ノズル340への冷却流体342の質量流量を制御するために冷却ノズル340に流体連結されていてもよく、これにより、ガラス管102の冷却の速度、並びにガラス管102の温度及びガラス管102の温度勾配を制御することができる。
【0068】
次に
図3Eを参照すると、変換装置100の分離ステーション206が概略的に示されている。
図3Eに示される分離ステーション206は、熱分離ステーションであり、主タレット108の割り出しの方向222で、1つ以上の加熱ステーション202の後に位置づけることができる。分離ステーション206の手前に位置づけられた加熱ステーション202は、ガラス管102を加熱してガラスを粘性にする。分離ステーション206は、分離バーナ348を含みうる。前の加熱ステーション202によって粘性変形可能となったガラス管102は、ホルダ130によってガラス管102の中心軸Dを中心として回転されるが、分離バーナ348は、ガラス管102の外面140と係合して、ガラスの粘性が物品をガラス管102から分離させる温度までガラス管102を加熱することができる。ガラス管102から分離されると、物品は、二次タレット114(
図1)に移送されるか、又は変換装置100から排出されうる。
図3Eには熱分離ステーションとして示されているが、分離ステーション206は、例えば注射器及びカートリッジに使用することができるように、スコアリング及び破断技法を使用する分離ステーションなどの非熱分離ステーションであってもよい。
【0069】
次に
図3Fを参照すると、変換装置100の典型的な穿孔ステーション212が概略的に示されている。穿孔ステーション212は、主タレット108の割り出しの方向222で、分離ステーション206の後に位置づけることができる。上述したように、分離ステーション206におけるガラス管102からの物品103の熱分離により、ガラス管102の作業端150を横切ってガラスのメニスカス350が生じる。穿孔ステーションでは、ガラス管102の作業端150において次の物品を形成する準備において、メニスカス350が穿孔される。穿孔ステーション212は、穿孔バーナ352を含みうる。穿孔バーナ352は、ガラス管102の作業端150の下方に位置づけることができ、ガラス管102の作業端150に向けて配向することができる。穿孔バーナ352は、燃料ガス供給304、酸素供給306、空気供給308、又はこれらの組合せのうちの1つ以上に流体連結することができる。燃料ガス供給304、酸素供給306、及び空気供給308については、
図3Aのバーナ302に関して前に論じた。主タレット108がガラス管102を穿孔ステーション212に割り出しすると、穿孔バーナ352からの火炎がガラスのメニスカス350を加熱し、メニスカス350を溶融してメニスカス350を穿孔し、ガラス管102の作業端150を再び開放する。実施形態では、メニスカス350は、圧縮空気、窒素、アルゴン、又は他のガスなどのガス流をメニスカス350に又はメニスカス350を横切って導くことによって穿孔することができる。実施形態では、機械的手段又は他の方法を使用して、メニスカス350を穿孔することができる。
【0070】
図3A~3Fは、変換装置100において利用されうる処理ステーション106の幾つかの異なる例の概略図を含む。しかしながら、異なる構造、構造の組合せ、又は機能を有する他の処理ステーション106を利用して、ガラス管102から1つ以上のガラス物品への所望の変換を達成できるものと理解されたい。
【0071】
図4を参照すると、ガラス管102は、ガラスで作られた細長い中空の円筒管でありうる。ガラス管102は、円形の断面形状を有することができ、また、外面140、内面146、及び厚さtを有することができる。ガラス管102の厚さtは、ガラス管102の内面146と外面140との間の半径方向距離でありうる。ガラス管102は、
図4の座標軸の±Z方向の長さLを有しうる。ガラス管102は、
図4に示されるように外径ODを有しうる。以前に論じたように、ガラス管102は、変換プロセス全体を通して、ガラス管102の中心軸Dを中心に回転される。
【0072】
図1及び2を再び参照すると、動作中、主タレット108は、ホルダ130に固定されたガラス管102を、割り出し又は処理ステーション106へと移動させることができる。加熱、成形、穿孔、分離、冷却、落下、供給、測定などの特定の動作が、処理ステーション106の各々においてガラス管102に対して実施されうる。本明細書で用いられる場合、変換装置100の「滞留時間」は、ガラス管102が主タレット108によって次の後続の処理ステーション106に割り出しされる前に特定の処理ステーション106で費やされる時間を指しうる。変換装置100は、すべての処理ステーション106が滞留時間内に動作を完了するように調整されうる。滞留時間の終わりに、主タレット108は、ガラス管102を次の処理ステーション106に割り出しすることができる。本明細書で用いられる場合、「インデックス時間」とは、主タレット108がガラス管102をある処理ステーション106から次の処理ステーション106へと割り出しするのにかかる時間を指すことができ、時間の単位で測定される。インデックス変換装置では、ステーションごとの部品ごとの合計時間は、この開示で用いられるように、滞留時間とインデックス時間との合計である。
【0073】
実施形態では、変換装置100は、ガラス管102及びホルダ130を複数の処理ステーション106を通じて連続的に移動させるように動作可能な連続変換装置でありうる。実施形態では、加熱素子、バーナ、成形ツール、測定デバイス、及び変換プロセスの他の要素は、ガラス管102が処理ステーション106を通過する際にガラス管102とともに移動しうる。インデックス変換装置及び連続変換装置の両方について、処理ステーションのアクティブ時間は、ガラス管102が、処理ステーション106内にある間に少なくとも1つの加熱素子又は少なくとも1つの成形ツールとの係合を維持する持続時間である。
【0074】
ガラス管102をガラスバイアルへと変換するための変換装置100の例には、主回路116の16の処理ステーション106と8つの二次処理ステーション112とを含む、AMBEG Dr.J.Dichter GmbH社製造の自動チューブフィーダを備えたバイアル成形機モデルRP16又はRP18が含まれる。他の例には、主回路116の32の処理ステーション106と各二次回路118に8つの二次処理ステーション112を備えた2つの二次回路118とを有する、AMBEG Dr.J.Dichter GmbH社製造のバイアル成形機モデルRP32、並びに36の処理ステーションを有するEuromatic S.R.L.社製造のZeta098バイアル成形機が含まれる。別の例には、ガラス管をカートリッジへと変換するための変換装置であるEuromatic S.R.L.社製造のZeta103カートリッジ成形機が含まれる。カートリッジ変換装置は、前述のバイアル変換装置100と同様の特徴を有するが、バイアルではなくカートリッジの形状因子を有するガラス物品の製造に利用される。
【0075】
ガラス管102からガラスバイアルを製造するための変換装置100に関連して説明されているが、変換装置100は、主回路116の処理ステーション106又は1つ以上の二次回路118の二次処理ステーション112の成形ツール324及び/又は順序又は構成を変化させることによって、他のタイプの薬学的容器又は物品など、1つ以上の他の物品を製造するように構成されうるものと理解されたい。薬学的物品には、バイアル、カートリッジ、注射器、アンプル、広口瓶、又は他のガラスの薬学的物品が含まれうるが、これらに限定されない。
【0076】
変換プロセス中、ガラス管102の周囲の熱的不均一性及び寸法の不均一性が懸念され、ガラス管102からガラス物品を製造するための成形プロセスにおいて質量及び形状の非対称性が生じる可能性がある。これらの懸念は、プロセスのスループットが大きくなると、及びますます大きくなるガラス管から製造される物品(例えば、外径(OD)が大きくなる)の場合に、特に顕著になることが観察されている。以前に論じたように、ガラス管102が複数の処理ステーション106を通過する際に、ガラス管102はホルダ130内で中心軸Dを中心に連続的に回転される。変換装置100のスループットが増加すると、ガラス管102は、各処理ステーション106で費やす時間が短くなりうる。インデックス変換装置100では、変換装置100のパートレートスループットを増加させることは、滞留時間、インデックス時間、又はその両方を減少させることを含みうる。実施形態では、インデックス時間は、概して固定することができ、パートレートは、各処理ステーション106におけるガラス管102の滞留時間を短縮することによって増加させることができる。連続変換装置では、パートレートは、ガラス管102が一連の処理ステーション106を通過する速度を増加させることによって増加させることができる。インデックス変換装置100の滞留時間を短縮すること又は連続変換装置の速度を増加させることにより、ガラス管102が各処理ステーション106で費やす時間量を短縮することができる。結果として、各処理ステーション106におけるガラス管102の回転数を、ガラス管102の所与の一定の回転速度に対して減少させることができる。
【0077】
ガラス管のODを増加させる場合、ガラス管の外径が増加するにつれて、ガラス管102の回転速度は概して低下する。しかしながら、変換装置100の一定のスループットでは、ホルダ130内のガラス管102の回転速度の低下により、各処理ステーション106内のガラス管102の回転数も減少しうる。
【0078】
したがって、変換装置100のスループット速度の増加、管直径又はガラス管102の増大、又はその両方が、各処理ステーション106内のガラス管102の回転数の減少を引き起こしうる。処理ステーション106におけるガラス管102の回転数の減少により、ガラス管102の外面上の点が処理ステーション106内のバーナ302又は成形ツール324と係合する回数も減少しうる。これは、成形中にガラス管102の周囲のガラス管102における温度の不均一性をもたらす可能性があり、その結果、それから製造される完成した物品に質量及び形状の非対称性が生じる可能性がある。
【0079】
ガラス管102の周囲のガラス管温度の変動及び結果として生じる寸法上及び外見上の変動は、変換プロセスの動作ウィンドウを制約し、工程能力(Cpk)を低下させ、歩留まりを低下させ、又はこれらの組合せを生じさせる可能性がある。歩留まりの低下は、ガラス管102の周囲の温度及び/又は寸法の不均一性又は物品が規格外になる原因となる寸法上及び外見上の変動による歩留まりの損失を低減するために生産速度を低下させることに起因しうる。ある特定の処理条件下で実施されるある特定のバイアル又はガラス物品の公称寸法については、変換中にガラス管102の温度変動によって引き起こされる寸法上及び外見上の変動による歩留まりの損失は、30%を超えうる。
【0080】
パートレートとホルダ130内のガラス管102の回転速度とのある特定の組合せが、ガラス管102のプリフォーム領域と呼ばれうるガラス管102の加熱された部分の非常に不安定な回転を生じさせうることが発見された。パートレートと回転速度とのこれらのある特定の組合せでは、ガラス管102がホルダ130内で回転する際に、プリフォーム領域の底部(すなわち、図の座標軸の-Z方向におけるプリフォーム領域の部分)が左右及び上下に顕著に移動しうることが観察された。この現象は、変換プロセスでは、一般に「揺動」と呼ばれる。揺動は、成形前の最後の加熱ステーション、又はバイアル及びカートリッジの製造中のショルダ成形後の処理ステーションにおいて最も顕著になりうる。揺動は、加熱ステーション202におけるガラス管102の一貫性のない加熱、成形ステーション204における成形ツールとの一貫性のない接触、又はその両方に起因しうる。
【0081】
パートレートとホルダ内のガラス管102の回転速度とのこれらのある特定の組合せは、ガラス管102の周囲に温度の不均一性を生じさせる可能性がある。
図5を参照すると、一定の滞留時間におけるホルダ回転速度(x軸)の関数としての加熱ステーション202において処理されるガラス管102の内面(参照番号902)及び外面(参照番号904)の表面温度(y軸)の変化がグラフで示されている。
図5については、加熱ステーション202は単一のバーナ302を有しており、滞留時間は、バーナ302がガラス管102と係合しているアクティブ時間に等しい。表面温度の変化は、表面で測定した最高温度と最低温度との差の絶対値である。
図5の周期的なピークによって示されるように、一定の滞留時間でのガラス管102のある特定の回転速度は、ガラス管102の内面及び外面の両方について、ガラス管102の周囲の表面温度に、実質的により大きい変動を生じさせる。前に論じたように、これらの回転速度でのこのより大きい温度変動は、ガラス管102から製造されたガラス物品に寸法の不均一性をもたらしうる。
【0082】
したがって、ガラス管102をガラス物品へと変換する間のガラス管102の周囲の温度及び/又は寸法の不均一性、特に、一貫性のない加熱又は処理ステーション106内での成形ツールとの接触によって引き起こされうる温度及び寸法の不均一性を低減又は防止するためのシステム及び方法が依然として必要とされている。本開示のシステム及び方法は、加熱ステーション202でのガラス管102の周囲の一貫した加熱、ガラス管102と成形ステーション204内のガラス管102の周囲の成形ツール324との間の一貫した接触、又はこれらの組合せをもたらすアクティブ時間と回転速度との組合せを維持することにより、加熱中、成形中、又はその両方におけるガラス管102の周囲のガラス管102のプリフォーム領域の温度及び寸法の不均一性を低減又は防止する。特に、本開示のシステム及び方法は、処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間中に、ガラス管102の周囲のガラス管102の外面上の各点が加熱ステーション202内の加熱素子301と係合する回数、成形ステーション204内の成形ツール324と接触する回数、又はその両方の変動性を低減することを対象とする。
【0083】
ガラス管102の外面140上のある点が特定の処理ステーション106における加熱素子301又は成形ツール324と係合する平均回数は、曝露指数によって特徴付けることができる。曝露指数は、ホルダ130内のガラス管102の回転速度に処理ステーション106内のガラス管102の外面140に接触する加熱素子301の数又は成形ツール324の数を掛け、かつ処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間を掛けた積として定義することができる。曝露指数IEは、式I(EQU.I)で表すことができる。
【0084】
IE=r×n×tA EQU.1
EQU.1において、rはガラス管102の回転速度であり、nは処理ステーション106内のガラス管102の外面140に接触する加熱素子301の数又は成形ツール324の数であり、tAは処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間である。複数のバーナ302を有する加熱ステーション202については、EQU.1は、加熱ステーション202内の複数のバーナのすべてが同じ加熱速度を有するものと仮定している。複数のバーナが異なる加熱速度を有する加熱ステーション202又は2つ以上の成形ツールが異なる成形ステーション204では、各バーナの異なる加熱速度又は成形ツールとの異なる接触程度を説明するスケール因子が含まれる場合がある。あるいは、実施形態では、加熱ステーション202が異なる加熱速度を有する複数のバーナを含む場合、又は成形ステーション204が2つ以上の異なるタイプの成形ツールを含む場合、nは、EQU.1において値1に設定されうる。以前に論じたように、アクティブ時間tAは、ガラス管102が処理ステーション106内にある間に少なくとも1つの加熱素子301又は少なくとも1つの成形ツール324との係合を維持する合計時間でありうる。インデックス変換装置では、アクティブ時間は、変換装置100の滞留時間以下でありうる。
【0085】
曝露指数は、Z位置(例えば、
図4の±Z軸に沿った位置)でのガラス管102の周囲上の各点が処理ステーション106内にある間に加熱素子301又は成形ツール324に曝露される平均回数を示しうる。ガラス管102の周囲上のある点の加熱素子301への曝露は、加熱素子がガラス管102のその点を加熱するように、加熱素子と係合するように回転するガラス管102の周囲上の点を指すことができる。処理ステーション106内でのガラス管102の回転は、周囲上の点の各々を回転させて連続的に加熱素子301と係合させる。同様に、成形ステーション204では、ガラス管102の周囲上のある点の成形ツール324への曝露は、成形ツール324がガラス管102の周囲上のその点でガラスを変形させるように、回転して成形ツール324と接触するガラス管102の周囲上の点を指すことができる。
【0086】
曝露指数を可能な限り整数に近づけて維持することにより、変換中のガラス管102の周囲のガラス管102の温度及び/又は寸法の不均一性を低減又は防止することができることが発見された。変換装置100は、曝露指数と最も近い整数との差の絶対値が、0.30以下、例えば0.25以下、0.20以下、0.15以下、0.10以下、又はさらには0.05以下になるように、曝露指数を有しうる。特定の理論に縛られることは意図していないが、曝露指数が最も近い整数の0.3以内にある場合、ガラス管102の周囲上の十分な点が、処理ステーション106内の加熱素子又は成形ツールに対する同じ数の曝露を有し、揺動を低減又は防止し、その結果生じるガラス管102の周囲の温度及び/又は寸法の不均一性を低減すると考えられる。加熱素子301への各曝露は、ガラス管102に熱を加え、それによってガラスの温度を上昇させる。曝露指数が整数に近づくにつれて、ガラス管102の周囲に沿った点のより大きい割合が、加熱素子301への同じ数の曝露を受けることができ、その結果、アクティブ時間中に同じ量の熱を受け取るガラス管102の周囲の点の割合が大きくなりうる。したがって、曝露指数が最も近い整数の0.30以内である場合、加熱はガラス管102の周囲でより均一になりえ、その結果、温度及び寸法の均一性が向上する。言い換えれば、曝露指数が整数に近い場合、ガラス管102の周囲のすべてが、定常バーナから実質的に同じ熱を受け取る。成形ツール324の場合、成形ツール324との接触により、ガラス管102から熱が除去される。したがって、成形ステーション204では、曝露指数を整数値の近くに維持することにより、ガラス管102の周囲の点のほとんどについて、実質的に同じ熱が成形ツール324によって除去されることを確保することができる。
【0087】
変換装置100の曝露指数が最も近い整数の0.30以内にある場合、周囲のガラスの点の70%以上が、処理ステーション106内の加熱素子又は成形ツールに対して同じ数の曝露を有する。変換装置100の曝露指数が最も近い整数の0.25以内にある場合、周囲のガラスの点の75%以上が、処理ステーション106内の加熱素子又は成形ツールに対して同じ数の曝露を有する。変換装置100の曝露指数が最も近い整数の0.20以内にある場合、周囲のガラスの点の80%以上が、処理ステーション106内の加熱素子又は成形ツールに対して同じ数の曝露を有する。変換装置100の曝露指数が最も近い整数の0.10以内にある場合、周囲のガラスの点の90%以上が、処理ステーション106内の加熱素子又は成形ツールに対して同じ数の曝露を有する。変換装置100の曝露指数が整数に等しい場愛、理論的には、周囲のガラスの点の100%が、処理ステーション106内の加熱素子又は成形ツールに対して同じ数の曝露を有する。したがって、曝露指数が最も近い整数に近ければ近いほど、加熱又は成形は、ガラス管102の周囲でより一貫している。
【0088】
次に
図6A及び6Bを参照すると、単一の加熱素子301を有する加熱ステーション202が、それぞれ、正面図及び上面図に概略的に描かれている。加熱ステーション202が単一の加熱素子501を有する場合、EQU.1の加熱素子の数は1に等しい。加熱ステーション202内の単一の加熱素子501では、曝露指数は、中心軸Dの周りのガラス管102の回転速度(時間あたりの回転数)に加熱素子301と係合しているガラス管102のアクティブ時間を掛けた積に等しい。したがって、単一の加熱素子301を備えた加熱ステーション202の曝露指数は、アクティブ時間中のガラス管102の回転の数、又はアクティブ時間あたりの回転数に等しい。加熱ステーション202におけるアクティブ時間中のガラス管102が完全に1回転するごとに、プリフォーム領域141内のガラス管102の周囲の点の各々は、
図6Bの点Hで線Gと位置合わせするように通過することなどによって、一度に加熱素子301と直接係合するように通過することができる。
【0089】
しかしながら、アクティブ時間とガラス管102の回転速度との組合せがアクティブ時間の終了時にガラス管102の追加の部分回転をもたらす場合には、ガラス管102の周囲の第1の部分は、加熱素子301への追加の曝露を受ける。加熱素子301への追加の曝露を受けるガラス管102の周囲の第1の部分は、追加の曝露を受けないガラス管102の周囲の第2の部分と比較して、より高い温度を有しうる。したがって、ガラス管102の周囲の温度の不均一性が生じることがあり、これは、ガラス管102から作られた完成したガラス物品における揺動及び/又は寸法の不均一性につながる可能性がある。温度及び/又は寸法の不均一性は、半回転で最大となり、この場合、追加の曝露を受ける第1の部分と追加の曝露を受けない第2の部分は等しい。アクティブ時間あたりの回転数が最も近い整数の0.30又は0.25以内にある場合には、温度及び/又は寸法の不均一性が減少することがわかっている。
【0090】
次に
図7及び8を参照すると、実施形態では、変換装置100の加熱ステーション202は、複数のバーナ302などの複数の加熱素子301を有しうる。
図7を参照すると、半径方向に互いに180度離間した2つのバーナ302を有する加熱ステーション202が概略的に示されている。2つのバーナ302の場合、加熱ステーション202内のガラス管102の各完全な回転により、ガラス管102の外面140上の各点にバーナ302への2回の曝露を受けさせることができる。したがって、2つのバーナ302を有する加熱ステーション202の曝露指数は、2(バーナ302の数)に、中心軸Dを中心としたガラス管102の回転速度を掛け、これに加熱ステーション202におけるガラス管102のアクティブ時間を掛けた積に等しくなりうる。整数に等しい曝露指数では、点Hから始まるガラス管102の外面140上の点は、アクティブ時間の終わりに、
図7の点H又は点Jで終わる。これにより、ガラス管102の周囲の温度及び/又は寸法の不均一性が結果的に非常に小さくなることが分かった。曝露指数が2つの整数の中間にある場合、点Hから始まるガラス管102の外面140上の点は、アクティブ時間の終わりに、
図7の点I又は点Kのいずれかで終わる。これらの条件下で、点I又は点Kでは、回転の方向148に対して点I及びKの下流にあるガラス管102の4分の1の部分は、バーナ302の1つに余分な曝露を受けるが、点I及びKの下流のガラス管の4分の1の部分は余分な曝露を受けない。したがって、温度及び/又は寸法の不均一性は、曝露指数が2つの整数の中間にあるときに最大になりうる。温度及び/又は寸法の不均一性は、曝露指数と最も近い整数との差の絶対値が0.30未満、0.25以下、0.20以下、0.15以下、0.10以下、又はさらには0.05以下になるように曝露指数を調整することによって減少させることができる。
【0091】
次に
図8を参照すると、互いに半径方向に等間隔に配置された3つのバーナ302を有する加熱ステーション202が概略的に示されている。3つのバーナ302の場合、加熱ステーション202内のガラス管102の各完全な回転により、ガラス管102の外面140上の各点にバーナ302への3回の曝露を受けさせることができる。したがって、nは、EQU.1において3に等しく、3つのバーナ302を有する加熱ステーション202の曝露指数は、3に中心軸Dを中心としたガラス管102の回転速度を掛け、それに加熱ステーション202におけるガラス管のアクティブ時間を掛けた積に等しくなりうる。加熱ステーション202内には3つより多くのバーナ302が企図されている。
【0092】
ガラス管102の周囲の温度及び/又は寸法の不均一性は、曝露指数と最も近い整数との差の絶対値が0.30未満、0.25以下、0.20以下、0.15以下、0.10以下、又はさらには0.05以下になるように曝露指数を調整することによって、増減させることができる。以前に論じたように、曝露指数は、ホルダ130内のガラス管102の回転速度を変化させることによって、又は処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間を調整することによって、修正することができる。加熱ステーション202では、ガラス管102のアクティブ時間は、変換装置100の滞留時間を変更することによって、又は滞留時間中に加熱素子301(例えば、バーナ302)をガラス管102と係合及び脱係合するように動かすことによって、変更することができる。加熱素子301は、加熱素子301をガラス管102に近づけたり遠ざけたりするように旋回させることによって、加熱素子301をガラス管102に近づけたり遠ざけたりするように移動させることによって、又はその両方によってガラス管102と係合及び脱係合するように動かすことができる。加熱素子301を移動させてガラス管102と係合又は脱係合する他の方法も企図されている。
【0093】
図6Bを再び参照すると、実施形態では、加熱ステーション202内のバーナ302は、ガラス管102と係合及び脱係合するように、垂直軸Fを中心に横方向に(例えば、
図6の座標軸に従ってX-Y平面内で)旋回するように動作可能なスイベルバーナ330でありうる。スイベルバーナ330は、該スイベルバーナ330に動作可能に連結したスイベルバーナアクチュエータ332を含みうる。スイベルバーナアクチュエータ332は、スイベルバーナ330の火炎をガラス管102と係合及び脱係合するように動かすように、軸Fを中心にスイベルバーナ330を旋回させることができる。
図6Bでは、スイベルバーナ330は、該スイベルバーナ330の火炎がガラス管102と係合してガラス管102を加熱する位置に描かれている。ガラス管102との係合位置において、スイベルバーナ330の火炎は、ガラス管102に接触するか、又はガラス管102の方に向いていてもよい。実施形態では、ガラス管102との係合位置において、スイベルバーナ330と火炎は、ガラス管102の回転軸Dを通って延びる線Gに沿って位置合わせされうる。ガラス管102との係合から外れた位置では、火炎がガラス管102に直接触れたり向いたりすることがないように、スイベルバーナ330の火炎はガラス管102から離れた方向を向いている。実施形態では、係合していない場合、スイベルバーナ330は、ガラス管102の回転軸Dと交差する線Gと位置合わせしないように、配向されうる。バーナ302はまた、
図6BのX-Y平面内でガラス管102に向かって若しくはガラス管102から離して移動させるか、又はガラス管102と係合及び脱係合するようにバーナ302
図6Aの±Z方向に垂直に移動させるアクチュエータに動作可能に連結されうる。アクティブ時間を変化させる他の方法も企図されている。
【0094】
次に
図9A及び9Bを参照すると、ガラス管102の外面140と接触した2つの成形ツール324を有する成形ステーション204が概略的に示されている。
図7及び8のバーナ302などの加熱素子301とは対照的に、成形ツール324とガラス管102との接触は、ガラス管102の温度を低下させるように動作しうる。成形ステーション204に入るガラス管102は、成形ツール324の表面温度と比較して、外面140でより高い温度を有することがあり、成形ツール324とガラス管102との接触を介してガラス管102から成形ツール324に熱を伝達させることができる。ガラス管102の周囲の温度の不均一性は、ガラス管102の周囲の幾つかの部分がガラス管102の周囲の他の部分と比較して成形ツール324への曝露回数が多い場合に生じうる。
【0095】
ガラス管102の周囲の寸法の不均一性は、ガラス管102の周囲の温度の不均一性によって、又は成形ツール324への曝露の数の違いに起因するガラス管102の周囲上の点間のガラス変位の差によって生じうる。以前に論じたように、成形ツール324との接触により、完成したガラス物品の1つ以上の特徴部を形成するために、プリフォーム領域内のガラス管102のガラスの変位が生じる。ガラス管102の周囲上のある点の成形ツール324への各曝露により、その点でのガラスの幾らかの変異が生じる。したがって、ガラス管102の周囲の寸法の不均一性は、ガラス管102の周囲の幾つかの部分が、ガラス管102の周囲の他の部分と比較して、成形ツール324への曝露が大きく、及びガラス変位が大きい場合に生じうる。
【0096】
加熱ステーション302と同様に、ガラス管102の周囲の温度及び/又は寸法の不均一性は、成形ステーション324におけるガラス管102の曝露指数を可能な限り整数に近く維持することによって、成形ステーション204において低減することができる。成形ステーション204は、曝露指数と最も近い整数との差の絶対値が0.30以下、例えば0.25以下、0.20以下、0.15以下、0.10以下、又はさらには0.05以下になるような曝露指数を有しうる。
【0097】
図9Bを参照すると、ガラス管102の外面140に接触する2つの成形ツール324を有する成形ステーション204が概略的に示されている。2つの成形ツール324は、半径方向に互いに180度間隔を空けて配置することができる。2つの成形ツール324の場合、成形ステーション204におけるガラス管102の各完全な回転により、ガラス管102の外面140上の各点に、成形ツール324への2回の曝露を受けさせることができる。したがって、ガラス管102の外面140に接触する2つの成形ツール324を有する成形ステーション204の曝露指数は、2に中心軸Dを中心としたガラス管102の回転速度を掛け、それに成形ステーション204におけるガラス管102のアクティブ時間を掛けた積に等しくなりうる。整数に等しい曝露指数では、点Hから始まるガラス管102の外面140上の点は、アクティブ時間の終わりに、
図9Bの点H又は点Jで終わる。これにより、ガラス管102の周囲の温度及び/又は寸法の不均一性が結果的に非常に小さくなることが分かった。曝露指数が2つの整数の中間にある場合、ガラス管102の外面140上の点は、アクティブ時間の終わりに、
図9Bの点I又は点Kのいずれかで終わる。これらの条件下で、点I又は点Kでは、回転の方向148に対して点I及びKの下流にあるガラス管102の4分の1の部分は、成形ツール324の1つに余分な曝露を受けるが、点I及びKの下流のガラス管の4分の1の部分は余分な曝露を受けない。したがって、温度及び/又は寸法の不均一性は、曝露指数が2つの整数の中間にあるときに最大になりうる。実施形態では、成形ステーション324は、ガラス管102の内部に挿入された第3の成形ツール(例えば、
図3Cの成形ツール324c)を含みうる。成形ステーション204がガラス管102の外面140に接触する2つの成形ツール324と、ガラス管102の内部に挿入される第3の成形ツールとを含む場合、曝露指数は依然として、2に中心軸Dを中心としたガラス管102の回転速度を掛け、それに成形ステーション204におけるガラス管102のアクティブ時間を掛けた積に等しい。
【0098】
ガラス管102の周囲の温度及び/又は寸法の不均一性は、曝露指数と最も近い整数との差の絶対値が0.30未満、0.25以下、0.20以下、0.15以下、0.10以下、又はさらには0.05以下になるように曝露指数を調整することによって減少させることができる。成形ステーション204における曝露指数は、中心軸Dを中心としたガラス管102の回転速度を変化させることによって、又は成形ツール324が係合される及び/又はガラス管102の外面140と接触するアクティブ時間を変化させることによって変更することができる。アクティブ時間は、成形ツール324を動かして、ガラス管102と接触させたり離したりしてアクティブ時間を変化させることによって変更することができる。
【0099】
図9Aを参照すると、実施形態では、成形ツール324の各々は、成形ツールアクチュエータ326に動作可能に連結されうる。成形ツールアクチュエータ326は、成形ツール324をガラス管102と係合及び脱係合するように移動させるように動作可能でありうる。成形ツール324を作動させてガラス管102と係合及び脱係合するタイミングは、成形ツール324と接触するガラス管102のアクティブ時間を変更することによって調整することができる。
【0100】
図9A及び9Bには2つの成形ツール324を有するものとして示されているが、成形ステーションは、2つより多い成形ツール、例えば3つ、4つ、又は4つより多い成形ツールを揺することができるものと理解されたい。それぞれの場合において、曝露指数は、ガラス管102の外面140に接触する成形ツール324の数にガラス管102の回転速度を掛け、それにアクティブ時間を掛けた積に等しくなりうる。
【0101】
図1を再び参照すると、ガラス管から複数のガラス物品を製造するためのシステム102は、少なくとも1つの加熱ステーション202、少なくとも1つの成形ステーション204、及び分離ステーション206を含む複数の処理ステーション106を有する変換装置100を含みうる。変換装置100は、複数の処理ステーション106の各々を通じてガラス管102を移動又は通過させるように動作可能でありうる。変換装置100は、複数のホルダ130を含みうる。複数のホルダ130の各々は、ガラス管102を固定し、ガラス管102の中心軸Dを中心としてガラス管102を回転させるように動作可能でありうる。変換装置100は、該変換装置100について本明細書で説明される特徴部、処理ステーション、又は動作パラメータのいずれかを含みうることが理解され、意図されている。複数の処理ステーション106の各々は、ホルダ130内のガラス管102の回転速度(時間あたりの回転数を単位とする)に処理ステーション106内のガラス管102の外面140に接触する加熱素子301の数又は成形ツール324の数を掛け、それに処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間を掛けた積として定義される曝露指数を有しうる。加熱ステーション202、成形ステーション204、分離ステーション206、又はこれらの組合せなどの処理ステーション106の1つ以上は、0.30以下、0.25以下、0.20以下、0.10以下、又は0.05以下の曝露指数と最も近い整数との差の絶対値を有しうる。
【0102】
本明細書に開示されるシステムのいずれかにおいて、変換装置100は、複数の処理ステーション106の各々を通じてガラス管102を割り出しするように動作可能なインデックス変換装置でありうる。実施形態では、1つ以上の処理ステーション106におけるアクティブ時間は、変換装置100の滞留時間以下でありうる。本明細書に開示されるシステムのいずれかにおいて、変換装置100は、複数の処理ステーション106を通じてガラス管102を連続的に移動させるように動作可能な連続変換装置でありうる。実施形態では、変換装置100は、ホルダ130内のガラス管102の回転速度を変化させて、処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間を変化させるように動作可能でありうる。
【0103】
図6A及び6Bを再び参照すると、本明細書に開示されるシステムのいずれかにおいて、少なくとも1つの変換装置100の加熱ステーション202は、スイベルバーナアクチュエータ332に動作可能に連結した少なくとも1つのスイベルバーナ330を含みうる。スイベルバーナアクチュエータ332は、加熱ステーション202内のガラス管102と係合及び脱係合するようにスイベルバーナ302を旋回させてスイベルバーナ330と係合しているガラス管102のアクティブ時間を変化させるように動作可能でありうる。追加的に又は代替的に、実施形態では、本明細書に開示されるシステムは、ガラス管102と係合及び脱係合するように少なくとも1つのバーナを水平又は垂直に移動させて、加熱ステーション202におけるガラス管102のアクティブ時間を変化させるように動作可能なバーナ移動システム302を有する加熱ステーション202を含みうる。変換装置100の各加熱ステーション202は、例えばバーナ302、スイベルバーナ330など、1つ、2つ、3つ、4つ、又は4つより多い加熱素子301を含みうる。
【0104】
加熱ステーション202は、本明細書では、ガラス管102を加熱するために用いられるバーナ302に関連して説明される。しかしながら、ガラス管を加熱するために他の加熱素子を使用することもできるものと理解されたい。他の加熱素子は、例えばCO2レーザなどのレーザ、誘導加熱装置、他の加熱デバイス、又はこれらの組合せを含みうるが、これらに限定されない。レーザ加熱素子は、加熱素子をガラス管102と係合又は脱係合するためにオフ及びオンにすることができる。
【0105】
図9A及び9Bを再び参照すると、本明細書に開示されるシステムのいずれかにおいて、少なくとも1つの成形ステーション204は、一又は複数の成形ツール324を含みうる。成形ツール324の1つ以上は、成形ツールアクチュエータ326に動作可能に連結されうる。成形ツールアクチュエータ326は、ガラス管102と係合及び脱係合するように成形ツール324を移動させて、成形ステーション204におけるガラス管102のアクティブ時間を変化させるように動作可能でありうる。実施形態では、成形ツール324は、ガラス管102の外面140に接触するように位置づけることができる。実施形態では、成形ステーション204は、成形ステーション204でのアクティブ時間中にガラス管102の内部に挿入されうる中央成形ツール324cを含みうる。
【0106】
本明細書に開示されるシステムのいずれも、ガラス管102の周囲の少なくともガラス管の温度、少なくともガラス管の寸法、又はこれらの組合せを測定するように動作可能でありうる測定システムを追加的に含むことができる。測定システムは、その内容全体が参照により全体として本明細書に組み込まれる、2018年3月22日出願の「SYSTEMS AND METHODS FOR MEASURING THE TEMPERATURE OF GLASS DURING TUBE CONVERSION」と題された米国特許出願第15/928,837号明細書に開示される熱画像システムなどの熱画像システムでありうる。熱画像システムは、ガラス管の周囲の1つ以上の温度を測定するように動作可能でありうる。測定システムは、視覚画像化システム、レーザ反射率計、レーザゲージ、光学マイクロメータ、又はガラス管102の周囲のガラス管102の1つ以上の寸法を測定するように動作可能な他の測定デバイスのうちの1つ以上など、寸法測定システムを追加的に含むことができる。ガラス管102の周囲のガラス管102の1つ以上の温度、寸法、又はその両方を決定するための他の利用可能な測定システムが企図されている。測定システムは、1つ以上の加熱ステーション202、1つ以上の成形ステーション204、成形ステーション204の下流の測定ステーション218、又はこれらの組合せに位置づけることができる。実施形態では、測定システムは、加熱ステーション202又は成形ステーション204からそれぞれ得られるガラス管102の周囲の温度及び/又は寸法の不均一性を直接測定するために、加熱ステーション202、成形ステーション204、若しくはその両方に、又はそれらの後に位置づけることができる。
【0107】
再び
図1を参照すると、ガラス管102から複数のガラス物品を製造するためのシステムは、変換装置100に通信可能に連結することができるシステムコントローラ400をさらに含みうる。システムコントローラ400は、少なくとも1つのプロセッサ402と、コンピュータ可読かつ実行可能な命令406を含む少なくとも1つの記憶媒体404とを含みうる。コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、ガラス管102の周囲のガラス管102の1つ以上の温度又は寸法の不均一性を自動的に特定させ、複数の処理ステーション106の1つ以上についてのガラス管102の曝露指数を決定させることができる。以前に論じたように、特定の処理ステーション106におけるガラス管102の曝露指数は、ホルダ130内のガラス管102の回転速度(時間あたりの回転数を単位とする)に、処理ステーション106内のガラス管102の外面140と接触する加熱素子301の数又は成形ツール324の数を掛け、かつ処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間を掛けた積に等しくなりうる。コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、処理ステーション106の1つ以上の曝露指数を最も近い整数と自動的に比較させ、ガラス管102の回転速度、処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間、又はその両方を調整して、曝露指数と最も近い整数との差の絶対値を0.30以下、0.25以下、0.20以下、0.10以下、又はさらには0.05以下に維持することができる。
【0108】
実施形態では、コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、変換装置100からのガラス管102の回転速度を自動的に受信又は取得させ、該ガラス管102の回転速度に、ガラス管102の外面140と接触する加熱素子301の数又は成形ツール324の数を乗じ、かつ処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間を乗じて、処理ステーション106の曝露指数を決定することができる。システムコントローラ400は、変換装置100から処理ステーション106内の成形ツール324又は加熱素子301の数を受信するか、又は少なくとも1つの記憶媒体からこの情報を検索することができる。システムコントローラ400はまた、変換装置100からアクティブ時間を受信するか、又は少なくとも1つの記憶媒体からアクティブ時間を検索することもできる。
【0109】
実施形態では、コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、ガラス管102の回転速度を自動的に調整させて、一又は複数の処理ステーション106の曝露指数を調整することができる。代替的又は追加的に、実施形態では、コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、1つ以上の処理ステーション106におけるアクティブ時間を自動的に調整させて、曝露指数を調整することができる。実施形態では、変換装置100は、複数の処理ステーション106の各々を通じてガラス管102を割り出しするように動作可能なインデックス変換装置とすることができ、コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、変換装置100の滞留時間を自動的に増減させて、複数の処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間を増減することができる。
【0110】
実施形態では、コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、変換装置100の滞留時間を変化させずに、1つ以上の処理ステーションにおけるアクティブ時間を自動的に変更させることができる。
図6A及び6Bを再び参照すると、システムは、ガラス管102と係合及び脱係合するように加熱素子301又はバーナ302を移動させるタイミングを調整することによって、加熱ステーション202におけるアクティブ時間を変化させるように動作可能でありうる。
【0111】
実施形態では、変換装置100は、スイベルバーナアクチュエータ332に動作可能に連結した少なくとも1つのスイベルバーナ330を有する少なくとも1つの加熱ステーション202を含むことができ、ここで、スイベルバーナアクチュエータ332は、ガラス管102と係合及び脱係合するようにスイベルバーナ330を旋回させるように動作可能でありうる。スイベルバーナアクチュエータ332は、システムコントローラ400と電気通信可能であるなど、システムコントローラ400に通信可能に連結されうる。スイベルバーナアクチュエータ332は、システムコントローラ400からの制御信号を受信するように動作可能であってよく、ここで、制御信号は、スイベルバーナアクチュエータ332に、ガラス管102と係合及び脱係合するようにスイベルバーナ330を旋回させることができる。コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、ガラス管102と係合及び脱係合するようにスイベルバーナ330を旋回させるタイミングを自動的に変化させて、加熱ステーション202におけるガラス管102のアクティブ時間を変化させることができる。コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、ガラス管102と係合及び脱係合するようにスイベルバーナ330を旋回させるタイミングを示す制御信号をスイベルバーナアクチュエータ332に自動的に送信させることができる。コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、第1の制御信号をスイベルバーナ330又はスイベルバーナアクチュエータ332に時間T1で自動的に送信させて、スイベルバーナ330又はスイベルバーナアクチュエータ332に、スイベルバーナ330をガラス管102と係合するように移行させることができる。時間T2でのアクティブの終了時に、システムコントローラ400は、スイベルバーナ330をガラス管102との係合から外れた位置に移行させるコマンドを示す第2の制御信号を、スイベルバーナ330又はスイベルバーナアクチュエータ332に送信することができる。システムは、T1とT2の間の持続時間を変化させて、アクティブ時間を変化させるように動作可能でありうる。
【0112】
図6A及び6Bには、軸Fを中心に旋回してガラス管102と係合及び脱係合するように火炎を移動させるスイベルバーナ330を含むものとして示されているが、ガラス管102と係合及び脱係合するようにバーナ302を移動させるための他の機構も企図されているものと理解されたい。実施形態では、加熱ステーション202は、ガラス管102と係合及び脱係合するようにバーナ302を直線方向に移動させるように動作可能な移動システム(図示せず)を含みうる。移動システムは、ガラス管102と係合及び脱係合するようにバーナ302を横方向(すなわち、
図6A及び6BのX-Y面)又は垂直方向(すなわち、
図6Aの座標軸の±Z方向)に移動させることができる。該移動システムは、システムコントローラ400に通信可能に連結されて、システムコントローラ400からの制御信号を受信することができる。コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、ガラス管102と係合及び脱係合するようにバーナ302を移動させるためのコマンドを示す1つ以上の制御信号をバーナ移動システムに自動的に送信させることができる。コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、移動システムへの制御信号のタイミングを自動的に調整させて、加熱ステーション202内のバーナ302と係合するガラス管102のアクティブ時間を変化させることができる。
【0113】
図9A及び9Bを再び参照すると、実施形態では、変換装置100は、成形ツールアクチュエータ326に動作可能に連結した少なくとも1つの成形ツール324を有する少なくとも1つの成形ステーション204を含むことができ、ここで、成形ツールアクチュエータ326は、ガラス管102と係合及び脱係合するように成形ツール324を移動させるように動作可能でありうる。成形ツールアクチュエータ326は、システムコントローラ400と電気通信可能であるなど、システムコントローラ400に通信可能に連結されうる。各成形ツールアクチュエータ326は、システムコントローラ400からの制御信号を受信するように動作可能であってよく、ここで、制御信号は、成形ツールアクチュエータ326に、ガラス管102と係合及び脱係合するように成形ツール324を移動させることができる。コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、ガラス管102と係合及び脱係合するように成形ツール324を移動させるタイミングを自動的に変化させて、成形ステーション204におけるガラス管102のアクティブ時間を変化させることができる。コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、ガラス管102と係合及び脱係合するように成形ツール324を移動させるタイミングを示す制御信号を成形ツールアクチュエータ326に自動的に送信させることができる。コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、第1の制御信号を成形ツールアクチュエータ326に時間T1で自動的に送信させて、成形ツールアクチュエータ326に、成形ツール324をガラス管102と係合するように移動させることができる。時間T2でのアクティブの終了時に、システムコントローラ400は、成形ツール324をガラス管102との係合から外れた位置に移動させるコマンドを示す第2の制御信号を成形ツールアクチュエータ326に送信することができる。実施形態では、少なくとも1つの成形ステーション204は、複数の成形ツール324及び複数の成形ツールアクチュエータ326を含むことができ、各成形ツールアクチュエータ326は、システムコントローラ400に通信可能に連結されており、システムコントローラ400から制御信号を受信するように動作可能である。
【0114】
実施形態では、本明細書に開示されるシステムのいずれも、システムコントローラ400に通信可能に連結することができる測定システム(図示せず)を含みうる。コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、ガラス管102の1つ以上の特性を示す1つ以上の信号又はデータを測定システムから自動的に受信させることができる。ガラス管の特性102は、ガラス管102の周囲の1つ以上の温度、1つ以上の寸法、又はその両方でありうる。コンピュータ可読かつ実行可能な命令406は、プロセッサ402によって実行されると、システムに、測定システムからの信号に基づいてガラス管102の周囲の温度、寸法、又はその両方の変動性を自動的に決定させ、かつ、処理ステーション106におけるアクティブ時間、中心軸Dを中心としたガラス管102の回転速度、又はその両方を調整して、温度、寸法、又はその両方の変動性に応じて曝露指数を変更させる。
【0115】
図1及び2を再び参照すると、ガラス管102から複数のガラス物品を製造するための本明細書に開示される方法は、ガラス管102を変換装置100の複数のホルダ130のうちの1つに固定するステップを含むことができ、ここで、変換装置100は、複数の処理ステーション106を含みうる。複数の処理ステーション106は、少なくとも1つの加熱ステーション202、少なくとも1つの成形ステーション204、少なくとも1つの分離ステーション206、又はこれらの組合せを含みうる。本明細書に開示される方法のいずれかにおいて、変換装置100は、変換装置100について本明細書で説明される特徴部、処理ステーション、又は動作パラメータのいずれかを含みうることが理解され、意図されている。該方法は、ホルダ130内のガラス管102の中心軸Dを中心としてガラス管102を回転させるステップ、及びガラス管102を複数の処理ステーション106の各々に通してガラス管102の作業端に1つ以上の特徴を形成するステップをさらに含みうる。各処理ステーション106では、処理ステーション106のアクティブ時間は、処理ステーション106内にある間にガラス管102が少なくとも1つの加熱素子301又は少なくとも1つの成形ツール324との係合を維持する時間量でありうる。処理ステーション106の各々の曝露指数は、ホルダ130内のガラス管102の回転速度(時間あたりの回転数を単位とする)に処理ステーション106における加熱素子301の数又は成形ツール324の数を掛け、かつ処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間を掛けた積に等しくなりうる。該方法は、曝露指数と最も近い整数との差の絶対値が0.30以下、0.25以下、0.20以下、0.10以下、又はさらには0.05以下になりうるように変換装置100を動作させるステップを含みうる。
【0116】
本明細書に開示される方法のいずれも、ガラス管102の周囲のガラス管102の温度又は寸法の不均一性を特定するステップ、複数の処理ステーション106の1つ以上におけるガラス管102の曝露指数を決定するステップ、曝露指数を最も近い整数と比較するステップ、及びガラス管102の回転速度、処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間、又はその両方を調整して、曝露指数と最も近い整数との差の絶対値を0.30以下、0.25以下、0.20以下、0.10以下、又は0.05以下に維持するステップをさらに含みうる。温度又は寸法の不均一性を特定するステップは、ガラス管102の周囲の少なくとも1つの温度、少なくとも1つの寸法、又はその両方を測定すること、及び測定値に基づいてガラス管102の周囲の温度又は寸法の変動性を決定することを含みうる。
【0117】
本明細書に開示される方法のいずれも、1つ以上の処理ステーション106内の曝露指数を最も近い整数の±0.30以内、最も近い整数の±0.25以内、最も近い整数の±0.20以内、最も近い整数の±0.15以内、又は最も近い整数の±0.10以内に維持するステップを含むことができ、ここで、曝露指数を最も近い整数の±0.30、±0.25、±0.20、±0.15、又は±0.10以内に維持することにより、ガラス管102の回転の不安定性、ガラス管102の周囲の温度の変動、ガラス管102の周囲の寸法の変動、又はこれらの組合せを低減することができる。実施形態では、曝露指数は、整数に等しくなりうる。
【0118】
本明細書に開示される方法のいずれかにおいて、変換装置100は複数のホルダ130を含むことができ、本明細書に開示される方法は、複数のガラス管102の1つを複数のホルダ130の各々に固定するステップ、並びに複数のホルダ130の各々及びその中に配置されたガラス管102を複数の処理ステーション106に通すステップを含みうる。実施形態では、本明細書に開示される方法のいずれも、複数の処理ステーション106の各々における複数のガラス管102の各々のアクティブ時間定数を維持するステップ、及び複数のガラス管102の各々の回転速度を調整して、複数の処理ステーション106の各々における複数のガラス管102の各々についての曝露指数と最も近い整数との差の絶対値を0.30以下、0.25以下、0.20以下、0.10以下、又は0.05以下に維持し、ガラス管102の周囲のガラス管102の温度及び寸法の不均一性を低減するステップを含みうる。
【0119】
本明細書に開示される方法のいずれも、処理ステーション106における複数のガラス管102の各々のアクティブ時間を調整して、曝露指数と最も近い整数との差の絶対値を0.30以下、0.25以下、0.20以下、0.10以下、又は0.05以下に維持するステップを含みうる。アクティブ時間を調整するステップは、変換装置の滞留時間を増減すること、ガラス管102と係合及び脱係合するように加熱素子301、成形ツール324、又はその両方を移動又は作動させるタイミングを変化させること、又はこれらの組合せを含みうる。
【0120】
図6A及び6Bを参照すると、本明細書に開示される方法のいずれかの実施形態において、処理ステーション106の1つはスイベルバーナ330を含む加熱ステーション202とすることができ、該方法は、スイベルバーナ330を加熱ステーション202内のガラス管102と係合及び脱係合するように旋回させるステップを含みうる。該方法は、ガラス管102と係合及び脱係合するようにスイベルバーナ330を旋回させるタイミングを変化させ、それによって曝露指数を修正することにより、スイベルバーナ330と係合するガラス管102のアクティブ時間を修正するステップを含みうる。実施形態では、加熱ステーション202は、バーナ302を旋回させる代わりにガラス管102と係合及び脱係合するようにバーナ302を直線的に移動させることができる移動システム又はバーナアクチュエータを含みうる。
【0121】
次に
図9A及び9Bを参照すると、本明細書に開示される方法のいずれかの実施形態において、処理ステーション106の1つは、1つ以上のツールアクチュエータ326に動作可能に連結した一又は複数の成形ツール324を含む成形ステーション204とすることができ、該方法は、成形ツール324を作動させて、成形ステーション204内のガラス管102と係合/接触させたり、係合/接触を解除したりするステップを含みうる。該方法は、ガラス管102と係合及び脱係合するように成形ツール324を作動させるタイミングを変化させ、それによって曝露指数を修正することにより、成形ツール324と係合又は接触するガラス管102のアクティブ時間を修正するステップを含みうる。
【0122】
本明細書に開示される方法のいずれかにおいて、変換装置100の複数の処理ステーション106の各々は固定位置にあってよく、該方法は、処理ステーション106の各々を通してガラス管102を順次連続して割り出しするステップを含みうる。あるいは、実施形態では、本明細書に開示される方法のいずれかにおいて、変換装置100は連続変換装置とすることができ、該方法は、ガラス管を複数の処理ステーションに連続的に通過させるステップを含んでよく、ここで、複数の処理ステーションの各々は、アクティブ時間中のガラス管102の移動と協調して移動することができる。
【0123】
図1及び2を再び参照すると、ガラス管102から複数のガラス物品を製造するための方法は、変換装置100のホルダ130の1つにガラス管102を固定するステップを含んでよく、ここで、変換装置100は複数の処理ステーション106を含む。処理ステーション106は、少なくとも1つの加熱ステーション202、少なくとも1つの成形ステーション204、及び分離ステーション206を含みうる。該方法は、ガラス管102の中心軸Dを中心としてガラス管102を回転させるステップ、及び複数の処理ステーション106の各々にガラス管102を通過させてガラス管102の作業端に1つ以上の特徴を形成するステップを含みうる。複数の処理ステーション106のうちのいずれか1つ以上では、処理ステーション106のアクティブ時間は、ガラス管102が処理ステーション106内にある間に加熱素子301又は成形ツール324との係合を維持する時間量とすることができ、アクティブ時間あたりの回転数の比率は、複数の処理ステーション106の各々でのアクティブ時間中のガラス管102の回転数の比率として定義される。アクティブ時間あたりの回転数の比率と最も近い整数との差の絶対値は、0.30以下、0.25以下、0.20以下、又は0.10以下でありうる。本明細書に開示される方法のいずれも、ガラス管ホルダ130の中心軸Dを中心としたガラス管102の回転の回転速度(時間あたりの回転数を単位とする)とアクティブ時間とを乗算することによって、アクティブ時間あたりの回転数の比率を決定するステップをさらに含みうる。
【0124】
本明細書に開示される方法のいずれも、ガラス管102の周囲のガラス管102の温度又は寸法の不均一性を特定するステップ、1つ以上の処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間あたりの回転数の比率を決定するステップ、アクティブ時間あたりの回転数の比率を最も近い整数と比較するステップ、及びガラス管102の回転速度、アクティブ時間、又はその両方を調整して、アクティブ時間あたりの回転数の比率と最も近い整数との差の絶対値を0.30以下、0.25以下、0.20以下、又は0.10以下に維持するステップを含みうる。いずれの方法も、アクティブ時間あたりの回転数の比率を最も近い整数の±0.30以内、最も近い整数の±0.25以内、最も近い整数の±0.20以内、最も近い整数の±0.15以内、又は最も近い整数の±0.10以内に維持するステップを含んでよく、曝露指数を最も近い整数の±0.30、±0.25、±0.20、±0.15、又は±0.10以内に維持することにより、ガラス管102の回転の不安定性及びガラス管102の周囲の温度及び/又は寸法の変動を低減することができる。実施形態では、該方法は、アクティブ時間あたりの回転数の比率を整数に等しく維持するステップを含みうる。
【0125】
本明細書に開示される方法のいずれも、複数の処理ステーション106の各々における複数のガラス管102の各々のアクティブ時間を一定に維持するステップを含みうる。実施形態では、処理ステーション106の各々のアクティブ時間は、滞留時間を一定に維持することによって一定に維持することができる。本明細書の方法のいずれも、複数のガラス管102の各々の回転速度を調整して、複数の処理ステーション106の各々における複数のガラス管102の各々について、アクティブ時間あたりの回転数の比率と最も近い整数との差の絶対値を0.30以下、0.25以下、0.20以下、さらには0.10以下、又はさらには0.05以下に維持して、ガラス管102の周囲のガラス管102の温度及び寸法の不均一性を低減するステップを含みうる。実施形態では、該方法は、ガラス管102の回転速度を一定に維持するステップ、及び処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間を増減してアクティブ時間あたりの回転数の比率を修正するステップを含みうる。処理ステーション106におけるガラス管102のアクティブ時間は、ガラス管102が処理ステーション106内にある時間量を変化させる(例えば、滞留時間を変化させる)ことによって、又は処理ステーション106内にある間にガラス管102と係合及び脱係合するように加熱素子301及び/又は成形ツール324を作動又は移動させるタイミングを変化させることによって、増減させることができる。
【0126】
実施形態では、変換装置100は複数のホルダ130を含んでよく、該方法は、複数のガラス管102を複数のホルダ130内に固定するステップ、及び複数のホルダ130及び複数のガラス管102の各々を複数の処理ステーション106に通すステップを含みうる。実施形態では、複数の処理ステーション106の各々は固定位置にあってもよく、変換装置100は、複数の処理ステーション106の各々に対してガラス管102を順次割り出しすることができる。実施形態では、変換装置100は、処理ステーション106を通してガラス管102を連続的に横断する連続変換装置とすることができ、複数の処理ステーション106の各々は、アクティブ時間中にガラス管102とともに移動することができる。
【0127】
変換装置100の処理ステーション106における曝露指数を最も近い整数の0.30、0.25、0.20、0.15、0.10、又は0.05以内など、最も近い整数の近くに維持することにより、変換プロセス中にガラス管102の周囲の揺動を低減し、温度及び/又は寸法の不均一性を低減することができる。このガラス管の周囲の温度及び/又は寸法の不均一性の低減により、ガラス管から製造されるガラス物品の寸法上又は外見上の欠陥を低減又は防止することができる。したがって、変換プロセスからの歩留まりは、他の特徴部の中でもとりわけ、歩留まりの損失を低減し、生産速度を向上させることによって、増加させることができる。本明細書に開示されるシステム及び方法のさまざまな態様が薬学的バイアルを製造するための変換プロセスに関連して説明されるものと理解されたい;しかしながら、該システム及び方法は、カートリッジ、注射器、アンプルなどであるがこれらに限定されない他の物品を製造するための変換プロセスに適用できるものと理解されたい。
【0128】
本開示の実施形態は、ハードウェア及び/又はソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)において具現化することができる。変換装置のシステムコントローラ400及び/又は変換装置100上の他のコントローラは、本明細書で上述したように、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ可読記憶媒体(すなわち、メモリモジュール)とを含みうる。システムコントローラ400は、有線又は無線通信経路を介して1つ以上のシステム構成要素(例えば、変換装置100、スイベルバーナアクチュエータ332、成形ツールアクチュエータ326、移動システム、測定システムなど)に通信可能に連結されうる。コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶媒体又はメモリモジュールは、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを含む、記憶する、通信する、伝播する、又は転送することができる、任意の媒体でありうる。
【0129】
コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶媒体又はメモリモジュールは、例えば、限定はしないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体のシステム、装置、デバイス、又は伝播媒体でありうる。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(網羅的ではないリスト)には、次のものが含まれよう:1つ以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、及びポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)。プログラムは、例えば、紙又は他の媒体の光学スキャンを介して電子的にキャプチャされ、必要に応じて適切な方法でコンパイル、解釈、又は他の方法で処理され、コンピュータメモリに保存することができるので、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読記憶媒体は、プログラムが印刷された紙又は別の適切な媒体であってもよいことに留意されたい。
【0130】
コンピュータ可読記憶媒体は、本開示の動作を実行するための機械可読かつ実行可能な命令を含みうる。機械可読かつ実行可能な命令は、開発の便宜のために、C又はC++などの高級プログラミング言語で記述することができるコンピュータプログラムコードを含みうる。加えて、本開示の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードはまた、解釈言語などであるがこれに限定されない他のプログラミング言語で記述されていてもよい。一部のモジュール又はルーチンは、パフォーマンス及び/又はメモリ使用量を向上させるために、アセンブリ言語又はマイクロコードで記述されていてもよい。しかしながら、本開示のソフトウェア実施形態は、特定のプログラミング言語による実装形態に依存しない。さらには、プログラムモジュールのいずれか又はすべての機能は、個別のハードウェアコンポーネント、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、又はプログラムされたデジタル信号プロセッサ又はマイクロコントローラを使用して実装することもできるものと認識されたい。
【実施例】
【0131】
次の実施例は、変換装置内のガラス管から複数のガラス物品を製造するための開示されたシステム及び方法の動作を示している。次の実施例は、本開示の範囲を限定することは意図していない。
【0132】
次の実施例は、ガラス管の周囲の温度及び寸法の不均一性を低減することによって、ガラス管から製造される物品の寸法及び外見上の変動を低減するための開示されたシステム及び方法の使用を示している。これらの実施例におけるガラス管は、Corning Incorporated社によって製造・販売されるVALOR(登録商標)ガラスなどのアルミノケイ酸塩ガラス管であった。アルミノケイ酸塩ガラス管は、変換後にガラス管をアニーリング及び/又はイオン交換することによってさらに処理することができる。実施例ではアルミノケイ酸塩ガラスが用いられているが、本明細書に開示されるシステム及び方法の効果は、ガラスの種類又は組成に依存しない。
【0133】
実施例1 - RP18の寸法均一性に対する曝露指数の影響
実施例1では、ガラス管の周囲の寸法の不均一性に対する曝露指数の影響を実証するために、ガラスバイアルを製造するための変換装置で実験を行った。実施例1では、変換装置を使用してガラス管をガラスバイアルへと変換した。使用した変換装置は、主回路に18の処理ステーションが含まれている、AMBEG Dr.J.Dichter GmbH社製造の自動チューブフィーダを備えたバイアル成形機モデルRP18であった。実施例1に使用した変換装置の主回路の処理ステーションの説明が以下の表1に提供されている。表1に従って割り当てられた、18の処理ステーションを有する主タレット108が、
図12にグラフで示されている。
【0134】
【0135】
実施例1では、曝露指数は、2つの独立したパラメータである、ホルダ内のガラス管の回転速度とパートレート(滞留時間に関連する)によって調整した。曝露指数がガラス管の回転速度又はパートレートによって変更されたかどうかにかかわらず、管の周りの形状均一性と曝露指数との間の一貫した関連性が見出された。実施例1では、バーナは、曝露時間を計算するためのアクティブ時間が変換装置の滞留時間と等しくなるように固定した。加熱ステーションA7~A9の各々は、単一の火炎バーナを含んでいた。したがって、実施例1の曝露指数は、中心軸を中心としたガラス管の回転速度に滞留時間を掛けた積として計算した。表2のガラス管の回転速度は、1分あたりの回転数(rpm)及び1秒あたりの回転数(rps)で提供されている。次の表2には、各実行条件での変換装置のパートレートも提供されている。インデックス時間は固定されている。したがって、パートレートの変化は滞留時間の変化を反映している。表2の曝露指数の計算に用いられる滞留時間は、表2に列挙されているパートレートに対応する滞留時間である。
【0136】
【0137】
実行条件の各セットについて、ガラス管の長さ寸法は、複数のガラス管のための処理ステーションA9及びA10の滞留時間の終わりに、ガラス管の周囲の点について±Z方向で測定した。ガラス管の周囲に対する長さ寸法の変動性は、最大寸法と最小寸法の差を取ることによって決定した。実施例1の結果が
図10にグラフで示されている。
図10では、参照番号1002(黒丸)は、ガラス管の回転速度を修正し、パートレートを一定に維持した実行番号1-1から1-5のデータを表しており、参照番号1004(プラス記号)は、パートレートを変動させ、回転速度を一定に維持した、実行番号1-6から1-10のデータを表している。
図10に示されるように、パートレート又は回転速度のいずれを変化させても、長さ寸法の変動性に対する曝露指数の効果に違いはなかった。
【0138】
ガラス管の垂直な長さ寸法の変動性の増加は、揺動の兆候を示し、完成したガラス物品に寸法上及び外見上の不均一性をもたらす。
図10に示されるように、垂直方向の長さ寸法の変動性、したがってガラス管の揺動は、A9及びA10の処理ステーションの両方の滞留時間の最後に測定した場合、6.0及び7.0の曝露指数と比較して、6.5の曝露指数でより顕著である。これらの観察結果は、曝露指数と最も近い整数との差が約0.30又は約0.25より大きい場合、円周方向の熱勾配が大きくなり、これにより、回転するガラスプリフォームを不安定にし、加熱及び成形中のガラス管の温度及び寸法の不均一性をもたらすことを示している。曝露指数の関数としてのガラス管102の寸法(A9又はA10のいずれかの滞留終了時)の変動性の一般的な傾向(6.0又は7.0よりも6.5回転時の不安定性が大きい)は、パートレートの変化又はチャック速度(すなわち、ホルダ130内のガラス管102の回転速度)の変化によって曝露指数が変化するかどうかに関係なく観察される。この結果は、2つの異なるプロセス変数を変化させることによって揺動が存在することが示されていることから、処理ステーションでのアクティブ時間中のガラス管の平均回転数が不安定性の原因であることが強く示唆される。
【0139】
実施例2 - RP18の寸法均一性に対する曝露指数の影響
実施例2では、ガラス管の周囲の寸法の不均一性に対する曝露指数の影響を実証するために、ガラスバイアルを製造するための変換装置で実験を行った。実施例2では、変換装置を使用してガラス管をガラスバイアルへと変換した。使用した変換装置は、主回路に16の処理ステーションが含まれている、AMBEG Dr.J.Dichter GmbH社製造の自動チューブフィーダを備えたバイアル成形機モデルRP16であった。実施例2に使用した変換装置の主回路の処理ステーションの説明が以下の表3に提供されている。
【0140】
【0141】
実施例2では、曝露指数は、2つの独立したパラメータである、ホルダ内のガラス管の回転速度とパートレート(滞留時間に関連する)によって調整した。曝露指数がガラス管の回転速度又はパートレートによって変更されたかどうかにかかわらず、管の周りの形状均一性と曝露指数との間の一貫した関連性が見出された。実施例1では、曝露時間を計算するためのアクティブ時間は変換装置の滞留時間と等しかった。加熱ステーションA7~A9、A11、及びA13の各々は、単一の火炎バーナを含んでいた。したがって、実施例2の曝露指数は、中心軸を中心としたガラス管の回転速度に滞留時間を掛けた積として計算した。表4のガラス管の回転速度は、1分あたりの回転数(rpm)及び1秒あたりの回転数(rps)で提供されている。次の表4には、各実行条件での変換装置のパートレートも提供されている。インデックス時間は固定されている。したがって、パートレートの変化は滞留時間の変化を反映している。表4の曝露指数の計算に用いられる滞留時間は、表4に列挙されているパートレートに対応する滞留時間である。
【0142】
【0143】
実施例2の実行条件の各セットについて、バイアルのフランジの厚さを、複数のガラス管について処理ステーションA10の滞留時間の終了時にガラス管の周囲の点について測定した。ガラス管の周囲に対するフランジ厚さの変動性は、最大厚さと最小厚さとの差を取ることによって決定した。実施例2の結果が
図11にグラフで示されている。
図11では、参照番号1102(黒丸)は、ガラス管の回転速度を修正し、パートレートを一定に維持した、実行番号2-1から2-5のデータを表しており、参照番号1104(プラス記号)は、パートレートを変動させ、回転速度を一定に維持した、実行番号2-6から2-10のデータを表している。
図11に示されるように、パートレート又は回転速度のいずれを変化させても、長さ寸法の変動性に対する曝露指数の効果に違いはなかった。
【0144】
ここでも、RP16変換装置を用いて、処理ステーションにおけるガラス管の曝露指数がガラス管の周囲の寸法均一性に強い影響を与えることが観察された。特に、実施例2では、曝露指数を変化させると、フランジ厚さの変動は、曝露指数が整数値に近い場合(実施例2では8又は9)には、減少し、曝露指数が最も近い整数から0.25又は0.3より大きい場合は(例えば、実施2-3及び2-8の約8.5に等しい曝露指数)、大幅に大きくなることが示された。
【0145】
図11に示されるように、フランジ厚さの変動性は、A9の処理ステーションの滞留時間の最後に測定した場合、8.0から8.3及び8.7から9.0の範囲の曝露指数(両方とも整数の0.3以内の範囲)と比較して、8.5の曝露指数でより顕著である。これらの観察結果は、曝露指数と最も近い整数との差が約0.30又は約0.25より大きい場合、円周方向の熱勾配が大きくなり、これにより、回転するガラスプリフォームを不安定にし、加熱及び成形中のガラス管の温度及び寸法の不均一性をもたらすことを示している。したがって、ガラス管から製造されたガラス物品の特徴部の寸法の不均一性は、ガラス管の曝露指数が最も近い整数の0.30以内、又は0.25以内になるように、動作パラメータを調整することによって低減することができる。ガラス管102のフランジ厚さの変動性における一般的な傾向は、パートレートの変化又はチャック速度(すなわち、ホルダ130におけるガラス管102の回転速度)の変化によって曝露指数が変化するかどうかに関係なく観察された。
【0146】
ガラス管102から複数の物品を製造するための変換装置100及びシステム及び方法のさまざまな実施形態について本明細書で説明してきたが、これらの実施形態及び技法の各々は、別個に、又は1つ以上の実施形態及び技法と組み合わせて使用することができることが意図されているものと理解されたい。
【0147】
特許請求の範囲に記載の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態にさまざまな修正及び変更を加えることができることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、本明細書は、このような修正及び変更が添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に入る限り、本明細書に記載されるさまざまな実施形態の修正及び変更に及ぶことが意図されている。
【0148】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0149】
実施形態1
ガラス管から複数のガラス物品を製造する方法において、該方法が、
複数の処理ステーションを含む変換装置のホルダにガラス管を固定するステップであって、前記処理ステーションが少なくとも1つの加熱ステーションと少なくとも1つの成形ステーションとを含む、ステップ;
前記ホルダ内の前記ガラス管の中心軸を中心に前記ガラス管を回転させるステップ;及び
前記ガラス管を前記複数の処理ステーションの各々に通して前記ガラス管の作業端に1つ以上の特徴を形成するステップであって、前記複数の処理ステーションのいずれかについて、
前記処理ステーションのアクティブ時間は、前記ガラス管が前記処理ステーション内にある間に少なくとも1つの加熱素子又は少なくとも1つの成形ツールとの係合を維持する時間量であり;
前記処理ステーションの曝露指数は、前記ホルダ内の前記ガラス管の回転速度に、前記処理ステーション内の加熱素子の数又は成形ツールの数を掛け、かつ前記処理ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を掛けた積に等しく;かつ
前記曝露指数と最も近い整数との差の絶対値が0.30以下である、
ステップ、
を含む、方法。
【0150】
実施形態2
前記ガラス管の周囲の前記ガラス管の温度又は寸法の不均一性を特定するステップ;
前記複数の処理ステーションの1つ以上における前記ガラス管の前記曝露指数を決定するステップ;
前記曝露指数を前記最も近い整数と比較するステップ;及び
前記ガラス管の回転速度、前記アクティブ時間、又はその両方を調整して、前記曝露指数と前記最も近い整数との差の絶対値を0.30以下に維持するステップ
を含む、実施形態1に記載の方法。
【0151】
実施形態3
前記曝露指数を前記最も近い整数の±0.30以内に維持するステップを含み、前記曝露指数を前記最も近い整数の±0.30以内に維持することにより、前記ガラス管の回転の不安定性及び前記ガラス管の周囲の温度の変動が減少する、実施形態1に記載の方法。
【0152】
実施形態4
前記複数の処理ステーションの各々における前記複数のガラス管の各々についての前記アクティブ時間定数を維持するステップ、及び前記複数のガラス管の各々の回転速度を調整して、前記複数の処理ステーションの各々における前記複数のガラス管の各々についての前記曝露指数と前記最も近い整数との差の絶対値を0.30以下に維持し、前記ガラス管の周囲の前記ガラス管の温度及び寸法の不均一性を低減するステップを含む、実施形態1に記載の方法。
【0153】
実施形態5
前記複数の処理ステーションの1つ以上における前記複数のガラス管の各々のアクティブ時間を変化させて、前記複数の処理ステーションの各々における前記複数のガラス管の各々についての前記曝露指数と前記最も近い整数との差の絶対値を0.30以下に維持し、前記ガラス管の周囲の前記ガラス管の温度及び寸法の不均一性を低減するステップを含む、実施形態1に記載の方法。
【0154】
実施形態6
ガラス管から複数のガラス物品を製造するためのシステムであって、該システムが、
少なくとも1つの加熱ステーション、少なくとも1つの成形ステーション、及び分離ステーションを含む複数の処理ステーションを有する変換装置;及び
複数のホルダであって、各々がガラス管を固定し、該ガラス管の中心軸を中心に該ガラス管を回転させるように動作可能な複数のホルダ;
を含み、
前記変換装置は、前記複数のホルダ及びガラス管が前記複数の処理ステーションを通って移動するように動作可能であり;
前記複数の処理ステーションの各々は、前記ホルダ内の前記ガラス管の回転速度(時間あたりの回転数を単位とする)に、前記処理ステーション内の前記ガラス管の外面に接触する加熱素子の数又は成形ツールの数を掛け、かつ前記処理ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を掛けた積として定義される曝露指数を有し;かつ
前記曝露指数と最も近い整数との差の絶対値が、前記複数の処理ステーションの各々について0.30以下である、
システム。
【0155】
実施形態7
前記変換装置の前記少なくとも1つの加熱ステーションが、前記少なくとも1つの加熱ステーション内の前記ガラス管と係合及び脱係合するようにスイベルバーナを旋回させて、前記少なくとも1つの加熱ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を変化させるように動作可能なスイベルバーナアクチュエータに動作可能に連結した少なくとも1つのスイベルバーナを含む、実施形態6に記載のシステム。
【0156】
実施形態8
前記変換装置の前記少なくとも1つの加熱ステーションが、前記ガラス管と水平又は垂直に係合及び脱係合するように少なくとも1つのバーナを移動させて、前記少なくとも1つの加熱ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を変化させるように動作可能なバーナ移動システムを含む、実施形態6に記載のシステム。
【0157】
実施形態9
前記変換装置の前記少なくとも1つの成形ステーションが、前記ガラス管と係合及び脱係合するように成形ツールを移動させて、前記少なくとも1つの成形ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を変化させるように動作可能な成形ツールアクチュエータに動作可能に連結した少なくとも1つの成形ツールを含む、実施形態6に記載のシステム。
【0158】
実施形態10
前記変換装置が、前記ガラス管の周囲の少なくとも前記ガラス管の温度、少なくとも前記ガラス管の寸法、又はこれらの組合せを決定するように動作可能な測定システムを含む、実施形態6に記載のシステム。
【0159】
実施形態11
前記変換装置に通信可能に連結されたシステムコントローラをさらに含み、前記システムコントローラが、少なくとも1つのプロセッサと、前記プロセッサによって実行されると前記システムコントローラに自動的に、
前記ガラス管の周囲の前記ガラス管の1つ以上の温度又は寸法の不均一性を特定させ;
前記複数の処理ステーションの1つ以上についての前記ガラス管の曝露指数を決定させ;
前記1つ以上の処理ステーションの各々の前記曝露指数を最も近い整数と比較させ;かつ
前記ガラス管の回転速度、前記処理ステーションにおける前記ガラス管のアクティブ時間、又はその両方を調整させて、前記曝露指数と前記最も近い整数との差の絶対値を0.30以下に維持させる、
コンピュータ可読かつ実行可能な命令を含む少なくとも1つの記憶媒体と
を含む、実施形態6に記載のシステム。
【0160】
実施形態12
前記コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、前記ガラス管の前記回転速度を調整させて、一又は複数の前記処理ステーションの前記曝露指数を調整する、実施形態11に記載のシステム。
【0161】
実施形態13
前記コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、1つ以上の処理ステーションにおける前記アクティブ時間を調整させて、前記曝露指数を調整する、実施形態11に記載のシステム。
【0162】
実施形態14
前記コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、前記ガラス管と係合及び脱係合するように前記加熱素子を移動させるタイミングを変更することにより前記少なくとも1つの加熱ステーションの前記アクティブ時間を自動的に調整させる、実施形態11に記載のシステム。
【0163】
実施形態15
前記少なくとも1つの加熱ステーションが、スイベルバーナアクチュエータに動作可能に連結したスイベルバーナを含み、前記スイベルバーナアクチュエータが、前記システムコントローラに通信可能に連結され、かつ前記システムコントローラから制御信号を受信し、前記ガラス管と係合及び脱係合するように前記スイベルバーナを旋回させるように動作可能であり、前記コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに前記ガラス管と係合及び脱係合するように前記スイベルバーナを旋回させるタイミングを自動的に変化させて、前記加熱ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を変化させる、実施形態11に記載のシステム。
【0164】
実施形態16
前記少なくとも1つの成形ステーションが成形ツールアクチュエータに動作可能に連結した少なくとも1つの成形ツールを含み、前記成形ツールアクチュエータが、前記システムコントローラに通信可能に連結され、かつ前記システムコントローラから1つ以上の制御信号を受信し、前記ガラス管と係合及び脱係合するように前記成形ツールを移動させるように動作可能である、実施形態11に記載のシステム。
【0165】
実施形態17
前記コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに前記ガラス管と係合及び脱係合するように前記成形ツールを移動させるタイミングを自動的に変化させて、前記成形ステーションにおける前記ガラス管の前記アクティブ時間を変化させる、実施形態16に記載のシステム。
【0166】
実施形態18
前記変換装置が、前記少なくとも1つの加熱ステーション、前記少なくとも1つの成形ステーション、又はその両方に近接して配置された測定システムを含み、前記測定システムが、前記システムコントローラに通信可能に連結され、かつ前記ガラス管の周囲の前記ガラス管の少なくとも1つの特性を測定し、かつ前記特性を示す前記システムコントローラへの信号を前記システムコントローラに送信するように動作可能である、実施形態11に記載のシステム。
【0167】
実施形態19
前記ガラス管の前記少なくとも1つの特性が、前記ガラス管の前記周囲の少なくとも1つの温度、少なくとも1つの寸法、又はその両方を含む、実施形態18に記載のシステム。
【0168】
実施形態20
前記コンピュータ可読かつ実行可能な命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、前記ガラス管の前記1つ以上の特性を示す前記測定システムからの信号を自動的に受信させ、前記ガラス管の周囲の前記ガラス管の前記特性の変動性を決定させ、かつ前記処理ステーションにおける前記アクティブ時間、前記中心軸を中心とした前記ガラス管の前記回転速度、又はその両方を調整させて、前記ガラス管の前記特性の前記変動性に応じて前記曝露指数を変更する、実施形態18に記載のシステム。
【符号の説明】
【0169】
100 変換装置
102 ガラス管
103 ガラス物品
104 ベース
106 処理ステーショ
108 主タレット
110 ガラス管装填タレット
112 二次処理ステーション
114 二次タレット
116 主回路
118 二次回路
130 ホルダ
132 装填チャネル
142 ショルダ
202 加熱ステーション
204,204’ 成形ステーション
206 分離ステーション
208 研磨ステーション
210 冷却ステーション
212 穿孔ステーション
214 管装填ステーション
216 排出ステーション
218 測定ステーション
220 管長落下ステーション
301 加熱素子
302 バーナ
304 燃料供給
306 酸素供給
308 空気供給
310 燃料制御バルブ
312 酸素制御バルブ
314 空気制御バルブ
324 成形ツール
326 成形ツールアクチュエータ
330 スイベルバーナ
332 スイベルバーナアクチュエータ
400 システムコントローラ
402 プロセッサ
404 記憶媒体
406 コンピュータ可読かつ実行可能な命令
【国際調査報告】