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特表2023-537925流体からエネルギを抽出する改善された装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】流体からエネルギを抽出する改善された装置および方法
(51)【国際特許分類】
   F03B 13/14 20060101AFI20230830BHJP
【FI】
F03B13/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023508575
(86)(22)【出願日】2021-08-09
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 IB2021057346
(87)【国際公開番号】W WO2022029748
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】2020902794
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519140947
【氏名又は名称】ウェーブ・スウェル・エナジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100172041
【弁理士】
【氏名又は名称】小畑 統照
(72)【発明者】
【氏名】デニス,トーマス
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA03
3H074BB07
3H074BB11
3H074CC16
3H074CC32
(57)【要約】
振動する作動流体からエネルギを抽出する装置であって、振動する作動流体のための流路40と、エネルギ変換ユニット44と、流れ制御デバイス38とを備え、エネルギ変換ユニット44および流れ制御デバイス38の各々は、流路40と少なくとも一部で流体連通しており、使用時に、流れ制御デバイス38は、振動する作動流体の流れが流路を通過して出て行くことを可能にするように流れ制御デバイス38が開いている第1の構成と、振動する作動流体がエネルギ変換ユニット44を介して流路に入るように通過する作動流体の流れを制限するように流れ制御デバイス38が配置される第2の構成との間で選択的に動作可能である、装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動する作動流体からエネルギを抽出する装置であって、前記振動する作動流体のための流路と、エネルギ変換ユニットと、流れ制御デバイスとを備え、前記エネルギ変換ユニットおよび前記流れ制御デバイスの各々は、前記流路と少なくとも一部で流体連通しており、使用時に、前記流れ制御デバイスは、前記振動する作動流体の流れが前記流路を通過して出て行くことを可能にするように前記流れ制御デバイスが開いている第1の構成と、前記振動する作動流体が前記エネルギ変換ユニットを介して前記流路に入るように通過する前記作動流体の流れを制限するように前記流れ制御デバイスが配置される第2の構成との間で選択的に動作可能である、装置。
【請求項2】
前記流れ制御デバイスは、前記振動する作動流体の圧力および/または流れの方向の変化に応じて前記流路へのアクセスの構成を変える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流れ制御デバイスは、前記第2の構成における前記エネルギ変換ユニットだけによって前記作動流体の前記流れを助けるように完全に閉じることができる、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記振動する作動流体の前記流れは、前記第1の構成で前記エネルギ変換ユニットをバイパスする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
使用時に、前記流れ制御手段および前記エネルギ変換ユニットは、前記装置が前記第1の構成または第2の構成で動作しているかに応じて別々におよび順次動作するようにそれぞれ構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記流れ制御デバイスは、前記振動する作動流体の前記流れに応じて前記第1の構成と第2の構成との間のその移動で受動的に動作する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記流れ制御デバイスは、前記第1の構成で開くことになり、または前記第2の構成で閉じることになるように移動可能であるクロージャ要素を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記クロージャ要素が、前記流路の出口開口を覆う形状であり、この出口開口に対してヒンジ式に移動可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記クロージャ要素は、弾性変形可能なエラストマ材料を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記出口開口は、前記装置が前記第2の構成で動作しているときに前記流路の中への前記クロージャ要素の移動を制限することによって、前記クロージャ要素が閉じた位置にあるときに前記クロージャ要素を支持するように使用時に配置される前記出口開口にわたって延びる1つまたは複数の支持要素と配置される、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記エネルギ変換ユニットは、
- タービンハウジング内に配設されたガスタービンであって、前記タービンハウジングは、使用時に前記流路と流体連通しているように配置される、ガスタービンと、
- 前記ガスタービンに結合されたエネルギ発生装置と、を含み、
使用時に、前記第2の構成における前記振動する作動流体の圧力および/または流れの方向の変化に応じた前記ガスタービンの回転が、回転トルクを発生させ、回転トルクにより前記エネルギ発生装置の動作を作動させて電気エネルギを発生させる、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記エネルギ発生装置は、電気モータ、および出力インバータを備え、前記電気モータ、および前記出力インバータは、前記ガスタービンが前記出力インバータを介して前記電気モータに結合されるように配置され、使用時に、前記ガスタービンによって発生させられる前記回転トルクは、前記電気モータへ伝達され、前記電気モータを駆動するようにされる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
電気モータ回転速度は、前記ガスタービンの前記回転によって発生させられる前記回転トルクの全部がそれに伝達される場合に可能な前記速度よりも低い速度で前記電気モータを動作させるように使用時に配置されるアクティブフロントエンドドライブによって制御され、それによって前記アクティブフロントエンドドライブが回生制動状態を実現し、そうすることで、再充電可能なエネルギ貯蔵デバイスの充電のための電気エネルギ入力を発生させることになる、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記再充電可能なエネルギ貯蔵デバイスは、DCバス、バッテリ、およびスーパーキャパシタを含む群のうちの1つまたは複数である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記再充電可能なエネルギ貯蔵デバイスに貯蔵された前記電気エネルギは、前記ガスタービンが前記第1の構成で動作しているときに、前記装置の出力電力レベルを高めるために使用時に放出され、それにより、前記装置からの出力電力を所望の一定の値に維持するために、前記ガスタービンが前記第2の構成で動作しているときに、前記装置の出力電力レベルに匹敵するようになる、請求項13または14に記載の装置。
【請求項16】
前記ガスタービンは、中央ハブと、前記ハブの周囲に配置され、前記ハブの周囲から延びる複数のブレードと、を備えるロータを含み、前記ロータは、前記タービンハウジング内に配設されており、それによって、前記ブレードの形状および前記ハブに対してのその向きは、使用時に、前記タービンハウジングを通じた振動する作動流体の一方向軸流に応じて前記ガスタービンの前記ロータの一方向回転を助ける、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記振動する作動流体は空気であり、前記空気の流れは、使用時に前記流路と流体連通しており、ダクト内に位置する振動水柱の振動によって発生させられる、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
ダクトは、波の入出する流れによる前記ダクトの内外への水の繰り返される移動の結果として、振動水柱が前記ダクト内で確立されるように、前記波を有する水域内で少なくとも部分的に使用時に配置されるハウジング内で延びるように配置された内部チャネルを備え、前記ダクトの中に受け入れられる水の流れは、入射波からであり、前記ダクトからの前記水の流れは、前記入射波の方向とは反対の方向であり、前記流路の中と前記流路からの両方における前記空気の圧力および/または流れの方向の変化は、前記ダクト内の前記振動水柱の振動に応答し、前記ダクト内の前記振動水柱によって発生させられる、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ダクトは、
a.使用時に、第1の部分が位置する水域の平均表面レベル(MSL)よりも下に実質的に沈められるように配置される第1の部分であって、前記水域から入射波を受け入れるために配置された開口を有する第1の部分と、
b.前記第1の部分によって決まり、使用時に、前記MSLの上方で延びるように配置される第2の部分であって、前記入射波が前記第1の部分を通って流れた後に前記入射波から水を受け入れるための第2の部分と、を備え、
前記流路は、前記入射波から受け入れた水が前記第1の部分を通って流れた後に、前記入射波から受け入れた水の最大レベルの上方で延びる前記第2の部分の領域によって定められる、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記ダクトの前記第1の部分および第2の部分は、前記第1の部分と第2の部分との中間で流れ方向制御セグメントを介して連結され、前記流れ方向制御セグメントは、前記第1の部分および第2の部分の接合に配置され、前記第1の部分と第2の部分との間に延びる平面傾斜部によって定められる、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ダクトの前記第1の部分および第2の部分は、全体的に細長い導管であり、前記第1の部分は、前記第2の部分の断面積よりも大きい断面積を有する、請求項19または20に記載の装置。
【請求項22】
第1の部分の前記開口における断面積は、前記第1の部分の残りよりも大きい断面積であり、前記導管は、前記開口における外側入口開口部領域から前記第2の部分に向かう方向に移動するときに、前記水域から前記ダクトの中への入射波の流れを加速させるように断面積が先細る、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記第1の部分の前記外側入口開口部領域は、前記水域から前記ダクトの中への入射波のより大きい流れを取り込むように、使用時に、前記第1の部分の前記外側入口開口部領域が位置する水域の前記MSLの上方で延びるように配置される、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記ハウジングの基部は、前記第1の導管12の開口部端(開放端)に向かう方向に移動するときに下向きに傾斜している外部を有するように配置され、使用時に、前記ハウジングが、前記ハウジングの前記基部が配設される前記水域内で基盤床に動作可能に静止するように配置される、請求項18から23のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概してエネルギ生成に関し、より詳細には、限定するものではないが、海洋波エネルギ抽出システムを使用したエネルギ生成に関する。本開示は、装置の設計およびそのような装置からのエネルギの取り込みを最適化する方法に関係している。
【背景技術】
【0002】
多数のタイプの波力発電システムが、当業界で提案されている。そのようなシステムは、波の運動を用いてタービンの回転運動を引き起こし、それによって発電機を駆動して電気を生産する原理に基づく。知られている波力発電システムは、タービンに接続された振動水柱(OWC)を収容する1つまたは複数の流体フローダクトを用いる。そのようなシステムでは、内向きおよび外向きの波の流れによって引き起こされるOWC内の波の振動運動の結果として、ダクト内の空気の移動によって引き起こされる空気の流れの状態が頻繁に逆転する。これらのタービンは、構成が複雑であり、製造費用が高く、長期間にわたる過酷な環境条件(塩水、大きいまたは予測できない力をもたらす高いまたは荒れる海)に耐えることができないという欠点をしばしば有する。これらの従前のシステムの多くは、双方向タービン中でOWCの運動を回転機械エネルギに変換するときの損失により低い効率で動作する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
効率的なやり方でOWCからエネルギを取り込むことができ、そのようなタスクを実行するコストを下げることができる改善されたシステム設計が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、振動する作動流体からエネルギを抽出する装置であって、作動流体のための流路と、タービンと、流れ制御デバイスとを備え、タービンおよび流れ制御デバイスの各々は、流路と直接流体連通しており、使用時に、流れ制御デバイスは、作動流体の流れが流路を通過して出て行くことを可能にするように流れ制御デバイスが開いている第1の構成と、作動流体がタービンを介して流路に入るように流れ制御デバイスが通過する作動流体の流れを制限する第2の構成との間で選択的に動作可能である、装置に関する実施形態が開示される。
【0005】
いくつかの実施形態では、流れ制御デバイスは、振動する作動流体の圧力および/または流れの方向の変化に応じて流路へのアクセスの構成を変える。
【0006】
いくつかの実施形態では、流れ制御デバイスは、第2の構成におけるタービンだけによって作動流体の流れを助けるように完全に閉じることができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、流れ制御デバイスは、第1の構成と第2の構成の間のその移動で受動的に動作する。この一形態では、流れ制御デバイスは、作動流体の流れに対する開閉になるように移動可能である要素を有する。この特定の形態では、要素は、ヒンジ式に移動可能であり、流れ制御デバイスの断面開口通路を覆う形状である。
【0008】
いくつかの実施形態では、流れ制御デバイスは、変形可能なエラストマ材料で作製される。
【0009】
いくつかの実施形態では、タービンは、中央ハブと、ハブの周囲に配置され、ハブの周囲から延びる複数のブレードと、を備えるロータを含み、ロータは、流路に接続されたハウジング内に配設されており、それによって、ブレードの形状およびハブに対してのその向きは、ハウジングを通じた作動流体の一方向軸流に応じてタービンロータの一方向回転を助ける。この一形態では、発電機は、電気エネルギを発生させるためにタービンによって回転するように構成される。特定の一実施形態では、駆動シャフトは、その近位端でハブに結合され、その遠位端で発電機に結合される。
【0010】
いくつかの実施形態では、作動流体は空気であり、空気の流れは、流路と流体連通しており、ダクト内に位置する振動水柱の振動によって発生させられる。
【0011】
いくつかの実施形態では、ダクトは、(a)使用時に、第1の部分が位置する水域の平均表面レベル(MSL)よりも下に実質的に沈められるように配置される第1の部分であって、水域から入射波を受け入れるために配置された開口を有する第1の部分と、(b)第1の部分によって決まり、使用時に、MSLの上方で延びるように配置される第2の部分であって、入射波が第1の部分を通って流れた後に入射波から水を受け入れるための第2の部分と、を備え、流路は、入射波から受け入れた水が第1の部分を通って流れた後に、入射波から受け入れた水の最大レベルの上方で延びる第2の部分の領域によって定められる。
【0012】
この一形態では、ダクトの第1の部分および第2の部分は、第1の部分と第2の部分との中間で流れ方向制御セグメントを介して連結され、流れ方向制御セグメントは、第1の部分および第2の部分の接合に配置され、第1の部分と第2の部分との間に延びる平面傾斜部によって定められる。
【0013】
特定の一実施形態では、ダクトの第1の部分および第2の部分は、全体的に細長い導管であり、第1の部分は、第2の部分の断面積よりも大きい断面積を有する。この一形態では、第1の部分の開口における断面積は、第1の部分の残りよりも大きい断面積であり、導管は、開口における外側入口開口部領域から第2の部分に向かう方向に移動するときに、水域からダクトの中への入射波の流れを加速させるように断面積が先細る。特定の一実施形態では、第1の部分の外側入口開口部領域は、水域からダクトの中への入射波のより大きい流れを取り込むように、使用時に、第1の部分の外側入口開口部領域が位置する水域のMSLの上方で延びるように配置される。
【0014】
いくつかの実施形態では、ダクトは、ダクトが配設される水域の床で静止するように動作可能である。
【0015】
第2の態様では、波エネルギ抽出システムの実施形態であって、
(a)振動水柱を受け入れる少なくとも1つのダクトであって、(i)使用時に第1の部分が位置する水域の平均表面レベル(MSL)よりも下に実質的に沈められるように配置される第1の部分であって、水域から入射波を受け入れるために配置された開口を有する第1の部分、および(ii)第1の部分によって決まり、使用時に、MSLの上方で延びるように配置される第2の部分であって、ダクトの内外への水の繰り返される移動の結果として、使用時に、振動水柱がダクト内に確立されるように、入射波が第1の部分を通って流れた後に入射波から水を受け入れる第2の部分と、を備え、ダクトからの水の流れはまた、開口を介しているが、入射波の方向とは反対の方向である、ダクトと、
(b)ダクトの第2の部分内に位置する流路と直接連通している回転可能な空気タービンと、
(c)上記流路とも直接連通している少なくとも1つの流れ制御デバイスであって、流れ制御デバイスは、使用時に、振動水柱がダクトの第2の部分の中に受け入れられるときに、追い出された空気の流れが流路から出ることを可能にする、デバイスが開いている第1の構成と、振動水柱がダクトから反対方向に流れ、空気の流れが回転可能な空気タービンを介して流路の中に引き戻されるときに、そこで、デバイスが第2の部分に流れ込む空気を制限する第2の構成との間で移動するように配置される、流れ制御デバイスと、
を含むシステムが開示される。
【0016】
いくつかの実施形態では、流れ制御デバイスは、振動する作動流体の圧力および/または流れの方向の変化に応じて第2の部分へのアクセスの構成を変化させる。
【0017】
いくつかの実施形態では、システムは、電気エネルギを発生させるためにタービンよって回転するように構成される発電機をさらに含む。この一形態では、タービンは、中央ハブと、ハブの周囲に配置され、ハブの周囲から延びる複数のブレードと、を備えるロータを含み、ロータは、第2の部分に接続された流路内に配設され、それにより、ブレードの形状およびハブに対してのその向きは、流路を通じて第2の部分に入る軸方向気流に応じてタービンロータの一方向回転を助ける。この特定の一形態では、駆動シャフトは、その近位端でハブに結合され、その遠位端で発電機に結合される。
【0018】
いくつかの実施形態では、使用時に、振動水柱の周波数は、第1の構成と第2の構成との間で流れ制御デバイスの1つまたは複数を選択的に移動することによって、MSLの上方で延びる第2の部分の表面積の比例として流れ制御デバイスの断面積を変化させることによって変えることができる。この一形態では、MSLの上方で延びる第2の部分の表面積の比例としての流れ制御デバイスの断面積は、15パーセント未満であるように配置される。この特定の形態では、上記比例は、10パーセント未満であるように配置される。
【0019】
いくつかの実施形態では、第2の態様のシステムは、第1の態様に定められるような装置を含む。
【0020】
第3の態様では、振動水柱を受け入れるためのダクトであって、(a)使用時に、第1の部分が位置する水域の平均表面レベル(MSL)よりも下に実質的に沈められるように配置される第1の部分であって、水域から入射波を受け入れるために配置された開口を有する導管を備えた第1の部分と、(b)第1の部分によって決まり、使用時に、MSLの上方で延びるように配置されるさらなる導管を備える第2の部分であって、入射波が第1の部分を通って流れた後に入射波から水を受け入れるための第2の部分と、を備え、第1の部分の開口における入口開口部は、水域からダクトの中への入射波のより大きい流れを取り込むように第2の部分が位置する水域のMSLの上方で部分的に延びるように使用時に配置される、ダクトの実施形態が開示される。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の部分は、第1の部分の残りよりも大きい開口における断面積を有し、導管は、開口における入口開口部から第2の部分に向かう方向に移動するときに、水域からダクトの中への入射波の流れを加速させるように断面積が先細りする。この一形態では、第1の部分の入口開口部の使用領域内の最上および最外は、使用時に、水域のMSLの上方で部分的に延びるように配置される。ある特定の形態では、第1の部分の最上面は、開口における入口開口部から第2の部分に向かう方向に移動するときに、下向きに傾斜する。
【0022】
いくつかの実施形態では、第4の態様のダクトは、さもなければ、第1の態様に定めたようである。
【0023】
第4の態様では、振動する作動流体からエネルギを抽出する装置であって、作動流体のための流路を定めるハウジングと、使用時に流路内の作動流体と流体連通するハウジングに配設されたエネルギ変換ユニットと、作動流体がエネルギ変換ユニットに作用するアクティブ構成と作動流体がエネルギ変換ユニットをバイパスするバイパス構成との間の流路の構成を使用時に選択的に変化させるための流路と流体連通する流れ制御手段と、を含む装置の実施形態が開示される。
【0024】
いくつかの実施形態では、使用時に、流れ制御手段およびエネルギ変換ユニットは、作動流体の流れが流れ制御手段を介して流路から出て、作動流体の流れがエネルギ変換[ME1]ユニットを介して流路に入るように順次動作するように構成されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、海に隣接して位置する振動水柱を収容するように配置され、エネルギ変換ユニットに作用する作動流体の方向は、通る波の落下に関連している。
いくつかの実施形態では、エネルギ変換ユニットは、タービンロータを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、第5の態様の装置は、さもなければ、第1の態様に定めたとおりである。
【0027】
第5の態様では、振動する作動流体からエネルギを抽出する方法であって、
(i) 振動する作動流体を受け入れるための流路を定めるハウジングを、波を有する水域内に少なくとも一部にハウジングを配置するステップと、
(ii) 振動する作動流体と流体連通しているようにエネルギ変換ユニットを配置するステップと、
(iii) 作動流体が第1の所定の方向に流れるときにエネルギ変換ユニットに作用するようなアクティブ構成と作動流体が第2の方向に流れるときにエネルギ変換ユニットをバイパスするバイパス構成との間で流路の構成を選択的に変化させるための流れ制御手段を用意するステップと、を含む方法の実施形態が開示される。
【0028】
第6の態様では、水域内の沖合の位置に振動波柱エネルギ取り込みデバイスを設ける方法であって、
(i) 使用時にデバイスの内部チャンバの中への水の進入を防ぐクロージャを配置し、デバイス自体に少なくとも1つの浮力タンクを浮遊補助として備え付けるステップと、
(ii) デバイスを水域で浮かせるステップと、
(iii) 上記デバイスを水域内の所定の位置へ移動させるステップと、
(iv) クロージャを除去し、そのようにしてクロージャをデバイスから分離させるステップと、
(v) デバイスが一部沈めされ、その意図した動作使用のために所定の位置に水域の床で静止することができるように上記または各浮力タンクの浸水を引き起こすステップと、を含む方法の実施形態が開示される。
【0029】
いくつかの実施形態では、エネルギ取り込みデバイスは、さもなければ、第1の態様または第4の態様に定めたとおりである。
【0030】
この要約において、および明細書全体を通して、MSLという省略形は、「平均表面レベル」または「平均海面」について使用され、特定の位置における水域内の平均干潮と平均満潮の間の中点として定義される。したがって、MSLは、特定の水域の表面の平均レベルを意味し、したがって、垂直深さのデータ点も表し、そこから波の山または谷の変化を測定することができる。
【0031】
本開示の態様、特徴、および利点は、添付図面と併せて見るときに、本開示の一部であるとともに開示された任意の発明の原理を例によって示す以下の詳細な説明から明らかになる。
添付図面は、説明される様々な実施形態の理解を助ける。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本開示の第1の実施形態による、水域からの波などの振動する流体からエネルギを抽出する装置の側方断面図である。
図2図2は、本開示の第1の実施形態による、水域からの波などの振動する流体からエネルギを抽出する装置の側方断面図である。
図3図3は、
図4図4は、
図5-1】図5は、
図5-2】図5は、
図6図6は、
図7図7は、
図8図8は、
図9図9は、
図10図10は、
図11図11は、
図12図12は、
図13図13は、
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、使用時に装置に繰り返して出入りする振動する作動流体、例えば、海洋波からエネルギを抽出する装置の特徴に関する。本開示は、入射波の取り込みを最大にする装置の特徴にも関する。本開示は、発生するエネルギの量を最大にする装置を動作させ、制御する方法にも関する。装置は、本分野における知られている技法よりも流体の単位流量当たり大きいエネルギ発生を可能にする設計を有する。
【0034】
図面を参照すると、図1および図2に示された装置は、2つのアーム部12、14を備える内部導管またはダクト10を定めるハウジング15を備え、各アーム部は、断面がほぼ長方形である細長い導管を備え、互いに直交して配置され、ダクト10が側面から見られるときにほぼL形構成で接続される。(さらなる実施形態では、同じ部分は、この説明の参照を簡単にするために同じ符号で与えられる)。
【0035】
ダクト10の第1の導管12は、使用時に、第1の導管12が、例えば、海洋の海岸線における砂および岩の基盤上に静止しているように位置する水域16の平均表面レベル(MSL)よりも下に実質的に沈められるように配置され、その細長い軸が海岸線にほぼ直交して向けられ、一部の実施形態では、海底の砂および岩の基盤とほぼ水平に合わされる。使用時、ダクト10は、それが沈められる水域16内の繰り返される移動に応じて発生する振動水柱(OWC:Oscillating Water Column)を格納する構造を形成する。
【0036】
第1の導管12は、長方形形状の開いている開口部20を有し、開いている開口部20は、水域16から流れ込む入射波を受け取るために配置され、開口部20は、波源である水域、例えば、海洋、海、または湖の中に外向きに向けられる。点状のアウトラインの断面で図3に示されるように、および例えば、図4にも示されるように、開口部開口20からダクト10の第1の導管12の内部におよび第2の導管14の方へ内向きの方向に移動するときに第1の導管12は断面積が細くなるので、開口部20の断面積は、第1の導管12の残りの任意の点におけるよりも面積が大きい。この堅い壁の第1の導管12の全体的な先細りの効果は、使用時に振動する流れが作り出されるときに明らかになる理由から、水域16からダクト10の中への入射波の流れを加速させることである。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1の導管12の上壁22は、部分的に下向きに傾斜してもよく、使用時に砂および岩の基盤上に静止している平らなベースフロア24の方へ角度付けられている。垂直な側壁26は、第1の導管の平らなベースフロア24と上壁22との間に延び、その結果として、第1の導管12の先細り領域になる。またさらなる実施形態では、第1の導管は、平らなベースフロア24とともに全長にわたって傾斜した上壁を備えることができ、垂直な側壁26が、それらの間に延びる。別の実施形態では、第1の導管は、開いている開口部20からダクト10の中へ内向きの方向に移動するときに、導管12の長さの一部にわたって互いの方へともに内向きに傾斜している上壁およびベースフロアの両方を有することができる。また別の実施形態では、第1の導管の側壁は、それが開いている開口部20からダクトの中へ内向きの方向に移動するときに減少する断面積を有するように狭くなっている幅を有する導管を形成するために、内向きに先細りするように角度付けられることも可能である。
【0038】
図3に示された実施形態では、第1の導管12の開口部20の最外および最上領域28は、使用時に、開口部20の波を突き刺す唇部30を形成するためにそれが位置する水域16のMSLの上方で延びるように配置される。この特徴は、特に水域の動きが荒れているまたは波立っている場合に、水域16からダクト10の中への入射波のより大きい流れを取り込み、チャネルに流すのを助けることができる。
【0039】
ダクト10の第2の導管14は、使用時に、それが位置する水域16のMSLの上方で実質的に延びるように配置され、その細長い軸が第1の導管12の細長い軸にほぼ直角にある状態で向けられる。第2の導管14は、細長く、第1の導管12から延び、入射波からの水が第1の導管12を通じて流された後に入射波からの水を受け入れるために配置される。入射波が、ダクト10の第1の導管12を通じて第2の導管14の中に流れた後、第1の導管12を介して第2の導管14から逆流し、水域16へ戻ることがなく、それによって水域16の海岸線における波の入出する流れに適合するように配置できるダクト10内に振動する水流(または振動水柱(OWC))をセットアップする。第2の導管14は、入射波から受け入れた水が第1の導管12を通って流れた後に、入射波から受け入れた水の最大レベルの上方の高さへ延びる。その水の最大レベルの上方に位置する気体(典型的には空気)の体積は、短く説明されるように、第2の導管14の最上領域から追い出され、次いで第2の導管14の最上領域の中に引き戻される『作動流体』になる。
【0040】
振動する水流を支援するために、導管12、14がつなげられる移行表面におけるダクト10の内部の寸法は、同じである。第1の導管12および第2の導管14は、2つの導管12、14の接合に配置された平面傾斜部34の形態の流れ方向制御セグメントも有し、これによりダクト10内で水平軸流から垂直軸流の向きへ、続いて水が逆方向に振動し、ダクト10から外向きに流れ、水域16の方へ戻るときに、垂直軸流から水平軸流の向きへ向きを変えることができるように、入来する水の流れを助ける。流体がダクト10の中に進むときに第1の導管12の断面積がより狭くなる場合、流体速度は増加し、これは、より迅速に振動するようにダクト10内に形成された流体柱を駆動することができる。
【0041】
入射波から水が受け入れられるときの水の最大レベルの上方にある第2の導管14の内側の最上領域36は、追い出し可能な空気の体積を含む流路40を定める。使用時、この空気の体積は、側壁開口41へ備え付けられたいくつかの流れ制御デバイスを介して最上領域36から出ることができ、このデバイスは、開閉できるフラップ38の形態の一方向弁として有効に動作し、上記フラップは、空気がそれらを通過し、流路40から出ることができるように開いた構成に移動させられるように配置される。流路40は、第2の導管14の最上面に配置される中空台形ロータハウジング54の中に回転可能に装着される一方向タービン44とも流体連通している。本明細書中に示された実施形態では、開閉できるフラップ38およびタービン44は、流路40と直接連通しており、大気から流路40の中へのおよび流路40からの空気の移動は、空気がタービン44、または開閉できるフラップ38に到達する前に弁または他の流れ制限器を通過せず、その逆も然りであることを意味する。言い換えれば、開閉できるフラップ38およびタービン44は、互いに対して直列に配置されず、むしろ互いに対して並列の動作構成で配置され、第2の導管14の壁内の離散的に間隔のあいたアクセス開口41に配置され、これにより第2の導管14の内側の流路チャンバ40に直接アクセスする。流路40のそのような構成は、(空気などの)作動流体がタービンに対して一方向に作用し得る、または代替として、バイパス構成で動作する(すなわち、タービンをバイパスする)ときに、作動流体は、一方向に流れ、開口41および開閉できるフラップ38を介して出て行くまたは放出することができることを意味する。流路40の最上端で、これらの変形可能なフラップ38およびタービン44は、説明されるように、第2の導管14に上方に押し込まれるときに海、湖、または他の水域の通常動作水位の上方に位置する。
【0042】
使用時、波がダクト10の方へ移動したとき、第1の導管12の狭くなっている断面積は、入射波をダクト10の中に案内するように働く。波は、矢印42の方向にダクト10を通って移動し、最上領域36内の流路40中のいくらかの空気量は、ダクト10内の垂直に立ち上る水によって追い出され、アップストローク間隔(すなわち、波がダクト10の中を通る期間)中に追い出される空気が大気へ放出されるように開閉できるフラップ38の形態で存在する一方向弁から流れ出る。開閉できるフラップ38の狙いは、流路40内のアップストローク間隔中に増大する正圧を最小にすることである。
【0043】
変形可能なフラップ38は、空気の移動に応じて受動的に移動するように適切な重量および弾力性であるように配置され、それによって、任意のかなりの量の空気が一方向タービン44が位置するロータハウジング54であるそこに接続される他の流体流開口だけを介して流路40から去ることができるという潜在的な代替ではなく、流路40からの正圧下の空気の流れは、フラップ38を開き、全体的にOWCのダクト10から最小抵抗の経路をもたらすのに十分である。
【0044】
一方向フラップ38は、一方向フラップ38が流路40内の圧力増加に応じて受動的なやり方で繰り返して十分容易に開閉できることを可能にする建設の材料を有するとともに、海水環境中でとても低いメンテナンスアイテムである。一形態では、フラップ38は、折り曲がりまたは反りを防ぐように平面形状の補強を行うために、および引き裂きまたは突き刺しに対しての強度抵抗を与えるために、互いに対して隣接して向かい合わせに並べられるように配置され、2枚の並べられたエラストマシートの中間に位置する薄い金属メッシュの層を有する一対のゴムシートまたはエラストマシートを備える。ゴムシートおよびメッシュの組立体は、変形可能なフラップ38を一緒に作り出し、フラップが第2の導管14の外壁上へ使用側縁部におけるその最上部に沿って固定される使用時に、上記フラップは、第2の導管14の外側壁の最上領域内に位置する離散的に間隔のあいたアクセス開口41の1つを遮るのに十分なサイズであるように配置され、そしてこれにより内側に位置する流路チャンバ40に直接アクセスする。
【0045】
各変形可能なフラップ38は、腐食環境で生き残るためにステンレス鋼のナットおよびボルト39、またはねじ等を使用することによって第2の導管14の外壁に固定することができる。さらに、それぞれのフラップ38が覆うようにそれぞれ配置される各アクセス開口41において、開口41の高さまたは幅にわたって延びるように配置され、使用時に第2の導管14の外壁面47と面一に設置されるようにも配置される金属またはセラミック等で作製されたグリル、メッシュ、または一連のバーの形態で備え付けられたフラップ支持体も存在する。例えば、図11A図11B、および図12Bに示された垂直金属板45は、開口41の水平幅にわたって互いから横方向に間隔をあけて、このようにして、硬質の支持構造を与えるグリルを形成し、それら両方は、変形可能なフラップ38が開いた構成に移動させられるときに自由に空気の通過を可能にし、閉じた構成(図12Aに示されるような『静止』位置)にあるときに変形可能なフラップ38が近くでそれに対面する関係に位置し、その結果、大気中の空気は、開口41を通過し、流路40の中に入ることができない。
【0046】
波が流路40の内部に移動するとき(波の「アップストローク」の期間)、内部の作動流体(典型的には、空気)は、作動流体が流路40から側壁開口41を介しておよび一方向変形可能なフラップ38を通り越して外側の大気の中に排出され、作動流体がダクト40の外壁から外に追い出され、大気へ至るまで、圧縮され、その圧力が増加する。空気追放のこの経路は、流路40からの気体のための他の潜在的な出口ルートをバイパスし、壁開口を介してタービン44が回転可能に装着されるロータハウジング54の中へ入る。
【0047】
次いで、波が、開口部20を介してダクト10から外へ、および矢印46の方向に水域16の方へ戻るように移動するとき(波の「ダウンストローク」の期間)、それは、入射波の方向42とは反対の方向である。外向き方向46の流れの結果として、大気中の空気は、出発する水により作り出される吸込み圧力によって最上領域36内の流路40に引き込まれる。変形可能なフラップ38としての一方向弁が、次に、フラップがグリル、メッシュ、またはバーの方へ引き込まれてグリル、メッシュ、またはバーに対してぴったりし、そのため大気中の空気がそれらを通過できない完全に閉じた構成になるので、吸込み圧力に応じて流路40に引き込まれる空気の流れは、一方向タービン44を通って単に引き込まれることができ、したがって、この空気の流れにより、電気エネルギを発せさせるようにタービン44が回転可能に回る。
【0048】
動作時、タービン44は、連続した一方向の回転のために低摩擦または摩擦のない軸受けに配置される。ダクト10の内部流路40から外へ(すなわち、アップストロークとは反対の方向に)波が移動するように、低い圧力(または一部真空)の領域が流路40内に作り出されるときに、タービン44は、波のダウンストロークに対して加速回転期間を経験する。この低い圧力は、そこに引き込まれる作動流体(空気)の流れを引き起こし、それによって圧力平衡を実現する。この空気の流れは、タービン44が回転可能に装着されるタービンハウジング54だけを介して流路40に入る。変形可能なフラップ38を介して流路40に内向きに入る可能性がある流れの経路は存在せず、フラップ38は、単に外向きに変位または変形することができる。流路内の圧力を下げることによって吸込み下におかれるとき、それらのフラップ38は、フラップ38が覆う開口において支持用金属バーまたはグリルに対して引き込まれるが、その(正方形または長方形の)平面形状の剛性のため、変形可能なフラップ38の本体は、流路40の中に引っ込められず、同時に大気中の空気が流路40に入ることも可能にしない。図11Aおよび図12Aに詳細に示されるように、金属バーまたはグリルを支持する長方形の金属フレームが、第2の導管14の外壁内の相補的なサイズの長方形の開口41に挿入される。フレームは、フレームの各側面周囲に延びるとともに横方向に依存する前フランジを有し、その結果、所定の位置で、前フランジは、長方形の開口の周囲を取り囲む外壁面に平行に位置決めされ、それに横付けに延び、それと面一である。フランジは、前フランジ内と第2の導管14の外壁内の両方に配置される位置合わせされた貫通穴内に設けられる一連のねじによってその外壁面に装着される。
【0049】
圧力が中央チャンバ内で等しくされたときに、そこに引き込まれる空気の運動速度は、停止へ落ち、このことは、一方向タービン44の回転速度も、一方向タービン44が低摩擦または摩擦のない軸受けに装着されるときに実現されるその慣性回転速度に一方向タービン44が到達するまで減速し、その速度で回転し続けることを意味する。次いで、次のアップストロークで、さらなる波がダクト10の中に移動するとき、そこで同じサイクルが繰り返す。
【0050】
タービン44の一方向回転は、より高い回転速度で移動し、タービン44を通って引き込まれる空気が流路40内の低い圧力領域に流れ込むか、その慣性回転速度で単に移動するかは、最終的に、ダウンストロークの終わりに空気のわずかな正の流速(および圧力)を流路に作り出す。次のアップストロークで、さらなる波がダクト10の内部に移動し、その中の作動流体(空気)が圧縮し始めるとき、一定回転するタービン44の動作による流路40の中を通る空気の正味の流速は、向流を実行して、流路40からタービン44またはタービンハウジング54を介して大気へ任意の圧縮空気の可能な追放をすることも意味する。したがって、流路40からの圧縮空気は、タービン導管を介さずに、変形可能なフラップ38を介してダクト10の外側の大気へ単に排出される。
【0051】
本発明者の研究は、波がダクト10の中に移動するときに、流路40内の空気が一方向タービン44から流れ出るように追い出され、大気へ放出されるようになっており、波がダクト10から開口部20を介して水域16の方へ移動する戻りサイクルにおいて、次いで、大気中の空気が、流路40の中に戻るある種の壁開口を介して流路40の中に引き戻される構成において、電気を発生させるために振動水柱を動作させることは、かなりエネルギ効率がよくないことを明らかにした。本発明者の広範囲にわたる研究に基づいて、本発明者は、最大発電機能を与えるのは、(振動水チャンバから波を下げるまたは引き出すものである)流路40への空気吸込みのダウンストローク中であり、この構成におけるタービン44の回転によって生成されるエネルギは、(i)双方向タービンを使用して、または(ii)ダクトの中へのおよび入射海洋波などからタービンを通って上向きの空気圧のアップストロークの圧力を使用して(後者は、エネルギの観点で最も弱い)実現できるものよりもかなり大きいことを示した。
【0052】
ダクト10の第1の導管12は、使用時に、水域の平均表面レベル(MSL)よりも下に実質的に沈められるように配置され、その細長い軸が砂および岩の基盤に合わされるようにほぼ水平に向けられる状態で向けられる。第2の導管14の最上領域36には、一方向の変形可能なフラップ38の形態のいくつかの流れ制御デバイスがあり、いくつかの流れ制御デバイスは、フラップ38が静止時に閉じた位置にあるように受動的に動作し、流体の流れによって開いた位置に移動することができる。第2の導管14の内側の(および水の最大レベル32の上方の)最上領域36は、流路40を定め、流路40はまた、一方向タービン44と流通連通している。
【0053】
本発明者によって採用された幾何学的設計特徴は、OWCの基部18の傾斜している外面の使用の導入を含む。基部18は、第1の導管12の開口部端(開放端)20の方へ移動するときに下向きの方向に傾斜する(図3および図10参照)。OWCダクト10は、その基部18が、海底の傾斜に、例えば、海岸線から離れるように移動するにつれて下向きに傾斜する海底に適合する場合、その好ましい位置により容易におよび安定して設置される。この特徴の狙いは、ダクト10を配置するのに必要な海底用意の量を最小にし、入射波へ外を向くようにダクトの軸合わせを最適化することである。
【0054】
重要なことに、第2の導管14の最上領域36内の流路40中の追い出し可能な気体にアクセスすることは、1つまたは複数の弁38(また流れ制御デバイスの他の形態)を介して、および一方向タービン44を介してであり得るので、流れチャンバへ別々に、また順次他のものへアクセスする各形態を動作させるようにシステムが構成されることが可能である。そうすることによって、これは、タービン44の設計が発電のための従来技術の振動水柱における構成よりもかなり単純にすることができることを意味し、その多くは、シャフトで一方向に回転するタービンを使用して双方向気流に対処することができる新しいタービン設計の開発に目を向けている。そのような従来技術の設備では、第2の導管の最上領域内の流路中の気体は、ダクト内の垂直に立ち上る水によって追い出され、一方向タービンから外へ流れ、大気へ放出されるが、気体が吸込みによって流路の中に引き戻されるとき、気体は、同じ一方向タービンを介して、しかし反対方向に流れる必要があるが、これは、かなり複雑な調整可能なフロータービンの設計を必要とする。
【0055】
本システムでは、タービン44は、知られている基本的な設計であり、回転可能なシャフトの一端に位置する中央ハブ50と、ハブ50の周囲に配置され、ハブ50の周囲から延びる複数のブレード52と、を備えるタービンロータ48を含み、ロータ48は、流路40と流体接続でタービンハウジング54内に配設される。タービンブレード52の形状およびハブ50に対してのその向きは、タービンハウジング54を通じた気体の一方向軸流に応じてタービンロータ48の一方向回転を助ける。
【0056】
またさらなる実施形態では、タービンブレード52の形状およびタービンハウジング54の内部は、ブレード表面上の気流速度の影響を最大にするようにタービンブレードの先端における乱流またはドラッグ力を最小にすることによって、効率を改善し、タービンブレードのエネルギ変換を最大にするように配置される異なる構成であってもよい。
【0057】
このタイプのタービンに典型的であるように、発電機は、電気エネルギを発生させるためにタービンによって回転するように構成され、インバータを介してタービン44の駆動シャフトに接続されており、これは、本明細書中において後で詳細に説明される。
【0058】
それに加えて、ガイドベーンが、タービンハウジング54と流路40との間に位置する通路の内部中央へ導入されている。2つのガイドベーン60は、流路40の上端に隣接しているタービンハウジング54の湾曲した端部領域66の内部側壁62、64を跨ぐ湾曲した平面フィンの形態で示される。ガイドベーン60は、作動流体(空気)の流れの軸方向に流れの中ほどに位置するように配置される。
【0059】
これらのガイドベーン60は、ダウンストローク間隔中に(波がOWCダクトから外へ移動するときに)流路40に流れ込む空気の外乱を減少させるように機能する。ダウンストローク間隔中、吸込み圧力下でタービン44を介して流路40に引き込まれる空気の流速の急速な増加がある。ガイドベーン60の狙いは、空気の流れが角度90度の方向変化によって曲がって流れるときに空気の流れを流線形にすることであり、結果として、空気がそれを通り越して引き込まれるときにタービン44へ伝達される推力エネルギを最大にし、ならびに外乱から生じる摩擦損失を減少させる。
【0060】
図4Cおよび図10に示されるように、ダクトの第2の導管14の最上領域36は、グリッド状に配置された15個の長方形の開口41を有し、そのそれぞれの上へ変形可能なフラップ38が備え付けられ、変形可能なフラップ38は、使用時にクロージャとして備え付けられる。他の実施形態では、位置および出くわすことになる予期される海洋波の激しさに応じて、この個数よりも多いまたは少ない個数の変形可能なフラップ38が、ダクト10の最初の建造時に設置されてもよく、特定のダクトの可能な最大換気率を変更することができる設計特徴である。他の実施形態では、一方向弁、クロージャ、またはフラップのタイプは、変更されることも可能であり、各開口に備え付けられる一方向弁、クロージャ、またはフラップの異なるタイプの組合せも可能である。
【0061】
波がダクト10に入るときに変形可能なフラップ38を開き、それに続いて、波がダクト10を去るときにフラップ38が閉じ、空気がタービン44を介して第2の導管14に引き込まれる繰り返されるステップが、安定したパターンに到達すると、タービン44および発電機は、電気エネルギを発生させ、電気エネルギは、絶縁された高電圧銅ケーブルによって(沖合に位置する場合)ダクト10から(海岸の)陸地へ運ばれ得る。
【0062】
一般的で非限定のサイズ表示として、図に示された設計の典型的なハウジング15は、約8~10メートルの長さの第1の導管と、それが位置する水域または海洋の海岸線のベース面の上方で15~18メートル延びる第2の導管とを有する。一例では、ダクトの構造は、典型的には、塩を含んだ腐食性の環境中の海洋の波によって繰り返し打ち付けられる圧力に耐えることができる重量および強度を有するように強化コンクリートで作製される。
【0063】
本発明者は、新しいエネルギ抽出装置を使用して、実験結果から、双方向の空気の流れで動作するように構成されている一方向タービンではなく、一方向の空気の流れで動作するように構成されている一方向タービン44からのエネルギ取り込みにかなりの増加があることを発見した。同等の動作期間にわたって、波がダクト10から水域16の方へ移動するときに空気がタービン44を通じて流路40の中に引き込まれるとき、発生するエネルギは、その同じ方向に動作する流れを用いて知られている双方向タービン設計を使用して実現できるものよりも16%良い。この改善された結果は、それがダクト10から水を引き出すときに、水域16の吸引引きに加えて第2の導管14内に位置する振動水柱の下向きの静水圧ヘッドとの組合せによって引き起こされると考えられる。したがって、本システムは、異なるデバイスを使用して流路40に関して空気の追放と吸引の両方のステップを切り離すように構成され得るので、最も高いポテンシャルエネルギを有する流れでもあるダクトからの波の流出に応じて動作する気体の流れから単独でエネルギを取り込むことが可能である。
【0064】
本発明者は、第1の導管12の開口部開口20の近くまたは周りに様々な特徴が加えられるときに、新しいエネルギ抽出装置を用いた実験結果からエネルギ取り込みにかなりの増加があることも発見した。入射波のダクト10の中への流れの加速した送り届けにより、そのような特徴なしで知られている振動ダクト装置と比較されるときに発生できるエネルギがさらに改善されることになる。アップストロークでより多くの流体がダクト10の中へ向けることによって、それに続いて、ダウンストロークで波がOWCダクト10を去るときに、より多くの空気がガスタービン44を介して第2の導管14内の流路40へと下に引き込まれる結果になると考えられる。
【0065】
振動する流体を収容する示されたハウジング15などの重くて堅固な装置を安全に配置するために、移動水域の縁における一部水中のダクト10は、困難に満ちている。したがって、本発明者は、再利用可能な潜水機浮力タンクを使用して装置を配置するやり方を工夫した。図5Aから図5Gを参照されたい。
【0066】
沈められていない状態において、ハウジング15は、それが水中に位置する間に運搬船の背後で牽引することによって移動させることができる。ハウジング15は、組み立てられた装置をその最終的な位置へ輸送するのに十分な浮力を与えるために、空気で満たされ封止されるツインの細長いタンク70の形態で浮揚補助がそれ自体備え付けられる。説明されるように、ならびに浮力を与えるために浮遊補助として働くように、細長いタンク70は、最終的な位置でハウジング15の制御された水没(または一部水没)を行うように使用することもできる。
【0067】
タンク70は、継ぎ手によってハウジング15の対向した細長い外部側壁26の両方に固定され、これは、必要に応じて、再利用にためにタンク70が除去されることを可能にするために恒久的または解除可能になされ得る。内部ダクト10を収容するハウジング15にタービンハウジング54内に配置されたタービン44が備え付けられると、装置は、海底に敷設される準備が整う。次いで、2つの空の細長いタンク70が、ハウジング15のどちらかの細長い側面に沿って所定の位置に取り付けられる。これらのステップは、潜水機ドック(または建設段階中の水に隣接した均等なドライプラットフォーム)で最もよく行われ、次いで最終的な位置へ牽引するために水中に下げられる。
【0068】
2つの空のタンク70は、封止されたままであり、空気のみを収容し、そのため、2つの空のタンク70は、水上で浮くことによってハウジング15の移動のために浮力を与える。2つの浮力のあるタンク70およびハウジング15の組立体は、海岸線の近くの海底などの水域内の装置の所定の最終的な目的地の方へ移動させられるために、運搬船、例えば、タグボートの背後で長いケーブルを使用して牽引され得る。
【0069】
ハウジング15の内部に配置されるダクト10は、水域から流れ込む入射波を受け入れるために使用時に配置される長方形の端部開口または開口部20を有し、そこでは、使用時に開口部20が波源である水域に面するように外向きに向けられる。図5Fに示されるように、開口部20は、水を渡って輸送ステップ中に配置されるとともに、その最終的な静止位置へのOWCハウジング15の牽引中にハウジング15の内部ダクト10に海水または湖水が進入するのを阻止するように配置される取り外し可能な端部ドア65も備え付けられる。この端部ドア65は、輸送ステップが作成することで装置の移動も支援する最中にハウジング15それ自体を浮力のあるものにさせるようにダクト10の内部に存在する空気をトラップする。
【0070】
組み立てられた構成では、開口部20の垂直側面に隣接して位置する両タンク70の端面72は、使用時に、一部沈められたハウジング15に隣接してタンクが一部沈められるときに、それらの端面が、ドア65が取り除かれると海からの入射波に面するようにそれが向けられるときにOWCチャンバの開放開口部になるものの両垂直側面に位置する海水入口ガイドベーンとして機能するように角度付けられる。(平面で見られるとき)入口開口部の中央の細長い軸に対して角度40~50度の間の静止の最適角度の使用が、ダクト10の内部における流路40に流され得る水の量を最大にするために実験的に示されている。通る波からOWCの内部チャンバの中に入る水の進入を最大にすることで、その中への水のより大きい圧縮変位、およびアップストロークサイクルで流路40からの空気のより大きい追放という結果になるはずである。本発明者は、この結果は、ダウンストロークサイクルでガスタービン44にわたる空気の負の(吸引)圧力を最大にするとともに、同様にそのガスタービン44を介して流路40に引き込まれる気流速度を最大にすることになることも示した。より大きい気流速度が、ガスタービン44からより多い回転エネルギを生産し、したがって、発生されるおよび取り込まれるエネルギの量を増加させる。
【0071】
最終的な位置にあるとき、ダクト10は、端部ドア65を取り除き、海水が流路40の内部に流れ込むことを可能にすることによって、ならびにそれらが各タンク内部内に位置する様々な固定導管76に接続されるとき、OWCハウジング15上に位置する様々な可撓性の導管74を介して水をポンプすることにより2つの側面タンク70を浸水させることによって一部沈められ得る。これらの空気で満たされたまたは浮いている構成要素が浸水させられてしまうと、ダクト10は、その最終的な所望の最終動作位置に設置される。浮揚タンクは、取り除かれ、再利用されてもよく、あるいは海水入口ベーンとして機能する端壁とともに所定の位置のままでもよく、タンク本体の残りは、波の衝撃、または海洋ごみなどからダクト10の保護をもたらす。重力によって、ダクト10が、海岸線の海底上でその位置に据えられ、水中のその最終的な位置に一部沈められたままであり、そこで、ダクト10は、波を取り込み、エネルギを発生させる。
【0072】
潜水機タンク70を使用することで、最終的な敷設のために遠方の海岸線に到達まで開放水面をわたって移動するときに、そのような相当の大きさの装置の取扱いの安定性などの大きな利点を与える。潜水機タンク70は、荒天におけるダクトおよびタービン装置の転覆または沈没のリスクを最小にする。
【0073】
装置の代替の構造的特徴
図面に示されたOWCは、一部沈められ、海底に設置されており、水面下の開口を通じて海洋へベントされる大きい中空のコンクリートチャンバである。チャンバは、そこにエアタービンが格納され、水線よりも上方で大気へ至る小さい開口も含む。
【0074】
波の山と谷が従来のOWCを通るとき、水は、その沈められた開口を通じてチャンバに出入りする。この水は、チャンバの内側で上昇および下降し、上方でトラップされた空気の圧力を正圧と負圧の間で振動させる。いくつかの過去の実施形態では、双方向タービンがそうするときに電気を安定して発生させるように試みる際に、これらの圧力変動により、空気を、チャンバの上部にある双方向タービンに通過させる。
【0075】
本開示のOWCと従来のOWCとの間の基本的な概念の差異は、タービンが一方向から気流に曝されるにすぎないことである。受動的な空気流れ弁は、空気がチャンバから逃げることを可能にするが、戻ることはできない。これにより、より単純なタービン設計制約という結果になり、これは、タービンが一方向の気流に最適化され得ることを意味する。また、タービンは、低い摩擦損失を示す。
【0076】
空気が波のサイクルの半分だけについてエアタービンを通じて向けられるにもかかわらず、(従来の乱流および摩擦損失を差し引いて)波のサイクル全体からのほとんど全てのエネルギが、抽出に利用可能である。
【0077】
さらなる実施形態では、本発明者は、装置の予期される耐用年数を増加させる、ならびに/または資本コストおよび運転コストの削減(例えば、進行中の維持費を減少させるやり方)を求めることを目指す設計変更をOWCに組み込んだ。
【0078】
例えば、図面中に示されるOWCのバージョンは、深さ(海底から測定される水深)が約5~10メートルの比較的浅い沿岸における海底に設置されるように設計されている。しかし、本発明者は、OWCが受ける力は砕波高の正方に比例するので、OWC構造に到達する最大波高の減少は、OWC構造に衝撃を与える移動する水の力のかなりの減少を意味することに気付いた。
【0079】
したがって、より浅い沿岸の運用に使用するための再設計されたOWCユニットは、(例えば、これは、深さ(海底から測定される水深)が約2~4メートル、典型的には3メートルの水中で動作し、水入口開口部の形状、およびOWCチャンバの内部の形状を最適化するために計算流体力学(CFD)モデリングの使用が必要とされ、動作の狙いは、アップストロークでダクトの中への入射波の流れの加速された送り届けを最大にし、これにより、続いてダウンストロークで波がダクトを去るときにより多くの空気がタービンを介して流路に引き込まれることになり、したがって、そのような少ない深さにおける波のエネルギの効率的な変換を最適化する。
【0080】
かなり減少した水の力が構造的なエンジニアリングの最適化を使用してOWC構造に影響を与える海環境は、そのような環境において必要とされるOWC構造の資本コストの減少が、以下のいずれかを使用することで実現され得ることを示した。
- 少ない(またはより薄い)建設の材料
- より軽い(またはより密度が低い)建設の材料
- より深水、より過酷に耐える用途にさもなければ必要とされる、構造補強の量またはタイプまたは構成の削減
- より深水中でより過酷に耐える用途で必要とされるユニットサイズと比較してユニットの全体サイズの減少
【0081】
OWCを使用したときに考慮するための位置ファクタ
浅い沿岸の海底からの深さ(例えば、2~4メートルなど)で動作するようにOWCを設計することにより、OWC構造が、かなり減少した水の力がそれに影響を与える海環境中に位置し、その構造の資本コストの減少をもたらすとともに、そのような低い水に見られる波のエネルギの効率的な変換を最適化することをもたらすことを意味する。
【0082】
したがって、OWC構造のよりコンパクトなバージョンの開発および使用は、装置が展開できる位置の範囲を増加させる。浅瀬OWCまたは比較的深水OWCのオプションを有することで、異なる物理的な位置におけるユーザに複数の場所特有の解決策を与える。例えば、
- いくつかの遠方の位置は、そのより小さいサイズおよび電力出力のために浅瀬OWCを単に必要とし得、より大きい過酷に耐える深水OWCの必要はない、または
- いくつかの位置では、海岸線から測定した水深の変化の割合により、浅瀬OWCの敷設が行われ得るか、または深水OWCだけが実現可能であるかを決定することができる、あるいは
- いくつかの位置では、浅瀬OWCおよび深水OWCの両方の組合せは、局所的な陸地および海底地理学、ならびに海岸線から測定した水深の変化の割合から生じる一般的な波のパターンに応じて役立ち得る。
【0083】
OWC装置を展開することができる位置の範囲を増大させるさらなるオプションは、OWC装置が浅瀬または比較的深水の動作を目指した設計およびタイプであるかに関わらず、フレキシブルに展開され、比較的浅い沿岸の深さ(海底から測定される水深)の範囲にわたって動作することができる装置を含む。
【0084】
本出願の図面に開示された実施形態は、OWCユニットをそれ自体の重量により海底に固定することを含み、材料コストと輸送コストの両方におけるかなり大きいコストを加えるとても重い構造設計を必要とする。それは、比較的平らな海底に関する位置の選択も必要とする。
【0085】
例えば、OWC構造は、例えば、高さ調整可能な支持脚を使用することによって海底に固定することができ、高さ調整可能な支持脚は、OWCの基部に装着することができ、高さ調整可能な支持脚は、海底の貫入によって固着することもできる。ユニットの必要な深さおよび傾斜を実現するために個々の脚の高さが調整可能である場合、これは、平らでない深さおよび様々な地球物理学的条件であり得る海底位置により簡単なやり方でユニットの敷設を可能にする。
【0086】
OWC構造を海底に固定する新しい技法の開発は、変化に富んだ海底プロファイルを有するエリア内でそうするために、より軽量のOWCユニットを展開する柔軟性もユーザに与え、それによって技術の地理的範囲を広げ、材料および輸送のコストを減少させる。
【0087】
OWC装置を展開することができる位置の範囲を増大させることを目指すよりさらなる改善では、本発明者は、海中または海底に位置し、OWCダクトに近接して配置される外部補助構造を開発し設けることによって、海中の波のうねりの自然な方向の移動をOWCダクトの方へおよびOWCダクトの中へ集めるやり方を工夫した。これらの構造の目的は、海洋の波からのエネルギをフォーカスし、屈折させ、および/または偏向により向きを変えること、およびそれによってこのエネルギをOWCダクトの開口部の方へおよびその中に集めることである。
【0088】
OWC自体への変化はないが、OWCユニットとともに働くことができる外部の構造的な形状の物体は、典型的には、それがその最終的な静止位置にそれ自体置かれると、OWCユニットに隣接した一定の位置に位置するように設計され、配置される外部の物体の設計は、それに向かう移動する波をフォーカスし、屈折させ、および/または偏向により向きを変えるものである。外部の物体は、周囲の海の水位の上方で見えるように設けられる必要はないが、例えば、そのすぐ近くの水の局所的な速度、およびその水流の方向を変えることを目指して海底マウントを備えることができる。
【0089】
予備調査は、資本コストの非常に適度な増加のために、OWCダクトにより取り込むのに利用可能なエネルギの増加が、約50%以上だけ増加され得ることを示唆する。
【0090】
OWCのためのエネルギ取り込みおよび貯蔵
回転ガスタービンの中に移動する作動流体のエネルギの変換の効率は、すでに言及したタービン設計、および様々な流れの効率パラメータに依存する。しかしながら、ガスタービンが回転している度に、いくらかの電力が発生可能である。
【0091】
本開示では、本発明者は、OWC発電所とともに電気エネルギ取り込みおよび貯蔵の効率を改善するやり方も工夫した。この場合には、OWCは、繰り返しサイクル、双方向の流れを使用して動作するが、発生する電力出力は、一方向タービンを使用することによるものであり、したがって、それは、同等の期間の中間にギャップを有する周期的な繰り返される正弦波バーストで送り届けられる。
【0092】
これは、主要な問題でないが、エネルギを大規模本土パワーグリッドに送り届けるときに、それは、そのような出力が安定した電力リソースでない島および発展途上国でのものなどの(通常、クリーンで再生可能なエネルギによって電力供給される)マイクログリッドについての、ならびに小規模および/またはリモートグリッドについての問題であり得る。電力品質の問題は、小規模、ローカル、または隔離されたパワーグリッドに繋がっているユーザにより大きい影響を与え、電力供給の変動は、設備の故障を引き起こし得る。敏感な産業負荷および重要な商業運転は、停電およびサービス中断に大いに悩まされる場合があり、公益企業と消費者の両方への金銭的な損失という結果になる。人口密度が高い国では、多数の人口を巻き込むイベント次第で、グリッド負荷需要の突然の変動がある場合があり、供給と需要の間のギャップにより、信頼性および電力品質が重要な問題になっている。現在、パワーグリッドが、いくつかの形態の代替エネルギ、およびより少ないベース負荷源により大きく依存する場合、グリッドは不安定にさえなり得る。
【0093】
エネルギ取り込みおよび変換システム(それを制御するハードウェアとソフトウェアの両方)は、OWCユニットから出力される電気エネルギを制御するために使用される。これは、制御システムを介してOWCが顧客のパワーグリッドと統合することにとって基本的である。典型的には、OWCタービンは、ドライブ、発電装置、および様々なタイプの変圧器に接続される。本開示のOWCでは、ガスタービンを通じて引き込むことができる作動流体(空気)の体積は、ガスタービンの回転速度を決定する。ガスタービンの電力出力は、その回転速度に関連している。(第2の構成において、波がOWCの内部から移動するときの)ダウンストローク間隔中の経時的なガスタービンの電力出力のグラフは、最初に正弦波状の形態を有し、タービンの回転速度の増加と、それに続くタービンの回転速度の減少を反映する。ガスタービンは、いわゆる動作(または「運転」)モードで回転している。続いて、(第1の構成において、波がOWCの内部に通るときの)連続したアップストローク間隔中の経時的なタービンの電力出力のグラフは、その形態が平らな線であり、タービンの一定の低い慣性回転速度を反映し、比較的低い発電率をもたらす。タービンは、いわゆる動作のスタンバイ(または「惰力」)モードで回転している。
【0094】
繰り返しサイクルでは、このタイプの発電は、「バーストモード」パワーデリバリとして知られている。電力は、エネルギの量が送り届けられる割合であり、一方向タービンによる波エネルギ取り込みの場合には、電力出力は、周期的な繰り返されるバーストになり。同様の期間の中間にギャップを有する。そのような電力出力の変動は、最も一般的な電気デバイス、照明等の動作に適しておらず、したがって、エネルギ貯蔵デバイスは、電力出力のバーストの間のギャップをバッファするように実施され得る。
【0095】
生産される電力の品質の改善は、スーパーキャパシタ、または他の無効電力注入システムなどのエネルギ貯蔵デバイスの助けを借りて行うことができる。スーパーキャパシタは、電力出力におけるそれらのギャップをバッファするために使用され得る。これらのデバイスは、空気がダウンストロークでそこを通じて引き込まれ、過剰電力が発生しているときに、タービンがより高い回転速度で動作しているときに、それらの間隔中に充電することができる、それにより、タービンがその慣性回転速度で単に動作し、少量の電力を発生しているときに、続くアップストローク間隔中に、次いで、これらのデバイスは、エネルギのバーストを送り届けるように放出することができて、それによってシステムの出力電力レベルを高め、したがって、連続した間隔(または第1の/第2の動作構成)にわたって出力電力レベルをより一貫させる。
【0096】
スーパーキャパシタは、大量のエネルギを貯蔵し、かなり急速に再充電される能力を有する。スーパーキャパシタは、数千回の充電および放電サイクルによって役立つ。グラフェン、およびコバルトマンガン酸化物などのエネルギの貯蔵を強化するために、異なる材料を用いて利用可能になる多くのタイプのスーパーキャパシタが存在し、バッテリの貯蔵容量とスーパーキャパシタの貯蔵容量を組み合わせる可能性も存在する。
【0097】
次に、ハウジング15内に位置するダクト10に出入りするOWC、および流路40に出入りする振動する作動流体の図1および図2に示された実施形態を参照すると、局所波のプロファイルが上昇するときに、OWCレベルは、ハウジング15のダクト10内で上昇して、OWCの上方に位置する流路40内に正の空気圧を作り出す。装置の第1の動作構成では、この圧力は、ハウジング15の上側後外壁に位置する一方向フラップ弁38を介して緩和される。流路40から正圧を排出するこのやり方は、それによりガスタービン44が一方向に動作し得る設計になることを可能にするという結果となる。第1の動作構成では、エアタービンは、スタンバイ(または「惰力」)モードで回転している。
【0098】
局所波の落下プロファイルが海岸を去るとき、それがハウジング15内のダクト10から外向きに振動水柱を引き、空気圧低下が、流路40内にもたらされる。圧力を大気圧と等しくするために、装置は、第2の構成で動作し、その最中、差圧が空気駆動式ガスタービン44にわたって存在する。ガスタービン44は、流路40に接続されたタービンハウジング54内に位置する。差圧により、ガスタービン44を通じて空気を引き込み、ガスタービン44が回転することになり、空気が流路40の中を通る。エアタービン44は、OWCがハウジング15内のダクト10から外側に引き出され、流路40から退く期間中に動作(または運転)モードにある。
【0099】
次に、装置の発電および電源オフ状態の詳細の一部を示す図13の参照がされる。ガスタービンに作用する空気圧から生じる空気圧動力が、エアタービントルクの形態で機械動力を作り出すことによって取り込まれる。空気駆動式タービンは、アクティブフロントエンド(AFE)ドライブによって制御される三相電気モータに直接結合される。エネルギ出力インバータは、回転タービン44に接続され、電気モータを適切な回転速度へ駆動する。1000rpmの典型的な動作速度が、この段階で発電期間を通じて設定される。
【0100】
AFEは、回生制動モードで動作する。モータドライブの速度設定値は、システムが第2の構成で動作しているときの気圧差に応じてそのようなエアタービンを駆動することから通常生じる値未満に設定される。このようにして、システムは、空気圧の変化から生じる空気圧動力からもたらされるエアタービントルクの形態の機械動力に能動的に対抗する。トルクに対する回生制動は、ガスタービン44の力学的エネルギを電気エネルギ(電力)に変換する。したがって、DCバスなどの再充電可能なエネルギ貯蔵デバイスは、第2の構成におけるタービンの回転中に充電される。パイロットプラントの一例における(海および発生の条件に基づく)最適な動作帯域に応じて、モータドライブは、5RPMから850RPMの間のタービン速度よりも低い速度設定値を有することができる。ドライブは、定められた設定で一定の制動力を供給し、この制動力は、DCバス電圧の上昇を引き起こす。
【0101】
いくつかの適切な再充電可能なエネルギ貯蔵デバイス(例えば、スーパーキャパシタ)は、タービンがより高い回転速度で動作している間隔中に充電することができ、次いで、第1の構成で動作するときにタービンがより低い回転速度で動作しているときにシステムの出力電力レベルを高めるために放電することができる。先に述べたように、スーパーキャパシタは、電力を急速に貯蔵および放出することができる取り囲まれたキャパシタユニットである。DC-DCコンバータは、DCバス電圧をスーパーキャパシタのための適切なDC電圧へ減少させるために使用される。このモジュールは、スーパーキャパシタが充電され、発生の準備ができていることを確実にする。
【0102】
スーパーキャパシタ充電/放電フロー設定値は、動作中に確立される。最小のスターティング充電が実現されなければならず、次いで、スーパーキャパシタは、DCバス上の上昇する電圧、およびスーパーキャパシタ寿命の短縮を防ぐために、その充電状態の20~80%の間で動作する。
【0103】
この充電可能なデバイスからの電気放出は、システムに入ってくる波のパワーの変動中にエクスポート電力を所望の一定の値に維持するために使用される。一例では、スーパーキャパシタの放出電力は、約0.76kWhであり、これは、90秒間に平均30kWでエクスポート電力を供給する。スーパーキャパシタなどの充電可能なデバイスを使用することで、さもなければ発電システムのバーストモードタイプに固有であるサージ発生を滑らかにする。
【0104】
アクティブフロントエンド(AFE)モジュールは、駆動モジュールのDCバスからローカルACパワーグリッドへ接続するように設計される。AFEの役割は、DCバスに接続された設備への電力供給を確実にし、その電力供給状態を維持し、DCバス電圧をローカルグリッドの中へのエクスポートに必要な所望の一定の電力値を有するAC電圧へ変換することである。AC電力は、伝送リンクを介してパワーグリッドへエクスポートされる。
【0105】
本発明者は、エネルギ取り込みシステムが部分的エネルギ貯蔵システムと組み合わせられるとき、これは、生産されている出力電力におけるピークおよび谷をなくすことによってOWCモジュールの動作を補完し、制御システムを介して電気グリッドに接続されたユーザへ発せられるより一定の出力電力を提供することができることを示した。
【0106】
さらなる実施形態では、スーパーキャパシタは、化学電池と共に使用されることも可能である。電圧がバッファされると、生産された電気がインバータへ通されて、交流電力をグリッドに供給することができる。
【0107】
本明細書に開示された装置は、従来の発電デバイス、および先のOWC技術に勝る多くの利点を有する。
- 予期される圧力/流れの特徴についてのタービンの性能/効率も、最適化され得る。
- デバイスは、弁を止めることによって損害を防ぐように嵐の条件において機械的に隔離され得る。デバイスは、その堅固な構造のため、嵐において損傷を受けない。
- 振動水柱(OWC)装置の実験性能は、幅広い範囲の波の周波数にわたってとても良好なエネルギハーベスティング能力を示し、先の双方向OWCと比較して出力が顕著な改善を与えた。
- 波のアクションの上方にうまく安全に位置することができ、極限状態を生き残るためにコンクリートケーソンによって要素から保護されるより単純でより効率的な一方向エアタービン。デバイスの一例は、20メートル×20メートルであり、高さが18メートルである。このうち、水線の上方に、たった8メートルが突き出る。概して、発生ユニットは、水深10メートルで海岸からいくらかの距離に位置する。
- 近海波エネルギ変換器のファーム(またはアレイ)が使用されてもよいことが予想される。これらのデバイスを海岸の防波堤(または防潮堤)として使用することによって、したがって、電力と保護された港の両方を地域のコミュニティおよび産業に与え、一方、かなり大きい費用分担および節約の可能性も実現する。
- 技術全体において唯一の可動部品は、タービンおよびいくつかの単純な既製の弁であり、それらの全ては、水線の十分上方にある。水中または水面下に可動部品はない。これは、メンテナンスが、海洋の十分に上方のアクセス容易な領域上でしか実行される必要がないことを意味する。多くの他の波エネルギデバイスの動作は、水面下で行われ、これにより多くの他の波エネルギデバイスは塩水の腐食および損傷の影響に曝されたままになり、それらを維持または修理するのを難しくさせる。タービンおよび発電機は、水線よりも上で維持され、メンテナンスが少なく、任意の点検がスキューバ装備を必要とすることなく実行され得ることを意味する。
- 水中に可動部品がないので、これは、海洋生物への損傷を除外する。油または汚染物質が放たれる可能性がない。
- 海洋波の信頼性および予測可能は、太陽光発電および風力発電に勝る非常に大きな利点である。例えば、多くの気象およびサーフィンのウェブサイトは、すでに、前もって1週間ほど波の状態を正確に予測しており、したがって、この再生可能資源は、補完的なベース負荷電力とみなされ得る。
【0108】
いくつかの実施形態の前述の説明では、特定の専門語が、明確にするために用いられてきた。しかしながら、本開示は、そのように選択された特定の用語に限定されることは意図されず、それぞれの特定の用語は、同様の技術的な目的を達成するために同様のやり方で動作する他の技術的な均等物を含むことを理解されたい。「上の」および「下の」、「上方の」および「下方の」などの用語は、基準点を与えるのに便利な語として用いられ、限定する語として解釈されるべきでない。
【0109】
本明細書では、「備える(comprising)」という語は、その「オープン」の意味で、すなわち「含む(including)」の意味で理解されるべきであり、したがって、その「クローズ」の意味で、すなわち「のみからなる(consisting only of)」の意味に限定されない。対応する意味は、それらが出現する対応する語「comprise」、「comprised」、および「comprises」に帰するものとする。
【0110】
前述の説明は、共通の特性および特徴を共有することができるいくつかの実施形態に関連して与えられた。任意の一実施形態の1つまたは複数の特徴は、他の実施形態の1つまたは複数の特徴と組み合わせることが可能であり得ることを理解されたい。加えて、実施形態のいずれかにおける任意の単一の特徴または特徴の組合せは、さらなる実施形態を構成することができる。
【0111】
加えて、前述のものは、本発明のいくつかの実施形態だけを説明し、改変、修正、追加、および/または変更が、開示された実施形態の範囲および趣旨から逸脱することなく、そこになされてもよく、実施形態は、例示的であり、限定しない。例えば、図面に示されたダクト10の特定のL形の形態は、異なってもよく、2つの導管12、14は、必ずしも互いに直交しない。一方向フラップ弁38は、サイズ、形状、およびその総数が異なっていてもよい。任意の特定のダクト10上に2つ以上のタービン44があってもよく、これらは、他の手段によって(例えば、パイプを介して)第2の導管14の最上領域36に格納され、接続され得る。ダクト10の建築材料は、典型的にはコンクリート製であるが、硬質プラスチック、またはカーボンファイバなどの他の材料とすることもでき、海辺に基部18を介して固着されることができる。海または海洋からの波の発生への言及がされてきたが、波の発生は、湖、川、および潮だまりから生じることもでき、それらの全てが、本方法および本装置を使用するのに適している。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動する作動流体からエネルギを抽出する装置であって、
前記振動する作動流体のための流路と、
前記流路と少なくとも一部で流体連通する流れ制御デバイスと、
エネルギ変換ユニットであって、少なくとも一部で前記流路と流体連通するガスタービンと、出力インバータを介して前記ガスタービンに結合されたエネルギ発生装置と、を備えるエネルギ変換ユニットと、
を備え、
使用時に、前記流れ制御デバイスは、
前記振動する作動流体の流れが前記流路を通過して出て行くことを可能にするように前記流れ制御デバイスが開いている第1の構成と、
前記振動する作動流体が前記エネルギ変換ユニットを介して前記流路に入るように通過する前記振動する作動流体の流れを制限するように前記流れ制御デバイスが配置され、それにより使用時に、前記振動する作動流体の流れに応じた前記ガスタービンの回転が、回転トルクを発生させ、回転トルクにより前記エネルギ発生装置の動作を作動させて電気エネルギを発生させる第2の構成との間で選択的に動作可能であり、
前記エネルギ発生装置の回転速度は、前記ガスタービンの前記回転によって発生させられる前記回転トルクの全部がそれに伝達される場合に可能な速度よりも低い速度で前記エネルギ発生装置を動作させるように使用時に配置されるアクティブフロントエンドドライブによって制御され、それによって前記アクティブフロントエンドドライブが回生制動状態を実現し、そうすることで、再充電可能なエネルギ貯蔵デバイスの充電のための電気エネルギ入力を発生させることになる、装置。
【請求項2】
前記流れ制御デバイスは、前記振動する作動流体の圧力および/または流れの方向の変化に応じて前記流路へのアクセスの構成を変える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流れ制御デバイスは、前記第2の構成における前記エネルギ変換ユニットだけによって前記作動流体の前記流れを助けるように完全に閉じることができる、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記振動する作動流体の前記流れは、前記第1の構成で前記エネルギ変換ユニットをバイパスする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
使用時に、前記流れ制御手段および前記エネルギ変換ユニットは、前記装置が前記第1の構成または第2の構成で動作しているかに応じて別々におよび順次動作するようにそれぞれ構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記流れ制御デバイスは、前記振動する作動流体の前記流れに応じて前記第1の構成と第2の構成との間のその移動で受動的に動作する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記流れ制御デバイスは、前記第1の構成で開くことになり、または前記第2の構成で閉じることになるように移動可能であるクロージャ要素を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記クロージャ要素が、前記流路の出口開口を覆う形状であり、この出口開口に対してヒンジ式に移動可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記クロージャ要素は、弾性変形可能なエラストマ材料を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記出口開口は、前記装置が前記第2の構成で動作しているときに前記流路の中への前記クロージャ要素の移動を制限することによって、前記クロージャ要素が閉じた位置にあるときに前記クロージャ要素を支持するように使用時に配置される前記出口開口にわたって延びる1つまたは複数の支持要素と配置される、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記ガスタービンは、タービンハウジング内に配設され、前記タービンハウジングは、使用時に前記流路と流体連通し、前記第2の構成における前記振動する作動流体の圧力および/または流れの方向の変化に応じて前記ガスタービンを回転させるように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記エネルギ発生装置は、電気モータを備え、使用時に、前記ガスタービンによって発生させられる前記回転トルクは、前記電気モータへ伝達され、前記電気モータを駆動するようにされる、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記再充電可能なエネルギ貯蔵デバイスは、DCバス、バッテリ、およびスーパーキャパシタを含む群のうちの1つまたは複数である、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記再充電可能なエネルギ貯蔵デバイスに貯蔵された前記電気エネルギは、前記ガスタービンが前記第1の構成で動作しているときに、前記装置の出力電力レベルを高めるために使用時に放出され、それにより、前記装置からの出力電力を所望の一定の値に維持するために、前記ガスタービンが前記第2の構成で動作しているときに、前記装置の出力電力レベルに匹敵するようになる、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記ガスタービンは、中央ハブと、前記ハブの周囲に配置され、前記ハブの周囲から延びる複数のブレードと、を備えるロータを含み、前記ロータは、前記タービンハウジング内に配設されており、それによって、前記ブレードの形状および前記ハブに対してのその向きは、使用時に、前記タービンハウジングを通じた振動する作動流体の一方向軸流に応じて前記ガスタービンの前記ロータの一方向回転を助ける、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記振動する作動流体は空気であり、前記空気の流れは、使用時に前記流路と流体連通しており、ダクト内に位置する振動水柱の振動によって発生させられる、請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
ダクトは、波の入出する流れによる前記ダクトの内外への水の繰り返される移動の結果として、振動水柱が前記ダクト内で確立されるように、前記波を有する水域内で少なくとも部分的に使用時に配置されるハウジング内で延びるように配置された内部チャネルを備え、前記ダクトの中に受け入れられる水の流れは、入射波からであり、前記ダクトからの前記水の流れは、前記入射波の方向とは反対の方向であり、前記流路の中と前記流路からの両方における前記空気の圧力および/または流れの方向の変化は、前記ダクト内の前記振動水柱の振動に応答し、前記ダクト内の前記振動水柱によって発生させられる、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ダクトは、
a.使用時に、第1の部分が位置する水域の平均表面レベル(MSL)よりも下に実質的に沈められるように配置される第1の部分であって、前記水域から入射波を受け入れるために配置された開口を有する第1の部分と、
b.前記第1の部分によって決まり、使用時に、前記MSLの上方で延びるように配置される第2の部分であって、前記入射波が前記第1の部分を通って流れた後に前記入射波から水を受け入れるための第2の部分と、を備え、
前記流路は、前記入射波から受け入れた水が前記第1の部分を通って流れた後に、前記入射波から受け入れた水の最大レベルの上方で延びる前記第2の部分の領域によって定められる、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ダクトの前記第1の部分および第2の部分は、前記第1の部分と第2の部分との中間で流れ方向制御セグメントを介して連結され、前記流れ方向制御セグメントは、前記第1の部分および第2の部分の接合に配置され、前記第1の部分と第2の部分との間に延びる平面傾斜部によって定められる、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記ダクトの前記第1の部分および第2の部分は、全体的に細長い導管であり、前記第1の部分は、前記第2の部分の断面積よりも大きい断面積を有する、請求項18または19に記載の装置。
【請求項21】
第1の部分の前記開口における断面積は、前記第1の部分の残りよりも大きい断面積であり、前記導管は、前記開口における外側入口開口部領域から前記第2の部分に向かう方向に移動するときに、前記水域から前記ダクトの中への入射波の流れを加速させるように断面積が先細る、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の部分の前記外側入口開口部領域は、前記水域から前記ダクトの中への入射波のより大きい流れを取り込むように、使用時に、前記第1の部分の前記外側入口開口部領域が位置する水域の前記MSLの上方で延びるように配置される、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記ハウジングの基部は、前記第1の導管12の開口部端(開放端)に向かう方向に移動するときに下向きに傾斜している外部を有するように配置され、使用時に、前記ハウジングが、前記ハウジングの前記基部が配設される前記水域内で基盤床に動作可能に静止するように配置される、請求項17から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
振動する作動流体からエネルギを抽出する方法であって、
(i) 振動する作動流体を受け入れるための流路を定めるハウジングを、波を有する水域内に少なくとも一部にハウジングを配置するステップと、
(ii) ガスタービンを備えて振動する作動流体と流体連通しているようにエネルギ変換ユニットを配置すると共に、出力インバータを介して前記ガスタービンに結合されたエネルギ発生装置を配置するステップと、
(iii)アクティブ構成とバイパス構成との間で流路の構成を選択的に変化させるための流れ制御手段を用意するステップであって、
前記アクティブ構成では、作動流体が第1の所定の方向に流れるときにエネルギ変換ユニットに作用し、それにより使用時に、前記振動する作動流体の流れに応じた前記ガスタービンの回転が、回転トルクを発生させ、回転トルクにより前記エネルギ発生装置の動作を作動させて電気エネルギを発生させ、
前記バイパス構成では、作動流体が第2の方向に流れるときにエネルギ変換ユニットをバイパスする、ステップと、
(iv) 前記エネルギ発生装置の回転速度を、前記ガスタービンの回転によって発生させられる前記回転トルクの全部がそれに伝達される場合に可能な速度よりも低くなるように動作的に制御するアクティブフロントエンドドライブであって、回生制動状態を実現し、そうすることで、再充電可能なエネルギ貯蔵デバイスの充電のための電気エネルギ入力を発生させることになるアクティブフロントエンドドライブを提供するステップと、を含む方法
【請求項25】
前記アクティブ構成とバイパス構成との間で流路の構成を変化させるステップは、前記流れ制御手段および前記エネルギ変換ユニットが、作動流体の流れが前記流れ制御手段を介して前記流路から出て、作動流体の流れが前記エネルギ変換ユニットを介して前記流路に入る、別々の連続したステップで動作するように構成されるときに生じる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ハウジングは、波を有する前記水域に隣接して位置する振動水柱(OWC)を収容するように配置され、エネルギ変換ユニットに作用する作動流体の方向は、通る波の下降と前記OWCの下降とに関連し、前記流れ制御手段に作用する作動流体の方向は、通る波の上昇と前記OWCの上昇とに関連する請求項24または25に記載の方法。
【国際調査報告】