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特表2023-537930プログラムされた死のリガンド-1(PD-LI)発現の画像化および標的化
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(54)【発明の名称】プログラムされた死のリガンド-1(PD-LI)発現の画像化および標的化
(51)【国際特許分類】
   A61K 51/08 20060101AFI20230830BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20230830BHJP
   A61K 38/12 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20230830BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20230830BHJP
   C07K 7/54 20060101ALI20230830BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20230830BHJP
【FI】
A61K51/08 200
A61K49/00 ZNA
A61K38/12
A61P35/00
A61P35/02
A61P29/00
A61P29/00 101
A61P11/06
A61P1/00
A61P13/12
A61P13/10
A61P27/16
A61P19/02
A61P9/00
A61P31/04
A61P31/00
A61P37/02
A61P37/06
C07K7/54
G01N33/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023508615
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 US2021044951
(87)【国際公開番号】W WO2022032100
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】63/062,823
(32)【優先日】2020-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】501335771
【氏名又は名称】ザ・ジョンズ・ホプキンス・ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100167623
【弁理士】
【氏名又は名称】塚中 哲雄
(72)【発明者】
【氏名】シュリダール ニマガダ
(72)【発明者】
【氏名】ディラージ クマール
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ギルバート ポンパー
【テーマコード(参考)】
2G045
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
2G045AA26
2G045CB26
2G045FA11
2G045FA14
2G045FA25
2G045FA28
2G045FA40
2G045FB12
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA07
4C084BA01
4C084BA24
4C084BA32
4C084NA13
4C084NA20
4C084ZA34
4C084ZA36
4C084ZA59
4C084ZA81
4C084ZA96
4C084ZB05
4C084ZB08
4C084ZB11
4C084ZB15
4C084ZB26
4C084ZB27
4C084ZB32
4C084ZB35
4C085HH01
4C085HH11
4C085KA09
4C085KA27
4C085KA28
4C085KA29
4C085KB02
4C085KB07
4C085KB09
4C085KB10
4C085KB11
4C085KB12
4C085KB17
4C085KB18
4C085KB19
4C085KB20
4C085KB47
4C085KB56
4C085KB82
4C085LL01
4C085LL05
4C085LL09
4C085LL11
4C085LL17
4C085LL18
4C085LL20
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA17
4H045EA50
(57)【要約】
本開示の主題は、プログラムされた細胞死のリガンド1(PD-L1)を検出することができる画像化剤が含まれる組成物、キット、および方法を提供する。本開示の画像化剤は、対象においての疾患および障害、例えば、ガン、感染、および炎症などのようなものを検出するために使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
を含み;
式中:
Lはリンカーであり、それは存在または不存在であることができ、および存在するとき以下の一般式を有し:
【化2】
式中:
XはSまたはOであり;
a、e、f、g、i、およびjは各々無関係に、0および1からなる群より選ばれる整数であり;
b、d、h、およびkは各々無関係に、0、1、2、3、4、5、6、7、および8からなる群より選ばれる整数であり;
cは、0から40までの範囲を有する整数であり;
各R1はHまたは-COOR2であり、そこでR2はHまたはC1-C4アルキルであり;Arは置換または非置換のアリールまたはヘテロアリールであり;および
Aは、キレート剤、放射性標識基質、蛍光色素、光音響レポーティング分子、およびラマン活性レポーティング分子からなる群より選ばれるレポーティングモイエティ、または-NR3R4もしくはC≡Nからなる群より選ばれる末端基であり、そこでR3およびR4は各々無関係にHおよびC1-C4アルキルからなる群より選ばれる、画像化剤。
【請求項2】
リンカーは次の:
【化3】

式中、pは0、1、2、3、および4から選ばれる整数であり;
【化4】

式中、qは0、1、2、3、4、5、6、7、および8からなる群より選ばれる整数であり;
【化5】

式中、rは0、1、2、3、4、5、6、7、および8からなる群より選ばれる整数であり;
【化6】

式中、sは1から40までの範囲を有する整数であり、およびtは0または1から選ばれる整数であり;
【化7】

式中、sは1から40までの範囲を有する整数であり、およびtは0または1から選ばれる整数であり;および
【化8】

式中、sは1から40までの範囲を有する整数であり、およびtは0または1から選ばれる整数である
からなる群より選ばれる、請求項1の画像化剤。
【請求項3】
レポーティングモイエティはキレート剤であり、およびキレート剤は、DOTAGA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデセカン,1-(グルタル酸)-4,7,10-三酢酸)、DOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸)、DOTA-トリス(t-ブチル)エステル、DOTAGA-(t-ブチル)4、DOTA-ジ(t-ブチル)エステル、DOTASA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-(2-こはく酸)-4,7,10-三酢酸)、CB-DO2A(10-ビス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザビシクロ[5.5.2]テトラデカン)、DEPA(7-[2-(ビス-カルボキシメチルアミノ)-エチル]-4,10-ビス-カルボキシメチル-1,4,7,10-テトラアザ-シクロドデカ-1-イル-酢酸)、3p-C-DEPA(2-[(カルボキシメチル)][5-(4-ニトロフェニル-1-[4,7,10-トリス(カ
ルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル]ペンタン-2-イル)アミノ]酢酸))、TCMC(2-(4-イソチオシアノトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモニルメチル)-シクロドデカン)、オキソ-DO3A(1-オキサ-4,7,10-トリアザシクロドデカン-5-S-(4-イソチオシアナトベンジル)-4,7,10-三酢酸)、DO3A-(t-ブチル)、DO3AM(2,2',2"-(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリル)トリアセタミド)、p-NH2-Bn-オキソ-DO3A(1-オキザ-4,7,10-テトラアザシクロドデカン-5-S-(4-アミノベンジル)-4,7,10-三酢酸)、TE2A((1,8-N,N'-ビス-(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン)、MM-TE2A、DM-TE2A、CB-TE2A(4,11-ビス(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン)、CB-TE1A1P(4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1-(メタンホスホン酸)-8-(メタンカルボン酸))、CB-TE2P(1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1,8-ビス(メタンホスホン酸)、TETA(1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,8,11-四酢酸)、NOTA(1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N',N"-三酢酸)、NOTA(t-ブチル)2、NO2A(1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4-ビス(酢酸)-7-(アセトアミド)、NODA(1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4-ジアセタート)、NODAGA(1,4,7-トリアザシクロノナン,1-グルタル酸-4,7-酢酸)、NODAGA(t-ブチル)3、NOTAGA(1,4,7-トリアゾナン-1,4-ジイル)二酢酸)、DFO(デスフェロキサミン)、DTPA(2-[ビス[2-[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル]アミノ]酢酸)、DTPA-テトラ(t-ブチル)エステル(ジエチレントリアミン-N,N,N",N"-テトラ-tert-ブチルアセタート-N'-酢酸)、NETA([4-[2-(ビス-カルボキシメチルアミノ)-エチル]-7-カルボキシメチル-[1,4,7]トリアゾナン-1-イル}-酢酸)、TACN-TM(N,N',N",トリス(2-メルカプトエチル)-1,4,7-トリアザシクロノナン)、ダイアムサール(1,8-ジアミノ-3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ(6,6,6)エイコサン,3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ[6.6.6]エイコサン-1,8-ジアミン)、サラ(1-N-(4-アミノベンジル)-3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ[6.6.6]エイコサン-1,8-ジアミン)、AmBaSar(4-((8-アミノ)-3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ[6.6.6]イコサン-1-イルアミノ)メチル)安息香酸)、BaBaSar、トリス(ヒドロキシピリジノン)(THP)、THP(ベンジル)3、NOPO(3-(((4,7-ビス((ヒドロキシ(ヒドロキシメチル)ホスホリル)-メチル)-1,4,7-トリアゾナン-1-イル)メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル)プロパン酸)、TRAP(3,3',3"-(((1,4,7-トリアゾナン-1,4,7-トリル)トリス(メチレン))トリス(ヒドロキシホスホリル))-トリプロパン酸)、p-NH2-Bn-PCTA(3,6,9,15-テトラザビシクロ[9.3.1]ペンタデカ-1(15),11,13-トリエン-4-S-(4-アミノベンジル)-3,6,9-三酢酸)、およびビオチン(5-[(3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル]ペンタン酸)からなる群より選ばれる、請求項3の画像化剤。
【請求項4】
キレート剤は次の:
【化9-1】
【化9-2】
からなる群より選ばれる、請求項3の画像化剤。
【請求項5】
キレート剤は、DOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸)、NOTA(1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N',N"-三酢酸)、NODA(1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4-ジアセタート);NODAGA(1,4,7-トリアザシクロノナン,1-グルタル酸-4,7-酢酸)、およびビオチン(5-[(3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル]ペンタン酸)からなる群より選ばれる、請求項3の画像化剤。
【請求項6】
レポーティングモイエティはキレート剤であり、およびキレート剤は、94mTc、99mTc、111In、67Ga、68Ga、86Y、90Y、177Lu、186Re、188Re、60Cu、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、55Co、57Co、44Sc、47Sc、225Ac、213Bi、212Bi、212Pb、153Sm、166Ho、152Gd、82Rb、89Zr、166Dy、およびAl18Fからなる群より選ばれる放射性金属をさらに含む、請求項1の画像化剤。
【請求項7】
レポーティングモイエティは放射性標識基質であり、および放射性標識基質には、11C、13N、15O、123I、124I、125I、126I、131I、75Br、76Br、77Br、80Br、80mBr、82Br、83Br、19F、18F、および211Atからなる群より選ばれる放射性同位体が含まれる、請求項1の画像化剤。
【請求項8】
放射性標識基質には、18F標識基質または18F標識基質が含まれる、請求項7の画像化剤。
【請求項9】
19F標識基質または18F標識基質は、2-フルオロ-PABA、3-フルオロ-PABA、2-フルオロ-マニトール、およびN-サクシニミジル-4-フルオロベンゾアート、および2-ピリジルからなる群より選ばれる、請求項8の画像化剤。
【請求項10】
レポーティングモイエティは蛍光色素であり、および蛍光色素は次の:カルボシアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、トゥイカルボシアニン、メロシアニン、ポリメチン、クマリン、アミノメチルクマリンアセタート(AMCA)、ローダミン、テトラメチルローダミン(TRITC)、キサンテン、フルオロセイン、FITC、ボロン-ジピロメタン(BODIPY)色素、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7、VivoTag-680、VivoTag-S680、VivoTag-S750、AlexaFluor350、AlexaFluor405、AlexaFluor488、AlexaFluor546、AlexaFluor555、AlexaFluor594、AlexaFluor633、AlexaFluor647、AlexaFluor660、AlexaFluor680、AlexaFluor700、AlexaFluor750、AlexaFluor790、Dy677、Dy676、Dy682、Dy752、Dy780、DyLight350、DyLight405、DyLight488、DyLight547、DyLight550、DyLight594、DyLight633、DyLight647、DyLight650、DyLight680、DyLight755、DyLight800、HiLyte Fluor 647、HiLyte
Fluor 680、HiLyte Fluor 750、IR Dye 800、IRDye 800CW、IRDye 800RS、IRDye 700DX、ADS780WS、ADS830WS、ADS832WS、Cascade Blue、Texas Redからなる群より選ばれる、請求項1の画像化剤。
【請求項11】
レポーティングモイエティは光音響レポーティング分子であり、および光音響レポーティング分子は色素またはナノ粒子からなる群より選ばれる、請求項1の画像化剤。
【請求項12】
色素には、蛍光色素が含まれる、請求項11の画像化剤。
【請求項13】
蛍光色素は、インドシアニン-グリーン(ICG)、Alexa Fluor 750、Evans Blue、BHQ3、QXL680、IRDye880CW、MMPSense 680、メチレン・ブルー、PPCy-C8、およびCypate-C18からなる群より選ばれる、請求項12の画像化剤。
【請求項14】
ナノ粒子は、プラズモニックナノ粒子、量子ドット、ナノダイヤモンド、ポリピロールナノ粒子、硫化銅ナノ粒子、グラフェンナノシート、酸化鉄-金コアシェルナノ粒子、Gd2O3ナノ粒子、単層カーボンナノチューブ、色素担持パーフルオロカーボンナノ粒子、およ
び超常磁性酸化鉄ナノ粒子からなる群より選ばれる、請求項11の画像化剤。
【請求項15】
レポーティングモイエティはラマン活性レポーティング分子であり、ラマン活性レポーティング分子は単層カーボンナノチューブ(SWNT)および表面増強ラマン散乱(SERS)剤からなる群より選ばれる、請求項1の画像化剤。
【請求項16】
SERS剤には、ラマン活性レポーター分子により標識された金属ナノ粒子が含まれる、請求項15の画像化剤。
【請求項17】
ラマン活性レポーター分子には、蛍光色素が含まれる、請求項16の画像化剤。
【請求項18】
蛍光色素は、Cy3、Cy5、ローダミン、およびカルコゲノピリリウム色素からなる群より選ばれる、請求項17の画像化剤。
【請求項19】
画像化剤は次の:
【化10-1】
【化10-2】
【化10-3】
【化10-4】

からなる群より選ばれる、請求項1の画像化剤。
【請求項20】
プログラムされた死のリガンド1(PD-L1)を検出するにあたり、次の:
(a)請求項1-19のいずれかの画像化剤の有効量を提供すること;
(b)一またはそれよりも多くの細胞または組織を画像化剤と接触させること;および
(c)PD-L1を検出するために画像を作成すること
を含む、画像化方法。
【請求項21】
一またはそれよりも多くの細胞または組織と画像化剤との接触は、インビトロ、インビボ、またはエクスビボで実行される、請求項20の画像化方法。
【請求項22】
一またはそれよりも多くの細胞または組織と画像化剤との接触は対象において実行される、請求項21の画像化方法。
【請求項23】
対象は、ヒト、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、ヒツジ、ウシ、サル、鳥類、または両生類である、請求項22の画像化方法。
【請求項24】
PD-L1の検出は、対象への画像化剤の投与後約60-120分またはそれ未満で行われる、請求項20の画像化方法。
【請求項25】
画像化方法はガンを検出するために用いられる、請求項20の画像化方法。
【請求項26】
ガンは、芽腫、カルシノーマ、神経膠腫、白血病、リンパ腫、メラノーマ、骨髄腫、肉腫、頭部ガン、頸部ガン、頭頸部ガン、肺ガン、乳ガン、トリプルネガティブ乳ガン、前立腺ガン、結腸直腸ガン、食道ガン、胃ガン、白血病/リンパ腫、子宮ガン、皮膚ガン、内分泌ガン、泌尿器ガン、すい臓ガン、消化器ガン、卵巣ガン、頸ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、脳ガン、腺腫、転移性ガンからなる群より選ばれる、請求項25の画像化剤。
【請求項27】
画像化方法は固形腫瘍を検出するために使用される、請求項20の画像化方法。
【請求項28】
固形腫瘍は、脳、結腸、乳房、前立腺、肝臓、腎臓、肺、食道、頭頸部、卵巣、子宮頸部、胃、直腸、膀胱、子宮、精巣、および膵臓からなる群より選ばれる器官にある、請求項27の画像化方法。
【請求項29】
画像化方法は感染を検出するために使用される、請求項20の画像化方法。
【請求項30】
感染は微生物感染である、請求項29の画像化方法。
【請求項31】
微生物感染は、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)、エシェリキア・コリ(E. coli)、クレブシエラ菌種(Klebsiella sp.)、エンテロバクター菌種(Enterobacter sp.)、プロテウス菌種(Proteus sp.)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、スタフィロコッカス菌種(Staphylococcus spp.)で、スタフィロコッカス・アウレウス(S. aureus)およびコアグラーゼ・ネガティブ・スタフィロコッカス(coag.-negative Staphylococcus)を含むもの、エンテロコッカス菌種(Enterococcus sp.)、ストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)、ヘモフィラス・インフルエンザエ(Haemophilus influenzae)、バクテロイデス菌種(Bacteroides spp.)、アシネトバクター菌種(Acinetobacter spp.)、ヘリコバクター菌種(Helicobacter spp.)、カンジダ菌種(Candida sp.)、メチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(methicillin-resistant Staphylococcus aureus)(MRSA)およびバンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェカーリス(vancomycin-resistant Enterococcus faecalis)(VRE
)からなる群より選ばれる一またはそれよりも多くの微生物による感染からなる群より選ばれる、請求項30の画像化方法。
【請求項32】
画像化方法は炎症を検出するために使用される、請求項20の画像化方法。
【請求項33】
炎症は、喘息、自己免疫疾患、自己炎症性疾患、セリアック病、憩室炎、糸球体腎炎、化膿性汗腺炎、過敏症、炎症性腸疾患、間質性膀胱炎、耳炎、骨盤内炎症性疾患、再灌流傷害、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、移植拒絶反応、ループス、全身性エリテマトーデス、および脈管炎からなる群より選ばれる障害に関連する、請求項32の画像化剤。
【請求項34】
炎症は関節リウマチまたは全身性エリテマトーデスによって引き起こされる、請求項33の画像化方法。
【請求項35】
画像化方法は腫瘍において一またはそれよりも多くの免疫細胞を検出するために使用する、請求項20の画像化方法。
【請求項36】
画像化方法は腫瘍におけるまたは対象における免疫細胞の全身的分布を検出するために使用する、請求項20の画像化方法。
【請求項37】
画像化方法は感染性疾患に対する免疫細胞の応答を検出するために使用する、請求項20の画像化方法。
【請求項38】
画像化方法は炎症性疾患に対する腫瘍におけるまたは正常組織における免疫細胞の応答を検出するために使用する、請求項20の画像化方法。
【請求項39】
画像化方法は対象におけるPD-L1発現レバルを検出する、請求項20の画像化方法。
【請求項40】
画像化方法は対象の腫瘍部位でのまたは正常組織におけるPD-L1の占有を測定する、請求項20の画像化方法。
【請求項41】
プログラムされた死のリガンド1(PD-L1)を検出するためのキットであって、請求項1-19のいずれかの画像化剤を含む、キット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府支援の研究または開発
この発明は、The National Institutes of Health(米国国立衛生研究所)から認められたCA236616およびCA166131の下で米国政府支援により行われた。本政府は本発明において一定の権利を有する。
バックグラウンド
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
広範囲なガンにわたる免疫チェックポイント療法(ICT)の有効な適用にもかかわらず、末期ガンを有する患者のサブセットが顕著な臨床反応と生存を経験するだけである。Ribas(リバス)およびWolchok(ウォルチョク)、2018年。臨床医と研究者が直面している課題は、最も効果的な免疫療法をできるだけ早く患者にいかに届けるかである。豊富な臨床試験データから、単一のバイオマーカーがICTに対する臨床反応の範囲および幅を捉えられない可能性があることがますます明らかになってきている。Havel et al.(ハヴェルら)、2019年.むしろ、薬力学的および予測的バイオマーカーの両方を含め、複数のバイオマーカーパネルの組込みが必要になってきている。Havelら、2019年.ベースラインおよび治療中の生検により実行することができる検査の数は、生検組織の量によって制限され、および腫瘍間および腫瘍内の異種性およびサンプリングエラーを含め、いくつかの欠点がある。それらの問題は、肺および膵臓ガンの場合のようにアクセスが困難な位置(difficult-to-access locations)ではさらに深刻化し、およびICTの薬力学的効果を測定する我々の能力を制限する。画像化法、例えば、陽電子放射断層撮影法(PET)などのようなものは、全身の繰返しサンプリングを可能にし、および薬力学的効果のリアルタイム定量化を促進する。しかし、PETは、主に免疫浸潤の活性について正確に報告する分子標的化放射性追跡子への入手が制限されるため、ICTの指導には十分に活用されていない。
概略
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくらかの態様において、本開示の主題は式(I)の化合物が含まれる画像化剤を提供する:
【化1】
式中:Lはリンカーであり、それは存在または不存在であることができ、および存在するとき次の一般式を有し:
【化2】
式中:XはSまたはOであり;a、e、f、g、i、およびjは各々無関係に0および1からなる群より選ばれる整数であり;b、d、h、およびkは各々無関係に0、1、2、3、4、5、6、7、および8からなる群より選ばれる整数であり;cは0から40までの範囲を有する整数であり;各R1はHまたは-COOR2であり、そこでR2はHまたはC1-C4アルキルであり;Arは置換または未置換のアリールまたはヘテロアリールであり;およびAは、キレート剤、放射性標識基質、蛍光色素、光音響レポーティング分子、およびラマン活性レポーティング分子からなる群より選ばれるレポーティングモイエティ、または-NR3R4もしくはC≡Nからなる群より選ばれる末端基であり、そこでR3およびR4は各々無関係にHおよびC1-C4アルキルからなる群より選ばれる。
【0004】
他の態様において、本開示の主題はプログラムされた死のリガンド1(PD-L1)を検出するための画像化方法を提供し、本方法には、(a)有効量の式(I)の画像化剤を提供すること;(b)一またはそれよりも多くの細胞または組織を画像化剤と接触させること;および(c)PD-L1を検出するために画像を作成することが含まれる。
【0005】
他の態様において、本開示の主題は、プログラムされた死のリガンド1(PD-L1)を検出するためのキットを提供し、キットには、式(I)の画像化剤が含まれる。
【0006】
本開示の主題の一定の態様をここで上記に述べたが、それらは本開示の主題によって全体的または部分的に対処され、他の態様は、ここにおいて以下に最も良好に説明されるように付随する例および図と関連して捉えたとき、説明が進むにつれて明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
この特許または出願ファイルはカラーにおいて製作された少なくとも一つの図面を含む。カラー図面と共にこの特許または特許出願の公表のコピーは、要求と必要な料金の支払いとによってオフィスから提供される。
【0008】
本開示の主題をこのようにして、一般的な用語において説明したが、次に、添付の図に言及し、それらは必ずしも縮尺通りに描いておらず、および以下のものである:
【0009】
図1図1A図1B図1C、および図1Dは、[18F]DK222の合成およびインビトロでの特徴付けを示す。図1Aは[18F]DK222の調製のための構造およびスキーマを示す。図1Bは、DK221、DK222および非放射活性[19F]DK222がタンパク質ベースのアッセイにおいてナノモル濃度にてPD1:PD-L1相互作用を抑制することを実証する。図1Cは、安定したヒトPD-L1発現を有するヒトTNBC、メラノーマおよびチャイニーズハムスター卵巣細胞におけるPD-L1発現の勾配レベルを示すフローサイトメトリーヒストグラムである。図1Dは、[18F]DK222の細胞への結合がPD-L1発現依存性であり、および特異性を示す1μMの非修飾ペプチドの存在下で減少することを実証する。図1Dにおいての独立t検定によって、****、P<0.0001;NS、有意でない;
図2図2A図2B図2C、および図2Dは、TNBC異種移植片をもつマウスにおける[18F]DK222のインビボ動態を示す。図2Aは、[18F]DK222の高く、および特異的な取込みを高PD-L1発現性MDAMB231腫瘍において見ることができるが、ブロッキング用量または低PD-L1発現性SUM149腫瘍を受けたマウスではそうでないことを実証する(n=3-4)。異種移植片をもつNSGマウスの全身ボリュームレンダリングPET-CT画像(Whole body volume volume rendered PET-CT images of xenograft bearing NSG mice)は200mCi(7.4MBq)の[18F]DK222注入後15、60および120分にて取得した。ブロッキング用量マウスは放射性トレーサー注入の30分前に50mg/kgの非修飾ペプチドを受けた。図2Bは[18F]DK222が数時間にわたるMDAMB231腫瘍における急速な蓄積および保持を示し、それはSUM149腫瘍によりまたはブロッキング用量により観察されない(n=4-5)。図2Cは、高い標的対筋肉(target-to-muscle)(および血液)比によって示されるように、循環からの[18F]DK222の急速なクリアランスを示す体内分布データから得られた時間-活性曲線である(n=4-5)。データは表1に示される体内分布研究から導き出す。図2Dは対応する腫瘍のPD-L1についてのIHC染色を示す。図2Cの独立t検定によって、****、P<0.0001;NS、有意でない;
図3図3A図3B、および図3Cは、ヒトメラノーマ異種移植片を有するマウスにおける[18F]DK222 PETが、60分にて高コントラスト画像を示すことを例示する。図3Aは、PD-L1を発現するLOX-IMVI腫瘍における[18F]DK222の高く、および特異的な取込みを示し、およびブロッキング用量または低PD-L1発現MeWo腫瘍(n=3-4)を受けるマウスではそうでない。異種移植片保有マウス(xenograft bearing mice)の全身ボリュームレンダリングPET-CT画像は[18F]DK222注入後60分に取得した。図3Bは、LOX-IMVIまたはMeWo腫瘍をもつNSGマウス(NSG mice bearing LOX-IMVI or MeWo tumors)においてエクスビボ体内分布(Ex vivo biodistribution)によって[18F]DK222の腫瘍取込みを示す(n=5)。図3Cは対応する腫瘍のPD-L1についてのIHC染色である。図3Bの独立t検定によって、****、P<0.0001;NS、有意でない;
図4図4A図4B図4C図4D図4E図4F、および図4Gは、[18F]DK222取込みがaPD-1治療用物質によって誘導された腫瘍における合計PD-L1レベルと相関していることを実証する。図4Aは実験概略図である。図4Bは、A375メラノーマ腫瘍を有し、および10mg/kgのニボルマブまたはペムブロリズマブの単回投与により7日間処理したhuPBMCマウスが、腫瘍内の[18F]DK222取込みを増加させることを実証する。3匹のマウスの代表的な画像は図4Bおよび図4Cに示す。図4Cは、イメージングマウスからの腫瘍切片のIHC分析が、セーリーン処理コントロールおよびNSGマウスと比較して、ニボルマブおよびペムブロリズマブ処理マウスにおけるPD-L1およびCD3についての増加した免疫反応性を示すことを例示する。図4Dは、体内分布によって定量化された腫瘍における[18F]DK222の取込みである(n=8-13)。図4Eおよび図4Fは、腫瘍および免疫細胞上のPD-L1レベル(図4E)およびフローサイトメトリーによって分析されたCD45細胞の数(図4F)が、異なるPD-1抗体の効果を示すことを実証する。図4Gは、腫瘍微小環境における[18F]DK222取込みおよび合計PD-L1レベル間に強い相関が観察されることを例示する。図4Dでの1元配置ANOVAによって、****P<0.0001;***、P<0.001;**、P<0.01。95%CIを有する図4Gにおける単純な線形回帰およびピアソン係数;
図5図5A図5B図5C図5D、および図5Eは、[18F]DK222を用いて定量化されたアクセス可能なPD-L1レベルが、アテゾリズマブによる用量依存性のPD-L1エンゲージメントを示すことを実証する。図5Aは、[18F]DK222が、aPD-L1 mAbsの存在下でインビトロにおけるアクセス可能なPD-L1レベルの定量化を可能にすることを示し;図5Bは実験概略図である。図5Cおよび図5Eは、減少した[18F]DK222の取込みが増加したアテゾリズマブ用量によりLOX-IMVI腫瘍において観察されることを実証する。NSGマウスは[18F]DK222注入に先立ち24時間異なる用量のアテゾリズマブで処理した。マウスの全身ボリュームレンダリングPET-CT画像は[18F]DK222注入後60(図5D)(n=3)、およびエクスビボ体内分布(図5E)(n=5)にて取得した。図5Eにおける1元配置ANOVAおよびテューキーの多重比較検定(Tukey's multiple comparisons test)によって、****、P<0.0001、**、P<0.01;
図6図6A図6B図6C、および図6Dは、[18F]DK222-PETを用いて腫瘍で定量化されたPD-L1治療用物質の薬理活性を示す。図6Aは実験概略図である。図6Bは、1mg/kgの抗体により24および96時間処理したマウスのLOX-IMVI腫瘍における[18F]DK222取込みが、抗体親和性に依存する腫瘍にて異なるPD-L1占有およびPKを捕らえることを示す(n=3)。NSGマウスは、アテゾリズマブ、アベルマブまたはデュルバルマブにより[18F]DK222注入に先立ち1mg/kg用量にて24および96時間処理した。1mg/kgにてニボルマブおよびコントロールとしてセーリーンを用いた。マウスの全身ボリュームレンダリングPET/CT画像は[18F]DK222注射後60分に取得した。図6Cおよび図6Dは、LOX-IMVI(図6D、n=8-19)およびMDAMB231(図6D、n=7-18)腫瘍保有マウスにおける体内分布によって定量化した腫瘍における[18F]DK222取込みを示す;
図7図7Aは、非ヒト霊長類(Papio anubus(パピオ・アヌビス、アヌビスヒヒ))における[18F]DK222 PETを示す。Papio anubusに、~(約)5mCiの[18F]DK222のPET画像を用いて注射し、および異なる時点で全身画像を取得した。PET画像は、膀胱、腎臓および脾臓における大きな放射能の取込みを示した。興味深いことに、高い取込みはまた、リンパ節と思われるところでも観察される;
図8図8A図8B図8C、および図8Dは、ヒト肺ガン異種移植片を有するマウスにおける[18F]DK222 PETが60分にて高いコントラスト画像を示すことを実証する。図8Aは、フローサイトメトリーによって分析された肺ガンにおけるPD-L1発現レベルである。図8Bは肺ガン細胞系における[18F]DK222のインビトロでの取込みである。図8Cは、PD-L1を発現するH2444腫瘍における[18F]DK222の高く、および特異的な取込みを示し、および低いPD-L1を発現するA549腫瘍を有するマウスではそうでない(n=3-4)。異種移植片保有マウスの全身ボリュームレンダリングPET-CT画像は[18F]DK222注入後60分にて取得した。図8Dは、H2444、H226およびA549腫瘍をもつNSGマウスにおけるエクスビボ体内分布によっての[18F]DK222の腫瘍取込みである(n=5);
図9図9A図9B図9C、および図9Dは、ヒト膀胱ガン異種移植片を有するマウスにおける[18F]DK222 PETが60分にて高コントラスト画像を示すことを実証する。図9Aはフローサイトメトリーによって分析された膀胱ガン細胞系におけるPD-L1発現レベルである。図9Bは、変動するPD-L1発現を有する膀胱ガン細胞における[18F]DK222のインビトロ取込みである。図9Cは、PD-L1を発現するBFTC909腫瘍における[18F]DK222の高く、および特異的な取込みを示し、および低いPD-L1発現のSCaBer腫瘍を有するマウスにおいてはそうでない(n=3-4)。異種移植片保有マウスの全身ボリュームレンダリングPET-CT画像は[18F]DK222注入後60分にて取得した。図9Dは、BFTC909、T24およびSCaBER腫瘍をもつNSGマウスにおけるエクスビボ体内分布によっての[18F]DK222の腫瘍取込みを示す(n=5);
図10】DK221の構造および[19F]DK222の合成のための概略図である;
図11図11A図11B図11C、および図11Dは次のものである:図11A、DK222の逆相HPLCクロマトグラム。図11B、DK222のESI-MS。図11C、[19F]DK222の逆相HPLCクロマトグラム。図11D、[19F]DK222のESI-MS;
図12】[18F]DK222の合成のための概略図である;
図13図13A図13B、および図13Cは次のものである:図13、[18F]DK222の粗反応混合物の逆相HPLCクロマトグラム。図13B、[18F]DK222の放射化学的純度。図13C、[18F]DK222の化学的同一性;
図14】調剤された[18F]DK222の安定性を示す;
図15図15A図15B、および図15Cは次のものを示す:図15A、MDAMB231およびSUM149腫瘍における[18F]DK222の取込みに対する非放射性DK221担体の効果。可変量のDK221と[18F]DK222との同時注入は、PD-L1陽性MDAMB231腫瘍において担体用量の増加とともに放射能取込みにおいて減少を示すが、PD-L1陰性SUM149腫瘍においてはそうでない。図15B、95%信頼区間を有する平均%ID/g値を示す体内分布データ。図15C、キャリア用量は選択的な組織における[18F]DK222取込みに最小限の影響を及ぼす。30μg用量グループにおける取込みは、理由は不明であるが、すべての組織において一貫して高い;
図16】LOX-IMVIおよびMEWOメラノーマ腫瘍異種移植片をもつマウスにおける[18F]DK222のエクスビボ体内分布を示す。マウスは50μCiの[18F]DK222を受け、および組織は60分の後に採取した。示されたデータは平均±SEMである(n=4-5/グループ)。****、独立t検定によってP<0.0001;
図17】メラノーマ細胞系においてフローサイトメトリーにより評価されたPD-L1レベルに対するIFNγ処理の効果を示す;
図18】A375異種移植片をもち、およびaPD-1 mAbsにより処理したhuPBMCマウスにおける[18F]DK222の選ばれた組織のエクスビボ体内分布を示す。マウスは50μCiの[18F]DK222を受け、および組織は60分の後に採取した;
図19】LOX-IMVI異種移植片をもち、ならびに0.3mg/kgおよび20mg/kg用量のアテゾリズマブにより処理したNSGマウスにおける[18F]DK222の選ばれた組織のエクスビボ体内分布を示す。マウスは50μCiの[18F]DK222を受け、および組織は60分の後に採取した;
図20】LOX-IMVI異種移植片をもち、および1mg/kg用量のaPD-L1 mAbsにより24および96時間処理したNSGマウスにおける[18F]DK222の選ばれた組織のエクスビボ体内分布を示す;
図21】DK222のMALDI-TOF MSである;
図22】DK331のESI-MSである;
図23】DK331のMALDI-MSである;
図24】DK225のESI-MSである;
図25】DK223のMALDI-MSである;
図26】DK385のMALDI-MSである;
図27】DK254のESI-MSである;
図28】DK265のESI-MSである;
図29】DK365のESI-MSである;
図30】DK360のESI-MSである;
図31】DK388のMALDI-TOFである;
図32】粗[18F]PyTFPのRP-HPLCである;
図33】粗[18F]DK221PyのRP-HPLCである;
図34】純粋な[18F]DK221PyのRP-HPLCである;
図35】hPD-L1/CHOにおける[18F]DK221Pyのインビボ評価である;
図36】DK221、DK222、およびDK291([19F]DK222)についてのHTRF PD1/PD-L1結合アッセイからのデータを示す;および
図37】DK225、DK223、DK385、およびDK331についてのHTRF PD1/PD-L1結合アッセイからのデータを示す。
【0010】
詳細な記載
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の主題は次に、本開示の主題のすべてではないがいくらかの実施態様が示されている添付の図を参照して、以下により一層十分に説明される。同様の番号は全体を通して同様の要素に言及する。本開示の主題は、多くの異なる形態で具現化され得、およびここに記載の実施態様に制限されると解釈されるべきではない;むしろ、これらの実施態様は本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。実際、ここに記載された本開示の主題の多くの修飾および他の実施態様は、前述の説明および関連する図に示された教示の利益を有する本開示の主題が関連する技術において熟練した者(当業者とも言う)にとって思い浮かぶであろう。したがって、本開示の主題が開示された特定の実施態様に制限されるものではなく、そして修飾および他の実施態様が添付の請求の範囲の視野内に含まれることが意図されていると理解される。
I.プログラムされた死のリガンド-1(PD-LI)発現の画像化および標的化
【0012】
全身における免疫応答を定量化するための目下のツールは限られている。本開示の主題は、一部分、免疫チェックポイント療法(ICT)についてのペイシェント(人間で言う患者)を選定するために最も広く使用されるバイオマーカー、即ち、プログラムされた死のリガンド-1(PD-LI)についての放射性医薬品の開発に向けられ、およびいくつかのガンにおけるICTに対する応答を予測するのに有用であることが証明された。Garon(ガロン)ら、2015年;Reck(レック)ら、2016年;Reckら、2019年;Herbst(ヘルプスト)ら、2019年;Hellmann(ヘルマン)ら、2018年;Peters(ペータース)ら、2019年;Spigel(シュピーゲル)ら、2019年;Yarchoan(ヤーコアン)ら、2019年;Melosky(メロスキー)ら、2018年.このため、ICTの効力をリアルタイムで予測するために、ペプチドベースの放射性医薬品および類似物がPD-L1レベルを測定するために開発された。
【0013】
より一層詳細には、本開示の主題は、一部分、放射性トレーサーの注入後すぐに腫瘍および免疫細胞におけるPD-L1発現を検出することができる特異性の高いペプチドベースのポジトロン放出断層撮影(PET)画像化剤を提供する。本開示の画像化剤は、投与の60分以内の画像化の標準的な臨床ワークフロー内に適合し、および制限されないが、慢性細菌感染の実験モデル、播種性結核、ループス、および関節リウマチを含め、様々なタイプのガン、感染および炎症の実体を画像化するために適用可能である。
A.画像化剤を含む組成物
【0014】
いくらかの実施態様において、本開示の主題は、式(I)の化合物を含む画像化剤(イメージング剤)を提供する:
【化3】
式中:Lはリンカーであり、それは存在または不存在であることができ、および存在するとき以下の一般式を有し:
【化4】
式中:XはSまたはOであり;a、e、f、g、i、およびjは各々無関係に0および1からなる群より選ばれる整数であり;b、d、h、およびkは各々無関係に0、1、2、3、4、5、6、7、および8からなる群より選ばれる整数であり;cは0からまで40の範囲を有する整数であり;各R1はHまたは-COOR2であり、そこでR2はHまたはC1-C4のアルキルであり;Arは置換または未置換のアリールまたはヘテロアリールであり;およびAは、キレート剤、放射性標識基質(radiolabeled substrate)、蛍光色素、光音響レポーティング分子(photoacoustic reporting molecule)、およびラマン活性レポーティング分子からなる群より選ばれるレポーティングモイエティ(reporting moiety)、または-NR3R4もしくはC≡Nからなる群より選ばれる末端基であり、そこでR3およびR4は各々無関係にHおよびC1-C4のアルキルからなる群より選ばれる。
【0015】
ここで用いるように、C1-C4アルキルには、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、およびtert-ブチルが含まれる。「アリール」という用語は、別なふうに述べない限り、単一の環または複数の環(例えば、1からまで3個の環などのようなもの)であることができる芳香族炭化水素置換基を意味し、それらは
互いに融合し、または共有結合している。用語「ヘテロアリール」は、N、O、およびSから選ばれる1からまで4個までのヘテロ原子(複数の環の場合、それぞれの別々の環において)を含むアリール基(または環)に言及し、そこで窒素および硫黄原子は随意に酸化され、および窒素原子(複数形)は随意に四級化される。
【0016】
いくらかの実施態様において、リンカーは次のものからなる群より選ばれる:
【化5】
そこでpは、0、1、2、3、および4から選ばれる整数であり;
【化6】
そこでqは、0、1、2、3、4、5、6、7、および8からなる群より選ばれる整数であり;
【化7】
そこでrは、0、1、2、3、4、5、6、7、および8からなる群より選ばれる整数であり;
【化8】
そこでsは1から40までの範囲を有する整数であり、およびtは0または1から選ばれる整
数であり;
【化9】
そこで、sは1から40までの範囲を有する整数であり、およびtは0または1から選ばれる整数であり;および
【化10】
そこで、sは1から40までの範囲を有する整数であり、およびtは0または1から選ばれる整数である。
【0017】
当技術において通常の熟練の者(当業者とも言う)は、本開示の主題を検討する際に、キレート剤/放射性金属イオンの様々な組合せが本開示の画像化剤と共に使用するのに適していることを認識するであろう。代表的なキレート剤は当技術において知られる。非制限的な例として、一定のキレート剤およびリンカーは、米国特許出願公開番号2015/0246144および2015/0104387において開示され、それらの各々は参照によってそれらの全体がここに組み込まれる。
【0018】
いくらかの実施態様では、レポーティングモイエティはキレート剤であり、およびキレート剤は、DOTAGA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデセカン(tetraazacyclododececane),1-(グルタル酸)-4,7,10-三酢酸)、DOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,7,4,7,10-四酢酸)、DOTA-トリス(t-ブチル)エステル、DOTAGA-(t-ブチル)4、DOTA-ジ(t-ブチル)エステル、DOTASA(1,4,7,10-テトラアザシクロデカン-1-(2-こはく酸)-4,7,10-三酢酸)、CB-DO2A(10-ビス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザビシクロ[5.5.2]テトラデカン)、DEPA(7-[2-(ビス-カルボキシメチルアミノ)-エチル]-4,10-ビス-カルボキシメチル-1,4,7,10-テトラアザ-シクロドデカ-1-イル-酢酸)、3p-C-DEPA(2-[(カルボキシメチル)][5-(4-ニトロフェニル-1-[4,7,10-トリス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル]ペンタン-2-イル)アミノ]酢酸)、TCMC(2-(4-イソチオシアノトベンジル)-1,4,7,10-テトラアザ-1,4,7,10-テトラ-(2-カルバモニルメチル)-シクロドデカン)、オキソ-DO3A(1-オキサ-4,7,10-トリアザシクロドデカン-5-S-(4-イソチオシアナトベンジル)-4,7,10-三酢酸)、DO3A-(t-ブチル)、DO3AM(2,2',2"-(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリル)トリアセタミド)、p-NH2-Bn-オキソ(Oxo)-DO3A(1-オキザ-4,7,10-テトラアザシクロドデカン-5-S-(4-アミノベンジル)-4,7,10-三酢酸)、TE2A((1,8-N,N'-ビス-(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン)、MM-TE2A、DM-TE2A、CB-TE2A(4,11-ビス(カルボキシメチル)-1,4,8,11-テトラアザ
ビシクロ[6.6.2]ヘキサデカン)、CB-TE1A1P(4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1-(メタンホスホン酸)-8-(メタンカルボン酸)、CB-TE2P(1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1,8-ビス(メタンホスホン酸)、TETA(1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,8,11-四酢酸)、NOTA(1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N',N"-三酢酸)、NOTA(t-ブチル)2、NO2A(1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4-ビス(酢酸)-7-(アセトアミド)、NODA(1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4-ジアセタート)、NODAGA(1,4,7-トリアザシクロノナン,1-グルタル酸-4,7-酢酸)、NODAGA(t-ブチル)3、NOTAGA(1,4,7-トリアゾナン-1,4-ジイル)二酢酸)、DFO(デスフェロキサミン(Desferoxamine))、DTPA(2-[ビス[2-[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル]アミノ]酢酸)、DTPA-テトラ(t-ブチル)エステル(ジエチレントリアミン-N,N,N"-テトラ-tert-ブチルアセタート-N'-酢酸)、NETA([4-[2-(ビス-カルボキシメチルアミノ)-エチル]-7-カルボキシメチル-[1,4,7]トリアゾナン-1-イル}-酢酸)、TACN-TM(N,N',N",トリス(2-メルカプトエチル)-1,4,7-トリアザシクロノナン)、Diamsar(ダイアムサール)(1,8-ジアミノ-3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ(6,6,6)エイコサン,3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ[6.6.6]エイコサン-1,8-ジアミン)、Sarar(サラ)(1-N-(4-アミノベンジル)-3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ[6.6.6]エイコサン-1,8-ジアミン)、AmBaSar(アンバザー)(4-((8-アミノ)-3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ[6.6.6]イコサン-1-イルアミノ)メチル)安息香酸)、BaBaSar(ババザー)、トリス(ヒドロキシピリジノン)(THP)、THP(ベンジル)3、NOPO(3-(((4,7-ビス((ヒドロキシ(ヒドロキシメチル)ホスホリル)-メチル)-1,4,7-トリアゾナン-1-イル)メチル)(ヒドロキシ)ホスホリル)プロパン酸)、TRAP(3,3',3"-(((1,4,7-トリアゾナン-1,4,7-トリル)トリス(メチレン))トリス(ヒドロキシホスホリル))-トリプロパン酸)、p-NH2-Bn-PCTA(3,6,9,15-テトラザビシクロ[9.3.1]ペンタデカ-1(15),11,13-トリエン-4-S-(4-アミノベンジル)-3,6,9-三酢酸)、およびビオチン(5-[(3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル]ペンタン酸)からなる群より選ばれる。
【0019】
いくらかの実施態様において、キレート剤は次のものからなる群より選ばれる:
【化11-1】
【化11-2】
【化11-3】
【化11-4】
【化11-5】
【0020】
いくらかの実施態様において、キレート剤は、DOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸)、NOTA(1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N',N"-三酢酸)、NODA(1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4-ジアセタート);NODAGA(1,4,7-トリアザシクロノナン,1-グルタル酸-4,7-酢酸)、およびビオチン(5-[(3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロ-1H-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル]ペンタン酸)からなる群より選ばれる。
【0021】
いくらかの実施態様では、レポーティングモイエティはキレート剤であり、キレート剤には、94mTc、99mTc、111In、67Ga、68Ga、86Y、90Y、177Lu、186Re、188Re、60Cu、61Cu、62Cu、64Cu、67Cu、55Co、57Co、44Sc、47Sc、225Ac、213Bi、212Pb、153Sm、166Ho、152Gd、82Rb、89Zr、166Dy、およびAl18Fからなる群より選ばれる放射性金属がさらに含まれる。
【0022】
いくらかの実施態様では、基質は、例えば、NOTA、NODA、または当技術において既知の他の適切なキレート剤によってフッ化アルミニウムのキレート化に基づくAlF法を用いて18Fにより標識される。例えば、Liu(リウ)S.ら、「One-step radiosynthesis of 18F-AlF-NOTA-RGD2for tumor angiogenesis PET imaging(腫瘍脈管形成PET画像化のための18F-AlF-NOTA-RGD2のワンステップ放射合成)」. Eur J Nucl Med Mol Imaging(ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ニュークリアー・メディシン・アンド・モレキュラー・イメージング). 2011、38(9):1732-41;McBride(マクブライド)W.J.ら、「A novel method of 18F radiolabeling for PET(PETのための18F放射性標識化の新規方法). J Nucl Med.(ザ・ジャーナル・オブ・ニュークリアー・メディシン)2009;50:991-998;McBride W.J、D'Souza(デスーザ)CA、Sharkey(シャーキー)RM、Karacay(カラカイ)H、Rossi(ロッシ)EA、Chang(チャン)C-H、Goldenberg(ゴールデンバーグ)DM. Improved 18F labeling of peptides with a fluoride-aluminum-chelate complex(フッ化物-アルミニウム-キレート錯体によるペプチドの改良された18F標識化). Bioconjug Chem.(バイオコンジュゲート・ケミストリー)2010;21:1331-1340を参照。
【0023】
当技術において通常の熟練の者は、いくらかの実施態様において、リンカー、式(I)の「L」が不存在であり、およびキレート剤がリンカーモイエティを通してDK221とコンジュゲートされ、それは供給されるようにキレート剤の一部分であることを認識するであろう。例えば、ここでの以下の例1において提供されるように、特定の実施態様において、DK221のリジンε-アミンは、NHSエステル法を用いた二官能性キレート剤コンジュゲーションのために使用される。例えば、供給されるようにキレート剤がNCS-MP-NODA(2,2'-(7-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7-トリアゾナン-1,4-ジイル)二酢酸)である場合、イソチオシアナトベンジルモイエティはNODAキレート剤およびDK221のリジンε-アミン間のリンカーである。
【0024】
供給されるようにキレート剤を含むことができる他のリンカーモイエティには、制限されないが、マレイミド、NHSエステル、無水物、NCS、NCS-ベンジル、NH2-PEG、BCN、-NH2、プロパルギル、酢酸、グルタミン酸、およびその他同種類のものなどが含まれる。
【0025】
いくらかの実施態様では、レポーティングモイエティは放射性標識基質であり、および放射性標識基質には、11C、13N、15O、123I、124I、125I、126I、131I、75Br、76Br、77Br、80Br、80mBr、82Br、83Br、19F、18F、および211Atからなる群より選ばれる放射性同位元素が含まれる。
【0026】
いくらかの実施態様では、放射性標識基質には、18F-標識基質または18F-標識基質が含まれる。
【0027】
いくらかの実施態様において、19F標識基質または18F標識基質は、2-フルオロ-PABA、3
-フルオロ-PABA、2-フルオロ-マニトール、およびN-サクシニミジル(succinimidyl)-4-フルオロベンゾアート、および2-ピリジルからなる群より選ばれる。
【0028】
いくらかの実施態様では、レポーティングモイエティは蛍光色素であり、および蛍光色素は次のものからなる群より選ばれる:カルボシアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、トゥイカルボシアニン(thuicarbocyanine)、メロシアニン、ポリメチン、クマリン、アミノメチルクマリンアセテート(AMCA)、ローダミン、テトラメチルローダミン(TRITC)、キサンテン、フルオレセイン、FITC、ボロンジピロメタン(BODIPY)色素、Cy3、Cy5、Cy5. 5、Cy7、VivoTag(ビボタグ)-680、VivoTag-S680、VivoTag-S750、AlexaFluor(アレクサフルーア)350、AlexaFluor405、AlexaFluor488、AlexaFluor546、AlexaFluor555、AlexaFluor594、AlexaFluor633、AlexaFluor647、AlexaFluor660、AlexaFluor680、AlexaFluor700、AlexaFluor750、AlexaFluor790、Dy(ダイ)677、Dy676、Dy682、Dy752、Dy780、DyLight(ダイライト)350、DyLight405、DyLight488、DyLight547、DyLight550、DyLight594、DyLight633、DyLight647、DyLight650、DyLight680、DyLight755、DyLight800、HiLyte Fluor(ハイライト・フルオル)647、HiLyte Fluor680、HiLyte Fluor750、IR Dye(IR・ダイ)800、IRDye(IRダイ)800CW、IRDye 800RS、IRDye 700DX、ADS780WS、ADS830WS、ADS832WS、Cascade Blue(カスケード・ブルー)、およびTexas Red(テキサス・レッド)である。
【0029】
いくらかの実施態様では、レポーティングモイエティは光音響レポーティング分子であり、光音響レポーティング分子は、色素またはナノ粒子からなる群より選ばれる。
【0030】
いくらかの実施態様では、色素には、蛍光色素が含まれる。いくらかの実施態様では、蛍光色素は、インドシアニン-グリーン(indocyanine-green)(ICG)、Alexa Fluor(アレクサ・フルアー)750、Evans Blue(エバンス・ブルー)、BHQ3、QXL680、IRDye880CW、MMPSense(MMPセンス)680、メチレン・ブルー(Methylene Blue)、PPCy-C8、およびCypate(シパート)-C18からなる群より選ばれる。
【0031】
いくらかの実施態様では、ナノ粒子は、プラズモニックナノ粒子、量子ドット、ナノダイヤモンド、ポリピロールナノ粒子、硫化銅ナノ粒子、グラフェンナノシート、酸化鉄-金コアシェルナノ粒子、Gd2O3ナノ粒子、単層カーボンナノチューブ(single-walled carbon nanotube)、色素担持パーフルオロカーボンナノ粒子(dye-loaded perfluorocarbon
nanoparticle)、および超常磁性酸化鉄ナノ粒子からなる群より選ばれる。
【0032】
いくらかの実施態様では、レポーティングモイエティはラマン活性レポーティング分子であり、ラマン活性レポーティング分子は単層カーボンナノチューブ(SWNT)および表面増強ラマン散乱(surfaceenhanced Raman scattering)(SERS)剤からなる群より選ばれる。
【0033】
いくらかの実施態様では、SERS剤には、ラマン活性レポーター分子により標識された金属ナノ粒子が含まれる。
【0034】
いくらかの実施態様では、ラマン活性レポーター分子には、蛍光色素が含まれる。いくらかの実施態様では、蛍光色素は、Cy3、Cy5、ローダミン、およびカルコゲノピリリウム色素からなる群より選ばれる。
【0035】
いくらかの実施態様において、式(I)の画像化剤は次のものからなる群より選ばれる:
【化12-1】
【化12-2】
【化12-3】
【化12-4】
【化12-5】
【化12-6】
【化12-7】
【化12-8】
【化12-9】

【0036】
いくらかの実施態様では、画像化剤は、インビトロ、インビボ、および/またはエクスビボでPD-L1を検出することが可能である。いくらかの実施態様では、画像化剤はインビボでPD-L1を検出することが可能である。PD-L1は、様々な腫瘍によって発現され、およびその過剰発現は、腫瘍浸潤細胞傷害性T細胞に応答する適応機構として腫瘍細胞において誘導される。当技術において通常の熟練の者は、PD-L1が修飾および/または変異を含んでよく、およびそれが本開示の画像化剤によって依然として検出することができる限り、本開示の方法に適用可能であることを認識するであろう。
【0037】
いくらかの実施態様では、PD-L1とそのリガンドのプログラムされた細胞死のタンパク質1(Programmed Cell Death Protein 1)(PD-1)との相互作用を抑制する本開示の画像化剤のIC50は約100nMから約1pMまでの範囲を有する。いくらかの実施態様では、IC50は、100nM未満、他の実施態様では、10nM未満、他の実施態様では、8nM未満、他の実施態様では、5nm未満、他の実施態様では、4nm未満、および他の実施態様では、3nM未満である。
【0038】
用語「結合親和性」は、二またはそれよりも多く(二以上とも言う)の化合物が非共有結合の関係で互いにどれだけ強く会合するかを説明する特性である。結合親和性は、定性的に(例えば、「強い」、「弱い」、「高い」、または「低い」などのようなもの)または定量的に(例えば、Kdの測定などのようなもの)で特徴付けることができる。
B.画像化剤を用いる検出方法
【0039】
いくらかの実施態様において、本開示の主題は、免疫チェックポイントタンパク質、例えば、PD-L1などのようなものを検出するための方法を提供する。いくらかの実施態様では、本開示の主題は、PD-L1の過剰発現をもたらす疾患、障害、または状態、例えば、ガン、炎症、感染、およびその他同種類のものなどのようなものを検出するための方法を提供する。
【0040】
したがって、いくらかの実施態様において、本開示の主題は、プログラムされた死のリガンド1(Programmed Death Ligand 1)(PD-L1)を検出するための画像化方法(イメージング方法とも言う)を提供し、この方法は次のものを含む:(a)有効量の式(I)の画像化剤を提供すること、(b)一またはそれよりも多く(一以上とも言う)の細胞または組織を画像化剤と接触させること、および(c)PD-L1を検出するために画像を作成することである。
【0041】
ここで用いるように、用語「画像化(イメージング)」または「画像を作ること」は、化合物によって放出されるエネルギーを測定することによって検出可能な化合物を視覚化するための任意の画像化技術の使用に言及する。いくらかの実施態様では、「画像化」という用語は、検出可能な化合物の対象への投与後、投与に次ぐ化合物の局在化後に化合物によって放出されるエネルギーを測定することによって視覚化するための任意の画像化技術の使用に言及する。いくらかの実施態様では、画像化技術は、対象に対して外部から検出することができる化合物を対象に投与することに関係する。いくらかの実施態様では、画像は対象において様々な場所に蓄積される画像化剤の空間分布での違いによって生成される。いくらかの実施態様では、画像化剤を施すことは注射によって起こされる。
【0042】
用語「画像化剤」は、例えば、ポジトロン放出断層撮影(PET)によって画像化する能力がある化合物を含むことが意図される。ここで用いるように、「ポジトロン放出断層撮影イメージング」または「PET」は、ポジトロン放出断層撮影イメージングシステムまたは同等物およびポジトロン放出断層撮影イメージングが可能なすべてのデバイスが組み込まれる。本開示の主題の方法は、任意のそのようなデバイス、またはPETデバイスもしくは等価物のバリエーションを用いて、または任意の既知のPET方法論と組み合わせて実践
することができる。例えば、米国特許(U.S. Pat.)第6,151,377号;第6,072,177号;第5,900,636号;第5,608,221号;第5,532,489号;第5,272,343号;第5,103,098号を参照し、それらの各々は、参照によりここに組み込まれる。動物イメージングモダリティ(Animal
imaging modalities)が含まれ、例は、マイクロPETs(Corcorde Microsystems, Inc.(コンコルド・マイクロシステムズ社))である。
【0043】
レポーティングモイエティに応じて、本開示の画像化剤は、PET、単一光子放出コンピュータ断層撮影(single-photon emission computed tomography)(SPECT)、近赤外線(蛍光)、光音響、およびラマンイメージングにおいて用いることができる。
【0044】
いくらかの実施態様では、画像化には、検出システムを用いて対象またはペイシェントの全体、または対象またはペイシェントの特定の領域を走査すること、および信号を検出することを含む。検出された信号は次いで、画像に変換される。結果として生じる画像は、経験を積んだ観察者、例えば、医師などのようなものによって読み取られるべきである。大抵、画像化は、画像化剤の投与の後、約1分より約48時間までに遂行される。画像化の正確なタイミングは、当技術における熟練者(当業者とも言う)に容易に明らかになるように、投与された化合物のクリアランス速度などのような要因に依存するであろう。画像化の時間枠は使用される放射性ヌクレオチドに基づいて変動し得る。特定の実施態様では、画像化は、投与の後、約1分および約4時間の間、例えば、15分および30分の間、30分および45分の間、45分および60分の間、60分および90分の間、ならびに60分および120分の間に遂行される。いくらかの実施態様では、PD-L1の検出は、対象への画像化剤の投与後約60分ですぐに見出される。いくらかの実施態様では、画像化は、Zr-89により標識されたペプチドと共に注射した24時間後に行われ得る。いくらかの実施態様では、画像化はI-124により標識されたペプチドと共に注射した24時間後に行われ得る。
【0045】
画像が得られると、当技術において熟練を有する者(当業者とも言う)は、化合物の位置を決定することができる。この情報を使用して、熟練者は、例えば、感染、炎症、またはガンなどのような状態が存在するかどうか、その状態の程度、または対象が受けている処理の有効性を定めることができる。
【0046】
いくらかの実施態様では、細胞または組織を画像化剤と接触させることは、インビトロ、インビボ、またはエクスビボで実行される。「接触させること」は、本開示の主題の少なくとも一の画像化剤を少なくとも一の細胞または組織と物理的に接触させることになる任意の作用を意味する。このように、それは、少なくとも一の画像化剤と少なくとも一の細胞または組織との接触をもたらすのに十分な量において画像化剤に細胞(複数形)または組織(複数形)を曝露することを含み得る。いくらかの実施態様では、本方法は、制御された環境、例えば、培養皿またはチューブなどのようなものにおいて画像化剤および細胞または組織を導入すること、およびなるべくなら混合することによって、インビトロまたはエクスビボで実践することができる。いくらかの実施態様では、方法はインビボで実践することができ、その場合に、接触させることにより、対象において少なくとも一の細胞または組織を本開示の主題の少なくとも一の画像化剤に曝露すること、例えば、任意の適切な経路を介して対象に画像化剤を施すことなどのようなものが意味される。いくらかの実施態様では、細胞または組織を画像化剤と接触させることは、対象において実行される。
【0047】
画像化剤の「有効量」という用語は、ここに記載の技術、例は、ポジトロン放出断層撮影(PET)を用いるイメージ化のとき、読み取り可能な信号を提供するのに必要なまたは十分な量である。有効量は、対象のサイズおよび重量、病気の種類、または特定の化合物のような要因によって変動することができる。例えば、化合物の選定は「有効量」を構成するものに影響を及ぼすことができる。当技術において通常の熟練の者は、ここに含まれ
る要因を研究し、および過度の実験なく化合物の有効量に関する決定をなすことが可能であろう。
【0048】
本開示の方法によってそれらの多くの実施態様において診断または処理される対象は、望ましくはヒト対象であるが、ここに記載されている方法は、用語「対象」に含まれることが意図されるすべての脊椎動物種に関して有効であることが理解される。したがって、「対象」は、医療目的のための、例えば、既存の疾患、障害、状態の診断または処理などのようなもののためのヒト対象、または医学、獣医学目的、または開発目的のための動物対象を含むことができる。好適な動物対象には、制限されないが、霊長類、例は、ヒト、サル(モンキー)、類人猿、ギボン、チンパンジー、オランウータン、マカクおよびその他同種類のもの;ボバイン(ウシ科の動物)、例は、キャトル、オクセン、およびその他同種類のもの;オウヴァイン(ovines、ヒツジに属するもの)、例は、ヒツジ(シープ)およびその他同種類のもの;キャプライン(caprines、ヤギに属するもの)、例は、ゴートおよびその他同種類のもの;ポーサイン(ブタに属するもの)、例は、ピッグ、ホッグ、およびその他同種類のもの;イクワイン(equines、ウマ科の動物)、例は、ウマ(ホース)、ロバ、シマウマ、およびその他同種類のもの;フェライン(felines、ネコ科の動物)で、野生ネコ(野生キャット)およびイエネコを含むもの;ケイニン(canines、イヌ科の動物)で、イヌ(ドッグ)を含むもの;ラゴウモーフ(lagomorph、ウサギ目の動物)で、ラビット、ノウサギ、およびその他同種類のものを含むもの;および齧歯動物で、マウス、ラット、モルモット、およびその他同種類のものを含むものを含めて、哺乳類が含まれる。動物はトランスジェニック動物であってもよい。いくらかの実施態様では、対象は、ヒトであり、制限されないが、胎児、新生児、乳児、幼年(juvenile)、および成人の対象が含まれる。さらに、「対象」は、疾患、障害、または状態に罹患しているか、または罹患していることが疑われるペイシェントを含むことができる。このように、ここでは、用語「対象」および「ペイシェント」は互換的に使用される。対象にはまた、動物疾患モデル(例は、実験に使用されるラットまたはマウス、およびその他同種類のもの)が含まれる。いくらかの実施態様では、対象は、ヒト、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウマ、ヒツジ、ウシ(カウ)、サル、鳥類、または両生類である。
【0049】
概して、本開示の画像化剤は、疾患、障害、または状態の検出のために、対象に対して、任意の適切な投与経路で、経口、鼻腔内、眼内、直腸内、膣内、または非経口を含め、静脈内、筋肉内、皮下(subcutaneous)、髄内注射、ならびに髄腔内(intrathecal)を含め、直接脳室内、静脈内、関節内、胸骨内、滑膜内、肝内、頭蓋内、腹腔内、鼻内、または眼内注射で、大槽内に、局所的に、粉体、軟膏または滴(点眼剤を含む)によるように、頬側および舌下でを含め、経皮的に、吸入スプレーを介して、または当技術において既知のデリバリーの他の様式によって施すことができる。
【0050】
ここで使用される句「全身投与」、「全身的に投与する」、「末梢投与」および「末梢的に投与する」は、それらが対象のまたはペイシェントのシステムに入り、および従って代謝および他の同様のプロセス、例えば、皮下または静脈内投与を条件とするような組成物の投与を意味する。
【0051】
ここで使用される句「非経口投与」および「非経口的に投与する」は、経腸および局所投与以外の、通常は注射による投与様式を意味し、および制限されないが、静脈内、筋肉内、イントアテリアル(intarterial)、髄腔内、嚢内(intracapsular)、眼窩内、心内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下(subcuticular)、関節内(intraarticular)、被膜下(subcapsular)、くも膜下(subarachnoid)、脊髄内(intraspinal)およびイントラステマル(intrastemal)注射および注入が含まれる。
【0052】
いくらかの実施態様では、画像化剤は少なくとも3:1の標的対非標的の比率を見せる。
いくらかの実施態様では、用語「標的」はPD-L1タンパク質の過剰発現を示す細胞または組織に言及し、および用語「非標的」はPD-L1タンパク質の過剰発現を示さない細胞または組織に言及する。
【0053】
いくらかの実施態様では、画像化方法はガンを検出するために使用される。対象またはペイシェントにおける「ガン」は、ガンを引き起こす細胞、例えば、制御されない増殖、分化した機能の喪失、不死性、著しい転移能、抗アポトーシス活性における著しい増加、急速な成長および増殖速度、ならびに一定の特徴的な形態および細胞マーカーの典型的な特徴を保有する細胞の存在に言及する。いくらかの状況下では、ガン細胞は腫瘍の形態であり;そのような細胞は、動物内に局所的に存在し、または独立した細胞、例えば、白血病細胞として血流において循環し得る。ここで使用されるガンには、新たに診断されたガンまたは再発ガンが含まれ、制限を伴わず、芽腫、カルシノーマ(ガン腫)、神経膠腫(グリオーマ)、白血病、リンパ腫、メラノーマ、骨髄腫、および肉腫が含まれる。ここで使用するように、ガンには、頭部ガン(head cancer)、頸部ガン(neck cancer)、頭頸部ガン(head and neck cancer)、肺ガン、乳ガンで、例えば、トリプルネガティブ乳ガンなどのようなもの、前立腺ガン、結腸直腸ガン(大腸ガン、colorectal cancer)、食道ガン、胃ガン、白血病/リンパ腫、子宮ガン、皮膚ガン、内分泌ガン(endocrine cancer)、泌尿器ガン(尿路ガン、urinary cancer)、すい臓ガン、消化器ガン、卵巣ガン、頸(cervical)ガン、腎臓ガン、膀胱ガン、脳ガン(brain cancer)、および腺腫が含まれる。いくらかの実施態様では、ガンには、ステージ0ガンが含まれる。いくらかの実施態様では、ガンには、ステージIガンが含まれる。いくらかの実施態様では、ガンには、ステージIIガンが含まれる。いくらかの実施態様では、ガンには、ステージIIIガンが含まれる。いくらかの実施態様では、ガンには、ステージIVガンが含まれる。いくらかの実施態様では、ガンは難治性および/または転移性である。
【0054】
ここで使用するように、「腫瘍」は、悪性か良性かにかかわらず、すべての新生物細胞の成長および増殖、ならびにすべての前ガン性およびガン性の細胞および組織に言及する。ここで使用するように、「固形腫瘍」は、概して嚢胞または液状エリアを含まない組織の異常な塊である。固形腫瘍は、非制限的な例として、脳、結腸、胸部、前立腺、肝臓、腎臓、肺、食道、頭頸部、卵巣、頸(cervix)、胃、結腸、直腸、膀胱、子宮、精巣、および膵臓にあり得る。いくらかの実施態様では、画像化方法は固形腫瘍を検出するために使用される。まだそのうえ他の実施態様では、画像化方法は転移性ガンを検出するために使用される。
【0055】
いくらかの実施態様では、画像化方法は感染を検出するために使用される。感染症、例えば、任意の真菌または細菌による感染などのようなものは、本開示の主題を使用して検出することが企図される。ここで用いるように、「感染」という用語は、病気を引き起こす有機体による宿主有機体の身体組織の侵入、それらの増加、およびこれらの有機体およびそれらが産生する毒素に対する宿主組織の反応に言及する。感染には、限定されないが、院内感染、手術感染、および重症腹部感染で、例えば、腹膜炎、膵炎、胆のう蓄膿(gall bladder empyema)、および胸膜膿(pleura empyema)などのようなもの、および骨感染、例えば、骨髄炎などのようなものが含まれる。敗血症(septicemia)、セプシスおよび敗血症性ショック、免疫抑制剤、ガン化学療法、放射線、汚染された輸液(contaminated i.v. fluids)、出血性ショック(haemorrhagic shock)、虚血、外傷(trauma)、ガン、免疫不全、ウイルス感染、および糖尿病によるか、または使用後の感染の検出もまた企図される。微生物感染、例えば、細菌および/または真菌による感染などのようなものの例には、Mycobacterium tuberculosis(マイコバクテリウム・ツベルクローシス、結核菌)、E. coli(大腸菌、エシェリキア・コリ)、Klebsiella sp.(クレブシエラ菌種)、Enterobacter sp.(エンテロバクター菌種)、Proteus sp.(プロテウス菌種)、Serratia marcescens(セラチア・マルセセンス、霊菌)、Pseudomonas aeruginosa(シュード
モナス・エルジノーサ、緑膿菌)、Staphylococcus spp.(スタフィロコッカス菌種、ブドウ球菌菌種)で、S. aureus(スタフィロコッカス・アウレウス、黄色ブドウ球菌)およびcoag.-negative Staphylococcus(コアグラーゼ・ネガティブ・スタフィロコッカス、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌)を含むもの、Enterococcus sp.(エンテロコッカス菌種)、Streptococcus pneumoniae(ストレプトコッカス・ニューモニアエ、肺炎レンサ球菌)、Haemophilus influenzae(ヘモフィラス・インフルエンザエ、インフルエンザ菌)、Bacteroides spp.(バクテロイデス菌種)、Acinetobacter spp.(アシネトバクター菌種)、Helicobacter spp.(ヘリコバクター菌種)、Candida sp.(カンジダ菌種)、などが含まれる。耐性微生物による感染には、例えば、methicillin-resistant Staphylococcus
aureus(メチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス)(MRSA)およびvancomycin-resistant Enterococcus faecalis(バンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェカーリス)(VRE)が含まれる。いくらかの実施態様では、感染は細菌感染である。いくらかの実施態様では、感染は慢性細菌感染である。いくらかの実施態様では、細菌感染は結核である。いくらかの実施態様では、感染は播種性結核である。いくらかの実施態様では、感染は、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、および/またはヒト免疫不全ウイルスであり得る。
【0056】
いくらかの実施態様では、画像化方法は炎症を検出するために用いる。炎症と関係する障害の例には、制限されないが、喘息、自己免疫疾患、自己炎症性疾患、セリアック病(Celiac disease)、憩室炎、糸球体腎炎、化膿性汗腺炎、過敏症、炎症性腸疾患、間質性膀胱炎、耳炎、骨盤内炎症性疾患(pelvic inflammatory disease)、再灌流傷害、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、移植拒絶反応、ループスで、全身性エリテマトーデス、および脈管炎を含むものが含まれる。いくらかの実施態様では、炎症は関節リウマチまたは全身性エリテマトーデスによって引き起こされる。
【0057】
PD-L1は、活性化または抑制を調節するために、活性化T細胞、B細胞、および骨髄系細胞上に見出されるその受容体PD-1に結合する。PD-L1はまたマクロファージを含むいくつかの免疫細胞上にも発現する。したがって、本開示の画像化剤、それはPD-L1の発現を検出し、免疫細胞、例えば、T細胞、B細胞、および骨髄系細胞などのようなものを検出するのに用いることができる。いくらかの実施態様において、本開示の画像化剤は腫瘍において免疫細胞を検出する。いくらかの実施態様では、本開示の画像化剤は対象における全身的な免疫細胞の分布を検出する。いくらかの実施態様では、画像化方法は感染性細胞における免疫細胞応答を検出するのに用いる。いくらかの実施態様では、画像化方法は炎症性細胞における免疫細胞応答を検出するために使用される。
【0058】
いくらかの実施態様では、本開示の画像化方法は、PD-L1発現においての変化、例えば、処理によって誘発されるPD-L1発現においての変化などのようなものを検出および/または測定する。そのような方法は、特定の処理方法の有効性を確かめるため、および/または有効な治療上の投薬量範囲を定めるために使用することができる。
C.画像化剤を含むキット
【0059】
いくらかの実施態様において、本開示の主題はプログラムされた死のリガンド1(PD-L1)を検出するためのキットを提供し、キットは上記に記載するように、式(I)の化合物が含まれる画像化剤を含む。
【0060】
典型的には、本開示の主題のキットは、本開示の画像化剤および少なくとも一の本開示の方法をどのように実行するかに関する説明を含む。画像化剤は、概して、少なくとも一の対象またはペイシェントにおけるPD-L1を少なくとも一回検出するのに十分な量においてキット内に供給される。キットはまた、本開示の方法の少なくとも一の実施態様を実行するのに必要な他の試薬および供給品のいくらかまたはすべてを含むことができる。
【0061】
その最も単純な形態では、本開示の主題によるキットは、本開示の主題による少なくとも一種類の画像化剤が含まれる容器を含む。いくらかの実施態様では、キットは複数の容器を含み、それらの各々の容器は、少なくとも一つの画像化剤または本開示の方法の一以上の実施態様を実行するのに有用である他の物質を含有し得る。
【0062】
容器は、本開示の組成物または本開示の方法を実行するのに有用な別の物質を含有するのに適した任意の材料であることができる。このように、容器はバイアルまたはアンプルであり得る。それは、任意の適切な材料、例えば、ガラス、プラスチック、金属、または紙もしくは紙産物などのようなものから作ることができる。実施態様において、それは、ガラスもしくはプラスチックのアンプルまたはバイアルであり、それは、ストッパー、ストッパーおよびクリンプシール、またはプラスチックもしくは金属のキャップによってなどのように密封することができる。容器に含まれる画像化剤の量は、本開示の主題に従って関連する多数のパラメータに基づいて、当技術において熟練の者によって過度の実験をすることなく選ぶことができる。
【0063】
実施態様において、容器は、より一層大きなユニットの構成要素として提供され、それは典型的には包装材料を含む(以下、簡略化のためにキットと称する)。本開示のキットは、適切な包装および組成物の使用に関連する説明および/または他の情報を含むことができる。典型的には、キットは、丈夫な材料、例えば、厚紙およびプラスチックなどのようなものから作られ、およびその上に直接印刷された説明または他の情報を含むことができる。キットは、本発明の組成物を含む複数の容器から構成されることができる。そのようなキットにおいて、各容器は、他の各容器と同じサイズであり、および同じ量の組成物を含むことができ、または異なる容器は、異なるサイズであり、および/または異なる量の組成物または異なる構成要素を有する組成物を含み得る。当技術において熟練の者は、容器のサイズおよび内容物の多数の異なる構成が本発明によって想定され、および従ってすべての順列をここに具体的に記載する必要がないことを直ちに認めるであろう。
【0064】
ここでは一定の用語が採用されるが、それらは総称的な、および説明的な意味でだけ使用され、および制限の目的のためでない。別なふうに規定されない限り、ここで使用されるすべての技術的および科学的用語は、この現在説明されている主題が属する技術における通常の熟練の者によって普通に理解されるのと同じ意味を有する。
【0065】
長年にわたる特許の法律の慣例に従って、用語「a(不定冠詞、ある)」、「an(不定冠詞、母音の前で用いるもの)」、および「the(定冠詞、その)」は、請求の範囲を含め、この出願において使用されるとき、「一またはそれよりも多く(一以上とも言う)の」に言及する。このように、例えば、「ある対象」への言及は、文脈が明らかに反対(例は、複数の対象)、などでない限り、複数の対象を含む。
【0066】
この明細および請求の範囲を通じて、用語「comprise(含む、構成要素として持つ、構成する、など)」、「comprises」、および「comprising(含むこと)」は、文脈が別なふうに要求する場合を除き、非排他的な意味で使用される。同様に、用語「include(含む)」およびその文法的変形は、リストにおける項目の暗唱(recitation)が、リストされた項目を置換またはそれに追加することができる他の同様の項目を排除するものではないように、非制限的であることを意図する。
【0067】
この明細および添付の請求の範囲の目的のために、別なふうに示されない限り、本明細および請求の範囲において使用される量、サイズ、寸法、比率、形状、調剤、パラメータ、パーセント、パラメータ、数量、特徴、および他の数値を表しているすべての数は、たとえ「約」という用語がその値、量または範囲と共に明示的に現れないことがあっても、すべての場合において「約」という用語によって修飾されていると理解される。したがっ
て、反対に指し示されない限り、以下の明細および添付の請求の範囲に記載された数値パラメータは、精密ではなく、またそうである必要もないが、許容範囲、変換係数、概数化(rounding off)、測定誤差およびその他同種類のもの、および当技術において熟練の者に知られる他の要因を反映し、本開示の主題によって得ようとする望ましい特性に応じて要望通りに近似的、および/またはより一層大きく、もしくはより一層小さくてもよい。例えば、値に言及するとき、用語「約」は、開示された方法を実行し、または開示された組成物を採用するためにそのような変動が適切であるように、指定量から、いくらかの実施態様では±100%、いくらかの実施態様では±50%、いくらかの実施態様では±20%、いくらかの実施態様では±10%、いくらかの実施態様では±5%、いくらかの実施態様では±1%、いくらかの実施態様では±0.5%、およびいくらかの実施態様では±0.1%の変動を包含することを意味することができる。
【0068】
さらに、一以上の数または数値範囲に関連して使用されるとき、用語「約」は、範囲内のすべての数を含め、すべてのそのような数に言及すると理解されるべきであり、および記載された数値の上、および下に境界を拡張することによってその範囲を修飾する。端点による数値範囲の暗唱は、その範囲内に包含されるすべての数、例は、その端数を含め、全体の整数を含み、その範囲(例えば、1より5までの暗唱は、1、2、3、4、および5、ならびにその端数、例は、1.5、2.25、3.75、4.1、およびその他同種類のものを含む)およびその範囲内の任意の範囲が包含される。
【実施例
【0069】
以下の例は、本開示の主題の代表的な実施態様を実践するための当技術において通常の技量の者への指針を提供するために含まれた。本開示および当技術における熟練の一般的な水準に照らして、熟練の者は、以下の例が例示的であることだけを意図し、および非常に多くの変化、修飾、および改変が本開示の主題の範囲から離れることなく採用することができることを認めることができる。以下に続く総合的な説明および特定の例は、例示の目的のためだけに意図され、および他の方法によって本開示の化合物を作成することをいかなる仕方においても制限するとして解釈されるものではない。
例1
1.1結果
【0070】
1.1.1 親水性PD-L1特異的PET画像化剤の合成およびインビトロ評価.IHCを用いたPD-L1検出はPD-1:PD-L1療法のためのガイディングツールである。McLaughlin(マクラフリン)ら、2016年.しかし、すべての病変における合計のPD-L1レベルを非侵襲的に定量化するツールは、最近になってやっと現れ、および初期の臨床評価段階にある。Bensch(ベンシュ)ら、2018年;Niemeijer(ニーマイヤー)ら、2018年.しかし、PD-L1動態の定量化は、標準的な臨床ワークフロー内で高コントラスト画像を提供するPET画像化剤の必要性から、異なる課題を提示する。
【0071】
この必要性に対処するために、PD-L1特異的ペプチドベースの画像化剤である[64Cu]WL12が以前に開発され、および腫瘍PD-L1レベルを検出するためにその可能性が実証された。Kumar(クマール)ら、2019年.しかし、[64Cu]WL12は親油性であり、および肝臓を含むいくつかの組織で高い非特異的な蓄積を示す。Kumarら、2019年;Chatterjee(チャテルジー)ら、2017年.イメージング特性を改善するために、新しい親水性ペプチドを同定し、および臨床上の解釈(clinical translation)を促進するためにフッ化アルミニウム法を用いて放射性フッ素化アナログ(radiofluorinated analog、放射性フッ素化類似物)を生成した。
【0072】
DK221は、三つのカルボキシレート基および遊離リジンアミンを有する14アミノ酸のヒトPD-L1特異的な環状ペプチドである。Miller(ミラー)ら、2016.DK221の構造は、ここ
でのすぐ下に示され、遊離リジンアミンは*で注釈される:
【化13】


DK221
【0073】
DK221を放射性標識について修飾するために、二官能性キレーター(キレート化剤)、例は、DK222を生成させるためにNCS-MP-NODAを遊離リジンアミンにコンジュゲーションさせた。NODAキレーターは、非放射性アナログ[19F]DK222と同様に、[18F]DK222を生成するための放射性フッ素化(radiofluorination)のために使用した。(図1A図10および図11).PD-L1に対するペプチドアナログの結合親和性を特徴付けるために、競合的PD-1:PD-L1抑制アッセイを実行した。ペプチドアナログは、DK221、DK222、および[19F]DK222についてそれぞれ24、28、および25nMのIC50値でPD-L1への結合を用量依存的に抑制することが観察された(図1B)。フッ化アルミニウム(AlF)法によるペプチドおよび小分子の[18F]フッ化物放射性標識は、合成の容易さおよび結合モイエティの親水性を保持する可能性のために注目を集めている。McBrideら、2010;Kumarら、2018.放射性標識アナログ、[18F]DK222は、良好な放射化学収率(34.85±1.7%、n=62)、インビトロ安定性、および284±56mCi/μmol(10.51±2.07GBq/μmol、n=25)の中程度の比活性を有するAlF法によって合成された。調剤化した[18F]DK222は、調製した放射能濃度にて4時間安定であることが見出された。(図12図13および図14).
【0074】
PD-L1に対する[18F]DK222の特異性を評価するために、細胞結合アッセイを実行した。構成的なヒトPD-L1発現(hPD-L1)を有するCHO細胞、およびトリプルネガティブ乳ガン(TNBC)(MDAMB231、SUM149)およびメラノーマ(LOX-IMVI、MeWo、およびA375)由来の複数のガン細胞系が選定された。細胞は[18F]DK222と共に4℃にて30分間インキュベーションし、十分に洗浄し、および細胞結合活性を測定した。[18F]DK222の取込みは、フ
ローサイトメトリー(図1Cおよび図1D)により観察された表面PD-L1発現の可変レベルを順序: hPD-L1>LOX-IMVI>MDAMB231>Sum149において反映した。A375、CHO、およびMeWo細胞、それらは低いPD-L1レベルを発現し、最も少ない[18F]DK222結合を見せた。
【0075】
PD-L1について[18F]DK222の特異性を検証するために、1μM過剰の親DK221ペプチドの存在下での結合研究を実行した。PD-L1陽性細胞における放射能取込みの90%よりも大きな減少が観察された(P<0.0001)。まとめると、これらのインビトロの結果は、[18F]DK222の結合がPD-L1に対して特異的であるという証拠を提供した。
【0076】
1.1.2 TNBCのマウスモデルにおける[18F]DK222の体内分布の評価.[18F]DK222のPKおよび体内分布についての洞察を得るために、PD-L1陽性MDAMB231異種移植片を保有する免疫不全NSGマウスにおいてPET画像研究を実行した。[18F]DK222注入後15、60、および120分に取得したPET画像は、早くも15分に腫瘍に高い放射性物質が蓄積していることを示した(図2A)。腫瘍に加え、腎臓は調査したすべての時点にて放射能の最も高い取込みを示した。腫瘍における[18F]DK222のその高く、および選択的な取込みと正常組織からの速いクリアランスが相まって、[18F]DK222注入後60-120分に高いコントラスト画像を提供した。放射性トレーサーの取込みの減少は、低いPD-L1レベルを発現するSUM149腫瘍において、および親DK221ペプチドのブロッキング用量(50mg/kg)を受けたマウスにおいて観察された。
【0077】
放射性トレーサー注入後5、30、60、120、240、および360分でのエクスビボ測定は、画像化研究を検証するために、および正常組織における[18F]DK222体内分布を定量するために行った(表1)。
MDAMB231異種移植片をもつNSGマウスにおける[18F]DK222のエクスビボ体内分布研究.
【表1】
【0078】
18F]DK222の取込みは腫瘍において注入後4時間まで一貫して高いままであった(図2B)。体内分布データからプロットした時間活性曲線(図2C)(組織1g当たりの注入用量の割合[%ID/g]として表示)は、MDAMB231腫瘍における[18F]DK222の高い蓄積および保持を示した。[18F]DK222の取込みにおける着実な増加が腫瘍において120分まで観察され、次いで120分から360分の間に緩徐な消失が続く。PETイメージングと一致して、[18F]DK222の取込みは腫瘍および腎臓において一貫してより一層高かった。小ペプチドはしばしば腎臓クリアランスを実証し、および観察された腎臓の高い取込みは[18F]DK222の腎臓クリアランスを指し示す。血液、筋肉、および高い画像コントラストに寄与する他のすべての組織において、時間の経過とともに放射能が着実に減少していることが観察された。60分での腫瘍対血液(tumor-to-blood)および腫瘍対筋肉比はそれぞれ4.5±0.2および30.0±1.3であった。胸腺、肺、肝臓、および骨を含め、いくつかの組織において早期に観察された高い[18F]DK222取込みは、60分以内に急速に消失した。SUM149腫瘍における[18F]DK222取込みは、60分にてMDAMB231腫瘍で見られたものよりも88%(P<0.0001)少なかった。また、ブロッキング用量を受けているマウスは、[18F]DK222の取込みにおいて79%減少(P<0.0001)を示した。さらに、非放射性用量の範囲の投与は、MDAMB231腫瘍における取込みを用量依存的仕方において減少させたが、SUM149腫瘍または他の組織ではそうでなかった(図15A-図15C)。これらの観察結果は、MDAMB231およびSUM149の腫瘍でそれぞれ観察されたPD-L1についての強いおよび弱い免疫反応によって確認された(図2D)。観察された高い腫瘍取込みおよび高い腫瘍対血液(および筋肉)比に基づき、他の腫瘍モデルにおけるすべての画像化および体内分布研究は、ここにおいて以下に提供するように60分にて行われた。
【0079】
1.1.3.メラノーマ異種移植モデルにおける[18F]DK222特異性のインビボでの検証.次に、メラノーマモデルにおける[18F]DK222のPD-L1特異性を検証した。PD-L1高発現LOX-IMVIまたはPD-L1低発現MeWoメラノーマ異種移植片をもつNSGマウスに[18F]DK222を注射すると、LOX-IMVI腫瘍において放射能の高い集積を示した。[18F]DK222の取込みは、MeWo腫瘍および非放射性ペプチドのブロッキング用量を受けたマウスにおいて低かった(図3Aおよび図3B図16)。PETイメージングの結果を裏付けるように、60分で行ったエクスビボ測定試験は、MeWo腫瘍における[18F]DK222の取込みがLOX-IMVI腫瘍と比較して95%少ないことを示した(P<0.0001)。組織学的分析は、PETイメージング所見を支持し、そこではLOX-IMVI腫瘍(上部パネル)において強烈なPD-L1免疫反応性が観察されたが、MeWo腫瘍(下部パネル)においては観察されなかった(図3C)。
【0080】
同様の結果はまた、肺および膀胱ガンモデルにおいて観察された(図8および図9)。全体として、TNBCおよびメラノーマモデルにおけるインビボイメージングおよびエクスビボ測定は、PD-L1についての[18F]DK222の特異性および異なる腫瘍型にわたり可変PD-L1レベルを定量化するその可能性についてさらなる証拠を提供した。
【0081】
1.1.4.[18F]DK222による腫瘍でのaPD-1 mAbsの薬力学的作用の定量化.PD-1/PD-L1経路は、組合せ免疫チェックポイント封鎖レジメンの礎を表す。Topalian(トパリアン)ら、2015年.それらの併用療法の多くは、PD-L1レベルに密接に連鎖するIFNγの生産に収束する。Minn(ミン)およびWherry(ホウェアリー)、2016年.PD-L1の活性化は、TMEによって抑制され、またはPD-1を標的とする治療用物質によって解放されるローバストな細胞溶解活性を表示する。Topalianら、2015;MinnおよびWherry、2016.消耗したT細胞の再活性化(Reinvigoration)は、PD-1治療用物質を受けたペイシェントでは、早ければ3週間後に血中で検出することができる。対照的に、腫瘍におけるその活性はまだ十分に理解されないままである。Huang(ヒュアン)ら、2019年.腫瘍での免疫再活性化は、多くの場合、免疫細胞の細胞溶解活性、IFNγ分泌、および腫瘍母地(tumor bed)でのPD-L1レベルの誘導を伴う。Taube(タウブ)ら、2012年.このように、任意の一定の理論に縛られることを望まないが、腫瘍PD-L1レベルは、PD-1治療用物質の薬力学的効果を測定す
るための近位のバイオマーカーであろうと考えられた。したがって、異なるPD-1治療用物質によって誘発される腫瘍PD-L1レベルでの変化は、PD-L1 PETを用いて定量化し、およびそれらの測定値を免疫学的応答により確かめることが求められた。
【0082】
まず、メラノーマ細胞におけるPD-L1発現での適応免疫応答の影響は、IFNγ処理によって誘導されるPD-L1レベルでの変化を評価することによって検討した。IFNγにより処理したLOX-IMVI、A375、およびMeWOメラノーマ細胞は、PD-L1レベルでの変化について分析した。フローサイトメトリー分析は、LOX-IMVIおよびA375細胞におけるIFNγ処理に応答して、PD-L1レベルにおいてそれぞれ2倍および4倍増加することを示した(図17)。MeWo細胞では、差は認められなかった。
【0083】
異なるaPD-1 mAbsによる処理に対する適応免疫応答の尺度として腫瘍PD-L1レベルでの違いを定量化するために、ヒト化マウスモデルを使用した。A375メラノーマ異種移植片をもつPBMCs(huPBMC)によりヒト化したNSGマウスは、aPD-1 mAbs(12mg/kg)の単回投与で処理した。一週間の処理後、腫瘍PD-L1レベルを[18F]DK222-PETによっておよび24時間後のエクスビボ計数によって測定した(図4A)。コントロールとして、セーリーンで処理した腫瘍を有するhuPBMCマウス、およびペムブロリズマブおよびニボルマブで処理したNSGマウスが含まれる。
【0084】
まず、ヒト化マウスおよび非ヒト化マウス間で腫瘍中のPD-L1レベルに差があるかどうかを評価した。すべてのhuPBMCマウスのA375腫瘍は、免疫細胞の活性を指し示す[18F]DK222の取込みの上昇を示した。一方、huPBMCをもたないNSGマウスでは[18F]DK222の取込みは低かった(%ID/g 8.5対3.9;P=0.0002)。腫瘍切片の分析は、huPBMCマウスにおいてPD-L1およびCD3の免疫反応性がNSGに対して増加し、PET試験の結果が検証された。huPBMCマウスの腎臓および脾臓における[18F]DK222の取込みもまた、NSGマウスのものと比較して増加したことが観察された(図18)。一方、非特異的な組織、例えば、筋肉などのようなものでは、[18F]DK222の取込みに著しい差は認められなかった。これらの結果は、[18F]DK222がPD-L1レベルの低い腫瘍、およびまたおそらく免疫細胞が排除されたものも分化させる可能性を指し示した。
【0085】
次に、腫瘍にての異なるaPD-1治療用物質の薬力学的効果を評価した。まず、huPBMCマウスにおける処理グループ間の腫瘍PD-L1レベルでの差異を調べた。注目すべきことには、ビヒクルで処理した6匹のhuPBMCマウスのうち3匹は高い[18F]DK222の取込みを示した。対照的に、aPD-1 mAbsで処理したマウスのかなりの数が、腫瘍に多少のばらつきを伴う高い[18F]DK222取込みを示した(図4Aおよび図4B)。PETイメージングデータを検証すること、およびTMEにおける治療誘導PD-L1レベルの違いを明らかにすること、体内分布研究は、NSGマウスと比較して、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、またはセーリーンのそれぞれにより処理したマウスにおける[18F]DK222取込み中央値での148、85、および76%増加を示した(図4C)。aPD-1 mAb処理マウスからの腫瘍切片の分析は、観察された[18F]DK222を反映するPD-L1およびCD3についての増加した免疫反応性を示した。これらの結果は、異なるPD-1治療用物質が腫瘍にて異なるPD効果を発揮し、それは腫瘍PD-L1レベルでの変化として測定することができることを指し示す。
【0086】
観察された[18F]DK222の取込みが実際にPD-L1特異的であることを検証するために、マウスから腫瘍を抽出し、およびPD-L1レベルを定量化するためにフローサイトメトリー分析を実行した。PD-1処理グループにおいて[18F]DK222取込みおよび合計PD-L1レベルの増加が観察され、それは腫瘍におけるCD45+CD8+免疫細胞の増加した蓄積によって支持された(図4D図4Eおよび図4F)。[18F]DK222の取込みおよび腫瘍における合計PD-L1レベル(R2=0.80;P<0.0001、図4G)および腫瘍細胞特異的PD-L1レベル(R2=0.71;P<0.0001)間に強い相関が観察された。一方、[18F]DK222取込みおよび免疫細胞特異的PD-L1
レベル間の相関は低く、おそらくこのモデルではTMEにおける合計PD-L1レベルに対する免疫細胞のPD-L1レベルからの寄与が小さいためである(R2=0.57;P<0.0001)。また、処理グループにおいては腫瘍におけるCD45+CD8+細胞の集積での増加がある。脾臓における[18F]DK222の取込みはPD-L1レベルとは相関がなかった。これらのデータは、[18F]DK222
PETがaPD-1処理によって誘導されるPD-L1動態を定量化するために使用することができることを立証する。
【0087】
次に、[18F]DK222取込みが腫瘍母地におけるaPD-1 mAbsの差動効果(differential effects)を定量化するのに使用することができるという仮説を検証するために、統計解析用の固定効果モデルが、腫瘍母地における誘導PD-L1レベルでの異種性(heterogeneity)を定量化するために使用された。固定効果モデルでは、固定された両方のaPD-1 mAbsは互いに対して比較される特定の選択肢として考えられる。ニボルマブおよびペムブロリズマブのどちらが、与えられた用量にてより一層効果的にPD-L1を経時的に誘導するかを調査した。各aPD-1 mAbをセーリーンと比較し、およびその差を表にする。同じ用量を与えるとき、ニボルマブおよびペムブロリズマブ間でニボルマブ処理により誘導されるPD-L1レベルにおいて微妙な、しかし統計的に有意ではない差が観察され、このモデルシステムにおいてより大きなPD-L1発現がもたらされた。まとめると、これらのデータは、腫瘍母地において測定された[18F]DK222が、処理中の早期に異なるaPD-1 mAbsの薬力学的効果を比較するために使用することができることを実証する。
【0088】
1.1.5.aPD-L1処理中のアクセス可能な腫瘍PD-L1レベルの定量化.[18F]DK222を用いてアクセス可能なPD-L1レベルを定量化するために、まず、ペプチド類似物およびaPD-L1 mAbsのPD-L1タンパク質との相互作用がバイオレイヤー干渉法を用いて研究された。PD-L1:ペプチドの解離定数は、aPD-L1 mAbsのそれよりも少なくとも100倍弱いことが見出された。この観察結果は、使用したトレーサー濃度(低nM)にて、[18F]DK222が抗PD-L1療法を妨害しないことを示唆する。これらの観察を細胞ベースのシステムにおいて再現するために、MDAMB231およびLOX-IMVI細胞は、60nM PD-L1 mAbの存在下または不存在下で[18F]DK222と共に4℃で30分間インキュベーションし、および結合した放射能を測定した。両方の細胞型においてmAbの存在下で[18F]DK222の取込みでの65%より大きな減少が観察され(P<0.0001)、細胞膜PD-L1レベルがmAbによって占有されることが指し示された(図5A)。これらのデータは、[18F]DK222がインビボでアクセス可能なPD-L1レベルを定量化する可能性を有し、および処理中にアクセス可能なPD-L1レベルの定量化を可能にすることができることを指し示す。
【0089】
インビトロの観察をインビボで確認するために、LOX-IMVI腫瘍を有するNSGマウスは、0.3または20mg/kgのアテゾリズマブを単一用量で処理し、[18F]DK222注入の24時間前に、ボーラスとして静脈内投与された(図5B図5Cおよび図5D)。[18F]DK222注入の60分後に取得したPET画像は、ビヒクル処理したコントロールでの腫瘍における放射能の有意な蓄積を示した。対照的に、腫瘍における信号強度は、20mg/kgのmAbを受けたマウスにおいて著しく減少した(図5Cおよび図5D)。重要なことに、0.3mg/kgの低用量のアテゾリズマブを使用したとき、信号強度において適度な減少があった。エクスビボ研究は、ビヒクル処理マウスと比較して、20および0.3mg/kgのアテゾリズマブによりそれぞれ処理したマウスでの腫瘍における[18F]DK222取込みが89%(P<0.0001)および32%(P<0.01)減少を示し、腫瘍における異なるアクセス可能なPD-L1レベルが指し示された(図5D図19)。まとめると、これらのインビトロおよびインビボの結果は、アクセス可能な腫瘍PD-L1レベルを測定するため、および薬物処理によって飽和していない病変を識別するために[18F]DK222 PETの可能性を実証する。
1.1.6.アクセス可能な腫瘍PD-L1レベルは腫瘍母地におけるaPD-L1 mAbsのPKおよびPD効果に関する洞察を提供する。
【0090】
TMEにおけるPD-L1を標的とする異なるmAbsの有効性は、異なっているPKおよびPDのために異質であり得、それは未特定のままである。[18F]DK222はアクセス可能なPD-L1に結合することができ、そのため、[18F]DK222 PETシグナルはPD-L1がアクセスできないままである程度を示すことができ:信号が低いほど、PD-L1 mAb標的化(ターゲティング)効率が良い。免疫療法の試行ラウンド中にmAbのPKおよびPDについて結果として生じる洞察は、処理のための特定のmAbの選定をさらに案内することができた。
【0091】
この実験の目的は、異なるmAbの結合における異種性を検出するために[18F]DK222の可能性を評価することであり、このために、それが処理について利用できる複数のmAbsの間の選定を案内するために使用することができることを原則的に提供する。この実験のために、三つのmAbsが選定され(アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ)、Yu(ユー)ら、2019、およびニボルマブは推定的(a priori)陰性コントロールとして使用された。動物の別々のグループに、これらのmAbsのうちの一の(唯一の)単一の1mg/kg用量を注射し、および24または96時間のいずれかの後、各グループを[18F]DK222により注射し、画像化し、または犠牲にし、および[18F]DK222シグナルを定量化した(図6A)。任意のPD-L1 mAb対ニボルマブ間の24時間後にて、より一層低い[18F]DK222シグナルでの差は、PD-L1 mAbの飽和結合を構成する。一方、96時間にてのより一層高い[18F]DK222シグナルは24時間後のものと比較して、その結合部位からのmAbの損失を表し、より一層多くのPD-L1を[18F]DK222にアクセス可能にする。実験は二つの異なる腫瘍モデル:LOXIMVIおよびMDAMB231において繰り返された。
【0092】
LOX-IMVI腫瘍保有マウス(LOX-IMVI tumor-bearing mice)のPET画像は、aPD-L1 mAbsにより24時間処理したすべてのグループにおいて[18F]DK222での著しい減少を示した。一方、ニボルマブ処理動物における[18F]DK222の取込みは、ビヒクル処理のそれと同様であった。アテゾリズマブおよびアベルマブにより処理したマウスの腫瘍では、96時間目に[18F]DK222取込みの有意な増加が観察されたが、デュルバルマブで処理したマウスではそうでなかった(図6B)。ニボルマブ処理マウスにおける24時間および96時間にての[18F]DK222取込みは有意ではなく、取込みがaPD-L1 mAb処理に特異的であることが示唆される。これらの観察を検証するために、さらなる分析を実行した。
【0093】
18F]DK222取込みがaPD-L1 mAbsの差動効果を定量化するために使用されることができるという仮説をテストするために、治療上のmAb結合の異種性を定量化するための二つの異なる統計的解析戦略を使用した。まず、ランダム効果モデルでは、選ばれた三つのmAbは利用可能な様々なmAbのランダムサンプリングと考えられた。この実験は次のような問いに答えるために設計した;「[18F]DK222シグナルにおける分散(variance)のうち、(a)異なるmAbsが存在するという事実、または(b)これらのmAbsが活性処理としてそれらのすべてを一緒にひとまとめにするのではなく、24より96時間までの(24-to-96 hours)の間にそれぞれ異なる動態をもち得ることによって、どの程度説明することができるのか?」である。この疑問に答えるために、三つのaPD-L1 mAbsをランダム効果として選び、およびPD-L1 mAbs対不活性mAb、タイムポイント、およびタイムポイント間の活性処理の全体の差を固定効果として選んだ。ランダムおよび固定効果は、混合線形回帰モデルにおいて共同で推定され、および異種性の尺度は「クラス内相関係数(ICC)」によって規定する。
【0094】
ICCは異なる活性mAbに起因する合計分散の割合(またはパーセンテージ)を定量化する。ICCは、0より1まで(0より100%まで)の間に及ぶことができ、ICCが大きいほど、様々なaPD-L1 mAbs間で予想されるPDおよびPKの分散が大きい。LOX-IMVI腫瘍におけるランダムなPD-唯一の効果のモデルのICCは0.23(対ランダム効果なしのp値=8.9×10-5)であり、[18F]DK222シグナル(%ID/g)での分散の23%がPD-L1占有における違いから生じることが指し示される。ランダムなPD-PK効果モデルのICCは0.36(対ランダム効果なしのp
値=3×10-6;対ランダムPDモデルp値=0.0014)であり、[18F]DK222の%ID/gでの分散の36%が腫瘍母地における異なるmAbのPDおよびPKの違いから生じることが指し示される。同様に、MDAMB231腫瘍モデルでは、ランダムなPDの唯一の効果のモデルのICCは0.54(対ランダム効果なしのp値=0)である。ランダムPD-PK効果モデルのICCは0.77(対ランダム効果なしのp値=0;対ランダムPDモデルp値=0)であり、MDAMB231の%ID/gでの分散の77%が腫瘍母地における異なるmAbの異なるPDおよびPKから生じることを指し示す(図20)。
【0095】
第二に、固定効果モデルにおいて、三つの固定PD-L1 mAbsのそれぞれは互いに対して比較されるべき特定の選択肢として考えられる。問題は以下である:「アテゾリズマブ、アベルマブ、またはデュルバルマブのうち、どれが時間経過とともにPD-L1をより一層効果的に特異に関与させるのか?」を調査した。この実際的な問題に答えるため、各PD-L1 mAb(特定の飽和PD)、各タイムポイント(全体PK、24および96時間)、および各mAb*時間の組合せ(mAb特異的PK)を固定効果と考え、および通常の線形回帰モデルにおいて一緒に推定した。この解析結果は、(a)24時間にての各々のPD-L1 mAbs対ニボルマブについてのアクセス可能なPD-L1レベルの差(%ID/g)、および(b)特定のmAbについて、96時間対24時間(96h vs 24h)にてのアクセス可能なPD-L1レベルの差をニボルマブの96より24時間までの差(96-to-24 hour difference)と比較したものとして与える。
【0096】
異なるmAbsおよびタイムポイントで処理したマウスのLOX-IMVI腫瘍および組織における[18F]DK222取込みを図6Cに示す。24時間における平均LOX-IMVI腫瘍%ID/gは、ニボルマブコントロールにおいて高く(およそ20%ID/g)、および24より96時間までの間でほとんど変化しない(図6C)。一方、24時間では、すべてのPD-L1 mAbsはニボルマブよりも著しく低い平均腫瘍%ID/gを有した。96時間でのアクセス可能なPD-L1レベルは、アテゾリズマブおよびアベルマブのグループにおいて処理の24時間にて観察されたレベルよりも60より80%まで高かった(P<0.001)。しかし、デュルバルマブについてのアクセス可能なPD-L1レベルは70%以上により減少し、および96時間対24時間では同様であり、デュルバルマブによって長期的にPD-L1に関与していることが示唆される。これらの観察はMDAMB231異種移植モデルにおいて検証された(図6D)。
【0097】
要するに、ランダムおよび固定効果モデルはPD-L1 mAbsがアクセス可能なPD-L1レベルに経時的に影響を与える腫瘍母地での差のあるPKおよびPDを有することを明らかにする。さらに、これらの結果は、アクセス可能な標的レベルを定量化して腫瘍部位にてmAbsの薬理活性に関する洞察を得るためにPETの可能性を明確に実証する。
1.2 考察
【0098】
放射性核種とコンジュゲーションしたmAbsは、それらの体内分布および標的発現に関する洞察を得るために日常的に使用される。ほぼ26のそのような薬剤が臨床試験中である。De Vries(ド・フリース)ら、2019.PD-L1発現を検出するために、様々なmAbs、mAb-コンジュゲート(mAb-conjugates)、および小タンパク質が開発されてきた。Josefsson(ヨセフソン)ら、2015;Maute(マウテ)ら、2015;Chatterjeeら、2016;Truillet(トゥルイレット)ら、2017;De Silva(デシルヴァ)ら、2018;Jagoda(ジャーゴダ)ら、2019;Vento(ヴェント)ら、2019;Wissler(ウィスラー)ら、2019;Hettich(ヘティヒ)ら、2016;Donnelly(ドネリー)ら、2018.
【0099】
最近、Zr-89標識アテゾリズマブを用いた研究により、PD-L1発現における腫瘍内および腫瘍間の異種性を定量化するためのPETの可能性が強調された。Benschら、2018年.こうした進歩にもかかわらず、高コントラスト画像を提供し、および標準的な臨床ワークフローに適合する画像化剤が必要とされている。そのような高コントラスト画像(high-contrast images)はペプチドおよび低分子量PET薬剤によりしばしば観察される。
【0100】
本開示の主題は部分的には、その[18F]DK222ペプチドが、報告されたPD-L1画像化剤のものとは異なるPKおよび体内分布の特長を見せることを実証する。Benschら、2018;Mauteら、2015;Chatterjeeら、2016;Truilletら、2017;De Silvaら、2018;Jagodaら、2019;Donnellyら、2018;Lesniak(レスニアク)ら、2019;Heskamp(ヘスカンプ)ら、2019;Ehlerding(エーラーディング)ら、2019;Kikuchi(キクチ)ら、2017;Chatterjeeら、2017;Broos(ブロース)ら、2017;Josefssonら、2016;Natarajan(ナタラジャン)ら、2015;Heskampら、2015.
【0101】
そのうえ、[18F]DK222は日常的な臨床使用に必要なすべての顕著な特長を有する:1)PD-L1レベルでの動的変化を定量化するための高い親和性および特異性;2)多くの腫瘍型にわたるその使用を可能にするために、報告されたタンパク質ベースの画像化剤(reported protein-based imaging agents)と比較して扱いやすいPKおよび正常組織における低い非特異的蓄積;3)標準の臨床ワークフロー内に適合するための、放射性トレーサー投与の60分以内の適切な画像コントラスト;および4)他の目立つPET画像化剤、例えば、前立腺特異的膜抗原(prostate-specific membrane antigen)およびケモカイン受容体4の検出に使用するものなどのようなものに類似するヒト線量測定見積もり(human dosimetry estimates)。Szabo(サボー)ら、2015;Herrmann(ハーマン)ら、2015.
【0102】
腫瘍における放射性標識mAbの蓄積は治療に対する腫瘍応答を示すことができた。放射性トレーサー注入の複数日後に取得された腫瘍における[89Zr]アテゾリズマブシグナルは、IHCおよびRNA配列決定ベースの予測バイオマーカーよりもアテゾリズマブ療法に対する腫瘍応答のより一層良好な予測因子であることが見出された。Benschら、2018年.しかし、拡大を続ける(ever-expanding)PD-1/PD-L1治療開発アリーナ(arena)において、mAb治療用物質間のヘッド・トゥー・ヘッド(head-to-head)比較のため、または腫瘍でのそれらの分布および活性での違いについてより一層深い洞察を得るための[89Zr]mAbイメージングは、臨床上の解釈について実際的でない。Yuら、2019年.
【0103】
ここでは、高い親和性および速い薬物動態を有する放射性医薬品、例えば、[18F]DK222などのようなものが、ベースラインPD-L1レベル定量化を超えて、および治療ガイダンスに有用であることが実証される。異なるaPD-L1 mAbsのインサイツ(in situ)薬理活性を評価するためのそのような測定法の可能性は、採用した前臨床モデルにおいて、他のaPD-L1 mAbsと比較して延長された標的への関与をデュルバルマブによって発見したことによって示される。重要なことに、これらのPD測定は、PD-L1レベルおよびターンオーバー、腫瘍におけるそれらのmAbsの複雑な血清および腫瘍の動態(または運命)、ならびに腫瘍内在性パラメータ、例えば、抗体の浸透および蓄積を妨げる高い間質圧および貧弱な血管などのようなものを含め、抗体濃度に影響を及ぼす複数の要因を包み込む。さらに、それら三つのmAbsは、別個のPK[アテゾリズマブ(アイソタイプIgG1κ、KD、0.4nM、t1/2、27日)、アベルマブ(IgG1λ、0.7nM、6.1日)、およびデュルバルマブ(IgG1κ、0.022nM、18日)]を見せ、およびこれらのmAbsの腫瘍残存動静(tumor residence kinetics)は循環半減期プロファイルの反映ではないが、PD-L1についてmAb親和性を反映する。Tan(タン)ら、2017年.
【0104】
今回の研究のアプローチおよび知見はまた、処理レジメンの改善のための、ならびに薬剤開発および評価における潜在的な意味をもつ。予測計算モデルは、mAbsの臨床開発および投薬において日常的に使用される。Agoram(アゴラム)、2007;Agoram、2009.しかし、それらの機構モデルに基づく個別化ガン処理は、使用される前臨床情報ならびに前臨床実験およびペイシェント間の翻訳可能性(translatability)の欠如により偏り得る。ここに示す非侵襲的な測定はその橋渡しを形成することができた。さらに、様々な次世代mAb治療用物質、例えば、TMEにおいて特異的に活性化されるプロボディ(probodies)、Giesen(ギーセン)ら、2019、および複数の標的への同時結合を促進することによってより
一層高い結合活性の(higher-avidity)結合を可能にするマルチ特異的mAbコンジュゲート、Lan(ラン)ら、2018などのようなものの出現は、従来のインシリコ(in silico)モデルとは異なるPKを見せる可能性があり、および新しいアプローチ、例えば、腫瘍にての薬力学的効果を測定することなどのようなものも必要になり、それは腫瘍にてのそれらの薬理活性を考慮される。
【0105】
DK222はより一層親水性のペプチドであり、およびWL12を含め、他の報告されたペプチドとインビボ分布において大きく異なることに注目することが重要である。WL12は、親油性のため、いくつかの組織において高い肝臓、腎臓、および非特異的な蓄積を示す。MDAMB231腫瘍についての[64Cu]WL12のための放射性トレーサー注入後120分での腫瘍-対-血液および腫瘍-対-筋肉比は、それぞれ12.9+2.1および2.72+0.45であった。一方、[18F]DK222の腫瘍-対-血液および腫瘍-対-筋肉比はそれぞれ35.69+3.89および9.45+0.51であった(比放射能:250mCi/μmole(マイクロモル))。腫瘍以外では、[18F]DK222のクリアランスに関与する器官である腎臓でのみ高い放射能取込みが認められる。その高い腫瘍の取込みおよび低い背景組織(background tissue)の取込みは、高い画像コントラストのPD-L1特異的画像がもたらされる。
【0106】
さらに、本開示のDK222はまた、これまでに報告されたペプチド類似物とは異なる放射性標識をされる(即ち、国際PCT特許出願公開第WO/2017/201111(PCT/US2017/033004)、PET-IMAGING IMMUNOMODULATORS(PET-イメージング免疫修飾物質)について、Donnellyらへ、11月23日、2017年公開、それはその全体を参照によりここに組み込む)。DK221のリジンε-アミンは、NHSエステル法を用いた二官能性キレーターコンジュゲーションのために用いられ、および以前に用いた方法よりマイルドな条件を必要とし、それはペプチド合成中にグリシンを組み込むこと、またはコンジュゲーションのために厳しい条件を用いることが要求されるアミノアセトアミド末端でのすべてのコンジュゲーションを行った。
【0107】
18F]AlFベースの放射性標識の使用は、特別な装置を必要とせずに60分以内に達成することができるワンステップの放射性標識手順を容易にする。AlF放射性標識戦略はまた、見られる高コントラスト画像のために必要とされる分子の親水性をそのまま維持する。AlF放射性標識はNOTAまたはNODAGA類似物で以前に報告されたが、我々はPD-L1画像化剤の開発のために適用される既存の放射性標識戦略に対する利益をさらに提供する、記載されたNODA類似物と共に、より一層ローバストで、および一貫した放射性フッ素化を観察した。
【0108】
AlFをPyl放射性標識戦略([18F]DK221-Py)に置き換えると、分子のPKが変化し、および乏しい画像コントラストを招き、フッ化アルミニウム放射線標識NODAコンジュゲーテッドDK221の重要性を記載した画像化剤の開発のために最適な選定が強調される。望ましいコントラストを達成するために、あるものはPEGや他のリンカーを加えることによって、[18F]DK221-Pyのインビボでの薬物動態および体内分布をさらに調節することができた。
1.3 材料および方法
【0109】
1.3.1 化学物質.DK221は、>95%の純度を有しCPC Scientific(CPCサイエンティフィック)(Sunnyvale(サニーヴェール)、CA(米国カリフォルニア州))によりカスタム合成された。(2,2'-(7-(4-イソチオシアナトベンジル)-1,4,7-トリアゾナン-1,4-ジイル)二酢酸)(NCS-MP-NODA)はChematech Macrocycle Design Technologies(ケマテック・マクロサイクル・デザイン・テクノロジーズ)(カタログ番号C110;Dijon(ディジョン)、France(フランス国所在))より購入した。他のすべての化学物質はSigma-Aldrich(シグマ-アルドリッチ)またはFisher Scientific(フィッシャー・サイエンティフィック)から購入した。
【0110】
1.3.2.細胞培養試薬および抗体.すべての細胞培養試薬はInvitrogen(インビトロゲン)(Grand Island(グランドアイランド)、NY)から購入した。aPD-L1 mAbs(アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ)およびaPD-1 mAbs(ニボルマブ、ペムブロリズマブ)はJohns Hopkins School of Medicine Pharmacy(ジョンズ・ホプキンス・スクール・オブ・メディシン・ファーマシー)から購入した。
【0111】
1.3.3 DK222の合成.DK221は配列Cyclo(環式)-(-Ac-Tyr-NMeAla-Asn-Pro-His-Glu-Hyp-Trp-Ser-Trp(カルボキシメチル)-NMeNle-NMeNle-Lys-Cys-)-Gly-NH2を有する14アミノ酸環状ぺプチドである。それは前にペプチド6297として報告された。Millerら、2016年.DK221のNODA共役類似物(Cyclo-(-Ac-Tyr-NMeAla-Asn-Pro-His-Glu-Hyp-Trp-Ser-Trp(カルボキシメチル)-NMeNle-Lys(NODA_NCS[18F]AlF)-Cys-)-Gly-NH2)は以下のように調製した。20mLバイアルにおいてのDK221(4.0mg、2.04μmoles(モル))のジメチルホルムアミド(1.0mL)中の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(5.0μL)、続いてNCS-MP-NODA(1.6mg、4.07μmoles)を添加した。反応混合物を室温にて4時間撹拌した。反応混合物を半調製C-18のLuna(ルナ)カラム(5mm、10×250mmのPhenomenex(フェノメネクス)、Torrance(トランス)、CA)を用いて逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)システム上で精製した。精製のためのHPLC条件は、流速5mL/min(分)にて30分間での50-90%メタノール(0.1%トリフルオロ酢酸)およびH2O(0.1%トリフルオロ酢酸)であった。望ましいDK222を15.5分にて収集し、溶媒を蒸発させ、残留物を脱イオン水において再構成し、および凍結乾燥して65%収率で粉体にした。精製したDK222は、マトリクス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析(matrix assisted laser desorption/ionization time-of-flight mass spectrometry)(MALDI-TOF MS)によって特徴付けた。算出[M+H]+:2348.68、観察:2349.06(図10および図11).
【0112】
1.3.4 [19F]DK222の合成.2mLのNaF(1M、0.5MのNaOAcにおいて、pH4)および2mLのAlCl3(0.2M、0.5MのNaOAcにおいて、pH4)の溶液を20mLのバイアルにおいて室温にて10分間撹拌した。このバイアルに、DK222(5mg、2.12μモル(moles)、200μLのアセトニトリルおよび100μLの0.5MのNaOAcにおいて、pH4)の調製溶液を加え、および110℃にて35分間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、および合計容量の半分まで蒸発させた。反応混合物を三連の予め活性化されたSep-Pak plus C18(Sep-PakプラスC18)カートリッジにロードし、およびその後5mLの水により洗浄した(×5)。望ましい[19F]DK222を水中50%アセトニトリルにより溶出した(5mL×5)。集めた画分を合わせ、rotavap(ロタバップ)下で濃縮し、水中20%アセトニトリルにおいて再構成し、および80%の収率でオフホワイトの粉体を形成させるために凍結乾燥した。結果として生じる純粋な生成物をMALDI-TOFによって特徴付けた。算出[M=H]+:2392.65、観察:2393.03.次いで、純粋な[19F]DK222複合体をRP-HPLC条件の最適化のために、放射標識についての標準として、ならびにPD-L1およびPD-1競合結合アッセイのために使用した。[19F]DK222のHPLCクロマトグラムおよび質量分析を図10および図11に示す。
【化14】
【0113】
1.3.5.MALDI-TOF分析.DK222およびその前駆体のMALDI-TOFスペクトルは、ジョンズ・ホプキンス大学質量分析コア施設(the Johns Hopkins University Mass Spectrometry core facility)にて利用可能なVoyager(ボイジャー)DE-STR MALDI-TOFで得られた。簡単に言うと、サンプルはAmicon Ultra-15(アミコン・ウルトラ-15)遠心フィルターユニット(カタログUFC901008)を用いて0.1%TFAを有する水において平衡化した。サンプルは、40%アセトニトリルおよび0.1%TFAに溶解した10mg/mlシナピン酸(3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシけいひ酸)マトリクスと混合(1:2希釈)した。それらのサンプル1μLをMALDIプレート(Applied Biosystems(アプライド・バイオシステムズ))に4連(quadruplet)においてスポットし、および風乾させた後、最適な装置設定を用いてスペクトルを取得した。データは、Applied Biosystems Data Explorer software version(データ・エクスプローラー・ソフトウェア・バージョン)4.8を使用して解析した。
【0114】
1.3.6 [18F]DK222の放射性医薬品の調製.JHU PET Center(JHU PETセンター)サイクロトロンから受け取った[18F]フッ化物(非キャリア添加)は、予め調整したChromafix(クロマフィックス)30PS-HCO3カートリッジ上に捕捉した。その後、カートリッジは金属フリーの水(5mL)で洗浄した。18Fは100μLの0.4MのKHCO3によりカートリッジから溶出した。溶液のpHを10μLの金属フリーの氷酢酸によりおよそ4に調整し、次いで0.1M酢酸ナトリウム緩衝剤(pH4)において2mMのAlCl3・6H2Oの20μLを追加した。結果として生じる溶液は、Al18F複合体を形成させるために室温で2-4分間インキュベーションした。前駆体DK222(およそ100マイクログラム、42nmoles(ナノモル))をアセトニトリルとNaOAc(0.1M、pH4)の2:1溶液300μLにおいて溶解し、および次いでAl18Fを含むバイアルに添加した。結果として生じる反応混合物を110℃で15分間加熱した。次に、反応バイアルを室温まで冷却し、および400μLのDI Water(脱イオン水)により希釈した。取得した放射性標識生成物を含む水溶液を、Agilent Technology 1260 Infinity photodiode array detector(アジレント・テクノロジー1260インフィニティ・フォトダイオード・アレイ検出器)(Agilent Technologies(アジレント・テクノロジーズ)、Wilmington(ウィルミントン)、DE(デラウェア州))を備えたRP-HPLCシステム(Varian ProStar(バリアン・プロスター))上で精製した。セミ分取型のC-18のLunaカラム(5mm、10×250mmのPhenomenex、Torrance、CA)は、50%のメタノール(0.1%のTFA)から始まり、および30分での90%のメタノールに達する勾配溶出を、5mL/分の流速にて水(0.1%のTFA)と共に共溶媒として使用した。およそ16.2分の保持時間で溶出した放射性標識生成物、[18F]DK222を収集し、高減圧下で蒸発させ、10%EtOHを含むセーリーンと共に調剤し、滅菌ろ過し、ならびにインビトロおよびインビボ評価のために使用した。
【0115】
放射化学的純度、化学的同一性、およびインビトロ安定性HPLCクロマトグラムを図11A-図11Cにおいて示す。
【化15】

【0116】
1.3.7 細胞培養.七つの細胞系をインビトロおよびインビボ評価に使用した:MDAMB231およびSUM149(トリプルネガティブ乳ガン)、LOX-IMVI、MeWoおよびA375(メラノーマ)、CHO、およびPD-L1(hPD-L1)を構成的に発現するCHO細胞である。MDAMB231、MeWo、A375、およびCHO細胞は、the American Type Culture Collection(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション)から購入し、および推奨されるように培養した。PD-L1を構成的に発現するCHO細胞(hPD-L1)は、我々の研究室において生成させ、以前に記載されたように培養した。Chatterjeeら、2016.SUM149細胞系はDr. Stephen Ethier(ステファン・イーシアー博士)から取得し、およびLOX-IMVI細胞系はNCI developmental therapeutic program(NCIディベロップメンタル・セラピューティック・プログラム)から取得した。すべての細胞系は、the Johns Hopkins genetic resources facility(ジョンズ・ホプキンス遺伝資源施設)でのSTRプロファイリングによって認証された。SUM149細胞は、5%FBS、1%P/S、5μg/mLインスリン、および0.5μg/mLヒドロコルチゾンを含むHam's F-12 medium(ハムのF-12培地)で維持した。すべての細胞系は、推奨された培地で、37℃、5%CO2を含む雰囲気のインキュベーターにおいて培養した。タンパク質発現に使用したヒト胚性腎臓(HEK)293F細胞(Thermo Life Technologies(サーモ・ライフ・テクノロジーズ))は、37℃にて5%の周囲CO2と共に0.01%ペニシリン-ストレプトマイシン(Gibco(ギブコ))を含むFreeStyle 293(フリースタイル293)発現培地(Thermo Life Technologies)での懸濁物において維持した。
【0117】
1.3.8 フローサイトメトリーによるPD-L1発現の検出.100μLのPBSにおいて2×105個の細胞をCy5-アテゾリズマブにより、4℃で30分間、直接染色することによってPD-L1表面発現について評価した。Cy5-アテゾリズマブは、以前に記載されたように調製した。Kumarら、2019年.次いで、細胞を洗浄し、およびフローサイトメトリーによって平均蛍光強度(MFI)について分析した。付着細胞は、酵素フリー細胞解離緩衝液(Thermo Fisher Scientific、Waltham(ウォルサム)、MA(マサチューセッツ州))を用いて剥離した。
【0118】
1.3.9 [18F]DK222を用いたインビトロ結合アッセイ.hPD-L1 MDAMB231、MeWo、A375、Sum149、およびCHO細胞への[18F]DK222のインビトロ結合は、1×106細胞を1μMのDK222または60nMのmAbsの存在、または不存在下でおよそ0.1μCiの[18F]DK222と共に4℃にて30分インキュベーションすることによって測定した。インキュベーション後、細胞を0.1%Tween(ツイーン)20を含む氷冷PBSにより三回洗浄し、および自動化ガンマカウンター(1282 Compugamma CS(コンピュガンマCS)、Pharmacia/LKBNuclear, Inc.(ファルマシア/LKBニュークリアー社)、Gaithersburg(ゲーサーズバーグ)、MD(メリーランド州))で計数した。[18F]DK222のPD-L1特異的結合を実証するために、1μMの非修飾ペプチドDK221によりブロッキングを実行した。すべての細胞放射能取込み研究は、各細胞系について4重で実行し、および三回繰り返した。
【0119】
1.3.10.インビボ研究.すべてのマウス研究は、Johns Hopkins University Animal Care and Use Committee(ジョンズ・ホプキンス大学動物ケアおよび使用委員会)(ACUC)承認のプロトコルを通して行った。異種移植片は、the Johns Hopkins University Immune Compromised Animal Core(ジョンズ・ホプキンス大学免疫障害アニマルコア)から取得した五より六週齢までの(five-to-six-week-old)、雄または雌、非肥満、糖尿病、重症複合免疫不全ガンマ(NSG)マウスにおいて確立した。huPBMCマウスはJackson(ジャクソン)(JAX)研究所から購入し、およびそのまま(as-is)実験のために使用した。
【0120】
1.3.11 異種移植モデル.マウスはMDAMB231(2×106、同所性(orthotopic))、SUM149(5×106、同所性)、LOX-IMVI(5×106、皮内)、MeWo(5×106、皮内)、またはA375(2×106、皮内)細胞を用いて吻端(rostral end)において植え込んだ。高いPD-L1を発現する細胞系と共に二つの細胞系をマウスの右側に使用した場合、反対側の脇腹に細胞を
接種した。腫瘍容量が200-400mm3のマウスは、処理、イメージング、または体内分布実験のために使用した。
【0121】
1.3.12 マウス異種移植片のPET-CTイメージング.[18F]DK222のインビボ分布および薬物動態を定めるために、PET画像を複数の時点で取得した。MDAMB231腫瘍を有するマウスに、~200μCi(7.4mBq)の[18F]DK222を200μLのセーリーンにおいて静脈内注射し(n=3)、およびスキャナに置く前に3%イソフルオラン(isofluorane)下で麻酔をかけた。ARGUS小動物用PET/CTスキャナ(Sedecal(セデカル)、Madrid(マドリード)、Spain(スペイン国))において、放射性トレーサー注入後15、60、および120分に、二つのベッド位置で5分/ベッドにて記載されたとおりPET画像を取得した。Lesniakら、2016.解剖学的共同登録(anatomical co-registration)のために、各PETスキャンの終了時にCTスキャン(512投影)を実行した。PETデータは、2次元順序付きサブセット-期待値最大化アルゴリズム(the two-dimensional ordered subsets-expectation maximization algorithm)(2D-OSEM)を用いて再構成し、および不感時間および放射性崩壊について修正した。ccあたりの%ID値は既知の放射性の量(radioactive quantity)から得られた校正ファクターに基づいて算出した。画像フュージョン、視覚化、3DレンダリングはAmira 6.1(R)(R)は米国等での登録商標表示、アミラ6.1)(FEI、Hillsboro(ヒルズバラ)、OR(オレゴン州))を用いて実現した。PETまたはPET/CT画像は、他のすべての腫瘍モデルにおいて、放射性トレーサー注入後60分(一または二床、5分/床)にて取得した。
【0122】
ここで報告する他のすべてのPETイメージング研究について、マウスは、200μLのセーリーンにおけるおよそ200μCi(7.4mBq)の[18F]DK222を静脈内に受けさせ、およびARGUS小動物PET/CTスキャナにおいて注入後60分に5分/床にてPETまたはPET/CT画像を取得した。
【0123】
1.3.13 エクスビボ体内分布.イメージング研究を検証するために、記載されているように、ヒト腫瘍異種移植片(MDAMB231、Sum149、LOX-IMVI、およびMeWo)を保有するマウスにおいて、エクスビボ体内分布研究を行った。Lesniakら、2016.MDAMB231腫瘍を保有するマウスに、50μCi(1.85MBq)の[18F]DK222を静脈内注射し、および注射後5、30、60、120、240、または360分にて組織を収集した。他のすべての腫瘍モデルでは、[18F]DK222注入後60分にて体内分布試験を行った。ブロッキング試験のために、2mg/kg(50μg)の非修飾ペプチドを放射性トレーサーと同時注入した。放射線用量計算を容易にするために、収集した組織は、腫瘍、血液、胸腺、心臓、肺、肝臓、胃、膵臓、脾臓、副腎、腎臓、小腸および大腸、卵巣、子宮、筋肉、大腿骨、脳、および膀胱を含んだ。採取した組織は、自動ガンマカウンター(Perkin Elmer - 2480 Automatic Gamma counter - Wizard2 3" Wallac(パーキン・エルマー-2480オートマチック・ガンマ・カウンター-ウィザード2 3"ワラック)、Waltham、MA)において秤量し、および計数し、および組織の1グラムあたりの注入用量の割合(%ID/g)の値は、三連において測定した信号減衰修正および外部[18F]標準に対する正規化に基づいて算出した。示された体内分布データは平均±平均の標準誤差(SEM)である。
【0124】
ここで報告する他のすべての体内分布研究について、マウスは、~50μCi(1.85mBq)の[18F]DK222を200μLのセーリーンにおいて静脈内に受け、および体内分布研究は[18F]DK222注入後60分にて行った。選ばれた組織(腫瘍、血液、心臓、肺、肝臓、脾臓、腎臓、小腸、および筋肉)を収集し、秤量し、計数し、およびその%ID/g値を算出した。
【0125】
1.3.14 aPD-1mAb投薬研究.JAXラボから取得したhuPBMCマウスに、2x106個のA375細胞を吻端において皮下移植した。細胞接種から七日後(平均腫瘍容量=80±15mm3)、マウスを無作為化し、およびニボルマブまたはペムブロリズマブの単一の12mg/kg用量を静脈内注射により処理した(n=9/グループ)。セーリーンにより処理したhuPBMCマウス(n=4-5/
グループ)。またはニボルマブまたはペムブロリズマブの12mg/kg用量により処理したNSGマウスはコントロールとして使用した。処理から七日後に、1グループあたり少なくとも3-5匹のマウスについて[18F]DK222 PETスキャンを取得した。マウスは、処理後8日目およびPET画像化後24時間での体内分布研究のために使用し、およびデータを記載されたように加工した。収穫した腫瘍を半分に切り、およびフローサイトメトリー分析のためにまたはPD-L1およびCD3についてのIHC分析のために使用した。
【0126】
1.3.15 フローサイトメトリー解析.エクスビボ体内分布解析後、腫瘍および脾臓をMACS組織保存液(MACS Tissue Storage Solution)(Miltenyi Biotec(ミルテニー・バイオテク)#130-100-008)において4℃で夜通し貯蔵した。腫瘍および脾臓は、製造元の指示に従い翌日に解離させた(Miltenyi Biotec 130-095-929)。簡単に言えば、各異種移植片および脾臓を3-4mmの小片に切断した。各腫瘍について、切断片は、100μL酵素H、50μL酵素R、および12.5μL酵素Aを含む2.5mLのRPMI-1640培地において懸濁させた。各脾臓について、切断片は、50μL酵素Dおよび15μL酵素Aを含む2.5mLのFACSバッファー(緩衝剤)において懸濁させた。推奨プログラムは、腫瘍および脾臓について、gentleMACSTMOcto Dissociator with Heaters(TMは米国等でのトレードマーク表示、ヒーターを有するジェントルMACS・オクト・ディソシエーター)(Miltenyi Biotec #130-096-427)を用いて動かした。チューブの底でのサンプル物質を収集するために、短い遠心分離ステップを実行した。サンプルを再懸濁し、およびストレーナー(腫瘍は70μm、脾臓は30μm)に通し、300xgで7分間遠心し、上清を捨て、および細胞を2.5mLのFACS緩衝剤に再懸濁させた。細胞を数え、1x106個の細胞を96ウェルプレート中の100μLのLive/Dead aqua solution(ライブ/デッド・アクア・ソリューション)(ThermoFisher(サーモフィッシャー)#L34965、2mLのPBSにより再構成した2μL)に再懸濁させた。細胞を15分間インキュベーションし(暗所、RT)、および150μLのPBSにより洗浄した。FcブロッキングはBiolegend Tru
Stain(バイオレジェンド・トゥルー・ステイン)(#422301 Fc Block(Fcブロック)(100μLのFACS緩衝剤における1μL))により実行し、およびサンプルを10分間インキュベーションした(暗所、4℃)。150μLの冷FACS緩衝剤により洗浄後、100μLのFACS緩衝剤において以下の希釈における興味あるマーカーをターゲットとした抗体によりサンプルを染色した。
【表2】
【0127】
15分間インキュベーションし(暗所、RT)、200μLのFACS緩衝剤で洗浄し、および200μLのFix/Perm(フィックス/パーム)(eBio Foxp3staining kit(eBio Foxp3ステイニング・キット)# 00-5523-00:1 vol Fix-Perm concentrate with 3 vols Diluent(3容量の希釈剤を有する1容量のフィックス-パーム濃縮物))により固定した。サンプルは翌日LSR IIで500μLのFACS緩衝剤において再懸濁した。すべてのデータはFlowJo(フロージョ)v10.4.1上で解析した。
【0128】
1.3.16 免疫組織化学的分析.PD-L1についての免疫化学的分析は、クローン(E1L3N(R))XP(R)ウサギ抗ヒトPD-L1(Cell Signaling(セル・シグナリング)、13684、希釈:1:250)を用いて前に記載のように実行した。Gniadek(グニアデック)ら、2017年.CD3の免疫組織化学的染色は、)クローンを用いるNDBio Inc.(NDバイオ社)、(Baltimore(ボルティモア))によるPolyclonal Rabbit Anti-Human CD3(ポリクローナル・ラビット・アンチ-ヒューマンCD3)、(Dako/Agilent(ダコー/アジレント)、A0452、希釈:1:100)を用いて実行した。
【0129】
1.3.17 aPD-L1 mAb投薬研究.腫瘍におけるアクセス可能なPD-L1レベルに対する抗体用量の効果を定めるために、LOX-IMVI腫瘍保有マウスをアテゾリズマブ(0.3または20mg/Kg)の単回静脈内ボーラス用量で処理し、および24時間後のマウスをイメージング(n=3-4)および体内分布(n=6-8)研究のために使用した。
【0130】
PD-L1治療用物質による処理後の腫瘍におけるアクセス可能なPD-L1レベルの時間的変化を定めるために、LOX-IMVI腫瘍保有マウスをアテゾルズマブ、アベルマブ、またはデュルバルマブ(1mg/kg)の単回静脈内ボーラス用量で処理し、抗体処理後24および96時間にイメージング(n=3)および体内分布試験(n=8-18)を行った。抗PD-1抗体ニボルマブ(1mg/kg)およびセーリーンをコントロールとして使用した。治療用mAbsで24時間処理したマウス、またはコントロールとしてセーリーンを用い、200μLのセーリーンにおける200μCiの[18F]DK222により静脈内注射し、および放射性トレーサー注入の1時間後にPET画像を取得した。多くの数のグループおよびマウスが関与しているため、セーリーンおよびニボルマブで処理したコントロールがあらゆる実験において含まれ、および複数の実験からのデータをプールした。研究は、MDAMB231腫瘍を保有するマウスにおいて体内分布の測定だけにより繰り返した。
【0131】
1.3.18 データ解析.統計解析は、Prism 8 Software(プリズム8ソフトウェア)(GraphPad Software(グラフパッド・ソフトウェア)、La Jolla(ラホーヤ)、CA)を用いて実行した。独立スチューデントt検定(Unpaired Student's t-test)、一または二元配置のANOVAは、カラム、多重カラム、およびグループ化された分析にそれぞれ利用した。データは平均±SEMを表す。P値<0.05は統計的に有意であると考えられた。
1.4 合成
1.4.1 DK221の類似物
1.4.1.1 DK222(DK221-NODA)
【化16】
【0132】
1.4.1.1.手順:20mLバイアルにおけるDK221(4.0mg、2.04μmoles)のジメチルホルムアミド(1.0mL)中の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(5.0μL)を加え、次いでNCS-MP-NODA(1.6mg、4.07μmoles)を続けた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物は、半調製C-18 Lunaカラム(5mm、10×250mmのPhenomenex、Torrance、CA)を用いて逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)システム上で精製した。精製のためのHPLC条件は、50-90%メタノール(0.1%トリフルオロ酢酸)およびH2O(0.1%トリフルオロ酢酸)の流速5mL/分での30分であった。望ましいDK222を15.5分にて収集し、溶媒を蒸発させ、残留物を脱イオン水において再構成し、および凍結乾燥して65%収率で粉体にした。精製したDK222は、マトリクス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF MS)によって特徴付けた。算出[M+H]+:2348.68、観察:2349.06.DK222のMALDI-TOF MSを図21に示す。
1.4.1.2 DK331(DK221-ビオチン)
【化17】
【0133】
1.4.1.2.手順:20mLバイアルにおけるDK221(5.0mg、2.55μmoles)のジメチルホルムアミド(1.0mL)中の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(5.0μL)を加え、次いでビオチン-NHS-Ester(2.0mg、5.85μmoles)を続けた。反応混合物を室温で3-4時間撹拌した。反応混合物は、半調製C-18 Lunaカラム(5mm、10×250mmのPhenomenex、Torrance、CA)を用いて逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)システム上で精製した。精製のためのHPLC条件は、20-60%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸)およびH2O(0.1%トリフルオロ酢酸)の5mL/分の流速にての25分であった。望ましいDK331は、57%の収率で粉末状に凍結乾燥し、それをESI MSで特徴付けた。算出[M-H]-:2182.50、観察:2181.1.DK331のESI-MSは図22に示す。DK331のMALDI-MSは図23に示す。
1.4.1.3.DK225(DK221-NODAGA)
【化18】
【0134】
1.4.1.3.手順:20mLバイアルにおけるDK221(4.0mg、2.04μmoles)のジメチルホルムアミド(1.0mL)中の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(5.0μL)を加え、次いでNODAGA-NHS-Ester(エステル)(2.0mg、2.73μmoles)を続けた。反応混合物を室温で3-4時間撹拌した。反応混合物は、半調製C-18 Lunaカラム(5mm、10×250mmのPhenomenex、Torrance、CA)を用いて逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)システム上で精製した。精製のためのHPLC条件は、20-60%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸)およびH2O(0.1%トリフルオロ酢酸)の5mL/分の流速での25分であった。望ましいDK225は、62%の収率で粉末状に凍結乾燥し、それをESI MSによって特徴付けた。算出[M+H]+:2313.57;観察:2314.0.DK225のESI-MSは図24に示す。
1.4.1.4.DK223(DK221-DOTA)
【化19】
【0135】
1.4.1.4.A.手順:20mLバイアル中のDK221(5.0mg、2.55μmoles)のジメチルホルムアミド(1.0mL)中の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(5.0μL)を加え、次いでDOTA-NHS-Ester(2.0mg、2.62μmoles)を続けた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を、半調製C-18 Lunaカラム(5mm、10×250mmのPhenomenex、Torrance、CA)を用いて逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)システム上で精製した。精製のためのHPLC条件は、20-60%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸)およびH2O(0.1%トリフルオロ酢酸)の5mL/分の流速にての25分であった。望ましいDK223を72%の収率で粉末状に凍結乾燥し、それをマトリクス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF MS)によって特徴付けた。算出[M+H]+:2342.62、観察:2343.09.DK223のMALDI-MSを図25に示す。
1.4.1.5.DK385(DK221-DOTAGA)
【化20】
【0136】
1.4.1.5.A.手順:20mLバイアルにおけるDK221(5.0mg、2.55μmoles)のジメチルホルムアミド(1.0mL)中の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(5.0μL)を加え、次いでDOTA-GA無水物(3.1mg、6.27μmoles)を続けた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物は、半調製C-18 Lunaカラム(5mm、10×250mmのPhenomenex、Torrance、CA)を用いて逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)システム上で精製した。精製のためのHPLC条件は、20-60%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸)およびH2O(0.1%トリフルオロ酢酸)の5mL/分の流速にての25分であった。望ましいDK385は、61%の収率で粉末状に凍結乾燥し、それはマトリクス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF MS)によって特徴付けた。算出[M+H]+:2400.65、観察:2401.09.DK385のMALDI-MSを図26に示す。
1.4.1.6.DK365(DK221-PEG12-NOTA)
【化21】

【0137】
1.4.1.6.A.ステップ-1:DK254の合成
1.4.1.6.A.i DK254の構造
【化22】

【0138】
1.4.1.6.A.ii 手順:20mLバイアルにおけるDK221(5.0mg、2.55μmoles)のジメチルホルムアミド(1.0mL)中の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(5.0μL)を加え、次いでFmoc-N-アミド-dPE12-NHSエステル(2.0mg、2.13μmoles)を続けた。反応混合物を室温で3-4時間撹拌した。反応混合物は、半調製C-18 Lunaカラム(5mm、10×250mmのPhenomenex、Torrance、CA)を用いた逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)システム上で精製した。精製のためのHPLC条件は、20-60%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸)およびH2O(0.1%トリフルオロ酢酸)の5mL/分の流速にての25分であった。望ましいDK254は、53%の収率で粉末状に凍結乾燥し、ESI MSによって特徴付けた。算出[M+Na+2H]2+:1400.5、観察:1400.4.DK254のESI MSを図27に示す。
1.4.1.6.B.ステップ-2:DK265の合成
【0139】
1.4.1.6.B.i.DK265の構造
【化23】

【0140】
1.4.1.6.B.ii 手順:20mLバイアルにおけるDK254(5mg)の溶液をジメチルホルムアミド:ピペリジン(1:1)(1.0mL)において室温にて2時間撹拌した。粗製反応混合物を蒸発乾固し、およびさらに精製することなく次のステップに使用した。粗製DK265は定量的に得られ、それをESI MSによって特徴付けた。算出[M+2H]2+:1277.7、観察:1277.5.DK265のESI-MSを図28に示す。
1.4.1.6.C.ステップ-3:DK365の合成
【0141】
1.4.1.6.C.i.手順:20mLバイアルにおけるDK265(5.0mg、2.0μmoles)のジメチルホルムアミド(1.0mL)中の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(5.0μL)を加え、次いでpSCN-Bn-NOTA(2.0mg、3.57μmoles)を続けた。反応混合物を室温で3-4時間撹拌した。反応混合物は、半調製C-18 Lunaカラム(5mm、10×250mmのPhenomenex、Torrance、CA)を用いて逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)システム上で精製した。精製のためのHPLC条件は、20-60%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸)およびH2O(0.1%トリフルオロ酢酸)の5mL/分の流速にての25分であった。望ましいDK365は、45%の収率で粉末状に凍結乾燥し、それをESI MSによって特徴付けた。算出[M+2H]2+:1502.2、観察:1502.4.DK365のESI-MSを図29に示す。
1.4.1.7.DK360(DK221-PEG12-NODA)
【化24】

【0142】
1.4.1.7.i.手順:20mLバイアルにおけるDK265(5.0mg、2.0μmoles)のジメチルホルムアミド(1.0mL)中の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(5.0μL)を加え、次いでNCS-MP-NODA(1.2mg、3.0μmoles)を続けた。反応混合物を室温で2-3時間撹拌した。反応混合物は、半調製C-18 Lunaカラム(5mm、10×250mmのPhenomenex、Torrance、CA)を用いて逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)システム上で精製した。精製のためのHPLC条件は、20-60%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸)およびH2O(0.1%トリフルオロ酢酸)の流速5mL/分にての25分であった。望ましいDK360は、47%の収率で粉末状に凍結乾燥し、それをESI MSによって特徴付けた。算出[M+2H]2+:1473.0、観察:1472.7.DK360のESI-MSを図30に示す。
1.4.1.8.DK388(DK221-PEG4-アルキン)
【化25】

【0143】
1.4.1.8.i.手順:20mLバイアルにおけるDK265(5.0mg、2.0μmoles)のジメチルホルムアミド(1.0mL)中の撹拌溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(5.0μL)を加え、次いでNCS-MP-NODA(1.2mg、3.0μmoles)を続けた。反応混合物を室温で2-3時間撹拌した。反応混合物は、半調製C-18 Lunaカラム(5mm、10×250mmのPhenomenex、Torrance、CA)を用いて逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)システム上で精製した。精製のためのHPLC条件は、30-60%アセトニトリル(0.1%ギ酸)およびH2O(0.1%ギ酸)の流速5mL/分にての25分であった。望ましいDK388は58%の収率で粉末状に凍結乾燥し、それはマトリクス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF MS)によって特徴付けた。算出[M]+:2198.48、観察:2198.91.DK388のESI-MSを図31に示す。
1.4.1.9.[18F]DK221Pyの合成
【化26】

【0144】
粗製[18F]PyTFPのRP-HPLCを図32に示す。粗製[18F]DK221PyのRP-HPLCを図33に示す。純粋な[18F]DK221PyのRP-HPLCを図34に示す。
【0145】
さらに、hPD-L1/CHO異種移植片における[18F]DK221Pyのインビボ評価を図35に示す。
参考文献
【0146】
明細に言及するすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、本開示の主題が関係する当技術において熟練した者のレベルを指し示す。明細で言及されたすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献(例は、ウェブサイト、データベース、など)は、各個々の刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献が参照によって組み込まれることが具体的に、および個別に指し示された場合と同じ程度に、参照によってそれらの全体がここに組み込まれる。いくらかの特許出願、特許、および他の参考文献がここで参照されるが、そのような参照は、これらの文書のいずれかが当技術における共通の一般的知識の一部を形成することの承認を構成しないことが理解されるであろう。本明細および組み込まれた参考文献間に矛盾がある場合、本明細(その修正を含め、それは組み込まれた参考文献に基づき得る)が支配するべきである。ここでは、別なふうに指し示されない限り、用語の標準的な技術を受け入れた意味が使用される。ここでは、様々な用語についての標準的な略語が使用される。
【0147】
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【0148】
前述の主題は理解を明晰にする目的で、図示および例示によってある程度詳細に説明したが、一定の変化および修飾が添付の請求の範囲の視野内で実践できることは、当技術において熟練した者によって理解される。
図1
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【国際調査報告】